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2010年10月4日 第1回チーム医療推進方策検討ワーキンググループ 議事録

医政局医事課

○日時

平成22年10月4日(月)


○場所

厚生労働省 共用第7会議室


○議題

チーム医療推進のための方策について

○議事

○事務局(石井補佐) それでは、定刻となりましたので、ただいまより第1回「チーム医療推進方策検討ワーキンググループ」を開催させていただきます。本日は皆様、御多忙のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。また、会場が手狭な関係で委員の皆様方、傍聴者の方々に御迷惑をおかけいたしますことをおわび申し上げます。
 開会に先立ちまして、本日は第1回目の会合でございますので、委員の皆様を御紹介させていただきます。座席表の作成の段階で事務局の手落ちがございまして、五十音順と若干配置がずれている部分がございますので、その点につきましては御容赦いただければと考えております。
 それでは、五十音順に御紹介させていただきます。
昭和大学統括看護部長の市川委員です。
埼玉県済生会栗橋病院院長の遠藤委員です。
熊本総合医療リハビリテーション学院の小川委員です。
東京都済生会向島病院医療技術部長の小沼委員です。
クリニック川越院長の川越委員です。
聖マリアンナ医科大学病院栄養部長の川島委員です。
長崎リハビリテーション病院理事長の栗原委員です。
三井記念病院院長の??本委員です。
神奈川県三崎保健福祉事務所保健福祉課長の田口委員です。
医療法人社団ピーエムエー理事長の玉城委員です。
近森病院院長の近森委員です。
国際医療福祉大学附属病院薬剤統括部長の土屋委員です。
社会医療法人禎心会理事長の徳田委員です。
兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション中央病院リハビリ療法部長の中村委員です。
東海大学医学部付属病院診療技術部長の原口委員です。
聖路加産科クリニック副所長の堀内委員です。
国家公務員共済組合連合会枚方公済病院臨床工学科の松阪委員です。
昭和大学口腔ケアセンター長の向井委員です。
初台リハビリテーション病院ST部門チーフの森田委員です。
虎の門病院院長の山口委員です。
また、オブザーバーとして御参加いただいております、札幌市消防局警防部救急課長の岡本委員です。
東埼玉総合病院医事課長の須貝委員です。
日本大学文理学部心理学科教授の津川委員です。
初台リハビリテーション病院教育研修局SW部門チーフの取出委員です。
須坂市社会福祉協議会事務局次長の畠山委員です。
 それから、今、到着されました、筑波メディカルセンター病院法人事務局次長の鈴木委員です。
 なお、総合病院東香里病院理事長の三上裕司、オブザーバーの財団法人浅香山病院社会復帰部長の柏木一恵委員につきましては本日御欠席の連絡をいただいてございます。
 それから、??本委員におかれましては少し早目に退席されるという旨の御連絡をいただいてございます。
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
 医政局長の大谷でございます。
 医政局医事課長の村田でございます。
 医政局看護課看護サービス推進室長の岩澤でございます。
 申し遅れましたが、私、医政局医事課の石井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、カメラの方はここで一旦退室をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局(石井補佐) 初めに、事務局を代表いたしまして医政局長から一言ごあいさつを申し上げます。
○大谷医政局長 医政局長の大谷でございます。本日は御多忙のところ御参集をいただきまして、ありがとうございました。
 御案内のとおり、昨年8月からチーム医療の推進に関する検討会を開催しまして、本年3月、チーム医療を推進するための具体的方策についてとりまとめをいただきました。本年5月には、その具体的方策の実現に向けた準備・検討を行うため、チーム医療推進会議を設置したところでございます。
 今般、多様な医療スタッフによる連携・共働を推進するための具体的な検討を行っていただくために、チーム医療推進会議の下にこのWGを設置することといたしまして、本日皆様に御参集いただきました次第でございます。
 このチーム医療というテーマでありますけれども、医療の現在、そして将来の在り方に関わる最も重要な視点の一つであろう、検討課題であろうと考えておりますので、現場の実情を勘案しながら幅広い観点から御議論を重ねていただきたいと考えております。
 本日は忌憚なき御議論をいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○事務局(石井補佐) それでは、議事に先立ちましてお手元の資料の確認をさせていただきます。
 お手元の資料でございますけれども、まず座席表に続きまして「第1回 チーム医療推進方策検討ワーキンググループ」と書かれております議事次第。
 それから、資料1といたしまして「チーム医療推進方策検討WG 開催要綱(案)」。
 資料2といたしまして、これは横紙のホチキスどめをしたもので、表に「チーム医療の推進に関する検討会」とタイトルに書いてあるものでございます。
 資料3といたしまして、1枚紙で「当面の検討の進め方(案)」でございます。
 それから、参考資料1といたしまして、これは左にホチキスどめをしたものでございますけれども「チーム医療の推進について(チーム医療の推進に関する検討会 報告書)」。これは3月の検討会の報告書でございます。
 参考資料2といたしまして、本年4月30日に発出いたしました「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」という医政局長通知でございます。
 参考資料3といたしまして「第1回『チーム医療推進会議』資料」というホチキスどめをしたものが付けてございます。
 参考資料4といたしまして「第2回『チーム医療推進会議』資料」というホチキスどめのものがございます。
 不足等がございましたら、事務局の方までお申し付けください。
 よろしいでしょうか。
 それでは、引き続きまして、今回の本WG開催に至る経緯につきまして事務局から説明させていただきます。資料1から資料3までと、それから、参考資料を適宜使いながら説明させていただきます。
 通常ですと開催要綱の説明から入らせていただくのでございますが、その開催要綱の検討課題に至るまでの背景について詳しく御説明させていただいた方がよろしいかと思いますので、横紙の資料2をごらんください。まず資料2と、それから適宜、必要に応じて参考資料とで併せて説明させていただこうと思います。
 資料2の1枚目をごらんください。資料2の1枚目にございますのは、本年3月に報告書をとりまとめていただきました、昨年度開催しておりましたチーム医療の推進に関する検討会でございます。
こちらにつきましては「趣旨」に書いてございますように、チーム医療を推進するため、厚生労働大臣の下に有識者で構成される検討会を開催いたしまして、日本の実情に即した医師と看護師等との協働・連携の在り方等について検討を行うということで、こちらに書いてあるような構成員の方々に御検討いただきまして、本年3月19日に報告書をとりまとめいただいたというものでございます。
 1枚めくってください。めくっていただきました裏のところでございますけれども、ここからが本年3月にとりまとめいただきましたチーム医療検討会の報告書の概要でございます。
 なお、参考資料1といたしまして、この報告書本文全体を付けておりますが、これを丁寧に説明しておりますとこれだけで時間が過ぎてしまいますので、簡単にこちらの概要で御説明させていただきます。
 こちらのチーム医療検討会報告書の?@の1.から御説明させていただきます。まず、こちらの報告書におきましては「1.基本的な考え方」といたしまして3つについてまとめていただいております。
 1つ目の○でございますけれども、チーム医療の基本的な考え方といたしまして「『チーム医療』とは『多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつ互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること』」ということでおまとめをいただいております。
 チーム医療の推進の効果といたしましては、これはえてして医者が忙しいからというような話でとらえられがちですけれども、この報告書におきましては「?@医療・生活の質の向上、?A医療従事者の負担軽減、?B医療安全の向上」といったような効果があるということで、基本的な考え方の中でおまとめをいただいております。
 また、3つ目の○でございますけれども、チーム医療を推進するためには「?@各医療スタッフの専門性の向上、?A各医療スタッフの役割の拡大、?B医療スタッフ間の連携・補完の推進」といった方向でさまざまな取組みを進める必要があるということで、基本的な考え方として提言をいただいております。
 2.以降が、その中で各職種に関する部分でございますけれども、これは大きな構成といたしまして、そのページの下の「2.看護師の役割の拡大」というものと、その次のページに続くところでございますが、次のページをお開きいただきますと「3.看護師以外の医療スタッフ等の役割の拡大」ということで、看護師だけではなくて、ほかの職種についてもこの検討会の報告書でとりまとめをいただいているというものでございます。
 初めに「2.看護師の役割の拡大」のところから御説明させていただきますけれども、看護師の役割の拡大につきましては、チーム医療の推進に資するような看護師の役割を拡大するためには「?@看護師が自律的に判断できる機会の拡大、?A看護師の実施可能な行為の拡大、によって、能力を最大限に発揮できる環境を用意する必要」ということで提言をいただいております。
 具体的には、以下の3つの内容について言及をしていただいております。
 1つ目といたしましては【自律的に判断できる機会の拡大】で、看護師の能力等に応じて医師の「包括的指示」の活用が不可欠であるため「包括的指示」の具体的な成立要件を明確化してはどうかということで御提言をいただいております。
 2つ目といたしまして【看護師の実施可能な行為の拡大】で、看護師が実施し得るか否か不明確な行為が多いということから、その能力を最大限に発揮していただけるよう、実施可能な行為を拡大する方向で明確化してはどうかということで、この提言には看護業務に関する実態調査等を早急に実施すべきということでいただいてございます。
 3つ目につきましては【行為拡大のための新たな枠組み】で、一定の医学的教育・実務経験を前提に専門的な臨床実践能力を有する看護師、この報告書の中で、仮称でございますが、特定看護師ということでいただいておりますけれども、従来よりも幅広い医行為を実施できる新たな枠組みを構築する必要があるのではないかということで、こちらにつきましては医療現場や養成現場の関係者等の協力を得て専門的・実証的に検証ということでございます。
 それから、そこの2つ目の○のところでは、当面は現行法制下で試行。試行結果を検証して、法制化を視野に具体的措置を検討ということで、こちらの看護師の役割の拡大につきましては、後のスライドでも出てきますけれども、現在もう一つWGを立ち上げて検討いただいているというところでございます。
 次の3ページをごらんください。「3.看護師以外の医療スタッフ等の役割の拡大」についてでございます。こちらにつきまして、この検討会報告書におきまして看護師以外の職種についてもいろいろな提言をいただいてございます。
 まず1つ目の○で、薬剤師について、現行制度の下で実施可能な業務、例えば積極的な処方提案とか、患者の薬学的管理等につきまして明確化することによりまして、病棟とか、あるいは在宅医療などにおける活用を促進するというようなことで提言をいただいております。
 2つ目の○で、助産師とかリハビリ関係職種、管理栄養士等につきまして、おのおのの専門性を最大限に活用できるよう、業務の拡大等を推進ということで、例えばリハビリ関係職種による喀痰の吸引等について業務の範囲として明示してはどうかというような御提言をいただいております。
