ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(医療保険部会) > 第39回社会保障審議会医療保険部会議事録




2010年9月8日 第39回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成22年9月8日(水)14:58〜17:10


○場所

はあといん乃木坂 B1階「フルール」


○議題

1.平成23年度以降の出産育児一時金制度について
2.高額療養費制度について
3.傷病手当金及び出産手当金について
4.高齢者医療制度改革会議中間とりまとめについて
5.その他

○議事

○糠谷部会長 それでは、皆さん大体おそろいのようでございますし、時間も参りましたので、「第39回医療保険部会」を開催いたします。
 委員の皆様には、本日は御多忙の折、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。
 まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、岡崎委員、神田委員、見坊委員、齋藤正憲委員、横尾委員、渡辺委員、樋口委員から欠席の御連絡をいただいております。
 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りいたします。
 岡崎委員の代理として猪塚参考人、神田委員の代理として高橋参考人、見坊委員の代理として齋藤参考人、齋藤正憲委員の代理として藤原参考人、渡辺委員の代理として森岡参考人の御出席につき、御承認いただければと思いますが、いかがでございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
○糠谷部会長 それでは、そのように取り計らわせていただきます。
 また、前回の医療保険部会以降、厚生労働省幹部にも人事異動がございました。事務局より御紹介をお願いいたします。
○武田総務課長 それでは、御紹介させていただきます。
 まず、保険局医療課長の鈴木でございます。
○鈴木医療課長 鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
○武田総務課長 それから、申し遅れましたが、このたび保険局総務課長になりました武田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○糠谷部会長 それでは、議事に入らせていただきます。
 最初に、「平成23年度以降の出産育児一時金制度について」を議題といたします。特に本日は、出産育児一時金の支払い方法について、事務局に資料を用意していただきました。
 それでは、事務局より説明をお願いいたします。
○武田総務課長 保険局総務課長でございます。お手元に資料をお配りしております。資料1−1から御説明させていただきたいと思います。
 資料1−1は「出産育児一時金の申請・支給方法について」という資料でございますが、前回、7月のときにも御説明させていただいております内容も含まれておりますので、説明は簡略にさせていただきたいと思います。これまで私どもから御説明した制度、それから御提案いただいている制度につきまして、比較できるようにまとめたものでございます。
 まず、表紙の裏が1ページ目でございますけれども、保険者から妊婦等へ直接支給する方法でございまして、平成18年にBの受取代理制度ができる前に原則として行われていた方法でございまして、被保険者から保険者の方に出産育児一時金を請求して、保険者から被保険者に支払うという形になってございます。
 それから、2点目のBが受取代理制度でございまして、平成18年に出産育児一時金が引き上げられましたときに、被保険者の方の負担軽減という観点から積極的な導入が求められたときの制度でございますけれども、被保険者と保険者の間で事前申請をいたしまして、医療機関の方から出産費用の請求書が保険者の方に出されて、上限38万円までの出産育児一時金が医療機関に直接支払われるという仕組みでございます。
 これにつきましては、申請行為は被保険者から保険者にされ、受け取りについての代理行為が行われるということでございますが、これは前回、御説明をこちらからさせていただきましたように、手続が複雑であることとか、なかなか普及が図れなかったということがございます。
 続きまして、3ページ目が直接支払制度でございまして、従来御説明をしていると思いますので、詳しく御説明申し上げませんけれども、申請と支払いの受け取りにつきまして、被保険者から医療機関に対して代理契約が締結され、保険者から医療機関に直接支払われるということでございますけれども、間に国保連のような支払機関が間に入っていて、直接に支払われる制度になってございます。
 真ん中にありますように、直接支払い制度を利用するか、従来どおり保険者へ直接請求し、支払いを受けるかは、被保険者の選択になってございます。
 その次に、D.学会・医会共同要望も出されておりますけれども、井上専門委員の方から具体的なイメージ図に従い、どのようなことになるかということでいただいている御提案を絵にしているものでございますけれども、4ページと5ページの2つのパターンについて整理して、資料として提出しております。
 まず、4ページは、支払い機関(国保連)を介在させる場合でございますが、被保険者は保険者に対して出産育児一時金の事前申請をし、医療機関に対して申請書の控えの提出を行うなど、一連の手続を経まして、出産育児一時金が支給されるという形になってございますし、また5ページにつきましては、支払機関を通さない場合について、医療機関と保険者の間で、出産事実通知書の提出でございますとか、出産育児一時金の支給というものが直接行われる形になってございます。
 これにつきましては、井上専門委員提案に係るものでございますので、後ほど井上専門委員から御説明があるかと存じます。
 以上、4つのパターンにつきまして概略図をお示しした上で、最後の6ページにつきましては、この出産育児一時金の申請・支給方法について一覧の形で比較させていただいたものでございます。
 一番上の欄から、申請者、申請先、申請時期、受取者、受取時期でございます。直接支払制度のところには、申請から支払いまで1か月程度と書いてございます。この点につきまして、後ほど別の資料でまた御説明させていただきたいと思います。
 それから、実施割合でございますが、現在、直接支払制度の利用割合が約86%になっておりまして、受取代理制度のときの実施割合につきましては、一部の調査しかございませんけれども、市町村国保30%程度など、普及という点では課題があったという形を整理させていただいてございます。
 続きまして、資料1−2をごらんいただきたいと思います。出産育児一時金の支払いの早期化に関する資料でございます。
 これも既に御説明されていると思いますけれども、出産育児一時金につきまして、審査・支払いを月2回に切りかえるということで、7月から既に請求・支払いを月2回行うことができる仕組みに切りかわってございます。これは、厚生労働省のホームページの内容につきまして、皆様にお配りしているものでございます。
 白抜きの数字になっております最長期間のところでございますけれども、この2回払いを御利用いただきますと、最長60日が最長47日という形になっているところでございますが、これにつきましては、後ほどこれも資料で御説明いたしますが、診療報酬全体の支払い早期化についても御要望をいただいているところでございます。
 これが実現いたしますと、資料の裏になりますけれども、今、見ていただいた、47日と御説明したところが、また数字の短縮が可能になってくると、私ども考えているところでございまして、これは出産育児一時金の問題とは別途、資料2で御説明させていただきたいと思います。
 それから、資料1−3としてお配りしておりますのが、介護保険制度移行に伴うつなぎ資金の融資の御案内でございます。
 これは、前回の部会におきまして、介護保険制度のときには、どういう融資が実際利用可能であったのかという御質問がありましたので、提出させていただいたものでございます。
 貸付条件につきましては、3ページ目をごらんいただきたいと思います。
 5 貸付の条件の中で、貸付利率につきましては、社会福祉法人、日本赤十字社及び医療法人の場合は2.0%、その他法人の場合は2.2%。また、担保、保証人についても、こういうものが求められていたということで、参考までに用意させていただいたものでございます。
 なお、現在の出産育児一時金関係の融資がどうなっているかということにつきましては、参考資料1に資料として付けてございますので、後で適宜御参考に見ていただければと思います。
 続きまして、資料2「診療報酬の支払早期化について」、御説明させていただきたいと思います。
 表紙をめくっていただきましたところが2ページ目になっております。2ページ目は、レセプト電子化の経緯につきまして簡単にまとめたものでございます。
 平成21年11月になりますが、省令の改正を行いまして、レセプト請求の完全オンライン化を原則化という形に改めるとともに、例外措置を定めているところでございますけれども、レセプト電子化のインセンティブにつきましては、従来からさまざまの御議論があるところでございまして、診療報酬改定の中でも、電子化に対して加算することが議論されてきておりますし、この中でも支払いの早期化というのも一つの議論となっていると認識しております。
 3ページ目に、最も新しい電子レセプト請求普及状況の資料を付けてございますけれども、全体では電子レセプト割合は82.5%、それから医科の病院で見ますと98.8%、診療所でも電子媒体、その他オンラインを合わせまして86.2%というところまで来ておりまして、医科全体で9割にもうすぐのところまで普及が来ているところでございます。
 また、歯科につきましては、普及状況としては、まだ全体の10.1%、調剤については99.9%に行っているところが現在の状況でございます。
 こういう中で、支払いの早期化について、現時点で私どもとしてイメージとしてお示しさせていただきますと、4ページのような形ではないかと思っております。
 現在、診療報酬支払いにつきましては、被用者保険の場合は診療翌々月の21日、国保の場合は診療翌々月の25日から月末までの支払いとなっておりますけれども、これを診療翌々月15日の支払いに早期化が可能ではないかということで、現在、各方面と協議させていただいているところでございます。
 平成23年4月の診療分の例でいいますと、5月10日請求というのは変わりませんけれども、電子レセプトの場合につきましては、6月10日という支払い基金・国保連からの医療保険者への請求が数日早くできるのではないか。支払いについても、数日早くできるのではないかということを勘案いたしますと、電子レセプトについて6月15日支払いが可能ではないかと考えられますので、今後、実務面の課題などについて引き続き詰めてまいりたいと思っているところでございます。
 なお、実施に当たって留意しなければならない事項を5ページに整理してございます。
 保険者側といたしましては、早期化に伴う保険者の資金繰りに問題がないのかどうか。システム改修の必要性があるのではないか。ただ、保険者につきましては、医療機関の電子レセ導入の結果といたしまして、手数料軽減の効果も発生しているのではないか。それから、電子レセだけが早期化ということになりますと、電子の場合と紙の場合に分かれますので、追加費用が発生するのではないかという留意事項があるのではないかと考えてございます。
 それから、審査支払い機関側の留意事項といたしましては、一定のシステム改修が必要になるとか、業務フローの見直しを行わなければならなくなる。それに伴いましての追加費用の問題が留意事項としてはございますので、こういった点を論点に置きながら支払い早期化を検討していきたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。
○糠谷部会長 ありがとうございました。
 次に、何人かの委員の方から資料が提出されておりますので、資料を提出いただいた委員の方から、時間もかなり限られておりますので、それぞれ簡潔に御意見をお伺いしたいと思います。井上委員、海野委員、毛利委員、高原委員の順に御説明いただければと思います。
 それでは、井上委員、お願いいたします。
