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2011年1月14日 第1回がん研究専門委員会議事録

健康局総務課がん対策推進室

○日時

平成23年1月14日(金)
14:00〜16:00


○場所

厚生労働省19階 共用第9会議室


○議題

【報告事項】
・がん対策推進協議会のがん研究専門委員会の設置について

【協議事項】
1 がん対策推進協議会がん研究専門委員会運営規定(案)について
2 がん研究の今後の検討課題について

○議事

出席委員:野田委員長、大津委員、祖父江委員、直江委員、中西委員、平岡委員、松原委員、間野委員


○鈴木がん対策推進室長
 それでは、定刻より若干早いですが、ただ今より第1回がん対策推進協議会がん研究専門委員会を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 事務局の健康局がん対策推進室長の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに、本専門委員会の委員の方の紹介をさせていただきます。
 がん対策推進協議会委員から参加いただいております日本癌学会理事長の野田哲生委員でございます。

○野田委員長
 野田です。よろしくお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 続きまして、専門委員の方をご紹介いたします。
 独立行政法人国立がん研究センター東病院臨床開発センター長の大津敦委員。

○大津委員
 大津です。どうぞよろしくお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター部長の祖父江友孝委員。

○祖父江委員
 祖父江です。よろしくお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 国立大学法人名古屋大学大学院血液・腫瘍内科学教授の直江知樹委員。

○直江委員
 直江です。よろしくお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 国立大学法人九州大学大学院呼吸器内科学分野教授の中西洋一委員です。

○中西委員
 中西です。よろしくお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 国立大学法人京都大学大学院放射線腫瘍学教授の平岡真寛委員です。

○平岡委員
 平岡です。よろしくお願いします。

○鈴木がん対策推進室長
 国立大学法人千葉大学大学院先端応用外科学教授、松原久裕委員です。

○松原委員
 松原です。よろしくお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 学校法人自治医科大学医学部ゲノム機能研究部教授の間野博行委員です。

○間野委員
 間野でございます。よろしくお願いいたします。

○鈴木がん対策推進室長
 以上の8名の委員の方に参加いただき、がん研究専門委員会を開催させていただきますのでよろしくお願いいたします。
 外山健康局長でございますが、今、公務のため席を外しております。また追って来られましたらご挨拶させていただきたいと思います。
 続きまして、がん対策推進協議会運営規程第四条第3項に基づき、委員会の委員長は、がん対策推進協議会の会長が指名することとなっております。会長であります垣添会長から、事前にお話をさせていただきまして、野田委員が指名されておりますので、以後の進行につきましては野田委員にお願いいたします。
 委員長、よろしくお願いいたします。

○野田委員長
 鈴木室長、ありがとうございました。
 それでは、委員長としてご指名いただきましたので、以後の進行を務めさせていただきます。
 まず、この専門委員会の設置ということで、経緯のことをごく簡単にまずお話をしたいと思いますが、がん対策推進協議会、実際この名簿がありますが、20名の協議会委員が2年任期でずっとがん対策に対する─どっちに、こっちに入っているの。これですか。
 基本計画……

○事務局
 冊子のほうです。

○野田委員長
 こっちの冊子のほうの、後ろのほうに……

○事務局
 中間報告書ですね。

○野田委員長
 中間報告書の何ページ。

○事務局
 37ページです。

○野田委員長
 この中間報告書の37ページにありますが、2年任期、このリストの方たちは、原則的に任期が今2年目に入っていますが、適時、協議会を開いて日本のがん対策に関する話をしています。その中で、今、ことしそのがん対策推進協議会の一つの大きな責務は、がん対策推進基本計画を書き直すというか、よりよいものにするということがございます。その承認されてでき上がったがん対策推進基本計画は、平成24年度、23年度につくって、24年度から5年間にわたってその推進基本計画が使われるということがございます。ということで、今、協議会ではそれに対する議論が進んでいるところであります。
 ちなみに、このばらばらの冊子のほうですが─これですね、すみません、このとじてある─これがそのがん対策推進基本計画の中間報告書というもので、昨年度、現在のがん対策推進基本計画がどの程度進捗しているか、問題点はどこにあるかというものが、がん対策推進協議会で討論されてでき上がった中間報告書であります。いよいよ、今、書き換え、あるいは新しいものをつくると、第2期の計画をつくるというところに差しかかって、今、協議が行われているんですが、その中の項目、項目立てがありますが、がん対策推進基本法に従って第7番目にがん研究という項目がございます。
 ということで、がん研究についても新たな基本計画の書き直しを進めようという状態なんですが、その中で、ここに室長がいらっしゃいますように、基本的にがん対策推進計画の推進に関しては、厚労省健康局総務課のがん対策推進室がそれをサポートするという形で今まで進めてまいりました。ただし、私たち学術系の委員から見ると、実際、日本のがん研究というのは厚労省がサポートしている部分は非常に大きいんですけれども、実際には厚労省だけではなく、文科省、経産省、それ以外の省との関連も含めて、あるいは内閣府も含めて、いろんな公的支援の母体があるというようなこともありますし、あるいは実際にその20人の協議会の委員を見ていただいても分かりますように、幅広いがん研究のいろいろな部分を全てカバーできるようになっているかというとなっていないという部分がありますので、この場合に、次期計画の書き込みに向けては、やはり専門の方々たちに集まっていただいてディスカッションが必要であろうということで、この委員会の設立を提案しました。この資料の中にありますけれども、協議会には委員会を設置することが認められていまして、実際、結果的にはがん研究だけでなくほかに2つ、計3つの専門委員会がつくられているということになります。
 ということですので、皆様に就任の受諾をいただいて直後に、質問状じゃないですが、現在のがん研究の課題について挙げてくださいというふうに差し上げたのは、実際にこれからそういう活動に向けてのまず現状認識とその課題というものをまず挙げていただくところからスタートしようかということになっています。
 あと、先に向けてどういうふうに進めていくかというのはまた後でお話ししますが、まずせっかくそのがん研究の現状、国内・国外との関係も含めて、がん研究の現状について挙げていただきましたし、ここにお書きになっていないことでも構いませんので、それぞれの委員の方に、実際には簡単にご自分の専門分野等も含めてご紹介、簡単にいただいた上で、その書いていただいた現状、問題点というところについて、取りまとめて簡単に紹介していただけるとありがたいというふうに思います。
 それでは、そういう流れでまいりたいと思いますが……。
 はい、どうぞ。

○鈴木がん対策推進室長
 すみません、その前に……

○野田委員長
 資料の確認か。

○鈴木がん対策推進室長
 ええ、資料の確認と、すみません、協議事項といたしまして、まずこの専門委員会の運営規程を決めて、その後に今のお話をさせて……

○野田委員長
 すみません、じゃ資料の確認、この今のはいいですね。

○鈴木がん対策推進室長
 じゃ、私のほうで……

○野田委員長
 ああ、そうですか、そちらで。

○鈴木がん対策推進室長
 資料のほうにつきまして確認させていただきます。
 お手元の机の上に、まず座席表と、それから第1回がん対策推進協議会がん研究専門委員会の議事次第を1枚、それとあと資料の番号ですが、資料の1番から5番までありまして、資料の1が「がん対策推進協議会専門委員会設置要綱」、資料の2が「がん対策推進協議会がん研究専門委員会運営規程(案)」、資料の3が専門委員会の名簿となっております。資料の4が「がん対策基本法関連法規」で、資料の5が、野田委員長がおっしゃいました「がん研究専門委員会の今後の課題」ということになっております。
 またあと、参考といたしまして、文部科学省ライフサイエンス委員会がん研究戦略作業部会が平成22年6月25日に作成しました「がん研究の現状と今後のあり方について」という冊子、それと、がん対策推進基本計画、これはコピーでございます。それと、がん対策推進基本計画の中間報告書、これは冊子になりますが、それを机上のほうに配布させていただいているところでございます。

○野田委員長
 資料の1、4に基づきの説明はもうよろしいでしょうか。あるいは簡単に、すみません。

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、経緯につきましては委員長のほうからもうご発言させていただきましたので、今回の専門委員会の運営規程についてご説明をさせていただきましてご協議いただきたいと思います。
 資料につきましては資料の2番でございます。
 先ほど委員長からおっしゃっていただいたとおり、このがん対策推進協議会、これは法令に基づいて設置されている審議会でございますが、その下に、今回、専門委員会といたしまして、緩和ケア、小児がん、それとがん研究と、この3つが立ち上がっているところでございます。そのがん研究の専門委員会を運営するに当たっての規程ということで、資料2に挙げさせていただいております。
 順番に説明させていただきますと、委員の任期でございます。第一条でございますが、2行目にありますが、「委員の任期は、二年とする。ただし、専門委員の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする」としております。
 それから、会議につきましては、第二条に記載しておりますが、「委員長が招集する」ということ、それから「あらかじめ、期日、場所及び議題を委員長及び議事に関係ある参考人に通知するものとする」ということでございます。
 それから、議事でございます。第三条でございますが、「委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、決議することはできない」ということになります。
 それから、会議の公開でございます。第四条、がん研究の会議、「がん研究委員会の会議は、公開とする」。ただし、「正当な理由があると認めるときは、会議を非公開にすることができる」というふうにしております。
 それから、議事録のところで第五条でございますが、議事録は次の事項を記載するということで、1つは、会議の日時、場所、2番目が出席した委員及び参考人の指名、それから議事となった事項。議事録につきましては、第2項にありますが、公開が原則でございます。ただし、「正当な理由があると認めるときは、議事録の全部又は一部を非公開とすることができる」と。3項には、「全部又は一部を非公開とする場合には、委員長は、非公開とした部分について議事要旨を作成し、これを公表する」というふうにしております。
 その他、雑則といたしまして「この規程に定めるもののほか、がん研究委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が定める」ということで、運営規程の案をつくらせていただいております。
 説明は以上でございます。

○野田委員長
 ありがとうございました。
 ご質問があれば。
 これは、基本的にはほかの委員会と全て共通の運営規程……

○鈴木がん対策推進室長
 はい、そうなっております。

○野田委員長
 運営の仕方は、基本的にどこも同じルールにのっとって進むというふうに考えてよろしいですね。
 よろしいでしょうか。
 それでは、この運営規程にのっとって審議を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それで、まずこの運営規程にありますが、委員定数8名に対して、本日は、全員、8名の方が出席していただいておりますので、議事運営に必要な定足数には達しているということをまずご報告させていただきます。
 さて、それでは次、先ほど言いましたように協議事項2についてということで、この参考資料の5のほうに、皆様から出していただいた課題と、それから対応策に関する考え方というものがあると思います。
 それで、先ほど申し上げましたけれども、1人約8分ということで始めたいというふうに思いますが、よろしいでしょうか。
 それで、一応アイウエオ順ということで進めたいと思いますので、大津先生から、一応資料もそういうふうにとじられていると思いますので、時間厳守ということでよろしくお願いします。

