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2010年7月28日 第3回訪問看護支援事業に係る検討会議事録

○日時

平成22年7月28日(水)15:30~17:00


○場所

全国都市会館(地下1階) 第3会議室


○議題

(1)平成21年度訪問看護支援事業の結果と今後の事業推進について
(2)訪問看護サービスの安定的供給のための方策等について
(3)その他

○議事

○川村座長 それでは、時間になりましたので、第3回「訪問看護支援事業に係る検討会」を開催させていただきます。大変お暑い中、お集まりいただいて、ありがとうございます。
 まず初めに、事務局より新任の委員の御紹介や出欠について、よろしくお願いいたします。
○八田看護専門官 委員の交代につきまして、茨城県の宇梶室長にかわりまして、今回、大高茨城県保健福祉部長寿福祉課介護保険室長に委員の就任をお願いしております。
○大高委員 大高です。よろしくお願いいたします。
○八田看護専門官 また、三重県の吉田委員にかわりまして、三重県健康福祉部長寿社会室、明石室長に委員の就任をお願いしておりますが、本日は御欠席の連絡をいただいております。
 また、本日は、福岡県保健医療介護部医療指導課の森松参考人にお越しいただいております。
○森松参考人 森松と申します。よろしくお願いいたします。
○八田看護専門官 また、昨日付で金谷審議官が厚生労働省老健局審議官に着任しておりますが、本日は若干おくれて到着する予定でございます。
○川村座長 それでは、金谷審議官の御挨拶は、おいでになりましたときに入れさせていただきたいと思います。
議事に移らせていただきます。本日は大変盛りだくさんでございますので、よろしくお願いいたします。
 まず、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○八田看護専門官 では、資料の確認をお願いいたします。
 まず、議事次第と座席表、委員の名簿に続きまして、資料1「訪問看護ステーションの基盤強化に関する調査研究事業」についてということで、上野委員より資料提出をいただいております。
 資料2といたしまして、「茨城県における訪問看護事業所の状況について」ということで、大高委員より資料の提出をいただいております。
 資料3で、「福岡県在宅医療推進事業について」、森松参考人より資料の提出をいただいております。
 資料4といたしまして、「訪問看護サービスの安定的供給のための方策等について」、その後に参考資料が参考4までついております。
 参考資料1といたしまして、「第7次看護職員需給見通しに関する検討会」の資料でございます。
 参考資料2といたしまして、「訪問看護における特例居宅介護サービス費の支給状況調査結果概要」でございます。
 参考資料3、「人員基準が満たない訪問看護ステーションの休止・廃止の取扱いについて調査結果概要」でございます。
 参考資料4といたしまして、「都道府県におけるサテライト設置認可の現況調査概要」でございます。
 席上のみの配付となりますが、訪問看護支援事業のパンフレットを配付させていただいております。
以上でございます。
○川村座長 それでは、議題に移らせていただきます。
 まず、議題(1)、「平成21年度訪問看護支援事業の結果と今後の事業推進について」になります。まず、上野委員より、平成21年度の訪問看護支援事業実施結果及び効果について、老人保健健康増進等事業、訪問看護ステーションの基盤強化に関する調査研究事業での結果をご発表いただきます。これは資料1になります。よろしくお願いします。
○上野委員 では、全国訪問看護事業協会が21年度に行った調査研究の結果について御報告したいと思います。
 21年度、大きくは、21年度から始まった訪問看護支援事業の実施主体の支援と、それから支援事業の評価と支援事業の普及ということで、3点を掲げて行いました。実際の支援に行った県は5県です。要請のあった県には、誰が行っても同じような指導支援ができるようなスタイルの共通ツールをこの研究の中でつくり、その共通ツールに基づいて支援を行いました。また、グループワークや、それから現地の実情、困難性などを伺いながらアドバイスをするということを行ってきました。
 21年度の訪問看護支援事業の実施内容の資料の2と3のところ、実施県が11県あり、実施内容としては、請求事務の支援が4か所、コールセンター事業が7か所、医療材料が4か所、その他が9か所という形で、全事業にかかわった県もございますし、それぞれがいろんなことをやってくれています。
 請求事務の支援事業は4県が実施していまして、前回の報告会のときにも報告しましたので内容は割愛させていただきますが、実際、この事業の評価としては、期間が短いということもありましたので、ヒアリングでの評価しかありませんので、なかなか数値は出ないということになります。
 資料の9のところに請求事務支援事業の効果をまとめてありますが、訪問看護ステーションは、請求の事務や記録類、看護計画等々に非常に時間がかかるというところがあって、この請求事務支援を行っているわけですが、実施を行った県においてはネットワークセンターをつくって、それから拠点をつくる、それからソフト会社と合同でソフトの開発をしたり、モバイルを使ったりしながら支援を行っているということです。
 その結果としては、請求事務にかかる時間が半減したということで、これもパーセンテージが出ていないのですが、例えば国保連からの返戻とか、明細書の発行等々非常に手間がかかるわけで、そこをセンターの方でやってくれるというところで非常に手間が省けている。それから転記作業がなくなったので記録の時間が短縮したとか、情報共有が可能になったとか、時間があいた部分を退院支援に回ることができたとかいうようなことがわかっています。
 ただ、1つ、これは避けられないのかなと思うのですが、利用者情報やケアプランの情報等々が、ステーションと、それからセンターと双方が行わなくてはいけないというところで、それは負担軽減にならなかったというようなことも言われています。
 10番目にある資料ですが、請求事務を一元化した場合の費用を、これは一昨年のモデル事業で行ったものですが、例えば委託料を毎月5万円にして、ステーションに参加すると運営費100万円かかる。その100万円で事務員を雇ったりすれば経営的にはそんなに負担にならないという結果も出ていますので、ここの請求事務を行っているところの県においては、参加ステーションの数を多くしたいというニーズがありました。
 その次にコールセンター事業ですが、7県がコールセンター事業を行っています。それぞれの県の特色もあるのですが、キーステーションを決めて行う場合と、それから管理者が当番制で電話を持って対応する。それから、ステーションごとの当番になるのですが、ステーションを決めないで、自分のステーションでその電話を受けるような電話転送システムを行う。それによって管理者が自分のところでステーション業務を行いながらこの相談業務を行えるというようなもの、それからキーステーションを決めて、そこに専属の職員を雇って行うというようないろんなパターンがありました。
 福岡県の場合は県内の2か所にコールセンターを設置しまして、専属の訪問看護師を配属しています。月曜日から金曜日まで、9時から17時までの事業を実施して、ここは、私どもが伺ったとき、4か月半の実績だったのですが、相談件数が178件ありました。その中で非常に相談事項の多かったのは、ステーション管理者からの相談が多かったということで、ステーションの管理者が一々ひもといて調べなくてはいけないものを、そこに電話することによって問題解決しているというのが非常に多かったという、106件もありました。
 それから地域連携室や病院関係者からの依頼と、それから利用者からの依頼は、まだ周知されていないためにあまりなかったというようなことが言われていまして、利用者や地域包括ケアマネジャーからの相談がもっともっと受けられるようにしなければいけないという課題が扱われていました。
 このコールセンター事業に当たりましても、各所がいろんな検討をしながら行っているわけですが、利用者の紹介があって利用者数が増加したというところで、あるところでは、逆に言うとマンパワーの問題があって受けられないというところも若干ありました。それから、1つ、病院からの退院の相談があったというところで、非常に緊急の訪問看護ができるということがあり、それからケアマネジャーからの依頼等々が、そこに効果が書かれていますが、そのような効果があったと言われています。
