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2014年4月25日 第80回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録について

職業能力開発局

○日時

平成26年4月25日(金)18:00〜20:00


○場所

厚生労働省専用第18・19・20会議室(17階)


○議題

(1) 教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準案について(諮問)
(2) 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(3) その他

○議事

○小杉分科会長 定刻となりました。定足数に達しておりますので、ただいまから第 80 回労働政策審議会職業能力開発分科会を開催いたします。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。

 本日は高倉委員、田口委員、大隈委員、河本委員が御欠席です。水町委員、諏訪委員は、遅れて見えられます。また、田口委員の代理として、山下さんに御出席いただいております。

 それでは議事に移ります。議事次第にありますとおり、本日の議題は「教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準案について ( 諮問 ) 」、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について ( 諮問 )) 」の 2 件です。カメラの頭撮りについてはここまでとさせていただきます。

 まず、「教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準案について ( 諮問 ) 」です。本日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問がなされたところであり、これを受けて本分科会において審議を行うものです。諮問の内容に先立ち、指定基準に関する考え方についての説明があります。内容について事務局から説明をお願いします。

 

○青山能力開発課企画官 はい、御説明いたします。中長期的にキャリア形成支援措置の指定基準については、前回 4 15 日の当分科会で論点で御議論いただきましたが、前回の御議論を踏まえて指定基準に関する考え方をまとめております。

 資料 1-1 です。冒頭のタイトルに「専門実践教育訓練の指定基準の策定に当たっての考え方」とあります。この冒頭の専門実践教育訓練と言いますのは、中長期的なキャリア形成に資する専門的・実践的な教育訓練を短縮して定義をした用語であり、雇用保険法施行規則でも同様な定義をし、指定基準でもこれを引用しているためここでも使っております。

1 、基本的考え方です。これは前回の論点ペーパー上で最後の行にあって分かりにくかった非正規雇用労働者である若者をはじめとした労働者の中長期的キャリア形成を支援するため、というものを最初の行に書き、その次に就職可能性が高い仕事、効果がキャリアによって長くいかせるといった基本的な考え方を書き、再整理しております。

2 、専門実践教育訓練の基準についてです。施行時、つまり本年 10 月の教育訓練給付の拡充の施行時において、現在有する実績データの範囲内で対応することとし、措置の趣旨を踏まえた客観的、明確な基準としては、諮問された指定基準とするとあります。諮問する指定基準については、後ほど資料 1-2 で説明しますが、ここに書いてある趣旨は、現在のデータの範囲内で明確に切り分けられる範囲で、施行時は基準を決めるという趣旨です。

 その文に戻っていただき、しかしながら 3 行目から、前回御議論にありましたように、施行後は、以下の考えをもって訓練の実施を通じ必要な実態把握を行い、分析しながら、施行後 3 年後目途として本職業開発能力分科会において必要な見直しを検討する、とさせていただいております。

1 つ目のポツで、対象とする資格の範囲について、労働力需給等の状況をより踏まえることが望ましい。このため訓練の実施状況、成果や労働市場への効果等を十分に把握、分析するとあります。

 次のポツで、社会人向け大学院について、専門職大学院であっても、雇用保険制度における中長期的キャリア形成支援措置の趣旨に真に資するかどうか、個々の訓練内容や対象者をより精査して慎重に判断することが望ましい。このため、専門職大学院の各種教育に対しては、いまだ評価が一様ではないことにも留意し、対象訓練の実施状況、成果等を分野別などにより十分に把握、分析するとしています。

3 つ目で、講座レベルの基準について、就職・在職率は、雇用保険被保険者であるなどその内容を評価して捉えるものであることが望ましいとあります。ここで就職・在職率としているのは、前回、就職率という語で論点に掲載しましたが、この中身は離職者で就職した者のほか、在職者で訓練後も在職している者も含むということでこのような表記にしております。

 文章が続きますが、とりわけ、専門学校の職業実践専門課程については、前回論点で就職率の指標とする旨を書いたところで、創設されたばかりの制度であることも踏まえつつ、就職・在職率以外の指標についても検討が必要であるということです。このため、今後、訓練の成果としての就職等の内容 ( 関連した分野への就職であるかも含め ) や質の向上の取組状況等の把握にも努めてデータを蓄積、分析する。資料 1-1 は以上です。

