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2010年11月19日 第36回社会保障審議会介護保険部会議事録

老健局

○日時

平成22年11月19日(金)14:01〜17:17


○場所

ホテルメトロポリタンエドモント「万里」


○出席者

山崎、貝塚、石川(代理:石田参考人)、井部、天神(代理:霜鳥参考人)、勝田、
川合、河原、北村、木村、葛原、久保田(代理:藤原代理人)、小西、木間、
小林、齊藤(秀)、田中、土居、野呂(代理:青木参考人)、橋本、
藤原(代理:久保参考人)、桝田、三上、結城、吉田(代理:伊藤参考人)の各委員
岩村、齊藤(正)、櫻井の各委員は欠席

○議題

(1)報告書の取りまとめについて
(2)その他

○議事

○大澤総務課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第36回社会保
障審議会介護保険部会」を開催させていただきます。
 なお、本日は、岩村委員、齊藤正身委員、櫻井委員が御都合により御欠席との連絡
をいただいております。
 それでは、山崎部会長、議事進行方、よろしくお願いいたします。

○山崎部会長 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日は、財政試算とこれまでの議論を踏まえた報告書素案につきまして御議論いた
だきます。
 それでは、まずは財政試算につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

○古川介護保険計画課長 それでは、「制度見直し事項の財政影響試算」という資料
に基づきまして、説明させていただきます。
 1ページですが、前回の部会におきまして、更に議論を深めていただきたい項目と
して、右側の項目を提示させていただきました。その際、具体的な財政の規模がわか
らないと議論がしにくいとの御指摘がありましたので、今回、一定の仮定を置きまし
て試算をして提出させていただいております。
 また、左の項目につきましては、給付と負担のバランスという観点から、どのよう
なものがあり得るかということで、勿論、項目としては決定したものではありません
が、部会で提起いただいた項目などについて試算して提出させていただいているもの
です。
 まず、左側をごらんいただきますと、介護報酬プラス改定500億円程度と書いてあ
ります。これは、以前の部会でも説明させていただきましたけれども、1.5万円相当
の介護職員処遇改善交付金相当分を、仮に5期におきまして報酬改定で対応すること
にいたしますと、2%程度強が必要とされるということです。そして、その場合には、
国庫ベースで500億円程度が必要になるということです。
 また、地域包括ケア充実に向けて居宅サービスを充実するため、例えばグループホ
ームの家賃助成、認知症コーディネーター配置などの認知症支援を行うこととした場
合、これは仮定として、地域支援事業で実施することをイメージしておりますが、80
億円程度になるということです。そのほか、複合型サービスなどを提供することも項
目として示しております。
 また、ユニット型個室の居住費の軽減も仮置きということですけれども、ここにあ
りますとおり、1〜2段階5,000円、第3段階1万円程度、補足給付に上乗せをする
こととした場合、40億円程度の費用が必要となるということです。
 右側は、前回御議論いただきました項目につきまして、一定の仮定を置いて試算し
たものです。
 一定所得以上の方の自己負担を仮に引き上げるとして、第6段階の方の自己負担を
2割とし、高額介護サービス費の上限は維持するという条件で試算いたしますと、国
庫ベースで110億円程度になるということです。
 また、居宅介護支援に自己負担を導入をいたしますと、居宅介護支援は月1,000円、
介護予防支援は月500円という自己負担の額を仮に置いて計算しますと、90億円程度
となるということです。
 また、補足給付の支給要件の厳格化については、仮に市町村が施設入所前の世帯の
所得などを把握して、それも勘案して補足給付の対象者を決めていくという支給要件
を設定して、一定比率の自治体がこれを実施するとすれば、20億円程度になるという
ことです。
 多床室の室料負担の見直しについては、第4段階以上の方であって、介護3施設に
おいて多床室に入っておられる方について、室料相当分として月5,000円を御負担い
ただくという仮定をした場合、金額としてはこのように積み上がるということです。
 また、軽度者の自己負担の引き上げについては、予防給付相当分の自己負担を仮に
2割にしたらどうなるかということで試算しますと、このような金額になるというこ
とです。
 また、第2号保険料の総報酬割ということについては、部会でも御議論がありまし
たけれども、仮に2分の1を導入することになれば640億円程度、3分の1を導入す
ることになれば430億円程度、国庫が出てくることは、理屈上あり得るということで
す。
 2ページ、同じくこれも国庫ですけれども、1ページの部分は、給付改善につなが
る経費ということですが、どちらかといいますと、こちらは負担の持ち合いをどうす
るかという話ですので、別に書かせていただいているところです。
 まず、先ほどは処遇改善交付金を仮に介護報酬で対応した場合と申し上げましたけ
れども、ここでは介護職員処遇改善交付金をそのまま次期も継続するとした場合にど
うなるかということです。その場合は、単年度で約1,900億円程度、国庫が必要にな
るということです。
 また、被保険者範囲を仮に30歳まで拡大することとした場合、国庫は670億円程
度、必要になるということです。
 国庫負担の引き上げについては、公費負担を5割から6割にという御指摘を部会で
も議論いただいたところですけれども、仮にそのようなこととした場合、7,400億円
程度になるということです。
 また、調整交付金の外枠化は、仮に5%の調整交付金を完全に外枠化して、第1号
保険料を軽減することとした場合、4,200億円程度必要になるということです。
 補足給付については、その性格上、保険料を充てるのはどうかという御指摘があり
ました。それを踏まえて、仮に、保険料を充当することなく完全に公費で対応するこ
ととした場合、現行の国と地方の負担割合を同じとして試算しますと、国庫ベースで
460億円程度となるということです。
 地域支援事業につきましても、公費負担化した場合、290億円程度になるというこ
とです。
 3ページは保険料に関する資料です。
 左側をまずごらんいただきたいと思います。第5期保険料水準と書いてあります。
一番下が第4期4,160円ということで、これが現在の全国ベースの、加重平均の額で
す。これも一度、部会で報告申し上げましたけれども、介護給付費準備基金の取り崩
しでありますとか、介護従事者処遇改善臨時特例交付金による軽減効果により4,160
円にとどまっているということで、本来の実力ベースは4,500円程度であるというこ
とです。
 そこに、ここに書いてあります自然増とか16万人分の緊急基盤整備の影響などを
考え、更に、例えば介護報酬プラス改定、ユニット型個室の居住費の軽減など、すべ
てを制度化するとして保険料に換算しますと、5,200円程度まで積み上がるというこ
とです。
 他方、部会でも御議論、御発言がありましたけれども、その中で保険料月5,000円
というのは一つの目安ではないか。それ以上超えるのはなかなか厳しいのではないか
との御発言もありました。そうした中で、安易に保険料を上げないための取組みとし
て、どのようなことがあり得るかということで、部会で御指摘のありましたことを、
ここに整理してあります。
 例えば財政安定化基金を取り崩すことで活用したらどうかという御指摘もありま
した。本来の財政安定化基金の役割を果たせる程度の金額は、当然そこに残すといた
しまして、それ以外の額を仮に崩して1号保険料に充当することにいたしますれば、
150円程度下げることが理屈上は可能になるということです。
 また、安定化基金は、国、都道府県、市町村、それぞれが3分の1ずつ拠出すると
いう制度になっております。国・都道府県分をどのようにするかというのはいろいろ
御議論があろうかと思いますので、市町村分のみを充てる場合はその3分の1で50
円になるということです。
 介護給付費準備基金の取り崩しですが、これは4期スタートの段階でも、保険者の
皆様に御理解、御協力を得て崩していただきました。4期もある程度積み上がるとし
て、その半分程度を取り崩していただくとすれば、130円程度になるのではないかと
見込んでいるところです。
 高所得者の自己負担、居宅介護支援の自己負担等々、ここに書きました項目が仮に
実現するとすれば、保険料軽減に資するということです。要は、これらのコンビネー
ションで、どの程度まで保険料を抑えるかということになるということです。
 あわせまして、先ほど総報酬制を仮に導入した場合の国庫について申し上げました
けれども、本日の資料につきまして、事前にマスコミの記者の皆さんに説明しました
ときに、総報酬割のイメージや具体的にどうなるのかという資料を、お求めに応じて
配付したものがありますので、それにつきましても説明させていただきたいと思いま
す。
 「総報酬割のイメージ」というものですけれども、これは仮に2分の1とした場合
です。
 例といたしまして、第2号被保険者数が同じ3保険者で2,400万円を負担する。人
数が同じA、B、Cの総報酬額は、それぞれ5億円、15億円、10億円になっている
と仮定いたします。現行制度でありますと、いわゆる人数割、加入者割でございます
ので、2,400万円を加入者の人数に応じて負担するということですので、A保険者、
B保険者、C保険者、それぞれ均等に負担することになり、それぞれ2,400万円割る
3で800万円ずつになるということです。
 仮に総報酬割2分の1を導入することをイメージしていただきますと、2分の1を
人数に応じて負担、2分の1を総報酬に応じて負担ということになります。2分の1
の1,200万円分につきましては、均等でありますので400万円ずつになります。残り
半分を総報酬割で対応することにいたしますと、それぞれA保険者、B保険者、C保
険者の総報酬額が1対3対2となりますので、1,200万円をその比率で御負担いただ
くことになり、200万円、600万円、400万円になります。トータルとしてA保険者は
600万円、B保険者は1,000万円、C保険者は800万円になるという考え方です。
 結果として、総報酬割2分の1導入となりますと、右側にありますけれども、保険
料率の幅が、5.3‰から16‰に開いていたものが、6.6‰から12‰と幅が縮まることに
はなるということです。
 もう一枚おめくりいただきまして、具体的な実例でありますけれども、健保組合に
おけます介護保険の2号被保険者たる被保険者にかかる総報酬額の状況でございま
す。
 健保組合内でも、上位10組合の平均を見ますと1,314万円です。平均ですと667
万円、下位10組合ですと320万円ということですけれども、現行制度上は加入者割
で御負担いただくことになっているので3,944円の同額になっております。
 もう一枚おめくりいただきますと、これは今、申し上げたようなことをグラフにし
たものでして、分布がどのようになっているかということです。健保組合の平均総報
酬額は667万円。参考といたしまして、協会けんぽの平均総報酬額は424万円となっ
ているということです。
 最後の資料ですが、1人当たり負担額への影響の試算ですが、仮に報酬割を導入し
た場合、保険料にはどのように影響してくるのかということです。
 例えば一番左側の協会けんぽは、現在、負担能力勘案して、納付していただく分の
うち16.4%につきましては国庫補助が入っております。総報酬割という能力に応じて
御負担いただくという仕掛けが仮に入ることになれば、その国庫が必要なくなるとい
うことで、先ほどのような金額が国庫として捻出されるということです。
 仮に報酬割をいたしまして、上に書いてあります3分の1を導入することになりま
すと、4,044円。マイナス45円ということで、労使折半になりますと、1人当たりの
御負担額は2,022円。健保組合の例を申し上げますと、5,176円ということで、負担
は上がってしまいますけれども、2号被保険者1人当たりにいたしますと2,588円で
プラス月143円になるということです。あとは同様でございますので、ごらんいただ
ければと思います。
 説明は以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、各委員から御意見をお願いします。結城
委員。

○結城委員 ペーパーを用意いたしましたので、最後の方をごらんいただければと思
います。なお、前回、事務局にお願いした保険料の構成割合、ありがとうございまし
た。それも付け加えさせていただきます。
 では、ペーパーに応じてお話させていただきます。
 まず、事務局への質問ですが、財政影響試算について1つ目、1ページ及び3ペー
ジ目ですけれども、例えば介護報酬プラス改定500億円程度と書いてありますが、こ
れは処遇改善交付金を本体部分に盛り込んでおりますが、平成24年度は財務当局と
の折衝で難しいと推測したため、ここに盛り込んでいたと理解してよいかどうかを御
質問させていただきます。
 2点目は、その資料の2ページ目、これも処遇改善交付金の継続とか公費負担割合
7,400億円が書いてありますが、これらの公費投入も、事務局としては現時点で平成
24年度は極めて難しいと判断しているという理解でよいのかどうかということを御
質問させていただきます。
 なお、本資料において、公費に新たな財源確保、継続が見越せないことを前提に書
かれているということは、少し問題だと私は思いますが、このような財政規律に徹し
た議論を続けている限り、介護現場の本質的な議論は難しいと思います。あくまでも
本質的な議論をしていくには給付の拡充が必要であり、私は公費負担6割が一番いい
のではないかと思います。
 これは、今回の議論とは少しずれるかもしれませんが、例えば国全体で財源の配分
がどうなっているのか。例えば道路をつくっていいのかどうか、法人税を引き下げて
いいのかどうか、その他、消費税の増税も含めて、こういう議論の中で介護というも
のがどういう位置付けなのか。これは実は政治的な問題であって、数か月の議論を聞
いていると、財源のハードルがあって、現場とかけ離れた議論になってしまっている
ということで、本質的な議論ができないことを、私としては非常に残念に思います。
 その意味では、是非とも政治の場でこの議事録を見て、公費負担6割について再度
国会の場で議論していただきたいと思います。ただし、もし公費負担6割がどうして
もできないという結果に陥れば、次善の策として、今回、利用者の自己負担の試算が
出ていますが、これはやはり利用者から自己負担を取るというのは、私は現場にいて
も、現場の声を聞いても反対です。
 やはり要介護状態になった人から自己負担を取るというのは難しいと思いますの
で、公費負担がなかなか増やせない見込みがあるのであれば、今あえて財源に絡むよ
うな大幅な見直しを少し考えて、財政調整に余り関係ない小幅な見通しにしてもよい
のではないか。このままでいくと、パイの奪い合いといったイメージを現場に、利用
者さんに持たせてしまって、かえって現場と乖離した、がちゃがちゃ崩してしまった
ことになりますので、できる限り究極の選択として、そういう状況しかないのではな
いかと思います。
 しかし、処遇改善交付金や自然増のお金はどうしても維持しなければいけませんの
で、この場合はやむなく保険料の上昇、第1号被保険者は場合によっては5,000円を
超えてもいたし方ないし、第2号被保険者もしようがない。これは本意ではありませ
んが、私としては総報酬制もやむを得ないのではないかと思います。私としては、共
済組合に入っていて、本来であれば総報酬制はどうかということもありますが、みん
なで支え合う制度であって、公費が認められない以上は、こういう選択肢も究極の選
択肢としてあると私は考えます。
 以上のように、こういう財政一辺倒というのは、数か月、非常に残念な議論だと思
います。
 なお、今回の素案において、事務局から案が出されましたが、3ページ目から以下
のような私の文章を載せていただきたいと思います。3ページ目の4項目ですが、数
か月、議論を重ねてまいりましたが、介護保険の総括といったものがなかなかなされ
ていないので、?@の文章を付け加えていただきたいと思います。
 裏面で、?Aといたしましては、お金をかけない小幅な修正は、わかりやすい制度に
していくとか、シンプルにしていくということはできる。現場は12年改正に非常に
期待していますので、そのような利用者の視点、現場に立った視点のことを盛り込ん
でいただきたい。
 ?Bは、両論併記になってしまいますが、要支援の軽度者へのサービスは、きちっと
現時点では守るべきであって、しかもこの1文、赤字で書いた文章を是非付け加えて
いただきたいと思います。
 4番目としては、軽度者への生活援助も絡め、万が一、介護給付から外す場合は、
特定財源で、しかも同じサービスが担保される仕組みを絶対講じるべきだと思います
し、そのようなことを書いていただきたいと思います。
 5番目としては、介護療養病床の取り扱いといたしましては、事実上、廃止路線を
撤回すべきであると私は思います。ただし、社会的入院がありますので、こういう内
容でございます。
 ?Eは、地域包括支援センターのケアマネジメントについて、民間の通所のケアマネ
に是非移管してほしいということを書かせていただきました。ケアマネ協議会の方々
と私とは若干意見が異なるかもしれませんが、私は現場にいて、こういう声が強かっ
たと感じております。
 7番目は、ここも大事です。要介護認定そのものの議論を、きちんと別途検討会を
設け、国民的な議論にしていくべきだということを明記していただきたいと思います。
 8番と9番は先ほど言った議論ですが、ペイアズユーゴー原則では本質的な議論が
できませんので、是非公費負担を増やしていくということをここに書いていただきた
いということです。
 最後に10番目は、実地指導や監査指導は、現場に即して育む姿勢という文章を載
せておきました。これは余談ですが、将来は中核市や特例市などが指定事業所権限を
移譲できる道筋ができるという意味でも書かせていただきました。是非ともこの文章
を載せていただきたいと思います。
 以上でございます。