 3つ目で、医療関係事務に関する処理能力の高い事務職員、これはいわゆる医療クラークと呼ばれるような方々ですけれども、これにつきまして、量の確保とか、質の確保、それから、医療機関への導入支援など、導入の促進に向けた取組みを推進すべきというような御意見をいただいております。
 それから4つ目で、介護職員について、患者・家族のサービス向上を推進する観点から、一定の医行為の実施方策を別途早急に検討ということで提言をいただいております。
 今までが各医療関係職種に関する提言の部分でございまして、報告書におきましては「4.医療スタッフ間の連携の推進」ということについても言及をいただいてございます。こちらにつきましては、この検討会の開催要綱におけます検討課題にも関連するところでございますので、まず報告書に何が書いてあったかということで丁寧に説明させていただきます。
 こちらにございますように、まず1つ目の○で、各医療スタッフの専門性の向上や役割の拡大を生かすために、医療スタッフ間の連携、これは医療機関内における連携だけではなくて、在宅医療における地域横断的な連携等も含みますけれども、この推進が重要ということで提言をいただいております。
 そして、このための推進方策といたしまして、2つ目の○のところにございますように、社会的に認知されるような新たな枠組みとして、客観的な基準、例えばどんな体制であるとか、あるいはどんな設備であるかということ等に基づいてチーム医療を推進する医療機関を認定する仕組みとか、あるいはそういった認定を受けたことを医療機関が広告できるようにする仕組みについて検討する必要があるのではないかというような御提言をまずいただいてございます。
 また、その認定の主体といたしまして、臨床現場の関係者、医師・看護師等の医療スタッフの関係者、それから、教育の関係者とか、関係学会等が参加する公正・中立的な第三者機関が必要ではないかといったような提言をいただいたところでございます。
 1枚おめくりいただきまして、少し話が戻って恐縮ですけれども、こちらは本年4月30日に出しました医政局長通知の概要でございます。皆様のお手元には参考資料2でその通知の原文というものも付けておりますけれども、今日は時間の関係もございますので、こちらの概要で説明させていただきます。
 先ほど看護師以外の医療スタッフ等の役割の拡大について、3月の検討会報告書で提言をいただいたというふうに御説明させていただきましたけれども、この看護師以外の職種の部分に関しましては現在、看護師の役割拡大につきましてはもう一個のWGで検討中というふうに申し上げましたが、これに先んじる形で本年4月30日に通知を出して、この検討会の報告書の内容を実際に明示したということでございます。
 最初に一番上の箱のところから御説明させていただきますけれども、基本的な考え方といたしましては「○ 各医療スタッフの高い専門性を十分に活用するためには、各スタッフがチームとして目的・情報を共有した上で、医師等による包括的指示を活用し、各スタッフの専門性に積極的に委ねるとともに、スタッフ間の連携・補完を一層進めることが重要。
 ○ このため、医師以外の医療スタッフが実施することができる業務を以下のとおり整理」ということでございまして、ここに6つ書いてございます。
 一番左上の薬剤師さんのところで、こちらにおいては?@~?Cに書いてございますけれども、例えば薬剤選択等に関する積極的な処方提案とか、薬物療法を受けている患者への薬学的管理の実施とか、あるいは薬物の血中濃度や副作用のモニタリングに関する薬剤の変更提案などについては薬剤師さんを積極的に活用することが望ましい業務として通知をしたところでございます。
 上の真ん中のところで、リハビリテーションの関係職種についてで、?@といたしまして、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による、リハビリに関連します喀痰等の吸引については業務の範囲に含まれるということを通知で明示したということでございます。このほか、?Aに書いてございますように、作業療法士につきまして、手工芸以外に日常生活活動におけるADL訓練等も業務範囲に含まれるということを通知で明確化したというものでございます。
 それから、その右側の管理栄養士のところにつきましては、医師の包括的な指導の下、一般食の内容・形態の決定とか、あるいは特別治療食の内容・形態の提案とか、経腸栄養剤の種類の選択・変更の提案につきまして、管理栄養士を積極的に活用することが望ましい業務ということで整理をさせていただいたというものでございます。
 下のところに行っていただきまして、一番左の臨床工学技士でございますけれども、こちらはリハビリテーション関係職種と範囲的には同じでございますが、生命維持管理装置の操作に関連いたします喀痰等の吸引については臨床工学技士の業務範囲であるということとか、あるいは生命維持管理装置の管理に伴います動脈留置カテーテルからの採血につきましては臨床工学技士の業務範囲として通知で明確化したというものでございます。
 その隣の診療放射線技師につきましては、画像診断における読影の補助とか、放射線検査等に関する説明とか相談といったものにつきましては積極的に活用することが望ましい業務であるということを通知でお示ししたというものでございます。
 その他といたしましては、これ以外のスタッフの積極的な活用ということで、ここには具体的な職種が3つ例示してございますけれども、MSWとか診療情報管理士等の積極的な活用とか、医療クラーク等の事務職員の積極的な活用ということで書かせていただいておりまして、報告書にいただいた内容におきまして、看護師以外の職種につきましてはこのように本年4月30日に、できるところにつきましては業務範囲等について通知で明確化したというところでございます。
 次の5ページをごらんください。「チーム医療推進会議」ということでございます。
 昨年度の3月に「チーム医療の推進について」ということで検討会の報告書をとりまとめていただきましたけれども、これにつきまして、この報告書において提言のあった具体的な方策の実現に向けた検討を行うということで、更にその検討会報告書でとりまとめいただいたものをより具体的にどのように実現していくのかという観点で議論を行っていただくということで、本年5月12日にチーム医療推進会議を設置させていただいてございます。
 お手元の参考資料の方で言いますと、参考資料3と参考資料4にチーム医療推進会議の第1回の資料と第2回の資料がございます。恐縮ですが、参考資料3の方をごらんいただきまして、こちらを1枚めくっていただきますと「チーム医療推進会議 開催要綱」というものが出てまいります。
 実は、このチーム医療推進会議を開催するに当たりまして、昨年度の検討会報告書を踏まえたものということでございますので、検討課題といたしまして2.のところに書いてございますが、2つ考えてございます。
 1つ目といたしましては「○ チーム医療を推進する医療機関の認定の在り方について」。これは先ほどの報告書にこういった表現がございましたので、1つ目の検討課題としてこちら。2つ目といたしましては「○ チーム医療を推進するための看護師業務の在り方について」ということで、この2つにつきましてそれぞれWGを設けて検討を行うということを考えておりましたが、第1回でこのような開催要綱をお示しして、チーム医療推進会議におきまして委員の先生方に御議論いただきましたが、特に1つ目の「○ チーム医療を推進する医療機関の認定の在り方について」ということでさまざまな御意見をいただきました。
 恐縮ですが、参考資料4の方をごらんいただけますでしょうか。これも左上にホチキスどめをしてある資料で「第2回『チーム医療推進会議』資料」でございますが、こちらの一番後ろの紙を1枚めくっていただきまして、後ろから2番目のページでございます。右肩に「資料3-2」と書いてある資料が出てまいります。こちらに書いてございますけれども、第1回のチーム医療推進会議におきまして、特にこのWGの持ち方につきましてさまざまな御意見を頂戴したところでございます。
 1つ目の○のところに書いてありますように、例えばこのWGで検討していただく内容として、医療現場の方々が働きやすくなることが最も大切。例えば具体的には、ガイドラインの策定とか、法の明確化、チーム医療の具体的事例の紹介のようなものがあるのではないかといったような御意見を頂戴しております。
 4つ目でございますけれども「○ チーム医療の質を担保するのはなかなか難しい。チーム医療だけを取り出して評価できないところがあるので、第三者機関で総合的に評価していただくことになると思う」というようなこと。
 その1個下の○のところでは、チーム医療を推進する医療機関を認定するということになれば、認定基準を満たさない医療機関はチーム医療をやっていないというレッテルを張られることになるのではないかというような御意見。
 その下の○のところでは、チーム医療のクオリティーをどう担保していくのかといったような議論を行っておく必要があるのではないかというような御意見。
 それから、その1個下の○のところでは、各種国家資格の業務範囲を明確にするべきといったような御意見等を頂戴してございます。
 それで、1枚めくっていただきますと、今回のこのWGにおける検討項目(案)ということで書いてございます。
 最終的にそういった議論を踏まえまして、検討項目として、チーム医療の取組みの指針となるようなガイドライン、事例集的なものを含むかもしれませんが、こういったものの策定とか、それから、そういったガイドラインができた場合に、そのガイドラインを活用したチーム医療の普及・推進のための方策というものにしてはどうかということ。それから、各医療スタッフの業務範囲・役割について、さらなる見直しを適時検討するための仕組みの在り方について検討してはどうかということで再度お諮りをいたしまして、第2回のチーム医療推進会議におきまして、そのような議題で進めてほしいということでしたので、今回このWGが立ち上がったという次第でございます。
 済みません、お手元の資料2にまたお戻りいただきますが、よろしいでしょうか。横表の資料でございます。今、この資料の5ページまでを御説明申し上げましたので、1枚めくっていただきまして、6ページ目をお開きください。
 6ページ目におきましては、もう一つのWGについて簡単に紹介が書いてございまして、先ほど申し上げましたような、チーム医療推進のための看護業務を検討するためのWGにつきましてはこのような構成員の先生にお集まりいただきまして、こちらにつきましては第1回のチーム医療推進会議で御了承いただいたものですから、5月26日に設置されて、現在、看護業務の在り方について検討を行っているということでございます。
 それから、次の7ページをごらんいただきますのと、済みません、行ったり来たりして恐縮ですけれども、資料1をごらんいただけますでしょうか。1枚目のA4判の縦の紙でございます。
 そんな経緯がございまして、本チーム医療推進方策検討WGにおきましては「1.趣旨」といたしましては、本年3月にとりまとめをいただきました「チーム医療の推進について」、チーム医療の推進に関する検討会とりまとめの報告書でございますけれども、この報告書において提言のあった具体的方策の実現に向け、チーム医療を推進するための方策について検討を行っていただくという趣旨でございます。
 それで、先ほど来説明申し上げましたように、チーム医療推進会議におきましてさまざまな議論がございましたので、最終的にこのWGにお願いしたい検討課題といたしましては、1つ目といたしまして、チーム医療の取組みの指針となるようなガイドラインの策定。この具体的な内容については、このWGで御議論いただければというふうに考えてございます。
 また、このガイドラインを活用したチーム医療の普及・推進のための方策とか、あるいはその検討を進めていくに当たりまして、各医療スタッフの業務範囲・役割について、さらなる見直しを適時検討するための仕組みの在り方についてとか、あるいはチーム医療の推進に係るそのほかの議題について検討いただくというのが今回のWGにお願いしたい検討課題でございます。
 行ったり来たりして恐縮ですけれども、また先ほどの資料2に戻っていただきまして、最後の7ページ目をごらんください。一番上に「チーム医療実証事業(平成23年度概算要求/元気な日本復活特別枠)」というふうに書いてあるものでございます。