○大津委員
よろしくお願いいたします。
 私の専門分野はがんの薬物療法のほうになりますので、その観点から意見を出させていただきました。
 既に中間報告とか、それからこの文科省のライフサイエンス委員会の「がん研究の現状と今後のあり方について」というところでも指摘されておりますけれども、薬物療法のところの開発的な部分というのが、日本が非常に遅れてきています。既にドラッグラグが一時期大問題、我々の分野ではありましたけれども、私、消化器のほうが専門ですが、もう正直、ほとんどドラッグラグというのは解消してきていると思います。やっぱりイノベーティブなところをやっていかないと、今後は日本からどうやって開発していくかということがメーンのテーマであるというふうに考えております。そのことに関しまして、5つのところで、5点課題として挙げさせていただきました。
 1点目はシーズ段階での開発戦略の構築というところですけれども、日本の場合、基礎研究のレベルが非常に高くて、それに対して臨床研究が遅れているということはもう以前から指摘されているわけですけれども、残念ながら、基礎研究がハイレベルであるにも関わらず、そこからいわゆる医薬品として開発する部分というのが、その視点というのが極めて欠けているというのが現状だろうと思います。
 これがまず最初の課題でありまして、要するに臨床上の問題に即したシーズ開発というのがなかなか行われていないのが現状ではないかということで、もう既に厚労省のがん研究助成金のほうで班をつくって対応しておりますけれども、薬事であるとか、それから知財、臨床研究、臨床試験の専門家により構成した公的なコンサルタント体制というものを構築していく必要があるのではないかと。要は、最初のシーズの段階から臨床導入を図る上でのクリアしなければならない部分というのをかなり国としてサポートする必要があるのではないかと考えています。
 それから、2点目も、その続きですけれども、実際そのシーズ開発をやる上において、非臨床試験をアカデミアでやるということは極めて困難でありまして、ここの非臨床試験を実施するためのある程度公的な体制整備とか研究費助成というのが必要ではないかと。
 それから、昨今も若干問題になっておりますが、日本の場合、いわゆる企業治験はいいんですけれども、そうじゃない医師主導治験として行われる部分というのは、未承認薬の場合、非常に全くできていない状況であります。アカデミア発のシーズの多くに関しては、研究者の自主臨床試験という形でやらざるを得なくなっているというのが現状だと思うんですが、やっぱりこの未承認薬から臨床試験に入る部分というのは、ICHガイドラインにおいて、もう既に世界共通基準というのができ上がっていますので、日本も、これは最初はかなり大変かと思うんですけれども、臨床試験に導入していく上では、規制当局へのINDの届出を必須とすることがやはり必要となってくるのではないかと思います。ただし、それをサポートする上での公的な助成というのが必要でありますし、それからこの部分に関しては、公的なセントラルのIRBの設置というのが必要になってくるのではないかと思われます。
 3番目に関しましては、これは、アカデミア発の開発とはちょっと視点が変わりますけれども、実際、我々が、国際共同治験等々、ここ四、五年でもう多数経験して、やはり今の本当の大手の企業の新規抗がん剤の早期開発というのは、もうかなり基準が非常に高くなってきていまして、本当の意味のファースト・イン・ヒューマンができる施設というのは、世界的にかなり限られてきている傾向にあります。日本ではなかなかそこに入れる施設というのがないので、ここの基盤整備というのが必要だろうと思われます。それから、そこに精通した研究者の育成というのも重要になってくるだろうと思います。
 それから4点目は、さらにその次ですけれども、ファースト・イン・ヒューマンが終わった後のフェーズ?T終了後の未承認薬を用いた研究者主導臨床試験の実施体制というのが日本ではできておりません。いわゆるアメリカで言うところのリサーチIND制度を導入していかなければならないだろう。アメリカで言うNCI-CTEPのような全体を統括し、かつサポートする組織を、あれほどアメリカほどの大きなものはちょっと難しいとは思うんですが、それに類似したものを国としてつくっていかないと難しいのではないかと。ここの基盤整備も必要ではないかと思われます。
 それから、最後の5点目になりますけれども、これはファーストアプルーバル、いわゆる初回承認後の問題ですけれども、適応拡大試験の実施体制というのがなかなかできていないと。特にこれは、最近の薬事承認に関しては、非常にその保険適用承認が限定的な条件、例えばセッチオフの進行・再発がんも、何とかファーストラインとかという、そういう決まりが、縛りが出てきちゃいますので、一々それを外れたことをやっていくとなると、全部が企業治験でやるというのは、これは企業側も、コスト、それから特許期限の問題から、特にアジュバントへの適応拡大というのがほとんど治験としては行われなくなってきています。
 この点に関しても、それをねらった組織、これは、多分、JCOGであるとかWJOGとかJALSGとか、そういった既存のもうかなりしっかりとしてきたグループがあると思いますので、そういったグループを、整備をさらに助成する形で、こういった適応拡大試験を積極的に日本としてやっていくべきではないかと。イノベーションということを考えると、やはり何かしら承認が絡んだことをやらないと、本当の意味のイノベーションにはならないだろうと思っております。
 以上が5点でありまして、その後にスライドをプリントアウトしています。資料の最初の1枚目は今の5点を開発段階別に並べたものであります。
 それからその下、1枚目の下のところ、6ページの下のところは、前臨床から臨床に入るところが、今の日本の現状のように研究者主導の自主研究としてやっていると、結局また企業への受け渡しの部分でできない、あるいは企業に渡ったとしても、もう一回、一から全部やり直すという非常に非効率なことをやっていますので、一番早いシーズ段階から、薬事、それから開発の戦略を持ったコンサルタント、コンサルテーション体制、この辺を調べていくと、海外では、結構、規制当局のOBのような方とかが中心となったコンサルテーションのシステムというのができてきていますので、そこの部分をつくっていかなければならないだろうと思われます。
 7ページ目は、この開発の時相、今現状がどうなっているかという状況ですけれども、もう既に開発治験というのはもう一国だけでやる時代では全くなくなっていますので、国際治験のところ、1番のイノベーティブなところをやっていくには早いところから入らないとイニシアチブがとれません。ファースト・イン・ヒューマン、ようやく我々の施設などではファースト・イン・ヒューマンのところに試験ができるようになってきましたけれども、ある程度の施設ができてこないと、最初が遅れれば、全てが遅れますので、そこの基盤整備が必要になってくるだろうと思われます。
 その下のほうの表は、実際に今の既承認薬での後期開発、今のグループは、まだJCOG本体だとかWJOGというのは一番右端のカラムのところが主体ですけれども、それと本当のファースト・イン・ヒューマンのところまで持っていくには何をやらなければならないかというのをピックアップしておりますが、こういった基盤整備が必要になってきています。
 やはり早い段階から日本がやっていかないと、日本がイニシアチブをとれないと。国内企業も大分体制ができてきまして、ようやくそういった早い段階、国内企業のほうがむしろなかなか我々を信じていただけなかったんですが、ようやく最近、国内企業も早い段階からの話がやってくるようになってきていますので、これで我が国からの開発を進めていくべきだろうと。
 以上であります。

○野田委員長
 ありがとうございました。
 それで、すみません、質問とかディスカッション、各委員の後に置くのか全体で置くのかとちょっと決めていなかったんですが、ちょっと祖父江先生に申しわけないけど、ここから直江先生、中西先生に飛んでいいですか。

○祖父江委員
 はい、いいです。

○野田委員長
 それで、ごめんなさい、いや、祖父江先生のをなくすわけじゃないので、でも直江先生、中西先生まで飛んで、そこを終わったところで、ちょっと問題点の再確認なりディスカッションなりを一回やりましょうか。
 ということで、祖父江先生、大事なのは後にとっておくということで、それじゃ直江先生、お願いできますか。

○直江委員
 直江でございます。私は、専門が血液がんでありまして、大学病院という大きな病院なんですが、診療と教育に加えて研究をやっているという中で、その研究に2種類ありまして、基礎的な研究及び臨床研究をやっている。
 私どもは、ここの立場は多分2つくらいあって、臨床研究、今、大津先生のほうから非常に整然としたお話が既にあったんですけれども、臨床研究をどのように発展させていくのかということと、それから血液がんという立場で言いますと、消化器、それから中西先生の呼吸器なんかもあるんですが、やや希少がんであるという立場を踏まえた話をしたいというふうに思います。
 私が用意しましたのは、10ページから14ページまでの5つの項目を挙げさせていただきました。
 まず、課題の1なんですが、臨床研究は大事だ大事だというふうに言われているんですが、その目標とか出口というのが今のところずっと不透明であると。特に臨床教室においては、臨床研究というのは大きな課題になっているんですけれども、そのやった臨床研究が、実際の日常臨床やエビデンス、それからガイドライン、生かせて反映されているのかどうかというところがまず1つ目のポイントであります。例えば拡大申請、これはもう大津委員のほうからございましたけれども、医師主導の臨床研究の成果というのは、これは薬剤承認の申請には使えないということでございます。ちょっとここ、エグザンプルで書いたんですが、私、白血病の多施設共同研究でこのフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病、非常にこれは希少がんなんですが、これに分子標的薬を併用した化学療法というのをやって非常にいい成績が出たんですが、これはもともと慢性骨髄性白血病しか通っていない薬であるということで、医師主導の臨床研究でやったということなんですが、この非常にすぐれた成績なんですが、結果的には承認にこぎつけたんですが、これはいわゆる公知申請というような格好で認められたということがございます。そういう教訓から、メーカーの治験とアカデミアの臨床研究が日本ではダブルスタンダードになっているということで、これをやっぱり一本化してもらうのが一番大きな道筋の一つではないかというふうに考えております。
 それから、希少がんではそもそも治験が行われないと。がん種も、これ、分子学的に見ますと非常に多岐多彩にわたってまいりますので、余りにも細かな適用が縛られてしまいますと、せっかくいい標的薬がほかに使えないということがございます。これが課題の1です。
 対策案でございますが、もう話が出ておりますけれども、臨床研究と治験を一体化させたような例えばINDのようなものを日本でもやはり考えるべきではないのだろうかと。もちろん難しいハードルがあるということは承知をしておりますけれども、そのことが日本の臨床研究のレベルを上げるし、無駄な研究をやらずに済むのではないかということがあります。問題は資金と人ということになりますけれども、特にこの会でフォーカスを当ててほしいのは、メーカーが関心を示さないような希少がん、それから適応拡大、それから併用療法、この辺がいつもはざまに残されてしまうということがございます。
 それから、2つ目の問題ですけれども、ちょっとこれは大げさに書いたんですが、そもそもがん研究にどのくらいのお金が投じられているかということは、もう資料はございますけれども、その中で臨床研究、例えばTRの部分、それからエビデンスをつくるような部分にどのくらい国が金を出しているのかということは、なかなかこれは資料がないんですね。ぜひこれはこの会として国のほうに求めていきたいというふうに思います。
 国としての臨床研究を進める戦略性みたいなもの、特に国際化、それから、今、臨床情報は全てIT化されています。電子情報になっております。この辺に対応できているのかどうかということがございますし、研究そのものが守られているのかどうかということもございます。
 それから、先ほど出ました統括するようなCTEPのような組織、それから頻度の多いがんであれば拠点の整備だけでもかなりのエビデンスが出ると思いますが、希少がんではなかなか難しいので、この辺はネットワークへの支援も考慮していただきたいということです。それから、大規模な臨床研究では、臨床現場に対するインセンティブ、これをどのように高めていくのかと。例えば臨床研究をやっても最終的にデータがなかなか集まらないというような問題もございます。ここら辺は、やはり教育も含めて啓蒙していく必要があるのかなと思います。
 3番目でございますが、臨床研究に関わる人材と評価でありまして、基礎研究と大きく違うのは、臨床研究というのは、これはチーム研究なんですね。個人の努力だけではなかなかできないということがございますし、ドクターだけではなかなかできない。それで、いわゆるコメディカルの方々、例えばここに書きましたようなデータマネジャーでありますとかプログラマーですとか、それから生物統計家も含めて、この辺の人材、それからCRCの、クリニカル・リサーチ・コーディネーターといいますけど、この人たちのことがやはり充実しないと、臨床現場で、非常に今、医療崩壊と言われている中で、へとへとになって臨床をやっている先生方に、なかなかそれ以上の負荷を強いるというのは結構大変だろうということは思います。それから、やっぱりもう一つ、インセンティブの問題で、私、大学院におるんですが、大学院でなかなか臨床研究が論文になりにくいんですね。この辺は我々の課題としても少し考えなければいけないということは思います。1つは、例えばポスドクで外国に慰留をしますけれども、臨床の登録事業とか多施設共同研究、薬事行政、この辺などにもう少し若い先生が留学をしてくれるということも一つの方法ではないかというふうに書かせていただきました。
 4番目はいわゆる厚労科研費、これは、僕、厚労省の会かと思いましてここだけ書きましたけれども、これ、同じなんですが、今回もがん臨床研究事業というのがございますけれども、件数と金額が圧倒的に少ないんですね。実は、もう本当に数件だけだということで、これで本当にがんの臨床研究ができるのかというふうに言わせていただきたいというふうに思います。
 それで、文科省の科研は、先ほど言いましたように個人の発想に基づく研究ですので、おのずとこれは性格が違っていいはずだと思います。例えば、厚労科研で臨床研究をやりますからCRCを雇用したいと言っても、これはなかなかできないんですね、今の制度では。それから、たかだかマックス3年という、3年で臨床研究がうまくいくのかというと、これはなかなか難しいと思います。それから、どうしても論文とか、スポットライトの当たるところに皆さんの目が行くんですけれども、地道に疾患登録であるとか、後で述べますバイオバンクというような継続的な事業にもやっぱり光を当てていただかないと、底力が伸びないのではないかというふうに思います。
 最後の5番目ですけれども、そのバイオバンクというのが、非常にこれ、日本には欠けているのではないかというふうに書かせていただきました。例えばゲノムレベルの研究とか個別化医療、それから標的治療というのはこれからの薬物療法の中心になってくると思うんですが、その中でやっぱり最も重要なのは、バイオマーカー、それから新薬開発ということになってきますけれども、ヒトの臨床研究に重要な臨床サンプルのきちっとしたバイオバンクがないと。これを国際的に見ますと、もう欧米では国の国境を越えて非常な形で整備されていると。民間会社も乗り出しているということがございますので、ここはやはり日本の国としてもきっちりサポートしていただきたい分野ではないかというふうに書かせていただきました。
 大体以上です。

