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2011年2月2日 第186回中央社会保険医療協議会総会議事録

○日時

平成23年2月2日(水)10:00〜13:38


○場所

厚生労働省講堂(2階)


○出席者

遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 関原健夫委員
白石小百合委員
小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員
北村光一委員 田中伸一委員 伊藤文郎委員
安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員
邉見公雄委員(代理 原澤) 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員
北村善明専門委員 坂本すが専門委員 住友雅人専門委員
<ヒアリング出席者>
川島孝一郎(仙台往診クリニック院長)
秋山正子((株)ケアーズ白十字訪問看護ステーション代表取締役・総括所長)
秋山弘子(東京大学高齢社会総合研究機構特任教授)
<事務局>
唐澤審議官 鈴木医療課長 迫井医療課企画官 屋敷保険医療企画調査室長
吉田薬剤管理官 鳥山歯科医療管理官 他

○議題

○ 有識者からのヒアリング
  ・ 川島孝一郎(仙台往診クリニック院長)
  ・ 秋山正子((株)ケアーズ白十字訪問看護ステーション代表取締役・総括所長)
  ・ 秋山弘子(東京大学高齢社会総合研究機構特任教授)
○ 医療と介護の連携(その3:リハビリテーション、退院調整)
○ 最近の医療費の動向(22年4月〜9月)
○ その他

○議事

○遠藤会長
 それでは定刻になりましたので、ただいまより、第186回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。
 まず、委員の出欠状況でございますが、本日は森田委員、藤原専門委員がご欠席です。また、邉見委員の代理で全国公私病院連盟の原澤茂さんがおみえになっておられます。なお、保険局長は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。
 それでは議事に移らせていただきます。前回の総会で嘉山委員から、今回の同時改訂に向けて、関連領域の有識者の方からのヒアリングをしたらどうかという、このような御提案がありまして、検討させていただいた結果、極めて重要だと判断いたしましたので、本日は有識者の方からのヒアリングを行いたいと考えております。
 本日御報告いただきますのは次のお三方でいらっしゃいます。お一人目が、仙台往診クリニック院長の川島孝一郎先生でらっしゃいます。次が、ケアーズ白十字訪問看護ステーション代表取締役総括所長の秋山正子先生でいらっしゃいます。お三方目が、東京大学高齢社会総合研究機構特任教授の秋山弘子先生でいらっしゃいます。
 審議の進め方でございますけれども、まず、お一人15分〜20分くらいを目途にお話をいただきまして、お三方のお話を聞いたあとで、まとめて質疑に移りたいと考えております。
 それではまず、川島先生からお願いしたいと思います。
 川島先生、よろしくお願いいたします。

○川島氏
 かしこまりました。
 川島でございます。時間が限られておりますので、早めにお話したいと思います。
 私のものは、中央社会保険医療協議会在宅医療・介護ヒアリングという、最初のページがそれになっているものでございます。右端の隅のほうに1枚ずつの数が書いてありますので、あとで必要な場合はこの枚数でこのスライドであるというふうに表示します。
 まず一番最初から申し上げます。この頃、喫緊の課題がいろいろ出てきておりますが、最も問題なのはやはり人口構成比でございまして、これから高齢化・少子化ということで、老化現象自体が治らない。ですので、治らない状態が増加し、それが継続するという日本になってくる。そうしますと、治らなくてもより良く生きられるような支援策と説明が必要になってきています。国民の希望は、これはいろいろなところで調査・研究をやっておりますけれども、6割〜8割は家で生活して最期を迎えたいというニーズがある。そうすると、そのニーズに応えるようなサプライが必要になってきて、そこに医療や介護や福祉の一体的な提供が必要になってくるということでございます。
 そこで重要なことが、在宅で行う医療につきましては、これは診療所の機能ではなくて実は病棟機能であるということを皆様が御存じないということがございますので、これについてお話させていただきたいと思います。それから、お家で暮らして最期を迎えるということであれば24時間対応ということが非常に重要なファクターであるということです。そして最後に、在宅医療と介護の費用につきまして簡単にお話させていただきます。
 次、2枚目のスライドに移ります。介護保険が平成12年に始まりましたけれども、平成14年から21年までに日本人の平均寿命、平均余命・健康余命・障害期間と書いてありますが、平均余命は当然、確実に増えておりまして世界1位。更に、健康余命も確かに増えております。男性、女性の肌色のところが健康余命でございます。寿命が延びて健康でいられるのは良かったなと思ったら、実はそれどころではない。障害期間、つまり障害を持ちながら生きていかなければならない期間の増加率はその倍以上になっている。男性で倍以上。女性ではなんと、75歳のところを見ていただくと、平均余命は2%延びているのもかかわらず健康な余命はほとんど増加せずに、障害期間、障害を持ちながら生き延びるというように、これから様変わりしてくる世の中でございます。
 次のページを見てください。よく言われるのは、いつまでも元気で大往生。いつまでも健康で大往生、あるいはピンピンコロリという考え方が日本には蔓延しておりますが、実はそうはならないのだということを大前提にしていかないといけない。ここを間違えますと、いつまでも元気でと言って治そうとするわけです。しかし、治らないものが続出してくる。そうすると、五体不満足でも元気に生活できるようにしていかなくてはいけないというふうに、構造が様変わりしていくわけでございます。
 ここに示しますのは、日本国民の生活所要別のエネルギー所要量。つまり1日に必要なカロリーです。最終的には人が亡くなくなるというのは、カロリーがゼロになるわけです。ですので、20歳〜15歳くらいのところを見ていただければピークがあって、2,500カロリー消費するわけでございますが、これが次第に衰えてくる。そして更に、健康である期間よりも障害を持ちながら衰える期間のほうがどんどん増大してくるということでございますので、そこの青枠にあるように障害期間・要介護が増加して、そして緩やかに最期を迎える。
 これが日本人の9割以上に達します。急死率はわずか5%くらいでございますので、ピンピンコロリと亡くなるのではない。そうすると、それが困ったことではなくて、そのようにでも生きられるような日本を作っていかなくてはならない。ということで、当然、治す医療は重要でございますが、それとともに支える医療が急務である。
 ところが在宅医療や介護の説明と支援が不十分だという問題がございます。4枚目を見てください。退院後、在宅医療ができない理由や不安を御本人や御家族に聴いておりますが、介護の面と医療の面でとても心配で家に帰れないということでございます。しかし、問題なのは家族や本人がそう言っていることではなくて、そのように言わせてしまっている、つまりちゃんと医療ができ、介護ができるという説明が十分に行われていない。ここが問題なわけです。
 何故なら、そういう医療や介護の説明を我々医療従事者が十分に教育されていないという現場の問題がございます。5枚目を見てください。日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団の調査でございまして、一番上のバーを見ていただければ分かりますけれども、がんの方の全体で83%は自宅を希望する。ところが、63.3%が実現は難しいと思っているという現状がございます。つまり、家に帰れて、そして家で最期まで暮らせるという在宅支援の説明がないと帰れないと勘違いしてしまう。だから大事なのはどのようにちゃんと支援できる制度や医療や看護、その他、歯科、薬剤も含めた総合的な支援策があるのだという説明をするかどうかに係っているということです。
 説明がされない実態が6番にございます。6枚目を見てください。これは臨床研修指定病院に調査をかけておりますけれども、向かって左側を見ていただきますと、主治医が在宅医療について、73%が実は分かっていないで帰しているということですね。そうすると怖くて帰れないということになり、帰らないという話になりまして、結果として在宅適用となる退院患者がどこに帰るかというのが右側の円グラフでございます。実に在宅適用となる退院患者の半数は帰宅できないで転院してしまう。これが、病院のベッドが空かない理由の一つになるわけでございます。更に、通院させたあとで、在宅で何か問題があるとすぐに来なさいということになります。ですので、救急搬送率が高まり、そしてまた病院に帰ってしまうということで、最大値でこの二つで病院死が70%になってしまうということになるわけです。
 次に7枚目のスライドに移ります。実際に病院と在宅双方のメリット、デメリットが分かる人達がおります。それは既に在宅で医療を受けている方々で、在宅酸素、医療栄養、人工呼吸器、中心静脈等の処置を受けている方々です。この方々は、実は昔は病院で暮らしていた。そして今は在宅で暮らしている。つまり両方のメリット、デメリットが分かる人達です。この方々に訊きますと6割〜8割の方々は生の終わりを迎える理想の場所は居宅であるというふうに、つまり説明がなされると、このような割合になってくるということでございます。
 では実際に在宅でどのようなことができるかということが8枚目のスライドでございます。青で書いてあるのができる検査、それから赤で書いてあるのができる治療でございます。そして、私のところの往診クリニックは仙台市内のいろいろな病院と遜色なくいろいろな方を看ております。参考にしてください。
 それから、9枚目、10枚目、11枚目、12枚目は24時間対応がいかに重要かということを示しております。救急搬送が去年は500万回行われて、救急出動そして救急搬送されている人員が460万人。実は、在宅療養支援診療所による往診件数は青で囲まれているように58万回。更にその中の夜間の往診件数は22万回。つまりこれがなければ更に救急搬送される人間が増えていたはずでございます。逆に言ってみれば、在宅医療が進展することで救急搬送人数は減ってくる、搬送率が低くなるということでございます。
 10枚目は24時間対応することによって、このように看取ることができるということでございます。
 11枚目。ホスピス緩和ケアと24時間の在宅療養支援診療所の関係でございます。すでに日本には193施設、3,766床の緩和ケア病棟がございますが、在宅は実はそれよりもがんの方を看取っているという実績がございます。それを実数であらわしますと、すでに5,000床近い機能を在宅が持っている。
 12枚目を見ていただくと、24時間対応体制をとる前の、在宅寝たきり老人総合診療料や在宅時医学管理料を取っていた平成17年までは在宅の看取りがどんどん減ってきておりましたが、在宅療養支援診療所、そして往診体制ができてからは在宅の死亡率が増えてきている。つまり24時間往診するということが必須のことなのだということをご理解いただきたい。13ページ目を見ていただくと、そういうことで、病院で長期入院のベッドを在宅に戻すということによって更に病院の機能が活性化していくということになります。
 では、介護の連携を一枚のスライドで示します。14枚目を見ていただくと、これはALSという特殊な人工呼吸器をつける疾患の方ですが、この女性の方は独居で暮らしております。独居でも全身麻痺・呼吸器・胃瘻でも暮らす制度を、すでに厚生労働省は作り上げているのでございますが、それをうまく使うということに気づいていない。つまり説明と支援策の提示を十分にできる人材に欠けているということがございます。ですので、制度が足りないわけではなくて、そういう制度をうまく使う方法ができていないというのが問題でございます。
 15枚目を見ていただきたいと思います。医療に関して言えば、外来診療所、病院、在宅療養支援診療所の3つの医療を三分化することによって、それぞれの持ち味が活かせて、それぞれにうまく連携・紹介をすることによって円滑な医療ができる。在宅医療というのはそういう意味では医療の潤滑油になるものだと考えてください。
 実際には在宅療養支援診療所は、16枚目に書いてあるように、12,500ケ所ほどございます。行政立ですでに作っているところもございます。夕張市や留萌市です。医師会などでやっているのが長崎市の在宅ドクターネット。在宅療養支援病院は356施設ございます。このように、すでに政策医療として行っている市町村もあるわけで、これからどんどん死亡者数が増える、人口の高齢化が進むということで、政策医療として考えていかなければならない面もある。
 17枚目を見てください。うちでやっている連携事業でございます。歯科や訪問調剤も積極的に在宅に行ってくれるという世の中になっております。18目を見てください。よく、医療費と介護費を足したら在宅医療のほうが高くなるのではないかという御質問がございますが、要介護度5、4、3、2、1。どれも見ても、一般の入院よりも安価になるということでございます。医療の質を変えないで生活可能でありながら、この費用が捻出できるということを御確認ください。
 19枚目を見てください。国民の医療費全体の、医科の医療費のうち在宅は実際にはたった2.5%でございます。更に訪問して行う診療、そして看取れる機能というのは、医科の総医療費のうちたった0.6%で、非常に効率が良いということを分かっていただきたいと思います。20枚目を見てください。そういうことで、病院機能を活性化させるためには在宅医療を行って行くということで、どこでも病棟の機能が維持されるということになります。
 最期のスライドでございます。拠点の在宅医療の支援病院、支援診療所、そして支援歯科診療所等を軸にしながら、いろいろな地域の事業所と連携していくというスピードが大事だということです。大事なのはこれからの高齢化のスピードにどれだけこういうふうな医療の三分化・医療の構造改革を合わせていけるかという、そこに尽きると思いますので、皆様でご討議いただきたいと思います。
 どうもありがとうございます。

○遠藤会長
 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして秋山正子先生にお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。

○秋山(正)氏
 このような場にお招きいただきまして、訪問看護をこういう場でお話しするのは始めてということですので、本当に感謝を申し上げながら、15分という時間は短いですので、資料を基にお話をさせていただきます。
 お手元に、レジュメとともに「〜在宅医療を始める方へ〜訪問介護活用ガイド」という冊子がいっていると思いますので、そこも少し参照していただきながらお話したいと思います。
 最初のページは私が20年近くやってきました中で、本当にいのちに寄り添うケアを生活の場に届けたいという思いと、訪問看護に興味を持ってくれる人を増やしたい、そういう思いでこれまでやってきました。当ステーションの概要は次のページの上にありますが、今現在160名の方を1,000回弱、延件数で行っております。訪問看護師が10以上のところが全国平均だと5%ですので、少し大型のステーションです。
 そして、医療・介護度別の利用人数と医療保険を利用している方の割合をその下に述べております。私たちは、医療保険とかがんの方とか難病の方を伺っていますけれども、医療に特化しているわけではないので、介護保険の方も、このように訪問させていただいております。
 次のスライドですが、小児から超高齢者まで非常に幅広い対象者のところに伺います。これは、80代の認知症の方のところを訪問しましたら、その孫嫁さんがどうも毎日病院に通っている。どうしたのかと訊きますと、ひ孫さんが長期入院している。そこで病院に働きかけてそのお子さんが退院することができ、ひおばあちゃんのところには介護保険で、お子さんのところには医療保険で訪問を続け、このひおばあちゃんをお家で見送ったという事例を示しています。つまり、家族の健康問題に関わり、潜在的ニーズを引き出し適切な医療に繋げ、悪化を予防する。そして穏やかな看取りを支援。こういうことも実際に行われているということです。
 次に、難病、精神疾患と対象が非常に拡大しております。介護保険による高齢者への訪問看護提供としては中重度のところへということが主にはなってきていますが、決してそれだけではなく、医療保険の方への訪問看護も行われておりますし、精神疾患の方へ退院促進が図られておりますので、そういう方への訪問もニーズとしてたくさんあるいう状態です。
 次に、訪問看護にとって介護保険10年は何だったのかというお話をさせていただきます。当初は、介護保険の前は老人保健法の改正で生まれた制度ですので、寝たきり老人の介護に重点を置いた看護とリハビリテーションというところが目的でした。非常に緩やかな在宅での生活を支えるということでしたが、難病と小児、精神等々と医療保険でも非常に幅が広くなり、自立支援との併用もあって、制度的に複雑な状態です。その下に中重度に対する訪問看護として、使い控えがちょっと介護保険で起こっている状態で、なお且つ医療処置が入るようになってから呼ばれる。もう少し予防的な視点はないだろうかというあたりです。
 この「訪問看護活用ガイド」の16ページのところには使い方の流れと、それから医療保険に変わるときの特別指示というのがページの63に載っています。そういうことをうまく組み合わせながらいかないといけないのですが、なかなかそれがうまくいっていないという状況かなと思います。
 それから、「訪問看護活用ガイド」の21ページのところでは、中重度の方への療養通所介護というのが介護保険のほうで取上げられていますが、実際のところ、それにエントリーする機関がなかなか少なく、なお且つ現実的には、医療保険適用なのだけれども医療保険では適用できないので自費を頂きながら、小児、神経難病、気管切開、人工呼吸器の方を療養通所介護で引き受けているという、この辺の見直しを行っていただければというのが現状です。
 それから、回数は多くなったのに収入減ということなのですが、これは介護保険のところです。90分が少なくなり、60分、30分が多くなっております。実際、介護保険の給付費自体は全体の中では訪問看護は2%と言われていて、わずかな枠の中なのですが、それでも使い控えが起こっているという現状は非常に難しいかなと思っています。
 次のページですが、「訪問看護の事業所運営」として地域格差がかなり見られておりまして、訪問までの交通手段・時間に影響を受けます。効率よく回りたいけれども、それぞれのケアプランに位置づけられた曜日や時間に偏りが生じ、なかなか効率よく回れないという状況で、なお且つ人材活用の面ではとても難しく、それが最大の課題となっております。それと、「固定費の捻出が難しい事業所」として、6〜7割が人件費に取られます。それは当然なのですが、それほかの固定費の捻出が難しく、なかなかこの辺の工夫が各地域で苦労しているというところではないでしょうか。
 それから次のページです。「訪問看護の現状と課題」というところなのですが、介護保険なりケアプランに位置づけられた介護サービスの一環となった結果、この使い控えが起こっているということと、緊急体制を取ることで「安心」の保証をしていますが、それに対するマンパワーの確保が困難な事業所が多く、8割方は24時間の緊急体制をとっておりますが、あとの2割はまだまだそこはとれないという状況で、先ほど説明をしていただいた川島先生のように在宅支援診療所としっかりタッグを組んで働きたいのですが、人手の問題でなかなかその協力ができないというところもございます。
 それから、予防的にかかわることで入院を回避し、穏やかな過程を辿ることが十分に理解されていないところがあります。その下の図は、これからは多様な看取りの場というか、在宅だけではなく、そういうところに医療が外付けで入っていくことで穏やかな看取りを支援することが可能だと言われておりますが、なかなかそれも理解されていなくて難しいということがあります。
 次のところ川島先生がしっかりお話してくださいましたので少し省略しますが、このEnd of life careをどうするかというのは本当に課題になってきているのではないかなと思います。イギリスでは2008年、End of life strategiesとして、政策として取り組まれています。超高齢者の穏やかな在宅死を支えるには、特に慢性心不全、慢性呼吸不全、慢性腎不全の患者の多くは病院で今亡くなっています。いつまでも治す医療だけで良いのだろうか。支える医療へということで、納得して見送れ、家族にも悔いが残らない、日頃からの、かかりつけ医との連携の下で様々な方々とチームを組んでこれを支援していきたいと思っているのが訪問看護です。
 急性期医療が重介護状態を作り出しているという、ちょっとセンセーショナルに17番のところに書いてしまいましたけれども、高齢者が入院しますと廃用症候群が発症し運ばれた後かなり重度になって結局、家に戻れないという状況が作られていくという現状があります。できるだけ緊急入院しない地域を作るにはどうしたらよいかということが課題ではないでしょうか。後期高齢者を支え、看取るには様々な方々と連携をしながらレスパイトケアができる、家族が休憩もできる、そういう施設との連携も含めて、これから地域の医療・福祉の共同体制を作って行く必要があると思います。
 次をお願いします。在宅医療と在宅療養の言葉の違いをここに示させていただきました。在宅医療は医療者主体、在宅療養というのは本人主体の考え方です。それを支えるネットワークとしては、20番、たくさんの方々と連携を組むということです。次のところは、訪問看護サービスを受けるまでの流れとして、医療保険、介護保険両方から対応できるという図を示させていただきました。具体的な例として、長期入院を余儀なくされた80代女性の退院調整とその後のケアとして、こういう6ヶ月入院していた方を、次のページ、退院時に連携した機関が様々あります。
 こういう機関と連携をとりながら、実を言いますと長期内服薬をして、それを減らせないで帰ってきた状態に、入院中様々な症状が出ていましたが、それを、次のページ、25番目を見ていただきますと、在宅でこのプレドニンをこのように下げてきて、リハビリを強化した結果、25ヶ月後、2年近く経っていますが、トイレに一人で歩行し、要介護5から要介護3まで状態が軽快しております。つまり入院中に起こっていた様々な問題を、下、皮下出血のところから下まで解消した。その後約2年間在宅で暮らしまして、最期は間質性肺炎の増悪で、自宅で看取りを行っております。
 27番目のスライドですが、在宅継続した要因をそこに挙げさせております。実を言いますとこの方、ご主人を自宅でパーキンソンの末期で、自宅看取りをしておりまして、先ほど川島先生が示されたように、経験をした人は在宅を選ぶというか、そういうことがこの例でも分かるかなと思います。このように急性期病院ともスムーズに連携強化することで、介護の重度化を防ぐ、そういう効果もあると思います。ですので、急性期病院からの退院時には在宅ケアチームへのスムーズな情報の伝達や共有がなされ、退院直後の介護力強化を図り、再入院を避けられるような体制作りが必要ではないかなと思います。
 そこで、29番枚目のところですが、診療報酬上の問題がありまして、退院時の調整加算が手厚くなっているのは歓迎。随分と報酬強化をしていただきました。ただ、介護保険の場合は退院時の加算がケアマネージャーだけに付いていて、訪問看護には付いておりません。退院前後の調整や、退院直後の期間の不安定さ(回数・内容の変更)を見越した対応には医療保険対応で自由度を増すほうが再入院を避ける事にもつながると思われます。ここを是非検討の一案としていただきたいと思います。それから看取りに関して、最後の2〜3週間は医療でという、個々も検討していただきたいと思います。
 訪問看護を使ってくれる人がいない。訪問看護のなり手がいないと、無いないづくしのボヤキをついつい仲間内でしてしましますが、これからは、訪問看護の可視化、様々なところへの情報発信をしていかないと増えていかないと思っております。次に31〜35に関しては新宿区での行政への働きかけについて述べさせていただいております。それは訪問看護活用ガイドで52、53、54と詳しく述べておりますので、是非読んでいただければと思います。
 特に目玉は急性期病院の看護師が地域の訪問看護ステーションで在宅の実習をしているということです。在宅を一度見てもらった看護師達は急性期の病院の中で、退院調整を積極的に行えるようになりました。また、在宅にも興味を持っていただくということにもつながっております。それは訪問看護師を増やす工夫にもつながり、37枚目です。臨床研修制度の努力義務化の中で必ず在宅での訪問看護の研修を入れるということも検討していただき、新人からの教育の可能性を探り、実践しているところもございます。また、看護教育での教育体制の整備。潜在看護師の掘り起こし時、必ず在宅での実習を組み込む。ワークライフバランスを踏まえ、多様な勤務体制を可能にし、より多くの看護師達がこの在宅の分野に活躍できるように工夫していきたいと思っております。
 「看取り可能な町」には訪問看護の充実からということで、非常に僻地であります北海道のある市区町村で、訪問看護が少なく閉鎖しようと思ったところに、看取りをしたことで訪問看護の利用が増え、そして乳幼児健診に来たお母さんたちに声を掛けることで訪問看護師を増やし、そこの定着を図ったという事例もございます。都市だから看護師が集まる。地方だからないということではない。こういう工夫をしながら、是非訪問看護師の確保対策も強化をお願いしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。

