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2010年10月25日 第3回腎臓移植の基準等に関する作業班議事録

○日時

平成22年10月25日(月)
10:00〜


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○議題

1.開 会

2.議 事
(1) レシピエント選択基準について
(2) その他

3.閉 会

○議事

○秋本補佐 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから「第3回腎臓移植の基準等に関する作業班」を開催いたします。班員の先生方におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、班員全員の先生方にご出席いただいています。また、本日のご議論にオブザーバーとして、新潟大学の高橋公太先生、東京都立小児総合医療センターの本田雅敬先生にご参加いただいています。よろしくお願いします。
 また、事務局に異動がございましたので、ご紹介、ご挨拶申し上げます。9月1日付で、佐藤室長補佐です。谷村主査です。それでは、これより大島班長に議事進行をお願いします。報道のカメラの方は、ご退席をお願いします。
○大島班長 おはようございます。それでは、作業班を始めさせていただきたいと思います。まず最初に、事務局から資料の説明をお願いします。
○秋本補佐 お配りしている資料です。最初に議事次第、1枚ものです。続いて、資料1-1「腎臓移植希望者(レシピエント)選択基準について」、資料1-2「腎臓移植希望者(レシピエント)選択基準改訂に係るシミュレーションの状況」。その次別紙1「現行基準の待機期間とポイント」でカラー刷りの資料4枚で、グラフ等で構成されています。続いて資料2「腎臓移植希望者(レシピエント)選択基準(修正案)」で、1枚ものです。続いて参考資料1ですが、両面の16頁までで「腎臓移植希望者(レシピエント)選択基準の運用状況について」です。次に、参考資料2「腎臓移植希望者(レシピエント)選択基準」で2枚ものです。続いて、参考資料3「〈腎臓〉臓器提供者(ドナー)適応基準」で1枚ものです。次に、参考資料4「日本移植学会・日本組織適合性学会共同作業部会HLAに関わる選択基準(提言)」で1枚です。次に、参考資料5は英語で書いてありますがFlow cytometry crossmatchに関する文献で、両面印刷で5頁ある資料です。最後に、参考資料6Use of Kidneys From Anti-HCV Positive Donorsとなっています。もし不足等がありましたらお教えいただければと思います。以上です。
○大島班長 よろしいでしょうか。それでは、早速議事に入りたいと思います。最初に、前回議論になりましたレシピエント選択基準の改訂に関わるシミュレーションを実際に行いましたので、その状況について事務局から説明をお願いします。
○辺見室長 資料1-1及び資料1-2に沿って説明をさせていただきます。まず、資料1-1ですが、腎移植のレシピエント選択基準について、1.経緯の部分は前回の資料でも説明させていただいたところですが、平成7年に制定された腎移植のレシピエント選択基準については、阻血時間の短縮のため、都道府県内配分を中心とすること、及び小児患者並びに長期待機患者の優先度を上げることなどを考慮し、平成14年1月に選択基準の改正が行われています。その後、平成21年の法改正を踏まえて、平成22年1月に親族優先の規定に対応する改正を行っています。時系列で並べますと、改正の議論は平成13年からと書かれていますが、以上のとおりで平成14年1月と平成22年1月に改正が行われています。
 2.今回の検討のポイントで、前回8月26日の第2回作業班で出された論点をまとめさせていただいたものです。1)は、待機日数の延長と書いてありますが、言い方を変えますと平均待機日数の長期化ということです。平均待機日数が、平成14年の改訂前の旧基準では2,467日であったところが、その後に関して言うと5,200日程度になっているということで、平均待機日数がだいぶ長期化していることが1つです。2)は、16歳以上の若年者への配分です。若年者というのはちょっと微妙ですが、16歳以上で10代の方や20代まで見ても少ないというのが、前回の議論であったかと思います。数字を挙げていますが、現行基準の運用開始以降提供された1,327例の腎移植の内、16歳未満は88例で約8%、16歳から20歳未満はゼロ、20歳台は12例で0.9%といった状況でした。
 こうした状況を踏まえて資料1-2ですが、シミュレーションを行って検討をするということで、いくつかシミュレーションを行いました。状況としては、いくつか係数等を変えて、またさらに検討することもあり得ることも考えまして、状況ということでご報告をさせていただきます。
 1番ですが、前提条件としては、ドナーとして現行基準で行われた脳死下での提供事例を30例ピックアップしています。レシピエント側ですが、前回ご報告したのは、過去のそのときどきで選択した事例ですが、これをそのままなぞってくるのはとても困難ですので、平成22年10月13日現在で待機しておられる11,708名を対象として、検索を行ったところです。
 シミュレーションとしては、次の5つの方法で行いました。レシピエント候補者を選択し第1位と第2位です。提供事例30パターン、ドナーのパターン30でやっていますので、合計60名のレシピエント候補者を抽出したということです。5つのパターンですが、A、BとC-1、C-2、C-3としてありますが、Aは現行基準そのままです。Bは現行基準から、HLAの点数を1.15倍としたということです。
 少し飛びますが、下のほうをご覧ください。3に現行基準の分析があります。これは別途現行基準の分析をシミュレーションと平行して行っています。全部を抽出するのはちょっと困難でしたので、脳死下での提供事例に限り、80例ピックアップして点数等の比較をしてみました。80名の平均点が、所在地点数は11.4点、HLA点数が9.98点、待機期間点数が11.49点ということす。所在地と待機期間が大体11.4ないし11.5で、これに対してHLAが10をちょっと欠ける状況です。もともと平成14年の改正のときに、1対1対1にしようという目的であったことと比べると、ちょっとずれているので、これをHLAを1.15倍にしたら1対1対1になるのではないかという発想です。
 上に戻りますが、シミュレーションのBは、HLAの配点を1.15倍としたものです。次にCですが、平均待機日数の長期化が問題となっている観点から、平均待機日数の配点を概ね半減してはいかがかということで、Cの3パターンは全部それです。具体的には、別紙1をご覧ください。上のグラフが、現行の待機期間のポイントです。10年ぐらいの所まで直線で伸びていって、そのあとこのグラフだと見づらいかもしれませんが、こちらに式が書いてありますとおり、log係数で少し曲線を書くような状況で、少しずつ上に上がっていくという配点になっています。これでいきますと、10年ぐらいの所で10点ぐらいの所まで上がっていくわけです。これを下のグラフのように書いて、10年の所では5点、そのあとなだらかにlog関数を使って上がっていく形にし、待機日数への配点を2分の1とする式を出しています。
 資料1-2に戻りますが、それに基づいて、まずC-1では小児への加点をゼロにしたシミュレーションにしました。そのほか小児への加点は2つのパターン、C-2、C-3とありますが、C-2は16歳未満の所に8点、16歳から20歳未満の所に4点、20歳代の所に2点、C-3は8、4、2の所を12、6、3ということで、小児への配点を1.5倍した形でやってみました。
 これと併せて、先ほど申し上げました現行基準の分析を行い、その結果をまとめたものが次の2頁の表です。現行基準を当てはめたAのパターンでいきますと、平均待機日数は5,579です。右から2番目に実績が入れてあり5,200なのですが、ちょっと長めに出ていますが大体5,000台ということです。ここでやった場合に、16歳未満の人数がどのぐらい出てくるかですが、9人で15%です。次にBですが、HLAの配点を1.15倍したパターンです。平均待機日数がちょっと上がって5,600になります。16歳未満の人数は、8名で、変わらないというのか、1人減ったということになります。一方、待機日数10年未満の所が3名、5%上がってきていますので、HLAに加点をすることによって待機日数の比率が下がって、少し短い人もこれで抽出されるようになっている状況が見て取れると思います。
 C-1以降ですが、待機日数への配点を下げていますので、結果として平均も下っていて5,091日ということです。小児への点数は付けないC-1は、案の定16歳未満から20代に至るまで出てまいりません。一方、待機期間10年未満は、この段階でも7名で12%出てまいります。C-2は、16歳未満に対して8点、以下4点、2点、C-3は12点、以下6点、3点ですが、配点を重くするに応じて16歳未満は3例、5%、C-3では20名、33%といったような形で上がってくる状況です。
 また、16歳から20歳未満はC-3で初めて1人ですので、C-2の4点がこの結果ではちょっと効いていない状況が見て取れると思います。いちばん右側に3の分析と書いてありますが、これは先ほど1頁のいちばん下で申し上げました3の現行基準の分析で、要は実績位置ですと実際に移植者として選ばれた方は、リストのトップから意思確認をして、何番目かになった人が選ばれています。その影響を排除するために、実際に1番だった人の比較をしたものです。大変申し訳ないのですが、平均待機日数が1頁と2頁目にずれているのですが、1頁目が合っていまして、5412.1です。2頁の修正をお願いします。ここは、実績よりも長いと評価するのかどうするのかはちょっと微妙なところですが、一方で16歳未満の方を見ますと、20%、これはちょっとサンプルが違うので人数では比較できないのですが、%的には20%ということです。実績的には8%なのですが、実はリストに上がってくる率は高いのではないかということが見て取れます。あと、1人とか3人という数字が20歳台で、3人に関しては10年未満の場合は3.7%といったものが上がってくるということです。
 それから、いま私が申し上げたような内容を、別紙2、別紙3のグラフで示していますが、資料の説明は以上です。
