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2010年6月24日 第8回再生医療における制度的枠組みに関する検討会議事録

医薬食品局審査管理課

○日時

平成22年6月24日(木)15:00〜17:00


○場所

経済産業省別館944会議室


○出席者

委員

永井座長、阿曽沼委員、伊藤委員、小澤委員、片倉委員、神山委員、澤委員
鈴木委員、高杉委員、土屋委員、花井委員、早川委員、前川委員、武藤委員
毛利委員、森尾委員、大和委員

オブザーバー

三宅内閣府参事官、山内文部科学省先端医科学研究企画官、
荒木経済産業省生物化学産業課長、平山(独)医薬品医療機器総合機構上席審議役

行政庁出席者

高井医薬食品局長、岸田大臣官房審議官、成田審査管理課長、宇津企画官、
関野医療機器審査管理室長、國枝監視指導・麻薬対策課長、宿里監視指導室長、
福本経済課長、池田医療機器政策室長、高山医療機器政策室長補佐、
宮田高度医療専門官

○議事

○宇津企画官
 定刻になりましたので、まだ1名、高杉先生がいらっしゃっておりませんけれども、第
8回再生医療における制度的枠組みに関する検討会を開催させていただきます。
 本日欠席のご連絡をいただいておりますのは稲垣委員、木村委員であります。
 オブザーバーで若干、まだ来ていらっしゃらない方がいらっしゃいます。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。本日、お手元にお配りしておりますも
のでございますが、いちばん上が議事次第、座席表、委員名簿、開催要項。それから資料
1といたしまして、前回、第7回の主な議論のまとめ、資料2といたしましてヨーロッパ
医薬品庁(EMA)の予算。資料3といたしましてプロベンジの追加情報。資料4といたし
まして、確認申請と治験届の関係。資料5といたしまして米国のHDE制度について。資
料6−1といたしまして、希少疾病用医薬品・医療機器制度について。資料6−2といた
しまして、希少疾病用医薬品・医療機器の承認時の臨床症例について。資料7として、今
後のスケジュールであります。
 その他、参考資料としまして1から5までの資料をお配りしております。
 不足等がございましたら事務局までお知らせください。
 それでは、以降の議事進行につきましては座長の永井先生にお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。

○永井座長
 それでは議題に入りたいと思います。本日はお手元の議事次第に基づきまして、前回の
議論の主なとりまとめ、そして宿題事項あるいは希少疾病用医薬品・医療機器制度につい
て事務局よりご説明頂くということになっております。
 続いて、阿曽沼委員、澤委員、小澤委員、医薬品医療機器総合機構の平山上席審議役よ
り、それぞれ5分から10分程度でお話をしていただく。その上で意見交換を行いたいと思
います。
 最後にできるだけの範囲で結構ですが、早期に制度等の実現を図る観点から、これまで
の議論を踏まえて合意できる点についてご相談したいと思っております。
 では、議題1の第7回検討会の主な議論のとりまとめにつきまして事務局より説明をお
願いいたします。

○宇津企画官
 それでは、前回、第7回検討会での主な議論のまとめについてご説明いたします。資料
1でございます。
 「第7回 再生医療における制度的枠組みに関する検討会」における主な議論のまとめ
であります。1、2、3と大きく分けておりますが、1番目が宿題事項として調べるとい
う点でございます。2点ございました。2と3でございますけれども、前回の検討会にお
いて主な議論のたたき台としてお示ししたものに、大きく2点がございました。その2つ
に関連するような形でまとめさせていただいております。
 2.のところでございます。有効性・安全性の評価等のあり方についてということでご
ざいまして、そこに書いてありますように、再生・細胞医療製品についても、行政機関が
品質、安全性、有効性を審査した上で、個別に承認し、市販後の安全対策を行うべき、と
いうご意見が多かったというふうに承知しております。
 3.でございます。質の高い製品を迅速に開発する方策についてということで、主なも
のをまとめてございます。マルの1でございます。開発段階での相談制度。欧米では研究者、ベ
ンチャー企業に対して相談が無料または割引で行われているということで、日本において
も研究者、ベンチャー企業が利用しやすいような相談事業の検討が必要ではないかという
点。それに関連して、開発初期の段階から審査側と議論することは重要であるというご指
摘でありました。
 2つ目として、リスクベネフィットの考え方ということで、再生関係のターゲットとい
うのはオーファン的なものが多いので、市販前のデータ収集というのは限りがあるので、
市販後のデータを重視することもあるのではないかというご指摘でありました。
 2つ目が、患者に対するベネフィットをどうするのか。リスクベネフィットのバランス
をどう評価していくか。そのための制度というのはどう担保していくか、検討会で検討す
ることが必要だというご指摘でございます。
 3点目でございます。重篤な疾患患者に対してどのような医療を行うかという医療行為
の中であり得る議論と製品を上市してよいかという議論は区別して行うべきではないかと
いうご指摘でありました。
 3つ目の大きな点として、確認申請についてということで、これは日本の独自の制度で
あるということ。その中で時間が大変かかるということ。その後の開発に内容が活かされ
ていない等の問題があるというご指摘であります。
 4つ目の大きなポイントが、臨床研究・治験についてということで、1つ目が欧米では
GCPなどの規制があるが、医療機関等のシステムあるいはマンパワー、研究費が確保さ
れているから対応できているのではないかというご指摘であります。
 続いて欧米でも再生・細胞医療の治験はそれほど多くないということであって、日本で
臨床研究がこの分野で行いやすいということについて評価されることもあること。
 欧米の制度をそのまま導入するのではなく、日本に合った制度を考えるべきではないか
というご指摘もありました。
 大きな5点目であります。審査員の人材育成についてということで、人数の確保だけで
はなくて、人材の育成が重要であるということ。開発現場のノウハウを理解していくこと
が重要であるというご指摘がございました。
 最後、全体にわたるご指摘として、現行の制度をそのまま当てはめるというのではなく、
規制制度が合わなければ制度の見直しなども検討していくべきというご指摘でございまし
た。
 以上が主な議論のまとめでございます。

○永井座長
 ただいまのご説明にご質問、ご意見はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。確認申請というのはよく大変だと聞くのですが、実際、どのぐら
い大変なのか。もう少し説明いただけますか。

○宇津企画官
 今回、資料4のところで、確認申請について、どういうことを確認しているのか、宿題
をいただいておりますので、そこでご説明をいたします。

○永井座長
 よろしいでしょうか。それでは、それはまた後ほどということで、そうしましたら議題
2、前回の宿題事項及び希少疾病用医薬品・医療機器制度について、事務局よりご説明を
お願いいたします。

