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2014年7月7日 「年金の日(仮称)」検討会議事録

○日時

平成26年7月7日(月)12:00~14:00


○場所

全国都市会館 地下1階 第4会議室


○出席者

(検討会メンバー)

磯村元史氏、草野満代氏、立川らく朝氏、花輪陽子氏、深澤理香氏、水島藤一郎氏

(金融広報中央委員会)

前川事務局次長

(厚生労働省)

樽見年金管理審議官、成松企画官、梶野年金事業運営推進室長

(日本年金機構)

小森事業企画部長、上野サービス推進部長

○議題

(1)「年金の日(仮称)」の趣旨等について
(2)「年金の日(仮称)」の日にち・名称について
(3)「年金の日(仮称)」の周知方法・行事等について
(「ねんきんネット」等を広く活用して老後の経済設計に役立てる方策を含む)

○議事

梶野室長:では、ほぼ定刻でございますので、ただ今より、「年金の日(仮称)」検討会を開催致します。検討会メンバーの皆さまにおかれましては、ご多忙の折お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、私のほうで議事進行を務めさせていただきますので、よろしくお願い致します。

 では、まず本日の検討会のメンバーの皆さまのご紹介をさせていただきます。お手元の資料の3枚目か4枚目に資料1というのが入っていると思います。資料12枚目に、メンバーの名簿を付けさせていただいております。五十音順でご紹介申し上げたいと思います。

 まず、平成20年の年金記録問題作業委員会、それから、年金記録回復委員会、そして本年1月に終了しました年金記録問題に関する特別委員会におきまして、それぞれ委員長を務めていただきました、磯村元史様でいらっしゃいます。

磯村氏:磯村と申します。よろしくお願い致します。

梶野室長:それから、フリーキャスターでいらっしゃり、本年3月に終了しました総務省年金業務監視委員会の委員を務められました草野満代様でいらっしゃいます。

草野氏:草野です。どうぞよろしくお願い致します。

梶野室長:落語家の立川らく朝様でいらっしゃいます。立川様は、医師でもいらっしゃいます。

立川氏:立川らく朝です。年金とは、全く関係ございません。

梶野室長:ファイナンシャルプランナーの花輪陽子様でいらっしゃいます。

花輪氏:花輪です。よろしくお願い致します。

梶野室長:社会保険労務士の深澤理香様でいらっしゃいます。

深澤氏:深澤です。どうぞよろしくお願い致します。

梶野室長:そして、日本年金機構理事長の水島藤一郎様でいらっしゃいます。

水島氏:よろしくお願いします。水島と申します。

梶野室長:検討会のメンバーは以上の6名でございますが、本日は、金融広報中央委員会事務局より、前川次長にお越しいただいております。

前川次長:前川でございます。どうかよろしくお願い致します。

梶野室長:金融広報中央委員会におかれましては、その取り組みでねんきんネットの周知などを行っていただいています。後ほど、その取り組みなどについてご説明いただきます。事務局の出席者につきましてはお手元の座席表にございますので、そちらをもって紹介に代えさせていただきたいと思います。


 

議事⑴ 「年金の日(仮称)」の趣旨等について

 

梶野室長:それでは、議事に入ります。まず1点目、「年金の日(仮称)」の趣旨等についてということで、それでは、本検討会の開催に当たりまして、厚生労働省大臣官房年金管理審議官の樽見より、ご挨拶申し上げます。

樽見年金管理審議官:樽見でございます。今日はお忙しいところ、また、お足元の悪いところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の資料のところに、資料1という形で、「年金の日(仮称)の検討会開催の趣旨」というのを書いてございます。挨拶ということで、ここに書いてあることに尽きてしまうようなところですけれども、年金は、なかなか国民生活の中で大きな役割を持っています。

 その後に資料2というのがありますが、「公的年金の規模と役割」というところです。年金の給付額も50兆円を超えているという形になっていますし、下のほうに年金の役割ということになっていますけれども、年金は高齢世帯の収入の7割であると。あるいは、6割の高齢世帯は、年金収入だけで、これは収入でございますので、他に貯金とかある方もあるわけでございますけれども、フローでいいますと6割の方が年金収入だけだというふうに伺える。これだけ大きな役割を持っている年金です。

 一方で、社会保険庁時代から年金記録問題というのが起こりました。年金の加入記録について、管理がずさんであって分からない。あるいは、誰のものか分からないといったようなことも引き起こしてしまったわけです。その辺については、何とか改善を図るとともに、そういう分からない記録については、跡付けをしっかりやるということで見つける努力をやってきたわけでございます。いろいろな取り組み、集中的な取り組みというのを今年の3月まで行ったわけでございます。その辺につきましては、参考資料1で書いてございますので、後で、お時間のあるときにご覧いただければと思います。

 そうした年金記録問題の取り組みをやってきた中で、例の5000万件、誰のものか分からない記録があるとなっています。それが2000万件に減っていますけれども、なお、2000万件ございます。そういうものについて、これからどなたの年金記録であるか特定する作業をやっていかなければいけないのですが、その際に、私どもの中で確認する作業も引き続きやりますけれども、ぜひ、お心当たりのある人については、加入者や受給者の方々に確認いただいて申し出ていただくことが、これまでに増して重要になってくるということころがございます。

 そういう意味で、日本年金機構の方でもねんきんネットというような仕組みを作りまして、そういった分かりやすい、確認のしやすい仕組みというのを作っているわけでありますが、それを1人でも多くの国民の皆さんに、分かって、利用していただくことが重要であるというふうに思っているわけでございます。

 同時に、先ほど申し上げましたように、年金は、国民生活の中で大きな役割を持っているわけでございます。誰のものか分からない記録というだけじゃなくて、どなたのものか分かっている記録についても、年に1度、お誕生月にねんきん定期便というのをお送りしています。要は、1年に1度ぐらい、ねんきん定期便、誕生月に送られてきたものを引き出しにしまいっ放しにしないで見ていただいて、若い方には老後の生活設計を考えてみるとか、そういったような日があってもいいのではなかろうか。

 できれば、そういう機会にねんきんネットも見ていただいて、また、受給者の方々なども含めて、かつてのご自分の働いた記録、年金を納めた記録について間違いがないかということの管理もしっかりと見ていただくことができたらいいのではないかと考えまして、ねんきんネットを使ったらいいのではなかろうかと思った次第でございます。

 そういうことで、先ほどの資料1の「検討会開催の趣旨」ということで書いてございますけれども、年金記録、あるいは、ご自身の年金の年金受給額を確認していただく。それから、企業年金、個人年金、貯蓄等も含めて、老後の経済設計に思いを巡らせていただく契機になればということで、「年金の日」を作りたいということでございます。

 今日は限られた時間でございますけれども、この「年金の日」の日にち、あるいは名称、あるいはそこでどういうことをやっていったらいいのだろうか、ということについて、忌憚のないご意見を賜れればと思っているところでございます。どうぞ、よろしくお願い致します。

梶野室長:それでは、カメラは、ここで退室願います。

 以下、配布資料の順に沿いまして、各資料について説明させていただきます。一通りご説明が終わったところで、「年金の日」の日にち、それから名称、周知方法などにつきましてご議論を頂戴したいと考えております。

 それでは、まず資料3について、日本年金機構本部事業企画部小森部長から、ねんきんネットの概要などを説明していただきます。スクリーンでスライドをご覧いただきながら、お手元のパソコンで実際にねんきんネットを使っていただきます。


小森事業企画部長:日本年金機構の小森でございます。それでは、ねんきんネットについて説明させていただきます。スクリーンのほうを。

 今、スクリーンに映し出されているのは、お手元の資料ですと31「ねんきんネットの概要」という部分でございます。まず、こちらのスクリーンで説明致しますが、見えにくいようであればお手元の資料をご覧いただければと思います。

 それでは、資料では1ページになりますが、ねんきんネットの導入経緯でございます。ねんきんネットは、年金記録問題の解決策の一つとして、紙台帳とコンピューター記録の突き合わせといった行政側からのアプローチに加えまして、国民側から常に年金記録が確認できる仕組みの構築が求められたということで、平成232月に開始したサービスでございます。

