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2014年7月3日 第20回 先進医療会議議事録

○日時

平成26年7月3日(木)16:00~16:59


○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター(ホール14C)国際新赤坂ビル東館14F


○出席者

【構成員等】
猿田座長 北村座長代理 五十嵐構成員 柴田構成員
福井構成員 福田構成員 山口構成員 高橋(信)技術委員
【事務局】
医療課企画官 医療課専門官 歯科医療管理官 薬剤管理官
医政局研究開発振興課長補佐 医政局先進医療専門官他

○議題

1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について(継続審議分)
(先-1)
(別紙1)

2 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
(先-2)
(別紙2)(別紙3)

3 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-3)
(別紙4)(別紙5)

○議事

16:00開会








○猿田座長

 それでは、時間が参りましたので、第20回の「先進医療会議」を始めさせていただきます。

 先生方におかれましては、大変お忙しいところ、また天候の悪いところ、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

 本日の会議の構成員の出欠状況でございますけれども、本日は、中川構成員、藤原構成員、山本構成員から御欠席との連絡を承っております。

なお、欠席される3名の構成員からは委任状の提出がございまして、議事の決定に関しましては私に一任するとされております。

それから、本日は、技術委員として杏林大学の高橋信一先生においでいただいております。よろしくお願いいたします。

それからあと、村田技術委員から意見を伺ったのですけれども、本日は、村田技術委員、来られないということで、委任状の提出を承っておりますので、それに関しまして後ほど御報告させていただきます。

なお、本日は、神田審議官が公務のために欠席されております。

それから、もう一つ新しいことでは、これまで先進医療技術会議のほうで中谷専門官が担当されておられましたけれども、今度新たに、真田専門官になりましたので、よろしくお願いいたします。

それでは、資料の確認を事務局のほうからよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 頭撮りにつきましては、ここまでにさせていただければと思います。

 それでは、資料の確認からでございます。座席表、議事次第、名簿に引き続きまして、先-1の横紙、別紙1、ホチキスとじ、先-1(参考資料)、その後、先-2の横紙、別紙2、3で、先-3の横紙、別紙4、5、あと参考資料で日程表となっております。また、机上に配付資料といたしまして、3葉、ホチキスどめを置かせていただいております。

 落丁等ございましたら、お申しつけくださいませ。

○猿田座長

 よろしいでしょうか。

 それでは、今回の検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をさせていただいておりますが、その結果につきまして、事務局のほうからよろしくお願いいたします。

○事務局 事務局でございます。

 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。

 五十嵐構成員より、先進医療Bとして評価を行う1技術、整理番号64番でございますが、こちらについて報告がありました。受領額が50万円以下ということでございましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づいて、当該技術の審議に加わることは可能ということでございます。

以上でございます。

○猿田座長

 ありがとうございました。

 そのほか、本日御出席の方々、ほかに利益相反はございませんでしょうか。

ありがとうございました。それではそういうことで、早速議題に従いまして、まず最初は、「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について」、これは継続審議になりますので、これに関しましては事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 資料は、先-1に、あと別紙1、先-1(参考資料)を御用意しております。本技術は、前回継続審議といたしました案件でございます。63番、「FDG-PETによるアルツハイマー病と前頭側頭葉変性症の鑑別診断」。適応症はアルツハイマー病と前頭側頭葉変性症でございます。

医薬品・医療機器情報につきましては、そこに記載してあるとおり、保険給付されない費用、また保険給付される費用、保険外併用療養費分に係る一部負担金につきましても、そこに記載してあるとおりです。事前評価、福田先生にいただいておりまして、後ほど福田先生から評価結果の御説明をいただければと思います。

別紙1をごらんください。1枚めくっていただきまして、前回いただいておりました御指摘事項について、申請医療機関に確認いたしました。福田構成員並びに藤原構成員の指摘事項について、医療機関からの回答をそろえているものでございます。

なお、前回御指摘いただいております藤原構成員につきましては、本日欠席されておりますので、事前に確認させていただき了承を得ておりますので、御報告させていただきます。

では、福田構成員よろしくお願いします。

○福田構成員

 福田でございます。

 前回、今お示しいただきました2点御指摘させていただきました。その別紙1の2ページ目になりますけれども、1点目は患者の負担についてということで、このFDG-PETを使うときの費用が施設によって異なるという状況になっていましたけれども、それに対して患者負担が一定額になる形で研究費から負担するとも読めますし、研究費から負担するものは一定額で、患者負担が変わるとも読めるということで、そのあたりを、やはり患者にとって影響がありますので確認させていただきたいということでお願いいたしました。

御回答はそこに記載していただているとおりで、最終的には15万円の研究費を一律払うということで、実際には患者さんの自己負担が施設によって変わるという回答ということです。それが適切に説明文書等で説明されている必要があると思いますので、その部分について書き直しをしていただいたようでございます。あとは、施設によって違うということは過去にもあると思いますが、余り大きく変わることがないように願っていますけれども、説明はきちんとされて同意を得られる形になっていると理解しますので、よいのではないかと考えました。

