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2010年12月9日 第3回チーム医療推進方策検討ワーキンググループ 議事録

医政局医事課

○日時

平成22年12月9日(木)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省専用第23会議室(19階)


○議事

○石井補佐 定刻となりましたので、ただいまより「第3回チーム医療推進方策検討ワーキンググループ」を開催いたします。本日はお忙しい中、委員の皆様におかれましてはワーキンググループにご出席いただきまして、誠にありがとうございます。川越委員からは少し遅れるとの連絡が入っております。
 最初に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の資料ですが、議事次第、座席表、資料1として「前回までの議論の整理」、資料2として「チーム医療の方向性と歯科医療」ということで、こちらは向井委員からご提出をいただいております。資料3として、「チーム医療における薬剤師の役割」ということで、こちらは土屋委員からご提出をいただいております。資料4として、「チーム医療の推進に向けて−管理栄養士の専門性を活かすチーム医療のあり方−」ということで、川島委員からご提出をいただいております。資料5として、「リハビリテーション専門職のチーム医療」ということで、こちらは小川委員、中村委員、森田委員からご提出をいただいております。資料6-1、6-2につきましては、チーム医療推進協議会からということで、代表して取出委員からご提出をいただいております。資料7-1と7-2ですが、こちらは津川委員から提出をいただいています。乱丁落丁等ございましたら事務局までお申し付けください。
 以後の進行につきましては、座長の山口先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○山口座長 本日は、前回までの主な議論をまとめていただいたものを確認したあとに、いろいろな医療現場からチーム医療につきまして、向井委員、土屋委員、川島委員、森田委員、取出委員、津川委員の6名の委員の先生にご発表いただきますので、よろしくお願いいたします。それでは、事務局から資料1の前回までの議論の整理について、説明をお願いいたします。
○石井補佐 お手元の資料1の「前回までの議論の整理」をご覧ください。まず初めに、この紙の位置づけということで、簡単にご説明させていただきます。このワーキンググループのお願いしていることとしまして、今年度、チーム医療推進のためのガイドライン、これは仮称ということで、このガイドラインという名前についても、何かより相応しいものがあればご提案いただきたいと考えています。現在、予算も最終的な大詰めの段階を迎えているわけですが、来年度のチーム医療の推進のための実証事業の予算要求を行っているところでございまして、その際に参考にしていただくガイドライン(仮称)について、今年度中に取りまとめをお願いしたいと考えています。
 いまは、各委員からチーム医療の取組についてヒアリングを行っているというところですが、最終的にガイドラインの作成に向けまして、それまでの議論の整理ということで、事務局で簡単にまとめさせていただきました、いわばたたき台のようなものと考えていただければと思います。こちらにつきましては、毎回毎回議論やプレゼンテーションの内容を踏まえまして、事務局のほうでリバイスをさせていただきたいと考えておりますが、ヒアリングになるべく時間を取りたいということと、委員の人数も多くなっておりますので、この場でご議論していただくと、それだけで時間がつぶれてしまいますので、何か追加すべき点ですとか、修正すべき点等ありましたら、随時事務局まで、どのような形でも結構ですのでお寄せいただければ、それを踏まえて修正をさせていただいて、さらにヒアリングの内容、ご指摘の内容等を踏まえて事務局のほうでリバイスをしていきたいと考えています。
 簡単に資料の構成だけご説明させていただきますが、1頁にありますように、チーム医療を推進するための基本的な考え方としまして、第1回、第2回の中でもチーム医療を推進するに当たって基本的な考え方についてご指摘をいただいていますので、それについて主だったものをここにまとめさせていただいています。2つ目から少し各論に入ったところでございまして、2つ目は「急性期・救急医療の場面におけるチーム医療」ということで、その基本的な考え方と、次の頁ですが、こちらは前回、近森委員からご発表いただきご紹介いただいた内容について例示しています。この議論の整理におきましては、なるべく簡潔にまとめるという趣旨から、スライド等の図は入れておりませんが、最終的にガイドラインのようなものをまとめる際には、ご発表いただいた資料なども参考資料として付けさせていただければと考えています。
 3番目として、「回復期・慢性期医療の場面におけるチーム医療」ということで、こちらは前回栗原委員からプレゼンテーションいただきました、長崎リハビリテーション病院の取組ということで、このような例を挙げさせていただいています。4番目として、「在宅医療の場面におけるチーム医療」ということで、こちらにつきましては、前回川越委員からご発表いただきましたので、その例も踏まえて、このようなまとめ方をさせていただいています。5番目として、「医科・歯科の連携」ということで、こちらも前回、栗原委員のご発表の中で医科・歯科連携におけるお話がありましたので、このような項目立てをさせていただいております。本日は向井委員からさらに歯科に関するお話があろうかと思いますので、それを踏まえて、またさらにこの部分を肉付けさせていただくということで考えています。
 6番目として、「特定の診療領域等におけるチーム医療」というところで、こちらは前回、徳田委員からご発表いただいた中に、さまざまなチームの例を挙げていただきましたので、このような形で書かせていただいています。7番目として、「医療スタッフの業務の効率化・業務負担の軽減」ということについても、前回ご発表いただいたような例、内容を踏まえて、このようなことを書かせていただきました。
 事務局からの説明も簡潔にさせていただきますので、さらにここに加えるべきような内容、あるいは具体的な例で発表をしそびれたようなものにつきましても、事務局までお寄せいただければ、順次これを追加するということで、リバイスをさせていただきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○山口座長 事務局からご説明いただきましたが、これにつきまして何かご質問はございますでしょうか。
 本日は6名の委員からご発表いただきます。質疑はあとでまとめて行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。申し訳ありませんが、時間が限られておりますので、お一人約10分ぐらいでお願いしたいと思います。それでは、まず最初に向井委員からよろしくお願いします。
○向井委員 これまで2回の課題となっている医科・歯科の連携に向けてというところを少し、実際を含めましてお話させていただきます。まず、私の所属する昭和大学の内容です。医科・歯科の連携を考えるときには、どうしても考えなければならないのが歯科のある病院と歯科のない病院です。昭和大学は付属病院が8つありますが、3つはまだ歯科がございません。そこでこの両方の内容について比較し、その接着剤となっている口腔ケアセンターにつきましても併せてご紹介しながら、システムの内容をお話させていただきます。
 チーム医療の中でも、特に私の大学では8つの付属病院すべてに口腔ケアセンターを設置しています。その内容ですが、大きな3つの目的がありまして、1つはチーム医療の実践、まさにこのワーキンググループそのものでございます。2つ目は大学の付属病院ですので、チーム医療を将来担う学生を教育していくという、チーム医療教育です。そしてもう1つは、地域の中核病院ですので、地域の歯科医療連携をこの口腔ケアセンターを介してしていこうという、大きな3つの目的でこのセンターは成り立っております。
 昭和大学病院は853床ある病院ですが、急性期のチーム医療をここでは紹介させていただきます。胸部心臓血管外科の外来ですが、歯科がありますので、オペで入院する前の2週間ほど前から受診していただきまして、口腔内の診査や、あるいはその一部治療を含めまして、なるべく可及的に口腔内の感染源を少なくして入院し、それから術後も管理して、地域連携パスで、退院後そちらの先生にお願いしていこうという周術期のチーム医療の内容でございます。
 もう1つは、横浜市北部病院です。横浜市の北部病院は663床の病院です。ここには歯科がありませんので、口腔ケアセンターから歯科医師と歯科衛生士をペアで毎週派遣しております。ここのチーム構成職種にありますように、このような職種の方と一緒に、非常勤派遣の歯科医師と歯科衛生士がチームを構成しながら、チーム医療を行っております。これは病棟回診の写真です。そして、チーム医療の場としましては、VAPの予防などを中心として、ICUや全身麻酔の最中にも、長いオペになりますと口腔内の細菌巣が元に戻りますので、オペの最中にも口腔ケアをしております。そのような形で、チーム医療に参加しているというのが実際です。ICUの認定看護師さんは、昭和大学全体では55名、専門看護師は4名おりまして、こういうコアとなる看護師さんと一緒に、ケアをしていくことが多くあります。
 口腔ケアの内容ですが、口腔ケアと言いましても、ここにあります一般的な口腔清掃では、例えば見るからに汚いものをきれいにしたとしても、その下にあるのは、このような歯科疾患です。そうしますと、ここはもちろん感染源にもなりますし、このままではおいしく物を食べるということもできにくいわけです。1つの例では、いかにもきれいな口腔で、歯だけはきれいなようですが、このように歯石がありますと、ここが細菌の巣といいますか、非常に大きな感染源になってしまいますので、そこを歯科衛生士が歯石を除去しながらきれいにしていきますと、このようにきれいになります。こうして、医療を少し足してあげますと数倍の効果がありますが、このような処置は、残念ながらといいますか、専門的な口腔清掃になりますので歯科医療行為です。したがって歯科医師がチーム医療に参画していればこういうことができるのですが、歯科衛生士さんだけでは歯科専門職としての専門性を発揮することはできません。限界があるわけです。
 慢性期の場合は、医科・歯科連携、そしてもちろん福祉と連携していくわけですが、たまたま私の大学の6年生の連携地域医療実習の内容ですので、いくつかの職種の方はここに入っていないのですが、この医・歯・薬・保健医療学部の学生が、在宅の患者さんに対して、みんなで考えて地域医療、どういうチーム医療がいいかということを学んでいるというように受け取ってください。
