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2010年12月7日 第7回 厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会 議事録について

大臣官房総務課

○日時

平成22年12月7日(火)10:00~12:00


○場所

  東京都千代田区霞が関1-2-2
  厚生労働省 共用第7会議室(中央合同庁舎5号館5階 国会側)


○議題

(1) 公益法人からのヒアリング
1.(財)介護労働安定センター(10:00~10:40)
2.(社)日本ボイラ協会(10:40~11:20)
3.(財)労災サポートセンター(11:20~12:00)

(2) その他

○議事

議事録

(議事録 ※PDF版は資料ページに掲載)

○北沢座長 定刻となりましたので、ただいまから第7回「厚生労働省 独立行政法人・公益法人等整備合理化委員会」を開催いたします。
 本日は有川委員、岩瀬委員、大久保委員及び河北委員が都合により御欠席です。
 本日の議題は「(1)公益法人からのヒアリング」「(2)その他」です。
 それでは、ヒアリングを行いたいと思います。
 本日のヒアリングは介護労働安定センター、日本ボイラ協会、労災サポートセンターの順番で行います。
 初めに私から取組みの視点を述べます。お手元の資料4をごらんください。
 大視点については省略しますが、この大視点に立って介護労働安定センターにお答えしてもらいます。
 同財団は国との関係が強い公益法人の類型的法人では、「指定に基づき国からの交付金等を受けて事業を実施しているもの」に該当します。
 取組みの視点として、指定法人とされていることについてどう考えるか。
 法律で全国で1つに限った理由及び指定された経緯について。
 現在は一般財団法人か。これは指定法人の法律を見ますとそうなっていますけれども、特例民法ですね。これは後ほど法律の経緯についてお聞きします。
 かつて常勤役員の4分の3が天下りだったが、現在の天下り・渡り、契約の状況はどうか。
 1992年4月に設立され、同年7月に施行された介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づき介護労働者の支援機関として立ち上げた経緯から、初めから旧労働省の現業部門として誕生したのではないか。そうだとすると、法人の性格は民間法人でなく政府の子会社ではないか。
 同法が改正施行された2000年4月以降、介護保険制度の開始などに伴い事業は急拡大し、介護全般に及んでいましたが、独占的官業としての発展は税金の使い道の不透明さや国への財政依存など弊害を広げたのではないか。
 民間のNPOやボランティア団体の活動を圧迫していないか。
 法律(介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律)では、全国1つに限った法人指定により、第17条に規定する業務を行えるとこれにはありますが、その業務の中に介護労働者の福祉の増進を図るために必要な業務を行うこととあります。この規定で介護労働者福祉関連の全業務を事実上できるようになりますが、このような事業独占は民業を圧迫しないか。
 独占事業体として民間委託、民間移管、地方移管及び自己収入の拡大計画はどうか。
 雇用安定事業と能力開発事業でそれぞれ最も効果を挙げている分野は何か。
 高齢化が進み、初期のころと需給バランスも変わってきました。現状の指定法人制は妥当か否か。
 行政刷新会議や今年10月に評決した交付金の廃止を受け、今後どう対応するか。
 蓄積した事業ノウハウをNPOや民間事業者に提供し、縮小・撤退を段階的に進めるべきではないか。
 指定基準を改正する必要性についてはどうか。
 総事業収入に占める国からの支出割合が78%(2009年度)と高いが、もっと自己収入を増やすべきではないか。
 以上の視点を念頭にお答えいただきたいと思います。
 それでは、ヒアリングに入りたいと思います。始めてください。
○能力開発課長 能力開発課長の田畑でございます。
 今、座長から視点ということでお話いただきました。できる限り資料の中には盛り込んだつもりでございますけれども、視点をいただく前に資料を作成した関係もございまして、必ずしも資料の中で十分触れ切れていない点もあろうかと思います。その点につきましては、後ほどの質疑の中でお尋ねいただければと考えております。
 それでは、資料1-1をごらんください。
 表紙をめくっていただきまして、2ページでございます。財団法人介護労働安定センターの概要について御説明申し上げます。
 財団法人介護労働安定センターは、平成4年4月1日に設立され、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づく指定につきましては、同年7月に受けているものです。先般の公益法人改革に伴いまして、現在、特例民法法人となっておりますけれども、今後公益財団法人への移行を目指す予定とお聞きしているところです。
 財団の組織でございますけれども、本部を東京都荒川区に置いてございます。各都道府県に支部、支所を設けております。
 役職員数ですが、本年10月1日現在で役員が13名、そのうち常勤役員は理事長のみとなっております。また、職員数は318名です。なお、役員につきましては、今般の改選ですべて民間出身者となったところです。
 財団の予算ですが、平成22年度31億円、そのうち国からの交付金が23.8億円となっております。
 財団の業務ですが、介護労働者の雇用及び福祉に関する情報、資料の収集及び提供。介護労働者の雇用の安定並びに能力の開発及び向上に関する調査研究。事業主その他の関係者に対し雇用の安定並びに能力開発向上に関する相談援助。介護労働者に対する教育訓練。奨励金の支給などの業務を実施しているところです。
 次に当財団で実施させている介護労働者雇用改善等援助事業について、事業の必要性、法人を指定法人に移行して事業を実施させることが必要な理由等について御説明いたします。
 3ページをごらんください。
 介護労働者雇用改善等援助事業は、雇用管理改善に関する相談援助などを行う雇用管理改善等援助事業、介護労働の講習などを実施する介護労働者能力開発事業の2つからなっております。
 当該事業につきましては、厚生労働大臣が介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づきまして、全国で1つの法人を指定いたしまして、当法人に交付金を交付して事業を行わせることとしており、(財)介護労働安定センターがこの指定を受けて事業を実施しているものです。
 この事業につきましては、高齢化の進行により介護労働の労働力需要の増大が見込まれている一方で、離職率が高いなどの雇用管理上の問題を抱えており、この問題が解決できなければ介護分野への就職定着が進まないこと。
 他方、人材の確保・定着を図るには賃金などの処遇向上に加え、労働条件、職場環境の整備など雇用管理の改善と介護労働者の能力開発を総合的に推進することが必要であること。
 また、介護業界はその多くを中小事業所が占めておりますが、その相談援助に当たっては介護労働に特化したあらゆる情報を持ち、総合的・迅速的な対応が可能なワンストップサービスが有効であることから、これらの事業の実施が必要と考えているところです。
 この事業を交付金で実施している理由ですが、4ページをごらんください。
 中小の事業所が雇用管理の改善に取り組むには時間的・知識的な限界もありますので、国が援助政策を講じていく必要があるわけですけれども、雇用管理の改善、企業経営や労使関係における事業主の自発的取組みが不可欠なものです。このような自発的取組みを行わせるには、国が直接実施するよりも全国的規模で迅速的対応が可能な民間団体を指定して行わせることが適当と考えております。
 また、直接人の生命・身体を扱う性質を持ち、組織体系が介護保険制度や資格制度の下に成り立っているという介護分野の業務内容の特殊性に鑑みれば、専門的知識を踏まえて相談援助や教育訓練が実施できる団体に実施させる必要もあります。
 利用者の立場からも公益的かつ非営利的な団体が実施することが望まれているところです。
 更に指定法人として行うこととされている業務、国の責務であります介護労働者の雇用管理の改善の促進、能力の開発や向上などを図るために必要な施策の推進に基づくものでありまして、事業の一体的かつ全国統一的な実施や管轄区域を超えた横の連携を始めとして、国の方針を受けた事業の迅速かつ確実な展開が求められるものです。また、介護労働者に対する支援の実施だけでなく、事例を蓄積し全体的な雇用管理の改善につなげていくという一連のサイクルで事業を実施することが必要でありまして、全国的な団体にこれを継続的、安定的に行わせることが必要です。
 また、事業の的確性・確実性を担保するためには、1つの法人に責任を集中化し、法人の意思決定について国が強く関与していくことも必要です。
 そういった観点から、全国1つの法人を指定して事業を行わせることが必要であると考えておりまして、介護労働安定センターは介護労働者の職業の安定、その他福祉の増進に資することを目的とした公益性を持った法人で、事業実施に必要な専門性を有していること、また全国規模の体制を持っていることから、法に基づく指定を行いまして、事業を行わせることとしているものです。
 5ページ、6ページは、介護労働者雇用改善等援助事業が必要とされる背景について数字等の資料を掲げさせていただいております。
 5ページにございますように、介護サービスのニーズが増大している中で、また新成長戦略でも介護サービスの基盤強化が求められているところです。他方、介護労働者の離職率は高い傾向にありまして、その定着の促進が求められていることをお示ししているものです。
 6ページは介護労働者が労働条件、仕事の負担についてどのような悩み、不安、不満などを持っているか。
 また、介護事業所が早期離職防止や定着促進のための方策として何を望んでいるかをお示ししているものです。
 この結果から、介護分野の人材確保・定着を図るために、労働時間等の労働条件、職場環境の整備等の雇用管理の改善、介護労働者の能力開発が必要であることを読み取っていただけるものと考えております。
 7ページ、8ページは、現在、介護労働安定センターが交付金で実施している事業の実績です。
 「1.雇用管理改善等援助事業」といたしましては、積極的な事業所訪問などによる相談援助を実施しております。平成21年度では12万件を超える相談援助を実施しておりまして、そのうち約4万4,000件が事業所を訪問することにより行っているものです。
 相談事例に応じた支援内容と効果について2例お示ししているところですが、事業全体としても相談援助を受けた事業所の離職率が平均を大幅に下回る効果が表れております。真ん中の事業の効果ということで、箱で離職率をお示ししておりますけれども、そういった実績が上がっているものと考えております。
 また、利用者からは一番下に「利用者の声」ということで掲げてございますが、介護事業に関する相談窓口として助かっている。無料であることはありがたい。ハローワークや県と連携して就職まで結び付けてくれるといったよいサービスであるなどの評価もいただいているところです。
 8ページ目が「2.介護労働者能力開発事業」です。
 離転職者を対象とした500時間の介護職員基礎研修と研修計画の策定、キャリアアップ相談・セミナー等を行う研修コーディネート事業を実施しているところですが、基礎研修では目標値を大幅に上回る約87%の就職率を確保しているところです。研修コーディネート事業でも21年度は3万件を超える相談を実施するとともに、セミナーにおいて参加者の9割近くが今後キャリア形成に取り組みたいとの意向をお示しいただくなど、大きな成果を上げていると考えております。
 最後に介護労働安定センターの当面の改革事項について御説明申し上げます。9ページをごらんください。
 交付金で行う事業につきましては、これまでも必要な見直しを行ってまいったところですけれども、本年5月に実施されました省内事業仕分けを踏まえまして、雇用管理改善等支援事業につきましては、助成金業務の廃止等による相談・援助業務の効果的・効率的実施。
 介護労働者能力開発事業につきましては、介護職員基礎研修は順次撤退ということの見直しを図ることといたしました。
 組織・運営体制について、これらの事業見直しに伴いまして、本部職員、支部職員の順次削減など組織体制の抜本的見直しを行うこととしております。また、役員の国家公務員OB数につきましては、既に0名となっているところですけれども、職員につきましても、23年度は半数以下、24年度は23年度より更に半減ということで取り組むこととしているところです。
 また、先般実施されました行政刷新会議の雇用保険事業に係る事業仕分けを踏まえまして、職員給与のカット、支部職員の更なる削減など人件費の圧縮に努めることによりまして、交付金に占める管理費率を大幅に引き下げ、40%未満に縮小することとしております。その結果、23年度の介護労働安定センターの交付金につきましては、22年度の予算額より4分の1程度圧縮いたして予算要求しているところです。
