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2014年6月27日 第3回政策評価に関する有識者会議 医療・衛生WG

○日時

平成26年6月27日(金) 9:58~12:00


○場所

厚生労働省仮設第3会議室


○出席者

森田座長、井部委員、篠原委員、本田委員

○議事

(以下、議事録)

○森田座長

 定刻より少し早いようですが、ただいまから「第3回政策評価に関する有識者会議医療・衛生WG」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、またお暑い中お集まりいただきましてありがとうございます。本日は、河北委員が御欠席です。また本日は議事次第にあるように、5つのテーマの実績評価書()について、委員の皆様に御議論を頂きたいと思います。それでは配布資料及び平成26年度に実施する政策評価についての進め方について、事務局より御説明をお願いいたします。

 

○藤澤政策評価官

 説明させていただく前に、一言御挨拶をさせていただきます。4月から政策評価官室にまいりました藤澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○和田政策評価官室長補佐

 資料確認も含めて御説明をさせていただきます。配布資料は上から「議事次第」「座席表」「参集者名簿」。資料1-1は「医薬品の適正仕様を促進することの実績評価書()」、資料1-2はその添付資料。資料2-1は「医療従事者の資質の向上を図ることの実績評価書()」、資料2-2はその添付資料。資料3-1は「政策医療を向上・均てん化させることの実績評価書()」、資料3-2はその添付資料。資料4-1は「適正な移植医療を推進することの実績評価書()」、資料4-2はその添付資料。資料5-1は「生活習慣の改善等により健康寿命の延伸を図るとともに、がんによる死亡者の減少を図ることの実績評価書()」、資料5-2はその添付資料です。参考資料1は「政策評価実施予定時期(平成2428年度)」、参考資料2は「平成26年度実績評価書に新設された項目」、参考資料3は「政策評価に関する有識者会議開催要項」、参考資料4は「厚生労働省における政策評価に関する基本計画」、参考資料5は、昨年の3月に今回の5テーマについて御意見を頂いた事前分析表になります。以上、資料の不足等がありましたら事務局までお申付けください。

 議事の進め方について御説明いたします。今回お諮りするテーマは、議事次第の2に記載されている(1)~(5)のテーマで、この順番に担当課の入替えを行って御議論を頂きます。1テーマごとの時間は約20分で、担当課から約5分程度で説明を行い、その後15分程度で御議論を頂きます。

 参考資料1の「政策評価実施予定時期」を御覧ください。厚生労働省の政策評価については、平成24年度~平成28年度までの第3期政策評価基本計画中に少なくとも一度は各施策目標の実績評価書を各WGにお諮りして、5年間で全ての施策目標について御意見を頂く予定です。今回の医療・衛生WGについては、太枠で囲まれている部分です。本日、御議論を頂くテーマについては、朱書きで「実績」と書かれている部分になります。

 参考資料2の「平成26年度実績評価書に新設された項目」を御覧ください。こちらは昨年12月に総務省が作成した目標管理型の政策評価の実施に関するガイドラインの内容を踏まえて、今年の3月の有識者会議を経て本年度より実績評価書に新たに盛り込まれることになった項目です。

 簡単に内容を御説明します。最初の「主要な指標」については、当該政策の測定指標のうち、主要なものに担当部署が○を記載することにしており、その判断基準としては、ア~ウのとおり、アの当該指標の達成に向けて、多くの予算・人員等が投入されているもの。イとして、当該指標について、国民の関心が高く行政上も課題となったもの。これに加えて、例えば将来的に厚生労働行政を考えていくに当たり、重点的に進めていかなければいけないなど、目標達成に向けて重要性が高いと所管課が判断するものをウとして挙げております。

 次に、測定指標の「達成」欄については、前年度の実績に基づいて、目標を達成していれば○、一部達成であれば△、未達成であれば×。あるいは測定指標と挙げている数値が隔年の実績しか出せず、当該年度は判定が不能なものについては、-と記載することとしております。

 これらの○△×の状況を踏まえて、3の「目標達成度合いの測定結果」の欄に、例えば全てが○、あるいは△であれば、(1)か(2)。(1)と(2)の違いは、(1)の場合は主要な指標の所が目標を大幅に達成しており、かなり達成度が高いというもの。(2)の場合は、全て○か△ですが、主要な指標はそれほど大きくは目標を上回っていないと思われるもの。(3)、(4)は、一部の測定指標に×が付いた場合で、主要な測定指標が○で、それほど今後の目標達成に時間がかからないと思われるものは(3)。主要な測定指標が△で、若干目標達成には時間を要すると思われる場合が(4)になります。(5)は主要な測定指標に×が付いて、施策としては目標達成に向けて進展しているとは認められない場合です。

 これらの基準については、総務省の指針を踏まえて、各省統一的に行われるものになりますが、さらに厚生労働省としては、次ページ4.のとおり、その他外部要因等を踏まえた総合的な評価として、Aの目標達成、Bの達成に向けて進展あり、Cの達成に向けて進展ないといった最終的な「総合判定」の区分を設けております。

 今年度からはこうした指標で判定を実施した上で、従前と同様に有効性、効率性、必要性の観点から分析を実施し、その結果を今後の施策の実施や次期目標の設定等に反映させていくといった流れになります。事務局からは以上です。

 

<医薬品の適正使用を推進すること>

○森田座長

 ありがとうございました。それでは1つ目のテーマの施策番号1-6-3の「医薬品の適正使用を推進すること」について、担当課から5分程度で御説明を頂きたいと思います。

 

○医薬食品局総務課医薬情報室長

 医薬食品局総務課の中井と申します。それから、医薬食品局総務課医薬情報室の清水です。です。資料1-1に基づいて御説明いたします。施策目標は、医薬品の適正使用です。施策の概要は、適正使用の普及啓発を推進するための実施です。枠組み、バックグラウンドについては、分業の推進の状況、薬局における医療事故の発生予防・再発防止、薬剤師の知識の向上が施策の背景・枠組みになります。さらに予算については、平成26年度に大きく増加しておりますが、これは下に書いてある関連の部分ということで、日本再興戦略で薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、セルフメディケーションの推進のために薬局・薬剤師の活用を促進すると日本再興戦略にも記載されたことも有り、それも踏まえて、平成26年度、薬局でのモデル事業24,000万円ほど提示しており、増えたものです。

 測定指標については、分業率ということで、平成26年度は昨年目標の昨年レベル以上ということで、平成24年度までずっと上昇しております。

 指標2の薬剤師会が実施している研修・講習会についても平成25年度も前年度以上という目標に対して、目標は達成しております。

 薬局におけるヒヤリハットについても、平成25年度は集計中ですが、平成24年度までは着実に増加している状況です。以上の結果を踏まえて、施策評価の結果と今後の方向性で、一応、事後評価として、総合判定はAと掲げております。

 施策の分析については、有効性の評価は分業率を主要指標として設定しております。施策の分析としては、普及啓発については、費用の見直しを行っている中で、毎年度目標値を達成しているということで、一定程度の効果はあると考えております。

 現状分析としては、薬局での医療事故の発生予防・再発防止、チーム医療に貢献できる薬剤師養成ということについて、医薬品の適正使用の推進のために、引き続きやっていく必要があると思います。

 次期目標等への反映の方向性ということですが、適正使用の推進ということは我々としては努力していきたいと思っております。一方で、先ほど再興戦略でセルフメディケーション推進について御説明しましたが、セルフメディケーション推進という意味で薬局・薬剤師の活用を今後進めていきたいと思っております。

 一番最後に書いてありますが、これまで指標2の薬剤師会が実施している研修・講習会を指標値にしていましたが、これはどうしても1回限りの研修・講習というのもあり得ると言うことがあります。他に研修として、例えば認定薬剤師制度というのは幾つかあるわけです。第三者評価されている制度がありまして、そういった制度の認定薬剤師といったことも考慮に入れながら、少し指標値については検討していきたいと思います。説明は以上です。

 

○森田座長

 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について御意見、御質問をお願いします。

 

○井部委員

 この日本再興戦略の中のセルフメディケーションの推進というのは、どういう概念ですか。

 

○医薬食品局総務課医薬情報室長

 一応、WHOでは「セルフケア」という表現をされていて、自分で自分の軽度な症状については自己管理をするということだと思っております。ただ、WHOFIPという国際薬学連合という共同ステートメントを出した所があります。そこを見ますと、適切なセルフメディケーションの推進というときに、単にちゃんと飲むようにということではなく、何か問題があったときにちゃんと医療にアクセスできるような確保というのが重要なポイントになりますので、単に薬を飲めと言うのではなくて、全体的にトータルで見たセルフメディケーションを推進していくことを我々としては進めたいと思っております。

 少し余談になりますが、健康食品に関しても、健康食品というのは結構値段が高いもあり、また、効果がいろいろでもあります。これについても、やはり、町の専門家の方ということで薬局・薬剤師を活用していきたいと思っております。

 

○篠原委員

 私もどちらかというと体が弱いほうなので、健康食品はたくさん飲んで、外国旅行に行くと向こうの人たちが笑うぐらいたくさん飲むのですが、結局、薬も私は病気なので飲んでいるのです。薬品はこういう体験があるではないですか。その辺で、今チラっと言われた総合的にどうという相談する人たちはいないのですよね。私は今、こういう病気でこうなって、こういう薬を飲んでいるのですが、妥当ですかという、自分の判断しかないのではないですか。健康食品というのは、効果ばかり言っている。私も実は健康食品を飲んでいるのですが、3分の1ぐらいしか飲まないのです。保険として飲んでいるのです。大体3粒と言ったら1粒しか飲まないとか、というのは、保険としか思っていないから。しかし、本当にそれでいいのかどうかと別にあるのですが。

 それともう1つ、これはここの問題かどうか分からないですが、一般論で言うと、お医者さんが薬を出さないと評判が悪い。親しい人に聞くと、1つは外国へ行って、病院にかかったら、30分ぐらい話ばかり聞いて、「あなたは疲れ過ぎだから、ちょっと休みなさい」と言われて、ヤブだと言ったけれども、実際は疲れ過ぎだったと。日本というのはどちらかというと、本音を言うと今はあれだけれど、前は20年ぐらい薬をほぼ飲まなかったのです、出ているのに。飲んだ薬は痛風と心臓のちょっとした薬で、あといろいろ付髄して必ず出てくるのです。しかし、その部分も、お医者さんはちゃんと説明する時間がないから、説明してくれないと本当に良いか分からないと。そうすれば、本当に飲まなくていいか。私はある手術で入院したときに、「こういうのを飲んでいるよ」と聞いたら、「飲まなくていい」と言われたので、その後はほんの1種類か2種類しか飲んでいないのです。そういう部分は薬剤師が。

