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2010年12月14日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会議事録

食品安全部基準審査課

○日時

平成22年12月14日(火)15:00〜16:30


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

<委 員>

浅見真理、五十君靜信、石田裕美、井上達(座長代理)、大前和幸(座長)、香山不二雄、小西良子、寺嶋淳、阪口雅弘、松田りえ子、山内明子(敬称略)

<参考人>

広瀬明彦(国立医薬品食品衛生研究所総合評価研究室長)

<事務局>

森口基準審査課長、横田課長補佐、渡課長補佐、内海規格基準係長、松田課長補佐(健康局水道課)

○議題

1 清涼飲料水等の規格基準の一部改正について
2 デオキシニバレノール及びニバレノールの食品健康影響評価について
3 その他

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科
会食品規格部会を開催いたします。
 本日は、御多忙のところ御参集いただき、ありがとうございます。審議に入るまでの間、私、
基準審査課の渡が議事を進行いたしますので、よろしくお願いいたします。
 本日は、明石委員、小沼委員、長野委員が御欠席です。また、浅見委員からは少し遅れるとい
う御連絡をいただいておりますが、部会委員14名中、11名の委員に御出席いただきますので、当
部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。
 また、本日は審議に係る参考人として、国立医薬品食品衛生研究所の広瀬先生に御臨席いただ
いておりますので、お知らせいたします。
 また、本年7月30日付、10月1日付及び10月18日付で事務局に人事異動がございましたので、
御報告させていただきます。
 まず、大臣官房参事官の木村でございます。
 次に、基準審査課長の森口でございます。
 課長補佐の横田でございます。
 同じく課長補佐の渡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入りたいと思います。大前部会長、よろしくお願いいたします。
○大前部会長 それでは、議事に入りたいと思います。今日は6時までの3時間の予定でござい
ますけれども、終わったときが終わりでございますので、どうぞ御協力のほど、よろしくお願い
いたします。
 それでは、まず最初に、配付資料の確認をよろしくお願いします。
○事務局 それでは、配付資料を確認させていただきます。
(配付資料確認)
 資料の不足等ございましたら、事務局までお知らせください。
○大前部会長 資料はよろしゅうございますか。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。今日の審議事項は1つです。清涼飲料水等の規格
基準の一部改正につきまして、このうちのまず枠組みの見直しから審議に入りたいと思いますの
で、説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、資料1−1、資料1−2を用いて御説明いたします。清涼飲料水の規格基
準に関しましては、前回7月の部会で全体の枠組みについて御議論いただき、化学物質等の個別
項目の基準値設定については、別途小グループを設けて検討を行うこととされました。これを受
けて大前部会長より御指名いただいた、浅見委員、井上委員、香山委員、松田委員に、本日参考
人として御臨席いただいております広瀬先生を加えた5名の小グループにおいて、8月と9月の
2回にわたって御議論いただいたところです。
 その内容を踏まえ、全体の枠組み及び規制対象項目についてなどをまとめたのが資料1−1で
ございます。
 まず、資料1−1の1ページ目、「?T.現状」についてですが、「食品,添加物等の規格基準」
の各条において規定される清涼飲料水は、成分規格、製造基準、保存基準が定められおり、それ
ぞれの中で、水のみを原料とする清涼飲料水であるミネラルウォーター類、冷凍果実飲料、原料
用果汁、それ以外の清涼飲料水と分けられ、規格基準が定められております。
 ここで資料1−2をごらんください。1ページ目の上の図がその概念図になっております。清
涼飲料水のうちミネラルウォーター類及びこの図でその他の清涼飲料水と書いてあるものについ
ては、それぞれ製造基準において原水の基準が定められており、ミネラルウォーター類について
は平成6年当時のナチュラルミネラルウォーターに関するコーデックス・ヨーロッパ地域食品規
格、その他の清涼飲料水の方は、平成5年当時の水道法の水質基準を引用して規制対象項目と基
準値が設定されております。
 なお、その他の清涼飲料水の方は26項目ですが、これは平成5年当時の水質基準によりますの
で、現在の水質基準の項目数とは乖離が生じております。
 また、ミネラルウォーター類で容器包装内の二酸化炭素圧が20℃で98kPa未満であって、殺菌・
除菌を要しないものについては、原水基準として一般細菌、大腸菌群の基準に加えて、芽胞形成
亜硫酸還元嫌気性菌、腸球菌、緑膿菌陰性、製造において認められる処理及び衛生的な取扱いな
どに関する製造基準が定められているほか、腸球菌、緑膿菌陰性とする成分規格が定められてい
ます。
 なお、この図にはございませんが、粉末清涼飲料についても同様に、成分規格、製造基準、保
存基準が定められております。
 資料1−1に戻っていただきまして「?U.改正の概要」です。現行のミネラルウォーター類の
原水基準の規制項目は、平成6年のナチュラルミネラルウォーターに関するコーデックス・ヨー
ロッパ地域食品規格を引用して18項目となっており、その他の清涼飲料水の原水基準に規定され
ている26項目よりも限定的になっております。この違いは、コーデックス規格が泉源の衛生管理
を前提として項目設定をしていることによるものですが、今回の改正においてミネラルウォータ
ー類を水のみを原料とするものという一くくりで一律に基準を適用するのではなく、コーデック
スのナチュラルミネラルウォーター規格に準じるものと、それ以外のものに区分し、それぞれ規
格基準を設けることとしており、これについては前回の部会でも御了解いただいております。
 なお、資料1−1の2ページ目をごらんいただきますと、改正後の清涼飲料水の区分というも
のがございます。前回の部会の資料では、こちらについては仮称として、飲料水、ナチュラルミ
ネラルウォーター、その他の清涼飲料水と呼んでおりましたが、これらについて水のみを原料と
するものについては、現在の告示におけるミネラルウォーター類という呼び方を踏襲することと
いたしまして、その中で殺菌・除菌をするものと、殺菌・除菌をしないものに分けたいと考えて
おります。
 次に、(2)原水基準等の整理についてですが、こちらはミネラルウォーター類とそれ以外の
清涼飲料水で考え方が分かれております。ミネラルウォーター類については、水のみを原料とす
