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2010年6月10日 第35回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会議事録

健康局疾病対策課臓器移植対策室

○日時

平成22年6月10日(木)
15:00〜


○場所

厚生労働省共用第7会議室


○議題

(1) 省令及びガイドライン(案)について
(2) 臓器提供意思表示カードの不備記載について
(3) その他

○議事

○長岡補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまより「第35回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会」を開催いたします。本日は、相川厚委員、木下茂委員、町野委員、山勢委員より欠席のご連絡をいただいております。
 また、6月4日付で、新たに社団法人日本医師会常任理事の高杉敬久先生が本委員会の委員にご就任なさいましたので、ここでご紹介申し上げます。
○高杉委員 日本医師会から参りました高杉です。よろしくお願いします。
○長岡補佐 高杉先生、よろしくお願い申し上げます。
 本日は、定足数を満たす13名のご出席を賜っております。
 次に、資料の確認をします。議事次第に沿って確認をしますので、よろしくお願いします。本日の配付資料ですが、資料1-1「臓器の移植に関する法律施行規則の一部を改正する省令(案)」、「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)の一部改正(案)に関する意見募集について」と題された資料が、横長の紙で4頁あります。資料1-2は、「臓器の移植に関する法律施行規則の一部を改正する省令(案)について(概要)」と記したものです。資料1-3は、「臓器の移植に関する法律施行規則一部改正(案)新旧対照表」で、縦書きの資料ですが、9頁まであります。資料1-4は、「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)一部改正(案)について(概要)」と記した資料で、2頁まであります。資料1-5は、「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)一部改正(案)新旧対照表」で、横長の資料で12頁あります。
 次に資料2ですが、資料2が「臓器提供意思表示カードの記載不備事例の取扱いについて」と題された資料で、これは3頁です。
 参考資料1は、「施行までのスケジュール」ですが、これが2頁あります。最後が参考資料2「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律による脳死判定・臓器摘出の要件変更について」と題されたものです。配付資料は以上です。不備等がありましたら、事務局までお伝えいただければと思います。
 また、机の上に紙ファイルを2種類用意しております。1つは白いテープを貼ってあるもので、現行の法令・ガイドラインをまとめたものです。もう1つは、第31回、第32回の委員会で研究班・作業班より報告をいただいた資料で、黄色のテープが貼ってあるものです。これらは議論の際の参考ということで置いてありますので、よろしくお願いします。
 なお、この資料は次回以降も使用しますので、会議終了後は持ち帰らず、机の上に置いておいていただければと思います。以上、資料の確認です。不備等が特段なければこのまま進めさせていただきますが、よろしいでしょうか。
 それでは、以後の議事進行については永井委員長にお願いしたいと思います。報道のカメラの方、いらっしゃいましたらここでご退室をお願いします。よろしくお願いします。
○永井委員長 この委員会では、これまで今年の7月の改正法施行に必要となる省令・ガイドラインの改正案について議論してきたところです。改正案につきましては、先日パブリックコメントが終了しました。本日は、寄せられたご意見に対して事務局からご報告いただき、委員会としての取りまとめの議論を行いたいということです。また、前回ご了承いただいた「新しい意思表示カード」における記載不備に関する基本的考え方についてご議論をいただくことになっております。よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入りますが、初めの議論は7月の改正法施行に向けた省令・ガイドラインの改正案についてです。パブリックコメントの結果がまとまったということですので、事務局よりご報告をいただいた上でご議論をお願いします。まず、省令・ガイドラインのパブリックコメント結果についてご報告をお願いします。
○辺見室長 資料1-1をご覧ください。パブリックコメントは、5月7日(金)から6月5日(土)までの1カ月間ほど行いました。合計20件のご意見・ご提案が寄せられました。主なご意見・ご提案について、以下のとおりお示ししております。趣旨が同じようなものについてはまとめたり、1つの意見の中で2つ意見があるような場合は、これを分けた形で整理をしております。
 1頁に掲げられている3つですが、これは省令に関するご意見・ご提案です。省令は脳死判定基準に関することですので、これについてのご意見です。1は「省令においては詳細が示されていない」ということですが、考え方のところで、右側にありますように「判定の具体的な手順等については、ガイドライン等において規定をしている」ということです。2は「妥当性についての検証が不十分ではないか」というご意見ですが、「厚生労働科学研究において収集された医学的知見をもとに、専門家によるご意見を踏まえて規定をしたものである」ということです。3ですが、「小児については慎重に判定を行うべき」ということですが、「小児の特性を踏まえた脳死判定基準としている」ということです。
 2頁ですが、この頁からはガイドラインについてのご意見です。1の一番上ですが、「『知的障害者について当面見合わせる』となっているけれども、『当面』というのは、今後変わる可能性があるということを含んでいるのではないか」ということです。基本的には、知的障害者の取扱いについては、国会審議における答弁等を踏まえて現行ガイドラインの基本を維持ということで、現行において当面見合わせるという趣旨ですので、この部分も含めて現行を維持ということです。
 2つ目は知的障害者の範囲についてのご意見です。ご意見としては、「手帳の取得の有無が判断基準となると限定的になる」というもので、ガイドラインではかぎ括弧で引用しておりますが、「主治医が家族等に対して病状や治療方針等の説明を行う中で、患者が知的障害者等の臓器提供に関する有効な意思表示が困難となる障害を有する者であることが判明した場合においては」としております。手帳の有無だけではなく、個別の事情に応じて慎重に判断をしていただくということです。1の項目に入っている3つ目のご意見ですが、免許証に意思表示を記載するということですが、3年の方もいらっしゃれば5年の方もいらっしゃると思いますが、免許証は更新時期がありますので、最初に書いた意思を5年間そのまま認めるのは無理があるのではないか、毎年問うべきだということです。基本的には記載したものを変更することもあり得るわけですので、そういったことも踏まえて周知に努めていきたいということでお示ししております。
 次に項目2番、ガイドライン5関係です。虐待の関係ですが、「虐待に関して『病死又は事故死であり、明らかに虐待でない場合を除いて』という文面を追加してはどうか」というご意見です。つまり、明らかに虐待でない場合は提供可能としてはどうかというご意見ですが、改正法附則5項の趣旨を踏まえれば、病気や事故の場合であっても、当該児童について虐待が行われた疑いがあるかどうかを、虐待対応のための院内体制の下で確認することが必要ということで、ガイドラインにも規定しておりますので、その旨を記載しております。
