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2010年11月19日 第21回感染症分科会結核部会議事録

厚生労働省健康局結核感染症課

○日時

平成22年11月19日(金)
10:00〜12:00


○場所

厚生労働省(中央合同庁舎第5号館)
12階専用12会議室


○議題

(1)結核に関する特定感染症予防指針について
(2)その他

○議事

○水野補佐 それでは、定刻でございますので、これより第21回「厚生科学審議会感染症分科会結核部会」を始めさせていただきます。
 お集まりの皆様方には御多忙のところ御出席いただきまして、大変ありがとうございます。
 開会に先立ちまして、委員の出欠状況の報告をさせていただきます。
 本日の出欠状況につきましては、南委員、青木委員、高橋委員、保坂委員、東海林委員より御欠席の御連絡をいただいております。現在の部会委員総数12名のうち7名の御出席をいただいておりまして、出席委員が過半数に達しておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告いたします。
 また、本日の参考人について御紹介させていただきます。
 結核研究所対策支援部保健看護学科長、永田参考人です。地域のDOTSや連携推進について日々御尽力いただいております。
 千葉県市川健康福祉センター長、久保参考人です。診断の遅れという課題に対し、地域連携を通した先進的取組みをしていただいております。
 お二方には、特にDOTSや地域連携について積極的に御意見をいただきたいと思います。
 ここでカメラ撮りは終了させていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 資料につきましては、議事次第の次に資料1、資料2とございまして、参考資料は1〜6までございます。不足等がございましたら、お知らせください。
 それでは、後の進行は坂谷部会長よろしくお願いいたします。
○坂谷部会長 心得ました。本日もよろしくお願いいたします。年度内にとりまとめをきちっとやりたいと思いますので、ハードスケジュールでありますが、よろしくお願いいたします。
 さて、今日の会議の進行でございますが、お手元の議事次第に沿って進めてまいります。
 議題は「(1)結核に関する特定感染症予防指針の見直しについて」ですが「第三 医療の提供」の中の「二 結核の治療を行う上での服薬確認の位置付け」及び「三 その他、結核に係る医療の提供のための体制」、この2つについての議論でございます。
 それでは、最初に事務局より本日の議論の進め方及び資料について説明を願います。
 それから、続けまして、資料1の自治体アンケートにつきましても説明をお願いいたします。
○水野補佐 資料1と資料2を御確認ください。
 資料1につきましては「結核の治療を行う上での服薬確認の位置づけについて」の資料となっております。
 資料2については「その他、結核に係る医療の提供のための体制について」の資料になっております。
 資料1の1枚目をめくっていただきまして「『結核に関する特定感染症予防指針』の論点(案)からの抜粋」をごらんください。本日の議論の視点を確認させていただきます。
 視点1、抗結核薬の確保の必要性について、明記しておくことが必要か。
 視点2、DOTSの質を向上させ、個別的な患者支援を行っていくための、医療機関、保健所、社会福祉施設等を結ぶ地域連携体制のさらなる強化をどのように促進していくか。
 視点3、治療完遂のための患者教育の視点から医療機関における院内DOTSの着実な実施が重要であるが、実施率と質の向上を一層図っていくことが必要か。
 視点2と視点3におきましては、「今後の医療の在り方に関するこれまでの議論の概要」、第16回結核部会で提示されたものでございますが、先に議論された概要が示されておりますので、こちらから抽出させていただいたものを「対応策」に書かせていただきました。議論のときにはこの内容を御確認いただければと思います。
 資料2にいきまして、1枚めくっていただきまして、こちらにも視点がございますので、確認させていただきます。
 視点4、結核の診断の遅れに対して、何らかの方策を明示することが必要か。
 視点5、結核菌検査の精度管理について、外部機関による精度管理体制の構築をどのように行うか具体的に示すことが必要か。
 視点6、地域医療連携ネットワークの構築について、都道府県等が具体的にどのように進めていくかを示すことが必要か。
 各視点につきまして、必要資料がついております。資料説明とその後に議論を行っていくという進め方でお願いいたします。
 それでは、引き続き、資料1の2ページ目にございます「自治体アンケート結果(抜粋)」の説明に移らせていただきます。
 「『第三、医療の提供、二、結核の治療を行う上での服薬確認の位置付け』について」関連するところを抜粋したものでございます。
 前回提示いたしました自治体アンケートと同様のものでございますが、もう一度集計状況を説明させていただきますと、132自治体に送付し、105自治体より返答があったものでございます。都道府県は47都道府県中36都道府県より返答がございました。その他の自治体は85自治体中69自治体より返答がございました。47都道府県中都道府県及び都道府県内の全自治体から返答があったのは34でございました。
 「結果」に移ります。
 表17はコホート分析結果を目標に置いているかという質問でございます。治療成績のコホートのことを指しておりますが、地域DOTSや患者支援を評価するものとして使われているものでございます。このコホート分析結果を目標に置いているかという質問に関しては、35都道府県のうち23都道府県がコホートの分析結果を目標に置いているという結果でございました。
 表18に移りまして、コホート分析結果を目標に置いている場合の目標でございますけれども、これは服薬治療に関して失敗中断割合とか治療成功率を目標に置いている自治体が多いということで、失敗中断割合を一定以下としているところが16か所と多かったという内容でございます。現在、改定作業中の指針においても治療失敗、脱落率は5%以下という内容になっておりますので、それに合わせた内容になっているところが多いという状況でございました。
 表19に移っていただきまして、コホート分析結果における目標達成の有無でございますけれども、2008年の時点で目標を達成している都道府県数は20か所中7か所でございました。
 表20−1と表20−2でございますけれども、治癒割合ごとの自治体数と中断失敗割合ごとの自治体数でございます。治癒割合については40%〜70%ぐらいの治癒割合の自治体数が多いという感じに表はなっております。中断失敗割合ごとの自治体数については、中断割合が5%以上のところが93自治体中20自治体見られたという結果でございました。
 4ページを見ていただきまして、表21から表27についてはDOTSに関する自治体の分布の表でございます。
 表21ですが、総患者数のうち自治体別DOTSタイプ(A、B、C)人数の割合の分布でございます。
 DOTSタイプというものは参考資料6を見ていただきまして、参考資料6の3ページでございます。日本版21世紀型DOTS戦略推進体系図をごらんいただきますと、ここに退院後の地域DOTSの実施としてAタイプ、Bタイプ、Cタイプというものが提示してあります。Aタイプが服薬確認の頻度が多いタイプとなっております。Aタイプ、Bタイプ、Cタイプの順でございます。
 資料1の4ページの表21に戻っていただきまして、タイプAの割合はDOTSを実施した患者中8%、タイプBの割合は24%、タイプCの場合は67%という内容でございました。また、自治体の分布でございますけれども、見方としまして、例えばタイプAのうち5%未満は47と書いてございますが、総患者数のうちタイプAを行っているのが5%未満である自治体は47という意味でございます。タイプB、タイプCについても同様の見方でお願いいたします。
 表22、タイプAについて、自治体ごとのそれぞれの確認回数を満たしている患者割合の分布というものでございます。これは保健所、病院、薬局、訪問看護スタッフの関与がある場合の服薬確認でございます。この表の見方としましては、表21と同様でございまして、例えば毎日確認(週5回以上)のところを見ていただきますと、タイプAの患者のうち90〜100%の患者が毎日確認をしているという自治体が19という見方でございます。
 次の列にいっていただきまして、週単位確認(週1〜4回以上)というものの意味合いでございますが、ここは毎日確認も含みますので、タイプAの患者割合のうち90〜100%の患者が週単位以上の確認をしている自治体が29という意味合いです。、右にいくほど90〜100%の行については数が大きくなるという見方でございます。
 全体的な意味合いとしましては、タイプAでは毎日確認を受けている患者数が多かったという結果でございます。患者総数中の割合を見ていただきますと52%ですので、半分以上の患者がタイプAについては毎日確認をしているということです。ただし、72自治体中26自治体では毎日服薬確認を受けている患者がいなかったという結果でございます。
 6ページにいっていただきまして、表23でございます。表23も同様の見方になります。これはタイプBについての自治体ごとのそれぞれの確認回数を満たしている患者割合の分布でございますけれども、タイプBでは週単位または月単位で1〜4回関与を受けている患者が多かったという結果になっております。92自治体中58自治体ではタイプBはほとんどの患者で月単位以上の関与を受けていたという結果になっております。
 表24はタイプCについての結果でございます。ここを見ていただきますと、患者総数中の割合が月単位(月1〜3回以上)で72%となっております。タイプCでは月単位で1〜3回の確認を受けている患者が多かったという結果になっております。
 8ページにいっていただきまして、表25でございます。これはタイプAについてのものですけれども、これは保健所、病院、薬局、看護スタッフ以外の確認者も含む場合でございまして、だれかによってどのように対面服薬確認が行われているかどうかという患者の分布でございます。これにおきましては、タイプAでは毎日服薬確認を受けている患者が多かったという結果が出ておりますけれども、反対に対面服薬確認を受けていない患者も4分の1程度いたという結果になっております。62自治体中14自治体ではタイプAがほとんどの患者で毎日服薬確認を受けていましたけれども、20自治体では毎日服薬確認を行っている患者はいなかったというデータも出ております。
 表26にいっていただきまして、これはタイプBについての同様の結果でございます。タイプBについては週単位または月単位で服薬確認関与を受けている患者が多くて、医療従事者以外でも関与者の入った毎日の服薬確認は11%にすぎなかったという結果でございます。また、78自治体中8自治体ではタイプBのほとんどの患者に週1回以上の服薬確認を受けていたという内容でございます。
