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2010年8月30日 第2回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会 議事録

○日時

平成22年8月30日(月) 17:30 〜 19:30


○場所

厚生労働省専用第21会議室


○議事

○衞藤座長 皆さんこんにちは。定刻より1分ほど前でございますけれども、おそろいになったということでございますので、ただいまより第2回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会を開催いたします。
 委員の皆様には、お忙しい中御出席いただきまして、どうもありがとうございます。なお、本日残念ながら御都合が合いませんで、花井委員と望月委員が御欠席となっております。
 前回の検討会の最後に申し上げましたとおり、本日は教材に盛り込むべき事項をメーンテーマとして御議論いただくことを考えております。
 まず、前回御了承いただきましたとおり、薬害被害者の方お二人と、教育現場に精通されている大杉委員、高橋委員から、教材に盛り込むべき事項や、その際どのような観点が必要かといったことにつきまして、ヒアリングを行いたいと思います。その後、前回の議論のポイント等について事務局から御説明いただきました後、改めて教材に盛り込むべき事項について御議論いただければと考えております。
 それでは、議事に入らせていただく前に、前回御欠席の高橋寛委員と高橋浩之委員から簡単に自己紹介をいただければと考えております。まず、高橋寛委員からお願いいたします。

○高橋(寛)委員 前回欠席させていただきました秋田県薬剤師会の高橋と言います。病院を経験しまして現在、薬局で勤務している薬剤師です。よろしくお願いします。

○高橋(浩)委員 千葉大学教育学部の高橋と申します。専門は健康教育ということで、この会に参加させていただきました。よろしくお願いいたします。

○衞藤座長 ありがとうございます。それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 また、事務局で人事異動がありました。事務局から御紹介いただければと思います。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 事務局より御紹介いたします。7月30日付で人事異動がございました。委員の皆様から向かって右手より順に御紹介させていただきたいと思います。
 まず、間杉医薬食品局長でございます。
 平山審議官でございます。
 中垣総務課長でございます。
 中井総務課課長補佐でございます。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思いますが、その前に事務局から本日配付しております資料の確認をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 本日は、資料を6種類お配りしてございます。まず、資料1といたしまして、前回の議論のポイントということで御用意させていただいております。
 資料2としまして、関連資料ということでお配りさせていただいております。
 それから、本日ヒアリングをさせていただく方々から提出していただいた資料につきまして、それぞれ資料A〜Dまで合計4種類お配りしております。
 それから、机上配付資料としまして、薬害を取り扱っている教科書の例について参考配付をさせていただいております。この資料に関しては、著作権等の関係もございますので、今回の会議のみで使用する目的ということで、机上配付の取扱いとさせていただいております。
 資料の不足等ございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、議事次第の2番目、教材に盛り込むべき事項についての(1)関係者からのヒアリングに入りたいと思います。初めに、薬害被害者のお二人から教材に盛り込むべき事項について御意見をいただき、その後、社会の立場から大杉委員、保健の立場から高橋委員のお二人から御意見をいただきたいと考えております。
 なお、質疑については、4名の方から御意見をいただいた後にまとめて時間をとりたいと思いますので、あらかじめ御承知置きいただければと思います。
 それでは、薬害被害者の立場からは勝村久司さん、佐藤清子さんのお二人にお話を伺えると聞いております。時間の関係上それぞれ10分程度という非常に短い時間で恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、勝村様よりお願いいたします。

