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2010年10月6日 第14回 厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会 議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成22年10月6日(水)
17時〜19時


○場所

厚生労働省 省議室


○議事


【出席委員】(50音順)
飯沼委員、池田委員、今村委員、岩本委員、岡部委員、加藤部会長、黒岩委員、
澁谷委員、廣田委員、古木委員、保坂委員、宮崎委員、山川委員、
【行政関係出席者】
≪政務≫
岡本厚生労働大臣政務官
≪健康局≫
外山局長、篠田大臣官房審議官、松岡総務課長、
亀井結核感染症課長、神ノ田新型インフルエンザ対策室長、
藤井新型インフルエンザ対策推進本部事務局次長、駒木健康対策調整官、
堀江生活衛生課長
≪医薬食品局≫
間杉局長、平山大臣官房審議官、中垣総務課長、三宅血液対策課長、
俵木安全対策課長


○予防接種制度改革推進室次長(藤井) 定刻になりましたので、ただいまより「厚生科学
審議会感染症分科会予防接種部会を開催します。まず、事務局より本日の委員のご出席状況
について報告申し上げます。本日は、宇賀先生、北澤先生、木田先生、倉田先生、坂谷先生、
櫻井先生から欠席のご連絡をいただいています。なお、黒岩先生ですが、遅れてのご参加と
伺っています。現時点で19名中12名の委員の先生方にご出席をいただいています。会議
が成立しますことを報告申し上げます。以降、加藤座長、よろしくお願いします。
○加藤部会長 こんばんは。各委員の皆様、お忙しいところをご出席いただきまして、誠に
ありがとうございます。本日の議事に先立ちまして、本日は大変公務ご多忙の中、岡本厚生
労働大臣政務官にご出席をいただいています。岡本政務官より一言ご挨拶をいただければ幸
いと存じます。よろしくお願いします。
○厚生労働大臣政務官(岡本) この度の菅改造内閣で厚生労働大臣政務官を拝命いたしま
した衆議院議員の岡本充功です。冒頭、本日は第14回予防接種部会にお集まりいただきま
したことを感謝申し上げたいと思います。皆様方におかれましては、我が国の予防接種の対
策について、これまでも精力的に、また大変有意義な議論を交わしていただいておりますこ
とを、そのご審議に心より感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 また、とりわけ本年2月には予防接種制度の見直しについてということで、第1次提言を
まとめていただきました。ここにおいてまとめられました今後の議論の必要な項目について
は、皆様方から、また専門家の皆様方から必要なヒアリングやご議論をしていただき、今後
の取りまとめに向けても精力的なご検討をいただいていると承知をしております。
 そういった意味で予防接種部会については、いま国民の皆様方からの大変高い関心をいた
だいております予防接種のあり方、転換期を迎えるこれらの事業に対して、今後とも委員各
位の熱心なご議論をいただきたいと思っております。
 現在、政府与党といたしましても、今般の厳しい経済状況の折、平成22年度補正予算を
作成するべく努力をしているところであります。子育てや医療といった分野、とりわけ国民
の生活が第一を標榜しております民主党でありますから、こういった国民の生活に直結をす
る事業についても、いま鋭意検討を重ねているところでございます。
 したがいまして、これまでの議論に引き続き委員各位の熱心なご議論の結果、予防接種事
業の適切な実施に向けて厚生労働省も、また政府全体としても取り組んでいくということに
なろうかと思います。是非、皆様方の今日も重ねてのご議論をお願い申し上げたいと思いま
す。
 最後になりますが、今日は所用につきまして私は冒頭で失礼をさせていただくこととなっ
ておりますが、先生方がご議論される内容につきましては、また私のほうでも今日の会議の
推移について、後ほど承知をするということにさせていただきたいと思いますので、本日は
冒頭で失礼いたしますことのお許しをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いしま
す。ありがとうございました。
○加藤部会長 いまお話にもありましたが、本日はご公務の都合上、途中でご退席というこ
とと伺っています。しばしの間、議論にご参加いただければ幸いと存じます。続きまして事
務局より資料の確認をお願いします。
○予防接種制度改革推進室次長 資料の確認をします。座席表のほか、議事次第1枚、配付
資料一覧、委員の先生方の名簿があります。資料1としてカラーのものがあります。資料2
として「前回ご議論いただいた事項についての整理(案)」ということで1枚紙があります。
資料3として「委員の皆様にご議論いただきたい事項」ということで2枚紙です。資料4
はカラーのものです。資料5「予防接種事業の適切な実施について」、資料6「予防接種に
関する情報提供について」、資料7「予防接種に係る費用負担のあり方について」、資料8と
して「ワクチンに関する研究開発の促進及び基盤整備の確保について」です。資料9として
「日本脳炎に関する小委員会第3次中間報告(案)」があります。
 参考資料として、これは以前も配付しましたが、「予防接種部会において、委員・参考人
よりいただいた主なご意見」は、今回ご議論いただく部分についての抜粋を付けています。
 別添資料として、委員の机上だけの配付になっていますが、「予防接種制度の見直しに向
けたご意見の集計結果」は、これも前回と同様ですが、5月に行われました国民の皆様から
のご意見募集におきまして、今回ご議論いただく部分についての抜粋を付けています。2部
になっています。その他、座長からのご指示で配りました冊子が2冊あります。「予防接種
ガイドライン」と「予防接種と子どもの健康」です。配付資料は以上となっていますが、落
丁、不足等がありましたら、事務局のほうにおっしゃってください。資料の確認は以上です。
○加藤部会長 議事に入ります。その前に、本日の議事の進行について、多少了解をいただ
きたいことがあります。本日、事務局で用意されています議題1と2のあとで部会長の私か
ら緊急に提案したい案件があります。具体的には、部会長名で厚生労働省に対して、あとに
述べますような予防接種に関しての意見書のようなものを提出したいと考えています。後ほ
ど各委員の皆様方にご議論をお願いしたいと存じますので、よろしくお願いします。第1
番目の議題、前回議論いただいた事項について、藤井次長より説明をお願いします。
○予防接種制度改革推進室次長 資料1、資料2について説明申し上げます。前回の部会か
ら第1次提言の6つの柱について、総括的なご議論をいただいているところです。資料1
については前回も出しましたが、前回は丸1の「予防接種法の対象となる疾病・ワクチン」
についての総論的な部分、丸5の「予防接種に関する評価・検討組織」についてご議論をい
ただきました。後ほど資料2で説明申し上げますのが、その内容についての確認事項及び再
度検討していただきたいと思って事務局が提案している事項です。本日は丸2丸3丸4丸6
についてご議論いただきますが、その下に資料との対応表を付けています。後ほど説明を申
し上げます。
 資料2をご覧ください。前回、ご議論いただいた内容及びそれまでのヒアリング等でご議
論いただいた内容について、事務局のほうでこういった意見でよろしいでしょうかという確
認の事項です。今回のご議論で、6つの柱すべてご議論いただいたという形になりますが、
次回以降、取りまとめの参考として確認をしたいというものです。
 1頁、1「対象となる疾病・ワクチンのあり方」についてです。丸1でいただいたご意見
としては、1つ目、予防接種により「防ぐことができる感染症の発生」及び「重症化のリス
クの低減」は、公的予防接種の重要な課題であるということ、2つ目、避けることのできな
い一定のリスクを伴う以上、健康被害救済のための取組みは不可欠であるということ、3つ
目、継続的かつ一貫性のある検討が行われるように中長期的な主体での方針を策定すること
が必要であること、4つ目、国民保健の向上の観点をより積極的に評価すべきであるといっ
たご意見をいただいていたと思っています。
 丸2ですが、予防接種法に定められていない疾病・ワクチンの任意接種については、大事
でないとの誤解があることから、そのような誤解を生じないような仕組みとするべき、2つ
目、対象となる疾病・ワクチンを見直すには、迅速かつ柔軟な対応が可能であるような仕組
みも必要というご意見をいただきました。
 ●の部分は後ほど説明することとしまして、裏面の2頁ですが、評価・検討組織について
丸1は、審議会なり検討会なりで検討された内容が施策に反映できるような組織とするべき
である、組織は常設とし、定期的に開催し、1つ1つ課題を解決する仕組みであるべき、組
織は厚労大臣の行政責任の下で部局一体的な対応が行われるようにすべきである、先ほどと
重複しますが、施策について中長期的な方針を示していく、こういった内容を検討していた
だくべきだということ。
 丸2についてですが、必要な情報収集・分析をするためのサポート体制が不可欠であると
いうこと、また、感染症の疫学的な評価、あるいは医療経済性の評価を行う専門家を育成し、
調査研究体制を強化すべきであるといったご意見をいただいていると思います。
 事務局としては、これらの意見については皆様方に一定の合意をいただいていると考えて
おり整理をしているところです。
 1頁に戻っていただきまして●です。「引き続きご議論いただきたい事項」ということで、
前回のご議論の中では、現在の一類疾病・二類疾病という類型について、一本化すべきとい
ったご議論も多く出されていたと認識をしています。その後、ご欠席の委員等々にもご意見
を伺っています。また、事務局としても、再度ご議論いただけたらと思っている事項をまと
めています。具体的に申し上げますと、現在、二類疾病としてはインフルエンザ、高齢者の
方を対象としています。類型については、一類は努力義務がある、二類は努力義務を課さな
いということになっていますが、一本化すべきということで、一本化するなら当然一類疾病
に一本化すべきというご意見だったと考えています。そういったことについて具体的に申し
上げますと、高齢者のインフルエンザ接種についても、一律に努力義務を課していくことが
適当であるかといったことについて、事務局としては少し悩んでいるところでして、その義
務等の取扱いについえは一体的に考える必要がありますので、このことについてもう一度、
ご検討をお願いします。
○加藤部会長 ただいまご説明がありました資料2について、○と●があり、事務局として
は、○の所は各委員の意見が統一されたものではなかろうかということですが、○の所で何
かご意見のおありの委員、どうぞ。
○岩本委員 いちばん最初の1のポツ1ですが、これは「発生」ではなくて、「予防接種に
より防ぐことができる感染症の予防」と書くべきではないですか。
○加藤部会長 「防ぐことができる」とあるから、書いたのですか。事務局で手直ししてく
ださい。
○予防接種制度改革推進室次長 了解しました。
○加藤部会長 ほかにいかがですか。よろしいですか。では●の所でご意見。一類・二類。
○宮崎委員 一本化というときに結局、接種側としては努力義務を課す課さないもあります
が、現状では健康被害補償がものすごく違うわけですよね。ですから、そのこととリンクし
てしまっているので、そこが難しい。だから、高齢者のインフルエンザを本当に積極的に勧
奨するかどうかは、私もややどうかと思うのだけれども、逆に二類にいろいろ入れていった
