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2010年7月6日 第17回有期労働契約研究会 議事録

○日時

平成22年7月6日(火) 10:00~12:00


○場所

経済産業省別館1014号会議室(10F)


○出席者

<委員>

荒木委員、鎌田委員、佐藤委員、橋本委員、山川委員

<事務局>

渡延労働基準局審議官
前田労働基準局総務課長
青山労働基準局総務課労働契約企画室長
丸山労働基準局監督課中央労働基準監察監督官

○議題

(1)有期労働契約に係る施策の方向性について
(2)その他

○議事

○鎌田座長 少し遅れましたけれども、ただいまから第17回「有期労働契約研究会」を開催した
いと思います。
 委員の皆様方には御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 本日は、阿部委員、奥田委員、藤村委員が御欠席ということであります。
 本日は、前回までの御議論を踏まえ、中間とりまとめ以降の議論を整理した資料、有期労働契
約に関する各論点を網羅的に図示した資料等を事務局に作成していただきましたので、それも踏
まえ、意見交換をさせていただきたく存じます。
 それでは、まず事務局から資料に基づき、御説明をお願いいたします。
○青山室長 では、御説明いたします。資料の順に沿いまして、御説明いたします。
 資料1は前回の議事概要です。これは後ほど、これまでの議論をまとめたものの中で主なもの
が盛り込まれていますので、資料1自体の説明は省略いたします。
 議論をまとめたもの以前に、まず海外についての資料を幾つか御説明したいと思います。
 資料2の中の資料2-1でございます。これはフランスの慣行的有期労働契約とあります。今
日は残念ながら御欠席ですが、奥田委員に提出いただいたものでございます。前回の会合のとき
にフランスの実情の話の中で、企業が慣行的有期労働契約というカテゴリーをより活用している
という話があり、奥田委員から対象となる事業部門のリストが存在するという御紹介をいただい
たところでありまして、そのことを踏まえて、リストなどの資料を御提供くださったものですの
で、私の方から御紹介いたします。
 資料2-1の3つ目の丸にありますのが、政令に書かれている慣行的有期労働契約の活動部門
のリストでございます。森林開発から始まってホテル・レストラン、プロスポーツとか、いろい
ろと書かれております。これについては1つ上のポツにあるのですが、労働協約での補完も可能
とされているようでございます。
 このリストを使った慣行的有期労働契約がどのように可能かというと、4つ目の丸にあります
ように、このリストに掲載されることに加えて2と3がありますが、期間の定めのない契約を締
結しないという恒常的慣行がその職に存在することが必要であるということと、その従事する職
が一時的な性質のものであるということでございます。
 下に小さい字がありますが、ここに書いてありますことは、これをめぐる裁判例の動きでござ
います。当初はこの3つを裁判所も厳格に判断していたということですが、途中この小さい文字
の真ん中辺にありますが、1)、2)を満たすことを求めると多少柔軟化したと。要は3)は余り
判断されてないような感じの判断をされた時代があったようでございますが、2008年に再び減額
になったということで、3)の職の一時性を重視して判断されている。最近はきちんとこの3つ
の要件が厳格に判断されているということのようでございます。
 これでわかりにくい部分があるかと思うので、奥田先生からも多少中身の実例をお聞きしたも
のがありますので、口頭ですが紹介させていただきます。例えばホテル・レストランとあります
が、ホテルのルームメイドで有期労働契約で雇用され更新されてきたものについて、恐らく労働
者が無期への変更を申し立てた裁判におきましては、それは政令にもあるのでしょうが、労働協
約にも臨時雇いとして認められていることを理由に、使用者は有期雇用契約であることの正当性
を主張したという事例でございます。ただ、裁判所はそこを厳格に判断しまして、リストに書い
てあるとか、協約に臨時雇いでやっていいと書いているだけではだめで、雇用の一時性が証明さ
れていないということを理由に有期であることを認めなかった例があったようでございます。
 もう一つの例としましては、テレビ製作の分野におきまして、このリストでもテレビ放送事業
などがありますけれども、テレビ製作に参加したフリージャーナリストが番組が終わったら契約
は終わったという事例だったようですが、これを一時的な番組製作に参加していたということで
一時性が主張されたようですけれども、そういう理由だけではだめだということで、それ以上は
詳しくわからないのですが、もっと無期であることの慣行があるかということに加えて、雇用の
一時性がきちんと証明されているかということを判断しろということで、認められなかったとい
う事例があったようでございます。
 フランスの慣行的労働契約は以上でございます。1つ言い忘れましたが、このペーパーの最後
にありますように、この慣行的有期労働契約で有期労働契約を活用する場合には、連続した有期
労働契約は可能ということで、期間を超えても再度、同労働者と有期労働契約を締結できるとか、
その場合にクーリング期間の規制は要らないという規制になっているということで、連続した活
用をするときに使われているようでございます。
 以上がフランスの内容でございます。
 資料2-2は、スウェーデンの関係でございます。これは前回も各国の実情を御説明する中で、
スウェーデンの動向などは3月のJILPTにおけるフォーラムの議事概要を御説明する形で御
紹介いたしましたが、そのときの講演されたスウェーデンのレンマー先生という学者の方の書か
れた論文、そこの場で発表されたこととか、そのときの議論を踏まえて、その後このフォーラム
の報告書をつくる中で書かれた論文を入手しましたので、その和訳したものを提出させていただ
いております。長いですので、簡単にこのスウェーデンにおける有期法制の流れがわかる部分だ
け抜粋して、一部御紹介させていただきたいと思います。
 4ページでございます。有期労働法制の一番初め、真ん中の方に線がありますが、1974年に制
度ができまして、当初は客観的理由が必要ということで、季節、業務、特定の性質がリスト化さ
れていた。1982年は、試用と業務の一時的な増加ということで、それが更に増えていったという
ことでございます。
 4ページの下のパラにありますように、その結果、多岐にわたるリストという形で締結事由が
規定されていって、更に新たな類型も導入されたということが1996年、下の方行くと2000年も
更に導入が行われたということで、事由がどんどん増えていったということが述べられておりま
す。その後、EU制定という状況が挟まりまして、それで多少スウェーデンも状況が変わってき
たということでございます。
 7ページの「3.有期労働契約に関する現在の規制」という項目でございます。2007年に根本
的な改正が行われたということで、その規制を簡素化し明確化することを目的として行われた。
柔軟で効率的な労働市場において、雇用の安定、労働者の関与のニーズに応える、政府が有期労
働契約を使用する可能性を増やしたかったということでございます。
 その内容としましては、7ページの一番下のパラグラフにあります。先ほど言いました多岐に
渡っていたリストというものが一般有期雇用のほかの臨時的代替雇用、季節的雇用のみが加わっ
た形に簡略化されて変更されたということで、有期労働契約の領域は広くなった。初めの一般有
期雇用のカテゴリーは理由が要らないということで、その代わり、直近5年間で2年を超えない
という期間制限が課された。それを超えると無期に変換するという形で期間上限のルールに変わ
