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2014年7月25日 第4回福祉人材確保対策検討会 議事録

社会・援護局 福祉基盤課 福祉人材確保対策室

○日時

平成26年7月25日(金)10:00~12:00


○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター14階ホール14A


○議題

(1)介護人材確保の方向性(中間整理メモ)について
(2)その他

○議事

○関口室長補佐 どうも皆様、おはようございます。定刻少し前でございますが、遅れて来られるという御連絡をいただいています堀田構成員以外の皆様が全員お集まりでございますので、ただいまから第4回「福祉人材確保対策検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日の構成員の出欠状況でございますが、川井様は御欠席との御連絡をいただいてございます。また、高橋様の代理として、後藤様が出席をされております。なお、先ほど申し上げましたとおり、堀田様におかれましては少し遅れて来られるということで御連絡をいただいておるところでございます。

 また、事務局に人事異動がございましたので御紹介をさせていただきます。

 社会・援護局長の鈴木でございます。

○鈴木局長 鈴木でございます。よろしくお願いいたします。

○関口室長補佐 大臣官房審議官の谷内でございます。

○谷内審議官 谷内でございます。よろしくお願いいたします。

○関口室長補佐 同じく総務課長、西辻でございますが、申しわけございませんが、公務によりまして、急遽欠席となっております。

 福祉基盤課長の岩井でございます。

○岩井課長 岩井です。よろしくお願いいたします。

○関口室長補佐 では、以降の進行につきましては、田中座長のほうにお願いしたいと思います。

○田中座長 皆さん、おはようございます。お集まりいただきましてありがとうございました。きょうは門野構成員、初めてでらっしゃいますね。よろしくお願いします。

 皆さんに思い出していただきたいのですが、6月4日の第1回の検討会のときに、当時の岡田局長から、夏までに一定の方向性を示すことを求められております。そこで、現下の喫緊の課題である介護人材の確保について、3回にわたって熱心な御議論をいただきました。

 この検討会そのものは秋まで続きますが、今回、きょうは、介護人材確保に向けての一定の方向性について、本検討会としての中間整理メモとしてまとめたいと考えております。

 そこで、本日は皆様の御意見を踏まえ、事前に少しずつ尋ねて意見を伺った上で、私と事務局とで整理を行いました。これをもとに議論を進めていきます。

 では、初めに事務局から、資料の確認をお願いします。

○関口室長補佐 まず、報道の皆様、申しわけございませんが、撮影のほうはここで終了とさせていただきますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 皆様のお手元には、資料1といたしまして、介護人材確保の方向性の中間整理メモの案、

 資料2といたしまして、これまでの議論を取りまとめたもの、参考資料1及び2といたしまして、これまでお配りしております介護人材の現状等に係る資料を配付させていただいております。

 また、構成員の皆様の机上のみの配付となっておりますが、門野構成員からいただいた、最新の「HELPMAN JAPAN」の冊子もお配りをさせていただいております。

 なお、参考資料2でございますが、15ページをお開きいただきたいと思います。前回、井上構成員より御要望のございました実務者研修におけるレポートの内容等に係る資料を追加させていただいております。

 資料の不足等ございましたら、事務局までお申しつけくださいますようお願いいたします。

 以上でございます。

○田中座長 ありがとうございました。

 では、早速、議論に入ります。

 武内室長より資料の説明をお願いします。

○武内室長 それでは、私から、資料1に基づきまして御説明をさせていただきます。

 資料1「介護人材確保の方向性について~中間整理メモ~」というタイトルがついている資料に基づいて説明をさせていただきます。

 座長からお話がありましたように、本日は、これまでの検討会の御議論に基づきまして、座長や構成員の皆様とも事前に御相談をさせていただきながら、介護人材の確保についての一定の方向性について、この中間整理メモの案を作成いたしましたので、こちらの御説明をさせていただきます。

 中間整理メモにつきましては3ページの構成になっています。最初の2ページが全体の介護人材の確保の方向性、全体像で、3ページ目が資格取得方法についてのものになっております。

 それでは、1ページから順を追って御説明させていただきます。

 なお、資料2としてお配りさせていただいている「これまでの議論について」という部分についても適宜御参照いただければと思います。

 まず、1ページ目ですが、基本的な考え方、この方向性を取りまとめるに当たっての基本的なスタンスの部分ですが、基本認識として、介護人材は地域包括ケアシステムの構築に不可欠な社会基盤であり、その確保は最重要の課題である。

 また、今後「量」と「質」の好循環を確立していくということ。多くの人材が介護に従事し、切磋琢磨を通じて資質の向上を促される。そして、それによって社会的・経済的評価が高まり、また多くの人が入ってくるという循環を生み出していくということであります。

 そして、3つ目の○が、現在の危機感について、生産年齢人口の減少や他業種への人材流出も懸念される中で、若者や学生に選ばれる業界に変えて転換を図っていく。外部環境の変化に対応していく業界になっていくということを述べております。

 4つ目の○については、人材確保の方向性につきまして、ともすれば賃金水準の問題のみに帰着されやすいが、もちろん賃金水準の問題についての御指摘もございますが、それのみならず、より中長期的な視点、それから、総合的な視点で取り組むことが肝要である。参入促進、支出の向上、労働環境、処遇の改善という視点からの対策を総動員して講じていく必要があるということです。

 また、特に個別の地域や事業者のレベルでは革新的な動きも見られる。これを横展開させていくことが重要であろう。これは第3回のヒアリングにおいても、先進的な事例を伺ったことを踏まえております。

 こうした観点に基づきまして、今後の方向性として以下の11の方向性を整理させていただいております。

 今後、さらに具体化に向けた議論を進めていくということが必要であるという前提で取りまとめております。1~11について、3つの柱、全体的な視点、この4つの大きなくくりでまとめてあります。

 まず最初に、参入促進について1~4まで。1についてはイメージの話です。

 2つの魅力「深さ」と「楽しさ」を発信していくということです。

 介護につきまして、イメージアップをしていくためには「深さ」、すなわち専門性に基づき高齢者の尊厳の維持と自立支援を支える。死生観やみとりというような議論もこちらでいただきましたけれども、その部分と楽しさ、みずから考え、工夫した結果が利用者の感謝あるいは満足につながっていく。そうしたことを通じて地域のまちづくりにもつながっていくといったことをもう一度再認識をいたしまして、この両面を介護現場から社会全体、学生、保護者、そして教員に向けて発信をしていくということであります。

 2つ目が、経営者について。若者に選ばれる業界へ転換していこうということです。介護業界が若者に選ばれる業界へ生まれ変わるため、経営者の意識改革、多様な人材の活用を図っていくということによって経営力、採用力の向上、それからIT化などの活用を推進するということでございます。

 3つ目が裾野の拡大です。地域に貢献したい女性や中高年齢者層の参画を図っていくという方向性です。地域貢献に意欲を持つ子育て前、中、後の女性や、第二の人生を控えた中高年齢者層が介護への就労など多様な形で参加できる環境を整備する。

 具体的な御意見としては、そのための教育訓練、あるいは介護実習の機会をつくってはどうかという御意見もいただいたところです。

 4つ目がきめ細かなマッチングについて。他業種に負けない採用戦略をつくっていこうということで、経営者におかれては、求人に当たって人材ビジョンを含めた経営理念を見える化していく、それから給与体系の整備など、他業界なみの採用戦略をしっかり持っていくということを促していこうということでありまして、また、福祉人材センターのさらなる機能向上ということも御指摘いただきました。こういった点も4つ目の観点として含めています。

 2つ目の柱として、支出の向上という視点であります。これは5~8までです。

 5、キャリアパスについて。多様な働き方や機能に応じたキャリアアップの実現を図っていくという方向性です。こちらでの議論では、介護人材について一律に介護人材を十把一からげに論じるのではなくて、その機能に応じた議論をしっかり分けてすべきだという御意見を多くいただいております。

 そこで、介護人材について、専門性を追求していかれる人材、マネジメントを担っていく人材、それから、一定の領域に特化し従事する人材。すなわち、介護サービスの中でもごく一部のサービス類型あるいはサービスの部分にかかわっていくといったことを目指す人材など、そういった働き方、求められる機能に応じた類型化を進めていくということでございます。そして、それらの多様な人材の意欲や能力に応じたキャリアパスを整備し、意欲ある方は学び、キャリアアップが図れる環境を実現していくという方向性でございます。

 6について、そして7について、こちらは介護福祉士についての話で、6については大きな方向性、7についてはどういうふうに取り組んでいくかという2つの構成になっております。