 2つ目は角膜に関してですが、「角膜に関して必ずしも児童虐待に対する院内体制が整っていない、例えばがんを専門に扱っている病院等からの提供があるのも実情である。こういったような場合には、虐待が行われていたかどうかの確認ができない場合もあるので」というご意見です。こちらも上の答えと同じ趣旨になりますが、改正法附則5項の趣旨を踏まえますと、心停止後の死後の臓器提供の場合も対象としておりますので、このような場合も、院内体制が整っていない施設では虐待が行われていたかどうかの確認がきちんとできないということもありますので、臓器提供を行うことができないと考えているということを記載しております。
 次の頁です。これも虐待の関係ですが、「被虐待児の判断は難しいので、書面上の判断ではなくて、よく観察して慎重に行う必要がある」ということですが、ガイドライン上施設において体制を取った上で確認するということですので、決して机上の判断ではないということです。
 3番、ガイドライン6関係です。脳死判定に至る手順のところで、法的脳死判定を行う前段階の確認の中で、「『自発的呼吸の消失』についてどういう取扱いなのか」というのが意味不明だということが、従来から指摘されていたところです。そこが明確になるように書き直したところですが、明瞭になったという評価をいただいております。明瞭になったということだけですので、回答欄のほうは記載しておりません。
 項目3番の下のほうですが、「本人意思が不明の場合の取扱いについて明らかではありません。拒否の意思があとでわかった場合どうするのかを明示すべきです」ということです。基本的には、臓器提供の現場において必要な確認手続をしっかり行うことが大切だと考えておりますので、ガイドライン(案)ではコーディネーターは臓器を提供する意思がないこと、または法に基づく脳死判定を行う意思がないことの表示については、十分注意して確認していただくということを規定しております。また、より確実に確認するという趣旨も含めて、拒否の意思表示自体は書面によらないものも有効ですので、臓器移植ネットワークのホームページから登録できるいわゆるシステム上の登録についても、よくよく注意をしていきたいと考えております。
 4番、ガイドライン7関係ですが、「『一般の脳死判定については従前の取扱い通り』とあるが、これは医療の発展等によって変わってくることを意味すると思われる。そうであれば、長期脳死患者についても脳死だから死と判定されて、治療の継続が不可能になる場合もあるのではと危惧をされる」ということです。一般の脳死判定というのは、臓器移植にかかる脳死判定以外の場合ということで、その部分は別にガイドラインを改正しているわけではないので、従来からの取扱いについてのご意見ですが、ここは変えていないという趣旨を説明しております。
 4頁です。その他の意見ということで、ガイドラインの特別の箇所ではないものを列記しております。項目1ですが、「一律に脳死は人の死と決まったものではないということを明記すべき」とか、「長期脳死の事例等から、脳死が人の死であることを証明できないのではないか」、つまり脳死が人の死であるということについてのご意見ですが、これについては今回7月17日の法施行の前に、1月に親族優先絡みの施行がありまして、そのときに法改正の趣旨も含めて各都道府県に通知を流しております。そういったものについて周知を図っていることを、この考え方のところに明記しております。
 2つ目ですが、「15歳未満の子どもの意見表明を担保する方策を考えるべきではないか」ということです。担保するということの意図するところもなかなか難しいところですが、基本的には知っていただいて表示をしたいという場合に表示をするということかと思いますので、15歳未満の方についてカードに書くことも可能であるとか、ネットワークの登録システムに登録することも可能であるということも含めて、普及啓発の中で周知をしていきたいということです。その趣旨のことを書いているということです。
 3番目ですが、「虐待を見落とすと、虐待した親の気持ちから臓器提供を承諾するといったことがあるのではないか」と。つまり、改正5項の制定の趣旨にある意味沿ったご意見かと思いますが、これは改正5項の趣旨を踏まえて、ガイドライン5において虐待を受けた児童への対応について規定しているということをお示ししております。
 4番は「コーディネーターの教育をしっかりしてほしい」ということです。これはむしろ実行上の話ですが、法改正の内容も踏まえ、また法改正後の提供事例の増加の見込みといったものもありますので、そういったことも踏まえてしっかりと対応していきたいということです。
 5番目ですが、国際移植学会の宣言やWHOの指針等を踏まえて、渡航移植ではなく国内での移植を促進することが急務であるということからすると、「主治医に臓器提供に関する情報提供をご家族にすることを義務づけるべきではないか」ということです。「義務づけ」という言葉をどれだけ強い意味でお書きになっているのかにもよりますが、法的な意味での義務づけということをあえておっしゃっているのであれば、それは困難ですが、ガイドラインの中には標準的な手順として、主治医が家族等の脳死についての理解の状況を踏まえて臓器提供の機会があることなどを告げるということを示しております。当然、この前提として、標準的手順の前に家族等の理解に資するような普及啓発のあり方は考えていかなければいけないし、実行していかなければいけないと思っておりますので、そこはガイドラインとは離れますが、そういったことも考えております。
 最後に、「臓器移植が推進され、臓器提供したい人の意思が十分に活かされるよう、国民に対しての誤解や偏見を与えることがないように、改正にあたって十分な説明を多くしていただくよう希望する」というご意見です。当然必要となってくることで、国及び地方公共団体の責務として、普及啓発のための施策を講じるということが法律で規定されておりますので、これも踏まえて取り組んでいきたいと。ここには書いていない話で、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、先だって省内事業仕分けが行われ、臓器移植ネットワークも対象になりました。普及啓発に積極的に取り組んでいくべしという、むしろ一般的な方向とは逆向きなご意見をいただいておりますので、私共としてもさらに気を引き締めて、しっかり取り組んでいきたいと考えております。資料1-1のご説明は以上です。
 資料1-2〜資料1-5は、パブリックコメントに付した省令・ガイドラインの概要及び内容です。いまご紹介したご意見と厚生労働省としての考え方は以上のとおりですが、これを踏まえると、改めて省令及びガイドラインについて修正をする必要はないのではないかというのが事務局の考えです。以上です。
○永井委員長 ありがとうございました。ただいまのご説明に関して、どこからでも結構ですので、ご意見、ご質問等がありましたらお願いします。
○宮坂委員 パブリックコメント全体で20ということですが、それを考えても全体として国民の懸念するようなことが幅広く、バランスよく出ている気がしました。いま事務局からご発表のあったことは基本的にいいと思いますが、1つだけ質問があります。2頁の眼球(角膜)移植のところで、これはコメントの方がおっしゃっているとおりだと思うのですが、たしかに今回改正されることによって、脳死でない移植も虐待の可能性をちゃんと否定することが求められると。これもそのとおりだと思うのですが、実際どのぐらい現状で問題になるのか、これをすることによって何か困難が生ずることがあるかどうかを確認したいのです。方向はこれで賛成なのですが。
○辺見室長 手元に数字がないのですが、全体的に見て、これまでの心停止下腎移植、角膜移植の数値を見たときに、18歳以下の腎臓の場合7、8割ぐらいは4類型施設、逆に言えば脳死判定を行う体制が取れる施設と被ってくると。そうすると、残りの2〜3割ぐらいがどうかということですが、これもおそらくいきなり小さな病院になっているということではなくて、先生の病院もたぶん4類型には入るかと思いますが、そういった部分も含めてということになると思いますので、数的なインパクトという点においては限定的なものかなと考えております。むしろ、現在の虐待に関する取組みは、大きさと無関係に、医療機関も含めて地域の関係機間が連携して取り組んでいく形に動いている状況ですので、そういった今後の動きも考えれば、さらに数的には限定なものになるのかなと考えております。