 私どもの大学では、6年一貫でチーム医療の教育に取り組んでおりまして、低学年で基本づくりをし、高学年でそれを実際に病棟実習や先ほどの地域医療実習に結び付けていくわけです。これは1年生学部連携のPBLチュートリアルの教育をしていくと非常に効果的だということでやっております。1学年ほぼ600人いますので、これで110チームを作って、3分の1ずつに対応可能な数のPBLルームをつくりまして対応をしているというのが実際です。5年目になりますと学部連携の病棟実習になります。これも薬学部は200人いますので2人で、あとは1人ずつですが、保健医療学部等は人数が少ない学科があって、5人から7人くらいが1チームで病棟に入っていきます。1チームが1病棟に入りますから、110病棟に入っているという内容です。1人の患者さんに、担当医が最初のときだけご挨拶をして、それからは1人、2人が患者さんとコミュニケーションを取りながら、どのような問題点があって、どうしたらいいのだろうと、自分たちの領域から考えていって、チームでディスカッションして発表していくという病棟実習が1週間あります。6年次には先ほどの地域とアドバンスト病院実習が2週間から4週間あります。これもチームで学べるということで、こういうチーム実習、チームを作っていくということが非常にアンダーグラヂュエイトのときから必要ではないかと思います。
 事例2は、鳥取市立病院です。鳥取市立病院に、今年、全身疾患の予防や健康の維持向上、県内総合病院で初の口腔ケア専門歯科ということで、地域口腔ケアセンターという診療科ができました。スタッフも歯科医と看護師と衛生士さんと医療事務2名ということで、5名のチームで発足しました。これがその内容です。主に感染管理や機能回復や栄養管理を各科とコメディカルのチームの中に入って歯科がやっていきます。退院時にはシームレスな退院支援として、近隣の診療所と患者紹介による協力関係で、地域医療圏における役割を果たしています。
 課題です。現状においてこのようなチーム医療を続けているわけですが、その中で歯科のある病院とない病院を見てきました。チーム医療を進めるための法的な問題点ですが、医師がかかわるのは、現状では歯科衛生士が保健指導を行う際で、この場合歯科衛生士は一般的な口腔清掃しか実施・指導をすることができません。ですから先ほどのような薬液を使ったり、吸引、あるいは一部歯石を取るような、歯科専門職としての歯科衛生士の専門性を発揮することが現状ではできません。また、歯科医療行為である術後感染症や術後の誤嚥性の肺炎の予防、こういうところに歯科衛生士さんの口腔ケアというのが非常に効果的ではあるのですが、これらは専門的口腔ケアでありますので、歯科医療行為になり、歯科の診療補助の中で行われることになりますので、医行為としては残念ながら違法だというのが現状です。
 また「摂食・嚥下訓練」に対しては、もちろんチームでやれるのですが、これも診療上の補助行為ですので、歯科医師の指示の下にいまは実施されているというのが現状です。また、医科疾患患者の口腔内疾病や口腔乾燥等の症状に対して、歯科衛生士が行う療養上の指導や実地指導も歯科医師の指示が必要になっています。このようなことから、何とか歯科医師・歯科衛生士へのアクセスを円滑にする施策が求められるのではないかと思います。
 また、これは脳血管疾患の方ですが、このような脳血管疾患や医科疾患の患者さんの多くは歯科疾患があります。1人の患者さんの口腔の疾病の治療と機能を回復して、よりクオリティの高い入院生活のみならず、退院後の生活のQOLを高めるためにもチームとしてかかわり続けることが必要です。歯科医師と歯科衛生士が一緒にいると、かなりケアができます。口腔の疾病も診断に基づいて治療やケアがなされますので、診断なくしては、チームの役割に限りがあるということです。つまり、チーム医療には歯科衛生士だけではなく、歯科医師の参画が必須ではないかと思います。そうは言っても、いま一般病院の中で歯科があるのは28%に過ぎませんし、精神科の病院につきましては19%に過ぎません。最低でも一般病院のうちの72%、精神病院のうちの81%は歯科医療関係職種がいないということが推測できます。ですから、現状のままでは病院内において、歯科治療関係職種がチームに参画していくことは、困難な場合のほうが72%ということで多いのが現状です。
 それでは、どのような方向性と、歯科医療、医科・歯科の連携に向けて進めていったらいいのかという提案です。まず、先ほどお話しました1人の人の口だけを身体から取り出すことはできませんので、まずチーム医療を推進していくためには、医科と歯科の連携がもちろん不可欠でです。これは大前提です。そのためには歯科に関する職種が配属されていない病院は、歯科医師や歯科衛生士を配属するための施策、例えば診療報酬で評価するとか、病棟への配置基準を設定するとか、このような何らかのことが必要と思います。歯科衛生士が行う専門的な口腔清掃や摂食・嚥下訓練については、歯科医師の指示の下に歯科医療行為として実施しているのが現状です。したがって、病院等のチーム医療においても、病診連携を含めて、歯科医師あるいは歯科衛生士がともに参画するという、こういうチームの作り方が必要ではないでしょうか。さらに進めていくには、医科と歯科を含めたすべての医療関係職種がいろいろな立場で医療を担っていくわけですが、患者さんを中心として、関係職種が相互に連携して、円滑に遂行できるシステムを構築するには、先ほど昭和大学の教育システムを提示させていただきましたが、意識と知識を多くの医療関連職種に、アンダーグラヂュエイトのときから教育の中で入れていく必要があるのではないかと思います。
 最後になりましたが、病院での医療における歯科の関わりに対する調査が現在進行中です。どの程度のチーム医療に関わっているかという詳細につきましては、何とか年度内にはご報告できればというように思います。以上です。
               (パワーポイント終了)
○山口座長 ありがとうございました。引き続いて、土屋委員からご説明をお願いします。
               (パワーポイント開始)
○土屋委員 「チーム医療における薬剤師の役割」ということです。私は、国際医療福祉大学で薬剤の統括部長をしている土屋です。薬剤に関してはここに示しますように、これはある調査ですが、入院患者の薬被害が5人に1人ということで、薬というものは正しく使っても有害事象が発生するという特色があるわけです。しかも、こういったときにはどうするかというと、入院中であれ、薬剤の有害事象というのは見逃されやすいので、把握のためには担当薬剤師が日常的に患者の症状をチェックし、というようなことが書かれています。しかしながら、残念なことに、まだ病棟に常駐する形を取っている医療機関は極めて少ないということで、いまの入院患者においてこういう有害事象が見逃されてしまう。結果として、またそれの治療のための薬剤費がかかってしまうことが構造的にはあるのではないかと思っています。
 病院薬剤師の業務は、時代の流れとともに大きく増えてまいりました。これは、1つにはもちろん院内・院外ということで、昔は院外処方はなく、ほとんどの仕事が院内調剤となっていました。しかし、時代の流れとともに病棟に行って、薬剤管理指導業務というのを行う。あるいは、ここ10年医療安全ということで、薬剤に関するインシデントあるいは事故というものが極めて多いわけで、それを防止するためにさまざまな対策を取るということで、このように増えています。また、治験あるいはその他の業務というものもたくさん出てきています。そういった意味でいいますと、昔はチーム医療といっても、正直、法的にはチーム医療だったかもしれませんが、物理的に存在をしていなかったというところがありますが、薬剤部に閉じこもっていた時代から病棟のほうへ行って、本当の意味でのチーム医療ということを行っているというのが現在です。
 これは薬物療法で、医薬品の適正使用で正確な、的確な診断なり最適な処方があって調剤され、服薬支援があって正確に使用され、使用されたあと効果と副作用の評価をして、次の処方にフィードバックするというのが適正使用のサイクルと言われているものです。以前は、薬剤師がここの調剤のところだけをやっていたというのが現実だったと思います。しかし、いまや病棟に行ったりすることによって、投与プロトコールのところで処方設計に参加したり、バイタルサインとかフィジカルアセスメントのことも含めまして副作用のモニタリングをし、そういったものを評価しながら次の処方提案をする。あるいは検査結果が出てくると、そういうのを見た上で薬剤の変更を行うというようなことでのアドバイスをする。すなわち、いまは処方設計から服薬後まで。いままでは、調剤という部分的なところをやっていたわけですが、いまやそうではなく、薬物療法において薬剤師の果たす役割はこの全体であるということです。
 そういった中で、病棟に常駐している所は極めて少ないのですが、東住吉森本病院は329床で20人の薬剤師を置いています。実は、1995年から既に病棟に常駐していた。当然のことながら、これは診療報酬上の対応が取られているわけではありません。聞くところによりますと、院外処方せんにするので薬物療法を正しくやろうと思ったら、病棟にいるのが当たり前ではないかということで、むしろ自然発生的に常駐していた。しかし、その後のことを見ると当直明け、夜勤明けがあったりしますので、病棟にいない所が出てきてしまう。そこで、現在は2病棟に3人体制。すなわち、ここにあるようにそれぞれの病棟に主担当がいた上で副担当を常駐していまして、もしこの主担当が夜勤等で明けになってしまったとしても、そこには副担当が入る。常勤帯において、常に薬剤師がいることが当たり前になっている病院が存在しているということです。
 こういったところで何が行われるかというと、まず積極的な処方。患者さんを実際に見ていきます。薬剤管理指導業務というのは、1週間に1回しか算定できません。多くの所は薬剤管理指導業務で、病棟へ行って指導して、また薬剤部に戻ってくるということですが、常駐しているということは毎日患者さんを見ることができる。そうすると、「あれ、患者さん、体重が減ってきたな」というと、たとえ電子カルテの数字が直っていなくても、「この患者さんは最近これですよね。この薬はこの量でいいですか」ということが言える。これは、常に見ているから言える話で、いままでのように薬剤部にこもって調剤をしていると、処方せんや電子カルテというものの情報は見えます。しかし、顔や様子が見えないというのは、薬物療法を正しくやる上では極めて不十分だと言わざるを得ません。ですから、そういったことをやる。