○宇津企画官
 それでは、資料2でございます。EMA(ヨーロッパ医薬品庁)の相談料割引とその財源
についてということで、前回、前川委員からご質問を受けた点でございます。
 表の下に書いてございますとおり、先端医療医薬品(ATMP)ですけれども、その相談
手数料につきましては65%の割引となっております。更に中小企業が相談を申し込んだ場
合には上乗せがありまして、合計で90%の割引となっております。この穴埋めといいます
か、その割り引いた分の手当てありますが、表を四角で囲ってございます。EU一般拠出
金ということで、EU加盟国からの拠出金が出されております。合計で3,261万ユーロ、約
40億円です。
 その内訳でありますけれども、ATMP、先端医療医薬品の対策拠出金、それから中小
企業対策拠出金として手当てされております。ATMP対策拠出金として192万ユーロ、約
2.3億円。中小企業対策拠出金として573万ユーロということでございます。
 これらの拠出金が相談料の割引等に使われている。相談料の減免とかに使われていると
いうことでございます。
 続きまして、資料3でございます。米国における自家細胞由来再生医療製品の審査事例
ということでございます。これは前回、プロベンジという品目について米国FDAにおい
て追加資料を要求されていますということでご説明をしておりました。その後、本年4月
末でございますが、FDAが承認をしたという情報がございましたので、その追加情報を
お示しいたします。追加の点は下のほうの下線が引いてある部分でございます。4月末に
約500例の患者を対象としたプラセボとの二重盲検、無作為化比較試験のデータを評価して
おります。その結果、生存期間について約4か月の延長が認められた。こういうことから
FDAが生物製剤、バイオロジックスの1つとして承認をいたしております。
 ただ、一方で脳血管系の副作用が数パーセント高く出ていたということがございまして、
市販後に安全性についての確認の調査が課されております。効能につきましても無症状あ
るいはほぼ無症状、かつホルモン不応性の転移性前立腺がんということで、二次治療的な
位置づけになっております。
 このように米国においてこういう製品についても500例の比較試験のデータに基づいて承
認をしたということでございます。
 続きまして、資料4でございます。確認申請と治験届ということであります。左側が確
認申請です。右側が治験届で必要な資料等でございます。目的としましては両方とも、治
験に入る前の段階でありますので、治験において被験者に対して保健衛生上の被害の発生、
拡大がないということを確認するためのものであります。その中で確認申請は特に安全性
及び品質の確保の点を中心に見ているということであります。
 左のほうを見ていただきますと、確認申請に必要な資料でございます。品質及び安全性
ということで、まず品質関係で製造方法、それから最終製品の品質管理、安定性に関する
資料。安全性に関するものということで、動物実験等の非臨床安全性試験。薬理的な効力
または性能を裏付ける試験。体内動態の資料ということであります。これらの資料から感
染症全般の危険性でありますとか、製造方法、品質管理の妥当性などを確認いたします。
 また臨床試験に関しても対象疾患、治療内容についての情報を併せて出させていただい
ております。それにつきましては臨床試験を行うことの妥当性を明らかにするためという
ことで、リスク・アンド・ベネフィットという観点からの判断をするということになって
おります。
 一方、治験届でございます。提出する情報といたしましては、まず品質、安全性の観点
ということで、形状、構造・原理あるいは原材料、製造方法、安全性関係で動物実験等の
情報を出していただいております。
 また、治験に入る前ということですので治験計画に関するものを出していただいており
まして、使用目的であるとか、予定される効能効果、治験計画の概要ということで予定被
験者数、対象疾患、実施期間、これらについての計画等を出していただいております。
 その中で保健衛生上の危害発生防止のため、GCPに定める遵守事項について、それか
ら被験者の人権保護、安全保持、福祉向上の観点から調査を行っております。この調査は
30日以内に行うということで、30日を超えなければ治験に入ることはできないという規定
になっております。
 続きまして資料5でございます。前回、リスクアンドベネフィットをどのように評価を
しているということがございましたので、患者数が少ないものについての評価という観点
から希少疾病関係の制度についてご説明をいたします。まず最初が米国のHDEという制
度でございます。
 米国においては80年代からオーファン関係の制度が始まったのですが、オーファンドラ
ッグという制度はあったのですが、オーファンデバイスという制度はございませんでした。
それで医療機器に関する支援制度として90年代半ばぐらいからこのようなHDEという制
度が始まったということでございます。
 まず制度の概要であります。HDEというのは一般の医療機器の承認申請と類似であり
ます。異なる点として有効性の要件が免除される。あるいは使用に当たってIRBの承認
が必要となるという、市販後の上乗せ等が課されるということになっております。
 まず最初にFDAからオーファンデバイスという、HUDという指定を受けて、その後、
治験等でデータをとって、HDEという人道機器適用免除という申請をして承認を得ると
いう流れになります。
 HUDの指定でありますが、2.のところであります。対象患者が年間4,000人以下の診
断または治療機器ということであります。指定申請がされますとFDAのほうで審査があ
って、45日以内に判断をするということであります。2009年の会計年度の申請件数は21件、
そのうち10件が指定されております。
 3.のところで承認申請と承認後の流れ、要件についてご説明します。まず、承認審査
でありますが、安全性の証明は必要であるが有効性部分は予想される便益の説明で代える
ことができ、有効性を科学的に証明した臨床試験の結果は必要とされないという規定にな
っております。この科学的な証明というのがどこまでというのがなかなか判断が難しいと
ころでございます。
 FDAがどのような点を確認しているかというところが真ん中以降のポツのところで示
しております。該当機器が不合理または重大な疾病危害を与えないということ。2つ目が、
既存の治療法または既存の機器のリスクベネフィットを考慮しても、危害疾患のリスクに
ベネフィットが勝ると判断できる十分な情報があるということ。同等の機器がないという
こと。別の方法では市場に導入できないということであります。
 制度が導入された96年以降、50製品が承認されております。そのうち日本で承認されて
いる製品、類似のものも含みますが4品目を裏に載せてございます。後ほどご説明いたし
ます。
 承認後の上乗せであります。1つ目として倫理委員会が設置された医療機関において、
IRBの承認後に使用が可能であるということ。また、インフォームド・コンセントは求
められませんが、承認されているが効能効果は証明されていないこと、HUDであること
を表示する義務があるということ。使用量についての報告の義務があること。要件に合致
しなくなったものは承認の取り消しが行われるということ。それから、価格に関する報告
ということがございます。
 裏にいっていただきまして、実例をお示ししております。日本において承認された米国
HUD医療機器の概要ということであります。有効性についてということで、その主要な
臨床試験の症例数を比較しております。左側が日本の例、米国が右のほうになっています。
 いちばん上がコッドマン エンタープライズ VRDということで、これは脳の動脈瘤に
コイルを入れる場合に血管が破れる場合があり、それを保護するための機器であります。
 まず右のほうの米国での臨床試験の症例数を見ていただきますと、5施設の28例の臨床
試験のデータを基に評価をしております。手術手技的な成功率を見ておりまして、この結
果95%の成功率があったということであります。
 一方、日本での評価でございます。臨床試験の症例数を見ていただきますと、海外で行
われた5施設28例、このデータをまず評価し、また国内2施設15例の臨床試験のデータを
出していただいています。これは日本での手技適合性があるかどうかという点の確認でご
ざいます。
 続いて2品目目です。VEPTRシステムということで、これは小児で骨格が未成熟な
胸部不全症候群の骨格を矯正するものでございます。右のほうの米国での臨床試験の症例
数を見ていただきますと、7施設で214例の臨床試験のデータを評価し、胸部の石柱の変形
が矯正されたでありますとか、肺機能が改善したでありますとか、そういう点の評価をし
ております。
 日本での評価であります。国内の追加の資料はなく、米国で行われた7施設214例のデー
タを基に評価をしております。これについてはオーファンの指定はしておりませんが、こ
れは学会からの要望があったということで、ニーズの高い未承認医療機器ということで、
関連する会議で取り上げられた品目であります。
 3品目目が、自家用皮膚のものでございます。ジェイス。これは類似品目ということで、
米国のほうはエピセルを載せております。米国のほうでありますが、臨床試験の症例数44
例の医師主導の前向きの試験であります。そのほか、過去の患者の記録ということで552例
の記録を基に評価を行っております。承認されたのは2007年10月25日です。日本でありま
すが、国内2施設2例のもの。そのほかいろいろな情報を総合して評価をしているという
ことであります。オーファンの指定はございませんが、承認されたのは2007年10月29日と
いうことで、ほぼ同時期の承認ということになっております。
 ここには載せておりませんが、4品目類似も含めてあると申し上げました。1品目はジ
ョーステントグラフトマスターという品目でございます。こういう品目がございます。こ
れも米国においては70例のプロスペクティブな評価を行っているということでございまし
た。
 続きまして資料6に移らせていただきます。希少疾病用医薬品・医療機器制度の指定制
度についてでございます。6−1でございます。制度の目的であります。医療上の必要性
が高いにもかかわらず患者数が少なく、研究開発が進まない医薬品等の開発を支援すると
いうことでございます。
 指定の要件であります。対象患者5万人に達しないということ。医療上の必要性という
ことで、他の医薬品あるいは治療法がないということ。あるいは既存のものに比べて著し
いく高い有効性、安全性が期待されるということ。あるいは開発の可能性があるというこ
とであります。
 指定を受けますと各支援を受けられますが、その内容についてであります。まず1つ目
が優先的な治験相談及び優先審査が受けられるということです。新医薬品の場合ですと優
先審査ですと審査期間が約6か月短くなります。新医療機器でありますと約5か月短くな
るということであります。申請手数料の減額を受けられるということで、6〜7掛けぐら
いに手数料が安くなるということ。再審査期間の延長が受けられるということで、その間、
後発品が出てこないということになります。
 試験研究費への助成金の交付あるいは税制上の優遇措置も受けることができるというこ
とであります。
 裏に行っていただきまして、指定までの手続き及び必要な資料であります。医薬品の場
合を挙げております。対象患者数に関する資料、これは5万人以下ということを説明する
資料であります。続いて医療上の必要性に関する資料ということで、類似の医薬品の有無
とか現在の治療法の有無などに関するものであります。また、理論的根拠に関する資料と
いうとで、品質とか有効性、安全性に関する、それまでに得られている知見であります。
最後に開発の計画。予定している試験項目とか開発計画の概要であります。
 指定までの流れであります。まず厚生労働省のほうに相談をしていただくということで、
オーファンとして可能性があるということになりますと、指定の申請を上げていただいて、
その内容について医薬品機構のほうで事前審査をし、その後、薬事・食品衛生審議会の審
議を経て、適当であると認められた場合に指定をするという流れになっております。
 続いて資料6−2でございます。オーファンというのは5万人以下ということで、対象
患者が少ないものであります。そのような品目についてどのような臨床データをとったの
かをまとめております。この表に載せておりますのは、平成16年度以降にオーファンドラ
ッグ、あるいはオーファンデバイスに指定された品目で、承認されたものであります。
 やはり臨床試験の症例数は各品目ごとに違っておりますが、総じて臨床症例数としては
それほど多くないということであります。
 まずいちばん上の品目を見ていただきますと、ナグラザイム点滴静注液5mgであります。
ムコ多糖症の?Y型でありまして、これはいちばん右を見ていただきますと、国内推定患者
数が4人ということでございます。それをどれだけの症例数で評価したのかということで
ありますが、右から2つ目のカラムであります。臨床試験の症例数、海外で行われた55例
の臨床データに基づいて評価をした。なお括弧書きで書いてありますが、国内臨床研究の
中間報告3例、これも併せて参考情報として見ているということであります。
 その表の下から2つ目でありますが、肺動脈性肺高血圧症、これについては海外で898例、
国内自主臨床研究として112例等を参考にしながら評価をしたというものでございます。
 裏に行っていただきまして、各種品目が出ております。いちばん上のものについてはフ
ェノバルビタールということでございますが、新生児けいれんということで、国内の10例
の臨床試験のデータということでございます。
 最後のページに移っていただきますと、そのページのいちばん上にタリムス点眼液とい
う、タクロリムスの点眼液がございます。適応としては春期カタルということで、これに
ついては海外データはないのですが、国内で476例ということで、一定程度の症例数を集め
て評価をしているということでございます。
 その下のほうは医療機器が出ております。2つばかり補助人工心臓がございます。国内
ではともに6例の臨床試験のデータで、海外のデータも併せて評価をしているということ
でございます。
 前回、リスクアンドベネフィット等のご議論がございましたけれども、現在の審査は品
目によって、日本での臨床試験の実施可能性等を考えまして、必要で可能な限りのデータ
をとる。また品目ごとに有効性の評価方法等が違いますので、関連する情報あるいは海外
の情報、これらの情報を総合して現在は審査を行っているということでございます。一律
に臨床試験の症例数を決めているということではなく、その品目ごとに必要性について判
断し、データを収集した上で評価をしているということでございます。
 以上が事務局からの説明でございます。

○永井座長
 ありがとうございました。では、今のご説明につきまして。

○前川委員
 資料2についてですが、私が疑問に思っておりましたことを調べていただいて、どうも
ありがとうございます。資料を見ますと、相談料の割引に関しては財源としてはEUのレベ
ルで補助が出ているようであります。わが国の場合、医薬品機構(PMDA)は独立行政法
人ですので、相談にかかる費用はPMDAで調達をしていく必要があるわけですが、その費用
が実際には申請をするサイドにかかってきているわけであります。EMAの現状を参考に
しますと、我が国においても、国のレベルで国の予算を確保していただいて、PMDAに
補助を行うという格好で、相談料をかなり安くするということを行う必要があろうかと思
います。そういうシステムをつくり上げていくことをこの検討会として提言していければ
と思います。
 ただ、どんな申請に対してもすべからく補助すると言うわけではなく、ある程度一定の
レベルに達している施設から申請があった場合や、申請内容が水準以上に達している場合
にはそういう補助を申請することが可能であると言うようなシステムにすべきではないか
と思います。

○宇津企画官
 ありがとうございます。後ほどまた先生方にご相談をさせていただきたいと思っており
ます。

○永井座長
 ほかに。

○大和委員
 資料2は相談料の割引ということですが、実際にはこれ以外にもEUから開発に係るコ
ストの補助が出ている現実があります。日本でも基盤研とかからそういうものがあると思
いますが、両方とも知っているので、我々のケースで言うとヨーロッパのほうが額も大き
くて、非常に使いやすいというのがあります。相談料を割り引くだけではなくて、更に開
発コストに関しても先端的なものに関してはEUレベル、もしくは日本では国レベルで補
助していくというような方針も検討すべきではないかと思います。
○永井座長
 いかがですか。

○宇津企画官
 ご指摘ありがとうございます。どのような制度があるか。私どもの制度としては希少疾
病用医薬品の制度で補助事業がありますが、その他にもいろいろあると思います。その点
は次回以降、調べて、この検討会で何ができるかということはありますが、情報を提供し
たいと思います。

○永井座長
 ほかにいかがですか。

○鈴木委員
 資料4の確認申請ですが、これについてはここに書いてあるのは項目がきれいに並んで
書いてあります。実際にはどの程度の件数があって、例えばどういうところでいちばんよ
く引っかかるとか、あるいは実際の期間がどのぐらいかかっているとか、もうちょっと具
体的な問題になっているようなところを補足して説明していただければと思います。

○宇津企画官
 ご指摘ありがとうございます。この後で医薬品機構のほうからプレゼンをさせていただ
くことにしております。その中で実際にどのようなことを確認しているのかということを
説明したいと思っております。

○永井座長
 後ほど話を伺える。ほかに。

○小澤委員
 今の確認申請でございますけれども、実際にはこのボックスのそれぞれの前に相談制度
というのがあるわけです。相談制度とは何をやっているのか。その辺も時間と併せてご発
表いただけるとありがたいかなと。あとお金が多分これにリンクしてくると思います。幾
つかオーバーラップしているものがあると思います。

○永井座長
 そのほかにいかがですか。どうぞ。

○澤委員
 資料6−2に希少疾病用医薬品デバイスの承認時の臨床症例というリストを出していた
だいていますが、医療機器の場合は、これはおそらく特に2つの人工心臓があって、6例
であったということで書かれているかもしれません。これはとんでもない時間がかかって
いて、これが承認された時点で本国ではもうつくっていないというのが、まずノバコアで
す。それからHeart Mate1というか、XVEのニプロのほうも一応承認のところまでいってい
るけれども、会社はヘジテートして、次のデバイスが出てくるという、そういう現実があ
ったということをむしろ認識すべきかなと思います。
 確かに症例数は少なくて審査をしていただいているというところから、今後、それがも
っと促進されていくべきだろうと思いますが、今三つの人工心臓の治験が大体終了して、
今、申請中もしくは承認待ちの段階ですが、そのあたりはこういうところに出てきていな
いような気もいたします。

○森尾委員
 森尾でございます。また要望ですが、確認申請のところの説明のところで、項目が幾つ
か挙がっていますが、これは医薬品と再生医療、細胞医療製剤との違いといいますか、再
生医療、細胞医療製剤がそぐわないような部分があるかどうかという観点からご説明いた
だければと思います。

○宇津企画官
 確認申請はご存じだと思いますが、細胞組織を利用したものということに限定しまして、
化学薬品などは当然確認申請は必要ないということになっています。

○森尾委員
 非常に具体的な話をしますと、LD50とか、どのぐらい細胞を輸注すればマウスが苦
しむのかというようなところが本当に必要かどうか。細かいところですが、何かこういう
ところは必要ないのではないかというところがあればということでございます。

○宇津企画官
 私も詳細や個別のケースというのは分からないのですが、これは品目ごとに必要なデー
タの範囲を判断することとなり、当然ながらヒトの細胞の製品の場合で、動物実験で安全
性について何が評価できるのかというのが当然あると思います。それは品目ごとに必要な
データを判断をしてやっているのだと思います。

○伊藤委員
 聞くのが恥ずかしいのかなと思いながら、迷っていたのですが、専門の方々の議論につ
いていけない部分がありまして、ちょっとお聞きしたいのですが、相談料というのはどう
いう意味なのか。なぜこんなにお金がかかるのか。相談料というのは言い換えるとしたら
何なのか。専門でない私どもにこの相談料という意味がちょっと分からない。それから割
引というのがある。これはEMAの予算だとしても、日本でも割引というのはあるのかを
聞きたい。割引があるとしたら、割引にならないものというのはどんなものかとか、かな
り素朴な話ですが、相談料という意味がどうもよく分からないので。

○宇津企画官
 相談というのは医薬品・医療機器でありますと、承認の書類を申請するときには安全性、
有効性に関してのデータが必要になってまいります。そのデータをどの程度集めたらいい
のかという点。あるいは臨床試験を行うのに、対象となる患者さん、それから病状とか、
どういう臨床試験を組んだらいいのか、そういうことについて審査側と開発者の方がディ
スカッションをして、適切な臨床試験の計画を最終的につくっていく、そういう相談を行
います。