 

○医薬食品局総務課医薬情報室長

1つ目について少しだけ。公的な場で言っていいのかどうか分かりませんが、私の母親が薬剤師で、健康食品をほとんど家で飲まされたことはないです。なぜかというと高いからです。薬のほうが安いのです。

今は処方箋で、調剤薬局という表現がありますが、調剤ばかりやっている薬局が増えてきましたが、昔はOTC、雑貨を売って、調剤も受け付けるという薬局だったのです。そこで健康食品も売っていたかと思います。そこで、正に先生が言われているように、健康食品の相互作用というのはかなりあります。ただ、健康食品というのはエビデンスが少ないので、ないと言ったら言い方が悪いのですが、一般的には薬に比べて少ないです。そういう意味で、かつ相互作用に関して言うと十分あり得ることなので、薬局を是非今後使っていってほしいなというのが、今回の施策の1つの目的です。

2つ目は、先生が言われたように、薬をちゃんと飲むか飲まないかということに関して言うと、例えば抗生物質であればきちんと飲み切ることが基本で、飲み切らないとそれは耐性菌ができますし、仮に残っていたら、その後も次の時に耐性菌が残っているので効かなくなる可能性が高いので、きちんと飲み切ることが一番必要になると思うのです。

 そういう意味でいくと、我々はコンプライアンスという表現をするのですが、薬をちゃんと飲むことが疾病の効果によって非常に影響が出ます。そこはお医者さんはお忙しいですから、薬局・薬剤師がちゃんと飲ませることまで進めるのが医薬分業の本来の趣旨ですので、今はちゃんと薬を渡しているだけと言われると、言い返すことはなかなか厳しいのですが、そういうところまで薬局・薬剤師の人にやってもらいたいなと。ちゃんと服薬を飲んでもらうと。残薬で飲み残した場合、何で飲めなかったのかと相談に乗るところまで我々としては進めていきたいと思います。そういう研修も今後も含めてやっていきたいとは思っています。

 

○篠原委員

 一般に対する研修で薬の飲み方とか、健康食品の飲み方を、薬剤師さんが講習をやっていただけると結構来るのではないか。私は余り見かけたことがないのですが、そういうのはやっておられるのですか。

 

○医薬食品局総務課医薬情報室長

 一応、学校薬剤師というのがあって、学校教育の中で薬の飲み方が幾つか入っていますので、一応入っていると思うのです。ただ、どうしても子供のころは健康ですし、余り興味がないということも実はあるでしょうし、それは今後地域包括ケアを我々が進めていく中で、薬の飲み方というのは地区薬剤師会で頑張ってもらわなければいけないとは思っていますので、それも含めて考えていきたいと思います。

 

○篠原委員

 添付資料1-2の一番最後に、「薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点の推進」というのが、例えば一番下のほうに「セルフメディケーション推進のためのセミナーの開催等」が書かれているので、こういうところでやっていくことになるのだと思います。

 

○医薬食品局総務課医薬情報室長

 この予算は500万×47都道府県ですので、ものすごく小さいのですが。ただ、薬局の人たちはこういうことを喜んでやりますので、国がこうやってくれと言われれば、すぐ喜んでやる人たちなので、やってくれるとは思います。モデル事業ですので、頑張っていい成果を出してくれた所を公表してモデルとして位置づけるような施策をとろうと思います。

 

○本田委員

 私も結構体が弱く、10年ぐらい、がんになってから抗がん剤治療も受けて、婦人科から何から外来の薬局にも通ってという経験をしている中で、確かに医薬分業を数字的に進んでいるようには取れるのでしょうが、指標の取り方というのは何事も難しいと思いますが、現実、薬局に行って、様々な副作用から疾患から抱えている中で説明を受けるにしても、すごくプライバシーに関わる問題にもかかわらず、診察室と違って、窓口で話されると、話したいことも聞きたいことも、何も話せないで多くは言ってくれるなと。後ろの人に聞こえるではないかと。特に婦人科系のものや鬱みたいな症状に関して、いろいろ説明されると黙ってくれと思ってしまうのです。

 人的な資質の問題はもちろんですが、そういう環境のことも、これからそういうことをちゃんと進めていく。特にセルフメディケーションでそういうことをより進めていくという場合には、そういう視点も入れていただきたいと思っています。ですから、指標の取り方という意味では、なかなか何事も難しいのだと思いますが、これをもってして進んでいる、中身もよくなっているのかどうかというのは分からないのではないかとすごく思ってしまうのですが。

 

○医薬食品局総務課医薬情報室長

 先生がおっしゃっている、そこを定量値にするのは難しく、定性的な問題になると思います。

プライバシー確保という観点でいくと、門前薬局というのは昔なかったので、処方箋もほんの少しだけ来て、後ろに並んでいるようなことはもともとなかった状態でした。それが今や、処方箋を持って患者さんが多く来ることになり、数を多くこなすことになり、プライバシーの問題も浮上してきました。我々としても、薬局の基準みたいなことを作っていて、個室にする必要はなくても、少なくとも銀行で隣に立てがあるようなところとか、その程度ぐらいのことは是非やるべきだということで基準を作って公表しています。少し遅いのですが、それは定量値にできるかどうかは別にして、そういう施策を我々としては進めていきたいと思っています。

 

○本田委員

 もらうだけの、常にの場合はそれでもいいのですが、やはり、篠原先生がおっしゃったように、ちゃんと聞きたいときもあるわけで、是非、そういう視点も入れていただきたい。

 

○医薬食品局総務課医薬情報室長

 よく分かりました。ありがとうございます。

 

○森田座長

 私からもお聞きしたいのですが、これは政策評価ということで、実績をどう評価するかということですが、目標が薬品の適正使用ですよね。ですから、正しく処方して、正しくきちんと飲んで服薬してもらうというのが目標で、そのための普及啓発をするというのが、ここでの施策になっています。その施策として上がってくるのが、更にブレイクダウンしてくると、医薬分業の推進とか、ヒヤリハット、医療事故の防止、また、薬剤師の知識の向上、チーム医療に対する参加のインセンティブというか、そういうことだと思います。要するに、簡単に言ってしまうと、医薬品を適正に使用するために、なぜ医薬分業をしなければいけないのかとか、ヒヤリハットのほうはある程度分かるのですが、研修をしたことによって、効果があるだろうというのは推測できるのですが、実質的にいわゆるアウトカムレベルでどれぐらい適正使用の割合が高まったかというのが、本来あるべき政策評価かと思っています。これはどこでもいつでも、私のほうも10年ぐらい前から言っているのですが、その辺の医薬分業というのはもちろんそうですが、今、本田さんがおっしゃったようなことや、正確なお薬の飲み方については、場合によっては院内処方で、先生が言ったほうがいいのではないかとかあるのですが、その辺何かもう少し因果関係について御説明を頂けますか。裏にはいろいろ書いてあるのですが、一般的で、そこのところが最終的な適正使用に、なぜこれが有効で主要な施策であって、それがどう効果が出て結び付くのかという点はいかがでしょうか。

 

○医薬食品局総務課医薬情報室長

 一般論でいくと先生の御指摘は、恐らく定量値と指標するときにどうしても、先ほど言われた患者満足度とか、適正使用というのは一つ一つアンケートを取るしか結局なくなってしまうので、定量値として出すのは非常に難しいと思います。御指摘は十分踏まえてまた考えたいと思いますが、あえてこれで反論するとすれば、医薬分業で薬剤師のほうがお医者さんよりも、時間をたくさんかけられるということであり、時間をかけてゆっくり説明すれば、当然それだけ丁寧に述べる。あと専門性についても、医薬品の専門ですので、そういう意味でいくと、一般的に適正使用の向上は想像できるであろうと思います。

 研修についても、研修を受けたほうはより良いだろうと思いますが、それが明確にそう言われると少し厳しいのですが、ただ、一般的に研修を受けたほうが真面目なモチベーションを持った人が集まってくることになるので、一般的にはいいだろうという推察ができるということです。

 

○森田座長

 こちらだけではなくて、全般に日本の政策評価がそこが一番問題で、行政の施策と活動としてのアウトプットと、最終的なアウトカムといいますか、どのくらい適正にきちんと皆さんが服薬しているかチェックすることはなかなか大変だと思いますが、何らかの形でそれが向上している、少なくとも向上するであろうという因果関係を。後で出てきますが、ホームページのアクセス数がどうして良くなるかとか、そういう話になりますので。

 

○医薬食品局総務課医薬情報室長

 できれば、今回このモデル事業をやりますが、セルフメディケーションはどうなのかという定量値を出したいと思っております。日本薬剤師会と相談しながら、プロトコールを幾つか作っておりまして、そのプロトコールを各県薬剤師会にも見せて、各県で、プロトコール改良して実施してくれることを期待しています。そして、できれば御指摘のようなアウトプットを出していきたいと思います。

 

○森田座長

 本当のアウトカムで言えば、例えば抗圧剤を飲んだ場合、どのぐらい血圧がコントロールされているかとか、何人の人に対して、どのくらいコントロールされているか。それが対比するならば、全く分業していない所とか指導していない薬剤師さんがいたらどう違うのか、それが見えないと本当は評価にはならないと思います。大変なのは分かりますが、少しでもそういう方向でお願いできればという気がしますが。

 

○篠原委員

 これは政策評価を10年やって、その前に私たちも会計士等でいろいろと検討して、いろいろな注文を出しているのですが、10年たって感じるのは、そろそろ今難しい施策目標にチャレンジしていく。適正というと、これは研修とか何かずれていますよね。ですから、その部分をそろそろやってもらいたいなと。私はこの10年間は勉強の期間と思っていたのです。そろそろもっとチャレンジングにやらないという気はしているのです。大変なのは分かっています。

 

○森田座長

 その辺で言えば、最終的な治療効果のアウトプットをデータできちんと取れるような仕組みで、ITを入れろと言って、この間ワーワーやられていましたが。ありがとうございました。そういうことです。ほかによろしいですか。ただいまの議論を踏まえて、実績評価書への反映をお願いします。それでは、どうもありがとうございました。