 最近は時代的な流れというか、極めて持参薬による事故も多く出ていますが、この持参薬の調査、あるいはそういった薬歴をチェックしながら、後発品がたくさん出てきたものですから、後発品と自院での採用薬との間のチェックも含めて、さまざまなことがある。あるいは先ほど少し申し上げましたが、薬効、副作用をモニタリングするためにはフィジカルアセスメントもとることも。薬剤師も、いまは6年制になっていまして、間もなく卒業生も出てくるわけですが、こういったことを積極的に行う。そして、処方せん1枚から判断をするのではなく、薬剤師は疑義照会という処方せん中に疑わしい点があった場合には、それを確認しなくては調剤してはならないという薬剤師法第24条があるわけです。しかし、それは処方せん1枚では本当の意味での疑義照会はできずに、患者の状況をいかに把握するか。副作用の状況をいかに把握するかによって、初めてその疑義照会が本当の意味を持つことになるわけです。また、常駐していますから、そもそも医療スタッフにさまざまな助言ができるということがあります。そういう意味でいうと、そもそも疑義照会は事後的に出てくる話で、そこにいれば疑義照会すら発生しにくくなることもあるわけで、疑義照会というのは中断を必要とするものですから、そういったことでいえば、先生方にとってそういう意味での効果もあるということです。
 ここら辺に書いたのは、薬剤師の専門性を生かした病棟常駐において確保される業務。もちろん、そのほかに病棟にいるということで、いま看護師さんがおやりになっているような与薬やその準備、配薬その他のこともやるということはありますが、常駐することの目的はあくまでも薬剤師の専門性を生かして、患者に対してプラスなことをやるということです。
 一方、手術室においてはさまざまなことがあります。手術室に薬剤師がいる施設も極めて少ないのですが、そういったところではここに書いたようにさまざまな医薬品の管理あるいはチェック等を行っており、忙しい所であればこそ、薬剤の専門家がいることのメリットが出てくるわけです。
 一方、医療機関の中でのチーム医療のほかに、患者さんが退院されたあと、今度は特に保険薬局を中心とした地域における連携というのがあるわけです。これは、国立がんセンター東病院の例ですが、退院されるときはここでチームが変わるわけです。そこで、薬剤部と保健薬局によってリンクを張るリンクスタッフが、ここで十分な連携を取ることによって、入院中に起こったこと、あるいはそれ以後の話で注意しなければいけないことをきちんと話し合うことができている場面です。
 終末期医療になりますと、だんだん嚥下困難になってきたりということがあります。いまはさまざまな剤形というものがあります。その剤形選択の話もありますし、もちろんモルヒネを含める麻薬というものは、ここ数年でかなり多種類なものが出ています。そういうものをいったいどう適切に使っていくかのアドバイスは、薬の専門家である薬剤師というものが存在し、うまく使い分けることによって患者がメリットを受けていくことになるわけです。
 先ほど病院薬剤師のことを言いましたが、薬局薬剤師の業務変化というものも医薬分業で、平成18年には薬局が医療提供施設ということで、医療法にも位置づけられることになりました。いま薬局は、医療というものの提供施設であるということで、その中で在宅医療への参画、あるいは薬局薬剤師の退院時カンファレンスの参加も診療報酬上認められていますが、残念なことに病院の薬剤師が病棟に常駐していないために、そこの連携がまだうまくいっていないというのが実情です。情報を共有するためには、外来化学療法が中心になってきていまして、この情報をどのように保険薬局のほうに伝達するかは極めて重要な情報伝達になってまいります。こういったことで連携というものは必要ですが、そこのところがまだなかなかできていないのが現実です。
 例えば、服薬に関して、いったいどういうことがあるかというと、薬が飲めない、飲みたくないといったときに、どういうことをやるかというと服薬指導もありますし、飲みやすいようにとろみを添加したり、ゼリー状にしたり、溶けやすい薬剤に変える。この10年間、薬剤学、製剤学の発達により、さまざまな剤形が出てきたことをいかに現場にメリットとして返していくかが必要になってくるわけです。
 多職種連携によりアセスメント可能。食事、排泄、睡眠、運動というさまざまなところで薬が関与する。例えば転倒・転落についていえば、薬剤の副作用で有害事象として起きている場合もあります。そういったことを含めて、さまざまな他職種の方と連携をしていくことが極めて重要で、こういった中で薬剤というものをどう捉えて、そのプラスの面をいかに生かしていくかになるかと思います。
 そこにおいては、訪問看護ステーションとの連携、あるいは介護職との連携ということで、さまざまな職種との連携も出てまいりますし、これらはもう既に報酬上は評価を受けていますが、実行している所は少ないのが実情です。
 そうやって考えてみますと、医療機関の中におけるチーム医療としての薬剤師の薬の専門家としての役割、他職種のと協働の中でやっていく。あるいは地域の中で薬局の薬剤師がさまざまな役割をしていく。この2つがあるように思いますが、その中で実際には、ここで薬局の薬剤師と病院の薬剤師が連携を図ることによって、患者は薬物療法をずっと受けているわけですから、そこの情報伝達をきちんとしていくことが必要ですし、先ほどのケアマネジャーとの間の情報連携も当然出てくるわけです。このように、薬物療法というものが我が国の医療において主流である以上、そこに薬剤師というものがきちんと存在をして、最適な薬物療法ができるように皆さんで力を合わせながらやっていくことが必要ではないかということで、私の発表は終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
               (パワーポイント終了)
○山口座長 ありがとうございました。引き続きまして、川島委員からご説明をお願いします。
○川島委員 聖マリアンナ医科大学病院栄養部の管理栄養士の川島です。「チーム医療の推進に向けて−管理栄養士の専門性を活かすチーム医療のあり方−」と題して、お話したいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
               (パワーポイント開始)
○川島委員 まず、病院管理栄養士の現状を示します。左側の表は、一般病院における職種別の医療従事者数です。ここをご覧いただいてもおわかりのように、多くの職種がいる中で、管理栄養士は100床あたり1.2人と最も少ない職種になっています。右側の図は、逆に病院に在籍している管理栄養士1名に対する担当病床数、すなわち患者数で見たものですが、多くは50床以上で未だに100床以上の所もあり、50床未満はほんの20%に過ぎず、1人の管理栄養士が多くの患者に対応しなければいけないというのが現状になっています。
 管理栄養士の業務は、主に給食の管理と患者の栄養管理の2つがあります。限られた人数の中ですから、現行では通常業務のほとんどを給食の管理に費やしており、栄養管理を行うのは通常業務の一部と時間外で対応しているのが現状になっています。そのため、チーム医療への参加は部分的に一時的に参加するという形を取らざるを得ない状況になっています。しかし、本来あるべき姿は、患者の栄養管理と給食の管理にそれぞれ別の担当者を置いて業務を行うことだと考えています。病棟では、患者の個々の摂取量やアセスメントによって、それぞれ細かい調節ができ、十分なケアが可能となってきます。それをまた連携することによって、食事内容の質が上がるところへもつながっていきますので、栄養管理全体の質が上がると考えています。管理栄養士を病棟配置にすることが、チーム医療のあるべき姿だと考えています。
 次に、チーム医療の実際をお示ししたいと思います。管理栄養士担当病床数が110床として、当院聖マリアンナ医科大学病院を紹介したいと思います。当院は許可病床数1,208床で、管理栄養士は11名です。私も管理栄養士の部長ですが、含まれていまして、今年採用の2名もおります。現在2名は研修中であるため、実際には8名で運営していることになっています。栄養管理実施加算は、厚労省から全患者対象と言われていますが、現在は30%のみしか実施することができていません。ここにお示ししますように、管理栄養士が関わるチーム医療はいくつか行われていますので、ここには参加しています。そのほか、入院栄養食事指導や外来栄養食事指導も行っています。この写真は、チーム医療である、NSTの写真ですが、一部参加型になっています。
 では、どうして30%なのかと皆さんも疑問に思われると思いますが、入院時のスクリーニング票は当院は各病棟で行い、すべてが栄養部に下りてきます。スクリーニング票は点数評価ができ、ハイリスク者が点数で判定できるようになっています。そのスクリーニング票を使って点数が高い人たちにアセスメントを実施し、栄養管理実施加算を掛けて計画を立てモニタリングをするという流れを取っていますが、全部の患者にできていません。まず3病棟に関してはハイリスクの人だけ行っています。3病棟の中で大体10%ぐらいになっています。別の5病棟に関しては、すべての入院患者にアセスメントを実施し、管理加算を行っています。当院は25病棟ありますので、その他の17病棟に関してはチームで係わった対象者や個別対応している患者、食事の嗜好に問題がある、摂取量が非常に少ないというように食事対応困難な患者をピックアップして、その患者を対象にしていますので、17病棟に点在しています。それをまとめると、大体6〜10%で、1病棟半ぐらいの患者が対象になっている状況です。このため、全体で30%という状況になっています。ハイリスクの患者の情報は電子カルテに添付し提供しており、これを基に担当医から依頼が来たり、医師や管理栄養士だけではなくて、その他のコメディカルからも依頼が出るシステムになっています。
 次に、理想型である管理栄養士担当病床数40床の1病院を紹介したいと思います。許可病床数276床で、管理栄養士は7名です。栄養管理実施加算は、99.5%と、ほぼ全患者に実施されています。チーム医療は写真に示しますように、病棟配置型のチーム医療が行われています。ここに示したチームに参加しています。しかし、このような病院は2枚目で示しましたように、約2割にしか満たされていないのが現状であり、限られた病院であることをご理解いただきたいと思います。
 このような中で、管理栄養士が関わった栄養管理の効果を実例を使ってお示しします。これは、消化管のがん患者が対象の調査です。外来で手術日が決まった時点でNSTが介入して、主観的包括的アセスメントを実施します。その結果、中等度栄養障害と判定された場合は管理栄養士が介入し、免疫補助栄養剤を入院前7日間を基本に摂取してもらい、入院したあとも栄養士が介入し、継続でフォローしていきます。その結果、介入前は入院在院日数が17.5日でしたが、有意に下がって11日になったことがわかりました。
 次は、退院後のフォローアップにつながる外来栄養指導の効果です。管理栄養士の配置人数により、外来での栄養食事指導の件数に違いが出てきました。これは、入院中に食事療法や栄養管理の動機付けができるということが、外来での栄養食事指導の数へとつながっていると考えられています。
 これは、743名の糖尿病患者に対する6カ月間の栄養食事指導によるヘモグロビンA1cの変化を見たものです。平均指導回数は3.3回でした。指導前は、ヘモグロビンA1cが8.2%でしたが、指導後は6.7%と有意に低下しました。経時的に見ましても、改善していることがよくわかると思います。
