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2010年11月11日 第13回社会保障審議会医療部会議事録

医政局総務課

○日時

平成22年11月11日(木)10:00〜12:30


○場所

専用第18〜20会議室(中央合同庁舎第5号館17階)


○議題

○医療提供体制のあり方について
 ・医師等医療人材の確保
 ・医療法人       など
○その他

○議事

○企画官 ただいまから、第13回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。委員の先生方におかれましては、お忙しいところご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。f最初に、本日の出欠についてご報告申し上げたいと思います。本日は代理の方にご出席をいただいておりますが、山崎學委員、横倉義武委員がご欠席です。また、上田清司委員、大西秀人委員、加藤達夫委員、辻本好子委員から、欠席とのご連絡をいただいております。
 議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。議事次第、座席表、委員名簿のほかに、資料1および資料2、そして参考資料として参考資料1と参考資料2、さらに横倉委員からご提出のあった資料を、別冊として委員提出資料を一部配付してあります。もし不足等ありましたら、事務方にお知らせをいただければと思います。事務局からは以上です。以後の議事進行については、齋藤部会長、よろしくお願いいたします。
○齋藤部会長 おはようございます。議事を続けさせていただきます。まず、委員欠席の際に、代わりに出席される方の扱いについてですが、事前に事務局を通じて部会長の了解を得ること及び当日の部会において承認を得ることにより、参考人として参加し、発言をいただくことを認めることとしております。本日の会議について、山崎學委員の代理として、社団法人日本精神科病院協会常務理事の菅野隆参考人、横倉義武委員の代理として、社団法人日本医師会副会長の羽生田俊参考人のご出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○齋藤部会長 ありがとうございます。本日は、岡本政務官のご出席をいただいておりますので、ご挨拶をお願いしたいと思います。
○岡本政務官 改めまして、おはようございます。ただいまご紹介をいただきました、この9月の菅改造内閣から厚生労働大臣政務官を拝命しております、衆議院議員の岡本充功でございます。本日は、第13回「社会保障審議会医療部会」に、それぞれお忙しい中お集まりをいただきましたこと、感謝を申し上げたいと思います。また、これまでの12回にわたる審議において、それぞれの委員の皆様方が大変貴重な意見を、また闊達なご議論を交わしていただいておりますことに高く敬意を表させていただくとともに、改めて感謝を申し上げる次第でございます。
 ご承知のとおり、医療を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。その一方で、国民の皆様方の大変高い期待と関心を集めているのもこの分野であります。救急医療や小児科、さらには産婦人科、外科、それぞれの診療科が大変厳しいという話を多くの皆様方が見聞きする中、それぞれ、この地域の医療はどうなっていくのだろうという不安もお持ちであります。そういった思いをこの政権交代を機に、我々は新しい切り口で解決の道を探っていきたいと考えております。とりわけ菅内閣になりましたあとも、本年6月に閣議決定された新成長戦略の中で、医療サービスの基盤強化が重要なテーマの1つとされているところです。
 それに基づきまして、ただいま衆議院で審議中でありますが、平成22年度補正予算、また平成23年度本予算については概算要求ですが、こちらについても明日コンテスト枠、いわゆる元気な日本復活特別枠を活用して、さまざまな課題を厚生労働省として予算要求をしております。その中でも、地域医療支援センターを設置して、地域医療に資する、そういった先生方にそれぞれの病院に行っていただけるように、そういった取組みができるようなきっかけを作っていきたいとも考えております。
 この医療部会では、医療機関の機能分化や連携をより一層推進して、地域で必要な医療が提供できる体制を構築する等の課題について、医療についての高い識見を有しておられる委員の先生方それぞれの、これからのご意見を幅広く求めてまいりたいと思っております。本日も、重ねてそれぞれの委員の皆様の闊達なご議論をお願い申し上げまして、簡単ではありますけれども、冒頭のご挨拶と、本日の御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
○齋藤部会長 それでは、議題に移ります。本日は「医療提供体制のあり方」のうち、医師等医療人材の確保、医療法人などについて意見交換をしたいと思います。最初に、事務局から資料として資料1「社会保障審議会医療部会資料」、資料2「平成22年度厚生労働省補正予算(案)の概要」が示されていますので、説明を受けたいと思います。なお、あらかじめこれらの資料は各委員のお手元に送ってありますし、意見交換に時間をかけたいので、説明は簡潔にお願いします。
○企画官 説明させていただきます。資料1ですが、いくつかのテーマを1つに束ねております。まず、人材の確保関係から説明いたします。2頁ですが、現在、病院、一般診療所、歯科診療所、それぞれで働いておられる医療従事者の方が何人ぐらいおられるかということの一覧表です。総計すると260万〜270万人の方が働いており、そのうち医師、歯科医師、薬剤師、看護職員、OT、PTの方々など、どのぐらいいるかということの表です。細かい数字は説明しませんので、ご覧いたたければと思います。
 3頁、4頁は、いつもの人口当たりの医師の数ということで、日本全国ベースでの国際比較等を入れております。第1回目にもご覧いただいたように、人口1,000人当たり2強ということで、OECD諸国の中では低位であるという状況です。
 これを各県別に見たらどうなるだろうかというのが5頁です。日本全体として見ると1,000人当たり2強ということですが、各都道府県単位で見ると、いちばん左が全国平均値、それぞれの県ごとの数字ということで、青系の色が病院で働いておられる方、緑が診療所、紫がその他ということになりますが、人口当たりの医師数は、県によってかなりばらつきがあるという状況です。つまり、県ごとによって取組みの、中身といいましょうか、力点といいましょうか、違ってくる可能性があるということです。
 6頁、7頁は最近の動向ということで、これもひょっとしたら前回と重複するかもしれませんが、入学定員が現状は過去最大規模にあるということ。その中でも、女性医師の比率、最近の学生の中では3割強が女性であるという状況にあるということです。
 8頁はM字カーブということで、就業率を見ると、よく言われるM字カーブは医療の世界でも見られるという研究事業の成果を付けております。
 9頁は、その中でも小児科、産婦人科、若い医師層で見てみると、女性の比率が特に高くなっているという状況です。10頁、11頁は診療科別医師数の推移と訴訟の状況です。
 12頁は、年齢別に見るとどうかということですが、左側は各年齢層で見ると、40代、50代、60代と特定のポイントで見ております。病院で働く医師数と診療所で働く医師数の比率のようなものですが、特に40代から50代の間にかけて、病院から診療所へのシフトが起こっている。働く環境が厳しくてお辞めになる場合もあるでしょうし、あるいは地域でニーズがあって開業される、あるいはもともとの家業を継がれる、いろいろあるかと思いますが、それ以外に何か人生設計、あるいは開業資金の問題などもあるのかもしれません。こういった辺りについても、どういった状況があるのか、ご意見等あればまたご教示いただければと思います。
 13頁からあと、いくつか勤務時間などに関する資料が入れております。13頁は平成18年の調査で、週平均の勤務時間は48時間ですが、その他の時間を含めると病院内での滞在時間は60時間を超えるというデータです。14頁からあと、昨年の診療報酬改定をめぐる中医協での議論で11月27日に提出された資料の抜粋ですが、勤務状況としてはきついという状況が見て取れるのではないかと思います。
 19頁は、診療科の責任者の回答項目ですが、負担軽減のためにどういうことをやっているかというと、地域の医師との連携を進めていったり、あるいはいわゆる医療クラークの配置をしてみる、あるいは当直についてシフトを変えてみる。さらには、これはチーム医療ということだと思うのですが、コメディカルへの仕事の移転という取組みなどがよく見られる回答として得られております。
 20頁からあとは医師不足の問題の背景と、それに対する現状の対応策ということで、いくつか並べております。医師派遣機能低下ということに対しては、都道府県を中心とする派遣。22頁にあるように、厳しい環境にある所へは、インセンティブも含めての手当等への財政支援を行ったり、あるいは女性医師が増加をしているということに対しては、院内保育所の整備を行ったり、24頁では、訴訟リスク等が高いと言われる産婦人科については、産科補償制度をスタートさせたりといった取組みを進めているところです。臨床研修制度についても、選択科目の幅を増やすなどの若干の見直しを行って、今日に至っているというものです。
 27頁は、前回報告申し上げました必要医師数調査の結果です。詳しくは割愛させていただきますが、全国で調べたところ、現在いるドクターの数に対して10数パーセント不足感があるという結果が出ています。それと先ほどご覧いただきましたように、全国で見るとこうなのですが、各県によってもいろいろ状況が違うということから、28頁、29頁で、先ほど政務官からご紹介申し上げました元気の復活特別枠ということで、地域医療支援センターの概算要求を出しております。
 こちらは地域医療支援センターを設置する中核病院、これは県の中で適宜決めていただければと思っておりますが、そういった所に若手の医師を中心にプールをして、地域の医療機関で医師不足に悩まれる地域に配置をしていくということです。地域医療に関心はあるけれども、なかなか一歩を踏み出せないという医師の方にとっては、地域に行ってそのまま一方通行的になってしまうのではないのか、そのあとのキャリアの形成はどうなるのだろうかといったご不安があるという指摘もありますので、こういった支援センターを核として、キャリアパスといいますか、キャリア形成と一体となった支援が何かできないかなということで考えております。
 細かい業務としては、29頁に代表的な業務ということで書いてあります。地域の医療機関、あるいは自治体からの相談を受けて、医師を必要な地域に配置をしていくという調整をしていくとか、あるいは配置に応じてくれる医師を確保するためにはいろいろな取組みが必要だと思うのです。その中で、いまちょっと申し上げたようなキャリア形成の不安を解消するためのルートを用意していくであるとか、さらに言えば、地域で診療をしながらも指導を受けられるような機会を作っていく、といったことを組み合わせてやっていくことを考えております。
 それと併せて、もう1つこの特別枠の中では30頁の臨床研修指導医の確保事業ということで、数だけではなくて質の面もですが、指導医を確保することによって、どのように医師に良い臨床研修を受けていただくかというところも影響はしてまいりますので、今回のこの特別枠の中で、臨床研修指導医の確保に着目をした事業を組み立てているところです。このようにいくつか対策はしているところですし、特に特別枠の中で2つ要求している。特に都道府県ごとにかなり状況が違うということで、支援センターなどを核として、さらに取組みを進めていきたいと考えているところです。
 31頁は、最近の意識の調査ということで、病院全体に対する満足度自体はどうなっているのかと見てみると、こういった医師確保等が厳しい中でご努力をいただいているのですが、満足度としてもやや上がり傾向であるというところもあるので、参考までにご紹介させていただきました。
 次に32頁、33頁、歯科医師の関係です。歯科医師の年次ごとの養成数と入学定員ということです。こちらはここ数年、やや供給の面が多いのではないかということで、定員についてはフラット、ないしはやや減という現象です。一方で、質の向上ということでは34頁にあるように、臨床研修をはじめとするいくつかの取組みをしているところです。
 35頁からは看護職員です。これも合計すると、看護職員は140万〜150万人の方が働いておられるということです。37頁ですが、仕事、職場に定着をしていくための施策、あるいは職場に復帰をされる、再就業の支援なども行っているところです。昨年、保助看法の改正が、超党派議員立法だったと思いますが、行われて、受験資格の改正と、資質向上のための研修の努力規定が盛り込まれたところです。さらに、看護師人材確保法の改正も行われて、その中でも研修が位置づけられたところです。そうしたことから、どういった研修がいいのだろうかということで、検討会等を設置して、研修のガイドラインなどを示させていただいているところです。
 42頁からが薬剤師です。こちらも病院、診療所、薬局を合計すると、20万人近い方が就業しておられるということになります。薬剤師の関係では、かつて4年教育だったものが6年教育になり、資質向上ということで、卒後の研修事業などについても取組みが行われているところです。この部分は医政局というよりは医薬食品局的な話でもあるのですが、医療関係職種ということでご紹介させていただきました。
