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2014年7月25日 第1回医療介護総合確保促進会議 議事録

保険局医療介護連携政策課

○日時

平成26年7月25日(金) 16時〜18時


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)


○議題

総合確保方針について

○議事

○渡辺課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回「医療介護総合確保促進会議」を開催いたします。

 本日は、大変お忙しい中、また暑い中、御参集いただきまして、まことにありがとうございます。

 この会議は、厚生労働省の保険局、医政局、老健局の3局が協力して開催いたしておりますが、開催に当たりまして、代表して唐澤保険局長より一言御挨拶申し上げます。


○唐澤保険局長 保険局長の唐澤でございます。

 座って御挨拶をさせていただきます。

 今、課長の渡辺のほうからお話を申し上げましたように、この通常国会で医療介護総合確保法が成立をいたしました。それに基づきましてこの会議を設けているわけでございますけれども、厚生労働省におきましても、地域における医療と介護を総合的に確保するために、国はその意義や基本的な方向を定める総合確保方針を定めることとなっております。

 また、都道府県におきましても、この確保方針を踏まえまして、市町村などと連携・協働しながら医療・介護サービス提供体制の総合的・計画的な整備を推進することとされているところでございます。

 この会議では、その総合確保方針を定めるに当たりまして、皆様の御意見を反映するために必要な措置を講ずるということにされておりますので、本日、お忙しいところを御参集いただきまして、御意見を伺う場として設定させていただいたものでございます。

 この確保方針は、今後の超少子高齢社会に向かって大変重要な意義を持つものでございますので、そこに盛り込むべき事項につきまして、また、基金の使途や配分等の検証などにつきまして御意見をいただきたいと思っております。

 厚生労働省におきましても、今回の7月の人事異動にあわせまして医療介護連携担当の審議官を設け、また、医療介護連携政策課をそれぞれ保険局に設けておりますけれども、これらの職員は、医政局、老健局を併任といたしまして、3局連携して横串の体制で医療・介護サービスの総合的な確保につきまして推進をしていくという体制を整えたところでございます。

 効率的で質の高い医療提供体制と、地域包括ケアシステムを構築するという観点から、忌憚のない活発な御議論をお願いしたいと思います。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。


○渡辺課長 それでは、続きまして、本日の会議の構成員の皆様の御紹介に移りたいと思います。

 お手元の資料1の裏面に名簿をつけさせていただいております。

 本来であればお一人お一人御紹介すべきところでございますが、大変人数の多い委員会でございますし、また、できるだけ審議の時間を確保させていただくという観点から、大変恐縮でございますが、この名簿をもって御紹介にかえさせていただきます。

 次に、本日の出欠でございますが、本日は内田構成員、千葉構成員、東構成員、山崎構成員から御欠席の連絡をいただいております。

 また、千葉構成員の代理として日本精神科病院協会常務理事の菅野参考人、東構成員の代理として全国老人保健施設協会副会長の折茂参考人に御出席をいただいております。

 続きまして、この会議の座長の選出に移りたいと思います。

 あらかじめ各委員に御相談させていただきましたが、この会議の座長といたしましては、社会保障審議会介護給付費分科会の分科会長を務めておられ、また、社会保障審議会医療部会の部会長代理を務めておられる田中構成員にお願いしてはと思いますが、いかがでございましょうか

  (「異議なし」と声あり)


○渡辺課長 ありがとうございます。

 それでは、田中構成員に座長をお願いしたいと思います。

 恐縮でございますが、座長席にお移りいただきたいと思います。

  (田中構成員 座長席に移動)

○田中座長 座長に推薦いただきましたので、この重要な会議が実りあるものになるよう、皆様の御協力を仰ぎつつ進めてまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。


○渡辺課長 それでは、今後の議事運営につきましては、田中座長にお願いしたいと思います。


○田中座長 まず、座長代理を決めておかなければなりません。

 私から御提案ですが、中央社会保険医療協議会の会長を務めておられます森田構成員にお願いしたいと思います。いかがでございましょうか。

  (「異議なし」と声あり)

○田中座長 では、森田構成員、よろしくお願いいたします。


○森田構成員 森田でございます。

 田中座長の御指名ということでございますので、座長代理を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。


○田中座長 早速ですが、事務局より資料の説明をお願いします。


○渡辺課長 その前に、恐縮でございますが、カメラの方はここで退席をお願いいたします。

(カメラ退室)

○渡辺課長 それでは、本日の資料でございますが、初めに資料確認をさせていただきます。

 議事次第の後に、本日は資料1、資料2、資料3−1、3−2、資料4というところまでが本資料でございます。

 また、参考資料といたしまして「地域における医療及び介護の総合的な確保について」という資料と、法律の全文をつけさせていただいております。

 それでは、まず、資料2からごらんいただければと思います。

 本日は第1回目ということもございますので、まず、この会議の役割、位置づけと今後の進め方について確認をさせていただきたいと思います。

 資料2の2枚目に条文もつけてございますが、さきの通常国会で成立をいたしました医療介護総合確保法、その中の1つに「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」という法律がございます。これは「総合確保促進法」と略称で呼んでおりますが、この中で、厚生労働大臣は地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針を定めるということが決まっておりまして、これを定めるに当たっては、さまざまな関係者の方々からの意見を伺うということになってございます。この会議は、この法律に基づきまして、御意見を伺うということで設置をさせていただいているものでございます。

 資料2の1枚目にお戻りいただきまして、まず、この会議のミッションといいますか、役割としましては大きく2つございます。

 1つは、今、申し上げました法律に基づきまして、この総合確保方針の作成・変更についての御議論をいただくということでございます。

 2点目といたしましては、今、申し上げた法律の中に、今般、消費税の増税分を活用いたしまして、新しい財政支援措置、基金がつくられております。これにつきまして、この基金がこれから御議論いただきます総合確保方針、医療介護の一体的な基盤整備という視点から、適正に使われているかどうかということを検証いただく。これが2点目のミッションということでございます。

 今後のスケジュールでございますが、本年度は、まず、この総合確保方針、法律が成立しましたのが6月でございますので、これに基づきまして方針をつくるということが最初のミッションでございますが、総合確保方針の中には、先ほど申し上げましたように、消費税の財源を使って創設いたしました基金の基本的な考え方というものも入っておりますので、予算執行事務ということから考えますと、秋ごろ、9月上旬ぐらいを目途にこの方針を策定することを目指していただきたいと思っております。

 本日は1回目ということもございまして、この後、御議論いただきたい論点等をお示しして、フリーディスカッション的に御議論いただければと思っておりますが、9月上旬を1つのめどにこの方針の御議論をいただくということが、まず今年度の最初のスケジュールでございます。

 その後、下の図にもございますように、実際に基金を交付してまいりますが、この交付の状況につきまして改めてここの促進会議に御報告をさせていただいて、検証をいただく。

 この基金につきましては、本年度は医療分ということになっておりますが、来年度以降は介護分も入ってくるということで、この基金は法律に基づく恒常的な制度になりますので、これをPDCAサイクルで検証していくということで、この会議自体は恒常的な委員会ということで設置をさせていただいておるということでございます。

 続きまして、資料3−1をごらんいただければと思います。

 きょう御議論いただきます総合確保方針がどういった位置づけのものかということを資料3−1と次の3−2で御説明を申し上げたいと思います。

 まず、国が定める総合確保方針でございますが、どういったことを書き込むかということにつきましては、左上のほうに「法第3条」と書いておりますが、法律の中に既に大きな柱として6つ立っております。この中でさらに大別いたしますと、大きく2つぐらいの固まりになろうかと思います。

 まず、1つ目は、番号で申しますと1、2、4に当たるあたりでございますが、医療と介護を総合的に確保していくということの意義、あるいは基本的な方向という非常に大きな理念でございますが、こういった基本的な方向ということが1つでございます。

 実際には、医療介護の基盤整備というのは、医療につきましては医療計画、介護につきましては介護保険事業計画等で定められて、それぞれ基本方針が示されているわけでございますが、医療と介護の一体的・整合的な整備をしていくという観点から、両者を横串で貫く基本的な視点がどういうものかということ、あるいはそれぞれの計画が整合的に進んでいくようにどのような点に留意したらいいかという医療介護の一体的・整合的な整備の基本方針、基本哲学を定めるというのが大きな固まりの1つでございます。

 もう一つは、この図で申しますと、真ん中の左のほうでございますが、冒頭も申し上げましたように、この新しい法律の中では、消費税財源を使った新しい財政支援制度であります基金が恒常的な制度として設置されております。この基金の具体的な使い道等々については、具体的には予算で決まっていくわけでございますが、基金事業についての基本的な考え方、法律の中では公正性・透明性の確保等がうたわれておりますが、これを担保していくために具体的にどのようなことをこの方針で定めていったらいいか。

 あるいはこの基金の配分を受けるためには、法律の中では、都道府県は都道府県の事業計画、市町村は市町村の事業計画を立てることになっております。これも単なる事業の羅列ということではなくて、そういった事業を活用して都道府県、市町村がどういう医療・介護の総合確保の方向を目指していくのかといった大きな目標ですとか、期間とか、そういったことの基本方針を総合確保方針で定めていくということで、大きくは医療介護の総合確保の基本方針と、そして、より具体的には、基金というツールを使って医療・介護の基盤整備をしていくための基本的な考え方というものを総合確保方針で定めるということでございます。

 資料3−2をごらんいただきたいと思いますが、この総合確保方針を考えるに当たって、どのようなタイムスパンで考えていくかということも、本日、御議論いただきたいところでございますが、これまでの制度的な仕組みということから申し上げますと、大きく2つぐらいの視点が考えられるということでございます。

 御案内のとおり、医療につきましては5年ごとの医療計画、介護につきましては3年ごとの介護保険事業計画ということで、これまで基盤整備が進められてきておりますが、今般の法律改正によりまして、医療計画の期間が6年、中間年の3年で見直しということになりましたので、平成30年度以降は医療・介護の基盤整備のサイクルが軌を一にしていくということになります。

 また、平成30年というのはちょうど6年に1回の診療報酬、介護報酬の同時改定でございますので、その意味では平成30年というのが一つの節目ではございます。ですので、医療・介護の一体的な基盤整備のあるべき姿を考えるときに、1つの制度的な節目としては平成30年あたりを見据えてということが考えられるかと思います。

 ただ、一方で、足元では既にそれぞれの計画は動き出しておりまして、医療につきましては、御案内のとおり、今般の法律改正によりまして病床機能の報告制度が設けられまして、これがことしの10月から動き始めまして、これをベースにしながら各都道府県が「地域医療構想(ビジョン)」を策定するということ、これが新しい仕組みとして入ってまいります。

 一方、介護は来年4月に3年に1回の介護保険料の見直しが行われますので、既に都道府県、市町村では介護保険事業計画を今年度中に立てるということで作業が進んでいるわけでございまして、足元で全てぴしっとそろうわけではないのですが、やはりそれぞれの医療の地域ビジョン、あるいは介護保険事業計画の中で、平成30年あたりを見据えて医療・介護の連携ということも視野に入れながらつくっていく。そういうやや中期的な考え方と足元、こういったあたりを時間軸としては意識しながらつくっていくということになろうかと思います。