○山崎部会長 結城委員、後半の素案についても御意見いただきましたが、とりあえ
ず先ほどの財政試算についての御意見に前半は限りたいと思いますので、よろしくお
願いします。
 では、勝田委員。

○勝田委員 財政影響試算の部分に限って意見を言います。
 今、強い社会保障と言われていますが、ペイアズユーゴー原則は、新たな施策を行
う場合、それに見合った財源確保を義務付け、収支のバランスをとらせる原則である
が、これは国家政策全体の優先順位を並びかえるという視点に欠けているのではない
かと思います。やはり根本的には国家予算のあり方全体がいびつになっており、介護
保険の予算立てのみを切り出して解決できる問題ではないと思います。
 ですから、この介護保険改正についてペイアズユーゴー原則にのっとることはいか
がなものかと思います。
 また、特に高所得者の自己負担引き上げや自己負担全体が同一の給付に二重の支払
いを求めるのではないか。特に、高所得者が第6段階、これは320万円ということで
すが、介護保険料を支払った上にサービスを利用する段階で2割を徴収するというこ
とは、二重の負担となります。
 また、ケアマネジメントの有料化ということですが、低所得者ほど専門職によるケ
アマネジメントが必要です。リスクを抱えていますので、これを有料化するというこ
とは、その低所得者からケアマネジメントを引きはがしてしまうのではないか。これ
については反対です。
 また、多床室の室料負担は、事実上、低所得者や選択の余地を持たない利用者を締
め出すという効果を持ってしまう。3施設ともそういうことであれば、65歳未満がお
おむね12万円、65歳以上がおおむね16万円の世帯であり、実質的に高所得者と呼べ
る層ではないと思います。
 また、軽度者の自己負担の引き上げは、なぜ軽度を理由に負担率を上げるのか。こ
れを実施すれば、3施設ともになると、対象範囲は言葉以上の範囲になると思います。
この財政影響試算をマスコミに先に説明されたと言われましたが、それがひとり歩き
していくのではないかと懸念されます。
 素案については、後ほど述べます。

○山崎部会長 川合委員。

○川合委員 申しわけございません。私、今日、4時に退席いたしますので、かわっ
て内藤参考人に座っていただきます。
 私が火をつけてしまったようなことで非常に恐縮なのですけれども、ペイアズユー
ゴー原則というのは、私は反対しているのでも賛成しているのでもありません。ただ、
雰囲気としてペイアズユーゴーということを皆さん方が何のためらいもなく発言さ
れていることに私はびっくりしたのです。組合の方からこれが前提でとか、あるいは
学者の方々からこれが前提であるからとおっしゃったことに関して、私は他の26人
の委員が、あるいはマスコミの方々も含めて、本当にこれでいいのですねと確認して
おきたいのです。
 反対は反対、賛成は賛成、と発言しておくべきと考えます、私は一部賛成の意味が
あります。現実論としてやむを得ないのかなと思いますけれども、そういうことを議
論した、この部会なのだということを、私は皆さんにプライドを持って改定を迎えて
いただきたいと思います。終わってから、私は実は反対だったのだけれども、3分間
のウルトラマン方式で言えなかったのだということのないように、きちっと意見表明
すべきと考えます。私はやむを得ないと、まず申し上げておきます。
 そうであるならば、我々が自己責任で、世間のマスコミ、あるいは御利用の方々に
ごめんなさいねと言うのであるならば、私はこの場に、政治の責任者が出てこられて、
ペイアズユーゴーは国全体の方針なのだ、あるいは厚生労働省だけの問題なのだとい
うことを明確に言っていただきたい。でないと、議論がかみ合いません。そういう意
味で、国全体としてコンクリートから人へということを期待して、我々あるいは我々
の仲間の方々は投票されたと思います。
 それと、補足給付の問題は、今回の表でも数字が載っていましたけれども、私はず
っと申していますように、救貧対策に矮小化すべきではないと思います。財源論とし
て、コンクリートから人へとおっしゃるのであれば、たかだか介護保険から出ている
のは、先ほどの御説明では国の負担のところに書いておられましたけれども、介護保
険財政からは1,200億円です。
 1,200億円という金額は個人的には膨大な金額ですけれども、国の予算からした場
合に、その1,200億円をほかの福祉予算から本当に切れないのかということを、私は
政治の判断としてそれができないとおっしゃるなら、できないということを責任ある
方が、政務三役なのか党の方か知りませんけれども、ここでないかもわかりません、
社会保障審議会の親委員会かもわかりませんけれども、そこできちっと意思表明をし
ていただきたい。それに従って、我々が議論を進められる、ペイアズユーゴーも仕方
がないねということになろうかと私は思います。
 もう一つ、これも前回申しましたけれども、公費負担とおっしゃいます。でも、公
費負担が極端なことで6割とおっしゃいますけれども、本当に6割で済むのでしょう
か。消費税が導入されたときは、7割あるいは7割5分、8割になるのではないでし
ょうか。そうなったときに、これは保険なのですか。
 これを保険と言いくるめた場合に、地方分権法ができたときに国家公務員と地方公
務員に差があるなどと、私は差別化、区別化するつもりはありませんけれども、本当
に地方公務員の方々は行政裁量権が増えたと小喜びされないのでしょうね。保険と認
識させていただけるのでしょうね。そこの確認を、私は公費負担が増える場合には6
割までは何とか許せるとしても、7割になった場合は保険という概念が成立するので
すかということを問い直したいと思います。
 それと、前回いろいろな意見が出ましたけれども、堀田座長が24時間地域巡回型
訪問サービス、これは前から申していますように、堀田座長が第1回目の見直しのと
きの委員長でいらっしゃったときに、24時間365日、本当に理想的なシームレスなこ
とを提案されました。尊厳というテクニカルタームも出されました。
 今回、私は現実的には、即無理だとは思います。小規模多機能は理想です。理想で
すけれども、本当に研修が可能なのですか、労務管理が可能なのですか。私は、理想
は追求すべきだと思いますけれども、現実論として、消防訓練のときにも申しました
けれども、9人の1ユニットで7人常勤がいたら赤が出るのです。多くて大体6人な
のです。そこで地域で消防訓練をしたときに、お休みの人、夜勤明けの人を入れたと
きに、地域で消防訓練できるのはたった1人か2人です。それが、消防車が来たり訓
練車が来たりして、何の消防訓練ですか。
 私は、そういうことではなくて、複合型の施設、有床診の代表の方々が胸を張って、
我々がするのだと宣言をすべきだと私は思っています。医療が基本にあるべきです。
高齢者は、医療だけでは生活できません。生活も必要です。でも、生活だけでもでき
ません。医療が必要です。そのときのベースが、私は医療だと思います。そのときに
複合型の施設は、私の努力が足らなかったせいもあるかもわからないけれども、両に
らみの有床診とか老人保健施設の有効性をもっと御認識いただきたいと思います。
 細かいことにつきましては、後刻発言されると思います。私は、この辺で発言をや
めます。

○山崎部会長 桝田委員、途中退席されるということなので、お願いします。

○桝田委員 恐れ入ります。
 1つは、先ほど勝田委員が第6段階320万円とおっしゃいました。事務局の方に確
認したいのですけれども、第6段階は基準所得200万円でよろしいのでしょうか。

○古川介護保険計画課長 はい。基準所得金額が200万円は、年金収入の場合は320
万円になるということです。

○桝田委員 はい。それは確認ですけれども、今日の部分で少しお話したいのですけ
れども、介護保険制度ができたときは、措置の応能負担から応益負担に変えた。今回
は、財源難のために、いわゆる支払い能力のある方にスポットを当てて、払える方か
ら払っていただきましょうという概念が随所にあらわれてきている。果たしてそれで
介護保険制度の根本的な考え方はいいのかという部分の議論がまず要るのではない
か。
 財政は確かに重要なことで、理想論ばかりでは仕方がないのですけれども、財源、
財源で縛られて、給付の削減策というのが、今回の素案の24ページの給付の見直し
の3項目が、さも今回の主眼で、切り落とすべき内容ですよと強く意見主張がされて
いる。いわゆる介護予防支援の利用者負担の導入とか、高額収入者の方の2割負担と
か、補足給付についての家族の負担能力の勘案、多床室の居住費の見直し。これが一
番やりやすいような感覚で文書がまとめられているというのは、少し違和感がありま
す。文書の表現とすれば、反対の意見もここに両論併記の形で入れていただくべきと
思っております。
 それと、今日のペーパーの方を発言させてもらいますので、主眼の方から外れる部
分もちょっとあると思います。やはり公費負担が6割云々というのは、すぐにはでき
ないかもしれませんけれども、大きな考え方の中に、施設等のサービスと在宅地域密
着型サービスの国の負担割合の5%差の是正を望んでいるという意見があるという
のも明記していただきたい。
 もう一つは、多床室の減価償却部分を利用者負担に変える。現実的には、第4段階
の方が対象となりますけれども、もともと16年に居住費の問題を議論されたときに、
居住環境から考えて、多床室では在宅の方と比べて余りにも居住環境が室料をいただ
くほどに至らないということで、光熱水費相当が切り出された。そのときの議論を尊
重して、多床室からの居住費というのは光熱水費にとどめるべきではないかという意
見があるというのも付け加えていただきたいと思います。
 もう一つ、重点的な部分では、地域包括支援センターが非常に重要な役割を果たす
と思いますけれども、全体の4割を占める介護予防支援で、特に原案の中では業務委
託と記載されています。
 委員の皆さんからの意見は、業務委託を増やすのではなくて、地域包括支援センタ
ーから介護予防支援を切り出して、もともとの居宅介護支援事業所で、介護予防も介
護給付のプランも、両方扱うのが本筋ではないか。ワンストップサービスの観点から
いうと、そうすべきではないかという意見が多かったと思います。その部分をきっち
り記載していただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○山崎部会長 桝田委員は途中退席ということで、全体についての御意見をいただき
ましたが、差し当たっては財政試算につきまして。霜鳥参考人、お願いします。

○霜鳥参考人 健保組合の試算がいろいろ出ておりましたので、私の方から意見と御
質問をさせていただきます。
 質問は、健保組合の2号被保険者たる被保険者の総報酬の状況が出ていまして、上
位10組合、1,314万円ということですけれども、総報酬割になったらこの方々の負担
額は幾らになるか、ちょっと計算していただけませんでしょうか。

○山崎部会長 後でお答えいただいてよろしいですか。

○霜鳥参考人 それが1つです。
 それから、資料関係で申し上げますと、私どもはペイアズユーゴー原則というのは、
来年度の予算を規定しているだけで、24年度以降は別にそれを規定しているとは認識
しておりません。したがいまして、第5期の事業というのは、私どもの観点からすれ
ば、税と保険料の関係をきちっと議論した上で考えていただきたい。特に、団塊の世
代が第1号被保険者にこれから急速に入るという状況でございますので、政府におい
ては、そこをきちっと決めた上で議論していただきたい。ペイアズユーゴーは、23
年度予算の枠を言っているだけでございますので、それに限定するのはおかしいなと
思っております。
 そういう観点で申し上げますと、介護職員処遇改善交付金は継続するのが当然だと
思っております。
 それから、第2号保険料の総報酬割については後でまた申し上げますけれども、2
分の1とか3分の1という出し方は、私どもとしては非常に不信感を持っております。
 以上です。

○山崎部会長 財政試算につきまして、ほかにいかがでしょうか。小西委員。

○小西委員 どのタイミングで申し上げたらいいか、ちょっと難しいなと思っていた
のです。財政試算の3ページの財政安定化基金について、今日はそこだけ申し上げた
いと思います。
 この資料、財政安定化基金の取り崩しをするとマイナス150円だけれども、市町村
分のみだと50円にとどまりますという書き方になっていますので、財政安定化基金
を取り崩す場合でも、市町村がより優先されるという表現になっていますけれども、
ちょっとこれはどうかと思うのです。
 というのは、財政安定化基金は、これは報告書の方になってしまいますけれども、
そもそも会計検査院の方から、制度の趣旨に沿えばそんなにたくさん要らないでしょ
う。ですので、都道府県の判断でそれを取り崩してもいいというふうに制度改正すれ
ばどうかという指摘を受けたということですね。
 ところが、検査院の指摘は、基金は拠出している人がいますので、拠出者に当然返
すことになるわけです。これまで提出された資料の中で、財政安定化基金を拠出して
いるのは国、都道府県、市町村と書いてある資料もありますけれども、私の制度理解
だと国、都道府県、1号保険者だと思います。ですから、国に返します、都道府県に
返します。軽減措置でいいますと、国に一たん返したものをもう一度出していただき
ましょう。都道府県に一たん返したものを出していただきましょうということは、そ
うなのでしょうけれども、1号保険者の方が拠出していて、市町村は拠出していない
ので、これはちょっとおかしいのではないかと思います。
 恐らく全体の引き上げ、給付費の増をしますと、当然負担増が伴いますので、その
ときに国の負担増、都道府県の負担増、1号保険者、2号保険者の負担増がそれぞれ
あるわけですけれども、市町村は給付費の増に伴う負担増が当然あるのですが、基金
の取り崩しで市町村にはバックしないのではないかと思います。そうすると、市町村
は出しっ放しになる。
 そのことで、済みません、2回に分けるとわけがわからなくなりますので、素案に
関して申し上げますけれども、23ページ、財政安定化基金について書いてあるところ
があるのですが、これは基金を崩せと言われました。崩す必要があるのでしょう。崩
すときに、保険料を軽減するのはいいねという感じになっていますけれども、ちょっ
と待ってください。基金を崩したらもとの人へ戻すのでしょう。戻した上で、戻した
ものの合意に基づいて、もう一回それを出し直していただくということならいいので
すけれども、少なくとも市町村は何も戻ってこないのに出せという言い方になってい
るような気がします。
 ここは、書きぶりとして、基金を積んだもとの人へ戻せという話と、だから返って
くるのが当然よという、そこはペイアズユーゴーなのかもわかりませんが、都道府県
でも、返ってくる基金と給付費の増に伴う負担増が本当にバランスするかどうか、数
字を見てみないとわからない。少なくとも市町村はバランスしないのではないかと思
いますので、この書きぶりだと、恐らく市町村がどういうことだということになるか
と思いますので、ここは何としても意見として指摘しておきたいところだと思います。
 以上でございます。

○山崎部会長 ほかにいかがでしょうか。土居委員、お願いします。

○土居委員 先ほどペイアズユーゴーの話がありましたので、正確に今この手元にあ
る財政運営戦略を読ませていただきます。恐らく先ほどおっしゃったような、平成23
年度だけがペイアズユーゴーの対象になるとは読めない書きぶりになっています。
 まず、つらつらと経緯とか政府が目指すべき方向性が書かれておりまして、そして
財政健全化目標ということで、フローの目標として国と地方を合わせたプライマリー
バランスを、遅くとも2015年までに赤字の対GDP比を2010年の水準から半減し、
遅くとも2020年まで黒字化するという話が書いてあるのと、ストック目標として
2021年度以降には、国と地方の公債等残高の対GDP比を安定化させるということが
書いてあって、その次に、財政運営の基本ルール、各年度の予算編成及び税制改正は、
以下の基本ルールを踏まえて行うものとする。(1)財源確保ルール、ペイアズユー
ゴー原則と書いてあります。
 つまり、各年度の予算編成及び税制改正はと書いてあります。平成23年度だけな
らば、各年度という書きぶりにはならないはずでありまして、しかもその前段に2015
年とか2020年度という目標が書かれていることとの整合性で考えると、何年までに
なるかは、それは政府の御判断なのでしょうけれども、少なくとも閣議決定された文
章そのものを読む限り、平成23年度だけで終わるものではないということだと理解
すべきであります。ですから、平成23年度だけということで、第5期の財政期間の
この問題はペイアズユーゴーの話とは関係ないとする見方は、曲解と言わざるを得な
いと思います。
 ですから、この財源試算、私が前回のところで是非出していただきたいと提起しま
して、短い間で事務局には計算していただいて、誠にありがとうございます。そうい
う意味では、これをまさに金額をにらみ合わせながら、どういう施策を盛り込んでい
くか、給付の拡充のためにどういうふうに財源を確保していくかということが重要に
なってくるだろうと思います。

