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2010年11月24日 平成22年度第8回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録

○日時

平成22年11月24日(水)15:00~17:06


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第15・16会議室


○出席者

【委員】
西岡清分科会長 小山信彌分科会長代理 池上直己委員
緒方裕光委員 金田道弘委員 熊本一朗委員 齊藤壽一委員
酒巻哲夫委員 鈴木洋史 嶋森好子委員 松田晋哉委員
美原盤委員 山口俊晴委員 吉田英機委員
【事務局】
迫井医療課企画官 他

○議題

1 平成22年10月26日・DPC分科会「DPC制度の基本的考え方に関する論点」検討概要(検討事項と主な意見等)
2 平成23年度参加病院の追加に伴う医療機関別係数の設定について(案)
3 精神科病棟入院患者と一般病棟に入院する精神患者の比較について(松田委員提出資料)
4 DPC制度の概要と基本的な考え方(2)

○議事

                             
○西岡分科会長
 ただいまから平成22年度第8回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会を開催させて
いただきます。
 本日の委員の出欠状況でございますが、本日は、相川委員、伊藤委員、難波委員、三上
委員、山口直人委員が御欠席でございます。
 それでは、まず資料の確認を事務局のほうからお願いします。

○事務局(丸山主査)
 事務局でございます。
 それでは、資料の確認を失礼させていただきます。
 まず、1枚目が議事次第、めくっていただきまして、皆様の座席表、3枚目が先生方の
名簿一覧となっております。
 本体の資料でございますが、D-1、前回の検討概要として1枚でまとめさせていただ
いております。
 めくっていただきまして、D-2、23年度参加病院の追加に伴う医療機関別係数の設
定についてという1枚紙でございます。
 続きまして、D-3、こちら、松田委員からの提出資料となりますが、ホチキスでとめ
てある精神病棟患者と一般病棟に入院する患者の比較についてという資料。
 次は、D-4-1として、前回に引き続きDPC制度の概要と基本的考え方(2)、め
くっていただきまして、その論点としてD-4-2を御用意しております。
 こちら、1枚紙となっておりまして、D-4-2の別紙という形で調整係数に関する情
報をまとめた資料集というものをおつけしております。
 資料としては以上です。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。
 資料につきましては、よろしいでしょうか。
 それでは、DPC制度の基本的考え方に関する論点の検討概要につきまして、これを議
題としたいと思います。
 事務局より御説明をお願いします。

○事務局(丸山主査)
 まず、お手元にはD-1のほうを御用意ください。
 こちらにつきましては、前回、10月26日にDPC制度の基本的考え方に関連する論
点ということで先生方に御議論をいただきました。本日少しお時間をいただきまして、そ
ちらの御議論いただいた要旨とそのときの取りまとめ結果をこちらに記載させていただき
ましたので、御確認をいただきまして、何か趣旨が異なる等ございましたら御指摘いただ
ければと存じます。
 すみません、簡単に概要をかいつまんで申し上げさせていただきます。
 前回4つの論点として、丸1から丸4に記載のとおり御議論いただいたところですが、先生
方から御指摘いただいた内容をまとめております。
 個々に御紹介いたしますと、丸1包括評価の対象患者としましては、1つ目の丸です。2
4時間以内の死亡患者の除外の考え方については、高額という理由で整理をさせていただ
いていましたが、低額の場合もありますので、データ等々を見て明確化すべきと指摘をい
ただいております。
 2つ目の丸については、精神病床に対するDPCの適用についてというくだりでの御議
論でございましたが、身体合併症を有する精神科患者への治療を評価すべきと、また看護
配置についても御指摘もいただいたところでございます。それで、さらなる実態を踏まえ
た検討が必要とされたことから、本日まだ松田委員、お越しになっておりませんが、DP
C調査研究班の分析結果を得た上で、さらに検討ということで御議論いただいたと思いま
す。本日D-3としてこちらの資料が提出をされているところです。
 丸2といたしましては、包括評価の対象とする診療報酬項目として、経緯としては平成1
0年の急性期入院医療の定額払い方式及び平成15年のDPC制度の導入時にそれぞれ検
討する場面がございました。手術などの過剰実施のおそれが低い技術料的な色彩の強い診
療報酬項目については包括範囲から除外をすべきという形で出来高評価になりまして、い
わゆるモノ代、入院基本料等の施設管理運営の範疇に入る項目は包括評価という形で整理
をした経緯がございました。現行制度ではこのような考え方に基づいておりますので、そ
れを踏まえた上でさらなる検討を進めていくという形でございます。
 丸3でございます。
 包括評価の算定方式については、前回1つ目の丸としてはDRG/PPSに関する言及
をいただきました。そして、その中身としては、DPC制度の場合には最適点がありまし
て、一定期間以上入院をしないと採算が合わないなど、そういった理由から在院日数が長
期化するおそれがあるんじゃないか。また、高額の抗がん剤等について、入院期間Iにお
いてこの傾向が顕著であるといった課題を御指摘いただいたところです。
 ただ、2つ目の丸でございますが、DPC対象病院の在院日数は、それ以外の一般病床
と比べて急峻に下がっていると。一定程度の寄与が見受けられるという御指摘もありまし
たし、アメリカ並みの在院日数短縮が日本の中で望まれているのかといった形の御指摘を
いただいたところです。
 そして、3つ目の丸でございますが、こういった問題については現行の点数設定の弾力
化をもって対応することが可能であるという指摘をいただいたところです。こちら、記載
しておりませんが、今後もあわせて検討すると。
 丸4でございますが、本日D-4として資料を提出させていただいていますが、医療機関
別係数による評価については、平成22年改定の機能評価係数IIの導入において、出来高
に根拠のない評価が入ってきているという指摘をいただいた一方で、ただ理論的背景が十
分に説明されていないだけではないかと、こういった御意見もいただいたことから、今後
検討というのが前回の結論でございました。
 議事概要としては以上でございます。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。
 前回の分科会の記憶を取り戻していただきまして、今の御説明に対して何か問題点があ
りましたら。
 どうぞ、齊藤委員。

○齊藤委員
 この間のこの議論のときにもお話ししたのですが、包括される部分と出来高になる部分、
どういう部分が出来高になるのですかというと技術的な部分ですと。それから、包括され
るのは例えば物の値段とか入院基本料にかかるものとかということですよね。
 今、私どもの内科系の学会では、内科系の技術をどういうふうにして診療報酬に反映し
ていただくかという議論があるのですが、今なかなか内科系技術を定量化するというのは
技術的には難しい部分があるのですが、仮にそういうものができてきたときには、やはり
技術的なものであるという観点に立てば、包括の外の出来高に置くようなイメージになる
でしょうか。それとも、これは内科系技術というのはあってないようなもので、物に付随
したものだから、やっぱり検査とか薬の一部になるのが妥当だということなのか。その辺
に内科系の学会としても戸惑いが尾を引いているわけなのですが、どんなふうに考えたら
いいでしょうか。これは厚労省の方にいきなり迫ってもなんなのですが、ほかのどなたか
委員の方からイメージを教えていただければなと思っているわけです。

○西岡分科会長
 今の齊藤委員の御指摘で、これは内科系の技術ということに関しては非常に重要な課題
ではないかと思うのですが、もし何か先生方のところでこういうふうに考えているという
のがあれば。

○齊藤委員
 ちょっと追加してよろしいですか。

○西岡分科会長
 どうぞ。

○齊藤委員
 現行の内科系の技術といいますと、例えば急性心筋梗塞ですぐ手術の対象にはならない
とか、それから糖尿病性の血圧として昏睡で一晩じゅう内科医が走り回らなきゃならない
というような局面で、現在、点数として認められているのは血糖の値段とインスリンと、
それから輸液とお薬ということで、内科系の医師の経験とか判断というのがそこにどうも
見えてこないわけですよね。そういうことで、診療報酬点数制度としては、どうしてもそ
こにゆがみを認めざると得ないというのが内科系学会の思いなわけなので、これはかなり
既に半世紀近く続いている問題なので、急にというわけではありませんが、この辺でひと
つどういう道を探ったらいいか私たちとしては考えているので、もし委員の先生方が何か
アイデアとか御批判とか御意見がおありになったら承りたいなと、そういうふうに思うわ
けです。

○西岡分科会長
 どうぞ、山口委員。

○山口(俊)委員
 比較的、確かに外科系の手術なんか技術評価はやりやすいわけです。しかし、例えば抗
がん剤治療なんかにしても、適用をきちっと見きわめて、診断をして、進行度を決めて、
その人に合ったリスクをチェックして、レジュメを決めて、そして化学療法を1クールや
って、そして効果判定するわけです。その次に2クール目をやっていけるかどうかという
ことをチェックしたり、あるいは途中で副作用が出たら量を変えるとか、そういう一連の
流れというのは、例えば1クールの化学療法を1つの手術と考えることもできます。これ
に対して、相当の技術料と本当は判断料が必要なわけですけれども、今はただ抗がん剤が
高いという理由だけで、大して評価されていないような気がするので、そういう見方も一
つのやり方で、決して形にできないわけではなくて、内科の技術についても何か係数とし
てつくることは可能ではないかと思います。

○齊藤委員
 ありがとうございます。これからも御助言と御指導、やはり手術なさる方が先達である
というふうに考えておりますのでよろしくお願いいたします。

○西岡分科会長
 どうぞ。

 ○小山分科会長代理
 その点について私もずっと考えておりますけれども、何を考えているかというと、今ま
での日本の医療というものが、もう根幹にひっかかってくることですけれども、何かしな
いとお金にならないという医療ですよね。そうではなくて、今は話を聞いたりという、そ
こら辺の技術料ですよね。そこら辺のところをやっぱりちゃんと評価しなければいけない
時代に来ていると思うのですよね。
 ただ、それをこのDPCの中でどういう形で評価するかというのは、これは内科の先生
にこういうところを評価しろというような、今、山口先生のおっしゃったような、プロセ
スのところをやっぱり評価してほしいとかという話になると思いますので、そこの技術料
をちゃんと評価していかないと、何のために働いているか分からなくて、薬屋さんと機械
屋さんのために働いているような、手術もそうですよね、今現状はね。今、外保連では技
術料ということを何とかしてほしいと言っているのですが、まさに内科でも同じでもって、
内科医としての技術料というのを何とか評価をしていただくような模式を我々もやっぱり
つくっていく必要があるんだなというふうには感じております。

○齊藤委員
 1つ追加してよろしいですか。
 比喩的な話で申しわけないのですが、例えば漱石とか森おう外のような文豪の原稿というもの
は大変な価値があるものですけれども、今は原稿用紙とインクの値段だけで、そこにでき
上がった原稿の値段というのは内科医にとってどうも見えないですよね。ちょっと比喩的
な話で申しわけありませんが、よろしくお願いします。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。
 この問題についてはこれから延々続けて議論をやっていかなければいけないというふう
に思っていますので、こちらとしてはどういう形で評価してもらえるかというのを出して
いく必要があろうかと思いますので、委員の方々のお知恵をぜひともお願いしたいと思い
ます。
 それ以外の項目につきましては御質問等ございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

○齊藤委員
 現在、平均在院日数を短くするためのブレーキの一つとしてI、II、IIIという期
間があって、Iの期間内だと、かなりよくなってそろそろ退院できても、高い点数がつく
ので、ぎりぎりまで入院させていたいという思惑が働くというのは、いろんなところにち
ょっと書かれたものなんか見ても、そういうことが記載されているものもあるんですね。
これはたまたま平均在院日数を中心にしてプラス2SDのところと、それから25%タイ
ルのところで切って、ローマ数字のI、II、IIIと分けられているのですが、こうい
うものを将来もうちょっと細かい切り口にして、第1期間というのはかなりアバウトな広
い期間なので、それをさらにきめ細かく切り刻んでいくというようなことをすれば、第1
期間だから治ったけれども、もうちょっと入院させておこうというようなことはなくなっ
てくるのかなというふうに愚考するのですが、そういうことというのはあり得ないのでし
ょうか、将来の制度設計としてですね。

