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2010年7月22日 介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会(第2回) 議事録

老健局振興課

○日時

平成22年7月22日(木)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 省議室


○議題

法制度の在り方、研修の在り方(I)

○議事

○土生振興課長 おはようございます。定刻より少し前でございますが、委員の皆さん方はおそろいでいらっしゃいますので、ただいまから「第2回介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」を開催いたしたいと思います。
 本日は御多忙の中、また猛暑の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、すべての委員の先生方に御出席をいただいております。
 それでは、議事進行につきましては大島座長にお願いを申し上げます。
○大島座長 大島でございます。おはようございます。
 それでは議事に入らせていただきたいと思いますが、今日は山井政務官が御出席です。この会議のこれからの方向、あるいは現在考えている御意見等について直接的、間接的にいろいろと私の耳の中に入ってきていまして、これは相当難しいというか、簡単ではないなという実感を持っています。
 最初に山井政務官から、時間に制限がございますので、この会議の役割と着地点について改めて確認というのか、お話をいただくと同時にごあいさつをいただきたいと存じます。
○山井厚生労働大臣政務官 皆さんおはようございます。本日は、このように大変暑い中、全国から大変お忙しい委員の方々がお越しくださいまして本当にありがとうございます。
 特に、今も簡単でない議論というお話がございましたが、その取りまとめに御尽力をいただきます大島座長には心より御礼申し上げます。
 本来ですと、長妻厚生労働大臣が出席をさせていただくべきところですが、今ほかの会議で現場政調会長と会議に入っておりますので、代わりに私が越させていただきましたこと、まず失礼をおわび申し上げます。
 今、大島座長の方から、さまざまな意見がある。そして、簡単な議論ではないというお話がございました。まさに私もそのとおりだと思っております。このたんの吸引を始めとする一部の医療行為を介護職員ができるようにということは、何も今、始まった議論ではなくて脈々と今まで賛否両論が繰り返されてきたところであります。それを今回、こういう正式な厚生労働省の検討会を立ち上げて、来年の通常国会での法改正も視野に入れて議論をしていただくということは、非常に歴史的な大きな使命をこの検討会は負っているのではないかと思っております。
 振り返りますと、私も議員になるまで介護問題の研究者をやっておりまして、また何でそういうことをやっていたのかというと、私の祖母が20年間寝たきりの末に亡くなったという家庭環境が大きく影響していて、そういう家庭で育ったがゆえにこの介護問題、福祉の問題というのは非常に私は関心を持つことになりました。寝たきりであったおばあちゃん本人の思い、またそれを介護している者の思い、やはりさまざまなことを私は幼少期から考えさせられました。
 そんな中で、当時から現場を回ってみると、本当に年老いたおばあさんが寝たきりのおじいさんのたんの吸引を倒れそうになりながらやっているということで、こういうことは何とかもうちょっと軽減できないのかなというふうなことを思い出したのが、もう20年以上前のことであります。
 この検討に関しましては、1つはいかに今、在宅、在宅と言われている中で、医療の世界においてもより多くの方々が自己決定において、望むならば自宅で最期までいることができたらいい。その支援をすべきである。また、介護の世界においても、本人の自己決定において望むならば最後まで自宅で暮らせればいい。
 もちろん施設や病院に入りたいという方はそれを選択されたらいいという中で、一つのキーワードはこの自己決定、本人の自己決定ということと、もう一つは家族支援の強化ということだと思っております。幾ら御本人の自己決定ということを言っても、それを支えている家族がギブアップしてしまうと事実上、自己決定というのは貫けないというのが現場の実情でございます。
 そういう意味では、この検討会での議論が家族支援の強化、そして本人の自己決定の尊重ということにつながればよいと思っておりますが、一方ではもう一つ、やはり安全性の確保の担保、これは当然の大前提であると思っております。
 しかし、今、申し上げました家族の支援や在宅重視、本人の自己決定ということと安全性の確保という、時には矛盾することにもなりかねないことをどう両立させていくのか。もっと具体的に言いますと、この方向性を議論していく上でどれぐらいの範囲、どれぐらいの内容のことをどれぐらいの研修時間でやっていくのかというところが一つの大きな課題になっていくのではないかと思います。
 そういう意味では、総論としては方向性に関しては一致できるところが多いと思いますが、では、各論としてどういうふうなスピード感でやっていくのか。どうすることによってスピード感と同時に安全性も確保して事故が起こらないようにできるのか。この両立が、最大のポイントであると思っております。
 加えて、高齢者の方々のことも重要でありますが、同時にやはり重症心身障害児者の方々で医療ケアを必要とする方が、より施設ではなく在宅で暮らしたいというニーズも最近増えてきておりますし、同時に御家族の方々からもっと支援を厚くしてもらわないともうもたないという悲鳴も聞こえております。
 また、橋本操さんにも出席をしていただいておりますが、難病の方々、ALS、遷延性意識障害の方々も含め、やはり本当にそういう難病の方々をどう社会全体でサポートしていくのか。御本人のみならず、それを支える家族が倒れてしまわないようにするにはどうすればいいのか。まさにこれは今の政権に課せられている重大な課題であるというふうに思っております。
 付け加えますと、今回ねじれ国会ということになりまして、私たち政務三役もこの法案は通るんだろうか、ちょっと方針転換しないとだめなのではないだろうかということで年金、医療、介護、子育て支援、子ども手当てとか今、考えている真っ最中でありますが、まさにこの検討会におけるテーマに関しては、より前向きに議論していくということに党派を超えて私は異論ないのではないかと思っております。
 最初に大島座長から、さまざまな意見があり、簡単な議論ではないというお話がございました。まさに安全性といかにより広くスピーディに広げていけるかという一番困難で大変な課題を皆さんに御議論いただく。そのことに関しては、本当に皆さん方に敬意を表したいと思いますが、そのようなことを踏まえながら活発な、真摯な議論をしていただきたいと思っております。
 そして、まさにこの検討会での議論を踏まえた、法改正を踏まえた取組みを、私たちも念頭に置きながら、この検討会によってより多くの方々が、そしてまたそれを支える御家族の方々が、また医療現場の方々が、安心して暮らし、働けることができるようになってほしいと思っております。
 少し長くお話をし過ぎたかもしれませんが、大島座長の方向性や着地点も含めてというお言葉に甘えて少ししゃべり過ぎてしまったかもしれませんが、この思いは長妻大臣を含め、私たち政務三役、そして厚生労働省の事務方ともずっとこの数か月、議論をしてきたことでございます。大変な課題でありますが、非常に重要な検討会でございますので、皆さんどうかよろしくお願いします。
 本日は誠にありがとうございます。
○大島座長 ありがとうございました。そういうような趣旨を踏まえて、今日は御議論いただきたいと思います。
 それでは、前回の議論を踏まえまして、事務局から前回の各委員の御意見と、論点整理に関する資料を作成してきておりますので、今回はこの資料を基に更に議論を深めていきたいと思います。
 それでは、まず最初に事務局から説明をお願いします。
○土生振興課長 最初に、資料の確認をさせていただきます。封筒の中に入っているかと思いますが、議事次第、座席表に続きまして、ただいま座長から御紹介がございました資料1、横長の資料でございます。
 合わせまして、それに付属する資料2、縦長で「論点整理メモ(再掲)」というものがございます。
 それから資料3でございますが、三上委員からのお求めに応じて作成した「介護療養型医療施設におけるたんの吸引・経管栄養に対するニーズ」という資料でございます。
 その後に、各委員から御提出いただいた資料、最初に「就業意識実態調査報告書」、河原委員提出資料です。次に川村委員の御提出資料、斎藤委員からの御提出資料、白江委員からの御提出資料、橋本委員からの御提出資料。
 更に、座長の御許可を得まして日本訪問看護振興財団などからの意見書ということで配付をさせていただいております。もし漏れがございましたら、事務局までお申付けいただければと存じます。
 それでは、続きまして資料の説明をさせていただきたいと思います。横長資料1、主な論点の整理メモということでごらんいただければと存じます。
 資料は表になっておりますが、左側に前回の検討会での委員の主な御意見、右側にそれを踏まえました「論点の整理(たたき台)」ということで整理をしたものでございます。
 委員の御意見につきましては、事務局の責任で適宜要約等をさせていただいております。不十分な点があるかもしれませんが、何とぞ御容赦いただければと存じます。
 項目につきましては、前回の論点、議論の項目メモに沿って整理をしたものでございます。順に御説明をさせていただきます。
 まず「1.対象とする範囲について」、「(1)介護職員等が実施できる行為の範囲」についてということでございます。介護職員ができる行為とできない行為の明確化が必要といったような御意見。
 更には御要望、御意見といたしまして、吸引、経管栄養を優先すべきとしても将来的には事故導尿の補助等の要項についても検討すべきといったような御意見がございます。
 いずれにしましても、これまでの措置がどうなるのかということでございまして、現在できることがかえってできないようなことにならないよう配慮すべきといったような御意見。
 あるいは、同じ行為でもターミナルケアですとか、人工呼吸器装着の場合ですとか、そういったような場合もあるので、別途の議論が必要ではないかといった御意見もいただいているところでございます。
 「論点の整理」、右側でございます。まず、これまで運用により許容されていた範囲、これは優先課題ということになるわけでございまして、これを基本としてまずは認めるということが適当ではないかということでございます。そうしますと、吸引につきましてはそこに列挙されております3種類、経管栄養につきましても胃ろう、腸ろう、経鼻という3種類、運用で認めていた範囲の一番広い部分を組み合わせますとこのような整理になるということでございます。
 そうは言いましても、個人や施設等においてニーズの違いがあるということ。それから、現実に介護職員に認めるとしても医療職との役割分担あるいは連携をどのように考えるのか。あるいは、これ以外の項につきましても御意見がございますので、それについてどのように考えるのかといったような論点があろうかと思います。
 (2)でございますけれども、「実施可能である介護職員等の範囲」と、今度は職員の方の範囲ということでございます。これにつきましては賛否両論あるわけでございますけれども、しっかりした研修、それが地位の向上、更に報酬の評価というようなことにつながるのではないか。
 それから、その場合に介護福祉士あるいはその養成の在り方との関連をどのように考えるのか。その辺が一つのコアになるのではないかといったような御意見もございました。