○宮坂委員 いまの後半のお答えは、全くそうだと思いますが、これで世の中がいい方向に動いていくのだと思いますので、これで結構だと思います。
○大久保委員 同じようなことなのですが、体制がきちんと取れる、要するにここで書かれているのはどの程度の体制を取らなければいけないのかが少しわからないと思うので、委員会を作る、防止委員会、倫理委員会を含めて、それだけ病院自体が全部対応できるのかどうか。もう1つは、もう少しきめ細かく提供施設、いままでに腎提供されて4類型に入っていない施設に対しても、どの程度のことをしなければいけないか、是非もう少し具体的に相談に乗ってあげていただきたいと思うのです。彼らはいままで協力していたから、これからも協力したいと思っていると思うので、これだけ大層なことをしないのかなと思ってしまうと、引いていかれても大変なので、その辺をもう少しきめ細かく対応をしていただきたいと思います。
 もう1つは、この文面自体はしょうがないのかもしれませんが、提供施設の責任というか、提供施設が虐待を見抜けなければいけないということで、かなり厳しいことがいろいろ出てくると思うのです。ネットワークが出てくるのであれば、少し疑われるときは必ずネットワークに連絡をしなさいとか、運用面でできるだけ大きな負担がかからない方向で考えていただければと思います。
○辺見室長 ご指摘の点も、当然重要なポイントだと思っております。私共はこのガイドラインを発出するにあたって、いわゆる関係機関、地域における関係機関もありますが、児童相談所を担当する部局、警察であれば警察庁等と相談をしながら、できればそれぞれの現場に対してこういった法の趣旨も踏まえて、常に関係機関と連携しながら虐待対策を進めていく流れの中に位置づけて対応してほしいという通知を、それぞれ出すようにしたいと思っております。
 そうした中で、例えば現在の児童相談所を中心とした虐待対策の中では、いろいろなメニューがあります。例えば、医療機関の医師などを対象とした研修を実施することも自治体の判断でできるような事業もありますので、そういった事業へ児童相談所ルートでは参加できるように配慮してくださいと、うちではこういった事業があるので参加するようにしてくださいといったことをするとか、それより以前に、研修に行く前から日ごろから連携を取ってくださいといったこととか、そういったことも含めて、あとはどういう連携の取り方があるのだという話も、可能な限り情報提供して、必要なことをどんどんやっていきたいと思っております。
○永井委員長 これは何かQ&Aを付けることは可能でしょうか。そこまで考えていらっしゃらないのですか。
○辺見室長 必要なQ&Aは当然付けなければいけないと思っていますし、あとでご説明しますが、施行に合わせて説明会を行っていきます。そうするといろいろな質問等も出てくると思いますので、Q&A等が必要になれば、随時対応していきたいと考えております。
○宮坂委員 先ほどもお話したことですが、今回臓器移植法の改定が、脳死の方からの臓器の提供に関してオプトインがオプトアウトに変わるということに非常に注目されて始まって、それに関わって子どものことが出てきたことは、割と皆さん知っていると思うのです。その中で、親族優先とか虐待児の問題とか、今回のように脳死と直接関係ない移植にも関わるという、あまりいままでに知られていなかったことがたくさん入っていますので、今回7月17日の施行があるのですが、それから先そういうことを丁寧に厚生労働省のほうで啓発をしていただくのが非常に重要かなと思います。
○山本委員 私は前回も「脳死」という言葉について、「法的脳死」「臨床的脳死」という言葉も皆さんのほうで感じる違いがあるわけですが、今回「長期脳死」という概念が出てきておりますが、確かに小児では脳死になってから心臓死まで非常に長い症例はありますが、またここで「長期脳死」という言葉が出てきて、それが当然としてそうなってくれば、人の死との感じが違ってくるように、一般の人たちは感じるのではないかと思うのです。それをあまり安易に使わないほうがいいと思いますが、見解をお尋ねしたいと思います。
○永井委員長 いかがですか。ガイドラインに「長期脳死」という言葉が出ているわけではないですね。
○辺見室長 山本委員のご指摘の趣旨はもっともだと思います。いま委員長からお話がありましたように、ガイドラインに直接用いているわけではないのですが、こういった形で用いる場合には、ほかの用語もそうだと思いますが、用語の使い方には気をつけていきたいと考えます。
○山本委員 是非、よろしくお願いします。
○松原委員 私も、脳死というのは一般の死と同じだと感じていたのですが、一般の死とは違うのですね。書いてあることに関して、どのように判断したらいいのかわからないのですが。
○永井委員長 書いてあるというのは、どの辺りですか。
○松原委員 脳死は一般の死ではないとなっていますね。
○永井委員長 4頁の3の1でしょうか。
○松原委員 「脳死が人の死であるのは、改正後においても、改正前と同様臓器移植に関する場合だけであり」と。
○永井委員長 3頁のいちばん下のところですね。
○辺見室長 「一般の脳死判定については」という件なのですが、臓器移植の場面以外においても、いわゆる脳死の状態、全脳機能の停止状態になることがあるわけです。そういった場合に、その治療方針を決める、要は積極的な治療を行うのか消極的に切り替えるかということですが、そういった治療方針を決める上で脳死の判定を行う場合があります。このガイドラインで言っているのは、そういった治療方針を決める際の脳死判定の話については、このガイドラインで決めているわけではないということを言っているだけの話なのです。
○永井委員長 よろしいですか。
○奥山委員 山本委員がおっしゃった「長期脳死」に関して、小児の脳死判定基準の研究班の最後のほうに、そういう状況があるのだということを十分ご家族に説明してくださいということがあるのですが、そのときにもし「長期脳死」という言葉を使わないとしたら、脳死の状態で長く生きられる方もいますよという説明をしなさいという意味ですか。
○山本委員 あまり四文字熟語的な話をすると、それだけが動いていきますので、先ほど松原委員もおっしゃったように、脳死と人の死はどこが違うのかという端的な質問がまた出てくるわけです。人の死と臨床的脳死とどこが違うのか、あるいは移植をするときだけと言っても、移植をしない人だってあるわけで、それはどうなるのかと、グルグルと堂々巡りをするようなことが起こらないように、「長期脳死」という概念も長く生きられる脳死状態、長く生きられる人を言うのだというぐらいで止めておいたほうがいいのではないかという意味合いです。
○大久保委員 だけど、これはこの話としては絶対おかしいので、脳死で生きられるのではなくて、脳死は人の死だということがここに書かれているわけです。脳死は人の死なのだけれど、いま日本では法的脳死判定をしたときのみ死とするという形であって。
○山本委員 だけど、それはここに出ている脳死イコール人の死というのは、臓器移植をするという前提のときに、人の死になりますよという概念が、多少狂ってくるのではないでしょうかと言っているのです。
○大久保委員 この法律のもともとの精神は、脳死は人の死なのです。それを決めたことは決めたのだけれど、それを運用としてやるのは法的脳死判定をしたときだけにしてくださいと、限ったのです。脳死は人の死だということは、この法律は初めて書いたのです。それは法の精神だと思うのです。
○山本委員 そこは違うんですよ。
○永井委員長 そこはちゃんと事務局に説明をしていただいて、大事な議題なので。
○山本委員 それは絶対違いますよ。
○大久保委員 そんなことはないですよ。
○辺見室長 おそらく、この部分については非常にご意見が多いところだと思いますし、国会においてもいろいろなご意見がされたところですので、審議の過程で説明された言葉を用いて説明していくのがいちばん誤解がないと思います。概要になっておりますが、4頁の3の1で、「脳死が人の死であるのは、改正後においても、改正前と同様臓器移植に関する場合だけであり、一般の医療現場で一律に脳死を人の死とするものではない」という説明がされておりますので、基本的にこの立法の背景となる考え方としてはこういった考え方であると、私ども行政の立場としてもそのように説明したいと思います。ご議論はいろいろあると思いますが、見解ということであればこういったことですので、よろしくお願いします。