 表27にいっていただきまして、タイプCについての結果でございます。タイプCでは対面服薬確認を受けていない患者が多かったというデータが出ております。
 表22から表27を見てみますと、当初にDOTSのタイプが分けられるんですけれども、当初のDOTSタイプの判断と実施段階で異なった扱いとなっている例があるということがよくわかります。
 表28にいっていただいて、自治体ごとのそれぞれのDOTS実施保健所の割合の分布でございます。これは自治体ごとの保健所の割合ですので、保健所DOTSを実施している保健所の割合が73%、薬局DOTSを実施している保健所の割合が22%という結果でございました。
 表29にいっていただきまして、保健所DOTSを行う場合の人員の雇用形態の表でございます。保健所でDOTSを行う人員の雇用形態は常勤のみ、非常勤や委託のみ、両者ともに分かれております。ごらんのとおりの数字がございます。
 表30にいきまして、保健所と定期的に会合をしている病院数でございます。保健所と定期的に会合を行っている病院数につきましては、大体の自治体が1か所から3か所の病院数と定期的な会合を行っているというデータでございます。反面3県、19市区では病院との定期的な会合を持っていないという返答もございました。また、8〜9か所と返答した自治体がございますが、それは大阪市と沖縄県であったという結果でございます。
 関連する自治体アンケートの説明については、以上でございます。
○坂谷部会長 ありがとうございました。
 おわかりになりましたでしょうか。今の御説明に対して、水野さんに各委員から御質問を出してください。
 前回聞いたらよかったんですが、これはいつやられたアンケートですか。
○水野補佐 これは8月に行われたものです。
○坂谷部会長 今年の8月にやられたんですね。
○水野補佐 はい。
○坂谷部会長 それから、表19のコホート分析結果における目標達成の「目標の達成」というのは、何をもって言うわけですか。
○水野補佐 各自治体が目標を達成しているかということですか。
○坂谷部会長 目標達成の中身はさまざまですか。
○水野補佐 そういうことになります。
○坂谷部会長 それから、当たり前のことですけれども、表18のコホート分析結果の失敗中断割合が5%以下云々かんぬんというのは、DOTSの技術といいますか、DOTSがうまくいっているかどうかで、その地域の患者数を減らしているかどうかとはまた別の話ですね。
○水野補佐 はい。
○坂谷部会長 だから、本当にコホート分析結果における各地域の自治体の目標というのは、その地域、自治体での結核の発病率を下げることが本来の目標だと思われますけれども、それでよろしいですか。そういうことですね。
○水野補佐 はい。
○坂谷部会長 御質問がありませんので、こちらで言ってしまいますけれども、4ページ以下のややこしい話は結局、入院DOTSではなくて、通院に移った後のDOTSをどこで実施されているか。保健所、病院、薬局、訪問看護スタッフの関与などいろんなやり方があるんですけれども、主に病院、医療施設で実施している比率が高いということと、月単位での確認がほとんどであるということ。毎日お薬を飲んでもらっているんですけれども、ちゃんと飲んでいますかという確認は聞き取りでやっていることが多くて、それも電話で御本人に確かめて、本人がちゃんと飲んでいますということの確認程度で済んでいることが多い。こういうサマライズになろうかと思います。
 確認の作業を各保健所さんでやられているわけですけれども、常勤のスタッフでやられているところもありますが、このごろは非常勤とか非常勤委託の方がその作業をされていることも多いということが最後に付記されていると理解いたします。
 病院と保健所との定期的会合というのは盛んになってまいりまして、割合多くの自治体で定期的な会合がされておるということになります。11ページの最後には3県19市区では病院と定期的な会合を持っていないと返答があった。8ないし9か所の病院と返答された自治体もありますが、それは大阪市と沖縄県であった。熱心な地域はそうですということだと思います。
 今の事務局の水野さんの説明について、ほかに質疑応答、御意見等はありませんでしょうか。加藤さん、どうぞ。
○加藤委員 今、坂谷部会長のコメントの中にございました目標の性格についてですけれども、表18で出している目標というのは活動する場合の実施目標になるわけです。英語で申し訳ないんですけれども、目標というのは一般的にプログラムインディケーターといって実施するときの目標と、もう一つアウトカムインディケーターといって成果として出てくる目標という2つの性格がございます。実際に現場で目標にする場合はプログラムインディケーター、実施目標がある程度使いやすいんですけれども、やはり最終的に大事なのはアウトカムインディケーター、結果として出てきたものを目標とは大事です。使い方が違いますけれども、対策を実施する中では現場でどちらがいいかという議論も含めながら、今後目標をどう立てるかといった議論を進める必要があろうかと思います。
 表18にあるように、これはプログラムインディケーターに当たるわけですけれども、各自治体においてもそれぞれの地域性がありますから、少しずつ目標数値の立て方が違います。国全体としての目標を立てたときプログラムインディケーターである程度標準を示すことは必要だと思うんですけれども、そこは自治体ごとにフレキシビリティーを残すことも議論のポイントとして大事だと思います。
○坂谷部会長 ありがとうございます。私の不完全な発言に追加をしていただきました。プログラムインディケーターがほとんどの自治体で主体になっている。この方がわかりやすい、計算しやすいわけです。ですけれども、最終的にはアウトカムで見たいわけですが、それがすぐには出てきませんので、そういうことであります。
 ほかに御議論はないでしょうか。重藤さん、どうぞ。
○重藤委員 表18は治療成功率何パーセント以上という目標で、表20は治癒割合となっていますけれども、この治癒というのはコホート検討するときの定義に当てはまる治癒なんですか。
○水野補佐 そうです。
○重藤委員 かなり高いような気がします。
○水野補佐 40〜70ぐらいです。
○重藤委員 だから、85%以上というのは患者さんのいろんな質というか集団の性質の問題があってということでしょうね。
○水野補佐 そうですね。
○坂谷部会長 自治体さんによって患者のパターンはさまざまでありますから、重藤先生のおっしゃるとおりだと思います。
 ほかにございませんか。
 それでは、各視点についての議論に入りたいと思います。1つ目の視点でございます。指針に抗結核薬の確保の必要性について明記しておくことが必要かどうかということになります。
 まず重藤委員から資料の説明をお願いいたします。
○重藤委員 資料1の12ページをごらんください。結核の治療薬剤というのは数がある程度限られておりまして、その中で多剤併用が大原則です。
 薬剤につきましては、14ページに各種の基準やガイドラインで示されている抗結核薬を分類しております。
 一次薬というのは初回標準治療に使う薬ということで、いずれの基準、ガイドラインもほぼ一致しています。
 二次薬になりますと、多少異なっておりまして、日本におきましての大きな違いは結核病学会に入っているレボフロキサシンというものが医療の基準には入っていないということがまず1つあります。これに関しましては保険適用がない。前回菅沼委員からの御質問もありましたが、保険適用がないけれども、どうしても必要なので学会のガイドラインにはお示ししていますということで、現実的には現場では仕方なく使っているということがあります。
 現状につきましては、16ページからの資料に大体まとめておりますけれども、ごくごく要点を言いますと、結核の医療をある程度専門的に行っているところでは、ほぼどこの医療機関でも使用している。勿論保険診療上の問題点も多少ありますが、使用せざるを得ない状態であって、それで特に副作用の問題がある方、薬剤耐性がある方の治療を成功させているという現状があります。
 問題点としまして、今の保険診療上だけではなくて、結核医療の基準に含まれておりませんので、診査協議会において適正医療の判断をするときに正面を切って検討できないという問題が生じております。実はここに載っておりますレボフロキサシンというのは諸外国でも結核は適応症として承認されておりませんけれども、現実問題はガイドラインにきちんと載っているということで保険償還はされている。どの国に聞いても特に問題は感じていないという情報を得ております。1つはその問題です。
 それから、二次薬を横にずっと見ていただきますと、例えば日本で使用されていない薬として、米国のCDCなどのガイドラインに示されておりますCapreomycinというものがあります。これは日本では使用できないということで学会でも挙げておりません。CapreomycinでありますとかProthionamideは以前には日本でも使用できた。使用量がだんだん減ってきまして、コストの問題が出てきた。薬価が低過ぎて製薬会社が製造販売を維持できないという問題から日本では使用できなくなってしまった。現在使用できる薬剤のうちでもそのような問題があって、一時日本で使用できなくなる可能性があったんですけれども、これは薬価を上げるなどの努力で継続使用ができる状態です。ですから、このように使用量が減ってきますと、どうしても製薬会社としては割に合わないという状態になりますので、感染症対策としては公的関与が必要だと思います。
 もう一度一次薬に戻りますけれども、一応日本におきましては一次薬はリファブチンも使えるようになりまして、そろっているわけですが、一番右の「結核医療の国際基準」におきましては、標準治療に使う薬剤は3剤ないし4剤の合剤を使用すべきであると記されています。米国のガイドラインにもできるだけ使用すると示されていますけれども、日本では使用されていません。これは服薬数の問題もありますけれども、服薬のときに薬剤を患者さんが選択してしまうとか、薬剤量の用量がきちっとできないとか、そういうことを防ぐために合剤を進めているわけです。
 それから、ピラジナミドというのは日本では散剤しか使用できません。ほかの薬と比較しまして、これだけ粉ですので、飲み残しがあったり、こぼしてしまったりということで、きちっと服薬するという意味では錠剤があることが望ましいということになります。
 リファンピシンにつきましては、日本では注射剤はありませんけれども、米国、ヨーロッパなどでは注射剤が使用できます。これにつきましては服薬ができない。勿論嚥下ができないということもありますけれども、消化管疾患なので、消化管投与ができない場合もときにありまして、これにつきましては20ページから資料がありますけれども、どうしても標準治療ができないということです。リファンピシンは使わないで、イスコチンの注射だけとか、イスコチンとストマイの注射だけで何とかしのいでいる状態がある。できればリファンピシンが使用できないかということを現場では常に思っております。
