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2010年12月22日 第15回社会保障審議会医療部会議事録

医政局総務課

○日時

平成22年12月22日(水)10:00〜12:30


○場所

厚生労働省議室(中央合同庁舎第5号館9階)


○議題

○医療提供体制について
 ・医療計画
 ・在宅医療    など
○その他

○議事

○企画官 ただいまから、第15回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、年末のお忙しい中ご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 最初に、本日のご出欠についてご報告申し上げます。本日は、上田清司委員、尾形裕也委員、水田??代委員、樋口範雄委員、邉見公雄委員から、ご欠席との連絡をいただいております。
 議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、委員名簿のほか、配付資料としまして、横置きの資料1、縦置きの資料2。参考資料1、参考資料2、それぞれ縦置きの関連資料です。さらに、近藤委員、齋藤訓子委員、山崎委員、山本委員からご提出のあった資料がそれぞれ1セットずつございます。過不足等がございましたら、事務局にお知らせいただければと思います。事務局からは以上です。
○部会長(齋藤英彦) おはようございます。早速議題に移ります。今日は医療提供体制のあり方のうち、医療計画、在宅医療などについて、意見交換を行います。事務局から、資料1、資料2が出ています。多くの資料は、あらかじめ各委員の方々にお送りしてありますし、意見交換に時間をかけたいので、説明は簡潔にお願いします。事務局から説明をお願いします。
○指導課長 資料1に基づきまして、順次ご説明申し上げます。3頁の「医療計画制度について」です。医療計画制度の「趣旨」は、各都道府県が厚生労働大臣の定める基本方針に即して、かつ地域の実情に応じて、医療提供体制の確保を図るために策定しているもので、医療提供の量(病床数)を管理するとともに、質(医療連携・医療安全)などを評価するものです。
 「記載事項」は黄色いところにありますが、4疾病5事業に関する目標等、居宅、在宅医療、医療従事者の確保、医療安全の確保、二次医療圏、三次医療圏の設定、基準病床数の算定となっています。
 4頁です。「地域完結型医療の実現」を目指して、医療連携を進めるということで、4疾病5事業ごとに、各医療機能を担う医療機関の名称等を医療計画に記載することとなっています。
 5頁には経緯を書いています。主なポイントは、昭和60年のいわゆる第一次改正で、医療資源の地域偏在の是正と医療施設の連携の推進を目指して、医療計画制度が導入され、二次医療圏ごとに必要病床数を設定することにしております。その後いくつか改正がありましたが、平成18年の第五次改正で医療計画制度を見直しまして、医療機能の分化・連携を推進するということで、いわゆる4疾病5事業についての具体的な医療連携体制の位置づけなどを定めています。
 6頁は「医療計画の作成手順について」です。医師会、歯科医師会、薬剤師会等、診療・調剤に関する学識経験者の団体の意見を聴くこと、市町村の意見を聴くこと、都道府県の医療審議会の意見を聴くことなどが書かれています。いちばん下にありますように、住民へのアンケート調査、ヒアリング、作業部会への参加、パブリックコメント等により、住民・患者の意見を反映させることが重要であるということも記載されています。
 次に、8頁の「基準病床数制度について」です。病床の整備について、病床過剰地域から非過剰地域へ誘導することを通じて、病床の地域的偏在を是正し、全国的に一定水準以上の医療を確保することを目的としています。「仕組み」は、全国統一の算定式により算定しています。一般病床と療養病床については、二次医療圏ごと。精神病床、結核病床、感染症病床については、各県単位で算定しております。既存病床数が基準病床数を超える地域では、公的医療機関等の開設・増床を許可しないことができます。ただ、例外措置として、?@のような救急医療等の病床については特例はありますし、病床数の補正についてもございます。
 9頁に算定式が出ています。左側の青いほうの「基準病床数」の囲みです。一般病床群の基準病床数の算定式については、性別・年齢別の人口に、それぞれの退院率を掛けて、平均在院日数を掛け、その短縮傾向がありますので0.9を掛け、そして流入患者を足して、流出患者を引いて、病床利用率で割るという計算式になります。「療養病床」については、性別・年齢別の人口に入所の需要率を掛けますが、介護施設で対応可能な数を引いた数を出し、そして流出入を差し引きしまして、病床利用率で割ります。このような数字が基本となっています。そして、既存病床数が基準病床数を超える地域、病床過剰地域では、病院開設・増床を許可しないということになっています。
 10頁は特例です。病床過剰地域であっても、?@から?Lまでのカテゴリーにつきましては、厚生労働大臣の同意を得て都道府県が増床の許可を行うことができるという規定がございます。
 11頁は「職域病院等の病床数の補正」です。前回もご説明いたしましたが、職域病院等の特定の患者が利用しているもの、介護老人保健施設、ICU病床等については、補正を行うことになっています。
 12頁は「基準病床数制度の算定式の変遷」です。昭和63年の第一次医療法改正時のところにあるように、当時は「その他の病床」となっておりまして、一般と療養の区別はございませんでしたが、その後区別ができましたので、現在は先ほど申し上げたような、それぞれの基準病床数を算定する形になっています。
 13頁は「一般病床・療養病床の病床数の推移」です。両方を合算したものが、ピーク時は127万床余りでしたが、現在は124万床余りと、少し減っております。特に、一般病床群は現在90万床余りということで、減っています。一方で、療養病床が34万床近くに増えています。病床数全体としては横ばい、微減ということで、病床の規制の効果が出ていると考えられます。
 14頁は、人口10万人当たり病床数の上位10道県と下位10道県について比較したものです。右側のグラフを見ますと、病床数は下位10道県は増えていて、上位10道県は減っています。そういう意味で、平準化が進んでいるという見方もできますが、10万人当たりで見ますといずれも減っておりますので、人口の増減の傾向も反映していると思われます。
 15頁は「基準病床数に対する病床数の推移」です。これは以前お出しした資料かと思いますが、病床数が多い県については病床数が減少の傾向にありまして、下回っていた県については病床数は増加しているといった平準化の傾向があるかと思います。
 17頁です。「医療圏について」です。三次医療圏は52医療圏。基本的に県単位ですが、北海道は6圏ありまして、こちらは特殊な医療を提供します。二次医療圏は349医療圏ございます。一体の区域として、病院等における入院に係る医療を提供することが相当である単位、一般の医療を提供する圏域ということになっております。
 しかしながら、二次医療圏の範囲、規模に相当ばらつきがごさいます。18頁にありますように、人口でいうと、3万人未満の区域から100万人以上の二次医療圏がございまして、最大100倍以上の格差がごさいます。面積についても、同様に100倍程度の格差がございます。
 19、20頁も、病院数、病院病床数、診療所数、従事医師数について、分布を見たものです。人口10万人当たりの病院数は全国平均で6.9施設、病床数については1,000人当たり12.7床、10万人当たりの診療所数は平均78施設、従事医師数は214名となっておりますが、ばらつきがあるということがわかります。
 21頁、これは以前にお出しした資料です。都道府県間の医師数の格差も言われますが、同一都道府県内においても、県庁所在地など人口当たりの医師数が多い地域と、郡部など少ない地域がありますので、県内での差というものがここの倍数に示されております。
 22頁は医療機器の設置台数についての分布です。23頁は流出患者割合を示しています。やはり人口規模によって違いまして、50万人から100万人の二次医療圏においては19.6%の流出患者割合ですが、人口規模が3万人以下の二次医療圏では66.7%と非常に高くなっています。面積規模で見ましても、100km2未満のところでは、約半分が流出患者となっています。
 24頁は、新潟県で二次医療圏の見直しの実例がありましたので、ご紹介しています。13圏域が平成20年には7圏域に見直されています。この背景としては、患者の受療動向あるいは医療機関の連携が、13圏域で広域化していると。高速交通体系の整備などもありまして広域化しているため、13圏域のほとんどで完結度が低いこと。それから市町村合併の進展などもありまして、二次医療圏を広域化したことがあったようです。
 次に26頁で、「4疾病5事業について」の資料です。4疾病といわれているのが、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病です。5事業については、救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療(小児救急医療を含む)となっています。この「考え方」ですが、患者数が多く、かつ死亡率が高い等緊急性が高いもの。症状の経過に基づくきめ細かな対応が求められることから、医療機関の機能に応じた対応が必要なもの。特に病院と病院、病院と診療所、さらには在宅へという連携に重点を置くもの。こういった考え方で選定しています。
 27、28頁は、「4疾病5事業の圏域の設定について」です。基本的にこの二次医療圏は基本とはしながらも、それにこだわらなくてよいということがそれぞれ書かれています。がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病のいずれにつきましても、それぞれの疾患の性質、医療の実態などに応じて、従来の二次医療圏にこだわらずに設定してよい、弾力的に設定するということが書かれています。救急医療につきましても、「圏域の再設定を行うこともあり得る」という表現があります。ただ、救命救急医療については、一定のアクセス時間内に搬送できるように圏域を設定することが望ましいというような表現がございます。災害医療につきましては、原則として都道府県全体を圏域とするということが書かれています。周産期、小児については、二次医療圏にはこだわらないということです。
 29頁は脳卒中を例として、急性期から回復期、維持期までの連携を模式化したものです。30頁は、各都道府県に出している指針の中で、これも脳卒中を例に取って、予防から、急性期、回復期、維持期まで、それぞれの機能、目標、求められる事項、そして可能な限り指標による現状把握をするといったことを、指針でお示ししているものを整理したものです。
 31、32頁は、医療圏について京都府の事例を図示したものです。上は肺がんの入院です。左の図にありますように、京都市に北部あるいは南部から相当患者が移動しているということ、また丹後から兵庫県にも移動していることがわかります。右側の図のように、円グラフがあって、多くの患者が治療を受けているところが京都市に相当集中していることがわかります。
 下の頁ですが、急性心筋梗塞については、肺がんに比べますと県内での完結性、二次医療圏内での完結性が比較的高いということと、北部でも比較的多くの患者さんを治療している病院があることがわかります。
 33、34頁は基礎データということで、先ほど申し上げました、がん、糖尿病、心疾患、脳血管疾患の4つについて、患者数を示しております。その他の疾患については、ご覧いただいているとおりです。35頁は死因ということで、3大死因を示しております。
 36頁は、指標による評価ということが医療計画上求められるわけですが、ストラクチャ、プロセス、アウトカム、それぞれの指標について、各県の計画にどの程度盛り込んでいるかを整理したものです。上位3県のようにかなり盛り込んでいる所もありますが、あまり多くないという県もございます。下のほうに千葉県の実例で、これは脳卒中を例に取ったものです。右側には青森県の実例で、これは救急を例に取ったものですが、数値による現状把握と目標設定が定められております。
 37頁は「医療計画と診療報酬の連動について」です。最近の診療報酬改定では医療計画との連携が比較的盛り込まれるようになっておりまして、初診料、救急医療管理加算、地域連携診療計画管理料などのほか、DPCについても医療計画の関連が記載されるようになってきております。
 38頁は、先日立ち上げました「医療計画の見直し等に関する検討会要綱」です。平成25年度からの医療計画が、より実効性の高いものになるように開催するということで、医療体制の構築に係る指針に示された医療機能の見直し、指標のあり方等について検討するということで、来年度中を目処に取りまとめることとしております。39頁にはメンバーを載せております。
 40頁は「医療計画に関する論点」です。1つは、基準病床数制度がありますが、その効果をどのように考えるか。2つ目として、二次医療圏について、交通事情その他の状況を考えて、その設定についてどのように考えるのか。3つ目は医療連携体制についてで、4疾病5事業の見直しは必要はないのか。こういった点を載せております。
 次に43頁、「救急医療体制について」です。救急出動件数、搬送人数については増加してきておりましたが、この数年はある程度横ばい傾向になっております。平成21年の救急出場件数は515万件余り、搬送人員は468万人余りとなっています。10年間で30%あるいは25%、それぞれ増加しております。44頁ですが、この10年間で増えている部分というのは、高齢者の軽症あるいは中等症の患者さんの増加ということがわかります。