 次に、ねんきんネットのメリットをご紹介致します。資料では、2ページ目です。一つ目は、いつでも最新の年金記録が確認できるということでございます。ねんきんネットでは、24時間、いつでもご自宅のパソコンやスマートフォンで最新の記録をご確認いただくことができます。

 次に、資料では3ページのほうになりますが、ねんきんネットのメリットの二つ目は、年金記録のもれや誤りを発見できるということでございます。それから三つ目は、将来の年金見込額を試算できるということでございます。

 次に、ねんきんネットのご利用方法についてご説明致します。ねんきんネットをご利用いただくためには、ユーザーIDを取得していただく必要があります。このユーザーIDの取得方法ですけれども、アクセスキーを使用する場合、アクセスキーを使用しない場合の二通りがございます。資料は、5ページでございます。アクセスキーは、年金制度の加入者へ誕生月にお送りしているねんきん定期便に記載されてございます。こちらのように記載されてございます。また、アクセスキーは、お客さまからのご依頼があれば、年金事務所や街角の年金相談センターでも発行しています。

 次に、資料ですと6ページでございますけれども、アクセスキーを使用する場合のユーザーIDの取得方法を説明致します。まず、日本年金機構ホームページからねんきんネットに入っていただきまして、「ご利用登録」ボタンをクリックしていただきます。次に、ねんきんネットの利用規約に同意いただいた上で、ユーザーID発行お申し込みページにアクセスキー、基礎年金番号、氏名、生年月日、メールアドレスなどをご入力いただき、「申し込み」ボタンをクリックしていただきます。そうしますと、ユーザーID発行申し込みページでご入力いただいたメールアドレスに、お申し込みいただいた方のユーザーIDが表示されているページへのリンクが記載されたメールが送信されますので、ユーザーID確認用URLをクリックして、ユーザーIDを即時に確認していただくことができるわけでございます。

 次に、資料のほうですと7ページでございますけれども、ユーザーIDは、アクセスキーを使用しなくても取得していただけます。アクセスキーを使用しない場合には、ユーザーID発行お申し込みページに基礎年金番号、氏名、生年月日、住所、メールアドレスなどを入力してお申し込みいただければ、概ね、お申し込みから5日程度かかりますけれども、ユーザーIDのお知らせを郵送致します。

 ここからは、ねんきんネットの主な機能について説明致します。本日は、ねんきんネットのデモ画面を用意致しましたので、委員の皆さまにデモ画面を操作していただきながら、ねんきんネットの主な機能について説明をさせていただきます。資料については、8ページでございます。

 まず、ねんきんネットへのログインでございますけれども、日本年金機構ホームページの右上に、「今すぐログイン」ボタンがございます。このボタンからログインページへ入っていただき、ユーザーIDとお申し込みの際に設定していただいたパスワードを入力してログインしていただきます。デモ画面では、ユーザーIDとパスワードが入力された状態が表示されておりますので、そのままログインボタンをクリックしていただきますと、ねんきんネットトップページが表示されます。それでログインが完了でございます。

 資料9ページから10ページにかけてでございますけれども、ここからはねんきんネットの、年金記録の一覧表示、年金記録照会、年金見込額試算、持ち主不明記録検索の四つの機能について説明致します。

 一つ目は、年金記録の一覧表示です。ねんきんネットの上部の青色タブの左から2番目の年金記録の一覧表示タブをクリックしていただきますと、年金記録の一覧表示ページが表示されます。年金記録の一覧表示では、これまでの加入履歴や保険料納付額、老齢年金の見込額などを表示しています。

 また、年金加入期間が重複している場合、国民年金保険料を納めていない月がある場合など、特にご確認いただきたい年度の加入月数を赤文字で表示しておりまして、この赤文字の加入月数をクリックしていただきますと、資料10ページに記載されているようなポップアップが表示されます。ただ、デモ画面ではポップアップが表示されませんので、ご了承ください。

 次に、資料11ページでございます。二つ目は、年金記録照会でございます。年金記録の一覧表掲示の、年金記録照会ボタンをクリックしていただきますと、年金記録照会ページが表示されます。資料12ページになりますが、デモ画面の年金記録照会ページをスクロールしていただきますと、各月の年金記録の情報が出てきます。ここでは、各月の加入状況を表示しています。表示のご説明につきましては、資料の12ページの右側のほうに載っていますので、ご覧ください。

 また、年金加入期間が重複している場合、国民年金保険料を納めていない場合、お勤め先での報酬に大きな変動があった場合など、特にご確認いただきたい月につきましては、赤文字で強調表示をしてまいります。

 資料では13ページになりますが、各月の表示、例えば国年という所をクリックしていただきますと、詳細ページが表示されます。この詳細ページはセルごとに表示内容が異なっておりまして、国年の場合は国民年金保険料の納付状態を表示しており、厚年の場合はお勤め先の名称や、標準報酬月額などの情報を表示しております。

 それでは、詳細ページの「閉じる」ボタンをクリックしていただきたいのですが、ただ、本日、このデモ画面はインターネットエクスプローラーとの接続の関係上、右下に「許可する」というボタンが出てしまっておりますので、まずそちらを押していただいてから閉じるボタンをクリックしていただければと思います。この「許可する」のボタンは、本物のねんきんネットのほうでは出てきませんのでご安心ください。デモ画面との相性で、そういったものが出ております。

 次に、資料14ページでございます。国民年金、厚生年金保険、船員保険の各制度の情報を1画面で確認したいというような場合は、各月の年金記録の情報の基になる各制度のボタン、こちらをクリックしていただきます。ここでは、制度ごとの情報を集約して表示してあります。このページの見方につきましては、後ほど、お手元の資料32の、「ねんきんネットによる年金記録の見方」をご覧ください。

 それでは、先ほどと同様に右下の「許可する」を押していただいた後、「閉じる」ボタンをクリックしていただければと思います。

 三つ目でございますけれども、年金見込額試算、16ページになります。ねんきんネット上部の左から3番目の年金見込額試算タブをクリックしていただきますと、額試算メニューのページが表示されます。今回は、幾つかの簡単な質問にお答えいただきながら、年金見込額を試算する方法を説明致します。

 額試算メニューの質問形式で試算のボタンをクリックしていただきますと、今後の職業の入力ページが表示されます。デモ画面の、今後の職業の入力ページを一番下までスクロールしていただきますと、質問1が出てきます。ここで、今後の職業を通常の場合選択していただくのですが、デモ画面では厚生年金保険に加入中であることを前提として、現在の職業を継続するパターンをあらかじめ表示しております。右下の加入制度に関する確認へ「進む」のボタンをクリックしていただきますと、加入制度に関する確認ページが表示されます。

 資料18ページでございます。デモ画面の加入制度に関する確認ページをスクロールしていただきますと、質問1から質問4が出てきます。ここで、今後の収入や加入期間などを入力していただくのですが、デモ画面では入力内容をあらかじめ表示してあります。「試算条件一覧へ進む」ボタンをクリックしていただきますと、試算条件一覧ページが表示されます。試算条件一覧ページは、これまでに入力していただいた試算条件を確認いただくためのページでございます。デモ画面の試算条件一覧ページを一番下までスクロールしていただきますとこの試算ボタンが出てきますので、ここをクリックしていただきますと試算結果照会ページが表示されます。

 資料ですと19ページでございますが、試算結果照会ページでは、これまでに入力していただいた試算条件と、その試算条件に基づく試算結果をご確認いただけます。デモ画面の試算結果照会ページをスクロールしていただきますと、年金見込額のほか、給与収入と年金見込額の合計額をグラフ形式で見やすく表示してございます。

 資料ですと20ページになりますが、今回のデモ画面では、本来の支給開始年齢が65歳から年金を受け取る場合の試算という設定になっておりますが、ねんきんネットの年金見込額試算では、例えば未納となっている国民年金保険料を納めた場合、それから年金を繰り上げたり、あるいは繰り下げて受け取る場合。それから、働きながら年金を受け取る場合など、さまざまな条件をご自分で設定することができるようになっております。