ときに、現状では副反応に対する補償が非常に下がってしまうということが起こってくるの
で、それだったら一類でというふうになってしまう。補償に関していえば、一類をきちんと
整備したほうが、受けるほうも接種するほうも安心してできるだろうと思います。その上で
どれぐらいの接種勧奨をしていくかは、またいろいろ議論があるのかとは思うのですが。
○加藤部会長 接種後の健康被害の救済の水準が違うので、そこのところに1つネックがあ
りますということですね。もし同じ場合は、一類・二類は分ける必要があると思いますか。
○宮崎委員 それこそワクチンの有効性と安全性と云々考えて、先ほどの「積極的勧奨」と
「勧奨」の話に戻りますが、いくらかワクチンの中では、個人防衛とかいろいろなことで進
め方の手法は変わる可能性はあるかと思うのですが。ただ、もう1点、よく議論されるのは、
法に定められているものと定められていないものでまた大きな違いがあること。ここの二重
のずれですね。法に定められているものと定められていないものに関して、費用負担の問題
と、また先ほど言った被害補償の問題がここに絡んでくるということで、その辺の議論をも
う少し深めて、一類・二類の問題は総合的に解決していくべきかとは思っているのですがね。
○保坂委員 ほぼ宮崎委員の考えと同じですが、いま宮崎委員の話で、先ほどの日本脳炎の
ほうでたぶん「積極的勧奨」と「勧奨」という話が出たのかと。私はほかの会に出ていて来
られなかったのですが、「積極的勧奨」という言葉が非常にわかりにくいということは前か
ら思っています。一応、国が定めた予防接種としては全部一緒、補償も一緒ということの中
で少し区別するという意味でいえば、一類・二類という区別にするかどうかは別にして、2
つぐらいに分けるということは考えても良いかと思います。
○澁谷委員 いまは確かにインフルエンザ1つですが、これから何かまた別の新しいものが
あってどこに位置づけをと考えるときに、もう1つの区分として二類を残しておくのもひと
つ手かという気はしています。ただ、いま、これは補償の問題や努力義務の問題とあまりに
密接に関係をしているので、それが単一のほうがいいという話と、分類として残すかどうか
少し切り離して考える部分があってもいいのかとは思います。
○今村委員 私は人間が単純で、もともと最初から同じ意見で申し訳ないのですが、基本的
には二類疾患という考え方自身にどうも納得できない部分があります。ただ、先ほど澁谷委
員や保坂委員がおっしゃったように、全く区別なく定期接種イコール一類疾患みたいにして、
あまりシンプルにやれないのではないか、全く1つの箱には入らないのではないかとは思う
けれども、一類・二類という考え方にどうも最初からよくわからないものが私にはあるので、
そういう一類・二類という分類に関しては基本的には反対です。
○加藤部会長 一本がよろしいという意見ですか。
○今村委員 先ほどの定期接種の概念も含めて、もう少し整頓してみたほうがいいのではな
いかという感じがします。もちろん勧奨や努力義務などもありますが、いまの議論でいくと、
定期接種のものを増やしましょうと言っていますね。その定期接種をもってして、いちばん
確定的な、しかも大変優先順位の高い疾患として、まずきちんとした位置に置いておくこと
という意味を含めてです。
○廣田委員 私もすべて引っくるめて定期接種というのでは、対象疾病を拡大していくとき
に、かえって制約が出てくるのではないかという気がします。何らかの形の段階があってい
いような気がします。努力義務や勧奨ですが、結局、現在受けている人は、接種するように
通知が来たから受けますということで、これに対して自分たちは努力しないといけないとか、
ほとんど考えてないですよね。違いというと、自己負担があるかないかということですよね。
だから、これは全部、実施主体のほうが気にしていることですよね。この「努力義務」とい
う言葉自体を使うことが適切かどうかも、私は少し理解できない部分があります。
○古木委員 いろいろ意見が出ているのですが、私は前回のときにもお話したかと思うので
すが、予防接種として位置づけるのは、一類も二類もそうですが、全国どこでも同じ条件で
受けられる、受けなければならない、こういったことがいちばん大事ではないかと思うので
す。前回でも子宮頸がんのことで、ある町はできるけれどもある町はできないとかありまし
たが、予防接種なら一類・二類も含めて、どこでも同じ条件で受けられるように。そのよう
な感じがします。
○加藤部会長 一類・二類を問わず全国で等しい条件で接種ができればよろしいのではない
かと。
○飯沼委員 できることなら一本がいいと思いますが、その辺にいくにはまだ議論しなけれ
ばいけないことがあるので、あまり慌てて結論を出さなくても、それはいいのではないかと
いま思っています。個人的には、すべて公費でみるというものの考え方でいければとは思っ
ています。
○古木委員 いまも私が申し上げたように、どこでも同じ条件で、1つはすべて公費といい
ますか国の費用でやっていただくと、これが一番であろうかと思います。
○加藤部会長 それに関しては一類・二類にはこだわらないというご意見でよろしいですか。
○古木委員 そういうことです。
○岡部委員 一類・二類を区別するときにいろいろな議論が行われていたと思うのですが、
そのときには、一類は個人防衛ではあるけれども公衆衛生対策も必要であると。二類は、あ
のときはとりあえずインフルエンザを当面の目標としていたので、インフルエンザワクチン
の、しかも高齢者なので、個人防衛的な感覚があるので一類と違う。今後、二類について検
討するために、例えば水痘であるとかムンプスであるとか、そういうものを二類として考え
ようというふうに動いていたのが、それっきりとどまってしまっているというのが現状では
あると思うのです。
 私の考えとしてはいままでの委員の先生と同じで、基本的には、多くの人にとって必要な
予防接種であれば、それは費用の分担であるとか、あるいは救済にそれほど差はないだろう
と思うのです。ただ、簡単にいえば、1回勧めるだけではなくて5回、10回勧めても必ず
やってくれというのが一類だと思うのです。1回、2回勧めて、しかしそれでもやりたくな
いという人には、まあまあというものが二類接種で、そういう差はあると思うのですが、そ
こには一定の枠を付けなくてはいけないから、一定年齢や一定の基準を設けるのが定期接種
であって、それ以外のが任意接種になって分かれていって、定期接種の中にはそういう意味
での多少のランクづけがあるということが、私はやりやすい方法だとは思います。一本化で
はないというほうが賛成です。
○加藤部会長 要するに、高齢者のインフルエンザのように、必ずしも努力義務を課すとこ
ろまでは要求しなくてもいいのではないかと。それは料金や接種機会は別に置いておいて、
類型化をするときにすべて同一、すなわち二類の疾病も努力義務を課すという方向で持って
いっていいのかどうかという議論になるとは思いますが。
○岩本委員 すでに何度か申し上げたのですが、私はそもそも定期ワクチン、任意ワクチン
というもの、打たなければならないワクチン、打たなくていいワクチンというのが非常に嫌
なのです。できれば予防接種の法律の中にはワクチンで対処できる感染症ということが書い
てあって、その中に子どもたちのワクチンを中心として公費で負担すべきワクチン、一部負
担が生じるワクチン、トラベラーズワクチンとかの要するに自己負担のワクチンというふう
に全体的なことが書いてあるのが非常にありがたいというのが1点。
 もう1つは、ワクチンはそれぞれの製品によって予防の効力というか、程度とかそういう
のが違うし、重症化予防の程度にも差があるという点です。ワクチンによって公費負担のあ
り方にも差が出てくるのはあり得るかと思います。繰り返しになりますが、その法律の中に
は、そもそもワクチン・プリベンタブル・ディジーズとは何ぞやというのが書いてあってほ
しいと思うのが私の考えです。
○黒岩委員 この2回出られなかったので、根本的な議論の中に参加できなかったのは非常
に残念な思いをしていたので、全体的なこともあえてこの時間で言いたいと思います。前か
ら言っていますが、予防接種はそもそも何だという根本の議論です。私は健康の安全保障だ
と思っていますが、健康の安全保障ということを考えるときに、国防の安全保障と全く同じ
ように考えるべきだと考えています。だから、国として守るべきもの、守るためにはどうす
ればいいのか。国の安全保障においてミサイルが自分は要るとか要らないとかと、そういう
話はないのであって、国として守ると決めたらば、全部守ると。そのための費用は全部公的
なもので負担すると。それでみんなでやると決めた場合には、例えばそこで事故が起きたと
しても、それはみんなで許容していこうではないか、という体制を整えることがいちばん大
事なことだと思っています。予防接種法などといういちばん根幹の部分はシンプルであるべ
きと考えていますから、いまの一類・二類とか、強制するとかしないなどという話は全部な
しにして、一本化して、予防接種は基本的にみんな打つものだという原理・原則を打ち立て
るべきだと考えています。
○山川委員 いま、おっしゃられたほどにはなかなか断定的に考えにくいのですけれども、
例えば黒岩委員は高齢者のインフルエンザでも強制すべきだと思われますか。どうしてこの
ようなことを伺うかというと、特に高齢者の場合には既往歴をたくさん持っていらっしゃる
方がいて、接種後事故が起こった場合、それが接種によって起こったのか起こらないのか、
既往歴が顕現したものなのかどうか、その因果関係がどうであったのかの判断に非常に苦し
むことになるのですね。補償制度を作るといっても、因果関係がありそうにないということ
になると補償はないわけです。そうすると、国家の強制、法律によって接種は受けたけれど
も、事故が起こったと。接種を受けていなければ、起こらなかったのかもしれない。よくわ
からないのですけれども、いずれにしろ、そういう場合に、お気の毒ですけれども何も補償
はできませんよというようなことが、通常の乳幼児の場合よりは多いかなという感じがする
のですね。そういうことも前提に置いた上で、なお、いまのような議論がいいのかどうなの
か。私は、ちょっと迷っているところなのですけれども、二類というのは、いま高齢者のイ
ンフルエンザしかないものですから、他にどういうのがあり得るのか、近いうちに決められ
るのかどうかわかりませんけれども、いまの時点では、ちょっと留保感があるのですけれど
も。
○加藤部会長 それは、黒岩委員に対する質問というよりも、山川委員のご意見ということ
でよろしいのですか。
○山川委員 そういうことについて、いかが思われますかということです。
○黒岩委員 これは、もう決めるか決めないかの話だと思うのですよね。例えば、それを別
枠にしたとしても、そこで問題が起きて、事故が起きた場合にどうするのかと。二類に分け
ているから国は補償しませんというのかどうなのかということですよね。やはり、基本的に
は同じだと思いますね。だから私たちは、このワクチンの問題を国民的に受け入れるために
は、その副反応の危険性というものも、しっかり我々自身が受容するということ、そのため
には徹底なる情報公開ということがある。それがいちばん大事なことであって、そこに一
類・二類で線を引くというところが重要なのではない。ただ、強制していないけれども打っ
て死んでしまいましたという人はどうしても出てくるのでしょうから、国が打ったとしても、
打つということを国民で決めれば、これは国がいけないのだと言って、何とかしろ、おかし
いではないかという議論が巻き起こらないような体制を作っていくということが、いちばん
大事ではないかと思います。
○今村委員 先ほどちょっと一類・二類から入ってしまったので、二類は要りませんという