 

(メインテーブル交替)

 

<医療従事者の資質の向上を図ること>

○森田座長

 それでは次のテーマに移ります。施策番号1-2-2の「医療従事者の資質の向上を図ること」について、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。

 

○医政局医事課臨床研修推進室室長

 それでは医師臨床研修推進室長の田村と申します。私のほうから施策目標の「医療従事者の資質の向上を図ること」のうち、医師・歯科医師の件について御説明させていただき、その後、看護のほうは担当課から説明させていただきます。

 まず医師・歯科医師について、施策の背景・枠組みの所にあるように、医師・歯科医師について資質向上を図るために、特に免許取得後の基盤形成の時期に、基本的な診療能力を身に付けてもらおうということで、医師については平成16年度から2年以上、歯科医師については平成18年度から1年以上の臨床研修を義務付けているというところです。

 それが始まったときから研修を行う病院については、指導医の確保や研修に係る諸々の経費を国としても補助して、環境整備をしていかなければならないということで予算を付けてきたところです。ただ、予算の状況を御覧いただくとお分かりいただけるように、近年は研修が始まってから時間も推移してきたということもありますので、指導医の確保とか質の向上のために不可欠なところは維持しつつ、事務的な経費のところは、効率化が図られている面もあるので、予算の効率化を図って削減してきているという状況です。

 そうした形で、現在、その目標がどの程度達成されているか、判断するかということですが、測定指標1が研修医の満足度ということです。測定指標2が歯科医師のほうの満足度ということです。おおよそ70%以上をずっと確保している状況にあります。

 また、基本的な診療能力が向上という観点から、参考として参考指標5、参考指標6を御覧ください。例えば、医師について、救急患者の重症度及び緊急度を判断できる。これは4段階で聞いているのですが、「自信を持ってできる」とか「できる」と答えた人の割合が、平成15年度の必修化前から、また必修化後も18年度、19年度、24年度と62%から85%へと徐々に上がってきている。参考指標6も同じように、頭部MRI検査の適応が判断でき、脳梗塞が判定できる。「自信を持ってできる」「できる」と答えた人の割合が63%、平成15年度から、平成24年度には90%ぐらいまで上がってきている状況があります。

 平成26年度の調査結果が集計中でしたが、この項目については集計ができましたので御参考にお話させていただきます。参考指標5は、平成24年度の85%から89%に上昇しております。また参考指標6は、平成24年度の90%から91%に上昇しております。それでもって総合判定をどう判断するかということですが、研修医の主観的な判断にもよる満足度のほうは70%で多少数値の上げ下げはありますが、また「基本的診療能力の向上」という別の調査については、年々上昇しているのが見えますので、目標を達成していると評価できるのではないかと医師と歯科医師については思っております。

 次期目標や今後の反映については、これまでは研修医の満足度を指標の主軸にしていたようですが、これはそもそも資質向上を図るという面からいうと、適切な指標と言えるのかなと。参考にはなると思うのですが。また、主観によって随分上げ下げのあるところですので、今後は参考指標56のような、基本的な診療能力の向上がきちんと見えるような指標を主軸にしつつ、満足度のほうは参考としていく形で施策の評価をきちんとしていくのが望ましいのではないかと考えております。医師・歯科医師については以上です。

 

○医政局看護課看護サービス推進室室長

 続きまして、看護職員部分について説明させていただきます。医政局看護課看護サービス推進室の島田と申します。よろしくお願いいたします。まず、看護職員に関しての施策の背景については、3つ目の○の所です。看護職員については、保健師助産師看護師法、看護職員等の人材確保の促進に関する法律という、2つの法律で免許を受けた後も臨床研修その他の研修を受けて、その資質の向上を図るように努めなければならないという努力規定が設けられております。

 そうしたことも踏まえて、看護職員を対象とした研修を国として財政支援を行っていることを通して、看護職員の資質の向上の施策を推進しているところです。

 これに関して、予算については先ほど御説明がありましたので飛ばさせていただきます。次に、測定指標の指標3です。研修の推進を通して、看護職員の資質の向上を図るということですので、指標としては、これら講習会・研修会の修了者人数を挙げております。これについては平成23年度、平成24年度、平成25年度の推移を見ますと増加をしております。

 評価と今後の方向性については、総合判定としては、これは全体としての判定もありますが、看護職員に関しては下に記載しております。研修修了者数が増加傾向にあるということで、平成25年度におきましては目標達成していると評価しております。

 施策の分析については、看護職員に対する研修については、国が直接実施するところではなく、医療機関や関係団体が実施するという研修に対しての財政支援を行うという施策になっておりますが、そういったことを実施することにより一層の資質の向上を図ることを考えております。

 施策の効率性については、研修を実施していただく場が全国であったり、あるいは場の数も多いというところがありますので、その成果を集める際に電子情報などを使って、効率的に成果を集約・収集する工夫を行っております。

 今後は、看護職員が勤めている医療の場は日々変化をしておりますので、どういった内容について研修を実施することが効果的なのかということも考えながら、施策を講じていく必要があると考えております。また、様々な方法でやっていただくことももちろん現場の実情に応じたものとしては必要かと思いますが、一定のガイドラインをお示しするという中で実施していただくことも必要かと考えておりますので、特に新人期の看護職員に対しての研修は、通知ですがガイドラインを示しております。そういった内容も医療の実情に応じて見直しを図ることも必要ですし、この研修の中には様々なメニューが入っておりますが、そういった内容についても医療の実情を踏まえた見直しを引き続き行っていくことを考えております。以上です。

 

○森田座長

 ただいまの御説明について御意見、御質問等お願いします。

 

○井部委員

 看護職員の講習会・研修の修了者人数の指標3ですが、確認いたします。講習会・研修会は裏に書いてあるような、中堅看護職員の実務者研修、看護教員養成講習、看護教員継続講習、実習指導者講習会、これらが講習会・研修会の対象になっていて、その参加人数をトータルしたものであるということですか。

 

○医政局看護課看護サービス推進室室長

 そうです。

 

○井部委員

 そうしますと、看護職員の150万人の中で、15,187人の受講修了者人数というのは甚だ乖離している感じがするのですが、指標3の妥当性というのはどのように考えたらよろしいでしょうか。

 

○医政局看護課看護サービス推進室室長

 こういった免許を持っておられる方々への資質の向上を、もちろん国も支援するということが必要である一方で、それぞれの専門職の中で自立的にやっていただくという部分も多々あろうかと思っております。現場からもそういった御意見もあり、実際、関係学会、職能団体、病院団体といった所も多々研修はやっていただいているのが実情と考えております。その中で特にがんや糖尿病、あとは新人期の研修、離職された方の研修、施策上、特に必要と思われる部分に関しての財政支援を、限りある財源の中から効率的かと思われるものを選択的に実施しているという実情です。

 

○篠原委員

 少し厳しいというか、言わせていただきますと、政策目標名が「医療従事者の資質の向上を図ること」と書いてあると、私の頭には、我々公認会計士は今、年間、毎年40単位取らないと。行く行くはそれを欠落すると、試験合格者しか書けないと、公認会計士しか書けないと。今は実務的には監査とか従事チェックがあるのです。恐らく会計士協会や金融庁が調査した場合、その人がその仕事に関わっていると文句が出る体制になっています。私はこれはそういうふうに解釈して、お医者さんは研修医ですよね。医療従事者はやっているが人数が少な過ぎると。そうすると、我々全員を対象にしているのです。ですから、はっきり言って、70歳、80歳の人も現役なら来ます。我々が現役のときに、全国に研修で行くと、最初はそんなに参加しなかったのですが、今はかなり参加します。我々CPEと言って、Continuing Professional Educationで、Cがものすごく大事で、継続教育で一生やらされると。そういう観点からタイトルはあれなのに、何でこうかなと1つあります。

 先ほども言ったのですが、取りあえず、目標のできるところでやっているのではないかと。当然、今言ったような、私らが会計士協会で聞いているのは、いろいろな分野で専門教育の人たちはCPEは行われるだろうと言われています。アメリカの場合は国家試験ではなくても、毎年10単位とか義務化されています。ですから、当然日本も先進国に入るならば、その制度を入れざるを得ないという意味で、これはものすごく準備をして、かなりの時間をかけて今義務化しているのです。ですから、もう10年以上昔からやられているのですから、即はできませんが、そのことを検討してやっていただいたらと。ただ、この評価は文句なくて、なかなかいいのではないかと思いますが、政策目標からすると少しずれてますと。

 そろそろ世の中はそういう方向に行っているので、今回、私が言いたかったのは、1つは倫理教育をやってくださいよと。我々は毎年4単位が倫理教育なのです。これは必須です。40単位のうち4単位です。実は今日ここに出ていると1単位もらえます。それは別として、結局、最近いろいろな事故を見ていると、いろいろな分野でやはり倫理教育が必要ねと。我々戦後は道徳教育もやらなくて、やはりその部分がCPEの中で入れていきたいという意味では、私が質問したのは、研修医などでも倫理の教育が入っているのと聞こうと思いましたが、やはり、一緒にやる中で入れていただきたいと。やはり、日本の場合、かなりいろいろな意味でレベルが下がってきてしまったなという気がするのです。そういうことでどうなのでしょうか。検討されているかどうか。

 

○医政局医事課臨床研修推進室室長

 まず、倫理の話で言うと、到達目標というか、そもそもの研修の基本理念は医師としての人格をかん養するということです。医療倫理的なことも当然ここには入ってきているところです。

12年目の研修だけが国として義務化したという経緯があったので、ここに大きく指標として出しております。お医者さんはそれで研修が終わるわけではありません。今、専門医といって学会が独自に基準を作って、それぞれ臓器別の内科などの専門医になって、さらにそこから呼吸器とか循環器とか、いろいろな専門をやっていくと。その資格を当然取って、さらに継続してきちんと更新するためには経験なども積んでおかないといけないところがあります。ただ、それが今まで学会が独自にやっていたので、結構ばらばらの基準で、しっかりやっているところもあれば、ちょっとどうかなというところもありましたので、そこは統一的に行うべきであろうという形になりまして、一昨年、国のほうでそういう報告書を出して、日本専門医機構という、今年の5月に発足した機構があるのですが、そこが統一的に基準を作って、更新の基準などもきちんと横並びでやっていく形になっております。今後は国も、第三者機関がやりますので、側面から支援していく形になりますが、そういったところも踏まえて、そこできちんとやられているかというところも測定指標に何らかの形で入れていくことはあり得るかと。ただ、非常に細かく分かれていきますので、狭いペーパーに書くのはなかなか難しいところはあるかと思いますが、その視点も入れていきたいなと思います。

