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2010年7月5日 介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会(第1回) 議事録

老健局振興課

○日時

平成22年7月5日(月)16:00〜18:00


○場所

東海大学校友会館「阿蘇の間」


○議題

現状と課題、自由討議

○議事

○土生振興課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第1回「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」を開催したいと思います。
 本日は、御多忙のところを御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 まず初めに、長妻厚生労働大臣、山井大臣政務官からそれぞれごあいさつ申し上げます。最初に長妻大臣からお願いいたします。
○長妻厚生労働大臣 どうも皆様こんにちは。本当にお忙しいところを多くの専門家の皆さん、そして難病、障害をお持ちの当事者、御家族の皆さんにこのメンバーを引き受けていただきまして、まずもって御礼を申し上げます。厚生労働大臣の長妻でございます。
 本日は、第1回の「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」という初会合であります。私どもとしては、いろいろなニーズが多いテーマの中からこのテーマを選ばせていただいて、皆様に御議論をいただきたいということでございます。
 これに先立って、今年の4月には特別養護老人ホームの施設職員に関して、一定の要件の下、たんの吸引等の違法性阻却の通知を出させていただいたところであります。
 私ども将来の少子高齢社会を克服する日本モデルということで、あるべき社会を提示していこうと考えておりまして、その中でも重要なものは在宅に対する支援ということも重要であります。
 今後の課題といたしましては、在宅でこのたんの吸引あるいは胃ろうなどに関する対応についても、どう考えていくのかというようなこと。あるいは難病、障害者の方々に対するたんの吸引等に対する対応はどうあるべきなのか。そもそも法律において位置づけるテーマではないのか。あるいは、グループホーム、有料老人ホーム、障害者施設等における対応については、具体的にどういう考え方をすればいいのかなど、いろいろな論点があるわけでございますので、是非日本でも本当にこの問題にずっと取組んでおられる皆様と当事者、家族の皆様方が十分に議論をして、適切な御判断を我々に御示唆いただければ大変ありがたいと考えております。
 早ければここでの議論の結果を来年提出する法律の中に盛り込んでいければとも考えております。これまでいろいろなことが言われておりながら、なかなか前に進まなかった面もございますが、政権交代を契機に、これらの問題にも一つひとつ取組んでいきたいと思っておりますので、皆様方の今後ともの御指導をいただきますよう、よろしくお願いします。
 どうもありがとうございます。
○土生振興課長 続きまして、山井政務官からお願いいたします。
○山井厚生労働大臣政務官 皆様、本当に御苦労様です。本日は第1回の検討会に大変お忙しい中お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。また、ALSの当事者の橋本さんや、障害者の親の会、御家族の方々もメンバーに入っていただき、本当にありがとうございます。
 今年の春に介護保険についてパブリック・コメント、意見募集をしましたところ、74%の方が願わくば在宅、自宅で暮らし続けたいと、介護を自宅で受けたいということがございました。そしてそのうちの3分の2ぐらい、46%の方が家族の手を借りずに在宅で暮らしを続けて介護を受けたいということをおっしゃっておられます。
 しかし、一方では特養の待機者が42万人、また療養型病床を減らさないでほしいという病院や特養への要望というのは非常に強まっております。これをどう理解すればいいんだろうか。多くの人は在宅を望んでいるけれども、実際には施設や病院のニーズがどんどん高まっている。やはりこれを解く1つのキーワードというのは、在宅の支援が今まで弱過ぎたのではないか。そして、介護をする家族への支援が弱過ぎたのではないか。
 その1つが、例えば先日検討会を始めました24時間の夜間も含めた巡回型ホームヘルプというものが整備できれば、一人暮らしでも、望めば人生の終末まで自宅で暮らせるのではないか。これも家族支援の第一歩であると思いますし、また今回のたんの吸引に関しましても、私の御近所の方々でも、80歳のおばあさんが85歳の寝たきりのおじいさんのたんの吸引を夜中も含めてやって、へとへとになって疲れきっておられて、もう共倒れ寸前だというケースがございますし、これは介護の高齢者だけではなくて、難病の支援や障害児や障害者の方々の支援も同じことが言えますし、また、ALSの方々に関しても、親子心中とかそういう痛ましい事件もございます。
 そういう問題に対して、このたんの吸引等を一定の研修を受けた介護職員の方ができるようになって、勿論、安全性というものを最優先しながら、しかし、介護職員の方ができるようになれば、より自己決定が尊重でき、施設か病院か自宅かを当事者が選べるようになり、またそのことによって家族が共倒れせずに一緒に暮らしていける。そういうことも可能になるのではないかと思っております。
 このテーマはある意味で非常に歴史的、伝統的なテーマでありまして、正直言いまして、なかなか困難な課題であるとは私自身も痛感はしておりますけれども、今回、この検討会の委員をお引き受けいただき、誠にありがとうございます。
 この検討会でしっかり議論をしていただきまして、安全を重視しながらも、本当に今、現場で苦しんでおられる方々が非常に多くおられるわけですから、どうこれを広げていけるかという方向性を出していただければと思っております。
 先ほど長妻大臣も申し上げましたとおり、もし方向性が出れば、来年、法改正をさせていただきたいと考えております。どうか先生方、よろしくお願い申し上げます。
○土生振興課長 ありがとうございました。大臣、政務官には他の公務の都合がございまして、ここで退席をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○長妻厚生労働大臣 ちょっとの間はいます。
○土生振興課長 それでは、恐縮ですが、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)
○土生振興課長 次に、私の方から検討会の委員を御紹介させていただきます。お手元資料の3ページでございますが、五十音順に御紹介をさせていただきます。
 社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会評議員の岩城委員です。
 日本ホームヘルパー協会会長、因委員です。
 日本介護福祉士会副会長、内田委員です。
 独立行政法人国立長寿医療研究センター総長、大島委員です。大島委員には、当検討会の座長をお願いしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 医療法人アスムス理事長、太田委員です。
 特別養護老人ホームみずべの苑施設長、川崎委員です。
 UIゼンセン同盟日本介護クラフトユニオン会長、河原委員です。
 聖隷クリストファー大学教授、川村委員です。
 ジャーナリストで、国際医療福祉大学大学院教授、黒岩委員です。
 日本看護協会常任理事、齋藤委員です。
 政策研究大学院大学教授、島崎委員です。
 全国身体障害者施設協議会副会長、白江委員です。
 全国ホームヘルパー協議会会長、中尾委員です。
 NPO法人さくら会理事長・日本ALS協会副会長、橋本委員です。なお、橋本委員の介添えとして、川口さんが御同席いただいております。お申し出によりまして適宜御発言いただくこともあろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 國學院大學法科大学院長、平林委員です。
 全国老人福祉施設協議会介護保険委員会委員長、桝田委員です。
 日本医師会常任理事、三上委員です。
 東京都立光明特別支援学校校長、三室委員です。
 次に、厚生労働省からの出席者を紹介させていただきます。まず、老健局から紹介させていただきます。
 宮島老健局長です。
 三輪審議官です。
 宇都宮老人保健課長です。
 私、振興課長の土生でございます。
 次に、関係局を御紹介させていただきます。
 阿曽沼医政局長です。
 清水社会・援護局長です。
 木倉障害保健福祉部長です。
 唐澤審議官です。
 本日は、文部科学省から斎藤特別支援教育課長にも御出席いただいております。なお、他の公務の都合で途中で退席されると聞いております。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事進行は大島座長にお願い申し上げます。
○大島座長 座長を仰せつかりました大島でございます。先ほど、大臣、政務官からお話がありましたように、この問題は非常に大きな問題で、社会の関心が高いだけではなくて、非常に緊急度の高い問題であると認識しています。
 又、人の身体に関わることですから、安全性ということがどうしても重要な問題になりますので、そこをどうクリアーしていくのか。いい方向でどう軟着陸させるのかということが、この会議に求められた役割であろうと理解しています。
 ということで、委員の皆様方の御協力の下に、何とかいい答えができるように努力をしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 今日は事務局から現状認識等についての説明がありまして、あとはフリーディスカッションということです。それぞれお立場が随分違う方が委員で参加されておりますので、今日は言いたいことを言っていただくということで進めたいと思います。
 まず、資料の確認からよろしくお願いします。
○土生振興課長 資料は、まず座席表の下に議事次第でございます。
 資料1、本検討会の開催要綱でございます。
 資料2、「これまでの閣議決定等」でございます。
 横長の資料3、「介護現場等におけるたんの吸引等を巡る現状」、少し厚めの資料でございます。
 資料4−1〜4まで、文部科学省さんから御提出いただきました特別支援学校における医療的ケアに関する資料でございます。
 資料5、また横長になりまして、平成22年度の特別養護老人ホームにおける研修事業でございます。
 資料6、本日のフリーディスカッションのための主な論点でございます。
 資料7、当面のスケジュール(案)でございます。
 委員から提出された資料でございます。岩城委員提出資料、白江委員提出資料、橋本委員提出資料。
 席上のみでございますけれども、特別養護老人ホームのモデル事業報告書冊子で、委員の皆様にはお配りしております。
 もし至らざる点がございましたら、事務局までお申し付けください。