 6については、大きな方向性として御議論いただいたものでございます。介護福祉については、専門性と社会的評価を向上させていくということで、介護福祉について、地域包括ケアに対応していくということ、社会的評価の向上につながるように、専門性を高め、介護現場での中核的な役割を担う存在として明確に位置づける。また、離職した介護福祉士、すなわち潜在の介護福祉士が介護の現場に再就業しやすい環境整備を進めていこうという点も認識の一致が見られたとおりです。

 こうした根本的な認識に立った上でどのように対応していくのかということについて、7番、介護福祉士資格取得方法見直しに向けた取り組みという部分でございます。この点、6とも関連しますが、3ページに敷衍して詳細に書いてあります。

 まず3ページをごらんいただければと思います。

 介護福祉士資格取得方法の見直しに向けた取り組みということであります。この部分につきまして、さまざまな御意見をこの検討会でいただきました。基本的な考え方の部分については認識の一致が見られたところでございますが、介護福祉士を介護職の中核的存在として位置づける、社会的評価を確立するということは申し述べたとおりでございますし、認知症などの介護ニーズがふえ、あるいは高度化していく中で体系的な教育が必要だということ。そして、現下の状況、人材不足感の高まりなど、あるいは来年の養成校におかれましては、学生の募集なども始まる時期であるということから、早めに何らかの方向性を打ち出すべきだという御意見もいただいておりますので、そうしたことも踏まえて、中期的、それから当面という2つの時間軸に基づく対応を考えていこうということでまとめております。

 具体的な内容につきまして、中期的な対応につきましては、介護ニーズの高度化に対応した質の向上を図り、量と質の好循環を生み出していくという方向性をしっかりと進んでいくということであります。

 中期的な対応については、まだ皆様の御議論、収れん、あるいは十分に深め切れていない部分がございますが、認識の共有ができた部分につきまして、地域包括ケアに対応し、また社会的評価の向上につながるよう、継続的に専門性を高めていくことのできる教育体系、それから、専門性に応じた役割、介護福祉士を介護職全体の中でどういう役割を担う存在として位置づけていくのか。それから、位置づけのあり方、その専門性を高めていく介護福祉士がどういうステータスを持つべきなのか、そういったことについて、総合的な観点からの検討をしていく、これを介護福祉士の将来像、骨太の将来像を抜本的に議論していくということをしっかりと速やかに検討を進めていくということをまず前提として1に置かせていただいております。

 その上で、当面どうするかということについて2で書いてあります。

 この介護福祉士の取得方法につきましては、集中的に議論した第3回の検討会において、複数の構成員から19年改正内容の実現を義務づけることを求める御意見もいただいた一方で、養成校への義務づけ自体に消極的な御意見など、さまざまな御意見をいただいたところでありますが、この1の中期的な対応をしっかりと議論していくということを前提とした上で、当面の対応としてここに記載されているようなことをまとめさせていただいております。

 具体的なことにつきまして、まず養成施設ルート。養成施設ルートにつきましては、述べました現下の状況などを踏まえ、また来年から入学を予定されている学生方の事情も配慮いたしまして、中期的な対応の議論というものと合わせて検討する必要があると考えられるということで、平成28年度からの国家試験の義務づけを延期する。そして、中期的な対応に係る議論と合わせて検討する中で、施行時期については法令改正で対応していく。ただし、養成校において進級・卒業時の統一試験など、教育の質の確保を制度的に担保していくということでございます。

 こちらは第3回議論の中でも構成員の方々から、教育の質の担保をやっていくための具体的な御提案もいただいておりますが、そういったことを踏まえてまとめさせていただきました。

 実務経験ルートの部分につきましては、実務者研修の受講の義務づけを平成28年度から施行する。こちらは介護人材に係る専門性あるいは体系的な教育の必要性を求める声が多くございましたので、それに基づき受講の義務づけをしていく。

 ただし、こちらの第3回での議論でもいただきましたが、現在の負担軽減措置、科目の読みかえ、通信教育の活用などに加えまして、さらに何らかの受講しやすい環境整備をすべきであるという御意見もいただいておりますので、こちらを付記させていただいています。その中には、構成員の方々から、受講期間をより柔軟にすべきであるというお話、それから、そのほか検討課題として単位制をどうするのか、あるいは時間をどう考えるのかという問題指摘もいただいておりますので、その点、方策についても引き続き検討していくとしております。

 そして、福祉系高校ルート。こちらにつきましては、国家試験、現在、既に行われておりますが、国家試験を引き続き実施するということでございます。ただし、こちらも前回の議論で幾つかの御提案をいただいております。その他業種からの転職者の参入を促進するため、通信課程を活用すべきではないかといった御提案もいただいておりますし、その他、負担軽減を図るための方策についての御提言もいただいておりますので、その点についても検討していくことが必要かと考えられます。

 再度2ページ目、8に戻らせていただきますが、資質の向上に係る小規模な事業所について、こちらはヒアリングで、きたおおじの山田様からも具体的な事例を御紹介いただきましたが、やはり業界の特性として小規模な事業所が多いということで、小規模事業所の共同による人材育成を支援していくという方向性でおります。小規模事業所が共同で研修体制を構築する、あるいは人事交流などを支援するといったための環境整備を行っていくという方向性を述べております。

 9番、労働環境・処遇の改善について、事業所においてしっかりとした動機づけをしていこうということであります。マネジメント能力・人材育成力が必要ではないか、向上させていくことが必要ではないかという御意見をいただき、それに基づき、求職者に選ばれる事業所となるよう、人材養成も含めたマネジメント能力、人材育成力の向上。それから技術革新。これはロボットの活用、用具の活用なども御意見としていただいておりますが、それによって働く方々の負担の軽減あるいは需要の伸びを緩やかにするという観点も含めて、こういった技術革新の積極的な導入を促していくということでございます。

 また、このために、優れた取り組みを行う事業者への評価、認証あるいは情報公表の評価を進めるといった方向性もまとめさせていただいております。

 最後に、こうした3本の柱を進めていく上での全体的な視点として2つございます。

10番、地域における推進基盤をつくっていこうということで、学校企業などあらゆる主体と連携する場の創設による地域ぐるみの人づくり。地域包括ケアに不可欠な社会基盤としての人材について。地域全体で育み支えるという環境を整備していく。そのため、地方自治体において介護事業者、養成機関、学校、一般企業など、地域のあらゆる関係主体と連携するための場を設け、継続的に対話をしていくというサイクルが重要ではないかという御指摘を反映させていただいております。その際、学校、企業、地域住民への啓発などを組み合わせてネットワークをしっかりつくっていくという方向性を出しております。

 最後に施策のマネジメントという観点ですけれども、11番、グランドデザインの構築です。本検討会におきましても、短期的な対応では人材確保については限界があるという御指摘を多々いただいております。この人材確保の取り組みをより実効的なものとするため、国は10年間を念頭に置いた介護人材に係るグランドデザイン、工程表あるいはゴールを設定したルールマップを描いていく。それをもとに、地域の関係者が役割分担をし、同じ方向感を持ち、施策のPDCAを図りながら主体的に取り組みを進めていくという方向性を打ち出しております。

 私からは以上でございます。

○田中座長 ありがとうございました。

 では、この中間整理メモ(案)について、おおむね11時半をめどに皆さまからの御意見を頂戴したいと存じます。どなたからでもどうぞ。

 石橋さん、お願いします。

○石橋構成員 この介護人材の確保の方向性の11の項目の大まかな方向性につきまして、よくまとまっているなという感じがいたしております。ただし、ここで示されております資質の向上の7番目の介護福祉士資格取得方法の見直しに向けた取り組み、先ほど説明がありました3ページのところでございますが、ここに少し違和感があります。

 我々は常々申し上げておりますように、平成19年の社会福祉法及び介護福祉法の一部改正指針におきましては、やはり介護保険制度以降、介護のあり方が大きく変わり、介護ニーズの多様化、高度化、また団塊の世代が高齢者になることでより質の高い介護を求められることなどから、これまでの介護福祉士の養成のあり方を見直し、実務者に対しては一定の教育を義務づけし、養成課程には国家試験を義務づけるとこととされました。また、このことは同時に介護福祉士の質の担保、社会的評価の向上につながり、人材の確保に寄与するという趣旨でもあり、私たち介護福祉士の職能団体としても賛同いたしたところでありますし、この関係団体も大きな異論はなかったということを記憶してございます。この方向性は今でも間違いないと思っておりますし、やはり質の担保を図るこの方向性を守ることは、私たち職能団体としては必要だと思っています。

