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2014年6月25日 中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証部会 第40回議事録

○日時

平成26年6月25日(水)8:59~9:22


○場所

厚生労働省専用15・16会議室(12階)


○出席者

松原由美部会長 森田朗委員 田辺国昭委員 西村万里子委員 印南一路委員 野口晴子委員
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 佐々木医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○ 平成24年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成25年度調査)の本報告案について

○議事

○松原部会長

 定刻となりましたので、ただいまより第 40 回「診療報酬改定結果検証部会」を開催いたします。

 まず委員の出席状況について報告いたします。本日は全員が出席です。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 「○ 平成 24 年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成 25 年度調査)の本報告案について」を議題といたします。

 平成 25 年度に実施しました特別調査5項目につきましては、速報として、平成 25 11 月1日、 13 日、 22 日及び 29 日の4回にわたって、中医協総会に報告を行ったところですが、このたび、最終的な報告書が取りまとめられました。

 まずは、本報告書の作成において、公益委員の皆様には、短い期間で内容を御確認いただきましたことを、この場をかりて、厚く御礼申し上げます。

 報告書に対する検証部会としての評価について、委員評価案を作成いたしましたので、事務局より説明いただきます。

 その上で、本日は、検証部会として、評価案について御議論いただき、最終的な検証部会としての評価を取りまとめたいと思います。

 それでは、事務局より資料の説明をお願いします。

○竹林保険医療企画調査室長

 保険医療企画調査室長でございます。

 資料の説明をさせていただきます。

 お手元の資料でございますけれども、中医協検-1-1から中医協検-1-6まで、6種類の資料でございます。

 中医協検-1-1が、今、部会長からお話がございました、委員評価案でございまして、全体の評価をまとめているものでございます。

 中医協検-1-2以降が、 25 年度に実施しました各調査につきまして、既に速報として報告したデータそれぞれに対して、コメントを付したような報告書でございます。

 本日は、中医協検-1-1について御議論いただくということで、私からもその説明をさせていただきたいと思います。

 中医協検-1-1の1ページ目でございます。調査の全体の概要でございまして、(1)から(5)に掲げております、5本の調査を実施したということです。

 あと、先ほど部会長からも説明がございましたけれども、調査の速報については、 11 月に順次実施したということを記載してございます。

 2ページ目の2以降が、個々の調査についての記述でございます。

 内容の説明の前に「2『病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善についての状況調査』の結果について」を例にとりまして、報告書の構成について簡単に説明いたしますと、「(1)調査の目的」「(2)調査方法及び調査の概要」「(3)回収の状況」「(4)検証部会としての評価」という構成になっております。

 今、申し上げました(4)の評価につきましては、最初に 24 年改定で、主としてどのような改定を実施しているかということについての説明がございまして、病院勤務医の調査については、それが3ページ目から5ページ目に続きます。従来、この報告書には、改定の説明が欠けていたので、今回から記述しているものでございます。

 その後、調査結果うちの主なものに絞りまして、グラフや表をコメントとともに紹介していきますけれども、基本的に事実関係の説明が続く形になります。従前の報告書では、文章だけを羅列しておりましたけれども、グラフや表を差し込むことによって、視覚的にもより読みやすくした形になっております。病院勤務医につきましては、その部分が 22 ページ目まで続きます。

23 ページ目に「まとめ」という部分がございまして、この部分が評価に該当するということでございます。

 ほかの4本の調査につきましても、おおむね同じような構成になっておりますので、本日はまとめの部分を中心に説明させていただきたいと存じます。

 それでは、まず勤務医負担軽減の調査の関係でございますけれども、4ページ目で1つ申し上げますと、 24 年の改定の中身としては、医師事務作業補助体制加算をよりきめ細かにするなどの対応をしたところでございます。

 その上で、 23 ページ目の「まとめ」にいっていただきますと、主立った記述を幾つかかいつまんで紹介いたしますと、オでございます。総合的に見た医師の勤務状況につきまして、3行目ですが、医師責任者ではない、勤務医の方の回答ということで、悪化した、どちらかといえば悪化したという回答が 21.8 %で、改善した、どちらかといえば改善したの 17.3 %を上回っており、医師側で勤務状況の改善を感じていないことから、さらなる改善の余地があると考えられるということでございます。