○大島座長 ありがとうございました。もし資料について何かあれば、御指摘いただきたいと思います。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○土生振興課長 それでは、ただいま御紹介しました資料、順次簡単に私の方から一括して御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、資料1、検討会の開催要綱でございます。
「1.趣旨」は、先ほど大臣あるいは政務官のごあいさつにあったとおりでございまして、「2.検討課題」は、?@介護職員等によるたんの吸引等の実施のための法制度の在り方、?Aたんの吸引等の適切な実施のために必要な研修の在り方、?B試行的に行う場合の事業の在り方ということでございます。
 「4.検討スケジュール(案)」は、2ページにあるとおりでございます。
 続きまして、資料2でございますけれども、「これまでの閣議決定等」ということでございます。
 まず、これは厚生労働省の検討会の報告書でございますけれども、本年3月19日、チーム医療の推進に関する検討会の報告書がまとまっております。
 関連部分の抜粋でございますけれども、介護職員、看護職員の役割分担と連携をより一層進めていく必要がある。こうした観点から、介護職員による一定の医行為の具体的な実施方策について、別途早急に検討すべきであるとの御指摘を受けております。
 続きまして、関連の閣議決定でございますが、本年6月18日、新成長戦略ということでございます。医療・介護サービスの基盤強化という中で2つ目の段落でございますけれども、2行目辺りから医療・介護従事者間の役割分担を見直すといったことが盛り込まれております。
 裏にまいりまして、2ページでございますけれども、「3.規制・制度改革に係る対処方針(平成22年6月18日閣議決定)」。ライフイノベーション分野ということで「?K医行為の範囲の明確化(介護職による痰の吸引、胃ろう処置の解禁等)」でございまして、医療安全が確保されるような一定の条件下で特別養護老人ホームの介護職員に実施が許容された医行為を、広く介護施設等において、一定の知識・技術を習得した介護職員に解禁する方向で検討する。また、介護職員が実施可能な行為の拡大についても併せて検討するということで、今年度中の検討・結論、結論を得次第措置ということになってございます。
 3ページでございますけれども、先月29日、障害者制度改革の推進のための基本的な方向についてという中でございますけれども、たんの吸引や経管栄養等の日常における医療的ケアについて、介助者等による実施ができるようにする方向で検討し、平成22年度内にその結論を得るということでございます。
 次に横長の資料3、現状等の資料ということでございます。
 2ページ、専門的な用語で申し上げますと、これまで実質的違法性阻却、当面のやむを得ざる措置ということで、一定の範囲で認められてきたという経過でございます。
 3ページに表で整理をさせていただいておりますけれども、在宅(療養患者・障害者)の方、特別支援学校(児童生徒)、本年4月から特別養護老人ホーム(高齢者)ということで、運用で認めてきたものでございます。
 その範囲にはそれぞれの経過等を反映しまして異なっているということでございまして、○の部分が当該通知において認めている部分ということでございます。
 例えば特別養護老人ホームでございますと、たんの吸引、口腔内で咽頭の手前までを限度ということになってございますし、また、経管栄養につきましては、胃ろうについて認めた上で、胃ろうの状態確認、チューブ接続注入開始は看護職ということになっているわけでございます。違法性阻却するためのさまざまな要件が合わせて盛り込まれているところでございます。
 簡単に4本に整理をいたしますと、?@本人との同意、?A医療関係者による的確な医学的管理、?B医行為の水準の確保、?C施設・地域の体制整備といったようなことで具体的な要件が盛り込まれているというものでございます。
 4ページ、5ページはそれぞれの通知の主な部分の抜粋ということでございますので、説明は省略させていただきます。
 6ページでございますが、先ほど申し上げました実質的違法性阻却論ということで、「性阻却」という文字が抜けております。大変恐縮でございますけれども、「1.基本的考え方」ということでございます。上に整理をされておりますけれども、ある行為が処罰に値するだけの法益侵害がある場合に、正当化されるだけの事情があるかどうかということを実質的に行いまして、正当化される場合には違法性を阻却するという考え方でございます。
 正当化されるための要件として、(1)目的の正当性、(2)手段の正当性、(3)法益衡量、(4)法益侵害の相対的軽微性、(5)必要性・緊急性ということで書いてございますけれども、この違法性阻却論につきましては、まずは本人の同意が前提になるということでございます。
 7ページでございますが、本年4月から通知で開始をされました、特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの実施ということでございます。その趣旨のところは、申し上げましたように当面の必要な措置ということで行うということでございます。
 平成21年のモデル事業の実施を受けまして、通知等が策定をされたということでございます。対象は先ほど申し上げましたとおりでございまして、実施要件の中に連携・協働、医行為の水準の確保といったことも盛り込まれているところでございます。
 それぞれモデル事業では、一定の要件を付して指導者の選定あるいは研修等を行ったということでございますけれども、それと同等の研修の実施が望ましいとさせていただいているところでございます。
 このほか、安全性確保等のための委員会の開催等の体制の整備、先ほど申し上げました、入所者の本人あるいは家族の同意ということが前提になっているということでございます。
 8ページ、9ページはその具体的な役割分担ということでございまして、色で申し上げますと、少し薄い色になっておりますところが基本的に介護職員あるいは看護職員との協働で実施ということでございます。緑の部分は介護職員のみ実施可ということになっているところでございます。
 例えば口腔内の吸引につきましては、吸引の必要性の確認、あるいは医師の指示等の下で対象者を判断するといったようなこと。初回実施時の口腔内あるいは全身状態の観察等につきましては、看護職員の方に実施していただく。そうしたことを前提に実施準備、ケアの実施、結果の確認、片づけ、評価記録といったステップで実施をするということでございます。
 9ページは同様に胃ろうによる栄養管理ということでございます。色の分類は同じでございます。先ほど申し上げましたとおり、ケアの実施という中で確認あるいはチューブの接続、注入開始は、この通知上は看護職員が実施をするというふうに整理をされております。
 10ページ以降、たんの吸引あるいは経管栄養に関するニーズのデータが少し続きます。それぞれの施設等ごとに出所が異なるということもございますので、横の比較がなかなかできにくいという点は御留意いただければと思います。
 まず、特別養護老人ホームでございますけれども、これは老健事業の調査研究によるものということでございまして、2,946施設、延べ約20万人の方を対象に調査した結果ということでございます。
 吸引の範囲はそれぞれございますけれども、全体的に実施、そういった処置を受けている方の割合は5.3%、胃ろうあるいは経管栄養につきましては、9.9%という結果になってございます。
 11ページは同じ調査でどういう時間帯に実施をされているかという点でございます。胃ろうによる栄養管理、吸引とも早朝あるいは夜間に多く実施をされているということ。吸引につきましては深夜に実施される割合が高いということでございます。
 12ページは、本年の本格実施に先立って、平成21年に行いましたモデル事業の概要ということでございます。5年以上の常勤の看護師の方を指導看護師とするといったようなことが主な要件ということになっております。
 研修につきましては、その方を対象に12時間の中央研修、各施設内では介護職員さんに対してその指導看護師が14時間の研修をするといったようなことで行ったものでございます。
 13ページ、その結果でございますけれども、全国125施設で実施をされまして、1施設当たりケアを試行した介護職員の方の数は平均3.5人ということでございます。87%が介護福祉士資格を持っておられたということでございます。
 ヒヤリハット・アクシデント等の報告でございますけれども、救命救急等の事例はないということでございます。
 14ページに若干事例を整理させていただいておりますけれども、ヒヤリハットの発生、アクシデントの発生、それぞれ件数のとおりということでございます。
 プロセスの評価ということでございますけれども、いずれの医療処置につきましても、介護職員が1人でできるとの評価は研修後2か月が80%、3か月で90%以上ということで、習熟に従って向上しているという経過でございます。
 14ページは、そのモデル事業におけますヒヤリハット・アクシデント事例ということでございます。全体につきましては、別途冊子で各委員にはお配りしているところでございます。
 15ページ、介護老人保健施設におけるニーズということでございます。これは平成19年の介護サービス施設・事業所調査の中で特別集計をしたものということでございます。喀たん吸引の割合、胃ろう経管栄養の割合、お手元のとおり、それぞれ3.0、6.8%という状況でございます。
 16ページ、居宅サービスにおけるニーズということでございます。この資料は川村委員を主任研究者として行われました研究につきまして、資料として整理したものということでございます。
 まず、医療措置の状況でございますけれども、これは介護支援専門員の方456名に御協力いただきまして、その方が担当する約1万2,600人の利用者の方の状況ということを整理されたものでございます。
 吸引、経管栄養、それぞれその利用者の方の2.9%、3.6%が実施をされたということでございまして、医療措置の中では比較的頻度が高いということでございます。
 なお、※印の1つ目、入所者と書いてございますが、これは居宅サービス利用者の誤りでございます。お詫びして訂正をさせていただきます。
 17ページでございますが、左側は同じ調査研究を川村委員の方で整理されたものでございます。何らかの医療措置が実施されているものが約1,877名ということでございまして、その中で訪問看護の御利用者が約1,276名、訪問介護の利用者が972名、真ん中、両方利用されている方が687名、その外側でございますが、いずれの利用もない方が316名ということでございます。
 訪問介護の利用者の特徴といたしましては、複数の医療措置が必要、あるいは要介護度が比較的高いといったような傾向でございまして、吸引、経管栄養について見ると、8.5割程度の方が訪問看護を利用されているということでございます。
 右側は行政の通知で要件としておりますものの実施率ということで、実施状況を調べられたものでございます。比較的実施率は高い項目が上の箱、比較的低い項目が下の箱ということで、それぞれ%が整理されているということでございます。
 一番下の箱は充足率ということで、6つの要件に分類したもので、すべて実施されている場合を該当として充足率として見たものでございます。
