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2010年11月17日 介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会(第5回) 議事録

老健局振興課

○日時

平成22年11月17日(水)9:00〜11:00


○場所

東海大学校友会館「阿蘇の間」
(住所:東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル35階)


○議題

・試行事業の進捗状況について
・介護福祉士によるたんの吸引等について
・たんの吸引等の実施のための制度化の論点について

○議事

○川又振興課長 おはようございます。朝からありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまから第5回「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」を開催させていただきたいと思います。
 初めに、本日の委員の出欠状況ですが、太田委員におかれましては御欠席との連絡を受けております。また、橋本委員におかれましては、本日どうしても欠席ということで、本日、代理といたしまして、さくら会の顧問、川島孝一郎様に御出席をいただいておりますので、御紹介させていただきます。
 なお、事務局の方ですが、文部科学省の人事異動によりまして、特別支援教育課長でございますが、本日、千原特別支援教育課長が出席しておりますので、御紹介させていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、大島座長の方で進行をよろしくお願いいたします。
○大島座長 おはようございます。それでは、検討会を始めさせていただきたいと思います。
 前回までについては、試行事業に向けてどういう枠組みで行っていくのかということ、実際に今、試行が始まっているわけですけれども、そういった議論が中心で、それと、将来的に制度に向けてどう向くのかということを行ったり来たりしながら議論をしてきたわけですが、今回からは、具体的に制度としてどう位置づけていくのかというところに話を踏み込んでいきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 この間の大きな動きとしまして、今後の介護人材養成の在り方に関する検討会で一つの方向性が示されています。今日は、その方向性について報告を受けるとともに、次の制度をどういう形でつくっていくのがいいのかというところに議論を進めさせていただきたいと思います。
 そういうことで、まず最初に、介護福祉士によるたんの吸引等について、議題1、そして議題2、たんの吸引等の実施のための制度化の論点についてということについて、2つの議題に分かれていますけれども、ほとんど不可分ですので、この点について報告を受けながら、その後、ご自由に議論をしていくという方向、最後に、試行事業の状況が一体どうなっているのかということについて報告を受けて今日の会議を閉めたいと考えていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、早速ですけれども、本日の議題、介護福祉士によるたんの吸引等につきまして、「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会」の議論の内容について、座長を務めてみえます駒村先生から御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○駒村参考人 ただいま御紹介いただきました今後の介護人材養成の在り方に関する検討会の座長をしております駒村でございます。本日は、機会をいただきまして大変ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 今後の介護人材養成の在り方に関する検討会は、本年3月より、厚生労働政務官の指示のもとに設置され、介護人材の養成の在り方について検討を行っているところであります。
 一方、介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方については、こちらの検討会で御議論いただいている課題でありますが、この議論の内容は、介護福祉士等の介護人材養成の在り方に大きな影響を与えることから、介護人材養成検討会、私の担当する検討会の委員も議論の推移に関心を寄せております。
 介護人材養成検討会において議論したところ、たんの吸引や経管栄養について、介護福祉士の業務とした上で、養成カリキュラムの中にたんの吸引や経管栄養についても含めていくべきであり、こちらのたんの吸引検討会で御議論いだくための意見を出してはどうかという結論に達したところでございます。
 それでは、こちらの検討会で取りまとめた意見書を読み上げたいと存じます。資料1をごらんください。
 前文は、ただいま申し上げた内容と同じですので、省略いたします。
 下の1、2、3を読み上げたいと思います。
 1 介護福祉士は、福祉・介護現場において中核的な役割を担う専門職であることにかんがみ、今後養成される介護福祉士には、その本来業務として、たんの吸引等を実施することが求められる。
 2 また、介護福祉士に対して、1に記載したような役割が求められることに鑑みると、今後は、介護福祉士の養成カリキュラムの中に、たんの吸引等に関する内容を追加する必要がある。
 3 ただし、既に介護福祉士の資格を取得している者については、一定の追加的な研修を修了した場合に限り、たんの吸引等を認めることが適当である。
 これは、今後の介護人材養成の在り方に関する検討会で取りまとめた意見でございます。
 以上です。ありがとうございました。
○大島座長 ありがとうございました。
 今の、ここだけはちょっと質問として聴いておきたいということがあればお聴きしたいと思います。議論は後でまとめてさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、引き続きまして、本日の議題2、たんの吸引等の実施のための制度化の論点について、事務局から説明していただいて、その後、議題1と議題2についてまとめて議論をお願いしたいと思います。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○川又振興課長 ちょっと事務局から補足ですが、今後の介護人材検討会、今、駒村座長から御紹介いただきましたが、あと、委員会から藤井賢一郎先生も今日、御参加いただいていますので、御紹介させていただきます。
 それでは、私から資料2と3につきまして続けて御説明させていただきます。
 資料2をお願いいたします。これは、「総理指示『介護・看護人材の確保と活用について』」ということで、本年9月26日に厚生労働省に指示のあったものでございます。
 特に、下の表記の2番目でございますけれども、介護人材の活用のため、在宅、介護保険施設、学校等において、介護福祉士等の介護職員が、たんの吸引や経管栄養等といった日常の「医療的ケア」を実施できるよう、法整備の検討を早急に進めること。また、併せて、介護職員がこうした「医療的ケア」を適切に実施することができるよう、レベルアップ研修事業を本年度中に前倒しで実施することという御指示を受けたところでございます。我々、事務局としても、この整備に向けて検討を進めたいとし、来年の通常国会に法案を出すというスケジュールで検討を進めているところでございます。
 また、研修事業につきましては、今、国会で御審議いただいています補正予算の中に、一部、研修の事業を前倒しで盛り込んでいるところでございます。
 引き続きまして、資料3でございますが、「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度に関する論点について」ということで、制度化に向けまして、その制度の骨格的なものとして整理をさせていただきました。8月9日の第4回の議論まででかなり中身的におまとめいただいた部分がございますので、それをベースにいたしまして制度にするという観点から、この論点という形でまとめさせていただきました。
 中身的には、8月9日の最後のときの資料をベースにしておりますけれども、特に今日、制度化に当たって御議論いただきたい点を点々の四角で「論点」という形で掲示しております。そのあたりを中心に御議論いただければと思います。
 内容でございますが、1番は、介護職員等によるたんの吸引等の実施ということで、1つ目の○は、必要な知識・技能を身につけた介護職員が、一定の条件のもとにたんの吸引等を行うことができる。2つ目の○が、その行為の範囲でございますけれども、これまで運用により許容されてきた範囲を基本として、たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)、それから経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)という形で、これは前回の資料等、8月9日のおまとめと同じでございます。
 論点として、この実施可能な行為の範囲に関してでございますけれども、たんの吸引のみ、あるいは経管栄養のみといったように、実施可能な行為及び実施のための研修に複数の類型を設けることが必要ではないか。2つ目は、まずはたんの吸引及び経管栄養を対象として制度化を行うが、将来的な拡大の可能性も視野に入れた仕組みとすべきではないかということでございます。
 2点目、たんの吸引等を実施できる介護職員等の範囲でございますが、(1)介護福祉士の点につきましては、先ほど駒村先生から御紹介のありました件でございます。介護福祉士によるたんの吸引等の実施ということで、介護の専門職である介護福祉士が、その業務としてたんの吸引等を行うことができるようにする。養成カリキュラムにたんの吸引等に関するカリキュラムを追加するということでございます。ただ、この場合、既に介護福祉士の資格を取得している者については、一定の追加的研修を修了することにより、たんの吸引等の行為を行うことができることとする。また、実施可能な行為の範囲については、まずはこの1番の範囲を行為の範囲とするということでございます。
 2ページ目をお願いいたします。(2)介護福祉士以外の介護職員等ということで、介護福祉士以外の介護職員等については、一定の条件下でたんの吸引等の行為を行うことができることとする。一定の研修を修了した介護職員等は、修了した研修の内容に応じて、一定の条件のもとにたんの吸引等を行うことができるということで、これは、研修によってこれができるようにするということでございます。
 3、たんの吸引等に関する教育・研修でございますが、(1)教育・研修を行う機関ということで、介護職員等に関してたんの吸引等に関する研修を行う機関を特定するとともに、研修の内容、指導を行う者に対する基準の遵守等について指導監督の仕組みを設けるということで、今の考えとしては、特定するということで、この研修機関を都道府県に登録する仕組みができないかということで、関係方面と今、調整をしているところでございます。
 (2)教育・研修の内容でございますけれども、このあたりも8月9日の整理に沿っております。基本研修と実地研修にするという点で、1つ目の○のなお書きでございますけれども、教育・研修の機会を増やす観点から、介護療養型医療施設、重症心身障害児施設など医療機関として位置づけを有する施設であっても、実地研修の場としては認めるということ。
 2つ目の○ですが、教育・研修の内容や時間については、既存の教育・研修歴等を考慮するという点。
 3つ目ですが、研修を行う期間は、受講生の知識・技能の評価を行い、技能等が認められた場合のみ、研修修了を認める。
 4つ目ですが、不特定の者を対象とする教育・研修の内容を標準としつつ、特定の者を対象とする場合はこれと区別して取り扱う。