 こちらにつきましては、チーム医療実証事業という形で、これは現在、概算要求を行っているというものでございまして、この概算要求が通れば来年度から事業として実施したいと考えている内容でございます。
 こちらは、上の「事業の目的」に書いてございますが、目的といたしましては、安全で質の高い医療を実現するため、各医療関係職種の専門性を高め、それぞれの役割を拡大し、各職種が互いに連携して、医療を提供する「チーム医療」を推進するということで事業を考えているというものでございます。
 下の四角のところにございますが「事業の内容」といたしましては、このWGで策定されますガイドラインに基づく取組みについて、実際の医療現場において、以下の安全性・効果等を実証していくというものを考えてございまして、具体的には下に書いてございますように「?@医師、看護師、薬剤師、管理栄養士等の業務の安全性」とか「?A疾病の早期発見・回復促進」「?B重症化等の予防」「?C医師等の業務の効率化」、あるいは「?D医師等の業務負担の軽減」につながるような取組みとして、下の※に書いてございますけれども、3月にとりまとめいただいた検討会報告書では、複数の医療スタッフが連携して患者の治療に当たる医療チームとして、周術期管理チームとか、摂食嚥下チームとか、感染制御チームとか、栄養サポートチーム等について例示をしたところで、そういったような取組みについて補助を行うというようなことを考えてございまして、このWGにおきまして、そのようなとりまとめいただきましたガイドラインにつきましては、このような事業でも活用させていただくということを考えている次第でございます。
 続きまして、資料3、A4判の1枚紙をごらんください。資料3に「当面の検討の進め方(案)」というものがございます。
 こちらにつきましては、今のところ事務局でたたき台としてお示ししているという位置づけのものでございますけれども、本日第1回をお忙しいところお集まりいただきまして開催させていただいておりますが、本日につきましては少し事務局から丁寧にこれまでの検討経緯を説明させていただきましたけれども、本日はこの中で、お集まりいただいた先生方から一言ぐらいずつ自由に御発言をいただきまして、次回以降、その御発言いただいた内容を事務局で少し整理させていただいたり、あるいはそれぞれお集まりいただきました委員の方々から、それぞれ現場で取り組まれている行為につきまして、当然委員の方はそうでしょうし、あるいはそれ以外の方からということでもあり得ると思いますが、ヒアリングを実施してはどうかと考えてございます。
 それで、こちらはあくまでも日程調整の都合等がございますので、実際、このとおりになるかどうかということはわかりませんけれども、大まかなスケジュールといたしましては、本年10~11月にかけましてヒアリングを2~3回程度実施させていただくということを考えておりまして、その中で「チーム医療ガイドライン(仮称)」の骨子について議論をさせていただければと考えております。
 それから、12月ごろを目途にいたしまして、親会議でございますチーム医療推進会議に検討状況の報告をさせていただきまして、年が明けました平成23年1~2月にかけてもまたヒアリング等を実施させていただきまして、3月に「チーム医療ガイドライン(仮称)」というものをとりまとめを行っていただくということを考えてございます。
 こちらは3月という一定の目標を設けさせていただいておりますけれども、こちらは先ほど説明させていただきました、現在概算要求中の予算事業との関係もございますので、一応のとりまとめということを考えてございますので、4月以降につきましてもいろんな検討課題がこのWGにはございますので、こちらにつきましては引き続きおつき合いをいただければと考えております。
 検討会の趣旨の説明といたしましては少し長くなりましたけれども、まず本WGの開催に至るまでの経緯ということで事務局から説明させていただきました。
 何か御質問等はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 続きまして、本WGの座長の選出をさせていただこうと思います。事務局といたしましては山口委員にお願いしてはどうかと存じますが、いかがでしょうか。
(拍手あり)
○事務局(石井補佐) それでは、山口委員に座長をお願いしたいと思います。
 それでは、これからの議事進行につきまして山口座長にお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
○山口座長 虎の門病院の山口でございます。そういうことで座長を仰せ付かりましたが、これだけ多くの方々がお集まりいただいているWGでございますので、しかもこの短期間にまとめてどうこうという話でございますので、なかなか難しいことかなとは思います。しかし、来年度、できればそれの中の幾つかをモデル事業的にやりたいという御意向もあるようですので、できるだけ多くの御意見をお出しいただいて、まとまる範囲内でまとめていけたらと思っております。
 このチーム医療の検討課題のところに3つ掲げてありますけれども、チーム医療の取組みに対するガイドラインの策定、更にこのガイドラインを活用したチーム医療の普及・推進のための方策、各医療スタッフの業務範囲・役割について、さらなる見直しを適時検討するための仕組みの在り方というふうに一応課題が掲げられております。今日は第1回でもありますので、皆さんそれぞれ、このどこかに関わるような、あるいはこの全体の方向性についてでも御意見をいただいて、それを先ほどのお話のように、事務局の方である程度おまとめいただくということでまず始まるのかなと思います。先ほどの事務局からの御発表に対する御質問でもよろしいんですけれども、何か御発言はございますでしょうか。もういろんなところから皆さん代表されて出られていますので、いろんな御発言があるのかなと思いますが。
 どうぞ。
○近森委員 高知の近森です。この会はチーム医療を推進する委員会ですので、今までのチーム医療の話し合いとか決まったことを見ていますと、どうも現在の行われているチーム医療をある程度形にしていって、これからもう一歩行ったらこういう形になりますねというような感じのチーム医療なんですね。ただ、日本の医療が置かれている環境というものは非常に厳しいものがあって、あと10年弱で団塊の世代が後期高齢者になってまいります。そのときは全国的に高齢者が増えて、大変な医療の時代になると思います。
 高知県は全国でも3番目の高齢県でございまして、私たちは全国よりも10年早く高齢化の経験をしております。それで、平成13年から平成17年、たかだか4年の間に65歳以上の高齢者の入院患者が65%から75%に増加しました。ある日突然、何か高齢者が増えたということで病院が大変になったものですから、多くの医療スタッフを入れて、平均在院日数も短縮して対応しました。更に昨年から今年にかけてまた上がりつつあります。これはまた違う対応をしないといけないと考えています。このように高齢化というものは日本の医療を本当に大変なことにしてしまう大きな問題であると思います。
 ですから、チーム医療は高齢化に対する大きなツールであると思いますが、将来のあるべきチーム医療というものを考えて推進方策を考えていかないと、現在のやり方ではやっていけないと、この田舎の高齢化の進んだ一線病院では感じます。
 それで、大都市のドクターの多い有名病院と、田舎のドクターの少ない一線病院というものは、患者さん自体が違います。やはり有名な大病院というのはある程度セレクトされた患者さんが歩いて来られますので、心肺機能もいいですし、意識もいいですし、いい状態でこられます。田舎の一線病院は救急車で患者さんが寝て来ますので、意識がないとか、麻痺があるとか、臓器不全があるとか、障害の残りやすいそういう患者さんが非常に多いです。
 ですから、チーム医療自体もかなり効率的に考えておかないと大変なことになってしまいます。私は将来のチーム医療は簡単に言えば、例えば血液検査、それから、心電図を頼むとか、そういう形になるのではないかと考えています。これもチーム医療なんです。だけれども、ドクターはすべてのドクターがオーダーできますし、すべての看護師さんが血液を取って検査室に持っていける。そして結果が出る非常に医療の標準化が進んでいます。ですから、このようなチーム医療に将来的にすべてのチーム医療をしていかないと、私は日本の医療はもたないのではないか。そういう感じがしています。
 ですから、専門職を中心にしてやっていくとか、これからは医療現場で行われるチーム医療が主体になりますので、病棟配属にしていくとか、先ほど申しました医療の標準化とか、それから、情報の共有です。これは電子カルテが欠かせません。あとは権限の移譲ですね。そういうキーワードが幾つかありますから、そういうものを検討していって、これからどういうようにすればチーム医療が推進されるかということをこの場で考えていかないといけないのではないかと思っております。
○山口座長 ありがとうございました。特に高齢化という問題は、近森先生のところでは非常に身近な問題として受け取られているんだろうと思いますし、したがってチーム医療も現在のものだけではだめで、10年先をにらんだチーム医療の在り方を考えろというお話かと思いました。
 いろいろな現場にいらっしゃる委員の先生方、あるいは今、変わりつつある現場からいろんな要望がそれぞれ御専門のところで集まっているのではないかと思いますが、ほかにどなたか御発言はありますでしょうか。
 どうぞ。
○向井委員 昭和大学の向井と申します。歯科医で、口腔ケアセンター長を仰せ付かっているんです。
今日のチーム医療実証事業、あるいはこのチーム医療の推進にどちらかというと立ち位置がどの辺に立ってどうなのか。医師等の等に入っていくのか。それともそうでない、ドクターと一緒にやるチームで医師とどのような関係でやっていくのかという、そのチームの立ち位置が少し見えにくいところの歯科医療の毎日の中で少しあれですけれども、例えば今、近森先生がおっしゃっていたように、医科のところに若干余っています口腔領域の歯科医の活用で、例えばその職種の歯科の方の医療ですと歯科衛生士ですが、もう少しその活用、例えば痰を引く吸痰もここに入っていませんけれども、嚥下訓練はやってよい職種に入っていない、おかしい。どの辺がどうなのかということをもう少し、そのチームの中での口腔医療領域、摂食嚥下領域、口腔ケア領域の活用を考えていただければチーム医療の推進の一助になれるかなということで読ませていただきました。
よろしくお願いいたします。
○山口座長 たしか、この4月30日に厚労省から出ました通知の中にもいろいろ細かいことはあったとは思うんですけれども、具体的に、それでは、だれがどこまでという話になりますとなかなか難しい。また通知に取り上げられたものだけなのか、それとも更に広げる話なのか、それぞれ個々の問題について検討しないとなかなか難しいのかなという感じはしますけれども、ほかに何か似たような事例がございますでしょうか。
 栗原委員、どうぞ。
○栗原委員 私はリハビリテーションの専門病院でございますので、一つ整理をさせていいただきたいと思っておりますのは、往々にしてこういう議論は超急性期の中規模以上、あるいは地域の基幹病院、特に公的病院等々のステージの議論にとまってしまう気がしてなりません。この検討会の資料を見ましても、NSTの評価等々を含めて、その次のステージの、特に回復期のステージにおける評価は点数的には全くありません。
 ただ、チーム医療を考察した場合に、急性期救急病院におけるチーム医療のありようと、その後の回復期における、あるいは在宅におけるというステージの流れを考えていった場合に、それぞれチームのありようというものは全く違うと私は思っております。それは回復期におきましてはチームで関わることが当たり前という視点から入りますので、そういった意味ではいろんな職種が参画するということに努力をしております。全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会におきましても、それぞれの専門職の質を向上させると同時に多職種集団ということを意識した人員配備を啓発もしております。そういった意味では、ソーシャルワーカーのみならずリハビリ専門病院の中には歯科衛生士までも病棟の専従として勤務している病院も少しずつ増えてまいっております。