○山崎部会長 そのほか。それでは、財政試算につきまして一通り御意見をいただき
ましたので、質問があった点につきまして事務局から回答をお願いいたします。

○古川介護保険計画課長 まず、結城委員から御指摘のありました処遇改善交付金は
継続が難しいと判断したから、介護報酬対応にしたのかなどについて御質問がござい
ました。
 冒頭申し上げましたとおり、これは前回の部会での御指摘を踏まえまして、一定の
仮定を置いて機械的に試算したということですので、できる、できないという判断を
含むものではありません。勿論、一般論として財源は大変厳しいというのは言うまで
もないことではあります。
 2点目の御質問につきましても、同様の回答とさせていただきたいと思います。
 それから、霜鳥参考人から御指摘のありました上位10組合の金額の変化ですが、
申しわけございませんが、今、手元に数字がございませんので、別の機会に準備させ
ていただきたいと思います。
 それから、小西委員の御指摘のありました市町村という書きぶりについてですけれ
ども、御指摘のとおり、1号被保険者の保険料からいただいているということであり、
市町村分というのは、1号被保険者からの保険料、都道府県、国からは、一般財源か
らの拠出により3分の1ずつ持ち合っているということです。

○山崎部会長 続きまして、報告書の素案につきまして事務局より御説明をお願いい
たします。

○大澤総務課長 それでは、お手元の「介護保険制度の見直しに関する意見(素案)」
についてでございますけれども、これは各委員には事前にお配りいたしまして、既に
目を通していただいているものと思いますので、詳細な御説明は省かせていただきた
いと思います。
 表紙を開いていただいて、3ページの「はじめに」の4つ目の丸にございますよう
に、これまでの当部会における審議を整理させていただいて、第5期事業計画に向け
て、当面必要となる法改正事項を中心に、素案として用意させていただいたものでご
ざいます。
 それから、皆様方にお配りした後に、事務局の方で少し推敲させていただきました
ところ、幾つか不正確な表現がありましたので、そこは適宜修正を加えております。
 2〜3、御紹介しますと、9ページの(2)でございますが、原案では「要支援者
などの軽度者」という表現、以下、文書の内容も同じようなことで整理しておりまし
たが、やや不正確だと思いましたので、「要支援者・軽度の要介護者」という表現、
それから、それ以下の文書もそれぞれ同様の修正を加えてございます。
 それから、12ページの上から3行目辺りに、具体的には云々という5行辺りを加え
ておりますけれども、原案では住宅の整備のみ書いておりましたが、住宅だけではな
くて、いろいろなサービスと組み合わせてということではないかということで、追加
させていただいております。
 それから、15ページの「今後の対応」の2つ目の丸の3行目辺りに「ケアパス」と
いう言葉がこれだけで書いてあったのですけれども、中身がわかりにくいのではない
かということで、括弧書きを加えてございます。
 主にはそういうことで、若干わかりにくい表現は修正させていただいておりますが、
基本的には事前にお配りした素案のとおりでございますので、これを基に今後審議を
進めていただければと思います。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、ただいまの説明につきまして。齊藤秀樹委員、お願いしま
す。○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。
 先ほどの財政影響試算とも兼ね合いがあるわけですけれども、とりまとめの方でお
話をさせていただきます。今回は、木間委員と連名でペーパーを出させていただいて
おります。
 介護保険が始まりました段階で、制度は走りながら考えるということをたびたび耳
にしたわけでありますが、私は今日の状況を考えますと、走るにしても、真っ暗な夜
道を走ったのでは思いがけない方向に行く、場合によっては間違った方向に進むとい
う思いを、今回の報告書、とりまとめ意見を見て強く感じた次第であります。そうい
う意味で、3点について申し上げたいと思います。
 まず、ペイアズユーゴー原則の話が先ほど来出ておりますが、私は制度の根幹とい
うものは、恒久財源の見直しが立つまでは変えるべきではないということを、前回も
申し上げましたが、改めて指摘させていただきます。特に、他の委員もおっしゃって
おられましたけれども、創設10年の検証・総括が十分行われない、つまり評価が定
まらない中で、素案には「着実な進化」と書いてあることにも疑問を感じるわけであ
ります。
 スタート時の制度を百点といたしますと、改正のたびに評価が上がっているという
認識は私はいたしておりませんで、むしろ改正のたびに、どうも使いにくくなってい
るということが一般の国民の評価ではないか、認識のずれがあるのではないかという
ことを感ずるわけであります。更に、今回、唐突な提案、拙速な結論を得るというこ
とは、国民の不安感を更に増幅させる。ひいては、制度の信頼を欠くことになります
ので、私は今はじっと我慢するべき段階にあるのではないかと思っております。
 この審議会は一体何を目指しているのか。実は、マスコミでも余り報道されていな
いように思いますし、3分なのか5分なのかわかりませんが、それぞれの意見の発表
会のような繰り返しになっておりますから、この状況が国民にほとんど知られていな
いと認識いたしておりまして、このような状況の中で理念を損なう制度改正に進むべ
きではないと強く思うわけであります。財政の厳しいときこそ、報告書に書いてあり
ますように、必要最小限の制度改正にとどめるべきだと思うわけであります。
 私は、政治の責任というものは非常に大きなものがあると思っておりまして、既に
社会保障全体の費用が増え続けるということは、あらかじめわかっているわけであり
ますから、政治が財政の見通しも何ら立てずに、審議会において必要な財源は自ら捻
出して収支を合わせる。この無謀なことを、これを政治主導だとおっしゃるのであれ
ば、私は政治家というものは要らないということまで申し上げたくなるわけでありま
す。
 ここに利用抑制につながる高所得、軽度者負担引き上げには反対だと書いてありま
す。320万円を高所得と言うのかどうか、よくわかりませんが、所得税で見ますと、
5%から33%まであります5段階の中で、年収320万円というのは下から2番目であ
ります。これを高所得と言うのかどうか。私は、むしろ中所得程度以上の方々からも
利用料2割を負担しろと言っているように聞こえるわけでありまして、これは適切な
表現ではない。医療保険では現役並み所得と言っているわけでありまして、高所得と
言っているとは認識しておりません。
 そういう意味で、軽度者と生活援助の給付除外というものは、国民との約束をほご
にするものだと思っております。軽度者も使えるものにしよう、生活援助も重要な自
立支援策だと国民に説明し、納得した上で保険料を納めてきたわけであります。強制
保険でありますから、現在これから逃れることはできません。お金がかかるから給付
の対象から外し、今度は市町村ごとに判断してください。これでは、私は国民に対す
る約束違反である。国民の方は抵抗するすべがないわけでありますから、医療保険で
問題となったと同様に、介護保険の保険料は、年金天引き反対という声が再び起きそ
うな気がしてならないわけであります。そのようにしてはならないわけでありますの
で、私は今、このような見直しを急ぐべきではないと繰り返し申し上げます。
 更に、居宅介護支援について申し上げます。従来から申し上げてまいりましたが、
これは介護保険制度のかなめでありまして、日本の介護保険制度として、誇るべき制
度の手法を入れたと思っております。後ほど木村委員からもお話を伺いたいと思って
おりますが、関係者の皆様では、これに対するどういうふうな御意見があるのか、是
非お伺いしたい。
 また、私は保険者である市長会、町村長会の委員の方々にもお聞かせいただきたい
のは、地域住民の皆様にケアプランの有料化を説明し、特に利用者の皆様には、この
ようなことをどう考えるか、どのような反応であったか。それはお聞き及びのことと
思いますので、是非そのことをお聞かせいただきたい。これは地方分権の試金石とい
うことが、この素案にも出ているわけでありますから、是非そのことをお聞かせいた
だければありがたいと思っております。
 2つ目の柱でありますが、被保険者の範囲など、現役世代の負担増についてのこと
を申し上げたいと思います。
 従来、私どもは、介護保険制度発足以来、この制度は国民が広く支える制度でなけ
ればいけないという考え方のもとに、若い世代からも参加をしていただきたいと述べ
てまいりました。その後は、いろいろな問題があって、今日のような状況を理解いた
しておりますが、これまで現役世代の負担については、私ども、コメントを控えてま
いりました。
 しかし、ここに書いてありますように、財源不足を理由として、公費の肩がわり策
として若い方々に負担増を求めるということは、大反対であります。これは、真の介
護の社会化という創設の理念に立ち返って、そして若い方々にも更にいい制度をつく
り上げるために、お互い理解していただきたいということを真摯に向かい合って語り
合わなければいけない大事な課題。これを今、こんな形でお願いするということは、
全くもって無理があると理解しております。
 更に、この審議会のとりまとめについて御意見申し上げたいと思います。
 先ほど財政影響のところで、利用者負担の増等の話がいろいろとあったわけであり
ますが、私はこの説明がありまして、意見交換をしたときに、確かに賛成の意見もあ
ったわけでありますが、私の理解ではほぼ反対多数と理解いたしております。
 しかし、このまとめを拝見いたしますと書き方が逆になっておりまして、反対多数
の意見は少数意見であるかのように、記述のそれぞれ最後の方に、一方、このような
強い意見もあったというような表現でありまして、これは主客転倒して、審議経過と
いうものが一般の国民に正しく伝えられない。そういう報告書のとりまとめは、私は
避けるべきだと、委員としてこれは強く求めたいと思うわけであります。
 なお、私と共同でペーパーを出させていただきました木間委員に、引き続きの発言
の機会をお許しいただきますように、山崎部会長にお願いします。
 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、木間委員。

○木間委員 申し上げたいことは多々ありますが、5項目だけ申し上げたいと思いま
す。
 まず、7ページの下の方にあります「?U 見直しの基本的考え方」です。
 ?@日常生活圏域内において、医療、介護、住まい云々とありまして、有機的かつ一
体的に提供される「地域包括ケアシステム」の実現に向けた取組みを進めることとあ
ります。これは理想としてはいいことだと思っております。ただし、部会におきまし
ては、地域包括ケアの研究会の報告と、先ごろ24時間地域巡回型訪問サービスの検
討会の中間報告がありましたが、いずれも具体的なことはこれから検討する、あるい
は検討していない、調査結果はこれから公表するといった報告を少なからず受けてい
ます。
 部会として、「基本的な考え方」や、29ページの「今後に向けて」に書かれている
表現は実態がわからない上では拙速ではないかと思います。
 7ページの一番下の?A給付の効率化・重点化などを進め云々とあり、持続可能な介
護保険制度を構築するということが書かれていますが、給付の効率化・重点化とは、
利用者の負担増、利用制限であることは、前回の改定によって明らかになっているこ
とであります。今回の給付の効率化・重点化のねらいは、軽度者切りと生活援助の縮
小です。軽度者と言われる方に、あなたは選択されませんでしたので、介護保険は適
用されません。介護保険から排除しますよと言われたら、そういう事態になったら、
介護保険制度は持続可能どころか、崩壊する恐れがあると思っております。
 10ページの9行目、「また、例えば軽度者の訪問介護について見ると、多くの時間
が掃除等の生活支援サービスに割かれている現状が指摘されている」とあります。こ
のような発言は部会ではありませんでした。8月23日に示された「要介護度別の訪
問介護の利用状況」を基にお書きになっていらっしゃるのかもしれません。そうであ
れば、要支援1のサンプル数は5人です。要支援2は13人のサンプル数です。これ
をもって介護時間の構成比が出されています。
 例えば、要支援の介護時間の構成比46.7%というところが赤で囲んであり、それが
多分マスコミでも何度も報道されるところかと思います。サンプル数は5人ではなく
5,000人であっても同じような結果になるかもしれません。が、厚労省がお示しにな
っている根拠として、この部会で示されたのは、要支援1は、5人というサンプルに
基づくものだということです。
 要支援の方に生活援助をするために、1か月に何回訪問しているのか。8月23日
の部会の資料で見てみますと、1か月に3.9回とあります。1週間に1回弱です。週
に1回弱訪問したときに何をするのか。生活援助で訪問したヘルパーさんは、訪問し
たら、まず、今、寒いですから暖房をつけるでしょう。それから、ベッドから起こし
て着替えをして洗濯機を回す。お話をしながらベッドメイクをして調理もして掃除も
する。そういうことを同時にやっているのです。生活援助と身体介護と相談助言とは、
一体のものなのです。掃除のみをしているのではないのです。
 掃除について言えば、1週間に1回だけ行って、これだけのことを同時にやって、
そしてこの数字です。支援が必要な人、病気や障害を持った人にとって、1週間に1
回の室内の清掃は不可欠なことであります。
 10ページには、先ほど齊藤委員も結城委員もおっしゃったことでありますが、軽度
切りという目標に向かって事務局は多くの行数を使って記載しています。特に3つ目
の丸です。要支援者・軽度者の給付については、対象外とする、保険給付の割合を引
き下げる、利用者負担を2割にするといったことが書かれており、私の意見が出てく
るのは、一方というところであります。生活支援サービスなどは云々とあり、強い意
見があったとあります。たった3行にされていますが、先ほど申し上げた厚労省がお
示しになった5人の調査ではなくて、私は部会で300人近くの要支援1〜2の方につ
いて、掃除、洗濯、買い物、調理の遂行能力を2年間追跡調査した結果について触れ
ました。厚労省の研究費事業として地域保健研究会が行った調査結果に基づき、要支
援者には日常生活動作の困難を援助すると同時に、困難からの脱却スキルの手を差し
伸べることが必要であると申し上げました。軽度者に対する給付を縮小し、生活援助
をプロ以外の人に任せれば、介護度が悪化して給付費の増大につながること、軽度者
への生活援助を縮小してはならないことを発言いたしました。
 そこで、8月23日の部会において、軽度者・生活援助に関し、私と同じような趣
旨の発言をなさった方について議事録で確認しました。6人いらっしゃいました。そ
れに対して、選択と集中、重点配分が必要と御発言をなさった方は3人であります。
その方たちも、2割負担とか、ここに書かれていることは発言なさっておられません。
これは一例にすぎません。こうしたまとめ方は、報告書の随所に見られます。
 次、11ページ、(4)住まいの整備です。
 2つ目の丸に、「高齢者人口に対する高齢者向け住まいの割合を欧米並みとする」
とあります。これまでも資料で示されてきました。ただし、スウェーデン、デンマー
クに行かれた方は御存じと思いますが、北欧の高齢者住宅は介護を提供しています。
看取りも行っています。今、350億円が投入されようとしている国土交通省の高齢者
住宅の安否確認といった住宅とは、全く異なるものであります。
 11ページの下から2行目に、住まいが足りないために、特養に集中していると書か
れていますが、これについては、そうではないと言おうとしておりましたが、先ほど
12ページに追加がなされました。住まいが足りないのではありません。介護が不足し、
介護を利用できるシステムが不十分であるから特養に集中しているのです。
 次に、16ページの2つ目の丸、成年後見制度、市民後見人のことが書かれています。
私は、部会において発言の機を失してしまいましたので、ここで初めてそのことを申
し上げたいと思います。市民後見人は非常に重要な仕組みですが、市民後見人だけで
対応することは難しいことが多々あります。この文章には「弁護士などの専門職に加
え」とありますが、専門職後見とした方がわかりやすいと思いますし、法人後見と、
日常生活自立支援事業を入れた方が、よいと思います。社協の日常生活自立支援事業
を利用していて、成年後見制度に移行するという流れを一つの流れとして捉えること
がごく自然と言えるからであります。
 24ページです。一体どういうおつもりで、このようなまとめをするのかと思います
が、給付の見直しについてです。先ほどの厚労省の御説明の中に、当部会における審
議を整理したとありましたが、審議を整理したのではなくて、私たち利用者側の意見
がカットされたまとめであります。一番下のところですが、医療保険は現役並み所得
の高齢者については利用者負担が3割となっているとありまして、一定以上の所得が
ある者について利用者負担を2割とすることとあります。
 320万円は決して高額所得者ではありません。医療保険と介護保険は異なるのです。
上限のない医療保険と異なり、介護保険は給付に上限が設けられているのです。高額
介護サービス費が支給されるといいましても、世帯で1人だけサービスを利用した場
合、1割の自己負担がこの額を超えるということはほとんどありません。上限額を超
えれば、その利用は全額自己負担です。これが医療保険との大きな違いであります。
 介護サービスは長期間利用するサービスです。高所得と言われる層であっても、多
くは年金受給者であります。支出限度額を超えて全額を自己負担すれば、例えば、病
院に入院して個室に入ったら、数千万円の蓄えがあってもすぐなくなります。年金額
が増えない中で負担増を求めるということは、慎重な検討が必要です。
 以上です。