 資料 1-2 は、今の資料 1-1 で考え方を前提としながら、今回の施行時に定める指定基準として諮問させていただいているものです。具体的には、資料 1-2 1 ページ以降です。この文章の構造は、これは教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準ですが、今回拡充される教育訓練給付の基準、要は、専門実践教育訓練の基準について、現行の基準がそのまま当てはまる、適応できる部分と今回の新訓練独自の部分等がありますので、現行の基準にその独自の部分を加える形で書かせていただき、加えるところを下線・網掛けをしていますので、その部分の説明をしたいと思います。

1 ページの 1 の二です。ここは教育訓練を実施する機関の要件の部分です。実践の教育訓練については、訓練の実施の管理の責任者、苦情処理の担当者、手続の問い合わせ等に常時対応する、いわゆる事務担当者が置かれることを要件とするものです。

 下のほうで、 2 の一のイに下線がありますが、これは形式整備であり、先ほど言いました今回拡充される部分の教育給付の訓練を専門実践教育訓練と呼ぶのに対し、現行給付の対象訓練は、一般教育訓練と呼ぶものです。

 次の 2 ページのロの (1) です。これは引用で恐縮ですが、前の部分を引用しており、趣味的・教養的、入門的・基礎的な水準の訓練には対象としないということです。

(2) は、前回の論点でもはじめに掲げました資格等レベルでの基準を定める部分です。 ( 英数字の1 ) 公的職業資格のうち、業務独占資格又は名称独占資格の取得を目標としている養成課程であって、とあります。養成課程というのは、上の (3) の所に線が引いていないところに一旦定義がありますが、国等の指定を受けて実施される訓練の修了により公的職業資格やその受験資格や一部免除が得られる課程、いわゆる前回の論点では、養成施設と呼んでいたものです。それを差します。それが対象となります。

 この文の後段は、訓練期間、訓練の長さを言っており、それに関して 1 年以上 3 年以内であり、かつ資格の取得の必要な最短な期間であること。ただし中長期的キャリア形成に資するものとして、局長の定める 1 年未満の課程も含むということです。

( 英数字の2英数字の2 ) は、これは専修学校の専門課程、すなわち専門課程のうち文部科学大臣が、職業実践専門課程と認定したものという趣旨です。期間は 2 年です。

( 英数字の3 ) は、専門職大学院の専門職学位課程であって、期間は 2 年以内 ( 資格の取得につながるものにあっては、 3 年以内でその取得に必要な最短の期間 ) です。

3 ページのハ、今回の専門実践教育訓練については、給付の支払が定期的にありますので、その支給の期間ごとに受講状況や訓練の到達状況を確認し、証明する。訓練施設がそのようにするということが要件になることです。

 五のイは、再指定の場合です。指定を更新する再指定の場合においては、前回の指定期間に教育訓練給付の支給実績があることを要件とします。

ロは、前回の論点でいうと各資格等の範囲に該当するとした上で個々の講座レベルに必要な基準です。 (1) は、引用があって分かりにくいのですが、これは業務独占資格・名称独占資格の養成施設の講座レベル基準で、具体的には受験の状況、つまり受験率、合格率といったものを指します。就職等の状況、つまり就職・在職率から見て十分な効果があると認められることです。

(2) は、カテゴリとしては、専門学校の職業実践専門課程を指しておりますが、就職等の状況、就職・在職率から見て十分な効果があると認められる。 (3) は、専門職大学院についての基準を指しますが、就職等の状況、大学への認証評価、定員充足率等の実績等からもみて、十分な効果があると認められるものであること。

4 ページは特に変更はなく新しい部分ではありません。最後 5 ページ、附則の 2 です。前回の論点で激変緩和措置と説明していた部分で、要は、改正前の給付の対象訓練として指定したもの、一般教育訓練で指定してきたものが、専門実践教育訓練の資格と同レベルの対象には該当するが、講座レベルの基準、就職在職率等の基準でそういうものに該当しない場合には対象外に本来なりますが、それが一般教育訓練という従来からの給付の訓練の基準を満たすときには、平成 30 3 31 日までの間は、一般教育訓練として指定できるという暫定的な措置です。指定基準としては以上ですが、これは本分科会で御了承いただいた場合には、この内容を後日、告示の形で官報掲載するとともに、これを基に指定申請の受付を始めたいと思っております。