感じで言ってしまいましたけれども、基本的にどれをもってして予防接種とするかという議
論がまだきちんとできていないと思っております。個人防衛とか、先ほどから出ている社会
防衛。そういう中でいまの考えでいくと、一類・二類と分かれているけれども、いまの二類
の基準は、予防接種法が決まった時点でそうならないかもわからないし、クライテリアが変
わってくるような気がするのです。そういう意味で、まずは、一類をどうですか、二類をど
うですかという議論ではないという意味で先ほど申したつもりではあったのです。ただ、急
ぐものとして、やはりいままで皆様と議論している6疾患等については、速やかにいわゆる
定期接種というか一類というか、いまのゾーンでいけば、その辺りの議論をきちんとできる
ように予防接種法の根本的な部分を、特に今回の議論にはヒトパピローマウイルス等が入っ
ておりますので、そこをやはり基本的にすべき中で、一類がどうだ、二類がどうだという話
をすべきではないかという意味で言ったつもりです。
○池田委員 社会の立場から見て、予防にかける費用と、それに見合った価値、あるいは便
益があるかどうかという点から見て費用対効果のいいものというのは、原則的にはやはり定
期接種という形で考えるべきで、そうしますと、そういったものは全て一括りでというよう
に感じております。ただ、一方で、いま議論されているワクチンというのは、そうすると、
おおよそ一類の中に全部含めて、つまり一類も二類もなく一枠でというような考え方でいけ
るのかもしれないのですが、今後新たな疾病、あるいはワクチン等が議論される場合、そう
いった範疇の枠では一律に語れないものも出てくるのではないかというような気もしてい
ます。例えば、個人の価値観とか、あるいは一定のリスクがあるのを納得した上で接種すべ
きというものも出てくる可能性があるので、そうしたものに関して、やはり別の枠もあった
ほうがいいのかということです。結果的には、一類・二類という現行のものをあえて置き換
える必要はないのではないかというような気もしています。
○加藤部会長 ありがとうございました。まとまりませんが、大体のご意見を聞いてみます
と、積極的にシンプルにすべきであるというご意見は黒岩委員。今村委員は若干違った方面
からそのようなご意見。宮崎委員、保坂委員、澁谷委員、廣田委員は、現在の一類・二類で
もよろしいのではなかろうかというご意見。古木委員は、同じ条件で全てやっていただける
のであれば、一類・二類であってもそれは問わない。飯沼委員は一本化がよろしいとは思う
けれども、いま急に、急いで1つのものにまとめる必要はないであろうというご意見。岡部
委員は、一本化ではなく、いまの老人に対するインフルエンザ等を考えた場合には、やはり
一類・二類の分類がよろしいのではないかという意見。山川委員は、先ほどお話したとおり、
池田委員はいまお話になったとおり、将来的に個人の価値観により、すべて努力義務でなさ
れるというようなもので括る可能性があるかもしれないし、またその逆もあるかもしれませ
んが、そういうことで括ることに対しては、若干ここで決めることは、時期尚早ではなかろ
うかという意見。これで一通り伺ったと思います。これを取りまとめることは難しいと思い
ます。一類疾病だけにするか、二類疾病だけにするか、一類・二類をそのまま残すか、これ
は大きな問題ですから、この場で決めることはできないと私は考えます。したがって、そん
なに時間がないのですけれども、これは一応今後の検討課題として今日の委員のご意見を事
務局のほうで一通りまとめていただいて、再度検討のし直しということでよろしいでしょう
か。
                (異議なし)
○加藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、議題2番目、事務局、藤井次長よりご説明いただきます。
○予防接種制度改革推進室次長 簡潔にご説明申し上げます。議題2として、委員の皆様に
ご議論いただきたい事項というものを、資料3に用意させていただいています。
 今回、6つの柱のうち残り4つと申し上げたのですけれども、資料3の1頁をご覧いただ
きますと、(2)予防接種事業の適正な実施、あるいは情報提供のあり方、費用負担のあり方
等については、お互い関連する事項といたしまして、関係者の役割分担がベースになって、
それぞれの考え方が整理されるものではないかと理解しておりますので、1の「予防接種事
業にかかる関係者の役割分担にについて」としてご議論いただきたいと思います。
 2頁の2、予防接種に係る健康被害の対応についても、主に2つの柱、適正な実施と情報
提供、3番については情報提供、4番については研究開発・基盤整備の確保ということで、
少しまとめてご議論をいただければと思います。これに関係する資料について、ごく簡単に
説明します。説明と申し上げても、これまでの部会において資料として使わせていただいて
いるものですので、これもごく簡単にご説明申し上げます。
 資料4、これは6月の第10回の際に使わせていただいたものです。1頁、市町村が実施
主体となっているということです。2頁、上の図の左の上ですけれども、法律に基づいて対
象疾病の定めがなされていますけれども、一類・二類疾病のうち政令で定めるものを対象疾
病として市町村で実施していただいている仕組みになっています。
 資料5、適正な実施についてで、1頁の「予防接種に関する副反応報告制度について」は
第8回の資料がベースとなっていますが、2頁の上の部分は今回新たに作らせていただいて
います。この健康被害等の把握については、左のほうの健康状況調査がありますが、これに
ついては、これまであまりご説明を申し上げておりませんでした。副反応報告が右のほうに
書いてありますけれども、言うなれば左の健康状況調査については、実際に接種をした方に
対して、こちらからその後どうでしたかという形で、前方視的に調査をさせていただいてい
るものです。調査方法ですが、医療機関にご協力をいただいて、調査表を接種を受けた方に
対して配付して、記入して返していただくという形になっています。この辺が、右の副反応
報告のように、医師あるいは保護者の方から、副反応があった場合にご報告いただくという
形とは違っています。
 3頁以降、これも見ていただいた図ですけれども、3頁の下のほうについては、市町村を
介して副反応報告を上げていただいています。4頁、これは新型インフルエンザで昨年実施
した事業において、副反応については直接厚労省に上げていただいております。下の薬事法
と前の頁と重ね合わせ、予防接種法に基づく報告、薬事法に基づく報告、それぞれを一本化
した形で運用している形です。事務局としては、このような運用の仕方も今後あり得る、あ
るいは有効なのではないかと考えており、この図を示しています。
 7頁、これも前回見ていただいた図ですけれども、先ほどの健康状況調査、あるいは副反
応については、予防接種後副反応報告・健康状況調査検討会で、薬事法に基づくものについ
ては薬事審のほうでご検討いただいているという状況です。
 8頁以降が被害救済制度ですけれども、こちらについては説明を割愛させていただきます。
基本的には10頁の上のほうに書いてありますように、市町村レベルで被害調査委員会、国
レベルで疾病・障害認定審査会という形で取り扱っています。
 資料6、これは第9回で使った資料です。情報提供については1頁の下、1つ目の○で、
国は知識の普及を、2つ目の○で、市町村は実施についての公告等を行う、3つ目の○とし
て、これは医療機関に主に行っていただいているのですが、副反応等についての当事者の理
解を得られるようにということで、情報提供を行っています。
 3頁以降ですが、国(厚労省)のホームページ、5頁の上は感染症情報センターから情報
発信等々がなされています。その下の予防接種リサーチセンターにおいて作っている普及啓
発資料は先ほど冊子としてお配りしたもので机上に置かせていただいたものです。
 資料7、費用負担についてです。一類疾病・二類疾病は先ほどご議論いただきましたけれ
ども、努力規定あり、なしの他に、救済給付等についての水準が異なるということはご指摘
のとおりです。ちなみに、臨時接種については一類疾病とほぼ同じ形になっています。実施
については、国の負担、市町村の負担がありますが、これも説明を割愛させていただきます。
 3頁、これもご案内と思いますけれども、全体の費用負担については、臨時接種について
は全額公費ですが、定期の接種については市町村の自治事務となっており、減免部分につい
ては地方交付税で措置をされている形です。ちなみに、4頁に諸外国の状況が書かれていま
す。医療保険、民間、公的保険を含め、カバーされているのが現状のようです。以上が説明
です。
 資料3に戻ります。いまご説明した資料を踏まえて、まず1「予防接種事業にかかる関係
者の役割分担について」です。ア、主に住民・国民、自治体において費用負担も含めた責任
のあり方について。イ、それぞれ実施をされている行政機関あるいは医療関係者、ワクチン
製造メーカー等々について、当然ながらワクチンの確保・供給が今後の事業を行っていく上
で大きな要素ですので、そのようなことについても議論いただきたい。ウ、報道関係者の果
たす役割です。
 2頁の2、健康被害の対応については、先ほど新型インフルエンザのシステムを申し上げ
ましたけれども、このようなことも念頭に置いていただきながら、今後適切に把握する、あ
るいは迅速に対応することの問題点についてご議論いただければと思います。イ、それぞれ
の関係者の役割分担。
 3、情報提供については現在、知識の普及を行う上で、いろいろな形でやっているのです
が、もっと効果的な方法、あるいは改善すべき方法があるのか。イ、先ほど山川先生からも
お話がありましたが、健康被害が生じる可能性について、どのようなことを伝えていけばい
いかをご議論いただければと思います。
 4番目については、1〜3番が済んだ後にご議論いただきたいと思います。ここまでのご
議論ですけれども、前回も見ていただきましたが、これまでのヒアリング時にも様々なご意
見をいただいていまして、この議論に関することもたくさんあります。こういった内容につ
いて参考資料としておりますが、これに書かれている内容に追加して、あるいはもっと総括
的な議論をすべきだというご議論がありましたら、提言に記載する際に参考にさせていただ
きたいと思いますので、よろしくご議論をお願いします。以上です。
○加藤部会長 ありがとうございました。ただいまは資料3を中心としてご議論いただきた
いということでよろしいですか。それに伴う資料がいくつかご説明があったということです
が、付属されているいろいろな資料は、もう何度かこの委員会で配付されていまして、皆様
もご承知のとおりと思いますし、いま事務局からお話があったことも、参考人、ヒアリング、
委員の先生方のご意見もかなりお聞きしたところですけれども、ここに書かれていることは、
提言に向けてまとめに入らなければならないことになりますので、ここで申し上げたいとい
う委員がありましたらお願いしたいと思います。
○岡部委員 今日提出していただいた資料は、これからの議論に必要な、全般的な資料だろ
うと理解しています。事前に資料をいただいたときに申し上げればよかったのですが、予防
接種で防げる病気の現状は、どう把握されているかという資料がここにはないと思うのです
ね。つまり、サーベイランスによってどういう仕組みで把握されているのか、これは基本的
な資料になると思いますし、それの説明にも必要なのです。現状で言えば前にも申し上げた
ように、同じいまの定期接種を踏襲したとしても、例えばDPTを取ってもジフテリアは二
類だけれども、破傷風は五類で、ポリオは二類であり、はしかが全数の五類で、結核は二類