 5つ目ですが、教育・研修の具体的内容にいては、現在行われている「試行事業」の結果を踏まえてさらに検討する。
 3ページをお願いいたします。1つ、論点といたしまして、特定の者を対象にたんの吸引等を実施する場合でございますけれども、この場合には、その特定の者に限ってたんの吸引等を実施できるという整理でよろしいのかという点でございます。
 4、たんの吸引等の実施の条件でございます。1つ目の○、介護職員等にたんの吸引等を行わせる施設、訪問介護事業所等を特定するということで、ここでも「特定」と言っていますが、想定しておりますのは、都道府県へ登録をすることを想定して調整をしているところでございます。その施設、事業所等の例として、介護関係の施設、障害者支援施設、訪問介護、特別支援学校などが、8月9日の整理にも記載されております。
 2つ目の○でございますけれども、この考え方としては、基本的には一定のニーズはあるが、看護職員だけでは十分なケアができない施設、在宅等において、医師・看護職員と介護職員等の適切な連携・協働が確保されていることを条件とするという考え方でございます。
 また、3つ目の○ですが、安全確保に関する基準を設け、医師・看護職員と介護職員等の連携・協働の確保、基準の遵守について指導監督の仕組みを設けるということで、都道府県の方に登録されますので、基本的には都道府県が指導監督するという仕組みを想定しております。
 4つ目の○ですが、医療機関についての扱いでございます。医療機関でのたんの吸引等については、看護職員が十分に配置されているなど、介護職員等によるたんの吸引等を積極的に認める必要はないことから、認めないこととするという形で整理をしております。基本的には、介護の現場における業務という形に整理したいと思います。
 論点でございますけれども、医師・看護職員と介護職員等の適切な連携・協働が確保されている場合において、例えば、以下のような場所で吸引が必要になった場合の取扱いについてどのように考えるか。
 4ページ目でございますけれども、今まで施設、在宅という形での整理でございましたけれども、例えば障害者自立支援法の重度訪問介護を受けている場合の移動中でありますとか外出先、それから介護保険法の通所介護、デイサービス、あるいは短期入所生活介護、ショートステイの事業所というところもあろうと思います。我々としては、このようなところも事業所として特定、登録をされているのであれば、そこがきちんと医療との連携が取れる体制であれば認めてもよろしいのではないかと考えているところでございます。
 それから、たんの吸引等を実施する際に求められる安全確保措置の具体的内容ということで、更に御意見があればお伺いしたいと思います。
 5番目、制度の実施時期でございますが、介護保険制度等の見直しの時期も踏まえ、平成24年度の実施を目指す。ただし、介護福祉士の位置づけについては、新カリキュラムでの養成期間等を踏まえて実施時期を検討するということで、こちらは養成課程等の問題がありますので、介護福祉士の方については数年ずれることになろうかと思います。
 最後の○でございますけれども、現在、一定の条件のもとにたんの吸引等を実施している者が、新たな制度のもとで実施できなくなることのないよう、必要な経過措置を設けるという形で、経過措置を盛り込むことを考えております。
 以上でございます。
○大島座長 ありがとうございました。今までの議論の過程を大体まとめていただいております。相当大きな議論になったことの論点として幾つか上げられていると思います。改めてこの会の目的を、くどいようですが最初に確認しておきたいと思います。
 最初に、菅総理の記者会見等で出されましたように、現場でのこの問題についての社会的な要請というのが非常に、もう緊急な状況になっている。一つは、需要が急速に増えてきているというのがあって、それから、もう一つは、この問題に対する違法性阻却というような言葉でいつも語られるのですが、それだけではなくて、以前の会議の中で報告されましたように、既に介護の現場の実態として、余り大きな声では言えないことですけれども、いろいろな形で対応がされていると。これをこのまま放置しておくことが非常に危ない状況にあるという認識があります。したがって、今や医学的とか医療的な問題を超えて社会的な問題になっているという背景があるために、この問題をとにかく可及的速やかに何らかの形で決着をつけなければならない。そして、こういった医療技術を必要としている方にきちんと必要な技術が安心して届けられる体制をできるだけ早くつくるということが、この委員会の基本的な目的であるということです。まず最初に、くどいようですが、このことを確認させていただきたいと思います。総理がわざわざこの問題に言及されるほど深刻な問題であるということについては委員の先生方、もうわかっていると思いますが、改めてそこのところを十分に踏まえた上で、これからの議論をしていっていただきたいと思います。
 そういうことで、御自由に御意見をいただければ。10時40分ぐらいまで時間を設けていますので。今日は、結論を出すというところまで行かなくてもいいと思っています。自由に御発言いただければと思います。どうぞ。
○白江構成員 3点について質問でございます。先ほどの「総理の指示」のところで、「たんの吸引や経管栄養等」という書き方をされて、総理はどういうふうに具体的なその「等」のイメージをされているのか、具体的な指示があるのかどうか、まず1点お伺いしたいということ。
 それから、「医療的ケア」という言葉がここで使われておりますが、これについては統一した定義なり概念というものは確認されていないように私としては理解しております。第2回の検討会のときに私どもの会としての考え方はお示ししましたけれども、下の方に医療的ケアについて少し説明が書かれていますが、これではわかりづらいのかなという気がいたしますので、もう少しこの辺を御説明いただきたいということです。
 最後に、先ほど介護福祉士についてのたん吸引のカリキュラムのことが入っておりましたけれども、その整理の中で「介護職員等」ということと、それから「介護福祉士」と分けて書かれていたのですが、この資料3のペーパー全体を通して「介護職員等」と書かれているところは、介護福祉士も当然含んでいるのだろうと思うのですが、それでよろしいかどうか。その3点を教えてください。
○大島座長 どうぞ。
○川又振興課長 総理の御指示でございますけれども、「たんの吸引や経管栄養等」と書いてございますが、今、我々の検討会として議論しているのはたんの吸引と経管栄養でございますが、恐らくということしか言えないのですが、そういう介護に伴って必要となる行為ということで、総理が限定するのもおかしかろうということで「等」という形で少し範囲を含ませての御指示になったのかなと。これはちょっと想像するしかないのですけれども、我々、事務方としてはそういうふうに受け止めております。
 また、「医療的ケア」という言葉でございますけれども、下に※で書いてある部分がございますが、かぎ括弧がついていることからも、いわゆる医療行為、いわゆる医行為という部分をどのように法整備の中で受け止めて制度化するかというところが一つの論点でございますので、そういう意味でかぎ括弧つきの「医療的ケア」という形、福祉の職員、介護の職員が介護の中で行う、一定のメディカルコントロールのもとで行う行為ということで、恐らくかぎ括弧つきの「医療的ケア」ということで表記に至ったものと思われます。これの定義が何というようなことは、我々としてはちょっと承知しておりませんけれども、事務方としては、そのようなことで受け止めております。
 あと、3点目ですけれども、「介護職員等」と言った場合の資料3のタイトルなどにあります「介護職員等」の介護職員の中には、勿論、介護福祉士も含んだ概念でございまして、「等」とつけましたのは、例えば前の議論がありましたが、特別支援学校の教員でありますとか、保育士といった議論がありましたので、その方たちも介護職員と言ってしまうのはちょっと乱暴な面もありますので、そういう意味で、「介護職員等」と言ったときには、介護福祉士も含みますし、ヘルパーなどの介護職員、それから特別支援学校の教員でありますとか保育士を含んだ概念と考えております。中身で介護福祉士と介護福祉士以外の介護職員を分けたのは、介護福祉士の方は、カリキュラムとしての位置づけがありますので、そこは書き分けておりますけれども、「介護職員等」と言った場合には全員含まれるというふうに使っております。
 以上です。
○大島座長 よろしいですか。どうぞ。
○三上構成員 今の医療的ケアの定義という問題ですけれども、医行為と医療的ケアというのは全く違うというのか、医療的ケアの方が範囲が広いだろうという解釈の方がいいのだろうと思います。医行為は、医師法の17条に決められた独占業務であって、他の人はできないということですけれども、医療的ケアは、その医行為も含みますけれども、一般的な、単にすり傷とか、そういったものも含むという考え方が普通で、介護職員の中にもできる医療的ケアというのはたくさんあるという考え方でないと、この話は進まないのではないかと思います。
 それはさておきまして、いままでの議論をちょっと整理させていただきたいのですが、前回まで非常に議論がかみ合っていない部分があったと感じているのですが、これはもともと、まず、家族でもできるようなたんの吸引や経管栄養の準備等について、訪問ヘルパーでありますとか特養の介護職員等が法的にできないということ。実際にはこれは行っているという実態はあるわけですが。まず最初に、実質的に違法性阻却として特養における看護職員と介護職員の連携によるケアのあり方に関するモデル事業がなされたわけで、このときには、リスクが少なくて安全だからできるのだという前提で、範囲については口腔内、いわゆる咽頭より手前の喀たん吸引と経管栄養の準備がモデル事業として行われてきました。ここに出ておられる島崎委員と斎藤委員が検討会にも出席しておられたわけですけれども。
 今回、法的に整備しなければならないということで、前回と異なり議論がかみ合わないのは、障害者が入ったということもありますけれども、口腔内だけではなくて、鼻腔であるとか気管内カニューレなどと範囲が拡大してきて、リスクの高いものが含まれてきたということが問題です。当初の安全だから、リスクが少ないものだから介護職員にもできるようにしよう、医行為の範囲だけれども、どう考えるかということで、私としては、それは医行為から外しても大丈夫ではないかと。準備をするのにも、経管栄養の準備等でものを運ぶだけのものが医行為なのかということも含めて、それは医行為ではないのではないかということで言ってきたわけですが、今回の気管内チューブということになりますと、いわゆる人口呼吸器につながれた気管、挿管チューブも外して、介護職員が仮にそこの喀たん吸引をするということになれば、やはり相当リスクが高いということで、医行為から外すことは難しいだろうと思います。
 これは、考え方としては、原則、たんの吸引等については医行為から外して、リスクの高いものだけを医行為にするという、医行為から外す方から考えると、ネガティブリストの考え方から、原則は、たんの吸引はリスクの高いものも含むので医行為であるけれども、この部分はリスクが少ないので医行為から外していいのではないかというポジティブリストの考え方にすれば、以前、だれがやってもいいのではないかということで危険ではないかという御批判があったのですが、その批判は免れるのではないかと思います。
 その上で、今回の話のように、50時間程度の研修でリスクの高いものに対する独占上の資格を公的な資格試験もなく認めていくことについては、今まで実質性、違法性阻却としてやってきたリスクの少ない口腔内の喀たん吸引なり経管栄養の準備までも、できる職員の範囲がかなり狭められるということが非常に大きな問題だと思います。