 

○本田委員

 私もこれを見ていて思ったのは、先ほど篠原先生がおっしゃったように、目標が医療従事者の資質の向上なのに、例えば、医師だったら初期研修だけですか、後期研修も入れてなのかよく分からないのですが、研修医だけのことが書いてあるのだろうと。全体の目標、政策評価に分かれているのかと思ったら、「医療従事者の資質の向上を図ること」の1本しかない中で、お医者さんは一人前になるのに10年かかるとかよく言いますよね。そうすると、先ほどおっしゃったのは専門医のこともそうですし、その前の後期研修のこともそうですし、全体としての生涯教育のこともそうですし、そういう視点で測定の指標を作れないのかと、難しいのですが思います。

 あとチーム医療が大事だと一番初めに書いてあるのに、チーム医療はどうやって測るのだろうと感じました。そういう意味では、医者と歯科医師と看護師がそれぞれ別個に測定されている中で、それを総合的に測ることは今後あり得ないのかどうなのか。そういう視点はどうなのかと思ったのですが。

 

○医政局医事課臨床研修推進室室長

 チーム医療のことも推進していくことが重要ですので、今回の医療・介護の推進法案の中でも看護師、診療放射線技師とかいろいろな人たちが、お医者さんの個別の判断ではなく、あらかじめやられていることは、自分たちの判断でやれるように業務体制の見直しなども行っていきますので、そういったところもどれだけ進んだかということを指標として入れていくのもあり得るかなと。その辺も今後の検討課題で入れていきたいと思います。また、後期研修のことは、先ほどの繰り返しになりますが、専門医のはこれまで学会独自でやっていたということもあって、国としては予算上何の支援も行っていなかったのです。そういう中で、この中に入れてくるのは難しいということがありましたが、今後いよいよ統一的にやるということがあります。第三者機関に対する支援なども平成26年度予算からは行っていく形にしていますので、そこをきちんと見るためには、その制度がどれだけ進んだか見ていくというのはあり得るかと思います。

 

 

○森田座長

 よろしいですか。私が伺いたいのは、先ほどの方も申し上げていましたが、「医療従事者の資質の向上を図ること」が最終的な目標としますと、医療従事者にはいろいろな方がいらっしゃいますが、言うなれば、例えばお医者さんは今20数万人いますが、仮に図式的に言うと、そういう人たちの能力を全部高めて、増えた部分の面積を最大化することが、経済学的に言うと、一番医療の資質を高めるのではないかと。ただし、低い人たちをもっと高めるのがいいのか、一部の専門医の能力をもっと高めるのか、それは政策的な判断だと思いますが。ただ、そういうふうに考えたときに、お医者さんの場合ですと、研修医の方をターゲットにして、どれぐらいの割合の方が対象の研修を受けて、そして、その人たちの能力がどれぐらい向上したかというのが、できるだけ客観的に分かるような指標だと、この政策は予算を付けた意味があるなということになると思うのです。

 その点で言いますと、ここから拝見した限りでは、大体どれぐらいの人がそのターゲットになっているのかというのと、それは広く薄く限られた予算を付けてやるのがいいのか、特定の人に集中的にやるのがいいのか分かりませんが、それによって、例えば満足度を指標にしたときには見え方も違ってくるのではないかと。その辺の指標の取り方の設計をどういうふうに考えられたのかというのがちょっと。

 

○医政局医事課臨床研修推進室室長

 研修は義務付けですので、医師免許取得後に診療したいのであれば、2年間は必ず全員が受けなければなりません。もちろん基礎研究か何かで大学へ行って、今度は病院で働きたいからと言ったら、そのときの時点でやってもいいと。そういう点から言うとほとんどがターゲットに入っております。

 

○森田座長

 ただ、高齢のお医者さんも結構いらっしゃるわけで。

 

○医政局医事課臨床研修推進室室長

 高齢のお医者さんの能力をどうやって測るのかというと、なかなかそういう調査は難しいところがあるのですが。先ほど言った話の続きになるのですが、3年目以降も専門医の資格を取るために、ほとんどの人はそういう世界へ行きます。それを1回取ったら終わりではなく、5年ごとに更新していくと。そのためにはずっとやっていかなければいけないというサイクルがずっと続いていきますので、そこがきちんと行われているということであれば、全体としての資質が向上していくと思っております。

 

○森田座長

 分かりました。その辺はきちんとした形で、結果に結び付くことがもう少し分かるように書いていただければと思います。

 

○医政局医事課臨床研修推進室室長

 専門医とか後期研修の方は全く書いていないので。

 

○森田座長

 看護師さんもそうですが、先ほどもありましたが、全体に対してどれぐらいの人が対象になっていて、その人たちがどれぐらい研修を受けることが、全体としての医療従事者の資質の向上にコントリビュートしているのかというのが、何を言うかというと、一番効果が大きいところにターゲットが絞られているかどうかという判断にもなるのです。

 そのことと関連して言いますと、これはみんな目標達成で○が付いているのですが、基準値になっていると書かれて、みんな少ないのですよね。これは基準値の設定の仕方の問題かと思うのですが。例えば、参考指標4にしても、修了者数が最初は平成20年が基準年で8,671人ですが、ずっとそれ以下は少なくなってしまっているわけです。参考資料だからいいのかもしれませんが、その辺はどういう形でされているのか。前年よりいいと言えばそうですが。

 

○医政局医事課臨床研修推進室室長

 臨床研修の指導医の講習会の修了者数というのは、これは制度が発足したときは、みんな資格を取らないと今度は指導医になれないですから、必死に講習会を受けるのですが、ある程度取ってしまえばそれで終わりですので、新しく今度は8年目になった人が受けていくのが中心になりますので、だんだん減ってくるのはしょうがないのかと思います。指標として出したこと自体が、前からあったみたいなので残しておきましたが、それはむしろ私も先ほど説明しましたが、参考資料56を軸にしていくのが基本だろうと。

 確かに満足度は前年に比べると落ちているではないかというのは御指摘のとおりですが、これは研修医自身の主観にも判断されますし、実は回収率で見ると、前年は67%ぐらいの回収率でしたが、平成25年は76%に跳ね上がっている。実を言うと、むしろ今まで出さなかった不満に思っていた人も回答を出してきたのかなとか、回収率が上がったことによって、これぐらいが実態だったのかもという、その辺も難しい判断があるかと思います。むしろ7割ぐらいはずっとキープしているということで、あとはほかのところの指標で判断していくのが適切かと思います。

 

○森田座長

 別にこだわるつもりはありませんが、1つはいろいろな指標がありますから、アンケートに答えた人の回収率と、その中の比率によって全体指数としてかなり違ってくると思うので、ある数字だけパッと出ると誤解を招く可能性があります。正直申し上げて、私は余り満足度というのは指標として評価をしませんので、やむを得ないかもしれません。ほかにいかがですか。

 

○篠原委員

 文句を言うと、研修医というのをやっていますよね。会計士協会も実務研修というのが3年間あって、1年間はこういう研修です。私はある国立大学の非常勤講師をやっているのですが、やはりこういう部分を意識しながら、専門性よりは心構えみたいなことをやるようにしています。

 今ごろこんなことを評価しているのという意見はあります。もっと10年、20年たったときに、はっきり言ってしまうと、年を取ってくると節操がなくなる部分があるから、ある意味でCPEの教育の中では倫理教育とか、そのときのほうが大事であると。ですから、我々も40代、50代になると、企業とやり出すと、自分がおりてしまうというときに、そういう教育をしていればおれないというか、これはそちらに私は今の日本のいろいろな状況を見ると大事であり、何でそれを避けているのと言いたいのです。悪いのですが。

 

○医政局医事課臨床研修推進室室長

 それは時間がかかったということで、ずっと研修も努力義務の時代が長く続いていたのですが、これをようやく必修化したのが平成16年とか平成18年の時からです。それが整ってきて、10年落ち着いてきたので、次の段階の後期研修、専門医を取るところは今度は統一化しようという動きが出てきて、ようやくそちらのほうにキャッチアップしていっているということかもしれませんが、考え方や方向性は全く同じです。

 

○篠原委員

 そういう意味では、今日いろいろと森田先生も我々も厳しいことを言っているのは、時期がいいのかもしれません。今までは余り言わなかった。

 

○森田座長

 というか、私自身評価そのものについては御努力されていることは分かるのですが、我々は素人ですから、それはいきなりこれだけ見てやるときに、きちんとした形でそれが現れているというのがないと、いろいろ言いたくなってしまうと。そういうこともあるのですが。よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは今の議論を踏まえて、実績評価書に何か書くところがあったはずですので、よろしくお願いいたします。

 

(メインテーブル交替)

 

<政策医療を向上・均てん化させること>

○森田座長

 続きまして、施策番号1-4-1の「政策医療を向上・均てん化させること」について、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。所属と名前をおっしゃってからお願いいたします。

 

○大臣官房参事官

 医政局国立病院課、実質的には大臣官房参事官をしております佐藤と申します。よろしくお願いいたします。

 まず、施策の背景・枠組みですが、歴史的・社会的な経緯により民間等では提供されないおそれのある医療とか高度先駆的な医療について、国が医療政策として担うべきものとされています。国立高度専門医療研究センター、これはナショナルセンターと呼んでいますが、ナショナルセンターと国立病院機構においては、医療提供、臨床研究、教育研修、情報発信などを行い、効率的に政策医療の開発・確立及び均てん化を図っています。

 測定の指標は4つあります。これについてはナショナルセンター、国立病院機構の中期計画に目標として置いております。治験の受入件数、発表論文数、研修会の受入人数、ホームページのアクセス件数の4件です。いずれの件数についても、平成25年度においては前年度を上回っている状況です。

 次ページの総合判定ですが、私どもも判定の考え方は「A」ということで、全て対前年度以上の数値目標を達成しています。有効性の評価等については、ここに記載のとおりです。

 現状分析ですが、まず政策医療の向上・均てん化です。国立病院機構(NHO)とナショナルセンターでは、政策医療として医療と研究を実施しています。まず医療ですが、ここに3つ書いてあり、重症心身障害、筋ジストロフィー、心身喪失者の医療監察法に基づく医療の実施、それと、がん・脳卒中等の医療の実施、救急医療、災害医療等の実施をしています。