 45頁は都道府県別のグラフですが、東京都あるいは大阪府の人口1万人当たりの搬送人員が多いということがわかります。一方で、東北、北陸・甲信越地方は少ない傾向にあります。搬送件数の内訳を重症程度別に見ますと、軽症者の多さに特に差が見られるようで、東京、大阪といった搬送人員が多い所は、軽症者の人数が多いという傾向があろうかと思います。
 46頁以降にはいろいろな取組みが出ています。地域住民による救急利用の適正化のための取組みということで、以前もご紹介されているかと思いますが、「県立柏原病院の小児科を守る会」による活動。小児科医の増員を求める活動をする一方で、コンビニ受診の減少に向けた地域住民への啓発活動などをやっておられるということです。
 47、48頁は「救急医療体制体系図」です。いわゆる、一次、二次、三次の体系になっております。三次医療は救命救急センターで、234カ所まで増加してきております。第二次救急医療施設については3,231カ所です。初期救急医療については、在宅当番医制あるいは休日夜間急患センターが、それぞれ整備されてきております。
 49、50頁は「救命救急センターについて」です。この「役割」としては、重症及び複数の診療科領域にわたる、すべての重篤な救急患者を、原則として24時間体制で必ず受け入れることになっておりまして、それに相応しい人員体制、施設を備えることが要件になっております。また、50頁にあります充実段階評価というものを、平成21年度の実績から新しい基準で行っております。「評価項目」及び「是正を要する項目」を設けて、点数に基づく評価をしております。その評価項目等としては、重篤患者の診察機能、地域の救急搬送・救急医療体制への支援機能、救急医療の教育機能、災害時対応機能ということで評価をして、A、B、Cのランクの分類をしております。平成21年度までの評価結果は、全施設でA評価となっております。
 51、52頁は「二次救急医療機関の状況について」です。先ほど申し上げましたように、3,000を超える二次救急医療機関がございますが、救急車の時間外における年間救急搬送患者数ですが、非常に大きな差がありまして、最大7,752人、最小は0となっております。ちなみに、救命救急センターにおける平均年間救急搬送受入患者数は3,881件となっていますが、救命救急センターは当然重症者相当が多いこともあるかと思いますので、一概には比較できませんが、このようにばらつきがあるということがわかります。
 下のほうに、当番日における医師の数を示しています。1名であるところが70%、2名以下で約9割ということで、県別にも相当開きがございます。
 53、54頁は、補助金あるいは診療報酬の関係です。救命救急センターについては、国から補助金も出ています。しかし、二次救急医療機関、公立のセンターについては、一般財源化されております。ただ、地方交付税措置もございまして、そこに書いていますが、交付税措置で算定額ですので、個別な医療機関への交付額となっているとは限らないという状況になります。
 診療報酬のほうでは、第二次救急については救急医療管理加算、救命救急センターについては救命救急入院料等の点数がございます。実際の例として、第二次救急から救命救急センターに移行した場合に、非常に診療収入が上がったという例もございますが、それでも救命救急センターの8割は赤字であるということが報告されております。
 55、56頁は、救急医療体制についてのさまざまな論点と、それについての検討会の提言内容を示させていただいております。ピラミッド型の一次、二次、三次の体制のほかに、搬送・受入れのルール、救急利用の適正化といった、いわゆる入口の問題があるほか、転院・転床をスムーズに進めていくという出口の問題などがあるということで、救急医療全般のシステムとしての対応が必要になっております。
 57頁は、「ドクターヘリ導入促進事業について」ご紹介しております。これまで19道府県で、23機運行しております。右側の地図の丸が付いている地域で運行しております。
 58頁は、去年消防法の一部改正がございまして、救急搬送・受入ルールを各都道府県で定めて、傷病者の状況に応じた搬送先リスト、医療機関リスト、また搬送先が速やかに決定しない場合において、傷病者を受け入れる医療機関を確保するためのルールなどを定めることになっております。
 59頁に、これまでの各県の状況が載っています。策定済みが11県となっております。その他は年内あるいは年度内策定することになっております。実施基準の具体例として、福井県の例を60頁に示しております。実施基準として、循環器系疾患の脳卒中の疑いがあるとか、心筋梗塞の疑いがある。あるいは小児の疾患、妊産婦、精神疾患、こういった大まかな傷病者の状況、疑われる状態などに応じて、対応可能な受入医療機関リストを作っておいて、速やかにそちらに搬送する。また、高度な医療を必要とする場合には、三次医療機関に搬送する。こういったルールを各県で定めていただいております。
 61頁以降は、小児の救急関係です。日本は乳児死亡率が世界でもベストの状況ですが、1歳から4歳の死亡率は先進諸国の中でもトップクラスではないということです。いろいろな要因は指摘されていますけれども、救命救急医療の体制も重要であるということが検討会でも指摘されまして、62頁にあるような、小児の救命救急センターあるいはその他の専門病院、中核病院での急性期医療を充実させていくことが提言されております。
 63頁には、「小児救命救急センターについて」、準備体制、受入体制、施設等の要件を示しております。これも今年度から事業化しておりますが、4施設から申請がきております。
 64頁は「小児救急電話相談事業」ということで、保護者からの電話相談を受けるものです。♯8000番で答えているもので、47都道府県で実施しております。実施日は実情に応じて県によって違いますが、おおむね準夜帯をカバーしている状況です。その実績は65頁のグラフにございますが、順次件数は増えてきているということです。
 67頁は「周産期医療体制について」です。リスクの高い妊産婦や新生児などに高度な医療が適切に提供されるよう、総合周産期母子医療センターやそれを支える地域周産期母子医療センターの整備、あるいは地域の医療施設と高度な医療施設の連携など、ネットワークの整備を推進していくことで、ネットワーク図が、67、68頁に示されております。
 69頁には、妊婦の脳出血での死亡例などもございましたので、周産期医療と一般の救急医療との連携が必要であるということで、懇談会が設けられ、報告書が取りまとめられております。2が1つのポイントですが、妊婦の救命救急にも対応できるよう、周産期医療体制を見直しをする。産科合併症以外の母体救命救急への対応能力等の診療機能を明示する。このようなことが言われております。
 70頁にありますように、これを受けて国では指針を出しておりまして、各都道府県で現在「周産期医療体制整備計画」を策定する予定です。NICUの整備については、出生1万人対25床から30床を目標として進めます。そして、先ほど申し上げましたような、総合あるいは地域の周産期母子医療センターの整備についても書き込むことになっています。これまでのところ、4都県が策定済みです。
 71、72頁は、周産期母子医療センターについて掲げております。役割、指定要件等については、「総合周産期母子医療センター」については三次医療圏に原則1カ所、「地域周産期母子医療センター」については、総合センター1カ所に対して数カ所の割合で整備ということにされております。それぞれの数の推移については下にありますように、総合周産期母子医療センターは84施設、地域周産期母子医療センターは252施設まで増えています。
 73頁以降はNICU等の関係です。NICUの病床利用率が90%超であって、搬送受入れが困難である理由として、NICUは満床と回答したセンターが8割を超えているということです。NICUの需要が増加している原因として、低出生体重児の割合が増加しているということがありまして、平成21年のデータでは、出生数約107万人のうち2,500g未満の割合が9.6%に達しております。
 75、76頁は「NICUの必要病床数について」です。以前は出生1万人対20床としておりましたが、この需要の増加がありますので、25ないし30床を目標に整備を進めるということで、各県で整備計画を作っております。これまでのところ、4県でそれぞれ75頁に記載されているような病床数の整備目標が定められております。まだ各県によってばらつきがあるというのは、76頁の日本地図で示されているところです。
 77、78頁は、長期入院児への対応が必要ということを示したものです。研究班によりますと、NICUの1年以上の長期入院児のうち、55%については受入施設あるいは在宅支援体制を整える必要があるということです。在宅への阻害要因としては、病状が安定しない、家族の受入れ不良、家族の希望なし等の理由が上げられております。
 79頁に「救急医療・周産期医療に関する論点」を掲げております。1点目は、厳しい状況にある救急医療機関の負担を少しでも軽減するために、住民の意識を高める方策についてどう考えるか。2点目は、二次救急医療機関の状況に大きな差がございますが、実績を有する医療機関への評価等についてどう考えるか。周産期医療体制について、整備計画に基づき充実を図っていくことになりますが、それについて今後どう考えるか。こういったことを掲げさせていただいております。
○政策医療課長 引き続きまして、「在宅医療について」ご説明いたします。82頁以降ですが、まず在宅医療を巡る現状についての周辺状況です。82頁はご案内のとおりで、高齢化がさらに進んでいくということです。その中では83頁で都道府県別に見ますと、これから特に人口集中地域、都市部における高齢化がさらに進んでいくことが見て取れるかと思います。全体としては死亡者数がこれからさらに増えてくるわけです。
 他方、85頁ですが、いま最期の場所をどこで迎えるかという現状を見てみますと、8割近くが病院でということで、自宅で迎えられるのは12%を少し超えるくらいの状況です。
 そういう中で、看取りも含めて在宅医療をどう推進していくか、その体制をどうしていくかということが課題として挙げられております。その中で平成18年から診療報酬の仕掛けとして、「在宅療養支援診療所」というものが設けられておりますが、その都道府県別の状況を示しているのが86頁です。県によって少し違いがあることが見て取れます。人口1,000人当たりの分布を示しているのが86頁です。
 87頁が「在宅療養支援診療所の要件」等です。全体としては、いま1万2,552件の届出があるという状況です。24時間の窓口を設けて、他の病院や診療所と連携しつつ、24時間往診、訪問看護を提供できる体制を構築するものとして設けられたものです。
 在宅療養支援診療所におけるサービスの内容についての調査が、88頁です。上のほうにございますが、時間外の往診をしている数については、0回が42%、1回から5回が49.2%で、サービスの状況ではこのような状況です。また、看取りの数という点で見ますと、半年間でどれだけの看取りをしたかで見てみますと、0人が45%、1人から4人が45%という状況です。
 また、在宅医療に関する研修を受け入れているか、その可能性について調査をしたものがその下です。長期の研修、1カ月以上の研修の受入れが可能と答えたところが10%程度はありますが、他方で受入れはできないというところが7割を占めております。
 89頁です。在宅医療のもう1つの担い手として、訪問看護の状況がございます。青い折線グラフで、居宅サービス全体としての利用者は伸びている状況がわかるのですが、他方で訪問看護サービスの利用者数自身は横ばいの状況です。サービスを提供する訪問看護ステーション人員の実態を見てみますと、下の棒グラフにありますように、小規模なものが非常に多く、5人以下の零細・小規模が5割を超えていまして、大規模な7人以上の体制でサービスを提供しているところは7%程度という状況になっております。90頁の別の棒グラフは、訪問看護ステーションが伸び悩んでいる状況を示したものです。「訪問看護ステーション数の変化」ですが、ここ10年程度は伸び悩んでいます。
 91頁はショートステイの状況について見たものです。特養の短期入所の生活介護については、平成13年から平成21年を比べると2.5倍という形で、比較的伸びていますが、これに比べると老健・病院の短期入所の療養介護は1.5倍程度となっています。医療依存度の高い方のレスパイトをどう確保するかということかと思っています。
 小児の状況は、重症心身障害児を抱える親のニーズを調査したものが92頁です。日中の一時預かり、外出の支援、宿泊を伴う一時預かりに、非常に高いニーズがあることが読み取れるグラフです。
 在宅医療の医療法の医療計画における位置づけを示したものが、93頁以下の表です。先ほど医療計画のところでも若干触れられておりましたが、前回の医療法改正の中で、在宅についても医療計画上の位置づけをしております。「居宅等における医療の確保等の事項について」というものを記載事項とした定めです。他方で、具体的な指針までは示しておらず、抽象的な指針に留まっているということです。95、96頁に、各県における「在宅医療に関する医療計画の内容」がどのような記載をされているかを見たものです。それぞれの県によって違いはありますが、サービスの量あるいは体制についての記載があります。それぞれの県によって随分違いがあるということです。それから、数値目標という形では一部はございますが、なかなかそこまで届いていないところです。96頁も、それぞれの項目において記載をしている県と、青の濃い部分が数値目標の記載のある所です。数値目標という点では、それほど具体的なところまでは取組みは進んでいないという状況です。
