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2010年6月30日 第50回労働政策審議会職業能力開発分科会議

職業能力開発局総務課

○日時

平成22年6月30日(水)13:30〜15:30


○場所

厚生労働省省議室9階


○議題

(1)求職者支援制度における訓練の在り方について
(2)その他

○議事

○今野分科会長 定刻前ですが、皆さんお集まりいただきましたので開催いたします。本日の出欠状況ですが、浅井委員、瀧澤委員、高倉委員、大野委員、浦元委員が欠席です。それでは議題に入ります。議事次第にあるように、今日の議題は「求職者支援制度における訓練の在り方について」です。まず事務局から説明をしていただいて、議論をしたいと思います。よろしくお願いします。

○高橋総務課企画官 「求職者支援制度における訓練の在り方」について、お手元の資料に基づいて、ご説明をさせていただきます。なお、冒頭に今後の段取りだけご説明をさせていただきます。本日はこの論点等をご説明させていただいた上で、委員の皆様方それぞれから、広く意見を頂戴し、これを事務局のほうで整理をさせていただきまして、次回の7月の会議に論点整理のような形で、たたき台として提出をさせていただきましてご議論をいただく。さらに7月の2回目の会議で、論点の中間的な整理として取りまとめまでお願いをできればと考えております。私どもとしては、それに基づきまして、来年度の予算要求等に向けた作業に入りたいと考えております。
 資料1-1をお開きいただきたいと思います。前回、前々回と、委員の皆様方から各論点についてご意見を頂戴しておりますが、それを加筆させていただいております。また今回は併せて事務局のほうから、特にこの点もということでお諮りしたい点をポイントとして、それぞれに追記をさせていただいておりますのでご覧いただければと思います。
 訓練の目的については、求職者支援制度において実施する訓練の目的をどう考えるかということです。委員のほうからも、雇用のセーフティネットの一環として構築する制度であることを明確にしてはどうかというご意見を頂戴しております。事務局からも福祉対策としてではなく、雇用対策として、対象求職者の早期就職・雇用の安定の実現が目的であることを明確にしてはどうかという点を確認できればと考えております。
 対象者の範囲については、訓練の受講対象者の範囲を、どう考えるかという視点です。すでに委員からも、雇用保険を受給できない方を基本に据えて、その上で過去の就職状況、年齢層等にかんがみ、どのように属性をとっていくか、というご指摘いただいております。また、長期失業者対策との関係で、どのように考えるべきかというご指摘をいただいております。事務局としては、雇用保険の受給資格のない方を前提とした上で、その属性として、先ほどの委員からのご指摘を受けて、例えば、一定年齢以上の高齢者の方、あるいは新規学卒で未就職者の方についてどう考えるかという点を、改めてお考え等を頂戴できればと思っております。
 対象者の範囲としては、属性的なものと別に、個々の受講者、ご本人それぞれについて、どういう点を着目するかという点も考えられないかなと思っております。事務局からの補足にもありますように、訓練は給付を受けることが第一目的となってしまったり、あるいは、単なる自己研鑽として漫然と訓練を受けてしまうことにならないように、例えば、訓練の受講に対する意識、あるいは受講の希望レベルに合った訓練であるかどうかといった点にも着目できないかと考えております。
 3つ目は、訓練の内容、どういう受け皿を確保していくかという点です。1訓練コースの設定、内容、性格、水準という観点からご議論をいただければと思います。すでに委員からも、現行でやっている基金訓練におきましては、就職に直結する内容の訓練のほか、いわゆる第1のセーフティネットとしてやっている公共職業訓練では実施していないような基礎的な能力の習得という部分も実施しているわけです。こういう部分の訓練を求職者支援制度の中でどのように捉えていくか。2つ目のポツは、出口として就職を考えた場合に、成長分野、あるいは今後雇用吸収が期待される分野に重点を置いて、設定していくべきではないか。さらに効果的な訓練の在り方として、座学と実習、いわゆるoff-JTとOJTが一体となったような訓練の位置づけもあり得るのではないか、というご指摘を頂戴しております。
 2頁の2訓練の規模については、いまの基金訓練をベースとしながら、その時々の雇用情勢に応じて適切な規模で実施すべきであるというご指摘をいただいております。それを踏まえて、その時々の雇用情勢を勘案しながら規模を決めるわけですが、さらにそれを効果的・計画的に実施するために、全国、あるいは地域で計画を策定するなどして進めてはどうかと考えております。その点につきましてご意見を頂戴できればと思います。
 3訓練の受け皿については、その属性と確保ということで、各地域におきまして必要な内容、あるいは規模の訓練を確保していくために、どんな訓練実施機関、受け皿を対象とすべきかという点です。コース設定や国からの奨励の措置の在り方という観点です。委員からは、これまで地域によって教育訓練機関の偏在があるというご指摘をいただいております。それについてどう考えるかという視点について、補足のところで書かせていただいているのは、公共職業訓練、いわゆる委託訓練で同様にやっている受け皿として、主に専門学校、あるいは株式会社といった機関が中心となっております。それはもとより、さらに地域に展開する公的な教育、あるいは訓練機関、NPOや事業主団体、社会福祉法人など多様な訓練実施機関を柔軟に活用してはどうかと考えております。
 4.求職者の訓練への誘導、修了後の就職支援、いわゆる入口と出口のところです。1入口の訓練への誘導の部分については、事務局の補足のところにあるように、訓練を真剣に受講するという意欲を見極める上で、ハローワークの窓口での受講相談、あるいは訓練実施機関が独自に行う訓練受講の希望者に対する選考の過程において、どのような取組みを講ずるのがいいのかという点です。訓練を開始したあと、受講中の態度の改善が必要と思われる方への対応の在り方を、どのように考えるかという点があるかと思います。
 3頁、2出口の就職支援の関係については、事務局からのポイントとして、訓練実施機関とハローワークとの連携によりまして、訓練を受けている最中から就職支援を行うということが重要であると思われますが、その点はいかがでしょうかということです。訓練修了後に一定期間置いたあと、就職状況を個別に基金事業でも把握しておりますが、これも同じように、そのような把握をした上で、個別の就職状況に応じたきめ細かい就職支援を行うことが重要になってくると思われます。その点についてどう考えられるかという点です。
 5.訓練の評価、政策評価という点と、それを受けてさらに効果的な訓練が実施できるようにするためにはどうしたらいいかという点です。その効果については、委員のほうから、就職率を基準にすべきであるという意見を頂戴しております。それに加えて、事務局のほうから、就職に直結する訓練もそうですが、いまの基金訓練で実施しているような基礎的な訓練を行って、さらに高度な内容の訓練に引き継ぐという役割の訓練を実施する場合に、直接就職率を基準にするのが難しい場合も考えられますが、そのときにどのような評価軸を考えるか、ということが1つの視点かと思います。
 より効果的な訓練が実施されるために、どういう方法があるかということで、委員からも何点かご指摘をいただいております。現行の基金訓練での奨励金に相当する仕組みの在り方については、十分な検討吟味が必要であるというご指摘を頂戴しております。また、受講者の循環的な受講を防ぐために、例えば、ここでご指摘をいただいたのは、基礎演習コースのような基礎的な部分については、1回限りに制限すべきではないか。さらに出口としての就職を考えた場合に、労働需要が逼迫している分野、あるいは社会的関心が高い分野の訓練を受講するように、入口のところでキャリア・コンサルティング等を通じた誘導が必要ではないか。さらに受講者が最後まで適切に受講するように動機づけが必要ではないか。そういう意見を頂戴しております。
 事務局としても、そうしたご意見を受けまして、訓練の質の確保について、どのように考えるかというのが重要な点かと考えております。訓練実施機関が受講者の就職実現に向けて、自ら積極的に取り組むことを促す。そのようにするために、いま基金訓練では、一律1カ月1人当たりいくらの単価で実施した訓練の見合いで奨励金を支給しておりますが、そういうものが求職者支援制度を考える場合にどのように考えたらいいのか。具体的には、就職率等を反映させることも考えられるのではないかと考えております。
 現行の緊急人材育成支援事業、基金訓練につきましては、訓練実施機関による新たな訓練設定のための奨励金制度ということで、新規訓練設定奨励金を設けております。この制度によって、いまの基金訓練でも一定程度新たな訓練の機関の開拓が進みつつあるという状況にかんがみまして、こうしたイニシャルコスト導入の費用に関する補助の在り方をどのように取り扱ったらいいのか。中には社会的事業者による手厚い助成措置も設けております。そうしたものを新しい制度ではトータルでどのように考えるかという点です。訓練受講者の適性の把握、就職支援の観点からのジョブ・カードの活用。訓練受講修了者がまず訓練を受けたら、就職活動という流れを作るために、訓練を受けたら同じような訓練を連続して重複して受講することがないように、一定期間のインターバルを置くことについてどうだろうかという点です。
 4頁の6.7.訓練の事業運営体制の確保ということで、国が、雇用のセーフティネットとして責任を持って運営できる体制を構築するべきではないかというご意見を頂戴しております。そのほか、技術的なことでは、これまでの訓練との違いや、奨励金等を支給する場合の不正防止対策についてどのように考えるか。このようなところも1つの視点かと思っております。論点は以上です。
 あと、提出している資料を簡単に紹介だけさせていただきたいと思います。最初の論点ペーパーの5頁目以降は、並行して開催されている雇用保険部会のご審議の内容です。5頁から7頁までは、直近の部会で出された論点ペーパー、8頁は直近の6月23日の部会での主なご指摘の点です。特に、訓練実施機関の内容、訓練の質の確保、あるいは就職率の算定方法、インセンティブ制度等の導入、そういうご意見がありました。
 資料1-2は、「求職者支援制度における訓練の在り方について」の(参考資料)です。すでに何回か出させていただいたものもありますので、新しく出させていただいた資料だけ、頁数を含めて紹介だけさせていただきます。
 3頁は「緊急人材育成支援事業の訓練受講対象者の類型について(例)」です。新制度で訓練の対象者をご議論いただくときに、ご参考にしていただければと思っております。そのときに、雇用保険の現行制度は、最近も一定の拡充がなされております。その関係を特に適用の基準関係につきまして4頁で整理させていただいております。5頁の「基金職業訓練の種類」については、主なものは、1、2ということで、これまでも何度か説明をさせていただいております。ここでは網羅的に、3で「社会的事業者等の訓練コース」ということで掲げております。
 16頁は、「実施主体別・コース別の基金訓練認定件数及び定員数」です。現行の基金訓練で受け皿を確保して、この程度の訓練の枠を確保しております。17頁、18頁は、基金訓練の受講者側の手続の流れです。ハローワークへの求職申込みから、最後、訓練を受けて就職に至るまで、どのような手続、ハローワークや関係機関がどういう支援をしているかという点を整理しております。19頁は、逆に基金訓練実施機関の視点から見た手続の流れです。これも併せてご参照をいただければと思います。
 21頁、22頁につきましては、訓練実施機関が訓練を実施することに伴いまして、国から支給を受ける奨励金の内容、種類について書いております。21頁がランニングコストに対する奨励金、22頁が新規訓練設定奨励金ということで、初期投資等に関する奨励金です。23頁は、これまでやっている公共職業訓練の委託訓練における、いわゆるインセンティブ方式という成果報酬、就職率に見合った成果報酬を支払うやり方について、ご参考までに付けております。24頁は、基金訓練を実施している中で、受講者の方、あるいは訓練実施機関から、よく私どものほうに寄せられている声の代表的なものを拾ってご紹介させていただいております。25、26頁は、基金訓練と公共職業訓練、いわゆる離職者訓練の制度の内容を比較したものです。こういうものも論点の各項目をご審議いただく際のご参照にしていただければと思います。
 資料1-3は、「緊急人材育成支援事業実施要領」ということで、多少細かいものではございますが、これも併せて参考までに付けております。資料の説明は以上です。

