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2010年11月9日 血液事業部会献血推進調査会(議事録)

医薬食品局血液対策課

○日時

2010年11月9日(火)
16:00~18:00


○場所

中央合同庁舎5号館第7会議室(厚生労働省 5階)
 千代田区霞が関1-2-2



○出席者

出席委員:(13名)五十音順、敬省略

◎衞藤 隆、大平 勝美、竹下 明裕、田中 里沙、寺田 義和、花井 十伍

早坂 樹、堀田 美枝子、村山 雪絵、室井 一男、山本 シュウ (注)◎座長

参考人

日本赤十字社(2名) 

欠席委員(3名)五十音順、敬称略

宇都木 伸、小山 信彌、鈴木 邦彦

行政機関出席者

三宅 智(血液対策課長)

安田 尚之(血液対策企画官) 他

○議題

1 「献血構造改革」の総括について

2 新たな中期目標の設定について

3 平成23年度献血推進計画案について

4 普及啓発活動の評価について

5 その他



○議事

○安田血液対策企画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまより「平成22年度第
2回血液事業部会献血推進調査会」を開催いたします。
 なお、本調査会は公開で行うこととしておりますが、カメラ撮りは議事に入るまでとなっ
ておりますので、マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたし
ます。
 本日、御出席の委員の方々におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、誠にありが
とうございます。
 委員14名中、本日、11名の出席をいただくことになっており、現在10名でございますが、
定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 本日は、宇都木委員、小山委員、鈴木委員からは欠席との御連絡をいただいております。
 また、参考人といたしまして、日本赤十字社血液事業本部の石川副本部長、菅原献血推進
課長にお越しいただいております。
 なお、田中委員より、本日は所用により5時に退席すると聞いておりますので、よろしく
御承知おきください。
 それでは、以後の進行につきましては、衞藤座長、よろしくお願いいたします。
○衞藤座長 皆さん、こんにちは。それでは、議事に入りたいと思います。
 初めに、事務局より資料の確認をお願いいたします。
○難波江補佐 それでは、お手元の資料を御説明させていただきます。
 「議事次第」、1枚目でございます。
 おめくりいただきまして「委員名簿」。
 それから、資料1として「献血構造改革」の結果についてでございます。
 それから、資料2が「献血推進に係る新たな中期目標について」です。
 それから、資料3-1、3-2でございますが、平成23年度献血推進に関する計画(案)
と新旧対照表でございます。
 それから、資料4-1が「テレビによる広報の活動実績」。
 4-2が「ホップステップジャンプのアンケート結果」。
 4-3が「平成22年度子ども霞が関見学デー報告書」。
 4-4が「受血者が見える広報の取り組み」。
 4-5が「絵本による広報」。
 4-6が「積極的な広報戦略の実施内容」。
 4-7が「日本赤十字社における広報評価」でございます。
 それから、参考資料として、「高校献血の都道府県別実施状況」。
 参考資料2が「大学における献血実施状況」。
 参考資料3が「10代の年齢別献血率」。
 参考資料4が「都道府県別献血率の推移」。
 参考資料5が「諸外国における献血の状況」となっております。
 以上でございます。不足がございましたらお申し付けください。
○衞藤座長 ありがとうございました。資料はよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○衞藤座長 それでは、審議に入りたいと思いますが、本日は議題1の前に、前回の調査会
において各委員から御質問がありました事項について、事務局及び日本赤十字社より回答を
御用意いただいているとのことでございますので、まずその説明を伺いたいと思いますので、
よろしくお願いいたします。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 それでは、日本赤十字社より参考資料1から説明いたし
ます。
 まず、高校における献血実施状況です。
 1ページ目をご覧いただきたいと思います。
 全国における高校献血の状況ですが、上のグラフがその実施率の推移です。下にあるグラ
フは、昭和41年以降の献血状況の推移を年別に示しています。
 まず、上のグラフです。高校の献血実施率につきましては、平成3年から平成7年または
8年くらいにかけて急激に減少している状況です。平成3年当時で64.2%の実施率が平成7
年では43.8%と、20%も減少している状況です。
 この減少傾向を下のグラフと対比いたしますと、昭和61年に成分献血と400ミリリット
ル献血が導入されて以降、これらの献血人数が非常に増加している年度がまさしく平成3年
から8年辺りに合致するということです。医療機関からの需要として成分献血と400ミリリ
ットル献血が増え、逆に200ミリリットル献血が減ってきたことも相まって、データ的に見
ますと高校献血の実施率が同じ時期に減少していることがうかがえる状況です。
 因みに、上のグラフの下欄に注釈があるように、一部年度につきましては調査が未実施の
ために除外していますが、全体的な傾向としてはこのような状況が見られます。
 2ページ以降につきましては、昭和62年から平成21年度までの年度別の都道府県別実施
状況を示していますが、最後のページにある直近の平成21年度の高校献血の実施状況をご
覧ください。
 先ほどのグラフにもあったとおり、全国の実施率としては22.1%まで減少してきています。
都道府県別の状況を見ますと格差がありまして、例えば栃木県や山梨県においては、90%前
後の実施率を示している一方で、奈良県はゼロという状況です。また、栃木県や沖縄県のよ
うに、近年増加傾向を示しているところもあります。高校への輸血出前講座を推進している
埼玉県のような実例も踏まえ増えてきているものと認識していますが、各都道府県別にみて
も現段階では格差が非常に大きい状況です。
 これが参考資料1でございます。
 続きまして、参考資料2は、高校献血に比較して大学の状況がどうかということでござい
ます。
 裏を見ていただきたいのですが、平成21年度の大学における献血実施状況。全国の実施
率平均といたしましては、約60%という状況になっております。押しなべて高校献血の実
施率よりは約3倍高い実施状況です。
 続いて、参考資料3の10代及び年代別の献血率の状況です。
 1ページのグラフをご覧ください。
 先ほど、鈴木委員のからも、19歳が献血率のピークであるというお話がありました。こ
の資料にも示したとおり、上の左側のグラフは16歳から22歳までの年齢別の実献血率の推
移を示していますが、おっしゃるとおりでありまして、19歳の実献血率が非常に高い状況
です。平成21年度で7.0%となっております。
 一方で、16歳、17歳は非常に低くなっており、実献血率は各々、1.2%、2.5%にとどまっ
ております。実献血率は19歳でピークに達し、その後20歳から22歳にかけて減少傾向を
示しています。
 右側のグラフは、10代から60代までの実献血率の推移を年代別に見たものでして、こち
らは御承知のとおり、特に若年層、10代の献血率が減少傾向にあります。
 下の実献血率の比較グラフは、平成17年度と21年度の実献血率を16歳から69歳の年齢
別で比較したものです。青のグラフが17年度、赤のグラフが21年度の実献血率で、いずれ
の年度についても19歳にピークがある状況です。
 ただ、16歳から19歳にかけての傾きはどちらの年度も同じですが、スタートが16歳で
21年度は1.2%、17年度当初は1.8%ということで、16歳での献血の協力割合が減少してい
ることが19歳のピークが下がっているところにもつながっておりますので、第一には、10
代における献血の協力が、その後の献血の継続に影響を及ぼすということが言えると思いま
す。この部分の献血を底上げすることが一つのポイントと考えております。
 19歳のピークを過ぎますと、20代にかけまして減少していく傾向にありまして、例えば
17年度、青のグラフのピークである19歳の実献血率は8.2%です。この19歳のグループは、
21年度には23歳になるわけですが、赤のグラフの23歳を見ますと5.3%。約3%ダウンし
ており、減少率が最も高いのがこの年代ですので、この20代の減少率をいかに抑えていく
かというところも非常に重要なポイントになってくるものと考えています。
 因みに、そのグラフの右側を見ていきますと、青と赤のグラフでいずれも山ができている
部分があります。例えば青のグラフでは39歳と59歳のところで一時的に実献血率が上がっ
ています。昭和21年生まれと41年生まれの方ですが、これがどういう関係があるのか分析
はしておりませんけれども、この山が4年スライドして赤のグラフの山につながっています。
この年齢の方は人口が少ない割に献血意識が高いのかどうかも含めて、非常に興味深い数値
です。
 2ページ以降については、平成17年度から21年度のデータですので、後ほどご覧いただ
きたいと思います。
 最後に参考資料4の都道府県別の献血率の推移です。
 裏面ですが、平成18年度から21年度の4年間の献血率の推移をデータで示しています。
 各年度とも献血者数、管内総人口、総人口に対する献血率、そしてもう一つは、献血可能
年齢人口に対する献血率です。各都道府県でかなり少子・高齢化の度合いが変わってきてい
ますので、むしろ献血可能年齢人口で見た方が標準化されているものと考えますが、その献
血可能年齢人口に対する献血率を見ますと、平成21年度は5.9%と20年度に比べると0.2%
ほど高くなっています。
 これは、昨年の献血延べ人数が約530万人ということで、輸血用血液の需要増加も相まっ
て献血率が高かったということが言えるわけですが、その一方で、若年層献血が減少してい
るということは、逆にいえば40代から50代の方の献血割合が非常に高くなっているという
ことがいえます。
 この献血率を都道府県別にみると、こちらも各都道府県で格差があります。全国平均は
5.9%ですが、平均を下回っている血液センターも16センターあります。この辺は、移動献
血による献血者確保割合の高い血液センターも環境としてはあるわけで、例えば移動献血の
1稼働当たりの採血効率を上げるという工夫も必要であるものと考えていますが、いずれに
しても、今後、若年層献血の掘り起こしをしていかなければ、需要に対応できるような献血
者の確保は困難になるのではないかと考えています。
○難波江課長補佐 続きまして、血液対策課より参考資料5について御説明させていただき
ます。これは、前回の調査会で山本委員ほかから、海外の動向について御指摘がありました
ことを踏まえまして、御用意させていただきました。
 1ページ目が、今年6月にWHOが25歳未満の献血者の率、60か国の比較データという
ものを出しました。これは、順番に60か国を並べたものでございます。
 一番多いのがラオスで、25歳未満が全献血者のうち89%を占めるというものでございま
す。日本は42番目で、17.59%でございました。ほかの先進国を見ますと、アメリカが36
位で21.82%、39位がニュージーランド、19.5%、オーストラリアが45位で16.21%、オー
ストリア、アイルランドが48位、49位で、フィンランドが58位で10.96%。先進国は大体