であるというように、極めてばらばらであって、取り方が統一されていないという問題点と、
小児は取れるけれども成人は取れないとか、あるいは現在話題になっているHibや肺炎球
菌ワクチンに対するサーベイランスデータは、我が国はナショナルデータとしては存在しな
いという問題点。やはり、どのようにこの病気を把握するかというのは非常に貴重な資料だ
と思うので、是非それを出していただきたいと思います。
○加藤部会長 何回かこの委員会でも出ましたが、サーベイランスは極めて大切ですという
意見はだいぶ前から出ています。そこは事務局はノートをきちんと取っておいてください。
ほかにご意見はございますか。
○今村委員 今回の議題に役割分担等がありまして、費用負担等もありますので、衛生部長
会として、政令市と都道府県で66ありますけれども、その対象にアンケートを取りました。
期間が短くて100%の回答ではないのですけれども、公費負担については国が責任を持って
ものをすることという中で、全て国で賄うことというのが75%、都道府県が出してもいい
というのが25%ありました。国がということの基本は、やはりどこに住んでいる子どもに
ついても格差を生じないために、ということがメインでした。一部出してもいいという意見
があるのは、個人の予防に関してはという回答が7件でした。そういう状況です。
 それから、一緒くたに言って申し訳ないのですけれども、実施方法として非常に意見が多
かったのが集団接種でした。これはもちろん、ベーシックなところは個人接種を基本とする
けれど、速やかにやる場合の接種等、短期間でやるような場合、集団接種の道をもう一度し
っかり検討して、その道も開いてほしいという意見が、かなり都道府県にありました。
 もう1つ、先ほどの岡部先生のお話にも少し関係するのかもしれませんが、未接種者把握
という意味も含め、その辺をはっきりしないと、予防接種を実施するときの後ろ楯の資料に
ならないという意見がありましたので、お伝えしておきます。
○加藤部会長 ただいまの意見は、役割分担ということに絡む意見ということですね。
○今村委員 はい。
○宮崎委員 2頁目の情報提供のところですけれども、アとイと2つ書いてありますが、イ
がどういう情報を伝えるかという内容で、アが方法論と読めるのですが、だとすれば内容の
ほうには先ほど岡部先生も言われたような疾患がどうかということ、予防接種の効果と副反
応ということがこの内容になってきて、それをどう伝えるかがアということですよね。今日、
予防接種ガイドラインが配られていますけれども、これは平成6年改正のときに初めて作ら
れて、それがずっと改訂されてきています。初期は結核感染症課の監修であったのが途中で
外れてきて、いまはリサーチセンターが発行して、加藤先生が委員長の委員会で作られてい
ます。一時期は、例えば任意接種のワクチンについてばっさり、国の指導だと思いますが削
られた時期があったりとか、ガイドラインの各版を並べるだけでも国の政策がわかるぐらい
なのですが、やはり今回はかなり分厚くなっていて、任意接種についてもきちんと書き込ま
れるようになってきている。これ自体が随分、情報提供としては一時期よりは改善されてい
る部分があると思っています。ですから、これはいつも言われますけれども、とにかくきち
んとしたデータ、なるべく新しくて正確なデータを提示していく。それがないと国民が判断
できないわけですから、やはり、そこをきちんとやっていく。そうでないと、先進国での本
当の予防接種行政というのは成り立たないのだろうと思います。ワクチンがうまくいけばい
くほど疾患も減ってきますので、なぜこのワクチンを打たなければいけないかという必要性
は、どんどん実感としては薄れていくわけです。それでも維持していくには、この辺の情報
収集と提供方法は、もう一段踏み込んでいっていい。いろいろな議論の中で出ていますが、
本当にワクチンに関しては国は何も言わないのですよね、法律があるだけで。定期接種に関
するワクチンの接種の仕方だけが細かく書いてあるだけで、それ以外は何も情報を出してい
ないというのが現状だと思いますので、国はもう少しその辺も積極的になられていいのでは
ないかと思っています。
○古木委員 先ほどもちょっと申し上げたかと思うのですけれども、いわゆる予防できるワ
クチンは、やはり全国どこでも同じ条件で接種できる。これが一番だと思うのです。その意
味では、やはり予防接種法の法制化がいちばん大事かと思いますし、また、その財源もしっ
かり国のほうで確保していただくというのが、私はいちばん大事ではなかろうかと思います。
特に市町村の場合、一度接種をやりますと、補助がなくなった云々ということで国から補助
を切られても、なかなか途中でやめるということはできません。したがって、やはりその辺
の財源補填というのは非常に大事な要素だと思います。財源となると、いま申し上げたこと
を繰り返しますが、自治体の財政力によってできる所とできない所があってもいけませんの
で、とにかく全国どこでも同じ条件でできる状態、これをつくるのが一番であろうかと思い
ます。
 それが1つと、実は先日、この場でお話を聞いたのですが、これがどうなるのだろうかと
思っていて、1つ問題なのですが、例えば子宮頸がんで、いま厚生労働省は概算要求で150
億要望しているというお話であったと思います。例えば、150億で対象者が皆救われるのか
どうだろうか、逆に足りない分は県が持つとか市町村が持つとか、そういうことが予定され
ているかどうか。それと、子宮頸がんというのは、先ほどもちょっと出ましたけれども、予
防接種として一類疾病のほうに入ってくるのか、二類疾病のほうに入っていくのか、あるい
は定期接種ではめ込んでいくのか、臨時接種になっていくのか、その辺がいまのところ見え
ないので、そこは計画を教えていただけたらと思います。言わんとするのは、全国どこでも
同じ条件でできる。やはり、これは絶対やっていくべきではないかという思いがしています。
そして、できることならば国のほうで費用は全部負担していただく、これがいちばんではな
いかと思います。以上です。
○加藤部会長 役割分担についてですね。
○古木委員 はい、そうです。
○飯沼委員 3頁の4番のワクチンの研究開発ですが、国が組織培養に対して1,200億円ぐ
らいの予算をつけてくれたわけですが、それは非常に感謝をしております。この分野は非常
に大事で。
○加藤部会長 それは後ほど。現在のところは、予防接種事業にかかる関係者の役割分担、
予防接種に係る健康被害への対応、予防接種に関する情報の提供についてのご意見を伺いま
す。いまのところ、5名の方からご意見が出ました。
○岩本委員 1と3について。1は、日本の中で場所によって差がないという総論は大賛成
です。私がわからないのは、例えば自治体の地方自治を推進する中で、包括的補助金を増や
すべきだという議論があります。そういう議論と、こういうワクチン行政のような国がやろ
うというところの整合性をどう取るのかがわかりません。
 もう1点は、健康被害の問題で、これは健康被害の救済の問題だけに止まりません。前も
申し上げましたけれども、不服申請された方が、専門家の意見により却下された後、最終的
には法的に訴えるシステムとなっています。このあたりの議論を少し入れないと、国が悪か
ったのでこのワクチンは効かなかった、健康被害が起こったというような事例が今後もずっ
と起こっていくような気がしています。不服申請の問題をどう扱うかというのも議論に入れ
るべきだと思います。
○加藤部会長 わかりました。
○保坂委員 まず、今の岩本委員のご疑問についての私の意見を述べさせていただきたいと
思いますが、地方分権の考え方は確かに大事ですけれども、国がやるべきことと地方がやる
べきことは、はっきりあると思うのですね。もし、みんな地方がやるのであれば、国はほと
んど要らないではないかという話になって、国はやはりきちんとやるべきことがあって、そ
の国がやるべきことの中で予防接種というのは、先ほど黒岩委員がおっしゃったように、国
民の健康の安全保障であるということで、絶対に国としてきちんとやるべきことだと思うの
ですね。地域によって特性があることではないので、全体としてやるべきであると私は思っ
ています。
 さっき今村委員から未接種者の把握のお話が出ましたけれども、それについても、やはり
国が全国統一でやるということになれば、全国統一で把握しておくというか、予防接種台帳
を各地方自治体が持っていて、転出入の多い所でそれがなかなかできないということも、何
か別の方法を取ればできる、一生のうちにこれとこれをこのようにやるのだということが、
それぞれの個人についてきちんと把握できる形を作ることが非常に大事ではないかと思っ
ています。
 それから、この議題と少しずれるのですが、やはり今村委員のおっしゃった集団接種につ
いて、かつて集団接種によって非常にまずいことが起きて、集団接種をやめて個別にしよう
ということで、それは大変よいのですけれども、先ほどおっしゃったように、スピードを求
められるようなとき、一遍にやらなければならないような状況というのがあることを考えて、
もう1回予防接種について考えるときには、集団接種は基本的にどうすれば、どういうこと
を担保して、どういう形にすればいいかということの基本というものを作っていけば、それ
ができるようになるのではないかと思います。
 2番の予防接種に係る健康被害の対応についてですけれども、先ほど他の方からもお話が
あったように、やはり予防接種による健康被害と、予防接種のときに起きた有害事象をある
程度分けられるような、医学的に、本当に科学的に予防接種によって起きたということがわ
かるものと、ほとんどそれはわからないものがあると思うので、それについて医学的に議論
する場と、そうではない健康被害について考える場というか、仕組みというものを別に作っ
て、予防接種に関連して時間的にするか何にするかは議論があると思いますが、それについ
てはある種の補償をする形にしないと、予防接種が本当に安全であるかどうかを国民の皆さ
んが正しく理解することはできないのではないかと思います。ただ、その費用については、
予防接種に関連して何か起きたときの補償というのは国が税金でみていくのか、あるいはま
た別な仕組みを作るのかというのも議論していくべきことなのかなと思っています。以上で
す。
○廣田委員 2の健康被害について、私は異なる意見を持っています。いろいろな補償等の
システムを管理することは当然ですが、そういうのをきちんとやったから本当に予防接種に
対して国民が納得するか、安心するかというと、まだ十分ではないと思います。「紛れ込み」
という言葉が出てきていますが、この「紛れ込み」という言葉を使わなくてはいけないこと
自体が医学の限界だろうと思います。医学の限界があるとすれば、本来予防接種によって起
こっているのが予防接種とは関係ないものとして存在することも、当然あり得るわけですよ
ね。だから、それに対して有害事象という考え方で、国民からきちんと報告をいただいて、
健康被害とは別にいろいろな有害事象をつかまえて、その有害事象が本当に予防接種の健康
被害なのかどうかということをつかむような姿勢をきちんと見せてこそ、国民は初めて納得
するのではないかという気がします。
○加藤部会長 ありがとうございました。似ているようで似ていないようで似ている。救済
は救済として認めましょうということは皆さん一致していて、けれどもそれが予防接種のせ
いであるかどうかはわからない場合もあるし、わかる場合もあります、それによって裁判を
受ける場合もありますと。黒岩委員どうぞ。
○黒岩委員 関係者の役割の中に「報道関係者の果たす役割」があるので、ここは私は言っ
ておかなければいけないなと思っています。
 そもそもの議論に立ち返って、なぜ日本がワクチン後進国になったのかというところです