○遠藤会長
 どうもありがとうございました。
 それでは引き続きまして、秋山弘子先生、お願いいたします。

○秋山(弘)氏
 川島先生と秋山正子さんが医療提供者の立場からお話いただきましたけれども、私は専門が社会心理学でございまして、一貫して生活者としての高齢者の立場から、人生90年時代と言われます長寿社会の在り方について研究をしてまいりました。そういう立場から発言をさせていただきたいと思います。
 お手元にあります、「人生90年時代の医療」という資料でございます。はじめは背景でありまして、これは良くご存知のことかと思いますけれども、一応長寿社会の医療の在り方について少し共通認識をするということで、復習をさせていただきたいと思います。
 はじめのグラフは人口問題研究所から出たグラフでございます。真ん中の2030年、これはこれからほんの20年先の日本の人口の年齢構成図でございます。2005年と比べますといわゆる前期高齢者といわれる65歳〜74歳の人口はあまり変わらないのですが、一番上の75歳以上人口が1,000万人増えて倍になります。2030年には全人口の2割が75歳以上であるという超高齢社会になるわけです。
 このグラフを国際学会で見せますと会場にどよめきが起きます。本当なのか、日本はどうするのだという、驚きと同時に、自分たちのところも日本に遅れて、10年20年遅れて同じことが起こる。ということで、日本が高齢者人口の高齢化にどのように対応していくのか、特に医療はどうするかいうことに世界が非常に注目しております。
 2枚目でございますが、ではどこで人口が増加するのかと言いますと、これは2005年と2025年の65歳以上の人口数を県別に示した図でございますが、肌色の部分が大きい、つまり高齢者が急増するのは都市部でございまして、首都圏、東京、大阪、あるいはその周りですね。また、地方でも、これから人口が高齢化するのは県庁所在地のような中核都市でございます。
 長い間、高齢化問題は農村部の問題だと言われておりましたが、1960年〜70年の高度経済成長のときに地方から都市部に移住した若
い人たちが定年になる。ということで、これからは都市部で高齢者が急増します。中国やインドのような国では、今はまだ高齢化問題は農村部の問題ですが、そう遠くない将来、全く同じ状況が起きるということでございます。
 2030年の段階では高齢者人口の約10%が認知症を持っている。そして、4割の人が一人暮らしをしていると予測されております。80代、90代の一人暮らしがごく一般的になるということですね。現在の社会のインフラは、住宅、医療制度、交通機関も含めて、全て、人口がピラミッド型をしていた、若い人たちが多かった時代にできたインフラでございまして、全人口の三分の一が65歳以上、2割が75歳以上、そして多くの人たちが一人暮らしをしているという、超高齢社会のニーズにはとても対応できません。
 もう一つデータをお示しします。これは私が医学、経済学、社会学の方達と学際的なチームで1987年から20数年にわたって行っております、全国高齢者生活調査でございます。加齢に伴う高齢者の生活の変化に関する科学的データの蓄積が目的でやってまいりました。1987年に北海道から沖縄まで、全国の住民基本台帳の60歳以上の方から無作為に抽出いたしまして、第1回目の調査をいたしました。
 専門の調査員を送ってお宅で約1時間の面接調査をしております。6,000人弱の方に対して3年毎に基本的に同じ質問をして、歳をとるにしたがって生活がどう変わるか調査したものでございます。特に、生活の重要な領域である身体と心の健康。そして資産や収入のような経済状態。家族関係、友人関係、近隣とのお付き合いような社会関係の変化を追跡しております。膨大なデータでございます。
 その中の一つの分析結果ですが、健康の指標の中にADLとIADL。日本語では基本的日常生活動作と手段的日常生活動作というふうに訳されていると思います。、ご存知のように、ADLはお風呂に入るとか階段を2,3段のぼるとかいう普通の生活の動作が人や杖のような道具の助けなしでできるかどうかを尋ねます。IADLのほうは一人でバスや電車に乗って出かけるとか、日常品を買い物に行くことを一人でできるかどうか尋ねます。
 それを得点化いたしまして、両方ともできる人に3点、これは自立して一人暮らしができる状態です。2点はお風呂に入り、階段を2、3段上がるという基礎動作はできるけれども、電車やバスに乗って出かけるという、手段的動作はちょっと助けが必要だ。1点は両方とも助けが必要で、0が死亡と得点化して分析いたしました。
 横軸が年齢でございます。60歳から3年ごとに同じ人に同じ質問を訊いております。自立度はどのように変化するのか、皆ほぼ同じように変化するのか、いくつかパターンがあるのか分析した結果でございます。御覧いただきますと男性では2割の方が70代になる前に亡くなっています。これはほとんどの場合、生活習慣病です。心臓病や脳卒中のような疾病で亡くなる。1割の方は80、90歳になってもお元気です。いわゆる生涯現役型です。ですが、7割は70代半ばあたりまでは一人暮らしができるくらいに元気ですが、そのあたりから少しずつ自立度が落ちてきます。
 その次が女性のグラフですが、女性は1割強の方が70代前に亡くなっています。70前に死ぬというのは、長寿時代の若死にです。残りの9割近い人が70代前半か半ばあたりから男性よりももっと緩やかに自立度が落ちていきます。これは先ほどの川島先生のグラフに非常に似た結果でございます。これを見て懸念しますのは、自立度が落ちてくる75歳からの人口がこの先20年で、1,000万人増えて倍になることです。
 というわけで、これは何かしなくてはいけない。何をすべきか。一つは自立期間の延長、つまり、赤い線が落ち始める点を2年でも3年でも右のほうに移すということですね。健康寿命の延長。これをどうやってやるかということです。
 もう一つは、とは言っても全ての人が、グリーンのラインで示している10%の男性のようにはいきません。男性の7割、女性の9割、国民全体の約8割が75代後半あたりから、自立度を失っていく。この人たちが住み慣れた所で安心して快適に日常生活を継続できるような生活環境を整備していく必要があります。
 私はこのような全国調査だけではなく、コミュニティーで住んでいらっしゃる様々な方、お元気な高齢者、少しからだの具合が悪い一人暮らしの方、あるいは老老介護をしていらっしゃる方のお宅に伺ってかなり綿密な聞き取り調査をたくさんやってまいりました。その方達がどのような高齢期を過ごしたいかというと、皆さんがおっしゃるのは住み慣れた所で安心して自分らしく歳をとりたいと言われます。特に75歳以上の方は普通の生活、今までやってきた普通の生活が明日も来年も続けられること、それが大多数の方の望みでございます。そしてできれば旅立ちもここからやりたいとおっしゃいます。
 そのような高齢者の極めて妥当な望みを実現できる生活環境をつくる必要があると思います。これこそ、日本が世界に対してモデルを提示できる道ではないかと思います。下に、長寿社会のまちづくりの概念図を描いております。見直しが必要な領域は多々あります。住宅の問題、交通機関の問題、車の運転をできなくなった人たちをどうするか。しかし、高齢者の一番の不安は健康です。医療が喫緊の課題でございます。
 医療を住み慣れた所でいつでも受けられる。そういう環境をどのように創っていくか。 今は風邪を引いても膝が痛くても大学病院指向がございますけれども、そういうものは住んでいる近所で診ていただけるシステムを作ることが必要です。これは生活を支援する地域医療のシステム。結局、Cure、治すということはもちろん重要ですけれども、川島先生、秋山さんもご指摘のように、高齢者は治らない疾患をたくさん抱えています。それらと上手く付き合いながら今まで通りの生活ができる、生活を支援する医療を地域にシステム化していくこと、それこそ高齢者が最も望んでいることではないかと思います。
 どうもありがとうございました。

○遠藤会長
 それではお三方からの御報告を承ったのですが、御質問、御意見のある方、御自由にお話ください。
 鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員
 この分野でカリスマといわれるような先生方のお話でしたので、非常に感銘を受けました。と同時に、こういったカリスマの先生がいらっしゃらない所、特に地方で同じようなことをするというのは非常に困難であるということを感じました。
 最後の秋山弘子先生のお話でも長寿社会のまちづくり、住み慣れた所でということですが、是非、身近な病院とか有床診療所や施設などを排除しないで、一緒にそれもまちづくりの一員だというふうにお考えいただきたいと思います。在宅だけで高齢者を支えるということは高齢化が進みますと、先生のご指摘にもありましたように独居の方が増えてきて、非常に困難な例が増えてくるということでございますので、是非、在宅が全てではないということはご理解いただきたいと思いつつも、都市部ではこれから超高齢化が大幅に進みますので、そういうところでやはり在宅を中心としたシステムを作らないと看きれないということだと思います。その上で川島先生にちょっとお訊きしたいのですが、先生の資料で通常、高齢の方に対して胃瘻とかをあまりしないほうが良いとおっしゃる方もいらっしゃるなかで、先生はたくさんされているようですが、経管栄養、胃瘻に対しての先生のお考えをちょっとお聞かせいただけますでしょうか。

○遠藤会長
 川島先生、お願いします。

○川島氏
 これはスライドの8枚目でございますけれども、これは私が作ったのではなくて、病院で作られた後に、うちで引き取っているということでございます。
 ちょっと、総論的な話になりまして申し訳ありませんが、どうしても医療は物事を標準化して考える。つまり、ある基本的な考えが出てくると、それがどんな人にも通用するという、標準化で考えやすいということですね。ですので、胃瘻を作る、作らないにしてもこういうレベルであればもう作らないほうがいい、だから一律にそのようにしてしまおう。そして、逆に作ったほうが良い。で、一律にどんどん作っちゃうというふうに、標準化して患者さんを操作するということを、どうしてもしてしまう。
 しかし、ご存知のように、今この方々はお家で暮らしておりますので、お家で暮らすということは、これは生活も含めた全体構造の中で決まっていくことでございます。ですので、個々人によって全然考え方が違いますので、同じ病状の方でも胃瘻を作りたくないと考えて自然死的なかたちで最期を迎えられる方もおられれば、同じ病状なのにやはり胃瘻を作って来年の桜の花も見たいと思う方もおられるわけでございます。
 ですので、それは何故かと言うと、やはりどのように生きたいかという、生き方に適って夫々が決定されるということでございますので、医者が仕向けるということがあってはならない。それは何故かと言うと、説明を十分にするということが大前提になるわけで、その説明が不十分だとどちらかに引っ張られる。つまり、作らないほうが良いというふうになって、誰しも作らないような形をとって行くことが善であるように考えられる。またある時にはその逆。というふうにならないためには十分にその説明がされて行くということが大事でございます。特に、生活重視になって行きますと、例えばアメリカやヨーロッパの医療的な考え方を日本に通用させる場合、身体的な問題であれば、どこの国の論文も日本に通用するでしょうが生活となるとそうは行かないということですね。イスラムの世界の常識が私たちには通用しない。私たちの常識がほかの国には通用しないということはいくらでもあるわけです。
 ですので、生活も含めた医療というのは、どこかを参考にすることはあったとしても、世界標準とはならず日本がこれから独自に作っていかなければならない。その中で考えて行かなければならないわけで、これは、たまたま胃瘻をする人がこれだけ集まりましたよということでございまして、これを望まないで最後を迎える方々は実は高齢者に関しましてはこの方々よりはずっと多いというふうに一応お話しておきたいと思います。

○遠藤会長
 ありがとうございました。

○鈴木委員
 それと川島先生の診療所のドクターの数と平均年齢と夜間の体制ですね、夜勤みたいにしているのかオンコールみたいにしているのか。それをちょっと教えていただけますか。

○川島氏
 今、私のところは420名の方々を看ておりまして、重症度はそこにいろいろな医療が行われておりますので、かなり重症な方が多いと思ってくださって結構でございます。
それに対して常勤の医者が6名、非常勤が6名の12名で行っております。

○鈴木委員
 夜間の対応は。

○川島氏
 夜間は24時間対応が義務付けられておりますので、そのようにしておりまして、ファーストコールはドクターが取ることになっております。

○鈴木委員
 オンコールで。

○川島氏
 はい、そうです。

○遠藤会長
 ありがとうございました。
 では続きまして鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員
 秋山正子先生にお伺いしたいのですが、訪問看護は、秋山さんのところをテレビで見て、私も感銘を受けましたけれども、非常にすばらしいのですが、訪問看護師が増えないのですよね。前回に私も話したのですが、教育から考えなければならないというのは全く同じだと思うのです。私はその理由に、病棟にいれば夜勤になりますから交代できるのです。2交替でも3交替でも。ところが在宅だとオンコールでしょ。
 秋山さんのところもオンコールですか、それとも夜勤ですか。

○秋山(正)氏
 オンコール体制です。

○鈴木委員
 そういうことが、平均年齢が多分両方ともお若い方が多いのではないかと思うのですが、お二人は別にして、ですね。(笑)すみません。だから多分急性期病棟に勤めているような感じで、あまり高齢になると夜勤がちょっと辛いという現象が起きないのかなと思うのですがいかがですか、秋山さんのところは。

○遠藤会長
 秋山さんお願いします。

○秋山(正)氏
 日中のケアを十分にしながら、緊急コールを受けているのですけれども、緊急コールを受けて実際にそれを電話で応答したり具体的に訪問に直接に出るというのは非常に少なくて、それができる体制は取っておりますが、緊急コールの内容についてはカンファレンスをしてどうしてこの人がこういうコールが多くなっているのかということを検討し、日中のケアの工夫をまずするという、工夫をしているのと、決して若い看護師だけではございませんで、40代、50代、60代と居ります。
 その中で、常勤のものが一週間交替で受け持ちますので、約2ヶ月にいっぺん1週間のオンコール体制です。決してそれは苦痛ということではなくて、日頃のカンファレンス等でチームで支えるという、それとドクターとの関係で非常に連携をよくすれば決して負担ということではありません。

○鈴木委員
 私もドクターとの関係が良いと呼ばれないというのは分かるのですけれども、例えば、24時間巡回型とか言われています。そういうところは否応無しに巡回するわけですが、そういうものもオンコールで可能だと思いますか。

○秋山(正)氏
 それはコールセンターの機能でとりあえずするというか、コールセンターで随時訪問がどの程度あるのかというのは、24時間の巡回型の、現在老健局のほうでの検討の中で、どういう体制になるか要検討だと思いますけれども、実際に夜間帯に、実はすごくしょっちゅう呼ばれているということではなく、日頃のことが分かっている人がそれに答えることで随分と安心につながるのと、つながる先があるという安心だけで非常に落ち着いて暮らしておられる方が多いです。

○鈴木委員
 そういうことだと思うのですが、ただ、実際巡回型ですから夜間に行くわけですよね、例えば、インシュリンでも。そういう処置のために。そうすると、それはオンコールではなくて、やはり、2交替3交替みたいな形にしないと少なくとも、使命感が強い人はやれるかもしれないけれども、あまねく普及させるには無理があるとは思いませんか。
 例えば、北欧などは3交替ですよね。デンマークとかね。訪問看護も訪問介護も、巡回型のやつは。それに対して、日本人は医師も看護師も使命感でその辺をオンコールでカバーして次の日通常勤務みたいなことになっているのですけれども、巡回型をいよいよやる場合に本当に第一人者としてどう思われますか。交替制にする必要は感じませんか。

○秋山(正)氏
 すでに当直体制を取りながら夜間帯も対応しているという訪問看護ステーションの実績がございますので、これからはどういう体制をとろうかそれは勿論きちんと検討して行く必要がありますけれども、先ほど川島先生が病院ではなく在宅も病棟と同じように考えるというふうにしていけば、ある意味、もっと若い人がこの地域というか、在宅看護に参入してもらえることを考えますと、可能ではないかなと私は思います。
 今のけっこうベテランだけがいるステーションの様子だけを想像されてということだととても無理だということだと思いますが、少しそこはワークライフバランスも考え、そして夜勤の体制に対する報酬というか、給与の面での補償等をつける体制になれば可能かなと思います。

○鈴木委員
 夜勤体制ですね、訪問看護の。はい、分かりました。ありがとうございました。

○遠藤会長
 はい、ありがとうございます。
 ただ今、鈴木委員からの御意見と御質問だったわけですが、もし関連してお三方の中で何かあればお聞きしたいと思いますが、何かございますか。
 川島先生、どうぞ。

