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2010年3月8日 第31回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会議事録

健康局疾病対策課臓器移植対策室

○日時

平成22年3月8日(月)
17:00〜


○場所

中央合同庁舎第4号館
全省庁共用108会議室


○議題

(1) 臓器提供意思表示カードの様式変更等について
(2) 臓器提供施設の要件について
(3) その他

○議事

○長岡補佐 ただいまより、「第31回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会」を開催いたします。本日は、相川直樹委員、木下勝之委員、木下茂委員、山勢委員より欠席のご連絡をいただいております。なお、佐野委員は遅れてご到着の予定でございます。本委員会の委員17名中、現時点におきまして定則数を満たす12名のご出席を賜っておりますので、ここでご報告をさせていただきます。また、本日は、小児に関する脳死下臓器提供施設について検討したいと考えておりますので、オブザーバーとして、日本医科大学の横田裕行先生にご出席を賜りまして、厚生労働科学研究班の状況についてご報告をいただくこととしております。横田先生、よろしくお願い申し上げます。
 次に、資料の確認をさせていただきます。議事次第に従いまして、資料を確認いたします。まず、資料1「臓器提供意思表示カードの様式変更等について」、こちらが3枚の資料です。資料2-1「小児からの脳死下での臓器提供を行う施設について」。資料2-2「臓器移植法に基づく虐待を受けた児童への対応について(案)」、こちらが綴られていまして、2頁の資料です。資料3「小児脳死下臓器提供施設にかかわる研究」、こちらが全部で12頁の資料です。参考資料1「脳死下での臓器提供施設について」、こちらが1枚です。参考資料2「日本小児総合医療施設協議会施設一欄」、2頁の資料です。最後に、三つ折りで置いていただいていますものが、参考資料3「臓器提供意思表示カード(パンフレット一体型)のイメージ」です。また、議論の参考にしていただくために、机上に紙ファイル、審議会作業班参考資料を置かせていただいていますので、ご活用いただければと思います。なお、こちらは次回以降も使用いたしますので、終了後は置いていっていただければと思います。
 資料はお揃いでしょうか。途中不備等がございましたら、事務局までお伝えいただければと思います。特によろしいようですので、それでは議事進行を永井委員長にお願いいたします。報道のカメラの方がいらっしゃいましたら、この辺でご退出をお願いします。
○永井委員長 まず、前回の委員会で、今後の意思表示方法について、関係の作業班でご検討いただくということになっていまして、再度この委員会に持ち寄っていただいて、議論するということになっていました。本日、まず、作業班における議論を踏まえまして、臓器提供意思表示カードの様式等について議論をしたいと考えております。その次に、改正法によりまして、小児からの脳死下での臓器提供が可能になるということに伴いまして、提供施設の要件についてご議論いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、早速議事に入ります。まずは、法改正に伴う今後の意思表示方法についてですが、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○長岡補佐 では、資料1に基づいて、臓器提供意思表示カード等の変更についてご説明いたします。資料1の1頁、1番目の経緯のところです。法改正によって本人の意思が不明な場合に、家族の承諾により脳死判定及び臓器提供を行うこと、また臓器提供の意思に合わせて、親族優先提供の意思表示を行うことが可能となったところです。これらの改正を受けまして、厚生労働省と(社)日本臓器移植ネットワークにおいて、作成、配布をしている臓器提供意思表示カード等の様式について、臓器提供に係る普及啓発に関する作業班において、議論を行いました。今般、その作業班において、各班員よりご意見を賜りましたので、それを踏まえまして事務局と作業班の篠崎班長とともにカード様式の見直しイメージを作成したものです。
 その下が、作業班における主な意見ということですので、紹介させていただきます。1つ目が、親族優先提供のところです。親族優先提供の意思表示については、能動的に行う方法を取るべきである。いわゆる、欄を作って、○×を付けていただくのではなくて、能動的に自筆で記載していただいたほうがよいのではないかというご意見をいただいております。
 次は、カードの様式に関する部分です。1つ目は法律の趣旨を踏まえたものにしていただきたい。また、記載不備が生じることを防ぐ、記載しやすいシンプルなものにする。最後は、本人の意思表示が確認しやすいものとするよう、工夫をしていただきたいというご意見をいただきました。また、臓器移植に関する情報を記載したパンフレットとともに、カードを配布する。カード単独ではなくて、パンフレットとともに配布するというご意見をいただきました。
 最後は、今後の移植医療の状況等も踏まえて、よりよい意思表示カードについて引き続き検討を続けていっていただきたいというご意見をいただきました。本日ご紹介を申し上げるカードの見直しについては、今後事務局においてパブリックコメントを実施する予定です。
 では、新しいカードのイメージというところをご覧いただきながら、以下の説明を聞いていただければと思います。まず、先ほど紹介した親族優先提供の意思表示ですが、こちらは単に欄を作って○×を付けるのではなくて、能動的に記載していただく方式とします。現行の意思表示カードでは、余白に自筆で記載していただくということで、1月17日以降は運用をしているところですが、上の見直しのカードですが、3番の下、真中より少し下ですが、特記欄を設けまして、ここに自筆で親族優先と記載をできるようにしました。
 次に、記載不備が生じないよう、わかりやすいシンプルな様式とするというご指摘に対応した見直しのところです。まず1つ目が、臓器の指定です。1番と2番の後に臓器の名前が並べて書かれている部分があるかと思います。現行のカードについては、移植のために○で囲んだ臓器を提供する、または、提供したくない臓器に×をつけるという様式となっています。これを見直して、カードのイメージのところですが、提供したくない臓器に×を付けるということで、見直しをさせていただいています。これは、現行の様式ですと、○を付けた臓器、×を付けた臓器、また、何も書かれていない臓器と3種類の記載が生じるということで、これでは混乱が生じるというご指摘を踏まえて、×を付けるという方式に見直すということとしたものです。
 次は、組織の提供意思です。こちらは、臓器移植法上は規定が設けられていない組織のところですが、現行のカードは先ほど見ていただいた臓器が並べて書かれているところの最後にその他とあると思いますけれども、そこに自筆で組織の提供意思を記載していただくということとしていましたが、これも先ほどの親族優先提供と同様に、特記欄に記載していただくという見直しをしております。これによりまして、1から3のいずれかに○を付けていただき、臓器提供の意思をまず表示していただく。その上で親族優先提供の意思、組織の提供意思を特記欄に表示していただくという形で、わかりやすく整理したものです。
 次に、改正法の趣旨に従って、臓器提供の意思表示方法について見直しを行った部分です。新旧の様式で1番と2番の部分を見比べていただければと思いますが、現行の1番は、「私は脳死の判定に従い」と書かれていて、2番は「私は、心臓が停止した死後」と書かれていて、心停止後、脳死後の提供に関する意思表示がそれぞれ独立しているところです。これを見直しまして、上の部分の新しいカードのイメージでは、1番が「私は、脳死後及び心臓が停止した死後のいずれでも」と、2番目が「心臓が停止した死後に限り、臓器の提供をしたい」とするという見直しを行っています。
 この修正は、法律改正後に現行のカードを用いて意思表示を行った場合に、2番の「心臓が停止した死後」の部分のみに○があった場合に、脳死か臓器移植をどうするかという点について、1番のところに何も○がないということをもって、本人意思をこれは拒否をしていると捉えるのか、または何も書かれていないということで、本人意思は不明と捉えるのか。法改正後、本人意思が不明な場合は、ご家族の承諾で提供をすることができるようになりますので、大きく今後は取扱いが異なってくるということを踏まえて、見直しのように「脳死後及び心臓が停止した死後のいずれでも提供します」という部分と、心臓が停止した死後に限り、いわゆる脳死後は提供をしませんが、「心臓が停止した死後に限り、移植の為に臓器を提供します」という形に見直したらどうかということで、見直しを行っているものです。
 次は、その他の部分、家族署名という部分です。これは、シンプルな様式という観点から、臓器移植法が求める書面の有効性の要件では必ずしもない、家族署名欄についても検討をさせていただきました。この欄については、カードの存在及びご本人の意思をご家族に知っていただける、ご本人が意思表示をした後にそれを家族に告げて、家族に署名をしていただくということになります。例えば、ご家族が署名した記憶があるということであれば、本人がカードを書いていたことがわかりやすくなるということも踏まえまして、このような家族署名欄を設けてきました。こちらについては、今後も残すことでどうかというご議論をいただきましたので、残しているというところです。
 最後に、問合せ先の記載ということで、上のカードの右側の黄色とオレンジのところのカードの部分をご覧ください。下のほうに、青字でお問い合わせ先という形で問い合わせ先が記載されているかと思います。こちらについては、臓器移植に関する情報とか意思表示に関する情報を記載することで、例えば、記載方法がわからないとかといった場合に、こちらを見ていただき、電話をかけていただくという形で情報にアクセスしやすくするという工夫を行ったものです。また、先ほどご紹介を差し上げましたが、このカードをパンフレットと一体として配布することによって、カードの様式を設定しているところでして、後ほど参考資料3としてイメージを用意しておりますので、紹介したいと思います。以上が意思表示カードの見直しの考え方です。