 以上が一応現在ある薬の問題点なんですけれども、薬剤耐性が高度になりますと、現在ある薬だけでは治療が不能になるということで、現在、新薬の開発も進んでいます。これは15ページの表3にまとめてありますが、世界的にはMoxifloxacinというものが筆頭で将来使用可能になりそうな状況になっております。このような薬剤は日本では治験が難しいところでありますけれども、世界である程度評価が定まりましたら、日本でもできるだけ早く使用できるようにすることが薬剤耐性の治療、抑制、場合によっては治療期間も短縮できるかもしれないということで、将来的に考えていかなければならないところだと思います。
 それから、薬剤自体からはちょっと外れるんですけれども、現在ある抗結核薬、今から出てくる抗結核薬を大事に使うためには、薬剤感受性を早く知ることが非常に大事なことだと思います。現在、薬剤耐性の判明というのは15ページの表2ですけれども、現在広く使われていますのは、固形培地もしくは液体培地です。固形培地のみを使用している施設も多いわけですけれども、多少早い液体培地によりましても3〜4週、1か月ぐらい判明までにかかる。これに関しましては、薬剤耐性がわかるまでの間は効かないかもしれない薬も使って治療をしているという現状です。もしもこれが早くわかれば、特に多剤耐性が早く判明すれば、将来的に副作用も防げる、薬剤耐性も防げる、治療期間も短くできるということで望ましい。そのような検査方法は既に保険承認されています。リファンピシンについては保険承認されておりまして、これにつきましては実際の検査は数日以内にわかるということですので、このような検査の普及も考えていかなければならないと思います。
○坂谷部会長 以上ですか。
○重藤委員 以上です。
○坂谷部会長 ありがとうございました。
 日本での抗結核薬の使用できる現状と諸外国との差といいますか、問題点及び適正な使用をするための附帯する問題点を要領よく御説明をいただきました。
 何か御質問、議論はございますでしょうか。この件に関しましては、前回の最後のときに菅沼委員からレボフロのことについて御質問がありまして、既に始まっているわけですけれども、御議論を願います。
 どうぞ。
○菅沼委員 重藤先生ありがとうございました。前回も資料を私にお渡しいただいて、勉強させていただきました。本当に結核治療は素人なんですが、重藤先生が効くとおっしゃるから本当に効くんだと思っております。
 それで、様子にもよりますが、何週間とかどのぐらい投与すると大体治癒になるんでしょうか。平均的にということです。
○重藤委員 平均的にというのは、治療期間ほとんどすべてということです。
○菅沼委員 3か月とかですか。
○重藤委員 例えば多剤耐性でしたら、治療期間は18ないし24か月という大体の目安がありますけれども、原則としてその期間中ということになります。
○菅沼委員 多剤耐性でないものに使ったとしたら、どのぐらいですか。
○重藤委員 例えば副作用のために使うというのが現実的には多いんですけれども、結核の治療は肝障害が起きやすいですので、その場合に一時的に肝障害を起こしやすい薬剤を中止して、しばらくよくなるまで待つということをするんですが、その場合に使って、本来の標準治療薬を再び使うことができればやめることができます。ただ、標準治療薬がイスコチンまたはリファンピシンのどちらか、もしくは双方が使えなければ全治療期間使うことになると思います。
○菅沼委員 1年とか2年ということですか。
○重藤委員 ほかの薬の組み合わせによりますが、例えばリファンピシンは使えるけれども、イスコチンは使えないというような状況でしたら、最短で9か月になります。それまでにある程度の薬、標準治療が入ってしまっている場合が多いので、現場ではかなり融通を利かせています。
○菅沼委員 ありがとうございます。私がお聞きしたいのは、一般的に私たちがニューキノロンを使う場合、クラリスなどはかなり長い間抗生物質は使えるということですが、ニューキノロンは1か月も使ったらこちらが副作用の心配をするような感じなんです。乱暴な討論になりますけれども、これを結核の治療として使えることになった場合、今はほかの薬で耐性または使えなくなったからということで使っているかと思うんですが、効くのであれば、最初からニューキノロンでたたきたいと思います。そういう場合、副作用などはどう思われますでしょうか。
○重藤委員 それは外国でデータが出ておりまして、副作用に関しては他の抗結核剤と比較しましても多くはない。実は日本におけるデータがないということで、今、研究会でデータを取るようなことを始めています。レボフロキサシンも長期投与で、効果もですけれども、副作用を中心に見るということをしております。
 それから、初めから使ったらいいのではないかというのは、確かに当然考えることです。だからこそ先ほどのMoxifloxacinを使った治験が進んでいるということです。それで治療期間も短縮できる可能性などを検討しているということがあります。
○菅沼委員 私も前回重藤先生から資料をいただいて勉強させていただきまして、随分前の結核部会のときに中谷比呂樹先生が感染症課長でいらして、今はWHOの事務局長補佐で行っていらっしゃるので、世界の状況をどうかということでメールでお聞きましたら、やはりそれは使いたいけれども、値段が高いというのが後進国で問題というのと、製薬会社が承認を取りたがらないという問題があるということでした。
 でも、本当に効くのであれば、素人的にDOTSの皆様の保健所とか自治体の御努力で毎日DOTSの確認をしているとか、本当にすごい努力だと思います。ニューキノロンはないんですけれども、抗生物質を1回飲めば5日から1週間効くという薬剤も出てきているし、そういうものを何とか製薬会社につくらせて、1週間に1回飲ませればずっと効果も出てくるという抗生物質が世にあるわけなので、何とか結核の方にもってくる工夫というか戦略というか、そういうふうにもっていけないかと私は考えておりますが、部会長いかがでしょうか。
○坂谷部会長 一言申し上げます。菅沼先生のおっしゃることは、聞きようによりましては、レボフロを一次薬に入れたらどうだと言えるような御発言なんですけれども、14ページの表1を見ていただいたらわかりますように、アメリカであろうがWHOであろうか世界的な基準としてはH、R、Z、Eの3剤ないし4剤を主に使うのが常識になっておりまして、効きますけれども、あくまでもレボフロは二次薬に属するものなんです。しかも、ごらんになったらわかりますように、その中で位置は決して高くないということであります。耐性菌に対しては使うことがありますけれども、勿論1剤目のメインの薬にはならないので、4剤目に入れるかどうかぐらいでありますが、ピラジナミド、EBに比べても弱いということで、5剤目にはならないと思います。
 ですから、事前の策として手持ちの武器には持っておくべきだと思いますけれども、最初からこれを入れるという話は出てこないのであります。そういうことであります。あくまでも耐性菌とわかったときに武器の1つとして使えるけれども、武器庫から出して先頭に使う薬ではないと臨床家は理解しております。そういうお薬であります。
○菅沼委員 わかりました。
○坂谷部会長 重藤先生それでよろしいですね。いかがですか。
○重藤委員 実をいいますと、効果のほどはかなり高い位置にあると考えております。勿論最初から使うということに関しては、最初からたくさん使えば使うほどやはりどこかで耐性率が高くなりやすいということもありますので、専門家の間でも最初に使うのがいいのかどうかという議論はあると思います。ただ、かなり強い武器であることはたしかだと思います。
○坂谷部会長 訂正が入りました。強い武器であることがわかりつつある。こういうことです。しかし、最初から使うものではない。日本でそういうことが行われる可能性がないことはないわけですけれども、今の世界的な状況としては、それを第一の武器として使っている地域はそんなに多くはないと思います。
○重藤委員 もう一つ補足していいですか。
○坂谷部会長 どうぞ。
○重藤委員 キノロン剤は結核にもどんどん使う、ほかの感染症にも使うという薬なわけです。本当に結核を抑えるために使うのであれば、ほかの疾患に広く使わないのが最も結核に対しては適切ということになります。リファンピシンがそうだったと思います。リファンピシンの適応症としてほぼ結核だけになったのはそういう意味で、製薬会社が結核の適応症を積極的に取りたがらないというのもその辺が多少関与していると思います。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 それから、合剤の話はどうでしょうか。諸外国では簡便性と確実に服用するために合剤を推奨しているところが多いですし、やっているんですが、日本の薬務行政では合剤をつくりましたら、それを一からまた治験しないといかぬということがあります。
○重藤委員 そうです。ですから、手間暇とか時間を考えますと、現実的には一包化でありますとかDOTSでそれを補完しているという現状だと思います。ある意味ヒューマンパワーの方で補完しているという現状だと思います。
○坂谷部会長 ほかの分野で、例えば高血圧のお薬であるとか糖尿病のお薬は今年から合剤がどんどん出てまいりまして、これは薬務行政で医療費の削減に役立つということが主だろうと私は思うんですけれども、そういう意味合いでいくと、抗結核薬の合剤というのはちょっと意味合いが違います。このことをこの指針に書くかどうかということは議論の余地があろうかと思います。
 それから、新薬のことに関しては、日本でも2剤ほど新しく開発が進んでいるものがありまして、トップではありませんけれども、有望な薬があるわけです。それに対して国内での使用量は少ないですけれども、インターナショナルをにらんでの開発は意義があることだろうと思うんですが、何かそういうものをサポートするような体制があってもよかろうかと個人的には思っております。インフルエンザのお薬でありますとか、ワクチンなどに関しても同じことでありまして、広く議論が行われつつある部分だと思います。結核だけでなく広く薬務行政の中で検討すべきことであろうと考えられております。
 この件につきましての時間はそろそろきているんですが、何か追加の御発言はございますか。川城先生、どうぞ。
○川城委員 今のお話の筋のとおりなんですけれども、我々が診療報酬請求をするときにコンプライアンスを非常に気にして、保健指導の方もかなりきつくきているんですが、現実と制度のずれにはずっと苦しんできているんです。特に感染症の世界では先生方が御存じのとおりで、一部見えているのがレボフロの話だと思うんですけれども、これはそういうコンプライアンスを守らせるという立場からも行政及び学会が積極的に保険適用に取り込んでいく努力をするべきだと思います。随分現場では苦しんでいます。結核審査会でもそうですし、病院の中でもそうですし、外来でもそうなんです。ですから、そういう現実があることを行政はよくわかっているんだから、学会を上手に指導されるとか、学会をお使いになるとか、内保連を使うとか、とにかくそこら辺を一致させてほしいと思います。学問的エビデンスはそろっているわけなんです。行政の遅れで現場が苦しんでいるということがいっぱいあると思います。その一部がここに見えていると思うので、是非それは書き込んでもらいたい。書き込むと少しはエネルギーになるのではないかと思います。