○今野分科会長 ありがとうございました。今日の議題はこれだけですから、ゆっくり時間がありますので、皆さんから広く、たくさんの意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。

○水町委員 これまで何回か欠席して、議論にきちんとついていけているかどうかわかりませんが、2、3点、質問と意見を言わせていただきたいと思います。1つは、資料1-2の17頁から18頁にかけて、受講者の就職までの流れが図でありますが、4から5にかけて、実施機関が選考、試験、面接等を実施して、その選考によって受講が可能とされた者に対してはあっせんを行うとありますが、これはどこの機関の選考も落ちてしまって、受けられないという人が出てこないのか。その対応が1つです。
 資料1-1、1頁のいちばん下の「訓練コースの設定」と、2頁のいちばん下の「対象となる求職者を適切に訓練へ誘導するための措置」については、これは私の意見ですが、訓練コースの設定のときに、あまりにも詳細で、マニュアル的なコースにならないように注意をすべきではないか。特に、状況に応じた個別的な対応とか、変化に応じた迅速な対応ができるように、コースを設定するとしても、あまり細かくなって、細かいものに合わなくなったときに、また会議を開いて1年、2年かけて変えなければいけないことになると迅速な対応はできないので、ある程度変化に対応できるようなコースの設定をするとすれば、変化に対応できるようなものにすべきであると思います。
 併せて、実際にそれぞれ具体的な人について、何を受講するかというところの決定については、ここでは選考してあっせんをして、実際に受講するというシステムのように伺っています。一方で、本人の希望だけで選ばせるというのも問題です。逆に、国ないし公的な機関が貢献的に最終的に決定をして、「お前はこれを受けろ」と命令するのも問題です。そのあっせんの意味合いは「誘導」と書かれていますが、誘導と言っても実質的に強制に近いような誘導のやり方もありますので、あまり本人の希望にも偏らず、国があまり強制するようなものにもならず、その中で濫用につながらないようにするためには、もう少しプロセスによって適切にチェックをすると。例えば、地域の労使で、この産業とか、この地域ではこういうことが大切だという意見を聞いたり、就職や職業能力開発の専門家がいるとすれば、その専門家の意見を聞きながら、一人ひとりについて委員会を作って設定するというやり方も、ほかの国ではあり得ると思います。そういうシステムにならないとしても、誘導とか選別の過程をチェックして、プロセスとしていい方向に進んでいけるようなシステムを作ることが大切ではないかという点が2点目です。
 もう1つは、資料1-1の3頁の5.の2番目の○、「より効果的な訓練が実施されるためには、どのような方法があるか」の[委員からの主な意見]の中の、「現行の基金訓練の奨励金に相当する仕組みの在り方について、十分な検討が必要ではないか」というところです。私自身もこれは非常に同感で、お金を給付するときには、ほかにもお金を給付するシステムがあります。例えば、最低賃金の在り方とか、生活保護の在り方とか、さらにはこれから政策的な検討課題になる給付付きの税額控除の在り方とか、そういうシステムの在り方で、諸外国ではお金の支給のバランスをきちんととらないと、変な方向にいくということになっています。これは十分な検討が必要であるということでいいのですが、その中で具体的に省や局の壁を越えたような、きちんとした議論も視野に入れながら、検討を引き続き行われていくことが重要というのが私の意見です。以上です。