 97頁以降は、在宅医療推進のための補助事業という形で、現状でどのようなものが設けられているかということで、2つほどご紹介しております。在宅医療の推進に当たっては、各関係機関の連携が必要だということ、人材の育成も重要だという観点に立って、在宅医療に関する補助事業を設けております。平成22年度で5,800万円程度ですが、こういったところの補助金で支援をしているということです。99頁で、他方で訪問看護の領域についても、人材育成、研修事業が重要だということに着目して、補助事業を設けているということです。
 100頁以下については、歯科分野についての現状を記しています。101頁ですが、高齢になっても20本以上の歯を有する高齢者が増加しているということで、高齢者のQOLと口腔との関係が深いということが調査の結果として表れています。
 102頁では、在宅医療の中で主治医が連携を必要としている診療科としては、歯科医が非常に多いという調査結果がございます。その中で、下の棒グラフですが、訪問歯科診療を実施している歯科診療所の割合が出ています。施設という点では増加傾向ですが、在宅、居宅におけるサービスという点では、あまり増加はしていないということが見て取れるグラフになっています。
 103、104頁です。在宅の高齢者への支援のための、歯科保健事業の推進事業として取り組んでいる状況を、参考までに記しております。こちらも、各関連機関等の連携が必要だということで、104頁にあるような「在宅歯科医療連携室整備事業」の支援をしております。
 105頁以下は、薬剤師の分野に関係している部分の現状です。106頁では「在宅患者訪問薬剤管理指導料」ということで、在宅について取り組む薬局の数も徐々に増えつつある状況が、赤い部分で見て取れるグラフになっております。107頁は、その中でどういったところに重点的に取組みをしているかということで、課題も見て取れます。薬剤に対する説明をどうするか、小包装あるいはその処方医との連携をどうするかといったところに、重点的に取り組む課題が見て取れるということです。
 108頁ですが、それらに取り組む薬局の体制の状況です。小規模なところでやり繰りをしながら受待ち制をする、あるいは受待ち制はできないけれども、空いた時間で対応するといったところで、やり繰りをしながら対応しておられるというところです。
 109頁は、緩和ケアに取り組む薬局薬剤師の状況についてです。麻薬についての在庫管理をどうしていくかが1つの課題です。それから、がん患者への対応について、どのように対応していいかわからないことがあるというところが、比較的多いというアンケート調査です。それから、がん患者への対応で困っているということで、精神的サポートあるいは痛みの緩和の点で困ることがあるといったことが、調査結果として上がっております。
 110頁以降は、「終末期医療について」です。111頁は、終末期医療のあり方については定期的にアンケート調査をし、それに基づいて終末期医療のあり方についての検討を行うことを進めてきています。直近では、平成22年12月に懇談会の報告がまとめられています。資料の上の懇談会の2つ目に「平成22年10月」に懇談会の報告が取りまとめられたとなっていますが、これは誤植で「平成22年12月」にまとめられたということです。
 この懇談会の意見の概要です。いくつかございますが、医療福祉従事者等についての必要な知識を十分に備えた上で、患者、家族、医療福祉従事者が話し合う機会を十分に確保していき、その中で望ましい終末期医療に取り組んでいく。患者、家族の望む終末期医療に取り組んでいくことの重要性が指摘されております。
 112頁は、緩和ケアに取り組む施設の状況について記しております。113頁は、先ほど最期の場所というものを、全国規模のものを示しておりましたが、各都道府県別に見たものが棒グラフです。それほど大きな違いはありませんが、若干詳しく見てみますと、地域ごとに差があることが見て取れます。
 114頁から117頁は、先ほど申しました終末期医療に関する懇談会の中での、国民の意識調査の一部を抜粋して紹介しています。終末期医療に関しては、国民の中でも非常に関心が高いと思っております。他方で、どこで終末期を迎えることを希望するかということで、114頁の下のほうで、必要になれば医療機関を利用したいという方も含めますと、6割以上が在宅、自宅での療養を希望されているということが見て取れます。
 115頁で、他方で、最期まで迎えることができるかという点で、国民自身がどのように考えているかというと、最期までの在宅での療養は難しいという面があると。その理由として、家族に負担がかかる、あるいは症状が急変したときの不安があるということで、希望はしながらも困難だと感じているということです。
 116頁は、延命医療に関する状況です。家族との話合いをしたことがある、あるいは話し合ったことはないという点については、二分されております。その中で、家族と話合いをしている方のほうが、延命医療に消極的な回答をしている割合が高いことが見て取れるのが下の棒グラフです。
 117頁です。終末期医療を担う医師、看護師、介護に関する従事者にアンケート調査をしたところ、悩みや疑問を感じたことのある方が8割を超えている状況です。以上が現状です。
 在宅医療に関する論点としまして、118頁に3点ほど挙げております。1つは、子どもから高齢者に至るまで、在宅医療の普及あるいはシステムの確保を図るために、現状を踏まえつつどのように取り組んでいくべきかということです。その中でも、特に医療計画で、先ほどいくつかの県の状況を例としてお示ししましたが、数値目標等を含めて、具体的な指針をどのように考えていくのかが、1つ課題かと思っております。
 それから、地域における看取りも含めて、本人の意思を尊重した終末期医療を実現するために、どのような取組みが必要かということが2点目です。そのような観点で、担い手、在宅医療と終末期医療を担う人材の育成・確保をどのように進めるかも論点かと思います。在宅医療に関しては以上でございます。
○医事課長 引き続きまして、「外国人臨床修練制度の見直しに関する閣議決定」のご説明をさせていただきます。120頁です。外国人医師等については、一定の要件の下で日本で臨床修練ができる法律ができておりますけれども、その見直しに関して閣議決定がなされております。それが120頁の上で、本年6月の「規制・制度改革に係る対処方針」です。臨床修練制度の活用を促進するために、1つは手続の簡素化あるいは2年間の年限の弾力化といった制度の運用を見直すことです。もう1つは、併せて国内での診療について、いままでは日本の医学を学ぶということでしたが、それ以外に、逆に優れた技術を教える目的、あるいは国際水準の共同研究を行うといった目的の場合にも、こういったことを認めるべきではないかということで閣議決定がなされました。スケジュールとしては、平成22年度中に検討、結論を得るということになっているものです。
 併せて、この制度につきましては、医師、歯科医師、看護師ほかの医療従事者の方々にも適用される制度になっておりますので、併せて制度・運用を見直すということになっております。さらに本年9月の閣議決定では、検討スケジュールを前倒しすべきではないかということで、中身は同じでございますが、平成22年度中に結論を得て、できる限り平成23年中に順次所要の措置を講ずるということで、方向性の閣議決定がなされているものです。
 次の頁は「外国人臨床修練制度の概要」です。医師法第17条で、医師でなければ医業をしてはならないということですが、特例としてこの法律が定められているということです。具体的には、外国の医師等が大学、臨床研修病院等の厚生労働大臣が指定する病院において、臨床修練指導医等の実地の指導監督の下に医業等ができることになっております。この場合、厚生労働大臣の許可を受けた2年以内の期間、臨床研修を行うことができるという制度になっているわけです。この制度について、先ほど申し上げましたように、1つは具体的にいまの現行制度の手続等を簡素化するということです。もう1つは、いまの制度では読み難い部分について、制度の見直しについて検討をしていくということです。この2つの事項があるわけです。
 122頁は、当面、制度の審査期間、制度の申請書の添付書類といった、手続的な面の運用改善を早急に図らせていただきたいということで、案を提示させていただいているものです。
 (1)は「審査期間の短縮」です。いまは入国後でないと許可申請が提出できず、それから審査がスタートになりますので、それをできるだけ早くできるようにということで、一部の書類については、入国前の申請書類の提出を認めるということで、審査期間の短縮を図ろうということです。いま実際に入国して、許可が下りるまでに2カ月ぐらいかかるわけですが、それを入国後7日以内に許可を行うことができるように、事前の提出を認めてはどうかということです。
 (2)は省令改正事項です。申請書の添付書類について、例えば本国の公的機関による帰国証明書など一定の証明書については、本人の申述書を作ってサインをしていただく、それに変えてはどうかということです。こういった省令改正等のスケジュールについては、パブリックコメントに付しておりまして、本日のご議論も踏まえて、1月下旬には省令の公布の手続を取らせていただければと思っております。
 最後の頁です。もう1つは、いま申し上げた手続などのテクニカルな面ではなくて、具体的な中身の「制度改正に向けた論点」です。この点については、引き続き当部会でのご議論を踏まえながら方向性を取りまとめさせていただければと思っております。
 論点としては、3つほど挙げてございます。1つは、先ほど申し上げましたが、年限がいまは2年ということで限られておりますが、例えば臨床系の大学院の修士課程の場合は4年課程です。そういった最大2年の年限について、弾力化をどう考えるのか。一方では、際限なく更新して、事実上ずっとそのまま日本に居つづけるということは制度の趣旨ではないわけで、それをどう考えるのか。2番目の「手続・要件の簡素化」については、先ほど申し上げました病院の指定、指導医ということについて、いまの制度の状況を踏まえてどう考えるのか。さらに3点目として、先ほど申し上げた新しい論点として、優れた技術を持つ外国の医師の方々が、その技術を日本国内で教授をするといった場合に、こうした制度を適用できるようにしてはどうか。こうした論点につきまして、本部会でのご議論を踏まえながら、年明け以降に方向性をまとめさせていただければと思っております。以上でございます。
○企画官 最後に資料2です。この秋以来、内閣総理大臣の下で、社会保障と財政の一体改革の議論が行われてまいりました。具体的には、民主党に「税と社会保障の抜本改革調査会」が置かれ、官邸では政府与党社会保障改革検討本部が置かれ、それぞれ議論が行われてまいりました。
 今日の資料の2頁以降に、有識者検討会の報告を付けさせていただいております。いずれでも、年金、医療、介護、さらには雇用問題等々、社会保障のいろいろな課題に対応するためには、安定的な財源の確保が必要であるとの考え方がまとめられております。
 こうした議論の経過を踏まえまして、資料1頁ですが、12月14日に閣議決定が行われ、社会保障の機能強化のために具体案をまとめながら、さらにそのための財源論も議論をして、来年半ばまでにこの案をまとめるということで閣議決定がなされているところです。
 さらには、こういった社会保障と財源といった問題について、党派を超えて、与野党で協議をすべきだという呼掛けをしていこうという形で閣議決定がなされておりますので、併せてご報告をさせていただきます。以上でございます。
○部会長 以上の説明や資料を踏まえまして、委員の皆様からご意見を伺います。今日はたくさんの資料が用意されております。議論をスムーズに進める上でお願いがあるのですが、資料1は医療計画について、あるいは救急医療、周産期医療、在宅医療などと分かれております。議論があちこち飛んだりしないように、それぞれのテーマについて、まとめてご意見を伺いたいと思います。それから、それぞれのテーマにつきましては、いろいろな検討会や懇談会の報告も出ておりますので、本部会においては個々の仕組みの非常に細かい点というより、むしろ大局的、総合的に、これらのいろいろな仕組みが国全体の医療提供体制にどのような役割を果たして、どうしたらいいのかということで、ご議論をいただければと思います。そういう意味で、それぞれ論点が出されておりますので、論点を中心にして議論していただければありがたいと思います。
 それから、資料を提出していただいている委員の方もいらっしゃいますが、特にご指名はしませんので、補足等の説明の必要な方があれば、併せて資料を使っていただければと思います。委員の間の活発な意見交換をお願いできればと思いますので、お1人当たりのご発言は、できる限り簡潔にお願いいたします。よろしくお願いします。
○中川委員 大きなことをお伺いしたいのですが、資料1の最後の119頁に、「規制・制度改革に係る対処方針等への対応」というところがあります。この120頁に、6月18日に閣議決定されたとあります。これは行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会、ライフイノベーションワーキンググループの結論がそのまま閣議決定になっているのです。