○川島氏
 付随した話になりますけれども、医療がこの人口構成についていっていないということはもうはっきり分かっていのですね。ですので、もう後はどのようにその人口構成が変わって行くことに対して支える医療のスピードを挙げていけるかということになるわけでして、そうすると、医療の全体構造をどのように上手く作り直していくかということがすごく大事なことだと思うのですね。
 しかし、現状は病院も外来も在宅もどれもうまくいっていない。病院の先生方は本当に一生懸命仕事をしていらっしゃって、しかし疲弊している。それから、在宅は、今日はできる話をしておりますが、決して均てん化されて各地域にあるわけではないし、非常に不足している。どれもうまくいっていない。うまくいっていないけれども、でも全部底上げしてやっていかないと回らないし、どこかだけ突出してもだめだしという、非常に微妙なバランスをここで皆さんに取っていただかなければならない。そういう場だと思うわけでございます。
 そこで、秋山さんにお話された質問の中で例えば、夜中でも行かなければならない職種、夜中も起きなければならないお医者さんというのは、いくつもありまして、例えば外科で開業した先生とか、産婦人科で開業してお産に呼ばれるとか。そういう先生方と在宅医療の先生は格段に呼ばれていく回数が多いかと言いますと、そうではございません。
 ちなみに私は一番最初に在宅医療を始めた15年前は一人で開業しました。そして1年間で135人を受け入れました。そして35人を看取っています。その1年間の中で、人工呼吸器の方を10名入れております。それでも呼ばれて確実にいかなければならないのは、1週間に1回か2回でございます。つまり説明をきちんとして、どのような対応をするかまで話をしておくと電話だけで済んだり、既にこちらで指示したことをやっておいてくれたりということになります。これまでは確かにハードを作っていくのも大事でしたが、医者にそのような説明機能が十分にできるかというソフトの部分、目に見えないものをどう作り上げるか。ここがすごく重要なのだということはお話ししておきたいと思います。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。安達委員、どうぞ。

○安達委員
 別件ですが、よろしいでしょうか。まずはお三方の皆様方に大変基調なプレゼンテーションを聞かせていただきいただきまして大変ありがとうございます。川島先生に2つお伺いさせていただきたいと思います。前回の中医協で在支診関係のデータが出ました。平成22年度の統計だと思います。1つは在宅支援の中で在支診の関与するものが各都道府県ともまだ4分の1ぐらいにとどまっているという実情があります。これは多分在支診の数とも関係があるので、そのこと自体がうんぬんではないのですが、もう1つのデータとして今在支診の届け出が稼働しているのが全国でおそらく1万2,000概略であると思います。その中で一人でも在宅看取りをした経験のある在支診が5,833という数字が出ています。半分以下です。このことについて数字としてどう思われるかということが1点と、その原因は何とお考えになるかということが1点。それが1番目のお尋ねでございます。
 2番目は、先生がお示しになりましたスライドの18で、医療より在宅のほうが安くのほうがなるのだというデータを示していただきました。これは人工呼吸器装着者の場合になりますが、私ども2号側として常に勉強会を重ねる中でいろいろな試算をしてまいりました。こういうケースばかりでなくて、例えば医療系療養病床等々に入院している方々を在宅に移した場合、病院で受けていたサービスを全部貸与するとなるとどうなるかという計算をしております。先ほど2番目の秋山さんがおっしゃいましたように、そうやると介護保険の適用との関係で限度額を超えるから使い控えということが起こります。使い控えをしないで横出し分を全部サービスを病院と同じようなレベルで受けたらどうなるかという計算をしてまいりました。そこで行くと多くのケース、症例によりますが、少なくともいくつかのケースにおいて在宅へ移行されたほうがトータルとしての家族のいわゆる現金の支出というものは入院中よりも多くなります。ということが多々ありますが、その辺りはどういうふうにお考えになっておられますか。

○遠藤会長 
 川島先生、よろしくお願いいたします。

○川島氏
 では、最初のほうの質問ですが、在支診が十分に機能していないというのは確かに現実としてございます。皆さんに見ていただきたいのは、12枚目のスライドでございます。これを見ていただきますと分かりますように在支診ができる前は在宅寝たきり老人医学総合診療料、これは2万2,000か所の診療所が取っておりました。そして在宅時医学管理料は6,000か所が取っております。そしてしかも24時間連携体制加算までつけていたにも係わらず在宅での全体の亡くなる率は年々下がっている。癌の死亡率も若干下がるっている。こういう状況です。つまりお金をつけても機能していないという状況でございます。
 ここで在宅療養支援診療所という制度ができましてからは、そこにありますようにどちらの死亡率も上がってきているということがございます。だから在宅療養支援診療所が機能していないという言葉は非常に言い方が難しくて、前の制度よりはずっと機能しているでしょう。しかし、それをやろうとする人がまだまだ人材が少ないですね。そしてまだノウハウもよく分からないでしょうね。この2つはなぜできてくるかというと、もう教育です。教育以外にございません。つまり6年間の医学教育では社会医学も含めたような在宅医療も、それからプライマリーケアに関するようなこともほとんど授業の中には入りません。そして実習もほとんど行われていない。そして、病院に初期研修医で入れば専門家された専門医療に突入していくことになります。
 それが悪いわけではありません。なぜなら今まで明治以来、ずっとこの制度が日本は治す医療で世界最長の長寿を獲得しているわけですから。悪いわけではないけれどももう人口構成が変わってきているという現状に踏まえると、それだけでは不備なのだという、そういうことが医学教育の中にまだ浸透していなくて、全く教育を受けないにもかかわらずまずいなと思ってやっている人たちが少なくとも1万2,000人いるんだ。そのようにお考えいただかないと困るということでございます。
 しかし、ここを早急に改善しないと今の高齢化のスピード、死亡者数の増加のスピードについていけないということになると思います。

○安達委員
 すみません。先生のご持論はよく存じ上げてります。私がお伺いしたのは非常に単純なことで、1万2,000の在支診があって、一人でも看取りをしたことのある在支診が半分以下だということについて、その残りの部分はそもそも在宅死に対応されるような患者さんたちがいないから診ていないのか、あるいは今のお話の延長だとすれば、そういう状態になったときには在宅で看取らないで病院に送るということが行われている結果、そうなっているのか、どっちなのでしょうということの先生の感触をお伺いしたい。そう思っています。

○川島氏 
 それはどちらもでございます。そのように考えます。長くなりましてすみませんでした。
 2番目の医療費の件ですが、病院医療が100%完ぺきなものであるというふうに仮定すれば、それを在宅に落とせば確かに高いような試算になる可能性はあります。しかし、おうちに帰るということは病院医療のそのすべてを継続してほしいということではございません。それは何よりも家を帰りたいという理由がその人たちにはあるはずで、そこを考慮すると病院医療にかかっていたものの中で不必要なものがいくつも出てくるというふうにお考えいただければよろしいと思います。

○安達委員
 ありがとうございます。付け加えて申し上げれば、ここで例示していただいた先生のケースは人工呼吸器装着者でございますが、それ以外に多々複合的な要因を持った方もおられるので、そういう方は今の先生のお考え、病院医療の全部は要らないだろうというのは場合によってはそうだろうと思いますが、そうではない場合、あるいはそうであった場合であっても在宅でいろいろな横出しのサービスも利用しなければならないケースでは必ずしもこういうふうに全部が安くなるわけではないというふうに私どもは認識しております。その認識は間違いですか。

○遠藤会長 
 川島先生。

○川島氏
 医療費は出来高でございますので、これがそのままの医療費になります。医療で看護が入っているのも含まれております。問題なのは介護費でございます。介護費は御存じのようにどの要介護度であっても全額使うという率は少ない。つまりそこまで使わなくても介護を行っているということでございます。実費発生が出るのは介護費をすべて使い切った後にどうしても自立支援法その他に乗らない場合には実費になってくるということでございますので、誰でも実費になっているわけではございません。
 ここで要介護5を見ていただいても介護費の平均は25万9,000円でございます。要介護5は35万8,000円まで使えるはずですけれども10万円は使わなくてもすんでいるのだということからすると、これは病院の医療をそのまま持ってこなくても、このぐらいの介護費で要介護5がちゃんと賄われているというふうにお考えいただきたいと思います。

○安達委員
 会長すみません。ここで延々と議論をさせていただくと時間を費やしますので、それは先生がおっしゃるように分かりました。私は最後に一言だけ申し上げさせていただきます。今の議論で先生が今おっしゃった最初のところ、私は気になりました。医療は出来高だとおっしゃったんです。ですから療養病床は出来高ではありません。包括であります。包括の中でさまざまなサービスが行われていて、その料金設定についてもその適正性について多々議論があるところであります。療養病床の包括の中で行われているものを在宅医療・介護へ持っていったらどうなるかという試算を我々はしたということを申し上げているということでございます。
 ですから、それだけにしておきますが、あまり時間を取りますので。その辺は全部が在宅のほうが安くなるだろうという御指摘は全体としては私は当たらないのではないかという御指摘をさせていただい。そういうふうにおとりいただければと思います。

○遠藤会長
 その議論は今後の議論の中でまた展開していきたいと思います。
 西澤委員、お待たせしました。

○西澤委員
 川島先生、秋山正子先生に御質問がございます。まず川島先生のお話の中で外来と在宅医療は違うというお話だったと思います。これは私も全くそのとおりだと思っています。これから在宅医療が非常に重要になってくる。そのとおりだと思っています。今まで日本においては在宅医療といいましょうか、あるいは療養と言ってもいいのですが、おそらく訪問看護ステーションができて看護師さんが中心になって支えてきたのではないかと思っております。それが、在宅療養支援診療所ができて、初めて我々医師がそこに入った。もっと積極的にやるべきだったのが今までしていなくて、ようやく積極的にするようになってきたのではないと思っています。そういうことではこの制度、いいものができたのではないかと思います。
 質問ですが、川島先生には片方では先生のクリニックが中心にやっていますが、訪問看護ステーションとの関わりをもうちょっと、おそらくかなり訪問看護ステーションも重要な役割をかなり果たしていると思います。そこを説明いただきたい。
 それから秋山正子先生には訪問看護ステーションで頑張っていらっしゃるのですが、お話の中で病院のドクターあるいは診療所の外来をやっているドクターとのつながりに対してちょっと不満げな言葉もありましたが、在宅医療をやっている先生方とのつながりをもう少し説明いただければと思います。
 もう一つ川島先生に。在宅療養支援診療所がありまして、前回、在宅療養支援病院が新たに認められました。この関係についての御意見があればと思います。以上です。

○遠藤会長
 川島先生、2つの御質問についてお願いいたします。

○川島氏
 17枚目のスライドを見ていただきます。私のところでは仙台市に43か所の訪問看護ステーションがございます。その81%と連携しております。実際に在宅療養支援診療所で在宅医療を行っている先生方のかなりな方々、8割以上は実は訪問看護主体でファーストコールも訪問看護に委ねる。セカンドコールが医者であるというふうに訪問看護を多用するというふうになっているのが現状でございます。
 これはどちらでもいいわけで、うちがなぜ医者がファーストコールかというと重症者が格段に多いために看護に行ってもらった後に医者が対応しなければならないぐらいだったら医者がファーストコールのほうがいいだろうと考えているので、たまたまそういうふうにしているだけです。このようにかなりのパーセンテージの連携を行うことで訪問看護が特にこれから担っていかなければならないのは癌、それから人工呼吸器も含めた中心静脈栄養、胃ろうなどの重症の度合いの高い方ですね。
 今日はスライドには出しておりませんけれども、65歳以上の人口がどんどん増えておりますが、要介護5の増加率はその65歳以上の老人の人口の増加率よりも高くなっています。つまり介護を受ける要介護5の増加率のほうがより高いということで、つまり要介護5というとかなりの重症度の方々が多うございますので、看護が力を発揮するのもそういうところではないかと思っております。
 それから在支診と在支病の関係ですが、仙台市内には在支病が1つしかございません。しかし実は地域で在支病を積極的にやっておられまして、在支診と連携しているところが何か所かございます。名前は今日はお話ししませんが。そこで在支病が担う機能として重要なのは二つございます。1つは在支診がないところであればやはり訪問して24時間いつでも看取りも含めた体制がとれるようにするということがそこの住民のニーズに適う仕事でございます。
 もう1つは、在支診があるところでは在支診の後方支援機関として動いていくということが非常に重要でございまして、特に在宅医療をやっている先生の8割は一人でやっているというのが現状でございますので、その医者が何かの都合でどうしても診れない日がくる。つまり診察できない日があるというような場合に在支病の先生がその方々を病院に一時的にショートステイ的な入院として引き取って診てもらう、ないは在宅に行ってもらうというような後方機関として連携していただければ非常にいいのではないかと思っております。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。では秋山正子先生、お願いいたします。

○秋山(正)氏
 西澤先生、ありがとうございます。現在47か18か所の医療機関から訪問看護指示書をいただいておりまして、多くの先生方と連携を組ませていただいております。その10か所ぐらいは在支診をとっておられます。残りは在支診はとっておられません。そのときに私どもが訪問看護24時間体制をとっているので連携をしながらということで看取りも引き受けていただけるという状況です。
 それとあとはできたら病院から退院のときに病院の先生から訪問看護指示書をいただくのですが、そのあと病院の医師との連携は非常にしにくくて、病診連携をしていただいて、かかりつけ医を持っていただき、そこから訪問看護指示書をいただくというのが一番いいかなと思って、そういう働きかけをかなりしているという状態です。
 その辺は病院の中の先生方が在宅の様子をなかなかご理解していただけないという辺りのところもありまして、いつもそれは課題と感じております。

○遠藤会長 
 ありがとうございました。西澤さん、よろしいですか。では嘉山委員、どうぞ。

○嘉山委員
 まず総合的に秋山弘子先生、今日はいいお話を伺えたので。私もこういうお話を伺いたかったんです。まず、最初のページの人口の高齢化で、確かに2030年は団塊の世代が死に始めるというか、減り始めますが、2030年と55年の間はどうなりますか。もっとひどいんですか。それともこのピラミッドはこのまま赤と黄色が減っているところがそのままずっと55年のように真ん中に近づいていくというか、減りがなくなるということでよろしいんですか。30年から55年が私は危機的ではないかと思っていますが。この間がないと本当のところは何となくできないかなと思っていますが、それはいかがですか、まず第1点ですが。

○秋山(弘)氏
 30年と55年の間ということは、55年のグラフに向かってどう変わるかということ。一つは団塊の世代の動向は非常に大きいです。55年には団塊の世代のその次の世代が、少し突起になりますが、それが起こりましたら基本的には今の少子化傾向が変わらない限り55年のような人口構成でいくだろうと今のところ予測されております。

○嘉山委員
 何を言いたいかというと、医療のディマンドがこの人口で表現されるわけですから、この辺をお聞きしたんです。
 それから次の都市部と東京が大体310万ですか、高齢化するのは。2025年ですか。パーセンテージで一番増えるのはどこですか。やはり東京ですか。

○秋山(弘)氏
 東京だと思います。

○嘉山委員
 東京が超高齢化社会に一番先になっていくと。ほかの地方都市はそうでもないと。全国的にはなるのでしょうが、比率としては東京が一番。でも今でも東京は230万いるんですね。これで見ると。

○秋山(弘)氏
 絶対数としては東京はダントツですが、率においてもやはり東京、大阪という首都圏の高齢化率が高いと予測されています。医療、住宅両方において首都圏の高齢者急増の対応は非常に大きな問題だと思います。

○嘉山委員
 最後、キュア、ケアの最後の図があります。これをじっと見ていますと、分ける必要は私はないと思っていますが、キュアとケアが交じるところがあるので、その場合に私の前任地の山形ですと山のほうからお年寄りが山形市内にマンションを買って、そこにみんな集まってきている。そこで新たなコミュニティができています。先生がお考えになる、共に助け合う、独り者も増えていくということですので、助け合うコミュニティを教えていただきたい。なぜかというと、ここで診療報酬を決めるのにそういうことをイメージしていないとなかなか決まらないものですから教えていただきたいんです。

○秋山(弘)氏
 先ほど独り暮らしが増えるから、それは在宅ではいかないだろうという御意見もございましたが、これからは独り暮らしも含めて在宅で支えていくシステムをつくらなくてはいけないと思っています。これは住宅の政策とかかわりますが、今までは日本の住宅政策は持ち家で、東京周辺では郊外に庭付きの二階建てのうちをもつために一生懸命働いたわけですが、そこで年をとることが必ずしも理想的ではないわけです。それは人生60年時代の住宅政策であったと思います。これからは集合住宅に移るとか、サービス付き高齢者住宅とかいろいろな形態の住宅で生活をすることになると思います。そのときにキーになるのは医療をどういう形で受けられるかといことです。それが、その住宅に住みたいかどうかを左右します。
 これからは独り暮らしでに高齢者にとっても、各人のニーズに従った住宅、最後にはグループホームでもいいと思いますが、住んでいるところで医療を受けられる在宅医療システムというか、在宅ケアですね。医療だけではなくてケアのシステムが必要だと思います。
 それと同時に重要なのは民の力です。家族だけに頼るのではなくて、地域の介護力、高齢者の高齢化により認知症も増えますので地域の見守り、そういうものを強化していくことが必要です。したがって、住宅、移動手段、人の繋がり、ITの活用など同時に長寿社会のまちづくりをやっていく。その中心が医療制度の見直しです。

○嘉山委員
 フランスは少子化がないので日本と全く逆で年をとると郊外へといいますが、日本は全く逆の人口構成になるので逆の進み方になるわけですね。フランスは若いうちはアパートに住んでいて、持ち家なんて持っていなくて、借家で、大統領さえ借家でいて、年をとると郊外へと逆になりますね。

○秋山(弘)氏
 フランスでもそれは長くは続かないと思います。しかし、一方で、私は必ずしもコンパクトシティと言われている街の中心部に高齢者を集める政策がうまくいくとは限らないと思います。それを望まれない方もいるので、分散して住む方にはそれなりの医療の提供の仕方を考えていかなくてはいけません。首都圏では、みんなが住み慣れたところで安心して快適に生活できるのは、コミュニティに集合住宅も含めてさまざまな形態の住宅の選択肢がある中からライフステージのニーズに合った住宅に移り住む、コミュニティにしっかりした人の繋がりと在宅ケアがある。それが理想のまちではないかと思います。

○嘉山委員
 最後にお二人に、今の秋山先生のお話を前提に、そうすると一番大事なのは医療だということになりますね。私は今回、遠藤会長にお願いしたのはイメージをみんなに持ってもらいたかったんです。つまり病院でやる急性期の医療と在宅でやる医療の差が何なのか。先ほどから安達先生もお聞きになっていたし、西澤先生もお聞きになっていた。同じだという表現を、誤解を与えるようなことをおっしゃっているのですが、例えば川島先生の13ページの急性期病院を支援するとか、在宅医療には無限のベッドがある。これはカテゴリーが違うことが全部入っていて、この言葉は矛盾しているところも多分にありますが、急性期病院のベッドをすぐ在宅に持ってきて、病院でやっていたもので不必要なものは取るのだということです。しかしながら急性期病院でやっていたことは誰かがやらなければいけないんですね。ですから、そこを教えていただければと思ってお二人に来ていただいた。
 それからあとは西澤先生が先ほどお話になって、あまり秋山所長がきちんとお答えにならなかったのではないかと思います。遠慮されたんだと思うんですが、在宅医療をやっている医師と在宅の看護師さんとのコミュニケーション、先ほど川島先生は四十何か所とかそういう何か所という問題ではないんですよ。要するにコミュニケーションというのは夜、何か急変が起きたときに訪問看護をやっている看護師さんと医師との生のコミュニケーションがどういうことかということで西澤先生はお聞きになった。何か所とコミュニケートしているという数字の問題ではないんです。現実はどうかと。現場ではどうかということをお聞きしたいんです。それを秋山さんに。川島先生にはいわゆる病院でやっている医療と在宅医療はほぼ同じようなことをおっしゃったんですが、先生はもともと神経内科だから、独居で全身マヒで呼吸器で胃ろうで暮らす、これは診られることもあるでしょうが、これが全部ではないと思います。一般の病気での在宅で急性期の医療と何が違うのかということを教えていただきたいと思います。