 次に、2頁に戻っていただいて、3番目の「運転免許証、健康保険証等に記載欄を設ける際の考え方」をご覧ください。これまで、一般に配布している意思表示カードの見直しについてご説明をしましたが、7月以降は法律で運転免許証や健康保険証に記載できるような方策を講じることとされておりまして、これについて説明したいと思います。
 運転免許証や健康保険証等に記載欄を設ける際には、先ほど説明をした、意思表示カードの記載事項を踏まえて、基本的には意思表示カードに沿った形で事項を盛り込んでいただくということを考えております。ただし、2番目の○ですが、運転免許証や健康保険証は裏面を使うことを現在想定しているのですが、臓器提供意思表示カードと違い、どうしてもスペースに制約があることもございまして、やむを得ず省略をする部分が出てくる可能性があります。例えば、先ほどの家族署名の部分を考えています。省略する場合は、同時に配布されるパンフレット等を活用して、記載者が親族優先提供の意思表示方法や、その他の必要な情報を容易に入手できるようにしたらどうかということで、考えているところです。以上、運転免許証、健康保険証についてもカードに沿った形で記載欄を設けていくということで、ただし、スペースの制約から一部省略されることもあり得るということで考えています。
 以上、カードと運転免許証、健康保険証の記載欄についての説明でした。なお、先ほど紹介した参考資料3のイメージについて引き続き説明をさせていただきます。
○竹内補佐 それでは、参考資料3、お手元のイメージというカードのパンフレットをご覧ください。まず、一体型のカードということで、パンフレットからカードが取り外せるようなイメージで作っています。こちらは、事務局で作成したものですので、本物は業者の方がもっときれいにやってくださると考えています。
 次に、赤字で臓器移植意思表示カードの記載方法ということで、カードの下に記入方法等を入れています。まず、「自分の意思に合う番号1、2、3のいずれかに○をしてください。」ということで、赤い印のところに○を付けるということをお願いしています。「脳死下及び心停止後に臓器を提供していいと思われる方は、1に○を付けてください。」「脳死下での臓器提供はしたくないが、心停止後は臓器を提供してもいいと思われる方は、2に○をしてください。ただし、この場合は、法律に基づく脳死判定を受けることはありません。」「臓器を提供したくないと思われる方は、3に○をしてください。」ということで、1、2、3のいずれかに○を付けてもらうということを考えています。
 そして、?Bのところで、「1又は2に○をした方で、皮膚、心臓弁、血管、骨などの組織を提供してもいいと思われる方は、特記欄に皮膚、心臓弁、血管、骨、あるいは全て、とご記入することができます。」というようなご案内をさせていただいています。?Cのところで、「本人の署名及び署名年月日を記入してください。可能であれば、この意思表示カードを持っていることを知っている家族が、そのことの確認のために署名をしてください。」というような記入方法について、まずご説明をさせていただいています。
 真ん中の欄について、「親族の優先提供をお考えの方は、以下をお読みください。」ということで、親族優先提供についての説明をしています。まず、一義的には、「臓器優先の意思表示については、(社)日本臓器移植ネットワークのホームページからの登録を推奨しております。」ということで、右手のほうに臓器移植ネットワークのホームページ等のご紹介もさせていただいています。
 1つ目の○ですが、優先提供が行われる場合。1「ご本人が臓器を提供する意思表示に合わせて、親族への優先提供の意思表示を書面により表示している場合。」、2「臓器提供の際、親族、配偶者、子ども、父母が臓器移植を登録している場合。」、3「医学的な条件を満たしている場合。」これらの場合は親族への優先提供が行われます、ということを紹介しています。
 2つ目の○は、そのときの留意事項として、1「医学的な条件などにより、移植の対象となる親族がいない場合は、親族以外の方への移植が行われます。」、2「親族優先をする親族の方を指定した場合、例えば、父親の厚生太郎さんといった場合は、奥様であり、お子様も含め親族全体への意思表示として取り扱います。」ということを言います。3「○○さんにしか提供したくないというような、提供先を限定する意思表示があった場合には、親族の方も含め臓器移植提供が行われない。」、4「親族提供を目的とした自殺を防ぐために、自殺した方からの親族の優先提供は行われません。」という周知をしています。「以上読んでいただいて、ご理解された上で、優先提供の意思表示をされる方は、特記欄に『優先提供』と自筆でご記入することができます。」というような案内をしています。
 その下に、カードの記載例として、一例を載せています。「心停後に膵臓以外の臓器と組織を提供してもいいと思っている。また、親族優先提供の意思をもっている場合。」ということで、記載例を載せています。心停後の臓器提供ですので、2番に○が付いている。膵臓以外の臓器を提供するということで、膵臓は駄目だというところで、膵臓に×が付いている。組織を提供してもいいと思っているということで、特記欄に「全ての組織」、また親族優先提供の意思を持っているということで、こちらのほうに「親族優先」と書いていただく。その下に、署名年月日、本人の署名、家族の署名を記載するというようなことで、記載例として載せています。あくまでもこちらのほうは、事務局においてカードのイメージとして作成したものです。
 また、このほかに、パンフレットについては臓器に関する情報についてもご紹介することとしています。本資料については、既存のパンフレット等から切り取ったものでして、中身的には精査をされていません。そのために、臓器移植についてというところでも、現在、日本で事故や病気で亡くなる人の人数、90万人としていますが、これも古い資料です。また、真ん中に臓器の流れの?@に誤字があります。本人の意思表示や家族の申出というところの下で、「主治医等の意思が脳死と診断し」という「意思」は、思いではなく、ドクターの「医師」です。大変失礼しました。以上、参考資料3の説明です。
○永井委員長 ありがとうございました。ただいまのご説明を踏まえまして、ご審議いただきたいと思います。いかがでしょうか。新しい意思カードとパンフレットのイメージについて、ご質問、ご意見よろしくお願いします。
○山本委員 現行のカードが何千万枚も出ているわけで、これを今後どのような形で収集していくのか。これはこのままにしておくのか、その辺のところを質問させていただきたいと思います。いちばんの問題は、現行のカードで、2に○が付いているときに、非常に細かいところで難しい面が出てくるのではないかな、と思っておりますけれども。その辺のところはいかがでしょうか。
○辺見室長 いまの質問について事務局より答えさせていただきます。まず第1にカードを新様式に切り替えることになりましたら、新しい様式のカードの普及を進めていくということが1つあります。しかしながら、先生のご指摘のとおり、既に意思を表示されて、そのカードを携帯されている方が、新しいカードに切り替えずにそのカードを持ち続ける可能性は十分あるところです。この点について、法律家の先生方がいらっしゃいます。意思表示作業班のほうに一度その取り扱いについてご相談をし、明らかにしておく必要があるのではないかと考えておるところです。
○永井委員長 ほかにいかがでしょうか。
○宮坂委員 意思表示カードを書くときに、一般の方々とお話をしていて、わかりにくいことに、臓器全体と組織の違いがあります。この2番では、心停止した死後に限りということですが、このカードのままですと、例えば、心臓弁などは非常にわかりにくいです。心臓弁が組織というより心臓と一緒ではないかと思う方もいるのです。この2番のところにも、初めから心臓、肺、肝臓、腎臓を全部書いておく、というのも1つの考えかと思います。現状では、もちろん現在は脳死下でなければ心臓移植はできませんが、将来、心臓は勿論、肝臓とか肺も脳死下でなくとも移植可能になるかもしれません。そういうことも含めて、全部書くのも考えかなと思います。一般の方にわかりにくい、組織と臓器についての議論があったかどうかお聞きしたいのですけど。
○永井委員長 いかがでしょうか。
○大久保委員 作業班のほうをやっていたのですが。心停止での臓器提供については、おそらく将来的に心臓のほうもできる可能性もないこともないということで、それでまず、○方式を止めようというのが1つ出てきたのです。だから×をしてなければ、それ以外について、基本的に提供するということは可能であろうということで、この場合で○方式はなくそうということだったので。基本的には、心臓とか肝臓とか、ほかの臓器も心停止の臓器提供はあり得るということで、このカードを考えたのです。そこまで踏み込んで、心臓、肝臓を書くというところは作業班では考えなかったのですけれども。
○宮坂委員 すると2番の中で除いてあることには意味があるのかと。
○大久保委員 除いているというのは、もともとこの3つしかなかったもので、それを増やすというところまでの議論は先生みたいに及ばなかったのです。申し訳ないです。ただ、議論として、肝臓とか、心臓とか、当然あり得るということでこういう方式にしたということです。
○相川(厚)委員 実はアメリカでいま実験的に心臓、肝臓に関しては、心停止下で臓器提供の作業をやっているのです。これは、現実的にまだ臨床的な応用がされているわけではありませんが、将来的に十分応用される可能性があるというふうに言われています。だから宮坂先生がおっしゃったように、場合によっては、これもやはり考慮しないといけないかと私は思っておりました。
○永井委員長 いまからここに記載しておいたほうがいいと。
○相川(厚)委員 ただ、問題は、現実的にいま臨床の場で、すぐこれが応用されるかどうかというのは疑問ですので、書いていなくてもいまのところは問題ないと思います。ただ、将来的に、場合によっては必要になるという可能性があるということだけは示唆をしておきます。
○佐野委員 いまヘパリンを使うと実験的にはOKです。心臓死から数分以内ではその臓器は必ず使えます。ただ、いまの法律では、ヘパリンを使うということ自体が違法なのでしていません。この法が変わると、ひょっとしたらそういうことが可能になると、心臓と肺もやっていますけれども、それも可能です。ですから、近い将来にそれは可能になります。それを記載するかどうかはちょっとわかりませんけれども。
○永井委員長 そのことと、いまから意思表示カードを先んじて変えておくというところは、ちょっと距離があるようです。
○佐野委員 そうですね。先ほど言ったように、臨床的にと言われたら、多分来年とか再来年にも可能です。
