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2011年1月7日 第4回チーム医療推進方策検討ワーキンググループ 議事録

医政局医事課

○日時

平成23年1月7日(金)14:00〜16:30


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○議事

議事録

○石井補佐 それでは、定刻となりましたので「第4回チーム医療推進方策検討ワーキンググループ」を開催いたします。皆様、新年明けましておめでとうございます。新年早々お忙しい中、委員の皆様方におかれましてはご多忙のところワーキンググループにご出席いただきまして誠にありがとうございます。
 最初に配布資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、資料1前回までの議論の整理、資料2チーム医療実証事業(概要)、資料3遠藤委員のヒアリング資料、資料4高本委員のヒアリング資料、資料5原口委員のヒアリング資料、資料6松阪委員のヒアリング資料、資料7鈴木委員のヒアリング資料。参考資料1小川委員、中村委員、森田委員からの提出資料、参考資料2中村委員からの提出資料、参考資料3として取出委員からの提出資料となっております。資料の不足等ございましたら事務局までお申し付けください。それでは、カメラの頭撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。では、以降の進行につきましては山口座長、どうぞよろしくお願いいたします。
○山口座長 皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。本日は、これまでいろいろ議論をいただきましたところを、事務局でおまとめいただいたことについて確認をさせていただいたあとに、5名の委員の方、遠藤委員、高本委員、原口委員、松阪委員、鈴木委員からご発表いただくことになっております。それから、小川委員、中村委員、森田委員、取出委員から参考資料のご提出がございますので、あとで意見交換に十分な時間を取りましてご発言をいただきたいと思っております。最初に、資料1と2につきまして事務局からご説明をお願いいたします。
○石井補佐 それでは、お手元の資料1をご覧ください。資料1は、前回も出しましたけれども、前回までの議論の整理で第1回のWGから第3回のWGにおける議論を取りまとめたものです。内容については後ほど議論いただければと思いますけれども、こちらの位置づけについては、今後、今年度中にこのWGにおきまして仮称、ガイドラインの取りまとめの議論をしていただく際、これまでの議論を振り返っていただく際に使うということと、最終的にはガイドラインの骨子のたたき台というような形で考えております。前回の議論整理から追加した部分につきましては下線を引いております。
 例えば、1頁でチーム医療の教育(昭和大学)の例ということで前回、向井委員からご発表いただきました内容について追加させていただいています。こちらにつきましては事務局での発表資料や、その際にご説明していただきました内容を書いたものです。例えば、中身が少し誤解がある、あるいは不足している点がある、あるいは事務局で吸収しきれなかった部分につきまして、こういう内容を盛り込んでほしいというようなことがございましたら、メール等で事務局までお知らせいただければ次回の会議までに事務局と座長と相談して、加えさせていただくあるいは修正するという取扱いにさせていただきたいと考えておりますので、内容が抜けている点等ありましたらどうぞ遠慮なく事務局までお寄せいただければと考えております。
 2頁目、主な追加点ですが前回さまざまな具体的な例についてプレゼンテーションしていただいたものにつきまして、例のところに病棟における薬剤師の配置や、手術室における薬剤師の配置、病棟における入院患者の状態に応じたきめ細やかな栄養管理の効果といったものについて追加をしています。
 2頁目のいちばん下のところから3頁目にかけてですが、前回、リハビリテーションの3職種の方々からプレゼンテーションしていただいた際に、カンファレンスを軸とした情報共有という話をいただきましたので、追加をしていることと、3頁で薬剤、栄養の話についてさらに具体例が追加されています。4頁で医科・歯科の連携です。これは、前回のWGにおきまして向井委員からさまざまな例についてご発表いただきましたので、さらに下線の部分を追加しているものです。
 5頁で病棟配置、その具体的な事例につきまして前回ご発表いただいたものについて、事務局で整理させていただいたものです。何か不足の点、あるいは表現等で修正が必要な点がございましたら随時、事務局までお寄せいただければと考えています。
 資料2をご覧ください。こちらにつきましては、WGを立ち上げる際に、何をお願いしたいのか、お話をさせていただいたこともありましたが、昨年末に閣議決定された平成23年度の予算案において、チーム医療実証事業を現在要求したところです。今後は国会でご審議をいただくことになっていますけれども、この事業について簡単に説明をさせていただききます。
 事業の目的としては、安全で質の高い医療を実現するため、各医療関係職種の専門性を高め、それぞれの役割を拡大し、各職種が互いに連携して医療を提供する「チーム医療」を推進することを目的としております。事業の内容につきましては2本立てになっておりまして、主にこの、WGに関連するものとしてはチーム医療推進会議で策定されるガイドライン、これは、WGでつくったガイドラインを運営会議にかけるという意味で、これに基づく取組について、実際の医療現場において以下の安全性・効果等を実証というもので例えば、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士等の業務の安全性や、疾病の早期発見、回復促進・重症化の予防、医師等の業務の効率化等々書いてあります。予算要求の段階のもので今後、WGでご議論いただきましてガイドライン(仮称)を取りまとめいただいて、それに基づいてこの事業について効果等を検証していただくことを考えております。年度末に向けて、来年度以降、予算要求もありますのでWGにおいてガイドラインの策定を行っていただくとともに、この事業の実施にあたっては普通のWGにいろいろとご相談させていただきたいと考えておりますので是非、引き続き有意義なご議論をいただければと考えております。簡単ですが、事務局からは以上でございます。
○山口座長 ありがとうございました。資料1の内容つきましては、あとの総合的な討論のところでまた問題がございましたら挙げていただきまして、資料2につきまして何かご質問等ございますでしょうか。
○三上委員 資料2の事業の内容のところですけれども、2つ目の○の特定看護師(仮称)等看護師の業務範囲の拡大を検討するためと書いてあるのですが、まず、特定看護師というのがあるということが1つ問題ではないかと思います。研修をして、業務範囲が拡大するということは個々の看護師については、研修を積み重ねることによって実力が上がっていくということは非常に大切なことですけれども、一般的なナース全体のことを言う場合には、何となく資格化という形、業務独占資格の範囲を広げていくんだというようにも読み取れますので、資格化につながらないような書きぶりに変えていただきたいと思います。
 逆に、資格要件と考えますと、例えば、今はできないわけですけれども、助産行為とされていた内診のようなものを計測部分については助産行為からはずすというようなことで、看護師が診療の補助という形でできるということになればそれは、拡大をするというような形になるわけです。この書きぶりでは少し誤解を招くのではないかと思います。もう1つは、日医のほうで医師会のアンケート調査をやっているのですが、現在診療の補助という形でされている看護師の業務は、かなりの部分まで踏み込んでされていると。包括指示の中でできるかどうかは別にして限定指示の中では相当医師がやるべきものまで看護師がされている部分があるという実態がございます。
 診療補助の範囲を限定せずに、業務範囲を拡大するということになりますと、議論が混乱するのではないかと思いますので、その辺の書きぶりを少し改めていただければと思います。 
○村田医事課長 チーム医療実証事業のうち、2番目の○、いま、三上委員からご指摘があったことにつきましては、具体的に、どのような内容で実施するか、これからもう1つの看護業務ワーキングで実際にはご議論いただきたいと思っております。
 それから、三上先生からお話がございましたことにつきましては、出発点としては、昨年のチーム医療検討会議の報告書がベースになっており、その中でも特定看護師(仮称)ですけれども、特定の医行為を実施することを原則とする内容の施行を行うことが適当である。又、この施行の中で特定看護師(仮称)以外の看護師によっても安全に実施しうると判断される声があるかどうかも合せて検証することが望ましいという趣旨です。もちろん、特定看護師の問題をどう考えるかは看護業務WGでご議論いただいておりますけれども、それ以外の部分についても合わせて見ていただくという趣旨です。
○山口座長 それでは、実際に5人の委員の方にご発表いただきまして、そのあとにご討議をいただきたいと思っておりますが時間がございませんので、発表は10分程度でお願いしたいと思います。それではまず、遠藤委員からよろしくお願いいたします。
○遠藤委員 済生会の遠藤です。よろしくお願いします。今日発表の内容は、もう一昨年になりますが、チーム医療の推進に関する検討会で、やはりヒアリングを受けたものとほとんど同じです。「医療クラーク導入の取り組みとその効果」について紹介したいと思います。
              (パワーポイント開始)               
 いま既にいろいろな施設で導入が進んでいると思いますが、なかなかうまくいかないところもあるとも聞いていますが、うちの取り組みとその効果について紹介したいと思います。チーム医療の推進の会議ですので、現在ではもう不可欠な人材になってきているということで位置付けています。そもそものきっかけは、現在では加算が付いているのでいろいろな施設でもう導入が進んでいると思いますが、私どもは、やはり医師の労働環境改善の取り組みということで、いろいろなことをやってきたのですが、その中で医師不足対策でその秘書の導入、また、労働時間短縮ということについても意味があるのではないかということで、導入に踏み切ったわけです。やはり、医者を助けるマグネットホスピタルを実現したいと。当時、非常に煩雑な書類作業や事務手続の増加によって勤務医がかなり疲弊感を訴えていました。また、やはり書類作成まで時間がかかりますので、患者さんから苦情が増加している。そういう診断書類などは、どうしても日常業務が終わって夜間とか休日に出て来てやるような実態があったということで、この辺を解消するために、当院の独自の背景もありましたが、医療クラークを導入したということです。
 段階的にこれをやってきているわけですが、そもそもは、平成17年6月に試験的に1名、外科外来、小児科外来等ですね、優秀な事務がいたものですから、見てどういうことができるかということ、仕事探しから始まって、2、3、4名と。現在16名と書いてありますが、17名の体制で段階的に増やしてきたということです。いま17名になりましたが、20対1の補助加算を取っています。医療秘書課ということで独立させまして、主に外来の補助です。全科にはわたってないのですが、外来の補助、文書の作成、さらには、手術室や放射線科にも拡げているところです。医局と学会の資料作成等もやって、これは医局秘書課という、医療秘書課と書いてありますが医局秘書課ということでまた別の部署なのですが、同じようにそのサポート体制を組んでやっているところです。これをいろいろな所でやっていると、活躍しているというような内容です。
 日本病院会主催の座学も受けさせるようにしていますが、院内でいろいろオリエンテーションから始まって、うちの病院でやはりニーズが各科によって違うものですから、いろいろな教育プログラムを立てて、育成にあたってやってきたということです。
 1つは、いまは加算が付きますが、導入当初は、やはりそういう人材が必要だとわかってもどうしても人権費、コストが頭にありますので、初期どのくらいかかったかということを紹介します。初期7名のときですが、人材としては、それまで病棟の主に看護師の補助に当たっていた、受付等をやっていた人材を移動させまして、あと、医事課からの移動をさせまして、人材をそこから連れてきた。こういう病棟の事務をやっていたところは外部委託にした。この5名、2名は内部から移動したわけですが、5名雇うのに1,300万円ぐらいかかったわけです。ただ、医療クラークを育成してやることによって、先ほど背景となったいろいろな問題点、勤務医の負担軽減ができるのか、実際その人件費、時間外労働ですね、それが減るのかどうか、そういうことを検証してみたわけです。3つの点から、ドクターがどう感じたか、あるいは、診断書作成までの期間が短縮したか、時間外の手当等のものが減ったかどうかということで、その効果を検証したわけです。これを導入して確か半年か1年ぐらい経ったときのアンケートです。常勤医師、50名弱に対するアンケートです。それまで、時間外や休日に書類を作成したので非常にそれが減って業務が楽になったという人が結構いまして、外来業務も非常に助かると。その他の良い影響もあったということで、多くの人、95%のドクターがプラスに評価したということです。正直に医療クラークまで係わっていないのでわからないという人もいました。マイナスの評価をした人はゼロだということで、ドクターからは非常に歓迎されたということです。あとは、診断書、保険会社の診断書が多いわけですが、支払いまで非常に時間がかかるということで、忙しいドクターほどやはり患者さんもいっぱい診て、そういう書類がたまってしまうと、休日、夜間に仕事をしていたということで、なかなか仕上がりまでは遅くて、2週間以上かかっていたわけです。統計の取り方でちょっといろいろあったのですが、見てみると、やはり現在では10日を割って1週間ぐらいのところに落ち着いてきたということで、大体1週間ぐらい早くなっているという効果が出ているのではないかと思います。