 そういった意味で、急性期と回復期のチームの概要も、またその運営も随分違うだろうというところをある程度共有していただかないと、ややもするとこの議論は急性期だけにとまってしまう。医療は決して急性期だけではとまりようがない、特にまた今後の高齢化が進みますと、臓器別の治療をやっても地域に帰っていけないわけですから、そういった意味で地域医療をトータルで考えた場合に、それぞれのステージのチームのありようというものを一度整理していただいた方がいいのではないかということが1つです。
 もう一つは、先ほど近森委員からも言われましたけれども、私も少し触れましたが、地域格差はかなり厳しいものがございます。そういった意味で、現在であっても病院の中には看護とドクターが、いわゆる昔で言うヒエラルキーの下で従事せざるを得ないマンパワーの状況の病院もあれば、本当に多職種集団のものもあります。
 残念ながら、いわゆる独立行政法人になった大学病院などは、総定員法の枠組みの中で他職種がさほど集まれない構造があるのではないかという危惧を持っております。それは大学病院等を見ていますと、リハビリのスタッフが余りにも少な過ぎる。あるいは管理栄養士の数が余りにも少な過ぎる。ソーシャルワーカーたるや患者さんの転院の差配師になるしかない、それぞれの専門職としての技術・知識が生かされない構造がまだあるというふうな意味では、そこら辺も一つ現状を整理してやる必要があるだろうと思っています。
 もう一つだけ、私は、先ほど向井先生が言われましたけれども、この議論の中に是非とも医科歯科の連携のありようというものを入れていただきたい。それは急性期病院であろうと、回復期であろうと、あるいは維持期の在宅の支援であろうと、現在口腔機能をしっかり押さえていくということは栄養管理や感染対策の大本をしっかり押さえるということになりますので、そこの専門職は歯科医であり、なおかつ歯科衛生士であると思っております。
 また、機会があれば御紹介させていただきたいと思いますが、全国でも、先ほど申しましたように、歯科衛生士が病院の中にどんどん就職をするような動きも始まっております。ただし、これはあくまでも診療報酬上は歯科医の指示の下でというものが条件ですので、常勤歯科医がいない病院ではいわゆる、ある意味で病院の中で認知されようがないような立場に立たざるを得ないという格好になっております。
 ここが医科と歯科の世界のある意味で法的な問題にひっかかってまいりますので、是非とも職域の拡大といった場合に、この効率化を含めて考えたら、歯科衛生士の活用、それから、歯科医がどんどん病院の中に入ってこられるような体制づくりの中での、歯科医のチームの一員としての参画。これもまた是非とも御検討いただければ、ある意味でガイドラインの中にも組み込んでいければというふうに考えております。
 以上でございます。
○山口座長 ありがとうございました。地域間、それから、急性期と回復期、医科と歯科、非常に大きな、いろんな切り口がありますね。すべてのことが、医科にしろ、歯科にしろ、医師の指示の下にいろんなものが動くということになりますと、医師の密度が濃いところと薄いところで当然、いろいろチーム医療の果たす役割が違うというのは今のお話を伺って強く思いました。そこに加えて歯科が病院に本当に入り込んでいるところと入り込んでいないところにまでなりますと、更に話が広い範囲に及ぶのだろうと思います。
 今、リハビリの話、それから、口腔ケアの話を代表的な例としてお話をいただいたかと思いますけれども、ほかの領域で何かお話はございませんでしょうか。
 川越先生、どうぞ。
○川越委員 在宅をやっております川越です。今日の議論を拝見していて、やはり病院でどういう具合にやるということが少し多かったような印象を受けましたので、在宅の方の話をさせていただきたいと思います。
 実は、このチーム医療というものは在宅において非常に大事なことで、医療だけではなくて福祉との連携という、医療職が今まで経験したことのない、そういう領域を含んでいる分野でございます。そういう意味で、ある意味で在宅こそ、このチーム医療の在り方というものが問われていることを実感しております。
 それで、何のためにこういうチームをやるかという、いろいろ基本的な考え方の中に書いてありますけれども、私は病院にいるときは余り、このチーム医療ということを考えていなくて、それは当たり前だという感覚を持っておりましたので考えたことはなかったんですが、我々はやはり、なぜこのチーム医療を取るかといいますと、これは在宅の話、病院もつながると思いますが、最終的には高品質のケアを提供する。そのためにどうしたらいいかということを考えていくことであります。私自身もそう考えております。
 その場合、多分、私はこの在宅での場合は3つのキーワードがあると思います。
 1つは統一性といいますか、総合性ということです。つまり、考え方とか実施の基準というようなものが統一されたものでないといけないということがございます。これは病院で手術をやるといったら、こういうことは勿論、全部整っているわけですけれども、在宅の場合はいろんな問題が起きたとき、医者によって考え方が違ったりとか、看護師さんたちが十分、その医者の考え方あるいはやり方を理解しないまま実際に動いていくというようなことがございますので、これを第1に挙げたいと思います。
 それから、即効性といいますか、在宅の場合はやはり今のままですと、一応医者が診察して、指示を与えて、それから動くというような、看護職などは動くということになっておりますので、物によっては本当に早く動かなければいけない。それがうまくできないということもあります。夜中に患者さんが亡くなったとき、医者が診察しなかったら、看護師さんは今の法律の中では手が出せないというようなことがあります。今、その辺は少しいろんな工夫がされております。
 それから、やはり効率性ということも考えていかなければいけない。つまり、これはこのチーム医療の在り方というよりも在宅医療の在り方そのものをどうするかということとつながってくると思いますけれども、いろいろな日本の歴史的な状況、社会的状況を顧みますと、社会保障を厚くするといっても限度がありますし、より有効で、より実効性のあるものにしなければいけないというためには、どうやったらより有効にこういうサービスを提供できるかということを考えていかなければいけないと思っております。
 そういうことを、実は今回のことをこの委員を仰せ付かったときに考えていたんですけれども、そう思いながら今日の資料を拝見しますと、資料1に出ております、チーム医療を推進する医療機関の認定の在り方。このことはやはり、私は大事ではないかと考えています。
これはいろんな考え方があると思いますが、在宅はいろんなインセンティブを付けて、何かそちらの方向に動かすというやり方をずっと取られておるんですけれども、やはりそもそも何のために、どういう目的で、何をやろうとしているのかということを明確にしておかないと、例えば、私はがんの方の専門ですけれども、がんの方が、在宅の医者が大変だからできなくなったとき、救命センターに入っていくというようなことが現実にあるんです。私、最近3例、そういう方を救命センターから引き受けましたけれども、そういう中で、それはバックアップ病棟がないんだというような考え方でやるというようなことはやはり少し限度があるのではないか。
 有効性ということで少し横道にそれましたけれども、そういう具合に考え方、それから、実際のやり方というようなものをしっかりしているチームに対して国がバックアップしていくというような体制を考えるべきときに来ているのではないかと考えております。
 以上です。
○山口座長 ありがとうございました。在宅という切り口からいろいろ御指摘をいただきましたけれども、それは恐らく在宅に限らず、院内でも形を変えて、御指摘いただいた3点は恐らく同じことで、ただよりチーム医療の役割が高いのはやはり在宅かなと感じました。医師が少なく、スタッフの数が限られるということになりますと、やはり在宅のようなところの方がチーム医療の果たす役割が大きいお話を伺って思いました。
 ほかにどなたか御発言はありますでしょうか。
 どうぞ。
○徳田委員 社会医療法人禎心会の徳田と申します。私は脳外科医で、札幌と稚内に病院を持っておりますことと、それから介護系の施設を持って、医療と介護の複合体を運営しています。もう一つは全日病の方で仕事をさせていただいていまして、病院の在り方委員会のまとめ役をさせていただいています。2年に1度、病院の在り方に関する報告書を出していまして、全日病の中でも実は業務の見直しということのテーマで昨年度から取組みをしています。そのそれぞれの立場から少しお話しさせていただきます。
 まず前者のお話でございますが、今、各委員から急性期、慢性期、あるいは在宅に絡むいろいろなお話があって、継続性、その中でのチーム医療の重要性が語られまして、まさしく私も現場にいまして同感であると思っています。
 その中で大事なことの一つは、地域格差の問題もお話に出ましたが、都市部で行われている医療の現場の実態と、私は稚内で診療を行っておりますけれども、そこでの実態の大きな違いの最大のポイントは、看護師さんの業務の在り方なんです。勿論、都市部では看護師さんの需給の関係もほぼ良好でありまして、レベルの高い方もたくさんいらっしゃって、その中で専門性を語られる、そういう資格制度も含めて非常に広い範囲でいろんなことができますが、地方に行きますと、看護師そのものの供給が全く少ない。北海道全体で言いますと、15対1であるところがまだまだたくさんございます。それは供給がなされないからであって、各医療機関が経営上の理由で看護師さんを集めないのではないんです。そういうところでもチーム医療は絶対に必要になるわけです。
 その際に、私は少し危惧をする、後の全日病の仕事に絡んでもいますが、この1回目のチーム医療の推進に関する検討会で出てきた順序に、看護師さんのお話が最初に出て、しかもこのお話が非常に広範に話されて、更にその先に特定看護師という特殊な位置づけのものが出てきたということです。
これは将来的にこういうものが必要であることは十二分に理解をしていますが、この時点で日本国中を見ますと、都市部と地方のこれだけの格差がある中でこういう新たなライセンスといいましょうか、そういうものを付けたものができたときに、地方でこそ、看護師さんが少ないところでこそ、例えば縫合をさせたいというようなことが現実にあるわけです。ドクターが少ない中で何をしたいかというときに、それをさせたいけれども、特定看護師さんしかできないとなりますと、これはとんでもないことが起きるという危惧がございますので、もう少し全国の医療の実態を見つめ直した上で、今、チーム医療をどう考えるのかというふうな観点でもう少し御議論いただきたい。
 それで、この延長上のお話で、私ども全日病でやりました業務調査をさせていただいたときには、とりあえず事務長さんと看護部長さんの立場で、それぞれ医師から事務系の職員までの業務の実態と、今後の見直しに関する事項を、かなり多項目にわたって、もし必要であれば次回以降出させていただきますが、そういう調査をさせていただきました。そうしますと、やはり立場によって全くデータが違ったということがございます。
今、実は特定看護師さんに向けての調査が行われていますが、これもここだけに絞った調査であるとしますと、他職種の業務の拡大、キャリアアップによってできることがたくさんあるにもかかわらず、そこだけに的が絞られた結果が出るというのは、やはり多少、今の時点ではもう少し違う観点で、もっと広く現場の意見を聞いた上でチーム医療の在り方を考えていただくべきではないかと思っておりますので、提案としては、もっと看護職以外のところにも目を向けた、そういういろいろな調査をしていただいた上で最終的な方向づけを決められたらいかがか。現時点ではということでございます。
○山口座長 先生、そうしますと、今、先生のところでやられた看護職以外のことに関するデータは御提示いただけるということでよろしいでしょうか。
○徳田委員 必要であればお出ししします。昨年させていただきました。