○今野分科会長 いかがですか。大きく3つありましたが。

○中村職業安定局首席職業指導官室長補佐 最初にご指摘がありました、選考がどこも不合格になった方をどうするかということですが、ハローワークにおきましては、ハローワークのほうに選考結果が参りますので、その合否を見て不合格の方がいらっしゃれば、次に類似のコースがあったときに、またそれをご案内するという形でフォローしております。ただ、それでもすべて不合格となってしまうと、訓練の受講はその時点では難しいということになります。

○水町委員 こういうときにヨーロッパなどでは、例えば、フランスで働きたいと言ってもフランス語ができないとか、そもそも面接に行くために服を着てネクタイを付けて、髪型を整えられないというところも、こういうところで訓練の対象にすることを視野に入れて、生活保護を受けている人を労働市場に戻すためのシステムとして機能しているところもあります。あまり高度なものばかりではなくて、基礎的な訓練も必要というところで、どの辺まで射程を入れてやるかというのも、このシステムだとそういう所の人たちはボロボロ落ちていく可能性も出てきますので、検討していかれればいいかなという気がしました。

○今野分科会長 そのほかについていかがですか。

○高橋総務課企画官 2つ目のご質問で、訓練の内容が、変化に応じた柔軟で迅速に対応できるものというご指摘については、いまの基金訓練におきましても、基本的に民間の教育訓練機関の自主性を尊重しながら、いろいろな分野、できるだけ成長や今後の雇用吸収が期待できる幅広い分野ということで、訓練の計画を自主的に訓練実施機関に立てていただく。それを一定の基準、時間数や訓練の施設、あるいは講師、その他の内容に合致していたら、それを認定して、訓練コースとして実施していただけるようになっております。
 そういう点では、これまで国でやっていた公共職業訓練と比べても、迅速で非常に柔軟に訓練ニーズに対応できるものとなっております。できましたら、いまの基金訓練の在り方も参考にしながら、求職者支援制度における訓練を構築できればと思っております。
 こうした訓練を求職者の方に誘導する際ということでご指摘がありましたが、これはハローワークの窓口にキャリア・コンサルティングと言いまして、ご本人の適性やこれまでの職務経歴や希望を総合的にカウンセリングの中で相談しながら、国が押し付けるのではなく、もっぱらご本人の希望だけではなく、最後にはこの訓練を受けて就職できるというビジョンが描けるような形での誘導を心掛けております。そのようなやり方を引き続きできればと思っております。その際に、地域でもいろいろな訓練ニーズ、あるいは就職に向けて有望な分野があるかと思います。
 その辺りにつきましても、先ほど、論点の2頁の2のところで、事務局からの補足ということで、全国、あるいは地域ごとに、労使とか、その地域での訓練実施機関の代表の方、行政の関係者、そのような方にも参画していただいて、訓練の実施方針を計画化することを、いま基金訓練でも試行的に始めております。そのようなものを今後とも活かすことができればと考えております。
 3点目にご指摘の効果的な訓練については、奨励金の在り方は、ほかの制度との整合性ということですので、これも既存の給付制度、あるいは第1のセーフティネット、最終のセーフティネットである政府との関係も視野に入れて検討していければと思います。

○今野分科会長 たぶん実際に、今回具体的な仕組みを作るときに、いま水町さんがおっしゃったのは、例えば、選考についてですね。選考しないと実際に研修が全然回らないという部分があります。あまりきつくし過ぎると、漏れた人はどうするのか。そうすると具体的にどういう最適な方法があり得るのか、というアイデアがあるといいですよね。それはコース設定についてもそうですし、受講者の誘導についてもそうです。これがあるといいぞとかいうのを言っていただくと、たぶん事務局は参考になると思います。

○水町委員 あまりにも形式的な基準を立てると、誰でもオーケーだし、誰でも守れるし、逆に、守らない方も簡単だと。評価するときも、就職率もあまりに重視し過ぎると、入口で有望そうな人だけ入れて、就職率が高くなりましたよというような誘導も可能になるので、あまり形式的な基準であったり、詳細な基準というよりも、少しシステムとして、それぞれの地域とか産業とかの実態に合ったような、諸外国で行われているような労使が入ったり、専門家が入ったりするようなシステムを作って、定期的にきちんとうまくいっているのかということを、最終的には総合判断するしかない。それも自主性に委ねるとなればなるほどいろいろな濫用とか操作が可能になってきます。そういうことは、プロセスで定期的にきちんとシステムとして、サイクルとして回していくということしか最終的にはできないのかなという気が私はします。

○阿部委員 訓練の目的についてですが、就職のために必要とされる最低限の知識、スキルの習得を図ることであると明確に定めるべきだと思います。日本商工会議所は、8カ所の基金訓練実施機関に聞きましたところ、どの訓練生も、社会人としての自覚や働くことに対する意欲、ビジネスマナーをはじめ、企業人として求められる基本的な知識、パソコン操作やメールの送受信など、基本的なITスキルのうち、いずれかが不足していると聞いております。また、訓練修了者の人材増をイメージすることも重要だと思います。コースによって異なると思いますが、例えば、多くの訓練受講生の就職先である中小企業において、ITの活用による生産向上の中心的な役割を担う人材を育成することなどを打ち出すことが考えられます。
 また、対象者の範囲については、訓練の対象者の要件に受講や就業への意欲を入れる必要があるかと思います。基礎訓練の実施機関に聞きましたところ、就職意欲のない方や、給付金目当ての方が訓練に加わっているようです。こうした方の受講は、本制度の趣旨に反して、他の受講生の訓練に悪い影響を及ぼすという声が現場から届いております。訓練コースの設定については、企業のニーズを踏まえて、最も効果的、効率的なプログラムを企画、検討していただきたいと思います。例えば、緊急人材育成支援事業の訓練後に就職できた方々や、採用した企業に対して、就職する上でも有効と思われる能力や、習得レベル、必要な訓練機関などを聞くことも必要だと思います。また現行の基金訓練の受講生には、学校教育の機会に恵まれなかったなどの理由で、企業で仕事をする上で、基礎学力が十分ではない方もいると聞いております。こうした方々に対して、基本的な計算や日本語の学習などを含む訓練コースを設定し、本制度で対応するのか、あるいは別制度で対応するのか、十分検討する必要があるかと思います。
 訓練実施機関の属性とその確保については、全国的に身近で訓練が受けられるように、現状どおり、専門学校やパソコンスクールを活用することが効果的だと思います。その上で、基金訓練の実施機関に聞きましたところ、訓練の質や訓練生の満足度に実施機関ごとに差異があるようなので、講師のレベルアップを図り、一定水準の訓練レベルを確保する必要があるかと思います。
 訓練実施機関へ奨励金の助成につきましては、訓練中に就職する方が出た場合、緊急人材育成支援事業では、助成金が減ると聞いておりますが、早期就職は望ましいことであり、こうした場合には助成金が減ることがないようにする必要があるかと思います。
 求職者の訓練の誘導と修了後の就職支援については、対象となる求職者を適切に訓練へ誘導するための措置については、ハローワークが受講者希望者の受講目的や意欲、持っている能力を十分精査してから訓練を受講させることが必要だと思います。その際は、今後の目標やライフプラン、キャリアプランなどのレポート提出、就職意欲向上のための講座の受講を義務づけることなどについても検討する必要があるかと思います。訓練受講者への就職支援の実施については、訓練修了者をジョブ・カード制度の有期実習型訓練に移行し、企業で実践的な職業訓練を受けてもらうことも有効だと思います。また訓練修了後にハローワークの指導のもと、就職活動を必須にするといった措置を検討することも必要かと思います。
 訓練の評価と効果的な訓練の実施についての措置については、訓練は受講者の修了意欲の向上を図り、就職後も働き続けているような意欲と能力を義務づけることが重要だと思います。訓練実施の効果は、修了後、長期間の就業ができているかどうか。数年単位で判断する必要があると思います。申し訳ございません長々と。以上です。