 他方、個別の勤務医負担軽減策について見てまいりますと、効果があったとか、どちらかといえば効果があったという形で、積極的な回答が 80 %を超える項目も見受けられる。例えばということでいえば、医師事務作業補助者の配置といったものでございますが、そういったこともありますので、診療報酬における対応で、一定の効果が得られたと考えられるということでございます。

 続きまして、キでございますけれども、看護職員における負担軽減策として、効果があるという形で評価が高かったのは、病棟クラークの配置、夜勤配置する看護職員の増員等々でございます。

23 ページ目の下、ケでございますけれども、薬剤師の病棟配置につきましても、医師、看護職員からの評価が高いという状況で、今後も薬剤師による病棟薬剤業務を推進していくことが有効と考えられるということでございます。

 最後、取りまとめ的に 24 ページ目のサでございますけれども、勤務医の負担軽減については、診療報酬の見直しなど、一定の効果を上げてきているが、いまだに業務負担が解消されていないと感じる勤務医等が一定数いることから、引き続き対策が必要と考えられるというまとめをしてございます。

 なお、 26 年の改定では、こうした点を踏まえまして、医師事務作業補助体制加算や夜間急性期看護補助体制加算のさらなる充実などを行ったところでございます。

 以上が勤務医の調査でございます。

 続きまして、 25 ページ目「3『歯科医師等による周術期等の口腔機能の管理に係る評価についての影響調査』の結果について」でございます。

 これにつきましては、 24 年の改定におきまして、 26 ページ目の上の枠囲みの中で紹介されておりますけれども、外科的手術後の合併症などの軽減を目的としまして、がん患者などの周術期における医科歯科連携による口腔機能の管理を新たに評価したところでございます。

39 ページ目の「まとめ」でございますが、アといたしまして、周術期口腔機能管理を実施している医療機関において、実施している理由についての回答としては、術後の感染予防等に役立ち、患者に有益だからというものが最も多く、次いで診療報酬で評価されたからとなっておりまして、 24 年度診療報酬改定は一定程度効果があったものと考えられるということでございます。

 イでございますけれども、下から3行あたりでございますが、患者の満足度についても調査をしておりまして、積極的な評価は9割を超えている状況ということで、患者の満足度も高いということでございます。

40 ページ目のエでございますけれども、実施していないところに着目しますと、特に歯科診療所において実施していない最大の理由としては、医科医療機関から依頼がないを挙げており、他方、歯科のない医科医療機関では、周術期口腔機能管理料について、どのようなものか知らないからということになっております。

 オでございますが、歯科のない医科医療機関で、周術期口腔機能管理を実施している施設は約7%にとどまっておるということでございます。

 カですけれども、こうした点を踏まえますと、医科と歯科と有効な連携策、医療機関や患者に対する有効な周知方法など、具体策を検討することが必要というまとめをしているところでございます。

 以上が歯科の関係でございます。

 続きまして、 41 ページ目以降が「4『後発医薬品の使用状況調査』の結果について」でございます。

24 年の改定におきましては、 42 ページにございますように、薬局に対する後発医薬品調剤体制加算は、加算の要件となる後発品の調剤数量割合を底上げいたしまして、 35 %以上の場合の加算3については、例えば 19 点に引き上げたということでございます。

51 ページ目の中ほどでございますけれども、処方箋料に対して、一般名処方の処方箋を交付した場合には、加算をするといった対応を行ったところでございます。

61 ページ目の「まとめ」に移っていただきたいと思いますけれども、アでございます。後発医薬品調剤体制加算の算定要件の見直しの結果、後発品の調剤率が一番高い加算3を算定している薬局の割合が最も高かった。また、いずれかの加算を算定している薬局の総数の割合も、前回調査より増加していることから、この加算の見直しが、後発品の調剤の増加に貢献しているということでございます。

 イでございますけれども、3行目あたりからでございますが、一般名で処方された医薬品目数は 10.6 %と低い数字にとどまっている。

 下から2行目でございますけれども、先発医薬品名で処方された医薬品 64.7 %のうち、 34.5 %が変更不可とされていたということで、この率が前年よりも 8.3 ポイント増加しているということでございます。

 次のパラグラフの2行目の最後あたりからですが、後発医薬品名で処方された医薬品品目数のうち、変更不可とされている医薬品品目数が 22.8 %と、昨年度より増加しておるということで、こういったことの理由について、詳細に調査・分析をする必要があるということでございます。

