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2010年12月16日 平成22年度第9回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録

○日時

平成22年12月16日(木)15:02〜17:04


○場所

中央合同庁舎5号館 専用第15・16会議室


○出席者

【委員】
西岡清分科会長 小山信彌分科会長代理 相川直樹委員 池上直己委員
伊藤澄信委員 緒方裕光委員 金田道弘委員 熊本一朗委員
齊藤壽一委員 酒巻哲夫委員 鈴木洋史委員 難波貞夫委員
松田晋哉委員 三上裕司委員 美原盤委員 山口俊晴委員 吉田英機委員
【事務局】
迫井医療課企画官 他

○議題

1 平成22年11月24日DPC分科会 検討概要(検討事項と主な意見等)
2 平成21年度「DPC導入の影響評価に関する調査結果及び評価」追加集計報告(案)
3 DPC制度の概要と基本的な考え方(3)

○議事

午後3時02分 開会
○西岡分科会長
 ただいまから、平成22年度第9回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を開催さ
せていただきます。
 本日の委員の出欠状況でございますが、本日は嶋森委員、山口直人委員が御欠席でござ
います。山口俊晴委員は少し遅れて到着される予定でございます。
 それでは、まず資料の確認を事務局からお願いいたします。

○事務局(丸山主査)
 事務局でございます。それでは、資料の確認をさせていただきます。
 まず、一番表が議事次第となっております。めくっていただきまして先生方の座席表、
次に先生方の委員の名簿一覧でございます。
 次のページからが本体資料でございますが、D−1として前回の議事概要を用意させて
いただいております。
 D−2に、平成21年度の退院患者調査について追加集計をということでございました
ので、そちらの追加集計報告、でき上がってまいりましたので、少し分厚めでございます
が、用意させていただいております。
 その次がD−3ということで、前回、調整係数の御議論をいただいた際に、池上委員か
ら宿題をいただきまして、参加年度別に集計した資料をおつけしております。
 めくっていただきまして、D−4が、松田委員のほうから調整係数についてデータを集
計していただきましたので、資料としてつけさせていただいております。
 次に、D−5−1、D−5−2が、前回に引き続き、DPC制度の概要と基本的考え方、
それと論点のペーパーを2つに分けて、5−1、5−2という形で用意させていただいて
おります。
 資料としては以上でございます。

○西岡分科会長
 資料について、よろしいでしょうか。
 それでは、平成22年11月24日、前回のDPC分科会での検討概要につきまして議
題としたいと思います。
 事務局より御説明をお願いします。

○事務局(丸山主査)
 それでは、お手元にあるD−1を御用意ください。
 こちらは、前回の11月24日のDPC分科会において御議論いただいた内容を、前回
と同様まとめさせていただいたものになっております。これよりかいつまんで概要を御説
明申し上げますので、委員の皆様におかれましては、御確認をしていただきながら、御指
摘等ありましたら最後にちょうだいできればと存じます。順番に入らせていただきます。
 丸1として、これは前回、D−3の松田委員からの提出資料のときの議論でございますが、
包括評価の対象患者として、精神病棟入院患者をどう取り扱うかということについては、
支払い方式としては、医療資源の投入量がかなり異なっているため適切ではないが、診療
実態を評価する患者分類としては、現時点でも十分活用可能ではないかという御指摘をい
ただいております。
 丸2として、包括評価の対象とする診療報酬項目については、2行目でございますが、特
定保険医療材料費及び手術当日の薬剤費なども、いわゆるモノ代と施設管理運営費の範疇
に入るのではないかということで、今後、再度検討すべきではないかという御指摘をいた
だいたというふうに理解をしております。
 丸3でございます。こちらは包括評価の算定方式において、1つ目のマルでございます。
現行のDPC制度について、DRG/PPSに移行すべきか否かについて御検討いただい
たところでございます。
 2つ目のマルでございまして、DRG/PPSを導入すれば、患者を退院させる強力な
インセンティブが発生し、社会的な混乱を起こすであろうということ。また、米国のDR
G/PPSは部分的な活用にとどまっているので、その弊害は小さいですが、皆保険単一
制度の我が国での導入には問題が多すぎること、今の時点でDRG/PPSを導入する必
要性はないという見解で、分科会としての合意をしていただいたということで、まとめさ
せていただいております。
 また、3つ目のマルとして、最適点の存在や在院日数の長期化という問題については、
階段設定を細かくすることで対応できるのではないかという御指摘をいただいた一方で、
細分化をすると簡素化の流れと逆行するのではないか、現行の内容で許容範囲ではないか
という見解も御指摘いただいたところでございます。
 裏に進んでいただきまして、丸4は、前回、D−4ということで、基本的な考え方に関連
して御指摘いただいた論点でございます。
 1つ目のマルとして、調整係数の問題点は、参加時点での出来高点数と包括点数の差の
調整が維持されてしまうところに問題があり、直近の診療実績データに基づいて調整係数
を再度計算してみることも検討すべきではないかと。また、これは前回改定の最中でござ
いましたが、基礎係数という単語が登場してまいりました。こちらは中身について今後御
議論をいただこうと思っておりますが、こちらについても、このような直近の診療実績デ
ータに基づいて設定するのが基本的な考え方になるのではないかとの御指摘をいただいた
ところです。
 2つ目のマルでございます。調整係数については、前回資料をつけさせていただきまし
たが、病床規模に応じて病院の持つ機能が異なっていることに偏りの起因があるのではな
いか。さらに、今、既に1,390病院になりましたが、これらの病院が同じ診断群分類
点数表で評価がされているために、病院機能の差が調整係数としてあらわれているのでは
ないかとの御指摘をいただいたところです。
 そして3つ目として、DPC参加病院がどんどん効率化を図り、診療密度が下がった結
果として、追従するように調整係数が下がるようであれば、医療機関にとって効率化の努
力をするインセンティブがなくなるので、これについては慎重にするべきではないかとい
う御指摘もいただいております。
 そして4つ目のマルでございますが、これらについてどういう構造になっているかにつ
いては、研究班によるデータ分析を行うということで、本日、松田委員よりD−4の資料
を提出いただいているところです。
 最後に丸5でございます。DPCという単語についてでございますが、診断群分類に基づ
く1日当たり定額報酬算定制度という支払い方式を意味する場合と、患者分類としての診
断群分類を意味する場合が混在しておりましたので、両者について使い分けを明確にする
べきではないかと。こちらは松田委員とも相談させていただいておりますが、下のとおり、
事務局整理案として、支払い制度についてはDPC/PDPSという形で呼称を使い分け
させていただいてはどうでしょうかということで、前回の議事概要をまとめさせていただ
きました。
 D−1としては以上でございます。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。これは前回御議論いただきましたものをまとめていただいた
ものでございますが、何か御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 どうぞ、池上委員。

○池上委員
 1ページ目の丸3の真ん中のマルについてでございますけれども、最後は、「我が国全体
として在院日数が短縮傾向にあること等が指摘され、その必要性は無いとの見解で分科会
としての合意が得られた」となってございますけれども、これはこの中に書き込んでいた
だくかどうかは御検討いただくとして、病院による平均在院日数等の分散の縮小傾向を鑑
みつつ、今後の課題として検討するという案もあったのではないか。つまり、既にヘルニ
アについては実施されておりまして、それを今後拡大するとしたら、DPC導入後縮小し
たとはいえまだ分散が大きいので、1入院というDRG/PPSを直ちに導入できないに
せよ、分散の縮小傾向を鑑みつつ、視野に入れることはいかがなものでしょうかというこ
とを申し上げて、これですと、そういう可能性は皆無に近いというように受け取られる表
現ですので、御指摘申し上げた次第でございます。それは御意見をちょうだいしたいと思
います。

○西岡分科会長
 今の池上委員の話では、やはりDRG/PPSの部分を1つの目標として置いておくと
いう御意見でございますか。

○池上委員
 目標といいますか、これは今後とも全く検討しないというふうにとれる表現になってお
りますので、それを導入するとしたら、平均在院日数等における分散の縮小など鑑みて、
再度検討するという表現にしてはいかがかということでございます。

○西岡分科会長
 前回の議論のときにはそういう御意見もあったのですが、現時点では、DRG/PPS
のほうに移行するということは必要ないという御意見を委員の方からちょうだいいたしま
したので、それでこういう表現になったと思うのですが。

○小山分科会長代理
 でもこの表現でも、将来的にDRG/PPSを絶対議論しないということではないので、
事実、1つヘルニアが入っているわけですから、絶対やらないわけではないというふうに
思うのですが、いかがでしょうか。

○西岡分科会長
 相川委員、どうぞ。

○相川委員
 前回出張で欠席したのですが、今のお話を聞いていると、「その必要性は無い」の前に
「現時点では」という言葉を入れれば、了解がつくのではないですか。今、分科会長がお
っしゃったように、「現時点ではその必要性はない」となります。

○西岡分科会長
 という文言を入れるということで、よろしいでしょうか。

○松田委員
 全然関係ない話ですけれども、丸1のところで精神科病棟のことを記載されているのです
けれども、研究班として今集めているデータでも、精神科病棟入院患者さんの分析をする
ことは可能であることを示しておりますので、せっかく集めているデータですので、どの
ような医療が行われているかということについて整理するということを、ぜひ厚労省のデ
ータでもやっていただけたらと思います。

○西岡分科会長
 実際にはそれをまた公表していただくことになりますと、非常に役に立つのではないか
と思いますが、ちょっと整理させてください。今の「現時点で」というのを、これも一つ
の参考として考えさせていただく、池上先生、それでよろしいですか。

○事務局(迫井企画官)
 医療課企画官でございます。
 前回、この点を特に御確認させていただいて、御議論を改めて確認させていただいた趣
旨は、私どものそもそも整理をさせていただきたかった内容も現時点でという前提でござ
いました。今、私ももう一度議事録を確認しましたが、現時点でということで確認をさせ
ていただいておりますので、後ろのほうもそうなのですが、1つ目のマルの「今後」とい
う言い方も、確かに未来永劫みたいなことも趣旨としてとられかねませんので、「現時点
で、現行のDPC制度を見直し」というふうに、問題提起自体も、誤解を招きますので、
できましたら変えさせていただきたい。結論部分は分科会の御判断に委ねますけれども。

○西岡分科会長
 それでは、その形にさせていただくということと、それから、精神科病棟での調査は、
今後調査を続けて、またそれを公表していただくという形。
 三上委員、どうぞ。

○三上委員
 前回欠席したのですけれども、この書きぶりについて、今のところは合意が得られたと
結論が書かれているのですが、指摘があったとだけ書かれているところについては、今後
どういう形にされるのかというのが分かりにくい。特に、2ページの丸4の上から1つ目、
2つ目、3つ目の3つのマル等については、問題があると指摘をされているわけなので、
これをどういう扱いにするのかという方向性を示していただかないと、ただ単に指摘があ
ったということで言いっ放しであれば、今後何も進まないと思うので、ぜひここの書きぶ
りを何とか考えていただきたい。