○西岡分科会長
 この件に関しましては、今回新たな支払い方式ということで変わりましたので、そのデ
ータを見ながらさらに修正していくということになろうかというふうに思っております。

○齊藤委員
 例えば、Iの中でもうんと高い時期と、その次のI-A、I-B、I-Cとか、そうい
う細かい区分けにしても余り不都合はないのかなという気はしているのですが。

○小山分科会長代理
 結局、でもDPCの本来の導入した目的は簡素化ですから、それやってしまうとどんど
ん複雑化するだけでもって、最初に挙げたこの診療報酬が余りにもややこしいからもうち
ょっとすっきりしようよということに相反するので、余り細かく分けないほうがいいと思
うんですよ。逆に言えば、細かく分けないがために長くなって、患者さんにとってはある
意味楽かもしれないのですよ。治ったらすぐ出ていけというのではなくて、ある期間はち
ゃんといるべきだよというような判定の中で、平均値の中で動いているわけですから、そ
こら辺を考えると、余り経済導入しないで患者さんのことを考えれば、それだけの期間は
いてもいいですよというぐらいの判定の中に置いたほうがいいような気がしますけれども
ね。

○齊藤委員
 DRG/PPSはもっとアバウトというかね、それと非常に精緻化する。その中間が今
のDPCかなというので、将来の道としてやっぱりこのままが一番いいのか、よりDRG
的/PPS的なものに一歩踏み出すのか、あるいはもっと細かく分けるのか、何かこの切
り方が、I、II、IIIという切り方が未来永劫ベストなのかなという思いがなくはな
いのです。

○西岡分科会長
 これはおっしゃるとおりで、データをきっちり集めていって医療の現状と合わせてどう
するかというので、それで今回3つの方式に変えたばかりでございますので、ですからや
はりそのデータを見ながら、医療の現状に適合しているかどうかといったような判断を、
評価をしていかなきゃいけないのではないかと思っております。
 事務局から何か御意見ございますか。特によろしいですか。

○小山分科会長代理
 余り触れたくない。

○西岡分科会長
 どうぞ。

○池上委員
 同じく包括評価の対象とする診療報酬項目の包括範囲ですけれども、物代については特
定保険医療材料費及び手術日当日の材料費は依然として出来高になっていますので、これ
も、このままにしたほうが、据え置いたほうがいいかどうかということについては議論し
ていただければと存じます。ここにはいわゆる物代と施設管理運営費の範疇に入るという
ふうに入っていますけれども、特定保険医療材料費及び手術当日の薬剤費などは明らかに
物代でございますので、こちらもあわせて御検討いただければと存じます。

○西岡分科会長
 どうぞ。

○事務局(丸山主査)
 本日、D-1を示させていただいた趣旨としては、前回こういう議論をいただきました
という確認でございまして、今後検討をさせていただくことをいろいろ御議論いただいて
いるようですので、そこの整理だけをしていただければと。議論は継続させていただきた
いと思っておりますので、その点どうぞよろしくお願いいたします。

○西岡分科会長
 ここで御意見いただくのも非常に重要だと思いますし、松田先生がおいでになるのを待
っていたというところも私の頭の中にあったのですが、松田先生、このDPCという制度
そのもの、これは医療の中身の問題での制度だったと思うのですが、それと包括払い、支
払いの部分とで、何か言葉の意味でも支払い制度とDPCそのものと分けて考えないと、
いつも議論の中で混乱してしまうのではないかなと思うのですが、先生、これに関して何
か御意見がありましたらお願いしたいのですが。

○松田委員
 私たちはいろいろなところでDPCのことについて話をしたりとか書いたりすることが
あるんですけれども、そのときにいつも会場から出る質問として、日本はこれからDRG
/PPSになるんですかという話をいただくんですが、ちょっとお話を聞いていると、1
日当たり包括払いがDPCで、1件当たり包括払いがDRGだというふうに認識されてい
る方が非常に多くて、そうではないんですよという話をいつもするんですけれども、そこ
のところの混乱があるみたいで、そもそもDPCとDRGは、分類の仕方、考え方が全然
違いますので、DRGはどちらかというと処置を優先していったというマネジメント中心
の考え方ですけれども、DPCはダイアグノシスを優先して、それにどういう医療行為を
行っていくかというプロセス優位の考え方で、どちらかというと分類方法としては、DR
GよりはPMCというペイシェント・マネジメント・クラシフィケーションというのがあ
るのですけれども、それを参考にしながらつくっていった制度ですので、まずそこのとこ
ろの混乱を除かなければいけないなと思っています。
 あと、DPC自体、開発するときに最初に研究班としていただいた宿題が、何か医療情
報の標準化、透明化ということで、まず患者を分類する仕組みをつくってくれというふう
に言われ、私たちは、DPCというものを厚労省の医療課と一緒にですけれども、患者さ
んを分類する方法としてつくってきたというふうに考えています。ですから、これはあく
までも医療情報の標準化のツールであって、ですから2,500余ある分類のうち、実際
に支払いの対象になっているのは1,500程度であるわけでして、残りの1,000は、
分類はあるけれども、支払いには結びついていないということですので、ですからやはり
DPCという分類の仕組みとそれを活用した支払い方法の仕組みというのは少し分けて議
論していただいたほうがよろしいのだろうというふうに思っています。
 何かいつもそこのところに非常に混乱が生じてしまうので、DPCは、いわゆるPPS
と言われている中でも、どちらかというと、いわゆるパー・ケース・ペイメイメントでは
なくてパー・ディエム・ペイメントになっていますので、何かそれを明示的に示したほう
がそろそろいいのかなというふうには考えています。
 本当に笑い話みたいな話ですけれども、友人のオーストラリアの研究者の方から、日本
はこれからDRGになるのかと、そのときDRGとしては、アメリカのDRGを使うのか、
オーストラリアのDRGを使うのかというメールが飛んできて、非常にびっくりしたこと
があったのですけれども、要するにそれはどういうことかというと、どこかで日本はこれ
からDRG方式になるという話を彼が聞いてきてしまったみたいで、それはどういうこと
かというと、1件当たり包括払いになるという検討が進んでいるということを説明された
日本の研究者の方が、DRG方式になるというふうに説明してしまったみたいで、要らぬ
混乱を招いてしまうので、やっぱり支払い方式としても少し明示的な名称を少しつくった
ほうがいいのではないかと考えています。
 例えば、パー・ディエム・ペイメントでやっているのであれば、PDPとか何かそんな
形になるのかもしれませんけれども、何か少し分類としてのDPCと支払い方式としての
DPCと分けて考えていただいて、支払い方式としてのDPCに関しても、やはりきちん
とした名称というものをつけたほうがいいように思います。

○西岡分科会長
 なぜこんなことを申し上げたかといいますと、包括支払いとなると常にDRGが出てき
てしまいますので、そこのところをきっちりと区別した上で御議論いただければというこ
とで、松田先生がおいでになるのを待ちわびて聞かせていただきました。
 こういった形で今日整理しておいていただいたのですが、この部分が自分の言ったとこ
ろが抜けているとかなにかいうことであれば、それを御指摘いただきまして、この中身に
つきましては、これから延々ディスカッションをしていくと。今日一、二御意見をちょう
だいしたのは非常に貴重なものでございますのでやっていきたいと思います。
 よろしいですか。はい。

○山口(俊)委員
 今のお話があったのでちょっと伺いたいのですが、最初試行のとき、公立病院を中心に
DRG/PPSが行われましたよね。ということは、そのDRG/PPSは余りよろしくな
いのでDPCにしたという結論でよろしいのでしょうか。

○西岡分科会長
 松田委員、お願いします。

○松田委員
 この中で一番古株だと思いますので、あのときの議論としては、名称をやはりあのとき
何かDRG/PPSというふうにしてしまったということがまず1つは誤解を生む要因に
なったのだと思います。あのときに使ったDRGと言われているものも、実際には、頭に
傷病名があって、その後に何を行ったかというふうな分類になっていますので、アメリカ
のDRGとは全く異なるものです。ですから、あのとき基本的には診断群分類に基づいて、
パー・ケース・ペイメントをしたと、1件当たり包括払いをしたというのがその2000
年前にやられていたいわゆる試行の本当の姿だったのだろうというふうに思っています。
 そのときにもう一つ問題になったのは、あのときに試行的にやられたいわゆる日本版の
最初の診断群分類という包括払いというのは、カバー率が低かったということが非常に問
題になりました。あのときがカバー率がたかだかたしか50%ぐらいだったろうと思うの
ですが、その後少し分類をふやして70%ぐらいになったのですけれども、そのときの診
断群分類に基づいた包括評価の委員会で、やはり100%にすべきであると。要するに、
急性期病院で扱っている患者さんは、すべてこの診断群分類でカバーするように分類をつ
くり直すということで、それでいろんな協議をした結果であるならば、もう日本独自の分
類をつくりましょうということで、2001年から議論が始まったというふうに私は記憶
しています。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。
 一応そういったバックグラウンドを考えた上で、もし可能であれば何かいい名称をつけ
ていただきまして、そしてそれを区別しながら議論していくという形にしたいと思ってい
ます。
 そういうことでよろしいでしょうか。これはさらりと済むはずだったのですが、ちょっ
と時間がかかってしまいました。
 それでは、続きまして、平成23年度参加病院の追加に伴う医療機関別係数の設定
(案)につきまして議論したいと思います。
 事務局から御説明をお願いします。

○事務局(丸山主査)
 それでは、D-2をお手元に御用意ください。
 今年の11月11日現在で、平成23年度の参加病院が62病院ということで予定をさ
せていただいております。目下、4月から参入に際しまして医療機関別係数の計算作業等
の準備に入っているところでございますが、2年前も21年度に参加した際、医療機関別
係数を設定しておりますので、基本的な考え方を確認させていただくとともに、今回は機
能評価係数IIという新しい要素が加わっていますので、若干運用を変更、修正したりす
る点がございますので、こちらを確認の意味を込めましてお諮りするものでございます。
 まず、1.として、平成21年も行った従前の考え方というのを振り返らせていただき
ます。
 改定時以外でDPC制度に病院が参加いたしますので、基本的な3つの考え方として1
番、既存の対象病院に対して影響を与えないものとする。2つ目として、設定をする際に
は、10カ月分、要は2年間のデータを使用して計算を行います。3つ目として、改定を
またいでおりますので、診断群分類等々変わっております。ですので、2つの調整係数を
算出し両者の平均値を調整係数とすると、これが基本的な考え方であったと理解をしてお
ります。
 2.でございます。
 今回対応せねばならぬことということで確認をさせていただきたいと思います。
 1つ目は、既存の病院、既にDPC制度で支払いを受けている対象病院については、丸1
でございます、影響させないということですので、機能評価係数I及び現在設定されてい
る調整係数については、現行の値を引き続き使用させていただきたい。
 丸2でございます。
 機能評価係数IIについては、新たに23年度再設定するということを御決定いただい
ていますので、これは平成23年度の参加病院も含めて再計算を行わせていただきたい。
既存対象病院についてはこの2つでございます。
 そして、23年度の新たに入ってくる参加病院の医療機関別係数についてですが、基本
は従前の考え方にのっとるのですが、以下の点を追加修正させていただきたいと。1個目
としては、既存対象病院に影響させないということですので、「暫定調整係数への換算係
数」と書いておりますが、昨年度御議論のときにλという値を設定させていただいたと記
憶しております。これについては、22年度改定で使った値をそのまま使わせていただき
たい。
 丸2番でございます。
 そして、改定をまたぐ場合の調整係数の計算方法ですが、機能評価係数IIが入ってい
ますので、医療費規模を正確に反映させるため、具体的に申しますと例えば救急医療係数
なんかは、その診療の実績において差額を補償するような形で計算をするという形でお認
めいただいていますので、21年度の6カ月データと22年の4カ月データ、それぞれの
診療実績から考えると、今回は加重平均をとらせていただくほうが妥当ではないかと考え
ておりますので、その方向で対応させていただければということで、2点追加及び修正と
いう形でお諮りするものであります。
 D-2としては以上でございます。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。
 この件に関しまして何か御意見ございますでしょうか。
 特に大きな問題点はないように思いますので、これでお認めいただくということでよろ
しいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、精神科病棟入院患者と一般病棟に入院する精神患者の比較につ
きまして議題としたいと思います。
 松田委員から資料が提出されておりますので、松田委員から御説明をお願いしたいと思
います。よろしくお願いします。