 次に、病棟配置型の管理栄養士がいることにより、入院時から退院時までの対応だけにとどまらず、在宅まで連携できることを260床の病院の例でお示ししたいと思います。これは260床の病院の25年前の図ですが、管理栄養士1名と栄養士が2名でした。そのため、管理栄養士1人の担当する病床数は260床で、病院の給食管理のみしか行っておらず、病棟業務は無しでした。また、外来の栄養相談も年間で20件と非常に少なく、在宅への連携はほとんどない状況でした。その後25年かけて、現在は管理栄養士が6名に増えています。そのため、管理栄養士1人の担当病床数は40床となりました。そのことにより、入院前の食事摂取状況の把握から治療食の必要性の説明や調整、入院中の栄養指導や退院後の指導が行われるようになり、日常業務として担当できるようになりました。そして、それは在宅訪問栄養食事指導へもつなげることができました。そのため、訪問栄養食事指導によってもヘモグロビンA1cがこれだけ下がっていくという結果も得ることができました。このように入院から退院、さらに在宅までつながる患者個々の状態に応じた質の高い栄養管理が、長期間にわたって可能であるがおわかりいただけるかと思います。
 病棟配置型のチーム医療での管理栄養士の業務内容をまとめてみました。6つありますが、病棟におりますと、日々変化する患者さんの状態に応じた栄養管理はタイムリーにできるというメリットもあります。そのため、栄養不良のリスクを回避することができ、摂取量が少ない場合に少ない分を補給することも即時にできることになります。さらには、地域連携へもつなげることができ、在宅での支援も行えることになります。
 最後になりますが、これまでの話をまとめますと、入院時から退院時の対応はもとより、退院後の栄養食事指導の継続、在宅への栄養管理、食事の支援ができ、患者にとって有益ということがおわかりいただけると思います。このような管理栄養士の専門性を活かすチーム医療を行うには、病棟配置型の管理栄養士が不可欠であると考えています。以上です。
               (パワーポイント終了)
○山口座長 ありがとうございました。引き続いて、森田委員からご説明をお願いします。
○森田委員 初台リハビリテーション病院言語聴覚士の森田と申します。リハビリテーション専門職である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は共通点が多く、これまでも連携して行動してきた経緯がありますので、本日3職種合同でのプレゼンをさせていただきたいと思います。
               (パワーポイント開始)
○森田委員 まずリハビリテーション医療は、連携なくしては存在しない。リハビリテーション、その始まりから連携が存在したと感じています。その意味では、既に40年を越えるチーム連携の歴史を持っていると考えています。リハビリテーション医療は、歩行を含む基本動作能力の回復等を目的とする理学療法、ADLの回復等を含む応用動作能力、社会的適応能力の回復等を目的とした作業療法、コミュニケーションを含む言語聴覚能力の回復を目的とした言語聴覚療法、また、それ以外のいろいろな多職種の治療法より構成されていると考えます。いずれも、実際に日常生活の中で活動ができるようにならなくてはならない。そこが目的となるところに大きな特徴があります。
 リハビリテーションの大きな特徴は、全人的アプローチです。疾病や負傷等により、運動・感覚・認知機能が損傷され、日常生活活動、社会参加が損なわれた者に対し、まずは最大限の機能回復を引き出し、生活を拡大し、さらにはその方の社会や仕事や家族や生活といった、全人的にその人を支援するために行うのがリハビリテーションである。そこが、いちばん大きな特徴です。我々は医師の指示の下、カンファレンス等の治療方針をまず徹底して、その中でそれぞれの専門性を発揮し、評価やプログラムの立案、実施を行うわけですが、全人的アプローチを行うという目標を達成するためには一職種では達成することができず、当初より他職種との密接な連携が重要であり、3職種間は言うまでもなく、その他の職種とも連携を行ってきたという歴史を持っています。
 これは入院での例を示しましたが、複数の職種は患者を取り巻いて、その専門性を発揮しながら医療を進めていくことになります。また同時に、この専門性を発揮するだけでなく、患者を中心として見たときにそこから抜け落ちてしまう部分に関して、相互補完的にスキルミックス的な要素も持ちつつ、専門性を発揮しながら医療を進めていくことになると思います。そのチームアプローチの中核となるものがカンファレンスであり、カンファレンスの役割は各職種からの情報の発信と受信、情報の共有と統合、そしてそのディスカッションの中から的確な問題点を抽出し、そこから挙がる課題を検討し、治療の方向性を決定することであると考えます。
 また、時系列的に見ますと、カンファレンスは1回行えばいいというものではありません。入院時カンファ、定期カンファ、退院前カンファと繰り返し行うことが必要で、その中で初期には的確な情報から予後予測を行い、訓練を行い、再評価から退院先を検討し、必要に応じ家屋訪問や家屋改造を行い、退院後のサービス調整を行い、退院に至る過程になると思います。十分なカンファレンスによるチーム連携が行われることによる患者側のメリットはと申しますと、病状や予後についてわかりやすい説明を受けることができる。自分を取り囲むスタッフが、皆同じ目標を共有してくれていて安心感がある。また介助方法も統一されていて、安定した生活が送れる。情報がスタッフ同士で共有されていることによって、適切な心理的サポートを受けることができる。退院先を決定するために、適切な情報を受けることができる。このような効率的な医療が行われることによって、入院期間が短縮できる。こうしたことが、カンファレンスを中心としたチームアプローチのメリットであると考えます。
 このように、チームアプローチはリハビリテーション医療においては必然であり、既に連携の実績があると私たちは思っています。しかしながら、実はそれは簡単なことではなく、カンファレンス1つ取っても十分に行われている病院もあれば、なかなか行いにくい病院があることも事実です。特にいま、医療保険から介護保険への連携がなかなかうまくいかないということが、どこでも大きな社会問題になっていますが、これらを改善させていくためにもカンファレンスを医療と介護の連携の間に位置づけていくことも、今後考えていかれるのではないかと思います。また、病院におけるカンファレンスというのは、もちろん質の高い医療を提供することを目的に行うわけですが、既にカンファレンスの有効性は立証されているものの、現状は単位取得、すなわち収益がリハビリテーション現場では優先される事態も起きており、次第に開催が困難になっている実態があります。適切なチーム連携を進めるために、カンファレンスを実施するための環境整備を進めることが強く必要であると考え、相応の保険点数を設置する、あるいは義務化するとか、何らかの環境整備をしてカンファレンス実施を促していくことが必要ではないかと提案したいと思います。
 続いて教育です。ほかの委員からもありましたように、チーム医療推進のためには教育の充実が極めて重要であると考えます。実習に出る前の基礎教育のところで、チーム医療の授業を必須にすることです。また、臨床実習において、チーム医療を実践的概念整理をさせるような実習にしていくことです。また、卒後研修においてチーム医療の研修を行うことです。これらについて提案します。
 私は現職の前に、国際医療福祉大学で6年勤務をしましたときに、関係職種連携実習の担当をしていました。大変いい実習だったのでご紹介します。最初の向井委員からのご報告もありましたが、当学で行っていたのは、連携を学ぶことを目的とした実習で、看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・ソーシャルワーカー等の複数学科の学生がチームを組み、病院・施設に出向き、1症例を担当し、ディスカッションを重ね、評価、サービス計画立案までを行うという実習でした。この実習は大変効果が高く、学生のうちから他職種を理解すること、連携のイメージを付けることは、将来実際に医療現場に出たときに、大きな手掛かりになると実感しています。ここまで3職種にて、是非カンファレンスの推進の環境の整備ということと教育の充実について提言をさせていただきました。このあとは3職種をもう少し説明させていただきたいと思います。
 理学療法士です。歩行を含む基本動作の獲得に向けた専門職ですが、最近では予防の領域でも大きな注目を浴び、生活習慣病、転倒、介護予防等の予防活動を保健師や栄養士等と連携し、実効あるものにするような活動を行っています。また、脳卒中、がん等の疾病や負傷に対して、急性期そのあとに続く回復期、そのあとに続く生活期で、リハビリテーションを提供しています。急性期には医師・メディカルスタッフとの連携を推進しています。回復期も、医師・看護師・リハビリ関連職種との連携で、自宅ターンへのアプローチを行っています。生活期の理学療法では、医師・ケアマネージャ・看護師・介護職・リハビリ関連職種との連携を行い、居宅患者の生活を支持しています。
 2枚飛ばしていただいて、言語聴覚士から説明をします。言語聴覚士はいま1万7,000人ほど日本におりますが、脳血管疾患領域では失語症、高次脳機能障害、構音障害、嚥下障害などの訓練を担当しています。また、聴覚障害領域では、難聴のお子さんの補聴器・人工内耳の調整、言語訓練等を行っています。また、音声障害領域では、耳鼻咽喉科医と連携し治療を行っています。また、小児の領域では脳性麻痺、自閉症、ダウン症などの知的障害や学習障害、注意欠陥/多動性障害などの発達障害児の治療を行っています。また、口蓋裂等の構音障害、それぞれの疾患、障害に対し、リハビリテーション医、耳鼻咽喉科医、小児科医あるいは教員、その他の職種とライフステージに沿って、連携を行っています。このあと作業療法士の中村春基さんに戻します。
○中村委員 作業療法士の中村と申します。兵庫県のリハビリテーションセンターに勤務しています。ガイドラインを作る方策を検討するときに、専門的な内容は十分理解していただかなければいけないと思いまして、リハビリ専門職と一括されますので、ここであえて各専門職ということで作業療法の説明をさせていただきます。
 提示していますのはICFの概念です。作業療法の適応と範囲という話をさせていただきますと、疾患、障害は問わず、すべての生活障害に対応するのが作業療法士です。したがって、心身機能、活動、参加、このすべての領域に作業療法は関与しています。精神科、小児、発達障害に対しても実施しています。