○今野分科会長 お聞きしたいということでいいですね。そういう意見をということで。

○大久保委員 いくつかの論点がありますが、対象者、誰のための制度なのかというのが原点だろうと思います。確認も含めて2点申し上げます。この制度は、失業者を対象としたものであると考えていいのでしょうか。つまり、働く準備も必要ですし、働く意欲もあるのに失業してないと。その失業者の中で、雇用保険の対象者となっていない。つまり第1のセーフティネットによってカバーされていない残りの人たちを、この制度によってカバーするのだというのが、もともとこの制度の議論を始めた当初の考え方であったように私は理解をしています。ですから、そういう考え方はいいなと思っているのです。
 ただ一方で、もともとの基金訓練が議論されたときと比べると、雇用保険の対象者の範囲も変わってきていますので、もう一度、失業者の中でどんな分類ができるのか。雇用保険の対象となっていない人以外に、その対象だけれども条件を満たしていない人とか、その対象者であったが、長期失業によってその期間が終わってしまった人なのか。それとも雇用形態が対象になっていない20時間未満とかいう人たちなのか、それとも長い間ブランクがあって、ずっと就業から離れている人なのか。ほとんど就業経験のないような学卒未就業者なのか。その辺りの失業者の構造をどのぐらいの数の人、比率の人が、いま第1のセーフティネットによってカバーされていない人たちであり、本来、新たにセーフティネットが付くべき人なのかということを少し整理してお示しをいただきたい、というのが1点目です。
 2点目は、基本的には雇用保険で賄うべき人、あるいは賄える人は、それで賄ったほうがいいのだろうと思うのです。私は当初は、雇用保険制度で賄える範囲というのは、現在の制度で対象としているより、もう少し狭いのかなと思っていたのですが、かなり拡大して、期間の短い人も雇用保険でカバーすると今回変更されてきているところです。雇用保険でカバーするということは、使用者側の負担を求めるわけです。給付においては、就業者側の負担も求めるわけですから、そういう負担を求めることにふさわしい対象者と、一般財源で賄うことがふさわしい対象者と、その辺りの考え方の整理というのは、もう1点あるのだろうと思います。最初の2つのポイントを整理して議論したほうが、そのほかのことも考えやすくなるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋総務課企画官 対象者についてのご指摘をいただきました。いまの基金訓練の制度では、資料1-2の3頁で訓練の対象者の類型として、こういう人が対象になるということを整理しております。安定所で求職申込みの手続がいるとか云々、そういう手続面もありますが、基本的には参考類型のいちばん下の枠囲いに書いてあるように、雇用保険の受給資格のない人であれば、すなわち雇用保険を1回かけて、受給が終了した方、そもそも雇用労働者ではあったのですが、雇用保険制度の被保険者の適用外であった方。雇用保険の被保険者となられたのですが、最終的に雇用保険の求職者給付の受給要件を満たすまでの雇用期間がなかったという方。雇用労働者でそもそもなかったということで、自営廃業者の方や、学卒未就職者の方、あるいは主婦の方で長年就業していない方。そういう方についてすべからく基金訓練の対象としているところです。こういう一連の雇用保険の受給資格のない方の類型の中で、私どもとして、特にこういう方に誘導するのではなく、できれば委員の中から自由なご指摘、ご意見をまずはお示しいただければと考えております。
 こういう方がどれぐらいいるかということですが、個々の類型について統計を取るのが非常に難しくなっております。例えば、手元の数字では、平成21年度1年間で、ハローワークに新規で求職登録をされた方が765万人ほどいらっしゃる。その中で雇用保険の受給資格が得られた方が246万人ほどであったそうです。すなわちハローワークで新規で求職登録された方の32%ほどが雇用保険の受給資格のある方。それ以外の方は、一部在職求職者の方がいらっしゃったみたいです。この在職者の方というのは、非常に幅広くパートやアルバイト等をされている方から本格的な正社員で就業されている方もいらっしゃると思います。仮に在職者を抜きますと、全体の数のうちの51%、約390万人の方が雇用保険被受給者であったと推計されるデータがあります。これは多少厳密さを欠くものではございますが、概ねそのような規模になるのかと思います。もちろんこの中で訓練を希望されるかどうかということは、さらに調べてみないとわからないのですが、雇用保険の適用の状況別の、それ以上のデータというのがないのが実情です。
 雇用保険の制度が拡充する中で、どの程度まで雇用保険で対象者を見るべきかどうか。いわゆる雇用保険制度による支援の範囲につきましては、これもいろいろご議論があるところかとは思います。できればこの分科会では、いまの雇用保険制度でカバーできている方は、こちらのほうで引き続き同じようなやり方でカバーしていただくことを前提として、使用の条件とした上で、そこに入っていけない方、あるいはそこから落ちてくる方を対象としてはどうかと思っている次第です。
 財源のほうは、雇用保険部会のほうでも検討がなされておりますので、ここではコメントは差し控えさせていただきます。要は最終のセーフティネットである生活保護に入っていく方を、なるべくそうならないように、雇用あるいは就業を通じた自立した生活に導くという、本来の目指すべき第2のセーフティネットとしての機能が果たせるような仕組み作りにできたらなと考えております。その点を含めて、委員から幅広いご意見をいただければと思います。

○大久保委員 ハローワークの登録者というのではなくて、やはり、失業者のためのセーフティネットをカバーされていない人をフォローするための制度を作るという話ですから、現在5.2%いる失業者の分析をせずに、中身の議論をしても、的を得た議論にはなかなかなりにくいのではないかと私は思います。どれくらいの人口、ボリュームがいるのかということが推計されていなければ、結果的には財源がどのくらい必要なのかという話も出てくるので、そこがなぜ前提として整理されないのか。むしろ、これは是非やっていただきたい。これは能開局の問題なのか、職安局の問題なのかわかりませんが、やっていただきたいと。これはお願いです。
 2点目は、雇用保険が広がったことは決まったことですからいいのですが、例えば、雇用保険の給付期間が過ぎて、就業できなかった、いわゆる長期失業者になった人たちがいます。これは、過去の失業率が高くなった雇用情勢が悪化したときについては、雇用対策として期間については、それぞれ対応して、一部追加で延長するという対策をとってきたわけです。雇用保険の財源というのは、給付は労使折半でやっているわけですから、そのようなものを対象とするのが望ましい対象者と、本人や使用者の負担を求めるのが馴染まない対象者がいるのではないかというところに、私がいま申し上げたいところがあります。そこをどのように考えるかということについて、是非、ご意見を伺いたいと思います。

○今野分科会長 いまの大久保さんの話は、雇用保険部会のほうが関連が深いのではないかと思います。そちらではそういう資料とか、情報は出てきていないのですか。ただ、どんなタイプの人がいて、それには何人いて、これに対しては雇用保険の適用対象者で、ここはそうではないとか、何か一覧表が欲しいという話ですよね。どうですか。