るものなので、原水基準と成分規格双方での規制は不要とのことから、原水基準に規定されてい
る項目を成分規格に統合するということで前回の部会で御了解いただいております。
 これについて実際にどのようになるか、資料1−2の2枚目をごらんいただきたいと思います。
上段に現行の枠組み、下段に改正後の枠組みのイメージが描かれております。まず、上段の右側、
現行のミネラルウォーター類の製造基準の原水基準18項目について、赤い点線で示している矢印
のとおり、化学物質、金属類については殺菌・除菌を要しないコーデックスのナチュラルミネラ
ルウォーター規格に準じたミネラルウォーター類の成分規格に移行することといたします。
 また、上段の左側、現行のその他の清涼飲料水の製造基準の原水基準26項目については、こち
らも赤い点線で示しておりますとおり、化学物質、金属類、性状については、殺菌・除菌を要す
るミネラルウォーター類の成分規格の方に移して規格といたします。
 一方、原水における微生物の基準は、泉源の衛生性を示す指標ともなり、また、ミネラルウォ
ーター類として適切なものを規定するために現行どおり必要と考えられますことから、現状のま
まとしたいと考えております。
 また、殺菌・除菌を要しないということは、それだけきれいな原水を使っているということが
前提にあるものであり、コーデックスのナチュラルミネラルウォーターの規定ぶりに準じて、泉
源の管理に関する規定も盛り込みたいと考えており、それも図に示しております。
 具体的な内容としましては、資料1−1の2ページ目の?Aにございますが、原水は自然にまた
は掘削によって地下の帯水層から直接源泉として得られるものであること。その泉源地及び採水
地点において汚染防止措置が講じられていること、その構成成分、湧出量及び温度が安定的であ
ることなどです。
 資料1−2の2枚目に戻っていただきまして、改正後のミネラルウォーター類以外の清涼飲料
水につきましては、図の左下にありますように、原料として用いる水を現行の水道水に加えてミ
ネラルウォーター類の成分規格等に合致するものであることといたします。
 また、資料1−1の3ページにあります「飲用適の水」の整理については、既に前回の部会で
御了解いただいておりますが、この整理の際、化学物質などの試験法については今後の技術の進
歩に迅速に対応するため、告示から削除し、通知で示すこととしたいと考えております。
 枠組みについては、以上でございます。
○大前部会長 それでは、今の御説明に関しまして、御質問あるいは御意見がありましたら、よ
ろしくお願いいたします。枠組みをこのようにするということでございますが。いかがでしょう
か。よろしゅうございますか。
 それでは、特に御意見がないようでございますので、次の清涼飲料水及び粉末清涼飲料におけ
る規制対象項目の見直しの御説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、資料1−1の「2.清涼飲料水及び粉末清涼飲料における規制対象項目の
見直し」について、化学物質等、金属類及びかび毒、微生物、農薬に分けて説明させていただき
たいと思います。なお、4番の農薬については前回審議していただいた内容から変更はありませ
んので、割愛させていただきます。
 まず、(1)化学物質等について御説明いたします。資料1−1の3ページですが、まずは資
料1−2の2ページをごらんいただきたいと思います。現行のミネラルウォーター類とミネラル
ウォーター類以外の清涼飲料水についての規制は、上部にありますとおり、清涼飲料水全体の成
分規格で6カテゴリーと、それぞれの製造基準で化学物質や微生物などが規制されています。
 これらにつきまして、資料1−1の5ページ、別紙1をごらんください。「ミネラルウォータ
ー類における化学物質等の成分規格の設定等について」とございます。これは小グループでの御
検討で、全体の方針としておまとめいただいたものでございます。
 基本方針ですが、平成15年にコーデックスのナチュラルミネラルウォーター規格の設定や水道
法の水質基準の見直しの動向等を踏まえて、食品安全委員会に評価を依頼した化学物質48項目に
ついて、その評価及び評価結果を踏まえた水道法の水質基準等の見直しの状況を踏まえ、逐次改
正方式でミネラルウォーター類に係る成分規格の設定等を検討します。なお、食品安全委員会に
評価を依頼していない物質等についても、健康保護の観点から必要なものについては、適宜成分
規格設定等を検討いたします。
 次に、ミネラルウォーター類で殺菌・除菌を要するものの成分規格の設定方針です。これは現
行のミネラルウォーター類、冷凍果実飲料及び原料用果汁以外の清涼飲料水の原水基準を基に、
以下の方針で項目の選定と基準値の設定を行うというものです。
 まず「1.項目の選定」ですが、水質基準及び水質管理目標において、健康保護の観点から基
準が設定されている健康関連項目のうち、水質基準とされているものについては、成分規格の項
目として選定します。
 健康関連項目のうち水質管理目標とされており、WHOの飲料水水質ガイドラインにおいてガイド
ライン値が設定されている項目についても、成分規格の項目といたします。
 次に(2)性状関連項目です。水質基準及び水質管理目標において、水の性状の観点から設定さ
れている性状関連項目については、原則として成分規格の項目といたしません。ただし、その中
で水質基準、水質管理目標、WHOのガイドラインで健康観点からの評価値が算出されているものと、
水道水質に関する基本的な指標、または水質汚染に関する総括的な指標との位置付けで水質基準
とされているものについては、項目の選定を検討します。
 次に「2.基準値の設定」です。基準値の設定については、原則として参考資料3として配付
しております「水道法水質基準等の設定の考え方」に準じます。
 (1)健康関連項目については、TDI等の閾値が設定される物質については、人が一日に飲用す
る水の量を2L、人の平均体重を50?s、水からの暴露としてTDIの10%、ただし、消毒副生成物
については20%、浄水処理に使用される消毒剤、またはその分解副生成物については80%という
条件で、対象物質の一日暴露量がTDIを超えないよう評価値を算出し、基準値といたします。
 また、遺伝毒性が関与する発がん物質等の閾値が設定されない物質については、基本的には発
がんユニットリスクから発がんリスクレベルが10-5となるような評価値を算出し、基準値といた
します。
 以上の双方の観点から評価がなされている物質については、双方の評価値の低い方を基準値と
いたします。
 次に(2)性状関連項目についてですが、先ほどの項目の選定部分で選定することを検討すると
した、人の健康保護の観点からの評価がなされているもの、水道水質に関する基本的な指標、ま
たは水質汚染に関する総括的な指標とされているものについては、それぞれの基準値に従って基
準といたします。
 「?V.ミネラルウォーター類(殺菌・除菌無)の成分規格設定方針」ですが、現行のミネラル
ウォーター類の原水基準を基に、原則としてコーデックスのナチュラルミネラルウォーター規格