○山口座長 少しわかりませんけれども、今回皆さんの御意見をいただいて、やはりそれぞれの領域では既にある程度、常識とされている、共通認識とされているようなことをできるだけ出していただくという作業はどうしても必要だろうと思います。せっかく資料があるのであれば是非皆さんに見ていただいて、それを共有して、初めてガイドラインというようなところまで行けるほどのまとまりができるのかなと思います。事務局の方からお願いするのかと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、川島委員、どうぞ。
○川島委員 聖マリアンナの川島でございます。私は管理栄養士としての立場で少しお話しさせていただきたいと思います。
 栄養に関しましては、生まれたときから高齢者まで必要であるということになりますが、病院の中でも特に重要になってきます。今も、お話が出ていましたように、急性期でありながら高齢者であることやいろいろな疾患の合併症も絡んでいることで、栄養管理が複雑にもなってきています。そのため医師だけではなくて、管理栄養士も協働しながら栄養管理や栄養指導も行っているわけです。今はNSTのようなチームでも行っていますので、それぞれが意見を述べ合って一人の患者さんに対応していますので、やはり職種それぞれの専門性をきちっと生かした形でもう少し役割分担が明確になっていってくるといいのかと思います。管理栄養士は栄養のことを4年間もしくは6年間勉強しておりますので、今までは経口栄養中心になっておりましたが、トータルでの栄養管理をしていくとことができますし、今はそちらの方向に変わってきています。
勿論、最終的に経口摂取が、、口腔ケアを含めた形で管理をしながら、できれば患者さんのQOLが上がりますので、それぞれの立場での意見を統合したチームを組むというものが大切だと思います。現実的には、今、高齢者を抱えていたり、重症化を予防するという意味では大切なことであると思いますが、それには少し、管理栄養士も、リハの方同様、人数が少ないことがあって、その縛りがどうしても出てきてしまい、なかなかうまく機能していないということがあるかもしれません。が、職場の現状の意見をもう少し聞いていただき、今回、現状に即したうえで、さらに、将来的なことも含めた形でのチームを考えていけたらいいと思っております。
○山口座長 それでは、田口委員、どうぞ。
○田口委員 私は地域の保健師です。そして、保健師の立場で高度医療の相談部というところに6年おりまして、そこで入院をした患者さんから、退院をさせて地域に戻していくという役割を負っておりました。地域から高度医療の中に入りますと、まず非常にギャップを感じ、また、地域の資質といいますか、レベルといいますか、そのギャップを非常に感じておりました。
 それで、この報告書の中の「1.基本的な考え方」の1番目の○のところで、まさに院内ではこういう形で、おのおのの高い専門性を前提に、目的と情報を共有して、業務を分担し互いに連携・補完し合って、患者の状況に的確に対応した医療を提供することを目指した形のチーム医療というものを目指していました。そうしますと、この中でそれぞれの職種というものは、みんな自分が主役という意識を持つんです。この主役意識がなければ指示命令系統の形になってきて、なかなかいい役割発揮ができないというのがありますので、それは非常に大きな学びであったと思います。
 それで、医療機関に入っていますと、急性期の医療、それから、ある程度病状が落ち着いて慢性期の医療、そして、退院支援。在院日数が短くなってきていますので、急性期のときから退院の支援をするという視点を持っていかなければいけないというわけですので、地域移行をどうしていくかというところが非常に大事になってまいります。そして、在宅療養支援をする中で外来に通院していくという形を取っていくという一つの、一人の患者さんを通しても、非常にいろいろな変化のある医療を提供された中で最終的にターミナル医療というところにつなげていく形になるわけです。
 そうしますと、地域の中で非常に困ったのが、地域医療の体制をどうするかということと、病診連携です。なかなか地域の医療機関を確保するということは難しいです。訪問看護ステーションは非常に頑張っていろいろと看護を提供してくださっていますけれども、そこにチームを、体制をつくるというところが非常に難しくて、そのために訪問看護ステーションだけでなく、開業医さんだけでなく、そこに行政を含めるということが非常に大事になってきます。
 それで、なぜ行政がというのは、医療機関にいたときに地域の保健師は役に立たないというふうに医師は言っておりましたけれども、それは具体的に技術提供がないというところで役に立たないということですが、地域の行政の保健師というのはいろんな仕組みをつくっていくという役割があります。そして、いろいろな制度とチームワークをつくっていくという役割が非常に大きな役割なんです。ですから、定期的に看護技術を提供するという役割ではないので、そういう意味ではこのメンバーの中に一つ、私は相談室という、いわゆるソーシャルワーカーと一緒にいる立場でおりましたけれども、ここにソーシャルワーカーの位置が軽いのと、それから、そういう相談部門というところがなかなか入っていないということがなぜなんだろうということは非常に感じておりました。
 やはり、これからのチーム医療を考えていくときには、この相談部門というものは非常に重要です。だからこそ、そこが充実していれば医師も医師としての役割を発揮でき、ナースもしっかり、そこの役割を発揮できという形になると思いますので、そのチームの中の全体像の中にやはり相談部門というところ、そして、もし先ほどお話がありましたように、人が少ないんだ、手薄なんだというところがあれば、医療機関の中に必ずそういう部署を確保するというところは必要だろうと思います。それで、在宅に対する家族の気持ち、本人の気持ちをしっかりと把握しながら、失敗のない形で第1回目の退院に向けていくというのが非常に大事になってきます。医療機関は、やはり必要なときに入院をさせてもらえるという確保があれば在宅で非常にやっていけるという感触を持っております。
 それと、向井先生がおっしゃっていたように、口腔ケアは地域の行政では国保の、医療費の軽減というところは今、非常に大きな問題になっております。その意味でも口腔ケアは、今、私は保健福祉事務所という保健所におりますけれども、歯科衛生士が基幹病院のNSTのチームに入らせていただいているんです。その中で、やはり歯科衛生士が口腔ケアをする。それは先ほどの医療費の関係では資格はないんですが、看護教育とかスタッフ教育という立場で入らせていただいてやっておりますと、通常は退院をしたら、すぐまた入院を繰り返す方が入院をしなくなったということが言われています。ですので、今、口腔ケアは非常に、ただ歯科ということではなく、全身の、あるいは国保の医療費のというところもつなげた形の重要性は非常に感じているところです。
 ですので、これからチーム医療を考えていくときに、やはりそれぞれの急性期、慢性期、在宅医療の段階のそれぞれのチーム医療が連鎖するような仕組みができ上がればありがたいと思っています。
○山口座長 ありがとうございました。それぞれの急性期、回復期、あるいは慢性期、在宅と、それが横の糸とすれば、縦の糸の連携、チームプレーというところの御指摘をいただいたのかなと思います。しかもその中に、行政の果たす役割もあるという御指摘があったのかなと思います。チーム医療も縦と横とを含めた話になると相当広い範囲をカバーしなければいけないかなと思います。
 ??本先生、どうぞ。
○??本委員 ??本と申します。三井記念病院の院長をしておりますが、私は心臓血管外科学会の理事長もしておりました。
 今、皆さんが地域医療とか、在宅、歯科の問題、それから、ソーシャルワーカーの問題とか、いろいろありました。それらすべて、この医療の問題です。この医療の中にすべて含蓄するような大きな問題で、これがこのどれ一つを取っても無視できませんし、それをどうやってみんなで解決するかという問題であると思うんです。
 私はこの中で1つ、物すごく大切な視点があると思うんです。私はずっとチームワークということを言っておりました。心臓外科ですから、いろんなMEの技士とか、麻酔科、内科の循環器の先生とか、勿論、ナースとか、いろんな人のチームワークの中で仕事をしておりました。だけれども、そのチームワークというものは、ここでもチーム医療推進の中にもずっと書いておりますが、ナースとかいろいろコ・メディカルがありますけれども、チーム医療で一番大事なことは、私は患者をこのチームの中に入れることだろうと思います。患者を入れる。患者は我々のチームの仲間なんだ。これはそういうふうな対応をしなくてはいかぬだろうと思うんです。
 といいますのは、患者がその枠の外にいますと、患者は医療に対してはお任せというので行きます。だけれども、患者にもやはりある程度の方の情報網はすべて与えなくてはいけませんし、それは患者にもそれだけの責任を持ってもらわないといけません。医療がまずかったら、これはすぐ訴訟とかこういう風潮が最近出てきましたけれども、これは患者を中に入れていないからだと思うんです。そこを私はチーム医療にとって一番大事なことで、患者のために最高の医療をするためにどうやって、ここにおられる皆さんが協力し合うかということだろうと思うんです。私たちがこれをできる。勿論、こういうできることをみんなが出して形をつくっていくことが大事だと思うんです。
 今の医師法とかこういういろんな医療システムは、医者が聴診器を持って、それから、看護婦さんを連れて、それで患者さんを見るというふうな戦後間もないころの状況の中でいろんなシステムができていると思うんです。それで今、高齢化とか地域医療が大事だという話もありました。片方の医療の側面は非常に高度化しました。えらい先進化でありまして、この医師法は医師にだけ全部権限を与えたわけです。それで、ナースは医師の指示の下でしか動けないようなシステムになっています。だから、これは崩壊しつつあるわけです。はっきり言いますと、医師はそんなに能力はありません。ある大学でいろいろ心臓手術で事故が起こったのは、医師が人工心肺を回したからです。これは臨床工学技士ができて、もっとあれすれば人工心肺技術士というものがあるんですけれども、この臨床工学技士というシステムができて、それは本当にこのチーム医療という観点から言えば一番成功した例ではないかと思うんです。
 医師は人工心肺を回せます。ただ単に形だけ回せるだけで、本当の中身は余り興味がないわけです。ですから、手術の中身をこうやって見ながら人工心肺を回すものですから、こちらがおろそかになって、空気を送ったりいろんな事故が起こります。やはり医師にはそんなに全部、神様みたいな能力はないわけですから、この権限をみんなに分けて、これはそれぞれの職種がそれを担っていって、本当にチームでやらないといけない。
 私はいろんな病院を経験しましたから、看護婦さんたちにこれを是非もっとやってほしいということをいろいろお願いしましたけれども、看護協会はこれをやったらいかぬというふうな形で、むしろそういうふうな、これは自分の領域を、医療・医学が物すごく進歩したにもかかわらず自分の範囲を制限してきたということが、私は医療の発展を随分阻害したのではないかと思うんです。それを外して、みんなが本当に本心から患者のためにどうしたらいいのか。我々は何ができるのか。こういう観点から皆さんが一緒にいろんな問題を考えて、一緒に、いろんな人がチームになります。行政もチームになります。患者はチームの中の一員なんですから、それで、これで本当にチーム医療を推進していかなくてはならぬだろうと私は思います。
○山口座長 ありがとうございました。確かに、チーム医療のどうしても必要なメンバーの一人は患者であるとの新しい指摘を受けました。患者にとっていろんなことが効率よく運ばれたとしても、それが必ずしも患者にとっても効率がいいかというと、必ずしも同じ話ではないかもしれません。確かにこの委員会も、ほとんどすべての領域を網羅した委員がお集まりのように思ったんですけれども、患者さんの代表は、やはり入っていないといっていいのかなという感じがします。確かに、その視点を忘れての話はないと言われればそうかなと思わざるを得ません。
 ほかにまだ業務の分担の話などもこれから出てくるだろうと思いますけれども。それでは、松阪委員、どうぞ。