○松田委員
 前回、いわゆる総合病院における一般病床と先進病床におけるやはり精神科の患者さん
の問題が出ましたので、一応、研究班のほうでデータに基づいて幾つか分析をしています
ので今日は御紹介したいと思います。
 やったことは精神科病棟入院患者と一般病床に入院する精神患者の比較についてという
ことであります。
 1枚めくっていただきますと表1というのがありますけれども、これはどういう分析を
やったのかといいますと、これは平成20年度のデータですけれども、私たちの調査のほ
うに参加していただいている病院の中で、一般病棟に入院した精神疾患の患者さん以外に、
精神病床のデータもお出しいただいているところがあります。その精神病床に入院されて
いる患者さんのデータも、研究班のほうでつくっているロジックに従いまして、患者さん
をMDCに割りつけております。
 一応、上6桁だけで見たのがまず表1でありますけれども、これは何をやったのかとい
いますと、一般病床と精神病床、MDC17症例の種類と頻度を見たものです。左側が一
般病床で、右側が精神病床ですが、見ていただくと分かりますように患者構成に大きな差
がございます。一般病床のほうは、どちらかというと170020、精神作用物質による
精神及び行動の障害と、それからあと170050、神経症性障害、それからあとその他
の精神及び行動障害が多いのですけれども、精神病床のほうは、どちらかといいますと統
合失調症ですとか、170030、それから気分障害170040の患者さんが主体とな
っているというふうに患者構成が明らかに異なっております。
 あと2番目のほうとして、精神病床入院症例におけるMDCの17以外の上位疾患とい
うのを10疾患だけですけれども、見ておりますけれども、その中に入っていますのが、
アルコール依存症、アルツハイマー、てんかん等々ありまして、大体やはりどちらかとい
うと精神科関連の疾患がありますけれども、ただ例数としては少ないのですが、肺炎が大
体4.3%、それからあと股関節大腿近位骨折、手術目的でまず精神病床に入られたとい
う患者さんが3.1%と、こういう状況になっております。
 1枚めくっていただきますと、これはちょっとビジネスの表ですので抜かしたいと思う
のですが、一般病床に入院された患者さんと精神病床に入院された患者さん、両方ともG
AFスコアがとれておりますので、それがどのくらい改善しているのかということを入院
時のGAFスコア、それから退院時のGAFスコア、それからその変化というものに一般
病床と精神病床で差があるのかということを見たものであります。
 見てみますと、どちらかというとスコアの変化を見ていただいたらいいと思うのですが、
精神病床に入院された患者さんのほうが、その精神疾患の治療を目的として入られており
ますので、GAFスコア自体の改善も大きいという傾向があります。ほかのすべてのとこ
ろで同じような傾向があるかと思います。
 それから、在院日数に関して見ますと、一般病床と精神病床を比べると、明らかに精神
病床のほうが、患者さんが在院日数が長いという結果になっております。例えば見ていた
だきますと、170030等を見ていただきますと、これは統合失調症でありますけれど
も、在院日数で言うと、一般病床が30日であるのに対して、精神病床は43.1日とい
うことになっております。
 それから、GAFスコアのやつを見てみますと、精神病床のが、入院時は低いですけれ
ども、改善度は高いということで、恐らくもともとの入院目的が違うのだろうということ
がこういうところにも反映されているのだろうというふうに思います。
 また1枚めくっていただきますと、今度は入院病床別、それからDPC6別にみた拘束
及び隔離の状況でございますけれども、これを見ていただきますと、入院病床で拘束の有
無というふうに見ますと、明らかにどの病態におきましても、入院病床が、精神病床のほ
うが拘束も、それから隔離も多いという状況になっておりますので、これを見ていただい
ても、入っている患者さんの重症度も精神病床と一般病床で違うということが分かります。
 次を見ていただきますと、今度は入院形態が表5というところに書いてあります。これ
ももう明らかですけれども、任意入院というのはどちらかというと一般病床のほうに多く
て、医療保護入院ですとか措置入院というのは精神病床のほうに多いという結果になって
おります。
 MDC17以外で精神を見てみますと、任意入院が58%で、医療保護が39.5%と
いうことですので、かなりの患者さんはどちらかというと精神病床に任意で入られている
ということが言えるかと思います。
 表6のほうが、今度は入院病床別にDPC6別に見た手術の状況ありなしを見たもので
すけれども、これは病態によって少しばらついているのですけれども、170020、そ
れから170050のところで大きな差が出ておりますけれども、物によってどちらが手
術が多いないというのがありますので、一概にどちらのほうが手術目的で入っているとい
うようなことに関する明確な傾向はないようでした。
 あと、5枚目をめくっていただきますと表7ですけれども、じゃどんな手術が行われて
いるのだろうというのを見たのがこれであります。
 まず、精神病床のほうから見ていただきますと分かりますように、多くがこの創傷処置
と胃瘻造設術ということですので、また転倒等に基づくのだろうと思いますけれども、骨
折というものが最後のほうに少し入っております。
 一般病床のほうでいきましても、胃瘻造設術、創傷処置、それから中心静脈栄養とか、
こういうことですので、どちらかというとどちらの病床においても、マイナスアジェリが
多いというのがこの精神科の患者さんの手術の現状であるようです。
 最後に、救急車の利用等と、それから退院先というのを一応調べております。
 救急車の搬送に関しましては、一般病床のほうが38.9%で、精神病床が11.8%
で、3倍ぐらい一般病床に入院されている精神患者さんのほうが救急車の搬送が多いとい
うことになっております。
 それから、退院先を見ていただきますと、ここで非常に注目ができるのが終了の割合で
すけれども、一般病床の場合には恐らく何か内科的な疾患あるいは外科的な疾患の治療と
いうことを目的に入られておりますので、当該疾患に関してはいわゆる終了という形で退
院される方が多いという結果が出ております。
 それから、あと転帰ですけれども、これも、その内科的、外科的疾患というものを、身
体的疾患というものを中心に入院されているということだろうと思いますので、治癒、軽
快というのが非常に多くなっております。
 こういうことで、今、一般病床、精神病床のデータを研究班で集めている限られたデー
タだけですけれども、見ていただいてもかなりやっぱり入院されている患者さんの病態が
違うということが分かると思います。そういう意味で、現時点で一般病床の精神科のMD
C17と、それから精神病床のMDC17というのを同じように評価するというのは、や
っぱり在院日数とか行われた医療行為の内容等から見ても、少しまだ現時点では難しいの
だろうと思っています。
 以上でございます。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。
 今の御説明に対しまして御質問ございましたらお願いします。
 どうぞ、齊藤委員。

○齊藤委員
 そうすると、もうちょっと踏み込んで教えていただければ、MDC17、一般病床に入
っている場合は従来どおりのDPCの扱いになるけれども、精神病床については、今まで
どおりちょっとDPCの対象病棟に組み入れるとか、そういうことは難しいという認識で
よろしいのでしょうか、MDCと現行のDPCの診断群分類との関わりなのですが。

○松田委員
 今のいわゆる急性期病棟でやっている評価をそのまま精神科病棟のほうに適用するとい
うことは、医療資源の投入量がかなり異なっていますので難しいだろうと思います。
 ただ、総合病院の精神科を単独で何らかの形で、支払いはともかくとしても、先ほどの
分類としてのDPCと、それから支払いとしてのDPCと分けて考えていただくとすれば、
どういう換算が総合病院の精神科に入院しているのかということを評価するための分類と
してお使いいただくことは現時点でもできるだろうと思っています。そういう結果を見な
がら、総合病院における精神科というものをどういうふうに評価していくかということは、
いわゆる救急等を考える上でも少し重要になってくるのかなというふうには認識しており
ます。

○齊藤委員
 これ、小山先生も、前から大学病院なんかのほうの例を踏まえて、精神科病棟の扱い、
それから一般病棟での精神疾患の患者さんのことをずっと言っておられたのですが、この
結果をどう先生の要望につなげればいいのですか。

○小山分科会長代理
 ちょっと切り口が恐らく違うと思うんです。これは先ほど先生がおっしゃった内科の先
生の評価というのと同じことでもって、精神科の先生というのは何も手を下さなくて話を
聞くだけという、その評価が全くなされていないに等しい状況の中での診療が行われてい
ると思うんですよね。
 ただ、現行の中で、先ほど松田先生がおっしゃったみたいに、どうも疾患部が全く違う
ので、急性期の病床とは違うので、これは精神科の病床はやっぱり別に考えたほうがいい
かなという感じに思っています。精神科の病床の評価をもう少し何とかしてほしいという
のは、また別のジャンルになるのかなという感じは持っておりますので、今回の先生のと
ころから見ても、それが数字としてあらわれたというふうに認識はいたします。

○西岡分科会長
 ほかに御質問は。
 どうぞ。

○池上委員
 ここで言う精神病床というのは、全体の病床の大体どのくらいの構成比が平均的でしょ
うか。

○松田委員
 すみません、病床数のデータは今手元にないので、またちょうど患者数で言いますとこ
こに書いてあるとおりであります。

○池上委員
 つまり、ケアミックス病院と同じように、この精神病床はかなりの構成割合がある病院
における値と、それから非常に少ない病院における精神病床の値とでかなり様相が違って
くるのではないかと思ったものですから、この対象となさっている病院の中でですね。

○松田委員
 ほとんどが一般病床が主体で、精神病床というのはごくわずかというデータです。です
から、精神病棟が主体で、そこに一般病床がついているというデータはこの中にありませ
ん。

○西岡分科会長
 ほかによろしいでしょうか。
 今のお話からいたしますと、精神病棟に入っているのと一般病棟に入っているのとの患
者さんの特性が異なっているということと、そこにおける処置等の費用も大きく違ってき
ているのだろうということで、同じようにするというのは難しいのではないかということ
です。これに関しましては、総合病院の精神科の先生方から何とかしてくれというふうな
御要望が別にございますので、それについてはまたさらに御検討をお願いできるようにし
ておけばいいのかなというふうに思うのですが、そんなところでよろしいでしょうか。

○松田委員
 すみません、今日はデータを入れていないのですけれども、あとは救急における精神科
的な対応、それからあとがん、あるいは難治性疾患等における精神科専門療法としてのリ
エゾン医療というのは、多分、一般病床の中でもきちんと評価されなければいけないもの
だろうというふうに考えています。