○遠藤会長 
 では川島先生からお願いします。

○川島氏
 急性期の治療に関して治っていないところを治さなければならないのは当然急性期病院の仕事になりますし、そこでやっていただくことは非常に重要でございます。だから、そこは充実しないといけない。しかし、そこで治療が一定化しまして、そして安定したところで、その人をどのように帰すかについては在宅医療が担えるのだというふうにお考えいただければよろしいと思います。そのときに重症者は帰せないかというと、どんなに重症でも帰せないわけではないんです。そこには説明をきちっとするということと在宅のメリット、デメリットの話をする。

○嘉山委員
 そうすると私の義理の母も癌で亡くなったんですが、最期は在宅ではなかったんです。病院に移しました。途中在宅にしましたが。非常に不安だったからです。川島先生のことを今の日本で全部やってしまったら、つまりトリートが終わった後は在宅でもできるような患者さんが全部在宅にいけるというふうにお考えですか。それとも今のままではパンクするので何かが必要で、こういうものがあれば全部できると。これを中医協で教えていただければと思って来ていただいたんです。

○遠藤会長 
 川島先生、お願いします。

○川島氏 
 先ほども申し上げましたようにどこの医療の場所(病院、外来診、在宅)もうまくいっていない。病院も疲弊していて、在宅医療も十分な質と数を確保できていない。そういうふうな状況だということがまず大前提になります。ですので、ではそこをどういうふうにするかというと、それぞれに病院ではベッドをなるべく空けられるようにして、新たな急性期の方々を受け入れられる体制を作れるようにしていく。在宅は更に推進して、重症者も含めた病院の患者さんたちが家へ帰られるようにしていく。それを同時並行で進めるということが私の答えになると思います。

○遠藤会長
 ありがとうございます。秋山正子さん、どうぞ。

○秋山(正)氏
 嘉山先生、ありがとうございます。連携している数だけではなくて、内容的には先ほど川島先生は自分のところはファーストコールに行くということですが、実際我々はファーストコールを看護で受けるパターンが結構あります。それから外来の診療中等は行けないから、先に看護に行ってくれというようなことももちろんございます。夜間も先に私たちが伺って、それで先生にコールをするというパターンももちろんあります。
 関係が悪いか良いかということよりも、目の前にいる患者さん、利用者さんの状態からどうにか連携をうまくしないといけないので、その努力を続けている結果47か所に増えていて、看取りもしてくれる先生が増えてきているという、そういうことです。その辺1つの法人だけに何か特化をしているわけではなくて、地域の中でのさまざまな医療機関とそのように連携をとっているということです。
 それから病院と同じようなことも在宅ではもちろん可能ですが、在宅ではできるだけシンプルに急性期を脱した慢性維持期またターミナルにある方々にとって不必要な医療は外してというか、医療処置を外して必要な、緩和医療も含めてですが、そういうことを行っていって、そこに訪問看護は機能しているということではないかと思います。
 なので重度化するのを予防する。だからむやみな医療処置を増やさないという、そういう特徴が私たちが係わることであります。よろしいでしょうか。

○嘉山委員
 ということはあまり問題はないということで、診療報酬を変えなくていいんですね。

○秋山(正)氏
 いえいえ、そうではなくて、一番問題は退院前後、非常に不安定な時期……、医師との関係ですか。医師との関係では指示書に基づいてさまざまに動きますので、その指示書が十分に出なかったり、それから指示書の内容が例えば特別指示になるともう1枚指示書がいて、それは先生方の報酬になっていますよね。私たちはそれをいただきに行くという格好なので、私たちは回数が増えますけれども、その手間が非常にかかっています。その辺の自由裁量というのか、そこのところは少し見直していただきたいと思います。ありがとうございます。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。それでは渡辺委員、どうぞ。

○渡辺委員
 お三人の先生方、ありがとうございました。秋山弘子先生のお話の中に健康寿命の延伸、またこれから生活を支援する医療としてケアを重視しようというお話がございました。実は5年ほど前から歯科医師会としては歯科医療の本質的な特性を十分考えた場合に、私たちも健康寿命の延伸に寄与する歯科医療、それからまた生活と生きる力を支える歯科医療という認識を持って、そういうところを強くアピールしながら進めてまいりまして、その中で在宅歯科医療についてもそうした意味を十分に発揮するためにはその推進が必要だということを訴えてきたところです。20年度改定の中でも在宅療養支援歯科診療所というシステムも作っていただきましたので、そういう形でやっています。
 それで今度は具体的なお話として川島先生と秋山正子先生にもお伺いしたいのですが、川島先生の17ページのところに先生の支援診療所を中心にこうした医療ネットワークがしっかりとでき上がっている図を拝見させていただいております。この中で在宅療養支援歯科診療所18か所というお話でございますが、先生を中心にこうしたものを作って行く中で支援歯科診療所をこのネットにどんどん取り込んでいくという動きは個別にそういう先生方とのコンタクトでなされていったのでしょうか。それとも例えば地元の歯科医師会との連携を図りながら、そういう一つのグループを組んだ形の中で進められていったのか。そういうところをお伺いしたいと思います。
 それからもう1つは、秋山先生のほうにはぜひ秋山正子先生のほうのステーションで訪問看護していく中での歯科の必要性を感じられたとき、また現時点において歯科診療所との訪問歯科診療に係わる連携をどのようにされているのかお伺いしたいなと思っております。お願いいたします。

○遠藤会長 
 それでは川島先生、よろしくお願いいたします。

○川島氏 
 在宅療養支援歯科診療所の制度ができまして、私どもも歯科の先生方と綿密に医療提供を行っております。特に摂食嚥下、これは胃ろうを作ったりする、あるいは食べられなくなってご本人が非常につらい思いをすることにならない期間をなるべく延長するという意味では、最終的には飲み込めなくなるということが出てきますが、摂食嚥下を軸にすることが重要です。あとは歯科治療、そして口腔ケアをやることによって肺炎の発症率を半分に減らすというようなデータもございますので、歯科の役割は非常に重要だと思っております。
 そして特に仙台の場合は歯科医師会立の在宅専門の歯科診療所がございます。ここが非常にキーポイントになりまして、ここの歯科診療所を軸にして仙台市内の歯科の先生がそれぞれ自分の地域で診れる範囲の方々を診てくださるということで、今18か所になっております。ですので、どの歯科の先生も、あるいはどの医科の先生も全部在宅医療を一律に標準化してやっていくのだという形ではなくても、どこかにキーポイントになるようなところが人口当たり何か所というふうに作られるようになってくれば、そうするとかなりのところがカバーできると考えております。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。秋山正子先生、お願いします。

○秋山(正)氏
 私も地域で歯科の先生たちとたくさん組ませていただいていますが、まず一番単純なのは義歯の調整が難しい。それから差し歯が取れたというようなところで訪問歯科診療をお願いするというパターンが結構あります。
 それから今川島先生がおっしゃられたように摂食嚥下の部分です。嚥下機能の評価と、その後の嚥下食へのアドバイス等に関して専門の摂食嚥下の先生と組んでいます。
 それから癌の方で、頭頸部癌の方で開口が難しく口腔衛生が保てない。それでかなりQOLが落ちるような場合にも歯科の先生と組んでおります。それから実際に例えば残存歯があって、それを抜歯しなければいけない。そうするとそこにワーファリン等を飲んでいると出血傾向もあっていろいろで医科の先生と歯科の先生と連携をとるところに調整役として訪問看護が入るという場合があります。
 そのような連携調整の場合に訪問看護はまるで調整の黒子役に徹しますので、調整機能はかなり手間をかけてやりますが、何らかの加算とかそういうものはございません。実際は調整役に徹しております。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。では渡辺委員、どうぞ。

○渡辺委員
 ありがとうございました。私たちも今先生方がお話しされた内容を十分重要なポイントだと思って、これからも進めたいと思っていますが、お話を中で連携が十分とれているというケースでございますが、全国的に見ますと在宅の歯科は今言ったような治療もまたケアも必要だという方々が多い中で、実際に受けられているかどうかというと非常に少ない。どこからそういう要請が来るかというと、ほとんどは患者さんご本人だったり家族だったりということで、なかなかシステム的に連携がとれていない。ステーションあるいは診療所からの連携は少ないということなので、これを何とかより連携が保たれるようなシステムを今後この場において考えていかなければいけないのかというふうなことを実感として感じております。これからもよろしく御指導をお願いしたいと思います。ありがとうございました。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。先ほどの順番ですと伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員
 先生方、ありがとうございました。私は愛知県の名古屋の西にあります津島市の市長を兼ねておりまして、まちづくりの観点から少し御質問をさせていただきたいと思っております。
 今、私どもはあらゆる世代で健康に暮らすということを目標にいたしておりまして、いわゆるおなかに生を受けたときから健康に暮らしていくためにどうしたらいいかということで母子の健康状態から、それから学校の給食、これも少し栄養過多ではないか。いわゆる肥満児、20%を超える方にも同じように食べさせている。これもちょっとおかしな問題ではないかということを問題提起しながら、そしてまた先ほど秋山先生からございましたように70歳を超えると機能低下していく。特に慢性病になっていくなかで糖尿病に注目をいたしまして、糖尿病を重症化させることなく、できれば透析に移っていく患者を少なくしたりとか、心筋梗塞の患者を少なくしたりとか、そうしたシステムも地域の中で作ろうといたしております。いわゆるピンピンコロリというのをぜひ健康寿命を長くして実践していきたいと思っています。がショックでありましたのが、川島先生のいわゆるピンピンコロリが10%で、なおかつまた下がってきている。これはまちづくりの中ではここに力を入れていくのか。もしくは先ほどの穏やかに大往生を迎えていく。こうしたいわゆる施設のほうに力を加えていくのか。これはまさに岐路であります。これからのまちづくりを考えている中で、長寿を考える中でどちらに私どもは重点をおいていくべきなのか。なかなか両方に力点を置くことは難しい問題があります。当然人口構成の場合もあります。地域間のものもあります。できればその辺りを川島先生からお伺いできればありがたいと思います。

○遠藤会長 
 川島先生、お願いします。

○川島氏
 私の資料の2枚目のスライドと3枚目のスライドがとりあえずの答えになります。手前味噌ですみません。秋山弘子先生のスライドだと6枚目、7枚目がそれに似たように該当してくるということになります。秋山先生は本当に長い期間を調査なさっていて、こちらのほうが十分なことを表していると思いますが、要するに男性も女性も年齢を経るごとにやはりコロリとは死なないのだということです。コロリと死ぬと急死でございますので、そのときに例えば脇にいる人が「ピンピンコロリで良かったわね。」と拍手するなんていうことはありえなくて、ワーッとあわてて救急車を呼んで救急搬送率が高まるということです。
 ですので逆に言ってみれば、急変時を想定した説明をきちっとしておいて、慌てないようにすることが搬送率を高めないということになってくることでございます。常日ごろ、人間は衰えて最期を迎えていくということも同時に、希望としてはピンピンコロリだけれども、しかし現実としてはそうはいかないのだ。でも障害を持ったとしてもより良く生きられる。そこで大事なのが五体不満足の、名前を言うと申し訳ないんですが乙武さん。あれが実は日本人の生き方に非常に合っているのだと私は思っております。
 問題なのは今度は障害を持つ方がどんどん増えてきた場合にどうするかというと、これは秋山先生がおっしゃったように地域ぐるみでやっていくしかなく、ケア付きコミュニティの発想をしていかなければならないのだと思います。そのときに共同住宅のようなものがいいのかといいますと、それはまた標準化して、そこに押し込めるという形をとるのが非常にまずいわけです。だから選択肢を数多く出すということが大事で、その一つとして重症者も診れる在宅医療が各地域に人口分だけ何か所かあるということが大事でございます。
 そうしますと独居で最期まで看取るということも、実質的に可能なことになっています。そうすると自分の家で独居で歩けなくなっても、ある一定の説明を果たして、それに十分考慮してくださることであれば独居でも看取れるというふうになっていきます。そのようないろいろな対策を満遍なく選択肢が広がるように作っていくことが大事ではないかと、何かちょっと八方美人的な言い方ですみませんが。

○遠藤会長
 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員
 これは秋山先生に御指摘をいただきましたコミュニティの活躍の場だという具合に思っておりますし、また高齢者の方にもお独り暮らしの方にも救急キットをお願いしまして、その中にかかりつけのお医者さんですとか、既往症が何があるか。できるだけ最善の努力はしているわけでありますが、まだまだそれでも足りないというところはあると思っています。また、いろいろな面で御指導いただきまして、お願いをいたしたいと思います。ありがとうございました。

○遠藤会長 
 三浦委員、お待たせいたしました。

○三浦委員
 お三人の先生方、お話ありがとうございます。川島先生にお伺いしたいのですが、先ほど資料の5枚目のスライドの中で余命が限られているのならということで自宅を希望する患者さんが多いということですが、ただ自宅で過ごしたいけれども実現は難しいという中で、この在宅支援の説明がきちっとされていないと勘違いするのではないかというお話をいただきました。その説明の中で医師、看護師さん、薬剤師を含めた総合的な支援がというお話だったかと思います。我々薬剤師もぜひ在宅支援についてはいろいろお手伝いをさせていただきたいと思っております。ただ医師の指示がないとなかなか難しいということも聞いてはいますが、医薬品の適正使用という観点から、もちろん在宅の患者さんは多くの方が薬を使用されているわけですので、先ほどの秋山正子さんの話にもありましたけれども、薬の適正使用で入院回避したという例があったと報告されておりました。これは診療医がということもお話しされていましたが、チーム医療あるいは連携ということで薬剤師が在宅にいくということについて先生はどのようにお考えか教えていただければと思います。

○遠藤会長 
 川島先生。

○川島氏 
 これも私のスライドの17枚目になりますが、現在、私のところでは訪問調剤薬局28か所と協力しておりますが、この訪問薬剤指導を登録している調剤薬局は全国に4万か所ございます。ですのでかなりの数が訪問薬剤できるというふうに登録はしていますが、なかなかお医者さんがそこを使ってくださらないという現実がございます。
 調剤薬局の薬剤師さんが行くと薬についてはお医者さんや看護師さんよりも得手な分野でございますので、十分な薬の説明をしてくださいますし、特に癌の方のオピオイドの提供あるいは持続皮下注のポンプの使用などについて調剤薬局さんがやっていく仕事は非常に多いと思います。ですので、せっかく4万か所登録されておりますので、これをやはり医師が十分認識して、そういう箇所がどこにどのぐらいあるのかということも資料としてちゃんと医療機関に配布しておくことがまず第一歩です。その後には調剤薬局と医師の間で目に見えるような連携をしていかなければなりませんので、どうしてもそれぞれの事業所の中にいてなかなか会わないということがございます。ですのでそれを打ち破っていくためには本来はケアカンファレンスのようなところに調剤薬局の薬剤師さんも、それから在宅療養支援歯科診療所の先生方も来られるようなシステムをもう少し機能的に作っていくことが大事だと思います。
 ですので私が今日話をしていることは、どちらかというとハードで何かを作ってほしいわけではなくて、連携と説明をどのようにうまく作り上げていくかということが今の状況をもっと円滑に進めていく、機能的にしていく重要なキーポイントだと思っています。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。坂本専門委員、どうぞ。

○坂本専門委員
 秋山正子先生に伺います。診療報酬等においては、効率的で効果的なシステムというのが大変重視されると思います。先生のところは、今1か月160人ぐらい患者さんを診ていらっしゃるということでした。一概には答えられないと思いますけれども、訪問看護ステーションのスタイルといいますか、どれぐらいの患者さんを抱えられるかということがあれば、教えていただけますでしょうか。
 それからもう1点は、訪問看護ステーションから見た場合に、病院はどういう仕組みをもてば、効果的、効率的にやりやすいでしょうか。 最後に、訪問看護師の給料については、どうでしょうか。鈴木先生が先ほど、繁忙度が高いというお話をされたと同じように、訪問看護ステーションは増やしたいのですが、増えない現状があります。一体何が問題なのか、大変難しい問題ですが、差し支えなければ病院と比較した訪問看護師の給与について、お聞きしたいと思います。

○遠藤会長 
 秋山正子先生、お願いします。

○秋山(正)氏
 ありがとうございます。1つ目の規模のことについてですが、市ヶ谷と東久留米と2か所の訪問看護ステーションを運営しております。市ヶ谷は16人。訪問看護師10人を超えるステーションの1つになっています。少し大型です。10人いて100人の利用者さん、患者さんを超える数にいきますと、3番目の質問の給料とも関係しますが、そこそこ運営がしやすくなるという状況です。
 東久留米のほうは今、日本のスタンダードの、5人いますが、常勤換算で4.4という平均に値をしておりまして、200〜260ぐらい1か月回ります。200件を切るとコストパフォーマンスが悪いというか、結構厳しい経営状態になって、市ヶ谷のほうからも応援を出さないといけないというような、立ち上がりのときはそういう状態でした。ですので、200件を超すか超さないかの辺りでいつもとても経営状態が悪いというか、そういうステーションは平均的なところからするととても悩みが多いのではないかと思います。
 3番目を先に言いますと、給料の点ですが、3交代をして夜勤手当てがどんと付いて、それを手取りとして考えている看護師さんたちからすると基本給は変わらないので、手当ての部分が減るということで手取りが少し少ない感は否めません。ですが、決して低い給料が算定されているわけではないんです。ただ、先ほど言いましたように少し少ないところでやっていますとギリギリのところで動きますので、やはり自由度がなく、収入に見合った分だけしか給料が出せないので、それを超えて給料を出していきますと赤字体質が抜けきれないという状況だと思います。
 2番目の病院に対してですが、できれば急性期の医療に関して必要なときはお願いしたい。短期で、特に高齢者はそれで廃用症候群等が起こりますし、いろいろな医療処置がついてくる状態になりますので、地域とうまく連携をするために、そこの退院調整というか、再入院をしたときの情報交換とか、そこの部分をより自由度高くやりたいんです。ですがなかなかいろいろな組織の縛りがあって、そこがうまくいきません。そこのところの自由度を高めるために退院の前後の看護師としての働きに対して、逆に言えばそこは介護保険、医療保険関係なく、医療保険という見方でやっていただければとても助かるなと思います。以上です。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。北村委員、どうぞ。

○北村委員
 一般論ですので、3人の先生方どなたでも結構ですが、お答えいただければと思います。秋山先生の人口図面、それから川島先生の2ページ目を見ていても、これからまだまだ高齢者の医療・介護の費用の増高は避けられないことがわかります。、私が一番心配するのは若い世代の方々に、高齢者に係る大きな負担をかけていかなければならないという点です。かと言って医療・介護の制度は充実させていかなければならない。また高齢者が増えれば高密度な治療や介護をますます必要とするわけですから、なかなか二律背反で現実はうまくいきません。そういう中で今日のテーマは医療・介護の連携ということですが、病病連携とか、病診連携、あるいは医家連携を乗り越えて、もう1つ在宅について、これだけ皆さんに真剣に取り組んでいただいているというのはうれしいことです。今日話題に出ておりません家族とか、高齢者自身の意識の問題とか、現場でご苦労されている先生方の日常から何か、言いにくいことがあると思いますが、直すべきところは直し、反省すべきは反省しなければならないと思います。そうすれば医療システムの中の機能の一部について、もしかすると在宅療養がさらに代替できるかもしれない。私も90歳の要介護3の母と一緒に暮らしていますが、そんなことを考えるのですが、いかがでしょうか。