30位以降になっていますが、韓国が6番目で69.3%と、25歳未満が非常に多い数値となっ
ております。
 次の2ページ目になりますが、韓国政府、保健省に問い合わせましてデータをいただきま
した。
 これが昨年度の韓国の献血事業統計ですが、総献血者数で256万人、人口も日本の半分ぐ
らいだと思いますので、ちょうど日本の半分ぐらい。10代、20代が占める割合は80%程度
と、非常に若者が多くなっています。右側の棒グラフが男女比で、男性が極端に多い値とな
っています。下が職業別で、学生が半分以上を占めているというデータでございました。
 これは、韓国になぜこういう結果になっているのかと聞いたところ、インセンティブが学
生に対してあって、例えば映画とかコンサートのクーポン、また学校での単位としても認め
られるようになっているという意見がございました。課題としては、男性が圧倒的に多いの
で、女性を増やしていくことと、10代、20代に偏っているので、30代以降の方を増やして
いくということと、集団献血が中心なので、個別に行えるような献血を増やしていくという
ことを言われていました。
 それから、3ページ以降が今年3月の「TRANSFUSION」という雑誌に載りました血液
の需要の将来推計の論文でございます。これはフィンランドから出たものなのですが、6ペ
ージ目に各国の将来の需要の推計が出されています。
 これはフィンランドでの赤血球の使用状況を踏まえて、高齢社会が各国で進むとどのぐら
いの血液が必要となるかというものを示したもので、赤の折れ線グラフが一番多いのですが、
これが日本になっています。先進国の中で日本が一番需要が伸びるのではないかという推計
となっています。
 下の方は、献血可能年齢との比を見たもので、これも赤、日本が必要とする人と献血可能
人口の比率が一番高くなっているという論文でございました。
 以上でございます。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に御質問あるいは御意見等ございますでしょうか。花井委員、どうぞ。
○花井委員 日本赤十字社と厚生労働省に1つずつあるのですが、さっきの高校生献血の地
域格差の大きさというのが、400ミリ、成分献血が原因というのと整合的ではない。つまり、
需要と必要性の観点であれば、あれほどの格差がなぜ生まれるのかというのが1点。
 それから、厚生労働省に対しましては今の海外の状況ですが、これはノンプロフィットの
団体に対する調査なのか。つまり、ペイドドナーとノンペイドの境目は結構あいまいで、民
間の採血所でもノンペイドだと。年間平均50ユーロでなければいいのだとか、そういうク
ライテリアがあると思いますけれども、そういうノンプロのデータなのか、それともある程
度民間の採血も含んでいるのか、この2点についてお願いします。
○衞藤座長 最初に日本赤十字社から答えていただけますでしょうか。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 非常に難しい質問でございますが、相対的には先ほど説
明した全国の状況の中で、確かに都道府県別に見ると非常に積極的に高校献血を実施されて
いるところもあるというのが実態です。
 各都道府県における高校献血への取組み方の違いもこのデータには反映されていると思
っていますが、各都道府県でどのような具体的な対応をとっているのかというところまで詳
細には調べてはいません。
○花井委員 お答えにくい部分かもしれませんが、例えば200ミリで集めたら残って在庫に
なる可能性があるからというのが大きな要因としてあると思いますけれども、その辺は、今
は大分広域化していますけれども、各センターで200がそんなに来ても困るよみたいなこと
があれば、それはどうしても消極的になる一つの理由になると思いますけれども、その辺と
の関係というのは、必ずしもパラレルではないのですか。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 現在、全血献血における400ミリリットルの献血割合で
いえば、全国的に概ね80%から90%の間で推移しているので、そういう意味では以前よりは
平均化されてきていると思います。ただ、200ミリリットル献血をしても、一方で需要が少
ないという部分で、当該献血を抑えてきているということは事実としてあります。それが、
イコール高校献血を減らしていくというところに繋がっているかどうかというのは疑問で
すが、少なくとも200ミリリットル献血を抑えて400ミリリットル献血を推進してきたのは
事実であります。
○石川日本赤十字社副本部長 追加して補足説明してよろしいでしょうか。
○衞藤座長 はい、お願いします。
○石川日本赤十字社副本部長 年を追って具体的に御説明は難しいのですが、例えば平成
18年の調査で、医療機関からの赤血球製剤の日赤に対するオーダーなのですが、全国平均
で85%ぐらいが400のオーダーなのです。それに対して、76%ぐらいしかオーダーに応じ
て出庫できなかったという数値はあります。9%ぐらいこたえられなかったわけですから、
400の献血率を上げなくてはいけないというのを目標にしてきたというのは事実でござい
ます。
○衞藤座長 よろしいでしょうか。それでは、海外の献血に関しての御質問にお答えくださ
い。
○難波江課長補佐 これはWHOが集めたもので、WHOに照会しないと、申しわけないで
すが、明確なお答えはできないです。恐らくアメリカのお話かと思います。このWHOのデ
ータベースでは、アメリカは100%の無償献血を達成している形になっていると思います。
恐らくノンプロフィットのボランタリードナーだけのデータを集めたものではないかと推
測いたしますが、これは確認させてください。
○衞藤座長 ほかに御意見、御質問。では、竹下委員、次いで室井委員にお願いします。
○竹下委員 先ほど韓国のデータが出てきて、当初、私は軍に入隊するに当たって輸血が上
がっていると思ったのですけれども、意外に学生さんが高いということ。まさにこれ、日本
と近隣ということで学ぶものが非常に多いと思うのですが、また解決策も非常に多いと思い
ます。先ほど映画のチケットとかという話が出たのですけれども、教育とか、具体的な面で、
映画のチケットだったらどんな感じのものが含まれているとか、そういった情報も簡単に手
に入る可能性はあるのですか。
○難波江課長補佐 そこは、先方に尋ねれば出てくるかと思います。現時点では、そこまで
の細かい情報は把握しておりません。
○衞藤座長 それでは、室井委員。
○室井委員 参考資料3のグラフに関してなのですが、1回、2回、3回、4回と年齢別で
分けられています。この1回というのは、もし30歳だったら、30歳の方が1年間に1回し
かやっていないという意味なのか、それとも累積としてなのか、どちらなのですか。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 例えば1回であれば、その年齢中に1回献血していると
いう意味です。
○室井委員 とすると、その方が実は以前、もっと若いときにはいっぱい来たけれども、た
またま30歳のときには1回だったという可能性もあるのですか。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 そのとおりです。
○室井委員 つまり、私が聞きたかったのは、1~2回しかしていない人がどのぐらいいる
かということなのです。累積として実はたくさんやっているけれども、たまたまそのとき1
回だった。もう一方で、本当に1回しかしないで終わってしまう方も多分いらっしゃいます
よね。そういう割合というのは、資料はございますか。リピーターの問題とも関係すると思
って質問したのですが。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 それは、押しなべて全献血者の中で年2回以上献血され
ている方がどのぐらいいるかということでしょうか。
○室井委員 つまり、例えば1~2回の献血だけで終わってしまう方と、その後も継続して、
その期間はわかりませんけれども、何回もする方がいると思います。どうなのかということ
です。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 前回の第1回献血推進調査会において、平成17年度か
ら21年度の年度別に、献血回数1回の献血者数と2回以上の献血者数は出させていただき
ました。参考ですが、平成21年度でみると実献血者は約314万人です。その中で年に1回
のみの献血者は216万人、2回以上の複数回献血をされている方が98万人というデータで
す。
○室井委員 1回という方は、その後献血はされないか、または1~2回しかされないと理
解してよろしいのですか。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 はい。ですから、年に2回以上の複数回献血98万人を
今後増やしていく必要があるということを前回報告させていただいています。
○衞藤座長 補佐、いいですか。
○難波江課長補佐 今の1回2回という室井委員の御指摘は、人生において1回しかやらな
いという意味か、その年において。
○室井委員 この調査の時点からさかのぼって、その方が何回やったのかという。
○難波江課長補佐 人生において。
○室井委員 そうですね。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 全国的なデータはありません。
○室井委員 すごく重要な気がします。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 確かに、Aという献血者が、例えば10代で初回献血さ
れたとして、その方が生涯、例えば30歳位まででもいいのですが、何歳のときに献血した
か、何回しているかというデータを追跡することは重要なことと考えます。
○室井委員 累積回数でしょうか。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 確かにおっしゃるとおりだと思います。
○秋山需給専門官 すみません、そのものずばりではないのですが、参考資料3の1ページ
目の折れ線グラフ、下の方の実献血率の比較というものがございます。
 これを見ますと、ピークが19歳、20歳のところにございますけれども、急激に落ち込ん
でおります。この落ちた分が生涯1回の方という見方ができると思います。逆にいうと、20
代後半から後は非常に安定しています。グラフも全く同じ形になっていますので、折れ線の
ぐあいは。つまり、25歳から30歳ぐらいまでに啓発してしまえば、後は安定するのだと考
えられます。
 先ほど菅原さんからございましたが、スタートの16歳、17歳のところの地点をいかに上
に上げるかということがポイント。もう一つは、ピークをいかに高どまりさせるかがポイン
トだと思います。今、室井先生から御指摘のあったところは、ピークから落ち込むところの
方々が生涯1回と読み取れるかと思います。
○衞藤座長 では、大平委員どうぞ。
○大平委員 今、累積の問題なのですけれども、献血カードとか、データとして1人の献血
者についてのフォローというのはきちんとされているのだろうと思いますけれども、このフ
ォローが始まった期間の累積を考えていくと、その人が例えば5~6年の間、何回している
かというのは、データとしては日赤ではお持ちだと思います。ですから、そういうところか
ら見て、いろいろなデータの毎年の解析というものをきちっとやっていけば、ある程度の傾
向とかが出てくると思いますけれども、そこは手を付けられていないのでしょうか。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 はい。