○勝村氏 御紹介いただきました勝村です。本日は貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。
 では、早速ですけれども、資料に基づいてお話しさせていただきます。
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 まず、薬被連というのは全国薬害被害者団体連絡協議会で、11年ほど前にできておりまして、いろいろな薬害の加盟団体がそれまでは厚労省とはそれぞれいろいろな交渉や話し合いをしていたんですけれども、そのような薬害被害者団体が1つに集まって薬被連ができたときに、大事なのは文部科学省であるということで、初めて全員で文部科学省に交渉に行きました。なぜ薬害が文部科学省なのかと当時は新聞記者の人たちからも非常に不思議がられたし、文科省での記者会見でも薬害なら厚労省でやってくれと拒否されかけたこともありました。しかし、高等教育、つまり医学や薬学や看護学をやっているのは文部科学省ですし、公教育、小・中・高の中で薬害を伝えていくのも文部科学省ですし、例えば、大学の附属病院のような医療の見本になるべきところを所管しているのも文部科学省だということで、文部科学省に対しては公教育から高等教育、それから、大学の附属病院に対して11年間非常に多岐にわたる要望と交渉を続けてきたところです。今年も8月24日にその交渉をやってきたところです。
 そんな薬被連のスローガンの一つが「薬害の原因はクスリだと思っていませんか?」です。これはサリドマイドの被害者団体のいしずえの間宮さんが考えられた言葉ですけれども、薬害の原因は薬ではないんだということです。つまり、すべての薬に副作用がありますけれども、単なる副作用の問題ではなくて、薬に関わる人間たちがもう少しきちんと、しかも、プロとしての医療関係者であるなり、行政であるなり、製薬企業であるなりというところの人がきちんと仕事をしておけば、そこまで被害は広がらなかったというのが薬害。副作用被害が大量に出た場合でも、もっと早期に被害を食い止められたはずなのに、それを食い止められなかったという人災が薬害だ、というのが、私が考える薬害の定義の大切なところだと思っています。
 もう一つは、子どもたちを将来、薬害の被害者にも加害者にもしたくないということで、大人になってからは医療関係者と患者という構図になる場合でも、子どもの時代というのはみんな子どもで一緒なわけですから、その段階からきちんと薬害を防止する教育を始めていっていただきたいということです。
(ppt)
 そうすると、今年4月にもあった製薬企業のデータ改ざん事件とかですが、幸い大きな薬害に発展しなかったと考えているわけですけれども、なぜ改ざんしたのかということを考えていくと、こういうことが薬害を許してしまう、または改ざんをしてしまうという構図こそがまさに薬害問題なので、そういうものをなくしていくというところ、ある種犯罪のようなものを止めていけるということができるかというような社会の問題が薬害防止の中心であると私は考えています。
(ppt)
 薬被連は、高等教育から公教育まで全部にわたった要望を続けているんですけれども、高等教育の方でも、ようやくモデルコアカリキュラムの中に薬害被害者の声を入れていこうという方向になってきたということで、この11年間非常に多岐にわたる要望をしてきましたけれども、特に今はコンパクトに5つの要望を高等教育のカリキュラムに入れてほしいということをお願いしています。特に1番目ですけれども、薬害や医療被害の歴史と事実経過、その背景や真相など、歴史として再発防止を強く願う被害者の視点から歴史をしっかり伝えてほしいと。これは今まで初等・中等教育でされていなかったことなので、とりあえず医療関係者になる大人の人たちに、公教育を終えてしまっている医療関係者の卵の人たちに至急やってほしいということです。本来ならばこのモデルコアカリキュラムに要望している1番の内容は、公教育の中で、すべての子どもたち、国民にしっかりと伝えてほしいのです。歴史としてそういうことがあったということを伝えてほしいと思っているわけです。
(ppt)
 その心は、公害と同じように薬害を学んでほしいということです。公害というのは人間の外側の環境破壊、人間の周りの部分ですけれども、薬害というのは人間の内側、体の内部の環境破壊で、どちらも非常に健康に害を及ぼすわけです。人間は内側と外側の環境がそれぞれに大事なわけです。公害や薬害の背景に共通してあるのは、ある種、人間の命よりも経済的利益を優先した結果がそこにあるのではないかということで、高度経済社会とか、イノベーションだとか、経済発展が社会には大事なんだという一方で、こういう被害との兼ね合いが今、これからの社会をつくる上で非常に大事なので、そういう意味で非常に公害と薬害というのは並列で伝えられるべきものではないかと思っているわけです。
 そうすると、幾ら経済の発展が大事だと言っても、人間の命を軽視して、そこを超えてしまってはだめだろうということになると、大人になっていくに当たって学問的良心、職業的良心というところでは、やはり真実を求めて精いっぱいを繰り返していくんだと、精いっぱいの努力をしてほしいと。それが被害者からの願いであって、薬に副作用があることを何とかしろと言っているのではなくて、副作用がわかったらそこで真実をしっかり公開して、それで被害を食い止める努力を精いっぱいやってほしいと。その2つ、学問的良心、職業的良心をきちんとプロの人たちが持ってくれていたら、薬の副作用があったとしても薬害というのはなかったんじゃないか。被害者の視点では、再発防止のためにはそこが一番大事だろうと思います。
 そのために、公教育で、すべての子どもたちは将来職業に就くわけですから、医学者、医療者、企業人になる人がいるわけですから、そういう薬害の歴史を知っておく。また、医療消費者の立場からしても、そういう歴史を知った上で、いい社会をつくるようにしていくということができるような教育を私たちは公教育に求めているわけです。
(ppt)
 例えば、これは今年8月24日に公教育に関する要望で文部科学省に提出したものですけれども、その1つ目です。ここには大きく3つの案件を出しています。これも少しずつ表現は変わっていますけれども、10年来ずっと要望し続けてきているものです。(1)(2)(3)とありますが、(1)に関しては、数年前より文部科学省はいろいろ尽力していただいて、随分教科書や学習資料とか、特に中学校とかで変化がありまして、かなり進めていただいたと、ここ数年になってようやくですけれども、そういうふうに考えています。
 (2)に関しては、まだもう少し不十分なのかなという感じがあります。
 そして、(3)が私たちとしては一番こだわっているところなんですが、ここが全く十分できていないと考えています。学習指導要領にはこういうことも踏まえてという表現も盛り込み始めているという話もありましたが、実質このことを本当に伝えるということができていません。
 実際、文部科学省と私たちが11年前に初めて交渉したときには、文部科学省の官僚の人たちが私たちの薬害被害防止教育の要望に対してどう答弁したかというと、教科書に随分載っていると言うわけです。ほとんど載っていないじゃないかと言ったんですけれども、どこに載っているんだと話をし始めたら、薬物濫用の話をするわけです。覚せい剤の問題、シンナー中毒の問題についてをいろいろと記載していますよと。それは薬害じゃないわけで、文部科学省の人たちがそもそも薬害というものを全く知らなかった。勿論、教えられていないわけですから知らないで当たり前なのかもしれませんが。つまり、学校の関係者も教育をする立場の人たちも知らない。医療関係者や医学薬学などの高等教育を卒業した人たちも薬害を知らない。公害は知っているけれども、薬害を知らないということがあるので、(3)の歴史をしっかり伝えていただきたいということが、被害者の視点からの本当に再発防止のための一番重要なポイントだと思っているわけです。
(ppt)
 2つ目の公害と併記して薬害ということですが、併記までは至っていませんが、薬害という言葉も、ここにきてようやく載せていただけることになってきましたけれども、先ほどと同じで、公害と薬害というのは非常に類似した内側と外側の問題であり、しかも、これからは公害よりも薬害の問題の方がより重要になってくるのではないかという時代なのではないかと思っていますので、お願いしたいと思っているわけです。
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 3つ目ですけれども、この検討会を発足していただくことを受けて今年の8月24日に文部科学省にこのような要望を出しましたところ、これは是非そうするということで、全国の教員がダウンロードできるようにしてくれるという答弁をいただきましたので、更にいろいろなデータや解説編などのような、紙で配布できる範囲を超えたものを、インターネットのホームページでは更にプラスアルファの情報も提供していただける可能性があるのではないかと思っておりまして、この検討会に非常に期待しているところです。
(ppt)
 一方で、薬害というのは偏見や差別などの社会事象が必ずどの薬害にもついて回っているということで、そういう社会問題についても、被害者の立場からは、再発防止していただきたいということです。現状では8月24日の文部科学省の交渉で全国の薬害被害者が集まった席でも、いろいろな薬害被害者から、インターネットのブログなどで、自分は医師だと言っているような人たちがいろいろと偏見や差別を書いている、それをまた一般国民が読んでいるという問題が指摘されました。正しい教育がされていない状況で、デマや誹謗中傷や偏見が広がっているという状況ですので、一刻も早く教育の場できちんと真実が伝えられるようにお願いしたいということです。
(ppt)
 ここに来て日本医師会などもこのような今の状態はひど過ぎるということを提言しておりまして、こういう問題はインターネット上でいろいろ書き込み合戦をする問題ではなくて、きちんと教育で正しいことが伝えられていないから、デマが広がりやすいということではないかと思っているわけです。
(ppt)
 薬害訴訟とかいろいろな被害者の運動とはそもそも何なのかということを考えてみますと、訴訟をする被害者たちに対する偏見や誹謗中傷が非常に多いんですが、それは全く違うのであって、すべての訴訟は医学論争をしているのではなくて、情報が隠されたり、改ざんされたりして、医療関係者や製薬企業に責任はないんだというようなかばい合う鑑定をしたりというような面があって、そのことで被害がより拡大したりしていることと訴訟で闘っているわけです。つまり、医学論争をしているわけではなくて、何が真実かという事実経過を争っているということなので、結局、本当のことではない嘘が被告側から語られてしまうので、それが偏見や差別、誹謗中傷のきっかけになってしまうということなので、薬害訴訟による被害者運動というのは結局、本当のことは何かということを伝えたいという思いなので、そこの究極は情報の隠ぺいや改ざんをすることができないような日頃からの情報公開が必要なんですが、さらに、情報公開の究極は正しい情報を広く伝えていく教育なんだということで、公教育の中にそういう事実をきちんと残していってほしいと思っています。
(ppt)
 特に、陣痛促進剤の被害について、ここから簡単にお話しさせていただきたいと思います。例えば、一般にすべての国民に伝えられるべきだと私が考えていることで伝えられていないことの1つに、日本の曜日別時間別出生数があります。生まれてくる子どもの数は、少子化で一日当たり平均3,000人弱だと言われていますが、曜日によって全く生まれてくる子どもの数が違うという事実です。火曜日の平均は日曜日の平均よりも1,000以上多いというのが今の状況です。全体の平均が3,000を切っているのにです。
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 今に始まったのかというと、厚労省が初めてこの種のデータをとった1984年から既にそうなっていました。火曜日が一番多い、日曜日が一番少ない。その差は当時だと1,500〜2,000近くあるわけです。初めて厚労省がこの種のデータをとった年からそうなっていましたから、もっと前からそうなっていただろうと。実際に、この間もずっとグラフの形は変わっていません。
(ppt)
 今度は時間別のグラフなんですけれども、午後2時台に生まれる赤ちゃんが夜間の2倍以上あります。
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 次のグラフは、厚労省が初めてこの種の統計をとった25年前のグラフですが、当時から火曜日が多い、夜間の2.5倍ぐらいあるという状況は変わっていません。初めてデータをとった年からそうなっているということです。
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 ところが、99%のお産は今、日本は医療機関、病院または診療所で生まれていますけれども、助産所で生まれている子どもはこの25年間で35万人余りですが、その子たちでグラフをつくると全然午後2時がピークにはならないグラフになるわけで、これが本来の自然なお産。助産所では曜日による差もないわけです。残りの99%の医療機関では非常に不自然に出生が偏っているという事実がありますが、全く伝えられていません。
(ppt)
 その助産所と医療機関の違いは、帝王切開をするかしないかではないかということですけれども、実は帝王切開率そのものが1984年から2005年で相当違う、2.5倍とか違うわけですけれども、グラフの形は全く一緒だということで、帝王切開だけでは到底説明ができないわけです。
(ppt)
 そもそも帝王切開率のまともなデータがなくて、2種類しかないんですが、どちらもサンプル調査だったり、自己申告のアンケートだったりということで、まともなデータではないんですが、サンプル数の少ないサンプル調査だったりするわけですが、こちらの方は最近10年間だけの帝王切開率です。これでも帝王切開は増えていますけれども、グラフの形はずっと変わっていない。しかも、2006年になって緊急帝王切開の割合が初めて出てきたんですが、それが約4割あることがわかりました。つまり緊急帝王切開というのは、予定帝王切開と違って、火曜日の午後2時にあらかじめ用意するわけではないので、そうするとやはり日本のお産というのは陣痛促進剤、子宮収縮剤という薬を使って平日の昼間に誘導してきた部分がかなりあると考えられるわけです。特に帝王切開率が増えてきている前には、かなり薬による誘導がきつかった。薬の誘導の危険性が高まって語られてくるようになってから、薬を使わずに帝王切開をする例が増えてきている面があるのかもしれない。高齢化もあって、いろいろほかの条件もあるでしょうけれども、その辺りを詳しく疫学調査したデータも十分にないという状況があります。
(ppt)
 そのような中で、陣痛促進剤による被害というのが多発してきたわけですが、知らされずに投与されたということが昔はほとんどでした。だから、今まで促進剤を多くの妊婦に使われているのにそんな記憶は多くの妊婦にないわけですが、子宮口を柔らかくする薬、血管確保の目的で点滴をする、というような表現で薬が使われていました。つまり、カルテやレセプトというものが患者に開示されるようになってまだ10年ほどしか経っていませんから、それまでは全くカルテやレセプトなどの情報を患者は見ることができませんでしたから、何の薬を使われているかということは全く知るよしもなかったし、使っている薬を正直に言わなければいけないという文化もなかった中で、陣痛促進剤が大量に使われていたということです。
 人間として扱われなかったと被害者たちは言いますが、実はこの薬の感受性の個人差が200倍以上あるにもかかわらず、全ての妊婦に一律に使っている病院がたくさん昔はあったわけですけれども、計画分娩と言いますが、公立病院でもすべての妊婦に使って夜間や休日の人件費を削減し、すべてのお産を平日の昼間に誘導していた病院があったわけです。ところが、感受性の個人差が200倍以上あるということは高等教育でも教えられていなかったし、使っている看護師たちも知らなかった。だから、一定の割合で感受性が非常に強い人がいて、すごい陣痛が来てしまっても、医療者たちは痛がる妊婦を叱るばかりで、母子ともに非常に重度な状況になるということが続いてきたわけです。
(ppt)
 今年になって、交際していた女性を流産させるために促進剤を使った医師がいましたが、その人が交際中の女性に促進剤を使うときに言ったせりふが、従来、被害者たちが言われていたせりふと同じで、子宮収縮剤と陣痛促進剤と言わずに使って、子宮収縮をさせるということがまかり通ってきたわけです。
(ppt)
 では、その背景なんですけれども、患者の命や健康よりも、促進剤を全員に使って平日の昼間に分娩すれば、夜間や休日の助産師や医師を置いていない公立病院もありましたし、薬を使うことで無理やり微弱陣痛という病名をつけて薬価請求が増えたり、無理やりに治療しますから、会陰切開といって更に手術なども付加していって、医療行為をすることによって利益を得られるというような背景があったんじゃないかと指摘されているわけです。
 もう一つは情報の非公開の問題が一番大事な問題で、実は1974年ですから36年前から、今の日本産婦人科医会、当時は日本母性保護医協会ですが、すべての会員に冊子を配付しています。つまり日本中の産科医に、そのとき既に陣痛促進剤の使用によって胎児仮死、胎児死亡、重度の脳性麻痺、子宮破裂、母体死亡が頻発しているから気をつけるようにという冊子が配付されています。それ以降、毎年のように配付されました。そこには感受性の個人差が200倍以上あるので添付文書に書いてあるとおり使っているとだめだと書いてあります。添付文書では筋肉注射で打ってもいいと書いてあったんですが、実は私の妻も筋肉注射で陣痛促進剤を投与されたんですけれども、実は感受性の個人差が200倍もあって、感受性が強い人である可能性があるから、1分間に3滴の点滴から始めなければいけないというような冊子も配付していたんですけれども、添付文書では筋肉注射で投与してもよいというのがずっと続いたわけです。
 それから、その添付文書に書いてある最大使用量の半分以下しか使ってはいけないということも産科医には配付されていたわけですけれども、その冊子をきちんと全ての産科医が読んでくれたわけでもなく、添付文書も改訂されなかったので、周知されなかったということがありました。
 教育が不健全で、それほど大量に公立病院でも全員に促進剤を使うという時代があったんですけれども、保健の教科書・母子健康手帳・母親教室テキストには陣痛促進剤という言葉は一切出て来ませんでした。一生懸命それらのテキストでお産を勉強していた妊婦も知らない間に促進剤を使われて、あとは非常に強過ぎる陣痛に耐えさせられるだけだった。それで最後は子どもが脳性麻痺になる、母親が死んでしまうということが繰り返されてきたということです。
 イギリスやアメリカでもそういう時期があったようですが、比較的早期に被害多発の問題は解決しているようなんですけれども、日本はいつまでもこれが続いているという印象です。
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 陣痛促進剤はなぜ薬害なのかということなんですけれども、少なくとも1974年の時点でそういう冊子が配付されていた。しかし、そのことは伝えられなかった。その冊子を私たちが入手して1992年に当時の厚生省の薬務局に持っていったら、厚生省省が大慌てをして添付文書の大幅改訂をしました。18年遅れたわけです。18年も遅れて最大使用量が半分以下になったり、筋肉注射はだめとなったりしたんですけれども、その間にどれほどの被害が拡大したかということです。
 1992年の添付文書の大幅改訂当時、被害者たちの運動が実ると新聞の一面トップに大きく取り上げられましたけれども、被害者たちは74年以降再三のように出されていた冊子を厚労省に持って行っただけだったわけです。産官学のどこかがしっかりしておれば、もっと早く添付文書が改訂できたはずです。
 さらに1992年の改訂でも不十分だった点の改訂をずっと厚労省やPMDAとの交渉で要望を続けてきましたけれども、それはようやく今年の2か月ぐらいまえに改訂されました。これも最近新聞で各紙報道してくれていますけれども、また、92年からさらに18年かかったわけです。今回の改訂の一番中心になるのは、促進剤を使うときにはしっかりとしたモニターをしなければいけない、十分な分娩監視をしなければいけない。それから、もう一つ、促進剤を使用するときは陣痛促進剤を使うということをきちんと患者に伝えなければいけないということです。この2つのことなどを添付文書に書き加えるということも、1992年から2010年まで更に18年かかったということがあります。今と当時と妊婦の感受性などの状況が変わっているわけはないので、そういうことは本来全て1974年の段階でもっと早くから書けていたはずだし書いておくべきだったということで、この間の陣痛促進剤による被害というものが構造的に仕方のない副作用ではなくて、行政か製薬企業がしっかりしておればとめられたものが多数あったんじゃないかと思っているわけです。
(ppt)
 母子健康手帳ですけれども、実は母子健康手帳には平成10年まで薬という漢字自体の記載が全くありませんでした。平成3年ぐらいから被害者団体は交渉していますが、平成10年にようやくこのような文面が入り、平成22年になってようやく薬の影響についてホームページのアドレスが出たんですけれども、妊娠中に使用する薬だけで、出産時に使用する薬に関しては、情報提供されるホームページのアドレスが載っていないということで、これは8月24日の厚生労働省との交渉で来年度からはようやく出産時の薬についても情報にアクセスできるアドレスを載せていこうという方向で回答していただいております。
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 そういっても日本の産科医療はすぐれているので被害者の主張はおかしいというようなことがインターネットのブログなどで書かれていますけれども、日本は1〜4歳の疾患の死亡率が先進国の中でも一番高くて、中身を見ると肺炎で死亡する子どもが非常に多いわけです。私の子どもも生まれてから9日目で死亡していまして、よく日本の産科医療が優れている理由になっている生後1週間までの周産期死亡率には入っていません。日本は非常に延命治療をするので、お産時の陣痛促進剤による被害の子は、最終的に事故で死んだと言わずに腎不全で死んだとか、特に2〜3歳で肺炎という病名で死んでしまう子が非常に多いのです。それがこういうところに現れてきているのではないか。つまり、延命治療をするので、生まれてから1週間までなかなか日本の子どもは死なない。だから、周産期死亡率がそれほど高くないので日本の産科医療はすぐれているとか、被害者は間違っているんだというようなことが言われるんですが、そもそもまともな疫学調査はないという状況です。
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 母胎死亡も日本は従来から多いんですが、ここに来て減ってきたということなんですけれども、ちょっと前に改めて研究班が調べてみると、やはり出産時に死亡している女性はもっと多いんじゃないかということが言われていて、日本の出産時に使われている薬とその影響、特に重篤な被害、母親が死ぬとか子どもが脳性麻痺になるということに関しては、まだまだ情報提供が国民に足らないというか、十分に安心できる状況ではないと考えているわけです。
(ppt)
 次のスライドですが、患者にとって必要な情報というのは、本来左側のようなことを医療消費者として気にしていくようにならなければいけないですよというのが、医療の質を発展させていきますし、そういう教育を是非、消費者教育としていってほしい。ところが、一般に日本のいろいろな病院、産科医療機関のホームページには、右側に書いてあるような情報ばかりを患者に提供しようとしているわけです。何も考えなくていいよという感じになっていて、考えるためのきっかけとなる情報や教育も受けさせてもらえていないというのが国民の状況です。そういうところが薬害被害の本当の背景にあるのではないか。
 私の妻も出産の前には、私も本当にすごいなと思うほどいろいろな勉強をしていまして、いろいろな本を読んでいまして、いろいろな話を聞いて勉強していましたが、一切、陣痛促進剤のことは語られていなかった。実際にお産で病院に行ったら、知らない間に促進剤を使われていて、そんな事故は実は昔からずっとあったんだということが後でわかってくるという状況だったわけです。
 公害を機に、国民が消費者として環境に優しい製品を購入しようという意識が高まってきている、これは教育の成果だと思いますし、同じように薬害を機に内部の環境問題を考えていくというきっかけになるような、歴史変えるためにも、この間のつい最近まで起こっていた薬害の歴史、今も起こっている薬害の歴史、その状況を子どもたちに伝えていくことが、これからの国のためになる、国民のためになると思っているわけです。
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 最後に、陣痛促進剤ということに関して、特に公教育でどういう内容を伝えてほしいかということですけれども、添付文書の改訂が大幅に遅れたという事実は、いろいろな人が反省して、同じことが起こらないようにすべきであって、なぜ遅れたのかという検証を産科医会に任せてもなかなかやってくれないという面があります。しかし、産科医会自身が添付文書の内容ではだめだというような冊子を会員には随分前に出しているというような側面もあるわけで、そういうものを超えた社会学的な視点なり教育の視点からそういうことを伝えていくということ、これは事実なので、そういう事実があったという歴史を被害者たちは是非次の世代に伝えて、同じようなことが起こらないようにしてほしい、原因を解明して再発を防止してほしいということです。
 それから、陣痛促進剤のことが一切どこにも触れられていなかった、いまだに非常に多く使われている、だから、いまだに添付文書が改訂されたら、すべての新聞に大きく掲載されているわけなので、そういう薬についても知らせてほしい。
 それから、産科医療に関しては日本にはまともな疫学調査がないわけですけれども、外側としての出生数のグラフが非常に不自然だということなども、いろいろなことを考えていくきっかけのデータとして伝えてほしい。教科書には周産期死亡率という生後1週間までに死ぬ子どもの数が日本は減っているみたいなグラフばかり載っているんですが、実はお産のときの被害者というのは1週間以内に死んでいないのであって、多くは2〜3歳で死んでいるのであって、教科書には、みんなで何でこうなっているんだろうと考えるべき出生数グラフなどを載せてほしいと思っているわけです。
 サリドマイド被害というのは、妊娠中に飲むといけない薬で、妊婦以外の患者だったら飲んでもよかったのかもしれませんが、妊婦だけには投与してはだめだったのに、そういうことを怠った。陣痛促進剤も感受性が特に強い人でなければ使ってもよいのかもしれませんが、感受性が200倍以上強い人がいて、その人には間違って200倍の薬の量を投与しているのと同じことになるということが早くからわかっていたのに、いつまでも感受性の強い弱いを無視して漫然と投与していたので、ずっと被害が起こってきた。こういう薬害の構図というものが、勿論高等教育でもなされていないわけですけれども、高等教育だけではなくて、すべての大人になる子どもたちに伝えていってほしいと思っています。
 時間をはからずにしゃべってしまって、すごく長くなってしまったかもしれません。ありがとうございました。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、佐藤さんからお願いいたします。