○遠藤会長 
 そういうような問題意識を持っておられるということですが、それに関連して何か御意見があれば。秋山正子先生、どうぞ。

○秋山(正)氏
 説明のときに飛ばした私の資料の中に35、36の辺りがあります。私は今おっしゃられたことについては非常に強く感じております。受け手の側の市民というか国民というか、そういう方々が家で暮らすことも可能である。そういうことを本当に分かっていただくために私たちはただ訪問看護を届けるだけではなく、こういう市民活動というか、それもしております。そしてここに今までと違った試みは、ここに介護を受けた方の家族の意見というか、それがきちんと壇上に出るようにセットしまして、3年このような活動をしております。在宅で暮らすためにどうしたらいいか、病院の看護師さんもここでプレゼンしていただいたり、病院の先生にもプレゼンをしていただいたり、在宅とのつなぎ、それから介護との関連、そういうことを市民向けにしております。そしてできるだけより健康に、そして逆に言えば急変ではなくて穏やかに亡くなっていける、そういう地域を作るためには受け手の側というか、皆さんが考えていただきたいということをずっとやってきて、少しは効果が出てきたかなと思いますが、すべてはそうではないので、そこは国を挙げてというのか、エンドオブライフをどう見るのかは医療・介護をすべてを含んで大きな課題だと思います。

○遠藤会長 
 川島先生、どうぞ。
○川島氏 
 一般的には住民の啓蒙活動ということでございましょうけれども、特に医療にしても介護にしても一般の方々はアマチュアでございます。だから本来はアマチュアにきちっと説明責任をしなければならないのは誰かというとプロでございます。プロが説明をしているのかといいますと、私のスライドで見ますと6枚目になりますけれども、残念ながら家にどのように帰られるかという在宅医療の説明すら臨床研修指定病院の73%の医者はできていないという現状がございます。そうすると帰れるとは思わない。さらに介護の説明をソーシャルワーカーがしているかというと、例えば500床規模の病院であってもわずか数名でございます。この数名のソーシャルワーカーで在宅医療の適用になる人に全部話をできるかというととてもできません。このようにプロが実はプロの仕事をしていないという問題があります。そうするとアマチュアも分からない。
 しかし、これは先ほどから言っているように私も受けた医学教育はそういうことまで要求しない教育でございますので、抜本的には教育のところから変えていかないといけないというふうに思っております。

○遠藤会長 
 秋山弘子先生、お願いいたします。

○秋山(弘)氏
 医療の提供者だけではなくて、これは国民の問題だと思います。私も89歳と90歳の母がおりますけれども、今の高齢者は「こんなに長生きするつもりでなかったのに生きてしまったのよ」という人たちです。したがって計画していないのです。経済的な計画もありませんし、80、90になって動けなくなったときにうちにいたいのか、病院に行くのかも考えていない。どうにかなるだろうと思ってきたわけです。人生60年時代の生き方をしています。
 日本の女性の平均寿命は86歳超えました。今一番大切なのは、人生90年をどう生きるか、どういう暮らしをしたいかという国民のコンセンサスを作ることだと思います。そこから国民が望む住宅政策、医療政策が出てきます。自立した生活が出来なくなった時にどこでどういうふうに生きたいか。そしてどのように人生を締めくくりたいかということも含めて、私たちひとりひとりが考える必要があります。例えば、胃ろうをつけて、そこから認知症の薬を入れて5年間生きたいか、それも1つのオプションだと思います。そういうことを全然考えていない。国民のコンセンサスを作っていくことが一番重要だと思っています。
 今の高齢者の子どもである団塊の世代は、親が80、90歳になって少しずつ弱っていく高齢期の生活を間近に見て、自分が90歳ぐらいまでどう生きたいかを真剣に考え、その準備する初めての世代ではないかと思います。もちろん小学校からやっていかなければいけないのですが、まず団塊の世代辺りを集中的に啓発していくこと有効かもしれません、コンセンサスなくして年金制度や医療制度を改革しても、それを支える財政的負担をしようとはしないでしょう。自分達はこういう暮らしをしたいというコンセンサスがあれば、それに応じてコミュニティでの協力や財政的な負担をやっていくのではないかと思います。

○遠藤会長 
 ありがとうございました。

○北村委員
 ありがとうございました。団塊世代ももうすぐ企業社会から離れて家族のところへという時代がもう数年後に待っているわけですから、これからが大変重要な時だと思います。

○遠藤会長
 ありがとうございます。勝村委員。

○勝村委員
 本日は本当にありがとうございました。自分としてはすごくよく理解できて、今日は本当にありがたかったと思います。特に高齢化社会がただ年齢が進むだけではなくて、その中身がこれからどういうふう変わっていくのかもとてもよく理解できました。それから患者に対してこういう問題を知らせるだけでなくて、医療者、医師や看護師が十分に在宅医療とか訪問看護などの状況が分かっていない。そういうところから変えていかなければいけないというところも分かりました。何よりもずっと言われていますQOLというか、高齢化で年をとっていろいろ障害が出てくるわけですが、それが病院の一律のものよりも在宅でやることによって、より個々のQOLに合わせたものができやすくなっていくのだということなども、非常によく分かりました。川島さん、秋山さんが実践されていることが本当に急いで全国に広がっていく必要があるなと強く感じることができました。
 そういうふうによく理解できたのですが、さらに教えて頂きたい点をお一人ずつ御質問させていただきたいです。まず川島先生のスライドの医療費の18のスライドです。これは在宅のほうが医療費がかかるという話もあるけれども、意外とそうではないというふうにも考えられるのではないか。いろいろなデータが十分に出ているわけではないと思いますが、そういう中で話されたと思いますが、ここに載っているのはあくまでも在宅医療でどれだけかかるということだけなのかなと思うのですが、簡単に分かるように説明していただけるのならば、これがもし病院だったらどれぐらいの医療費になるのかということです。
 それから、秋山正子さんには、やりとりの中で医師の指示書にもう少し工夫できたら自分たちが現場で在宅に行ってすべきことがよりやりやすくなるという趣旨の話があったかと思います。この活用ガイドの62、63ページにも指示書が出ていますが、この辺りについてより詳しくこういうふうになればいいということがあれば教えていただきたい。
 それから秋山弘子さんにはスライド6番、7番ですが、非常に大がかりな研究をされて興味深いのですが、岩波書店の「科学」を読めば分かるのかもしれないのですが、これは男性が3パターン、女性が2パターンとなっています。全体を平均するのではなしに、3つと2つに分けて何パーセントとしている意味ですが、3パターン、2パターンになったということなのですが、このグラフの意味を分かりやすく教えていただきたいと思います。

○遠藤会長 
 予定の時間をかなりオーバーしておりますので手短に今の3つの質問にお一人ずつお答えいただければと思います。川島先生からお願いしたいと思います。

○川島氏 
 18番のスライドでございます。医療費だけを考えた場合には病院に入院より確実に安いと思ってくださって結構です。ここには出ておりませんが癌の末期の場合、ホスピスに入院すると1日3万3,800円で、30日間で100万円かかる。在宅では一番高い在宅末期医療総合診療養をとっても45万でございます。それに多少の薬と、それから介護費用ということになりますので、医療だけでも半分。人工呼吸器はここに書いてありますように病院に入院の3分の1でございます。それから例えば寝たきりの方、要介護5、この方は医療費だけで見ると10万円程度でございます。病院で寝たきりの方をただ寝せておくだけでも40万ぐらいかかりますので、4分の1程度と考えていただきたいと思います。
 療養病床がいろいろ賄ってくれているところがあって非常に助かっていますが、療養病床で重要なのはやはり重症者をどのぐらい診るかということでございまして、もし療養病床で要介護1、2とか要支援程度の、もしかしたら歩けるような人を療養病床で診ているとなると、これは外来通院できるのに40万円の入院費用をかけているということになるので、この辺りは精査しないといけないことではないかと思っております。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。秋山正子先生、お願いします。

○秋山(正)氏
 ただいまの川島先生のに参考になるかもしれませんけれども、この訪問看護活用ガイドのAさんの場合というところの24ページの辺りに医療保険、介護保険サービスの費用と利用者負担というのが載っています。人工呼吸器を使った人の例ですので、少し数字は違いますけれども参考にしていただければ在宅の内容が分かるかと思います。ここに並んで事例が載っています。要介護度、それから内容別に費用が出されておりますので参考にしていただければと思います。
 それから質問いただいた指示書の件ですが、これをここで発言するとかなり大変になるかなと思いながら。指示書は医療情報に関しては非常によく連携をとりますので、指示書が要るか要らないかというところにいきます、いい関係を持っていく中では指示書自体をなくす方向でもいいのではないかなというのが私の考え方です。
 それともう一つは、回数制限をどこまでどうかけるかという辺りのところですが、そうすると天井知らずにいるというふうにお考えでしょうが、現在医療費の中で訪問看護費の比率は全体の2%です。マンパワーがまだまだ足りておりませんで、どんどん行け行けと言っても行けない状況もあります。その辺吟味をしながらですが、必要に応じて行ける体制をぜひ考えていただけたらありがたいなと思います。以上です。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。秋山弘子先生、お願いします。

○秋山(弘)氏
 簡単にスライドの6番目と7番目のグラフを説明させていただきます。これは先ほど申しましたように約6,000人を二十数年にわたって3年おきに調査した結果です。このグラフは加齢とともに自立度がどのように変化するか示しています。みんなが一様にある年齢になると自立度が落ちてくるのか、それともいくつかのパターンがあるのかというふうなことが知りたかったわけです。
 男性の場合、統計的に有意な3つのパターンが見られました。19%、70%、10%です。これは7割の人が全員、赤い線の上にいるというのではなくて、赤い線の周りに分布しているということです。そして約1割の方が80、90歳になるまで元気なピンピンコロリ型。こちらも線の周りにばらついているということです。
 よく受ける質問が、女性にはピンピンコロリ型はいないのか、女性のほうが長生きするではないかと言われます。確かに女性にも80、90までお元気な方はいらっしゃいますが、統計的に有意になるぐらいの数にはなりませんでした。
 女性は男性よりもっと緩やかに自立度が落ちるのですが、なぜかといいますと日常生活の動作には移動機能が非常に重要です。女性の場合は70歳になる頃から筋肉量や骨量が減少して移動機能に障害が生じ、自立が落ち始めるというのが典型的なパターンです。健康長寿ということから言えば、その辺りが一つの大きな介入のポイントではないかと思います。若いときから介入する必要があると思います。そういうことでございます。よろしいでしょうか。

○遠藤会長 ありがとうございました。まだ御質問はあるかと思いますけれども、当初予定していた時間を大幅に超えております。ただ、これはせっかく専門の先生方からのヒアリングということでありましたので、できるだけ多くの方からの御意見をいただきたいと思って、あえて時間を延ばさせていただきました。そのおかげで大変深みのある議論ができたかなと思いますので、三先生に御報告していただいた内容につきましては今後我々が議論していく上で参考にさせていただきたいと思います。三先生につきましては長期間、本当にありがとうございました。
 それでは引き続きまして次の議題に移りたいと思います。「医療と介護の連携(その3) リハビリテーション」が資料として出されております。事務局より説明をお願いしたいと思います。医療課長、どうぞ。

○事務局(鈴木医療課長)
 医療課長でございます。私のほうから中医協総−2−1、それから総−2−2、同じく総−2−2参考、総−2−3、総−2−4について御説明を申し上げます。これは前回、訪問診療と訪問看護について御議論いただきました医療と介護の連携のその3ということで、本日はリハビリテーションと退院調整、この2点について論点の提示も含めて御議論いただきたいということでございます。
 構成でございますが、まずリハビリテーションが総−2−1、2−2、2−2参考になっております。総−2−1にある文章のほとんどは総2−2の中のパワーポイントの中で説明をしておりますので、御説明は基本的には総2−2を中心にさせていただきたいと思います。
 それでは総−2−2です。リハビリテーションについて、この中にも2点論点がございます。1点目は医療と介護のリハビリテーションの連携でございます。スライドで小さくて恐縮ですが1ページをお捲りいただいてスライド番号3、左の上になります。基本的には急性期、回復期というところで医療保険でリハビリテーションをやっていただいた上で、症状が一定になり、基本的に生活を支援するようないわゆる維持期のリハになりますと、介護保険を中心にやっていただく。こういうことで平成18年改定以来やってまいりました。それを具体的に身体機能との関係でグラフに落としたのがその下でございます。
 次に5以下で実際に医療保険におけるリハビリテーションがどういう形になっているかを御説明しています。6のスライドですが、入院関係としては下にありますような一般病棟に入っておられたり、回復期リハビリテーションに入っておられたり、療養病棟に入っておられたりということで入院基本料を取っていただく場合もあります。具体的に入院しておられる場合も外来の場合も実際にリハを行っていただく場合には疾患別のリハビリテーションが算定できることになっています。
 疾患別のリハビリテーションはどうなっているかと申しますと、次のスライドの7でございますけれども、2種類ございまして、1対1で行う個別のリハビリテーションと、療法士さん1に対して複数の患者さんをやっていただく集団のリハビリテーションと2種類ございます。それぞれ点数が異なります。
 それから8のところにありますような、リハビリテーションは基本的には理学療法、作業療法、それから言語聴覚療法と三つがあるのですが、左のほうに評価しておりますが、I、II、III、IVということで、実際に行うところの規模とか従事しておられる方の人数で多い少ないでメリハリをつけて点数をつけているという現状です。
 リハビリテーションについての課題ですけれども、スライド9のところで、これは平成16年に高齢者のリハビリテーションの研究会というのがございまして、いくつか指摘されております。一つは急性期のリハビリテーションが十分でないのではないか。また長期にわたってあまり効果が明らかではないリハビリテーションが継続されているのではないか。それから医療から介護のリハビリテーションの橋渡しがきちっといっていないのではないか。また在宅におけるリハビリテーションが十分でないのではないか。こういう御指摘がございましたので平成18年改定のときに、スライド10のような形で改めさせていただきました。基本的には急性期、回復期リハビリテーションが医療のリハビリテーションでございます。また、これは次のページで御紹介いたしますけれども、リハビリテーションを4つの疾患群に分けまして、それぞれに標準的日数を設けて行いました。先ほどのスライド10のところですけれども、高次機能障害等、一部の場合のみ継続できるけれども、それ以外の場合には医療保険のリハビリテーションはできないということにいったん18年にいたしました。
 その中身でございますけれども、四つの疾患群ということでスライドの11です。心大血管のリハビリテーション、脳血管障害のリハビリテーション、それから運動機能リハビリテーション、それから呼吸器のリハビリテーション、この4つでございます。それぞれに標準的算定日数が設定されております。具体的にそれぞれがどのような割合かというのは、病院と診療所で異なりますけれども、赤いところがいわゆる脳卒中のリハビリテーションです。緑のところが整形外科的な運動器のリハビリテーションということで、この2つでかなりの部分を占めているということです。
 その間、平成19年、これは改定年ではありませんでしたけれども、18年の仕分けが必ずしも医療と介護の関係でうまくいっていなかったということもありまして、維持期のリハビリテーションについても、ここの下に括弧内に書いてありますけれども、1か月3日以内の場合には月に440点、4日以上の場合には月に880点ということで暫定的に維持期のリハビリテーションも医療保険でみるということにいたしました。しかし、これもなかなか使い勝手が悪いということで、平成20年改定のときにどうしたかと申しますと、医師が標準算定日数を超えても機能の改善が期待できるとした場合には、通常の疾患別リハビリテーションを継続していただく。それ以外の場合、つまりもう改善は期待できないけれども維持のために行うという場合を月に13単位まではリハビリテーションを医療保険で認めましょうということが平成20年の改定でございます。これが今現在のリハビリテーションの姿でございます。
 今日は担当の老人保健課長にも来ていただいておりますが、介護保険におけるリハビリテーション、若干私のほうから御説明いたします。老人保健施設で行われるようなリハビリテーション、それから自宅におられる方には通っていただくタイプと、それから訪問して行うタイプというのがございます。スライド17の上のところで、これは上のところで緑色になっているのが一番多いパターンですが、通っていただくリハビリテーション、これはリハビリテーションそのものに加えてお預かりも同時にしているので6時間から8時間という長時間になっています。下の青い囲みの中は医療のリハビリテーションですが、多くても2時間程度ということで、いわば拘束時間がかなり違うということになっています。
 スライド18、19ぐらいが通所リハビリテーションの短期集中リハビリテーションの増減、それから訪問リハビリテーションの増減を年次推移で示していますが、平成18年度以降増えてはきていますが、スライド19の右側にあるように県別に見ると必ずしもみんなが多いというよりはかなり格差があるようだということでございます。
 最後、スライド21でございます。これは一番左の赤の高いところが急性期、回復期で、先ほど申し上げたように標準算定日数というのが規定されています。もしお医者さんのほうでまだまだこれを超えても改善が期待できるということであれば、この背の高さのまま、その日数を超えても大丈夫だということでありますが、一定程度改善については終了した、あとは生活を支援するリハだということになりますと、医療で行う場合には次の赤と緑で書いたもの、介護で行う場合にはオレンジ色と青色で書いたものとなり、これは1か月以内、1か月から3か月、それから3か月以上ということで異なっているということでございます。
 ここで我々のほうとして今後、医療と介護の役割分担、特に医療における維持期のリハをどう考えるかというところで把握をさせたほうがよろしいかなと思いますのは、具体的にそれでは算定日数に達するような患者さんがどのぐらいおられて、そのうち医療のほうの維持期のリハに進まれている方がどのぐらいいて、介護のほうに行かれた方がどのぐらいいて、それぞれどういう理由でそういうことになっているのかというのを前回も申し上げましたが、4月ぐらいに調査表をまとめさせていただいて、5、6月に検証、調査をさせていただく「医療と介護の連携」という中に入れ込ませていただければと思っております。これが1点目の論点です。
 2点目は入院以外のリハビリテーションです。スライドでいいますと23を御覧いただきたいと思います。外来時の、これは医療のリハビリテーションですが、外来に来ていただいてリハビリテーションをする場合と、それから御自宅に訪問をしてリハビリテーションを提供する場合があります。この際、どういうことになっているかといいますと、左側の外来のリハビリテーションですと、来ていただくと必ずお医者さんが診察をして再診料を請求することになっています。
 翻って、右側の訪問リハビリテーションはお医者さんに診療していただいた上でリハビリテーションの指示をしていただいた上で、その指示に基づいて療法士の方が御自宅に行かれてリハビリテーションをする、こういう形になっています。
 それでは外来にリハビリテーションに来られる方と、それから訪問リハビリテーションを受けておられる方、それぞれどんな形で異なっているのかということで見ますと、スライド24、これが通院ともしくは訪問リハのバーゼル指数と申しますけれども、先ほどあったようなADL、日常生活動作で見た場合にどちらがより重いかということですけれども、やはり訪問の方のほうが通えないわけですから比較的には重いということ。それから次のスライド25で見ていただくと、これは医療ではなく介護のものですが、要介護度ごと、つまり右にいくほど状態が重いということですが、赤の訪問リハビリテーションも増えて通い型が減っていくということになります。したがいまして外来のリハビリテーションと訪問リハビリテーションを比べますと、対象者はどちらかというと訪問リハビリテーションのほうが重い、かつ医学的な管理ということから見ると医療機関に外来で見ていただいたほうが当然ながら医療的な管理は高いということでございますが、現在の仕組みからすると外来のリハビリテーションのみ毎回再診をして、診察料を請求していただくということになっておりますので、そのことについてどう考えるかということが2点目でございます。
 特にスライドの26でございますけれども、これは通院して外来でリハを提供しておられる医療機関に実際にどのぐらい診察する必要があるのかということをお聞きいたしました。毎回必ず診察する必要があるというのが3%ぐらい。あとは週1回であったり、月に1回であったり、定期的には診察するけれども毎回ではない。そのかわりにきちっとリハビリテーションの管理をしながら指示をして評価をしてということが医学的に行うということが実際に行っておられる方の御意見だということでございますので、2点目の課題としましては外来リハビリテーションの際の毎回医師の診察を求めて再診料を請求していただくというシステムをどのように考えるかということでございます。以下は参考資料でございます。
 総−2−2の参考というのは、これは昨年6月に公表いたしましたけれども、先ほど申し上げた疾患別にリハビリテーションを構成したこと、それから標準的算定日数を設けたことについてリハビリテーションの医学会なり病院団体等がどういうふうにおっしゃっているかをまとめたものでございますので、御説明はいたしませんが後でお時間があれば御覧いただきたいと思います。
 引き続きまして「医療と介護の連携」の2点目の退院調整です。資料は2−3と2−4です。2−3をパワーポイントで置き換えておりますので、2−4を中心に御説明申し上げます。2−4の2ページ目、下のところですが、スライド2でございます。どのような仕組みが現在あるかということを書いています。大きくいうと3つございまして、一番上に書いてあるような入院時に治療計画を作るというのが1つ。それから真ん中にありますような詳細な入院診療計画。これは入院時のいわばパスのようなものです。何日目に何をして、最後はどうなって、どうなったら退院だということでございます。最初は全疾患が対象でしたが、18年にこれは大腿骨頭の骨折のものと脳卒中のもの2つに絞っております。
 最後三つ目は平成20年、それから22年改定のときに入れました退院時の調整支援計画を作る、この3つが大きく退院調整に関する手間に関する評価でございます。
 実際に様式等を御覧いただきますと、次のスライドの3、4、5、6ですけれども、(1)で書いてあるスライド3が入院診療計画、(2)で書いてあるスライド4が詳細な先ほど申し上げたパスです。スライドでいいますと5ですけれども、これは退院調整の支援計画です。これをよく比較検討してみたのが6ですけれども、かなりの程度、赤で○を囲ったりしていますが重複しているものもある。それから、ある意味でいうと青で囲みました詳細な計画というのも、もし一定のガイドライン等があれば、大腿骨頭の骨折や脳卒中だけに限定せず拡大するという考え方もあり得るのかどうか。要するにこの辺の書式の調整なり対象の拡大ということについてどう考えるかというのが1点目でございます。
 次にスライド7、8でございます。7は前回も御紹介しました年次ごとにだんだん平均在院日数が減ってくるということでございます。 
 8はその際に入院中に訪問看護の依頼があった時期はいつごろか。左側を御覧いただきますと、一番多いのが退院前1、2週間の間です。その次が4日〜6日前にあったということですけれども、その時期についてどう考えるかというのも右の円グラフです。適切だったというのが半数以上ある反面、青いところの遅すぎたというのが三十数パーセントありますから、もう少し早めに訪問看護の依頼があればきちっと対応できたるのではないかということが伺われます。
 次のスライド9は現在の仕組みを入院している医療機関の側で算定できるもの、それから在宅を支える診療所なり訪問看護ステーション等で算定できるものということを書いております。上の医療機関内でも入院中にとれるものと退院に向けての指導等の青いもの、それから在宅のものでも在宅療法の機関が実際に入院している間にとれるものと、それから在宅を支える医療機関間でとれるものということで整理をしておりますが、これだと中身がなかなか分かりませんので、現在のイメージをと将来こういうことはいかがかというのをイメージ化したのがスライド10でございます。上のほうが入院してる医療機関、下のほうが在宅を担う医療機関と訪問看護ステーションです。
 これは人数の多寡ではなくて評価をどこまでやっているのかというので色をつけていますが、現在のところは基本的にはかなり退院に偏っているということと、入院している医療機関と在宅の医療機関の関わり合いがあまり重なる部分が大きくないというところです。将来はもう少し、先ほど時期の遅れというのがありましたけれども、入院早期からこういう調整ができるようにするということと、入院している医療機関側と在宅を支える医療機関側でもう少し重なりをしっかりするような形で考えてはどうかということです。
 その具体的な例がスライド11、12でございます。これは入院中の患者さんに共同で指導で行う場合で、在宅の医療機関の場合、訪問看護ステーションの場合、それからケアマネさんの場合というのがあります。3のケアマネさんの場合には当然ながら、そちらは介護保険で青い色になっていますけれども給付されて、医療機関の側には診療報酬から入る、こんなことになっています。
 ただし(2)の訪問今後ステーションのところで赤い×が書いてあります。これはここの部粉は算定できないということに現在なっております。この部分をどう考えるかというのが一つ。
 それから下の外泊時に在宅を担う医療機関が訪問する場合と書いてありますが、外泊というのは入院中に例えば週末なりに御自宅に戻られるということです。その場合でもその際に在宅の医療機関なり訪問ステーションが何かをしても現在は診療報酬を請求できないということになっております。
 ただし右側のスライドの13、14を御覧いただきますと、具体的に右側の13のところは(2)に当たると思いますけれども、入院中の患者さんに訪問看護ステーションが連携する場合でも実際に3割近くが必要があるということです。下のグラフ、これは外泊中の訪問ですけれども、青いところで実際にある例が既にもう5%ぐらいあるということでございます。
 さらに次のスライド15を御覧いただきますと、こういう退院準備に向けたケアをしていただくとどういう効果があるかということで、もちろん連携がよくなったとか、理解が深まったというのもありますけれども、それ以外にも再入院が減ったり、自宅退院が増えたり、退院時のトラブルが減ったり、平均在院日数が減るというようなメリットがございますので、退院調整に向けた取り組みを進めていくということをどう考えるか。特に先ほどのバツで示したような、現在算定できないスライド11やスライド12の場合についてどう考えるかというのが論点です。
 最後にスライド16でございます。実際に入院から退院される場合にほかの医療機関や施設等に行かれる場合もあれば、それから自宅に行かれる場合もあります。現在、それに向けた調整は全く同じに評価をしておりますけれども、実はその中身は異なっております。青が自宅に帰られる場合、白が施設に移行される場合ですが、施設に移行される場合にはもちろん退院前の調整はそういう施設を紹介するということが主になります。その後は実際的には施設でやっていただけるわけですので。ただ自宅に行く場合には当然訪問看護や在宅支援介護支援センターなり主治医なり、さまざまな介護機器の紹介なり等々、さまざまな機関と調整しなければいけないということで、やはり中身が少し異なっている可能性もございますので、現在全く同じに評価しているこの二つ、中身が違うことに着目して評価を若干変えていくという必要性がありやなしやということで、説明は長くなりましたがリハビリテーション、それから退院調整について、それぞれ何点か論点を提供させていただきました。説明は以上です。