に準拠して成分規格に設定する項目の選定及び基準値の設定を行います。
 なお、今次改正においては、食品健康影響評価を依頼した健康関連の化学物質48項目のうち23
項目について、次のページからの表1、表2の検討に従ってミネラルウォーター類の成分規格の
設定などを行うとともに、評価を依頼していない性状関連の15項目について表3、表4の検討に
従い、見直しを行います。
 8ページからが検討の表になります。こちらは小グループにおいて2回にわたり検討していた
だいたものです。番号の欄に「基」とありますのは、水質基準の項目で物質名の下に健康か性状
かの評価値の位置付けがあります。
 まず、カドミウムについてですが、水質基準の健康関連項目で食品安全委員会ではTDIが1µg
/kg体重/日と評価されています。水道法水質基準の評価結果では、さきに述べました前提条件
での評価値が0.003mg/Lとなっています。これより基準値案0.003mg/Lといたします。なお、こ
の基準値案の下にある括弧書きは、現行の基準の値でございます。
 次に、四塩化炭素ですが、やはり水質基準の健康関連項目でして、食品安全委員会の評価によ
るTDIが0.71µg/kg体重/日。水道法の水質基準の評価値が0.002mg/Lですので、基準値案を0.002
mg/Lといたします。
 次に、1,4−ジオキサンですが、こちらも水質基準の健康関連項目でして、食品安全委員会に
よるTDIが16μg/kg体重/日となっております。水道法水質基準等の評価結果は、評価値が2つご
ざいまして、TDIの寄与率10%として評価したものは、評価値が0.04mg/L、10-5の発がんリスク
に相当する飲料水濃度から評価した評価値は0.05mg/Lとなっています。基準値案としては「※」
に書いてありますように、2つの評価値のうち低い方をとり0.04mg/Lといたします。
 次に、シス−1,2−ジクロロエチレン及びトランス−1,2−ジクロロエチレンです。こちらは食
品安全委員会のTDIがシス体とトランス体の和で17μg/kg体重/日となっております。水道法水質
基準の評価値は0.04mg/Lとなっております。基準値案は評価値と同様、シス体とトランス体の和
で0.04mg/Lといたします。
 次に、ジクロロメタンですが、こちらは食品安全委員会のTDIが6μg/kg体重/日。水道法の水
質基準については、TDIの10%としての評価で、評価値が0.02mg/Lとなっております。基準値案
は0.02mg/Lといたします。
 次に、テトラクロロエチレンですが、食品安全委員会のTDIが14μg/kg体重/日となっておりま
す。水質基準の評価結果ですが、TDIの寄与率10%とした評価値は0.04mg/Lですが、水質基準値
は0.01mg/Lとなっております。これは本物質が地下水汚染の原因物質として知られる難分解性物
質であり、浄水処理での除去が比較的困難であることから、水質基準達成のために使用を中止し
ている水源が少なくなく、平成15年の水質基準の改正時に現状非悪化の観点から0.01mg/Lが維持
されているというものでございます。ミネラルウォーター類の基準値としましては、汚染のない
水源の選択が可能ですので、0.04mg/Lではなく、水質基準値の0.01mg/Lを基準値案としており
ます。
 次のトリクロロエチレンは、食品安全委員会の評価ではTDIは1.46μg/kg体重/日。発がんユニ
ットリスクは8.3×10-3mg/kg体重/日と評価されております。水道法では飲む分だけでなく、吸
入・経皮暴露も合わせてTDIの寄与率70%として評価値を算出しています。ミネラルウォーター
類の基準値案については、汚染のない水源の選択が可能であり、吸入・経皮暴露の考慮は不要で
すので、TDIの寄与率10%とし、0.004mg/Lを基準値案といたします。
 次にベンゼンですが、食品安全委員会によるTDIは18μg/kg体重/日。発がんユニットリスクは
2.5×10-2mg/kg体重/日という評価でございます。水道法の評価では、発がんユニットリスクか
らの評価値が0.01mg/Lとなっています。基準値案は0.01の方がTDIの10%によるものよりも低い
ので、0.01mg/Lといたします。
 塩素酸は、食品安全委員会によるTDIの評価が30μg/kg体重/日。水道法の評価は浄水処理に直
接使用される物質の分解副生成物であることを考慮し、寄与率80%を適用して0.6mg/Lとされて
います。基準値案は、これをもって0.6mg/Lといたします。
 次に、臭素酸です。食品安全委員会の評価ではTDIが11μg/kg体重/日。発がん性の評価が2.8
×10-2mg/kg体重/日となっております。水道法の評価値は0.01mg/Lとなっております。こちらの
基準値案につきましては、TDIから寄与率10%として算出するよりも、こちらの水道法の評価の
0.01の方が低くなっておりますので、基準値案は0.01mg/Lといたします。
 次に、ホルムアルデヒドですが、食品安全委員会の評価がTDIが15μg/kg体重/日。水道法では
消毒副生成物ですのでTDIの寄与率20%としての評価値が0.08mg/Lであり、基準値案は0.08mg/L
といたします。
 次に、銅は性状・健康の双方の観点から位置付けられているものでして、食品安全委員会の評
価では許容上限摂取量が9mg/人/日。水道法の評価では健康関連の評価値が1.16mg/L、性状関連
の評価値が1.0mg/Lとなっており、こちらが水質基準値となっています。ミネラルウォーター類
に関しては、許容上限摂取量から寄与率10%として算出される評価値は0.45mg/Lとなりますが、
コーデックスのナチュラルミネラルウォーター規格との整合性を考慮し、水質基準値の1.0mg/L
を基準値案といたします。
 ここまでが水質基準の項目で、これからは水質管理目標の項目となります。こちらは番号に
「目」がついております。
 まず、1,1−ジクロロエチレンについては、WHOの飲料水水質ガイドライン値がございませんの
で、項目としては選定しないこととしたいと思います。
 次に、1,2−ジクロロエタンにつきましては、食品安全委員会においてTDIが37.5μg/kg体重/
日。発がんユニットリスクが6.3×10-2mg/kg体重/日となっており、水道法の管理目標値は発が
んリスクからの評価で0.004mg/Lとなっております。基準値案は、これにより0.004mg/Lといたし
ます。
 次に、1,1,1−トリクロロエタンと1,1,2−トリクロロエタンにつきましては、両方ともWHOの
ガイドラインに値がございませんので、項目として設定しないこととしたいと思います。
 トルエンについては、食品安全委員会のTDIが149μg/kg体重/日。水道法の評価値は0.4mg/L
であり、基準値案は0.4mg/Lといたします。
 亜塩素酸は、食品安全委員会のTDIが29μg/kg体重/日。水道法では浄水処理に使用されること
を考慮し、寄与率80%で評価して0.6mg/Lが管理目標値であり、基準値案としましては0.6mg/Lと
いたします。
 二酸化塩素につきましては、WHOのガイドラインにございませんので、項目として設定しない