○伊藤委員
 相談するというのは分かります。でも、なぜ相談に相談料が要るのかなというのが分か
らなくて。

○永井座長
 要するにコストがどれぐらいかかるか。人件費であれ、情報収集なり、組織の維持のた
めにというご質問だと思うんです。

○伊藤委員
 というか、審査にお金がかかるのは分かるのですが、なぜ相談するときに費用を開発す
る側が払わなければならないかいうのがよく分からないのですが。

○平山PMDA上席審査役
 要するに対面で1回会って言葉のやりとりをして、終わってしまうんだったらたかだか
1時間分の相談料ですむのですが、こういう医薬品開発とか医療機器の開発での相談とい
うのは具体的にいろいろな安全性試験とか品質の試験とか、非常にたくさんのボリューム
の試験をやらないといけない。その内容について、まずは相談されるということになれば、
それまでに得られている事実がどういうものか。それを評価して、じゃあ試験の方法とし
てはこういうのをやらないといけないとか、そういうアドバイスをすることになります。
通常、1つの相談が来ますと、その資料に基づいて、我々はチームと言っているのですが、
審査チームという大体10人ぐらいのグループがあるのですが、その中で内容を吟味して、
どういうふうに回答をするかというのを決めていく。実際、当日は大体半日ぐらいのコー
スですけれども意見のやりとりをする。その後に更にその内容について文書で議事録の要
旨のようなものですが、それを作成して相談者に提供する。そういうことですので事前の
検討、それから当日の相談、事後の記録の作成、それに要するコストを相談料としていた
だいているということです。

○伊藤委員
 しつこいようですけれども、そういうことで相談が必要というのは分かるのですが、国
として国民のためになる薬の開発その他をいろいろな方々がされるということについて、
安全性の確認ということの相談を受けているわけです。そこが開発する側から相談料まで
取らなければならないという仕組みというのは、そのことが分からないということを言っ
ているんです。なぜなのか。例えば建築のときに確認申請、あれも確認申請の前の相談料
というのが必要なのかどうか、よく分からないのですが、どうしてもこういうことが必要
なのかどうかという意味がよく分からないんです。
 必要だから必要なセクションが設けられていて行政が行われているわけだと思います。
それがなぜわざわざまた民間から相談料というものまで取らなければいけないのかという
のがよく分からないのですが。

○平山PMDA上席審査役
 PMDAそのものがそういう手数料を基にして給料を払っているわけです。職員に対し
て。そうすると職員を働かせるということは、それだけのコストがかかっているわけです
から、それに見合う手数料を徴収して、職員の給料の中に入れていくという仕組みになっ
ているんです。

○成田審査管理課長
 補足させていただきますと、相談と称しておりますのはフェーズ1の相談でありますと
か、フェーズ2とか品質でありますとか、かなりの種類がございます。それについては相
談を受けなければいけないという仕組みにはなっておりません。先ほどの確認申請とか治
験届と申し上げましたが、それは無料の取り扱いでございます。ですので、その確認申請
なり、治験、それから治験もフェーズ1、フェーズ2と進みますが、できるだけスムーズ
に行いたいというような開発者の方がいらっしゃれば相談を受けていただく、そういうシ
ステムでございまして、相談については受けていただくことは必須ではございません。た
だ、こちら側といたしましては開発をできるだけ効率よくスムーズにやっていただくとい
う意味では、開発者のストラテジーというか、開発戦略によると思いますけれども、受け
ていただいたほうがいいのではないかというようなことでアドバイスはさせていただいて
おりますけれども、相談を受けることについては必須ではございません。
 なお、PMDAの歳入からいきますと、審査部門では95%以上が相談手数料と承認申請
の手数料というふうになっております。

○永井座長
 よろしいでしょうか。ほかにいかがですか。
 もしよろしければ、ただいまの事項につきましてはご確認をいただいたということで、
では時間の関係がありますので、委員の先生方とPMDAの発表に移りたいと思います。
最初に阿曽沼先生、お願いします。