○大島班長 ありがとうございました。1つは待機期間が10年を超える、実際には20年以上になっているのですか。10年未満の新しい人には、全くチャンスがない状況が果たしていいのかという議論がありました。待機日数が短くても長くても同じようにチャンスが与えられるべきだという考え方は少し行き過ぎにしても、全くゼロという状況が本当にいいのかという議論があったこと。それからもう1つは、小児の場合16歳で切ってしまうと、その後のチャンスが全くなくなってしまいます。機械的に16歳で切ることが、現実には非常に悲惨な状況を起こしていること。そのことに対して、配慮すべきではないかという、2つの論点だったと思います。その2つの論点を基にシミュレーションしたのが、今日出された結果です。この結果で、今日中に結論を出すかどうかは別にして、こういう状況であったという説明がされたところですが、何か質問等はありますか。
○飯野班員 非常にうまくシミュレーションできていると思います。いままで大島先生が言われた基準からすると、C-3がこの中ではいちばんいいという感じはしますね。1つポイントで、別紙1の下の図で、グリーンと青のラインがクロスして、グリーンのほうが点数が上に行ってしまうところがありますね。これは大丈夫なのですか。逆に30年以上経つと、当たる確率が多くなると。
○佐藤補佐 今回やっているシミュレーションは、ブルーの部分です。
○飯野班員 ですから、31年以上経つと、グリーンのほうが上にいくわけですね。
○佐藤補佐 はい、そうです。
○飯野班員 ですから、31年以上経つと、待機期間が長い人のほうが当たる確率が高くなるのですね。その辺りはいかがですか。
○佐藤補佐 ブルーですから、平らに近くなっています。
○湯沢班員 今回のシミュレーションで出したのは、グリーンではなくてこのブルーです。
○飯野班員 そのときに、グリーンがオーバーしていますよね。
○湯沢班員 グリーンは一応モデルとして作っただけで、実際にはない。
○谷村主査 現行基準とブルーの比較をしていただきたいのですが。
○飯野班員 現行基準は、この表には出てないですね。そこは、どの辺りなのですか。
○辺見室長 まず、横軸10年の時点で10点まで上がってきます。30年の時点で12点の所までいきますので、こういう感じで上がっていきます。
○飯野班員 わかりました。
○高橋参考人 確かにこのシミュレーションはいいのですが、もう1つ深刻なことは、ちょっと違うと思うのですが、7月17日から17例の脳死が出ていると、膵腎同時移植に17例いってしまっていて、この17の数のほうがここに及ぼす影響が大きくなってしまうと思うのですね。ですから、いまやるのもいいのですが、7月17日の法律が1年過ぎたぐらいにもう一度見直しをしないと、あまり意味がないという感じになってしまう場合がありますので、ここで1回作ってもいいけれども、また変えるというのは実際問題として前回2001年1月11日から変えたと思うのですね。いまに至って少なくとも10年ぐらいかかっているわけですね。そうすると、いま作ると、見直しをするにはかなり経つと思うのですが、その辺りをどうするのか。心臓死が増えていない以上、ただ脳死に移行していると、この辺をどう考えるのかを、お伺いしておきたいと思います。
○飯野班員 膵腎は、いま高橋先生がおっしゃったとおりで、増えているのですね。ほとんどが膵腎同時移植にいってしまうと。
○高橋参考人 17例のうち、要するに34腎のうち17腎がいったということですか。すべてですか。
○飯野班員 ほとんどいっていますよね。
○谷村主査 すぐ数えます。
○相川班員 2つだけ死体腎ですね。
○飯野班員 ですから、そこは少し優先順位を下げるようにすればいいのではないですかね。
○相川班員 全部ではないですね。
○湯沢班員 1例が単独になっていまして。
○相川班員 新しい脳死が、2例とも死体腎だけですね。膵腎いっていないですね。
○湯沢班員 あと、年齢的に膵臓がだめになって、腎臓だけになっているとか。
○相川班員 熊本でやったのも、確か2例は死体腎だったと思いますね。
○高橋参考人 でも、数は2例でしょ、10何例のうち。
○相川班員 いや、4例か5例は腎臓だけだと思いますが。
○高橋参考人 ただ、142例のうち15例ですからね。いまのところ、まだ献腎142しか出ていないと思うのですよ。今年は、去年よりももっと減ると思いますよ。
○辺見室長 手元に10月1日現在のものしかなかったのですが、ごく直近のものはないのですが、14例で28腎のうち、10腎が膵腎同時移植になっているということです。
○大島班長 10腎プラス膵腎ですが、残りの18腎は腎単独ですね。
○辺見室長 腎単独という形です。
○飯野班員 そうすると、8例の中の4例がいかなかったということですね。
○大島班長 実態はよくわかりましたが、この議論はちょっと別の議論になりますので、もしこれが非常に大きな問題であるとすれば、膵腎同時移植をどう考えるのかを別枠で、きちんと考えなければいけなくなりますが、これはちょっと別に置いてください。元に戻りますが、このシミュレーションについていかがでしょうか。特にこの結果について、あるいは説明について、何かご質問、ご意見等があればお願いします。
○相川班員 やはり私たちが懸念していた16歳以上になると、移植の機会が少なくなるというのは、このシミュレーションでも明らかですよね。現行でもゼロで、しかも20歳台が移植できるのは、16から20代がC-3ですよね。これ以外は、全部16歳〜20歳は誰も移植ができないということになるので、これはちょっとやり過ぎだなと思います。ここはやはり、何とか16歳〜20歳の人たちも平等に移植を受けるようなチャンスを与えないといけないと思うので、これだけですと、もうC-3しか適用になるものはないと私は思います。
○両角班員 もう1つ別の視点で、11,000名を超す登録者がいるわけですよね。そうすると、各年齢別や待機期間別の移植を受けることができる確率についての情報も出してあげないといけないです。方向性として、待機期間を短くしたいというコンセプトはいいですね。それから、小児から成人にキャリーオーバーした人にドナーから提供された腎臓を移植してあげたい、これもいいですね。ところが、残ったグループからいうと、実際には長いこと待機してきた人たちが一体何%の腎移植を受ける可能性があるのか。要するに小児に関していうと、この比率からいうと、提供されたものの3分の1は16歳未満にいくわけですね。小児はいいとしても、ほかの人たちは一体どのぐらいの可能性があるかを検証しておかないと、片手落ちになると思うのですね。
○大島班長 いかがでしょう。
○佐藤補佐 実際、10代、16歳未満、データではあるのですけれども、私の手元にあるデータでは、10月のこの時点とはちょっとずれるのですけれども、20歳未満の患者さんというのが、待機している患者さん全体の0.8%程度という非常に少ない中にそれだけいくということは事実だと思いますね。20歳をちょっと超えますと、20台は、2.9%程度です。いちばん多いのが40台50台で、40台が27.8%、50台が33.9%というのが、実際に待機している患者さんの全体の割合となっています。
○両角班員 そうすると、配分ルールの変更によって、いま、ウェイティングリストに載って登録している患者さんのうち、登録をやめましょうという人がものすごい数出るという可能性は出てこないですかね。
○高橋参考人 確かに、今回の脳死がこれだけ17例出てきて、逆に登録しようという世代も出てくると思うのですね。減るというのもありますけど、今度増えた場合にもっと待機日数が、これ下手をすると長くなる可能性もある。それは、この1年間ぐらい様子を見ないと何とも言えないのではないでしょうか。
○飯野委員 結局、両角先生が言ったとおりだと思うのですけれども、やはりいままでの議論でこのグループでは、どこを公平、公正にするかという観点だと思うのですね。当たる確率をきちんと公平にするのか、あるいは社会の中でどういうのが正義であるか、若い人に、なるべく移植させてあげようという考え方も必要ではないかと思うのですね。ですから、行き過ぎもいけないでしょうけれども、そういうことも考えながら決めていくべきではないかと思います。
○両角班員 基本的に、私も同じ立場なのですね。ただ、この結果をどのようにアナウンスするかとか、提示の仕方がきちっとしていないと、非常に厄介なことが起きると思うのですね。そういったことをきちんと説明できるような形のものにして出さないと、まずいと思うのですね。
○本田参考人 ちょっと当院のデータも持ってきたのですが、配るのだったらどうぞというお話をさっきしたのです。結局、問題になっているのは、小児側としては2つありまして、これは既に議論されていることだと思うのですが、16歳以上になってくると、待機年数が10年を超える人が相当増えてくるというのが1つです。これは、10年をかなり超えているという当院のデータです。
 それからもう1点、問題になるのは、年齢が大きくなり16歳以上で登録されている人たちの多くが、2次移植です。なぜ、そういうことが起きるかと言いますと、もう1度整理しますと、16歳という年齢を超えたとたんに、その人たちは12歳で登録していようが、待機年数が長くなってしまう。これが、1点目です。同じ腎不全になっていて、12歳とか13歳とか、もしくは4歳でもいいですけれども、子どものときに同じ腎不全になっている人が、非常にそこに不公平感を生じるのは、16歳を超えたとたんに、待機年数が長くなる。
 2つ目は、死体からの移植が少ないからという理由で、生体腎移植を先にされて、落ちた方が、私どもの病院で小児の場合、16歳以上で登録されていることが多くて、この人たちは、ほとんどは待機年数10年以上で、移植の機会に恵まれていないというのが、いまの現状です。ですから、何が平等で何が不平等かは別にして、16歳以下で同じ腎不全になりながら2次移植です。それから16歳を超えたとたんに、待機年数が非常に延びてしまうことが、いちばん不平等な点を私らの病院では招いていて、大きな問題となっています。その数字を、今日こちらにお持ちしたということです。
○大島班長 ありがとうございました。最初の問題の指摘については、この議論のスタートになっています。16歳で切ってしまったらチャンスゼロというのは、非常におかしいという。2つ目の2次移植の問題については、ここではあまり議論をされていません。
○本田参考人 ですから、待つからという気持ちで待機したり、献腎を登録しないで、なるべく早く移植を子どもはさせなきゃいけないというので、お母さん、お父さんにもらった人たちが、移植が落ちたとたんに、待機日時が長くなってしまうという形になっているというのも、当院としては大きな問題です。これは、正味人道上、当院だけではなくて全体で大きな問題です。いつ、腎不全になったかというのは、本当に大切なことだと思っています。
○高橋参考人 やはり、大義名分が必要だと思うのですね。やはり、どこかできちんとけじめを付けなければいけないのだと思うのですね。小児に何を優先するかというと、一番の問題は、成長・発育だと思うのですよ。そうすると、二次性徴の時期は、16歳以上になると外れているわけですよね。16歳以上でやったって、もう骨端線があれになっていますから。そうすると、そこで小児の優先権を1つ出したわけです。確かに、学業とか、透析困難症とかそういう問題はあります。だから、16歳以上でもし点数を付けるのであれば、何か大義名分のきちんとしたデータを出さないと、やはり町野班など言っていますが、法律学者にとっては「なんで小児だけを優先するのだ」ということを、かなり言われます。そのときに、やはりある程度理論武装をきちんとしておかないと。「ただ、先生たちは感情的に可哀想だからやったのでしょう」と言われます。やはり、これでは通らないと思います。その辺をきちんとしていただきたいと思います。