○遠藤会長
 ありがとうございます。リハビリテーションは医療保険と介護保険という2つの体系の中でやっておりますので、その調整ということで、現状と、それから事務局が考えておられる課題といいましょうか、論点の案を挙げていただいたわけです。退院調整につきましても、これまで診療報酬上の手当てはいろいろしてきたわけですが、現状を踏まえながらこれを調整する必要があるかどうかということのいくつかの問題意識を挙げていただいたということです。時間も限られておりますので、できれば質問等を中心にいただければと思います。まずリハビリについて何かございますか。安達委員、どうぞ。

○安達委員
 最初に確認させていただきます。この一連の医療・介護の連携シリーズは今のところ我々の認識は基本になる資料を提供していただいている。それから医療課としてこういう論点があるのではないかということをおっしゃっていて、その辺の質問等々が主要な現在の課題で、これらについては当然後日これらの資料を基にしっかりとした議論になるというふうに理解しておりますが、それでよろしいでしょう。

○遠藤会長 
 私はそういう議事運営を考えております。

○安達委員
 その上で私は医療課に御質問します。リハビリテーションのスライド23です。その左側に費用のイメージというのがあって、真ん中のところに再診料、リハビリ料というのが日々のリハビリテーションに対して算定されるという意味でここに書かれています。現実これはそうなので、これは現状をお示しになっただけですか。あるいはその後ろのページには、これは整形外科のリハをやるところが今みんな苦しんでいる問題かもしれませんが、再診料が乗ることについて必ずしも診ていないという御批判を受けるということについて非常に困っている部分が確かにあります。ある意味ではそれは我々内科医が処方箋を28日分出して、毎日薬を飲んでいますかと見に行く必要があるかと言ったらないというのと同じことで、リハ計画書をつくって、著変がなければ毎日再診が要るかということは確かに議論です。
 一方ではリハビリテーション料を設定するときには再診料も乗るからという前提で点数が設定されているという側面があります。そういうことで、この絵は現状をお描きになっただけですが、それともそういうことの整形外科の関連の、リハビリ関連の団体から何らかの要望を受けられて、今後検討課題にする、そういうことも含んでいます。現時点での医療課の見解をお伺いいたします。

○遠藤会長 
 医療課長、お願いします。

○事務局(鈴木医療課長)
 スライド23でございますが、費用のイメージと書いてあるところ、これは安達委員御指摘のとおり現状でこういう形になっているということでございます。私どもの論点はそういう現状を踏まえた上で、もちろん脳卒中のリハと整形外科的なリハで違う場合もありましょうし、個々の患者さんにおいても異なる場合がありましょうから、そういうことも踏まえて、今はどの場合でも必ず再診しなければいけないということになっておりますが、そのことについてどう考えるかという論点の提示でございます。

○安達委員
 ありがとうございます。それで結構でございます。

○遠藤会長 
 小林委員、どうぞ。

○小林(剛)委員
 同時改定に向けて、もう既に何回か議論が行われております。早い段階から議論を行うことはみんなの意見でありまして、大変ありがたいことだと思います。ただ、医療と介護の連携、報酬体系に係る整合性など効率的でシームレスなケア・サービスを提供するために各論ベースで議論することはもちろん大事だと思いますが、最初からパーツごとに整合性を詰めるというような議論を始めてしまうのはいかがかなという感じはいたします。
 現状では全体の中で各論がどういう位置付けにあるかということを並行して議論していただけたらと思います。そういう意味では今日の有識者からのヒアリングは大変有意義だと思っております。
 それから、これまでも議論されておりますが、医療と介護の分野を俯瞰した場合、現在の医療報酬体系は複雑化しすぎており、細部にわたって細かな整合性をとっていこうということになりますと、さらに複雑化する嫌いがあると考えておりますので、できるだけシンプルを原則として、常にどうしたら簡素化するかという視点を持って事務局も論点整理、あるいは資料の提示をお願いしたいと思います。これは要望でございます。

○遠藤会長 
 議事運営上の問題で確認ですが、小林委員がおっしゃられた、全体をある程度俯瞰してというお話は、同時改定に関連して医療と介護の連携の中で議題とすべきものがこんなものがあるということをまずお示しいただいて、その中から個別の議論をしていくという、そういうことをするべきだ、こういう理解でよろしいのでしょうか。

○小林(剛)委員
 そのとおりです。

○遠藤会長 
 それについて事務局、何かございますか。
 医療課長、どうぞ。

○事務局(鈴木医療課長)
 昨年、特に22年改定後の中医協としての付帯意見、それから1号側、2号側からの御意見を踏まえて大枠で6点ほどあって、その中でさらにブレークダウンするこういうことだということで整理を一度させていただきました。その中で特に今回同時改定ということもございますので、例えばこの医療と介護の関係でありますとか、さまざまな論点が出てくると思います。前回もちょっと申し上げましたが、今実はいくつかの検証調査が走っております。それからもう1つ、5月から6月にかけて実施するもの、この医療と介護の連携もそうですがございますので、3月から4月にかけて、そういう調査についてはどういうことを具体的に調査するのかを一度詰めさせていただきたいと思います。今、我々として先ほど安達委員の御指摘にもございましたけれども、こういういくつかの論点について御提示させていただいているのは、そういう調査の際にも、今日も一つの質問事項がありましたけれども、そういうところについて調査させていただくという方向でよろしいかということをお伺いしながら、更にその検証を踏まえて最終的には夏前後に全体としてはこういう論点がありましたねということをまた議論させていただきたいと思っています。
 それから2点目の複雑化ということについて、我々もすでに御指摘をいただいていますので留意をしたいと思っておりますが、複雑化とある意味で二律背反にあるのがしっかりやっているところはしっかり評価するという、このバランスをどうとるのかということで、なるべく簡略化、シンプルにということはしながらも、かつきちっとしたところはきちっと評価するというところでバランスのとれた提案を私どもはさせていただくつもりでもありますが、御議論をお願いしたいと思っております。

○小林(剛)委員
 ありがとうございました。それで結構です。

○遠藤会長 
 それでは事務局としても対応できることは対応していただきたいと思います。
 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 皆さんおっしゃったように今の時点でこの議論は今日したらもう後はしませんみたいな話では早すぎると思いますが、出ている以上、こういうものに関してどう考えているかということをお話しさせていただきます。
 その前半のほうの維持期と介護保険でのリハビリということであれば、今の時点でその枠組みを変えるというのは難しいのではないかという気がいたします。要するに介護保険の適用ではない方でリハビリがずっと必要な方もいらっしゃいます。そういった方をどうするかということを抜きにして考えてはいけない、困ると思います。
 外来のリハビリについても、例えば運動器と脳血管のリハビリの考え方、あるいは病院でのリハビリと診療所でのリハビリの考え方とまだ意見が集約化されていないような気がしますので、何か一つにというのは無理があるのかなと思います。方向性としては何かするにしても選択できるような形にしないと無理があるのかなという気がいたしております。

○遠藤会長 
 議論につきましては当然のことながらまた詰めた形で本格的な議論をすることになりますので、またその中で御指摘をいただきたいと考えております。
 西澤委員、どうぞ。

○西澤委員
 この退院調整のパワーポイントの11ページですが。

○遠藤会長 
 退院調整にいく前にリハビリのほうで。リハビリで御質問、御意見はございますか。
 北村委員、どうぞ。

○北村委員
 教えてください。10ページの18年度の改定のときと14ページの20年度の改定のときの資料が示されておりますが、維持期のリハビリテーションの一部が、現時点では医療保険で扱われておりますけれども、これの背景といいますか、その辺について事務局がどう考えておられるのかを教えていただきたい。例えば介護におけるリハビリのサービス量の絶対量が不足しているととらえているのか、あるいは地域の医療機関と介護施設との連携がもう一つであるととらえているのかなど、背景と課題認識について、何かありましたら、教えていただきたい。

○遠藤会長 
 では医療課長でよろしいですか。

○事務局(鈴木医療課長)
 まず私のほうから申し上げて、もし補足があれば老人保健課長のほうからお願いしたいと思います。
 私も老人保健課長をかつてしておりましたので、その経験も踏まえて申し上げさせていただきます。やはり18年の改定というのは今鈴木委員もおっしゃったような急性期や回復期は医療でやって、生活を支援する維持期について介護をやる。この大義についてはおそらく大方の御了解をいただけたと思います。ただし18年の改定の中でかなり限られた高次機能障害とか以外についてはもう医療では一定の算定日数を超えるともう見ないのだということになったのですが、実際上まさに北村委員御指摘のような拠点数が少ないという問題、それから先ほどちょっと申し上げましたけれども、介護のリハはその当時は基本的には6〜8時間のお預かりの込みのコースでしたので、医療機関で2時間程度できちっとリハを終えて帰られている方がいきなり介護に来て、6〜8時間行くと拘束されるということについてはなかなかすぐ移行できないという状況が当時はやはりあったのだろうと思います。そういうことを踏まえて19年なり20年なりに、医療保険のほうでも、それから21年の介護報酬の改定でも一定程度の手当てをしてきたわけでございますので、今回先ほどもちょっと提案させていただいたのは、現在、そういうふうな流れになってきた中で、そろそろきちっと医療と介護のリハビリテーションが機能分化しつつあるのか、それともまた何かもう少し課題があるのかというのを今回同時改定でございますので、一定程度見るべきではないかということでございます。

○遠藤会長 
 北村委員、よろしいですか。ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 よろしいでしょうか。それでは退院調整のほうで御質問等をいただきたいと思います。西澤委員、どうぞ。

○西澤委員
 パワーポイントの11ページです。教えてもらいたいのですが、(2)のところの×というのは共同で退院指導しても訪問看護ステーションの評価がされてていないということでしょうか。

○遠藤会長
 医療課長、どうぞ。

○事務局(鈴木医療課長)
 今御質問がありましたのは総−2−4のスライド11で(2)のところで、赤い×がついています。これは訪問看護ステーション自体が評価を受けていないのかという御質問だと思います。お答えは訪問看護ステーション自体は下にある赤い6,000円というのは取れますが、入院している医療機関側で退院時共同指導料はこの場合取れない。逆に(1)のところであるような、それが訪問看護ステーションではなくて、在宅を支える医療機関であれば入院している医療機関側も退院時共同指導料が取れるというのが現状の姿です。この際×になっているところについても取れるように変える必要があるかどうかということが課題の提供でございます。

○遠藤会長 
 西澤委員、よろしいですか。

○西澤委員
 分かりました。それと今日は質問だけにしておきますが、下のほうですね。点線の左下のほうですが、ここに※でいろいろ書いてありますが、今回出てきているのは訪問看護ステーションだけですが、実は共同指導をするとき、そこにあるとおり歯科医師あるいは保険薬局、そして訪問看護等々、あるいは居宅介護支援事業者と書いてありますので、この次出していただくときには訪問看護だけではなくて、これからすべてチーム医療でございますので、ほかの薬局あるいは歯科、それぞれを含めていろいろな提案をしていただいたほうがよろしいかと思います。

○遠藤会長 
 医療課長、どうぞ。

○事務局(鈴木医療課長)
 確かに御指摘のとおりで訪問看護ステーションだけではなくて、例えば在宅を担う医療機関なり歯科医療機関なり薬局というのがございます。実はあまり次回のことを言ってはいけないのですが、次回薬局なり歯科医療機関についても提出させていただこうかなと思っております。漏れがないようにきちっとしたいと思います。

○遠藤会長 
 よろしくお願いいたします。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 私の質問というか、今日だけで、あとは終わりということはないことを前提にしてお話しさせていただきますと、1番目に関しましては入院時に退院後の見通しまである程度つく方とつかない方がいます。例えば地域連携パスによって脳卒中とか大腿骨頸部骨折みたいな方が急性期から来ていますが、そういう場合はある程度入院時に退院の話までできます。しかし、緊急に入院したような場合、いきなりそのときに退院の話はちょっと無理があるのかなということを感じております。
 2番目に関しては、西澤先生と同じで訪問看護もあればほかのものもあるということで、そういったものをどうするかということです。
 3番目に関しては、この調査ではこういう結果が出たのだと思いますが、私のところの話を確認しますと、負担は同じであると。というのは在宅の場合はむしろケアマネがはっきりすればケアマネにおまかせすることができる。だからおそらくこの調査の方はケアマネとの連携がうまくいっていなかったということではないかな。そちらのほうが問題かなと。むしろ入所のほうは施設をまず探すのが大変で、探しても条件に合うか合わないかをかなり当たって手間隙をかけてやらないと決まらないということも多い。結局プラスマイナスを考えると同じだという結論でございました。参考にしていただければと思います。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。坂本専門委員、どうぞ。