 資料1-2は財務諸表ですが、時間の関係もありますので、こちらについての説明は省略させていただきます。
 以上が私からの御説明です。よろしくお願いします。
○北沢座長 それでは、質疑に移ります。
 まず私からいきます。始めたころはそれなりの政策的意義を考えたんでしょうけれども、全国で1つに限った指定法人は、こちらの理由を見ますと、これからも変える必要がないということなんですか。
○能力開発課長 私どもは、今、御説明を申し上げました事情というものは変わっていないと考えておりまして、引き続き全国で1つに限って指定をして、必要な業務を行わせることが適切ではないかと考えております。
○北沢座長 例えば需給環境は変わってきましたね。つくった90年代の初めごろと今は全然違います。高齢化が進んで、サービスも非常に求められるときにあって、全国1つに限った指定法人というのは適当ですか。そもそも指定法人として最初のころとは全然状況が違う。しかも、指定法人自身を問題と指摘する声があります。そうなると、いかがでしょうか。民間に蓄積されたノウハウを提供していくというのは非常に重要なことかと思うんですが、そのお考えというのはあるけれども、まだ発表できないというか、言うのに慎重ということなんですか。
○職業能力開発局長 需給状況からいいますと、座長も御承知のように介護の需要は当時よりもどんどんふくらんでいて、国家的な課題になっている。高齢化はどんどん進みますし、介護の人材というのは非常に不足をしているということで、立ち上げ当初よりも更に需給状況、ニーズというものは増大していると思います。
 おっしゃるように民間に委ねるものはどんどん委ねていけばいいと思うんですけれども、やはりワンストップで雇用管理の改善から能力開発までいろんなサービスを総合的に行うということは依然必要だと思いますし、そういうトータルの機関というのはほかにないです。例えば基礎研修は1つの事業としてやっておりますけれども、当然民間でできるようになれば、これは25年目途に撤退していくということで、地域ごとに協議会も開いて、介護センターがノウハウを民間の教育訓練機関にも提供しながらできるような環境は随時つくっていくということなんです。指定法人そのものはやはり引き続き必要です。ただ、純粋に民間法人でできるようなものは順次譲っていくということで対応していけばいいのではないかと思っております。
○北沢座長 要約しますと、研修についてはこちらは撤収して民間に開放していくということで考えていいですか。
○能力開発課長 研修につきましては、例えば昔この財団でヘルパー2級の研修をしていたことがございました。その当時は民間でそういった研修に十分に対応できる体制がなかったということでやっていたわけですけれども、それにつきましては、平成19年度だったと思いますが、民間に委ねるということで撤退をしました。
 今、局長から御説明申し上げましたけれども、介護職員基礎研修につきましても、民間の参入状況を踏まえながら、まだ十分に民間の参入が得られていない状況がありますので、そういったノウハウを民間に移転して、参入の促進をしながら、その状況を踏まえ、将来的には撤退をするということで、先般の事業仕分けでもお示しをしているところです。
○北沢座長 繰り返しますけれども、今のところそれ以外は考えていないということですか。確認です。
○能力開発課長 現時点でこの財団がやっているその他の業務といたしましては、事業主に対する相談援助が大勢を占めているところです。こういった相談援助事業を他に行える団体は現時点のところ見当たらないということもございまして、これにつきましては、今後とも継続してこの財団に行わせることとしたいと考えております。
○北沢座長 他の団体が行えないというのは理由があるわけですね。それはこちらが独占的にやってきたから入っていけなかったとも考えられると思いますけれども、その辺はいかがですか。
○能力開発課長 指定法人というのは、こういった指定をすることによって事業を行わせるものですけれども、特段この指定を受けていない業界とか団体、民間などがこの事業を行えないということではなく、業務独占ということでやらせているわけではないと私どもは理解をしております。実際には民間の経営コンサルタントの方とか社労士さんなどがこういった企業の相談に応じて、雇用管理の改善を図っているケースもあろうかと思いますけれども、介護分野の特殊性なり、また中小企業が非常に多い中で国として一定の援助をしていかなければ、雇用管理の改善が進まないということで、実施をさせるときにこの事業を全体として任せられる団体は介護労働安定センター以外には見当たらないと私どもは考えているところです。
○北沢座長 次に雇用事業関連で、ついこの前、行政刷新会議の事業仕分けで交付金が廃止になりましたね。これについては当面の改革事項の4つ目に当たるわけですか。
○能力開発課長 当面の改革事項の行政刷新会議を踏まえた対応ということでここに掲げている改革を進めるということで、私どもは考えているところでございます。
○北沢座長 そうすると、一番上は何なんですか。これはその関連でいくとどうでしょうか。
○介護労働対策室長 安定局の介護労働対策室長です。
 当面の改革事項と書いてございます一番上の部分については、22年5月に省内の事業仕分けがございまして、そのときに介護労働安定センターでやっている事業について対象となった結果を踏まえまして、私どもの方で中身を見直した結果、介護労働安定センターでは雇用管理改善等援助事業という観点ですと、大きく2つ事業をやってございまして、1つは助成金の支給、もう一つは雇用管理改善についての相談援助ということなんですけれども、前者の助成金の業務について、このセンターでやることをやめようということで、今年度限りでやめるという方針を出したということでございます。
○北沢座長 それから、法律的なところに入りますけれども、指定法人にやらせるという法律の中で一般財団法人にやらせると出てきますね。これは何で一般財団となったんですか。公益法人となっていると私は思ったんですが、一般財団法人になっていて、今、特例で公益法人を目指しますね。その辺、法律はどうしてそうなっていたんですか。法律では一般にやらせようという趣旨だったんですか。あるいはいろんな意味で一般の方がやりやすい、だから、一般にしようとしたんですか。
○能力開発課長 法律制定のときの規定を読み上げますと、厚生労働大臣は法律の第15条第1項で介護労働者の福祉の増進を図ることを目的として設立された民法第34条の法人であってということで、一般の社団または財団ということでございます。制定当時は社団法人、財団法人を対象として指定をするということで考えていたものでして、今後、特例民法法人ということで公益法人の取扱いが変わるわけですけれども、その状況を踏まえて必要な社団または財団を指定していくという考え方は、基本的には変わっていないと思います。
○北沢座長 私の方からはひとまず終えて、いかがですか。どうぞ。
○結城委員 まず1点目は、理事長さんの給与と国家公務員OBの方の給与体系を教えていただきたいということです。
 2点目は、介護労働の調査です。これは全国的にも非常に参考になっている調査ですけれども、これはどういうところに委託していたり、その総経費を教えていただきたいということです。
 3点目は、今後、介護労働者能力開発事業は撤退するということになっていますが、こちらの雇用管理改善等援助事業は続けていくということでいいのかどうか。しかも、これは現在どういう資格やどういう職種の人がやっているのかを教えていただきたいと思います。
 4点目は、もともと付き添い看護婦制度が廃止されてから資格を取るという経緯があったと思うんですけれども、現状では潜在介護福祉士がたくさんいるということで、これはできれば厚労省関係に聞きたいんですが、むしろ潜在介護福祉士さんをどう引き付けるかが重要であるので、そういうことをどういうふうにここの団体を使ってやるのかが見えないんですけれども、それはどうなのかということです。資格をたくさん取っていて、コンビニでアルバイトしたりする人がたくさんいるわけです。そういうことを労働政策としてどう考えているのか。
 以上です。
○総務部長 初めの給与の関係ですけれども、正規職員の比較で申し上げたいんですけれども、全正規職員の平均が582万でございます。そのうち公務員OBの給与ですけれども、これは550万弱という状況でございます。理事長の給与でございますけれども、現在いらっしゃる理事長は1,298万でございます。
○結城委員 OBは60歳を過ぎている方ですか。
○総務部長 含んでおります。60歳過ぎを含んでおります。
 それから、調査の費用はデータを持ってきておりませんで、正確な数字はわかりませんけれども、私どもの方で実際に実施しておりまして、集計表のパンチ入力などの機械的な部分については外部にどうしても出さなければいけませんけれども、その機械で集計などを委託する部分につきましては、大体1,700万ぐらいかかっております。
 雇用管理と能力開発の関係でどういうものをやっているかというお話がございましたけれども、能力開発につきましては、私どもの職員で介護福祉士以上の資格を持っている者が直接携わっております。看護師だとか介護福祉士という有資格者です。その中でも実際に介護講習の講師ができるような少しハイレベルな者を雇って、やっております。外部委託はしていません。
 雇用管理につきましては、一部社会保険労務士の方も職員化しておりますけれども、一般の企業で主に労務管理をやっている者が中心となるようを採用して、その業務に携わらせております。
○職業安定局次長 先ほどいただいた雇用管理の改善の関係ですけれども、潜在的な資格を持っている方々がいる。そういう方々をもっと活用することができるように考えるべきではないかというお話ですが、おっしゃるとおりだと思います。まさにそういう方々がなぜ実際に働くという形にならないのかということを考えたときに、例えばこの仕事を続けながら家族を持てるのかとか、そういう処遇の問題が非常に関わっていると思います。
 政府としては処遇改善交付金のような形で処遇を上げていくということをいろいろやっているわけですけれども、例えば全体の報酬を賃金体系の中でどういうふうに配分をしていくのか、家族を持てるような形にどういうふうに賃金を設計していくのか、公平性をどう担保していくのか、そこら辺のところは非常に専門的な知見が要るところだと考えております。先ほども説明がありましたように、相談援助事業という形の中で事業所の方にも行きまして、そういった相談に乗っている。こういうところでいろんなアイディアを提供する中で離職率も下がっているということをやっておりまして、そういう意味では非常に重要な仕事ですので、これをやっていくことが大切ではないかと思っております。
○介護労働対策室長 いただいた御質問で、残りの部分と補足を含めて回答します。
 先生の御案内のように、社会福祉士ですとか介護福祉士ですとか資格を取っていながら、その仕事に就いておられない方々についての調査を厚生労働省でやっていまして、介護福祉士をやっておられた方で福祉とか介護のお仕事を辞めた理由を聞きますと、まさに次長から御説明したように賃金というものもすごく多いんですが、雇用管理の問題が大変多うございます。キャリアパスの話ですとか、労働条件の話ですとか。結局そういう雇用管理をやるのは事業主の方になりますので、そういう介護の事業者の方々に雇用管理の意識を持ってやっていただかないと、せっかく人が新規で参入しても辞めてしまう。そして、国としては介護労働者を増やしていかなければいけないというニーズがある。そういうことに応えられないということで、厚生労働省としては参入もそうですし、報酬のところもそうですし、そして、雇用管理というものもやっている。ただ、国がお給料はこれぐらいにしたらいいですとか、こういう能力開発要件を付けましょうというのは、直接やるよりは効果的にやるにはどうしたらいいかということで、センターでこういうことをやっているという状況がございます。
 先ほど雇用管理改善等援助事業を今後どうするかというお話もございましたが、結局そういう部分で介護事業者による雇用管理の改善状況がどういう感じで定着をしていって、そして、介護従事者の方々の離職状況がどうなっているかというものを見た上で、最終的には全部状況が整えばやり方を変えるということもあるかもしれませんが、今この時点について我々が見たときに、特に中小零細、事業数20人未満のところが5割を超えるという介護の事業者の方々に着目したときに、この事業をすぐにやめるという形はないと考えております。
○結城委員 基本的には経営者側の事業はやりますけれども、潜在介護福祉士さんへのアプローチはこの団体では直接は余りやっていないということでしょうか。
○介護労働対策室長 そういう意味では、直接、間接というところでいろいろ判断はあるかもしれませんが、潜在介護福祉士の辞めた理由に非常にダイレクトに関係する雇用管理の改善ということをやっていますので、私どもとしては非常に密接な内容であるとは思っています。