 丸で囲んだ下の図ですが、これは4月30日に医政局から発出していただいたもので、作業療法の作業とは何を示すかを表したものです。作業は手芸、工芸をイメージされると思うのですが、作業療法で行う作業はこういうことだということです。移動、食事、排泄などのADL、それからIADLです。これは家事、外出などを示しますが、家事では最近は管理栄養士の方と一緒に実施している例が多くあります。生活を変えるということは、習慣を変えなければいけませんので、習慣化までを目標に調理動作を実施しています。例えば片麻痺で糖尿病の方でしたら、動作の評価、指導は出来るのですが、献立やカロリー計算、食べ方などは管理栄養士助言を頂きながら訓練を行っています。また、退院後の住環境への適応、発達障害、高次脳機能障害へのリハなども作業療法の作業に入ります。是非ご理解を賜りましたらありがたいと思います。
 意見です。社会復帰、主体的な生活の獲得を目指す、これはリハビリテーションと置き換えてもいいと思いますが、生活移行、定着を目標とする支援が主です。そのためには在宅とか地域というものを取り込んだチーム構成が必要だと考えます。ですから、ガイドラインを考えるときに、介護、障害者自立支援法関係も一緒に考えていかなければいけないと思います。そういうチームを前提としながら、医療チームというものを考えていただきたいと思います。
 それから、対象とする利用者は、疾患、障害、社会的背景等さまざまですので、チームの目標、構成、支援もさまざまであります。しっかり調査した上でチーム医療を推進するための方策を検討する必要があります。特に精神科リハです。7万2,000人問題で、平均在院日数も300何日です。その状況と、最新の精神科は3カ月以内で退院する例が3分の1はあります。この様に同じ精神科でも構造が違います。従いまして、急性期、回復期、維持期(生活期)、障害、疾患といった様々な要素考慮する必要があると思います。
 上記理由で早急にガイドラインを確定するというよりは、しっかりと調査をやっていただきたいと思います。それと、しっかりしたものを作るために、この委員会は来年も是非引き続きお願いしたいと思います。
               (パワーポイント終了)
○山口座長 引き続いて取出委員からご説明をいただきます。
○取出委員 私は初台リハビリテーション病院でソーシャルワーカーとして働いております取出と申します。本日は昨年9月に発足したチーム医療推進協議会の活動から、チーム医療の現状についてプレゼンテーションさせていただきます。
               (パワーポイント開始)
○取出委員 こちらのホームページはチーム医療推進協議会で立ち上げたものです。見ていただきますと、さまざまなチーム医療の領域に関する情報が入っていまして、さまざまな領域のチーム医療を説明し、そのチーム医療の中でそれぞれの専門職がどのような役割を果たしているかまで書いています。唯一のホームページですので、是非ご覧いただきたいと思います。
 現在チーム医療推進協議会は、チーム医療を構成する16の専門職団体と患者会、その他ジャーナリストのアドバイザーで構成されていて、本日この委員会に参加されている皆様の協会の方も、ほとんど加盟されている状況です。この1年間、16の専門職団体で、患者中心の医療実現のためのチーム医療というのはどういうものなのかを探るための活動を、まさにチームで行ってきました。
 協議会では、まずチーム医療を話し合う前提として、チーム医療を構成する、その他コメディカルと呼ばれる我々を、医師・看護師も含めて、「メディカルスタッフ」と呼んでいただけるよう提言したいと考えています。「その他」の中には、病院によっては20種類以上の職種が含まれています。この会に参加できなかったり、この会でプレゼンテーションの機会が与えられていない職種のことにも必ず目を向けていただいて、チーム医療実証事業の内容案のところでも、「医師・看護師・薬剤師・管理栄養士等の業務の」となっていまして、この4職種はもちろん当然ですが、その他20職種のことにも目を向けて、検討を進めていっていただきたいと思います。
 協議会でチーム医療のあり方と問題点について話し合ってきた内容のスライドです。メディカルスタッフがチーム医療を実践することで、患者にとって安心で、安全で、質の高い医療が提供されることがチーム医療の目的であり、理想であると思いますが、現状ではメディカルスタッフの圧倒的な人員不足、メディカルスタッフ間の役割分担上の課題、チーム医療の多様性の視点への欠如、多職種連携のための教育の欠如、あとこのワーキンググループの初回でも発言があったとおり、チーム医療を語るときの患者の視点の欠如、そしてチーム医療推進のためのデータ不足、全国調査が行われていないことなどが挙げられると整理しています。
 ここで先に9頁のスライドをご覧ください。こちらは日本栄養士会の中村会長のスライドを借用してきました。チーム医療の条件ですが、1人の有能なピッチャーだけではなく、それぞれのポジションに優れた選手が存在し、多くの裏方さんの協力により、真に強い野球チームが誕生する。チーム医療も野球チームと同じである。我が国のチーム医療はメンバーがグラウンドに揃わないままで野球をしようとしている。このように危機感を感じております。
 5頁に戻ります。メディカルスタッフの人員不足の課題についてです。とにかく圧倒的に人数が少ないので、まずグラウンド整備をする必要があります。医師だけでなく、すべての職種も人員不足で疲弊をしています。チーム医療は患者が納得するためのもので、それには大変時間もかかりますし、先ほどから連携の必要性も強く言われていますが、連携にも非常に手間と時間がかかります。これは皆さん周知のことだと思いますので、人員配置増が必要で、その人員配置の経済的基盤としての診療報酬の検討も必要かと思われます。
 この会議でも、チーム医療には多様性があるということは話し合われてきました。そして、どこから手を付けたらいいのかまとまりづらくて困っているというのが、本当のところではないかと思います。協議会では、4疾病について、それぞれの時期の現状を整理することと、好事例の収集に着手しています。本日はまだ未完成ですが、がんの疾患の例を提示させていただきますので、もう1つのほうの資料をお手元でご覧ください。
 資料6-2です。がんのチーム医療ですが、私どもは、がんを4つの時期に分けて整理をしています。外来、入院の治療期、入院の治療期から退院までの時期、緩和期や終末期です。それぞれの時期に、それぞれの病棟や外来に、これだけたくさんの職種がかかわっていて、それぞれの役割を果たしています。それぞれの職種によって適切な人数や配置のあり方というのが書かれていますので、是非ご参照いただけたらと思っています。ここでは医療保険の時期だけに限って話を進めさせておりますけれども、協議会では、がんのほかに心筋硬塞、糖尿病、脳卒中の現状を同じように整理した資料を現在整理中で、後日提出させていただきたいと考えています。まず、このように4疾病を取り上げて、時期に分けてチーム医療のあり方を考えるというのはいかがでしょうか。
 また、好事例については先ほどからたくさんの提示がありますけれども、私どもで集めている好事例についても、是非来年度のチーム医療実証事業の検証施設、55施設の選定に役立てていただけるのではないかと思っています。
 ここで、チーム医療を整理する際に協議会でM.D.アンダーソンがんセンターの上野直人教授が提唱するチームオンコロジーについて学んだことを、少しご紹介します。上野先生は、チームをABCのグループに分けて役割を整理しています。チームAとはアクティブケアチームで、本当に医療の中核のところを担っているチームです。チームBはサポートチームで、どちらかというと患者やスタッフをサポートしている職種です。チームCはコミュニティリソースで、ここには行政やマスメディア、いろいろな機械メーカーなど、すべてが入ります。ただし、アメリカでは日本と保険医療制度もメディカルスタッフの配置数も全く異なりますので、このABCの考え方を、疾患別あるいは治療時期別による日本の医療に合う考え方に応用できないかというのが、協議会のいまの課題になっています。
 そして、こちらのスライドは各職種別に配置基準案を、野球ができるように整えるためにということで提出していただいた内容です。本日プレゼンテーションの機会がなかった職種のことだけを、ここで簡単に紹介させていただきます。医療ソーシャルワーカーは、病棟1名配置で3万人に増やしてほしいという要望です。診療放射線技師は乳がん健診の50%達成のために、診療放射線技師の配置並びに女性技師の育成、放射線治療機械1台当たり3人の配置を必要としています。臨床工学技士は医療機器安全管理責任者としての定数配置です。歯科衛生士は、先ほど医科・歯科連携のところでも話がありましたが、現在9万6,000人いるとはいえ、実際に病院で働いている人数は4,000人程度だそうです。必ず医科・歯科連携が進まないと業務が展開できないと向井先生の話にもあったので、医科・歯科連携を充実させた上で、独自の配置基準の選定を求めています。診療情報管理士は国家資格化の上、退院患者数を考慮した必要人数が1万7,000人です。救急救命士は消防機関以外への職域拡大や官業独占業務の規制緩和、需要バランスを考慮した養成などです。がんの細胞を即座に見極めるための細胞検査士は国家資格が望ましく、細胞検査士をがん診断を行っている医療機関で最低100ベッドに2名体制で置くと、いいチームになっていくという考え方をされています。
 次に、チーム医療の課題2のメディカルスタッフ間の役割分担と連携についてです。業務上の通称「グレーゾーン」と呼ばれている領域が、さまざまなところに存在するわけですが、医行為にかかわる業務内容を検討し、法改正が必要なのか必要でないのかというところを明らかにしていくこと。また、職種間に横たわるグレーゾーンの整理や問題解決が安全で効率的なチーム医療のために急務であると思われます。後ほどディスカッションで是非フロアからどのようなグレーゾーンで困っているのか、実際の声を聞いていただきたいと思っています。
 グレーゾーンを検討する際、メディカルスタッフには高い専門性とスキルがあることを踏まえて、協議会としては医師の包括指示については各領域の専門職、例えば栄養のことなら管理栄養士が、リハビリのことなら各セラピストが積極的に任せられていくというのはどうだろうかと提言したいと考えています。
 課題3、多職種連携教育の推進です。多職種連携教育を推進するためには、チーム医療の定義を確立して普及すること、そしてチーム医療実現に必要なスキルをきちんと整理することを提言します。協議会では、チーム医療に必要なスキルの勉強会開催をすでに開始しています。まず、お互いの職種の役割と仕事内容を知る作業、次にチーム医療の概念を学びます。そして、コミュニケーション技術、マネジメント、情報共有と継続していく予定になっています。
 チーム医療の課題4、患者の視点からのチーム医療をということです。チーム医療の課題は、患者の視点からチーム医療を話し合うことです。チーム医療のガイドライン作成や検証事業には、患者参画が必須ですし、検証事業では患者へのアンケート調査、患者満足度を加えることが望ましく、患者の視点からのチーム医療の評価方法を構築する必要があると考えます。なお、前述の上野先生は、チーム医療の最終的な目的は患者力を向上することだと述べられていて、チーム医療推進協議会のホームページには、あえて患者と家族がチーム医療の輪の中に入っています。