 次に資料21ページになりますが、持ち主不明記録検索という機能についてご説明させていただきます。こちらは、ねんきんネットの上部左から4番目の持ち主不明記録検索タブをクリックしていただきますと、内容説明とご確認ページが表示されます。ここでは、持ち主不明記録の検索方法や、検索条件に一致する記録が見つかった場合の手続きなどをご案内しております。

 デモ画面の内容説明とご確認ページを一番下までスクロールしていただき、「確認しました」にチェックを入れて、「検索を開始する」の所をクリックしていただきますと、まずこちらにチェックを入れていただきまして、「検索を開始する」ボタンをクリックしていただきますと、検索対象の選択ページが表示されます。検索対象選択ページでは、持ち主不明記録の探し方を選択していただくのですが、デモ画面ではご自身の記録をご本人が探すパターンという設定になっておりますので、そのまま条件入力、「履歴確認へ進む」ボタンをクリックしてください。

 次に、資料23ページになりますが、今回は、国のシステムに誤った氏名が登録されているかもしれないという前提で、苗字の読み方を変えて持ち主不明記録を検索する方法を説明致します。デモ画面では、現在、年金太郎という方がログインしてございます。氏名のカナ欄に年金の別の読み方であるトシガネと入力した場合の内容をあらかじめ表示してございます。「検索」ボタンをクリックしていただきますと、参考情報入力ページが表示されます。「検索」ボタンをクリックしていただきますとこういうふうに出ますので、次に資料ですと24ページですが、検索条件に一致する記録が見つかった場合には、参考情報入力ページに、「入力した検索条件と一致する記録があります」というメッセージが表示されます。

 このメッセージが表示された場合は、年金事務所などにご相談いただくことになるのですが、このページで当時の住所、勤め先などの参考条項を入力していただきますと、年金事務所などでの年金記録の確認がスムーズに行えますということになっております。

 デモ画面の参考情報入力ページを一番下までスクロールしていただき、右下の「入力内容を確認」のボタンをクリックしていただきますと、確認ページが表示されます確認ページでは、検索条件と前のページで入力していただいた参考情報をご確認いただけます。デモ画面の確認ページを一番下までスクロールしていただきまして、「検索結果を登録」ボタンをクリックしていただきますと、完了ページが表示されます。完了ページを一番下までスクロールしていただき、「印刷画面を開く」ボタンをクリックしていただきますと印刷用のページが表示されますので、このページを印刷していただき、年金事務所などにご相談に行かれる際に出していただくことになります。

 以上、ねんきんネットの主な機能を紹介させていただきましたが、ねんきんネットには他にも便利な機能が、届書の作成支援、通知書の確認など、他にも便利な機能もございますので、広く国民の皆さまにご利用いただきたいと私どもとしては考えているところでございます。以上でございます。

 

梶野室長:

 それでは、続きましてファイナンシャルプランナーの花輪さんから資料を提出いただいておりますので、ご説明をお願いします。

花輪氏:ファイナンシャルプランナーの花輪陽子と申します。私のほうからは資料4、こちらで老後に必要な資金についてお話をさせていただきます。すみません、掛けさせていただきます。

 老後に必要な資金について、まず、老後の生活費が夫婦でどれくらい掛かるかというところをお話しさせていただきます。「総務省家計調査2013年」によりますと、高齢夫婦、無職世帯の1カ月の消費支出および非消費支出の平均額が272455円です。こちらは、非消費支出の税や社会保障の支払いや、住居費、医療費なども込みの金額になっております。こちらを65歳から90歳までの生活費の総額を出しますと、81736500円となります。こちらの莫大な生活費を一体何で補うかと言いますと、それは、大部分は年金になります。そして、年金の金額を出していただきまして、不足額を預貯金や労働などで補う必要があります。

 次に、老後に必要な資金について職業別に3パターン、シミュレーションさせていただきましたので、順にお話をさせていただきます。まず1番目が、一方が厚生年金で、一方が被扶養者であった夫婦ということです。例えば、こちらは夫が会社員で妻が専業主婦というご家庭の場合、このケースに当てはまります。

 こちらのケースで、65歳からの夫婦2人で標準的な年金額は、月額で226925円となっております。こちらは、夫が会社員で、平均的な報酬が36万円で40年間就業したケースになっております。この場合、65歳から90歳までの年金の総額が68077500円になります。

 先ほどの生活費の総額から引いていただきますと、不足額が13659000円となります。こちらの不足額を老後の資金として貯蓄などで貯めていただく必要があるということになります。

 続きまして、自営業者の夫婦の場合の試算をさせていただきます。自営業者で国民年金のみの夫婦ですね。こちら、65歳からの標準的な年金額が1人当たり月額64400円ということで、2人分で128800円になります。同じく、65歳から90歳までの年金の総額が3864万円となります。生活費を引いていただきますと、不足額、老後に必要な資金は43096500円となります。会社員と比べまして、多くの貯金が必要になってきます。

ただし、自営業者の場合、70歳まで働かれる、あるいは、元気な限りずっと働かれるというケースも多いですので、自営業者の場合で70歳まで働く場合も出させていただきました。こちらが、年金総額が同じく3864万円で、生活費のほうが70歳から90歳までの20年間の生活費が65389200円になります。こちらを差し引きさせていただきますと、不足額が26749200円となります。

 このようにして、老後に必要な資金というのが、老後の生活費と年金額から試算をすることができます。こちらはあくまでも平均的な金額なのですが、ご自分の場合で出される場合は、ご自分を例えば現役時代の生活費を参考にしていただいて、現役時代と比べて、例えば7割だとかで計算していただいたりだとか、あとは、年金額は先ほどのねんきんネットで将来の年金額を試算していただいて、ご自分のケースで試算をしていただくと、より正確な老後に必要な資金を算定することができます。私の方からは、以上になります。 

 

梶野室長:ありがとうございました。それでは次に、資料5と振ってはおりませんけれども、「知るぽると」というパンフレットがございます。これにつきまして、金融広報中央委員会事務局次長の前川様からご説明をお願いします。

前川次長:前川でございます。どうかよろしくお願い致します。すみません、座ってご説明させていただきます。

 なぜ私のような者が検討会の正式なメンバーでもないのにこの席にお呼びいただいているのかということを、きっと不可解に思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、厚生労働省さんとはタッグを組んでいろいろなことをやっておりまして、その一端を、今日、私の立場からご紹介させていただきたいと思います。

 お手元の、今ダブルクリップを外していただいた一番上にベージュ色の「知るぽると」という冊子が乗っていたかと思います。この「知るぽると」というのは、実は私どもの愛称でございまして、ホームページを検索していただくときには、「知るぽると」と打っていただくと、私どものウェブサイトにアクセスすることができます。

 この資料、折りたたんでおりますが、取りあえず見開きという形で、こういう形で開いていただけますでしょうか。そうしますと、右側の下のほうに、私どもの生い立ちというか沿革みたいなものが、字は小さいですけれども、書いてあります。

 実は、私どもは昭和27年に、ご存じの方がいらっしゃるか、磯村先生とかはご存じかもしれませんが、昔、貯蓄増強中央委員会と言っておりまして、戦後のインフレを収束させるとか、あるいは、経済成長のために必要な鉱工業の資金を銀行経由で調達するというような目的もありまして、国民の家計資産として貯蓄を奨励しようという一種の国策として行われた運動がございまして、そのときの事務局を実は日本銀行が引き受けておりまして、それを、日本銀行という別組織で貯蓄増強中央委員会という形で全国組織を作りました。

 このときに、私どもは全国に日本銀行として支店もございますので、全国に貯蓄増強委員会というのも作りまして、以後、47都道府県それぞれに私どもは支部のようなものを持っておりまして、全国で貯蓄増強の推進をしてまいったという経緯がございます。