 時間外の労働ですが、この曲線が、実は常勤医師数です。やはり、非常に医師不足、この辺は問題が権勢化しています。平成17年度、それまで50人ぐらいいたのが47人ぐらいに減った時期があります。減ると時間外もやはり増える傾向にありまして、ここで医療クラークを導入しました。実際始めたのは平成17年度からですが、人数をだんだん増やしてきたのがこのあたりです。実際時間外労働の手当がどのくらい減ったかというと、この17年度と19年度を比べてみると、月々のもので100万円減っています。それから、年間にすると1,200万円減る、その後もちょっと減る傾向にありまして、ドクターはどちらかというと常勤数は増える傾向にいま入っています。良い傾向に入っているのではないかなと思います。先ほど、外部委託の人が初期の段階で1,300万円かかったということですが、それをペイするぐらいの効果が出て、いわゆる医者の時間外労働を減らすことによって、医療クラークを配置することによって、外部委託の病棟事務をやる人を雇える、原資になったということで、その辺が同じような金額なので非常に面白いなと思っています。実際にその加算がもう既に付いていまして、現在では先ほど言いましたように20対1ということで、年間大体3,500万円くらいの加算が付いてきていますので、人数をどんどん増やして、来年度は15対1を取りたいということでいまやっているところです。
 我々の医療秘書の導入ということについては、医師の業務はそれまで診療業務だけではなくて、どちらかというと非常に煩雑な事務作業もあった、その事務作業を取り上げて医療クラークが担うことによって、無資格の医療クラークですが、加算が付くところまできたということだと思います。同じように、看護師の業務では、看護補助が入って、それにも加算が今回付いたということです。ただ、看護師の業務も、看護師本来のケアというのがスポットライトを浴びないといけないとは思うのですが、やはり煩雑ないろいろな作業をやっていたわけでして、当院では朝の病棟採血は、平成元年が創立なのですが、そのときからもう臨床検査技師が朝来て採血に当たる、いまでも続いているわけです。あと、医療機器の管理についても、モニターとかいろいろなポンプ類ですね、そういうことも、平成9年、MEが張り付いて、いま2、3人が、病棟のそういう業務に当たっている。どこでもやっていることだと思いますが。あと、配薬・残薬のチェックについては、これは院外処方になったのをきっかけに、どちらかの施設のヒアリングがあったかと思いますが、当院でも薬剤師の数を減らさずに、当時19人いましたが、病棟に配置させて、平成14年から病棟の配薬・残薬チェックをやっているということで、できるだけ本来の看護師のケアに当たるようにやってきたということです。看護師本来の専門化をやるために、認定看護師は既にありますし、大学では専門看護師の育成をしているわけであると思います。
 医師の業務についても、既に救急救命士は、包括的な下ですが、包括的除細動、気管内挿管とか、いろいろなアドレナリンなどの注射とか、やれるようになってきたわけです。AEDについても、これは、医業独占、医業ではありませんから、市民の手によってAEDも使えるようになったということで、従来は医者にしかできなかった業務がそういうところにも拡大、救急の場では拡大してきているということです。
 今回のクラークの加算によって、いろいろと増えているとは思うのですが、いちばん大きかったのは、やはり平成18年の医政局の通達、それが大きかったのではないかなと思いますし、そういう通達によって一気に変わるということもありますので、今後この辺の業務の拡大とか、法律を変えないといけないのか、あるいは、法律を変えずにそういう通達だけで業務が拡大できるのか、いろいろ検討することが大事ではないかなと思っています。これは、いまいろいろ論議になりましたが、果たして特定看護師は本当に必要なのか、昔、医介輔が、最近テレビでもやりましたが、そういうことで沖縄については認めたということで、この間ドラマにもなっていましたが、本当にこれが必要なのかどうか、このワーキングでいろいろまた煮詰める必要があるのではないかなと感じているところです。以上です。
              (パワーポイント終了)               
○山口座長 ありがとうございました。それでは、引き続いて、高本委員から説明をお願いします。よろしくお願いします。
○高本委員 チーム医療と各種の医療者がチームでやるわけでありますが、この根本的なことは、やはり病気の患者さんを助けると、患者さんを治すということがいちばん大きな目的なのだろうと思います。すべてのことに関して、それぞれの場所でそれにタッチしなければなりませんが、医療と看護ということに、主に今回は時間がありませんので少し絞ってお話したいと思います。
              (パワーポイント開始)               
 医療とは病気を持った人を治す、Cureということですね。基本的にこれは医師が主導して、法律にもありますとおり、看護師は補助の関係、いわゆる主従の関係です。こういうことから、医師のパターナリズムが許容されたということで、私は、これは実際以上のパターナリズムが現実に医療の現場で有り過ぎるのではなかろうかと思っています。
 看護は、精神的、身体的に患者をサポートするCareということですが、病棟でも看護師は意図的に「医行為」を避けていました。例えば、ICUで静脈針が入っている、ストップコックをこう反すだけで採血できる、それは静脈だから採血できないと、こういうようなことが大学病院でありました。つい最近までも静脈採血も大学ではナースはしないという状況で、非常にナースの看護という枠の中でそれ以上に拡げようとしなかったというのが現実にありました。なぜかと言うと、その「精神看護」というのは、私は看護の中でいちばん大きなウエートを占めていたのだろうと思います。それは医師の責任もあると思うのです。医師がそういう面をある程度ほとんどタッチしないでナースに任せたという。ですからそこでナースは、そこに自立の場所を見つけて看護学校を確立させていった。ところが、そこで自立はありますが、本当にきちんとした連携があったかというと、私は十分になかったのではなかろうかと、看護は看護、もうちょっとやってくれよというのに、ここまでしか私たちはやりませんというのが医療の現場では見受けられました。それは、やはり医師の責任もあったと思います。医師がこの「精神看護」というか、患者のこともCareしなくてはならないのにこれをあまりしなかったということで、これは私たちの仕事だよという看護婦さんがたくさんいたということにもなるわけです。
 だけれど、医療人の使命としては、先ほど言いました「患者を治す」、「患者を助ける」ということが目的でした。その中でそれぞれが自分の自立と言いますか、自分の領域だけを主張するということが医療の目的ではないわけです。その中でも、各人がベストを尽くす、看護もその中の1要素であります。1要素で大事な要素でありますが、1要素であるにもかかわらず、看護は独立しているのだよという雰囲気が医療の現場では多々ありました。ですから、大事な「精神看護」というのは、カリキュラムの中でいちばん時間を取っているわけですが、看護師だけのものではないだろう、いままでこれは医師の我儘で看護師に押しつけていたのではないかと思うのですが、これは医師もこういうナースのCareというもの、患者の心のCareとかそういうものは、時間が短いにしても医師もやるべきであろうと思います。
 目の前で心肺停止が起こったときにどうするか。その場にいる人が心肺蘇生をしなくてはならないわけです。それはたとえ素人でもやらなくてはいけない。我々は昔はABCと習いました。それはおそらくここにおられる方はみんなABCと習った。Airway BreathingのCirculationマッサージですね、AというのはAirwayを確保するのです、これは大事なことですが、もうBreathingはなくていいということになりました。マッサージだけでいいと、世の中変わってきます。こういうようなことを素人はやらなくてはならない。ところが、これは非常に立派な「医行為」なのです。医療行為。マッサージをすることによって肋骨が折れて、折れた肋骨で肺が損傷することもありますし、それはリスクはありますが、でもやらないことには患者は助からない。そういうニーズがあるから素人にもそれが許されるわけです。医療の現場というのは、そういう患者のニーズにどうやって我々が応えるかということが大事。能力もいろいろありますから、人の能力に応じた形でそのニーズに応えるべきだし、まだ患者のニーズが高いようでしたら、それに応じてこちらの能力も高めないといけないということになると思います。
 果たして、いままで医師がすべての技能を担ってきたような感じがあります。責任は医師がとるという感じがありました。果たして万能でしょうか。医師の国家試験がありますが、100点満点で国家試験が通った人はいません。これ私は確実だろうと思います。せいぜい70点で通っているわけです。30点はできないわけです。すべての回答を100点満点で回答した人はいないわけです。米国では、大体10年おきに医師の国家試験の更新の制度があります。その度に、アメリカの医師は勉強します。日本は、一旦通ったら死ぬまでこの医師の免許は有効なわけです。その間に医学はどんどん進歩する。それをフォローしていればいいわけですが、その保障というのは、確実な保障はないわけです。ただ、専門医制度ができていますから、専門医制度は更新するという形でできています。専門医制度がいろいろありますが、では専門以外のことはどうかと言いますと、私は耳鼻科だとか皮膚科というのは、心臓外科ですから、本当に素人みたいなものです。学生のときちょっと習いましたが、本当に素人みたいなものです。知識はすぐ古くなりますし。先ほども言いましたとおり、ABCだったのがACBになっている。ACになってBが要らないと、こういうふうになっている。世の中どんどん変わるのに、医師にすべて依存していいのか。また、医師に依存されるだけの能力があるのかということです。
 片方で医師と患者とをこう比較してみましょう。知識の面で比較してみます。宇宙というのは大きな謎です。ものすごい謎の固まりであります。人間の体は小宇宙と言われていまして、これも非常にもう謎だらけです。いくらライフサイエンスが進んだとしても、ノーベル賞がいろいろな所を発見していますが、我々がわかったのはその本当に一部でして、メカニズムの本当のすべてはわかっているわけではない。ただ、いろいろな医学が進歩したということは、いろいろなことでこうやったら患者が助かるぞと、こうやったほうが患者がより助かるぞということがわかってきたというところではないでしょうか。非常に表面的なことしかわかっていないわけです。そういう意味では、この大きな宇宙の真理と比較してみたら、医師の知識なんていうのは大したことはないわけです。患者も大したこともないではないかと言うけれど、医師と患者はそれでは五十歩百歩ではないでしょうか。ときには我々は、患者さんから習うことがあります。我々がすべて知っているわけではありません。患者さんから先生こういうことがありましたよと習うことがあります。ですから、医師は本当に万能ではないわけです。より良い医療をするためには、医師のみに依存するのは非常に危ない。また、医師にはその全面的に依存されるだけの能力もありません、人間です。限られた能力しかない。ただ、医療チームがお互いに助け合って連携すれば何とか医療というのは成り立つわけです。だけど、パーフェクトの医療はどこにもありません。ただ、何とかして患者さんを助けようというその努力は実る可能性はある。その医療チームの中の中心に私は患者がいるべきだろうと思います。医療チームがお互いに自立、やはりそれでは依存ではなくて自立して、信頼しながら連携ということが、私は本当に医療を進める上で大事なことではないかと思います。
 医師はどういう役割をするかというと、やはりその分だけ医療チームの中ではいちばん学問として医療を勉強していると思いますから、そのリーダーになるべきだろうと思いますし、リーダーとしての品格というか、そういうものも身に付けるべきだろうと思います。ME技師が極めてできまして、20年ぐらいでしょうか、私は前にも言いましたが、これはチーム医療の本当に成功例だと思います。人工心肺はそれまで医師がやっていました。医師は手術のほうが興味があるものですから、もう適当に回してやるものですから、やはり事故も多かったわけです。ある大学でもそういうことを医師がやったために、医師がやったためというか、医師がやって事故が起こりました。人工心肺の技師だったら、もう少し障害も軽くて済んだのではないかなという感じがします。医師はこういうことで、また人工心肺かという気持ちが結構あったわけですが、MEの技師さんたちは、本当に人工心肺の操作に誇りをもってやっていただきました。これは素晴らしいことです。ですから、そのことによって手術の質が上がりました。安全性も上がりました。このチーム医療によって、誰かが仕事をただ単に譲るということではなくて、そのことによって質が上がるわけです。これが本当に自立と連携のモデルになるだろうと思います。チーム医療というのは、患者を治すためにどう協力できるか、医療の質、安全性、透明性、効率性をどう高めるか。これはもう医師一人の力ではできません。各職種のSkil-mixにより医療成果を最大限に上げる。各職種がもう自立する、連携をする、医師の補助役だけでは駄目です。やはり自立することが大事だと思います。自立して、私は一人だというのではなくて、やはりそこで連携すること、それが本当の大きな力をもたらすのではないかと思います。精神的なサポートは、この医療チーム全体でやらなくてはならないことだろうと思いますし、また、このチームの中では勢力争いに終わってはいけないだろうと思います。
 外科学会は、私も心臓血管学会をやっていますが、こういう特定看護師とか、私たちは早期確立を求めています。学会全体で、学術総会もこういうことをシンポジウムで議論していますし、かなりな程度これは浸透していると思います。医師会の方が反対されていましたが、私の友達の医師会の人が全く知りませんでした。現場では医師不足、看護師不足、こういうのがあったら是非欲しいということでした。こういうことは医師会の末端では議論されていないのです。けれども、外科系は特にこのことに関しては非常にみんな真剣に考えています。もういまの医師ではやりきれないということです。アメリカのNP、PAと日本の特定看護師というのを、少し比較してみました。医師の指示の下と、NPがちょっと医師から独立していますが、医師の指示の下です。処方権はNP、PAはあるのです。特定看護師はない。だけど、簡単なものは私は認めてもいいのではないかと思います。特定看護師では看護師資格になるということですが、PAは看護師、臨床工学技士、検査技士からもいけます。私は看護師だけでなっていると思います。いろいろな各種の職種からこの臨床業務に、患者さんの病態はきちんと把握できるような職種の人が、これに、特定看護師という名前はまた別にして、こういう形のものに参加してもらいたいと思います。ただ、わりと資格の限られた範囲の中で、例えば、術後の管理だとか、糖尿病の管理だとか、限られた範囲の中でやっているのがPAなども現状だったと思います。そういう形でやれば、それは医師が人工心肺をやるのと同じように、限られた範囲内であれば、医師よりもはるかに有能な働きができるだろうと思います。