○大隈職業安定局雇用保険課企画官 雇用保険部会のほうでも、基本的に雇用保険は平成22年度改正で適用拡大して、適用拡大した姿を前提に、それで受給できない人。ですから、受給を終了した人とか、もともと適用拡大した上でも適用にならない20時間未満の人とか、離職したときに適用対象だったのですが、受給資格要件を満たさない人等があります。そういう人たちは、いまの基金事業でも対象ですし、今後の求職者支援制度でも、そういう人たちは基本として対象者の主となる人ということです。
 いまご指摘のあったように、最近の統計では、失業者は340万人という規模です。雇用保険の受給者実人員は、月によって変動しますが、70万人とか80万人ということなので、その隙間が非労働力人口から仕事に就こうと思った人とか、さまざまな人がいると思います。
 雇用保険部会のほうは、その辺の具体的な数字の資料などがまだ整理できておりません。雇用保険被保険者が全体として3,700万人ぐらいいて、適用拡大によって250万人ぐらい増えるとかいう、それぐらいのマクロの数字は出しております。例えば、受給を終了した人が何万人というところまでは、まだ整理できておりません。いまのご指摘を踏まえて検討したいと思います。

○今野分科会長 たぶん大久保さんが言いたいのは、全体の規模の問題と、タイプによってお客さんの性格が違うのではないかということです。それによって訓練の組み方が違うのではないかという問題意識があるということです。それは宿題かな。よろしいですか。ほかにありますか。

○新谷委員 大久保先生から出していただいたことと関連して、いま大隈さんからも出ましたが、340万人の完全失業者、雇用保険の受給者が約70万人。公共職業訓練の離職者訓練が22万人。たしか基金訓練が今年は12万人の計画になっていると思います。今後、この制度を考えるときに、規模の目安といいますか、どのくらいの規模で制度を作るのかというときに、それは財源との問題も絡んできますが、私どもとしては、少なくとも現行規模以上、要するに、12万人程度の規模を想定するような財源規模を持った施策として考えるべきだと考えているところです。
 雇用保険の受給者との関係を言及いただいたのですが、これについては、確かに雇用保険の仕組みで保険をかけておられた方は、そちらの制度で適用するべきだというのはご尤もですが、ただ、いま雇用保険の被保険者の範囲を拡大していますから、週の労働時間が20時間以上まで下げていますし、雇用期間も31日以上に下げましたので、今後はかなり基本日額が低い方が想定される可能性があると思います。
 最低日額が1,640円から1,600円に引き下げられていますので、30日間丸々もらっても、生活給付金の10万円との関係で、到達しない方が出てくるわけです。そうすると、雇用保険への加入に対して、いろいろなモラルハザードではないですが、低額の給付しかもらえないのだったら、もう保険料を払うのはやめてしまおうというので、雇用保険からの漏出を誘導しかねないということもあり得るのではないかと思っています。
 今後の恒久的制度の検討に当たっては、雇用保険との併給、特に低額のところの併給の在り方については、どこか論点に入れたほうがいいのではないかという気がいたします。これは大久保さんの発言に対してです。

○今野分科会長 その論点というのは、ここの論点ですか。それとも雇用保険部会のほうですか。

○新谷委員 どちらの論点でやるかですけれども。

○今野分科会長 それは向こうの論点ですね。できれば訓練のご意見をいただきたいのです。お願いします。

○新谷委員 わかりました。大久保先生のほうから話があったのでコメントしただけです。まず第1に私が申し上げたかったのは、訓練の目的のところです。
 実は、国が取り組む職業訓練については、職業能力開発促進法に基づいて訓練をされていると思います。第3条に「職業能力開発促進の基本理念」があります。これに国が行う訓練の考え方が書かれています。ここには「職業能力開発の開発及び向上の促進は、産業構造の変化、技術の進歩その他の経済的環境の変化による業務の内容の変化に対する労働者の適応性を増大させ、及び転職に当たっての円滑な再就職に資するよう」訓練を行うと書かれてあるわけです。この法律による労働者というのは、現に働いている雇用関係にある労働者だけではなくて、求職者も含むという概念になっています。
 先ほど大久保先生のご指摘でも、対象者は失業者なのかという話があったのですが、求職者との関係で、現に求職活動している人に限るということがどうかというのが、まずは対象としてはあると思います。私が聞きたかったのは、現にある職業能力開発促進法における訓練の理念と、今度は新法になると思いますが、求職者支援法における訓練の在り方をどう考えるか。現在ある法律との関係で、新法の訓練をどのように位置づけていくのかというところを、まず事務局でお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。以上です。

○杉浦審議官 いまのお話は、私どもも大きな論点だと考えております。能力開発促進法上の公共職業訓練というのは、テクニカルな言い方になってしまいますが、公共職業訓練施設で行う訓練が公共職業訓練であるという形で書いてあるのです。委託訓練というのは、施設内で行わない訓練を、ほかの団体に施設が委託をする。ですから、国が委託するのではなくて、公共職業訓練施設が民間の機関に委託をするというやり方でいまやっているということです。
 一方、基金訓練は、いまは中央職業能力開発協会という所に国が基金を置きまして、実際の民間の訓練機関から申請があった所を認定をして、そこにやらせているという形を取っています。ですから今回、求職者支援制度ができたときの、いま新谷さんがおっしゃったような訓練を能力開発促進法上の訓練とどのような関係で位置づけるかということは、いま内部で検討して詰めているところで、それは制度の概要を示す段階で、もちろんご説明しなければいけない話になると思います。申し訳ありませんが、そこのところはまだはっきりしておりません。と言うのは、そのまま委託訓練のような形に持っていくということができるのか。いまの基金訓練は少なくとも委託訓練ではないわけですから、それを委託訓練の中に入れ込めることができるのか、できないのか。できないとしたら、それを能力開発法上の何らかの形のほかの訓練で読み得るのかどうか。読めないなら能開法もいじる必要が出てくるのか出てこないのかということが、もちろん論点として出てくるわけですので、その辺をもう少し詰める時間を頂戴したいと思います。

○今野分科会長 いまの点を検討するに当たって、こことの関連で言うと、論点のいちばん最後に「事業運営体制」というのがあります。結局ここの姿と関連してしまいます。もし基金訓練が全部公共施設を通してやっていれば、委託訓練だと言えるわけで、JAVADAなど通さないで。だからここの形が、ここでどういう議論をされるかにも影響されそうですね。そう考えていいですか。

○杉浦審議官 おっしゃるとおりでして、国が直接やるという選択肢もあるかもしれませんが、国がどこの機関に下ろすのか。そういうやり方をするのか。公共職業訓練という範疇に入れることになると、いま雇用・能力開発機構がやっている訓練、都道府県もありますが、雇用・能力開発機構がやっている訓練が公共訓練ということになるので、そうすると雇用・能力開発機構にそういう事務を下ろすのかどうかということももちろん、そういう広い意味で体制をどうするかということも、訓練をどのように位置づけるかと併せて大きな問題になるということです。

○新谷委員 いま、今野分科会長から訓練の実施体制の話も言及していただいたので、それも併せて申し上げたいと思っています。いま基金訓練は緊急対策として、去年緊急に実施されるということで、ちょうど能開機構の廃止の案件もあり、中央職業能力開発協会に基金を造成した経過があると思います。今後、能開機構も新法人に移行する形はあるのですが、やはり国として、全国津々浦々サービスを提供できるような体制を維持するべきだと思っております。そのためには、いまある各都道府県の労働局、ハローワークなどの国の機関、それと能開機構、新法人に移る法人の在り方も含めて、やはり全国のネットワークを維持して、ユニバーサルなサービスとして、これは維持するということを明確にするべきではないかと思っています。以上です。