○北沢座長 どうぞ。
○松原委員 お伺いしたいのは、この事業は効果が上がっているかどうか。それから、座長が御質問なさったように、ここがやらなければいけないのかという問題意識からお伺いしたいんですが、まず今日の御説明にもありましたように、この事業が必要だということに関して、これは法律で決まっているのでそのとおりなんですけれども、再び離職率が高い、だから何とかしなければいけないんだということが事業の必要性として御説明があったと思います。
 経済学者として言うと、説明資料の6ページはいろんなところでデータが出ておりますけれども、課長からも御説明がありました賃金が低いということが非常に大きな要因になっているのは間違いなくて、この調査は重複回答ですけれども、どれか1つを選べというと恐らく賃金が低いということが私は決定的なのではないかと思います。そうすると、センターがなさっているようなことで、この状況が解決されるのか。賃金を上げない限りは所詮だめなんだというのが経済学の常識としてはすぐ思い浮かんでしまうわけです。
 逆にそうではないんだ、必要なんだということの挙証責任として、この事業を行ったことによって原因がどの程度改善されたのか、因果関係です。こういうことをやったから離職率がどうなりましたという御説明があれば、離職率が高いからこういう事業が必要です、はい、わかりましたとなるんですが、それがない限りはこのような形ではなくて、賃金が需給のミスマッチとか離職率を抑えるような方向に調整されるように動かすことの方がよほど合理的なのではないかという思いがあるので、そこの因果関係、相関でも結構ですが、これをやったことによってこの間どれだけ改善したんだ、もう長い時間が経っておりますから、それをお伺いしたいというのが1点です。
 もう一点は、このような調査研究をなさっているということでありますが、私が勉強したのはちょっと古いんですけれども、2年ぐらい前に職業安定局が介護労働者の確保・定着等に関する研究会というものを開催して、知り合いの駒村先生などがやっていたんですが、そこの非常にしっかりした報告書を読みました。厚労省の中の研究会ができて提言を出せるのであれば、それをこのような組織を使ってやる必要がそもそもあるのか。厚労省の中の研究会で、ここで挙げているような確保に関する調査研究をやって、それなりの報告書が出ているわけですから、このような仕事は厚生労働省の中の研究会とかそこでの諮問と答申という形でできてしまうのではないか。そこに関してどうお考えか。
 今、結城先生から御質問がありましたけれども、恐らくデータとして50%みたいな調査は大事だと思うんですけれども、そういう調査は固定的な団体ではなくて、データを取るだけの話ですから、依頼すれば民間でもできるはずです。そうであれば、そういうデータ自体は必要なときに取ればいい。継続的に必要であれば厚労省がどこかにやらせればいい。
 それから、調査研究に関しては、たしか4~5人の研究会で非常に立派な調査研究が出ていて、これだけの組織が恒常的にそもそも必要なのか。
 そもそも効果が上がっているのかどうかということの具体的な説明をいただきたいということと、厚労省の1つの研究会で相当いろんなことができているのであれば、わざわざこういう組織が必要なのか。この2点です。
○北沢座長 どうぞ。
○介護労働対策室長 私がメモをとっていた範囲で3点あったと思うんですが、お答えをしたいと思います。
 1点目の因果関係の話ですが、これは非常に貴重な御指摘、かつ我々政策担当者としてはこの課題だけではなく、常に課題についてはどうやって政策効果をみるかというのは苦慮している状況です。アウトプット指標ということで、例えばセンターがどういう活動をやったかというのは御紹介しようと思えば縷々できるんですが、アウトカム指標で何れかではかれないかということで我々が取り上げているのが、ある意味離職率というデータでございます。そちらの紹介は既にさせていだたいておりましたので、あえて繰り返しはしませんが、そこは長期的に見ると低下傾向にある。しかしながら、そういう形で永続的にフィックスをしているかどうかというのは、最近ほかの産業も含めて状況が厳しい中で見ていく必要があろうかと考えております。ただ、ここは効果的なやり方のために外部からもいろいろと御意見を伺ってやっていく必要があろうかと思います。
 2点目の賃金のところです。要は賃金ではないかという御指摘はよくあるところです。賃金は非常に重要だと思います。しかしながら、介護従事者ということを考えたときに、要は介護保険というシステムの中で、原則としてその報酬は介護報酬という形になってくる。ある意味普通の民間の営利企業と異なるような状況で介護の保険の部分が成り立っているということを考えるということが、まず1つあるかと思います。
 そういう観点から、厚生労働省としても別の部局で議論もされているんですが、もう一つ私の方から御紹介をしたいのは、要は賃金と言ったときに、その賃金はだれが決めて、どう上がっていくんでしょうかということなんです。つまり、調査で幾ら賃金、報酬で幾ら賃金といっても、結局現場の労働者の方の賃金を決めるのは事業主であって、労使が決めるということになります。
 介護労働実態調査の引用で恐縮なんですが、直近のもので平成21年の介護報酬改定に伴って、経営面でどういう対応をしましたかという調査を実施したものがあります。その調査結果を見ますと、基本給の引き上げをしましたというところが3割ぐらいなんです。それ以外に職員の増員をしたとか、仕事上のコミュニケーションを充実したとか、研修を充実したとか、必ずしも賃金という形ではないことで対応したという結果も出ています。我々はここに着目をしまして、永続的に介護の職員の賃金を何とかしたり、あるいは雇用管理をちゃんとやっていくというのは、先ほどの繰り返しにもなりますけれども、やはり事業主の方に雇用管理の改善の必要性をわかっていただくということが要ると考えていまして、そこをセンターとしてやっていただくことの意義を見出しているというのが2点目です。
 3点目で安定局の研究会のお話を引用していただきまして、ありがとうございました。今、手元にそのときの結果がなくて恐縮なんですが、あの研究会報告を私の記憶の範囲で申し上げますと、確かに幾つか調査をしております。ただ、あの中身の調査は、私の記憶がたしかであればハローワークの窓口を通じた調査かつ福祉系の高校などの学校の方の抽出調査ということで、正直申しまして、こちらでお願いをしている介護労働実態調査のような形のサンプル数ですとか、あるいは介護労働実態調査というのは毎年有識者の方にも入っていただいて、センターがそれまで現場で相談支援などをしているノウハウも生かした形で調査票を練り上げていると聞いていますので、そういう意味で中身を精査すると、やはり手間暇がかかっているだけあって同じという形ではないのかもしれないという気は若干しております。ただ、そこは調査ですから、いろんなやり方があろうということは、御指摘としては受け止めたいと思います。
○職業安定局次長 補足で済みません。先ほどの離職率についての因果関係のお話でございますけれども、先ほど課長からも説明がありましたが、7ページのところに表がございます。要するに世の中全体の介護職の離職率というのは21年度で17%なわけですけれども、このセンターが関わっていろいろ相談援助をして、アドバイスをして、雇用管理がある程度改善をされたという形の中で全体の離職率というものを見比べると、関わったところの離職率が低いという事実関係はあるということでございます。
 それから、処遇の問題でございますが、我々も賃金が上がるということが、ある意味では人材の確保あるいは定着の一番大きな方策だとは考えておりますが、現在行っております処遇改善交付金も2年半の間に4,000億という巨額の財政が必要になっている。これでもまだ不足をしているというのが実態だと思いますけれども、これを上げるためには相当な財源が必要である。その財源を確保するという意味で、消費税の問題であるとかいろんな議論が今なされておりますが、そのことについての国民的な合意が果たして得られるのかというところで、そこは非常に時間がかかっているという状況があります。そういう状況の中で、全く座視していていいのかということを考えると、先生からすれば周辺的なことかもしれませんが、雇用管理の改善ということをできるだけ図って、定着率を上げていくということをやっていかないといけないのではないかと思っています。
○総務部長 先ほどの調査の関係でちょっとつけ加えさせていただきます。調査については統計の話でございますので、信頼性というのが第一だと思います。私どもが長年やってきた中で、継続的な調査項目というものは担保しなければならない。
 もう一つは母数の関係があると思います。小さい母数ですと、統計は信頼性が得られませんので、私どもはそれについても腐心をしてまいりまして、政府の関係ではどのぐらいの返答率があるかどうかわかりませんが、私どもにつきましては40%を超えております。それは私どものこれまでの介護団体なり介護事業所とのつきあいを通じまして、協力をいただいたおかげではないかと思っておりまして、ノウハウを蓄積して統計上の信頼性をこれまで長年の間で高めてきたということがございます。
○北沢座長 よろしいですか。
○松原委員 調査票の設計とか方法に関してはノウハウもあるかと思いますけれども、それはおたくの財団が必ずやらなければいけないのか、それとも設計を含めて民間でできるのかということで、民間の調査のノウハウも相当重なっているわけで、我々自身が調査をするときにも1票を1万で委託をしたりとかいろんなやり方がありますから、ほかのやり方はあり得ると思います。
 今、職業安定の観点からありましたが、ここがやはり難しいところです。厚生労働行政として大枠の介護保険などの中で、報酬等が決まった範囲の中で何とかぎりぎりのところでやらなければいけない。それをやらないでいいのかといったら、恐らくそうだとは思うんですけれども、一番の元のところをつかさどるのも厚生労働省ですから、国民的合意が勿論必要ですが、だからといって、そこの事業が必要なのかというのはやはり根本的なところの問題をしっかり解決することの方が大事なような気がしています。恐らくこの財団はそういう枠組みの中でやっているので、給与の決め方とか給与体系自体を変えてくれみたいな一番大事な提言が上がってきにくいところにやってもらっているような気もするんです。要するに枠組みの中での話と、枠組み自体を変えない限りは問題が解決しないということです。
○職業安定局次長 総額をもっと変えていかないといけないというのはおっしゃるとおりだと思いますし、そのための取組みというのは当然やらなければいけないし、やっているということだと思います。ただ、先ほど申し上げたように、それだけではないだろうということです。
○松原委員 1点だけ具体的な数字で、先ほどの効果のところで相談を受けた事業所の離職率という数字が出てきましたけれども、介護職種全体の中でのウェートがわかれば教えていただけますか。介護職種平均21.6、相談を受けた事業所の離職率15.5という数字の経年的なものを御紹介いただいたんですが、相談を受けた率はわかりますか。
○介護労働対策室長 ウェートという形では出していないのですが、ただ、相談援助を受けた事業所の離職率の調査自体は抽出的にアンケートを取ってやっていたと記憶しています。
○松原委員 アンケートの母数ではなくて相談件数ですか。
○介護労働対策室長 相談自体は延べで12万件ぐらいで、その中からアンケートを取っていったと記憶をしています。
○北沢座長 今すぐ出ないなら、先ほどの結城委員のあれと同じで、後ほど出してもらえますか。
○結城委員 1点だけいいですか。室長が介護の事業所へのアドバイスが必要だというのはよくわかりますが、例えば介護以外で国が公費を使ってこういう事業所にアドバイスをするような業界というのはあるんですか。私は大事だと思いますけれども、本来だとこういうものというのは労働政策というかそういうところでやるんですけれども、外郭団体を通して公費を使って事業所にこういうアドバイスをする分野というのはほかにあるんですか。それを教えてください。
○介護労働対策室長 一定の政策目的、国民のニーズですとか、我が国の今後のトレンドなどを考えて、特定の職種ですとか業種に着目して雇用対策を特出ししてやるというのは別に珍しいことではないです。ただ、こういう介護労働安定センターという形で銘打って特別な団体でやっているというのは、今の時点では介護だけではないかと思います。特別な職種ということで着目した団体ということでは、介護だけではないかと思います。
○職業安定局次長 そこは先ほど能開局長からも御説明がありましたように、介護の世界というのは、15年ぐらい先には更に100万人ぐらい働いている方が増えないと高齢化に追いつかないという状況の中で、先ほど申し上げたような離職率が非常に高い、定着が悪いという状況を改善しないと、まさに国家の屋台骨が揺らいでしまうということにもなりかねませんので、政策的な重要性を考えたときにこういうことをやる必要があるだろうということでやっているということでございます。