 ただ、いずれにしても、無理に強制的に介護職員にそうした行為を求めることにならないようにすべきではないかといったようなこと、あるいは介護職員の専門性やキャリアアップとは少し論点として違うのではないかといったような御指摘もあったわけでございます。
 それから、専門介護福祉士の在り方という議論もあるようですけれども、それも含めて慎重な議論が必要といったような御指摘もございました。
 そうした中で右側でございますけれども、一定の改めてこの医行為のための研修ということは必要であろう。そういった研修を修了した介護職員等が実施できることとしてはどうかといったようなこと。その際に、介護福祉士との関係をどのように考えるか、十分な議論が必要ではないか。
 それから、無理に強制的に求めることがないよう配慮すべきではないか。介護の専門性やキャリアアップ、評価等との関係をどのように考えるのか。こうした点が議論すべき事項ではないかということでございます。
 2ページ目にまいりまして、「実施可能である場所の範囲」ということでございます。特別養護老人ホーム、本年4月から実質的違法性阻却の範囲において通知で認めているということでございますけれども、現在の措置では無理があるのではないかといったような御指摘。
 それから、障害者支援施設、在宅でも常時の医療ニーズがある。特に障害児の方につきましては通所・通園についても医療的ケアの充実ということが課題ではないかという御意見がございました。
 「論点の整理」でございますが、それぞれこうした御指摘のある点をどのように考えるのかということでございます。一定のニーズはあるが、介護職員だけでは十分なケアができない施設ということで考えますと、まず介護施設で申し上げますと特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、有料老人ホームということが考えられるわけでございます。
 障害者支援施設等も合わせて対象としてはどうか。それから、在宅でもニーズがある。特別支援学校でも、現に運用上そうした措置が一定程度とられている。この点についてどのように考えるのかということでございます。それから、御意見のありました障害児者の通所のニーズについてどのように考えるのかということでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、医療職と介護職等の適切な連携・協働が必要ではないか。逆に言いますと、そうした適切な連携・協働が行える施設・事業所等に限定すべきではないかといったようなことが論点かと思っております。
 参考として、前回の検討会で御紹介しました閣議決定を左側に掲載しております。
 次に3ページでございますけれども、「安全確保措置について」ということで、(1)は医療職と介護職員との連携体制の確保等の要件についてということでございます。これにつきましても、さまざまな御意見があったわけでございます。
 協働してケアを行うことで、質や信頼性が向上するということで、教育・研修だけではなくて継続的な安全対策を考えるべき。あるいは、保健所などの関係機関も含めて、行政の役割ということについても議論が必要ではないかといったようなこと。
 具体的な要件としまして、利用者・家族への説明と同意、あるいは具体的な実施方法も含めた医師の指示等々、具体的な要件につての御提案もあったわけでございます。
 それから、特別支援学校でも十分な研修を実施しているということでございますけれども、関係の医療機関との連携・協力、あるいは学校内の委員会の設置等、安全管理体制の整備ということも合わせてやっておられるというようなことでございます。
 それから、介護職員がやる場合の全体の位置付けの問題でございますが、やはり救急救命士にしても法制度として位置付けられたことによって可能となったということを留意すべきではないか。
 在宅では通知で現在行われている実態がございますけれども、必ずしもその要件が遵守されていないというようなことから、サービスの在り方、ケアの在り方を総合的に議論すべきではないかといったような御意見。
 それから、特定の対象者ということの実施を原則に置いて、保護者等の同意を得るということを条件とすべきではないか。
 一律に解禁ということではなくて、安全確保のためのプロセスを経て許容していくことが、利用者あるいは介護職員のためになるといったような御意見。
 現状のホームヘルパーのままでは不安があるといったようなこと。適切なリスクへの対処、特に在宅でどのような対応ができるのかといったような御指摘というようなことでございます。
 一方で、研修は確かに議論のポイントであるけれども、その他については余り議論を要しないのではないか。ただし、悪意があるような場合には一定の責任を取るというようなことは必要ではないかといったような御指摘がございました。
 それから、特にお子様等、成長によって変わっていくということで、その状況の変化への対応といったような御指摘もございました。
 「論点の整理」でございますけれども、現在運用でおおむね一定の方向性で要件を設定されておりますので、それとの関係で今後の要件というものを考えてはどうかということでございます。整理の仕方にもよりますけれども、本人・家族の同意、医療職との適切な役割分担・連携・協働、関係者による連携体制の整備、マニュアル・記録の整備、緊急時対応の手順、訓練の実施等ということでございます。
 その際に、具体的な連携・協働の在り方ということについてどのように考えるのか。在宅と施設について異なる点があるということについてどのように考えるのか。
 それから、行政の関与という御指摘もございましたけれども、一定の要件を定めた場合にそれを担保するための監督等の在り方についてどのように考えるのかといったようなことでございます。
 次に4ページでございますが、安全確保措置の(2)ということで「教育・研修の在り方について」ということでございます。何らかの研修あるいはマニュアルの整備が必要。それから、現行の介護福祉士の教育カリキュラムでの医行為を行うという前提に立てば、必ずしも十分でないといったような御指摘。
 特に在宅では連携体制が施設と同様というところまでは取りにくいといったような御指摘から、教育などの条件を整えることが必要。
 それから、現在特養のモデル事業、昨年実施したものでは12時間ないし14時間の研修ということでございますが、これは適当とは言えないといったような御指摘。
 研修については、一定の座学実習を経た後に医療職の指導の下、時間をかけて利用者ごとに習熟していただくということが適当ではないか。
 利用者の個別性を踏まえた対応が必要。
 あるいは、研修を受ける側の技術の習得にも個人差があることを考慮すべきといったようなこと。
 職員の中にも賛否両論あるということで、法整備をして明確化をしてはどうか。研修というのは、やはり前提になるのではないかといったようなこと。
 それから、現状でもヘルパーの不足状況という実情を踏まえれば、その増員ですとか定着を阻害するような資格要件の設定、長期間の研修等の義務づけは行うべきではないといったような御意見もあったわけでございます。
 「論点の整理」でございますけれども、少なくとも現行の介護職員等の教育研修では十分でないということで、改めて一定の研修等を行った者に限り認めるべきではないか。
 介護福祉士さんにつきましても、所要の追加的教育プログラムが必要ではないか。
 そうした教育研修を考える上でも、知識・技術の修得には個人差があるということを考慮しますと、研修効果の評価ということが必要ではないか。
 それから、患者さんの状態も個々に違うということでございますので、そうしたことへの対応。
 また、更にその状態像が変化するということにも留意すべきではないかというようなこと。
 ただ、いずれにいたしましてもこれまで運用で既にやっていただいている実績というものがあるわけでございまして、これについて考慮することが適当ではないかといったようなところが論点かと思っております。
 5ページ目でございますが、「関連するその他のご意見、議論の前提等について」ということで、この部分はなかなかその項目で整理し難い部分ということでございます。さまざまな御指摘をいただいているところでございます。
 吸引のリスクというものは、それほど高いものではない。少なくとも生命に直結するものではないといったような御指摘。
 医行為の範囲の明確化が必要。ただ、技術の進歩等によって変わってくるところはあるといったようなこと。
 それから、議論の視点として、必要な方に必要な医療サービスをどのように届けるのかという観点。
 あるいは、リスクがあるから研修させるという議論ばかりではなく、リスクが低い行為は医行為から外すということも選択肢ではないかといったような御指摘。
 ただ、一方で特養のモデル事業でも一定のヒヤリハット事例等があるということでございますので、安全なケアをどう提供するか、慎重な議論が必要といったようなこと。
 あるいは、サービス論としまして、医行為が必要であればそもそも適切な医療機関に入院させるという対応が適切ではないかといったような御指摘。
 法的な整備に関しましては、法的な不安定を解消するというようなことが必要だけれども、その際に医行為か、そうでないかの二分論ということだけではないのではないかといったような御提案もあったわけでございます。
 ただ、一方で医師法17条の現在の規定の考え方を今、変更するところまでは必要ないのではないかといった御意見。
 あるいは、そうした取扱いを変更するという根本論は当検討会ではなかなか扱いにくいということで、その現行の取扱いを前提に制度の在り方というものを御議論いただいてはどうか。
 いずれにいたしましても、これ以上待っていられない。一歩でも前進すべきといったような御指摘。
 更には、関連する施策に関しまして研修会への助成、基盤整備の推進の必要性、障害者に対するサービスの重要性、あるいは介護報酬等における評価についての御意見もあったということでございます。
 「論点の整理」でございますけれども、医行為の基本的考え方は座長からも御指摘がございましたとおり、なかなかこの検討会では扱いにくいという点もございますので、現行の取扱いを前提に、より安全に、より広くケアを提供するという観点で議論をしていただいてはどうかということでございます。
 また、その際にさまざまなサービスや報酬等の在り方について御意見をいただいているわけでございます。もちろんこれらは所管の審議会等での議論もあるわけでございますけれども、当検討会としても一定の議論をいただいて必要に応じて提言していただいてはどうかということでございます。
 最後に、6ページでございます。「試行事業のあり方について」ということで、この点はまだ余り御意見をいただいていないところでございますけれども、制度のあり方に関する議論の状況を踏まえつつ、一定の範囲で試行事業を行うこととし、その結果を踏まえ、更にこの検討会で議論を行っていただいてはどうかということ。
 ただし、その試行事業をやるということになりますと、少なくともその際は法律はないわけでございますので、「実質的違法性阻却論」の考え方に沿って要件設定等を行うことが適当ではないか。
 それから、政務官のあいさつにもございましたが、その際の研修をどうするのかということは大きなポイントということで、今回資料が間に合わなくて恐縮でございますが、いずれかの段階で案を提出させていただきたいと考えております。
 以上が、資料1でございます。
 資料2は今、説明いたしました資料2の右側の論点整理の部分を一覧できるようにということで一つの紙にまとめたものでございます。内容は同じでございますので、説明は省略させていただきます。
 それから、資料3でございますけれども、「介護療養型医療施設におけるたんの吸引・経管栄養に対するニーズ」ということでございます。これは、平成19年の介護サービス施設事業所調査を特別集計したものということでございます。喀痰吸引18.3%、胃ろう・経管栄養は38.3%ということでございます。