○宮坂委員 このカードを一旦作ったら、また何年か相当たくさんのものが配られるわけですし、書かれていないとそれはできないのではないか、と国民が思う気がして、初めから全部×に、今回○ではないですので、×にするということだったら、初めから書いておいたほうがいいのかなと思ったのです。
○松原委員 先ほど大久保委員がおっしゃっていましたけれども、×を付けていなければ、どんどん臓器もいいというふうにおっしゃったように受け取ったのですが、そうなんですよね。ですから、この下のところに書かれてないことでも、上の欄に×が付いてなければ大丈夫なのかなと私は考えたのですけれども。
○大久保委員 難しいのは、臨床的に何年か先にできるかもしれないのですが、いまできない心臓とか肝臓が先に入っていると、心臓弁と思っている人など、心臓自体がいまでもできるというふうに誤解を生む可能性があるのではないか、と私は少し危惧をしています。「なぜ心臓死で心臓が提供できないのですか」と家族に言われると困るかなというのがちょっとあったので、いま現実的な問題として、この3臓器を入れておいて、なおかつそういったことが可能になったとしても×が付いてないということで、「もしもご希望であれば、心臓も肝臓も、もしくは心臓弁もできますよ」という話を個人でしていただくほうが、現実的にいいかなと私たちは思ったのです。
○奥山委員 その点は倫理的に疑問があると思うのですが。こういう臓器の提供があると、×を付けるチャンスが与えられないのに、×が付いてないから○という判断をするということに関してはどうなのかなという気がいたしました。
○大島委員 私も全く同感であるということが1つと。少なくともこれは×を付けるチャンスはないわけですから、そこでは選択肢はないというふうに考えるべきであるというのが1つと。もう1つは、将来の技術がどうなるのかというようなことを予め予測して、こういうものに載せるのは、これは間違っていると思います。
○小中委員 先のことを考えると、いろいろなことが想定されて盛りだくさんにどうしてもなってしまうので、現実的には現状とあまり変わらない形のほうが混乱しないのではないかというふうに私自身は思います。
 それと別のことに変えたいのですが、最初にいままでのカードのことがお話に出ましたが、いままでのカードも存続できる形で、是非、検討を進めていただきたいと思います。と言いますのは、どうしても何年も前のカードをお持ちの方が必ず出てこられると思いますので、そのことのお願いが1点。
 もう1つ、最初にイメージのカードを拝見したときには、今回1、2、3というふうに現在のカードと全く同じ番号になって、内容が変わっていますので、最初は何も考えないで1と2に○を付けられる方がどうしても出てこられるのではないかということを心配いたしております。ただ、そのあとにご紹介いただいた説明文も書いたこのパンフレットを見ますと、順番に読んでいかれたら多分そういう間違いは減るのかとは思いますが、やはりこれだけの説明を書いていただいても、きっといろいろな記入の仕方が出てくるかと思いますので、それを実際提供病院の方、あるいはご家族の方、それからコーディネーターが拝見したときに、どのように解釈するかということを、この新しいカードが出るときには一緒に検討をいただいて、出していただきたいと思います。
○山本委員 全くそこのところがいままでの現行のカードだと、2に○を付けた場合には、本人が拒否なのか、あるいは家族が同意でOKするのかというのがここではわからない。それをどういうふうに考えたらよろしいのでしょうか、というのが私の質問なわけで、そこをクリアすれば委員の話は全く同じになると思います。
○永井委員長 まず、新しいカードで×も○も付いていないときには、これを○と読むというところですね、そこのご議論はいかがでしょうか。
○貫井委員 いままでのご意見で、大島先生のご意見に賛成です。×が付いてないから、もしかしたら心臓も心停死後にできるよという話は、いまは実際にできないわけですし、手間がかかっても、実現したときに改めて入れていくほうがいいと思うのです。実験的な医療みたいな感覚になってしまうと困る。ですから書いてあるところに×があれば、それで残りのもの、プラス下に書いてあるように、心臓弁、皮膚、骨、特記してもらう、というふうにはっきりしたほうがいいのではないでしょうか。「できるからやるよ」という考えはまだまだおかしいのではないかと。誤解を生んで、移植医療が変な誤解を受けると困りますので、せっかく最近になってやっと移植医療、通常の医療に近くなってきたと思われてているところですから、是非そうしていただきたいと思います。
○佐野委員 先ほど医学的には我々のところでできると言いましたけれども、それはいまやっている普通移植に比べるとリスクは伴うので、まず当面はされないと思います。よっぽど臓器に困るとか、それからちゃんとしたデータが出るまでは、日本ではまずされないと思います。先生が言われたみたいに、医学的にはできますけれど、これにはまだ書かないほうがいいと思います。
○永井委員長 ということでいまの点はよろしいでしょうか。それから古いカードで○が付いていたときに、それをどう読むかを決めておいたほうがよろしいという山本先生のご意見ですが、これはいかがでしょうか。
○貫井委員 一度古いカードのときのいろいろな混乱の整理はしたはずですよね。それをもう一度見直してみないといけないと思います。いろいろな○の付け方があって、不備があって、それをどういうふうに扱っていくかというのは一度整理したと思います。ここの委員会でしたのではないでしょうか。その資料があれば、あとどこが足りないかがわかると思います。
○辺見室長 先ほど私の説明の至らないところがありました。申し訳ありませんでした。ご説明いたしましたのは、旧カードが新カードの7月以降に出てきた場合に、どう扱うのか、これは基になる法律自体が変わっております。したがって、どのように解釈するのかということについて、取扱いを考えなくてはいけないということで、意思表示作業班のほうでご検討をいただいて、その上で臓器移植委員会にお諮りをすると。
 貫井先生からありましたように、旧カードの不備記載は以前に整理いたしましたけれども、合わせて先ほど小中委員から話がありました、新カードの不備記載といったものも、今後整理をしなければいけないと思っております。まず、これは新しいカードがこれで、となってからということになると思いますけれども、今後の検討課題ということで重要なことかと思っております。
○永井委員長 いかがでしょうか。何かほかにご意見ございませんでしょうか。
○奥山委員 些細なことかもしれないのですが、今回は興味のある方だけではなく、パンフレットにしてもカードと同じような記載が、免許証に載ったりということで一般の方が対象なので、是非パイロットスタディと言いますか、何人かの方々に見ていただいた方が良いと思います。例えば漢字が多く、ルビがあったほうがいいのかという気もいたします。15歳以上だと高校生から見ることになりますので、そのぐらいの方でも理解できているかどうかという辺りのところは、一度パイロットで見ていただいて、なるべく多くの方にやっていただくとよいと思いますし、その間に不備記載というのも少しわかるかと思います。そういうことも少しやっていただけたらと思います。
○大久保委員 膵臓って平仮名にしてほしいと思います。
○永井委員長 親族優先の上の○で1、2、3とありますが、3の下に※の1、2とあります。これは2の※のことを言っているわけですね。「配偶者とは」と、3の下にあると一瞬とまどうのですが。
○貫井委員 そうですね、2と3の間に入れたほうがいいですね。
○大久保委員 それは、もう一度ちゃんとしたもので、いわゆるプロの方でいろいろな文字とかも全部やっていただいて、それでこれはどうですか、と1回出ますよね。
○貫井委員 番号が1、2、3、4、3、4とか、まだ完成はしていない、まだ検討中でしょう。
○辺見室長 申し訳ございません。
○永井委員長 そうしましたらよろしいでしょうか。もう一度委員の先生方に見ていただきますか。あるいは座長一任でよろしいでしょうか。
○辺見室長 実は、先ほどの報告の中で、資料1の1頁目に少し書いてありますが、経緯のいちばん下のところです。この意思表示カードについては、パブリックコメントを行うことを考えております。カード自体もそうなのですが、他省庁で省令改正を必要とする事例もありますので、ほぼ1カ月ぐらいになると思いますけれども、パブリックコメントを行います。そのあと施行となりますので、もしよろしければ、大まかな線を本日いただいて、そのパブリックコメントでいろいろなご意見、出てきたことを踏まえて、そこでもう一度ご議論をいただく機会を設けさせていただくという流れが考えられるところです。
○永井委員長 そうしたら重要な点はいまご指摘いただいて、パブリックコメント用のデザイン、書式については、一応座長一任ということにいたしましょうか。またあとでパブ・コメを受けたあとにもう一度ご確認、あるいはご議論をいただくということにしたいと思います。
○大島委員 先ほど議論になった古いカードが出てきたときの考え方について、貫井先生がそれは前に一度整理をしたと。その整理をした考え方をそのままするのか、あるいは制度そのものが変わったわけですから、古いカードを記載する方が新しい制度を十分理解した上で、古いカードのままでいいというふうに判断したかどうかなんてわかりませんよね。そうすると選択肢は、無効にするか、古いカードの考え方をそのままで行うか、どちらかしかないと私は思うのですが。
○貫井委員 古いカードを全部すぐに新しくするのは無理だと私も思いますので、古いカードは、法律が変わったと言っても、前の法律に従って、新しいものは新しくするというのが普通ですから。古いカードも活かして、古い整理の仕方に従って、その中で何か疑問だとかが出てきたらまた検討するということにしないと、実際的に全部新しいカードにすぐ変わるということにはならないので、できるだけ新しいカードに変えてくださいというキャンペーンをするにしても、と私自身は思いますけれども。法律的にはどうなのかよくわかりません。
○町野委員 私が法律を代表しているというわけではないのですが、1人しかいないようなので。基本的には古いカードが有効か無効かという議論はあり得ない話で、要するに、この中でどのような意思表示を読み取れるか、それが現在の法の下でどのようにこれが処理されるか。ですから、古いカードについては、古いカードに従って判断するということでもないわけです。古いカードに従った意思表示を新しい法律に従って見ると、どのようなことになるかという話で、そう見なければいけないという話です。