○北沢座長 よろしいですか。2点ございます。
 中小事業者との連携並びに委託というのは具体的にどうですか。こういうものを委託しているとか、そういうことはありますか。それが1点です。
 もう一つ、交付金です。この前、行政刷新会議で出た交付金の廃止を見ますと、交付金を廃止したのに対し、全部わかりましたというわけではないですね。正直ベースでいうと、交付金は刷新会議で決まったものの半分は取るとかそういうことなのか。
 その2つをお願いします。
○能力開発課長 行政刷新会議の関係から申し上げますと、行政刷新会議の御指摘は交付金の廃止ということでございました。ただ、私どもは行政刷新会議の御指摘も踏まえ、今、事務的に検討しており、来年度からこういった予算の縮減で対応するということを考えております。
○北沢座長 それを聞いているわけです。具体的にいうと、交付金は今年度はどのぐらいあったんですか。
○能力開発課長 今年度は23.8億です。
○北沢座長 そうすると、管理費の40%未満縮小というのはどのぐらいですか。23億相当になるんですか。それはどのぐらいなんですか。
○能力開発課長 予算の全体でいけば23.8億を18.0億ということで5.8億円でございます。管理費の縮減額などは、今、調べます。
○北沢座長 つまり廃止の趣旨はわかりましたけれども、数字的にそれを全部反映しているとは言えませんね。
○能力開発課長 廃止ということであれば0ということでございますけれども、廃止ということではなくて、私どもとしては管理費の縮減等を行うとともに、予算を4分の1程度カットしたということで対応してまいりたいと考えております。
○職業能力開発局長 9ページなんですけれども、改革事項は全体で見ていただければといいと思います。改革事項全体も刷新会議のときには、これだけの改革をやりますということで最初からプレゼンをしたわけです。ですから、交付金そのものは我々引き続き必要だと思っておりますけれども、現状のままではいいとは考えておりません。先ほどから御説明しているように、雇用管理の改善の面でも今まで助成金業務をやっていたわけですけれども、これを廃止する。それによって予算も削減される。しかし、相談援助の業務は今までの議論がありましたけれども、これをより効率的に実施をしていく。
 能力開発事業のうちの基礎研修については、先ほども御説明しましたけれども、民間ができるところは順次委ねていけばいいのではないか。今の時点では完全に民間でできるという状況になっていませんので、25年を目途にこちらもできるだけノウハウを移転するという努力をしながら、順次撤退をしていく。
 それから、組織体制について抜本的に見直そうということで職員の減ですとか、OBの減をやっていくというのが3番目です。
 更に管理費の減をやっていく。
 トータルで23年度の予算を18億ぐらいにもっていくということで、改革は抜本的にやっていきますということです。
○北沢座長 最初の質問に対してはいかがでしょうか。
○理事長 申し訳ございません。中小との委託とおっしゃられたページはどちらでしょうか。
○北沢座長 NPOとか中小事業者へ委託するということはやっていますか。
○理事長 NPO等の活動を阻害していないかという趣旨かと思いますが、そういう意味では、まず疎外しているという御意見があるかと思うんですが、我々は今まで説明してきたとおり、厚生労働省の指導の方針に沿った水準の一定の限界をもって、逆に言うとその水準を確保するための事業活動をしておりますので、NPOの皆さん方がこういうことをやりたいということに対して、我々はそれを疎外するというようなことはしておりません。
 我々といたしましては、これも説明してきたとおりなんですが、47都道府県で例えば制度のスタート時とか変更時になるべくスタートがうまく切れるような、スタートの部分、入り口部分の指導というものに活動をある程度制限しておりますので、それを超えた地域的な部分についての地域別の活動については、一切我々は疎外しているつもりはございませんので、是非工夫をしていって、新しい社会づくりをしていっていただきたいと思っておりますし、先ほど申し上げた地域協議会というものをつくってやっております。そういう中で新しいシステムに生まれ変わっていくといいますか、そういう中で我々の役割を実施していくべきだと考えております。
○北沢座長 スタートが切れるようにというのは、要するに起業できるようにということですか。
○理事長 そうではなくて、例えば法律が変わりまして、こういうことになったとなると、急にその法律どおりにさっとはいかないものがあると思います。
 それから、先ほど結城先生がおっしゃったような休眠している労働力をどう上げていくのかというのは、やはり地域で働きやすい環境でそういうものを引っ張っていくべきだと思うんですが、そういうものの入り口部分について、我々が持っているノウハウなり何なりを提供していくという意味で、我々の事業の役割を果たしていくべきだということです。疎外するとか止めるという考え方は全くございません。
○北沢座長 どうぞ。
○長谷川委員 先ほど室長が松原先生の御質問に対する回答で、確かに介護労働安定センターのように介護だけに特化したものはないのですけれども、産雇センターが産業別の雇用管理についていろいろな調査や研究をやっていたはずです。私はその研究会で例えばエステティシャンの雇用管理をどうするかとか、学習塾の人たちの雇用管理をどうするのか等の研究会にでたことがあります。その他の産業についてももやったことがあります。そういう新しい職業が出てきたときに産雇センターはやっていたと思うのですが、介護の場合は介護保険ができた経過と非常に短時間で介護労働者を確保しなければいけなかったので、ある意味では介護労働安定センターが事業主のために雇用管理や調査などを始めたんのだと思います。もう一つは、能力開発も一緒にやってきたのだと思います。能力開発はおそらく見直しの時がくるだろうと思っていました。それはなぜかというと、能力開発をするところ、研修や訓練をやるところは大学、短大、専門学校等結構増えているので、そういうものはそういうところに委託してやればいいと思います。
 ただ、介護労働者の雇用管理は近代的ではない。なぜかというと、非常に事業所が小さいからだと思います。地域の中にどれだけの事業所があるかということを把握しているのは安定センターだと思います。だから、調査もできるのだと思います。連合総研も介護労働者の調査をやったことがありますけれども、いろんなところでやっているのでしょうが、おそらく調査に入るときのいろいろな方法などは介護安全センターの知恵を借りながらやっているのではないかと思います。したがって、介護労働安定センターの今後の事業は、今日的な介護事業所や労働者の状況を把握して、新たな事業展開などを考えることが必要だと思います。
 先日の私のところに介護労事業所で働いている33歳の女性が相談にきました。結婚して何回も流産して今回は頑張って産もうと思っていたのに、事業主はあなた年休を取らないで辞めてと言ったのです。この御時世によく言うと思いました。彼女もこれ以上流産したくないと思ったので、辞めますということでした。でも、悔しいからここで負けていられないと思って年休は全部処理して辞めたという話を聞きました。そういう人たちが、職場復帰するかといったらしないんです。介護資格をもっている人たちがいっぱい地域の中にいるのだと思います。資格は持っているけれども、休眠している、介護事業所で働かないでいる、スーパーで働いている、このような人たちをどうやって介護の職場に戻すかという問題に、介護安定センターは努力が必要だと思います。
 かつて、看護師が資格だけを持ってみんな家にいました。看護師が不足したときにそれをどのようにして病院職場に戻そうかということを積極的に検討した団体もあったと記憶しています。だから、介護安全センターも事業の在り方とこれからの方向を考える必要があります。センターが未来永劫あるわけではないですけれども、当面は介護労働者が安定的に働くようになるまではやらなければいけないことがあると思うし、事業主に対して雇用管理の仕方をしっかり啓発、指導、教育することが必要なのではないかと思います。
○北沢座長 今のことに関連していかがですか。
○理事長 今おっしゃっていただきましたことは、皆さん御承知の数字だと思います。これから15年で100万人以上の介護労働力が必要な中で、休眠している人の活用、また働きやすい環境、いろんな工夫をしながら地域密着型で解決していかなければならないと考えておりまして、その面では先ほどから申し上げているように、1つの事業をずっと我々が独占してやっていくということではなくて、必ずや変更点や新しいスタートのときに国の方針なり行政の方針に基づいたスタート部分を我々が補うことで、うまくレールに乗りやすいという環境の中で役割を果たしていくべきと考えておりますので、今後ともそういう命令をしていただければやっていきたいと考えております。
○北沢座長 わかりました。
 それでは、時間が押していますので、以上で終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
 引き続きやりましょう。
(財団法人介護労働安定センター関係者退室)
(社団法人日本ボイラ協会関係者入室)
○北沢座長 よろしいですか。おそろいになりましたか。
 それでは、始めたいと思います。
 初めに私から取組みの視点を述べます。お手元の資料4をごらんください。
 日本ボイラ協会は「登録を受けて機械等の検査・検定業務を実施し、検査料等を得ているもの」にカテゴリーとして入ります。
 検査・検定、講習の必要性、効果についてはどうか。
 登録制にした理由、経緯とは何か。指定法人制から登録制に移行していますが、改善された点は何か。
 登録をごく少数の社団法人に絞っている理由は何か。特定機械等の製造時検査代行業務を取り上げた場合、当社団及びボイラ・クレーン安全協会のみ登録されているんですが、なぜ2法人なのか。
 登録の要件は何か。登録要件を緩和し民間企業に参入の機会を与えるべきではないか。
 検査・検定、講習料金の設定基準はどうなっているのか。積算の根拠と妥当性についてはどうか。
 蓄積されたノウハウを基に民営化する考えはないか。
 赤字体質でいるようですが、黒字転換に向けた新たな事業展開、新たな役割をどう考えるか。
 天下り・渡りの状況はどうか。
 以上です。
 それでは、始めてください。
○安全衛生部長 安全衛生部長の平野でございます。
 まず私からボイラ協会が関係いたしますボイラーに関する検査・検定、講習の各制度について御説明をさせていただきまして、その後、法人自体のことについては法人から説明をさせていただきます。
 まずボイラーと申しますのは、内部に水蒸気のような高圧、高温の流体が入っておりまして、それでもってエネルギーを供給する装置であります。高温、高圧の流体が中に入っておりまして、そのために爆発、破裂が発生しやすい。そういうことが発生いたしますと、働いている労働者のみならず近隣の一般住民までをも巻き込むような大きな災害が発生するおそれが非常に高い装置でございます。そのため、そういった災害が発生しないように強度等構造面での安全性を確保するためにハード面の制度といたしまして、検査・検定制度が設けられております。また、誤った取扱いによってそういう事故が起こらないようにソフト面での制度ということで、資格制度が設けられております。そういう両輪でボイラーに係る安全を確保しているという状況にあります。
 資料の2ページをごらんいただきたいと思いますが、ボイラ協会におきましては、検査・検定事業といたしまして、性能検査と個別検定について登録を受けて事業を行っております。
 性能検査についてでございますが、ボイラーは使用しておりますと、高温、高圧のために部材に変化が生じまして、構造部分に割れを始めとする不具合が生じるわけでございます。そういった不具合がございますと、大変危険です。先ほど申し上げました爆発、破裂につながっていくことになりますので、定期的にチェックをして継続して使用できるかを見極めることが必要になります。これが性能検査でございます。
 また、ボイラーの構造そのものに不具合があってはそもそも危険でありますので、いわゆる世の中に出回る前に、つまり製造時に確認する。これが個別検定でございます。ボイラ協会では小型ボイラー等の製造時のチェックをやっておりまして、これよりも大きなボイラー、より危険性が高いものについては、基本的に国が製造段階で検査を実施してございます。
 これら検査・検定の実施主体についてでございますが、平成15年度末に労働安全衛生法が改正されまして、指定制度から登録制度になり、右に書いてございますとおり、一定の要件に適合すればどこでも検査・検定の実施機関になることができるようになりました。それまでは指定であったわけでございます。現在、性能検査につきましてはボイラ協会を含めて3機関、個別検定については同様に4機関が登録を受けて、いわゆる競争的な環境の下に検査・検定が実施されているという状況でございます。登録制度におきましては、国の裁量がなく競争環境が確保されるものでございまして、検査料の設定などは登録機関に委ねられているというものでございます。