 もう一つは合剤のことなんだけれども、DOTSは皆さんが物すごく努力して、少しでも結核の発症を少なくしようと思っているわけですが、やはり難しいです。DOTSでは大変だと思います。ですから、合剤を使うということは救いの一手だと思うし、これも世界的には認められていることだと思うので、是非製薬業界を指導していただいて一歩先に行っていただきたいと思います。
 以上です。
○坂谷部会長 ありがとうございました。
 そのほかの方々はいかがですか。どうぞ。
○丹野委員 保健所の立場としましても、今、先生方がおっしゃったとおりで、是非レボフロキサシンを二次薬に入れていただきたい。INHとリファンピシン耐性というのは結構いて何を使うか。ツベルミンにするかとかいろいろ悩んでおりますので、是非その辺はお願いしたいと思っております。
 その他のところにつきましては、やはり研究という形でどんどん進めていただいて取り入れて、できるだけ短縮治療ができるような方法、耐性菌のことにつきましても、できるだけ早くわかるということでお願いできたらと思っております。
○坂谷部会長 ありがとうございました。
 まとめますと抗結核薬の確保の必要性については、指針に記載していくという方向性でよろしいかと思います。ただ、具体的にどこまで書くかということは事務局でよく御検討いただきたいと思います。
 それでは、次の視点の議論に移りたいと思います。2つ目と3つ目の視点につきましては、双方とも先の部会で既に議論されました今後の医療の在り方に関する視点でございます。まとめてその議論内容について確認を行いたいと思います。
 まず日本版のDOTSにおけるコホート検討会の実施状況につきまして、本日の永田参考人より説明をお願いいたします。
 今日のお二人の参考人は、パワーポイントを使いまして御説明をいただきますので、準備をいたします。よろしくお願いします。
 永田さん、よろしくお願いいたします。
○永田参考人 永田です。よろしくお願いいたします。
 こちらのものは既に示されています日本版DOTS戦略の戦略図です。この中にコホート検討会というものがきちんと定義づけられております。
 これは参考資料6の6ページに細かく書いてありますが、技術的な助言として、どのようにコホート検討会を実施していくのかということが示されております。これに沿って実際に保健所でどのようなやり方で行っているのかというところを報告したいと思います。
 まず初めに平成21年5月から10月に全国の保健所にDOTSアンケートを行いました。この中でコホート検討会の実施状況も踏まえておりましたので、簡単に全体の概略、更にコホート検討会について細かく御報告したいと思います。
 平成21年5月といいますと、ちょうど新型インフルエンザが出たころで、このアンケートは期間を長くとっておりますけれども、すごく振り回されながら、なかなか患者さんに会えない中で、平成20年のことについて答えてくれたものになります。
 同様のアンケートを平成16年に行っておりましたので、平成20年の4年間で比べたものです。地域DOTSそのものの実施状況としましては、37%から97.3%に増えましたが、コホート検討会は地域DOTSほどは増えておりませんでした。74.5%の実施率です。
 DOTSタイプはこのような形ということで、A、B、Cそれぞれどのように行っているのか、どのタイプを組み合わせているのかということを示したものです。先ほどから出ておりますが、週タイプ、月タイプ、月1回のタイプが多くを占めております。
 これは方法です。グリーンが電話です。Cタイプというと月単位なんですが、月単位になると電話の率が高くなる。しかし、月単位でも対面訪問は変わらず取り入れているという状況です。複数の方法です。
 服薬支援計画を立てるためのカンファレンスとして、DOTSカンファレンスがどの程度行われているのかということを見たものです。これは85.4%の保健所で行われておりましたが、外来治療中の患者さんについては31.8%のDOTSカンファレンスの実施状況です。地域連携パスについては、それでも5.2%の保健所で行われておりました。
 服薬支援者としてのDOTSパートナーは、調剤薬局でまだ計画しているという答えがすごく多かったので、どんどん増えてきて、水野先生の御報告にもありましたように、これを取り入れているところは増えております。
 ここからがコホート検討会の報告になります。改めてコホート検討会を実施していますかという問いでは、していると答えたところが74.5%でした。どの対象に行っているのかというところですが、約3割が全患者、一部患者と答えているところが塗抹陽性患者、治療中断失敗患者、その他地域DOTSを実施した患者という回答がございました。
 実施状況ですが、一番多かったのは年1回の実施です。これが45%ぐらいだったかと思います。年2〜3回、年4〜5回、年6回と回数も保健所によってさまざまです。
 実際にどのような様式を使っているかということにつきましては、今、国の登録者システムがありますので、そこからコホートの一覧表が出ます。その資料を用いて行っていると答えたところが42.5%でした。保健所独自の用紙を使っているところ、自治体で決めているところが重複しておりますが54.7%でした。
 効果的な検討会を行うためにも、国のシステムを活用していくことで入力情報も医療機関と共有できることから、このようなシステムを活用していく保健所が増えていると思います。
 次に実施内容について今年行った調査を加えて報告いたします。先ほどの地域DOTSアンケートでは、コホート検討会の実施が地域DOTS同様になかなか増えていないという課題が残されたこと、また担当者が異動で2〜3年おきにかわるということで、前年にされたコホート検討会でもどのように開催していいいかわからないという担当者の声を多く聞きました。
 そのために効果的な実施方法を明確にする必要があるということで、今年3月26日ワークショップを行いました。参加自治体及び今年6月、9月の保健師の研修に参加した162人に対して、実際の内容についてのアンケートを行いました。これからその2つを合わせた結果を報告いたします。
 わかったこととして、実施率が74.5%である。
 実施した回数ですが、年1回というところが45.6%であった。
 実施対象の7割が塗抹陽性患者であった。それも中断・失敗、対応困難事例でした。これは一番最初にお話した通知の中に示されている技術的な助言に基づいたとおりです。
 薬剤感受性検査、菌陰性化を確認する。
 実施回数や内容ですが、日常業務の情報チェックの機会として、1か月目、3か月目、4か月目または6か月ごとであったり、1年後であったり、治療を終了をする前であったり、これも自治体によってさまざまな時期が設定されておりました。
 約3割の保健所では、保健所の職員以外に診査協議会の委員、医療機関の職員として医師、看護師、薬剤師、医事課の職員、MSWの職員を加えているところもあり、中にはDOTS支援員が参加しており、DOTS支援員の研修の場として参加していると答えているところもありました。
 開催場所は保健所のほかに患者が多い医療機関でDOTSカンファレンスの後に実施しているなどの工夫もございました。
 具体的な内容になります。
 討議内容は毎月の菌検査結果、薬剤の種類、受療状況、副作用の有無、脱落事例、中断事例については症例検討会を通して社会的、医学的な問題についての討議が行われております。それに加えて、予防可能例の検討、接触者検診の在り方、DOTSの方法、タイプが妥当であったかどうかという検討がされておりました。
 どのように改善できたのかということについては、同様に菌検査の把握、医療機関が変わっても対応が必要であるというところに生かせた。事例を重ねたことで支援者の発掘につながった。結核病棟との連携につながった。副作用とか失敗事例などの困難な事例を学ぶことで、教訓として事前に対応できるようになった。月1回のDOTSカンファレンスと併せて実施し、菌所見や治療状況の評価を行う。情報漏れが減った。そういう御意見がありました。
 その他の意見としては、菌検査実施状況が医療機関によって偏りがあるという指摘があったり、痰が出ないからということで菌検査が未実施のままで終わってしまった。早期発見、早期治療につなげられるような健診体制を振り返るという意見もありましたし、高齢者の死亡事例が多いということで、早期発見対策の必要性が出たという意見がありました。また、チームメンバー間の情報交換になったという意見もございました。
 課題としてまとめたことは、先ほどの繰り返しになります。DOTSの評価事業としての位置づけですが、実施率が74%にとどまっていること。医療機関へのコホート分析の還元ができていない、また保健所からどのように還元してよいかわからないというところが多いです。医療機関との連携が不十分。定期的に開催されないということですが、これは治療成績の判定のみとなってしまい、さらなる検討に結び付けられなかったというところで定期的な開催がされていない。塗抹陽性者のみで中断事例がほかの菌陰性や潜在性結核感染症治療などの中断事例が検討会に報告されないなどが挙げられます。
 今後の展望としてまとめたことです。
 コホート検討会は単に治療経過や治療成績、菌検査の確認、個々の対応困難な事例検討にとどまらず、患者を1つの集団として見た場合の地域全体の服薬支援活動の評価、結核医療の問題や地域連携体制の在り方などの検討を含んだ実施を目指していく必要があります。
 DOTSカンファレンスとよく間違われますが、DOTSカンファレンスは個々の患者に対する取組みを検討するもので、これらの基になる患者の治療経過情報の収集や入力も保健所の重要な役割であるので、医療機関と連携して行うという位置づけでございます。
 日本版DOTS事業の精度保証のためにも医療機関と保健所が同じ方向を向いてDOTSカンファレンスやコホート検討会を実施していくことは必須です。地域DOTSを円滑に進めためにも技術的な方法を含めてマニュアルのような指針を取り入れた方が全国同じ方法で行えるのではないかと思い、そちらの方を現在検討しているところでございます。質の高い医療に連動した支援の提供を行うためにも、このような検討会を行うことは大変重要と考えております。
 以上です。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 質疑に関しましては、続いて、院内DOTSに関する資料の説明を一通り聞きました後にまとめて行いたいと思います。
 それでは、院内DOTSに関する資料について、まず事務局の水野さんからよろしくお願いします。
○水野補佐 資料1の29ページをごらんください。「院内DOTS実施率について」の資料でございます。これは厚生労働省より結核病床を持つ医療機関に対してアンケート調査を行ったものです。
 DOTS体制に関する実態調査ということで、2005年と2007年に行っております。院内DOTSを実施しているかどうかということに関しては、2005年に75.1%の医療機関が行っている。2007年には87.2%と改善が見られたという結果になっております。