 これは、厚労省の班研究で前原先生が調査されたグラフです。いま「現在」医師がしていると、看護師がしているというのが縦にあります。「今後」看護師がやるのは可能と言いますと、可能という割合がやはり医師が回答しても看護師が回答してもはるかに多いわけです。こういうふうな形、例えば、ガスのために動脈穿刺だとか、ここに入っていっているわけです。いろいろなことができるわけで、現在もかなりやっているよというのは、いまの看護師でも十分可能です。それから、将来ともあまり実施可能の程度が低いところは、いまでも低いが将来ともあまり大きくないというのは、やはり医師が実施すべきであると思います。その中間のことに関しましては、看護師をよく教育してやれば、今後医師よりも私はよくできるだろうと思います。これはME技師がそうやったようにこのようにできるだろう。
 心臓手術の中では、いろいろなプロスイジャーがあります。必ずしも医師ではなくてもできることがいっぱいあるわけです。私も大学院生でしたコロンビア大学、コロンビア大学は有名な大学ですが、心臓外科の医師はたった6人、レジデント3人です。PA(フィジシャンアシスタント)30人です。それで1500の手術をするのです。東京大学で私は医師が25人ぐらいいました。やった手術は400ちょっとです。もう全然効率が違うわけです。ですから、医師不足という状況の中で、大事なのはチーム医療ということで、背景にはこの医師不足もありますし、こういうことを是非導入しなければならないだろう。外科医はいま週に大体100時間ぐらい働いているのです。オーバーワークです。最近は労基署が入ってきまして、どの病院も戦々恐々としているわけです。それでは、医師が少ないかと言いますと、アメリカと日本と比べて、外科でも日本の医師のほうが多いのです。多いにもかかわらずこんな状況がある、医師不足、外科医になり手が少ない。ですから、手術の症例数はアメリカに比べて圧倒的に少ないわけです。これトレーニングにも問題が出てきます。
 ただ、私はDatabaseというのをやっていました。アメリカのDatabaseと日本のDatabaseを比較してみました。CABGのバイパス手術で、Off-pump、日本が60%、アメリカ20%、非常にレベルの高い手術をしています。日本のモータリティー、リスク調整したもので1.4%、アメリカ1.9%でアメリカよりいいわけです。On-pumpもやはり厳しいのをやるものですから2.5%行ったのでちょっとこちらのほうが高いですが。日本は非常にレベルが高い。これはがんの手術もそうです。こんな低劣な状況の中でこれだけやれるというのは、やはり医師のボランティア精神でやっているわけですが、もうこれは破綻がきています。先ほど心肺停止というのがありました。日本の医療界そのものが心肺停止になりそうな状況まできています。ですから、医療費増加、医師・看護師の数の増加だけでは現在の医療崩壊を止めることは不可能です。非医師、診療費の確立を含んだ高い志をもった新しいチーム医療の確立が、日本医療の再生にとって必須であるということです。どうもありがとうございました。
              (パワーホイント終了)    ○山口座長 ありがとうございました。それでは、続いて、原口委員のほうからご説明をお願いします。
○原口委員 東海大学病院の原口と言います。診療放射線技師です。よろしくお願いします。
              (パワーポイント開始)               
 今日私がお話をしますのは、放射線の検査領域におけるチーム医療ということで、どちらかと言えば失敗例です。失敗例も報告してほしいというお話が前回ありましたので、この例が今後のこの推進方策検討ワーキングの議論に少しでも参考になればと思って報告をさせていただきます。早速ですが、当病院は2006年に新病院として新しく立ち上がりましたが、2000年の頃からこういった目標を掲げて病院作りを行ってきたわけですが、検査部門においては、この外来の強化、当日検査の対応の強化というのが我々に課せられた課題です。この実現に向けて、当時、医師、技師、看護師、事務、検査に関わる多くの職種の人たちが集まっていろいろ議論をしながら、そして検討して、いまの検査室があるわけですが、この中で、CT検査室のことについて今日はちょっとお話をしたいと思います。
 CT検査の場合、当時はやはり非常に需要が多くて、待ち時間が長い、予約がなかなか入らないという、そういった問題を抱えていましたので、新病院では当然ながらこういった問題のない検査室を作るべきだということで取り組んできたわけですが、それにはまず、そのCTの検査室のスループットを上げることが重要であるということで、いろいろCT検査にかかっている時間とか、そういう検査時間を調査してみました。それによりますと、CT検査の作業調査をして、どういったところにいちばん時間がかかっているのか、また、何がいちばん影響しているのかということを、これは、検査室の入室から退室までの検査時間ということで、CTの技師の経験年数の違い、あとは、装置の性能の違いによって調べたのですが、あまり検査時間の変動には大きな影響は与えていなかったということです。
 何がいちばん影響を与えていたかと言いますと、これは、ここにあります注射という部分です。CTの検査は、途中で造影剤を使って検査をすることがあります。検査室の中でその造影剤を注入するための準備をするわけですが、そのルートの確保に非常に時間が割かれていたということです。これは検査入室から退室までの作業、いくつかに分けてタイムスタディーを取った結果ですが、こういった状況になったと。当院でも、造影検査はCT検査の大体半数近くは行っていますので、この辺の部分がなんとかなればスループットが向上するのではないかということを考えたわけです。これはもう少し比率で示しますと、水色の部分ですが、大体3割から4割がやはり1検査における時間を占めていたということです。では、この部分を検査室から外してしまえば検査のスループットは上がるだろうということで、新病院では、結局注射の準備に検査室が占拠されていたということです。新病院では、ここにあります造影準備室というものを検査室とは別に設置して、そして検査のスループットを上げて待ち時間の短縮、予約日数のゼロを目指して取り組んだわけです。そのためのハードの設計を行ってきたわけです。そして今度はソフトの面におきましては、当然そのときにも我々は質の高い検査というものを目標にあげていましたので、放射線科医、看護師、技師、それぞれの専門職として専念できるような環境を作ろう、検査室を作ろうということで、部屋のレイアウトとか、人員配置、そういったことを行って、体制を作ってきたわけです。
 そして、今回の目玉となる造影準備室というのは、当院は大学病院ですので、研修医の先生が回って来ます。その部分は研修医の先生に担当していただこうということで、こういった体制をとって、2006年の開院に意気揚々として迎えたわけですが、実際蓋を開けてみますと、なかなかうまいこといかなかったということです。初めの3、4カ月は非常にうまくいったのではないかと思いますが、やはり、そのうちにポツポツ研修医の先生のほうから忙しいと、注射ばかりではモチベーションが上がらないとか、そういった話が出てきまして、また、研修医の先生は安定的に確保できるわけではなくて、やはりその月々によって数が違いますから、忙しいときも非常に忙しくなったりするということもあって、徐々に不満が出てきた。考えによれば、今回のこの運用の業務のしわ寄せが全部研修医にきてしまったということです。そういったものが見えてきたものですから、今度看護師がそこは何とかしなければいけないということで、看護師がその支援に回ったのですが、看護師もそのための要員を確保されていたわけではなくて、現在にある人数から研修医のほうの支援に回ったものですから、今度は看護が忙しくなってしまった。今度我々放射線技師としても、うちでそこを見て見ぬふりをしたわけではなくて、何とか協力できないかということで、CT検査室における看護師の業務においては、造影が終わった後の針を抜く作業というのは結構大きなウエートを占めていますので、その部分を我々ができれば担当したいと思っていたわけですが、先ほどの??本先生の話ではありませんが、針を抜くという作業は我々では法律では認められていません。そこで結局、そうしたことをやってはいけないということで、結局、抜針というのを協力したかったのですが、協力できないということになってしまいました。技師の中には医療従事者なのに針も抜けないのかということで、嘆いている技師もいましたが、現実にまだこういう縛りがあって、結局看護の協力ができずに、気付いてみれば、研修医と看護師、数が少ないにもかかわらず、造影準備室と検査室に分散してしまったということが今回失敗したうちの例です。確かに、今回この検査室のスループットは上がりました。しかし、それはだんだんそういった問題から医療注射の作業効率が下がったために、結果的にそれが継続できずに目標を達成できなかったということで、うまくいかなかったということです。現在もこの造影準備室というのはほとんど使われていません。
 その原因としては、当院の少し流れを説明しますと、ここで受付、更衣室、このCT検査室は全部で4部屋あります。患者さんが受付をされて、更衣が必要であればまずここで更衣をしていただきます。そして、こういう形で、造影の検査をする患者さんにはこの造影準備室で医師が検査の説明、そして問診をとりながら、ルートを確保するということです。横に看護師がいますが、当初はこれは研修医の先生で行っていました。そして、このような形でルートを確保して、しばらく待合室で待っていただいて、ほどよく検査室に呼ばれて、検査でこういう造影が始まるわけですが、造影が始まるときには、別の医師と看護師がここでルートをつないで検査を開始する。ここの光景だけを見ればうまくいくと思うのですが、実際看護師はこの中では走り回っていたという状況です。
 何がうまくいかなかったのかと言いますと、結果的には分散してしまったのですが、その過程を見ますと、やはり一部の人たちにしわ寄せが起こってしまった。それを支援するためになかなか体制がとれていなかったということです。我々放射線技師の立場から言うと、その法律の縛りがあったということで、何とかこれがなければもう少しうまいこといったのかなというような感じはします。
 このように、いまはCTの検査を例に話をしましたが、ほかの場面でも起こるのではないかと思いまして、私なりに、今回の件をイメージを示すとこういう形になるのかなと思います。まず、これがチームの目標です。そして、その中の小さな円がそれぞれの職種で、それぞれが専門性を発揮して、協働しながら質の高い検査を目標に向かって達成しようとしているわけですが、必ずこういった隙間の部分というのが生じてくるのではないかなと思います。これも誰かがやらなければこのチームの目標は達成できない。特にこういったところをしっかりと協働できる仕組みを作らないと、この目標というものが、やはり先ほども言いましたが、達成できないのではないかと思います。その部分に、例えば、法律の縛りがあるのであれば緩和する必要があると思います。こういったところをナアナアに、なおざりにしてしまいますと、結局また一部の人に業務の負担がかかってしまって、当初設定した目標とは明らかに違った小さな成果しか得られないと、こういったことを今回のCTの例で感じたところです。こういったものはもしかしたらほかでも同じようなことが言えるのではないかなと思っています。
 特定看護師制度ということで、看護師が医師の業務の一部を担うということについて、我々は反対ではありません。ただ、今度、看護師にその業務のしわ寄せがこないとも限りませんので、是非私たち他職種をもっと使っていただきたいなと思っています。今回の例を踏まえて、やはりチーム医療を推進するためには、医療従事者の要員を増加する。これも当たり前の話ですが、ある効率的な運用を考えた上でチーム医療をするためには、一部の人にしわ寄せがこないようにしなければならない。そうした場合には、その支援ができるような体制を作っておかなければならないということで、そのためにはこの法律の縛りというものがやはりあると思いますので、是非緩和していただきたいなと思います。以上です。ありがとうございました。
              (パワーポイント終了)               ○山口座長 ありがとうございました。それでは、引き続いて、松阪委員のほうからご説明をお願いします。
○松阪委員 枚方公済病院の臨床工学科の松阪です。よろしくお願い申し上げます。
              (パワーポイント開始)
 私の病院と言いますのは、313床の急性期病院でして、その中で6名の技師と私とで臨床業務をやっているわけです。その中には、やはり集中治療室で仕事をしたり、透析して仕事をしたり、オペ室で仕事をしたりとか、その6名が日に日にいろいろ場所を変えて仕事をしていっているという現状です。それで、私はその業務の分担をしていくわけですが、配置をしていくわけですが、その概念的な内容になるかもわかりませんが、基本的な私の病院での考え方、技師の配置の仕方をそこに委ねているということで、紹介させていただきたいと思います。
 チーム医療というのと、医療チーム、ここが微妙にちょっと違うのかなというところも私は以前から考えているところです。以前、専門部隊型の医療というのが医療チームで、それもチーム医療の1つであるというような意見もこの委員会の中で聞かさせていただいています。今回、私は、この専門部隊型、要するに、心臓血管外科でありましたら人工心肺を回す人工心肺のMECEですが、そういうものと、先生方というのも、看護師、ICUに帰ってきたあとの看護師。そういうのも専門部隊型のチーム医療でもあるかもわかりませんが、私の313床という、そういう病院の形態で、では臨床工学技士はどのようにチーム医療というのを考えているのかということを紹介させていただきます。