○阿曽沼委員
 ご指名いただきました阿曽沼でございます。私は委員の中でも大変異例な委員なのでは
ないかというふうに自分で思っております。2002年から規制改革会議の医療専門委員をし
ておりまして、2004年からは再生細胞医療分野の志のある科学者、医療者を支援し、そし
てそれを支える多くのベンチャー企業が世界に冠たる企業になっていくために国、制度が
どう支えるべきなのかということをずっと議論しておりました。
 この検討会が設置された背景にも、この規制改革会議での厚生労働省の皆さんとの長き
にわたる議論が前提にあって、その結果としてこの検討会が設置されたと認識いたしてお
ります。私のプレゼンではもう一度、去年の議論や今年の議論の背景にある観点を少し整
理した上で、今年の議論を深める上での提案を申し上げたいと思っております。
 また、とかく規制改革会議での議論があっても、ただ単に言いっ放しということではい
けませんので、実はその議論のフォローアップが重要であると常々考えておりました。今
回、議論を担当していた規制改革会議の委員が引き続き厚生労働省の設置した検討会に委
員として参加をするということは非常に異例でございますが、この点につきまして厚生労
働省の事務局の方のご英断に大変感謝しているところでございます。
 それでは短い時間ではございますが、要点につきお話をさせていただきます。語り尽く
せないことも多々ございますので、お配りしました資料は大変文言の多いものになってお
ります。後ほどこの資料にてご確認をいただければ幸いでございます。
 先ず最初に、規制改革会議での再生・細胞医療をめぐる規制・制度改革が必要と考える、
そもそもの着眼点につきお示し致します。2004年からの議論は、ここに掲げている項目に
対する1つ1つの疑問、そしてその確認という作業の積み重ねでございました。再生・細
胞医療の分野の研究や技術力は世界をリードしているという自負が日本国内の科学者や医
療者にあるわけでございますが、本当にそれが世界を牽引する力になり得るのか。再生・
細胞医療分野の成長と発展、そしてその普及を促す制度は本来どうあるべきなのか。現行
薬事法が医療者や関連産業を本当に支援できているのか。支援しているというより撃墜し
ているのではないか。私はよく薬事行政、厚生行政が撃墜型行政になっていて、支援型行
政・制度になっていないのではないかということを色々な局面で申し上げておりますが、
最近このフレーズを多くの方が好んでおっしゃいますので、その反響や共感者が多いこと
に私自身も大変驚いているわけでございます。
 特に自家細胞を用いた医療は現行薬事法の枠内で本当に対応すべきものなのか。培養皮
膚、J−TEC社さんの承認、薬事法下に対応したことは是か非か。現行薬事法での対応
で、結果だれがベネフィットを得られたのか。そういうことを一つ一つ検証していく必要
があるだろうと考えております。
 自家細胞を用いた医療は医薬品分野で審査すべきなのか、医療機器の分野で審査すべき
なのか。本来はどの様なカテゴリーで審査する事が妥当なのか等々を再考する必要がある
という観点での検討が必要であります。以上申し上げた観点や着眼点での議論の積み重ね
が規制改革会議等の場であったわけです。そして結果として、再生・細胞医療分野のが現
行の薬事法内で全て対応すべきではないのではないかという議論となりました。
 次に我々が重要であると考えた観点は、細胞培養技術等の開発の担い手であるベンチャ
ー企業の育成がこの再生細胞医療分野の発展には絶対に欠かせないという認識のもと、実
際に企業としての成長はおろか継続に四苦八苦しているベンチャー企業を支援する為には
何をすべきかという議論でございました。デバイスラグやドラッグラグが問題になってい
る中で、企業基盤の弱いベンチャー企業が製造販売承認を取るまでに多くの苦労がありま
す。そもそも、再生・細胞医療は現行薬事法に当てはまらないのではないかという観点で
の議論も重要であります。そもそも医薬品の定義は極めて包括的でありますが、自家細胞
を培養した物を細胞医薬品と定義した場合、それは医薬品と全く同じ観点で審査が行われ
るべきなのか。もし医薬品との定義でないとすれば、それはどういうカテゴリーで審査す
るのが合理的なのかという観点であります。
 薬事法では、昭和36年に、例えば処方箋によって調製され調剤された薬剤は、特定人の
特定疾病にのみ用いられ、一般流通するものではないことを鑑み、これは薬事法外だとい
うふうに規定されています。自家細胞を用いた医療は特定人の特定疾病に用いるものであ
りますから、この解釈に従えば薬事法外と規定出来ます。ただ、その後の1314号通知では
生物由来うんぬんという定義をし、ここで当局はいわゆる生物由来である自家細胞の医療
についても全て現行薬事法の枠内であるということを明確化したとしています。しかし、
そうでしょうか。
 そもそもこの通知は指導通知でありますし、製造業者等の自主点検のための指針を示し
たにすぎないのですから、これをもって医薬品の定義の解釈が自家細胞の医療も包含する
という様に変更したということは言い難いのではないかと考えます。治療対象の患者を特
定して、一般流通しない自家細胞を用いた再生・細胞医療における加工済みの細胞の位置
づけは現行薬事法上、必ずしも明確ではなく、元来想定していないと認識しております。
むしろ医療法の中で考えても矛盾はないのではないかという認識であります。
 資料のいちばん下に示しておりますが、医薬品や医療機器などの現行薬事法上の規制対
象になっている製品と比べる場合、上記の特徴に加えて、そもそも治療上の需要に応じた
個別の加工であり、原材料及び加工済み細胞では厳密な意味での均一性の保障が困難で、
加工行為は医師の個別判断によって行うオーダーメード医療で医療行為の一環で、加工プ
ロセスは役務行為であると判断されるのではないかと考えます。こういった議論を厚生労
働省当局と規制改革会議とで、それぞれの主張を戦わせてきた訳であります。今までの検
討会の中で私も何回か、これらについてご確認を申し上げましたが、そのつど反復製造す
る行為を行えば、自家細胞の培養加工であっても現行薬事法の規定するところによるとい
う判断であるとご回答でありました。
 確かに前回、佐藤さんのご発表の中で、EUにおいても、一定の標準化された製造工程
で工業的、大規模に製造される場合は、特定された患者への治療であっても個別別個の商
品とならず、1対1の治療であっても反復的製造とみなされ、薬事審査の対象になるとの
説明がありました。しかし、スモールスケールで病院内で行うものにつては、薬事法の対
象外であるとのことでした。従って、日本においても医療機関内であれば医療法であるけ
れども、これが反復製造されて大規模に行われて、工業的なものであれば薬事法なんだと
いうことでした。ヨーロッパでもそうなんだからというお話でありました。しかしながら、
これが国際的かつ標準的な制度であるとは思えませんので、我々がそして日本が再生・細
胞医療の新たな制度を創成し、世界に発出していくべきであると考えます。この点につい
てもう一度、この委員会で議論を深める必要があるのではないかと思っています。
 自家細胞の加工は医療行為におけるプロセスの一部であるという主張ございます。薬事
法で対象となる医薬品と自家由来細胞との対比をしますと、製造加工の指図者、対象者、
材料の均一性、そして加工後済みのものの均一性、所有権、流通性など、全てにおいて明
らかに違いがあります。従ってこの違いをきちんと認識した上で新たな制度的な枠組み、
定義をしていくべきのではないかと考えます。この委員会が開催されるまでの規制改革論
議の中で、今まで申し上げてきた多くの議論の積み重ねでございました。そしてその結果、
取り纏めがなされ閣議決定された訳であります。それを受けて、去年の議論で医療機関同
士の細胞培養加工の受委託が医療法の枠内で行うことが出来ることが確認され、そして、
今年の平成22年度では、再生・細胞医療の普及促進の為の新たな制度的な枠組みをつくっ
ていくということになるわけであります。 
この検討会が果たす役割を委員の1人として私は次の様に考えております。当然、安全性、
科学性、有効性を十分に担保しなければならないという事が医療者、患者共に当然求める
べきところでありますが、薬事法の運用において事前審査至上主義から事後チェック重点
化へのシフトが必要であるとい考え方によって、行政サイドの考え方を転換して、新たな
制度的枠組みをつくるという気概を委員一人一人が持つことが重要であると考えています。
 高度かつ先進的な医療をすばやく我々の身近な医療にするために、そして治療の選択肢
の拡大を図るために、更に、志のある臨床家、研究者、科学者の方達を徹底的に支援する
制度を創成することが非常に重要で、かつ強く求められているのではないでしょうか。
 患者起点の制度設計、再生・細胞医療の普及促進、ベンチャー企業の支援重視の制度を
作っていく事は、色々な課題があると思いますが、我々委員一人一人はその制度を作って
いく責任の一端を担っているという自覚を持つべきであります。
 薬事法及びその施行例、それから薬事法に基づく行政指導の在り方、そういったものを
再構成、再検証しながら自家細胞を用いた医療になじむ制度設計をぜひ議論すべきだと思
っています。
 また、この検討会が果たすべき役割は、実はそれだけではなく、現行薬事法に本質的に
内在する課題、その課題を踏まえて総括的に議論していくべきだと思っています。ご案内
のように、よく議論となるデバイスラグ、ドラッグラグの問題も重要な検討課題です。
 それから自家細胞を用いる医療で、今年の検討で非常に重要な点は、医療機関が企業や
大学付属の研究施設など医療機関外に細胞培養加工を委託することは現行薬事法で扱うべ
きなのかという点も重要です。一般に流通しない自家細胞の培養加工業も現行薬事法下の
製造販売業としての認可、承認が必要なのか。また、品目ごとの承認のあり方は現行薬事
法の考え方で適切なのか等です。例えば、培養を受託する大学研究所等が製造販売業許可
を取れということになると、拡大解釈すると医療機関も製造販売業許可をとらなければい
けないとの議論にもなってしまうわけであります。
 再生医療の制度的枠組みの検討を契機に、現行先進医療制度の更なる推進と薬事行政の
あり方、PMDAの組織としてのあり方などを抜本的に考えるすべきなのではないかと思
います。これらの問題については、私も委員として参加させて頂いた行政刷新会議のライ
フ・イノベーションワーキングでも重要課題として議論をしてまいりました。特にPMD
Aの今後のあり方については、当然組織の強化が必要でありますが、その強化の方策につ
いてはいろいろな議論がありますので、それらとの整合性をとっていくことが重要です。
 前年度のこの委員会の結論を図示してみますと、この様になります。つまり平成22年3
月30日の通知で、医療法の下で医療機関同士の細胞培養の受委託が可能と確認されました。
ただ、この通知は地方自治法の規定による技術的助言と発出されておりますので、法的な
拘束力はありませんので、この事をどう医療機関は捉えていくのかが今後の運用上では非
常に大きな課題になると思います。
 実は去年の議論でもまだまだきちんと議論しなければならない課題が多くあります。例
えば、医療機関として細胞培養を受託する上で、その医療機関の施設基準や質等の施設認
定は一体誰がするのか。細胞培養を行う技術者の認定は誰がするのか。医師が管理すれば
全てOKということで良いのかということも議論があろうかと思います。また、特に輸送
問題も重要です。米国等では生物由来の物の輸送に関してはカテゴリーBという基準があ
ります。我が国の輸送についても、このカテゴリーBを参考にすべきだと考えますが、この
基準は航空輸送のみで、陸送についてはカテゴリーBに包含されていません。今後航空輸
送、陸送を包括したカテゴリーBに準拠した輸送の基準をどう策定していくのかも重要な
課題です。そして、医療機関が今後再生・細胞医療を積極的に実施していく上で、将来き
ちんと保険制度で認可されていく上で、第3項の先進医療、いわゆる高度医療評価制度を
積極的に活用して行く事が医療機関に求められるわけです。その為にも、当該制度が柔軟
に運用出来て、志のある医療機関や医師達が報われる制度になってほしいと思っています。
 法的な枠組みを整理し、ここに示す図で説明しますと、自家細胞の培養を医療機関内で
行うことは現行の医療法で実施されます。外部の委託機関が医療機関であれば現行の医療
法で実施する事が可能であることが確認されました。他家細胞は一般的には薬事法で運用
するというのが衆目の一致するところでありますが、現状でもiPS細胞等の取り扱い方
に関しては、厚生労働省内でもPMDA内でも今後どう扱うべきか、まだまだ考えあぐね
ているという問題でありますから、他家細胞の取扱に関しても本格的な枠組みを検討する
ということが非常に重要であると思います。我が国の医療をこれから高度化していくため
にも十分な議論が必要です。
 前年度の議論を踏まえて、少し課題を考えてみたいと思います。病院内、診療所内のC
PCは医療法上の設置機関です。事業管理者は医者であり、医療行為を原則実施し、倫理
審査委員会が設置されているということになります。細胞加工を実施するまでは細胞採取
の決定と処置、製造指図書の発出は主治医の専権事項であります。ということは、再生医
療の品目ごとの審査は実質的には医療機関で設置される倫理審査委員会が担っていると解
釈できます。そうすると細胞培養加工の受託組織は主治医の指示によって加工プロセスを
役務としてを請け負う訳でありますから、受託する組織が医療機関なら医療法の下ですが、
今年度議論される医学部内・研究所内、企業内のCPCは医療機関内のそれとどう整合性
をもって考える必要があるのだろうか。例えば企業もしくは医学部や研究所内のCPCに
医療機関が細胞培養を委託した場合、機関形態は多様であり、非営利組織、営利組織が混
在していることになります。企業であっても事業管理者は医師であることも考えられ、医
療行為は原則非実施にしていることが多いと考えられます。企業はもちろんという事をい
うのでしょうが、医学部の付属施設であっても現行薬事法の枠内で言えば製造販売許可の
申請、認可を受けなければならないということになるのでしょうか。
 私が調べた範囲では、非営利組織で製造販売許可を取っているのは日赤の血液事業の一
例があると思いますが、これと同じ様に大学医学部内のCPC等も製造販売業許可を取る必要
なのでしょうか。外部機関として細胞培養を生業としてやっていく場合に、品目ごとの承
認審査は原則、医療機関が設置する倫理審査委員会において行われている訳ですから、薬
事法で更に上乗せの審査を行う必要性がどこにあるのでしょうか。それをどう考えるのか。
非営利組織の大学機関も製造販売許可が必要なのかどうかを考える必要があります。CP
Cの管理基準は医療機関であっても企業であっても、医学部や研究所であってもやるべき
ことは同じでありますから、制度の整合性をどう取っていくのかということをきちんと議
論していくことが必要です。
 次に示す資料は、個人的な私案であります。安全性、有効性を十分に担保し、研究促進、
普及促進、ベンチャー企業支援、国際的優位の獲得を考えた場合、医療法の枠内で考える
とすれば、医療法の第15条2、管理者の業務委託の制限に規定されている医療関連サービ
スというものにかかわる医療法施行規則第9条8〜15、その中に自家細胞加工プロセス受
託業という業法を作ることによって、いわゆる政令8業務を政令9業務にすれば現行医療
法の下で企業や医学部、研究所等の組織に外注出来る訳です。ここに法的な考え方の矛盾
はないのではないかと考えております。
 ただ、皆さんがどうしてもこれは薬事法で扱うべきで、薬事法の枠中で考えるべきであ
るという結論を出すのであれば、薬事法内に医薬品や医療機器とは別の新たな再生・細胞
医療というカテゴリーを創設して、臨床試験第1相試験において数例で安全確認できたら、
速やかに製造販売承認をして、すぐに実地医療に結びつけていくというぐらいの方策が必
要なのではないかと考えます。ただ、ここで数例と申し上げましたが、全身を介する作用
のないもの、ローカルなもの、例えば皮膚とか心筋などはそうですが、それと全身に介す
る作用があるものとでは少し考え方が違うかもしれません。それでも数十例、数百例、数
千例みたいな様な大規模な治験をする必要は私はないと考えています。
 市販後、事後チェックを十分に行って、医療そのものの透明性を担保させるということ
が非常に重要であります。1対1の医療で個体差、固体内差もあって、そして流通性がな
い自家細胞を用いる医療の制度設計をどう考えるは非常に重要であります。
 以降の資料は時間がございませんので、参考資料としてご確認下さい。私が所属してお
りました行政刷新会議の規制制度改革に関する分科会の第一次報告書がこの6月15日に示
されました。ライフ・イノベーションのワーキングが医療の諸問題を担当していましたが、
この中で今回のこの検討会の議論と関連を持つテーマが、保険外併用療法の拡大、再生医
療の推進、ドラッグラグ、デバイスラグの更なる解消という項目です。これらの議論と今
回の検討会の議論が当然整合性をとって議論されていくべきだとと思います。
 次のページには、規制制度改革の検討を進めていく上での視点、そして基本原則、サン
セット原則、整合性原則、ネットベネフィット原則、国際標準原則の考え方が示されてい
ます。ライフ・イノベーションワーキングでは事前規制から事後チェック重視へシフトす
る上での行政の在り方を十分に考えるべきなのではないかという提言をしております。
 再生医療については特に、保険外併用の範囲拡大の中に細胞医療を含めた先進的な医療
の取り扱いを十分に議論すべきということとしています。
 また行政刷新会議では事前規制から事後チェックへのシフト転換を促す意味で、高度医
療評価制度を活用して実施する保険外併用療法の一部については倫理審査委員会を設置し
ている医療機関に関しては届け出制に変更すべきではないかということも提言をしていま
す。
 以下、再生医療、そしてドラッグラグ、デバイスラグの更なる解消ということについて、
報告書の文言をここに記載しておりますので、後でご覧下さい。
 最後のページの説明のもう少し時間をいただきたいと思います。ワーキングでの基本的
な考え方は、革新的技術を早期に利用できるように、産業政策の軸を医療、薬事行政の中
で明確化して、安全対策とのバランスをとるべきであり、そうした考えの下、薬事法全般
を見直す必要があるというものであります。具体的にはPMDAの同一組織内で承認審査
と患者さんの救済制度を所管する状況を解消して、PMDAをテクノロジーの審査機関として
自立させ、患者救済の制度や組織は国レベルで別組織としてきちんと体制整備と強化を行
い、予算措置や、基金創成を考えるべきだと提言しています。
 そして、PMDAはより強力な体制にして、かつ審査官の増員、審査における薬系技官偏重
の解消など、バランスのとれた審査体制を構築し、審査能力を強化すべきということとし
います。
 私は、これらを踏まえて、そして起点として、この検討会での議論がより具体的に深ま
って行く事を望んでおります。
 時間が超過しまして、申し訳ございませんでした。委員としての考え方をお話させてい
ただきました。