 療養環境の管理。少し文章が切れているところがあって恐縮でございますが、在宅患者・障害者の適切な医学的管理。家族以外の者に対する教育。患者・障害者との関係。医師及び看護職員との連携による適切なたんの吸引の実施。緊急時の連絡・支援体制の確保。すべて実施している充足率というのはそのグラフのとおりということでございまして、これらの項目をすべて実施しているという場合は、左の箱でございますが、420名中27名といったような調査結果になってございます。
 18ページ、有料老人ホームにおけるニーズということでございます。この資料は、全国有料老人ホーム協会等に加盟されている会員事業者のうち、589施設から回答を得たものを整理したものということでございます。
 何人以上の方が吸引あるいは胃ろうのケアを受けているかと整理いたしますと、5人以上入居されている場合が6.6%、胃ろうの場合につきましては、6.8%ということでございます。勿論、施設ごとに違いはありますが、単純に平均ということで見ますと、それぞれ1.7人、2.0人といったような数字になってございます。
 19ページ、認知症グループホームの資料ということでございます。これは記載がなくて恐縮でございますけれども、809の施設から回答を得た結果を、入所者数は7,020人と右肩に記載のとおりでございますけれども、整理をしたものでございます。
 利用者数の割合で見ますと、たんの吸引が0.5%、胃ろう・経管栄養は0.6%ということでございます。
 20ページでございます。障害者支援施設等におけるニーズということでございます。これも調査研究事業として実施されたものでございます。1,170施設を対象に約8万5,000人の入所者の方についての調査を整理したものでございます。吸引、胃ろう・経管栄養とそれぞれ色の付いた箱にあるとおりということでございます。
これを時間帯別に見たものが21ページということでございまして、それぞれ夜間の時間帯にも一定のニーズがあるということでございます。
 22ページ、特別支援学校の医療的ケアの実施体制状況ということで、文部科学省からいただいた資料でございます。(1)対象幼児児童生徒数ということでございます。合計のところを見ていただきますと、平成21年度で6,981人の方が医療的ケアが必要ということでございます。
 右側、年度別の推移を見たものでございまして、増加傾向にあるということが見ていただけるかと思います。
 その下でございます。医療的ケアの項目でございます。左に●が付しているところが通知で教員が行うことが許容されているケアということでございます。経管栄養の3種類、口腔・鼻腔内吸引ということで、中での実施率が高くなっているということでございます。
 23ページ以降は一般的な介護職員に関する資料ということでございます。介護保険制度創設時からの介護職員数の経過でございます。実員数で約124万人、常勤換算で82万人ということで、相当の増加を見ているということでございます。
 24ページはその数字を施設、居宅に分けたものでございます。
 25ページ、介護関係の資格等でございますけれども、国家資格として介護福祉士ということでございます。介護保険法上の研修資格として、介護職員基礎研修、1級のヘルパー研修、2級のヘルパー研修、それぞれございますけれども、数的には2級が一番多くなっているということでございます。
 なお、3級につきましては、既に報酬算定外ということで、事実上養成は終了しているということでございます。
 26ページ、介護福祉士の資格の説明資料でございます。介護福祉法に基づく名称独占の国家資格ということでございまして、そうした名称の下に介護を行う、あるいは介護に関する指導を行うことを業とするということでございます。養成施設、実務経験、2つの資格取得方法があるということでございます。
 その養成施設ルートの教育課程は、27ページのとおりでございます。
 介護保険関係のホームヘルパーの研修カリキュラムは28ページ、29ページ、30ページということでございます。
 御参考までに今後の介護人材養成の在り方に関する検討会ということで、社会局、老健局共同で開催している検討会ということでございます。こちらの検討会は、介護職員の養成の在り方全体を検討するといったようなことでございます。本検討会とも関わりがございますので、御紹介をさせていただいているものでございます。
 32ページはその検討会の委員の名簿でございます。
 33ページ、看護師の方の教育課程のカリキュラム。
 34ページ、准看護師の方の教育課程のカリキュラムということでございます。
 35ページ、医療・介護分野全体の人材見通しということでございますけれども、御案内のとおり少子高齢化の進展に伴いまして、労働力人口の減少が見込まれているということでございます。他方、社会保障国民会議の推計によりますと、医療・介護分野の必要な人材数は増大するということでございます。これはその2つの推計を単純にクロスさせまして見たものということでございます。
 2007年で医療・介護分野の労働力人口全体に占める割合は5.8%ということでございますが、2025年には推計方法にもよりますが、8.7%から11.8%ということでございます。
 36ページはその推計方法のバリエーションを示した国民会議の資料でございます。
 資料3は以上でございます。
 資料4−1〜4−1まで特別支援学校における医療的ケアの資料ということでございます。時間の関係もございますので、資料4−3のいわゆるポンチ絵といいますか、図解を見ていただければと思います。
 医政局長通知あるいはそれを踏まえた初等中等教育局長通知で実施されているというものでございます。該当する学校の中に校内委員会という安全管理のための委員会を設置する。看護師を配置する。主治医の方から指示を受け、定期的に看護師の方が報告をする。そういったさまざまな要件の下に、看護師がたんの吸引等を行うというのは当然でございますけれども、看護師の具体的指示の下に、特定の教員の方もたんの吸引等をできるということでございます。
 その前提には、保護者からの依頼、あるいは実施することの同意ということがあるわけでございます。また、その実施できる範囲は、特定の児童等に関しまして研修を受け、主治医の承認を受けた者に限るといったことになっているところでございます。
 詳細は資料4−1のとおりでございます。
 資料4−4はその実施状況ということでございます。今、申し上げましたとおり、特定の児童等のケアに必要な研修を受けるということでございますので、実施状況には各県ごとに差がある状況でございます。
 資料5でございますけれども、一番最近の平成22年度から始まりました特別養護老人ホームにおけるケアの協働実施のための研修事業ということでございます。簡単に仕組みだけ御紹介しますと、まず中央研修で厚生労働省が委託でございますけれども、看護師の研修を行う。150名程度を2回ということでございます。その方が都道府県レベルで特別養護老人ホームの看護師の研修を実施していただくということ。
 各施設におきましては、その研修を受講した看護師の方が関係の看護職員あるいは介護職員の方の研修を行っていただくということでございます。それぞれ標準的な研修は別紙のとおりということでございます。
 資料6でございますけれども、主な論点ということで、勿論、これ以外にもさまざまな論点があろうかと思いますけれども、フリーディスカッションのために一応項目だけ整理したものということでございます。
 対象とする範囲、医療行為の範囲、あるいは介護職員等の範囲、施設、居宅、学校等場所の範囲といったような入り口もあろうかと思います。
 どういった要件を前提にするのか。研修の在り方、試行事業の在り方といったようなことでございます。
 なお、保険給付等においてどのように扱うかという御意見もあろうかと思いますけれども、それにつきましては、当検討会の議論を踏まえながら、それぞれの審議会等で御議論いただくべき課題ということでございます。
 資料7は座長とも相談させていただきました、簡単なスケジュールの今のところの案ということでございます。
 長くなりましたが、事務局からの説明は以上でございます。
○大島座長 ありがとうございました。中身が非常に膨大なので、一遍に理解するというのは非常に難しいかもわかりません。あらかじめお手元に資料が届いていたかと思いますので、目は通していただいているかと思います。
 これからの時間、あと1時間15分ぐらいありますけれども、資料を提出されている委員の方もおみえですので、今日参加された方全員からは無理かもわかりませんが、できるだけ多くの方から御意見をいただきたいと思いますので、要点を手短にわかりやすく、御自由に御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○因委員 日本ホームヘルパー協会の因と申します。今回のたんの吸引の問題については、多分、ヘルパー協会、ヘルパーに対しての実施を検討するというか、在宅のことですので、一番ポイントになるところかなと思っています。
 当事者の方々が在宅で本当に困ってらっしゃることはよくわかっておりまして、それをどう解決するのかということは一緒に考えていきたいと基本的には思っています。ただ、訪問介護の現状を申し上げると、なかなか常勤の方々やサービス提供責任者の方々の定着率が悪く、大変ハードな業務を強いられている関係上、この医療的行為というか、たんの吸引が入ってくると現場がどうなるんだろうということを大変心配しております。取り組まなければいけないと思いながらも、現状としてはかなり厳しいものがあると思っております。
 働いている人たちの問題ですが、常勤が2割か3割程度で、あとはパートや登録の方がほとんどです。そういう中で、果たして命とか生活とか、リスクの多いことをするためには、それなりのかなり整備をしたものがなければできないのではないかと思っています。
 私どもは、実は15年と16年に意見書や要望書を介護の3団体や2団体で出しております。基本的には、医療や看護の体制を十分整えて、専門性の高い方々がこういうことを行われることが利用者にとって一番いいのではないかと考えています。ヘルパーがリスクを負うということは、そのリスクを負うヘルパーが行うたんの吸引等で利用者の方がリスクを負うということになりますので、このことに対しては慎重に対応したいと思っているところです。
 現場の声としては、率直に申し上げると、大変不安である。これはできるかどうかわからない、積極的に取り組みたいが不安であるという声が多いということをまずお話ししておきたいと思っております。
○大島座長 ありがとうございました。ヘルパーの現場では、実態が相当厳しい状況にあるということは十分理解している。しかし、今の状況で引き受けるということについては、相当大きな不安があるというお話をいただきました。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○白江委員 全国身体障害者施設協議会の白江と申します。身体障害者の施設協議会と申しましても、身体障害者療護施設あるいは障害者支援施設が加盟している団体で、現在会員施設は489施設ありまして、利用者が2万8,000人、職員が2万人おります。私どもでは、医療的なケアに関わる2つの調査をしておりまして、その結果ではたんの吸引に関しては7割の施設で実施をしている。これは、大体1施設当たり平均4人ぐらい実施しています。
 経管栄養に関しては85%の施設で実施している。ただ、回答された数の中での実施状況ですので、すべての会員施設、489施設の現状ということではありませんので、誤解のないようにお願いいたします。そこでは大体5〜6人ぐらい1施設当たり実際に実施しています。