こととしたいと思います。
 ジクロロアセトニトリルは、食品安全委員会のTDIが2.7μg/kg体重/日。水道法水質基準の評
価につきましては、消毒副生成物ですので寄与率20%として0.01mg/Lとされております。これ
により基準値案は0.01mg/Lといたします。
 抱水クロラールは、WHOのガイドラインにございませんので、項目として設定しないこととし
たいと思います。
 残留塩素は、食品安全委員会のTDIが136μg/kg体重/日。水道法は健康関連ではTDIの寄与率を
WHOの評価に準じて100%として、評価値が3mg/Lとなっています。性状関連では、おいしい水の
観点から評価されており1mg/Lとなっております。基準値案はTDIから寄与率100%として算出さ
れる値を採用し、3mg/Lとしたいと思います。
 メチル−t−ブチルエーテルについては、WHOのガイドラインにございませんので、項目として
設定しないこととしたいと思います。
 次に17ページの表2、ミネラルウォーター類で殺菌・除菌を要しない方の表です。こちらにつ
きましては、カドミウムと銅の2つの項目ですが、それぞれ表1で御説明したのと同様の基準値
案といたします。
 食品安全委員会の評価が終了した健康関連項目の基準値設定についての説明は以上でございま
す。
○大前部会長 ありがとうございました。一旦ここで区切りまして、食品安全委員会の評価が終
わったものについて審議をお願いしたいと思います。
 本件は小グループで検討されておりますので、小グループの委員の先生方、何か今の説明に追
加がございましたら御発言をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。特にございませんか。
 それでは、この件についての審議ですが、まず、別紙1で小グループで作っていただきました
基本方針等がございますけれども、各物質にいく前にこの部分につきまして御意見はいかがでし
ょうか。WHOの作っているもののみ、あるいは水由来の暴露割合として原則10%等々、それから、
発がんの場合は10-5という受容リスク、レベルで考える等々幾つかございますが。小委員会の先
生方、これでよろしゅうございますか。あるいは、ほかの先生方からもこの部分に関しまして御
意見はいかがでしょうか。おおむねこの方針でよろしいでしょうか。
 それでは、また何かあれば後でいただくことにいたしまして、今度は各論で、今、食品安全委
員会の評価が終わっている部分だけでございますけれども、各論の物質がたくさんございますが、
一個一個挙げていくのは大変ですから、どの物質でも構いませんので何か御意見等ありましたら、
よろしくお願いいたします。
 1つは、この現行基準案のレベルですべて測定は可能なんですね。一部WHOの飲料水水質ガイ
ドラインで利用可能な分析、処理方法に限界があるためというようなことで理由付けがしてある
んですが。
○事務局 基本的に、水質基準の値を持ってきているようなものにつきましては、水道法上で試
験法が示されておりますので、そちらで可能でございます。
○大前部会長 例えば、労働環境ですと管理濃度をつくって、その10分の1まで測れなくてはい
けない、その10分の1が測れないものは基本的には数字として採用しないということでやってい
るんですけれども、この場合は現行基準のレベルで検出できればいいということになっているわ
けですね。例えば、もっと低いところまで測れなくてはいけないとか、そういうルールは特にあ
りませんか。
○事務局 水道課で水質基準の見直しに伴って、分析方法についても有識者の方に集まっていた
だいて検討していただいておりますが、基本的には基準値の10分の1までは測れるということで
お認めいただいたものを告示法に位置付けているということでございます。
○大前部会長 ということで、十分はかれるレベルであるということだそうです。
 各物質につきまして、どの物質でも結構でございますが、御意見いかがでしょうか。TDIの寄与
率が原則10%で、水質のための消毒副生成物ですと80%とか、時には20%とかいろいろな数字が
書いてございますが、それはその物質で妥当な数字だろうということで、多分小委員会の先生方
でまとめていただいたと思いますけれども。よろしゅうございますか。
 特に御意見がなければ、食品安全委員会の評価が済んでいるものにつきましては、この案でい
いということでいきたいと思います。どうもありがとうございました。
 続きまして、食品安全委員会の評価が済んでいないところをよろしくお願いします。
○事務局 それでは、資料の18ページからの食品健康影響評価を依頼していない物質について、
まず表3について御説明いたします。
 18ページの亜鉛から20ページのフェノール類までございますが、亜鉛、鉄、カルシウム・マグ
ネシウム等(硬度)、塩素イオン、蒸発残留物、陰イオン界面活性剤、フェノール類につきまし
ては、水質基準においては性状の観点から値が設定されており、WHOなどでも健康に関するガイド
ライン値が設定されていないものですので、すべて基準値を削除、つまり規制項目としての設定
をやめるという対応をしたいと考えております。
 次に21ページをごらんください。pH値につきましては、WHOで健康影響に関するガイドライン
値はなく、水道法では水道施設の腐食等の防止の観点から水質基準、腐食及び赤水の観点から水
質管理目標が設定されております。ミネラルウォーター類においては極端なpHの飲料水の流通を
防止するという観点から、水質基準に準じて現行基準を維持することとしたいと思います。
 次の味から濁度までにつきましては、水道法において水道水質に関する基本的指標として評価
されており、現行基準を維持することといたしたいと思います。
 次に、23ページの有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)については、WHOなどでの記載は
なく、水道法では平成15年の改正において過マンガン酸カリウム消費量に代えて、全有機炭素
(TOC)を水の性状を評価をするための有機物指標とし、水質基準値5mg/Lを設定しており、平成
20年の改正において3mg/Lに見直されています。対応としては、有機物等について従前の過マン
ガン酸カリウム消費量からTOCを成分規格項目に選定することとし、水質基準値と同じ3mg/Lと
することとしたいと思います。
 有機リンについては、農薬等のポジティブリスト制度に基づき規制することとし、基準から削
除したいと考えております。
 24ページの表4も、食品健康影響評価を依頼していないもので、ミネラルウォーター類で殺菌・
除菌はしないものの成分規格の検討項目でございます。
 亜鉛、有機物等、硫化物につきましては、コーデックスのナチュラルミネラルウォーター規格
において基準値が設定されていないことにかんがみ、基準値を削除する方針としたいと思います。
 26ページの表5については、殺菌・除菌を必要とするミネラルウォーター類について、これま
で述べた検討を踏まえた結果、今次改正においてどのような形になるかの案をお示ししています。