 資料 1-3 です。今、指定基準ということで後半のほうで講座レベルの基準を説明しましたが、その基準において十分な効果があると認められる、としている指標の具体的な水準案です。カテゴリごとで見ていただくと、業務独占資格・名称独占資格を目指す養成施設は、受験率 80 %以上、合格率についてはその資格の平均合格率以上、あと就職・在職率は 80 %以上ということです。専門学校の職業実践専門課程は、就職・在職率は 80 %以上。専門職大学院については、就職・在職率は原則 80 %以上、定員充足率は 60 %以上、大学への認証評価結果を用いるというように、水準を求めて合致するものを認定することとなるかと思います。

 資料 1-4 は、前回も出しましたものと実質同じですが、こういうものを定めたのち指定の申請を受け付け、申請の審査を指定をし、 10 月の施行に向かうというスケジュールですので、御参照いただければと思います。以上です。

 

○小杉分科会長 それでは、ただいまの説明について御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

 

○豊島委員 今回諮問された指定基準 ( ) について、確認、質問、要望をさせていただきます。資料 1-2 1 ページに、指定基準について書かれています。前回の分科会の資料で、業務独占資格・名称独占資格の概要ということで、具体的に表を出してご紹介いただ。そこに記載されているものは例示であって、ここに書いていない所についても要件を満たせば指定されると理解してよいかが確認です。それから質問は、資料 1-2 2 ページのロの (2) ( 英数字の1 ) の後半部分なのですが、「当該教育訓練の期間が、 1 年以上 3 年以内であり、かつ、当該資格の取得に必要な最短の期間であること」とあり、括弧の中に「中長期的なキャリア形成に資するものとして、職業能力開発局長の定める 1 年未満の養成課程を含む」と書いてあります。これはどういうことなのかというが質問です。括弧書きの対象となる養成課程について、具体的なイメージがあれば、それも教えていただきたい。

3 点目の要望というのは、今回、改めて当面のスケジュールの表を出していただきましたが、これから、これで了解ということになれば、申請受付から審査・認定ということになるわけで、大変なことになるとうことはかねがね指摘があったところです。厚労省もさることながら、これからこの業務に携わる皆さんがいるわけです。その方々に、これだけスケジュールが押しているということは、それだけ過重な負担がかかると思いますので、人的な手当も含めて、くれぐれも体を壊して倒れるようなことがないように、どうしてもそこが気になりますので、その辺りはよろしくお願いしたいと思います。以上です。

 

○青山能力開発企画官  1 点目の業務独占資格・名称独占資格の養成施設のものは、これが例示かということなのですが、前回 4 15 日の資料で出しました業務独占資格・名称独占資格の養成施設の一覧表は、能開局で調べた限りのものです。仮に、それ以外のもので要件に合致する資格だとして訓練の申請があれば、それを審査した上で合致していれば対象とすることになるかと思っております。

 もう 1 つ、今回資料 1-2 2 ページのロ (2) ( 英数字の1 ) の最後の 1 年未満ですが、前回原則 1 年という表現をしていたところでしたが、この趣旨は養成施設は原則 1 年、実際にも 1 年以上の期間のものがほとんどです。ただ、例えば、社会福祉士の養成施設の中で福祉系大学などの卒業者を対象とする場合には、 6 か月以上の短期養成施設が制度上認められております。わずかですが、そういうものは対象として能開局長で定めていくこととしたいと考えております。

 最後のご意見については、施行まで時間が限られている中で精一杯我が局、力を合わせて頑張っていきたいと思っております。

 

○小杉分科会長 よろしいですか。

 

○豊島委員 資料 1-1 に書いてあるこの考え方に沿うことが前提で、そんなに数はないと理解していいのですか。基本的には 1 年以上ということですか。

 

○青山能力開発企画官 そんなに数はないと思います。多くは 1 年以上です。

 

○小杉分科会長 ほかにありますか。

 