 先ほど、私もカードの記載不備のときに委員会のほうにおりましたけれども、あのときには、オプト・インの意思表示がどこまであるかという議論であったわけです。昔はオプト・インでなければ駄目だったわけですから、そのことは議論したわけですから、あれはある範囲でオプト・インについては当てはまりますけれども、今度はオプト・アウトがない以上は全部OK、という考え方ですよね。遺族が同意される。だから少し考えは違ってくるかなと、もう一回整理し直さなければいけないところがあるのではないかと。特に現行の意思表示カードで、2ポツのところに○が付いていたとき、これは脳死の状態での、それは否定する趣旨であるかと。つまり現行法で残っているのは脳死判定拒否権、それに伴って脳死状態での臓器の提供を拒否することに結びつくわけですけれども、それだけは唯一残っているわけです。オプト・アウトとしては。だから脳死の問題についてはそれだけ残っているので、それをどのように判断するかという問題は残るだろうと思います。そのことを考慮して、現在のそれでは2ポツのところで「心臓が停止した後に」とわざわざ書き加えたわけですから、これは同じ趣旨に読むかどうかは現在の下で問題です。ですからこの点を含めた上で、もう一回議論をすると言いますか、作業部会のほうでやっていただけれたらと思います。
○大島委員 ちょっとこだわるのですが、いまの新しい法律については全く知らなかったという方がいて、古い状態で私は意思表示カードを書いたと。その人の意思は古い状態の制度の下に意思を表明したと。仮にそうだった場合に、その人が知らないのはしようがない話であって、新しく変わったのだから新しい法律の下で、本人の意思がどうであろうと判断されると、こういう考え方だというふうに先生はおっしゃられているのですが、それでよろしいのですか。
○町野委員 異論があり得ることはわかっております。普通はそう考えられているということです。もしそのように考えないと、例えばオプト・インのときだけしか脳死臓器提供はできないのだということを承知して、自分はそのつもりだと言った人について、あとから変わってそれができるようになったら、最初のときの決定のときと状況が違うではないかと、そのことは非常に思います。それをネグリジブルと考えるかどうかの問題だと思います。もしそうではないと、そうすると一律に前の臓器提供のときにこういう意思表示をしていたら、オプト・インがあったときでなければ臓器の提供はできないという、それに従うという、結局現行法と同じに従うということに全部なるわけですから、そうするのが妥当かという、その問題です。
 無視していいというとちょっと語弊を招きますけれども、この点について、私はネグリジブルだという考え方、重要視すべきでないという考え方でいったほうがいいのではないかと思いますけれど、別の考えもあり得るということは私も思います。
○白倉委員 今度の新しい法律は、忖度が認められているわけですから、拒否なのか不明なのかわからない状況、2番にだけ○が付いているというときは、どっちだったのかということを十分に遺族と話し合って決めれば、拒否だったのか、あるいは不明だったのかということが決定できるのではないかと思います。ですから、旧式のカードで2番にだけ○が付いているケースは慎重に議論をして、忖度で決めていただくということを明記しておけばいいのではないかと思いますけれど。
○相川(厚)委員 旧カードで2番に○が付いた場合、やはり脳死下での提供にするというのは少し無理があるのではないかというふうに私は考えています。というのは、旧カードで脳死下の臓器提供をするのであれば、1に○をしてもいいわけで、それが2に○が書いてあったということで、これは確認ができないから脳死下の臓器提供をしてしまうということは少し行き過ぎた感じがすると思います。
○貫井委員 旧カードを作るときに、当然2は、脳死下の臓器提供をしない人であるという想定で作っていますから、そこをはっきりと決めておかないといけないのではないでしょうか。脳死下の臓器提供に、2に○付けたら、今度はできるよという話は本当おかしな話で、1に○が付いてない以上、2に○を付けたら脳死下の臓器提供を拒否していると解釈していいのではないかと思うのですが、どうなのですか。
○町野委員 私もいまおっしゃられたとおり、そう理解するのが自然だろうと思います。
 つまり、唯一現行法で残っているのは脳死判定拒否をしたときについては、もう脳死下での臓器提供はできないということは決まっている話なので、おそらく2に○を付けたのは、その当時はそういう意識であったということですから、それはそのように理解するのが通常だろうと思います。
○永井委員長 ということでよろしいでしょうか。
○大久保委員 この2の○ではなくて、ここの中でいろいろと議論をしたという不備記載があったので、もう一度新しい法律に変わったということで、前の資料を出していただいて、法律家の先生にも見ていただいて、それで一応はざっと決めておいたほうが、おそらくコーディネートの方が迷わなくていいのではないかと私は思います。
○永井委員長 明文化しておくと。
○大久保委員 はい。
○永井委員長 それは作業班と事務局のどちらにお願いしますか。
○辺見室長 作業班でご意見を賜った上で、臓器移植委員会に改めてお諮りいただければと考えております。
○永井委員長 では作業班の方、よろしくお願いいたします。ということで、このカードについて、パンフレットについてもよろしいでしょうか。
○宮坂委員 日本語の問題ですけれど、「脳死ってどんな状態ですか」というところの最後のところに、「脳の機能が残っていて自分で呼吸できる植物状態とは違う。」と書いてあります。これは「呼吸がある」というほうが自然という気がするのですが、呼吸ができるというと自分で十分に呼吸が維持できるような感じに取れるので。
○永井委員長 ここは自分で呼吸できるではなくて、自分の呼吸があると。
○宮坂委員 同じ意味かもしれないのですが、自分で呼吸できるというと、自分の呼吸だけで生きている人だけで、多少呼吸運動があっても人工呼吸が付いている人は脳死と言わないみたいに思われるのではないかと思います。あまり厳密な医学文献ではないので関係ないのかもしれないですけれど、少しでも呼吸があったら脳死とは言いません。これだとフルに呼吸がない場合しか植物状態と呼ばないと取られてしまうような、皆さまがわかればいいのですが。
○辺見室長 イメージということで提出をさせていただいておりますけれども、いわゆる説明文のところは、厚生労働省と臓器移植ネットワーク連名ということで作成させていただいているところですですから、ちょっと申し訳ないですが、委員会でご議論をいただくというよりは、個別にご意見があるようでしたらご指摘いただければというふうに思いますが、もしそれでよろしければお願いいたします。
○永井委員長 それではそこは議論しないということにしたいと思います。そういうことでパブ・コメを実施する際のイメージについては、座長にお任せいただいて、またそのあとでパブ・コメを受けた上で委員の先生方にご提示したいと思います。
 次に、運転免許証等の標準的な記載事項についてご議論をお願いします。これはまだ具体的なイメージは出されていないわけですね。
○辺見室長 はい、それぞれの部所で検討中ですが、おそらく新カードが出されますと、こちらの資料上は、事項立てで立てておりますけれども、新カードのイメージに近い形になるというふうに考えてはおります。
○相川(厚)委員 これは作業班で議論があったところだと思いますけれど、家族の欄がないですよね。
○辺見室長 はい。
○大久保委員 いまもないですよね。健康保険証は、いまも家族の署名欄はないですよね。だからあとはほとんど一緒ですよね。
○辺見室長 はい。
○大久保委員 だからイメージ的にはそんな感じになるのかと私たちは思っているので、それで私はいいというふうに思いますけれど。
○小中委員 ただ、単なる意見ですけれども、健康保険証は、いままでも裏面に記載する場所がありましたので、これがすべてにいくことが、非常にありがたいです。さらに、免許証のほうは小さなシールを貼るだけでしたので、今回、この裏面にすべていくということは、もちろんこの意思表示カードも重要ですが、このことを十分に皆さんに知っていただいて、考えていただくのはとても大きな意義のあることだと思います。可能ならば、例えば免許試験場で、もう少し内容を細かくきっちりとお知らせしていただけるようなものを検討して、是非これを普及していたただければありがたいと思います。
○永井委員長 よろしいでしょうか。基本的には、事務局の提案のとおり進めさせていただくということにしたいと思います。
 続きまして、次の議題の小児からの脳死下での臓器提供を行う施設の要件についてご議論をいただきたいと思います。本日は、厚生労働科学研究班でこの課題を研究されてこられました横田先生にご出席いただいております。まず、事務局から手短に状況をご説明いただき、続いて横田先生から、研究班における検討結果についてご報告いただきたいと思います。
○辺見室長 それでは私のほうから、資料2-1の1枚ですが、「小児からの脳死下での臓器提供を行う施設について」簡単にご説明をいたします。現行、脳死下での臓器提供施設につきましては、ガイドラインにおいて、施設要件4類型その他の要件を規定しております。この要件自体は、別途参考資料1として添付いたしております。参考資料1の半分より下のところに四角囲いをしていますのが、ガイドラインの抜粋です。大きく(1)〜(3)の3点です。
 (1)が、臓器摘出の場を提供するために必要な体制がとられていて、当該施設全体について、脳死した身体からの臓器摘出を行うことについて合意が得られている。また、その際、施設内の倫理委員会等の委員会で承認が行われている、これが(1)です。(2)は、適正な脳死判定を行う体制があるということです。(3)は、いわゆる4類型と言われるものがあり、救急医療等の関連分野において高度の医療を行う次のいずれかの施設であることということで、片括弧には大学付属病院等4つの施設が挙げられております。上に書いてあるところですが、4類型に該当する施設は今全国に474施設あり、毎年1回該当施設ということで調査しておりまして、必要な体制を備えていると回答している所は338施設です。
 資料2-1に戻りまして、こうした現状を踏まえ、厚生労働科学研究の貫井先生を研究代表者とする、「小児からの臓器提供等に関する研究」において、アンケート調査を基に提供施設について検討を行っていただいたところです。この検討結果を踏まえて、臓器移植委員会において施設の類型や院内の体制などについてご議論いただきたいということです。横田先生、よろしくお願いいたします。