○山崎部会長 木村委員、お願いします。

○木村委員 ありがとうございます。齊藤委員から意見も求められましたので、ケア
マネジメントに関してと、それからこの意見書の素案に対しての意見を述べたいと思
います。
 今日の委員が提出した資料の3ページ目をごらんいただきたいと思います。
 まず、5月31日から今までいろいろな議論をしてまいりました。私どもは、この
介護保険制度をよりよい制度に見直すために、または進化させるために、制度の理念
である利用者の自立支援をいかに現出するかという議論をしたかったわけでありま
すが、ペイアズユーゴー原則にどう当てはめていくかという財源論に終始するような
議論になっていると思います。
 川合委員がおっしゃって、この原則がなじむかなじまないかということは、別に議
論するつもりはありません。しかし、このままいきますと、制度のかなめであるケア
マネジメントが、この介護保険から失われるぐらいの危惧を感じると思っております。
ですので、あえて対案を出させていただきます。
 今日、財源のいろいろな説明がありました。介護予防の場合は500円定額、要介護
1から5の方々は月1,000円の負担ということで、これを計算して足し合わせますと
90億円ということが出てまいりましたが、逆に今日説明があったところで、これを1
号保険料に置きかえますと月に20円であります。年間240円であります。
 そもそもケアマネジメントは介護保険のかなめでありますので、これを広く社会で
支えるというか、入り口のところをしっかり認めるということでずっとやってきたわ
けでありますので、ケアマネジャーというよりも、利用者の人たちの代弁でございま
すが、何とか第1号被保険者の方々、第2号被保険者の方々に、このケアマネジメン
トの入り口のところは保険料で負担してもらいたいということを提案したいと思い
ます。これはお願いベースも含めて、ここだけは絶対に入れるべきではないというこ
とをこの部会で決議していただきたいと思います。
 また、それに関して、18ページの利用者負担の導入の書き方でありますが、先ほど
木間委員がおっしゃいましたけれども、発言した委員のほとんどは、利用者負担導入
に関しては反対ということがあったのですが、ここに書かれているのは、もう導入あ
りきの書きぶりである。ですから、具体的にどこをどういうふうに書き直してほしい
かということを提案させていただきます。
 まず、18ページの下の、施設のケアマネジャーのすぐ上の丸のところが2つ目の丸
に来るべきだと思っています。ですから、懸念する方が多かったということで、優先
順位が上がるべきだと思っております。慎重に対応するべきというよりも、反対であ
るという表現が適切かと思います。
 次に、行ったり来たりで大変申しわけないです。このページの上から3つ目の丸で、
「制度創設から10年を経過し」とあって、2行目の「他の在宅サービスとの均衡や」
というところを私は消していただきたいと思います。他のサービスと同等のものでは
ないと思います。ケアマネジメントは、もともと10割給付で、公平にだれでも受け
られる仕組みにするということが大原則でございますので、他のサービスとの均衡と
比べてほしくないということであります。
 また、そのほかに小規模多機能施設云々と書いてありますが、このような書きぶり
は介護給付費分科会で議論すればいいわけでありまして、ケアマネジメントのところ
を外出しして無料にするという考え方でもいいのだと思います。
 また、この丸の下から3行目、「検討すべきである」で切っていますが、「検討すべ
きであるとの声があった」というぐらい。強い意見は少なかったと思います。
 それから、「これにより」から最後までのところは、私は委員からの意見としては
なかったと思っておりますので、とっていただきたいと思います。
 次のなお書きでございます。ここも、先ほど勝田委員からも話がありましたが、2
行目の真ん中ほどに「利用を阻害するのではないか等の懸念の多数の意見があった」
ということですね。その後の「も」から後ろはとっていただきたいと思います。この
ように、ケアマネジメントが介護保険のかなめであるということを、まず訴えたいわ
けであります。
 ほかの項目で、先ほど来、結城委員と桝田委員からもお話がありましたが、17ペー
ジ、私どものペーパーで裏側に記載しておきましたけれども、そもそも地域包括支援
センターの運営の円滑化は、地域包括ケアシステムをつくっていくということで、非
常に大切なセンターであるというのに、たったこれだけの記載というのはいかがなも
のかと、また言いたいです。そして、地域支援事業等がきちんとできるだけの人員の
強化、それから予算を割くという表現がないということであります。そこのところを
加筆していただきたいと思います。
 そして、17ページの(8)の丸の3つ目でございますが、ここに記載されている「地
域の実情に応じて柔軟に業務委託できるようにすべきである」に対して、桝田委員と
結城委員は、居宅介護支援事業所に移すべきであるという意見がありましたが、私は
まだその検証が終わっていないと思っておりまして、柔軟に8件の枠等々をうまく使
って、要支援2と要介護1の行き来は、現場から聞いてもそんなに多くないと聞いて
います。ここはうまくつないでいくということをお願いしたいと思います。
 逆にいいますと、他のサービスで小規模多機能の方に行く、それから老健施設に入
所するなどで切れているわけです。しかし、最終的には在宅で支えていくことになる
わけですから、そのつなぎのところをきちんとやるという仕組みを更に検討して、こ
の業務委託のままでいいという形です。ただしであります。私どもが提案しました2
ポツにあります、考なければいけないのは、地域包括支援センターの社会福祉士、保
健師、主任介護支援専門員の負担感を軽減してあげることが第一義でありまして、同
じ傘の下にある二枚看板の介護予防支援事業者のケアマネジメントを人員増強して
あげることが必要だと思います。
 それも、今はいろいろな者ができるようになっておりますが、ケアマネジャーのみ
ができるように、ここは変えるべきと提案させていただきます。
 次に、17ページの一番下の行であります。
 ケアマネジャーの資格等々の別なところでの議論を記載していただいたことに関
しては感謝申し上げます。表現でございますが、一番下に「効果的なケアプラン作成
のために」とありますが、ここは「効果的なケアマネジメントができるために」に表
現を変えていただきたいと思います。
 それから、行ったり来たりで大変恐縮でございますが、先ほどの利用負担のことは
24ページにも記載されております。私は、24ページの下から2つ目のところは、そ
のまますべてカットしていただけないかなと、ここもお願いしたいと思います。
 最後に、認知症に関しての記載のところで1つ提案させていただきます。
 私は、介護給付費分科会等々のデータを見たり、それから現場での話を聞いたとき
に、認知症のBPSDの悪化原因の第1位である薬剤の問題。それを15ページの今
後の対応のどこかに記載してもらうということをお願いしたいと思います。現場でB
PSDが悪化するときに、医師の先生方と関係する職種の人たちとの、薬剤から影響
するところの情報共有というものが非常に大切だと思いますので、そのことの記載も
お願いします。具体的には、認知症のBPSDの悪化原因1位である薬剤でありその
管理も重要であるという表現を入れていただきたいと思います。
 提案した資料の2枚目、3枚目は、先日声明を出させていただいたものでありまし
て、毎月1,000円負担したときにはどういうことが起きるかということを、ポンチ絵
と流れ図で記載されたものでございますので、後でごらんいただければと思います。
 以上であります。

○山崎部会長 参考人の伊藤さん。

○伊藤参考人 ペーパーが後で配られまして、これは昨晩提出させていただきまして
間に合わなかったのだと思いますが、事務局に大変遅くまで御迷惑をおかけました。
今日は吉田委員のかわりに出席させていただきましたが、この意見書に沿って発言さ
せていただきます。先ほど試算がもうあらかじめ示された上でのまとめについて、見
直しに関する意見ということで、若干言いにくい部分もあるのですけれども、発言さ
せていただきます。
 まず、連合といたしましては、介護サービスの利用者である本人または家族、将来
の利用者という立場、それから担い手である労働者、それから被保険者という立場か
ら、今日の議論に当たっては3点に絞って意見を述べさせていただきます。
 まず1点目は、先ほど来指摘がございます軽度者へのサービスのことでございます。
 この点につきましては、現在、介護サービスや支援を受けて生活している方々への
給付をカットする、あるいは利用料を引き上げるということは、要介護の方、要支援
の方の生活に深刻な影響を与えかねません。もう既に2005年改定でのサービスの見
直しがございまして、特に低所得者においての利用控えといった影響が出ている中で、
軽度者の中には認知症の方も多くいらっしゃる。これを今回の財政難を理由に、財源
出しのために安易に軽度切りという議論をすべきではないと考えております。
 2点目が、介護労働者の処遇の改善についてでございます。
 介護保険制度が安定的に機能する、そして必要な人が必要なサービスを受けられる
ためには、当然ながら担い手がいないと供給できないわけです。その担い手を確保す
るために処遇の改善が不可欠であるということは、皆様御理解いただいていると思い
ます。仮にこのような処遇改善が継続されないということがありますと、担い手不足
から保険あって介護なしという状況で、制度そのものの存続に関わると考えておりま
す。
 総理指示が9月に出されました。この中で、人材確保のために介護職員の処遇改善
に向けて、今後とも取組むことという指示がございます。先ほどの財政試算ですと、
両方書いてあるという説明かもしれませんが、介護報酬に入れるということが前提の
ような書き方になっているようにも感じました。処遇改善については、これはどちら
に決めたということではないということも、先ほど説明があったところですので、そ
のように受けとめます。
 処遇改善にかかる措置を検討するに当たっては、現行の処遇改善交付金で手当てさ
れている水準が後退することがあっては絶対いけないと思っています。そのためには、
財源が確実に介護職員の処遇改善に充てられる仕組みが必要だと考えております。改
めてそういうように強く申し上げたいと思います。
 最後ですが、財源の議論、既に先ほど説明があった点ですが、この点につきまして
は、高齢化の進行による介護ニーズの高まりで、近い将来、社会保障給付を賄うため
の税財源の確保は避けられないという認識を持っております。その道筋がつくまでは、
介護保険制度の大きな見直しというのは難しいと受けとめざるを得ないと思ってお
ります。
 そのためには、介護サービスを必要とする高齢者が必要なサービスを受けて、尊厳
ある暮らしを続けられるように、公費、保険料、自己負担、給付のあり方を含めて、
当面、必要な財源の確保というものを何とか知恵を出し合っていくということが必要
なのだと考えております。今回、総報酬割の導入ということが委員から提案され、今
日は事務局からも示されておりますが、このような国費の削減、国費の財源確保とい
うことを目的にした、この総報酬割の導入という考え方は、被用者保険の被保険者の
立場としても、保険者としても納得はできないと思います。
 もともと介護保険の制度は、世代間連帯と社会的扶養の観点から、全国共通のルー
ルで1人当たり同額の保険料を各保険者が負担するという考え方で来ているわけで
すが、これは介護保険の思想そのものだと思っています。このような介護保険制度の
思想に関わるような部分について、今まで説明を受けてもおりませんし、議論もされ
ていないと思います。財源論ということでのお話しかないと思いますので、こういっ
たことで納得しがたいと言わざるを得ません。
 改めて発言させていただきました。よろしくお願いします。

○山崎部会長 前半、勝田委員の御発言で最後にしたいと思います。後で休憩をとり
ます。

○勝田委員 先ほど齊藤委員、そして木間委員から提案がありましたことについては、
全面的に賛成です。
 私たち認知症の人と家族の会は、ちょうど1週間前に全国の代表者会議を開きまし
て、制度創設時の理念に今こそ立ち返るべきという緊急アピールを決めました。
 認知症の人と家族の会は、認知症になっても安心して暮らせる社会の実現を願って、
介護保険制度の創設を歓迎し、より充実・発展させるために努力してきました。
 2012年の介護保険改正に向けても、要介護認定の廃止と、それにかわる新たな方式
の採用など、6項目の提言を発表し、制度創設の原点である利用者本位の制度に立ち
返るよう求めてきました。財源についても、高福祉を応分の負担で実現するという考
え方を提唱しました。
 しかし、法律改正の方向を示す議論がまとめの段階に入った、この時期に、厚生労
働省は論点という形で具体的な案を示してきました。その内容は、私たちの願いとは
全く相いれないものです。
 2012年の改正を前にして、介護保険制度は安心を保障するために充実・発展させる
のか、ただ維持するだけの貧相なものにするのかの重大な岐路に差しかかっていると
言わなければなりません。この緊急の時期に当たり、私たちは以下の意思を表明し、
強く改善を求めるものです。
 1つは、介護の社会化、利用者本位という制度創設時の理念に今こそ立ち返るべき
である。
 2つ目、制度の充実がないまま、負担だけが増えることは絶対に容認できない。
 3つ目は、重要な論点に対して、議論し、意見を聞く時間を十分に保証しない審議
の進め方は、速やかに改めるべきであると決めました。
 今日出された素案では、部会では論議されていない意見が盛り込まれています。ま
た、反対意見が多いにもかかわらず、よしとするまとめ方が目立ちます。
 例えば、4ページに、「高齢者自らが要介護状態とならないように、自発的に健康
の維持発展に努め、高齢者ができないことを単に介助することにとどまらず」とあり
ます。今まで10年間、介護事業者や介護従事者が一生懸命にやってこられた介護サ
ービスを「単に介助する」とおとしめているのではないか。この10年間を振り返っ
て、介護従事者たちが一生懸命に頑張ってこられたこと。そして、介護事業者もまた、
いろいろと頑張ってこられたことを評価するべきであって、「単に介助する」という
のは是非削除していただきたいと思います。
 次に、7ページ、「見直しの基本的考え方」です。
 先ほども述べられていますが、「給付の効率化・重点化などを進め、給付と負担の
バランスを図ること」としていますが、給付の効率化とは利用制限であり、重点化と
いうのは軽度の切り捨てにつながっています。また、バランスとは利用者の負担増を
意味しています。
 私たちは、提言の中でも、早期発見、早期治療、早期ケアと、切れ目のないサービ
スを提供することで重度化を防ぐこともできるということを再三述べてきました。そ
して、この素案の中では、例えば予防給付は要介護、支援1〜2とあります。そして、
軽度というのは軽度などという使われ方、中重度という使われ方がしておりますが、
例えば2割負担にするということは、利用を抑制し、重度化してからサービスを受け
るという、これは全くナンセンスなことです。
 次、8ページの24時間対応の定期巡回型についても、何人もの方がおっしゃって
いますが、この中では、単身者、要介護度3以上の重度者とあります。重度者という
のは要介護3以上を示すのか。この使われ方が全くわかりません。
 私たちが何度も発言しましたが、認知症の方で、単身で、要介護度3以上の方々が、
訪問ではなくてほとんどが通報で対応するのだと、この前、堀田座長が報告されまし
たが、これは本当にできるのでしょうか。だれが電話をかけるのでしょうか。そして、
電話対応ということで、要介護3以上の認知症の方がそういうことに対応できるので
しょうか。
 例えば、この中で述べられた、水分補給が10分間、おむつ交換、食事援助、まる
で鳥かごの中の鳥にえさをやるようなやり方なのではないでしょうか。堀田座長が高
齢者の尊厳を守ると言われましたが、本当にこれで尊厳を守れるのでしょうか。これ
は、やはり絵にかいたもちのようなものではないかと思います。
 また、10ページにもあります。「軽度者に対する給付の効率化」と何度も書かれて
おりますが、生活援助サービスというのは在宅を保障する最後の大切なとりでです。
これを軽度者から外すということは、絶対反対です。
 そして、13ページから14ページにあります介護療養病床の取り扱いについても、
何度も意見を述べました。
 介護療養型、医療療養型をつくると言ったのも国であります。また、老健に転換す
るというのもまた国であります。このようにくるくる変わる猫の目のような介護保険
のサービス提供について、いつも振り回されるのは利用者です。そこにいて、本当に
いいのかどうなのか、不安でならないわけです。必要としてつくったものならば、24
年度の廃止は撤廃すべきではないかと思います。
 14ページから15ページ、認知症についても多くの委員から意見をいただきました。
 平成20年度の「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」、これは私た
ちにとってはありがたいことですが、緊急プロジェクトという割には、全然緊急的な
速度では進んでいないのではないか。私たちは、提言の具体的な項目の中で、地域包
括支援センターのすべてに認知症連携担当者を配置してほしいと言っております。現
在、担当者は何%いらっしゃるのでしょうか。そして、今後の見通しはどのようなも
のでしょうか、どのように充実していくのかということもお示しいただきたいと思い
ます。
 15ページには、認知症を有する人のケアモデルの構築とありますが、それはどのよ
うなものなのか。また、ケアパスの作成を進めていくことが重要とされています。こ
のケアパスに括弧がありますが、もっと利用者にわかりやすい言葉でお願いしたい。
 最後に、要介護認定についてでございます。19ページです。
 要介護認定区分の見直しや要介護認定の廃止ということについて、私たちは廃止に
対して提案したのは、新たなケアサービス担当者会議としてありますが、この文書の
中ではケアマネジャーが決めると書いています。私たちは、このような意見は言って
おりませんので、訂正方をお願いいたします。
 そして、多くの方々が、廃止ではないが、要介護認定については見直しが必要なの
だ。要介護認定について、利用者も含めて継続的に検討する会議を是非設置していた
だきたい。そのことも含めて盛り込んでいただきたいと思います。
 終わります。