○西岡分科会長
 これは、もう少し続きましたところで同じものが出てまいりますので、後のほうの3番
目のDPC制度の概要と基本的な考え方、ここで御議論いただけたらと思います。実際に
は指摘があったのは一切何も議論しないというわけではございませんので、必ず議論する
という姿勢で進めております。ですから、概要に関しましてはそういう指摘があったと、
それを踏まえて議論をしていくということになろうかと思います。
 ほかに、よろしいでしょうか。もしよろしければ、後のほうに御議論いただくところが
出てまいりますので、DPC/PDPSの名称も含めまして、議事概要として御了承いた
だくということで。

○事務局(迫井企画官)
 確認ですけれども、そうしますと、これは大事な点ですので、先ほどの1ページ目の丸3
の1つ目のマルは、先ほど申し上げました事務局の問題提起自体は明確にするために、1
つ目のマルの3行目の「今後」を「現時点」でというふうに書き換えさせていただきたい
と。これは私どもの問題提起ですから、多分問題ないと思いますので、確認させていただ
きたいのは、2つ目のマルは、最終的にはどのような概要として分科会でまとめていただ
けるのかについては、修正をしていただくのかいただかないのかについて。

○西岡分科会長
 これは、相川委員の御意見のように、最後の行のところで、「短縮傾向にあること等が
指摘され、現時点ではその必要性は無いとの見解で分科会としての合意が得られた」と、
そこへ「現時点では」を入れていただければと思いますが、それでよろしいでしょうか。
 ではそういうことで、概要に関してはお認めいただくということにさせていただきたい
と思います。ありがとうございました。
 これで、これから新しい名称が発生いたしますので、分けて議論しなければいけなくな
ると思います。
 続きまして、DPC導入の影響評価に関する調査結果および評価の追加集計報告につき
まして議題としたいと思います。
 これは以前に、こういった切り口から再度調査し直してはどうかというので、これを調
査していただいたものの結果でございます。
 事務局のほうからお願いいたします。

○事務局(丸山主査)
 追加集計、本体報告のほうは既に6月30日にさせていただいておりまして、個別医療
機関毎の値については、先般御報告させていただいたとおりでございますので、再度ここ
に提示してあるのは、病床規模別であるとか、病床構成であるとか、診療機能等、年齢階
級別にまとめ直したというものでございます。
 最初に申し上げさせていただきますと、追って来年の本報告についてどのような形にす
るかということについては、別の機会を改めて設けさせていただいて、御議論いただきた
いと思いますので、本日、再集計とはいえど分量がかなり多くなっておりますので、本日
は簡単な説明にとどめさせていただきまして、御指摘等ございましたら事務局へお寄せい
ただければと存じます。
 それでは、簡単に内容を御紹介させていただきます。
 1ページ目に表が記載してございますが、こちらは、中医協総会で御決定いただきまし
た病床規模別、病床構成というのはDPCの算定病床比率、ケアミックス病院等々、見る
ための類型でございます。あとは、診療機能に応じてどのような差異があるか、1−4と
して年齢階級別に見た場合どういった特性があるかというのを集計させていただきました。
 おめくりいただきまして、2ページ目からが、見開き毎に1つの集計結果をお示しする
形で用意させていただいております。
 在院日数としては、いずれの集計においても概ね減少傾向であることが確認できており
ます。年齢階級のほうが、年齢構成によってはかなり在院日数の違いがありまして、1歳
から6歳あたりが非常に短いという特徴が出てきております。
 3ページ目の右下に、前回、本体報告で報告いたしました参加年度別のものを参考とし
ておつけしております。
 めくっていただきまして、4ページ目と5ページ目が救急車による搬送の率・患者数の
年次推移ですが、こちらはいずれの集計でも増加傾向、減少傾向は見られておりません。
ここでは年齢特性は、75歳以上でほかの年齢区分に比べ救急搬送率が高いという特徴を
持っておりました。
 6・7ページ目に進ませていただきますと、緊急入院の割合については、こちらもいず
れの集計においても明らかな傾向を認めておりません。年齢階級別で言いますと、50歳
から75歳の2区分でございますが、こちらが一番低いパターンになっております。こち
らで予定入院される方が多いということであろうかと思っております。
 おめくりいただきまして8ページ、9ページ目でございます。こちらが、入院時の紹介
率は以前も報告させていただいておりましたが、米印で書いてあります新規集計として、
退院時の紹介率も試みで集計させていただきました。まずデータの傾向としては、入院時
の紹介率については、100床以上もしくはDPC病床比率80%以上であるとか、記載
してあるものについて増加傾向が認められております。また、退院時の紹介率については、
いずれの分類でも増加傾向を認めているものであります。ただ、今回の集計での限界とし
て米印で記載させていただいていますが、退院時の紹介率は、入院のEFファイル上で診
療情報提供料(I)の算定をもって判定しておりますので、退院後に数回外来を経て逆紹
介したものについては、今回見られていないという限界を御承知の上で御覧いただければ
と存じます。
 おめくりいただきまして、10ページ、11ページ目が退院先の状況でございますが、
自院の外来の割合としては、幾つか減少傾向の区分はありましたが、基本的には明らかな
傾向を認めないというものになっております。
 めくっていただきまして、今度は転院の割合でございますが、こちらも全体としては明
らかな増加、減少傾向は見られておりません。
 めくっていただきまして14ページ、こちらは表が多くなりましたので、17ページま
で4ページにまたがっておりますが、退院時転帰の状況として、治癒・軽快の割合を従前
集計しておりますが、合算値としては明らかな傾向は認めておりません。治癒の割合はい
ずれの集計においても減少傾向となっているものであります。
 めくっていただきまして18ページ、19ページです。こちらが再入院率でございます
が、再入院割合がいずれの病床規模、病床構成、診療機能等においても増加傾向を認めて
おります。年齢区分別に見ますと、50歳以上の方々の区分で特に再入院の増加が顕著と
なっております。こちらは特別集計として再入院・再転棟調査で、入院の化学療法での再
入院が多いという結果が得られていますので、これと符合する内容ではないかと考えます。
 おめくりいただきまして、最後ですが、20ページ、21ページ目が、それを同一疾患
での6週間以内の再入院に限った場合でございます。こちらも基本的に先ほどのページと
同じ傾向を示しておりまして、年齢階級も50歳以上では基本的に増加傾向というのが見
てとれるかと思います。
 簡単ではございますが、追加集計としては以上でございます。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、何か御質問、御意見はござ
いますでしょうか。

○相川委員
 緊急入院の定義を再確認させてください。というのは、例えば社会医療法人の場合は、
緊急入院が入院の55%ということですが、緊急入院というと、入院に緊急性があるとい
うふうに一般に考えるわけですけれども、実際にそうなのでしょうか。定義のところで。

○事務局(丸山主査)
 こちらは、平成21年度までは様式1の区分で緊急入院と予定入院という区分を設けさ
せていただいておりまして、レセプトの予定入院、緊急入院と一致する形でおとりしてい
るものです。ですので、予定外イコール緊急というふうにお考えいただければと思います。

○相川委員
 わかりました。ではそういう定義での緊急入院となりますが、私はむしろ予定外入院と
いうほうがいいのではないか。緊急といいますと、時間とか重症度とかが関係する。時間
というのは、入院してその日にいろいろな処置をしなければいけないとか、医療の緊急性
という意味があるのかなと。そうすると緊急入院という場合には、入院してその日にいろ
いろな緊急の医療をしなければいけないとなると、これは医療資源の投入にもかかってき
ますね。ですから、予定外入院というような意味があるということをどこかに分かるよう
にしておいたほうがよろしいと思います。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。それ以外に何かございますでしょうか。これは期待したほど
大きな変化が出なかったというのが実情でございます。いろいろな側面から再調査をいた
だいたのですが、これまで御報告申し上げていたものと余り大きな違いがなかったという
ことでございます。

○美原委員
 1つ教えていただきたいのですが、先ほどの概要のところの最後で、DPC/PDPS
というのを新しい用語として使うということになったかと思うのですが、そうすると、D
−2のDPC参加病院というのは、今の言葉で言うならばDPC/PDPS参加病院にな
りますか。それを分けて使うというのであったら、そういうふうに。

○事務局(丸山主査)
 そのとおりでございます。

○西岡分科会長
 ほかに、よろしいでしょうか。これはもう少し大きな変化があればという期待をしてい
たのですが、出なかったということでございます。
 そういたしましたら、このデータをじっくり御覧いただきまして、もし御意見がござい
ましたら事務局のほうにぜひともお申し出いただけたらと思います。それを受けまして、
適当な時期に、他の案件とあわせまして中医協診療報酬基本問題小委員会のほうに報告さ
せていただきたいと思います。
 続きまして、DPC制度の概要と基本的な考え方(3)につきまして、議題としたいと
思います。
 事務局のほうから御説明をお願いします。