 現在も第2クールをやっていますが、各項目を見ますと、厚生労働省所管の審議会、検討会でやるべき項目が頭越しに閣議決定に持っていかれているのです。こういう現状を、当部会でどう思うのか、厚生労働省でもどのように考えているのか。これは、閣議決定されたから仕様がないということではないと思うのです。この審議会、検討会が空洞化すると言いますか。ライフイノベーションワーキンググループの議論でも、所管の厚生労働省が積極的に関与したという影が見受けられないのです。こういういまの国の政策の進め方について、非常に危機感を感じるのですが、それについて、最初に厚生労働省の説明をいただきたいと思います。
○医政局総務課長 当医療部会は法令等の規定に基づき医療提供体制に係る重要事項についてご審議をいただく場でございます。一方で、いま中川委員がご指摘のように、政府内には行政刷新会議の下に、規制・制度改革分科会が設けられておりまして、そこにおきましても、医療・介護分野の調査を行うということで、ライフイノベーションワーキンググループが設置されております。これは観点が違う検討の機関が、別途設けられているということでございます。
 私どもとしては、当然そのような場で医療に関する議論がなされますときに重大な関心を払っているわけでございまして、その議論を注視して、必要に応じて当方の考え方を伝えるということで、政府全体として齟齬のない検討が進むように留意してまいりたいと思います。
○部会長 いま外国人臨床修練制度の話が出ましたので、これからいきましょうか。これは、いままで主として外国人医師が勉強のために、2年間日本へ来ることができるというものを、指導や教授のためにも認めようということと、期間の延長だと思います。一方、日本人の医師も、例えば非常に有名な外科医の方は、ヨーロッパやアジアへ行って指導のために手術をされています。ですから、そういうことから考えれば、指導のために来てもらっても支障はないかと単純に考えるのですが。中川先生どうぞ。
○中川委員 123頁をご覧ください。これは「制度改正に向けた論点」ということで決まったことではないでしょうが、論点として(3)の○の2つ目、「医療分野における国際交流が進み」とあります。これはいま部会長がおっしゃったことと違う意味だと思うのですよ。医療ツーリズムの国際医療交流の流れを受けたものだと思うのですよ。私は研究と診療は明確に区別すべきだと思います。臨床的にもそうですが、国際的に共同研究はいままでもやってきたことで、これは前向きに検討すべきことだと思います。しかし、臨床現場での診療・診察というのは、日本は良い意味で公的医療保険制度が厳格に適用されていますので、そもそも安易な導入には賛成をすることはできません。
 もう1つは、TPPの議論でもありますが、医師をはじめとした看護師も含めて、クロスライセンスが既成事実化する可能性があります。一方、現状のままではこれを安易に導入すると、医師の流出だとか、医療技術も含めた流出も進んでいくと思います。これに対する対処、こっちの議論を先にすべきで、安易にこの(3)を進めるべきではないと私は考えています。
○加藤委員 事務局にお伺いしたいのですが、「外国の医師」と一括りにしてありますが、米国等では当然、日本人は米国のライセンスを持っていないとできません。外国の医師ということを一括りにしなくて、日本の医師免許でも海外で医療行為ができる国がいくつかありますよね。そういうことなので、「外国の医師」で一括りというのはいかがかと。というのは、私どものほうでも行って向こうで手術をしている医師もおりますので、そういう観点からちょっとご意見をいただけませんか。
○医事課長 この制度上は外国ということで国によって特別な区別はしていないという制度になっているわけです。ただ、実際の制度の運用の状況としては、先ほど申し上げた臨床修練の場合については、指定病院において指導医の実地の監督の下にできることになっています。実際に臨床修練の病院に伺いますと、やはり日ごろ交流のある病院のお医者さんとか、ある程度どういう技量を持っているかは確認できるような仕組みになっております。そういう意味からすると、もちろん相互認証ということはありますが、いまの制度としては、外国の医師の方の技量をきちんと見極めた上で受け入れるシステムになっている、ということは申し上げられると思います。
○海辺委員 ごく一般的な国民がこういうニュースを聞いたときにどう感じるかな、ということで聞いていただければいいと思うのですが。日本はアジアのほかの国と比べて、いろいろな機器などが突出して多い状態だったりするので、いろいろな国の方々が勉強に来たいなどと思うことは自然ではないかと思うのです。それで、やはり日本の国が諸外国からどう見えるかということも考えれば、アジアをリードするという意識とか、医療でもっていろいろなアジアの国々に貢献するとか、やはりいろいろなことも考えていかなければいけないのではないかということを感じるのです。
 ただ、もう1つ繊維工場などが数年前というか、ひと昔前に外国人を研修生という名前で労働力として安く使っていたみたいなことがありましたので、そのような感じでお医者様をたくさん連れてきて。私が気になりましたのが、資料2の9頁の「サービス保障、医療・介護」というところで、「医師不足問題などに対して緊急の対策を講じていくとともに、今後増大するサービス需要に確実にかつ効率的に応え」という、ここの部分と実は呼応するのかと考えたりしたものですから、そのような考え方でたくさん連れてくるようなことがあるとしたら、それは大きな問題ではないかとは感じました。なので、これはもっといろいろな専門的な立場の方々が議論を尽くしていただいた上で、出していったらいいのではないかと感じました。以上です。
○医事課長 これは先ほど中川先生からご指摘があった点と共通する部分かと思いますが、いまの制度はあくまでも日本の医学を学びに来られるための制度です。ですから、来られた方が何か診療活動をして、それでお金をもらうということはできない仕組みになっておりますし、そういう意味では何回も更新するようなこともできない仕組みになっております。
 もちろん外国の医師の方が日本で医療活動をどこまでというのは、また別途のご議論があろうかと思いますが、この制度についてはあくまでも診療目的ではなく日本の医学を学びに来ると。であれば、今回少しご検討・ご提案申し上げているのは、優れた医師の方が日本のお医者さんに教授をすると。ですから、そこのこの制度の枠組みはしっかり踏まえながら、対応する必要があると思っております。
○部会長 この論点の、いま中川委員が指摘されたところなのですが、文章通りとすれば「高度な医療技術を有する外国の医師が、その技術を日本の医師に対して教授するために来日する」ということなので、ある程度限定的ですよね。その人がどんどん手術をしてお金をもらうとか、そういうことまでは想定していないような気がするのですが、いかがでしょうか。
○中川委員 たぶん最初は厳しく運用するのでしょう。だんだんだんだん、これは緩くなりますよ。日本の医療レベルは、先生方はおわかりのようにトップクラスですよ。はっきり言って習うことは、実際に現場で見なくても、指導されながらやれば十分いけると思うのですよ。それで、あえてこういうことを書くこと自体が、私は深いところで非常に違和感を覚えますね。
○渡辺委員 中川副会長がそういう意見を言っていますが、彼の危惧も実際そういうところはあると思うのです。この運用については、やはり中川委員が言ったような、ある程度厳格な運用をすることを一応この審議会の中で担保していただくということで、いかがでしょうか。
○相澤委員 実際に修練施設として外国人の医師を受け入れている病院の立場としてお話をしますと、やはり私は受入れの審査は厳格なほうがいいと思います。厳格にしたほうがいいと思います。ただ、いまは非常に審査に時間がかかっています。私たちの所へ来るのは大体6カ月で来るのですが、6カ月が終わるころに結果が出るということで、全く役に立っておりません。これは先ほど言いましたように、アジアの医療を引っ張っていく国として、いかがなものかなということを思っております。
 一方、先ほど議論になりました、齋藤先生もおっしゃいました外国の優秀な技術を持った方が日本に来られた場合、これはどうするかと言ったのは、これに関してはもう少し厳格な基準を設けて、それ以外ができないような縛りをかけないと、皆さん方が心配しているように、どんどんどんどん拡大していって、先ほどちょっとおっしゃっていたような、日本の医師不足のために何かうまく利用されてしまうということだけは防がないといけないと思いますので、その辺だけではないかなという気がいたします。以上です。
○小島委員 基本的には私も相澤委員と同じ趣旨です。この目的は、しっかりとそこは前提に置くということで、考えるべきだと思います。それで、(3)で言っている日本での医療の指導をするための医師を呼ぶというときには、そこはどういう分野でもきっちりと個別に審査をして、対応していくことが必要だと思います。これも皆さん心配しているように、私もここは経済連携という形で、人の移動というところに安易に流されないことが必要だと思っておりますので、そういうところはきちんと厳格にすべきだと思います。
○部会長 医師等の臨床修練制度の見直しについては、審査期間の短縮、あるいは申請書の添付書類の簡素化などは進めると同時に、教授のために来日するという場合のある程度の範囲を、無制限にしないということでご異論はないと思いますので、手続を進めたいと思います。どうもありがとうございました。
 順番にいきたいと思うのですが、最初の医療計画です。まず「医療計画の概要について」、何かご意見はありませんでしょうか。横倉委員どうぞ。
○横倉委員 今日の資料に出ておりました「医療計画の見直し等に関する検討会」が先週からスタートしたということですが、その検討会とこの社会保障審議会医療部会との関係を、私どもはどのように考えておけばいいかということです。「医療計画の見直し等に関する検討会」で審議された結果を受けて、この医療部会で検討するのかどうかということで、社会保障審議会医療部会というのは、医療提供体制について総括的に審議をする場かと思っているわけです。前回、平成17年に地域医療計画が作成されたわけですが、そのときは医療部会が有床診療所のあり方などの部会の検討結果とともに、「医療計画の見直し等に関する検討会」等々の4つか5つの検討会があったということです。その検討結果を合わせて、1つの意見書として取りまとめて厚生労働大臣に出したというお話をお聞きしておりますので、この計画の見直し等に関する検討会とこの部会との位置づけ、それについて事務局の見解をお聞きしたいというのが1点です。
 それと、私も地元で過去3回、地域医療計画の作成に携わってまいりましたが、どうしても地域医療の特に連携の部分とか、そういう検討をするときには、地域の医療の代表ということで、医師会とよく協議をしたわけです。今回、検討会のメンバーを見ますと、相方といいますか、各都道府県で検討される県の行政の方がお一人お入りになるのですが、地域の医師会の代表的な方が1人お入りになられていたほうがいいのではないかと。医師会のメンバーは1人入っておりますが、病院団体等の方も入っております。特に今回、在宅医療の検討が進んでいくことになりますと、どうしても地域連携が主体になってくると思いますので、そういうことについての疑問が1つあるわけです。そういうところで、事務局のお考えをお聞きしたいと思います。
○部会長 39頁のメンバーということですね。
○横倉委員 そうです。
○部会長 事務局、お願いします。
○指導課長 まず、医療部会と医療計画見直しの検討会との役割分担ですが、こちらの医療部会では法律や省令などに関する事項については、こちらでご議論いただきたいと思います。一方で検討会では、比較的、技術的な事項になります。行政文書としては局長通知、あるいは指導課長通知になりますが、医療計画に関する指針の類については検討会で検討していただこうと思います。実は12月17日に医療計画に関する検討会第1回目を開いて、その場でも医療部会との関係のご質問がありました。そういうことで、大まかな役割分担については説明しております。ただ、検討会でいろいろな検討をして、医療部会でご検討いただくべきことが出れば、こちらにお願いすることもありますし、この場で技術的なことを検討すべしというポイントが出れば、それは検討会に投げるということも当然あろうかと思っております。
 委員の構成については、基本的に前回5年ほど前に、医療法改正につながりました見直しの検討会を行ったときのメンバーの構成に準じており、全国的な団体ということで選ばせていただいております。もちろん地域での医療連携と実情に詳しい方にも入っていただいておりますし、また必要であれば、いろいろな機会を通じて意見をお聞きしていきたいと思いますので、恐縮ですが日本医師会におかれましても、各都道府県の医師会の声などもお伝えいただければ、十分対応していきたいと思っております。
○横倉委員 大体了解ですが、もう1点。先日報道で、札幌市ですか、政令市で初めて医療計画を策定するというニュースが流れたのです。本来、地域医療計画は都道府県で計画をするということになっていたわけですが、政令市がお作りになった場合に、都道府県との関係をどのように考えておけばいいのかということについて、事務局のお考えをお聞きしておきたいのですが。
○指導課長 すみません。まだ報道があったということ程度で、詳しい情報は承知しておりません。基本的には医療計画は県単位で作るものですから、北海道で言えば北海道が全道の計画を作ることになります。一方で、札幌市についても、札幌市内の医療のあり方、医療連携なども含めて検討する必要があるという声が、関係者からあるいは市民からあって、対応を進めているということは多少承知しておりますが、それはあくまでも任意の取組みということで、法律的な対応としてはこの医療計画は都道府県のものですので、その枠内で札幌市が任意に都道府県の医療計画に合致するような形で策定されるのであれば、よろしいのではないかと思います。