 それから医療材料の提供システムに関しては、4県ありました。詳しくは、昨年度、三重の方からも御報告があったので割愛しますが、ここに関しては、やはり薬局とどうタッグを組むかというところで、薬局と医師会ときちんとタッグを組みながらやっていくことが大事だということになっています。ここもまだ効果としては聞かれておりませんで、今日、三重県の方がいらしていますので、またお話を伺えるかと思います。
 その他事業としては、マニュアル類とかパンフレット、それから記録用紙の共同作成ということが非常に多くありまして、ここに関しては、パンフレットで利用者に訪問看護を周知するというところと、パンフレットを用いながら訪問看護師の採用に結びつける。要は、看護師の採用向けのパンフレットやホームページを作成するということをやっていまして、そこの事業に関する効果としても、新規の事業者が非常に増加したというところと、利用者が訪問看護を選ぶときの基準になっているということで、その他事業に関しては多くのところが活用しているという状況です。
それと、これにはちょっと載っていないのですが、一昨年のモデル事業のときに、A町、B町の話をしたのを御記憶にあるのかどうかと思いますが、一つのAステーションがBステーションまで15キロ以上かけて訪問に行きました。そこのBステーションは非常に弱小で、24時間も取れないということで、AステーションとBステーションの連携を取って、それで24時間を片方のステーションがするという形で連携を取っていたのですが、そこで少し利用者が伸びてきたという事例があったわけです。そこのステーションを追跡で調査しましたところ、Bステーションの方が廃業を余儀なくされまして、中止になったのです。
 Aステーションの方がそこにサテライトを設けたところが、その当時はそこの利用者は10名程度だったのですが、サテライトを設けた6月のときに、70名の利用者になりまして、そこのもともとの本体は80名だったのですが、今、140名で、大規模なステーションになっています。今、700件ぐらいの訪問をしていて、サテライトですから一体的訪問という形でやっているわけですが、サテライトを含めて大規模化して、それで経営が好転して、黒字化になったという報告が聞かれています。
 それと、24のスライド、「訪問看護支援事業」推進のため体制の構築というところですけれども、私どもがいろいろなところにお話に行ったりしているときに、訪問看護推進協議会の設置をどのようにしていいのかという疑問も聞かれていますが、自治体関係とか協会関係者とかが入っていくわけですが、1つは、実際行っているところで、国保連の職員を中に入れながら構築したという県もありまして、非常にいいアイデアかなと思いました。国保連の方を入れることによって請求事務システムのところがうまくいくというようなことを言っていました。
 それから訪問看護事業の課題の整理と事業の検討のところでは、現場のニーズをきちんと把握しないでこの事業を行おうとすると、現場が乗ってこないということがありますので、現場のニーズ把握が非常に大事だということです。
 それから、ネットワークセンターをつくるときには事業所間の合意形成が非常に大事だと思っていまして、いろいろな支援事業に参加しているステーションが部分的に、当初は、例えば東部なら東部というところで行ったとすれば、あと中部とか別の地方に発展していかなくてはいけないというところをやっていかないとなかなか拡大していかないのかなあと思っています。
 それから、私どもは、研究班も含めて、これから行うところ、それから今行っているところにも、必要があればいつでも伺いますよというスタンスでおりますので、そこを都道府県には大いに活用していただきたいと思っています。
 それともう一つは、最後の資料になりますけれども、この事業を推進するためには、終了後のことが非常に大事になってくると思っています。終了後は「自立するのだよ」という言い方をしておりますけれども、終了後にどうこれを継続していくかということは非常に大きな課題なのだろうと思っています。それにはやはり参加ステーション数が増えて負担軽減を図るというようなことが大事かと思っていることと、それから利用者、家族、ケアマネジャーとかへの周知が非常に大事になっていくだろうと思っているところです。
 配付しましたのは、今年度の事業として、「やってみよう訪問看護支援事業」ということで、支援事業が取り組みやすいように実際の事例も挙げながらつくりましたので、どうぞご参考にしていただければと思います。
 明日も私は福島の方に支援事業の説明に伺いますし、その次の週は和歌山の方に支援事業説明に伺います。このような形で、委員のメンバーが全国あちこちに支援事業の説明に伺って、支援事業を少しでも多くの県に取り組んでいただこうと思ってやっている状況です。
 以上です。
○川村座長 ありがとうございました。非常にたくさんのことを短い時間で御発表いただきましたので、御質問や御意見がおありになるかと思いますが、いかがでしょうか。
○野中委員 医療と訪問看護と訪問介護が適切に密接に結びつく事により、利用者さんが安心して住み慣れた地域で生活する事が可能になります。そのためにも訪問看護がもっと伸びる必要があるとの認識は強く持っております。その上で質問します。先ほどの説明の中で訪問看護ステーションがサテライトとして運営されたら、従来の利用回数が10件から70件に増えたとの報告がありました。利用回数が増えた事に対する理由についてどの様にお考えですか。
○上野委員 たまたまB町にあるステーションは、土日、祭日、夜間、してなかったステーションだったのですね。それで、A町からも十何キロもかかってそこに行きながらやっていて、モデル事業のときには、B町の24時間やってないところをA町の人たちがカバーしているという状況をつくったのです。そこで連携を取るようになって、それで少し増えてきたのですね。それで、B町のステーションが廃止になってしまったので、そこにA町がそのまま事務所をお借りしましてサテライトを設けたのですね。そうしたら、町立の病院もありニーズがあったということで、利用者がその近辺から増えたということです。
○野中委員 それはわかりますが、B町ではなぜそれを廃止したのですか。
○上野委員 それは、そこにヒアリングしたわけではないので、聞くところによると、B町の方の事情もあったのでしょうけれども、公立だったということもあって、2.5人で、一人の方が定年退職してしまい、後継の問題もあり廃止したのではないかと思います。それをたまたまA町がかかわっていたので、そこの利用者ごと増えていったという状況です。
○野中委員 在宅医療について議論すると、過疎地の在宅医療の大変さをいつも訴えられ、都市部の在宅医療と同じように語ることはできないとの意見が出ます。どうしても都市部の方がスケールメリットが出やすいためと思います。同じようにB町では色々な事情があると思いますが、スケールメリットを出せなかった事が原因ではないでしょうか?いわゆる限界集落、過疎地の問題に対しては、この訪問看護支援事業として事業者と行政が一体になって支援すべき事業と思います。大きな事業所がスケールメリットを発揮して事業を展開する話とはちょっと違うと思います。
○上野委員 B町のもともとの小さいところは2.5しかいなかったのです。A町から行った方もそんなに大きなステーションではなかった。もともと70規模のステーションだったのですが、利用者が増えるので、結局、今、サテライトとはいえ5~6人の看護師を抱えながらやっていて、もう一つのステーションにしてもいいぐらいの大きさになったという状況のようです。
○野中委員 そこは多分現状の問題点とニーズの把握に問題があると思います。ですから、訪問看護が適切に周知をされて、ニーズに対して訪問看護を適切に提案して利用者が増えれば、訪問看護に従事する看護師さんも増加すると理解をすべきと思うのです。訪問看護事業の問題点の解決策としてこの訪問支援事業を考えるのは少し違うと思います。その辺を整合性をつけられた方がこの事業が理解されやすいと思います。
 以上です。