 3ページをごらんいただきたいと思います。こちらは先ほどの後者、ソフト面の制度でございます講習事業についてでございます。機械自体に問題はなくても、取扱いを誤ればやはり爆発、破裂につながる危険性がございます。その取扱いについて専門的な知識、能力を付与する制度として技能講習制度、特に大きなボイラーなどにつきましては、ボイラー技士という資格者を置かなければならないとなっておりますが、その資格を付与するための受験資格としてボイラー実技講習というものがございます。これらにつきましても、先ほどの検査・検定と同様に登録機関制度により実施されておりまして、技能講習については7機関、実技講習につきましては27機関が登録を受けて、それぞれ講習を実施しているという状況にございます。また、競争的環境の確保については、先ほどの検査・検定と同様でございます。
 最後に当面の改革事項について5ページに記載してございますけれども、本年5月の厚生労働省内の事業仕分けを受けまして、組織のスリム化の見直し、赤字の解消、積立預金の見直し、新たな事業の実施等について検討しているところでございます。
 私からは以上でございます。
○会長 社団法人日本ボイラ協会の会長をしております高村でございます。よろしくお願いいたします。
 私からは協会の概要、事業内容、実施体制などにつきまして、お手元の資料に基づき御説明申し上げます。
 資料1ページ目をごらんいただきます。日本ボイラ協会はボイラー、圧力容器のメーカーやユーザーを会員とする社団法人であります。ボイラー、圧力容器は爆発、破裂すると従業員のみならず近隣住民をも巻き込む大きな災害となるおそれがありますことから、昭和21年11月にボイラー等に係る災害防止の観点からその製作、使用に関する総合的な研究機関として設立されまして、昭和25年1月に労働省から社団法人の認可を受けました。その後、昭和28年6月に労働大臣の指定を受けてボイラー等の性能検査の業務を開始し、現在ではボイラー等の安全確保に関する調査研究を実施するとともに、厚生労働大臣及び都道府県労働局長の登録機関としてボイラー等に係る検査・検定や技能講習を実施しております。
 人員は平成22年4月1日現在、役員が32人、常勤5人、非常勤27人。職員が426人、常勤334人、非常勤92人となっております。常勤役員につきましては、6月に前倒しで2人削減し3人となっております。
 組織は本部のほか43支部、40検査事務所であります。
 平成22年度の予算は支出ベースで40億9,500万円であり、国からの財政支出はありません。
 事業別では検査・検定事業29億1,300万円、講習・相談事業11億3,300万円、調査・研究事業2億9,500万円となっております。
 2ページ目であります。主な事業としましては、厚生労働大臣の登録を受けた機関の1つとして、事業所からの依頼を受けボイラー等の性能検査、個別検定を法令で定められた資格を持つ検査・検定員により、法令で定められた基準に基づき実施しております。
 平成21年度の実績は、性能検査が約9万8,000件、個別検定が14万件でありますけれども、長期的には大幅に減少しております。特に個別検定につきましては、リーマンショック後の経済危機の影響を受け、平成21年度の実績が著しく減少しました。性能検査はボイラー等が設置されている事業所において、また出荷前の検査である個別検定は小型ボイラー等の製造工場等において実施しており、全国40か所の検査事務所から検査・検定員が検査場所に出向いて行っております。
 3ページをごらんいただきます。都道府県労働局長の登録を受けた機関の1つとして、圧力容器に係る作業を指揮する者の養成や2級ボイラー技士の免許試験の受験資格を取得するための講習を実施しております。
 講習事業の実績でありますが、平成21年度の受講者数は技能講習が1万4,000人、実技講習が2万8,000人であります。いずれも21年度の実績は若干増加しましたけれども、長期的には大幅に減少しております。講習は全国43都道府県で実施しております。
 4ページ目をごらんいただきます。このように協会では調査・研究事業を実施しております。学術団体としてボイラー、圧力容器の事故防止のための製造、使用に関する調査・研究を実施し、その成果を普及するとともに、検査・検定事業や講習事業においてもその成果を活用して実施しております。
 学識経験者や企業の技術者からなる10の専門的な技術委員会を設置しまして、ボイラーや圧力容器の構造、溶接、省エネルギー等についてボイラーの製造、取扱い現場の実務的問題を解決するための調査・研究を行っております。
 また、その成果を普及するため、ボイラー等のメーカーやユーザーの技術者が参加する大会を開催するとともに、ボイラー研究等の機関誌を定期的に発行しております。
 そのほかボイラー等に係るJISの原案の作成委員会を開催するとともに、ボイラー関係者の能力向上教育、個別無料相談などを実施しております。
 なお、検査・検定事業、講習事業ともに事務の一部を他の法人に委託することはしておりません。
 当面の改革事項につきましては、先ほど説明がありましたが、今月及び来年3月の理事会及び定時総会において審議、決定することとしております。
 私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○北沢座長 それでは、質疑に入ります。
 まず私からです。登録の一定の要件とおっしゃいましたけれども、これはどういう要件ですか。
○安全衛生部長 まず登録機関が所要の検査を行える水準、能力を有しているかという観点で、検査に用いる機械機器その他の設備があるかどうかとか、あるいは検査員の数がちゃんとあるかとか、それを総括する人が選任されているかどうか、そういう点がございます。
 もう一点といたしまして、第三者性を確保できるのかどうかということで、この検査機関がメーカーなどに資本的に支配されていないのか。そういうことが登録要件となってございます。
○北沢座長 なるほど。これは後ほど資料、書いたものを出してもらえますか。
○安全衛生部長 わかりました。
○北沢座長 今のことに関連して、ボイラーというのは昔の産業革命からありますね。ボイラーは登録とかそういうものは海外ではどうなんですか。例えばアメリカとかイギリスとか海外の状況はどうでしょうか。
○安全衛生部長 基本的には先ほど説明いたしましたように、非常に危険な機械でございますので、EUなどでも第三者機関が定期的に検査をするという制度になってございます。
○北沢座長 要するに、検査を第三者機関でするというのは先進国共通ですか。
○安全課長 基本的にEU、アメリカも含めまして、第三者機関が検査する。第三者認証の検定になっております。
○北沢座長 アメリカの場合、第三者機関というのはどういう機関ですか。財団ですか。
○安全課長 アメリカの場合は、州政府とか損害保険会社が検査機関となっております。
○北沢座長 イギリスはいかがですか。
○安全課長 ロイドという保険会社がございますけれども、そこでございます。
○北沢座長 あそこがやっているんですか。なるほど。
 私の質問は一旦終えて、いかがですか。どうぞ。
○結城委員 常勤の人が3人ということですけれども、これは厚労省のOBの方ではないということでよろしいんですか。
○専務理事 専務理事でございます。
 常勤役員3人のうち2人が公務員OB、1人が民間の方ということです。
○結城委員 その給与体系を教えていただけますか。
○専務理事 公務員OBでございますけれども、専務理事が月額で72万、監事については38万となっております。
○北沢座長 今の監事は常勤ですか。
○専務理事 常勤ではあるんですけれども、総会以降、勤務日数をいわゆる週5日のフルではなくしております。
○北沢座長 非常勤ですね。
○専務理事 常勤ではあるんですけれども、いわゆる勤務日数を減少させているということで、結果的に額がこういうふうになっております。
○松原委員 お伺いしたいのは、国費が入っておりませんから、ここが適正かどうかというのは検査料が適正かどうかということに尽きるかと思います。それに従って制度が変わって登録制度になって、いろいろな要件がある。これは当然だと思いました。
 それで、制度を変えてからここの組織以外の登録状況は幾つぐらいあるのか。それに従って検査料の決め方について、基準を国が定めているのか、登録団体が複数あったら自由になっているのかをお伺いしたいと思います。これは厚労省の方ですね。
○安全衛生部長 まず料金でございますけれども、これにつきましては、業務規程で届け出をいただくということになっておりますので、基本的には各登録機関で積算なりをして定めるという形でございます。
 あと、登録制度になってからのほかの参入ですが、性能検査については現在3機関でございますが、指定のときの3機関と変わっておりません。検定の方は現在4機関でございまして、指定のときから比べると2機関増えています。
○安全課長 個別の検定機関につきましては、外資でHSBジャパンという検定機関が新しく入ってきているという状況でございます。
○北沢座長 それはどういうあれですか。業種というか、どういう会社ですか。
○安全課長 HSBというのはハートフォードスチームボイラというボイラー検査関係の会社です。たしかアメリカだったと思いますけれども、そういう関係のところが個別検定の方に入ってきているということでございます。
○松原委員 ありがとうございます。
 データとして出していただきたいのは、制度を変えてからいつ新規参入があってということと、それぞれのシェアはどのぐらいとっているのか。それから、検査料、どういうお届けを受けているか。それが相対評価できるようなものをお願いします。
○安全衛生部長 わかりました。
○松原委員 それから、協会の方は国費が入っていないということで、しかし、今、部長等の御説明にあったように、検査とか建物が必要だというときの出資とかは最初どうなっていたんですか。基本財産とかありますね。
○専務理事 私どもはできたときから社団法人でありましたので、いわゆる基本財産というものは財団法人と違ってございません。基本財産的なものとしては、当初2,000万あったということだけでございます。あと、民間とかよその団体から出資を受けたとか、そういうことはございません。
○北沢座長 経営的なことなんですけれども、赤字が続いていますね。そうすると、これは積立金を取り崩してということになりますか。
○専務理事 基本的に赤字については流動資産で対応してまいりました。21年度はリーマンショック後の経済危機の影響を受けまして、特に個別検定が激減いたしまして、二億数千万減収となりました。私どもの積立資産の中で、いわゆる急激な経済変化に対応するために準備していた資金がありますので、そこから取り崩しをさせていただいています。
○北沢座長 要するに引当金みたいなものですね。
○専務理事 はい。
○北沢座長 流動資産というのはそれですね。
○専務理事 流動資産は現金とかいわゆる定期預金、簡単にキャッシュに変わるものとして持っている資産という意味です。
○北沢座長 今の流動資産というのは、現金並びに小切手とかですね。
○専務理事 現金並びに普通預金、定期預金、いわゆる解約しやすい形で持っている資産という意味でございます。
○北沢座長 ほかにありますか。よろしいですか。
○松原委員 会費収入とございますね。これが結構大きいんですが、これはどういう性格のお金ですか。
○専務理事 私どもの会員は基本的にボイラーのメーカー、ユーザー、整備をやる方、ボイラー関係の附属品をつくられている業者です。いわゆる会社、事業所でございます。そういうところから会費を出していただいて、私どもの活動としては機関誌を毎月会員にお配りするとか、さまざまな大会に参加していただくことで会員サービスをしている状況でございます。
○北沢座長 ほかにございますか。
○松原委員 わかりました。
 表の見方がよくわからなくて、例えば正味財産増減計算書のところで、会費収入は本部勘定ということになっているんですか。
○専務理事 はい。本部勘定です。
○松原委員 検査料その他は検査特別会計ということになっているんですか。
○専務理事 そうでございます。
○松原委員 そうですか。こういうものを分けた理由はどこにあるんですか。
○専務理事 検査などは私どもの事業の中でもものすごく大きな部分を占めているということと、検査というもので特化してやっている部分があるので、会計上整理した方が見やすい形になって、透明性も図れるだろうということで整理をしております。
 あとは、本部勘定と支部がございますので、支部ということでわかりやすく整理をしているということでございます。
○北沢座長 よろしいですか。
 それでは、終わりたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、5分後に再開しようと思います。
(社団法人日本ボイラ協会関係者退室)