○山崎部会長 それでは、これから休憩に入ります。47分まで休憩をとります。

(休 憩)

○山崎部会長 それでは、再開いたします。
 御発言をどうぞ。河原委員。

○河原委員 ありがとうございます。
 今までの介護保険部会の中で、働く者の立場にできるだけ立って、介護保険制度の
改正に向かって幾つかのポイントをお話させていただきました。今回も素案の段階で
ございますけれども、私どもの方で提言したものを幾つか受けとめていただいたもの
もございます。感謝したいと思います。
 特に、21ページの介護職員処遇改善交付金の扱いの記述は、私は全くそのとおりだ
と思いますし、是非この方向で最終まとめをお願いしたいと思います。
 ただ、その後に記載してございます介護職員の処遇改善に当たっては、更に検討が
必要である、対策を総合的に講じる必要がある等、非常に抽象的な書き方でございま
したけれども、どういった機関が、どういったメンバーで議論を進めていくのか、具
体的には書けないかもしれませんけれども、引き続きの議論の場が担保されていると
いった、安心感の持てる記載をお願いできないかと思います。
 同じく21ページに、雇用管理についても言及していただきました。私たちは提言
書で、悪らつ事業者の排除と表現いたしました。当時、ちょうど不当労働行為が発生
して労働争議が起こっている最中でございましたので、このような表現をさせていた
だきましたけれども、事業者の中には労働法規自体をよく知らない、あるいは私が労
働法規であるみたいな方もいらっしゃいまして、働く者の離職につながる場合がござ
います。
 今後、24時間365日サービスが導入されると、更に労働法規上の問題が出てくると
思います。是非、労働行政とタッグを組んで指導していただきたいと思いますが、労
働法規自体にも多様な働き方になじまない内容もあるかと思いますので、しっかり検
討していただきたいなと思います。
 25ページの介護事業計画ですが、一部のサービス利用者や家族との関係の中で苦労
している介護従事者のためにも、この後に及んでしつこいようですが、何がしかの配
慮ある文章がいただけないかと思います。例えば介護保険事業計画の中の2番目の丸
の文章の後に、「地域全体で介護を支える観点から、介護保険事業計画及び介護保険
制度の理念とルールの周知を徹底する」というような文章を加筆していただけないで
しょうか、検討をお願いしたいと思います。
 先ほど結城委員も御指摘されておりましたけれども、私たちのクラフトユニオンだ
けでなく、他の団体の方もおっしゃっていました。つまり、シンプルな制度への転換
についてです。制度改正や報酬改定のたびに介護保険の仕組みが複雑になり、利用者
や家族ばかりでなく、介護従事者でも理解することは困難さがございます。このこと
は、サービスの質の後退やサービス利用に公平さを欠くことにつながるのではないか
と危惧いたします。
 事務局としては、複雑になったとは認めにくいと思いますが、項目の「見直しの基
本的考え方」、あるいは「はじめに」「今後に向けて」の項目に、例えば「わかりやす
く利用しやすい制度の定着を図っていく」くらいの表現の文章を入れていただけない
かと思います。
 以上です。

○山崎部会長 では、隣の北村委員。

○北村委員 それでは、私の方から。
 まず、5ページの2つ目、軽度者の自己負担の引き上げということと同じような内
容になっているのですが、地域におけるニーズを的確に把握できていないことに起因
するサービスの需給のミスマッチも指摘されている。また、市町村は、地域における
ニーズを把握して、当該地域の特性に合った云々ということと体制整備の件です。
 この部分につきまして以前にも申し上げたのですが、後にあります総量規制問題と
か次期介護保険事業計画策定に関しても、当然、地元の計画の実情を的確に見ていた
だいて検証していただく、その地域に合わせていただきたい。それは勿論のことです
が、地域包括ケアにも言われていますような、そもそも地域のインフォーマルサービ
スの推進といいますか、実現が全くできていないということです。
 市町村財源の問題も当然あると思いますけれども、こういった計画とか整備をおざ
なりにしているから、逆に地域支援事業とか包括ケアセンター、それから予防部分の
効果が生み出せていないのではないかと思う次第です。
 その下の3つ目の自宅に住み続けることが困難なケース、これは重度化ということ
も含めて適切な介護サービス提供が要です。ここも以前から申し上げていますとおり、
在宅サービスの充実をいかに図るかということだと認識しております。先ほど来、出
ています地域包括ケアシステムの必要性は、まさにそのとおりだと思っておりますが、
逆に2025年の姿とか将来の姿を描きつつ、これからどういうふうにつくるかという
ことの提言があったと私は理解しております。
 そうしますと、今の足元部分、これから来年、次期5期介護保険の改正をどういう
ふうに考えてつくっていくかというところ肝心なところです。確かに財政の問題も
多々あると思っておりますけれども、そういったところの足元を見て、近いところの
短期的には何をつくるか、そしてどういう方向でやるか、そして25年にはこういう
形になるのだということをちゃんと示していくべきだと思います。そういったものが
国民の理解を得られて、費用負担をどうしようかという解決策が必要だと思っており
ます。そういう形を是非お示しいただければと思っている次第です。
 それから、10ページの地域支援事業、軽度者に対する予防、生活支援のサービスに
ついて。ここも前回と8月23日にも示されておりますサービスの総合化。当然必要
なのだろうなと思いつつも、先ほど来、出ています軽度者のカットという方向にはな
らなくて、そこを効率的に、また重要な課題、問題であるとの認識いただくというこ
とが必要だと思います。
 ケアマネジメントの1割負担の問題です。
 ここはさまざまな財源からの一つの課題として出されていると思いますけれども、
特に施設系とのバランスが既に負担の中に入っているという表現もございましたけ
れども、財源の問題だけを言うのではなくて、先ほど来ありますような、これをもし
10割負担から1割負担を入れることになりますと、単品プランがいいか悪いかという
問題は別にしましても、福祉用具だけをお借りになっていて、負担率が上がってくる。
そこに1,000円足されることが果たして理解されるかどうか。これをケアマネジャー
が説明できるかどうかも十分考えなければいけないと思っておりますし、負担増が大
きく目立ってくるということもあります。
 それと、当然1割負担を支払うことになりますと、負担の意識が出てきます。そう
しますと、そもそも中立・公正で適切なケアプランをつくろう、自立支援を目指して
つくろうというケアマネジメントの姿勢が問われます。更には本人のニーズとか希望
とか欲求だけが出てきて、あらぬ方向のケアプランができていくことが想定されます。
またケアマネジャーが選ばれていくことが起こってもおかしいのではないかと思う
次第でございます。
 これをやるためには、従来からのパブコメをとったり、広く国民に聞き、かつ、そ
の方向でどうなのだという理解があってということでないと、当然進められないと思
いますし、現状からはこれを導入することは全く難しいと私自身は思っている次第で
ございます。
 前段でさまざまな財源、財政状況の試算をお示しいただきました。短期的に今の状
況から第5期をどうしようかということは、当然必要だと思っていますが、従来から
一部ありました消費税の問題、福祉目的、介護目的税にするという問題は、ここは政
治マターにしておりましても、文章内にありました医療保険のような2割とかという
部分、更には、議論に出ていなかった軽度者が負担する2割という数字は、1.5割と
か2割、1割の次は2割という数字の議論というのは、私が昼寝をしていたせいかも
しれませんけれども、2割という言葉は出てこなかったような気がします。そんなと
ころもどうなのかなと思います。
 この制度、10年の総括という意見もさまざまありましたし、私もその総括をして、
次どうしようか、それで2025年をどう迎えるかということが必要だと思っておりま
す。たまたま介護保険制度、同じプラットフォームでさまざまな事業経営主体ができ
ております。その中に民間事業者も数を増やし、かつこの制度の中でサービスを提供
してきたという経緯がございます。けれども、同じサービスでずっと私どもも2000
年から税制上の問題でイコールフッティングということを申し上げております。
 そんなところで財源をどう確保するかということを考えていただくことも、今の段
階ではないと思いますが、将来に向けてどういうふうに考えるかが課題です。民間事
業者であれば、事業の利益の中で税金を払っております。長い歴史がありながら、社
会福祉法人、その他の課税か非課税かということのイコールフッティングも、1つ財
源の課題として考えていくべきだろうという気がしております。
 以上でございます。

○山崎部会長 小林委員、どうぞ。

○小林委員 2点申し上げます。
 1点目は、介護職員処遇改善交付金についてです。
 21ページにあります処遇改善の取組みについては、本来的には、これを継続するの
ではなく、介護報酬の改定により対応する方向で検討していくべきと記述されており
ます。補正予算による時限的な措置を恒久的に続けていくというのは難しいと思いま
すので、理解できないことではありませんが、保険者の財政状況が非常に厳しい中で、
これだけでは保険料率の急激な上昇につながるので、加入者の負担をトータルで考え
ますと、全面的に保険料に転嫁するのではなくて、公費等の財源をつなぎながら、徐々
に行っていくべきであると考えます。
 2点目は、29ページの最後に地域支援事業の財源構成について、引き続き検討を行
うと記述されておりますが、別のところでは、地域支援事業を積極的に展開する趣旨
の記述があります。
 地域支援事業のうち介護予防事業については、前も申し上げましたように、健康保
持や長期的な給付抑制につなげることは理解できるところですが、市町村が地域の実
情に応じて柔軟に実施するということであれば、1号被保険者と公費で賄うのが適当
であり、現行の財源構成のままで積極的に拡大するというのは問題があると考えます
ので、意見として申し上げます。
 以上です。

○山崎部会長 田中委員。

○田中委員 1点、事務局に質問があって、あとは意見を述べます。よろしいでしょ
うか。

○山崎部会長 はい。

○田中委員 では、事務局にお願いします。本日の資料と、前回、事前にいただいた
資料の違いが1か所あったのと、どうしてもわからない、これまで使ってこなかった
用語が随所に出てくることが気になって、まずお尋ねいたします。
 それは、10ページをお開きください。これは、訪問介護、すなわち要支援者・軽度
の要介護者のサービスということでございます。地域支援事業の中でも出てくるので
すが、例えば1つ目の丸に「多くの時間が掃除等の生活支援サービス」と書かれてお
りますけれども、これまでこのことについては「生活支援サービス」と表記されてま
いりましたでしょうか。
 と申しますのも、4つ目の文章においては、事前に私どもにいただきました文章に
は「生活援助サービス」となっておりましたけれども、今回いただいたものについて
は「生活支援サービス」となっております。私どもは、介護の専門家といたしまして、
実践者として、「生活援助」と「生活支援」のとらえ方は違うと思っておりますし、
またそのような定義ではないかと理解しておりますが、ここにおいて、このように「生
活支援」とされたのはなぜでしょうか。もし「生活支援」となればとらえ方が変わる
と思いますので、それは教えてください。

○山崎部会長 では、三上委員。

○田中委員 部会長、申し訳ありませんが、「生活支援サービス」と表記するのと、「生
活援助」とは全く理解の仕方が違うのですね。その辺り、なぜそうなったのかについ
て先にお答えいただきたい。

○山崎部会長 後で。

○田中委員 後にしますか。しかし、その回答をいただかないと、後の文章がつなが
らず、意見を述べることができない。

○山崎部会長 では、この件に関してのみ。

○川又振興課長 訪問介護においては、身体対応と生活援助という言葉を使っている
わけですけれども、ここで「生活支援サービス」ということで統一いたしましたのは、
必ずしも。

○宮尾老健局長 だめ、多分間違っている。

○川又振興課長 ちょっと用語の整理をしたいと思います。統一がとれていなかった
ので統一したという経緯はあるのですけれども。

○宮尾老健局長 違う。法律用語を使ってやらないとだめ。

○川又振興課長 もう一度精査させていただきます。

○宮尾老健局長 ちょっと直します。

○田中委員 わかりました。今、局長が、法律用語をきちんとここは使うべきだとお
っしゃっていただいたので、そのような形でされるということで理解します。ありが
とうございます。
 それでは、3点意見がございます。そのことを聞いたので安心しましたが。
 まず、9ページでは、介護福祉士等によるたんの吸引などの実施ということで、こ
れまで私どもが意見を述べたことについてまとめられております。しかし、ここで私
どもがどうしてもお願いしたいことは、やはりこのたんの吸引等を行う者は、介護福
祉士であることに限定していただきたいと思っております。
 なぜならば、既に各施設を見ますと、介護福祉士の配置割合は、かつての調査では
4割から5割というのが実態でございましたが、21年報酬改定以降、介護福祉士の配
置割合による加算ということもありまして、各事業所・施設は介護福祉士の資格を取
ることを勧めております。そういう中で、事業所等において介護福祉士の割合が、7
割から8割、中には9割、10割もあるというのが実際でございます。そういう実態を
見ますならば、専門的な機関や事業所において、そういった医療的ケアを行える者が
介護福祉士と限定しても、私は決して対応できないとは思っておりません。
 しかしながら、在宅等におきましては、訪問介護員の方々の中で介護福祉士取得者
が、施設に比べ、まだ高い割合になっていないのも実態でございます。そういう意味
において、ここは時限ということについても考えるべきではないか。一定の研修を修
了した介護職員という表記については、私は非常に限定された期間という形でとらえ
ていただければと思っております。
 次に、今、生活支援サービスと生活援助ということで私もお尋ねいたしましたけれ
ども、これについて少しお話をさせていただきたいと思っております。
 11ページでは、地域支援事業に関しまして、保険者の判断によりサービスを総合化
した云々となっております。しかし、御承知のように、これまで訪問介護では、国は
こういうことを言っております。同居家族がいる場合の生活援助あるいは散歩、院内
介助等々については、厚生労働省は各市町村に対して、一概に禁止しないようにとい
う通達を出したことがございます。
 にもかかわらず、この対応につきましては、現在もなお対応が市町村によってばら
ばらというのが実態であります。また、介護予防の効果につきましても、市町村によ
り取組みに差があるということもあります。これらの例でわかりますように、やはり
市町村への対応となりますと、今後、その市町村に住む者にとってサービスのレベル
に差が生じるのではないかと懸念しています。
 それから、戻りまして10ページ、丸の4つ目ですが、この文章には、要支援者・
軽度の要介護者の生活に必要なものであり、その給付を削減することは適切でないと
なっておりますけれども、私は必要のみならず、生活援助というサービスは、重度化
を予防するものであると前回も意見として述べさせていただきました。生活援助とい
うサービスは、暮らしの基礎です。衣食住といった暮らしが崩れますと、利用者の方々
の生活意欲や生活リズムが乱れてまいります。
 結果として、心肺、心身機能の低下、あるいは重度化へということについては、さ
まざまな科学的なデータが語っているところであります。そういう意味において、生
活援助を単なる生活支援の行為としてとらえないでいただきたいと思っております。
 次に、21ページには介護人材の確保と資質の向上について述べておりますが、これ
につきまして少し意見を述べさせていただきたいと思っております。
 私どもは、処遇改善交付金がこのような意見書の中で、介護報酬に取組むというこ
とについては、これに賛成するものであります。しかしながら、さきの21年報酬改
定におきましては、その3%アップが、当初介護職員の給与、賃金ベースで1.5万円
上がるとうたわれたにもかかわらず、その後の国の調査では9,000円台。また、私ど
も日本介護福祉士会の調査でも2,000円台にとどまっております。そういう意味にお
いて、当初の私ども介護職員の予想を大きく裏切ったと考えております。
 次回の検討になるかもしれませんが、このような報酬にすることは望ましいことで
はありますけれども、そのまま放置することについては、今後十分検討すべきではな
いかと思っております。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 では、三上委員。