 こういったことは、以前に事例がありまして、我々の反省事例があるのですが、これは以前に内診という産婦人科における子宮腔がどれぐらい拡がったかという測定について、これは一般に看護師さんがやっていたわけですけれども、これを助産行為であるという範囲に決めたために、一般の看護師さんができなくなって、逮捕者が出るとか、あるいは産院において助産師が雇用できないという助産師不足という問題が起こったということがありますので、こういった範囲を限定するということは、現場を混乱させることになりかねないと思います。
 医行為のままで業務独占資格を有する者しかできない、この最初の資料1のところにも「研修を修了した場合に限り認める」ということになりますと、研修をしていない人には認めないということであって、同じ介護の現場にも、研修を済んだ方と済んでおられない方が混在するということで、指導監査のときにも、資格のある方が確かに吸引をされたのか、あるいは夜間当直にきちんとそういった方がおられるのかということ、監査の面でも非常に難しくなり、現場は混乱するし、困るのではないかと思います。
 その上で、この資料3の問題でもさまざまな矛盾点が考えられるわけですが、資料3の1番の介護職員等によるたんの吸引等の実施の中でも、たんの吸引、口腔内、鼻腔内、気管内カニューレ等が書いてありますけれども、この「気管内カニューレ内部」と書いてあるのはどういう状況を指しているのか。いわゆる気管切開をされて、見える範囲の気管カニューレのところのたんを吸引する分には多分安全だろうと思いますけれども、見えないところまで深くまで挿入して実施ということになりますと、50時間程度の、いわゆる看護職でない人たちが実施ということについては、到底危険だと私は思います。
 それに、胃ろう、腸ろうの準備についても、チューブの挿入の確認を看護職員が行うと書いてありますけれども、これはいつ行うのか、直前に行って大丈夫であればいいですけれども、2〜3日前に確認したということであって、それが許されるのかということもあります。特に直前であれば、その場に看護職員がいるということになりますから、その時は看護職員がやればいいのではないかということにもなるわけであります。
 そのほか、2番のたんの吸引をできる介護職員の範囲についても同じであって、範囲を限定することによって、現場でできる人が少なくなると思います。
 それから、3番のたんの吸引等に関する教育・研修の中の(2)の内容についてもさまざまな問題があって、3つ目の○の研修を行う機関は、受講生の知識・技能の評価に伴い、技能等が認められた場合のみ研修修了を認めるということですけれども、だれが認めるのかということが何も書かれていないということも、非常に大きな問題だと思います。
 現在行われている試行事業の結果を踏まえて更に検討するということですが、これは、現在行われている特養のモデル事業との関係についても全く書かれていないということは非常に問題だと思います。
 それ以外に、また4番にも問題があるのですけれども、一応、今のところこれぐらいにさせていただきます。
○大島座長 いかがでしょうか。どうぞ。
○内田構成員 まず、駒村先生の方から介護福祉士によるたんの吸引というようなことで御提案をいただきましたことは、ありがとうございます。以前の検討会でも、介護福祉士ということで原則ということでお願いしたところでございますので、大変ありがたく思っております。
 まず、三上先生のお話はちょっと置きまして、このたんの吸引は、いろいろな方が必要とされているわけで、例えば在宅の障害者の方ですとか、あるいは特別支援学校といったようなところの方々ですけれども、介護福祉士がいるわけもなくということで、こちらは例外というような取扱いで研修を受けた方がなさるということで、原則介護福祉士といったようなものを外して、ただし、やはり介護福祉士がたくさんいるような施設、現場といったようなところでは、原則介護福祉士としていただくことが、まずよいのではないかということを申し上げたいと思います。
 これは、やはり手技だけの問題ではなくて、御利用者をよくわかっているかどうかということを考えますと、介護福祉士ということで、確かに不特定とはなっておりますが、常日ごろ介護している方々の中の何人かの方々ということですから、よく存じ上げている、状態もわかっているというようなことですので、介護福祉士がよろしいのではないかということと、併せて、今後の介護現場の介護職員が、基本的には介護福祉士ということで言っていただいているところですのでそういうことも考えれば、介護福祉士ということで考えていただければと思います。
 それからあと、介護職全般がというようなことで、介護福祉士ということになってしまえば、何か業務を独占といったような御発言だったと思うのですけれども、とにかく介護福祉士であっても、今まで別に医療行為をしてきたわけでは、勿論、隠れてということではあったかもしれませんが、きちんと教育を受けたかどうかというのはよくわからないわけですから、やはりきちんと研修を受けた人がやっていくというようなことでの区分けは、これはもう当然必要なのではないかと思うんですね。ですから、資料3で御提案いただいたように、今後とも介護福祉士の教育の中で、何かそういうたんの吸引等が盛り込まれていってということであれば、またそこは別のことですが、今現在のことは、もう研修した人ということで分けていくのは、これはいたし方ないことかなと思います。
 それと、私自身は医療職ではありませんので、危険度ということであれば、もともと安全なのかという思いはあります。やはり今までの検討会の中で、介護福祉士会、あるいはその他、介護関係の団体が何かたんの吸引等をすることに関して逡巡しているようなイメージをお持ちだったかもしれないですけれども、それは、今まで基本的にはやってはいけないことというようなことで、なおかつ、教育というものもなかったわけですから、一体本当に安全にできるような体制なり仕組みなり、そういったものができるようになるのだろうかというのは、やはり心配でもありましたので、そこら辺は、大いに心配は今でも勿論しています。ただ、もし介護福祉士がやるということになれば、これはもう本当に十分準備をして臨ませていただきたいと思っております。
 先ほど、こういうところが危険なのではないかというお話があったのですけれども、恐らく介護福祉士法ができる段階で、今のような利用者の変化は想定できたかというと、きっとできなかったんだと思うのですね。ですから、今は人数がもう変わってきたといったようなことでいけば、本来業務かどうかはわかりませんが、業務としてするというのは、これはもう時代の流れとして認めなければいけないことだと私どもでは認識をしております。ただ、範囲とかそういったことに関しては、確かに、もし何か御議論があるのだったら、よく御検討いただいたらと思っております。
○大島座長 どうぞ。
○黒岩構成員 黒岩ですけれども、三上委員のさっきの御主張は非常に違和感を覚えました。たんの吸引の安全な範囲がどこまでなのか、そういうものというのははっきり議論することは不可能だと思います。何センチ以上入れたらばそれは危険な行為なのか、そんなことを決めることはあり得ない。既に違法性阻却としてやっていることがあって、ある程度の常識的な範囲というのは既にあると思います。家族がやっていらっしゃるという常識の範囲もあると思います。それにのっとって、これを医療的ケアという解釈のもとに進めていこうというのが基本的な大きな流れであって、何センチ入れたら医療行為になるかとか、そういうばかげた議論はもうやめたいと思っています。
 以上です。
○大島座長 どうぞ。
○因構成員 基本的に介護の現場を介護福祉士にしていくというのは、もう16年ぐらいから国の方針として方向性が出ております。その方向で介護福祉士がきちんと担っていくというのは、大変大事なことだろうと思っています。ただ、現場はまだまだ介護福祉士がそんなにたくさんおりませんので、私どもホームヘルパー協会の立場で言うと、経過措置が当然必要で、一定の介護福祉士の数が確保できれば、全面的に介護福祉士がするというふうに持っていっていただきたいと思っています。
 今、黒岩委員から、家族がやっているのだからというお話が出ましたが、私はこの間、愛知と、それから昨日は岡山に行ってまいりました。そこで御自分の家族のたんの吸引をしているヘルパーさんがおられました。自分の御家族のたんの吸引をしているのだけれども、仕事としてはしたくない、できないとおっしゃっているんですね。そういう現場の声を聴くと、私は今、決して反対する時期ではないと思っていますので、取り組まなければいけないと思っておりますけれども、今行っている試行事業を十分検証しながら、安全にできる方法というのを探っていきたいと思っています。だから、家族ができるならばというのはちょっと違うのではないかということを、この間、意見を聴いておりますので、やはり職業としてきちんと研修等をしていただきたいと思っています。
 今回、三上委員から危険な行為とそうではない行為ということのお話が出ましたので、私は十分参考にしていきたいと思っております。
 以上です。
○大島座長 どうぞ。
○三上構成員 黒岩委員から御指摘がございましたけれども、医行為の範囲を決めるということは、これは何センチという話ではなくて、厳然としてあるわけですね。これができるかできないかを決めるのは、メディカルコントロール下で、ある程度決まるわけです。議論の中で先ほど申し上げたのは、何センチということではなくて、個々のケースによって変わる可能性があると。それを大まかに、全体は医行為だけれども、この部分は医行為ではないというふうに、大体このエリアについては医行為ではないと決めるのか、全体は医行為でないけれども、この部分では危険が高いので医行為と決めるのかという話をさっきさせていただいたわけです。医行為の範囲を決めること自体がナンセンスだと言われるのは、これは全くおかしい話ですね。そうすれば、医師法17条の医行為の範囲というのはどういうふうに決められると考えられているのか、私は黒岩委員のお考えを聴きたいと思います。
○大島座長 どうぞ。
○黒岩構成員 この会議で今までずっと積み重ねた議論の考えで、医療行為とはそもそも何なのだという神学論争をやめようという話をしたはずであります。細かいディテールに入ったら、この全体が動かないので、そこはもう共通理念、理解ができていると思う。だから、そこにおいて、菅総理の医療的ケアという、ある種、あいまいではありますけれども、そういうことによってこれを乗り越えていこうという中にあるわけであって、どの部分がどう医療行為かということは、とりあえず棚に上げておこうということでこの会は進んでいると私は認識しています。
○大島座長 川島代理人。
○川島代理人 橋本の代理人の川島でございます。まず、このことにつきましては、医療者のニーズが逼迫しているという現実の問題もございます。そこで、ここの皆さんは、一生懸命考えて、そして介護職員等、そして医行為が何たるかということについてよりも、それについては危機管理をどうするか、何か起こった事態のときにどのように防ぐかということの方がむしろ重要なのだと思います。
 ですので、確かに三上先生の医行為の話については、これはまた、そのような場が必要だとは思いますけれども、逼迫した状況の中ででき得る限りのことをやっていくということで皆さんが集まっておられるわけですから、これをなるべく進めていくという方向で、しかも現行が崩されない、これが大前提にございます。ですので、議論の中で現行のやれていることができなくなるような方向には進まないということだけは、皆さん御確認いただきたいと思います。
 それで、今、論点についてお話し合いをしておりますので、橋本委員提出の意見を見ていただきたいと思います。時間がございませんので早目にお話しさせていただきます。
 まず、論点1につきましてでございますけれども、○が2つございます。胃ろう・腸ろうの状態確認や経鼻経管栄養のチューブ挿入確認などについて、看護職員が行うことになっているけれども、これについては、1日1回と限定しないで、「定期的に行う」と文言を変えてほしいということでございます。その理由はその下に書いてあります。