○野田委員長
 ありがとうございました。
 大津先生の新薬開発のフェーズフェーズに合わせた問題点と同時に、それを実施・推進するに当たっての、いわゆる特にアカデミアの中での問題点というのがある程度明らかになってきたというふうに思いますので、これ、後でまとめていきたいと思います。
 それじゃ、同じそのアカデミアということで、あるいは薬の部分も指摘として多いというところで、中西先生にお願いしたいと思います。

○中西委員
 九州大学の中西です。私、大学におりまして、肺がんを中心に研究しております。教育と研究が主たる本業でありますけれども、同時にWJOGという臨床試験をするグループの理事長をさせていただいていることと、それから文部科学省のご支援でやっております橋渡し研究拠点事業の九州大学の責任者をしているという立場で、主としてシーズ開発から出口までのところで私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 時間の関係もございますから今の論点に絞って話をしたいと思いますが、16ページ目に、「癌の分子標的と医薬開発」と書いております。日本のこれから先、医療あるいはがん医療がどう行くかということを考えますと、安全安心な医療を提供するということは当然のこととは思いますが、日本が、世界の、アジアのリーダーとして、今後も世界を引っ張って行き、我が国の国力に大きく寄与するためには、開発力重視しなければならないと思っております。
 そのためには、第一に、シーズの育成からその開発、そして臨床試験を通じて最終的に市場化に行くところ、その一つ一つをきちんと精査した上で、現在、日本に足りないところを整備する、これが重要ではないかと思っております。具体的には、冒頭に書いておりますように、がんの分子標的、あるいはバイオマーカー、あるいはこれをターゲットとした創薬、開発に関しては、特に先端的な部分、これはアカデミズムの分野でないとできないところでありまして、企業はその中から優れたものを次のステップに広げていくという立場を担っていると思います。そういった意味で、この部分にやはり国としてのしっかりとした支援が必要ですし、これは先行投資をする価値が十分あると思っております。
 そんな中、先ほど話が出ましたように、バイオバンクというのは、これはもう必要不可欠で、特に日本の場合は個人情報とかゲノム情報に関する倫理的な部分で非常に慎重な対応をとっております。この問題をクリアするためには、ぜひ公的な支援の中で公的なバイオバンクをつくっていただきたいと思いますし、また作ったとしてもデッドストックになると何の意味もありませんので、これについてはぜひとも柔軟で、実際に活用できるようなシステムをつくっていくのが必要ではないかと思っております。
 次のページで「TRの推進」ということと「臨床研究・臨床試験」と書いておりますけれども、早期のシーズも、次のステップで橋渡しがどうしても必要になってくると思います。光ったシーズは、これは民間企業等がそのままライセンスアウトしていいと思うんですけれども、直江委員のほうからもお話がありましたように、ビジネスに結び付きにくいシーズも必ず存在するわけですし、国民に対してきちんとした医療を提供するには、そういったところにも光を当てないといけない。そういったものに対しては、アカデミズムが橋渡し研究をするシステムをきちんとつくっていく必要があるのではないかと思っております。
 現在、3省、内閣府連携で、橋渡し研究については随分と今ご支援があって、随分とそれに伴うインフラも整いつつありますし、また人材も育ちつつあると思いますが、やはり現状では限られた期間内における制約の多い支援にとどまっています。そうしますと優秀な人材を食い止めることはできませんし、キャリアアップの場所もなかなかつくることができないという現状があります。特にバイオの関係の部分というのは、シーズから最終的に市場化まで随分時間がかかりますので、この部分につきましてもう少し恒常的に長期的に支援していくシステムがないと、なかなか世界と戦うことはできないんじゃないかと思っております。
 もちろん、そこに公的資金を投入するばかりでは、決してこれはうまくいくわけはないと思っておりますので、いわゆるライセンスアウトをするときに、知財の問題あるいはそこに関わってくるいろんな特許以外のロイヤリティー等をうまく活用することによって、研究資金がうまく循環するシステムをきちんと整える必要があるんじゃないかと思っております。
 最終出口が臨床研究・臨床試験ということになると思います。これについても、今2人の委員の方と基本的には同じように考えております。臨床試験をやるNPOの活動をやっておりまして感じることは良質の試験をするグループに関しては外部資金はたくさん入ってきます。そのことでさほど大きな心配はない状況なんですけれども、今は、COIの問題を非常に私たちは懸念しております。もう一つは、企業との連携でやる試験というのは企業が明らかにしたいことと臨床試験グループの研究者が明らかにしたいこと同じ方向を向いていないといけない。一方で、医学的には非常に重要だけれども、企業が必ずしも歓迎しないトライアルもあります。しかしそれもやはり私たちがやっていかないと、良い治療法を開発して欲しいという国民の負託に対してこたえられないと思っています。
 そこを調整する機能として、やはりCTEPのような存在、公的なところできちんと規制や指導をする組織は必要だと思いますし、そこを介した公的資金を臨床試験のグループ等に配分していただかないと、多くの臨床研究グループは企業のサポートを目的としてしているグループというような色眼鏡で見られてしまうおそれがあります。決してそういう気持ちでやってはおりませんが、やはり視点が変われば、そういう見方もあると思いますので、公的なご支援がどうしても必要じゃないかと思っております。
 最後に、非常に懸念しておりますことは、INDのお話もありましたけれども、やはり日本のGCPの制度の問題だと思っております。J−GCPそのものは、よく読み込んでみますとICH−GCPと大きな変わりはないようなのですが、運用はやっぱり余りにも違い過ぎて、オーバークオリティーを求め過ぎている。その結果として、非常に日本では治験がやりにくいですし、医師主導の治験も、今準備をしているところではありますが、非常にハードルが高い。これをやはりICH−GCPとして、先進諸外国がやっているのと同じクオリティーに持っていくという努力が必要と思っています。これは、企業側と、それから当局側で真剣にディスカッションして、本当に世界の標準レベルに持っていかないと、日本が孤立してしまうような気がしております。
 同時に、医師主導の臨床試験につきましても、今、先進諸国の中でGCPに準拠せずにトライアルをやっている国というのは、日本ぐらいしかないという状況があります。これについても、いわゆるJ−GCPの今の運用よりも少しやわらかだけれども、世界の基準と同じレベルでやっていくべきではないかというディスカッションはぜひとも必要であると思います。いきなりこれを義務化することは簡単でないと思いますけれども、いずれはこれを実現しないと、日本のクリニカルトライアルが世界のどこからも信用されないようなことになっていく懸念がありまして、そこへの整備について、真剣な協議をここから始めることができればと思っております。
 以上でございます。

○野田委員長
 ありがとうございました。
 じゃ、時間のこともありますが、中西委員の今の臨床研究及び薬剤開発の流れのところだけお話しになりましたが、この検診のところとかがんプロのあれとかもしゃべっていただいてとは思いますが……

○中西委員
 よろしゅうございますか。

○野田委員長
 中西先生も、いろんな立場がありますので、その立場でのことで言っていただいてというふうに思います。

○中西委員
  それでは、ごく簡単に。
 まず、検診の質の向上ですけれども、今、検診は、がん対策基本法の下とにかく検診率を向上させようという動きがありますが、実は地方財政が苦しい中で、安かろう悪かろう検診に移行する傾向があります。質の低下を非常に懸念しております。これは、やはり検診業者の自助努力あるいはある程度上からの指導が必要ではないかと思っております。
 がん登録に関しましては、院内がん登録が随分進んでおります。祖父江先生がイニシアチブをとっておられると思いますが、やはり最終的には地域がん登録に結び付けていく、そのために今やっている努力がうまくマッチするような形で整備ができれば非常にありがたいと思っております。
 緩和ケアのほうはここでは省きまして、その次に「がんプロとがん診療連携拠点病院」との関係に触れますけれど、実は私どもの大学は、両方やっておりますが、なかなかうまく両方の連携がとれていないことを実感しています。非常にいいチャンスなので、それぞれの省庁の支援体制がうまく連携するようになればありがたいと思っているところでございます。
 最後に、ガイドラインの作成のことを書いております。がん診療ガイドラインにつきましては、多くの学会が作成しておりますが、ガイドラインがひとり歩きし過ぎている嫌いがあるように思っております。ガイドライン策定そのものはやはり国民の治療に対して非常に大きな影響を与えると思いますので、ここはやはりまずは一定のレベルに到達することを目指して統一化・標準化あるいはミニマムリクアイアメントを設定する必要があると思っています。その上で、ガイドラインの適正な使用については、ぜひガイドラインをつくった側ではなくて、それを評価したり指導するするサイドからしっかり国民の皆さんに伝えていただかないと、非常に腰の引けた対応しかできなくなることが懸念されます。以上、現場で気づいた点を申し上げます。
 以上でございます。