が、副反応事故が起きたことをメディアが伝えると、特にワクチンの場合には、元気なお子
さんが突然亡くなるみたいなことになるので、非常にセンセーショナルに伝えられることに
よって、「国は何をやってたんだ、こんな危ないものを、何やってたんだ」ということにな
って、では、そんな危ないことはやめておきましょうということを繰り返してきた結果だと
思っています。ということは、メディアがそういう反応をしないような形を作ることが、と
ても大事なことだと思います。そのために何かというと、メディアにいちばん求めたい情報
というのは、1件副反応事故が起きたときに、分母はいくつなのだということです。100分
の1件で起きた話なのか、100万分の1件で起きた話なのかというところをみんながアプロ
ーチして、わかるような状況。だから、サーベイランス体制がしっかりできていないのは、
まさに致命的なことだと思います。そのサーベイランス体制は、情報はすっかり誰でもアク
セスできるような形を作ることが、いちばん大事なことだと。その上で、あとは先ほど言っ
たように覚悟の問題で、副反応ということは、事故ということはあり得るのだということを
最初から我々は受け止めるということ。それを受け止めた上で、ワクチンを自分たちで実施
していくのだということの腹決めですよね。
 そこまで決めたら、あとはシンプル。私がよくわからないのは、国が払う部分と地方が払
う部分に分かれているところの哲学というものは、おそらくないだろうと思います。先ほど
言ったように、ワクチンとは、予防接種とは、健康安全保障であるという定義をした瞬間に、
国として守るべきという話になって、どこの市町村は守るけれども、どこの市町村は守らな
いとか、守るべき話について市町村の割合はこうだ、ああだという話は基本的にないと思い
ます。だから、負担は全部する。それとともに、事故が起きたときにどういう救済をするか
といったときに、先ほどの一類・二類の話に立ち戻って考えてみても、なぜ一類・二類に分
かれているかというと、事故が起きたときに負担するお金が違うわけです。二類は、少ない
お金でなんとかなるようにしてある仕組みだと思うわけです。そこのところは腹をくくって、
決めたのだったら決めたで、起きたときには国が全部補償しましょう。その代わり、無過失
補償、免責ということを徹底することがいちばん大事かなと考えます。
○澁谷委員 1の事業に関係する「事業の適正な実施」のところで、現行法でも認められて
いますが、不活化ワクチンの同時接種や、先ほど来出ている集団接種といったものを推奨す
ることがあってもいいのではないかと思います。それは、打つお子さんの負担を減らすこと、
それから、緊急に多数の接種者にしなければならないような場合に有効で、今回新型インフ
ルエンザのときの集団接種は非常に有効であったと思います。それが1つ。それから予防接
種に関する情報提供のあり方で、学校教育の中で予防接種ということにもう少し力を入れて、
十分な啓発をお願いしたいということがあります。
 2番目の健康被害の対応で、ア、イという形で上がっていますが、本日配付されている資
料5の10頁に「救済事務の流れ」がありますが、丸1申請から?I通知までが実際には何箇
月もかかる。確かに、被害を受けた方というのは数としては少ないかもしれませんが、その
人たちにとってはこの通知が来ることに非常に時間がかかることが、さらに精神的にも肉体
的にも負担になることですから、個に対する対策も重視するということであれば、ここの部
分の事務の流れを短縮して、早く救済ができるような仕組みを作ることも必要ではないかと
思います。
○今村委員 都道府県から出た意見で、2の予防接種の健康被害ですが、副反応報告に関し
ては薬事法との一本化を考えてほしいという意見が出ています。3の予防接種に関する情報
提供のことですが、基本的にメインの接種者である医療従事者、特に医師のいろいろな考え
方によって、地域的な情報の発信の差が現在のところかなり見られている。もちろん学問的
にいろいろな考えがおありの先生たちはあるとは思いますが、ある程度基本的なところを可
能な限り統一的なものにしない限り、たとえ全国的に無料になったとしても、そこに差がで
きるのではないかという意見がありました。
○保坂委員 いまの澁谷委員の学校教育の中でということに大賛成です。実は学校でこうい
うことを教えるのは保健体育の授業ですが、教科書に予防接種の意義と重要性ということに
ついてほとんど載っていないのです。ここは厚生労働省の会議なのですが、私どもからも申
し上げますが、是非厚生労働省からも、少なくとも教科書に予防接種をすることの意義と重
要性について入れていただきたいということを文部科学省に言っていただきたい。仕組みを
作ることとは別に、いますぐやっていただきたいことなので、局長、是非よろしくお願いし
ます。
○加藤部会長 確かに、これは先ほど岡部先生がおっしゃいましたが、感染症のほうはよく
出ていますが、予防接種のほうは出ていない。私も、以前に調べたことがあります。ほかに
ご意見はありませんか。宮崎先生どうぞ。
○宮崎委員 健康被害のことについて追加みたいなことですが、任意ワクチンと定期で本当
にシステムが違うというのは1つの問題です。もう1つは定期接種においても、もともと副
反応をどう集めるかというあるアイデアがあって、いまのシステムができていますが、その
本来の目的が忘れられて、収集と報告のやり方が形骸化している。だから、もう少し中身の
吟味と迅速さがないと、平成6年のときに作った意味が薄れてきている。仕事だからやって
いるみたいな感じになっているのだと思うので、そこは全体を含めての議論と、新しいシス
テムを作っても、またこれが何年も経たないと出てこないようでは作った意味がありません
ので、そこもきちんとやっていかないといけないだろうと思います。
○加藤部会長 ありがとうございます。ほかによろしいですか。岡部先生から始まりまして、
13人の方からご意見をいただきました。予防接種事業にかかる関係者への役割分担につい
て、予防接種に係る健康被害への対応について、予防接種に関する情報提供について、各委
員からご意見を伺いました。いままでのこの会とかなりダブったご意見もありましたし、ま
た新しいご意見もありました。したがいまして、いまのご意見を十分事務局としては整理を
しておいていただきたいと存じます。その上で今後提言をしてまいりますので、その取りま
とめの際に今日いただきましたご意見や、いままでの委員会でのご意見を取りまとめて、ご
提示をお願いしたいと思います。
 続きまして、4の「ワクチンの研究開発・生産基盤の確保」について、血液対策課三宅課
長よりご説明をお願いします。
○血液対策課長 資料8をお願いします。「ワクチン産業ビジョンを踏まえた活動状況」で
す。ワクチン産業ビジョンが平成19年3月に取りまとめられています。もともとワクチン
産業と申しますのは、歴史的に見ますと公的な側面から発展しました。その後、民間の産業
へと展開しています。今日では、生産供給は財団法人や学校法人を含めた比較的中小の民間
のワクチン産業に依存している状況があります。予防接種という公的制度に則って使用され
る反面、一般の薬剤と異なり、健康な子どもさんたち数百万人から数千万人に接種されて、
先ほど議論にありましたように、いまのところその副反応は避けられない状況もあります。
いまロットごとに検定等も行われ、安全性の確保や副作用被害の救済制度などの充実も図ら
れてきていますが、こういった健康被害の訴訟の問題とか、副反応が発生したために急に接
種が止まるということでワクチンが多量に余るとか、製造設備が休止してしまうといった面
で、企業にとってもそういったリスクがあります。
 一方でグローバル化の進展とか外資の参入、少子高齢化の進行、またSARSや新型イン
フルエンザなど、新興・再興感染症などの発生に伴う新たなワクチン開発への期待など、環
境変化が起こっています。こうしたことを受けて、このワクチン産業ビジョンが取りまとめ
られています。その結果、ここにありますようなアクションプランということで、1.基礎研
究から実用化(臨床開発)への橋渡しの促進、2.関係機関の戦略的連携による臨床開発力の
強化、国際競争力のあるワクチン生産基盤を確保、3.新型インフルエンザ等の危機管理上必
要だが、民間の採算ベースに乗りにくいワクチンに対する国の税制、研究開発助成等の支援、
4.疾病のまん延に備えた危機管理的なワクチンの生産体制の確保のための国の支援、5.ワク
チンの薬事承認・実用化に向けた制度基盤の整備、6.ワクチンの需給安定化のための調整機
能の整備、7.ワクチンの普及啓発といったプランが取りまとめられました。これを受けて、
ワクチン産業ビジョン推進委員会が設けられまして、それぞれの項目についていろいろ推進
が図られてきています。
 次の頁に、第1回から第5回までこのように掲載されていまして、現在、混合ワクチンの
いろいろなWGが設置されている状況です。その後、昨年、新型インフルエンザが発生し
たことから、また予防接種部会が進んでいるというところで、一時休止になっています。こ
のワクチン産業ビジョンを受けてのその後のいろいろな進捗状況についてを取りまとめた
のが、その下の表です。
 1.基礎研究から実用化(臨床開発)への橋渡しの促進です。(1)官民の連携ということ
で、ワクチン開発研究機関協議会が設立されています。いろいろな研究の共同ネットワーク
を、これによって進めようというものです。また、スーパー特区によるワクチン開発の官民
共同研究というものが進められています。次世代ワクチンのイノベーションに向けたいろい
ろな取組みが進んでいます。感染症研究所や基盤研究所、東大医科研、大阪大学の微生物研
究所などが参加して、こういう取組みを進めています。いろいろなワクチンフォーラム等が
開催されています。
 (2)日本医師会による「大規模治験ネットワーク」の活用等、医療実践者が参画した対
応の促進です。新型インフルエンザワクチンの治験について日本医師会に協力いただきまし
て、医師主導治験が取り組まれています。H5N1の第2相、第3相の治験にご協力いただい
て、承認に至った成果が上がっています。また、国内臨床研究・治験基盤の整備充実という
ことで、文科省と厚生労働省が5カ年計画等を作って進めている状況です。
 2.関係機関の戦略的連携による臨床開発力の強化を図り、国際競争力のあるワクチン生産
基盤を確保しようということです。(1)研究開発企業との連携によるニーズに即した新ワ
クチンの臨床開発力強化と開発効果ですが、大手製薬企業とワクチンメーカーとの提携の強
化が進んでいます。ここに例を上げていますが、第一三共・北里研究所、アステラス・UMN
ファーマ、サノフィー・北里研究所といった大きな流れができています。(2)新ワクチン
による競争力強化、収益構造の転換による事業安定化と国内製造体制確保。これは、新型イ
ンフルエンザワクチンの開発・生産体制整備事業ということで、1,190億円の基金を積んで、
5年間で半年以内に新型インフルエンザワクチンの全国民分の生産ができることを目指し
て、いま取組みを進めています。(3)外国企業との協力の促進ということで、グラクソ・
スミスクライン社と化血研によるインフルエンザワクチンの開発や、武田薬品工業と
Baxter社との提携の取組みが出てきています。
 3.新型インフルエンザ等の危機管理上必要だが、民間の採算ベースに乗らないワクチンに
対する税制、研究開発助成等の支援ということで、オーファン制度等に関係した税制上の優
遇措置などが設置されています。
 4.新型インフルエンザ等の危機管理的なワクチンの生産体制の確保のための国の支援。少
し重なりますが、これについては先ほどの基金あるいは平成17年度から平成20年度の生
産体制への補助、平成18年度から平成20年度にかけまして、プレパンデミックワクチン