もう一点が次の3ページでありまして、代諾者からの同意に関してでございます。今回、アルツハイマー病及び前頭側頭葉変性症の診断ということですので、被験者が同意能力を有しない場合というのが想定されます。そこで、もともとのプロトコールでは、「代諾者として研究援助者からも被験者が本試験に参加する旨の自由意志による同意を文書で得る」という記載があって、この代諾者というのと研究援助者と同じ方なのかどうかというのが不明でありました。しかも、研究援助者からももらうと、同意を得るということになると、それとは別に代諾者からもいただくのかというのが不明だったので確認させていただいた次第です。

回答としては、代諾者と書かれているものと研究援助者という方は基本的に同じ方を想定しているということでありますので、であれば、やはり代諾者からの同意がまず必要ということですね。その自由意志による同意が必要ということを明記していただく必要があると思いますので、計画書中の記載にもそのような形で、代諾者から同意を自由意志で得るという形で変更していただいたということです。これについてはこの対応でよろしいのではないかと思います。

1ページに戻りますけれども、以上のものを受けて、倫理的問題はないと思いますし、罹患率、有病率から勘案して、この技術に関してはこれからデータを蓄積してということだと思いますので、現時点では普及していないと一応させていただきました。

効率性に関しては、これが鑑別診断、適切にできることによってやや効率的になる可能性はあるかもしれないと思っています。

ただ、その下の将来の保険収載の必要性ですが、これは前回も御指摘させていただきましたが、確定診断による診断の精度だけではなくて、適切な診断が行われることによるメリットを実際に保険導入に当たっては議論すべきだということで、前回、山本先生からも御意見いただきましたけれども、やはりここはきちんと評価した上で保険導入の議論をすべきであると考えますので、前回どおりの記載とさせていただきました。

ただ、前回御指摘させていただいた点についてはクリアーに回答していただいていますので、これで総合判定としては、私としては「適」とさせていただきました。

以上でございます。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。

今、御説明いただきましたように、第1番目の問題は費用の問題でございますけれども、お話あったとおりでございます。それからもう一つは代諾者の問題。これも明らかにしていただいたということで、結局その2つの問題をはっきりさせていただいたということで、この別紙1にありますので、認めていいのではないかというのが藤原先生、それから福田先生の御意見でございますが、どなたか御意見ございますでしょうか。

もし特になければ、これでお認めいただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

ありがとうございました。それでは、この形でお認めさせていただきます。

それでは続きまして、議事次第の2に入ります。「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」、これも事務局のほうから御説明よろしくお願いいたします。

○事務局

事務局でございます。

 続きまして、先進医療Aの新規届出技術に対する事前評価結果等についてということで、2技術、御説明させていただきます。

まず、323番、「大腸癌の化学療法における血中5-FU濃度モニタリング情報を用いた5-FU投与量の決定」ということで、適応症については、70歳以上の高齢の切除不能進行・再発大腸癌患者のFOLFOX6単独療法」という形になっております。保険給付されない費用、保険給付される費用、保険外併用療養費負担分に係る一部負担金、記載のとおりということで、担当構成員は山口構成員、また担当技術委員として高橋技術委員、本日御参加いただいておりますが、事前評価をいただいているところでございます。後ほど御説明をいただければと思います。

また、324番、「Verigeneシステムを用いた敗血症の迅速診断」という技術名でございますが、適応症は、敗血症患者のうち、血液培養が陽性となった患者ということになっております。保険給付されない費用、その他費用についてはこちらに記載してあるとおりでございます。担当構成員は福井構成員、また担当技術委員は村田委員にお願いしておりました。村田技術委員、本日御欠席でございますので、後ほど私のほうから、いただいております評価結果について御紹介させていただければと思います。

事務局からは以上でございます。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。

 今の事務局からの御説明に関しまして、どなたか御質問ございますでしょうか。

もし特にないようでしたら、それでは、早速、整理番号の323でございますが、事前評価を山口先生に担当していただき、そして技術のほうは高橋先生にお願いしているということで、山口先生、恐れ入りますけれども、よろしくお願いいたします。

○山口構成員

 本技術は、要するに、今、化学療法が行われるときに投与量をどう決めるかということは、実際に体重とか、主に体表面積を基準に決めているわけです。しかし、実際の現場でやってみると、それでいいはずなのにもかかわらず副作用が強く出たり、全く効果が出ないこともあります。副作用が強く出た場合には量を減らすということは行われるわけですけれども、副作用が全くなくていいなと思っていたけれども、実際にはその人の例えば肝臓の抗がん剤の代謝が早くて、我々が希望する血中濃度が達成できなかったために、全く効かない濃度でやっているという可能性もあるわけです。

ですから、これはあらゆる薬剤そうだと思うのですけれども、血中濃度をモニターしながら、本当に指摘の量いっているかどうかということをやれば理想的なのですが、実際に薬物の濃度を測定するというのはそんなに容易ではなくて、迅速に臨床の現場ではかるという方法ありませんでした。

例えば抗がん剤についてもそうですけれども、バイオアッセイとかクロマトグラフィではかるとか方法がありますけれども、これは実際的ではありませんので、これに対して、血中の5-FU濃度をリアルタイムにはかれるような検査方法、これは大分前にできたのですけれども、それを実際に応用して、幾つかペーパーが実際に出ています。こういうことで量を多くしたり少なくしたり調整することで奏効率が上がるとか、つまり、やるべきでない患者さんにむやみに高い量やらない、効かない量をただだらだらとやらないという点では、有用である可能性の高い計画だと思います。