 研究については、国民の健康に重大な影響のある疾患として、国として早急に対応する必要があると判断した研究、例えば高病原性鳥インフルエンザ等です。2つ目に難治性・希少性の疾患に関する研究、これは治療法が少ないとされている筋ジストロフィーを含む神経筋の疾患に対しての新しい治療法の研究です。

3点目については、中長期にわたって継続的に実施する必要がある研究とか、例えば治療指針の作成、いわゆるガイドライン等の作成・改訂するための研究とか、そういうものの研究です。いずれも政策医療の実施に係る治療については、毎年度目標を達成しており、着実に施策が実施されていると考えています。

 御存じのとおり、国の政策として医療を実施しない限り、その希少性・難治性がゆえに、なかなかほかの医療機関では医療を受けられない患者が、この症例以外にも多数存在しています。こういうことを変わることなく、今後ともやっていかなければいけないと考えています。またナショナルセンターの研究においては、企業やほかの研究機関とも連携を図りながら、我が国の創薬や医療技術の迅速な実用化に貢献をしています。こういう研究を進めることで難治性・希少性の疾患の研究や治療法の開発と、こういう政策医療の充実にもつながることから、こういう点からも政策医療を進める必要性があると考えています。

  次ページの今後の方向性ですが、政策医療の必要性は変わらない一方で、運営費交付金は毎年10%以上削減をされている状況です。こういうことがありますので、政策医療の実施に支障がないように、より効率的な運営を図っていくと同時に安定的な運営資金の獲得が必要であろうと思っております。

 また、平成27年度からですが、国立病院機構は中期目標管理法人となっています。それと国立高度専門医療研究センターにおきましては、国立研究開発法人ということで、各法人の目的の達成に向けた取組を行う必要があると考えております。そのためにも難治性の疾患等、開発が進みにくいとされている分野に対する治験・臨床研究を着実に進めていくことによって、我が国の創薬や医療技術の実用化を加速させることに貢献できるよう、取り組んでいくことと考えています。

 後ろに添付資料として、先ほどの指標の各国立病院機構、ナショナルセンターのセンター別の件数を記載してあります。そのあとに国立病院機構、ナショナルセンターの概要を付けております。説明は以上です。

 

○森田座長

 ありがとうございました。それではお願いします。

 

○篠原委員

 少しややこしい問題ですが、私は10年ぐらい労災病院のほうをやっていて、恐らくここでやっているのは、診療事業と、もう1つは正に施策の研究というのは、確かあそこは10ぐらい挙げていましたが、そこの部分ですよね。いわゆる先端的な、こういうことを研究するよということを独法で言って、いわゆる一般の治療以外。

 

○大臣官房参事官

 労災がどのようなあれになっているか分かりませんが、もともと国立病院機構というのは、昔の国立病院・療養所が平成16年に独法にしています。国立療養所の多くは結核、重身、筋ジス、いわゆるセーフティネット系の医療をやっていくと。そういう中で当然治療もやりますが、臨床研究もやっていく。

 一方、ナショナルセンターというのは、がんセンターとか循環器病センターということで非常に疾病に特化をしている。どちらかというと、がんも日本の最先端を行っている病院です。ここについては研究所と病院の両方があって、国立病院機構は医療、ナショナルセンターはどちらかというと研究のために病院が併設されていると考えていただければ結構かと思います。

 

○篠原委員

 政策目標と言っていると、厚生労働省と独法との関係でこれから大変だなと思っているのですが、厚生労働省が「こういうことをやりなさい」と言ったものですよね。

 

○大臣官房参事官

 はい。

 

○篠原委員

 当然独法と相談しながらだと思います。

 

○大臣官房参事官

 中期目標を厚生労働大臣から指示を受けまして、それに基づいて国立病院機構もナショナルセンターも、その目標に基づいて計画を立てているものです。

 

○篠原委員

 その評価がここに入ってないというのは。というのは論文数とか治験とか研修会となっていますよね。そうすると、厚生労働省がこういうことをやりなさいということの達成度はここには出てこないのですか。具体的にはこういうのが中にあるのだろうけれども、もう少し政策目標に近い評価がないのではないかなという気がするのです。

 

○大臣官房参事官

 私どもは先ほど申し上げたとおり、もともと中期計画に置いている目標を、政策医療の向上とか均てん化をするために、こういう指標を作って出しているので、結果的には厚生労働省から、事細かくは目標の指示にはなっていないかもしれませんが、大きな意味でこういうことも入っていると理解をしているのです。

 

○篠原委員

 私がこういう質問をさせていただいたのは、今回独法が改定して、本省は政策、国立病院等はそれの実行。そうすると、先ほど言った本省もこういうことをやってくださいということの成果が、ここで直接やらないと。これはより具体的な部分ですが、その部分を評価しないと、今後ここの政策目標より独法の本省の評価がどうなるのかなという気がしているのですが。ストレートではないではないかと聞いているのです。

 

○政策評価審議官

 ちょっと説明しますと、独法の評価というのが7月、8月に行われますので、平成25年度のものがまだ出てないというのはあります。ただ、平成24年度までは出ていますので、おっしゃられるように直接ではないけれども、括弧書みたいな形で参考資料として載せていくというのは考えられることかとは思います。

 

○国立病院課課長補佐

 結構です。正にそういうことを申し上げようと思ったのです。

 

○本田委員

 私はNCの独法の評価委員会の委員をさせていただいているので、大分いろいろと説明とか中期計画も全部読ませていただいているので、指標を持ってきたというのもなるほどなと思うのです。細かい所を持ってきてしまっていて、今、先生がおっしゃったのもなるほどなと思って聞いていたのですが、私はそういうのを全部知っているから、この指標もそれを持ってきたのかと思ったのです。

 例えば、もっと分かりやすい政策医療の向上をさせているという目標に対して、確かに治験の受入件数は指標なのだけれども、画期的な新治療法に生み出した成果も出ていますよね。そういうものも数値的に出すと1とか2になってしまうかもしれませんが、そういう実績があるということを、うまく指標に載せられないのかとか、一般の人間に分かるような成果の出し方をちょっと工夫されると。6独法は結構頑張っていますよね。そういう所をうまく表現できていないような感じがしました。

 あと私が思ったのは、確かに政策医療を向上させるという意味では、治験の受入れの件数もかなり伸びてきているとか、論文を発表するというのは、新しい治療法を開発をしているということにも、イコールではないが、そういう所にも関わってくるのですが、それが普通だったら、そのようには読み取れないのです。そういうのが分かるように出していただいたほうがいいのかなというのと、均てん化という意味とか、そういうものを開発していく中で、それを更に日本全体の、例えばがんだったら、がんをやっている所に均てん化させていくという部分の指標がないのかなと。

 例えば、研修会の受入人数とか、ホームページのアクセス件数などもそれに通じるのだろうけれども、例えば国立がんセンターのホームページを見て、何だ、この情報しか載ってないのだと、すぐ言ってしまうとか、そういうことはよくあることなので、もう一工夫できるのではないかと。そうしたら、すごく努力して成果が出ている部分と、例えばホームページなども、国がんなどは法律があるから、すごく頑張っています。だけど、国がん以外の独法の所では、もう少し頑張ってくれよというのもいっぱいあります。何だ、こんな情報しか載ってないやと思って、見には行きますが、すぐやめてしまうような現実もあります。だから、もう少し頑張るような所もあると思うので、そういうのが見えるような指標を検討していただければいいかなと感じました。

 

○井部委員

 今の本田委員の発言にも関連しているのですが、政策医療を担うそれぞれのナショナルセンターが政策医療のどの部分を担うかは違うと思います。測定指標はできればセンターごとに代表的な測定指標を決めてやると分かりやすいと思いました。これを見ますと、平成24年度、25年度は第3期ですが、次に基本計画の出るときの測定指標の置き方を工夫したほうがもっと分かりやすくなると思いす。この中には脱法ハーブのことも書いてあるので、注目しました。国立精神・神経病研究センターのところには、そのことも触れていますよね。

 

○国立病院課課長補佐

 国立病院課課長補佐の高橋です。井部先生が御指摘の脱法ハーブ、あるいは規制薬物の、いわゆる規制に掛かる前の、例えばその薬物の評価とか、その辺については国立精神・神経医療研究センターでやらせていただいて、正に政策医療に基づくような研究をやらせていただいているところです。

 

○森田座長

 いかがですか。私もここで聞きたかったのは、実は初めて知ったのですが、病院で最先端をやっている場合、市販されない薬というのがありますよね。私はある所で、ある分野の最先端をやっている所で、そういう薬を作って、意外とほかの病院へ行ったり。それがこの辺りの重要なあれかなという気もしているのですが、そういう指標もあってもいいから、そこは出てくるのですね。いわゆる特殊な薬、そういうのがあることを私は初めて知ったのですが。市販されない、病院の中で、当然それを許可する委員会ももちろんありますが、それが最先端で、こういう部分でどれだけ努力したかなどというのは、当然そちらでもあるはずですね。

 

○国立病院課課長補佐

 先生が御指摘の点については、臨床研究という形で市販前の新しい薬になるかもしれないものとか、そういう研究が正にやられているところです。そこは先ほど参事官がおっしゃったように、臨床研究ということで進めております。先生の御指摘はそういう意味では治験の受入件数。治験と臨床研究というのは若干違いまして、市販することを目的にした企業が主導で進めているものが治験。一方、臨床研究というのは、まだそこまで行っていない。もしかしたら既に企業が治験あるいは上市することも考えながら、やっているものもありますが、そういう意味では若干違うものです。

 一方で、治験の受入件数をここの指標にさせていただいたのは、研究という切り口で見ますと、治験の多いきちんとした数値化した形で、どれだけ受け入れていたかというのが、なかなか線引きが難しいことから、ここでは治験の受入件数を前面に一応出しているということです。

 

○森田座長

 この研究の評価というのは、すごく難しいと思うので、余り客観的にというのはできないと思いますが、政策医療を向上させる、均てん化させるというのは、具体的に例えばどういうことなのか。新しい薬の開発もそうですが、そのために治験を受け入れる数を増やすことが、どうそれに結び付くのかを、もう少し分かりやすく書いていただけると評価に結び付くのではないかと思います。