 したがいまして、ここで示されている養成校の国家試験の義務づけ、延期ということは反対と言わざるを得ません。仮に、その担保として養成校の進級、卒業時の統一試験、国家試験義務のかわりにするのであれば、本当に実効性のある社会的評価がられるような仕組みにしないとこれはおかしなことになるのではないかと思っています。逆に、なぜ延期になったかということの御質問をさせていただきたいと思っています。

 中期的対応についてでございますけれども、先ほど申し上げました19年の法律改正の附帯決議の中におきましては、より高度の介護ニーズに応えることができる専門的な介護福祉のあり方の検討をすべきということが明示されまして、また2011年には、今後の介護人材養成のあり方検討会で介護職員のキャリアパスの仕組みが示され、その趣旨に基づいて、介護福祉士の上位資格として認定介護福祉士(仮称)の検討につきまして、本会が事務局となりまして、厚労省や関係団体とともに3年以上にわたり検討を進め、モデル研修まで行っているということから、ここで示されています中期的な対応として示されている、より専門性の高い継続的な教育体系の検討をこれから行うときには、これまでの検討されました認定介護福祉士についての検討の中身につきまして十分考慮していただきたいと思っているところでございますし、また、速やかに、具体的にいつごろからこの検討が行われるかということがもしわかりましたら教えていただきたいという感じを持っています。

○田中座長 では、2点質問が含まれていましたので、お答えいただけますか。

○武内室長 まず、2点。

 1点目が、当面の対応につきまして、どういう考え方で整理をされたのかという部分。特に延期の部分ということでございますが、特に介護福祉士の資格取得方法につきましては、第3回の検討会においてさまざまな御議論をいただいたところです。19年改正の実現養成ルートに国家試験を義務づけることを求めるという御意見。こちらは介護福祉士会の石橋構成員の御意見も含まれておりますけれども、その一方で、養成校への国家試験の義務づけ自体に明確に反対する意見、それから、消極的な御意見もあったところです。

 他方で、複数の構成員から、介護福祉士の資格取得方法を含めた人材確保に関する方向性については、中長期的なグランドデザインをしっかり描くべきであるという御意見がございました。

 こうした御意見を踏まえまして、田中座長あるいは構成員の皆様とも事前に御相談をさせていただいた上で、中期的な対応として明記したとおり、介護福祉士の専門性に応じた役割と位置づけのあり方について、総合的な観点からの検討をしっかりと進めていくということとした上で、当面は養成施設ルートにおける国家試験について、この時期に、当面、養成学校への入学を検討している学生の皆様方に対して、できるだけ早い時期に方向性を明示することが適当だという御意見も踏まえまして、この中期的な方向性を示していくということが必要であるということを踏まえまして、平成28年度からの義務づけを明記するということとして整理をさせていただいたものであります。

 2つ目の御質問、このような議論をどのように今後進めていくのかということでございますが、今後、どのような方向性で、どのようなスケジュール、内容で進めていくのかということで、私どもといたしましては、この中間整理メモで出された方向性を踏まえまして、必要な議論を速やかに進めることが必要と考えております。

 具体的には、この検討会におかれても引き続き議論を深めていくということとともに、必要に応じまして社会保障審議会など、関連する議論の機会において検討していくことが考えられると考えています。

○石橋構成員 ありがとうございます。

 養成校の国家試験義務づけにつきましては、それをすることによって学校の入学者の定員が減っていくという懸念があるということなどからという御意見も伺ったとは思っておりますけれども、実際、平成24年度から7年度、さらに3年間延期になりましたけれども、現実的に本当にそれで国家試験の義務づけをしないことにより入学定員が減ったかどうかということについて、なぜ減っているのかということの要因をしっかりと検討して、その対策を練るということが本当に必要なことではないかなと思っています。単なる国家試験導入があるから養成校の定員が減るとは逆に思わないと思います。

 それよりも、やはり根本的に介護福祉士の専門性を高める社会的評価を向上することによって、魅力を高めることによって、やはり入学者も増加するのではないかと思っておりますので、そのあたりをもう一度検討していただければと思っています。

 また、中期的な考え方については、より専門性の高い介護士の養成のあり方を踏まえて、これまで議論されてきました認定介護福祉士の趣旨も鑑みまして、また検討を進めていただけることを再度お願いしたいと思います。

○田中座長 ありがとうございました。

 田中さん、お願いします。

○田中構成員 今、国家試験の養成校に対する延期ということで石橋構成員から、おかしいのではないかという御意見でございますが、私どもはずっと19年改正を前提とすると申し上げてきました。ただ、そのことと、今回、この数年議論されていることからしますと、いささか国家試験の一元化の前提が多少崩れているとまでは言いませんが、変化してきている。

 と申しますのは、第3回のところで申し上げましたように、国家資格というのは、きちっとした教育を受けて、そして国家試験を受けて国家資格を取る。したがって、私たちは、教員の講習を受けたり、時間数をふやしたり、いろんな基準を守って19年改正をしていきました。ところが、実務経験も一方で600時間という時間が決まりましたけれども、そこのところが少しずつ変化して来ている。したがって、その前提が少し変化しているときには、もう一度、原点に返って考え直す必要があるのではないでしょうかと。単に国家試験が延期ということだけで養成校がそういうことを申し上げたということではない。前提が変化しているわけですから、もう一度原点に返ってグランドデザインというものを考え、その上で質の向上という。ついては、それが量の確保につながるということの視点でございますので、決して石橋構成員のように、私たちがこういうことを申し上げたことではない。いろんな委員さんもそういうことで多少の御理解をいただいたと思っております。

 以上です。

○田中座長 中間整理メモについて、皆様の御意見をお願いいたします。

 西條さん、お願いします。

○西條構成員 西條です。

 介護の資格については、私どもも第3回の検討会で意見を述べさせていただいたとおり、せっかく若者が介護の世界に飛び込んでこようという意欲をそがないように、そういった道をつくる。むしろ、資格を取ってからが本来の人材育成ということだと思うのです。資格をとって安穏としていいというものでは決してないと思っていますので、その点で延期については、賛同しております。

 もう一点、また別な観点ですが、第1回の検討会で御説明がありましたけれども、さきの国会で成立した医療・介護総合確保推進法ですか。これにおきまして介護人材の確保対策を1つの柱とする新たな財政支援制度が位置づけられておりまして、この支援を受けるには、今後、国が定める地域における医療・介護の総合確保方針に基づきまして、都道府県が策定する計画に具体的な確保対策事業というものを盛り込んでいく必要があります。当検討会の中間整理も総合確保方針を策定する上での1つの材料となろうかと思いますので、そうした観点で意見を述べさせていただきます。

 まず、今回の総合確保方針の趣旨ですが既に整理されていますとおり、地域包括ケアシステムの構築にあると思っています。ここで介護人材と一言でくくっているのですけれども、今後在宅医療・介護が一層進む中、ケアシステムの担い手というものは、NPO、地域住民を含め、本来多様な人材が想定されておるのですが、この検討会では、介護事業所で働く介護職に焦点が絞られて議論されてきたと認識しております。

 その上で、今回示された中間整理メモの表現で幾つか違和感がありまして、1つは、1ページの参入促進の3です。地域貢献に意欲を持つ子育て中・後の女性という表現がございますけれども、ケアシステムというのはもともと地域貢献という概念でくくるものではないのではないかと思っておりまして、さきの資料の表現にもありましたとおり、ここは結婚や出産、介護等を契機に離職した女性とか、第2の人生のスタートを控えた中高年層などを潜在的な人材層が、地域包括ケアシステムに多様な形で参加できる環境整備を促進するといった、そんなような表現にしたらどうかと思っています。

 もう一つは、2ページの全体的な視点の10です。ここで介護人材を「地域全体で育み、支える」環境を整備する。このため、地方自治体があらゆる主体と連携するための場を設けるとございます。介護人材の地域の役割というのは否定することではありませんけれども、その場を自治体が設けるというところでどうも違和感があるのです。

 もともと介護人材を育むというのは、利用者であって、事業者の責務でもあります。むしろ、事業者が中心となった地域の取り組みを行政が支援するとしたほうがよろしいのかなといいますか、そういう感を持っています。その意味で制度の活用というのは有効と考えておりますが、まず事業者とか関係者が専門的な人材を育成して、それを介護業界全体の評価につながるとここでの議論が流れたはずですので、そうした表現をぜひお願いしたいと思っています。