 下線が引いてありますのが変更する予定の項目でございます。一番右端の欄の食品安全委員会
の評価で「要依頼」となっておりますものは、性状関連の項目であったため平成15年に食品安全
委員会に評価依頼をしていないものですが、現行の規制では平成5年当時の水質基準を引用して
いたために含まれております。しかしながら、食品衛生の観点では表3、表4の検討のとおり、
基準値は不要と考えられるものです。
 これらの改定案につきまして、今回この方針でお認めいただきましたら、食品安全委員会に削
除についての意見を聞くこととなります。また、後半の網掛けの項目につきましては、まだ評価
の結果が出ていないなどのものでして、今後逐次見直しをしていく必要がある項目でございます。
 28ページの表6については、殺菌・除菌を要しないミネラルウォーター類についての一覧です。
なお、全体ですけれども、分析法については、技術の進歩に適切に対応していくため、告示から
削除し、通知により示すこととしたいと思います。
 ミネラルウォーター類の化学物質等の成分規格に関しての御説明は、以上でございます。
○大前部会長 ありがとうございました。
 食品安全委員会からまだ結果の評価がされていないものに関しまして説明していただきました
が、御意見はいかがでしょうか。表3、表4でございますけれども。全部まとめた表が、表5あ
るいは表6に書いてございますが。
 今回、削除したものにつきましては、食品安全委員会に評価を依頼して、そこで結果が出てく
れば新たに考えるという解釈でよろしいですね。
○事務局 食品安全委員会からの内容によっては、また新たに検討ということになり得ると思い
ます。
○大前部会長 そういうことでございますから、今回削除したものはある意味ペンディングの状
態になるという解釈だと思いますが、いかがでしょうか。小委員会の先生方、何かコメントはご
ざいますか。
○井上委員 その点ではないんですけれども、ミネラルウォーター類がコーデックスの基準のナ
チュラルミネラルウォーターが新しくできて、どちらも殺菌・除菌ありかなしかということで区
別するわけですが、小委員会のメンバーはそれなりの納得をしているつもりではありますが、実
際の委員の先生方は運用上の問題でどういう感想をお持ちなのか伺いたいと思います。
○大前部会長 いかがでしょうか。今の殺菌の有無、実際の運用を想定した場合に、ひょっとし
たら何かまずい点があるんじゃないかとか、そういうようなことで委員の先生方お気付きの点が
あればということですが。
 殺菌しないの場合の水源については、どこかの組織が何らかの形でインスペクションはやるわ
けですか。
○事務局 泉源管理につきましては、先ほど資料1−1で御説明させていただきましたとおり、
規格基準として規定されますので、それを守っていただくということになります。
○大前部会長 それをチェックする機関はあるわけですね。毎年、毎年報告させるとかそういう
意味で。
○事務局 国内で製造されるものに関しましては、当然ミネラルウォーター類を製造するに当た
っての許可を所管の都道府県等から得る必要がございますので、その際に原水管理の部分でのチ
ェックは入ろうかと思います。
 一方、輸入されているもので無殺菌・無除菌のものに関しましては、特にヨーロッパとは口上
書を交わしておりまして、各国政府機関から認定を受けたものしか輸入されていない状況になっ
ておりますので、そのチェックの部分は外国政府に委ねているということになっております。
○大前部会長 そういう状況だそうです。したがって、ひょっとしたら国によって若干厳しい、
甘いがあるのかもしれませんが、いずれにしても輸出国の責任でやっていただいているというこ
とでございます。
 今の井上先生の御懸念に対しては、御意見そのほかいかがですか。
 五十君委員どうぞ。
○五十君委員 確認させていただきたいんですが、27ページ、今修正のあったところの下の網掛
け部分というのは、基本的には規格基準が変わらないので、食品安全委員会に一応確認して、そ
の後は変わる可能性があるという認識で見ればよろしいですか。
○事務局 こちらにつきましては、個別項目の評価が今、食品安全委員会で一部終了というもの
もありますけれども、基本的に依頼をしていて結果が返ってきていないというものでございます
ので、それが返ってきましたらまた御検討いただいて、変わる可能性は今後ございます。
○五十君委員 その中でシアンの欄を見ますと、食品安全委員会は終了と表示になっております
が、この扱いとしては食品安全委員会の評価は終わっているんだけれども、まだペンディングと
いう理解になるわけですか。
○事務局 これにつきましては10月に戻ってきたばかりでございまして、今後、水道法の検討も
見まして、それで御検討いただくことになります。
○大前部会長 そのほか特に御意見がなければ、次の議題にいきたいと思いますが、よろしゅう
ございますか。それでは、今までの件につきましては原案どおりという解釈で次にいきたいと思
います。
 続きまして、金属類及びかび毒につきまして、説明をお願いいたします。
○事務局 次に、清涼飲料水等における金属類及びかび毒についてということで、資料1−1の
4ページの(2)をごらんください。
 現行の清涼飲料水一般の成分規格及び粉末清涼飲料に規定されているヒ素、鉛、カドミウム、
スズのうち、ヒ素と鉛、カドミウムについては、ミネラルウォーター類においては成分規格のと
ころで化学物質等と同様の方針により基準値を設定する。一方、ミネラルウォーター類以外の清
涼飲料水及び粉末清涼飲料にあっては、これらの物質の毒性や食品からの摂取寄与を考慮して、
適切な成分規格を設定することとしたいと思います。
 ミネラルウォーター類以外のものにつきましては、原料として用いる水につきましては規制を
受けますが、水以外の原料に由来して製品中に含まれるヒ素、鉛、カドミウムについてそれぞれ
考慮するということでございます。スズにつきましては、引き続き清涼飲料水一般の成分規格及
び粉末清涼飲料の成分規格としますが、規格の必要性に鑑み、缶入りのものに限って適用いたし
ます。また、パツリンについては、引き続きりんごの搾汁された果汁のみを原料とする清涼飲料
水の成分規格といたします。
 清涼飲料水と粉末清涼飲料におけるヒ素、鉛、カドミウムにつきまして、29ページの別紙2を
ごらんください。
 まず、「1.ヒ素及び鉛」についてですが、これらは現在、食品安全委員会において自ら評価
中でございますので、成分規格はそれを踏まえて検討することとし、当面、検出するものであっ
てはならないとする現行の規制を維持することとしたいと思います。
 「2.カドミウム」については、既に食品安全委員会で評価が行われており、食品からの一日
摂取量は耐容週間摂取量の約4割となっています。30ページにカドミウムの摂取の内訳がござい
ますが、昨年食品のカドミウムの基準について御議論いただいた際、摂取寄与の観点から基準値
は米のみの設定としたところです。
 清涼飲料水についてカドミウムの含有量の調査を行ったところ、野菜ジュースや豆乳飲料にお
いて現行の試験法の検出限界は下回っているものの、ICP法の定量限界を超えて検出されるものが