技術はそういうことですけれども、ちょっと私が読ませてもらったときには、対象がFOLFOX6というのは大腸がんの化学療法ですけれども、いろんな局面の方を対象にしています。例えば切除不能進行がんに対するものや、根治切除ができて、それに対する補助化学療法など一般的なものがあります。そのほかに、切除不能だけれども、とれるかもしれないので、化学療法をやって、その後に手術をやるとか、いろんな病態の方にやる場合もありますので、一律の評価が難しいということがあります。実際に抗癌剤をドースアップすることもあるわけですから、再発切除不能進行がんに対してやる場合と、その後、大きな手術を控えている人にやる場合とは全然恐らくリスクが変わってくると思います。したがって、最初は慎重に対象を絞ってやるべきでないかということを、追加資料のところに、幾つか質問を投げかけました。これに対しては適切な回答が返ってきました。それから評価も、症例数とかも余り記載ありませんでしたが、そのあたりもきちっと対象も絞られて、症例数も適切に判断されて再提出されましたので、私としては、別紙2のとおり、適応症も有効性も安全性も妥当であると判断いたしました。高橋先生とは、非常に良いか普通に良いかという意味では少し差がありますけれども、全体として「適」と判定いたしました。将来的にも、その妥当性が確認できたら保険収載されることが適当だとは思いますが、収載の前には、対象を広げるなり、もう少し厳密な検討が必要だと思いますけれども、この形で「適」と判断いたしました。

○猿田座長

ありがとうございました。それでは、恐れ入りますけれども、高橋先生、技術的な面の説明をお願いいたします。

○高橋(信)技術委員

高橋でございます。よろしくお願いいたします。

今、山口先生からお話のあったとおりで、私も、画一的な濃度で抗がん剤をするよりも、やはりこうやってモニタリングをしながらやるということは、副作用の軽減と、それから有効性の増大というか、上昇というか、それが狙えるのではないかと考えました。これを読ませていただくと、有効性が認められた事例がここに幾つか、整理番号8で出ておりますが、いずれも、このモニタリングによりまして有効であったということで、なるほどなと感じました。

また、文献をつけていただいたのですが、英文の文献を含めて非常に科学的な根拠もあると判断いたしました。

以上のところから、本先進医療は、将来、患者さんのメリットにとっていいのではないかと考えている次第でございます。

以上でございます。

○猿田座長

どうもありがとうございました。

今、御説明いただいたように、山口先生、高橋先生はともにこれでよろしいのではないかということでございますけれども、それでは、構成員の方、どなたか御意見いただけませんでしょうか。

特に御意見ありませんか。

そうしますと、今、山口先生、高橋先生がお決めいただいたとおり、これを認めるということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

ありがとうございました。それでは、そういう形で。山口先生、高橋先生、どうもありがとうございました。

それでは、その次の整理番号324のほうに移らせていただきます。この案件に関しましては、事前評価を福井先生にお願いし、技術の内容を村田技術委員よりお願いしたということで、村田先生はきょうどうしても来ることができないということで、それに関しましては事務局のほうから御説明いただくということで、まず福井先生のほうから全体的にお願いいたします。

○福井構成員

別紙3の6ページをご覧下さい。敗血症の患者さんは大変多くて、死亡率も高い病気です。正しい診断がついて、起因菌に対して効果のある抗菌薬が静注されれば治る可能性は高いのですが、培養をして、菌名と薬剤の感受性が判明するまで、今までのやり方ですと2~3日かかります。このVerigeneという検査は米国の会社が開発したもので、自動多項目同時遺伝子検出システムで、遺伝子から菌名、耐性の有無を数時間以内に決めることができます。この写真は、左側がリーダー、右側がプロセッサーという機械になっております。

この先進医療の申請は、既に血液培養が陽性になった患者さんの検体をこのVerigeneにかけて、2~3時間後に結果が出ます。現状では、敗血症の患者さんでは菌の同定ができる前に、経験的に抗菌薬を投与しないとだめなものですから、その経験的に始めていた抗菌薬とVerigeneの結果で決まる抗菌薬との間にどれぐらい違いが起こるかを主要評価項目として検証しようというものです。

従来の方法ですと、培養が陽性になって、菌名を同定して、薬剤耐性を知るために2~3日かかります。この時間が大きな問題で、1時間、適切な抗菌薬の投与が遅れるごとに死亡率が7.6%上昇するという論文もあります。また、適切な抗菌薬の治療が25時間短縮されることによって、患者の死亡率が50%低下した、あるいは、入院日数が6日短縮されたといった研究論文もいくつか発表されております。このVerigeneでの菌の検出、菌名の同定は、2~3日後に結果がわかる従来のやり方との一致率が9596%という論文も既に複数出ているようですので、私はこれだけ短時間で菌名と耐性の有無を同定できるという本検査は臨床は大変有用で、この先進医療で有用性が確認されれば早急に一般診療に導入してほしいと考えていて、別紙の1ページ目にありますように、適応症から、一番下の総合判定、「適」という判定をさせていただきました。

以上です。

○猿田座長

どうもありがとうございました。時間的な問題が解決できるということで、もちろん同定率もいいということで、福井先生はこれでよろしいのではないかということですが、技術委員としてきょうは村田先生がお見えになっておりませんけれども、事務局のほうから御説明よろしくお願いいたします。