 その後、金融の自由化とか、いろいろと社会情勢、金融経済情勢が変わります中で、私どもの貯蓄をやろうということだけではなくて、目的とかがどんどん変わってまいりました。現在は、基本的には国民の皆さんに正しい金融知識を身に付けていただくと共に、的確な情報収集と判断力を養っていただくというふうな目的で、学校の現場におじゃまして授業をさせていただいたりとか、あるいは社会人の方々に向かっていろいろなパンフレットをお配りしたり、講演会を企画させていただいたりという形で金融知識の普及などに努めさせていただいております。

 こういった取り組みの中で、その「知るぽると」という資料の後ろのほうに、ちょっと分厚いA4横長の紙で「金融リテラシーマップ」というのが入っているかと思います。これは、先ごろ、6月の18日に記者発表させていただいた資料でございます。これはそもそもどういうものかと申しますと、今申し上げたように、正しい金融知識と判断力を養っていただくためのいろいろな活動を長年やってきたわけですけれども、国際的には、リーマン・ショックを機に、金融リテラシーという、国民の金融知識を高めてもらうということが非常に大事だという認識が国際的にも高まりました。

 日本国内でも、一種の国家戦略としてこういう金融教育に力を入れようということが、ここ数年、足元で起こってきております。そうした流れを受けまして、実は、私どもが事務局となって銀行業界、証券業界、生損保の業界、あるいは日本FP協会さん、こういった、主として金融業界の団体さんとタッグを組んで、これから金融教育としてやるべきことを整理しましょうという形で検討を致しました。

 下にありますように、金融経済教育推進会議というのは昨年の6月に発足させて、1年間さまざまな検討をしてきて、一種の報告書という形で取りまとめたのが、今ご覧いただいているリテラシーマップというものです。これは、一言で申し上げると、いろいろな年齢層に対してどういう金融教育をしていくのがいいのかということを、理論的に私どもで整理したものという位置付けというものでございます。

 簡単に、ざっとご覧いただくためにめくっていただいて、3ページ、4ページというページを開いていただけますでしょうか。タイトルに、「マップの主な内容」というふうに書かれております。これは、実はこの裏側に非常に細かいものがあるのですけれども、このページは、その内容を後ろに付いている分厚い資料のエッセンスを集約したものでございます。

 実は、何を作ったかと申しますと、縦軸をご覧いただきますと、縦軸には家計管理、生活設計、それから金融知識、外部の知見の活用といった形で、いわゆる知識の源泉であったり、あるいは、判断力を養っていただくための活動をどういう形で身に付ければいいかという項目が縦に並んでおります。

 右側には小学生から高齢者まで、各年齢層、ライフステージごとに世代を区切ってございまして、それぞれの項目において、それぞれの学年でというか学齢で、どういうことを勉強していただくのがいいのか、最も効果的なのかということを整理整頓したものでございます。例えばご覧いただいている中で、家計管理、生活設計というのが一番基礎になるわけですけれども、小学校、中学校のところは、まずお金の大切さから勉強し始めていただいて、お小遣い帳を付けるといったところから始まります。

 どんどん社会に出ていくに従って、住宅ローンとか、教育資金といった問題に直面していくので、それにどう対処していけばいいかということを学んでいただきます。一般社会人、高齢者という右側の2列について申し上げると、ここはもう老後の老い支度を意識していただかないといけないものですから、一般社会人、高齢者のこういうゾーンに入ってきますと、いわゆる年金、自分の年金はいくらあるのかと。先ほど花輪先生がおっしゃられたように、ライフプランの中で足りない部分が今の貯金で足りるのか。足りなければ、今の生活費をどうやって切り詰めるのかということを真剣に考えていただかないといけないと、こういうゾーンに入ってくるわけでございます。

 それで、実は私どもがこういったものを作ったのは、それぞれ関係している団体、業界などで、これを一種の統一基準みたいな形で考えておりまして、こういう線に従って、それぞれがそれぞれの対象層に、ここに書いてある内容に着眼しながらいろいろな講演だとか、資料作成とか、授業とかをやっていこうというふうにしております。そういう意味では、今特に金融業界とかFP協会さんを中心にということですが、国民に対して働きかけるベースラインになっているのが、このリテラシーマップだというふうにご理解いただければよろしいかと思います。

 従いまして、私どもはこのマップというか、一種の教育指針みたいなものに従って業界横断的に、あるいは関係省庁さんとも情報交換をさせていただきながら国民に働きかけていくということでコンセンサスを形成しているところでございます。その中で、年金関係については年金機構さんとか、厚労省さんとかと情報交換をさせていただきながら、先ほどご説明がありましたねんきんネットなども、私どもは通常のこういう金融知識普及の活動の中でご紹介をさせていただいております。

 従来のシミュレーションのツールの中では、自分で仮置きでえいやと、こんなものかなという感じでシミュレーションしていた部分が、1回ねんきんネットに入っていただいて、ご自身の年金額を正確に知っていただくことによって老後のシミュレーションみたいなものがより正確にできてきて、早め、早めの自分の資産管理、あるいは家計管理に役立てていってあげるというふうなことになります。ですから私どもも、ねんきんネットがカットオーバーして以降、情報を頂戴して、いろいろな形で情宣をさせていただいているところでございます。

 そこで最後に、これも後でお読みいただければと思いますけれども、今申し上げた一般社会人の方と高齢者の方々を主なターゲットとした、基本的な知識の習得のための手助けになればということで、お手元にブルーの冊子がございますが、「大人のためのお金と生活の知恵」というパンフレットを、私どものほうで作って、お配りをさせていただいております。

 ここにはあまり難しいことは書いていなくて、ごくごく基本的な日常感覚に合った取り組みの仕方、あるいは着眼点の作り方みたいなことを整理しております。こういったものをきっかけにして、国民の皆さんに、ぜひ自分の人生設計というものを振り返っていただく機会にしていただければいいなと思っております。

 そういう意味では、実は私どもは、学生さんについては学校におじゃまする。それで、そこで知識を教える、伝えるということができるのですが、いったん社会に出られますと、なかなか講演会で声を掛けても、集まってほしい人全員に集まっていただけるわけでも当然ありません。

 そういった社会人に対する働きかけという意味では、結構、ある意味では苦労をしております。そういう観点からも、今回企画されている「年金の日」みたいなものがもしできますと、私どもも知識普及、あるいは問題意識を持っていただく上で呼び掛けの大きな契機になろうかと期待しておりますので、ぜひ、本席でも皆さんにご活発なご議論をお願いしたいと思います。私からは、以上でございます。

 

梶野室長:どうもありがとうございました。それでは、次に資料6-1、「年金週間」・「ねんきん月間」の経緯についてでございます。今、11月にねんきん月間というものがございます。まず、経緯から申し上げますと、年金週間というのが最初に、平成3年に作られました。これは、昭和36年に国民皆年金ができまして、その30周年を契機に、国民一人一人に年金を身近で大切なものとして考えていただく動機付けの機会として、「いい老後」という語呂合わせとして116日からの1週間を年金週間として位置付けておりました。

 その次に、ねんきん月間の設置ということで、この年金週間の活動に加えて、保険料の収納といったところの活動と連動して実施することが効果的ということで、週間から月間に変更し、11月をねんきん月間としたのが、平成18年度です。それから真ん中に注釈がございますけれども、国民年金法の施行は3411月ということで、ここも11月でございます。

 それから資料6-2ですけれども、「○○の日の例」でございます。非常にたくさんございますが、ここでは一部のみ取り上げております。語呂合わせの例としては、耳の日ということで、3の字が耳の形に似ていると。それから、3をミと読んで、ミミです。

 介護の日は、「いい日、いい日、毎日、あったかい介護をありがとう」を念頭に、1111で、いい日、いい日に、覚えやすい、親しみやすいということでそういうふうになっています。それから、1122日がいい夫婦の例ということで、これはイイに、22で夫婦ということでございます。

 記念日ですが、看護の日はナイチンゲールの誕生日。それから裏面ですけれども、川の日は、天の川のイメージということで77日。技能の日は、これはアジアで初めて技能五輪国際大会が開かれた日ということでございます。