 また、前回の結核部会でも御提示しました資料でございますけれども、自治体アンケートからの院内DOTS実施率の資料が次の表でございます。100%の結核病床を持つ医療機関で院内DOTSを実施していたという自治体数が21という結果でございました。反対に13自治体では100%の医療機関がやっていたわけではないという結果も出ております。
 以上です。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 院内DOTSについては日本結核病学会からガイドラインが出ておりますので、それにつきまして、引き続き永田参考人から説明をお願いいたします。
○永田参考人 それでは、こちらの院内DOTSガイドラインについて簡単に説明いたします。
○坂谷部会長 資料の30ページですね。
○永田参考人 資料は30ページです。
 これができたきっかけは、平成12年に大都市における結核の治癒率向上(DOTS)事業について通知が出されたことで、院内DOTSが随分進んだことがあげられます。このようなガイドラインがなかったので、さまざまな方法で取り組まれていたこと、またアンケートを行った結果、様々な方法で行われていることが質的な問題につながるという指摘があったことから、このようなガイドラインの必要性が出されて作成されました。
 目的のところですが、規則的な服薬の重要性を理解し習慣づける。更に退院後の治療でも規則的な服薬を継続できるようにするために、入院中から病院と保健所が連携してDOTSカンファレンスを定期的に開催しながら、治療終了まで一貫した支援を行うことを目的とするというところを明確にしております。
 ここで大きく出されたのが7つの基本姿勢です。DOTS戦略の5要素を参考にして、院内の合意形成を図る、確実な結核の診断に基づく治療方針の明確化、患者の十分な説明、医療従事者による確実な服薬の確認、保健所との連携、コホート分析による治療成績の評価、国及び地方自治体の強力な関与という7つの基本姿勢を明確にしたこと及び準備として院内DOTSの手引、マニュアルを作成することになったので、これを基に院内DOTSを行うための医療機関でのマニュアルがきちんと作成されようになりました。
 実際にDOTSカンファレンスのここに書かれておりますので、これを基にDOTSカンファレンスを開催しているところがあります。特にこの中でメインとなったのは、Q&Aを設けるというところで、患者さんにどのように説明していいかわからないという疑問をQ&Aで明確にしたところです。
 ただ、これは平成16年につくられていて、更に5年が経過していること、平成19年4月から感染症法の53条の14項、15項におきまして、薬剤の確実な服用のための指導や指示が保健所長ないし医師の責務としてその中にも含まれていること、更に平成21年2月に結核医療の基準が新しくなり、医療機関と保健所の連携の下に策定された服薬支援計画に基づく患者指導及び質の高いDOTSの実施が推奨されたことなどを踏まえて、改正を行うこととして、今、作業が進んでおります。その中に高齢者への施設の受け入れが悪いとか、結核の治療中であれば療養型の病院に移れないというところがありますので、その辺りもQ&Aに含めて、現在改定が進んでいるところです。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 院内DOTSのガイドラインがございます。実態については、先ほどの水野さんからの御説明の29ページに実施率についての数字がございますが、実態につきましては、まだ把握されていないということがございまして、現在、評価のための研究班による調査が行われてございます。
 加藤委員より、その調査につきまして御説明をいただきます。資料は36ページからです。
○加藤委員 これは、今、永田参考人からも御説明があったとおり、日本版DOTSの中で院内DOTSの重要性が言われているわけですけれども、実際は調査にあるとおり、実施のやり方もばらつきがあるということです。
 もう一つ、入院病床の確保の議論の中でもあったように、診療報酬上の取扱いを適切にして病床の確保の問題が解決されるように、院内DOTS自体をもう少しきちっとやるためには、評価して、ある程度診療報酬をつけていただくことか必要だろうということで、実施を検討している調査であります。
 この厚生科学研究の中で3つのアームがございます。
 研究?Tとして、実際に院内DOTSをやった場合どのぐらい業務量がかかるか。実際に業務量がかかったものに対して、成果がどのぐらいちゃんと出てくるのかといったことを明らかにしようということです。
 研究?Uとしているのは、研究?Tとの関係も含めて結果として患者さんがどのぐらい服薬の重要性について理解、あるいは医療機関で受けている院内DOTSに対して満足度があるかということを調べるということです。研究?Tの方は業務量なんですけれども、研究?Uではそれとともにサービスの質も含めた上で相関を見るものです。
 研究?Vとしては、病院が行っている地域連携パスについて、先進的なことについてもう少し評価をしようということであります。
 37ページにいきまして、研究?Tとしては、院内DOTSを実施している、病床を持っているところにお願いしまして、院内DOTSに関わるすべての職種がどのぐらいそれに関わっているか。その頻度を見て、なおかつそれぞれの業務の平均的な時間を算出してもらって、おおむねの業務量を把握しようということです。その際、医療機関それぞれの入院患者の特性によって違ってきますから、その情報も得ながら比較しようということです。
 38ページにいって実施状況についてです。今、申し上げてしまいましたけれども、業務に係る平均的時間の調査とそれぞれの業務の頻度、質的内容、患者教育、服薬確認のやり方、医療機関の連携等についての評価をして、これらの相関を分析するということです。
 患者満足度については39ページですけれども、研究?Tよりももう少し範囲を広げた医療機関について実施する予定ですが、退院時に患者さんにアンケートをお願いして、院内DOTSによって服薬の必要性について理解が深まったか、あるいはその説明等々についてどのように満足したかということをアンケート調査しようというものであります。
 41ページは地域連携と先進的活動の評価ということで、ここはまだ検討中ですので、予定ということです。
 これは重藤委員の参考資料4、参考資料5の中に和歌山と広島のことが入っていますけれども、東京の多摩地区でも地域連携パスをやっていますので、そういう地域で先進的活動が実際にどういうふうに役立っているか。例えば入院短縮に役立っているとか、あるいは治療設備とか地域自体の結核医療の質の変化、従事している方の意識の変化に役立っているのではないだろうかといったことを成果として証明することができれば望ましいということで、今、実施検討中ということになります。
 
 以上であります。
○坂谷部会長 ありがとうございました。
 DOTSが進んでまいりまして、院内DOTSの実施率も高うございますし、地域DOTSに関しましても保健所さんに頑張っていただいているということはたしかだと思います。
 しかし、コホート検討会のところで御発表がありましたように、医療機関、保健所、社会福祉施設、他の施設の連携体制というものがまだまだ不十分かと思われます。DOTSの質を向上させ、個別的な患者支援を行っていくための医療機関、保健所、社会福祉施設等を結ぶ地域連携体制のさらなる強化をどのように促進していくか。これが2つ目の視点です。
 3つ目は、治療完遂のための患者教育の視点から医療機関における院内DOTSをやられていることはたしかですけれども、その実態がよくわからない。着実な実施が重要であるけれども、実施率と質の向上を一層図っていくことが必要であろう。これは3つ目の視点です。
 これにつきましても、事務局から説明がありましたように、先の部会において今後の医療の在り方について議論された内容が対応策として示されておりますけれども、このとおりでよろしいでしょうか。追加すべことや進捗状況などについて何かお気づきの点はありますでしょうか。
 加藤先生から説明のありました医療機関等における包括的結核患者支援の評価に関する研究につきまして、御質問または御意見がありますでしょうか。委員の方々から意見を求めます。
 各組織が頑張っているけれども、その間のつながり、連携がまだ不十分であろう。そういうところに問題点がありますが、いかがでしょうか。
 川城委員、どうぞ。
○川城委員 日本でDOTSを導入するときに、当時私は結核病床のある病院にいたもので、どういうふうに院内で旗を振るかということで苦労しました。先生方皆さん苦労したと思います。先生方は御存じだと思いますが、当時、医者の中にはそんなことをやって人権侵害だという意見もあって、その中でDOTSをやることが必要なんだという話を院内で旗を振ったわけなんですけれども、そのときの材料は何であったかというと、思いだしたんですが、DOTSをやると確かに病気の発症率が下がるんだというニューヨークか何かのデータだったと思うんですが、それを使いながら院内で勉強会をやって、看護師や医者などの意思を統一してやってきたわけなんだけれども、今、更にDOTSを推進しようというときに、私が是非お願いしたいのは、だれが見てもわかるような効果のデータをつくって、全国視野でやってほしいと思います。難しい要求かもしれないけれども、つくっていく努力を統合的にしていく必要があると思います。
 例えば私の経験でいうと、在宅酸素療法の導入のときにもそうだったんです。在宅酸素療法というのはああいうふうにして24時間酸素を吸うことが呼吸不全の患者さんの生命予後にどういうふうに役立つかといことを厚労省の研究班でやって、あるときからはそういうことはできないぐらい倫理的な意味の明確なデータが出たんです。明らかにやればいいということがわかったということで、以降こういう研究はできないという状況にまでなった経験があるんです。ですから、そういう意味でDOTSもそうだと思います。是非そういう仕組みをつくっていただいて、データを蓄積して、DOTSはいいんだということを患者さんにもわかっていただくための材料が必要だと思うので、是非お願いしたいと思います。
 もう一つは、前回のときにも申し上げたんですが、退院基準もそうだったんです。退院を早めるというのは、いろんな意味でプラスがあることがわかりますけれども、それが国民的視野からあるいは患者さんの目から見てプラスだというデータを蓄積しながら、そういう制度を始めるべきだと思います。退院基準のことはさておいても、DOTSに関してはお願いしたいと思うし、コホートもそうだと思います。コホートのあれがなかなか普及しないと思うんですけれども、あれもだれが見てもやればいいんだということがわかるようなものをつくって、それで旗を振っていく。データを蓄積する仕組みを構築してもらいたいと思います。
 以上です。
○坂谷部会長 ありがとうございます。貴重な御意見をいただきました。
 ほかの委員の方々はいかがでしょうか。
 医療技術の進歩といいますか、新しい技術を取り入れた評価というのは割と簡単に、余り連携プレーをしなくても評価をすることができるんですけれども、制度を改革したときにそれがどのような効果を出したかというのは、検証と評価ですが、なかなか難しいです。だけれども、やっていかないといけない。こういうことだと思います。