っていったという経緯が詳しく述べられております。これは最近の改正ということで評価がなか
なか難しいのですが、11ページにそういう趣旨のことが書いてあります。
 「4.結び」のところに、時間も経っていないので、評価がまだできないということですが、
更に2パラにありますように、スウェーデンの法制の特徴として、労働協約で法律で特例を設け
られるということもあるので、それが一層その影響を判断することがわからない原因にもなって
いるということですが、その副作用として、メディア部門などでは無期への転換がなされるとか、
再雇用の優先権が生ずる直前の区切りにおいて雇止めされているリスクは多少出てきているとい
う実態も報告されております。前回にお話をしたことと骨格は変わりませんけれども、詳細なも
のがありましたので、こんな形で記録としてもとどめたいと思っております。
 先生のお手元に赤い本があります。これも含めて3月に行われて、荒木先生がコーディネータ
ーを務められましたJILPTの海外の有期法制比較フォーラムの全体の報告書でございまして、
英文ですが各国の実情が載っておりますので、参考にお出しいたしたいと思います。御参照くだ
さい。
 海外については以上でございます。
 次は資料3にまいります。A3の資料でございますが「有期労働契約研究会中間取りまとめと
その後の議論の整理」でございます。大きな横の表でございます。これは中間とりまとめの内容
を全部書きまして、その後、行われた労使のヒアリングによる意見と、それも踏まえて行われた
この有期研の議論をとりまとめたものでございます。全体が長いですので、ポイントで御説明い
たします。
 1枚目は中間まとめの本文しかございませんので、1枚目はめくっていただきまして、2ペー
ジ目でございます。
 2ページ目は、中間まとめの総論部分の我が国の労働市場をどうするかということでございま
して、労使の意見、その後の意見を分けてみますと、有期労働契約をどう評価するか。無期を原
則にするのか。安定雇用のステップとして評価すべきとか、雇用調整、中小企業の人材確保に欠
かせないという労使の意見があることを踏まえた議論としましては、安定雇用のステップという
視点。不安定雇用なので何とかしなければいけないという視点などがあるということは、やはり
考えなければいけないという議論とか、それも踏まえて有期そのものをなくすという方向性。あ
とは労使のニーズといったメリットをどう考えるかという視点。認めるけれども、常用代替防止
の観点から増やさないという視点などをどう考えるかという議論があったことをまとめさせてい
ただいております。
 真ん中の欄でございますが、中間まとめに書きました、長期のもののみならず、短期のものも
含めた需要変動におけるリスクをどう公正に配分するかという論点につきましては、消費者側か
ら意見もあったところですが、これはやはりリスクの内容によって多少分けて考えなければいけ
ないという議論が有期研でもされたかと思いますので、関連する意見を並ばせていただいており
ます。
 例を言いますと、2つ目の○にありますように、会社全体でリスクを配分しつつ、やむを得な
いときには雇止めをしている企業もあるので、そうした実態であれば理解できるということ。一
時的・臨時的なリスクをどう考えるのか。一方、中長期的なリスクは柔軟性という考え方もある
だろうという意見などが出ていたかと思います。
 一番下の欄は有期研の中間まとめで書いたときに、正社員のルールを論ずる場ではないという
ところに対して、視聴者などから意見があったことについては、その後の議論では正社員に関わ
る問題は除外して解決できないということではないけれども、法体系全体のバランスや影響を視
野に入れながら議論をしなければいけないというのは、そのとおりだろうという議論がされたか
と思います。
 3ページ目。総論に続きですが、(2)有期労働契約者の多様な実態を踏まえるということで、
中間まとめまでは4つの職のタイプという調査でやった分類を整理していたところですが、その
後、労使からももっと分類するべきという意見が出たことも踏まえて、有期研でも高齢者とか形
態別に見ていただいたところですが、その結果の御議論でも一番右の欄の一番上の○にあります
ように、高齢者は不本意よりは本意ではないかということとか、契約社員はパートなどに比べる
と不本意性が強いのではないかということなどの分析がされたかと思います。そういうことで法
律で書こうと思うと、多種多様なものをどうカバーするかは難しい問題だという議論がされたか
と思います。
 3ページの一番下に施策の相互関係、施策の及ぼす効果という論点については、皆さんの議論
の仕方として、2つ目と3つ目にありますが、規制のさまざまなパターンを関連をよく見ながら
議論をしなければいけないということ、入口・真ん中・出口を一気通貫で見たときにどうなるの
かということも見ながら議論をすべきではないかという議論があったかと思います。
 4ページ目の真ん中の欄(3)で、さまざまな性格の規定とか行政手法の総合的な活用という
論点で、中間まとめでも労使のニーズや取り組み方がさまざまであることを踏まえた在り方が検
討課題になっていたのですが、使用者の方からも一律規制ではなく現場の創意工夫も検討すべき
ということだったのですが、それについての研究会での御議論もそのとおりだということで、真
ん中の○にありますように、EUの諸国でも労働協約によって規制を変えることが認められる例
などが紹介されて、議論がされたかと思います。ドイツにおける個人の事情、認めるという例も
紹介されたかと思います。
 5ページ目。各論に入りますが、締結事由規制につきましては、中間まとめでも導入の合理性
について御議論をする必要があるとか、一方でフランスの例などは紹介されていたのですが、こ
こは使用者などから非常に影響が大きいということで、反対意見も出ていたところですが、これ
については前回も含め、フランスの例などが紹介、更に実情も含めて研究いただきまして、議論
をいただいたかと思います。
 視点としては、例えば一番右の欄の上2つにありますような、無期になった場合に解雇がどう
なるかということで、我が国は当然、濫用に当たれば、その解雇は無効であるが、フランスなど
では金銭解決が可能。一部、経済的解雇は厳しいのだけれども金銭解決ということで、無期にな
った場合の解雇規制のありようも違うので、それとの違いも考えなければいけない。
 真ん中辺にありますように、ヨーロッパであっても有期契約を入口で規制するということがあ
ったとしても、その後、失業対策という趣旨で有期労働契約を広く認める方向の動きもあると。
先ほどのスウェーデンも含めて、あるということとか、それでも一定の期間を過ぎたら無期にな
るということで、それでも無期の促進になっているということで、無期原則といってもいろいろ
あるのではないか。入口規制をしているフランスだって柔軟に使われているという部分があると。
先ほど御紹介したような例ですが、そういうことが議論されたかと思います。
 6ページ。各論の先ほどの出口規制につきましては、これは主に労使からは一律の期間設定が
難しいなどの意見が出ていたと思います。これについては副作用の問題が中間まとめでも懸念さ
れていたところですが、例えば一番右の欄の一番下にありますように、韓国においては出口規制
を引いた施行の結果として、無期になった場合と雇止めされた場合は3割ぐらいずつという結果
が報告されたところでございます。
 解雇権濫用法理につきましては、予測可能性の問題が労使でも議論になったところですが、企
業にとっては明確にしてほしいということが希望で、それが明確になれば受入れ可能ということ
なのかなという意見が出たかと思います。
 7ページ以降は、労働条件明示の締結時の課題、終了の課題ですが、これは個別の細かい議論
はその後されていないかと思うので空欄になっていますけれども、労使の意見を簡単に振り替え