○佐藤氏 今、御紹介に預かりました佐藤です。私は1987年、出産の際にC型肝炎に汚染された血液製剤フィブリノゲンを投与され、C型肝炎に感染させられた薬害被害者です。あれから23年が経ちました。感染以来、現在も週に3回通院し、強力ミノファーゲンCの注射を受けています。23年間肝炎の治療のためにだけ生きてきたと言っても過言ではありません。
 C型肝炎に感染する前の私は、アメリカの大学に留学し、帰国後は英会話教師、通訳の仕事をしていました。当時、世界一だったテニスプロのビョルン・ボルグ選手の通訳や、アメリカのプレイボーイ社の副社長で、ウサギのマークをデザインしたヒュー・ヘフナーの通訳をしたこともありました。これからもっと幅広く活躍したいと思っていた時期でした。
 しかし、出産後の検査で肝機能が1,500以上に上がっていました。仕事を続けるどころか即入院になりました。肝炎は家庭にも影響します。家庭を放り出して入院し、迷惑をかけました。6か月も入院したんですが、退院後、通院治療を継続しなければならず、夢はあきらめざるを得ませんでした。
 この入院のとき私は1人の女性患者と知り合いました。肝臓がんに進行しているけれども告知していないという女性です。その女性患者さんは肝臓のところが痛むとしきりに言ってはいましたが、身の回りのことはまだ何でも御自分でできていました。ところが、あっという間に急変して亡くなりました。肝臓病の患者の死を目の当たりにしたのは、このときが初めてでした。C型肝炎が進行性の病気でやがて肝硬変、肝がんとなり死に至ること、それを目の当たりにした私は、進行する前にどうにかして治したい、まだ死にたくないと強く思いました。
 1988年、C型肝炎の唯一の根治治療であるインターフェロン治療を受けました。肝臓に鈍痛を感じ検査を受けると、肝機能が急に600ぐらいに上昇していました。治療中には強い副作用に悩まされました。治療30分前に解熱剤を服用するのですが、それでも毎回発熱しました。食欲は減退し、やせていきました。治療を開始して3か月ごろ、急に目がかすむような症状が現れました。1,000人に3人の確率と言われる網膜症を発症したのです。視野が狭くなり、黄斑の横に炎症が起き、色の判別も正常でなくなりました。このような副作用にくじけず最後まで頑張りましたが、結局肝炎ウイルスは排除できず、完治しませんでした。
 今、私は感染から23年が過ぎ、年齢も50代になりました。肝臓の線維化、肝硬変、肝がんへの進行を具体的なものとして不安に思っています。3〜4か月に一度肝エコー検査を受けています。ウイルス感染から20年を過ぎると肝臓の一部が線維化し肝硬変になり、がんが発症することがあるのです。いつも「異常ないよ」という主治医の声に胸をなで下ろしています。
 慢性肝炎といえども感染歴が長くなると、がんと隣り合わせなのです。時が経った分だけ進行が怖いのです。死は他人事ではないという思いは一層強まっています。ですが、治すことはできないまま治療を続ける日々をただ送っています。
 以上のような私の被害は、本当に避けることができなかったのでしょうか。私をC型肝炎に感染させたフィブリノゲンは血液製剤です。2,000人から2万人の血液を原料に製造するものです。しかし、その血液の中にはアメリカの刑務所の囚人、麻薬患者などの方々からの血液が入っていて感染をさせられました。
 1977年、肝炎が多発したため、アメリカFDAはフィブリノゲン製剤の承認を取り消しました。アメリカ元FDAの当時の担当者、バーカー氏は東京地裁でその事実を明確に証言してくださいました。当時、FDA承認取り消しの情報は製薬企業にも入っていました。ところが、日本ではそのまま使われ続けたのです。
 1987年3月、青森県でフィブリノゲン製剤による集団感染が明らかになりました。同じ産婦人科でフィブリノゲンを投与された複数の女性がC型肝炎に感染したのです。私がフィブリノゲン製剤の投与を受けたのは、まさに同じ年の10月4日です。国と製薬企業が承認時に血液製剤の危険性を適切に評価してくれていたら、そして、アメリカFDAの取り消しを受けて日本でも取り消していたら、どんなに遅くても青森の集団感染事件後に適切に対処していれば、私がC型肝炎に感染させられることはなかったのです。それを思うと悔しくてたまりません。
 2002年、薬害C型肝炎の裁判を国、製薬企業を被告として提訴しました。東京、大阪、名古屋、福岡、仙台と5地裁で裁判が始まりました。原告意見陳述、弁護士意見陳述、被告意見陳述、証人尋問、本人尋問。原告意見陳述で私たちは自分の被害を訴えました。私たちも尋問されました。5年にわたる裁判を通して思ったことは、なぜ被害者が裁判をしなくてはならないのかということです。
 2006年、最初の大阪地裁判決後、たくさんの応援を肌で感じました。判決翌日、署名活動をしていたら、子どもをのせた自転車に乗った主婦が、またがったまま署名をしてくれました。多くの方が御自分から寄ってきて署名をしてくれました。しかし、国と製薬企業は直ちに控訴しました。その後、福岡地裁、東京地裁、名古屋地裁と国の責任を断罪する判決が続いても、国の態度は変わりませんでした。とうとう裁判所だけでなく国会に訴えに行かざるを得なくなりました。当時、野党は肝炎対策プロジェクトチームをつくり、ヒアリングをしてくれました。しかし、当時の与党は耳を貸してくれません。議員会館を訪問しても門前払いにされたこともありました。全面解決にたどり着くまで何度議員会館を歩き回ったことか。どれだけ各政党に陳情したことか。どれだけ街頭で訴え続けたことか。何度厚生労働省に向かってマイクを握ったことか。しかし、国はなかなか解決に踏み出しませんでした。
 そんな2007年秋、厚生労働省の倉庫から青森の集団感染当時、フィブリノゲンを投与され肝炎に感染した418名の患者リストが出てきました。国、製薬企業は418人がフィブリノゲンで肝炎に感染したことを知りながら20年も放置していたのです。国、製薬企業はその事実を隠し通せませんでした。世論も沸騰して、とうとう国が話し合いのテーブルに着きました。そして、当時の福田首相の政治決断で薬害肝炎救済法が成立し、薬害C型肝炎問題は全面解決の道筋が立ちました。
 被害者が苦しい戦いをしなければ非を認めない国と製薬企業。私たち国民の命は一体何なのでしょうか。裁判所で和解は成立しました。しかし、それで私たちの病気が治ったわけではありません。肝臓移植をしないと助からない方もいます。多くの人が肝炎で苦しんでいます。
 私たち薬害肝炎原告団は、今後も毎年1回、国、製薬企業と協議することになっています。治療体制の整備だけでなく、薬害の再発防止についても話し合っています。何か事件が起こってから、そして、裁判されてから動くのでは遅いのです。国民一人一人が薬の副作用は命と健康に直結するということを、ちょっとした危険情報でも国、製薬企業は見逃さず、適時適切に行動していく必要があることを理解してほしいと思います。それが守られず日本では薬害の歴史が綿々と続いていることを知っていただきたいのです。そのためにも中学生一人一人が薬害の歴史と被害の大きさを学び、そこから自分や友人の命の尊さを考えられる、後世に誇るような教科書をつくっていただきたいと切に願います。
 以上で私の話を終わらせていただきます。本日はこのような機会をお与えいただき、貴重なお時間をとっていただきまして本当にありがとうございました。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、教育現場の観点からの御意見を伺いたいと思います。まず最初に大杉委員からお願いいたします。