○横倉委員 一応、任意の計画という理解でよろしいですね。
○小島委員 関連です。いまご説明がありましたように、医療部会としては法律改正面とか、そこを中心にという議論をされているのですが、医療計画のところは部会で議論して、厚生労働省として指針を作るということです。今後、法律面でいった場合に大きな流れとして、いま政府が出しております地域主権関連の一括法案との関係ですね。この中には、国が定めている基準・枠組みについては、今後は基本的に地域の条例に委ねるというのが含まれている。
 当然、医療計画の中でも国が定めている基準、大きなところで病床基準といったようなものをこれから条例に委ねるといった場合に、具体的に医療法、あるいは医療計画に関するものを、今後、何と何が条例に委ねられるのかということ。そして、そのときに国が決めている基準は、そのまま条例としてその基準に従う。あるいは、国が示している指針については、これを参酌基準にするといったような、3つぐらいの段階に条例に委ねられるということになっていたと思いますので、そこの基本的な考え方と、具体的な医療法あるいは医療計画にかかわるものについて、地域主権一括法との関係でどういう整理がされているのか。これは次回の部会で是非示してもらいたいと思います。
 法案も継続審議扱いになっています。どうも最後のところは与野党で協議で、地域主権というのは名前がなじまないということで、その名前を変えるということで与野党で合意がされそうだということなのです。通常国会には当然それが成立する可能性が高まってきたということもありますので、当然、地域主権改革の県条例に落とされる、その切り分けがどうなるのか。その中で、いま指摘された札幌市の地域計画、いまは任意だということですが、これがどういう扱いになるのかということも含めて、少し整理をしていただく。今後とも整理を出して、次の部会で示してもらえばと思うのです。
○企画官 実は前回、12月2日のご議論の事項の中に、「地域主権戦略大綱に関する対応」ということで、お諮りを申し上げたところです。医療計画の策定主体自体は都道府県というのは、戦略大綱の中でも特に変更はないと承知していますので、基本的に作るのは都道府県というのは従来どおりです。この地域主権関連一括法によって、条例で定めることとなるものとして、人員配置と基準病床数制度の中の病床数の補正の関係、つまり労災病院とか自衛隊病院のような、特殊な病床のカウントの仕方についての特例という、大きく2つあります。
 人員配置のほうは、基本的には医師配置、看護師配置などは従うべき基準、つまり国の定めた省令どおりに条例を制定していただく。所要数とか、ちょっと幅を持った制定の仕方を省令でしているものについては、参酌すべき基準。基本的には省令を写すのですが、個別の事情に応じて直していただいて結構だという形に委任をするという形になっています。
 基準病床数制度のほうは、前回ご議論いただいた際に、補正の幅をどうするのかというところはあるのですが、基本的には従うべき基準で、ということです。つまり、国が定めてこの範囲で基準病床数には算定しない、即ち補正という仕組みなのですが、それを必要に応じて縮小できるような形で条例委任することとしようと。ボンボン追加をしてカウントしない範囲を広げていくとなると、その分必要となった医師や看護師の引抜きが地域間で起こったりすることもあるので、そういったところではちょっと固めな形でいくのかなという形で整理していただきました。一応そういう形でご了解いただいたので、その方向に沿って一括法案は整理をしております。なので、医療計画固有の問題は、また今日この資料を基にご議論いただきたいと思います。
○渡辺委員 いま現在の地域医療計画は、言うまでもなく2008年4月から始まった5カ年計画であって、4疾病5事業を中心とした計画なのですが、率直に言って、おそらく厚生労働省ご自身も認めていると思いますが、47都道府県の医療計画はあまり充実していないといいましょうか、決して十分なものではないと思います。その原因は何か考えると、時間的な制約もあったというか、間に合わなかったこともあって、2013年から新しいのに見直すために、いま私たちも、そして先週発足した検討会が議論を始めたのです。
 2008年4月に発足する前に、ちょうど1年前、つまり2007年4月に厚生労働省は全国の都道府県の担当者を集めて、いわゆる指針を説明しているわけです。その指針は何度読み返してみても、結構良い内容だなとは思っているのですが、それがなかなか実現できていないと。なぜそういった齟齬というか、食い違いが生じるのかと思うと、例えばここの中でも、つまり2007年4月の都道府県向けの指針でも触れていますが、医療機関の機能の分化・明確化、あるいは総合的な医師確保体制といったこともきちんと触れているのですが、はっきり言って、いまいち踏み込みが足りないなという気はいたします。
 もう1点は、例えばその中でこういうことに触れていますが、医療提供体制のあり方としての方向性を明らかにしている事項については、診療報酬体系においてもこれを後押しすることも明記されているわけです。これも財源なので、今回の診療報酬改定でも少しはそういった芽はあったわけですが、財源などということもありますが、こういった診療報酬体系で医療機関の機能分化などといったことを、きちんと後押ししていなかったということも原因ではないかと思います。
 いずれにしても、今回、新たな医療計画を作る。そして、我々もそれに関与しているわけだし、先週発足したいわゆる武藤検討会も、先ほどお話があった細目というのか、具体的なことを話し合うわけでしょうから、二次医療圏のあり方も含めて、より具体的に踏み込んだ指針を作らないと、都道府県も動きようがないと思うのです。それが今回の反省だと思いますので、それを改めて強く指摘しておきたいと思います。
○部会長 貴重なご意見、ありがとうございました。
○山崎委員 本日、資料を提供させていただきましたが、「医療計画における精神疾患の位置づけに関する提案」です。1番目は「医療計画における精神疾患の位置づけ」について、その下にあるように「4疾病」に精神科の疾患が入っておりません。また「5事業」の救急医療のところで、精神科救急が若干読み込まれていますが、精神疾患の現況について少しお話いたします。
 精神疾患の患者数は、平成8年の218万人から平成20年には323万人と1.5倍に急増しており、統合失調症のほか、高齢者の認知症や勤労者世代のうつ病、発達障害など、国民に広くかかわる疾患であり、新たな対策が急務になっています。自殺者数は、平成10年以降、12年間連続して3万人と、非常に多くなっております。自殺の背景としてのうつ病の問題、そして平成20年には、うつ病の患者さんが100万人を超えているといった現状があります。現在、医療機関を受診する患者数で見ると、がん、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞といった4疾病よりも、精神疾患の患者さんの数のほうが多いということです。
 精神疾患を最近、国際的にどのように評価しているかというと、重点疾患については、死亡というアウトカムだけで評価するのではなく、重い生活障害を長期間もたらす疾患をきちんと追加したほうが良いとWHOでは提案しております。それの1つの指標として、DALYという指標がありますが、Disability Adjusted Life Year(障害調整生命年)という考え方は障害を持ちつつ暮らした時間と、死亡が早まることで失われる時間の総和でもって、精神疾患を、公衆衛生的に考えていこうという考え方です。英国では、がん、循環器、精神疾患が三大疾患としてきちんと法律で位置づけた結果、大幅に自殺率が減少しているという成果があります。
 ここで「提案」ですが、今後、増加する精神疾患患者への医療提供体制を安定的に確保するためには、一般医療と精神科医療との連携強化や地域連携を一層強化する必要があり、このためには、医療計画の4疾病5事業の疾病に精神疾患を追加して、5疾病5事業としていただきたいと思います。
 1頁にあるのは「精神疾患の患者数」で、入院患者数が33万人、外来患者数が290万人、合計して323万人です。次の資料ですが、「精神疾患外来患者の疾病別内訳」です。それで見ると、平成8年から平成20年を比較すると、うつ病の患者さん、認知症関連の患者さんが非常に増えています。3頁は「認知症外来患者数の年次推移」で、認知症関連の患者さんが現在、外来では30万人を超しているという数字があります。
 次の頁ですが、「気分障害患者数の推移」では、気分障害関連は先ほども100万人というお話をしましたが、うつ病に限ってみますと、うつ病の患者数は平成8年から12年間で3.5倍と増えております。
 5頁ですが、傷病別に医療機関にかかっている患者さんの数も、4疾病のいわゆる循環器、脳血管、がん、糖尿病の患者さんの数よりも、精神科の患者さんのほうが多いという数字があります。
 6頁ですが、最近、生涯有病率という考え方が海外で非常に注目されております。どういうことかというと、1人の国民が生まれてから死ぬまでに、精神疾患を、どのぐらいの国民が体験するかという率です。アメリカの調査では、不安障害、感情障害を含めると、実に国民の半分は生涯のうちに1回、精神症状を体験しているという統計があります。
 日本でも、東大の先生がしたデータですが、生涯有病率は24.2%でした。また、その下にあるように、自殺が11年連続して3万人を超しています。この3万人という自殺の数だけがすごく強調されていますが、自殺は、問題はお亡くなりになった患者さんもそうなのですが、それを取り巻く家族のトラウマ(PTSD)の問題を、もうちょっときちんと把握しなければいけないと思っています。というのは、朝、元気に出ていったお父さんが飛び込んで亡くなって、変わり果てた状態で帰ってくるとか、自宅の自室で首を吊っている家族の情景を見た子供とか親は、一生PTSDを背負いながら生きていかなければいけないのです。したがって、自殺は本人の問題と残された家族のカウンセリングを、どのようにしていくかを国できちんと作っていかなければいけないと思っています。
 次の次の頁、「三大疾患としての精神疾患」は、先ほどもお話したように、DALYではいちばん精神疾患が高くて、精神疾患、がん、循環器疾患という順番になっており、英国ではこの3つを三大疾患としております。国際的な精神疾患の施策として、ブレア政権下でこういうことが行われています。
 最後の頁です。これは精神疾患が単に病気であるということの他に、医療や福祉や保健サービスを受けるといった社会保障費と、その患者さんが元気だったら社会生活でどれだけの収入を得られて納税できたかという、両面で考えなければいけないということです。左側のWHOの統計でいうと、単極性うつ病、アルコール症、統合失調症、双極性感情障害が、重大疾患のうち4つの精神疾患が入っていますし、DALYでいっても、2番目のうつ病から始まり、自殺、統合失調症と3つの疾患が入るという現況にあります。
 精神疾患については、やはり国民病として、身体の健康も必要なのですが、精神の健康をきちんと国として見守っていくという体制が必要だと思って、5疾病5事業にしていただきたいと提案したいと思います。
○日野委員 山崎先生に怒られるかもわからないのですが、延々と述べられたことは、一言で言うと、要するに4疾病5事業に精神科も入れてほしいということではないかと思うのです。26頁に4疾病5事業が載っていますが、これが遅々として進まないことの原因に、我々にはどうもこのカテゴライズというのがぴったり来ないのです。「何ですか、これは」という感じで、いろいろ行政が働きかけをしても、またいい加減なことをやっているという印象を受けるのです。
 本日配られた資料の中で、60頁の福井県の「傷病者の観察」というところで、いちばん左の下です。この分類のほうは、4疾病5事業よりもはるかに、これは現実に困っていることをピックアップして上げたのでしょうけれども。この分類と、がんと糖尿病はこれは決して急性疾患ではありませんので、また別のアプローチの仕方があるだろうし、資料の分析の仕方も別になってくると思うのです。
 いちばん下ではありますが、ここに精神疾患も書かれておりますが、これは現場の医者として非常に納得のいく分類で、もし試みる時間的余裕があれば、このような分類の仕方でもって資料をまとめていただければ、我々の心にも届くと思うのです。我々の心に届かないところで、4疾病5事業という得体の知れない分類を示されても、ちょっと遠い話かなと思ってしまうところがありますという意見です。
○相澤委員 基本的な考え方をお尋ねしたいのですが、先ほど山崎さんも地域で連携しなければいけない、あるいは地域でこの計画を作らなければいけないといったときに、私は前回も言ったのですが、地域の範囲というのは何なのというところを議論しないと、これは議論が進まないのです。先ほど計画がうまくいかないという所も、当然うまくいきそうもない所があるのです。例えば先ほど二次医療圏の人口が3万という所がありました。3万でどうやって地域連携をやるのですか、病院は1個しかないのです。診療所も2つぐらいしかないのです。そこでどうやって地域連携をやるのですか。基本的に地域をどういう具合に設定するかによって、計画の作り方が違うわけですよ。