○事務局(迫井企画官)
 3つ目の議題に関しましては、幾つかの資料を活用させていただきたいと思います。資
料番号が若干前後して恐縮でございますが、まずD−5−1で、事務局のほうが用意させ
ていただきました資料を説明させていただき、その後、松田委員御提出の資料の御説明等
をお願いしたいと思っております。
 D−5−1でございますが、前回まで2回ほど、DPC制度、それから医療機関別係数
等のさまざまな制度的な側面の整理をさせていただいているところですけれども、一連の
整理の流れで議論を継続して行っていただいておりますので、例えばD−5−1は(3)
となっていますが、2.で始まっていたり、(1)、(2)がいきなりきておりますが、
そういう一連の整理という関係で番号の乖離があることを御承知おきいただいて、説明さ
せていただきます。
 これまでは、DPC制度の基本的な考え方ということで、制度の枠組みを説明させてい
ただいているのですが、丸4のところで、前回までは医療機関別係数の部分について議論を
させていただいたところです。今後、機能評価係数IIを含めましたさまざまな検討を年明
け以降継続していただくということもございますので、医療機関別係数の設定、とりわけ
ハと書いてありますが、調整係数につきまして、少し掘り下げてさまざまな整理をさせて
いただこうということでございます。
 1ページの真ん中辺の上のほうから説明させていただきますが、ハの調整係数の役割と
いうことで、定義自体は、従前お示しをしております計算式とかは、そちらを御参照いた
だければいいと思うのですが、まず調整係数の役割といたしまして、幾つかの視点で整理
が可能ということでございます。
 まず(ア)といたしまして、係数の計算自体は定義で決まっているのですが、その定義
による調整分がどういう由来があるかということの整理を試みております。すなわち、
(ア)の1つ目のポツですが、激変緩和ということで設定されたという定義で、前年度の
包括評価水準を維持する機能を担っています。この機能自体は今後見直すということにな
っているのですが、現時点では少なくともそういう機能です。このような調整係数の運用
によって、調整分というのが各医療機関によって得られる、そのボリュームについては異
なるのですが、それは基本的に以下の4つにその由来が大別されると。
 まず1つ目ですが、aとしてアウトライヤー対応分、これはDPC毎の包括点数、それ
が該当する過去の診療実績データ、すなわち包括範囲に対応いたします出来高点数、これ
を基本的には平均値を出して計算するのですが、その際、著しくバラつきのあるような外
れ値、アウトライヤーと呼ばれているようなものにつきましては除外しておりますので、
その除外した幾何平均をとって、バラつきの影響をなるべく除外した形で点数設定をして
おります関係で、それを総数で見ますと、当然ですが、最終的に各DPCに該当する全症
例分の出来高報酬相当額との平均値から一定の乖離が生じるという、ある種統計学的な意
味でございます。
 それから、bでございますが、施設毎バラつき対応分、すなわち、包括範囲に該当しま
す診療内容、これは個々の症例毎、あるいは医療機関毎の一定のバラつきがあるというこ
とは、当然、医療の実態としては皆さん御認識のことと思います。従いまして、全DPC
病院、1,390病院全体の総平均と、それぞれの医療機関の中の医療機関毎の平均とで
は、当然一定の乖離が生じるということでございます。
 おめくりいただきまして、残り2つですが、c 診療報酬改定対応分、診療報酬改定で
設定いたします診断群分類毎の包括点数─すみません、これは誤植でございまして、
「包括点数表」の「表」は取っていただきまして、「包括点数」でございます─DPC
毎の包括点数は、改定前の診療実績データ、これは包括範囲に対応する出来高点数、その
出来高点数に、これはちょっと言葉が足らないかもしれません、出来高点数に基づく平均
値ですが、診療実績データに基づく平均値であるということでございます。従いまして、
当然なのですが、そのままですと、改定後に使用します診断群分類点数表ですから、改定
前のデータを用いている以上、改定率の補正が必要だと、こういうことでそれを加味して
いますと、こういう話でございます。
 dでございますが、診療効率化分でございます。これは包括評価に対応いたします関係
で、それぞれ各医療機関、さまざまな工夫をされると思いますが、各医療機関で実施され
ます診療の内容が、当然のことながら一定の効率化が図られるということでございます。
したがいまして、診断群分類毎の包括点数を設定した時点で、すなわちcのところで書い
たような、参照いたします出来高点数を参照した時点での診療内容と、それから診断群分
類毎の包括点数を設定した後で、実際に現場で使用される医薬品を廉価品へ切り替える、
例えば後発医薬品等に替えられる、あるいは検査や画像診断等の実施の効率化が図られる、
そういった診療の効率化の程度に応じて乖離が生じますということでございます。
 今御紹介いたしましたaからdに至るようなさまざまな要因のものが最終的に積み上が
って混在して、今度はイメージ図のところでございますけれども、各医療機関に調整係数
による調整分というものがもたらされるということでございます。これが調整係数による
調整分の由来の部分でございます。
 次に3ページでございますが、(イ)ですけれども、こうやって調整係数を実際に運用
して調整分による補正がなされているわけですが、これが一体どういった、「効用」とい
う言葉を使いましたのは、明確にクリアカットに、自然現象のように効果としてはっきり
記述できるわけではないというニュアンスで、もしかしたら用語としては適切ではないか
もしれませんが、どういった意味合いがあるのかと、そういう趣旨でございます。
 大きく2つございまして、1点目は、各DPC病院、実際に実施されます診療に対して
得られる包括報酬を算定しているわけですが、先ほどバラつきがあるということを説明し
たことと大体呼応するのですけれども、DPC病院全体の包括点数の平均水準で設定いた
します関係で、各病院の診療行為に基づく点数、水準は、それぞれバラつきは当然ある関
係で、それよりも水準が高い施設もありましょうし、低い施設もあるということでござい
ます。ですから、そのバラつきを一定程度吸収するために、平均水準から一定の割合に戻
してあげることが必要だと。必要だというより、戻してあげることでそのバラつきを吸収
しているという効用があるということが1点目でございます。
 それから2点目でございますが、DPCの包括評価に参加いたします医療機関のサイド
から見ますと、先ほどdのところでも説明しましたが、効率化分も含めまして、診療報酬
といたしましては、特定機能病院を除きまして基本的には選択性になっておりますので、
DPC包括評価による報酬が出来高算定の報酬との比較で、御自身の医療機関にとっても
し有利になる余地があるということになりますと、当然ですが、その医療機関にとってD
PC制度を選択するインセンティブになっているという、ある意味これは事実関係といい
ますか、現象面でこういう整理が可能ではないかということでございます。
 まず、後段の資料も用意させていただいておりますが、ここまでが制度に基づく実際の
運用と、その運用に基づいて、一体、現象面でどういう効用が調整係数によってもたらさ
れているのかというのを整理させていただきました。
 いったんは事務局からは以上でございまして、この後、松田委員に、先般の議論を踏ま
えて幾つかデータの分析をお願いいたしましたので、それについて御説明をお願いしたい
と思っております。よろしくお願いいたします。

○西岡分科会長
 松田委員、よろしくお願いいたします。

○松田委員
 前回の分科会で、調整係数の出来高換算点数のところで、何に対応しているのかという
構造を少し分析しなさいという宿題をいただきましたので、少し分析をしてみました。
 診調組D−4という資料になります。
 1枚めくっていただきますと、調整係数と各変数の相関係数というのが出ております。
これは、平成20年度に厚労科学研究のほうでやらせていただいたデータに基づいてやっ
た結果であります。これは何をやったのかといいますと、DPC調査では様式1に加えて
EFファイルというのを集めていますので、そのEFファイルから、各患者さんの診療区
分別の出来高換算点数を求めました。それについてDPC毎にまず全体での平均を求めて、
各患者さんの診療区分別の点数からその平均点数を引いて、患者さん毎に診療区分別に、
全国平均からどのくらい乖離しているかというのを計算するという作業をやっております。
 それを医療機関毎に合計いたしまして、ただ、そのままですと症例数の多いところでそ
の差額が大きくなるということがありますので、それを症例数で割りまして、1患者当た
りで診療区分別の出来高点数が全国平均よりもどのくらい多くなっているかという変数を
つくりまして、それを変数として調整係数との間の相関係数を求めたというのがこの分析
であります。
 上から見ていただきますと、そのときには拡大様式IIIということで、研究班のほうで
各医療機関の医師数でありますとか、どのような医療機関を持っているかということもや
っておりますので、それを100床当たりの医師数、100床当たりの看護師数、100
床当たりの研修医数という形で整理をしまして、それに効率性指数、複雑性指数を研究班
のほうでもう一回計算し直しまして、それから1患者当たりのCT・MRI検査数、それ
からDPCの上の6桁の出現数、14桁の出現数、こういうものを変数として調整係数と
の関係を見てみたものです。
 見ますと、有利な相関がありましたのが、100床当たり医師数、100床当たり研修
医数、こういうものが多い施設は調整係数が高いということで、これは以前、大学病院等
で、研修医の数が多いところほど調整係数が高いというものと一致するデータであります。
 それから、効率性指数と複雑性指数につきましては、有意性は出ませんでした。
 1患者当たりCT・MRI検査数は非常に多いということで、やはり調整係数が高い病
院では、1患者当たりのCT・MRIの検査回数も多いという結果になっております。
 それから、DPCの上6桁、病名で見ましても、14桁のコードで見ましても、出現数
が多い病院ほど調整係数が高いという形になっています。
 以下、診療区分別の点数の差額の平均を変数としたものですけれども、調整係数と有意
な差を持っていますのは、処方、注射、手術、手術は調整係数の計算が開発されています
けれども、手術の点数というのが関係しておりました。それから検査、画像診断、それか
ら全医療費は当然でありますけれども、主に処方、注射、検査、画像診断というところが
調整係数と大きな相関を示しているという結果になっております。
 あと、1ページめくっていただきまして、ではどういう形でモデルとして推計できるの
かということで、参考のためとしまして重回帰分析も一応やっております。目的変数とし
ては調整係数で、変数としてはここに挙げている変数を全部入れて、Stepwise法
で計算しております。
 見てみますと、モデルとしましては、検査、画像診断、100床当たりの医師数、それ
からCT・MRIの1患者当たりの検査数というものが、いずれも正の相関をもって調整
係数と関与しているということで、この4つで、決定係数ですけれども、34%ぐらいの
説明力を持っているということです。一応、Durbin−watson比も調べており
ますけれども、1.861ということで、これが2より非常に大きい場合にはあれなので
すけれども、2周辺である場合には誤差項間の相関はないということですので、変数の選
択としてはそれほど間違っていないだろうと思います。
 あと、最終モデルでデータが入っていないところで、100床当たりの研修医数とか、
DPC14の出現数、処方、注射というのは、偏相関といいまして、ほかの要因の影響を
考慮した上でどのくらいの相関があるかというものを見たものですけれども、それの偏相
関の、これは有意確率ですね、有意確率が0.025と0.078、0.016、0.0
55ということで、それなりに関係はあるのですけれども、これはほかの変数と共線性が
あって、共線性というのは、例えば検査が上がると処方も上がるとか注射も上がるとか、
そういう同じ方向に動くという意味ですが、そういうものがあるとモデルの推計はよくな
りませんので、それは除外されています。
 ということで、今回の分析を見る限り、これまでの検討結果と同じでありますけれども、
調整係数というのは基本的には出来高換算で見た場合には、処方ですとか注射ですとか、
検査、画像診断、そういうところが多くやられているところで高い係数になっている。構
造で見ますと、医師数、研修医の数、そういうところが多いところで調整係数は高くなっ
ていると、そういう結論になっております。
 以上でございます。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。ここまでの内容で御意見、御質問をどうぞ。三上委員。

○三上委員
 今の調整係数の各変数との相関係数については、画像であるとかCT・MRIとか、い
わゆる出来高に直接関与するものについては、当然というか、調整係数自体は、1DPC
当たりの医療資源がどれぐらい投入されたかということを反映するわけで、濃密にという
か、濃厚に診療されたかどうかということですから、当然だと思うのですけれども、ここ
で意味があるのは、医師数との相関、医師が多いと診療は濃厚になっていくだろうという
ことと、もう一つは、複雑性指数の出来高換算と全く関係がないということで、複雑性指
数の意味が少し問題かなというのが分かる程度かというふうに私は思いますし、処方とか、
出来高に直接関係するものと相関するのが当たり前ではないかというふうな気がするので
すけれども、その辺の御意見を伺いたいと思います。
 それから、最初のD−5−1の資料ですけれども、ハの調整係数の割合の(ア)で、
「調整分は、前年度の診療報酬算定実績を反映する」というふうに書かれているのですが、
これは最初のD−1の丸4の1つ目のところにも書いてありましたが、参加時点での出来高
点数との間を調整するということなので、前年度に戻すということが、毎年前年度に戻す
ということなので、参加時の診療報酬への調整、診療報酬を担保する調整になっているの
かどうか。この文言の読み方がどうなのかということを伺いたい。
 それから、2ページの診療報酬改定対応分と書いてありますが、「診療報酬改定時に設
定するDPC毎の包括点数」というのは、基礎償還点数と昔言っていたと思うのですが、
それと同じことでしょうか。
 それと、それは「改定前の診療実績データである」と書いてありますが、これは毎年、
基礎償還点数というか、DPC毎の包括点数が変わるのか。それは最初のときも、変わら
ないという話だったのですが、せめて薬価改定分ぐらいは変えてもらいたいということで、
薬価改定分だけが変わるということは分かっているのですけれども、それ以外のことにつ
いても、出来高での部分というのがどうなっているのかということを伺いたいと思います。
 それから、dの診療効率化分について、DPC毎の包括点数を設定した時点で想定して
いるということですけれども、これは2年毎の改定毎に変わっていくのか。2年毎にそれ
ぞれのDPC病院の出来高換算点数をもとに、基礎償還点数というか、DPC毎の包括点
数の平均値を出してやっているのか。そうでなければ、導入前の参加時の部分で全部いく
ということであれば、これは少し言葉の読み方が違ってくると思うのですが、そこを教え
てください。