○野田委員長
 ありがとうございました。
 ここで、外山健康局長がいらっしゃいましたので、ご挨拶をいただければと思います。

○外山健康局長
 健康局長の外山と申します。遅れてすみませんでした、今日はいろいろ忙しい日でありまして。
 がん研究につきましては、昭和59年の対がん10カ年戦略が策定されて以来、10年ごとにこの戦略を改定し、研究が推進されてきたわけでありますけれども、19年にはがん対策推進基本計画が策定されましたけれども、この計画には、がん研究については、必ずしも具体的な戦略、段取りについては記載されておりません。この24年度以降のがん対策推進基本計画の変更に当たりましては、厚生労働省と、それから本日ご出席の文科省、経産省が一体となって、がん研究のさらなる推進をするように、国内のがん研究全体を俯瞰した研究戦略を省庁横断的に一体となって実施することが必要であると思っております。先生方の活発なご議論、ご指導を賜りたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○野田委員長
 ありがとうございました。
 それでは、今お三方出たところでご議論があれば。
 大津先生のフェーズに合わせたほうの早い部分のところは、これからまた、特に間野先生やなんかのところから出てくるというふうに思います。むしろ、この今お三方で特に化学療法材開発というところのアスペクトだけからも焦点が絞られてきたのは、1つはやっぱり臨床研究の在り方ということと、それからもう一つは、そういうアカデミア、特にアカデミアを中心とした研究環境の整備の必要性というこの2つのところなのかなというふうには思いますが、ご意見あればと思いますが。

○大津委員
 私も含め3人の共通しているところは、基本的には、IND制度、そしてGCPというのが、かなり両方ともハードルとして高いんですけれども、これをやらないと要するに世界と勝負できないというのが現実。幾らそれが無理だから日本でという話をそこでやったところで、世界からも相手にされないし、企業からも相手にされない。企業へのトランスファーをする上でも、試験のクオリティーが悪ければ、企業からは見向きもされない。だから、かつては僕らにとっては物すごい高いハードルでしたけれども、今やはりどこの施設、どこのグループもみんなレベルが上がってきていますので、もう一息でそこが日本もできるのではないか。韓国なんかももう既にそれでやっているわけです。
 先ほど中西先生が言われたJGCPの、そのGCPという意味ではICHもJGCPも字面は同じなんですが、運用症例的なところでちょっと若干違いがあります.
でもそれをちゃんと、ICH−GCPを普通に読んだときには何とか実現可能な範囲ではないかというふうに考えていますので、日本としてもそこをやることが、逆にセレクションがかかりますので、要するに質の高いちゃんとした臨床試験しかできなくなってくると思いますので、それが逆にいいのではないかというふうに私は考えております。

○野田委員長
 そういうところに関して、ある程度、一つのこのテーマとしてこれからディスカッションを続けていくと。そして、できればその基本計画に、そのもう一息というのが、どうすればもう一息のところに行けるというのを、割と施策としても課題は、特にここの部分は、課題は割と明確なところなので、施策のところまで踏み込んだものを出すための議論をまた次回からやっていきたいと思いますが。
 そうしたら、少し進めて、また基礎的なところへ行く前に、同じようにちょっと臨床研究というところの絡みがありますので、あるいはアカデミアというところがあるので、松原先生と平岡先生にそれぞれ、まず平岡先生のほうからよろしいですか。放射線と外科というこの3大治療の柱に関する研究の必要性、よろしくお願いします。

○平岡委員
 それでは、放射線治療についてお話をさせていただきたいと思います。
 放射線治療は、現在、新規患者の大体28%ぐらいの方に適用されています。実は、欧米先進国では60%以上、アメリカでは3人に2人が放射線治療を受けているという放射線治療大国なんですけれども、日本におきましても、特に高齢者がんの急増に伴いまして、この五、六年ぐらいで40%ぐらいの方が放射線治療を受けるというふうに考えております。がん対策基本法でも放射線治療の推進ということが重点項目になっておりますのでぜひ頑張りたいと思いますけれども、なかなかそれにこたえ切れていないということで、じくじたる思いがございます。
 そういう中で、臨床研究に関しましては先ほどの3先生方の意見に全く同感でございまして、我々もその一端を担っておりますし、さらに貢献したいと思いますし、それを進めるに当たって、そのような現状があるということを我々も問題点として理解しております。
 ここでは、余り皆さん、なじみがないと思いますので、放射線治療の研究の方向性、それをどうすれば推進できるかということについて簡単にご紹介させていただきたいと思います。
 放射線治療というのはもろ刃の剣でございまして、がんも痛めるけれども、正常組織も痛めるということで、いかに腫瘍に選択性を持たせるかということがポイントになるわけでございます。そういう中で、大きく生物学的なアプローチと物理学的なアプローチがございます。まず、生物学的なアプローチに関しまして、1、2と書いております。1のほうは先進的な研究を、2のほうは身近なものを書いております。
 身近なことに関しましては、昨今、分子標的治療薬がどんどんできており、いろんな分子に対する薬剤ができております。でも、ほとんどは単剤で使うとか、あるいは抗がん剤と併用するという考え方で、必ずしも放射線治療と併用しようというのは大きな流れになっていないと。それは、1つは、やはりマーケットとして、例えば術後のアジュバントというのは非常に大きなマーケットなんですけれども、放射線と併用するというのは、その間しか使わないということで余り大きなマーケットになっていないということで、企業も、研究的なことは関心があるんだけれども、そこに企業がお金を出してまで推進しようというところは少ないし、臨床試験もそれほど熱心じゃないという状況があります。そういうところは少し国のほうの支援が必要じゃないかというふうに思います。局所進行がんに対する化学放射線治療が、非常に多くのがんにおいて有効性が示されているという中で、その中にうまく分子標的薬を組み込んでいくというのは、治療成績の向上あるいはQOLの向上について大きく貢献できるんじゃないかというように考えております。
 もう一つは新しいパラダイムシフトに基づく最先端の放射線治療の開発という観点でございます。少しちょっと書き過ぎのところがありますけど、例えば昨今、低酸素の応答とか、がんのステムセルとか、あるいはDNA損傷というのが少しテーマになっています。昨今の分子生物学とかゲノム科学によって解明された部分で、がんの本質に迫るようなところが分かってきたということで、しかもそういう領域が非常に放射線治療の抵抗性と関係しているということで、そこの研究を進めることによって、従来治らなかったいわゆる難治がんに対する治療の糸口がつかめるんじゃないかと思います。
 その対応策について十分書いていないんですけれども、私がここで申し上げたいのは、放射線治療というと、実際には結構使われているんですけれども、研究者が少ないとか、声が小さいとか、政治力がないとか、いろいろな理由があるんですけれども、とにかく余りそういうふうな国家的な研究支援がないと。必ずしも声が大きい人のところに研究費が行くんじゃなくて、研究としてこういう分野が社会的には必要だと、でも研究者は少ないというところは、国のほうでぜひ支援していただきたいと。まずこういうふうな研究が重要じゃないかという大枠をつくって、そこで人がいないんだったら、むしろ国が支援してそういう研究分野を推進するというような、そういうスタンスが必要じゃないかというふうに考えていただきたい。その代表が弱小軍団である放射線治療領域じゃないかというふうに思います。
 もう一つは物理工学的な方法であります。要するに、がんに選択性を持たせるという意味でですね。昨今、テクノロジーの進歩が著しく腫瘍に集中性を持たせるということは、粒子線治療を初め新しいエックス線治療についても進んでいます。これは日本がリードしております。粒子線治療についてはもう圧倒的に日本がリードしているわけですけれども、このエックス線治療につきましても実は非常に日本がリードしております。例えば早期の肺がんに対する定位放射線治療というのは、日本が臨床試験においても進んでおり、ぜひそこの支援をお願いしたいと。製薬企業に比べて日本は医療器産業が弱いということで、なかなか企業が臨床試験を支援するというようなことは難しいですし、その辺りは、やはり少し国家的な支援が必要じゃないかと。ここに書いておりますような省庁横断的な支援がいただければありがたいというふうに考えております。
 そして、あと少し臨床的な展開を考えますと、先ほどドラッグラグはかなり改善されたというふうなお話がありましたけれども、デバイスラグのほうは、こちらもスーパー特区等の運用でかなり改善はされていますけれども、まだ改善されていないところも結構あるということが1つと、それと機器は、医薬品と違う一つの特色として、非常に臨床研究が大事だということがございます。要するに、こういうものがいいに違いないというのをつくって、すぐそれで薬事に持っていけるわけじゃなくて、実際それを健常者あるいはがんであればがんの患者さんに適用してみて、その機器の最適化を行うという作業が非常に大事なんですけれども、実は日本ではそれが禁止されていました。昨今、臨床研究に対応する体制が柔軟化されて、ずっと前よりはやりやすくなりましたけれども、まだやっぱり欧米に比べるとその辺りの規制は厳しいということがあります。だから、臨床研究をより柔軟にしないと、臨床現場が臨む新規の医療機器はなかなかできにくいと思います。
 それともう一つ申し上げたいのは、医療機器というのは常にバージョンアップしているということです。車と同じですね。毎年とは言いませんけれども、2年か3年に一回ごとにバージョンアップしないと、商品の価値を維持できないということがあります。欧米では、臨床現場でどんどん改造していって、それがそのまま申請に使えるというふうな仕組みができています。非常に柔軟な体制ができていると。ところが、日本は、ねじ1本換えちゃうと新しいものになってしまうということで、そこからまた一から出直しというようなことがございます。今はどちらかといえば開発研究のところに話が行っているんですけれども、これからは開発したものをいかに引き続き世界一にする、あるいは非常に先端性を持った機器として継続発展させるというふうな仕組みも非常に薬事の大事な部分だと思いますので、それについてお願いしたいということです。
 最後に1点、人材のことで私はひとつ申し上げたいと思います。先ほどからお話がありますように、臨床医のほうは、臨床研究ということを本気で総力戦をやらないと、とても勝てないということが起こっております。そうなりますと、先ほど申し上げたような例えば新しい放射線治療を生物学的な方面から開発するというふうな人、あるいは物理工学的な面から開発するようなことを昔のように医師が片手間に行うことができなくなってきているという状況がございます。そうなりますと、臨床研究を推進する人と開発研究をする人というのがやはり両方必要になっていくんじゃないかと。放射線生物学講座あるいは医学物理学講座というのもつくるのが重要ですが、一つの方法として講座をつくるのが難しければ、医療現場の中にそういう生物学的な研究をするいわゆるホスペテレサイエンチストというんですか、そういう人を雇用して、病院の中でキャリアアップしていけると、そういうふうな仕組みが必要じゃないかと思います。
 すみません、あともう一つ、最後にがんプロのことなんですけれども、その5番目に書いておりますけれども、この医学物理士という、世界的には認められている資格があるんですけれども、それについてだけ申し上げたいと思います。
 これは、文科省のほうで、初めてこの医学物理士という人材育成ということを立ち上げていただいたんですけれども、医療の専門職としては認知されていないという現状があります。だから、がんプロの人材育成プログラムでは医学物理士が推進されているけれども、がん拠点病院の中ではそれがうまく配属されていないというふうなミスマッチが起こっているわけでございまして、ぜひ医学物理士を医療専門職として認知していただきたいと。なぜそういうことが必要かと申し上げますと、その左に書いておりますけれども、高精度放射線治療というのが、非常に今、放射線治療を推進しているわけですけれども、欧米では、ほぼ100%、代表的な施設では行われているんですけれども、日本ではがん拠点病院でも10%ぐらいしか行われていないと。やはりそういうふうな人材育成が重要であり、特にがん拠点病院と文科省のがんプロとがうまく連携することによって、そういう仕組みがきっちりできるんじゃないかということで、その辺りも非常に大事な点じゃないかと思います。
 ちょっと多く話しましたけれども、以上でございます。