○大杉委員 御紹介いただきました岐阜大学の大杉でございます。私は、社会科公民科教育を大学で教えております。今日は中学校教育において薬害の扱いがどういう状況になっているかを中心にお話ししてまいりたいと思います。特に、公民的分野の内容を述べてまいりたいと思います。資料は、レジュメとパワーポイントを見ていただければと思います。
 最初に、社会科の学習内容を皆さんに是非見ていただきたいと思います。御存じのように、社会科は中学校3年生で公民的分野という学習を学ぶことになります。御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、随分前には公民的分野は政経社分野と言われていた時代があります。これは、政治や経済や社会生活について学ぶ分野なんだということで、このような名前がついております。現在は公民的分野となっております。
 レジュメには今、中学生が学んでいる公民的分野の内容を右側に示しております。平成24年度から学ぶ新しい指導要領の内容を左に示しています。現行のものを見ていただきますと、(1)現代社会と私たちの生活、(2)国民生活と経済、(3)現代の民主政治とこれからの社会という項目があります。
 (1)現代社会と私たちの生活では、社会生活の内容を学ぶことになっています。家庭や学校、地域社会、職場という社会集団の中で、ルールを通して私たちはよりよい社会を築いていくことを学ぶようになっています。
 (2)国民生活と経済では、アという項目で「私たちの生活と経済」があります。ここでは、経済主体で言いますと家計と企業が登場して、市場のシステムを学習して、その後「国民生活と福祉」では、経済主体で言うと政府が登場して、市場に委ねることができない問題を取り上げて学習することになります。
 (3)現代の民主政治とこれからの社会では、アで日本国憲法の基本的原則を学びます。イは民主政治の在り方、ウは国際平和と人類の福祉と書いてありますように、いわゆる国際領域の学習をします。
 このように、社会科公民的分野では社会領域、経済領域、政治領域、国際領域という4領域を学習することになります。新しい学習指導要領は項目数が変わっていますけれども、この基本構造は変わりません。
 こういう内容編成の中で、薬害が学習内容としてどこでどのように取り扱われているかを述べてまいりたいと思います。レジュメにはアンダーラインを引いておりますけれども、経済にかかわっては経済主体としての政府が登場する「国民生活と福祉」の中で消費者の保護の学習で扱われることになります。
 もう一つは、政治の学習の中で日本国憲法の基本的原則の学習のところで、薬害が扱われます。これはお手元にある教科書の例等に示してあるとおりです。
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 現行の学習指導要領の内容で、オレンジ色になっているところが先ほど御説明いたしました項目になります。
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 最初に、内容(2)の「イ 国民生活と福祉」の消費者の保護についての学習で、教科書の記述例を見てまいりますと、例えば、?@製造物責任(PL法)という項目が挙がっています。買った製品に欠陥があったことを証明することができれば足り、損害賠償を求める期間は出荷後10年(薬害は発症後10年間)となっている等々、どういう形で今日救済されるのかという問題を取り上げたところで学習が行われる例です。
 また、商品の安全性をめぐる問題ということで、血液製剤によるエイズ感染のような薬害が取り上げられます。
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 また、年表形式で消費生活をめぐる問題を教科書で取り上げています。どういう形でどういう年代に何が起こり、どのようになっていったかの学習が行われてまいります。これが先ほど述べました経済領域における消費者保護の観点から薬害が取り上げられている例です。ここでは教科書の中身としてはそんなに多くはないという状況にあります。これが経済領域でございます。
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 続いて、政治領域についてですけれども、日本国憲法の基本的原則を学ぶ,特に基本的人権の尊重ということで学習が行われます。これはある教科書の1ページ分ですが、ここに示しておりますように、自由権や平等権、社会権、参政権、国務請求権という形で基本的人権を分類した中で、薬害が学習内容として取り上げられるのは、アンダーラインを引いておりますけれども、平等権ともう一つは国務請求権での学習です。
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 教科書記述の例で申しますと、平等権について学習するときに、市民社会における差別意識が残っている状況で平等権はなかなか実現できないと考える。そして、幾つか事例を取り上げている中で、エイズウイルスが取り上げられて、ここに書いてありますように、誤解や偏見から感染者が差別されるケースが後を絶たないということを述べている教科書があります。これが平等権の例でございます。ほかにもありますけれども、今日は例としてこれを示しております。
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 次に、国務請求権の学習として取り上げられているのが、この事例でございます。ここでは、公害あるいは薬害などの被害者が裁判に訴えて、賠償や権利の回復が行われているということを学ぶようになっています。
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 これまでの話を整理いたしますと、およそ社会科公民的分野で薬害が取り上げられているのは、3つの領域になります。ここに書いてありますように、消費者被害とその救済について学ぶ場合。ここでは消費者、先ほど出ました製薬会社、行政という3つの経済主体が出てくるということになります。
 次に、平等権という概念を学ぶ場合。そして、請求権という概念を学ぶ場合。内容的には?@の消費者保護の中身がやはり少し薄いのではないかということが指摘できると思います。
 実際に、幾つか授業例を学校の先生方にも問い合わせて聞いてみましたが、なかなか時間数が保証できなくて、薬害の授業というのはそんなに多く取り上げられている状況ではないということです。ただ、先生方は、社会科と保健体育を連携させながら授業を行うという形とか、あるいは先生が学校新聞をつくって、実際に時事的な問題として取り上げて授業しているとか、あるいは選択社会という科目が中学校であるんですけれども、選択科目というのは先ほど挙げました公民的分野の内容の構成とは別に、今まで習った学習を通してテーマ学習的に1つのテーマを追って学習するということが可能で、薬害を取り上げられている先生もいらっしゃいます。
 この場合は、例えば、医療の問題として患者さんとお医者さんと製薬会社と行政という4つの主体を取り上げてそれぞれどういう状況があって、どういう責任問題が発生していて、薬害というのは一体どういう問題なんだということを検討する授業が展開されていると聞いております。
 社会科教育的に学習を考えていく場合、事実を知るという段階と、それはどういう原因でどのように起こっているのかということがわかるという段階と、これから一体どうすればいいのかという社会の在り方を検討する、考える段階があります。知る、わかる、考えるという段階を経ていく学習の展開が考えられます。そのときに、どういう資料が必要になるのかということが検討課題の1つではないだろうかと思います。
 時間になりましたので、以上で私の説明を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、高橋委員からお願いします。