ますと、手続の方につきましては、きちんと制度化すべきという労側と現行制度で問題ないとい
う使用者がいたり、書面明示がない場合の無期にするかどうかという効果につきましては、使用
者側からは多少難色を示されたということがあったかと思います。
 第4の終了に関わる問題は、1の細切れの問題につきましては、細切れといっても更新の機会
を一定の面談に使っているとか、業種によって違うという意見があったことが出ていた議論かと
思います。
 8ページの一番上は「3 雇止め後の生活安定等」とあります。これは特に雇止め時の手当な
どについての議論をされた項目ですが、雇止め手当、フランスの契約終了手当を参考にする手当
の在り方などについては、使用者などからも退職金とかほかの制度との関係を含めて、よく整理
すべきということでございましたし、一部なじむのではないかという意見もあったところです。
 これについてはその後、フランスの契約終了手当の研究ということが更にされまして、一番下
の欄にありますけれども、契約関係の不安定自体を補うという趣旨で、この手当で設けられた。
無期になると払わなくていいということで、無期への移行を促進する意味を持っているというこ
とで、皆さんの間で性格がある程度認識されたのではないかと思います。
 次は、均衡待遇、正社員の転換の議論でございます。9ページに行っていただきまして、均衡
待遇など公正な待遇につきましては、難しいのが比較すべき労働者をどう考えるのではないかと
いうことは意見で出ていたかと思います。
 正社員の転換でございます。これは特に使用者からは、勤務地限定、職種限定等の正社員の在
り方について導入の検討の予知があるけれども、解雇権濫用法の扱いを含め、議論を深めるべき
という意見につきましては、有期研の御議論では、これは使用者の方はこういうモデルがあれば
受入れ可能かなと思っているのかなという印象が話されたとともに、行政が実態がないところに
モデルをつくるのでは難しいのではないかという意見も出されまして、そこはそういう課題とし
て議論がされたかと思います。正社員転換の中には、従来の正社員に限られないものも含めて、
幅広く考えていくということは労使の意見としてあったのではないかという評価がされたかと思
います。
 10ページ。1回の契約期間の上限、それに関する団体措置につきましては、労使の意見として
は上限の引上げは余りニーズが見られなかったと思いますし、暫定措置については、労側は予告
を経てから退職できるようにすべきという意見。一方、使用者は役割を終えたものであるべきと
いう意見でしたが、これについてはその後の有期研では細かい議論はなかったかと思いますので、
空欄になっております。
 非常に走りましたが、資料3については以上でございます。今、資料3であったことも踏まえ
まして、有期労働契約に関する各規制といいますか、各論点がどのような相関関係かというもの
を資料を読んで図にさせていただいております。入口、真ん中、出口と一気通貫という御議論も
ありましたので、資料4は可能な限り、中間まとめの要素を図に落とし込んだものでございます。
 この図の見方は有期労働契約の各段階を、黄色のところで締結から更新を経て雇止めになると
ころまでラインを引き、その上下に関係する規制や論点を散りばめております。この図の特徴は
有期労働契約の論点であるのですが、やはり無期労働契約のルールとの関係が必ず出てくる問題
ですので、無期労働契約も対照させて書いております。
 この資料4でございますが、一番上に有期労働契約全全般の課題を書かせていただいておりま
す。これも中間まとめの課題を要約したものでございます。有期契約労働者は多様なニーズによ
り増加して、多様な集団になったと。自らの都合に合った働き方である場合とか、やむを得ず就
いた場合、継続雇用されている実態などがあったということで、そういうことを経て雇用の不安
定さとか待遇などの格差、能力形成が不十分等の課題が問題となっているということで、こうし
て正社員との格差が顕著な有期労働契約者について、雇用の安定、公正な待遇等を確保するため、
ルールの在り方を検討し、方向性を示すことが課題ということだったかと思います。そういうこ
ともあり、正社員との比較に図がなっているところでございます。
 図を簡単に御説明いたします。契約の段階ごとに御説明しますと、契約の締結時点でございま
す。線の上と下で上が実態ルールで、下が手続ルールに近いものを分けて書いているつもりでご
ざいます。
 上の方から行きますと、契約の締結時や更新時もそうですが、締結事由規制がここでかかると
すれば、かかるということでございます。ただ、これについては労使のニーズとの関係、新規雇
用が抑制されないかという課題が示されていたかと思います。
 そのルールとは別に第2の2とありますように、更新回数・利用可能期間に係るルールも選択
肢になっていますが、それはこのすべての契約の初めから最後までを見て、最後の年限、更新回
数何回までということで区切りというものをつくって、そこを超えたら一定の法的効果が生ずる
というものでございますので何年とか、更新の最後だと、その更新まではいいけれども、その次
ができないという意味で、最後の更新で何回という制限がかかるという図になっております。
 このペーパーの一番右の点々の矢印の下に区切り超えの法的効果ということで、無期みなし、
申込みみなし、義務づけ、解雇権濫用法理の適用に至るいろいろな選択肢が書いております。
 今のお話は雇止めにかかるルールに一部入っていくのですが、雇止めのルールとしては、別途
第4の3の契約終了手当というルールも議論されているかと思います。
 契約を締結したときに戻っていただきますと、初めに締結するときに期間を定めますが、その
期間の上限ルールをどうするか。一方で細切れとなっている実態はどうするかというルールが関
係しているかと思います。
 手続の方に移りますと、黄色の線の下の方ですが、締結時とか更新時もそうですが、締結時に
一定の明示をするということで、契約期間であるとか更新の有無、判断基準を明示する。特に契
約期間の明示については、書面明示しなかった場合の効果をどうするかも議論されております。
 手続ということですが、雇止めをするときになりましたら、その前に雇止め予告手当をどうす
るかという議論が出てまいります。
 雇止めということにつきまして、もう一つ、現在、判例法理で解雇権濫用法理の類推適用。無
期であると解雇権濫用法理が適用されますが、有期は類推適用すべき場合を一定の場合、判断さ
れまして、類推適用をされているという判例法理がありますので、そのルールをどうするかとい
う問題も生じてまいります。これはこのままルール化する場合には、現在の判例法理の予測可能
性の欠如をいかに法則するかが課題となってまいります。
 締結、更新、雇止めのルールについては以上ですが、あとは別の次元で待遇の問題や正社員転
換の問題があるということで、縦のピンクの矢印の線で、無期とつないでいる線がございます。
これは均衡待遇など公正な待遇につきましては、無期なり正社員と比較した均衡を図るというこ
とで、上下に矢印が付いて、相互関係で見ていくということになっております。
 もう一つ、有期から正社員なりへの転換ということでございまして、どのように進めるかが課
題となっているので、矢印が一方通行になっておりますが、この場合は従来型で言うと、正社員
への転換を進めているということがあったかと思いますが、職種限定、勤務地限定等の無期労働
契約という雇用形態への転換も視野に入れてという議論がされておりますので、右の方に点々の
矢印で入れております。これは中間まとめの要素を絵にしただけではあるのですが、今後、御議
論の参考ということで、必要に応じ参照いただければと思います。
 主な資料の説明は以上ですが、参考資料の御紹介だけさせていただきます。本日、参考資料と