 あと、障害者自立支援法の中で障害程度区分認定の項目でもある特別な医療が12項目あるのですが、これに関してもかなりの施設数で実施がされているということは前提に置かせていただいてお話をさせていただきます。
 私どもの施設・事業所では、看護師の配置がございますが、50人ですと大体4人ぐらいですので、夜間の看護体制がほとんど取れない状態です。ただ、私、仙台で難病ホスピスと称して施設を運営しておりますが、私どもは常勤の医師が1名と看護師が8名おりますが、利用者の中にはALSの方もいらっしゃいますし、脊髄小脳変性症の方もいらっしゃいます。しかし、医療的ケアの提供体制は非常に厳しい現状にあります。24時間365日、さまざまな医療的ケアがございますけれども、介護していくのも非常に厳しい実態があります。
 結論から申し上げますと、今回のたんの吸引、経管栄養が介護職員に認められるという方向については賛成であります。ただ、それが法律上の書き方にもよると思いますし、今までやってこられた実践的な違法性の阻却というのがどういう問題があるのかという検証もきっちりしていただきたいと思います。方向性としては介護職員ができるということについては賛成であります。
 ただし、その前提として4つの懸念を持っておりまして、1つはこの2つの範囲で終わってしまうのかどうかということです。資料を提出させていただいておりますが、9項目にわたっての範囲で医療的ケアを認めてほしいということを申し上げております。勿論慎重に検討をしていかなければいけないのですが、この2つの行為にとどまらず、更に実施可能な範囲を拡大していくという方向性を是非失わないでいただきたい。
 2つ目といたしましてこの2つが認められるということによって、逆にほかの規制が厳しくなるのではないかという心配を持っております。
 3つ目としましては、私たちは医療行為そのものを求めている、やらせてほしいと言っているわけではなくて、目の前に必要とする方がいて、やむを得ずやらざるを得ないんだということをまずご理解いただきたいと思います。そのための社会的基盤が先ほど来お話がありましたようにできていない中で、我々としてはやらざるを得ないんだということであります。
 4つ目の懸念としては、法律の書きぶりですけれども、介護職員ができるということで逆に今までやってこなかった介護職員なり、やりたくないという介護職員に対して、やらなければいけないという状況になることです。これは介護業務なんだから義務的にやらなくてはならないとなったとき、介護職員の精神的な、あるいは技術的な部分でのプレッシャーというのは非常に大きなもので、私どもの施設では先ほど申し上げたように介護職員が実質やっておりましたけれども、先ほどのような医師・看護師によるバックアップ体制をとっていてもなかなか厳しい状況というのはあります。それをどうフォローしていくのか、ケアしていくのかという問題があると思います。
 あと2つの課題があります。1つは医療的ケアというのは何なのか、医療行為とは何なのかというそもそも論と言ってしまうとそうなんですが、医的ケアとか呼び方もさまざまでございまして、その辺の整理をしないとなかなか議論がかみ合ってこないのかなという気持ちでおります。
 もう一つは、特別養護老人ホームなり私どもの障害者支援施設が医療的ケアを必要とする方を今まで受け入れてきたというか、受け入れざるを得ない状況があったのですが、そもそも施設で今後もそういう形で受け入れていくのか、また、拡大していくのかどうかという政策的な方向性を明確にしていただきたいと思います。
 先ほど大臣からも選択肢を広げるということがありましたけれども、私どもも是非在宅で生活できることを望んでいますし、その方向を目指しています。しかし、それでも施設で生活するということをやむを得ず選ばれた方がこの施設でいいのかどうかも含めてしっかりと議論するべきだと思います。そういった議論がきちっとなされないと議論が噛み合っていかないのではないかなという気がしております。
 早口で申し訳ございませんでした。
○大島座長 ありがとうございました。非常に明確に問題点を整理していただきました。
 どうぞ。
○内田委員 日本介護福祉士会の内田でございます。私も在宅等のお話は非常によく聞くことがございます。特に都市部ではなくて、山間部等で訪問看護等のサービスが非常に少なくて、ホームヘルパーがインシュリンの注射等を代わりに行っているといったようなことも、それなりの件数があると聞いております。
 そこで確かに現状から言ったら、そうやって在宅で暮らされていてお困りになっている方もたくさんいて、介護職が本当にやらなければいけないというのは十分承知をしているんですけれども、例えば介護福祉士というものの教育のありようから見ても、全然医療的なことで実際に医療行為ができるほどの時間数というものは教育として与えられていないと思うんです。ですから、何となく見よう見まね的なところで実施されているというところで、私としては日ごろから何か事故につながったりはしないかということが非常に不安として感じております。
 今回、特別養護老人ホームの方で看護と介護の連携ということでたんの吸引なりが実施されることになったわけですけれども、これはオンコール体制があって、例えば介護職が何か実施したことについて助けが欲しいと思ったらそれができる状態なわけですけれども、在宅というのはなかなかそういうわけにもいかないといったようなところがあると思いますので、介護職が実施しなければいけないというのは本当にわかっておりますけれども、非常に条件を整えていただくということが必要かなと。教育という面から考えても本当にきちんと条件を整えていただきたいという思いでおります。
○大島座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○橋本委員 橋本でございます。練馬区のアパートで一人暮らしをしているALS患者でございます。先ほどのお話のように、オンコールでヘルパーに駆けつけてもらうというのではとても生きていけない、呼吸器をつけて一人暮らしをしている障害者です。委員の中では多分当事者は橋本ひとりでありますから、本来なら橋本本人が話した方がいいんですけれども、代理で川口が資料の説明をさせていただきます。
 資料をごらんください。最初に、前文は橋本が口文字盤で読み取った文章がございますが、24時間人工呼吸器を使用し、大学病院、地域診療所、医師会の訪問看護のサポートを始め、あらゆる訪問介護のサービスを受けて暮らしています。このたびの検討会の設置につきましては、全国の患者家族を代表といたしまして、深く感謝を申し上げますということで、この下からが要望書になるんですけれども、簡単に概略を説明させていただきます。
 まず、1番、全国でたん吸引と経管栄養などの技術研修会を実施しているところがございますが、そのような団体に対して助成を行ってください。そして、これらの介護が必要な重度障害者を社会で支えていこうとする道徳的な規範と医療と介護の技術の向上を支援してください。
 2番、訪問介護職が安全に、かつ、安心して吸引や経管栄養などの介護を実施できるよう、24時間体制の訪問診療と訪問介護の基盤整備を進めてください。
 後で説明しますが、ざっと読み上げますと、3番、地域の保健行政と医療期間と介護事業所と家族の連携を密にするために、障害当事者の自宅で定期的なカンファレンスや合同研修の実施を評価し、それぞれに加算などの措置を講じてください。
 告知直後や在宅移行時などの障害当事者と家族の心身の状態や療養環境の変化に応じて、保険者や訪問看護師が長時間連続あるいは断続的に滞在し、家族やヘルパーを指導できるような行政看護サービスを新たに設置してください。
 4番、介護職員によるたん吸引、経管栄養などの行為が、ボランティアではなく業務として評価されるように、特別な介護報酬などの加算措置を講じてください。
 5番、吸引などが必要な障害者の自立支援と同時に、同居家族が就労、睡眠、食事などにおいて、人として最低限の生活レベルを保つためには、24時間体制で、かつ、長時間連続した介護サービスが必要不可欠です。
 しかし、現在、自立支援法の重度訪問介護の枠組みによってのみ実現可能なそのような支援は、市区町村の裁量に任されているために、多大な地域間格差が生じており、ヘルパーも常時不足しています。このような実情を踏まえて、重度障害者の日常生活の介助の合間に吸引などの介護も行うヘルパーの増員や定着を抑制するような、資格要件の設置や長期間の研修、書類の作成などを義務付けないでください。
これは要望書としてまとめてきたことですけれども、先ほどの厚生労働省の用意されました資料の中には、そうやって地域で呼吸器を付けて自立して暮らす障害者の数とか調査結果が入っておりませんでしたので、もしかしたら先生方も余り、重度障害者の地域での生活を御存じではないかもしれないということで、最後の資料の方に私たちが独自にやってまいりましたヘルパーの養成研修事業、自立支援法の中の「重度訪問介護」という見守りも含めて長時間在宅サービスができる制度があるんですが、自分たちで介護者を養成してまいりましたので、ざっと説明させていただきます。7ページです。
 地域で安全に生きていくためには介護者が多数必要なので、重度訪問介護という自立支援法のヘルパー資格を短期で取得してもらいます。左の方から黄色い基礎研修と茶色になっている追加研修の両方を足して10時間で講義部分をしてもらいます。それに実習10時間を加えるので、合計で20時間になるんですけれども、その20時間で資格取得の研修をやってまいりました。
 そして、それぞれの重度障害者の自宅において、介護実習に入るわけですけれども、それぞれに個別のニーズがありますので、覚えの早い人では数週間、大体、口や文字盤の読み取りなどのコミュニケーションを含めますと、1年程度の間をオンザジョブトレーニングという形で実施をしてまいります。その間に吸引や経管栄養なども個別研修でできるようになります。そして、大体半年〜1年ぐらいかけてヘルパーを独り立ちさせていくというようなことを、ずっとやってまいりました。ここで今吸引をしている橋本のヘルパーの山田さんも、最初はこういう研修を受けて、最初にどこかの学校に通って勉強したというわけではなくて、本当に現場で当事者の個別性から学んで、技術を身につけてきたわけです。
 これが最もお願いしたいことなんですけれども、やはり先に資格ありきですと、そのような当事者の個別性が無視されてしまうというか、かえって危険な状況になりますので、資格を義務付けないでいただきたい。それがまず一番最初にお願いしたいことでございます。
 まとまらない発表でしたけれども、よろしくお願いします。
○大島座長 ありがとうございました。非常に説得力のあるというか、目の前で実際のトレーニングの結果まで見させていただいたということですが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○岩城委員 全国重症心身障害児(者)を守る会の岩城でございます。こちらの構成メンバーのところには評議員と書いてございますが、それもいたしておりますが、私自身は東京都の会員を預かっている母親でございます。現在、娘は31歳で、産まれたときの強度の仮死による寝たきりの重症心身障害者です。