 チーム医療の課題5、チーム医療を推進・普及するためのデータ不足に対してです。全国のチーム医療に関する基礎調査を行い、チーム医療の有効性の検証をしていただきたいと思います。このテーブルに乗っていないチーム医療を構成するメディカルスタッフの調査も含め検討していただきたいと思いますし、各専門職で行うべき調査については、16団体を網羅する協議会が窓口になることも可能と考えています。
 今回の提言のまとめです。チーム医療を構成する多職種を「メディカルスタッフ」と呼び、多職種で役割分担を考える視点を持つこと、患者目線の評価方法を取り入れること、まずは4疾患を取り上げて多様なチームの調査検証をすること、通称「グレーゾーン」を具体的に明確化して解決に着手すること、以上のことを提言します。
               (パワーポイント終了)
○山口座長 最後に津川委員からご説明をいただきます。
○津川委員 お疲れのところ失礼いたします。冒頭に、オブザーバーの立場にもかかわらず、このような機会を与えていただきまして、座長の山口先生をはじめ、委員の先生方に深く感謝申し上げます。津川と申します。心理職の話をさせていただきます。
               (パワーポイント開始)
○津川委員 日本において臨床心理職の代表はもちろん臨床心理士ですが、全国に約2万人おります。そのうち、現在約6,000人が現実に医療・保健領域で働いています。臨床心理士というと、どうしてもスクールカウンセラーのイメージが一般には強いように思いますが、スクールカンウセラーはスライド右上の「教育」のところに入るわけですが、それよりも多い人数が医療・保健領域で現実に働いていますし、それはずっと今までの定点調査で変わっておりません。
 医療の中でメンタルヘルスの問題が増加していて、心理的な対応が必要だということは、言わずもがなのことでございますが、スライドの下にありますことを今日はあまり詳しく触れられませんが、私自身医療人の端くれで、いまの取出委員のご発表ではメディカルスタッフの一員ですので、日々いかに我々自身が疲れているかを実感しております。医療人のメンタルヘルスを支える存在としても役割を持っておりますけれども、この点は今回はこれ以上は触れないでおきたいと思います。
 次に表1をご覧ください。これは臨床心理士が現実に医療機関の中で、どのような科に勤めているかに関する調査の一部です。どうしても精神神経科領域が多いというイメージがあって、実際にデータ上は多いのですが、見ていただくとわかりますように、総合病院のありとあらゆる科で実際に臨床心理士は勤務させていただいております。
 そのため、担当させていただいている患者さんを疾患別に分けて見てみますと、表2にありますように、発達障害、認知症、脳血管障害、がん、糖尿病、以下読み上げませんが、たくさんの身体疾患の患者さんの心のケアにも携わらせていただいています。
 それでは、チーム医療において臨床心理職が配置されると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここには欲張ってたくさん書いてありますが、国民の目線で1点だけ、下から3行目ですが、心理的な支援が受けられることで患者さん及びご家族の不安が軽減し、それで主となっている疾患、病気の治療によい影響が出ます。国民の目線ではこれに尽きるのではないかと思います。
 その一端として、すでにがん拠点病院に心理は明記していただいていますし、スライドにあるのは一部で、いろいろなところで臨床心理士は明記していただいています。
 これは事例です。症例検討会ではございませんし、守秘義務もございますから表面的なお話しかできませんが、ある整形外科の入院患者さんで、手術は成功しました。医学的には、身体的に回復する予定でしたが、なかなかよくなりませんでした。リハビリテーションのスタッフも頑張ってくださいましたが、一進一退だったようです。短期の入院の予定が長期化しました。そうしますと、心理的にこじれてきますので、当初はなかったようなトラブルがたくさん発生してきます。なかなか病気そのものもよくならないし、事態も改善しません。そこで、ここでは「複数科」と書きましたが、具体的にはリハ科の医師と精神科医とで話し合われて、リハ会議に臨床心理士が参加するように言われた事例です。これは私がだいぶ前に担当させていただいた事例で、無事退院できましたし、外来もうまく通えるようになりましたし、リハビリテーションもうまくいくようになりました。
 こういうときに私たちは何をやっているかと申しますと、まず、なぜこのようなこじれた事態になっているのかに関して、ほかの先生方からのご発表にもありましたが、心理は心理の立場から、心理的なアセスメントをいたします。これがないと、無手勝流に心理的支援をすることになりますので、根拠を見出だすわけです。それに基づいて、実際に心理支援をし、何がどこまでよくなっていて、何がまだかということを確認します。言ってみれば、アセスメント、トリートメント、エバリュエーションを繰り返していくことを、私たちの仕事はしています。
 このスライドはチーム医療の常識的な書き方だと思いますけれども、いまの事例で言えば、なかなかこじれていてよくならない患者さんがいらして、医師・看護師、その他たくさんの職種がかかわります。決して間違った図とは思いませんが、臨床心理の立場からすると、まずこの患者さんに心理的な悩みが付いているのではなくて、臨床心理学では外在化と言いますが、外に出して悩みを対象化します。そして、患者さん自身もエンパワーメントしていただいて、患者さんもよくなるためにかかわり、ご家族や関係者も可能な範囲でかかわり、そして我々も頑張るというのがうまくいっている医療の実情ではないでしょうか。事例の解説は、いま申し上げましたので読み上げませんが、このようなことが私たちの仕事でございます。
 いま、たまたま整形外科の例を挙げましたが、小児科であれば例えばこういうこと、脳外科であればこういうことをしていると、1つの業務を細かく書き並べれば全科になりますので、切りがないことになります。
 そして、臨床心理士は一般的なイメージとしては心理検査をする人、心理療法をする人というイメージが強いと思います。実際これは大きな業務です。診療保険点数が認められている心理検査だけでも85種類以上ありますし、CBTだけではなくて多数のアプローチや技法があります。ただ、いまの事例を通じてお伝えしたかったのは、個別に心理検査をしなくても、定期的な心理療法をしなくても、私たちはチーム医療の中で病状や心理状態に合わせた現実的な支援法、支持法を見出だしていき、実行する職種なのだということです。
 しかし、もちろん課題もたくさんございます。大きな課題だけ抜いてきました。まず、何人必要という以前に、臨床心理職の配置がいない医療機関が多いです。地域格差が非常に大きくなっています。これは国民にとってみれば、たまたまその医療機関にいたから受けられたということになりますので、国民が平等に心理的支援を受けられない現状というのがいちばん大きなことだと考えています。それと関係することとして、先生方ご周知のように、臨床心理職は国家資格化が遅れていまして、診療保険点数での評価が非常に難しく、これが医療現場での安定した雇用につながらないということになって、結局は前の課題に戻るということではないかと考えています。
 ですので、私どもが何より努力し、精進することはもちろん根本的なことだと思っておりますが、国際的に見ても先進国でこの状態というのは、大変残念な状態ですので、是非国家資格を持った職種として、全国の保険医療機関において適正配置・適正数確保を行えるように、先生方のご理解、ご協力、何より応援していただきたく考えています。そのことは国民が平等に心理面での支援を受けられることにつながってくると思います。
 チーム医療における臨床心理職の役割は、いま事例を通じてお伝えしたことですので、それを文字にしただけでございますから、読み上げませんけれども、何よりも患者ご本人の安定だけではなく、家族、チーム医療全体が安定し、疾患、病気の治療によい影響があるという国民のメリットをお考えいただければ幸いに存じます。
 いちばん最後のスライドです。ガイドラインをこのワーキンググループで作るということで、取出委員がおっしゃられましたように、たくさんの職種がチーム医療にかかわっています。そのたくさんの職種とともに、私どもも存在していて、心理的支援の専門職としてある一定の役割を現実に担って働いている者がいるということをご理解いただき、是非ガイドラインに盛り込んでいただければと願っています。大変早口で、一方的なお願い事が多くなってしまって恐縮ではございますが、私の気持が先生方に伝わればと願っています。熱心に聞いていただきまして、ありがとうございました。
               (パワーポイント終了)
○山口座長 6人の委員から、それぞれの領域のチーム医療の活動についてご発表いただきました。非常に広い範囲ですが、どの委員にどの問題についてお伺いしたいとか、質疑応答あるいはご意見について、ディスカッションを始めます。
○原口委員 取出委員からグレーゾーンについての話がありましたが、放射線技師の立場から、そのグレーゾーンについて申し述べます。我々は確かに困っているのですが、ただ手をこまねいているだけではなくて、どのような形で対応しようとしているかの1例を報告させていただきます。
 我々の領域で核医学検査というものがあって、ここでは放射線医薬品の調整作業というものがあります。これは本来は薬剤師が行わなければならない業務ですが、20年来現場の放射線技師がそれを行っている実態があります。調査したところによると、8割近いところでそういった状況にあるという報告を受けています。
 現場で働いている技師にとっては、これは法律に違反しているのではないかという不安を持ちながら業務をしているということで、そういった現状があるのであれば、何とかしなければいけないということで、病院薬剤師会とも協力しながら、実際には核医学会、病院薬剤師会、各医学技術学会、日本放射線技師会といった4つの団体で集まって、とにかく安全で安心できる核医学検査を提供しなければいけないということで、この4つの団体が集まってガイドラインを整備してそういったものを厚生労働省に提出して、そういった部分についてできるような形の仕組みを作っていただけないかという形で動いています。現場からそういった意味で、学会でガイドラインを作って、そういったグレーゾーンについては一つひとつ潰していくというのも、1つの方法かと思います。
 特に我々放射線の領域において、グレーゾーンと言われる部分は、どちらかというと自分たちの専門的な技術の延長線上にある業務ではなくて、もしかしたら医療の効率化という立場からこられていることが多いのかもしれません。今後このチーム医療推進協議会のスキームの推進方策ワーキングで、専門的な技術で質の高い医療を提供することはもちろんですが、医療の効率化ということで行われている現状、現場もあると思いますので、それについてどのように考えればいいのかについても議論していただければと思います。