○西岡分科会長
 そのあたりはむしろ技術料みたいになってくるのでしょうか。

○松田委員
 一応、現行でも出来高でとれている部分なのですけれども、そういう体制をどういうふ
うに評価をすることだろうかということだろうと思います。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして、DPC制度の基本的な考え方につきまして議論したいと思いま
す。
 事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○事務局(丸山主査)
 お手元には3種類の資料、D-4-1、4-2、4-2の別紙と3種類御用意いただけ
ればと思います。
 D-4-1でございますが、9月24日に今後の検討のスケジュールというのを御提示
させていただきまして、基本的にこれはそれにのっとって引き続き行っているものでござ
います。D-4-1の冒頭に書いてございますが、前回、10月26日に基本的な考え方
ということでいろいろ事実関係を取りまとめさせていただいたペーパーがあったと存じま
すが、その最後あたりに医療機関別係数の記載のくだりがございまして、それを続きにつ
いて一部加筆修正させていただいたと、そういう性質のものでございます。ですので、番
号がいきなり2番から開始しておりますが、続きを書いているというふうに御理解いただ
ければと存じます。
 先に資料入ります前に、資料の役割ですけれども、D-4-1が前回と同様事実関係を
記載させていただいた紙になってございます。本日、追って御議論いただきたい論点につ
いてD-4-2という形でまとめさせていただいています。その補助資料が別紙として調
整係数の値等々並べていると、そういった資料構成にさせていただいております。
 それでは、D-4-1にまず入らせていただきます。
 前回に引き続き事実関係ですので、非常に釈迦に説法的で恐縮でございますが、御説明
をさせていただきます。
 まず、今回は医療機関別係数についてということで議題にさせていただきますので、そ
ちらの基本的な考え方をおさらいさせていただければと思います。
 前回、医療資源の投入量の違いを幾つかの形で補償していくというのがDPC制度でご
ざいましたが、患者レベルの医療資源量の違いについて診断群分類の設定やそれぞれの診
断群分類での在院日数を設定することによって対応しております。
 そして、医療機関レベルの違いについては、右の点線の丸でございますが、医療機関別
係数を設定することによって対応してきたというのが事実関係でございます。
 2つ目の黒丸でございますが、ここから医療機関別係数について掘り下げますが、それ
ぞれのレベルについては、具体的には医療機関の設備・体制、診療機能等、そういったも
のを反映させる乗数として医療機関別係数というのを設定しております。主としては2つ
に分かれまして、医療提供の構造的な因子、ストラクチャー的な因子に着目した機能評価
係数Iとそれ以外として調整係数という形で制度運用が開始したものでございます。
 これは既に前回御議論いただいていますので、御存じのとおり、平成22年改定以降機
能評価係数IIを調整係数の役割を見直すということで導入したと、1枚目は概論でござ
います。
 おめくりいただきまして、2ページ目の上がその模式図になっておりますが、そこから
下がそれぞれの御説明でございます。
 まず、イとして機能評価係数Iは、先ほどと繰り返しになりますが、人員配置や医療機
関として有する機能、構造的因子を係数として評価をしております。こちらは、出来高評
価体系にのっとっておりまして、基本的には当該医療機関の入院患者全員に対して算定さ
れる加算、これは該当しておりまして、実例を挙げるのであれば、診療録管理体制加算で
あるとか医療安全対策加算であるとか、そういったものが評価されているわけでございま
す。
 一瞬本体を離れておめくりいただきますと、後ろのほうにその機能評価係数Iのすべて
を別紙1としてまとめさせていただいております。入院基本料の看護配置の差であるとか
入院基本料等加算であるとか、今回22年改定で検体検査管理加算であるとか、こちらの
ほうが導入されております。
 おめくりいただきまして、2ページ、こちらは、以前、中医協総会で入院基本料等加算
を御議論いただいたときの資料を少しDPC分科会用に加工しているのでございますが、
お手元で緑色に塗ってあるものが現行機能評価係数Iとして評価をされているものでござ
います。そして、水色で塗りつぶされているものが条件を満たせばDPC病院で加算とし
て算定可能であるもの、あえて字体を薄くしていてバックが無地であるものについては、
基本的にはDPC病棟では算定し得ないものと考えられるものを整理させていただいてお
ります。
 左側に「入院患者全員に加算」とか「条件を満たす個人毎に」と書いてありますとおり、
基本的には先ほど申し上げた概念に沿って整理されているのだろうというふうに理解をし
ております。
 こちらが機能評価係数Iでございます。
 それでは、本体資料の2ページ、下のほうにお戻りいただきまして、後段は調整係数と
機能評価係数IIでございます。
 アとして調整係数の考え方として、前回と同等の文言を書かせていただいておりますけ
れども、平成15年の制度導入時に特定機能病院における診療内容の実態、これを踏まえ
て制度導入の激変緩和のために前年度の診療報酬算定実績を反映もしくは補正させる係数
として導入された経緯でございます。そちらの経緯は、過去平成22年改定のときに御議
論いただいた経緯ペーパーを別紙の3ページ、4ページという形でまとめをさせていただ
いているものでございます。
 めくっていただきまして、3ページでございます。
 そして、機能評価係数IIを6項目設定していただいたわけですが、その考え方として
は、調整係数が単なる診療報酬水準の補償だけではなくて、こちらは松田先生のほうから
議論開始の際にお示しいただいていますが、重症患者への対応能力や高度医療の提供能力
など、現行の包括算定方式では評価されないさまざまな診療コストのばらつきを補正する
役割を担っているという御指摘をいただいて、検討をスタートしました。
 2つ目のポツでございます。
 このような観点から、調整係数が果たしている役割と機能評価係数IIで対応するべき
事項が何回も検討をされて、急性期入院医療の評価であること、医療全体の質の向上が期
待できることなど、7つの「基本的考え方」というのをまとめ、基本小委員会でお認めい
ただいたところです。これが、何回も御提示させていただいていますが、別紙の5という
形でおつけしております。
 そして、事実関係としては最後になりますが、その別紙の5の「基本的考え方」に合致
していて、かつ収集しているデータ、DPCデータで分析できるものであって、既存の診
療報酬評体系の評価と重複しない項目を繰り返し御精査いただきまして、別紙の6と7と
しておつけしております新たな機能評価係数IIという形で22改定で導入されたと、こ
こまでが事実関係でございます。
 D-4-1の説明としては以上でございます。

○西岡分科会長
 このD-4-1に関しましては、これまで出てまいりました議論を整理する形で御報告
いただきましたが、何か御質問ございますでしょうか。
 これは特に問題がないので、これに関してはこのままお認めいただくという形でよろし
いでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、ここからが本題になるかと思いますが、続きましてDPC制度の基本的な考
え方に関連する論点(2)について議論したいと思います。
 御説明をお願いします。

○事務局(丸山主査)
 ありがとうございました。
 D-4-1を基礎資料といたしまして、今回も、前回と同様、論点を別紙にまとめさせ
ていただいたのがD-4-2でございます。本日、D-1のほうの議事概要にもございま
したが、包括範囲の在り方や機能評価係数の見直しについては、基本的な考え方の関連し
た事項や論点に沿って引き続き整理するということでございますのでお示しさせていただ
いております。
 まず、1ページ目、調整係数の役割、D-4-1でも申し上げて繰り返しになりますが、
前年度の診療報酬算定実績を反映するというその定義から激変緩和の役割を担ってきてお
りますが、これの置きかえを進めるに当たっては、調整係数によって得られている診療報
酬が医療機関の診療においてどのような役割や効果につながっているか、これをきちんと
検討整理した上でやらねばならないのだろうと。それは、具体的な役割や機能として現時
点で考える例として、黒ポツの2つ目でございますが、以下、イ、ロ、ハとして御提示を
させていただいております。
 現時点で事務局が考えている例としてはイとして1つ目です。例外的な治療事例、アウ
トライヤーへの対応として、DPCに基づく包括評価においては、基本的に平均点という
ものを設定しておりますので、診療経過や治療方法がその標準的なものから大きく逸脱す
るものについて、これは一定程度発生するものは仕方がないと。過去の診療実績に基づい
て診療報酬を補正することによって、その例外的な差額というものが調整係数によって補
正されていると、そういう役割を担っているのが1つ要素としてあるのではないか。
 2つ目でございます。
 ロとして「医療機関ごとの医療資源投入量の補正」と書かせていただいております。調
整係数の分布について、経年変化とともに病床規模別などに分けて整理をすると、下のポ
ツの2つにあるように、DPC対象病院全体としては大きな変化がないですが、病床規模
別に分けた場合には一定の傾向があると、そのような読み解きができます。こちらは別紙
を用いて御説明させていただきたいですので、一旦別紙のほうをごらんいただければと思
います。
 D-4-2は、「調整係数に関する情報」とタイトルを打っておりますが、既に告示さ
れている調整係数をそれぞれ最小値、最大値、中央値、標準偏差等々集計をさせていただ
いたものです。まず、一番、表の1ページと2ページとしては、上が、詳細情報、基本統
計量を出したものでして、下が、それぞれ度数分布を重ね合わせる関係上、折れ線グラフ
として表示をさせていただいています。
 中央値のところをざっと眺めていただいても結構でございますが、DPC対象病院全体
としては分布に大きな変化はないと。基本的に上のほうに伸びていく形で調整係数は分布
をしております。
 めくっていただきまして、1つ目の見開き3から6ページは細かい情報になりますので、
こちらは御興味があれば追ってごらんをいただければと思っております。
 再度めくっていただきますと、7ページ目から10ページ目が本日御提示する要旨とな
るんでしょう。7ページ目は具体的にどうしているかと申しますと、調整係数のそれぞれ
の中央値の年次推移をとっております。これを病床規模別に分けて集計させていただいて
おります。下に凡例がございますが、青の折れ線グラフが、100床未満、99床以下で
ございまして、どんどん上がるに従ってオレンジのところが500床以上と、一応御参考
にということで特定機能病院、500床以上に包含される部分集合でございますが、こち
らを薄いグレーの縦印のついた折れ線グラフとして表示しております。こちら、ごらんい
ただければ分かりますとおり、病床規模順にきれいに並んだ形で、病床規模が上がれば上
がるほど、調整係数が上のほうに変位すると、そういった一定の傾向が見てとれます。
 同じようなことをDPCの算定病床比率別に見たのが下の8ページ、これは追加集計で
行わせていただいている60%と80%で、あと100%で線引きをさせていただいて、
4分類をさせていただいたこちらもDPCの算定病床比率が上がるほど少し上方変位して
いくという傾向が見てとれます。
 また、9ページにつきましては、こちらも追加集計でいろいろ診療機能として地域医療
診療病院やらがん拠点病院というのを御指摘いただいていますので、病院数が多かったも
ののみですが、試しに集計をしてみたいというものでございます。こちらも一定の傾向が
読み取れるのではないかと。ただ、御留意いただきたいのが、がん拠点病院については、
特定機能病院や地域医療支援病院とオーバーラップする部分がございますので、その点だ
け差し引いてごらんいただければと思います。
 おめくりいただきまして、今まで表示していたのが中央値の推移だけでございますので、
実際どの程度のばらつき、分布になっているのかというのを細かい資料でございますが、
お示ししているのが次の見開きでございます。
 11ページと12ページは病床規模別にそれぞれ年度ごとに分布を切っているものでご
ざいます。切っているというのを申しますのは、7ページのものを要は年度ごとに縦軸に
見た場合にどんな分布になっているかというふうなイメージでごらんいただければと思い
ます。
 右側が、13ページ、14ページが同じことをDPC算定病床比率で行ったものになっ
ております。14ページだけ少しタイプミスがございまして、こちら、タイトルは病床規
模別ではなくて、上と同じくDPC算定病床比率別です。この場で訂正させていただきま
す。
 以上が調整係数を告示のものを簡単に集計したものでございますが、繰り返しになりま
すが、全体としての分布には変化がないんですが、病床規模別等々分けた場合には一定の
傾向が見られるのではないかということで、調整係数が一定の役割を果たしているのでは
ないかというのが、具体的な役割、機能の例示の2つ目でございます。
 本体資料にお戻りいただきまして、最後、具体的な役割機能の3つ目としては、診療報
酬改定の反映としてハを挙げさせていただきます。それは、新しいDPCの診断群分類点
数表というものが、改定前の診療実績に基づきその平均点を計算する仕組みになっている
ため、現行では改定率の反映など診療報酬改定の影響を反映するために、調整係数の計算
の際に改定率を乗じるという形をとっております。具体的な式をということであれば、資
料が前後して恐縮ですが、D-4-1の2ページの上に示しているところに具体的な計算
式として改定率が組み込まれているのがごらんいただけると思います。
 それでは、D-4-2の裏面、2ページ目でございます。
 以上、少し長くなって恐縮ですが、具体的な役割、機能の例として例示として3つ挙げ
させていただきました。本日御議論いただきたいのはそこの丸で示している3点でござい
ます。今挙げさせていただいた例示も含め、調整係数が担っていると考えられる役割、機
能についてはどのようなものが考えられるかと。その他ある機能があれば、本日御指摘を
いただければと存じます。
 2つ目の丸でございます。その調整係数が担う役割、機能を置きかえるため評価してい
くんでありますが、今後検討する前提で、その検討のために必要なデータ及びその統計と
して必要なものがどのようなものがあるかと。どのような目的でどのようなデータを集計
したらいいかというのを御提案いただければと存じます。
 3つ目の議論の点としては丸2でございます。
 機能評価係数I、II、暫定調整係数と3種類ございますが、それぞれの在り方につい
て今後具体的な論点を整理したいところですが、現時点でそれぞれの役割分担及び整理に
課題がないか、あるとすればどのような課題があるでしょうかと、こちらのほうを御議論
いただきたいと思います。
 D-4-2として御説明は以上となります。