 以前より、いろいろ病期・病態によりさまざまなチーム医療があるということを聞かさせていただいています。各々の専門性を基に、目的と情報を共に共有して、業務分担しながらお互いに連携、補い合って患者の状態に的確に対応する、これがやはりチーム医療の目的ではないかと考えています。それで、以前から今回も出ていますが、医師の裁量権による依存型・分業型のチーム医療、業務ではなくて、やはりこれからは、医師・看護師・臨床工学技士各々が、各医療スタッフ各々が自立・連携型のやはり業務分担をしていかなければならないのではないかと考えています。
 さて、臨床工学技士業務というのはどういう業務かということで、心・循環器系の治療領域とか、呼吸器領域、代謝系治療領域というふうに業務を行っています。特定のある場所、部署で業務をやっているわけではありません。生命維持に関係する必要な機能を分化・分類化した、そういう業務形態です。例えば、呼吸領域業務では、手術室、集中治療室、病棟、さらには在宅医療などの場所で業務を行っています。
 これは日本臨床工学技士会がアンケート調査を行った2007年のデータですが、回答数が3,207名、延べ回答数は9,915回答、1人当たり大体3.1の業務を行っております。この業務の血液浄化、呼吸領域、人工心肺のところに書いてある数字はパーセンテージですが、大体このような業務を1人3つから4つぐらいはこなしていることになります。ですから、現場において医師と看護師と協力し合いながら業務を行っていっているところが窺えると考えております。チーム医療の推進に現場に必要なマンパワーを導入するためには、従来の職種業務中心のセンター的構想と、各職種において臨床業務に即応できるマンパワーの育成が必要であると、合理的にそういうことを進めていく必要があると思っております。
 それでは、チームのスタッフの仕事はどのようにやればうまくいくのかということで、個々の負担を軽減して、効率よく機能的に協調し合えることが必要ではないかと考えます。また、専門職種を有効的に機能させるチームリーダーが全体で見られる、効率よくスタッフが動くためには必要であり、そういう人材を育てていくことも非常に大事ではないかと考えています。先ほどから臨床工学技士について??本先生からお話がありましたが、1988年、規制緩和を見据えてチーム医療の概念を基に法制化されたと私は認識しております。医療職種として、高度化・多様化する医療機器に支えられた現代医療のマンパワーとして誕生したとも認識しております。この25年間の間で、いろいろ医療の問題が起きております。
 医療事故に関するところによると、医療機器の安全確保がいちばん大事であると、重要課題の1つであるということで、医療法や薬事法の改正により医療機器安全管理体制の確保がすべての医療機関の責務となりました。平成19年12月28日、医政局から「医師及び医療関係職種と医療事務等との間等での役割分担の推進について」が出され、医療機器の管理のところでこういう複雑な操作を伴う機器のメンテナンスと医療機器の管理については、臨床工学技士を積極的に活用することによって、医師や看護師の業務を軽減することができるということも謳われておりました。臨床技士は、生命維持・管理装置以外においても、医療機器の専門家として評価されてきております。
 もう1つの点ですが、いまいちばん問題になっている医師不足、勤務医の過重労働です。そのために、今回この「チーム医療推進方策検討WG」ができて、合理的な業務分担が求められていると思っております。「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」が平成22年4月30日に厚生労働省から出ておりますが、その中に内容で注目している所が3つあります。1つ目、「各医療スタッフの専門性に積極的に委ね、医療スタッフ間の連携・補完を一層進めることが重要であること」ということが掲げてありました。2点目として、「チーム医療の検討を進めるには、必要な具体的な連携・協力方法を決定し、医療スタッフの協働・連携によるチーム医療を進めること」も掲げています。3番目として、「チーム医療の実現の前提となる各医療スタッフの知識・技能の向上、複数の職種の連携に関する教育・啓発を積極的に進めましょう」ということを掲げていました。ということは、従来の医師の裁量権による古典的な依存分業型のチーム医療ではなく、メンバーが自己の責任と能力を明確にして、かつ相互で情報を共有し、各々が自立して業務を行う自立・連携型のチーム医療を目指す必要があると考えております。
 ここに表で出しているのは、我々が関係する各学会で、これは日本臨床工学技士会が去年の10月10日にこの25年間の成果として業務指針の改正、適正化を行い、「臨床工学技士基本業務指針2010」が出されました。それを基に、厚労省から昭和63年9月14日に医政局医事課医事課長通知として出された古い「臨床工学技士業務指針」が廃止になり、いま「臨床工学技士基本業務指針2010」が我々のベースになる業務内容と認識しております。
 もう1つ、さらにベースになるのがこの関連法規だと認識しております。臨床工学技士法、政令第21号施行令、厚生労働省令第19号施行規則が我々のベースであると思います。そういうことで、生命維持管理装置の操作及び操作に伴う身体への侵襲を伴う脱着等の行為、さらには関連業務として血液体外循環、PCTSもそうですし、人工心肺もそうですし、血液透析などもその中に入るかもしれませんが、人工呼吸器装置における血液ガスや吹送ガスの条件、高気圧酸素治療における加圧等の条件なども業務内容ではないかと思います。操作に付随する薬剤の注入、人工呼吸器を装着した患者についての喀痰等の吸引、留置カテーテルの血液採取も、その中の業務として認識されております。私もそうですが、特に循環器系は我々の病院も力を入れており、心・循環器領域においてはペースメーカーや心筋焼灼術のプログラム早期刺激、ならびに除細動器などの電気的刺激の負荷も業務範囲と理解しております。先進医療における臨床技士の配置というのは言われていますが、全部で86項目あって、その中の約30項目は臨床工学技士が要件になっているというのも現状です。
 私は急性期病院におりますので、今回このように急性期治療の領域においてお話しておりますが、最も医師・看護師と近い連携にあるのが臨床工学技士ではないかと思います。技士の関連法規を基に、お互いの理解と綿密な協力体制によりさらに業務を綿密にすることができ、医師・看護師のサポートができるメンバーの一員であると思います。医療機器の安全を確保し、生命に直結する機器の操作行為とそれに付随する行為、医療機器を用いた治療領域、医療機器の安全確保は臨床工学技士業務であり、新たな「臨床工学技士基本業務指針2010」のもとに、従来より培われたチーム医療の実績を今後の自立・連携型のチーム医療に成熟させるために、これからも医師の包括的指示が重要で、さらに活用を切望するわけです。ご静聴ありがとうございました。
(パワーポイント終了)
○山口座長 ありがとうございました。最後に、鈴木委員から資料7についてご説明をお願いします。
(パワーポイント開始)
○鈴木委員 筑波メディカルセンター病院から参りました、事務方の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。私は事務局部門ということで、いままでのご発表と少し毛色の変わったところがあるかと思います。言い訳をしながらご案内をさせていただきます。
 今日は思いの丈がたくさんありまして、10分の中でどのぐらいというのが自分でも心許なかったものですから、こういった形で今日お話したい項目を出してきました。まず、我々事務方の発表としては、前提条件を確認したいと思います。というのは、日本中で8,700余りの病院がありますが、それぞれ事務部門の立ち位置が非常に個性的に、それぞれの進化をしておりますので、当然、私のこれからのお話がすべての事務部門を代表するものでも何でもありません。ただ、こういう見方、病院の運営の中でチーム医療を進めていく上でこういう事務の立ち位置があるというのをご案内したいというのが趣旨です。8,700分の1だということを今日は何度も申し上げますが、それぞれの個性、病院の形、いろいろなものをそれぞれが持っておりますので、その中で事務部門の活動するシナリオは基本的には同じで、同じようにうまくいくシナリオはないと考えております。そういうわけで、私は急性期に特化して、DPCに乗って公益法人として活動していると。そんな病院という立ち位置でお話します。
 また、あとで出てきますが、経営的には決して優良病院ではないということです。経営的に優等生の病院ではない。ただ、隣の芝生がいくら青くても、その青い芝生で我々は仕事ができないので、自分たちの芝生なりに活路を探すという認識をしております。外部評価はなるべく一生懸命やっています。おかげさまで、私はサーベイヤーとして10数年日本中を回りましたので、54床の病院から1,000床の病院まで、そういったものも多少織り込みながら、事務部門としてのチーム医療の未来をお話したいと思います。
 事務部門とは何かと言われると、今回このような機会をいただいたので改めて考えてみましたが、大きく分けると3つあるのかなと思います。いわゆる歴史的に言うと、昔は管理栄養士なども事務の仲間としてカテゴライズされていた時代がありました。いまはほとんどありません。ソーシャルワーカーなども、昔はそういうグループがあったのですが、これもほとんど離れてきました。いま、診療情報管理士なども独自の専門性というところで、事務部門というカテゴリーでは徐々に収まり切れなくなっていますが、そういった専門的な顔を持つ部分、いちばん直感的に皆さんが考えるのはいわゆる医事課の職員、医事専門職グループです。今日もアシスタント、クラークの話も出てきましたが、そういった直接チーム医療の一員として動いている部門です。もう1つはマネジメントを通して、病院の中で資産が動く、ヒト・モノ・カネが動く、その動くものを通してチーム医療に我々は貢献をしたいと。そういった3つの顔を持って活動してきました。
 簡単に資料でご覧ください。私の立ち位置になる舞台は、このような病院で仕事をしております。現在400床の病院で1,200名弱、そこに看護師が550名、年間でせいぜい120億ぐらいの事業収入ですので、法人全体でも1,300名。この人たちを要して初めて、我々は地域においてやりたい医療の一端を担えているのだと。特に、ここに赤字である介護医療支援部の87名というのは、今般補助加算が取れてやっと日の目を見ておりますが、遡ること10年前から、こういった急性期においてもいわゆる看護補助、我々は「介護医療支援部」という部を付けましたが、そういった人間の必要性の訴えをしてきました。
 そういった経験を通して、我々は「チーム医療」が病院経営にとってそれをいかに活かしていくか、それがこれからの「経営」、病院の運営が難しい時代に大事なテーマになるだろうという自分なりの確信でここまで来ております。そのためには、チーム医療が永続しなければいけないということです。一過性の話ではなく、病院の運営の中でそれがきちんと担保されるということをやっていく。そのためには、まだまだ現行の我々の病院経営のスキルは、日本の経営人、いろいろな企業経営の中では明らかに周回遅れになっているのが事実だろうと。逆に言うと、宝の山がまだ十分に目の前に広がっていると考えられると思います。
 その中で、これは1つの仮説ですが、「50:30:20」という1つの経営の目印を設けて病院を見ると、病院がある程度しっかり医療に取り組んでいれば、決してお天道様が当たらないことはないだろうということがあります。人件費:材料費:経費、5:3:2、この中で本来はマネジメントが十分できるはずだろうと考えております。それの依拠するところは、我々は非営利事業ということで、外部の投資家への、いわゆる投資を内部留保して投資に回す必要がない。その原資はすべて内部の質の担保に回せるという、ある意味では大切な経営的な視点でのメリットを教示しているということだと思います。
 これは簡単にいきますが、当財団法人の損益状況です。一生懸命1年間稼いで、134億円稼いで、利益が大体1億1,000万、利益率が1%を切るということです。これを病院だけに振り向けるともっとひどくて、111億7,000万稼いで、まだ赤字が1億4,400万。でも、それでもやれるのだと、その中で我々のやり方があるのだということを、そこで下を向いては駄目なので、下を向かせないで、メディカルスタッフの人たちが前に向けるように、それが我々の大事なところです。ただ、その中で我々がこれから考えていかなければならないのは、「チーム医療」というのは考え方はすばらしいのですが、必ず人件費をどう経営的に克服していくかというスキルを持ってチーム医療のプランニングにかからないと、人件費が非常に運営上の負担になるのです。それは良い悪いではなくて、そのことを担保するためのスキルを、経営的な視点をどうやって病院の中に根づかせるか、それが我々事務部門の責任だと思います。ご覧いただいているとおり、平成18年から比べると、平成21年度は24%も人件費が増えています。ですから、この人件費の増加に最終的にはどうやって自分たちの事業の伸びを合わせていくか、これは全国的なものですが、世の中全体を見ても人を厚くして医療の質を上げていく方向性と、年々ある程度平均年齢が上がっていきますので、人件費の上昇の圧力は来ているということだと思います。
 これも、時間がありませんのでざっと見てください。我々の財団法人、病院だけでも、これだけずっと赤字が続く時代がありました。その赤字を少しでも克服しながらやっていくためには、最終的にいまこの端に行き着いて上に出てきましたが、それは最終的には人なのです。借金が多くても病院は何とかなるのですが、人が枯れると病院は枯れます。この枯れている時代は人が枯れている時代ですから、そこで我々の学んだことは人を枯らすなと、チームが病院の経営を支えるのだということだと思います。これはうちの事業の、赤いほうが伸びで、棒線グラフが借金の金額ですが、平成11年にちょうどここが下がります。ここからが我々の腕の見せどころで、このターニングポイントをもってどうやって病院をさらに良いほうへ伸ばしていくか。ここにきれいな三角形がだんだんできてきました。事務屋とは変なもので、この三角形を見ながら私はニヤリとするわけです。「ああ、美しい」と。たぶん、診療の皆さんは変だなと思われるかもしれませんが、ここの面積がきちんと取れることが我々のチーム医療のための将来の可能性を示唆する、そんなデータになっているとご覧ください。