 この地域医療計画がいちばん最初に起こったのは、昭和60年なのです。昭和60年のときに、どういうことが中心であったかというと、包括医療を提供する地域で、その範囲を二次医療圏と言ったのです。当然、包括医療というのはさまざまな考え方があると思うのですが、国診協では「社会的要因を配慮しつつ、医療を継続して実践し、住民が住み慣れた場所で安心して生活できるように、そのQOL向上を目指すケア」という具合に定義しているのです。ということは、患者さんの住居に密接に関連した、その範囲なのです。ということは、おそらく3万とか5万という範囲が、包括医療の範囲なのです。
 その当時は、病院は外来に来ていた患者さん、通院していた患者さんを入院させるのが病院の入院医療だったのです。ところが、いま厚生労働省がいろいろな施策を始めて、結局、紹介型の入院をどんどん急性期病院がやるようになって、包括医療と、もう1つ広い範囲の医療圏を設定しないと、いまの日本のこの医療の計画はおそらく作れないのではないかなと私は思うのです。それをそのままの二次医療圏をずっともってきて、二次医療圏ごとに計画を作れということを言っても、これは作れる二次医療圏と作れない二次医療圏があるのは当然なのです。
 ですから、これをまず、地域をどう考えるか、二次医療圏を考えていくのか。1個でいいのか、包括医療を提供する範囲とそれとももうちょっと広い範囲、という2つを考えていかなければいけないのかということを、考えていかなければいけないのだろうと思っています。
 先ほど新潟県の話が出ましたが、新潟県は昭和60年に二次医療圏、三次医療圏の間にサブ医療圏というのを設定しているのです。ですから、おそらくああいう統合ができたと思うのですが、その二次医療圏と三次医療圏の間のサブ医療圏を設定していない所は、なかなか医療圏の統合とか廃合というのはできないのです。それがいまの日本の非常に不効率な、そして医療の質が低いなどと言ったら皆さんに怒られてしまうかもしれませんが、医療の質が十分でない医療提供を行っている1つの原因になっていて、これが医療費にも響いてくる。ひいては社会保障にも響いてくることを十分考えなければいけないということを、ちょっとお話をしておきたいと思います。
○部会長 いまの論点は、40頁に「医療計画に関する論点」がありましたが、先ほど3つ目の○の4疾病5事業の範囲について、山崎委員からご意見をいただきましたし、いまは真ん中の二次医療圏の設定のあり方についてのご意見だと思いますが、関連して何かありますでしょうか。
○横倉委員 いまの二次医療圏の問題ですが、昭和60年にこれを作ったときに、各都道府県の事情でめった切りをされた。私どもの所も11医療圏でスタートしましたが、実質は4つの2.5次医療圏でいかなければいけないという認識を私どもは持っていた。それで、4疾病5事業の連携を医療圏を超えて考えていいということになったので、実質はいまその4つの2.5次で連携を作っています。
 ですから、当初の二次医療圏は、いまある意味では病床の必要的記載事項の部分だけ残っているのかなという認識を持っているのです。ですから、今度、地域医療計画の記載をどうするかということにした場合に、そういう地域の実情に応じたところをどう加味するか。特に連携のところは相当広い範囲での連携もありますし、狭い範囲での連携もある。そういうところを十分に勘案していただきたいと思います。
 先ほどの山崎委員の精神の問題ですが、これは本当に一般医療の中でも、いま精神の問題は非常に大きく影響してきています。救急医療について、いろいろこの資料の中にもありましたが、精神疾患をお持ちの方が一般救急で入ってきて、連携をどうするかが地域でものすごく大きな問題になっておりますので、是非、精神科医療については4疾病から5疾病に増やすなり、何らかの形でしっかり書き込みを行っていただきたいと思っております。
○部会長 次回の平成25年度の新しい計画の場合に、二次医療圏の設定というのは、各都道府県で自由にできるのですよね。その辺はいかがですか。
○指導課長 現在までも二次医療圏というのは国が決めているものではなくて、各県が県の実情に応じて決めているものであり、かつ4疾病なり5事業について、先ほどご説明したとおり、基準病床数制度の二次医療圏とはまた別に設定してもよいことになっていますし、そうしている部分も若干ではありますがありますので、そこは見直しは当然できます。もちろん全体的なご議論の方向として、いまいろいろあったようなご意見を、国として、あるいは検討会でご議論いただいて、それを何らかの形で示していき、それを受けて都道府県でまた一斉に見直すということも当然あろうかと思います。
○西澤委員 いまの事務局の説明で、二次医療圏は国が一律に決めているのではなくて、都道府県で決めていいということになっていますが、果たして都道府県に本当にそのような意識があるかというと違うと。その辺りはもっと明確に情報といいましょうか、そういう意思を発信すべきだと思います。
 いまの二次医療圏が実態に合っていないということでは、18頁ですか、「規模別に見た二次医療圏(人口面積)」、人口の最大格差とか面積の最大格差はこれだけあるのです。私は北海道ですが、2つ目の○、面積の最大格差は「北海道を除く」とされています。要するに北海道は、比較するに値しないぐらい二次医療圏は問題だということの表現かと思います。そういうことでは、やはり地域のいろいろな情報を集めながら、そして国で一律決めるのではない、本当に地域にある程度権限といいましょうか、与えて、また地域が自主的に策定するということまで含めて、何らかの方法を考えていただければと思います。
○山崎委員 医療圏の問題ですが、一般医療の医療圏と精神科の医療圏が別になっています。群馬県の場合は、一般が8医療圏になっていて、精神科の医療圏は全県1区になっています。各都道府県で全県1区とそうでないという差がものすごくあります。そうすると、救急医療で、社会医療法人の認定条件の救急の認定で差ができて、社会医療法人が取りやすい県と、取りにくい県ができているという問題があります。この辺の整理をきちんとしていただかないと、不平等になるということがあります。また、精神科救急がどのようになっているかという県別の一覧表を、次回の検討会までに提出していただきたいと思います。
 また、救急医療のところで、精神科救急医療を実際やっていますが、本日の資料でも、精神科救急について全然触れられていません。精神科救急の実態について、次回のこの会に提出していただきたいと思います。
○近藤委員 医療計画の中の4疾病5事業の中の歯科、あるいは歯科医師の役割というのは、必ずしも明確でないというように我々は理解しております。今回、医療計画の策定を見直していく中で、これは39頁の「医療計画の見直し等に関する検討会」のメンバーの中に日本歯科医師会の役員も入っております。具体的な内容はそちらでお話をすることになるわけですが、総論的な話として、いま歯科医師はほとんどが個人診療所ですので、地域におけるそうした医療資源としての歯科医師、歯科医療を是非活用していただくような方法を講じていただきたい。
 これはこの検討会の中でご議論いただければと思うのですが、医科と歯科の連携が非常に重要になっているということは、前にもここでお話申し上げました。いま日本歯科医師会では、国立がん研究センターと医療連携を結び、既にスタートしています。そういうものも含めて医療計画を策定される中で医科・歯科連携の項目を追加していただくように、是非お願いを申し上げたいと思います。
○部会長 あと「医療計画に関する論点」では、基準病床数制度、この制度が医療資源の平準化に役立ってきたかという論点があると思いますが、何かご意見はありますか。よろしいでしょうか。もしなければ、次に救急医療体制にテーマを移したいと思います。
○高智委員 個別の健康保険組合を束ねております、医療保険者団体の健保連でございます。私たち健保連傘下の会員は、この12月1日現在で組合数はどんどん減っておりまして、1,458組合。その加入者総数は、被保険者・家族を含めて約3,000万という状況になっております。健康保険組合においては、これまでも患者中心の医療の推進と向き合って、日常の基幹業務と位置づけ、その中で工夫と努力を重ねながら事業展開に努めてまいりました。具体的には情報格差の克服であるとか、適切な医療情報の提供を考え、けんぽれん病院情報「ぽすぴたる!」を発信しています。
 本日の議論の対象である医療計画のあるべき姿を検討する上においても、患者中心の医療に着実に結び付いていく方向性に、住民や患者の熱い期待が集まっていることと思っております。ということで、医療サービスの提供者、医療保険者、行政当局等々の専門集団や関係者が1点を見つめ、最終的な共同ミッションが何よりも患者中心の医療の実現にあること、そして、提供される医療サービスの質の向上について全力で取り組むことだという、このコアの目標意識を改めて共有することが、非常に大切なことではないかと思っております。
 ちなみに、前回見直しプロセスを多少辿ってみますと、当時の共通認識として、住民もしくは患者の視点を重視した医療計画の見直しという大きな指針を立て、議論に臨んだ経緯があります。私たちは医療保険者として、またそれを束ねる立場として、特に医療保障制度に関係するステークホルダーの立場から、前回の見直し作業の結果が現状で具体的にどのように活かされているのか知りたいと思っております。同時に、到達度の低い事項について、できればその理由や背景事情等についても、ある程度の見える化を図っていただきたい。とりわけ47都道府県における現在の状況について、ポイントを押さえた形で、資料として次回でもこの部会に提示いただければありがたいと思っております。
 この数年、四囲の環境および状況は、頗る早いテンポで変容を遂げているのではないかと思います。とりわけ医療保険の事務的分野におけるIT化ないしはICT化が、一定の範囲ではありますが着実に進歩・発展を遂げております。したがって、これまで蓄積されたデータの有効活用という視点に立つと、例えばDPCデータはもちろんのこと、電子レセプト情報などについては情報の塊、あるいは宝の山とも言えるので、私どもとしてもその存在に着目しない手はないと考えており、今後のあり方について積極的に対応する用意ができております。
 したがって、いまも意見がありましたが、現行の4疾病5事業にしても、指標・数値目標を計画に明示して、事後評価の仕組みを設定したわけですが、PDCAサイクルの実効性が当初の目標どおりに機能しているのかを検証するとともに、その評価結果を踏まえた議論が非常に大切になっていくのではないかと考えております。
 これはメディカルドクターの先生方には理解いただける部分と、そうでないところがあるかもしれませんが、私どもとしては診療報酬は医療計画と密接不可分な形でつながっていると考えております。横串の連携プレーと議論の活性化という意味合いにおいては、中医協における議論はもとより、厚生労働省をはじめとする関係審議会、検討会などの議論の成果についても、タイムリーにこの部会の議論の中身に取り込んでいただけるよう期待したいと思います。
 こうしたプロセスを着実に踏むことにより、限りある医療資源の有効・効率的な使用に結実していくものと考えるからです。ともすれば、医療計画と医療費適正化の連関性は希薄とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、資源の枯渇が懸念されている現状、並びに保険制度の持続・安定性の確保という双方の視点に照らせば、最も今日的な政策課題の一部を形成していると、これは疑う余地は存在しないと思っております。
 おしまいに、若干視点を変えて、健保組合サイドから、都道府県レベルにおける活動の一端をご紹介したいと思います。ご承知のとおり、既存の組織としては、地方社会保険医療協議会や地域医療対策協議会などがあります。健保組合の代表も少なからず参画させていただいております。そして、前回の見直しを経て、さらに保険者協議会、地域・職域連携推進協議会も加えられた経緯があります。実際、それぞれの組織を横断的に眺めてみますと、機能的には重複して、同じ役割を果たしているのではないかという組織もあるわけですが、健保組合的な効率化した運営形態に戻したほうがよいと思っております。私たち健保組合としては、地域医療の重要な課題、あるいは問題点を深く議論し、最終的には納得のいく解決を図っていく、そういう一翼を担うことの重要性に鑑みて、従前に増して積極的に関与の度合を高めてまいりたいと思います。
 その意味で、本部会において私たち健保連の果たすべき役割は、単純に健保組合の領域だけを見渡すにとどまらず、部会に参画いただいておりません有力な医療保険者団体、あるいは個別保険者、並びにそれらの集団に属します加入者、そして患者の視点に立った、ある意味横断的な範囲ということについても可能な限り徹してまいりたいと思っているわけです。幸いこの部会には、患者の立場に立って意見を述べられる委員が出席されており、かつ制度の実施、運営面を支えていただいている同種の団体の委員もいらっしゃいます。メディカルドクターや薬剤師などの医療サービス提供サイドを担っている委員を中心とした皆様ともども、患者中心の医療の実現にご尽力いただければありがたいと思っております。期待をしまして、主に医療計画の望ましい姿に寄せる意見と併せて提示させていただく次第です。長くなって申し訳ございません。
○部会長 医療計画はいまもありますし、今後も作るとしても、一般に健康な国民が、自分の住む地域でどのような医療サービスが受けられるのかというのは、あまり分からないですよね。要するに自分とか家族が病気になって、初めて慌てて調べてわかるので、各地の医師会、あるいはいまの健保組合など、健康な人に対してどういう医療サービスがあるかということを、あらかじめ急性期から介護まで含めて、どうやって知らせるかということは大きい問題だと思いますね。