(休  憩)

(財団法人労災サポートセンター関係者入室)
○北沢座長 それでは、始めたいと思います。
 まず最初に私から取組みの視点を述べます。
労災サポートセンターは、国との関係が強い公益法人の類型別法人のうち、「国から1億円以上の支出を受けて事業を実施しているもの」に該当します。
 お手元の資料4をごらんください。上に書かれた大視点を踏まえて、次の視点を念頭にお答えしていただきたいと思います。
 国からの委託費39億円(2009年度)で実施している主な事業、援助事業の内容、存在意義は何か。
 労災特別介護施設の管理・運営を独占している現状を厚労省はどう考えるか。入居状況、利用率はどうか。管理・運営体制は適切か。競争性の導入などによる介護サービスの向上、コストダウンの方策はあるか。類似施設・特別養護老人ホームに統合する考えはあるか。地方移管の可能性についてはいかがか。
 昨年7月に行った合併効果のうち最大のものは何か。新しい役割をどう考えているか。
 蓄積されたノウハウを生かして民営化する考えはあるか。
 労災ケアサポート事業のうち、国が2011年度より直接実施することとした事業内容はあるか。
 天下り・渡り、契約の状況はどうか。天下りの総数は約100人と非常に多過ぎる印象を受けました。
 私からは以上です。
 それでは、始めましょうか。どうぞ。
○会長 財団法人労災サポートセンター会長の馬杉でございます。
 私からは当法人の概要、事業内容及び当面の改革事項につきまして、資料に基づき説明します。
 初めに資料3-1の1ページをごらんください。当法人は昨年7月1日、厚生労働大臣の認可を受けて合併を行いました。この合併は高齢の重度被災労働者の施設介護等を行う財団法人労災ケアセンターが在宅の労災年金受給者の相談支援を行う財団法人労災年金福祉協会を吸収合併したもので、法人の名称も労災サポートセンターに変更しました。
 この合併により、それまで両法人が行ってきた相談、在宅介護、施設介護などの支援を一体的に実施する体制を整えるとともに、役員10人、職員5人を削減するなど組織のスリム化を図ったところです。
 その後も常勤役員1人、職員46人を削減し、現在は役員が11人、職員が484人の体制となっております。
 なお、当法人は本部のほか、国が全国8か所に設置している労災特別介護施設及び各都道府県に設置している47の労災年金相談所において事業を展開しており、それぞれ30人、349人、105人の職員を配置しております。
 次に平成22年の予算について説明します。当法人は法人の自主事業と国から委託した3つの事業を実施しております。このうち自主事業に関わる予算は5億9,800万円で国費は投入されておりません。また、国から受託している事業のうち労災特別介護援護事業に関わる予算は42億4,300万円で、そのうち22億6,900万円が国の委託費であり、労災ケアサポート事業に関わる予算は8億6,300万円で、そのうち8億5,400万円が国の委託費であり、新規労災年金受給者支援事業に関わる予算は6,000万円で、その全額が国の委託費であります。これらを合わせると、予算の総額は57億6,400万円で、そのうち委託費は31億8,300万円の55.2%であります。
 なお、当法人の平成21年度決算に係る財務諸表は、資料3-2のとおりですが、時間の都合上説明は割愛させていただきます。
 続きまして、当法人が実施している事業について説明します。資料3-1の2ページをごらんください。
 当法人では4,000を超える企業等から寄せられた賛助金を基に労災年金受給者等の支援を行っております。
 「1 福祉用具購入支援」ですが、これは重度被災労働者が電動車いす、介護用ベッドなどの福祉用具を購入する際、その費用の一部を助成するもので、平成21年度には408件、1,800万円を助成しました。
 「2 盲導犬の無償貸与」ですが、これは労災で両眼を失明した方に訓練を受けた盲導犬を無償で貸与するもので、現在6頭を貸与しております。
 「3 労災年金受給者のための団体保険」ですが、これは障害を有するため個人では生命保険などの契約が難しい労災年金受給者等が手ごろな保険料で容易に加入できる団体保険について、その保険契約者としての事務を行っているものであり、平成21年度末の加入件数は1万6,005件であります。
 その他資料には記載してありませんが、重度被災労働者の方々がリハビリを兼ねて一生懸命に制作した絵画、書、工芸品等を全国労働災害防止大会の会場に展示し、同じ境遇にある方々の励みにしていただくとともに、企業の安全衛生担当者に労働災害の悲惨さや労働災害防止の重要性を改めて認識してもらうための作品展を毎年開催しております。
 更に労働災害により尊い人命を失われた方の御遺族を産業殉職者合祀慰霊式にお招きしたり、労災により視力を失った方に点字情報誌をお届するなど、当法人は労災年金受給者等の福祉の向上を目的とする唯一の全国的な団体として、さまざまな支援事業を行っております。
 資料の3ページ、労災特別介護援護事業について説明します。この事業は国が設置している労災特別介護施設において、労災の傷病、障害等級が第1級から第3級の重度被災労働者のうち、在宅での介護が困難な60歳以上の方に対して、せき髄損傷、けい髄損傷などの労災特有の傷病、障害の特性に応じた専門的な介護サービスを提供するものであります。各施設の定員は100人、8施設で800人とされており、本年4月末現在で732人の方が入居されています。
 この施設の入居者の特徴は、せき髄損傷、けい髄損傷の方が70%を超え、頭部外傷の方も20%を超えており、この2つの傷病、障害の方が9割以上もいらっしゃるということです。せき損、けい損の方は両手両足が麻痺したり、また自分で体位変換ができなくなって床ずれになり、体の組織の壊死が起こります。このような床ずれは一度発生すると治りにくく、肉体的、精神的苦痛を伴います。そのため介護者による体位変換をたびたび行うことが必要で、排便も自分でできなくなることから、介護者の手で便を摘出する摘便を行うなど介護度の大変高い介護が必要となります。
 各施設にはこのような介護度の高い方を中心に約90人が入居されておりますが、これら入居者の傷病、障害に留意しつつ、看護師12人、介護士24人など総員45人で24時間の介護に全力を注いでいるのが現状であります。
 資料の4ページ、労災ケアサポート事業について説明します。これは国の委託を受けて労災年金相談所の看護師等専門スタッフが重度被災労働者のお宅を訪問し、本人や介護をしている家族に労災特有の傷病、障害に応じた介護方法を指導したり、年金制度についての相談に応じたりする事業であり、平成21年度には3万9,682件の支援を行いました。
 また、在宅で介護を受けている重度被災労働者の希望に応じ、せき髄損傷等に関わる専門的介護に必要な知識を備えた看護師などを労災ホームヘルパーとして派遣しております。平成21年度に1万6,578件の利用がありました。
 資料の5ページ、新規労災年金受給者支援事業について説明します。これは国の委託を受けて新たに労災年金受給者となった方々を対象とした労災年金制度等に関する説明会の開催、労災年金受給者から毎年提出される労災年金定期報告書の点検を行う事業であり、平成21年度には208回の説明会を開催するとともに、11万5,000件を超える定期報告書の点検を行いました。
 続きまして、当法人の当面の改革事項について説明します。資料の6ページをごらんください。
 役員・職員の公募ですが、国家公務員OBである専務理事と非常勤監事の2人について、来年6月の改選期に公募を実施する予定にしております。また、平成23年度中に54人の国家公務員OB職員を削減する予定にしておりますが、その退職後の採用につきましても公募を実施する予定にしております。
 次に組織・人員体制のスリム化について説明します。まず本部において部の統合などにより4人を削減します。また39か所の労災年金相談所を廃止して、その業務を8か所の相談所に集約することにより40人を削減します。更に労災特別介護施設の事務部門の課の統合により5人を削減します。
 以上が当法人が平成23年度中に改革を予定している事項であります。
 私からの説明は以上でございます。
○北沢座長 それでは、質疑に入ります。
 どうぞ。
○労災保険業務課長 7ページのところについて、御説明をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしようか。
○北沢座長 どうぞ。
○労災保険業務課長 労災保険業務課の植松でございます。どうぞよろしくお願いします。
 委託事業の改革事項について御説明したいと思います。
 初めに労災特別介護援護事業における1者応札の解消について、御説明をいたしたいと思います。本事業につきましては、平成18年度までが随意契約ということになっておりまして、19年度、20年度は公募方式でございました。21年度から企画競争を行ってきましたが、結果として財団法人労災サポートセンターの1者応札になっているという状況にございます。こういった状況でございますので、他の事業体の参入可能性を高めるために分割調達を行うよう仕様書の内容を検討していきたいと思っております。
 2番目の委託事業の内容等の見直しでございますけれども、最初の○の新規労災年金受給者支援事業につきましては、平成22年度限りの委託事業としまして、23年度からは国によるものと考えているところでございます。
 2つ目の○の労災特別介護援護事業でございますけれども、これは労災サポートセンターに自主的にやっていただいたものなんですが、第三者評価機関の評価結果や他の介護福祉施設との比較をしまして、介護・看護の体制とか外部評価の導入など、更におよそ91%程度になっている入居率の今後のアップについての取組みを図るなど、必要な見直しを図りたいと思っているところでございます。
 3つ目の○の労災ケアサポート事業につきましては、本事業の入札要件として各都道府県に事務所を設置しなさいということになっておりましたが、この設置要件を23年度においては緩和をしたいと思っております。事業の内容としても、訪問による労災年金の相談業務を廃止するということで、国による直接実施と考えているところでございます。
 以上でございます。
○北沢座長 それでは、質疑に入りたいと思います。
 まず私からいきます。今しがたおっしゃった中で、入居率は何パーセントと言いましたか。アップしていましたね。現在、何パーセントぐらいですか。
○労災保険業務課長 資料3-1のところの受託事業でございまして、定員800名のところ732名ということでございます。
○北沢座長 800人に対して732人ということは、何パーセントになりますか。
○労災保険業務課長 91%ぐらいだと思います。
○北沢座長 ということは、必ずしも低いということではないですね。
○労災保険業務課長 実はこの800人のうち、デイサービスなどを受け入れるように必ず2床を空けておきなさいという仕様になっております。
 それから、特に寝たきりの方で、4人部屋といいますか、そういうお部屋が2つございまして、そこに必ずしも全員が入っているわけではないということもございまして、そういう状況からこういう数字になっているのではないかと思います。
○北沢座長 そうすると、十分に活用されていると考えていいわけですか。
○労災保険業務課長 そうです。
○北沢座長 それから、1者応札の解消をやるのに、具体的にはどういう形でやりますか。今までは随意契約ですね。条件を付けて公募制でやるんですか。
○労災保険業務課長 これまでも企画競争ということでお願いをしていたんですけれども、今までは8施設全部やってくださいというお願いをしておりました。8施設全部に応じるのはなかなか難しいと思っているところでございます。
 もう一つ、今いろんな施設介護でさまざまなニーズに対して応じている事業体があるということもございますので、そういった事業体が私どもの事業に参画していただくことによって、さまざまなよい効果が出てくるのではないかという視点もありまして、こういった分割調達をしていきたいと思っているところでございます。
○北沢座長 なるほど。例えば8施設を一遍にするとなかなか受託するところがないから、1つとか2つにするとか、ばらにするとか、そういうことも含めるんですね。