○井上委員 井上清成です。私の方から提出させていただいているのは、委員提出資料1でございます。総計で31ページにわたります。表題といたしましては、審議進行に関する上申書(2)、本日付です。
 その1ページをごらんいただきたいと思います。私の今日提出した資料に基づく意見の要旨を最初に述べております。読んでみます。
 1.意見の要旨
 現行の直接支払い制度に関しては、健康保険法第101条、第61条、健康保険法施行規則第86条、民法第412条第2項・第3項に違反している疑いを払拭し得ない。したがって、政策的な当否を問う以前の法律問題として、直接支払い制度の継続は不可能であると思料する。これが私の意見の要旨でございます。
 では、順序立てて御説明いたします。
 2.法律問題に関する資料とその説明ですが、今、取り上げました健康保険法施行規則第86条、この資料の3ページに条文を念のために列記しておきました。3ページをごらんいただきますと、条文と施行規則が並んでおります。これは、厚生労働省令でございます。86条の条文に私が下線を付しました。ポイントのところだけまずごらんいただければと思います。
 施行規則によりますと、申請書に書くべきこととしては、被保険者証の記号及び番号、出産の年月日が着目されておりまして、その他の規定はございません。
 それから、2項ですが、申請書に添付する書類として、どのようなものが必要なのかについて述べてあります。漢数字の一の方、1号、医師若しくは助産師において出産の事実を証明する書類。その後、戸籍の記載とか出生の届け出というのがございますけれども、今ここで着目すべきことは、医師若しくは助産師において出産の事実を証明する書類が添付書類として必要であり、これで足りるということであります。
 あと、2号につきましては、二重に申請していないことを示すものという程度でございます。
 もとに戻ります。1ページをもう一度ごらんいただければと思います。
 今、申しましたとおり、健康保険法施行規則の第86条では、書式といっても難しい要件は定めておりません。それから、添付書類についても非常に簡易なものとして、医師などの出産事実の証明程度というものが施行規則で定められているにすぎません。したがいまして、もともと前回も申しましたとおり、健康保険法第101条も余り難しい規定ではございません。それに更に、手続も定めました施行規則86条も極めて簡易な手続で行うということになっております。
 法律的な拘束力を有するものとして、法律、省令とございますが、これらにおいて定められているものは、この程度でございます。
 続けて、(2)海野信也委員の論点整理というものが後ほど御説明があるかと思いますが、その論点整理の中で、法律問題についてどのようかということの質問事項がございましたので、その論点整理のうちの法律問題についての私の見解を記しております。
 簡潔に申し上げれば、ここに掲げておいたとおり、現行制度には、法律違反の疑義、疑いがあります。
 それから、制度導入の猶予策をそのまま継続する。つまり、出産育児一時金直接支払い制度の継続というのは、私の見解としては、法的観点からはこれ以上不可能ではないかと思っております。法律問題でございますので、政策的によい悪い、当然どのような政策にも功罪、よいところと悪いところがございますけれども、その政策的な当否を問う以前の法律問題として問題があるのではないか。この点についての疑義を払拭しないでおいて、当否を論じていると、後でどんでん返しがあっては意味がないことなので、その点については、法律の専門家としては十分なチェックをするべきではないかと思っております。
 3点目では、事前申請の代理受取制度というのは、厚生労働省の通知によりますと一括して廃止になるようでございます。もうそろそろ施行されると聞いております。事前申請による代理受取制度というのは、もともと法律的な拘束力をもって認められているものではないのと同様、それを廃止するなどということについても、廃止自体についての拘束力もまた逆の意味でございませんので、そうすると、これは政策的な当否として事前申請による代理受取制度を復活することが好ましいという状況であれば、当然復活は法律的に可能であると考えております。
 今、骨子だけを申しましたけれども、この点につきましては、私の資料の4ページと5ページで、条文なども引用しながら後で述べておりますが、時間の関係上、とりあえず結論だけ述べるにとどめさせていただきます。
 それから、もう一度1ページに戻っていただいて、(3)仮想モデル文例1〜3を読んでみます。
 出産育児一時金につき、書式はともかくとして、事実上、事前申請がされて、出産直後に即時支払いの申請がなされたという事例を、バーチャルでございますが、仮想してみますと、そういう事態が生じたならば、保険者は即日、つまりその当日に出産育児一時金を支払わねばならないという法律的な義務を負うものと考えます。
 支払いが1日でも遅れますと、保険者は年5分の割合による遅延損害金、これは365日の日割り計算をするのが通常でございますが、その日割り計算をして、その遅延損害金を支払わねばならない。39万円なのか、42万円なのかという現行で考えますと、ぎりぎりの法律論として考えれば、1か月につき約1,600円から1,700円の遅延損害金を付加して、保険者は産婦に対して払わなければいけないのではないかということです。
 それから、仮にその辺について折り合いがつかずに、妊産婦から訴訟提起がなされたとしますと、究極、保険者は負けることになると思いますので、これが全部負担か一部負担かというのは裁判官の裁量によりますけれども、訴訟費用の負担を何らか付加しなければならなくなるおそれがあるのではないか。あくまでも仮想の事例でございます。
 イメージを持っていただくための仮想文例でございますが、6ページ、7ページ、8ページの3つの文例をつくってみました。これは、私、弁護士で実務家でございますので、いろいろな局面で、例えば内容証明郵便をつくったりするというのはルーチンの業務でございますので、それをちょっと簡略化してみました。
 6ページで仮想のモデル文例としまして、出産育児一時金の事前申請書。これは法律上の要件、先ほど申しました健康保険法施行規則の要件も兼ね備えていながら、かつできるだけ簡易にしたつもりでございます。仮想でございますので、平成22年9月8日付、今日付にしてあります。名前も入れた方がわかりやすいと思いましたので、私自身の名前を入れました。これ自体も仮想だということで御了解ください。
 私は、健康保険組合で東京都弁護士国民健康保険組合に加入しておりますので、私が仮に被保険者だといたします。出産育児一時金そのものではなくて、家族出産育児一時金という想定事例です。家族、被扶養者が出産する分娩施設を、仮にここで池下レディースチャイルドクリニックの池下久弥医師といたします。ここで家族出産育児一時金事前申請書を健康保険組合に提出したという仮想です。
 今日付で提出するとしましたら、被保険者である井上清成は、その被扶養者である井上○○子。被扶養者の生年月日を入れることが健康保険法施行規則で義務付けられておりますので、生年月日を入れる。現在、妊娠4か月以上。仮想ですので、何か月という正確なことは書いておりません。妊娠4か月以上であり、出産予定日が仮に2か月後、平成22年11月8日となっています。単胎という前提にします。
 ここで括弧書きで、これに相違ないことを医師池下久弥はここに証明する。通称でいえば妊娠証明になるでしょう。出産した場合には、通知をする翌日までに、家族出産育児一時金39万円を下記口座に送金してお支払いいただくよう、あらかじめ申請いたします。
 なお、このほかに同様の出産育児一時金・家族出産育児一時金の支給申請をしていないし、支給申請をするつもりもないことをここに証します。
 振込口座として、池下久弥医師の振込口座を記載しております。代理受け取り、振込指定、どちらの言葉でも結構でございますが、そういう位置付けにしております。
 7ページをごらんください。
 2か月たちまして、平成22年11月8日、無事出生したといたします。同じパターンで支給申請書を11月8日付で提出したといたします。ここの文例で、同じようなパターンです。生まれましたので、明日、11月9日にくださいと請求書を提出したといたします。
 念押しで後段になお書きがあります。なお、明日(11月9日)までに金39万円のお支払いなき場合は、11月10日から支払い済みまで年5分の割合による遅延損害金の請求を行うとともに、金39万円及び遅延損害金の支払いを求める訴訟を直ちに東京簡易裁判所に提起いたしますので、念のためここに申し添えます。
 こういう仮想をしたとしまして、いろいろなシステム上、慣行上の問題から支払いがなされなかった場合には、8ページにあるような訴訟が提出される。これを11月10日付で健康保険組合に対して提起するというモデルでつくってみました。
 これはあくまでも仮想でございます。現在におきまして、事前にお金を欲しいと言われてトラブルになっているという事例は、私は少なくとも聞いておりませんので、現行では問題が生じているわけではございませんが、今、制度を議論しているところでございますので、現行法に即して、こういう要望が妊産婦から出たらどういう事態になるであろうかということを、一応仮想のモデルとしてわかりやすくするためにつくってみました。
 以上、オリジナル文書でございますので、念のため。
 それから、もう一度1ページに戻っていただきます。
 (4)として、これは私が連載している書き物でございますので、引用させていただきました。なぜ即時支払い請求ができるのかということは仮想モデル文例にはございませんので、その根拠としての健康保険法101条と民法412条2項、3項を使ったことが論述されております。
 これにつきましては、細かくなっておりますので、9ページにございますので、後で御参照いただければありがたく存じます。
 それから、2ページ、2行目、これは私がたまたま目に付いたものでございますけれども、日本医事新報に直接支払い制度の廃止を求めて11月にも訴訟がという記事が載っておりますので、それを資料として添付させていただきました。この中に出ております田辺幸雄弁護士が訴訟を起こすときの代理人のように読めます。この田辺幸雄弁護士というのは、レセプトオンラインの請求義務化の撤廃訴訟におきまして弁護団の団長を務められた弁護士であります。
 その田辺弁護士から私あてに、11ページ以下でございますけれども、出産育児一時金直接支払い制度は法律的に問題があって、結論としましたら違法であるという法律的な見解につきまして、私、資料としていただきましたので、この11ページから22ページまでずっと続いております。直接支払い制度について田辺弁護士ら弁護士4名の見解が載っております。これも極めて技術的にわたりますので、この辺、後でごらんいただければと思っております。
 今のが田辺弁護士だったのですが、続きまして、もう一人、小嶋勇という弁護士が意見書を私あてに提出していただきました。23ページから26ページ、4ページにわたってです。やはり違法であるという結論のようでございますけれども、もらいましたので、これを資料として提出し、皆さんに後で御参照いただければと思っております。なお、この小嶋勇弁護士というのは、子どもの人権という部類に関しまして造詣が深い弁護士でございます。
 あと、レジュメの最初の方にもう一度戻っていただきたいと思います。2ページです。
 先ほど保険局の総務課長から御説明いただいたところですけれども、3.従来の出産育児一時金の支給方法へのコメントとございます。Aとして、保険者から妊産婦等へ直接支給する方法とあります。これについて、先ほど総務課長から御説明があったのですが、先ほどの図につきまして、私が調べたところですと、従来の普通の出産育児一時金の支払いについては、私の資料の27ページをごらんください。
 先ほどの総務課長のお話になったAの分類のモデルの図がございます。保険者から妊産婦等へ直接支給する方法。同じものに点々と手書きでマル5として、出産育児一時金を支給。被保険者が受取代理人に委任する場合という点々を、これは私の手書きですが、入れてあります。
 どうしてかといいますと、次のページ、28ページから29ページです。
 ちょっと古い本ですが、厚生省の時代なのですけれども、「健康保険法の解釈と運用」という、当時の厚生省の保険局保険課長名などの健康保険法の解説本です。