 それから、法律の施行日というのもたくさんありますけれども、消防記念日、電波の日、景観の日といったものがあります。

 続きまして資料7のほうを、日本年金機構サービス推進部長から説明をお願いします。

上野サービス推進部長:日本年金機構サービス推進部長の上野でございます。それでは、資料7をご覧ください。平成25年度「ねんきん月間」の取り組みをご報告したいと思います。

 まず、日本年金機構では、11月を「ねんきん月間」として、国民の皆さまに公的年金制度に対する理解を深めていただくために制度の普及、啓発活動の各種取り組みを集中的に実施しております。

 平成25年度の「ねんきん月間」につきましては、全国の年金事務所で4570回の取り組みを実施させていただきました。実際にどんな取り組みをしていったかということでございますが、大きく分けて7項目ほどございます。

 まず一つは、教育機関での取り組み。これは723回ということで、どういうことかといいますと、高等学校であるとか、大学、専門学校等の教育機関に、おじゃましまして、私どものほうから年金セミナーを実施させていただいたり、大学や専門学校等で、学生向けの相談窓口、特に学生納付特例申請書の受け付けをする窓口を開設しました。また、大学構内での学生納付特例制度のポスターの掲示とか、パンフレットの配布なども実施しました。

 二つ目は、企業、団体等への取り組みでございますが、平成25年度は108回実施しております。年金事務所管内の事業主、あるいは従業員の方に対して、年金制度説明会を実施したり、その従業員の方たちに対して年金制度のパンフレットを配布しました。また、金融機関に出向き、保険料、口座振替手続きの勧奨、依頼をさせていただきました。社会保険労務士会さんに対しては、事務説明会の開催を実施したり、年金制度についてもご説明させていただきました。商工会、商工会議所さんにおきましては、事業所向けの出張相談であるとか、パンフレット設置の依頼を実施しました。

 三つ目でございますが、民間施設での取り組みということで130回ほど実施しました。特に、ショッピングモール等の大きい商業施設や、百貨店であるとかスーパーマーケット、こういったところに出向きまして、一時的にスペースをお借りして出張相談とか、国民年金保険料納付相談会を実施しました。

 また、地域におけるイベント会場、例えば市民祭り等におじゃましまして、出張相談とかをさせていただきました。

 次のページをめくっていただきますが、4番目でございますが、自治体、公共施設での取り組みとして、1054回実施しました。こちらにつきましては、市区町村等、また、市民センターであるとか公民館、こういった公的施設に出向きまして出張相談、また、国民年金保険料の納付相談の開催であるとか、保険料の免除申請窓口の開設をしました。

 市区町村に対する取組でございますが、担当者に対しての制度説明や事務処理説明、併せて記録の再確認キャンペーンのチラシ配布などをしております。また、自治会等で年金制度の説明会、回覧板を使わせていただいて告知をさせていただくといったことを実施しました。

 五つ目でございますが、ハローワークでの取り組みとして1964回実施しました。こちらにつきましては、ハローワークの雇用保険受給者説明会というのがございます。こういったところに出向きまして、年金制度やねんきんネットについてご説明するとともに、保険料免除制度のチラシを配布して免除に対する周知をさせていただきました。また、ハローワーク内での出張相談会の開催や、保険料免除窓口の開設であるとか、職業訓練センターでの出張相談などを実施しました。

6番目でございますが、年金委員の方々に対する取り組みとして437回。こちらは年金委員と健康保険委員の合同研修会であるとか委員表彰式実施の際に、法改正など最新の情報等について周知をさせていただきました。

 最後でございますが、年金事務所における取り組みとして154回。こちらは年金事務所で国民年金保険料の納付相談会であるとか、また、事業所の事務担当者の方を対象としたセミナー、事務員講習会を実施しました。

 また、その他欄に記載してありますが幼稚園児さんを対象に、年金事務所において絵画コンクールをしまして、その表彰式に保護者の方々に出席いただき、そこで年金説明会を実施するであるとか、また、刑務所等の更生施設において公的年金制度説明会を実施するというような取組を実施させていただきました。以上でございます。

梶野室長:それでは、資料8でございます。これが、資料の説明の最後になります。資料8、横長のものです。本日お決めいただく「年金の日」、11月のしかる日に実施する事業のアイデア、検討中のものでございます。

1枚おめくりいただきまして、ここに五つほど付けておりますけれども、まず1は、民間との協働イベントということで、これは非常に重要でございます。企業年金、個人年金、貯蓄などの金融機関、それから関係団体、そして今、金融広報中央委員会さまに非常に熱いお言葉をいただいて、ありがとうございます。金融経済教育の関係団体などにお願いをして、可能な範囲で下記のような取り組みについて同時に開催する。真ん中の所ですけれども、ねんきんネットの利用の呼び掛け、ポスターの掲示、チラシの配布、また、ホームページに載せていただくなどの周知キャンペーン。それから下ですけれども、その団体、または会員様におかれて、「年金の日」の前後に例えば年金相談会などを行っていただく。こういうことを、今、20近くの団体にいろいろお願いしていますけれども、それが整いましたら、またしかるべき時期に公表したいと思っております。

 次のページですけれども、2点目です。大臣表彰式の開催ということで、「年金の日」またはその前後の日におきまして、「わたしと年金エッセイ」というのを、今、日本年金機構のほうでされております。中学生とか、大人もそうですけれどもエッセイを書かれて、そこに賞を授与するということをやっておりますけれども、これに厚生労働大臣賞を新設しまして、その表彰式を同時開催するということです。

3点目、次のページでございますけれども、今ご説明がありましたが、「年金の日」をはじめとするねんきん月間に、大型商業施設で出張相談を実施するということでございます。それから次のページ、4枚目ですけれども、インターネット広告ということで、「年金の日」またはその前後の日において、「年金の日」やねんきんネットの利用促進に関するインターネット広告を実施と。それから左下ですけれども、日本年金機構ホームページ内に、ねんきんネットを動画などで分かりやすく紹介するページを開設すると。

 最後、5枚目ですけれども、地方自治体との協働イベントということで、市町村が取り組みをされる場合に、その支援をするということです。交付金という制度もございまして、そういった支援をするということでございます。

 あとは、参考資料は説明しませんけれども、参考資料の4が後ろのほうに付いております。後ろから2枚目ですが、これは公的年金の啓発活動ということで、コンビニエンスストア各社のご協力をいただいて、小泉政務官、高鳥政務官にもご臨席いただきイベントを実施したときの資料でございます。一番最後に、11月のカレンダーを付けております。

 

議事⑵ 「年金の日(仮称)」日にち・名称について

 

○梶野室長:続きまして、本日の議題ですけれども、「年金の日」の日にち、名称につきまして、ご意見をいただきたいと思います。先ほど資料6でご説明しましたとおり、過去には年金週間、現在はねんきん月間ということで、11月にさまざまな取り組みを行っています。カレンダーを見ていただきながら、ご意見を頂戴したいと思います。それでは、ご意見を、どなたかお願いします。

樽見年金管理審議官:ねんきん月間自体は、やめるつもりはないですよね。

梶野室長:ないです。

樽見年金管理審議官:ねんきん月間は、ひと月はねんきん月間ということで、これはこのままでいいと思っているのですけれども、ただ、ひと月やっていますというだけだと、逆になかなかインパクトがないので、「年金の日」というものを作って、最初に私がご挨拶で申し上げたように、定期便をそのときには引っ張り出していただいて老後の経済設計を考えてみようという日が、1年のうち1日ぐらいあってもいいのではなかろうかということでございますので、それはそれとしてどこかで「年金の日」というものがあればいいかなということでございます。そういう前提で、ご意見を賜れればと思います。

磯村氏:年寄りが口火を切ると、どうも憂うつな話が多いですが、花輪先生のデータを見て、こんなに要るの?と。

 一方、63日の財政検証。あれで見ると、何年か後には国民年金の基礎年金が3割ぐらい減るかも分からないというような話もありますので、なるべく早くあの世に行ったほうが、余計な心配をしなくて済むのかと思っております。