 ほかにもいろいろ職種はありますが、横串で参画して医療の質を高める、あるいは医師をはじめとする業務負担感の軽減といったこともあって、昨年来チーム医療の推進の検討をしているところです。46頁、47頁は、そのチーム医療の検討会の報告書のあらましです。説明は割愛いたします。
 48頁ですが、その検討会の報告も受けて、いろいろな職種が参画するチーム医療ということで、通知を発出したところです。いまも推進会議を設置して、その中でワーキングを作って検討を深めていただいているわけです。49頁ですが、日本復活特別枠の中でチーム医療の実証事業といいますか、モデル事業といいますか、そういったものを要求しているところです。今年度の推進会議の中で、チーム医療のガイドラインの策定を進めていくことになっておりますので、そのガイドラインに基づいて取り組んでいただきます。その結果、安全性・効果等、どういったものがあるのかということを研究して、さらにブラッシュアップをしていくことなどに取り組む事業です。
 次の頁ですが、論点ということではこれに限られないのかもしれないのですが、いろいろ医師確保事業に取り組んでいるところではありますが、何かこうしたようにもうちょっと踏み込んでみる、あるいは見直してみる、改善点はないか、あるいは要求枠というか、復活枠の中で要求している地域医療支援センターですが、このような要素も入れてみたら、よりうまく回るのではないだろうかなどといったところについて、知恵といいましょうか、アイディアといいましょうか、そういうのがあればご議論いただければと思います。さらには、1回目にご覧いただいたように、高齢化が進んで疾病になられる、あるいは疾病構造も変わっておりまして、退院後も長期間、ある程度医療にかかわりながら生活をしていかれるというように変わっていく中で、いま限りある医療人材がどのように専門性を高めながらかかわっていくのか。局面で言うなら、入院、外来、在宅医療等々いろいろあるかと思いますが、そういった中でどういった分野で、どういった形で医療人材にかかわって力を出していただくことを考えるのか、そういったものについて、そこをご議論いただければなということを考えております。
 51頁からですが、患者に対する説明などということです。52頁はいわゆるインフォームド・コンセントですが、これは平成4年の改正の際に検討規定の中にも入ったところですが、平成9年改正で位置づけられて、それに基づく通知等も出されているところです。
 54頁は広告規制です。これは、かつてはかなり限定列挙ということだったのですが、平成18年改正で一定の傾向、性質を持った項目について広告はできるということで、一言で言えばかなり緩和がされたという状態です。そうした中で、標榜診療科もその一環で、かつては30数個の限定列挙だったのですが、一定のルールの下に組み合わせての表記が可能になっているところです。
 57頁は医療機能情報提供制度ということで、これは、各医療機関から情報を県庁に提供いただいて、その情報を整理して、県庁でインターネット等で住民に開示をするということです。さらに、その情報は各医療機関でも患者に対して、求めに応じて開示をすることになるという状況です。
 58頁、59頁は医療の質の評価・公表についてで、これは今年度予算による取組みです。本年度、平成22年度予算の中で、医療の質といったものについて、それぞれ関係団体で評価に試行的に取り組んでいただく。どのような開示、公表の仕方があるのかというところも含めて、試行事業をしていただいております。今年度、10団体から応募があって、コンペティションといいましょうか、評価会議なども開催したわけですが、結果としては全日本病院協会、日本病院会、国立病院機構で、実施をしていただいている状況です。
 61頁は論点ですが、広告可能範囲ということで、広告規制はかなり緩和されましたが、現状の目で見て何か改善点があるかどうか、消費者庁からも相談がポツポツ来るようになったのですが、ホームページは基本的に利用者自らで行って情報を取るものであるため、広告ではないという扱いなのですが、一方で、ネットの情報は日々更新ということもありますので、更新が滞っていて古い情報のままになってしまっているような事例などについても相談が来ることがあります。その都度、大抵は県庁をはじめとして注意喚起をして更新をしていただいているようなのですが、そういったものについてどう考えるかなどといった辺りがあるのかなと考えております。
 次に、医療安全の関係です。63頁ですが、ここ数回の改正で、具体的には法の委任に基づいて施行規則などで定めておりますが、安全管理、院内感染対策、さらに医薬品安全管理等々、かなりきめ細かく取組みをしていただいているところかなと思っております。
 64頁は、そういった責任者の配置状況はどうなっているのだろうかという統計を並べてみたものです。病院、診療所で当然、組織としての規模も違うものを、あえて単純に同じ棒グラフで並べてしまうのもあれかもしれませんが、傾向ということでお示ししております。多くはやはり安全体制、あるいは院内感染対策というものは、病院も含め、責任者は医師の方がお務めになっている場合が多いということです。医療機器の安全管理になると、病院では紫の部分、その他の方がちょっと多くなっており、その他の中では技士の方が多いということです。医薬品の関係で見ると、病院の所では薬剤師の方がお務めになっている場合が多いということです。これもおそらくは実際の実務運用に当たってはチーム医療でやっているとは思うのですが、責任者となると、こういう方がお務めになっているという現状です。
 66頁、67頁は医療事故情報収集事業です。医療事故であった、あるいはヒヤリ・ハットとしたような事例について、医療評価機構に収集をして、その情報をフィードバックするという動きを行っており、68頁にあるような実績の動きになっております。
 70頁は医療安全支援センターということで、これも法改正により設置をして進めていただくことになっており、現状、都道府県、政令指定都市はすべて設置をされておりますが、中核市、保健所設置市などではまだ設置が済んでいない所があるので、働きかけをしているところです。
 72頁は医療事故の原因究明、再発防止ということです。こちらは大綱案を示して検討などをしておりますが、いろいろなご意見をいただいているところです。そういった意味では、前大臣が国会などでご説明しているように、現在お示ししている大綱のままでは成案にはならないので、引き続きブラッシュアップをしていくという形で検討を進めているところです。そうした中でも死因調査のモデル事業の見直し、あるいは死亡時画像診断を活用しての死因の究明の支援といったことで、検討会を動かしたりしているところです。
 76頁ですが、患者・家族の方から何か疑問や不安があった場合に、どのような対応をしているのかというのを夏に特定機能病院と国立病院機構に聴取りといいますか、アンケートを行いました。「患者とのコミュニケーション、仲立ちをする人を置いていますか」と聞いたところ、「配置している施設」が50%。一方で、従来からある患者さん相談窓口などなどで対応しているという所も見受けられるところです。
 77頁、78頁は院内感染対策ですので、ご覧いただければと思います。
 80頁からは医療法人ということです。現在、医療法人は全国で4万数千存在いたします。昭和25年から続いて、我が国の医療供給体制の中で中核を担っている状況です。83頁にあるように、過去、何回かの改正の際に、いくつか医療法人関係でも改正が行われたところです。前回の平成18年改正では、基本的に持ち分のない法人形態へと転換していただこうということと併せて、社会医療法人制度というものを創設いたしました。これは85頁、あるいは86頁にありますように、社会医療法人にはいろいろな規制もありますが、一方で業務の中身として救急医療、へき地医療、あるいは周産期、小児科、災害医療といった、公的医療機関が担っているような役割について、積極的に果たしている実績を有される医療法人について社会医療法人と位置づけた上で、税制上の特典なども絡めながら、こういった地域医療への取組みをさらに進めていただこうというものです。施行から2年ちょっと経っているところですが、現状では87頁にありますように、100を超える段階となっております。比率でいうと、救急医療の実績ということで、社会医療法人になられている所が多いという状況です。
 資料2は補正予算です。厚生労働省関係はトータルで1兆4,000億円弱の計上ですが、医療の関係は3頁です。具体的な措置の所ですが、地域医療の再生と医療機関等の機能強化ということで、昨年度の補正で「地域医療再生基金」ができております。それは二次医療圏単位で、即ち地域単位でやっていただいたのですが、今回は都道府県全体で、県によっては三次医療圏が複数ある所がありますが、高度・専門医療の体制整備であるとか、救急医療の整備・集約であるといった、もうちょっと圏域を広めてみた上で、地域の医療を再建するためにどういった取組みが必要だろうかということについて、改めてプランを作っていただくということなどを補正予算に盛り込んで、国会でご審議をいただいているところです。以上です。
○齋藤部会長 いまから12時半まで2時間、時間がありますので、以上の説明、あるいは資料を踏まえつつ、医療人材の確保、広告情報提供、医療安全、医療法人について、議論していただきたいと思います。その議論の仕方についてのご相談なのですが、これはかなり別個の話題なので、関連もあるのですが、なるべく1つのテーマに集中的にご発言いただいたほうが、たぶん議論が噛み合うと思いますので、できる限りで結構ですから、そういうことでよろしいでしょうか。つまり、最初に医師等の医療人材の確保についてというテーマで議論いただいて、それから次に移っていくというようなやり方で、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。いかがでしょうか。医療人材の確保、ここの資料は50頁ぐらいあっていちばん多いわけですが、どんな面からでも結構ですから、議論をお願いします。
○小島委員 小島です。前回欠席しましたので、すみません。医師不足対策、医師の地域偏在の是正という形で、21頁に先ほどご説明がありました地域医療対策協議会、これは前回の法改正で各都道府県に設置が義務付けられたということです。まずこの点、設置されてたぶん2年ぐらい経っていると思いますので、そこの実績がどうなっているのかということが質問です。ここはやはり機能強化をして、地域の医師偏在、医師不足の解消に努める必要があるのだろうと思っていますので、この間の地域医療対策協議会の実績がどんな状況になっているのかというのが1つ目の質問です。
 それと関連で、新しく今度、来年度予算の特別枠で要求をしていると言われておりますという説明がありました、28頁、29頁にある地域医療支援センターです。この地域医療センター、まさにこういうものも是非必要だと思っておりますので、私どもも機会を通じてこういうものの設置について働きかけに努めたいと思います。先ほどの地域医療対策協議会と、今回新しく作る地域支援センターとの関係は、どういう関係にあるのかということが2つ目の質問なのです。
○指導課長 指導課長からお答えします。21頁に地域医療対策協議会の関係の図が出ておりますが、前回の医療法改正で、地域の医師不足、あるいは地域偏在に対する対応として、地域医療対策協議会を都道府県に設けて、各関係者による議論の場として活動されております。国としては会議費の補助はしておりますが、会議費だけですので、実際にその会議費を受け取っている県は限られておりますが、各県に置かれておりますので、活動自体は行われていると思います。
 それに加えて左の青い四角になりますが、これは事業名としては医師派遣等推進事業という別の事業がありまして、医師不足の病院に、同じ県内の比較的余裕のある病院から派遣すると、その調整をこの協議会の場で個別にしていただいて、その派遣に要する経費などを補助しているということで、これの実績もすごい縁で、全都道府県を集めて集計しますと、そのぐらい出ているということで、実績が上がっております。
 今回、特別枠で要求している地域医療支援センターのほうです。28頁にありますが、こちらは協議会という会議体ではなくて、むしろ専任のスタッフを置くということで、人員体制は専任医師2名、専従事務職員3名とありますが、こういうスタッフを置いて、その人件費と活動経費などからなっておりますので、地域医療対策協議会という協議体での議論は当然必要ですが、それ以外に実行部隊といいますか、専任部隊として医療機関の状況を聞いたり、県内の医師不足の状況を把握・分析したり、必要な場合にはあっせんをしたりという、その実行をする事務局的な機能、あるいは部隊というように捉えております。そういうことで、それぞれ役割はありますが、相互補完的に実行していく、遂行していくというように考えております。
○小島委員 そういう意味では、都道府県の地域医療対策協議会をより具体的に推進するための、いわばそれを中核的に支えるセンターと、そういう位置づけになっていくのですか。
○指導課長 センターというのが1つの何か場所みたいな意味のセンターということではなくて、そういう協議会を支えながら、いろいろな調整役なりを果たしていく、そういうスタッフを置くという意味です。
○光山委員 関連して、地域医療支援センターの整備に向け予算付けを検討されるということなのですが、ご説明の中にもありましたように、都道府県によって、実際には医師数ほか取り巻く状況が違うというデータが多々あるわけです。今般の提案は、都道府県一律の仕組みとして全国に入れようということですか。それとも、地域の状況に応じて厚みを変えるようなこともお考えなのですか。