○松阪委員 枚方公済病院の臨床工学技士の松阪と申します。今、??本先生の方から臨床工学技士という、人工心肺のことで一つの例を挙げていただきましたけれども、約22年前、新たな医療職種として臨床工学技士法というものができたわけですが、そのときの最初の出発点というものは生命維持管理装置という切り口でその手法ができております。しかし、現在、この22年経った今は、生命維持管理装置だけではなく、高度管理医療機器等、そういう医療機器のスペシャリストというふうな認識の下で、この2年ほど前、立ち会い問題とかがございまして、いろいろ医療機器については臨床工学技士に任そうというふうなところがございます。
 そして、我々、枚方公済病院ですけれども、循環器内科の場合においてもインターベンション、PCIなどの場合も、形成領域のところでIVUS等の操作の介助をやるとか、アブレーションという不整脈の治療のところにおいては高周波電気刺激というものをやったりとかということで、非常にチーム医療の現場の本当の最先端で活動しやすいものは臨床工学技士ではないのかというふうに実感して、病院の中でもそのように、今、7人しかおりませんけれども、その中で業務をやっていっているというふうな医院です。
 それで、この委員会において、やはり在宅というところも、今、何人かの委員の先生方から御指摘がございましたけれども、在宅医療、透析もそうですし、人工呼吸器もそうです。そういうふうな面での医療機器の家庭での使用が増えてまいります。そういうこともやはり高齢化社会になっていった場合はメーカー、業者さん等との連絡も取りながらのチーム医療も一つの観点かなというふうにも考えております。そういう意味で、できるだけ幅広いメンバーの活用といいますか、ただ病院職種、医療職種だけのメンバーではなくて、そういうところも踏み入れたチームの活用の仕方をこの中で議論もしていただければと考えます。
○山口座長 ありがとうございました。確かに業者の立ち会いというときには、その業者が存在しないと実際には医療は成り立っていなかったということの表れであったわけでございますから、そういう意味で言いますと、チーム医療の範囲も更にもう少し外まで、医療関係者すべてというような感じもあるのかなと思いました。
 それでは、堀内委員、どうぞ。
○堀内委員 私は今、聖路加産科クリニックで助産師として活動しております。今回の看護師等の役割の拡大というところについて少しお話しさせていただきたいと思います。
 私どもの方は今、院内助産所とかいろいろ、助産師外来と言われている中で、そうではなくて施設の外に独立した助産施設をつくるという試みをいたしました。形としては一次医療の診療所の形態として立ち上がっておりますが、1人の常勤の産科医と非常勤の小児科医、あとは全部助産師という形で行っております。
やはり正常分娩を独立して行うということになりますと、幾つか医療処置が必要な場面も出てまいります。それで現在、法律的には臨機応急の処置として会陰縫合、裂傷した場合の縫合が認められてはおるんですけれども、教育の中でも学ぶだけであり、モデルでやるということで、実際にはしたことがなければ、実際、臨機応急の処置といっても縫うことができないわけです。それで私どものクリニックでは試験的に実際に学んで、実際のお母さんの縫合も医師立ち会いの下でやっております。
 そうしますと、助産師は妊娠からずっと縫合もやり、そして産後の健診も全部立ち会って行いますから、自分のやったケアに責任を持って、最初から最後まで見届けるということができます。そして、さまざまなことに産科医を頼らないでやるというのはここまでの範囲かということを実際に本当に実感しているんです。ですので、今回の医療の拡大の中で、やはりそういう準備をして、教育をして、実際にとにかく実践するということを、範囲を是非広げていただきたいと思っています。
 先ほどの御指摘がありましたけれども、やはり今まで看護師・助産師も責任を取ってこない状態にいた。すぐ隣にいる医師に聞くということをもって自分の責任をある意味逃げてきたというような場面が多くあると思うんです。そうでなくて、やはりシステムとして最後まで自分のケア・診断に責任を持てるようなシステムをつくることによって、より看護職の能力も拡大していくのではないかと思っております。
 今回は助産師の立場から、ここの報告書にありますが、ガイドライン等をつくっていただき、一部の包括指示、出血時の対応や抗生剤の処方等も是非、包括指示でできるようにしていただきたいと思いますことと、裂傷の縫合等については独立してできるようなシステムになっていくといいなと考えております。
○山口座長 ありがとうございました。助産師の立場から、むしろ業務範囲がどこまで可能かというお話かと思います。
 それでは、済みません、原口委員、どうぞ。
○原口委員 私は東海大学で、専門は診療放射線技師ですけれども、職場では看護、医師、薬剤師を除くほとんどの医療技術職員をまとめている、そういう立場にいます。
 一般論になってしまうかもしれませんけれども、うちの病院としてもチーム医療というものが今年、一つのキーワードとして取り組む課題になっています。そこで私のそういう所属の人たちにチーム医療を推進するために、自分たちにできることは何かを考えて積極的に協力しなさいという具合に言っていますけれども、実際は“できること”と“やって良い”ということは別なものですから、やはり最終的には“やって良い”という担保がないので、なかなか積極的に取り組めないという現状があります。
 我々の業務にも結局、グレーな領域がいっぱいあり、どこまで本当に自分たちが“やって良い”のかと言う担保を持ってできるのかということを示さないと、実際に推進していったときにはそこが大きなネックになると思います。“やって良い”となれば、私は今、日本放射線技師会というところに所属していますけれども、各職能団体の学会とか技師会等においても、教育・研修が当然、事業として取り組まれるわけですから、必然的に医療の質が上がっていくと思います。、やはり、“やって良い”ですということの整理がこの事業を推進するための一つのポイントになるのかなと現状では感じております。
○山口座長 一番大きなものは、法的な意味合いでしょうか。
○原口委員 そうですね。法的な意味合いです。私としてはやはり立場的に自分の部下を刑事罰にさせてはいけないというのがありますから、どうしても余りに無理なことがあれば、そこはやはり少し待ちましょういうことになります。そのためには法律を変えるという形ではありませんけれども、4月30日に局長通知で出ました形をもう少し広めていただければと思います。さてそこで“できること”“やって良いこと”は何かということについて、
 先ほど徳田委員がおっしゃいましたような形で、我々も同じような調査をして、どういったところがグレーで、現実にどういったものが行われているのかということはやはり早急に調査していただいて、それの実態をつかむべきではと思っています。
○山口座長 それでは、中村委員、どうぞ。
○中村委員 
 徳田委員の言われましたように、私は特定看護師ありきではなくて、この委員会でのガイドラインの策定というものが第一にあります。事務局からのお話でもありましたが、ガイドラインを基本として特定看護師の業務の在り方、他職の在り方を検討するということで理解していますので、そういう意味で国の責任で早急に各職種の調査を特定看護師と同じような内容で実施していただきたいと思います。その調査に基づいて、ガイドラインの話を是非進めていただきたい。
 それと、私は作業療法士です。業務範囲を考えますと、在宅に帰ってからの、その人がどう生活するかというところがリハビリテーションの一つの目標ですので、栗原先生が言われましたように、急性期、回復期ではなくて、在宅生活を継続していくという中で医療チームを組みますので、その調査の中で急性期、回復期だけではなくて、維持期まで含めた中で、チーム医療というものを考えるような調査を是非やっていただきたいとい。
 最後にあと一つ、作業療法士は精神科の方も対象としています。「約7万2,000人問題」で病院から在宅に精神障害者の人をどう帰すかということを国策の一つでやっております。チーム医療というところにとても関係いたしますので、その調査の中に是非、精神科領域と認知症のチーム医療の在り方をどうするかも一つのカテゴリーとして、調査に加えていただきたいと思います。
 以上です。
○山口座長 リハビリテーションのような学会等でそういう調査をされたことがあるのでしょうか。
○中村委員 横断的な全部の調査はしていないと思います。例えば、私は作業療法士ですから、作業療法士の業務についてはあるのですが、それは偏った見方だと思います。やはり一つのチーム医療はどうあるべきかという意味で、アンケート調査なりを行い見直すべきだと思います。
 ○山口座長 土屋委員、どうぞ。
○土屋委員 先ほどから話が出ておりますが、局長通知で薬剤師は十分な活用ができていないのではないかということで、かなりいろんなことが書き込まれたことでもございます。そうしますと、先ほど近森委員が言われたように、現状においてやっていることでのガイドラインなどというものをつくってしまいますと、やはりこれは将来的なことを含めて、チーム医療の在り方というものを考えたものでないといけないのだろうということから言いますと、やはりそういった面で、本当にまだ病棟薬剤師は出始めたばかりですし、在宅にもまだ取組みは十分でないということは十分わかっておりますが、やはりこれだけ薬が高度化・複雑化し、なおかつ本当の意味で薬らしい薬も出てきたというのも、この時代の流れの中で、そういった中で薬の専門家をどのように使うかということについて、実は看護業務の検討WGの方でもいろいろ出ておりますが、基本的な私の理解としては、他職種が関連する業務についての話はこの検討会で行われるという位置づけだと思っておりますので、是非そういった点をお願いしたいということ。
 それと、先ほどヒアリングが予定されているという話がございましたが、先ほどから在宅の話も出ておりますけれども、実は薬剤についてもかなり、医療機関の中のときと、いわゆる医療提供施設として薬局はなりましたけれども、いわゆる在宅の方とでもまたいろいろ違いがありますので、そういった場面でもそういう話ができる場をいただければというように思います。
ですから、とりあえず、今後を含んで、是非ガイドラインは将来のあるべき姿も含んだ形でのものにしていただきたいと思います。
○山口座長 それでは、鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 筑波メディカルセンター病院で事務を担当しております鈴木と申します。よろしくお願いいたします。
 私は担当が事務でございますので、この検討会でどういう立ち位置があるのか、非常に今日は心配しながらまいりました。それで、どうしても毛色の変わった話になるのかなということは認識しておるんですが、先ほどの報告の中でも、我々の部門はその他というものでくくられてしまうんです。いわゆる顔のない部門といいますか、そういうようなところもありまして、ただせっかくの機会ですので、もし許されるならば、我々の実態というものも是非お話ししたい。
 特に、先ほど徳田先生が医師・看護師から事務までの話を聞く。いわゆる医師を頂点にして、下の方に事務というものがやはりチーム医療の中では欠かせない。近年は特に、先ほど近森先生がおっしゃったように、環境は大激変してまいります。これは我々、医療経営の部門ではかつて経験したことのないような変化が多分、これから我々を襲う。その中で、やはり多くの専門職種がそれぞれ頑張るだけで果たしてチーム医療が成り立つのかということは日々、現場で仕事をしていると感じます。それで我々事務部門としては、これから是非、チーム医療に、我々も中に入って初めて病院の運営・経営というものが成り立ってくるのではないか。もうそういう時代なのかなという気がしております。
 私は医療機能評価機構のサーベイヤーとして日本中津々浦々、いろんな病院にお邪魔いたしますが、一般論ですけれども、やはり組織の中で事務の活躍している病院というものは総じて元気がいい。これは一般論ですのでいろいろありますが、やはりそういう意味では、これから我々がただ裏方でよしとする時代がもう終わりつつあるのかな。
 ただ、残念ですけれども、我々の病院経営のマネージメントというものは他の産業や企業に比べると周回遅れなんです。これは歴史的な日本の医療のマネージメントというものがそういう筋道をずっとたどってきて、非常に有能な医師に今までは病院経営というものが支えられて、ここまでしっかり支えていらしてきましたけれども、やはりこれから我々の担うべきものが必ず出てくるのかな。