 とは言いましても、自治体の介護人材の育成という責務を放棄したわけではございませんで、むしろ都市部において危機的な状況にある介護人材不足に対しまして、従来の短期的な確保対策にとどまらず、一歩踏み込んだ戦略的、かつ総合的な対策に地方が率先して取り組むことが重要だと考えております。

 そうした意味で、第1回の検討会でも発言しましたとおり、資料2のほうの15ページ、中長期的な観点からのアプローチにも記載がございますが、私ども外国人介護福祉士の育成、受け入れ、この部分が整理メモからはそっくり抜け落ちておるというのはどういう経緯なのかというのを1つお聞きしたいなと思っています。

 外国人介護福祉士の活用につきましては、法務サイドで検討が進められていると、それは十分承知しているのですが、さきの7月15日の全国知事会におきましても、介護分野への外国人の受け入れについては、単に短期的な労働力確保という場当たり的な対応ではなくて、受け入れから育成、継続的な就業まで一貫した制度を構築するよう提言をまとめまして、近々、厚労大臣に提出する予定と聞いております。

 本県でもEPAの拡大というイメージで、短期的な戦略というよりも、むしろ中長期的な人材育成、これを事業者が担うという観点で、あるいは私ども外国籍も非常に多い地域でございますので国家戦略特区を活用して、介護の仕事に意欲のある外国人をまずは実習生として受け入れまして、事業所が介護福祉士の資格を取得するまでしっかりと育成するというシステムを今構築しようと考えています。

 外国人材の活用につきましては、さきに閣議決定されました政府の日本再興戦略におきましても、技能実習制度の見直しとか、外国人留学生の活躍支援などが盛り込まれておりますので、今後、神奈川が突破口となってチャレンジしていく所存でありますので、ぜひ介護分野における外国人の養成確保のための規制緩和、そして制度運用上の支援、ぜひ厚労省からもお願いしたいと思います。

 以上でございます。

○田中座長 外国人材について質問が含まれていました。お答えください。

○武内室長 今、構成員に御指摘をいただきました外国人につきまして、本検討会におきましては、介護人材の確保について総合的な視点から御議論いただきまして、今般、大きな方向性として認識が一致したところを取りまとめさせていただきました。

 ただし、構成員御指摘のとおり、外国人に関する御意見というのもいただいておりますので、この部分については資料2の全体的視点にかかわる御意見として明記をさせていただいております。

 ただ、今お話にもありましたように、介護分野の外国人活用に関しては、日本再興戦略の中でも技能実習制度あるいは介護分野の国家資格を取得した外国人留学生に就労を認めることなどについて検討を進めるということが盛り込まれておりまして、必要に応じて、本検討会におきましても御議論を深めていただくということになると考えております。

○田中座長 引き続き議論するとの回答のようですね。

○西條構成員 本当に危機感を持っていまして、日本人だけでは足りないのではないかということを思っています。

 また、外国人材だから全て質が低下するとか、そういった乱暴な議論はやめていただきたいなと、それをお願いして意見を述べさせていただきます。

○田中座長 ありがとうございました。

 ほかの方の御意見を伺った上で、中間を超えて議論してまいりましょう。また、プロフェッションとして働く話と地域貢献とを分けよという御指摘もいただきました。ありがとうございます。

 佐藤さん、お願いします。

○佐藤構成員 おまとめいただきました中間整理メモの基本的な考え方の4番目のところにあります介護人材確保についてのくだりのところで、賃金水準の問題のみに帰着されやすいがというところで、参入促進、資質向上、労働環境、処遇改善ということでもセグメント等が提示されているわけですが、しかし、一方で、再度配られました参考資料1、介護人材の確保についてという資料の中でもありますとおり、20ページにありますとおり、まず参入の入り口のところでのイメージについては、やはり給与水準が低いというイメージがあるということもデータを出されておられます。

 また、22ページの介護福祉士の離職についての理由のところでは、23.5%の理由の4番目のところに収入が少なかったという事実もあり、また、資料2の後段の介護保険部会の36ページのところでの取りまとめの具体的にはというところにも、やはり処遇改善についての取り組み等々が記載されている中で、やはりこの介護人材確保についてにフォーカスしたこの会の方向感の中に、残念ながら労働環境と処遇改善というセグメントの中に、賃金水準についての記述がないということは非常に残念だなという思いが実はありまして、マネジメント能力、人材育成能力向上ももちろん大事でありますけれども、やはり一定の賃金水準の確保あるいは改善あるいは向上という視点もぜひ入れていただけることが、私は民間事業者の立場で、やはり寿退社が男性で起こるという現実を見ていますと、この辺のところについての視点を方向感の中でぜひ掲示していただけないものかなということを考えております。

 それから、2点目は、この環境処遇改善の中で、今までもこれまでの議論についてという資料2の中で、14ページのところに、地域包括ケア構築についてという中黒3番目のところがあるわけですが、この技術革新という表現の中で掲載いただいておりますけれども、地域包括ケアの構築が基本的な考えのところの第1弾で書かれていますとおり非常に最重要課題だと認識しておりまして、そのためにも、やはり人材確保の中で革新的な対応、イノベーションというものを促すということはとても大事だなということと、そういうことが方向性の中で、ここで掲示されていない、考え方のところで地域包括ケアというのが明示されているのですけれども、地域包括ケアについての取り組みについて人材確保の視点での方向性という中間のまとめの中でのセグメントに入っていないという点については、何か書き加えられるような形がとれたらいいのではないかという意見を持ちました。

 以上でございます。

○田中座長 御意見ありがとうございました。

 平田さん、お願いします。

○平田構成員 最初に経営協でも全体のグランドデザインを描いて、まず、それからというお話をさせていただいたのですけれども、2025年までの約10年間を長期と理解すれば、中期が5~7年に、当面が3年までと考えられ、そういう全体の中で中間整理メモの課題がどういう位置づけなのか。つまり、先ほども外国の人材の話がありましたけれども、この3回で集中してやられたのは、今までは国の人材確保指針があってそれで出しただけなのですけれども、それを第6期介護保険事業計画の支援計画に関連づけようとされていて、そのために短期に3回でやられたという理解を私個人はしますけれども、そのあたりも事務局のほうから具体的に説明していただければ。

 それと秋までの中に介護外国人材の問題と保育関係、あるいは障害関係の福祉全体の人材関係をどう入れ込んでいくかというあたりがなかなか具体的に見えないので、この中間整理メモに全部網羅されていないのではないかという懸念も少し出てくるところかなと思います。

 その辺の議論をどこまで中間整理メモの中に加えて、あるいは省けるのか。そのあたりを少し説明していただけるともっと中間整理メモの位置づけがわかりやすいのではないかという気がします。

○田中座長 位置づけについて質問がありましたが、お願いします。

○武内室長 本検討会につきましては、先般、さきの国会で成立をしました医療介護総合確保推進法の附則の中で、介護人材確保についての具体的な方策を1年という期間を区切って検討していくべきということが盛り込まれていることも踏まえまして設置をさせていただいたものです。

 そして、時間軸で考えますと、今、平田構成員のほうからお話をいただきましたように、幾つかの時間軸を想定する必要があります。まず、大きな時間軸で見ますと、2025年の地域包括ケアの1つの確立の年ということで決定されている年、そして、また介護人材に関しては、人材の需要推計の中でも2025年という数字が249万人というのがございますけれども、そこを1つ念頭に置く必要がございます。

 その時間軸を設定した上で、当座、中期的に考えていく時間軸として、第6期の介護保険事業計画という時間軸がございます。これが来年度から3年間ということになっております。その介護保険事業支援計画におきましては、次のサイクルの中でどうやって関係セクターが取り組んでいくのかということを明らかにしていくということが必要になっていきます。

 この検討会の位置づけ、そして中間整理メモの位置づけといいますのは、この検討会につきましては、来年からの介護事業支援計画の動き、それから、その他こちらにも御意見いただいた介護人材確保指針、こちらの見直し、あるいはその他、来年度の予算など関係する制度面での、あるいは施策面での対応をするということの前提として、こちらで検討を深めていただいているというものでございます。

 その意味で、この検討会において、この中間整理メモ自体はまだ秋まで続く検討会の1つの一里塚としてまとめさせていただいたもの。これはなぜならば、早急に一定の方向性、骨太の方向性は示す必要があるということでありましたので、これに基づいて、この時点での1つの軸となる方向性を定めたものであります。したがって、この後、さらに議論を深めていただくという中で、その中ではそれぞれの方向性に基づいた取り組みが長期のもの、あるいは10年スパンで考えるもの、3年、5年スパンで考えるもの、それから直ちに進めていくべきもの、こういったものを仕分けしながら議論を深めていくという形で進めていくことが重要ではないかと考えております。