○川村座長 ありがとうございました。今のところは私もヒアリングに行きましたので つけくわえさせていただきます。その地域は大変交通事情が悪いという難点がありました。それで、他地域からの看護師さんが得られなくて看護師数を増やせないため常勤換算2.5人であったこと、設置主体が自治体で一般公務員と同じ就業規則であったため祝休日・夜間の対応ができなかったことが課題でした。訪問看護師さんたちは住民のニーズを知りながらも対応できなかったわけです。そこに隣接地域の、すでに祝休日・夜間対応を実施していたステーションと連携したことによって、祝休日・夜間対応ができるようになり、他地域に住む訪問看護師を得られるようになり、その地域で働く訪問看護師が増加したのです。これは、支援事業で複数ステーションの連携・協働を呼び掛けたために相互の話し合いが始まり、実現したことです。町の方もたいへん賛成されて、自治体立病院と隣接する建物の一部を貸してくれたり自治体立院長初め、病院スタッフと連携が密にとれています。ステーションを廃止された理由は、従来のステーションの中心であった看護師さんが定年退職の時に当たっていたことだと伺っております。
○野中委員 そうすると、前の廃止された事業所には支援がなかったから廃止せざるを得なかったということになりますが。
○野中委員 だから、支援事業とその問題、そして定年の話とどう結びつくのかということですね。医療機関でも同じです。過疎地では医療機関が2軒か3軒しかないところがあります。そこでその医師が高齢となって医療機関を廃院になった場合と同じです。ですから、事業所が廃止された事とこの訪問看護支援事業とどこがどう結びつくのかということを聞きたいのです。
○上野委員 済みません。先ほどちょっとお断りしたのですが、支援事業とは別に、前回のモデル事業の結果をちょっと御報告をという形で報告させていただきました。こんなふうに変化していますよということで。
○川村座長 この議論は研究事業としては深める必要があるのかもしれませんけれども、今回のこの委員会としては、一応そういう地域もあるということで御了解していただければと思います。
ほかに何か御意見、御質問あるでしょうか。
○野中委員 済みません、もう一つ。このコールセンターの件です。このパンフレットの図を見て思うのですが、本来はこの役割は、地域包括支援センターも同様の役割をするはずですが、その地域包括支援センターとこのコールセンターとのかかわりは、今回はないのでしょうか。
○上野委員 今までのところでは、地域包括支援センターでやっているというところはないようです。福岡はそれとちょっと似たところが持っていらっしゃいますが、それ以外のところは、コールセンターとしては、先ほどお話ししましたように、ステーションにキーを置いたり、それから管理者が交代でやったりという形の事業としてやっています。
○野中委員 でも、地域包括支援センターの役割としては、いわゆる患者さんのニーズに対して訪問看護が必要であるとか、そのニーズに対してどこの訪問看護ステーションがあいているを把握するのも本来の地域包括支援センターの仕事ですね。こういう仕組みが悪いわけではありませんが、地域の様々な資源を結びつけて、訪問看護がもっと利用されるという形が必要と思います。そういう視点も入れておく必要があると思います。このパンフレットを見たときにそう思いましたので、よろしくお願いします。
○上野委員 ありがとうございます。
○川村座長 それでは、時間をせくようで申し訳ありませんが次の話題に入りたいと思います。
前回の検討会のときに、木村委員から、茨城県の御発表に対して訪問看護師数や、訪問回数の変化、訪問エリアのことなどについての御質問がありましたが次回回答をするということになっておりました。今回、茨城県から資料を出していただいておりますので、その御説明をお願いいたします。
○大高委員 茨城県でございます。
 資料2をごらんになっていただきたいと思います。「茨城県における訪問看護事業所の状況」でございますが、茨城県は9つの保健医療圏ということで区分をしてございます。それで、その医療圏の隣の方に県域内市町村ということで、「県域」の「県」が間違っておりますが、医療圏の「圏」に修正願いたいと思います。
 それぞれ保健医療圏ごとに右側の方に市町村を記載していまして、訪問看護ステーションの数を記載してございます。○数字についてはサテライトを記載してございます。全部で44市町村のうち、訪問看護ステーションがない市町村は9市町村です。そのうち2市町についてはサテライトがございます。高齢者の茨城県の常住人口ですが、66万1,326人ということで、今年4月1日現在では、高齢者人口比率は22.1%となってございます。
 訪問看護のステーションの数ですが、93でございます。高齢者1万人当たりは1.4になります。圏域によりまして、つくばエクスプレスの走っているつくばの研究学園都市のところは2.06とたくさんあるのですが、逆に、県北の日立市という日立製作所なんかのまちですが、こちらは0.87と低くなってございます。
 右に訪問看護ステーションの看護職員の実数ということで、県全体では537人となっております。高齢者1万人当たりでは約8.12。これも圏域によりまして、つくば市は大学等もありますし、13.6人ほどいるのですが、古河・坂東という埼玉、栃木境のエリアについては4.2となってございます。
 次のページに、地図で保健医療圏別に色分けしております。それぞれの都市ごとにステーション数を書いてございます。茨城の場合は、ステーション数は0となっても、比較的ほとんどが平坦な地域なものですから、隣接の地域からは30分もあればほとんどの地域には行けるような状況になりまして、今のところ、訪問看護ステーションが足りないという声は挙がってきてないのが実情でございます。
 以上でございます。
○川村座長 ありがとうございました。木村委員、何か御質問がありますか。
○木村委員 今、最後に出ました、全市町村に別に配置しなくても、どこか中心になるところがあり、どこまでカバーできるかということが、このあと、多分議論されるスケール、訪問の時間とか、それから回数、そして経営の規模とか、そういうところの参考になることがここで示唆されるのではないかなと、今、聞いていてそう思いました。
○川村座長 大高委員、そのコメントに何か御意見おありですか。よろしいですか。
 市町村に訪問看護ステーションがないという場合であっても、そこをカバーできるところがあれば、訪問看護のニーズは満たしていけるのではないかということです。また、訪問看護の供給体制の指標としては、事業所数だけではなくて、他の評価指標も使っていくということがいいのでしょうね。
 ほかに何か御質問、御意見あるでしょうか。
よければ、次に進めさせていただきますと、事務局より議題2の論点の御説明をお願いいたします。
○八田看護専門官 資料4の方をごらんください。「訪問看護サービスの安定的供給のための方策等について」ということで、本日の2番目の議題の論点といたしまして、24時間365日いつでも必要な時に、安定的に訪問看護サービス提供が可能となるような体制を実現するために、どのような方策を検討すべきかということで、ゴールドプラン21では、平成16年度の訪問看護ステーションの設置目標を9,900か所と記載していましたが、今後の訪問看護のサービスの目標としてはどのような指標を用いるのが適当であるかということについて、御議論いただければと思います。
 2つ目といたしましては、地域包括ケア研究会報告書では、24時間巡回型のサービスについて、看護と介護が連携して巡回する事業も導入して、在宅の看取りを担う事業として推進すべきではないか。これにより事業者の大規模化を図り、経営安定化も推進されるのではないかと提言されています。
 また、現在、「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」ですとか「24時間地域巡回型訪問サービスの在り方検討会」などを開催して、看護と介護の連携のあり方について検討しているところであります。こうした現状を踏まえまして、今後の訪問看護と介護の連携のあり方についてどのように考えるか、主にこの2点について御議論いただければと思っております。
 また、参考といたしまして、後ろの方にゴールドプラン21ですとか、地域包括ケア研究会報告書の抜粋等をつけさせていただいております。
○川村座長 それでは、今の2つの問題点について、この資料も用いながら御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○八田看護専門官 連携に関しまして、先に論点を説明させていただいたのですが、連携の検討をさせていただく一助になるかということで、福岡県の方にお越しいただいているので、先に御発表いただいてからお願いできますでしょうか。
