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2010年11月22日 第七次看護職員需給見通しに関する検討会第7回議事録

医政局

○日時

平成22年11月22日(月)17:00~


○場所

厚生労働省共用第8会議室(6F)


○議題

1.都道府県からのヒアリング結果について
2.第七次看護職員需給見通しに関する検討会報告書骨子案について

○議事

○河原専門官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第7回第七次看護職員需給見通しに関する検討会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多用中のところ、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
 本日の出欠状況でございますが、笹井委員、田中委員、吉田委員から御欠席の御連絡をいただいております。
 また、藤川委員と高砂委員からは、少々遅れるとの御連絡をいただいております。よろしくお願いいたします。
 まず、前回、7月16日の検討会以後に事務局に異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。
 まず、7月30日付の人事異動によりまして、看護職員確保対策官に着任いたしました玉川でございます。
○玉川対策官 玉川です。よろしくお願いいたします。
○河原専門官 それから、私でございますが、看護国際対策専門官、河原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事の進行に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の資料でございます。クリップを外していただきまして、議事次第の1枚紙の後に、資料を2種類、参考資料を2種類綴らせていただいております。
 資料1「都道府県からのヒアリング結果の概要」。
 資料2が「第七次看護職員需給見通しに関する検討会報告書骨子(案)」でございます。
 それから、参考資料1「第七次看護職員需給見通しの策定について」。
 最後に参考資料2「看護職員就業者数の推移」でございます。
 漏れ等ございませんでしょうか。
 また、このほかに、本日、遅れられておりますが、日本医師会の藤川委員より、委員の皆様方にはお配りしておりますが、「平成22年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所入学・卒業状況調査」という緑色の冊子をお配りしております。
 以上でございます。
 それでは、以降の進行につきましては、尾形座長、よろしくお願いいたします。
○尾形座長 こんばんは。お久しぶりといいますか、4か月ぶりでございますが、早速、本日の議題に入りたいと思います。
 まず、議題1でございますが、「都道府県からのヒアリング結果について」事務局から資料の説明をよろしくお願いいたします。
○玉川対策官 7月16日に開催されました第6回の検討会におきまして、事務局から「第七次看護職員需給見通し(暫定版)」という資料を提出させていただきました。これは、各都道府県が策定方針を踏まえ、施設に対する調査を実施して、これらに基づいて算定した各都道府県の需給見通しについて報告を受けた厚生労働省がとりまとめたものでございました。この各都道府県の需給見通しにつきましては、事務局において個別に都道府県に対してヒアリングを行うこととなっておりまして、その際、確認すべき事項等についても、前回の検討会で御意見をいただいていたところでございます。
 これらを踏まえまして、本日、資料1ということで、本年8~9月にかけて、全都道府県の担当者から医政局の看護課でヒアリングを行いました、その概要について御報告をさせていただきます。「都道府県からのヒアリング結果の概要」でございますけれども、資料1は「調査の方法について」「需要数の推計について」「供給数の推計について」「看護職員確保対策について」という4つの項目から成っているところでございます。それでは、資料1について順に中身を説明させていただきたいと思います。
 まず「調査の方法について」でございます。調査票の回収率についてでありますけれども、参考資料1に策定方針をお付けしておりますが、策定方針の中で、全数調査を基本とするとされた施設、具体的には病院でありますとか、有床診療所、老健、訪問看護ステーション、助産所、介護老人福祉施設、看護師等の学校養成所、保健所、市町村、その他行政機関でございますけれども、これらの施設に対する回収率は73.7%という状況でございました。都道府県別にこれを見ますと、最も高いところで99.7%、低いところで52.8%という状況でございました。
 また、今、お話しいたしました全数調査以外の施設についてでございますけれども、無床診療所につきましては、多くの都道府県において全数調査ないしは抽出調査を行っておりました。介護保険施設、あるいは地域包括支援センター、社会福祉施設、事業所、研究機関等についても調査の対象とした都道府県もございましたけれども、「業務従事者届」でございますとか「介護サービス施設・事業所調査」といった既存の統計資料を使っているところ、あるいは各都道府県の中で担当部局が独自に把握している数値を使用しているところもございました。
 なお、調査票の中でお聞きした調査項目でございますけれども、一部の都道府県においては、こちらの策定方針の附属物として示した調査票に加えて、第六次のときにお聞きをしておりました調査項目について、今回も盛り込んで聞いているところもございました。ただ、その場合、これが直接推計値のところで使用されるというよりは、確保対策検討の際の参考資料という位置づけだったということでございます。
 また、都道府県における需給見通しの検討に当たっては、既存の審議会等の活用も含め、全都道府県で関係団体、有識者、住民代表等から成る検討の場が設置されていたという状況でございます。
 続きまして「需要数の推計について」でございます。施設ごとに簡単にまとめております。
 病院の需要数の推計でございますけれども、多くの都道府県におきましては、全数調査の対象となっていますことから、その回答を集計したものということで病院全体の需要数を計上していたところでございます。
 診療所につきましては、有床診療所については全数調査の対象施設であったわけでございますけれども、その回答を集計したものを基に回答率を勘案した推計を行いまして、更に有床診療所自体が減少傾向にあるということで、そうした推移も踏まえて需要数を計上しておりました。
 他方、無床診療所については、抽出調査の対象施設でございましたけれども、回答を集計したものを基に、過去の施設数の推移等を勘案いたしまして需要数を計上しておりました。
 助産所におきましては、全数調査対象施設ということで、回答を集計したものをベースに需要数を計上しておりました。
 訪問看護ステーションにつきましては、多くの都道府県では、訪問看護ステーションからの回答を集計したものを基に回答率を勘案して全体の数を計上しておりましたが、これとは別個に県ごとに独自の整備目標が立てられているといったところでは、そうしたものも織り込んだ形での推計が行われておりました。
 介護保険施設につきましては、介護療養型医療施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、居宅サービス、地域包括支援センター、こうしたものが中に含まれております。このうち一部は全数調査の対象施設でございますので、各施設からの回答を基に回答率を勘案して需要数を推計しておりましたけれども、一部の都道府県におきましては、これらについても整備目標が立てられているということで、それを織り込んでおります。
 なお、介護療養型医療施設についてですが、調査票をお配りした時点におきまして、今後の具体的な取扱いが必ずしも明確でなかったということもございまして、平成27年まで介護保険施設で計上しているところと、病院、診療所に計上しているといった都道府県があって、対応が分かれているといった状況でございます。
 その他の施設につきましては、比較的既存の統計資料等による積み上げが多く見られておりました。
 なお、これらにつきましては、県内におきまして介護保険担当課と情報交換をした上で厚生労働省に報告が寄せられているという状況にございます。
 社会福祉施設におきましては、児童福祉施設、知的障害者の施設、精神障害者の施設、身体障害者の施設、それから、介護保険以外の居宅のサービスといったものがございますけれども、これらにつきましても、既存の統計資料等における推移を勘案して計上されておりました。
 その検討過程においては、社会福祉担当課との意見交換、情報交換が行われております。
 看護師等の学校養成所におきましては、調査時点において予定されています新設とか廃止の状況を踏まえて推計されておりました。
 保健所・市町村でございますけれども、全数調査の対象となっておりました。その回答を基に推計がされております。
 事業所、研究機関でございますけれども、これは既存の統計資料からの推移を勘案して計上されておりました。
 「供給数の推計について」に移ります。新卒就業者の推計でございますけれども、策定方針にのっとって、その時点で予見されている新設、廃止等の状況を踏まえ、また進学とか就業の動向を踏まえ計上されておりました。
 なお、27年度という計画期間までの間でございますけれども、入学者の減少等については特段、都道府県で推計値を積み上げるに当たっては考慮されていなかったという状況にございます。
 一部の都道府県におきましては、県内就業率の改善等を見込んでいるところもございました。
 再就業者数の推計でございますが、実態調査、ナースバンク、ハローワーク等を通じた再就業者数の現状を踏まえて計上されております。
 ナースバンクにつきましては、ハローワークと比較いたしますと件数は少ないのですが、丁寧な相談を実施できるといった声が寄せられておりました。
 それから、多くの都道府県におきましては、ナースバンク事業でございますとか、再就業支援の研修による強化、こうしたものの政策効果ということで、再就業者数の増加が見込まれていたところでございます。
 それから、退職等による減少数についてでございますけれども、退職の実績等を踏まえて推計をされているところでございます。これらにおきましても、都道府県によって、新人看護職員研修事業でございますとか、短時間正規雇用の導入支援事業の強化、こうしたことによる政策効果として、退職等による減少数の改善が見込まれていたところでございます。
 「看護職員確保対策について」御説明いたします。看護職員確保対策につきましては、都道府県に対して、今後重点的に取り組んでいく施策としてどのようなものがあるかというのをヒアリングの場でお伺いをいたしました。3つほどのカテゴリーに分けて書いておりますけれども、その中で、都道府県から挙げるものが多かった順に並べております。
 まず、養成促進施策の段階といたしましては、看護師等養成所の運営に対する補助、県立大学養成所の運営、修学資金貸与事業の実施、看護体験・看護の日等の普及啓発の促進、就労ガイダンスの実施でございます。
 定着促進施策といたしましては、病院内保育所の運営に対する補助を始めといたしまして、短時間正規雇用等の看護職員の多様な勤務形態導入の支援でございますとか、専門・認定看護師養成支援等の資質の向上、こうしたものを挙げておりました。
 それから、再就業支援施策の段階といたしましては、求人・求職情報の提供でございますとか、無料職業紹介などを行うナースバンク事業に対する補助、潜在看護師や潜在助産師等のための臨床実務研修に対する補助といったものを挙げていたところでございます。
 こうしたヒアリング概要だったわけでございますけれども、その積み上げにつきましては、厚生労働省でも個別に積算の基となる数字、算定の仕方をお伺いして、確認をいたしたところでございます。
 その結果が、別添1、2という形でつけ加えております。都道府県ごとの職員の需給見通しでございまして、表の見方といたしましては、需給見通しの初年であります平成23年と、最終年でございます平成27年について、各都道府県におきます需要数と供給数、更には需要見通しと供給見通しの差を出しております。別添1は看護職員全体でございまして、これは常勤換算で出したものでございます。