 奥山委員の先ほどの話の流れかと思いますが、ご趣旨のとおりかどうかはわかりませんが、山本委員がおっしゃった「長期脳死」という言葉を使うかどうかは、「長期脳死」と簡単に言ってしまうのではなくて、奥山委員がおっしゃったように、長く続く場合があるといったことについてわかりやすい言葉でご説明していただくほうがいいのかなと思います。それはそういうご趣旨でよろしいでしょうか。
○山本委員 全くそのとおりです。
○永井委員長 ほかにいかがでしょうか。ご意見ございませんか。もし特段のご意見がなければ、この委員会としては現在の案で了承したということにしたいと思います。よろしいでしょうか。
(異議なし)

○永井委員長 それでは、そのように扱わせていただきます。
 次の議題に移ります。「新しい意思表示カードにおける記載不備の取扱いについて」、ご議論をいただきたいと思います。前回の委員会でカードの様式変更についてご了承いただいた際に、作業班での検討をお願いするということにしておりました。先般作業班が開催されましたので、事務局から検討結果についてご報告をいただき、本委員会としてもご議論いただくことにしたいと思います。作業班における検討について、事務局よりご報告をお願いします。
○辺見室長 それでは、資料2についてご説明します。「臓器提供意思表示カードの記載不備事例の取扱いについて」と題した資料です。
 現状ですが、臓器提供に関する意思を表示する書面については、本人が独自に作成することも可能ですが、実際には法の求めるところに適うものとして作成することは難しいので、厚生労働省及び臓器移植ネットワークが意思表示カードを作成し、頒布しております。また、今回法改正に伴い、免許証や保険証の裏に順次記載欄が設けられると。保険証の場合は保険者の判断が入りますので、順次ということになると思いますが、その際にも基本的には同様のパターンで書かれるということです。
 新しいカードについて、先ほど委員長からもお話がありましたように、前回の委員会でお諮りしましたが、具体的には2頁に表と裏を書いております。表のデザインは変わることがあり得ると思いますが、電話番号等が書いてある点は変わりません。裏がポイントですが、従来の選択肢とは変わって、脳死及び心停止後に臓器提供が可能だという方については1に○を付けてもらう、心停止後に限るという方は2に○を付けてもらう、提供しませんという方については3に○を付けてもらい、臓器の選択についてはその下に書いてもらうと。特記欄がありますが、親族優先提供を希望される方はここに「親族優先」と記載し、皮膚等の組織の提供希望がある方についてはこちらに記載していただくという作りです。
 1頁ですが、こうしたカードをなるべく意思表示の内容が誤解がないようにということで、従前のカードとは変えて、新しい法律に合うように直したわけですが、そうした場合においても、カードに不備の記載が生じる場合があります。特に課題に書いてありますように、改正後においては、臓器提供の意思が有効に表示されていない場合に不明と解釈するのか拒否と解釈するのかによって、扱いが変わってきます。不明ということであればご家族の同意ということになりますし、拒否ということであれば拒否ですので、提供はせずということになるわけですが、この辺りが重要なところとなっております。そういったことを踏まえて、新しいカードで不備と思われる事例が発生した場合の取扱いについて、考え方を整理しておく必要があるということです。
 平成9年に臓器移植法が施行になり、その後当時のカードについても記載不備の事例がいくつか出てきます。これについて事例を集めて、平成16年に当委員会等でご検討いただいて、記載不備事例の場合はこういう判断をするというのを示したことが過去にあります。今回、そのときの記載不備のパターン、カードの様式が違いますので少し違うのですが、併せてこういったパターンの間違いだったらこうだということを、具体的に示すことも考えてはみたのですが、実際にはまだ配られていないカードですので、背景事情等がなかなかわかりませんので、現時点においては基本的な考え方を整理しようということになっております。
 基本的な考え方として整理されたものが、3以下です。(1)は当たり前の話ですが、まず新しいカードを導入して、そのカードで不備記載事例が発生しないようにすることが重要だということです。リーフレット等を配りますが、記載内容がわからないところがあったら、先ほどのQ&Aなども場合によってはあり得るかもしれませんが、そういったもので補いながら、記載不備事例が極力発生しないような努力をしていくのがいちばん大切なことだということです。
 その上で記載不備が発生したときにどうするかですが、臓器移植法の基本理念からすると、本人意思を尊重するということですので、あまり推測等を混じえるのではなく、できる限り客観的に本人意思を判断すべきだということです。その際、記載不備があっても方向的に同じ方向で、矛盾がない場合は家族等の証言を踏まえて本人意思を判断することができるであろうと。ただ、先ほどのカードの1で「脳死でも心臓死でも提供するという所に○を付けながら、提供しませんという所にも○を付けていたといった相矛盾する内容の場合、これは本人の意思が判断できないので、当該書面に表示された内容は不明と扱わざるを得ないということです。
 ?Aですが、法律上拒否の意思表示は書面によらないものであっても有効ということですので、仮に1と3に○を付けたカードがカードとしては意思表示が認められないものであったとしても、別途口頭で拒否の意思表示が示されている場合には、当然本人も拒否の意思があったことになりますので、カードが不明だからということによって一律に不明とするのではなく、家族から拒否の意思表示についての確認を行うことによって、そういったものがある場合には、法に基づく脳死判定及び臓器摘出は行わないといった対応が必要であるということです。まずはカードの不備が生じないことが大事だと言いながらも、いろいろあり得るので、現場のコーディネーターに一定の考え方をお示しする必要があると思いますので、こういったものをお示ししたいと考えております。以上です。
○永井委員長 ただいまのご説明に関してご質問、ご意見をお願いします。
○高杉委員 以前から思っていたのですが、そこまで本人の意思を重視されるのなら、1の場合の臓器提供と2の場合の臓器提供と、心臓死で心臓は提供できませんので、そこをきちんと分けるべきかなと。意思表示を大切にするのなら、それはできないのだということを教えてあげなければいけないという気がします。
○辺見室長 提供する臓器の選択をどういう形で書くかですが、別途作業班でご議論いただいたときにもご意見をいただきました。実際にはこれだけの限られたカード面ですので、これと併せて配るリーフレットがあります。こリーフレットに、脳死の場合提供できる臓器、心臓死の場合提供できる臓器をしっかり書いて、ご理解いただくようにしたいと考えております。
○山本委員 1と3、2と3と重複が多いというのは、これからも多くなってくるだろうということは想像できますが、いずれかの番号を見積りを入れて1つ○で囲んでくださいということでは駄目なのでしょうか。アンケートでも何でも、こういうものがあると重複は可だよとか、いくつでも○を付けろとか書いてあるのがたくさんあるので、何となく○をたくさん付けてしまう人がいるのではないかと感じますが、いかがでしょうか。
○辺見室長 非常に微妙なところだと思っています。この場面で1つのと書いてしまうと、字数が多くなってゴチャゴチャすると、また見づらい面もありまして、多くするのがいいのか簡単にするのがいいのかというバランスが非常に難しい。さらに、免許証や保険証になると一面使えません。免許証だと半分ぐらいになりますので、そうした中でも誤解がないように、ぎりぎりのところで考えるとこんなところかなと思っているのです。もし、山本委員がご懸念のように、そういった間違いがたくさん出てくるようなことがあれば、そこの時点でもう一ひねりしないといけないかなと思いますが、現時点では。