 お手元に提出させていただきました提出資料というのがございます。それをごらんいただきたいと思います。まず、私の子どももそうなんですが、常時、24時間本当に医療的ケアを伴わなければ生きていられないような超重症児というのと、ほとんどが医療的ケアを伴いながら生きている、準超重症児というのもございます。そういう者も今かなり在宅で頑張っております。
 そういう者たちは、やはりたんの吸引等の医療的ケアがどうしても必要になってくる。私の娘の場合は、常時必要ではないんですが、食事中にむせたり、たんが絡んだり、風邪、病気等、体調を崩したときにはたんの吸引が必要になります。現在は家族が24時間対応でみんな経管栄養等も含めてその介護を行っている状況にあります。このために、やはり患者、家族の負担が大変大きいものがありまして、訪問看護師の派遣とか、ホームヘルパーの派遣を受けておりますが、ヘルパーにはたんの吸引はできますが、経管栄養等の医療的ケアができませんので、家族の負担というのはなかなか軽減することができません。これらがヘルパーにも実施が認められるようにお願いできたらと思います。
 もう一つは、特別支援学校で、おかげさまで平成16年から学校における教員のきちっとした指導の下に、医療的ケアの3行為ができるようになりました。これによりまして、本当に今まで学校で待機をしたり、学校の行事等に付き添っていた保護者たちの負担が大変軽減され、子どもたちにとっても教育効果が上がってとてもいい結果を呼んでおります。ところが、この子どもたちが特別支援学校を卒業した地域の通園事業等にはまだそういうたんの吸引であるとか、経管栄養を介護員ができる状態にありません。そのために、せっかくそういうものが特別支援学校で受けられたのに卒業してしまうと、状況がまたがらっと変わってしまう。
 また、そういう施設等で看護師がいるところでは、それらが行われておりますが、そうでないとなかなか受け入れの通所施設も不足しております。そのためにせっかく受けてきた教育の効果もそこで閉ざされることになったり、具体的には、限られた数の通所施設のために5日間学校教育を受けてきた者がその施設によって、地域によっては2日になったり、3日なったり、4日になったり。ですから、これを是非この検討会を通していい形で決めていっていただけたらと思っております。
 あとは恐れ入りますが、時間の都合でこの書面をお読みいただけたらと思います。ありがとうございました。
○大島座長 ありがとうございました。実際に行われている現場の御意見では、きちんとやればメリットの方が大きいのではないかというような御意見が多いようですが、サービスを行う当事者になるヘルパーの方では少し心配だと。事情はよくわかるけれども、今のまま移行するというのは不安が大きいというような御意見だったと思います。ほかにちょうど中間的立場にいるとか、このような状況をよく見られている方とかが御参加されていると思いますけれども、御意見をいただきたいと思います。
 どうぞ。
○河原委員 日本介護クラフトユニオンの河原と申します。日本介護クラフトユニオンというのは、2000年の介護保険制度が導入されたと同時に組合を結成いたしまして、全国の事務職の方から登録ヘルパーさん、介護福祉士の方、ケアマネージャーの方、看護師の方も含めまして、約6万人の方が集結している組合でございます。
 約50%が登録ヘルパーです。圧倒的に女性が多いんですけれども、そういった現場の方たちとお話をしたり、今日お出しすればよかったんですが、昨年医療行為のことについてアンケートを取ってみて、時間給者の方が1,500人、月給者の方が1,500人ぐらいのものがあったんですが、また次回にでも出したいと思います。
 そんなことで感想と言いますか今までずっと思っていたことだったんですが、まず、介護職員でも実施可能な医療行為という言葉があって、私たちも周りの仲間が平気で使っていたんですけれども、こんな危険な言葉はないなと思っていたんです。医療行為は法律上絶対やってはいけないんです。
 介護職員でも実施可能な医療行為などはありっこなくて、これはドクターと看護師しかないわけですから、これを介護職でもできる医療行為を拡大していこうなどというむちゃくちゃなことが結構平気で言っていたのを、今私どもいろいろなメンバーには注意をしていたんです。それよりも実質的違法性阻却などという言葉をこの前初めて知りまして、こんなことで許されている部分があるんだなということで医療行為ということをどこかでは平気で使っていたのかなと思います。私は医療行為から外すもの外さないもの、はっきりした方がいいと思っております。
 まず、最初に事務局の方にお聞きしたいんですけれども、標題のたんの吸引等の「等」というのはどういったことを指されるのか。今日、2つの大きなテーマがありますけれども、経管栄養のことだけを指されるのか、あるいはどこか委員の方もおっしゃいましたけれども、すべからくまだまだ医療的ケアというんですか、現場の方でもできそうな医療行為、そういったものまで議論の対象にしていいのか、そういったことを確認しておきたいと思います。
 私たちの組合員の話を聞きましても、アンケートをしましても、医療行為を依頼されることはとても多いです。特に利用者というよりも利用者の家族の方から依頼されることが多いです。実際、医療行為をしましたかという質問に対して、約半数がした、約半数がしていないという五分五分でございます。私がいろいろ現場の方とお話をしている中で、彼女たちのストレスというのは、介護職員ができないことを依頼されるストレスと、できるのにできないという、できそうなのにできないというストレスが2つたまっているということでございます。
 いずれにしても、結構危険な状態をはらみながら仕事をしているというのが現場でございますし、できたら、できるものならばやってあげたいというような声も実は多いです。勿論、怖いという方もいらっしゃいます。
 2回目のテーマかと思いますけれども、しっかりした研修なり教育なりが担保されて、それなりの技量が付いていくということであれば、私は介護の質のサービスの向上の観点から、あるいは現場で働いている方たちの職業的な地位の向上の観点から、そういった行為については積極的に推進していくという考えに賛成でございます。しかし、これはしっかりと必ず介護報酬上の評価をしていただきたいと思っております。
 いずれにしましても、もう一方で今後の介護人材の養成の在り方に関する検討会というのも立ち上がっていますので、それとしっかりと連動してまとめていかないと、またごちゃごちゃとなるなという気持ちがしております。
 以上です。
○大島座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○桝田委員 全国老施協の桝田でございます。特別養護老人ホームは今回この4月から実際に介護職が行うのに研修が始まったところでございますけれども、1つ今回の違法性の阻却という問題点からしまして、かなり無理がある。今、実際に在宅におられる方も、いわゆる医師から家族の方がいろんな方法を指導されて、御家族でされている。でも、実際現場になると、その方が24時間するというのは限界がくる、手助けがほしいと。訪問看護師さんに来てもらう方法はあるのですけれども、例えばヘルパーさんなりにしてもらえないのかと。家族ができるのだからヘルパーさんもそれなりの研修を受けてしてもらえたら非常に助かるという声が強いです。
 施設、特養でも同じ状況は起こっています。夜間の吸引について、やはり夜間に看護職員がいないからできませんとか、胃ろうの問題でも人数が多くなったらできませんというので入所をお断りする。そうすると、その方の選択肢というのは、いわゆる在宅で家族がするしかないという現状が生まれてくる。それをどうするのかという方法論がここで一番議論すべきことだと思います。
 1つ内容的な問題で先ほど河原さんの方からありましたけれども、この2項目だけを検討するのか、ほかの範囲も検討するか。1つはその部分もほしいのですけれども、ただ、今、状況から言うと、いわゆる医行為という問題と、医行為でないものという、今までは2つの選択肢で決めていた。でも、実際問題としてこれだけ医療が進歩してきますと、生活の中に医学的ないろんなフォローが入ってくる生活支援の部分というのが存在してきた。
 それが今一番問題になっている部分であって、家族でできる医行為についてどうするのか。これは三上先生のお話になるのですけれども、やはり医行為から外してしまって、違う領域という部分を考えるべきではないのか。それが医行為でないものになってしまうと、言わば野放しになりますので、とてつもなく大変なことが起こると思うのですけれども、生活支援行為の中に医的な要素が含まれている領域をどうするのかという形をつくっていくべきではないのか。その中で介護の現場という部分が考えますと、介護職が専門性を持つ1つの領域の中にその部分の研修を受ける、専門職との連携の中で築き上げていって、それを1つの職域の中に入れていく、その形が望ましいのではないかと。
 ただ、問題点として出てきますのは、今、介護現場の介護職員さんの状況です。介護職はなかなか募集しても来ない状況というのが残っています。3K職場だと言われて、給料も安い。でも、これから専門性を持つことによって、その給与アップになる、社会的評価も高くなるという形につないでいくような形の職域にするというのには、この部分というのも1つの要素になるのではないか。専門職としての1つの要素として、それなりの研修、それなりの知識という部分を持って、ちゃんとした安全性を図る、他の専門職の方の連携を図る、そういうふうな形で今回の部分というのは検討すべきではないのかと。
 資格的に言いますと、やはり介護福祉士という部分がコアになると思いますので、その部分をどうしていくのかという部分で、それは河原委員からありましたけれども、介護職員の在り方について検討会が行われていますので、それとのリンクというのも1つの課題となると思うのですけれども、そういう形で少し議論をお願いできたらと思っています。
○大島座長 ありがとうございました。ちなみに検査技師の採血などはどういう整理をされているんですか。あれは医行為という形で違法性の阻却のような形で整理されているんですか。どなたか。わからないですか。医行為で検査技師に特別に認めるという法的な整理はどのようになっているのですか。
○事務局 臨床検査技師の採血につきましては、医行為なんですけれども、法律の中に採血につきましては保助看法の規定にかかわらず、医師の指示を受けて診療の補助として行うことができると書いておりますので、医行為であるけれども、法律上してもいいですよという形になっております。
○大島座長 そういう整理になっているんですね。ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 三上先生、どうぞ。
○三上委員 介護職の方に吸引をしていただきたいということは、それが必要なんだろうという前提の立場でお話をしますけれども、先ほどは白江委員の方からありましたように、医行為とか医療的ケアの範囲とか定義というのがはっきりしていないのでなかなか議論がしにくいと思います。
 唯一はっきりしているのが、先ほど河原委員がおっしゃったように、医師と看護師、その他医療職として業務独占の資格が決められた方が独占業務としてできると定義されているんだろうと。ですから、それ以外の方がやると違法なんだと。ですから、それを無理にやるとすれば、違法性を阻却しないといけないということになると思います。