 1枚おめくりいただきますと、こちらは看護職員全体なんですけれども、実人員ベースで集計をしたもので、これは参考という位置づけでございます。
 それから、別添2でございますけれども、これは各都道府県の需給見通しで、助産師の分について再掲をさせていただいたものでございます。最初のページが常勤換算でございまして、最後のページが参考ということで、実人員で積み上げをしているものでございます。これらは四捨五入のため、需要見通しと供給見通しの差が必ずしも需要数マイナス供給数と一致しない都道府県もございます。
 資料1の説明につきましては、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。
 どうぞ、神野委員。
○神野委員 ヒアリング資料を見せていただきました。これを基に第七次の需給見通しが公になりますね。第六次の最終年の平成22年では1万5,900人の需給差があるということだったわけです。しかし、今度の第七次の始まりの23年は5万6,000人の差があるということになりますから、いかに第六次までの見方が甘かったかということになるわけですね。各都道府県に対して、責任の在りかというか、前回の第六次まで外れたことに対して、第七次はどんな思いでこれを出していただいたのかということをお聞きしなければいけないと思うんです。恐らく県のお役人も、勿論、厚労省の方も大変優秀ですから、目標をつくれと言うと、非常に立派な目標をおつくりになって、5年後の責任を持たないまま目標をつくられているのではないかという気がいたします。外れたときの責任論をきちんとしなくてはいけないのかなというのが1点でございます。
 それから、実は、私の県で、特に再就業見通しとか、退職による減少数に対して、どういう見通しでつくったのかというふうに問い詰めさせていただきました。そうしますと、例えば、再就業者数に関しては、年当初就業者数に国が示す再就業率0.079、それから、退職に関しても、国が示す退職率0.083を乗じた数と言っております。そうなると、これは県の独自の判断ではなくて、今まで数字が出てこなかったけれども、国がこういった計算式を出されてやっているとするならば、ある程度国の方も責任がある数字ではないか。そうすると、恐らくここでは、第七次に関しては、各県の目標数を積み上げてこれからつくりますという話になると思うのですけれども、もし国がそういう計算式をお出しになるとしたならば、県だけではなくて、国にも大きな責任があると思えてなりません。
 以上です。
○尾形座長 2点御指摘いただきましたが、事務局、いかがでしょうか。
○玉川対策官 各県がこれらの需要数ないしは供給数を見込むに当たりましては、基本となる考え方は策定方針ということで示しているところでございますけれども、更に県で独自に精査をいたしまして、足元の現状でございますとか、数値について使うといったことを妨げているものではございません。特に第七次のものにつきましては、前回の第6回のときに資料でお示しをしましたけれども、県に対して通知を出しているところでございまして、そこで書いてあるものが、全体のところということになります。
 もう一つ、見通しが外れたときのお話ということでありますけれども、これらの見通しに当たっては、医療提供体制でございますとか、あるいは社会福祉分野、介護保険分野でどういうふうに需要が伸びていくかということを、ある程度、足元が見えていながらも5年先のことまで含めて見定めていかなければならないところがございます。例えば、介護保険とかでも、3年とかということでありますと、計画年次で推計基礎となるサービス量が上がってきていたりするわけですけれども、そこを外れてしまうところになると、独自に推計をするしかないといった状況がございます。5年後、中期というのは、来年のことと比べて簡単に見通せないというところもあるかと思います。
 ただ、いずれにしましても、福祉の提供体制、介護の保険提供体制を考えるに当たっても、どのぐらい従事者が確保できるかという基礎的な数字として、こちらの数字もまた挙げられてくるという、相互関与の関係にございます。したがって、確かに大きく外れていれば、策定過程自体がどうだということになるのだと思いますけれども、何次かの計画策定の中で精度を上げていく準備をするということは非常に重要なことだと思っております。
○尾形座長 どうぞ。
○神野委員 先ほどちょっと申し上げましたけれども、0.079と0.083というのが国から示されたと県は言っておるのですけれども、これは何か根拠はあるのですか。これでみんなやったら、結構いい数字が出るに決まっている。再就業数と、退職による減少数、供給のところですね。
○玉川対策官 第七次のところでは、都道府県にお示ししておりますのは、この通知のところにあるものだけでありますので、具体的な定数というのは言っておりません。六次のときには、たしか重回帰分析の数式とかということを出していたかと思うのですけれども、今回はそうした定数とか何とかということは示しておりません。
○神野委員 とすると、私が聞いた県はたまたま第六次の係数をそのまま流用したということになりますよね。ほかの県はそうではないということですね。
○玉川対策官 県によって、どういうものを基礎算定の数値に持って来るか、どこの統計から持ってきて、それも、過去直近3年の実績を取るのか、5年の実績を取るのかというところも、結構いろいろな幅がございました。
○尾形座長 どうぞ。
○神野委員 特に再就業数とか、退職による減少数が、第六次まで非常に外れているものですから、あえて聞かせていただきました。もしそういう計算式があったのだったら、また外れそうな気がしてならないものですから、お話しさせていただきました。
○尾形座長 どうぞ、伊藤委員。
○伊藤委員 都道府県がどうやって計上したかということについて2点ほど申し上げたいと思います。
 まず1つ目は、3ページの供給数のところですが、入学者の減少など、少子化の影響について考慮していないということですが、これによって供給が多目に出るということは当然というか、そういうものとして出されているということになるわけです。
 もう一点、その結果として、今、御指摘ありましたけれども、各県、別添1などを見てみますと、きれいに100%ですとか、それに非常に近い99.何%というようなものがたくさん並んでいるわけです。これはどうしてこうなるのか。まずは、多目に供給が見積もられていることに加えて、この記述の中に、例えば、2ページの訪問看護ステーションのところですと、「多くの都道府県においては」こういうように計上していたけれど、「一部の都道府県においては」というような記述になっています。各都道府県での前提条件の認識についてのばらつきを許容した見積もりになっているわけですが、こういうもので意味があるのかという感じさえしてしまうわけで、こういったばらつきの前提の見積もりを今後どうやって生かしていくのかということで、もう一つの報告書、骨子の方ででも、需給見通しの策定の仕方についての課題を示していくことが必要なのではないかと思います。
 以上です。
○尾形座長 骨子については後ほどまた御議論いただきたいと思いますが、最初の点については何かありますか。
○玉川対策官 例えば、平成20年当初の看護師等学校養成所の1学年定員が9万3,235人でありましたのが、21年の4月、つまり1年後には9万6,321人になるように、今も学校養成所の定員は微増しているところでございます。足元のところだけでございますけれども、入学定員について言いますと、不況の影響等もあって、例えば、社会人から受けてこられるような方もいる訳です。全体として少子化については、今後、長期で見ると影響あるわけなのですけれども、学校養成所の定員充足に関して27年末まで見通したときに、大幅にこれを欠けるといった形で県は見込んでいないという状況にあったようなのです。
○尾形座長 どうぞ、伊藤委員。
○伊藤委員 まず、少子化については、第1回の会議のときにも、中位推計のものですけれども、一応、示されていて、非常に穏やかにではありますが、減少していくという前提の下での議論がこの間、進められてきてはいるのだと思います。養成学校の入学者数とか、この間、示されておりますけれども、女性が今、95%ですが、今後も供給を女性で埋めていくということになると、高校卒業者数の1割を養成校で受けていくという形に数字上ではなってしまう。それが現実的なのかと考えると、男性の養成校への入学を推進する方向も考えていかなければならないと思います、ここでは都道府県の試算の仕方でありますけれども、こういった認識のばらつき前提とすることに意味がどれだけあるのかということをまずは指摘しておきたいと思います。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
 大久保委員。
○大久保委員 2ページの需要数に関してなんですが、先ほどのばらつきのお話では、病院からの回答を集計したということですが、今、お伝えしたいのは、超過時間が看護職はすごく長時間です。月に20時間、30時間は恒常的に超過勤務しております。労災と認められる60時間を上回らなければいいという考えではなくて、この超過時間をきちんと解決しないと、定着していくナースも少なくなると思いますので、この点の人数をどういうふうに考えるかというところです。ヒアリングで何か出たものがございますでしょうか。
○尾形座長 どうぞ、事務局、お願いします。
○玉川対策官 まず、回答がありました時間数というのは、病院の方から実際に寄せられてきたものでございます。その中身は、病院の中で回答するに当たって、看護の管理者がその施設の長が了承した上で出してきた数字ということでありまして、そうした勤務状況等も踏まえた上で回答された数字ということになっております。
 具体的に超過したものを縮減する取組みとして、どのようなものがあるかということでございますけれども、まさにこれは各種の施策の中で、多様な勤務形態の導入でありますとか、こうしたことによって定着促進を図りまして、職員自体の幅といいますか、層といいますか、そうしたものを厚くすることによって、全体の中で回せるようにする。都道府県に対するヒアリングをしておりますが、定着促進への取組みに対する支援をするということで、私どもはお聞きをしているところでございます。
○尾形座長 どうぞ。
○大久保委員 ありがとうございます。
 県からの質問では、超過時間はどのぐらいという質問はたしかなかったような気がいたしましたのでお聞き致しました。定刻で勤務を終えることや、多様な勤務を組もうと思いますと、やはり人数の確保が必要でありますので、その点についても一緒にヒアリングで聞いていただければと感じたところです。
○尾形座長 菊池委員、どうぞ。
○菊池委員 訪問看護ステーションの需要の関係ですけれども、高齢社会ということで、医療、看護を必要とする人々が増加しますし、医療提供体制の改革ということも言われておりますので、今後、病院から在宅へ療養の場を移行する方が多いと考えれば、訪問看護の需要というのはもっと増えると思っております。先ほどの参考資料2で見ますと、実際に訪問看護ステーションに従事する看護職員は、17年の2万7,000人から21年の2万8,000人ということで、そんなに増えていないけれども、今後の5年間の需要という点では、今回、全県合わせておよそ3万3,000人と出されております。訪問看護ステーションの整備目標を独自に立てて、需要を見込んだという県も一部にあると書いてありますけれども、そういうところは需要をどういうふうに見込まれたのかを、もし聞いていらしたら教えていただきたい。
 もう一つ、伏見委員が長期需給推計で看護職員の需要を見込まれておりますけれども、訪問看護分野の看護職員数をどの程度と推計したかという内訳をお聞かせいただければと思います。
○尾形座長 2点いただきましたけれども、事務局。
○玉川対策官 前段の御質問についてお答えいたします。訪問看護についてでありますけれども、多くの県といいますか、ほとんどの県におきまして、介護保険の関係で23年までの数値については何がしかの形で見通しを持っているといった状況でございます。けれども、そこを超えて27年といったところまでですと、計画期間の関係で、必ずしもこれに合わせたような形で見通しを持っているという状況ではございませんでした。その中で幾つかの県は、県自体で訪問看護に対する取組みを進めていこうということで、サービスの利用者の推計を独自に行っています。利用者の推計だけで終わっているところも多かったのですけれども、更には、マンパワーとしてどれぐらい要るかといったことまで割り戻す、これぐらい必要だろうというところまで、プランの中で書いているような県もございました。例えば、今の施設数ですと、1ステーション当たりどのぐらい看護師がいてとか、そうした基礎的な数値を基に一定の前提を置いた上で推計を行っていたというところでございます。