○高橋(浩)委員 私からは、まだ教材に盛り込むべき内容まで考えが絞られておりませんので、現在学校において保健体育等の中で薬害がどう扱われているかについて、今までも資料が配付されたこともあったと思いますけれども、少し丁寧にお話ししたいと思います。
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 まず「学校における保健教育と薬害」というタイトルなんですが、「健康教育」と使う場合もあるんですが、学校で「健康教育」と言った場合は、ちょっと話が広くなり過ぎる点もあるので、今日は限定して「保健教育」という言葉を使っていきたいと思います。
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 この保健教育なんですが、学校においては今お話があった社会と同じように保健体育という授業があるんですけれども、保健体育の中でも保健教育は行われます。ただ、保健教育の場合には授業だけではなくて、それ以外のものもあるんですね。そういった意味で、保健体育の授業におけるものと、それ以外のものに二分されると書きました。
 授業における保健教育というのは、一般の方は余りお聞きにならないと思うんですけれども、通常保健学習と呼ばれています。保健学習というのは、小学校1〜2年生はないんですが、3〜6年生の間の4年間にわずか24時間なんですが、小学校では標準的に行うことになっております。
 中学校では1〜3年生までで48時間、高等学校では1〜2年生で70時間、これは毎週1回という感じになるんですけれども、これが標準的な時間数です。
 この保健学習は通常の授業の中で扱われるものなので、学習指導要領に沿ってつくられた教科書をベースに行うことが多いと思うんですけれども、基本的に学習指導要領に沿って実施されています。
 今お話しした保健体育の授業の中の保健教育を保健学習と言うんですが、学校においては例えば、小学校1年生に入って手の洗い方というふうに、健康に関して学ぶ機会はあるんですが、保健の授業以外の健康に関して学ぶ機会を保健指導と呼んでいます。
 学校の活動の中では特別活動とかさまざまな教科以外の時間があるんですが、そういう時間を用いて行われています。それに関して学習指導要領では余り詳しい限定というのはありませんで、その学校で問題となっていること、あるいは教師の問題意識に沿って特別活動等の何時間かを使って保健指導が行われるということになっています。
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 まず、新学習指導要領についてお話しします。中学校に関してなんですが、平成24年度の入学者から年次進行で適用されるんですね。それまでは旧学習指導要領が適用されます。ところが、旧学習指導要領においては医薬品というのは中学校の保健学習では扱われていません。つまり平成23年度の入学者も、中学校で薬について学ぶ機会はないということです。平成24年度の1年生からは、中学校の保健学習において医薬品について学ぶ機会があるということになります。
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 これが平成24年度の入学者から学ぶ内容なんですが、まず最初に注意していただきたいのは、中学校の保健学習の全体を通しての目標なんですけれども「個人生活における健康・安全に関する理解を通して、生涯を通じて自らの健康を適切に管理し、改善していく資質や能力を育てる」と書いてあります。これは後で高等学校と比較するとわかるんですが、中学校の場合には個人生活という限定がかかっておりまして、一人一人の子どもは、大人になってからもそうなんですけれども、自分がどういうふうにやっていくかという部分が中心であって、社会とのかかわりということについては、高校で扱われることになっているということです。
 2番目ですけれども、新しい学習指導要領では「医薬品は正しく使用すること」と素っ気ない言葉なんですけれども、学習指導要領に書いてあります。どのくらい中学校の保健の授業の中で医薬品が扱われるのかという部分について、なかなかイメージできないと思うんですが、中学校の保健の授業というのは全体が4領域になっておりまして、体の発育・発達とか心の健康について扱った部分、それから、環境の問題を扱った部分、あるいはけがとか事故を扱った部分、最後に、健康にかかわる生活と病気の予防というまとまりがありまして、その中の更に一部に保健医療機関や医薬品の有効利用というセクションがありまして、その中の1つの内容として医薬品は正しく使用することという位置付けになっています。
 学習指導要領に今のような形に書いてあるんですけれども、学習指導要領解説というのがありまして、学習指導要領は本当に最低限のことしか書いていないので、具体的にこれをどう読み解けばいいかとか、授業に持っていけばいいかということについては解説に書いてあるんですが、中学校の学習指導要領解説には、該当部分に関しては「医薬品には、主作用と副作用があることを理解できるようにする。医薬品には、使用回数、使用時間、使用量などの使用法があり、正しく使用する必要があることについて理解できるようにする」という記述があります。これについてちょっと覚えておいていただきたいんですけれども、後で関係してきます。
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 今度は高校ですけれども、というのは中学校だけではなかなかわかりにくい。やはり社会もそうだと思うんですが、保健の授業も小・中・高と連続して関係を持ちながらあるものなので、高校についてもお話しします。新しい学習指導要領の高校に関しては平成25年度、更に1年遅れて適用されます。この新しい学習指導要領においても、現行のこれまでの学習指導要領においても、高校の保健学習においては医薬品が扱われています。
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 まず、旧学習指導要領についてお話ししたいんですが、これは平成15年の入学者からすべての生徒が受けている。高校でも保健は必修なので、すべての子どもが受けているはずです。学習指導要領には「医薬品は、正しく使用する必要があること」という記述があります。さっきちょっと覚えておいていただきたいと言ったと思うんですが、新しい学習指導要領の中学校の記述と高校の旧学習指導要領の記述というのはすごく似ているというか、かなりの部分、旧学習指導要領で高校で扱われた部分が今回、中学校に下りてきているという構造になっているということです。
 続いて、ここもやはり同じことが言えるんですが、学習指導要領解説には「医薬品の有効性や副作用及びその正しい使用法について理解できるようにする」という記述があります。これも先ほどお示しした中学校の新しい学習指導要領の解説に書かれていることとかなり似ていると思います。
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 今の学習指導要領や解説の記述ではイメージしにくいと思うので、ある教科書を持ってきました。これはある会社の高校の教科書なんですが、高校の教科書は今5種類あるんですけれども、その中でも一番シェアが大きい、多分70%ぐらいのシェアを占めている教科書だと思います。「医薬品と健康」という見開きになっていて、通常これで1時間の授業をすることが多いと思うんですが、先ほどお話ししたように、高校の保健学習では医薬品は正しく使用する必要があることということで、有効性、副作用ということがその後解説に書かれていて、必ずしも薬害について触れなければいけないということは明示されていないんですが、私が調べましたところ5種類の教科書すべてで薬害が扱われていました。この教科書でも右下にサリドマイドのお子さんの写真があるのでわかると思うんですけれども、どのような薬害を扱うということは社によって違うんですが、教科書というのは著者があって、大事だと思うことは扱っているので、学習指導要領よりも更に踏み込んで、すべての教科書で薬害というものをこれまでも扱ってきたということです。
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 今のは高校の学習指導要領でもこれまでの学習指導要領だったんですけれども、今度は新しい平成25年度の入学者から適用される学習指導要領なんですが、まず最初に注目していただきたいのは目標です。保健学習の全体の目標というのが、赤字で示したように「個人及び社会生活における」ということで、中学生が個人生活だったのに対して、高校では個人及び社会生活というように、自分だけではなく社会のかかわり、あるいは社会の一員としてのという視点が保健の中に入ってくるんだということです。
 2番目に、学習指導要領の記述があるんですが「医薬品は、有効性や安全性が審査されており、販売には制限があること。疾病からの回復や悪化の防止には、医薬品を正しく使用することが有効であること」ということで、一部中学校と重なるような部分もあるんですが、これまで高校で扱った内容のかなりの部分が中学校に下りていったということを踏まえて、より社会的な側面、有効性・安全性の審査とか販売の問題というのが学習指導要領にも書かれているということです。
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 今度は、新学習指導要領の解説です。今お示しした学習指導要領を更に詳しく解説したものなんですが、こういう記述があります「医薬品には、医療用医薬品と一般用医薬品があること、承認制度により有効性や安全性が審査されていること、及び販売に規制があることを理解できるようにする。疾病からの回復や悪化の防止には、個々の医薬品の特性を理解した上で使用法に関する注意を守り、正しく使うことが必要であることを理解できるようにする」。更に、この後も注目できると思うんですが「その際、副作用については、予期できるものと、予期することが困難なものがあることにも触れるようにする」と、かなり踏み込んだ記述になっています。
 ちなみに、最後の部分で「触れるようにする」という記述があるんですが、解説においてそれまで出てきた「理解できるようにする」というのが主たる学習内容で、「触れるようにする」というのはそれよりは少し軽い扱いで、しかし、学ぶべきものという位置付けで表現が書き分けられています。
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 保健指導についてなんですが、保健指導に関しては学習指導要領にも今お話ししたような詳しいことは書かれていませんのでお示しできません。結局、保健指導というのは、先ほどお話ししましたように学校や学級、例えば、その学校でインフルエンザがはやった、あるいは事故が多いということに対応して行われるということがあるので、一律にお話することはできないんです。また、教師が何を大事にするかという裁量の部分もかなりあります。したがって、保健教育というのは保健学習と保健指導に分かれると最初にお話ししたんですが、保健指導においてどのくらい医薬品に関して扱われているかということを私は把握していません。なかなか難しいことです。
 データはないんですが、どのくらいかというと恐らくかなり少ないと思います。学校は非常にやるべきことが多くて、そもそも保健指導の時間自体がなかなか多くは確保できていないんですね。保健指導、健康にかかわることのすべての中で医薬品や薬害に関してどのくらい学校でやられているかというと、それほど多くの期待は多分できないと思います。
 ただ、その中でもこの会議でも配付されていると思うんですけれども、日本学校保健会では、子どもたちが学ぶべき大事なことに関しては資料等を作成して学校に配付しているんです。そういうものを活用して保健指導を行っている学校や学級も恐らくあると思います。
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 これは表紙だけ先生方のお手元にペーパーがあると思いますが、日本学校保健会というところから中学生用と小学生もたしかあったと思いますけれども、中学生用や高校生用のものをつくっていて、こういうものが学校に配付されているので、それを元に担任の先生やら養護教諭が実際に指導しているということはあり得ると思います。
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 まとめなんですが、医薬品の特に有効活用あるいは被害の防止というのがあると思うんですけれども、そういう問題あるいは薬害の問題というのは、学校における保健教育においても重要なテーマだということは間違いないと思います。これまでは高校生の保健学習、高校生の保健体育の授業の中と、一部の小・中・高の保健指導で扱われてきたと思います。今後は平成24年からですが、中学生の保健学習においても扱われることになると思いますが、薬害にかかわるということに関しては、先ほどの記述を見ても御理解いただけるように、中学生でも扱われるとは思うんですが、やはり中心的に扱われるのは社会とのかかわりについても結構大きなウエートを占めている高校生ということになるだろうと。この辺りが保健教育における現状と見通しということになると思います。
 どうもありがとうございました。