○山口座長 よくわからないのですが、放射線技師のどこがグレーゾーンなのですか。
○原口委員 まず、薬剤師のやる調整作業を放射線技師がやっているということです。
○山口座長 やってはいけないという規則があるのですか。
○原口委員 薬剤師法であると聞いています。
○山口座長 それは薬剤師法でそうなのですか。
○土屋委員 放射線そのものは医薬品ですので、医薬品の調剤となりますと。
○山口座長 8割の施設で行われているわけですよね。
○土屋委員 はい。
○原口委員 そういう現状はあります。
○山口座長 こういう問題がいくつかあるのだろうと思うので、グレーゾーンの話というのは、できるだけ具体的な事例を明らかにして、これはどうかという話をしないと、総論だけではなかなか先へ進まないようなので、是非具体例を出してください。例えば放射線の領域では、どのようなことがあって、それはおかしいのではないか。あるいは現実に行われているけれども、実はという話があれば、各職種いろいろあるのだろうと思いますが、その辺のところを是非具体的な事例として挙げていただけると、議論がしやすいのではないかと思います。ほかにはいかがでしょうか。
○川越委員 森田委員に質問です。いちばん最後のスライドだったと思いますが、関連職種連携実習が非常に有効であったということでしたが、もう少しご説明いただけませんか。
○森田委員 お示ししたことなのですが、今日は薬学の土屋先生もいらっしゃいますが、私は離れましたが国際医療福祉大学は非常に多学科を持っておりまして、そこの学科の学生が1名ずつきて、私のときは7学科でしたが、いまは薬学が入って8学科になっていまして、1チームになって、関連しつつ、それ以外の施設に8人の学生がチームで1週間赴き、1人のケースを担当させてもらって、職種から情報をもらって、学生同士でディスカッションをして、全員でアセスメントをまとめ、院内で発表の機会をもらうという実習をしています。
 私たちが難しいと感じている連携が、学生同士だと水が綿に滲み込むように入っていく様子を目の当たりにしました。また、その人たちが卒業したあとを見ると、そういう経験をしてきた学生というのは非常に他職種に対してオープンであって、効果が高いと感じています。
○川越委員 実はそういうことではないかと思って質問したのですが、我々のところも10年前から在宅の緩和医療ということで、医学生と看護学生を、1週間チームを組ませて教育をします。そうしますと、医学生が非常に変わっていくということを経験しています。
 今回このようなワーキンググループで、最終的にはプロトコールを作るということであれば、関連する職種がどのようなことをやっているのかをお互いに知らないと、いいチームというのは組めないので、交流というか、そのような触れる機会を作ることを入れていただきたいと思います。
○森田委員 問題点として、学校によっては単科しかないとか、職種が限られているということがありますので、そこの人たちを無視しては進まないと思うのですが、学校同士の提携、連携が進んでもいいかなと個人的には思っています。
○山口座長 昭和大学はすごくいろいろとされていましたけれども、あれはすごいと思いましたが。
○向井委員 1年生のときに4学部が全員寮なのです。4人部屋で、1学部1人ずつの寮なものですから、同じご飯をいちばん多感な19歳、20歳のときに食べ、ほかの学部の人と過ごすということです。1年生のときにも3分の1ぐらいは連携の教育がされていますが、それを1年ずつ毎年、先ほどお話をしましたように、110チームくらいは大変な思いをしながらスパイラルで6年間やっています。病棟実習でもいちばんお世話になっているのは看護師さんです。看護師さんに4学部を見てもらうと、本当に1人の患者さんに対して、学部の垣根を越えた見方が最後の発表のときに見られて、成長している気がします。これが本当にチーム医療かなという感じです。
○山口座長 ほかにいかがでしょうか。
○川島委員 土屋先生にお伺いします。スライドの14枚目、最後のところに「栄養士」とあるのですが、これは管理栄養士ということでよろしでしょうか。それと、在宅のほうで地域になっていますが、栄養士会では2008年4月より、各都道府県の栄養士会に栄養ケアステーションをつくっていますので、そのこともご理解いただき、是非そこにもつなげていただけたらと思います。
 それと、ほかの先生方のところにも「栄養士」となっていましたが、対人業務は管理栄養士の業務になっていますので、よろしくお願いいたします。
○栗原委員 一部感想になってしまって恐縮なのですが、基本的には皆さん同じことを表明されている気がします。結局は、1つの場所でいろいろな職種がかかわることがチームなのだということは、決定的な話だと思うのですが、それをいかにプロセスとして達成するかというのが、我々の次の議論になってくると思っています。
 もう1つ気になるのが、現場サイドでいろいろな職種を見ていますと、法律あるいはそういう専門職が誕生した歴史の問題もあるとは思うのですが、若干専門職の考え方あるいはそれに対する捉え方が、いまの状況にマッチしていない部分が結構あるような気がします。
 例えば歯科と歯科衛生士の関係について私は気になってしようがありません。我々が求めている歯科衛生士は、もしかしたら近い将来、例えば口腔機能療法士というようなイメージなのではないかと思うのです。診療所の歯科の領域の中だけで従事する歯科衛生士では病院の中ではチームの一員になることは困難です。もう少し一緒に勉強しましょうという話になります。
 それぞれに、例えば現状、管理栄養士にしても、まだまだ病棟内で一緒に動くのがやっとというアクティビティです。そうしますと、イメージとしては臨床栄養士とか。それぞれ質を向上させるステージがどうしても必要ですので、お互いにそれを支援していくというスタンスで議論していく必要があると思います。言いたかったのは、それぞれの専門職の領域、それぞれお互いに質の向上が前提ですから、お互いを支援し合うという構造がない限りは進まないような気がしてなりません。グレーゾーンのみならず、利権の争いになってしまう気がします。
○市川委員 いまお話を聞いていて、確かに理想としては各職の専門性を伸ばせば、本当に誰もが理想的になるかと思います。
 もう1点は、私も昭和大学に属していますので、看護の立場ですと教育の問題が非常に大きいと思います。それで、向井先生からプレゼンがありましたが、看護学科の学生ばかりではなくて、歯学部・薬学部・医学部も早い時期に看護体験実習というものをします。それは看護をわかっていただくわけではなくて、入院している患者さんの空間を理解するということが非常に重要で、各皆様のお話を聞いているときに、例えば食事に関することは栄養士、薬に関することは薬剤師に分担しておけばいいのだと、現場ではそうきれいにはいかないわけで、毎日そこで暮らしている患者さんが治療や生活をしながら、食べたり排泄をしたり休息をしている過程の中で、食事、治療の問題があって、機器を使っていれば不具合が生じたりということがありますので、そういうところは継続して看ていることがものすごく大きな力になるわけで、あらゆる職種がそこに拡大をしていけば、患者さんにとって非常に素晴らしいかと言えば、そうではないと思います。
 まずは、各職種の基礎教育と、すでに現在現場で働いている人たちの臨床的な力を出していくということが、かなりこのガイドラインの骨子としては必要かなと思います。これからは限られた資源、非常に制約された資源の中で私たちが出していくときには、いつも私が思うのは、患者さんや社会に受け入れられるチーム医療をなしていきませんと、いま言ったそれぞれの病棟にどのような職種をもっと増やしたいということになると、たちまち病院はどうなるのだと。それでなくても人件費の問題は、どこでも経営的に大きな問題だと思うのです。
 ですから、もう少しその場で私たちも、まずは中期的にはどの辺り、長期的にはどの辺りというところで、教育というのを強く出していったほうが、少しコンセンサスが取れるかなという気がいたします。
○山口座長 全部の職種が集まって、目指しているところはそんなに大きく変わりがないというのは間違いないところだろうと思います。ただ、当面の問題として、長期的な展望としてはそういうことだとしても、短期的には、一挙にそこまで行けるとは到底思えないので、そうすると短期的な目標としては、どのような具体的な例が挙げられるかという話が、当面このワーキンググループのいちばんの課題なのではないかと思います。確かに、さらに遡れば教育からやる必要はもちろんあると思いますし、それができるならそれに越したことはないのでしょうけれども、いまこのワーキンググループで教育の話をしても、ちょっと範囲が広くなりすぎる話ですので、できればより具体的に、よく見える形での、より身近なところでアプローチできる課題は何かというところを、もう少し具体化していくのがこのワーキンググループとしての作業かなと思います。
○取出委員 いまの具体的なところからという話に賛同します。長期的にどこを目指しているかのコンセンサスが得られて、それから短期的なところを議論していかないと心配な点があります。
 前回の近森委員、栗原委員の発表で、病棟配属制になったほうが効率的な職種や時期があるということは大変印象深く残っていますし、それで実際に経営上もやれているということだったと思いますし、私が勤めている病院でもソーシャルワーカーが病棟に2名ずつ配置されて、私は何千万円の人件費を管理している立場になるわけですが、それで何とか経営は成り立っているということでやっていますので、何を求めるかということをきちんと明らかにしてということを、きちんと押さえておけたらいいかなと思います。それを皆さん今日プレゼンしていただけたのではないかと思いました。
 あと卒前教育の話が出ましたが、卒後というか現状での教育で、同じようにチームのことをお互いに知らずに、自分たちのことだけを主張しているという現実があるのは事実だと思いますので、職場でちゃんと、自分の病院で働いている、あるいは地域で働いている人の職種をどれだけ知っているのかという教育プログラムを持つということも重要かと思います。
 私どもの病院ではそういう教育研修局がありまして、大変乗り入れた教育を職場のスタッフに行って、成果を挙げております。以上です。
○山口座長 ほかにございますか。
○近森委員 どのような目的でチーム医療をするのだというところだと思うのです。私はアウトカムが出るようにやるべきだと思います。そのためには、いまお聞きしていても、現場に配属していくことが基本だと思います。患者さんのもとにいて、常時患者さんを見ながらチーム医療をしていくことが、管理栄養士さん、薬剤師さんもおっしゃったし、いろいろな職種の方が共通に言っていることだと思うのです。そういうマンパワーをどうやって確保するのだというのが、まず1つです。