○西岡分科会長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見をちょうだいしたいと思いますが、い
かがでしょうか。
 このD-4-2の1枚紙の表のほうに関しては余り問題ないのかと思いますが、むしろ
この2ページ目のところで今御説明がありました調整係数が担っていると考えられる役割、
機能について、これ以外ほかにどのようなものがあるのかということと、それからまたそ
の機能評価係数IIのためにどういったデータが必要になってくるのかといったところで
御議論をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ、金田委員。

○金田委員
 金田です。
 今回新たに加わった2つの係数のうち、6番目の救急医療係数、これは非常にすばらし
いと思います。また、5番の地域医療指数については、この具体的な内容については、た
しか我々のこの分科会では十分議論する時間的余裕がなかったように思います。今後議論
をして改良していく必要があると思うのですけれども、そこで地域医療への貢献に対する
より適切な評価として、先ほどありましたように社会的に求められている機能、役割を重
視するであるとか地域医療への貢献と、この辺の点を踏まえて2点提案したいと思います。
 まず第1点として、今回のDPC特別調査の常勤換算指数と毎月提出しているデータの
中の緊急入院患者数あるいは各病院の救急車受け入れ件数、常勤換算指数と緊急救急車等
の受け入れ件数、人数、この2つから病床規模にかかわらない医師1人当たりの救急医療
に対する負担の重みの評価が可能になるのではないかと考えました。これが1点でありま
す。
 それから、第2点は、都道府県単位で保健医療計画策定協議会においては、保健医療計
画が今検討されておりますけれども、4疾病5事業の地域医療計画に挙がっている病院か
否かを見ることにより、地域医療への貢献度の評価が可能になるのではないかと考えまし
た。
 以上2点を提案させていただきたいと思います。
 なお、医師不足の中を必死になって地域医療を支えているDPC病院は、地域医療指数
に強い期待と関心を持っていることを添えさせていただきたいと思います。
 以上です。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。
 先生、例えば常勤医師数と救急受け入れ数との比率を出すということは、その病院はも
ともと医者が少な過ぎるのではないかというふうな、逆にきっちりした医療ができている
のかということを問われてくることにもなるかもしれませんね。ですから、本当にいい係
数となり得るのかどうかですね。ちょっとそこのところを考えて提案しないと、逆の評価
が出てくる可能性があります。苦労しているのはよく分かるのですが。

○金田委員
 そうであれば、都道府県の保健医療計画には載ってこないだろうと思います。

○西岡分科会長
 難しいところですね。一応、御提案いただいたものはまたさらに検討を加えていくとい
うことになるかと思いますが、何か事務局のほうから御意見ございますか。

○事務局(丸山主査)
 すみません、個別項目については追って再度精査が必要なのだと認識をしております。
本日どちらかというと御議論いただきたいのは、D-4-2の裏面の調整係数が担ってい
るという考えられる役割機能、我々が3つほど例示をさせていただきましたが、まずこち
らがどのようなものを担っているかという定性的なところをまず御議論いただければと思
っています。

○西岡分科会長
 金田委員の御提案は御提案でさらに検討を加えていくということになりますが、今議論
しているポイントとはちょっと違っておりますので、むしろこの調整係数が担っている役
割というものについての御議論をちょうだいしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 どうぞ、小山委員。

○小山分科会長代理
 このD-4-2のところの丸1のロのところの医療機関ごとの医療資源投入量の補正とい
うところでもって2行目から3行目のところで「医療機関ごとの医療資源投入量のバラつ
きを補正している側面」というような言い方をしてありますけれども、この裏のところの
2ページ目の一番上の調整係数が担っていると考えられる役割や機能ということを考えま
すと、これは逆にその病院が持っている機能を反映しているようなものになりつつあるん
じゃないかという感じがいたします。
 つまり、この病床規模なんかにも非常に偏りが見られるというのですけれども、言い方
は悪いですけれども、やはり総合病院で、100床、100ベッドぐらいの病院とやっぱ
り500を超えてくるようなベッドの病院では持っている機能がかなり違うと思うのです
ね。例えばいわゆる高額医療機器であるCT、MRIあるいは心臓カテーテル検査等々の
機能をすべて持っている。持っていないところでも同じ評価がされているわけですから、
そこら辺の差がこの調整係数に出ているような気がするので、役割とするとその病院が持
っている機能をこの調整係数がある意味反映しているのではないかというような私は考え
を持っておりますので、調整係数という名前がよくないので、この名前を変えて、やはり
それぞれの病院の特徴があると思うんですよね。その特徴を反映するような係数という形
の、今これ、暫定調整係数となっておりますけれども、かつて厚労省の意見の中には基礎
係数というような言い方もありましたけれども、そのようなものに変えていくというよう
な形のものが必要なのではないかと思います。
 もしそのような形でもって基礎係数と考えるならば、余り何年も何年もかけて機能評価
係数をどんどん積み重ねるよりも、基礎係数というものがあるのだったら、場合によった
らこれでもってすべて包含されてしまって、機能がすべてここに集中するというような考
え方も出てくるのではないかなというふうに考えます。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 どうぞ、池上委員。

○池上委員
 調整係数の役割としてアウトライヤー等への対応と医療機関ごとの医療資源投入量の補
正ということが上がっています。これは、基本的には調整係数というのは、DPC導入時
点、当該医療機関にDPCを導入時点における包括出来高の差を調整していて、それ以後、
DPCの分類の構成比を反映して変わることがあっても、基本的には導入当初の両者の差
が踏襲されているというところに問題があったかと私は認識していますので、改めて、E
Fファイルがあるわけですので、この新しいデータに基づいて調整係数を再度計算してみ
るのも一つの方法かと存じますけれども、計算は可能であるように思いますので御検討い
ただければと存じます。

○小山分科会長代理
 その点に関しては、前年度のヒアリングのときに病院がなぜこのように高いかと言った
らば、それは準備病院のときのデータを使っているからだというのが出されましたので、
今度新たに考えられる新たな調整係数というものの考え方をすると、直近1年間のデータ
をベースにするような考え方になってくるのかなと思っております。
 7年間たちまして、DPCそのものは平均で恐らく20%から場合によっては2割から
3割ぐらい評価が落ちていて、非常に効率化というのですか、出来てきていると思うんで
すよね。その中でやっぱり調整係数の役割というのは、ただ単に広げるだけの役割じゃな
くて、7年もたってくると病院の機能を評価する一つの項目になってきたのではないかな
というふうに考えます。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。
 この調整係数の計算は昨年のこの会議で何度も出た課題だと思います。これは導入した
ときの数値がもとになって少しずつ変わってきたというふうな形で積み重ねてこられたの
が調整係数だったのですが、今回はそれをかなり修正されたんじゃなかったのですか。ま
だ修正はされていないのですか。そうですか。だから、今までの調整係数というのは、確
かにどこの病院もそうですけれども、DPCに入るときは物すごく高い調整係数になるん
ですね。それで、1年後にはがらっと変わってしまうということが、あちこちで指摘され
ているところですので、やはり直近のデータ、DPCに入られてからのデータでこの調整
係数をつくっていかなきゃいけないということになるかと思います。

○小山分科会長代理
 基礎係数。

○西岡分科会長
 それを調整係数というか、今おっしゃるような基礎係数というか、何かそんな形のもの
としてのデータをとらないと非常にまずいのではないかなという御指摘だと思いますが、
それでよろしいですか。

○池上委員
 今、分科会長代理がおっしゃったことを検証するためにも、今の時点のデータに基づい
て再度今言っている調整係数を計算し直して、これが、この前提がアウトライヤーと資源
投入量の補正という役割を引き続き担っているとすれば大きく変動しないはずですので、
また仮に変動したとしたら、それこそが本来のこれらに対応するための役割としての係数
になると存じますので、少なくともデータとして御提示いただけばと願っております。

○美原委員
 調整係数ですが、最初、当初お話しになったように、前年度のを担保するというような
意味合いであったかと思うんですね。それで、我々、一生懸命努力して効率化を図ると、
どんどん前年度の出来高が下がっていってしまう。そして、実際に調整係数も下がってし
まう。将来的に……

○小山分科会長代理
 調整係数は下がらないです。下がらないから問題なんです。

○美原委員
 係数IIを入れるとでしょう。

○小山分科会長代理
 いやいや、そうではなくて、調整係数は導入時のデータをベースにして計算されていま
すから。

○美原委員
 ちょっと僕の勘違いだと思います。数字はちょっと下がっているのかなというふうに思
っていたのですが、割合の問題ですか。

○西岡分科会長
 微妙に調整はされているのだということですが、基本はやはり導入時のものが中心だと
いうふうに伺ったのですが……

○美原委員
 いずれにせよ、前年度というかそれまでを担保する、それはとてもうれしいことなんで
すが、やはりだんだんそうじゃなくなって、努力したら上がっていくように、努力しなか
ったら下がるように、そういうような形になってくれるのがフェアなやり方だろうという
ふうに思います。
 ですから、今までの前年度を担保するというのからだんだんそれが新たな機能評価係数
に変わってくるのだろうというふうに理解しておりますので、それであるならば、僕は新
たな機能評価係数というものが適切であってくれればいいように思います。

○西岡分科会長
 どうぞ、酒巻委員。

○酒巻委員
 別に何か私が結論が出ていて言っているわけではないのですけれども、このいただいた
グラフの中で、最後のほうから2ページ目の7、病床規模別のところを見ていただきます
と、調整係数の中央値の年次推移というのは、平成20年度以降は大体プラトーになって
いるんですよね。これをどういうふうに読むかというのは、非常に難しいと思いますので、
私はちゃんとは言えないのですけれども、もし考えられる要因があるとすれば、ここまで
の間というのはどんどん病院がたくさん入ってきている時期でして、自分たちの調整係数
がずっと変わっていく時期なんですよね。自分たちのデータがどんどんふえていくので、
調整係数がだんだん上がってきているのだと思うんです。大体ここら辺で病院の参加数が
少なくなっていて、ほぼプラトーな数字になって上がってきているのだと思っていまして、
ここから以降割と安定していくのではないかなという気持ちがあります。どう読んだらい
いのか分からないのですけれども、とにかくこの一定になっているということはこのよう
に読めるというところはあります。

○小山分科会長代理
 僕が回答していいのか分からないのだけれども、僕の個人的な見解ですけれども、基本
的にはいわゆる非常に効率のいい小さな規模の病院がどんどん入ってきたために、DPC
の評価はどんどん下がるわけですよね。その下がっているものを結局、調整係数という形
で前年度の収入を落ちないようにしたために上がってきたけれども、20年度以降は、も
うほぼそれが、入ってくる病院が大体固まって、比率も決まったから、調整係数は余り動
かないという考え方でいいのではないかと思いますけれどもね。