○川村座長 わかりました。それでは、森松参考人のお話を先に伺わせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○森松参考人 それでは、福岡県の在宅医療推進事業の取り組みということで、今回は特に、御紹介ありましたように、訪問看護・介護一体型サービスモデル事業についての報告を中心に御報告をさせていただきます。
 3番の資料にございますように、福岡県というのは比較的在宅医療に関する社会資源が豊富なところでございます。ただ、実際にはその多くが都市部に集中しているという状況でして、これらの資源を有しながらも、在宅での死亡率というのは全国46位というような状況になっております。
 次のページをごらんください。そこで、平成17年度から福岡県では終末期医療対策事業の取り組みを実施しております。ここでは、最後の時を在宅で迎えたいと希望する人が安心して療養できる医療体制があるのかを検討し、課題を整理しました。
 左側半分がこの17年度から19年度までの取り組みです。この取り組みの中で医療依存度が高い人が地域で療養するための受け皿がないこと、病院と地域の連携が不十分であることが明らかになるとともに、夜間対応が可能で、スキルの高い訪問看護体制があれば在宅看取りが可能となることが、モデル事業を通してわかりました。
 そこで、福岡県では、在宅、緩和ケア病棟、施設など、患者が療養場所の選択ができること、望む場所で療養し、望む場所で最後を迎えられる福岡県であることを目指し、右半分にありますように、平成20年度からは、在宅医療推進事業と、スキームを変えまして新しい事業として取り組むことになりました。
 下の図は、この在宅医療推進事業を簡単に示した図です。その地区の事情に合った形で、病院から在宅に帰ってきやすい環境を整理するために、県保健所内に地域在宅医療支援センターを設置し、地域ネットワークを推進する機関として、これを第1の柱としました。また、柱2としては、訪問看護ステーションの多機能化など、モデル事業を通して機能拡充を図りながら、関係機関が地域単位で連携し、24時間の対応体制を整えていくことを目指しました。
 平成21年度からは、図の下にあります訪問看護支援事業、コールセンター事業に取り組んでおります。
 次のコマをごらんください。この地域在宅医療支援センターの目標としましては、下のピンクで囲んでおります<目指す姿>にありますように、住民は望む場所で療養ができ、最後の場所を選択でき、地域には在宅緩和ケアを受けることができる機関が増えること、保健所としては、この在宅緩和ケアのシステム評価ができることというのを目標にしております。
 次のページをごらんください。実際に行いましたことをこの4点にまとめております。まずは、地域の関係機関と顔の見える関係づくりと、地域課題の共有を目指し、協議会の開催や医療資源の調査、在宅医療情報の整理を行っています。また、個別事例の支援を通して、地域のサービスの過不足や連携できなかった機関などの課題が浮き彫りになってきました。事例への支援を通して、連携上の課題やサービス制度の不足をカバーする方法や、関係者間で研修会等によるスキルアップの意欲が高まってきています。
 また、モデル事業の中で聞かれた住民の声から、多くの人は、家で在宅療養生活を送り、在宅で亡くなるという選択肢を持たないことがわかりました。病院から出されることは見捨てられたと受けとめ、家でも緩和ケア医療が提供されることを知らない方が大半です。入院中であっても、既に積極的治療が難しい人は在宅へ帰る選択肢があることを伝えることの必要性を感じました。また、元気なうちに、自分はどのように亡くなっていきたいかを考える機会を持ち、住民に在宅でも医療が受けられることを知ってもらうような啓発を進めました。
 また、申しおくれましたが、この在宅医療推進事業のまず対象としては、末期がん、重症神経難病など、在宅緩和ケアを望まれる医療依存度の高い方を中心に事業を展開することといたしました。勿論、在宅緩和ケアというのは認知症に至るまで多くが対象となりますが、末期がんなど、呼吸管理、それから麻薬の管理やさまざまな医療処置が必要な人が安心して療養できる体制ができれば、その他の方々もたくさんの疾患をカバーできる医療体制ができると考えております。実際に今年の4月からは、県の全保健所にこの地域在宅医療支援センターを設置しております。
 では、次のページをごらんください。柱の2としては、訪問看護ステーションの機能強化を目指しましたモデル事業について書いております。下の図の枠の中の1)の訪問看護の「問」が抜けております。申し訳ありません。御修正ください。
 訪問看護の機能拡充に関するモデル事業としては、主にこの3点、4事業について取り組んでおります。この事業評価につきましては、東京大学の大学院、地域看護学分野の協力をいただきまして、共同で事業評価の取り組みを行っております。
 次のページからが訪問看護・訪問介護の一体型サービスの報告となります。平成20年度から実施しました訪問看護・介護の一体サービス事業につきまして、この目的は、訪問看護ステーションの介護職員を雇用し、訪問介護との一体的なサービスを提供することで、その効果や協働に向けた課題を抽出することを目標といたしました。医療依存度の高い在宅療養者に対し、同じ時間帯、もしくは訪問時間をずらすことで一体的なサービスの効果と課題を検証しました。この介護職員の雇用に係る費用をモデル事業として補助しております。
 下の図にありますように、対象者につきましては、医療依存度が高いこと、現在のサービスや制度の利用が困難な方という条件がありましたので、まず、訪問予定者の情報を県庁に連絡していただき、その後、対象者を決定するという形を取りました。
 次のページをごらんください。実際の訪問は、20年6月から21年2月までの間に34名の方を訪問していただきました。疾患名は、がんの方が6割でした。下の図にありますように、約4割が1か月未満の訪問期間でした。がんの方では、6割の方が3か月未満の訪問期間で亡くなられています。対象者に必要な医療処置は、下の表にありますとおりです。
 次のページ、よろしいでしょうか。一体的なサービス提供体制の1年目の効果としては、ケア時間が短縮・効率化につながったということ。ケアの安全性・サービスの質が向上したということ、本人や家族の苦痛緩和、QOLの向上につながったということ、訪問看護師自身の負担軽減になったということ、また、モデル事業の施行がサービス導入の推進力となったという5点に整理をしております。
 次のページをごらんください。ここからは平成21年度からの事業の報告でございます。これは東京大学の医学系研究科の成瀬昂さんが作成した事業評価研究に関する資料を抜粋して御紹介したいと思います。
 平成21年度からは、更に多面的に評価し、制度化の可能性と課題を整理することを大きな目標としました。事業評価の視点を効果、費用、実現可能性の3軸に設定しております。
下の図にありますように、平成21年度は6つのステーションで事業を実施しました。8月から2月まで7か月間の実施で、利用者数は全部で72名でした。主な疾患ごとに人数を見ると、成人・高齢者のがんが24名、次いで神経難病が13名でした。
 次のページをごらんください。この一体型の利用目的を重複回答で訪問看護師に聞いた結果、安全・安楽の確保を介護職員同行の目的としているものが72名中65名と最も多く、次いで滞在時間の短縮が48名でした。ケアの充実・追加を目的として事業導入を始めたのは24名しかおらず、同行訪問を開始するときにはケアの充実や追加は目的として余り強くは意識されていないようでした。
 下の図にありますように、介護者の負担軽減も重要な効果と考えております。利用者が成人・高齢者の場合は、配偶者及びその配偶者を主介護者とする者が合わせて59名と多く、これは一般的な在宅療養者と同程度と言えます。
 次のページをごらんください。72名のうち状態が安定している者は48名、そのうち介護保険制度による訪問看護利用者は21名でした。ターミナル、または状態が不安定な者は24名で、そのうち介護保険制度による利用者は3名でした。平成21年度は、介護職員同行による変化をより正確に検証するため、状態が安定している方を中心に訪問時間を調査しております。つまり、看護師が1人で訪問するときと、介護職員が同行して訪問したときのケア、時間を比較するために、観察的タイムスタディを行いました。