して2つ用意させていただいております。
 1つ目が、雇用政策研究会報告書の案でございます。雇用政策研究会は職業安定局の研究会で
ございます。参考資料1の裏に名簿がありますけれども、樋口美雄先生を座長とする研究会でご
ざいまして、昨年から2020年を見据えた我が国が重点的に取り組むべき雇用労働政策の方向につ
いて、検討を進められてきました。今これは最終報告書(案)が議論されてありまして、座長預
かりになっていると聞いております。まだまとまっていないようですが、最終会議に出された最
終案が公開されておりますので、それを御提示しております。6月24日の会合で出された資料で
ございます。
 これは簡単に紹介だけするのですが、有期労働契約を考えるに当たっても我が国の今後の雇用
システムがどうなるのか、どうするのかという議論と関連しますので、そういう議論が起こられ
ている別の会合の状況も御紹介することで、皆さんの御参考に供しようというものでございます。
 この報告書の目指すところは、一番上にありますような「持続可能な活力ある社会を実現する
経済・雇用システム」ということで、イメージとしては左の欄にありますように、雇用の場が十
分に確保され、職業キャリアが形成できるとか、仕事と生活の調和とか、しかるべき収入などが
イメージとなっております。
 それで課題があるのですが、今後、経済雇用システムに求められることは、下の3つの箱に書
いてあるようでございます。特にここでも正規、非正規の二極化問題がかなり議論されたようで
ございまして、そういうこともありまして、一番左は「雇用の質が向上する働き方の改善」とい
うカテゴリーでございます。先ほど多様な正社員、まさに正社員と言っても職種限定等の限定的
な正社員も含めた正社員の環境整備を図ろうとか、派遣とか有期雇用ルールを整備しましょうと
いうことが書かれております。
 有期につきましては後ろに本文がありますけれども、有期研で返答していることもありまして、
有期労働契約の雇用の安定とか待遇の確保等の課題を踏まえて検討すべきということが触れられ
ておりますが、それ以上の中身は特に提言は書いていないかと思います。あとはワークライフバ
ランス。
 真ん中のところが外部労働市場を整備するということで、就業の促進を含めた全員参加型社会
を構築するということ。一回失職しても再び参加できるトランポリン型社会をつくるということ
で、積極的に労働市場政策、就労支援、能力開発といったものとか、雇用保険を含めたセーフテ
ィーネットが提言されております。
 一番右の欄が、産業社会を雇用の観点から変えていこうということでございまして、雇用の喪
失その他もろもろの社会の在り方、経済の在り方が提言されているということでございまして、
多少有期研の議論にも関わってくるかと思いますので紹介いたしました。多様な正社員とかは多
少類似の議論がされているかなと思いますので、紹介するものでございます。
 もう一点、雑誌のコピーでございます。「企業における『有期労働契約』活用の現状と政策課題」
でございます。これはJILPTの月刊誌でございます『ビジネス・レーバー・トレンド』7月
号ですが、それに載ったものでございます。本体も机の上に置かせていただいておりますが、こ
れは有期労働契約研究会でも12月にJILPTの調査員の方に来ていただいて、ヒアリング結果
を披露いただいたかと思いますが、それをまとめていただいたものが載りましたので、御参考に
置かせていただいているものです。
 基本的に皆さんはお聞きになった内容でございますが、情報が多少追加もされているので、あ
えて置かせていただきました。情報の追加ということでは、9ページ以降の3枚ですけれども、
JILPTの調査員の方で、その後、一部の企業に更にヒアリングをしたということで、リンガ
ーハットと天満屋における正社員転換とかの仕組みについての詳しい事例が載っておりますので、
まさに限定正社員への転換も進める取組みを含めて紹介されておりますので、参考になるかと思
います。
 このヒアリング報告は我々が聞いた内容ではあるのですが、8ページのまとめのところに多少
JILPTなりのまとめがされておりますので、簡単に紹介しております。JILPTの方でも
この調査を通じて、いろいろなリスクを回避するために有期労働契約を活用しているのですけれ
ども、例えば8ページの2段目の初めにありますように、結局、継続して就業されている有期労
働契約者が広がってきたというものを強く実感したということになっております。
 そういう前提で企業に意見を聞くと、入口規制、出口規制には一定の反対があったのだけれど
も、例えば8ページの左の方でございますが、その上で有期労働契約者といっても、さまざまに
タイプがあり、活用、役割が無視できないということもあるので、均衡均等待遇を努力していた
り、試行的雇用期間の位置づけを明確にして活用していたりとか、まさに多様な正社員像を含め
た多様な無期化などを工夫している企業があったということで、非常に参考になる結果だったと
結ばれております。これは有期研の御議論にも多少参考になる調査結果かなと思いましたので、
改めて御紹介させていただきました。
 説明については、以上でございます。
○鎌田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、今、大部にわたって資料の御説明がありましたが、これについて何か御質問、御意
見はありませんでしょうか。
○山川委員 資料4ですが、前回の研究会の中での御希望に従い、こういう形で整理していただ
けると非常にわかりやすくなかったと思います。各論点の相互関係が明らかになったのですが、
それぞれについて、こちらを選択するとこうなるといった関係が次の問題として出てくるかと思
います。
 例えば第2の1の締結事由の規制で、ほかのところには書いてあるのですが、ここにはないの
が、規制の法的効果のような問題です。これを締結事由の規制を原則として認めるということに
なると、上の段の方のフローチャートは例外的な場合の流れにしか過ぎないということになるわ
けです。つまり原則は無期契約しか認めないということになると、原則はすべて下のルールに従
って対応されるようになるということで、上の方は例外的に認められる場合だけの話です。
 第2の1の青い矢印が1回目、2回目で更新のときに締結事由がかかることも恐らくは例外と
して有期契約が認められる場合に、更新についても改めて締結事由の規制がかかるということに
なるのですが、その前提は規制の効果をどう考えるかによります。もし緩やかな効果でしたら、
下の無期労働契約のルールが原則になるということではなく、上のルールが限られた例外ではな
いということになりますけれども、恐らくここで最も重要な影響があるのがこの規制の効果をど
う考えるか、つまり原則として下のルールに統一していくことになるのかどうかということでは
なかろうかと思います。
 それとの関係では、この整理ですと中間的な雇用形態というか、多様な正社員が点線の矢印に
なっており、二極化を前提にしているみたいにも見えなくもないですけれども、現在のような二
極化が問題であるとすると、必ずしも職種限定、勤務地限定契約に限らないのですが、中間的な
雇用形態をどの辺りに位置づけるのか。あるいはそういう中間的な雇用形態自体をそもそも認め
るべきではなくて、今の二極化でどちらかに引き寄せる、多分、無期労働契約に引き寄せるとい
うことでしょうけれども、それだけで考えるのかということも考えられます。この点がまだ確定
していないかもしれないですが、いずれにしても中間的な雇用形態というものの位置づけが論点
の中にも必要になるかなと思います。
 それと関係しなくもないですけれども、真ん中のところに「(第2の4)一定の場合、類推適用」
があって、第2の2の法的効果のところで解雇権濫用法理と同様のルールの適用ということがあ