○冨高委員 今回の指定基準 ( ) そのものといいますか、今後施行に向けて体制をどのように整備していくかについて、何点か質問させていただきたいと思います。今後、今回提示していただいた専門実践教育訓練を、より多くの人に利用していただくことで言いますと、やはり周知の徹底、それからキャリア・コンサルタントの配置といった体制の整備が非常に重要だと考えております。これを、受講者目線で使い勝手がいいようにしていかなければいけないと考えますと、特に今回非正規雇用労働者の方々にと言っておりますので、その方々に対して、訓練がいつから開講されるのか、それからどこに申し込むのか、受付期間やキャリア・コンサルティングの開始時期や、どこでキャリア・コンサルティングを受けることができるのかという具体的な情報の入手や、相談がどこでできるのかなどを分かりやすく周知する必要があると思います。この辺りの訓練に関する情報や相談先の周知は一部載っておりましたが、いつからどのような形で行うのかという少し具体的なところをお伺いしたいのが、 1 点です。

 これも結構言わせていただいておりますが、今回の訓練は雇用保険を財源にする以上、やはりユニバーサルサービスである必要があることが条件であると考えております。その意味で、訓練で重要な位置、役割を占めるのは、キャリア・コンサルタントの方々だと思います。施行時までに、全国で 545 箇所あるハローワーク全てに配置をされるのかどうかをお伺いしたいと思います。

 地域によっては、指定教育訓練を実施する機関の数に多分かなりばらつきがあるのだろうと考えます。例えば、なるべくユニバーサルサービスを確保する観点で言えば、少ない所では新しい教育訓練機関も開拓していかなければいけないと思うのですが、それをどこが行うのかもお伺いしたいと思います。

 最後にもう 1 点、実際既に施行を見越してホームページ上などで募集を掛けていらっしゃる教育訓練機関があるとお伺いしており、そういう所が受講者を募集する広告の内容に虚偽や誇大表現がないように、しっかりとチェックしていかなければいけないとも思います。この辺りについて、どのようにチェックをされるのかということを、厚労省としてはどのように考えていらっしゃるのか、それらの運用に関わる点についてお伺いしたいと思います。

 

○青山能力開発企画官 まず 1 点目の、特に非正規の方も含めた受講者に分かりやすい周知は、非常に重要だと思っております。今後の進め方としては、まずは講座の指定が必要ですので、 5 月以降教育訓練機関に周知して指定の作業に入りますが、受講者となりうるような労働者、求職者の方については、このスケジュールにありますとおり、講座の指定の通知を 8 月から 9 月ぐらいの間にしたいと思っていますので、 8 月頃には政府広報や情報誌等を活用して、集中的に個人個人に届くように広報したいと思っております。併せて、キャリコンも含めた手続がという話もありました。それも非常に重要なことで、キャリア・コンサルティングや受講申込みといった手続の流れ等については、分かりやすくリーフレット等に示して作成するなどして、 8 9 月などを使い集中的に行っていきたいと思っております。

2 点目のキャリア・コンサルタントのハローワークの配置ですが、キャリア・コンサルタントについては確かに受給の手続の前提として必要なものとなりますが、今、鋭意準備をしております。講座がどのぐらい指定されるかという、業務量にもよったり、地域にもよったり、いろいろと量も見なければいけない部分はありますが、全ハローワークへの配置までは当初は難しいのかなとは思っておりますが、可能な限りハローワークを巡回する形できめ細かに配置や整備をしていきたいと思っております。

3 つ目のユニバーサルサービスのための訓練機関の開拓ですが、これは今でも教育訓練給付の指定を受けていただく訓練機関には、こういう指定申請受付が開始されるともちろん周知しなければいけないので、厚生労働省で今回指定基準の周知をする中でなるべく全国きめ細かく周知をするようにして、これまで余りこの制度に乗っかってこなかった、利用していただかなかったような学校にも利用してもらうように呼びかけたいと思っております。

 最後の広告、宣伝をしているという話ですが、これは現在の制度上でも不適切、不適正な表現での広告は駄目としております。例えば、嘘の説明や誤解を生じさせる広告はいけませんとしていて、指導に従わなければ取消しまでするぐらいの厳しいルールも課しております。これは、指定や更新時において、学校が作ってきたチラシやホームシートやパンフなどはチェックして、不適切な表現、広告があれば、きちんと指導をして是正を求めたいと思っております。