 その本に載っていた、29ページ、ちょっと小さいコピーになっておりますが、これが通常の書式だと思うのですけれども、その一番下に受取代理人の欄がもともと存在しております。星印を私が括弧をして付けておきました。
 給付金の受領を他人に委任するときは、受取代理人の欄に書き入れて、その他人が受取代理ができるとなっておりましたので、先ほど保険局からの御説明がありましたけれども、もともとの出産育児一時金の支給申請書の一般的な書式、ないしは通常の書式といってもよろしいのでしょうか、もともと受取代理を認めている。先ほどのBの受取代理制度に限らず、通常の支給申請でも受取代理をもともと認めているというのが、現行の取り扱いだったように思いましたので、この辺は質問も兼ねて、後でもしお聞かせいただけるのでしたら、保険局にお聞かせいただければと思います。
 2ページにもう一度戻ってください。最後の4ですけれども、これはたまたま目に付いたものですが、毎日新聞の投稿欄に匿名でしたが、健康保険組合の職員で、「出産一時金の直接払いは見直せ」という表題の投稿がありましたので、ここで資料として提出させていただきます。
 私流にまとめましたけれども、健康保険組合は事実上無審査での支給を強いられ、国保連などに手数料を徴収され、過誤調整では煩雑な手続を強いられるので、直接支払い制度の見直しを求める。受取代理制度は、被保険者、医療機関、健保組合の三者にとって不利益がないので、これを実施すべきであるという御意見が投稿として載っていました。
 健康保険組合の職員の方がどのように感じられているのかというのは、私の余りよくわからないところですが、そのようなものなのかどうかということも疑義を持ちましたので、提出させていただきました。
 そうしましたところ、前回、7月14日のこちらの審議会で、健康保険組合連合会の白川委員から提出いただいた資料がございます。それを見直しましたら、それと絡めて気が付きました。この白川委員から前回提出いただいた資料を見ましたら、直接支払い制度の継続の支持が633団体であったのですけれども、その他の意見が788団体ありました。単純計算なのですけれども、直接支払い制度の継続に賛成でない組合の方が多数を占めているようにも読めました。
 ちょっと仔細はわからないので、これはもし教えていただければということですが、どちらが過半数になるのか。「その他(新たな制度の御提案など)」の数がかなりあるようでしたので、その具体的内容がどのような分布状況であったのかというのもお聞かせいただければと思いました。
 今、申し上げたところは、私の提出資料の30ページと31ページ、最後の2ページにございますので、白川委員の資料は勝手に参照のためにコピーさせていただきましたので、御了承ください。
 以上でございます。私、弁護士でございますので。
○糠谷部会長 たくさん御発言の方がございますので、なるべく簡略に。
○井上委員 最後にまとめだけです。
 前回審議会に私、参加させていただきまして、審議会ですから、当然、政策的な当否を問うのは必要だと思います。いろいろ議論が必要かと思いますが、私が見る限り、どうも法律問題について、甚だグレイか黒いのか、かなり疑義があるのではないかと思います。
 その点について、もう少しクリアーにする議論、ないしはその作業というものを先行させないと、政策的な当否をせっかく問うていろいろな議論をしても、無意味になって、後でどんでん返しになりかねないと思いますので、法律問題について議論が必要ではないかと私としては考えておる次第です。
 ただ、私の今の個人的な見解では、やはり違法性が払拭できないと考えますので、直接支払い制度の継続というのは、やはり難しいのではないかというのが現段階での私の意見でございます。
 長くなりまして、申しわけございませんでした。ありがとうございました。
○糠谷部会長 それでは、海野委員、お願いいたします。今日は議題がたくさんございまして、今のところが、私が事務局からいただいている資料だと15時55分までに終わるようにとなっていまして、あと海野委員、毛利委員、高原委員とおられまして、勿論時間は多少融通を効かせますけれども、そういう状況だということを踏まえて御発言いただければと思います。
○海野委員 ありがとうございます。日本産科婦人科学会から出ております海野でございます。
 私の資料は、そういうこともあろうかと思いまして、準備いたしました。前回から約2か月たっておりまして、議論の内容を整理するのに時間がかかっても何かと思いまして、前回の各委員の先生方の御発言を、ちょっと恣意的と思われるかもしれませんけれども、まとめさせていただいております。
 それで、資料の2ページ目、下段をごらんいただきたいのですが、全体をまとめますと、23年度以降の新制度について、前回の会議におきましては大きく4つの意見があったと私は認識しております。
 1つは、現行制度を継続してほしい。もう一つは、現行制度を基本的には継続するのだけれども、どうしても対応できない部分については修正を加える。もう一つ、従来の被保険者の請求による償還払いに戻るべきだという意見がございました。それから、今、井上先生からもお話ございました、事前直接申請、振込指定による直後振り込みという4つでございます。
 それで、いろいろ御発言ありましたけれども、論点を整理いたしますと、保険者の方々も含めて、現行制度を続けたい。ただ、途中で制度変更がたくさんあって非常に煩雑になっていて、それが負担になっているという問題があるということでございます。医療側の方は基本的に一致しているわけですけれども、分娩施設の負担、経済的負担、事務負担、両方ございますけれども、これは過剰であり、継続は望まない。新しい制度に関しては、保険者と被保険者で完結する制度でお願いしたいということでございます。
 ただ、私、前回の会議の議事録も確認しておりまして、非常に感じましたのは、保険者、医療側からはいろいろな意見が出ているのですけれども、本来、この制度は被保険者の経済的負担の軽減を図るための制度でございますので、それに関して被保険者が受け取るわけですので、その受け取られる方々が一体どういう制度を望んでおられるのかという意見が非常に少ない。このままで決めるのは、何のために会議をやっているかわからないことになるかと思いますので、その辺を是非御検討いただきたいと思います。
 その中で、前回の会議では、阿真専門委員の方から、長い目で見てだれも困らないものをきちんと十分話し合ってつくっていかなければいけないという御発言があったかと思います。
 そういうことを踏まえまして、今日以降の会議につきましては、まず第1に、3ページ目の一番下ですけれども、この制度を検討する際にどこを基本的コンセンサスとするのかということをされないと、経済的な利害等で物事がずっと話が進んでしまう、時間が費やされてしまうことになることを危惧いたしております。
 私は、これはだれでもいいと言うのではないかという5項目を書いてみたのです。勿論、これは制度そのものの趣旨ですから、分娩に係る経済的負担の軽減に資する。それから、地域分娩環境の確保によい影響を与える。分娩に係る安全と安心の確保によい影響を与える。安心して生み育てることのできる地域社会を構築し、子育て世代を支える。そして、政策全体との整合性を図り、少子化対策に資する。これは、ほかにもいっぱい出てくるかもしれませんが、そういうことに基づいて議論を進めていただきたいと考えております。
 あと、今後の議論に関して4つ案が大ざっぱに出ているわけですけれども、その中で、現行制度をもし続ける場合には、何らかの修正なりが必要になりますけれども、それが一体どこまで可能なのかということに関して、今日、支払いの早期化等についての御説明が若干ございましたけれども、余り示されていないということで、こういうことはあらかじめ事務局の方から御提示いただいた上で議論した方がよろしいのではないかということについて、最後にまとめさせていただいております。
 先ほど井上先生からお話があった法的問題について。それから、支払いの迅速化は一体どこまで可能なのか。事後申請でどこまで、事前申請ならどこまでかということです。それから、困窮施設に更なる支援は可能なのかどうか。事務負担の軽減はできるのだろうかということ等について、是非具体的なお答えをいただいた上で議論を進めていただく。それで、最終的には被保険者の立場の方々、実際にこの制度の支援を受けられる立場の方々の御意見を中心に制度設計をしていただきたいというのが、私の考えでございます。
 以上でございます。
○糠谷部会長 ありがとうございました。
 では、毛利委員、お願いします。
○毛利委員 お手元の資料3をごらんください。日本助産師会の毛利と申します。
 前回の審議会を受けまして、審議会で出た意見や提案を持ち帰りまして、全国の助産所会長会議を開き、更にもう一度全国におろしまして意見を収集いたしました。その結果、資料にあります、女性が選択できる出産育児一時金制度として、次のことが考慮された制度としてほしいという案にまとめました。
 まず、出産育児一時金の請求と支給は、被保険者と保険者間での完結を原則としてほしい。
 2番目、出産育児一時金は、被保険者が妊娠中期以降、早目に事前申請すれば、出産事実の通知後早期に受領することができること。
 3番目、被保険者が振込指定制度を希望した場合は、出産育児一時金の一部または全部を分娩施設等へ支払いに充てることができること。以前の制度であった出産育児一時金を事前申請による受取代理人制度に事前申請時期を早め、出産通知後、早期の入金システムに変更していただきたい。
 4番目、事前申請や出産事実通知の事務手続は簡素化されること。以前の受取代理人制度は、よかったという意見もありました。ただ、転院や搬送などがあった場合に、その手続が簡素化されるということも付け加えておきます。
 5番目、出産育児一時金は、産後の育児不安、産後の1か月健康診査、母乳育児支援、育児支援、産後うつの支援など、女性が多様に使える補助券の発行など、出産だけではなく、育児一時金の確保も考えていただきたいということです。これは、産後うつを考える女性やその夫が参加する会に参加したときに、かなり意見が出ておりました。産後に使えるものがない、全くないという表現でした。
 更に、社会保障の視点から、より充実した制度となるための要望事項といたしまして、保険料未払い者であっても、その保険料が事前に差し引かれることなく満額支給され、無保険者など受給資格のない女性への配慮もしていただきたい。
 児童福祉法第22条における入院助産制度でも、各市町村でかなりの格差がありますので、出産育児一時金と同額が支給されることを要望いたします。
 以上です。
○糠谷部会長 ありがとうございました。
 それでは、高原委員、お願いいたします。
○高原委員 諫早医師会の高原でございます。前回の会議のときに諫早医師会としてのお話をいたしましたけれども、今度は長崎県全体の話を持ってまいりました。そこにわざわざ実名で出しております宝クリニック、森崎正幸は、長崎県医師会の常任理事でございます。その先生から資料を送ってきました。2ページ目、3ページ目がそうでございます。各病院の名前は一応黒塗りでつぶしてございますけれども、何とか病院産婦人科というのが総合病院、そのほかクリニックあるいは医院というのがいわゆる開業医でございます。
 これは制度開始前のアンケートでございますけれども、一番最初に森崎先生が、今でもこれと変わらないと書いてございます。これで見ますと、一般開業医は、現行制度よりも以前の制度に戻して欲しい。そして、新しい制度で非常に賛成であるというのは、大きな病院の先生方でございました。個人開業医の方では、今までどおりのもとの制度に戻してほしいということは、諫早市だけではなくて、長崎県全体の産婦人科の意見のようです。
 なお、一番危惧しておられることは、この出産というのが現物給付になるのではないか。現物給付になりますと、出産が疾病であるのか、それとも自由診療であるのか保険診療であるのかにかかってくると思います。そこの区分けがないまま、支払い制度だけ保険に沿った支払い方法となるのはおかしいのではないか。そこのところを開業医の先生方は非常に危惧しています。
 以上でございます。
○糠谷部会長 ありがとうございました。
 それでは、事務局の方から特に井上委員の方からは法律論について、詳細な意見があったのでございますけれども、法律論争になるのはいかがかと思いますけれども、事務局、法律を所管するところとしてコメント、こういうことがあるよということがございましたら言っていただければと思います。