 医行為の範囲というのをどうするかということですけれども、当然、医療の進歩、医療技術の進歩によってもその範囲というのは徐々に変わってくるんだろうと思いますし、今、新たに見直すというのは非常にいいタイミングではないかと思います。
 現在は医行為だとされていることでも、医行為から外していただいて、それを介護職の方にやっていただけるような状況をつくっていくということが今の環境の中では必要ではないかと思います。
 議論の仕方として、たん吸引なりそういったものがリスクが少ないので、簡単な研修をすれば医療的な無資格の方にもやっていい医行為にしたらどうかという話と、もう一つは、リスクのある医行為なので、十分研修をしないとやらないとだめだという話の2つの考え方があるんだろうと思うんですが、基本的にリスクがあるという場合には、介護保険の世界でも、もともと要介護認定があってケアプランを立てるという、ケアマネジメントという工程があって、必要な医療や介護がきちっと受けられるようなプランを立てるということが前提になっています。
 ですから、適切なプランが立てられなくて、例えば医療行為が必要な方が医療行為が適切にサービスされないところに置かれて、そこで無資格者に医行為をさせようという話というのは筋が違うのではないか。でも、現実にはリスクの少ない行為なので大丈夫ではないかというようなあいまいな議論になっているのではないかと思います。
 もう一つ、非常にリスクが少ないということであれば、基本的には業務独占の行為から外すというのがわかりやすいし、そうでなければ安心して介護職の方が現在医行為とされている行為をできないのではないかと思います。このことは法律で決めるということもありますけれども、従来から課長通知なり告知なりでも可能な範囲ではないかと思いますので、是非やっていただきたい。
 また看護課長に皮肉を言うつもりはありませんが、以前に内診のことを助産行為かどうかという通知を出されたときに、通常、産科医院の中でベテランの看護師が内診という子宮口の計測をしていた現状があったわけですが、内診は助産行為の範囲に入るんだということを通知で決めたために、ベテランの看護師と言えどもできなくなって、それをやっていた産科医院の管理医師が逮捕されるということもありましたので、これは非常に重要なことだし、大切なことだと思います。
 もし、簡単な研修で医行為ができる、容認するという話は、今日、黒岩委員が来られていますけれども、救命救急士が挿管なりエピネフリンの注射など医行為の独占業務ができるような形になったわけですが、この場合には、2年間の特別学校に通って、勉強に専念する、そして国家試験を受けるという非常に高いハードルをクリアーしてやっとできるというのに対し、ここで特養の介護職員に課されているのは、12時間研修した看護師が14時間、介護職に講義をすればそれで資格が取れるという話なので、これはやり方としては筋が悪いのではないかと思います。
 そんな中で専門介護福祉士を創設するという話も進んでいるというのが報道されていましたので、この問題はこの検討会で十分また検討し直していただきたいです。
○大島座長 ありがとうございました。相当本質的な問題にまで踏み込んだ話になってきました。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○黒岩委員 名前が出ましたので、黒岩が話します。私は率直に申し上げますが、介護職員によるたんの吸引等の実施のために、わざわざ大げさな検討会をつくって検討しているということ自体が信じられない思いでいっぱいであります。
 もともと5年ほど前になりますが、今日いらっしゃいますALSの橋本さんにスタジオに来ていただいてインタビューしたことがありしまた。私もALSのことは余り深く知りませんでしたが、30分に1回ずつのたんの吸引をしなければやっていけないという。でも、それをちゃんとやればごらんのように大変元気に過ごせるという。
 やはり医療・福祉の在り方というものは、それを必要とする人のところにそれをちゃんと届けるという仕組みをつくるという以外何物でもないということ。そうすると、そういう患者さんがいらっしゃる、そういうことを求めてらっしゃる利用者がいらっしゃるとなるならば、国とすればそこに早く行く人がちゃんとやれるようにすればいい、ただそれだけの話であって、そもそも今ずっと皆さんの話を聞いていても、ヘルパーにたんの吸引をさせてはいけないと言っている人は1人もいないという気がします。
 どういうふうにすれば、みんなが安心できるようにしてヘルパーさんでもたんの吸引ができるようにすればいいかという議論になってくると、ではどういうふうな教育をすればいいか。ほとんどそれだけの議論になってくるということだと思っています。
 今、救急救命士の話が出ましたけれども、非常に似ている話だと実感します。当時は消防の救急隊は消防士であるがゆえに医療行為はやってはいけない。救命の3点セット、気管挿管、点滴、除細動。これを早くやれば命が助かるはずだと言いながらも、これは全部医療行為だということで、それは医師以外やってはいけないという高いハードルがありましたが、しかし、医師法の規制緩和の中で救急救命士をつくったことによって、今できるようになりました。
 あのときに大騒ぎして医療行為だ医療行為だと言っていたあの心臓への電気ショック、今はAEDという機械ができたらばだれでもできるという状況になった。医療行為というのはしょせんそういうものである。時代によって変わってくる。
 当時は注射が医療行為ですかと医事課長に聞いたらば、答えられなかった。注射はだれが考えても医療行為でしょう。しかし、看護師が注射をしていました。では、注射をしているナースは医師法違反ですかという質問が次に飛んでくるから、それも答えられなかった。しかし、時代とともにそれもちゃんと認めていこうということになってきた。
医療行為と言いながらも、そんなものは非常に固まって絶対的なものであるわけではなくて、その都度その都度変わっていくということでありますから、たんの吸引が医療行為であるかということを一生懸命論ずるよりも、たんの吸引をヘルパーさんがちゃんとできるようにするためには、どれだけ教育訓練をすればいいのか。その内容はどうあるべきなのか。そして、最低限よほどの悪意を持ってその行為に臨まない限りにおいてみれば、例えば事故があったとしても、なるべくその罪は問わないようにするような仕組みはどうあるべきなのかなと。そういうことを考えるべきだと思います。
○大島座長 ありがとうございました。非常に明快なご意見です。
 どうぞ。
○平林委員 國學院大學の平林です。先ほど来、医行為であるかどうかということが議論になっておりますので、少し私の考えを述べさせていただきたいと思います。
たんの吸引が医行為であるかどうかということにつきましては、先ほど来いろんな御意見があって、医行為から外すべきだというようなお話があったと思いますが、まず、その前提として、医行為と医療行為と医療的ケアといろいろな言葉が使われていると思いますが、とりあえず法律の方では、医師法との関係では基本的には医行為という言葉を使っておりますので、医行為という言葉で説明をさせていただきたいと思います。
 医行為というのが一体何なのか、どういうところに出てくるのかというと、「医師でなければ、医業をなしてはならない。」という医師法の17条がありまして、医業の中の医の部分が医行為と言いかえられているわけです。
 その医行為というのは具体的にはどういうものかというと、これも皆さん御承知のように、「医師または歯科医師が行わなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為」というふうに定義されております。ここで重要なのは、医師または歯科医師が行わなければ危険を生ずるおそれのある行為、保健衛生上危険を生ずるおそれのある行為という抽象的な規定であるというところが1つポイントになると思うんです。
 たんの吸引について言いますと、個々具体的な患者さんにとって個別的なたんの吸引はほとんど危険性はなくて、だれでもやっていい社会生活援助行為と言えるということも十分承知しておるんですが、ただ、たんの吸引の中には、医師の専門的な技術を持って行わなければ非常に困難なたんの吸引というのもあるやに聞いております。
 気管切開をされている患者さんに対して、気管カニューレからその中の方に入れるような場合にも危険性が伴うということが言われていますので、たんの吸引と言っても個々具体的なケースはともかくとして、抽象的なレベルで考えると、その医師または歯科医師が行わなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為ということにならざるを得ないんだろうと思います。
 そうすると、問題はなぜ医師法17条が抽象的な危険というもので議論をしているのかということになるわけですが、もともと医師法17条は、いわゆる偽医者というものを規制する警察的な取締りの規定であります。したがいまして、その偽医者を取り締まるためには抽象的なレベルでも危険のある行為であるならば、それは医師法違反として取り締まることが国民の生命、身体の安全のためには適切であろうということで、抽象的な危険という概念をもって医行為を定義しているわけです。
 したがいまして、この考え方に従いますと、たんの吸引も医行為ということになるざるを得ないわけでありまして、その解釈を変えようということになりますと、これはかなり医行為とか医師法17条をどう考えるかという根本的な議論にさかのぼって、そこを議論しなくてはならないと思います。私自身は抽象的な危険という観点で医行為をとらえるということにはそれなりの意味があると思っておりますので、その解釈を変更する必要はないだろうと思っております。
 ただ、そうしますと、非医療者である介護職がたんの吸引ができないということになるので、勿論、教育はとても重要なのですが、教育だけの問題ではなくて、全体として法制度の中で介護職が行う医行為であるところのたんの吸引をどうやって認めていくのかということがここで議論されなければならないと思います。
 先ほど救急救命士の話が出ましたが、救急救命士はまさに救急救命士法という法律ができて、保助看法の規定にかかわらず、救急救命士が診療の補助として一定の医行為を行うことができるというふうに整備されたがゆえに救急救命士は医行為を行うことができるようになったわけです。したがいまして、それと同じように、あるいはそれとは違う形があるかもしれませんが、介護職が行うたんの吸引というものを法律の制度の枠組みの中できちんと位置づけて、齟齬のないような形でこの問題を解決する。その中で具体的には教育をどうするのか、研修をどうするのか、どれくらいの研修が必要なのかについては、医療、介護の専門の先生方の議論にゆだねなければならないと思いますが、私自身としては、そういう法制度の全体の枠組みの中で齟齬を来さないように、介護職が行うたんの吸引というものをどう整理していくのかということを考えるのがこの検討会の目的であろうと思って参加をさせていただいております。
 以上です。
○大島座長 ありがとうございました。