 

○小杉分科会長 よろしいでしょうか。ほかに、皆様から御意見、御質問はありますか。

 

○山下氏 ( 田口委員代理 )  私から、要望をさせていただきたいと思います。建設業の関係ですが、一層の人材不足対策が求められる状況にあり、前回も田口委員から発言させていただいていると思いますが、例えば 1 級技能士や施工管理技士など、取り分け技能士が名称独占資格ですし、厚労省の能力開発施策の柱の 1 つでもありますので、施行時が難しいのかもしれないのですが、できるだけ早めにそこは対象としていただくような検討をお願いしたいと思っております。以上です。

 

○小杉分科会長 要望として受け止めていかなければと思います。ほかに御質問、御意見はありますか。

 

○水町委員 簡単に 3 点お願いします。 1 つは、失業なき円滑な労働移動を政府として推進していく観点からすると、やや指定されているものが限定的や特殊技能に偏りがあるのかなと。特に、中高年のホワイトカラーの人が、もう 1 回勉強し直して転職に向かおうというときに、こんな特殊なものしかここは対象になっていないのかというところで、やや政策の重点と実際のメニューが少し、そういう意味で失業なき労働移動の推進という視点が若干弱くなっているのかなというのが 1 つ目です。

2 つ目が、資料 1-3 で平均合格率以上と出ています。平均合格率以上を基準にすると、かなり大手だけがその基準を満たして、小さい所が平均合格率を満たせなくて寡占化が進んでいった場合に、適正な競争ができるのか、更にユニバーサルサービスの確保が十分にできるのかという危惧があります。例えば、ピッタリ合っているかどうかは分かりませんが、ロースクールで全体の平均合格率をするといったら、もう大手だけしか残らなくなって、では地域の人がそのロースクールに行けるかというと、東京に出てきたり大きな都市に出ていかないと、この基準を満たすような勉強ができないというところで、平均合格率だと中長期的に見た場合に寡占化が進んでしまってバランスが悪くなるのではないかというのが 2 点目です。

3 点目は全体に関わりますが、今回できた専門実践教育訓練と一般教育訓練とこれまでのものが、非常に差があり過ぎるので、その差があり過ぎるから要件が厳しくなっているところも両方あり、そういう意味で全体として連続性のあるものにしながら、要件もなだらかなものにしていく観点から、制度を見直したり考えたりしていくことが大切だと思います。今日すぐというわけではないかもしれませんが、 3 年後の見直しに向けてそういう観点からチェックなりをしていっていただければ有難いと思います。

 

○小杉分科会長 ありがとうございました。 3 年後の見直しが既に組み込まれておりますので、その中で是非考えていかなければならない観点かと思います。事務局も、それでよろしいですか。ほかにありますか。

 

○大久保委員 今回、特に専門職大学院については、委員の中でも随分意見が分かれたところで、ある意味大変長期的なキャリア形成に資する可能性があると思って期待している部分もありますが、本当に大丈夫だろうかと心配しているところもあります。なかなか、何をもって効果を見るのかは難しいところで、講座レベルの指標案のところでは就職、在職率を中心とした基準になっています。これだけでは、やはり実際にこの制度を活用した人がそれによって自分のキャリアを切り開くことができて、長期的なキャリアを形成できたのかどうかの効果を見るには、足らないところもあると思うのです。大学に教育機関を通じてそれを把握しようと思っても、かなり難しいところがあることも事実だと思います。今回は、 40 %、 20 %支給する事務が発生することもありますので、工夫をしていただいて、本当に 3 年後にここで意思決定したことがどうだったのかがきちんと正しく振り返られるようにすることが非常に大事だと思っています。そのためのやり方、効果の捕捉の仕方について、工夫をしていただきたいと思っております。今は、そこが一番気になっています。どうやってこれを評価するのかが気になっていますので、そこの作り込みをしっかり工夫をしていただきたいと思います。これは要望です。

 

○小杉分科会長 これからの見直しに向けての要望がたくさん出ていますが、ほかにありますか。

 