○指導課長 それは結論から申しますと、やはり地域の実情に応じて活動内容なり設置の形態は変わってくると思います。例えば大学との関係についても1県1医大で、大学がその県の医師の配置をほぼ一手に引き受けているという県もあり得ると思いますので、そういう場合はそもそも大学にこれを置くとか、そういうこともあり得ましょうし、一方で、県の中に大学がいくつもあるという場合には、1つの大学だけに偏るわけにもいきません。県によっては、県立中央病院というしっかりした病院があって、そこがその県全体の状況を見る立場にもあるということであれば、そういう所を活用するということもあると思います。それから、当然、県内の医師の状況、偏在の状況も違いますし、へき地がある、なしだけをとってみても、大阪のようにへき地がない所もありますし、それはいろいろ状況が異なりますので、当然、行政は中心的な役割を果たしますが、大学、民間も含めた病院、医師会、あるいは住民団体など、いろいろな関係者と協議をしながら、個別に状況を調べ把握して、それで調整して、可能な限り派遣も含めて医師不足対策、偏在対策を進めていくということで、その県の状況によって、設置場所なり活動内容は、少しずつ違ってくる可能性はあると思います。いずれにしても、先ほどの地域医療対策協議会との関係も含めて、パートナーといいますか、いろいろな関係者と十分協議をしながら進めていくという意味では共通する部分もあると思っています。
○光山委員 地域医療支援センターの機能として、先ほど指摘がありました地域医療対策協議会との関係が冗長になってしまったり、あるいはお金が重複することで無駄遣いになってしまったりなどということのないような留意が必要だと思います。また、地域実情に応じ、必要な所に適切な厚みが付くなど、メリハリのある仕掛けになるよう求める、ということを意見としたいと思います。
○邉見委員 前回欠席しまして、蒸し返しだったらお許しいただきたいのですが、27頁の必要医師数実態調査です。我々自治体病院が考えていたよりは、少し少ないデータが出ているのではないかと思います。まず、誰が書いたかということです。回答者です。例えば、ある北海道の病院で事務長が書きますと、いま求人している人で来ない人は6人ということで、6だったそうです。15ぐらいある各診療科の科長が、自分の所で必要な医療をするために必要な医師というと、35人になったそうです。院長が、ほしいけれども設置していない科があると。そういう科も含めていくと40人というように、6から40何人と差がありますので、誰が回答したかということが1つ大きなものだと思います。
 それから、この客体の中には診療所も入っているのでしょうか。診療所では足らないという所がわりと少ないのではないかというような、病院だけに限っているかどうかということをお聞きしたいです。
○指導課長 27頁の上のほうの囲みの中の調査の対象に書いてありますが、病院と、診療所については分娩取扱い診療所に限っておりますので、それ以外の診療所は対象になっておりません。
 それから、おっしゃるとおり、これは各病院あるいは対象の医療機関に、どのような診療科なり医師が必要かということをお尋ねして書いていただいていますので、最終的にはその医療機関としてお考えになった数を書いていただいています。そのプロセスとして、いろいろな立場の方が考えられた数というのはあるかもしれませんが、最終的にその病院として、いま現在の診療機能を維持していく上で必要な数。その中で、求人している方と、まだ求人はしていないけれども必要と考えている方を聞いたということですので、確かに病院自体の受け止めによって、それは少しずつ違った受け止めがあるかもしれないとは思っております。
○邉見委員 いちばん前の前段みたいな所に、求人していて足らないということを書いていましたね。そうすると、いままで10回も求人したけれども、全然来ないので諦めてしまって求人していないというのは、入っていないのですね。そのように書いた先生もおられました。もう諦めてしまったと。求人をずっとし続けていたけれども、もうこれはとても駄目だから、もう無駄なことはやめようということで、やめたというような見えざる数字もあるのではないかと思いまして、我々の協議会ではもう少し足らないのではないかなというのが実情です。
 ちょっと話が変わりますが、へき地・離島・山村振興法、あれが医療に関してはもっと広がっていると思うのです。その辺のところも少し考えないといけないと。医療に関してはほかの分野と違って、へき地、離島、山村の分野が広がっていると思います。
○渡辺委員 先ほど小島委員から端を発したというか、これはいまいちよく分からないので、もっと明確に教えていただきたいのですが、先ほど小島委員がおっしゃったこれまでの協議会の実績は私も非常に関心が高いのです。実績という意味は、先ほど課長は経費がこうした、こうしたとお金の問題をおっしゃったけれども、現にこの協議会が地域で医師派遣機能をどの程度果たしたかという意味の実績を私は知りたい。それが不足だから、このセンターを作るのか。センターというのは私は大変期待しているし、素晴らしいアイディアだと思うのですが、いまのご説明を聞いていると具体的にどうやって、まさにへき地、離島も含めて、医師不足の所に医師を派遣する機能を、誰がどう持たせるのか。都道府県なのか、あるいは先ほど地域の中核病院に場所はないとおっしゃったけれども、地域の中核病院に場所はあるわけでしょう。もっと具体的に、どのような格好で地域の医師不足を解消するために作るのだという強いメッセージがないと、応援のしようがないというのか、非常に評価しているのだけれども。実績も含めてこの2つについて、もうちょっと具体的に、こうするのだということを教えてください。
○指導課長 実績は、いま数字が手元にありませんので、あまり具体的に何人とか、いくつの県で何人ということまではありませんが、医師派遣等推進事業ということで、先ほどの資料にありましたように、派遣元と派遣先の病院を具体的に決めて、どのぐらいの期間、どこの病院からどの病院に出すということを協議会の中で決めて、そして派遣するという実績はかなりの県で出てきていることは間違いないです。それについて、予算として補助をしている実績がたしか4億円ぐらいあったと思いますが、それを申し上げたということです。
 ただ、協議会というのは、医師会とか、病院団体とか、行政とか、それぞれの関係者の集まり、会議体ですので、その会議体でそんなに頻繁に開くということも実際上難しいでしょうし、個別に、実際にはどこの病院が非常に不足しているのでほしいという情報が県に来て、県から個別に少し余裕があると言ったら語弊がありますが、派遣可能な病院に働きかけをして、事実上話をして、それで予算の手当てもして、協議会に諮って決めるということをしているのだと思うのです。ですから、ある意味ではいまも県庁が仲介役となってやっているのだと思うのです。ただ、それですと県庁の職員がいろいろな仕事がある中でそれもやるということで、なかなかそれだけに集中してできないということになりますので、今回要求しているのは専任スタッフを設けて、これは医師確保対策に専従してもらうということです。個別の状況、必要医師数調査については、全国で1万8,000とか2万4,000という数字はありますが、個別の医療圏でどうかということはより詳しく見る必要がありますし、先ほど邉見先生がおっしゃったように、病院によって書いた数字の意味合いが少し違うということもあり得ますので、その個別の状況について専任スタッフによく把握していただいて、かつ病院の状況もお聞きする。
 したがって、いろいろな仕事の一部ということではなくて、毎日その仕事に専従していただいて、情報を集めて、個別の調整もしていく。もちろん最終的にオーソライズしてもらうような場としては、地対協も引き続き活用するということはあると思いますが、そういうことで医師不足なり地域の医師の偏在への対応について、専ら対応するチームを作って、それももちろん県庁に置くという手もあると思いますし、現場に近い所に置くという手もあると思います。いずれにしても、どこかの1カ所にただいるということではなくて、しょっちゅういろいろな所に行って、ご用聞きのようなことをして、状況を調べて調整していくと、そういうことを考えております。
○渡辺委員 まず1つ、この協議会の実績がもしわかれば、次回まででいいですから、具体的な実績を出してください。それが1つです。いいですか。もう1点は、いまおっしゃった専任部隊が動くようなことをイメージャーに、これは中核病院にセンターを置くわけでしょう。そのイメージをもうちょっとはっきりわかりやすく、短時間でしてください。
○指導課長 この設置場所については、先ほど申し上げたように県の実情によって違うと思いますが、それもいろいろな考え方が実はあります。いろいろな方のご意見を聞きますと、やはり県庁が公平的な立場で主体的に取り組むと、そこがいちばん責任を持つべきだという考え方の方もいらっしゃいます。それもおっしゃるとおりだと思います。ただ、一方で事務的なことではなくて、やはり現場のことがよくわかっていないといけないと。つまり、単なるあっせんだけではなくて、ここの中にもキャリア形成という言葉がありますが、特に今後、地域の枠の医師も増えていくという中で、そういう医師が義務年限内で、どういう地域医療を担っていくかという研修にもかかわってきますし、義務年限後の地域医療での活用の仕方ということにもかかわってきますから、医療の中身もよくわかっている人が必要だろうと。そういう意味では、例えば県立病院のような所があれば県立病院の中に置いて、臨床医が兼務するような形でやっていただくと、そういう手もあるのではないかというご意見もあります。そういう意味では、別に県立にこだわりませんが、どこか中心的な病院に置くという手もあるのではないか。
 ただ一方で、どこかの1つの病院に置いてしまうと、何かそこだけが重視されるような形になって、ちょっと公平性が欠けるというようなご意見ももちろんありますので、その辺りは県の事情によって置き場所は変わるかと思います。県庁のほうがふさわしいということもあるかもしれませんし、現場に近い所がふさわしいということもあるかもしれませんし、大学との関係が非常に良くて、1つの大学で全体的に見ることができる県であれば、大学に置くということもあるかもしれません。そこは県の状況によって違うと思います。
○齋藤部会長 いま関連して渡辺委員が調査ということを言われたのですが、歴史的に大学が担ってきた医師派遣機能が落ちたということで、いま民間医局とかいろいろな雑誌の公募で動いていますよね。もし調べることができれば、そういうのが実際どのぐらいあるかというのを、私もちょっと知りたいと思うのですね。結局、最終的には各病院が自分の責任で公募して、有能な医師を雇用できればいいのですが、バックグラウンドがわからない医師を採用したとき不安があるので、どうしても何かこのようなセンターとか、あるいは大学の医局を頼ると思います。いずれは完全に各病院が自分の責任で面接をして、キャリアを調べて採用するという時代になるかもしれませんが、それまでかなり時間がありますよね。それまでの過渡期ではあると思うのですが。
○中川委員 渡辺委員の発言に関連してなのですが、地域医療支援センターはある程度の実績があると指導課長はおっしゃるけれども、私の認識では、実績というのはほとんど短期的なお手伝いなのです。現場はそんなことを求めているわけではなくて、やはりかなり長期的に働いてくれる常勤医を求めているのです。いま仮称、地域医療支援センターというこのイメージ、こんなことで解決するなら、とっくに解決しているわけですよ。そういう謙虚な気持でやっていただきたいと思います。
 いまのご説明では、どうも上から目線だと思います。例えば地域医療の崩壊を再生するためには、行政はもちろんですが、大学病院も、医師会も、地域住民代表も、合議体を作って何とか再生していこうと、そういうことの支援を具体的にやっていただきたいと思います。やはり形だけアリバイ作り的なこういう施策をやって、県庁を支援しているのだということでは駄目だと思います。
 それから、部会長がおっしゃった、実はこれよりも民間の業者、医師派遣業者のほうが法外な報酬を要求しますが、現場ではそのほうが圧倒的に実績が上がっています。この実態を何とか改善しなければならないというように認識してほしいと思います。
○西澤委員 いま渡辺委員とか中川委員が言った事と関連しますが、1つはいま各都道府県できちんとした形になっているかどうかわかりませんが、かなり取組みはしているはずなので、そういう例をいくつか出していただく必要があると思います。もう1つは、地域医療支援センターをできるだけ姿を明らかにするということと、逆に、私たちにしてみると、あまりきっちりした形でされると、都道府県ごとに事情が違うので、やりづらいということもあるのではないか。その辺りは上手にバランスをとっていただきたいと思います。
 この地域医療対策協議会というものを作って、今回のセンター、さらには例えば北海道では地域医療再生基金を使って、この事業と合わせたようなこともやっております。ですから、1つのメニューだということではなくて、いくつかのこのような予算上のものと、いろいろな仕組みをうまく合わせてやれば、もっと良いことができるのではないかなと。そういう辺りも少し考えて、そういう辺りのフリーハンドは都道府県毎に権限を与えてもらえればありがたいと思います。
 都道府県毎でも、やはり行政だけでやってもうまくいかないということで、北海道の例を言いますと、北海道は医師不足ですので、これは5年以上前からだと思いますが、臨床研修制度などの煽りもありまして、へき地で医者がいないということで、これは北海道の主導で、道と医師会と病院団体、それから大学病院、地方の首長、全部集まって、特に地方の公立病院で、医者がいなくなった所に医師派遣をどうするかという議論は進めておりました。現在どのようにされているかは詳しく存じ上げないのですが、そういう辺りも事情を調べていただければと思います。また、北海道では、さらにへき地の診療所に対して、特に札幌辺りで少し余裕がある病院からへき地の診療所へのお手伝いなども、現在しております。各都道府県でかなりいろいろなことをやっていると思いますので、できればそういう例を出していただいて、お互いの都道府県が参考にしていただければと思います。