○横田参考人 日本医科大学の横田です。お時間を少しいただきまして、研究班の議論の内容を報告させていただきます。話の内容は資料3と参考1、参考2になると思いますので、それを見ながらお話したいと思います。「小児の脳死判定及び臓器提供等に関する調査研究」は貫井先生が主任研究を担当されている研究ですが、私の研究班はその下にある「小児脳死下臓器提供施設にかかわる研究」を担当いたしました。小児の脳死下臓器提供に関係する問題点、課題を議論する際の内容としてどのようなものがあるかと言いますと、資料3の1頁の下の段になります。
 1つは、小児の脳死の判定をするときにどのような判定基準を使うか、あるいは、いま辺見室長が話されたとおり、現行は4類型ですが、果たしてそれに加わる施設があるのか、あるいは判定医はどのような資格がある方がなるべきか、といった議論を行いました。判定基準に関しては、別の研究班が中心となって議論しておりますので、私どもの研究班は、特に下にある判定施設とはどのような施設か、判定医とはどのような者かの2つを中心に議論いたしました。ただ、議論の過程で判定基準はどのようなものを使うかというディスカッションはありましたので、それについても2頁から3頁の上の段で簡単に報告させていただきます。
 小児の脳死判定基準に関しては、平成11年、当時杏林大学の竹内先生が全国の施設でアンケート調査を行い、それを基に作った「小児における脳死判定基準に関する報告書」というものがあります。3頁の上に書いてある内容を見ても、世界的に見ても非常に厳しい基準であること、いま使われている6歳以上の脳死の判定、あるいは現行法の15歳以上での法的脳死判定に使われている脳死判定と項目自体は一致しているので、医療現場の混乱も少ない、かつ非常に厳しい判定基準であるということです。ですから、私どもの研究班では、当時の厚生省が平成11年に出した小児の脳死判定基準を基本に使うのがいいのではないかという議論がなされました。もちろん、これは最初にお話したように、別の研究班が別途議論しているようですので、私ども研究班に課せられた判定施設、あるいは判定医はどういった資格のある先生かといったところをお話したいと思います。それが3頁以降になると思います。
 まず判定施設ですが、今お話があったように、現状では4類型と言われる施設、これは参考資料1の(3)のア)イ)ウ)エ)の部分の重複を除いた474施設、その中で法的脳死判定ができると答えている施設が388施設で、そのうち施設名を公表しているのが317施設です。すなわち、この4類型というのは日本でも屈指の高度な医療を提供する施設と考えられますが、その中でも現時点で法的脳死判定ができるのは、7割しかないというのが現状です。
 そのようなことで、小児の脳死判定に関してどういった施設があり得るかということを議論いたしました。議論のきっかけとするために、小児の脳死判定の現状というものをアンケート調査をしてみました。それが4頁から7頁に出ております。これは4類型と、参考2の、いわゆる小児の高度で包括的な医療を提供している日本小児総合医療施設協議会のリストにある施設に対していくつかの設問を設け、昨年9月から10月にかけてアンケート調査を行ったものです。今日出した資料は、すべての設問の結果を出してあるわけではないのですが、本日の議論に特に関係のあるところだけを抜き出してきました。4頁の下の部分はアンケートに答えていただいた4類型の施設、設問2の?@〜?Cが4類型の施設ですが、?Dの小児科専門医療施設が日本小児総合医療施設協議会です。
 5頁の上の部分をご覧ください。これらの施設は4類型ですので、そうであれば、15歳以上の脳死の判定が可能な施設というのが前提ですが、小児に関して言うと、現状は「可能である」と答えたのは53施設、「可能でない」と答えたのは57施設、「どちらとも言えない」と答えたのは74施設でした。どちらとも言えないと答えた理由は、おそらく判定体制がないということもあるでしょうが、どういう判定基準を使っていいのか分からないとか、過去判定したことがないといったことでの答でした。
 4類型と小児の脳死判定が可能か、可能でないかというのをマトリックスにしたものが5頁の下の欄にあります。赤い棒グラフが「可能である」と答えた施設です。例えば、?@の大学病院では32.7%の施設が小児の脳死判定が「可能である」、46.2%が「どちらとも言えない」、このように見ていただければと思います。小児科専門医療施設、すなわち日本小児総合医療施設協議会では、さすがに42.9%が小児の脳死判定が「可能である」と答えています。これはアンケートを送ったすべての施設に聞いておりますが、小児の脳死下臓器提供施設というのは、どのような施設がなるべきかという設問については、「現行の4類型に限定するべき」と答えたのが31、「小児専門医療施設を加えるべき」と答えたのがいちばん多くて113、「成人を含め脳死下臓器提供施設の制限は撤廃すべき」と答えたのが19、「成人は撤廃するが、小児は何らかの枠組みを作るべき」と答えたのが10という結果でした。
 もし、小児で何らかの枠組みを作るとしたら、具体的にはどういった枠組みがあり得るかという部分は、我々の研究班で非常にディスカッションしたところですが、小児科学会の専門医研修施設が54、先ほど来の日本小児総合医療施設協議会が31でした。正確な数字は失念してしまいましたが、日本小児科学会専門医研修施設は800いくつあるそうで、そのうち4類型の施設はほぼこの訓練医施設と重複していますが、残りの約400弱の施設というのは、極めて小規模の医療施設であり、そこでの脳死判定はむしろ無理だろうということが強く予想されました。研究班に加わっていただいた小児科の先生方も、そのような意見が大勢を占めました。ただし、この部分は非常に重要ですので、実は日本小児科学会に持ち帰っていただきました。その中で出てきた名前が日本小児総合医療施設協議会でした。そのような枠組みを考えるべきだということです。
 7頁は、法律の細則に書かれた被虐待児からの臓器提供はできないということで、これは当然被虐待児に対する院内の体制が問われるわけです。それぞれの施設に、被虐待児に対する院内の体制がどうなっているかということを聞きました。院内体制がシステムとして整備されていると答えたのが73、?Bの特別な体制は取られていないというのも79あり、これが現状でした。先ほどと同じようにマトリックスに掛けてみると、院内で体制が整備されていると答えた施設で、小児の脳死判定が可能と回答した施設は35.1%でした。こういったアンケート結果を踏まえ、我々の研究班では貫井先生の指導力の下、計5回集まってかなり集中的なディスカッションをいたしました。その結果が8頁の上です。
 判定施設とはどのような条件を備えるべきかというところで読ませていただきます。「成人の脳死下臓器提供を含め改正臓器移植法施行後も当面の間は脳死下臓器提供を行える施設に関して何らかの枠組みを考慮することが妥当であると考える。この枠組みを考慮すると?@4類型同様、小児からの脳死下臓器提供においても高度救急医療が提供できること」、これは先ほどの参考資料1の条件の部分です。「かつ?A被虐待児に対して院内体制が構築されている施設であることが前提となるべきである。全国の小児医療の中核となり、高度で包括的な医療を提供している日本小児総合医療施設協議会の会員施設の多くは、いわゆる4類型に属さない小児医療専門施設であるが、小児の高度救命医療に対応できる体制を整えていると考えられる」。すなわち、小児に関しては、今までの4類型に日本小児総合医療施設協議会を加えていいのではないか、というのが本研究班の結論でした。
 最後は判定医の部分ですが、9頁になります。少ないながらも小児の脳死判定は日常の診療の中で行われていますが、具体的にどのような資格を持った先生方が判定に加わったか、というのが9頁の上の段です。小児の医療を提供するという環境を考えますと、小児科の先生方が主動的な役割を担うのは当然のことでありまして、小児科の先生を排除するというのは、むしろ不自然なことだと思います。小児の脳死判定に関しては、当然小児科専門医に入っていただいていいだろうと。現時点の法的脳死判定は脳外科医、救急医、麻酔科医、集中治療医、神経内科の専門医であって、脳死判定の経験がある医師と記載されていますが、そこに小児科の専門医であって、かつ脳死の判定に経験のある医師を入れるということは、臨床現場を考えたときには、むしろ妥当なことだろうという結論に達しました。
 10頁の上の段は、私ども研究班に課せられた主に2つの課題です。上の判定基準に関しては別の研究班で検討中ということですが、判定施設に関しては、現時点の4類型に加えて先ほどの枠組み、日本小児総合医療施設協議会を入れていいだろうという結論でした。判定医に関しては今の5つの学会の専門医に加えて、小児科専門医で、かつ脳死の判定に十分経験のある先生を加えるのがいいのではないかと考えられました。
 また、これは提供施設からの強い要望と言いますか、いまの法的脳死判定というのは提供施設に非常に負担がかかると。10頁の下の段は、日本臓器移植ネットワークからの資料ですが、1例から70例目までの法的脳死判定の平均所要時間は45時間14分、最近80例目までの平均所要時間が公表されましたが、さらに長くなっています。11頁の上の段ですが、脳死下臓器提供施設というのは日常診療に非常に影響を与える。しかも、それぞれの地域で救急医療の基幹病院であるということ。書いてあるように法的脳死判定、臓器提供が行われると日常診療に極めて大きな影響を与えるということなので、やはりここは何らかのサポートシステムが必要だろうというのが研究班がディスカッションした内容です。
 スライドの下に、平成21年厚生科学とあって貫井先生のお名前が書いてあるのですが、実はこの部分は、平成17年度の脳死下での臓器移植の社会基盤に向けての研究で、これも厚労科研の研究班からの報告書の抜粋です。法的脳死判定は提供施設に非常に負担がかかるという部分で、サポートシステム、支援システムが必要だろうということです。11頁の下は別の研究班である昭和大学の有賀先生の研究班がまとめられたものの一部ですが、現時点の4類型以外の施設でも、例えば支援があれば脳死下臓器提供に協力できると答えた施設がいちばん多かったという結果です。