○衞藤座長 どうもありがとうございました。これで4名の方から発表していただいたわけですが、教材に盛り込むべき事項についての議論が今日のメーンなわけですが、それに入る前に4名の方々からのお話自体に関しましての御質問がありましたら、ごく短時間で伺いたいと思いますが、ございますか。

○小林委員 高橋先生にちょっとお伺いしたいんですが、中学校での保健学習における医薬品についての学ぶ時期ですが、私の理解では平成24年から完全実施ということでお聞きしておりまして、高等学校については平成25年から年次進行で適用されると解説があったかと思うんですけれども、その点はいかがでございましょうか。

○高橋(浩)委員 その辺りについては、ちょっと私の認識が誤っているかもしれないんですが、教科書自体が平成24年にならないと出ないので、恐らく平成24年度に2年生になっている子は、前の年に1年生からの教科書を使うので、前の学習指導要領に沿った教科書を持っていると思うんです。その教科書を使って基本的に保健の授業を実施していくとすると、必ずしもそんなには扱えない。勿論、学習指導要領という新しいものに沿って教科書はそれであっても、学ぶべきことについてはやらなければいけないと思うんですけれども、実際にはなかなか難しい面もあるかと私は認識しております。

○衞藤座長 ほかにございますか。
 それでは、また後ほどでも機会がありましたら御質問いただいて結構でございますが、次の議題であります教材に盛り込むべき事項に関する議論を残りの時間を使って行いたいと思います。前回の検討会では薬害を学ぶコンセプトのほか、どのような内容を教材に盛り込むべきかといった観点からもさまざまな議論がなされました。前回の検討会の終わりに、ある程度共通点も見られましたので議論をまとめてほしい旨、事務局にお願いしておりました。これについて事務局から資料を提出していただいておりますので、まず御説明をお願いいたします。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 まず、資料1をごらんいただければと思います。前回の検討会で座長の方から議論をまとめるようにということで御指示いただいておりまして、それに関して取りまとめたものでございます。
 前回は、特に薬害を学ぶことのコンセプトを中心に議論していただいたということでございまして、これを大きく「?T.総論」「?U.薬害から学ぶこと」「?V.現場での活用に当たって」ということで分類させていただいております。特に、このうちの本日の議論のテーマであります教材に盛り込むべき事項に最も関連が深いと考えられます「?U.薬害から学ぶこと」でございますが、これについては4つに分類しておりまして、?@薬害被害そのものを学ぶということ。?A薬害に関する事実(社会の動きなど)を学ぶということ。?B消費者保護との観点から学ぶこと。?C自ら調べ考えながら学ぶという4分類ということでまとめさせていただいております。
 具体的に申し上げますと、まず「?T.総論」としまして、2つ「○」を書かせていただいております。両方とも共通するところで総論的なものかなということでまとめさせていただいておりますけれども、いずれも薬害を防ぐ社会の在り方をどう考えていくのかというのが一つのポイントであると。特に2つ目に関しましては、先ほど勝村さんからのプレゼンにもありましたとおり、二度と薬害の被害者も加害者もつくりたくないということ。社会において特に薬と一緒に生きていく上で、よりよいかかわり方をみんなで考える契機にしたいという議論がなされたものと考えております。
 「?U.薬害から学ぶこと」の?@としまして薬害被害を学ぶということで整理しております。3つの「○」をつけさせていただいておりますが、いずれにしても薬害被害そのものをうまく伝えていくことが重要なのではないかと。実際、薬害に苦しんでいる方々の現実を記載するべきではないかということで整理しています。
 ?A薬害に関する事実を学ぶということでございます。これは薬害として実際にどういうものがあったのかという共通理解を得るということ、それから、どういったところに失敗があって、どのように制度が改正されたのかといった社会の不完全性そのものを盛り込むべきではないかという話がありました。
 それから、実際に薬害の事実と、それが起こった歴史がきちんと記述されるようにということで整理しております。
 ?B消費者保護等の観点から学ぶことが重要ではないかということで議論がなされております。特に、消費者保護の観点から教材をつくるのがいいのではないかということ。それから、消費者保護の観点だけではなくて、消費者の自立の観点も必要なのではないかといった御意見がありました。それから、消費者保護とともに消費者の自立支援といった観点から教材に盛り込むべきなのではないかという御意見がございました。
 続いて?Cとしまして、やはり子どもたちに対しましてテーマを与えて、自分たちで自由に調べて議論させるということも重要なのではないかということで整理させていただいております。
 「?V.現場での活用に当たって」ということで、教える側にもわかりやすい教材や指導方法の例を付け加えていく必要があるのではないかという御意見がございました。
 それから、実際にせっかくつくった教材が現場で生かされないといったことがあってはならないということで、関係各者が実際に現場の先生方とタイアップしてやっていくことが必要ではないかということ。
 それから、いろいろな媒体で見られるようにすべきではないかといったようなことで議論がなされました。
 そういうことで前回の議論を整理させていただいております。これが資料1でございます。
 それから、関連資料としまして資料2を御用意させていただいております。この関連資料でございますけれども、先ほど御紹介した資料1の議論に対応する形で、例えば、資料1のような議論を教材に盛り込むとしたら、こういった内容なのかなといったイメージが沸くような形で参考資料という趣旨で御用意させていただいております。このため、この資料は具体的な事項をすべて網羅しているものということでは必ずしもございませんので、そういった観点からごらんいただければと思います。
 関連資料の1ページ目をおめくりいただきまして、「当面の検討事項(案)」ということで書いております。これは改めてということでございますけれども、本日は教材に盛り込むべき事項・構成についてという点線で囲んでいるところについて御議論いただくということで理解しております。
 具体的に、例えばどういった形になっていくのかということで、次のページをごらんいただければと思います。資料1の総論部分、先ほど社会と薬のかかわり方という観点で御指摘いただいていたかと思います。これにおきまして現在、社会と薬についてどういったかかわりなっているのかということで簡単に参考資料を御用意しました。これが2〜4ページでございます。
 1つ目は、医薬品の市販までの流れということで、動物実験あるいは臨床試験などを行った上で承認申請がなされて承認されると。承認されるときには医薬品自体がそもそも有害な副作用を生じることは不可避だという中で、効能あるいは効果といったものと比較考慮した上で総合的に判断して承認されるということでございます。また、市販されて市場に出て行った後も、各種再審査・再評価といった形で医薬品に対するチェックが入るということでございます。
 3ページでございますけれども、実際にこの社会において医薬品とかかわっている人々・組織はどういったものがあるのかを図示しています。真ん中に患者さんを置きまして、医療機関と製薬会社、それから国あるいはPMDAということで整理させていただいております。ここはごらんいただければと思います。
 4ページでございますが、具体的にどんな方々が実際にかかわっているのかということで、こういったデータも一つ教材に盛り込むときのイメージとして考えられるのではないかということで出させていただいております。
 5ページ以降でございますけれども、先ほど資料1の議論としまして薬害そのもの、あるいは社会の動きといったものを教材の内容として盛り込むべきという議論がございました。これとも対応する形で幾つか参考資料を用意させていただいております。1つは、どういった健康被害があったのかということで書かせていただいているのが、5ページでございます。これもすべて網羅しているというわけではございませんので、未定稿という形で出させていただいております。こちらもごらんいただければと思います。
 それから、前回の議論で、例えば、具体的な事例について幾つか教材に載せてはどうかということで議論がされたということもございまして、サリドマイド、スモン、HIV、C型肝炎について、前回に出した資料を補充するというような形で資料を出させていただいております。こちらは前回に御説明しているとおりですので、説明は省略させていただきます。
 18ページをごらんいただければと思いますが、前回の検討会で最後にちょっと救済制度の議論がありましたので、救済制度の参考資料をつけております。こちらはサリドマイドあるいはスモンといった事件を契機としまして、医薬品副作用被害救済制度、これが昭和55年からスタートされており、あるいはHIVとかCJDといったものを契機としまして生物由来の感染被害救済制度が平成16年4月1日からスタートされているということで、適正に使用されているにもかかわらず副作用あるいは感染等の健康被害が生じた場合に、各種給付を支給するという救済制度が設けられているということでございます。
 こういったものについても教材に盛り込むべき内容を議論していただく上で、一つの材料になるのではないかということで提示させていただいております。
 事務局からは以上です。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 本日のヒアリングを聞かせていただきまして御意見、あるいは前回の議論を見ますと、教材に盛り込むべき事項にある程度の方向性ができつつあるのではないかと思います。一方、委員の皆様方もこれを入れるべきだとか、あるいはこういった観点からつくるべきだという御意見がさまざまあると思いますので、是非とも本日の検討会で御意見を出していただきたいと思います。
 それでは、残りの時間が25分程度になっておりますけれども、教材に盛り込むべき事項について御自由に御発言いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どなたからでも結構でございますので。