○西澤委員 基準病床数ですが、最近、都道府県において算定の見直しを行っているらしいのですが、ある情報で、いままでオーバーベッドだった所がアンダーになっている地区がかなり出てきているという噂を聞いております。事務局で、そのような情報についてはどうでしょうか。
○指導課長 まだ県からいろいろな情報を得ているという段階で、県も内部での検討という段階で、あまり表向きにお話できる情報は限られています。例えば多くの県は平成20年にこの基準病床数も見直しているかと思いますが、県によってはその4疾病5事業等の対応は平成20年にしましたけれども、基準病床数の見直しはその年にしなかった県があります。例えば来年に向けて検討している県が、兵庫県とか千葉県とかあると聞いております。
 そういった県でいろいろと計算してみますと、先ほどの病床数制度の算定式が9頁の資料の左側の囲みに、基準病床数の一般病床なり療養病床とあります。性・年齢別の人口に退院率、入院・入床需要率を掛けております。したがってどの県も高齢化しておりますので、その高齢化すると年齢層の高いほうの人口が増えて、上ぶれすると言いますか、その数字が多いほうに出て、その結果、単純に基準病床数の算定式は同じままでも、それを当てはめると多いほうになります。したがって過剰だったのが、結果的に非過剰になるということがあるのではないかという情報を得ています。ただ、具体的な数字はまだ県の中で検討中だと思います。
○西澤委員 今後この部会で基準病床数を議論するために、資料としてできれば、いまの千葉県とか兵庫県を含めまして、最近の情報がありましたら提出していただければと思います。よろしくお願いします。
○指導課長 オープンにできる段階になりましたら、ご報告したいと思います。
○部会長 次に、救急医療体制、周産期医療体制を含めてご意見を伺いたいと思います。
○大西委員 救急体制の問題ですが、79頁の論点の最初にありますように、「厳しい状況にある救急医療機関の負担を少しでも軽減する必要がある」ということです。まさに私どもの高松市の現場におきましても、救急車のタクシー利用みたいなものが非常に多くなっているということと、いわゆるコンビニ受診、またモンスターペーシェント等の問題により、かなり特に二次輪番の医療機関辺りが疲弊してきました。最近にも医療機関に対する手当て等を充実して、どうにか内科、小児科の二次輪番病院の輪番制を立て直しはできたのですが、これも多大なる医師会等のご協力があってのお陰で、やはりそういう救急医療機関の医師不足で、しかも残っている医師が疲弊をしているという現状というのをどうにかしないことには、このままいったのでは救急医療体制がきちんと組めなくなってしまうというような危機感も持っております。
 そのために、うちの市でも単独で「救急の日」などにおいて、救急車の利用について指導・啓発等も行っております。また、コンビニ受診の抑制や、あるいは特に小児の救急が最近多くなってきていますので、小児に対して、この資料にも出ておりますように、小児救急電話相談みたいなことを県とも協力しながら、24時間で充実するということもやっております。それでどうにかぎりぎりの、若干一時期の増加傾向からは治まったかという気がしていますけれども、治まったというか、横ばいだけであり、非常に厳しい状況には変わらないということです。
 是非ともこれは国のほうにお願いしたいのですが、地域でもそれぞれ取組みはやりますけれども、やはりこれは国民的な社会的な合意として、そういうことをやっていったのではどんどん救急医療体制が崩れてきて、そういうことをやっては駄目ですよというような、何かキャンペーン的なものを展開できないかというように思うわけです。例えばテレビCM辺りが私はいちばん効果があるのではないかと思いますけれども、是非ともこれまでないような、そういうキャンペーン的な対策を考えていただきたいということでご要望をしたいと思います。
○小野委員 山村過疎地域にあって救急医療を抱えているという病院ですので、そういう立場で、いまのお話にもありましたが一言だけお話をさせていただきたいと思います。いかに小さい町であっても、救急医療は維持していかなければならないというように強く認識をいたしております。その際、医師不足により、どんどん外科医の確保が困難な立場になってきますから、小さい病院が救急医療を抱えるというのは非常に困難な状況になりつつあると思います。そこで是非お願いしたいのは、医師の円滑な確保ももちろんですが、その病院の経営という面で、現在交付税措置はあるのですが、やはり救急医療を担う病院でありますので、きちんとした支援措置というものを確立していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○部会長 先ほどの二次救急病院、輪番制のデータでも救急車が1台もきていないとかいうのもかなりあります。その辺のばらつきというのはある程度評価して、行政として平準化することはできないのですか。
○指導課長 例えば救命救急センター、三次医療機関のほうですと充実の評価もやっております。基本的な要件がそもそもかなり高度な施設、人員体制の基準であり、その対応も重篤な患者に対応できるということですから、絞られていますので、やりやすいのですが、そもそも二次救急は、救急告示医療機関という消防法に基づく制度が非常に古くからあり、そのあとも厚生労働省のほうで一次、二次、三次という救急医療体制図を作って、二次という医療機関の位置づけということでやってきましたけれども、元々の要件が緩いと言いますか、あまり厳格な基準がなかったということがあるのも、非常にばらつきがあるということだろうと思います。
 そういう中で一応、行政的には救急医療機関の調査をやってはおります。当番医の数とか、先ほどの救急車の受入台数とか、その程度の情報は取っていますけれども、それ以上どの程度の実績を上げているかとか、医師以外のスタッフも含めた体制とか、いろいろな情報は必ずしも得ていないということと、二次救急の中でそういうばらつきがあるという状況で、どういう観点から評価をするとか、あるいは一定の役割がある医療機関を選んでいくなり、分類していくなりすることが可能かどうか、その辺りは課題になっておりまして、検討会なりそういった類でも指摘されております。現在、研究班では、一応病院団体にもご協力を得て、お願いをしているというところですので、具体的な評価の指標のようなものはそういった研究班で研究を進めている最中です。
○横倉委員 二次救急について、いま行政の先生方からいろいろと大事にしてほしいというご意見がありました。実は課長のお話にもありましたが、救急告示病院のあり方については、今度消防法が21年に改正になりました。各都道府県では傷病者の搬送および傷病者の受入れの実施に関する基準を策定するということで、現在11都道府県で策定が行われています。救急医療の計画を地域医療計画の中で立てるときに、そういう消防法との関係、調和が保たれるように作っていかなければいけないのではないかと思っております。そういうことで、消防法のほうは昔からあるというお話がありましたが、それぞれ地域医療との調和を是非とっていただきたいという思いがあります。
○加藤委員 論点のところに「住民の意識を高めるために」と書いてありますので、その点でちょっとだけお話させていただきます。これは東京消防庁からの情報ですが、消防車が1台出るために人件費、保険費を含めて3万円かかるそうです。したがいまして、先ほど委員からもお話がありましたが、そういうコストがかかることを住民等にある程度情報を公開して、お知らせしてあげたほうがよろしいのではないかというのが私の意見です。
 もう1点は、東京消防庁では我々と一緒になり、救急隊によるトリアージという方法をとっております。要するに救急隊が行きますが、行ったところで、救急車を利用するほどではないから私は帰りますので自分たちで行ってくださいと、こういう方法をとっていると聞いています。かなり有効であるというように聞いていますので、そのようなところも、各都道府県でお調べいただくとありがたいと思います。
○部会長 ほかに救急・周産期医療はいかがでしょうか。
○相澤委員 度々発言して申し訳ありません。救急の患者さんは何も救急車で来るばかりではなくて、ご自分で歩いて来られる方もいるし、ご自分の車で来る方もいらっしゃいます。だから救急車だけを取り上げて議論をするのはいささか違うのではないかということを、まず申し上げたいと思います。
 その中で、いま二次救急をやっている病院は疲弊をしているという具合に言われています。その原因はなぜかというと、当直をして患者さんを診ながら、次の日も働かなければいけないという状況に陥っているからです。昔はこれはどうやっていたかというと、ここにおられる先生方もそうだったと思いますが、救急を大学からアルバイトで行って診ていたという現実がありました。そこのアルバイトに来る医師が減っている、という現実があります。ですからいま二次救急は、自分のところで回すには非常に大変な状況が起こっているというのがあると思います。
 いろいろな考え方があると思うのですが、私はもっと医療機関はお互い様の考え方をもって、お互いにもうちょっと分け合えばいいと思うのです。例えば私のいる地区は、二次救急がある整形外科専門の病院は、その日は外科当番なのですが、整形外科の患者さんは診てくれるのですが、それ以外の患者さんは診てくれません。それで何をやっているかというと、私の病院がそれ以外の患者さんはすべて引き受けると。どういうことかというと、全部の外科系の患者さんが来たら困るけれども、整形だけそっちでやってくれればあとは診るよと。そういうお互いの分かち合いの精神をもっていくと、もっと救急は柔軟に、もうみんなの負担を少しだけ軽くしながらやっていくという、そういう仕組みをもっと上手に使っていったらいいと思うのです。
 だから外科系の二次救急だからといって外科系を全部診ろとか、内科系だから全部診ろというのではなくて、特意な分野だけ診てくださいと。そしてそれはこちらで担保しますよという、もうちょっと柔軟なものを作っていけたらいいのではないかなという具合に思っています。
○田中部会長代理 各論で申し訳ないですけれども、57頁にあるドクターヘリについてです。ドクターヘリは先進国ではもう少し数が多いと思うのですが、日本はようやく普及してきて、全県の半分ぐらいまでいったのでしょうか。半分以下、ちょっと下ぐらいまでいったところだと思います。ドクターヘリをそれこそタクシー代わりに使われたりしたら大変ですから、これは救急車どころではないので、当然トリアージをきちんとすることも含めて、トリアージの仕方、ヘリコプターの固定費と、1回当たりに飛ぶときの変動費をどの財源から出すかの検討もすべきだと思います。
 我が国としてドクターヘリはあまり重視しないというのなら、それはそれで結論であり得るのかもしれませんが、私はすべきだと思っていますので、する場合にはいま言った固定費、変動費をまかなう財源として果たして保険が向くのか、それとも補助金がいいのか、それとも別な県の公費がいいのかも含めて、きちんと議論をしておかないと、外国から見て、なぜ日本はこんなにドクターヘリが進んでいないのかなと思われる気がしております。
○部会長 あと、もう時間がないので簡潔にお願いできますか。
○高智委員 資料の61頁です。この資料は以前この部会で出された資料だと認識しております。日本は生まれたての赤ちゃんは非常に問題がないにもかかわらず、1歳から4歳の死亡率がこれだけ高くなっている。メキシコの3分の1の死亡率と言えば大丈夫だろうという安堵感もあるでしょうけれども、この研究班で、一定の知見を出したのでしょうか。あるいはこの記述のとおり「他の国と異なる状況にある」、それ以上の知見はないのでしょうか。これから赤ちゃんをお産みになるような方にとって、非常に憂慮すべき材料だと思います。是非お聞かせいただければありがたいと思います。
○救急・周産期医療等対策室長 具体的な死亡原因を見てまいりますと、他国と比べて特にどの疾患が多いというようなことはなかなか指摘しがたいというのが、まず全体的な状況です。そういった中で、全般的に医療水準を上げていかなければいけないというところです。具体的に私どものほうでいま推進していることとしまして、小児救命救急センターの整備を現在4か所において行っており、これは1例ですが、こういったような形で全体的な水準を上げていくことで向上を図ってきたいと考えております。
○加藤委員 周産期について、お尋ねしたいことと意見です。周産期医療体制、整備計画が提出となっていますが、聞くところによるとこれを出されている県があまり多くないというように聞いておりまして、これがどうなっているかということが1点。もしそれができているとすれば、この論点にも書いてありますけれども、どうしたらいいかというところですが、そういう県が多くなれば、周産期センターからの直接のヒアリングや、または医療機関を集めて十分に検討され、国と県を挙げていろいろご検討いただくということが必要ではなかろうかということが1点です。
 もう1点は、NICUに関して、産科ではインセンティブがあるのですが、いわゆるNICUの医師、新生児科の医師についてはインセンティブが全くないという点が、現状としてNICUの医師が少なくなっているというように考えております。
 もう1点は平成22年度から地域医療支援施策事業、いわゆる中間施設的なものだと思いますが、これができ上がってきているということです。この事業そのものをもうちょっと評価していただきたいということと、もう少し数を増やしていただきたいと。モデル的なことなのですぐには増えないとは思いますけれども、ここのところはいま数が少ないので、結局NICUをもっている病院自身が、その病院の中でこの中間施設的なことの役割をせざるを得ないような状況にあります。この事業はもっと広げていっていただかないと、あとでも出てくると思いますが、在宅医療の方向に結びついていけないので、是非国の事業として、もっと強力に打ち出していただきたいと考えております。