○服部班員 その点に関して、小児腎不全患者の大きな治療目標として、1つは高橋先生がおっしゃるような成長・発育、もう1つは自立した社会人にすることです。前回の議論で、樋口先生より、小児という枠を越えた未成年という考え方をご提案頂きました。そのため、透析をしている場合と腎移植が成功した場合の就職状況の違いといったデータを用意して、その辺のところの説明に供したいと考えています。
○高橋参考人 あとですね、やはり小児が透析に入ったときに、平均余命がどこで終わるか。例えば、60歳で透析に入って、移植をした場合はこうだけれども、小児の場合は平均余命はこれより短いのですと。そして、その死因とすれば心疾患が多いと。だから、16歳〜20歳の間にやったほうが、日本の平均寿命に近づけることができますよ、というデータをきちんと出したほうがいいと私は思います。社会復帰というのは、何歳だって社会復帰なのですよ。
○服部班員 ご指摘の通りだと思います。その辺のところのデータについても、検討して進めていきたいと思います。
○本田参考人 いま、高橋先生が2点おっしゃいました、1つ目のところはデータがいくつか出ていますけれども、要するに小児からヤングアダルトにかけて透析をしている患者さんの就職率は、圧倒的に低いです。非常勤とかその他です。常勤で働いている方のほうは、移植の方です。ということは、移植が着くか着かないかで、その人の就職ということに大きな問題を置いているというのは、はっきりしています。当院のデータでは、きちんとあります。ほか、全国のデータがあるかと言われると、わかりません。
 2つ目の問題なのですが、これは非常に難しくて、ここ10年、あるいは20年前とそれ以前と比べますと、移植の生着率、あるいは生存率は、全く変わっています。そのデータを最初の5年のデータ、あるいは10年のデータから推測することは、データとして出すことはできるかもしれないのです。どのぐらい生きられるかということです。だけど、それは推測の域は越えないけれども、私も統計的な数字は持っていませんけれども、多分、そういう平均的余命の推測というのは、最初の5年から最終の20年後、30年後、40年後を推測するということは、いわゆる式を作れるのではないかと思います。それはまだ、日本移植学会、あるいは臨床移植学会のデータから推計をしていただければと思います。
○両角班員 小児の問題とちょっと違うのですけれども、仮にC-3のシミュレーションとすると、20歳未満に対してちょうど49%、半数いくのですね、そういうことになりますね。その効果で、平均待機日数は短くなるのですね。ところが、残りの50%に関して言うと、実はもっと待機期間は長くなっていくということになって、透析歴20何年やっていないと移植が受けられない。その人たちは、移植後に心血管系合併症とか、いくつかの非常に難しい状況で移植を受けて、腎臓は生着したけれども、生命を亡くすという可能性も高くなるグループですね。
○大島班長 それは、正しいですか。半分、20歳以下に行くというのは。
○辺見室長 20歳未満ではなくて、30歳未満で。
○大島班長 30歳未満でどれだけ。
○辺見室長 48%ですね。
○大島班長 30歳未満で48%ですね。
○両角班員 ですから、ルール変更で成人については待機期間が従来より延びていくのだろうということで、その影響は一応考えておかないといけない。このシミュレーションはしたけれども、長期の透析を受けた後で、移植を受ける患者さんの生命に対しても、十分配慮されているという担保をしないと、このグループはもっと待機期間が長くなるといったことに関するデータはないですか。残った40歳以上のグループの待機日数が何日になるかというのは。
○佐藤補佐 1応、10年未満で16歳以上というのが15%に出てくる。このうちの年齢基準としては、16歳以上の方は2名しかいなかったのですね。それ以上になると、ちょっと計算をしてみないとわからないですけれども、やはり、いままでよりも短くなってしまう可能性が。40歳以上の平均待機日数を出していないので、ちょっとそこまではわからないですけれども。
○大島班長 要するに、待機期間の公平性をデータでどこまで示すことができるのかというのは1点ありますが、この議論の元になったのは、最初は感情的なところから始まっていますし、今もその域を出てないと言われれば、確かにそうなのです。繰り返しますけれども、最初に10年、20年待っても結局チャンスゼロというのは、これはいくらなんでも制度としておかしいのではないかというところから議論が始まりましたが、これは非常に重い発言だと私は思いました。そして全腎協の宮本さんのほうから、「もっと若い人にもチャンスを与えてほしい」という発言がなされました。これは、感情的といえば非常に感情的な話であって、若い人にチャンスがないというのは、全腎協として言っていいのか、宮本さんという個人の発言と捉えていいのかと言うのは議論があるでしょうけれども、非常に心苦しいことであるというようなご発言がありました。かといって、ずっと待っている人を蔑ろにしていいのかという考え方もあります。そのような議論が前回にあったということを踏まえての話であることを頭の中に置いていただきながら、議論していただければと思います。
○本田参考人 この待機人数に関して、16歳未満は第1位が20%と書かれていますよね、3の現行基準で分析したときの。片方で、実際に移植された方は、8%になりますね。この2倍の比率というのが、一体どういうことなのかは、私はちょっとよくわからないのですけれども。
○大島班長 ちょっと待ってください。そこの説明を。なぜ、20%から8%に減っているのですか。
○辺見室長 個別の事情については把握をしていませんが、ただ、形式的に言えることは個人リストアップをされたけれども、実際に資格、確認とのプロセスで選ばれなかった人たちが、相当程度いるということだと思います。
○本田参考人 ということから、この48%が、すべて30歳以下の人が移植するという推定は本当に合っていますかというところが出てくると思ったので。
○辺見室長 そこは、正におっしゃるとおりでして、このところに高配点を付けて、高い配分にしていくことが、実績においてどこまで反映されるのかは、非常に難しいところだと思っています。
○相川班員 先ほども申し上げましたように、ただゼロというのは、これはあまりにも極端すぎるのではないでしょうかね。現行のものでも、16歳〜20歳が1人もいないと。A、BにしてもC-1にしても1人もいないと。これは問題があると思いますね。議員の定数比率でも問題になっていますけれども、そうかといって、人口の少ない県、誰も代議士を出さないというのと同じような状況になってしまうのではないでしょうか。やはり、その年代によって病状の発生率が違うわけで、当然60代以降の方に腎不全の病状の発生が多いわけですから、そうかといって、20代で自分が好きで腎不全になったわけではないので、その確率からだけでは、議論はなかなかできないと思うのですね。ただ、いくら何でも、全くいない、シミュレーションしてもこの年代は全く腎移植をする年齢が候補に挙がってこないというのは、これはやはりかなりの問題があると思いますよ。少なくとも、やはり何人かは挙がってくるべきであって、端からゼロ、皆無というのは、これは制度として私は破綻しているような気がします。
○湯沢班員 いろいろシミュレーションさせていただきまして、いろいろわかってきたこととして追加させていただきますと、4頁の上のグラフを見ていただきたいのですが、この年齢区分の下に、いまから言う数字を書き込んでもらいたいのです。これは、待機患者さんの数です。0〜4の下に5、5〜9の下に18、10〜15の下に23、16〜19の下に36、20台が343、30台が1539、40台が3248、50台が3971、60台2312、70台が213です。そうしますと、50台と40台と比べると、16〜19歳と100倍違うのですね。ですから、当たってくる数、実際、C-3で1人上がってくるのがやっと、これだけ点数を付けるとこのぐらいと。だから、待機患者さんの数として、100倍違うところで、小児に持ってくるのは、そこを十分考えないと100倍を小児に持ってくるというのは、結構大変だったということですね。
 それから、もう1つ、いろいろシミュレーションした過程でわかったことで追加させていただきますと、年齢をlogで組み込むと、たとえ、待機日数のポイントを半分にしようが、極端なことを言えば、3分の1、4分の1にしようが、HLAと地域である程度点数が付いていますから、小数点の順番は、どうせ変わらないのです。そうすると、あるクラスターで選ばれてきたHLAと地域のポイントだけでいくので、待機患者の分布にはほとんど変わってこないということが、私たちもやってみて当たり前だったのですけれども、唖然としたところです。そうすると、小児をいかに優遇するかということになって、あえてC-3のように小児のポイントを少し段階的に上げることによって、小児に引っ張ってくるというか、そのためのシミュレーションがC-3なのですね。ですから、待機患者のバランスが100倍ぐらい違うところで、こっちに持ってくるのが、結構ゼロというのは確かに重い数字なのですけれども、どこまでポイントで引っ張ってくるかということは、結構微妙なことだと思いますので、追加させていただきました。
○大島班長 いかがでしょうか。
○高橋参考人 結局、ドナーアクションに頑張らなくてはいけないというのはありますけれども、この論理は別にして、いま日本臓器移植ネットワークに登録している12,000人のうち、8,000人が40歳以上ですよね。そうすると、両角先生の言われるように、この人たちはいままで以上に待機日数が長くなりますよと、どっとやめる可能性がありますよ。そうすると、ネットワークそのものが、登録料も減るし、かなり厳しい状況になる。アメリカのUNOSは、やはり登録料でやっているわけですよね。この辺を確かに小児の問題以外、小児のことをやるのがいいのだけれども、やはりこの組織全体をどうやってしているかということを考えておかないと、小児優先、優先とやったことが、結局組織そのものが崩れる可能性があると思うので、その辺は、やはり、十分慎重にやらなければいけないと思いますね。