 ただ、それはこういうチーム医療の検討会の中でどういう立ち位置を御用意していただけるのかというのは、今回非常にありがたい機会をいただいたので、是非いろいろと勉強させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○山口座長 御発言いただいていない方に是非お願いしたいのですが、それでは、市川委員、どうぞ。
○市川委員 少し分が悪い、看護職の市川でございます。
 私はチーム医療のガイドラインの、今回参加する前と、それから、今、皆様の御意見を聞きながら、やはりいろんな急性期、慢性期、あるいは在宅も含めて、チーム医療は医療サービスを提供しているチームという一つの概念と、それから、ある程度、多分、急性期の高度医療で成果を出している専門家チームの両方のチーム医療というところがかなり分けて考えなければいけないことでありますし、両方とも非常に重要なことで、高度医療の現場においては専門チームというものは非常に大きな成果を上げていることも事実ですし、この辺りの業務拡大というものは多分、医療サービスを受ける患者さんにとっては、だれがというよりはやはり安全で成果が上がるサービスを受けたいんだろうと思いますので、その辺りの業務拡大をしていくことが重要かなと思います。
 それから、全体のチーム医療ということを考えますと、私は経営者ではありませんが、やはり都市部の病院であろうと、急性期の病院であろうと、それぞれの職種が専門性をもっと発揮したいというのは当然あるわけで、それをしていくと、ますます人員を増やしていくという、人件費ということで非常に経営に関しての問題が出てくることも事実だろうと思うんです。そういう辺りでは、非常に経営的には、そこの組織の経営方針の中で優先順位を考えながらということを考えますと、それぞれの職種がどのくらいグレーゾーンを持っていられるか。要するに、このことに関しては看護師でも臨床工学技士でもとか、あるいは栄養士でもどちらでもできるというふうな一つのガイドラインが実際にできて、将来につながるのかなというふうに思うこと。
 それから、やはり安全な医療を提供していくというところに行きますと、医師の包括的指示というものが一つのキーワードかなと思います。それは看護職を考えてみましても、非常に量と質的な違いは大きいわけでして、やはりそこのところを担保していくのには、単なる標準的な評価指標を用いてもそんな簡単に行くわけはありませんから、そこのチームの中で医師が包括的指示の中で任せられるレベルかどうかというものは、まさにチーム医療の中で判断できる部分があるんだろうと思うんです。それから、その中で実践を積みながら知識や技術を積み重ねていくということができるかと思いますので、こういう辺りをこのガイドラインの中にも少し具体的に入れていくことも必要かなと思います。
 以上です。
○山口座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○森田委員 私は言語聴覚士という職種で、もしかすると、この中で一番日本の中で数が少ないのかなとふと思いまして、一万数千人しかおりませんし、また急速にここ数年増えてまいりましたので、20代が圧倒的に多いという経験のなさ、質の担保とか、教育の在り方とか、さまざまな問題を抱えている職種で、これをしたい、あれをしたいとSTとしては思っても、実際に数がまだまだ足りていなくて、介護保険の現場などでは数が足りないとか、いないとか、できるのかとかという中で、そうだ、そこまでの力がないかもと思ってしまうような職種なので、少し小さくなってお話を伺っていたところです。
 しかし、本当に現状、先ほどの委員のお話のように、現状の中で役割を決めてしまわれては少し困るといいますか、やはり将来のあるべき姿を見据えてほしい。今後、この職種はこうなっていく可能性を持っていて、そういう中でどうあるべきかという中で、非常に小さな力の弱い職種ではありますが、やはり将来を見据えた上で考えていただける会にしていただきたいということを感じましたので、一言発言させていただきました。
○山口座長 ありがとうございました。
 小沼委員、どうぞ。
○小沼委員 恐れ入ります。私は臨床検査技師の方の立場から御報告申し上げたいと思います。
 全国で約10万人近く働いている検査技師の中で、このチーム医療については、先ほどから出ています話の中でもグレーゾーンの問題が大きな壁になっていまして、どうしても医師の手足論という形でもって私どもは解釈しつつ、業務を拡大解釈しながら、かといって医師法に触れない範囲で業務を遂行していくというところに難しさを感じています。日々、会員といいますか、検査技師の間から、ここまではやっていいのか、ここまではやってはいけないのかというような質問に対して、私どもも独自に手元にガイドラインのようなものを置きまして、それに照らし合わせながら行っているというのが現状でございます。
 ですから、もし仮にここで、先ほどから出ているようなガイドラインというものをつくっていただいて、そういうものがしっかりとした形で出ていただければ非常に業務としてはやりやすいですし、またチーム医療としてオーバーラップしていくところも、踏み込みやすい点も出てくると思います。医療が進んでいきますと、生理検査業務では特に新しい高度医療の機器を扱う上で非常に困惑しているところもございますので、是非その辺を中心にお願いしたいと思うところです。
○山口座長 ありがとうございました。
 小川委員、どうぞ。
○小川委員 私は理学療法士をしております小川でございます。
私は昭和45年から数年間、学生をしておりましたけれども、入った時点で一番強く言われたことは、リハビリテーションというものはチーム医療であるというふうなことをのっけから、入学した4月の初めの時点から言われて育てられたというふうな思いがあります。その後、臨床におりましても、当然のことながら、関連の職種、それから、一番近いところに作業療法士があり、言語聴覚士は後発でしたけれども、それから、看護師がいて、医師がいるというふうなことで、それぞれの専門性を尊重しながらやってきたということで何の問題はなかったと思っておりまして、ここに来て、なぜ、今、チーム医療ということがクローズアップされたのかということに非常に違和感といいますか、不思議な気持ちでおります。
 それが正直な気持ちですけれども、もともと医療というものは御承知のとおり、専門職の集団、専門職で組み上がっており、それをいかにそれぞれの専門性を高めながら、全体として調和させるかということで医療が成り立っているんだと思っておりますので、そういう組織の中ではチームリーダーがいて、あとのチームを構成する職種はみな平等といいますか、横並びであろうというふうに考えております。それで、横並びでなければ、いわゆる上下関係のような形ができますと、これは指揮であり、組織であるということになりますので、やはりこういう形でチーム医療は存在し得ないんだろうと思っています。
 それぞれの専門職が誕生した背景には、それぞれの領域における高度化と、それから、その業種の幅の拡大があった。ですから、それぞれの専門性を担うための専門職が誕生したということの必然性がまずあったということです。ですから、今、ここに来て必然性を否定するような一部の考え方があったりするということについては非常に残念だなと思っております。
 そういう意味で、是非、チーム医療を考えるときには、先ほど市川委員もおっしゃられましたけれども、キーワードはやはり包括的指示ということにあろうかと思っております。この包括的指示は、ただし医師と看護師の間にだけ存在するものではないと思いますので、それぞれの業種の専門性をきちんとそれぞれが理解した上で、どこにのり代をくっつけるのかというふうなことの議論をしていただかないとぎくしゃくしたものになりますし、ラインを引いたらば、そのライン上の境界にある事項についてはだれが責任を持つのかというふうな問題が生じます。 ですので、冒頭に申し上げましたように、少なくともリハビリテーションは、チームの中ではそういった現実的な問題は起きていないというふうに私は思っておりますので、はっきりと明確に線を引かなければならないところと、線を引いてはいけないところはやはりあると思うんです。今後の議論に際して余り限定的なものにならないように、包括的なという言葉を最大限利用していただきたいと思っております。
 以上です。
○山口座長 ありがとうございました。
 それでは、遠藤委員、よろしくお願いします。
○遠藤委員 各委員からいろんな意見が出ていますので、特に言うことはないんですけれども、私は前のチーム医療の検討会のときに医療クラークを推進した病院であるということでヒアリングに呼ばれて話したんですが、実はそのときの発言がきっかけでこの委員に選ばれたということを聞きました。
それは、チーム医療をうちの病院も掲げていますけれども、やはり非常に実践するというのは大変なことであります。これは皆さん、いろんな医療技術を持っている職員から多分感じているのではないかと思いますが、やはりこれは従来のパターナリズム、父権主義の医師の存在がまだいるので、なかなかチーム医療の促進では障害になっていることは確かである。
特に地方の病院の中ですと大変ではないかと思いますけれども、そういう中でチーム医療を進めるということで、私自身、研修医のときに、前は国家試験の合格発表が遅れたものですから、そのときにいろんな部門、厨房に行って料理をつくったり、看護師の体位交換とか、夜勤をやったりとか、薬剤師のところへ行って処方のあれを、調剤をやったりとか、いろんなことをやらせてもらいました。それで院長になって6年なんですけれども、ちょうど6年前に院長になるときにやはり同じような体験をさせてもらって、そういう職員の視点に立つこと、そういう視点を持つことが大事だなと感じて、そういうことを自ら実践しているわけなんですが、やはり何といってもそういう視点を持つ医師を育てることが大事だと思います。
 ただ、なかなか概念的にチーム医療は大事で、従来のパターナリズムから脱却しようといっても、そういうものがなかなかうまくいかないでしょうから、やはりこのガイドラインの中で、明らかに客観的に見て、チームでいろいろやって、役割分担して、連携しながらするのが優れているんだというような実例・実績、いろんなものを示しながらそれを訴えるということは非常に貴重ではないかと思います。
 あと、今日、委員の中からいろんなチーム、チーム医療といってもいろんなチームがあるので、中には地域連携と言った方が適当な名前かもしれませんし、いろんな疾患での連携と言った方が適当かもしれないんですが、ただ、この報告書の中身を見ますと、そういう地域連携、地域横断的な取組みとして病院・診療所の在り方とか、在宅・介護の在り方とか、これも含まれていると私は思っていますので、いろんなチームではこういうやり方が非常にふさわしいということをやはりこのWGでいろいろ提案できたらいいのではないかと感じております。
 以上です。
○山口座長 ありがとうございました。
 それでは、玉城委員、どうぞ。
○玉城委員 私は神奈川で有床診療所をやっておりまして、全国有床診療所連絡協議会の代表でここへ来ているんですが、老健施設もやっているんですけれども、なぜ、今、チーム医療なのかという皆さんの意見を聞いていまして、やはり医師が非常に不足していて、過重労働で、なおかつ専門化し過ぎて、医療事故も多くなってきて、逆の意味で、ある意味、医者がもう当てにならなくなってしまったので、看護師さんその他の専門職の人に優秀な人がたくさんいるから、どんどん権限移譲して医療事故を少なくしていく、医師の負担を少なくしていくという背景があるんだということをつくづくわかりました。
 それで、今、皆さんの話を聞いてみますと、やはり病院におけるチーム医療という頭が最初にあって話しているのかなというような気がします。それで各職種で、最初にそれらの充実、いろんな意味での権限移譲をやっていいかと思うんですが、横の糸として、やはり病院の急性期、慢性期という立場での職種の協働・連携。それから、ありましたように、在宅医療における連携をそれぞれの立場でどういうふうにやれるか。それから、救急医療に対してどうやっていけるのか。あと、最近話題になっている介護施設での連携というものも、医師は直接関係してこないんですが、看護師・介護士の人たちがこの辺りでかなり重要な役割をしてきますので、その辺も横のチーム医療という形で、そういう立場に立ってガイドラインをつくっていけば、すべての職種、それから、すべての領域に網羅したガイドラインができていけるのかななどと、今、考えておりました。