 なお、その後に前回提出をいたしました特別養護老人ホーム等々の同じニーズの資料を参考として添付しております。データの出所等、違う面がございますので、なかなか単純比較はできない場合もございますけれども、医療施設ですので当然と言えば当然でございますが、介護療養型医療施設の場合、そのニーズを持っておられる方の割合は高くなっているということでございます。
 事務局からの資料説明は以上でございます。
○大島座長 ありがとうございました。
 それでは、議論に入りたいと思いますが、簡単に問題点をまとめてみますと、どんな行為をだれが、いわゆるどの職種がどこで行うのか。そして、そのために安全性の担保を一体どうするのか。あるいは、教育研修体制をどうするのか。特に、具体的には対象者とされているヘルパーあるいは介護福祉士等のこれに向かっての不安を解消できるような体制をどう担保できるのかというようなところが主な論点かと思います。
 それでは、まず最初に資料を提出されている方から簡単にお話をしていただきたいと思います。最初は、河原委員からよろしくお願いします。
○河原構成員 おはようございます。今、座長の方からおっしゃっていた論点に沿って、本来は議論を進めなければいけないんですが、申し訳ございません。介護クラフトユニオンの河原でございます。
 前回の委員会で提出すべきだったのですが、私どもの組合で毎年実施しております就業意識実態調査の昨年度の速報版を今回提出させていただきました。前回の議論に戻るようで申し訳ございませんが、若干の説明をさせてください。
 今般の検討会を見越したわけではありませんけれども、昨年3月実施の調査で医行為について尋ねています。これは、現場の組合員が医行為を頼まれて困っている。あるいは、ある程度ならば対応できるのに法律との間でストレスがあるとの声がありまして、遅まきながら実態の調査を若干させていただいたということでございます。時給制の組合員約1,400人、月給制の組合員約1,550人の回答でございます。
 以降につきましては、冊子の13ページから15ページに記載してございます。正しい言い方である「医行為」を「医療行為」というふうにしたのは、現場の介護職員が受け入れやすいと思ったからでございます。
 いずれにしましても、このデータは法律に抵触していることを証明する危ないデータかもしれません。左の青が月給者、右側の赤が時間給者の方です。
 簡単に概要を説明しますと、6割から7割の者が医行為でない行為を知っているようでございます。
 医行為を依頼されたパーセントが出ています。このパーセントを多いと見るか、少ないと見るかは見解が分かれると思いますが、私は多いと思いますし、これからもっと多くなると思います。  14ページです。利用者や家族のだれから依頼されたかということですが、利用者や家族の依頼は自然のことだと思いますけれども、医師、看護師からの依頼もあります。
 医行為を依頼されて、約半数が実は実施しております。
 「どのような行為ですか」と尋ねています。じょくそうの処置、あるいはインシュリンの注射などは、私は個人的には大変びっくりしてしまいました。
 クロス集計はここには出ておりませんけれども、たんの吸引と経管栄養は圧倒的に施設の方が多かったということです。
 Q22-5でございますけれども、「不安になった」、「怖くなった」「二度とやりたくないと思った」と思った方は一定程度いらっしゃいます。知識の蓄積や技術研修、あるいは安全への連携プレーが確立されていないわけですから当然だと私は思います。
 反対に、15ページの下の「「医療行為」から外してもよいと思うもの」と関係はしますけれども、これならばできると思った方も、あるいは特に感じなかったという方も一定程度いらっしゃいます。
 Q23で、「今後、条件付きで「医療行為」から外してもよいと思うもの」の中で幾つかの行為に丸をしてくれています。「すべて外すべきではない」が3割程度です。これをどう考えるかですけれども、反対に実は知識、技術の研修がない中で何とか利用者の方の役に立ちたいと思っている方の方が多いんだなと私は思いました。
 無回答がございますけれども、無回答の方を集計しますと、これは事務職の方あるいは福祉用具の方が多かったです。あとは、看護師の方も半数の方が無回答で寄せられております。
 見ていただいた報告書には記載しておりませんけれども、いわゆる在宅の登録型の訪問介護でも48%が医行為を依頼されており、依頼された登録ヘルパーのうち約35%が医療行為を実施したと答えています。常勤のヘルパーさんになりますと、このパーセントは5、6ポイント高くなります。
 こうした現実を考えると、介護を取り巻く環境、介護現場の変化とともに規制なり法律なりを利用者さんの命とか自立のために、または介護職員の安心のために積極的に変えていく必要があると思います。
 前回の検討会でも発言させていただきましたけれども、施設系も在宅系も現場の実態をしっかり認識して、しっかりとした技術研修と安全への連携プレーが確保されれば、私は介護職員でも実施可能な医行為外の行為を明確にして、拡大の方向にすべきであると考えています。
 現場では、法律でだめだからできないものはできませんと利用者の方への説明の徹底を図っても、利用者の方の増大や重度化を考えると私は限界があるように思います。法整備のバックアップや、そうした中で現場の者たちのもやもやをすっきりさせてやりたいと私は思います。
 本検討会では、たんの吸引と経管栄養に限定されるかもしれませんけれども、過日、資料を読みますと閣議決定されたように、介護職員が実施可能な行為の拡大についても明快な回答を現場にメッセージしてやりたいと思っています。
 以上です。ありがとうございました。
○大島座長 ありがとうございました。現場では既に相当進んでいて、制度等が追いついていないというお話だったかと思います。
 時間が限られていますので、御質問に限って何かあればお受けしたいと思います。全体討論としては、後でまとめてしたいと思います。
 では、どうぞ。
○因構成員 貴重な資料をありがとうございました。
 14ページですが、22-4で「どのような行為ですか」ということで上から順に巻き爪とか、下の方にいくとネブライザーとか出てきていまして、その次の設問、22-5で「そのときに、何を感じましたか」ということで「不安になった」、「怖くなった」とあるのですが、このクロス集計はされているのでしょうか。例えば、どの項目が不安になったとかですね。それをちょっと聞きたいと思いました。
○河原構成員 クロス集計はしていると思いますけれども、今、資料が手持ちにございませんので、後日の回答とさせていただければありがたいと思います。
○大島座長 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは、次に川村委員、どうぞ。
○川村委員 川村です。このA3の大きい表を見ていただきたいと思います。私は、その後で斎藤委員の方から総論が述べられますので、安全な医療提供のための訪問看護と介護の連携の実際について説明をしたいと思います。これは、あるALSで人工呼吸器を付けている方が退院されるところから14週間、つまり3か月半程度の期間で訪問看護師がどのように介護職員に指導をしたかということの記録であります。
 まず14週を入院前、退院時、退院後1〜4週まで、5〜7週まで、6週以降の5つの時期に分けております。そこで、上部の薄い赤い部分と白の表の部分、これにつきましての詳細は裏面に書いてあります。次のピンクの帯が訪問看護師の訪問回数、どのように訪問しているかということになります。
 まず、退院日が360分訪問しております。それから、4週間の間が1日平均204分、そしてその後が158分というふうに減っていますけれども、その後も、8週以降は122分、つまり2時間以上の訪問が続き、多くの場合これがつづいていきます。その下に週間ケアプランが書いてありまして、日曜日を除く毎日、訪問看護が訪問をし、介護の方と一緒にケアに当たっております。この時間に指導が入っています。これは定期的なケアプランですので、これ以外に緊急の呼び出しも受けております。
 最後の折れ線グラフは、訪問看護師が週ごとに訪問時間数でどのように訪問しているかということを見やすく書いたものであります。この期間の収入は上の四角内に書いてありますけれども、試算をしますと全額で103万円になります。3か月半の収入です。そして、赤字、つまり持ち出し分というものが1割5分もありますけれども、訪問看護は命を守る安全な看護の提供ということのためにやむを得ず行ってきたものであり、この数字は必要最低限を示していると思います。
 特にこの方について状態が悪かったということはありませんでしたので、これは標準的ではないかと思います。
 日々、同行訪問を続けてきた理由、日々、訪問を続けた理由、これだけの時間数をかけた理由といいますのは、利用者の身体症状の変化、例えばたんが硬い、吸引がうまくいかないということで介護の方から連絡がきますと、対処としてはたんの性状や全身状態から健康状態をアセスメントした上で、必要時はドクターに連絡をいたしますが、看護で対処できるという部分については排たんケアを更に十分に重ねる。吸引の仕方を変更する。たんをやわらげるために水分を補給する。室内の湿度を上げる。ネブライザーを用いる。場合によっては医師と相談して、医師からの処方を得て薬を用いるなどをいたします。定例のケア、変化に対応するケアのための時間に指導の時間を含めているという無理がかなり出ております。
 たんの硬さが3日に1度は違うというような経験をして、非常に不安を持ってこられたというある介護職員の方が、訪問看護師にどうあってくれたらいいかという要望を書いてくれました。訪問看護師は、24時間介護職を支えてくれる。呼んだらすぐ来てくれる。日々の状態に合わせた吸引法の指導をしてくれる。毎日排たんケアをやってくれる(これによって介護職員は上部に上がってきたたんだけを引けば済む。軽度の吸引で済むわけです。更に、吸引回数が少なくて済む)。定期的に手技を見て安全な方法を指導してくれる。毎日訪問看護師と一緒にケアする時間を持つ(細かいことでもいろいろな質問や相談がしやすくなるし、それにすぐ応じてくれる安心感がある)。進行に合わせて予測的な指導をしてくれるといったことでありました。
 この介護職員は、これらを実行してくれる訪問看護師に出会い、それまでに直面してきた不安や苦労が解消したと言っていました。これらのことは、介護職の研修のみでは賄い切れることではありません。看護と介護の連携や必要な看護ができる環境整備が重要です。私たち訪問看護は、質の低下を来すことは望んでおりません。
 介護職の研修の重要性、これは言うまでもありません。けれども、訪問看護師と介護職員がよい関係で安定して安全で質の高いサービスを提供できるような仕組み、これが現在ではありません。その環境整備ということは急務なことであります。そのことをお伝えするために、この実態を見ていただきたいと思いました。以上です。
○大島座長 ありがとうございました。何か御質問はございますでしょうか。
 看護職と介護職がきちんとした連携体制というか、お互いが高め合うような仕組みをつくることが必須であろうという御意見だったかと思います。
 それでは、次に斎藤委員からお願いします。
○斎藤構成員 お時間をいただきましてありがとうございます。私も初回に最優先すべきはやはり在宅や施設におけるサービス利用者の安全性を担保することなのだということは申し上げました。更に現場の方へのヒアリングにおいて、介護職の方も非常に不安な状態であるということを伺いました。
 そのため、安全性の担保を第一にし、かつ吸引等の医行為に関わる介護職員が不利益を被ることなく、かつそれぞれの医行為に関連する責任の所在を明確化していかなければいけないと考えています。この3つの観点から、意見を述べたいと思っています。