○大平委員 もう一点、高校献血の中で、献血率が都道府県単位で、花井委員が言われたよ
うな、傾向として大変凹凸が激しいところがありますけれども、これはずっと調べられてい
るので大変貴重な資料だと思いますが、これについて、各都道府県で分析は何かされていて、
理由とか。例えば奈良は、ある一定のところからゼロになっていることとか、要因は都道府
県の中で調べられていたら、献血の方向性というものを都道府県レベルで、うちの県はこう
した方がいいよということが推測されるのだろうと思います。そういった検討の資料という
のはお持ちなのでしょうか。
○石川日本赤十字社副本部長 現時点では、そういったものはございません。先ほど申しま
したように、医療の需要に合った血液をお届けすることを主に献血の推進をしてきたという
ことがございまして、そういったことで高校献血も減ってきたということもありまして、そ
こまでの分析した資料は今、手元には持っておりません。
○衞藤座長 村山委員、どうぞ。
○村山委員 今、都道府県の状況というものが出ました。参考資料4からいきますと、山形
県は献血可能人口に対する献血率が全国平均5.9に対しまして5.5と、下回っております。
これは、国の状況と同じように、19年度を最下位にしまして、20年、21年は増えてきてい
るのですけれども、まだ全国平均以下という状況ですが、21年度は県の目標は達しており
ます。献血率というのは確かに大事だとは思うのですけれども、県の目標以上とっても、今、
集約化されていますので一概には言えませんが、献血率だけをもっていってもどうなのかな。
 要は、県の目標というのは、県内の医療機関で使う血液の量を基に積算するわけですので、
それ以上採ってしまうと逆に余ってしまう。献血者の善意の血を廃棄なり何なりという形に
なってしまうので、献血率だけですべて都道府県の順位ではないですけれども、ああいった
ものを考えるのもちょっとどうかなと私は思うのですけれども。
○衞藤座長 大平委員、どうぞ。
○大平委員 私が都道府県の問題としてというのは、高校生の献血率を見ていて、かなりば
らつきがあって、大変進んでいるところと落ちていないところがあって、そこの背景みたい
なもの。
 例えばうちは高校生献血がきちっとした基準でちゃんと集まっているので、それほど進め
なくても大丈夫だという前提なのか、それとも高校生献血を一生懸命呼びかけているけれど
も、それは教育場面とか、いろいろなところの問題点があって、そこに訴えかけがなかなか
届かない場合があるとか、そういった理由、背景があるかどうかということを、それぞれの
都道府県で調べられているのかなというのをお聞きしたわけです。
○衞藤座長 村山委員は、今のことは特にコメントはないですか。
○村山委員 山形県の場合は、高校献血は大変盛んになっておりまして、先ほどの資料にも
たしか出てきていたような気がします。
○堀田委員 東北はすごくいいのですよね。
○村山委員 いいのですが、医療機関の需要がさほどないという状況がありますので、献血
率としてはさほど多くない。ただ、今後の長期的展望から見れば、高校献血というものをや
っていけば、それなりに献血率というのも上がってくるかなとは考えております。
○衞藤座長 ありがとうございます。
 では、秋山専門官、お願いします。
○秋山需給専門官 恐縮です。高校の献血の実施率のお話、大平委員から御指摘があったの
は、県によってばらつきがあるのは、先ほどゼロだった奈良県についても、当初、昭和62
年は90%台。これがどのタイミングで落ちたのか。これで見ると平成8年ぐらいなのです
が、落ちるタイミングは一斉にではなくて、県によってばらつきがございます。これがどう
いう理由によるものなのか。
 恐らく、これは献血バスを出動させるということは各県のセンターがやっていることでご
ざいます。勿論自治体とも御相談した上でだと思います。そこで、例えば400の推進をある
時期強力に推し進めた地域というのは、極端にその時期に献血バスの高校への出動が減って
いるということも言えると思います。ですから、最終的に平成21年度で見ますと、九州地
区が押しなべて低いです。逆に、東北地区は高いということで、その辺も関係あるのではな
いかという御趣旨だと受け取ったのですが。
○大平委員 教育現場のところで細かい要因が何かあるのでしたら、そういうものを調べら
れていて、問題点として集約して、全国的にはこういう問題点があるというのがある程度出
てこないと、いろいろ対策の立てようがないのではないかと、素人なりに考えます。
○秋山需給専門官 過去の経緯でございますので、日赤さんの各センターの答えが1つ必要
になるかと思います。
 それから、山形県の例を村山委員がお話になりましたけれども、今でも高校献血をしない
と確保できない事情がある県はあるかと思います。そうでない県もあります。これも関係し
てくるのかなと、その辺だと思っております。
○衞藤座長 先ほどから寺田委員、お待たせしました。
○寺田委員 ありがとうございます。
 若年の高校生から大学生の献血を増やすということで、いろいろなデータをずっと見ると
下がっているというデータばかり。あと、海外のものも見ると、日本がこれだけ必要だと言
うのですが、参考資料5を見る限りにおいては韓国が69.3%で、これ以上増やしようがない
のです。
 逆に見れば、日本は17.59%で、アメリカのレベルまで持っていけば21.8になりますし、
韓国からいろいろな意味の、どうしたらさっきのお話も含めて若年層が増えるかというもの
を勉強すれば、非常に希望が持てる現状だということで、どうしたらいいかという方向へ進
んでいかないと、下がっている、下がっているでは、そこからいい考えは浮かばないのでは
ないかと思います。
○衞藤座長 秋山専門官、どうぞ。
○秋山需給専門官 韓国の例、資料2ページで、御指摘のとおり学生が非常に多いというこ
と。これは、当然学ぶべきことが多いと思うのですけれども、裏返してみますと、これが定
着していない。10代、学生のときに献血はするのですけれども、それが上の年齢に行って
献血をやめてしまうというのが一つの特徴です。
 ですから、先ほどの参考資料3の折れ線グラフの19歳、20歳のピークを高くする、ある
いはその前のスタート者を高くするところは非常に学ぶべきことが多いと思いますが、そこ
から先は少し違うのかなと思っております。高どまりさせる、落とさない。
○寺田委員 これを学ばないで、増やすことだけ学んでいけば、今のような人を合わせれば
うまくいく。
○秋山需給専門官 おっしゃるとおりだと思います。
○山本委員 お二人の言っていることはそのままだと思いますけれども、私、さっき手を挙
げたのは聞きたかったことがあったのです。例えば私が知っている情報ですけれども、韓国
は1回献血へ行ったらカードをもらえて、そのカードが1枚あれば、自分がやった分だけの
輸血を受ける権利があるシステムなのです。更に、自分のお母さんに輸血が要るけれども、
私にカードがない。友達に助けてくれと言ったら、同じ血液型の友達が集まってカードを出
してくれる、助けられたという経験の話を聞きました。まず、カードシステムが全然違うの
と。
 もう一つは、これも実際現場の声を聞いたのですけれども、徴兵で2年行っている間に強
制的に血を採られることはあるらしい。時代的に、韓国の中でも若者が上の世代に対しても
のすごい反発している空気があって、ストレスがあって、徴兵から帰ってきたら献血の意味
云々以前に、ああいうふうに強制されることが嫌だということで、それ以降はしたくないと
いう声もリアルな声として聞いていて。
 だから、こういう資料を出すときは、私は当然だと思います。海外でいい実例がある、あ
るいはデータで伸びている。なぜ伸びているということを調べて、さっきのように、学生に
は単位が付く、何が付くというものがある。そういう細かい、何でという裏付けもあった上
で、先ほどおっしゃったように、これは学べる、これは日本でもやれるということがあれば、
どんどん取り入れれば上がるのではないかという話だと思います。
 そのとおりだと思いますし、私が海外はどうなっているのかなと言ったのはその意味です。
ただ、今のこの状態では判断しようがないと思います。両方必要だと思います。
○衞藤座長 この点はよろしいでしょうか。ほかに御意見。田中委員、お願いします。
○田中委員 ちょっと質問なのですけれども、献血ルームに行ったときに問診票とかを書き
ますけれども、初めて献血したのはあなたが何歳のときですかとか、アンケート的なことは
全国的にはしていないのでしょうか。
○衞藤座長 お願いします。
○石川日本赤十字社副本部長 全国的にとっているということはないですね。あるキャンペ
ーンにあわせてアンケートをとるということはございますけれども。
○衞藤座長 ほかにございますか。室井委員、どうぞ。
○室井委員 高校生の献血の場合、結果の通知はどのようにされているのですか。つまり、
御本人、または御家族に結果の方はお知らせするのですか、それとも。
○石川日本赤十字社副本部長 親展で本人あてです。
○室井委員 異常があった場合には。
○石川日本赤十字社副本部長 結果には2つあって、一般的に赤血球の数とか白血球の数と
いうものは全員にお届けします。それから、例えば感染症について、これは検査結果の通知
を希望しますか希望しませんかというのを聞いておりますので、希望された場合には御本人
に親展で通知します。。
○室井委員 それは、通常の献血と同じですね。ある面では、学生さんの健康管理にも役立
つと考えてよろしいですか。白血球や赤血球の数は。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 生化学検査の目的自体が、献血者の方々の健康管理に役
立てていただきたいということです。
○室井委員 わかりました。
○衞藤座長 活発な御答弁ありがとうございました。
 それでは、前回の宿題の件はこれで終わりにして、本日の議題1に入りたいと思います。
 事務局より資料1の御説明をお願いいたします。
○難波江課長補佐 それでは、資料1「献血構造改革」の結果についてということで、前回、
数値だけお示しさせていただきましたが、いただいた御意見を踏まえまして、このように1
枚紙としてまとめさせていただきました。
 上からいきますと、経緯。少子・高齢社会における血液の安定した供給体制を構築するた
め、平成17年度から、以下の3つの達成目標を掲げ、「献血構造改革」を推進してきか。
 「献血構造改革」の結果として、先般お示ししました数値を記入しております。
 下にコメントとして、(1)若年層の献血者数については、さまざまな取組みにも関わら
ず、平成17年度に比較し、むしろ減少する結果となった。この要因としては、10代、20代
の人口の減少が挙げられるが、10代については人口減少の速度を上回る速度で献血者が減
少しており、献血に触れ合う機会の減少等が影響しているものと考えられる。
 一方で20代については、平成19年度まで減少傾向が続いたが、20、21年度の献血率は
前年を上回る結果となった。今後、若年層の献血者減少の要因をより詳細に分析・評価する
とともに、10代への効果的な働きかけを行うことが重要な課題となる。
 (2)企業献血については、目標値に達成しなかったものの、厳しい経済環境下にも関わ
らず、順調に増加してきた。「献血サポーターロゴマーク」についても、平成18年度末の
1,454社から21年度末には6,130社まで配布企業が増加している。安定的な集団献血を確保
する観点から、献血に御協力いただける企業を増やすことは、引き続き重要な取組みとなる。
 (3)複数回献血者については、目標値に達成しなかったものの、着実に増加してきた。
安定供給のみならず、血液の安全性の向上の観点からも、複数回献血者を更に増加させるこ
とは重要な取組みとなる。
 3.今後の取組み。献血構造改革の結果を踏まえ、新たな中期目標のもと、引き続き献血