 次のページをごらんください。ふだんの訪問状況と同行訪問の状況から、大きく3つに分けて結果を申し上げます。まず、介護職員の同行によりケアを行う者が1名増えるという場合です。平均滞在時間は、介護職員の同行により83分から71分に短縮しました。その内訳の一部分として、準備・片づけにかかる時間が9分減り、コミュニケーションに使う時間が3分増えました。看護師のケアに対する満足度は、34ケースのうち28ケースで上昇しており、ケアによる負担も25ケースで軽減していました。介護職員の同行が滞在時間を短縮する一方、ケアに対する満足度や負担の変化から、訪問看護の内容や質が改善されたと考えられます。
また、下の図にありますように、介護職員がかかわることで家族がケアを離れることができたケースが10ケースありました。家族のレスパイトという効果があるだけでなく、先ほどの場合と同様に、滞在時間の短縮や看護師の満足度の上昇、負担の軽減が見られています。
 次のページをごらんください。また、介護職員の同行により、看護師2名で訪問しなくてよかったというケースが2ケースありました。看護師から介護職員にかわりましたが、時間やケアの満足度、負担に対しては変化がありませんでした。
 これらのことから、看護師を介護職員に変更しても、その補助機能は維持できていると考えられます。ただし、この介護職員の内容に関しましては、主に身体の保持や準備、後片づけ、声かけといった内容に限り、たんの吸引等は含まれておりません。
 提供体制としましては、下の図にありますように、介護職員の勤務時間を集計しています。介護職員を常勤で雇用した3ステーションでは、介護職員の勤務時間は月々150~250時間の間でした。事業の利用者が極端に少ない場合には非常勤で、多い場合には常勤雇用が適切だと思われます。
 次のページをごらんください。平成21年度のモデル事業の効果をまとめますと、一体型訪問看護サービス事業は、現在の訪問場面で起こっている幾つかの問題に対して十分な解決となり得ることが考えられました。
 次のページをごらんください。また、一体型訪問看護の利用の仕方は、ふだんの訪問看護との違いから、1番から3番のように分類できることがわかりました。今後は更なる詳細な効果検証を進めていくことが必要と考えております。
 下にまとめておりますように、21年度の事業では、一体型訪問の効果をある程度確認いたしましたので、費用については地域のニーズ把握、雇用形態ごとのシミュレーション等を通して、より効果的な運営形態の検討を進めていく必要があると考えています。また、実現可能性については、スタッフの確保は最も重要ですので、その確認が必要です。また、人材育成、ほかのサービス資源とのバランスなど、まだまだ検討すべき課題が残っています。これらの評価を通して、一体型事業を実現・継続可能な制度として提言していくことが今後の課題と言えます。
 そのほか、最後には、この在宅医療推進事業全般に関する課題というのを3点にまとめております。まず、24時間対応可能な在宅医療資源が十分に整備されていないということに関しましては、サービスの質の向上や連携推進による体制整備が必要と考えております。また、在宅緩和ケアの可能性が知られていないということに関しましては、住民だけでなく、関係者にも周知が必要であると考えております。また、最後に、訪問看護が十分に利用されていないということに関しましては、訪問看護の機能強化や効率化、また、医療、介護関係者への周知を積極的にしていく必要があると考えております。
 報告は以上です。
○川村座長 ありがとうございました。このモデル事業としては、訪問看護ステーションに介護職の方が参加して、同行訪問するなど看護と介護の一体型のモデルについての試行で効果があったという評価をお示しいただいたということでよろしいですね。
○森松参考人 はい。
○川村座長 ありがとうございました。何か御質問あるでしょうか。
○上野委員 特に介護職員ということで、例えば資格、ヘルパーとか介護福祉士とかではなくて、一般の人でも、助手的な感じでできるのでしょうか。
○森松参考人 介護福祉士をと当初は考えていたのですが、実際には、今フリーで来ていただける方というのはほとんどがヘルパーさん。
○野中委員 大変いい事業と思います。訪問看護と訪問介護がもっと一体的に連携を持ってサービスを提供してくれたらというケースが非常に多いと現場でも感じます。今回はターミナルケアとか、あるいは難病の人に対する事業でした。しかし、一般のさまざまな在宅医療の現場でも、一緒に行く、同行するという問題は大事と思うのですが、その前に、同行しなくても、互いに連携する事ももっと必要と思います。例えば退院した当初に訪問看護がきちっと重点的に入って、病状が安定したら訪問介護に変わるという視点も大事と思います。その部分に関しては、訪問看護と訪問介護の複数のサービスが連携するいい成果が出たと思うのです。今後展開する必要があると思います。資料4で、地域包括ケア研究会報告書の記載がありますが私もこの研究会に絡んだので、この読み方が誤解されないように、意見を述べます。
 訪問看護と訪問介護がもっとさまざまな形で連携することによって地域のケアが向上するとの結論です。しかし、後段の、これにより事業者の大規模化を図り、経営安定化も推進されるのではないかとの提言だけが一人歩きする事が不安なので意見を述べます。そのように理解をしないで頂きたく思います。本来は訪問看護と訪問介護が適切に連携することが最も大事であり、現状では最も不足しているのです。結果的には、事業の展開や拡大になるのかもしれませんが、まずは連携することに対する理解が必要と思います。
○川村座長 この試行事業の読み方がわかって、現実味を持って考えられると思います。ありがとうございました。
○木村委員 今の福岡県さんのモデル事業で、今日は多分、訪問看護と訪問介護の一体事業ということでの報告で、そこに絞っていたと思うのですが、これはモデル事業だとしても、医師が当然いて指示書が出ていただろうし、それからターミナルというか、そういうことを考えると、麻薬が処方されていて、当然、薬剤師が関与しないと麻薬の供給はできませんから、その辺の状況を。 それと、介護保険を使っていますから、当然、ケアマネジメントがあって、ケアマネジャーがどうかかわってとか、その辺の位置づけと、どう進めていったのかというところをもう少し深く説明していただきたいと思います。
○川村座長 よろしくお願いします。
○森松参考人 実際に保健所が中心になって地域の情報をまとめたり、ケアマネさん方との連携を図ったりしているのですけれども、実際にケアマネさん方がターミナルの方々に対するちょっと苦手意識というのがあるのかなあと思います。訪問看護の利用の仕方とか複雑な仕組みになると、やはりそこにサポートをしてつなぐ人が要るのかなということで、この保健所が入っております。
 実際には、積極的につないでいくことで、ケアマネさん方も、このような使い方があるのかとか、この人は看護師さん1人で十分だと思ったけれども、こんな効果が出たんだということで、関係者の方への啓発にもなったかなあと考えております。
○木村委員 そうしますと、今、保健所がかかわったという話でありますけれども、先ほど来、野中委員がお話ししているように、ここはやはり地域包括支援センターの保健師等々がかかわっていくというのも1つでしょうし、主任介護支援専門員が、今みたいな指導というか、バックアップ体制というか、していくと、まさに圏域でこういうことが可能になっていくということですね。結果的に。
○森松参考人 はい。うちの地域在宅支援センターが目指しているところも、より身近な地域包括や、より身近な窓口でこういった人たちが支えられるようにということで、まずは一緒に動きましょうと。急に末期がんで来られてもなかなか動けないということで、最終的にはそこに渡していけるようなものを目指しております。
○木村委員 そうすると、実際そこにおられたかどうかわからないので答えられないかもしれないのですが、夜中に医師が行かなければならなくなったケースと、訪問看護ステーションからは何回か行ったのか。そして更に、訪問介護は何回か、それから例えば薬の供給で薬剤師が夜間行くとか、そういうことの、頻度とかいうのはデータ的に出ているのですか。