○野田委員長
 ありがとうございました。
 化学療法開発研究と同じように並行して、機器開発研究にも似たような問題あるいは独自的な問題があると。似たような問題のところはやはり常に環境整備あるいはそれは人材育成とカップリングしているんですけれども、そこはまた独特の問題があってというのが1つありました。
 ただ、先ほど中西先生との話題からあれですけど、やはり省庁間という、省庁間と言うとまたそれをあおるみたいでちょっとよくないですが、がんプロとがん拠点病院というのが、実際同じ人間が同じことをやっている者が両方に関わるときに、今おっしゃったように極めてミスマッチがあってというようなところは、やっぱり中西先生も言われましたし、今、先生のほうもということですよね。そこのところなんかは、直江先生のところもそうですか。

○直江委員
 ええ、やっています。

○野田委員長
 そうですね、両方やっておられることになりますね。
 ほとんどの拠点となっているような大学病院が多いですから、そこはみんながんプロと一緒になっていて、それを一緒に推進をしたり、そこをうまく合わせていこうというような動きとかというのはないんですかね。

○中西委員
 できるだけしたいと思っているんですけど、なかなか難しいという現状があります。がん拠点病院としての教育プログラム等を立ち上げても、なかなかがんプロとマッチしないんですね。がんプロは、大学の中の人材育成に入り込んでしまっている部分があって、学内のカリキュラム論議に特化してしまう傾向があり、それに対してがん拠点のほうは外部に広がっている部分があり、共存や共催が難しいのですけれども、もっと柔軟な対応をしてもよい等という示唆さえいただければ良いのですが、

○直江委員
 やっぱりがんプロのほうは人材育成ですよね。結局、最後にがん拠点に赴任して働いているというところを評価に加えていただければ、それがうまくマッチするんじゃないかなと思っています。つまり、学位を出すとか何人入ったと、何々コースを何人採ったという外形基準だけで、がんプロがどのようにやられているかということがチェックされていますけれども、最終的にがん拠点でうまくポストを見出して、そういう資格を持って働いているというところを1つ加えていただくと、両方からうまくいくのかなというふうにちょっと思っていますけど。

○野田委員長
 もうちょっと大学から離れて長いと、かつてのように、臨床、教育、研究という3本柱が全てしっかりとやれていた、人材的にも豊富にいたという時代から、どんどん運営費公金も減ってきて、人材というか人数がとにかく圧倒的に減っていますよね。そうすると、今のような問題が逆に出てくるんだと思いますね。つまり、ある人間がやっていることが、ある部分、研究的側面も持っていれば、ある部分、臨床的側面も持っていればと。なので、そういうアカデミアのそういうアクティビティーに対して総合的に見て評価ができるようなシステムというのは、やっぱりあるといいんだろうというふうに思いますけれども、それは大学共通のあれですよね。
 その辺は、じゃこれから外科のほうもありますので、松原先生、お願いいます。

○松原委員
 よろしくお願いします。
 私は、外科の立場で来たのかよく分からないですけれども、もともと外科医で、消化器外科専門にやっておりまして、消化器外科の中でも食道がんを専門にやっています。食道がんは、大津先生ともいつもいろいろ一緒にやらせていただいて、手術が中心にあって、その周りに抗がん剤、それから放射線、全て重要な治療手段であって、その3つがきちんと融合しないと、きちんとした治療ができていかないという消化器がんの中では、集学的治療というところに一番ウエートが置かれるがんじゃないかなというところだと思います。
 そういう消化器のがんの治療をしつつ、私、野田先生とお知り合いになったのは、文部科学省で学術調査官という科学研究費補助金の審査に関係する仕事をしておりまして、そこのときに、科学研究費補助金に特定領域研究、それにがんがありまして、そこの担当をしていたというところで、そちらの関係でここに来たのかなというのもありまして、なかなか非常に難しいですけれども、ただ外科医としての意見は一番最後に少しいろいろ思うところがあって書きましたが、私は、がん研究、がん特定領域等を担当していましていろいろ感じながら、また自分でがん研究をしながら考えていたことをちょっと書かせていただきました。
 まず、がん登録ですけれども、これは、我々も、食道がん、胃がん、大腸がん、全て、がん登録、病院のほうでようやくいろんな、がん拠点病院の経費、その経費でがん登録士というのを雇えるようになったので、病院のほうで非常にうまくシステムが回って、がん登録が少しずつうまく進むようになってきた。その辺は非常にありがたいと思います。
 ところが一方で、それは非常に大まかな登録で、個々の患者さんの非常に実際の診療、それから今後の治療開発に役立つようなデータは、臓器がん、各学会、研究会がつくっている全国、例えば食道がんだったら全国登録、胃がんもそうですが、大腸がんもそうですが、そういうところの登録が完全に別個なんですね。それは、そのがん登録士がやってくれるわけじゃなくて全て医師がやる。そこのところの融合というか整合性というか連携が非常にうまくとれればすばらしいものになっていくだろう。ここがまだ全然連携がとれていないので、その辺うまく連携させていくようなシステムができれば非常にいいだろうというふうに考えています。そうすると、医者の労力も減るので、その辺は非常にすばらしくなる。
 一方で、がんとは全く関係ないですけれども、ことしから日本外科学会はナショナル・クリニカル・データベースなるものをつくりまして、手術の症例を全部いろいろ登録するというこれまた非常に外科医にとっては大変なシステムをつくり出しています。それが今動き始めて、まだ完全には動いていないですけれども、それもまた登録で、それは多分外科専門医とか消化器外科専門医、その辺と関係してくるわけですけれども、その辺の要するに登録、登録、登録で統一がとれていないので、労力は非常にかかってしまう。別々に行わないといけない、それは非常に無駄なので、その辺の登録を何とかうまく整合性がとれるようにしていければ非常にいいものが、外科学会のNCDに関しては、これがうまくいけば世界に冠たるデータベースができるということになっていますけど、それはうまくいけばの話で、うまくいくかどうかが非常に難しいところだと今思っております。そのがん登録のところがまず1つですね。
 それから、研究の話になりますが、基礎研究、先ほど外国に遅れているという話があって、これは東大医科研の中村教授から聞いたのですけれども、今年度は多分輸入超過が1兆円になると予測され、これは非常にゆゆしき状態で、日本からいろいろ発信しない限りこれはもう永遠に増え続ける。最近の薬剤、分子標的薬剤はもう本当に高いので、患者さんがすごく大変な思いをしてお金を払っている、それは全部外国に行ってしまうということ、結果的には。ということで、まずシーズをいかに持ってくるか、そのためには先ほどから話が出ているバイオバンクというのは非常に重要で、私、千葉大学の中でCOEスタートアッププログラムという学内の競争的研究資金みたいなものがあって、そこが消化器がんのバイオバンクをつくるというところで、昨年度ですね、ことし2年目なんですけれど、申請して今バイオバンクを準備している段階なんですけれども、その後どうするかというとどうにもならないから、その後どこからお金を持ってきたらそれが本当にうまくつくれるのか、つくったのはいいけど、それを維持するのはどうしたらいいのか。大体、研究費に関して言えば、アウトプット、アウトカムが大事で、バイオバンクってそんなにすぐアウトプットは出てこないわけですよね。10年、20年というスパンで見ていかないといけない。その辺の経費をやはりそれだけ重要なものだと認識して、数年のアウトプットはなくてもきちんとそれをつくると、システムとしてつくるというところが非常に大事だろう。先ほどもありましたけど、それをデッドストックにしちゃいけないので、それを使う人が要る。使う人はだれかというと基礎研究者なんですね、まず。まず、その基礎研究をやる人も増やさないといけない。
 後のほうに書いてありますけれども、大学からどんどん人が減ってしまって、すごく分かりやすく言えば、私の外科の教室は、私が大学院生のときに、大学の中に医者だけで六十数名いました。今三十数名、半分強ですか。ということで、医者が非常に減ってしまっている。医者が減ると、何が起こるかというと、臨床はサボれないんですね、患者さんがいるから。ということは、何が起こるかというと、教育も学生がいるからサボれない。昔は、教育なんてほとんど、教育と言っていたけど、教育なんかしなくてもいいと、学生はほっぽらかされていたような状態ですけど、今の時代そういうわけにいかないですね。学生が評価したり、逆にするわけで、きちんと教育もしないといけない。
 そうすると、何が起こるかというと、必然的に自分の仕事である研究が削られるわけですね。もういろんなところの統計で全部出ていますけれども、ほとんどが診療・教育の時間が増えて、研究の時間が減っている。結果、全国の国立大学の医学部ほとんどが、発表論文とか減っているという状況が起きてきた。それは臨床だけじゃなくて、実は臨床が減ると、何が起こるかというと、臨床の大学院、私もそうだったんですけれども、基礎の教室に研究に行っていたわけですね、大学院で博士号を取るのに。その素材がいなくなっちゃう。ということはどうなるかというと、基礎の教室も非常に困る。基礎のレベルも非常に下がる。基礎の教室にMDがいない、PhDの方ばかりになってしまう。それはそれで、ある一面いい部分もあるんですけれども、やはり医学の研究に関しては、MDがいないとやはり大きな問題になる。ということで、研究者を増やすというところも非常に重要な課題である。
 その基礎の研究でいいネタができたときに、臨床とうまく連携をとって、TR、トランスレーションのほうへ持っていくと。その辺の連携が、がん特定要求をやっていたときに、やっぱり基礎の先生、すごいいい先生がいっぱいいて、優秀な先生もいるんですけれども、そこと臨床系とはうまくくっついていない、マッチしていないでそこで止まってしまうものが結構あるという実感はありますので、その辺の連携がいかにうまくできるかというところが重要じゃないかなというふうに感じています。臨床試験については、もう今までの先生方が全部おっしゃっているので、私からあえて言う必要はないと思われます。
 あと、ガイドラインの話ですけれども、今日も本当は、私、もともと食道がんのガイドラインの委員で、今日、委員会があったんですけれども、こちらが急遽決まりましてこちらに出てきました。ガイドラインについても各臓器別にできてきて、まだまだ、先ほど中西先生がおっしゃったように、いろんないいものもあり、悪いものもありますが、癌治療学会でガイドライン委員会等で大きくまとまった委員会もありますし、それから厚労省のマインズとの連携もあるので、それはその辺をうまくやっていけばどんどんいいものができてくるんだというふうに思います。
 ただ、一方で私がガイドラインをつくっているときに何のサポートもありません。どこからもないので、実際にガイドラインをつくったときの経費は、食道がんであれば食道学会の予算、食道学会の予算は何かというと我々の会費です。要するに、自分たちで会費を払って、そこのお金を使ってつくっているという、全て自腹でやっている。その辺のサポートというのは非常に重要なので、今後ぜひお願いしたいなというふうに感じます。
 あと、長くなってしまうのでこのぐらいでよろしいですか。