推進に取組むこととする。
 このような1枚紙にまとめさせていただきました。この形でまとめてよろしいか、御意見
をいただければと存じます。
○衞藤座長 それでは、ただいまの御説明に関しまして、委員の先生方から御質問あるいは
御意見があればお願いいたします。特段ございませんでしょうか。
(「はい」と声あり)
○衞藤座長 それでは、「献血構造改革」の結果に関しまして、事務局から提出されました、
この案に関しまして了承ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○衞藤座長 異議なしということで、そのようにさせていただきたいと思います。
 続きまして、議題2に入りたいと思います。事務局より資料2の御説明をお願いいたしま
す。
○難波江課長補佐 これも前回、時間が短かったのですが、少し御議論いただきました。新
たな中期目標についての案でございます。献血推進2014と、仮称として付けさせていただ
いています。
 目的として、少子高齢社会における血液の安定した供給体制を構築するため、平成17年
度から5年間実施した「献血構造改革」の結果及び日本赤十字社が実施した血液需給将来推
計シミュレーションの結果等を踏まえ、平成26年度(2014年度)までの達成目標を設定し、
献血推進を行う。
 2番が平成26年度までの達成目標です。項目としては、献血構造改革を引き継いでおり
ます。
 目標値ですが、若年層の献血者数の増加として、10代の献血率を6.4%まで増加させる。
20代の献血率を8.4%まで増加させるとしております。これは、献血構造改革では10代、
20代の献血者全体を40%まで上昇させるという目標だったのですが、その目標であると、
逆に30代以上を減らすことで10代、20代が自動的に増えるという結果もございます。
 そうではなくて、前回日赤から御報告いただいたシミュレーション結果、2027年までに
生じ得る需給ギャップ約101万人を解消するには、10代が平成26年度まではこれだけ、20
代が26年度まではこれだけあれば、その後も続けばギャップは埋められる。その数値を持
ってきまして、6.4%、8.4%とさせていただいております。
 2つ目、安定的な集団献血の確保でございますが、集団献血等に協力いただける企業・団
体を5万社まで増加させるというもので、平成21年度は4万3,193社となっております。
これは、7,000社プラスということですが、都道府県に聞きますとかなり経済状況が厳しく
て、以前に比べて企業献血に協力いただくのが難しくなっているというお話がございました
ので、5万社に設定させていただいております。
 それから、複数回献血の増加でございますが、複数回献血者は年間120万人まで増加させ
るというものでございます。これは、前回の目標が35%まで上昇というものでしたが、こ
れだと新規の人のインセンティブが逆に働きにくくなるということで、5か年で20%増を
目標とした120万人とさせていただいております。
 3.重点的な取組み。上記の目標を達成するため、以下に掲げる事項に重点的に取組む。
 ?@受血者の顔が見える取組み。献血血液の医療現場での使用状況について、国民が十分承
知しているとは言いがたい状況にあり、また、その理解を進めることが献血意識を高めると
いう調査報告がある。献血推進に当たっては、受血者の顔が見える取組みを一層強化する。
 ?A10代への働きかけ。平成23年4月1日の採血基準の改定及び平成21年7月改訂高等
学校学習指導要領解説保健体育編における「献血」に関する記載を踏まえ、10代に対する
献血への理解を深める取組みを強化する。また、200ミリリットル献血のあり方について、
医療機関における使用実態等を踏まえ、検討を進めるという形にさせていただいております。
 御意見いただけますと、幸いです。
○衞藤座長 それでは、ただいまの御説明に関しまして、委員の皆様からの御意見、御質問
があればお願いいたします。竹下委員、どうぞお願いします。
○竹下委員 今の10代のお話ですけれども、これは6.0から6.4という増加率ですけれども、
当初のグラフを見せていただいて意外と少ない印象を受けました。これから10代にディペ
ンドしていく率を上げていこうというのに、0.4%ということで目標が到達し得るのか、あ
るいはほかのファクターとの割り振りの考えから、この0.4%増なのでしょうか。その辺を
もっと聞きたい。
○衞藤座長 お答えをお願いします。
○難波江課長補佐 この数値につきましては、前回、日赤から示していただいたシミュレー
ションで、需給ギャップを埋めるために10代であればこれだけ上げてもらいたい。そうす
れば、需給ギャップが2027年まで、その傾向でいくと埋まるという数値でございます。こ
れは、前回目標値、かなり高い数字を掲げてやったのですが、結局、毎年、逆に割合が減っ
てしまったという状況がございます。毎年減っている傾向がございます。
 ここで0.4%上積みというのは、余り野心的な数値ではないと思いますが、余り高い数値
を掲げ過ぎても、下がる中で達成が難しいと逆にあきらめる気持ちを持ってもいけませんの
で、0.1%ずつ増やしていく。とにかくまずは下げどめる。それから少しずつ増やすという
意味で、現実的に達成可能な数値として、これを使わせていただきました。
○衞藤座長 よろしゅうございましょうか。
○竹下委員 はい。
○衞藤座長 ほかに御意見ございますか。寺田委員、お願いいたします。
○寺田委員 これは、従来のやり方と同じ方法をやっていって、それに対していろいろな努
力をしていけば6.4%。0.4%は増えるだろう。つまり、10代に対して意識的な改革とか、さ
まざまな形での単位の問題とか、大幅な変化をもたらせば、それが12%になることも十分
可能性はあると思うのだけれども、そういった手段を講じないで推移していって、0.4%で
次回はそれを持っていこうという判断でしょうか。それをちょっとお伺いしたい。
○衞藤座長 では、お答えをお願いします。
○秋山需給専門官 お答えします。今の御意見なのですけれども、方法というか手段を先に
決めて、目的の数値を決めるというやり方を提供するのは、これはなかなか難しい。1つ方
法としましては、大きな要素としては、若年層の対策として、これは前の検討会でも御提言
いただいたことですけれども、教育の場で何ができるかということ。
 すなわち、今、計画しているのは、高校の保健体育の教科書に載せることが大きな要素に
なると思います。それから、教科書に載るだけではなく、今、献血出前講座という形で、採
血するだけではなく、献血の意義をよく理解してもらうための取組みを10代の若者にもや
っておりますので、こうしたことを強化することによって下げどめて、それをまた0.1%ず
つ乗せていくことが可能になると考えております。
○衞藤座長 寺田委員。
○寺田委員 もう一つ、200ミリリットル献血と400ミリリットル献血のせめぎ合いが2番
に出ていると思います。ですから、日赤さんというか、ユーザーの方のどうしても400が要
るのだという方針と、それから学校で最初の第1回をやらせるには、ハードルを低くして
200でやっていこうというものが、ここでかなり衝突したような格好の、2番の結論を見な
いままでつくっているような気がしないでもないですが、いかがでしょうか。
○難波江課長補佐 御指摘のとおり、10代の献血を増やしていく上で一番大きな課題は200
ミリ献血のあり方だと思います。要は、200の需要がない中で200を一生懸命採っても、そ
れが有効に活用されないことになりますので、200をどうするのかというのをしっかり議論
しないといけないと思います。
 まずは、医療機関でのニーズがどのぐらいあるのか。先ほど85%ぐらいのニーズで79%
対応という形があったと思います。これは、恐らく全国レベルでのデータかと思いますが、
都道府県によっては400が足りないところは200を幾つか出しているところもありますし、
逆に200でいいところを400で出しているところもあるかと思います。その辺の実際、医療
機関での200のニーズがどのぐらいあるのかというのを、今年度、血液製剤使用実態調査と
いうものを行う予定ですので、その中でしっかり把握したいと思っています。
 そのデータがないと、200を今後増やしていくというのはなかなか言えないかと思います
ので、そこはしっかりそういったデータに基づいて対応していきたいと思います。
○衞藤座長 寺田委員。
○寺田委員 そうしますと、学校に対する教育現場になっていくと思います。そこで、200
という格好で教育していってしまうと、子どもたちの中に200というものがかなりインプッ
トされてしまうので、その時点で400を採っても、造血作用においては全く問題ないという
形のプレゼンテーションをきちっとしていかないと、安易に200を第1回で出していってし
まうと、そこでトラブルになる危険性があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○難波江課長補佐 来年4月から17歳男子も400ができるようになりますが、ルール上、
できるようになったとしても、実際の初めてやる献血者の気持ちとして、やはり400、こん
なに採られるのかということでヘジテートする可能性もあります。そこは、最初はルール上
できても、200をやりたいと希望する人は結構いると思います。それをどうやって400につ
なげていくかというのが課題だと思います。
 翻って言いますと、10代を増やすということは、短期的に増やすということではなくて、
先ほど秋山が申したとおり、一度やっていただいた人をいかに次回にリピーターになってい
ただくか。そこは戦略が違うと思います。エントリーを増やしつつ、ドロップアウトを減ら
していく、そこの両面でやっていく必要があると思っております。
○衞藤座長 田中委員、お願いします。
○田中委員 この達成目標というのは、この後にも出る広報目標とも多分一致するものだと
通常思いますので、最初に大目標といいますか、安定供給のために、年間献血に参加する人
数が何万人とか打ち出した上で、重点目標はこの3つですとあった方が理解は得やすいかな
と。
 例えばはたちの献血に40代の人が反論しないのと同じで、これがひとり歩きすることは
多分ないと思いますけれども、若年層だけの対応で献血問題というのは解決できるのかなと
いうのが、ちょっと誤解を生じてしまうところがあるかもしれないと思いましたので、目的
のところにまず大目標があって、その目標を達成するためには、この3つの重点目標をやれ
ば、シナリオどおり安定供給に向かうみたいなストーリーがあった方が、今後広報計画を立
てていく上で抜けがなくなるかなという印象を持っています。
○衞藤座長 難波江補佐。
○難波江課長補佐 御指摘を踏まえまして、目的のところで大目標を加筆するようにいたし
ます。
 それで、具体的に毎年どのぐらい血液が必要かというのは、毎年度の献血推進計画の中で、
年のかなり後半で各都道府県から上がってきたものを集計していますので、ここで具体的な
数値を5か年というのは難しいのですが、考え方としては、それを入れたいと思います。
○衞藤座長 大平委員、お願いします。
○大平委員 今の田中委員のお話と重なるところがあるのですけれども、受血者の顔が見え
る取組みは、1つは情報の問題だろうと思います。情報の問題として、献血意識の取組みの
中では重要な問題だと思いますが、現在、中期的に見てもどういうことが要因で、この献血
推進を高めなくてはいけないのかというところをどこかで書き込まないと、中期目標の一つ
の大きな重点の中で欠けてしまうところがあるのではないかと思います。
 情報の中でも、もっと献血者が献血しやすい環境づくりというところでは、23年度の計
画の中に出てくるのかもしれませんけれども、先ほど献血カードとかが話題になりましたけ