 1つは、利用者・実施者の安全を担保するために基本的に考えなければいけないことにつきましては、「介護職員が実施できる行為の範囲について」が挙がっております。私どもは、医行為の除外規定があるにせよ、その医行為が非常に危ないものに変化するのか、それとも安全なままでいくのかは、利用者の状態の変化に応じてリスクは異なるのだと思っております。
 そのため、範囲の規定だけでは不十分であり、介護職員による医行為が実施可能な状態であるのか、利用者が本当に安定しているのかなどをだれかが判断しなければいけません。介護職員による医行為の実施が可能な利用者の状態であるのかどうかについて、当然医師もしくは看護職員による定期的な観察、判断が必要であり、その下で介護職員が実施する体制をつくっていかなければいけないと考えております。
 更に、当然それは状態が安定しており、かつほとんど固定化をしている状態でなければなかなか難しいと考えます。急性期やターミナルの方々への医行為につきましては、介護職員にお任せするわけにはいかないと考えております。
 経管栄養の実施につきましては、現行の特別養護老人ホームの対象範囲を踏襲すべきではないかと思っています。これは、訪問看護の事業者団体から出ている件にもございますように、経管栄養の管理等についてはある程度計画的に、定期的に看護職員が関わることができます。そのため、特別養護老人ホームにおける対象範囲で踏襲していただきたいと考えております。
 そして、実施可能な場所の範囲につきまして、いろいろなところが挙がっております。しかし、入院基本料を届け出ている障害者施設、あるいは医療機関に指定されているところについては、当然看護職員配置によって対応すべきでございます。そのため、介護職員には認められるべきではないと考えます。それは当然老人保健施設にも言えることではないかと思っております。常勤医師が配置され、日常生活のサービスとともに医療サービスの提供を標榜する施設でありますので、吸引や経管栄養等については医師もしくは看護職員が実施すべきであろうと考えております。
 看護職員配置が定められていない施設、グループホーム、あるいは有料老人ホーム等におきましては、看護職員配置をというわけにはいかないことは十分承知しておりますので、やはりここは訪問看護がきっちり関与できる仕組みでやっていただけないかと考えております。
 2点目の在宅におけるたんの吸引等の安全な実施体制確保につきまして、これは先ほど川村委員からもあったように、相当訪問看護が頑張っていかないと厳しいという状況にございます。私どももヒアリングをいたしましたが、やはり一時的な研修受講だけではなかなか困難です。利用者宅での技術指導や適時の電話相談、夜間対応、例えば物品が不足しているとか、あるいは不潔にしてはいけないものを不潔にしたということで介護職の方から呼び出しがかかっても、すぐ対応できる体制でないと、なかなか難しい状況だと思います。
 しかしながら今、訪問看護の実情は自治体の3分の1の市町村に訪問看護ステーションがないという実態でございます。そのため、たんの吸引や経管栄養が必要な在宅療養者がいる地域につきましては、利用者宅から車で10分から15分程度のところに計画的に訪問看護ステーションを整備していただきたいということを要望いたしたいと思います。
 また、当然その利用者宅でいろいろな技術の確認等々を併せて行っていかなければならないと思います。そのため、訪問看護での単体サービスではなく、訪問介護の方々と一緒に一体的に訪問できるように、新たな在宅のサービス形態について検討すべきであろうと考えています。
 そして、川村委員からも出ていたように、相当の訪問看護ステーションの持ち出しにより安全性を担保している状況でございます。とあるステーションであれば月に3日から4日程度の無料での訪問という状況になっておりますので、ここについては相当の手当を望むものでございます。
 それから、もう一つは自治体の役割というものも挙げておきたいと思います。今、難病対策等では難病患者地域支援対策推進事業の中に在宅療養支援計画の策定及び評価事業というものがありますけれども、これは自治体の格差がございまして、非常に熱心にやっているところもあれば、全くやっていないというところもあるように伺っております。そのため、保健所を中心とした地域の保健医療、介護サービスの連携をしっかり位置付けていただくためには、自治体の責務を明確化する必要があると考えております。
 それから3点目、これはそもそも論ではございますけれども、各施設で非常に医療依存度が高く、重度化しているということは周知のとおりでございます。ですので、今のような介護保険施設体系を本当にこのまま踏襲するのかということが問題として挙がってくるかと思います。急性期医療あるいは医療機関から退院するときには、どこでもいいから引き取っていただけるというところにそのまま入れていくというのが実態だと思います。そのため、今の介護保険施設体制の見直しに早急に着手をしていただき、かつその医療ニーズや看取りに対応するための看護職の配置基準の見直しや医療サービスの外付けをきっちりできるような体制整備を是非検討していただきたいと考えております。
 以上です。
○大島座長 ありがとうございました。何か御質問はございますでしょうか。
 どうしても不可避なところから進めざるを得ないだろう。ただし、今の制度上、幾つか改善されるようなことについては、その改善も含めていわゆる訪問看護等の充実を図っていくということも同時に必要ではないかという御意見だったかと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、どうぞ。
○橋本構成員(代理) 今の川村先生と斎藤先生のお話を受けて、橋本から一言、言いたいことがあるそうなので、短くお話をしますので、できるだけ回数を当ててくださいと本人が言っています。
○橋本構成員 私の経験からすると、退院直後の訪問看護が薄過ぎると思います。平均値を出して教えてほしいです。
 2点あるのですが、もう一点は施設で10人の経管栄養をやるのには看護師さんが1人で30分でできますが、在宅では10人の経管栄養をするのに1人の訪問看護師では移動の時間も含めて10時間ほどかかってしまいます。そのマンパワーがあるのですか。以上、2点です。
○橋本構成員(代理) 付け加えると、橋本が言いたいのは、圧倒的に訪問看護師のステーションの数が足りないのでということです。ヘルパーが安心して在宅で経管栄養や吸引をやっていくには、訪問看護の常時のアドバイスと指導が必要だということです。
○大島座長 何か御意見がございましたら、どうぞ。
○川村構成員 橋本さんがおっしゃることは、とてももっともだと思います。やはり、訪問看護の事業所、訪問看護師が必要なだけ訪問できる。それは、それぞれの看護師の個人的な努力といったものでは、今は賄い切れない状況になっているんだと思います。ですから、そこに対して社会がどういうふうに体制をとるのか。社会的な体制作りがないと、利用者様たちのニーズにはこたえていけないと思っております。それが、私が申し上げたい環境づくりの基本的な大きなところであります。以上です。
○大島座長 ありがとうございます。
 今のような議論を進めていくと、最終的には医療体制だとか、日本の体制であれが足りない、これが足りないという話にゆきかねません。それを始めちゃうと1時間あっても2時間あっても、とても時間が足りないということになりかねません。
 そういった御議論は、時々はこういった問題があるよという形でもって出していただくのは結構ですが、必ず、本流のところに戻ってくる。あくまでもここは、たんとか、あるいは経管栄養の業務拡大をどうしていくのかという場であるということを十分に理解した上で、外へはみ出していただいて、また中へ戻ってくるという御議論にしていただきたいと思います。
 それでは、次に白江委員でよろしいでしょうか。
○白江委員 全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
 お手元の資料を1枚めくっていただくと別添資料があります。これは当協議会で実践ハンドブックという形で取りまとめをしたものです。実は3年ぐらいかけまして、私どもの協議会に加盟している施設の実態調査を実施しその結果を踏まえながら議論し、それから各施設のマニュアルとか整備されている書面などを集約しまして、このように整理をさせていただいております。
 先ほど政務官からもお話がありましたし、議題の中でも書かれているのですが、本当に法制度としてきちんとつくるのがいいのか、あるいはこれまでの実質的違法性阻却という考え方でいいのかというのは、正直、私としては迷いがありますけれども、一歩でも二歩でも進むのであれば制度化というか、法律をつくってきちんとやっていくということでいいのではないかと今は思っています。したがいまして、この議論の着地点というのは、法制度についての在り方ということで考えていくものであると私としては理解をして、このようなペーパーをつくらせていただきました。
 それで、お手元の1枚目のアジェンダに書かれている数字はハンドブックに対応したページですが、これを説明していると時間が大変かかりますので、また後でご覧いただければということで御理解ください。
 まずは、法制度については先ほど申し上げましたようなことで、まずは制定するという前提で今後の議論を進めていくのがいいかと思っております。ただ、前回の議論の中でも、医行為とは違う、表現としてはどういう表現がいいのかという課題はありますが、第3の領域というか、そういった言葉もありましたけれども、そのような概念的な整理をきちんと法律の中に書き込む必要があるのであろうと思います。
 ただ、先ほどの「論点の整理」の中で、たたき台ではありますけれども、これまでの医行為の基本的考え方は現行の取扱いを前提にというような表現がありました。私は勉強不足で、詳細にこの辺は理解できてはいないのですが、その辺とリンクできるのであれば、そのような表現も法律の中に書き込むことはできるのかなという気はしております。ですから、目的・趣旨、なぜこういう法律が必要だったのかとか、あるいはどういう状況の中でこういうことが認められる必要があるのかということも法律の中にきちんと書き込む必要があると思っております。
 それから、「実施対象者」ということで「個人か事業者単位か」というふうに書いておりますが、ここは責任体制を明確にするという意味で、事業所がその実施の上での責任体制をとるという考え方もあると考えております。事業所できちんとした体制をとって研修、あるいは実施にあたってのバックアップ体制も含めて整備することが必要であると思います。その上で介護職員なり、もちろん医療関係者との連携を取るということが求められます。このようなやり方もあるものと思っておりますので、その辺の書きぶりも考えていく必要があるだろうと思います。
 それから、介護職員の業務ということで位置づけられますと、なかなか応諾義務とか、いろいろな課題関係もありますので、表現をやはりしっかりと考えていくべきだろうということで、「実施する(させる)ことができる」というような表現にした方がいいのではないかと考えます。
 それから、「範囲」につきましては先ほど来議論がありますが、私どもこのハンドブックの中で9項目についてマニュアルを掲げております。できるだけ実施可能な範囲を拡大していっていただきたいのですが、今はたんの吸引と経管栄養ということで座長からもお話がありました。当面の議題としてはそこに限定しても私はよろしいと思いますが、政省令等で今後の状況に応じて範囲の拡大が可能なような法整備の工夫ができないかと思っております。これは専門家もいらっしゃいますので、きちんとした御議論をいただければと思います。