○事務局

村田技術委員よりいただいている評価結果内容について事務局より御紹介させていただきます。

敗血症を迅速に診断することは臨床上極めて重要である。本技術は、遺伝子検査装置等、専用試薬キットから構成される多項目遺伝子検査システムである。同様の技術、すなわち、血中の細菌を同定する遺伝子検査としては、ハイブリゼップ、ジーンエキスパート、ゼプティファーストなどが知られており、このうちハイブリゼップについては体外診断用医薬品として承認されています。

本技術は、血液培養が陽性であることが確定した患者を対象にその菌種を短期間で同定するものであり、血液培養陽性、陰性を判定する技術と基本的には異なっている。その特徴は、マイクロアレイを用いて多種のグラム陽性菌、グラム陰性菌を同時に検出することで、先進医療としての評価としては、適応症については妥当、有効性については従来の技術よりやや有効、安全性は問題なく、技術的成熟度は高く、特に特殊技術を必要とするものではない。細菌に対する遺伝子検査であることから、遺伝学的な問題はなく、その他の倫理的問題も見当たらない。現時点での普及性については、敗血症は多くの状況で発生しているが、遺伝子検査の普及率は低い。効率については、菌の同定や薬剤耐性判定時間が従来の培養に比べ大幅に短縮される。将来的には保険収載が妥当と考える。

ということで文面をいただいておりますので御紹介させていただきました。

○猿田座長

どうもありがとうございました。

村田先生は中央検査部の責任者をやられている方でございますけれども、今の報告のように、やはり時間的な問題、非常に早く同定できるということで、福井先生と大体一致した意見かと思いますが、それでは、委員の先生方からどなたか御意見ございませんでしょうか。

これは、福井先生、時間的な問題が一番重要ですね。それで確実なところでという。

○福井構成員

はい。短時間で同定できると患者さんにとっては大きなメリットではないかと思います。

○猿田座長

ありがとうございます。どなたか御意見ありますか。

どうぞ、山口先生。

○山口構成員

私も、臨床の現場で常にそれは感じていて、それはストレスですね。これで解決できれば大変すばらしい技術だと思っています。

○猿田座長

ありがとうございました。ほか。

どうぞ、北村先生。

○北村座長代理

これは体外診断機器に相当するので、この機器自身の薬事承認はおりているものなのでしょうか。

○猿田座長

どうですか。事務局のほうから。

○事務局

事務局でございます。

Verigeneシステム、リーダーのほうにつきましては薬事承認がとれていて、適応ないということでいただいているところでございます。

○北村座長代理

そうしたら、どういう形で輸入するのかな。個人輸入はできると思いますね。先生方が。しかし、販売はできませんね。ですので、Aですから、多くの施設がこの先進医療に参加したいというとき、どうするのかな。例えばこれは市中病院でもやりたいというところが出てくる可能性ありますね。

○医療機器審査管理室長

医薬食品局の医療機器審査管理室長でございます。

このVerigeneシステム(検査装置)につきましては、薬事法の承認はございます。

○猿田座長

承認はある?

○研究開発振興課長補佐

ございます。生体試料から抽出した拡散分子の配列情報を解析する装置で、解析を確実にするために必要に応じて拡散分子の増幅を行うという効能・効果の中で、今回、この技術に関して適応の中だという形での先進医療Aとして、提出のほう、させていただいてございます。薬事法上は問題ございません。

○猿田座長

よろしいですか。

ほかにどなたかございますでしょうか。

どうぞ、五十嵐先生。

○五十嵐構成員

薬剤耐性遺伝子は特にグラム陰性菌が多いと思うのですけれども、既知のもの以外に、頻度としては少ないでしょうけれども、今のレベルでは、この別紙1の3233ページに書いてある、幾つかの遺伝子が記載されていますけれども、これはまた必要に応じてバージョンアップして、カバーする耐性遺伝子が変わるということはあり得るでしょうか。

○事務局

事務局でございます。

今のところ、それぞれ、グラム陽性菌、グラム陰性菌を判定するキットについては、これこれの菌種並びにこれこれの薬剤耐性遺伝子を検出できるということで列挙されております。現時点では、その列挙の中で、その菌に感染しているかどうかを判定するという仕組みになっておりますので、もし、先生が今おっしゃられたような観点で企業が開発するようなことがあれば、またそれは増やされていくこともあるのかもしれませんが、現時点ではあくまでも列挙されている範囲内でということになります。

○猿田座長

実際にこれまで検討された報告例を拝見させていただくと、今のところは大丈夫ですね。ですから、将来において、五十嵐先生おっしゃったようなこともあるかもしれませんけれども。ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。

もし御意見なければ、今のような形で、福井先生、村田先生、それから皆さんの御意見で、これをお認めいただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

ありがとうございました。それでは、認めさせていただきます。福井先生、どうもありがとうございました。

それでは、次の問題に移らせていただきます。次は、第5番目でございます。先進医療技術審査部会において承認された新規技術に関する事前評価結果につきまして、これはまず最初に、整理番号64でございますが、事前評価を北村座長代理にお願いしてございます。

○北村座長代理

別紙4を参照していただきたいと思います。SLE、全身性エリテマトーデスというこの疾患自身も大変厄介な病気ですが、副腎皮質ホルモンの使用がほぼ必須であるという中で、これを投与した後に大腿骨の骨頭壊死の発生頻度が高いと。その原因は、骨頭部分の動脈の閉塞に基づくということがほぼわかっている状況らしいので、整形外科領域としては骨頭壊死は大変重篤な運動障害を起こす疾患でありますし、種々の二次的合併症を起こす疾患であり、何とか対処するという中でいろいろな臨床研究が行われてきております。