○辺見室長 いま、お示ししているこの中で、どれがというご議論もあると思うのですけれども、若干係数を変えてやるとした場合、いろいろ重きを置かれているところが少し違う可能性があるので、できればその辺も把握できればと思っているのです。1つは、16歳未満が、C-1の場合33%になって、これが非常に上がることによって、全体の構成比を変えるというご議論があると思います。実際は、これは33%上げたとしても、先ほどもお話にありましたように、10数%までしか上がってこないのではないか、もしかしたら8%は頭打ちなのではないかというのは、推定されるところなのですけれども、もともとここの16歳未満のところについては、現行の比率、かつて12%ぐらいというお話もあったように思っていますけれども、いま計算値上は20%にもなっていたわけですが、これを更に上げる必要があるのかどうかというのが1つあると思います。
 一方で、相川先生は何度も指摘されているように、16歳未満のところというのは、結局C-3というのは、これで6点付けて、ここまで上がってくるという状況で、そこまで付けないと、C-2のような4点付けているぐらいでは、上がってこないですというところで、そこよりもう少し6点なり8点なりに近いところを付けないと、16歳〜20歳のところは上がってこないというのはあると思うのです。ここをゼロはひどいから、少しは上げるということなのか、それとも目に見えるもうちょっと大きい数を上げていくというところなのか、この辺のお話があるかと思います。実は、16歳未満、33%というのは、結構大きな数字で、年間150人の33%というのは、多分初期登録者数と比べると、その年の登録数と比べても大きいのではないかという気もしています。その辺も踏まえてC-3がいいかC-2がいいかという感じよりも、どの辺をどういじったらいいのかという感じのご議論もいただければと思います。
○大島班長 極めて現実的なお話をいただきましたけれども、20%出ているのだけれども、1位選択はされているにもかかわらず、実際にはその半分も移植に至っていない。その理由が医学的な原因なのか、あるいは何なのか、個人的に拒否したのかよくわかりませんが、そのぐらいの実態であるということを考えると、この20%のチャンスそのものは、もう十分にあるという見方もできるのではないかという考え方ですけれども、本田先生、いかがでしょうか。
○本田参考人 私の立場で、いままでの議論がわかっていないので、あれですけれども、16歳未満に登録した人が結局16歳を越えたとたんにできなくなるといういまの現状は、何とかしていただきたいと思います。
○大島班長 それは、いまの質問とは全然別の話なので。
○本田参考人 ということは、この加点制度が私の頭には違って考えられるのですけれども。
○大島班長 そうすると、いまの質問に対しては、別にコメントはないということでよろしいですか。
○本田参考人 はい、結構です。
○大島班長 先生、いかがですか。
○服部班員 前回の会議で、現行基準の運用が開始されてからは16歳から20歳未満の献腎移植数が全くゼロだったという朝居コーディネーターが示された結果をもとに、16歳以上にも少し加点をしようということになったと思います。それで、今回のC-2、C-3というようなシミュレーションがなされたわけですが、それらの結果をみると、16歳未満に関しては、14点が少し減点されてもあまり影響なく、一方、16歳以上に加点することで、当初目的とした16歳〜20歳代のヤングアダルトへの献腎移植のチャンスがでてくることが明らかになったと思います。
○大島班長 ということは、結論としては、現行で16歳未満だと20%当たるわけですけれども、それが実際には8%ということなので、20%当たるということであれば、それはそれで決して。
○服部班員 はい。
○湯沢班員 この16歳〜20歳がなくなった、もともとの現行でゼロだという最大の理由は、そこで点数が切れるからですね。それを改善するために、2、3では段階的にさせていただいたと。ただ、これでもどうしても出てくるのが、例えば20歳の段階で点数が3落ちると。そうすると、また、例えば16歳未満が12から6点になった段階で、今度やはり少なくなるのはもう明らかなわけですね。実は、今回シミュレーションするときに、この現状を見まして、1つの解決策として小児の追加点数を階段状ではなくて、直線としてやっていけば、角々とした分がなくなるだけ、少しスムーズな配分になるのかなという考えが出てきたのです。ただ、今回のコンピューターでは、ネットワークのほうでできなくて間に合わなかったので、このままですけれども、1つの考え方としては、追加点数を0歳〜20歳で、10歳までが直線で、そこからカーブにするのかという議論はあるかもしれませんけれども、ある年齢層が抜けることについての解決は、何らかのカーブか直線かと。
○大島班長 例えば、具体的にいまの議論で、16歳まではいいのではないかということに仮になったとして、16歳〜20歳までがいいのかどうかは議論があるにしても、16歳から何らかの形で腎不全を引っ張ってきているという人に対して、何らかのアドバンテージを与えるというやり方というのは可能なのですか。例えば、16歳〜20歳までは追加の点数を与えるとか、そういうことは可能なのか。そういうやり方でいいのかどうかは別にして、これは本田先生も強調されているのはそこの点ですよね。いままでのルールだと16歳で切れちゃう。この切れちゃうということの意味というのが、納得がいかないと。
○辺見室長 まず、配点の仕方としては、当然大島先生がおっしゃられているようなことは、可能性はあります。当然、C-2とかC-3というのは、16歳〜20歳のところに一定の点数を配点した結果が、こういう形で出てきています。ちなみに、Bは、16歳〜20歳のところを配点していませんので、ここで1人も上がってきていませんけれども、これもシミュレーションのやり方によって、Bの16歳〜20歳のところに配点をするというやり方をすれば出てきますし、ちょっと変な言い方ですけれども、Aも現行なのですけれども、現行を維持して、要はそこの大きな変更をせず、16歳〜20歳のところの配点だけ足そうという結論であるとするならば、それも何点足せばいいのかというのは、やってみないとわからないですけれども、やってみると数字は出てくるかもしれません。
○相川班員 Bは、HLAの点数を1.15倍としてやっているわけです。でもいまの傾向は死体腎であってもHLAの適合度は、そんなに重点的にはなっていないですね。HLAのポイント数はUNOSでも減らされているし、イギリスのUKTSSAでも減らされています。実際、臓器移植ネットワークの2002年のデータを見ても、有意差は書いていないですが、HLAが全部合った人は、ほかのものに対して有意差はあるけど、ほかのものはデータで有意差は出ていないのです。だから、このHLAを単純に1.15倍とするというのは世界の潮流から考えて、反対方向に行っているような気がします。こういう書き方をシミュレーションするというのは、どうなのでしょうか。この図には出ていないですが、ネットワークのデータに有意差はないとなっていますよね。
○大島班長 このシミュレーションは、もともとのコンセプトが1:1:1だったので、実態が1:1:1になっていないから、HLAを1:1:1にしたらどうなるのかというシミュレーションですね。決してHLAを中止しようとか、という議論ではない。その結果、こうなったということ。
○高橋参考人 いまは14点加算するという現行制度ですが、確かに先生がおっしゃるように、16歳以上は多少加算するという程度で私はいいと思います。というのは、いま透析の平均導入年齢が68歳です。そうすると透析68歳の人が、このネットワークに登録するかというと、小児がどんどん優先されれば小児の登録が多くなると思います。そして逆に30歳以上の人たちは、すごくたくさんいるわけです、68歳導入になると。つまり透析患者は下手すると、もう移植するなということになってしまい、私は何か変な現象になると思います。医療経済的にも、透析患者さんを減らす1つの目的は、献腎移植に移行するということがあるわけです。確かに小児は小児でいいですが、例えばドナーアクションをやって1万例が出ているのだったら、小児を優先にしようというのもいいですけど、たかだか180とかそれくらいで、中で30%が小児に全部いってしまう。そしたら一体、あと70%はどうなのか。その70%の人たちが全体の8割を占めているのに、と言われてしまう可能性があると思うので、私は16歳以上のほうは1点加算するとか、並んだときに優先にするとか、今のところは、そういうマイナーチェンジにしておいたほうが無難ではないかという気がします。
○飯野班員 高橋先生の議論でよくわかるのですが、そうすると今までと同じように待機年数が延びたままになるのではないか。ですから、それを短くするかどうかの問題だと思います。
○高橋参考人 だけど、いま180をいくら計算したって、それは15年が13年ぐらいになるだけです。だから私はこの法律の7月17日が、1年後ぐらいにどうなっているのか。例えば韓国のように飛躍的に、毎日のように脳死ドナーが出るとか、そうなる可能性もない。だからその辺は私は大幅に変えないで、できるだけマイナーチェンジをやっておいて、しばらくこの制度を見て3年後に見直すとか、必ず何年後に見直すということはここで明記しておいてほしいと思います。
○両角班員 10年までのポイントを年単位で決めますよね。そうすると、ここのポイントが全部正数になるのです。そこも同数になるのです。そうすると同じランクに同列に並ぶのです。その時にどういうふうに順番を決めるかが、実際にたぶんネットは困ると思います。そういう段階で若い人を優先しようとか、運用を作るとかはいいとしても、少なくともこういった論議の基本は、オープン・アンド・フェアで、何をもって基礎データとするかというところをするわけですから、そこのところの原則が小児優先という思いでは我々も全く一緒ですが、そのことだけで引っ張られていって、ずれていくのは何か気になるのです。
 あとは10年未満を短くしようということが、間違いなく年当たりのポイントを0.5でやっても0.8でやっても、いくつでもいいですけれども、同点のところに同列に並びます。いまセレクションが楽をしているのは、非常に長い患者さんが多いものだから、訳のわからない何点何々という細かいところで順番が付いているだけで、今度、実際にネットワークの仕事がすごくやりづらくなるのです。そういったことで影響を受けるということも、一応考えておかなければいけない。
○湯沢班員 10年未満の人が、待機年数のポイントでなくて、実際には待機日数のポイント。
○両角班員 日数でいきます。
○湯沢班員 ですから正数でいくのでなくて、それも0.何とかになりますね。
○両角班員 県単位によって同じ日に登録するのですね。リアルタイムに入ってくるのではなくて、県によっては同一日にボンと入れてしまうのです。
○湯沢班員 登録日が。
○両角班員 登録日。そういう地域がありますよね。したがって、かなり厄介なことが起きてくるのです。
○大島班長 実際にそういう時に、同じウエイトになったら、どういう決め方をしているのですか。
○湯沢班員 たぶんメディカルコンサルタントと支部の中で話し合って、若い人にしようということでやっていると思います。