○田中座長 平川構成員、どうぞ。

○平川構成員 ありがとうございます。今の中間まとめの方向性について説明されておりますけれども、最終的な形は、この示された内容を軸にしていくことになるということですね。そういうことであれば、残念ながら、やはり佐藤構成員のほうからも御指摘がございましたけれども、労働環境、処遇改善のところがマネジメントの問題に限られているというところについては不足感があるなと思っています。

 基本的な考え方のところにも賃金水準の問題のみに帰着されやすいがという記載がされておりますけれども、やはり賃金水準のみということではなくて、賃金水準、給与水準という、賃金の改善というのはやはり基本的な課題でありますので、しっかりと賃金水準の改善ということも含めて課題として取り上げるべきではないかと考えているところであります。

 それとともに、キャリアパスの問題、もしくは先ほどありました認定介護福祉士のあり方の問題は、さらにはまた段位制度というのもありますし、そういうさまざまな処遇改善やキャリアアップの仕組みというのはこれまで検討され、一部実施されてきておりますけれども、それも含めた包含したような形でのキャリアアップの仕組みであるとか、資質の向上ということも含めての課題というのをもう少し明確にしていくべきではないかと考えているところであります。

 あと、資格の関係で、先ほど言った国家試験の義務づけの問題であります。我々としましては、国家試験の義務づけというのは社会的な評価を引き上げる、もしくは資格の社会的評価の裏づけをしていくという意味においては極めて重要だと思っているところであります。早期に義務づけがなかなか厳しい。諸事情を踏まえつつと書いてありますけれども、では、諸事情というのが、この記載ではなかなか国民に対しての説明という感じでは不足していると思いますので、諸事情を踏まえつつの中身については何なのかということを記載していくということや、残念ながら延期せざるを得ないということに関しては、では、いつまで延期するのか。いつ、それを再検討するのかということももう少し明確にしておくべきではないかと考えているところであります。

2007年に社会福祉事業に従事する者の確保を図るための指針というのが示されておりましたけれども、その指針の内容を改めて見てみますと、もう少し全体的な内容について記載がされておりますし、先ほど言ったように、中間まとめが基軸になっていくのだということであれば、もう少し幅広なものにしていく必要があるのではないかと思っているところであります。

 以上です。

○田中座長 御意見ありがとうございました。

 松本さん、お願いします。

○松本構成員 老施協の松本でございます。

 介護人材確保の方向性ということですが、質と量を両輪で、直近の課題だけではなく、中長期的視点も含めておまとめいただいたことに本当に感謝申し上げたいと思っております。我々事業所側も魅力的な職場環境をつくっていき、またイメージアップのPRをしていくよう努力してまいりたいと思っています。その上で申し上げさせていただきますと、介護福祉士資格取得方法の見直しについては、専門性を求めるという意味において、450時間の実務者研修が現場で働く人たちにとって学習時間という部分だけで考えるのではなく、スクリーニングに通う時間も含め、本当に負担感なく実施できるよう改めてお願いしたいと思っています。

○田中座長 ほかに御意見はいかがでしょうか。

 門野さん、別のお話でも結構です。

○門野構成員 1番目の項目に2つの魅力とありますが、私は4つの魅力があると思います。可能でしたら2つつけ加えていただきたい。

 一つ目は多様な働き方の選択肢があるということです。5番目の項目にキャリアパスの話がありますけれども、いろんな働き方の選択肢があるということが1つ魅力になると思います。お配りした冊子の46ページ以降に、選択肢があることの魅力についてまとめていますのでご覧ください。

1番目の項目で挙がっている「深さ」と「楽しさ」は、介護現場の中で、介護職として働くことの「深さ」と「楽しさ」だと思うのですけれども、介護職以外にもいろんな働き方というのがあるということも魅力になります。

 二つ目は、お配りした冊子の31ページ以降にまとめたのですが、大企業がどんどん入ってきているという事実。福祉(ケア)を軸に、産業の広がりというのがあるという点です。   

「選択肢の多さ」と「産業の広がり」、この2つの要素を求職者の方々にお話しすると、介護の仕事に可能性を感じてくださいます。

 「深さ」と「楽しさ」に加えて、働き方の「選択肢」の多さと将来の「可能性」をつけ加えるということが、求職者に対し仕事の魅力や介護業界全体の魅力を発信するときには必要な要素であると思っています。

 もう一個、それ絡みでもいいでしょうか。一旦切ったほうがいいですか。どうしたらいいですか。

○田中座長 大丈夫です。

○門野構成員 多様な働き方というところに絡んでくるのですが、福祉業界、介護業界の給与水準は、他産業と比べて本当に圧倒的に劣っている訳ではないということです。ほかの産業と全く同じで、多様な働き方の中で、やった分に対して返ってくる、いろんな役割に対して報酬が返ってくるという業界だと思っています。そういうことも求職者の皆さんにお話ししています。

 私は既に全国で約8,000人の経営者や採用担当の方々と、セミナーやワークショップを通してお話ししていますが、「給料が安いから人が来ない」と言っている方は余りいらっしゃらないのです。「本当に普通にちゃんと生活できるよ」とおっしゃっています。では、給料が安いから人が集まらないのだと、給料が安いから人が定着しないのだとおっしゃっているところと何が違うかというと、経営力だと思います。経営者の経営手腕だと思います。

 うまくいっている所といっていない所があるとするならば、それは経営者がちゃんと経営できていないから。だから賃金が払えないわけです。他産業と同じです。そういう意味合いで、全体的に国として賃金を上げるという話をする前に、4番目の項目にもありますけれども、経営の見える化など、他産業並みに、各法人、各企業単位でもって努力をするということをまずやるべきではないかと思っています。

 というのが2つ目の話です。

 3つ目の話をしてもいいですか。

○田中座長 初めての参加ですから、どうぞ。

○門野構成員 3つ目の話をさせていただきます。

 2番目の項目の若者に選ばれる産業への転換という切り口に対する、アイデアなので聞き流していただいてもいいのですが、お伝えしたいのは、高齢だけではなくて、高齢、障害、保育という3つの機能を1つの法人の中に持つということが、採用力、定着・戦力化力につながるのではないかと思っています。なぜそう思ったかと申し上げますと、県によっては福祉の就職フェアで、種別ごとにエリアが分かれたりしているのです。そうすると、障害の施設が集まっておられるエリアに人が山のように集まるのですが、それに比べて高齢のブースは、がらんとしているのです。

 福祉を目指す学生や求職者からすると、障害分野はわかりやすく魅力が伝わりやすいのです。加えて、授産施設では「ケア×○○」という切り口で、ビール工場やクリーニングなど、いろいろな産業化を推進できます。生活支援と経営という両側面を持っているので、一般の方々、世の中の方々にわかりやすく伝えやすいのです。伝えやすいのに、よく伝わっていないのが現実だと思っています。

 障害分野は、福祉の仕事を世の中に対してPRする際、入り口としてわかりやすいと思っています。一方、保育を内在する価値ですが、職員の方々が出産・子育てする際、自分の施設の中の保育所に預けることが出来ると継続して働きやすい。また、保育士さんが10年ぐらいたって次のキャリアを考える際、やめるのではなくて、法人内にほかの種別があるとその中でキャリアを積んでいくという話を結構お聞きます。1つの企業、法人の中に、高齢、障害、保育、3つの要素を持つことによって、求職者に対してPRしやすいという点と、入った方々が中でキャリアを積みやすいという点があると思います。

 実際にいろんな県で話を聞くと、複合型に施設を経営されているところというのは採用や定着がうまくいっている傾向があると思います。以上の観点から、経営の進化というテーマの中で、種別単独でという経営ではなくて、もう少しほかの種別も含めて内在するような形の中で経営を進化することによって、世の中、地域包括の考え方だと思いますけれども、地域全体に対して種別を超えて価値を提供することができる。結果、人が集まる、定着するという状態に持っていけるのではないかと思っております。

 以上です。

○田中座長 ありがとうございます。

 まさに地域包括ケアは介護だけの将来像ではなくて、障害者ケア、保育等々を含めた地域のあり方なので、おっしゃる点は私も全く賛成です。魅力を2つではなくてもう少しふやせとのご指摘もよろしいのではないでしょうか。ありがとうございます。