 2番目は、将来的な拡大の可能性も視野に入れた仕組みとすべきではないかということについては、そのとおりであり、できる限り速やかに対象行為を拡大すべきと考えております。これは、御存じのように平成17年7月ですか、その他の行為としてやれる行為についていろいろ記載がございますけれども、そこについてまた拡大していただければという橋本の意見でございます。
 それから、論点3についてでございますが、これは、橋本委員のその他を見ていただけるとありがたいと思います。3ページ目でございます。その他を見ていただくと、現在の試行事業においての教育・研修における指導・評価について、指導看護師が行うこととなっているが、これは、まさに看護師が動けるのは医師の指示のもとということになっておりますので、これを、かかりつけ医などの医師が直接行うことも可能であるということを確認させていただきたいということです。これにつきましては、御存じのように、訪問看護師を使わないで、医師とケア提供者、つまり介護職員等だけで構成されている居宅も当然いっぱいありますので、その場合には医師が指示をする、あるいは指導・評価をすることがあり得るということで、これは入れていただきたいということです。
 それから、危機管理のことにつきましてでございますが、たんの吸引等とは直接関係ないけれども、停電時や人口呼吸器の故障など、緊急的な処置としてのアンビューバッグでの呼吸管理、その他の緊急時対応は、介護職員でも行えるように、つまり危機管理の場合は刑法の話になってきまして、この医師法、介護職員法とはまた異なりますので。しかし、対応はしないとだめです。ですので、対応方法については熟知しておくことが望ましいので、これを入れてほしいということでございます。
 戻ります。論点4でございますけれども、たんの吸引の実施の条件についてですが、医師、看護職員と介護職員が、互いに尊重し合いながら連携しやすい環境をつくる必要があります。当然、看護職員は医師の指示のもとに連携・協力するというのは、これは当然、シダイ系統から同じでございます。既に制度化に当たっては、括弧づけされていますが、「医師・看護職員と介護職員等の連携・協働の確保等、基準の遵守について指導監督の仕組みを設ける」こととなっておりますので、以下、それを読んでいただければよろしいと思います。
 2ページ目に行きます。
○大島座長 川島さん、駒村先生が10時に御退席されるので、それまでに駒村先生に。
○川島代理人 後は読んでいただければ。
○大島座長 よろしいですか。
○川島代理人 ええ。この中を読んでいただければよろしいと思います。また、必要であれば、補足意見を申し上げます。
○大島座長 お願いします。ありがとうございました。
 駒村先生、先ほどからヘルパーの問題と、それから介護福祉士の問題とを分けるべきであるというような議論が一方であるような感じがしているのですが、その点についてはいかがでしょうか。
○藤井参考人 藤井が代理でお答えさせていただきます。
 私どもの委員会では、こちらの方で「介護職員等」ということで話が進んできているという認識がございまして、我々の委員会も、あるべき姿と現実論と両方ございまして、あるべき姿は、因先生がおっしゃったように、介護福祉士にすべてなっていくのではないかということを思いながら、現にできない状況があることを前提としております。
 そのときに、この委員会で「介護職員等」ということで、あたかも介護福祉士が介護福祉士を取った後、また同じように別途研修を受けるということが常態化すると、現にはしようがないと思うのですが、それはやや介護福祉士にとっては逆転現象が起こるのではないかと。介護福祉士の養成カリキュラムの中でそういったものが済むようにしていただくことが、あり得べき姿ではないかということでございまして、そこの訪問看護師等と介護福祉士の線引き云々かんぬんという議論までは至っておりませんし、我々の方としても、そういった議論はする予定はないと思います。
○大島座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○島崎構成員 幾つか申し上げたいのですけれども、まず、医療的ケアの話ですが、私はこういうふうに思っています。この医療的ケアという言葉は、総理が初めて使われたわけではなくて、現場では多分、それぞれ使う方によって多少のニュアンスは違いますけれども使われています。例えば私がある人と話をしていて、特別支援学校では医療的ケアを略語として医ケアという言葉を使うということを聞きました。それ以外でも医療的ケアという言葉はかなり使われていると思いますが、何が言いたいかというと、昔だったら胃ろうを含めて経管栄養なんてなかったわけです。それから、今のようにたんの吸引とか、それほど頻繁にあったわけではない。つまり医療が進み、それから高齢化が進むとともに、障害者の方が増えていく中で、その本質は確かにケアかもしれないけれども、メディカルコントロールが必要な類型が増えていっているのです。これは歴然たる事実だと思います。したがって、その本質がケアだとすれば、狭い意味での医療施設以外に、さまざまなところでそういうことが行われる。在宅しかり、あるいは特別支援学校しかりということなのだと思います。
 問題は、そういう実態を踏まえた上で、ノーリスクというのはないわけですから、安全性と現実にそれを必要とされている方がいらっしゃる中で、「接点」を見いだしていかなければなりません。全く制約条件がないわけではないわけですよ。例えば看護師さんがたくさんいる、どんどん養成できるということがあるのであればまた状況が違うかもしれませんけれども、そうではないのです。だとすれば、現場では、法的に不安定な中で今後ろめたい気持ちでやっているけれども、これは安全性という面でもよくないので何とかきちんと解決していくべきではないかというのが、これまでの議論の筋道だったと思います。
 つまり、これまでは違法性阻却という形で一種の便法でやってきた。しかし、それはそれ自体、非常に中途半端な形になっている。くどくどと申し上げませんけれども、今やっている行為はどういう整理になっているかといえば、「業として」行っているわけではありません。ホームヘルパーなり、あるいは介護職員なりが業として行っているわけではないという整理にならざるを得ないのです。これは法的には非常に不自然な整理になっているのも間違いないし、それから、これまでのように、少しずついろいろな形で通知で広げてきたけれども、では、こっちはどうなの、これはどうなのという議論が生じます。それから、先ほど三上委員が言われたように、在宅の場合と特別支援学校と、それから特別養護老人ホームで、これまで通知で広げてきた中でも、実を言うと範囲が若干違うわけですよね。例えば在宅の場合に気管カニューレ内まで実を言うと認めていたわけです。つまり「でこぼこ」状態があり、果たして本当に全部整合的かと言えば、そうではない。したがって、法律改正も辞さぬという覚悟のもとに、今ある状態をきちんと整理しましょうというのが、今、我々が議論していることだと思うのです。勿論そこは、この場だけで議論が尽きるわけではなくて、安全性の問題であれば、当然それは試行も必要になるでしょうし、さまざまな面でも検証が必要になるでしょう。こういうことだと私は理解しております。
○大島座長 どうぞ、因委員。
○因構成員 今の意見が途切れてしまうといけないと思うのですが、先ほど委員長から、介護福祉士とヘルパーの問題とおっしゃいましたけれども、誤解が生じてはいけませんので、私の発言からそのようになったのかと思うのですが。
○大島座長 内田委員も含めて。
○因構成員 含めてですね。基本的に、ヘルパー協会としても、介護福祉士がすべきだと思っております。誤解のないように。ただ、経過的に、まだ現場は2割ぐらいしか介護福祉士がおりませんので、その辺は考えていくべきかなと思っているということで、よろしくお願いいたします。
○大島座長 確認しますけれども、ヘルパーはやるべきではない、やらない方がいい、こういう考え方ですか。
○因構成員 いいえ、この期に及んでそういうことは考えておりません。もうする方向でこの委員会は動いていますし、するためには、安全にどうすればいいかということをみんなで考えていきたいと思っています。
○大島座長 どうぞ。
○桝田構成員 この中で、4番のたんの吸引等の実施の条件の部分の一番最後の部分ですけれども、医療機関では認めないと、少し変ではないかと思うんです。一番安全な場所で介護職員が行うということが、最終的には医師もおり、看護職員も、我々がそこでできないという部分が反対ではないかと。というのは、例えば研修を受けた職員なり介護福祉士で、新しいカリキュラムでできた者が、そこで就労するようになったと。その方は、条件的にできるようになったのに、その勤めた場所によってすることができないという制限を受けてしまうことが起こってくると。そうすると、実際に医療機関で、ドクターが、この方は介護職員でもオーケーですよというのが常時判断できる状態でおられるのに、全くさせないと。
 今回の趣旨というのは、介護職員で一定の研修を受けて、実施可能になった者に認めていくという部分で、場所の制限をここでつくるのはいかがなものかと少し思います。
 それともう一つは、一番最後の部分で経過措置の問題が出てきています。確かに考え方とすれば経過措置なのですけれども、今、実際にやられている方が、この経過措置が出ることによって、すごく自分が圧迫感を感じるのではないか。最初から経過措置ではなくて、少し今の条件で満たしている方は、そのままで行う。2つの形、方法論は、違法性阻却の問題と今回の分と両方になるかもしれませんが、それはしばらく継続すべきではないかと。さきに経過措置を導入するのはちょっと早過ぎるのではないかと。
 それともう一つは、いわゆる類型の問題ですけれども、現場実態から言うと、研修を受ける場合に、すべてとなると大変なことになっていくと思いますので、例えば喀たんの吸引の中の範囲であっても、気管カニューレまで関連するいわゆる職場におられる方というのはまた限定されていると思いますので、そこらはきっちり類型を設けて、自分が研修を受けやすい形をつくってあげていくべきではないか、そのように思います。
○大島座長 ありがとうございました。
 最初の、病院であればこそ、むしろ安全によくやれるのではないかという部分の意見は、そもそもと考えれば、別に場所の問題ではなくて、その能力は、力があればという前提に基づけば変ではないかという御意見ですが、病院を外した一番大きな理由というのは何なのでしょうか。事務局の方で。
○川又振興課長 そもそも今回の議論のきっかけが、介護職が働く介護現場においてそのようなニーズが発生してきたと。そこを何とか違法性阻却という不安定な形でなくできるようにしたいというところから出てきておりますので、我々としては、介護の現場ができるようにというところを目的として議論が始まったというのが一つだろうと思います。
 あと、そこに書きましたように、医療の現場については看護職員等が十分に配置されているということで、基本的には、介護の現場での議論であって、医療の方にまでそのような形で広げていくことがどうなのかということで、この検討会の中でも夏までに議論があったかと思いますので、そのような御議論を踏まえて、医療機関までは必要ないのではないか。
 ただ、実地研修としていろいろな症例等がある場所として、医療機関の実地研修の場所としてはいいのではないかというのが、8月9日の第4回までの議論ではなかったかということで、このような形でまとめさせていただいているということでございます。
○大島座長 納得されるかどうかわかりませんけれども、何かちょっと苦しそうな答弁だったのですが、いかがでしょうか。どうぞ。