 続きまして、資料4でございますけれども、こういった全体の総合確保方針のたてつけを基本にしながら、本日は1回目ということもございますので、事務局としては御議論いただきたい論点を少し整理いたしました。さまざまな分野の皆様が集まっておりますので、忌憚のない御意見をいただければと思っております。

 大きな論点としましてはローマ数字で4つほど立てさせていただいておりますが、まず1点目は、これは先ほどの総合確保方針の一番最初のところでございますが「1 地域における医療及び介護の総合的な確保の意義及び基本的な方向」ということでございます。

 これまで医療・介護それぞれについての基盤整備の基本方針は国で示してきておりますけれども、医療・介護の双方を貫く指針を法令で定めるのは今回が初めてでございます。その意味では、きょう、ここの部分が特に先生方からいろいろと御意見をいただきたいところでございます。

 事務局としては、例として、これまで社会保障国民会議の報告書などで言われております、急性期から在宅に向けての切れ目のない流れですとか、あるいは地域包括ケアシステムの意義とか、幾つか例を挙げてございますが、これにとらわれず、医療・介護というものを横串で考えていくに当たって欠かせない視点、あるいは基本的な考え方ということにつきまして、忌憚のない御意見をいただければと思っております。

 また、これとあわせまして、こういった方向に進めていくためのさまざまな関係者の役割ということがございます。

 その下の2というところでは、国、都道府県、市町村が果たすべき役割。先ほど資料3−1でもごらんいただきましたけれども、計画の策定あるいは指針の提示という役割もあるわけでございますが、そこに掲げております例のほかにもどういったことが考えられるかということ。

 あるいは次の2枚目に移りまして、行政だけではなくて、2枚目の上から4行目ぐらいのところですけれども、実際に医療・介護サービスを提供していくプロバイダーサイドとして、あるいはそれを受ける住民の役割をどう考えていくかということで、これは先ほど申しました基本理念、基本哲学にかかわるところでございます。

 また、2は、それぞれ基盤整備の計画としてございます「医療計画」あるいは「介護保険事業計画」「介護保険事業支援計画」を一体的かつ整合的に策定できるようにするために、どういった方針を示すかということでございます。

 これも先ほど資料3−2でごらんいただきましたが、時間軸としては、全体の制度の足並みがそろう平成30年以降は、例えば、両計画の区域の一致ですとか、あるいはさまざまな基礎データや推計をそろえていくということが考えられますけれども、この間もそれぞれの計画が動いているわけですけれども、やはり医療・介護の連携に配慮した項目を盛り込んでいくということが必要になってくるかと考えられますが、その具体的な例としてどういったことが考えられるかということでございます。

 3と4は先ほどの基金にかかわるところでございますけれども、先ほどの仕組みでも御説明しましたように、実際の基金の配分を受けるには都道府県、市町村がそれぞれ計画を策定していくということになりますが、この計画について、どういった事項を盛り込んでいくかということでございます。

 ここでは例として書いておりますが、基本的な事項として少し中長期をにらんで、医療・介護の総合的な確保を図っていくための区域の設定、目標、事後評価の方法というある程度中期的な観点から策定する事項と、次のページに参りまして、この計画の中には具体的に基金についての事業の内容とか経費も入ってきますので、第1章、第2章ではないですが、ある程度中期的な形をにらんだ目標設定等と、ある意味、毎年の予算で見直しをしていく基金事業というあたりを分けて考えるということが考えられるのではないかと思いますが、こういったあたりも御議論いただきたいところでございます。

 最後に、4でございますけれども、新たな基金についての基本的な事項ということで、先ほども申し上げましたように、法律の中では公正性・透明性の確保ということがうたわれているわけですが、具体的には、例のところにも挙げておりますように、実際の基金の活用において関係者の意見が反映される仕組み、あるいは透明性の確保、あるいはこれは国会審議等でもいろいろ言われておりましたけれども、事業主体間(公民)の公平性の確保とか、あるいは事業の範囲につきましては、法律の中に列挙もされておりますけれども、さらにブレークダウンして考えるべきことがあるかどうかといったようなことでございます。

 また、あわせまして、大きな2つ目の○でございますが、この基金事業と報酬(診療報酬・介護報酬)との基本的な関係について、これもこれまで国会等でもいろいろな御議論があったところでございますけれども、どう考えるかということ。

 さらに、先ほど冒頭も基金事業については毎年のPDCAサイクルで見直しをしていくと申し上げましたけれども、実際にどういった形で進捗管理をしていくか、あるいはその進捗管理に当たっての必要な視点について御議論をいただければと思っております。

 あくまでもこれは例示ということで挙げておりますので、大きな柱立ては法律の中で決まっておりますけれども、本日は特に医療・介護を貫く基本的な政策の方向といったあたりについて、ぜひ皆様からの御意見をいただきたいと思います。

 簡単ではございますが、事務局からの御説明とさせていただきます。


○田中座長 ありがとうございました。

 本日は、今、事務局からの説明にありましたように、資料4「医療・介護総合確保方針に盛り込むべき事項について」皆様の忌憚のない意見を頂戴したいと存じます。

 御意見がございましたら、挙手の上、発言をお願いいたします。

 どなたからでもどうぞ。

 では、最初に阿部構成員、それから、菊池構成員の順でよろしいですか。お願いします。


○阿部構成員 阿部でございます。

 2つお願いがございます。

 1つは、今後、急速に人口そのものが減っていく、あるいは人口構造が大きく変わっていくということが予想されますので、現状の姿ではなくて、将来のあるべき姿を見通した上で、まちづくりと医療・介護の連携をどう重ね合わせていくか、こういう視点をぜひ盛り込んでいただきたいと思います。

 もう一つは、数年先には共通番号制度が現実に動き出すと思いますが、やはりICTの活用というのをもっと前面に出していただきたい。特にそれぞれの情報の共通化、共有化ということについては、ぜひともこの機会に前進させていただきたいと思います。

 以上であります。


○菊池構成員 資料4の1の「1意義、基本的方向」のところで意見がございます。

 ここに重症化予防の視点を基本的方向に入れておく必要があると思います。医療介護総合確保方針の目指すところは、地域包括ケアシステムの構築、すなわち、国民が住みなれた地域で最後まで暮らし続けられる仕組みづくりであると考えています。

 そのために重要なのは、重症化予防の視点を自治体、サービス提供者 、利用者の全てが共有することだと思います。状態が悪化してから医療や介護につながるのではなく、適時適切に医療・介護が支えるということ。それだけでなく、医療・介護の提供者は、常に状態悪化の可能性を予測して重症化しないように医療や介護のサービスを提供するということで、地域での自立した療養生活を長く続けられる仕組みをつくることが重要だと考えます。このため、重症化予防の視点はぜひ基本的方向に盛り込むべきと考えております。

 また、安定的なサービスを裏打ちするのはマンパワーの確保ですけれども、これからは限られたマンパワーと財源で質の高いサービスを効率的にチームで提供することが求められますので、人材確保に当たっては、特に質の高い医療・介護従事者の養成・確保の視点も重要と考えます。

 次のローマ数字の別のところも一緒に申し上げてもよろしいですか。


○田中座長 別に順番ではありませんので、どうぞ。


○菊池構成員 次に、2の医療計画基本方針及び介護保険事業計画基本指針との整合性の確保等のところですけれども、医療と介護の総合的確保に向けては連携拠点の整備が重要と考えています。医療と介護の連携を市町村レベルで進めるには、その調整機能をつかさどる連携拠点を市町村の責任のもとで早期に整備していく必要があると考えます。

 この連携拠点の整備については、医療計画と介護保険事業計画の双方に必ず盛り込んで整合性を確保することが重要と考えます。

 また、人材確保に関係しまして、特に訪問看護師や介護施設で働く看護職など、医療と介護の両方にまたがる医療職の確保・活用策が抜け落ちている現状があります。在宅医療や地域包括ケアシステムを構築するためには、両計画において適切にこれらの人材を確保するということを明記するとともに、計画間の整合性を図る必要があると考えます。

 最後に、4の基金ですけれども、人材確保について、基金の対象と考えられております。施設などハード面の整備だけでなく、これから医療・介護提供体制をつくっていくときに、大事なのはやはり質の高い人材の養成・確保ですので、そこに都道府県が活用できるように、質の高い医療・介護従事者の養成と研修体制の整備を是非基本方針に盛り込むことが必要と思います。

 以上です。


○田中座長 ありがとうございました。

 では、今村構成員、どうぞ。

 次に、大西構成員、お願いします。


○今村構成員 ありがとうございます。きょうは日本医師会として参加させていただいております。

 医療の提供につきましては、私ども医師会の会員には病院も診療所もあるわけですけれども、きょうは多くの病院の先生がいらっしゃるので、地域のかかりつけ医の立場ということで意見を申させていただきたいと思います。

 日ごろ、高齢者の日常の診療、医療にかかわる立場、そして、介護保険に関しては、主治医の意見書を書いたり、あるいは認定審査会に参加をしたり、居宅介護支援事業所の運営にもかかわるということもさせていただいているわけですが、当たり前の話ですけれども、超高齢社会、人口減社会の中で、今回の一括法の考え方については基本的に大いに賛成をさせていただきたいと思っています。そうは言いつつも、やはり大事なのはこれからは制度の運用ということだと思います。

 医療計画と介護保険計画はお互いに調和を保たなければいけないということは、既にそれぞれの法律の中に書かれているわけですけれども、そうは言いつつ、一体的な運用がされてこなかったということで、今回の総合確保方針の規定が設けられたことは、非常に重要であると理解をしております。

 あえて厚労省に教えていただきたいのですが、市町村については、介護保険は事業計画をつくる。しかし、医療については、法律の中には在宅医療の提供ということだけが書かれている。都道府県は、介護保険は事業計画をつくるのではなくて支援をする。県は県内の医療計画全体、急性期から全体を構築するということになるわけで、それぞれ横串で市町村の総合確保、都道府県の総合確保といった場合に、たすきがけのようにちょっとずれている部分があるので、その辺の整合性をきっちりとっていただく必要があるのではないかなと思っていますので、厚労省として具体的に何かお考えがあるのかどうかということも教えていただければと思います。

 それから、私どもかかりつけ医の役割も非常に重要ですが、地域の医師会の役割は非常に重要だと責任も感じております。在宅医療連携拠点事業の中でも、市町村の行政と地域の医師会が連携することによって非常に大きな成果が得られるということも国の報告書の中でいただいているわけで、私どもも、これについては、現在、全国の900弱の地域医師会の中でも大変温度差があることは認めております。日本医師会としても、都道府県医師会を通して、全ての地域の医師会がこういった取り組みをするようにしてまいりたいということを改めて決意しているところです。