確認されていますが、これらは図のデータで緑黄色野菜、豆・豆加工品の分類に含まれ、これら
を通じたカドミウムの摂取は非常に限られていると考えられます。
 以上より、ミネラルウォーター類以外の清涼飲料水及び粉末清涼飲料については、カドミウム
の成分規格を設定しないこととしたいと思います。
 なお、これらの項目について基準値が設定されているものについては、分析法を告示から削除
し、通知で示すこととしたいと思います。
 スズ、パツリンにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
 31ページに一覧表がございまして、清涼飲料水の成分規格と粉末清涼飲料の成分規格で現行と
改正後のものを比較しております。
 金属、かび毒については、以上でございます。
○大前部会長 ありがとうございました。いかがでしょうか。
 今度はミネラルウォーターではなくて、それ以外の清涼飲料水、水以外の原料の中のヒ素、鉛、
カドミウム、スズ、パツリンということでございますが。
 浅見委員どうぞ。
○浅見委員 31ページのヒ素、鉛等の不検出とあるところは現行維持ということなんですが、現
在の測定法ですと新しいものに直しますと、どうしても検出されてしまうケースがあるかと思う
んですけれども、定量下限の定義というのはどのようにされる御予定なのでしょうか。
○事務局 こちらにつきましては現状維持ということで、検出法についても現在示しております
ものをそのまま用いるということで考えております。
○大前部会長 浅見委員、よろしゅうございますか。
○浅見委員 測定される方が、その機械を持たないところも出てきてしまったりもするのかなと
思いますので、将来的には見直しをしていくことになるかと思いますが、現状は理解いたしまし
た。
○大前部会長 そのほか、いかがでしょうか。
 不検出の定義の問題ですけれども。不検出はゼロではないということだと思いますが。おっし
ゃるように、測定感度が上がれば当然不検出のものにも数字が入ってきますから、どこかの時点
で決めなければいけないということになるのでしょうが、現段階の測定法では不検出ということ
で扱っているということですね。
 そのほか、先生方いかがですか。
 これは輸入された飲料についても同じ網がかかるわけですよね。その場合は、やはり輸出国の
責任ということになるわけですか。
○事務局 成分規格でございますので、輸入時に監視をいたします。
○大前部会長 委員の先生方いかがでしょうか。特に御意見ございませんか。
 それでは、この案で可ということで、次の審議事項に移りたいと思います。微生物につきまし
て、説明をよろしくお願いします。
○事務局 次に、微生物につきまして、資料1−1の4ページをごらんください。微生物につい
ては、コーデックスにおいて食品中の微生物規格の改定作業が進められており、また、厚生労働
科学研究においても微生物規格に関する研究を実施していることから、これらの内容を踏まえて
別途検討を行うこととし、今回は規制内容の変更は行わないことといたします。ただし、今回の
清涼飲料水の枠組みの見直しに伴い、若干の整理をしたいと思っております。こちらにつきまし
ては、32ページの別紙3をごらんください。
 こちらは、改正後の分類ごとに現在の微生物の規格基準の規定がどのようになっているかを示
したものです。例えば、一番上の清涼飲料水一般の大腸菌群陰性の部分を見ますと、検体採取・
試料調製につきまして規定がございます。具体的には参考資料5を見ていただきますと、1ペー
ジの(4)に大腸菌群陰性の項目がございまして、略としていますが試験法についての詳細がこの
中にあります。
 一方、別紙3の表に戻っていただきまして、一番下の殺菌・除菌ありのミネラルウォーター類
の部分をごらんいただきますと、大腸菌群陰性の部分は現行では試験法名のみ記載して規定され
ております。こちらは先ほどの参考資料5の2ページ目をごらんいただきますと、原水基準で表
になっておりまして、大腸菌群のところに乳糖ブイヨン−ブリリアントグリーン乳糖胆汁ブイヨ
ン培地法と規定されております。こちらについては、検体採取や試料調製及び試験法について具
体的な操作は規定されておりません。
 このように規定ぶりが統一されていないところがございますので、別紙3の表の太字で示した
部分について規定の仕方をそろえるという整理をしたいと思います。新しく規定する部分につき
ましては、同じ菌に関する規定から基本的にコピーして持ってくるということで全体を同じよう
な形にするということで整理したいと思います。
 微生物については以上でございます。農薬については割愛させていただきます。
○大前部会長 ありがとうございました。
 微生物に関しまして、いかがでしょうか。別紙3に現行と改正後が書いてございますけれども、
幾つか整理をするというお話でございましたが。特に御意見はございませんか。
 それでは、微生物に関しても、事務局の案で可ということでよろしゅうございますか。
 農薬に関しましては、先ほどお話があったとおり今回は議論いたしませんので、一応これで審
議事項の1が終わったことになります。清涼飲料水の規格基準の改正につきましては、今までの
お話のとおり事務局の案で御了解いただけたということで、ものによっては食品安全委員会への
健康影響評価をお願いすることになりますけれども、食品安全委員会の依頼に関しましては、座
長の私に一任させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○大前部会長 ありがとうございます。
 それでは、今後の食品安全委員会への評価依頼につきましては、事務局で必要な作業をよろし
くお願いいたします。
 それでは、今後の予定につきまして、説明をお願いいたします。
○事務局 食品安全委員会に評価を依頼しまして、その結果が本日御了解いただいた内容の変更
を生じるものでないようであれば、本部会に改めて御審議いただくことなく、本日の御審議の結
果をもってパブリックコメントの募集等の必要な手続を進めさせていただきたいと思います。
○大前部会長 わかりました。それでは、本日の議題1の審議事項をこれで終了したいと思いま
す。
 小西委員どうぞ。
○小西委員 確認させていただきたいのですが、かび毒の成分規格のところ、分析法を告示から
削除して通知により示すということになっておりますが、この通知になる予定というのは、いつ
ごろになるのでしょうか。
○事務局 こちらの食品安全委員会の評価が返ってきませんと、その後のスケジュールが決まり
ませんので現時点でいつということは申し上げられない状況です。
○小西委員 わかりました。これは、かび毒等だけではなくて、ミネラルウォーターの成分規格、
殺菌・除菌ありとなしも全部、告示法から通知法になるという理解でよろしいでしょうか。
○事務局 基本的に不検出等の先ほど申し上げたもの、あとは微生物関係以外につきまして、化
学物質等のものは告示から通知になるということで考えております。
○小西委員 ありがとうございました。
○大前部会長 それでは次の議題ですが、報告事項になりますけれども、デオキシニバレノール