れども、日赤の献血事業が黒字なのかどうかわからないですけれども、お金をかけてでも磁
気カードみたいなものをつくって、カード自体にインセンティブがあるような形にしていく。
 そういうものを中期的な目標かどうかわからないですけれども、そろそろ検討していって、
それが常に今後の献血の推進のための大きなデータ資料になっていくような方向に考えて
いかないと、常に毎年、いろいろなところのデータを寄せ集めて手作業でやっているという
のは、大変合理的ではないと思うので、その辺は今の情報化社会の中では、献血者の方たち
も十分理解してもらえるのではないかと思います。
 そういう受けやすい環境とか献血者がインセンティブを持つような献血行動に移れる手
段というものを、情報の中で考えていくということもひとつ考えていただいて、これは中期
目標なので、今後の課題としての提案として、1つ是非入れていただけたらありがたいなと
思います。
○衞藤座長 では、お答えお願いします。
○難波江課長補佐 今、御指摘、2つあったかと思いますが、そもそも大目標を書き込むと
いう話と、具体的に献血者が献血しやすい環境を整備していく。それは、重点的な取組みの
一つとして加えていきたいと思います。
○衞藤座長 日赤さんの方から何かコメントございますでしょうか。
○石川日本赤十字社副本部長 献血者に快適な環境ということでは、新しい献血ルームを御
視察いただいたと思いますけれども、ああいった若者が入りやすい、あるいはお子様を連れ
て御両親なりが献血できるようなキッズルームを備えたような環境ですとか、全国の献血ル
ームを少しずつリニューアルしていこうということ。
 それから、献血バスが古い仕様のまま、現在までつくられておりますので、そういったバ
スも少しずつ新しくしていこうと考えています。仕様自体を変えようと考えております。
 それから、中期的な目標でいいますと、今もカード化して、次回の献血日が表示されるよ
うにはなっておりますけれども、もう少し情報量の入るようなカードを日赤の中期的な目標
としては考えていきたいと思っております。
○衞藤座長 ほかにございませんか。寺田委員、村山委員、お願いします。
○寺田委員 カードの件ですが、初回の10代に献血をしようというハードルは非常に高い
ものがあるので、その献血をするということが、当然社会に対する善行という言葉が当ては
まるかどうか、もっといい言葉があるかもしれません。
 青少年にとって、社会に参加して貢献しているのだという意識を受け取れるような文言が
入ったようなカード。初回もしくは20歳の献血までに、献血するということ自体を自分の
心の中で、当たり前のことであってもプライドを持てるような形にしていけば、次にまたリ
ピーターとして献血していく意識が芽生えるようなものを、同じカードであっても文言がち
ょっと変わっているというものにしていったらいかがかという提案でございます。
○石川日本赤十字社副本部長 参考にさせていただいて検討の課題とさせていただきたい
と思います。
○衞藤座長 村山委員、先ほどお手を挙げられて。それから山本委員。
○村山委員 若年層からちょっと離れてしまうのですけれども、献血サポーター事業です。
これは、企業が認定してもらうわけですけれども、それの企業に対するメリットというのは
何なのでしょうか。勉強不足で申しわけないですが。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 ロゴマークの話ですね。我々も献血に参加していますよ
という目的があり、献血にご協力いただいている各企業等において名刺や企業内のポスター
で社会貢献していますよというイメージで有効に活用していただきたいということで、事前
に申請、登録していただき、ご自由に使っていただいているということです。
○村山委員 今、企業もだんだん人員削減している中で、例えば製造業でしたら、ラインを
とめてまで献血に人を派遣できないということで、かなり大きな企業であっても献血はもう
お断りしますというところが多いので、ある意味顕彰ですね。
 ロゴマークによって、この企業さんは献血、公益事業に貢献していますよというのを顕彰
することだと思いますので、登録して5万社まで増加させるだけではなくて、もう一歩踏み
込んでメリットがないと、企業さんも登録して、それで終わりとなってしまう。自分たちが
もっと献血を頑張れば、もう一歩メリットがあるのだという一歩進むような付加価値といい
ますか、そういったものを付けられないのかなと思いました。
 ポスターでも、献血サポーター事業みたいに片隅にあるのですけれども、国民でそれにつ
いて知っている人がどのぐらいいるのかというのがちょっと疑問でしたので、是非その辺を
もう一歩進んで、例えばサポーターになっていると、日赤さんの表彰が年数をとらなくても
できるみたいな表彰に組み込むとか、そういうことができないのかなとちょっと思った次第
です。
○衞藤座長 では、山本委員、どうぞ。
○山本委員 皆さん気付いていると思いますけれども、ここではみんなが思い思いに話して
いるではないですか。私は、皆さんの話があっちへ行ったりこっちへ行ったりしていると思
います。それはなぜかというと、これも含めて、この会は重要だと思っています。そもそも
日本赤十字社がこの長い歴史の中で、どういう組織で、どういう物の考え方で、今みんなが
話し合っていることを話し合うのは、どういうシステマティックな組織の中で行われてきた
かということを考えないといけないのではないかとふと思ったのです。
 それはなぜかというと、今の先生がおっしゃったような献血カードの中に心の話を入れて
ほしい。これは物すごく正しいけれども、今ここで話す話なのか。あと、村山委員もおっし
ゃったような話とか、大平さんが言っていること、全部欲しい話なのですし、プラスの話で
すけれども、みんなの話を聞いていてふっと思ったのは、日本赤十字社自体の組織のあり方
みたいな方向に行きかねない話だという気がします。
 というのは、重点的な取組みについてもそうだし、目標数値もそうだし、みんなが不安に
思って話が出ているのは、目標を挙げるだけで過去、結局下がっている。本来は、何をして
いたのか、目標の意味は何かという話からでしょう。あと、重点的な取組みというのは、難
しく書いていますけれども、受血者の顔が見える。要は、献血した血がどういうところに行
くかわからないという意見が多いから、こういうのが出たと思います。だから、そういうも
のに取組もう、これは正しいですね。
 2つ目の10代への働きかけ。10代、20代、当たり前ですね。10代の数値がこれだけ上
がっているから、そのてっぺんをもっと上げていこうというのはわかる。けれども、献血に
関して高等学校の学習指導要領に入ったということで、すごい前進らしいのですけれども、
問題は、入ったからといって先生が教育の現場でやれるか。それで10代の献血が増えると
村山先生、思わないでしょう。
 文句言っているのと違いますよ。We areシンセキですから。だから、ここに書き切れる
のは、こういう大まかに表現していいと思います。なぜなら、取組みを一層強化するとか、
関する記載を踏まえ、10代に対する献血への理解を深める取組みを強化する。この強化す
る中身が、去年、一昨年、あるいは今までどうだったのかというのが、下がってきているの
だから私には見えない。
 勿論強化するのだったら、文科省を連れてきた方がいいのではないかという話もあるわけ
です。学校教育の現場、あなたは知らないのに簡単に文言を入れてやるなという意見がある
かもしれないでしょう。だから、ここのメンバーにいながら、これでいろいろなことがまた
今年もスタートして、結果が出たらそんなに伸びていないということになったら、私は何の
ために代表して来たのかという気持ちになるのが嫌なので、ここは問題提起をしておきたい
のです。そういう気持ちになる会議だということが1つ。
 もう一つは、スルーされていると思いますけれども、前回の会議のど頭で、けんけつちゃ
んのキャラクターを何とかしてくださいと言った意味は深いのです。どういうことかという
と、広告代理店に著作権を持たされているということは、けんけつちゃんを広めるためにペ
ンをつくろう、アクセサリーをつくろう、ストラップ屋さんで物すごくもうかっているとこ
ろが幾らでもアイデアがあるから、やってもらおうかというと、全部権利が出てしまう、お
金が取られるからやりにくい。お金が要るから、なかなか足を踏み出せない。
 だから、そういう意味でも、どこで全体のプロデュースを日本赤十字社はしているのだと
いうことが、私は一番心配なのです。献血バスも古くなっていますから、何とかしたいとい
う、We areシンセキの赤十字さん、すごい思いがあるわけです。だれが見てもださいわけ
です。悪いですけれども、先進国日本の若い子を集めるのに若い子が支持しないようなださ
いつくりになっているわけです。海外は、すごくおしゃれなデザインのものがいっぱい出て
いるのです。
 更に献血カードも、私が1年目のときに変えたいと言ったら、変えるのは難しいと返って
きました。その人を責めているのではない、日赤を責めているのではなくて、先輩をリスペ
クトしているからこそ、先輩の思いをつなげるために10代、20代が欲しがるカードなのか、
今、御指摘があったように、今や携帯の時代、モバイルの時代なので、その携帯がばんばん
使えるシステムだったら、携帯で行けるらしい、更にポイントが付くらしいとなったら、お
もしろがってそっちに注目すると思います。
 そんな意見をどこに投げたら、結果的にちゃんと姿形があらわれてくるのかが余りにも漠
然としていて、ここで私は何を訴えればいい、何を聞いていればいいという迷いが物すごく
生じているのでぶつけたのです。要は、まとめてついでに言いましたけれども、10代、20
代の献血者数を上げたいなら、さっさとけんけつちゃんをヒーローにするならするで、権利
関係を何とかしてほしい。ばんばん売り出して。かわいいと言う子もいます。でも、ピカチ
ュウのぱくりだと言う子どもがほとんどなので、変えるなら変える。
 あるいは、献血カードごときと言ったら先輩に失礼かもわからないけれども、あのデザイ
ン、古いと思ったら、あれは何かの形で残して、みんなが持っていて格好いいとか、携帯に
やっていこう。例えばロゴマーク1つとっても、物すごくうるさいのです。今や日本の国歌
だって、どんなロックアレンジにしても構わないと言われている時代です。今までだめだっ
たものが。
 ところが、まだ日赤のロゴマーク自体、いじられないということ。これは世界基準なのか
どうなのかわからないですけれども、私たちがいっぱいアイデアを出しても、どうしても見
えてこない日本赤十字社の中の組織、あるいはどこにどういう意見を、こんなばらばらに、
こんな時間がない人が集まってやっているところで、そういう細かい話までしなければいけ
ないようになっているのかというストレスを感じたので、疑問というか。
 くれぐれもだめ出しではないです。私、日本赤十字社さんに大感謝していますから、これ
だけはお忘れのないように。応援するという意味で、正直な意見を言わせてもらいました。
○衞藤座長 ありがとうございます。根源的な意見だと思いますが、随所で今後いろいろ関
わってくると思いますので。特に今のことに関しては、レスポンスはございますか。秋山専
門官。
○秋山需給専門官 貴重な御意見、ありがとうございます。
 根源的なという話が出たのですけれども、献血推進、特に10代、20代の若年層を何とか
しなければいけない。これは、私は国策だと思っております。勿論現場での手足になり、実
際動いていただく方として日本赤十字社さんが働かれるわけですから、その中でさまざまな
アイデア、今おっしゃったカードのデザインとかバスのデザイン、それからけんけつちゃん
の版権問題がございます。これはこれで考えなければいけない。ただ、これは日赤さんが持