 医療・介護の現場では、職種によっては医師に気軽に相談しにくいという指摘も非常に耳にしております。訪問看護や訪問介護、あるいはメディカルソーシャルワーカーなどの多職種連携に非常に精力的に取り組んでいる医師会もございますが、今、申し上げたように、そういうことが全国の医師会でできるように改めて努めてまいりたいと思っております。

 もう一つ、これはお願いなのですが、ぜひ総合確保方針の下で、各都道府県や市町村の計画がいわゆる画一的なものにならないようにしていただきたい。やはり地域の事情、自主性を尊重したものにしていただきたいということと、都道府県や市町村で計画をつくる場合には、ぜひとも現場の関係者の意見を聞くということを都道府県、市町村には行っていただきたい。そういうプロセスを重視していただきたい。医療に関しては、都道府県医師会の意見を十分に聞いていただきたいということを申し上げたいと思います。

 それから、基金につきましては、こういった制度を支えていく非常に大事な財源であるわけですが、ことしは医療だけですが、来年から介護が入ってくるということで、医療と介護のバランスを重視していただきたい。今の医療費と介護費等を考えながら、そういった配分については十分なバランスをいただきたい。

 先ほど事務局からもお話がありました官民公平という部分で、中小の病院や診療所、また、さまざまな関係者を集めて地域連携を推進しているような関係者、医師会も一つそうですが、そういった関係者にも配慮していただきたいということを申し上げたいと思います。

 長くなりましたが、最後にもう一点、この基金については事業者負担があるということで、都道府県行政から2分の1あるいは3分の2の事業者負担が求められるケースがあると聞いております。当然、都道府県からすると、こういった事業が県民にとって必要な事業だからということで基金を使うということになっているのに、それがサービスを提供する事業者の受益者負担だという発想でかなりの負担を求めるということになると、やはりなかなかそれに手を挙げにくくなるということもありますので、ぜひその点も御配慮いただければと思っております。

 以上です。済みません。ありがとうございました。


○田中座長 ありがとうございました。

 御質問の部分がありましたが、皆さんおわかりのとおり、これだけの数の構成員の会議ですので、皆様の発言の時間を確保するために、最後にまとめて事務局から答えさせます。

 大西構成員、どうぞ。


○大西構成員 ありがとうございます。全国市長会を代表して出席させていただいております、高松市長の大西秀人でございます。

 まずもって、今回、医療介護の総合的な確保の促進に関する法律ができたということ、それから、それを受けまして、厚生労働省のほうで医政局、保険局、老健局の3局が合わさった形で医療・介護の連携のための組織ができたということを非常に高く評価をさせていただきたいと思います。

 私も社会保障審議会の部会などに出させていただきまして、従前から、市町村の地域の現場では医療、介護というのは縦割りでやられているわけではなくて、その対象となる人に切れ目なく医療・介護のサービス提供がなされないことには、とてもよい福祉はできませんよということで訴えてきたのですが、今回、このような形で連携が少しでも進めていけるということは本当にありがたいことだと思っておるところでございます。

 この資料等にございますように、平成30年度ということで診療報酬と介護報酬の同時改定の時期でもございますし、医療計画と介護保険財政計画がまた新たにスタートするということで、そこであわせてやっていただきたいと思いますが、次の同時改定の時期というのは、平成36年度、2024年になるわけです。

 今、介護保険財政が目指そうとしているのが2025年、いわゆる団塊の世代が全員後期高齢者になる年ということなのですが、ですから、平成30年度を過ぎて次の6年後は2024年ということですので、相当早くいろいろな形で連携を進めていかないと、とても市町村に求められております地域包括ケアシステムの実現といったような体制というのはなかなか難しいということでございますので、国にもその辺の指導をぜひよろしくお願いしたいと思っておるところでございます。

 方針といたしましては、まさに医療と介護の総合的な確保はどこで行われているかというと、最終的にはそれぞれの市町村、地域における地域包括ケアシステム、そういう場で医療と介護の連携がしっかりと行われる。これが実際の福祉の向上につながるのだということでございますので「意義、基本的方向」の2つ目のポツに書いておりますけれども、地域包括ケアシステムの構築を強く位置づけていただきたいと思います。

 それと同時に、その次に書いておりますように、それぞれの地域によって医療・介護支援の付与状況は全くいろいろ違いますし、もちろん過疎地であったり、あるいは都会であったり、人口密度でありますとか、あるいは高齢化のぐあいとか、そういうもので大きく違いますので、それぞれの市町村、それぞれの地域に合った形で地域包括ケアシステムが実現できるようないろいろな点での配慮を基本的方針として打ち出していただきたいと思っておるところでございます。

 2点目といたしまして、やはり国、都道府県、市町村の役割分担というのは、きちっと方針の中でやっていただきたいと思います。

 国のほうは、制度の企画・立案、総合調整、あるいは財源の付与ということである程度はっきりしているかと思うのですが、問題は都道府県と市町村との役割分担です。先ほども申しましたように、基本的には現場は市町村にあると考えてもいいと思うのですけれども、医療の医療計画的なものは都道府県が権限を持っていますので、そこでの調整というのは入ってこようかと思っています。

 一番問題になるのは、介護の保険財政計画、事業計画における都道府県の調整をどう位置付けるのか。地域包括ケアシステムの実現ということで各市町村がそれぞれの地域に合った形でやっていく。それを都道府県はある程度調整して指導していただくわけですが、都道府県だけでこうやりなさいと上意下達的なやり方はやらないように、市町村の創意工夫をある程度尊重する形で都道府県計画もまとめていただく。その辺の都道府県と市町村の特に介護と、今、医療と介護の連携の分野における役割分担、その辺を十分議論してきちんと位置づけていただきたいなと思っておるところでございます。

 3点目でございますが、基金、財源の話でございますけれども、医療保険財政、診療報酬のカバーする範囲というのは、従来、もうずっと決まっているわけです。それから、介護保険財政のカバーする範囲というのも、今度の第6次の27年度から始まる介護保険財政事業計画でも決まってくるわけです。

 では、基金はどこの分野をカバーするのだといったときに、やはりそれを補完するような、必要な事業等について、きちんと基金で面倒を見ますよという基本的な考え方は持っていただきたいと思います。

 ただ、私が心配しているのは、27年度から第6次の介護保険財政の計画が始まりますけれども、介護のための基金の配分は27年度から行われるわけで、多分、第6次の介護保険事業計画の中には、基金の財源は具体的に入れ込めないのではないかなと思っているのです。

 そうなりますと、本来の保険財政できちんとカバーすべき部分を、何か基金が横から入ってくるというか、そういう変な形にならないのか。その辺の時間的な調整もあろうかと思いますけれども、その辺についてお教えいただけたらと思います。

 基本的な考え方としては、診療報酬、介護報酬というのがあって、それのカバーすべき部分はきちんとした上で、あと、市町村なり、都道府県なり、地域の実情によっていろいろな工夫をする、その付加的なものについて基金が面倒を見る。

 もう一つ、大事なのは、先ほど菊池構成員からもお話がございましたが、やはり人材育成というか、人材確保のためにこういう基金事業をきちんと活用するというのが必要かと思っております。

 市町村でよく言うのですけれども、地域包括ケアシステムの構築において、国がいろいろ措置してくれたりしてお金はどうにかできるとしても、一番の問題は、サービスを提供する側の人材の確保ができない。これがいないこと。どんどん高齢者はふえていくという状況ですので、いかに人材を確保するか。それのためにきちんと基金を充てる仕組みをぜひつくっていただきたいなと思っております。

 以上でございます。


○田中座長 たくさん手が挙がりました。

 では、樋口構成員。


○樋口構成員 ありがとうございます。

 医療・介護の総合化というのは大賛成でございますが、構成員の皆様、各専門分野の先生がおそろいで大変心強いのですけれども、ほとんどがプロバイダー側の方々でございます。私が代表をしておりますNPOは、恐らく全会員の平均年齢が65歳を上回っているという、まさに利用者、当事者団体でございます。

 いろいろこれから論議していきますと、途切れのないサービスを提供するということをプロバイダー側からはきっときれいな絵が描けると思うのです。ところが、利用者がそこにどのようにして到達できるかというと、これはもう結構難しいことが多いのです。高齢者1人1人に急性期があって、慢性期、療養期があって、みとりの時期があって死に至るなんて、そんななだらかで画一的な線なんて画かないのです。入院して戻ってきたと思うとまた別の急性期が出て、死ぬかと思ったらまた生き返り、それからまた後が長いとか、それが今の長寿社会の病み方でございます。こういうときに、利用者側、患者側から見て切れ目のないサービスにどう到達できるか。絵をお描きになるのはとてもわかりやすくて結構なのですけれども、そのとき、利用者の側からどのように道筋が見えるかということに立ち返りながら議論を進めていただいたら、とてもありがたいと思っております。それが一つです。

 もう一つは、分権というお話が出てきて、地方の実態に基づいてということは基本的に賛成でございますけれども、一方で、医療法も介護保険法も国の法律でございます。そして、恐らく国民であるならば、最低限度、医療も介護も私は義務教育と同じだと思っております。地方自治体の違いはあっていい。介護保険料や医療保険料は義務教育とは違うではないかというお言葉もあるとは思いながら、日本国民として生まれ、最低限憲法にもうたわれた生活保障として医療・介護が受けられる。この両方のバランスをとりながら考えていただきたいなということが一つございます。

 いずれにせよ「消費者主権」という言葉がありますが、このごろの高齢者の家計を見ますと、介護費、医療費の占める比率がどんどん大きくなってまいりまして、消費者主権という言葉があるならば、利用者主権ということもあっていいし、介護保険では随分長いこと「利用者本位」という言葉を使っていました。そういう利用者の声が聞こえるような会議にしていただきたい。お願いでございます。

 質問が1つありまして、2ページの一番上のほうで「市町村の役割」、地域が最大の役割を果たすことには全く異論はないのですが、「医療・介護サービス提供者や地域住民の役割をどのように考えるか」。前半は全く問題ないのですけれども「地域住民の役割」ということを、利用者ないし利用者候補者としてどのような倫理性を持つべきかということが問われているのか、あるいは地域住民も、先ほど来、人手不足の問題が出ておりますけれども、サービスの担い手としてのことも勘案しておっしゃっているのか、これは「医療・介護サービス提供者や」と並べるにしてはちょっと質が違い過ぎるので、御説明をいただきたいと思います。

 ありがとうございました。


○田中座長 先ほど申しましたように、質問については最後にまとめて事務局に答えていただきますので、メモをしっかりしておいてください。

 それから、25人の方が発言を順番にしていくと、手を25回挙げなければいけない人が出るといけないので、まず、少し固まりで指定させていただきます。

 私から左側の手前の方々を先にいきましょうか。

 もうほとんど全員ですね。手前から順番にお願いします。


○和田構成員 歯科の立場から発言いたします。今まで医科の先生方、いろいろな方々のお話を聞いていまして、私ども歯科は、医療の中で医科医療とはほとんど連携なくやってきたというのが正直なところです。