○永井座長
 ありがとうございました。続きまして澤委員、お願いします。

○澤委員
 私は再生医療学会の臨床研究ガイドライン委員会の委員長をさせていただいておりまし
て、2年前の前政権のときの、先ほど阿曽沼先生がおっしゃいましたような規制改革の担
当大臣、甘利大臣に提言を申し上げて、それ以後にこの会議ですとか、ヒト幹細胞のガイ
ドラインのほうも見直しの委員会が始まったというふうに我々再生医療学会としても認識
しております。その流れの中から昨年、平成20年10月28日にもう一度、最初に出させてい
ただいた我々の規制改革への要望の中で、かなりの部分、改革といいますか、その取組を
していただいた部分を除いた残りの部分について取組を再度、提出させていただきまして、
そのときの内容を中心にご説明させていただきたいと思います。
 従来の制度的課題というものとしては、これは先ほどの阿曽沼委員が出されていたのと
ほぼ同じ内容で、この委員会が立ち上がる前の段階での医療機関同士の培養細胞の提供に
ついての問題点、それからこの委員会でも調査されましたけれども、全国でのCPCの現
況、この辺りについて再生医療学会としては制度的課題というものを強く認識しておりま
した。
 その次に更にそれを発展させる意味でも、また治験へのスムーズな橋渡しを考えた場合
に一層、現状では難しくなるだろう。先ほど申し上げましたような医療機関同士でなくて、
むしろ更に加工機関との連携という形になると一層現状では制度的な問題が出てくるだろ
うというのがこのスライドでございます。
 それらを踏まえて、再生医療学会ではどういうふうなことが制度的な課題として挙げら
れるかということにつきまして、これも先ほど阿曽沼委員がおっしゃっていたのと一部か
ぶるところもありますが、CPCの施設の基準ですとか、GMPやGTPの準拠。
 バイオ技術者の基準、出荷基準に搬送法の基準。またインターナショナルな発展に向け
て認定システムなどの整備なども要るのではないかということを、その課題として学会で
は考えておりました。
 そういう流れで先ほど申しましたような委員会が立ち上がって、この委員会でも昨年、
そして今年と議論をされているわけでありまして、学会としての認識では昨年度は臨床研
究の範囲の中で議論をしたということで、医療機関同士の培養細胞の提供については可能
な方向に、かつ薬事法以外のすべての臨床研究についての規制ということがスタートした
わけでございます。
 本年度は、その次の段階のステップとして薬事法に関する臨床試験ということが議論に
なっていると私たちは認識しておりまして、これらの背景を下に先ほど申しました10月の
時点で再生医療学会として出させていただいた提言について順番に説明させていただきま
すと、再生医療の適用法令につきましては、二つ目の赤で書いていますように、引き続き
細胞治療、再生医療の法制度、法整備の在り方を検討していただきたい。これはもともと
のスローガンであります臨床研究から実用化への切れ目のない移行を可能とする最適な制
度的枠組みが必要だろうという学会の根本的な理念の下に検討をしていただきたいという
提言でございます。
 臨床試験の在り方につきましても、いかに臨床試験を迅速に推進するかということで、
1番の丸にございますように対象疾患の重篤度、安全性を前提にして有効性の画一的評価
を避けて一定の効果が認められることを要件として、臨床試験はあるべきではないか。こ
れは学会ですので、いろいろな領域のいろいろなフェーズの先生方が再生医療、細胞治療
を行っておりますことを鑑みても、やはりこの重症度とか、安全性ということを重視して、
臨床試験を迅速に推進すべきではないかというふうに考えておりまして、その中での具体
的な提言としては、保険外併用療法の推進、高度医療評価制度の拡大、臨床試験ベッドの
確保や研究費の臨床研究費への流用化等の対策というものが迅速な推進に重要ではないか
というふうに考えております。
 ちなみにこういうふうなNIHがやっておりますような臨床研究拠点病院化、もしくは
そのような病院での臨床試験用ベッドの確保、これらが重要ではないかと考えております。
 審査体制への提言としましては、PMDAにおける先端医療技術に対する技術育成の視
点を持った審査手法及び審査体制の確立が必要であろう。
 さらに迅速に進めるために、特に再生医療に係わる臨床試験につきましては、やはり少
数例、重篤例というものが多いものですから、先ほどご説明が事務局からありましたよう
にHUDとかコンパッションネート・ユース等の導入等が、もしくは第三カテゴリーの導
入等が必要ではないかということを提言させていただきたいと思っております。
 HUDにつきましては先ほど話が出ておりまして、更にンパッションネート・ユースと
いうのは更に少ない患者を対象として未承認薬の使用を認めるような制度であって、まさ
に再生医療の治療対象者というのはこういう制度で迅速に推進されるべきではないか。特
に安全性を中心とした確認というのが重要ではないかと考えています。
 これが日本版のHUDとして提言もしくはこれを参考にしていただければ迅速に進める
のではないかということを明記しておりまして、対象例の少ない難治性重篤疾患、これは
再生医療の場合、かなりの疾患がここに当てはまるかと思います。アメリカでは4,000人の
対象患者がいるということでしたので、日本では人口比率も含めて考えますと1,000人から
2,000人ではないか。安全性確認というものを中心とした迅速審査を日本の医療環境を考慮
しながら行い、かつ可能な限り海外データを参考にして早期承認をしていただければとい
うふうに考えるわけであります。
 ただし有効性、もちろん安全性も含めて市販後の継続した調査というのが必要であって、
やはり心は日本発の技術を育てていこうという精神が重要であろうあと考えます。
 更に続けて審査体制の更なる強化につきましては、人員の更なる確保も含めて審査体制
の質量両面での強化が重要であろう。それから、産官学の人事交流、教育事業、専門協議
に係るプール委員への人材の育成などは、これはやはり学会として非常に大きな役割を果
たせるのではないかというふうに考えております。
 全体を踏まえた学会としての取組としては、学会として特に最初にございますように重
症臓器不全、重篤な遺伝性疾患、難治性疾患等の重篤な疾患群と、直接生命に影響しない
領域の疾患とがある。先ほど申しましたように学会に所属するいろいろな領域の先生方全
体を踏まえながら安全性、有効性の水準を決めていくということで、これについては学会
が提言していく、この役割を果たせるのではないかというふうに考える次第でございます。
 それから、臨床研究から実用化への切れ目のない移行を可能とする審査の迅速化に向け
た支援は、先ほど申しましたようなことですが、さらに安全な細胞加工技術の確立、培養
施設や培養技術者の教育や選定、予期せぬ事態への対応、患者への啓発など、適切な運用
にかかる役割が学会として果たせる取組ではないかというふうに考えます。
 更に安全確保やクオリティコントロールのために培養施設や培養技術者の認定に関して
も、当学会が積極的に役割を担い、将来、企業の利用も可能にしていくようなことが取組
として考えられるのではないかというふうに提言させていただきたいと思っております。
 あと、ヒト幹細胞の審査の場合においても学会が科学的な評価について積極的に協力で
きるのではないか。それから、重要なもう1つのポイントとしましては、治療後の評価と
いうものであります。これについてはデータベースを各領域ごとに構築しながら、EBM、
Evidence Based Medicineを確立していくことで、より再生医療が普及していくだろう。そ
の再生医療の普及に再生医療学会として貢献していきたいというふうに考えております。
 今の話をまとめたものでございます。これは飛ばさせていただきます。
 最後、歌のタイトルみたいですが、将来的に迅速なヒト幹細胞臨床研究から治験製品化
への移行というものが学会として最も重要だというふうに認識しておりまして、GCPレ
ベルの臨床研究の場合は確認申請が不要になればと。要するに臨床研究での取組を現状で
はかなりグレードがあるようでございますが、やはりGCPでしっかりやった臨床研究に
ついては確認申請にそれが援用されて不要になるようなレベルではないといけないのでは
ないか。
 それから医師主導治験というものが将来的に一層活用されないといけないのではないか。
日本版HUD的な審査基準を設けていただければいいのではないか。あと、臨床試験ベッ
ドの活用ですとか、産官学の人事交流/人材育成、それから承認審査の国際化。日本の技
術を世界にということが重要だというふうに思っております。
 以上でございます。

○永井座長
 ありがとうございます。続きまして小澤委員。

○小澤委員
 J−TECの社長の小澤でございます。皆さんのお手元をご覧いただきながら、私はこ
こで座らせていただきまして、発表させていただきます。
 唯一、我が国で再生医療製品の承認を持っている会社ということで話をさせていただき
ます。
 お手元の1ページでございます。まず再生医療産業はどうなっているのか。我々の評価
でございます。もし私が外国人であるならば、こういうふうに評価します。日本はもった
いない、であろう。研究機関にはシーズがたくさんあるのに、承認品目はまだ1つしかな
い。一方で、これほど再生医療学会が盛況な国もない。非常にもったいないと思います。
 我が国唯一の承認品目である当社の自家培養表皮ジェイスの売上高は昨年度、1.1億円。
そして、今年の予算が3.6億円のみでございます。一方で当社の赤字は今期も10億円以上の
赤字という形でございます。
 一方で、医療法、医師法の下で免疫細胞療法を提供する代表的な会社様、メディネット
さんとテラさん、どちらも上場企業でありますのでよろしいかと思いますが、今期の計画
はそれなりの売上高、そしてしっかりと黒字体質にある。皆さんだったらどちらを取りま
すか。やはり新成長戦略の下で、これから経済をドライブするという中で悩ましいと思い
ます。一方で、こういった免疫細胞療法の皆さんもしっかりとマーケットをつくられたと
いうところで今まで非常に苦労されたなと思っております。
 一方で再生医療学会の同業者はどうなっているのかというと減少傾向、皆さんが店を畳
みつつあります。再生医療ベンチャー及び創薬系バイオベンチャーたちの私も含めて経営
者の主たる仕事は資金繰りになってしまっております。それでも資金調達は非常に難しゅ
うございます。主たる原因は1つ。ベンチャーキャピタルが機能していない。2つ目、薬
事審査の時間が読めないから、よってベンチャーキャピタルがまた投資できない。こんな
ような負の循環に入っております。
 製造設備について、これは我が社だから言えることだと思いますが、我が国では製造設
備を持たないと多分承認までたどり着けないと私たちは考えております。
 我々が会社をつくってからジェイスの保険適用、保険収載までは10年を費やしました。
次期製品として自家培養軟骨というものを承認申請しておりますけれども、既に開発を始
めから10年と3か月が経過しております。軟骨は表皮よりも時間がかかるということにな
っております。
 とにかく時間がかかり過ぎております。この状況が続くのならば、多分、薬事法の下で
事業化を進める企業はいなくなるであろうと思っております。あるいは海外での事業展開
を考えざるを得ないと私は思います。
 さあ、ここで皆さん考えてみてください。もちろん従来からこういったインプラントも
のというのは外資系企業が強いところでございました。なぜ大企業や外資のメガファーマ、
ビッグファーマが日本市場、再生医療に本格的に参入してこないのか。問題があるからだ
と思います。
 2ページ目にいきます。再生医療産業の光と影という形で書きました。光、すべて説明
する気はありませんが、いちばん新しいところでは6月18日の閣議決定、新成長戦略、先
ほど阿曽沼先生からも話がありました。
 真ん中辺には厚生労働省が世界の再生医療技術の3分の1を日本発に。非常にいい目標
を掲げています。いっぱい施策はあります。ところが影、実態はどうかというと、依然と
して承認品目は1品目。ベンチャー企業は資金繰りに困窮している。
 一方で、目を海外に転じてみますと、上市製品はまだ自家表皮と同種皮膚と自家軟骨の
みです。ここで言いたかったのは、まだ日本にチャンスがあるということです。しっかり
と施策を打てば、まだ海外に追いつけるというふうに考えております。
 3ページ。私たちの承認品目、ジェイスといいます。重症熱傷の患者様に適応されます。
患者様の皮膚を切手大いただきます。J−TECに3週間預けていただきますと、3週間
で畳1畳、畳み大の表皮を作成いたします。30%以上の大火傷の患者様、保険償還価格、
このジェイスは医療機器でございまして、医薬品ではないので薬価ではなくて保険償還価
格30万6,000円。このジェイス1枚で成人男性の体表の0.5%を覆います。よって30%以上
の火傷の場合には単純計算で60枚必要になってまいります。
 4ページにいきましょう。実際にマーケットはどうかというと、まさしくオーファンっ
ぽいですのが、30%以上の火傷の患者様は非常に少ないです。そして、ご覧いただきたい
のは死亡率です。半分以上の患者様がお亡くなりになります。ジェイスがあってもなくて
もお亡くなりになります。
 こういったマーケットの中で取り組んでおりまして、5ページ目です。ジェイスの事業
展開上の条件でございます。製造販売いただいたときにもたくさん条件が、これはもちろ
んメーカーとしてしっかりとやっております。やりきります。
 2番目、製造販売後、臨床試験をします。3番目、再審査期間7年間でございますが、
全症例を使用成績調査という形で国に報告を上げております。
 4番目、結果等は迅速に公開しております。5番目、我々ジェイスは30年もう保存に入
っています。1患者1ロットごとに30年の保存に入っております。
 そして、保険のところでございます。ここが本当に我々にとっても切なくて、非常に困
った問題でもあったのですが、新しい製品ということでいろいろ条件がつきました。留意
事項でございます。特にアとウでございます。国民健康保険の中で皆保険の中では一連に
つき1患者様につき20枚までしか保険償還されないという条件になりました。そして、ウ、
特定の施設基準の届出した医療機関でないと保険償還されない。ちょっと複雑なので6ペ
ージをご覧ください。
 6ページが今の縦軸でございますが、施設基準というのがございます。届出をしたとこ
ろ、これは昨年度の末では25施設しかございませんでした。この25施設に運び込まれた患
者様、火傷の患者様がうまく20枚までしかジェイスを使わなかった場合には保険償還され
ます。しかし、20枚では全然足りません。その結果、ここにまとめました。我々は上場企
業でございますので、こういった数字は既に開示しておりますが、昨年1年間活動しまし
て、我々が売上として有償で提供申し上げたのは40%、枚数ベースです。
 一方で60%は人道的観点から当社負担によって、すなわち無償で提供申し上げました。
このようなビジネスモデルは正しいのか。倫理的な問題、ご批判も含めていろいろご指導
いただいておりますが、これが実態でございます。皆様ならどうされますか。こういった
保険償還されないところ、出荷を止めるべきでしょうか。我々も悩みましたけれども、我
々は無償で提供しました。
 もう1つ、右側のオレンジのボックスをご覧ください。これは予想以上に多かったので
すが、3週間培養して皮膚をつくる間に患者様がお亡くなりになるケースは非常にたくさ
んございました。全体の注文の30%の患者様が製造中にお亡くなりになった次第でござい
ます。こういったものはだれがお金ですね、面倒をみるのか。当社が今のところは吸収し
ているというところでございます。
 とは言っても、批判ばかりではなくて厚生労働省さん、医療財源がない中で非常にあり
がたい施策を打っていただきました。7ページでございます。
 4月1日の診療報酬改訂に伴いまして、縦軸のところ、施設基準、去年までは25施設、
こういった地域格差があったのですが、それがこの4月1日からは大幅に緩和されました。
私たちの目論見では100施設以上が最終的には届出を出していただけるだろう。今までは25
施設しか出せなかったのが、これからはこういった100施設以上、今届出をしていただいた
のは大体四十数施設まできました。こういった中で事業ができることを感謝申し上げたい
と思います。
 8ページ目、我々の11年を振り返ってみました。やはり薬事法の問題点、これは歴史が
ありまして、我々が創業したとき、平成11年でございます。もともとこれは培養サービス
事業として進めることで当時の厚生省さんと合意をしていた次第でございます。しかし、
その後、確認申請制度ができましたので薬事法に従うようにと。もちろん我々はそれに従
った次第でございます。
 治験症例数。今日、何回も出ておりますが、2症例しかやっておりませんが、やはりこ
ういった自家細胞を使った治験をする初めてのケースでございました。こういうような画
期的な治療に関しては2症例でよいと規制当局、厚生省さんから指導があったのですが、
我々は2施設2症例をやります、やらせてくださいという形で提案し、実施した次第でご
ざいます。しかし、その後、この治験症例数が少ないことがいろいろと問題になりまして、
承認審査で時間がかかった。それから保険の協議でもまた問題になりました。特に保険協
議中には追加で数症例のデータを取り直しました。追加でとりました。その追加データを
出したことによって、ようやく保険までたどり着いたという形でございます。
 革新的な製品であるがゆえに、優先審査の認定を受けたにもかかわらず、申請から承認
まで3年までを要した次第でございます。もちろん我々に資料の不備があったり、力が足
りなかったというのもありますが、やはり承認申請、革新的であったからというところが
1つあると思います。
 それから、保険収載。通常、我々はC1区分でございますので、5か月で決着すると思
いますが、いろいろなことがありまして、やはり14か月もかかってしまったというところ
であります。保険収載、承認条件、30%以上の火傷でなければ使ってはいけないのですが、
20枚までしか保険で償還されません。この辺の非整合というのが出てきました。
 それから保険医療に地域格差。先ほど25施設、やはり地域格差がありました。残念でご
ざいましたけれども、この4月に改善をされた次第でございます。こちらは感謝申し上げ
ております。
 それから、患者死亡による製造中止リスク。これはだれも想像していなかったものです
から、このお金はだれがみるのか。こういったものも今後、医薬品も医療機器もこの原価
積上方式以外のやはり新しいもの、イノベーションに対する評価というのが重要であると
思います。
 それから、無償提供の是非。これはいろいろな議論があるかと思いますが、我々はかな
りを無償で提供申し上げたということでございます。
 9ページから提言でございます。本枠組み検討会の成果物はやはり我が国の重要施策を
反映するものであったほうがいいと私も思っています。まず方針1はほやほやの新成長戦
略の目標である50兆円の新規市場をつくろう。これにどこまで再生医療が貢献するか。1
億、2億、3億ではなくて、豆腐のように1兆、2兆と数えられるように我々が本当にこ
こまで事業を大きくできるのか。産業をつくれるのか。これを満たす成果物としましょう。
 それから方針2。前回言いましたが、厚生労働省さんの目標であります世界の再生医療
製品の3分の1を日本で牛耳ろうぜ。これはいいと思います。
 そのためには我々の成果物としましては、やはりこの新しい医療の選択肢としての再生
医療を早期に早くマーケットに出して患者様に、国民の皆様にベネフィットを享受してい
ただこう。このシナリオを意図的につくるということをやらないと、50兆円とか3分の1
というのは無理だと思います。
 一方で国民の患者の利益を考えますと、速さだけ競っていてもだめで、やはり安全な再
生医療製品技術が供給されることが重要であります。このためには薬事法の承認、そして
可能であるならば国民皆保険のもので安心して再生医療を選択できる。これはまさしく国
益につながる。そういう意味では薬事法の下で闘うというのも1つ重要なことであると思
います。
 当社は薬事法の下で事業展開しておりますが、設立のときは培養サービスという話もあ
りましたので、自家細胞製品はやはり画一的ではございません。よって従来の医薬品・医
療機器とは異なるために既存の薬事法で評価することには無理がある。よくなじまないと
いう表現をされるかと思いますが、我々も率直にそう思います。
 しかし新法、例えば再生医療法等が制定されるのを待っている余裕はございません。そ
こで薬事法の中に新しい分類、第三のカテゴリー等を創設したとしても、実はまだ問題が
ありまして、審査方法を見直さなければ事態は変わらないと我々は考えております。
 薬事法になじむ、なじまない、非常にざくっとした表現で危険だと思いますので、ここ
に関してまた改めてしっかりと問題点を整理する必要があると思います。
 提言を三つほど持ってきました。まず提言の1、第二PMDAの設立を提案したいと思
います。これは決して感情的なものではございません。前日の国の大方針、厚生労働省の
方針に合致するものであると考えます。現在、当社はいろいろな薬事案件を生物系審査第
二部さんにお世話になっているのですが、例えばジェイスでいいますと、製造販売後臨床
試験のプロトコル、使用成績調査、全数調査です。これは年次報告をしています。この調
査に関するもの。それから一変手続きに関するもの。添付文書の改訂に関するところ。軟
骨につきましてはまさしく今承認審査ど真ん中です。自家培養角膜。角膜もやっておりま
す。これの確認申請。それからオーファン申請等でも第二部さんが補助をされております。
こういった広範かつ大きな負荷が生物系審査第二部にはかかっておりますので、本当に大
変だと思います。J−TEC以外の案件もたくさんあると思いますので、かなりオーバー
ロードかなと思います。
 一方で、何か1つの案件で当該審査部さん等の間で、あえて「しこり」と書きました。
問題とかしこりを残した場合には他の案件にも波及することは皆さん容易に想像ができる
かと思います。新規市場創出のために企業側も競争の中で切磋琢磨し、改善を重ねますよ
うに、今、議論を、審査官を2倍にという話でございますが、そうではなくて審査部門を
2部門、2機関、第二PMDAを存在させることによって競争原理を働かせる。それによ
ってサービスの質と審査スピード。競争があるところではやはりサービスも上がります。
それからスピードももちろん改善すると私たちは思います。まさしく新成長戦略、競争は
健全な成長の源泉であると考えます。
 提言2。今回の流れ。審査管理課さんの提言、今の議事進行でありますと、やはり薬事
法の下でやりなさいというメッセージだと思います。産業化を実現するためには、やはり
適切な経済活動を伴うことが必要であると私は考えます。すなわち再生医療、細胞治療を
薬事法の下で取り組むことを前提にするならば、承認取得はゴールではございません。保
険収載までがワンパッケージであることを皆が理解し、認識し、それを担保しないと薬事
法でやったんだけど保険がつかない。枚数制限がつく。いろいろな条件がつく。これでは
やはり企業はやっていけません。経済のところまでしっかりと担保しないと、薬事法でプ
レーする企業はいなくなると思います。
 三つ目でございます。再生医療、細胞治療に取り組む企業の社長様方の企業理念や経営
目標はさまざまでございます。当社J−TEC、それから私どもはかなりユニークです。
ジェイスという非常に極端な製品を持っています。それからある意味では1社だけ、我が
社だけ今製造販売後の対応をしています。その中では今日はかなり振れた提言かもしれま
せん。よって真面目に事業展開している企業経営者の生の声を聞いていただきたい。例え
ば大企業でいいますと、日本ケミカルリサーチさん、テルモさん。医師法、医療法で取り
組む企業としてメディネットささん、テラさん。海外での開発を先行する企業、セルシー
ドさん。ここまでは上場企業なのでよろしいかと思います。そして、既に撤退されたメニ
コンさん。それから業界団体としましては、医器工の中に再生医療部会というのがありま
す。免疫細胞療法のほう、協会が多分あったと思います。こういったところからそれぞれ
の意見、どういう思いでやっているか。何が問題かというのをJ−TECだけでなく、ほ
かの企業さんからもぜひとも聞いていただきたいと思います。以上でございます。