 それから、「実施を認める条件」を法律事項に明確にする必要があると考えます。ただ、細部、どういうカリキュラムでやるのかとか、具体的な中身については、また別途、先ほどの政省令であるとか、あるいは通知であるとか、いろいろな定め方があると思いますが、そういう形で整理をしていけばいいのではないかと思っております。
 「実施体制」ということで2のところに書いておりますが、きちんと目的や必要性を明確にして同意を得ることが不可欠です。それから、だれが責任を持つのかというようなところも明確にしながら、日常的な医師や看護師との連携体制はどうなっているのか、マニュアルの整備はどうなのかというようなところまできちんと書かれた計画書等が整備されていることを、要件としてはどうかというふうに思います。
 それから、研修体制は先般の橋本委員からの資料の中にもありますし、実際に私どもも同様ですが、基本的な研修は、先般の特養で実施する場合の研修を活用するのでもいいと思うのですが、さらに個別研修というのがやはり必要になってくると思います。この辺に結構時間がかかるのは、現場としてはまさにそのとおりであると思います。ですので、基本研修は共通的なものとして定め、更に個別研修を義務付ける方向でいいのか、また、これを具体的にどのように法令等で表現するのかについても検討する必要がありますが基本研修とともに個別研修もやるべきだと思っております。
 そういう前提で、2ページ目の3の「研修制度」をご覧いただければと思います。
 まず、「基本方針」を明確にして安全に行うということは第一であります。それから、介護職員、実際に実施する職員にとって過度な負担にならないということ。それから、事業所としての体制、地域としての体制が整っているというようなことが明確になったものである必要があると思います。
 「具体的内容」については、やはり利用される当事者の方のニーズというか、要望というものがきちんとカリキュラムの中に組み込まれているということが必要です。それから、医学的な見地。また、ケアの現場からの見地。さらに、法的・社会的な現在の医行為についての位置づけであるとか、そういったもろもろのことについての内容がそのカリキュラムの中に含まれていくべきではないかと思います。
 それから、フォローアップということで先ほど来お話が出ていますように、やはり利用者の状態に応じてどうフォローしていくのか。これは、主に主治医ということになろうかと思います。それから、医療の進歩といいますか、どんどんいろいろなことが進んでおりますし、先般も今まで医療行為だったのがそうではなくなってきているというお話もありましたけれども、そういった最新の内容をきちんと情報提供するなり技術提供していくという部分での医療機関との関係性の構築が求められます。
 それから、定期的な確認ということでは先ほど来お話があった訪問看護、あるいは看護師との関係性を明確にしていく。そして、あとは介護職員の精神的フォロー、先ほど実態調査でもお話がありましたように非常に不安に感じている。これは、施設の職員でも同じことでありまして、その辺をどうフォローしていくのかという相談支援なりも含めた体制が必要であろうと思います。 
 最後に「支援体制」ということで、緊急時の医療的なバックアップ、これは地域における体制ということになると思います。それから、ある程度その研修という意味で定期的なフォローアップ、先ほどもありましたけれども、定期的にフォローアップができるような体制、医療機関との連携においてそういう体制整備が必要ではないかということでございます。
 それから、これ以外にも先ほど施設の体系についてのお話がありましたが、全く私もそのとおりだと思います。施設がどうあるべきなのかということも、あるいはどこが何を担うかということの整理というのは今後是非必要だと思います。今日ここでの議論ではないとは思いますけれども、そういうことが本質的な課題として議論されることが必要なのだと思います。また、先ほど論点整理の中でもありましたが、現在も実質的に行われている行為が逆に制限される。認められているものが制限されるということにはならないような整理の仕方が必要であろうかと思います。
 私の隣に島崎先生がいらっしゃいますけれども、先生などもよくお話になっていますが、メディカルコントロールというのがやはりきちんと体制としてあって、それがどれぐらい強いかという問題はあると思います。強弱の問題はあると思いますけれども、そういったものがやはりある程度ベースにないと安心して提供できないというか、実施していけないという実態があろうかと思います。以上です。
○大島座長 ありがとうございました。現場の切実なと言っていいのか、そういった実態を十分に踏まえた上で、非常に具体的なところまで踏み込んだ提案をいただきました。何か御質問ございますでしょうか。
 それでは、次に橋本委員からお願いいたします。
○橋本構成員(代理) すみませんが、吸引中なので、先に資料の方を簡単に説明させていただきます。代理の川口と申します。
 この資料は後でゆっくりごらんになっていただければ結構なのですけれども、東京都の重度訪問介護というヘルパーの枠組みの中でのサービスについて、うちのNPO法人さくら会と、それから障害者の団体で自立生活センター、CILが提供している重度訪問介護の状況を調査してまいりました。
 やはり、東京は資源が集まっておりますし、医療基盤もしっかりしているので、大変先進的な状況だということがわかりました。東京都の在宅人工呼吸器の装着者249人のうち、私たちが調査した28団体の中でさえも141人の人がヘルパーを使って地域で暮らしているという状況がございました。
 ざっと見ていただいて、2枚目の先ほどの続きにもなりますが、6番の医療的ケア研修の在り方ということで今日のテーマなのですけれども、調査をしましたところ、やはり92.9%の事業所では訪問看護ステーションとの連絡ノートを作成するとか、それから診療所や訪問看護ステーションは24時間の体制をとっているというところが75%もございました。やはりこのような医療基盤がしっかりしている東京であるからこそ、重度訪問介護というたった20時間で資格が取れてしまうというヘルパーが安心して在宅で吸引とか経管などの介助ができるのではないかというふうに分析しております。
○橋本構成員 私は、私自身の命を守るために重訪のヘルパーを使っています。以上です。
○橋本構成員(代理) 付け足しますけれども、多分橋本が言いたいのは、施設と在宅では利用者の状況もかなり違いますし、またそのニーズも違います。
 この状況は、自己決定のできる障害者で、本来だったら自分で吸引ができるはずの方が、体が動かないということで自分では吸引できない人が、代わりにヘルパーにしてもらうという考え方です。ですから、終末期の方とか高齢者とは違うし、重身の子どもたちとも違うということです。
 自己決定できる障害者の状況では、これだけのヘルパーを使って医療的基盤のしっかりしたところでならば、地域で生活できるということを証明しているというふうに言いたいんだと思います。
○大島座長 ありがとうございました。何か御質問ございますか。
 今の橋本さんの状態では、ヘルパーの方の力があるということは必要条件であるということでよろしいですね。
○橋本構成員 24時間、ヘルパーがそばにいなければ暮らしていけません。
○大島座長 ありがとうございました。何か御質問ございますか。
 それでは、次の訪問看護振興財団・全国訪問看護事業協会からの意見書というのは。
○土生振興課長 この資料は、委員からの御提出ではございません。団体からの御意見として座長あてに提出されたものでございまして、配付をさせていただいているという扱いでございます。
○大島座長 各自が目を通すということでよろしいですか。事務局から説明するということでもないですね。
○土生振興課長 適宜、お目通しいただければと思います。
○大島座長 そういうことで、意見書をいただいた委員からの御意見は今、伺いました。
 これから、全体討論に残された時間を充てたいと思います。御自由に御発言をお願いしたいと思います。どうぞ。
○黒岩構成員 黒岩です。座長から冒頭、非常に大変な問題であって意見をまとめていくのは大変だということをお話いただいたのですが、私はやはり大変ではないんじゃないかと思わざるを得ないと思っています。何をそんなにごちゃごちゃ話をしようとしているのか、私は本当によくわからないんです。
 つまり、前も言いましたけれども、必要なサービスを必要な人に届ける。それを早く実現するというだけの話であって、何をごちゃごちゃ話しているのかということで、私は時間の無駄だという気がしてならないです。
 はっきり言いますけれども、ずっと皆さんの意見を聞いてきて、私は日本のナースの大応援団であるということを大前提としてお話をしますが、日本看護協会はこんなことを言っていてはだめです。サービス利用者の安全性を担保するというのは当たり前のことです。ただ、その安全性とは何だということですね。現状として、ヘルパーがたんの吸引が十分できないという状況の中にいるという、この状況こそが安全ではないということなのではないでしょうか。それを早くたんの吸引ができるようにする体制をつくるということが、まずはその安全性を担保することになると思うんです。
 そして、連携するということはまさに当然であります。ここでおっしゃっていることの中で、同意することはたくさんあります。訪問看護ステーションが非常に少ないとか、人員も足りないとか、持ち出しも多いといったことはどんどんやっていくべきだと、それは思いますけれども、しかし、その一つひとつの行為について看護職員が実施すべきであるとか、介護職員はやってはいけないとか、こういう言い方というのは一体どういうことなのでしょうか。
 これは、かつての日本医師会のことを思い出します。昔、日本医師会はこういうことをよく言っていました。救急救命士誕生のプロセスにおいて見れば、気管挿管は医師でなければできないんだ、消防士が気管挿管するなんて冗談じゃないと言っていました。では、医師は皆、気管挿管できるのかと言ったら、できない医師の方が多かった。ほとんどできませんでした。しかし、医師でなければ、医師でなければという非常に凝り固まった議論をしていました。今、看護協会の言っていることはそれと全く同じだということを認識すべきだと私は思います。
 では、あえて看護協会に聞きます。ナースは全員ちゃんとできるんですか。私は取材していますけれども、新人ナースたちが出てきた中で基礎看護もろくにできないといった看護師が看護師国家資格というのを持ってどんどん現場に出てきている。そういう看護の教育の在り方そのものを見直さないで、看護師だったらできる、介護職員だったらできないと、そういう決め付けというのは根本的に間違っていると私は思います。
 これは、技術の問題です。たんの吸引は技術の問題じゃないですか。技術の問題だったら、その技術をしっかりと教えるという体制を整えて、そしてそれをやれる人がやっていく。そういうことのために皆が知恵を絞るということであって、早くその体制を整えるべきだと私は思います。
 この検討会で一番私が求めたいのは、スピード感です。早く決めましょう。以上です。
○大島座長 ありがとうございました。どうぞ。
○三上構成員 評判の悪い医師会として一言、お答えいたしますが、基本的に医行為というのが医師法17条あるいは歯科医師法17条補助看法等に定められたように、厳然とした独占業務であるというふうなことを乗り越えて、その介護職員が現在医行為である範囲をできるようにするにはどうするかということを今、議論しているんだと思っています。
 ですから、挿官が救命救急医しかできなかったということであれば、それは緊急避難的にできるような形というのがとられたということですし、今回は業務として日常的に必要な喀痰吸引なり経管栄養なりを医療資格でない介護職員の人たちができるようにするにはどうするかということですが、白江委員が出された第3の道というか、医行為でない医療的ケアという範疇、医行為から外すという考え方が一番実現可能性が高いのではないか。