 以上、12頁でまとめてみますと、このようなことになります。小児からの脳死下臓器提供を行える施設については、?@高度で包括的な医療を提供している日本小児総合医療施設協議会の会員施設を、いわゆる4類型に加えるとともに、?A被虐待児に対して院内体制が構築されている施設であることが前提となるべきである、これが施設要件です。判定医に関しては、小児の法的脳死判定は、現在の判定医、すなわち脳外科医、神経内科医、救急または麻酔・蘇生科、集中治療医であって、それぞれの学会専門医又は学会認定医の資格を持ち、かつ脳死判定に関して豊富な経験を有する医師というのが現行の法的脳死判定ができる医師です。それに加えて小児の場合、あるいは同様の経験を有する小児科専門医で、しかも臓器移植にかかわらない医師が2名以上で行うべきと考える、という結論に達しました。最後の部分ですが、「改正臓器移植法の円滑な施行に向けて、法的脳死判定システムを構築することが必要急務である」ということです。以上です。
○永井委員長 引き続き、事務局から資料3-1、3-2の説明をお願いいたします。
○辺見室長 先ほど資料2-1を説明いたしましたが、次頁に資料2-2があります。こちらは「臓器移植法に基づく虐待を受けた児童への対応について(案)」というフロー図です。横田先生のご報告の中でも虐待に関することがありましたが、脳死判定、臓器移植という流れの中で、どのような段階で虐待に対する院内体制というのが効いてくるかということについてイメージをお持ちいただくために作ったフロー図です。虐待に関しては院内体制の他、どういった確認方法を取っていくのかということもありますので、全体として改めて議論していただくことになります。ポイントは、医療施設への患者の入院から始まり、その後治療を続けていく中で重篤な状態に陥り、臓器提供や脳死判定と流れていく中で、虐待への対応ということでは、対応案?@というのが比較的上のほうに書いてありますが、治療の初期において行われるべきものである。脳死判定や臓器摘出の段階で体制が取られているというよりは、むしろ、医療機関として、入院時、治療の初期の段階で取られるというのが1つ必要だろうということです。
 もう1つは、最終的に脳死判定を行うため、倫理委員会にかかる際に再確認が行われるということです。左側下の対応案?Aに書いてありますが、このような段階でもう1回かかるということが、いわゆる院内体制であろうと考えております。なお、警察との関係については、対応案?Aの右側に内因性の疾患以外で脳死判定を行う際に、所管警察に連絡を行う、と書いてあります。現行のガイドラインでも、このタイミングで所管警察に連絡を行っていくということが書かれてあるのですが、実際上の問題として、これは虐待の話とある意味同じですが、警察への連絡というのはここまでの間に行われている、もっと治療の初期の段階で警察へ連絡がされている可能性が高いというご指摘をいただいております。このフロー自体、虐待の院内体制ということで整理したものですので、警察への連絡がどのようなタイミングで行われているかという点については不備がありますのでご注意ください。
○永井委員長 ただいまの横田先生のご説明、事務局の説明を踏まえて、ご質問、ご意見があればお願いいたします。
○宮坂委員 横田先生のご説明の最後の結論は非常によくまとめられていて、全くこのとおりでいいと思いますが、背景的なことで、小児総合医療施設協議会のことがあります。前提として、子どもの脳死判定というのは最大限の治療をした上で行うというのが前提にあるのです。子どもの重症患者に対して最大限の治療が行われている所は、基本的には小児集中治療病棟で専門のチームがやっている所であって、小児科の先生が病棟の片隅でやっているような所は、残念ながら最大限とは言えないと思います。小児総合医療施設の中のすべての施設がそのようなことをやっているわけではないですし、この4月から診療報酬が改定されると、小児専門病院では、年間800例の院外からの救急搬送がないと診療報酬上の手当が違うという条件が加わり、それを満たせる施設は僅かです。子どもの集中治療、救急の重要性に診療報酬上やっと光が当たり始めたところです。ですから、このような形で日本小児総合医療施設協議会が候補となっても、加入施設全部というわけではないわけです。少なくとも小児科学会の指導施設の数百全部ではありませんから、このくらいの数で絞るのは妥当ではないかと思いました。
○大島委員 横田先生のお話を伺うと、前提としては4類型、プラス日本小児総合医療施設協議会ということでしたが、実際に小児の脳死判定を行っている医師に経験などを加えると、随分少なくなるのではないかと思ったのです。しかし、まとめの3段落目に、「小児の法的脳死判定は現在の判定医」、そのあとは「あるいは」となっていて、これでは現在の判定医ですべての要件は満たしていると読み取れるのですが、これは「あるいは」でよろしいのですか。
○横田参考人 判定の先生に関してですね。例えば、脳外科の先生で小児の脳死判定の経験のある先生というのは大勢いると思いますし、救急医、麻酔科医も同じだと思いますから、いまの5つの資格のある先生で、しかも小児の脳死判定に自信がある先生は、是非判定をしていただきたいというのが1つです。さらに、小児科の先生も実際は脳死の判定をしているという現状がわかりましたので、小児科専門医を加えることは妥当であると考えたのです。小児科の専門医でなくてはいけないということではなくて、いまの5つの学会の資格がある先生に加えてということです。
○永井委員長 そうすると「あるいは」ですと、微妙に違いますね。
○貫井委員 実際のガイドラインには、神経外科医、神経内科医、救急医、集中治療医、小児科医の学会専門医と並列で小児専門医を入れることになると思います。ですから、「あるいは」というのはちょっと誤解を受けそうですが、現実にはそのような考え方をいたします。専門医として全く同じ資格であり、脳死の判定に経験があってということを考えております。
○大島委員 5頁の小児の脳死判定は「可能である」「可能でない」というのも、人を言っているのか、施設を言っているのかということでは1つあると思います。判定医のところでもそういうところがあったような気がします。
○横田参考人 いずれにしても、私ども研究班で考えたのは、いまの4類型もそうですが、手挙げ方式と言いますか、自分の所はできるのだというところを挙げていただく。小児に関して言うと、いままでの4類型に加えて日本小児総合医療施設協議会が入ると。ただ、その中で、うちは体制上まだ無理と判断する施設というのは、当然あるかなと思います。
○山本委員 いまの施設の問題ですが、4類型の中には指導医指定施設であるとか、あるいは専門医訓練施設であるとか、大学と救命センターは別にして、何らかのcertificateを取っている施設が並んでおりますが、日本小児総合医療施設協議会というのはどのようなもので、どういう専門性があるものか、協議会の中に何施設ぐらいあって、この中のどれぐらいなのか。これだけではあまりよく分からないのですが、これについてはいかがでしょうか。
○貫井委員 昭和40年に、当時の厚生省が国立小児病院を設立しました。それがきっかけで各自治体が小児の総合的な、しかも高度な医療が行える施設を設置したわけです。先ほど横田先生が話されたように、29施設+オブザーバーですから30施設、その中で4類型と重なる所がありまして、大体20施設が増えると。リストをご覧いただくと、ほとんどが県で設置された公立の総合小児病院です。指導医、訓練施設というのを小児学会でも検討したのですが、数が非常に多く、ほとんどが4類型に入っておりますので、小児医療に関しては、まずはこの集団に入っていただくしかないかといったことを研究班で議論いたしました。小児科の先生も2人入っておりますが、結構いいのではないかという意見をいただいております。
○山本委員 県立病院と大学病院しか29の中にはないのですが、協議会そのものはどのような認定で、これらの施設をqualifyしているのか、質の担保というのはどうなっているのかというのが多少わかりにくいように思いますが、その辺を前の4類型とある程度一緒にしたほうがいいのではないか。ここだけが協議会の会員というのが多少異に感じますので、その辺のところを少し考えていただければ、それで私は異存はありません。
○貫井委員 一応、会員施設の資格というのがありまして、Pediatric ICUがあるとか、研究教育施設があるなど、総合的に高度な医療が行えることが規定になっております。ただ、公的機関、例えば学会や厚生労働省がそれを認定してはおりません。先ほどお話したように、発足は国立小児病院という小児に関する総合的な病院であり、その後各県がそのように創ってきたわけです。内容を整理し、いま言ったようなICUや教育研究機関をきちんと整備しろ等、いろいろな規定がありまして、内容も検討いたしましたので、そのような意味では今回の4類型に加えていいのではないかということです。
○大久保委員 詳しいことがわからなかったのですが、今の話を聞いて大体わかりましたのでよろしいと思います。ただ、4類型の施設が474あっても、実際に挙手しているのが338で、重複があるにしても474と今度の30を加えたのが一応資格ということになるわけです。おそらくその中では、成人ならやりますという所と、小児だけしかやりませんという所、成人と小児両方やりますという所、また、今も130ぐらいありますから、何もやりません、できませんという所があると思うのです。手挙げ方式によって、一つひとつの施設が自分の所はできるということがきちんと公表されて、そのような病院であることが分かればいいのではないかと思いますので、私はこの条件でよろしいと思います。
○永井委員長 その他何かあればお願いいたします。
○小中委員 具体的なことを少しお伺いしたいと思います。仮に、日本小児総合医療施設協議会が5類型に載ることになったとしたとすると、具体的に言うと、自分の所は脳死判定ができる体制が整っているということになると思いますが、そのような施設から我々がドナー情報をいただいたときに伺って、4類型の施設と同様に行っていく、具体的な流れはそのようになっていくと捉えてよろしいですか。
○貫井委員 いまの4類型も手挙げ方式で、厚生労働省にこのような体制が整ったと申し込むわけです。今回は、それに被虐待児に対する対応体制というのも加わりますので、小児総合医療施設協議会の施設が揃ったということになれば、厚生労働省に申請をしますから、そこで認められれば、当然移植ネットワークにこのような施設が提供施設になりましたという通知が行くわけです。もちろん、公表しては困るという病院もあるので、世間には公表しなくても、移植ネットワークにはいくわけですから、いままでと同じだと思います。
○小中委員 わかりました。