○永井座長
 ありがとうございます。それでは最後にPMDAの平山上席審議役、お願いいたします。

○平山PMDA上席審査役
 PMDAの平山でございます。現在のPMDAの取組につきましてご紹介させていただ
きます。PMDAの仕事そのものは、基本的には薬事法に基づいて医薬品・医療機器等の
治験相談、審査あるいは市販後あるいは医薬品についての被害救済等に対応するというの
がPMDAの役割でございます。
 薬事法の規制というのは、その第1条のところに書いてありますので、非常に明快です。
品質、有効性、安全性の確保をするために必要な規制を行うというふうにされております。
これをすることの目的というのは、まずは品質、有効性、安全性についてのセーフティー
ガードを維持するということと、もう1つ開発を効率的に進めるということで、いろいろ
なガイドラインの作成とか、そういうことを通じて開発そのものの範囲を明確にしていく
ということをやっております。
 特に再生医療、細胞・組織加工製品につきましては、従来であればご存じのように治験
のところからでありますが、その前に確認審査があるというところはほかの低分子化合物
とは違う、あるいはほかの医療機器とは違うというところであります。
 それぞれの持ち場からしますと、治験相談から承認まで、あるいは確認申請の審査のと
ころは生物系の審査第二部が担当しております。承認審査に入れば、データの信頼性につ
いては信頼性保証部が対応します。最終的に承認になるという時期になれば、品質管理部
のほうがGMPの調査等を行います。市販後は安全部が対応する。医薬品の健康被害につ
いては救済部が、あるいは生物由来製品についての感染被害の救済については救済部が行
うというふうになっております。
 確認申請でありますけれども、これは既に皆さんご存じのことだと思いますけれども、
この分野が先端的なものであるということは皆さん、同じ認識だろうと思います。それは
逆に新規性が高いために、今までの経験とか情報がなかなか使えないということで、リス
クの予測が難しい。それから、使っているものがヒト動物由来の細胞組織がありますので、
感染リスクというのが非常に懸念されるところであります。そういうものについてのコン
トロールがどうされているのかをちゃんとチェックしないといけない。
 更にもの自体は、培養工程で細胞そのものが変わるという可能性もある。それから、更
に副作用とか不具合が発生した場合には、体の中に投与されておりますので、除去するこ
とができないケースが多いということです。やはり新しいものについては十分関係者の知
識を集めて、品質と安全性を確保する必要があるだろうということで、確認申請というも
のが行われているということであります。
 確認申請の大きなポイントは品質、安全性というところにかかっております。臨床試験
をこれから、要するに治験を始めるということになるのならば、それ以前に品質、安全性
についてはきっちりとしたデータを整えて、それから臨床試験に入るというのが、これは
臨床試験の倫理面からも言われていることであります。
 そのときに何回も言いますが、細胞・組織加工製品というのはかなりバラエティに富む
ものでありまして、ある1つのことで括るわけにはいかない。それぞれの個々のものにつ
いて、その内容を眺めて、その特性に応じた評価をしていかないといけないという点があ
ります。したがって何か品質、安全性についてチェックする項目があって、それを機械的
にチェックすればいいというふうなことが困難であるということであります。
 したがって、治験の前にいろいろな試験がされておりますので、品質とか非臨床関係の
データが既にありますので、それに基づいて評価をしていくということになっております。
 確認申請としては、こういうふうになっておりますけれども、確認申請の後にうまく臨
床的な価値も実証された後には承認申請がありますけれども、その時点でも同じような考
え方であります。個々のものについて、その対応の中身あるいは試験の成績、そういうも
のをきっちりケース・バイ・ケースで判断するということがこの分野では必要だというこ
とであります。
 具体的には安全性のポイントとしては、大きなものはこの4つです。まずは品質の恒常
性です。品質がどういうプロセスを何回も繰り返そうと同じようにされているか。あるい
はプロセスの間で変化しないかどうか。その辺りを調べるということで、バリデーション
試験等がやられるわけでありますけれども、その内容。あるいは管理の仕方です。どうい
う管理をすれば品質をちゃんとチェックし続けられるかということを試験の中の項目の中
に入れ込んでいくということです。
 もう1つは、大きなのが感染性の因子が混入する可能性がどのぐらいあるかどうか。そ
れが製造過程において、仮に混入した場合に減るのか、増えるのか、あまり変わらないの
かとか、そういうことも含めて細菌、ウイルス、プリオンについてのリスクコントロール
について、いろいろな知見、ものによっては試験をやっていただいて、その結果を下に判
断するということをやっております。
 それから不純物の混入というのは、生物系のいろいろな材料を使いますので、それ由来
の不純物というのはどういうものがあるかというのをチェックして考えて、それぞれにつ
いて混入する可能性があるのだったら規格の中に取り込んでおかないといけない。その規
格をどうするかとか、そういうこともチェックしないといけないということです。
 それから副作用・不具合の可能性については、これはこれから治験を行うわけです。そ
の前に行われているような臨床研究があれば、そういうものが参考になりますし、主には
非臨床の動物試験等、あるいは品質関係の管理試験ですね。そういうものがデータとして
提示されますので、それを見て予測をしながら臨床での副作用・不具合のリスクを見る。
更に類似品があれば、これは特に国内に限りません。諸外国でもそういうものがあれば、
その辺の情報を集めるというふうなことになっております。
 一方、有効性のほうはこの後に行われる治験で検証されるということになりますので、
あくまでもどういうことをやるかということを言っていただくという程度であります。申
請された内容について、対象疾患の妥当性。澤先生がおっしゃられましたように重篤度が
どのぐらいとか、そういうことが有効性を考えるときに重要になってきます。その効果そ
のものがどのぐらいのものであるかという情報とか。
 それから、移植細胞が限局しているのか、それともほかまでいく可能性があるのかとか、
そのあたりを考えていくということであります。
 そのためには動物試験のデータです。それから試験管の中でのデータ。こういったもの
を中心に申請された有効性がどのぐらいかというのを類推した上でベネフィットを推し量
るということをやっているわけであります。
 その医療機器、医薬品、あくまでもリスク・ベネフィットのバランスの上で使う使わな
い、あるいは臨床試験をするしないということを考えるわけでありますけれども、リスク
のほうはかなりのデータが出てきますので、それを基にしてきっちり評価をしていく。ベ
ネフィットのほうは申請された内容が妥当かどうか、その辺りを見ていくということで、
仮のリスク・ベネフィットのバランスを見て確認申請は終了する。それによって確認申請
をパスしていくわけであります。
 これが今までの確認申請されたものであります。ここの大体半分の辺りで色が変わって
おります。上半分、初期のころです。初期のころは外部委員のこちらの細胞組織利用医薬
品等検討小委員会というところで審査された後に、薬食審のバイテクの部会で審議されて
おります。
 後半のほうは、この後PMDAが設立されましたので、PMDAが事前審査のところを
担当するというふうになっております。最終的には薬食審の生物由来技術部会というとろ
で審議されて、それで確認申請が合格というのが出るわけであります。
 今までの事例で主に部会等で行われた論点をこういうところにまとめてあります。主に
安全性、品質のほうが中心になる。それから品質上の問題について、インフォームド・コ
ンセントの中にどうするのかというふうなことですね。そういったことを議論されている
というものであります。
 再生医療の実用化促進のためにPMDAとしてやっていることを最後の2枚にまとめて
ございます。体制整備で審査担当者の増員を図っておりますし、研修等も組織的に行うと
いうことになっております。更に人事交流も進めておりまして、連携大学院制度を唱えて、
横浜市立大学、筑波大学と連携を始めたところであります。
 海外当局とは非常に密接に連携をしておりまして、幹部職員を常駐させているというふ
うにしております。それから守秘義務の合意に基づきまして、非公開情報の交換をすると
いうことも可能でありまして、実際、非常に問題のあるものについては情報交換を進めて
いるところであります。
 それから、意見交換の促進ということで、PMDAのシンポジウムとか薬事講習会とか、
そういう外部の方々にオープンな会、意見交換の場合を設定しております。
 具体的には、薬事法講習会というものと国際バイオロジクスシンポジウムというものを
PMDAが主催して行っております。これは年1回ずつ開催するという頻度で行っている
ところであります。
 今年は来週ですが、薬事法講習会を行いますし、8月末でありますが、国際バイオロジ
クスシンポジウムを行う。国際と銘打っておりますのは、これは欧州とか、それから今回
は米国FDAからも再生医療関係の担当官に参加していただいて、それぞれの国の状況を
紹介していただく。それとともにQ&Aのセッションは常に設定してありますので、それぞれ
の担当官にいろいろな意見を聞くということも可能になっております。
 以上でございます。