 訪問歯科診療のほとんどは介護の現場から要請されることが多い。これは介護の現場から言えば、食べることというのをどうするのだということでして、とろみ食であるとか、本当にいろいろな努力はいただいておりますが、根本的には自分の歯で食べるという機能が最後までちゃんと確保されるということが非常に重要であり、生きることと食べることは同義語だと思います。そういう意味で、食べるという視点をもっとしっかりといろいろな場面で評価すべきだと思っています。

 歯科医療につきましては、ほとんど外来でやってきたということで、病院の中における歯科・口腔外科は二次医療を担ったところですが、全病院に占める歯科標榜割合は2割と少なく、なかなか医科の医療チームの中で連携をできていないという現状がございます。

 医科と歯科をしっかりと連携させていかないと、入院患者さんが退院するときに歯科情報が全くない。回復期だとか、あるいは慢性期、さらに在宅に行くときに情報が途切れてしまう。せっかく入院して体の病気が治っても在宅あるいは施設、いろいろな病院に転院していくとともに、食べることがどんどん後ろに回っているという現実がある。

 介護の現場に来られてから歯科に紹介された際には、正直、手おくれと言ったら失礼ですけれども、本当に機能を持たせるということが大変難しいことも多く、機能を維持するだけで精いっぱいという現状がございます。そういう意味で、病院の中で歯科の果たすべき役割、この前の診療報酬で周産期口腔機能管理ということでリンクするようになりましたけれども、やはりいろいろな疾病で入院されている方の口腔管理をちゃんとやる、口腔機能を維持するため、あるいは口腔ケアをしっかりやるためには、病院の中での歯科の役割というのはあるだろう。

 ただ、不採算である病院も少なくありませんので、そういう場合に、歯科を置くか、あるいは訪問という格好で診療所と病院が連携をするのかということ、つまりすべての段階で歯科医療が切れ目なく提供できるような体制の確保と、それから、歯科・口腔の情報がちゃんと介護の現場まで届いていくような連携の仕方をぜひお願いしたいと思っています。

 これから病院から地域へというときに、地域の中の連携というのは、当然、診療所で担うことになりますが、いわゆる病院機能の中にやはり食べること、あるいは口腔機能を維持するという観点をぜひ持っていただきたいと思います。ですから、医療と歯科医療、歯科医療と介護と、ただ単に縦横ということが、歯科の場合は絵面が描きにくいというか、現状がありません。病院の中の機能に応じた部分、あるいは規模に応じた部分、そういうところで歯科の果たすべき役割はあると思っております。

 連携という言葉の中には、病院と地域、地域の中の連携、それぞれ多職種の中でと、医科の先生方がもちろん中心で占められますけれども、患者さんから言えば、食べるということは本当に最後まで大事な視点であり、それが今まで見えにくかったのではないかという思いがしておりまして、超高齢社会になって改めて食べるということを主軸に、横軸に据えるような論議をしていただければ、大変ありがたいと考えております。


○田中座長 山本構成員、どうぞ。


○山本構成員 民間介護事業者の代表をしています、山本です。よろしくお願いいたします。

 我々は民間介護事業者ということですので、きょうお集まりの各先生方とは異なって、特定の職能集団とは違うという点があ、いろいろな角度の発言が逆にできるのではないかとも思っております。

 和田構成員の日本歯科医師会とは「8020運動」を協力して一緒にやろうということになっています。何で我々民間介護事業者が日本歯科医師会と提携を組んでいるのだということもあるのですが、私の出身母体がJAなものですから、JAの農村部の健康をどうやって引き上げていくかというときに、縁があって和田構成員の日本歯科医師会と連携をとりましょうということで「8020運動」を一緒にやらせていただいております。そういう意味で、口腔ケアに係る訪問歯科診療所ついても、6JAが開設しており、このことは介護分野にも相当影響を与えています。

 実は、歯科衛生士が利用者の首もとを温めるだけで嚥下の確保をできるようになったとか、医療と介護の連携が現場レベルでは結構とられています。それを一層進めていく事が地域包括ケアシステムを推進していく事になるとだろうと我々は見ております。

 そういう現場レベルの中にあって、先ほど樋口先生もおっしゃったように、利用者と同じ目線で考えいく必要があると思っています。我々が一番心配している事は制度の持続可能性であります。財務省や厚生労働省とも同じような感覚で見ています。

 とりわけ3,000円でスタートした保険料が5,000円になり、将来は8,000円だということがうたわれています。これだけ公共料金が上がって、2〜3%上がっただけでもうるさく言われるにもかかわらず、介護保険料だけは4割、5割上がっても平気で見過ごされているという現実でいいのかという部分があります。

 そんな中で、厚生労働省がしっかり地域包括ケアシステムを追求する中で制度の持続可能性の視点をかなり盛り込んでくれいています。認定率が適正化され、あるいは要支援者数が減りという市町村が現実に現れてきています。それは地域包括ケアシステム推進する中、地域ケア会議を開催しケース検討を実践していった結果、市町村の財政が好転したという実践の結果も出ているようであります。

 東の和光市、西の大分県の杵築市のデータを我々は頂戴しています。これらの事例を勉強させていただいて、その良い点を我々民間事業者も取り入れていきたいと今、追求しているところであります。

 今回の医療介護総合確保促進法では医療計画は都道府県で、実践・介護保険計画は市町村という中にあって、これをいかに連携し、制度的な連携と整合性の確保も併せて必要です。

 地域包括ケアシステムの追求という観点で現場レベルでそれを純粋な意味で追求し続けていれば、自然に連携はとれるものだと我々は考えています。

 1つの例ですが、在宅医療の熱心な先生がその町に1人ないし2人いれば、その先生を中心とした地域包括ケアシステムができ上がっている現実があります。こういう実践事例をたくさんふやしていくことだろうと思っていますし、また、地域包括支援センターを中心に行政の単位レベルでの体制の構築というのももちろん重要だろうと思っていますが、そういう意味で、今回の医療と介護の連携確保法という中では、改めて第2条で法律条文の中にせっかく地域包括ケアシステムの定義をしていただきましたので、我々民間事業者としては非常にありがたいと思っています。この理念を追求し続けることが大切なのではないかと思っています。

 その際に、医療主導あるいは介護主導ということではなくて、樋口先生がおっしゃったように、利用者の視点で生活あるいはライフサイクルというレベル・視点でこの連携が図られることが一番重要なのではないかと思っています。

 そういう意味で、市町村と医師会との関係性の話も出ましたが、現場レベルでの地域包括ケアシステムの追求という視点をぜひ忘れないで、双方の団体、それぞれの団体がいい関係性を保てばいいのではないかと思っています。

 とりわけ理念の共通化だとか、先ほども出ていました教育あるいは人材の確保という点では、全く共通性のあるところであります。とりわけ介護保険の制度改正がある年は都道府県が事業者に説明をしてくれます。その説明のおざなりさにいつも驚いているところなのです。そこらあたり、我々を教育してほしいと思っていますので、そういった教育の中には理念の共通化も当然ありますので、人材確保の教育も当然そうですし、そういったところにいろいろな基金の財源を充ててほしいなと思っています。

 それから、我々の会員の中から要望が出ていましたので、お伝えしておきますと、3の都道府県計画、市町村計画の策定の整合性の確保という観点の中において、権利擁護の支援という仕組みもそこの計画に反映すること等もぜひ御留意いただきたいと思っております。

 いろいろ申し添えましたが、いろいろな意味で、我々としては、とりわけ市町村が現場の中心でありますので、市町村の教育というのは少しずうずうしいかもしれませんが、そういったところにいろいろな視点を入れていただいて、我々民間事業者を活用していただき、予算を割いていただきたい。

 最後に申し上げますと、先般、我々農協関係で全国から4050人集めた研修会を行いました。そのときに保険者から、大分県の杵築市の介護保険計画をつかさどっている課長補佐に講演に来ていただきました。その際に、ある県の介護保険の担当者の方が見えておられました。それだけ市町村の最先端の実践の報告に多分、都道府県が取り入れるべきところがたくさんあるのだろうという事で出席されていたと思うのです。都道府県庁自身がまだどのような手を打ったら良いのかわからない部分もあると思います。そんな中、双方の市町村、都道府県、あるいは民間事業者との研修の機会の相互乗り入れみたいなこともぜひ考えてみていただけたら、レベルアップの場、地域包括ケアシステムの推進の場になるのではないかと私どもは思っています。

 以上です。


○田中座長 山口構成員、どうぞ。


○山口構成員 COMLの山口でございます。

28人の構成員の中で利用者の立場が樋口構成員と私の2人ということですので、私は24年にわたって5万件以上を超える電話相談をこれまで受けてきた立場ということで、総合的に意見をお伝えしたいと思います。

 今回のいろいろな法改正の中で、私たち患者の立場から見て非常に大きな変化というのが、医療法の中に「患者の責務」という条項が盛り込まれたということでございます。患者の責務ということが新たに盛り込まれたということは、私たちがその責務を果たそうとするときに、やはり現状を理解して選ぶための適切な情報がなければ、責務を果たそうにも果たしていけないのではないかと思っています。

 今回、非常に大きな法律の改正があって、たくさんのことが変わるわけですが、その間、国民に十分な説明があったかというと、一体何がどう変わったかということがほとんど知られていないのが現状ではないかと思っています。ですので、まず、そもそも今回の法律の改正で一体何が変わるのか、改めて国は国民に説明することが必要ではないかというのがまず一つです。

 私も今、仕事で日本のいろいろな地域に伺うことがございます。医療や介護は本当に地域によってばらつきがあるということを実感しているのですけれども、受けるサービスもかなり違いがあって、偏在していると感じています。

 特に、2025年に、よく言われているように、都市部で急速に高齢化が進むということで、私たちがこれまで経験したことがないような世の中がやってくるということも踏まえた上で、まず、地域ごとに、今、地域の住民のニーズがかなえられている部分とかなえられていない部分は何なのかを明確に整理していく必要があるのではないか。その上で、各地域の住民が、自分の住む地域の現状がどうなのか、5年後にどうなるのか、10年後にどうなるのか、そういうことをしっかり理解した上で議論に入っていく必要があるのではないかと思っております。

 そういうことを前提にしまして、今回、特に医療機能の病床機能の報告制度も始まりますけれども、そもそも医療機能が分化していることや、あるいは介護サービスの受け方について、一般的に国民の理解が現状に追いついていないと私は感じております。

 特に、先ほど樋口構成員からの話もございましたけれども、そろそろ転院してください、退院してくださいと言われても、在宅に引き取ることもできない。では、どこに転院できるのかというと、それを探す手だてもないということで非常に悩んで相談をしてくる方も多いというのが現状です。

 そういうことからしますと、これまで病院選びとか、医療を選ぶというときに、専門医はどこにいるのか、あるいは手術の件数が多い病院はどこか、そういうことにばかり視点を当てられていましたけれども、これから高齢化が更に進めば、今までとは違う視点で医療を選ぶ、介護を選ぶということが必要になってくるのではないかと思います。