 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 「特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関するモデル事業」を踏まえて今回の検討会に至ったということになっております。やはり在宅であっても、施設であっても、先ほど政務官もおっしゃっていましたように、安全第一、安全のケアをどういうふうに確立するかというところが非常に求められております。このモデル事業の中で報告されたヒヤリハット・アクシデントは、モデル事業に参加した施設で発生したうちの一部分でしかなかったかもしれません。実際に事例などを見ていきますと、ある程度研修はしたとしても、そしてナースがそこにいたとしても、14ページに掲げられている事例は生じ得ると思います。これが更に在宅でということになっていきますと、インシデント・アクシデントとして報告されない危ない事例が、日常茶飯事起きているのではないかと推測がされるわけです。
 ですので、確かにこれからの超高齢化と、高齢化に伴って重症化していくということを考えれば、原則としては医師もしくは看護師がそこにいてやるということは当然であるものの、介護職のかたがやらざるを得ない状況もあるのだろうなというのは見えてまいります。しかし安全性の観点からそこをどういうふうに担保していくのかということを十分に考えなければいけないということと、かなり指導したとしても、それぞれの教育背景等々によって技術の習得にかなり差があるという状況も見えてまいります。さらに、なかなかそういう危ない状況がきちんと報告されないといったようなところでは、非常にこれは慎重な議論を要するのではないかと考えています。
 更に川村先生の研究内容等を見ておりますと、在宅でたんの吸引をやる場合の6つの条件というものをきっちり守っているというか、できているところが非常に少ないということが出ております。
 安全性を担保するために、在宅でもチームケアを提供するということを考えれば、この行為を誰にやらせるということよりも、サービス全体によってどういうふうに在宅での療養を長期的に継続させることができるのかという観点からの議論も必要ではないかと考えています。
 実際、現在の在宅では、具合が悪くなれば、病院に行くかというぐらいの選択肢しかないかなと思います。そのため家族がバーンアウトしてしまうという実態もあります。医師やナースやいろいろなサービスが単体で提供されるのではなくて、本来でしたら複合的なサービスできっちり提供されれば安全の担保もできると思います。なかなか理想に近づかないということであれば、今の在宅での選択できるサービスが非常に狭いと考えることもでき、例えば重症化してもショートステイが使えるような複合的なサービスも検討しなければいけないのではないかと考えます。
 介護職の専門性につきましても、医行為をできることが専門性であるとするのは私には少し理解ができません。介護の中の専門性を高めていくのは重要なキャリアアップの視点だと思いますけれども、それが直接その医行為ができることがキャリアアップなのかというのは、違うような気がいたします。たとえば、看護の世界だと、ある特別な領域に対してケアがすごく進化するということを専門性が高いと周知がされてきているところなんですけれども、介護の世界では医行為が専門的になるというのは理解ができません。リンクして検討していくということは大事だとは思いますけれども、それは当然介護の中できっちり議論していただければいいかと思いますが、何か議論が違っているような気がしております。
いずれにしても、利用者の安全担保をどういうふうにして、そしてチームケアでどういうふうにやっていくかということを総合的に議論して慎重にいかないと非常に危ない状況が待ち受けているのではないかなという心配をしております。
○大島座長 ありがとうございました。
 太田委員、どうぞ。
○太田委員 太田です。私は、在宅医療を熱心にやっておりますが、今回モデル事業の座長をやったという立場で参加させていただいております。
 今、ヘルパーさんたちが吸引を不安だと感じているという言葉を重く受け止めています。ケアを受ける側、つまり患者さん側が不安を感じるなら問題ですが、不安を患者さん側は不安だと感じてない。やる側のヘルパーさんが不安なのです。そのヘルパーさんの不安はどこにあるのかというと、何かあったときに自分に対して責任がかかってくるという不安と、患者さんを傷つけてしまったらという不安と私は勝手に解釈しています。
 ただいま齋藤委員のご発言で、吸引は安全でないと強調されているように受けとめるんですが、三上委員が言われたように、たんの吸引に限って言えば、そんなにリスクの高い行為ではない。ただ、リスクという言葉を漠然と使っていますが、では実際に何が起こるのかをもう少し医者の立場で明確にしたいと思います。窒息するというようなことを言われる人がいるのです。下手に吸引をすると窒息する可能性があると言われると、この窒息という言葉は余り医学的な言葉ではないですが、非常に重い言葉です。死んでしまうかもしれないということを連想させるからです。
 しかし、私たち医師は、低酸素状態になることはあるかもしれないけれども、それが命と直結しているとは余り考えていません。確かに、有害反射を誘発することがあります。これは子どもの場合には多いです。咽頭痙攣だとか、場合によっては気管支痙攣のようなことは気管の中を刺激すれば生じますので、これは生命に直結する場合も全くないとはいえない。
 ところが、出血というのは、赤い血が目に見えますから、怖いわけです。吸引によって、?@低酸素、?A有害反射、?B咽頭痙攣あるいは?C出血、起こるとすればこれぐらいですね。そして、その出血に関して言えば、最近例えば抗血小板剤を飲んでいる患者でも、抜歯などでは抗血小板剤を切る必要はないとガイドラインが示しています。口腔内の出血はさほど問題と看做されていないのです。窒息して命に関わるというような話ではありません。吸引がリスクの高い行為ではないということを具体的に申し上げておきたいと思います。
○大島座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○中尾委員 
 私は全国ホームヘルパー協議会の会長をしております中尾と言います。今回、たんの吸引の検討会があるということで、取り急ぎ、在宅で実際にヘルパーをしている者たちに簡単なアンケートをしました。その結果がここにあるんですけれども、やはり賛否両論がありまして、現場の者としては不安が大きいというのが現状としてあります。勿論、先ほども言われましたように、利用者さんや御家族の方の要望というのはすごくニーズが高いというのは手に取るようによくわかります。一方で、私たち在宅でやっている者に関しては、この医行為というのが単なるたんの吸引と、経管栄養だけでいいのかという議論にまた言及していきたいんですけれども、医行為とされることが今までも何となくあいまいな形で現場としては進んできたわけです。それが大きな不安材料になっている。できるんだけれども、できない行為というのも大いにあるということです。
 そういうことも踏まえて、アンケート結果から申し上げますと、もしヘルパーが実施するならば、先ほどからも意見が出ていますように、ほかの行為に対する医行為も含めて法整備というのをきちんとしていただきたい。研修を受ければ不安はないだろうというような考え方でなく、やはり研修を受けても受けても技術はどんどん進化していきますので、それで現場のヘルパーとしてはすごく不安を感じているんです。
 ですので、実施できる条件として、法整備をきちんとやっていただきたいということと、安全に実施するための研修が全然整っていない段階で、このことを議論していくというのは、私個人の意見なんですが、やはり無理があるかなということもあります。
 しかし、現場にいますと、アンケートの中にもあるんですが、医行為をしていただけないかという依頼は現実としてあります。でも、医行為ですので、そこではできないんですということでしかお断りすることしかできないというのが現状なんです。ニーズとしては、事業所ごとに平均としてうちの事業所もそうですけれども、2〜3人程度のたんの吸引の方とか、経管栄養の方はもっと多いのですが、そういう方が実際にいらっしゃいます。
 もう一つ在宅における大きな問題としては、ターミナルケアというのがありまして、その中でもたんの吸引と経管栄養だけでなく、やはり医行為という問題がいろいろと出てくるわけなんです。
 そういう中で、たんの吸引などの医行為についての整理があいまいな形で今まで5〜6年もずっと来た。そのことに対して現場のヘルパーというのは不安を抱いています。
現場のヘルパーとしては、法整備をきちんとしていただくこと、研修等の整備をしていただくこと、それも研修をして終わりではなく、在宅で一人ひとり状態が違う利用者さんに対応できる、きちんとそういう研修体制をとっていただきたい、と今の段階では思っています。
○大島座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○三室委員 光明特別支援学校の校長の三室です。特別支援学校、本校では40名ほどの児童生徒の医療的ケアを行っているという立場からお話をしていきます。今、介護士等が実施することには賛成の方向なのですけれども、ただ研修についても、かなり十分な研修が必要だろうと、簡単な研修でOKという問題ではないだろうとかんがえています。特別支援学校でどのように行っているかというと、当然、教員が研修を受けているわけですが、教員だけでなく看護師が配置されていて、看護師と共同で学校では安全に実施するという形をとっています。
 特に研修だけではなくて、安全なシステムをどうつくるのかということも大事だと思っています。ただ、研修を受けた教員がそのままケアをすればいいという問題ではなくて、主治医や指導医という医療的ケアに関するドクターも学校に毎月来ているのですが、そういうドクターと相談をしながら、子どもたちのケアに当たる。ですから、看護師とも連携しているし、ドクターとも連携をしながら安全に行っています。
 特に障害のある子どもたちで成長期でもあるし、障害が進行する時期でもあるということもあって、子どもの状況というのは非常に変わっておりまして、1つのケアができたといっても、そのお子さんの事情によってかなり変わってくるということもありますので、そういうことを含めた研修と安全な指導体制が必要だろうと思っています。
 特に今、吸引のことを言われていますけれども、吸引について東京の特別支援学校ではどうなっているかというと、教員はできない範囲があって、気管切開部のカニューレより先の吸引については、看護師が行うということになっています。そこは行わないとか、医療的ケアの中身においてもより議論していくことが大事だと思っています。
○大島座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○島崎委員 私はこれまでこの問題に関連する検討会のメンバーでしたので、責任の一端があるのですけれども、2つ申し上げたいことがあります。