○高橋参考人 東日本では必ず公開していますけれども、あまりそういうふうな心配はないですね。
○湯沢班員 まとめて何ヶ月分、一遍にというふうには入っていなくて、結構、リアルタイムで登録されていると思います。ですから点数待機日数のポイントでというのは、そんなにないと思います。
○高橋参考人 ないですね。
○湯沢班員 まとまって、何ヶ月分もポンと登録しているということはないですよね。だから昔の出発点が同じ日で走っている人がいるのです。
○相川班員 ちょっと議論が変わってしまうのですが、16〜19歳というのは人数が少ないですよね。だから20%から30%になっても数としては2人しか違わない。絶対数から言えば、パーセンテージはものすごく変わっていると言うけど、実際、2人しか違わないのに実際の数は、登録者が多くなればあれでしょうけど、変わらないのではないでしょうか。パーセンテージで言うからものすごく開きがあるかもしれないけど、2人ですよね。
○両角班員 以前、小児に提供を優先し全体に対する比率として何割ぐらいあげたいという話がありましたよね。その割合を修正する必要があるのかないのかと、いまの20歳前後のところを拡大するかどうかを含めて、これぐらいが適切ではないかということを、一応、ディスカッションしたほうが現実的だと思います。
○相川班員 前の時点では、たしか15%か20%でしたか。そのぐらいの数だったと思います。実際は、いま計算してみると20%いっていないです。12、13%だったか、たしかそのぐらいの数字だったと思います。だからその時点で、まだ足りないなという実感を私は持っているわけです。2人、3人というのは、16〜19歳で36人いるわけです。20歳代が343人、10〜15歳が23人と湯沢先生は言われましたね。だから、そのうち20%、30%と比率は上がっても、いま16〜19歳の登録患者は36人しかいないわけですから、そうなると計算上、2人しか違わないということになってしまいます。
○辺見室長 20%、30%って移植。
○相川班員 全部のあたる確率という意味です。
○大島班長 分母が年間の150児に対して、20%、30%だと思いますので、それが誰にいくかという話です。
○相川班員 ごめんなさい、私が計算を間違えた。そうすると何人違うことになるのだろう、3人ですか。
○高橋参考人 早く言うと12,000人のうち、20歳未満というのは100人もいないわけですよね。そしたら、ただ20歳未満の者の14点加算するというような単純なあれだと、どうなるのですか。そうすれば別にいいのではないですか。たった12,000人の中の100人弱の者のあれで、大幅に何かすごく変えるということよりは、年齢を15でなくて20歳までを14点加算というふうにした場合には、別にみんなそれほど抵抗はないだろうし、それでシミュレーションはどういうふうになるのでしょうか。
○湯沢班員 そうすると20歳が全部駄目です。20歳までを10何点にしたならば、今度20歳になったら14点分がなくなるわけですから。
○相川班員 20から30くらいの間が全然。
○湯沢班員 絶対ゼロになります。
○高橋参考人 でもそれは、この全体の中でしようがないでしょう。だってどこかでやらなければいけない。では30歳にするのですか、40歳にするのですかと、どんどんいく。我々は平均寿命がどんどん伸びているのですから。
○相川班員 小児の優先ポイントは、普通、どこでも16歳なのです。
○服部班員 もう一度繰り返しになりますが、前回の8月の会議での参考資料1の13頁、下段のグラフにおいて、新基準になったことで16歳未満の献腎移植数は明らかに増えた、一方、16歳〜20歳の献腎移植数はゼロになってしまっていることに気付いたことで今回の議論が始まり、そして本日示されたシミュレーションがなされていることを、再度確認していただくのがよいと思います。
○大島班長 親委員会の審議会で、いわゆる小児が社会的に認知される、されないとか、あるいは成長の問題など、要するに医学的な判断として何を取るのかという議論があったときに、町野先生が、それは社会的に小児が認証されるか、されないかというのも医学的な判断として意味のある数字であるという指摘をされているのです。こちら側からあまり言いにくいことだったので、それほど強く言わなかったのですが、それは医学的な判断として妥当である、十分に納得のできることだという話がありました。それで16歳で切るのか17歳で切るのか、18歳で切るのかという議論をし始めると大変な話になりますが、どこかで線を引かないとたぶんいけない。16歳で非常に大きな問題が起こっていることに関しては、皆さんよく理解されていると思います。ただ、16歳を20歳にしたときにまた20歳でゼロになって、それは同じことではないかという議論をし始めるとどこまでやればよいかということになります。その辺のところについてコメントをいただければと思います。
○飯野班員 16歳以上から、こういうふうに段階的でなくて、スムーズに落としていくような式を作っていけばいいのではないか。若い人に優先的にということで、16歳以上は式を作って徐々に下げていく。
○湯沢班員 どこで切ろうが、そこでスパッとなると、絶対にその先がなくなるに決まっているので、そこをなだらかにしておけばポツポツとは出てくると思います。
○大島班長 理屈上は私も何となくわかるのですが、高橋先生が非常にはっきりと指摘したように、180から190の移植の数で何を言っているのだと、そこに公平性だとか、不公平をなくすためにルールをどんどん細分化していったら、一体どういうことになるのかという話です。これも今の日本のドネーションの現状を考えると、相当現実的ではないなという感じもするのです。
 そうすると、どこかである一定の線引きをする。それが結果として、すべての人を納得させることにはならないけど、しかし、社会にお話するときに、これぐらいのところでひとつの考え方として提示するのは、いかがなものかというやり方をすれば、ある程度は納得していただけるのではないか。
○本田参考人 新たな提案というのをやって、またややこしくなるといけないと思ったのですが、先ほどお話しているように、最初にもらったポイントがなくなってしまうというのは非常に大きな問題なのです。米国やフランスのように18歳未満でもいいですけれど、18歳未満に点数をいっぱいあげたら、そのポイントは失わないというのだったらば、その人たちが継続して平等なのですが、登録したときでなく、ある年齢にいったところでポイントを失ってしまう。それが非常に差別を生んでいるという感じがするのです。18歳未満でもいいですし、年齢をどこで区切るかは皆さんのご議論でいいですが、その人たちがポイントを失わないという形にしないと、いまの形だと非常に不平等が生じる。
○大島班長 小児腎不全と認定を受けたときに、アドバンテージが発生しているけれど、その人たちの年齢がプラスになったときに、ある時点でパッと切られるのはおかしいという意見ですが、いまのような提案は、具体的にシミュレーションをやるのはそう難しい話ではないですね。いかがですか。
○辺見室長 点数の付け方として、今の移植時の検索をするときに点数を付けるという仕組みを、登録時に点数を付けるという仕組みに変えればいいということだと思います。ただ、問題は、実はこのシミュレーションのプログラム変更だけでも、相当時間をかけながらやっているのです。おそらく今のやり方をするのが、どのくらいプログラムにインパクトがあるのかというのは、ネットワークもたぶんここに来ている人たちでは駄目で、システムの人たちに話を聞かないと、すぐはご回答できないと思います。
○大島班長 いかがでしょうか。いまの提案について、これを検討してみるだけの価値があるのかどうか。
○高橋参考人 そもそも小児だけ14点加算すること自体が、法の前では不公平なのです。だから小児を外れたら失うというのは、ある意味で逆に、私は小児の移植をやっている人間ですけれども、別に致し方ないのではないか。それを延長するということ自体が不公平さを、また逆に生む可能性があると思います。だからある時点で、きちっと分けなければいけないと思います。日本の灰色というのは駄目だと思います。白と黒をきちっとしておかないと、かえってネットワークが今度、あれにするとき大変だと思います。ずらっと並んでしまったり、電話を掛けまくって遅くなるとか、逆にピタッとやることによって点数がはっきりするから、選びやすくなると思います。
○本田参考人 先生がおっしゃるような形だと、小児としてはC-2がC-3になるということですが、私自身が思っているのは、16歳を過ぎた途端に「あなたは10年以上待つんですよ」と言わなければいけない、この現状を何とかしていただきたいと思っているわけです。16歳以上になってしまうと、今はほとんど待機が10年以上というのは普通です。それは登録が早かろうが遅かろうが、16歳を過ぎたら途端にです。これが不平等だと言っているだけなのです。
○高橋参考人 だから私は、それを20歳にしたらどうだと。
○大島班長 前回までの議論で、16歳でスパンと切られるのはおかしいと。これは皆さんの合意が得られていますが、それが20歳まででいいとか、25歳まででいいという議論はないのです。しかし、これはどこかで切らないと、それこそ1歳ごとに、段階的にどう考えていくのかという非常にきめ細かいことが必要になって、それは私は現実的ではないと思います。ということになると、具体的に20がいいのか、25がいいのかという議論をし始めたら大変な話になるのですが、それこそ20歳ぐらいが、ひとつの区切りかなというふうには思います。
○相川班員 16歳というのは、一応、中学生以下ということで義務教育ですよね。高校は義務教育でないのでということがありますけど、いま現実的に大学の進学率は50%を超えているわけで、それは国によってかなり違うと思います。日本は、そういう意味で一般国民が受けられる教育の中で、腎不全の方もなるべくそういう機会が与えられると。その後の社会的な影響が大きいですから、そういうことを考えると、22というわけにいかないと思いますから、18、20ぐらいが年齢の区切りではないかと思います。
○大島班長 いかがでしょう。それこそ18か20か22か、やればやるほど。
○佐多班員 1歳ごとにどこで切るかという議論は不毛なので、あまりやってもしようがないというのが1つです。そのときに何か根拠を言わなければいけない。大島先生が言われたように、例えば医学的理由で16がいいのか20歳がいいのか、何かここに根拠があればいい。あるいは小児の腎疾患のときに、どうしてもほかとは違う理由があって、それをどこかで切らなければいけないとか、切ってもあまり意味がないとか、何かそういう議論があって然るべきだと思います。要するに、ひとつは医学的な理由、エビデンスが何かあるのかないのか。それがなければ、あとは社会的な教育の問題や社会人の問題など、そういう問題で一体どこで切るのか。ここはお医者さんばかりなので駄目で、ほかの人たちが入って来て、そこでどこを切るかという議論になると思います。いずれにしても、どこで切るかという議論ではなくて、理由が必要になってくると思うので、そういう議論をやっていくべきだと思います。