○吉田保険課長 保険課長でございます。健康保険法の御指摘でございますので、私の方からコメントをということでございます。非常に大部の御指摘でございますし、今、部会長の方からも、この場でこれを詰めるということではないという御趣旨の御発言もいただきましたので、粗々のコメントであることをまずお許しいただきたいと思います。
 いただいた御指摘、これからもよく拳々服膺させていただきたいと思いますが、粗々の受け止めで、敢えて申し上げれば、2点ほどのポイントで御指摘いただいているのかなと。
 1つは、健康保険法上、この出産育児一時金の支払い時期、法律用語で言う履行義務期について、法律の規定がないから、一般原則、ここでは民法412条を御指摘いただいているかと思いますけれども、などを根拠に即時履行を求められている。そこが基本であって、そこから今の仕組みというのは違法ではないかという趣旨の御意見。
 2つ目は、特に健康保険法施行規則86条なども御紹介いただきながら、全体を通じて通知により、この仕組みを医療機関あるいは関係者の方々に負担を強いていること自身が問題ではないかという御指摘であろうかと、私、今のところは受けとめさせていただきました。
 1点目につきましては、確かに健康保険法には出産育児一時金の履行義務期について、具体的な規定はございませんけれども、社会保険全体のシステム、法律関係を眺めさせていただいた中で、給付の請求がなされた後、当然保険者の立場においては要件に該当するかどうか、確認といいましょうか、一定の手続を踏んではじめて支給に至る、履行義務が生じると考えられるのではないか。これは、全体の健康健康法の規定あるいは過去の判例なども参考にさせていただきながら、そのように考え得るのではないかと考えているというのが1点目でございます。
 2点目、通知であるということでの御指摘だと思いますけれども、御案内のように、この仕組み、本人あるいは医療機関の方に、一定の意に反しての直接支払い制度への強制をさせていただいているとはなっていないと思います。医療機関と本人との合意、あるいはそういうものを前提に物事を動かしている中での話という意味で、私ども、この2点をもって違法である、議論の前提としての違法性があるという認識には立ってございません。
 通知という形式もそうでございますけれども、関係者の方々がなるべく妊産婦の方々の利便性を図って、できるだけ早くに対応しなければいけないという問題意識の中で、いろいろな形での御議論を通じて、関係者の方々の議論の到達点として、今の仕組みを通知という形で、関係者の方々の御協力を求めるべく動かしているという認識でございます。
 その中で、また今後、次の制度についてはそういった観点から御議論いただき、また今の仕組みも含めてかもしれませんが、直すべきところがあれば、私どもとしても十分受けとめさせていただきたいというスタンスであると思っております。非常に雑駁ではございますが、コメントさせていただきました。
○糠谷部会長 ありがとうございました。ただいま御説明いただきました議論、法律論、これは大変専門的な話でございます。この医療保険部会は、法律論も勿論大事でございますけれども、法律論を中心に議論するというよりは、妊婦、保険者、医療機関といった関係者が、それぞれの立場から出産育児一時金のあるべき姿を議論いただくという場だと思います。委員の皆様方には、そのような観点から引き続き議論いただければと思います。
 この議論、事務局からいただきました進行表だと、もう次の議題に移る時間になっているのですけれども、大事なところでございますから、特にこの際、出産育児一時金のあり方、あるべき姿について御意見ございましたらば、限られた時間でございますけれども、少し延ばしてやりたいと思いますので、御発言いただければと思います。どうぞ。
○神野委員 専門委員の神野でございます。
 まず、診療報酬の早期化ということで、四病院団体協議会の方から、このたび要望書を出させていただきました。というのは、今年7月をもちまして、医科に関しては原則レセプトオンライン化義務化ということを受けてということでございます。保険者の方は審査手数料が安くなる。それから、支払い機関は事務手数の効率化というのが図られておりますので、これは我々医療機関側にも是非その恩恵をシェアしていただきたいということで、今回のお話は是非とも進めていただきたいと思います。
 それから、出産一時金の話でございますけれども、今日、海野委員の方から、被保険者の意見が重要視されるべきであるというのは全く同感でございます。特に出産に関しましては、それぞれの価値観とか文化というものが絡まってきている。ゴージャスな出産を望む方、それから出産したいけれども、産むことができない方がいらっしゃいます。恐らくこの一時金というのは、セーフティーネットとしての後者の方の方々に対して、どう手を差し伸べるかということになると思いますので、その辺の被保険者の方の意見は是非入れていただきたいと思います。
 病院にとりましては、前回お話いたしましたように、出産数の86%が既にこの制度に乗っているということでございますので、100%は求める必要は全くないと思います。できるところ、できないところ、それぞれに選べる制度がこの23年以降も続けられることを望みたいと思います。
 以上です。
○糠谷部会長 では、白川委員。
○白川委員 井上委員から質問をいただいたものですから、それも含めて2〜3、意見を述べさせていただきます。
 最初に、井上委員の資料の31ページに、私どもが前回提出した資料の一部が掲載されております。その他の126という内訳はどうかという御質問だと思います。御質問にお答えする前に、この調査がどういう経緯で、どういう形になっているのかというのを概略説明させていただいた方がいいと思いますので、簡略に御説明いたします。
 直接支払制度が昨年10月に導入されました。その前までは、受取代理の仕組みとか被保険者に直接払う仕組みとか、いろいろな形でやっておりました。したがいまして、直接支払制度導入に当たって、健保組合は1,500弱ございますけれども、相当な抵抗があったのですけれども、この制度をやるからには、全保険者が加入すべきだということで皆さん方を説得して、全健保組合が直接支払制度に乗った。国保も日本で1,700〜1,800あると思いますけれども、多分同じような御苦労をされて全部乗ったということだと思います。
 ところが、今度、2回払いにしたいという提案が今年になって起こりまして、その段階で意向調査をやった結果がこれでございます。したがいまして、かなりバイアスがかかっているといいますか、かなり苦労して直接支払制度のシステムを構築したのに、また2回払いに変更するのかという不満がかなり出ておりまして、それがこの結果に出ている。
 海野委員のところにもパーセンテージが書いてありましたけれども、受取代理制度とか、直接、被保険者に支給する形を希望するというのは、こんなに直接支払制度を変える、あるいは2回払いにするということであれば、もとに戻した方がましだという意見だと御理解いただきたいと思います。
 それから、御質問のその他につきましては、内訳を調べてまいりましたけれども、126のうち、現物給付化という、要するに診療報酬に乗せろという意見が51で、3分の1強でございます。あとは、直接支払制度の見直しが23、受取代理の見直しが16、具体的な提案がないというのが24、そんな中身でございます。
 いずれにしましても、2回払いが提案されましてから紆余曲折を経て、勿論反対している健保組合もかなりあったのですけれども、それも全部説得いたしまして、今年7月からは全健保組合が直接支払い、2回払いという制度に乗ったということでございます。
 それに関連して、この制度についての私どもの考え方は前回申し上げたとおりでございまして、定着している制度ですので、是非とも続けていただきたい。これ以上の混乱といいますか、保険者側はさまざまなシステム改修、事務手続の変更等が必要になりますので、変更しないでいただきたい。ただ、どうしても無理だとおっしゃる医療機関も若干あるようですから、それは別の手だてを考える形の方が自然ではないかなと考えております。
 もう一点、これ以外の診療報酬の早期支払いについて検討という御紹介もありましたし、今、委員からは是非やってほしいという御意見が出ましたけれども、総務課長が説明した中にもありますとおり、資金の問題で、大規模健保ですと一月の支払いが数十億円という健保組合もございますので、たかが6日といいますが、されど6日という話でございます。したがいまして、直ちに反対とか賛成という話ではなくて、我々も実態をよく調査したいと思っておりますので、是非慎重に御検討いただきたいということだけ申したいと思います。
 以上でございます。
○糠谷部会長 鈴木委員。
○鈴木委員 日本医師会としましても、前回と同様に、出産育児一時金につきましては、学会等の御意見を伺いながら、いかにすれば安心して出産できるか、国民のためによりよい制度となるよう対応すべきと考えておりますが、同時に現行の制度におきましても、現場の先生方からは、支払いの遅れ、あるいは専用の請求書が必要だという事務手続の煩雑さといった問題点が出ておりますので、こういった点についての改善も図っていただきたいと思います。
 支払いについては、一定の改善が行われたということでありますが、事務手続についても小規模の医療機関では非常に負担となっているということでございますので、それも同時に解決していただければと思います。
 以上でございます。
○糠谷部会長 ほかにございますか。それでは。
○柴田委員 井上先生のお話を伺っていて、ちょっと頭の整理ができなかったので御教示いただきたいと思うのですけれども、現行の法令を前提にして違反だというお話を伺いました。仕組みですから、法令を離れていろいろ考えられますよね。考えられた仕組みを支えるために法律を直すという手もあるのではないかと思うのですけれども、そういうことをしても今の直接払いがおかしいというお考えなのかということをお伺いしたいと思います。
○糠谷部会長 では、簡略にお願いします。
○井上委員 今の御質問、私の考えですと、まず現行の法令下における直接支払い制度をただ継続するにおいては、現行は通知のみによる運用なのですが、ここに問題が多く、私、端的に申し上げれば違法だと思っております。ただ、現実に被害を受けたという人がまだ声を上げていない以上、その点で現行が続いていると思っております。
 あと、法律の仕組みを変更する。つまり、法律改正を行うということは当然あり得るお話だと思っております。ただ、法律の改正をする際に十分にチェックしていただきたいのは、今なぜ法律の改正をしなければいけないかということの2面。つまり、直接支払い制度を現行で運用しているのが、現行でどういう意味で法律違反であるか。それをきちんと詰めて、そしてその違反部分をまず改正するということをちゃんと押さえた上での改正の議論。
 もう一点は、現在の国民皆保険制を法律改正することによって、更に疲弊させはしないかということの点。法律的に言いましたら、健康保険法で療養の給付というのは、御存じのとおり疾病障害に限定しております。ところが、新たなものを何か加えていく改正をしますと、範囲が更に一層肥大化いたします。
 それから、肥大化しただけではなくて、他とのバランスがあります。ほかの問題も、同様にそれだったら整合性をとるために取り込むべきではないかという議論が当然出ます。かなり大上段な、幅の広い議論が出る可能性があります。もし議論される際には、その辺を見据えた上での議論を十分にしないといけないかなと思います。
 ただ、今、目の前の直接支払い制度のお話でございますので、私、現行法で運用されていること自体が、場合によれば潜在的であります。顕在化していませんが、潜在的には刻一刻、違法の状態を続けているのではないかということで、早期に現行法に沿っての見直しをすべきではないか。こういうことですが、今、委員の言われたような非常に大きな規模でのお話というのは、当然議論すべきことだし、ただ、そのベースのところをよく考えながらと思っております。
○糠谷部会長 時間が大変迫っておりますので、簡略にお願いいたします。岩村委員。
○岩村委員 現行の通達に基づいて行われている直接払い制度が、現行法に違反しているという前提でこの部会で議論されると非常に困るので、その点だけは申しておきたいと思います。井上委員が先ほど来非常に丁寧に御説明いただきましたけれども、私の理解するところでは、井上委員の前提とされているお考えというのは、少なくとも健康保険法を含む社会保険に関する通説、それから判例というものとは全く違う考え方であります。