 それから、川城先生がいみじくもおっしゃったように、DOTS導入のときに患者の人権というか、インテリジェンスの高い患者さんにもそういうことをしなければいかぬのかという議論があって、なかなか取り入れが困難であったような時期があったはのたしかであります。
 前回議論しましたように、入院勧告に応じない患者の強制収容に関しても、やはり人権問題がちらちらするわけでして、今日は御欠席ですけれども、高橋委員の御意見を是非とも求めたいと思いました。そういう問題もございます。
 とにかく今後の結核医療の在り方に関する検討事項に沿いまして、地区別の講習会などでの啓発、院内DOTSや地域連携パスに関すること、これはお金と人員の要ることですから、診療報酬への働きかけも進めていただきたいと思います。お金のことも大事であるということだと思います。
 こちらでまとめてしまいましたけれども、この部分につきまして、そのほかに何か御意見はございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは「第三、医療の提供」の「三 その他、結核に係る医療の提供のための体制」、資料2についての議論に移りたいと思います。
 1つ目の視点、結核の診断の遅れに対して何らかの方策を明示することが必要かという議論に入りたいと思います。関連する資料の説明ですが、またパワーポイントを使っていただいて、久保参考人から資料提供をお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。
○久保参考人 千葉県市川保健所の久保と申します。簡単に説明させていただきます。
 DOTS戦略ということで、早期治療ということになっているんですけれども、この間に早期診断、早期受診ということを併せて、診断から治療まで輪のような形で患者さんのためになっていけばということでやっています。
 実際に医療機関で結核の患者さんを見たドクターが少なくなっているというのが1つの問題としてあると考えております。
 その中で特に高齢者の問題です。高齢者は実際に既感染者、罹患率が高いということで、65歳以上で診断の遅れが多いということがあります。75歳から84歳の有症状肺結核で1か月以上の診断の遅れが21.9%あったということ、実際の治療でも結核死亡の患者さんが多い。あと、施設入所者が多い。施設入所者の場合は二重の結核のリスク、高齢と施設に入っているということです。入院患者さんの場合も同じかと思います。
 この中で千葉県の安房保健所、市川保健所、船橋保健所の3つの地域で簡単なモデル事業に取り組んでおりますので、その説明をさせていただきたいと思っております。
 安房保健所は千葉県の南部にあるんですけれども、そこでは長期療養施設さんに入っている方を対象にして、どうやって結核を早期に発見するのか。現在、市川、船橋地区においては高齢者全体においてどうやって早期に結核の患者さんを見つけるのか。高齢者の取組みが全部できましたら、成人までできるのではないかと考えております。
 具体的な医療機関さんの役割分担を明確にしましょう。一般医療機関さんの場合はとにかく結核を疑ってください。少しでも結核を疑ったら専門医療機関さんに早期に結核の診断をお願いしてください。そして、入院医療機関さんがあるという単純な組み合わせです。
 早期診断のための流れですが、具体的には、今、言ったような形で進ませていただけたらと思っております。
 2つの地域、左側に高齢者施設、安房保健所、右側に高齢者全体ということで市川、船橋地区がございます。これは来年1月から実際にやっていこうと思っています。
 左側の高齢者施設は、施設、協力病院、専門医療機関、入院医療機関、この4つの流れがあります。
 右側の方は、一般の外来患者さんを考えていただければいいと思います。患者さんが一般医療機関を受けて、専門医療機関、入院医療機関という流れがあります。
 具体的にやる場合は、結核を疑う基準というものを明示して、それに対してどういう取組みをすればいいかということを考えました。
 結核を疑う基準をつくるに当たって、1つ米国の成人肺結核の検査ガイドラインというものがあります。これは1〜5が明示されているんですけれども、米国の場合ですと、結核リスクがありという中に高齢者というものは含まれていませんが、日本の場合、高齢者が結核リスクありになりますので、この中から結核リスクありというものをとっていくと、この形になります。
 3つになります。説明のつかない呼吸器症状が2〜3週間ある。
 市中肺炎の治療(7日間)で改善しない。
 偶然撮った胸部X線写真で結核が疑われる場合、症状は軽微か無症状。
 結核医療をやっていただく方には極めて当たり前のことだと思います。当たり前のことを地域の中でシステム化するというのが今回の取組みになります。
 長期療養施設のモデルということで、安房保健所です。これは千葉県の南部でやっております。
 こちらは大体2,000人の方がなくなって、1,000人しか生まれないという高齢化率が30%を超すところです。
 結核罹患率も高齢者が多いので、日本の平均よりも高くなっております。
 この中で実際に長期療養施設、介護老人保健施設と特別養護老人ホーム、養護老人ホームを合わせて、100人に1人以上の人が実際にこういう3つの施設に入っております。うちは保健所なものですから、残念ながら有料老人ホームまでここに加えることはできていません。
 長期療養施設さんで役割分担は何か。長期療養施設さんには2つのことをお願いしています。入所時のチェックです。当然高齢者と長期療養施設で2つのリスクがあるんですけれども、それ以外に結核のリスクがありますかということを把握してください。あと、日々の健康管理をシステムとしてちゃんとやってください。
 少しでも疑いがあったら、協力医療機関さんに紹介してください。ここで早期受診の仕組みをつくろうと思っています。協力医療機関さんでは結核を疑ってください。
 検査してわからなかったら、すぐに専門医療機関さんに相談してください。相談医療機関さんもここという形を明示しています。
 入所者の結核のリスクの把握というのは、当然結核の既往があるかどうか、合併症があるかどうか、ステロイドなどの服用を見ています。
 先ほど言った日々の健康観察に関しては、全職員の方が少なくとも3か月に一度は朝の朝礼を使ってでもいいですし、どういう形でもいいので、施設の管理者がちゃんとこういうことに注意してくださいということを繰り返しやってください。
 具体的な健康観察のポイントは、まず全体の印象です。普段とどこか違うところはないかどうか。全身症状、発熱、体重減少などです。呼吸器症状としては、せき、痰が入ってきます。こういうことがあったら看護師さんなどにすぐに相談してくださいということです。
 これが実際に使っている結核の健康チェックリストです。チェックリストのところに結核の既往とか何か書いてあります。
 これを拡大したものがこちらにあります。結核の既往なども書いてあります。
 右上の方に結核以外のインフルエンザとか肺炎球菌、呼吸器関連の感染症を全部リスク管理ができるような形で示してあります。
 あと、高齢者の方だと胸部レントゲン写真にいろんなことがありますので、比較読影用の胸部レントゲンも最終の時点で確保しましょうということになっております。
 こちらが日々の健康観察のポイントです。これはどこにはっていただいているかというと、特別養護老人ホームさんなどに聞いたら、全身状態が見えるということでお風呂場にはるのがいいのではないかということで、お風呂場にはってあります。お風呂場に入って、全体の印象はどうなのか、あるいは全身症状はどうなのか、呼吸器の症状はどうなのかということを介護職員の方にも見ていただいております。
 これは拡大したものです。
 先ほど言ったように、3か月間に1回は全員に伝えてください。
 具体的な病院名も書いてあります。
 高齢者長期療養施設さんの協力病院は、結核を疑い、検査。
 診断を行う専門医療機関としては、呼吸器内科系あるいは感染症の医師がいるところになります。安房地区の場合は亀田総合病院さんと安房地域医療センターさんです。
 治療を行う医療機関さんももう決めています。こちらの方は結核のモデル病床がある亀田総合病院さんが塗抹陽性の患者さんの場合は全部引き受ける。結核病棟がないんですけれども、モデル病床さんとして地域の患者さんを引き受けています。塗抹陰性の方は安房地域の医療センター、南房総市富山国保病院です。
 治療するところも全部決めての診断の体制になっています。
 安房地域においては、実際に先ほど言った3項目だけでどの程度の結核の患者さんが調べられるかということを調べたんですけれども、先ほど言った3項目が全部そろっている人が3つ、2つそろっている人が2つ、1項目だけの人が1つで、少なくともあの診断基準だけで60%の方は把握できるということになります。それ以外の方はせきとか痰など症状がある方がほとんどです。
 発症から診断までの時間なんですけれども、これは65歳以上の方全部です。だから、施設入所者以外も含まれています。ここで問題になるのは、右のカラムになります。説明のつかない呼吸器症状が2〜3週間あって、1か月以内に診断がついているのが80%。市中肺炎の治療で7日間改善しない場合でも80%が1か月未満の診断になっています。そうすると、大体20%の方が診察から診断まで1か月以上時間がかかっていることになります。
 保健所の役割としては、医師会・専門病院の調整、長期療養施設さんの調整です。関係者を集めた会議、長期療養施設さんから実際に何件病院に紹介しましたかということが全部上がってきます。あと、協力病院さんや長期療養施設さんの職員の方への研修が役割になってくると思っております。
 これから長期療養施設ではない高齢者全体のモデルということで、今、市川保健所と船橋市保健所が取り組んでおります。
 高齢化率は千葉県内では若い部分になっております。高齢化率は16.7%、全人口にすると120万です。その高齢者の肺結核を早く診断するという取組みを始めようと思っています。
 一般医療機関さんの役割分担としては、結核を疑いましょう。結核を疑う基準は先ほど明示した形で、少なくともその1項目に当たるような患者さんは検査をしてください。診察・検査で迷ったら専門医療機関さんへ、具体的な専門医療機関さんも決めています。こことここの専門医療機関さんを紹介できる、協力してくださるところが明確になっていますので、迷ったらそういうところに紹介してくださいということで明示します。
 あと、入院医療機関さんは決まっていますので、そちらの方へということで、診断の流れを地域の医師会さんと協力して明確にしようという取組みになります。
 ここでの保健所の役割は、医師会・中核医療機関さんの調整。
 結核の発生届けから診断の状況を確実に解析していく。どういう点で診断が遅れているのかということを把握していきましょうということになっています。
 診断の遅延があった医療機関さんには、地域でこういう取組みをやっていますので御協力くださいということです。来年1月から開始する予定なんですけれども、最初の1年、2年はこういうことをやっていますから協力くださいという形で、すべての医療機関への啓発事業になると思っております。