 とすれば、医療・介護を分けずに、まず、何かあったときに総合的に相談できる場所が必要です。今は介護だったら介護だけ、医療だったら医療だけしか相談や対応をしてもらえません。今回、医療介護総合ということですので、そういうことがまず相談できるところが必要だと思います。ただ、今、それを実現しようと思うと、そういう総合的な相談に乗れる体制自体がないのではないかと思いますので、まず、先ほどから出ています人材を養成していくことが不可欠ではないかと思っております。

 それから、できれば地域ビジョンに対して住民の参加意識を高めていただいて、ぜひ住民参加の形で地域ビジョンをつくるという方向性も必要ではないかと思います。


○田中座長 ありがとうございます。

 森田座長代理、お願いします。


○森田構成員 簡単に3点だけ申し上げたいと思います。

 1点目は、最初の「意義、基本的方向」に関することですが、私自身、中医協にかかわっておりますけれども、2012年の改定では医療・介護の同時改定ということで、両方のシステムのすり合わせが課題になりまして、それについて努力をいたしました。かなり改善されたのかもしれませんけれども、完全にそこがスムーズな、すき間ない形でつながっているかというと、そうではない。現在もそういう問題になっていると思います。

 なぜそれがうまくいかなかったかというのは、私自身が感じたところで言いますと、やはり医療、介護それぞれの保険システムの基本的な哲学や考え方が違っていて、それを保有されているプロバイダーの方の発想をどうしても一体化することができなかったのではないかと思っております。

 そうした観点で申し上げますと、今回は、先ほどから樋口構成員、山口構成員からも出ましたけれども、やはり利用者の視点ということで、それを貫くような哲学、基本的な方向を一番基礎に置く。そうした形でのビジョンをつくっていただきたいと思っております。

 2点目でございます。私自身、現在、国立社会保障人口問題研究所に所属しておりますけれども、昨今言われておりますように、少子化、地方の人口減少が急速に進んできております。これからは恐らく多くの国民の方が考えておられる以上に、急速に人口減少が進むと思います。

 医療もそうですし、介護もそうですけれども、そのことがそれぞれの保険システムにかなり大きな影響を与えてくる。医療に関して申し上げますと、いわゆる現在の診療報酬の仕組みだけで人口減少地域における医療提供体制をきちんと維持していくことがかなり厳しくなってくるのではないかと思っております。

 それにもかかわらず、そういうところにも人が住まわれているわけですから、そうした方にきちんとした医療・介護のサービスを提供していくために、それを支える仕組みが必要でありまして、私自身は、基金がそこにおいて果たす役割は大変大きいのではないかと思っております。

 3点目でございますけれども、そうした形で、基金も含めてですが、特に人口減少地域が該当すると思いますけれども、そこにおける供給の体制を維持していくためには、当然のことですけれども、どこでどれだけ必要性があるかということをきちんと把握する。正確に把握しないと無駄が生じてしまうことになります。

 そのためには何が必要かといいますと、先ほどどなたかから御発言がございましたけれども、やはりITを使った形できちんと情報を集めて、その情報に基づいて必要なニーズを測定していく。それによって公正、公平、透明に基金を有効利用していくということが必要ではないかと思っております。

 以上でございます。


○田中座長 ありがとうございました。

 森構成員、お願いします。


○森構成員 日本薬剤師会の森でございます。

 先ほど山口構成員から相談場所という話があったのですが、薬局では、もう10何年、健康介護まちかどサービスの提供という視点では、これまで以上に市町村とその地域の医療関係団体等との連携・協力が重要になってくると思います。

 最後に、基金と診療報酬との関係ですけれども、地域ごとにサービスの対象者、ニーズ、社会資源等が異なる中で、地域の実情に応じたサービスを提供するためには、診療報酬とは別に国からの支援が必要になると思います。

 以上です。


○田中座長 ありがとうございます。

 中医協とは違って左側と右側のバランスをとる意味はないのですけれども、ずっと左のほうを向いていましたので、今度は少し右側に進んで、また折茂参考人からは少しお待ちください。こちらのほう、5人ぐらい続けていきましょうか。

 相澤構成員から。


○相澤構成員 日本病院会の相澤です。

 まず、1つは、私たちの認識として、今の計画をしている地理的範囲がどうもずれているのではないかという認識を持っております。

 そこで、やはり適切な構想地域、どういう範囲でビジョンをつくるかということをまず決めなければいけない。場合によっては、それは県を越えるかもしれないし、市や町を越えるかもしれない。あるいはもっと小さい範囲になるかもしれない。まず、それを決めないことには計画はつくれないだろうという概念に基づいております。

 ですから、まず、適切な構想地域を設定するために、そこの地域におけるサービスの量と質、そこにいる人材のデータを十分に集めるとともに、将来の推計も含め、データを集め分析する。そして、それに基づいて十分な討議を行うことにより決定していくという仕組みをつくることが重要であると考えております。

 そして、この適切な構想地域において、まず一つは、急性期から回復期、慢性期、在宅医療に至るまでの一連の医療が、患者にとって適時適切な場所で切れ目なく提供される地域完結型の医療提供体制の整備を行うための地域医療構想を確定することと、それを実効あるものにすることが重要であると考えています。

 もう一つは、適切な構想地域、これは医療の構想地域と介護の構想地域は違っていると私は思うのですが、適切な構想地域において医療・介護・予防・住まい・生活支援が、地域住民の共助の仕組みも構築しつつ包括的に確保される地域包括ケアシステムを計画し、実効あるものとすることが必要である。この計画を実行するために基金は使われるべきであると考えております。

 もう一つは、国の役割として、今、ビジョンをつくろうとしていますが、地域ではいろいろな関係があってなかなかつくれないのも事実です。そこで、国が、例えば大都会型、あるいは農村部型、過疎地型、超高齢化地域型など幾つかの類型を示すことが大切であり、それに基づいて地域が地域の特性を配慮しつつ、みずからの地域に合った計画を立てるということが重要であると思っています。

 そして、何よりも忘れてはならないのが、医療の計画あるいは介護の計画を実行するためには人的資源が不可欠だということであります。この人的資源をどう確保し、供給するかということをこの総合的な確保の対策には必ず入れるべきであると思います。特に人的資源が不足している地域は、単なる医療需要のマッチングという視点ではなく、セーフティーネットの確保、ひいてはまちづくり、町の再生という観点を重視した計画が必要であると思っています。

 県に人材の支援・確保を要求するだけではなく、国としての医療従事者の確保・支援、人材交流、偏在の是正などのシステムの構築は不可欠であると私たちは考えております。

 以上であります。


○田中座長 ありがとうございます。

 荒井構成員、お願いします。


○荒井構成員 知事会の代表でございますが、意見を申し上げさせていただきます。

 まず、今回の法律で地域包括ケアシステムが法第2条で定義され、また、大きな目標に据えられましたことは大変貴重で、敬意を表する次第でございます。

 この際の意見は3つございますが、1つは、地域包括ケアシステムの構築に向かって目標・指標として明確にしていただけたらありがたいのではないか。それが指標として明確になるとPDCAで追えますので、どんどんいいように進んでいく可能性がございます。

 その指標はパフォーマンス指標とプロセス指標があると思いますが、パフォーマンス指標が最終目標でございますので、それをどのように明確にするかということを考慮願いたい。私の考えでは、健康寿命というのが大きな目標になるのではないかと思っておりますが、奈良県では健康寿命を一番大きな目標に据えております。

 2番目の点ですが、エビデンスを重視してプロセスを進めていただきたいと思います。現実には地域差がございます。パフォーマンスのよいところも悪いところもございます。悪いところはよく目につくのですけれども、よいところはなかなか発見できないという難点がございますが、これを国が指導してもなかなか地域差は埋まらない。県が指導しても市町村差は埋まらないということでございますので、1つは差異分析をする。差異があるよということを県民、市民の方に知ってもらうということを進めておりますが、すると、原因を探るエネルギーが地域で発生するということでございます。

 例えば、人材確保を一律にいっても、介護要員の有効求人倍率はすごく地域差があります。これはどういう原因で地域差があるのかをそれぞれ追求するという手法をとり始めております。医療要員についても、有効求人倍率の地域差がすごくあります。そのような手法。

 健康寿命についても市町村差がすごくあります。健康度は何と相関するのかということを調べると、奈良県の場合、医療費とか介護費とは全く相関しておりません。何と相関するのかということを追求するのが、一つこのビッグデータの活用の手法で、都道府県知事にいただきます指標をそのように使うことができたらと思います。ビッグデータとICTを活用して健康を伸ばすシステムをつくるというのが1つの目標でございますが、エビデンスが何よりも大事だというのが2点目で申し上げたい点でございます。

 3つ目は、よいモデルをつくるということ。国が主導して一律のモデルはなかなかできにくいので、地域で秀逸なモデルが発生し始めております。なかなかよいモデルは数は少ないのですけれども、完璧なモデルはございません。悪いモデルは発見しやすく、よいモデルは見にくいのが実情でございますが、よい地域モデルを奨励してつくって、それを参考にする。よいモデルを伝搬して学ぶというエネルギーが、今、すごく地方に充満しておりますので、そのエネルギーを活用していきたいと思いますので、そのようなよいモデルをつくる方向できょうの関係の皆様方が一致していただくと大変ありがたいと思います。

 以上でございます。


○田中座長 石川構成員、どうぞ。


○石川構成員 医療介護総合確保促進会議が設置されると耳にしたときには、厚生労働省が医療・介護の強い連携を持ってしっかりと地域包括ケアを構築し、住民の暮らしを守っていく決意をかたくしているなと感じ、私ども介護事業者としても精いっぱい支えていかなければならないという思いを強くした次第でございます。

 私どもは、とりわけ内部留保問題の誤解がありまして非常に厳しい立場に立っておりますが、社会福祉法人のあり方が問われる中で、本当の意味でこれからの地域福祉をつくっていく事業体がいかなるものかを考えるときには、私たち介護事業者が担い得る可能性は多岐にわたって広がっておると思っております。

 本来の使命であります介護保険サービスを高いレベルで昇華させるという、高品質のケアを提供していくことはもとより、人々の暮らしに内在する福祉ニーズを掘り起こし、受けとめていく地域貢献の徹底、それを現実のものとしていく強いガバナンスと透明性、何より担い手として福祉人材の確保・育成をいかなる方法でつくり上げていくか、その施策のことを質問させていただきたい。

 当会議の趣旨に基づきまして、介護現場の声に応えましてこれらを実践してくとともに、しっかりと問題を提起して、業界一丸となって地域包括ケアを描く一翼を担ってまいりたいと思っておる次第でございます。

 以上でございます。


○田中座長 遠藤構成員、お願いします。

 遠藤構成員まで行ったら、またこちら側に移ります。


○遠藤構成員 ありがとうございます。

 時間も限られておりますので、1つだけお話しさせていただきたいと思います。資料4の3ページにあります「基金事業と報酬との基本的な関係について、どのように考えるか」ということについて少し整理をさせていただければと思います。