○三上委員 素案のページに沿ってお話させていただきます。
 まず、8ページをごらんください。24時間対応の定期巡回・随時対応サービスの創
設が書かれてございます。
 在宅療養を推進するために24時間対応することは重要だと考えておりますが、介
護保険サービスが複雑化し、わかりにくいと指摘されている現在、3つ目の丸にある
ように、わざわざ24時間対応の定期巡回・随時対応サービスを新しいサービス類型
として創設することは疑問があると、これは前回も申し上げました。一方、現在あり
ます夜間対応型訪問介護サービスの利用が進まず、会計検査院からも、サービス需要
が低く、交付金のむだ遣いという指摘もされています。
 そこで、新たなサービス類型の創設ではなく、現在ある訪問介護サービスの一類型
とし、夜間対応型訪問介護サービスと統合とするといった整理を行い、従来からある
訪問介護事業所も可能とすれば、新規に事業所の指定申請をするといった事務手続も
不要となります。また、事業の安定化等、従事者の労働環境の観点から、老人保健施
設等のある程度経営規模の大きな事業所の併設で行うことが望ましいと考えます。こ
の意見も前回も申し上げました。特に書き加えていただければと思います。
 それから、下の方に複合型サービスが書いてございます。小規模多機能型居宅介護
の整備が進まない理由の一因としては、小規模なために経営が不安定で、更に従事者
の処遇改善も困難であるといったことが指摘されております。他の施設、居宅サービ
スや同一法人内のサテライト事業所との兼務として、職員の行き来を認めることによ
り、経営の安定化と人員確保及び従業者の労働環境の改善、研修等の充実が図れるの
ではないかと考えております。
 そのため、医療ニーズの高い要介護者をお預かりする小規模多機能居宅介護サービ
スを行う事業所については、利用者の安全とケアの効率から見て、先ほど川合委員か
らも御意見ございましたが、有床診療所のような医療機関あるいは老人保健施設との
併設で行ったらどうかという意見を書き加えていただければと思います。
 それから、今回、9ページの1つ目の丸に、小規模多機能型居宅介護と訪問看護を
組み合わせるといった複合型サービスが提案されておりますが、これはどのような形
で訪問看護を提供することを想定しているのか、お伺いしたいと思います。医療を提
供できる場所は、居宅及び医療施設と規定されております。訪問看護事業所内では医
療を提供することはできないと考えておりますが、その点についてはどう考えておら
れるのか、伺いたいと思います。
 また、現在の小規模多機能型居宅介護サービスの宿泊を利用する際、訪問看護は認
められておりませんが、訪問看護を入れることを認めれば、医療ケアの提供が手厚く
なり、安全性が向上するとも考えられます。なお、訪問看護を行うためには医師の指
示書が必要となりますが、小規模多機能型居宅介護サービスに訪問看護を付けるとい
うことは、医師の指示書の取り扱いはどのように考えておられるのか、またどのよう
な指示形態で訪問看護が行われることを想定されているのかを伺いたいと思います。
 それから、2つ目にたん吸引のことが書いてございますが、これは現在、別の検討
会で検討しているところでございます。ここでは、業務独占になるような新たな資格
を法的に措置するという形で書かれておりますが、そういった形ではなく、解釈通知
でも変われるような法的整備という文言に変えていただけないかと思います。
 それから、9ページ、10ページに要支援・軽度者へのサービスが書かれております
が、これは先ほどからの皆さんの御意見と同じで、利用者の負担引き上げには反対い
たします。
 それから、12ページ、13ページに施設サービスがございますが、13ページに介護
療養病床の取り扱いが書いてございます。これは、厚生労働省が行った医療施設、介
護施設の利用者に関する横断調査の結果の医療区分の取り扱いについて書かれてい
ますが、老人保健施設と差がないと書かれております。
 しかし、実際には、喀たん吸引につきましては、老人保健施設が2.4%に対し、介
護療養型医療施設は18.3%、経管栄養は7.3%に対して36.8%と、全く違う形態で医
療ニーズが高いことがわかっております。こういったことをきちんと書き加えていた
だきたい。厚生労働省に都合よくデータを利用していただきたくないと思います。
 また、最後の方の今後の介護療養病床のあり方についてですが、「変更の意見が多
数であった」という書きぶりに変えていただけないかと思います。
 それから、17ページから20ページのケアマネジメントのことについて、利用者負
担の問題がありましたが、これは木村委員の意見に賛成で、これを導入することには
反対いたします。
 それから、24ページに給付の見直しが書いてございますが、25ページの上及び28
ページの1つ目の丸に、補足給付について、家族の負担能力や資産要件などを考慮す
るということが書かれています。これは、例えば老人保健施設は中間施設であり、在
宅に帰るわけでありますから、資産を処分しなければ入れないような状況にならない
ように、資産要件については外していただきたいと思います。
 それから、28ページの低所得者への配慮の中で、多床室への給付の見直しが書かれ
ています。平成17年10月から介護保険の施設サービス費等のうち、食費と居住費が
保険給付の対象外となりましたけれども、低所得者対策としての補足給付に関しては
保険外という扱いに対して、介護保険財源で充当されているという不整合が生じてい
ます。更に事業税負担についても、そのありようから、医療保険との取り扱いに違い
が生じているわけであります。
 そこで質問ですけれども、まずそもそも保険外とした食費、居住費に介護保険財源
から手当てする矛盾について、厚生労働省としてどのように考えておられるのか。
 2つ目として、現行の補足給付を続けるとしたならば、食費、居住費を医療保険と
同様に療養費の範囲内として、自己負担部分を現在の負担額とする考えに改めるべき
ではないかと考えます。そうすれば事業税の問題も解決すると思いますが、どうでし
ょうか。
 3つ目に、多床室にも負担をという記載については、これは先ほど申し上げました
ように大いに異論がございまして、介護保険法第48条に施設サービス費の支給につ
いての記載がございます。ここでは、市町村は要介護被保険者が指定施設サービス費
を受けたときは、当該指定施設サービス等に要した費用、すなわち食事の提供に要し
た費用とか居住に要する費用、その他厚生労働省で定める費用を除くと書いてありま
すが、これらについて、施設サービス費用を支給すると明記されております。
 つまり、個室、多床室にかかわらず、食費、居住費は保険給付の対象外であると書
かれているわけでございます。そもそも食費、居住費を保険外給付とするか保険内に
するかの議論は、この介護保険部会の範疇と考えますが、その負担額等については、
どのような考えに基づき、負担いただくかの議論であり、介護給付費分科会で十分に
議論すべき問題で、この部会のテーマではないと思います。したがって、この記載に
ついては正しく改めていただきたいと思います。
 4つ目に、もし仮に減価償却費が給付外となった場合に、ユニット型個室に入れな
い低所得者が多床室にも入所できなくなるおそれがあります。その際の補足給付はど
うするのか。更に、負担増の際に保険者が利用者一人ひとりに責任を持って説明し、
納得を得るよう是非行っていただきたいと思います。
 以上でございます。

○山崎部会長 橋本委員。

○橋本委員 2つ申し上げたいと思います。
 ケアプラン、ケアマネジメントについての自己負担に関しては、絶対に反対であり
ます。18ページには、在宅サービスとの均衡等を理由に挙げられていますけれども、
ケアマネジメントは介護保険サービスを利用する入り口であります。ほかのサービス
給付とは全然意味が違うところであります。ケアプランの作成、ケアマネジメントに
ついて、自己負担を導入することには強く反対いたします。
 2つ目であります。介護保険というのは、当然のことながら公的な社会保険であり
ますけれども、どうも最初の理念が変わってきているのではないかと思います。
 まず1つは、今回の改正でも、要は介護保険サービスを使える者が重度者に特化し
ていく。ということは、介護保険サービスは40歳以上の者が全員保険料を払っても、
重介護にならなければ利用できない。逆にいうと、多くの人は利用できないというこ
とで、医療保険とか年金保険と比較したときに、余りにいびつな形の社会保険という
感じが強くいたします。一部の人だけが利用する介護保険、そういうふうになってき
てしまったのかと。
 その上で、補足給付のこともございますけれども、サービス利用にあたり本人の資
産に着目するとか、まして家族の資産まで着目するような形が、社会保険のサービス
を利用するということとどう整合性がとれるのか。これは、公費負担と保険料の考え
方については、これから整理する必要があるとありますが、まさにそういうことだと
思うわけであります。公費負担の6割ということも含めて、どうも社会保険でいいの
かと、印象の一つではありますけれども、そんなふうに思っているところであります。
 次に、素案について沿って幾つか意見を申し上げさせていただきたいと存じます。
 まず、9ページに、趣旨のところはともかく、小規模多機能居宅介護と訪問看護を
組み合わせ云々ということがございます。
 これは前にも、小規模多機能型居宅介護におけるケアマネジメントはどういうこと
かを発言させていただきました。在宅支援のケアプラン、ケアマネジメントは、小規
模多機能の中で報酬なしで今つくることになっているわけであります。外付けのサー
ビスが入ってくるというのは、これは仕組みとして変えていくことにつながるわけで、
ここは是非御検討いただきたい。
 グループホームも同じようなことでありますけれども、施設もケアマネジメント、
ケアプランを内部でつくるということであります。それは外に生活している人ではな
くて、そこに生活している人たちのケアプランなのです。
 ということで考えますと、18ページの3つ目に、ケアマネジメント制度が既に普
及・定着している。小規模多機能サービスや施設サービスなどケアマネジメントが包
含されているサービスは云々ということがありますけれども、中に包含してしまって
いるということだと、今度、外付けのそれを使うということは、これは整合性をとっ
ていかなければいけないことだと思います。
 在宅で生活を続けていくことを支援するケアマネジメントを、小規模多機能居宅介
護とそのほかのサービスを組み合わせて使うときに、どういうケアマネジメント、ケ
アプランをつくっていくのか、どこでつくっていくのか、それについての整理が是非
必要になってくる。小規模多機能の現場では、このことで強く負担に感じております
ので、申し上げさせていただきます。
 次に、15ページで、これは小さなことでありますけれども、虐待のところでありま
す。1つ目の丸、高齢者の権利擁護に関しては、介護サービス従事者による虐待防止
等の取組みの推進とございます。介護サービス従事者はこういう危険を持っています。
確かに専門職の虐待もあるわけでありますが、御承知のように、高齢者の虐待という
のは、地域、在宅生活、家族の虐待が、施設と比べて比較にならないほど多いわけで
あります。
 家族あるいは擁護者及び介護サービス従事者という書きぶりがないと、虐待が介護
サービス従事者だけのような感じを受けるので、そこの表現について御検討いただき
たいと思います。
 次に、17ページは、先ほど木村委員がおっしゃられた地域包括支援センターにおけ
る予防のケアマネジメントであります。これについては木村委員が、連携をとってい
けば委託でもいいのではないか。そして、予防のマネジメントのケアマネジャーを地
域包括に配置すればいいのではないかというお話がありましたが、それも一つの考え
方であります。私は、前にも申し上げておりますが、ポイントは、利用者の側から見
てどうかということです。
 11ページの1つの丸に、特に要支援1〜2と非該当を行き来する人については云々
とあります。そして木村委員は、要支援2と介護1を移動する人はそんなに多くない
と御発言なさいましたけれども、私はそうは思っておりません。一次判定で支援2に
なったけれども、検討の結果、介護1になる、あるいは介護1であったけれども、支
援2になる。実はそこはたくさんいらっしゃると私は認識しているし、予防給付の方
も介護給付に移行していくという自然の成り行きもある。その方はそのときにケアマ
ネジャーが変わらなければいけない。
 委託ができるようになっていれば、それでいいではないかという考え方もあります
が、私は基本的に違うと思います。ケアマネジメントというのは、1人のケアマネジ
ャー、生活を支える専門職が、変化する利用者の介護の度合い、援助の度合いによっ
て、どのくらい生活の支えが必要かというのをアセスメントしてプランを作っていく
わけであります。その動くことを前提に継続的包括的に行う援助として考えたときに、
それは委託をするのではなくて、予防も介護もケアマネジメント、ケアプランを立て
るのは、その専門機関である居宅介護支援事業所で行うことが妥当だと、私はそう考
えております。
 それから、これは小さなことでありますが、最後にもう一つだけ申し上げさせてい
ただきます。21ページの2つ目の丸、介護労働市場のところであります。これの2つ
目のポツに、事業所によって離職率や賃金が大きく異なっている。これは労使のこと
でありますから、そういうことはあり得ると思います。それが原因かどうかというの
はともかく、事業所によって労働条件に違いがあるということは認めつつも、何回か
前に事務局の方からお示しされた、介護労働者の賃金状況は、実はその経営主体の種
類によって大きく違うというデータが示されています。
 1番が公務員、行政、2番が社協、3番が社会福祉法人、そしてNPOとか企業と
いうことで、経営主体によって大きく違いがあったと思います。ということであれば、
事業所というよりは、私は経営主体による労働条件の違いというのは大きい。ここに
ついて、ちょっと書いておいていただきたいと思うわけであります。
 以上であります。ありがとうございました。

○木村委員 関連。

○山崎部会長 関連ということで、木村委員。

○木村委員 今のお話ですけれども、多いとか少ないとか、ただ言ってもだめだと思
いますので、うちの協会でデータをとって、要介護1〜要支援2を行ったり来たり、
それから委託で8件、元気になりそうな方は最初から委託してやるとか、そういう工
夫を現場でどういうふうにしているかを出したいと思います。とりまとめには間に合
わないかもしれませんけれども、データで議論したいと思いますので、そこだけです。