 エをごらんいただきたいと思いますが、一般名処方の処方箋を持参された患者さんのうち、後発医薬品を調剤しなかったケースの 64.6 %が、患者が希望しないことを理由にしていたということで、今後、患者さんの理解向上が重要であるということでございます。

 ケに飛んでいただきたいと思いますが、薬剤師が積極的に後発医薬品を調剤していない理由として、後発医薬品の品質に疑問があるが最も多いこと、また、医師の立場としても、厚生労働省による品質保証が十分であることの周知徹底を最も必要であると回答していることから、引き続き、国やメーカーなどによる品質に対する信頼性の確保が必要であると考えられるということでございます。

 最後にコでございますけれども、これは患者さんに対する調査の結果を踏まえた記述でございます。上から7行目「また」というあたりですが、ジェネリック医薬品が幾ら安くなっても使用したくないと回答した患者さんのうち、効き目や副作用に不安があるから使用したくないと考えている患者さんは 75.2 %おられるということでございますので、患者さんの不安を解消するような、丁寧な説明を行う必要があると考えられるというまとめをしてございます。

 なお、 26 年の改定では、こうした点を踏まえまして、加算についての新指標を踏まえた再編成を行っておったり、一般名処方の場合の後発品の調剤が促進されるように、後発品が調剤されなかった場合には、その理由をレセプトに記載していただくような取り扱いをしたということでございます。

 以上が後発品の調査でございます。

 続きまして、 64 ページ目以降が「5『慢性期精神入院医療や地域の精神医療、若年認知症を含む認知症に係る医療の状況調査』の結果について」でございます。

 こちらの 24 年の改定について少し申し上げますと、 69 ページの中ほどの精神療養病棟における退院調整加算を新設したということ、 81 ページ目の上の認知症治療病棟入院料に関しまして、 30 日以内の期間の入院の評価を充実させた、そういう対応を行ったところでございます。

92 ページ目の「まとめ」をごらんいただきたいと存じます。

 イでございますけれども、今、申し上げましたような形で、 24 年の改定におきまして、退院支援などの強化を図ったところ、退院支援の専門部署を設置している施設は半数程度でした。このうちの約2割程度は、 24 年度改定以降に専門部署を設置した施設であった。また、 23 年6月と比較いたしますと、 25 年6月の退院支援の専門部署の職員数は増加しておるということで、体制を充実していただいています。それが寄与した形だと思いますが、精神療養病棟入院料を算定している病棟の平均在院日数、あるいは認知症治療病棟入院料を算定している病棟の平均在院日数がそれぞれ減少しているということが、確認されたということでございます。

 ウでございますが、さはさりながら、精神療養病棟入院患者の約6割が、状態の改善が見込まれず退院を見込めないという状況であります。一方で、現在あるいは近い将来に退院が見込める患者さんが約4割でございまして、こういった患者さんが地域へ移行する上で重要となる支援としては、訪問看護、デイケア、グループホームなどに対するニーズが高かったということでございます。

93 ページ目のキでございますけれども、認知症の入院医療につきましては、先ほど申し上げましたように、認知症治療病棟入院料における入院 30 日以内の期間の評価を行ったところでございまして、この結果、 25 年6月における入院日数のうち、入院 30 日以内の日数の割合が2年前よりも高くなっておりまして、平均在院日数の短縮にも寄与したと考えられます。しかしながら、患者さんの 45.6 %が、現在の状態でも受入先が整えば退院可能となっておりまして、依然としてスムーズな退院が行われていない状況でございます。こうした患者さんが、地域へ移行していただく上で重要となる支援としては、外来、訪問看護、グループホーム、デイケアなどが挙げられたということでございます。

93 ページ目の下、ケでございますが、最後のまとめとしまして、精神医療におきましては、各種施設基準についてある程度の成果を上げているとはいえ、地域へ移行するという観点からは、十分な効果を上げているとまでは言えないということで、今後、地域における精神医療の評価などの対策が必要になると考えられるというまとめをしてございます。

 なお、こうした点を踏まえまして、 26 年改定では、地域移行を推進する観点から、精神科医、看護師、 PSW などの多職種のチームによる、いわゆるアウトリーチ支援を新たに評価するなどの対応を行っているところでございます。