 堀田さん、お願いします。

○堀田構成員 ありがとうございます。今、門野さんがおっしゃったところの関連から申し上げたいと思います。

 最後に御指摘くださった点ですが、私も重要だと思っていまして、2番目のところの経営力の向上というところに、経営の高度化、事業の多機能化みたいなことを加えるだけではなくて、先ほども平川構成員からも弱いと御指摘のあった9番のところ、労働環境や処遇の改善というところに関しても、結果的には経営力の向上。今、高齢障害母子とおっしゃっていましたが、それだけではなくてさまざまなほかの事業の組み合わせということも非常に選択肢としてあり得るごとで、そういった事業の組み合わせ、これはマネジメント能力とまとめてくださっていますけれども、経営力ということと職場の中での人事管理ということを分けていただいて、それで経営力の中に高齢障害母子はもちろんのこと、多様な地域包括ケアの考え方にあるような事業の組み合わせといったようなことを2番もしくは9番にニュアンスとして足していただけるとよりいいのかなと思うというのが1点目です。

 2点目も、先ほどの門野構成員の御指摘との関係で、これは意見というよりは、いいのかなということをお伺いしたいという感じですけれども、1番目の魅力のところです。楽しさのところで、利用者の感謝としてあらわれるというところがあって、これは以前介護福祉士の方々とディスカッションしているときに、あらわれるのが感謝というのは自己満足ではないかということを専門職としては感じるということを介護福祉士の方々がおっしゃったので、感謝としてあらわれというフレーズで、事務局ではなくて専門職の方々がこれでいいのかなというのを確認です。

 前者と重なりますけれども、生活課題の解決とか、より成果のほうを出さなくていいのかなというのが専門職の方への確認です。

 4番目、ここからは違う観点ですけれども、他業界に負けない採用戦略というところで、福祉人材センターは書いていただいているのですけれども、ハローワークも入れてはいかがかということと、あとはさらにマッチングの中に丸められているのであれば結構ですが、学校と事業所の関係性の継続的な強化みたいなことも入れていただいていいのかなと思います。

 6ポツなのですけれども、これは何人かの委員の方々から御指摘がありましたが、継続的に専門性を高めていくということが大事なので、スライドの3の中には継続的と入っているので、同じように継続的に専門性を高めということを入れていただければと思います。

 最後ですが、全体的な視点のところですけれども、まず、10番目のところは、先ほど西條構成員からの御意見もあったころですけれども、せっかく一方で都道府県の介護人材確保に係る役割ということが次第にしっかりと出されつつあって、都道府県の方々もどうしようかなと思いながらも意識を非常に高めておられるというような状況にあると思いますので、都道府県ということを少し入れていただいてもいいのかなということと、この関係機関の中に労働関係の機関ということを入れていただくということ。

 さらに、全てこれは強い意見というよりは、そんなこともこの後、検討してはという程度ですけれども、地域のあらゆる主体と連携するためのというようにありますが、先ほど佐藤構成員からもイノベーションという言葉があったかと思うのですけれども、そして、1ページ目の基本的方向の考え方のところでも革新的な動きも見られとせっかく触れていただいていますので、課題と方向性を共有したり、あと革新を学び合えるといったようなことを、連携ということの意味を加えていただけるほうがイメージはつかまりやすいかなと思います。

 先ほどの地域包括ケアシステムの構築との関係に関しては、11番のグランドデザインの構築のところに、地域包括ケアシステムの構築を視野に置きながらとかといったような1文を確実に入れていただければと願うことと、これは私の個人的な好みですけれども、国がグランドデザインを描くということではなくて、これまでも重ねて申し上げてきたことなのですけれども、国が関係者の参画をもとにグランドデザインを描いていく場を設けるという形にしていただきたいと思います。関係するみんなが一緒に描いていく、ただ、その描いていくということについての責任を国が持つという形にしていただければと思います。

 以上です。

○田中座長 ありがとうございます。

 中間整理に入れられるか、それとも、その後になるかは事務局と話しますが、たくさんの御指摘、ありがとうございました。特に、ほかの方への問いかけがありましたね。利用者の感謝についてです。プロとしての仕事はプロの成果であって、その先に喜びがあるかもしれないけれども、もう一つ、手前にプロとしての仕事の達成があるのではないかという御指摘、どうぞお答えください。

○石橋構成員 ありがとうございます。私どももここのところについては、当然、私たちは専門職でありますので、感謝をしてもらいたいために仕事をしているわけではなく、その結果として感謝があらわれるのであれば、それはそれでいいのではないか。だから、ここの文言のところも、実は事前に事務局のほう、この文言はおかしいので直していただくと、利用者の生活、自立向上につながりとか、QOLの向上につながりとか、自立支援につながりというような形にしていただきたいというお話をさせていただいたのですが、まだ直っていないです。何か意図があるのか、逆に質問をしたいと思っています。

 まず、私たちは専門職として感謝を求めるために仕事をしているわけではありませんので、そこを誤解なく、あくまでも利用者の生活のQOLの向上とか、自立支援がそれにつながる施設、我々の仕事はそれにつながるということを申し上げたかったと思っていますので、なぜ逆にここを入れたのかなと。

○田中座長 本日の御意見の全体のトーンを見てきっと直していくつもりで、そんな意地悪をしたわけでは決していないと思います。他の方も、もしそういう声が大きければそういうふうに変わっていくと感じますけれども、ほかにどうでしょうか。

 井上構成員、どうぞ。

○井上構成員 ありがとうございます。

 私自身、これは全体を読ませていただいて一番感じたことが、未来像をどこまで描いてこの中に入っているのかなというところをもう少し入れていただいたほうがいいのかなと感じました。

 1つ目が、介護人材ということと介護職という言葉がこの文章の中には入り乱れているのですけれども、地域包括ケアの担い手というのがまず大きくあって、その中に介護人材というものがあって、さらに介護職というものがあるのではないかと思ったというのが1つです。

 そこで多分EPAとかは、介護人材ですけれども、介護職という位置づけではないでしょうから、そのようなところもきちんと整理をされたほうがいいのかなと1つ思いました。

 2つ目が、賃金のところで、実際ここの1から後のところには記述がないのですけれども、やはり衛生要因と動機づけ要因のところを考えたときには、賃金のことはきちんと書くべきだと思います。そのときには、堀田さんは既にそういう研究をたくさんやられていますけれども、あと門野さんからも御意見がありましたけれども、決して賃金が悪いわけではないと私も理解しています。

 それとあわせて、男性1人で家庭を支えるという価値観がもうなくなってきているので、結婚して夫婦2人で働くモデルになっていく。そのときになったときに、先ほどおっしゃっていた働きやすさなどを加えた場合には、実は先頭を一番走っていくモデルかもしれないというところはきちんと書いたほうがいいかなと。逆にそれが魅力になっているのではないかという考え方があるのかなと感じました。

 あと3つ目が、皆さんおっしゃっていますけれども、分野別の福祉を超えていったり、小さな拠点がどんどんできていくという形の中で、マネジャー層になっているときに、大きな施設を動かしていくということではなく、小さな拠点の小さな経営者になっていける、その魅力がすごくあると思うのです。そういったところも含めて、もう少しポジティブに書いていただきたいかなというのが全体として思っているところです。

 あと、先ほど御意見があった「楽しさ」というところなのですけれども、これも専門職としては「楽しさ」の中に利用者の感謝というものを入れていただくとちょっと違うかなと思うのですけれども、地域包括ケアのいろいろな担い手の中で、家族なども一部当然介護をやっていくわけですから、そういうときに楽しさがあるとか、地域の住民にとっての楽しさがあるという理解だと思うのです。そのときの感謝と感じるので、そこをきちんと書き分けたほうがいいのかなということを感じています。逆にこれは皆さんに御意見をいただきたいと思っているところです。ありがとうございます。

○田中座長 ありがとうございます。感謝は大切だけれども、つながりがここの書き方だと正しくないと皆さんは言っていただいているようですね。トーンとして、全体に前向きに、むしろ未来志向の職場であると伝わるような書き方が大切ですね。

 山田さん、お願いします。

○山田構成員 ありがとうございます。全体によくまとめていただいているとは思います。ただ、11番、堀田さんもおっしゃったグランドデザインの部分ですね。私は堀田さんがおっしゃったような表現がいいかなと思ったのですが、グランドデザインにつきましては平田構成員のおっしゃったように、中期的、長期的という、このあたりのイメージと、そこで具体的に何を明確にしていくのかというあたりが少し見えにくいなと思っています。