○橋本委員 ともかく利用者を中心に考えていただきたいということであります。

○山崎部会長 野呂委員の代理の青木参考人。

○青木参考人 それでは、示されました素案につきまして、数点御意見を申し上げた
いと思います。
 まず、20ページの「情報公表制度と指導監督」のところでございます。
 1つ目と2つ目の丸でございますが、情報公表制度の見直しに際しましては、制度
の実施主体である都道府県の意見を十分に踏まえていただいた上で検討を進める必
要があると考えております。
 また、情報公表制度の実施に要する経費につきまして、手数料にかわる新たな財源
が示されておりませんが、都道府県に新たな負担が生じないよう、必要な財源につき
ましては、国において措置されることが必要であると考えております。
 それから、20ページの4つ目の丸の、都道府県が行っている実地指導の一部を指定
法人に委託するということに関しましては、当該指導業務は公平性と公正性が担保さ
れる必要があるということ、また、実地指導と監査とが別々の機関によって実施され
るために、指導と監査の整合性が保たれる必要があることなどから、指定法人への委
託につきましては慎重に検討する必要があると考えております。
 続きまして、20ページから21ページにかけての「介護人材の確保と資質の向上」
についてでございます。
 21ページの最初の丸にございますように、現在、介護職員処遇改善交付金が実施さ
れており、これは平成23年度末で終了することとなっておりますが、介護職員の処
遇改善を進めるためには、更に継続した取組が必要であると考えております。
 仮に、平成24年度以降、介護報酬を改定して、処遇改善交付金相当分を上乗せす
る取り扱いとした場合でございますが、サービス利用料や保険料の引き上げにつなが
り、利用者にとりましては負担増になってしまいます。このため、介護報酬改定が行
われる場合には、区分支給限度基準額もあわせて引き上げることが必要になると考え
ております。
 また、高齢化の進行によりまして、給付費が年々増大している中で、介護報酬へ処
遇改善分を上乗せすることになりますと、市町村や都道府県にとっては新規に負担が
生じることとなるため、国において何らかの財政措置を検討いただく必要があると考
えております。
 次に、23ページの4つ目の丸、それと29ページの1つ目の丸でも記述がございま
すが、「財政安定化基金」についてでございます。
 財政安定化基金は、介護保険財政の安定的な運営を確保することを目的として設置
されているものでございまして、この基金の取り崩しによって保険料の軽減を図るこ
とにつきましては、基金本来の目的から外れるものであり、その役割を果たせなくな
る恐れがあること、また、保険料軽減の効果も一時的なものであることなどから、こ
の取り崩しに関しましては慎重な検討が必要と考えております。
 なお、基金の適正規模につきましては、今後検討していく必要があると考えており
ますけれども、その際には市町村や都道府県の意見も踏まえて検討されるべき事項と
考えております。
 続きまして、23ページ下段から24ページにかけての「公費負担のあり方」につい
てでございます。
 24ページの上から1つ目の丸にも記述がございますが、「調整交付金」につきまし
ては外枠化し、国庫負担分である給付費の25%を各保険者に対して確実に配分するこ
とが必要であると考えております。調整交付金は、各保険者間の保険料基準額の格差
是正を行うものでございまして、特に過疎地域や離島の保険者にとりましては、この
調整交付金の役割は大変重要であるということから、外枠化した調整交付金につきま
しては、国において財源を確保していただく必要があると考えております。
 それから、24ページの3つ目の丸でございますが、「公費負担のあり方」を議論す
るに際しましては、多くの地方自治体において財政負担が増大している中で、地方自
治体の大幅な負担増とならないよう、国において恒久的な財源の確保も含めて検討す
ることが必要と考えております。
 次に、26ページの「地域ニーズに応じた事業者の指定」についてでございます。4
つ目の丸の「居宅サービス等の指定」につきましては、地域の実情に応じた介護サー
ビスの提供基盤の整備を行っていく上で、事業者の指定に当たっては、保険者である
市町村の意向が尊重される仕組みを検討していくことは必要であると考えておりま
す。事業者の指定に当たっての調整事項や事務負担の増大も見込まれることから、市
町村や都道府県の意見も踏まえ、指定権限の見直しも含めて検討していく事項と考え
ております。
 最後に、27ページ中段の「低所得者への配慮」についてでございます。2つ目の丸
の「補足給付」につきましては、低所得者への配慮であり、本来、社会福祉政策の一
環として公費負担化を検討することは必要と考えております。その中で、国、都道府
県、市町村の負担割合や必要な財源の確保につきまして、十分に検討する必要がある
と考えております。
 以上でございます。

○山崎部会長 井部委員、お願いします。

○井部委員 私はペーパーを出しておりますので、1ページ目をごらんいただきたい
と思います。
 このたびの改正では、負担と給付で、特に給付のサービスの充実という点では、地
域包括ケアという新しい概念が提案されているわけであります。それを実現するには
在宅や住まいでいかに高齢になっても暮らせるかというところが重要であると考え
ます。それに関連しましては、訪問看護の役割をこれまで以上に強化する必要がある
と考えて、意見書を出しております。
 まず1番目は、複合型事業所の創設による柔軟なサービス提供の推進でございます。
 9ページに複合型サービスが取り上げられておりまして、まず1番目の訪問看護と
小規模多機能型居宅介護の一体的なサービス提供を促進していただきたいというこ
とです。これは、医療ニーズの高い人々に24時間の在宅療養支援を行うためには、
訪問看護と小規模多機能型の居宅介護を一体的に提供できるような、つまり訪問看護、
訪問介護、通所、宿泊、それから私は非常に重要なのは相談機能だと思いますけれど
も、こうした多面的な機能を備えた新たなサービス類型の創設を要望したいと思いま
す。
 住みなれた地域での在宅療養を支える地域包括ケアシステムの構築に向け、身近な
地域で、多様な在宅サービスを柔軟に利用できる選択肢を増やしていくということが
重要であります。こうした機能が充実しますと、すぐに救急車を要請して病院に運ぶ
ということは少なくなると思います。日本看護協会の調べたところでは、都内では約
4割の高齢者が救急車を使って病院に搬送されるという状況があります。身近なとこ
ろに多機能なサービスが提供できる拠点を設けることは重要なことであると思いま
す。
 2番目は、訪問看護を基盤とした訪問介護との一体的なサービス提供であります。
 利用者に合わせた柔軟なサービス提供と、それから医療処置の必要な在宅療養者に
安全なケアを提供する観点から、訪問看護、訪問介護を一体的に提供する新たなサー
ビス類型の創設を是非お願いしたいと思います。訪問看護と訪問介護が別事業所から
訪問する形態が多い現状では、医療依存度が高い、あるいは体重が重いなどの理由で、
複数で訪問しなければならない利用者に対して、効率的かつ柔軟なサービスの提供が
困難であると考えます。
 また、互いの連携が困難なため、訪問看護と介護で類似のサービスを提供するとい
うケースもあります。訪問看護と訪問介護を一体的に提供する仕組みをつくることに
より、看護と介護の連携を強化し、安全かつ効率的なケア提供の体制を整備すべきで
あると思います。
 順番を飛ばしまして、3番目の訪問看護ステーションの規模拡大に向けた支援を是
非お願いしたいと思います。
 公的な保険給付による訪問看護サービスには、24時間365日、在宅療養者の安全を
支える責任があります。それを訪問看護師の過重な労働負担なく果たしていくために
は、訪問看護ステーションの人員規模の拡大が必要であると思います。ステーション
の人員基準2.5名を1名に緩和するような動きもありますけれども、現状では小規模
ステーションほどサービスの安定的な提供が困難であり、人員基準の緩和は、訪問看
護を利用する国民の安全や安心を揺るがしかねないと考えます。
 訪問看護ステーションの規模拡大に向け、多機能化、業務効率化の取組みの推進と、
新人看護師、あるいは65万と言われています潜在看護師の訪問看護への就業を促進
する制度上の支援策もあわせて要望いたしたいと思います。
 戻りまして、2番目の訪問看護を利用していくために、区分支給限度基準額の枠外
にということは、これは以前にも発言いたしましたけれども、今回、19ページにこの
ことは盛り込まれておらないのですが、訪問看護が必要な人に適切に提供されるよう、
訪問看護にかかる給付については、限度額の管理対象外とし、在宅療養者が1割負担
で利用できるようにしていただきたいと思います。
 現行の制度では、要介護度が軽度の場合も重度の場合も、区分支給限度基準額など
の関連で、特に訪問看護に利用抑制が働き、医療の必要な利用者に訪問看護が提供で
きないケースがあるわけでありまして、このことについて報告書に書いて言及してい
ただきたいと思います。
 それから、ここには盛り込んでおりませんが、13ページで療養病床の転換のことに
ついて触れております。
 再編が進んでいないので方針を変えようかという書きぶりになっておりますけれ
ども、私はこのところ、私の身近な人が療養病床を使っていることが何件か続きまし
て、療養病床は、どちらかというと医療モデルでありまして、高齢者にとってはAD
Lの低下を著しく来すという体験がありました。
 その意味では、高齢者ケアは医療モデルではなくて、生活モデルの切りかえを行う
という点では、療養病床の再編が進んでいないことを、原因を探り、できるだけ療養
病床をこれまでの方針に従って転換を進めていけるように、その具体的な計画を例示
していただきたいと私は思っています。
 以上です。

○山崎部会長 石田参考人、お願いします。

○石田参考人 それでは、保険者の立場から幾つかの意見を述べさせていただきたい
と思います。
 まず、介護保険制度は地域保険であり、地域の高齢者を地域資源で支える観点から、
実態に即した改正が行われるよう、特に要望しておきたいということであります。そ
して、介護保険制度を将来にわたって市町村が保険者として責任を持って運営できる
よう、地方の財政負担に配慮していただきたい。特に調整交付金については、かねて
から全国市長会の要望であることから、御配慮いただきたいということであります。
 さて、個別の事項でございますが、多岐にわたっていることから、主なところにつ
いてのみ意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、生活支援の問題ですが、要支援者・軽度者へのサービス、10ページ目の1つ
目の丸で、介護予防の取組みに前向きな市町村とそうでない市町村の差は大きく、取
組みが十分でない市町村においては、予防給付の効果がほとんど見られないという事
態も生じているという記述は、適切ではないのではないか。
 本来、予防給付は、軽度者の状態に適したサービスを適切に提供することで効果が
期待できることから、市町村の取組みも重要でありますが、より予防給付の効果が上
がるように実施することが必要であると考えるものであります。この記述については、
是非再考をお願いしたいことであります。
 また、軽度者への生活支援、生活援助サービスについては、結果として重度化の防
止につながる実態を踏まえ、慎重な対応を求めていきたいと思います。更に、利用者
の介護負担のバランスを考えれば、軽度者にかかる利用者負担の見直しより、むしろ
施設入所者の利用料の見直しが優先されるのではないかと考えるところであります。
 次に、地域支援事業でありますが、11ページの1つ目の丸、保険者の判断によりサ
ービスを総合化した介護予防・生活支援サービスを地域支援事業に導入とありますが、
生活支援サービスは予防給付の中に残した上で、更に個別に必要がある場合には、市
町村が地域支援事業や一般財源などで実施することがより適切ではないかと判断し
ているところであります。
 次に、家族支援のあり方でございますが、これは16ページにも触れられておりま
すが、これまでに現行の地域支援事業で家族介護支援の仕組みが十分でないと指摘を
してきたところであります。今後の介護者負担の実態などをよく調査していただいて、
介護負担の程度や、その環境に応じた新たなレスパイトケア支援などの創設なども検
討していただく必要があるのではないか。この部分については、もう少し踏み込んだ
記述が望まれるのではないかと判断しているところであります。
 次に、ケアマネジメントについて、18ページでございますが、利用者の負担導入に
ついては、サービスの利用抑制につながるおそれがあることなどから、改めて慎重な
対応を求めたいと考えております。
 次に、要介護認定や区分支給限度額についてでありますが、19ページ、介護保険制
度を持続可能とするためには、制度自体の公平性や信頼性が十分保たれなければなら
ない。要介護認定の廃止や区分の簡素化、更には区分支給限度額の撤廃などについて
は、給付費の増嵩や不公平感を招くということから、制度の公平性や信頼性の確保の
観点から明確に反対を表しておきます。
 次に、処遇改善の取組み、21ページでございます。
 これまで、国の政策判断により、介護従事者を対象として交付金制度が創設された
ところであり、今後も継続していくことが必要であると考えております。なお、これ
を利用者や被保険者などの負担に転嫁することについては、適切ではないと考えてお
ります。仮に介護報酬に上乗せするということであれば、被保険者や国民への説明責
任を果たす観点から、事業者の管理者も含め、介護従事者の給与水準の公表制度の導
入も検討していただきたいと考えております。
 次に、地域のニーズに応じた事業者の指定について、26ページの下の2つの丸でご
ざいますが、介護保険事業計画に定めた施設定員を既に達成しているなど、必要量を
超過する場合には、都道府県知事、市町村長が指定を拒否できる総量規制の制度は堅
持していただきたい。これは、これまで過剰な整備による給付費の増嵩を抑制してき
ているほか、地域偏在を防止する効果があり、保険者機能を発揮する上で重要な権限
であるということから、特にお願いしたい事項でございます。
 さて、平成24年度には、高齢者が負担する保険料負担が、限界と言われている5,000
円を超えることが想定されているわけであります。地域の高齢者にとって非常に重た
い負担となることを十分に踏まえて御議論していただきたいと思うわけであります。
 以上、保険者として、よりよい制度となるよう、最低限の御意見を申し上げさせて
いただきました。

○山崎部会長 土居委員、お願いします。

○土居委員 ありがとうございます。今までお話を伺っておりまして、私が感じたと
ころを含めて、それから素案の本文に関して修正をお願いしたい点を含めて申し上げ
たいと思います。
 そもそもこの部会は何をするべきなのかということについて、お伺いしていると、
必ずしもそうでないような御議論も若干あるような気がしております。そもそもこの
部会の一番重要なポイントは、来年の通常国会に第5期を目指した介護保険法改正を
どういうふうに考えていくかということで、そこに介護保険法改正案を出せるような
アイデアを、ここでどれだけきちんと打ち出せるかということになってくる。
 ただ、勿論これだけがすべてではない。まさに第5期を目指した、やがては介護給
付費分科会で最終的な御決定をなさるところを目指したところでの第5期の制度設
計を議論するという意味では、ここでお出しになられた意見というのは貴重な意見が
たくさんあると思っております。ただ、ややもすると、単なる要望のオンパレードと
いう気もしないわけではありませんで、もう少しどうしたら第5期の介護保険の中で、
給付と負担のバランスをきちんととりながら議論ができるかということについては、
やはり考えていただきたい。
 財源論ばかりだというお話がありましたけれども、財源論だけでは介護保険は語れ
ませんけれども、財源がなければ介護保険は維持できないわけです。ですから、財源
の問題もきちんとこの素案では盛り込まれているという点では、私はこの素案は基本
的にはよくできていると思っております。勿論個々にはいろいろな問題はあると思い
ます。
 まず、先ほど申し上げた1つ目の、来年度通常国会に介護保険法改正案を提出する
ことを目指したところで申しますと、確かにいろいろな各委員の御不満はおありかも
しれませんけれども、例えば法律の改正では、今はそうすることはできないとか、事
実上、何も書かれていないので、禁止されたも同然のような状態になっているものを、
認めるとかできるという形に法改正することによって、例えばそれぞれの地域で自由
な判断によって、それを実施することができるようになることもあり得るわけです。
 書いていないことはできない、それからできないことが法律に書かれていることに
なれば、それは事実上、禁止しているということなのですけれども、そうすることが
できるという法改正をすることは、しなければならないという話とは違うわけであり
ます。ですから、できるという話としなければならないという話は区別した方がいい。
 そういう意味では、この素案の中にも、こういう方向性があるのではないかという
ことが書かれていて、それに対して、そんなことは認めるべきではないという話も勿
論ありますけれども、全面的に禁止するという話ではないとするならば、一部の地域
の判断によって、そういう自由な余地を与えるという意味では、できることを認める
法改正はあり得ると思います。
 それから、素案の書きぶりで意見が少数のものが前に来て、多数のものが後ろに来
て、よろしくないというお話もあったかもしれません。ただ、ちょっと身もふたもな
い話をいえば、ここの部会だけで、勿論私の意見だけですべてというわけでもないわ
けでして、この部会を欠席されている委員の方もおられるわけですし、更にはこの部
会には、恐らくそういう代表者がいないのかなと思われる範囲でいえば、例えば第1
号被保険者の非該当の、サービスをお受けになっておられない方の一連のグループの
代表者。
 そこだけを代表しておられる方はいらっしゃいませんし、39歳以下の介護保険に入
っておられない代表者もいないわけですから、ここで多数だから全面的に前に書け。
そうしないと、そんな報告は認められないぞと、そこまで目くじらを立てないでもよ
ろしいのではないか。
 すなわち、ここではあくまでも、やがて介護給付費分科会で最終的な介護報酬の配
分をお決めになるところの制度設計についてのいろいろなアイデアが出たというこ
とで、そのアイデアを正確に報告するという意味では、勿論濃淡はあるかもしれませ
ん。ないしは、この書きぶりを若干変えなければいけないところはあるかもしれませ
んけれども、少なくとも多数の意見だから前の方に書いて、少数の意見だから後ろの
方に書くという前後の順番については、余りこだわらなくてもいいのではないか。む
しろ部会長にバランスをとっていただくべく、御判断をお願いするということは、是
非お願いいたしたいと思います。
 もう一つ懸念をしているのは、ややもすると、こんな負担増は認められないとか、
こういうところに負担を付け回すべきではないという、負担を避けよう、負担を押し
付けるなという意見が多いのですけれども、給付を拡充するためには負担がどこかで
きちんとなされなければならない。
 公費負担といっても、これは天から降ってくるお金ではありません。国民がいろい
ろな形で御負担なさる税金であります。更にいえば、39歳以下の国民の皆さんも税金
として納めておられるお金であります。ですから、単に公費負担を増やせばいいとい
う話では決してない。国民がどういうふうに負担を分かち合うかという議論につなげ
られるようなものにすべきだと思います。勿論負担を負わせるべきでない人に負担を
負わせることはよくないという意見は、これはそのとおりではあると思います。
 あと、残り、個々の素案に関するところで個別の指摘をさせていただきたいと思い
ます。
 6ページの丸の2つ目で、平成21年度介護報酬改定ではと書かれているところで、
私も介護職員の待遇改善ということは非常に重要だと思っておりまして、平成24年
度以降も必要な財源を確保し、介護報酬の中で待遇改善の取組みを継続するというこ
とが求められると思います。そういうことで、その介護報酬の中でということを是非
明記していただきたいと思います。
 それから、21ページ、今の話と同じ案件ですけれども、1つ目の丸、処遇改善の取
組みということで3つのことが列挙されていることなどを考えれば、「本来的には、
これを継続するのではなく」と書かれていますが、「本来的には」というのは特に記
す必要はないのかなと思います。そういう意味では、「これを継続するのではなく」
と明記するということでいいと思います。
 それから、22ページ、給付と負担のバランスで、給付と負担の見直しの1つ目の丸
の2段落目であります。「今回、給付の適正化や、利用者の負担の見直しに取組むこ
となく」、その後続いているのですが、その後の「保険料が5,000円を超えてしまうこ
とは、制度への信頼の上で望ましくない」というところまで言ってしまうと、今後、
第6期、第7期と、5,000円を超えないという保証がない中で、5,000円を超えてしま
ったら制度の信頼がなくなってしまうということだと、介護保険は早晩だめになって
しまうという印象を与えかねないので、「保険料が5,000円を超えてしまうことは」と
いう文言は削除していただきたいと思います。
 それから、23ページの財政安定化基金ですけれども、地方団体の方からの御懸念は
確かにわかります。ただ、ここは先ほども少し触れたところですけれども、来年の通
常国会で介護保険法改正を考えているということとして、会計検査院から指摘を受け
ておきながら、何ら法改正をしないという不作為が、まさに国の中で厚生労働省の対
応として許されるものなのかということであります。
 そういう意味では、ここは取り崩しをしなさいということを言っているわけではな
くて、取り崩すことができるという話であれば、取り崩すか取り崩さないかは、各地
のそれぞれの地域の判断で決めればいいわけで、取り崩さないで保険料で取ることも
あるだろうし、取り崩して保険料軽減ということもあるかもしれない。
 ですから、ここで言っていることは、決して取り崩しを強制するという話ではない
のだろうと私は思っておりまして、会計検査院から、そもそも現行法上、取り崩すこ
とが認められていないという法律の条文になっているということなので、そういうこ
とは改めた方がよいのではないか。判断はゆだねるけれども、法律上は可能とすると
いうことであれば、会計検査院の指摘を踏まえることにもなりますし、各地域でそれ
ぞれ御判断いただけることにもなるのではないかと思います。そういう意味では、23
ページの後ろから2つ目の丸は、このままの文章で私はいいのではないかと思ってお
ります。
 それから、24ページの調整交付金ですけれども、確かに調整交付金の問題というの
はいろいろ御指摘があったところでありますが、先ほど事務局からお示しいただいた
制度見直し事項の財政影響試算の2ページに、その影響額が記載されておりまして、
そこで調整交付金の外枠化というのは4,200億円程度の財源を必要とすることになり
ます。
 これは、公費負担引き上げに次ぐ大きな金額でありまして、これほどの巨額の金額
を、まさか第5次で実現するというのは、ほかの金額と見比べていただければおわか
りいただけますように、残念ながらそういう金額を捻出できる状況にはない。そうい
う意味では、外枠化というのは、勿論意見があったということは、この24ページの
書きぶりで、そのとおりでいいと思いますけれども、なかなか難しい、実現可能性が
乏しいのかなと思います。
 以上です。