 最後に 95 ページ目以降でございます。「6『維持期リハビリテーション及び廃用症候群に対する脳血管疾患等リハビリテーションなど疾患別リハビリテーションに関する実施状況調査』の結果について」でございます。

24 年の改定におきましては、 96 ページ目の(4)の最初のパラの3行目にございますように、要介護被保険者等に対する維持期のリハビリテーションの評価の見直し、医療保険での評価は、原則として 26 年3月までとすること、 109 ページ目の上でございますけれども、回復期リハビリテーション入院料1を新設いたしまして、より重症な患者さんを受け入れていただいて、より大きな改善をしていただく場合の評価を新設しました。このような対応をしたところでございます。

 これについては、 118 ページ以降の「まとめ」をごらんいただきたいと存じます。

 ウでございますけれども、今、申し上げました、 24 年改定で新設されました回復期リハビリテーション病棟入院料1につきまして、入院料2や3と比較した場合、より重症度の高い患者さんが入院されていたということでございます。今、私はウの2つ目のパラグラフのことを申し上げておりますけれども、より重症度の高い患者さんが入院していたこと、退棟時の日常生活機能評価の点数の改善幅がより大きかったことなど、狙いどおりの形で、現場での運用がなされていることが確認されたということでございます。

 最後にエでございますけれども、要介護被保険者等の維持期リハビリテーションでございます。本調査結果では、維持期のリハビリテーションを医療保険で受けている方の数がむしろ増加していたということ、今後、介護保険でのリハビリテーションの利用予定があると回答された割合が、入院患者で 12.1 %、外来患者で 10.5 %ということで、非常に低かったことが確認されたということでございます。

 こうした点を踏まえまして、 26 年の改定では、要介護被保険者等の維持期のリハビリテーションにつきまして、入院患者は期限を設けず医療保険で評価をする。外来患者については、原則として、 28 年3月末までの評価としつつ、介護保険の通所リハなどの実績がない場合の減算の仕組みでございますとか、介護保険リハビリテーションへの移行支援料の新設などの対応を行うということでございます。

 資料についての説明は以上でございます。

○松原部会長

 どうもありがとうございました。

 これについて、御意見等がありましたら、どうぞ。

○野口委員

 非常に貴重な資料を膨大な項目にわたっておまとめいただき、ありがとうございました。

 質問ではなくて、今後のことも含めた意見というか、要望なんですけれども、2つあります。

 特に経年評価です。例えばある政策をある年に行って、診療報酬改定のことですけれども、その前後で何かの変化を見るときなど、上がった、下がった、あるいは何パーセントぐらい影響があったということを、ファクトファインディング、事実を発見する資料として描写するというのは、非常に重要なことだと思います。

 ただ、その際に、変化幅は統計的に意味があるのかどうかということをあわせて検証しないと、一見、見せかけで変化が大きいように見えても、統計的に見たら、余り有意ではないということが間々ありますので、今後こういった資料を作成するときは、統計的な有意性の検証を出したほうがいいのではないかということが1つです。

 もう一つは、将来的なことで、非常に難しいとは思いますが、こういった資料・データは、非常に重要なものだと思います。非常に多くの方々が尽力されて、また、さまざまな医療機関の方の御協力を仰がないとできない調査だと思います。そういった方々の努力が結集した貴重なデータでありますので、こういったデータを、今後どういうふうに蓄積していくのか、あるいはもう一歩踏み込んだ分析をするのか。例えば統計の専門家等々に委ねることも考えていくべきではないのか。もう少し正確なエビデンスを出すために、活用すべきではないかと思います。

 この報告書についての意見や質問ではないんですけれども、こういった貴重なデータを今後の診療報酬改定に生かす上での要望として、統計的な有意性、こうした貴重なデータをどう蓄積し、どういうふうに活用するのかということ、2つを意見として述べさせていただきたいと思います。

○松原部会長

 統計的な有意性を検証すべきだということと、データを蓄積して分析する必要があるという、今後の研究体制に対する御意見でした。貴重な御意見をありがとうございました。

 そのほかに、御意見等はございますか。

 ほかに御意見等がないようでしたら、本日御審議いただいた案で、私から総会に報告することとしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議論はこのあたりにしたいと思います。

 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日はこれにて閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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