少数例ですけれども、主に日本の先生方の努力で、血栓をつくらせないようにしようということで、まずはワルファリンを使用した研究が30例ばかりの研究で行われまして、ワルファリンを使用したほうがどうも骨頭壊死の発生頻度は低いようであると。それにスタチンを加えて、ワルファリン+スタチンを加えると、通常、三十数%の発生率と非常に高い発生率であったものが19%程度まで下げられたという基礎的な臨床データがあります。本当のクリニカルスタディでなくて、観察的試験が行われてきたので、このたびは先進医療を用いた形で、フェーズ2という形ですかね、新しい抗凝固剤を用いて行ってみたいと。

その組み合わせが、いわゆる商品名で言うとプラビックスと言われる、クロピドグレルという新しい、ワルファリンは、しょっちゅうではないですけれども、血液検査を必要とします。2週間に1遍、あるいは安定すれば1カ月に1回くらい。それが不要になる薬で、最近いろんな領域で用いられ出している薬です。それプラス、スタチンとしてのリバロを併用していると。これで19%という頻度まで下げられたという。ワルファリンをクロピドグレルに交換するというのが主体となる治療法を試みたいというのが研究者の考えです。

もう一つそれに、ユベラというビタミンEですか、トコフェロールを追加すると。このあたりの議論は既に技術部会でも行われているようでありますけれども、なぜビタミンEを加えるのかということは、追加しましたという記録があるのですけれども、僕はよう見つけなかったのです。なぜビタミンEを新しい試験に追加するのかというのが、研究者の回答では記録しましたと書いてあるのですが、本文中でよう見つけなかったので、事務方のほうがおわかりになればまた教えていただきたいと思いますが、いずれにしても、150例ばかりを集積して試してみたいということですが、スタディデザインについては技術審査部会のほうでもいろいろ議論されてきまして、結論としては、PMDAとも相談した結果、POC、プルーフ・オブ・コンセプトという考え方で、コントロールなしで投与してみると。研究者たちは、ここにヒストリカルコントロールとしてという形を書いておられるのですが、発生頻度はいろんな報告でかなりな幅がありますね。低いものでも十数%か、高いものでは40%、平均して30%ぐらいあるので、それ以下を目指すというのですが、既にワルファリンとスタチンでは、少数例ではありますが、19%まで下がったという中で、この3剤を新たに投与したときどのぐらいになるのか、そして副作用はどうなのかをまず見てみたいと。

それにしては、150例行うというのはちょっと多い症例数で、もったいない臨床研究かなという気も。その後、これである程度感触をつかめれば、無作為の二重盲検のスタディに入りたいという考え方になっておりますので、非常に安全性を考慮した、長い時間をかけての研究ということになるかと思いますが、私から見れば、最初から、例えばワルファリンとスタチンで19%の成果が得られたのならば、その群と新しい薬としての3者との比較を持った盲検スタディをしてはどうかと思ってしまうのですけれども。研究者たちが、いろいろ安全性を考慮し、PMDAと相談した上で、このような第1段階目として第2相試験という形でのコントロールのないスタディをやってみるという形ですので、それはそれで認められるということでありましたら、本研究については先進医療を用いることで何ら特に大きな問題はないと考えます。

薬も、各製剤会社のほうから既に、適応は違いますけれども、市販されている薬ですので、それの提供を受けるということで、患者自身の支払うべき部分はほとんどないという形の研究テーマになっております。やはりその研究デザインの問題が1つと、しかし、これはこれで認められておりますので結構だと思いますが、もう一つ、ユベラをなぜ加えるのかと。これも血管の薬と考えてのことですけれども、どのコンセプトが入っているのか、ちょっとわかりかねますけれども、そこはわかりますか。

○事務局

事務局でございます。

先生から今いただきました御指摘については、試験の計画書の中で、ステロイド投与に続発する骨壊死に対して動物を用いた基礎実験の中で、クロピドグレル硫酸塩、ピタバスタチンカルシウム、トコフェロール酢酸エステルによる単独での発症抑制効果が報告されているという記載がございますので、それをもとに今回の薬剤選定が行われたと思っております。

先生も触れられていた、例えばワルファリンの単剤であるとか、ワルファリンとスタチンの2剤併用による発症抑制効果については臨床試験で、有意差は出ていないものの、傾向があるということで資料として付けて、それを含めて総合的に見て、この3剤で臨床試験をPOC試験として組むということでいただいているところでございます。

○北村座長代理

これは30%以下の成果を目標とすると書いてあるのですけれども、それで今までの、少数例ではありますけれども、スタディと比較して、ヒストリカルコントロールとおっしゃっておられる部分と比較して、次の二重盲検へ進める大きな根拠が得られるのでしょうかね。

○事務局

いただいている御指摘については、PMDAとも相談をいただいているところでございます。ヒストリカルコントロールの発生率の設定についても、かなり多くの議論がPMDA、また先進医療技術審査部会でもなされたものと思っておりますが、例えばある報告では、10/29で、34.5%で、また別の報告では、6/24例ということで25%、この2つの数字を基本的には採用した上で、それらの数字に沿って期待発生率を仮定して症例数を組んだところ、150例というところで統計学的に数字が出ていますので、そういった数字の計算のもとで今回の設定がされていると御理解いただければと思います。