○西岡分科会長
 では、最初の御質問に関して松田委員のほうからお答えいただいて、その後、事務局の
ほうからお答えいただくという形でお願いします。

○松田委員
 今回のデータの分析の結果というのは、想定されていたことではあるわけですが、今ま
で実際に出来高との差額のところで、どういうものが調整係数の多寡に関係しているかと
いう構造の分析をしてきておりませんでしたので、今回は構造の分析をしたということで
す。
 さらに、これから進んでやるのであれば、例えば検査が高い病院、あるいは画像診断が
高い病院というのは、どのような診断群の患者さんをたくさん診ていて、その診療内容は
どうなのかということをさらに突き詰めて検討していくことで、いろんな係数を考えてい
く上での基本的な資料が出せるのではないかと考えております。
 複雑性指数につきましては、そもそもが差額との計算でやっておりますけれども、複雑
性指数のところは、もともとはケースミックスにかなり近いですので、差が出ないという
ことも当然あり得るだろうというふうには考えておりますけれども、この辺ももう少し掘
り下げて見てみたいと思っております。
 ただ、今回の複雑性指数というのは、あくまで私たち研究班のほうでの計算であります
ので、厚労省が計算しているものと、実は対象施設の範囲もかなり異なりますので、この
結果をもってすべての医療機関に適用できるかというと、その辺のところは少し考えなけ
ればいけないだろうと思っています。
 100床当たり医師数が多いということが過剰診察につながっていくかどうかというこ
とで、多分そういうものでなくて、むしろ、いろいろと相関を見てみますと、100床当
たり医師数が多いところでは、カバー率との関係が非常に強い相関が出ていますので、そ
ういう意味では、広範囲の医療をやっているところが100床当たり医師数あるいは研修
医数が多いと、そういうふうに見ていくデータではないかと考えております。
 ただ、いずれにしても今回、単純なクロスセクションでの相関件数を見ただけですので、
もう少し構造に関しては掘り下げて、注意深く検証していく必要があるだろうと思います
し、分析がまたでき次第、分科会のほうで御説明させていただきたいと考えております。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。それでは事務局、お願いします。

○事務局(迫井企画官)
 もし足らなければ、また追加で御指摘いただきたいと思いますが、3点御質問があった
ように思います。資料のD−5−1の1ページ目の最初の(ア)の1つ目のポツの1行目、
2行目、「前年度の診療報酬算定実績を反映する」と。おめくりいただいて、2ページの
グラフでそういうイメージになっています。お問い合わせの趣旨は、基本的にそのとおり
でございまして、定義といたしましては、前年度のデータ、前年度の診療実績を参照する
というのが基本的な定義です。
 ただ、結局それはこの制度に参加された施設がどの時点かにもよりますけれども、平成
22年の改定時に平成21年、20年の診療実績に基づいて戻していますと。その施設は、
例えばそれより前に参加していれば、結局さかのぼって、その診療報酬というのはどうい
う診断群分類で点数表を活用して、どの時点で参入したのかといいますと、それより前の
平成18年あたりに入っていたのであれば、結局、前年度、前年度、前年度という形で、
制度に参加された時点まで事実上、ほぼ相同の水準が維持されますねという意味では、そ
のとおりです。ただ、制度の設計としては、最初にこの制度に参加された年度にという意
味ではなくて、あくまで改定前の直近のという運用をするように設計はされています。そ
れが1点目です。
 それから2点目ですが、三上委員の基礎償還点数という概念は、実はこの診断群分類毎
の1日定額では明確にその用語の定義がなされておりません。以前の10病院の1件当た
りの試行のときには基礎償還点数という概念と定義を明確にしておりましたので、もしか
したら議論がかみ合わないかもしれませんので、これまた違ったら追加で御指摘いただき
たいのですが、現在のDPC/PDPSの点数設定に関しましては、改定時に1件当たり
の点数というのを、改定前の出来高報酬に基づいて計算し、集計をしております。したが
いまして、例えば22年改定のときの1件当たり、それから20年改定のときの1件当た
り、18年改定のときの1件当たり、これは基本的には、そのときのデータによって全く
異なるということになります。ですから、そこの点数の調整は行っておりません。
 それから3点目ですが、効率化分の説明のところで、薬価の効率化分の反映、薬価の切
り下げですか、通常改定では薬価が変化いたしますので、その部分の勘案がされているだ
ろうと、こういう御指摘でございますが、これはさっきの説明でほぼお答えしているつも
りなのですが、改定前のデータを使ってデータのセットをしていますので、そのデータ自
体は、今回の改定でいいますと、22年改定の前の薬価を含めたデータでございまして、
22年改定では当然、20年の薬価と22年の薬価は違うのですが、使用しているのは2
0年の薬価改定を踏まえたデータですので、従いまして全体に改定率を掛けざるを得ない
と、こういう趣旨でございます。

○三上委員
 前年度の平均点数だとおっしゃったのですが、そのときには効率化された部分というの
は反映されるかどうか。DPCのDファイルとEファイルが出ますから、Eファイルの中
で出来高換算を、DPC病院のそれぞれのDPC毎の出来高の平均点をそこで新たにとり
直して、それをもとにしているのかと。そういうことであれば、それに基づいて前年度の
報酬を担保するための調整係数ということになれば、基本的には薬価もどんどん下がって
きますし、効率化もどんどん進むということで、調整係数は1つの病院でどんどん上がっ
ていかざるを得ない。5年前に入れば5年前の部分からずっと、診療報酬、薬価が下がっ
てくるということであれば、あるいは効率化されてくるということであれば、調整係数が
どんどん高くなっていくのではないかという気がするのですけれども、そこはどうなので
しょうか。

○西岡分科会長
 事務局でよろしいですか。実際には高くはなっていないですけれども。

○事務局(迫井企画官)
 その御議論も含めて後段の論点に含まれているのではないかと思いますが、運用上、今
お話ししたような定義と、それから改定に伴うデータを集計して設定いたしましたので、
調整係数については少なからぬ施設が拡大する傾向にあるのは事実だろうと思います。で
すが、施設によってその実態が大きく異なる理由は、先ほどお示ししましたように、aか
らdまでのさまざまな要因が最終的に複合要因となりまして調整する形になっていますの
で、一概に言えないところがあるのは御案内のとおりと、こういうことでございます。

○西岡分科会長
 この議論は、次の後段でもう一度続いてまいりますので、そこでお願いできたらと思い
ます。
 ほかに御意見、よろしいでしょうか。
 それでは、今までの議論を踏まえながら、引き続き、DPC制度の基本的考え方に関連
する論点(3)について議論いたします。
 事務局のほうから御説明をお願いします。

○事務局(迫井企画官)
 三上委員の今の御指摘も含めて論点として整理をさせていただいているつもりでござい
ます。D−5−2を御覧いただきたいと思います。
 点線のところは、ここ3回の分科会の一連の議論ですということをここで改めてお断り
をした上で、D−5−2の1ページ目に黒丸が2つございます。まず、今回の議論の位置
付けを共通の認識で持っていただきたいと思いまして書いています。
 1つ目の黒丸は、そもそも機能評価係数IIを含めて今後どうあるべきか、どういうふう
に見直すかという議論はさらに行いますと、そういう趣旨です。ですから、今日はそうい
う結論を出すという場ではないというつもりで資料をつくっているということをまず御理
解いただきたい。
 2つ目の黒丸は、その前提で、ここ3回にわたりまして、さまざまな制度的な位置付け
とかその持つ意味、あるいは問題点、課題も含めまして整理をしてきたところですけれど
も、前提のところでもお話ししました、今後調整係数の置き換えと見直しを行うわけです
が、それに際して考慮すべき事項は何なのかということを整理していただく必要があると
いうふうに我々は考えてつくりましたと。
 具体的に言いますと、2つ目の黒丸に書いていますが、現行の調整係数が担っている役
割、先ほどお示ししたような内容についてどう考えるかという整理が必要ですと。丸1から
丸3まで3つに分けて整理をさせていただいています。
 まず、丸1が1ページ目です。調整係数を実際に運用することによって得られた効用、先
ほど説明したことですが、これを今後どうあるべきとお考えになるのかということです。
2つに分けています。
 アが医療機関の円滑運営の確保、これは言ってみれば、医療機関毎のバラつきを吸収す
るということでございます。中医協で既に、調整係数については前年度並み収入確保とい
う機能は廃止するという方針は決定されているということです。従いまして、過去の報酬
水準を個々の医療機関毎に継続的に反映させる、先ほどの三上委員の論点はまさにここに
あると思いますが、継続的に反映させる診療報酬の補正は適切ではないとされています。
 しかしながら一方でと、2つ目のポツですが、包括範囲に係る診療行為、括弧書きは言
葉がやや足らなくて、それに基づいて望ましい包括点数水準、それぞれの医療機関にとっ
て、あるいはDPCにとってという趣旨ですが、包括範囲に係る診療行為には、医療機関
毎で一定のバラつきが存在するということですから、仮に調整係数をなくすということに
なりますと、このバラつきを吸収する機能、何らかの措置が必要になるのではないかとい
う問題提起、これをどう考えるかということでございます。
 2点目がイですが、DPC制度、これはDPC/PDPSになりましたが、参加へのイ
ンセンティブということでございます。医療機関の制度への参加によりまして、DPCに
基づく診療実績の開示や分析が促進される。さらには、それぞれの医療機関における医療
の効率化あるいは標準化といった取り組みが促進されるということで、最終的には医療提
供体制、国全体と言ってもいいのだろうと思いますが、医療提供体制全体として効率改善
や医療の質的向上が期待できると、こういうシステムとしてのメリットもあるという指摘
がございます。このような観点から、これまで調整係数によってもたらされておりますD
PC/PDPS制度への参加のインセンティブについて、今後どう考えていくかというこ
とを整理していただく必要があると、こういうことでございます。
 一気に説明させていただきますと、おめくりいただきまして丸2でございますが、包括評
価における適切な診療実態の反映という論点でございます。
 繰り返しになりますが、中医協で既に方針が出されております。それは、これも繰り返
しですが、過去の報酬水準を個別医療機関に継続的に反映させるということが問題だとい
うことでございます。とりわけ包括評価の適用に伴いまして医療の効率化の進展が行われ
るわけですが、それを適切に反映した包括点数を設定すべきではないかということでござ
います。
 その一方で、これは前回の分科会でも御指摘があったと思うのですが、効率化の程度を
過度に包括点数に反映させますと、診療における薬剤や治療方針の選択の幅が、コスト削
減優先というような趣旨の内容だと思いますけれども、選択の幅が制限されるなどの診療
の質の低下が危惧されると。最終的には適正な効率化を阻害し、医療の質の著しい低下を
招く可能性があるという指摘もございました。こういった論点を踏まえまして、包括点数
の設定に際して、その時点の診療実態を最も反映し得る実績データ、これは直近の診療実
績ということになろうかと思いますが、これに基づいて設定することについてどう考える
かという論点がございます。これが2点目です。
 最後に丸3ですが、包括評価を調整する仕組みの在り方ということでございます。
 先ほど丸1で問題提起をさせていただきましたが、もちろんその結論にもよりますけれど
も、現行の調整係数が担っている一定の役割は代替していく必要があるという前提で、例
えば機能評価係数IIの議論を進めてきているわけですが、具体的な包括報酬の調整が必要
だという前提に仮に立った場合に、包括報酬を具体的に調整する手法についてどう考える
かということを整理する必要がございます。
 事務局として、あり得るだろうということを例示的に2つ書いていますが、アですが、
一定幅という考え方です。例えば、全DPC病院において出来高報酬の実績値を単純に平
均値で包括点数を設定すると。3ページのグラフ、これはイメージでしかないのですけれ
ども、この3ページのグラフのイメージで、黒い点線ですが、真ん中辺で設定いたします
と、非常に直感的に大ざっぱに言えば、半分の施設については一定の報酬が期待できます
が、半分の施設については期待できる診療報酬を確保できないということになります。そ
ういたしますと、当然、医療機関の運営にも支障が生じるということになりますので、一
定程度の医療機関について、そういった支障が生じないような水準が必要になるのではな
いかということで、そういったことに対応する措置といたしましては、例えば診療報酬の
世界でいきますと、薬価とか特定保険医療材料で実際に一定幅を加算するというような方
式も採用されておりますし、そういった一定幅で配慮するというのは、手法としては比較
的ポピュラーではなかろうかということで、こういうことをするということについてどう
考えるかということでございます。
 2点目の例えばということで例示でございますが、イの施設特性の反映です。これは前
回提示いたしました資料、それから今回再掲ということで、D−3の資料に幾つかグラフ
と表がございます。調整係数につきましては、例えばD−3の1ページ目の下のグラフで
ございますけれども、これは参加年次毎のDPC参加病院の調整係数の分布でございます。
分かりやすい例として今申し上げようとしているのは、平成15年、最初に参加された施
設は、御案内のとおり特定機能病院ですが、前回の分科会でも御議論がありましたけれど
も、明らかに調整係数が高い分布を示しています。
 おめくりいただきまして、では病床規模別で見たらどうなるのかということで、小さい
数字で恐縮ですが、6ページと振ってあるグラフでございますけれども、制度発足後、一
定期間が経過いたしまして、現時点で相当数の施設がこの制度に参加しております。初期
の段階でかなり変動があるのですが、21年、22年あたりから落ち着いたというふうに
御評価されている内容は何かといいますと、ほぼ病床規模毎に調整係数が一定の傾向を持
って推移しているということでございます。
 こういったことから、先ほどの資料、D−5−2に戻っていただきまして3ページです
が、診療内容のバラつき、あるいは施設の規模や施設の持つ特性との間で一定の関連があ
るということが示唆されるのではないかと、こういうことでございます。今説明したよう
なことでございまして、これはすなわち、平均的な診療密度の多寡に相当するのではない
かということでございます。
 同様に、施設の規模に応じて調整係数の大きさの影響を受けているということからして
も、こういった施設の特性が何らかの形で反映されているということからすれば、施設特
性を反映した調整なり補正なりの在り方というのがあり得るということなのですが、それ
についてどう考えるかということでございます。
 これは1つの具体的なイメージを持っていただくための例示でございますので、いずれ
にいたしましても、丸1、丸2、丸3につきましてどういうふうに考えていくのかということを
整理していきながら、議論を進めていただく必要がある、検討を進めていただく必要があ
ると、こういうことでございます。
 事務局からは以上でございます。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。前回あるいは前々回の議論も踏まえまして、DPC/PDP
S制度の基本的な考え方に関する論点をまとめた資料が提出されております。これについ
て議論したいと思いますが、項目が丸1、丸2、丸3というふうに分かれておりますので、1つ
ずつについて御議論をお願いしたいと思います。
 まず、丸1の調整係数の運用によって得られてきた効用についての今後の在り方、これに
関して御議論をお願いします。どうぞ、三上委員。