及びニバレノールの食品健康影響評価につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料2と参考資料9を適宜御参照いただければと思います。基本的に資料
2に基づきまして御説明申し上げます。
 食品安全委員会におきましては、厚生労働省や農林水産省といったリスク管理機関からの依頼
によって食品健康影響評価を行うほか、国民の健康への影響が大きいと考えられるもの、あるい
は危害要因等の把握の必要性が高いもの、評価ニーズが特に高いと判断されるものの中から、評
価の優先度が高いと考えられるものを選定しまして、自らの判断で食品健康影響評価を行ってい
るところです。これは「自ら評価」と呼んでおりますけれども、今回御報告いたしますデオキシ
ニバレノール(DON)及びニバレノール(NIV)は、いずれもかび毒ですが、平成21年3月の食品
安全委員会におきまして自ら評価を行う案件として決定されまして、今般、調査会での審議が終
了し、11月18日付で厚生労働省及び農林水産省にその評価結果が通知されたところです。
 ちなみに、この自ら評価が行われている案件のうち、当食品規格部会に関連のあるものとしま
しては、同じくかび毒の一種でありますオクラトキンシA、先ほど清涼飲料水の御説明の際に触
れましたヒ素と鉛がございます。
 「2.食品健康影響評価の概要」ですけれども、この2物質についてですが、いずれも穀類、
特に小麦、大麦、トウモロコシの赤カビ病の病原菌でありますGibberella zeae及びその無性胞
子を形成する不完全時代のFusarium graminearum、F.culmorumなどにより生産されます。我が
国におきましては1950年代に赤カビ病の被害を受けた米、麦を摂食した人、家畜の間で急性赤カ
ビ中毒症が多発しておりまして、その原因毒素として発見されたものです。人における急性症状
として顕著なものは、嘔吐や下痢が知られております。
 続きまして、(2)TDIの設定ですが、参考資料9の80ページから食品健康影響評価のまとめが
されております。デオキシニバレノールについては80ページの中段辺り、ニバレノールについて
は81ページの中段辺りにございますけれども、いずれの物質も遺伝毒性試験の一部で陽性の結果
が得られておりますが、その程度は強くはないということ、それから、慢性毒性試験でいずれも
発がん性は認められておりません。また、IARCでもデオキシニバレノール、ニバレノールを含む
フザリウム属菌毒素はグループ3ということで分類されております。
 これらのことから、TDIを設定することが可能であるとされておりまして、デオキシニバレノー
ルに関しましては、マウスの2年間の慢性毒性試験における体重増加抑制に係る無毒性量に不確
実係数100を適用しまして、TDI1μg/kg体重/日。ニバレノールに関しましては、ラットの90日間
の反復投与毒性試験における白血球数減少に係る最小毒性量に不確実係数1,000を適用しまして、
TDI0.4μg/kg体重/日という形で評価をされております。
 それから、82ページの中段辺りでございますけれども、デオキシニバレノールとニバレノール
の複合影響について検討した試験は限られており、それらで一致した結果が得られておらず、各
毒素の作用メカニズムにも不明な点が少なくないということで、現時点でグループTDIの設定は
困難であるとまとめられております。
 続きまして、資料2の(3)暴露状況ですが、2005年のトータルダイエットスタディ、2002年
の国産及び輸入小麦の汚染実態調査による暴露推定、それから2002〜2004年の国産小麦の汚染実
態調査結果に基づく暴露推定、いずれも現状においてTDIを下回っているという状況です。この
ことから、一般的な日本人における食品からのデオキシニバレノール及びニバレノールの摂取が
健康に悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられると結論されております。
 続きまして「3.国際機関における検討状況」ですが、本年2月に行われました第72回のJECFA
におきまして、デオキシニバレノールにつきましては3−アセチル化DON、それから、15−アセチ
ル化DONを含むグループTDIとしまして1μg/kg体重/日とされております。また、ブタにおける嘔
吐への影響からグループ急性参照用量としまして8μg/kg体重/日と評価されております。
 コーデックスの食品汚染物質部会(CCCF)ですが、本年4月の第4回会合におきまして、穀物
及びその加工品中のデオキシニバレノール及びアセチル化デオキシニバレノールに関する最大基
準値原案検討のための電子作業部会が設置されているという状況で、国際的にもデオキシニバレ
ノールに関してではありますけれども、最大基準値の設定が検討されているという状況でござい
ます。
 続きまして「4.国内におけるリスク管理措置等」ですが、厚生労働省におきましては平成14
年に小麦にデオキシニバレノールの暫定基準として1.1mg/kgを設定してございます。平成16年以
降、暴露推定や含有実態調査等を実施しておりまして、今年度は先ほど御紹介しました国際的な
評価の動向も踏まえまして、アセチル化体の生体内代謝に関する試験、飼料トウモロコシでの汚
染の報告を受けまして、トウモロコシ中の含有実態調査を実施しているところです。
 一方、農林水産省ですが、同じく平成14年に飼料中のデオキシニバレノールの暫定許容値を設
定しています。また、平成14年度から国産麦類の含有実態調査を実施しております。平成20年度
からはアセチル化体も含めた形での調査となっております。
 それから、平成20年ですけれども、麦類のデオキシニバレノール・ニバレノール汚染低減のた
めの指針を示しておりまして、国内の農家に対する低減対策の指導を行っているところです。
 「5.今後の対応」についてですが、まず、デオキシニバレノールに関しましては、食品安全
委員会の評価にもありますとおり、TDIを下回っている状況でありますことから、一般的な日本人
における食品からのデオキシニバレノールの摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性は低いと考えら
れます。また、主要な摂取源である小麦に関しましては、暫定規制を行っているほか、農林水産
省で低減対策が進められているという状況でございます。
 一方で、国際的にはデオキシニバレノールのアセチル化体を含めた形での規格設定の動きがあ
るほか、アセチル化体につきましては体内吸収がデオキシニバレノールに比べて早いことが示唆
されております。
 また、農林水産省の調査におきましても、飼料用のトウモロコシの多くで定量限界を超える汚
染が発生していることが確認されておりますので、現在実施しておりますアセチル化体の生体内
代謝に関する試験やトウモロコシ中の含有実態調査、それから、農林水産省が実施している含有
実態調査等の知見を踏まえまして、適切な規制の在り方を今後検討していくこととしたいと思っ
ております。
 一方、ニバレノールに関しましては、現状におきましてデオキシニバレノールと同様にTDIを