○齋藤構成員 今の議論は、そもそもこの話は介護の必要な方、それから、とにかく状態が安定している方だということが大前提だったと思います。医療機関になぜいるかというと、それは治療をしているわけであって、当然、状態が常にずっと安定的に固定されている状況ではありませんので、患者さんの状態が違うということで、医療機関ではやはり認めるべきではないのではないかというのが、議論の経緯だったと考えておりますし、私どもも、やはり介護の現場でニーズが大きくなってきている、更にそこに、では、看護師がすべてそこの中に配置ができるような人数がこれから生まれてくるかというと、非常に少子化が短期間に進んでいくという状況があれば、介護現場に潤沢な人材を配置されるということも、これからはなかなか難しいと考えれば、やはり医療職と介護の方々がきっちり連携を組んで、タッグを組んで安全なサービスを提供していくというのは、大前提だと思っています。
 ですので、先ほど三上委員から範囲が広がっているではないかということがありましたけれども、そこは必ず医師もしくはナースが、この方だったら、この状態であれば研修を受けた介護の方でも大丈夫だという判断をどこかでしているということでございますので、そういった連携の体制をこれからどう構築できるか。まして、施設の中であれば、ある程度、ナースがいたりという雇用の状態はありますけれども、問題は、やはり在宅でございまして、なかなか住宅に人がいないという状況があるから、そこのところについてはどう連携をするかというのは、すごく大きな課題だと考えています。
 今、介護保険部会の方で、訪問看護と介護が一体的にサービスができる仕組みをつくろうということを考えているという状況もございますので、これが実れば、訪問看護師と介護の方々が一緒に行って、そこで連携しながらやれるということも当然出てくるだろうと考えています。ですので、当然そのあたりを構築していけるような体制に持っていきたいと考えています。
 それから、4ページ目の安全のところにつきましてですけれども、これは、例えば特別支援学級なんかで遠足に行ったり、ああいうときにどうしているのかということが非常に例になるのではないかと思うのですが、そこの実態がもしあれば聴かせていただきたいということと、それから、安全確保の措置につきましては、たしか特別養護老人ホームでのモデル事業でいくと、何回か申し上げておりますけれども、なかなかヒヤリ・ハットが出てこないという、安全の文化というのが、まだ生まれたばかりで熟成していないという実感が実はございます。終の生活の場ということではありますけれども、やはりお預かりしているという状況であれば、管理体制というのは非常に大きな責任になると考えておりますので、是非こういったことを、試行事業の中でもヒヤリ・ハットを十分検証しながら、きっちり安全確保の体制をつくっていくべきだということがあろうかと思います。
○大島座長 どうぞ。
○河原構成員 桝田委員がおっしゃったことについて私も同じような違和感を持っていたのですけれども、今、斎藤委員がそのように答えられましたが、医療機関でのたんの吸引等について認めないこととすると言い切られると、私たちの頑張っている介護職員の出る幕ではないというような、拒絶されているような、そんな気持ちのいい表現ではないので、「積極的には認めないこととする」とかという表現にしていただいた方が、私はすっきりするのではないかと思います。
 それと、三上委員から非常に深い問題提起をされておりましたけれども、現場の悩みというものは100かゼロか、右か左かはっきりしてほしいということにあります。いろいろな場面で医療行為的なことをやらざるを得ないのですが、それがいいのか悪いのかというようなことを悩みながらやっているものを、早く解消してやってほしいということをこの検討会の冒頭でも発言しました。
 今回、こういったいろいろな議論の中で、連携をしっかりして、そして教育とか技術を獲得すればできるようになるということになれば、これは白黒、100かゼロかはっきりするということで、私は非常に歓迎したいと思います。
 それと、現場が混乱するのではないかという御心配だったのですけれども、在宅の方では恐らく、私の聞く範囲では、今のところそんなに率は高くないと思います。そういう行為をやっていらっしゃること自体は。ただ、この前もいろいろ地方の方と話していましたが、これがもう介護福祉士しかできなくなっていくとか、十分な研修を受けた人しかできなくなっていということであれば、これは100かゼロか、右か左かはっきりすることですから、逆に混乱というよりもすっきりするのではないかと私は思っております。
 それから、因委員がおっしゃったように、この期に及んでということでしたが、ただ、これにつきましては、経過措置等を設けるということですので、今現在、まだ介護福祉士の資格を持たないでやっている者もおりますので、そういった形の経過措置をしっかりしていただければありがたいと思います。いずれにせよ、右か左か、100かゼロかはっきりするということであれば、私はありがたい話だと思っております。
○大島座長 どうぞ。
○内田構成員 病院でのたんの吸引を介護福祉士等が行うということなんですけれども、斎藤委員がおっしゃっていただいたので、本当にこれは、一定のニーズがあるのに看護師の配置が非常に少なくてニーズに応えられないといったような、そういう生活の場というか、そこがあったので、この議論というかがあるのではないかと思います。ですから、何かやみくもにできる場所を広げてしまうのはいかがなものかと思っております。
 それはなぜかと言いますと、私どもは介護福祉士であって医療職ではないわけですね。介護福祉士の本来業務というのは、勿論今回、生活支援の一部として医療行為の一部が入ってくることはあったとしても、本来業務はやはり介護ということなんだと私は信じているのですが、そういう介護福祉士が病院にたまたま勤務していて、それで医療行為の一部を実際に受け持つといったようなことが、今後どんな意味があるのかというのか、どんなふうになるのかというのも若干心配しております。
 今回の論点の中にもありましたけれども、たんの吸引や経管栄養だけではなくて、もっとほかにもあるのではないかということが私はあると思います。それは、現場でいろいろ困っておられる方もいらっしゃいますので、それはある程度の広がりがあるのはよろしいのですが、ただ、やみくもに広がっていくといったようなことでは困りますし、やはりどこかで歯止めがかかっていかないと、ますます危険なことにもなりますし。
 それと、こんな言い方をするとあれですが、介護福祉士等が看護職員の代替要員といったようなことになっていくとかというようなことになるのは、それは全く望んでいないことですので、やはり実施できる場所とかといったようなことも、十分御議論いただきたいところと考えております。
 それと、しつこく先ほど、やはりいろいろ危険なことというのは当然あると思うのですけれども、私は、何度も申し上げましたが、医療職との連携・協働ということが非常に大事だと思うんですね。ですから、それができるような仕組みとか体制をつくっていただきたいということと、それから、介護事故に限らず、事故というのは、実際に実施した、関与した人間だけに何か原因があるかというと、そんなことはないわけですね。やはり取り巻いている環境やその他いろいろなことが要因となって起きているということですので安全に実施できるようにリスク管理というものをきちんとしていくと。だから、本人に対しての研修だけではなくて、周りがどのくらい安全にできるように支えられるか、あるいは責任体制がどうなんだといったようなことなんかも、十分に考えていただけたらと思っております。
○大島座長 いわゆる介護職に関わるこの問題で、介護職としては介護福祉士の業務独占的なものが現在では全く規定されていないままに、一歩進んで業務の幅を広げていくということの意味合いと、それから、それをやることによって何が起こるのかということの不安とが裏腹になっているというような感じが非常に強く訴えられているような感じがするのですが、その辺の議論については、藤井先生いかがだったのでしょうか。
○藤井参考人 医療行為をするということそのもので介護職員の性格が変わっていくとか云々という議論そのものはないのですけれども、やはり先ほど内田委員がおっしゃったように、介護の専門性というのは何だろうかということを常に議論する中では、医療行為、医療的ケア云々が入ったといっても、そちらの方向に行くというのではなくて、生活支援する上で、また現実ニーズがある上でやっていこうということなんだろうと思います。
 その際に、これは私見になりますけれども、先ほど因委員がおっしゃったような、現に不安と感じている職員もいるんだろうと思います。ただそれは、河原委員がおっしゃったように、今、グレーの中でやってくれということに不安な方もいらっしゃいましょうし、それから、我々の専門ではないことをやることに対する不満もありましょうし、それから、一部には、そもそもそういう行為に対する不安もあろうかと思うんですね。そういったさまざまな現場におられる介護福祉士を含めて介護職員等が、より国民の皆さん方にいいケアをやれるように、みんな同じ方向に意思が統一していける、あるいはやっていけるような仕組みや制度ということをお考えいただければというふうには思っております。
 以上です。
○大島座長 どうぞ。
○黒岩構成員 医療機関に入ると、突然介護職がたんの吸引ができなくなるというのは、やはりおかしいと思います。介護職員でも、病院にいても、医療機関にいても、それからその後、ずっとそこにいるわけではなくて、また在宅に行ったりとか、いろいろな人事の配置みたいなことは当然あると思うんですね。そうしたらば、医療機関にいる間にこそ、たんの吸引というものをしっかりと身につけるチャンスだと思うんですよね。そこで連携するということ、医療機関の中で連携するという形で自分でしっかり身につけた上で在宅に行ったら、より自信を持ってたんの吸引もできるようになるのではないか。だから、連携・協働とおっしゃりながら、何か逆の方に向かって話をしている気がしてなりません。
○大島座長 どうぞ。
○川村構成員 病院の中での議論ではありませんが、先ほど在宅のことが話題に出ましたので、一言言わせていただきます。私どもが326の保健所の保健師さんに御協力をいただいて、そこから同意の得られた在宅でたんの吸引をなさっている方々の状態というものを把握して調査した結果です。1,331人の在宅でたんの吸引をなさっている方のうち、家族以外の者が行っている方たちの57%に、近1年間に身体的に緊急な対応が必要であった医療機器のトラブルも40%の方が経験しておられる。そういう結果があります。
 たんの吸引と経管栄養という行為だけが在宅で行われているということではなくて、全身的な病気の問題とか健康の問題に対してもサービスをしていくことが、安全な在宅療養を支えることになると思います。そういう意味では、やはり看護がきちんとサービスを行って、介護職の方々はそこに協力する形で行うことが安全な療養生活を送っていただけることに通じると思っております。
 以上です。
○大島座長 平林委員どうぞ。
○平林構成員 3点ほど申し上げたいと思います。先ほど来議論になっております病院の中でどうかということについての考え方ですが、今回のこの問題は、介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度化の問題でありますが、基本的な考え方の前提には、介護、教育あるいは保育の場において、介護をするについて、教育をするについて、あるいは保育をするについて、たんの吸引なり経管栄養なりをしないと、本来の介護、教育あるいは保育が十全にできなくなってしまうという状況があります。それが医療関係者がやってくれれば問題は解決するのですが、現実問題としてそれができないという状況の中で、介護職が、教員が、あるいは保育士がそれをやらないと、本来の介護、教育、保育が十全にできなくなったというコンテクストの中で、たんの吸引等を、いわばそれらの本来の業務に必要不可欠なものとして、付随的なものとして認めていかざるを得ないだろうということだと思います。したがって、このような観点でこの問題を考えていくと、病院の中でということは当然に外れてくるのではないかと私は思っております。