○山本委員 今回は3つ、脳死でいいよ、心臓死でいいよ、いやだよと、非常にクリアになりましたね。だから、2つ、3つ付ける人は少なくなるかもしれませんが、1つのアイデアとして。
○奥山委員 疑義ではないのですが、リーフレットを作るときに、たしかにゴチャゴチャするのであまり細かい字はと思いますので、例えば漢字を読むのが苦手な方でも読めるようにルビを振って、わかりやすくリーフレットをお作りいただきたいと思います。
○辺見室長 基本的に、読みにくい字には振るように心がけております。読みにくい字は人によって違う場合もありますので、修正するタイミングには注意しながらやっていきたいと思います。いま作る段階でも、注意しながらやっております。
○奥山委員 先ほどパブコメでもありましたように、お子さん方にもわかっていただくということを考えたときには、できればお子さん用のリーフレットもお作りいただきたいと思います。
○相川(直)委員 細かいことですが、今回「臓器提供意思表示カード」の案を見せていただきました。これは前見たときによくなったと思ったのですが、たまたま今日の資料にはそれを白黒のコピーでとったものが付いております。色覚の異常がある方も間違えないように同じように扱うためには、白黒のコピーのほうでは赤で強調された所が薄くなってしまって、強調が取れてしまっているのです。おそらく色覚異常の方は、実際にはこの白黒のコピーのように見える可能性があると思います。ですから、字を太くするなりして、しっかりと強調が反映されるような形で印刷、フォントなどを気をつけていただければありがたいと思います。
○宮坂委員 これも細かなことかもしれませんが、いままでの臓器ドナーカードは、1、2両方○にするのが普通のパターンだったわけです。今回、1と2を両方書く方が結構増えるかもしれない気がするのです。それを防ぐのにどうしたらいいかというと、あまりいい案はないのですが、いろいろな案が出てくると思うので、その辺のことを考えていただきたいと思います。例えば、「脳死後」の辺りに点を入れるとか、何か工夫ができるかなと。あまり思いつきで言いたくはないのですが、1、2は長年ドナーカードを見慣れた立場から言うと、1つだけというのは違和感があります。
○永井委員長 私から質問ですが、このバーコードはどういう意味があるのでしょうか。
○長岡補佐 このバーコードは携帯電話で読み取るQRコードというもので、これを読み取ると、携帯電話で日本臓器移植ネットワークの意思登録システムにアクセスできます。これを携帯電話で読み取れば登録システムにつながるわけですから、カードに書かずにそちらから登録することも可能ということで、併せて配るリーフレットの中でもご案内をすることにしております。このカードに書いて持っていただく、またはQRコードから登録ページに飛んでインターネットから登録をして、送られてきたカードを持っていただくと、両方ともできるようにしております。
○永井委員長 ほかにご意見ございますか。よろしいでしょうか。
○辺見室長 まとめてになりますが、奥山委員からいただいた子ども用にということについては、今年中すぐにできるかどうかはわかりませんが、課題として検討していきたいと思います。また、相川委員と宮坂委員からいただいたカードのことですが、7月配付分はもう印刷に入っておりますので、ご容謝いただければと思います。今後刷直し、刷増し等をしていくことになると思いますので、その際には気をつけていきたいと思います。
 宮坂委員のご指摘の点については、私も非常に気になりまして、いまの案で死後の「いずれでも」というのが、いまの状況のぎりぎりの工夫です。これで有効かどうかは、また確認をしないといけないかなと思います。
○相川(直)委員 7月からのものはすでに印刷していると。よろしいと思います。黒よりも赤のほうが明度が高いのです。ですから、白黒で見ると、明度の高いものはコントラストが下がってしまう。だから、赤ももっと黒い赤とか、明度が低いインクがあると思いますので、そうすればかなりはっきり出ます。実際に見てみると、ボールドは同じになっていますから、明度の問題だと思います。
○大久保委員 日本臓器移植ネットワークは、毎年中学生向けにパンフレットを出していまして、それは非常にわかりやすいのです。つい先日5月に2万枚ぐらいを配付させていただいたのですが、皆さんから、このほうがはるかにわかりやすく、とてもいいパンフレットだと言われました。一般の方がそうおっしゃるので、そういう意味では、中学生向けに作ったパンフレットはとてもわかりやすくて、このほうがいいというくらいなので、その辺も考えていただければと思います。
○長岡補佐 補足させていただきます。宮坂委員からの、今後は1番、2番と、両方付けられる方がいるのではないかという点です。1つの工夫としては、この緑の新しいカードができた暁には、一斉に切り替えようと思っております。新旧両方のカードが平行して配られることになると、そういった誤解が生じやすくなることもありますので、7月になったら徐々に切り替え、未配布のものは全部回収をして置き換える形にして、7月17日には緑色のカードが並ぶ形にしていきたいと思っています。
○山本委員 ここを「いずれか1つ○を」とすれば、すべて解決するのです。
○相川(直)委員 「番号」と「を」の間に、「いずれかの番号1つ」を入れれば。でも、差し当たっては印刷してしまっているのですよね。次の印刷のときは、色は少し変えてもらってもいいかもしれませんが、文章を変えると困るのでしょうかね。私は1つには固執しませんが。
○永井委員長 ほかにご意見はございませんでしょうか。ございませんでしたら、記載不備事例の取扱いについては、本日ご報告いただいたような案で、特に問題はないということで、事務局よりコーディネーターの方々に周知を行っていただくことにします。どうもありがとうございました。
 次です。最後の議題ですが、「改正臓器移植法の施行に向けた今後のスケジュールについて」です。事務局より簡単にご紹介いただきます。
○辺見室長 参考資料1で、施行までのスケジュールです。6月10日、本日ですが、省令・ガイドラインをこちらでご了承いただければ、17日の予備日は開催しなくてもいいかなと思っています。これを踏まえて、6月中下旬に、省令・ガイドラインの改正を行います。省令は官報に掲載する手続きが必要ですので、その辺の日程を考えまして、下旬になるかもしれませんが、なるべく早く発出したいということです。
 この発出されたものを踏まえ、周知を行っていかなければならないわけですが、7月13日には、都道府県の担当者向けの説明会を開催します。また、医療機関向けの説明会を、東京、大阪、名古屋の3カ所で、7月中下旬にかけて行います。また、新しいカード、リーフレットの配付を行うとともに、ホームページでの関係情報の掲載を行います。
 併せて、1月の施行時に関係学会を通じた周知もお願いしておりまして、同じように今回も、学会のホームページ等ですと、現場のドクターに情報が伝わりやすいので、そういったこともお願いしていきたいと考えています。施行前後で、こういった一連の周知活動を行っていきます。
 次頁です。上下段に分かれています。上段は前の頁と一緒で、新しい制度を普及・周知していくための流れです。制度の周知も含めて、より広く臓器移植、移植医療についての普及啓発を進めていく必要があります。本年度の予定で申し上げますと、10月に臓器移植普及推進月間がありますので、施行後、この推進月間も睨みながら、諸々の普及啓発活動を進めていきたいと考えているところです。
 皆様方、いろいろな形でご協力をお願いすることもあろうかと思いますので、その際にはよろしくお願いいたします。
○永井委員長 ただいまのご説明に、ご質問、ご意見をお願いします。医療機関対象の説明会というのは、全国何ヶ所かでなさるのですか。それとも厚生労働省で予定されているのですか。
○辺見室長 全国3カ所です。東京、大阪、名古屋と書いているのは、日本臓器移植ネットワークが、東日本支部、西日本支部、中日本支部と、この単位で動いていますので、その単位で行いたいということです。
○永井委員長 ほかにいかがでしょうか。
○貫井委員 普及・啓発はいいのですが、虐待に関しては、現場から細かいところで迷って、相談したいという声が必ず出てくると思います。そのときに、どこに相談したらいいか。現場に行って日本臓器移植ネットワークのコーディネーターがいちばん困るのです。