○酒巻委員
 全くそのとおりで、私も、なかなか言い方が難しかったけれども、多分そうだと思うと
いう意味です。分析した側がどう読んでいるかは分からないので……。

○熊本委員
 今日は、調整係数とは何だったかという議論がされたはずで、あえて私もちょっと思っ
たのですけれども、D-4-1の2ページ目のこのグラフというかのところですね。調整
係数があって、その上に機能評価係数IとIIが足されるのですけれども、先ほど小山先
生がおっしゃられたみたいに、そこの調整係数が全部4分の1ずつ改定でなくなって、機
能評価係数IとIIに変わるのであれば、限りなくゼロに近い病院も出てくる可能性も出
てくるわけですよね。
 それではなくて、ある程度この調整係数に意味づけて、先ほど基礎係数という言葉があ
りましたけれども、基礎係数というのがあって、そこに上積みされるというふうに考えな
いと、この調整係数をゼロにして、それを4回の改定で25%ずつ埋め合わせる機能評価
係数を見つけてきて埋めるという考え方なのか、小山先生が先ほど申し上げたように、基
礎係数的なものがあって、その上に積み重ねていくのかと、それは、ちょっと私もどちら
のことなのかなというのが分からなくなってきている面もあるのですけれども、そこをち
ょっとはっきりしたいな。つまり、基礎係数があるのかないのかかもしれないのですけれ
ども。

○西岡分科会長
 非常にクリティカルな議論になってきてしまったのですが、これはたしか事務局からか
つて基礎係数という概念を提案いただきまして、かなりの病院の方々が安心されたのでは
ないかなと思いました。それまでのお話では、調整係数をとにかく全部新たな機能評価係
数に変えるのだというふうな形で進んでいたので、混乱があったのではないかと思うので
すが、何かこれについて企画官、たしか企画官のほうから御提案いただいたような記憶も
残っているのですが、いかがでしょうか。

○事務局(迫井企画官)
 お手元の21年12月24日の資料にございますが、それを分科会のバインダーを見て
いただければと思いますが、資料D-3の後ろのほうに付随している資料です。D-3の
参考資料という形でページ数がうまく振っていないので、要はその日の最後のページです。
12月24日の最後の紙のところに、模式図とともに御提案をしたときのものです。
 この経緯は何度かこれまでも御説明をさせていただいているのですが、結論から言いま
すと、この基礎係数という名称なり概念も含めまして全くこれは何も決定がされておりま
せんし、あるいはこのとき一度概念的なお示しをしただけで、まだ今後検討を要する事項
です。先ほど熊本委員がおっしゃいました25%、4分の1ということも実は同様でござ
いまして、この当時、調整係数をどういう形で機能評価係数に持っていくのかという工程、
プロセスが見えないので、どういうふうにするのかということを検討することも一つの分
科会のミッションとしてございましたので、何度か御議論いただいた後に最終的に決めな
いと、この時期、日付を見ていただいたら分かるのですが、21年12月のもう半ばです
ので、もう改定作業直前でございましたので、もう時間的にデッドラインでしたから、一
定程度の仮説なり考え方をまとめてこういう形で御提案したらどうかということで一旦中
医協のほうにお諮りをしました。そのときに、今後何回の改定でこの置きかえを行うのか
というのは今後決める話だということになりまして、一旦22年度の対応についてのみ確
定をしていただいたということでございます。
 ですから、熊本委員の御質問にそのままストレートに答えるとすれば、今後どういうふ
うにしていくのかということ自体はまだオープンクエスチョンであると。そのときに概念
としてこういった最終的に調整係数をなくすわけですから、調整係数をなくすといっても
ゼロにするわけにはいきませんので、一定の考え方で診療報酬を算定する必要があります
から、それを仮の名前でこういう名称で置きかえて今後議論していきましょうと、そうい
う趣旨でございました。
 以上でございます。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。
 どうぞ。

○小山分科会長代理
 熊本委員のほうの回答とすると、恐らくD-2のところにありますとおり、本当はラム
ダが0.75になるはずだったんですよね。でも0.977なんですよね。だから、ここ
は余り追求しないほうがお互いの幸せなのではないかなと思いますので、そこそこのとこ
ろでもってやっておいたほうがいいかなというふうに思います。
 その中で、今、企画官が言ったような余り大きく変化させたり複雑化させないようにす
るためには、ある程度のところでもって一つのまとめとしての機能評価係数というのを考
えたほうがすっきりするのではないかというような考え方ですよね。

○西岡分科会長
 どうぞ。

○熊本委員
 D-4-1を見ますと、復習になっていますけれども、いわゆる医療機関別係数は機能
評価係数のIとIIと調整係数を足してなるわけですから、今まで調整係数がかなりIに
近かったわけですね。0.8のところから1.3のところという0.5も差はあるのです
けれども、1に近い数字で来ていたのに、その機能評価係数とか機能評価係数IとIIの
決め方によっては、かなりこの部分がもう1よりもかなり低くなるという可能性だってそ
れはあるわけですから、そういった意味で機能評価係数IとIIの決め方がやっぱり重要
になってくる。その中に先ほど小山先生がおっしゃったような意見も多分出てくるのだろ
うという思いでちょっと発言しました。

○西岡分科会長
 どうぞ、酒巻委員。

○酒巻委員
 この先ほど私が指摘したグラフのところですけれども、やっぱり安定してきたというこ
とが非常によかったというふうに思っているということを再度強調したいと思います。と
いうのは、こうして安定しないと実は次の基礎係数などを考える手段がなくなってしまう
と思います。これは安定しているということを私はポジティブに評価したいと思います。

○緒方委員
 すみません、2回目の出席なのでちょっと思い違いがあったら御指摘いただきたいです。
 今のグラフの話なのですが、年次ごとに安定しているということはこれで分かるのです
が、そうしますと、今度、病床ごとに機能係数が大きくなっていますよね。ということは、
これは一つの評価の方法として、例えば傾きが本当にこの傾きでいいのかどうか。つまり、
病床が大きくなるごとに機能評価係数が大きくなるけれども、その大きくなり方の傾きが
これでいいかどうかという評価はどうやってやればいいのでしょうか。

○小山分科会長代理
 一個一個。

○緒方委員
 1個ずつですか。

○小山分科会長代理
 その平均値がここに出てきている。一個一個決めてその平均値がここに出ているからこ
ういう傾向が……

○緒方委員
 これは、だけどトータルの評価としてはこれは使えるという判断でよろしいのでしょう
か。分かりました。
 それから、もう一つすみません、もう一つだけ。
 これは意見なのですが、アウトライヤーとか、それからばらつきを補正するということ
はよく分かるのですが、すべてのばらつきとかすべてのアウトライヤーを全部考慮しよう
とするとどんどん複雑になると思うんですね。ですから、そこのちょうどいいところを細
かいところをどこまで見て、トータルでどこまでシンプルにするかというちょうどいいと
ころをどうやって見つけていったらいいのだろうかというのが素朴な疑問で、今すぐ答え
はないと思うのですが、それを探っていかないといけないかなという気がしています。
 以上です。

○池上委員
 このグラフをもう一つ確認のため追加していただければと存じますけれども、これはD
PCの導入時点ごとに病院を分けて、それにおける調整係数の中央値を描けば、理論的に
は全部平行線になるかなという気がするのですけれども、それをちょっと確認したい。そ
れを必ずしも皆さん十分認識されていないので、それを確認する意味でも、導入時点、導
入年度ごとの病床規模ごとに見ると、本来はこれは全部平行線になる。それがどういうと
ころの病院が加わったためにどう変わったかということが合算すると分かると、これは、
今、合算した形なのでちょっときれいな姿が見えないものですから、理解を高めるために
そういうのを提示いただければと考えました。

○西岡分科会長
 先生、この2番目の表で、これが導入時期の分布になってはいるのですが、これが単年
度ですから、経過が要るわけですね。それを病床別で出してもらいたい。
 どうぞ、事務局、お願いします。

○事務局(丸山主査)
 集計可能でありますので、対応させていただこうと思います。
 22年改定に御議論のときには参入年度別に一回お示しをしていたと思いますので、そ
れに倣ってと。一応御参考までに申し上げますと、特定機能病院だけはほとんど変わって
いませんので、平成15年の参入病院だけという意味であれば、そちらをごらんいただけ
ればと思います。

○池上委員
 それは承知していますので、それ以外の病院についても……

○事務局(丸山主査)
 集計させていただきます。
 ありがとうございます。

○事務局(迫井企画官)
 なかなか時間もございませんし、皆さんに御議論いただく機会もそうそうはございませ
んので、これまでのやりとり、議論をお聞きしておきまして、幾つかお願いといいますか、
御議論なり教えていただきたい点がございます。
 今回、論点、D-4-2の2ページ目にお示ししたようなこんな議論を進めていただけ
ないかとお願いした趣旨は、前回の議論で医療機関別係数の議論がなされたときに、D-
1の議事概要にもまとめさせていただいているのですが、これはたしか三上委員だったと
思いますが、調整係数を今後機能評価係数に置きかえていく作業の前提となるわけですが、
機能評価係数IIについて出来高の評価と結びついていない、根拠がないようなものがある
という御指摘があった一方で、これは分科会長御自身も含めてだと思いますが、それは理
論的な背景なり説明なりが十分ではないというふうな側面もあると、御議論いただきまし
た。
 今後の作業を進めるに当たっては、やはりそういった関係づけとか説明づけが診療報酬
上非常に重要だと考えておりまして、そういう面でもう一回22年改定のときの作業を見
ますと、実はかなりデータとか因子の分析を相当やっていただいていまして、そのことは
余りもう一回繰り返す意味というのはほとんどないぐらい相当やっていただいてまいりま
した。
 一方で、三上委員が御指摘のことも、私なりの理解は、その機能評価係数とか調整係数
が、どういった診療行為とかコストとか役割とか、そういったものに結びついているのか
ということが分からないままいろんな因子なり数字なりでもって調整係数を設定している
ので、1つには理解がなかなか得られにくい、あるいは説明なり根拠なりに結びつきにく
いというふうに私どもなりの問題意識は持っておりまして、その意味で、特に1つ目の丸
はそうなんですが、調整係数というものが仮になくなった場合には、こういうような診療
機能に大きな影響がありますというお話をいただいておりますので、それがますます診療
面とか現象面でどういったことをカバーしているのか。データについてはおおむね説明は
つくと思いますし、そのことの作業は22年改定の延長線上でもできるのですが、診療と
か日常の医療の担っている機能、分科会長代理がおっしゃったことそのものなのかもしれ
ませんけれども、医療機関の機能という点でどういったものに結びついているのかという
ことを少し教えていただけないかと。ひいては、そのことをヒントに少し別の目でデータ
とか、例えば診療区分ごとの分析を進めるとか、そういったことをしていきたいなという
問題意識はこの2つの丸に凝縮をさせていただいているということでございます。
 そのことについて、できればもう少し御示唆をいただきたいと思っております。

○西岡分科会長
 多分、記憶にあると思うのですが、前回、今、企画官のお話がありましたように、この
機能評価係数IIは、出来高には基づいていないのではないかという御意見が出て、決し
てそうではないというふうにお話はしたのですが、そこら辺の理論づけをぜひとも、ある
いはこういったものに関係しているというふうな形でアイデアをちょうだいできたらと思
うのですが、松田委員、お願いします。

○松田委員
 この資料には入っていないのですけれども、この前々年度のときに、調整係数と例えば
薬剤の使用料ですとか、あるいは検査の関連とか画像の関連というのを分析して、その調
整係数の中身が何なのかということを少しお示ししたつもりだったのですけれども、多分
十分に示し切れていないと思いますので、その調整係数の中身がどういうものなのかとい
うことを少し研究班なりにデータに基づいて分析をして、今の企画官の質問に答えるよう
なものをできれば次回お出ししたいというふうに思っております。
 今までいろんなことをやっています。これはたしか酒巻委員も出されていたと思うので
すが、どこかで出されていたと思いますけれども、例えば研修医の多い施設では、やはり
少し検査とか材料の使用料が多いというようなデータが確かあったと思う。我々も確かそ
ういうデータをつくったと思いますけれども、そういういわゆる研修医を育てるとか、そ
ういう機能というのも多分この中に入ってくるのかなと思いますので、そういうものも含
めて少し調整係数と言われているものの中に対応する診療行為がどういうふうになってい
るのかというのを診療功績の構造を分析したデータをできれば次回ぐらいにお出ししたい
と思います。