○山口座長 ありがとうございました。
皆さんに御発言いただきましたでしょうか。
○取手委員 済みません、オブザーバーの立場と、発言が可能なのかというのを少し教えていただきたいんです。
○山口座長 あとは時間だけの話ですから、どうぞ。
○須貝委員 東埼玉総合病院の須貝と申します。診療情報管理士という情報管理の立場で一言、是非発言させていただきたいと思います。
 チーム医療推進方策検討WGですので、やはり各々の職種の専門性や業務を分担すれば、連携する診療情報とその精度管理の有用性は、皆さんにご認識いただけると思います。これまでの発言の中にも診療情報が関連するお話がたくさんありました。そもそも診療情報は電子化すればよくなるかというものでもありません。したがって、チーム医療が共有する情報について、どのような情報が有用で、最低限必要となる情報管理がどういったものかといったところにも注目していただけたらよろしいかと思います。
 また、日本には診療情報管理士の認定者は約2万人おります。先ほど鈴木委員よりお話がありましたが、診療情報管理士の立場は、医療事務の中の一部という形に認識されているところがあります。私たちは、専門職としての自覚はあるのですが、必ずしも医療現場で実力を発揮できていない現状もあります。診療情報管理はチーム医療に欠かせないものです。例えば、医師事務作業補助者に書類を書かせようとすれば、必要な情報が診療録にあれば、どんどんと効率的な活動が推進できるという実態もございます。一方、中には記録が非常に悪くて対応ができないこともあります。最後に、急性期医療から地域連携、そして、在宅も含めて、チーム医療が連携する情報が何かというところを突き詰めていただければ、情報管理の重要性というものはおのずと認識できるものだと思っております。是非その辺もガイドラインに触れていただきたいと思います。
○山口座長 どうぞ。
○津川委員 津川と申します。臨床心理職です。先ほどから発言していいのかどうかに関して周囲の委員と心配していまして、御許可いただきましてありがとうございます。
 「医療・生活の質の向上」と、はっきり報告書に書いていただいたことにまず感謝しております。先ほどの参考資料でも、実際の医療現場をだれが回しているのかということを念頭に置いてほしい、と書いていただいていることに賛成ですし、多くの委員の先生方が、現状だけではなく未来に向かってチーム医療のことを考えていきたいと言ってくださっているのを大変心強く感じました。
 それで立場上、心理職はたくさんおりまして、戦前からお雇いいただいていて、今、私の所属している団体は1万7,000人ぐらい会員がおりますし、組織率が90%ぐらいですから定かだと思うんですが、全国各地に7,000人は医療機関に勤務させていただいております。ですのに、今まで、自分が発言できるかどうかがわからなかったからいけないのですけれども、どの先生からもそういう心の問題といいますか、メンタルな問題はほとんど触れられなかったのは大変残念に思っております。また、多分、オブザーバーメンバーはそうではないかと思うんですが、等の中に入っているのかどうかという職種に位置づけられているということは非常に心細く、残念に感じます。
物資的なものだけで国民が満足するわけではないということは明らかなわけですし、こういう分野の職種もいるということをお知りおきいただきまして入れていただければ、まずオブザーバーに入れていただいたことを感謝しなければいけないわけですけれども、お願いしたいと思います。
 それでは、取手先生に替わります。
○取出委員 このまま横にマイクが流れてもいいですか。
○山口座長 どうぞ。
○取出委員 私は初台リハビリテーション病院でソーシャルワーカーをしております取出と申します。チーム医療に関しましてはソーシャルワーカーという職種の立場と、あと、今、リハビリテーション医療という、大変チーム医療が推進されている病院の中でも特にチームアプローチを最優先して、多数のソーシャルワーカーやあらゆるスタッフがいる病院で働いているということと、あと、ここ1年ほどチーム医療推進協議会という任意の団体に関わらせていただいているという3点から、非常にチーム医療については今、思うところが強いものでございます。
 今日は、先生方のお話を聞いて今、私の中で一番思いが強いのは、先ほど後半で出ていた、「いろいろなチームがある」ことの整理がまだ日本では全然なされていないことです。先日、チーム医療推進協議会ではアメリカの臨床医の先生を招いての勉強会を開催したんですけれども、そちらで、チームには3種類のスキームがあって、チームAというものが臨床に本当に深く携わっている人たちで、チームBというものは多分津川さんとか私とかのようなサポートチームと呼ばれていて、心や生活の周辺の、なくても医療は一応展開できるんですけれども、それがないと質が落ちるかもしれないといったところのチーム。それで、チームCとして、その周りに行政やNPOや市民の人もチームに入っているというものでした。
それで、それぞれがどの立場でチームのことを語っているかというのがなかなか整理されないまま議論を進めていくと非常にわかりにくくなるんだということを見事に整理してくださって、アメリカというものは同じことをやっていても言語化が本当に進んでいるというふうに感心した次第です。できればそういった文言の整理とか、もう既に各外国で整理が進んでいるチーム医療の考え方というものを、最新情報をここで是非紹介したり整理したりして、プラス日本でも多分、いろいろな実践が今までもあったと思いますので、そういったものを整理していきたいと思います。
 それで、チーム医療というものは一つひとつの職種が何ができるかという議論も大事ですけれども、最近そこで行き詰まりを感じていまして、この病院ではどの医療を、何の医療をやろうとしているのかという、それが急性期、回復期、維持期というふうに整理できるのかもしれないんですけれども、本当に純粋な医学・医療、治療だけをやる病院というものももしかしたらある。それを選ぶドクターもいるのかもしれなくて、そうしたらそこは、生活問題とかまでには踏み込んでいない病院だということで評価をされればいいのかなというふうに思うんですけれども、生活問題や患者さんの本当に心理のことまで踏み込んでやるのが医療だと考えてやっている病院はちゃんとそういった人員を配置するべきであって、かつその目標を達成しなければいけないというような厳しい状況に自分たちを置かなければいけないのではないかというふうに最近考えていて、余り上手に申し上げられないんですが、もう少しチーム医療の責任というようなものも一緒に議論していけたらいいかなと思っています。
○畠山委員 済みません、もう時間もないので、私は資格としては看護師、助産師で、大学病院で助産婦をしておりました。そして、その後に介護福祉士を取ったり、それから、ケアマネを取ったりして、在宅で患者さんといいますか、退院されて、在宅で生活をする方たちの支援をしてきたという立場にあります。
 今は事務をしておりますので現場のことは少し離れておりますけれども、私は地域の中でどういうふうにして支えていくかといいますと、やはり先ほど??本先生でしたか、患者さんを絶対に入れるべきだとおっしゃいました。私たちはチームとしては患者、それから、家族も含めて、そこを中心に置いてすべてのことを考えていくというようなことをしておりますので、是非そこも含めてやっていただきたいと思います。
私のいる須坂市というところは、26%の高齢化率です。そして、高齢者も非常に増えてきているという状況の中で、どういうふうにして在宅の高齢者を支えていくのかということを考えながらやっていますし、それから、地域としては医療と福祉の連携ということで、急性期の病院、ホームドクター、薬剤師会の方たち、全部含めて、どういうふうにして利用者さんといいますか、患者さん、あるいは高齢者の方を見守っていけばいいのかというようなことを模索しながらやっている地域でもありますので、そんなことも含めながらやっていただければいいかなと思っています。
 済みません、長くなりました。
○岡本委員 消防救急、救命士の立場から参画させていただいております。
 今、お話をいろいろ伺っていますと、我々救急救命士の立場は包括的指示とか具体的指示というものは非常に明確になっておりまして、研修とか指示体制とかプロトコルとか、さまざまな立場でしっかりとなされているんだなというのを初めて実感させていただきました。
 非常に救命士というものは範囲が狭いところで働いてはいますが、医療機関、それから、在宅等々とさまざまな連携をしていかなければならないんだろうという中では、情報もありますし、行為もあるのかなということを改めて感じさせていただきました。
 以上でございます。
○山口座長 皆さんに御発言いただきまして、非常に範囲が広くて、救急から回復期まで、更に各職種のお話からそれを包括したお話まで、これでガイドラインができるかというのはいささか心配でもあります。また、私はガイドラインというふうな言葉には多少違和感があります。医師にとってガイドラインというものは、いろんなデータの証拠があって、それに基づいて標準的なやり方はどうかというものがガイドラインです。ではチーム医療について、ガイドラインができるほどのデータはもう既にあるのですかというところになりますと、そうではなさそうです。むしろこれから何をやるかということがここのWGに託された大きな仕事だと思います。ので、これまでやっていたことを総括してまとめて方向性を示すというのとは少し違うのかなと思います。あるいはそのガイドラインができたことで、これから先のいろんな展開を縛るようなことがあってはいけないという感じもしていますので、そういうことも含めて、このWGの方向性を煮詰めていくのかなと思いました。
 皆さんのいろいろなお話を聞いていて、ほとんどの話が網羅されたかなと思いましたけれども、私、病院の院長という立場もありますので、いろんなチーム医療、あるいは包括的指示とかというものについて、1つは法的な問題があるだろうと思いますが、もう一つは現在、日本で行われます保険医療という問題があるということを申し上げたいと思います。今日たまたまそんなお話をしていましたら、例えば入院患者の栄養指導というものを管理栄養士がする話が出ました。包括的指示があれば、例えば糖尿病の人にはこうすると、さっと出来そうに思いました。ところが、実はそれがだめで、栄養食事指導料がちゃんと取れるためには、糖尿病の患者に1,800カロリーという指示だけではだめで、脂肪が何グラムというような更に細かい指示がないと、指導料が取れませんというような話がありました。
それを聞いて少しびっくりしたんですけれども、それでは包括的指示とは何ぞやという話についても、チーム医療の話を進める上で、もっと細かい検討をしないと実際には動かないのではないかと思いました。保険診療の面も含めて、このWGが検討できればというふうに思っております。
 そういうことで、皆さんからいろいろな御意見をいただきましたけれども、これを全部事務局の方でおまとめいただいて、先ほどのヒアリング、あるいは既にデータをお持ちであればそれを御報告いただくという作業をこれからやって行くことになるかと思います。とりあえず12月までにはある程度のまとめの方向性を出す必要があるようですので、非常に忙しい作業かなと思いますけれども、よろしく御協力のほどをお願いいたします。
 それでは、事務局の方から何かございますでしょうか。
○事務局(石井補佐) 本日は活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。
 次回以降の日程につきましては、改めて調整させていただきます。また次回以降の進め方でございますけれども、本日いただきました議論を事務局で少し整理させていただきますのと、それから、ヒアリングというものを考えてございまして、先ほど本日の議論の中で徳田委員から資料を御提出いただくという話もございましたが、そのほかにつきましても座長と相談の上、また個別の先生と事務局から相談させていただこうかと思いますので、是非その際はよろしくお願いします。
 今日はどうもありがとうございました。
○山口座長 それでは、どうも本日はありがとうございました。


(了)

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