○三上委員
 アのほうに書いてありますように、過去の報酬水準を個別医療機関毎に継続的に反映さ
せる診療報酬の補正は適切ではないとされているということは、そのとおりだと思うので
すが、その下のポツでは、バラつきを調整する必要があるのではないか、何らかの措置が
必要ではないかということですが、もともとDPCというのは、下のイに書いてあります
ように、医療の標準化や効率化の取り組みを推進するためということ、標準化ということ
が進められているわけなので、標準化するということであれば、バラつきを調整するとい
うこと自体が非常に問題ではないか。標準化すればバラつかなくなっていくというのが、
それを目指すということではないかと思うのですが、バラつきを容認するような形でやれ
ば、標準化というのは進まない可能性があるというふうに私は思います。

○西岡分科会長
 これについてどなたかお答えされる方はいらっしゃいますか。実際には各症例で、同じ
疾患であってもその症度がかなり違いますし、それに対する医療資源の投入の仕方も変わ
ってくる。医療に関しての基本は標準化されているのですが、個々の症例に関しては、標
準化したワンパターンの医療を提供するということはできないという、その基本があるの
で、そこも御勘案いただいて御議論いただいたらと思うのですが、松田委員、何かござい
ますか。

○松田委員
 多分これはこれまでもいろいろ議論されてきたと思うのですけれども、診断群分類をど
こまで細かく設定するかということにも係ってくるだろうと思います。例えば肺炎であり
ますれば、肺炎に関しては、高齢者の肺炎も小児の肺炎も、肺炎という区分の中で分類を
されていないわけですけれども、小児の肺炎と高齢者の肺炎では、ねらう内容は違うだろ
うと思いますし、それは敗血症でも同じようなことがあるだろうと思います。
 多分、分類を非常に細かくしていけば、そういうものを、完全には難しいと思いますが、
ある程度対応することもできると思いますけれども、なかなかそこまでは、診断群分類の
細かさが現実的につくり切れないという問題があるだろうと思います。そうすると、この
診断群分類に内在する評価の問題として、少しバラつきが出てくる、これはしようがない
だろうというふうに考えています。
 それでまたもう一つ出てくるのは、施設によって、同じ診断群分類でも扱っている患者
さんが少し異なるであろうと。それがこちらのほうのデータに出てきているのではないか
と思いますので、そういうことで、施設毎にどのように異なるということを完全に吸収す
ることはできないと考えています。
 実際に諸外国で、DRGを使っている国におきましても、オーストラリアの場合には、
その病院の種別がどうであるかということに関して、別途係数をつけておりますし、加え
て、どのくらい教育機能を持っているかということに関して、医師、薬剤師、それから看
護師、OT・PT等につきましても、研修機能を別途評価するような枠組みになっていま
すので、そういうことを考えていきますと、三上委員がおっしゃることは本当にもっとも
だと思うのですけれども、片方でバラつきを吸収しながら、その施設間の特性の違いとい
うものも容認するという形で評価していくということが現実的な対策ではないかと思って
おります。

○小山分科会長代理
 三上委員のおっしゃった標準化ということの意味とちょっと違うと思うんです。ある医
療の治療行為の中の標準化ということは三上委員の言うとおりだと思いますけれども、例
えば私の専門とするところの心筋梗塞が入っている患者さんに、ショックになるような心
筋梗塞もあれば、2日か3日で退院してしまうような患者さんもいる。その収容する場所
は、重症になれば重症になるほど、重症に対応できる病院に収容しなければならない。そ
こで当然、投資する資源がすごく大きくなるわけです。そういう患者個々の特性の持って
いる軽症から重症まで幅が広くあるわけですから、これが全部同じだとなったら、重症化
は一切受けないという話になってしまいますので、重症の患者さんを受けているところは、
重症の患者さんを受けている評価をしてもらわないと、それこそ患者さんを収容する場所
がなくなってしまう。そこに対してはある程度の何らかの措置が必要だというのは、僕は
そこに何らかの措置が必要だというふうに考えています。
 ですので、そこら辺のところが、ここで言っているバラつきというのは、そういう意味
での医療機関毎のバラつきというのは、それぞれの治療を得意としていれば重症の患者さ
んが集まってくるし、そうでなければそこそこの患者さんが集まってくるというところで、
医療資源の投入量は全然違ってしまうので、そこに対しては何らかの措置をしないと、重
症患者や例外的なとんでもない患者は引き受け手がなくなってしまうのではないかという
ような心配をする意味で、何らかの措置は必要になるのではないかというふうに私は考え
ています。

○三上委員
 今のは、診断群分類をどう考えるかということで、重症のものと軽症のものを同じ分類
にして1つの包括点数にすることは当然無理があると私も思いますので、それは別の考え
方で、同じ重症同士であれば同じような医療資源が投入されるべきであるということです。

○小山分科会長代理
 だから、それをできると病院とできない病院が出てくるわけですから、先ほどの医師数
のところでもお話がありましたけれども、1人しかいないところでやるのと10人の医師
で重症患者を診るのでは、当然違ってくるわけですから、ここのインセンティブはつけて
いただかないと、最低限のところの治療しかしないということになりませんか。

○西岡分科会長
 池上委員。

○池上委員
 まず、標準化ということを医療機関毎に見れる方法はないかということを考えました。
つまり、松田委員から提示いただいたデータは平成20年に限られるデータであるわけで
すね。これは縦断的にそれぞれの分散が縮小する傾向にあるのだったら、その病院なりの
ケースミックスを考慮した上での標準化が進んでいるということが提示されるわけです。
それはそれとして達成されているのかどうか。それとも、調整係数があることによって病
院毎の標準化の努力を怠っている可能性もあるわけです。ですから、そこの議論をかみ合
わせるためには縦断的に、分析表はまだ整理できていないですけれども、病院毎の分散縮
小傾向を分析することによって、標準化にDPCが貢献しているかどうかということを客
観的に提示できると思います。
 その上で、先生が御指摘になったような病院のタイプ分けとかということが出てきます
けれども、今は全体としての標準化の問題と病院のタイプ毎の標準化の問題とが混在して
議論されていますので、それを分けるためには、タイプをどう分けるかということはまだ、
DPCの導入年度以外には、あるいは病床規模等しかないものですから、何か縦断的な解
析はデータとしてお持ちであれば、御検討いただければと存じます。

○松田委員
 一応やっております。ただ、それをどのようにスコア化するかということに関して、ま
だ僕自身、詰め切れていないですけれども、今の診断群分類をベースとしたバラつきとい
うものを、施設間のバラつきと患者間のバラつきに分けるというのは、分散分析の手法と
同じですけれども、それで一応計算をして、それがどうなっているかという集計は何回か
やったことがあります。
 それで見ますと、どちらも減少してきています。患者間のバラつきも減少してきますし、
施設間のバラつきも減少してきていますので、そういう意味で、今、池上委員がおっしゃ
られたように、各病院でのバラつきも少なくなっているし、病院間のバラつきも縮小傾向
にあるだろうというふうには思います。
 それがずっと一致点までいくものなのか、それがある程度のところで止まってしまうの
かということは、縦断的に見てみたいと思っています。ここ2年ぐらいそれをやっていま
せんので、もう一回そのデータを計算し直して、またデータとしてお示ししたいと思いま
す。