 「チーム医療のデザインと事務」ということで、チーム医療はこれだ、とあまり頭を堅くすると、8,700の病院がそれぞれ個性を発揮できないので、創造性を発揮して個性的なデザインを作っていく。そのために、我々も少し力を使っていただきたいと思います。そのためには、メディカルスタッフの皆さんの「思い」がほしいのです。こうしたい、ああしたいと。それがないと我々はデザインできませんので、それを聞きながら、PDCAのきちんとした事業推進のマニュアルを使いながらやっていくと、我々3つの顔がお手伝いできると。近森先生が「レゴブロック理論」を出されましたので、それに触発されて、私は「リカちゃん理論」で事務方として局面を見ていこうかと思います。要は、あまりチーム医療の外形だけでゾロッと並べると、七段飾りのおひな様になってしまうのです。これは3月3日までしかもたないので、そういう季節の流れとか時の流れに耐え得るためには、リカちゃんの長い国民の指示を受けている、それぞれの季節や個性に合わせたベストのチョイスは8,700通りあっていいかなというのが我々の考えです。
 時間もありませんので少し端折りますが、まず看護師の皆さんについて我々事務方の思いは、先ほども出したように1,200名のうちの550名が看護師なのです。この院内最大勢力、そして非常に情熱を持って前に向いている。この人たちが前を向けば、必ず病院経営は良い方へ向きます。逆に言うと、病院経営を改善するには、看護師の最大勢力をいかにそちらの方へ向いていただくように我々が準拠するかに、ひとえにかかっているのかなと。私は、チーム医療は医療と経営と職場の3つの「質」のバランスで証明されると認識しております。いま、当院では認定看護師と専門看護師で総勢16名おりますが、この人たちが前を向いて希望を持って働くと、2000年には20%だった退職率が、いま8%まで急速に改善しております。決してこれだけではないのですが、そういったことで看護師の働く場所としての価値が病院のバリューにつながる。それは、必ず経営の改善につながっているということは1つ言えるのではないかと思います。
 そしてもう1つ、今も昔も経営の根幹は医師にあると私は思います。メディカルスタッフのチームとしての活動がいかにあっても、医師のポジションが経営改善の成否を握ると、これは揺るぎない事実だと思います。質・量、それを司るのは医師の責任、裁量が大きい。いま医経分離という話がよく出てきますが、私はそれは取らない、経営に理解と認識のある医師がいて、最強の病院経営・運営になると思います。ただ、そのためには、医師がそういったことに専念できる、後顧の憂いを絶つために我々事務部門の果たす役割は極めて大きいと。そういったすばらしいリーダーを頂いて活動できるための心がけが必要だと思います。ドクターと話をすると、大体八方塞がりなことはあり得ないのです。もう一息何とかしたいというと、ドクターとじっくり話をすると必ず活路が出るということで、我々は体験的に認識しております。
 「DPCとチーム医療」ということですが、これも時間がないので項目だけ。いまDPCに厚労省の方がデータを非常に詳細に、かつある意味では公平に提供していただいているので、複雑性と効率性のデータをグラフ化するとこんなものができます。ここが当院ですが、在院日数がここ数年少し長めになっているということが見えてきます。うちの病院の倍以上の某付属病院や某厚生連の病院がこの辺にあります。こういったデータをきちんと整理して、病院長にポンと出して、「うちの病院はどうする」と。在院日数のありようが地域の中で是か否か、どういう方向性にいくかをご判断いただく材料として、我々はいま非常に恵まれた状況になっていると。そのためには、この宝の山をどうするかというのを次の頁で書いております。これも時間がないのでご覧いただければと思います。
 そういうことで、事務部門としては、我々は診療も検査も看護も介護もできないので、そこに揃った非常に有能な個性あるメディカルスタッフの皆さん、医師、看護師、その他コメディカルの人たちをみんな含めて、そういった方たちが活躍する場面をどううまく演出していくか、それが永続するための経営基盤を確保するのが我々の任務ではないかと思います。そのために事務部門としては、ここにその可能性と覚悟と書きましたが、日本の基幹産業として地域で140億円の事業収入と1,300名の雇用を確保していることを自負として持って取り組んでいきたいと思います。途中端折ってわかりにくいところがあったかと思いますが、是非8,700の病院が良い方向へ向かうように、そのために我々事務部門の役割があるのかなと認識しております。ご静聴ありがとうございました。
(パワーポイント終了)
○山口座長 ありがとうございました。5名の委員の方々から資料の説明、ご発表がありましたが、あと1時間ぐらい時間が残されておりますので、総合的なご討論をいただきたいと思います。まず、5名のご発表について何かご質問、ご討議等ございますか。
○三上委員 高本先生にお伺いしたいのですが、医師会と意見が違うとおっしゃっていましたが、特定看護師の特定の業務については、独占業務と考えておられるのか。現在、資料にも出されておりますが、今後も医師が実施すべき高度な行為と適切な教育実習に基づき看護師が実施可能と考えられる行為については、新たな独占業務として法律を作りたいと考えておられるのかを伺いたいと思います。
○高本委員 医師がやるべきことではないですね。ナースもいまの状況よりは、現在のナースはもっと上のことができるだろうと言いました。動脈ラインから採血するとか、そんなことができるだろうと。もう少し高度なところが、例えば動脈穿刺とか、その辺りになると教育も必要だろうと思います。
 また、最近ナースが痰を取ったりするときに聴診器で聞きます。これは昔は全然やりませんでした。いまは超音波の機械もありますから、ナースが超音波の機械を使っていいだろうと思います。しかし、超音波の機械を使ってやるためには教育は必要だろうと思います。そういうことは、教育されたナースがやるべきなのだろうと思います。
○三上委員 ということは、いま現在非常に少ないパーセンテージですが、やられていることについては違法行為をされていると見ておられて、それを阻却するために特定看護師という新しい資格を作りたいと思っておられるのでしょうか。
○高本委員 法律的に、先ほども放射線技師さんからありましたように、針を抜くのは違法行為になると。これはちゃんと法律を改めなければいけないと思います。しかし、少し言いましたが、いまのナースの教育体制は、精神看護がカリキュラムの中で非常に大きな位置を占めているわけです。医療はいろいろな生理、体の中の生理、薬理、そういうものが基礎になって医学が成り立っております。私も看護教育をしましたが、その教育時間は非常に少ないのです。そういうメカニズムを知った教育をした上で、新たな資格を与えるべきだろうと。いまのナースはあまりにもその辺りの教育が足らないだろうと思います。
○三上委員 意見を言わせていただきますが、我々としては、現在診療の補助の範囲はある程度やられているようにかなりの部分までできるのだと。それは現場によって判断されているということで、以前に前回在宅のところで川越委員が発表されたように、現場において医師が判断し、このナースの実力であればここまでできるということを判断すれば、高度なこともできると。現在もそれはされているのだろうと思いますが、新たな資格を作って業務範囲を決めるということになると、現在されている部分ができなくなって、規制が強化されることになるのでどうかと。ですから、認定看護師、あるいは専門看護師という形で研修を進めて、実力を上げていくことについてはいいわけですが、範囲を限定することは医師会としては反対するという立場です。
○山口座長 ここでするには難しい議論ですが。
○高本委員 それは両方やればいいのではないですか。別に限定する必要はないのではないですか。普通の看護師にも業務拡大するし。看護は自立と言いましたが、現場では自立の中に連携を拒否したところがあります。我々はもっとやってもらいたいと思うところ、それは私たちはできないというところがありました。それをさらに乗り越えてもらいたい。その基礎に、医学知識もある程度勉強してもらいたい。
 先ほども言いましたように、アメリカではそういう職種が頑張って非常に効率よく、しかもクオリティの良い医療ができているわけです。いま医師が週に100時間も働いて、フラフラになってやらざるを得ない状況の中では、本当に医療の質は担保できません。大事なことは、この業務に限られるかどうかというよりは、マッサージは何も資格を持った人だけがやるわけではなく、素人がやるわけです。それと同じように、患者を助けるためにはどうしたらいいか、どのように体制を変えるか、これが大事です。いままでの仕組みをどうやって整えるかというよりは、患者を助けるにはどうやったらいいか、これが大事です。
○山口座長 なかなか難しい議論ですが、もう1つのWGでもそこがメインのテーマで話をされています。今日は5人の委員の方からご発表がありましたので、このWGとしては、これだけの職種の方にお集まりいただいていますので、先ほどもお話がありましたが、来年度に行う実証作業を視野に入れると、各職種間のチーム医療によって何ができるかを、かなり具体的な形でまとめていかなければならないと考えていますので、その議論をお願いしたいと思います。
 その意味で、今日お話いただいた中に少し出てきたのは、1つはグレーゾーンに関する話、もう1つチーム医療のコストの話もあったかと思います。いくつかのチーム医療で、究極的には病棟に各職種の人たちがすべて揃っているのが望ましいには違いないと思いますが、果たしてそれが実際実現可能か。何がいちばん足を引っ張っているか。それに必要なコストの話も決して無視できないテーマではないかと思います。そういうことも含めて、ご発表いただいた5人の先生方から相互に何かご質問等ございますか。
 放射線のほうからグレーゾーンの話が出たと思いますが、ほかの領域では事務クラークのところでグレーゾーンに当たるような何かがあるということはないのでしょうか。これからチーム医療の検討をするにあたっては、1つはグレーゾーンがどこにあるか、先ほどの特定看護師の話も多少関わるかもしれませんが。
○高本委員 そのグレーゾーンをいまどこが担っているかというと、若い研修医などが担わされているわけです。ナースもやれると思うのです。しかし、主にいちばん末端の研修医、いちばん弱い研修医が低い給料でやらされていると。もっと上手にやれば、部屋も有効に使えると思うのです。研修医もいろいろな勉強もしたい。だけど、そういう雑用ばかりやらされるのが現状ではないでしょうか。
 そのために、将来は給料が高くない医者をたくさん雇わなければいけないというのが病院の現状で、投薬についてはアメリカなどは静脈注射のナースとか専門に分かれたりしていますが、そういうものもちゃんと作って、別に特定看護師だけではなくて、そういう形の機能分化を上手にやっていて、しかもそれは連携しながらやると。このグレーゾーンをお互いにカバーし合う形をみんなで考えていったらいいのではないかと思います。あのグレーゾーンが全部医師に来ています。ときには我々もやらされるわけです。
○取出委員 今日提出した参考資料の19番目のスライドに、チーム医療推進協議会に所属している団体で早急に解決が必要だと考えられるグレーゾーンをリストアップしてもらったものを付けました。診療放射線技師からのことがいちばん多いのですが、放射線医薬品の作成、消化管X線。ここは原口委員のほうが詳しいので、もし必要があったらご説明をお願い致します。あとは細胞検査士ががんの細胞の検査をしているときに、判定が陽性だった場合は医師からの説明になるのでしょうけれど、陰性だった場合にある程度患者にそのことを説明することについてあり得るのではないかという点。救急救命士が救急車で病院の前まで到着したあと、1歩でも病院の敷地内に入ると医行為ができないことになっているそうですが、そこでドクターが到着するまで、もちろんドクターは病院の建物から飛び 出してきてくださるのですが、処置ができる救急救命士も協力する事ができる能力があるのに法律で禁じられている。そこがグレーゾーンであるとのことでした。
○山口座長 ありがとうございました。これを拝見すると、診療放射線技師に関わるところがだいぶ多そうですが、ある意味ではこんなに少ない話ですかという感じもするのです。これだけいろいろな領域の方にお集まりいただいているのですが、あとは大きなグレーゾーンはないのでしょうか。
○取出委員 主に医行為や法律に関わるグレーゾーンと、そうではない、職種間の役割分担上のグレーゾーンと分けて考えた際に、ここは法律に関わるということで出てきたものす。きっともっとあるのではないかと思います。
○山口座長 少なくとも、ここに挙げていただいたのは法律に関わるグレーゾーンという意味合いですね。
○取出委員 そうです。
○森田委員 「グレーゾーン」という言葉と「スキルミックス」という言葉を、この検討委員会が始まってからずっと考えているのですが、今日、原口委員の資料を見てすごくわかったところがあります。いま取出委員がおっしゃったような医行為かどうか、法律に関わるかどうかということにも関係すると思いますが、リハビリテーションが20年ぐらい前、まだ非常に未熟だったころに、非常に象徴的な事柄を思い出したのですが、リハビリに患者をお連れする送迎が誰の仕事か、あるいはリハビリ中にトイレに行きたくなったときにガイドするのは誰の仕事かということで、リハビリと病棟が互いに押しつけ合って、なかなかうまく進まないという時代がありました。それは本当に未熟で、誰がやってもいい。ナースがやってもケアワーカーがやっても、あるいはセラピストがやってもよくて、要は患者にとって最もスムーズにリハビリテーション医療が進むためには、どんなシステムを作って、誰がやるのがいいのかということを深めていくことがいちばん大事だったということで、そこはむしろグレーゾーンというかスキルミックスで、誰がやるかを明確にしないで、お互いに補完し合うことがより良いチーム医療になるということだったのではないかと思うのです。