○坂本専門委員
 スライド11(2)のところですが、退院時共同指導料2について、訪問看護ステーションとの連携において、入院中の病院では、なぜ算定できなかったのでしょうか。これから入院中の病院でも評価するという論点が示されましたが、退院時共同指導料2が病院で算定できなかった理由を伺います。(2)

○遠藤会長 
 事務局何か、経緯ということになりますが。

○事務局(鈴木医療課長)
 当時の公文書を当たってみないと正確なところは分かりませんが、もしかすると医師と看護師の間の指示、被指示関係が関連するかもしれません。ただ、今明確なことは申し上げられませんので、少し公文書を当たってみたいと思います。

○遠藤会長 
 坂本専門委員。

○坂本専門委員
 ここの議論はこれからということですが、先ほどの秋山先生たちのお話を伺うと、仕組みがうまく整っていない問題もあるようでしたので、ぜひご検討をお願いします。単純にお金を取るようにしましょうということではなく、システムを整える視点でも議論に乗せていただければと思います。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。今後の議論の中ではそういうような視点も重要だと思います。白川委員、どうぞ。

○白川委員
 論点の立て方といいますか、資料でいいますと総−2−4のスライド10です。この考え方は私も賛成するものですが、こういうイメージを将来施行するために現行の制度で抜けがあるところだけ評価をどうしましょうかという論点の立て方になっていることについて、私は疑問でございます。そうではなくて将来の連携のイメージ、右のほうの形にするために全体としてどういう評価の仕組みにしたらいいかということで全体を考えて議論をするというふうな論点の立て方をしていただいたほうがいいのではないかと個人的には思っております。ぜひ御検討いただくようにお願いいたします。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。もしかしたら先ほど小林委員がおっしゃられたこととも関連するということだと思いますけれども、ある程度将来像みたいなものをはっきりさせて、どこをいじるのかということをある程度明らかにしたほうがいい。そういう視点からも今後資料作成の上ではお願いしたいと思います。ほかにございますか。
 中島委員、どうぞ。

○中島委員
 私も関連するのですが、基本的なことで質問させていただきたいと思います。診療報酬からのアプローチということでは当然こうやって積み上げていって、夏ぐらいにトータルな総括的な議論をさせていただけるということですが、介護モデルからのアプローチといいますか、まさに医療と介護と両方をトータルに利用者、患者の立場に立てば両方一緒に使うわけですから、やはり俯瞰したトータルなサービスモデルといいますか、そこの議論を、これは多分中医協だけではないと思いますが、どこでやっていただけるのか。あるいはそこに中医協としてどんなふうに意見反映なども含めてできるのか。その相互関係といいますか、受け皿について教えていただきたいと思います。

○遠藤会長 
 非常に重要な視点だと思います。それぞれ違う審議会が基本的には議論しているわけです。お互い相手を知らないとなかなか議論ができない。情報はおそらく共有していくことになると思いますけれども、その辺も含めて今後どういう形で議事を進めていくのか。特に介護のほうの動静とどう絡めていくのかというところ、その辺について事務局のお考えをお聞きしたいと思います。医療課長。

○事務局(鈴木医療課長)
 担当の老人保健課長は都合があって途中が帰ってしまいましたので私の方から。基本的には前回、12月だったと思いますけれども、介護保険法の改正の考え方についてお伺いしました。また、実際に法案提出の際には具体的な中身についてもお話を伺うことにしたいと思っています。その上で今中島委員がおっしゃったようにいろいろなレベルで介護でのやりとりをどうするのかということと、医療でのやりとりをどうするのかということをやはり調整していくことが必要だと思います。もちろん事務局的にはやりますけれども、こうした審議会の場でも例えば医療の場合には中医協というのがございます。介護の場合には介護報酬の給付費分科会というのがあります。その上のもう少しシステムも含めて社会保障審議会の医療保険部会と介護保険部会というのがございますので、今具体的にいつ何かをどうするということはなかなか申し上げにくいのですが、今回同時改定ということもございますし、そういった両者の間で齟齬や何かの違いがあって、そこに基づいて苦しむような方が出てこないようにきちっと連携をとらせていただきたいと思います。またもう少し具体的に年末なり来年に向けてどうするかということは担当部局とも調整を図った上で御相談をしたいと思います。

○遠藤会長 
 よろしくお願いいたします。では勝村委員、どうぞ。

○勝村委員
 今のお話に関してですが、同時改定だからということで非常に意気込みというか期待を持って、国民の人たちも持っていると思いますが、改定するときに逆にいうと同時でないほうが改定しやすいかもしれないわけですね。相手方は今こうなっているから自分たちはそれに合わせてシームレスにしようということがお互いから歩み寄れるかもしれない。だけど、そういうのはなかなかうまくいかないので、同時だからこそより大きくいろいろグランドデザインを持ってやっていけるのではないかという期待があるわけですね。ところが同時だけど、相手はどうするのかお互いに様子見をしているという感じで進んでいくようだったらだめでそういう期待はできないので、もっと省のほうで連携をして、こういうグランドデザインでやりたいからという提案の形で出てくるのかなという期待はありました。やはりこの間の介護保険はこうなってきています。ここにはこういう論点がありますという手順で進めていくということですが、本当に滅多にないと期待されていた同時改定だからこその、医療も介護もさらに生活も全部合わせて本当にシームレスな体制をつくっていこうという、そういうグランドデザインの意気込みみたいなものを事務局から感じられるようになって、その中で議論ができるというぐらいのものであってほしいと思います。要望です。

○遠藤会長 
 2つの局をまたがる改革ということになります。それを統合的にグランドデザインを作っていくようなことも期待されるということですが、それについて何か御意見はございますか。

○事務局(鈴木医療課長)
 今、勝村委員に御指摘いただいたような点についてもぜひ留意してやりたいと思います。現在、厚労省でも内閣全体でも、社会保障を税との関係でもどう考えるかということについての検討をしておりますし、医療・介護、もしかすると年金も含めて、全体的な高齢社会における社会保障をどうするかということにも関連いたしますので、ぜひ留意したいと思います。

○遠藤会長 
 よろしくお願いいたします。
 ほかにございますか。それでは本日はこれまでの制度の説明と事務局が考えている現時点での問題点、問題意識というものを明らかにしていただきました。今後はこれらを基にしながらまた議論を進めていきたいと考えております。
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 すみません、議事録に残したいので発言させていただきたいと思います。医療・介護の連携シリーズのデータ3に関連して、リハビリテーションについて最近、政府のライフイノベーション・ワーキンググループが短期間の議論をなさっておられます。その中の改革(案)で最終結論を出しておられる。次期診療報酬改定で日数制限を撤廃することを検討する。こんなことをおっしゃっています。リハビリテーションだけでもこれだけのデータがあって、我々は今中医協で時間をかけて議論する中で、こうした短絡的な短冊のものだけを切り取ってはこういうふうに議論される。政府機関の他の部分でということについては、我々中医協委員としては極めて遺憾である。この前、意見書をお出ししたところでございますが、再度またこういうものが出てくるということについて極めて遺憾であるということで、公式の発言として私の発言として苦言を呈するということをはっきり議事録にも記載していただくように申し上げたいということを申し上げます。

○遠藤会長 
 了解いたしました。これに関して何かございますか。
 嘉山委員、どうぞ。

○嘉山委員
 それに関しては次回、2号側でまとめて、こことここはこういうことで不合理ではないかということを出したいと思います。あと、勝村先生もおっしゃったように介護と両方改定で、これももう一つの提案ですが、今度は2号側で介護との関係を待っているわけにはいかないので、最近の数回の議論は議論になっていなくて、遠藤会長はこういう時間も必要だとお考えかもしれませんが、議論をもうちょっとやれるところからやっていったほうが、また改定の時期になるすごく時間がせって議論ができないので、次回か次々回かに2号側で介護の方面も考えた提案をさせていただきたいと思うのですが、よろしいですか。

○遠藤会長 
 それはどういう内容の提案でしょうか。議事運営上伺っておきたいおきたい。

○嘉山委員
 一つひとつの細かいことは無理だとしても大きな考え方を出したいと考えています。

○遠藤会長 
 考え方を出されることについては全くかまいません。ただ、それを取り上げるかどうかは皆さんの御意見をお聞きすることになりますけれども、提案は全く結構です。

○嘉山委員
 取り上げるかどうかって提案をするのは委員の権利です。

○遠藤会長 
 提案はもちろんかまわないと思います。
 1号側、よろしゅうございますね。提案をしたいということですから。それはどちらからあっても私は受け付けてきたつもりでありますので、一つよろしくお願いします。
 実は来年の改定までそんなに時間がないという問題意識を私は持っておりまして、できるだけ早く進めないと昨年度と同じようなことになりますので、そういう意味では私自身はできるだけ効率的にやっていきたいと考えております。
 それではよろしゅうございますか。引き続きまして前回引き延ばしておりました医療費の動向であります。最近の医療費の動向について説明をいただきたいと思います。事務局、どうぞ。

○事務局(村山調査課長)
 最近の医療費の動向、22年4月から9月の動向について御説明させていただきます。資料は中医協総−3−1と総−3−2でございます。総−3−1を御覧いただきたいと思います。「医療費の動向のポイント」という1枚紙を御覧いただきたいと思います。ここで申し上げます医療費といいますのは、審査支払機関の審査分の医療費ということでございまして、入院、入院外分等のレセプト分ということで、私どものほうでは概算医療費と言っているものでございます。なお柔道整復師の施術など、療養費は含まれておりません。
 平成22年4〜9月の医療費の伸び率でございます。このポイントを見ていただきますと、計の医療費の伸び率は3.9%です。入院が6.6%で、入院外等御覧のとおりでございます。医療費は1日当たり医療費と受診延日数の掛け算に分けることができまして、受診延日数は延患者数にあたります。
 受診延日数を入院、入院外、歯科ごとに見ていただきますと、入院ではプラスで増加、入院外、歯科ではマイナスということになっております。なお入院は平成21年度までマイナス傾向を続けてきておりましたが、今回22年4月から9月でみると、プラスに転じている。マイナスを続けてきた入院外のマイナス幅も今回縮小しているということでございます。
 なお括弧書きで書いてございますけれども、土日等の稼働日数補正後の計の医療費の伸び率は、実績の3.9%に対して3.4%となっております。これにつきましては平成22年4月分から稼働日数補正については最近の実績に基づきまして補正の係数等を変更していることを申し添えます。
 平成22年度は診療報酬改定が行われていますので、大きな制度改正や診療報酬改定のない平成21年度の伸び率と比較したのが下のところでございますが、計の医療費の22年度の実績につきましては先ほど申しました3.9%ということで、21年度と比べますと0.4%の増加です。あと御覧いただきますように、21年度の伸び率と比べ、入院、歯科はプラス、入院外、調剤はマイナスとなっております。その下でございますけれども、医療費のうちの1日当たり医療費、入院の1日当たり医療費あるいは入院外ですと通院1回当たり医療費ということですけれども、それを診療種類別ごとに21年度の伸び率と比べていただきますと入院と歯科はプラス、入院外と調剤はマイナスとなっております。
 なお入院外につきまして、病院と診療所に分けてお示しているということでございますけれども、下の※のところにございますように少し事情がございます。平成22年の4月診療分から病院のうちの旧総合病院についての外来のレセプトの書き方、これが変更になっております。診療科ごとにレセプトを作成していたものが病院単位で作成することになりましたので、外来の日数が減少して、1日当たり医療費が増加するという影響があります。診療所はこの影響がございませんので、今回分けてお示ししているということでございます。
 1ページおめくりいただきますと、今申し上げました診療種類ごとの医療費とそれを1日当たり医療費等に分けたものでございます。先ほど申し上げたものでございます。
 なお調剤について、表紙のポイントには受診延日数が書いてございませんが、この1ページ目の中段ぐらいのところにございます。調剤の受診延日数につきましては22年4月〜9月の対前年同期比が3.9%となっておりまして、入院外の△0.2%と比べますと増えておりますので、引き続き医薬分業が進んでいると見られると考えています。
 2ページでございます。これは経営主体別の医科病院の医療費の伸びでございます。一番上の行の医科の計の平成22年4〜9月の医療費の伸び率は5.7%で21年度より2.2%の増加ということでございます。中ほどは入院でございますけれども、入院では22年4−9月は6.7%ということで、一番右にございます21年度の伸び率との比較では3.4%の増加ということになっております。
 なお経営主体別に見ますと、21年度に比べ、受診延日数の伸び率は、先ほど申しましたように入院全体で増えておりますけれども、経営主体別でも21年度に比べて増加しています。
 そのことにつきまして、受診延日数の増加は延患者数の増加ということでございます。受診延日数、つまり延患者数は平均在院日数、どのくらい長く入院されるかということと、新しい入院患者数がどのぐらい入ってくるかということに分けることができますので、そのように分けて見るため12ページを御覧いただきたいと思います。12ページの参考というところで御覧いただきますと、1件当たり日数の伸び率という表を付けさせていただいております。
 上の表は、医科病院の入院について、経営主体別に1件当たり日数の伸び率を調べたものでございます。1件当たり日数というのは、受診したその月に、入院ですと何日入院したか、外来ですとその月に何回通院に来られたかを示すものでございますが、この入院の1件当たり日数の動向は、御覧いただきますように過去からマイナス傾向で、、22年4〜9月におきましてもマイナスが続いています。平均在院日数の増加減少というのはこの1件当たり日数の増加減少に反映すると考えられますので、この表から、平均在院日数は引き続き減少傾向というふうに見られると思います。したがいまして、入院の延患者数が増加しているのは新しく入院する患者数が増加していることによるものと考えられます。
 2ページに戻っていただきたいと思います。2ページの下の段でございます。一番下の段、先ほど申しましたとおり医科病院の入院外につきましては、旧総合病院のレセプトの作り方が変わっておりますので、医療費については22年4〜9月は2.9%の伸び率で、21年と比べまして1%低いということですが、日数あるいは1日当たりの医療費につきましては、先ほどのようなご注意をいただきたいと思います。
 3ページでございます。3ページは医科診療所の主たる診療科別の入院外医療費の伸び率でございます。22年度の医療費の伸び率は1.1%ということで、21年度に比べまして1%減少ということでございますが、受診延日数の伸び率につきましては21年度に比べ1.8%増加ということで、21年度までのマイナス傾向からプラスに転じているということでございます。
 主たる診療科別に受診延日数の伸び率を御覧いただきますと、21年度との比較を御覧いただきますと、外科と整形外科を除きまして21年度に比べて増加しています。特に小児科と耳鼻咽喉科では21年度と比べますと7%ないしは8%と増加幅が大きいということでございます。後ほど制度別に御覧いただきますが、未就学者の割合が多い診療科ということで、その患者数の増加も関係しているものと考えられます。
 4ページでございます。これは病院の病床規模別の医療費の伸びを見たものでございます。先ほど御覧いただいた全体の傾向と同じということですけれども、病床規模50床から100床のところの医療費について、一番右のところの平成21年度の伸び率との比較を見ますと、ここだけマイナスということになっておりますが、病院数自体は全体的に減少しておりまして、その影響を除いてみるということで、少し飛んで恐縮ですが7ページをご覧いただきますと、病院の医療費は病院数と1病院当たりの医療費、つまり一施設当たり医療費に分けることができますので、病院数の変化の影響を除いた1施設当たりの医療費を見たものでございます。これを見ますと50床から100床のところの医療費の伸び率は、21年度の伸び率との比較ではプラスになっております。
 続きまして5ページです。5ページは入院でございます。病床規模別でみると全体の傾向と同じということでございます。一番右の21年度の伸び率との比較のところで1日当たり医療費の伸び率を御覧いただきますと、病床規模の大きいほうが伸び率との比較では高い傾向にあることが御覧いただけます。
 6ページは病院の入院外医療費を病床規模で見たものでございます。先ほどのべましたように、受診延日数、1日当たり医療費につきましては総合病院のレセプトの作り方の変更点に留意していただければと思います。
 続きまして、少し飛ばしますが10ページでございます。制度別医療費の伸び率ということでございます。制度別の医療費の平成22年4月から9月の対前年同期比を御覧いただきますと、計は3.9%ということですが、制度別に平成21年度の伸び率との比較で傾向を見ていただきますと概ね横ばいないしは増加ということですが、中ほどのところに70歳未満の再掲で未就学者がございますが、21年度の伸び率との比較で見ますと9.7%ということで、制度別に見たときに最も増加しているということでございます。
 この理由につきましてはすぐ上にある受診延日数の増加が大きく寄与していることが御覧いただけます。
 11ページでは、制度ごとに加入者数の動きがありますので、その影響を除いて加入者一人当たりで見ておりますけれども、傾向は同じということでございます。総−3−1については以上でございます。
 総−3−2を御覧いただきたいと思います。こちらは平成22年4月〜8月の電算処理分の調剤医療費の動向のポイントでございます。作業の都合上、医療費の動向と異なりまして4月〜8月ということでまとめさせていただいております。ここでは一番先にございますのは処方箋1枚当たりの調剤医療費の動向でございます。これは先ほどの総―3−1の資料では調剤の1日当たり医療費といったものに対応しております。22年4月〜8月では△1.0%ということで、21年度に比べまして7.3%の減少ということで、内訳を見ますと技術料の伸び率の差は3.1%の増加、薬剤料では10.9%のマイナスとなっております。
 真ん中のところでは薬剤料の大部分を占める内服薬について薬剤料の動向を見たものでございます。この内服薬の薬剤料は22年4月〜8月では△3.2%ということで、21年度に比べて11.3%伸び率が低下しておりますけれども、その内訳を薬剤の種類数、それから何日分出しているかという投薬日数、それから1種類1日当たり薬剤料という3つの要素に分けて、21年度の伸び率との差を御覧いただきますと、投薬日数と1種類1日当たり薬剤で伸び率が大きく低下して差がマイナスになっていて、内服薬の処方せん一枚当たり薬剤料の伸び率が低下しているマイナスとなっている原因ということが御覧いただけます。
 一番下のところでは後発医薬品の使用状況でございます。後発医薬品の割合、これは平成22年8月の調剤、特に電算処理分だけでございますが、薬剤料ベースでは8.1%、数量ベースでは22.2%でございます。
 それから数量ベースの後発医薬品割合が20%以上の保険薬局の割合です。今回の22年改定で後発医薬品調剤体制加算の見直しが行われて、加算が行われるようになった薬局の割合でございますが、これが54.7%となっているということでございます。詳細はこの後ろに付けてございます。以上でございます。
○遠藤会長
 ありがとうございます。私一つ間違いまして、前回予定していた内容だというのは間違いでありまして、これは今回初めて出てきた内容でございます。御質問、御意見はございますか。
 渡辺委員、どうぞ。

○渡辺委員
 確認と意見を申し上げたいと思います。最初の3−1の資料の上のところで、まず前年度同期比で出ています医療費1日当たり、また延日数について出ておりますが、その後に括弧書きで稼働日数の補正というのがございます。これはまさに日曜日、土曜日の影響がどうかということで、たしか今回から歯科については歯科医院の場合には木曜日の休診というところが非常に多くて、土曜日もしっかりやっているというところがあります。その木曜日の影響を入れたとたしか3ページでしょうか、2ページでしょうか、あるかと思います。そうした補正をした結果がこの0.6であるという解釈でよろしいですね。