 私も大学におりますが、研究というのはお金を投入したから成果が出るかというと、必ずしもそういうものではありませんし、なぜその成果を測るかというのは難しいところで、論文だけ書けばいいのかというと、必ずしもそういうものでもないということは、この間のケースでも分かるところで、その辺は別な観点から総合的に評価せざるを得ないと思います。ただ、こういうシートをお読みになる方は、この目的のために、この指標を使うことがどういう意味があるのかというのは、少しメッセージとして分かるようにしていただければと思います。

 もう1点は、難しいところですが、国のこういう政策の場合、いわゆる独立行政法人の場合には、経営面の評価も入ってくるわけです。それとの兼ね合いをどうするかは、ここで議論する話ではないのですが、どうするかということで、今までは経営重視のような形で研究法人の管理をしていたものですから、今度法律が変わって、少し対応が変わるようになるはずです。実際問題としてどうしても経営面が強調される場合には、研究の中でも偏りが出てくるとか、そういう問題も出てきて、そこは正に政策医療をやる場合には、きちんとした形で評価していかなければいけないのではないかと思います。これはそちらにどうこうしろという話ではありません。

 

○政策評価審議官

 今ので言いますと、総合的に研究も経営面も全体をひっくるめた形で独法評価委員会で評価をし、それを点数化していますので、それが逆に言えば、先ほど申し上げましたように、1年遅れにはなりますが、1つの参考にはというか、逆に言えば、本当にこの治験受入件数や発表論文がいいのか、あるいはそういう評価をしている独立の機関がやっているものを、むしろ入れるのがいいのかも含めて、今日の御指摘を踏まえて、発表の仕方を考えさせていただくことにいたします。

 

○森田座長

 国立病院機構も非常に重要なこういう政策医療の担い手だと思いますが、やはり独法になって全体としてはどうしても経営面にトップの方の頭が集中する可能性がありますので、それがこの政策医療に研究にどういう影響を与えるのかは、1つ重要なところだと思います。どうもありがとうございました。

 

(メインテーブル交替)

 

<適正な移植医療を推進すること>

○森田座長

 次は、施策番号1-5-3「適正な移植医療の推進すること」につきまして、担当から5分程度で御説明をお願いいたします。

 

○健康局移植医療対策推進室長

 健康局で移植医療対策推進室長をしております泉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、実績評価書を用いて説明させていただきます。実績評価書の1-5-3です。施策目標名は「適切な移植医療を推進すること」としております。施策の概要は大きく分けて2つです。1つは臓器移植です。臓器移植に関する研究、あっせんを行う。また臓器移植に関する普及啓発を行うことによって、臓器移植の公平かつ効果的な実施を図る。もう1つの柱が、白血病などの治療に有効な造血幹細胞移植の推進です。これについても、あっせん体制の確保、またドナーや保存さい帯血を確保するための普及啓発を行っております。

 施策の背景・枠組みです。まず、臓器移植法ですが、改正臓器移植法は平成22年に施行されており、脳死下での臓器提供事例が増加しておりますので、このような中で臓器移植法が適切に実施されるように、あっせん業務に従事する者の増員あるいはドナー家族に対する心理的なケアなどのあっせん業務体制の整備を図っております。それとともに、移植医療への理解や臓器提供に係る意思表示の必要性について普及啓発に取り組んでいるところです。

 もう1つの柱の造血幹細胞移植については、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が平成24年に成立し、平成2611日に施行されております。こうした法律の施行業務を行うほか、あっせん業務を行うコーディネーターの確保、ドナーや保存さい帯血を確保するための普及啓発を行っております。予算額はそれほど大きな動きはありませんが、平成26年度当初予算で259,580万円となっております。

 測定指標です。指標1が臓器提供意思登録システムです。臓器移植ネットワークのホームページから臓器提供の意思があるかないかを登録できます。これを毎年度、前年度以上という目標値にしております。指標2は、骨髄バンクドナー登録者数です。これも前年度以上ということで、平成25年度は44万人以上の御登録を頂いております。3つ目は、数値目標ではないものですが、「移植に用いる造血幹細胞移植法の適切な提供の推進に関する法律」の施行業務が大きい業務としてありましたので、それを採用しております。

 そのほか参考指標として、脳死下の臓器提供者数が平成25年度は53名であった。また造血幹細胞移植件数は、平成25年度は2,473であった。またコーディネート期間の採取行程日数が77日であったということを、参考指標として掲げました。

 評価結果と今後の方向性です。目標達成度合いについては(2)、総合判定はAとさせていただいております。指標1、指標2ともに目標値を達成して、指標3についても関係法令を整備した上で、平成2611日に施行できたということですので、目標を達成したと考えております。

 施策の分析です。有効性の評価は、臓器移植対策については、特に普及啓発が問題になるわけですが、平成22年の改正臓器移植法施行に伴い、健康保険証の裏、あるいは運転免許証の裏に意思表示欄を設けていただくことができました。こうしたことから国民の皆様に意思表示のカードが、ほぼ行き渡ることになったわけです。また、コンビニエンスストアなどの御協力を仰ぎまして、それとは別の臓器提供意思表示カードの配布などを行い、これを普及啓発のツールとして活用しております。また、全国の中学3年生向けに臓器移植に関するパンフレットの配布をしております。臓器移植提供登録システムの登録者数も、年々増加していることを踏まえますと、有効に機能していると考えております。

 造血幹細胞移植対策については、骨髄バンクにおける骨髄等のあっせん体制の整備をしているということ。また普及啓発事業、説明を行っていただいているボランティアに対する研修事業やドナー登録会の開催、患者負担金免除事業などを行っています。骨髄バンクドナーの登録者数は、年々増加しているということですので、これらの施策は有効に機能していると評価しております。

 効率性の評価です。臓器移植対策ですが、先ほど御案内しましたように、運転免許証の裏あるいは健康保険証の裏に意思表示欄が設けられましたので、若干カードの配布の印刷経費などの縮減などを図って、適正化を図っております。造血幹細胞移植対策についても、単独でのドナー登録会ではなくて、献血と合わせて行う形で効果的な取組を進めているところです。施策の分析については以上です。

 

○森田座長

 ありがとうございました。それでは、よろしくお願いします。

 

○篠原委員

 臓器移植というと、そのものは余り知らなくて、私などの知識は小説などで後進国のを違法に持ってきて、先進国で臓器移植をしているという話しか知らないのですが、ここで必要としている人間が、今どのぐらいいて、どれだけやったかというのは我々にとって非常に重要だと思います。それが出ていないという気がするのですが。私は何が問題か知らないでの質問で、こういうことを提示されれば、当然そういう疑問を感ずるというレベルなのです。

 

○健康局移植医療対策推進室長

 臓器を御提供いただいている数と、移植を待っておられる患者との対比で申しますと、現在は非常な差があるという状況です。例えば、心臓を例に取りますと、暦年の平成25年では37件の移植例があったわけですが、待っている希望者数は313名ということになります。特に腎臓は乖離が激しくて、腎臓の移植の件数は平成25年の暦年で130件でしたが、移植をお待ちの方は12,539名ということで、桁が違うぐらいの乖離があるわけです。

 そこのところを目標としてどう設定するのかです。端的に申しますと、移植の臓器の提供例数そのものを施策目標としてはどうかという御意見もあるかと思いますが、これまでの臓器移植法の制定あるいは改正当時も、大きな論点の1つは、臓器を提供したくない方まで臓器を無理矢理に取られてしまうのではないかという懸念がありました。ですから、臓器の提供が増えることを、ある意味で狙いとして臓器移植法が制定され、また改正されたわけですが、直接の政策目標としては、臓器提供が善意によって任意で行われるべきということを踏まえますと、臓器提供をしたいという意思も尊重する必要がありますが、したくないという方の意思も尊重する必要があります。したがって、臓器提供の数そのものを政策目標とすることについては、非常に慎重に考えております。

 

○篠原委員

 よく新聞報道すると、アメリカに行ったと言いますが、海外に日本から行った例というのは実数をつかんでいるのでしょうか。

 

○健康局移植医療対策推進室長

 はい。全部の数ということではありませんが、臓器移植ネットワークに移植を希望されるということで登録した方の中で、実際に移植に結び付いた方あるいは亡くなられた方、海外に渡航したがゆえに登録の必要がなくなったという形で、一定の人数は出ております。

 

○篠原委員

 報道で見ると、1億とか滅茶苦茶高いですよね。国内でやればかなり安いのかなと。どのぐらいの差があるのですか。

 

○健康局移植医療対策推進室長

 自己負担については、医療保険の適用になって、当然高額医療費制度の対象にもなりますので、もちろん食費は別ですが、1か月当たり89万円で、低所得の方であればもっと少ないという形になります。そこのところについては、海外に渡航されて移植を受けられる方は、ある種やむにやまれず行っておられるわけです。

 「イスタンブール宣言」というのがあって、世界各国の移植医療関係者の方々が集まって、臓器の提供、移植というのは国内での自給自足を原則とすべきではないかということもうたわれており、我が国も基本的にはそれに賛同しているわけです。したがって、我が国として、できるだけ国内での提供が増えたほうがいいわけですが、一方で臓器の提供は飽くまでも任意に行わなければならないとか、臓器を提供したくないという方の意思も尊重しないと、逆に臓器の移植も進まないという認識の下、このような政策を設定させていただいているということです。

 

○篠原委員

 希望者が大勢いて、実際にやらない。そうすると、そこをどうにかするという施策で、それの指標のほうがいいような気がするのです。これだと登録した人が何人、どうのということで、ちょっと努力するのがずれてしまうのではないか。これも結果的には行くだろうなと言うのですが、直接的ではない、間接的な目標ではないのかなという感じがします。

 

○健康局移植医療対策推進室長

 そういったことで、先ほど臓器の提供をしたい方の意思も尊重する、したくない方の意思も尊重するという意味では、意思表示をしていただきたいというのが、行政あるいは臓器移植ネットワークからのメッセージなのかと思います。したがって、意思表示カードを持っていただいて、あるいは運転免許証の裏の意思表示欄に記入をしていただくことが、主要な目標ということになろうかと思います。

 その点については、世論調査を内閣府にしていただきました。後ろに付けてある資料の6ページの「臓器移植に関する世論調査(平成258月内閣府実施)の結果について」という横1枚の資料の○の3つ目の「臓器提供に関する意思表示」です。これは面接調査をしていただいた世論調査ですので、非常に精度が高いということですが、平成18年は4.8%、平成204.2%だったところ、平成25年は12.6%ということで、意思表示を記入しているとおっしゃる方の数自体、比率自体が上がっているということです。