 したがって、例えば出産育児一時金の履行期がいつになるか、これは利息をいつ払うかという極めて専門的な話でありますけれども、これは出産という事実があると、それによって直ちに利息を払わなければいけないという仕組みには、現行法はなっていないというのが現在の通説と裁判所の考え方であると言ってよろしいと思います。
 ですので、井上委員には大変申しわけないのですが、ここで議論する際に、出産育児一時金の直接払いが現行法に違反しているという前提での議論ということはしないでいただきたいと思います。この場においては、そのように考えていただきたいと思います。
 勿論、それとは違う、通説や判例とは違う解釈を主張するということはあり得ますし、そうした解釈を主張されること自体は自由ですけれども、繰り返しになりますが、少なくとも現在の通説と判例による限り、井上委員の議論というのは申しわけありませんけれども、成り立たないということだけ、結論だけで申しわけありませんが、述べさせていただきたいと思います。
○井上委員 済みません。
○糠谷部会長 やめてください、もう結構です。時間が限られておりますので。
○井上委員 一言だけ。別に今ここで議論するわけではありませんので、言われたことに対して、今後どうするかの一言だけ申し上げさせてください。
○糠谷部会長 一言です。
○井上委員 はい、一言で。今、通説、判例に反するということをずばり言われましたけれども、私自身はそのように思っておりません。
○糠谷部会長 もうそれでわかりました。結構です。やめてください。
○井上委員 なので、法律的な議論については、専門の法律家の間でも、別途十分に議論するように、運用について、こちらの審議会そのものか、別途かについては、意見交換はしたいなと思っております。
○岩村委員 済みません。
○糠谷部会長 論争はまたやりますから。
○岩村委員 論争ではないです。進め方についてですが、法律の細かい議論をこの場でやっても仕方ないので、政策の問題をどうするかということに焦点を絞って議論していただきたい。
 それから、この場とは別に法律論争をやっても、これも余り意味がないのでということを議事進行上、座長、よろしくお願いしたいと思います。
○糠谷部会長 それでは、まだ御発言していない方で御発言を1〜2やって、ほかの議題が今日はまだございますので。
 それでは、どうぞ。
○逢見委員 逢見です。
 海野委員から示されたペーパーの中で、第一義的に被保険者の意見が重要視されるべきであるという点については、私も同感です。その上で、その前にこれまでの意見のまとめをされていますが、連合が現行制度を基本的に継続して、改善すべき点は改善するという、2ページの一番下から3行目にあるところがちょっと誤解を生むのかなと思います。
 前回、小島代理も申し上げたと思いますが、私どもは、妊娠出産は正常分娩から異常分娩にいつ変わるかわからないという非常にリスクの高いものでございますので、基本的には現物給付で行くべきだ。ただ、現物給付の検討をするまでに少し時間がかかるから、その間は直接支払い制度を継続することを支持するということであります。直接払いは、妊産婦の負担軽減という意味で効果があると思っておりますので、それについては今のような考え方で対応すべきだと思います。
 それから、診療報酬の支払い早期化についての要望がございましたけれども、レセプト電算化の果実については、第一義的には審査精度の向上に使うべきだと思っています。その上で、支払い早期化についても、可能であれば果実の配分として検討すべきだと思いますが、そのことによって審査の精度の向上にマイナスになるということであれば、その点については優先順位を間違えないようにすべきだと思います。
○糠谷部会長 それでは、まだ議題がたくさんございまして、時間が余りましたらば戻りますので。
○鈴木委員 いいですか。
○糠谷部会長 一言で。
○鈴木委員 診療報酬の支払い早期化ですけれども、これも病院団体からありましたように、いつも月末になるので、短期間の借り入れをしないと給料が払えないという中小病院もたくさんございますので、是非それは実現していただきたいと思います。
 それから、議論を余り抑制しない方が私はいいと思います。中医協などは倍ぐらいになるのが当たり前ですから、せっかくこれだけの方が集まってお話しされるので、是非余り時間、時間とおっしゃらない方がよろしいと私は思います。
○糠谷部会長 専門委員の方で御発言があるようです。専門委員の方はここで言っていただかないとあれですので、どうぞ、阿真委員。
○阿真委員 私からは3点お話したいと思います。
 まず1つは、これだけ大きな問題で、かなり難しい問題だと思っているのですけれども、与えられた時間がそもそも50分だか55分というのは、通常の検討会でも2時間あって、1時間は提出資料の説明とか議論、その後の1時間で議論に入るわけです。最初の提出資料だけで終わってしまう。毎回1時間ですと、資料が提出されて、双方が意見を言い合うだけで終わってしまうことになると思うので、言いっ放しということになってしまうと思うので、もう少し時間が欲しいということが、ちょっと別の話ですけれども、1点。
 あとの2つは、始めたから変えられないというのは、長い目で見てちょっと違っているのではないかと思います。この制度がいいと思って、いろいろな方がすごく考えてくださってやってくださったというのもよくわかっています。やってみたけれども、混乱がこれだけあった、実際に困ったことがこれだけ起きているということは、ならば大きく変えるということも必要なのではないかと思います。
 そして、3点目ですけれども、いろいろそれぞれの要望が、一般の普通の母親ですけれども、私から見ると、あれもこれもと主張しているように見えます。前回もこのことは言ったのですけれども、これだけは絶対に譲れないのだ、これだけはどうかかなえてほしいということを双方が主張していただいて、これだけは譲れないという妥協案を出していただいて、そこで議論したいと思います。
 あれもこれもというものでは、とても折り合いは付かないですし、議論にはならないと思うので、もうここまでそれぞれの団体や病院が、ここまでは頑張ると。私たち一般も勿論、ここまではというものを持っていかなくてはいけないと思いますけれども、聞いていてすごく残念というか、悲しいというか、やり切れないという思いをこの部会では感じています。
 何とかみんながいいものを、今いいかどうかではなくて、将来的にこれが本当にいいものだと言えるものをみんなでつくっていくのだという部会でありたいと思います。
 以上です。
○糠谷部会長 それでは、この議題につきましては、また今日の議論も踏まえまして、次回以降にも引き続き議論をしたいと思っておりますので、本日はこれまでとさせていただきたいと思います。専門委員の皆様方におかれましては、本日は時間が限られていて大変申しわけないのですけれども、ありがとうございました。次回以降も、この議題を議論する際には御参画いただきたいと思います。日程は、追って事務局から連絡いたします。
 次の議題に移りますので、専門委員の方々、本日は御退席いただいて結構でございます。
 次に、「高額療養費制度について」を議論いたします。
 事務局より資料の説明をお願いいたします。
○吉田保険課長 改めまして保険課長でございます。
 この議題については、資料3点と、それぞれ委員の皆様の机の上にDVDが置かれているかと思いますが、これは大谷委員から提出いただいたものと承知しておりまして、この4点が関係資料でございます。
 資料としては、横紙、3−1「高額療養費制度について」、3−2「難治性疾患対策について」、縦紙でございますが、参考資料3「高額療養費制度について」という3点で、まず御説明いたします。
 参考資料3、縦紙の方でございますが、これについては、前回の御議論を踏まえて2つの要素についてまとめさせていただいております。
 1つは、前回の会議において、高額療養費について、健康保険あるいは国民健康保険の中で保険者間の共同事業もあるのではないかという御指摘がございましたので、これに関する事実関係の資料でございます。
 2つ目に、高額療養費制度については、制度をもっと知っていただく、あるいは制度のPRにもっと努力すべきという御指摘がございましたので、前回のこの会議を踏まえて私どもとして取組ませていただいたものを紹介しておりますので、後ほど御参照いただければと思います。
 それでは、私の方から3−1「高額療養費制度について」という資料について御説明を簡単にいたします。
 2ページ目をごらんいただきますと、前回7月14日の際に、この話題で問題提起といいましょうか、紹介させていただきました高額療養費制度について、これまで各方面からいただいております論点を御紹介いたしました。その紹介いたしました論点をそのまま2ページ目に再掲してございます。
 これを御報告申し上げたときに、具体的に試算、財政的にどれぐらいのインパクトがあるのかという御指摘がございましたので、前回御指摘を踏まえて、戻っていただいて1ページ目でございます。
 各委員からの御指摘を踏まえまして、機械的な試算を試みてみました。具体的には参考の下に図がございますが、現在70歳未満の自己負担限度額については、3つのカテゴリーになっております。その一般所得者のおおむね下3分の1になろうかと思いますが、具体的には一定の所得水準、要は300万円ぐらいで線を引いて、そこの自己負担限度額も−仮置きではございますが−現在一般の方の多数該当になっております4万4,000円に引き下げた場合に、全体としてどれぐらいの財政影響があるかという試算でございます。
 結論、1ページの真ん中の箱の下にございますように、給付費ベースで全体で2,600億円の給付改善といいましょうか、患者の御負担が給付費に置きかわる。これは財源の内訳で申し上げれば、保険料負担が1,700億円、公費が約900億円のオーダーであるということを示させていただきました。
 一番上の点線の箱の2つ目の丸にございますように、今回このような極めて粗い、一つの目安としての試算をさせていただくに当たりましては、前回のこの会議において「給付改善をする場合に必要な財源をどう負担するのか」、あるいは「高額療養費制度というのは所得再分配効果があるがそこをどう考えるか」という御指摘もあわせていただいておるところではございますが、今回この2,600億円という数字を試算するに当たりましては、この辺りの要素は考慮してございません。議論のたたき台、出発点と受けとめていただければと思います。
 私からは以上でございます。
○糠谷部会長 では、続いて。
○難波疾病対策課長 それでは、疾病対策課長でございますけれども、資料3−2「難治性疾患対策について」簡単に御説明させていただきます。
 難病対策の背景を簡単に触れさせていただきますけれども、昭和33年にスモンという病気について、当時は原因不明で治療法が未確立で、疾患に対する社会的な不安もあったということで、その救済という点から歴史が始まっております。
 昭和45年には、原因不明で、かつ社会的にその対策を必要とする特定疾患については、全額公費負担とすべきであるという社会保険審議会の答申を当時いただいております。
 そういった流れの中で、昭和46年にスモン調査研究協議会が、スモン入院患者に対して月額1万円を治療研究費より支出することが始まっております。
 更に、昭和47年には国会で集中審議がなされ、47年に当時の厚生省の難病対策要綱ができ上がっております。
 昭和47年にでき上がった難病対策要綱というものは、まず疾病の範囲は、原因不明で治療法未確立であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病、経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病ということを疾病の範囲といたしまして、研究、医療施設の整備、医療費の自己負担の解消がなされてきております。
 当初、昭和47年のスタート時には、8疾患が研究対象、更にそのうち4疾患については医療費助成の対象という制度で始まっております。
 4ページが現在の特定疾患治療研究事業の概要になっておりますけれども、これにつきましては、実施主体は都道府県となっております。事業の内容につきまして、治療費の自己負担の全部または一部に相当する額を予算の範囲内で2分の1を国が補助しております。