 研究班の報告書には、分担研究者の山田先生が、こういうところで自発的に相談を受けると書いてありますが、これは脳死下臓器移植施設には送りましたので、そういう施設は知っていると思いますが、先ほど問題になりましたが、それに入っていない心臓死下での臓器提供、角膜の提供をするような施設で、厚生労働省に実際的な細かい虐待の問題を相談しても難しいと思うので、何かルートを作っておいてもらったほうがいいのかと思います。
 大変でしょうけれども、例えば奥山委員のところに日本臓器移植ネットワークへ電話するよと。というのは、私自身は、法的脳死判定のときに、本当に細かいこと、ちょっとしたことです。現場の人たちは法的な責任を持っていますから、多少アドバイスをしてもらうと、安心してやるのです。そういうものも作っておいてもらったほうがいいのではないかと思います。
 ここに小中委員も奥山委員もおられるのですが、コーディネーターがどうしたらいいかをしばしば聞かれて、個人的に2人でやってもらってもいいのではないかと思うのですが。というのは、厚生労働省として、公的に相談窓口は難しいのですね。だから、そこら辺は何か工夫してもらったほうがいいと思っています。私は体験上そのように思っています。
○辺見室長 奥山委員、小中委員のお名前もありましたが、具体的なところで工夫できることがあるのかどうかは、今日この場では難しいと思いますが、ご意見をお伺いしたいと思っています。
 一方で、虐待に関して申し上げますと、各地域ごとでの取組みもあると思いますので、移植の場面でどうするかという以前に、この施行を期に、地域の関係機関間での連携を深めていただくことは、是非進めていただきたいと思います。これによって、疑いがある場合には児童相談所に通告をとなっていますが、通告の前に相談をというのはあり得ると思いますので、そういったこともできるような関係ができると、いいのかなと考えています。
 そういう観点から、先ほど申し上げましたように、私どもからも発信しますが、児童虐待防止を担当している雇用均等・児童家庭局や警察にもご協力いただいて、現場に新しい法制度について対応できるよう、通知を流すように調整しているところです。
○小中委員 脳死臓器提供の臓器移植法の始まりのときには、厚生労働省に法的な相談をさせていただいて、そこから貫井委員に相談しながら、一つひとつの問合せに対して対応させていただいたのですが、今回の特に小児の虐待の問題になるのですが、私たちが対応する以前の体制ということなのですが、現実的に委員会はどのような構成がいいのか、確認する項目はというように、もうすでに問合せが入っているのも現実なのです。
 先生方、皆さんは普段はやっておられて、自分の病院ではこのようなものだということもお決めになっているかと思うのですが、今回の法に定められた臓器提供の場合はこれでいいのかという、そういうところでのご相談の内容になるかと感じています。私は臓器移植対策室にご相談しながら、どう対応していこうかと思っていたのですが、それでいいですか。
○辺見室長 法的な意味での取扱いについての確認という話であったと思いますので、それは必要だと思います。個別には、いろいろと出てきたときの判断があると思います。
○奥山委員 私にというお話が出たのですが、私が個人的に1人で動いて、理事長から何をやっているのだと言われても困るので、システムとしてきちんと立ち上げていかないと、動いていかないと思います。それから私も、いつ何時、何があるかわかりませんので、個人ではなく、システムとして作っていかざるを得ないのだと思うのです。
 そういうことも踏まえて、これからご質問がいろいろなところから出てきて、それに対してどう答えるのかということをやりながら体制を組み、そして、何らかのQ&A集も含めた、逆にホームページから、こういうことがあればこれを見たらわかるというものを作り上げていく体制を作っていかなければいけないと思います。
 いまは虐待のことが大きいのかもしれませんが、子どもの脳死判定そのものに関しても、いろいろなご質問があったり、先ほど四文字熟語がということで、子どもの場合に脳死で長期に生きる方が結構いるということであれば、いままでは呼吸のところはやらなくて、無呼吸テストをしない段階での方が長期だという話があったのですが、無呼吸テストまでして、どうなのかとか、そのような検証も必要になってくるのではないかと思うのです。
 私が知っている限りですが、無呼吸テストもしたけれども、呼吸が戻ったという症例報告が1例だけあります。それも検証していかなければならない問題だと思います。全体を含めて、今後の検証、今後のやり方ということを、きちんと対応策を立てていくことが、いまの段階では必要なのではないかと思います。
○貫井委員 虐待の問題はいま奥山委員が言われたとおりだと思います。先ほどから山本委員が問題にされている、「脳死」という言葉の使い方、病態の説明です。
 これは患者さんを相手に、簡単にはいかない問題がたくさんあります。いまは法律的には、法的脳死判定を承諾した人に対してだけ、できるようになっていますので、いきなり全体で学術的な調査をしようというのは、学会主導でやるとか、非常に微妙な問題が絡んでくるので、厚生労働省主導でやりなさいというのは無理なのではないかと思うのです。
 「長期脳死」という言葉は、確かに誤解を招きやすい言葉で、現実にしっかりとした脳死判定をしたケースはそんなに多くはございません。
 それから、長期の脳死が人間の死であるか、そうでないかという議論も、非常に難しい議論が起こってきます。そういう議論は、これから専門家の中でまずやらないと、意思統一をしないと駄目なのではないかと思っています。いきなり一般論で始めるというのは難しいのではないかと思います。
○大島委員 もともとこの臓器移植法の改正というのは、移植の機会をいかに増やすかということが、根本の趣旨にあったのだと私は理解しています。私は移植をする側の人間なので、そういうことを言うと、また移植をする側の立場で、都合のいいことばかりを言い始めたと受け取られかねないのですが、その趣旨というのは、基本的には大事にしていただきたいと思います。
 先ほど虐待の問題を含めて、角膜だとか、そういったものは心臓死で何も問題がなかったのだから、今度はそのままやればへっちゃらではないかという議論がありました。確かにそのとおりだと思いますし、その点についてどのような考え方をしていくのかというのは、これは慎重に考えるべきだと思いますが、あれも駄目、これも駄目という形で、雁字搦めにすることは、決してこの法律の目的ではないということだけは、きちんと押さえた上で、間違いをいかに少なくできるかという対応をしていただきたいと思います。自分は移植する側なので、これ以上のことは発言を控えたいと思います。
○相川(直)委員 いまの大島委員の発言に関してです。私は主にドナーとなる可能性のある人を扱う側です。その立場からしても、今回の法改正の経緯等を考えてみると、大島委員のおっしゃるように、移植の機会を増やすということで、今回の法改正が行われたことと理解しています。
○貫井委員 ですから、いちばん問題なのは虐待の問題なのです。脳死の判定基準は、医学的検証上でリーズナブルに決めることができます。
 いまの日本の状態ですと、虐待をどう診断するか。厚生労働省のほうで、普及啓発と言いますが、それだけでは現場が非常に困ることが起こってきます。Q&Aでは全部解決できるかといったら、できません。非常に微妙な問題が起こってきます。
 そういうときに、特に初期に、相談のできるしっかりとした組織がないと、せっかくの法の精神が曲げられてしまいます。たぶん心臓死亡の腎臓移植だとか、角膜移植をする施設は4類型に入っていないところもあります。4類型はちゃんとマニュアルを作ってください。それから、虐待防止委員会をちゃんとしてください。その上に倫理委員会を作ってください。そのような規定になっているからいいのですが。
 それから漏れたところ、もちろんそれに入っているところも微妙な問題で相談したりというのは出てくるわけです。時間をかけてQ&Aで何を作って解決するというよりも、最初の頃、立ち上がりのときに問題が起こらないようにどうしたらいいか。これは個人的に協力をしていただくしか仕様がないのではないかと私自身は思っているのです。