○森松参考人 データということでは取っておりません。主にこのモデルで受けていただいたところは、非常に在宅看取りの実績もあるようなところを受けていただいたのですけれども、在宅看取りができる先生が経営されている医療法人のステーションさんにお願いしたりしたのですが、その先生のお話などを聞くと、自分が出る回数よりもはるかに訪問看護ステーションが夜間出る回数が多いということをおっしゃいます。
 あと、実際には訪問薬剤師さんがたくさんどの地域でも利用できているかというと、まだそれも今からというところで、それも地域の人に周知してもらって、一緒に薬剤師会とも在宅の取り組みをやっていこうというふうにしているところです。
○木村委員 今の福岡さんの話と、私、地元は青森市ですけれども、十和田市での例を少し紹介してよろしいでしょうか。
○川村座長 どうぞ。
○木村委員 蘆野先生とおっしゃって、十和田市立病院の院長先生はこの緩和ケアをしっかり進めて地域で看取っていきたいということで、今、十和田市の在宅の看取り率が35%だったかな、全国平均よりかなり上回っています。せんだって、勉強会があり、そこで学んだことは、医師がしっかり看取っていくことのプロデュースをしっかりやっていくと、例えば医師の夜間呼ばれるケースとか、それから薬剤師、いわゆる医薬品が不足するということは、計画的にちゃんとやると、そんなに多く行かなくてもいいんだということを教えていただきました。それはサボるという意味ではなくて、予測をしながらしっかりやっていくと大丈夫なのだと。
 一番必要なのは、訪問看護師さんの体制づくりをきっちり地域でやっていただければできるのだと。つまり、蘆野院長いわく、システムなのだと。十和田市内全体がそういうことで、保健医療福祉の専門職、当然ケアマネジメントも含めてネットワークができてここまで来たのだというようなことを言っていました。ですから、地域ごとに今みたいな、今回は福岡県は全体でやっていただいていますけれども、市とか医療圏域でそういうことをしっかりやっていけば、みんなで共有してやっていけばできるのだろうと。それと、やはり住民の理解というのもあったということみたいですので、一応紹介しておきます。今度どこかで発表するとか言っていましたけれども、以上です。
○川村座長 ありがとうございました。福岡のお話を伺いまして、保健所がこういうところに関与されるということの利点が理解でき、興味深く、新しいところかなあと思いました。その辺りについて特に何かお話があればお願いいたします。
○森松参考人 なぜ保健所かといいますと、やはり難病をやってきたという実績があります。それと、ステーションさん方が個々に、非常にスキルの高いステーションさんがあって頑張られても、なかなかそれが地域に広がっていかない。頑張っていらっしゃるステーションさんは1つあっても、それはやはり競合関係にあるもので、力を合わせましょうと言ってもなかなか難しいところがあるので、そこは中立的な保健所が呼びかけるとかつなぐとかいう役割をしていくことで、いい事例があれば、そこの訪問範囲ではない管内の別の地域の方もやってみたいとおっしゃり、スーパーバイズを受けたいとか、研修をすることでやれるかもしれない、在宅医の先生も、自分にも見れるかもしれないというふうに手を挙げてきてくださるというところが非常に地域全体の看護力を上げるのだなあというのを今実感しているところです。
 実際には、福岡県、こんなにステーション数ありますけれども、医療圏の中で地図の中で落としていきますと、通常の採算ベースだったらこの地域には訪問に行かないという地域がやはりあります。それをどうカバーしていくかと考えるのは、やはり一ステーションさんだけではなく、行政の役割かなあと思っています。
 ヘルパーさんのたんの吸引にしても、非常にヘルパーさんへの負担も大きいし、ついつい慣れてしまうとみんなが目を離してしまいがちになるというのを難病の方でも経験しまして、そこは保健所が仲介しながら、月に1回、看護師さんにチェックをしていただき、3か月に1回、ドクターにチェックをしていただくような体制、ケースカンファレンスを保健所が中心になってやっていったという経過もありまして、個々が非常に悩んでいらっしゃるところをつないだり、解決する支援ができるのではないかなあと思っております。
○川村座長 最初の野中先生のご指摘にも触れてくる内容だともおもいます。保健所などの参加も得るとこの支援事業の成果がより効果的になりそうだということがわかりました。
 それでは、参考資料がまだ少し御説明が残っていると思いますので、お願いいたします。
○八田看護専門官 訪問看護の安定的供給のためには看護職員の人員確保というのも大変重要だと考えておりますが、先ごろ平成22年7月16日に第7次の看護職員の需給の見通しの暫定版というのが報告されましたので、参考資料1の方をごらんいただければと思います。
 こちらの方では、平成22年の訪問看護ステーションの需要の見通しといたしまして、看護職員の数を常勤換算で2万8,400名ということで見込まれています。平成27年に関しましては3万3,100名ということで、平成22年から27年度までに、常勤換算ではございますが、約5,000名程度の増加が、需要が必要となるということで報告されています。こちらの方、需要ということで、供給に関しましては、個別の事業所ということでは報告が難しいところではあるのですが、供給見通しは、需要の見通しをどの年度に当たっても下回っているというという報告がございました。
 次のページの方には、実人数での需要の見通しということで報告されています。
 続きまして、参考資料2になりますけれども、「訪問看護における特例居宅介護サービス費の支給状況調査の集計結果について」ということで、訪問看護ステーションを設置することが非常に困難な過疎地ですとか離島等で、市町村が必要と認めた場合には、人員の基準を満たさない場合でも特例居宅介護サービス費でのサービス提供が可能となっておりますが、その提供状況について調査いたしました結果、47都道府県のうち、この特例居宅介護サービス費を支給していたところが、宮城県と東京都の2か所でございました。こちら、非常に人員確保が困難で、ステーションがなかなか設置できないという事情がある中で、こういったサービスを使っているところがどの程度かということで調査してみたところ、全国で2か所だったというところでございます。
 それぞれの看護職員数といたしましては、宮城県が常勤換算で看護職員1.5名、東京都が1名、それぞれの平成22年1月分のサービス需給者数は、宮城県で9名、東京都で31名、サービス利用回数といたしましては、宮城県が24回、東京都が122回ということで、かなり東京都の方が一人の看護師がという印象がするかとは思いますが、東京都のこの事例の場合は看護師数は1名ということでしたが、聞き取りの結果、看護師のほか、非常勤の理学療法士等の方が訪問看護サービスを提供していたため、このような提供状況となっていたということです。
 続きまして参考資料3の方になりますが、「人員基準が満たない訪問看護ステーションの休止・廃止の取扱いについて」ということで、事業所の廃止や休止の取り扱いについては、後ろに参考としておつけしておりますが、「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について」という、参考2のところをごらんいただければと思います。
 居宅サービスの事業を行う者、または行おうとする者が満たすべき基準を満たさない場合には、相当の期間を定めて基準を遵守するように勧告を行い、相当の期間内に勧告に従わなかったときは事業者名、勧告に至った経緯、当該勧告に対する対応等を公表し、正当な理由がなく、当該勧告に係る措置を取らなかったときは、相当の期間を定めて当該勧告に係る措置を取るよう命令することができるものであると、段階を追って廃止・休止についても取り扱うようにということで、この取り扱いについては都道府県知事の判断によって行われているところでございますけれども、厚生労働省としても、都道府県知事の判断の一助になるように、このような判断基準をお示ししているところでございます。こういったことを行っているところでありますが、廃止、休止の事業所が大変多く、廃止、休止に当たっては一定の猶予期間を設けていただきたいとの要望がありまして、実際にはどのような取り扱いがなされているかということを調査しましたのがこの取りまとめになります。
 こちらは、平成22年5月に全都道府県に対して調査を行いましたところ、1番目になりますが、平成21年度において休止または廃止したステーションの数は、休止が104事業所、廃止が、平均となっておりますが、合計になります。廃止の合計が219事業所ということになっています。