○池上委員
 その際、現在の調整係数と、それから新たに計算し直した場合の調整係数との両方との
関連で研修医の数等を御提示いただけば、これは、持続性のある機能をあらわしているの
か、それとも導入時の1回、その瞬間の機能をあらわしているのかということの両面から
分析できるかと存じますので。

○西岡分科会長
 いずれにいたしましても、池上委員の御指摘のごとく、DPCに参加してから以降のデ
ータをもとにした調整係数というのを一たん全部出さなければいけないということと、そ
れを眺めながら、今、松田委員から言われました研修医の問題であるとか、あるいは病院
の中の医者をどのように育てていくか、研修医だけじゃなしに、医師、看護師その他の教
育の問題もありますが、そういったものも加えて考え方を出していただきますと非常にあ
りがたいと思います。
 松田委員、どうぞ。

○松田委員
 私たち、細かい人員のデータとかをとったのが平成20年です。ですから、直近でその
データがないので、今、池上委員が言われたことに対応して、その時点での調整係数をも
う一回計算し直して、ちょっと古い2年ぐらい前のデータになりますけれども、やってみ
たいと思います。
 ただし、以前少しやったことがあるのですけれども、調整係数はかなりずれる要因もあ
りますので、混乱を避けるためにすべて匿名でデータを出します。

○西岡分科会長
 では、これに関しましては、研修医の話だけではなしに、いろんなファクターがあるだ
ろうと思いますので、それをぜひとも次回にお願いできればありがたいと思います。
 それ以外に何かこういったことを考えてはどうかというのがございましたらありがたい
のですが。

○池上委員
 よろしいですか、たびたび。
 この裏のページの最後の丸にありますように、実際に機能評価係数Iは別として、機能
評価係数IIと調整係数との関係も分析していただくと参考になると思うのですけれども、
その場合の調整係数も平成20年度であっても結構だということと、それから実際に使用
されている調整係数と両面から分析していただくと、調整係数とこの機能評価係数との、
機能評価係数IIはそれぞれ要素がありますので、それとの関連も少し見えてきて……

○西岡分科会長
 先生、機能評価係数IIは今年から入ったので、平成20年度はちょっと難しいと思い
ます。

○池上委員
 ただ、そんなに変わっていないという前提、ちょっと乱暴ですけれども、少なくとも現
在の調整係数との関係は見られるわけですね。平成20年度の値で外挿してもそんなに変
わらないのではないかという気がしたものですから。
 いずれにしても、機能評価係数IIは独自にいろいろな指数が開発されたんですけれど
も、それと調整係数との関連は今まで見てきていないので、ここで言っているこのロのほ
うの医療機関ごとの医療資源投入量の補正にもある程度は当てはまるのではないかという
気がしますので、その調整係数の実態を知る上では役立つのではないかという気がします。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。
 どうぞ、酒巻委員。

○酒巻委員
 事務局がどういう方針でデータを分析していくかというのは、少しよく検討してもらっ
てやったほうがいいと思います。
 なぜそんなことを考えるかというと、例えば空想ですけれども、調整係数のIと調整係
数、機能評価係数のIとIIの間には、多分かなり正の相関がありそうな気配ですよね、
もしかすると。独立していないのではないかと思うんですよね、こうやっていくと。そう
でもないですかね。独立していますか。

○西岡分科会長
 調整係数IIのほうは、かなり病院の特徴が出て、それと同時に医療の質というものも
関係していると思うんですね。

○酒巻委員
 独立しているのが大体頭の中で表現したときに非常にいいんですけれども、もう全く独
立していなかったなどということになると、何か嫌な感じがしたもので、じゃ発言は撤回
します。

○西岡分科会長
 Iのほうはストラクチャーとそれぞれの部分だけになっています。IIのほうは特徴が
出ていると思いますが、よろしいですか。

○美原委員
 今回お話がありましたけれども、機能評価係数のIはストラクチャーであります。機能
評価係数のIIは、ストラクチャー以外、もしかしたらそれがプロセスであるのかアウト
カムなのであるか、ともかく医療の質を見るときにそうだというようなお話ですが、それ
で病院の特徴が見えているというお話で、本当にそうなのかなと。つまり、やはりストラ
クチャーにかなり偏った部分が、機能評価係数にストラクチャーがしっかりした大きな病
院が有利なようなことになっているのではないかという印象はぬぐえないように思います。
 というのは、例えばカバー率の問題あるいは地域の問題でも、例えば小さな病院では、
災害の何かああいうようなものもとれない。かなり大きな病院がよくなっているのではな
いか。実際に今回もう当局から出たデータ、先ほどちょっとお示しされましたけれども、
我々のほうでも厚労省から出たデータで、昨年度と、それから今年度のある時期の1日当
たりの点数を評価してみたんですね。そうすると、500床以上の大きな病院では大体1
日当たりの10%ぐらい上がっているんですね。300床以上が8%、それ以下が6%、
だんだんやはり大きな病院が1日当たりの出来高が上がっているというデータになってい
ます。
 さらに、それの母体別でもちょっとおもしろがってデータを出してみたのですが、特定
機能病院が多くて、その次に公的病院が高くて、そして民間病院がその下に来ると。つま
り、大きな病院で公的な色彩のが高い、1日当たりの点数が昨年度と比較して大きくなっ
てよくなっているというようなデータがありました。これは独自にとったものなんです。
 そのときに、先ほど揚げ足をとるようなのでとても嫌なのですが、そういう機能評価係
数が一定の役割を果たしているという御発言があって、やはり当局としては大きな病院が
非常によくなるということがいいということを評価しているのかなと、もう非常に揚げ足
取りみたいで嫌なのですけれども、ただ、そうしたときに、機能評価係数というのがプロ
セスであるとかアウトカムだとかということにもう少しはっきり出てきてほしいなと思い
ます。
 また、例えば、やはり質をよくしていこう、質を高めていくのだといったときに、質っ
てけっこうコストがかかるわけです。そうしたときに、例えば第三者評価の問題、例えば
病院機能評価なんかをまだ僕は認定されていないのですけれども、そういうのが入ってく
ると、やはり先ほどからお話しになっているように、それが本当に質によくなっているの
かという、それが見える化されているのかというと、病院機能評価をとっていると本当に
いいのですかと言われたときに、なかなかそれを客観的に見ることはできないのですが、
見られたらいいなと。
 でも、恐らく病院機能評価を受けていらっしゃる病院というのは、それによって病院の
質が高くなったと実感されているのだろうと思うんですね。ただ、それが、コストがかか
るので更新しなくなってしまうというのもあるので、そんなところもちょっと考えていた
だければと思ったのです。

○西岡分科会長
 病院機能評価に関しては別に置いておいて、多分、評価が委員の方々、全部違うと思い
ますので、どうぞ。

○小山分科会長代理
 決して反論するわけではないのですけれども、特定機能病院に関していけば、何でそん
なによくなったかというと、1つは自然増がありますので、自然増が大体4から5%ぐら
いあるんですよ。それから、さらに5%から10%というお話が出たのですけれども、私
大協のデータで18の私大協の上半期のデータを全部調べましたら7%アップなんですよ、
平均で。中身を見てみますと、自然増がやはり半分ぐらいで3%から3.5%ぐらい自然
増で、あとの3.5%の3%ぐらいは実は小児医療の入院管理料なんですよ。ほとんどと
れなかったんですよ、大学病院では。それがとれるようになったので、かなり特定機能病
院がぽっと出たように見えますけれども、それは今までとれなかった算定料がとれたから
なんですよ。
 もうちょっと中身をよく見てみますと、各病院のプラスになったのを見ると、あの保険
改定と全く同じような形で、2から3%ぐらい、いわゆる病院に対しては3.04%上げ
ますと言っていましたけれども、その数字が出ているだけなんですよね。ですので、決し
て大型病院がいいというわけじゃないということをもう一度、中を見ていただけばそうい
うことです。
 基本的にこの分科会の中でも大きな病院に少し有利なようにカバー率なんて考えたのは、
逆に大きな病院は、大きいがゆえに、すごく効率が悪いというか、資源がかかるから、こ
こを少し充てなきゃならないということでもって、たしか去年はこのカバー率を入れよう
という話になったので、そこは確かに病院にプラスになったと思います。
 ただ、最も資源の差が大きいのは実は救急医療のところなんですよ。救急医療なんてい
うと、我々特定機能病院でほとんどとれていませんから、0.02ぐらいしかとれていま
せんから、いいところだと0.1近くまでいっているわけですから、そこの差が大きいの
で、各病院の機能は、十分、機能評価係数IIの中で、特に救急のところはかなりいいよ
うになっているのだというふうに感じます。すみません。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。的確なお答えをいただきました。
 いつも大きい病院ばかりが得しているのではないかという議論になるのですが、正直な
ところ大きな病院というのは物すごく経費がかかるんですね。何だかんだといろいろなと
ころで経費がかかっていくので、それはある程度その経費にまがうものが分布されても仕
方がないのではないかと思います。病院のベッド数でいつもデータを出しますと、特定機
能病院だけ一番高くなってしまうという変な形になるのですが、特定機能病院ほど金遣い
の荒い病院は、金遣いが荒いというか、それだけすごい経費がかかるんですね。
 ですから、それはそれでやむを得ないのではないかなと、それと比較して例えば100
床以下の病院が特定機能病院と同じだけの医療費をよこせという議論にはちょっと持って
いけないのではないかということを、御勘案いただかないと、みんな平等だでは、日本の
医療は壊れるのではないかなというふうに思います。どうぞ、山口委員。

○山口(俊)委員
 ちょうど一昨日、学会で診療報酬改定の影響を検討するシンポジウムがありました。7
00床の大病院が1つ、それからもう一つ150床の病院が出てきて、恐らく大病院では
割と今回よくて、小さい病院は余りよくないという結論を出したかったと思います。しか
し、実際に見てみると、700床のところは大変よろしいのは分かったのですが、その一
方で150床の病院が消化器のグループ中心にチーム医療をやっていて、極めて効率のい
い医療を行っており、びっくりするぐらい収支がいいんですね。ですから、ある程度そう
いう機能は小さな規模の病院でも評価されているのではないかと思います。
 それからあと、企画官から先ほどちょっと御説明があったので分かったのですが、私も、
このもともと調整係数というのは余り科学的でないというか政策的なものだったと理解し
ております。じゃこれを廃止した場合にどこが困るのか。つまり、すばらしい急性期病院
が残るために何かぐあいの悪いことが起きるのか、どこで起きるのかということが御質問
だったと思うのです。これはなかなか難しい問題で、この前出た6つか7つぐらいで、け
っこう出尽くしていて、もう少し真剣に考えないと、ちょっと時間がないと、ここで急に
言われてもなかなか出てこないのではないかなという印象です。ただ、このままじゃ要ら
ないよというのは大変もったいないので、ぜひ頭を絞って、病院の規模が大きかろうが小
さかろうが、本当にいい機能を出している病院がよくなる係数をちょっと皆さんで考えて
いただきたいと思います。

○西岡分科会長
 ありがとうございます。
 どうぞ。

○金田委員
 治療とか患者数であるとか実績ですね。この実績値というのは医療の質に関連する可能
性があると思いますけれども、東京医科歯科大学の伏見先生が、よく論文で書かれている、
もう一方の座標軸はやはり地域貢献度ですね。伏見先生は、よく地域貢献度として、地域
における一定の疾患のシェアという表現をされていますけれども、その質と地域における
役割のその役割の方を、役割を果たしているけれども、数が少ない、なくてはならない医
療機関がより適正評価されるような方向がもう少しあればありがたい。すなわち、地域医
療指数に対するもう少し追加の評価があればいいんじゃないかなという気がします。