○今野分科会長 ご意見として伺っておけばよろしいですか。

○新谷委員 はい。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○黒澤委員 2点ほどコメントがあります。「求職者支援制度上における訓練の在り方に係る論点」と書いてあるので、なかなか言いにくいところですが、とにもかくにも訓練に行く前のカウンセリングというか、就職支援の重要性なしには、訓練に入ってからの云々を語れないと思っております。
 先ほど水町委員からもお話がありましたが、例えば全く就職活動さえもできるような状態にないような人たちへの支援も、そういう就職支援という訓練に誘導する前の時点で、解決することができるわけです。そしてまた、先ほど大久保委員から「どういう人たちを対象とするのか」という話がありましたが、いわゆる雇用保険を受給できない失業者という方々を対象として考えた場合、そういう方々は、特にカウンセリングの重要性が非常に高い。それは、訓練効果を高める上でももちろん重要で、いわゆるモラルハザードを防ぐという意味でも非常に重要です。
 先日、私は貴重な機会を得て、基金訓練を実施している現場にも伺いましたが、そういった所でも、やはり訓練機関の面接においては非常にやる気があるのだけれども、しばらくしてみたら、実は自分の家族の介護のためにこの訓練を受けたとか、支給される生活給付を受けることが第一になっているようなことがあるわけです。それをすべてカウンセリングで除去する、察知するのは難しいと思いますし、少なくとも現行の基金訓練では、なかなかその辺りが人手不足でカウンセリングまで手が回っていないということを伺っておりますが、今後恒久化する制度になるということを考えると、その部分はがっちり固めておくことが不可欠ではないかと思います。
 1頁の所に、基本的な「基礎力取得のための訓練も」とありますが、こういう基礎力を習得させる必要のある方々というのは、特にカウンセリングが重要になってきます。一人にかかるコストも高くなるわけですから、個別のカウンセリングを十分に継続的に、何度も、訓練を受講している間も実施する、そしてモニターすることが非常に重要になると思います。この求職者支援制度は、どちらかと言うと、いままで以上によりバウチャー的な要素が多分に取り入れられた制度になる。それが一つの素晴らしい点でもあると思いますが、だからこそカウンセリングの重要性が浮かび上がってくるわけです。
 先ほど水町委員から誘導の方法についての議論がありましたが、そこで少し参考になるかなと思われるのが、たしか以前、米国のWIAのバウチャーにおいて、どの程度本人の意思などを尊重するのか、それともカウンセラーの指導を尊重させるのかということで、社会実験を行った州がありました。結局その結論は、イン・ビトゥインで、やはり両方の意見を得たほうがいいのだよというようなことでしたが、我々はこうした調査結果をもう少し詳しく学んで、今回の制度にも活かすことが重要なのではないかなと思います。これが1点目です。
 2点目は、訓練コースの設定にも関わりますし、奨励金の在り方、そういった評価にも関わることなのですが、まず訓練コースの設定において地域ごとの業界団体、教育機関の団体のようなものから意見を吸い上げる協議会的なものを、制度上きちんと位置づけることが重要なのではないか。それをもって、結局は訓練内容と日本版NVQの資格のようなものと将来的には連動させるような、そういうことを協議するような場をこの制度の中にきちんと位置づけることが重要なのではないか。その評価は、奨励金云々にも関係するのですが、就職率がまず出てきますし、現行の奨励金の在り方を見ても、そういうことを基準にしてはいるのですが、やはり受講者の属性をコントロールしないと、非常に就職が難しいと思われるような属性を持った人を受け入れて、訓練するという動機が生まれなくなってしまいます。
 例えばフランスでしたかは、まず、ハローワークのような公共職業紹介所に来た段階で、コンピュータにかけて、大体この人の就職確率はどのくらいだというのを予測し、それに基づいてその人を受け入れた委託先は、その人を就職させるといくらもらえるというように、段階的に奨励金の額を変えているわけです。もちろんフランスはそれだけではなくて、カウンセリングと併せて、結局はどういった就職支援をするか、訓練に割り当てるかなどを決めるわけです。つまり人の勘や経験だけに頼らないで、システマチックな何かの基準というものも設けた上で、奨励金なりの仕組みを考えることも1つあっていいのではないかと思いました。以上です。

○今野分科会長 何かご意見があればお聞きしますが、よろしいですか。お聞きしておけばよろしいですね。

○三村委員 関連しまして、職業訓練の対象者、受講者についてですが、裾野を広げれば広げるほど多様性が出てくると思います。訓練の概念自体を単なる技能・技術の習得にとどまらず、キャリア形成にまでどう拡大していくかが重要かと思います。なぜならそのキャリア形成の必要性が高い受講者が増えてくることは必定だからです。
 そのためには、訓練の中にキャリア形成プログラムを明確に位置付け、受講者のキャリア形成をアセスメントするような手段を講じ、例えば雇用保険を受給期間が切れている方と、新規学卒者あるいは未就職者とはキャリア形成の度合いを測定し適切な対応をします。同じような訓練をしてもモチベーションも違いますし、意欲もかなり差が出てくるため、まず職業訓練を受けるレディネスを知る必要があるからです。
 そういった意味で、キャリア・カウンセリングなど、かなりコストがかかりますが、キャリア形成プログラムを開発し、体系的にそのプログラムを習得するような手立てを講じる必要があります。基金訓練視察では施設を見学させていただきましたが、現在18時間ぐらい職業人講話等が準備されているようですが、それをもう少し体系的、段階的に、キャリア形成、あるいはキャリア発達の背景をきちんと意識したプログラムに開発しなおし、そしてそれぞれを受講しながら、同時に訓練を進めていく形を考える必要が出てくるのではないかなと思います。
 こうした訓練の履歴を残しておくため、新規学卒者のジョブ・カードの制度の充実を図る必要があると思います。もう卒業した人たちにはなかなかジョブ・カードを広げるのは難しいので、高卒や大卒の者はジョブ・カードは必須というような形でいけば、こうした訓練履歴を残すことができますし、目標であるジョブ・カード300万人は十分に達成できるのではないかと思っています。
 あとは掛け金をかけずに給付を受けるわけですから、やはり社会的な貢献をするということが説明責任を果たすものになると思います。こうした訓練を受ける受講生が何らかの形で社会的な貢献ができるような場を設定することは本人のキャリア形成にも、自己肯定感においても重要なことかと思います。例えば、いま約96%の中学校が職場体験をやっていますから、そのような所に支援に入っていくなどが考えられると思います。

○今野分科会長 先ほど阿部委員からも、出来上がりの人材像はどうなのかなど、いろいろそれに似た意見があったので、それに関連して私から質問したいのですが、いまの基金訓練の場合、例えばITでもいいのですが、ITで「松竹梅」というのはあるのですか。つまり入ってくる人によって、能力が違うではないですか。もしかしたら先ほどもありましたが、算数が出来ないとかいう人から、算数は上手に出来るので、IT関係でも少し高度なソフトが勉強できるなど、何かそういう意味での、IT分野、何とか分野と全部設定してありますが、その中をお客さんのクオリティーによって分けてコースを設定していくという、そういう設計には基金訓練はなってないのですよね。

○戸ヶ崎主任職業能力開発指導官 そのような設計になっています。分野を特定している介護とか、そういう部分については実践演習コースということで、3カ月から6カ月の訓練コースの設定がなされていますし、実践演習コースにすぐに入れない方については、基礎演習コースという3カ月から6カ月のコースを受けていただくことになります。それはどちらかと言うと、社会人として身に付けるべき基礎的な素養を身に付けていただくという部分と、先ほど今野先生がおっしゃったように、ITの基本的なスキルを身につけるコースがまた別途あって、それからさらに実践的な分を受けるという構図になっていますので、実践をいきなり受ける方もいるし、その基礎から入る方も対応できるという仕組みにはなっています。ただそれは一応組み合わせて受講するような形になっているので、例えば基礎から実践に一気通貫で受けるという構造にはなっていない。連続して受けることを想定しているものになっています。