の備蓄等、それから先ほどの基金等がなされています。
 5.ワクチンの薬事承認・実用化に向けた制度基盤の整備です。ワクチンの治験・承認関係
ですが、今年度感染症予防の非臨床・臨床ガイドラインの策定等が行われました。(2)治
験相談、審査に係る質・量にわたる一層の充実です。これはPMDA、医薬品機構の生物系
審査2部というのが新設をされまして、平成20年度は19人、平成21年度は26人、平成
22年度は31人と、審査体制の充実が段階的に図られてきています。
 6.ワクチンの需給安定化のための調整機能の整備です。感染症疫学的なデータに基づいた
需要予測と需給調整機能の確保ということで、平成11年度からずっとインフルエンザワク
チンの需要検討会が開催されまして、今年度も需要として2,230万〜2,620万人と出されて
います。こういうものに基づいて、需給調整を図っています。(2)危機管理に強い地域ブ
ロック単位の在庫管理・配送ネットワーク体制の整備です。これは都道府県単位ですが、季
節性インフルエンザワクチンの在庫状況の把握も、逐時行っています。
 最後は、需給安定化のための予備的な生産・確保です。これも、インフルエンザワクチン
については在庫不足に備えまして、一定量を市場に出さずに保管しながら、状況を見ながら
出していく取組みが進んでいます。以上です。
○加藤部会長 どうもありがとうございました。ただいま事務局から、資料8を中心として
ご説明をいただきました。資料3の4番目の「ワクチンの研究開発・生産基盤の確保につい
て」、ご意見があればお伺いしたいと存じます。先ほどの飯沼先生から。
○飯沼委員 やっと順番が回ってきました。2の予防接種に係る健康被害にも関係があるの
で、そこでお話すればよかったかもしれませんが、要するに健康被害を起こさせないという
ことのアプローチも非常に大事だと思います。1つは研究開発のことになりますが、多価ワ
クチンを開発することは接種の機会が減るわけですから、紛れ込みも全部含めて副反応が出
るようなことが少ない。もう1つは決定的なことですが、抗原量を少なくして同じ効果を上
げる。そのために、右側のワクチンの研究開発があるのだと思っています。
 先ほど三宅課長からご説明がありましたが、たくさんのお金を出していただきまして細胞
培養でワクチンを作る研究がなされています。これは5年計画のようですが、抗原量を減ら
すためには、おそらく卵で継代した種を1回ティッシュカルチャーに戻して、それでワクチ
ンを作ることにすれば、いままでのベーシックなバイロロジーからすると、これはエピトー
プが非常に安定して、特にヒューマンの細胞をパスすれば、とてつもなく力価の高いワクチ
ンができる可能性が、ほかの傍証がたくさんあるわけですので、早く予備実験の段階でやっ
て、それを明らかにしていただきたい。そうすると我々バイロロジストも、話としては理解
ができるようになりますので、コメントもできるわけですが、5年が経って途中の経過を抜
きでポンと出すのではなくて、毎年少しずつでもいいので、エビデンスが出たら、はっきり
こういう場所でもいいし、ペーパーにしてもらう作業をしていただければ、日本中のウイル
ス学者がそれに応援ができる体制ができますので、是非ともそれをやっていただきたい。も
う1回しつこいようですが、抗原量を減らすことと多価ワクチンを作るということで健康被
害は、接種による副反応や何かがおそらくかなり抑えられると思いますので、そこら辺の研
究はしっかりやっていただきたいことと、その情報を明らかにしていただきたいと思います。
以上です。
○岩本委員 私は研究者なので、研究費が増えることには基本的に賛成でありがたいのです
が、それは置いておいて。プライオリティは何なのだということを明確にしてそれの進捗が
どの辺にあるのだということを見せていただいたほうがいいのではないかなと思います。難
しい面もあるかもしれませんが、例えばポリオの不活化ワクチンの導入とか、いまの多価と
か混合ワクチンはどう進んでいるのかというところのプライオリティを数個決めて、それが
いまどの辺まで進んでいるのだということがわかりやすいほうがいいように思います。
○今村委員 今日いただいた資料2の、もう議論した中の5の「予防接種に関する評価・検
討組織のあり方」の中に、中長期的な方針を示していく必要があるという意見がありました。
それに連動していますが、「ワクチンの研究開発」のイに、新たなワクチンの研究開発等に
係る中長期ビジョンが必要と考えられますかという質問があります。まさにいま岩本委員が
おっしゃったものと少し関係するかもしれませんが、この中長期的ビジョンと組織の中長期
的ビジョンが、よく連携し合わないと、より効果的な政策的なことに結び付かないと思うの
です。この「ワクチン研究開発・生産基盤の確保」のどの組織かは別として、この組織が、
我々が前回議論した予防接種に関する評価・検討組織との連動を是非考えてほしいと思って
います。
○宮崎委員 私もいま言われた意見に賛成で、予防接種に関する検討会とワクチン産業ビジ
ョンの委員会が同時並行的にやられていて、多くの委員はダブっていたにもかかわらず、な
かなか議論が一緒にできない状況の中で、基本的にはワクチンという「モノ」がなければ政
策は打てないわけですし、ワクチンを導入するとか作ろうとか、どれぐらい製造するかとい
う議論は、いま言われた中長期的なビジョンがないとメーカーは動けないわけで、これはい
つまでもバラバラでやっているのではなくて、ワクチン産業ビジョン推進委員会も含めた形
で広く「モノ」と、それをどう使うかを合体させて議論する時期に既に来ていると思います。
それは、ワクチン産業ビジョン推進委員会の中でも何度も皆さんが言われたことでしたので、
是非この予防接種部会の中でそこを議論して、きちんとした新たなシステムというのを作っ
ていただきたいと思います。
○黒岩委員 議論の整理の仕方が違うのかもしれませんが、ワクチンの研究開発・生産基盤
の確保はとても大事なことだと思いますが、これはあくまで国内産ということだろうと思い
ます。そのワクチンをいかに安定的に供給体制を整えるかというときに、いざというときに
海外のものに出会えるかということが同時に必要であって、国内産だけに頼る感じはいかが
なものか。その辺は、海外のワクチンとの根本的な付き合い方というか、そういうものもき
ちんと議論しておいたほうがいいと思います。
○加藤部会長 三宅課長、お答えになりますか。
○血液対策課長 確かに、海外の優れたものを取り入れていくことは大事なことだと思いま
す。ただ、もう一方で昨年の新型インフルエンザの発生のときに、先ほど黒岩委員がある意
味健康の安全保障だというお言葉を使われましたが、国内で一定のワクチンの生産能力を持
っておくことは、国民の健康を守るという意味では非常に大事なことだと思います。そうい
う意味で、海外のメーカーとの提携を進めていくことも大事でしょうし、一定の国内での生
産基盤を図っていくことが大事だと考えています。そういう意味で、いま基金に基づきまし
て、そうした生産基盤づくりということでも取り組んでいるところです。
○宮崎委員 私なりに少し黒岩委員への答えみたいな部分もありますが、資料8の2頁に、
いままでどういうことをやってきたかという一覧表があります。ここでWGが2つ作られ
ていて、実は海外のワクチンを日本にどう導入していくかがWGでかなり検討されました。
そして実際問題、ここ数年のスパンでいえば、海外ワクチンのほうがたくさん認可されてき
ているので、それなりの一定の効果があったのではないかと思いますし、混合ワクチンに関
するWGが議論の途中です。海外には相当数の混合ワクチンが実用化されていますが、日
本ではそれが非常に少ない。ここをなんとかしなければいけないということで、そういう議
論の中では当然海外メーカー抜きでは語れませんので、随分参考人として海外メーカーの方
たちからも、現状では日本参入のどこに課題があるかということも含めて議論していますの
で、そういう話題ももう1回ここで出し直していけばいいかなと思います。まだ途中で、ク
ローズドでやっていたものですから、もう少し議論を進める必要があると思っています。
○加藤部会長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。澁谷委員どうぞ。
○澁谷委員 少し予防接種法の改正という視点ではないかもしれませんが、例えばなくなっ
てしまった天然痘です。テロで緊急に天然痘ワクチンが必要だという場合、いま日本の状況
で病原体の兵器が使われるような緊急の場合に、対応できるワクチンの体制になっているか
どうかということを、この会ではないかもしれませんが、検討してすぐに対応できるよう考
えておくことも必要ではないかなと思います。
○加藤部会長 三宅課長。
○血液対策課長 天然痘ワクチンについては健康危機管理上、一定の量が備蓄をされていま
す。
○加藤部会長 ほかによろしいですか。
○廣田委員 この資料の中に、基礎研究から臨床開発への橋渡しというのが出てきています。
この後、臨床開発したあとの実用化への橋渡しというのが、すんなりルートに乗るようで意
外とぎくしゃくしている例が多々あろうかと思います。例えば去年の暮れからの新型インフ
ルエンザワクチンですが、その後これの抗体応答というのがいろいろな所で報告されるわけ
です。、通常の季節性ワクチンでも抗体応答を調べるときには過去の接種や感染で交差免疫
を持っていますから接種前抗体価を考慮するというのが当然なはずです。、昨年の新型イン
フルエンザワクチンのときは既に流行が始まっていたので、感染既往の人は当然除く、と同
時に不顕性感染が入っているわけで、それを除かずに報告する例が結構あります。そうする
と、既存抗体が高いと陽転率が下がりますので、下手すると本当は1回接種でいいのに2
回接種が必要というように、考え方を誤る可能性があります。
 接種前と接種後の抗体価を測るときに、大事なのはその間の感染者を除くということです
が、そのサーベイランスを全くしていない例もあります。それから、流行後の抗体価を測定
するときに、接種後と流行後の抗体価は同時に測らないといけないのですが、それを別々に
測って抗体価が下がった、いや下がっていないとか、いろいろな報告があります。もちろん、
接種後から流行後までの感染の事例を除かないで計算している例もあります。採血して抗体
価を調べればいいという感じで誰もが取りかかりますが、意外とここは盲点になっています。
臨床開発から実用化への橋渡しのところに、もう少し関心を払っていただきたいと思います。
○加藤部会長 基礎・臨床はいいけれども、臨床から実用化に行くところの橋渡しが少し鈍
いのではないかというご意見でした。ほかにご意見はありませんか。よろしいですか。あり
がとうございました。ただいまご意見がありましたワクチンの研究開発・生産基盤の確保に
ついても、各委員から既にいただいた意見もありますが、今日初めていただいた意見もあり
ます。事務局において整理をしておいていただきたいと存じます。そして先ほどと同様です
が、各委員のご意見、ご趣旨を十分に踏まえまして、提言の取りまとめに向かって進めてい
ただきたいと存じます。
 次に参ります。議題3です。この会の冒頭に部会長として申し上げましたが、そのことに
ついてお諮りいたします。実は、厚生労働大臣に対しまして、冒頭で申し上げたとおり、部
会長名で意見書を提出したいと思いますので、ご議論をお願いします。事務局から資料を配
付してください。資料が配付されるまで、若干意見を述べさせていただきます。
 前回のこの部会において、複数の委員から「政府の予算編成等の動きに合わせて、適宜、
本部会から意見を部会長から示すことも必要ではないか」というご提案が突然ありました。