○新谷委員 資料 1-1 1 行目に基本的な考え方で、非正規雇用労働者である若者をはじめとした労働者の中長期的キャリア形成を支援するため、という考え方が書いてありますが、非正規雇用労働者は、雇用が不安定であり、いろいろな調査を見ても、キャリア形成を受ける機会が乏しい問題があります。今回できる制度については、特に非正規労働者の方々を中心に、正規雇用労働者への転換ができるような、あるいは均等待遇が実現できるようなキャリアアップに向けて、一歩前に踏み出せることを支援する制度としてあるべきだと思っています。

 今、先生方からも指摘があったように、 3 月に法律が通って、 10 月から施行するということがあり、施行に向けて今は本当にばたばたという感じで、キャリア・コンサルタントの準備や指定基準で対象講座を絞り込んでいくのですが、今回は資料 1-3 にありますように、業務独占・名称独占資格、かつ養成施設で絞り込んで、今、文科省がやっている職業実践専門課程と専門職大学院は、全て能開局で知恵を捻って訓練機関の教育の質が担保できるもので、かつ将来の職業資格として使えるものということで出していただきました。水町先生がおっしゃったように、かなり偏った、ホワイトカラーの方々を含めて、全ての業種を網羅できているのか、カバー率から言うとこれから開拓をしないといけないと思っています。ですから、今後既に見直しの話のようになっていますが、教育訓練機関の質を維持しながら、将来にわたって職業生活を維持できるような資格というものが、一体どういう形で絞り込みがかけられるのか。今は、養成施設などを要件としていますが、より違う基準で時間をかけて作り込んでいけば、この制度はもう少し使い勝手のいいものになるのではないかと思います。ただし、 10 月施行は迫っておりますので、それを優先していくしか今はないと思っています。

 その際、非正規雇用労働者の方々が会社を辞めることなく、在職しながらキャリアアップが図れるようなプログラムの開発が重要です。今考えられるプログラムが余りないのかもしれませんが、夜間や土日を使うとか通信教育もあるのかもしれませんが、在職中にまさしく学び直しができるプログラム開発を、能開局が主体になっていろいろな専門学校や教育機関と連携して、また文科省とも連携をして、是非選択肢の幅を広げていっていただきたいとお願い申し上げたいと思います。

 それから、先ほど冨高委員が申し上げたように、実施するに当たって施行日が目の前に迫っていて、泥縄式と言っては語弊がありますが、本当にいろいろなことをやらないと間に合わない懸念もあり、かつそれはユニバーサルサービスを目指していかないといけないということですので、キャリア・コンサルタントの養成や、それを全国のハローワークにどのように配置をしていくのか。もし教育訓練機関の偏在があるのであれば、新たな教育訓練機関の開拓や、不正防止の仕組みをどうするのか。現地の教育訓練機関を誰がチェックしに行くのかといったことなど、たくさんのことをやらないといけないと思いますので、是非ここは能開局だけではなくて、職業安定局を含めて、場合によっては総力を挙げないと立ち上がっていかないと思いますので、そのような整備をお願いしたいと思います。

 最後に、こういう制度が新聞などにも出ていますので、受講者の目線に立ったときに、どこに何をしに行けば情報が入るのかが、多分まだ分からないと思うのです。ハローワークに行ったら説明できる人がいるのかどうかも含めて、例えば分かりやすい流れでチャート図に書いてあるようなもので、このように順番に追っていくのですといったような解説のパンフレットを準備していただかないと、せっかく作った制度がうまく受講者で埋まらない可能性がありますので、そういった準備も 10 月施行に向けて是非体制の強化をお願いしたいと思います。以上、要望を申し上げて、これは諮問案件ですので、我々としてはこの内容について了承申し上げたいと思います。以上です。

 

○小杉分科会長 ほかにありますか。

 

○高橋委員  2 つあります。 1 つは、資料 1-3 に関わる単純な質問ですが、業務独占資格・名称独占資格を目指す養成施設の合格率の所で、平均合格率以上とあります。この意味を具体的に教えていただきたい。例えば単年のある直近の特定年度の平均合格率なのか、あるいは過去 3 年ないし 5 年の平均なのか。平均合格率をどのように捉えて考えていらっしゃるのか教えていただきたいと思います。それから、専門職大学院課程の就職・在職率だけ「原則、 80 %以上」となっておりますが、この「原則」というのはどういうことなのか。例題は、どういうことを考えていらっしゃるのかが 1 つです。