っているわけではなくて、国と版権を持っている会社の問題ですので、これはこれでやらな
いといけないことだと思います。
 ただ、今日お示しした献血推進2014については、国策としてやるのだということでござ
います。そして、2年前に検討会をやりました。シュウさんも一緒に頑張っていただきまし
た。2年前の検討会の結果、教科書に載る方向、道付けがされたこと。それから、実際に
20代は下がっていたのが下げどまりました。10代もまだ下がっていますけれども、明るい
材料は出ています。ですから、ここでもう一弾、こういう目標を立てて、何とか上の方へ持
っていくのだと、これは大事な点だと思います。今、本当に大事な局面だと思っております。
 国策ということを是非御理解いただいて、今後も動いていただきたいと思っております。
○衞藤座長 では、室井委員。
○室井委員 多分戦略と戦術を混乱している気がします。この会議は戦略をつくる会議です
ね。細かな戦術ではないですね。大まかな戦略というのは1番、2番、3番であって、これ
に付随するカードの問題とかは、戦術、方法ですね。この大まかがいいかという問題がこの
場でディスカッションすることであって、これに関しては皆さんそんなに異議はないと思い
ます。
 ただ、私が思ったのは、3の?Bとしてリピーターをつくることが必要かなと。つまり、広
報活動の冊子とか「はたちの献血」とかありますけれども、多くは初回献血を促す広報であ
って、複数回献血を促すような広報は少ないと思います。ですから、できたら?Bに複数回献
血の導入というものがあった方がいいかなと思いました。
 以上です。
○衞藤座長 ありがとうございます。
 竹下委員。
○竹下委員 資料2の検討で、これは座長にもお願いしたいのですけれども、各論が非常に
多く出ていて、これはプライマリーのポイントを決めるところですね。ですから、重点的な
取組みに関しても、これに付加的なものがあるかないか。例えば10代、20代に対して先ほ
ど出た意見、3ポイントに絞って今回やっていく。
 エンドボイントに関しても、10代、20代をそういうポイントに持っていく。それで、6.4%
とか8.4%でいいのかをまず決めて、それから次の推進に関する計画の方に移っていかない
と、いつまでもこの時間が延長してしまうように私は思うのです。まず、ここのエンドポイ
ントを決めていただく流れにしていただきたいと思います。
○衞藤座長 御指摘ありがとうございました。
 それでは、原則的なことに関しても幾つか修正の御意見が出たと思いますので、それらを
踏まえて事務局において修正していただきまして、後日。
○花井委員 済みません、意見を言いたいのですけれども。
○衞藤座長 はい。
○花井委員 これはストラテジーペーパーですね。それにフィロソフィーも愛もない、寂寞
たる紙でいいのかという議論は、私もそう思うのですが、この寂寞たるパンクチュナルなペ
ーパーと考えた上で、さっきから議論していて重要な点が抜けていると思います。
 それは、先ほど参考資料3で示された、20歳から21に落ちる。これは単年度を推論して、
この層がどんと落ちているだろう。先ほど大平委員からあったように、IDを使って残留率
という実態を出すこともできます。
 これは多分残留率が落ちていると推論するのか、それから残留率を数字でちゃんと見て、
いた人がいなくなってしまったという数字を出してもいいのだけれども、かろうじて今回の
参考資料3から、推論としては残留率も下がっている。そうすると、先ほどあった複数回献
血の中でも、このピークの人たちを引きとめることがないと、先ほどの議論がこれに踏まえ
られていないと思います。
 ですから、?Bで、先ほど室井委員が出された、複数回献血を引き止める重要性と、その引
きとめる対象は、20、21の方々にフォーカスして、この人たちにもう一回来てねというこ
とを明確に書いた方が、今までの議論と資料が生きると思います。
 先ほど大平委員が言った意見なのですが、残留率は出せますか。IDがあれば実数を出せ
ますね。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 全国の献血者データを基に、一献血者単位で過去の献血
履歴を検索する必要があるので、非常に時間と労力を要します。
○花井委員 では、このデータでも、推論でもそうだろうということなので、もしそれでこ
のデータで読めるということに皆さん、御異議がなければ、まさに複数回献血、引きとめ作
戦の中でもフォーカシングする年齢はそこだというのを、せっかくだから載せたらいかがで
しょうか。
○衞藤座長 ほかに御意見ございますか。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○衞藤座長 それでは、修正意見は複数出たと思いますので、それらを考慮して事務局で修
正していただいて、後日、各委員にお配りするということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○衞藤座長 では、そのようにさせていただきまして、この件はこれで終了いたします。
 続いて、議題3に入りたいと思います。「平成23年度献血推進計画(案)」について、事
務局より資料3に基づいて御説明をお願いいたします。
○難波江課長補佐 資料3-1と3-2を用意させていただいております。これは、血液法
に基づきまして、毎年、献血推進計画というものを告示として示しているものでございます。
 23年度の案として、資料3-2をごらんいただけますでしょうか。右側に平成22年度、
本年度の献血推進計画、これは既に今年3月に告示されているもてございますが、並べまし
て、左側に来年度の案として、新旧対照表として変わった部分を下線でお示ししております。
 変更点を述べますと、3ページ目、左の一番上のポツとして、これは先ほどの戦略・戦術
では戦術の部分に入ってきますが、「病気やケガのために輸血を受けた患者さんや、そのご
家族の声を伝える等により」を加筆しております。
 それから、その下でございます。これは右側のポツが非常に長い内容でしたので、これは
ポツを加えた形にするのと、あと、今年1月に変異型クロイツフェルト・ヤコブ病対策とし
ての献血の渡航制限を緩和いたしましたので、ここの部分を削除しております。
 それから、4ページ目左側、「同世代からの働きかけ」を加えております。
 それから、「特に10代層への啓発には、採血基準の改正により、男性に限り400」で、「17
歳から可能となること等について情報を伝え、献血者の協力を得る」というものを加えてお
ります。
 5ページ目、一番下の方ですが、血小板採血も、来年4月から男性が54歳から69歳に延
びましたので、それを加えております。
 それから、7ページ目、血液法では献血推進というのは都道府県、市町村、地方自治体の
役割も明記されておりますが、先日、都道府県の関係者を集めた会議で、市町村でやれるこ
とはいっぱいありますので、その地域地域でそこの役割というものをこの計画の中に明記し
てほしいという要望がございましたので、「市町村においては、地域における催し物の機会
等を活用するなど、積極的に取り組むことが望ましい」という形で記載しております。
 それから、8ページ目一番下ですが、これは採血基準の改正が来年4月からということで、
特に初回献血者に対して丁寧に説明を行って、献血者の安全の確保を図るというものを記載
しております。
 それから、10ページ目、200ミリの献血のあり方について検討を行うというものを記載し
ております。
 以上が変更点になっております。
○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関しまして、委員の皆様方からの御意見あるいは御質問ご
ざいますでしょうか。竹下委員、どうぞ。
○竹下委員 クロイツフェルト・ヤコブの緩和の件は、そこの項目を削除したところで前進
だと思いますけれども、一般の献血者は、解除されたことがテレビなどでも出てはいるので
すけれども、知らない部分もあるのです。だから、この部分に関して緩和をしとか、何か1
項入れば改正のポイントがはっきりするのではないかと思います。
○難波江課長補佐 御指摘を踏まえ、修正させていただきます。
○衞藤座長 ほかにございますでしょうか。堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 200ミリリットルの献血から400ミリリットルということですけれども、現在
ですと3年生の18歳になった子からしかできないわけです。昨年、本校で40人やったうち、
教員も若干入れて10人程度でした。23年度から17歳、高校2年生の半数ぐらいから可能
になるということで、400ミリリットルが増えていくということです。高校は、献血の導入
ととらえていると、1年生のとき200で、今度倍になるのという不安感がすごくあると思い
ます。
 その辺を丁寧に指導ということですけれども、日赤さんの方で事前に指導という形になる
話でしょうか。
○衞藤座長 それに関しては。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 400ミリリットル献血の高校生の17歳男性への引き下
げということについて、初回献血者の対応も含めてですが、安全性を確保することについて
は、事前に関連の映像を視聴していただくなど、必要な情報を事前に提供することなどが、
採血基準見直しの条件になっていますから、そのように取組んでいく考えです。
○衞藤座長 秋山専門官。
○秋山需給専門官 重複しますけれども、2年前の検討会でこの採血基準の変更という提言
が出まして、その後、審議会の血液事業部会の方で御審議いただいて認められたわけですけ
れども、そのときに施行準備の期間に安全対策、事前の案内も含めてしっかりやるのだとい
うことが条件になっておりまして、1年間の期間をとって、来年4月から施行となっており
ます。
○衞藤座長 ほかにございますでしょうか。それでは、事務局におかれましては、ただいま
いただきました御意見を踏まえて、血液事業部会の方に上程していただくということでよろ
しいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○衞藤座長 よろしくお願いします。
 次に、議題4に入りたいと思います。事務局、日本赤十字社より資料4の御説明をまずお
願いいたします。
○難波江課長補佐 議題4でございますが、広報関係の資料を用意させていただきました。
この議題では、広報そのものについてと評価のあり方について御審議いただければと思って
います。
 まず、資料4-1でございますが、これは前回、竹下委員の方から、テレビでの広報を大
体どういった時間帯で、若者が見る時間帯にやっているのかという御指摘がございましたの
で、資料を用意させていただきました。4-1の1ページ目は、国の方で実施しているもの
で、2ページ以降は日赤が実施している分でございます。
 4-1の1ページ目は、政府広報の時間を活用しましてやっているものでございます。一
番上でいえば、金曜日の9時半~10時。真ん中は金曜日の10時55分、それから土曜日の
10時、夜の時間帯です。率直に申しまして、これは政府広報の枠として内閣府がとってい
る枠なので、我々の方で時間をどうこうというのは難しいわけでございますが、できるだけ
若者をターゲットとした時間にやるように、その枠に入るようにアプライしているところで
ございます。
 2ページ目は、日赤の方から御説明をお願いいたします。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 それでは、2ページ目からは日本赤十字社より説明しま
す。
 テレビによる広報の活動実績として、平成21年度で実施した内容を列記しております。