りますが、仮に法規制をかけるとすると、類推適用は前も御議論がありましたけれども、そもそ
も法律でどう定めるかということなので、今の判例法理は類推適用の意味は更新と同様の効果と
なるという理解だと思いますので、少なくとも第2の4はそういうふうに明記した方がいいので
はないかと思います。
 とりあえず以上です。
○鎌田座長 どうもありがとうございました。今、重要な問題提起もされましたので、もし先生
方で今の問題提起も含めて御意見がありましたら、よろしくお願いしたいと思います。別の論点
でも結構です。
○佐藤委員 今、山川委員のおっしゃったことは非常に重要なポイントだと思います。この資料
4自体はこれまでの議論で、これが非常に大部にわたる資料3にあるようなものの論点を非常に
明確にしたもので、わかりやすくなったというふうに思います。
 それは各入口、出口、真ん中という流れに沿って、それぞれの論点が書かれているということ
で、関連性の連関がある程度明らかになってきたというのですが、これの次のステップですね。
資料3の3ページ目の右下にあるように、入口、真ん中、出口とそれぞれ分けて議論しているが、
一気通貫で見たときにモデルがどういうふうに位置づけられるのか。こういう労使の方からの意
見もヒアリングの中で出てきましたね。
 例えば入口のところである選択肢をしたときに、真ん中、出口がどう連動していくのかという
ふうに、まさにそういう左から真ん中、右に沿ってのロジックの整理が当然必要になってくる。
しかし、そこまではこれまでの議論の中ではまだ踏み込めていないのではないか。そういう印象
を持っております。
 すなわち中身的な話になってくると、下の方の正社員待遇に近づけていくのがよいのか。それ
とも真ん中の辺りの中間的なものをむしろ拡充。そこの雇用の質を上げていくような形で持って
いくのかなどなど、非常に大きな論点が今度は出てくると思います。その辺りのところをこれか
らのこの研究会での大きな判断として要求されてくるところなのかなと思って伺いました。
 以上です。
○鎌田座長 どうぞ。
○荒木委員 お二人の先生の御指摘に私も賛成です。まず山川先生の御指摘の締結事由規制をし
た場合の効果を考えなければいけないというのは、おっしゃるとおりだと思います。山川先生が
言われたことの重複を避けますと、締結事由を規制した場合、その効果として、締結事由に該当
しない場合には無期になるというのが一つあります。
 もう一つは、締結事由を規制する場合、その締結事由がある場合には更新回数の規制がかから
ないとか、利用可能期間を超えてもよい、あるいは、そもそも利用可能期間の規制をしないとい
うことになるか。ドイツなどはそうですね。そういう組合せがあり得るし、これとは別にフラン
スのように、締結事由がある場合にも、なお更新回数や利用可能期間をかけてくるということも
ありますので、両方のタイプがあり得るということも効果としては考える必要があるかもしれま
せん。
 類推適用と法律に書くわけにはいかないので、その効果自体は書くべきだというのも、立法す
る場合にはそういうことになるだろうと思います。では、その類推適用の効果は何なのだという
ことについては、議論して確定していく必要はあるだろうと思います。
 私が一番大事だと思いましたのは、第5の3として正社員の転換の太い矢印がありまして、右
の方に点々の矢印があります。ピカピカの正社員に転換する、実質的に正社員登用ということを
やっていただくことは十分考えていただくこととしてありますが、自主的に企業がやるのではな
くて、区切りを超えた場合の法的効果を考えるという場合には、それはあくまでも無期化。つま
り有期契約ではない無期契約ということですので、そうしますと点々の部分が相当視野に入って
くるのではないかという気がしております。
 従来、ほかの研究会で言われておりますように、現在はいわゆる二極化。非常に手厚く保護さ
れた正社員とそうではない非正規従業員の余りの格差がこのままでいいのだろうかという議論が
されており、その中間形態の雇用、多様な雇用というものの存在を認めていくということは一つ
の方向として、やはり考えるべきだろうと思っております。
 そうしますと、この点々の矢印が中間形態として視野に入ってくるということは、十分あり得
ることではないかと私も感じたところであります。
○鎌田座長 どうぞ。
○橋本委員 今、荒木先生がおっしゃったことと全く同じで恐縮なのでございますが、締結事由
の規制と更新回数利用可能期間のルールの関係で、スウェーデンのこれまでの立法の経緯などを
見ても、当初、締結事由として客観的理由として認められていた季節労働や代替雇用等や試用等
の業務が現在は更新回数利用可能期間ルールの例外として規制されておりまして、その例外の事
由として代替雇用や季節的雇用等が挙げられているようですので、荒木先生もおっしゃったよう
に、ドイツの規制もこのように整備はされていませんが、そのように理解できることと、韓国で
も日本語の文献で紹介されているのを見たところ、更新回数・利用可能期間は2年までというル
ールが原則とされ、その例外として、ただし書きにおいて、事業の完了や特定業務の完成に必要
な期間を定めた場合とか、代替雇用とか中高年労働者、専門知識技術等のその他、大統領令で定
める場合という例外事由を列挙しているようですので、そのような規制は国際的に比較法的に見
て、あり得るのではないかと考えました。
 ただ、その後、更新回数・利用可能期間の規制に違反した場合、締結事由の規制がかかってく
るわけですけれども、そのときの効果をどう考えるかは、山川先生の御指摘に戻りますが、それ
もまた問題になり得るのかと思います。
 以上です。
○鎌田座長 どうもありがとうございました。今、議論の中で幾つかの共有すべき論点がありま
して、つまり正社員への転換等の中間的な雇用形態の位置づけをどう考えるか。方向性というこ
とだろうと思いますが、必ずしも法律論にすべて落とし込む必要もないですが、仮にそういった
ような方向性を議論する、あるいは方向性をポジティブにとらえるとすれば、法律論として何が
論点になるのでしょうか。
 つまり中間とりまとめのところでの議論は、労使がそういった選択をすることもあり得るとい
うようなところだったと思います。それはまさに労使の合意レベルで、多様な正社員、多様な無
期労働者についての展開をしてほしい。そういうことが考えられる。それはそういうことだと思
います。
 しかし、仮に法律論として、それを支援する。あるいは法律論として、こういった方向性を見
る場合にどういった論点が考えられるのか。そこを少し教えていただければ、ありがたいと思い
ます。
○山川委員 これは雇用政策研究会のところでも何度か議論の対象になった点ですが、1つは正
社員転換です。例えば中間的な雇用形態をつくること自体は確かに労使の自由ですが、場合によ
っては促進するための方策、現在のパート労働法あるいは今度の派遣法の改正案のような形で、
支援型の規律をするかどうかが一つの論点になります。
 もう一つが、一番議論のされたところで、先ほど荒木先生も言われた職種限定、勤務地限定型
の無期労働契約についての言わば雇用保障のルールをどうするかという問題が別個あります。多
分、実務的には重要なのでしょうけれども、雇用政策研究会のときでは、この部分のみを取り出
して法律で決めるのは法体系上、問題があるという議論をしました。
 つまり整理解雇法理の、しかもある特有の局面に限られたことだけ法制化するみたいなことに
なってしまいますが、そもそも4要素とか4要件ということ自体も法律には盛り込まれていない
ことですので、法制化の問題はもうちょっと時間を要するか、現在のところでは少なくとも難し
いのではないかという感じですので、これはむしろ解釈上の問題なのかなと思います。以上が2
点目です。
 もう一つは、仮に中間的な、今のような二極化を前提としない雇用形態を考える場合に、今ふ