 地域連携を深める医療機関を集めた会議です。研修会、症例検討会を含めたことを行っていくのが保健所の役割だと思っています。
 今後の課題としては、事業評価をどうやって行っていくのか。結核を疑う基準、地域連携等に改善点はないのか。
 事業の継続性です。モデル事業として始めているんですけれども、このモデル事業を確実に地域に根差して、対応できるようなシステムができるか。
 あと、県内全域に広げることができるかということです。これは千葉県の疾病対策課あるいはちば県民保健予防財団さんと協力しているんですけれども、成功したらできるだけ千葉県全体に広げたいということでやっています。
 これは高齢者だけに限定した形でやっているんですけれども、基本的には同じ仕組みで成人結核全体に広げられると考えていますので、成人結核全体に広げる取組みをどういうふうにしていったらいいのかというのが今後の課題かと思っております。
 以上になります。どうもあります。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいま御説明がありましたことについての質疑応答、または1つ目の視点に関する御意見をお願いいたしたいと思います。
 どうぞ。
○加藤委員 大きな目で見ると、結核率がだんだん下がっていく中で、どうやって医療機関の意識を保つかというのは非常に大きな課題ですので、今、久保参考人のお話にあったとおり、地域としての取組みをシステム化していって、更に評価するというのは非常に大事なことだと思います。ヨーロッパの視察をしていますけれども、下がれば下がるほど医療機関の意識が下がってくるというのは言わば必然的な部分がありますので、継続的なこのような努力が大事になってくるだろうと思っています。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 ハイリスクグループである施設をターゲットにしますと、全例が把握できるわけです。ですけれども、一般医療機関を巻き込んだ話の場合には市民の受診の遅れが1つ残ると思います。だから、医療機関へ来られた人に対してこれでいいと思います。ですけれども、市民へのアピールというか、こういうことがあれば受診しなさい、御自身で結核を疑ってという活動は何かされていますか。
○久保参考人 それに関してはまだ具体的な活動をしていないんですけれども、高齢者の場合はほとんどの方にかかりつけ医さんがいらっしゃいますので、かかりつけ医さんにこういう事項を理解していただくと、受診の遅れが同時になくなるのではないかと考えています。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 それから、御自身ではおっしゃりにくかったと思うんですけれども、やはり保健所のリーダーシップが大事だと思います。だから、みんな問題があることは知っているんですけれども、どこが中心になって事業をやっていくかということで、保健所さんが中心になって、自覚を持たれて自ら中心になってこういうことを始められたというのが大事だと思います。
 ほかの方々から御意見はないでしょうか。川城委員、どうぞ。
○川城委員 すばらしいと思います。本当に頑張ってやっていただきたいと思います。
 1つは部会長が言ったように、高齢者で施設へ入っていない方々はどうやって早期発見をするか。長い間の課題ですけれども、そこの取組みが必要だと思います。
 もう一つ質問なんだけれども、安房でやっている高齢者施設のチェックリストは入所したときにやるチェックリストですね。
○久保参考人 そうです。入所したときです。
○川城委員 私が質問だと思ったのは、あれは入所したときですが、日々の中であれよりも相当サイズは小さくなると思いますけれども、不明な発熱がないかとか、長引くせきがないかとか、喀痰が出ているのではないかというチェックは毎日するように高齢者施設の職員の方々にお願いするんでしょうか。そういう質問表もおつくりになるんでしょうか。
○久保参考人 それは先ほどお風呂場にはってあったという日々の健康観察のポイントというものになります。それに関しては、少なくともお風呂に週2回は入りますので、週2回は確実に、できれば毎日介護の職員の方に見てくださいという形でやっております。
○川城委員 私の経験上、はってあるだけだとそれは当たり前で、景色になってしまいます。そういうことが私の今までのいろんな組織での経験なので、毎日職員の方がお年寄りに会うときに大丈夫だと思うようなきっかけをつくって差し上げるといいと思いました。
○坂谷部会長 私から個人的になんですが、費用の点で問題があろうかと思いますけれども、7日間一般肺炎として治療したけれども、改善の見られない症例では疑うべきだということになっていますが、最初から呼吸器の感染症がありますときには結核菌の検査も必ず初診のときに入れるということを個人的にやっています。それは一般的に言うと問題がありますか、7日間待たなくても、最初からやってあれば少なくとも結核菌が塗抹で陽性か陰性かはわかります。
 そういう方法もあろうかと思うんですけれども、重藤先生、問題ありますか。
○重藤委員 問題というわけではないんですけれども、やはり地域連携という観点からはそういう情報提供をいつどのような形でしておくかというのが問題だと思います。
 私の行いました地域連携というのは治療継続のためなんですけれども、発見の段階でどのようにタイムリーに情報提供するかというのが一番問題になるわけで、それに関してはかなり努力をされているわけですが、かなりエネルギーが要るのではないかと思います。
○坂谷部会長 そうですね。
○重藤委員 やろうと思ってエネルギーを出して始められたわけです。
○坂谷部会長 先ほど言いましたように、リーダーシップをとってやるという意欲の問題があります。
 ほかにいかがでしょうか。
 2〜3人の方々ですけれども、ただいまの御意見につきましては、事務局でまとめていただければよろしいかと思います。
 それでは、2つ目の視点に移りたいと思います。結核菌検査の精度管理につきまして、外部機関による精度管理体制の構築をどのように行うか具体的に示すことが必要であるかどうか。これにつきましての資料の説明をお願いします。御手洗先生のペーパーでありますが、加藤委員から報告を願いします。
○加藤委員 資料2の20ページの説明をさせていただきます。
 下ですけれども、薬剤耐性状況の推移の把握自体がなぜ必要かということですが、1つは薬剤耐性の現状把握は標準治療法の設定のために必要ですし、耐性の予防や研究、または公衆衛生上の一般の人も含めて、医療従事者も含めて意識の亢進のために必要だということであります。
 薬剤耐性の推移を把握することは、結核対策がうまくいっているか。DOTSがちゃんと行われて、適切な治療が行われると薬剤耐性は起こらないわけですから、そういう対策の評価のためと、新薬開発の情報提供のために必要ということです。
 右の上にいきまして、薬剤耐性サーベイランスがございます。サーベイランスという言葉は常時監視という意味で、下の方のサーベイという言葉に対して定期的に常時監視ということを言っています。全国的な把握のためには常時監視が必要なんですが、そのやり方として考えられるのは、1つは病院や検査センターのデータを集める手法があります。現行患者登録システムの中でも耐性検査の情報を集めていますけれども、データの把握が十分でないといった問題もあります。
 もう一つはずっと行われてきたことですけれども、5年に一遍結核予防研究協議会がデータを収集しています。いずれにしても、このデータ自体の精度保証というのは非常に大事ですけれども、日本は外部精度ではなくて内部精度管理しか実施されていないということです。
 実際の薬剤感受性検査の把握の方法と精度という点からいいますと、21ページの左の下ですけれども、病院を使った調査があるんですが、協力してくださる12施設さんは薬剤耐性について意識の高い病院ということで、耐性の患者さんが集まりやすい性格になっているということです。
 右側にあります療研調査は、全国調査に比べデータが高く出てしまうという問題があります。療研の方はすべてを結核研究所で実施していますから、精度は保証されていますけれども、5年に一度しか実施できないといった問題があります。
 22ページにいきまして、日本の外部精度の評価はどうかということで、これは結核病学会の抗酸菌検査法検討委員会ということで、医療機関、検査センター等々の参加の下で研究を実施していますから、比較的意識の高いはずのところなんですが、それでも残念ながらWHOの基準を適用すると、全体の50〜70%ぐらいしか精度管理の合格点に達していないといった問題があります。
 下にいきまして、精度を保証するためには内部精度管理だけではなくて、やはり外部精度管理を導入して客観的な評価をして、更に外部精度管理の結果を現場がちゃんと生かしていく。そのためにはそれなりの縛りをかける必要があるということになります。
 アメリカではこの精度管理に合格しないと保険支払いがされないといったことになっていますし、そういう意味では外部精度管理を受けないと検査を実施できないといった形である程度縛りがかかっているわけです。
 今後のシステムをどうしていくかということを23ページの上に書かれております。
 実際に実施しているのは病院あるいは検査センターですけれども、管理の仕方の方法としてクロスチェック、お互いの標本を見るという方法です。パネルテストというのはセンターから評価のための標本を送って、それをやってもらって合格点に達しているかという方法がるわけです。これをちゃんとやるには、レファレンス機関、それを評価する機関をどうするにするかといった問題があります。実際にこれをちゃんとやるには、検査機関を制限するといったことも考えなければいけない課題になってきます。
 具体的な案として、現在やっているすべてのものを医療機関あるいは検査センターをそのままやるということを考えてみますと、既に全国的にカバーされていますから、検査の実施上はいいんですけれども、検査機関がかなり多いですから、私ども結核研究所は、今、結核菌に対するReference Laboratoryということで、こういう精度管理についても役割を担っていると思っていますけれども、人的な問題が容易ではないという関係が生じます。
 また、精度管理をしたんだけれども、やりっ放しになるという懸念もありますので、結果に応じて是正されるため何らかの縛りをかけていく必要があるだろうということであります。
 更にサーベイランスとしてデータを集めるのは困難です。実際データにするためには未治療が既治療かといったことのデータをちゃんと把握しないといけないんです。これはなかなか難しいといった問題があります。
 24ページにいきまして、2案として、地衛研を精度管理のレファランスセンターとするかどうかということで、これは各地域に分散していますから、ある程度やりやすい部分もあります。末端もカバーしやすい。データとしても集めやすいということはあるんですけれども、現在、地方衛生研究所のスタッフの数でちゃんとできるかというと、地衛研自体として結核菌を扱っているのは全体の6割ぐらいしかないものですから、そこら辺の機能として明確にしなければいけない。そういったネットワークの再構成も必要といった問題があります。