○菊池委員 ありがとうございます。
○尾形座長 後段の長期見通しにおける訪問看護の扱いということですが、伏見委員、よろしいですか。
○伏見委員 長期推計ですので、平成37年の時点の推計を行っておりますけれども、労働時間等を考慮した形で、いわゆるAシナリオと言われていた、現状を投影したモデルという形でいくと、約4万人程度。更に、いわゆるBシナリオといいまして、より在宅等への移行が進んだとした場合で最大で6万人程度のシミュレーション上の増加は、かなり幅はありますけれども、あるというような推計結果を御報告しております。
 以上です。
○尾形座長 菊池委員、よろしいですか。
○菊池委員 ありがとうございます。
 訪問看護ステーションの分野の看護職員の確保については、なかなか定着しないとか、確保が難しいという話は聞いています。その背景には、ステーションの規模が非常に小さく、常勤換算で5人未満の小規模のところが半分以上ですので、休暇や勤務時間などの労働条件とか、研修に出にくいなどの問題があると思います。こういう状況のままでは、なかなか需要に合った訪問看護職員の確保が難しいという気がします。確保対策を考えるときに、現状と今後の需要増の見込みを念頭に置いて、病院における確保だけではなくて、訪問看護分野での確保対策を別途考えることが必要と考えます。
○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。
 酒井委員、どうぞ。
○酒井委員 今のお話とかぶるかもしれませんけれども、基本的にこの数は既存の介護なり何なりの施設での統計を出しているわけですから、例えば、そのステーション自体の数が今後、当然必要になってくるわけですね。その必要となってくるであろうというステーションの数はどこからどうやって出していったらよろしいのでしょうか。このアンケートは、既にある施設でのアンケートだと思いますので、今後、増やしていかなければならないであろうステーションなり施設の需要の数はどこでどうやって出していったらいいのですかね。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○玉川対策官 策定方針の策定に当たりましては、需要数の考え方として、必ずしも理想的なものではなくても、実現可能な、あるいは現実味のある需要数ということでこれを立てているわけでございます。必ずしも調査に対する回答があったところだけではございませんで、今までも、介護保険でございますとか、訪問看護につきましては、新規の開設者が参入をしてきて、ステーションの数なり、あるいは事業所の数が増えてきたわけでございます。そうした過去の施設統計等によって、伸び幅といったトレンドを取りまして、それで新規の開設を見込んでいるというところはございます。それぐらいの伸び幅でありますと、新規に入ってくるような事業者もある程度期待できるのではないだろうかと、都道府県が見込んでいるわけでございます。一方、単純に利用者の数に応じた看護職員の人数を想定するというのも1つの考え方ではありまして、幾つかの県におきましては、利用者数ベースで、それに沿った形で伸びを設定している県もあって、政策的にプランとかという形で、それを焼きつけているといった県もございました。
○酒井委員 それは全国的に統一されているわけではなくて、ある県ではそれを見込んでこの数字に入れているというばらつきがかなりあると思われるのですね。
○玉川対策官 足元の23年とかにつきましては、全国的に介護保険などでやっているわけでありますけれども、27年とかまで行きますと、そこまで見通しを立てている県と、必ずしもそこまで数字という形で持っていないという県とがございます。
○酒井委員 ありがとうございます。
○尾形座長 高砂委員、どうぞ。
○高砂委員 訪問看護ステーションの推計に関して菊池委員から御質問があり、事務局からのお返事の内容で、都道府県の方としては、介護保険の事業計画等を基本に考えていらっしゃるという御説明があったんですけれども、今、訪問看護ステーションの実態としては、2対8から3対7の多い方が介護保険なのですけれども、医療保険で提供している訪問看護もございますし、またグループホームなどへの訪問が拡大されているという状況をどれぐらい勘案していただけていたのか、お伺いできればと思います。
○尾形座長 どうぞ、事務局。
○玉川対策官 医療保険、介護保険といった内訳のところまで詳細についてはお聞きをしておりませんでした。県の中でどういうプロセスを経て訪問看護の数を出したかについては、今、言いましたように、プランに基づいて、あるいは有識者、県の中の検討会の委員で、お詳しい方の意見なども参考としてということがありました。けれども、計数的に、医療保険分幾ら、介護保険分幾らという形ではお聞きをしておりません。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
 菊池委員、どうぞ。
○菊池委員 訪問看護ステーションの数のことですけれども、この間、5,000か所を超えたところで、伸び悩んでいるという状況があります。過去に介護保険の議論がされているときに、訪問看護ステーションを中学校区に1つぐらいはつくるという観点から、新ゴールドプランで9,000何か所という、1万か所近くの数値目標を一度示されたことがありますが、現在、そこまで増えていない状況があります。全国の3割以上の市町村でまだ1つも訪問看護ステーションがないという状況がございますので、訪問看護の普及ということについては、政策的に考えていただきたいと思っております。
○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、既に議題2の骨子案に係るお話も出てきているかと思いますので、議題2に進めさせていただきたいと思います。「第七次看護職員需給見通しに関する検討会報告書骨子案について」でございます。
 当初、この検討会のスケジュールでも、年内には報告書をとりまとめるという基本的なタイムスケジュールになっておりました。一応、これまでの会合で、本検討会における検討課題については、一通り御議論はいただいたかと思っております。これまでの御審議を踏まえまして、事務局に報告書の骨子案、あくまでもたたき台でございますが、一応、作成をしてもらいました。今回と次回にもなろうかと思いますが、この骨子案を基にして最終的な報告書をとりまとめる議論に移っていただきたいと思っております。
 それでは、事務局より、この骨子案、資料2について説明をお願いいたします。
○玉川対策官 それでは、資料2について御説明をいたします。これは、今ありましたように、座長からの御指示を受け、6回にわたる検討会の議論を始め、都道府県からの報告とか、あるいは個別のヒアリングの結果を踏まえて事務局でまとめさせていただいたものでございます。
 骨子案の項目立てでございますけれども、1番目が「はじめに」。2番目が「新たな看護職員需給見通しの策定」ということで「策定の方法」と「新たな看護職員需給見通し」。それから、3番目が「長期的看護職員需給見通しの推計」。4番目が「看護職員確保対策の推進」ということで「養成促進」「定着促進」「再就業支援」。それから、5番目が「おわりに」という構成になっているところでございます。それでは、順に中身を御説明させていただきます。
 まず「はじめに」でございますけれども、看護職員の需給に関しましては、国は、看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づく看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針に基づきまして、医療提供体制を踏まえた需給見通しに基づいた看護師等の養成を図ることが要求されているところでございます。
 この看護職員の需給見通しというのは、看護職員確保の基本的な資料として、おおむね5年ごとに、これまで6回にわたって策定されてまいりました。
 第六次の看護職員需給見通しといいますのは、平成18~22年までの5年間の需給見通しとして平成17年に策定をされているところでございます。
 一方、平成21年3月の「看護の質の向上と確保に関する検討会中間とりまとめ」におきまして、少子化による養成数の減少などを踏まえた長期的な需給見通しでございますとか、看護職員の確保のために、働く意向がある潜在看護職員を把握する仕組みづくり、多様な勤務形態の導入や院内保育所の整備などにより、就労継続及び再就業の支援対策を強化するなどの推進策が求められていたところでございまして、これらを総合的に勘案して、第七次看護職員需給見通しを策定すべきとされておりました。
 今般、23年以降についても、引き続き基本的な資料として需給見通しを策定するということで議論を重ねてきたところでございます。
 2番に移りまして「新たな看護職員需給見通しの策定」でございますが、初めに「(1)策定の方法」といたしまして、この需給見通しは、地域の医療提供体制の確保を担っております各都道府県の実情を踏まえ、各都道府県が見通しを策定して、厚生労働省に対する報告がなされた後、全国的な観点といった調整を経て策定することとされております。
 本検討会は、21年8月までに次のような需給見通しの策定方針、それから、標準的な調査票についてとりまとめをいたしました。策定方針は参考資料1に付けているところでありますけれども、その概要を書いております。
 策定の考え方といたしましては、今後の医療ニーズの増大や看護の質の向上が求められていることに鑑み、看護職員の就業現状と同時に、各施設における看護の質の向上や勤務環境の改善などを見込んだ場合の看護職員の需要数について把握するが、供給については一定の政策効果も加味する。
 実態を適切に把握するため、各施設の協力を得て、より精度の高い調査を実施する。
 なお、算定に当たっては、看護職員全体を積み上げることとするけれども、助産師については再掲をする。
 そして、調査の方法としては、都道府県は、需要数・供給数について都道府県ごとに積み上げを行いまして、厚生労働省でとりまとめをすることとしております。
 調査票につきましては、看護担当の責任者が記載し、提出に当たっては、各施設長が了承することにしております。
 また、需要数の推計方法についてですが、看護職員の需要数を施設ごとに推計し、各施設における看護の質の向上でありますとか、勤務環境の改善などを見込むとしております。
 なお、保助看法等におきます法律の改正についても留意をすることとしております。
 それから、供給数の推計方法についてでございますけれども、平成23~27年の供給数を都道府県が推計することとしておりまして、その際、算定の考え方といたしましては、年当初の就業者数に新卒の就業者数を加え、更に再就職者数を加えたものから、退職等による減少数を引いたもの、これが翌年当初の就業者数になっていくという考え方で進めております。
 それから、各都道府県でございますが、こうした策定方針を踏まえまして、関係団体、有識者、住民代表等の参加協力を得て検討の場を設置すること等によって、その地域の特性を考慮して、調査方法、推計方法について検討を実施することとしております。
 各医療機関が現状ないしは今後の運営方針を踏まえて記入した調査票の集計を基に、算定作業を実施いたしまして、厚生労働省では、こうしたものによって出たものを都道府県から報告を受けた後、先ほど御報告いたしましたように、ヒアリングを実施して、積み上げることによって全国の見通しを策定するというプロセスとしております。
 それから、需要数、供給数の推計でございますが、近年、短時間勤務の看護職員が増加していること等も踏まえ、第六次の需給見通しと同様に常勤換算で算定することを考えております。
 見通し期間についてでございますけれども、第六次の需給見通しと同様に5年間ということで、具体的には平成23~27年までを見込んでおります。
 そして、その結果、積み上げた新たな需給見通しでございますけれども、本文の方では、需給見通しの概要と、ヒアリングを通じた把握等について傾向等を述べております。