 もう 1 つは、資料 1-1 に関わる所ですが、この内容については特に異存はないのですが、今後就職の中身も含めた様々なデータを蓄積していくにあたり、そのデータの提供を専ら専門学校や養成施設、あるいは専門職大学院だけにお願いするのか。あるいは、受講されている御本人に対しても、何か調べていくのか、その辺りの考えです。個人的には、雇用保険からお金をいただきながら受講する以上は、受講される方にもレポーティングの義務をしっかりと課していくべきではないかと思うのですが、その辺りの所について教えていただきたいと思います。以上です。

 

○青山能力開発企画官  1 点目の平均合格率については、直近の平均合格率を使いたいと思っております。 2 点目の資料 1-3 の専門職大学院の原則と書いたのは、すみません、説明が足りませんでした。実は、法科大学院などの場合には、普通の就職率、在職率といいますと、修了後間もなくの数を就職のデータを使って率を出すのですが、法科大学院の場合には就労した後、司法試験、司法修習と続いて、就職がかなりあとになるということで、普通の就職等では使えないかなと思っております。ということで、法科大学院については、これではない司法試験の平均合格率を使うことを考えている関係で、原則と書かせていただきました。

 最後の話ですが、おっしゃるとおり教育訓練機関を通して効果は聞きますが、利用している受給者本人にも訓練の本人に生じた効果や実施状況などもアンケート等を取り、本人ベースでの実績もきちんと把握し、分析したいと思っております。

 

○小杉分科会長 よろしいですか。ほかにありますか。それでは、教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準 ( ) については、今、資料 1-1 について皆様一応御確認いただいたということで、この示された考え方に基づいて厚生労働省として進めていくことを委員の皆様に了解していただき、当分科会の報告をまとめたいと思います。私が、この諮問に対しての案を考えましたので、まずそれを配布してください。

 

( 報告文 ( ) 配布 )

 

○小杉分科会長 今回、施行時と施行後と分けて議論してきたこともありますので、今回は付け加えることを幾つかしております。「厚生労働省案は、おおむね妥当と認める。その上で、今後も対象教育訓練の実施状況、成果等の把握に努め、その分析を踏まえて、必要に応じて指定基準を見直していくべきである」。こうした内容としたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告いたします。

 では、次の議題に移ります。「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について」の諮問です。本日付けで、厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛に諮問がなされたところであり、これを受けて本分科会において審議を行うものです。内容について、事務局から説明をお願いいたします。

 

○福士育成支援課長 資料 2-1 として、改正省令案の要綱を添付しております。資料 2-2 として、改正省令案の概要を添付しておりますので、資料 2-2 に沿って説明いたします。社会人の学び直しを促進するために、雇用保険制度が見直されました。併せて、従業員の学び直しプログラムの受講を支援する事業主への経費助成ということで、支援策を講じることといたしました。中身としては、キャリア形成促進助成金及びキャリアアップ助成金の人材育成コースの拡充について、必要な改正を行うものです。

 キャリア形成促進助成金について説明いたします。資料 2-2 2 ページを御覧ください。キャリア形成促進助成金は、事業主が主に正規労働者を対象に職業訓練を実施した場合に、訓練経費や賃金の一部を支給する助成金です。今般の改正は、ここの政策課題対応型訓練の助成メニューに、新たにマル4中長期的キャリア形成コースを設け、事業主が従業員に中長期的なキャリア形成支援に資する訓練を受講させる場合においては、ここにある一般型訓練の助成よりも手厚く助成を行うことにしております。具体的には、賃金助成として 1 時間中小企業が 800 円、大企業が 400 円、経費助成として事業主が要した費用の場合、中小企業が 2 分の 1 、大企業が 3 分の 1 を助成することにしております。