 今まで厚労省がもともと求めていた新たな資格、研修をして介護福祉士なりに特殊な資格を与えて独占業務をさせるというふうなことになりますと、またその資格を持っていない人と持っている人が混在し、介護の現場の中で混乱すると思いますので、是非白江委員の言われたような医療的ケア、生活援助行為である現在、医行為である部分の範囲を決定していただきたい。
 河原委員は、介護職のできる医行為の範囲の拡大と言われましたが、これは逆に言えば医行為の範囲を縮小するというか、医行為以外の範囲を拡大するというふうな考え方で結論を持っていくのが一番妥当ではないかと思います。
○大島座長 ほかに御意見はいかがでしょうか。どうぞ。
○内田構成員 内田でございます。まず、医行為かどうかという辺りで、医行為から外してしまうことで、例えば医療職の関与がなくなるといったようなことでは、やはり現段階ではまずいと思うんです。ですから、介護職員が今のたんの吸引とか、あるいは胃ろうへの栄養注入といったようなことを条件があればしていくというのは、現実的な解決として認めざるを得ないと思っておりますけれども、医行為から外すというのは、そういうやり方でいいのかどうかというふうにまず思います。
 介護職が不安に思っているというのは、法的に違法なことをしているからではないかと心配することももちろんあるかもしれませんけれども、一方では技術だけではなくて知識も不足していてうまく判断できなかったりとか、あるいはそのことが事故につながったりというような危険性もやはり感じているわけですので、それこそ本当に研修というものを十分にやっていただく。
 それで、その研修は特養のときのモデル事業のように伝達研修のような形ですとだんだん薄まってきますので、やはり介護職をきちんとどこかに集めて、それである一定時間やっていただいた上で、今度は事業所に帰ってから再度研修をして、なおかつ今度は個別の担当することになる御利用者宅で関わっている医療職の方々から説明を受ける。やはりそういうものがないと、安全の確保というのは難しいのかなと思います。
 それから、何かそういう研修をしたことで、資格みたいなことにするのはいかがなものか。もちろん資格なんですけれども、こういう何時間かの、あるいは何十時間かの研修を修了した者であるというふうに認定するのは、それは全然容易かと思うんですが、また新たな別な資格が介護職の中に出てくるというのは、よりこの制度が複雑になってくるような気がいたしますので、その辺りも十分御検討いただきたいところだと思います。
○大島座長 ありがとうございました。
 三上委員の話も含めてちょっと考えますと、医行為から外す、外さないということで医行為から外れると、三上委員のお話だと、何か新しい資格をつくるというような意見にも聞こえるんですね。
○三上構成員 医行為の範囲のままでこれを可能にするためには、いわゆる業務独占資格を新たにつくらなければいけない。それは非常に混乱するので、医行為から外すべきである。
 ただ、それは、研修とか講習とか指導とかということは十分必要なので、白江委員が御提案されたような生活援助行為の範囲である医療的ケアとして、業務としてそういうことを監督して行うところについては講習なり、実習なり、研修を義務付けていくということを課長通知で出すということが大事ではないかと感じております。
○大島座長 私が勘違いしていたのかもしれません。医行為のままやろうとすると、新しい資格をつくらざるを得ないだろうと。
 平林委員、どうぞ。
○平林構成員 医行為かどうかということの空中戦をここでやっても、余り意味がないと思います。黒岩委員がおっしゃられたようにスピード感が求められているわけですから、今、我々がまずやるべきことは今日のたたき台のところにありましたように、具体的に介護職がたんの吸引ができるようになるためには、どのような条件が整備されるべきかということを議論すべきだろうと思います。
 介護職と介護福祉士・ホームヘルパーとどう違うのかについては、いろいろな細かい議論はあるんですが、いずれにしろ介護職の人たちが、たんの吸引をすることができるようにするにはどういう内容の教育をして、私は教育だと思うのですが、その結果をだれがどういうふうにメディカルコントロールでチェックをしていくか。
 具体的にその中身をどう詰めていって、こういう体制でやれば何とか安全性が確保できて、ヘルパーさんもできるんだということの中身が詰まったところで、ではそれを現行の法制度の中でどういうふうに位置づけて法体制的に整備をしていくのかという順序で議論をしていかないといけないのではないか。最初に医行為かどうかということの空中戦をやっていると、そこでもう分解してしまうと思うんですね。
 ですから、それは最後のところでもう一回まとめとして行うとしても、今は、空中戦ではない足が地に着いた議論をする必要が私はあると思います。今はそれをする時期ではないだろうと思っていますので、具体的な各論的な議論をまずした方がいいんだろうと思っております。
○大島座長 ありがとうございました。私の気持ちとしては、今おっしゃられた方向で議論を進めたいという気持ちなのですが、三上委員が言われたことに少し引っ掛かっています。
 引っ掛かっているというのは、医行為のままいくと、新しい資格というか、職種のようなものをつくらざるを得ないだろうという御意見だったように……。
○三上構成員 前回、平林委員が医師法17条のことについて、医業と医行為についての御説明をされました。よくわかったのですけれども、これは非常に厳格な法律なんだというふうに私は思います。
 ですから、今言ったように空中戦ではなくて、白江委員が今までの医政局通知の話をずっと出してこられているんですけれども、黒岩委員の言われるようにスピードでいくということで、スピード感が大事だということであれば、法律をつくるということではなくて、通知の段階でできるような方策をとっていくというのが一番早いのではないかと思いますので、提案させていただいております。
○大島座長 どうぞ。
○島崎構成員 三上委員にちょっとお伺いしたいと思います。というか、私の意見を先に申し上げると、先ほど白江委員の考え方と同じだという趣旨のことをおっしゃったと思うのですけれども、私は先ほどお伺いしていて多少違うのかなという感じがいたします。
 細かいところは別にしますと、第3のカテゴリー(範疇)とは何かと言えば、現行では医行為と医行為ではない行為と2つ分かれています。そして、医行為ではないものについては業務独占がかかりませんからだれでもできるという形になっていて、そこは法的には別に研修が要求されているわけでもないし、一定の知識や技能であるとか、そういうことが法的に要求されているわけではないという形になっていますね。
 それに対して、第3のカテゴリーという意味は、そこがこの医療の範疇であるかどうかということはともかくとして、一定の研修なり教育なりを受けた人でなければできないという範疇ができるということなのではありませんか。私はそういうふうに思っているのですけれども、そういうこととは違いますか。
○三上構成員 その17条をどういうふうに考えるかということですけれども、ここに書いてあるのは医行為でない医療的ケアの概念を定義する。医行為はできないけれども、医療的ケアは医行為でないのでできるという考え方ですね。
 ですから、いわゆる血圧測定なり、今まで医行為から外してきた行為は医療的ケアというのか、医療的計測、爪切りとか耳あかの除去とかというのは医療的ケアであるけれども医行為ではないという範疇になったということなので、その範疇の中にこういった今、必要なものを入れていけばいいんじゃないかというお考えではないかと思って、一緒だなと思ったんですけれども。
○島崎構成員 そのときに医療行為ではないという、例えば巻き爪だとか、さっき爪の話などもありましたけれども、医療行為ではないということになって、それはだれでもできる形になったわけですね。
第3のカテゴリーというのは、いわゆる「医療的ケア」という範囲をどこに確定するかという話があるかもしれませんけれども、それはだれでもできるということではなくて、一定の医学的コントロール、ナースコントロールになるかもしれませんが、いずれにせよメディカル・コントロールの下で、一定の研修なりを受けた人ができるという、そういうジャンルができるという意味だと私は思っているのですけれども、そういうことでは違いますか。
○三上構成員 そういうことです。だから、それはだれでもできるけれども、業としてやる場合には当然研修をしないといけないけれども、だれがやっても違法性には問われないというふうな範囲ということになります。
○島崎構成員 意見はありますが、またとさせていただきます。
○大島座長 どうぞ。
○黒岩委員 三上委員のおっしゃることは、私は非常にすばらしいことだと実は思っていまして、日本医師会と長い付き合いでこんな経験をするのは初めてのことなんですけれども、要するに医療行為であるかどうかということは、例えば今、橋本さんがここにいらっしゃいますけれども、30分置きにたんの吸引をしなければいけないといったときに、そのたんの吸引そのものが医療行為であるかどうかは、どうでもいいんですよね。利用者にとってはどうでもいい話なんです。やってくれることが大事なんです。
 では、それをどうやってやれるようにするかといったときに、非常に現実的な解決策を出していただいているわけです。(たんの吸引は)医療行為じゃないようにしようじゃないか。医療行為じゃないようにしようと言って、その問題について決めればできるようになるわけでしょう。
 でも、医療行為だと言ったら医師会としては、医師じゃなければ医業をなしてはならないという一線を譲ることはできない。そこでやるんだったら、新しい資格をちゃんとつくれという高い高いハードルがある。
 医療行為じゃないようにしようじゃないかと言ったら全部OKと言っているんだから、スピード感を持ってやるというときには非常に具体的、現実的なすばらしい解決策だと私は思います。
○因構成員 黒岩委員のおっしゃっていることは、よくわかるんです。現に困っている人がいるから、即対応しなければいけない。よくわかります。
 たんの吸引ですけれども、たんを引くという行為そのものはだれでもできるかもしれません。ただ、介護も看護もそうでしょうけれども、命と生活を預かっている以上は、今日のその人の状態がどういう状態なのか、そこからの連続でのたんの吸引だと思うんですね。たんの吸引をした後に、病状や症状が変化していないかどうかという、この連続の中でとらえていかなければいけないので、急ぎながらもどこまでどうするかということは、やはり議論してここで決めていこうとするのがこの集まりだろうと思っているんですね。
 黒岩委員のように、すぱっと言い切れる人はうらやましいなと思います。
○大島座長 どうぞ。
○平林構成員 要するに、法制度化するということが一つのこの検討会の目的になっていて、なぜ法制化しなければならないかと言うと、今は、違法性阻却の考え方でやっている。個別的なヘルパーさんと、個別的な患者さんと、個別的な医者との間で、個別的な契約や取り決めの中で何とか違法性を阻却するという考え方で当面の措置としてやっているわけですね。
 そうすると、問題が出てくる度に全部個別的な解決をしていかなければならないわけでして、現実的に見るととても煩瑣であるし、また、その条件が本当に守られているかというと、それは守られていないケースが多々あるということはいろいろな調査で現れてきているわけです。
 そうだとすると、この問題をきちんと解決するためには、個別的な解決ではなくて、どういう資格にするかは議論の余地がありますけれども、一定の資格をつくって、法律の枠組みの中できちんとだれに対してもその資格を持っている人、あるいはその能力を持っていると認定された人はたんの吸引ができるという制度をつくっていけば、個別的にやらなくても問題が解決される。そこに法制度化をするということの必要性があると私は思っています。