 医行為だと、誰がやってもいいというわけにもいかないので法整備が必要ですが、必ずしもすべてを明確化することがいいのではなく、補完し合えるのがいいというものがたくさんあると思うので、その辺を整理していくことが必要ではないかと思いました。
○山口座長 確かに法的な話と業務上の話では、業務上の話は明確にするというより、誰がやってもいいということを明確にすればそれでおしまいという気がするのですが。ほかに、これだけお集まりいただいて、いろいろな領域、職種から見て、この法的なグレーゾーンを整理いただいた資料があるのですが。
○原口委員 放射線技師の原口といいます。ここに挙がっておりますが、いま日本放射線技師会が主体になって、看護の業務実態調査と同じような調査を放射線技師会でやっておりますので、その結果が出て、また話す機会があればお話したいと思います。
○山口座長 是非まとめて、次年度の検討の中にこういうグレーゾーンの検討ができるとよろしいのかな、1つの方向性かなという感じもしています。これについてはご意見がありましたら、「あっ」というものが各領域、各職種からありましたら事務局へご連絡いただければ、それも含めてあとの検討をしたいと思います。
○三上委員 法的なグレーゾーンという意味合いからすれば、看護職におけるグレーゾーンはどういうところにあるのか、ご意見をお聞きしたいと思います。先ほどグレーゾーンとおっしゃっていましたが、どの部分が法的にグレーゾーンなのか。
○山口座長 と思われているかということですね。
○三上委員 そうです。
○市川委員 グレーゾーンというのは、急性期、慢性期、いろいろな状況の中で実際には存在しているかと思いますが、1つには包括指針の中で、皆さんもよくご存じのようにいまグレーゾーンで、少し話が広くなりますが、例えば放射線の検査で、たぶん急性期の病院ではどこでも、放射線部は造影剤に関する業務においては放射線の技師も看護師も研修医も非常に大変な思いをしている。それは、これだけCT検査が多くなって、造影剤が増えてきても、放射線部門に看護職員の人員配置を増やすことは困難であると。要はその業務をしていく。ですから、先ほど臨床研修医にしわ寄せがいっていると言っても看護師たちが怠けているわけではなくて、そこまで業務が回らない状況があるということで、それだけいろいろな臨床の現場で変化が起こっていることに対応して、専門化していることに対応していくためには、人員がいつも必要になってくるところがあるのだろうと思うのです。その辺りも、患者にとって検査をしていくときには誰が可能であるのか、そのためにはレントゲン技師も看護師も、例えば抜針であったら、法的に見ればその辺りも検討していただくことが必要だろうと思います。
 戻りまして、グレーゾーンというのは、いちばん具体的には先ほど高本先生がおっしゃったように、ICUと急性期の現場等で看護職は24時間シフト体制で患者を継続して見ておりますが、医師たちが24時間同じノートで見ていくことは不可能ですから、非常にタイムリーに患者の状態に応じて血液ガスとか……とか血糖値とか、そういうものを測定しながら患者の呼吸器の状態や点滴の内容の調整をしていくことが、実際には看護師は可能ではありますが、それはいつも医師の指示の下でしなければならない。しかし、たぶん多くの病院の中で、ベテランであり、あるいは認定であり、それに近い人たちは看護職の判断が、そこの検査までしながら、状態を見ながら医師に的確に報告して、医師がその現場にいなくても判断ができるような状況にしていくと、そういう意味のグレーゾーンがあるのではないかと思うのです。
 もっと言えば、それは慢性的、例えば夜間に血圧がこのぐらいになったらこの薬を使いましょうとか、血糖などもそうですが、このぐらいになったらという医師の指示の中で看護師の裁量権のあるところがありますが、そこの判断もどのぐらいならば看護師がOKかどうかというのは、医師は看護師の力量を見ながら、今日の看護師のメンバーだったらここは任せられるというところがありますので、そこが出てくるのだろうと思うのです。
 ただし、その中で、グレーゾーンを出していくと数限りなくあるのではないかと思うのです。それは訪問の場面でもそうかもしれませんし、非常に慢性的な薬物療法等においてもかなり看護師の判断で、処方権があれば患者ももう少しスムーズにいくところが、医師のところに行ってそれからという効率の悪さがあるということもあるのではないかと思います。
○堀内委員 私は助産師の代表としてここにいるわけですが、周産期領域で助産師が行う場合と医師が行う場合のグレーゾーンとして、超音波検査を例に出したいと思います。助産師がする場合の超音波検査は、助産師ができる業務範囲、つまり正常分娩かどうかを判断するために、胎児のポジションや羊水量、胎盤の位置を確認するわけです。助産師は、決して超音波で心臓の異常が見えたり、そういうものを診断するわけではありません。医師の場合は、もちろん胎児の診断をし、すべてのことができるわけですが、助産師が超音波診断を用いるときは、助産師の範囲内で行う、業務内で必要なことを守るためにその検査を行う形になっています。
 しかし、これは10年前にはなかったことで、10年前には助産師は超音波を使うことはなく、現代においては先行してより自分の診断を確実なものにするために、超音波があればそれを使って、助産師の守られている正常範囲の業務をするためのより正確なアセスメントをするために使っているということです。それは以前から比べればやっていなかったことをどんどんやり、医師はもちろん助産師の判断することも全部できますし、それ以外もできる。でも、助産師はある限られた部分だけを使い、その中でやるという状況になっています。そういう点は、以前と比べてやる範囲がどんどん拡大してきて、グレーゾーンというか、重なってきたということもあるのではないかと思います。
 また、場所によっては技師の方が検査だけを取り扱っている所もあるかと思いますが、それは医師のオーダーの中から、ここまでの診断をしなさいという形でやっていらっしゃるのではないかと思います。
○山口座長 それは、1つには検査法が進歩したことと、あるいは検査法が簡便になったことにも関係する話ですね。
○堀内委員 そうだと思います。ただ、どこまでやっていいか、やってはいけないかというのは、いちいち補助看法の中での看護というところで了解してやってきているということだと思います。
○山口座長 10年前の医療レベルを考えると、それは専門の医者でないとわからなかったものでも、いまは簡単に3Dの画像も出ますし、状況が変わってきていると思います。同じ法律が何年も営々と続いていれば、矛盾が出てきても何ら不思議はないような気がするのですが。グレーゾーンの話はそれぞれの職種でお気づきの点があればお知らせいただくということで、ほかの領域で今日プレゼンテーションのあったこと、あるいは参考資料でお示しいたたいたところで、何かご発言等はございますか。
○川越委員 今日は非常に考えさせられる内容で、勉強になったのですが、高本委員に教えていただきたいことがいくつかあります。1つは、ナース・プラクティショナーとPA、特定認定看護師との違いということで、非常によくまとまっているのですが、これはどこかでこのままの形でやっている所があるのか。説明があったら、私が聞き逃したということで申し訳ないのですが、どこかでこういう分類でやってうまくいっている所があるのか、そのことを教えていただきたいということです。
 そのことと関連して、例えば高本委員の専門領域である心臓外科では、PAが非常に有効ということになってくると思うのですが、状況によってナース・プラクティショナーがいたほうがいいとか、あるいはPAが頑張ったほうがいいとか、特定看護師のこういう制度を作ったほうがいいということがあると思うのですが、その辺りでもしコメントがあったら教えていただきたいと思います。
 もう1つ、医行為分類のイメージということで、看護師が十分可能というのがいちばん大きな右のほうになるのですね。医者でないと駄目だというのは非常に少ないところになっています。これは非常に面白い結果だと思うのですが、この出展というか、こういうことで調査をしたというものがあったら教えてください。
○高本委員 これは、前に前原先生の研究班で調べられたものです。PAの最後に「広い専門性」とありますが、私は少し変えました。アメリカのPAは割と限られています。例えば、麻酔師もPAの1つでしょうし、心臓外科の終術期を診るだけのPAとか、割と限られたところは医師とほとんど同じですから、ずっとやっていますので、レジデントの若い医者は5年目ぐらいの実力を持っています。レジデントは日本もアメリカもそうですが、しょっちゅうローテートするものですから、ローテートしたばかりのときは実力がぐんと下がるわけです。ところが、こういう方はある程度トレーニングしてやっているものですから、安定した結果が出るということです。
 これは先ほども言ったように、ナース、臨床工学士、検査技士等、ほかの職種からもこういうことができる方はちゃんとトレーニング検定試験を受けられたらなれるのではないかと思います。先ほど言ったように、医療効率が全然違うのです。医師が20〜25人もやって、400人しか手術ができない。コロンビア大学は医師が6人とレジデントが3人です。あとはTCアシスタントが30人。それが8時間交替で2交替か3交替しているわけですが、それで1,500やるわけです。効率も違うし、質もそれだけ高くなると変わってきます。日本は少ない数の中でこれだけ頑張っていると。だけど、頑張りも限界に来ているというところです。いま外科医がどんどん少なくなって、そのうち日本中でアッペを手術できなくなる場所も出てくるかと思います。
○川越委員 特定看護師とナース・プラクティショナーは同じではないのですか。これを見ると、特定看護師はいまの看護師の業務と何が違うのかなという感じがするのですが、教えていただけますか。
○高本委員 特定看護師はいまいろいろ議論になっているところで、私があまり説明しなくても皆さんやっていると思いますが、医師とナースの間でもう1つの資格を作ろうということになりますね。処方権がないというのは、先ほどもありましたが、現場では簡単な処方権はあったほうがいいのではないかと思います。これは、日本でこれをやろうとしているわけですね。だけどそれは、心臓外科の立場としてはPA的な人のほうが、遙かに我々にとっては有用ですし、こういうエビデンスは諸外国にいっぱいあるわけで、日本はまだこんなに医師を、資源を無駄といいますか、非効率に使っているところは他にないですよ。現場は週100時間の労働で疲れ果てているわけです。これは何とかしなければいけない。労基署もそれでいろいろな病院に乗り込んできましたし、早急に我々はこれを改善しなければ、本当に現場は崩壊です。
○三上委員 いまの高本委員のお話によると、現在はこういうシステムがないからできないのだと聞こえるのですが、先ほどグレーゾーンの話のときに、看護師については診療の補助という形で、医師の指示があればグレーゾーンというのはなくて、包括的指示の中で、医師の指示なしで何ができるかということについては議論があると思うのですが、先生がおっしゃっているPAのような、手術場において特殊な手術に精通した看護師については、医師と同じ立場で、監視下でいろいろな医療行為をするということについては、現在の法律の上でも可能ではないのでしょうか。
○高本委員 それは可能でしょう。ただ、いまの日本のナースの教育を見てみますと、やはり何とか看護なのです。医療、医学そのものに対する教育は、ほとんどないわけですよ。ちょっとはあるにしても。
 私は心臓外科を1時間くらい教えました。4年くらいの教育課程の中で、1時間だけしか教えないです。循環器もおそらく1時間くらいでしょう。本当にメカニズムに関して何も教育されていないというところは、私は日本のナースの弱点ではないかと思うのです。
 やはりこれは、現場では様々なことが起こります。血圧が下がると同時に血糖も下がるとか、そういう複数のことが出てきたときに、どのように判断するかということに関して、結局いまは医師しか判断できないわけです。難しいことは医師にしても、通常起こるようなことに関してはナースも勉強してやっていただかないと、心臓の術後の患者は任せられないと思いますし、そういうことが本当に必要になってきます。
○川越委員 このグレーゾーンの議論をすると、患者さんにいかにいいサービスを効率よく提供するかというのは当然のことですが、責任問題はどうなのかということが必ず出てくると思うのです。TCアシスタント、臨床工学士が心臓外科領域で非常にいい働きをして、医療事故が減ってきたという、たぶんエビデンスがあると思うのですが、その場合、依然として事故が起きたときの責任というのは、その辺のガイドラインもちゃんと。
○高本委員 それは医師です。
○川越委員 やはり医師が責任を負うということですか。
○高本委員 はい。ただ、注射を故意に間違ったら、日本でもナースが責任を問われますよね。そういう基本的なことは、プロですから個々の責任はある程度あるのではないですか。
○川越委員 これは医者の権限だけを集めていって、みんなのチームの力を結集するということは、私は賛成なのですが、ただ、医者の責任だけが残って、他の方がやる、その責任ということに対して、当然管理責任というのはあると思いますが、その辺のところも今後議論するべきではないかと思います。
 私は看護部会の委員で一度出ていたのですが、医療事故を起こしたときの看護師の資格が、ものすごくいま厳しく問われていますよね。これは一度そういう委員会に出られた皆さんはびっくりされると思いますが、医者のほうがむしろ、例えば何か事故を起こしたとき、責任の問い方が弱いのではないかなというのを思うこともありますが、その辺の責任を、あるいはそれに対しての取り方をどうするかということも、やはりしっかり持っておかないと、新しい時代に対応したものが出来ないのではないかと思います。
○市川委員 いまのお2人の議論を踏まえて、やはり特定看護師や、あるいは実施した場合の看護職ですが、実施責任はきちんと実施者が負うべきだというところは、どの職種もこれからは当然のことだろうと思うのです。
 それから、もう1つ。高本先生がおっしゃったように、特定看護師については、やはり看護教育の歴史的な貧弱さという背景が、どうしてもまだ現実にはあるわけですから、だからこそ日本では特定看護師というところでも、教育をきちんと質的なところを担保するためには、必要かなとは考えています。
 ですから、先ほど申し上げた裁量権の中で、ベテランで医師が認めれば誰でもいいのではないかという辺りは、非常に曖昧で限界があります。