○本田参考人 子どもの人権条約を日本はもう批准しています。18歳未満には最高の医療を与えなければいけないという、子どもの人権条約を日本は批准していますから、別にその部分に関しては理論も何もないと思うのです。
○大島班長 それは18歳ですね。
○本田参考人 18歳。
○相川班員 医学的なものから言えば、高橋先生もおっしゃいましたが、16歳ぐらいまでは成長・発育の可能性がありますけれども、それ以降は成長・発育という点では、それ以上身長が伸びるとか第二次性徴が進むということはないわけですから、医学的に見るとそのぐらいの年代だと思います。さっき言った義務教育で言うと16ですが、一般的なところで言うと18ぐらいになってしまうと思います。
○辺見室長 ちょっと確認です。年齢を変えるというのは、同じ点数のところを伸ばすという前提になるかと思いますが、先ほど高橋先生からお話があったように人数がどうなるのかというのは、シミュレーションしてみないとわからないですけれども、例えばAのところで16歳未満のところは9名です。これはバックとして46名ぐらいの待機者がいて、9名選ばれているということからすると、16〜20歳のところで同じ点数をあげると。7名ぐらい上がってくる可能性があるのかなあと思っています。要は同じ点数であげると、16〜20歳のところはもともとの人数が多いのと、もともとこの人たちが持っている待機年数の点数もありますので、その下の人たちから比べると出現率が高くなる気はします。そのあたりも踏まえた上で年齢を延ばすということであれば、それはそれでいいと思いますが、本田先生が途中までおっしゃった、要は急激に下がることを緩和するのだということであると、同じ点数でなくて、ちょっと下げた点数なのかなと思うのです。そのあたりはよろしいでしょうか。
○大島班長 いかがですか。
○高橋参考人 つまり18歳までは、例えば12点にするとか、そういうことですね。
○辺見室長 ええ。緩和ということであればそうです。ちなみに飯野先生から、リニアに少し下げていくというのがありましたが、たぶん、この人数でやっていくと1点とか2点という加算は結果にほとんど反映されません。上のほうの10点とか8点ぐらいの点数でないと、数字に出てこないと思います。
○高橋参考人 確かにそうですね。そうしないと18歳ぐらいの人が選ばれてしまう。もっと12歳とか11歳ぐらいの人を選びたいのに、14点加算すると18歳ぐらいまで選ばれてしまう。そうすると14点と12点ぐらいにすれば、逆に15〜18ですね、そうすれば。
○大島班長 いかがでしょう。それでは時間もありませんので、いま最後に出た選択肢ですが、16を境にして18にするのか20にするのかというのは別にして、ちょっと別枠で点数を少し変えてみる。それが14点、12点、10点ぐらいということ。それから20歳までを1つの枠、あるいは18歳までを1つの枠にして考え方でみる。そういう考え方でもう一度シミュレーションをしてみる。その結果を見て、どう考えていくのかというのが1つと、佐多先生が指摘されたのは非常に大事で、そういうクリアなものが出てくるのかどうかは疑問なところもあるのですが、しかし、最初から議論になっているように小児における平均余命とか、いわゆる生物学的指標は極めて重要なので、そういったものをきちんと出してもらう。成長の問題や、本田先生が指摘された2次移植がどうだということも案外とよくわからないので、そういった実態と生命予後、そしてQOLあるいは社会的な認知度がどうなっているのかを、せめて20歳ないしその後までぐらいのデータを準備していただく。そんなことが必要なのかなと思います。それで決まるかどうかわかりませんが、そういったものも参考にする。きちんとした形でもって、社会に説得できるだけのたぶんクリアな形では出にくいだろうと思います。そのときに最大限、全体の状況の中で苦肉の選択として、こういう選択がなされたということを明らかにしていく必要があるだろうと思います。
 元に戻りますが、16歳で切ってしまうことは非常に具合が悪いということ。それから今日、あまり議論にならなかったのですが、若いほうで待機期間が短い人に全くゼロというのは、いかがなものかという議論も片一方でありました。一方で、これはあまりドラスティックに変えると、それこそずっと待っている人が希望も何もなくしてしまい、登録を止めようという動きに出るのも大変なことですから、そうすると、ではどのあたりがいちばん適当なのかというのは、これまた大変な問題です。それも一体何を根拠に、そんなことを示せるのかという話になるので、これは提案ですけれども、せっかく登録してゼロではまずいので、チャンスはあるという状況は作るべきだろうと思います。すごく大きなチャンスとは言えないけれど、しかし、チャンスはあるぐらいのところのシミュレーションというのか、それぐらいは保障すべきではないかというのが、全体の雰囲気から感じとれることですが、そんなところでよろしいですか。では今のようなことを基にして、もう1回シミュレーションしていただいて、それで今日は、それぞれが言いたい放題言っていただいたと。もう1つ、患者側というか、宮本さんが今日は見えていないので、その辺のご意見も伺いたかったのですが、次の議題をお願いします。
○辺見室長 資料2をご覧いただきたいと思います。前回の会議で湯沢先生からご発言があり、関係資料を湯沢先生からご提出いただいていますので、あとでご説明いただければと思います。リンパ球直接交叉試験に関する基準と、具体的選択方法の中にあるPRA検査に関して、ご意見が出ているところです。資料2は私どもがそれを踏まえ、たたき台として、選択基準の改正としてはごく一部ですけれども、ご用意しています。
 前提条件のところにある、(2)のリンパ球直接交叉試験陰性までが、現在の基準に書いてあるところです。湯沢先生から、高感度の方法を用いて行うことという提案がなされていますが、実態として検査の状況等に鑑みますと、現時点でmustというよりは、こういった方法が望ましいという方向に、ある意味誘導していくということかなということで、「なお」書きで「リンパ球交叉試験はFlow cytometry等の高感度方法を用いて行うことが望ましい」と、例示を書く形で記載しています。
 次に具体的選択方法の中で、PRA検査の位置づけですけれども、現行でも「また」のところにありますように、「PRA検査は可能であれば行うこととする」というところまで現在の基準で書いています。このPRA検査について、さらに「なお、PRA検査はFlow cytometry等の高感度方法を用いて行うことが望ましい」と記載させていただくことで、どうかということです。事務局から以上です。
○大島班長 ありがとうございます。湯沢先生、何か追加はありますか。
○湯沢班員 このクロスマッチについては、参考資料4を見ていただきたいのですが、日本移植学会と日本組織適合性学会の共同作業部会で検討させていただいて、こういう提言をさせていただいたということです。
○大島班長 ありがとうございました。いかがでしょう。
○高橋参考人 保険のほうですけれども、いまは手術代に含むというふうになっているわけです。これは別に取れるという方向の可能性はあるのでしょうか。それによって病院の負担が増える可能性があると私は思います。もう1つ、「望ましい」と書いてあって、やらなくて患者が死んだ場合や拒絶反応が起きたときに、かなり大きい問題になると思いますが、その辺をクリアできるのでしょうか。確かに組織適合性研究会とか、そういうところでは興味はあると思いますが、臨床の立場から言うと、かなりこれは厳しいことになると思います。
○大島班長 いかがでしょう。1番と2番ではだいぶ話が違っていて、1番については30施設ぐらいのうちの3施設だけが、現状やっていない。ところが下のほうは、やっている所が2ヶ所か3ヶ所で、ほとんどやっていないというのが今の実態です。ということを踏まえて、いまの高橋先生の質問に事務局から答えることはできますか。
○辺見室長 まず保険適用に関することについては、いまの段階ではどちらとも申し上げられません。申し訳ございません。「望ましい」というふうにする場合の位置づけですが、それは、どういった考え方でここで結論を出していくのかによる部分もあると思います。本来、医学的に見て非常に義務的に近いほど必要度が高いということであれば、望ましいではなく、義務づけするべきだということではあると思います。現在、そこまではいっていないけれども、方向性として、そういった情報も含めて移植を行う際に、移植医側が判断する情報としてあったほうが望ましいということであれば、まさに望ましいで置いておくというのはありかなと思います。
 特に具体的選択方法のほうは、PRA検査自体が可能であれば行うこととするということですので、その後ろにさらにくっつけてやるというのは高橋先生がご懸念のとおり、やったかやらなかったかについての評価については、現状と基本的に変わらない。情報としてあったほうが望ましいということで、書いてあるという考え方だと思います。そこは、それをどう評価されるかということになると思います。
○高橋参考人 私は下のPRAのことは別にして、上のリンパ球直接交叉試験でマイナス、そしてFlow cytometryで±とかプラスに出たときに、誰が決定権を出すのですか。つまり医師に「これは拒絶反応が起こるかもしれない、君はやらないほうがいいかもしれないよ」と誰が決定を出すのですか。だから逆に非常に複雑になると思います。やるのだったらやる、やらないのだったらやらない、そのどちらかにしないと。
○湯沢班員 現実的に西のほうでは、これで選択されているのです。
○高橋参考人 そこが問題なのです。同じ日本国民でありながら、東と中と西で違うということ自体が、これはおかしいのです。
○湯沢班員 ですけれども、現実的にそういうことになっていますので、それでもって何とかしなければいけない。
○相川班員 中日本でも現実的に半分か、それ以上です。
○両角班員 やっている所が多いですね。
○相川班員 だから東日本だけがやっていないのです。
○両角班員 結局は、こういったネットワークでもって定める基準の妥当性に関しては、その基準により成績をどこまで保証するかということになってくると思います。その時に従来のCDC法クロスマッチというのは、検出感度に問題があるというのは基本的な皆さんの合意になっていて、より高感度の測定体制がどこまで進んでいるかだけです。しかも、クロスマッチに関してFlow cytometryの方法論自体、難しくなく確立しているわけです。案では「望ましい」という記載で、これはmustではないわけですから、せめてこのレベルは打ち出していかないといけない。mustと書いていないからしなくてもいいと言って、一部施設の体制遅れに全体を合わせてはいけないわけですから、こういった要件記載はあったほうがいいと思います。