 具体的な数値につきましては、後の方に別表1~4という形で、100の台まであらわした、10から下を四捨五入した数値で提出をしております。本文は1,000人単位で記述をさせていただいております。
 3ページに戻りまして、まず需要見通しについてでございますが、看護職員の需要見通しといたしましては、需要見通しの初年でございます平成23年には約140万4,000人でございますが、これが需要見通しの最終年でございます平成27年に約150万1,000人に増加するということで積み上げの結果が出ております。4年の間に約6.9%の伸びが見込まれているところでございます。
 需要見通しの中で人数的に一番多いのは病院でございまして、約90万人から約96万6,000人に増加するということで、これは全体を上回ります約7.3%の伸び率が見込まれております。
 また、診療所につきましては、約23万2,000人から約24万2,000人と推計をされているところでございます。
 助産所につきましては、約2,000人で、これは微増という傾向が示されております。
 訪問看護ステーションについてでございますけれども、約2万8,000人から約3万3,000人に増加ということで、その伸び率でございますけれども、16.9%となっております。
 介護保険関係については、約15万3,000人から約16万5,000人に増加ということで、約7.4%の伸び率でございまして、これは病院、診療所に次ぐ人数となっております。
 社会福祉施設につきましては、約2万人から約2万2,000人に増加するものと見込まれております。
 看護師等の学校養成所につきましては、約2万人、保健所・市町村については約3万8,000人ということで、ほぼ現状維持ということでございます。
 事業所、研究機関については、約1万4,000人から約1万5,000人で微増。
 それから、再掲しているところに移りますけれども、助産師数につきましては、約3万2,000人から約3万5,000人ということで、約9.4%の伸び率ということで増加をしております。
 そのうち一番大きいのが病院でございまして、病院につきましては、約2万1,000人から約2万4,000人に、また、診療所につきましては、約6,000人から約7,000人に増加ということでございます。
 助産所については、約2,000人で微増傾向ということでございます。
 一方、供給見通しについてでございます。看護職員の供給の見通しといたしましては、これも平成23年の数字でございますけれども、約134万8,000人であったところが、27年には148万6,000人に増加ということで、これは需要よりもかなり大きい、約10.2%の伸び率となっております。
 当初の就業者数につきましては、平成23年の当初就業者数が約132万1,000人でありましたところ、27年の当初就業者数が約144万8,000人と伸びております。
 新卒の就業者数につきましては、約5万人から約5万5,000人に増加するものと見込んでおります。
 再就業者数についてでございますが、約12万3,000人から約13万7,000人ということで、約11.6%の伸び率となっております。
 また、退職者等による減少数でございますが、これは約14万5,000人から約15万2,000人に増加ということで、約4.8%の伸び率にとどまるものと見込まれております。
 ここから再掲の数字ということでございますけれども、助産師数については、平成23年の約3万人から、平成27年には約3万4,000人に増加ということで、その伸び率は約14.3%と見込まれているところでございます。
 3番目でございますけれども、「長期的看護職員需給見通しの推計」でございます。少子化による養成数の減少などを踏まえた長期的な需給見通しの推計について検討するためということで、本検討会におきましては、厚労科研で関連する研究課題を伏見先生に進めていただき、その研究成果について聴取をしたところでございます。
 平成20年11月にとりまとめられました社会保障国民会議の最終報告におきましては、「医療・介護費用シミュレーション」として複数のシナリオを前提とした、2025年(平成37年)段階におけます推計結果が示されていたところでございます。
 本検討会におきましては、この「医療・介護費用シミュレーション」によって示されたシナリオを基に、人員配置条件を修正いたしまして推計した需要見通しと、それから、一定の前提を置いて推計した供給見通しが報告されました。
 現状及び現状固定の推計による2025年の需要の伸びを単純に置くというシナリオでは、看護職員の年間労働を1,800時間とした場合、2025年におきます看護職員の需要数はおよそ191万9,000人から199万7,000人と推計されていたところでございます。また、一般病床を急性期と亜急性期・回復期等に機能分化し、医療資源を一層集中するというシナリオで看護職員の年間労働時間を1,800時間とした場合には、2025年におきます看護職員の需要数は183万9,000人から191万9,000人と推計をされておりました。
 他方、供給数におきましては、2025年におきまして179万8,000人と推計をされていたところでございます。
 このように、いずれのシナリオにおいても、2025年に需要数が供給数を上回るという研究結果が示されたところでございます。こうした長期推計におきましては、今後の制度改革の進展によって医療提供体制の機能分化がどのようになされるか、あるいは多様な就業形態がどのように定着していくかといった要素がさまざまな形で大きな影響をもたらすことが考えられるところでございまして、こうしたことも考えますと、先ほど述べました研究結果は今後の看護職員確保対策を検討していくに当たっての参考となる知見と位置づけるべきものだろうと考えているところでございます。
 それから、4番目で「看護職員確保対策の推進」でございます。先ほど示しました5年間の看護職員需給見通しを着実に実現していくためには、ということで、これから述べるような看護職員確保対策を更に推進していくことが必要と考えております。
 まず「養成促進」の段階でございますけれども、養成力の確保に関しましては、国は、民間立の看護師等養成所の運営に対する支援でございますとか、助産師養成所・看護師養成所2年課程の開設準備に必要な専任教員等の配置経費に対する支援を実施しているところでございます。
 また、都道府県におきましても、看護師等養成所の運営に対する補助を初めといたしまして、県立大学、あるいは養成所の運営、修学資金貸与事業の実施、看護体験・看護の日等の普及啓発の推進、就職ガイダンスを実施するなど、行ってきたところでございます。
 次に「定着促進」の段階といたしましては、今般の看護職員需給見通し策定に当たって、都道府県調査を行ったところでございますけれども、その中で、常勤退職者の主な退職理由についてお尋ねした設問がございました。回答といたしましては、本人の健康問題、人間関係、家族の健康・介護問題、出産・育児、結婚等といった条項が多く挙げられておりました。
 この調査におきましては、看護職員の定着促進を促すために効果を上げている取組みについてもお尋ねをしておりまして、調査票に回答した施設におきましては、有給休暇の取得促進でございますとか、人を育て個人を大切にする風土づくり、超過勤務削減のための取組み、研修体制の確立、外部研修への援助等によるキャリアアップの支援、多様な勤務形態の導入等が列挙されておりました。
 また、多様な勤務形態のうち、フルタイムの正職員よりも1週間の所定労働時間が短い正職員であります短時間正職員制度の導入が、職員の定着、離職率の低下に一定の効果を上げているという事例も本検討会において報告をされたところでございます。
 国におきましては、子どもを持つ看護職員、女性医師を初めとする医療従事者の離職防止、再就業を促進するという観点から、医療機関に勤務する職員の乳幼児の保育を行う事業に対する支援を実施してきたところでございます。
 また、都道府県におきましては、こうした病院内保育所の運営や施設整備に対する補助を始めといたしまして、短時間正規雇用等の看護職員の多様な勤務形態の導入に対する支援でございますとか、専門・認定看護師養成支援等の資質の向上に向けた取組みを行ってきたところでございます。
 なお、看護職員の資質の向上に関する状況の1つといたしまして、先ほどの都道府県調査の中で、専門看護師・認定看護師の今後の配置計画についても質問をしておりました。平成22年11月現在におきます専門看護師登録者数は約450人、同時点におきます認定看護師登録者数は約7,400人という状況でございますけれども、先ほどの調査によりますと、27年までの増員予定があるとしたのは、専門看護師において10%、認定看護師において14.9%という状況でございました。
 また、平成21年の保健師助産師看護師法及び看護師等の人材確保に関する法律の一部改正法によりまして、看護職員の臨床研修が規定をされております。看護職員需給見通しの策定のための都道府県調査の中で、新卒の職員に特有の主な退職理由についてもお尋ねしておりますが、ここでは、現代の若者の精神的な未熟さや弱さのほか、基礎教育の終了時点におきます現場とのギャップ、看護職員に従来より高い能力が求められるようになってきているといったことが列挙されておりました。
 国は、看護の質の向上及び早期離職防止を図るため、新人看護職員が基本的な実践能力を獲得するための研修を支援しているところでございまして、都道府県もこうした取組みに注力しております。
 更に「再就業支援」の段階でございますが、看護職員需給見通し策定のための都道府県調査におきましては、看護職員の再就職に効果を上げている取組みといたしまして、調査票に回答した施設では、ハローワークに求人を出している、求人広告を出している、いつでも見学、相談ができるようにしている、退職者を勧誘している、ナースバンクに求人を出している、こうしたものが列挙されておりました。
 国や都道府県におきましては、求人・求職情報の提供や無料職業紹介などを行うナースバンク事業に対する補助、潜在看護師や潜在助産師等の再就業の促進を図るための臨床実務研修に対する補助を実施しているところでございます。
 このナースバンクにつきましては、ハローワークと比較いたしますと、職業紹介まで至った件数は少数にとどりますものの、丁寧な相談を実施できるとして、ハローワークと連携した取組みを進めることで効果が期待できるということでございます。
 5番目で「おわりに」ということでございますけれども、本検討会におきましては、従来から策定されてきました5年間の看護職員需給見通しに加え、長期的な需給見通しの設計についても今回、検討を実施したところでございます。
 これは、少子化による養成数の減少など、長期的な観点に立った需給見通しを検討することの重要性が認識されたことによることでございまして、他方、長期的な需給見通しにつきましては、医療機関の機能分化とか、看護職員とそれ以外の職員の役割分担など、医療提供体制の在り方自体でございますとか、短時間勤務雇用者など、多様な就業形態の定着等によって大きな影響を受けることが予想されるということでございますので、今後の需給見通しの検討に当たっても、長期と需給見通しの関係等について、更なる検討を進めていくことが必要と考えております。
 今後、急速に高齢化が進展し、医療技術が進歩していく中で、看護職員の確保の重要性は増大していくものと想定しております。
 看護師等の人材確保の促進に関する法律におきましては、国の責務として、看護師等の養成、研修等による資質の向上及び就業の促進並びに病院等に勤務する看護師の処遇の改善その他看護師等の確保の促進のための措置を講ずる努力義務等が定められておりますし、地方公共団体におきましては、看護に対する住民の関心と理解を深めるとともに、看護師等の確保を促進するための措置を講ずるよう努めることが責務として規定されております。また、病院等の開設者についても、病院等に勤務する看護師等の処遇の改善、新たに業務に従事する看護師等に対する臨床研修の実施、看護師等が自ら研修を受ける機会を確保できるようにするために必要な配慮等を講ずる努力義務が規定をされております。
 今後、我が国が人口減少の局面を迎えていく中で、広くこうした関係者が力を併せて看護職員の確保対策を講じていくことが重要と考えております。
 以下、資料ということで、別表1が第七次看護職員需給見通しで、23~27年までの需給見通しを常勤換算で出したものでございます。