この事業所のうち、2番目になりますけれども、人員基準2.5人を満たさなくなったために休止または廃止したステーションについてお尋ねしたところ、休止の事業所が67事業所、廃止の事業所が85事業所というところで御報告を受けています。休止の事業所が一番多かった都道府県で、一都道府県の数としては8事業所が最大ということで、廃止の最大の数は15事業所であったということです。
 この廃止・休止等の取り扱いについて都道府県内で具体的な取り扱いの基準等を設けているとお答えいただいたところが4都道府県、そのほか43都道府県では、明確な基準等は定めていないということでした。
4番目になりますけれども、事例をお出しして、こういった場合にどのような取り扱いをされますかということでお尋ねしたところ、5月10日にステーションの職員が退職することになって、2.5人であった人員が1.5人にもしなった場合にどのような対応を取られますかというお尋ねをしたところ、4つの都道府県においては、5月11日、翌日から休止または廃止とし、基準を満たしてから再度届け出を行うように指導をするという御回答をいただいています。7つの都道府県では、当該月のみ猶予するということで、5月中までに人員基準を満たすように指導をして、それでも基準に満たない場合には、6月以降は休止・廃止の届け出を行っていただくということで、3番目の、期間を自由に御記載いただくような形でお願いしたところ、1か月間の猶予をという御回答をいただいたところが4か所、2か月間の猶予をとお答えいただいた都道府県が1か所ございました。
 一番多かったのは、個別のケースによるという御回答で、個別のケースというのはどのような状況かということで書いていただいたところ、一番多くございましたのが、「人員確保の目途がある場合」、17都道府県ということで、複数回答ではございますが、お答えいただいております。4つの都道府県に関しては比較的厳しい取り扱いがされているという現状でございました。
 続きまして参考資料4になりますが、サテライト出張所等について、「都道府県におけるサテライト設置認可の現況調査概要」ということで、こちらは「平成21年度老人保健健康増進等事業訪問看護事業所の減少要因の分析及び対応策のあり方に関する調査研究事業」ということで、日本看護協会の方で取りまとめていただいた報告書からの抜粋になりますけれども、サテライト、出張所については、本来事業所と一体的な運営と要件を満たせば、人員については、本来本体事業所に含むということにしており、設置可能な地域ですとか設置可能な業務内容についても特段限定してはおりませんけれども、参考までに、その基準の方は、こちらの参考資料4の後ろの参考2と3の方におつけしてございます。
 出張所等に関しましては都道府県ごとに取り扱いが若干異なっているようなこともございまして、平成21年2月6日付で設置申請の実態調査についてということで情報提供を行ったところではございますが、今回の日本看護協会が行われた調査によると、その事務連絡の内容を「知っている」と回答された県が43県、「知らない」と御回答された県が4県、各都道府県におけるサテライトの設置の認可状況ということでお尋ねしたところ、サテライトの設置を認めている御回答をいただいたところが42件、「認可していない」というところが2件、「申請がないため方針未決定」が3件という結果になっています。
訪問看護事業者のサテライトの設置を認可していない理由として御回答いただいた内容としては、交通の不便ですとか、まとまった数の利用者確保が困難な地域はないために民間の訪問看護事業所が参入しにくい地域はないと判断しているため、本当に必要ならば、本来のサテライトではなくて、新規の事業所申請を出すように指導してきたという御回答と、あと、県土が狭いこともあり、訪問看護に限らず、原則としてはサテライトは認めていないという御回答の2件でございました。
 サテライトを認可している42都道府県のサテライトの設置要件についてお聞きしたところ、「国の基準に準ずる(地域による限定はない)」が38件で、主たる事業所とサテライトが離れている場合に認可をしている、中山間地や過疎地域に認可をしている、地域にサービス事業者がない場合等に認めているというような御回答の内容でございました。
サテライトで認めている業務内容といたしましては、42都道府県の中で重複回答でお答えいただいたところ、待機や道具の保管、着替えというのが一番多く、38件で、看護師常駐によるサテライトを拠点とするサービスというものは34件でございました。訪問看護計画及び報告書の作成や看護記録の保管については、若干少なく、29件が認めているというところでございます。
以上、訪問看護事業所の安定的供給を検討されるときのちょっと御参考になればと思い、調査した結果を御報告させていただきました。
○川村座長 ありがとうございました。サテライトと、大規模化とはどういう関係になるのですか。
○八田看護専門官 参考資料4の後ろの参考2の方にも書いてございますけれども、1番の?@から?Dまでがサテライトの要件になります。本体事業所と一元的な管理が行われていれば、例えばサテライトでは1名の人員配置であっても事業を行うことができ、サポート体制が整っていれば少ない人員でも運営ができるということで、事業所、2.5人ぎりぎりの運営基準で行っているよりは、本体事業所が、規模がある程度あって、サポートできる体制があったら、多くの拠点でサービス提供ができるということにもつながっていきますので、サテライトを通して大規模化というのも可能になるかと考えています。
○川村座長 そうしますと、間違って読み取っているのかもしれませんが、「サテライトで認めている業務内容」というので、待機や道具の保管、着替え等というのは一番多くなっていますが、これを中心とするというと、サテライトから大規模化へと進むには中身として直結しにくい点があるのではないですかその辺の御指導はどうなるのでしょうか。
○八田看護専門官 そこで一体的な管理が行われているかどうかという要件を満たすことが当然必要になってくるかと思いますが、そのような要件をきちんと満たしていただいている事業所に関しては、特に着替えや道具の保管だけを行う場所とは限定はしていませんので、その辺のことをきちんと要件を満たして事業を行っていただくということが、都道府県の方でも、必要があっていろんな御指導をされていると思いますので、改めてこの辺りは周知させていただきたいということはございます。
○川村座長 制度がいろいろあるけれどもなかなかうまく使えていないかもしれないというところが示されたところです。本日の議論としましては、あと、訪問看護事業の充足について、現在はなお事業所数で評価していますが、これでよいのか、その指標はどうあったらよいかの議論が残っております。御意見をいただきたいと思います。
木村先生の前回のご質問自体がこの内容だったのですね。
○木村委員 そうです。資料4のところでのことでいいですか。
○川村座長 どうぞ。
○木村委員 資料4の論点の一番上の○に、9,900か所のステーションを設置して、1ステーションごとのところでいくと、高齢者数は3,000人となるという形になっていますけれども、先ほど茨城県さんの報告を受けたときに、これだけの箇所数を設置したら、結局、患者さんの取り合いという形になって、1ステーションの経営の安定化ということはちょっと図りにくいのではないかなと思うのです。
 ですから、移動時間とか、エリアの中で訪問看護のボリュームがどれぐらいなのかということを、日常生活圏域なのか、それをもう一つ超えたところで、圏域を2つくっつけたぐらいのところなのかということで考えて、この箇所数はもう一回見直しした方がいいのではないかなと思うわけです。そうすると、自動的に1ステーション当たりの看護師数が増えてくるという形になると思うのですね。
 それを考えて、なぜやらなければいけないかというと、24時間365日ということを考えていきますと、2.5人、3人で、もう毎日のように呼ばれてなんていうのは、とてもではないけれども過酷過ぎる。そうすると、先ほど来、出た需要の関係というか、供給側が、絶対やらないよという格好になっていくと思いますので、そういう規模を大きくする、24時間、いつでも呼ばれても対応できるとかそういうことを、利用者側というか、患者側から見たときの利便性とか、それと一緒に経営の安定化ということを考えるにはその方がいいのかなあと思います。