○永井座長
 ありがとうございました。時間も押しておりますけれども、ただいまのご発表にご意見
を。
 どうぞ、前川委員。

○前川委員
 京大の前川です。皆さんのおっしゃることは非常によく分かりますし、再生医療、細胞
治療が現行の医薬品を中心とした薬事法になじまないところもあるということで、私は非
常によく分かります。
 ただ、1つ懸念があるのが例えば阿曽沼先生が最初に示された自家細胞のところで、自
家由来加工細胞は細胞医薬品とカテゴライズされるべきではないと言うことですが医師法
の下、医師の裁量の下でやればよいということがあまり前面に出てしまうと少し問題があ
るのではないかと懸念いたします。そう申しますのは、これはかなり以前になりますけれ
ども、細胞治療が始まったころでありますけれども癌に対する活性化リンパ球療法、今で
も医師法の下でと言うことで実施されておりますけれども、これは初期のころはそれこそ
アパートの1室で1つのインキュベータに何人もの患者さんの症例を入れて培養していた
という事実があります。現在では、多くの施設ではきちっと細胞プロセッシングが行われ
るように多分なったと思いますが、今だに細胞プロセシングに関する規制はないわけであ
ります。その基準を議論しようと言うこともこの検討会の目的のひとつであろうか思いま
す。
 それともう1つは、GMPはそれでいいとしても、GCP、実際に活性化リンパ球療法
が本当に癌に有効であるかどうかという統計学的な処理がきちんとされた臨床的なエビデ
ンスはありません。やはりこういうのはGCPに則ってきちんと評価を行い、批判に耐え
るかたちでちゃんとした論文として発表するべきであります。現在、癌に対する活性化リ
ンパ球療法を施行しているところは、実際には自由診療で、治療に必要な高額な費用をす
べて患者さんに負担してもらって、それで採算を取っていると言うのが現実ではないでし
ょうか。したがって、自家の細胞は医師の裁量権でやって、それでいいということになっ
た場合に、GMPやGCPに則って行うことの必要性を理解している、見識のある、倫理観のあ
る施設であれば良いのかも知れませんが、そうではないところもあるのではないかと私は
懸念いたします。そうした場合に、医師の裁量下でやっても良いと言うことがあまりにも
前面に出てきてしまうと、いろいろな治療法が世の中に流布してしまうということを私は
懸念いたします。もともと、自家だから安全で、同種だから問題だと言うエビデンスは、
ウイルス感染症等の件を除けば確立していないわけです。自家や同種にかかわらず、安全
性と有効性を議論すると言うことが、自家/同種云々と言う前にあるべき大前提であると
思います。このところが、こういう細胞治療や再生治療の開発を行う場合、きちっとした
ことをやらないといけないと、ずっと昔から提言をしている原点でありますし、この検討
会の目的ではないかと思います。これについて阿曽沼先生のご意見をお伺いしたい。

○阿曽沼委員
 先生のご議論も十分に認識をしております。それだからこそ前年度、委員会で議論をし
たわけであります。ですから医療機関の下であったとしても倫理審査委員会の設置が求め
られ、きちんとしたCPCの施設基準の原則が示された訳です。尚かつ私の資料にも書い
てありますが、共同診療体制を構築して、診療情報を共有し、有効性、安全性の評価に対
して不断の努力をきちっと行う。更に共同のカンファレンス開催をして、医療連携を充実
させていく等の提言や技術的な助言がなされたわけであります。まさに前川先生がご指摘
された反省をベースにして議論がされたと理解しております。
 なおかつ私はプレゼン資料で、医療機関であったしても施設認定をどうするのか。そし
て技術の認定をどうしていくのか。輸送に関する基準策定をどうするのか。高度医療評価
制度をどう運用するのかということをはっきりさせるべきだと申し上げておりますので、
今、先生のご懸念は無いと考えております。
 それからもう1つは、基本的に再生・細胞医療というのは企業が自主的に主導して行う
ものではなくて、医師が患者の状態をみながら、医師がこの医療をやるべきと考え、患者
さんの納得の下、患者さんから細胞を採取して、そして細胞をどう培養するかを指図して、
初めてこの医療が供される訳であり、企業主導の医療ではありません。ですから、医療機
関起点、医師の起点の医療というものをどう今後安全性、有効性を担保して、それをきち
んと評価していくのか、更に事後評価をどう行うかという仕組みをつくるということが重
要です。先生のご懸念というものは十分に理解いたしますが、それを議論していくのがこ
の委員会だと理解しております。

○前川委員
 おっしゃることはよく分かります。ただ、日本の場合、例えば医師の裁量権で医師法の
下でやってもいいということになれば、いろいろなところが出てくることを私は懸念する
わけです。今まで、ヒト幹細胞指針などの提言でずっとこういうふうに言ってきて、これ
がかなり効力を持ってきちっとみんなが守るような格好になりつつあると思いますが、一
足飛びに、自家細胞であれば、医師法の下で、医師の裁量権で良いと言うような議論にな
ってしまうと、私は結構しんどいなというところがあると思います。私は、細胞治療や再
生治療法の開発に関しては、これを推進させるために現在の薬事法を見直すことは必要で
あっても、同種に比べて自家細胞であれば安全であるからと言う理由で、医師法の下で、
医師の裁量権で良いと言うことにはならないと思います。

○阿曽沼委員
 そのしんどいなという思いを皆さんが共有して、この委員会での議論があると理解して
おります。

○永井座長
 ほかにいかがでしょうか。私から小澤委員に、海外でも実用化されている再生医療とい
うのは皮膚と軟骨だけだと。これは非常に重大なことですが、その理由、ほかはあまり有
効性がないのか。あるいは引き続いてこれからどんどん実用化されてしようとしているの
か。状況を教えていただけますか。

○小澤委員
 いろいろ取組があります。多分、次に来るのは角膜になると思います。構造物から入っ
ているのが現実だと思います。深く埋め込むようなものをやったり、代謝機能を持つよう
なものであったり、少し薬に近いようなものは、今アメリカが先行していると思いますが、
アメリカもヨーロッパもですが、宗教観の違いもありまして、死体から提供されている材
料、医療材料というのがたくさんございますので、わざわざ高価な再生医療製品をつくら
なくても死体から取ったものでリプレイスするみたいなものも結構あったり、人工的なま
さしくアーティフィシャルなものを埋め込む。そういうものが宗教観が違うのかなという
気もいたします。しかし、医薬に近いほうは今かなり皆さんやっていらっしゃると思いま
す。この辺は大和先生のほうがお詳しいかもしれません。

○大和委員
 オサイリスのアロのMSCの小児のGVHDで、ステロイド不応のものは承認がとれて
いると思いますので、皮膚と軟骨とそれと。今、こういうふうに言うとすごく業界が停滞
するような印象を受けると思いますが、フェーズ3に入っているやつだけでも相当の数あ
ります。フェーズ2、フェーズ1のやつを数えると100はいかないと思いますが、100近く
あるので、何年か後にはすごくリストが充実してくると思いますが、それなりに時間がか
かるので、この数年で大きく変わるとは認識していますけれども。

○永井座長
 神山委員。

○神山委員
 ジェイスのことに関して、基礎的な質問をしたいのですが、培養サービス事業として進
めることで了解されていたら、そうではなくなったという、培養サービス事業というのは
何ですか。薬事法とはどういう関係になるのでしょうか。

○小澤委員
 ありがとうございます。私たちが会社をつくったときには、そもそもこういった自家細
胞を使ったものを薬事法だとか、治験だとかに当てはめるのは、そういうルールがなかっ
たものですから、今、先生のお話に関して言うと医師法に近いと思います。医師の裁量の
中で医師が企業に培養サービスを依頼する。先ほど阿曽沼先生が言ったことと同じことで
すが、そういうところが11年前であった。それは事実であります。ただ、やはりもう一度
安全性と有効性をしっかりと見たいというのがありましたので、少ない症例数ではあるけ
れども治験をやりなさいというような、確認申請として治験をやりなさいという指導。規
制は後追いでできてくるという典型的なものだと思います。

○神山委員
 それで患者死亡による製造中止リスクとか無償提供だとか、大変ご苦労しておられると
思いますが、海外ではどうなっているのでしょう。

○小澤委員
 海外でどうなっているかということに関しましては、私はあまり語ってはいけないとこ
ろだと思うんです。基本的には保険制度が全然違いますので、我々のような国民皆保険の
下で承認されている国は私は知らないです。アメリカの場合には、個人で保険を購入しま
すので、裕福な方は火傷にあまりならないというのもありまして、この辺はなかなか難し
いところではありますが、枚数制限等はないかと思いますし、施設基準はもちろんないと
思います。そもそもお金が払えるか払えないかというところがポイントであります。我が
国では混合診療を原則として禁止するというのがありますので、患者様が自腹で払うとい
うのは我々は現実的ではないなと思って、当社が負担を申し上げたということでございま
す。

○永井座長
 ほかにいかがですか。

○毛利委員
 先ほど大和先生がおっしゃられましたオサイリスの件は弊社が共同事業、技術提携を受
けておりまして、現在、私ども国内で第2相臨床試験をやっております。オサイリスの状
況については、現在、今言われましたように子どもでの重症例で効いていますので、既に
カナダで申請を今交渉中です。年内にFDAのほうもそれについて議論をするということ
で進んでおります。ですから、我々としては期待しておりますけれども、今回、オサイリ
スの分については他家細胞、いわゆる骨髄移植時のGVHDの抑制に使う間葉系幹細胞を
培養しまして、それを逆に使うわけです。他家細胞ということですので、性質がちょっと
異なります。補足になります。

○伊藤委員
 これも全く素人の疑問ですが、なぜジェイスが深達性が2度+3度≧30%、これでなけ
ればだめなのか。軽いたって火傷は大変です。なぜ、そこには使えないというか、何か使
わせないこと、あるいは使えない意味が何かあるのでしょうか。