○救急・周産期医療等対策室長 周産期医療体制整備計画の策定は、資料70頁のほうにもありましたとおり、現在のところは4都県において計画が策定されています。残りの都道府県においても、本年度中に作成を行いたいということでスケジュールを伺っています。私どもとしても、全体の状況を確認し、相談をしながら進めていきたいと思います。
 インセンティブの話がありましたけれども、今年度から、NICUに入院しましたお子さん1人当たり一定額を補助するという取組みを行っており、それにより、症例数は出産全体に比べて限られてはおりますけれども、一定の対応を行っているところです。
 また、ご指摘いただいた中間施設についても今年度より始めた事業ですので、その成果を見ながら今後の展開を考えてまいりたいと思います。
○部会長 残りの時間で、在宅医療、終末医療についてお願いします。
○山本(信)委員 資料をすみませんがお出しください。いまいろいろな議論があり、いわゆる医療計画の中で、医療圏を作って医療を提供をするという意味で、直接関係ありますので、106頁以降に薬剤師に関する部分をお出しいただいたことについては、ありがとうございました。統計数字に近い状態ですので、現場の適応だけをお伝えをしたいと思います。
 資料1頁を開いていただくと、いま在宅において薬剤師がどんな仕事をしているかということを取りまとめてあります。処方せんに基づき調剤をするということから始まり、残薬の管理、あるいはケアマネージャー等連携・調整、あるいは医療福祉関係者への薬剤に関する教育というようなことを通じて、まずは在宅患者へ最も適した効果的で安全な薬物使用を提供しようというのが私どもの目的だと思っております。
 そうした点から、在宅医療の中で薬剤に関する問題は何かというのを拾ってみますと、当然高齢者の方が増えてまいります。そうしますと加齢により合併症やさまざまなことが起きますので、薬をたくさん使うと。あるいは重複投薬や相互作用へのリスクが増えると。しかも視覚・聴覚感覚が衰えてくる、嚥下能力も落ちるといったようなことから、通常の若人と比べてかなり入念な服薬の管理がいるだろうと思います。生理学的にもさまざまな問題が起きますので、そうした量の調整も必要になります。下にあるグラフは、薬剤師が実際に在宅にお邪魔をしたおりに見つけた問題点で、こうしたことが放置されますと折角の医療が十分に提供されません。
 一方、3頁は、具体的に訪問薬剤管理指導が、評価されておりますが、こうしたものを実施する場合はどんな形かというと、多くの場合はやはり医師の方々からどうもおかしいから行ってくれよというケースがいちばん多いと。しかしながら薬局から、たとえ窓口でした患者さんとのお話の中で、あるいは介護支援専門員の方々からどうも変だというお話があり、あるいは他の職種からの提案もあって、このような形で進むのですが、実際にはAのパターンではすぐに動けますが、B、C、Dは一度整理をした上で、処方医に相談し、かつ患者さんの了解というステップを踏まなくてはなかなか進みにくいと。しかもいくつかの問題点を抱えておりますので、こんなことが起きていると。
 具体的に私どもが担当します薬に関して言えば、そこにありますように理解不足であったり、嚥下能力であったり、身体的能力といったようなものが作用し、それぞれ対応する形が違います。例えば服薬の理解が十分でなければそのことを説明しますし、飲む能力がなければ飲めるような剤形を作りますし、身体の能力、例えば手が動かないといったようなことがあれば、飲めるような形のものにするということも、やはり私どもでしかできない仕事だと思っておりますので、その辺りもご理解を賜りたいと思います。
 もう1点、6頁になりますが、さまざまに起きている、食事、排泄、睡眠、運動がよく言われることですが、それぞれがあたかも別々に動いているように見えますけれども、例えば薬によっては食事に、あるいは排泄にあるいは睡眠、運動に極めて大きな影響をもつものもあります。そうしたものが出てくるサインというのもチェックをして、総合的に判断して、これは薬の問題なのか、そもそもの身体的な問題なのかというようなことも、薬剤師ならではの仕事だと思っております。
 病院の中の薬剤師については、医療機関の中で医師とかなりチームを組んで仕事をしておりますけれども、地域の薬局の中では、施設が違いますのでなかなか組みにくい部分もありますが、少なくとも在宅医療では麻薬であったり薬の調整であったり、あるいは相互作用のチェックであったり、あるいは先ほど申しました嚥下の問題だといったようなことが私どもとしては参加できるだろうと。一方、その前に、つまり退院の前に十分なカンファレンスを含んで、退院後の受け皿として薬局ではなしに、薬については地域の薬局が担うと。それは診療報酬でも一部評価はされておりますけれども、まだまだ十分に進んでいないということがあります。
 また、8頁の多職種の連携をどのように組むかということを、ここに一部事例を出していますので、薬剤師と看護師、そこを見ていただければと思います。合わせて、9頁のチーム医療の姿はこんな姿を考えています。
 最後に11頁の麻薬の部分で、これはがんセンター東病院で行っている事例ですが、薬剤部と保険薬局が、いわゆるスタッフによる情報共用をしているというものです。
 12頁は、私どもが参加しますといろいろなことができるわけです。非常に端的な例で言えば、飲み残し薬だけを捉えてみましても、調査によれば400億円ほどの無駄が省けるということもありますし、いわゆる在宅を担当する医師の負担も軽減できると。
 その一方で、13頁の課題としていくつかの問題がありますが、上の段につきましてはこんなことができると。ただ、十分にそうしたことが多職種なり、あるいは他の方々に周知されていない、知られていないという大きな問題でありますので、最後の頁になりますが、日本薬剤師会もそうですが、地域の薬剤師も含めて、現在このような形で、いまステップを踏みながら仕事をしていくということを考えておりますので、是非、この議論の進む中で、まずは詳細については見直しの検討会のほうで検討され、そのことはこちらのほうに報告されると。都合のいい部分だけをここで食べるのではなく、必要なことをきちんと反映した議論をしていただきたい。
 併せて、結果として出される標準にしても、施設ももちろんですが、要員の配置が可能になるような標準を出していただきたいと思います。その一方で、中医協も含めて報酬上の評価もありませんと、絵だけでなかなか物が入らないということがありますので、是非……のほうにもお願いしたいのと併せて、ここで議論を進めていただければと思います。
○齋藤(訓)委員 私の意見は2点です。本日ペーパーを出しておりますけれども、1つは冒頭、渡辺委員からもありましたように、医療計画の策定については、若干具体性が足りないと考えております。そこで私どもとしましては、次期の策定の際に、在宅の看取り率というものを具体的に入れていただきたいと考えています。それはなぜかと言いますと、1つは参考資料の1の3頁にありますように、4疾病5事業以外のもので何が記載されているかということの一覧がありますが、在宅医療のところは40県で記載されているという状況ですが、終末期に関してはたった1県のみです。具体的に何が書かれているかと申しますと、資料の中にもありますように、千差万別と言ったような状況かと思います。
 これからたくさんの方々がたくさん死んでいく時代になります。多死時代がやってきます。資料で年間160万人が死んでいく時代にあって、終末期の最後の場所は自宅で、そして訪問看護や訪問診療があればなんとか頑張れるのではないかという、そういう期待の声も上がっておりますので、是非、次期の医療計画の策定の際には、在宅看取り率というものを各都道府県で目標を設置していただいて、そのための指標としては、訪問看護で働く従事者数を上げていただければと考えております。これは諸外国の例では、日本の在宅看取り率は13.4%ですが、諸外国ではかなり在宅で看取っている方々が多いのですが、訪問看護の従事者数が多ければ多いほど在宅看取は進むというのはデータで明らかですので、是非そのことは進めていただきたいと考えています。
 それからもう1つは、在宅療養を可能にしていくことのためには、やはり訪問看護の整備は大変大事ですけれども、本日の資料にありますように、非常に伸び悩んでいるというのが実態です。ですので、いきなりステーションを作ってくれ、それもやりたい人にやってくれということでは、もう整備は間に合わないと考えておりますので、次の策定の際には、事業所数の整備、従事者数の整備を指標とした看取り率を設置をしていただいて、計画的に整備をしていくということが大事だと考えています。
 いま訪問看護をいろいろ発展していくためには、いろいろな支援が実はあります。ただ、訪問看護のサービスを時間で見ていきますと、1件の訪問で大体、滞在時間が65分程度ですが、そのほかにかかる、例えば事務、あるいは連絡調整等々にかかっている時間帯が58分と出ております。ここのところの効率化をしていかないと、なかなか人が増えないという中で、訪問看護を必要としている方々にサービスが届けられない、しかしながら保険料は払っているというような実態がありますので、こちらの意見書に書いてありますように、IT化の促進、サテライト事業所の活用、それと常に衛生材料等が不足なく供給できる体制の整備を、是非お願いしたいというように考えています。
 それから、小児の在宅医療のことも触れておかなければいけないと思うのです。この資料にもありましたように、なぜ子どもたちがICUにずっと長期間でいなければいけない状況になっているのかと言いますと、なかなかお母さんたちの不安が取れないということもありますが、やはり在宅のサービスが不足しているのだと思います。特にショートステイは少しずつ充実をされてきておりますけれども、自立支援法の中であったり、介護保険法であったりというところで少しずつ子どもへの在宅の支援があるような状況ですが、なかなか利用しきっている状況ではないということと、やはり根本的に在宅での子どもへのサービスが非常に不足をしているということがあります。ですので、いろいろな制度を超えて、障害をもった子どもたちが長期間、親の負担も軽減しつつ療育できるような環境の整備をしていくべきだと考えています。
○近藤委員 本日の資料の100頁以下、事務局で在宅歯科診療の資料を用意していただいて、ありがとうございました。ご承知のように、歯科における「8020運動」は20年を経過し、既に80歳で20本以上歯が残っているという方が20%を超えたという状況になっています。今回発表された国民健康・栄養調査の結果によりますと、75歳から84歳で8020達成者は26.8%に達しています。歯石除去や歯科健診の受診者も増加しています。厚生労働省からは国民の歯の健康に関する感心が高まっているとのコメントもあります。
 本日、私が提出した4頁の資料を簡単にご説明いたします。「要介護者の口腔状態と歯科治療の必要性」という資料です。2002年の厚労科研の調査によりますと、施設等で何らかの歯科治療が必要だという要介護高齢者が9割を超えているという状況です。しかし一方で、歯科を受診した要介護者は約27%しかおらず、歯科医療の需要に対して歯科医療の提供が十分とは言えないという実態が明らかになっています。
 次の頁、2枚目ですが、平成20年度の診療報酬改定において、在宅または社会福祉施設等における療養を歯科医療面から支援する体制として、「在宅療養支援歯科診療所」というものが設置をされました。1年後の平成21年の調査では、在宅療養支援歯科診療所の届出数は3,700件、全歯科診療所数から見ますと5.5%。都道府県の届出割合にも大きな差ができております。
 3頁は、日本歯科総合研究機構において、平成21年9月に在宅療養支援歯科診療所の実態を調査した結果です。調査期間中に在宅歯科医療を実施していない歯科診療所が、20.9%ありました。その20.9%のうちの大部分の95%程度が、在宅歯科医療の依頼がないというものでした。
 最後の頁です。在宅療養支援歯科診療所への在宅歯科医療の依頼元として、最も多かったのは介護施設でした。在宅患者を最も多く診ているであろう、医科の診療所、また訪問看護ステーションからは、極めて少ないという結果が出ております。こうしたことから、日本歯科医師会におきまして、在宅医療における多職種の連携、それから病院等におけるチーム医療の中で、その中心にいるのは患者さんであり、その患者さんにどういう歯科医療が提供できるかという観点から検討しております。歯科疾患をもっている要介護者に対して、歯科診療所からの医療提供体制が現在不十分であり、歯科医療側の体制を整えるとともに、医科、介護、歯科の連携を迅速に推進することが喫緊の課題だということで、歯科医師会内部におきましてもいま検討を進めているという状況であります。
○部会長 まだまだご発言もあるかと思いますけれども、時間を過ぎましたので、今日はこれまでとさせていただきます。事務局からの連絡をお願いします。
○企画官 次回、年明け以降の部会は、ただいま日程調整をさせていただいている途中ですので、詳細につきましては、また決定次第ご連絡を差し上げたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○部会長 それでは本日はこれまでとさせていただきます。お忙しいところ、長時間ありがとうございました。


(了)
<照会先>

医政局総務課

企画法令係: 2519

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