 これを政策の指標に入れない理由はなぜかというと、毎年の調査ではないということで、毎年毎年政策評価をしなければいけないという建前からしますと、なかなか毎年できるものではない。また独自に世論調査をしても、予算の総額と、効果測定をするための経費との関係で、それもちょっとどうかということがあってです。しかし、12.6%という数字自体は非常に心強いものがあって、平成20年と25年の間には、臓器移植の改正があるわけです。運転免許証の裏、健康保険証の裏で記入ができるようになっています。運転免許試験場においても御案内を頂いているようですので、そういったことが大きな力になったということだろうと思っています。

 

○本田委員

 すごく難しい問題なので、確かに提供者数が増えることが、必ずしもいいことなのかというと、難しいと思います。いいことではあるのかもしれませんが、それを当用するわけにはいかないとも思います。適正な移植医療が行われているかどうかという意味で、私は余り知らないのですが、例えば脳死とか、そういう状況に置かれたときのコーディネーターの方々や医療関係者が適切にどのように対応されているか。それが強要になっていないのかとか、若しくはどちらかに偏っていないのかとか、心の揺れにちゃんと応じているかとか、そういうものを世の中にちゃんと適正にやっているというのを示すような指標はあるのでしょうか。若しくはそれをどれかに表しているのでしょうか。

 

○健康局移植医療対策推進室長

 数値指標はなかなか難しいかと思います。ただ、今現在においては、臓器の提供における検証会議を厚労省でやらせていただいております。検証の対象は2つで、1つは医学的な脳死の提供に至った方に対する医学的な処置がきちんとなされたかどうか。脳死判定がきちんと正確になされたかどうかという点で、医学的な検証が1つ。もう1つはあっせんのプロセスにおいて、ドナーの御説明の仕方、あるいは家族に対するフォローアップなどが適切にできていたかという、あっせんの面、この2つについて検証の作業をしております。医学的検証については厚労省が直接、あっせんについては臓器移植ネットワークの中の評価委員会において、一旦議論をしております。その2つの結果を合わせて、更にその上の部会の検証会議を開催します。もちろんプライバシーに極めて立ち入りますので非公開です。それだけではいけませんので、報告書を作ります。報告書については、一旦御家族に送り、公表してよろしいとなった場合には、厚労省で公表しております。

 そうした検証が積み重なってまいりましたので、102例まとまった時点と、150例まとまった時点において、検証の結果を、プライバシーが分からないような形で、総じて統計というか、そういうものをまとめて公表することもさせていただきました。

 

○森田座長

 よろしいですか。最後にこれは事務局に伺ったほうがいいのかもしれませんが、測定指標で、これはすごく重要だと思いますが、造血幹細胞移植推進法の施行を目標に実際に施行したから達成したという指標というか、こういう書き方はほかにあるのですか。初めて見たような気がするのですが。

 

○政策評価審議官

 他の部会WGではあります。

 

○森田座長

 多分、皆さん方もそうだと思いますが、1つの新しい制度を作るということで、相当なエネルギーが投入されていると思いますので、それ自体によって、どう変わるかというのは、なかなか数値的には示せないと思いますが、それ自体は非常に大きな成果として評価していいのではないかと思いますので。

 

○政策評価審議官

 数値目標ではありませんが、そうは言っても、マル、バツが結構はっきりするものですから、こういうものでいいと思います。

 

○森田座長

 法律を作る場合には国会を通るかどうかというのは不確定要因が最後にかなり入る形ですが、それでもそうしたきちんとした形での対応を政策の目標達成のための努力が評価される必要があるかと思います。これは余計なことでした。

 

○健康局移植医療対策推進室長

 御指摘ありがとうございます。

 

○森田座長

 どうもありがとうございました。

 

(メインテーブル交替)

 

<生活習慣の改善等により健康寿命の延伸等を図るとともに、がんによる死亡者の減少を図ること>

○森田座長

 最後になりますが、施策番号1-10-2の「生活習慣の改善等により健康寿命の延伸等を図るとともに、がんによる死亡者の減少を図ること」について、担当課から5分程度でお話を頂きたいと思います。

 

○健康局がん対策・健康増進課課長補佐(斉藤)

 本日御説明を担当させていただきます健康局がん対策・健康増進課の斉藤と、それから赤羽補佐で基本的なやり取りをさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。それでは早速、内容の所を実績評価書に基づきまして、御説明をさせていただきます。

 まず、施策の目標です。こちらは「生活習慣の改善等により健康寿命の延伸等を図るとともに、がんにより死亡者の減少を図ること」ということで、施策の概要はこの目標を実現するために実施していきますという内容になります。

 施策の背景・枠組みです。こちらのほうは生活習慣を改善していくためには、栄養、運動、休養など、9つの分野の70項目の目標を掲げた、いわゆる健康日本21を平成12年に策定して推進しております。平成14年には更に健康づくり・疾病予防を積極的に推進していくために、健康増進法が制定されております。平成247月には健康日本21の第2次が告示され、平成25年から実施をしています。また、がん対策については、御存じのように、がんが国民の疾病による死亡の最大の原因になっている現状を鑑みて、平成194月に施行された「がん対策基本法」及び同年6月に設定された「がん対策推進基本計画」(平成246月変更)を踏まえて、総合的かつ計画的に推進しているのがこれまでの背景になります。

 施策の予算額・執行額に移っていきます。直近の平成25年は見ていただきますように、こちらの数字は当初の予算134億に対して、執行は1495,000万ということで、執行率111%です。過去の推移はこれまでのこちらの並んでいる数字になります。

 その下の測定指標を御覧いただきます。こちらは4つの指標を設定しております。1つ目が肥満者の割合です。こちらが男女と年齢別で出ております。それから、2つ目の指標、日常生活における歩く歩数の変化です。3つ目ががんの年齢調整死亡率ということです。数字はこちらに並んでいるとおりです。達成度合いとしては、一番右に出ていますように、指標1の肥満者の所は△、指票2の日常生活における歩数の所は、こちらも△、指標3のがんの年齢調整死亡率の所は○です。そして指票の4つ目が食事による栄養摂取量の基準ということで、これは具体的な数字ではなくて、これから今取組みをこのようにまとめを始めておりますので、平成25年度には日本人の食事摂取基準の策定の報告書をまとめております。平成26年度から食事による栄養摂取の基準を改定するといった取組を行っております。

 続いて、評価の結果と今後の方向性になります。総合判定としては、判定結果はAということで考えております。理由としては先ほど見ていただいた内容の測定指標1及び2については、平成24年度までの間にほぼ基準値の所を改善してきて効果が現れてきている部分と、特に指標3の所は着実に目ざましい改善をしています。達成に向けて、順調に前進していると判定しております。

 施策の分析の所です。有効性、効率性、現状という所ですが、まず有効性の所で見ます。がんの年齢調整死亡率の所は見ていただきますように、着実に減少しております。こちらは健康日本21を開始した翌年の平成13年から健康寿命も伸びてきておりまして、市町村が実施するがん検診なども実施が有効に機能しているのではないかと評価しています。効率性は、毎年実施していますが、同じ程度のがん対策の関係予算によって、着実に減少幅は上昇をしてきております。効率的な取組が行われていると評価できるのではないかと考えております。現状分析の所としては、健康寿命の延伸が着実に達成されてきております。引き続き、健康づくり施策を積極的に進めていくことが必要であると考えております。

 次期の目標等に向けての反映の方向性としては、現状の取組を維持するとともに、スマートライフプロジェクトといった取組もありますので、企業や自治体等における社員、住民などの健康づくりの取組をより一層支援していくということで進めていきたいと考えております。

 

○森田座長

 ありがとうございます。

 

○篠原委員

 最近感ずるのは国の政策としては、統計学的にいくというのは全体の死亡率などでいいと思うのですが、そろそろコンピュータにこれだけデータがあると、個別管理というのはよく言われるように、タバコをすかすか吸っても、90以上に生きたとか、酒飲んだとか、やはり私が今感ずるのは個人の差が大きいよねと。政策としては別ですが、そろそろそういう部分が出ないというか、きめ細かさ、その辺はどうなのですか。いわゆる後進国のレベルから先進国に入ったときです。例えば、歩数など、会計士はよく若いときに言われたのは、はげて胃病で痔が多いという座標なのです。そういう人たちは歩くようにしたほうがいいです。黙っていても歩く人はいるではないですか。だから、これを一般でやっても、余り意味がないのではと。いわゆるここにおられる方みたいに、よく座っている人たちを歩くように向けていく。だから、そういうちょっとした部分が、これは全体でやっても余り意味がないのではないかという気もしています。その辺はどうなのでしょうか。より面倒くさいなという気もするが、もうそろそろ先進国でこれだけ発達してくると、そういう方に目を向けたほうがいいのではないか。どうなのでしょうか。難しいでしょうか。

 

○健康局がん対策・健康増進課課長補佐(斉藤)

 やはり、まずはその全体的な目標ということで、国民全体というか、そういう観点で歩数であるなどの目標を掲げて、統計も取るということで、進めているところです。御指摘の、個別的にもっときめ細かくできないかというところですが、現時点ではなかなかそこまで個別にきめ細かく管理できるようなシステムやデータベースが出来てはおりませんが、インフラの整備が、今後進んでいくと思いますので、そういう議論や整備の進捗を見ながら、どういうことができるか考えていくことになると思います。

 

○政策評価審議官

 一言いいますと、個別管理になると、森田先生にも、今、研究会に参加していただいているのですが、どうしてもIDを一人一人に付けていって、管理する形になってきています。そうすると、健康というのは微妙な内容を持っていまして、それをどう管理していくか。本当に管理してもいいものかどうなのかも含めて検討しなければいけないというところがあると思うのです。ただその一方で、今回この中身で言えば、例えばがんについては登録をして、将来、どのようにどのくらい生きていくかも別途できるものから順次やっていこうと。逆に言えば、そういう形で一歩ずつやっていて、それで問題がなければ次ということで、今進めている形だと思うのですが、そういうことでよろしいですか。

 

○健康局がん対策・健康増進課課長補佐(斉藤)

 そうです。

 