○北村座長代理

例えば、これは30例ぐらいの試験ですね。ですから、150例計画しているうち30例をやった時点で30%出たと、発生したとなったら、そこで中止するとかいうような考えはできておりますか。つまり、もう既に、今までのスタディから基づいて、ヒストリカルコントロールということでやって、そのNは30例ばかりですね。ですので、150やる過程で30の時点で既に発生率が30%を超えてしまったという場合には中止という考え方になっていますか。

○猿田座長

 済みません。これは先進医療技術会議のほうで非常に議論あったことで、一番重要なことは、ビタミンE、トコフェロールを使うことに関して、これも本当になぜ効果あるだろうかということで随分議論されたのですけれども、本当のところの機序はどうもまだはっきりしてないということで、これが技術会議で随分議論になりました。

 それからもう一つは今の症例の問題。実はこれは柴田先生が副担当で全部やっていただいて、済みません、柴田先生のほうからそこの御説明をお願いできますか。

○柴田構成員

 柴田です。

 御指摘いただきました点につきましては、技術審査部会の際のディスカッションポイントでもございました。まず、現時点での認識として、ワルファリンを使った2剤併用療法の効果は確立してないということであろうと考えて、次に行う検証試験の対象群は無治療であるというのが現状の認識です。つまり、ワルファリンを使った2剤併用療法がそれなりにもう確立したものであるということであれば、そこと比較するというところから始めるべきであろうと思いますけれども、そうではないという認識で、まず無治療との比較をする。

そのときに150例が多いか少ないかという話は、これがベストかどうかという話になると、もう少し少なくできるのではないかという議論はあり得るとは思います。

 今回の試験のフェーズ2の計画では、まず5例の段階で安全性上問題があるかどうかでの中間段階での判断はされることになっております。これでたくさんの患者さんに入っていただくのはまずいということであればそこで終わるということになります。

 一方、現状が無治療ということが標準であるのであれば、少々の数の患者さんを登録することによって、著しく患者さんが不利益をこうむるということはないであろうというのが、150例やってもいいかなと判断した背景にございます。

ただし、臨床試験の方法論として、これ以上続けてもいい成績が出る見込みが一定の確率で期待できなくなるというポイントを決めることは可能です。がんのフェーズ2でもよくそういうことを決めて、早期に無効中止をするというデザインを採用したりすることもございますので、そういうものを盛り込んで、より精密なデザインにすることは可能ではあります。実際、この試験は30例ごとに中央判定をするということになっておりますので、ちょうど中央判定のタイミングなどと絡めて無効中止の検討をするということはテクニカルには可能になっております。

 プロトコールにはその規定がたしか無かったと思います。無効中止の規定は。安全性上の中止の規定はあったのですが、現状では無効中止の規定はなかったと記憶しております。ただし、技術的にはそれを組み入れることは可能です。

○猿田座長

 よろしいでしょうか。

○北村座長代理

 了解いたしました。これを先進医療で行うこと自身についての問題は非常に少ないのではないかと思いますが、そういう臨床研究の専門の先生方も含まれた組織が出来るようですので、結構だと思います。

○猿田座長

 ありがとうございました。

どうぞ、事務局。

○医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 今のお話、柴田先生のお話も承っておりまして、例えば本日、この先進医療会議の議論で30例ごとの評価の際に必要に応じて中止の判断をするというのを条件として、「適」とするということは可能かと思いますので、もし必要であればそういう結論であっても結構かと思っております。

○猿田座長

 そこはどうしたほうがいいですかね。

○柴田構成員

 まだ試験は開始されていませんので、30例の段階がよいのか、60例の段階がよいのか、それはこの研究グループの統計の専門家に御検討いただきたいところではありますが、一定の数のところで、無効中止を判断するという条件を組み入れて、その条件のもとできちんとプロトコールを改訂した上で開始するということは可能だと思います。

○猿田座長

 ありがとうございます。どうですか。北村先生、そこを非常に。

○北村座長代理

 ワルファリンにクロピドグレルが交換できるかという研究はいろんな病気で行われてきているのですが、大変成功しているのは心房細動の場合ですね。しかし、人工弁を受けた、心臓の弁置換を受けた患者さんに対しては、アメリカで行われた試験は途中で中止になりました。それはやはりクレピドグレルがワルファリンの効果を超えられないと。いろんな状況の病気で抗凝固の作用が違うことから違うので、ワルファリンをクレピドグレルに交換したのがこの治療法の一番メインのポイントだと思いますので、そこで30例で40%の発生が起こったという時点では検討するということは当然かなとも思いますので。

○猿田座長

 どうぞ、福井先生。

○福井構成員

 途中で解析する方法も、ブロックごとにやる方法と、大きなリスクを伴う研究の場合には1例ごとにシークエンシャルに解析するような方法があると思いますが、これはブロックで例数をあらかじめ決めておいて、その時点で行う評価でしょうか。