この件については私がそのときに、「事務局とも相談の上、考える」と引き取った経緯があ
ります。こうした中で、9月27日には菅総理大臣より補正予算を編成する旨の指示があっ
て、国民生活の安定・安心に向けた経済対策を検討されているとのことで、先ほどの政務官
のお言葉にもそのようなお言葉があったと存じます。以上のことを踏まえまして、国民から
多くの要望があり、また市町村から国への要望も極めて多いHib、小児用肺炎球菌のワクチ
ンについて、HPV同様公的接種化への筋道につながる取組みも重要ではないかと考えまし
た。そこで、かなり時間がありませんでしたが、小委員会の岡部委員長にお願いしまして、
Hib、小児用肺炎球菌、HPVについての現段階での評価をお願いしました。そこで意見書
(案)を作りましたので、拙文ではありますが読ませていただきます。厚生労働大臣宛の意
見提出予定の案です。
 「厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会においては、新たに公的予防接種の対象とす
べき疾病・ワクチンを含め、今後の予防接種のあり方全般について検討を行っているところ
であるが、現在、部会の下に小委員会及び作業チームを置いて検討を進めており、その考え
方についてとりまとめを行った上で、部会としての提言とすることとしている。
 一方、厚生労働省においては、ヒトパピローマウイルス(以降HPV)ワクチンの接種促
進を念頭においた情報収集、分析を目的とする予算事業を要求しているが、これに加え、他
の疾病・ワクチンについても、適宜、予防接種法における定期接種に位置づけることを想定
した対応を検討すべきである。
 丸1ヘモフィルスインフルエンザb型(以降Hib)ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、
HPVワクチンは、WHOがすべての地域において接種を行うよう勧告を行っており、先進
国でも実施されているものの、我が国では未実施である。
 丸2Hib、肺炎球菌の感染による細菌性髄膜炎で乳幼児が死亡し、HPVウイルス感染に
よる子宮頸がんで死亡する女性も多い。
 丸3これらのワクチンの有効性・安全性は高い。
 丸4Hib、肺炎球菌による感染症は、重度の後遺症の発症頻度が高く、これらの菌は、抗
菌薬耐性獲得の問題から治療に難渋することがあり、この傾向はさらに強まる。
 さらに、その接種促進に対する国民の要請も高いことから、Hibワクチン、小児用肺炎球
菌ワクチン、HPVワクチンは、予防接種法上の定期接種に位置づける方向で検討すべきで
ある。
 なお、本部会においては、引き続き、水痘、おたふくかぜ、B型肝炎等その他の疾病・ワ
クチンも検討を進めるとともに、予防接種に関する評価・検討組織の設置についての議論等
を行い、今後の予防接種のあり方について提言をとりまとめることとしたい」という提案で
す。このことについて、委員の方々からご意見を伺いますが、まず小委員会の委員長の岡部
委員長からお言葉をいただきたいと思います。
○岡部委員 これは加藤部会長から相談といいますか、現状を早急にまとめるようにという
ことがありました。この前文にも書いてありますように、この部会の下に小委員会を作り、
小委員会の下にWGを作り、先般ここに提出されたファクトシートに基づいて、さらにそ
こに不足していた例えばHPV、その他における経済費用効果あるいは考察の部分をいま加
えつつあるところで、これについては早急にということでかなりエネルギーを投入してやっ
ている最中ですが、時間的な事柄があるということで現状をまとめてほしいという要望があ
りました。それで、いくつかの現状について書き、それの結果が丸1から丸4の理由になっ
たわけです。これは、いま検討中のその他の水痘、おたふくかぜ、B型肝炎が競合して、こ
れが不要である、ないしランクが低いということでは決してないわけですが、限られた時間
内、それから限られた予算問題もあるのでしょうから、この3つについてどうかというとこ
ろで今回のメリットを提出しました。これについてはWG全員で必ずしもディスカッショ
ンはしていませんが、小委員会の委員の方々には大体これの意見を伺って、取りまとめてお
いたという経緯があります。小委員会からは以上です。
○健康局長 加藤部会長には、いろいろご迷惑をおかけしていますが、厚生労働省の立場を
申し上げたいと思っています。冒頭の岡本政務官のご挨拶にもありましたが、現在、政府与
党では子育てや医療など、国民生活の安定・安心に向けた経済対策を急ピッチで検討してい
ます。ご案内のように、この予防接種というのは比較的大きなお金が動きます。緊縮財政の
中で、こういった政策を今後実現していく、大きく展開をしていくためには、経済対策も見
据えて対応することが重要だと思っています。
 そこで、いま一生懸命この部会で予防接種法の全体の抜本的見直しをやっていらっしゃる
わけですが、そういった部分を否定するわけではありませんが、私から加藤部会長に対して
医学的な観点から、現段階における取りまとめをお願いしたということです。ただ微妙なの
は、今日、中身を伺いますが、これが直ちに経済対策とイコールということではありません。
ただ、一方でいまの大きな流れの中で、我がほうはこの部会から何らかの背中を押してもら
うというか、そういった支援がないとなかなか戦えない状況ですので、そういった観点から、
時期的にはご迷惑だと思いましたが、加藤部会長に現段階における医学的な観点からの取り
まとめをお願いしたということです。
○加藤部会長 先ほども申し上げましたが、本部会ではいま取り上げたものだけではなく、
水痘、おたふくかぜ、B型肝炎、ポリオ。ポリオも百日せきも今後のお話ですが検討してい
まして、ファクトシートにも載っています。いま申し述べました3つのワクチンの優先順位
がとても高いとか、その他のものが落ちているという話でもないということで、岡部委員長
からご説明があったとおりで、有効性とWHO等、国際的な動向、罹患した場合の重症度
等を勘案しまして、国民的な要望の大きいものについて今回まず意見を出しておきたいとい
うのが私の見解です。パブリックコメント等も厚生労働省では取っていると思いますが、そ
の辺のデータはおありですか。
○予防接種制度改革推進室次長 いま、パブリックコメントとおっしゃったのは、おそらく
5月にインターネット等で国民からのご意見を伺った内容でありますが、この際には第1次
提言の6つの柱についてそれぞれご意見をいただきました。パブコメ自体は330件いただ
いていますが、その中で特に追加すべき疾患としてご意見をいただいたのが183件ありま
して、具体的に疾病名が書いてあるもの、Hibについては数え方が多少違っているかもしれ
ませんが、先ほど数えましたら約90件ありました。小児用肺炎球菌については成人か小児
かを書いていないものも含めまして89件と、約半分ぐらいのご意見を寄せていただいてい
ます。また、一方で市町村から厚労省に対して助成等についての意見書も出されていまして、
それについては390の市町村から、肺炎球菌については357の市町村から意見書をいただ
いているといった形です。
○加藤部会長 ありがとうございます。
○飯沼委員 これには全く同感で大賛成ですが、昨年の夏より前だったと思いますが、私は
小渕大臣の所へ行きまして、この話は厚労省だけではなくて、少子化担当大臣の所にも肺炎
球菌とHibの話と、HPVの話をしてきました。それから、このワクチンがうまくいきます
と救急車の出動もかなり減るということで、鳩山総務大臣の所へ行くということで手配をし
ていたのですが、それは政変で行く機会を失ってしまいました。しかし、日本医師会は既に
そういう動きをしていまして、もちろん厚労大臣にはこの紙が出ますが、少子化担当大臣の
所にも総務大臣の所にも、本当はこれを言っていただけると非常にありがたい話だとは思い
ますが、それは欲張りでしょうか。
○加藤部会長 ありがとうございます。ご意見をいただきました。保坂委員どうぞ。
○保坂委員 いま飯沼先生がその件に触れられたので申し上げますが、私ども日本医師会と
しては少子化担当大臣、厚生労働三役に対しても、このことは現内閣になってもすでに申し
入れています。
 それと質問ですが、先ほど健康局長から健康局長の立場でのお話がありました。加藤部会
長のこの文書では、3種類だけではなく、ほかのものも全部平等に本当はやっていって、推
進していくことが前提であるというお話でしたが、健康局長のお話ですと、そこのところが
少し担保されていないような感じがしました。たまたま今回はこの3種類についてなんとか
一生懸命やっていくけれども、今後厚生労働省としては、ほかのものについてもこの部会の
意見を十分に聞いて、きちんと対応するということですよね。
○加藤部会長 それは、私のこの案のいちばん下のところをよくお読みいただくとわかりま
す。
○保坂委員 部会長のお気持はわかっていますが、もう1回健康局長ご本人の口からお聞き
したいということです。
○加藤部会長 局長、お答えになりますか。私は同じと考えていますが。
○健康局長 まさに、この文章は何も足さない、何も引かないということで、このままあり
がたく頂戴して、そしてこれからまた内部で精力的に検討したいと思います。
○加藤部会長 先ほど飯沼委員からも、厚生労働省の内部だけではなく他省庁に対しても働
きかけるべきであるというご意見が出されましたが、これは最終的に今日私が厚生労働省に
是非お願いをしたいことの中身ですので、そのとおりですから、その辺まで部会長は責任を
負えません。この文章、この中身についてのご意見です。岡部先生。
○岡部委員 中身について、もちろんご相談をいただいていたので申し加えることはないで
すが、事務局サイドにお願いです。もし、こういうものが実現した場合は、私は冒頭に申し
上げましたが、これらの病気の根本的なデータあるいは効果に関して、感染症のサーベイラ
ンスの中に入っていないのです。そうすると、導入したはいいけれども、それの実際の効果
はどうであったか、あるいは、その評価というものが非常にやりにくくなるのです。もちろ
んこれ自体は結構なことだと思います。先ほどの今後の水痘、おたふくかぜ、B型肝炎の問
題の検討と同じく、これは早急にだと思いますが、こういうものの情報をきちんと把握する
システムということは事務局サイドの問題ではないかと思います。近年、アシネトが感染症
の五類に入ったりしていますが、そういうような、どうやって把握するかというシステムは、
同時に事務局のほうに考えていただきたいと思います。
○加藤部会長 これは前回、この会で政務官もお話になりましたが、HPVについてもここ
に書いてありますが、「接種促進を念頭においた情報の収集、分析を目的とする予算事業を
要求している」とおっしゃっています。したがいまして、当然、岡部先生がおっしゃったよ
うなことは中に入ってくるのではなかろうかと推定しています。
○岩本委員 大変画期的だと思います。役所としてプライオリティを付けるというのは非常
に難しいことと思います。それで、学会はどう考えるのだというご質問を時々いただきます
が、難しい中でリーズナブルなものを出して、さらにその上でほかのワクチンも重要だとい
う、ここに書かれている精神は大変いいと思います。いま岡部先生がおっしゃったサーベイ
ランスだけではなくて、先ほど廣田委員のおっしゃった、出たものについての橋渡し、出た
あとに被接種者の抗体反応はどうだったのかといったような研究はもちろん大事ですが、と
りあえずこの中にそういうことまで全部は盛り込めないので、何も足さない、何も引かない
というのも大変いいのかなと思います。
○加藤部会長 ありがとうございます。これは非常に苦心惨憺の上で作り上げたものですの
で、別に泣き言を言うわけではありませんが、取るところは取りたいというのは本心です。