○野田委員長
 外科としての……

○松原委員
 外科の話は余り……。
 外科の話は、私は非常に、一番最初のこのがん対策基本法に、ほとんどというか全く外科が入っていない。胃がんのような手術で多少治るがんがあって、そのぐらいでしかないんですね、外科。日本の患者さんのがんの消化器がんが非常に多く、そのがんのほとんどは外科が手術をして、最も世界ですぐれたデータを出しているにも関わらず全く触れられていないというのは、外科医としては非常に不満であります。
 それはそれでいいんですけれども、ただその不満はいいとして、外科手術においても、やはり現在、腹腔鏡手術、胸腔鏡手術、新種の小さな手術、そういうのだと患者さんの非常にメリットになるわけですね。そういうことに関して触れられていないので、そういうところがもう完全に抜け落ちちゃっている。それはやはり患者さんのメリットにはならないということで、そういうところは触れていただければと。
 そういうのは、機器の開発にも、先ほど平岡先生が言っていた外科で使う手術のディスポーザルの機械、ほとんど日本発はありません、全てアメリカの。日本人がこれをこう直してくださいと言ってもまず聞いてくれない。それは、非常にそういう、先ほども言ったねじ1つ換えるとまた新しいものになってしまうので、そういうところにも関係しているというふうに思っています。

○野田委員長
 そうすると、デバイスラグのところは外科も共通で、どんと大きなデバイスとあれですけれども、外科のも非常に高いものが多いですし、結局、材料費の輸入超過をつくっているのもそこであると。日本発の開発というのに対する研究の貢献というのは、やっぱり一つ、議論をするべき場所に外科も入ってくるということだと思います。
 今の松原先生ので2つ、基礎からのというのともう一つ、一番最初のほうにがん登録の問題やIT化の問題もありましたので、その辺も含めて祖父江先生、ここでいいですか。

○祖父江委員
 がん登録をこのがん研究の専門委員会で……

○野田委員長
 いや、全て、ごめんね、もう一回。

○祖父江委員
 今何をやっているのかというのか、我々の姿勢をちょっと説明させていただきますと、院内がん登録、地域がん登録というのは、確かに基本計画の中にもきちんと書かれていますし、拠点病院の院内がん登録はそれなりに整備されつつあります。それから、地域がん登録に関しても、最近、東京都も始めるというようなことを言っていますし、未実施県が今9県存在していますけれども、恐らくこの二、三年のうちにゼロになる可能性があります。ですから、かなりその点に関しては進みつつあるということが言えますけれども、一方で、学会が主体となる臓器がん登録、それから小児がん登録、これもちゃんと小児がん登録というのを4番目のがん登録として言えと言われましたので、これからそういうように言おうと思いますけれども、それに関しての取組が体系立っていないというのはもうご指摘のとおりです。
 我々、ちょっとそれの手始めとして考えているのが、その臓器がん登録がデータソースとしている病院の中の仕組み、これがかなり脆弱であると。診療科データベースというような言い方をしますけれども、恐らくこれが、各お医者さん、医師の個人的な努力で運営されている場合が多くて、必ずしも院内がん登録とか、あるいは診療情報管理士の方のサポートを得ていないというところを何とか体系立ててサポートするような仕組みを考え、臓器がん登録とつなげていく。それから、院内がん登録のほうで得た予後情報を臓器がん登録のほうにまたうまく活用していくというような仕組みをこれからまた考えていきたいというふうに思っています。

○野田委員長
 それじゃ、もう続けて祖父江先生の、いわゆるこの研究費の問題も社会科学的な面も広がっている、この祖父江先生のカバーするところは広いのであれですけれども、その部分を……。
 基本的に最初の課題のあれなので、それぞれのご専門ということもありますが、もう一つは、要するにがん対策推進基本計画ですから、ありとあらゆるがん対策の推進に対して研究がやれること、そのためにやらなきゃいけない研究ということであれば、それは全て関わってくるというふうに思っていますので、全て言っていただいてと思いますが。

○祖父江委員
 全て言うとまた時間がかかるので、8ページ、ご覧になってください。書いてあることをちょっとまとめて説明します。
 3点、大まかに分けて記述しました。1つは研究費配分・FA機能、それから研究支援組織、それから倫理指針・審査委員会というところです。
 私、専門とするところは、疫学、公衆衛生領域なので、そういった研究を主体として考えますけれども、大規模な疫学研究あるいはその予防的な介入試験、検診の有効性評価研究、こういったものは、通常長期にわたって、10年以上あるいは15年、20年とかかります。それが、研究費の枠組みということできちんと対応できていない場合が多いです。今、東北大の大内先生がやっておられるような戦略研究でも、金額的にはかなり大きな金額をカバーしていただいていますけれども、5年というようなことになっていますので、10年、20年、それもお金が必要なときにきちんと使えるというものが必要であり、計画期、最初のイニシエーションのときに、そんなにお金が要るわけでもないですし、実際に数万人を検診するというときにはやはりそれなりのお金が要るし、そのフェーズに合ったような配分というのができる仕組みができるといいなというところがあります。
 それから、2番目に書いたのは、これはもう全般的なことですけれども、がん関連研究費のガバニングが一本化されていない、これはもう公衆衛生領域に限らずそのとおりだと思います。
 それから、質の高い研究者が不足している、これはいろんな領域で共通したことだと思いますけれども、特に研究を対策に結びつけるというのが、基礎から臨床へというので橋渡し研究という言い方をされますけれども、それと同じようなTRというか、トランスレーショナルリサーチとしてのポリシーリサーチ、政策研究、こういったものがほとんど日本ではやられていなくて、研究費を配分しようにもその相手がいないということになります。
 ファウンディングエージェンシーの一つの機能としては、こういう研究者の育成ということもあり得ると思っていまして、現にNCIは、あれはもう巨大な一つのファウンディングエージェンシーだと思いますけれども、ディビジョンの中にディビジョン・オブ・キャンサー・コントロール・アンド・ポピュレーション・サイエンスというのがあって、全体ががん対策に関わる研究費を配分するんですけれども、そこにいる研究者の人たちは、研究費を配分するということだけじゃなくて、常日ごろから研究者の動向を見て、ワークショップを開き、ネットワークを構築して、研究者の興味を得るようなことをやって、研究者を育成するということも常日ごろからアクティビティーとしてやっているというところを、日本でもそういうファウンディングエージェンシー主体での人材育成ということもあり得るのかなというふうに思います。
 それから、研究支援の組織ですけれども、大規模疫学研究を支えるためにはコーディネーティングセンター機能が必須です。これは、研究者がやるなんていうことでは到底賄い切れません。臨床試験のほうですと、CRO等である程度育成されてはきているのかもしれませんけれども、その規模では到底かばい切れない、数万人の人たちを十数年追いかけるというような機能が必要です。
 米国ですと、またそういうCROが育成されていて、そこの中にマスターレベルの人たちがプロジェクトチームを組んで、コーディネーティングセンターをするというようなことになっています。各研究ごとにこういうものを立ち上げるというのは非常に労力がかかります。研究が終わった後に、それがまた解散してしまうなんていうことになると、非常に労力としては無駄なので、恒常的にこういう組織を構築できるような民間といいますか、CROを育成していくような必要があるだろうというふうに思います。
 それから、大規模研究において長期間フォローアップするということが必須のことになるんですけれども、本人にコンタクトするだけでは疫学研究というのはフォローアップできません。公的な何らか、フェールセーフというか、本人にコンタクトができなくなった場合のフォローアップの仕組みというのを考えないといけないんですけれども、昨今は個人情報保護を理由に、公的な統計、行政資料が円滑に使えないというところがあります。
 アメリカですと、生死は少なくともだれでも分かるナショナル・デス・インデックスという仕組みもありますし、研究者が申請をすれば死因も分かるというような仕組み、こういうものをやっぱりつくっていかないと、どんどん質の低いものしかできなくなっていくということになっていくと思います。
 ページをめくっていただいて、さらに進めて言うと、既存の資料の中で電子化されたものが、その行政資料等でもどんどん蓄積されていっています。こういうものをうまく利用することで、余り大きなお金をかけることなく質の高い研究というのが可能です。
 現に、韓国においては保険加入者100万人コホートなんていうことをやっていますし、アメリカにおけるシア・メディケア・データベースなどもよいものだと思います。こうしたものは、必ずしも個人の同意をとっていません。それをきちんと社会全体で認めるというような仕組みをつくり、個々の同意をとるというコストを避ける、あるいはその同意をとるということでの研究の質の低下を避けるというようなことをしています。
 ここの6の右側に書いているのは、必ずしもというか研究者自身は何も個人情報に興味があるわけではなくて、リンケージできればいいわけですから、個人情報を扱う機関というのは研究者以外のところでやっていただいたほうがむしろ望ましいわけです。現に例としては、オーストラリアのニューサウスウェルズでは、既存の行政資料を個人情報付きである機関が取得して、研究者のために個人情報で突合した結果を、個人情報を外した後で返すというようなことを特化してやっているセンターがあります。そのようなところの照合専門機関を設立するというようなことも、一つの対応の仕方だと思います。
 それから、倫理指針・審査委員会ですけれども、まず研究倫理指針、厚労省のみならずいろんなところで研究倫理指針をやりますけれども、それぞれゲノム、疫学、臨床とばらばらになっていると。ここのところに関しては境界領域での適用の混乱もありますし、それから細部に整合性が保たれていないということで、共通部分と、それから個別の部分と分けて記述をするということが必要でしょうし、ゲノムに関しては、遺伝性の疾患と、それから単なるジャームラインのサスセタビリティーの研究とを同じに扱うというのは余りじゃないかというところはあります。
 それから、疫学倫理指針においては、個人から同意を得るということは、医療的介入を行うような臨床研究においては必須だと思いますけれども、観察的な研究では必ずしも個人の同意をとるということが必須ではないというふうに疫学倫理指針の中にも記述はされているんですけれども、それが倫理審査委員会のほうではどうしてもコンサバティブな方向に偏ります。それは仕方がないというところはあるんですけれども、それが保守的な判断に偏らないようにするためには、中核的なきちんとした倫理審査をして、きちんとしたというか、中核的な倫理審査委員会でどのような判断をしているかということを共有するようなことで、過度な保守的な判断に偏らないようにする仕組みが必要じゃないかなというふうに思います。
 こんなところです。以上です。