○今野分科会長 皆さんの意見を聞いて私が思ったのは、基礎も実は、基礎演習コースの基礎までいかない人はどうするのかなどの問題がある。何かもう少しもっと多様性が必要なのではないかというご意見がたぶんいろいろあったのではないかという気がしたものですから。ですから大雑把にはあると。では松竹梅ぐらいはあるが、竹1、竹2、竹3はまだないのね。そのような程度で考えていていいですね。

○戸ヶ崎主任職業能力開発指導官 そうですね。いまやっている基金訓練の範囲で、あくまで職業訓練として実施することになるので、例えば意識喚起をどこまでやるかということについては、それを訓練という位置づけで対応していくのかどうかも、議論としては当然あるのかなと。キャリア形成支援の観点もそうなのだと思いますが、少なくとも職業訓練として受けたいという方を対象としているのが基金訓練、一言で言うとそういう形なのではないかと思います。

○今野分科会長 わかりました。ほかにないでしょうか。

○中村委員 資料の3頁にある「訓練の評価と効果的な訓練の実施のための措置」に関して、2つほど意見を申し上げたいと思います。1つは、関連機関に対するイニシャルコストを導入費用の補助については、過度なものにならないようにすべきだろう。したがって既存の訓練機関と新規の訓練機関との公平性もある程度担保をしていく必要があるのだろうと思っています。そういう意味では、訓練実施機関に対する費用の補助については、就職率などの実績を勘案する必要があるのではないか。
 2つ目は、他の訓練を受講する場合に、この中にも書いてあるように、事務局からの補足にもありますが、一定の期間が必要であることは理解していますが、現行の公共訓練の1年がいいのかどうかは別として、期間を合わせることが自然なのかなと思っていますので、意見として申し上げておきたいと思います。

○井上委員 対象者の範囲ということで、訓練の受講対象者の範囲をどう考えるかですが、資料1-2の20頁の基金訓練の認定基準で「修了証の発行」があります。「8割以上の出席をもって修了する」とあるのですが、私も過去の会議でも発言させていただきましたが、出席はしたものの早退をしてしまったりなど、そういう受講者もたまにあるというのも聞いております。そういう意味でいくと、「出席」をどのように考えるかがあると思います。遅刻、早退なども含まれるのか。出れば、それでもう8割以上になるのかがあると思います。そういう意味ではここは厳格に規定することも必要ではないのかなと考えます。
 それから資料1-1の4には、「求職者への訓練の指導と修了後の就職支援」とありますが、事務局からも補足が書いてありますが、やはりハローワークにおいて、きちっと本人の意思確認をすることは非常に大切なことだと思います。私も先日現場を見学させていただきましたが、やはり面接の段階で、ご本人がきちっと受講する意思があるのかどうか。そういう所を明確に面接で見極めているというお話がありました。ハローワークで、それがされていないまま、訓練機関に来られているという話も伺いましたので、そういう意味ではハローワークにおける役割というのも、いま現場は大変だというのは私も聞いていますが、まずそこの第一段階では非常に大切なことだと思います。
 訓練開始後においても、受講態度によって例えば注意する、警告するなど、何かそういうペナルティと言ってはいけないのですが、「受けてしまえばこっちのものだ」ということにならないように、やはりきちっと受講態度が悪い、あるいは規定にいってないということがあれば、ある程度是正するような仕組みというのも必要になってくるのではないかなと思います。以上です。

○上原委員 「基金職業訓練の種類」というのが、1-2の5頁にいろいろ書いてあります。1つは、就職に結びつけるという視点に立つと、成長戦略で言われているような分野の科目、訓練を重点的に増やしたほうがいいのではないかということです。もう1つは、3番目に「社会的事業者等訓練コース」というのは、たぶんNPOなどを立ち上げる人なのか、そこに就職する人なのかわかりませんが、同じ資料の28頁のデータがいろいろあるのを見ていると、非常に参加者が少ないのです。大体そういうものに参加するような人が基金訓練に馴染むのかと。何かそういう矛盾みたいなものを直感的に感じます。まだ全然ゼロではないわけですから、「有り」なのかとは思うのですが、その辺が1つです。
 それから1番目に「職業横断的スキル習得訓練コース(3か月程度)」というのがあり、「文書作成、表計算・図表作成、プレゼンテーション制作等」と書いてあるのですが、例えばイメージできる3カ月の間でそれぞれ4分の1ずつなのか、そういう科目のイメージのようなものがもしあるのであれば、実際にやっているのだからあるのだと思うのですが、イメージを教えていただければいいのかなと思います。
 もう1つは細かい話ですが、先ほどの28頁のいちばん上の表に出てくる「職業横断的ITスキル」と書いてあるのですが、「職業横断的スキルコース」というのは6頁の表を見ると、「IT基礎」というのと「営業・販売・事務」というのに分かれているのですが、ここで言っているのはいちばん表題の「職業横断的スキル」全体のことを言っているのか。この中の「IT基礎」のことを言っているのかを教えていただければと思います。もし分かれているのだということであれば、「営業・販売・事務」というのがどうなのかというのも教えていただければ、参考になるという話です。
 これもいくつか話が出ましたが、第3のセーフティネットである生活保護がいちばん底にあって、就職に結び付けるいままでの能開機構などがやっている公共職業訓練というのがあるわけです。たぶん、それの下に入るというか、第2のセーフティネットのようなイメージで、この基金訓練というのが考えられているのかなと思うのですが、おそらく今後はいろいろ意見が出たように、事業全体の予算規模をどの程度のものを考えているのか。生活給付を出すことになっていますが、その辺が第1のよりは第2のほうが、たぶん厚いのかなというイメージがするのですが、大体どれくらいのイメージが考えられているのか。これは一般財源でやるのかと思っていたら、そうでもないような話も出てきたので、その辺が今後の話なのか、決まっている話なのかを少し教えていただければ助かります。以上です。

○今野分科会長 ご意見もだいぶあったので、それはお聞きしておいて、ご質問がいくつかありましたので、それについてお願いします。

○戸ヶ崎主任職業能力開発指導官 基金訓練の関係ですが、冒頭にご指摘があった新規の成長分野について、訓練をできるだけ開拓すべきではないかということで、私どもとしても基本的にはその委員のご指摘に沿った形で対応させていただいており、委託訓練に比して、比較的民間の創意工夫に基づく訓練の設定がやりやすい部分もあるので、現にそういう分野での訓練設定が行われていると考えております。社会的事業者コースが馴染まないのではないかという部分は。

○今野分科会長 私、時間運営を間違えていて、時間があまりないので。ご質問があったのは、IT訓練の中の細かい所、あとは予算はどの程度のイメージなのか。財源は決まっているのか。この3つを手短にお願いします。

○戸ヶ崎主任職業能力開発指導官 財源は基金でしょうか。

○今野分科会長 いや、今度のです。

○戸ヶ崎主任職業能力開発指導官 カリキュラムについては、モデルカリキュラムがあるので、次回資料として提供させていただきます。

○今野分科会長 そうですね。

○高橋総務課企画官 それから財源ですが、財源規模がまず初めにありきではないです。まず対象者も議論していただいておりますし、あとは訓練の内容はどのような訓練をどの程度するかということも、これからだと思っております。基本的にはいまの基金訓練などの財政規模、予算規模は参考になるかと思いますが、これからということです。一般財源かどうか、あるいは生活給付の規模がどの程度になるかというのも、雇用保険部会で検討していただいております。