 患者の自己負担といいますのは、所得と治療状況に応じて一部自己負担を導入しておりまして、5ページにお示ししておりますように自己負担限度額がAからGの階層に分かれておりまして、入院・外来、それぞれ自己負担が導入されております。すなわち、公費の負担というものは、特定疾患治療研究事業は、高額療養費の自己負担限度額から、更にもう一段軽減するための助成事業として取組んできているものでございます。
 4ページの5番になりますけれども、現在は研究対象が130疾患ありますけれども、そのうち56疾患が医療費助成の対象となっております。受給者証交付数、患者の数になりますが、約65万人。国の予算額としましては、275億円が今年度予算となっております。
 7ページをごらんください。
 現在、56疾患が医療費の助成対象となっておりますけれども、医療費の助成の対象に追加してほしいという要望がほかの疾患の方々からもたくさん寄せられているということで、その要望の一覧になっております。
 8ページが、現在の難病対策に関する課題をまとめておりますけれども、この難治性疾患対策といいますのは、特定疾患治療研究事業の対象疾患、すなわち56疾患のみがその対象であって、それ以外に多くの難病というものがあるわけですが、高額療養費制度以外の医療費軽減の仕組みがないといった点が1つ課題となっております。
 また、多くの要望をいただいているだけではなくて、都道府県が超過負担しているわけですけれども、安定的な財源の確保ができる制度の構築が現在求められております。
 また、3番目の課題としましては、先ほど歴史で御説明しましたように、研究事業ということで現在も行っているわけですけれども、公費で医療費助成を行うという福祉的な側面を有しているということが、この制度の特徴になっております。こういったことが検討が必要で、あわせて保険制度等との関連も検討する必要があるということが課題として上がってきております。
 また、難病対策委員会でも、この難病制度について御議論いただいておりますけれども、やはり研究的側面と福祉的側面というのは、歴史的に見て重要な役割を果たしてきた制度であるし、班研究によって、難病対策というのは世界に誇るべき対策であるということも御指摘いただいております。
 けれども、この特定疾患治療研究事業以外の方々のほかの疾患の方々については、非常に大きな医療負担となっているということが指摘されているということと、研究的な側面と福祉的な側面については、これからは分けて議論すべきではないかという御指摘をいただいているのが、現状の課題となっております。
 私からは以上でございます。
○糠谷部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま説明がございました2つ、高額療養費制度について、難治性疾患対策について、2つ合わせまして御質問、御意見ございましたらばお願いいたします。どなたからでも。はい。
○猪塚参考人 ありがとうございます。私は、高知市長の代理で出席しております、全国市長会で社会保障を担当する者でございます。委員である岡崎高知市長から発言を預かってまいりましたので、御披露いたします。
 低所得者が多い国保被保険者の現状にかんがみ、自己負担限度額のあり方について検討することは、国民が安心して医療を受けられる環境づくりの視点からも重要と考えております。また、国保被保険者については、所得ゼロという階層が約3割を占め、平均年収は170万円程度であり、国保加入者の負担も限界に来ているという現状がございます。
 更に、国保制度には、収入が安定していない世帯も多いということなどから、高額療養費を含めた自己負担のあり方について、是非具体的に検討を深めていただきたいといった意見でございます。
 以上です。
○糠谷部会長 ありがとうございました。
 ほかに。どうぞ。
○柴田委員 今日試算結果を出していただいています。例えば前回の議論でも、それぞれ制度ごとにどうなるのかなというのがみんなの関心だったと思います。今日、それが出ていないということは、そこまで計算できないということなのでしょうか。もしできているのであれば、例えば国保制度あるいは健保制度でどうなのだということをお示しいただきたいと思います。
 それから、中身の話として、この給付費ベースというのは、後期高齢者医療は入っていないのかというのは教えてください。
 それから、今、後期高齢者の議論の中で、また前回、この場でも出ましたけれども、所得の再分配という観点からいいますと、国保の場合には上位の所得者が少ないわけですから、どれだけ影響があるかということもあると思いますけれども、上位所得者の負担をもう少し変える、もっと負担してもらうとした場合に、どういう影響額になるのかというのも、次回辺りに示していただくと、我々としても物を考えるときに考えやすいと思います。よろしくお願いします。
○糠谷部会長 今、答えられる部分だけお願いいたします。
○吉田保険課長 保険課長です。3点ございました。3点目は宿題と預からせていただきたいと思います。
 まず、2つ目の方でございますが、先ほど御説明いたしました資料3−1の1ページ目をごらんいただきますと、今回の試算は一般の下3分の1を軽減するということでございますけれども、制度全体のバランスあるいは均衡ということを考えまして、先ほど申しました2,600億円という全体の給付費ベースへの影響は、下の米印でございますが「70歳以上の一般所得」、つまり70〜74歳の間も、75歳以上の後期高齢者制度も、いわゆる70歳以上の部分についても、これに相応する部分の改革を織り込んだ影響額ということをまず1点申し上げます。
 その上で、制度ごとの影響ということについてのお尋ねでございます。何度も申しておりますが、非常に粗々の試算でございますので、精緻でないということでございますけれども、今回の2,600億円の内訳といたしましては、被用者保険グループで給付費への影響がプラス700億円、国保で給付費が1,400億円程度、後期高齢者の部分につきましては、給付費で約400億円と見ておりまして、このような感じでそれぞれの制度への影響があるのかなという、極めて粗い印象を持っているところでございます。
○糠谷部会長 では、小林委員。
○小林委員 現行の高額療養費制度について、協会けんぽの財政状況というのは、21年度から準備金が大幅に赤字に転落しまして、極めて厳しい状況にございます。法律改正によりまして3年間の特例措置を講じていただきましたが、御承知のとおり、22年度には保険料率は大幅な引き上げになりました。23年度の保険料率も、このままでは引き上げが避けられない状況にあります。
 また、現在の円高の状況ですが、これが協会けんぽの保険料を負担していただいております中小零細企業の経営にどのような影響があるかというのを、大変懸念しております。
 こういった大変厳しい状況にありますことから、高額療養費制度の見直しによる更なる財政状況の悪化は避けなければならないと考えております。したがいまして、少なくとも今回、高額療養費制度の見直しをするとしても、前も申し上げましたように、財政中立とするように強くお願いしたいと思います。そのためにも、財政中立となるような高額療養費の見直しの選択肢をセットで提出していただきたいと考えております。可能であれば、先ほど財政の試算がありましたが、保険者ごとの財政試算についてもお願いできたらと思います。
 それから、高額療養費制度の給付改善について、複数の提案がされておりますが、他の制度との整合性にも配慮して、優先順位を付けて検討いただくようにお願いしたいと思います。
 以上です。
○糠谷部会長 何か事務局の方からありますか。いいですか。
 それでは、ほかに。どうぞ。
○大谷委員 DVDをお配りしましたけれども、これは4〜5日前に「報道ステーション」で流れたものでして、高額療養費制度があっても、実態はこうなのだということは見ていただけると思いましてお配りしましたので、是非おうちにお帰りになって見ていただけたらと思います。12〜13分です。認識として更に厳しいものと感じていただけると思います。
 それに伴いまして、高額長期疾病の対象となっていないものの高額長期疾病への追加ということが前の意見にも出ておりましたけれども、例えばあちらこちらからこういう依頼、要望が出ていると思います。
 すべての個々の試算をするのは難しいかもしれませんけれども、例えばリューマチの方々、このDVDの基にもなっておりますが、慢性骨髄性白血病の患者とか、ある程度の目立ったものが自己負担1万円の対象となったら、どれだけ国の負担が大変になってくるかということを試算していただけると、意外にそうでもない、もしくは意外な金額になるということもわかって、私たちの考える一つにもなると思います。
 実際は、そんなに意外な金額でもないということがわかるというのが私の考えですので、是非そういったものの試算もお願いしたいと思います。
○糠谷部会長 ほかに何か御意見、御質問ございますか。はい。
○逢見委員 まず、高額療養費制度については、医療のセーフティーネットという側面がございます。それから、所得が低くても必要な医療サービスが受けられるという権利、人権に関わる部分もあると思いますので、こうした制度は必要な人たちの声を聞きながら、改善すべき点は改善すべきだろうと思います。
 ただ、もう一方、小林委員からもお話がございましたように、現下の医療保険財政から見ると、このために多くの負担を保険者に強いるということも非常に難しい側面がございますので、そのバランスをとりながら検討すべきだろうと思います。そういう意味で、今日示された資料3−1の2,600億円という試算を見ると、これを丸ごと新しい改正案として検討するには、現状からいって、財源が非常に厳しいなという感じはいたします。
 そういう意味で、もう少し個別的にいろいろな改善要望がある中で優先順位の高いもの、あるいは難治性疾患対策の中でいわゆる谷間問題として指摘されているものとか、そういう部分で改善策が打てないかということを、もう少し個別な検討、そこにも試算を行って、現状でどのぐらいのものが改善可能なのかということをもうちょっとわかるような資料をつくっていただいて、今後更に検討してはどうかと思います。
○大谷委員 1ついいですか。
○糠谷部会長 どうぞ。
○大谷委員 お配りしたDVDの中にも入っているのですけれども、この高額療養費制度というものの最初のねらいが、そんなに長期に患者が使うということを考えなくて設定されたものではないかと思われます。慢性的に物すごく長い。
 例えば私は白血病のことで話をしますと、白血病といえば、昔は短い命だったのですけれども、それが皆さんと同じぐらいの寿命を全うできるぐらいまで、その薬を一生使わなければならないということが、この高額療養費制度を設定するときに想定されていなかったと思うので、想定外のことが起こってきたということを考えて、これからやっていかなければならないことがあるということを、認識を新たにしていただきたいと感じております。
○糠谷部会長 ほかに。どうぞ。
○安部委員 今の追加でございますけれども、高額な費用がかかる特殊な疾病とかは、従来は入院とか病院での治療が中心になっていたのですけれども、だんだんさまざまな薬剤が開発されて、外来で通常に自宅でお住まいになりながら薬局で薬をもらう方もたくさんいらっしゃいます。
 そういった意味では、この2ページに外来における高額療養費の現物給付化という観点もございますけれども、中には医療機関と薬局が分かれることによって手続が複雑化するといったこともございます。こういった方々が大変な御病気を抱えながら、煩雑な手間とか、一時的にたくさんのお金がかかってしまうということがなるべくないような仕組みというのが是非必要だと思います。
 以上です。
○糠谷部会長 この議題でほかに。どうぞ。
○猪塚参考人 3−1でお示しいただいた資料ですけれども、一般所得者のうち、所得が低い層の自己負担限度額を引き下げた場合の機械的な試算ということで、先ほど来、課長の方からのご説明で、あらあらの試算ということでございますので、それほどこだわることはないのかなと思いますが、もし仮にこれが現実のものとなったときに、国保の保険料や公費負担が大きく増加することが避けて通れないということが1つございますし、また、国保制度の崩壊に拍車をかけることにもなりかねないといった心配がございます。