○西岡分科会長
 それは、また具体的なものとして御提案いただいて、これから後に検討していくことに
なるのだろうと思います。
 どうぞ、企画官。

○事務局(迫井企画官)
 山口委員のコメントに若干関連するのですが、今日の議論、引き続き松田委員のほうで
少しお力添えもいただけるということですので、分析の結果なりを踏まえて、大体年内に
一通り基本的なといいますか、今の制度設計とか今の制度のバックグラウンドの情報をあ
る程度整理をして、基本的に金田委員も再三御指摘のとおり、将来の機能評価係数、非常
に御関心が高いと思いますので、その議論に当然移っていかなければいけないと思うので
すが、例えば今回お示しをしましたD-2の、別紙の何度か見ていただいておりますけれ
ども、7ページですか、酒巻委員もコメントいただいたのですが、調整係数の中央値が年
次推移で大体落ちついてきていますと。これは池上委員が御指摘のとおり、そもそもこれ
はある種当たり前なんですよという部分が入っている一方で、我々としては、見事に病床
規模順に数字が並んでいて、大きい調整係数が特に特定機能病院を一番上に並んでいると
いうのは、一定の理由がある、必要な役割を持っているというふうにやはり考えるのが自
然なのだろうと思うんです。そこの部分を分析して逆に教えていただかないと、理由づけ
がないのであれば、ではこれを全部イーブンにしましょうという話になるわけですから、
そうしますと、恐らく前年度報酬の、前年度というか過去の報酬の水準の補償について問
題があるかもしれませんが、一定程度必然性があってこうやって報酬を割り戻して補償し
ているわけですから、これをなくすと調整係数が大きい施設ほど困るということになりま
すので、困らなければそれで結構ですが、当然その役割を担って一定の必要性があるとい
うことでございましょうから、それをぜひ現象面なり、それからデータ上できっちり説明
していくことが来るべき改定につながる道なのだというのが、事務局の問題意識であり、
ある種の危機意識でもあると、こういうことでございます。
 もう時間も押していますので、今日幾つかいただいた御指摘、若干まとめていただく必
要があるかなと思って、お聞きしたい点が幾つかあります。
 まず、冒頭、池上委員のほうが物の償還については、少し検討してほしいというような
趣旨の御発言があったように思うのですが、前回の議論のまとめの関連でいきますと丸3に
該当するのかなと思うのですが、包括評価については物の部分を少しどう評価するのかを
考えてほしいという御指摘で今後検討すべきという御指摘という理解でよろしいでしょう
か。

○池上委員
 はい。

○事務局(迫井企画官)
 ありがとうございます。
 それで、2点目ですが、松田委員のほうから、名称の問題、それから特に診断群分類と
支払い方式については、やっぱり扱い方とか考え方、用語の使い方はちゃんと明確にした
ほうがいいという御指摘ですので、これは松田委員とまた御相談して、次回、事務局なり
の整理を御提案したいと思っています。
 それから、3点目ですが、これは複数の方から、分科会長、山口委員、それから松田委
員からも御指摘あったのですが、これは質問というか確認なのですが、現行の前回の議論
の丸3の包括評価の算定方式についてです。今の1日当たりの定額方式についてはD-1の
丸3のところに書かせていただきました。かえって在院日数が長くなるような弊害がありま
すと、あるいは池上委員が先ほど御指摘の点もここに絡むのだろうと思います。
 でも、一方で真ん中の丸に書かせていただきましたが、幾つかの御指摘がありまして、
我々の認識としては、今の時点でこれを例えば1件当たりなりに見直す必要があるという
ふうに考えればいいのか、この分科会の御指摘としては、どういうふうな御意見だという
ふうにとらえたらいいのかというのを少しもしまとまるものであればまとめていただきた
いと思いますし、それから、いや、そうではない、両論があるということであれば、それ
はそれでも結構です。
 なぜかといいますと、前回の26日の資料の、ちょっと分かりにくいのですが、D-3
-2の2枚目、3枚目、別紙になるのだろうと思いますが、よく示しますこの図ですけれ
ども、先ほど松田委員が、10病院の試行からこの制度に移行するに当たって最終的に例
えばDRGという名称あるいはDRGそのものに問題があったというようなことの経緯の
御説明もいただきましたが、とにかく事実関係として現時点では1日当たりの包括評価を
行っています。今見ていただいているように、それの理由の中の1つに、やはり1件当た
りですと非常に強い平均在院日数短縮のインセンティブが強く働くと。1日当たりにする
ことで、日本の現状である程度ばらつきがある中で、やはりこの支払い方式がいいという
ことで導入されているというのが事務局の理解です。ですから、これを基本的には我々は
自然体であれば維持するものだと理解しておりますけれども、いや、これは見直すべきだ
という課題を提起されているのか、それとも、いやいや、そうではない、いろんな意見は
あるけれども、当面はこれでいいよという御指摘なのか。最終的にはここの御議論は基本
小委にお戻しをして、御報告をしながらさらに次のステップにいきますので、この点につ
いて分科会はどうお考えなのかというのを少しお聞かせいただければと思っております。

○西岡分科会長
 これに関しましては、一応先ほど皆さんの御意見をいただきまして、今回3つの方式で
決めて、1日払いでいくということを決めたところで、それの新たなるデータで、具合が
悪いといったようなデータも何も出ておりませんので、このまま継続すべきで、しかもそ
の中で評価をしていってはどうかということで、ある程度御了解いただいたように思うん
ですが。
 はい、どうぞ。

○池上委員
 もし1件当たりに移行するとしますと、当初導入されたときに特定機能病院間でも最大
と最小で平均在院日数に2倍の違いがあったわけですね。それが、そういった状況下で1
件当たりの支払いを導入するということは非現実的であったという事実があったわけです。
したがいまして、その後こういった形、DPCによる4段階に分かれた1日当たりの報酬
になったことが導入されたことによって、平均在院日数の分散が縮小あるいは分散標準偏
差が縮小しているかどうかということも分析する必要があるのではないか。

○西岡分科会長
 これは、毎年出しています報告書の中で、かなり分散も少ないですし、平均在院日数が
著明に減少しています。特に特定機能病院ですが、先生御指摘のように、最初は14日か
ら32日まであったのですが、それがもう今では、20日前後にまで大体……

○池上委員
 でも、まだ1.5倍以上あるんです。

○西岡分科会長
 それはそうなのですが、そういった意味で分散度合いはかなり落ちついているという。

○池上委員
 私、申し上げたいのは、いつの日か分散がほとんどなくなった場合には、逆に1件当た
りでもいいのではないかという。逆に、分散が今でも縮小したとはいえ、かなり存在して
いる状況下で1件当たりを導入するというと、やはり導入当初と同じように大きな混乱が
あるのではないかというのが私の個人的な見解で、求められたので申し上げた次第です。

○西岡分科会長
 どうぞ。

○酒巻委員
 明確に僕のほうも意見を言いたいと思いますけれども、以前にもこの議論はやったこと
がありまして、そのときにも、1件当たりの支払い数にするということは非常に大きな社
会的な混乱も含めて起こします。それはもう間違いがないことですので、それに耐え得る
だけの私たちの準備というのがまだできていない。それが1点です。
 それから、分科会長が言われたとおりで、在院日数は着々と減ってきています。決して
資料には、長期化するという言葉が出てしまっていますけれども、これは別に逆に長期化
しているわけではなくて、ちょっとしたところでそういう小さなインセンティブが働いて
いるだけでして、全体としては間違いなく短くなる方角に行っていますので、現時点で変
更する必要はないというふうに思います。

○西岡分科会長
 どうぞ、山口委員。

○山口(俊)委員
 以前、そのDRG/PPSの調査のときに、これは話したかもしれませんけれども、胃
がんと胆石を調べてみると、胃がんの入院費用はすごくばらつきます。何でばらつくかと
いうと、治療法がいろいろあって、化学療法をやったりやらなかったりするからです。そ
れは当然予想されることであって、なかなかこの悪性腫瘍の包括化は難しいのではないか
という結論だったわけですね。
 そのときになぜ胆石を調べたかというと、胆石は割と均一で、これはまことに包括化す
るにふさわしいのではないかと思ったのです。しかし、意外に胆石がものすごくばらつい
ていて、その原因は個室に入っている患者さんを病院のほうはなるべく長く入院させてお
くことがあることがわかりました。そういうことが働く上で診療報酬についてはどんどん
損するはずなのだけれども、個室に入っている患者さんについては、別なインセンティブ
が働くので、いつまでも本当に日割り計算でいいのかということに関して検討する必要が
あります。疾患は慎重に選ばなくてはいけないけれども、むしろ胆石みたいなものについ
ては、包括化、つまり1入院1疾患で包括したほうが本来の姿に戻るし、大して害はない
のではないかと、そのときにはそういうような結論でした。したがって、必ずしも日割り
のままがずっといいとは私は思いません。

○西岡分科会長
 多分今までの経緯で、ヘルニアの手術だけが包括1入院払いになってしまったのですが、
あれは、いろんな医療資源の必要度合いとか、在院日数をプロットいたしますと大体固ま
るんですね。そういった固まってきたものに関しては、1入院支払いが可能になるのです
が、今現時点ではいろんな疾患がまだばらついているというところがありますので、そこ
のところで即全部包括というのは難しいところかなと思っています。
 どうぞ、松田委員。

○松田委員
 基本的には今みたいに逓減制を引いていれば、入院期間のIからIIまでの間の点数を
幾らにするかによって限りなく1件当たり包括にもできるし、それからそこを上げること
によってもいわゆる療養病床みたいな1日当たり包括もできるという、そういう病態に応
じた柔軟性があるという仕組みのほうがやはり望ましいだろうと思います。
 1件当たり包括を全面的に適用した場合、やっぱり問題になるのは、アメリカでもそう
ですけれども、たかだか説明力が50%なんですよね。これはどんないいARDRGでも
APRDRGでも大体説明力としては50%ぐらいしかないわけでして、アメリカは部分
的にしかDRG/PPSを使っていないからいいですけれども、あとイギリスとかオース
トラリアは予算設定枠があって、その中でやっているからまだいいと思うのですけれども、
それを日本みたいにいわゆる国民皆保険でやっているところですべてを1件当たり包括払
いにしたときには、僕は酒巻委員が言われたみたいに非常にやっぱりリスクが大きいと思
います。
 だから、それは、マネジメントの確かに裁量は大きくなると思いますけれども、病態に
応じて決めるべきであって、すべてをそれで一律に評価するということは、多分、日本の
風土に合わないのだろうなと思います。やっぱりマネジメントが主で、臨床が従になるべ
きではなくて、臨床が主で、マネジメントが従になるべきであって、ですから例えば先ほ
どの山口委員が言われたような胆石みたいなものは入院期間IからIIまでの点数をぐっ
と下げることによってかなり1件当たり包括に近づけることができるわけです。それは、
専門家のパネルでそういう評価が望ましいというものに関してはそういう形でやっていく
という、それが本来のMDC別分科会の役割にもなってくるのではないかというふうに考
えます。

○山口(俊)委員
 私は基本的には包括は反対で、ごくごく限られたものだけしかやっぱりできないという
意見で、同じ意見だと思います。本当に限られたものしかやっては駄目だと思います。

○西岡分科会長
 大体議論がうまくまとまりつつありますので、1日払いのこのDPCの支払い方式とい
うのは、このまま継続しようというのがここの分科会の意見だというふうにとらえていた
だけたらと思います。
 それでは、時間にもなりましたので、本日の議論は以上とさせていただきたいと思いま
す。
 事務局から次回につきましてお願いします。

○事務局(丸山主査)
 次回の開催は12月16日木曜日を予定させていただいております。

○西岡分科会長
 それでは、平成22年度第8回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会を終了させてい
ただきます。
 本日はお忙しい中、ありがとうございました。

                   午後5時06分 閉会


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課包括医療推進係

代表: 03-5253-1111(内線3289)

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