○高橋参考人 だから私が言いたいのは、この保険点数をまず認めさせるということです。そうであるならば私は大学病院はいいと思いますけど、ほかのやっている施設もありますから、その辺をどうするかです。日本では130施設ぐらい移植をやっている施設があるわけです。30施設だけ調べて28がやっていますと言うけれども、ほかの大半ができないとなるのだったら、どうなのですか。
○相川班員 検査施設は、ネットワークの検査施設でやりますので個別の施設ではないです。
○大島班長 保険の問題は、これはこれでものすごく大事なのですが、制度としてのルールにする場合には、医学的にコンセンサスが一定以上にあることが大前提になりますので、例えばここで議論が分かれてしまったようなことは論外になります。制度として認めるかどうか、一体誰が判定するのか、成績にどう影響があるのかなど、まだまだ決まっていないではないかと、ここの専門家の間で議論になるようなことでは無理ですから、議論の対象から外れます。いま、ここで出てきた話しとしては、専門家の間のコンセンサスとして、Flow cytometryのほうがいいのだということが出てきている。そういうふうに理解しているのですが、その点はよろしいですね。それが、いろいろな事情で30施設のうち、90%は整備されているけれども10%は整備されていない。これについて将来的には、残りも整備をするという方向で考えていきたいと。
○相川班員 前回の国際移植学会でもFlow cytometryは、ほとんどの国がこれでやっているわけです。先進国はすべてこれです。私がいたイギリスでは1990年12月から全施設でFlow cytometryをやっています。そういう意味で日本は20年、これを導入するのに時間がかかっているわけです。それを考えると、これはいま世界の基準になっていますので、是非とも導入しないといけないと私は思います。
○大島班長 それでよろしいですか。
○高橋参考人 そしたら「望ましい」を外して、「やる」としたほうが。
○大島班長 そこが急に政治的な話に。
○高橋参考人 曖昧な言葉は、あとであれを生むということなのです。
○大島班長 そこは政治的な話になりまた、お金の話や何かにつながるから、やるというふうにやってしまうと、国はちゃんとお金を出すのか、出さないのかという話につながってしまいます。その辺のところがちょっと。
○相川班員 先生、次の問題で、PRAについて発言してよろしいですか。
○大島班長 この点については、こういう形にするということでよろしいですか。望ましいということについては、もう少し。
○佐多班員 これは30施設で、みんな同じようにクオリティ・コントロールができて、同じようなデータになっているのですか。それはできるのですか。努力目標ということと、実際にデータが同じようにできるのかという、その点は。
○相川班員 先生、ちょっと私がお答えしますけれど、Flow cytometryを導入している施設は、クオリティ・コントロールはそれぞれの施設によって決められているので、それぞれの施設のシフトや数値は機械によって違いますから、そういう意味では違うかもしれません。ただ、クオリティ・コントロールはできているはずです。ネットワークの検査施設でやるわけです。
○高橋参考人 そういう意味では統一されていると言わないと、個々の施設でやるわけではないでしょう。
○相川班員 はい。ただ、正確に言うと機械が全部同じとかではないです。だけど、ここが陽性率だという判断は、当然、正確にやっていると思います。
○大島班長 基準とかそういったものについて、要するに佐多先生、いまの説明で納得できますか。
○佐多班員 だからAという施設でやった結果と、Bという施設でやった結果が同じになっていないと困るわけです。それが保障されているのかと聞いているのです。
○相川班員 それは先生、同じ機械でないし。
○佐多班員 判定のときに。
○相川班員 それは陽性を判断するかどうかによっては、できていると思います。
○高橋参考人 そういうシステムがあるのかということ。
○大島班長 要するに、どういう仕組みをとっているのかということですね。
○相川班員 HLA検査委員会というのがあって、話し合っていますよね。ただ、それを実際にどういうふうにというのは。
○佐多班員 やっていない所もあるのだったら、たぶん全部標準化されていないということでしょう。
○相川班員 でもFlow cytometryは、20年以上の歴史がある検査法。
○高橋参考人 それは標準化しないといけない。CPCみたいにある程度、そこはきちっとやっておかないとまずいと思う。
○湯沢班員 HLAのタイピングですら、実はネットワークはクオリティ・コントロールしていません。組織適合性学会がしているだけです。このクロスマッチについても、組織適合性学会でやっています。ネットワークは現状としては一切していません。
○大島班長 ということだそうです。何か恐ろしい話になってきていますが。
○両角班員 実際には、かなりクオリティ・コントロールはかかっています。チャネルシフトが何%かというところの数字も、施設によって何%かというところの数字が違うだけで、これは機械の特性の問題です。Flow cytometry法の陽性に対しては次により精度の高い方法でさらに絞り込み、どのような抗ドナー抗体があった、なかったと今はわかるようになっています。少なくとも高感度なFlow cytometryクロスマッチはプライマリー・スクリーニングとしての必要な検査であることは確実です。
○相川班員 あと絶対数として指標が出てきていますので、それを指標にすれば全国統一でクオリティ・コントロールできると思います。
○大島班長 要するにシステムとして、それがきちんと動いているかどうかという指摘だろうと思います。それをネットワークでコントロールするのであれば、ネットワークがきちんとやるべきだろうという指摘だろうと思います。個別には学会や何かで相当厳しくコントロールされているのが、いまの現状だろうと思います。残りの3施設ぐらいですか、それに対しては、これからこういう方向で向かってほしいというお願いをするのか勧告をするのか。それと同時に経済的な問題が当然発生してくるでしょうから、いまのままのシステムでいけるのか、あるいは何らかの違った財政的な問題を考えなければいけないのかというのは、ひとつの課題として残ったということでよろしいですか。1については、こういうことで決めさせていただいて、よろしいですか。
○高橋参考人 くどいですが、その3施設というのはよくわからないのです。少なくともこのネットワークでやる以上は、何でやらない施設が3施設あるのでしょうか。ネットワークで採血して全部やってくれるわけですよね。それはどうしてあるのですか。
○辺見室長 一般論で申し訳ないですが、この選択基準に書かれていることの中で、こういった検査方法について全部ネットワークでスペックを作って、同じとおりというふうにやるべきものなのか。それとも学会等でコントロールされているものであれば、その枠の中でやるということを許容しているものなのかというのは、あると思います。いまのお話からすると、この検査については、学会等にコントロールされている中でやっているということですので、実際に見ると、Flow cytometryを使っている所と使っていない所に分かれているわけですから、Flow cytometryのやり方が標準化されているか以前の問題で、それと、それ以外の所もあるわけですから、一定の幅の中で学会でコントロールされている範囲の中でやっていることについて、認められているということだと思います。
 さらに、もっとスペックを求めるのであれば、この基準の中でどんどん書き込んでいかないと、ネットワークとしてもどこで基準を作ったらいいのかわからないので、そこまで言っていってあげないといけない。現状、こう書かれている中で、一般的に学会で信じられているところでやっているということで、適切であるというふうに考えるのかなと。
○大島班長 私もある程度事情は知っている人間なので、この問題をほじくり出すと問題が出てきそうですが、ここで議論するような話ではないと思います。したがって、曖昧ではありますが、何人かの専門家のご意見の中で、一応、これは学会の中では相当厳しいクオリティ・チェックがされているということで、そういったことを前提にして質を認めていく。そして、全世界的にはFlow cytometryが当たり前の技術になっていることは受け止めて、日本の中でも、そういった整備を進めていく方向で考えてゆくということです。そういう結論にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 2番のPRAについて、いかがでしょうか。実際には個別の施設でちょっと行われているぐらいのところで、ほとんど今は昔とは違うという話ですが、ここに書いてある「望ましい」というのは、やらないよりは、やったほうがいいだろうぐらいの話のようですが、どういう扱いにしたらよろしいでしょうか。ほとんどやっていないので、これは削除してもいいのではないかという意見もあるのかなと思いますが、なぜ残っているのかもよくわかりません。いかがでしょう。
○両角班員 バーチャルクロスマッチということが言われていて、実際にクロスマッチをしなくても高感度なPRA検査評価をやると、かなり高い確率で拒絶反応を予防できるというところまで、世の中は進んでいるという事実があるわけです。その背景になっているものとして、このPRAを非常に感度の高い方法で行っていますので、こうした選定ルール見直しに関する方向性を成績を担保する方向で持っていくということを出すのか、その辺の方向性をどう考えているかという問題です。
○大島班長 学問的な問題と制度的な問題は違います。制度というのは、あくまで全体の中でコンセンサスの得られたことを受け入れていく。ただ、学問的な進歩を否定するというのは絶対駄目ですから、そのことに関しては、それはそれで学問の場で徹底的に議論していただく。
○高橋参考人 この「等」という言葉が、私はまずいと思います。先ほどのもFlow cytometry等ということですが、等と入れるとほかの検査も、ビーズを用いた何とかの法は高感度だからどうのこうのとか、この辺もちょっと検討して、基本的には私は認めますけれども、等という言葉を用いるというのは極めて曖昧だと思うので、それははっきりしておいたほうがいいと思います。そうしないと三重、四重の検査をしなくてはいけない。
○大島班長 1番はFlow cytometryで、よろしいのでしょう。
○相川班員 イライザの検査法というのもあるのですが、一般的にはFlow cytometryを使った検査法のほうがポピュラーです。
○大島班長 これ事務局で調べてみてください。ほかに何かいろいろな検査があるのかどうか、あるのですか。そうすると何度も繰り返しますが、開発途中のものは制度にすることは難しいので、クオリティが確立されたものだけをここに挙げてください。