○柴田構成員

 これから行おうとしている治療のリスクをどのぐらいのものだと考えるかによると思います。非常にコントロールの難しい薬剤などを使っている場合、あるいは非常に毒性の強い、致死的な毒性がたくさん出るような試験治療の場合には、先生がおっしゃるように、一例一例慎重にということもあり得ると思います。ただし、これまでの、今出されているデータを拝見した限りでは、一定の数が集積された時点での判断ということで差し支えないのではないかなと考えております。もちろん、最初の5例のところで安全性が確認されるということもこの試験に組み込まれておりますので、一定の数のところで有効性を見て、無効中止を判断する基準を事前に正確に定めておいていただくという方針は妥当だろうと考えます。

○猿田座長

 北村先生、どうですか。

○北村座長代理

 それでお願いできれば。そうしていただければ。

○猿田座長

 ありがとうございます。

どうぞ、五十嵐先生。

○五十嵐構成員

 大変基本的なこと、細かいことになるかもしれませんけれども、別紙4の29ページの九州大学のほうからの御説明の文章、*のところですが、要するに、この研究の方法は、最初にワルファリンを使ったら大腿骨頭壊死は34%が26%に減ったと書いてありますね。これはもちろん統計学的な有意差はあるわけですね。それから、さらにそれにスタチンを加えるとさらに19%まで減ったということで、これも統計学的に有意差があると考えているのでしょうか。

 違いますよね。要するに、減っているようなのだけれども、3426になり、19になっているけれども、統計学的に有意差ないわけですね。かつ、ワルファリンは使用する上で定期的に血液検査をしたけれども、非常に煩雑だということで、だから、やめてしまうと言っているわけですね。だから、ワルファリンは使わないで、抗血小板薬に変えたいという論理ですね。

そうだとすると、この書き方はちょっと、抑制されているとは書いてあるけれども、統計学的な有意差がないのだということはやはり書くべきだと思うし、さらに、煩雑だからやめるのではなくて、統計学的な有意差がなかったので、もうワルファリンは、このスタディは、数は少ないけれども、やめて、抗血小板薬に変えたと、そういう論理なのではないかと思うのですけれども、それはそれでよろしいですか。

○柴田構成員

 恐らく議論の流れとしてはそういうことだと思います。いろいろな書類を読む過程で、それが前提だと思い込んで読んでおりましたので、今、御指摘をいただくと、確かにその部分の書きぶりはあるかなと思います。

○五十嵐構成員

 ですから、29ページの書き方はちょっと足りないのではないか、書き方が不正確ではないか。つまり、これだけ読んだ方が誤解するような書き方ではないかとちょっと感じたので、これはもう少し、統計学的有意差がないとか書いていただきたいと思うのです。

○猿田座長

 ありがとうございました。非常に重要な点でございます。ほかにどなたか御指摘ございますでしょうか。

 重要な点は、こういった骨頭壊死に対する予防法が実際ないのですね。ですから、そういう形で、こういう形での治療をやるとかなり効果的だということで、まず皆様方にお諮りしたいのは、この技術を先進医療としてやっていただくことに関してはまずお認めいただくことでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 ありがとうございました。そうすると、その次の条件として、今言った、五十嵐先生からの文章の問題と、もう一つは、どのぐらいの症例数のところで一回そういう、最初の5例やって、その後どのぐらいかということも、これは提出していただいているところと、事務局との間で、今、40例にするのか50例にするのか、そこのところは詰めていただいて、それで認めるということでよろしいでしょうか。

 ですから、先ほど福井先生おっしゃった、一例一例もあるけれども、このぐらいの危険性のものであれば、40から50という方向へ持っていってもいいのではないだろうかということかと思いますので、そういたしますと、これは先進医療としては認めて、それから、先ほどの5例の分のところと、さらには40例か50例のところをやっていただく。それからもう一つは、今、五十嵐先生から御指摘いただいた、ちょっと文章のところですね。そこははっきりしていただくという形で、もしよろしければその形でお認めいただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 ありがとうございました。それでは、そういう形でお認めいただいたということにさせていただきます。北村先生、柴田先生、皆様方、ありがとうございました。

 それでは続きまして、もう一つのほうに移りたいと思います。次のほうは整理番号の65番でございます。これは事前評価、申しわけないですが、柴田先生にしていただいたので、柴田先生のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○柴田構成員

 右肩に別紙5と書いてございます資料を御用意ください。こちらは、根治切除可能な胃がんの中で漿膜浸潤を伴う方に対して周術期にパクリタキセルの腹腔内投与をする、併用療法をするというものでございます。

医療技術の詳細については、23ページにシェーマがございますのでお開きください。これは手術の後に漿膜浸潤を伴うという患者さんに対してTS-1とパクリタキセルの経静脈及び腹腔内投与の併用療法を行うというものです。パキリタキセルの静脈内投与とTS-1については既に薬事承認のある使い方ですが、パクリタキセルを腹腔内投与するというところが適応外使用になる部分でして、そこの部分が今回の新しい部分となります。こちらに示してございますような形で治療が行われて、先進医療承認後3年間で予定症例数50例、治療完遂率を主要評価項目とした臨床試験が行われるということになってございます。

 1ページめくっていただきまして24ページに薬事承認までのロードマップが記されております。この腹腔内投与につきましては、ちょっと対象の異なる胃がんの患者さんに対して既に研究が進んでおりまして、先進医療でもそのようなものが進んでおります。今回は対象がちょっと違うというものになります。今回行われる先進医療の結果、治療完遂率が十分高いということになりましたら、今後、検証的な第3相臨床試験が実施されるという予定になっております。