○西岡分科会長
 ほかに御意見。どうぞ、山口委員。

○山口(俊)委員
 何らかの措置が必要ではないかということに関しては、私は必要だと思います。という
のは、ガイドラインとかそういうものは、いろんな治療方針はそれぞれ決まってそのとお
り行われるわけですけれども、各施設のマンパワーとか設備によってその速度も全然違い
ますし、場合によっては、例えば胃がんで言えば、超音波内視鏡がない施設もたくさんあ
るわけです。でも、それをやらないからといってクオリティーが悪いわけではないです、
ベターということだけであって。
 ですから、各病院が投資する資源の量というのはかなり違うと思いますし、それは決し
てサボっているわけではありません。それぞれの状態の中で、地域差もあるでしょうし、
そういうものをある程度評価してあげないと、今いいところだけが単によくなって、努力
しているのだけれども、駄目なところは見捨てられてしまうということになってはいけな
いと思います。私は具体的にはどういう方法がいいか分かりませんけれども、こういう措
置は必要ではないかと思います。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。ほかに、よろしいでしょうか。
 まず第1段階として、丸1に関しましては、バラつきを吸収するという意味と、ある種の
インセンティブを与えるということですが、これについてはよろしいでしょうか。
 そうしましたら、次の丸2のところで御議論をお願いしたいと思います。どうぞ、三上委
員。

○三上委員
 丸2、丸3と一緒にやってよろしいですか。丸2に書いてありますのは、1つ目のポツでは、
包括評価の適用に伴う医療の効率化の進展を適切に反映した包括点数を設定すべき、その
とおりだと思いますが、その次のポツでは、過度にこれに反映させれば、過小診療という
か、そういう診療につながるのだという、これは、包括評価のデメリットというのですか、
モラルハザードが起こるということは当然のことで、出来高であればきちっと評価される
けれども、逆に言えば過剰診療が起こるということと裏返しだと思います。
 その中で、過小診療を防止するために、丸3にあるような一定幅の形で評価するというこ
とですが、この考え方をしますと、出来高より包括評価のほうが必ず点数が高くなる。平
均点にすると、出来高の平均点で包括点数を決めると半分がマイナスになるので、一定の
幅で余裕をつけるという話はここに書いてあるわけですが、そうすると、包括と出来高と
比べると、必ず包括のほうの点数が高くなるということをここに書いてあるわけですが、
もともとDPCは、医療の効率化というのですか、医療費の適正化のこともあって導入さ
れたというふうに感じていますので、これをここに書くのはどうかなと思います。
 ただ、先ほどインセンティブの話がありましたけれども、一番大きなインセンティブは、
現在のところは調整係数も含めて、DPCに入れば出来高よりもはるかに有利な点数にな
ると。今、大学の先生方がいらっしゃいますけれども、出来高に戻れば診療報酬が一挙に
20%近く下がるのではないかと、そういうこともあるので、インセンティブとしては、
ここに書いてあるようなある程度の高いレベルを維持しているという、出来高より高いレ
ベルを維持しているということがインセンティブになっていると思います。
 ただ、いろいろな問題で病院の特性があるので、3ページにある施設特性の反映という
のは必要で、特に、もともと導入を考えた特定機能病院については、いろいろな機能がご
ざいますので、ここについては相当分の配慮が要ると私は思います。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。どうぞ。

○小山分科会長代理
 過剰診療と過小診療になるかというのは、DPCと出来高の相反するところなわけです
ね。出来高が進み過ぎて、どうも過剰診療が行き過ぎてしまったというところが反省点の
中にあって、僕はDPCが入ってきたのだと思います。これが行き過ぎてくると、今、先
生の御心配になった方向に行くと思うのですけれども、それを行き過ぎないように、どう
いうふうにしたら、どういう観点から見たらいいかというのがこの考え方だと思います。
 だから、とりあえずは、ずっと進んでくると出来高に戻そうという議論がそのうちに出
てくるかもしれませんけれども、今のところは、いろんなデータの中では過小診療にはな
っていない、適切な診療をしているという評価をされておりますので、こういう考え方で
いくのがいいのかなというふうに私は思っております、大学病院に限らず。

○西岡分科会長
 ほかに御意見ございませんでしょうか。問題点を三上委員のほうから御提示いただいて
おりますが、それをきっちりと議論しておく必要があろうと思いますが、いかがでしょう
か。どうぞ、山口委員。

○山口(俊)委員
 丸2の意味は、包括点数は一番最近のデータでどんどん変えていくという考え方ですね。
これは本来の目的に沿ったことかもしれませんけれども、余りこれをやると、現場が非常
に苦しくなるというか、いったん包括点数についてはある程度検討したわけですから、あ
る程度の期間は継続していただいたほうが、毎年変えられるのはちょっとまずいのではな
いか。何年とは申しませんけれども、ある程度の根拠をもって決めたものが、昨年の成績
がこうだったからといってたちまち変えられるのは、現場には非常にまずい結果を及ぼす
のではないかと思うので、これは必ずしも、そのままどうぞというわけにはいかないよう
に思います。

○齊藤委員
 過小診療の問題は三上委員が危惧なさる大変重要な点の一つではあるのですが、今まで
のDPCの経緯を見ますと、DPCは、例えば患者の軽快が遅くなって在院日数が延びれ
ば、どんどん診療報酬が減っていくという、I、II、IIIという別のインセンティブがある
ことも事実です。それからもう一つは、患者とか地域の先生方、開業の先生方も、最近は
病院医療の内容を非常に深く観察しておられるので、医療の質が低下するようなところに
は紹介しないという別のインセンティブも機能し始めているので、DPCはいろんな側面
がございますけれども、過剰診療を抑止するというプラスの面と、危惧される過小診療は、
今申し上げたような点からある程度歯止めがかかっているのかなというのが、これまでの
経緯を見た感想であります。

○西岡分科会長
 ほかに御意見を。丸1のところで包括評価における適切な診療実態の反映ということで、
要は直近の診療実績に基づいてリセットするかどうかという問題なんですね。これは、こ
れまでにもいろいろ議論されてきたところでございますが、これについて。

○三上委員
 リセットしないでもらいたいという御意見だったと思うのですが、前回、前々回でした
か、高額な抗がん剤であるとか高い薬剤等については出来高にするということで、非常に
高くなれば包括では間に合わないので、出来高にするという話があったのですけれども、
効率化されて出来高点数自体が非常に低くなっているという状態であれば、当然そこも是
正すべきだと。一方だけ、プラスになる分だけは出来高でプラスになって、効率化した分
はそのまま残しておいてくれというのは、私は議論としてはフェアではないと思います。

○西岡分科会長
 そうすると、リセットすべきだと。

○三上委員
 リセットというか、新しく償還点数というか、包括評価点数を変えていく、それに合わ
せていくということが大事なのではないかということです。

○西岡分科会長
 高額薬剤を出来高にするというのは、非常に例外的な部分だけですので、すべてをやる
というのは全然決めておりません。できる限りDPCの中に含めたいというので話は続け
ていますが、これはまた後を追って議論する場合がありますので、そこの部分は別にして
いただいて。

○小山分科会長代理
 これは確認ですけれども、DPCの評価は2年毎に、リセットというか、見直されてい
るわけですね。今議論したのは、調整係数が導入時のものが残っているので、そこをどう
するかという議論をしているわけですよね。それでよろしいですね。

○三上委員
 調整係数は、導入時の出来高点数を担保できるように毎年調整係数が変わっていくとい
うことが問題だと。ですから……

○小山分科会長代理
 それはリセットしたほうがいいということですね。

○三上委員
 リセットするということです。前年度の出来高を評価するような形にすべきであるとい
うことです。

○山口(俊)委員
 ちょっと誤解があったかもしれません。私の言い方が悪かったかもしれませんが、リセ
ットしてはいけないということではなくて、包括点数の設定ですから、調整係数とかそう
いうことではなくて、例えば2年という単位でどんどん、我々が普通やっている医療はそ
んなに変わるはずがないのに、大きく変わるというのは何か理由があるはずで、例えば大
きなイノベーションが起きるとか、そういう理由が分かればいいと思うのですが、そうい
う評価をきちっとした上でやらないと、大きな間違いが起きるのではないかということで、
決してリセットしてはいけないということではないです。一定の期間でやるべきだと思い
ます。

○西岡分科会長
 包括点数と調整係数とは別でございまして、包括点数は改定毎に3%ぐらい減少してい
っているんですね。だから、その度ごとに改定されているということですので、そちらの
ほうは別の話で、それは全国的な平均値を出して点数を決められているということです。
それは毎回行われています。今問題になっていますのは調整係数です。調整係数のほうが
導入のときに、導入の前実績をもとにしてつくったものがずっと続いているということで、
これは今までの議論でも、それは修正しなければいけないのではないかというのは、皆さ
ん御提示されてきたところだと思います。

○山口(俊)委員
 わかりました。「これらを踏まえ」の主語がなかったので誤解しておりました。

○西岡分科会長
 失礼いたしました。申し訳ないです。

○山口(俊)委員
 それであれば、私は、古いものをいつまでも引きずるのはよろしくないので、変えるべ
きだと思います。

○西岡分科会長
 もしそれをリセットするとすると、毎回やるということになったら、どんどん身が細っ
ていってしまうということが起こるわけです。それをどのような形でやっていけばいいの
かという御意見もちょうだいできればと思うのですが。どうぞ、池上委員。

○池上委員
 まず、対外的に表示する方法として、D−5−2の3ページにある「薬価制度、特定保
険医療材料制度等でも、市場実勢価格に対して一定幅を設定する方式が採用されている」
と、これは非常に誤解を招く対応だと思います。というのは、御存じのように薬価は実勢
価格を踏まえて2年毎に確実にリセットされているわけです。そのリセットされているこ
とを前提に、Rゾーンの2%を認められているから、それが一定幅と等しいと。だから、
一定幅の2%だけ、リセットされたものに2%上乗せすればいいというふうにもとれる例
示だと思いますので、もしそういう意図であるならそういう意図でも結構ですけれども、
今の議論では完全なリセットというのは望ましくないという御意見が多いとしたら、薬価
制度の改定を例示的に示すというのは適切でないと思いますけれども、私の誤解でしょう
か。事務局がこれを出された意図は、薬価制度のように2年毎に完全に。

○西岡分科会長
 これは例示でございますよね。これだけの幅を持たせればどうかということで。

○事務局(迫井企画官)
 傍聴されている方もおられますので、事務局は何ら意図を持っていないということも含
めてちゃんと解説したほうがいいと思いますので、丁寧に説明させていただきますと、今
の御議論は確かに、どちらかといいますと調整係数をリセットする、しないの話ですから、
実はこの例示とは全く関係がございません。この例示はあくまで平均値を用いた場合にど
うなのかと、平均値に一定の幅を持たせるという手法がありますと、そういう例示でござ
いますので、事務局としては全く何らの意図もございません。

○三上委員
 言葉の使い方で、調整係数のリセットというのは、調整係数のもとになる目標値、目標
点数をリセットするという意味合いでいいですよね。調整係数は当然、導入時というか、
参加のときの前年度の診療報酬が目標値になっていて、そこに合うように包括点数との差
を調整係数の中でカバーするということなので、その目標値が少しずつ変わるということ
で、当然、目標値が変わるので調整係数自体も変わると思うのですけれども、リセットと
いうのは目標値を下げるという意味合いでいいのですか。