 3案として、ある程度実施できるセンターを集約していくといった考えもあります。実は民間のセンターは大手でも専門機関に委託されていますから、集約化が進んでいます。サーベイランスのデータとしては数が減ると集約しやすいんですけれども、問題としてはネットワークの再構成が必要ということです。
 検査が集約される施設については、ある程度の検体数が集まりますから、強化しなければいけない。
 検体の輸送システムということも考えなければいけませんし、ここでもやはり精度管理と改善ついての問題があります。
 実際、民間等の検査センターの場合は臨床のデータが添付されていないといったこともありますので、ここら辺を勘案しながらシステムをどうやってつくっていくかという課題があるという現状であります。
 以上です。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 適正な薬の使い方をするためには、患者から得られた菌の薬剤感受性検査をきちっとやる必要がある。精度保証が必要である。各施設がやるわけですけれども、内部の精度管理が日本で行われているんですが、22ページの上に書かれていますように、世界的な基準ではちょっと低いのではなかろうか。やはり外部精度管理が必要であろう。中央で一括して、本社が営業所を管轄するというやり方と、中間に支店を置いて、支店が営業所に関しては責任を持つやり方という御提案があったわけですけれども、それぞれ問題があるということだと思います。
 ただいまの資料及び2つ目の視点、結核菌検査の精度管理について、外部機関による精度管理体制の構築をどのように行うか具体的に示すことが必要であるかどうかにつきまして、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。
 今まで議論してまいりましたから、加藤先生の今日の御説明を踏まえまして、精度管理体制の構築につきましては、役割の重要性について相互理解の下各関係機関が協調して進めていっていただきたいとまとめることができるかと思います。何らかの改変、もう少し密接な協調が必要だと思われます。
 最後の視点に入りたいと思います。3つ目の視点でございます。地域医療連携ネットワークの構築について、都道府県等が具体的にどのように進めていくかを示すことが必要かどうかについてであります。特に資料はございませんけれども、水野さんからこの議論の背景について御説明を願います。
○水野補佐 この視点につきましては、今後の結核医療の在り方についての議論の中で示された内容でございますので、参考資料3をごらんください。これは第13回から第15回の結核部会での今後の医療の在り方の議論をまとめたものでございます。
 こちらの6ページの医療提供体制モデルの(案)の図をごらんいただくといいかと思います。ここに地域連携ネットワークとございます。地域医療連携ネットワーク体制については、都道府県単位で拠点病院を中心として、都道府県の各地の実情に応じた地域医療連携ネットワーク体制を整備していくことが重要ではないかという議論になっておりました。
 地域連携体制の強化について具体的に議論の中でお話が出ておりまして、地域連携体制の強化に当たっては、DOTSカンファレンスやコホート検討会に幅広い関係者の参加を求め、継続的な連携をとっていくこと、また地域連携パスを治療完了の確認ツールとして用いるだけではなく、ネットワーク形成の1つのツールとして活用していくことが重要と考えられるという議論がこの概要にもまとめられております。
 このような背景の中、都道府県が先進的にどのように行っているかという事例が参考資料4と参考資料5でございまして、広島県の取組みと和歌山県の取組みを付けております。地域連携パスの使用事例と、和歌山県においても手帳型の地域連携パスの使用事例となっております。具体的に都道府県がどのように進めていくか、示すことが必要かという視点を考えるに当たりまして、参照していただければと思います。
 以上です。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 今の参考資料3の6ページの上に図が出てきておりますが、昔、日本全国で蔓延していたときには自治体による差というのはなかったんですけれども、最近のように数が減ってきて、自治体による独自性があるような時期になっておりますけれども、総合的に見るとこの図がモデルになろうかと考えられるわけです。
 この視点につきましては、これまで議論を重ねてきておりますけれども、御意見はいかがでしょうか。特に今日御参加の久保参考人、永田参考人におきましては、御意見がおありかと思います。自由に御発言を願います。
 永田参考人、どうぞ。
○永田参考人 研修等でたくさんのところから実際に取り組まれた報告も聞きまして、うまくいかなかった例もありますし、逆にうまくいった例もあります。皆様の御意見もたくさんあるかと思いますが、幾つか地域医療連携ネットワークを構築する上で、こういうことは大事ではないかと思うところを2〜3つ御説明したいと思います。
 1つは、広島の重藤委員からもお話がありました医師会との連携というのはとても大事だと思います。医師会をきちんと巻き込めたところと巻き込めていないところではうまく進まないところがあったかと思いますので、医師会を巻き込む。ただ、巻き込むときにもともと結核以外の連携があったのか、なかったのか。結核以外で何も連携がないところではいきなり結核の連携というのは難しいと思いますので、何らかの連携の基盤があるところとないところでは、またやり方が違うのでないかということを感じております。
 2つめ、それはだれのための連携なのか。保健所のために連携しているということが表に出ると、これはうまくいかないと思うので、患者さんのためになる、結核患者さんにとってもそのことがすごくプラスになるということがきちんと伝わっていないとすべての連携がうまくいかないというところが1つのポイントかと思います。
 3つめ、保健所のコーディネーターの力がすごく大きいのではないかと思います。連携をして薬局に任せてしまえばいいとか、一般の医療機関に任せてしまえばいいというものではないので、やるときに保健所の姿勢と責任をどこまできちんと明確にできるのか。結核の治療と支援を行う上で、保健所がどこまでやっているのかということをきちんと伝えるという意味では、DOTSカンファレンスやコホート検討会に参加してもらったり、またそのことで支援者を育成することにつながります。保健所のコーディネーター力はすごく大事なものになるのではないかと思っております。
○坂谷部会長 3つのポイントを要領よくおっしゃっていただきました。あり難い話です。
 久保参考人いかがですか。
○久保参考人 ありがとうございます。保健所という立場から地域連携を考えた場合、保健所は比較的結核に関しては地域連携がやりやすい立場にあると思います。要するに、保健所が結核を頑張りますという言い方をすると、地域の医療機関さんなども非常にわかりやすいのでスムーズに入っていただける。あと、できるだけわかりやすいスキームで医師会さんなどに説明すると、今回の私どもがやっている診断に関する医療連携も、大体医師会の会長さんなどに説明すると、5分間ぐらいでそれはいいのではないかという形で納得していただけるので、わかりやすい形で保健所が結核医療連携を説明していくのが大切と思っております。
 今、診断という形でやっておりますけれども、診断の延長線上に治療もありますので、診断と治療を合わせたトータルとしての地域医療連携を保健所がやっていく。結核対策で保健所で生まれていますので、そういう意味で保健所が主導的な立場でやっていくというのが保健所に求められていることではないかと考えております。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 昔もっと蔓延していた時期には、自然発生的だとは思いませんけれども、地域連携はうまくいっていたわけです。その場合でも中心となる機関として保健所があったわけです。それがいつの間にか弱体化してしまって、改めて意識的に構築をし直す時期にきていると思います。
 ほかの委員の方々はいかがでしょうか。加藤さん、どうぞ。
○加藤委員 私も地域連携の意義を幾つか考えてみたんですけれども、一番大きいのは患者中心になる服薬支援体制をつくるということで、重藤委員のところもそうですし、和歌山県もそうですし、かかりつけ医の先生のところで治療終了まできちっとした医療を受ける体制をつくる。
 2つ目は、やはり地域の医療資源を活用するということがあると思います。高齢者施設へのスムーズな転院であったり、地元の調剤薬局などさまざまな医療支援を活用していくことに意義があると思います。
 更に介護とか福祉分野との連携。訪問サービスの活用といったことが具体的に行われていくことか大事ですし、更に医療の質の確保といったことも重要なポイントだと思います。重藤委員のところで行われている話を聞きますと、地域連携パスによって個別の患者さんの情報がわかって、なおかつそれに標準的な考え方がついていく。それによって地域の医療の質が保てるというのは大変大きな意義があると考えていますので、是非多くの地域で進めていかれるのが望まれると思っています。
 以上です。
○坂谷部会長 ありがとうございます。
 6ページの上の図はよくできていると思いますが、重藤委員の御発言を基にして、今、開業医さん、一般病院というものが入っていますけれども、永田参考人から医師会というキーワード、加藤委員から介護サービスというキーワードも出てまいりましたので、こういうものをこの図に取り入れて、更に精緻なもの、敷衍化したものにできないかと思っております。
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、いただいた御意見につきましては、事務局でまとめていただきたいと思います。
 これで本日の議題はすべて終えることができましたけれども、事務局から今後のスケジュールなど伝達事項につきまして、よろしくお願いいたします。
○水野補佐 次回の部会につきましては、12月20日の3時から5時に開催する予定となっております。内容の詳細について、また追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○坂谷部会長 12月20日の今度は午後ですね。
○水野補佐 はい。
○坂谷部会長 それでは、時間を数分残しておりますけれども、時間がまいりました。これで本日の部会を閉会いたしたいと思います。お忙しい中、誠にありがとうございました。御協力に感謝いたします。どうもありがとうございます。


(了)
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03-5253-1111(内線2381)

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