○今野分科会長 決まっていないし、わからないということです。

○新谷委員 今日いただいている資料で、雇用保険部会でも指摘させていただきましたが、2の33頁に就職率が記載されています。59.3%、実はこの数字が分母と分子の関係でいくと、アンケートをやって回収されたものの中の就職率なので、次の34頁との関係でいくと、たぶんデータの算出ベースが一致しないのではないか。回収のバイアスがかかっているのではないかということで、ご指摘させていただいたのですが、これをまたそのまま使われているので、「59.3」という数字が一人歩きしないようにされたほうがいいのではないかなと思いますので、指摘させていただきたいと思います。

○今野分科会長 わかりました。それでは一言も話されていないのでどうぞ。

○高橋委員 なるべく短く、意見だけです。資料1-1の1頁、対象者の範囲で事務局からの補足で、大変重要な指摘があります。「一定年齢以上の高年齢者」という関係では、やはり雇用保険でもそもそも適用対象外であるので、65歳以上の方々は、公的年金の受給資格者でもありますし、本制度も対象外とすることが適当ではないか。新卒の未就職者、基金訓練で今年度から対象にしておりますが、平時の経済を考えれば、本来、新卒で就職をしていただくというのが基本ですから、この制度の対象外とするのが適当ではないかと考えます。
 訓練の規模に関しても、基本的には公共事業においては、労働市場も逼迫しますので、そういう中においても一定以上の訓練はするのだのようなのは、それは明らかに不合理ですから、何らかの発動要件、例えば、失業率、有効求人倍率などの状況によって、どの程度の規模にするのかという仕組みが考えられ得るのではないかという気もしております。
 それから受講態度の改善等に関わる所で、やはり明らかに受講態度が悪いという方々、あるいは訓練修了後に求職活動をしないといったような人がいた場合は、給付金も含めて返納を求めるということも必要ではないかと思います。やはり何よりも早期就職という観点からは、先ほど中村委員もおっしゃっていましたが、丸1年なら1年という形で通算の最長期間を原則定めて、最長期間に達したらしばらくは再受講はできないというような、期間を置くというようなことも重要なのではないかと思います。以上です。

○今野分科会長 それでは、たくさん意見をくださいと言っておきながら、途中で切って申し訳ございません。今日はもう1つ「その他」がありますので、事務局からどうぞ。

○井上総務課長 お手元の資料2です。「新成長戦略」ということで、この新成長戦略は本月18日に閣議決定がされました。これの抜粋を資料として用意しており、職業能力開発政策に関連の深い部分について、ご報告、ご説明します。目次の左の中ほどに、第3章「7つの戦略分野の基本方針と目標とする成果」があります。次頁に中ほどから下のほうに、(6)「雇用・人材戦略」〜「出番」と「居場所」のある国・日本〜という部分があります。この部分が関係する部分の1つです。そして右、いちばん上に《21世紀日本の復活に向けた21の国家戦略プロジェクト》とあり、右の下に、(19.「キャリア段位制度」とパーソナル・サポート制度の導入)とあります。これが関係する部分の2つ目です。
 次頁、関係する部分の1つ目、「雇用・人材戦略」です。雇用・人材戦略については、大きく2つの内容で構成されています。1つは、枠囲みをしている部分、[2020年までの目標]です。もう1つは、その下の文章の部分で、雇用・人材戦略の意義などについて記述されている部分です。これらの内容については、4月23日に開催された当分科会で、「職業能力開発政策の積極的な実施について」という議題の中で、内容をご説明したものと内容としては同じです。簡単に内容を触れますと、枠囲みの中の[2020年までの目標]。その中に、特に職業能力開発政策に関係の深い部分として、地域若者サポートステーション事業によるニートの進路決定者数10万人。それからジョブ・カード取得者300万人。自己啓発を行っている労働者の割合:正社員70%、非正社員50%。公共職業訓練受講者の就職率:施設内80%、委託65%です。
 そして文章の部分は、4つに分かれています。1つ目はその下の副題(雇用が内需拡大と成長力を支える)という部分で、ここでは雇用・人材戦略の意義などについて触れています。副題として(国民参加と「新しい公共」の支援)という部分で、ここでは国民すべてが「出番」と「居場所」のある社会の実現。新しい公共などについて触れられています。3つ目、(成長力を支える「トランポリン型社会」の構築)という副題の部分です。この中では、「第二セーフティネット」の整備。求職者支援制度の創設などに取り組む。現在の「ジョブ・カード制度」を「日本版NVQ」へと発展させていくなどの記述があります。
 次頁、関係する部分の2つ目です。《21世紀の日本の復活に向けた21の国家戦略プロジェクト》ということで、その下に趣旨が書いてありますが、新成長戦略においては各戦略分野での成果を確実なものとするため、7つの戦略分野における有効な施策を選定しているということで、21の施策をプロジェクトとして実施していくものです。その19番目に、「キャリア段位」制度とパーソナル・サポート制度の導入という所があります。このキャリア段位制度については、実践的な職業能力育成・評価を推進する「実践キャリア・アップ制度」では介護、保育など新たな成長分野を中心に英国の制度を参考とし、既存のツールを活用したキャリア段位を導入・普及する。日本版NVQの創設と日本版NVQに関連する部分です。これは今回新たに新成長戦略に盛り込まれている部分です。
 続いて次頁、「成長戦略実行計画(工程表)」です。これは昨年12月末に閣義決定された新成長戦略の基本方針において、6月に策定される新成長戦略において2020年までに実現すべき成果目標について、工程表を作成するということになっていたことを受けて、定められたものです。
 次頁は内容の部分で、まず、1.「若者の就労促進」、そしてその下に「地域若者サポートステーション事業の拠点の整備、機能の充実」の部分が関連してきます。次に4.「障がい者の就労促進」。そこの在宅就業者等を含む障がい者の雇用・就業の促進に向けたスキル・アップ施策の拡充が関連してきます。それから、5.「『セーフティ・ネットワーク』の整備」で、そこから少し左の枠の中、「求職者支援制度の創設に向けた検討」。そして右に「検討結果を踏まえた求職者支援制度の創設」。ここが関係してきます。
 次頁、6.「『実践キャリア・アップ戦略』の推進」の部分です。そこに2つ枠があり、上の枠の左に、「『実践キャリア・アップ戦略』の推進体制の整備」。右に「職業能力を客観的に評価する『キャリア段位』制度の導入」(「日本版NVQ」の創設)の所です。そしてもう1つがその下の枠で、左から「職業訓練の在り方に関する検討開始」。右が「民間に委託する公共職業訓練の分野・業務の拡大」など。さらに右のほうに、「技術革新等に対応した公共職業訓練のカリキュラムの見直し及び教官の養成」という内容です。
 いま申し上げた新成長戦略については、今後当分科会においてご議論いただくべき内容については、また当分科会でご議論いただき、関係状況について報告・説明させていただくべきものについては、本日のように報告・説明をさせていただきたいと考えております。以上です。

○今野分科会長 何かございますか。よろしいでしょうか。それでは今日はこれで終了とします。次回以降の日程について事務局からどうぞ。

○井上総務課長 次回以降の日程です。次回第51回は7月15日(木)10時〜12時、場所はこの省議室です。そして次々回第52回は7月28日(水)10時〜12時、場所は経済産業省別館8階825号室と考えております。よろしくお願いいたします。

○今野分科会長 それでは最後に議事録の署名委員のお願いです。労働者側委員は大江委員、使用者側の委員は阿部委員でお願いします。よろしくお願いします。それでは本日は終了とします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

職業能力開発局総務課総括係

TEL: 03−5253−1111内線(5738)

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