○事務局(迫井企画官)
 確かに、この論点は多少複雑だと思います。D−5−2の1ページ目ですが、丸1のアに
かなりしつこく書かせていただいたのは、リセットというものの是非とか、制度に参加し
た時点での報酬水準が維持されるという現象がなぜ起きるかというと、実は2つの要因が
あって、個別医療機関毎に調整するからこういうことが起きると。個別医療機関に、かつ
それを継続的に前年度、前年度、前年度と引っ張るので、結果として個別の医療機関が過
去にさかのぼって報酬水準が維持されるという現象が生じるということなんです。ですか
ら、実は制度設計としては、何も意図してこういうことをねらったわけではないという事
実関係をここに整理させていただいているのは、そういう趣旨です。
 ですから、これをどう断ち切るかというのは幾つかのやり方がありますと。例えば個別
医療機関に着目しないで調整すれば、少なくとも当該医療機関の水準がずっと維持される
という現象はまずなくなるはずですし、それから、どの時点を参照するかという参照の仕
方を変えても、そこの部分のターンオーバーも変わっていきます。ですから、かなりいろ
んな対応のバリエーションがあり得ますが、少なくとも今起こっている弊害は、この2つ
の要素がかみ合って初めて出てくる現象だと、こういうことだろうというふうに我々は整
理をしております。

○池上委員
 たびたび恐縮ですが、そもそも論に戻りますと、調整係数に順次かわるものとして機能
評価係数IIというのが考案されて、それに対して松田委員のほうからD−4で分析をされ
たのですけれども、年度が違うとはいえ、機能評価係数IIの計算された値は年度間にそう
大きく影響されない。ですけれども、総体として機能評価係数IIによってどの程度、今の
調整係数にかわり得るものかどうかということが、この数値だけでは分からない。また、
カバー率は、1患者当たりのCT・MRI検査数とも有意の正相関を示しているという御
説明はされているのですけれども、左の表にはカバー率という指数は出てきていないので
すけれども、これは何か意図があるのでしょうか。つまり私は、カバー率を含めて、現在、
機能評価係数IIで用いている指数を全部投入した場合に、調整係数とどの程度関連してい
るかということをお伺いしたいわけです。

○松田委員
 最初にやった分析は、とりあえず相関行列をつくって、相関行列をそのまま持ってくる
とA3の用紙を4枚ぐらい積み上げないといけないので、部分的に、今回は調整係数の議
論だけでしたので、調整係数のデータだけを持ってきているということです。実際、後ろ
のところで、共分散構造分析とかも今やっているのですけれども、モデルが安定しないの
で、少しいいモデルができたところでお示ししたいと考えております。
 ただ、後ろのところで先生がおっしゃられたように、変数間の関連も踏まえながら、全
体としてどういうモデルで調整係数が説明できるかということを今やっているところです。

○池上委員
 結論としては、機能評価係数IIを全部足し合わせたものと調整係数との関連はどうであ
るか。つまり、当初の予定のように、機能評価係数IIによって調整係数を順次代替すると
いうことは可能かどうかということをこの分析から得られるのか得られないのかというこ
とです。

○松田委員
 その分析を突き詰めていくと、もしかすると係数の設定そのものを少し変えていかなけ
ればいけなくなるのかもしれません。今回、一番の例が地域医療指数だと思うのですけれ
ども、地域医療指数はポイント制になっていますけれども、その後ろのところに、具体的
にそれが出来高換算で幾らになるかという、いわゆる詳細な検討をやってはいませんので、
そこのところはどういうふうにやるか。ただ、今、調整係数が残っているので、どのよう
な係数設定であったとしても、その分は吸収できているだろうと思いますけれども、そこ
のところを池上委員がおっしゃられたように置き換えていくのであれば、少し丁寧な分析
が必要になってくるだろうと思います。そこのところについては、もう少し分析をさせて
いただいてからお答えをしたいと思います。

○小山分科会長代理
 これは、もしかすると僕だけがそう思っているのかもしれないのですけれども、2年間、
機能評価係数の議論をずっとし続けてきましたけれども、調整係数を機能評価係数で置き
換えることは不可能だと僕は感じています。今、この議論というのは、調整係数をもうち
ょっとブラッシュアップしながら、新しい名称では基礎係数という名前できていますけれ
ども、基礎係数という形で評価してあげる必要があるのではないかということを議論して
いるのだと僕は思っています。機能評価係数をIIIとかIVとかVとかやってしまうと、そ
れこそ際限なくいくわけですから、松田先生の資料を積み重ねていけば、将来的にはなる
かもしれないけれども、非常に複雑なものになってしまうわけです。
 そういった意味で、調整係数を何らかの形で残さなければならないというのが、恐らく
この中の大体の意見ではないかと思います。そうしたときに、調整係数の今の在り方とい
うのは、導入時のデータをもとにして調整係数をつくっているので、この前のヒアリング
の中でも、それは、我々がこのくらいこうなっているのはそれが理由ですよというような
ヒアリングがありましたね。そういった意味で、なるべく直近のデータを使いながら、調
整係数を基礎係数という名前に変えていく必要があるのではないかというふうに議論して
いたと思います。だから、機能評価係数ではこれ以上は無理なので、2年間やって、結局、
実質的には3%ぐらいしか、機能評価係数IIでは置き換わっていないわけですね。その辺
を考えると、そっちのほうの議論になってくるのかなというふうに思います。

○齊藤委員
 池上委員の問題設定がちょっとフォローしにくいのですが、機能評価係数すべてを加味
すれば調整係数としっかり相関するというか、置き換えていけるということであれば、わ
ざわざ調整係数をなくすとか、そういう必要はないわけですね。だから、調整係数と機能
評価係数は全く異質な、別の視点からあるものなので、両者の相関とか置き換えるという
ことは、僕にはフォローしにくい面があるのですが、池上委員の問題設定を教えていただ
けますか。

○池上委員
 私の解釈では、調整係数というのは導入時の値を基本的に反映しているので、これは中
医協のほうで適切でないという判断がなされたと。それに対して1つの代替方法として機
能評価係数IIというのを新たに考案したと。それを順次置き換えの程度を拡大していくと、
ここまではよろしいですか。
 置き換えるのだったら置き換えられるものかどうかの検証というのは、しなければいけ
ないでしょうということを申し上げています。もし置き換えができないのだったら、調整
係数は残すということを主張するのか、調整係数の在り方を変えるのか、機能評価係数II
を変えるのか、機能評価係数IIについても試行的に導入したという経緯がございますので、
それを追求する必要があるということでございます。

○齊藤委員
 置き換えるということの意味は、全く同質のものとして変わっていくというのではなく
て、全然別の視点がそこにあっても一向に構わないと思うのです。調整係数と機能評価係
数は、むしろそうでなければ、そんな作業をする意味がないわけですから、その両者の相
関とか、置き換わっているかどうかということに余りとらわれすぎないほうが、将来のD
PCの制度設計としてはよいのではないか。どうせ消えていく運命の調整係数をやめよう
ということは、みんな腹は決まっているわけですから、余りそれにとらわれすぎないほう
が、前向きの議論ができるのではないかという気がします。

○熊本委員
 齊藤先生や小山先生と同じような意見ですけれども、調整係数はいろいろな意味で変え
るべきだということで、具体的には4年だったら25%ずつ、全部新しい機能評価係数II
に置き換えられると思って議論してきたのですけれども、それはかなり難しいということ
が分かってきたというのがこの2年ぐらいの議論かと思います。
 今日の松田先生の資料を見ましても、効率性指数、複雑性指数は調整係数と余り相関は
ないということですね。しかし、効率性指数、複雑性指数は機能評価係数としてはいいと
いうことを議論してきて、これは多分ほとんどの方が賛成されるものと思います。だから、
従来の調整係数と言っていたものを機能評価係数みたいなもので置き換えるということは
かなり難しいということも、この資料からも私は端的にあらわれているのではないかとい
う気がいたしました。
 したがって、調整係数をどうすべきかということの議論をしながら、それには池上先生
がおっしゃいましたように、新しくつくった機能評価係数との関連性も検証する必要性は
あるかと思いますけれども、そういった方向で進めていっていいのではないかと思います。

○三上委員
 効率性指数と複雑性指数が調整係数と相関しなかったというのは、基本的には先ほど池
上先生が言われたように、すべてを足してしまって、機能評価係数IIをすべて足してしま
えば、恐らく調整係数と完全に相関するのではないか。置き換えるための作業をしたと。
調整係数を目標に、出来高とか医療資源の投入量をもとに、こういう複雑性指数とか効率
性指数を決めたわけではなくて、調整係数をもとに決めているわけですから、全部足して
やれば、一つずつ個別にやればNSですけれども、すべてを足した影響とすれば相関する
のだろうと私は思います。
 根拠がないというか、出来高の実態として報酬に反映するような根拠のないものを、こ
ういう形で経過措置的な形で機能評価係数IIというのをつくったわけですけれども、なか
なか大変な作業であったろうと、非常に御苦労されたと思いますけれども、確かにこれ以
上に、2年毎に25%ずつを新たな係数をつくっていくということは恐らく無理であろう
というふうに思いますし、つくった機能評価係数IIも今後どうしていくのかということに
ついても、また御議論いただきたいと思います。

○西岡分科会長
 そういった中で、調整係数という数値を全くゼロにしてしまったら医療は持たないです
ね。何となく議論が、調整係数の25%が変わったような形で御議論されているのですが、
実際はそうではなくて、本来あるべきもとの、基礎係数でもいいですが、そういったもの
があって、それを掛けることですべていけるわけで、それにプラスされているものの25
%が変わっただけなのですね。だからそこのところが、調整係数を全くゼロにして、それ
を全部機能評価係数にするというのは、今までの議論の流れとはちょっと違うというふう
に御理解いただきたいのですが、企画官、私の言っていることはよろしいですか。お願い
します。