 1枚おめくりいただきますと、参考といたしまして、これを実人員の数字に換算したものを付けております。
 それから、別表2でございますが、これは看護職員のうち、助産師について再掲をさせていただいたもので、こちらも常勤換算で示しております。
 もう一枚おめくりいただきますと、助産師について、これを参考ということで、実人員であらわしたものが付いております。
 それから、別表3と4は、先ほど都道府県ヒアリングでもお示しをしましたけれども、看護職員の需給見通しということで、都道府県別の数字を示したものでございまして、別表3が看護職員全体、別表4が助産師について再掲したものでございまして、それぞれ参考ということで、実人員の表も付けております。
 資料2の説明については以上であります。
○尾形座長 ありがとうございました。
 全体をごらんいただきますと、全体の構成としては、本検討会の開催要綱上、当初示されました検討課題が3項目ございましたが、それに「はじめに」と「おわりに」をつけ加えた、こういう構成になっているかと思います。これをたたき台として、先ほど申し上げましたように、年内の報告書とりまとめに向かいたいと思いますので、是非活発な御意見をお願いしたいと思います。5項目に分かれておりますので、項目ごとに順次議論をしていきたいと思います。
 まず、1ページの「1.はじめに」というところにつきまして、御意見、御質問等、お願いいたします。
 どうぞ、神野委員。
○神野委員 多少後ろとつながるかもしれないですが、「はじめに」のところで、私、国語力がないので間違いかもしれませんが、最初の○で「国は」が主語で、最後が「看護師等の養成を図ることが要求」で、開催要綱を見ると「養成を図ることが求められており」になっているのです。「はじめに」は「国は」ですよね。ところが、「おわりに」の4つ目の○では「国の責務として」というのが最初に来ているのです。地方公共団体だとか、病院等の開設者に対しても責任をシェアしろということが書いてありまして、私が最初に言った責任論で、一体だれが責任を取るのだというところがはっきりしないわけであります。ですから、「はじめに」とか、開催要綱を見たら、主語は国ではないのですか、責任論としては。最初にここを抑えるべきかと思います。
○尾形座長 どうぞ、事務局。
○玉川対策官 あくまでも「はじめに」は検討会の開催要綱をそのまま引き移した形でございます。現在、法律上の位置づけといたしましては、看護師等の人材確保の促進に関する法律というのがこの分野の法律として定められておりまして、その中の第4条で、国の責務、あるいは地方公共団体の責務、それから、病院等の開設者に対する努力義務が個別の条項で定められております。病院等の開設者等の責務は第5条で定められているところでございまして、更に言いますと、この法律の中では、看護師等の責務ということで、看護師等は保健医療の重要な担い手としての自覚の下に看護業務を発揮するように努めなければならないとか、第7条で国民の責務ということで、看護の重要性に対する関心と理解を深め、看護に従事する者への感謝の念を持つように心がけるとともに、看護に親しむ活動に参加するように努めなければならないとか、それぞれの司々、あるいは立場によって、どういうことに努めるべきかといったことが定められているところでございます。そこまで分解すると、そうしたことが出てくるわけでございますけれども、この検討会はあくまでも国の検討会であるものですから、その中で国がこうした検討会を持つ意味に関してということで、開催要綱の中では、その中での右筆頭の国の位置づけについて書かせていただいております。国だけが旗を振ってすべてができ上がるものではないと考えておりまして、力を合わせていかなければならないと思っております。
○尾形座長 どうぞ、神野委員。
○神野委員 外れたら、国民にも責任あるわけですね。
○玉川対策官 国民は、こうした全体の取組みに対して、関心とか理解とかということに関して、ちゃんと注視して、逆に言うと、国がちゃんとした取組みをしているかどうかということを御意見いただくような立場なのかもしれません。
○尾形座長 責任所在論はともかくとして、最初の○も含めて体言止めにしているので、日本語としてはおかしいのではないかと思います。そこは、文章化するときには当然きちんとした文章にしていただきたいと思います。
 藤川委員、どうぞ。
○藤川委員 看護職員の需給をきちん満たすというのは国の責任ですね。国の責任というのはどういうことかというと、国民が税金を払って国に社会保障を委託しているわけです。国民に責任を押しつけてもらっては困る。一般国民ができないから、国に対して社会保障はきちんとしてくださいよということ税金を払っているわけですから、社会保障を守ることは国の責任なのです。その後に、足らない部分は、我々医師会や民間が看護職員の需給を実現するために協力をしているわけです。しかし、責任はあくまでも国民から使命を与えられた国の責任にあります。見通しが外れても国民と一緒に共有しますとか、だめなときは国民にも責任がありますよという表現は根本的に間違っていますね。
 この文章も、最後のところで「看護師等の養成を図ることが求められている。」とありますが、きちっと国は求められているということにしないと意味がわからないですよ。「国は、~図ることが要求」という文章は成り立たない。これは霞が関の文章として非常におかしい。これは直さないと、みんなが理解できません。国が責任を最終的に持ちますよ、当然、社会保障は国家として、国としての責任ですよということを前提に我々国民は税金を納めているわけですから、それをもし放棄するということであれば、根本的な問題から覆ってくるということです。
○尾形座長 どうぞ、事務局。
○玉川対策官 文章については、意味がはっきりするような形で修正をしたいと思います。
○尾形座長 いずれにしても、現行法令をきちんと踏まえた表現にしていただきたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ、瀬戸委員。
○瀬戸委員 3つ目の○のところですけれども、先ほどどなたかが御指摘されたと思うのですけれども、第六次の見通しが結果として最終年度の平成22年当初の数字と、第七次の当初の23年とでギャップがかなり開いている。それはなぜかということをここに入れなくていいのか。つまり、責任問題ではなくて、どこの見通しが甘かったのか。この分厚い、青い方の、どこになるのかわからないのですけれども、第六次の見通しの同じような表があります。今回いただいた第七次の見通しと比べますと、いろんなファクターの中で、結局、第六次の見通しが狂ったと言うと言葉がちょっときついですけれども、ずれたことに関しては何かということを、少なくともここの文章の中に入れなくていいのか。
 よく見ると、当初の就業者数は全然見通しのとおりなっていないのです。それは年間3,000人ほど下回っています。それから、退職者引くことの再就業者数、つまり、減少数はやはり毎年の見通しの見積もりが小さかった。それが5年間積み重なって、結局、平成23年度の当初見通しのずれになったということだと思うのです。私が最初イメージしたのは、需要が大きくなったのではないか、医療提供体制が増えた、例えば、7対1が増えたとか、そういうことで需要見通しが狂ったのではないかと思ったのですけれども、意外なことに極めて見事に需要見通しは合っているのです。供給見通しの方がかなりずれている。そういうことを1つの反省点として、「はじめに」の3つ目の○のところに書かなくていいのか。それを踏まえて第七次はどうするのかということにつながらないと。それで第七次の見通しに関して実際出してきた数字に問題がないのかどうかということだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○尾形座長 どうぞ、事務局。
○玉川対策官 第六次の需給見通しにつきましては、第1回の検討会の資料にもファイルで含まれているところでございますけれども、概要を申し上げますと、供給の常勤換算についてでございますが、18年の見通しが127万2,000人であったところ、実績値として124万6,000人、19年の見通しが129万7,000人だったところ、実績で127万3,000人、20年が132万5,000人であったところ、129万人ということで、いずれも供給の見通しよりも就業者数の実績が下振れをしているところでございます。
 この原因は、必ずしもこれが確定とまでは言えないわけでありますけれども、例えば、新しく常勤換算をするということが第六次で始まったところでございまして、そうした取組みが十分でなかったこと、具体的には短時間の勤務の看護職員が増加をしているといった傾向が近年あらわれてきているところでございますけれども、そうした見込みが見通しが甘かったのかなというところがございます。
 今回の需給見通しにおきましては、実人員の記入も設けて常勤換算の方法とかも県の方に意識していただいて、その点、なるべく正確に記入していただけるよう配慮したところでございます。というような経緯でございますけれども、そうした認識について、必ず六次との対比で七次を考えていかなければならないということについては、「はじめに」の経緯の中で、どういうトーンにすればいいかというのはあるのですけれども、工夫をしてみたいと思います。
○尾形座長 そうですね。どこまで書けるかという問題はあろうかと思いますけれども、六次を踏まえて七次を策定するわけですから、瀬戸委員のおっしゃったようなことを踏まえて、具体的な表現等についてはまた検討して、次回お示しするという形にしたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ、藤川委員。
○藤川委員 5か年計画のようなことを考えても、現実には今、非常に変化が激しい時代ですので、六次のときにずっとパラレルに追いつかなかったように、5年間待たないと方向が転換できないということではなくて、中間報告をもって、2年ないし3年の時点で、全く見通しと違うと予想されれば、例えば、供給する学校がたくさん閉鎖していくとか、ないしは、いわゆる看護師の需要が非常に上がってくるとか社会情勢の変化が認められる場合は、計画を変更することも必要と思います。
 現在、地域医療で一番困っているのは、地域に医師がいないだけではなくて、看護師もいないのです。都会に集中している地域偏在がある。この最大の原因は7対1看護によるものです。7対1看護を取らないと、一般病院ないしは急性期病院で経営が成り立たないような診療報酬体系を、ずっと診療報酬を抑えながらも、高い看護配置のあるところだけは収入がきちんと入るように制度化してきた。そのことによって、すべての病院、特に急性期を扱う医療機関は走り出したわけです。国公立、民間も含めて。そうすると、結果的に、需要と言いながらも、全国平均的な需要ではなくて、急性期の病院に看護師が吸収されていった。そのことが結果として、地域における看護師不足に拍車をかけ、地域における看護師養成をしても非常に厳しくなってきたわけです。いわゆる偏在ということにより、この需要と供給のバランスが崩れていることが事実であり、その数字以上に地域格差、都会と地方との格差が出て、今、地域医療の崩壊につながっております。根底は、看護配置基準の低い医療機関の診療報酬をきびしく抑えたことによって、経営が困難になってくるということで、看護師を募集しようとするけれども、結果的に国公立の病院に引き上げられてしまって、地域、民間の医療機関等の看護配置が上がらないままに経営が厳しくなる現実があります。
 その民間の医療機関の医師たちがボランティアとして地域の看護学校に教えに行っていたわけですが、教えに行く余裕もなくなってきた。さらに看護師になった人たちが地域の医療機関に残らずに都会に集中することによって、看護師の供給に対して国ができない部分を一生懸命やっている民間の医療機関の努力が報われていないということが、このグラフだけではなかなか見えにくいところがあるのです。
 だから、第七次は、第六次の轍を踏まないように、本当の意味で現場の苦しさがわかるような数字設定をしていただきたい。それに対しては潤沢な、地域の看護師養成の学校に対してマンパワーを、スタッフも送り込まなくてはいけないのです。指導する教員を確保すること、そして受験者を確保することもあるのですけれども、受験者自身は、経済危機によって、准看護師課程も、看護師課程も倍率が上がってきているのです。だから、非常に入学希望者は増えてきているのです。しかし、それをこなすだけの学校の経済的な能力が非常に弱くなってきているというのが実態ですので、その辺もこういう文章の中に入れていただくと、本当の全国の実態がわかってくるのではないかと思います。