○大島委員 私の理解が間違っているかもしれませんが、手挙げの4類型というのは、脳死判定のできる施設であると御墨付きが出された施設であると理解していたのです。その上で、どのような事情かは勝手だが、手挙げ方式で嫌な所はやらないという理解でした。なぜ、そこにこだわるかと言うと、小児の脳死判定というのは、やはりちょっと特殊かなという理解をしていたからで、それで先ほどの「あるいは」に特にこだわったのです。ここのスタートが間違っているからかもしれませんが、4類型があって手挙げ方式だから、手を挙げた所は全部その対象となるという理解をしてしまったのです。
○横田参考人 先ほどお話があったように、4類型であっても小児の脳死判定ができないという施設はありますから、大久保先生が言われたように、5類型という言葉が適切かどうかは分かりませんが、5類型になった場合は成人と小児の両方可能、小児のみ可能、成人のみ可能という3つの分類があるのではないかと思います。ただ、現状でも60施設は脳死判定ができないと答えてはおりますが、これは最後の支援システムにも関係してくることですが、支援システムをうまく使うことで、負担の軽減だけではなく、脳死判定の支援チームのようなものを作ることによって判定ができる、そんなお手伝いもできるのではないかとも考えております。
○相川(厚)委員 いまの支援システムについて少しお話しておきたいのですが、日本臓器移植ネットワークには、救急医学会を中心に指導医126名が脳死判定の支援チーム、支援ドクターとして既に登録されておりますから、これを有効に使っていただきたいと思います。また、日本脳外科学会では脳波の判定の支援チームが既にできておりますし、活用している施設もあります。ここには「適正な脳死判定を行う体制があること」と書いてあり、もちろん判定するのはその病院のドクターですが、正確な判定または間違いなく、または今までの経験を基にして支援するということも非常に大切ではないかと考えております。ですから、この支援チームをうまく活用していただき、より正確に、より厳格に判定していただければクオリティも上がると考えております。
○貫井委員 いまの相川先生のお話についてですが、実際に問題になるのは、学会、あるいは虐待についてもいろいろな問題が出てくるので、支援体制と言ってもボランティアなのです。申し訳ないですが、これについてはご了承願いたいのです。ボランティアですと長く続かないですし、やはり、移植医療を進めるための支援体制というものを社会全体で考えていかなければと思います。いまは各医者の好意でやっているのです。もう1つ、これからコーディネーターも充実させていかなければいけないというのもありますが、支援体制全体をどこかで一度考えてほしいなと。いまは虐待の問題で判定基準がなかなか決まらないと言いますか、大変苦慮しているところがあるのですが、そこにしても最終的には専門家に相談するための体制を整えなければいけない。そうすると、やはり最初はボランティアでやってもらうしかしようがないという現状ですので、是非理解していただきたいと思います。
○山本委員 横田先生の資料の5頁の下のほうをご覧いただきたいと思いますが、これで見ると、小児の脳死判定ができない、「可能でない」という施設でいちばん多いのは小児の専門施設であり、その他を抜かせば圧倒的に青い所が多いのですが、小児科専門施設というのは実際にはこんなにできないのでしょうか。
○宮坂委員 実は先ほどからそこについて発言しようと思っていたところです。私は日本で最初の小児専門医療施設、国立小児病院ができた最初頃からおりましたが、小児科内科、それも専門診療科の集まりから始まっているのです。小児科の先生は基本的に内科の先生と同じで日常的に重篤な患者や脳死などに遭遇しない、そのようなベースがあるわけです。日本では、小児重症患者を診る総合医療(小児ICU)が分かれていなかったのです。ここに来てようやく小児ICUという言葉が認知されることになったのです。そうすると先ほど述べたように、実際に小児総合医療施設が30施設近くある中で、ICUがあるとは言っても、院外からの小児救急患者が年間何百人と来る所はおそらく一握りだろうと思います。そんな施設でも、小児科の先生はたくさんおりますし、虐待対策の委員会もできますし、指針を読んで手順を考える方もおりますから形式的には臓器提供施設できますが、重篤な患者の治療や救急医療に積極的に取り組んでいる施設は少ないです。例えば心臓外科の術後症例を除いては、院外からの重症患者を積極的に扱っているところがないわけです。山本先生の質問に対してお答えすると、大変不甲斐ないのですが、実際にできる施設がないということです。
○大島委員 先ほど来ずっと言いたいことがあったのですが、いまの問題を1つ取ってみても、5頁の「可能でない」というのは確かにそうですが、「どちらとも言えない」というのも「可能でない」と同じようにしか考えられないのです。どちらとも言えないというのは、どちらとも言えないからどうぞおやりくださいなどという馬鹿な話はあり得ないわけで、どちらとも言えないという施設は、不可能という判断です。可能でないとどちらとも言えないというのを足したら、どう見ても圧倒的に多いです。先ほどから言いたかったことは、最後のまとめの所の「脳死判定に関して豊富な経験を有する医師」ではなく、「小児の脳死判定に関して豊富な経験を有する医師」にしたら、「小児」という言葉を入れるか、入れないかで随分違うのではないかということですが、それについてはいかがですか。
○横田参考人 小児の脳死判定という意味ですね、それはそういうことだと思います。
○大島委員 それが入っていないし、しかも並列で「あるいは」と書かれているから、その辺が少し曖昧な感じがしてしようがないのです。
○横田参考人 わかりました。これは小児の脳死判定というのを前提としたので、確かに大島先生が言われるように、そこの部分は追加したほうがいいと思います。
○宮坂委員 今のことは、大人の救急の前提として、子どもの治療がきちんとできるということも含まれていると思うのです。やはりいちばん大事なのは、救命救急センターの多くの所は大人の重症患者の医療はできますが、子どもの重症患者はなかなか扱えない、そのような所はおそらく、正直に子どもの脳死判定はできないという返事をしているでしょうし、そうしたことが背景にあると思います。「小児の脳死判定に経験を積んだ」ということを入れるのは大事なことだと思います。
○相川(厚)委員 11頁に「脳死下臓器提供への協力(4類型以外)」と書いてありますが、支援があれば協力できるという所も結構あるので、大島先生は「どちらとも言えない」という施設は全部駄目と考えられているでしょうが、支援体制によってはできる可能性がある所も出てくるのではないかと思います。
○大島委員 それは次の議論で、そこまでは否定しません。
○貫井委員 「どちらとも言えない」というのは、判定基準が出ておりませんので、初めて小児の脳死判定をするというところが1つと、虐待児の問題が非常に難しいという観念があって、まだ様子見をしていると考えております。先ほど出てきたように、いまは15歳以上ですから成人の判定だけすればいいわけです。これは後の議論になると思いますが、小児だけ、小児と成人、成人だけと3つの形が出てきて、だんだん形が整っていけば、臓器提供施設として手を挙げる施設は増えるのではないかと感じております。
 また、小児の専門施設なのに判定ができないというのが多いのではないかということでしたが、結局12施設しか返事がなく、3つ類型があって、救急をしていない所も30のうち8つか9つ入っているのです。たまたまこのような統計となっていますが、小児の総合的な高度の医療を行っている施設の塊というのはここしかないものですから、その中で救急をきちんとしている所から手を挙げてほしいと。ここに個々の病院を書くわけにいきませんので、塊として入っているとご理解いただければと思います。その中で、自分たちで精査して脳死判定ができる、臓器提供ができる、被虐待児の対応ができると思った所に手を挙げていただく、このように考えております。
○永井委員長 今後、協議会のメンバーが増えたらどうなるのでしょうか。これはもう増えないのですか。
○貫井委員 はい。むしろ統合して減るようです。いま29ありますが、既に28になっていて、これから青梅とか3つが統合しますので、数は減って、もっと総合的になると。
○相川(厚)委員 10番の都立清瀬と都立八王子、それから梅丘が合体して都立小児医療センターになっています。
○永井委員長 その他いかがでしょうか。
○町野委員 全く別と言いますか、基本的な観点ですが、虐待の判断というのは脳死の判断とは別のものであるということですね。したがって、どこで問題になってくるかと言うと、委員会の最初に貫井先生が、法令で脳死判定の対象から虐待児を外すということになると言われて、これは法令の改正ということになりますが、そうするとむしろ一般の臓器移植、つまり心臓死からの臓器提供については問題にしなくてもいいのではないかといった誤解が生じると思いますので、まずその点でそうではないだろうということです。
 第2に、虐待児からの臓器の提供はしないことを前提にした新しい法律が作られたということは、実は現行法を変えているわけです。つまり、現行法では心臓死の人間等からについては何の規定もなかったわけです。小児脳死臓器移植と虐待の問題とを混同してと言いますか、結び付けてしばしば議論がされますが、これはかなり良くないことだと思っています。そして、その関係から言うと、臓器の提供が被虐待児から行われてはいけないとするならば、小児の脳死判定が可能な施設ばかりではなく、これはすべての点について言えなければいけないことだと思います。したがって、小児の臓器提供の施設にだけこのことを規定するという具合に書いてありますから、4施設プラスアルファ、それについてだけではなく、ガイドラインでそれをするかどうかは別にして、これはすべての点についてかかってくると考えなければいけないだろうと思います。
○貫井委員 また別の問題が出ましたが、被虐待児の問題は児童虐待防止法で18歳未満の児童に適用されます。もう1つ、心臓死の場合も当然虐待児の問題が出てきます。心停止後の臓器提供に関しては、実はあまり検討していなかったのですが、最終的にそのような問題も出てきましたので、いま研究班で検討しております。脳死判定基準と全く別に被虐待児を診断するのではなく、臓器提供者から除外するようなマニュアルを作っていきたい。というのは、診断となりますと大変だからです。
 もう1つは、全医療施設にそのような知識を持ってもらうという意味で、いま一生懸命作業していますが、日本の現状はなかなか難しいのです。ただ、1つのきっかけとして、このような見方がありますというのを是非示したい、被虐待児に対する対応を是非取っていただきたいと考えてはおりますが、現在は臓器提供者に関するところだけで手一杯で、それを全国的に普遍してやってもらうようにはなっておりません。たぶん、奥山先生たちがこれから活動されると思います。