と思い付いたことですが、職種限定等の正社員のほかに、この上の方に書いてある上限規制等を
かけるとしても、ある程度有期契約のままでキャリア形成が図られるなり、安定が図られるとい
う雇用形態もありうる。雇止めに解雇権濫用法理を類推適用するというのは、ある意味では純粋
な有期契約に比べれば安定性を持っているということなので、その辺りの役割も議論の対象には
なり得るのかなという感じがあります。
 以上です。
○鎌田座長 どうぞ。
○荒木委員 資料4で議論をしておりますので、ついつい中間的という言葉になるのですが、当
初議論したときは、正社員という言葉を使うのがどうなのかということをここで議論したような
気がいたします。正社員の定義がいろいろあるわけですが、正社員という言葉を使わずに、無期
契約社員というものを正社員に代えて使うとすれば、無期の中に本当にピカピカの正社員もいれ
ば、無期だけれども職種や勤務地が限定されて、使用者の方で自由に配置転換などができない、
そういう無期の社員もいるだろうというふうに考えていきますと、一番下のところはかなり多様
化してくる。まさに多様な正社員、無期契約社員がいるということになってくる。
 本当はそういうふうな議論がいいのかもしれません。中間というと正社員でもない、有期契約
でもない、中間というのをつくるのかという議論になってきますと、むしろそうではなくて、無
期契約社員が非常に多様で、今、考えているピカピカの正社員以外の無期契約社員もあるよとい
うような図の方が、恐らく議論している内容としてはいいのかなということを思い付きました。
○山川委員 私も、中間と言ったのは、たまたま言葉がすぐに出てこなかったためですが、雇用
政策研究会では、多様な正社員ということでしたので、そちらの方が荒木先生の御指摘のとおり、
適切な表現だと思います。失礼しました。
○鎌田座長 山川先生、先ほど職種限定、勤務地限定の無期労働契約に関しての法律上の問題と
して、立法論もあるけれども、とりあえず解釈上の問題というふうに御指摘になったのではない
かと思いますが、その場合の解釈上のというのは、現在の解雇権濫用法理の中で職種限定、勤務
地限定などのかなり特殊な無期労働者に関して、濫用法理の中で言わば多様な解釈があり得ると
いう御趣旨でおっしゃったんですか。
○山川委員 はい。
○鎌田座長 どうもありがとうございます。もう一つ、類推適用の方ですけれども、これはやや
技術論になってしまうのかもしれませんが、これは荒木先生も御指摘で、類推適用という規定は
ないわけで、何らかの形で法律上仕込まなければいけないということになるのですが、結果論と
して更新と同様の取扱いをするということですけれども、私は全く思い付きで言っていますが、
例えば借地借家のような法定更新制度みたいなイメージですか。どういうイメージで更新をとら
えればいいのか。借地借家はまずは借地期間の期限が来て、借主の方から更新請求をして、それ
を地主の方が拒否する。その拒否に正当な事由がない場合には、同一の契約内容で更新したもの
とみなすというようなことでしたか。
 別にそれにこだわるわけではないですけれども、恐らく同一の期間、同一の労働条件で更新す
るということは、その前提として、労働者の方からの何らかの意思表示が前提になるわけですね。
法律をみなすというのもあるのだけれども、その場合は今、裁判でやっているのは裁判している
から当然、要求しているのは当たり前ということになるけれども、法律上仕込むということにな
ると。でも、これは裁判で上がるということを前提にしているから、それでいいのですか。
○山川委員 多分そうだと思いますけれども、時系列的には、更新請求が前提になるというより
は、実務上は雇止めの通知があって、労働者側がそれを争うという形ですので、何らかの形で、
突然更新として、労働者の意向に関係なく更新されるということはないと思います。雇止めの通
知があり、、それを争う労働者側が更新を求めることができる。条文化する場合にどう書くかまで
はわかりませんけれども、そんな形かなと思います。
○鎌田座長 些末な技術論で済みません。この類推ではだめということなので、何か仕込まなけ
ればいけないということですね。
 別の話題でも結構です。些末なことばかり気にし出すと、そちらのモードに行ってしまうんで
すけれども、雇止め予告と予告手当のところをもう少し。議論には多少なったと思いますが、現
在の労基法の20条の予告あるいは予告手当は解雇ですので、そういう位置づけで説明がされてい
ると思いますけれども、雇止めの予告、特に予告手当をどういうふうに位置づけたらいいのか。
 これは極論といいますか、例えばどちらかというと経営者サイドの発想になるかもしれないけ
れども、それは合意して期間を定めているのだから、予告手当はおかしいでしょうという議論が
あり得ますね。それは解雇の予告手当と性格がちょっと違うと思います。その辺の議論は以前や
ったような気もするのですけれども、事務局で何かその経緯がどうだったのか。もしわかったら
教えてください。あるいは先生方で何か思い付いたら、教えていただければと思います。
○荒木委員 研究会では雇止めの予告の話はしたと思いますが、予告手当についてまで議論した
かは、余り記憶がありません。おっしゃるとおり、無期契約の場合と違いまして、いつ終了する
というのは当初から期間の定めをしたときから合意しているわけですから、予告手当が当然出て
くるというものではないと思います。これが出てくるとすれば、30日前に予告をしなければいけ
ないところを例えば10日前にした。そうすると20日分の手当を払えという発想だと思いますが、
それは終わることがわかっていなかったと言いましょうか。
 そういうことだったらわかるのですが、単純に30日前の予告をしなかったことのペナルティー
として、日数分の手当を払いなさいという立法をするかどうかということになってくると思いま
すので、これは無期契約のときの予告手当を払えば、その日数だけ予告日数を減らしているとい
うものとは、大分性格は違うだろうということを認識して、それがいいかどうかを議論すべきで
はないかと考えています。
○鎌田座長 ありがとうございます。どうぞ。
○佐藤委員 山川先生に1点だけ。先ほど雇用政策研究会の中の議論として、職種限定の場合の
雇用保障をどうするかという議論があって、その部分だけを取り出して、議論がなかなか難しい
という法体系上の問題もあるということだったのですが、ここは恐らくすごく重要になるかなと
思うのは、言わば職種を限定して採ったと。しかし、その職種が技術革新等の変化の中でなくな
ってくることが大いにあり得るわけです。
 その勤務地などを限定して採ったと。しかし、その勤務地にあった営業所や支店などの事業所
自体がスクラップ・アンド・ビルドの中でなくなってしまったということも大いにあり得ること
です。
 その場合に職種に限定し雇われた人、あるいは事業所を限定して雇われた人は、当初では予想
も付かないような変動の中で、その仕事自体がなくなってしまうがゆえに、その仕事に就いてい
た人も不要になってしまうというときに、その人の雇用保障をどうするのかを例えば法的に考え
たらいいのかという辺りは、なかなか特定ができないという感じのニュアンスでしょうか。もし
お気づきの点があれば、その辺りの雇用保障のルールの議論の内容みたいなものを教えてくださ
い。
○山川委員 私の理解は偏っているかもしれませんので、むしろ先生方に御議論をいただきたい
のですが、勤務地限定とか職種限定についての雇用調整ルールが法的に、例えば最高裁で確立さ
れているという状況では少なくともないと思います。下級審裁判例でも、それほど傾向は明らか
でなくて、記憶が定かではないのですけれども、シンガポール・ディベロップメント銀行事件と
いう整理解雇の事件があって、たしか支店廃止をしたための整理解雇の事案で、対象者は勤務地