○野田委員長
 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 疫学的な部分あるいは社会科学的な部分というのを中心にお話しいただきましたけれども、これは後でまた戻ってくるかと思いますが、じゃまた基礎のほうに戻って、間野先生、お願いします。

○間野委員
 間野と申します。よろしくお願いします。
 私自身は、もともとは血液内科の臨床医としてキャリアをスタートして、現在は基礎のがん研究者として研究を行っております。主に固形腫瘍の分子標的治療法の開発をテーマにして研究を行っています。
 ここ数年、幸いにも、自分たちの研究成果が、直接、臨床試験にたどり着くところをつぶさに観察するチャンスを得ましたので、その際に思いましたことは、日本のがん研究から臨床展開の上では大きく2つの課題があると。1つは研究テーマで、基礎エリアでの研究テーマであり、もう一つは臨床試験の問題だと思うんですが、臨床試験に関してはほかの委員の方々がお話しされていますので、私は研究の面で感じたことをお話しさせていただきます。
 これまで、日本のがん研究のバジェットサイズ自体は決して小さい国ではないと思うんですね。ところが、実際に日本のがん研究から、直接、がんの診断法や、あるいは治療法がもたらされたことは極めて少ない。コストパフォーマンスを考えると極めて効率の悪い国家と言わざるを得ないと思うんですね。がんの細胞自体はすごく不思議なものなので、がん細胞学というのはすごくおもしろいんですけれども、少なくともがん研究を行う以上は、人の病気を研究するわけですから、あくまでアウトプットとしての例えば患者さんが早く診断できるようになるとか、あるいは新しい薬ができるとかということを目指したような研究をもっと重視するべきだろうと思います。つまり、ごく基礎的ながん生物学と、実際に新しい薬を患者さんに適用するトランスレーショナルリサーチの間にあるべき、治療・診断のシードを探すような研究というのが、これまで日本ではフォーカスされてこなかったと思うんですね。つまり、極めて基礎的ながん細胞生物学と治療化合物がある状態でのTRとの間にある、本来その国の次の世代の薬をつくるべき研究というのが余り重要視されてこなかったんじゃないかというふうに思います。
 ですので、ほかの委員の方々もおっしゃっていたように、このままでは日本のがんの患者さんが薬を飲むたびに多額のお金を海外に払うという時代に100%なりますので、日本発の新しい、しかも有効な抗がん剤をつくるためには、そのシードを探すということをテーマにするような研究費というのはどうしても必要だろうというふうに思います。その際に大事なことは、長期に支援を持続することがすごく大事でしょうし、それからもう一つは、日本の研究費は最初に通るときの審査は厳しいんですけど、その後はあまり厳しいチェックがないままずっと続いていくということが往々にしてありますので、やはり非常に厳しく、かつ極めてフェアな審査システムというのが一番大事な気がします。そこがやっぱりちょっと日本は弱いんじゃないかなというふうに思います。
 だから、もし例えばあるバジェットプロジェクトを立ち上げて、5年たって余り成果が出なければ、審査システム自体を替えるとかいうぐらいの強い方針がないと、なかなか成果は出ないんじゃないかなというふうに思います。
 がんというのはゲノムの病気であり、エピゲノムの病気ですから、がんの治療法や診断法をつくるためには、がんのゲノムやがんのエピゲノムを明らかにする以外に道はないわけですね。世界中のがん研究は今まさにその方向に向かって、欧米諸国だけではなくて、それこそ韓国でも台湾でも中国でも、非常に巨大ながんの臨床施設を何個もつくって、そこでゲノム解析をして、そのゲノム解析に応じた患者さんの治療がもう実際にスタートしているわけです。そうして毎日次々とデータベースが蓄積されていっているわけです。でも、日本にはそういう研究は残念ながらおそらく無いと思うんですね。
 だから、感染症を治すのに感染源を調べるのが当たり前のように、がんを治すにはがんの原因であるゲノムやエピゲノムを調べる以外に、恐らく極めて有効な戦略というのはないんじゃないかと思うので、それを見据えたような方針は絶対必要だと思います。つまり、さっきはシードの話をしましたけれども、ゲノム、エピゲノムの面から長期的にがん研究を育てるような戦略は必ず必要だと思います。そういう面は、非常に日本は立ち後れていて、今、アジアの中でも非常に後れた国と言わざるを得ないと思うんですね。巨大な病院は日本には余りありませんし、それを今からつくるのは難しいでしょうから、やっぱり例えばもう既にすぐれた臨床ネットワークが日本に幾つもありますから、JCOGであるとかWJOGであるとかJALSGであるとか、非常にきちんとした研究をやっていらっしゃるネットワークはあるので、そういうのを中心としたゲノムあるいはエピゲノムを視点に置いたような長期的なサポートというのは絶対必要だと思います。
 例えば、韓国の幾つかのセンターやアメリカなどでも、もう胃がんだろうが白血病だろうが大腸がんだろうが、患者さんのサンプルをとったら、少なくともその時点で分かっているがんの原因遺伝子を全部調べるというのが当たり前になりつつあるわけですね。でも、そんな大規模なネットワークスタディーをやっているのは日本ではほとんどないと思いますので、やはりそのゲノムとエピゲノムを中心としたサポートという視点はどうしても必要だと思います。
 その際に重要なのは、さっきから祖父江委員を初め多くの方々がおっしゃっていたように、倫理委員会の審査の厳しさというのが今は施設ごとに大きく違うんですね。例えばネットワークでがんゲノム解析をやろうとしたときに、例えばある施設では、子どもに伝わる生殖細胞変異とがんに後天的に起きた体細胞変異の区別も余りよくできていないんじゃないかというような審査委員の方々もいらっしゃって、結局それぞれの施設のIRBの委員の意向によって、それぞれの施設のゲノム解析の運命というのが決まってしまうというのは、余りに不公平な気がするんですね。
 だから、今の3省庁からスタートした合同指針をもう少しさらに先に進めて、もう少し細かい例えば幾つかの段階に分けたような模範解答集というのは変でしょうけれども、模範となるようなものを提示する事が、そういったがんゲノム解析を進めていく上では重要な気がします。多分、実際にIRBの委員になられた方もよく分かっていらっしゃらないこともあると思いますので、規範みたいなものを示してあげることも、広い範囲で行っていく上では重要だというふうに思います。
 以上です。

○野田委員長
 さっきの祖父江先生のと完全に最後オーバーラップしているところがありますけど、例えばがんセンターなんかの倫理審査委員会を通っているようなゲノム解析だけでもいいですけど、そういうものって事例はオープンになっていないんですか。

○祖父江委員
 今まで、ゲノム解析の倫理審査委員会と通常の倫理審査委員会は分かれていたんです。独法化された以降は一体化しました。それ以降でまだゲノムの審査をしていません。今後きちんと公表していくというふうに思います。

○大津委員
 審査結果はホームページに議事録が出ております。
 それから、韓国なんかの事例で言うと、もう要するにセントラルIRBですよね、そういうような新しいような事例は。だから、臨床試験はそのINDを出して、そのかわりそこで審査して、セントラルIRBにかけて、あと施設はもう一気にばっとスタートするという早いんです、極めて。
 だから、それぞれの施設の利害関係でいろいろもめる施設、そうじゃないいろいろというのをやっているというよりは、もう公的な届けをしっかり出して、審査も一括でやってもうスタートという、そういう仕組みというのも、ある程度ケース・バイ・ケースにはなるでしょうけれども、それが必要になってくるのではないかと。

○野田委員長
 確かにそうですね。ネットワークをつくった仕事のときは、一番認識が遅くて、一番あれが遅いところに合わせて全部遅れちゃうわけですから、だからセントラルの問題はあると思いますし、それ以前に、間野先生が言ったように、もうとにかくもっと共通するような基準はどんどん示していったらいいんじゃないかと。おまけに、さらにもう一つ踏み込んで、事例がやっぱりきちっとしたところから出ていればそれでいいんじゃないかということですよね。分かりました。
 ということで、がんの研究全般にわたるこういう課題が出てきて、これに対するディスカッションもこれからこの委員会で続けていくわけですが、1つ提案なんですけれども、基本的には出口ですよね。ここでディスカッションしてそれはどうなるんですかという出口に関するまず1つの提案ですけど、それは、最終的には第2次がん対策推進基本計画のがん研究の部分に当たるような草案をまとめるということが一つの出口になると思います。ただし、それは、その上でがん対策協議会に提出されて、そこでまたもまれると。もまれるというのか、もまれちゃうのか、もまれてぼろぼろになっちゃうのか、そうでもなくある程度認めていただけるのは分からないですけれどもと思います。
 ただし、これはちょっと今見ていただくと分かりますかね。
 この今のがん対策推進基本計画というのがありますね。これの34ページのところにがん研究というのがあります。この書きぶりは、これは、全部、一応各項目で前回は共通して、現状と称してここに5項目があって、いわば現状というよりここへ課題がピックアップされているような感じですね。そして次に、それに対応すべきこと、つまりそういう現状をどう打開していくかというところで、取り組むべき施策としてまた7あるという形ですね。そして、さあそれに対して目標を書きなさいというと、個別目標はこういうふうになっていますという感じですね。ちょっと書きぶりに関しては、これはまとめぶりに関しては、これから先、がん対策推進協議会そのもので会長がどういうまとめ方をしていくかというのに影響されると思うんですが、1つあれなのは、最終的にこれの10倍の量のを書いてもこれは全然意味がないので、量的にはこれに匹敵するようなものになる可能性があるということであります。
 そうすると、最終的に、じゃ今のいろんな課題とその対応策を初めからそれじゃこれに落とし込む重要なものだけ取り上げようというのかというと、それは余りにもやはりもったいない。せっかく一回こういうふうに課題を抽出してこれから話し合おうというときに、やっぱり出てくるものはそうではないのではないかというのが1つ。それからもう一つは、協議会でもまれるときに、そういう短いセンテンスの中に、どういう議論でどういう問題点があるからそういうセンテンスが生まれたのかというその基盤の部分も、できれば協議会にちゃんとお伝えをしたいというその2つのポイントがあります。
 ということで提案なんですけど、協議会の答申に関しては量的な部分はもう少し考えますが、この2ページとかのものではなくてもう少し長い、ここの今の問題点がどういうふうに明らかになったか、そしてそれはどのようにすべきであるか、そしてその中で特に急務はこれであるとか、こういう重要施策が大事だとかという、そういうような答申をまとめて、そしてこれを基に基本計画の研究のところを書くとすれば、このような方針なり草案が考えられるんじゃないかというのをそれにくっつける形で出せたらいいのではないかというふうに思いますが、それでよろしいですか。
 それで、そういうものを進めていくためですので、そうするとこれからのこのあれのところ、室長のあれにもありますが、実際には月に1回ぐらいの開催日程で進めていくと。それで、今言ったようなものをつくり上げるまでというと、実際、一、二回ではとても終わらないということで、数回という形で、そのペースで進めていくという形で、今のようなものに今のディスカッションをまとめていくということなんだと思うんですが、その点はいいですか。