○労災保険業務課長 はい。その場合、1つ考えなければいけないのは、既に入居者がいらっしゃるということでございまして、先ほど労災サポートセンターからお話がありましたように、夜も勤務体系がございまして、看護師が12人いて、介護士が24人。そのうち看護師さんが必ず夜勤で入っている。それから、介護士さんも夜勤で3名入っている。こういうワンセットになっておりまして、そういう方々がすぐにでも対応できるような状況でないと、入っている方が非常に重度な方なので、例えば褥瘡といいまして、床ずれは2~3時間置きに体位を変えてあげないといけないので、重度な入居者に対する看護介護体制の能力というか、そういうことができるような事業体を是非お願いしたいと思っているところでございます。
○北沢座長 分割調達にするというのは1つの考えだと思うんですけれども、実現の可能性はかなり高いと見ていいんですか。実際にやってみて複数がくるんですか。
○労災保険業務課長 そこはやってみないことにはわからないというのが正直なところでございます。とにかくそういうことも私どもはやっていかないと、よい介護サービスという視点を持って進めていきたいと思っています。
○北沢座長 仕様書はいつごろできるんですか。
○労災保険業務課長 現在、仕様書について見直しを図っているところでございまして、少なくとも1月末までには全部が終わらないといけないというスケジュール感で、今、臨んでいるところでございます。
○北沢座長 そうですか。それができた段階で当然公表するわけですね。
○労災保険業務課長 当然応募をしていただくという前提でございますので、入札参加業者に仕様書をお渡しするという形になります。
○北沢座長 それから、新規労災年金受給者支援事業の委託事業を廃止して国により直接実施とありますが、具体的に事業の内容はどういうものでしょうか。
○労災保険業務課長 例えば新しく労災年金の受給者になりましたといったときに、重度被災労働者だけではなくて遺族の方に対して、資料の5ページをごらんいだたきたいと思いますが、労災年金というのは厚生年金などと調整する状況もございますし、よくわからない状況もございますので、説明会を開催したりするものです。労災年金の受給者には毎年、6月か10月に現状について御報告をいただくようになっておりますので、そういった御報告が仮に間違っていますと、支給をしても回収をしなければいけないという状況がございますので、そういう齟齬がないように受給者さんに御説明するという事業でございます。
○北沢座長 国というのはどこでやるんですか。年金機構とかいろいろありますね。
○労災保険業務課長 労働局や労働基準監督署というところがございます。
○北沢座長 なるほど。そこでやるわけですね。
○労災保険業務課長 はい。
○北沢座長 それから、労災ケアサポートの訪問支援は国により実施するというのは、訪問して相談業務をやるということですか。
○労災保険業務課長 重度被災労働者で在宅の方がおられます。労災ケアサポーターと言われる方が在宅の重度被災労働者のところに御訪問して、実際に労災としての御相談、どういうことがお困りですかというお声がけをして、それについてアドバイスをしたり、介護保険制度もよくわからないことがありますので、こういったものをご説明・助言する事業を今までやってきたところでございます。
○北沢座長 これも労働基準監督署の職員がやるわけですか。
○労災保険業務課長 今後はいろんな事業の展開がございますので、コールセンターみたいなところを設置しながら、監督署でやるとか、そういうツールを活用していきたいと思っております。
○北沢座長 主にやるのはどこですか。
○労災保険業務課長 監督署になります。
○北沢座長 監督署は人数が多いですから、いろいろといいのではないですかね。
○労災保険業務課長 精神障害の労災請求事案などが非常に多くなってきている状況でございますので、必ずしも多いから余裕があるということではないんですけれども、そういった方策を今後国としても考えていなければいけないんだろうと思っているところでございます。
○北沢座長 それから、6ページの当面の改革事項ですが、公募実施予定とありますね。これは結構な話ですけれども、条件というのはどんな条件ですか。もうできましたか。中には経験がないとだめだとか、そういうことで問題になったこともありますけれども、公募条件というのはもうできましたか。
○専務理事 役員と職員と2通りあるわけですが、それぞれについての公募要件はまだ固めているわけではありません。今後検討ということにしております。
○北沢座長 概ねどういうふうになりそうですか。
○専務理事 職員については、やはり介護施設の運営ということであると、一定の社会福祉関係の経験なり知識をお持ちの方を前提に考えられたらいいと思っております。
○北沢座長 そうすると、役員の方はまだ決めていないという状況ですか。
○専務理事 はい。
○北沢座長 4番目の新規労災年金受給者支援事業というのは、始めたのはいつごろですか。
○労災保険業務課長 平成21年度からでございます。
○北沢座長 去年からですか。
○労災保険業務課長 はい。
○北沢座長 それから、入居者の年齢層というのはどんな具合でしょうか。出てこなかったら、後ほどで結構です。後ほど出してください。
 私からはひとまず以上です。
 どうぞ。
○松原委員 お伺いします。金額的に見て、センターの主たる事業が労災特別介護援護事業で、42億円という数字が出ていて、国からが22億円ということですね。この差額の20億円ぐらいは入居費から出ていると考えてよろしいんですか。
○専務理事 入居費とかケアプラザの売店収入であるとか、そうしたものでございます。
○松原委員 わかりました。
 今、座長から年齢構成の話が出ましたけれども、60歳以上で重度だということですから、ほぼ終身介護みたいな形に結果的になっていると考えてよろしいですか。
○専務理事 大方はそうです。
○松原委員 わかりました。
 これは横断的なところで官房長からもお伺いしたいと思うんですけれども、いわゆるこれが厚生労働省の基本的な政策で、施設から地域、家庭へという形の大きい政策がございますね。私は結城先生などと重度知的障害者総合施設ののぞみの園に行ってまいりましたが、そこもここと似通った終身介護が必要な施設だったと思うんですが、そこは地方へ、家庭へということで新規を止めていますね。それとここの政策とは一見矛盾するように思うんですが、そこはどうでしょうか。
○大臣官房長 重度知的障害者については、これは障害者全体もそうかもしれませんけれども、できるだけ地域で暮らす、社会で暮らすということをテーマにしている。のぞみの園については、できた当時の話として、ああいう形で終身を福祉で対応するという発想で、入ったときからそういう形で受け入れてきた経緯がある。ですから、今はそういう経過の中でやっておりますが、ここは完全に政策転換していますから、できるだけ地域の中で重度の方を含めて知的障害者が支援を受けながら生活できるようにしていく。これは明らかに政策転換しております。
 今回のここに入っておられる方々が、そういう形でうまく地域で支援しながらできるような状況かどうかということがあって、勿論本人が望めばできるだけ在宅で支援するということはやっていかなければいけないと思いますが、現実、せき損などで全く手足が動かない方を本当に在宅でできるかどうか。そこはそういう方々を含めて在宅でできるような体制ができていけば、またこれも変わると思いますが、今、入っている方々については相当難しいと思います。
○松原委員 ちょっと感じたのは、のぞみの園へ行ってまいりまして、まさに官房長がおっしゃったような状況で、地域、家庭で受け入れられる状況ではない。それなのにストップして、かつなるべく移そうとしても移せないということを伺いまして、その意味では非常に状況が似ていて、もし本当に施設から地域、家庭へということであれば、こちらの労災の方も同じような方向で措置をとるべきだし、逆にどうしようもなくしんどいところについては施設でということであれば、私は重度知的障害者の方も同じような形でとるべきだと感じています。そこで政策のずれがあるという気が若干しました。恐らく反論はあると思うんですが、そういう気がいたしました。
 もう一点お伺いしたいことは、労災特別介護で732名ということでございました。経済学者として、やはり需要と供給が気になります。ですから、毎年どの程度の方がここに入りたいとおっしゃっているのか。待機みたいな形があるのかないのか。その辺りの希望と実際の入居についてもしデータがあればお願いします。なければ後ほどで結構ですけれども、概略がありましたら、是非お伺いしたいです。
○専務理事 待機者でございますが、9月末現在で恐縮ですけれども、196名が待機をされている状況です。
○北沢座長 これだと全部入るのにどのぐらい時間がかかりますか。
○専務理事 待機状況には特徴がございまして、800人の定員のところ732人ということで隙間があるわけでございますが、そこを埋めるべく待機者の方にお声をかけておるところなんですけれども、待機者の中には将来において家族介護が受けられなくなるという状況を想定して、とりあえず申請をしておくということで、空室が出たときに声をかけますと、もうちょっと先でいいという方も結構いらっしゃいます。ですから、そういう事情が整って、施設の方に入居できるという環境が整えば196人の方も入ってこられるんだと思います。
○松原委員 わかりました。ただ、ここはちょっと大事なところだと思っています。定員がある。その一方で世の中の需要があるわけで、偶然一致しているということは基本的にはあり得なくて、余り気味なのか、あるいは待機が多いのか。待機に関していろんな条件があるというのはそのとおりかもしれませんが、そちらの方の基準に即して入居資格があるという方が190何名だということでよろしいんですか。
○専務理事 そうです。
○松原委員 その方々には施設の不足で入っていただけていないという状況だと判断していいんですか。要するに、希望するのに入れていない状況だと考えていいんですか。
○専務理事 現在800人に対して732人ですから、68の隙間はあります。もっともデイサービスの枠が16ございますが、それを除いた枠が現実にはあるわけです。ただ、全国8か所に設置しておりますけれども、地理的にかなり遠く感じられる方とか希望とマッチングしないケースがあるわけです。
○松原委員 もし本当にニーズがあって、制度があって、待機が多いのであれば、逆に施設を増やさなければいけないし、ミスマッチを含めて定員が充足していないのであれば縮減しなければいけないわけで、その辺りの判断は大事だと思うので、もう少しそこを客観的に見てどこの施設でどれだけ待機があるとか、定員数との差はここに出ていませんから、どこが余っているかは個別にはわかりませんね。ですから、それぞれについて過不足というんでしょうか、待機との実態、ミスマッチがあるんだったらミスマッチもできる限り個別にやっていただければ、減らせと我々が考えた方がいいのか、それとも待機が多いから増やしなさいと考えたらいいのかという判断の材料を見せていただきたいと思います。
○労災補償部長 よろしいでしょうか。障害年金をもらっている方の中で、特に重度の方を対象にして我々としてどこまでいろいろな介護のケアのサービスが提供できるかということでございますが、先ほどから御説明していますのは、その中で特に介護が自宅では困難であるという方については施設に御入居いただくことにしておりますけれども、基本的に自宅でケアサービスを受けながら、自宅で生活したいという方々のために、先ほどもう一つのケアサポート事業という御説明をしましたけれども、各御家庭に訪問しながら必要なサービスを提供していくという両面で、特に重度の方の中でも自宅ではどうしても介護ができないという方については、先ほど言ったような施設に御入居いただく。そうではなくて、できるだけ自宅でケアができる方については、必要な情報を私どもとして提供しながらケアをしていくということで、被災者の方々の状況を見ながら、いろいろなサービスを提供していくということをやっております。
○松原委員 今のはよけいな御説明だと思います。結果的にここの人数、病床が不足しているのか、そうではないのかを知りたいということですから、もしおっしゃるような形で全部家庭でできるのであれば、極限に0でもいいのではないか。まさに知的障害者のところのようにね。ですから、お伺いしたいのは、ここについてぎりぎり施設でやらなければいけないというときの過不足の状況を施設ごとに把握したいということです。
○北沢座長 たくさんありますけれども、類似施設に特別養護老人ホームとありますね。これとの統合というのはいかがでしょうか。考えられないですか。