○倉田委員 質問ですが、関連資料の3ページにあります患者を真ん中にした図なんですけれども、これは矢印が双方向性でついているんですが、製薬会社と患者との間が一方通行になっていて、この薬局等を通じて販売というのは、OTC薬のことを言っているのでしょうか。医療機関の病院と薬局という方は医療用医薬品なんでしょうか。そうしますと、OTCと思われる薬局等を通じて販売というところの矢印も、双方向になるのではないかと思うんですけれども。患者と製薬会社、この図をどういうふうにうまくあれするかはわからないんですが、双方向性ではないのかなと思いましたが、いかがでしょうか。

○衞藤座長 御質問のようですので、お答えいただけますでしょうか。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 ここでお示しさせていただいている関係図なんですが、一般的に各患者さんを中心として、どういったかかわりをそれぞれしているのかということで、例えばコンビニとかそういったことも含めて、いろいろなところから実際に医薬品を入手されるということで、製薬企業と患者さんの間では販売する側、買う側ということでお示しさせていただいたものですが、確かに、双方向性という部分もあろうかと思いますので、御指摘のような形で修正をさせていただければと思います。

○衞藤座長 よろしいですか。ほかにございますか。

○栗原委員 資料2の5ページ、前回私が希望したところの関連だと思いますが、未定稿となっているということは、これから更に精査の上充実させるという理解でよろしいかということが1つ。
 今の発言は、まず、事実として日本においていかなる薬害があったのかということ。前回もそうなんですが、今現在もまだそういったところに私の認識が停滞しているんです。6ページからサリドマイド、スモン、HIV、C型肝炎と並んでいるわけですが、いずれも和解に至ったものですね。それらについて事実関係とその後の法的な規制というか、再発防止の取り組みが明示されているわけですが、それだけではないと思うんです。判決に至って落着した事件についての総括というのは、厚労省は公にされたものはあるのでしょうか、ないのでしょうかということが2つ目。
 もう一つは、現在この薬害の問題は医薬食品局が取り組まれていますけれども、日本に出生した子ども、基本的にその子どもたちすべてが接種の対象になる予防接種の法定接種の部分、ここにおいても少なくとも5ページの未定稿の年表の1項目に入れるべき、1948年のジフテリア事件があったわけですね。近いところでは平成元年から5年のMMRワクチンの事件があったわけです。あるいはその間の種痘の問題、既に国内の患者発生がない中で、法定接種が行われてかなりの死者、後遺障害者が出ているという、ここにも薬害性が指摘されるわけですけれども、健康局の領域の、医薬品としては少し特異な使われ方がされるわけですけれども、そこにもやはり認識を我々は持つべきではないかと。最終的に作成される教材の中にいかに表現されるかはともかく、どうも私の現時点での認識はそういった基本的な理解のところで足踏みしているところがあります。
 最後にもう一つ、日本の国において海外の国々よりもはるかに特異的に薬害が多発している、繰り返されているという認識は、国民共有のものなのかどうか。その辺ほかの委員の方々あるいは厚生労働省にお尋ねしたいと思っています。
 以上です。

○衞藤座長 では、まず最初に御質問いただいたことに関してお答えいただけますか。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 まず1つ目のお話でございますけれども、5ページの表について更に精査できるのかというお話ですが、結論から申し上げると、いろいろ御議論いただいて、その上で精査していくという形でよろしいのかと考えております。こういった形で出させていただいたのは、前回、例えばどういった薬害事件があったのかということで、前回出させていただいた資料にはスモンとサリドマイドとHIVとC型肝炎ということで、特に訴訟が一つ大きな問題となって和解に至ったものということで出させていただいたという認識でおります。それに対しまして、そういった訴訟に限るものではなくて、一つの薬害というものを社会現象としてとらえようということで御議論があったと認識しております。そういった考え方からすると、どういったものが含まれるのかということで、今、事務局でこういったものがあるのかなということで整理させていただいたのが、この未定稿の表になりますので、そういった意味ではより精査していただくということでよろしいのかなと考えております。
 2つ目でございますけれども、先ほど申し上げた4つ以外もあるのではないかということですが、後ろにつけさせていただいているような形で整理することは可能だと思います。ただ、実際に教材づくりを議論いただくところで、すべて盛り込むことはなかなか難しいという面があろうかと思います。そういうこともありますので、前回は具体例として幾つか挙げてという議論になっていたかと思いますので、そういったことも含めて、例えばどういったものが後ろにつけているような形で更に整理できるのかについては、御意見をいただければと考えています。
 それから、特にワクチンや健康局に関連する部分もあるということがございます。これに関しては、MMRワクチンもそうだと思いますけれども、先ほども申し上げたとおり、前回の議論にもあったように薬害というのは何なのかということは置いておいたとしても、一つの社会現象として現れているものをとらえるという意味では、そういったものも範囲には入ってくると思いますので、我々としてもできる範囲で連携しながらやっていきたいと考えております。

○衞藤座長 栗原委員の最後の問いかけは、日本では諸外国に比べて薬害が多いと認識すべきなのかどうかについて御意見を伺いたいとおっしゃられましたが、これに関しては委員の皆様含めて、いかがですか。

○医薬品副作用被害対策室長 委員の皆さんの御意見を伺いたいと思いますけれども、今御説明したとおり、今日お出ししている資料は、教材に盛り込む材料を考えるあるいは御議論いただくための材料として出していますので、これが決定版という意味でやっているわけではありません。海外との関係で申し上げると、これまで起こったケースについて、それぞれ海外での取り組みだとか情報をより早く活用することがあったんじゃないかという指摘は、かなり大きなファクターとしてあったのではないかと思います。多分海外との関係を考えるときには、その辺のところが一つの大きなポイントになるのではないか。今日、佐藤さんのお話の中にも指摘がありましたけれども、海外との関係の見方について、そういうところも大事ではないかと思っています。

○衞藤座長 委員の皆様方、いかがですか。

○手嶋委員 14ページのC型肝炎のところを見ていただけるといいと思いますが、先ほど佐藤さんが言われたフィブリノゲン製剤は、私たちも今までの裁判の記録を見て、海外から輸入された血液製剤というのが50%とか70%とか80%とか入っていますので、そのことについて一言も触れていませんし、それと16ページに肝炎対策基本法がありますが、私も国語的にただ横に読んだだけで、「国、地方公共団体、医療保険者、国民及び医師等の責務を明らかにし」と書いてあるので、このままでは国民も医師も責務があると中学生ぐらいだったらとりかねないのではないかという言葉遣いだと私は思ったんですけれども、一応、国の方の肝炎対策基本指針策定ということで毎年1回厚生労働大臣との会議は行われていますが、それと同時に製薬企業との年1回の交渉も私たちはかち取ることができましたので、その件も書いていただきたいなと思っております。
 あと、厚生労働省の前の検証会議の資料の中から、私はとてもすばらしい文面を見つけて、これは今日言おうかどうしようかと思っていたんですが、資料の中から「フィブリノゲン製剤中のHCVの遺伝子解析による証明と同一ロット投与による感染の証明」という文面がありまして、これは「本来製造された製剤について、少なくとも生物学的製剤については、すべての製造ロットのサンプルを保存しておき、問題が生じたときには検証できるようにしておくべきであるが」という文面です。「ミドリ十字社はすべてを回収して、直ちにすべてを廃棄処分にしてしまった。したがって、製剤はほとんど残っておらず、ロットごとに問題点を追跡することは極めて困難である。すべての製剤ロットについて廃棄するという製薬企業の所業は医薬品メーカーとしてあるまじき行為であり、強く非難されなければならないし、今後二度とこのようなことが起こらないようにしなければならない」。これは中間報告で厚労省から出された文書なんですけれども、私は読んだときに、はっきりいって厚労省の方々は本当にありがたいと思いました。私たちのこういうことを表に出していただくということは、本当にありがたかったと今でも思っております。是非このような文面が生かされるような教科書づくりをしていただきたいと思っております。よろしくお願いします。