 長い間をかけてQ&Aを作りました。その前にいくつも問題が出てしまった。これは大変な問題になりますので、そういうことを考えていただきたいです。未来永劫ずっとというわけではありませんので。私はそのように思っています。
○永井委員長 事務局への要望ということですね。
○貫井委員 はい。
○辺見室長 新しい制度の趣旨について、いろいろと委員からご指摘がありました。虐待のことで貫井委員からご指摘がありましたが、新しく変わった制度がうまくいかないことによって、移植が阻害されることはあってはならないことだと思います。
 虐待の話も然りですが、家族同意による移植という場合も、これは全く新しい制度ですので、これが本人の意思表示のない状態で、家族同意によるものがうまくいくものかといったことも、非常に重要なポイントかと思います。
 そういう意味では、普及啓発とか意思表示について、引き続き理解を求めていくことも必要になってくると思っていますので、いま虐待に関する問題をいろいろとご指摘をいただきましたが、問題になるところはいろいろなところで出てくる可能性がありますので、お気づきのところはご指摘いただき、私どもとしても、できる限りのことをしていきたいと考えています。
○永井委員長 法律の改正の趣旨ですが、必ずしも移植が増えることが目的ではないということなのです。より適切に行う。結果として増えれば、非常に望ましいということです。やはり適切な移植が趣旨だと理解していますが、いかがでしょうか。
○辺見室長 臓器移植法の趣旨は、委員長のおっしゃるとおりだと思いますが、今回の法改正が行われた背景として、現実に渡航をしないと移植が受けられないといった状況があります。そういった状況で、諸外国の脳死判定の要件と比較したときにどうかといったご議論を踏まえて、今回のような法改正が行われたと承知しています。そういう意味では、現実に移植をお待ちになっていらっしゃる方がたくさんいるということですので、法律の制度自体が円滑に動いていくことは重要だと考えています。
○佐野委員 私は心臓外科医なので、実際にやるほうです。法的にはいろいろとクリアされてきたと思うのですが、現実の問題として、私は子どもの移植をやるときに、いまの状態が変わるかと言われると、変わらないです。
 というのは、いま成人のほうで登録して手術するまでに、平均で2年以上待たなければいけません。その間に、いま100%補助心臓を置くか、人工心臓を付けて待っています。ところが、日本では、小児で認められた補助心臓、人工心臓は全くありません。ということは現実問題としては、できないということです。ですから、親御さんは、5%ルールのあるアメリカに行きたいと言われます。その現実は、このままではいくら法律を改正しても変わらないし、我々はそれをやめなさいとは言えないです。成人についても、補助心臓、人工心臓は、世界から遅れていますが、それでも一応使えるものはあります。それですが、子どもは1つのチューブさえありません。
 もう1つは、心筋症とか、そういうものは小児のほうが急激に悪くなるので、そうなったら、とてもではないですけれども、薬では一切無理です。そのときに半年待つことさえも、まず不可能です。唯一待てるのは、心臓の手術をしたあとに、その次の根治手術ができない、心機能が悪いからその次に進めない、そういう子をじっと待って、薬で何とか心臓を補助して、半年、1年待つことくらいは可能かもしれませんが、それでも、それも非常に少ないです。
 ですから、これと同時に、実際に海外渡航などを行政上で考えておられるのであれば、法律と同時に、子どもに使える補助心臓、人工心臓を早急に認めていただかないと、この問題は全然解決しません。
 それ以外にも、いま循環器学会で問題になっていますが、大学病院で移植をして。ある程度小児の重症の心疾患を診られる体制にあるのは、残念ながら岡山大学しかありません。いまのほとんどの子どもは、子ども病院に行きますので、重症心不全の子は子ども病院で待つようになります。それも、なおかつ補助心臓、人工心臓を付けて待つような格好になると、このような体制も、いまは全く何もされていないと思うので、ここで法的には変わって、できるようになっても、現実の現場として、私たちが心臓移植ができるかと言われたら、それは以前と全く変わらない体制にしかないということを、是非理解していただいて、厚生労働省も、そちらの行政的な問題を、一刻も早く解決していただくように、努力していただきたいと思います。
○永井委員長 ほかに、いかがですか。
○白倉委員 先ほど、今回のガイドライン等の案が承認されたのですが、それに対してどうこういう問題ではありません。私は今回この資料をいただいて、これがたぶん最終だと思いまして、「臓器移植関連学会協議会」の提言とつきあわせてみました。その結果、この委員会で議論されるべき課題は、ネットワーク強化策を除けばほとんど議論され、修正されたと思います。
 ただ、もちろんいくつか残っています。ここでも今後の課題として、ピックアップされたと思います。例えば議会の中で答弁されても、提案者がこのような趣旨だからといって、今回は据え置かれたものがいくつかあります。そういうものは議論されていない、結果が出ていないのですが、それ以外はきちんと議論されたのではないかと思います。
 そういった議論の中で2点ほど気がつきました。表現の問題です。1つは資料1-3の1頁の真ん中辺りの法律施行規則の第2条の後半に、「原疾患に対して行い得るすべての適切な治療を行った場合であっても」とあります。これは10年前からよく言われていたところなのですが、「行い得るすべての適切な治療を行った場合であって」という表現は、誤解を招くことがある。つまり、すべての治療をやっていないと十分に治療をしたことにならないという主張が成立するのではないかという議論です。これは表現の取り方だと思うのですが、「すべて」を強調して取ると、全部の治療をしていないと駄目だと。少なくとも適切なものはやっておくべきだというところで、例としては、子どもの低体温治療をしなかったというような場合をどうするのか、いくつかそのような議論はあったと思います。ですから、この「行い得るすべての適切な治療を行った場合であっても回復の可能性がない」という表現について、議論されたのかどうかです。
 もう1点も表現の問題です。ガイドラインの第6の項の「標準的な手順に関する事項」の1の主治医の(1)に「患者の状態について、法に規定する脳死判定を行ったとしたならば、脳死とされ得る状態にあると判断した場合」とあります。これをパッと読んだときに、意味するところがわからない。次に読むと、おかしいと思いました。さらに読んだら、なるほどとは思ったのですが、何が気になるかと言うと、「法に規定する脳死判定を行ったとしたならば」というところです。
 これを、いわゆる法に従って脳死判定を行うと取れば、ちょっと順序が変わってくるわけです。本人の意思確認があって、法的な脳死判定を行うという手順になりますから、その前の話なので、「法に規定する脳死判定を行ったとしたならば」という表現が誤解を招かないかなと。
 この条項の、改正前の文章を見ると、「臨床的に脳死と判断した場合」となっています。「脳死」にいくつも種類があるのかという議論があって、「臨床的に脳死と判断した場合」の「臨床的」というのが、誤解を招くからというので、これを使わないようにしたのだと思うのですが、「法に規定する脳死判定を行ったとしたならば」というのは要りますか。もし必要だとしたら、「法に規定する脳死判定に準じた判定を行い、脳死とされ得る状態にあると判断した場合」ではだめですか。仮定の話ですから、方法論的には法で定めた判定方法ですが、実際に法的に行うのはあとです。家族の脳死についての理解の状況を踏まえて、臓器提供の機会があること、それでコーディネーターを呼ぶということになっています。そのあと法的判定をするわけですから、その前にこの言葉が入っていることで誤解を招かないかなと。
○貫井委員 1点目はここでは議論をしていません。ただ、前々からそれは問題になっています。例えば低体温については、特にやらなくていいとガイドラインにわざわざ書いてあるのです。最初の法的脳死判定基準、あるいは法律ができたときにそのような議論がありました。それが1つです。実際には、低体温療法は必ずしも必要としないとなっています。