 「年金の日」を決めて、一体年金の何を言うと一番よろしいのですかね。「もっとよく知ろう」と言うのか、あるいは、「これから減るから、別のことを考えろ」と言うのか、一体、何を言ったら一番いいと思っておられますか。

樽見年金管理審議官:まさに、もっとよく知ろうということではないかと思うのですが、花輪さんとか深澤さんは、どういう感じでお考えになりますか。

花輪氏:老後が不安だということを若い方、20代の方からお年寄りの方まで皆さん言われますけれども、何が不安かというと、実はセミナーなんかで聞いても、ねんきん定期便だとかを見ていなかったりするので、その不安の正体というのは知らないということなんですね。ですので、そういった「年金の日」を設置していただいて、確認をしていただくことによって老後に必要な資金はこれだけで、逆にそれ以外は使ってしまってもいいんだとか、そういった見えるようにすると安心感が出てくるのではないかなと、私は思います。

深澤氏:私は社会保険労務士として、市民相談や行政協力のほか、個人で年金相談を受けていますが、すでに手遅れの状態に遭遇することが多くあります。

 その手遅れというのは、納付要件を満たしていないケースです。例えば、障害年金の要件で年金を受給できそうな方が、少しの期間未納があって必要な期間を満たしていないケースや、老齢年金に際しても、本人は払ったつもりでいたのに25年の受給要件を満たしていなかったケースです。このようなケースは現状の制度では対処しきれず、お気の毒な場面に遭遇することが多くあります。

 「年金の日」の設置は、1年に1回、なんでもないときに、健康なうちに、若いうちに定期的にチェックすることの大切さを伝えるきっかけになるのではないかと思っています。

草野氏:多分、「年金の日」という設定をしたことで、安心というものを手に入れることはできないと思います。ただ、一番、やみくもな不安というものがあるが故に、みんなこれほどつらいというか、それが拭えないからこそのつらさというものにずっと支配されているわけです。そのやみくもな不安というものを少しでも軽減させるという意味での「年金の日」という設定があってもいいのではないかと思って、私は、今日参加させてもらいました。

 多分、1日そういう・・・ねんきん月間ということを知っている人というのはまだまだ少ないですけれども、1日設定するということで、年に1回だけでも、年金のことを身近な自分の問題として捉えられるきっかけが、少しでも増すということが大事なのかなと思います。

立川氏:私は年金のことは全く分からなくて、皆さん年金の専門家の方ばかりなので。ただ、全く分からないだけに、多分、私の感覚が、一番国民の感覚に近いんだろうと思うんです。

 みんな、不安というよりほとんど懐疑的ですよね、年金に関してはね。「本当にもらえるのかしら」「われわれは多少もらえるかもしれないけれども、次の世代はどうなっちゃうんだろう」「本当にお金を払って大丈夫かしら」みたいな、多分、ほとんどの日本人が、みんなそう思っていると思いますね。だから、さっきのねんきんネットで、どのくらいもらえるのか試算ができるというのは、すごくいいことだと思いました。

 まず、その不安の解消じゃないでしょうか。不安というよりも、年金に対する懐疑心を取りあえず取り除いてあげるのが先決で、それがなくて「年金の日」を決めたり、いろいろなキャンペーンをやったりイベントやったりしても、誰も来ないと思いますね、私は。

 私は医者なので、健康管理畑でいろいろなイベントを、健康落語という落語をやっているので、それもありまして、健康関連のイベントは随分とやらせていただきましたけれども、まともにやっても、健康の話でさえ、人は集まらないですね。

 ですから、さっき「ここでイベントをやりました」「説明会をやりました」というお話がありましたけれども、一体何人集まったんだろうなと思いながら聞いていたんです。自分の命に関わる健康の話でさえよほど工夫しないと人が集まらないのに、年金のことでキャンペーンをやっていて、誰が来るんだろう。ましてや、本当にお金をもらえるんだろうかとすごく懐疑的な状態のときに、何をやっても、多分、無駄なんじゃないかと。

 まず、そこじゃないでしょうか。「お金をもらえるよ」という、まず、そのキャンペーンじゃないかなと。「大丈夫だよ、もらえるよ」って。「ああ、そう。なんだ、もらえるんだ」というそこから始めないと、私は全く国民がついてこないかなというふうに思います。 多分、これはすごく一般的な庶民感覚じゃないかなって思います。

草野氏:私も、それはそう思います。公的年金制度をちゃんとこの先もやっていくんだという強い意志がほしい。意思表示をしていただきたいなというふうに思いますね。それは、どなたができることなのかよく分かりませんけれども。

立川氏:まさにおっしゃるとおりだと思いますね。払うほうにしてみれば、無理やり取られているわけですよね。だから、言ってみれば、税金とほとんど同じ感覚なわけですね。払わなきゃしょうがないから払っているんで、じゃあ、これが一体どうなるのという不安をみんな持っていると思うので、国としてちゃんと年金を保証するんだよという強い意思表示って、本当に大切だと思います。

梶野室長:まさによく言われているところでして、公的年金への不安。そこはなるべく、普段、国の広報をご覧なられないところにどう訴えるのかというのがおそらく重要です。そこは啓発で力を入れるということで、例えば今回小泉政務官にコンビニエンスストアでアピールしていただいたりとか、いろいろ仕掛けを考えております。

 それで、そういった安心を提供することも大事ですし、今回はさらに、資料8-1の「民間との協働」というところに踏み込んでいます。なかなか厚生労働省の広報を普段ご覧になられていない方が多いものですから、そういった厚生労働省の分野と違った各金融機関、日銀の金融広報中央委員会にご協力を得て、貯蓄とかを勧められる、年金の口座を銀行に作ったり、個人年金を売られるといった現場で、まさに民間のところで、ねんきんネットで試算をしていただくということ。

 それから、確かに公的年金の不安もありますし、それから、ご自身でよく考えていただくと。公的年金が全額生活費を完全に賄う額は出ませんので、1年に1回は、自分でどのくらい老後の生活が必要で、これだけ足りないというのを、1年に1回くらい自分で考えていただけると、少しは不安が軽減されるかもしれない。

樽見年金管理審議官:一つ言うと、まさにその、年金が出るか出ないか。今のままいくと、いずれ公的年金制度なんてつぶれてしまうのではないか。出ないかもしれないというのは、オール・オア・ナッシングみたいな、一生懸命払っているけれども、意味のあるような年金は出ないという考えがあるところに対しては、そんなことは絶対にないわけです。

 まさに、先ほどらく朝さんがおっしゃったように、税金と同じように強制的な手段をもって保険料を納めていただいているという中で、世代間の順送りですので、年金は、まさに払えなくなってしまうとか、意味のない年金しか出ないというようなことは、これは絶対にない。

 ただ一方で、年金さえあれば暮らしに不自由がないというだけの年金が出るかというと、そんなこともないんですね。そこを、今伺っていて私は思ったのですけれども、そこのところは私どもも、ちゃんと分かっていただくような努力が不十分だったのではないかなと。

 だから、年金は潰れません、みたいなことは言っても、一方で、その年金の水準というのは、それがあれば不自由なく暮らせるという水準ではないです。それとご自身の努力と、併せて準備をしていただきたい。だけど、そういう範囲での公的年金は、物価が上がればスライドもしますし、若い人の賃金と合わせて定期的に見直していくことも含めて、そのときどきの社会変化に応じた給付というのは、やっていく。

 そこのところは、まさになくなるとか潰れるということは絶対になくやっていくわけなので、そういうことをしっかり言っていくということ。ただ一方で、それだけで全部賄えるかというと、実は、もともとそうじゃないんです。もともとそうじゃないんですけれども、われわれも、最初に私が触れたように、老後の生活費の何割は年金だけとかいうようなことを今まで言い過ぎたきらいがあります。