 3ページの別紙のところできょうはいろいろな御意見があったのですけれども、特に2番の当面の対応というのは非常に鮮明に書かれているのですが、1番の中期的対応というところと先ほどのグランドデザインとの関係で、もう少し具体的な表現、提案はできないのですけれども、入れられないのかな。いろんな御意見があったら、例えば認定介護福祉士という発言もありましたけれども、要するに、そのような資格の問題について、それと介護人材の中核的な人材の教育の仕組みについて、それの社会的地位を反映する報酬の問題について、あるいは教育のシステムそのもの、これは教育体系の確立という表現が3ページにありますけれども、11番のグランドデザインと3ページの中期的対応というところ、このあたりをもう少し、3ページの2番が非常に鮮明に書いているのに比べて、そのあたりを何か具体的に、どういう検討をいつごろまでにどういう内容にするのかということが何かわかればいいかなと感じました。

 2つ目、関連があるのですが、2ページの5番ですけれども、多様な働き方や機能に応じたキャリアアップの実現ということで、これは私なども発言させていただいた部分が入っているかと思います。参入するときのハードルを下げていくという話と、そして奥行きを高くしていくという話と議論がずっと出ているわけですけれども、その介護という概念整理、もう少ししたほうがいいのではないかという発言をさせていただきましたが、5番に書かれていることと、それと6番、7番の介護福祉士がどうあるべきかということと、実は大きく関連していると思います。その辺も含めて5、6、7のあたり、5番と6、7との関連なども、具体的な表現の提案はできませんが、そういう御検討をいただいてもいいのかなと感じました。

 以上です。

○田中座長 ありがとうございます。

 むしろ中間整理を超えた課題かもしれませんね。ありがとうございました。

 今後、きょうの意見を踏まえて調整しますが、事務局の心積もりとしては、大体いつごろまでに公表する予定ですか。

○武内室長 夏までに一定の方向性をという前提で議論を進めてまいりましたので、きょういただいた議論を踏まえてよく吟味をさせていただいて、目安としては数週間以内には公表するという方向でやらせていただきたいと思います。

○田中座長 その検討会はこれで終わりではなく今後も続いて、今、山田構成員の言われたものはさらに議論が続けられると理解してよろしいですね。

○武内室長 はい。

○田中座長 中間整理のものについてはよろしゅうございますか。

 どうぞ。

○田中構成員 私は、まず基本的な考え方というものの中で、中長期という視点が入れられていることに対して大変ありがたく思っております。教育は大体100年だと言っております。介護福祉教育は26年でございますから、まだまだ4分の1しか来ていないということですので、私は国がそのような立場でこれを考えていただけるということは、教育をやっている人間にとっては、今、窮状にあって少し明りが先に見えたかなと思っております。したがいまして、この言葉が絵に画いた餅にならないように実質的な議論をして、そして具体化していくということを切に思っております。

 2点目は、当面の問題として幾つか具体的に挙げられておりますけれども、一つ一つ皆さん御意見あることかと思いますが、まずは当面は現状を考えて、そして、しっくりと中長期展望を考えていこうということでございます。

 これも賛成でございますが、ただ、学校教育は3回にも申し上げましたとおり、大変危機的な状況である。従来の方式で私たちはずっと約束を守ってやってきましたけれども、一時の半分以下に卒業生が減っているという。ここで何か若い人たちが学校に来るということをしないと、なかなか参入も展望がないし、かつ専門性も向上しないと思っております。

 最後に、もう一点だけですけれども、2025年ということを考えて我々も協会で教育内容の検討を行ってきております。そのときに申し上げたいことは、ケアはチームケアだというふうに、これは誰もが認識することでありますが、そのチームケアの中で介護福祉士の力といいますのは、残念ながらまだまだ他の医療職種に比べたら弱い。根拠に基づくところがいつも弱い。したがいまして、ここにはどうしても教育の高度化ということが必要でありまして、そういうことが1つの明かりと捉えております。そういうことについて、我々は教育をずっとやってきた人間としまして、ぜひとも先ほどの堀田構成員の提案がありましたように、国が責任を持ってということでございますけれども、そういった参加をさせていただくということについてもぜひお願いしたいと思っております。

 以上です。

○田中座長 ありがとうございました。

 中間整理メモをつくることが目的ではなくて、それをいかに実現していくかですね。

 西條さん、どうぞ。

○西條構成員 済みません、2順目になりますけれども、確認の意味も込めて発言をお許しいただきたいと思います。 先ほどの10番の介護人材を「地域全体で育み、支える」環境を整備する。この連携するための場を自治体がつくるという表現がやはりどうも気になるのです。人材を確保して養成していくというのは、介護事業者とか養成機関とか、こうした方々が主体となって取り組むのが本来の姿であって、それには学校とか一般企業とか市町村も入るでしょう。地域のあらゆる資源が支援していくといいますか、連携していくために支援していくというのだったらわかるのですけれども、自治体がつくる、あるいは都道府県という表現も堀田先生からも御発言がありましたけれども、都道府県がつくるのではないのではないかと。地域包括はあくまで市町村が地域というレベルであればそうでありますし、むしろ、そこを支援するのは都道府県の役割だとは認識しておりますけれども、やはり先に八王子市の発表もございましたけれども、あれも事業者さんが連携の主体となった取り組みでございますね。私はああいうイメージは非常にいいなと思って理解しているのですけれども、やはりそういった事業者さんの本気になっている取り組みを我々行政がさまざまな面で支援していく、そういったサイクルがふさわしいのではないかなと考えております。

 もう一点、確認で申しわけないのですけれども、外国人の受け入れは、都道府県の計画に位置づけていかなくてはいけないという使命感がありまして発言をいろいろさせていただきたいのですが、11番のグランドデザイン、これからここが軸となって議論をこれから深めていくという理解でよろしいのか、何も軸がないところで今後の方針なり計画に位置づけるのは非常に難しいという状況がございます。この中間整理メモの中で、そこを軸としてという確認をいただければありがたいなと思っています。

○田中座長 確認について質問ですが、どういうふうにお答えになりますか。

○武内室長 御指摘いただきましたように、こちらにある内容につきましては1つの軸として検討していくということでございまして、外国人につきましても、先ほどお話をさせていただきましたように、今後も必要に応じて本検討会も含めて議論していただくことも考えていきたいと思います。

○田中座長 平川さん、どうぞ。

○平川構成員 2巡目、申しわけありません。今、言った場というところが議論ですけれども、この間の地域包括ケアであるとかは市町村が主体的にやっていくのだという話もありつつも、医療と介護の連携という話になっていくと、医療はこれから都道府県が主体的にやっていくのだということになっているような状況になりますけれども、どうもこの間、どこが中軸としてやっていくのだという議論が最近散漫になってきているのではないかと思っています。

 医療介護一括法の中でも、例えば904件の基金の申請も市町村に申請したり、病院については都道府県に申請するという話になっていますけれども、その場であるとか、区域であるというのが曖昧になりつつあるのかなと思っています。

 この介護人材については、基本的には都道府県の責任というのは大変重要だと思っておりますので、それは主体的に取り組んでいくというのが重要であります。そういった意味で、地方自治体が場を設けるというのは、地方自治体がいろいろ連携する場をつくるという意味だと思いますので、積極的に担っていくというのが必要なのではないのかなと思っています。

 あと、外国人労働者の関係でありますけれども、連合として懸念しているのは、EPAというよりも、技能実習制度の中に介護等を入れていくのだということに関しては、これは専門性の問題や介護、これまで培ってきた処遇改善の流れの足を引っ張るのだということに関して、強く懸念を持っているということについては、まず表明をさせていただきたいと思っているところであります。

 あと、3ページ、先ほど言い足りなかったのですけれども、当面の対応の実務経験ルートのところです。その中で2つ目のポツ、受講しやすい環境整備というのがあるかと思います。受講期間を最大限柔軟にするなどと書いていますけれども、やはり現在資格がなく施設等を働いている職員もかなり多くはありますので、働きながら資格がしっかりと取れるような環境整備というのが重要ではないかなと思っています。そのためには、事業者の方の理解も当然でありますし、それに対する支援、事業者もしくは働いている方に対しての支援ということについても検討すべき課題ではないかなと思っています。

 最後に質問でありますけれども、2ページ目の5ポツの多様な働き方や機能に応じたキャリアアップの実現というところで、類型化を進める。働き方や求められる機能に応じた類型化を進めるという記載があります。これも1つの考え方ではあるかと思いますが、このイメージが1つわからないのでイメージ的なものがあればお示しいただきたいと思います。

 一方で、余り類型化、もしくは細分化を進めるという形になると、逆に、ある意味細分化を進めることによる弊害というのも出てくるのかなと懸念しているところでありますので、バランスが重要だと思いますけれども、バランスのとれた検討とかというのが必要かなと思っています。先ほど言いましたように類型化のイメージがありましたら、お示しいただければと思います。