 「すべて」というのが問題のようですが、治療法は多種多様で、しかも主治医の考え方でいろいろな治療法があって、それを統一することは現実にできるはずがないと思うのです。
 実際に、脳死下臓器提供施設は、高度の救命救急医療ができる施設となっていまして、Q&Aでは、その施設で行った治療が適切な治療であると認めようとなっています。そこを、すべてだとか、適切が本当なのかと言い出すと、全く収拾が付きません。ですから、私自身は、非常にいい言葉だと思っています。しかも、施設の基準としては、高度な救命救急医療ができる施設がそれを治療しているという前提があるので、細かく規定することはできないのではないかというのが、そういう議論があったとしてもこれまで維持されてきた、基本的な考え方です。
○永井委員長 2番目のご指摘については、臨床脳死という言葉の問題で、ここで随分議論した話です。事務局からお願いします。
○辺見室長 2番目の点についてです。白倉委員のご質問のポイントですと、ここでの議論の際に、私からご説明させていただいた点でご説明させていただきますと、患者の状態について、「法に規定する脳死判定を行ったとしたならば」とありまして、「ならば」というのが、日本語的に、条件なのか仮定なのかということがあると思います。条件だとしたら、本当にやったらどうか、仮定だとしたら、やっていないけれども、やったらどうだろうかという話です。どちらかというと、これは後者です。
 後者であるということは、「脳死とされる」ということではなく、「脳死とされ得る」ということです。そこで、仮定であるということを示しています。
 何をここで求めているのかというのは、法的脳死というものがあって、それとの関係性を示すために、こういった表現になっていまして、そこにこだわっているがために、少し理屈っぽい表現になっていますが、逆に臨床的脳死という言葉によって、ここをわかりにくくするよりは、法的脳死との関係で表現するならば、こういったことで、仮定としての「ならば」を置いて、「脳死とされ得る」ということで、どのような状態かをお示しさせていただいています。ここは、その線でご議論いただいたと認識しています。
○相川(直)委員 第1件ですが、「原疾患に対して行い得る、すべての適切な治療を行った場合であっても回復の可能性がないと認められる者」。これは現行でもそのようになっています。これも条件でなくて、そのように読み取れるのですが、確かに白倉委員のおっしゃったように、そのように読み取れないと困るということはあり得ます。
 実は私どもの施設は、本邦第2例目の脳死移植の臓器提供を行いました。そのときに私も関与していましたが、そのときは規則なども慎重に読みましたが、そのときにはそのような迷いはなかったと思います。これは1つの施設の事例ですから、すべての施設がそのような迷いはないということではありませんが、いまのように、仮定だか条件だかということに関しては、どこかでQ&Aみたいなもので、もう1回はっきりさせておいたほうが混乱はないかと思います。
○宮坂委員 先ほど佐野委員が、心臓移植をする立場であのような話をされたのですが、子どもの脳死患者の提供側の状況ももっと悪いかもしれません。ただ、ここに書いてある、いま議論になった、原疾患に対して最大限の治療をするという言葉で、これをどのように具体的にするかと言われて、例えば子どもの集中治療は小児ICUと言いますが、それが診療報酬上言葉として出てきたのは、今年が初めてです。例えば少なくともそういうものがあるところとか、多少はガイドライン的なものは作れるのかなと思いますが、これは日本の医療の状況に合わせて決めるしかないかと思います。
○大久保委員 先ほどの佐野委員のお話ですが、まだ各臓器ごとの作業班は開かれていなくて、基準が決まっていないです。子どもをどうするのかという話は、まだはっきりと決まっていない状況です。委員のおっしゃったように、子どもの心臓を待っている方の場合は、私はあまり詳しくないのですが、ステータス2の方も結構いらっしゃって、亡くなってしまう人もたくさんいます。
 その中で、いまの現状のままのルールでいくと、誰も子どもが当たらないのではないかという危惧も出てくると思います。おそらく厚生労働省も早急にやられるとは思うのですが、できるだけ早く作業班で選択基準を決めていただきたいと思います。
○佐野委員 補助心臓、人工心臓ができるまでは、患者さんのご家族は数パーセントの可能性を求めてアメリカに行きたいと言われると思います。そのときに、いまは以前と違って、3〜4億円の金がかかります。親御さんには、いま以上のプレッシャーがかかります。
 もう1つは、今度は子ども病院の先生方が、そのような搬送に関わると思うのですが、例えば飛行機を用意して連れて行って、いろいろとものすごい負担がかかります。いままでは、大きな大学などで、何とかみんなで頑張ったと思いますが、子ども病院はそうでなくても大変なのに、こういうことをやれと言われたら、現実的に先生方がされるかというと、それは難しいと思います。そういうことも含めて、いろいろな作業部会で、現実問題の解決を早急にしていただきたいです。
 法は決まって、すごくよくなったと思うのですが、実際に小児脳心臓移植は、年間に40〜50人以上いるはずなのです。いまの循環器学会の試算では、5〜10人ぐらいはドナーが出る可能性があります。5〜10人出ても間に合わないのに、その10倍以上の人が待つわけですから、現実的には大人と同じような形で、1年、2年待たないと入らないです。そのときに、我々は待つ手段を何も持っていないわけです。そういうことで、できるだけ早くそういうことを解決していただければと思います。
○奥山委員 そういうこと全体を含めて、先ほど検証をお願いしたいと言いました。例えば増えないとしたら、なぜ増えないのかをきちんと検証しないといけないと思います。
 先ほど宮坂委員がおっしゃったように、子どもが最善の治療をなされて亡くなっているかというと、現実問題はそうではないことが、某研究班の報告書で明らかになっているわけです。つまり、PICU(小児集中治療室)があるところはもちろんのこと、きちんとした重装備のところで亡くなる方のほうが少ないのです。
 そうすると、ここに書かれているような施設、つまり4類型プラス小児病院以外で亡くなる方のほうが、圧倒的に多いという現状、それは脳死の臓器移植の提供を多くするためにではなく、最善の治療がなされても亡くなることが、子どもにとって少ない状況にあることも、1つ大きな問題としてありますので、そういうところも含めて、もし増えないとしたら、なぜ増えないか。増えたとしたら、どのようなところをもう少し改善できるのかとか、いろいろな形できちんと検証をやっていっていただきたいと思います。
○永井委員長 ほかにございますか。ご意見がありませんでしたら、事務局においては、ただいまのご意見を踏まえて、施行に向けて進めていっていただければと思います。以上で議題は終了です。最後に事務局より連絡事項をお願いします。
○長岡補佐 本日は活発なご議論をありがとうございました。省令とガイドライン案については、今後公布等に向けた省内での手続きを進めさせていただきます。また、その後は周知にも努めていきます。
 次回以降の開催は、ただいまさまざまなご指摘をいただきました今後の検討課題などを、1度事務局で整理をした上、委員長ともご相談をさせていただき、その上でまた決めたいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。
 また、参考資料1でも書きましたが、6月17日に予備日ということでお願いしていたかと思いますが、本日概ねご意見がまとまったということですので、6月17日は開催しなくてよろしいかと思いますので、この日程は解除ということでお願いします。ありがとうございました。
○永井委員長 これで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室
代表 : 03(5253)1111
内線 : 2366 ・ 2365

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