 1つは、現状は法的に非常に不安定な状態にあるということです。つまり、たんの吸引にせよ経管栄養にせよ、これまでの通知等では医行為であるという前提に立っているわけです。医行為でありますので医療職以外はできない、つまり、医行為であるという前提に立つ以上、業務独占ですから医療職以外はできないということになります。そこのところをどうやって「解除」しているのかと言えば、先ほど説明がありましたように、違法性阻却論に立って「解除」しているわけです。けれども、違法性は阻却されたと言いましても、医行為であるという前提に立っているわけですから、例えばホームヘルパーが在宅のたんの吸引が必要とされる方のところに行ってたんの吸引を行う場合、どういう行為としてやっているのかといえば、ホームヘルパーの業務として行っているわけではなくて、一種のボランティア行為として行っていることになるというのが素敵な解釈だと思います。
 仮に、ボランティア行為だとしますと、もし事故があれば、建前的にはそのボランティアが自ら責任を負う形になっている。また、研修も建前的には業務の一環ではなくオウン・リスクの下で行っているわけで、その意味で、今の状態というのは、たんの吸引等の行為を行っている人に対してリスク負担を背負わせる形になっている。
それでも実際現場では、何とかしなければいけないということでおやりになっている実態があると思いますけれども、申し上げたいことは、施設や在宅で、果たして自分のやっていることが法的にはどういうふうな評価になっているのかといえば、業務の一環としてきちんとした研修も建前的には受けられないという形になっており、非常に中途半端な状態になっているということです。
 このような状態というのはリスキーであり、例えば研修をきちんとさせるためには、法的な位置づけをきちんとするということで対応していくよりないのではないかと思います。それが1つです。
 2つ目は、医行為の範囲・解釈の問題です。確かに医行為であるかないかというのは解釈によるわけで、先ほど御説明がありましたように、例えば昔は血圧を測定することも医行為と解釈されていました。その後、技術進歩といいましょうか、血圧測定計ができ血圧測定は医行為ではないとなったわけですが、いずれにせよ、医行為であるものとそれ以外というように二元的に処理されてきたわけです。
 しかし、その中間みたいなものがあるのではないか。つまり、手術などは典型的な医行為ですけれども、医行為であっても、たんの吸引等は一定の条件が具備されればほかの人でもできるのではないか。あるいはそこの部分の領域というのは、医行為ではないが特別な一定の訓練なりトレーニングを受けなければいけない領域なのかもしれませんが、いずれにせよ、純然たる医行為、医行為ではないもの、その中間的なものという、三元論になっているのではないかと思います。
 たんの吸引や経管栄養以外にも医学的ケアという領域は恐らくあるのだろうと思いますけれども、要は、その領域部分について、どういう条件なりを設けていけば、比較的安全にできるのかという議論になるのではないかと思っております。
 以上です。
○大島座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○川崎委員 特別養護老人ホームで管理者をしております川崎です。よろしくお願いします。
 現場の立場からお話をさせていただきます。今回、特養のモデル事業にも少し関わらせていただきましたが、この研修というのが非常に重要でございまして、実際には介護の現場の職員がどこまで理解できるかというところに非常に時間がかかります。人によってそれぞれ経験も違いますし、教育のプロセスも違いますので、そこを重視しませんと、それぞれの医療従事者との連携と研修というものを明記し、仕組みとしてきちっと表すことで初めて吸引なり医行為というものがある程度できるということに賛成と思います。
 一番心配しておりますのは、やはりこういうお話が出ますと、いきなり解禁という言葉が出てくるわけです。それを知っている方たちは、いやいやこういうことをしなければいけないなと思うんですが、なかなか同じような仕事をしている方たちでも、解禁になってしまったよなというような受け取り方が一番危険だと思っております。
 まずはそのためには、きちんとした連携と研修、安全のためのというところを絶対に抜かしてはいけないと思いますし、それが特養施設の職員を守ってやれることだと思っています。
○大島座長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○川村委員 川村です。今、ヘルパーさんの教育の問題に注目が集まっていて、何かそこがうまくいけばすべてうまくいくような感じがしないでもない議論になっているのですが、自分が昭和50年から人工呼吸器のALSの患者さんの訪問看護をやってきた経験とか、その後最近全国のあちこちのいろいろな方のお話を伺っていると、それがすべてではありません。先ほどお話のあったターミナルケアにおける吸引の方法というのはかなり状態が安定しているときの吸引の方法とは違います。
 また、人工呼吸器を付けていらっしゃる患者さんのことにつきましては、人工呼吸器の着脱を確実にできるのかという問題が大きくあると思います。人工呼吸器の装置がうまくできないと生命維持にかかわりますから、患者様たちもきちんと装着をしてくれるということにとても関心を強く持って、神経質にと周囲から言われるほどに自分の身を守っていらっしゃる。そういうところがあります。そういうことで、吸引をするというだけの技術の問題ではない。その周辺にある大きなこともあると考えております。
 もう一つは、患者様の状態というのは、変わってまいりますので、変化に対してどう吸引法を変えたらいいのか。今、この状態をどう考えたらいいのかということについて、介護の方たちもとても心配をしておられます。それについて私が見てきたところでは、医療チームがきちんとあって、その中でいろいろな相談をしながら、例えば週に1回訪問看護師と介護職がともに訪問をして、問題がなくてもそれが恒常化されていて、今日は状態がよくて何事もなくてよかったね、これが続くといいねとか、こういうことで吸引がうまくいかなかったとか、たんが硬かったとか、これはどうしたらいいだろうかとか。明日の様子を見て次の策を考えようというような話し合いができる中でやっていらっしゃる介護職の方々は、患者様自体も気持を安定させて信頼を寄せていただいていると思いますし、介護職の方たちも安心してやってくださっていると拝見してきております。
 こういうような医療のチームというものが、特に在宅の場合には重要視されるべきではないだろうかと思います。そのことをどうやって担保していくかということですけれども、難病対策の場合には、難病対策の中に在宅療養支援計画の策定と評価事業という項目がありまして、保健所の保健師がこれをやっている。そして、すべての保健所が適切、ここに注目をした活動をしているかどうかはわかりませんが、一部の保健所の保健師はこの事業の中で医療チームがうまくいくように評価をしたり、それの調整をしたり、主治医と相談をしたりしてやっているところがあります。
 そういうところはトータルにこういう介護職が、こういう看護職が、こういう方法でこの方をサポートしている、ここまでやっているということについて、地域としての承認がありますので、大変皆さん安定してやっておられます。こういったようなことが重要かと思います。
 そのことはALSの患者様たちのたんの吸引を容認するという通知書の中の図の中に都道府県とか保健所とか国もきちんと書き込んでいただいてあります。医療チームがうまく機能していくということを担保していくことが大切で、私は介護職の方に研修すればそれでいいだろう、イニシャルの研修をすればそれでいいんだということではない、継続的な安全の担保というものがあるのではないかと思っております。
 以上です。
○大島座長 ありがとうございました。時間が来ましたので、皆さん御意見をいただいたということで、まだお話しされたい方があるかと思いますが、それでは、簡単に。
○橋本委員 やはり本人が神経筋疾患と重度身体障害者を代表して来ていますので、今、お話を聞いていて、もう待てないと申しています。是非、1歩でも2歩でも進んでいただきますようによろしくお願いします。
○大島座長 ありがとうございました。
○因委員 一言いいですか。
○大島座長 短くお願いします。
○因委員 短く1つ。資料3の13ページをごらんになっていただきたいのですが、これは特養におけるモデル事業の資料なんですが、安全性のところでヒヤリハットが267件あるんです。アクシデントが7件発生しているんです。これは125施設の中でこれだけ起きています。
これがなぜ救命救急にならなかったかというと、それは体制がとれていたからです。施設や病院という体制がとれていると、それは大丈夫でしょうけれども、訪問介護は1対1の密室の家の中で行いますので、必ずしもこれを見る限りたんの吸引が安全だとは言えないのではないかと、更に慎重にしていきたいと思っております。
○大島座長 ありがとうございました。今日の御議論を聞いていまして、随分いろんな問題がいっぱい出てきました。これを今、簡単にまとめるというのはとても不可能なので、特に気になったことについて、述べさせていただきます。医療行為そのものを一体どう考えていくのかという極めて本質的な問題ですが、この問題は平林先生が御指摘になりましたが、この会議で議論をしていく前提の1つとして、今の法整備そのものを大きく変える、あるいは医行為そのものを一体どう考えるのかといったところまで踏み込むのは、この会議の役割ではないと考えています。
 では、何をやるのかというと、初めから議論になっていますように、非常に厳しい現状と、今後更に大きなニーズが生まれるところで、黒岩さんが御指摘されたように、必要な医療・介護を必要な人のところいかに届けるのかというのが原点であり、それがすでに非常に深刻な問題になっており、それをどうするのか早急な解決が求められているのだと思います。
 それをどうやっていくのかというところで、今日、いろんなお立場の方からいろんな意見が出されました。乱暴な言い方になりますが簡単にまとめてしまうと、たんの吸引や経管栄養を安全で確実な方法でそれを求めている方達に届ける状態をつくることができるのかということに尽きるのではないかなと。ということになりますと、それはシステムの問題でもあり、研修教育の問題でもありというお話になってくるかと思います。どういう形の研修制度、教育制度、システムを考えてゆくのか、その先にヘルパーの方達がいかに安心して取り組むことができるのか、それらを保証する法制度、法整備ということも視野の中に入れて議論すべきなのかなと思いました。
 技術というのは際限なく進歩します。50年前には大変な技術であったものが、今では極めて安全で当たり前に行われているということはよくあります。こうした技術の進歩と技術移転のあり方といった本質的な議論については別枠できちんとしていただく。
 繰り返しますけれども、今、現場で大きな問題になっているたんあるいは経管栄養の問題をまずどういう形でもって解決していくのかを優先的に考え、その先にどういう問題が出てくるのかということについてはまた改めて考えていくという方向で行きたいと思います。
 ということで、第1回目はまだまだお話しされたい方はいっぱい見えるかと思いますけれども、ちょうど時間ですので、この辺りで示させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○土生振興課長 次回の日程は7月22日10時からを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。


(了)
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