○労災保険業務課長 例えば特養については施設基準とか介護の基準が定められております。先ほど出ました療護施設についても基準がございます。今回、我々の仕様書の見直しをする中で、そういったものを検討して行くわけでございますけれども、いかんせん、それぞれの入居者の特徴によって、介護の状況をどういうふうにうまくしていくのかというところがございます。ですから、いきなり今の入居者を特養などにもっていってうまくやってくださいと言っても、その状況が本当にうまくいくのかどうかという不安感が私どもとしては非常にあるわけです。今、分割発注と申し上げているのは、そういったいろんなところをやっている方に入ってもらって、そのときにこういうこともできるんです、こういうことのためになるのではないですかという、我々もそういうニーズを受けて、もっといいものに変えていきたいという姿勢で臨んでいるということで御理解をいただきたいと思います。
○北沢座長 去年の7月に合併しましたね。その効果というのはいかがですか。
○労災保険業務課長 今までは在宅支援と施設介護というのがそれぞれ別の法人で実施しておりました。ただ、別の法人であるがために連携ができていない。その段階で連携をしなければいけないんですけれども、1つの法人になればいろいろな問題についてすぐにでも連携ができる体制はできているんだろうと思います。
○北沢座長 連携プレーですね。
○労災保険業務課長 今後とも連携プレーが大事になってくると思います。
○北沢座長 わかりました。
 ほかにございますか。どうぞ。
○結城委員 施設の方なんですけれども、これから分割をしていって公募をするというんですが、現在は社会福祉法人とかそういうところには委託しないでサポートセンターが直営でやっているということでよろしいでしょうか。
○労災保険業務課長 運営をお願いしております。
○結城委員 運営は法人か何かに委託されているんですか。
○労災保険業務課長 運営そのものを競争入札で、労災サポートセンターにお願いしておるということでございます。
○結城委員 ということは、サポートセンターの職員が施設介護職員としてやっていると理解してよろしいですか。
○労災保険業務課長 そうです。
○結城委員 今後それに社会福祉法人などを少し入れていくということなんでしょうか。
○労災保険業務課長 ほかの事業体で、例えば社会福祉法人で施設介護をやっているところもございますし、今、株式会社でもやっているところがございますので、そういったところに参入していただくことによって、今、私どもが提供している介護サービスをよりよいものにしていきたいと思っております。
○結城委員 在宅の方もそういうことなんですか。在宅はどこかに委託しているわけですか。
○労災保険業務課長 在宅は労災サポートセンターにお願いをしております。
○結城委員 在宅のサポートセンターがある近くにたまたま労災の方がいればそのサービスは使えるけれども、ない場合は使えないということですか。
○労災保険業務課長 先ほど申し上げましたように、今まで全国47都道府県に事務所を設置して、そこから訪問をしておりました。ですから、22年度において申し上げれば、青森市のどこかといえば、青森の事務所から在宅のお困りのところに訪問をして、いろいろな御助言とか介護はこういうものですとか、そういうことを御案内しているということです。
○結城委員 直接、重介護者の身体介護をやるというわけではないんですか。
○労災保険業務課長 はい。
○結城委員 それはどこがやるんですか。
○労災保険業務課長 それは労災サポートセンターの労災ケアサポーターという研修を受けた方に、例えば今、言ったようにせき損の方も在宅の方でいらっしゃるので、その知識を持ってこういうふうにやるんですということで、一部介護も当然やっております。
○結城委員 これは厚生労働省にお伺いしたいんですけれども、多分施設の人員基準は、特養だと3対1とかとあるんですが、それはこちらの方が厚いということなんですか。
○労災保険業務課長 はい。厚いです。2.4だったと思います。
○結城委員 障害者支援施設の方もそうですか。
○労災保険業務課長 障害者の方は2.2ではなかったかと思います。
○結城委員 すぐに移すことはなかなか難しいと御理解していいんですね。
○労災保険業務課長 はい。
○結城委員 程度にもよると思うんですけれども、もし利用者さんの方で介護保険法とか障害者自立支援法を改正して、今の3対1基準の障害者なり介護なりに入れるようになれば、自分の近くの施設を申し込むことも可能ですね。
○労災保険業務課長 それは可能です。ただし、介護保険制度の枠組みの中でございますので、当然65歳以上という仕切りは超えなければいけないし、要介護度の認定を受けなければいけないということになります。
○結城委員 それをクリアーできれば、障害者自立支援なのか第2号被保険者で認定を受ければいいのかわかりませんけれども、今は8か所しかなくて、すごく遠いですね。そうしたら、近くの施設にもできるということで、そういうことは考えないんですか。
○労災保険業務課長 私どもから本来の介護施設に手厚い介護をしてくださいとはなかなかお願いできるものではございませんので、私どもができるものは私どものところでやります。お答えになっているかどうかわかりませんけれども。
○北沢座長 どうぞ。
○松原委員 座長と今の結城先生からのお話は、労災ということで障害の在り方が特殊だと言えば特殊かもしませんけれども、交通事故もあるし、いろんな形での障害があります。ここを実際に引き受けるところがいわゆる社会福祉法人、ほかの事業をやっているところも引き受けるということを考えると、似か寄った面が大きいのではないか。似か寄ったというのは介護という意味です。そうであれば、介護保険までやると相当な法改正が必要になりますけれども、少なくとも施設上で相互に乗り入れできるような形になれば、地域的な偏在の問題その他が解消されるのではないか。あと需給のアンバランスもどこかで解消できるのではないかという基本的な思いは共通だと思います。
 その意味で、私も同じように、相互の介護の乗り入れとか基準の統一化みたいなことが必要だと思っていまして、要介護認定みたいなものは労災の場合はなさっていなくて、先ほどの待機を伺ったときには待機ということで認定したということですけれども、それが本当にすべての方にとって介護の人数比、3対1ではなくて2.4が必要なのかどうか。同じような基準でそちらもやれば、人員の配置などがもっと少なくて済むかもしれないとかね。要するに3でいい人を2.4の基準で見ているということもあるのか。
○労災保険業務課長 1人の介護職員に対して、何人見るという基準のことでしょうか。
○結城委員 だから、今、入っている施設の人で重い人も軽い人もいるわけです。わかりませんけれども、多分寝たきりの中でそういう人もいて、今、入っている方でこれから入るだろうという方もいますね。その方でもし3対1の自分の近くの特養の障害者の施設へ入れるような判断ができれば、自分の近くの施設に入った方がいいのではないですかということです。
○統括審議役 60歳では入れませんけれども、それは今でも入りたければ入れるんです。
○結城委員 60歳で認定すればいいわけですね。
○統括審議役 ここはちょっと見ていただければわかりますけれども、3ページに労災年金をもらっている。労災の額に応じて入居費を決めているという仕掛けです。労災の額が大きければここの負担は高いということになります。もし労災年金をそれなりにもらっている人で、勿論65歳以上でちゃんと介護認定を受けましたということになれば、ここではなくて、自分の近くのこちらの介護施設へ入りたいんですということであれば、介護保険のルールによって負担をして選ばれる。こちらの方を選ばれる方も勿論いらっしゃって、これだけのニーズがあるんだと理解しております。
○北沢座長 どうぞ。
○松原委員 関連して、介護保険の認定はそのまま適用しろという話とか、制度を全く同じにしろということではなくて、労災の程度によって介護の1~6みたいな対応がもしかしたらあるはずです。そういうものに応じて入居者の平均で、介護者に対して何人見ていいのかという基準も変わってくる可能性があるのではないかというのが1点です。
 それから、これはもっと大きな話で、制度的に障害とか障害の程度が確定されたら、介護保険の対象なのか普通の特養なのか、労災なのかというときには、お金の出所が違うだけで、その対応が同じという方向に議論が進んでいけば、1対3とか1対2という問題もまた違う側面が出てきて、結城先生がずっとおっしゃっている近所のところに入れるのが一番幸せではないかということです。ですから、そういう観点で見ていくべきだと思います。特にその一歩は、ここが労災特定ではなくて、いろんな法人にどうぞといって、社会福祉法人その他のところが手を挙げてくるということであれば、労災特有ではなくて、共通性というのがよけい認識されるようになってきた話として、そういうことがあると思います。大きな話で済みません。
○労災保険業務課長 いい介護を提供したいという気持ちで、私どもは見直していきたいということだけは御理解いただければと思います。
○長谷川委員 それを言ってしまうから、だめなんです。
○結城委員 それを言ったらだめです。はっきり言って、労災の中でしか議論できていないということです。正直いうと、それは狭い考えです。
○北沢座長 どうぞ。
○長谷川委員 そのように言うから、縦割り行政だと言われてしまうんです。
 今言っているのは、60歳以上になったら労災の特別介護施設に入っている人も地域に出ていけるという仕組みをつくれば、この問題は解消できる。労災特別介護支援は労災に遭ったが対象、労災の人とそうでない人をどう区別するんだという議論に必ずなるんです。これからは縦ではなくて横串も刺しましょうというときに、自分たちの事業もどのように参加していくのかを考えないと、世の中の流れに乗れず、社会の批判に対して応えられなくなる。
 30代、40代、50代で労災に遭った人は救わなければいけない、他の制度とどこが共通点があって、どこが違うのかということ踏まえて制度設計しないと社会の全体的な動きに耐えられないと思います。
○北沢座長 今のことに関連していかがですか。
○結城委員 私が言いたいのは、例えば在宅のヘルパー事業所と障害者の事業所と介護保険の事業所があるわけです。在宅だったらそういうものを活用したり、老健局なり障害者福祉部局ともうちょっと連携しながら、自分の地域にあるものを活用をするような制度づくりをする方が利用者さんのためなのではないですかということを言いたいわけです。その辺の考えはないんですか。
○労災補償部長 これからの課題はあるんですけれども、基本的にはおっしゃられるように在宅でおられる方でも介護保険を利用したサービスの方がより御自身にとってよいものはそういうことを御紹介しながら、ただ、両方は受けられませんというところは調整しながらこれまでもやっていますし、これからもそこのところは十分に見ながらやっていきたいと思います。
○松原委員 我々も質問をするときに、部長さん、課長さんに聞くべき質問と、まさに官房長に聞くべき質問とは分けなければいけないね。私自身が最初に申し上げたように、施設介護の在り方で本当に大丈夫なんですかという質問はやはり官房長にしなければいけなかったと思います。
 それから、縦割りがだめだというのは、労災の担当にお聞きしてもきついところがあると思います。でも、やはり大きな問題意識として、本当に合理性があるのかとか、今、長谷川さんがおっしゃったように60歳になっていなくて重度な障害を負った人に対して、60歳というものを置いていいんですか。介護保険の方は40歳でしたね。
○統括審議役 認定すればね。
○松原委員 そういう制度もあるわけですから、その辺りのところで施設なのかそうではないのか。金の出所だけが問題だったら、ハードの方は一緒にしてしまってとか、そういう横の調整が絶対に必要で、そこはむしろこちらのお話ですけれども、そういう発想で個別のところで対応を考えていただかないと、縦割りといって結局なくならないのではないかということで、両端の先生からお怒りがありました。変な話をして済みません。
○北沢座長 よろしいですか。ほかにございませんね。
 それでは、ありがとうございました。これで終わります。


(了)

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