 もう1つ、今回支援センターの目的というのは、より足りない所へということですが、いま社会医療法人の1つの要件でへき地医療がありまして、それはたしか診療所に53日以上ということになっています。へき地の診療所となっています。しかし、へき地の病院も困っているので、例えばそこにへき地の病院も入れることによって、もっとへき地対策にもなるのではないかなと思います。そちらのほうもお願いしたい。そのようにいろいろな対策をして、総合的にやっていただきたいと思っています。
○日野委員 先ほど部会長のおっしゃられた民間のあっせん業者はいくつあるのかというのは、これは調べることはできないと思います。私の病院経営の経験から言いますと、雑誌などに広告を載せている比較的大きな業者から、一本釣りといいますか、コネで紹介が、医療機器とか、薬品とか、そういう所からの引き合いもあるのです。個人の伝を辿って、同級生で評判がどうのこうのということで行くというような、先ほど中川先生も言われましたが、彼らも手数料は結構たくさんもらえるということを知っておりまして、友達のコネですら大体年俸の2カ月分なのです。ですから、1,500万円の年俸の医師を1人雇おうと思えば、消費税をもし付けるとすれば315万円払うのです。
 これは病院の経営をかなり圧迫していまして、医師だけに限らず、医療専門職、看護師、検査技士、その他、医療系の事務職まで、そういう業者が入りますと20%という手数料を取られるのです。ですから、これは早く手を付けていただいて、このセンターがもっと知名度を上げて真っ当な道に導いてもらうと、アプライするほうもどこに言っていいかわからないという状況が続いておりますので、解決をしていただきたいと思います。
 ただ、センターをしまして、いまの課長のお話ですと、ちょっと時間と手間がかかりそうなのです。民間にやりますと、それは迅速にさっとできるというメリットがあるので、それも取り入れられる範囲で、できるだけ早く、どうしても個々の案件に対して真剣に取り組んでくれないという不満が聞こえますので、その点を留意して改善していっていただきたいと思います。以上です。
○相澤委員 まず、いまの地域医療支援センターについてなのですが、これは短期的に、とりあえずいま困っているから何とかしようとするのか、それとも長期的に医師の地域格差をなくしていくためのセンターとしていくのか、それによっても全く考え方が違うと思うのですね。実は私たちの病院も県から頼まれて、「1,000万円やるから派遣しろ」という、その1,000万円に釣られまして、「派遣することいいよ」と言ったのですが、「行け」と若い医者に言ったところ、「私は行きたくない。そんな所には行きたくない」と、病院中募集したけれども、誰もいないのです。そこで、ある甘い手を使って、いま1人派遣しているのですが、結局、いくら手を使っても、現場の若手の医師が「行こう」と言わない限りは、どうやっても派遣できないのです。そこをどうするかですが、要するに大学の医師派遣機能が落ちたのは、実は教授のガバナンスが減ったからなのです。私たちもそうでしたが、昔は教授に「お前、あそこへ行け」「はい、わかりました」ということで行っていました。いまの若い人は「お前、あそこに行け」と言ったら、「何で私があそこに行かなければいけないのですか。私、あんな所いやです」、その一言で派遣できない。
 大学の派遣機能が、この臨床研修制度で落ちたのも1つの要因かもしれませんが、もう1つの大きな原因はガバナンスが落ちているのです。若い人の意識がものすごく変わっているのです。ここに着目しない限りは全然できませんし、これを短期のものとしてやるのだったら、本当は1人常勤がほしいけれどアルバイトでもいいということで、全体で何とかサポートする姿勢を作るかどうかは、とても重要なことではないかと思います。それは短期的な視点です。でも長期的には、センターで常勤で勤務する医師をどう育てていくのか、そこの点が必要なのです。
 それは医師数の確保とも関わってくるのです。いま現在の医療体制をそのままとっていったときに何人不足するか。おそらく現場の医師に聞けば、そんな5年先、10年先、この病院をどうしていこうとか、地域でこんなことやっていこうなんていう発想はありません。いま困っている人数を出せと言われたから出しただけです。将来に向かって、こういう医療をやりたいから30人不足している、50人不足しているということではないのです。いま、とりあえず困っているから3人かなというのがあって、実は長期的に日本の医療体制をどうしていくか、それと非常に大きな関連を持っていますから、短期的なものと長期的な視野で考えないと駄目だと思います。
 ところが、医師の養成というのは、今始めて8年後に研修を卒業してくる。それで一人前かというと、おそらくここにいる先生は、そんなのは一人前ではないとおっしゃると思います。一人前になるのに10年以上かかるとすると、いまやった施策は10年後に効いてくるわけです。では10年後の医療状況はどうかと言ったら、皆さんたちはご存じだと思いますが、ここ数年、一般病床に入っている1日の入院患者さんも療養病床に入っている1日の入院患者さんも、絶対数は減っています。人数は毎年どんどん減っているのです。それは前回もお話したように人口が減ってきているからです。そういう中で、全体としてどういう日本の医療提供体制を作るかによって医師の総数が決まるにもかかわらず、それを全然論議せずに、今のままずっといくよということで本当にいいのか。その議論をしないと必要な医師数は出てこない。そこのところをちゃんと議論できるような数値があったらいいと思っています。
○医政局長 センターについて、いまご議論いただいていますが、私どもは誠にそのとおり受け止めていろいろ考えに考えて、しかし、まず現状を打破するために、いまのままで、2万4,000人不足があるから、あとは地方でよろしくということにはならないので、とにかく一歩踏み出そうというところがあったのは事実なのです。
 短期か長期かと言われると、欲張っていますが両方と言わざるを得ない。特に長期のことを考えておかないと、例えば地域指定枠でこれから卒業してきて地方に行った医師が、その先、自分のコースを誰もウォッチしてくれていないという状態になれば、3年、4年のスパンでは済まないわけですから、そういう機能をずっとウォッチし続けるために長期でなければなりませんが、足元の問題も捌いていかなければいけない。地域の先行しているやり方はそれを呑み込んだ形で、あるいは要らないと言われれば先行形態でやっていただけばいいのですが、そこは相当弾力を持っていきますけれども、実働部隊、専門の部隊を置いて、それも医師がメンバーになってやるような形を作りたい。
 それとニーズの問題ですが、確かに今回2万4,000人ということで、それが多いか少ないかの判断はありますけれども、確かに不足だけが出てきて充足の部分は出てきていないし、地域にブレークダウンしたらどうなるかと聞かれると、今はこのデータの集積以外にないわけです。本当の地域のニーズはわからない。そうすると、このセンターが地域に本当に溶け込んで、過不足で過がどれくらいあるかもわかりませんが、いろいろなニーズをウォッチしていれば、県と県との間の情報交換もあるし、国が全体を合わせて本当の地域ニーズの合算としての国全体の姿が、もっと見えるようになる把握機能も持たせたいということです。相当欲張りすぎて、どこまでいけるかと言われれば確信がない面がありますけれども、まずは一歩踏み出す以外にないという気持もあって、こういうアイディアを打ち出しているところをご理解いただきたいと思います。
○水田委員 いつも思うのですが、こういう新しいことが施策されると、常に全国統一的に同じようにしていって、何のことかわからなくなってくるのではないかと思います。そのいい例が地域医療対策協議会です。何県かすぐわかるので申し訳ないですが、私自身もこの何年か委員をしましたけれども、年に2、3回会議に行くだけで、何も具体的な成果は出ていないのが現状です。
 そこで、地域医療支援センターというのが出てくると、これは非常にいいことだと思いますが、これも全国に全部同じようにして作っても、うまくいかないのではないかと思います。必ず地域がいくらかお金を出して、国がいくらか出してというやり方ですから、そんなの知らないと言われたらそこまでです。ですから、こういうことをしようと思ったら、モデル事業的にいくつかの県をピックアップして、ガーッと支援してやっていったらどうかと私は思います。幸いにして地域再生医療のあれも出ていますが、県によってものすごく差があります。先ほど北海道の方がおっしゃいましたが、北海道はものすごくいいのを出してきているのです。そういうことをいくつかピックアップしながらやって成果を出したら、それによってまたどんどんいくのではないかと思います。全国同じようにしていくとものすごくお金も減ってくるし、やるモチベーションも下がるのではないかと思うので、コンペティション的にやって、手を挙げてもらったほうがいいのではないかと私は思っています。
○小野委員 小野でございます。全国町村会の立場で出席をさせていただいていますので、地方自治体の町立病院を持つ環境の中での発言をさせていただきたいと思います。資料の27頁にございます全国の医師数、必要倍率ですが、平均的には1.14、しかし私の住んでいる山形県においては1.24です。1,873人必要だけれども1,513人しかいない。数字的に直すとそういう状況になり、360人足りないということです。しかし、これは数字の上での話でして、加えて、ご案内のように大都市に医師が集中していまして、地域格差が非常に大きいということです。したがって私どものような山村過疎地域においては、極言ですけれども、保険はあっても医療はないというような言い方をなさる方もあるわけです。
 そういう中で私どもは、この前も若干申し上げましたが、町立病院の医師はすべて大学病院にお願いして確保させていただいていますけれども、なかなか大変な状況でございます。というのは、大学病院には大学病院の規模があって、その範囲で余力と言いますか、そういうものを見ながら派遣ということになるわけです。私はこの地域医療センターの考え方というのは、いろいろ議論はあるのでしょうけれども、小規模病院に対する医師の応援体制を充実するためには、私はいい考え方ではないかと思います。
 いろいろと機能はまた議論があって、これから整備されるのだと思いますが、私どもも具体的に申し上げれば、単に常勤医を派遣いただくだけでなく、常勤医を派遣いただければいちばんいいけれども、それ以外の勤務医についても非常に期待が大きいわけです。そういうのは是非、こういったセンターでコントロールいただいて、派遣いただけるような機能ができれば大変うれしいと思います。
 問題は医師の確保対策ですけれども、いくつか申し上げてよろしいですか。民主党のマニフェストで、OECDの平均の医師数などから医師養成数を1.5倍にするという話がございます。1.5倍がいいのかどうかについては大いに議論があるのだろうと思いますが、いずれにしても私どものほうの視点から見れば、医師の養成数は是非増やしていただく方途を早急に講じる必要があるのではないかというのが1点です。それと並行して、大学医学部の地域枠について実効性のある地域枠をきちんと設定していただくことも、非常に有効ではないかと思います。
 もう1点は臨床研修制度ですが、いまの研修制度が改善され、私はよくなっているというふうには思いますけれども、まだまだ現場から見れば悩みが多いわけです。例えば私どものほうに派遣いただく新しい医師の研修期間ですが、地域医療を学ぶ期間は1カ月となっています。患者にも覚えられないうちにいなくなるという形ですので、例えばこの期間を3カ月ぐらいに延ばせないかということも考えているところです。
 診療科の地域偏在についてですが、産婦人科、小児科、外科、麻酔科というのは非常に深刻な医師不足を来たしています。そういった中で、医師偏在の是正を図るために需給調整システム、あるいは地域の実情に応じた柔軟な医師の派遣体制の構築、そういったものを着実に進めるための財政措置が必要になってくるのではないかと思いますので、要望ではありませんけれども、ご提案をさせていただきたいと思います。
○高智委員 一昨日、菅総理が総合医の育成と活用、配置についてご答弁していたのを聞きました。前回のこの場で私も総合診療医について申し上げた覚えがありますが、国民皆保険制度の下で日本の医師は保険医として従事されるケースが大半だと思います。したがって、この皆保険制度というひとつの同じ天井の下で従事されることに着目し、いま小野委員がおっしゃったように需給調整システム、具体的には、医学部を卒業して臨床研修に行く過程の中で、何科に行ってくださいという誘導型のシステムが構築できないかと思っています。それにより診療科別のバランスが、ある程度とれていくのではないか。またとれていかなければ、このままではどうしようもないと思っています。
 資料1の19頁の中に外来機能の縮小について出ていますけれども、いまの日本の大学病院の外来の光景は、世界でも日本でしか見られない状況がひとつあるかと思います。具体的には、医学部の教授がかぜの患者を午前中いっぱいかけて診ている状況などは、医療資源の1つの重要な要素である医療の人材、医師の活用の仕方を根底から誤っているのではないかと言えると思います。是非、この辺にも着目した姿勢が必要だと思います。経験豊かで高いスキルを持った医師が診療行為をする場合、最も重症度の高い方に医療資源が向けられることが効率的なあり方だと思っています。
 また、28頁、29頁で、先ほど来議論のあった地域医療支援センターですが、私は輪郭的、枠組み的には賛成ですけれども、皆様方から意見がありましたように、よりスペック的な形でディテールを打ち出していただいて、さらにご説明いただければありがたいと思っています。以上です。