 そうじゃないけれども、逆に、年金であればそれだけで安心みたいなことというのは、必ずしもそうではありません。そうじゃないということを含めて、しっかりと老後の生活設計を、それぞれ、一人一人で考えていく必要があるということを言っていく。なんか、セットのような気がします。

磯村氏:日銀さんのお手伝いを兼ねて、この10年、あちこちの老人大学で年金の話や、貯蓄や投資の話をしているんです。そこで出てくる質問は、今の話にありましたように、「年金はつぶれないわね?」って確認をされる。「それはつぶれませんよ。かといって、悠々自適の生活をするだけはもらえませんがね」と。「それは当たり前ですよ」と。「お上がやるんですから、全部、悠々自適で賄えるだけの年金はとても払えない。まあ、半分もらえたらいいとしましょう」というふうな話をしていますと、その次に出てくるのは「でも、記録大丈夫ですか」と言うから、「まあ、6割めっかったけども、残り4割、まだめっかってないんですよね」と。

 「ここに、例えば100人集まっていると、じゃあ、そのうち3040人の記録がまだめっかっていない人が居るんですかね」と言うから、「かも分かりませんね」と。「実態は、よく分かりませんけどね。だから、とにかくたまには、自分の両親の記録も含めていっぺん確認してくださいよ」と言うと、「そうかね。親に年金記録大丈夫かって聞いていると、殴られはせんかね」と言うから「いや、いや。もうこのご時世だから、自分の年老いた親の年金の記録のお手伝いもしてみてくださいよ」と。

 なんか、そういう日のために特定の日があってもいいのかなっていう感じはするんですけどね。どんなもんでしょうかね。

樽見年金管理審議官:はい、そういうことです。まさに月間はいいんですけれど、月間だとぼやけちゃうんですね。その日があると、先ほどお二人のお話がありましたように、きっかけになるんだと思うんですね。そういうのが、今回、こういうことをお諮りしたいと思ったことです。

 そういう意味で言うと、まさに先ほどから出ている例えば不安とか、あるいはやみくもな不安といったようなものに対して、ちょっと確認をしてみる。なんか、そういうよすがとして、皆さんに覚えてもらいやすい日というのは、どんな日だろうかということですね。

草野氏:あと、先ほどおっしゃいましたけれども、多分、若い世代ほど、国が何とかしてくれるんじゃないかという意識が、多分、あるんじゃないかなって思うんです。上の世代なんかを見ていると、うちの親ももう年金生活をしておりますが、自分たちでやらなくちゃいけないという意識が、なんか、高い気がするんですよね。

 だから、国としてやるときに、「自己防衛してくださいよ。国が全部面倒を見るわけじゃないですよ」っていう言い方はすごく難しいから、なかなかその部分ができていなかったと思うんです。けれども、やっぱり、おっしゃったように全部見てくれるわけではないです。それは当たり前のことですが、自分の問題として、自分で何とかしなくちゃいけないっていうことをどうやってうまく啓もうしていくかというのも、すごく重要ですね。難しい気がします。

樽見年金管理審議官:そこは、若い方はどうですか。

花輪氏:若い方も、データで見ても20代だとかは貯蓄額とかも多いですし、若い方も、老後の不安から、特に女性などは、かなり貯金をされていらっしゃいます。

 私から見ると若い方は、20代、30代、かなり貯金は熱心ですし、特に働く女性は、非常に貯蓄しています。

 年代ごとの貯蓄率だとか貯蓄額だとかあるんですけど、そういったものも越えて、かなり貯金されている方もいらっしゃいます。老後、年金だけでは足りないということで貯蓄をしたり、個人年金保険に入ったりしています。あとは、景気の状況にもよるんですけれども、やはり今株式相場の指標がいいので、今は投資だとかにも関心があったりだとかしています。

 最近は女性誌なんかでも、投資だとか貯蓄についてのお金の記事も増えています。かなりお金の関心は高いですので、必ずしも自分でやるという意識がないわけではないと思います。

樽見年金管理審議官:そこは、もしかすると幅が広がっているんですか。私なんかがよく覚えているのは、昔、金さん、銀さんが話題になったときに、どこか名古屋でテレビに出て、「出演料をもらって、どうしますか?」って言ったら、「老後のために貯金する」っていう話が、100歳で出て、なんか、すごいなと思ったんです。

 確かに草野さんがおっしゃるように、上の世代はそういう感じがありますよね。でも、若い人でも今お話があったようにあるとしたら、意識の低い層と高い層の幅が、ちょっと広がっているのかもしれないですね。

花輪氏:そうですね。特に、例えば今シングルの女性とかは、ものすごく老後の危機意識が高いので、20代、30代から、もう老後のお金をためています。あとは、老後のお金以外にも住居を確保するだとか、すごく熱心に考えられています。

 ただ、子育て世代になるとまず子どもの教育費が先決なので、老後のことが、意識が少し下がってしまうところがあるかと思います。

立川氏:ワーキングプアなんかの問題もありますでしょう? 二極化しているところも。

花輪氏:そうですね。ワーキングプアでものすごく苦しい方は、「いざとなったときどうしますか」というようなアンケートの回答なんかも、やはり「生活扶助がある」というようなことを言われる方も多いです。そういった方は、国が助けてくれると思ってしまっている方も中にはいらっしゃいますね。ですので、二極化はしています。

 しっかり貯めている真面目な方と、お国に最後は頼るというような考え方の方と、そうですね、二極化はしていますね。

立川氏:私は、さっきご提出いただいた資料を見てびっくりして、こんなに要るのって、本当にびっくりして、ええ? と思ったんですけど。そこと全部、年金だけでやってというのも、多分、おかしいだろなと。むしろ老後の設計みたいな、自分の経済をどうするんだっていう格差社会のトータルで、その中の一つの要素として年金を持ってくる。確かに、それで暮らせるほどもらえませんよというのは、でも、どんどん、恐らく逆三角形になっているわけですから、払うお金は増えてくる、もらうお金は少なくなってくる。いっぱいお金を払っているのに、雀の涙しかもらえない。多分、この不安は絶対に、若ければ若いほど強いだろうと思います。だからこそ、自分の老後の設計の何割を年金で持ってくるのか、そういうところからキャンペーンをやっていったほうが、くいつきがいいんじゃないかという気がしますけれどね。

樽見年金管理審議官:まさに、人口がこういうふうになっているので、世代ごとの、難しい言葉だと内部収益率というのですけれども、いくら払っていくらもらうかの差みたいなものを見ていくと、そこはどんどんもらえる割合が少なくなっていく。それにしても、そういう中で年金保険料を払っていただくために、また、所得再分配、富んだ人とそうでない人との所得再分配という機能もありますので、そういう意味で基礎年金の2分の1は税金のほうから入ってくる。そうすると、消費税も上がったわけですけれども、それは年金をもらえませんというと、逆にそういう税金を取り返す機会を失ってしまわけですね。そういうところを含めて考えると、保険料を納めたよりも少なくしかもらえないというようなことにはならないわけで、やっぱり、年金制度をうまく老後の生活設計なりに組み込んでいく。個々人としてはうまく利用していただく。制度を運用する側から言うと、しっかりと保険料を納めていただいてしっかり給付するとなるんですけれども、そういう利用する側の視点で意識を高めていただくようなことができればいいのかなというふうに思います。そういう、今、らく朝さんがおっしゃったような形でのキャンペーンなりPRということを、仮に「年金の日」という名前でやるとしても、やっていくということを考えていきたい。

 そういう意味で言うと、先ほどの金融広報中央委員会さんと一緒になってやるというメリットというのは、随分あるのかなと思います。

磯村氏:いろんな金融機関のホームページをみますと、年金友の会というのがありまして、銀行が行方不明の記録を探すのをお手伝いしますなどというケースが、多いですね。メガバンクはあまりやっていませんけれど、地方銀行、信用金庫、信用組合、農協、JAですね。郵便局でも、一部やっているでしょう。だから、そういうところと手を携えてやっていくと、年金機構のお株を奪われるかも分からないけれども、記録問題の解決にも、随分役に立つんじゃないかなという感じがします。