 本日、実は5−2として、開いていただく必要はないと思いますが、高齢者医療制度改革会議の中間まとめが配付されております。その2ページに長妻厚労大臣がお示しになった、皆さんよく御存じの6原則というものがあって、その4番目に、市町村国保などの負担増に十分配慮すると書いてございます。それから、6番目に、市町村国保の広域化につながる見直しを行うと明記されているわけでございます。
 また、12ページの一番下のところをちょっと読みます。高額療養費については、所得再分配機能を強化する観点から、所得の高い方の限度額は引き上げ、所得の低い方の限度額は引き下げる方向で見直すべきであり、現役世代を含む高額療養費全体の見直しの中で引き続き検討すると書いてあるわけでございまして、これらの趣旨を十分踏まえて検討していく必要があろうかと思います。
 結論的に申し上げますと、資料に示されております機械的な試算については、勿論あらあらには参考にはなりますけれども、国保制度の中で被保険者間で融通し合うといった手法のみで、一時しのぎはできたとしても、何ら国保問題の根本的な解決策にはつながらないということを申し上げておきたいと思います。やはり国費の更なる投入とか、あるいは保険者の広域化、都道府県化について、そういった議論をしていくことが欠かせないということを申し上げさせていただきたいと思います。
 以上です。
○糠谷部会長 ありがとうございました。ほかにこの案件で御質問、御意見等ございますか。よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○糠谷部会長 それでは、この議題につきましては、本日の御意見等も踏まえつつ、今後引き続き議論を行うということにいたしまして、本日はこれまでとさせていただきます。
 次に、「傷病手当金及び出産手当金について」を議題といたします。
 事務局より資料の説明をお願いいたします。
○吉田保険課長 この議題につきましては、資料は2種類。1つは、資料4「傷病手当金及び出産手当金について」という横紙、もう一つは、この後御説明いただけるかと思いますが、縦紙でございます。全国健康保険協会小林理事長名でいただいております委員提出資料5、この2つがこの議題に関する関係資料でございますので、御確認いただければと思います。
 まず、横紙、資料4「傷病手当金及び出産手当金について」は、昨年12月にもこの医療保険部会において御議論いただいたことがございます。
 1ページ目、2ページ目は、現在の仕組み及び実績でございますので、3ページ目をごらんいただければと思います。
 昨年12月において御議論いただきましたときに、事務局が用意いたしました論点は3点。「支給額の上下限の問題」、あるいは「加入期間要件の問題」、場合によっては「保険者単位での設定」という問題、更に留意点についてもお示ししたところでございます。
 これにつきましては、4ページ目、非常にざっくりしたまとめで恐縮でございますけれども、「支給額の上下限を設定したらどうか」ということについては、引き下げるべきではないかという御意見もあったものの、報酬比例の保険料徴収との整合性についての御発言もございました。
 「加入期間要件の設定」につきましては、症状が悪化することのないように配慮すべきという御意見。あるいは、この加入期間要件という提案そのものの背景に不正受給の防止という観点がございましたので、そのようなことならば、まず不正受給防止対策そのものを強化すべきではないかという御意見があったかと思います。
 「保険者単位での給付率の設定」につきましては、非常に消極的な御意見だったと事務局としては受けとめてございます。
 このような議論が昨年12月ということで、最後の5ページ目でございますが、今、何を行っているかという点では、前回も御指摘ございましたように、まず不正受給という実態があるならば、それについて実態把握と対策を強化しようということで、今、それに取組んでいるところでございます。
 1から6まで書いてございます。特に1から4までは、現在、法律上、不正受給と思われる案件を防止するために、保険者、もしくは厚生労働大臣は事実関係を把握するどのような権能を有しているかという法律関係条文をまとめてございます。それぞれ、例えば大臣の権限は地方厚生局長に委任されていたり、あるいは事務の実施を日本年金機構にお願いしたりしているところもございますけれども、このような全体としての関係者のスキームの中で不正受給防止というものに取組んでいる。
 その上で、下の点線の箱の米印の1つでございますが、昨年のこの会議での御指摘も踏まえて、このような関係者が一堂に集まるような連絡調整会議を設置し、現状認識の共有とか取組みに関しての意見交換を行っているところでございますし、この後御報告がありますように、協会けんぽの方でも一定の取組みがなされているということでございます。
 私の方から、まず前段として以上でございます。
○糠谷部会長 これに関して、どうぞ。
○小林委員 ただいま保険課長から御説明いただきましたように、昨年12月に当部会に傷病手当金及び出産手当金制度改正を要望いたしましたが、本日改めて同様の内容を要望いたしますとともに、現行制度の運用状況などについて委員提出資料5に従って御説明したいと思います。
 まず、5ページをごらんいただきたいと思います。
 点線の折れ線は、協会が設立されました20年10月以降、傷病手当金の全受給者の方々の標準報酬月額別の構成割合です。実線の方は、協会に新たに加入された直後、2か月未満で受給した方々、及び標準報酬月額を臨時に改定された直後、2か月未満で受給した方々の標準報酬月額別の構成割合を抜き出したものであります。
 全体では大きな違いは見られませんが、右下の部分、すなわち報酬の高い受給者の構成割合を、次の6ページに拡大しておりますので、右端の長い円で囲んだ部分をごらんいただきたいと思います。
 標準報酬月額が最高等級121万円の方々、すなわち月額約81万円の傷病手当金を受給された方々の分布が、実線のような新規加入者の方、または報酬を臨時に改定された方々に不自然に際立って多くなっていることがおわかりになると思います。ここが問題になると考えております。
 7ページは、傷病手当金の不正請求の状況です。
 20年10月以降に実際に有罪判決が確定いたしましたものが7件ございます。これは、事業主が従業員にうつ病を装わせて2,890万円を不正受給したとして有罪になったものであります。いずれも加入後間もなく、最高の標準報酬月額の者が請求を行ったケースです。これと同様の不正の手口で、最高の標準報酬月額に設定して被保険者資格を取得し、2か月未満に手当金を請求する事例に関して、審査により支給しなかった案件が6件ありますが、一方で、不正であると認定できずに支給した案件が102件ありました。現在、なお調査を続けているものが55件となっております。
 次に、出産手当金です。8ページをごらんいただきたいと思います。
 点線の折れ線は、20年10月以降に出産手当金を受給された方々全員の標準報酬月額別の構成割合です。実線は、資格取得や報酬の臨時改定が行われてから2か月未満で出産手当金を受給し始めた方々の標準報酬月額別の構成割合を抜き出したものであります。
 右下の部分、すなわち報酬の高い受給者の部分を次の9ページに拡大していますので、ごらんいただきたいと思います。
 全体的に実線の方が点線より上にあり、資格取得して間もなく出産手当金を受給されている方々の割合が、全体として高いことがおわかりになると思います。
 下の参考の表をごらんいただきたいと思います。出産手当金は、出産予定日の42日前から支給されますが、その直前に新規加入したか、または報酬を臨時に改定した受給者の状況です。このようなケースを保険事故と扱うことが妥当か、是非御議論いただきたいと思います。
 以上、制度運用状況を御説明いたしました。勿論私どもも運用面で審査を強化している所ですが、あわせて制度面での対応が必要と考えております。3ページから4ページに記載しておりますとおり、第1に支給限度額の設定、第2に加入期間要件の設定、第3に医師や事業主への質問調査規定の明確化について、是非改正をお願いしたいと存じます。
 以上です。
○糠谷部会長 ありがとうございました。何か特に御意見、御質問等ございますでしょうか。
 どうぞ、岩本委員。
○岩本委員 前回、かなり前ですけれども、議論したときに不正受給に関しての対応が必要だという認識が示されたと思います。今回の全国健康保険協会の提出資料によりますと、そういう現象が見られているという御報告があったということで、何らかの対応が必要ではないかと考えられます。
 一般に不正受給を防ぐ仕組みというのは、いろいろとられているのですけれども、例えば診療報酬の不正請求をする場合には、患者が自己負担をしますので、不正の水増しというのはその患者側の負担になりますので、利益相反する関係があって、それが1つ抑制に働くというのがあるのですけれども、これは、起こっている現象は、例えば傷病手当金で見ると、受給する直前に報酬を最高に引き上げて、それで多額の傷病手当金を受け取るという現象が生じていることのように見えます。
 これは、従業員であれば、多額の給料を払うということを事業主が拒みますので、そういうことはなかなか起こり得ないのでしょうけれども、事業主の方の問題というか、事業主が自分でやると、それを防ぐ手だてが何もないことが生じたりすることになりますので、手を打つのがなかなか難しいかと思いますが、やはり考えていかなければいけないことだろうと思います。
 直近の標準報酬だけを基準にするのではなくて、もう少し長期の期間の標準報酬をとることによって、上げたらすぐに標準報酬に沿って給付が受けられるということではないような制度にするとか、あるいは指摘されているような審査につきましても、保険者機能の強化をずっとうたってきているわけですから、保険者の方が調べたくても調べられないということで不正がはびこることは避けるべきではないかと思います。
 以上です。
○糠谷部会長 ありがとうございました。
 それでは、時間も大分迫っていますので、簡潔にお願いします。
○逢見委員 昨年、この問題が議論されましたが、今日の協会けんぽの資料を見まして、不正請求と思われるものも少なからずあるように思います。そういう意味で、大事な保険料を不正に使われないための手だてということは、考える必要があるのかなと思います。
 論点として示されている中では、支給額の下限はともかくとして、上限について、最後のところでぴんと立っているのを見ると、上限が高いことによって、そういうものを得ようとしているのかなというところもありますので、実態に合わせて少し上限の見直しということも考えていいのではないかと思います。
 それから、加入期間の問題については、セーフティーネットという部分もありますので、制度の可否も含めて慎重に考えるべきだと思いますが、諸外国の動向なども参照して、議論・検討をもう少し深める必要があるだろうと思います。
 それから、協会けんぽから出されている医師や事業主への質問調査規定の明確化という点については、政管健保時代にあったものが協会けんぽで規定が明確になっていないところもあるようでございますので、こうした質問調査規定については、きちんとできるようにすべきではないかと思います。
○糠谷部会長 ありがとうございました。よろしゅうございますか。
 それでは、簡潔にお願いいたします。
○鈴木委員 上限ですけれども、諸外国の傷病手当金の例を見るとかなり低くて、日本が高いと思いまして、その辺が歯どめも含めて参考になるのではないかと思いました。
 以上です。
○糠谷部会長 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○糠谷部会長 よろしければ、高原委員から薬剤費に関する資料が提出されておりますので、これについて簡潔に御説明いただけますでしょうか。
○高原委員 高原でございます。前回、各委員の手元に3枚、グラフの方だけ配っておったと思いますけれども、それのもう少し新しいデータも含めた文章として書いたものです。
 これまで医療費の伸びということに関しましては、統計から考えまして薬剤費は伸びていない。ですので、いわゆるドクターフィーといいますか、診療の方での医療費が伸びているために全体が上がっているのだという結論だったのですけれども、統計を見てしまうとどうもそうではない。本当は分母に含まれるべき薬剤費のDPCの分が含まれていなかったりという形がありまして、実際には薬剤費が高いのだというデータでございます。