○部会長 いま高智委員が言われたご意見で重要なことは、日本の場合は医師が自由標榜制ですね。それと患者さんの側から言うとフリーアクセスです。その2つを担保していまの財政規模で成り立っていくのかどうか、そこに強制を持ち込むとか法律を持ち込むことができるのかどうか、その辺の議論というのはあまりされていないと思います。でもそれをしないと、これ以上進まないような気がします。
○邉見委員 皆さんの意見を聞きながら考えたことを、3つほど言わせていただきます。まず相澤先生がおっしゃったように、今回の調査で、27頁ですが、いま足りないと。私たちは看護師の職場環境と同じように3交代、複数主治医制、あるいは36協定、週40時間と、医師も看護師と同じぐらいの労働環境でないと、いま労働基準局からいっぱいやられているわけです。いま、おそらく労働基準局に調べられたら、ちゃんと救急をやっている病院でもつ病院はないのではないかと思っています。それぐらい皆さん働いてくれているわけです。善意で働いてくれているわけですが、法律と現場との齟齬があると思っていましたので、私はこの数はいかにも少なすぎるのではないかと思ったわけですが、いま足りないと考えれば、これはこれで仕方ないかなと思います。将来展望は看護師さんの職場環境と同じぐらいに、医師の職場環境もならなくてはいけないのではないかと思っています。
 2つ目の地域医療支援センターですが、水田委員がおっしゃったようにモデルで優れた所があるのです。そういう所を見習ったらいいのではないかと思います。私は自治体病院の中でいちばんいいのは岩手県方式だと思います。21の県立病院と3つの診療所を県立中央病院がうまくキャリアアップに使いながら、あそこの部長に行ったら次の所の副院長、宮古へ行ったら今度はこっち、最後は県立中央病院の院長とか、こういうふうにうまくなっているのです。しょっちゅう、いろいろな科が手術手伝い、麻酔手伝い等々に出しています。四国と同じほどの面積のある県で、うまくやっているというのは、中村直知事以来、増田知事、達増知事、全部医療に非常に理解のある方でしたので、ああいうのをやっていると思います。
 四国4県もみんな県立中央病院があって、徳島県立中央病院も塩谷さんというカリスマの院長がいるのですが、頑張って県立中央病院から南の海部病院、西の三好病院へ行けと言っても誰も行かない。あそこはうまくいっていないですね。だから先ほど言ったように、実際にそこにいる人が魅力を持って、あるいは何かインセンティブがあるようなシステムでないと、現実には動かないと思います。
 日野委員がおっしゃった民間医局ですが、これはマネーゲームみたいなことになっています。麻酔科や病理や放射線科では、病理をやったらスライドを送るだけ、あるいはテレパソロジーとか電子映像なんかで巨額の富というか、麻酔科などは手術料も持っていく病院があります。そこにいる常勤医が嫌になってしまうところがいっぱいあって、自治体病院の院長たちは、これを規制できないのかどこかの会で言ってくれ、こんなことで日本の医療はいいのかということをずっと言われていますので、この場で言わせていただきます。
○部会長 まだご発言のない方、どうぞ。
○尾形委員 少し違う視点からなのですが、資料の31頁に病院に対する全体的な満足度ということで非常に興味深いデータが示されています。これを拝見すると、入院、外来とも平成14年、17年、20年と、右肩上がりで満足度が上がってきているというデータが示されています。先ほど来出ているように、この時期は、一方で医療崩壊と言われる問題が顕在化してきた時期とも重なっているように思いますが、そういう中で満足度が上昇していることについては、どういうふうに考えたらよろしいのか見解を伺えればと思います。
○部会長 まず事務局のほう、答えられますか。
○総務課長 本日の資料の中で参考になることとしては、患者さんへの説明に関して52頁にありますけれども、医療法の規定に基づいて入院時の例えば計画書の作成が義務づけられ、診療情報の提供が進んだというのがあります。次の53頁には医師との対話に対する満足度が出ています。これは17年と20年の比較ですけれども、若干上がっているというデータが参考になるのではないかと思います。
○水田委員 私もそのとおりだと思います。私が病院長をしておりましたときに、病院全体の医療人の患者さんに対するアプローチの仕方など、いろいろなことがずいぶん良くなったと思っていますので、満足度は上がっているのではないかと思います。だからこそ逆に言えば、それだけものすごく医療人は忙しくなって、医療崩壊が起こってきているのではないかという気もするのです。みんな疲れ果てるぐらい、1人にかける時間も増えていますし、きちんと説明しますから当然なのです。何回も何回も手術の前に説明し、手術の後も説明して、その後、ずっと患者さんと話しながらやっていくということは非常に大事ですし、そういうことで検査も増えているし書類も増えている。それで患者さんのほうは、非常によく説明してもらったと喜んでいるから、そういう意味では満足度は上がっているのではないかと思います。
○部会長 いま、医療提供体制でもっぱら医師のことを議論してきたわけですが、あと歯科医師、看護師、薬剤師の方で何かご発言はありますか。
○近藤委員 医師不足の話の中で、前回もお話をさせていただきましたが、32頁、33頁、34頁に資料を出していただいています。ご覧いただけますように歯科医師の数は右肩上がりで増加しています。平成20年には人口10万人当たり75.7人です。前回のこの部会で水田委員から、歯科医師は数は多いけれども、在宅等で仕事場はいくらでもあるのではないかというお話もいただきました。ただ、全体的な過剰感があるということは否めない事実で、33頁の右下と34頁にもありますが、18年8月に文部科学大臣と厚生労働大臣による確認書が交わされています。歯科医師の養成数の削減がずっと続いているわけですが、さらに一層の取り組みをお願いしたいと考えています。
 それから、「今後の歯科保健医療と、歯科医師の資質向上に関する検討会中間報告書」等が出ていますが、そういう中で各大学において定員削減、歯科医師国家試験の合格基準の引上げということで、いま歯科医師の資質向上が求められています。地域偏在的なものはいまも若干残っています。これは無歯科医地区は減ってはきていますが、依然としてある。また特に病院における歯科が少し減る傾向にある。そういう意味での地域での歯科医療の提供体制に若干の齟齬をきたしていることを、我々としては課題として考えています。いま文部科学省と厚生労働省の中で、歯科医師の問題についていろいろと検討していただいていますので、さらに引き続き両省の間で連携を取っていただきながら、対応をお願いしたいと思っています。
 前回も申し上げましたが、高齢社会の中で歯科医療提供体制をどのように行っていくか。これはチーム医療の問題とも関連するのですが、歯科医師の参画、あるいは歯科医師の指示に基づいて仕事をする歯科衛生士の活躍の場が増えてくるだろうし、増やしていかなければいけないと考えています。口腔ケアの問題であるとか、あるいは歯科医師会が、いま主張している専門職種が行う「専門的口腔ケア」を活用して進めていきたいと考えています。後ほどチーム医療の話もあるかと思いますが、そちらでまた発言させていただきたいと思います。
○齋藤(訓)委員 看護師不足も慢性的に続いていて、いろいろな病院の先生であったり、あるいは都道府県の看護協会からも、とにかくいないということが私どもの耳に届いているのは現実です。先ほどのいわゆる紹介ですね、ああいうところもかなり多くの業者がいて非常に高いマージンを取られることも、問題意識としては私どももしているところです。
 看護職員につきまして資料は35頁からになりますが、今まで人材確保法ができた以降、各都道府県看護協会に無料紹介所を設置して、求人と就業を求める方々をきっちりマッチングして就業していただくことを、10何年来ずっと地道にやってまいりましたし、一度離れてしまいますと、病院の医療等は日々進化し複雑化していく状況もありますので、演習等を含めたいろいろな研修体制も組んできましたけれども、36頁の図にありますように、離職の方々のほうが再就業を上回っているのが現状です。
 なぜ離職をするのかということにつきましては、さまざまな調査が出ていますが、結婚や出産といった女性に特有のライフワークでお辞めになっていったり、最近では自分の健康問題といったことも、看護職員需給見通し検討会で出されています。女性医師も増えていますので同じ問題があると考えていますが、夜勤の負担であったり、子育てしながら両立できる環境を作らない限りは、どんなに再就業を支援しても、紹介の派遣をしても定着していかないというのは実態です。ここの原因に対しての対策を強化していかない限りは、なかなか難しいというのが私どもの実感です。前回も申し上げましたが、女性が夜間働くことについては健康を障害するリスクなども出ていますので、この原因に対する対策をどう作るのかについては、労働のほうの検討会で是非やっていただきたいというのは、前回申し上げたことと同じです。
 この確保の中で私どもがいちばん危惧しているのは、これから在宅医療を重視しなければいけないと言っている中で、参考資料1の2頁にありますが、いわゆる訪問看護ステーションで働く看護職員というのは全体の2%ぐらいしかいません。いま全体で約140万人中、訪問看護ステーションで働く方は2万7,662名となっていますので、全体の約2%です。基礎教育で在宅で働くことの魅力はお伝えしていますけれども、全く医療技術も持っていない者が在宅で働くことは非常にハードルが高いこともあるので、これを看護界全体でどういうふうにするかは、これから議論するところですが、実際の訪問看護ステーションというのは非常に規模が小さく、新しい人を採用したくても給与が払えないとか、あるいは一定の教育や研修がなかなかやれない状況もあります。ただ、一部拡大をしていってコンサルテーションしたり、教育をしたりという所が増えていますので、そういった訪問看護ステーションで教育をする所については、それなりの支援をしていただけると、かなり広がってくるのではないかと考えています。是非、このあたりのところを強化していただけないかと思う次第です。
○山本委員 今回の資料の中で、薬剤師が特に整理されたことについてありがとうございました。ただ、ご説明の中で、この場所に馴染むかなというのは、私も医療に関わる者として局は関係なくお願いしたいと申し上げたのに、ご説明がつくのはちょっと気になったところですけれども、それはそれとして、少なくとも薬剤師に関して見れば42頁の表でもそうですが、地域の中では多少偏在はしていますけれども、地域医療を支える、在宅を支える薬剤師については一定の数が増えてきている。むしろ病院に勤務する薬剤師が、医療機関の中で薬剤師が必要だ、常駐すべきだというご意見がありながら、なかなか配置ができていないのは今後の課題だろうと思います。
 そうしたことも含めて6年制の教育にして、新しい薬学、新しい医療技術といったものに対応できる教育をして進んでいますし、その一方で、44頁には実習の指導、がん専門薬剤師等の専門性を持った薬剤師の教育、さらに言えば、今までは薬剤師に対しては看護師、医師と違って、卒後を含めた実習費は自前で進めるのがこれまでのやり方でした。今年、小さな世界ではありますけれども、一定の補助金と言いますか国の支援がいただけたという意味で、これから薬剤師をどう育てるか。我々が育てるわけですけれども、そうした環境を作る上でも是非、こういったことも考えていただきたいと思っています。
 その一方で、医師の方々もそうですし看護師の方もそうなのでしょうが、先ほど来、子育てというのが出ていますけれども、実は薬剤師も女性の比率が非常に高くて7割近くが女性ですので、たぶん先生方が病院の薬剤部をご覧になると大半が女性の方で、薬剤部長だけ男性の所が多いと思います。そういった意味では看護師の方と同様に、子育てのために離職し、その後に戻るリファインプログラムと言いますか、そうしたものもきちんと作っていただかないと、いわゆる医療人としてのヒューマンリソースが全く無駄になってしまうこともありますので、こうしたことをもし検討するのであれば、医療職全体を見据えて、女性をどうするかという論点が要るのではないかという気がします。
 もう1つ、少し先走った話で医療安全の部分でいくと、先ほどのご説明の中に、医療機関の中で医薬品に関する安全管理は7割近く薬剤師が担当していると。これは当然だと思いますが、しかし、2割強のところでは薬剤師が担当できていない。あるいは診療所になると薬剤師がいないケースも多いので、そうした場合の医薬品の安全管理は誰がするのかという意味では、より安全管理が可能なように、薬剤師が病院の中に配置できるような体制も、この中で組み込んでいかないといけないと思います。いわゆる医療提供体制をどう構築するか。先ほど相澤先生から、今の話なのか先の話なのかというお話がありました。今の状況はそれでよろしいと思いますが、この先を考えたときに、一体どういう役割分担ができるのか。またチーム医療の議論のときに申し上げますけれども、そういった意味で言えば、先を見た供給体制の検討を是非お願いしたいと思います。
○部会長 チーム医療の推進に関わる検討会の報告書が出ていますが、この点について何かご意見がある方。日本医師会のほうからどうぞ。