○の2つ目の、事業者の大規模化と経営安定化というところで1つ例を挙げると、前回、プレゼンで私が説明した中に、昨年の介護報酬改定で、居宅介護支援事業者が、主任介護支援専門員が1人、それから常勤専従のケアマネジャー2人、つまり、1+2ですから3人ですね。3人の事業所のところには、利用者ごとに3,000円加算というのをつけました。そこで、結構、1人事業所、ケアマネジャー1人の事業所が多かったのですが、直近のというか、データを見ますと、今年の1月のデータで恐縮ですが、特定事業所加算の?Uというところで見ますと、在宅側の全利用者数の32%が特定事業所加算算定事業所のマネジメントを受けていると。
 では、3万近くある事業所の何%がこの特定事業所加算取れているかとなりますと、22年1月のデータで、15.87%なのですね。次回この数字は提供させてもらってもいいと思っているのですが、何を言いたいかといいますと、経営の安定化もそうですが、いつでも対応できるということになりますと、今までは連絡取れないという苦情が結構多かったのですね。1人事業所のところとか2人事業所のところですね。ですが、そこをカバーするため、利用者にいつも連絡が取れる安心なことというのをまず目指して、そのように昨年の4月から変えていって、結果としてですが、伸びたということを言った方がいいですね。
 21年の4月、昨年の4月、始まりのときは、特定事業所加算、4月、3点で見たときには、20%くらいだったのです。総利用者の20%ですね。それが、昨年の4月から今年の1月までで約12%ぐらい伸びているという形になりますから、利用者の契約の動向とかそういうことが動いてきて、結果、何件か聞いてみましたら、経営の方もやっとプラスになって安定してきたということ。更には、ケアマネジャーは5年に1回、資格の更新がありまして、義務研修に拘束されます。そこに出ているときでも、安心して出ていけなかったのですね。利用者さんから呼ばれるのではないかと。ですけれども、3人体制になったので、じっくり研修できるということ。更に、休みも、1週間というのは無理かもしれませんが、3日とか4日の休みも交代で取れるようになったということで、第一義に利用者がすごい安心できるようになった。そして、勤めている人たちもそういう研修にも安心して行けるようになったし、休みも取れるようになった。経営の安定化の方も、ある一定バランスが取れるようになってきたという報告を受けていますので、全くサービス種別が違いますが、1人の事業所から3人、4人という方向にこういう加算をつけていったときに、こういう動きになりましたので、もしかしたら訪問看護ステーションも当てはまるのではないかと思いますので、やはり一番大事なのは、訪問看護サービスが必要なところにしっかり行ける体制というのをつくらなければいけないので、そこにまた勤める看護師さんがバーンアウトしないような仕組みづくりということを考えていくには、このようなことが必要なのではないかなと思います。
 以上です。
○川村座長 非常に具体的な御提案をありがとうございました。今のお話も加えて、とりあえずこういう数値を事業所数に加えて変えていくということを明確に打ち出していくといった方で進めていいでしょうか。
 そうすると、今日の資料だけではなくて、もう少し練った方がいいですね。今回の議論だけではなくて。例えば事業所数のみでなく、利用者数、訪問回数とか前回から提案されておりました。それから今のお話も加えますと、一つの事業所の規模を経済運営を安定できるような一つの目標値もありますね。幾つか新しい指標もつくっていく必要がありそうです。
 今日は一まず、事業所数だけではなくて、ほかの指数、例えば利用者数の増加とか、それから訪問回数の増加といったことも指標にしていく必要があるというところで、また次回につなげてよろしいでしょうか。
○上野委員 参考資料1の「第七次看護職員需給見通し」のところですが、訪問看護ステーションが2万8,400人、23年度、それから27年までには5,000人増しというところですが、ここのところの数値は利用者数との関係もあるのでしょうか。
○八田看護専門官 詳細については、こちらの検討会の方で報告をされていて、私もここで詳しくよく説明できる自信はちょっとないのですけれども、人口の伸びですとかそういったものを合わせて勘案して、暫定版というところでございますので、いろんな都道府県のヒアリング等も含めて、これから更に精査したデータが出てくるとお伺いしています。
○野中委員 この見通しは良いと思いますが、過去の見通しと関連して評価する必要があると思います。いつもこの見通しの話を聞くと、退職者による減少数の見通しが甘いと思っています。いつも、何年後には足りますという話でした。しかし、何年経過してもそれが充足する状況にはなってない。この見通しは立ててもいいが、過去10年前に立てた見通しが結果的にはどうだったかという評価も適切に実施していかないと、結局、現場では看護師さんはいつも足りなくて苦労するという話になってしまう。それが結局、看護師特に訪問看護師がバーンアウトする大きな要因と思います。だからこそ、現状ではさまざまな連携の形を模索する必要があるのです。大規模化の話も、結局は地域でみんなが連携することが大事であり、さらに看護師さん同士だけではなくて、他職種との連携、特にヘルパーさんとの連携も大事だという話であり、その様な状況で事業所が今後どうやって事業を展開するかを考える必要があると思います。余り数字だけで目標を考えても、それで本来の目標を達成できるとは思えません。事業所の数だけで目標を考えるのは、今後も検討すべきと思います。
○川村座長 ありがとうございました。
○木村委員 もう一つよろしいですか。
○川村座長 ちょっとお待ちください。私もうっかりしておりましたが、5時という予定が数分過ぎておりまして、今の木村委員のお話を伺って、事務局からのお話を、次回に向けての御説明などをいただいて、15分ぐらいで終わりにさせるということで御了解いただければ幸いです。よろしいでしょうか。
 では、よろしくお願いします。
○木村委員 今日の資料4の論点の、訪問看護サービスの安定的供給のための方策ということだったので先ほどの話をしましたが、やはり経営ベースに考えることと、それから、私、青森県でこの訪問看護の支援事業が何で申し込めなかったのかということを聞いたところ、特に津軽地区は面積が広くて、そこに人材が不足しているということで、なかなか申請上げにくかったのだということで、来年に向けて、今そういう課題を分析して申請するということを聞いた中で、やはり訪問だけではなく、通うということと、それから泊まれるということですね。そこの医療ニーズが高い人たちが泊まれるところ、そして、療養通所のように、そういうサービスを合体させた拠点といいますか、医療ニーズの高い人たちを支えていく拠点を考える中にこの訪問看護サービスということを組み合わせないと、地域によっては、とてもではないけれども、訪問だけではもたないというか。雪が降って、地吹雪で前が見えないところとなると、お預かりした方が逆に双方安心できるとかいうこともあるので、そういう複合的な、今、地域包括ケアシステムの研究会の報告書でいけば多機能というのですか、そういうものも一緒に考えてやるべきだと感じているところです。
 以上です。
○川村座長 ありがとうございました。それでは、非常に話が広がっておりまして、そう簡単にまとめるというわけにもいきません。今日の参考人のお話からたくさんの示唆をいただきました。 訪問看護支援事業というのは個別の事業体をどう強化するかを目標にしておりますけれども、それだけでは、過疎地域の問題ですとか、今の木村先生のおっしゃったような特性のある地域というものには対応ができない。それに対しては行政が大きな視点に立って、地域的な采配を振るっていただくことが大切だろうということが、今までの中には出てこなかった新しい視点で、重要なことだと存じました。
 事務局の方から今後の進め方についてお話をいただければと思います。
○八田看護専門官 次回、第4回目の検討会に関しましては、8月上旬に開催を予定しておりますが、詳細につきましては、また後ほど連絡をさせていただきたいと考えております。
○川村座長 では、次回は違った準備の仕方をして、少しまとめる方向でいけたらいいと思っております。
本日は、大変お忙しいところ、ありがとうございました。


(了)

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