○湯沢班員 イライザの検査法とFlow cytometoryではないですか。
○大島班長 それはきちんと。
○辺見室長 おっしゃるとおりだと思いますが、確立されたものを一つ一つ、確立するたびに、この基準を改正して上げていかなければいけないのかというところがあり、Flow cytometry等の後に高感度の方法というふうに付けているのは、それに準ずる高感度の方法ということで、一応枠組みを作っています。高感度の方法という、この文言自体は参考資料4の言葉から持ってきているのですが、より何々高感度の方法とか、その締付けが厳しい言葉があるのであれば、ご提案いただければ検討したいと思います。
○高橋参考人 大島先生が先ほど言われたことは、すごく大切なのです。私は学問的にはいくらでもいいのですが、だけど敢えて、これは患者の選択基準なのです。それによって患者が選ばれるか選ばれないかということになった場合に、よほどきちっと、佐多先生が言ったようにしておかないと、それこそ不公平性が出ると思います。患者としては、そんなのやってもらわないほうがよかったということが出ますから。
○佐多班員 まずいです。何をもって高感度とするというのは何も書いていない。こういう曖昧なのはまずいです。
○湯沢班員 これ一気には、Flow cytometryにしろイライザにしろ、学問的には高感度というのは誰でも認めるところだと思います。そもそもPRA検査が必要なのは、CDCでつかまってこなかったような人のものが、PRAでつかまってきてしまうことがあって、かつては絶対やっておかなければいけないということになった。ところが、実際問題として、これこそお金が出ていないことですから一切できないというか、実際、やっていないわけです。
 実は参考資料5の3頁を見てもらいたいのですが、下に2つのグラフがあります。右のFIGURE2のBを見ると、Flow cytometryでやったのと、やらないので成績がこれだけ違うと言ったのです。ところが、AのFlow cytometryでクロスマッチをした患者さんについてPRAを見ると、PRAがいくつであれ、Flow cytometryでしっかりクロスマッチされていますから、関係なく成績は同じなのです。だからFlow cytometryでクロスマッチがしっかりされていれば、PRAはやらなくてもいいという考えにもなります。
○相川班員 よろしいですか。これはアイルランドの文献なので、情報センターが同じですからイギリスと同じなのです。PRAは、これも24、25年前からイギリスは全部PRAのパーセンテージがコンピューターで出ています。これのコンセプトはどういうことかというと、同位列になったときにPRAが高い人をネグレクトするという意味が1つ、もう1つはPRAの高い人だけ集めて、35%以上でしたか、集めてHLAをほとんど合っている人には優先的にそこにいくようにしているのです。その2つの意味があるのです。
 ただ、日本のこれだと、PRAが高い人はネグレクトする、駄目にするという基準にしているわけで、本来はそういう意味ではないのです。だから、このペーパーを見ると、PRAが高い人、PRAがある人に対しても成績がよくなるよというふうに言っているのです。それはそういう処置があるからよくなっているだけで、そこまで考えていただかないと本当はいけないと思います。
○大島班長 全く違いますね。それでは。
○高橋参考人 だから、逆に日本の場合は腎臓が出ないから、その救いがないのです。ハイリスクポーザーの人は、向こうはむしろHLAが合わない人と言うとあれだけど、日本の場合はそういう余裕が全くないわけです。
○相川班員 ただ、PRAをやっておくと、高い人は確かに適性の拒絶反応を起こす率が非常に高くなると私は思いますので、同位列になったときには非常にいい基準になると思います。だから本来、もう少し先までいっていただくとありがたいなと思います。
○大島班長 ということで、いかがしましょう。現実にはほとんど行われていない。そしてPRAの意味というのが、いま具体的な患者選択の話しで、アイルランドの例が出されました。それが正しいかどうかはチェックしないと何とも言えませんが、そういったことを考えると、少なくとも日本の中にはそういったシステムが反映されていない状況で、やりましょうという提案ですが、いかがでしょうか。
○高橋参考人 先生、これいくらお金がかかりますか。病院が全部背負わなくてはいけない。
○大島班長  今後、こういったことも十分に検討していくということを含めて、こういった書きぶりで認めていくのか。実際にやっていないのだったら、もう止めてしまえばいいではないかという考え方も一方にあると思いますが、いかがでしょう。いま少なくとも、お金のことを計算して、ここに出てきているのではないということだけは、はっきり言えると思います。時間もありませんので、これも検討課題ということにしますか。まだもう1つあるのです。いまのようなことを含めて検討課題ということで、1番については高感度方法ということの説明が曖昧なので、佐多先生にご指導願って、ここの書きぶりをもう少し間違いのないような書きぶりに、説明か何かを加えていただくことでよろしくお願いしたいと思います。
○辺見室長 ご提案されていますところを、ご相談させていただきたいと思います。
○大島班長 お願いします。それでは最後の議題をお願いします。
○辺見室長 C型肝炎につきましては参考資料6という形で、英文の資料を添付しています。本件につきましては前回の会議でもお話が出ていましたが、いまの時点で探してきた海外文献をご提示させていただいたところです。また改めて文献や海外の基準状況等を整理した上で、次回、お時間がいただければ、そちらで話をさせていただこうと思います。
○大島班長 C型肝炎に関してはサブタイプの問題があって、CからCへは、最初「ノー」であったのが、その後解禁になり、今ではC型からC型については移植オーケーということで、これは全世界的な標準的なものです。最近、サブタイプがきちんと出るようになって、ひょっとしたら危ないケースもあるのではないかということが、少しずつ話題に出かかっている段階でしょうか。そういう表現がいいのかどうかわかりませんが、少し注意したほうがいいのではないかということも含めて議題にあがりました。事務局で論文等を調べていろいろな調査をしたのですが、はっきりと今の段階で、やめるべきであるというほど強い根拠は、示すことはできないというのが現状です。もう少し調査を進めたいというのが、いまの発言かと思いますけれども、いかがでしょうか。
○飯野班員 私も言い出しっぺで、そのとき提案した1人ですが、東日本はCからCというのはあるのです。ほかのブロックで感染した可能性のあった方がいるらしいので、そういう意味ではきちっと感染を防御するという意味で、確率の問題だと思いますけれども、そういうのもこれから考えるべきではないかということです。
○大島班長 いかがですか。何かご意見はございますか。
○相川班員 いちばんの問題点は、HCV抗体が陽性であっても、実際、PCRで測ると陰性の患者さんがいて、ドナーをPCRで測って、ものすごくいっぱいウイルスを持っている人からやってしまうのは、問題ではないかという意見があります。最近、東日本ではHCV抗体陽性のドナーに関しては、その時点でPCRを測ってウイルス量を定量しておいてくれと。できれば透析施設で待機している間にやってほしいという要望を出していますが、なかなか全員にはいっていないのが現状です。そうでなくても卑近の腎臓の提供があった場合にはPCRをなるべく測るように、東日本ネットワークは努力しています。それによって、あまりにも高いドナーの場合は、患者さん自身がお断りになる場合もあるのではないかと思います。
○両角班員 HCVのサブタイプによって、治療の可能性が全然違ってしまいますから、もし治療抵抗性のサブタイプを持ち込んだとなると、やはり問題になると思います。したがって今回注意喚起すべきこととして、サブタイプとウイルス量に関しては検討すべきだという形のメッセージが要ると思います。その後で基準の中にどう反映させるかという2段階だと思います。
○大島班長 要注意であるという今の段階で、いきなり「ノー」であるというほどの強い根拠は、まだはっきりしないのが実情だと考えてよろしいでしょうか。
○相川班員 HCVからHCVへの成績を見ると、実際はそれほど悪くないのです。ほとんど成績は今のところ変わっていません。ただ、手術の後に劇症化して亡くなった患者さんが何人かいます。でもどっちが原因かわかりません。
○高橋参考人 今、年間100ぐらいのドナーのうち、プラスで提供しているというのは、どのくらいいるのですか。
○佐藤補佐 新基準になってから、心停止も脳死も含めて提供があったのは21ドナーで42腎ですね。2002年からですね。
○高橋参考人 2002年から、何パーセントぐらいになりますかね。
○佐藤補佐 8年で21。
○高橋参考人 さほど多くはないね。そうなのでしょうね。将来は増えればやめていく方向へね、いま社会はいろいろ、これだけのあれになっていますからね、確かにサブタイプを調べてあれというのもいいですが、そこまで犠牲を払ってやるのかどうかという問題もあると思います。黒川先生のときに駄目になって、また復活させたのですね。だけど思ったほど数が増えないのだったら、将来的には減らしていくということで、禁忌にしていったほうがいいのかもしれません。
○大島班長 HCVは、すべて禁忌という方向に向かう可能性があると。
○高橋参考人 実際、少なくなると思います。
○大島班長 HCVドナーというのは、そんなに多くないということですか。
○高橋参考人 はい。
○大島班長 その可能性も十分に念頭に置きながら、もう少しリサーチをしていただいて、それで要注意、黄信号等、黄信号がいつ赤信号になるのか、あるいは黄信号のままでいけるのかどうかというのは、この先の検討課題です。
○辺見室長 他国の基準等で、こんなのがあるという情報があれば事前にお寄せいただければと思います。よろしくお願いします。
○大島班長 ということで時間が過ぎましたけれども、今日の課題はこれで一応全部終わりましたので、終わらせていただきたいと思います。長時間ありがとうございました。
○秋本補佐 本日は活発なご議論をいただき、ありがとうございました。本日いただきましたご意見を基に、引き続きシミュレーション等を行いたいと思います。次回以降の日程については、各先生方の日程を調整させていただき、決まり次第ご連絡を差し上げたいと思います。先生方におかれましては、お忙しいところ恐縮でございました。大変ありがとうございます。日程の確保もよろしくお願いしたいと思います。


(了)
<照会先>

厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室

代表 : 03(5253)1111

内線 : 2362 ・ 2365

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