 そして、そのことは、今まで、違法性阻却という個別的な問題、これは先ほど島崎先生におっしゃっていただいたので繰り返しませんが、個別的な解決をしていたものを、制度としてきちんと白黒をはっきりつけていきましょうということでありますので、その意味でも、病院の中での問題は出てこない、少なくとも当面は出てこないだろうと思っております。
 それから、それとの関連で2つ目に、4ページの一番最後の○のところで、桝田委員が先ほど御指摘になったところでありますが、一定の条件のもとでたんの吸引を現在実施している者が、新たな制度のもとで実施できなくなることのないようにというのは、そのとおりだろうと思っておりますが、ただ、それは、経過措置の中で現在やっている人をうまく、何らかの形で制度の上に乗せるような方策をとることによって問題の解決を図っていくべきであって、(それはいろいろな工夫の仕方があろうかと思いますが、それはまた後ほど工夫するとして)、少なくとも、この制度が認められた以上は、違法性阻却の考え方が残るということはすべきではないと思います。もし、それを残すと、制度をつくったことの意味がほとんどなくなってしまうと思いますので、制度化をして、法律ができるということになりましたら、繰り返しになりますが、違法性阻却という考え方は使わないという方向で問題を整理していった方がいいのではないかと私は思っております。
 それから、3点目ですが、これは、どなたもまだ御指摘になっていなくて、私が前の回のときにちょっと質問をして、その後、余り納得ができていなかったので、もう一度お伺いして教えていただきたいところですが、2ページ目から3ページ目にかけて、不特定多数の者を対象とする教育・研修を標準としつつ、特定の者を対象とする場合はこれを区別して取扱うということ、そして論点として、特定の者を対象にたんの吸引等を実施するものとして、実地研修を修了した場合には、その特定の者に限って、たんの吸引等を実施できるものとしていいのかとあります。これは、やはり僕にはどうしても理解できないのです。特定の者に対してのみたんの吸引が実施できる、これは、違法性阻却の場合はまさにそうなのですが、制度として認めた上でこれを認めると、結局のところ違法性阻却の考え方を引きずっているということになると思います。制度化をすれば、こういう議論は出てこないのではないかと思っております。
 その特定の者に対する吸引ということについては、経過措置の中で、現在やっていらっしゃる方をどうやって制度にのせるのかという問題とか、あるいは実地研修の場を、基本研修を共通のものとして実地研修を特定の人のところでやって実地研修をするというふうにその制度の中にのせていくことは、僕は十分可能ではないかと思っていて、特定の者だけを対象としたたんの吸引の制度を考えるということには、ちょっと僕は理解できていないので、その点を教えていただければと思っております。
○大島座長 どうぞ。
○川島代理人 お答えいたします。現場をこれは見ていただければ一目瞭然のことでございますけれども、特にコミュニケーションに多大な時間、労力を要する等の個別の生活様式が明らかに異なるという状況のものが在宅の中にある一定の領域であるということは、これは、現場にいる人たちはよく知っておられると思います。そして、個々のQOLに基づいて、その人にだけうまく提供できるという特殊性が明らかになりまして、つまり標準化したものをAさんにも、Bさんにも、Cさんにも与えられる状況ではないというものは、特に重度の障害を持っている方には多くおられます。そうすると、AさんにはAさんのやり方、これは個々のことを言っているとすさまじくいっぱいになりますのでやめますが、そのようなものになりますので、この論点の中で、その特定の者に限ってたんの吸引等を実施できるものとしてよいかということであれば、それはそうであると考えております。
○大島座長 法的な整備の形にするときに個別性の問題をどう整理をしたらいいのかという議論かと思うのですが。どうぞ。
○三室構成員 特別支援学校の場合は、教員が今、吸引等を行っているわけですけれども、担任ですので、4月になると担任がかわるということがあります。ですから、すべての教員が50時間の研修を受けて、それですべてに対応できるような状況をつくるのは困難な状況になります。学校で今まで事故もなく安全に実施してきたことができなくなってしまいます。学校の場合は、特定な子供に対して、必ずその手技について、医師、看護師等の実技研修を行っています。その上でその子についてこういうことなら安全にできるという確認の上で実施するという形をとっています。特に障害のある子供たちというのは、それぞれのお子さんによって異なっているので、実はその実技研修が非常に重要であって、それで初めて安全が保たれていると思っています。その子については1年間、きちんと研修が終われば、あるいはずっと担任を続ければ、そのまま続けていくことになるわけです。そういう特定な子供に対して、特定の実技研修を行っていくというのが、不特定、だれでもできるというものと全く違っていますので、これについてはきちんと位置づけていただかないと、今まで行ってきたことができなくなると思っています。
 特に、今まで安全に保たれてきたことについて言うと、各都道府県で研修を実施しておりまして、その研修について、今までのことを是非認めていただきたいと思っています。そういう研修に基づいて実技研修を行って、そして、看護師を中心として教員が行うという形、連携して行うという形をとっていますので、実はどこでも、だれでもということを簡単には考えていません。ある意味では、安全を担保するように、学校全体の運営の中でどう行うかということも含めて安全に取り組んできた結果が、現在、事故もなく、みんな安全に通えているという状況にあることを御理解いただければと思います。
○大島座長 既に行われてきている人にとっての不利益になるような制度はつくらないようにしようというのが、1つの合意ではあったと思うんですね。それを具体的に法制度か何かというものに落とし込んだときに、整合性が取れるのかどうかという議論だろうと思うのですが。どうぞ。
○白江構成員 今の「特定」と「不特定」の話は、前回のときにある意味唐突に、議論の中では若干は出ていましたけれども、その整理がされていなかったというところで非常に違和感があったのが正直なところです。先ほど川島委員、あるいは三室委員の話のとおりで、これは在宅か、施設かではなくて、重度の障害か否かという整理であれば、また更に、ほかにも勿論整理の仕方があろうかと思います。そういうところで考えるならば、ある程度の理解はできると思います。
 もっと詳しく言えば話が長くなってしまうのですけれども、この辺の整理はやはりきちんとしておかないと、法制度の詰めの段階でできなくなってしまうということは十分に考えられます。先ほど隠れてやっている現状があるという話がありましたけれども、施設の実態として、あるいは在宅の実態としてそういうケースはあるわけで、ある程度その辺が見込まれないで制度化されてしまえば、当然その時点で、逆に言うと現在行われていることがもうできなくなってしまうという状況を生み出してしまうことを懸念しています。せっかく利用されている方のQOLを高めて、よりよい生活をしていただこうという制度のための検討会が、逆にそれを縛ってしまって、その方の人生も変えてしまうような事態になりかねないという、そこだけはきちんと念頭に置いて、この辺の整理を是非していかなければいけないと思っております。
○大島座長 平林委員どうぞ。
○平林構成員 川島先生と三室委員のお話は理解できないわけではないのですが、制度の問題として考えたときに、特定の者に限ってたんの吸引等を実施できるものとしてよいとすると、では、その相手方が変わると、そのヘルパーさんなり介護福祉士さんは、また一から研修を受けて、一からやり直すということになるのですか。
○川島代理人 研修の内容の中でAとBに通じるものとBにしか通じないものが出てきます。それについてきちんと研修する。
○平林構成員 ですから、制度の問題として言うと、AさんとBさんと共通のものがあって、共通のものについては省略していいと。だけど、Bさんについて新たに、Aさんをやっていたけれども、Bさんについて、特殊なものについては、それをクリアしないとたんの吸引は認めない、そういう非常にリジットな制度でよろしいのですねという、その確認です。
○川島代理人 特に、私の場合は橋本委員の代理でございますので、在宅は環境自体がもともとそうでございますので、在宅についてはそうであると考えております。
○大島座長 どうぞ。
○白江構成員 以前、橋本委員も提案されていたと思うのですが、私どもも同意見である事項があります。基本研修は極めて限定的というか、最低限本当に必要な基本的な部分でいいだろうとです。あとは、現場での個別研修の中できちんとやっていくような、そういう制度設計であればいいのではないかと思います。今回の試行事業における50時間というのは余りにも時間が長過ぎます。たしかに内容的にも非常にわかりやすくて、テキストを私も読ませていただきましたが、最初に読んでもすぐわかるような非常によくできたテキストだとは思います。そのように思いますが、重複しているところもたくさんありますし、基本研修の中でここまで必要かというようなところがかなりあります。ですから、そこを大幅に整理して、本当に必要な部分に限定した基本研修というあり方をまず確立して、その後、個別研修なり実地研修の中で、先ほど来言っている特定の方への対応とかといったものを含めてカバーできると、制度的にも整理できるのではないかと思います。
○大島座長 どうぞ。
○三室構成員 特別支援学校では実地研修のところを非常に重視していまして、やはり安全に実施するということで、基本的な研修については、基本的に押さえていれば、今度はまた特定なお子さんにかかるときには、その実地研修をまたその子に対して行うという形で、特定のことについては安全な実施を行うことができます。ですから、一番大事なのは実地研修のところを必ず行っていくという制度をきちんとつくっていくことだと思っています。
○平林構成員 しつこくて恐縮なんですが、要するに、その場合には、認定というか評価とか認証がありますよね。それをそのたびごとに受け直す、それでいいわけですね。
○三室構成員 現在、特別支援学校では、基本的な研修は基本的な研修で終わりますので、実地については、看護師、医師等のもとで、その子について大丈夫ですよという形で確認をする形をとっております。
○駒村参考人 在宅も当然でございます。
○大島座長 平林委員にちょっと私から伺いたいのですが、勿論、法とかそういった制度上で物事を考えるという場合、現場の実際の状況では、個別性は常にすべてにあるわけで、その個別性に対して、みんな該当するような制度をつくるというのは、実際問題としてこれは不可能ですよね。それをどこまでそういった個別性というものを制度の中で許容できるのかできないのか。もっと違った言い方をすると、現場では、そんなこと当たり前じゃないか、当たり前で、そんなことは、その現場でリスクというのを十分に判断した上で、そこの医療職、医者とか看護師が、これはこうだから、ここをきちんと押さえなきゃだめだよという個別の指導とか個別のやり方で大体決まってくるんですよね。そこまで押さえていかないと制度としては成り立たないものなのかどうかというような、ちょっとその辺の範囲の問題だろうと思いますが。
○平林構成員 私が思っていましたのは、今、座長がおっしゃったように、ある意味で個別性は当然なわけです。医療にしても、介護にしても、対象者が違えば、全部個別性があるわけですから、その個別性の一つひとつに、制度的に一つひとつに対応しなければならないとすると、そういう制度って今まであったのかしらと思うわけです。そういう制度はなかったのではないかと。看護にしたって、医療にしたって、あるいは介護にしたって、一応の標準的な知識と能力を持っていて、それを個々の患者や利用者の違いに応じて、その専門性を発揮して、あるいは医者との関係の中で場合によっては医者がきちんと指導して、その対象者の個別性には対応していくというのが通常の制度ですよね。