 大きく2つありまして、1つは、全国的な放送として「はたちの献血」キャンペーンの状
況です。今年1月の1か月間ですが、ここに記載している放送局の各放送時間の中で30秒
のCMを1回ないし2回放映している状況です。
 また、ここには記載していませんが、民放連と連携して、各血液センターにおいてもそれ
ぞれの地域内で1月から2月にかけて番組提供を行っております。因みに、テレビおよびラ
ジオ局の加盟190局と非加盟の185局、合計375局のご協力を得て、このキャンペーンの広
報を展開している状況です。
 それから大きな2つ目として、先ほども出ておりましたが、英国滞在歴の献血制限緩和措
置が決定したことを踏まえて、広く国民に対して周知するという目的で、本年3月、全国放
送として、特にゴールデンタイムを中心に、資料に記載されている番組において30秒のC
Mを1回ないし2回放映している状況でございます。
 それ以外にもスポット放映として、関東、関西、名古屋において、それぞれ空き時間帯に
放映を依頼しております。
 その次の3ページは、参考までに欧州等滞在歴の献血制限緩和措置告知CMの画像になっ
ています。「はたちの献血キャンペーン」のキャラクター、石川遼さんの映像、あるいは現
在、日赤で進行しておりますLove in Action PROJECTの映像も盛り込み、英国滞在歴の緩
和について広報している状況です。
○難波江課長補佐 続きまして、資料4-2でございますが、前回、配付させていただきま
した高校生向けのパンフレット「けんけつホップステップジャンプ」がどのように使われて
いるのかということをアンケートした結果でございます。
 一番上がどのように利用されていますかというものでございますが、1-?A、68%の高校
では配付するだけという結果になっております。そのほかは、「保健体育の授業で使用して
いる」や「校内での献血実施時に配付している」というものでございます。
 下は、何年生に配付したかという話と関心の変化が記載されております。「高まった」と
いうのが3%程度、「やや高まった」というのが38%程度、「変わらない」が14%、「わから
ない」というのが45%。
 後ろ2ページから4ページは、自由記載となっております。
 それから、資料4-3は、毎年、子ども霞が関見学デーというのが夏休みに行われている
のですが、今年、厚労省内で模擬献血体験というものを日赤の協力をいただきまして実施さ
せていただきました。
 1枚おめくりいただきまして、1ページ目の下の方に体験者数が書いてありまして、8月
18、19日、2日間で301名の方が経験していただいております。
 どういうものか、写真を見ていただくのが一番いいと思いますので、11ページ、12ペー
ジをごらんいただければと思います。これは、この建物の2階の講堂に模擬献血のブースを
設けまして、問診から血圧測定、血色素量測定。これは、実際には採血しておりません。献
血の模擬体験などを子どもたちにしていただいて、献血はどういうものかを理解していただ
く。
 次の13ページ目、キッズ献血カードというものを渡しています。それから、申込書、問
診票。
 それから、5ページに感想を自由記載で書いていただいて、大変勇気付けられる内容とな
っております。
 以上が資料4-3でございます。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 続きまして、日本赤十字社より資料4-4以下をご説明
します。
 まず、資料4-4「受血者が見える広報の取り組み」として、平成20年度から取組んで
いますが、患者さんの感謝の気持ち、あるいはどのように血液が使われているかということ
をより多くの方々に理解していただくことを目的に取組みを行っています。
 平成20年度については、(1)「人は人の力になれる」と題し、命を支える献血の大切さ
を伝えるドキュメントとして、12分ほどの映像を作りました。制作本数は1,000本で、全国
各血液センターに配付し、研修会、勉強会、出前講座等の中でこれを活用している状況です。
 また、平成21年度については、ご家族の御協力をいただき、実話を基にして、「ゆきみ」
という27分のドラマを作成しました。製作本数は7,500枚ほどで、各血液センターはもと
より、特に献血推進団体として非常にご支援をいただいておりますライオンズクラブの各複
合地区のガバナー協議会あて、あるいはキャビネットあても含めて7,500枚ほどを送付し、
それぞれの地域で活用していただいている状況です。
 それから、本年につきましては、お手元にあります「八月の二重奏」というDVDを作製
しました。45分と、少し時間を長くしまして、輸血を受けられた患者さんあるいはご家族
の方の実話を基にし、先ほどの目的のとおり、多くの方々に理解していただくという目的で
1万枚ほどを制作しました。
 これについては、資料にあるとおり、複数回献血クラブ会員の方々にもご出席いただいて、
都内のシネマにおいて完成試写会を行い、見ていただきました。また、本年12月中旬を予
定していますが、全国のレンタルビデオ店約3,000店舗での無料貸し出しを予定し、広く一
般の方々に見ていただく機会を提供したいと考えています。
 それから、大きな2つ目、これもお手元にあると思いますが、個人向けの小冊子「献血
Walker」というものを日本赤十字社では年2回発行しています。毎年250万部作製してい
ますが、この中にもライフレシピエントの記事として、これまでに輸血を受けた患者さんの
声を定期的に掲載して、皆さんにご覧いただくということも取組みとして行っています。
 続きまして、資料4-5「絵本による広報」ということで、こちらは本調査会の委員であ
ります大平委員がおられます、社会福祉法人はばたき福祉事業団様から、「ぼくの血みんな
の血-あたたかい贈りもの」という絵本を約2,200冊、私どもに寄贈いただいたところであ
りまして、非常に感謝申し上げます。
 日本赤十字社においては、これらを各センターに配付いたしまして、献血ルームへ設置す
ることはもとより、資料の配付先一覧にありますとおり、小学校あるいは医療機関の小児科
などへ配付し、その必要性に触れていただく形で有効に活用させていただいている状況です。
 続きまして、資料4-6です。「積極的な広報戦略の実施内容」ということで、この資料
については、本年9月30日に開催された第1回調査会においても参考資料として既に提供
させていただいています。
 内容は見ていただきますとわかるとおり、日赤が行っているキャンペーン、世界献血者デ
ー、あるいは先ほど出ていました「いのちと献血俳句コンテスト」、それから7月に行われ
る愛の血液助け合い運動、それから現在、日本赤十字社が継続的に取組んでおります全国統
一キャンペーン「LOVE in Action PEOJECT」の内容。
 それから、3ページ目、例年1月から2か月にかけて行っていますはたちの献血キャンペ
ーンも全国統一です。
 6番目は、自動車教習所の映像配信システムを活用した若年層へのPR。
 7番目は、今ほど御説明した「八月の二重奏」、患者サイドの声を取り上げた情報提供。
 8番目が、「献血Walker」。
 9番目には、これは献血が減少する毎年10月から4月の下半期に、献血者確保のための
広報ということで、けんけつちゃんのバスラッピングトミカ(ミニカー)を製作し、配付す
るという広報活動も行っています。
 最後ですが、移動献血車のラッピングでイメージアップを図るということで、今年度は
179台を予定しているという状況です。
 それから、最後に資料4-7ですが、日本赤十字社における広報評価ということで、特に
全国統一キャンペーンとして、はたちの献血キャンペーンあるいはLOVE in Action
PEOJECT 、いのちと献血俳句コンテストについて、今回、出させていただきました。これ
らのキャンペーンは、積極的な広報戦略として実施しているわけですが、実施についての評
価、効果測定を行うという意味で、はたちの献血キャンペーン以下、3つのキャンペーンに
ついての調査目的、調査方法、あるいはその調査の結果としての結果概要を抜粋して、資料
を提出しています。
 各々インターネット調査を行いまして、献血可能年齢の方々に対しての意識調査をほぼ同
じ方法で行っています。具体的には、キャンペーンの認知がどういう状況なのか、その認知
の媒体はどういうところからか。あるいはポスターや広告、各種媒体への印象、それが献血
への動機付けに繋がったか否か。あるいはイメージキャラクターとしてはどうであったか等。
 また、これらを認知した後の今後の献血の希望として、よい点、あるいは不安な点はどう
いうことがあるのか。あるいはキャンペーン全体への意見、感想などについて調査いたしま
して、次のキャンペーンの展開に向けての参考資料としている状況です。
○衞藤座長 ありがとうございました。ただいま普及・啓発事業に関して、かなりの種類の
御説明をいただき、最後に評価方法に関しても御説明いただきましたけれども、これらの内
容に関しまして御意見、御質問等ございますでしょうか。
○難波江課長補佐 1点、補足でございます。田中委員、所用で中座されましたが、メモを
いただきましたので、お手元に配付させていただいているかと思います。
 献血推進のための広報戦略として、1枚紙両面でメモがあるかと思いますが、これまでの
広報活動についてというものと、現状の広報活動における課題について、キャンペーンの対
象をどうするか、対象者分類、BツーC、BツーB、伝える内容とかメディアといった御意
見をいただいているところでございます。
○衞藤座長 補足、ありがとうございました。
 では、委員の皆さんから御意見。山本委員、どうぞ。
○山本委員 ちょっと確認なのですけれども、ラッピングバスは全部やられるのですか。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 今年度で全部になります。
○山本委員 本当に今の話、うれしいですけれども。
○菅原日本赤十字社献血推進課長 申し上げにくかった数字で。
○山本委員 あとは国に権利だけ何とかしたら。私も1年目からけんけつちゃんを売り出す
のなら、そっちの方がシールをつくるのも何もかも早いと思ったのです。けれども、そうい
う権利の問題が引っかかっている以上、そのときに言ったのは、今すぐけんけつちゃんをや
めて新しいキャラクターにして、どうせバスに張るなら、ピカチュウの物真似と言われない
キャラクターにして、同じようにばーんとやったらいいのにと言ったのです。
 例えばこれでまた全部張り付けて、権利問題が解決しないで、もう一遍新しくラッピング
するというのも、早ければいいと思います。なぜならば、権利が出ない新しいキャラクター
で、もしわーっと話題になったら、そこで寄附というか、資金ができると思います。例えば
の話ですよ。だから、それを向こう何十年ということを考えたら、少なくとも10年間のキ
ャラクターでもいいけれども、それだけ入ってくるお金のことを考えたら、全国のラッピン
グバスを塗りかえても遅くはない。1年だけ使って、むだにはなるかもわからないけれども、
塗りかえてもいいぐらいではないかということも、もう話しているのです。
 それも踏まえて、もったいないことが起こったり、ちゃんとプロデュースする組織として、
1つ物ができたら、全部にちゃんと行き渡るとか、こういうふうにプロデュースしたいと思
ってもばらばらになっていくということが1年目からすごく感じていたので、けんけつちゃ
んの権利の問題にすごくこだわっているのは、それがすべてに今後も出てくるのではないか
という懸念があるのです。
 私、けんけつちゃんのラッピングバス、好きなのです。かわいいし、きれいだし、それこ
そ世界に誇れる。格好いいだけ、スタイリッシュだけでなくて、こっちはかわいいというこ
とをほかの国を見ても言えると思います。ただ、ほかの国でもキャラクターはつくり出して