 以上です。

○田中座長 では、5ポツの類型化についてのイメージを少し説明してください。

○武内室長 こちらは介護人材を一律にとられるのはよくないという御議論は共通した御意見としていただいている上で、これを何らかの形で区分あるいは分類をしていくことが必要ではないかという着眼点を述べたものです。したがって、今後どういうふうにそれを類型化あるいは分けて考えていくのかということについては議論を深めていく必要があると考えています。

 なお、これまで本検討会でいただいた意見の中では、さまざま高度人材、中核人材、あるいはそれらの周辺にかかわる人材など、期待される役割、働き方で分類できるというような御意見もいただいておりますし、それも1つの切り口でありますが、どういうような分け方をして考えていくのか。これは引き続き議論していただきたいと思っています。

○田中座長 堀田さん、お願いします。

○堀田構成員 先ほど西條構成員が御指摘になった届け出のところですけれども、ここの従来のイメージというのは参考資料1でお配りいただいている、毎回お配りくださっている参考資料1の中にある、例えば29ページの京都府とか、30の静岡とか、31の広島県とか、こういったような場を今までの議論の中でもイメージして、ここに帰着しているものだろうなと理解しています。

38ページの中でも都道府県が関係機関を集めた協議会の設置運営をするとかといったようなことも書かれていますし、基金も都道府県にということになっているので、期待としては都道府県というのが入ってほしいなと思いますけれども、でも、中間まとめの段階で、少なくともこの検討会で唯一の都道府県からの御参加である西條構成員がこのようにおっしゃっているということですので、強く強く中間まとめに都道府県を絶対入れてほしいということではなくて、あとは今後の事務局との関係でお任せいたします。期待としてはということで言わせていただきました。

○西條構成員 期待ということで、先ほどの資料で、もとより社会福祉法上、介護人材育成というのは都道府県の役割ということは十分認識しているのです。ただ、そこを福祉人材センターなり、高校生に対する授業をやってもらったりとか、私どもはそういう都道府県としての役割は十分果たしているという認識を持っています。

 その上で、京都府さんの取り組みなども十分プラットフォームの取り組み、こういうのも承知しています。ただ、これから中長期的に考えると、介護事業者とか特に経営者、それから養成校も含めて今すごく危機的な状況にある。この人たちが本気にならなければ介護人材などは確保できないと思っているのです。そこを我々は強く支援していく所存です。ただ、都道府県が一生懸命そういう人材センターを設けて人材を集めるという努力をしても臨場感がないといいますか、現場で何が起こっているかというのは訴えられないのです。そういう仕組みとして経営者さんが訴える場は我々がつくっていきます。だから、ぜひとも本気になって、経営者さんが頑張って自分の事業をアピールしてもらいたいという気持ちを込めて発言しております。都道府県が場を設ければ、そこに集まってきた人たちは介護人材が集まるという、そうではないということを強く訴えたいだけなので、役割を放棄したわけではございません。

○田中座長 門野構成員、どうぞ。

○門野構成員 今のお話を聞いて安心しました。実際に福祉に携わる介護業界全体なのですけれども、業界団体が多過ぎますね。種別ごととか経営ごととか。では、一から合わせてやりましょうといっても集まらないですね。きょうのこの場が象徴だと思うのですけれども、いろんな人が集まらないと議論が進まないといったときに、どこが一番音頭を取れるかというと、中央行政だと思っているのです。中央行政の責任においてではなくて、要はそれぞれ利害関係がありますから、力を合わせにくいので、音頭を取って場をとにかく設定いただいて、あとはみんなで一緒に頑張っていきましょうねと、行政としては支援しますからねというスタンスをやっていかないとまず集まりもしないし、自発的に頑張ってくださいといっても、その業界団体がある地域で頑張るだけの話で、県全体の人材確保であったりとか、定着になっていかないので、都道府県単位でもってどうするかというところでいったときには、音頭取りといいますか、初めの場設定みたいなものはぜひ地方行政のほうにお願いできればと、全国を回ってみてそう思います。

○田中座長 理解が深まった議論でした。ありがとうございます。

 一当たりよろしゅうございますか。

 平田さん、どうぞ。

○平田構成員 なかなか厳しい御意見があるのですけれども、基本的に先ほどの参考資料1の29ページ、あるいは平川さんがおっしゃられた基金の904億円、これによる介護人材の確保が来年から始まるわけですね。おっしゃられるとおり、我々、社会福祉法人の介護業界としての立場とすれば、当然本気で、現在も、今後もやるつもりであります。地方自治体も、国もそうですけれども、それぞれの立場で役割があり、事業者としてもそれなりの、今回から議論されているようないろいろな方法論あるいはいろんなマッチングを含めて、努力が要ると思います。都道府県も事業所も役割としてはそれぞれあるので、並行に書いていただければと思います。

○田中座長 委員会に出てきたら皆さん責任があるのですね。よろしゅうございますか。

 では、中間整理ももちろんたくさん直すところがあったようですが、根本的な方向についてはよくできていると言っていただいたと思います。本日いただいた御意見は検討会報告書の最終的な取りまとめにも反映するようにいたします。

 中間整理メモの案については、いただいた文言に関する修正について、取り扱いを座長に一任いただきまして、後日、その修正を皆様にお送りし、確認させていただいた上で厚生労働省のホームページで公表することになるようです。先ほど言いましたように数週間というめどのようです。皆さんはその方向でよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○田中座長 ありがとうございます。

 では、介護人材確保の方向性に関する中間整理メモの案の議論はこれにて終了いたします。今後、秋をめどとしている本検討会の報告書の取りまとめに向けて、中間整理メモを踏まえて、また、他の検討課題も出てくるかもしれません。議論を継続してまいりますので、皆さん、よろしくお願いいたします。

 では、まだ検討会としては、きょうは折り返し時点ではございますが、1つの節目として中間整理メモを取りまとめる議論を行ったことを踏まえて、ここで鈴木局長より御挨拶を頂戴したいと存じます。よろしくお願いいたします。

○鈴木局長 ありがとうございます。田中座長初め、構成員の皆様方におかれましては、2カ月という大変に短い時間で恐縮でございましたけれども、精力的に御議論を賜りまして、本日は一定の方向性をお示しいただくことができたと思っております。本当にありがとうございました。

 本日、さまざまいただいた御意見も含めまして、この中間整理メモで示された方向性を踏まえて、引き続きこの検討会で検討を深めていただくとともに、私どもといたしましても、このメモを踏まえて、さらに検討作業を進めてまいりたいと思っております。

 本日もいろいろ出ておりましたけれども、やはり2025年に向けまして、介護人材の確保、これは喫緊の課題でございます。そういうことで、さきの国会でも成立いたしました医療・介護の確保法案、それから介護の従事者等の処遇改善法、これにおきまして、政府において今後の大きな道筋を示しまして、実効性のある対策を講じるべきだと、こういうような宿題をいただいているところでございます。

 このため、私どもといたしましては、近いうちに社会保障審議会の福祉部会を立ち上げまして、各般の制度的な対応でございますとか、あるいは8年ぶりとなりますけれども、人材確保指針の見直し、こういったものを進めてまいりたいと考えております。また、社会保障審議会の同じく介護給付費分科会においても、27年度からの介護報酬改訂の検討が進められておりますし、また、今後予算対応も合わせまして、総合的な対策の策定、これを考えてまいりたいと思っております。

 こうした中で、この検討会、これまで介護分野、介護福祉につきまして重点的に御議論いただきました。また引き続き議論を深めていただきたいと思っていますし、それから、ほかの障害などの分野、そして社会福祉士といったような残された論点もございます。こういったものについても御検討いただきまして、秋を目途といたしまして一定の取りまとめをお願いできればと思っております。

 中間点ではございますけれども、これまでの御尽力に重ねて感謝を申し上げまして、挨拶といたしたいと思います。本当にありがとうございました。

○田中座長 ありがとうございました。ほかに特に御意見がないようでしたらここまでといたしたいと存じますが、何かございますか。

 では、最後に事務局から次回の日程などの連絡があればお願いします。

○関口室長補佐 次回の開催につきましては、現在のところ、8月下旬以降を予定しております。調整の上、追って御連絡をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

○田中座長 では、本日の議事はここまでといたします。きょうは特別暑いようですので、委員の方、事務局、そして会場の方も、熱中症にならずに職場までお帰りください。どうもありがとうございました。


(了)

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