○奥山委員 確かに死後もというところは、逆になかなか難しくなってしまうという思いはずっと持っておりました。いくつかの問題があって、1つは、臓器移植は治療の最初のうちから判断されるものだというのはそのとおりなのですが、子どもが脳死になるという状況を考えますと、かなり救急で割と早い判断が必要になるときが多いのではないかと思うので、そこのところをどう考えるかだと思います。
○貫井委員 子どもの場合、ある程度時間はあると思います。
○奥山委員 どのぐらいの時間を想定するかということもあると思うのですが、かなり危ない状態で運ばれてきて、割とすぐに脳死状態になるケースに関してはかなり時間が短いので、虐待の判断をする時間が非常に短くなってしまうというところが、脳死の場合は1つネックになるのではないか。それが心臓死とかなり違いが出てくるだろうと思いますので、脳死のほうでは少し広く取っておいて、そのあとに虐待の判断をして、これは取り過ぎだった、虐待ではなかったという場合には、心臓死のあとの提供ができるような部分も残しておいてもいいのではないかと思います。
○宮坂委員 奥山先生が言われたのとは少し違うかもしれませんが、小児の場合は救急部門のその場すぐにということは比較的なくて、どちらかと言うとある程度時間が取れるかなと思います。実際の場合、虐待の疑いがあるということであれば、まずその前提として、脳死判定とは全く関係なくまず虐待問題の対応をします。臓器移植を考えて脳死判定を考える場合、病院に来た段階で疑いがあれば、おそらく警察や児相に届け出るなり連絡しますので、現時点ではあまり問題にならないのではないかと思います。
○奥山委員 実際に成育医療センターで見ていたケースの中で、脳死と思われるケースを扱っています。その中で虐待が疑われるというのは数ケースあるのですが、やはり速いのです。虐待のほうが脳死に至る時間がかなり速いということはあると思います。
○宮坂委員 同じようなことで、いまの医療では、よその病院から重症の患者が運ばれてきたときに、その病院は虐待などあまり関係なく、重症の患者が来たということからスタートしてしまい、元の病院に虐待の可能性があるのですかと聞くような習慣もあまりないのです。やはり、これからはそのようなことからやっていかなくてはいけないと思いますが、スタートの時点から持ってくれば結構時間はあるかなと思います。
○相川(厚)委員 先ほど辺見室長も言われていましたが、資料2-2にあるように、警察の対応は少し遅い段階で書いてあると考えております。実際の救急現場におられる有賀先生のご発言ですと、外傷性、外因性の傷害で救急車が救急施設に向かう場合は、ほとんどの救急隊員は既に警察に連絡しているということです。救急施設に着いた時点で医師が診察をして、これは外因性の可能性があると言った時点で、もう1回病院から警察に連絡をする、警察がすぐ来てくれるかどうかは別の話だとおっしゃっておりましたが、その時点で警察には既に2回連絡が入っているということでした。
 脳死になる状態で脳死判定をするときには、医師法第21条の前に、脳死判定を行う前の指針11として、死体からの臓器移植の取扱に関するその他の事項5の検死で、警察署長に連絡をしなくてはいけないことになっておりますので、その時点で既に3回連絡をすることになっております。もちろん施設のスクリーニングは非常に大事だと思いますが、警察の関与もかなり関係してくると考えております。
○奥山委員 子どもの虐待の場合は、ほとんどの親御さんがどこかから落ちたといった話で、事故という形で来ることが圧倒的に多いですから、警察に連絡がいっていることのほうが少ないと考えたほうがいいです。虐待と気付かなければ警察に連絡はいかないわけです。
○相川(厚)委員 しかし、救急隊員は外傷性ならば連絡しているわけですよね。
○奥山委員 いいえ、救急隊員も落ちたのだと思っていれば、それきりになることがあるので必ずしも連絡していません。実際にしていないです。
○貫井委員 いま虐待のマニュアルを作成中で、いろいろと細かいことは出てくると思いますが、でき上がりましたら、ここに出します。この流れ図は仮のものであって、概念的にこういうものだというだけの話ですから、あまり意味を持ってはおりません。最初のときに私自身も一緒に作ったのですが、あまり問題にしないで、被虐待児を臓器提供者から除外するためのマニュアル、フローチャートは、最終の詰めをしておりますのでその辺はもう一度。今日は対応体制があるかどうか、それはどのような内容かということで、ここには書いてありませんが、院内の虐待児防止委員会、あるいはいろいろな名前がありますが、院内でさまざまなスタッフを入れた委員会を作ってほしい、なければ困ると。
 もう1つは、児童相談所、保健所、保健センター、警察等への連絡体制があること、これが最低の体制として求めていくことであります。これがないと、やはり小児の臓器提供施設としては認められないのではないかと思っておりますが、その辺はそういうことでいいのかどうか。一応虐待のチームの方も班におりますので相談して、対応体制は具体的にはこういうことだということを報告書の中に提案をする予定でおります。
○奥山委員 先ほどの横田先生の発表の中で、そのようなのが整っている所が70いくつあるというのはちょっと驚きで、本当かしらという感じです。実際に関東近県で、ある程度クオリティがあって、きちっとしていて診ることができるという所は、5カ所ぐらいしか頭に浮かばないですので、これは単にソーシャルワーカーがいて、連絡システムがある、それなりのシステムがあるというだけではないのです。ちょっと細かいことになるかもしれませんが、例えば放射線もきちんと見て、骨幹端骨折を見ることができているかというところまでいくと、小児放射線科医がいなかったり、システムがありますと言っている所でも眼底を見ていなかったりということがありますので、やはり施設の条件としてシステムがあるということにプラスして、少なくとも誰かが1回どこかできちんと研修を受けているなどといったことを付け加えていただいたほうがいいのではないかと思いました。
○山本委員 いまの資料2-2の「虐待があること、または疑いがあると判断」の右の所で、奥山先生も言われたように、疑いがあるという判断で不可になってしまうのは、やはり違うのではないか。不可の真ん中に、虐待に対する精査、確認などがあって、それがイエスとノーになってから不可は不可と。
○貫井委員 それはまたちょっと違う話で、被虐待児の除外マニュアルの次というか、4月になってからそのような考え方をしますので。
○山本委員 それは虐待のところの先ほどからの流れで、私が言いたいのはここがある、ないで判断が違ってくるということなのです。
○貫井委員 先ほど奥山先生もおっしゃっていましたが、疑い例を臓器提供者の中に入れてしまったら、逆に大変なことになりますので、基本的な考え方はまた次回お話したいと思いますが、ちょっと広めに、虐待ではなくてもチェックリストに引っかかったら、臓器提供者になってもらえないという例が出てきても仕方がないかなということは思っております。
○山本委員 ただ、先ほどからの議論ですと、やはり疑いがあっても天下晴れれば、それは虐待ではないという判断になるのではないかということです。
○貫井委員 判定基準とはまた別の話ですので、後ほど説明いたします。
○町野委員 先ほど小児脳死移植と虐待を結び付けるというのは非常に良くないと言いましたが、それには2つの意味がありまして、奥山先生と一緒の研究会でやっていますので釈迦に説法みたいなところがありますが、1つは児童虐待の問題が小児脳死移植のときだけ対応しなければいけなくなるということを私は非常に恐れているということです。これだけをやれば片がつくと思ったら、それは間違いだというのが1つです。国会でも申し上げましたが、臓器提供も移植や虐待の問題も、やはり矮小化することになってはならないわけです。
 もう1つの問題は、小児の臓器提供は少なくとも現行法で可能になったのですが、そのときにお子さんを失われた母親や父親の気持をまず考えた上で、いまの手続を取ってもらいたい。何かあったときに根掘り葉掘り聞かれたり、疑われるということがあると、提供する人は誰もいなくなる、これでいいのかと私はかなり思います。もう大きくはなりましたが私も子どもを持っていますし、そのようなことがあると思いますので、疑わしい場合はしないという態度、ちょっとでも疑いがあったらやらないということで進むとなると、これは問題がかなり大きくなるのではないかと危惧いたします。いずれにしても、これはおそらく下にある作業部会で議論されるべき問題で、時間をとって申し訳ありませんでしたが、そのことだけ申し上げておきます。
○永井委員長 だいぶ議論が白熱してきましたが、今日はここまでに留めまして、あとで事務局に論点を整理していただき、さらに次回ご議論いただければと思います。予定された議題は以上ですが、連絡事項があればお願いいたします。
○辺見室長 長時間にわたり、活発なご議論をいただきましてありがとうございました。本日ご議論いただきました内容を踏まえまして、事務局においてさらに検討を進めていきたいと思います。次回は4月上旬の開催を予定しております。日程が決まり次第、文書にてご連絡を差し上げます。お忙しいところ恐縮ですが、日程の調整、確保方よろしくお願いいたします。
○相川(厚)委員 最後にお時間を取らせまして申し訳ありません。以前、臓器移植関連学会が「臓器移植法改正後の移植医療の体制整備に関する提言」というのを出しましたが、今回は、ワーキング3のグループ3の小児に特化したものを付け加えて改訂版を出しております。医師会も含めて21団体の関連学会が共同して作ったものですので、是非一度お読みになっていただき、提供側の気持、または臓器移植ネットワークのシステムといったものを考慮していただければありがたいと思います。前回と違ったのは、今までオブザーバーとして括弧書きで出ていた日本小児科学会が、オブザーバーが取れて正式な会員になったということです。そのような意味では、実践に向けて非常に強いものだと考えております。どうぞご活用いただきたいと思います。
○永井委員長 本日は以上で終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室
代表 : 03(5253)1111
内線 : 2366 ・ 2365

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