 ただ、法制化をするとなると、黒岩委員のおっしゃるように決めればいいんだというふうに簡単にいけばそれは一番いいんですが、やはり全体の枠組みの中でどういう整合性をとって、どういう法律の枠組みの中でつくっていくかということも考えていかないと、この問題についてはいいけれども、これをつくったことによって全体の法律の体制が崩れてしまうということは、やはりまずいと思います。
 いや、崩すんだという意見もあろうとは思いますが、私は個人的には崩すべきだという意見を持っているんですが、しかし、それは現実問題としてはとても難しいと思います。そうだとするならば、現実の枠組みの中でどう整合性をとって、現実的に問題の解決ができる制度をどうつくっていくかということを検討するということになります。そのためには先ほどの繰り返しになりますが、一体、今、具体的にどういうことをやればたんの吸引ができるようになるのかというところをもう少し集中的に議論して、それを踏まえて、ではどういう法制度に落としていきましょうかという議論をした方が、私はやはり生産的だと思います。
○大島座長 どうぞ。
○黒岩構成員 法律が偉いんじゃないんです。法律は後からついてくればいいんです。必要なことをまず決めればいいんです。やれるようにすればいい。そういうニーズがあるんだから。法律的な解釈は後から考えてほしい。それが法律家の専門家のやる仕事ですよ。
 法律がまず先にあって、それに合わせなければいけないからどうだこうだと言っている時間がもったいなくてしようがないです。
○平林構成員 まさにおっしゃっていることを私は言っているつもりです。法律が先にあって、だからだめなんだと言うことは一切言っていないので、そこは誤解しないでください。
○大島座長 私も、平林委員の意見はそういうふうに受け止めました。
 どうぞ、橋本委員。
○橋本構成員 黒岩委員の言われるように今、必要な議論をすべきです。私はこの運動をして15年になりますが、山井さんの言われるように、家族や子どもや孫の時間を取り上げないでほしい。それだけを考えて前に進めてほしいです。以上です。
○大島座長 ありがとうございました。
 それでは、島崎委員。
○島崎構成員 この議論をずっとやっていてもしようがないと思いますので、簡単に一言だけ申し上げると、私も何も「法制度が先にありき」という議論をするつもりは全くなくて、どういう実態をつくっていけばいいのかということが重要だというのは誠にそのとおりだと思います。
 ただ、1つだけ申し上げておきたいのは、私もその責任の一端があるので申し上げるのですけれども、それでは、これまでそういう現実とニーズと法制度とのギャップをどうやって埋めていくかといったときに、違法性阻却論という形で、つまり医行為なのだけれども、一定の要件を満たせばそれは違法性が阻却されるという方法で進めてきたわけです。
 ところが、一方では医療的ケアが必要になっている分野はどんどん増えてきたという実態がある。そして、現実に例えばたんの吸引であれ経管栄養であれ、一定の範囲でその違法性阻却が認められたものについてどういう実態になっているかというと、これは前回申し上げたとおり、例えばそれをやるホームヘルパーの方であるとか介護職の方からしてみると、法的には非常に不安定な状態になっているのです。つまり、在宅で言えば、ホームヘルパーはそれをどういう行為としてやっているのかと言えば、ホームヘルパーの業としてやっているわけではなくて、あくまでもボランティア行為としてやっている形に今の法制度上はならざるを得ない。そういう状態というのは、ホームヘルパーの側からみれば、非常に後ろめたくやっており、なおかつ体系的なトレーニングが受けられないという問題があります。
 では、そこのところをどうしていくか。もちろん、法律改正が必然であるかどうかはよく考えてみなければいけない話かもしれませんけれども、そこが問題なのです。そこのところをどうやって整理しクリアしていけばよいのかという議論だというふうに私は思います。
 ただ、進め方としては、先ほど来、御議論がありますように、どういう実態を生み出そうとするのが重要で、それを受けていかなる法制度に仕組むかというのが本来の筋ですから、議論の順番については、これ以上拘泥するつもりはありません。以上です。
○大島座長 ありがとうございました。
 法律の問題が出てくると私などは完全に素人なので、ほかの委員会などでも法律の問題が出てくるとそれに振り回されちゃうということがよくあるんですが、しかし、考えてみれば基本的なことは黒岩委員が再三繰り返しておられるように、現場にこれだけ切実な状況があるのに、その技術を医療職あるいは介護職として、いかにこれを早く届けるかということに尽きるという点については、今日の委員の中で、この点について異論があるという方は、まずないというように判断できると思うんです。
 6月22日、29日の閣議では、医行為を介護職員に解禁する方向で、あるいは医療的ケアについて介護者、介助者等による実施ができる方向で検討せよという閣議決定がなされているわけですけれども、その方向に向けていかに早く年内にまとめていくかということについても異論はないと判断をさせていただきました。
 医行為にするか、医行為にしないかというのはかなり本質的な問題を含んでいますので、最終的に介護職あるいはヘルパーの方たちがこういった行為を行っていく上で不安でなく、しかも安全にきちんとこういった行為を行うことができるような環境をどうやってつくっていくのかというところで、また改めて法の問題等が出てくるかと思いますけれども、そのときにどういう手があるのかというようなことで考えていきたい。
 まずは、この委員会の役割として、とにかく早く決着をつける。議論倒れにだけは絶対にしないということを確認して、残された時間、先ほど白江委員が非常にうまくまとめていただいたというのが報告していただいた方向での研修の在り方と、あるいはこれからどこでだれがどのようにというようなことについての議論を残された時間にしていただきたいと思います。御自由に御発言をお願いします。
 太田委員、どうぞ。
○太田構成員 着地点が見えているという前提で申し上げます。実施可能な場所に関する議論については、例えばグループホームはできるけれども老健はできないとか、そういう施設でもって規定をしてはいけないと思います。
 連携が必要であることについては、これはもう共通の認識があるわけで、医療と介護が連携しているということは、すなわちナースと介護職が連携しているということですから、吸引等、医行為に関して指導のできるナースとチームが組めているか否かが条件になるということだと考えます。
 施設か在宅かとなると、確かに在宅と施設は違うと言えば違うんですけれども、しかし、その大前提となる条件としては、施設も在宅も私は同じでいいんじゃないかと考えております。
○大島座長 ありがとうございました。どうぞ。
○三室構成員 研修体系ということで、少し発言させていただければと思っています。
 肢体不自由の特別支援学校には、現在4,500人の医療的ケアが必要な子どもたちが通っているという現状があります。それに対して、1,000人の看護師と3,000人の教員がその医療的ケアに関わって教育を行っているところです。
 そこで、これから研修体系の論議が進んでいくのではないかと思っているのですが、是非お願いしたいのは、現在学校で行われている医療的ケアが今までどおりに進められるということも非常に重要なことだと思っておりまして、研修には2つの在り方があると思っています。
 1つは、学校のように看護師等がいたり、医療的な機関と連携しながら1人の子どもに対して限定した行為をするような場合です。その場合の研修というのは、ある程度簡易な研修でも安全が確保できるのではないか。それに対して、対象とされる方を限定せずにいろいろな行為を行う研修に対しては、きちんとした研修体系で指導を組んでいく必要があるのではないか。研修体系の在り方も、条件によって分けて考えていただいて、具体的な研修体系をどうつくるかということを検討していただければと思っております。
○大島座長 ありがとうございました。どうぞ。
○中尾構成員 在宅でやるという前提の下に発言させていただきたいと思います。
 全国ホームヘルパー協議会で、協議員の在宅の管理者を相手にアンケートをまとめたのが私の手元にあります。それで、先ほどから資格とかいろいろな話が出ておりますけれども、在宅の現状において資格を求めているヘルパーというのは少数意見です。修了書、とにかく研修を求めているんです。グレーゾーンで結局、今やっている、やらざるを得ない。それで、そこは個人契約でやっている。そこには何の保障もない。そこでは、全然研修体制が整っていない現状が大いにあるということなんです。研修が、追いついていっていないんです。
 でも、医療とかいろいろな面、在宅における患者さん、障害者であるとか、高齢者の方の状態というのはどんどん進んでいっている状況です。それに、やはり今の研修体制が追いついていないというのがとても不安な材料になっているんです。
 そこで、やる前提なのであれば、特に私は愛媛県から来ているのですけれども、愛媛県ではそういう体制は全然話にも上っていない。ということは、都道府県によってかなり格差があるということですね。
 先日、全国の役員会が全社協であったんですけれども、そのときに聞くと、北海道では独自の研修をやっているというところなんです。
私たちがやるのであれば、やはり専門的なことをだれがやるべきかといったところで、救急救命士が病院で研修したように、私たちも医療の現場でやりたい。それを望みたい。これは私個人の意見であるかもしれませんけれども、そうすることによってやはり医療という現場が見えてくる。そういったところで研修を受ければ、やはり御利用者さんもある程度安心なさるのではないかと思っております。
 黒岩委員は、法整備は後から付いてくるものとおっしゃいますけれども、やはりもう一つの不安材料は法整備というところなんです。今、医療行為についても何かやれるんだけれどもやってはいけないとか、そこら辺がグレーゾーンでいろいろリスクが伴っているとか、訪問看護師さんがやるべきだとか、いろいろな在宅での意見があるんですけれども、緊急時に直面したときにはヘルパーはやらざるを得ないんです。そういったときには、やはり研修を受けていれば少しでも不安材料は除けるのではないかと思います。
 もう一つは、在宅にも、看護師の資格を持っているヘルパーがいる事業所があるんです。うちの事業所も、今は正看を持っているヘルパーが6名いますけれども、そういったところで研修をやっていただければ不安は少し除けるのかなという私の個人的な意見です。ありがとうございました。
○大島座長 ありがとうございました。どうぞ。
○橋本構成員 研修は、利用者のいる場でやるべきだと思います。
○橋本構成員(代理) 付け足しますと、ヘルパーの事業所をやっておりますが、ヘルパーがこういう行為をする場合に一番怖いのは、ヘルパーが自己判断をして勝手に自分ですることです。
 だから、何かあった場合に変な話をしますと、たくさんの研修を受けて自信を持ってしまうと自分で判断して勝手にしてしまうということがございますので、できるだけヘルパーは自己判断をしないで、当事者の指示でおこない、困ったことが起きた時はすぐに医療職に相談するという体制を整えることが最も大切で、そういう意味で橋本さんは言っておられると思います。
 ですから、資格を定めればできる、ということではなく、むしろ医療的な行為は行為として、きちんと医療職の指導を現場で受けられるというような体制を整えていくことが重要だと思います。現場で学ぶことが大事です。
○大島座長 ありがとうございました。どうぞ。