○尾形座長 では、浅野委員、どうぞ。
○浅野委員 私も藤川委員の意見と同感でして、切羽詰まったものを民間はかなり感じております。例えば、地域医療再生計画にしても、各県にそれぞれ何億という提供がありました。でも、官民格差が余りにもあり過ぎまして、国公立だけが優位でということで、例えば、短時間にしても、キャリアパスにしても、民間は民間独自で、とにかく生き延びていくために本当に頑張る、乾いたぞうきんを更に絞っているようで、格差がとにかくあり過ぎるというものを実感として感じています。そこら辺のところで、国は、例えば、賃金の差もそうですよね。あと、保育所の問題にしても、国公立だけということでなくて、民間全体を考えたところで示していただければということをかなり切に感じております。
○尾形座長 もう既に2とか4の話に入ってきているようなので、1ばかり検討してもらちが明かないと思いますので、先に進ませていただきたいと思います。「2.新たな看護職員の需給見通しの策定」について御意見をお願いします。
 どうぞ、神野委員。
○神野委員 供給の話は先ほど来のお話のとおり、再就業と退職をどれだけきちんと精緻化するかという話になると思うし、需給の方は、先ほど瀬戸委員がおっしゃった7対1は確かにそんなに大きな影響はなかったと思うのですけれども、逆に日看協の方で、今、夜勤回数とか、看護基準など看護職の労働環境改善の要望が出ています。もしそれを実現させるなら、もっと看護師を増やさないと、とてもではないけれども、回らない。その分、上積みするかどうかという話は大きな話かなと。現状、7対1、確かに民間病院として辛い、特に中小が辛いというのは藤川委員のおっしゃるとおりであります。ただ、これは現状の医療提供体制、あるいは人員配置基準での需給見通しですので、5年後ですから、もし菊池委員の方で大きなことをおやりになるということであるならば、その辺を上積みしろという主張があってもいいかなと思うのです。勿論、先々のことに関しては、伏見委員の長期見通しがありますので、これは社会保障国民会議のシミュレーションを基にしていますので、これはこれで恐らくいい話かなと思います。
○尾形座長 菊池委員。
○菊池委員 2のところもですけれども、4番の「看護職員確保対策の推進」のところとも絡んでくる話ですけれども、確かに今、看護職員が非常に疲弊しているという状況がありまして、そこを改善したいということは申し上げるつもりでいました。今回の5年の需給見通し、それから、長期推計においても、需要に対して供給が追いついていないという状況があります。まずは、この需要に対して、看護職員がきちっと供給されるような確保対策が重要と考えております。その確保対策の在り方として、今回のまとめの中で、3本の柱、「養成促進」と「定着促進」と「再就業支援」ということでまとめてくださっていますけれども、この中で、看護職員が確実に供給されるためにはこれからは、真ん中の「定着促進」に更に力を入れる必要があると考えます。
 看護職員は毎年5万人ぐらい新しく養成されていますけれども、一方で年間10万人以上が辞めているという状況があります。その結果、潜在看護職員が厚労省推計で55万人、ほかの研究者の推計だと65万人と、既に資格を持った人たちがいるわけです。だけれども、辞めているという状況がありますので、看護職員を確保するためには、辞めない、離職防止対策がこれからは非常に重要になると思います。
 そもそも何故辞めるのかというと、今回の都道府県調査によりますと、本人の健康問題とか、人間関係とか、家族の健康・介護問題とか、出産・育児、結婚とか、一見個人的な理由で辞めているように見えてしまうのですけれども、本会が独自に潜在看護職員自身に調査した結果は少し違っております。昨年の12月の第5回検討会でも既に資料を提出しておりますけれども、妊娠・出産、結婚の次に、勤務時間が長いとか、超過勤務が多いとか、子育てのときには夜勤の負担が大きいとか、そういうことが辞めた原因だと本人たちが言っているわけです。看護の現場というのは、医療の高度化、複雑化、在院日数の短縮、高齢化ということで、高度化、業務が過密になっておりますので、看護職員の超過勤務も常態化しております。常に緊張の中で夜勤、交代制勤務をやっているため、非常に心身の負荷が高まっているという状況があります。
 本会の独自の調査では、3交代勤務者の半数以上が月に9回以上夜勤をしているという状況があります。それから、3交代制の不規則なシフトの勤務の中で、夜勤に加えて時間外勤務もあるということで、シフトとシフトの間が4~5時間しか取れないで、十分な休憩が取れないまま次のシフトに入っていき、慢性的に疲労がたまっていくのです。夜勤回数が多いほど慢性疲労の自覚症状が非常に多いですし、慢性疲労を強く感じている看護職員ほど医療事故を起こすのではないかという不安を非常に強く持っているという調査結果も出ています。こういう状況は、看護職員の退職理由であると同時に、医療事故との関係という観点からも、医療の質とか、患者さんの安全ということで、非常に大きな問題で、改善すべき状況です。
 人命を預かる緊張感の高い24時間体制の業務に対して、夜勤や交代制勤務で従事していますけれども、それについての基準とかガイドラインが今、ない状況の中でシフトを組んでいるということで、先ほどお伝えしたような状況があります。
 今回の管理者の回答した調査で、本人の健康問題が一番先に出ておりますけれども、この背景には、たまたま体の弱い人が看護職員になったという話ではなくて、今、申し上げたような状況が、過酷な環境がそういう理由となって出てきているのではないかと考えております。
 それから、結婚、妊娠、出産、ということが前から退職理由として挙げられていますが、これも、短時間正職員制度など勤務環境を整えることで、こういう理由での離職を減らすことができると考えています。ですから、定着促進対策としては、労働条件や勤務環境の改善が抜本的な対策と考えられるので、そのことを確保対策のところに明確に盛り込む必要があります。
○尾形座長 済みません。まだ4、5の話ではないので、その点については後ほど議論をしたいと思います。とりあえず前の方を終えてしまいたいと思いますので、まず、2について意見をお願いしたいと思います。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員 とするならば、今、需要見通しというのは、各県が従来の方法でやったのを積み合わせたわけでありまして、先ほどの労働時間の問題も、最初の方に菊池委員からありましたけれども、今のようないろんな問題があるとするならば、この親会議の方で需要数を、プラス何%とか増やさないといけないのではないか。単に今までの方策での総和だけで今の話が通じるかどうかという話です。一つひとつの件に対して、プラス幾つずつなんて、そんな細かなことはできませんから、全体で需要を1割増やすとか、2割増やすとかいったような決断も必要なのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○尾形座長 どうぞ、事務局。
○玉川対策官 事務局から、今の中身についてだけ、説明を補足でさせていただきます。1つは、その医療機関におきまして、どれくらいの勤務条件であるのかというものを踏まえて、各医療機関の中でその改善を図るという観点から、現実に数字を見込んだ上で回答を寄せられております。実は、医療機関によって、勤務状況、置かれている状況というのが、既にかなり取り組んでいるところもあれば、これから進めるというところもありまして、それから、各県がとりまとめる段階においても、さまざまな医療機関の取組み具合の違うものが集まってきております。その中で、この5年間でどれだけ進めるかという形で入ってきております。したがって、既に見込んでいるところも中にはありますし、まだまだというところもある状況でありまして、それに対して、どれだけ需要人員を上乗せするのが適当なのかというのは、必ずしもその総人数を見ただけで判断できるというような状況にはなりません。そういう意味では、医療機関からの回答の方が、常識的に考えられるところについてはある程度考えられているという状況にございます。施設に対する調査票のつくりと、回答の仕組みというところでのお話ということで御説明させていただきました。
○尾形座長 藤川委員、今の点ですか。
○藤川委員 第六次のときに需要と供給のギャップを埋められなかったように、供給が足らないということで、どうやって需要を満たそうかということが根本的な検討ですが、では、折れ線グラフがクロスして、供給が需要を上回った場合、どういう弊害があるか。何ら弊害はないのです。どういうことかというと、もし供給が需要を超した場合には、例えば、国の方針としては、在宅に在宅にという希望があるわけですから、訪問看護ステーションが5人しかいなかったのが10人に増員が可能となるわけです。それに対して診療報酬をつければいいだけの話であって、オーバーしたところで、訪問看護ステーション以外はどうなるか。地域の医療機関が1ランクずつ看護レベルが上がれば、看護の単位が上がれば、きちっとまた看護の質も上がってくる。それで看護師の労働条件もよくなる。
 もっと余ってきたときにはどうするか。疾患を持った老人が、病院から在宅、病院から介護施設に移ったときに、保険制度は医療保険から介護保険に変わったとしても、患者さん自身の病気は何ら変わっていないのです。ということからすれば、そこを多くのヘルパー、看護助手、介護士で見るよりは、看護教育を受けた看護師が特養や老健等にどんどん常勤として入っていけば、そこにいる老人たちはより安心感が増し、家族は安心して預けられる。
 だから、クロスして供給がオーバーしたからといって、大変だということはあり得ないということです。慢性的に不足が続いていくことの方が、地域の医療というのはなかなか追いつかないということですから、オーバーするぐらい、全然問題ありません。神野委員が言われたように、第六次のときに失敗したわけですから、第七次においては、全国の積み上げプラス1割でも2割でもオーバーに供給するような努力をここに書き加えることは、何ら国民にとってデメリットにはならないと考えます。
○尾形座長 どうぞ、大久保委員。
○大久保委員 藤川委員、ありがとうございます。とても心強く、お聞きしました。確かに現状で見ても、それでいいということはございませんので、看護職がいればいるだけ、いいケアが提供できるというふうに好回転すると思います。できましたら、私としては、今現場では、通常のナースプラス8%アップでパートとかを含めた看護職員で、看護力を雇っておりますので、10~20%ぐらい、20%はオーバーかもしれませんけれども、需給を満たしていただければいいのではないかと思います。ありがとうございます。
○尾形座長 どうぞ、事務局。
○玉川対策官 先生方のお話を聞いていて若干誤解があるのかなと思いましたのは、需要数を積むのか、供給を積むのかというところでありまして、現場で何人いるからというのは、多分、需要数が積み上がるものなのだと思うのです。一方、どれぐらいということで、供給のところについては、養成力の確保とか何とかで、今、各県とか何とかでやっていることの中で、どこまでできるかという数字なのです。勿論それは供給を増やすというのも1つの考え方ではあるのですけれども、一方で18歳の人口でありますとか、有資格職でありますから、ある日、いきなり労働転換が行われるような職種でもございませんので、その中で現実に供給余力としてどこまで出るかということで積み上がる話だと思います。そのことと、現場で需要数としてどこまで要るかという話と、どちらの方にどういうものを積むかというところについて整理して御議論いただければと思います。
○尾形座長 どうぞ、神野委員。
○神野委員 看護師の人材確保は国の責任なのですよ。ですので、もし需要数が多いと、需要と供給に大きなギャップがあるとするならば、国の責任の下で看護養成施設に対してのいろんな施策をもっともっとやっていただかなければいけない。確かに今の御時世は雇用が非常に悪い状況ですけれども、先ほどおっしゃったように、若年人口が減っていくわけですから、その中では産業間での競争になるわけです。いかに我々医療・福祉のところに看護師になりたいという人が来ていただけるかということになれば、いい条件を出せるかということになります。もし需要数が多いにもかかわらず供給が少ないとするならば、我々医療業界、あるいは福祉業界にたくさんの人材が来ていただけるような仕組みをつくっていただくことが必要になってくると思うわけです。