○衞藤座長 ほかにいかがでしょうか。

○矢倉委員 関連資料2について、かなりきちんとした資料が載っていると思うんです。例えば、どれだけの教材の中に薬害を盛り込んでいけるのか、ページ数とかいろいろあると思うんですけれども、例えばサリドマイド、スモン、C型肝炎、HIV、ここに出ている薬害を見ただけでも、これは副作用で起こったわけではないんですね、人為的に起こった薬害なんですよね。だから、これをきちんと教えていくという必要があるんじゃないかと。これはさておきというような、今日いただいた第1回の議論のポイントの中で、薬害はそういった定義の話はさておき云々ということがありますけれども、やはり今日のヒアリングの中で、薬被連の勝村さんが話をされましたように、この大きな4つは薬害なんですよね。単に医者の指示で正しく飲んで起こった薬害ではないんだと。
 私自身で言いましたら、医者の指示に従って飲んだキノホルムによって被害を受けたわけです。肝炎もそうです、HIVもそうでしょう。わからないところで起こった薬害も非常に多いんですが、これはやはり欠陥のあったものを服用した、あるいは受けたと。そういうことなどがきちんと記述されていかないと、本当の薬害というのは伝わりにくいのではないかと思いますので、そのようなことも留意していただきたいと思います。

○衞藤座長 ほかにいかがでしょうか。

○勝村氏 よろしいですか。意見を言わせていただく立場ではないかもしれないんですけれども、お聞きしたいんですが、私も薬被連のメンバーとして、こういう検討会を開いてほしいということを10年ほど前からお願いしてきた立場からのイメージですが、今のところではここで進められている議論は中学2年生などに、以前ハンセンなどで配付したようなパンフレット状のものを配付するという教材づくりという理解でいいんでしょうか、基本的には。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 関連資料の1ページ目をごらんいただければと思いますが……。

○勝村氏 わかりました。それで、この関連資料というのが、それをつくっていくための資料として配付されているのか、これが実際に配付するものの原案、つまりたたき台としてこういうものを配付したらどうかという意味で資料2が出てきているのかは、どちらなんですか。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 まさにお言葉をおかりするとすれば、原案の原案という感じになるのかもしれませんが、いずれにしても、こういったイメージからどういったものを実際に盛り込んでいくのかという議論の材料にしていただきたいといった趣旨でございます。

○衞藤座長 今の教材の質問ですか。今日は時間があと5分ほどしかないものですから、ごく簡単にお願いします。

○勝村氏 私は、もっと被害者の視点に立ったパンフレットを教科書とは別につくっていただけるものだと期待しておりました。教科書は教科書でどんどん薬害の記述、副作用の記述をきちんとやっていってほしいということは別途文科省の中の議論で私たちも協力しているところですが、そこではどうしても補えない被害者の視点に立って薬害というのは何だったのかというパンフレットをつくっていただきたいという趣旨だったと思うわけで、これが原案の原案だとしたら大きくイメージと異なるという印象です。被害の苦しみがどういうもので、その中でどういう偏見と闘いながら、何を願ってどういうふうに闘ってきたのかということ等々、当初、薬被連は初めて文科省と交渉するときには、薬害が消されるというような「教科書に載らない6つの真実」というタイトルの本も作り、それぞれ各団体が自分たちの言葉で薬害を語っていますが、今、大学や高等教育でもそういう教育の場で、被害者の視点から語ることが大事だと言われています。ところが、そんなものは本来、高等教育でやることではなくて公教育ですべてやられているべきものでということで、そういう視点でお願いしたいと思うのです。
 一方、こういう大きな資料というものは、今回の文科省との交渉でもお願いしていたんですけれども、ホームページ上に掲載してもらうとか。パンフレットを子どもたちに配付すると同時に、教員がより詳しく見られる資料としてこういうものもホームページ掲載用としてお願いしたいということを今日もお願いしたつもりでおったんですけれども、そういう整理をお願いしたいということと、一方、社会現象としてということで、例えば、陣痛促進剤被害も添付文書が改訂されるごとに新聞の一面トップに何十年も載り続けていると、被害が繰り返されてというようなことも是非載せていただきたいということ。それから、もう一つ、今日はそういう添付資料をお送りしていたんですが、配られていないみたいなので、次回また配っていただくとありがたいと思います。
 時間のない中で申し訳ありませんがよろしくおねがいします。

○医薬品副作用被害対策室長 事務局から補足させていただきます。説明の仕方に誤解があったかもしれませんけれども、今日に限らず、事務局が用意している資料は議論をしていただくための参考としての材料です。資料1にも書いてございますけれども、前回、被害そのものをきちんと伝えるとか、被害者の方がどう思っていらっしゃるかということを伝えることが大事だというのは、結構強いメッセージとしてありましたので、そういう意味では今日は、我々事務局が用意した関連資料というよりは、皆さんから伺った声そのものが多分材料になっていくのだと思いますし、ここで議論していただくことがその材料ということになると思います。ここに出ている資料は、いわば議論をしていただくための材料だと見ていただいた方がいいかもしれないです。
 ただ、何もなしだとイメージもわかりにくいということがあろうかと思いますから、事務局サイドで被害者の声はこうですというのはなかなかつくりにくいところもあるので、まずは、今回と次回までにそういうところはなるべく出してただきたいと思います。出していただければ、例えばこんなふうに整理するとか、加工するということはいろいろできるのではないかと思っていますので、是非そのようにお願いしたいと思います。

○勝村氏 そういう手順にしていただければありがたいと思います。

○栗原委員 ですから、今のお話は、先ほど原案の原案という表現がありましたけれども、そうではないという理解でよろしいですね。

○医薬品副作用被害対策室長 今、御説明したとおりです。

○衞藤座長 それでは、教材に盛り込むべき事項ということで、まだほかに御発言ございますか。

○高橋(寛)委員 前回出ていないのでちょっと的外れかもしれませんけれども、今のお話で薬害の事実を伝えるというのは非常に大事だと思うんですが、この受け手は中学生ですよね。中学生がどのくらいのことを受けとれるかということも是非考えていただきたいんですよ。これは今だけではなくて時代は変わっていきますから、そのときにも薬害があったという事実は是非残してもらいたいと思います。
 ただし、もう一つ、私は被害者でも何でもないので、こういうことを言うとあれかもしれませんけれども、大事なことは子どもたちが何ができるということが最後見えるようなものにしていただければいいんじゃないかと思うんです。薬害はこうだと、大変だじゃなくて、その中で君たちはこんなところで予防もできるし、もしかしたら加害者にもなるし、何ができるということを最後にクラスメートが議論できるようなものに是非していただければと。具体的でなくて申し訳ありませんけれども、そういうものをつくっていった方が生きるんじゃないかと思います。

○衞藤座長 ごく簡単にお願いします。

○勝村氏 私はおっしゃるとおりだと思っていまして、ハンセンのパンフレットを見せてもらったときに、本当に被害者の視点を重視して、本当に中学生にわかりやすくつくっていただいていると。今日もお二人の先生方のお話をお聞きして非常に勉強になりましたし、私たちが被害者の視点で伝えたいことを専門家の皆さんがどういうふうに中学生にほかの教育とのバランスも兼ね合わせながら伝えていくのがいいのかということで力を尽くしていただけるということに私は非常に安心しているわけで、おっしゃったことはまさに私の気持ちと一致しておりますので、是非そのようにお願いしたいと思います。

○衞藤座長 定刻にそろそろ近づきつつありますけれども、どうしても今ということがありましたら、どうぞ。

○小林委員 今、高橋委員が言われていたとおりだと思います。子どもさんたちは中学校3年生で初めて授業として薬について学ぶわけです。そこで学ぶことは、先ほど高橋先生から御説明がございましたように、医薬品は正しく使用すること、医薬品には主作用と副作用があることを理解するということ、本当に基本的なことを最初に勉強されるということですね。その中で、当然皆さんが言われたように、薬害の事実というのは絶対に載せていかなければならないと思いますが、そのほかに、前回の検討会で、花井委員が薬害は不完全性の社会現象のほころびと言われていましたけれども、それでは、なぜほころびが出たのか、それから、ほころびによってどうなったのか、それはどうしたら防げるのか、将来的にどういう展望をえがくのか、そういう内容を載せていく必要が私はあると思います。また、医薬品は人々の健康維持に役立ってきたという事実も子どもさんたちは理解しなければいけないことなのかなと思っております。
 以上です。

○衞藤座長 ありがとうございます。
 それでは、時間がほとんどございませんので、本日の議論を事務局で整理していただいて、次回までにまとめていただきたいと思います。
 時間の関係で本日はまだ御意見がまとまらなかったということがございましょうから、教材に盛り込むべき事項に関しまして、おおむね今週中、9月3日ごろまでに事務局あてに御意見を出していただく、FAXでもメールでも構わないと思いますけれども、そういった形で今日時間がなくなってしまった分を保証したいと思いますので、よろしいでしょうか。
 それでは、次回の予定等について事務局からお願いいたします。

○栗原委員 済みません、運営に関して希望があるんですが。議事録の件ですが、これは次の検討会までに前回分を読めるということがベストだと思いますし、注目されている国民の側にとっても、資料とともに議事録もできるだけ早く公開されるということが望ましいと思いますので、我々委員一人一人も努力するという確認の上で、できるだけ早い資料と議事録の公開をお願いしたいということです。

○医薬品副作用被害対策室長 そのように努力させていただきたいと思いますけれども、次回まで余り時間がなくて物理的になかなかできない面もあるというところを御容赦いただきたいと思います。

○衞藤座長 では、次回の予定等をお願いします。

○医薬品副作用被害対策室長補佐 次回の予定ですけれども、9月14日火曜日の17時から。場所は厚生労働省17階専用18・19会議室です。次々回は10月5日火曜日の18時からということで予定させていただいております。先ほど座長からもございましたとおり、教材に盛り込むべき事項に関しまして御意見をいただきたいと思いますので、また追って事務局から御連絡差し上げたいと思います。

○衞藤座長 ありがとうございました。
 それでは、これで本日の検討会を終了いたします。長時間にわたりお疲れさまでございました。ありがとうございました。




(了)
<連絡先>

厚生労働省医薬食品局総務課
医薬品副作用被害対策室
TEL 03-5253-1111(内線2718)

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