 診療報酬と基金事業、基金事業というのは補助金ということでありますから、補助金と診療報酬との関係ということで、このことについては社会保障制度改革国民会議でも少し議論になった話でもありますので、私なりの理解でありますけれども、簡単にまとめさせていただきたいと思います。

 診療報酬というのは、御案内のとおり、非常にインパクトのある政策手段でありまして、これは医療行為、医療サービスの対価であると同時に、算定要件だとか施設基準などをつけることによって、医療体制の整備にも非常に大きな影響を与えます。実際、そういうふうに政策は使われてきている節も大きいわけです。

 ただ、これには幾つか欠点があるわけでして、1つは、インパクトが大き過ぎるということで、副作用もまた大きいということがあるものですから、早い段階で中医協の中でPDCAサイクルが組み込まれました。

 そういう問題が1つあるわけですが、それよりも大きな問題として、医療行為、診療行為を伴うような行動でないと体制整備はできないということです。例えば、先ほど来の人材の育成であるとか、情報整備をするとか、そういうものについては間接的にしか補助しないというところがあるものですから、そこのところは大きな欠点ということです。

 もう一つは、患者自己負担があるものですから、医療者に対するインセンティブとして非常に強くつくっても、患者さんのほうからしてみると、負担がふえてしまうということで反対の方向に働く可能性がある。例えば、訪問診療を推進するために非常に高い報酬をつけますと、自己負担がふえますから、今度は自己負担が払えないということになって、なかなか利用が進まないということもあり得るかもしれません。それに対して、補助金はそういう問題はないということですので、ほかにも幾つか理由があるわけですけれども、それを補完する意味合いとして補助金というのはいいだろう。

 診療報酬のもう一つの問題は、これは制度上の問題ですが、基本的に全国一律でやるということでありまして、地域によっては一部要件緩和をしているわけですけれども、基本的には全国統一価格という形にしております。補助金の場合はある程度自由裁量ができるということで、そういったところを補完しあえれば補助金政策、基金事業というのは有効であるということです。

 ここでの話は基金事業をどう考えるかということですけれども、その場合は診療報酬政策との補完関係ということを重要な視点として見る必要があるだろうということが1つのポイントだと思います。

 医療政策には一つ規制的手法というものがあって、もう一つがインセンティブ手法で、インセンティブ手法の中に補助金と診療報酬があるわけですから、どちらもインセンティブ政策なのですけれども、それでも特徴が違うので、そこの特徴を理解しながら基金事業は展開していく必要があるだろうということ。

 もう一つあるとするならば、先ほど補助金政策のほうが地域の実情に対応しやすいと申し上げましたけれども、一方で、財源は全て公費でありますから、そういう意味で、公平性とか公共性といったものが非常に重要視されます。そう考えてみると、地域特性に配慮できるということと、公共性を追求するということは、場合によっては相反するシチュエーションも出てくるわけでありますので、そういう意味では、基金事業の運営については、国が一定の責任を持つということも非常に重要だろうと思うわけです。

 ということで、診療報酬政策との補完で考えるべきだということと、国が一定の責任を持つということが重要なのではないかということが結論でございます。

 長くなりました。失礼します。


○田中座長 ありがとうございます。

 日ごろ、会長として物を言えない森田構成員や遠藤構成員が極めて分析的に話していただきました。ありがとうございました。

 次に、折茂参考人、お願いします。


○折茂参考人 全老健(介護老人保健施設の協会)として発言させていただきたいと思います。人口が減っていて人材の確保も大変だという中で、やはり限られた医療資源、介護資源をしっかり有効に活用するのが大切ではないかと思います。先ほど来、新たな地域包括ケアの拠点をつくるという話も出ていますけれども、やはり今あるものを有効に活用する。

 そのとき、我田引水でもないのですけれども、四半世紀前にできた老健というのは、病院と家庭の中間、つまり、医療と介護の中間として生まれてきた老健です。

 また、この老健というのは、小さな箱の中に医者から薬剤師、看護師、介護、PTOT、管理栄養士等とさまざまいるわけです。その中で、こうした多職種が各中学校区に1つは必ずあるというのが老健の特色ですので、この老健機能というのをもっとさらに有効に活用できるような施策を見出していただきたい。

 我々全老健としても、例えば、今は内向きな利用者・入所者のケアが主体ですが、やはり地域に出ていくアウトリーチ型の老健というのも考えてはいるのですけれども、政策としてアウトリーチ型というのが今は訪問リハビリしかなくて、やはり各中学校区にあるということを最大限に有効活用していただきたい。有効活用できれば、一方では、人材不足とか拠点不足も解決できるのではなかろうか。そのためには少し制度を変えなくてはいけないのですけれども、その点が1点です。

 2点目は、医療の分野ではエビデンスが当たり前になっており、エビデンスに基づく医療を行う。つまり、プロセス評価からアウトカム評価までしっかりできるというのが医療の世界だと思うのですけれども、果たして介護の世界はどうなっているかというと、まだなかなかその辺が厳密に難しいところがありますので、プロセス、アウトカムをきちんと評価するというのは難しいとは思うのですけれども、ただ提供すればいいという概念ではなくて、介護の質のところもプロセスからアウトカムをしっかり評価するというところも大切なのではないかと思っています。

 そういう意味では、今、我々全老健では「ICFステージング」というもので介護の質を評価しようというところもやっているわけなのですけれども、そうしたプロセス評価とアウトカム評価をしっかりしていくということも重要なのではないかということが2点目です。

 3点目は、介護保険利用者の中における医療のあり方というのも随分ばらばらなのかなと思います。例えば、老健は医者もいるのになかなかお薬が使いづらいという、高額なお薬は使いづらいとか、同じ利用者さんが老健に入ると、高額なお薬は、これは使ってはいけないわけではないのですけれども、もう何十万円とするお薬もあったり、それを老健施設が介護保険制度の中で提供することになると負担が非常に厳しく、当然、使いづらくなってしまいます。医療保険も支払っている同じ高齢者が利用するわけですから、介護保険制度と医療保険制度の制度上の整合性というのも、この会が一番いい会だと思いますので、ぜひ御検討をいただきたいということです。

 4点目は、今日のこの会議には医者の先生方がたくさんいる中で言いづらいところもあるのですが、やはり地域包括ケアというのは最後は看取りということがありますので、日本の医療制度の中では、医者の果たす役割はとても重要なのだと思っています。

 そんな中で、今、日本の専門医制度の中で17番目の専門医として「総合診療医」というのが今度できるわけなのですが、その動きは大変いいと思います。今日は永井学長がいる中でおこがましいのですけれども、例えば、私は自治医大の卒業生として、医者になって5年目に僻地の診療所にぽっと出されて行く。そうすると、病院でやっていた診療と僻地でやることはまるっきり違ってきます。

 これは何がよかったか。僻地でやる診療というのは、白衣を着て行う診療よりも白衣以外の地域活動がすごく重要になってきます。身をもって体験する介護、地域包括ケアというのが体験できるのが、机上の論理だけではなく、非常によかったと思っています。今、例えば、総合診療医をつくっても都市部に偏在してしまう可能性もあるわけでして、僻地医療を義務化ということは難しいとは思うのですけれども、ある程度皆さんが体験できるようにすることで地域包括ケアに関心を高く持てる医者づくりができるのではないかなと思っております。そうした最後の看取りというところに医師がどうやってかかわるかというところをしっかり考えていくことも大切なのではないかなと思っております。

 以上です。

○田中座長 花井構成員、お願いします。


○花井構成員 私は労働組合出身なものですから、介護事業所や医療機関で働く労働者の立場、あるいは介護で大変悩んでいる家族の立場、保険料を払っている被保険者、さまざまな立場ですが、そういう観点から幾つか意見を述べたいと思います。

 まず、1つ目のところですが、多職種の連携とありますが、先ほど来、出ておりますが、医療・介護従事者の人材確保とあわせて処遇改善ということをぜひ盛り込んでいただきたいということです。

 それから、これは1なのか、2の国の役割なのか、そこはどちらでもいいと思いますが、今回の地域包括ケアシステムの構築というのは、やはり認知症、重要なターゲットになっているかと思います。そういう意味で、今、オレンジプランが進められていますが、認知症対策ということをもう少し大きく打ち出してもいいのではないかと思います。

 また、都道府県の役割、市町村の役割、これもどちらにもかかわるかと思うのですが、2ページに住民の役割と書かれていますが、住民への丁寧な情報提供であるとか、住民が困ったときの相談体制も必要ですし、住民のニーズを一体どこで把握するのか、そういう視点が必要ではないだろうかと思います。

 2のところですが、1つは区域の一致というのがあります。これも地域包括ケアシステムが中学校区と言われており、医療計画が第二次医療圏、三次、一次とあるわけです。そして、介護は市町村という、その区域の一致が非常に重要であるということを重ねて申し上げておきたいと思います。

 それから、在宅医療と介護の連携、あるいは病院と診療所の連携とありますが、この連携を図るコーディネーターのような人材の育成が非常に重要ではないかと考えております。そういう視点もぜひとも盛り込んでいただきたいと思います。

 最後ですが、2ページの一番下のところに「関係者の範囲」と記載されています。この関係者につきましては、法律の第4条に書かれているということは承知しておりますが、さらに広げた形で、利用者、家族とか、幅広く範囲を広げてそういう方にも意見を聞くことが必要ではないかと考えます。

 以上です。よろしくお願いいたします。


○田中座長 ありがとうございます。

 この流れで行くと鷲見構成員が最後になると思うので、ちょっとお待ちください。こういう順で行きますので。

 西澤構成員、お願いします。


○西澤構成員 将来の医療・介護のあり方について話せというのなら話すことはたくさんありますが、この場はどういう場かというと、恐らく医療に関して、あるいは介護に関しては、もう既にいろいろなところで議論されていますよね。医療は医療部会、あるいは中医協でも今後の方向性を議論していますし、介護でも介護給付費分科会でやっていますよね。それぞれの場でやっている同じことをここで話すのではなくて、ここではそれを総合的に実行するためにどうしたらいいか。いわゆる今までの縦割り、医療と介護で切れていたのをどうやったら整合性を持ってできるかという議論をする場だと思います。そのための議論をすべきではないか。

 そういうことでは、今、いろいろな部会とかでもう既に議論してきたものを出していただいて、それをもとにして、医療は医療で。例えば、医療計画はこういうことをやっています、地域医療ビジョンはこうなっています。介護計画はこうなっています。しかしそれが現場へ行ったらなかなか行政の縦割りの中でうまくいかない。それをどうすべきかというような議論が一番大事ではないか。それがこの総合確保方針ではないかなと思っています。