○尾形座長 どうぞ、瀬戸委員。
○瀬戸委員 今の議論ですけれども、基本的には事務局のおっしゃることも正しいような気がします。なぜかというと、これは見通しなので、結局、ニーズがどのくらいあるかということをまず上乗せすることが大事であって、それに供給数の充足をどういう方策でやるかということはまた別のポリシーの問題です。単に予定調和的に需要数は上がりました、それに供給数はこれぐらいでいけますと言って、実現できなかったら話にならないわけです。そういう意味で言うと、需要数は一番大事なことで、それに供給数の見通しが今の政策で追いついていかなければ、それを埋める努力をしなければいけないわけです。
 それと関連して言いますと、供給見通しの中で、実際のところ、新卒就業者数は増えていくことになっています。政策として、本当に増えるのでしょうか。第六次の推計より第七次の当初の方が新卒の養成数が減っているわけです。だから、年間にして3,000人程度全国で増えることになっていますけれども、現実問題、見通しとして、本当にこのとおりいくのだろうか。いかなければ需要に追いつかないわけですから、そうしたらどうするんだという話が出てくると思うのです。だから、供給を数字だけ挙げても、余り意味がない。勿論、需要と供給のギャップがはっきりあるのならば、それをどうするかということは別の審議会の責任かもしれませんけれども、そういう流れの方が正しいのではないか。予定調和的に合わせてもしようがないような気がするのですけれども、いかがでしょうか。
○尾形座長 どうぞ、藤川委員。
○藤川委員 供給の問題で一番ギャップが出てくるのが、看護養成学校が閉じていく問題なのです。一回閉じると、その単年度ではなくて、翌年からずっと卒業生が出なくなってくるのです。だから、今、一番大事なのは、国公立でこれ以上看護学校を増やさないというのであれば、既存の医師会立や、民間の看護養成学校の定員を増やすとか、クラスを増やすとか、准看護師課程でも、現在、倍率は平均2.8倍あります。多いところでは准看護師過程で7倍、3年課程で8倍あったりするところがあるわけです。それは、景気の悪い地域ほど看護師になる大卒や短大卒も多いわけです。職がありませんから。だから、そういうところに関しては、国公立では枠は広げられなくても、民間であればある程度融通が利きますので、そういうところには補助金を逆に増額をして、看護養成促進を国から助成していく。
 応援していく、支援していくというのは、この中の文章にもきちんと出ているわけですから、そういうことをやって、またオーバーになってくれば、クラスを減らすなり、定員を減らしていけばいいわけです。まだ足らない現在の時点においては、昔、田中角栄さんが各県1校医大をつくって医師を補充していったように、足らないときは一気にやって、ある程度調整はする。看護師さんたちが増えてきた分は、地域にとって何ら、看護師さんが失業するという時代は当分来ないわけですから、心配する必要はないのではないかと思います。
○尾形座長 どうぞ、菊池委員。
○菊池委員 先ほど神野委員から、需要をもっと増やすべきではないかということで意見を求められたと思ったので、それに関しましては、諸外国と比べたときに、人口当たりの看護職員数はそれほど見劣りがしないという状況があります。今は、多いベッド数に広く薄く看護職員が配置されているという状況の中で、急性期のところで非常に過酷な状況になっているということがあります。長期需給推計でも、医療提供体制の機能分化を進めるほど、需要と供給のギャップは縮まるような推計がされていたかと思います。需要の方は医療提供体制の在り方と関係してくる部分もあると思います。ここまでやった中で今、いきなり何かを増やすというのは難しいと考えます。
 それから、さっきの4番の話とつながりますが、幾ら看護職員を養成しても、辞める人が多いという状況を変えないと、実際の就業者数は増えていかないので、そこを確保対策のところできちっと考えることが必要です。
 
○尾形座長 それでは、もう3の話にも入ってきていますので、3、4を合わせて御意見を賜ればと思います。
 どうぞ、神野委員。
○神野委員 余りパンドラの箱を開けたくないのですけれども、定着促進のところで、専門看護師・認定看護師の話が出ているわけです。最初の調査票のときにもさんざん議論になったところでありますけれども、看護職員確保対策の中での認定・専門看護師の話が必要なのかという話でありまして、これは勿論、質問したわけですから、結果として、その他として、こういう現状があったということであって、定着促進と必ずしもつながるかどうかというところに対しては多少疑問を感じる。
 なぜならば、もう一つのチーム医療の方でも話したのですけれども、現在の認定看護師の養成は都市部に限られているわけでありまして、いわゆる定着確保、あるいは確保対策とするならば、ユニバーサルな制度であるべきであって、地方の看護師に対しては、認定看護師を取る機会がより少ないとするならば、確保対策、定着促進の中に直接入れるべきではないのではないかと思うのです。
 例えば、私の能登半島の病院ですけれども、離職率4.6%です。これは全国に比べて非常に低い。ただ、平均年齢は41.2歳になるし、既婚率は80.6%で、未就学児童を持って働いている看護師が18%以上いるわけです。そこで認定看護師になれと言っても、なかなかなれるものではない。金沢まで1時間半かかるところにありますからね。まだ金沢でもやっていないわけです。そうなると、ここで言えるのに対しては、多少奇異な感じがいたします。
○尾形座長 どうぞ、伊藤委員。
○伊藤委員 4の確保対策の推進に関して幾つか申し上げたいと思います。もしかしたら報告書のつくりの問題にもなってしまうかもしれないですが、ここは対策の推進と書いてあるのですが、中身を読みますと、1つ目の○で以下の対策の推進が必要と言って、あと、書いてあることは、およそ今、こういうことをやっている、こういうことが行われています、行われています、行われていますということですと、今、やっていることを全体的に底上げするというように読むのかなと思いました。
 しかし、もう少し現実的にといいますか、戦略的にといいますか、考えるべきなのではないか。今、これだけ予算獲得で厳しいプロセスが課されている中で、先ほどから供給が必要だというのに対して、それを満たすだけの供給力をつけないといけない。それに対する政策が当然必要なわけで、そのためにはこういうことが必要なのだということをもっと具体的に、今期はこういうことが必要なのだという形で打ち出さないと、なかなか実効性が伴わないということにならないかと感じております。そもそもこれは計画ではなくて、需給見通しだから、そういうことは期待しないのだということであれば、それはそれですけれども、この場の皆さんの熱い話を聞いていますと、そういうことではないと思いますので、こういった書き方でいいのか、もっとこうすべきだというようなことを書いていかないといけないのではないかと感じました。
 そういう中で、どういったことが課題かというように私なりに考えますと、先ほどもある程度お話ししたのですが、六次の需給見通しの5年間の必要供給数が、前の資料を見ますと11万8,000人、七次で13万8,000人、年単位で見ますと、六次より七次の方が4,000人以上、年間必要数が多くなると思うのです。これを、今までこういうことをやってきました、これをやっていきますということだけで達成できるのかと感じております。そのときに何を行うのかというのが、養成促進と定着促進と再就業支援ということですが、養成面で言えば、先ほど言いました男子の養成ということは課題になると思っております。それから、最も重要だと思っていますのは、先ほど来、菊池委員がおっしゃっていますように、定着促進だと思っています。やはり労働条件がネックになっていると思っておりますので、この点については、これも菊池委員から先ほどありましたけれども、勤務と勤務の間のインターバルの問題ですとか、相当な対応を必要としていくということがあるのではないかと思っております。
 それから、需給見通しにおける課題というものも先ほどの議論の中でありましたし、今回のペーパーで言いますと「おわりに」の2つ目の○ですが、こちらがある意味、課題のような形で書いてありまして、長期需給見通しと5年の需給見通しの関係などについても課題として示していくということが必要なのではないかと思います。
 長くなりました。失礼します。
○尾形座長 どうぞ、菊池委員。
○菊池委員 先ほど7ページの専門看護師・認定看護師のことにつきまして、神野委員から、これは確保対策としてここに入れなくてもいいのではないかという御意見がございました。そのことについてですけれども。
○神野委員 定着促進ではなくて。
○菊池委員 定着促進ではなくて、報告書に。
○神野委員 いえ、書いていいのですよ。定着促進ではなくて、(4)その他ではないですかということです。
○菊池委員 場所を移動するということ。
○神野委員 はい。
○菊池委員 削除ということではないということであれば、場所は結構です。
○尾形座長 上泉委員、どうぞ。
○上泉委員 7ページの上から3つ目の○と4つ目の○の新人看護職の確保についてなのですが、さまざま退職理由とかを書いているわけなのですが、こういったことを改選していくためにも、やはり実地指導者等の人材を確保することが非常に重要なことではないかと思います。この点について、実際に需要をどんなふうに推計していたのか。先ほどお聞きすればよかったのですが、実地指導者の確保の需要推計並びに、それがなくても、実地指導者の確保をここに明記していく必要があるのではないかと思います。
○尾形座長 どうぞ、事務局。
○玉川対策官 各施設に対しましてお示ししました調査票の中では、そうしたさまざまな研修とか何とかというような需要も踏まえて、必要な、考えられる人数を出してほしいと言っております。2ページの?Bの「需要数の推計方法」でありますけれども、各施設における看護の質の向上や勤務環境の改善などを見込むと言って、なおというところで、保助看法及び看護師等の人材確保の促進に関する法律の改正についても留意というのは、まさに今の部分の法律改正も留意した上で御回答くださいということでお願いをしております。それについて、どこまで厚い配置を各施設で書かれたか、個別にいろいろあると思いますが、留意してくださいということで調査票はお配りしております。
○尾形座長 どうぞ、藤川委員。
○藤川委員 今、言われたのは、現場において、看護師を養成するための教員が不足している問題があります。その教員をまた教育しなければいけないのです。長期に講習会に出すことによってまたマンパワーが不足している問題があります。戻ってきて、長期に教えてくれればいいけれども、ある程度資格を持ったら、今度は独立したりして、またそこの養成施設のマンパワーが足らなくなる。小さい県においては、なかなか教員を指導するカリキュラムがなくて、県外まで研修に行かなくてはいけないのですね。教育スタッフの面でもまだまだ脆弱な部分があるということで、こういう文章の中に、優秀な看護職員を養成するためには優秀な教員が要るということをきちっと入れる必要があるのではないかというのが、上泉委員の希望ではないかと思います。
 もう一つ、時間も最後になってきましたので、直近の問題として、こういう見通しをただ立てても意味がありませんので、やはり実現をするということが最大のテーマですので、実現するためにはどうしたらいいかという提言もしていかなくてはいけない。直近の問題としては、6ページにもありますけれども、看護職員の確保対策の推進ということで、養成力の確保に対して、国は民間立の看護師等養成所の運営に対する支援や、助産師養成所、看護師養成所2年課程(通信制)の開設準備に必要な専任教員等配置経費に対する支援を実施ということで、現在、実施もしているのですが、来年度の概算要求の中で、今年度49億円の予算が組んであったのが、来年度は42億円になった。約7億円近くの減額になっているということを、多分、ここにいらっしゃる皆さんは御存じでないかもしれませんけれども、それは少なくとも元に戻すか、増額をするぐらいの気持ちがないと、第七次の見通しは実現できない。まず養成所の健全経営は大前提であり、そこの予算を削りながら第七次で追いついていきますと言っても、絵に描いたもちになるのではないか、根底から覆るのではないかいうことで、そういう予算をしっかり確保をするということを希望します。それ以外の項目でも大分削られているのですが、7億円の財源を削ったという意図と、この見通しとの整合性が合わないのではないかというのを、今、日本医師会としては危惧をして、野村看護課長にも是非ともそれを復活していただきたいというお願いをしているところですけれども、御意見を賜ればと思います。