限定従業員だったのですが、それでも解雇回避努力の中で他支店への異動の検討は必要であると
されたと記憶しています。しかし、その事件では結局、整理解雇が有効とされたという結論でし
た。ほかにも若干あるかもしれません。
 いずれも下級審でもそれほど明確ではない状況で、雇用政策研究会の中では実態とか司法判断
の蓄積みたいなものがまだ十分ではないのではないかという形になっています。考え方としては、
解雇回避努力の一環において、職種や勤務地が限定されていることが、全く考慮要素にならない
ということはないような気はするのですが、そこは研究者の間でも恐らくまだはっきり詰められ
て検討していないかもしれません。その辺りは勉強が十分ではないので、むしろ先生方にお伺い
したいと思います。
○荒木委員 これも私の私見になるかもしれませんけれども、整理解雇の4要素という中に2番
目の要素として、解雇回避努力義務があります。日本で整理解雇が厳しい理由は、この解雇回避
努力義務があり、それが非常に広範な努力をしないといけないことにあると考えています。
 この解雇回避努力義務は使用者の権限の裏返しでありまして、日本の使用者が正社員の場合に
は勤務地や職内容を特定せずに雇い入れている。その結果、例えばある事業所を閉鎖するとして
も、その事業所に特定して雇っていない。その職種に特定して雇ったわけではないので、その人
は配置転換によって吸収して整理解雇をしない。そういう努力をまずしなさい。それをせずに解
雇したら、解雇権の濫用となると。これが日本の整理解雇法理が雇用保障に手厚いと言われてい
る理由だと思います。そのことを翻って考えますと、使用者に配転権限がある。あるのにそれを
行使せずに、いきなりその事業所がなくなったから解雇というのは濫用ですよというのが、これ
までの裁判例の立場だと思います。
 そうすると契約上、その職種を特定したり、勤務地を限定したりしていて、その職種がなくな
った、その事業所がなくなったという場合には、必然的にこの回避努力義務の内容はそれだけ縮
減されてくることになるのではないかと思います。これが山川先生が言われたとおり、整理解雇
の判断の中で考慮されるという意味ですが、そこだけを取り出して、つまり整理解雇の4要素の
うちの2番目の部分についてだけ立法をするというのは、立法論としても難しいのではないかと
いう御指摘だったのかなと私はお聞きしました。
○鎌田座長 先生方の御意見は非常に参考になって、私もまさに目を開かれる思いですけど、常
日ごろ、この労働契約の問題を考える際に私も1つ思うのは、荒木先生もおっしゃった契約内容
の特定の問題ですね。大体、大卒の正社員であれば特定ということは、勤務地、職種にしても、
ないということで入っていきます。しかし、判例の中では幾つか特定される場合もあるというこ
とで、その職種を限定、勤務地を限定ということで契約を結ぶということは、恐らく言わば、特
約で特定をしているという前提に立っているわけですね。
 そうした場合に、今、荒木先生がおっしゃったように、配転命令とかそういうのが縮減される
とか。そもそもそういったものについての権限は行使できない。そういうことになると理解して
よろしいでしょうか。
 ただ、実際のところ、私の感じでしかないのですけれども、裁判所はその特定というのは、な
かなか認めないという実態が今まであったのではないかと思います。特に正社員の場合には。本
当に資格を要するような特定職種を採用するときに職種限定をするとか、あるいは勤務地も非常
に一部のパートの方のように、まさにシステムの中で勤務地を限定するとか、そういう全体的な
システムの中で限定しないと認めてこないという実態がある。
 ところが正社員として採用するということになると、一方では経営者とすると広範囲にそうい
う人たちを使いたいという気持ちもあると思います。民法的に言えば、両当事者が特定すれば、
それは特定ですけれども、労働契約の場合には制度的なものがないと特定とは認めないのではな
いかという印象もあったものですから、その辺のところをどういうふうにとらえて、あるいは最
近の判例の流れはどういうふうに考えればいいのかを教えていただければ、ありがたいと思いま
す。
○荒木委員 これも私の見解かもしれませんが、従来、職種が特定されているかと争われた事例
は、契約上きちんと特定はしていない。しかし、非常に長期間にわたって一つの職種に従事した
ことによって、黙示の契約上の特定があったといえるかが争われた。そのときに裁判所は、その
職種以外に就かせないという合意はなかったので、特定されていないと判断をしてきました。
 この判断の前提には、とにかく職種を特定してしまうと配転ができない。そうすると事業所が
なくなったときに整理解雇になるのではないか。裁判所はそちらの方を考えて、なるべく特定し
ないのが雇用保障につながっていいだろう、雇用保障に手厚いだろうということで、そういう契
約解釈をしてきたと思います。
 ですから、一つには、契約上は明示的に特定をしていない場合の黙示の特定を認めるかという
議論であったということ。もう一つは、特定を認めないことが大局的に見て労働者の利益になる
だろうということで解釈していたということです。
 現在、配転一般については、まさにワーク・ライフ・バランスということが新しい価値になっ
てきました。昔は雇用さえつなげば、配転命令で日本全国に飛ばしても、労働者のためになって
いると思いましたが、今はそれだけが価値だろうか。雇用保障以外に雇用関係で重視すべき価値
がいろいろあるのではないかとなってきております。したがって、とにかく特定せずに雇用をつ
なぐことだけが一番いいんだと、必ずしも言えなくなったのが一つあります。
 そして、今ここで議論をしているのは、従来争われてきたような黙示の特定ではなくて、有期
から無期へという転換などを考えるときに、どういう形での無期契約社員として処遇するのかと
いうことを議論しております。したがって、企業の方でまさに座長が言われたように、本当のピ
カピカの正社員として全国配転したいという形での正社員をするのだったら、まさにそういう勤
務地なり職を特定しない契約をすべきでありましょう。
 それに対して、この人は有期なのでまさに現地採用ということで、配転など考えていなかった。
しかし、無期化をするべきだということになり、やはり配転はしないという前提であれば、それ
に従った契約内容をきちんと整えていただくということだろうと思います。
 そういう契約上、明示的な特定をしていない場合には、それは特定があったんですかと言えば、
先ほどのような解釈になるかもしれません。しかし、契約上きちんと勤務地や職種の特定を明示
する。つまりお互いが納得して、こういう形です、しかし、これは有期でなくて無期契約だと確
認する。毎回更新されるかどうかという不安定な地位ではない状態に移ること自体は、大変意味
があると思いますので、そのことを前提に労使がきちんと契約を内容で納得した上で決めていた
だく。それが一つの方向ではないかと思っています。
○鎌田座長 どうぞ。
○青山室長 法律論ではないので申し訳ないのですが、実例として、たまたま今日配った資料の
中にありましたので、紹介だけと思いまして。
 参考資料2のJILPTの調査結果のコピーですが、9ページ目にリンガーハットの事例があ
ります。上から3段目に「登用制度の仕組み」があって、正社員への登用ルートは二とおりで、
1つ目にまさに地域内限定勤務のエリア社員という無期契約区分での登用というのが紹介されて
います。
 そこに「無期契約社員である以上、異動先店舗が確保できないなど万一の場合は、転居転勤を
伴う異動に応じられるか打診することもあり得るという含め置き契約になる」と言っていまして、
JILPTの人からも聞いたのですけれども、それまでのヒアリングでは確かに雇用保障できな
くなったときの解約をどうしてくれるんだという意見は多かったらしいのですが、ここに会社に