○横倉委員(羽生田参考人) その前に、看護職員の就業関係で一言申し上げたいと思います。1年間に約4万5,000人の新規の看護師さんができるわけですが、大学が約4分の1、そのほかに養成所から多く出ていますけれども、医師会はこの看護師の養成所を運営しているわけです。ところが、いま予算的に補助金がどんどん減らされて、これだけ看護師不足なのに、看護師を養成するところに国がちっとも力を入れていない。公立病院等は授業料ゼロ、入学金ゼロというような養成所もあるわけですが、我々は医師会の中で補助金と、もちろん授業料等々を学生から取るわけですけれども、それではとても運営できず、医師会の会員から集めた会費を注ぎ込み、多い所は年間に2,000万円〜3,000万円注ぎ込んで運営して、看護師さんを地域で確保している状況です。国としてはまず看護師さんの数をきちっと確保する。数がいなければ、これから先のチーム医療にしても訪問看護にしても、すべてが足りない状況ですので、まずは養成する所に国として責任を持って補助をしていただきたい。それをお願いしておきたいと思います。
 もちろん、看護師さんは新規の方プラス再就業ですから、再就業の方がいかに現場に戻れるかということも非常に大事で、それについては医師会でも再就業支援のための講習会等々をやって、再就業を促進する活動もしているところですけれども、いろいろな問題もございますので、まずは養成ということにきちっと国が責任を持ってやっていただきたいというのが、ひとつの要望でございます。
 続けて、チーム医療の中でのお話もよろしいですか。資料を出させていただきましたが、看護職員が行う医行為の範囲に関する調査について、日本医師会で調査をさせていただきました。これは今、チーム医療の中のワーキンググループでワーキングの1つとして、防衛医大の前原教授を中心とした研究班が、こういった調査をやられました。その項目と同じような形で我々として調査をさせていただきました。医師及び看護師からの回答数が9,120名ということで、大体、看護師と医師が半々ずつです。77%の回答を得たということで非常に回答率の高い調査でした。
 厚労省の研究班と違うところは、1頁の3を見ていただきたいのですが、医師及び看護師さんがどのような医療機関にいるかを見ると、病院については国の病床数の現在ある病院の割合と大体同じ割合で回答を得ています。非常に均一化と言うか公平なものであるということです。厚労省の回答は、特に看護師さんは500床以上の病院、あるいは専門看護師、認定看護師さんを持っている方に直接アンケートしていますから、最初から選ばれた方にアンケートしているということで、我々の調査はそういった方でない方も十分回答していただけたというところです。
 9頁のまとめをご覧ください。これについて簡単に申し上げます。1番目はいま申し上げたようなことですが、2番目に、「現場では、一定程度、診療の補助行為として看護職員が実施していることがわかった」とあります。中を見ていただくと、いま医行為をどこまで拡大するか。あるいは特定看護師のようなものを作って、やらせるべきかということが議論されているわけですが、現在、全国的に看護師さんがかなりの医療行為をしている結果が出ているというものです。
 3番目ですが、「看護職員の実施が可能」と答えた割合が50%を超える項目は、医師の回答では38項目、看護職員の回答では36項目ありました。研究班の回答では医師の回答が112項目、看護職員の回答が84項目ということで、我々の調査のほうが、看護職員ができるとした項目が少し少なかったという結果です。
 4番目は、「医師が実施すべき」より「今後看護職員の実施が可能」が上回る項目は、医師の回答で39項目、看護職員の回答で38項目で、2行目の後ろからありますように、「看護職員が実施可能」より「特定看護師(仮称)が実施可能」が上回るものは、1つもないという結果でした。要するに特定看護師がすべきだとする回答のほうが少ないという結果です。
 5番目ですが、「今後特定看護師(仮称)の実施が可能」と答えた割合は、最も高いものでも「患者・家族、医療従事者教育」で、医師回答28%、看護職員回答30.7%です。研究班の調査結果と対象が違うということで、だいぶ回答が違っています。今後、ワーキングのほうでその点も併せた検討がされると聞いていますが、こういった調査結果が出ました。
 今回の結果から、いちばん下の四角にありますように「現場では既に、多くの医行為が、医師の指示に基づいて診療の補助として看護職員により実施されていることがわかった」ということで、「今後特定看護師(仮称)が実施可能」とする回答が少なかったことから、新たな業務独占資格である特定看護師を創設することが、一般の職員が既にかなり多くのことをやっていることから、それができなくなるということは看護師業務の縮小につながることが、この調査結果からも言えるのではないかということで、本日、我々の調査結果を説明させていただきました。以上です。
○部会長 約1時間10分、医療人材の確保に関することをお話いただきました。50頁に論点が3つあります。1番目は診療科や地域における偏在について、どのような改善が考えられるか。2番目は病院の勤務医が疲弊している。安心して働き続けることができるようにするためにどんな対策があるか。3番目は高齢化の進展とか疾病構造の変化が進む中で、医療人材の専門性、入院・外来・在宅等の分野でそれぞれの医療人材が果たすべき役割について、どのように考えるか。今までの議論でいろいろな視点が出されましたし、既にさまざまな施策が行われてきているわけですが、このままいっても劇的に改善することは考えにくいと思います。何かこれについてご意見はありますか。
○齋藤(訓)委員 いま、特定看護師(仮称)の件については議論が進められていますので、具体的なことはこの場ではないと認識していますけれども、前回申し上げましたように少子化の影響や、病気を抱えながら長期的に暮らしていくという人たちが、ものすごく多くなってくることを考えていくこと。それから少子化で医療を志す人材の確保もこれから難しくなってきますから、少ないマンパワーで、どうやって国民や患者さんのニーズに医療従事者が応えていくかを考えると、役割分担やチーム医療の推進は必須だと考えています。
 諸外国でも、同じように高齢化が進み、慢性疾患が多くなっている国の取組みを見ると、医療従事者の専門性を高めて、役割分担をしていく方向は一定程度出ています。それによって診療の待ち時間が短くなるとか、あるいは必要なタイミングで必要なことがやれる状況であったり、あるいは患者さんのニーズに対応していく効率がすごくよくなるといったように、医療のアクセスが改善するし、ケアの質の向上が大きく図れるので不要な入院を回避したり、あるいは合併症が起きにくくなるといった報告も、諸外国ではなされているところです。日本でも同じように高齢化が進み、生活習慣で引き起こされるいろいろな病気が多くなってきている同様の状況がありますので、私どもとしてはチーム医療の推進については是非進めて実際に行っていければ、結果的に副産物として勤務医のいろいろな負担が軽減できることもあると思います。ですから、是非このことにつきましては進めていきたいと考えています。
○海辺委員 今までのご議論を伺ってきてというか、例えば医療支援センターなどの話ですが、地域の事情に合わせるのは非常にいいことで当然だとしても、最終的に、あるだけで全然機能していないような所ができてしまったら困ると思うので、PDCAサイクルに乗せるというか、計画を立てて実行した後、それがどういうふうになっているか検証して、またそれを見直していく機能をきっちりチェックしていただかないと、今度、事業仕分けの対象になってしまっても困るなと思って、私は伺いました。
 それから、いろいろと地域に行けと言っても、なかなか行ってくれないというお話に関しては、例えば病院の勤務を経て最終的に開業される先生が多い実情を踏まえると、開業されるのであれば、地域での経験を積んだ方が開業してくださらないと困るというのは、ごく当たり前のことではないかと思うので、そういうキャリアパスみたいなものは、一体、今のところどうなっているのかなということを非常に感じました。外科の先生以上に、その地域で開業されている内科の先生というのは、コミュニケーション能力が非常に必要になってくると思うので、そういう部分に関しては、今のところどういうふうになっているのかなと感じました。
 あと、先ほど相澤先生が、ガバナンスというふうにお話されていたのですが、私がこういう検討会に出るようになったり傍聴したりしていたときに、医療界としてのコンセンサスというのが、どこでどのように形成されているのかなと、いつも疑問に感じることがありました。というのは、それぞれ外科系の先生と医師会の先生がおっしゃることで、先ほどの不足数の問題に関しても、数が違うのではないかということがあったりします。例えば外科系の勤務医の先生が、患者会などの講演会にお出ましくださって「15万人足りないんだ」と言われると、一般市民は「ああ、そうなの」と思ったりするわけです。そうすると言う人によって全然言うことが違うことが横行しているので、医療界としてのガバナンスはどうなのだろうと思ったりしました。
 もう1つ申し上げたかったのが、必要な数としてきちきちの数を養成することで、本当に機能が果たされるのかなということも疑問に感じました。というのが、やはりどうしてもいろいろな問題を抱えてしまうような医師がいたときに、その方に「あなた、医者は駄目です」というふうになってもらうには、必要数がきちきちだったら、そういう方でも猫の手よりはいいというところがあるかと思いますので、養成数というのはもうちょっと多目に取るのがセオリーではないかと感じました。
 あと、医療技術の周辺の産業みたいなものも、どんどん進んできているので、それこそエステティックサロンみたいな所でも、医行為ぎりぎりみたいなことがあったりすると、そういう所に向いている先生ももしかしたらいるかもしれないから、必要数を多目に取ったから余るということは、今後、ないだろうなと私は感じました。だから、例えば医療ジャーナリズムみたいなところを見たときに、もっと医師がそういうことをやってくださってもいいと思うし、この後出てくる質の評価のところでも、質の評価だけをきっちり信念に従ってやってくださるような医師がいてもいいと思うので、必要数ということに関してはもうちょっと厳密にやっていただけたらと思いました。
 こういう場で伺っていてもう1つ感じるのが、医師の場合は労使交渉みたいなところの場所がないので、要するに勤務して臨床で疲弊している先生がおっしゃることと、こういう所で先生方が議論されていることには齟齬があるのではないか。だから勤務医の方々と先生方のような経営サイドの先生方が、ガチガチに議論するような部会があってもいいのではないかなと感じました。以上です。
○部会長 なるべく短くお願いします。
○近藤委員 いま歯科医師会では、口から食べることの重要性ということを強く訴えています。特に在宅あるいは病院の中で低栄養で体が衰弱していく方に、口から食べていただくことで大きな改善が見られるという情報もたくさん出ています。チーム医療の中で歯科医師の果たす役割、歯科衛生士の果たす役割については、前回の部会でもお話をさせていただきましたが、いま日本歯科医師会では日本医師会のご了解も得、病院協会等にもお願い申し上げて、いま病院は8,000〜9,000件あるそうですが、そのうち歯科がある所は1,800件程度です。それらの病院に歯科医師、歯科衛生士が口腔ケアの部分で、どういう活躍ができる場があるのか調査をさせていただこうと思っています。また調査結果がまとまりましたらご報告したいと思いますが、歯科医師、歯科衛生士が専門職種としての口腔ケアに関与することで、いくばくかなりとも医師不足の問題にも役立つことができる、あるいはチーム医療として活躍することができると考えていますので、是非、その辺のところもご理解いただきたいと思います。
○山本委員 手短に申し上げます。チーム医療の件が出ていましたので、今後の医療提供体制を考えると、医療提供側からすれば患者、国民を先に見ながら、チームを組んで医療を提供していくことが必要だと私も思います。是非、それは構築していただきたいと思っています。そのことが結果として勤務医の方々の負担の軽減だけでなく、看護師の方々にとっても当然、負担軽減ということになるでしょうし、そうしたことが業務分担の大きな目的だと思いますから、是非、その方向は変えていただきたくないと思います。
 もう1点は、患者、国民からしたら、一体どこに、どんな職種が、どのように配置されたらいいのかというのは、たぶん大きな問題だと思います。そういった意味では50頁に書いてある論点の中でも、入院から在宅まで幅広に記載されていますので、そうした視点で在宅ではどういう人が、あるいは病院ではどうなのかということも、是非、今後の検討の中で議論していただきたいと思います。
○水田委員 チーム医療のところで厚労省にお聞きしたいのですが、報告書が出ていますけれども、この中で歯科医療のことをいまから入れるわけにはいかないのですか。これは私は片手落ちだと思います。歯科医療は先ほど近藤委員がおっしゃいましたけど、いま口腔ケアというのは非常に大事ですし、口腔医療というのがどんどん立ち上げられていっていますので、何かここのチームの中に歯科だけないのですよ。だから是非入れていただきたいと思います。
○医事課長 報告書の中でも、個別の例えば口腔ケアとか摂食嚥下という中で歯科医師の役割ということは、チームの中で当然考えられているところです。
○部会長 あと30分しかありませんし、ほかにまだ話題が3つありますので、小島委員、ごく簡潔にお願いします。
○小島委員 医師不足なり医師の地域偏在について、これは本格的、早急に進める必要があるだろうと思います。その意味では、先ほど高智委員が指摘されたような需給調整を強力に進めるようなシステムの在り方、それから先ほど事例として、岩手県ですね、キャリア・パスのモデルと言いますか、そういうものを組み合わせる中で、やはりきちんとした医療機関提供体制の役割分担をきちんとするということで医師不足を解消するということをやっていかないと。先日、政府で経済連携協定の基本方針を出していますので、EPA、FTAといったようなことをこれからは各国との……を進めるという話ですので、逆に、医師不足が解消されないと、外国から医師あるいは看護師を持ってこいというような声が国内から巻き起こる可能性もありますので、やはりそこは、そういうことも踏まえてこの体制整備を早急にすべきだと思っています。