 それと、ここで盛り込むべき主な論点ですが、最初の基本的な方向はいいのですが、そこで「国、都道府県、市町村の役割」で、1ページ目に細かく国の役割、都道府県の役割が書いてあり、その後「医療・介護サービス提供者や地域住民の役割をどのように考えるか」で、その下は何も書いていないのはどういうことなのかとすごく気になりました。やはりここが書かれていないということが一番の問題かもしれません。そういうことでは、我々提供側が改革に自主的に臨んでいくために、どうしていくかということをもっと書き込むことを、これから我々が努力しなければならないと思っております。

 現場は一生懸命やっています。現場は資源です。その資源を無駄にしないで、できるだけ上手に使っていっていただきたい。そのような総合方針ができればと思っております。

 以上です。


○田中座長 永井構成員、お願いいたします。


○永井構成員 この医療と介護の連携のためには、やはり地域ごとの協議会が必要になるわけです。ところが、その協議会の構成、位置づけ、権限、役割、そういうものをまだこれから明確にしないといけないと思いますので、その点を御留意いただきたいと思います。

 それから、都道府県の権限が大きくなるということですが、では、それをマネージする人材育成をどうするのか。場合によっては地域と行政の連携も必要になるだろう。それが2点目です。

 3点目には、もう既に御指摘がありますデータの利活用、データに基づく医療システムの制御ということが社会保障国民会議でもうたわれていますが、それをどのように担保していくか。そこも大事な点ではないかと思います。

 以上です。


○田中座長 ありがとうございます。

 菅野参考人、お願いします。


○菅野参考人 精神科病院協会から参りました。その立場で申し上げたいと思います。

 まず、精神科の患者さん、精神障害者は非常に高齢化されております。そしてまた、最近の退院促進ということで、地域に戻られて生活をされる方もふえております。その際に、地域の御家族のところに戻れる方はいいのですけれども、ひとり暮らしする方が非常に多いということで、65歳以上であれば介護サービスを受ける方もいる。

 ところが、精神科の経験のない介護サービスのヘルパーさんやケアマネジャーさんだけでは、受ける方に問題がある。また、提供側にも抵抗があるということ。その点で精神科のアウトリーチということをイギリスを模範にして以前から検討を進めておるのですけれども、非常にお金がかかることです。そこで、介護サービスを受けながら、そういう精神科のアウトリーチでもできるようなところに基金を少し使えないかなということがまず1つです。

 また、独居、在宅が困難で施設入所する方もふえております。皆さん、老健の方、また介護老人福祉施設の方もいらっしゃっていると思いますけれども、そういう施設に入所する精神障害者も非常にふえています。

 ところが、入られる方は非常に恵まれておるのですが、退院して不採算でグループホームとかをつくっている精神科の病院協会もいるのですけれども、なかなかそういう入所施設がうまくいっていないというところで、一般の病院、また、そういう施設に入っても、治療が中断されてしまうケースもあります。地域に戻るといっても、入院していた病院から非常に遠いところ、在宅の御家族のいる地域から非常に遠いところに入所されてしまう。そこで治療が中断されてしまうというところで、医療から介護に移ったところで断絶してしまうというところを、今後、この総合確保促進というところから、まさに精神科医療と福祉の連携も保てるようなシステムをもう少し一歩進んで考えていただきたいなと思います。

 以上です。


○田中座長 武久構成員、お願いします。


○武久構成員 きょう来て、3人の強力な新しい局長さんがそろっていらっしゃる。しかも、医療介護連携政策課の渡辺課長のめりはりのきいたプレゼンテーションを聞いて、非常に私は前向きな気持ちになっております。

 結局、いろいろ皆さんおっしゃっていますけれども、私は、今日は3つの具体的な提案をしたいと思っております。

 1つは、医療と介護に大きく分かれているのですけれども、制度は分かれていても同じ患者さんがその間を行ったり来たりしています。医療側からすると、脳卒中とか、いろいろ疾患パスというのがあるのです。これが医療の間におるうちは何とかもつのですけれども、介護のほうへ行ったらぷつっと切れてしまって、地域の中にどの患者さんがどの辺にいるか、どんなサービスを受けているか、もうさっぱりわからない。

 今、地域包括支援センターというのがありますけれども、「地域医療センター」というものはありません。これを一緒にして、今、厚労省では医療と介護が一緒になって政策をやろうというのですから、地域包括医療介護支援センターというものを各地につくっていただく。具体的にいうと、1人の患者さんをトータルで経過の中で見るためには、この組織は絶対に必要だと思っています。

 もう一つ、まず、今の決まっている医療圏の再編をしていただきたい。医療圏はもう大分前に決まりましたけれども、その後に人口移動がありまして、結局、関東とか関西とか大きな都市圏に移るだけではなしに、各都道府県の県庁所在地に人口が集中してきているわけです。周辺の医療圏は、もう本当に医療圏としての体をなさないような状況になっております。これは今後とも非常に強くなってくる。

 というのは、田舎の医療圏の人口はある程度ありますけれども、そこに住んでいる方が病気になったら県庁所在地の病院に入って、その家族は、息子、娘が県庁所在地の周辺に住んでいるのです。そうすると、患者さんの住所地であるところへ帰って入院するのではなしに、県庁所在地の周辺に入院する。実際の人口に比べて、ますます患者さんの入院するのが周辺医療圏では少なくなってくる。こういうアンバランスが起こっている以上、再編するべきだと思います。

 もう一つ、3つ目は基金の場合です。まさにそのような状態が起こっている過疎地の医療圏においては、病院経営者は非常に疲弊してきます。存続が危ぶまれます。そのときに、病院とか、いろいろな医療機関がなくなっていくということは、そこに人が住めないということです。だから、そのためにこそこの基金は使われるべきだと思っています。

 この3点を具体的な提案としたいと思います。

 以上です。


○田中座長 ありがとうございます。

 では、加納構成員、お願いします。


○加納構成員 私からは2点、マクロ的な話とミクロ的な話になるかと思うのですが、1点目のマクロ的な話なのですが、私、日本医療法人協会という民間病院の団体から来させていただいています。

 日本の医療は、前から言わせていただいておるのですが「234876の法則」といいまして、全国の病院数8,600のうち、公的病院は2割、ベッド数は3割、520万件と言われている年間の救急搬送のうち、公的病院が受けているのは4割で、いわゆる公的には234、逆に民間病院が病院数では8割、ベッド数では7割、救急搬送も6割受けています。それが我々日本の医療の背景であるということを、ぜひとも認識していただきたいということであります。

 その中で、また先ほどの日慢協の会長の武久先生がおっしゃっていただいた、いろいろな話があるのですが、武久先生のところの慢性期の医療に関しては9割、精神科医療に対しても9割以上、これはまた民間医療機関です。また、日医を代表とする診療所などにも9割より上で、本当に日本の医療は私的医療機関が支えているという認識について、今後、ぜひとも考慮していただきたいのです。

 それは単に公と民との公平さだけではなくて、やはり民間病院が破たんしないように、逆に、最大限活用していただきたいというのが、まず、マクロ的なお願いです。

 もう一点がミクロ的な話になるのですが、介護在宅からいわゆる医療へつながる一つのミクロ的な考え方でいきますと、やはり急変するという問題があります。

 それは、1点、看取りとは全く違って、QOLが求められる高齢者の急変があるわけです。これを受けるのは高齢者救急だという問題が出てくるかと思うのです。今後、これをしっかり準備しておかないと、医療現場が大変であると私は認識しております。

 そうしたら、救命センターをしっかりとさせたらと言いますが、日本の救命センターが実際に受けている数でいいますと、数%なのです。あとの90数%はやはり二次救急とか一次が担ってます。また、今、在宅とか、いろいろな形でも救急をかかわろうとしているのですが、多くは二次救急以下の医療機関がしっかりとやっています。

 その現場は、今、大変疲弊してきているというところでありまして、特に都会での二次救急の返上がどんどん出てきているとか、そういったことが現実的に起こっています。そこには実は、これから高齢者の数がどんどん増えてくるのに、どうするのだという話が、今、現実的に現場ではあります。

 それと、先ほど話が出ました認知症患者さん、これも急変なさって、場合によっては救急車で来られる場合があるのです。これの受け入れの問題が、今、やはり現場的に出てきている。ミクロ的な話になりますけれども、そういった対応もしっかりと考慮していただいて、医療と介護がしっかりと確保できるようにお願いしたいと思います。

 以上です。


○田中座長 河村構成員、お願いします。


○河村構成員 町村の立場から、実態と、これから基本方針を決めるに当たって、皆様方に考えていただきたいと思っておりますことを申し上げます。

 最終的には国、都道府県、市町村がその役割を担っていくわけでございますけれども、町村においては、今の介護保険事業そのものでも現実にはいろいろな問題が起こっております。例えば、私の町では、介護保険をやるにあたって、在宅にシフトしようしとましたが、それを現実にやってみると民間参入が全くありません。そうしたときに12のサービス事業がほとんどできないわけでありまして、町自身が公設民営でつくって、一般財源を投入してやっているという状況であります。

 医療と介護の確保の基本的ないろいろな問題を最終的に決めるに当たっては、やれるところとやれないところ、実際には町村みたいな小さなところはなかなかやれないという部分があるということをどのようにこの中に書いていただくか。それは最終的には財源の問題であります。したがって、基金等については、公平、公正と言いながらも、では、その公平、公正をどういった指標で判断するのかということも考えていただきたいと思っております。

 特に、今、全国の町村の中には、民間の病院がなく、赤字で診療所を運営したり、公立病院をつくっているというのが実態でありまして、過疎地ではそうした部分を自治体が担わないと、そこに人が住んでいけません。また、介護をやっていけないという実態がありますので、こういった点を画一的な方針で決めてこれでやるのだということについては、皆さんに大いに議論して考えていただきたいと思っているところでございます。

 以上です。


○田中座長 ありがとうございます。

 小林構成員、お願いします。


○小林構成員 協会けんぽの小林です。

 基金について申し上げたいと思います。

 昨年の社会保障制度改革国民会議等でも議論がありましたが、基金を設置して補助金的な手法で政策誘導を行うことについては、それぞれの地域において、地域の実情に応じた支援を行うことができるという点で、大きな政策誘導効果をもたらすことが期待されます。

 例えば、協会けんぽの沖縄支部では、県の医師会との間で健診データを共有し、適切な保健指導や受診勧奨等の取り組みを実施しておりますが、このような情報共有の仕組みや、その後の活動への支援、あるいは地域の実情に応じた健康・医療・介護分野のICT化の推進に向けた支援など、地域の医療・介護の連携を促進する環境整備も基金の交付対象と考えられるのではないかと思います。

 また、法律に、都道府県計画や市町村計画の作成・変更の際に、医療保険者を含めた関係者の意見を幅広く聞く規定が置かれたことは、非常に意義があることだと思っております。

 私ども協会けんぽは全国47都道府県に支部があり、加入者も地域に満遍なくおられ、それぞれの加入者の健康情報や医療情報等のデータを保有しております。それぞれの地域で、行政にも協力しながら、そのようなデータを活用して議論に参加していきたいと考えておりますので、被用者保険である協会けんぽも含めた形で参加できるよう是非ともお願いしたいと思います。