○岩城構成員 岩城でございます。今まで皆様のいろいろな御意見を伺いながら、私どもの子どもたちは肢体的にも知的にも重度に重複した障害を負っております。ですから、今まで特別支援学校におきましても医療的ケアがここまで進んできたということに本当に感謝しているんです。それは前回もお話ししました。
 ですから、今回のこの検討会において、それでまた医療的ケアの範囲が少し在宅の方に裾が広がったということで、決して私ども性急には望んでおりません。やはりきちんとした研修を積み、そしてその研修の期間を皆様と話し合った中で妥当であるものにしてください。そして、研修は医師をもちろん交えて、それから看護師職、そしてまた介護人の方たちとの連携・協働ということです。
 更には、やはり重い障害の子どもたち一人ひとりの障害は全くさまざまです。吸引のやり方ひとつで、その子どもにとっての影響というのはどれほどのことか多分おわかりにならないと思います。わかっていらっしゃる方はいいんですが、おわかりにならない方では、とてもその差が想像できないと思うんです。
 私どもは、あくまでも、一番つらい目を見なければならないであろう、そして重い人たちに焦点を当てていきたいんです。ですから、最終的には研修をしても、AさんならばAさんに対してBさんができるということの個別研修まで進めていただきたい。それが、今までせっかくここまで進めてくださったこういう行為に対して私どもが事故がなく今日まできたことで、ひとつまたこれで上に上がれるのではないかと思っております。
 そんなことで、是非よろしくお願いいたします。
○大島座長 ありがとうございます。どうぞ。
○桝田構成員 研修の問題でございますけれども、特別養護老人ホームの方で今回研修をいろいろ行っていくんですが、やはりベースとなる基礎的な医学知識というものはきちんと体系的にする。でも、実際の一人ひとりの利用者の方にする部分(実技)というのは、やはり個別について一人ずつに指導者がついて、ある程度の時間をかけて、その方に適した部分ができるような感じの構成を大体やっていってもらっています。
 というのは、やはり完全な専門職でない介護職員が行うという部分では、知識的な部分とか技術的な部分はまだまだ十分になりませんので、そこは一人ひとりに対する個別のいわゆる喀痰の吸引等は指導を受けてちゃんと覚えていけるという、その繰り返しにやはりなると思うんです。医師の指示があって、看護職員さんとの連携の下でやっていく。多分、この形というのは外せないと思うんです。
 在宅の場合に、この連携をどういうふうにつくるかというのが大きなテーマになってくるだろう。そこの部分も、やはり内容によって濃度が違ってくると思うんです。喀痰の吸引でも、今回の特養の場合は口腔内の咽頭より手前だけという限定で行っていますので、それをもう少し範囲を広げるのであれば研修体系も変わってくるだろうし、やり方も変わってくる。ですから、内容によっていろいろな考え方を分ける必要も少しあるのかなと。
 今すぐの論議ではなくて、それによって範囲の拡大というのも検討すべきだと思っております。
○大島座長 ありがとうございました。どうぞ。
○内田構成員 介護職がそういう医療行為を実施する場合に、対象となる方が不特定の方々にということは、やはりないと思うんです。委員の何人かの方がおっしゃったように、チームの中でやっていくというようなことだと思います。
 ですが、介護職がただロボットのように吸引をするとかということはあり得ないわけで、やはり当然相手の方の変化もあるわけですから、ある一定程度の医療的な知識とか、あるいは情報がない限り、それがいいのか悪いのかという判断ができないということもありますので、やはり研修の時間数としてはそれなりに必要だと思っています。
 ただ、もちろん、それを勝手にやってしまうなどということにつながるのはちょっとどうかとは思います。
 それから、連携ということでいけば、言葉として連携というのは比較的簡単に使いやすいですけれども、では連携とは何なんだというような辺りも研修の中に組み込んでいっていただいたらいいんじゃないかと考えています。
○大島座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○白江構成員 ちょっと論点が外れるかもしれませんが、私どもの法人は今、難病ヘルパーの養成研修というのをここ5年ぐらい仙台市から委託を受けてずっとやっています。研修としては大体8時間ぐらいです。私どもの施設には常勤の医師と8名の看護職がいて、あとは介護職、それから当事者の方、ALSの方もいらっしゃるんですけれども、中で一番ヘルパーの方が聞いていてよかったというのは、やはり当事者の方の声なんですね。ですから、施設に入っている方ですけれども、そのときに気管切開をされている方にしても、自分としてどんな思いとしてやって欲しいんだというようなこと、それもちょっとディスカッションしていただいたりします。
 先ほど、研修の構成の中で、やはり当事者の方が、先ほど橋本さんもその場でやってくれというお話でしたが、全くそのとおりだと思います。特養での実施にあたっての研修が既に示されていますけれども、その内容は多分施設の中での実施を主眼に考えてあのような内容になったと思うのですが、ヘルパーさんなどの場合はそういう研修をやるのであれば、当事者の方とのやりとりの中でその方の思いとかもきちんと押さえた研修というのがやはり必要だと思います。また、私ども介護職員の不安だとか、実施しての体験等もヘルパーさんにきちんとお伝えしてやっているというようなことがありますので、医療的、技術的な部分だけではなくて、こういった部分も研修の中に取り込んでいただければと思います。
○大島座長 ありがとうございました。
 時間ですので、簡単にお願いします。
○橋本構成員(代理) 橋本が、皆さんは重度訪問介護のヘルパーを御存じでしょうかと言っています。自立支援法の20時間で取れるヘルパーの資格なんですけれども、その20時間のうちの10時間が基礎研修、追加研修10時間で、追加研修の方が医療的ケアの研修になっております。座学が7時間、実習が3時間と、たった10時間なんですけれども、それで重度訪問介護の資格が取れるというふうになっています。
 その資格を取ったら、利用者の自宅に行って、そこからが本番というか、実習が始まるんですけれども、その研修が3か月から半年、長い人だと1年間かかります。要するに、ひとり立ちといって1人で重度の障害者のケアをトータルにできるようになるまでには大変長い時間がかかるということで、そこの部分はこのアンケート調査に書いてありますけれども、事業所によってまちまちなのですが、1人のヘルパーを養成するのに事業所の持ち出しで10万円くらいの費用をかけて研修を行っています。
 ですから、座学でする時間は非常に短いんですけれども、本当に1人できちんと介助ができるようになるまでには大変な時間がかかる。読み取りもございますし、それから呼吸器を積んで、吸引器を積んでの外出支援ですとか、そういうことをトータルに考えますと、ただ医療行為ができればいいというだけの話ではなくて、やはり生活を支援することを、トータルに考えていかないと満足に介護ができないということでございます。
○橋本構成員(代理) 橋本の家の場合だと、橋本の口の動きを読み取って言いたいことを私たちがちゃんと読み取れて、それで何かあったときにドクターにちゃんと電話をして、橋本が言ったことをちゃんと伝えられるようになるまでは研修期間だと思ってやっています。以上です。
○大島座長 ありがとうございました。
 それでは、時間ですので、範囲についてはたんの吸引と、但したんの吸引はどこまでやるかという点については議論があると思います。経管栄養ということについては、特に異論はなかった。
 そして、そこにとどまるのではなくて、医療技術というのは常に進歩していきますから、より安全確実とされた技術については、将来は、更に拡大する方向でゆくという考え方でまとめていく。
 それから、具体的に行うのはヘルパー、介護福祉士ということにとりあえず今回は限定してもいいんじゃないか。
 医療行為、医療行為でないという議論がありまして、医療行為でないというふうに決めてしまうとだれでもいいのかということになって、普通の人が研修を受ければそれでやれるのかという極端な議論にまで行きかねないので、行うのは介護福祉士、ヘルパーということに限定されるだろう。
 それから、場所については特に限定する必要はなく、少なくともここで挙げられたような利用者がいて、必要とされているような場所であれば、すべて対象になるというような考え方で整理をさせていただきたいと思いますが、それでよろしいですね。
 ありがとうございました。
○三室構成員 学校の場合は教員が行っているのですが、ヘルパー等に限定されてしまうと教員ができなくなります。授業をしながら教員が今やっている。そこに通っているという現状を是非理解していただきたいと思います。
○大島座長 大変、失礼いたしました。現状で既に行われていることを縮小するというようなことはあり得ないということでよろしいでしょうか。
 大事なことは、利用者が必要な技術、必要なことを受け取るということであって、それは安全に受け取ることができるという体制をどうするかということと、それからヘルパーあるいは介護福祉士が安心してこういった業務に取り組むことができる環境をどうやってつくっていくのかということだと理解しています。
 そのためには、資格云々ということについては、これは大変な議論に多分なるかと思いますが、今のところでは新たな資格をつくるべきだというような御意見はなかったと理解しています。これからどうなるかはわかりませんが、少なくともそういう議論はなかったということで、資格ということよりも、安全・安心を確保していくためには相当きちんとした研修教育体制をつくっていく必要があるだろう。
 それで、この研修教育体制については基本研修と個別研修というようなことが十分に考えられるべきであろう。この体制をどうやってつくっていくかということが、これからの具体的な検討課題になるだろう。
 そして、実際に行っていく現場では、緊急時にどうするかという体制は当然ですけれども、毎日、毎日の日常の業務の中できちんとしたチーム編成、環境と言っていいのか、そういった体制で業務がきちんと行われ、そして医師、看護教、介護士あるいはヘルパーのそれぞれの役割を明確化しながらチームがきちんと機能していくという体制をどうやってつくっていくか。
 特に、現場では全体がどうのこうのという話よりは個別の、例えば橋本さんのようなケースの場合に一体どうするのかというような点で個別のケースが常に問題になりますので、そういった個別のケースに対してどうケアできるのかというようなことがきちんと明示されるような体制をつくっていく必要があるだろうというような御議論ではなかったかと思います。
 最後に、くどいようですが、繰り返しますが、年内にとにかくきちんと結論を出して、具体的に必要とされている方のところに必要なものを届けていくという体制をこの委員会ではつくっていくということで作業を進めてゆくということを確認したいと思います。
 それでは、どうしてもということであれば、御発言をどうぞ。
○平林構成員 1点だけ、座長のまとめで基本的に賛成なのですが、資格をつくるべきではないというところだけはちょっと留保させていただきたいと思います。
 今後の課題として、慎重に座長のお話を聞くと留保されていると思うのですが、そのことを確認させていただきます。
○大島座長 ありがとうございます。
 それでは、第2回目の委員会をこれで終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○土生振興課長 次回は前回御案内したとおり、7月29日午後1時からを予定しております。よろしくお願い申し上げます。


(了)
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