そうすると、個別の人に一つひとつのオーケーを出していく制度というのは、僕は今までなかったのではないかと思っています。もしあれば教えていただきたいのです。
○川島代理人 新しい制度ですので、そのようになさっていいと思います。
○三上構成員 今の話は、先ほどから言っているように、資格をつくるという、資格という制度、資格認定をするということについて非常に問題が起こると。個別に、個々の人について一つずつ認定をしなければいけないという話ですから。これは全体の話で、基本的にはすべて医療がかかわっておって、医師あるいは看護師がそこにかかわって、実地研修等も立ち会って、大丈夫という判断の中で今現在やられているわけですから、これは不特定多数の介護の現場においても、当然そのようなことで、危険であれば当然医療がかかわっていくわけで、ここの場合には、このケースでは、介護職がやっても大丈夫というケースについて介護職がやっているはずなんですよね。それが、本当に危ないケースまでやっていることは、現実はないと思うんです。
 現実は比較的大丈夫なケースが多いんだということが前提でここでやっているわけですから、私は、資格をつくることによって混乱すると言ったのは、白か黒かはっきりするということはそうですけれども、できる人とできなくなる人が存在して現場で混乱するということを申し上げているわけです。ですから、資格をつくるのではなくて、介護職が安全にできる範囲を徐々に広げていくのだということを申し上げているわけです。
○大島座長 どうぞ。
○中尾構成員 今、皆さんの御意見を伺っていまして、介護の現場にいる私、一ヘルパーとしましては、今、三上先生がおっしゃいましたことは全くそのとおりで、医療的な問題があるケースに関しては医療の方に移行するわけで、より安全で安定した状態で、個々に違う状態の方の介護をやっているわけなんですね。
 そこで、基本に戻りたいのですけれども、私たちが一番望んでいるところは、本当にやってはいけない行為をグレーゾーンでやっているとか、これからやらなければならないこのニーズに対してたんの吸引であったりとか、そういったところをきちんと私たちが安心で安全で行える行為としてもう一度整理していただきたいということです。それと、御利用者さんの立場に立ったときに、今はきちんと家族ができて、家族でやっていて、見守りもきちんとやっていますが、家族が高齢であった場合には私たちもやっています。私はヘルパー歴が長いので、昔のことになりますけれども、介護保険制度が始まる前までは、医療と訪問看護とヘルパーの方で、私は介護福祉士も持たずにやっていました。制度ができてからはできないことになっていて、ヘルパーができないとなると、皆さんが在宅に帰ってこれない、そういう現象が起きてきているんですね。介護している方が高齢者であったりとか、いろいろな障害を持っている方であったりとか、家族の方に障害があったりとかあるわけです。
 そうした状況がある中で、私たちが基本にしていただきたいのは、やはり安全で、利用者さんにとっても勿論安全に、三上先生がおっしゃったように個々に違うのは当たり前なので、きちんとした基本的な研修はおこなった上で、あとは現場で医療と訪問看護との連携で行っていくこと。そして今はグレーゾーンで行っている部分をきちんと本当に安心してできる状態にしていただきたい。それで、もう行うしかないんですよ。目の前に現実としてありますので行うしかないので、そこをもう一度整理していただけないかなと思いました。
○大島座長 どうぞ。
○川崎構成員 施設は一歩先に始まったのですけれども、議論の中でもう一度4番に戻っていただけたらと思います。ここの中で○の2つ目と3つ目に、適切な連携と協働、それから安全の確保、ここがやはり一番重要だということに気づいています。実際には、教育・指導というのは、いろいろなタイプの人がいますので、それから看護職もいろいろいますから、実際にどのくらいの効果が上がるかということは、まだまだ時間がたたないとわかりません。連携の仕方、協働の仕方、あるいは安全の確保ということのルールづけをしたということが、非常に大きいと思うんです。
 これは、在宅の不特定に関しても、特に、まずはここで、現場でやっている実際の人たちを補強してあげる、サポートをするということのために、今回、モデル事業で実際に出てくる問題点というものがあると思いますので、そこを上げていくことというのが、今回のこの議論では非常に重要ではないかと思います。皆様がおっしゃっていること、本当にそれぞれの立場のことがあると思います。ただ、共通のところでは、やはり適切な連携が必ずあるのだというその条件づけ、あるいは安全の確保のためにはこのルールを取らなければいけないということだと思います。そこがきちんと書き出されると思うのですね。まずはそれがあると、そこからどのような資格の人だとか、どのような研修が必要だというところは、後追いでもうまくいくのではないかと感じております。
○大島座長 ありがとうございました。
 ほかは。どうぞ。
○因構成員 今までこの委員会は、今やっている人ができなくなるということはやめましょう、そういう議論をやってきていたと思うんですよね。だから、橋本委員のところなんかは、そのままできるようにという議論だったと思うのですけれども、それは、私は、経過措置の中で期間を定めてやっていけばいいことだと思うんですね。
 ただ、今回私は、特定と不特定という言葉が出てきたときに、特定とは一体何なのかという意味がわからないんですね。大体、この人は特定に該当する、この人は不特定に該当するというのは、どこでどのように分けるのでしょうか。場所なのでしょうか。
○大島座長 特定という議論は、Aという人にBという人が、その人だけにかかわるという意味で特定という言葉を使っているのだと判断していいかと思います。それでよろしいですよね。
○川島代理人 そうでございます。
○因構成員 そうすると、たしか橋本委員がこの委員会の中で、募集してもなかなかヘルパーさんが来ないのだということをおっしゃっていました。自分は特定の人がいいんだと。自分のことだけがわかって、自分のたんの吸引ができればいいのだとおっしゃっていたのですが、それと一緒に、募集してもヘルパーさんがいないということをおっしゃっていたのがすごく印象的だったんですね。ですから、そういうことをなくすためには、どこまでが特定で、では、いつから不特定の人を募集して、だれが来ても自分のたんの吸引ができるみたいに、それは、少しその方の個別性に対応する研修というのは必要になるのかもしれないけれどもというのが、ちょっと疑問として私の中にあります。
○大島座長 ちょっとその議論をし始めると方向転換になってしまうので、特定を認めない、将来認めてはまずいのだという御意見かと思いますけれども、ちょっとその議論はそこのところで止めておいていただきたい。
 どうぞ。
○島崎構成員 今までの議論の中で幾つかあるのですが、まず、特定、不特定の話は今、余り深入りすべきではないのかもしれませんが、あえて言えば、それは、先ほど川島代理人がおっしゃったことの意味は私は十分わかるのですけれども、多分、平林委員がおっしゃっているのは、それは資格の話なのか、あるいは、要するに個別の依頼条件の話なのかという問題なのではないかという気がします。
 私はおっしゃっていることはわかるのです。つまり、特に重度障害者の場合の例を挙げれば、それ以外にあるかもしれませんが、非常に個別性が強くなる。Aさんでなければだめだというようなことは、恐らくあるのだろうとは思います。橋本委員も、これまでそういう趣旨のことをおっしゃっていたと思います。
 ただ、それは、例えば在宅の場合に、多くの場合、同じようなことが起こるのであって、この人でなければ信頼できないとかというようなことは当然あるわけで、それは個別の資格の要件の問題としてとらえるべきなのか、そうではなくて、個別の依頼の際の条件のような話なのではないかという気がしますというのが1点目です。
 それから、2つ目として、病院ではたん吸引を積極的に認めないこととするという、さっきの議論の話ですけれども、一方で、現実の問題として、例えば療養病床で、前にもちょっと資料がありましたが、入所者全体で見たときに、喀たん吸引であるとか、胃ろう、経管栄養というのは、現実問題として非常に頻度が高いですね。それで実際問題として、そういう看護職員がいるから実態的にやらないというのは、それは説明としては勿論わかるのだけれども、明示的に、つまり医療施設では一切やることまかりならんということまで規定してしまって、果たして現場が困らないのかなということは率直に言って気になります。
 それから、3つ目として、実際に安全性というようなことを先ほど私も少し申し上げましたけれども、これまで確かにヒヤリ・ハット事例というのはあったと思いますが、これまで通知等によって運用上認めてきた中で、現実に、本当に重篤な事故、例えば死亡事故であるとか、後遺症が残るような事故が起きたというそのことは、率直に言うと余り聞いたことがない。それから、前にこれまでいろいろな通知によって解釈を広げてきたときにも、全く何もそういう検証をしていないわけではありません。つまり、一定のサーベイを行って、その上で危険であるかどうかということはある程度踏まえて対処してきたのだということは、是非御認識いただきたいと思います。
○大島座長 ありがとうございました。もう時間がありませんなので、あと1分ぐらいずつでお願いします。どうぞ。
○三上構成員 今の島崎委員の御質問ですけれども、特養のモデル事業でのヒヤリ・ハット事例ですが、基本的には、ヒヤリ・ハットのアクシデントの発生の報告があった施設は36%で、ない方が64%と多かったわけですが、ここで大きな問題は、報告をしなかったところが、危険であるかどうかを察知できない、より危ないところかもしれないということが一つあります。基本的に、研修して、2カ月研修すれば80%以上が安全に喀たん吸引ができるという報告もあるということはわかります。
 それと、もう一つは、いわゆる介護療養型医療施設と特養での喀たん吸引の頻度は5倍以上違うと。3〜4%対20%ぐらいの違いがあるので、必要度は当然、介護療養型の方が多くなるので、そちらの方で研修をするということになりましたし、そちらで介護職員ができないということは、ちょっとおかしいなと私も思っております。
○大島座長 川島代理人どうぞ。
○川島代理人 1番の質問に関してでございます。
 WHOのQOLの評価につきまして、QOLというものは本人の主観的指標であると明示してあります。つまり客観的評価のみでこの制度が使われてしまうと、どの人にもお仕着せの介護提供がなされるおそれがある。特に在宅の場合は、個々に様式が違います。つまり、現場を知らないと制度を形式的に当てはめていいのかという論議にいつもなってしまうのです。
○大島座長 どうぞ。1分でお願いします。
○三室構成員 全国の特別支援学校でいろいろな医療的ケアが行われているわけですけれども、特定のものということで、研修を簡略化してその子に対して行うということで実施できています。特に教員の場合は異動がありますので、介護職員の場合は、それが一つの仕事としてずっと続くのに対して、教員はいろいろなところに異動しながら仕事をしていくという中で、その人材を確保していくためには、今の特定の者に対するというものをきちんと位置づけていかないと、今までのことが実施できなくなりますので、これは是非お願いしたいと思います。
○大島座長 どうぞ。
○白江構成員 対象となる施設、事業所のことなのですけれども、先ほど保育士の話が出ましたが、保育園が入っていないという点で、それから、障がい者制度改革推進会議の中でも、一般の学校でも障害を持った子供さんが通えるようにしようという流れがある。その辺のところも一つ考えていかなければいけないということとがあります。さらに、生活保護法下の救護施設、こういったところでも、現在、高齢化、それから重度化が進んでおり、障害を持った方が非常に多い現状にあります。ですから、そういった意味でも、この対象施設についても広く考えていっていただかなければいけないということを1つ御提案します。