○本田委員

 何点かあるのですが、この評価結果と今後の方向性の所にいろいろ書いてあることに関係しています。そもそもの目標名が健康寿命の延伸等々、がんによる死亡者の減少を図ることとありますが、今後の方向性の所、施策の分析の所に健康寿命が延びてきておりと書いてあります。しかし、健康寿命がどのように変わってきているのかという数値を、多分取られているはずなのに、何でそういうのがちゃんと出てこないのだろうというのが1つ疑問に感じたところです。

 もう1つは、がんの年齢調整死亡率が減少しているというのは、がん対策基本法ができる前から、微妙に減ってきている部分もありました。この基本法による施策がやはり影響していて、がん対策が影響しているのを何をもって言えるのかをもう少し書いていただければよかったと思います。また、微妙に感じているのは、検診というのが行政事業としては大きいと思います。検診は、日本は全然伸びてないと言われていますが、実際どのような感じになってきているのか。特に、費用対効果的に、検診というのはかなりいろいろと予算が投入されていますので、それが健康のがんの死亡率を減らすことにどれくらい寄与しているのか。これから、そういう視点も必要になってくるのではないかと思っています。その2点を伺いたいと思います。

 

○健康局がん対策・健康増進課

 健康局がん対策・健康増進課の高山と申します。1点目の御質問の健康寿命の件ですが、健康寿命は調査の方法論として、3年に一度、その大調査を行うということになっております。数値が三年に一度しか報告できないシステムです。これは個別に訪問をしてアンケートする形式ですので、毎年やることになると、予算的な問題も発生します。直近では昨年度の報告が今年度に出るという予定になっています。指標としては毎年出ないので、直接的にここに盛り込めないというのが実情だと思います。

 

○本田委員

 それならそれで、参考指標的に3年ごとにあるのでしたら2回分とか、その変化を感じさせられるように出していただいたら、とても参考になるかなと思ったので、お願いしたいと思います。

 

○健康局がん対策・健康増進課課長補佐(赤羽根)

 それから、2つ目について、がん対策・健康増進課の赤羽根がお答えさせていただきます。本田委員はよく御存じかとは思うのですが、やはりなかなかがん対策そのものの影響を拾う、どういう指標で拾っていくかは、かねてからの課題です。例えば、プロセス指標のような形で397の拠点病院を指定しましたというような数量的なものは見ることができます。この対策それ自体を特出しした指標をどうするかは、これまでも課題で議論があるところです。この実績評価の所とは別に、がん対策推進基本計画の中間評価でも、あと少しいろいろ指標を取って、調べてみようという話にはなっています。また、その進捗を見ながら、どういう評価ができるかは、我々も見ていこうと考えている状況です。

 

○井部委員

 健康寿命の延伸、例えば、局が違うので、難しいのかもしれませんが、要支援の割合と要介護の割合などが高齢者の健康寿命の状況を反映しているのではないかと考えますと指標として使えるのではないかと思います。健康局とは違う老健局の案件になるのですか。

 

○健康局がん対策・健康増進課課長補佐(赤羽根)

 そうですね。御指摘のとおり、主に老健局の観点という感じにはなるかとは思います。

 

○健康局がん対策・健康増進課課長補佐(斉藤)

 今の御指摘は、その割合の推移なども、見えたほうが健康寿命にリンクした説明ができるのではないかと。

 

○井部委員

 健康寿命の延伸というのは、何で見れるのかと考えたら、例えば、そういうものも参考になるのではないかと思いましたが、局が違うと無理なのかと思いました。

 

○篠原委員

 犬は、今、がんがすごく増えたというのは、大体犬の寿命は15年と。昔は10歳以下で死んでしまったと。そうすると、人間も今寿命が伸びたのだから、がんというのは当たり前だと。そうすると、寿命が伸びてきて、その補正の命だという気がするのです。余りそのような補正が要らないほど、寿命が伸びていないですか。

 

○健康局がん対策・健康増進課課長補佐(赤羽根)

 先生が御指摘の正に補正を施した値になっております。年齢調整死亡率なのです。既に年齢調整をして、更に75歳以上の方々を切っております。

 

○篠原委員

 もう1つ、私は実は公認会計士は裏の職業で、表はマッサージ師、何も金をもらっていせん。親戚で85の人を1か月に二度泊まりがけで行って、いわゆるマッサージというか、スポーツトレーナーの訓練を受けているのですが、それで、もう34年やっています。やはり、85だと老化と、我々と競争で、先ほど言われたように、やはり一番重要なのは生きがいかなという気がしてきたのです。やはり、仕事を最近は取ってしまったので、ガクッときた。そのお母様は95まで生きたのですが、40前で未亡人になって、事業をやっていたので、最後まですごい生きがいがあったのです。だから、これは体の部分も、ものすごく重要だという感じがしますが、それも勘と違うかという気がします。やはり健康的というのは、ただ寝たきりではなくて、こうやるにはと、総合的に考えていただいて、ここが体の担当よと。どこがどうよとやらないと、やはり健全だという感じは、できないのかと。そういう総合的な調整というか、検討されているのですか。

 

○健康局がん対策・健康増進課

 厚生労働省として、大臣を本部長としての健康づくり推進本部を設置しております。この中で、ワーキングチームという形でやっており、そのうちの2が正に高齢者の社会参加の支援であり、この中で、要は退職前から、退職した後にどういう活動をしていくのかなど、そういったところを切れ目なく、その後の社会活動を支援していくというような形で、今モデル事業をやっています。

 これもまた、他局になってしまいますが、社会局、安定局、それから老健局の3局で今モデル事業を正に切れ目なくやっていくということで動いていますので、この進捗状況を引き続き見守っていきたいと我々としては思っています。

 

○森田座長

 よろしいですか。ちょっと、私が伺いたいのは、これは執行予算で執行率が100%を超えているのは、大分あるのですが、これは要するに必要だから使ってしまったと。

 

○健康局がん対策・健康増進課

 そうですね。確認しますが、流用したということです。

 

○森田座長

 もちろん、そうでしょうが、予算ですから、あらかじめどうしてもその事業で必要であるならば、当然のことながら手当するのですが、通常、予算の限度を超えるときには、やり方が悪いのではないかと、そういうものが来るはずです。そのために、残すと取り上げられるし、使いすぎるとまずいから、ピッタリ100%に予算を執行するというのが普通かなと思うのです。10%も執行率が高いというのはどうですか。繰越しが前年度よりマイナスが大分出てしまったのをそれを付けてということですか。分かりませんか。

 

○健康局がん対策・健康増進課

 おそらくそうです。そこのちょっとやり繰りの所で、超えてしまっているという。

 

○森田座長

 まだ平成26年度は出ていませんが、ここの場合の、これで執行率が100%にすると、ちょっと変な気がします。後は、これは生活習慣病はみんなそうですが、これは多分肥満というのは、BMIか何かが25を超えたとか、そういうことですか。

 

○健康局がん対策・健康増進課

 はい、BMI25を超えたということです。

 

○森田座長

 それなら余計なことを言いますが、先ほど審議官がおっしゃいましたが、やはり個人データをきちんと取っておかなければいけなくて、特に、生活習慣の改善により、健康寿命を伸ばすといったら、がん登録ではないが、がんになってからの登録になるわけです。健康な人のデータを取っておいて、予備軍はいかに早く捕まえるかというのが多分予防医療だとか、こちらの話になるのかと思います。

 よろしいでしょうか。それでは、幾つか意見も出ましたが、後ろのほうの評価書の反映する欄がありますので、そちらのほうに御記入をお願いいたします。それでは、どうもありがとうございました。

 

○健康局がん対策・健康増進課

 ありがとうございました。

 

○森田座長

 それでは、本日予定しておりました議事は、全て終了いたしました。誠に熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。それでは、最後にこの取扱いについて、事務局から一言お願いします。

 

○政策評価審議官

 本日は長時間にわたりまして、御議論いただき、ありがとうございました。御存じのように、4月に消費税が引き上げられましたが、一方で、そういう中で経済は堅調に推移しております。昨年度の税収というのも、4月末までの数値を見る限り、大きく上振れています。その前の年から見ると、2兆円くらい多くなっています。ですから、5月まで見ないと分からなくていいという所はありますが、まあまあ影響もそれほど大きくは出ていない。また、今週の火曜日、624日には骨太の方針とともに、成長戦略も改訂されております。これらによりまして、更に日本経済の成長に弾みが付くものと期待しているところです。

 しかしながら、御存じのように財政状況は依然として厳しい状況にあります。より一層効率的、効果的な使い方を工夫するとともに、今日御議論いただきましたように、国民への説明責任という意味でどうやって分かってもらうかということも重要だと考えております。その意味でも、政策評価の重要性はますます高まっているということだと思います。

 特に、厚生労働省の場合は、全体の予算96兆円のうち31兆円ということで、3分の1を占めています。また、国民の生活に直接関ってくるということから、自らが実施した施策の効果を適切に検証し、次の施策へ反映させることが強く求められているということです。私どもとしても、引き続き行政事業レビューとの連携を図りながら、より実効性のあるPDCAサイクルを回していくということを考えていきたいと思います。

 本日賜りました御意見については、今後担当課において実績評価書に反映するとともに、「学識経験を有する者の知見の活用」ということで、具体的には最後の所に、1つ欄が残っておりますが、そこに加えさせていただいて、政策評価官室で取りまとめ、総務省への通知や公表手続を進めさせていただこうと思います。ただ、指標と呼ばれているものについては、既に1回決めたものはなかなか難しいので、今日頂きましたもので付け加えることができるものも多分あると思いますが、例えば参考資料など、そういう形で付け加えるということも含めまして、考えていきたいと思います。また、今日のものにプラスアルファした指標も御指摘いただいたもので加えられるものは今後加えていくということで考えていきたいと思います。それから、当然のことながら、今日直しました公表するものについては、先生方のほうに最終版を送付させていただきます。

 それから、3月の総会のときにも申し上げましたが、委員の皆様には総会と大体6月から7月にあります政策評価の2回、お集まりいただいて御議論いただくということですが、これに加えまして、日頃から当省の業務に高い関心を持っていただき、業務改善に向けた御意見を述べていただくなど、今後とも引き続き御協力を頂ければとお願いして、締めくくりの挨拶とさせていただきます。今日は本当にどうもありがとうございました。

 

○森田座長

 どうもありがとうございました。それでは、本日はこれで終わります。


(了)

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