 ですから、その中でできる範囲と、特定看護師に認めるものというのは、おのずといまの現実的には違いが出てくるのではないかなと思っています。
○三上委員 いまのお話は先ほどと違って、法的には大丈夫なのだけれども、実力が伴わないので研修・教育がいるのだという話だったと思うのですが、その場合だと、いま認定看護師なり専門看護師というシステムが動いているわけですが、それで十分いけるのではないかと思います。
 特定という形で限定した、この行為は特定看護師しかできないよというのを決めることについては、逆に少なくても幾分かの人たちは、いま看護師がやっている業務ができなくなるのではないかということが1つあります。
 それとNPという形については、これはチーム医療とは少し離れた議論で、医師との共同作業として医療をやるというのではなくて、独立してやるのだということで、これはチーム医療ではなくて独立するという話ですから、ここはまったく切り分けて考える必要があるのではないかと思います。
○高本委員 独立ではないです。これは、やはり医師の指揮下にあるわけですから、全然独立していない。
○三上委員 NPですよ。
○高本委員 そう、NPです。
○三上委員 「医師から独立」と書いてあります。
○高本委員 NPはね。
○三上委員 そうです。
○高本委員 それは、日本ではNPはなかなか難しいのではないかと思います。PAはやはり医師の指揮下であるべきだろうと思います。
○近森委員 お聞きしていて、やはり高本先生の医療の現場と、三上先生の医療の現場は、こんなに違うんですよね。??本先生のほうは大学病院ですから、いままでは静注もできないような病院ですし、三上先生のほうはかなりいろいろなことをやっておられる病院だと思うのです。
 確かに私たちの病院の心臓血管外科にしても、いろいろお話を聞いていると、やはり看護師さん自体が、もうNP的なことをやっているのですよね。結構、心臓血管外科の先生方は手術が終わって、ある程度状態が落ち着くと、もう家に帰っておられて、あとは看護師さんだけが見ているのです。それで翌日には管理栄養士が食事を出して、それからリハビリのスタッフがモニターを見ながら、バイパスの手術の予定手術くらいだったら、もう8、9割の人がウォーカーを使って歩いているのですよね。
 それでドクターは何をしているかというと、手術をしているわけです。他のことはほとんどチーム医療で、コメディカルやナースがやってくださっている。しかも、そのナースにしても、かなり院内認定のような形で、この看護師だったら心臓血管外科の術後は見れますよという形にしているのです。
 だから、なんとなしにNP的なこともやっているし、チーム医療もやっていて、先生方にあまり負担をかけないような、そういう民間病院の現実があるわけなのです。そこで、何とか非常に縛りの強い大学病院でこういうことをしたいという先生のご意見と、三上先生は現実にやっているのだから、そういうのを特定看護師が決まってしまうと本当に規制されてできなくなって、ものすごく身動きがとれなくなってしまうよねという、そういう問題だと思うのです。
 非常に場が違うので、議論を聞いていてもすれ違いが見られるのです。だから、この委員会、ワーキングというのは、あくまでも看護師以外のチーム医療ですので、これは向こうにお任せして、看護師以外のチーム医療についてお話しましょう。
○山口座長 いいお話をしていただきましたが、もう1つのワーキンググループで、この話をメインのテーマでやられていますので、このワーキンググループではここまでとしたいと思います。ガイドラインをにらんでも、他職種、看護師以外の職種の参加を得たチーム医療という話をメインのテーマにしたいと思いますが、鈴木委員は何かありますか。
○鈴木委員 遠藤先生から医療クラークに非常にスポットを当てていただいて、取り組んでいただいたお話を伺って、大変心強かったのですが、いまの診療報酬の施設基準の規定が、いわゆる医師補助、事務補助加算については、専従を要件としているということなのですね。いわゆる医師を手伝うところだけの仕事をしなさいと。例えば他の診療所の管理の仕事だとか、レセプトのいろいろなことに携わるのを、基本的には許していないと。
 そこで、私たちの立場で非常に心配するのは、やはり彼らも将来があるわけなのです。お医者さんのそばにピタッとくっついて、お手伝いをするということだけで一生涯の仕事とするのは、我々からすると極めて不満。なるべく若いうちにいろいろなことを経験させて、将来的にはもっとバリューの高い医師のパートナーとしての育成を心がけたいときに、あまり専従要件を出すと、本当に小さなクローズした職種の集団がぽつねんとあるということになるので、その辺を懸念しています。
 逆に遠藤先生、その辺を日々一生懸命やっているクラークさんたちを、どのようにこれから成長させていくのか、その辺のアドバイスがあればということと、厚労省の皆さん、この施設基準でクラークの職種の集団に明日があるのかと、その辺は是非コメントをいただきたいです。
 なぜ言っているかというと、これはたぶんドクターの方は経験があると思うのですが、クラークの人にある先生、例えば??本先生のクラークとして3年勤めさせると、異動命令を出すと泣かれるのです。私は高本先生のそばで働きたかったと。これで例えば人事課に異動するというと、私はもうやれませんと言うので、やはりそれは事務職員の将来の可能性を非常に塞ぐことになるので、専従とは言わずに、せめて専任くらいで、少し見識を広める可能性というのはいかがでしょうかというご相談です。
○山口座長 事務クラークの話ですが、遠藤委員はどうですか。
○遠藤委員 いまのところ脚光を浴びていますので、それに当たっている業務職、事務職員は非常にモチベーションが高く、やる気はあると思いますが、これはそういう資格がない人に加算が付いているというところは、いつ頃まで続くのかというのは、それはいつも梯子を外すということはあるわけですから、そういうときに、ただ、私が言いたいのは、加算をあてにしてやるのではなくて、加算がない時代もいわゆる構造転換ができたということです。
 医師の事務作業が疲弊していたのを取り上げてしまって、別に医師はその手当てをあてにして、夜遅くまで休日に出てきてやっていたのではないわけですよね。その疲労感を取ってあげて、別の診療業務が非常にできたということで、いい構造転換ができて、別に病院にとってはメリットというか、収支的には全然メリットはないわけです。
 いまは17人、3,000万円くらいの加算が付きますが、それはペイできないわけですよね。ただ、そういう構造転換をすることによって、非常に医師のいま問題になっている疲弊感が少しでもなくなったということで、これはやはりいい構造転換だったのではないかなとはとらえています。
 あとは、細かい専従・専任のことについては、医療秘書教育ゼンキョウシというのですか。非常によくまとめた、そういう問題点などを、瀬戸先生というのが東京医療保健大学の論文にしているので、是非参考にしてもらって、いろいろなそういう問題点とか、常にいなければいけないのかとか、いなくても包括的にある程度の作業はできるとか、その辺も触れていますので、参考にしていただきたいと思います。具体的には時間の関係で紹介しませんが。
○山口座長 先ほどお話を聞いていて、20対1の配置というのはなかなかすごいなと、十分ペイするのかなというところが、いちばんお話を聞いていて気になっていました。何かスッと聞いていると、すごくペイしそうなお話だったので、そうですかというのでもう一度考え直さなければいけないのかなと思ったのですが。
○遠藤委員 時間外手当を出していない所だと、財源がないですよね。それなりに出していましたので、その財源を移し得たということだとは思います。
○山口座長 他に何かございますか。
○近森委員 先ほどの放射線科の原口委員のご発表ですが、私はチーム医療でいちばん大事なことは、やはり専門性を高めることだと思うのです。だから基本的に研修医というのは、どんな専門性なのかということなのです。
 点滴をすることではないですよね。結局、研修医というのは画像診断部へ回ってきたら、その撮り方を習ったり、画像を独影したり、診断することがいちばん、そういう研修をすることがいちばん彼らの専門性なのです。だから彼らに点滴をさせたり、いろいろな雑用をさせること自体が、チーム医療の基本から離れているのです。
 だから、非常に難しい問題をおっしゃっていましたが、要は点滴をする看護師さんを補充したらいいだけの話で、やはり研修医はちゃんと放射線科につけて、研修をしてもらう方向にいかないと。
 だから、チーム医療が破綻したとおっしゃっていましたが、これはもともとチーム医療の設計自体が間違っていると思うのです。だから私はこのワーキングで、是非チーム医療の根幹的なことをちゃんと話し合っていただきたいと思うのです。やはり問題なのは、コメディカルや事務さんというのは、診断や治療というのが認められていないのです。だけど、いいチーム医療を行うためには、やはり各職種が患者さんに接して、各職種の専門性の高い一次情報を得て、先ほどMEさんの松阪委員から自立と連携型のチーム医療というお話もありましたが、やはり各職種が患者さんに接して、専門性の高い一次情報を得ることがいちばん大事なのです。そして判断する。判断して、いいチーム医療を実践することが、私はいちばん基本になると思うのです。それによって、みんなが集まったときに初めて一人ひとりが専門性の高い一次情報を持っていて、それらが共有されることによって、いいチーム医療が展開できると思うのです。
 それが1つと、もう1つは裁量権がコメディカルや事務にはないのです。医師しか認められていませんので、そういう裁量権がないということで、やはりコメディカルができることというのは標準的な対応、学会のガイドラインだとか、あとは教科書的な、そういう標準的な対応をするしかないと思うのです。
 そのためには、やはり業務の標準化というもの、ルーチン業務に落とし込まないとできないのです。そういうことが大事ではないかという感じがしているのですが、そういうことは一体どうでしょうか。
○原口委員 そういった意味で失敗例を報告したわけですから、是非これを参考に議論を進めていただければと思います。
○山口座長 しかし、それも放射線部に配置する看護師を増やせばいいと当然思った人がいたのでしょうけれど、それがままならないから、その仕事が研修医にいったという話ではないかと思うのですが。
○近森委員 それは単に業務がうまくいかないだけで、チーム医療がうまくいっていないということではないですよね。
○山口座長 確かにそうですが。
○原口委員 そのとおりだと思います。なかなか私も臨床放射線技師という立場でチーム医療の話をするとなりますと、正直なところあまり放射線技師そのものがチーム医療にいままで関わってこなかったということがありましたので、何か発言する必要があるのだったら、そういったうちの失敗例を報告すれば、少し参考になるかなと思いました。
○栗原委員 似たような話になるかもしれませんが、いま皆さんがご議論なさっている前半の部分というのは、かなり高度な病院の、特に急性期の高度な医療をなさっている所の話です。ただ、全国にそういう高度な医療をなさっている病院は、さほど多いわけではありません。8,700の中の何パーセントの話ではないでしょうか。現実、地方に行きますと、やはり急速な高齢化に対する対応が、医療提供体制そのものがおぼつかないという現状があります。極端に言いますと、特に地方の公的病院の身動きがとれていない。その中でいちばん感じるのは、国が国家資格として提示しているいろいろな専門職が、その場にいないという現実は根本的におかしいと思うのです。特にこういう急速な高齢化になったときに、看護の方々も忙しい、人員が足りない、ドクターは疲弊しているという中で、より手短に効率よく対策を打てるのは、基本的なセラピストや看護師が一緒になって参入するという構造を早く作らなくてはいけないと思うわけです。
 実はそれをあえて強く言うのは、私ども回復期、つまり救急の後の、例えば脳卒中であれば発症から1ヶ月以内のところで引き受けるわけですが、あるいは肺炎の肺葉症候群というので引き受けるのです。本当に肺葉症候群がどんどん増えてまいりまして、脳卒中だけではなくて、プラス肺葉症候群なのです。そうすると昔からそうなのですが、急性期医療の負債をどんどん後ろでカバーしようと頑張っているわけです。昔は在宅で寝たきりを起こしていた時代があるのです。いまでもそういう可能性がある。そうすると、やはり整理をつけると、急性期の治療が生活に繋がるメカニズムをどのように提案するかというのは、やはり急性期病院にいろいろな職種が参入するという構造を作る以外、私はないと思うのです。
 高齢者医療のシステムというのは、やはり我々日本の場合には整理されていないというのがあります。先ほど米国の心臓血管外科の話を聞いていますが、私は論文を読んでのレベルで恐縮なのですが、高齢者急性期病棟という考え方があるということに対して、ものすごく驚いています。それは、米国においては他職種がそこに存在することのほうが有意義であるということが書いてあるのです。もちろんハード的なこともいろいろ書いてある。ですから、おそらく米国でナース・プラクティスなんていう、ナースの中にもいろいろな階級があるでしょうが、ケア専門にナースが基盤を作っているのです。そして、そこにはセラピストが入っている、ソーシャルワーカーがちゃんといる、この前提の中でいわゆるPAなりNPなりがいるということですから、この基盤のない状況の中で特殊な進化をどんどんさせていくというのは、両方やらなければいけないということなのです。
 つまり、それぞれの専門職は、自分たちの技量と能力を高めるということは大条件ですから、それをいろいろな職種が支えていく。つまり能力を高められるような環境作りをするという意味では、場合によっては看護のより高度化というのもあると思います。けれども、それだけでは済まないということを、私は救急急性期の次のステップにおりまして、つくづく感じるので、あえてここで強調させてもらいました。
 ですから、そこを何とか現実化するように、早く収束をさせていただかないと、この我々の議論は一体どこに飛んでいくのだろうという気がするわけですが、いかがなものでしょうか。