○事務局(迫井企画官)
 議論の流れをどのように受けとめられるか、解釈されるかということで、若干、御理解
が変わってくるのかなと、そういう印象を持ちながらお聞きしておりました。
 22年改定で機能評価係数IIを最終的につくり上げるプロセスは、前半と後半の作業で
大きく分かれると思います。前半の作業というのは、調整係数とか診療のデータを見て、
いろいろな調整係数との相関のあり得る要因とか、臨床の現場も含めて機能を評価するも
のは何なのかというのを、どちらかといいますと、まず統計学的な手法も含めて抽出して
いただいて、その抽出された要因を絞っていくという作業が前半で、後半は、むしろ絞ら
れた要素をどう活用して、最終的に調整係数が調整している医療費部分を配分していくか
という作業と、その2つ、前半と後半に分けて作業が進められたように私は理解していま
す。
 今の御議論は、その中で特に、前半の個別要素の議論を実際に後半の配分の作業に移し
換えたときに、実はこれはある種当然なのですが、すべてをそれで配分し切ることはなか
なかできない。特に調整係数というのは、診療包括点数全体に係るわけなので、極論すれ
ば、ゼロにすると報酬はゼロになるわけですけれども、そういった観点で機能評価係数II
を選んでこられなかったことだけは間違いないのですね。ですから、ある意味事実関係と
して、機能評価係数IIですべてを調整係数に置き換えようという前提で始められた議論で
はないというのは、事実関係としてはまず間違いないと思います。
 そこで、22年改定は時間のない中で、基本的に改定をやらないと現場の実務が回らな
いということで、一定の割り切りと、一定の御理解というか妥協というか、そういうこと
で作業を進めてこられたのですが、今回、何回か議論していただいているのも、まさにも
う一回、ちゃんとしたバックボーンといいますか、考え方とか、係数、特に医療機関別係
数を持つべき意味を紐解いて作業を進めていこうという取り組みであるつもりです。
 そこで、どうしても今日御議論いただきたいと考えて提案させていただいた趣旨は、今
お話ししたように、調整係数を機能評価係数IIですべて置き換えるという作業ではなかっ
たというのは事務局の理解です。その上で、調整係数が現に現象面で担っている機能とい
うのか効用というのか分かりませんが、これをまずある程度維持するなり、それをどう考
えるのかということをまずスタート時点で決めていただかないと、正直申し上げまして次
の作業が進めにくいのです。
 そこで、年内にはこの議論を一定の考え方を整理していただいた上で、これは中医協の
ほうにも年明けに御報告しながらということになりますけれども、その上で作業を進めさ
せていただきたいと思っております。
 ですから、くどいようですが、D−5−2の3つの論点につきましては、一定の御見解
をぜひいただいて、無事年を越したいと考えております。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。ちょっと話がずれてしまっているところがある、前提がいろい
ろ違っているところがございますので、そこのところを御理解いただきながら、調整係数
に含まれているものがこうなのだというのを御理解いただいて、こういう考え方でいいか
どうかということをお願いしたいのですが、まず丸2のところで、直近の診療実績に基づく
ような形で調整係数の大もとを出していくといったような考え方ですが、その直近も毎年
やられるとDPCとしては持たなくなりますので、そこらのところのお考えなどを聞かせ
ていただけるとありがたい。もともと導入したときにできた調整係数をそのまま引っ張る
というのは、多分、委員の方々はこれはノーというお答えを出されると思いますので、そ
れならばどういったデータでつくっていけばいいかということをお考えいただけたらと思
うのですが、まず丸2でお願いします。

○小山分科会長代理
 これは実際に調整係数をリセットするというのは、どのくらいの労力が要るものなので
すか。特定機能病院、我々が最初に入ったところは、平成24年で約10年たつわけです
ね。だからそろそろリセットは必要なのかなとは思うのですけれども、これを2年毎に調
整係数を決めるたびに、直近のでやるということが、実質、現実的なのですか。そこが1
つ。
 それから、これをやった場合には、これに切り換わったときに物すごく影響を受ける医
療機関が多数出てくると思うのです。ここら辺の措置を、よく企画官が言っている軟着陸、
激変緩和というのですか、そういうところの観点でも一度議論してみる必要があるのでは
ないかと思います。この前のヒアリングの中でも、かなり変わりましたということをはっ
きり言っている医療機関がありましたよね。そうすると、それがもし直近になるとかなり
の変化がくると思うのですけれども、その2つどうですか。

○事務局(迫井企画官)
 まず、しつこく同じところを説明させていただくことになるかもしれませんが、D−5
−2の1ページ目を見ていただきながら、今の小山分科会長代理の御指摘にお答えすると
すれば、まず作業自体は全く追加の措置はございませんで、通常の診療報酬改定で、DP
C点数表と医療機関別係数を設定する作業を、考え方を切り替えるということであって、
事務的な負担は事実上全く生じないというふうに理解いたしております。
 ではどこの考え方が問題かというのは、くどく申し上げているのは、D−5−2の丸1の
アのところに書いてございますが、中医協の方針というのは、紐解くと、煎じ詰めると、
個別の医療機関毎に着目した報酬の調整をしていると、これを継続的に行うことが、最終
的に今いろいろおっしゃっている弊害の根源なので、言ってみれば計算式とか参照するデ
ータを変えることで、現象面としてはリセットされるということであります。ですから、
事務的な負担はありません。
 ただ、後段の御指摘はそのとおりでして、そういたしますと、個々の医療機関への影響
は相当大きくなるということは間違いないので、これはもともといろいろ御議論があった
段階的にという措置は、一定程度配慮は必要だろうと。もともとそういう御懸念があった
ので、段階的という話だったように理解しております。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。どうぞ、三上委員。

○三上委員
 今のD−5−2のアのところの「前年度並み収入確保」という文言が非常に、これは前
年度並みと言っていますけれども、結果的にはDPCの収入確保を、毎回調整係数で確保
していたと。最初、導入前は出来高ですけれども、それをいったんDPCに入ったら、D
PCの収入確保をずっと維持するという形だったので、非常に問題が起こったのだろうと
思うので、基本的には医療資源の投入と一番相関するのは出来高のはずですから、それを
きちんと確保してやれば激変は緩和されるのではないかと思います。

○齊藤委員
 先ほどの企画官の説明で、調整係数をなくすと、個々の医療機関への激変というか、バ
ラつきが非常に大きなものになって浮沈が激しいだろうという趣旨の御意見だろうと思う
のですが、どの程度、何が起こるかというのはちょっとイメージしにくくて、そもそも調
整係数は廃止してもいいと、それと置き換えるというのは別ですけれども、別に病院の機
能評価係数IIというのは重要な手法であろうと、それはいいのですけれども、激変緩和な
いし個々の医療機関へのバラつきの補正みたいなものは、必要であるというエビデンスみ
たいなものはあるのですか。こんなに大きな格差が発生してきて非常にひどい目に遭う病
院が発生するとか、定性的な、こういうやや情緒的な表現からは、その実態がなかなか浮
かんできにくいのですが、説明してくれますか。

○西岡分科会長
 できますか、なかなか難しいと思いますが。

○事務局(迫井企画官)
 22年改定のときも、中医協で実際に御議論いただいたときに同様の御指摘を受けまし
た。それは当然でして、実際、個別の医療機関がどの程度影響を受けるのかという数字を
見ないと、例えば何回に分けて改定するのかとか、どれぐらいの割合を置き換えるのかと
いう議論がしづらいと、御指摘のとおりなのですが、ここはやや鶏と卵のような部分がご
ざいます。
 そういう意味で、参照していただくとすれば、例えば調整係数というものの数字が意味
するのは、現に御理解いただいているとおり、D−5−1の2ページ目の図のイメージで
ございますから、これは分かりませんが、個々の医療機関が調整係数の数字を持っておら
れますので、それが直近の出来高並びの診療報酬水準に大体置き換わっていくのですよと
いうことが、例えばどういうことが起きるかというのは、それぞれの医療機関が胸に手を
当てて考えていただければ分かるということだろうと理解をいたしております。
 ですので、個々の事情によって全く異なりますので、一概にお話をするのはなかなか難
しいと考えております。

○西岡分科会長
 時間も押してきたのですが、ここのところは非常に大事なところでございますので、こ
の場では、できるだけ直近の形での医療費をもとにして調整係数をリセットするという考
えは受け入れていただけると思うのですが、それを医療費改定に合わせて毎回やるのか、
あるいはどこでやるのかという、どの時点をもとにしてやるのかというところの考え方を
出しておいていただけるとありがたいのですが。

○伊藤委員
 直近のというから皆さん抵抗があるので、例えば直近の2年間とか、少なくともすべて
の病院は10ヶ月はデータとして持っているわけですから、それに基づいてとか、直近の
過去2年間のと言えば、それほど皆さんの抵抗がないのではないかという気がいたします
が、いかがでしょうか。

○西岡分科会長
 わかりました。可能な範囲ですね。だから、医療費改定に合わせて毎回それをチェック
していくというお考えですね。ありがとうございます。そういう考えがあるということで
いきます。
 それで、激変緩和のことも関係してくると思うのですが、丸3の包括評価を調整する仕組
みの在り方ということです。一定幅をとるというのは、この図がおかしいというのがちょ
っと出たのですが、これは置いておいていただきまして、むしろ、平均値を出してきたと
きに、そこから1つの余裕を持った幅をつくっておくという考え方ですが、それと施設の
特性をいかに反映させるかという、この2つの項目がございます。これについてお願いい
たします。どうぞ。

○小山分科会長代理
 アのほうの一定幅というのは、それは必要だと思うのですけれども、特に問題になった
イの施設特性の反映というところですけれども、これは先ほど出た資料のD−3の6番目
のスライド、調整係数中央値の年次推移といいますと、平成20年から21年、22年の
前半・後半がありまして、病床の規模によってきれいに分かれているわけですね。上の特
定機能病院から500床、400床と分かれていますので、こういう形できれいに分かれ
ていますので、ただ単に前年度の収入の確保ということだけではなくて、その病院のある
意味での機能、特性を反映しているというふうに考えますので、そういった意味では、調
整係数にかわる、基礎係数という名前でもいいと思うのですけれども、包括報酬の調整は
絶対必要だと思いますので、ぜひこのような方向で考えていっていただきたいと考えます。

○西岡分科会長
 どうぞ、伊藤委員。

○伊藤委員
 例えば国立病院は144病院ございまして、療養所から、総合病院、2−300床規模
の病院から800床程度までさまざまあって、それの経営分析などをしておりますと明ら
かに違う。それを一つにするということは難しいので、私どもの内部の病院評価でも類型
化はしております。類型化した上で、その病院間で競っていただいたり、そのグループ内
で標準化するなどを目指していただくことは必要だと思います。それを全部一本にして、
例えば100床の病院と特定機能病院を同じスケールではかるということ自体が、そもそ
も難しいのではないかという印象を持ちます。
 ですので、もしそういう病院毎に類型化するのであれば、調整係数を廃止して機能評価
係数への一本化というのも可能ではないかと思いますが、全体を一本にして機能評価係数
で置き換えるというのは事実上難しいというのが今までの結論ではないかという気がしま
す。ここらでどっちにするか決めてから議論したほうがいいのではないかという気がいた
します。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。ほかに御意見。どうぞ、三上委員。

○三上委員
 確かに施設特性というのは、類型化して上げていくということは非常に大切なことだろ
うと思います。ただ、丸2のアについては、半分は駄目だという話があったのですけれども、
D−5−1の最後のところにインセンティブがあって、どちらが有利かということで、退
出ルールもあるので、もしも出来高のほうがよければDPCから出来高にいくということ
も、DPCがよければDPCに入れると書いてあるわけですから、それはいいほうを選択
すればいいのではないかと思います。

○西岡分科会長
 実質上は、今まで出ていかれた病院は1病院しかないということでございますが、この
2つの考え方、余裕をとるということと、もう一つは施設特性を十分に反映させる形でや
ろうということに関しては、皆さん方の御意見が一致したと思っております。ありがとう
ございます。
 あと、事務局のほうで、私が忘れているようなことがございますでしょうか。特にはよ
ろしいですか。
 それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。
 事務局から連絡事項等ございましたら、お願いします。

○事務局(丸山主査)
 次回の分科会でございますが、年明けまして1月13日、木曜日を予定させていただい
ております。よろしくお願いいたします。

○西岡分科会長
 それでは、平成22年度第9回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を終了させて
いただきます。
 本日はお忙しい中、ありがとうございました。それと、年の最後ですので、皆様、よい
お年をお迎えくださいますようにお願いします。

午後5時04分 閉会


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課包括医療推進係

代表: 03−5253−1111(内線3289)

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