○大島座長 どうぞ。1分でお願いします。
○齋藤構成員 はい、1分ですね。何度も申し上げますけれども、医療機関につきましては、たんの吸引だけ取り出して介護の方々にお願いねという仕事のやり方はしておりませんので、系統的な看護サービスの中で、当然それは行われていきます。ですので、いわゆるここでは看護職がやるべきだと考えていますので、私はこの書きぶりで特段問題はないと考えています。
○大島座長 ありがとうございました。
 今日の議論を1時間20分ぐらいやりましたけれども、随分いろいろな問題が浮き上がってきたと思います。次回には、是非ともきちんとした答えになるところまで持っていきたいと思いますので、今日議論になったところで、次回、あくまでこうだというふうで考えられている場合には、メディアの方もいっぱい来ていますので、社会全体に対してなるほどなと納得できる理論武装をして、ここの委員だけではなくて、社会をも説得できるようにお願いしたいということが一つ。
 それから、この問題は、やるしかないというような言葉で表現されましたけれども、現場の実態から、もう本当にせっぱ詰まっていると。その重要性、緊急性も避けることのできない問題だという認識については、委員全体がこれはもうはっきりしていると。それでは、具体的にどうするかという問題に今なってきているのですが、現場で当事者になる介護福祉士、そして勿論利用者ですよね、一番当事者になるのは利用者であり、介護福祉士あるいはヘルパー、ほかに等があって、ちょっと抜けたところは御容赦願いたいのですが、その当事者の方達が不安なく安全に行えるように、利用者が安心して受けられるようにどうするかです。利用者に不安を与えてはいけない、それから実際に行う側も不安なく安全に行うために、どう今の状態を変えてゆくか、こういう議論だと思います。
 当然、医療行為あるいはそれに準ずる医療的ケア、人の体に触れるわけですからリスクがないわけはない。どんな場合でも、人の体に触れてリスクゼロなんていうことはあり得ません。そのリスクをどう考えて、一般的な問題として、これぐらいは行けるだろうとか、行けないだろうかというのは、常にその技術の判断というのは当然あるわけですから、これはやはり専門家がある一定の指針を出していくのは当然だと思います。しかし、それでリスクをゼロにできるかといったら、絶対そんなことはあり得ない。ということになると、これももう皆さんの中ではほとんど答えが出ていると思いますが、連携・協働でいかに安全な体制を、現場で作って、現場でのリスクに対して対応をしていくしかないだろうと。教育・研修は勿論ですけれども、そういう具体的な連携・協働体制をどうやってつくっていくのかが不可欠であり、その仕組みをどうやってつくっていくのかということが、すごく大きなかぎだろうと。
 あえて最後に一言言いたいのですが、この問題を放置しておくことのリスクといろいろな問題があっても前に進むことのリスクとどっちが高いか。このまま先延ばしにして、放置して、次に何が起こってくるかということのリスクを考えたら、これはもう何らかの形で手を打たなければいけない、そこから生まれるリスクと比較したら、これは比較にならないことは、皆さん十分にわかっていると思いますし、私もその理解のもとにやっています。次回には是非とも答えの出るところまで行きたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 事務局では、今日の論点をまた改めて整理をして、皆さんが納得できるような提案をしていただければと思います。
 それでは、今日は後の試行事業の進捗状況についての説明をお願いします。
○川又振興課長 ありがとうございます。資料4−1〜4−3まで、3枚について簡単に御報告させていただきたいと思います。
 夏までの議論、おかげさまで試行事業の方は、10月29日に指導者講習が行われております。なお、お手元に、机の上に青い厚いファイルを置かせていただきましたのが、指導者講習のときのテキストでございます。これがテキストで、あとまたチェックシートとか評価シートが別途あるのですけれども、これが指導者講習で使われた教科書ですので、ごらんいただければと思います。
 なお、このテキストの編さんにつきましては、川村先生に非常に御尽力をいただきましてありがとうございます。また、大島座長を初め、内田委員、太田委員、川崎委員、川村委員、橋本委員には、アドバイザーという形で御協力をいただいておりますので、この場で御礼を申し上げたいと思います。
 4−1ですけれども、指導者講習が29日に終わりまして、あと下の方の左から2つ目の吹き出しの中に、事業実施団体として、不特定多数のものについては、そこにあります7団体に参加をいただいているところでございます。今月から基本研修ということで進められております。7団体で介護職員、数にしまして145人程度ということで参加いただく予定でございます。
 この基本研修を終わりましたところで、12月に評価委員会を行います。評価?@というところで前半の評価を1回いただきます。また、それを終えて、来年にずれ込む可能性がありますけれども、実地研修ということで、それぞれのところで指導看護師のもとに実地をいただくという形で実施いたしまして、評価?Aというところでまたその評価をしていただきまして、来年1月か2月ごろに、またこの検討会に御報告させていただきまして、実際の中身について議論をまたいただきたいと思っているところでございます。
 資料4−2は、その研修のカリキュラムのもう少し細かいものでございます。基本研修、それから知識の確認ということで、簡単な確認チェックをして、プロセス評価票などにより評価をいたします。そして実地研修からプロセス評価票ということでございます。
 最後の資料4−3は、今、議論にもなりましたけれども、特定の者ということで、こちらはNPO法人のさくら会で実施しております。同様に、指導者研修、基本研修とございますが、ただ、基本研修のところは、重度訪問介護、重度訪問介護従事者養成研修と合わせ20.5時間ということでございますが、こちらの特徴としては、次の実地研修のところで非常に時間をかけて、パーソナルな関係でのもとにたんの吸引等を行うということで、実地研修に時間をかけて、繰り返しできるようにしていくという形で行っていただきまして、必要な評価を行った上で、またその状況につきましても、この検討会に併せて御報告させていただきたいと思っております。
 不特定のもの、それから特定のものの区別ということで、今、御議論もございましたけれども、1つには、こういう研修の中身が若干異なってくるというところがございます。ですから、それに伴って若干の差異は生じることになろうと思いますけれども、我々としては、全体のスキームとしては一定のこのような研修を受けた者あるいは介護福祉士が、たんの吸引等の行為をできるという形での制度のフレームをつくって、その特定の者か不特定の者かという区別につきましては、研修の課程の違いによって生じる差異というのは当然あろうと思いますが、共通する部分もございますので、その辺は、場合によっては特定の研修を受けた者が、ある程度不特定の方にも行けるとか、そのようなカリキュラムのやり方としては、行ったり来たり、両方が共通するような部分というのはあろうと思いますので、そのような工夫もできるのかなと考えてはおります。
 以上でございます。
○大島座長 何か御質問等ございますか。よろしいでしょうか。どうぞ。
○因構成員 スケジュールについてではないのですが、菅総理の指示書が出ている中で、資料2ですけれども、この中で、2の一番下に「レベルアップ研修事業を本年度中に前倒しで実施すること」と書かれているのですが、これはどういう意味でしょうか。
○川又振興課長 ちょっと冒頭の御紹介にも言及させていただきましたが、今、国会に提出しております今年度の補正予算の中で、来年度予算でも研修事業を予定しておりますが、一部前倒しでということなので、必要なたんの吸引の機器とか、そのような機材を早目に準備をしておこうということで、2億8,200万円、本年度の補正予算に今、盛り込んでいるところでございます。今、国会で審議中でございます。
○大島座長 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○島崎構成員 先ほどどなたかもおっしゃったと思うのですけれども、これは何時間研修すればいいのかという絶対的な基準というものがあって、やりながら考えるよりしようがない部分があったと思うのですね。50時間がいいのか、何十時間がいいのかという話があったときに、少な目にしておいて、研修段階でもっとこれも必要だねというよりも、少しアローワンスを持って、それでその中身を検証していった方がいいのではないかという議論だと私は理解しているのですが、そういう観点を踏まえていろいろ試行とかこういうテキストづくりを行っているのでしょうか。ちょっとその確認なのですけれども。
○大島座長 いかがですか。
○川又振興課長 これは、1回から4回までの議論を踏まえて、50時間という形で必要と思われるものはやってみようということで始めたわけですので、これでもう少し効率化する部分があるのかないのかを含めて、これは試行事業の結果を検証いただくということになるかと思います。
○大島座長 どうぞ。
○三上構成員 特養の看護と介護の連携による、喀たん吸引と経管栄養で行っている14時間、17時間というモデル事業はどういう扱いになるのでしょうか。。
○川又振興課長 今はまだ新しい制度ができていませんので、そこは、今やっているものは引き続き、新しい制度ができるまでは。
○三上構成員 両方で走っているということですね。2つ走っているということですね。
○川又振興課長 はい。
○大島座長 よろしいでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。これで終了したいと思いますけれども、事務局から今後の予定について。
○川又振興課長 ありがとうございました。次回の日程は、先般御案内いたしましたが、12月13日月曜日、16時から18時を予定しております。場所等につきましては、追って連絡をさせていただきます。
 また、お手元に1月、2月、来年の日程表を配付させていただいております。試行事業の検証をお願いする会でございますので、今日、御記入できないということであれば、後日でも結構でございますので、事務局の方に返信をいただければと思います。
 ありがとうございました。
○大島座長 ありがとうございました。それでは、今日はこれで終わりたいと思います。
 どうぞ。
○黒岩構成員 すみません、次回出られないので、最後、そこだけお話をしておきたいと思いますが、今日いろいろな議論がありましたけれども、基本的に何をしたいのかということを、さっきの座長の取りまとめはとてもよかったと思うのですが、私からちょっとお話をしたいのは、これは、行政刷新会議の規制・制度改革分科会のメンバーであり、その下にあるライフイノベーションのワーキンググループのメンバーもやっていますが、医療・介護・福祉の規制改革という、その文脈の中で向こうで議論していまして、この問題というのは、基本的に、まさにそこのテーマとして上がって、こっちに来ている問題であるということですね。ですから、これは何をやっているかというと、要するに規制緩和をしていこうという、その大きな方向性だけは見失わない方がいいと思っています。
 だから、ある程度のあいまい性というものはある。それから法的な問題もあるけれども、まずは今、必要な人に必要なサービスを届けるための規制緩和をしていこうという基本的な流れの文脈になるということだけは確認していただきたいと思います。
○大島座長 ありがとうございます。
 それでは、今度こそ本当に終わります。どうもありがとうございました。


(了)
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