○部会長 あと30分ちょっとです。残りは「広告・情報提供について」「医療安全、医療法人について」ですが、いかがでしょうか。簡潔にお願いします。
○邉見委員 先ほどの積残しで申し訳ないですが、50頁の診療科や地域の医師の偏在です。これはずっと言われて解決できていないわけです。これは、私はやはり緩やかな定数配置。緩やかなですね。職業選択の自由も奪わない、そして、憲法25条の地域における国民の生存権もきちんと守れるというようなある程度緩やかな何かマッチングのようなものがないと、いくら医学部を増やしても銀座の美容整形医が増えるだけで何の意味もないと、私はずっと思っています。実際、そうです。県庁所在地かその周辺、子どもの教育とかいろいろありますからわからないでもないのですが、医師を志す者、看護師を志す者、薬剤師を志す者はみなボランティアマインドがあって、自己犠牲ができる人が非常に多いと思うのです、私、周辺で見ていて。人生80年時代になりました。50年時代であったら数年というのは大きいかわかりませんが、日野原先生みたいに、99歳でも聴診器を持っているわけですから、もう数年いっても大丈夫だと思うのです。そこで結構ハッピーになって、そこできちんと定着したり、そのほかをやる人も増えると思うのです。是非、この辺をそろそろ考えないと、いつまできても堂々めぐりで、この会を10年、20年やらないといけないと思います。
○部会長 結局、最終的には政府としてどこまで介入できるか、規制できるかだと思います。それでは、次の話題で「広告・情報提供について」「医療安全、医療法人について」お願いします。
○部会長代理(田中) では口切りで。61頁に情報提供、広告に関する論点がまとまっています。ここの2つ目です。「ホームページは患者自らがアクセスする情報だから広告ではない」という極めて苦しいロジックがまだ書いてあります。これは、インターネットが登場時に取り締まらなくてもいい理由としてとりあえず法律的な逃げ道をつくったまま、ずっとそのまま続いているのだと考えます。しかし、住民から見れば、インターネットも特に立て看板も区別なく広告だと考えるほうが普通です。したがって、ここで問い掛けているように、新たな枠組みが必要な段階です。
 実際のところ、ホームページを規制することは、技術的にはとても難しいです。よほど悪徳であれば、最終的にはサイト閉鎖を命ずることができるかもしれませんが、単にデータが古いとか、多少間違いがあるとか、医療法の広告規制には反するものの医療機関の取消しほどには至らないグレーゾーンがたくさんあります。こういうインターネットについては、先ほど説明がありました県庁のホームページからリンクされているなどという保証、あるいは医療会側の自主努力で第三者認証シールが画面上にある、いわば病院機能評価機構と同じようにデータの評価機構をつくるとか、そういう工夫をしていく時代であると思います。単に、これは患者が自分で取りにいくから広告ではない、したがって知らんというのではちょっと冷たい時代であると、だから書いてあると思うのです。私もこの問題提起には賛成です。ついでにもう1つ、よろしいですか。
○部会長 はい。
○部会長代理 質の評価・公表推進の話です。58頁辺りに載っています。それから、61頁のいちばん下にも書いてあります。
 質の評価・公表の関連については、欧米では既に実際の活用があります。支払いと絡めている例もありますし、支払いに絡めていないのもあります。事例の蓄積があります。また研究については、日本を含めて一定の進展があります。それらの文献を読めば、いまさら58頁で問い掛けられているような、58頁の真ん中の箱ですね、執行に当たり指摘されている主な課題。3つ目の○、重症患者の多い病院の治療結果の数値が悪くなるため云々のような、インプットやプロセスを調整しないアウトカムを議論する意味は今さらないと思います。こんなものはデータに意味がないことは学問的にももうわかっていますし、どの国でもこんなものを出している所はありません。それこそインチキな医者しか使わないデータです、こんなものは。だから、これはここで問い掛ける意味すらなく、無意味です。
 むしろ評価・公表の主流は、例えば諸外国の例を見ますと、EBMやガイドラインに基づく診療を行った患者のパーセンテージ、こういうのは出ています。プロセスをきちんと見ています。それから、アウトプットで言うと入院待ち日数、日本ではあまりありませんが、イギリス系の国だと結構あるので、入院待ち日数の減少率などのアウトプット指標を使っています。いずれにしろ大切なことは、指標を標準化することであって、指標自体、アメリカでも一時pay for performanceで、よい結果に払うと言っていたのですが、結局、何が出来てきたかと言うと、pay for reportingで、標準化されたレポートでデータが横並びで見られる。この方向が第一歩であるということは理解されてきています。そういうこれまでの蓄積に基づいてこの公表推進事業が進むように期待いたします。
○光山委員 3つの論点のうちの1つ目について、患者、国民の選択を支援するという観点から、情報提供、開示、広告について、意見を述べたいと思います。先ほど高智委員からフリーアクセスに関わる問題提起がありましたが、日本の仕組みの中での患者の選択ということを考えますと、ともすると、一部の病院だけが意欲的に情報提供を進めても、結果としてその病院に患者が集中してしまうことになります。そうなると医師が外来の診療でへとへとになってしまうなど、医師の疲弊を助長するだけの仕組みになりかねないような気もします。医療機能情報の提供を検討するにあたっては、数字の出し方など、開示情報の統一が重要であり、広告の仕方も含め、情報提供のあり方そのものの検討が必要です。今の医療機能情報提供制度については、そもそもの医療提供体制をどうしていくのかということと、医療機関の地域連携を進め、どのように患者を誘導するのかという観点が抜けていると思います。患者的な視点で言えば、医療機能情報提供制度は、今は単なるカタログです。公定価格のもと、みんな同じ料金で購入できるサービスなわけですから、材は同じなので、いい所に行きたいに決まっているわけです。
 そういう視点で考えると、広告・情報提供については、キャンペーンを打つだけではなくて、やはり患者行動に対して、ある程度誘導的なものにしなければいけないと思います。今は、フリーアクセスを規制していくことが難しいため、地域で各医療機関が機能を特化して、役割分担・連携していきましょうということを前提にやっているわけです。広告、情報提供というのは、そういうところに誘導できるような仕組みにしていかなければいけないのですが、残念ながら、例えば都道府県のホームページを見ても単なるカタログとなっています。中にはかかりつけ医との連携について少し誘導的なところも出てきてはいますが、大方がそうではありません。地域の医療提供体制をどのように構築し、それをどのように患者さんに理解していただき、活用していただくかというような視点で、是非この方針はこれから出していくべきだと考えています。現実として、フリーアクセスを法規制するのは難しいのだとすれば、なるべく患者行動を誘導するような仕掛けも視野に置いた検討が必要だと考えます。
○山本委員 インターネットと言ったらいいのでしょうか、広告の部分に関して言えば、もちろん嘘だの誇大だのというのは問題だろうと思うのですが、田中先生がおっしゃったように、かつてから広報と広告は違うという概念でネットの部分を整理してきましたが、皆様方と違って、私の業界は何しろ嵐の中におりますので、嘘・誇大はないのですが、結果として、ここの論点の中にありますように、国民の選択を支援するというのはいい選択を支援するのであって、結果として悪い選択をするような情報提供があってはならないと思っています。そういう意味からすれば、病院の整理というのはもちろんあるだろうと思うのですが、医薬品、あるいは医薬品のようなものと言ったらいいのでしょうか、そうしたものについて何ら、あれは広報だから広告ではないんだというのは、国民感情からするとやはり広告でしかない、非常に買いやすい。いま光山さんがおっしゃったように、いいほうに行くではないかという意味からすると、薬の扱い方あるいはそれに類するものについてはやはり一定の、この中でどういう方向がいいのかと。もし規制ができないのであれば、先ほど田中先生がおっしゃったような方向を持ってきちんとした整理をしませんと、医療提供体制は確保できたけれども極めてフリーアクセスの中でものが流通してしまって、結果としては患者、国民が困るというような状況が出てしまいますので、そうしたことは是非この議論の中で一度整理をしていただいて、規制がかけられるのかどうかわかりませんが、一定の方針というのはやはり要るのではないかと思います。
○海辺委員 情報の部分では、医療機関の情報などがやはり質の、前回も言いましたが、質と量の部分がどうなのというようなところがあります。質の評価に関してとかアウトプットは出すといま出ていますが、どうなのですかね、本当に機能を果たすようになってくれるのかなというのが疑問です。今は、要するに、何となくある情報でみんなが惑わされているようなところがあるので、もうちょっときちんと公平なデータが出るようになってほしいと思いました。
 よく言われたのが、私はがんだったのですが、生存率などのアウトプットももっと出してほしいというようなことを言うと、そうすると今度は治る患者さんばかりを診るようになるから患者さんが早くに見捨てられるようになりますよ、などということを言われたりしたのです。ですから、やはり各ステージごとに、この病院はどういう患者さんを多く診ていてどういう結果が出ているかというようなものはやはり見たいなと患者の側としては思うのですが、なかなかそういうデータはないのです。あとは、そのステージごとにきちんとしたデータがあるべきですし、あとは、もう一歩踏み込んでステージの診断基準が本当にこの病院は確かなのかというところまで評価していただかないと、本当は3期や2期のがんなのに4期で、うちの病院、4期の患者さんはみんなこんなに治っていますよなどというようになられても困るなとか、いろいろなことが患者の側からは言えるので、質に関してはもうちょっと厳しい評価軸をそろそろ作っていただきたいと感じています。
 それから、評判がいい病院が疲弊するということは本当にどのぐらい起こっているのか、何となくは言われていますが、データとしてどうなのだろうということはちょっと感じるところがあります。私などがこうやって東京の都会に住んでいると、評判がいい大病院に行くと、非常にきれいで、先生方も看護師さんも生き生きと働いているようにお見受けするので、では、どのぐらい疲弊して本当は辞めたいと思っているのかというようなことももうちょっと細かく本当に見てみたいという気がいたしました。だから、どういうところで本当はものすごく疲弊しているのかというのが、語られてるイメージと現場にちょっとギャップがあるような気もしなくもないなと、聞いていてちょっと思いました。
○相澤委員 1つは、議論の中で広告と広報は違うんだということをまず考えないといけないと思うのです。広告というのは自らが来てもらうように、宣伝と言ったら変ですが、その示すことで、そこにはやはり広告の規制をかけないと変なほうにどんどんいってしまうことが1つあります。広報というのは、公的な所が情報を集めてそれを公表することです。それは、第三者的なある指標をもってそれを集めて公表するわけですから、それは広報になると思うのです。それを分けて考えないと、同じところでは議論ができないのだと思います。広報をしようというのでおそらく前回の地域医療支援計画の中に県が医療情報を集めて公表するという制度が出来て、あのころは診療科だとかそういうのがあって、いちばん最後のほうに、将来的には質も含めて公表することを考えていくというのがいちばん下のほうにホーッと小さく入っているのです。私は、あっ、これはいつかそういうことをやるなと思っていたのですが、やはりそういうことは必要だと思っています。
 私たちの病院が評判のいい病院かどうか知りませんが、私たちの病院はがんの死亡率も外科の手術後の死亡率も出しています、何パーセントかと。しかし、それで患者さんが増えることもなければ減ることもありません、それは単なる公表ですから。ですから、それを選んで患者さんがどうするかは問題ではなくて、そういうのを公表したから、いい病院だからといって集まってくることもなければ、別に死亡率が高いからといってあの病院に行きたくないということもないのです。最終的に、こういう言い方は変なのですが、マーケティングの原理からいくと、いちばん最後に患者さんがそこの医療を受けようと決める決め手、要するに決定要因というのがあると思うのですが、その決定要因は何かと言ったら、いちばん親しい人の一言なのです。これなのです。ですから私は、医療界は広報することにそんなにヘジテートする必要性はないのではないかという気がしますし、それをやったからといって患者さんがそんなに変動しないのではないかなと思います。最後の決定要因は違うんだと思っていただいたほうがいいのではないかと思います。
○部会長 簡潔にお願いします。
○渡辺委員 医療法人で簡潔に1つ要望というか、86頁、87頁。社会医療法人、前回の医療法改正で認められて結構なのですが、私が申し上げたいのは、特にここに書いてあるとおり、救急周産期等々。重要なところについて社会医療法人に持っていきたいという気持はわかるのですが、要件として、86頁の下から2行目、要するに、社会保険診療に関わる収入が8割を超えることというと産婦人科ができないのですよ。要するに、分娩費は社会保険診療ではないから、現実問題として従来の特定あるいは特別医療法人が今の社会医療法人に移行しようと思っても、ほとんどできないのが現状であると。ですから、87頁にありますとおり、周産期医療は言っていてもいちばん下のわずか4件というのが。だから、この部分だけ何とかしないと、いつまで経っても周産期、特に分娩を扱う産婦人科は特定医療法人になれない。そこは改善を求めます。