聞いてみると、地域限定ではあるけれども、このようにほかに移れないかという打診で、解雇回
避努力はするようなことを会社が言っていたとおっしゃっていまして、実際にそのことも書かれ
ているので、いろいろな会社があるという実例を御紹介させていただきました。
○鎌田座長 ありがとうございました。1点だけ、かなり全般的なことに関わる論点ですけれど
も、仮に何らかの立法的な措置ということを考える場合に、資料4で示されているように幾つか
の提案がなされています。これを実効性確保という観点から考えた場合に、締結事由の規制、更
新回数利用可能期間に係るルールあるいは類推適用の明文化、そういったことを考えた場合に、
その実効性確保を考えた場合に、労働契約法の中で実効性確保を考えていくか。パート法のよう
な行政指導を含めた実効性確保と考えるのか。あるいは罰則を伴うような実効性確保を考えてい
くのか。例えば雇止めの予告が先ほどから話題に出てきますけれども、これは例えば基準法の中
で位置づけるということも場合によっては考えられる。
 そうしますと、例えば今、言ったような締結事由の規制、更新回数利用可能期間に係るルール
あるいは一定の場合の解雇権濫用法理の類推適用。これをどういったような実効性確保の手法で
とらえたらいいのかというのが1つ、論点として出てくるのではないか。恐らくパート法、労働
契約法、基準法。法律の趣旨目的は大きく違っていまして、契約法の基本にあるのは労使の合意
と双方の決定に基づいて、適正にトラブルを処理するための支援をしていくという観点であるだ
ろうし、その辺のところは法律の性格との違いも出てくるのではないかと思っています。その辺
のところで、もし先生方に何か御意見があれば、お聞かせいただければと思います。
○山川委員 勿論どういう規律を取り入れるかによって違ってくるわけでありまして、ここに書
いてあるような規律は、立法をするとした場合でも、すべて一つの法律にまとめるかどうかとい
う問題もあるかもしれませんけれども、契約ルールの話が多いのかなと思います。
 しかし、例えば正社員転換などは契約ルールの問題とは言いがたいところがありますので、パ
ート労働法的な発想になるのではないかと思います。外国では、たしか派遣は別かもしれません
が、有期・パート法のような形で立法しているところもあったかもしれませんし、どういう施策
を取るかを決めないと結論が出てこない感じがしますが、基本的な発想としては、多分純粋に契
約ルールだけでとどめるのか。あるいは政策を実現するための一定のインセンティブを与えるよ
うな規制も加えるのかという、法律の趣旨をどのようなものにするのかによって、どの法律でや
るか、分けて考えるのか。あるいはすべて一括する立法をするような方法を取るのかという点が
違ってくるのかなと思います。
○荒木委員 私も同様で、どういう効果を法で定めるかによると思います。法律行為の効力・効
果を定めるのであれば、労働契約法的なアプローチ、つまり純然たる民事規範で行けると思いま
すが、山川先生がおっしゃったように、一定の事実行為を求める、つまり正社員転換措置をつく
りなさいとか、パート法13条のように、なぜ自分は正社員とこれだけの違いがあるんだと問われ
た場合の説明義務を使用者に課す、そういった事実行為を求める場合、労働契約法的なものでは
ありませんので、行政が指導して行わせるなど、行政が絡んでくる立法になる。そうすると、パ
ート法とか、それにしなかった場合に罰則を付けるということになれば労働基準法とか、いわゆ
る労働契約法ではなくて、労働保護法的な手法を用いるということになってきます。したがって、
効果を持った措置を課すかということで、その受け皿も変わってくるのかなと思っています。
○鎌田座長 ありがとうございます。何かありますか。
○佐藤委員 私は法的効果の面はあれですけれども、別に結論を急ぐわけではないのですが、確
認も含めてですけれども、最初の現状と課題というのがあって、今はそこにあるような現状の中
で、不安定さ、均等の格差、能力形成が不十分等の課題があるという確認は、この中間の方でし
ましたね。
 そのことを踏まえた上で、正規との格差が顕著な有期について、雇用の安定、公正な待遇を確
保するために、有期契約のルールの在り方を検討するということで、方向性も中間の方で出まし
たね。
 それを踏まえてということであれば、法でどのように扱うかという問題は勿論重要な論点だと
思いますが、考え方として、言わば素人的な発想で言いますと、こういう認識に立って、こうい
う方向性で行くということになった場合には、ある種の方向性の課題実現に向けた、つまり正規
との格差が顕著であるのだから、安定化を図るようにしなさいと。公正を図るようにしなさいと
いう形で持っていくと考えるのが一つの自然な考え方かなと思うわけです。
 ただ、そこをどういうふうに書き込んでいくかという問題は、今いろいろとお話があって、複
雑だということが私もわかってきたのですが、直感的な印象として言いますと、そういう印象を
持つ。これは一意見です。
○鎌田座長 どうぞ。
○山川委員 今の御指摘の観点は重要だと思います。安定ということのほかに、現状と課題で書
かれている職業能力形成が不十分であるという点です。やはり安定化するということは、それが
キャリア形成というか、能力形成を十分にするということと多分セットでないと、なかなか活用
も不十分に終わってしまいがちですので、その辺りの観点をどういうふうに法的な仕組みの中に
取り入れていくか。
 例えば正社員転換もせざるを得ないということになれば、当然教育訓練をせざるを得ないとい
うことになるのですけれども、それ以外に何らかの法的な促進措置があり得るかどうか。あるい
は能力形成開発の機会は、資料4で言えば、下の方にある正社員転換で無期化した場合だけの話
なのか。それともある程度、有期の中での能力開発が図られていくような方向を取るのか。
 この点は例えば上限規制との関係もありまして、余りに短期の上限がかかると逆に能力開発を
しない方向に働きますね。そうでないとすれば、ある程度長めに取れば、その中で、転換を図る
際に、どれだけ能力を蓄積したかを見るような形で能力形成開発を図る可能性が相対的には強ま
るかもしれないといった、能力開発の観点を踏まえながら、いろいろと考えていく必要があるの
かなと、今のお話を聞いて感じました。
 以上です。
○鎌田座長 どうもありがとうございました。特に最後のところは実効性確保を含めて、新しく
導入する制度の効果を見据えながら、さまざまな政策目的を踏まえて考えていくということから、
何か一つをどの法律で一律に整えていくというのは難しいのかなと感じがしております。しかし
ながら、法律行為の効果を持たせるというところでは、契約法が一つ大きな軸になって考えてい
くのかなと思いました。
 いろいろと御意見をいただいたところで、特に御発言がなければ、研究会は今日は終了とした
いと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、この研究会は本年夏ごろまでに最終報告をとりまとめるという予定で進めることと
しておりました。次回以降は最終報告に向けた議論を進めていきたいと思いますので、よろしく
お願いしたいと思います。
 それでは、次回の日程について、事務局から説明をお願いいたします。
○青山室長 次回の研究会の日程につきましては、現在調整中ですので、後ほど御連絡させてい
ただきます。
 以上です。
○鎌田座長 それでは、以上をもちまして、第17回の研究会はこれで終了させていただきます。
本日は貴重な御議論をいただき、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局総務課労働契約室政策係

内線: 5587

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