下回っており、一般的な摂取であれば直ちに健康に悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられます。
 一方、デオキシニバレノールと同様にアセチル化体の存在が知られておりますが、その科学的
知見は非常に限定的でありまして、国際的にも未だTDI等の評価がなされていない状況です。つ
きましては、農林水産省が進めております低減対策の効果も見ながら、現時点ではとりあえずア
セチル化体は置いておいて、ニバレノール単独での規制の在り方を検討するとともに、アセチル
化体に関する科学的知見の収集を進めていくこととしたいと考えております。
 御報告は以上でございます。
○大前部会長 ありがとうございました。
 今のデオキシニバレノール、ニバレノールに関します御報告について、御質問あるいは御意見
がありましたら、よろしくお願いいたします。
 食品安全委員会から随分立派な報告書が出ておりますけれども。この物質は、トータルダイエ
ットスタディではニバレノールは全部不検出。だけれども、原料の小麦を輸入も含めまして測っ
てみると、結構出てくるという状態なわけですね。まだ、代謝の問題等々がわかっていないので、
それを測ってくればもう少し、単品で考えた方がいいか、あるいはグループとして考えるべきな
のかということがわかってくるのではないかと思いますけれども、現段階ではそこには至ってい
ないという状況のようでございます。
○小西委員 補足させていただきますと、JECFAでも話題に上がりましたが、アセチル化DONには
2種類ございまして、3位については3−アセチル化DONというのと、15位については15−アセ
チル化DONというものがございます。3−アセチル化DONとデオキシニバレノールを産生する菌と、
15−アセチル化DONとデオキシニバレノールを産生する菌というのは種類が違いまして、3−ア
セチル化DONと15−アセチル化DONとデオキシニバレノールが一緒になるということは今のところ
ないです。混合汚染は別として、一般には3−アセチル化DONプラスデオキシニバレノールか15
−アセチル化DONプラスデオキシニバレノールという形になって産生されるわけです。
 世界的な菌の分布によりますと、ヨーロッパやアメリカでは3−アセチル化DONが多いし、中
国やインドなどでは15−アセチル化DONによる麦類の汚染が多いという報告がなされています。
 麦類においてはアセチル化体の含有量というのは、デオキシニバレノールの大体10%ぐらいと
言われていますので、10%ぐらいであれば一緒にグループとして加えてもそんなに大きな差はな
いという考え方で、グループTDIをJECFAでは作ったということがあります。
 もう一つ、JECFAではデオキシニバレノールのグループとして、DONグルコシドというものがご
ざいまして、これは麦類の植物体の中でできるものです。このDONグルコシドというのは、例え
ば、ビールの発酵中とか工程中にデオキシニバレノールになってしまうということで見つけられ
たものなんですけれども、この含有量というのは比較的高くて、DON 含有量の50%ぐらいDONグ
ルコシドが入っている場合もあります。
 では、これはどういうふうに評価したらいいかというのが議論になったのですが、DONグルコシ
ドの場合には体内にDONグルコシドとして入ってきたとき、本当に分解されてデオキシニバレノー
ルとして吸収されるかということがまだわかっていないことと、毒性評価が十分されていないと
いうことから、DONグルコシドは今回JECFAでは考えない、アセチル化体だけを考えましょうとい
うことになりました。そのためJECFAでの議論でグループTDIとして、デオキシニバレノール
とアセチル化体を含むデオキシニバレノールで1つのTDIをつくるということになったわけです。
 これはJECFAでの報告ではないのですが、最近インターナショナルマイコトキシン学会があり
まして、そこでの情報としては、トウモロコシにおいてのアセチル化体というのは麦類のアセチ
ル化体よりも多く入っている。多いときには50%ぐらい入っている場合もあるというような報告
がなされていました。ですから、食品安全委員会の評価では今回はアセチル化体は更に科学的知
見を集める必要があるという結論に達しておりますけれども、麦だけではなくてトウモロコシの
方も含めて基準をつくるのであれば、そういう視野で考えた方がよろしいのではないかと思いま
した。
○大前部会長 どうもありがとうございました。
 今のお話ですと、先ほどビールのお話が出てきましたけれども、ビール中に入っているデオキ
シニバレノールあるいはDONグルコシドというのは赤カビ由来ではなくて、発酵の最中に出てくる
ということになるわけですか。
○小西委員 赤カビ病自身がデオキシニバレノールをつくります。そうすると、植物体の中でグ
ルコシドとくっつくわけです。そして、DONグルコシドになります。植物体の中の解毒のためにそ
ういうものをつくるのだと思うので、赤カビ病と関係ないわけではないです。
○香山委員 日本国内の生産されている麦にあるアセチル化体は3と15と、どちらが多いのです
か。
○小西委員 我が国では3が多いです。しかし、中国、インドでは15の方が多いですね。
○香山委員 例えば、温暖化してくると15が増えるとか、そういうこともあり得るのですか。気
温が高い方が15が多いというような傾向があるのでしょうか。
○小西委員 それは非常に難しい質問でして、そういう実験報告がないので、これから温暖化に
向けて地理的な分布の変化を予測して、そういう結論が出るかどうか、ここでは私には答えられ
ないんですが、日本の場合、国産小麦というのは消費している小麦の10%にとどまっております
ので、90%は輸入でございますので、今のところはアメリカやオーストラリアから来ております。
○香山委員 実は、今のお話はある意味、私が住んでいる県はビール麦をたくさん作っているも
のですから、特に梅雨時に刈ることが多い日本の麦がビール・モルトになっているので、非常に
気になるところでございましたので。
○大前部会長 この件に関しまして、そのほかの先生方から御質問あるいは御意見いかがですか。
よろしゅうございますか。
 それでは、このデオキシニバレノール、ニバレノールにつきましては、資料にありますように、
今後本部会での質疑に応じて審議するということになろうかと思いますので、よろしくお願いい
たします。
 最後の議題のその他でございますが、事務局から何かございますか。
○事務局 特にございません。
○大前部会長 先生方から何ございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、大分早うございますけれども、以上をもちまして本日の食品規格部会を終わりたい
と思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課
 規格基準係 TEL:03-5253-1111(内線4280)

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