 以上が医療技術の概略になります。

 1ページに戻っていただきまして、上から、社会的妥当性についてですが、こちらは倫理的問題等はないと判断しております。

現時点での普及性ですが、まだ十分にエビデンスもございませんし、罹患率、有病率等から判断しまして、普及してないという判断をしております。

 効率性につきましては、結果にもよりますけれども、現時点での情報からはやや効率的になると期待できるのではないかと考えております。

 将来の保険収載の必要性ですが、このものの試験で実施可能性が確認されるわけですが、その後、検証的試験が行われる予定になっております。その検証的試験の結果をもって保険収載を行うことを判断することが必要であると考えておりますが、きちんとしたよい結果であれば将来的に保険収載を行うことが妥当なものであろうと考えております。

 以上を踏まえまして、総合判定としては「適」とするべきではないかと考えております。

 以上でございます。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。今、御説明いただいたとおり、パクリタキセルの腹腔内投与というところが適応外であるということと、あと、今までに随分こういった使用がやられてきていますけれども、先生、大きな問題はないですね。そういった形で、柴田先生としてはこれでお認めいただいていいだろうということで、「適」という判断をいただきましたが、それでは、委員の先生方から御意見いただけますか。

 特に山口先生、何かございますか。

○山口構成員

 胃がんの領域では非常に期待されている分野で、今、術後の補助化学療法としては、ステージ2、3に対してTS-1を飲ませていますけれども、解析してみますとステージ3の進んだほうには余り効果が見られてないので、やはりパワー不足なのです。先行研究で、  既に腹膜播種あるやつに対して、やってかなりいいデータが出ていますので、まして漿膜浸潤があるけれどもはっきりした転移ない状態のものにはさらに効果が期待できると思いますので、こういうステップを踏んでやっていただくことは大変よろしいし、先進医療にふさわしい技術だと思います。

○猿田座長

 ありがとうございました。そのほか、委員の先生方、どなたか御意見ございますか。

 高橋先生、何かございますか。

○高橋技術委員

 いいえ、特には。

○猿田座長

 特に御意見なければ、それでは、柴田先生の判定どおり、「適」ということで、山口先生もよろしいということでございますので、もし特に反対御意見がないようでしたら、これもお認めいただくということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 そうしますと、きょう審議する部分は以上でございますが、事務局のほうから、これからのこと、そのほか、お願いいたします。

○研究開発振興課長補佐

 申しわけございません。先ほど、先-2の整理番号324番、Verigeneシステムを用いた敗血症の迅速診断で、北村先生から御質問あった点につきまして、私の回答が非常に足りなかった部分がございますので、もう一度御説明させていただきますと、先ほど申し上げた承認状況は医療機器のほうでございまして、体外診断薬のほうに関しましては、現在まだ承認ございません。

ただ、体外診断薬はリスクが非常に低いという形で先進Aの中で取り扱っていただくということと、あと、こちらのほう、薬事承認の申請時または承認時、取得時において申請企業からその旨の情報が事務局のほうにきちんと伝えられるということになってございますので、先ほどの御回答を修正させていただければと思います。

○猿田座長

 北村先生、何か。

○北村座長代理

 ついでに、この機械を日本の医療、普通のPCRの器械と同じように、研究室の場で使うことでも特別な薬事承認は要らんのだと思いますが、購入額とかはどのぐらいになっているのですか。どこの会社が販売して。というのは、これはもし有効であれば、ほとんどどこの病院でも。

○福井構成員

 アメリカのナノスフェアと書いてあります。日立が扱っているようです。

○北村座長代理

 どこの日本の企業が扱っているのか、もしわかれば。それで幾らで販売しているのか。妥当な金額なのか。

○事務局

 製造販売している企業について、福井先生からございましたとおり、日立ハイテクサイエンスという御申告をいただいておりますが、額については、今この時点で承知しておりませんので、また追って調べたいと思います。

○北村座長代理

 いずれ保険点数つけなければならないかもしれないから、検討しておいてほしいな。

○福井構成員

 最近、似たような検査がいろいろな方面で使われるようになってきているようです。複数の遺伝子の組み合わせを用いて、例えば大腸がんの検診に用いたら有効だという論文も出たりして、同じテクニックがいろんな場面で使われそうな状況のように思われます。

○猿田座長

 ここにまた出てくる可能性ありますね。

 ありがとうございました。ほかに御意見ございますでしょうか。

 もし特にないようでしたら、それでは、事務局のほうから、これからのこと、そのほか。

○事務局

 事務局でございます。

 先日、中医協のほうに、6月25日でございますが、FDG-PET/CTの不明熱診断への応用についてお認めいただいた件について御報告差し上げました。その際に、PET/CTについて技術的な質問がございましたので、またこちら、技術審査部会等とよく御相談して回答を作成し、先方にお返ししたいと考えております。

 次回の開催につきましては、予備日という形でしておった8月でございますが、8月7日開催ということで予定させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。

○猿田座長

 大変暑い中大変かと思いますが、やはりかなりうまく進めることは進めてくれているということですね。

ほかに委員の先生方どなたか御意見ございますか。あるいは何か気がつくことがありましたら、せっかくの機会ですから、御意見いただければ。

 もし特にないようでしたら、これで第20回の会議を終えたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、これで終わりたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。


(了)
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