ほかにご意見はいかがですか。今村委員どうぞ。
○今村委員 私も、この結論というか、これは本当にありがたい、少しでも早く出たらいい
と思います。ただ、先ほどからのいま私たちが議論しているワクチンにプライオリティを付
けたからには、「さらに」の文章ですが、この3つのワクチンは「予防接種法上の定期接種
に位置づける方向で検討すべきである」ではなくて、「急いで位置づけるものである」とい
う書き方にむしろしてほしいと思います。最後は結局一緒になるかもわからないけれども、
なぜプライオリティを付けたかとか、そういう意味も含めて「検討すべき」という言葉を。
下のほうでも「我々も検討をこっちの分もしていますからね」という書き方がしてあるけれ
ども、とにかく国民の要請も高い、そして丸1から丸4の理由から、これは国としては急い
で検討してほしいという感じが、そういう気持ちできちんと対応してほしいという書き方の
ほうが理屈に合うのではないかと思う。そうしないと少し心残りなのは、同じように「検討」
という言葉で位置づけられると、なぜこの3つを早くするのかということの臨場感が出ない
ような気がするのですが、どうでしょうか。
○加藤部会長 了解しました。私の頭の中ではいい言葉が出てきませんが、事務局は何かい
い言葉が出ますか。なければ、ちょっと時間を置いても結構です。
○予防接種制度改革推進室次長 いま今村先生がおっしゃった件ですが、「予防接種法上の
定期接種に位置づける方向で、急ぎ検討すべきである」というシンプルな形は。作った文章
に勝手に手を入れるのも申し訳ないですが。
○加藤部会長 ちょっと私は低姿勢で、言葉が少し柔軟すぎるかもしれません。では、その
ような書きぶり。
○健康局長 一所懸命、毎日急いでいますが。
○加藤部会長 急いでいる言葉が足りないと怒られたものですから、もっと急げと書けとい
うことです。
○健康局長 いかようにも文書は尊重いたしますが、日夜一所懸命急いでいます。こういっ
た文書というのは役所としては非常に重いものとして受け止めて、真摯に対応するようにし
ていまして、言葉が軽いとか重いという話ではなくて、本当に対応したいと思っています。
○宮崎委員 意見と質問と訂正です。訂正は、この案の丸2に「HPVウイルス感染による
子宮頸がん」と書いてありますが、HPVのVはウイルスです。
○加藤部会長 ごめんなさい。これは全部略です。
○宮崎委員 あとは大体大丈夫だと思います。
 質問は、先ほど市町村からの要望がたくさん上がっているということがありましたが、現
実にこの3つに関しては、かなり市町村の補助事業が既に先行して行われているので、その
数をもう1回ここで確認していただければと思います。どれぐらいの市町村がHib、PCV7
を。
○加藤部会長 その資料は前々回のこの会で出ました。先生は持っています。
○宮崎委員 そうです。数は大体で、最新のところはたぶん200は超えている市町村があ
るだろうと。
 最後に意見を言っておきます。8月の末にHPVの予算化が表明されたときに、少なから
ず小児科医はある意味では失望していました。なぜHPVだけかという問題として。だから、
やはりここでもう一歩踏み込んで、みんなの要望の高い小児のワクチンについて何らかの前
進が見えれば、この部会への期待といいますか、そういうことも見えやすくなるのではない
かなと思います。以上です。
○加藤部会長 ありがとうございます。いずれにしても、これは私が作り上げる名前では出
ますが、この部会皆様方の統一的なご意見でなければなりません。したがいまして、ご意見
を伺っているところですが、ほかによろしいですか。事務局からどうぞ。
○予防接種制度改革推進室次長 宮崎先生のご質問にありました市町村数です。以前に出し
た資料にありますが、時点が古いですが、ヘモフィルスインフルエンザb型(Hib)について
は204区市町村となっています。これは第何回の資料かは忘れました。それから、ヒトパ
ピローマウイルスワクチンについてはこの時点では114ですが、6月末にもう一度集計をし
直しまして、126の市町村が実際に補助事業をやっていらっしゃるというデータがあります。
小児用肺炎球菌については、承認されて間もないので、きちんとした数字が取れていません。
たしか4月の段階だったと思いますが11ということで、これについてはそのあとどんどん
増えていると聞いていますが、データは取らせていただいていません。以上です。
○健康局長 最後に少ししつこいですが、こうやって科学的な提言をいただくことは非常に
ありがたくて、足場ができた感じがしますが、くどいですが一方で、例えば今日のニュース
で、経済対策でこういった3つを厚生労働省が決定ということでは決してございませんで、
今日、科学的な根拠というか、いただいたことを踏まえて、まさに寝ずにというか一所懸命
に対応するということですので、よろしくお願いします。
○加藤部会長 ありがとうございます。いま、今村委員と宮崎委員から若干の修正案が出ま
したので、その部分を修正していただきまして、この部会の意見を代表して、意見書として
厚生労働大臣に提出させていただきたいと存じます。どうもありがとうございました。厚生
労働省におかれましては、この部会委員の意見を十分尊重され、ただいま局長からもお話が
ありましたが、是非ともこの予防接種の前進に向けてご尽力をお願いしまして、積極的な施
策の推進につなげていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 次の議題に移ります。報告事項、日本脳炎ワクチンの報告です。日本脳炎に関する小委員
会第3次中間報告について、これは私が小委員会の座長で、先ほど小委員会を開催しました。
そして議論がまとまったところですので、この件に関して亀井課長からよろしくお願いしま
す。
○結核感染症課長 お手元の資料9をご覧ください。いま座長から紹介がありましたように、
当部会が始まる前に日本脳炎に関する小委員会を開催しまして、そこにありますとおり第3
次中間報告が取りまとめられました。資料では(案)が付いていますが、先ほどの小委員会
で(案)が取れまして、「報告」ということになりました。ご承知のように、日本脳炎の予
防接種の積極的勧奨が平成17年5月から平成21年度の間差し控えられていたことから、
この間に接種機会を逃した方々の接種の機会の確保が問題となっていました。
 資料9の裏側に簡単に図示していますが、それをご覧ください。いま、日本脳炎について
は一類疾病の対象で、政令で1期は生後6月から90月(7歳半)、2期は9歳から13歳未
満ということで決められています。さらに予防接種実施規則(省令)で対象というか、どん
なワクチンを使うかとか、間隔等が決められていまして、さらに「予防接種実施要領」とい
う局長通知で、図示してあるいちばん上に書いてあるような、日本脳炎予防接種の標準的な
接種年齢というものが示されています。
 今まで、どのようなことが決まったかを簡単にご紹介しますと、これまで小委員会は4
回開催していまして、部会では既に2回報告がなされています。2月と6月にこの中間報告
を取りまとめていただいていますが、1つ目は本年4月1日付で既に各都道府県に対して、
定期の第1期の日本脳炎の予防接種について積極的な接種勧奨の再開をお願いしました。2
つ目は8月27日の部会でもご報告したとおりですが、予防接種実施規則を改正しまして、
平成17年の積極的な接種勧奨の差し控えによって接種の機会を逃した方々に対して、第2
期に第1期の3回接種の機会を提供できるようにすることと併せまして、第2期に乾燥細胞
培養日本脳炎ワクチンを使うことを位置づけたところです。今般、この小委員会でさらにそ
の積極的な接種勧奨差し控えによって十分な接種を受けていない方々に対する今後の接種
の進め方についてご議論いただいて、このような報告をしていただいたということです。
 この図を見ていただいて、具体的にはどういうことかを申します。色が付いている帯グラ
フがありますが、上の数字が生まれた年度で、Hは平成という意味です。平成7年から平
成23年まで並んでいます。下が年齢で、平成23年度に迎える年齢をお示ししたものです。
まず、オレンジ色でBと記載されているものは、来年度概ね5歳から10歳に相当する方で、
この方々は3〜4歳のときには第1期の積極的な勧奨が行われなかったということです。こ
の方々については今年の8月から、希望すれば通常のスケジュール外でも接種ができるよう
になっていますが、さらに本日の第3次の中間報告によりまして、平成23年度には9歳、
10歳の方々に第1期の積極的な勧奨を行うこととすることで、平成24年度以降は順次年齢
を下げながら積極的勧奨を行っていくことが提言されたということです。また、現在7歳半
から9歳の方は、先ほどもご紹介したとおり定期接種の対象外となっていますが、これらの
方々の接種の機会を提供するように配慮をすべきであるということの提言を受けて、政令改
正を行うことになると思います。これらによって、すべての方々が1期接種の積極的勧奨に
より、接種を受けられるようになるということです。
 第2期の接種は、白字でCと記載されている方々です。来年度、平成23年度ですが、既
に3歳の方は1期接種の積極的勧奨の対象となっているわけですが、来年度からは4歳での
1期追加の積極的勧奨を行う予定です。さらに、本日の第3次中間報告によりまして、平成
28年度からこの方々が9歳になった際に、2期接種の積極的勧奨を行うことが提言された
ということです。
 なお、青字のAの方やオレンジ色のBの方は、いずれも2期接種の積極的勧奨がなされ
ていないわけですが、全体のワクチンの供給量もありますので、それも勘案しまして、今後
遅れて2期接種を実施する積極的勧奨を行っていくための検討を行うことになるかと思い
ます。以上です。
○加藤部会長 どうもありがとうございました。ただいま、日本脳炎に関する小委員会の第
3次中間報告について、亀井課長からご説明いただきました。何かご質問はありますか。よ
ろしいですか。では、お認めいただいたものと考えさせていただきます。どうもありがとう
ございました。
 そのほかの報告です。事務局から何かありましたらどうぞ。
○予防接種制度改革推進室次長 時間を過ぎていますので、簡潔にご報告申し上げます。ま
ず利益相反の申告についてです。前回9月14日に部会で申合せをいただきました。皆様方
にはご申告のほう、ありがとうございました。本日ご出席いただいている委員については、
すべてご申告をいただいています。今後とも適用については、部会長とご判断の下で行わせ
ていただきたいと思っていますが、この申告の手続については今後は部会、小委員会開催ご
とに、事務局より利益相反に関するご申告についてご連絡は申し上げますが、そのときは今
回提出いただきました資料をベースとしまして、変更があった場合のみご提出いただく形で
運用させていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○予防接種制度改革推進室次長 ありがとうございます。
 次回のスケジュールは、10月中旬に小委員会、10月末に部会を開催ということで、日程
調整をさせていただきたいと存じます。また日程が決まり次第、ご連絡申し上げますのでよ
ろしくお願いします。以上です。
○加藤部会長 今日もいろいろと白熱した議論をいただきまして、ありがとうございました。
時間も参りましたので、これをもちまして「第14回厚生科学審議会感染症分科会予防接種
部会」を終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省健康局結核感染症課

03-5253-1111(内線2077)

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