○鈴木がん対策推進室長
 今、野田委員長からもおっしゃいましたとおりですが、概ね最終的には基本計画の中にどうそのがん研究について反映させるかというところが中心になると思われますが、野田委員長もおっしゃったとおり、いろんな研究について問題があると思いますので、そういったところも含めてご議論していただきたいということと、それからあと開催につきましては、これは他の委員会等もあるという関係から、概ね大体1カ月に1回ペースぐらいではないかというようなところで、また次回につきましては、この後また先生方に日程調整をさせていただきますが、そういったところで開催させていただくということ、あとはメール等でも、いろいろとご意見もしくはその会議の前に必要な資料があれば、こちらのほうに言っていただく、もしくは先生方で共有していただくということはさせていただきたいと思っています。

○野田委員長
 そうすると、今度、次回に向けて、私と事務局あるいは先生方にもコンタクトしますが、今ので明らかになったものを今度は問題点ごと、あるいは項目ごとに、つまり議論をする対象を区別して挙げていって、その大事な順番─大事な順番と言うとあれか、初めから順番が決まっているみたいでやめましょう─大事な順番ではなくてディスカッションをしやすい順番に、その対象についてディスカッションをして取りまとめに生かしていくという形にしたいと思うんですが、そのときぜひ、それのプランのときに予め、特に例えば臨床研究の部分だったら、直江先生、大津先生、中西先生からもフィードバックが欲しいのは、どのような資料がリスナーに必要かということが1つですね。ここでもうディスカッションして問題点は十分抽出されているのかと、あるいはさらに資料が足りないけれど、やっぱり人が来てしゃべってもらわないと、つまりヒアリングも必要なんじゃないかというようなところがありましたら、その点はよく、例えば変な話が、いや、これは例ですよ、例えば今の臨床研究の部分を挙げたときに、薬事承認に関わってくる部分になると、例えばPMDAに人を呼ぶ必要はないのかというような話です。それはもう今の段階からちょっと急いで次回に向けて─次回はちょっと今から提案します─次回のところまでそういうつまりディスカッションをする場とその場でディスカッションをするために必要な人が要れば人、でも人が要らなくても物というものに関しては、一応皆さんとやりとりをして集めて、それを使いながらやっていくという形にしたいと思いますが、そういう形でいいですかね。
 それで、今のをまとめていったときに、無理なまとめ方も当然出てくるとは思うんですが、なるべく、例えば5つの場あるいは7つの場でディスカッションが行われたら、今出た問題点は必ずそのどこかできちっと話し合われるという形にしたいというふうに思います。それがまず1つの提案です。
 それで、せっかく今日やったので、次回ということになります。次回がいつになるか、これからスケジュール調整というのがありますが、その次回で、ちょっと予めで申しわけないんですが、私からの提案なんですが、研究はそれこそ今のようにやっぱり人・金・物ということになりますから、1つ、今の現状の研究推進がどのように行われていて、それは、まず公的にはどのようにサポートされ、どのように行われているのかというのをやっぱり一度聞いてみたほうが私としてはいいのではないかというふうに思います。それで、基本的に先ほど局長も言われましたが、一応、がん対策推進基本計画ができていますが、まだ第3次対がんの中なんですね。第3次対がんの中でというとやはり3省庁が関わっているということがありますので、その3省庁のがん研究予算にある程度責任を─責任じゃないか─の中身をどのようなものに対してどのような支援が行われているかというようなものを説明していただける方に出てきていただいて、一回説明を聞くというのはいかがでしょうかと。
 室長、大丈夫でしょうか、これ。

○鈴木がん対策推進室長
 今日は、私どもだけじゃなくて文部科学省と、あと経済産業省の方も来られておりますので、研究関係はこの3省で一応合同でやっていくということですので多分大丈夫だと思います。

○野田委員長
 じゃ、後で今のは……。
 それで、次回、もう今から数日の間に最初にこれで、文科省のワタナベさんにも経産省にも言っていないんですけど、質問があったら予め挙げてください。つまり、このままでいくと、例えば、これをやっていますよ、これをやっていますよとなるだけだけど、例えばあそこのところはがんはどういうふうになっているんだというとにかく質問事項ですね。あるいは、文科省の予算だと、例えばTR研究の成果ってどうなっているんだ、TR拠点のがんに関する成果はどうなっているんだというようなところがあれば、それは全部に答えられるわけではないし、いや、それを全部答えてほしいと言っているんじゃないんですよ、だけど省庁側としてこのように研究予算を使って配分していますという言い方と同時に、実際の研究者の人たちにとって見えない部分、見たい部分というのについての質問は予め出しておいて、それについて答えられるんだったら答えていただくというその質問票もちょっと出したいと思いますので、厚労省にも室長のほうにも行きますので、それは。

○鈴木がん対策推進室長
 分かりました。

○野田委員長
 すみません、これ、室長にも言っていないんですけれども、なので1回目は……。
 それともう一つ、これと似た非常に掘り下げた会を、特に基礎研究のところからTRまでに絞った文科省の会議で、がん研究戦略作業部会というので、随分、20回近くですね、十何回も話し合いをしたときにやっぱり1つ出てきたのは、今日も直江先生なんかからも出てきたし、いろんなところで出てきましたけど、その3省庁のコーディネーション、あるいは3省庁から聞いても、じゃトータルとしてがん研究の推進って、どこが考えてどうチェックしている、どうしているんだという話はやっぱり常にあるんだと思いますね。
 そういう点から、僕もよく分からないんですが、つい最近スタートした医療イノベーションという部屋がありますよね。ぜひそちらからも、ちょっとまだスタートして時間もないしあれですけれども、この趣旨をお伝えして、医療イノベーション室の考え方なり、何をしようとしていて、そして我々の例えばがん研究、特に何かあれですよね、医療イノベーションで発表されているのを見ると、今日出ていた一つの問題である日本発の医薬品機器をという研究のコントリビュートできるのはそこじゃないかと、今日ももうほとんどの先生から出たその部分とあちらの言っていることが非常によく似ている部分もあるので、その話も聞くということで、その4つのヒアリングをした上で、ある程度現状認識でやっていきたいというふうに思います。
 ただ、1つだけ、これでスタートして問題なのは、結局そういうマネジメントの方法ですから、また一番最後に全部のいろんな問題点を洗い出した上で、もう一回そこに戻ることもあり得ますので、でも一番最初スタートとしてはそれがいいのではないかというふうに思います。
 それからもう一つは、それまでにその先のディスカッションのテーマを決めて、それに関する必要なものを次回にはもう確定したいというふうに思いますので、そしてできれば、優先と言ったら変ですけど、例えば臨床研究のあれをするときには、例えば先ほどの大津先生、直江先生、中西先生のスケジュールをとにかく優先して、来ていただけるときにその会を必ず開くというふうにしていこうというふうに思いますので、当然、過半数がいなければいけないんですが、過半数といっても本当に底の部分ということでやっていきたいというふうに思いますが、それはそれでいいですね。

○鈴木がん対策推進室長
 はい。

○野田委員長
 それじゃ、今この進め方について何か特別なあれがあれば。
 はい、どうぞ。

○大津委員
 すみません、確認だけしたいんですが、結局これががん対策基本法の計画改定にするための調査ですよね。その基本法の中に入ったことに基づいて、医療イノベーション推進室もその法の中で動くというか、それとはまた別の話になるんですか。

○鈴木がん対策推進室長
 医療イノベーション室、今、内閣府に出ておりますが、当面、がんですとか再生医療を中心にやっていくというふうに言われておりますけれども、別にがんに特化してあの部屋があるというわけではございません。ですので、どちらかというとそのがん対策推進基本法の中に入るというわけじゃなくて、同時並行的といいますか、両者対等な関係でやっていくのであろうというふうに思われます。

○野田委員長
 ただ、そこでがんが向こうは入っているわけですから、がんをやるといっても……

○大津委員
 だから、かなりダブりが出ちゃうと思うので、そこをうまくやらないと……

○鈴木がん対策推進室長
 そうです、はい。
 1つは、少なくともこちらはがん対策基本法があって、基本計画という5カ年計画の中の目標を設定していただくということと、それからそれを実際にどうやってうまく運用していくかというライフイノベーション室の問題があると思いますので、そこは両者連携していかなければいけないと思います。ただ、どちらが上か下かというわけではなくて、本当にがんについて向こうの動向も知りながら、こちらの計画の中にどうやって反映させていっていただくのかということは念頭に置かなければいけないかもしれないと思っています。

○野田委員長
 いや、別に上下で言うつもりはないけど、ここで書いたものは上ですよ。

○鈴木がん対策推進室長
 すみません、言葉がちょっとおかしいかもしれません。
 最終的には、基本計画というものについては厚生労働省が案を出しますが、これは、閣議決定されるものですので、内閣府も含めた全部の国としての計画になります。ですので、そういった意味で言うのであれば、これで書かれたことについては、ライフサイエンス室も無視はできなくて、医療イノベーション室も無視はできないということになります。

○野田委員長
 すみません。ということなんですよ。だから、ここじゃないよ、ここで書くんじゃなくて、書くのはあくまでも協議会委員の方たちが書くわけですけれども、協議会委員の方たちが書くに当たっての我々の調査結果と考え方、そしてさらに我々だったらこう書くなというものまではここから出そうと。協議会委員がそれをどうするかということにかかります。ただし、それで書かれたものは、先ほど言ったように3省庁合同で、内閣府であれで認められるわけですから、それはもうきちんと残るものですからということです。
 それで、1つ忘れました。今度はこれですね、がん対策推進基本計画中間報告書というので、実際には中間報告というので、それぞれの項目についてきちんと推進されているか、問題点はどこにあるかというのをチェックしたのが昨年の6月に出ています。これはがん室がまとめたものですけど、その32ページに7番目というのがあって、個別目標、進捗状況というのが書いてあります。ここにいろいろな部分があるので、これはですから逆に言えば、去年の時点での今出た問題点と同じようなものがここに書き連ねられてあると。
 それで、それぞれの問題点が本当に問題であるかどうかというような協議とか審議とかをこれは通していない、つまり問題じゃないかと出てきたものをある程度積極的にここに取り込んでいるので、書きぶりが全部、指摘がある、指摘があると、こうなっていますけど、指摘があるのであって、それが、言い方は悪いけど、正しいか正しくないかよりは、こういう部分は気をつけなければいけないという書き方になっていますが、基本的には今日のような形で、協議会委員の中で、がん研究の推進の現状と、それから進捗状況とその問題点がここに提起されていますので、これも皆様の意見と同様に、これも読んでおいていただければというふうに思います。
 それじゃ、それで今日のはあれですかね。

○鈴木がん対策推進室長
 それでは、先ほど申しましたが、今後の日程につきましてはまた各委員のほうにご連絡をさせていただきまして、委員長と日程の調整をさせていただくということと、議題につきましてはまた委員長とお話はしていただきます。
 あと、日程が決まり次第またご連絡すると同時に、質問事項ですとか事前に提出していただく資料の期限、そういったものもまた同時に送らせていただきますのでよろしくお願いいたします。

○野田委員長
 どうも本日はありがとうございました。


(了)
<がん対策推進室>

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