○尾形座長 事務局、いいですか。
○玉川対策官 御説明をさせていただきますと、今、御指摘のあった件でございますが、平成23年度の予算の概算要求組替基準というのが7月27日に閣議決定されておりまして、その中で年金、医療等の社会保障費を除く経費について、人件費等の義務的経費を含めて、前年度予算を一律1割削減する方針が示されていたところでございます。これを受けて、看護師等の養成所の運営費について、これまでの執行状況等を踏まえ、例年未執行となっている部分、約2.7億円でございますけれども、これを削減するとともに、補助単価の見直しということで、約4億円を削減するなどによって6.7億円の削減ということで、23年度の概算要求が結果として42.6億円ということで要求をさせていただいたというのが経緯でございます。
○尾形座長 済みません。既に予定の時間を3~4分オーバーしておりますが、皆様の御了解をいただければ、あと10分程度延長させていただいて議論を続けたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、最後の5の「おわりに」も含めて御意見をいただければと思います。
 高砂委員、どうぞ。
○高砂委員 先ほど地域格差のお話が出ていたと思うのですけれども、規模の格差ということに対して、訪問看護ステーションの場合、5人以下の看護師による事業所であったり、例えば、高齢者施設というのは、入所者は100人とかの規模があっても、看護職は10人に満たないところなどを考えると、4番の「看護職員確保対策の推進」の、特に「定着促進」のところにおいては、規模が小さいところに対する対策を、大病院と同じではなくて、何かを盛り込んでいただけるような、例えば、保育所ひとつにしても、それぞれの事業所で確保することができないというような状況があると思います。
 少し戻って失礼なのですけれども、そういう意味で、需要見通しのところで、例えば、訪問看護ステーションが16.9%の伸び率になっているのですけれども、管理者は日中訪問看護をして、夜に管理業務をしていたりとか、神奈川の調査では、主任がいないステーションが6割、教育担当とか研修担当の、それぞれの質を担保するような専任者がいないのが大体5割になっています。そういう内容において、そういう方たちを配置した場合の需要見通しがどうなってくるのか。そこで発言させていただければよかったのか、この「定着促進」というところで規模に対する御配慮を御検討いただきたいと思います。
○尾形座長 どうぞ、神野委員。
○神野委員 藤川委員がおっしゃったように、厚労省看護課と我々は対立軸ではなくて、コラボレーションするべきです。財務省の方とか、政治家の方が、これを見たら、これはえらいことだと言っていただけるようなものをきちんと提出しなければいけない、そういう義務があるのかなと思うのです。そういった意味では、今の訪問看護ステーションの予測も少ないという話もありますし、需要、あるいは供給の方でいろいろ問題あるわけです。もう一回繰り返しますけれども、このままの需要見通しだったら、政策的にはこれでいいから予算要らないやという話になってしまうと思うので、各県の積み上げにプラス私たちのこの会議としての積み上げがあってもいいのではないかという気がいたします。
○尾形座長 どうぞ、酒井委員。
○酒井委員 基本的なことで大変恐縮なのですけれども、皆さんがおっしゃっていること、需給、供給をうまく合わせていかなければいけないこと、質を上げていかなければいけないこと、訪問看護のこと、定着率を上げること、すべておっしゃるとおりで、何とかそれをしてほしいというのが私の切なる希望なのですが、ここに書いたからといって、それがすべて実現するのというのが私の基本的な質問でございます。書けば実現するのだったら全部書いてもらいたいのだけれども、そうでもなさそうだなというところがある。
 例えば、この検討会の前の看護の質の向上と確保の検討会でもそうだったのですけれども、もうちょっと的を絞らないと、基本的なところがクリアされないのではないかという不安もあるんです。聞けば聞くほど皆さんのおっしゃるとおりだというのはあるのですけれども、今、おっしゃったように、ここでは私たちがまとまって、厚労省と一丸となって財務省からお金を引っ張ってきて、1つでも具体化していきたいなという思いがあればあるほど、もうちょっとまとまったところに注ぎ込んでいかないと、お題目唱えて、これだけは言いましたよねという結果になるのだけは避けたいなという思いがあるのです。それを避けるためにはどうしたらいいのでしょうかというのを、どなたに聞いたらよろしいのかわからないのですが。
○尾形座長 どうぞ、藤川委員。
○藤川委員 似たようなことが、国土交通省で起こりまして、自賠責保険の1兆円のお金が平成6年、7年に一般財源化されて貸し付けたのです。それをきちんと来年度の3月までに返さなくてはいけませんが、約5,800億まだ残っていたのです。それは一般財源が厳しいから、何とか事業仕分けにかけて、財務省としては、それを別の、国土交通省と財務省との貸し借りの部分で相殺してしまいたいという動きがあったところで、国土交通省から我々は集められました。
 どういうことかと言うと、自賠責保険の運用益によって、被害者対策とか、さまざまな事業をやっているのです。そういうことができなくなるというのはとんでもないことだということになって、きちんとそのお金を一般財源から自賠責保険の積立金に戻してくださいということを、国土交通省の自賠責の専門の委員全員集まりまして、何回も会議をして、マスコミにも公開をして、最終的にさまざまな関係の国会議員や、いろんなところに陳情いたしまして、事業仕分けも、今のところ無事、きちんと財務省から国土交通省の自賠責の積立金に戻すようにということで、政治的には何とか今のところクリアをしまして、今度、国土交通省の会議が正式にあります。それは表のこういう会議で、こうやってきちんとしましたというセレモニーをするわけです。
 厚労省ができないことを、ここの専門の団体で、きちっと民間で動いて、そして厚労省に財務省から予算をしっかり取れるように運動するということはできます。厚労省と財務省の関係ではなかなかできないけれども、それが国民の意見であるということを今の民主党政権がきちんと理解をし、予算7億円はきちんと組みなさいということになれば、それは政治的にはできるのです。
○尾形座長 どうぞ。
○酒井委員 それができるのであるならばこそ、今、皆さんがお話しになった内容のプライオリティとか、もうちょっとまとめないと、言っただけで終わってしまいそうで、私はとても不安なのですけれども、どんなものなのでしょう。
○尾形座長 菊池委員、どうぞ。
○菊池委員 確かに書いたら実現するのかというところがあり、私も、確保対策を本当に実現するということが大事だと思っています。そのためにも、まずはこの検討会の報告書の中に書き込む必要があるのではないか。それを政策として推進するときに、看護課がいろんな施策をお考えになったり、ほかの局と連携されたりすると思います。いずれにしろ、それを進めるための財源がなければ、なかなか難しいと思いますので、そういう財源の確保が必要だということも、少なくともこの報告書の中にはきちっと書き込んでおくことが必要です。それを基に看護課に施策を立てていただくことを期待したいと考えております。
○尾形座長 それでは、もう時間も大分過ぎましたので、これで最後にしたいのですが、神野委員、手短にお願いします。
○神野委員 財務省の方はわかりませんけれども、政治家の方とか、マスコミの方とか、見るのはこれ一枚ですよね。このおしりの数字がどうかで決まってしまうということだと思いますので、これをこのままOKしてしまうと、財務省も政治家も、これを見て、ラッキーということで終わってしまいますよ。そう思います。
○瀬戸委員 一言いいですか。
○尾形座長 手短にお願いします。
○瀬戸委員 需給見通しの目標というのは、多分、努力目標ではいけないのでしょうね。需要の方も、供給の方も。4の最初の○の文章がかなり哲学的な総論になって、もっと変えるべきではないかと個人的に思うのですが、少なくとも今の新卒の養成数と離職率、それから、再就職率が続くのであれば、5年後にはこのぐらいのギャップが出ますよ、こんなことをしていたら壊れるのではないですかというのが基本的に見通しです。今の見通し案のままでしたら、はっきり言ったら、5年後には需給が見合うわけです。見合うということは問題が起きないということになります。そこのところをどうやって書いていくか。おっしゃったように、いろんな方策がたくさん必要になって、プライオリティをつけるのはなかなか難しいと思うのですけれども、必死で一つひとつを全部解決していかなければ実現しないですよと、ここのところをもう少し文章としては強く言ってもらわないと、需要も供給も努力目標になってしまってという印象があります。
○尾形座長 簡単にお願いします。
○北澤委員 都道府県の立場でも、都道府県でいろんな役割があるのですが、我々も非常に財政が厳しくて、これを都道府県ですべてやれと言われてもなかなか厳しいものですから、そういう意味でも、国の方のリーダーシップというか、財源確保を含めた取組みを、少なくともこの報告書の見通しの中できちんと書き込んでいただければというのが要望でございます。
○尾形座長 済みません。大分時間をオーバーしてしまいましたので、そろそろまとめたいと思います。多分、まだ話し足りないという方もいらっしゃるのではないかと思いますが、これはあくまでもたたき台に過ぎません。骨子案ということでございますので、更にこういうところをつけ加えるべきだという御意見があれば、具体的に事務局に出していただければ、今日出ました御意見と、更に追加的に出していただいたものを含めて、最終的な報告書案、今度はくれぐれも日本語の文章として正確なものをお願いしたいと思いますが、そういうものをつくって、次回議論をしたいと思います。そういう意味で、恐縮ですが、もし追加的な意見がある方は、できるだけ早くお願いしたいと思います。どうしましょう、この1週間以内ぐらいにということでよろしいですか。
○玉川対策官 できれば今週末を目途にしていただければと考えています。
○尾形座長 そうですね。次回が少し差し迫っていますので、申し訳ありませんが、追加的な御意見は今週いっぱいに事務局にお出しいただければと思います。それを踏まえて、すべてについて取り入れることはあるいはできないかもしれません。先ほど出ていました議論でも、需給見通しを上乗せするというのも技術的にはいろいろ難しい問題があると思います。これまでやってきた調査を全部引っくり返して10%上乗せするとか、そういうやり方が本当にできるのかどうかということも含めて、その是非も含めて検討していただきたいと思います。いずれにしても、今日の御意見、それから、追加的な御意見を踏まえて、最終的な報告書案を作成しまして、次回議論をしたいと思います。
 それでは、済みません、大分時間をオーバーしてしまいましたが、事務局から何かございますか。
○河原専門官 ありがとうございました。
 次回の検討会につきましては、再来週、12月9日木曜日15時から開催をさせていただきます。正式な御案内につきましては、改めてお送りさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○尾形座長 それでは、長時間にわたりまして熱心な御議論どうもありがとうございました。これをもちまして閉会とさせていただきます。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局看護課
 専門官 河原(内線:2599)
 係長 若林(内線:2599)

〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2

代表: 03-5253-1111
直通: 03-3595-2206

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