○小澤委員
 非常に答えにくいのですが、総合機構の方に答えていただきたいなと思いながらも、結
論としては再生医療はまだ製品が世の中にないものですから、このジェイスはリスキーな
ものであるという前提があります。よって患者様にとって利益の大きい、死にそうな患者
様、先ほどの4ページです。死亡率の高いところ。死亡率が低いところではだめ。ベネフ
ィットが大きいところで、この30%以上というのはいろいろな議論をしましたが、結果と
して我々はここでやらせてくださいというふうにお願いしたことになっています。本当は
もう少しやさしい火傷も。

○伊藤委員
 医療というのは患者のために行われるのが第一というか、それ以外ないわけですから、
それがもしも重症の方も効くのだったらもっと軽くても効くわけというか、この分け方に
不思議なものに感じています。

○成田審査管理課長
 J−TECさんから詳しくお話をいただいたほうがいいかもしれませんが、重症例2例
ということでございましたが、結果的に全部がうまくいったわけではないような結果にな
っております。そういう意味で症例数が少ないということで、全症例報告ということをお
願いしているところでございますので、これからいろいろ蓄積もありましょうし、これか
らの治験もあるでしょうし、使い方についてはJ−TECさんのほうでいろいろお考えい
ただけるのではないかと思います。

○宇津企画官
 もう1点追加ですけれども、30%というのは一人歩きするというのも何ですけれども、
エピセル、海外のものも30%ということになっております。他の治療法とエビデンス、そ
ういうものを総合的に見てとりあえずのところは30%ということで判断に至ったものと聞
いています。

○阿曽沼委員
 今、全てが上手く行かなかったというご発言がありましたが、確かに治験段階の2例で
一例で亡くなった症例があったということを指してそうおっしゃたなら、少し違うのでは
ないでしょうか。議論をミスリードするのではないかと思います。基本的に培養皮膚につ
いてのエンドポイントは生着するかしないかということで、患者さんがそれによって助か
るか助からないかということでエンドポイントが設定されたのではないと思います。しか
も生着をするかしないかということのエンドポイントでお認めになったのであるならば、
重症熱傷だけに使用を限定するとことは必要ないのではないかという議論もあります。そ
の辺についてはいろいろな要素があって、いろいろな議論のプロセスがあったのではない
ですか。今、海外ではどうだからという事も言われましたが、それは伊藤委員の質問に対
する理由にならないと思います。

○成田審査管理課長
 PMDAの審査報告書が出されておりますので、必要があれば次回にでもお配りさせていた
だいてもよろしいかと思います。

○小澤委員
 それはやめてください。オフィシャルの場でそれを配るのはちょっといかがなものかと。

○成田審査管理課長
 公開させていただいており問題ないと思います。

○小澤委員
 ジェイスの案件だけで枠組み検討会の議論が振れるのはいかがかと思いますし、審査管
理課さんでございますので、この案件だけで意見を誘導するのはよくないと思います。

○永井座長
 これについてはまたいろいろこれから議論したいと思います。

○高杉委員
 日本医師会の高杉です。いわゆる新成長の戦略の中にライフ・イノベーションが書かれ
てあって、その中で計画されている阿曽沼先生の話を今日直にお聞きしました。いわゆる
再生医療というのは夢のある、すごくいいことなんですが、1つだけ引っかかるのは事後
チェックというのが、起こってからでは遅いというのは我々は心配しています。
 それからもう1つ、再生医療で日本の医療をよくしよう、あるいは医療経済までよくし
てしまうおうという夢は分かるのですが、いいことばかりが先に出て、確認をしなければ
いけないことが、やはり足下を見ていかなければいけない。今、すごく壮大ないろいろな、
ここで話すことではないかもしれませんけれども、いいことばかり聞こえて、どうも危な
っかしいなということが押さえられていないのかなという気がしております。再生医療に
はものすごく夢があるし、推し進めてほしいんですけれども、事後チェックという言葉が
先に出てしまうとどうなのかなと。

○阿曽沼委員
 私はその辺については、危惧や危なっかしさというのは当然あると思っております。で
すから、プレゼン資料にも書きましたが、事前審査至上主義から事後チェックという制度
にシフトし事後チェックを重点化する、つまりきちんとアフターフォローをしてモニタリ
ングをしていく仕組みを十分運用するということが、今後の医療にとってさらに重要なの
ではないかという意味合いで申し上げました。1回審査が通って決まってしまえば、あと
はずっとチェックしない、モニタリングをしないということではなくて、特にこの再生・
細胞医療については、今はそういうものが必要なのではないかということで、事前チェッ
クをせずに事後チェックだけにしろという議論ではありません。

○永井座長
 ありがとうございます。時間も大分経過しましたので、ただいまお話しいただきました
論点等につきましては、今後もさらに議論を深めていきたいと思います。
 本日の議題は以上ですが、事務局から少し早期に制度等の実現を図る観点ということで、
この検討会で確認をとりたい事項があるということですので、ご説明をお願いいたします。

○宇津企画官
 できるだけ我々としても再生医療関係のもの、施策について早期にやりたいと考えてお
ります。今月の会議の中でも新成長戦略というお話もございました。その中で再生医療等
の先端技術について、研究開発の実用化を進めていくということになっております。その
ような背景もありまして、可能な限り早期に施策ができればと考えております。
 それで前回の主な議論ということで資料1でご確認いただきましたけれども、前回でも
審査側との相談について、開発初期から審査側との相談をするというのは重要であるとい
う点。あるいはEUなどのようにベンチャーとかアカデミアに対して相談料の大幅な割引
とか、相談を受けやすい制度というのを考えるべきではないかというご指摘もいただいて
おります。
 そこで研究者の方、ベンチャー企業等が利用可能で、開発初期の段階、シーズ発見後の
開発、上市に向けて必要な資料や治験の計画とか、そういうものについて審査側と相談で
きるような制度を考えていきたい、検討していきたいと考えております。
 再生医療分野では特に開発初期の段階というのは研究者の方、ベンチャー企業の方が多
く係わっておりますので、この検討会でまず、再生製品の行政による個別の承認と安全対
策が必要なことと、更に早期の開発に向けて研究者、ベンチャーの相談事業の創設が必要
なこと、この2点について今回確認をいただいて、その後、残されたものについて引き続
き検討していく、この点の確認をいただければと思っております。
 その確認をいただければ、ベンチャーそれからアカデミアへの相談事業、PMDAの相
談事業というのを考えていきたいと考えております。
 
○永井座長
 PMDAで事前相談しようということですね。

○宇津企画官
 そうです。アカデミアとかベンチャー企業等を対象としたような相談制度を考えていき
たいということです。そのために先ほど委員のほうからもご指摘がありましたけれども、
できれば国の予算を投入して、人件費をカバーして、相談料をどんな内容になるか分かり
ませんが、無料とか大幅に割引とか、そういう形でのものを考えていきたいと思っており
ます。

○永井座長
 いかがでしょうか。

○花井委員
 1については、これはこれでよいと思うのですが、2につきましては基本的にここに書
いてあることはいいのですが、PMDAができましときに、いわゆる独法化して審査スピ
ードの締め切りが強く厳しく言われるようになり、同時に安全対策拠出金という形でユー
ザーフィーのほかに、いわば税金で賄うべきお金をメーカーからいただくという形になっ
た時点で、先ほど議論がありましたが、どちらかというと事後評価型に大きく舵きりをし
ているんです。僕らの理解からすると。なるべく早く上市して評価していこうではないか
という形になりつつあるというところは論点はあるにせよ、そうなっている。
 1つそのときに議論になったのは、いわゆる研究開発振興という業務について、どのよ
うなステータスで扱うべきかというときに、僕ら薬害の被害者のグループは、これは応援
団と審査する側は一体化しすぎるとよくないのではないか。これはかつて薬務局というポ
ジションが、いわゆるレギュレーションと応援団と一緒にやって、いわゆる癒着という問
題が生じたのではないかという、そういう観念のアナロジーで、PMDAの研究開発振興
業務をあまり膨らますと、これは整理上、ステータスが危うくなるのではないかという議
論があったんです。相談が、どこまでが応援で、どこまでがレギュレートなのか、微妙な
のは分かるし、実際、相談をやる人がいわゆるレギュレーターの専門的知識がなければ不
可能なのもよく分かるのですが、そこのところの整理をある程度は意識した上で制度化し
てほしい。
 1つは、仕分けで基盤研がえらくやられていて、いわゆる研発は要らないと言われてい
るんです。一方でこっちではそう言って、基盤研にはいわゆるオーファンの助成金事業を
振り出しているわけです。ところが、そこのほうは仕分けで要らないと。研発は要らない
という議論をしている一方で、同じような、今度はこっちはもっと応援しろという。国の
戦略として、例えばNIH的な機能はどこでつくるのか。FDA的機能はどこまでどうな
のか。そういうことがないと何でもかんでもPMDAにどんどんやれやれと。今、第二P
MDAという議論は非常に斬新なんだけど、第一ですら足りない。血液は医薬品なのかと
いう議論も当時やったわけです。薬事法でいいのか、やったわけです。アメリカはシーダ
(CDER)チームとシーバ(CBER)チームと分かれていて、日本のシーバは今言っ
ている第二部です。こんな数でいいのかという議論をやって、またその本丸ですら数が足
りない。ヒーヒー言っている。二つ目ができるのは夢みたいな話だと思うんです。そうい
ったところを強化していく中でPMDAのステータスをある程度合意していないと、早く
医薬品を出すことが仕事になってしまったとき、ユーザーフィーが拡大している中でFD
Aが批判にさらされた議論をもう1回日本でやるはめになると思います。アメリカをやっ
た議論を。そうならないために、今回の相談という意味では私としては審査の業務の一部
ということでは承認するんですが、研発との関係という部分については論点があるという
ことは釘を刺しておきたいと思います。

○宇津企画官
 ご指摘ありがとうございます。確かにPMDAの成り立ちとかそういうことについては、
振興と規制を分けるという話がございました。この相談業務については、今治験相談とい
うのをやっております。若干前の段階ということで、言ってみれば治験相談に似たような
ものということで考えていただければいいかと思うんです。今後、実際の相談業務につい
て考えて、実際の中身について詰めていく段階で注意点等ございましたら、また私どもに
ご示唆いただければと考えております。

○阿曽沼委員
 これについてですが、拙速にこの第8回の検討会に突然出てきた背景がよく理解できま
せん。しかし、いろいろ政治的な動き、行政の動き、予算化の動き、いろいろなことが絡
まってこういうものが出てきたと理解します。むしろこの検討会でこれから議論されるべ
きものですから、3項目に今後の検討課題ということで、この検討会で今後議論されたこ
とが、この内容に反映され修正されるべきだと思います。この文書をこの検討会で今日確
認されたからといって、今後の議論で、あの時こういう結論になりましたという既成事実
にならないように、その辺を柔軟に議論できるように、この3項の課題の中でそういった
文言を入れておいていただければありがたいと思います。

○永井座長
 よろしいでしょうか。そうしますと、今のご意見を3項の中に少し留意点として入れる
ということで。
 神山委員、どうぞ。

○神山委員
 相談業務を拡充するとして、確認申請はどうなるということなのでしょうか。

○宇津企画官
 確認申請については、この検討会で本日、制度の紹介、それから実際にどのようなこと
をやっているかというご紹介したまででございますので、今後、内容の取り扱い、在り方
等について検討会でご意見をいただきたいと思っております。

○永井座長
 確認制度がなくなるわけではないんですね。
 よろしいでしょうか。
 そうしますと、先ほどの3の今後の検討のところに少し文言を加えていただくというこ
とで、内容につきましては私のほうに預からせていただいてよろしいでしょうか。十分留
意して進めるということを中に加えるということにしたいと思います。
 ありがとうございました。大分時間がオーバーして申し訳ございませんでした。予定し
た議事は以上でございます。事務局から連絡事項をお願いいたします。

○宇津企画官
 次回でございます。8月25日を予定しております。次回は海外の規制当局から人間を呼
びたいと思っております。具体的にはFDA、フランス・アフサップス、ドイツ・ポール
エーリッヒインステュチュート、3施設から規制関係者を呼び、海外の状況等を説明いた
だくことにしております。
 場所はハートイン乃木坂でございます。25日15時からということでございます。

○小澤委員
 それはかまいませんけれども、企業関係者からもう少しヒアリングをしていただけない
でしょうか、特に免疫細胞療法の方たち。場合によっては欠席裁判になったらよろしくな
いなと私は思っておりまして。

○宇津企画官
 まだ検討会はございますので、その機会を考えたいと思います。

○永井座長
 それではこれで終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局審査管理課

企画官 宇津 (内線4223): 03-3595-2431(直通)、03-5253-1111(代表)

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