○山崎部会長 葛原委員。

○葛原委員 反対のところを2点と、要望を4点申し上げます。
 反対のことに関しては、もう何名かの委員が強調されておりましたけれども、第1
は、10ページの要支援者・軽度の要介護者へのサービスの丸の上から4つ目、結城委
員もおっしゃっていましたけれども、私はこの生活サービスというのが必要というよ
りも、もうちょっと大きな意味があったと思います。
 私は病院の方で見ていましたけれども、要支援、軽度の要介護ということで、加齢
に伴ういろいろな機能低下が防げて廃用症候群の予防になっているとか、介護者への
転嫁に落ちこぼれていくのが随分予防できていると思いますので、これは要支援者、
軽度の方への支給というのは、今後も是非続けていただきたいし、ひいては総額の介
護にかかるお金を減らしているのではないかと思いますので、その点が第1点です。
 第2点は、18ページのケアマネジャーの方のケアプランですが、これは私が10年
前に介護保険のことでいろいろ教えていただいて勉強したときには、それまでの福祉
というものが介護に関しては措置だったのが、自分で選んで自分で決めるという高齢
者の自立ということが随分うたわれていたと思って、そのために導入されたのがケア
マネジャーであり、ケアプランだと。要するに行政が与えるものではなくて、自分で
選ぶという非常に高い理想があったと思います。
 そういう点でいうと、ケアプランをつくるというのは、まず介護保険を受けるかど
うかの入り口ですから、まだサービスは受けていないと思いますので、やはり公費負
担、ないしは介護保険の中から出して、自己負担はないという形を維持していただき
たい。これが2つ目です。
 あと、要望なのですけれども、第1番目、8ページの単身者と重度の要介護者にも
対応し得るサービス。私は、これは非常に大事なことだと思いますし、5ページには、
介護疲れ、介護自殺、介護殺人とか、要するに家族介護あるいは老老介護などで非常
に家族に負担がかかっているための虐待とか自殺とか殺人が起こっているわけで、こ
れは是非充実させていただきたいし、若い方との同居でも随分負担がかかっていると
思いますから、単身・重症に限らず、家族と同居している高齢者にも、きちっとこれ
でやっていくのだと。
 この間の百歳老人の白骨などを見ていますと、家族がいると安心ということは決し
て言えない時代だと思いますから、単身とかではなくて、若い家族と同居の方にも是
非これを広げていただきたいと思います。
 それから、9ページのたんの吸引とか経管栄養に関しては、ここまで踏み切ってく
ださったことは非常に高く評価しています。これを業務独占のような形でという御意
見もあるようですけれども、これは今、医師とか看護師がやらない場合は家族の負担
になっているわけですね。そうしますと、現在、家族の負担になっているのは、介護
保険で自宅に出入りするあらゆる職種の方に、トレーニングとかいろいろな研修をや
った上で、これを認めるという線は少なくとも崩さないでいただきたい。
 これは、さっきの土居委員の、できると書いただけで変えられることであったら、
是非そうしていただきたいと思います。
 それから、25ページ、これは皆さん余りおっしゃっていないのですが、2号保険者
を若い方に移動させるかどうかという被保険者の範囲ということがございます。私は
前にも申し上げましたけれども、そうする前に、40歳から65歳まで、現在は介護保
険を受けることができる疾病というのは加齢によるものと、非常に制限されているわ
けです。私は、これは非常に国民にとって不公平だと思いますので、障害があれば、
疾患に関わりなく介護保険の対象になるように、一言そういう意見があったというの
を是非入れておいていただきたいと思います。
 最後ですけれども、この案は、全体として財政破綻というのですか、介護保険が破
綻しないように、何とか収支を合わせる苦労が非常に出ていることはよくわかるので
すが、何となく値上げの部分だけははっきり数値が示されて、例えば地域包括ケアと
か高齢者専用住宅とか、新しく地域で、あるいは在宅の人をどう支えるかという、せ
っかく出た内容が具体的なものがなくて、検討するということになっているので、プ
ラスのイメージにするためにも、具体的にこうすればどういうものができるのか。
 あるいは、これで今のを支えるのがやっとなのだとか、そこら辺のことをもうちょ
っと書いておいていただければ、読む方には説得力があるのではないかと思います。
 以上です。

○山崎部会長 藤原参考人。

○藤原参考人 ありがとうございます。日本経団連の藤原でございます。3点、簡単
に申し上げたいと思います。
 1点目は、給付と負担のバランスについてです。先ほどから自己負担の話や給付の
抑制についての、意見を伺っておりますと、確かに私もそのとおりだなと個人的には
思います。ただ、先ほど土居委員がお話されたように、財源がなければ制度も運営で
きません。限られた資源のもとで、急増する介護ニーズに対応するためには、給付の
効率化・重点化を進めることと、利用者負担の見直しの議論が必要です。
 2点目は、2号保険料への総報酬割の導入についてです。
 現在、医療保険においても総報酬制について議論されておりますが、医療保険では
既に高齢者の自己負担割合についてかなり見直しをされ、引き上げが行われてきてお
ります。介護においては、ようやくこの議論が行われている段階でございまして、自
己負担割合の見直しなしに、一足飛びに総報酬制の議論に進むというのは、私どもは
反対でございます。目前の財源確保のためのつじつま合わせの場当たり的な対応とな
ることを非常に憂慮しておりまして、制度発足時の趣旨を十分に踏まえるべきではな
いかと思っております。
 特に、現役世代である第2号被保険者数が今後減少する一方で、彼らに課される高
齢者医療への拠出金や公的年金の保険料負担がどんどん増えていくことははっきり
しております。医療においては、現役世代の医療保険料の、50%近くが既に高齢者医
療の拠出金に回っておりますし、年金においては、厚生年金保険料が自動的に18.3%
まで引き上げられると、すなわち今後約2%も上がっていくことが決まっているわけ
です。
 これらの上に、更に介護保険でも総報酬割等によって負担を強く求めていくことに
ついて、現役世代の納得は得られないのではないかと思いますし、何よりも現政権で
進めております新成長戦略の中での雇用の確保に非常に悪い影響を及ぼすことは間
違いないことだと思っております。その点は十分に御考慮いただければと思います。
 したがいまして、将来の人口構成を踏まえれば、公費と保険料の負担割合の見直し
を行い、公費の投入割合を拡大していくべきであり、政府・与党でもしっかりと議論
していただくことを期待したいと思います。
 3点目に、社会保険料と税との役割負担でございます。地域支援事業、補足給付は
保険の枠組みで賄うのではなく、地域の高齢者福祉、低所得者対策の観点で税で対応
すべきだと思っております。
 以上でございます。

○山崎部会長 この会場は5時15分までだそうでございます。手短にお願いします。
 内藤参考人、お願いします。

○内藤参考人 ありがとうございます。
 私どもも財政確保の必要性あるいは困難性ということは認めますけれども、この財
政影響試算の一覧表を見ますと、直接の利用者に対する負担が余りにも増大していく
のではないかということを危惧しております。そういう意味で、介護保険料を5,000
円に抑えるために、あたかも直接利用者の方に負担を強制するような構造は避けて、
もう少し幅広い財源確保の議論を是非していただきたいということが1つ。
 それから、介護保険部会ですから当たり前だと思いますけれども、介護保険の施設
における、あるいは介護保険体制における医療についての項目がありません。これに
ついて、介護保険分野における医療提供のあり方という項目を是非設けていただいて、
とりわけ介護療養病床の再編、あるいは介護保険による医療行為に対する丸め給付に
ついての今後の議論をきちっと整理していっていただきたいということが2つ目。
 3つ目は、先ほどから補足給付あるいは居住費という問題が出ていますけれども、
食費についても、平成17年のとき、それまで2,120円だったものが1,380円という格
好で、利用者にとって満足な栄養が確保できるのかという観点もありますので、食費
についても介護給付費分科会につなげるような検証を是非お願いしたいと思います。

○山崎部会長 三上委員。

○三上委員 先ほどの井部委員の意見に少し異論がございますので申し上げます。
 先ほど井部委員は、自分の身の回りの方で、療養病床に入られた方のADLが悪く
なったので、療養病床の廃止方針はそのまま続けるべきだという意見を言われたので
すが、エビデンスがどうなのか。数人御存じでそうなったのかということが1つ。
 もう一つは、介護保険施設は3施設ございますけれども、それぞれ特養と老健と介
護療養については、医療の必要性に応じて医療系の職員の配置が変わっているという
ことでございます。当然、療養病床は一番重症の方が入っておられるということで、
それは横断調査の中でも出ているということであります。
 私が言いたいのは、療養病床で働いておられる看護師、介護士あるいはPT・OT
などのリハビリに関係された方々が懸命に仕事をされている中で、療養病床はADL
が悪くなるのだということをこの場でエビデンスがなくて言われるということであ
れば、是非撤回していただきたいと思います。

○山崎部会長 結城委員。

○結城委員 短く。素案のことに当たって、あくまでもこの審議会、数か月、法律が
通るためにやっているのではなくて、勿論それもありますけれども、現場の声を基に
して、どうすればいいのかということが基本であるということを多くの委員の方が思
っていると思います。ですから、法律が通るためにこれをやっているのであれば、も
しかしたら来年、国会が解散してぐちゃぐちゃになったら意味がないわけで、やはり
現場を集約したという素案をまずつくっていただきたいということを、全委員の皆さ
んに思っていただくと。
 それと、公費の負担とか、いろいろありますけれども、できればここで原簿を積み
上げて、これだけのお金が実はあるのだという国民に啓発する意味でも私はあると思
います。勿論現実的で、私は両論併記でいいと思いますけれども、現場の問題もきち
っとあるというのがこの審議会の意義だと思っておりますので、以上、言わせていた
だきます。
 以上でございます。

○山崎部会長 では、井部委員、一言。

○井部委員 私が申し上げたかったのは、勿論療養病床に働いている看護職のことを
慮ってのことなのですけれども、療養病床においては医療モデルが圧倒的に優位であ
ります。その点では、介護施設の方が生活モデルを重視するという制度上の特徴があ
るということを主張したかったのであります。したがって、私は、自分の同僚たちが
働いている介護療養病床を否定するわけではなく、制度的に生活モデルを優先させる
制度を促進していただきたいということでありますので、撤回するつもりはありませ
ん。

○山崎部会長 霜鳥参考人。

○霜鳥参考人 ずっとペイアズユーゴー原則が続くということになりますと、第2号
保険料の総報酬割3分の1導入とか2分の1導入とか書かれていますけれども、結局
10分の10にするということだと理解しました。そうなりますと、私どもとしまして
は、総報酬割につきましては唐突に出てきた意見だと。それから、介護保険の基本的
な考え方を変更するもので反対であると明記してほしいと思っております。
 特に、先ほど資料で上位の健保組合がありましたけれども、私どもが計算しますと、
4,000円の負担額が2万円ぐらいの負担額になる。これを単に被保険者に説明してく
れと言われても、保険者としてはなかなかできないことでございます。かつ、第2号
被保険者は特定の疾病しか介護給付が受けられないという中での負担増になります
ので、そういうところもきちっと考えた上で制度設計をしていただきたい。唐突なや
り方は謹んでいただきたいというのを最後に申し上げたい。総報酬割の導入について
は反対でございます。

○山崎部会長 貝塚先生、お願いします。

○貝塚委員 一言だけ申し上げます。
 日本経済の状況というのはすごくよくないのです。従来に比べますと、簡単にいう
と負担能力が全体として落ちているのです。残念ながら、賃金、その他、いろいろな
ことで。ですから、そういう点の制約が昔に比べると非常に大きくなっています。し
たがって、できることというのは、負担を増やしてやること自身がかなり困難ですか
ら、なるべくならば選択的にうまいところをねらって、小さな話でも少しでも改善で
きればいいというのが私の基本的な意見です。
 そういう点は、これからほかの社会保障制度もみんなバリアーというか、障害が非
常に増えてきている。ですから、本来ならば、現政権はもっと経済成長を高めるよう
に、いろいろなことを具体的に提案すべきですが、残念ながらそうではない。ですか
ら、そういう非常に追い込まれた状況にあって、ここにおられる皆さん方は御要望が
いろいろあるのは当然ですけれども、なかなかそこのところは、私が言うのも変です
けれども、それぞれ我慢しなければいけない状況に来ているということだけ、ちょっ
と申し上げて。
 最後に、余りいい話ではないですけれども。

○山崎部会長 それでは、本当に制限時間いっぱいまで御議論いただきましてありが
とうございました。本日の部会は、これにて終了させていただきます。
 次回の部会では、報告書のとりまとめを行いたいと考えております。このほか、事
務局より何かございますでしょうか。

○大澤総務課長 本日は、どうもありがとうございました。
 次回は、来週木曜日の11月25日14時から厚生労働省の低層棟、2階講堂で開催
する予定でございます。どうぞよろしくお願いします。

○山崎部会長 それでは、本日はこれで終了します。どうもありがとうございました。


(了)

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