○取出委員 申し訳ありません。また今日準備してきた資料を是非紹介したく、参考資料3を見ていただきたいのですが、今日はすごくチーム医療そのものについての議論に入ってきたなという気がして、とても嬉しく思っているのです。チーム医療を議論するというのがどういうことなのか、ということを先ほど近森委員に整理していただけたかと思いましたのと、スライドの5頁にチーム医療のプロセス(案)というのを、勝手ですがこちらの議論を参考に書いてみたのですが、今日は臨床工学技士や臨床放射線技師など、すごく専門的な分野で関わっている方たちは、?Aの所のそれぞれ検査やいろいろな機器を使って、医科学の進歩や膨大な知識、疾患別治療技術の高度化と細分化をまさに担って、補完をしてくださっているところでチーム医療にものすごく貢献されていて、そこに若干グレーゾーンが存在するので、もうちょっとよしなに考えてほしいという議論をしてくださったのではないかと思います。
 医師はそれらの方たち、あるいは前回発表された薬剤師や管理栄養士、もちろんナース、医師のチームの中からの最新の集まった情報をもとに、客観的なエビデンスをもとに患者に治療方針を示していく。ここにいちばん重要なのが、前回の報告で森田委員が発表したカンファレンスではないかと思います。今日の参考資料1の森田委員の所にもカンファレンスの重要性がものすごく強調されて書いてありましたので、是非読んでいただけたらと思います。
 いま栗原委員がおっしゃったのは、それらのいろいろな質の高い、最大限その病院でできるいい治療を患者に提案して、患者がそれをチームの一員として選択した後に、その治療自体が生活に繋がっていかなければいけないということで、プラス患者さんだけではなく、家族のサポートやケアも忘れないということを、全員でやっていくということだったのではないかと思っていて、チーム医療のプロセスというのは急性期であっても慢性期であっても、地域であっても東京であっても、共通できるところがどこかというのを、このように叩き台に使っていただければと思いますが、議論していくのがこの会議の目標だったのではないかと思います。
               (パワーポイント開始)
 スライドの8を見ていただきたいのですが、この会議ではこれまでいろいろな発言もありましたが、私が覚えている限りでは病棟配置型チームと呼んでいるようなものの議論がずっと行われていて、あまり専門部隊チーム、こういうものを作ったほうがいいのではないかという議論は聞かれていなかったような印象がありました。
 それからスライド9、次の所ですが、これは前回私がお話をした、いろいろな団体が希望している配置基準ですが、病棟配置を希望しているのは、もともと配置されている医師、看護師の他に、薬剤師、栄養士、あと今日はソーシャルワーカーのことも付け加えたいのですが、それにPT、OT、STというように聞いています。
 地域に繋げるということに関して、ソーシャルワーカーがいろいろ取り組めることというのを、次のブルーのスライドの所に持ってまいりました。でも、その前に「北里大学病院救命救急センターの例」という所を見ていただきたいのですが、前回、病棟配属を希望している管理栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカー、3職種が全て病棟配置になっている所というのを短い時間で探しまして、こちらの救命救急センターがそうなっているということがわかりましたので、例を挙げてまいりました。それぞれの職種が配置になるメリットというのが書いてあるのですが、17枚目のスライド、その先のスライドの「病棟配置チームのメリット」を見ていただきたいのですが、各職種が自立して連携するという話がありましたが、病棟配属になりますと、医師や看護師からの依頼制の業務から離れますので、自職種による援助対象者のスクリーニングがそれぞれ可能になります。配置化をすることで、その病棟に特化して、優先的に時間を確保できるので、例えば他の病棟からの依頼でアップアップしている間に救急の患者さんが転院してしまったというようなことがなくなるというメリットがあります。
 そして、医療の中心にはどうしても看護師さんがいらっしゃるので、その看護師さんと協働がとりやすいという意味で、救急病院は特に病棟配属というのが、専門チームに比べて圧倒的に有効ではないかというのが、ソーシャルワーカーの会議での意見でした。
 そうすると問題が発生する前に、予防的にいろいろな援助ができて、多くの患者さんや家族にアプローチを全ての職種ができるようになり、そして治療初期から退院に向けた援助を開始することで、その治療を生活に繋げやすくなりますし、ソーシャルワーカーが配置されていると、そのことについては大変有効かなと思っています。
 あと、スライド20の所に、そのチーム医療をどう評価するかということが、まだ全然議論に上がっていないので、次回の会議以降に検討していただければと思いまして、いま回復期のほうで流行っているP4Pというのを21頁に載せてあります。
 あと、アメリカではCenter of Excellenceという評価の仕方があるそうで、それぞれの治療によって施設要件基準が全て細かく決められていて、その施設要件は全て過去のエビデンスから選定されているということが、言われているとのことでした。
 私は最後の23頁のスライドで、やはり今回は理想のチームを検証するということが重要で、その理想のチームを検証した後に、その理想のチームは8,700の病院では現実に無理だから、どこが欠けているけれど、チーム医療を60%やれているねというような議論に持っていく、そういう順番で検討するべきではないかと思います。以上です。
               (パワーポイント終了)
○土屋委員 いま病棟配置型の話も出ましたが、前回もお話しましたけれど、結局、先ほど近森委員が言われたように、いかにチーム医療のスタッフが一次情報をちゃんと把握して、そして専門領域としての判断ができるかということが、すごく大事だと思うのです。
 例えば昨今起きた薬剤の医療事故だって、薬剤部にいて処方箋だけを見ていたら、それは別におかしくない。しかし、病棟にいて患者さんを知っていたら、この患者にこの薬が出るはずがないということに気がつくわけです。ですからそういったことがあって、それはもちろん処方設計という格好で、我々はいま医師にアドバイスをするとか、そういうことをやっているわけですが、やはりいま処方権が誰にあるとか、そういう議論をするのではなくて、みんなで助け合って、どうやって患者さんに対して薬物療法をまっとうできるかということを、もう少し議論していかないといけないのかなという気はします。
 それから、もう1つ心配なのは、例えばいまのオーダリングシステムや電子カルテのシステムというのは、業務独占のもとに、それを前提として作られているのです。そうすると、例えば薬剤のアラートにしても、医師にわかるような説明になっていて、他の職種の人がもし入力をしたときに、意味が通じないということもあり得るというのは少し気をつけておかないと、いままでの医療安全で出されてきた対策というのは、それを医師がやっているということを前提にならしてきたところがありますので、そういった点のシステム的な設計が、チーム医療型になっていない部分についても気をつけていないと、つい暮れに事務連絡が出ていましたが、オーダリングシステムの不具合があって、オーダーしていないものが出てしまったという連絡が来ていましたが、あれもおそらく病棟にいたら、それはわかる話なのだろうなという気がしますので、やはり専門職が病棟に存在することの重要性と、それから判断がちゃんとできる。だから単独でやるという話よりは、みんなで設計を一緒にやりながらやるという姿勢が必要ではないかと思います。
○須貝委員 ちょうどいま情報管理の話が出ましたので、2つだけお話させていただきたいと思います。まず、医療現場では、主治医から出た、もしくは担当医師が記載した記録が乏しくて、チーム全体がそれを共有し、それぞれが分担して業務ができないことが少なからずあります。もちろん急性期病院の中で、クリニカルパスを使うような場合には、明確な記録が作成され、しっかりと情報共有ができていますが、往々にして記録の不備が問題となります。診療記録を残すことに関しては、医師法の中にあるわけですが、それを日常的に診療の中でチェックすること、つまり、診療情報管理士を配置し、情報共有を担保させるといった仕組みが、今の日本の中にはありません。診療報酬の算定の中では、診療録管理体制加算といったものはあるわけですが、これは管理体制ですので、せいぜい疾病の分類ができている、診療録が中央で管理されている、といったような管理レベルの縛りになっています。よって、全国的には情報の共有を図るための人材の配置は、病院の財政的にも難しく、そこの体制にお金をかける病院もなかなかありません。この様な情報共有のための診療情報管理士の配置について、今の状況を是非お考えいただきたいと思います。、そして、共有できる情報が確保されれば、今度は、行われた医療を検証し、そして評価するといった段階まで機能させることが可能ですので、チーム医療と情報化の流れが発展すると思います。その際には情報化して、それを活用して使っていくというところの部分で、データベース化とか、DPC情報の有効活用といった議論が成立して行くのだとおもいます。是非、今回の予算、実証事業の中にも慢性疾患の重傷化の予防といった部分が明示されていますが、がん対策であればがん登録という情報管理がありますし、糖尿病でも重症化を抑制するための観察項目がデータ化しやすいように明確になっています。その辺のデータがどの程度病院の中で利用できる状態で管理されているのか、情報管理の視点で見ていただけたら、よろしいかと思います。
○川島委員 今日いろいろ出ている中で、法的な縛りというのがかなりあったと思いますが、1回目のワーキングの近森先生の所にも出てたと思いましたけれど、このチーム医療を進めるに当たって、法的な縛りも一緒に考えていかないといけないのではないでしょうか。いまは食事のことも、ドクターが指示を出さなければいけない形になっています。実際には、医師も管理栄養士にやってもらいたいと思っていますし、私たちも出来ますが、法的な縛りの中ではどうしてもできない部分があります。他の職種にももちろん同様にたくさんあるのだと思います。
 ですから、このWGでは、合わせて法的なところも変えていかない限り、いくら議論をしても、実際には回らないということがあるのではないかと思いました。
○高本委員 私は心臓外科の話をしまして、アメリカだとか最先端で、それは田舎の病院だとか老人病院で、それは違うよというお話がありましたが、私はわかりやすいからそれで挙げたまでで、やはりいま医師と看護師、あるいはコメディカルの関係は、開業されている先生はちょっと違うかもわかりません。それはドクターとナースがそれしかいないわけですから。でも、ある程度の病院だと、少なくとも50くらいのベッドがあるような病院ですと、いろいろな多種のメディカルがいて、ドクターとナースがいて、この関係というのは、やはり私は同じだと思うのです。
 近森先生の所が、本当にナースが非常によくできるというのはよく知っているのですが、これはいまの法的な問題からいくと、これを全国にいまのまま広げるわけにはいきません。やはりこれはちゃんと保証して、しかもそれをちゃんと勉強させて、どのナースも全部同じようにできるかというと、必ずしもそうでもないだろうと思うのです。だから私は非常にリスキーだと思いますし、それから老人病院でも、やはりドクターがいない、ナースもいないという状況は同じだろうと思うのです。その中でどのようにこれを運営していくかというのは、いまのドクターとナースの職種だけでは、やはりやっていけないような状況ではないのでしょうか。
○栗原委員 最終的にまったく同じ話になるのですが、特に先生方が多く従事されている所、あるいは各地方の大病院の中では、本当に多職種の集団が関わっている状況はほとんどない。そのあげくが我々にかかってきているという現状の、いわゆる高齢者医療の基盤作りというのがあって、初めてそれぞれの職種の技術の向上というのが出てくるのではなかろうかと思います。
 もちろん同時に進行しなければいけないと思いますが、その体制というのは、どのステージでも基本的には同じだと思っています。ですから、おそらく局面の違いであって、言っていることは同じなのですが、議論を絞っていかないといけないものですから、非常にハイクラスのところだけに聞こえてしまうと、この委員会の意味がなくなってくるのではないかと思っています。
○高
本委員 いや、別にそういうことではない。これはどこでもあまねく同じような問題があるだろうと思うから、わかりやすく挙げただけで、これはおそらく日本全国の多くの病院の同じ問題だと思うのです。
○山口座長 いろいろな議論をありがとうございました。やはりいろいろなステージと、病院と、置かれている立場でいろいろ議論が違うだろうと思います。しかしこのワーキンググループとしては、少なくとも今年度中にガイドラインを作り、ある程度、来年度に実証事業を行うような、具体的な事例を集めていく必要があります。その意味では先ほどいろいろその効果をどう実証するか、いろいろな視点からのご意見もいただきましたが、その点はもう少し検討する必要があるかと思います。その点ではコストも含めて、その効果を検証する必要があるかと思いますが、いろいろな立場でのお話はわかりますが、できればより具体的な形で、例えば具体的なチーム名とか、あるいは目的とか、どういう構成でやるとか、その中で実際にどういう作業を行うか。先ほどの法的な縛りという制限も含めて、ガイドラインに盛り込めるような具体的な提案を、それぞれの職種、それぞれの病院の、例えば規模を違えてもいいと思いますし、そういうところで他職種間のチーム医療の具体例を挙げていただければありがたいと思います。今日いろいろ議論されましたような、法的な縛りがあることも含めて、来年度の実証作業はそういうものも乗り越えた形でできればよいというのが、このワーキンググループの1つの目標ではないかと思います。是非よろしくお願いしたいと思います。
 ということで、時間がだいぶ過ぎてしまいましたので、本日の検討はこれまでということにさせていただいて、事務局より次回の日程についてお願いします。
○石井補佐 次回の日程ですが、追って調整させていただきます。大体、目安として1月の下旬から2月の上旬頃を予定しておりますので、資料の提出についてはまた追って期限をお示ししますが、1月の中旬から下旬くらいを締切にお願いすることになろうかと思いますので、準備のほうをよろしくお願いします。
○山口座長 それでは、どうもありがとうございました。


(了)
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