 もう一点、自治体の体制についてでありますが、厚生労働省に医療介護連携担当の審議官が置かれ、今般、医療介護連携政策課が新設されましたが、このように、医療と介護の連携を推進していく担当のセクションがあることは、対外的な窓口機能を担うことや責任の所在を明らかにするという点で、施策の推進に資すると考えております。

 医療と介護の連携に当たっては、都道府県や市町村の担う役割が非常に大きいと思いますので、各自治体におかれても、厚生労働省の組織改編も参考に、連携の推進に向けた必要な体制の整備について考慮いただけたらと思います。

 以上です。


○田中座長 白川構成員、お願いします。


○白川構成員 健康保険組合連合会の白川でございます。

 座らされた場所が悪くて最後から2番目になりまして、言いたかったことはほかの構成員の先生方が大体おっしゃったので、私からは2点だけ申し上げたいと思います。

 1点目は基金の問題でございますが、本年度の交付対象は医療のみで、来年度からは医療と介護ということでございます。中医協でもよく議論になるのですが、言い方は大変不遜かもしれませんけれども、介護の施設が充実していないということから、それが医療保険のほうに若干しわ寄せが起きているのではないかというのが私の印象でございます。

 具体的には、介護の療養病床から医療の療養病床のほうに変えたり、あるいは維持期のリハビリテーション等について、本来は介護でやるべきものを医療でやらざるを得ないというような状況でございます。意見としては、ぜひこの基金は介護のほうにも十分活用していただいて、施設の充実に充てていただきたい。どなたかから医療と介護の基金のバランスが必要だという御発言がありましたけれども、私も同感でございます。

 もう一つは、大きな流れとして、病床機能の分化というのが医療保険部会、医療部会の大きな基本方針になっておりまして、今回の診療報酬改定でもその方向に沿った改定が行われたわけですけれども、当然、医療機関の機能を変えていくためには一定の費用が必要と考えますので、この基金もそういう病床機能の分化という方向で活用していただきたいと思っております。

 2点目は、この資料の中でも評価や効果をどう見るかという項目が書いておりますけれども、今までの地域の医療計画等を見ておりましても、5年経って当初の計画からいわゆるアウトカムとしてどう変化したのかという視点が少し抜けていたのではないかなと思っております。今回、せっかくの連携ということで、3年ごとに医療と介護の計画の整合性を図っていこうという大きな流れになっておりますので、しかるべき評価項目を明確にして、定期的にアウトカム評価をしていく仕組みにしていただきたいと思います。

 以上でございます。


○田中座長 大変お待たせいたしました。鷲見構成員、お願いします。


○鷲見構成員 ありがとうございます。

 医療の現場では、医師という非常に大きな責任の所在があると思います。しかしながら、生活の場であれば、利用者本人がきちんと責任を果たせるように支援していくという視点が非常に大事ですので、ぜひ「生活の視点」で連携をしていくことが重要だと思います。

 認知症の利用者さん、患者さんが増えている背景もあり、直接急性期から在宅に帰っていらっしゃる方が比較的多くいます。特に自己決定ができない方や財政・経済的な面で回復期に回れずに直に帰ってくる方々の情報というのは、在宅では情報として受け取れないこともたびたびあります。そうなってまいりますと、現場においては、ペーパーであったり、ITであったり、いろいろな情報共有の道具があるというだけではなく、連携の仕方をどのようにするかいうところからきちんと考える必要があると考えます。

 そう考えていきますと人材育成に関しては、医療・介護共同で行っていくことが必要ではないかと考えます。

 もう一点、財政の面なのですが、今後、実際に総合支援事業に移行していきますと、地域によって格差が出ないというのはなかなか難しいとは思いますが、地域包括支援センターは非常に大きな重要な役割を果たしていくと思います。その地域包括支援センターに対して、規模や地域にかかわらず、きちんと機能が果たせるような財政支援が必要ではないかと考えます。

 以上です。


○田中座長 ありがとうございました。

 構成員の発言の中であった質問部分について、お答えください。


○渡辺課長 それでは、私からは、今村構成員と樋口構成員から御質問のあった点についてお答えさせていただきまして、大西構成員からの御質問につきましては、老健局からお答えをさせていただきます。

 まず、今村構成員からの御質問ということでございますけれども、一般論的なイメージで申しますと、確かにこれまでは医療は県、介護は市町村という大きなイメージの中で、県が立てる医療計画と、市町村が主として立てる事業計画の中では、御指摘のような医療と介護の記載の濃淡があったということは事実だと思います。

 ただ、これからは、これまでの御意見の中でも幾つか出ておりますけれども、やはり地域医療ビジョンをつくっていくという中で、病院機能の分化と、それを進めていくと、その先にはやはり介護というものの存在が当然必要になってまいりますし、また逆に、市町村の地域包括ケアを進めていくとなると、当然、医療の存在というものが必要になってくるということで、まさに御指摘のたすきがけといいますか、クロスということを考えていくというのがこの場でもあろうと考えております。

 その意味で、事務局として、今、直ちにここでこういうものという答えが出るわけではないのですが、きょう、いろいろ示唆に富む御指摘もございました。やはり計画レベルでのクロスということもありますし、あるいは御指摘の中で、国の役割ははっきりしているけれども、県と市町村の関係ということをもっと考える必要があるのではないか、行政レベルでのクロスの仕方という御指摘もありましたし、あるいは逆に、現場レベルでは実はもっと連携は進んでいるのだという御示唆もございましたので、こういったことも参考にさせていただきながら、最終的にこの総合確保方針をどうまとめていくか、またここで御議論をいただきながら御相談をさせていただきたいと思っております。

 それから、樋口構成員から御指摘のあった地域住民のところですが、確かに御指摘を踏まえてみますと、やや粗い書き方だったかなというのを反省しております。

 事務局のイメージといたしましては、ここで言う地域住民というのは、1つはまさに医療・介護のサービスの受け手としての利用者ということもありますし、あるいはもう少し積極的に、例えば介護予防ですとか、健康づくりとか、そういった意味で、きょう、ここでも重症化予防というお話も出ておりましたが、そういう主体としてのかかわりということもありますし、あるいはもっとその先には、樋口構成員から御指摘のありました、例えば、元気な高齢者が逆に担い手となっていく。今回の介護保険の改正の中でも、そういったことを地域支援事業で広げていこうという理念も盛り込まれておりますけれども、そういった幾つかの層に分かれてのイメージでしたので、その意味で、サービスプロバイダーと並べるだけではやや粗いのではないかという御指摘は、そのとおりだと思いますし、また、サービス提供者のかかわりというところの記載が薄いのではないかという御指摘もありましたので、きょうのさまざまな御意見も参考にさせていただきながら、また次回以降、御議論いただけるような素材を提供していきたいと思っております。


○高橋課長 引き続きまして、老健局の総務課長の高橋でございます。

 大西委員からは、現在、市町村で27年度に向けた介護保険事業計画の策定作業が進んでいる中で、介護関係の基金分は27年度からということですけれども、人材の確保などが重要な中で、介護保険財政との関係はどうなっていくのかという御質問がございました。

 今回の法律では、基金につきましては、介護の関係では、介護の施設の整備に関する事業でございますとか、介護従事者の確保に関する事業ですとか、こういうものは都道府県計画、市町村計画に書き、それらを基金の対象事業とすることができるという規定がございます。

 そういう意味で、具体的な内容や規模は来年度の予算編成過程の中で年末までに詰めていきたいと考えておりますが、来年度に向けた介護保険事業計画で今後のサービス料等の計画を各市町村で立てていかれますけれども、実際にこういうものの施設整備をどう支援していくか、また、人材確保を支援していくか、そういうものはこの基金を活用して行っていくことを考えてございます。そのような関係でございます。

 以上です。


○渡辺課長 済みません。あと、医政局からもちょっと補足説明をさせていただきます。


○北波課長 済みません。補足説明をさせていただきます。医政局の地域医療計画課長でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず最初に、今村構成員から御質問のありました事業所負担の話でございます。当然ながら、私ども、参考資料にもございますけれども、基金から事業者に交付をする流れもございますが、基本的に一律に何か負担を求めなければならないというのではなくて、また個々の事業ごとに判断をされるものだと思います。当然ながら、ボランティア等でやっておられるところにつきましては、そういう配慮もあろうかと思います。これは、参考資料のところでいいますと44ページに書いてございます。

 その観点からいいますと、次に、46ページをごらんいただければと思います。「交付の条件(案)」というところでございます。

 基金、ひいては地域医療ビジョンというものになるわけでございますが、いわゆる住民参加、利用者の視点という御指摘がたくさんございました。当然ながら、46ページの都道府県計画を策定する際の交付の条件という中でも、(2)のところで、市町村長、また、医療を受ける立場にある者、医療保険者と幅広く御意見を聞きながら計画を策定していくということでございますので、当然ながら、地域住民、利用者の立場というのは欠かせないものだと考えております。

 また、構想地域につきまして一致をさせるべき。また、都市型、農村型など幾つかの種類を用意すべきという御指摘もございました。

 私ども、これは参考資料の22ページでございますが、今年度は地方自治体、特に県が地域医療構想(ビジョン)を策定していただくためのガイドラインの検討に入りたいと考えております。

 当然ながら、地域ケアにつきましては、それぞれの地方においての特色がございますし、また、いろいろなパターンがあろうかと思いますから、そういうものも念頭に置きながら検討を進めていきたいと考えております。

 その趣旨は以上でございます。

 また、最後でございますけれども、48ページでございます。

 ここで「新たな財政支援制度における対象事業」ということで、精神科関係のものがございます。これは例示でございますので、都道府県が都道府県計画の中で判断されるというところもございますが、当然ながら、精神科関係の地域移行を進めるというアウトリーチの関係につきましても、想定しているということで御理解いただければと思います。

 以上でございます。どうもありがとうございました。


○田中座長 事務局からのお答え、ありがとうございました。

 皆さん御存じのように、日本は世界で最初に後期高齢者が20%を超えます。あと11年たつと人口の2割が後期高齢者になります。どのような手立てを打つか世界が着目しています。独裁国家でない国ではこのような会議を進めるしかないわけです。

 恐らく3局長、4審議官がそろっている会議は珍しいと思うのです。会議は形とはいえ、せっかくできた形ですから、構成員の方々の積極的な意見でさらに進めてまいりたいと存じます。

 3時間かかると思いましたが、何とか2時間で終わりました。

 今後の進め方ですが、本日いただいた意見を集約し、事務局が総合確保方針のたたき台を作成します。それを私と森田座長代理が確認した上で次回の会議に提示し、さらに御議論いただくこととしたいと存じます。それでよろしゅうございますでしょうか。

  (「異議なし」と声あり)


○田中座長 ありがとうございます。

 次回の日程については、追って事務局より連絡があるとのことです。

 以上をもちまして、第1回「医療介護総合確保促進会議」を終了いたします。

 どうも御議論ありがとうございました。


(了)

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