○日野委員 社会医療法人につきまして、産科のお産の費用は80%要件から外れていますよね。あとで償還払いになるのですが、それはあまり今回私の言いたいことではなくて。いま医療法人の話をしてもいいですか。
 資料の86、87頁ですが、社会医療法人がいま111法人と徐々に増えてきています。社会医療法人につきましては、医療法人というものが非常に奇異なものでして、種類がたくさんあるのですが、目指すべきゴールという位置づけで考えていただきたいと思うのです。4疾病5事業というのがありますが、そのうちの5事業のどれかをやっている、しかも、件数も必要なのです。そういうハードルがありまして、なかなか数がまだ、7,000法人ぐらいあるうちの110という少ないところに低迷しているのですが、医療のあるべき姿というのはやはり営利をしない、非営利に徹するという意味では非常によく考えられていると思います。
 ただ、2点私が危惧しますのは、社会医療法人につきまして、1つは、一旦社会医療法人の要件が満たせなくなると、それまで課税が。課税は30%と22%と0%と3種類あるのですが、社会医療法人には0%が適用されるのです。それによって蓄えた資本が全部遡及して、最初に社会医療法人に認められたときからすべて償還しろと。それをやられますと、病院の事情でできなくなったならまだそれは妥当かなと思いますが、現在言われております医療崩壊の一環としまして、特定の救急のあるいは小児科などですと、一定の数の医者がいないと運営できないのです。例えば小児科ですと、毎日当直するとして、10人ぐらいの小児科医は必要なのです。10人の所で2人辞めたとする。そうすると、10-2=0になってしまうのです。できなくなるのです。そうした事情で止める所は、先見の明がなかったというか、努力が足りなかったということもあり得るのですが、ほかにも。例えば、救急を担ってやっていた、その横に大きな病院がドーンと進出してきた。これでもう社会医療法人の要件を満たせなくなるのです。それで、全額返せと言うと、当該社会医療法人はそれで壊滅してしまう。公益法人制度との絡みでこれが付いているそうなのですが、これについては是非ちょっとご斟酌をいただいて、税法上の5年間だけは返還しなさいよというように条件を緩和していただきたいと思うことが1つです。
 もう1つは、社会医療法人とよく似た言葉ですが、社会福祉法人というのは昔からあります。社会福祉法人には寄付を受けられる。寄付をしたほうは寄付をした分の所得控除が受けられる。その制度は、社会医療法人には取り入れられていません。その点につきまして、社会福祉法人と社会医療法人はやはり社会保障制度の一環を担っていて重要な役割を果たすわけですから、イコールフッティングで同じようにしていただけたらと思います。
○樋口委員 私は大学で医事法をお医者さんと一緒に教えているのですが、今日も医療の、ここでは現場とは言わないのかもしれませんが、現場のことをよく知っている諸先生のお話でいろいろなことを教えていただきました。その上で、いま情報化と医療安全というようなお話なので、一応情報化ということをキーワードにして2点だけ感じたことを申し上げます。
 まずキャッチワードは情報と。つまり、情報の中で何でも情報があればいいというものでもなくて、定義的に言うと、正しい情報のことをエビデンスと言うわけですよね。それで、医療の世界ではエビデンス・ベースト・メディスンがとにかくキャッチワードになっています。エビデンス・ベースト・メディスンというのは、言葉は美しいですが、実現するのは本当に大変なことですよね。同じように厚生労働省も、政策官庁としてエビデンス・ベースト・ポリシーというようなことでやっておられると私は思うのです。今日もいろいろな統計が出てきますが、本当にこれ、エビデンスなのかということがなかなか。このエビデンスに基づいてこういう政策をやればいいということがそう簡単にはわからないような状況になっていて。やはり情報の精度を高め、情報というのは、つまり収集して分析して活用するという3段階だと思いますが、それをどうやってやっていくかということが、医療であれ政策であれ、大きな課題なのだろうと思います。
 当たり前のことを申上げているのですが、その上で2点。私が関係していることでは、まず情報の収集のところでは、医療安全などに関わることだと思うのですが、結局、今の医療がどういう状況になっていてどこまできているかということを調べるのは、やはり患者の情報を集めた上でそれを分析する必要がある。具体的に言うと、私はいま東京都で、遅ればせながらなのでしょうけれども、東京都が地域がん登録を始めようとしているのです、既に38県がやっているのですが。始めようとしていて、既にやっている所もいっぱいあるのですが、そこでいちばん大きながんは、それこそがん登録だからかもしれないのですが。いやいや、すみません、冗談ではなくてなのですが、やはり患者さんの情報を集めるのが、院内がん登録と地域がん登録という2種類のことでやっていて、それが連携すればいいのですが、なかなか。いろいろなところが、まさに患者さんの本当にセンシティブな情報なのでというので出したがらないわけですよね。いろいろな流出騒ぎもあるからということもあるのですが、それよりもやはり「個人情報保護法があるじゃないですか」という決まり文句がある。
 厚生労働省も個人情報保護法が制定されたあと随分苦労されて、医療機関については、医療情報は非常にセンシティブな情報ではあるけれども一方で患者の情報を活用した上でそれを分析するようなことがないとまさに公衆衛生、public healthの役に立たないのだということで、個人情報保護法は絶対に障壁にならないということを言ってくださっていると思うのですが、まだ足りない。個人情報保護法はそういう分析のためには、流出はいかんですよ、いかんですが、こういう研究等のためには支障にならないんだということをもっとはっきり大きな声で言う必要がある。それが医療安全に資することになる。
 2つ目ですが、これはここでも出ている、先ほど医療安全のためにいろいろな施策をやっているというご説明を伺いましたね。それで、私も知っていることもあるのですが、そのうちの1つの、例えば俗にモデル事業と言われているものに少し関与もしております。政権交代もあり、ブラッシュアップをしようというような話なのですが、そのブラッシュアップというのは一体何を考えておられるのかということを本当は聞いて帰りたいような気がする。もう1つ、モデル事業の前に医療事故情報収集の事業というのが別にあって、例えば、68頁に医療事故情報収集等の事業はこうやって行われていてこういう成果を上げていますよと。私みたいに単純な人間はあまりいないと思いますから誤解はしないと思いますが、68頁の右の上だけを見ると、医療事故の報告数がこういう形で上がっていますね。平成21年は2,000件になっていて、その前の年は1,500件ですから、これだけを見ると、医療事故はどんどん増えているのではないかと。そうは思わなくて、たぶんこれはきちんと報告してくれる人のほうが増えてきているのだと考えればいいのです。その上で、こうやって増えてきた報告をどう活用しているかと。
 つまり、分析のところが結局いちばん重要な、いちばんというか、すべてのことは重要でしょうけれども、そこのところがそう簡単には分析できないようなものでしょうけれども、それでこういう。これはまさに統計としてまずこの機構で受け取っているだけなのです。モデル事業というのはまさに個別の事故について第三者機関で分析しているわけですよね、実例としてはそんなにたくさん、何百例もあるわけではないのですが。それをそういう第三者機関で、何か問題が起きたときには一種の第三者機関でやろうというのは、いわば国民的コンセンサスで、何しろいま、検察庁がそうやられているような時代なのですから。ですから、そういうモデル事業をブラッシュアップという、私も一応英米法をやっているので英語も知っているつもりなのですが、ブラッシュアップってどういう意味なのだろうという。それをもう少し何か、これは党派を超える話なので別に政治的な争いと関係ないと思っているので、医療安全のための努力なのですから。それをもう少し前進させるような方向性があるのですよ、ということを本当は厚生労働省にも語っていただきたいと。これは要望です。2点申し上げました。
○部会長 それでは、残りの時間を医療安全に集中的に議論していただきたいと思います。まず、今の樋口委員のご質問に対して事務局で何か答えますか。
○医療安全推進室長 医療安全推進室長の渡辺と申します。74頁のモデル事業の所を見ていただきたいのですが、モデル事業は、そもそも医療安全調査機構に委託してやっているものです。いま樋口先生が言われましたところは、74頁の右下の「見直しの方向性」というのを今後の、こういったことを軸に進めてはいかがかということで進めているものです。死亡時画像診断の活用ですとか迅速な報告書の作成、あるいは院内事故調査委員会が作成した報告書での調査検討の評価の検討というようなことで進めているところです。これにつきましては、この4月、5月ぐらいに政務3役とご相談をいたしまして、今後、一般的な制度等をしっかりさせていくためにはこのような方向が必要だろうというところで判断をして、こういうところで進めているところです。樋口先生にこのモデル事業の運営委員会の委員長になっていただきまして仕切りをやっていただいているところですが、次回もまたそれの運営委員会があります議論をしっかり作っていきたいと、そのように思っております。とりあえず以上です。
○部会長 医療安全についてほかにいかがでしょうか、今日、いろいろな資料が出ておりますが。院内感染対策もありますね。70頁、71頁に医療安全支援センターというのがありますが、全都道府県に設置されていると思うのですが、これの実績というか、先ほどから出ていますが、アウトプットというような何か、事務局のほうでお話できますか。
○医療安全推進室長 71頁の所からお示しさせていただきたいと思います。機能は、そこにありますように主に3つの機能があります。それで、各都道府県あるいは中核市等々で相談を受け付けていただいているというところです。相談は、東京はすごく多くて何千件とか、地方自治体で少ない所は何百件とか何十件とかという数値は、非公式ながらあるにはあるのですが、現在、それは持っているものではありません。そのようなことで、おおよそは認識しております。
 71頁の所で、「総合支援事業」と下の枠で書いてありますが、これを東京大学の大学院のこういった講座にお願いして、当方から予算を確保して出して、やっていただいております。質問の直接の答にはならないのですが、ここの相談をやっていらっしゃる方々のスキルアップをしっかり図っていくというようなところでこういった事業を進めているところです。
○渡辺委員 さっきの私の言った例の特定医療法人で、日野委員のおっしゃることが正しければ、私はそれでいいと思うのですが、事実はどうなっているのですか。
○指導課長 お答えします。86頁の要件の下から2行目ですが、「社会保険診療に係る収入金額」と書いてあります。実は、助産は診療報酬並びで、これには含まれております。分子にも分母にも含まれていますので除かれていません。したがって、産婦人科だからできないとか、そういうことにはなっていないと思います。
○渡辺委員 分娩費は。
○指導課長 診療報酬ではありませんが、社会保険診療に係るものとみなして入っているということです。
○渡辺委員 では確認。特定と特別のときには完璧だったから、それは現場で。私はいろいろやったからわかるけれども、特定、特別のときにはこれで。特定、特別にはできなかったのでしょう、産婦人科は。そうすると、社会医療法人になったら変わってできるようになった。つまり、分娩費はここに、社会保険診療。つまり、分娩費は自由診療だから云々ではなくて。要するに、一言で言うと、特定医療法人は、産婦人科は、この要件は普通の分娩を扱っている所は。
○指導課長 すみません、特定医療法人については、いま調べております。
○渡辺委員 できるようになったということ。
○指導課長 社会医療法人については大丈夫ということだけです。
○渡辺委員 それならいいのです。わかりました。
○部会長 そろそろ予定の時間となりました。本日はこれまでとさせていただきます。次回の日程について、事務局からお願いします。
○指導課長 その前に最初のテーマでご質問があった地域医療対策協議会の実績です、一応取り寄せましたので。実績が上がっていますのは平成20年度のものですが、13件で115人の派遣実績があります。ただ、週1回程度の非常勤も含まれております。13件ということですので、実績のない県のほうが多いという状況です。ただ、都道府県が医療対策協議会を通じないで個別に対応したというものもあります。それは、38件で500名程度の実績があります。
○部会長 ありがとうございました。
○企画官 次回の医療部会ですが、12月2日(木)、午前10時から12時半までの目途で開催を予定しております。その次が、前回申し上げましたように12月22日(水)ですが、いずれも、場所と詳細につきましては、正式に決定次第、改めてご案内を差し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
○部会長 長時間、どうもありがとうございました。これで終わります。


(了)
<照会先>

医政局総務課

企画法令係: 2519

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