 これから先の診療報酬、あと1年後から恐らくいろいろ話し合いに入っていくと思いますけれども、その場合には、やはり薬剤費のことを考えないといけない。薬剤費は、大谷委員が言われますブリベックもそうなのですけれども、そういう特殊な薬も含めまして、一般的な長期に使わないといけない薬、普通の高血圧、あと高脂血症などに関しましても、どうしても諸外国と比べて高い部分がある。
 あと、34回の社会保障審議会、一番最初に参加したときにジェネリックの問題でお話しましたけれども、一般開業医はよく使用していると思いますけれども、それ以上にジェネリックと先発品の差をなくしてしまって、二重の価格構造にするよりも、1次品を年限が来たら、さっさと薬価を下げる方が、全体の医療費を下げることに役立つのではないかと思います。いろいろ反応はございましたけれども、そのことがやはり問題になるようでございます。
 以上です。
○糠谷部会長 ありがとうございました。
 特に何か。はい。
○安部委員 日本薬剤師会の安部でございます。薬剤のことの御指摘でございますので、私からも一言申し上げたいと思います。
 平成14年に処方日数の制限が原則撤廃になりました。それで、いろいろ数字を見てみますと、処方日数がどんどん延びている傾向がございます。そういった意味で、診療報酬、調剤報酬の技術料の部分と薬剤費のバランスが、今、高原委員御指摘のように随分変わってきています。例えば調剤報酬ですと、こちらの表にあります2001年度ですと、67%が薬剤費だったものが、2009年度では75%近くになっているといったところも大きな原因ではないかなと考えております。
 以上です。
○糠谷部会長 よろしゅうございますか。何か特にございますか。
 では、簡単にお願いします。
○吉田薬剤管理官 薬剤管理官でございます。診療報酬における薬剤費、薬価の決め方についての御指摘がございました。
 その辺りにつきましては、中医協におきまして、薬剤費、新薬の薬価の値付けの問題について、これまでも検討してきているところでございます。その中で、外国の薬価との調整の問題でありますとか、あるいは御発言にある先発薬の価格の引き下げという形で、これまでも適正化を図ってきたところでございますけれども、また引き続き次回の改正に向け、薬価の問題については検討してまいりたいと思います。
 以上です。
○糠谷部会長 ありがとうございました。
 それでは、よろしければ、最後になりましたけれども、つい最近、高齢者医療制度改革会議中間とりまとめというものが出されました。これについて、事務局の方から簡単に御説明してください。
○吉岡高齢者医療課長 高齢者医療課長でございます。資料は2点でございます。横長の資料5−1「中間とりまとめに関する基本資料」縦紙の資料5−2は中間とりまとめの本文ですので、資料5−1に沿ってポイントだけ御説明させていただきます。
 後期高齢者医療制度廃止後の新たな制度のあり方につきまして、大臣主催の改革会議を昨年11月から開いて検討いただいているところです。9回の議論を経て、先般、8月20日に新たな制度の基本骨格を中間とりまとめとしてまとめていただきました。
 資料を1枚開いていただきますと、まず制度の基本的枠組みでございます。
 現在の制度は75歳以上の高齢者の独立制度ということでございますが、新たな制度につきましては、加入する制度を年齢で区分しない。何歳になっても、サラリーマンである高齢者の方や被扶養者は被用者保険に加入していただく。そして、それ以外の地域でお暮らしの方は国保に、それぞれ現役世代と同じ制度に加入するということが基本でございます。
 飛んでいただきまして3ページでございます。
 新たな制度におけます費用負担ですが、多くの方が国保に移るわけでございます。国保に移る方の保険料につきましては、75歳以上の方は、現行と同様に負担割合を約1割とし、原則として同じ都道府県で同じ所得であれば同じ保険料となるという公平の仕組みを維持していこうということであります。
 それから、あわせまして高齢者の保険料の伸びが現役世代の保険料の伸びを上回らないように抑制する仕組み、具体的には、各都道府県に財政安定化基金を設けて対応するという仕組みを設けるということであります。
 それから、公費でございますが、今回高齢者の方は被用者保険と国保に分かれて加入することになるわけですが、加入する制度を問わず、75歳以上の方の医療給付費に対して公費を投入するということが1つ。
 それから、将来的に高齢者や現役世代の保険料負担の増加を抑制するために、今後の高齢化の進行等に応じた公費の投入のあり方について、引き続き年末まで検討することにしております。
 それから、約8割の高齢者が国保に偏在して加入することになりますので、保険者間の財政調整を行うことにしておりまして、その具体的な仕組みについて引き続き検討することとし、とりわけ被用者保険の間では負担能力に応じた、総報酬に応じた仕組みとするということでございます。
 4点目が国保の広域化ということで、今回の改革は高齢者医療制度の改革であると同時に、多くの高齢者の受け皿となります国保の改革でもございます。この国保の広域化を2段階で進めるということでございまして、まず第1段階としましては、少なくとも75歳以上の高齢者医療につきまして、都道府県単位の財政運営とする。
 その上で第2段階としましては、全年齢での国保の広域化というものを進めていこう。その間、都道府県が策定する広域化等支援方針に基づきまして、保険料算定方式の統一など、都道府県単位の財政運営に向けた環境整備を進める。その上で全年齢を対象にした都道府県単位化を図ろうというものでございます。
 次の5ページが、その際の国保の運営のスキームでございます。
 結論から申しますと、都道府県単位の運営主体と市町村が分担と責任を明確にしながら、国保を地域の総合力によって共同運営する仕組みとするということでありまして、具体的には、都道府県単位の運営主体におきましては財政を担っていただく。そして、市町村におきましては、住民に身近な実務を担っていただくということを基本とし、更に詳細な形につきましては引き続き検討するということでございます。
 6ページが新制度の全体としての方向性を示したものでございます。
 後期高齢者医療制度の独立型の制度としたことによる問題点を改める。あわせて利点は残していく。更に、後期高齢者医療制度の廃止を契機として国保の広域化を実現するということが、今回の新制度の方向性でございます。
 次の7ページ、8ページは、この中間とりまとめについての10のポイントということで整理させていただいている資料でございますので、御参考にしていただきたいと思います。
 9ページ以降には、中間とりまとめ後に残される課題ということで、通し番号で大きく14の事項を掲げております。これから秋には、財政影響試算も提示しながら、引き続き国民の皆さんの意識調査あるいは地方公聴会も開催しながら、年末に向けて改革会議で更に御議論を進めていただくこととしております。また、この部会にも、適宜状況を御報告させていただければと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○糠谷部会長 ありがとうございました。
 何か御質問、御意見等ございますか。それでは、岩本委員。
○岩本委員 この制度改革の議論は、高齢者医療制度改革会議の方で進められていますので、私の方からそれに関して具体的な意見を申し上げるつもりはないのですけれども、1つ大きなところで、どう整理していいのかわからないことについて、ちょっと意見を申し上げたいと思います。
 後期高齢者医療制度を廃止して高齢者をもとの姿に戻すというところで、どうしても国保が巻き込まれるということで、国保改革の話が入ってくるわけです。実際、制度改革すると、国保の広域化に関連するところが非常に難しい課題になってくるのだろうと思います。そうすると、高齢者医療制度の改革と言いながら、随分大きなところが国保の改革になっているわけです。
 それから、現役世代からの支援もあるわけですから、医療保険財政は全般的に見直すということをやっておられるということで、それが高齢者のための新たな医療制度という名前が付いているというところで、決して国保は高齢者のために存在するわけでもないわけですから、すべての医療保険の改革をしているのだという実態と、この名称が若干ずれているというところがちょっと気になりました。
 実態として、こちらの場で国保の当事者も入っておられますし、さまざまな関係者が入って議論されていると思いますけれども、題名の付け方といいますか、議論の仕方として、今後話が進んでいくところで若干複雑なことにならないのかなということをちょっと懸念しているということを申し上げておきたいと思います。
○糠谷部会長 はい。
○鈴木委員 高齢者の保険料の伸びが現役世代の保険料の伸びを上回らないことを基本としますと書いてありますが、これはどういう意味なのか。保険料を抑えるために医療費を抑えるのか、保険料を抑えるためにほかからの補てんとか、そういうものを増やすのか、どちらの視点を考ていらっしゃるのでしょうか。
○糠谷部会長 事務局。
○吉岡高齢者医療課長 先ほどの御質問からでございますけれども、高齢者医療制度改革会議は後期高齢者医療制度の廃止後の制度のあり方を検討するという観点から、こうした名称になったわけでございますが、当初検討に当たって、大臣から6原則というものを示させていただいております。その中で市町村国保の広域化につながる見直しを行うということも掲げ、まさしく国保の改革でもあるということで御議論をちょうだいしてきたということでございます。
 それから、ただいまの保険料の伸びの点でございますけれども、具体的には財政安定化基金というものを各都道府県に設置しまして、例えば1人当たり医療費が高齢者の方が高くなり、高齢者の保険料の伸びの方が現役世代よりも高くなるということが見込まれるときには、財政安定化基金を取り崩して保険料の伸びを一時的に抑制を図る。そうしたことをあわせて行うべきではないかということで、中間とりまとめで掲げられたということでございます。
○糠谷部会長 鈴木委員。
○鈴木委員 財政安定化基金の財源というのはどこから出ますか。
○吉岡高齢者医療課長 現在の後期高齢者医療制度につきましても同様な基金があるわけですが、現在の制度では3分の1が国費、3分の1が都道府県、3分の1が高齢者の保険料ということでございまして、新たな制度でどうするか、最終的に決まっておりませんけれども、基本的には同じような仕組みで考えるべきものではないかと考えております。
○糠谷部会長 ほかに御質問、御意見等。どうぞ。
○高橋参考人 済みません、愛知県でございます。神田知事、公務のため今日欠席ということで、代理で失礼させていただいております。
 今、問題になっております国保の問題でございますが、神田知事も改革会議に出席させていただいておりまして、全国知事会代表ということで意見を申し上げております。その中で今、御指摘のとおり、国保の問題は、先ほどから出ておりますとおり、低所得者の方が多い、また無職の方が多い、または市町村が一般財源を繰り入れしてやっていかなければならないという状況がございます。
 したがいまして、こういう構造的な問題をとらえ、また国保全体、若年層を踏まえて議論するというのは、高齢者改革会議だけではなくて、この医療保険部会の使命ではないか。これには、今後高齢化が進みまして医療費が増大するという背景もございますので、それを広い視野を持って、この部会で十分議論していただきたいということで、改革会議においても意見を提出させていただいております。そのことだけ申し伝えたいと思います。
○糠谷部会長 ありがとうございました。大体よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○糠谷部会長 よろしければ、時間も超過いたしまして申しわけございませんでしたけれども、本日はこれまでとさせていただきます。
 次回の開催につきましては、追って事務局より御連絡することといたします。
 本日は、御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございました。
 これにて散会といたします。


(了)
<照会先>

保険局総務課企画調査係
   TEL:03(5253)1111
     (内線3218)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(医療保険部会) > 第39回社会保障審議会医療保険部会議事録

ページの先頭へ戻る