 アウトカムを出すためにはマンパワーが要るし、マンパワーを入れないとアウトカムは出ないという堂々巡りですので、ここは「どん」と溝を乗り越えるような感じで、保助看さんでも点数は付いているのです。秘書さんにも付いているのです。それをなぜ病棟に専門職を入れるのに、点数が付かないか、なのです。この点がいままでの日本の医療というものがいかに低い水準で満足してきたかということの証拠だと思います。
 私は病棟に専門職を付ける、そういう点数設定をするのだというところに持っていかないと、アウトカムも出ないし、いい医療に日本の医療はなっていかないと思うのです。だから、いままでの常識で、専門職というのは給料が高いし、それに病棟配属させて人件費を付けてしまうと、とんでもなく医療費が上がってしまうというけれども、そうしないと日本の医療はよくならないのです。だから、ここは発想を変えて、病棟配属の専門職に点数を付けるということをやるしかないのではないか。
 確かに教育も大事です。臨床の現場に出てきたときのコメディカルの皆さん、まだまだ患者さんを看るのも慣れていないし、教わってもいないし、チーム医療自体にも慣れていません。医療スタッフの一員だというところにも、まだまだ慣れていません。極端な話、私たちはNSTをやっていますが、菅理栄養士さんはカンファレンスの態度が全然教育されていませんでした。向こうを向いたり、私語をしたり、そういうところから始めました。そういうことで、少しずつ臨床の現場で教育していくことも大事だと思いますし、情報の共有をどのようにしたらいいかも大事だし、各職種の業務の標準化も大事だと思うので、そういう視点でやっていかざるを得ないのではないかと感じています
○須貝委員 いま情報の共有の話が出ましたので、私から1つだけ言わせていただきたいことがあります。これまで診療報酬、事務的にもカルテを診療録に書けということだけは、ずっとそのような指導的なものがあったわけですが、今回のチーム医療の中でも「共有」という言葉で、行われた医療が情報化されるというところと、その情報が共有されて、データでアウトカムで評価するのだという強いメッセージを、このガイドラインに是非入れていただきたいと思います。それを管理する職種が必要ですので、情報管理士というようなことで定義づけていただけると、私たちのモチベーションも上がりますし、大変有意義なものではないかと考えています。
○鈴木委員 事務部門で出させていただいているので、少し視点を変えた話になってしまうかもしれません。いまのそれぞれの職種の方の発表を伺っていると、あたかも当院の来年度のヒアリングをしているような雰囲気が伝わってくるのです。いま両サイドに素晴らしい院長先生、責任者がいらっしゃるので、まさにこういう感じでお話を伺って、先ほど市川先生からも少し話がありましたが、それでやっていかれるのかという話、どううまく切り分けていくかというのが、我々の腕の見せどころでもあるのですが、厚生労働省の方がこちらの視野にいらっしゃるので言いにくいのですが、我々事務方は、いわゆる護送船団方式に期待できないだろうと。だから、その中で我々の経営努力の可能性と限界はどこにあるかというのを図っていかないと、皆さん方の要望を8,700の病院がどのようなシナリオを書くのかにまで辿り着けないような気がするのです。
 私は近森先生のおっしゃった、診療報酬というもの、そこは外せない。そこの主張はしていくのだけれども、我々事務方としては経営スキルを上げていくことと、両方で進めていかないと、それだけに頼ると、5年先、10年先はないという危機感がすごく募っているのです。
 そういう意味では、このワーキンググループでお話をされているのが成功事例ばかりなので、それが非常に気になるのです。要するに8,700もある病院の中では、立ち行かない、皆さんのような素晴らしいものを取り込めない病院がたくさんあるので、そのオーダーメード戦略を、このチーム医療を検討するときにどう担保してあげられるかというのは、伺っていて非常に気になります。
 医療機能評価機構のお仕事もさせていただいているので、機能評価のサーベイに行くと、一定の病院のところにはそれは無理だという話が必ず出てくるのです。ですから、そういう8,700の個々の違いに対して我々はどのようなアプローチをしていくのかは、院長、理事長のお立場で、いまのような話をどう捌くのだというのは、是非伺ってみたいと思いました。
○山口座長 近森先生から、病棟配置、非常にうまくいっていいアウトカムが出たという話は伺いましたが、そういう体制をいかに維持して、そのコストはどうなったかという話を、本当はやって、それはどこでも達成できる話なのかどうかをお伺いしたかったと思うのですが。
○近森委員 チーム医療の大きなメリットは、チーム医療の推進に関する検討会では出ていませんでしたが、各職種の労働生産性を上げるということなのです。いままでは日本の医療というのは、急性期においては出来高払いでした。出来高というのは、薬を使ったり、検査をしたりということが売上げになりましたし、薬価差益、検査差益が利益だったのです。だから、人件費も同じなのです。出来高の場合は、人を増やせば増やすほど、病院は人件費が増えて赤字になりました。
 DPCになりましたら包括払いで1日いくらですから、1つの商品と同じなのです。だから、物もできるだけ使わないほうがいいし、人件費も、人を入れて、マネジメントして生産性を上げるという発想でやらないと、もう病院は運営できないような時代になったわけです。だから、各職種の労働生産性を上げるというのは、例えば薬剤師、管理栄養士を考えた場合、薬剤師が薬局で調剤だけをしていたらどうでしょうか。もっと病棟へ出て、薬のことで早く患者さんを治して帰ってもらうような働きをすればいいし、管理栄養士が、調理のおばさんの子どもが病気になって出てこないからと鍋を振っていたら全然管理栄養士の生産性が上がらないです。栄養サポートをして、病棟でそういう働きをすることによって、早く患者が帰れるわけですから、そうすれば管理栄養士の労働生産性も上がります。
 各職種が、医師・看護師の周辺業務を取ることによって、医師・看護師は中核業務だけをすることになりますから、当然医師・看護師の労働生産性はものすごく上がるわけです。このことによって病院の経営は隆々たるものになるわけです。そういう発想が日本の病院のトップにまだわかってもらえていないというところが、いちばん大きな問題ではないかと思うのです。
○川越委員 この間近森先生のお話を感激しながら伺っていました。最終的には患者に提供する医療の質がどうあるべきかを考えて、いろいろなことをされたと。それで、先生も今回NSTの話をされましたが、いろいろな工夫をされていると思います。それはそういう考え方ができるような、ある意味での国の動きというか、つまりDPCがまさにそうだと思うのですが、そういう中で、あなた方は医療のあり方を考えなさいということを課題として与えられたところを、非常にうまくされたということで、模範回答ではないかと思っています。
 先生が示されたデータの中に、DPCが導入されNSTが充実することによって、抗生物質の使用量が減ったということがあります。これは非常に大事な点だと思うのです。ただ、DPCだけが出てしまいますと、とにかく抗生物質を減らせばいいのだ、安く上げようという考えの方もいらっしゃるので、成功事例だから少数だということではなくて、そういう医療がちゃんと保障されるようなシステムを考えていかなければいけないと。
 医者の性善説、性悪説ということをよく言われますが、基本的には性善説に立って工夫してくださいというような制度ですから、残念ながらそうではない医療機関もありますので、そういうことはできるだけ歯止めがかかるようなシステムを考えていかなければいけない。それは成功例を見て、そのような形に持っていくような格好を作らなければいけない、チーム医療も同じような考え方をしなければいけないのではないかという気がします。
○中村委員 少し話は変わりますが、協議会から出ましたが、チーム医療の理念です。メディカルスタッフという言葉を使わせていただきましたが、とても大きな、チーム医療を指すいいネーミングだと思うのです。是非そういうところを入れて、そういうチーム医療のガイドラインにしていただきたいと思っています。
○松阪委員 先ほど事務局から資料提供は今後どんどんしてくださいというお言葉をいただきましたので、私も1臨床工学技士として急性期病院で働く者として、今日取出委員からご発表があったのですが、私の考える内容について、資料提供ということで出させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○山口座長 それは次回にお願いします。
○松阪委員 はい。
○山口座長 いろいろな領域からご発表いただきましたが、最終的にこういうものをできるだけまとめる形で、事務局あるいは私も一緒に参加させていただいて、まとめて、最終的に今年度末までにガイドラインといっても事例集的なものになるだろうと思いますが、基本的な考え方も含めて、何らかのまとめをと。ただ、実際にまとめていく段には、成功例であったとしても、より具体的なものと。総論としてのお話は今日もたくさんありましたので、総論として大きな異論は皆さんからないのだろうと思いますが、具体的な事例としてガイドラインを形づくることができるかどうかで、このワーキンググループとしての成果がどうなるかということになると思いますので、次回以降もこのようなご発表をいただくことになるかと思いますけれども、是非いろいろなそれぞれの課題、それぞれの資料がありましたら、事務局にご連絡いただきまして、また次回以降の話とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。事務局から日程等についてお願いいたします。
○石井補佐 次回は1月7日(金)の14時からを予定しています。前回もそうでしたが、今回もプレゼンテーションとその後の議論ということで、活発にご議論いただいていますので、2時間ということでご案内していますが、また改めて今年度の予定をお伺いする際に、少し長くしてもいいかどうかということをお伺いして、場合によっては2時間にとらわれず、若干長めの設定をさせていただく場合もあろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、次回の資料の提出、発表をご希望される委員の方につきましては、12月22日(水)までに、事務局にその内容を含めてご連絡いただけますよう、お願いいたします。また、冒頭にも申し上げましたけれども、資料1の内容につきましても、追加、修正等が必要でしたら、その旨事務局にお伝えいただければと思います。よろしくお願いいたします。次回開催の正式なご案内につきましては、別途お送りいたしますので、よろしくお願いいたします。
○山口座長 本日はありがとうございました。


(了)
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