○遠藤会長
 調査課長、どうぞ。

○事務局(村山調査課長)
 御指摘のとおりでございまして、総―3−1の1ページをお捲りいただきますと、下の枠のところでございます。下に3行ほど稼働日数補正として、日祭日、土曜日に加えまして平成22年4月からは新たに休日でない木曜日に関しても稼働日数補正を行っている。それで委員御指摘のように各診療種類別にその影響を見ているということでございます。おっしゃっているような影響が盛り込まれた結果であるということでございます。

○渡辺委員
 はい、分かりました。最初の次の段に21年度との比較がございます。そこでは21年度は改定のない年であるということで、その年と比べてどうかという比較をされておりますが、前回のこの総会の場で金銀パラジウムの引き上げの随時改定をしていただいたわけです。また金銀パラジウムというのは私たちの歯科の分野では冠をかぶせるとか、ブリッジを作るとか、入れ歯のクラスプに使うとか、非常に頻度が高いと同時に影響率が高くございます。そういうことで21年度4月にも実はその材料費が21%随時改定で下がっているという非常に大きな割合があります。これが診療行為別頻度調査等を参考に推計すると21年度において年間平均、前年度比約0.7%ほどの影響率があるという高い影響率がありました。私たちの推計をいたしますと。ですから、そういうことを考えますとたとえばの21年度というところで1日当たりのところでは0.3のマイナスということですが、その中には材料、金銀パラジウムの−0.7が含まれた結果であるというふうに解釈しますので、それを抜きますと、ここは0.4になるのかなというふうに私は推計します。そういうことで前年度比、改定のない年においてもそういう影響が歯科の場合にはあるという現状、それからまた22年度のこの中においてもこの10月からは大きくまた上がっているということがあります。そういう材料の、金銀パラジウムという特殊の材料の影響は非常にこの中に含まれていることを御指摘しておきたいなと思いますので、意見として申し上げました。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。それでは三浦委員、どうぞ。

○三浦委員
 資料総−3−2であります。この調剤医療費電算処理分の動向のポイントでありますが、処方箋1枚当たりの調剤医療費の伸び率といたしまして前年度比−7.3%となっております。これは薬剤料が−10.9%ということで、かなり大幅にマイナスかと思います。これは後発医薬品の使用促進というふうに考えてよろしいかどうか御質問いたします。

○遠藤会長 
 調査課長、どうぞ。

○事務局(村山調査課長)
 1ページのポイントのところの、これは価格の議論でございますので、薬剤料ベースのところを見ていただきますと、このポイントの一番下から4行ぐらいのところです。後発医薬品の割合は薬剤料ベースで8.1%ということで、対前年度同期で+1.4%ということで増えておりますので、後発医薬品が新薬よりも薬価は低いということで、そういう影響はあろうかと存じます。一方でもともと薬価の引き下げということがあるので、私どものほうで内訳等々は把握しておりませんが、そういう影響はあるものと見ております。

○遠藤会長 
 三浦委員、よろしいですか。
 ほかによろしゅうございますか。
 それではこれまたじっくりお読みいただくということで、その他が一つございますので、そちらに移りたいと思います。これこそ前回、時間がなくて飛ばしたものでありますいが、事務局から資料が提出されておりますので御説明をお願いしたいと思います。医療課長、どうぞ。

○事務局(鈴木医療課長)
 中医協総−4でございます。これは「保険医療機関等に対する指導・監査の検証及び再発防止に関する検討チーム:中間とりまとめ報告書」と書いてございますが、中身はコンタクトレンズ診療所に関して私どもの元職員の不祥事案件がありまして、その件の原因分析及び再発防止について、当時の藤村副大臣をヘッドにして検討を行いまして、外部の有識者も含めて作っていただいた報告書ということです。
 時間の関係もございますので内部については細かく申し上げませんが、基本的には医療の監査・指導について内部監察組織がなかったこと、また、地方と中央との間の情報の共有体制等々についてさまざまな課題があったこと、また更にはコンプライアンスについて職員として当然ながら守るべきところを踏み越えてしまったことがあった等々分析をしております。
 今日、これを中医協に御報告した趣旨は、最後の6ページを御覧いただきたいと思います。最後の(4)のところでございます。これは御承知のとおり平成18年、それから20年にわたりましてコンタクトレンズ診療の検査料等について包括化等々、さまざまな措置をしてきたわけでございますけれども、この中間報告をまとめいただいた検討会の御意見としては、現在の検査料の診療報酬の中での在り方について、請求の状況等々も踏まえて見直すべきところがあるやなしやというところを検討してほしいという趣旨でございますので、こういう報告書がとりまとめられたということを中医協に御報告したいという趣旨でございます。以上です。

○遠藤会長
 ありがとうございます。基本的には報告事項ですけれども、何か御質問はございますか。安達委員、どうぞ。

○安達委員
 今、課長がおふれになった、まさにその点、それが中医協に御報告になる理由だと思いますが、この検討を行うという報告書、その考え方について医療課はどう思っておられるか。まずそれをお聞きしたいと思います。

○遠藤会長 
 事務局、お願いします。

○事務局(鈴木医療課長)
 今申し上げたとおり、これは検討委員会としておまとめいただいた報告書でございますので、正直に有体に申し上げれば、こういう報告受けて、私ども事務局としては中医協にも御相談しながら検討を行うことにするということでございまして、現在のところ右に行くとか、左に行くとか、事前にポジションがあるというわけではないということでございます。

○遠藤会長 
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 2ページ目の上に経緯が書いてあります。今回起こったことは何なのというと、こういう監査官がおられたこと自体がそれは医療課の皆様方も我々にとってもお互いに残念なことであり、かつそれを利用するような形で贈賄行為を起こしている医療機関が存在したことについても我々医療側としても大変遺憾なことであるということを申し上げます。具体的に起こったことは何なのかというと、実際にはコンタクトレンズ診療所でコンタクトレンズを処方するときに、1つは一連の診療行為を作為的に2つに分けて、治療に伴う検査と説明できるものは出来高保険で請求するようなことを監査官が教えた。もう1つ、そこで説明できない場合は現在の診療報酬ですとコンタクトレンズ検査料として包括されているものに該当するものだと思います。それは保険請求できるんだけれどもしなくて自費にした、そういう指導をしたということです。
 保険請求可能なものを自費にするかどうかは医療機関の選択なので、診療報酬決定上は触りようがないというのが現状ではないかと思います。
 もう一方では一連の診療行為で治療に伴う検査と説明できるものは出来高でやった。ここのところが一番悪意があるわけだと思います。それについてこの報告書がコンタクトレンズ検査料の検討を行いということは、包括コンタクトレンズ検査料の点数を下げることを検討しろとおっしゃっているというふうに医療課は理解されているのでしょうか。

○遠藤会長 
 医療課長、どうぞ。

○事務局(鈴木医療課長)
 繰り返しになりますけれども、今の段階で検討委員会からも上げる下げるということについて御指示を直接いただいているわけでございません。ただ現在の18年、20年というふうに設定して改変してきたコンタクトレンズの検査料というものの有り様について、こうした不祥事をある意味で言うと起こしやすい背景というのはその中にあるのかどうかということについて検討してほしいということだと思いますので、虚心坦懐にそういう検討をさせていただきたいと思います。

○遠藤会長 
 安達委員、よろしいですか。

○安達委員
 ありがとうございます。意見だけ最後に申し上げさせていただきます。この報告書の意見書を見るとコンタクトレンズの包括検査料を下げて、いわゆるコンタクトレンズ主体のコンタクトレンズ会社が営業するような診療所というものが医療の上では成り立たなくするようにすべきではないかというふうに読めなくはない。これは基本的にはやり方のベクトルとしては間違っているだろうと思います。そうであると普通の一般診療における通常のまともな眼科診療所までが大きな影響を受けるので、これについては慎重な検討を必要とするということだと思います。
 実際に起こった、先ほど申し上げた事象の検証からすればコンタクトレンズ検査料の在り方を検討するという結論にはならないはずではないかということも併せて御指摘をさせていただいて意見とさせていただきます。

○遠藤会長
 関連ですね。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 私も指導監査を担当しております立場からしても、今回の不祥事は営利企業傘下の診療所ということもありますが、一方では厚労省側の不祥事ということでもありますので、その責任を善良な多くの先生方に及ぼすことのないようなことをぜひお願いしたいと思っております。

○遠藤会長 
 それではこの問題にどう対応するかということになりますが、基本的に検討するということについては俎上に上げるということでよろしゅうございますか。
 結論がどうなるかというのはそこの議論ということになりますが。
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 今申し上げましたように、この事案の中身はコンタクトレンズ検査料の設定が問題であったのではないんですよ。それを検査料に特化して中医協で診療報酬の上で検討しろと言われるのは、私は御指摘としてはこの事案の内容からして、結論としてこの御指摘になるということに異論があるということを申し上げました。

○遠藤会長 
 そのように理解しております。ということはここで議論することにも反対だ、こういう理解をさせていただいてよろしいですか。

○安達委員
 そう申し上げたつもりでございます。このことを理由にしてということでればということであります。

○遠藤会長 
 ほかにこれについて何か御意見はございますか。嘉山委員、どうぞ。

○嘉山委員
 もしここで取り上げるという唯一の根拠を出すとすれば、この条件がコンタクトレンズの診療報酬に影響を与えたということを検証した結果を出していただければもう一度検討するというのは当然のことだと思うんです。ところが中でいろいろな検討をされたわけですね。つまりこの事件で眼科のコンタクトレンズの検査料が影響を受けたということが検証されているんですか。
 私はこれは厚生労働省の体質的なものを一番きちんと検証すべき問題だというふうに思うんです。こちらに持ってくるよりは。この問題にするよりは厚生労働省はこういう体質を、カルチャーをきちんと検証して、我々に後から報告していただければ、それで結構だと思います。

○遠藤会長 
 医療課長、どうぞ。

○事務局(鈴木医療課長)
 今日は中身を詳しく申し上げませんでしたけれども、この報告書自体はまさに安達委員、嘉山委員がおっしゃったように今回の事案の背景は我々の側の、つまり厚生労働省の側の職員の側のコンプライアンスの問題なり、内部監察制度のないことなり、実際に出先と本省との間の情報共有の体制なり、そういうところに原因があるというふうに分析をして、その分きちっとそういうことについて体制をとるべしということを今後の再発防止で書いてあるわけです。ただし、それに併せて安達委員には異論があるかもしれませんけれども、コンタクトレンズ検査料の在り方についても検討してほしいというふうにこの検討委員会がおっしゃっているわけなので、もちろん検討の結果、安達委員がおっしゃるように、このことについては実際のこの案件とは関係がないのだから変える必要はないという結論になるのも当然あり得る話だと思っておりますけれども、全くこれについて全体として検討しないということになってしまうとなかなか難しいなと思っております。

○遠藤会長
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 すみません、文言上の問題なので、コンタクトレンズ診療料について検討するということは基本的には点数を考えろと理解すると、そういう意味では起こった事象との関係で言えば異議がありますということを私は申し上げました。
 課長が言っておられるのは多分検討しろという中に、今回のほうに本当にコンタクト診療料の包括対象であるにもかかわらずいろいろな理由をつけて逃げ出して出来高で請求をした。ここのところが保険診療の制度の問題ですから、コンタクト診療料の包括の在り方とその範囲を厳密にするということで、そういう出来高に持っていくような逃げ道を作らないようにするという意味で議論をするという意味では私は反対ではございませんということを追加して申し上げさせていただきます。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。了解いたしました。いずれにしましてもさまざまなお考えがあるということを今伺い知ることができましたので、それなりに私は非常に納得もいったところもありますので、これを次回改定の俎上に乗せるかどうかを含めて1回議論をしてみたいと思いますけれども、そういう段取りでよろしいですか。
 では特段反対がないようであればそのようにさせていただきたいと思います。
 勝村委員、関連でどうぞ。

○勝村委員
 ただいまの報告の中で、コンタクトの話の部分は今まとめていただいたとおりでいいかと思いますが、全体の報告に関してもこの中医協の議論に大きく関係のある議論だと思います。この部分だけではなくて。やはり医療費が足りないと一生懸命言っている中で明らかに悪意ある不正の請求があるのだったら、それはその部分を本当に必要なところに回していけるわけですから、それの対処しないままでは話が逆だろうということです。そこがすごくいい加減になっているのだということではやはり話にならないと思います。
 話の前提として言っておきますけれども、今僕のイメージにあるのは、先ほどのコンタクトレンズの個別の話ではないです。2号側に座っておられる7人の委員の皆さんからしても、これはいかんなと思うようなイメージのことに対して僕は言っているつもりなので、余計な議論にならないようにしたいと思いますが。そういうのは実は僕たち市民の側でもずいぶんそういうひどいものにきっちり対処して行くべきだとして行政のほうに働きかけて来たのだけれども、なぜかなかなか行政が動かない。ずいぶん放置されて結局、表に出てくるとやはりとんでもなかったということが過去にあったわけです。数は非常に少ないかも知れませんが、今回でも監査という数字は前年度でも医科歯科それぞれ三十数件とか、そういう数で、だからひどいところがそんなに多くあるわけではないかもしれませんが、ほとんどの医師たちが患者のためにいい医療をしたいと思って一生懸命やっているのにそういうところにきちんとお金が回っていけばいいのに、そうなっていない。今までそういうひどいところにきちんと行政が対処していないという実感が市民の側から言われていた面はあって、そんな中で今回のようなことが起こっている。でも、この中間まとめに書かれているのは方向性としては非常に良い文章になっているんです。しかし、今までもこういうことは表向きでは言われてきたと僕らは理解しています。それが具体化されてこなかったことが問題なので、今回こそは具体化してほしいということです。
 例えば1点だけ特に具体的にこういうふうにしてほしいと思う点があります。ここで決めることではないかも知れませんが、4ページの(3)で地方支分部局が入手した情報のうち、何をいつまでに本省に報告すべきかという点です。そういう情報も限られた数ですし、1年に数件かも知れませんが、これは全例報告するようにすべきではないか。一生懸命行政に指摘しても全く生かされなくて、ある種無視されるような形になって、ずいぶんたってからようやくそこの医療機関に何年かたって監査に入って、内容を見てみたらやはりかなりひどい、誰が見てもひどいということがいくつかあったと思う。そういう点なども踏まえて信頼できる形というのは数少ないところをきちっとやってもらうことは非常に大事だと思いますので、ぜひこれを機にお願いしたいと思います。
 繰り返しますけれども、2号側の委員の人たちから見てもこれはいかんだろうというようなことに対しては全体で共有してきちんと毅然とした態度を示さないと、そこをかばうようなイメージがあってはいけないと思います。それは数少ないことだと思いますけれども、きちんとやっていって、それで本当に頑張っている人たちにも少しでも回していく。その上で医療費が足りないのだということをはっきり言えるということをきちんとしていってほしいと経験から思っています。

○遠藤会長 
 ありがとうございます。御意見として承らせていただきました。
 ほかにございますか。

○鈴木委員
 確認していただきたいのですが、この事案は不正請求というよりも、ここにも書いてあるようにモラルを欠いた職員によって行われた不正行為という、厚生労働省の職員の収賄事件ですから、それはお間違いないようにしていただきたいと思います。

○遠藤会長 
 勝村委員、どうぞ。

○勝村委員
 僕は行政のところで市民の訴えが止まっていたことがあったのではないかということを言っています。そういうことはみなさんは多分御存じなと思いますが、皆さんが結果として知っておられるような大きな事件でも、つまり市民の側がずいぶん前から指摘していたけれども実際に動いてくれなくて、何かのきっかけで動いたら、そこの医療機関は実は行政や医療関係者の誰が見てもこれはおかしいなと以前から思っていたというようなことは過去にあった。そういうことがたくさんあったと言っているのではありませんが、そういう経験も生かす形にしていただきたいというお願いなのです。

○遠藤会長 
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 私どもが申し上げことは勝村委員が不正請求という単語をお使いになったので、今回は医療機関の不正請求事案ではないですよということの確認をした。併せて議論させていただく上で医療機関の不正請求ということについては我々はマスコミの皆さんともどのレベルでの、いわゆるルールに合わないものはみんな不正なのか。悪意を持ったものが不正なのかということの議論を長い間させていただいた。この事案に関して医療機関は贈賄はしましたが、請求ルール上は不正とは必ずしも言えないという意味で不正請求という単語をお使いになったことについて、そういう事案ではないですよということを指摘させていただいて、確認してくださいと申し上げている、そういうことでございます。

○遠藤会長 
 勝村委員、手短に。

○勝村委員
 そこは確認済で了解済です。僕はこの4ページのこの文言に関して要望を経験から言わせていただいた。この文書の4ページの(3)のところに関して要望したということで、コンタクトレンズの議論とそういう個別の議論に関しての僕の意見ではありません。皆さんが今言われたこととは違います。

○遠藤会長 
 よろしゅうございますか。
 それでは、そういう御意見が双方からあったということを議事録に記載する形で対応させていただきたいと思います。
 それではこちらの準備は以上のとおりですが、よろしゅうございますか。
 嘉山委員、どうぞ。

○嘉山委員
 最近議論がないので実質的なことを事務局にお聞きしたいのですが、未承認薬適用外薬の有識者会議の堀田先生が来て説明していただきました。有識者会議では2回目の公募をやっていただけることを約束していただけたのですが、実際に今どういうふうに進んでいるのか、確認させてください。

○遠藤会長 
 前回話題になったと思いますが、未承認薬の検討会議でありますが、それの開催予定といいましょうか、その辺はどういう感じでありましょうか。薬剤管理官、どうぞ。

○事務局(吉田薬剤管理官)
 今御指摘の未承認薬・適応外薬等検討会議でございますけれども、手短に申し上げますと、これまで第2回目の開発要請をかけたものについての対応を事務局のほうでやってきたところでございますが、次回の検討会につきましては3月に開催する予定ということでございます。中身的には開発要請品目のフォローアップ等を議題とする予定というふうに担当部局から聞いているところでございます。
 それで嘉山委員ご指摘の開発の募集の関係でございます。それにつきましては審査管理課長からも「継続は当然いたしますけれども募集の仕方については今回の経験を踏まえて効率化を図りたい」ということをお答えさせていただいたところでございますが、現在、効率的な募集方法等につきまして関係者との意見交換を含めて引き続き検討している状況でございます。少なくとも具体的な募集の時期等につきましては、検討会の場でご確認いただいた上でないといつからというのをお話しするのは難しいかなと思っております。そういう意味で現時点で確たることをお話しすることができないことについては御理解いただきたいと思います。
 いずれにしましても、できるだけ早く募集を含めた検討を進められるよう担当局と調整をしていきたいと思います。

○遠藤会長 
 嘉山委員、どうぞ。

○嘉山委員
 中医協でも4回にわたって議論を徹底的にしたわけですから、公募が始まらなければゼロですからね。患者さんも待っています。時間はどんどん過ぎていくのでなるべく早く公募をかけて形にしていただきたいと思います。

○遠藤会長 
 中医協としてもある意味大変期待をしている検討会であるということでありますので、このような意見があったということをお伝えいただければと思います。
 ほかにはよろしゅうございますか。
 それでは私の司会不手際でこんなに遅くなってしまいまして申し訳ございません。それでは本日の総会はこれにて閉会としたいと思います。次回の日程につきまして医療課長、どうぞ。

○事務局(鈴木医療課長)
 次回は2月中旬を予定しております。具体的な日程等はまた御相談申し上げます。以上です。

○遠藤会長 
 それでは本日の総会をこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03−5253−1111(内線3288)

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