 続いて、キャリアアップ助成金の人材育成コースです。資料の 3 ページを御覧ください。キャリアアップ助成金は、事業主が非正規労働者に訓練を実施する場合に、訓練経費や賃金の一部を支給する助成金です。今般の改正ですが、キャリア形成促進助成金と同様に、事業主が従業員に中長期的なキャリア形成に資する訓練を受講させる場合において、手厚く助成を行うこととしております。具体的には、人材育成の経費助成については、訓練時間数に応じて、最大中小企業 30 万円、大企業 20 万円を上限に、事業主が要した経費の実費を支給する仕組みになっていますが、これらの上限を中小企業 50 万円、大企業 30 万円とすることとしております。なお、これらの訓練時間数の区分と支給額の上限は、キャリア形成促進助成金と共通としております。説明は以上です。

 

○小杉分科会長 ただいまの説明について、御質問、御意見はありますか。

 

○澤田委員 労働側として、今回諮問されている省令案要綱の内容について特に異論はありません。 1 点要望といいますか、方針が決まっているのであれば確認をさせていただきたいのですが、専門実践教育訓練についても、労働者が自主的、自発的に受講する場合と、企業の業務命令で受講する場合と両方あると思います。企業の業務命令で受講している場合、今まで企業側が全額負担をしていた訓練について、今回の専門実践教育訓練の新設を契機として、労働者にも負担を求めて企業負担を減らそうというようなことがないようにしていただきたいと思います。

 現行のキャリア形成促進助成金では、政策課題対応型訓練について、業務命令の訓練費用の一部でも労働者に負担をさせる場合には、助成金が不支給になることが厚労省のパンフレットに留意事項として記載されております。今回の改正内容に基づく助成金の取扱いについても、これと同様の対応を検討していただきたいと思います。

 併せて、今回の改正内容の周知を徹底していただくことをお願いして、省令案要綱については労働側として了承することとしたいと思います。

 

○福士育成支援課長 今、お話があったキャリア形成促進助成金の中で、本人が負担した場合は要領上、不支給と実際に書いております。ただし、これは自発的職業能力開発で、就業規則などに経費負担の割合をしっかり定めている場合には、本人負担であっても事業主負担分については出すことにしております。今回、この中長期的キャリア形成コースについては、業務命令の部分と本人自発的な受講もあり得ると思うのですが、それぞれの支給要件については、支給要領上でどのような形にするかは、今言われた意見を参考にしてやらせていただきたいと思いますので、そういう形で進めさせていただきます。

 それから、周知もしっかりやらせていただきます。

 

○小杉分科会長 ほかに御意見はありますか。

 

○水町委員 今の要領というのは、どういう時期に作って、こういうテーブルに出てきてチェックできる体制になるのか、それとも勝手に作って 10 1 日までにやるのかという、そこのプロセスを教えてください。

 

○福士育成支援課長 要領上は、局長が定めて利用要領を作る形になっていますので、実際上は我々が細かい中身を詰めていく話なので、詰めていきながら要領を作っていくと。それを地方なりに、その要領に従ってやっていただくものになります。ですから、要領がこういう会に並ぶのは、なかなかないだろうと思います。

 

○水町委員 しかし、今、委員の中から重要な問題提起がありましたので、そのことについてはこの会議で必要な……ですので。

 

○福士育成支援課長 そうですね。問題提起があったことについては、要領が固まった時点で内容については御報告させていただきたいと思っています。

 

○小杉分科会長 よろしくお願いいたします。ほかに御意見、御質問はありますか。ないようでしたら、当分科会としては、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について」は、妥当と認める旨の報告を、私から労働政策審議会会長宛てに行うこととしたいと考えますが、よろしいでしょうか。

 

( 異議なし )

 

○小杉分科会長 それでは、事務局から報告文案を配布してください。

 

( 報告文 ( ) 配布 )

 

○小杉分科会長 それでは、お手元の案でよろしいでしょうか。


(
異議なし )

 

○小杉分科会長 どうもありがとうございます。では、そのように報告いたします。そのほか、委員の皆様から何かありますか。特にないようでしたら、本日の議論は以上といたします。次回以降の日程については、改めて事務局から連絡させていただきます。本日の議事録の署名人は、労働側は冨高委員、使用者側は大野委員にお願いしたいと思います。それでは、本日はこれで終了したいと思います。遅くまで、どうもありがとうございました。


(了)

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