いるわけです。これがずっと権利で引っかかっていくというのは、私、大問題だと思います。
だから、もしそこが権利放棄してくれたらけんけつちゃんに走ればいいと思いますけれども、
そこはとにかくうるさく言わせてもらいたい。
○難波江課長補佐 権利のお話をしますと、けんけつちゃんを使ってはいけないというわけ
ではなくて、献血推進の目的のために、営利目的でなければ自由に使っていただいてもいい
形になっています。
○山本委員 知っています。
 では、ストラップをつくるとお金になりますよね。そのお金を赤十字に寄附したりできる
のですか。
○難波江課長補佐 それが営利になるかどうかということかと思いますけれども。
○衞藤座長 秋山専門官。
○秋山需給専門官 いろいろなケースが考えられますし、今後、けんけつちゃんを使った啓
発、さまざま出てくると思います。シュウさんがおっしゃるように、いろいろなところに出
る可能性もありますから、よく整理したいと思います。
○山本委員 そうですね。どういう契約内容か。
○秋山需給専門官 営利かどうか、どういう判断をするのか、あるいはどういう要因は可能
なのか、それぞれ考えてみた方がいいと思いますので。
○山本委員 というのは、この事業は愛だ愛だと言っている割に、どこかがもうけている。
うちのLOVE in Actionだって、私はノーギャラ、有名なタレントも全員ノーギャラ。持ち
出しで来る人もいる。勿論実働した人間は自分の仕事を置いて来るわけだから、それは日当
ぐらい出たらいいだろう。そして実際にかかる経費は出す。それにしか使っていない。そう
いう動きをこっちでやっているのに、片やぼろもうけしている人がいたらおかしいではない
ですか。
 それこそ協力してもらえないです。私は、1年、2年目をやっていて痛感した1つは、悪
いけれども、日赤、お金をもうけているのだろう。たくさんもうけているみたいなイメージ
を持っている国民はいっぱいいるのです。誤解だったら誤解で、誤解を解かないといけない
し、誤解を受けるようなことを今後したらいかぬと思います。
 だから、けんけつちゃんがばーんと行ったときに、どこそこが物すごくもうかっているら
しいという話がちょっとでも出たら、私まで疑われるわけです。幾らもらっているのかとい
う話になる。私がやっているのはノーギャラですから。ということは本気なのだと、私は、
これはみんなのお節介な親戚のおばちゃんとしてかわりにやっているだけ。だって、腕を出
す人はノーギャラでしょう。お菓子ぐらいでしょう。だから、そういう意味も含めてけんけ
つちゃんの問題は取り上げてほしいですね。
○衞藤座長 では、大平委員。
○大平委員 多分に最初から少し関わっているのでお話させていただくと、多分非営利の目
的についてはどう利用してもいいということだと思います。
 山本委員の言われているような日赤の問題というのは、日赤自体は献血推進についての予
算というのは、きちっと地方自治体ごとの、町内会で集めたお金とか、そういうものがよく
ありますよね。その中で献血推進にどのぐらい使っているかというので、会計規模としては
かなり大きなお金としてちゃんとあるのだろうと思います。献血推進のお金と日赤の血液事
業のお金と、どういうふうに分かれているかというところは、私はよくわからないですけれ
ども、そこの問題がはっきりしていないと、日赤がもうけているかもうけていないかという
話は解明できないと思います。そこはクリアーにしないといけないだろうと思います。
 ただ、多分にいろいろな人たちのボランティア活動の中で献血推進というものが行われて
いるところで、そこに例えばストラップを1つ幾らで買っていただいて、そしてそれを日赤
に寄附するというのは、けんけつちゃんのキャラクターをつくったときの経緯としては、も
しかしてそこは難しいのかもしれないですね。だけれども、それが売らなければいけないの
かどうかというところは1つあると思います。
○山本委員 あえて売るのです。というのは、献血できない人からの物すごい訴えを私は受
けているわけです。その人たちが献血のかわりにできることを求めている。私は今、毎朝ラ
ジオでしゃべっていますけれども、献血の大切さ、すばらしさ、献血は献血だけに終わらな
い。気持ちを育てるすばらしいことだから、あなたにできることがどんどんあると幾ら訴え
ても、それでわかってくれると思うけれども、もっと手伝いたい。では、ボランティアがあ
るよ、学生ボランティアがあるよ。では、私たちの活動をお手伝いするという。
 私もそういう人たちができることを探しているのです。でも、そういうストラップがあっ
たら、それを買ってくれることで、ちゃんと人の命につながっていくのだという意識があれ
ば、アイテムとして物すごく言いやすい。でも、それが企業に入っていくとつらいわけです
ね。
○衞藤座長 寺田委員、どうぞ。
○寺田委員 けんけつちゃんのロゴ、マークの使用というか、国が買い取ってしまったらど
うですか。これを長くずっと使うのであれば、利用のたびに使用料が出る、出ないといった
問題ではなくて、このマークをつくった人だって芸術家でつくったわけだから、それを例え
ば日赤さんにしても、どこにしても、正当な対価を一時金で払って買い取って、それをフリ
ーに使わせる。そういった方法は何かないのですか。
○衞藤座長 秋山専門官。
○秋山需給専門官 今、ここで買い取りますという回答はできないのですけれども、少なく
ともけんけつちゃんを使って利益を得ているという話は聞いたことはございませんし、ある
べきではないと思っております。ただ、今後どういう形で啓発を行うか、これはまだ議論の
余地がありますから、どういう方向に持っていくのかというのはありますけれども、けんけ
つちゃん自体は相当定着してきているという意識もございますし、国民の財産だと思います
ので、そういう意味で版権問題をどう解決するかというのは、よく相談していきたいと考え
ております。
○山本委員 物すごく重要なところだと思います。というのは、私は直接人に訴えています
から、皆さんもそうだと思いますけれども、そこが一番突っ込まれるところです。結局、愛
を訴えているくせに裏でどうなっているのかということになると、私まで偽善者になるわけ
です。私がプロジェクトリーダーを外れても、次の人もやられるし、次の人もやられるし、
意味がわからないという話になるのです。
 私からしたら、別にボランティアでしろと言っているのと違います。ちゃんと実働した分
をもらえばいい。だけれども、度があるだろうという話なのです。要するに、心を打って、
愛ですと言っていて、そのキャラクターで物すごくもうけている人がいたとしたら説得力が
ないです。バランスが悪いです。
 だから、私のプロジェクトは日赤さん、お世辞抜きでごめんなさいと言いたいぐらい、1
年間つき合ってもらいましたし、会議にも遅くまでつき合ってもらいましたし、一緒に私が
企画した全国行脚というのも、びしょ濡れになって雨の中、一緒に歩いたし。それをだれか
のためにむだにしたくないのです。それだけです。
○衞藤座長 ありがとうございました。そろそろ時間が終わりに近づいておりますけれども、
今、評価に関してのお話、何も出ていないようですけれども、ございますか。竹下委員。
○竹下委員 はたちの献血と、先ほどのテレビのところにクロイツフェルトのことがありま
したけれども、結構限られた部分の広報活動のテーマのような気がします。はたちの献血も、
同じことを繰り返すのではなくて、もう少し若者、10代、20代をターゲットにしていくと
いうことであれば、本当にはたちの献血でいいのかどうか。
 評価のところで、それが数字となって出ている部分は少ないですね。一般的な抽象的なこ
とが書かれている部分が多いと思います。石川遼が好感的であるということは書いてありま
すけれども、そういうことではなくて、一つひとつの作業を数字で評価していくことも1つ
重要なポイントではないかと思います。
 それから、教育の場面でも、教育者に対するアンケートは実施しているけれども、それを
された者へのアンケートはされていないですね。教育者は、自分が達成したという達成感は
みんな持つわけで、それを評価の値にしては、私はよくないのではないかと思います。それ
を受けた者の評価を、パーシャルであれ、部分的な対象であれ、抽出して、それをやってい
った方が、次の対策がより講じやすいのではないかと思います。このままでは、何かを微変
させていく、ちょっとずつ変えていくということで、大まかな数字をとめて上げるところま
でいくのはどうかなと思います。それは1つの意見です。
○衞藤座長 ありがとうございました。それでは、事務局及び日本赤十字社におかれまして
は、今いただきました御意見を踏まえまして、引き続き普及啓発活動と評価を実施していた
だきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 最後になりますが、その他に関しまして事務局から何かございますでしょうか。
○難波江課長補佐 ありがとうございました。今年度、新規にこの調査会を立ち上げまして、
9月30日と本日の2回、非常に深い御審議をいただいたところでございます。改めて感謝
申し上げます。
 本日、おまとめいただきました献血構造改革の結果、それから新たな中期目標につきまし
ては、新たな中期目標は変更点を皆様にまた後日、メール等にて送付させていただきまして、
了解いただいた上で、来年度の献血推進計画(案)とあわせて、年末に開かれる血液事業部
会の方に提出させていただきます。
 この調査会、本年度はこれで終了ということになりまして、また来年度、今回は9月から
でしたが、もう少し早い時期に1回目を開催できればと考えています。
 どうもありがとうございました。
○衞藤座長 それでは、その他、全体を通じて何か御発言ございますでしょうか。花井委員、
どうぞ。
○花井委員 大人の議論だったので、早坂委員、何か意見があれば。ここでわさわさやって
いるのですけれども、彼ぐらいの世代から見て、これでいいのかみたいな、何だこれはとい
うのは言いにくいかもしれない。一言、何か意見を聞きたいです。
○早坂委員 皆さん、偉い人ばかりで、言っていることが結構難しくて。
○山本委員 私の方がわからない。
○早坂委員 余り発言しなくて済みませんでした。
○花井委員 推進計画、これでいいかね。
○早坂委員 1つのことに対して、いろいろな意見が出て、シュウさんも言っていたのです
けれども、ぐちゃぐちゃになっていて時間も延びたりしたのですけれども、こういういろい
ろな意見が出るのはすごくいいと思います。自分としては、この調査会を開いてよかったと
思います。
○衞藤座長 どうもありがとうございました。
○安田血液対策企画官 資料4-1を見ましたときに早坂さんに是非聞きたいなと思った
ことが1つあったのです。
 政府広報、テレビ番組、日赤のテレビによる広報活動実績が出ているのですけれども、早
坂さんは資料4-1、政府でやっているものと日赤でやっているものを見たこと、あるいは
見た記憶はありますでしょうか。
○早坂委員 CMは見たことはあります。でも、テレビでCMを見たことは実際。
○山本委員 関東はほとんど流れなかったのです。お金をくださいと企業から言われたので
す。関東だけです。あと全国は、私が聞いているのは温かいですね。無償で流してくれたと
か、勿論ちょっとお小遣いをくださいというところとか。でも、関東は最初から頭ごなしで
すね。物すごく悔しかったですね。そういうことも親戚だと思っていますから、じわじわと。
○衞藤座長 どうもいろいろ御意見、ありがとうございました。
 それでは、本日の議題は以上とさせていただきます。本日は、御多忙のところ、誠にあり
がとうございました。


(了)
照会先: 医薬食品局血液対策課 難波江: (内線2905)

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