 そういうところに呼び掛けるためには、やっぱり、「何日ですから」と言って頼み込むというのも、一つあるのでしょうね。

樽見年金管理審議官:実際に年金記録問題でも、こちらから「あなたの記録ではないですか」と言ったけれども、お答えをいただけないというのが、実は結構あるんです。そこを、「ぜひお答えください」という個別の働きかけはやっているんですけれども、私どもがやっているというだけではなくて、銀行とか、信用金庫とか、そういうところのイベントなんかを通じてもそういう働きかけができると、答えてみようかなという人が出てくるとありがたいというのも、率直に言うと思いますね。

 それから、先ほど、らく朝さんの健康でのイベントで、なかなか人が集まらないという話がありました。例えば健康づくりもそうですし、あるいは介護とか、結構、市町村なんかでそういう介護相談会をやったり、あるいは、高齢者の方々に健康づくり教室というのをやったりというようなイベントも、やっておられるところがあるんですね。そういうところで、市町村にうまく熱心になってもらわなければいけないんですけれども、年金相談みたいなこととか、あるいは、場合によってはねんきんネットをやってみせるとか、そういうことができるとそれもいいのかなと。

 その市町村を動かすためにも、何かきっかけというか、「何日は年金の日ですから」みたいなことが言えるといいのかなとも思います。

立川氏:老後というのは、経済と健康って一つのものですので、そのドッキングというのは最近多いですね。面白いのは、ラジオNIKKEIという昔の短波放送、「何が何円、何が何円」というあれですけれども、そこが経済評論家を呼んで、経済評論家が投資の話をして、その後、私が健康の話をしてというイベントを、公開録音でやったんですね。非常に評判が良くて、東京でやったんですけれども、今度は全国でやりましょうという話になっています。

 あと、証券会社が顧客向けに投資の話をする。そういうときに、「一緒に健康の話もしてください」というので、セットでやるという。両方なくてはならないものですから、セットになることは確かに多いですよね。

樽見年金管理審議官:そのときにぜひ、公的年金はどれくらいもらえるか、あるいは、ご自身の公的年金のところはどうなのか。あるいは、かつて働いているのに年金記録で登録されていないのがあるのかというのは、何か基礎になると思うんです。そこのところを、そういうところで一緒にやってもらえるといいなと思います。

立川氏:いくらもらえるかが分からないと計画の立てようがないので、そこが、例えばイベントに集まった人に、ブースをバーッと作って、そこのブースに寄れば自分のもらえる金額が分かるようなシステムを作っちゃって、「来ると分かるよ」という、そんな売りが1個あれば、行けば、自分がいくらもらえるのか分かるんだなと。

 ネットでやってもいいんでしょうけれども、なかなか高齢の人はそんなやり付けないことはやらないというのが大体年寄りですから、そんな売りを1個出すだけでも、全然集客力が違ってくると思いますね。

梶野室長:その他、自治体との関係で、例えば市町村が認知症の関係で著明な講演会を開いたときに、まさに立川さんがおっしゃったように、年金のブースを作って、認知症の話も聞いていただいたり、または、オレオレ詐欺にだまされないという話だとか。それで、さらに年金受給見込額も計算をしていただくとか、例えばそういうセットの取り組みが何とか広がらないか。

水島氏:私は年金機構の立場で申し上げますと、先ほどご説明した年金見込額試算システムを使っていただくと、いくら年金がもらえるかというのが、大体分かります。それに、11月というのは、実は民間では生命保険の月になっています。若い人たちも、どのくらい年金がもらえるか試算できますので、ぜひそこで将来に向けての生活設計を考えていただく。

 例えば、確定拠出の見直し時期というのは、大体2月から3月で、4月からスタートすると思うのです。そういう意味では、11月ころに年金について考えていただく機会を設けるのは、いいのではないかと思っています。そういう意味で、ねんきんネットをぜひ使っていただければいいなと。

 それからもう一つは、色々な企業にお勤めの方がいらっしゃいます。将来、記録のこととか、そういうような問題が発生しないように、1年に1回ぐらいご自身の納付状況というのをチェックしていただく。そういうことを、ぜひ、将来のために、私どもも正確性を期するように全力を尽くしてやってまいりますけれども、年に1回必ず、「ねんきん定期便」によりお客様の納付状況をお届けしておりますが、そこで確認していただくというようなことは必要なのかなと。

 それから、先ほど来お話がございますけれども、まだ2000万件、受給に結びついていない記録がございます。受給者の方々にはもう一度、もちろん被保険者の方もですが、ご自身の記録を確認していただくというような意味で、ぜひ、そのきっかけになるような日としてそういう日を決めていただけると、私どもとしてもそれに向けていろいろと努力をしてまいりますので、大変ありがたいと思います。

 

磯村氏:それで、何か特定の日の候補はあるのですか。

梶野室長:ありがとうございます。もう一つ議題があり、時間も迫ってきましたので、日の呼び掛けの必要性は皆さんにご認識いただけたということで。

 候補は、事務局ではあまりないのですが一つ申し上げると、先ほどの資料6でありましたように、国民年金法施行の日が、最初にできた日が111日ですので、一つは111日です。1日というのが分かりやすいというのもあります。

11月で言うと1日と11日が多いですけれども、どんな日でも基本的には複数ございます。切りはいい。

樽見年金管理審議官:あとは、かつての年金週間だったときに、「いい老後」というと116日。ただ、老後のゴはどこに行ってしまったのだろうという感じが、ちょっとします。

立川氏:私は、樽見さんに語呂合わせを考えてこいと言われたので、幾つか。多分、だじゃれ要員で来ているのだろうと思っています。

 幾つか、若いほうから。この日は駄目というNG日というのはありますか。23日は、多分、まずいだろうなと思うのですが。11日も、22とかも、もうあるものは駄目なのでしょうかね。取りあえず、考えてきたものをざっと言います。若い日からいきます。

 まず、113日。語呂合わせで、相当無理やりな語呂合わせですけれども、「いい未来」で、「3」が「ミ」ですね。「いい未来」で、113日。114日が、「11」、「いい」でもいいですが、一つの「ひ」でやると「日々」になるので、「日々安心」で、114日。1110日が、「日々充足」。1114日が、「いい年」迎えようみたいな感じで、「いい年」、1114日ですね。

1125日が、「25」を「ニコ」と読んで、「日々ニコニコ」。「1」は一つという言い方をするので、「11」を「いつも」と無理やり読ませると、「いつもニコニコ」で、1125日。このくらい候補日を考えてきました。そういったところです。

磯村氏:1110日の次は、何とおっしゃいましたか。ごめんなさい。

立川氏:いえ。10日の次が14日で、「いい年」ですね。「14」で「トシ」。「いい年」を迎えようということですね。で、25日が「いつも、日々ニコニコ」。114日は、やっぱり、「日々安心」がいいけど、「日々心配」にもなっちゃうので。どっちがいいのかっていうのはあります。

樽見年金管理審議官:いかがでしょう?

梶野室長:ちなみに、どの日も複数ございますので。

樽見年金管理審議官:例えばこれ、日本の記念日一覧という、バッと調べたもののようですが、111日がなぜか「犬の日」「紅茶の日」「泡盛の日」。「自衛隊記念日」は先ほどありましたけれども、「古典の日」。これができたんですね。源氏物語とか枕草子の。113日は「文具の日」「レコードの日」「いいお産の日」って産婦人科の関係でしょうね。4日は「ユネスコ憲章記念日」だそうですね。それから消費者センターというのが開設された記念日ですね。それから1110日は「技能の日」は役所っぽいですが、なぜか「エレベーターの日」「ハンドクリームの日」なのだそうです。それから1114日は「パチンコの日」だそうですね。それからもうひとつ「医師に感謝する日」というのがありますね。「イシ」ってドクターですね。

梶野室長:「イシ(14)」ですね。

樽見年金管理審議官:あ、「イシ(14)」ですか。

磯村氏:なるほど。

樽見年金管理審議官:これはどこで決めてるんだろう。

梶野室長:ほとんど民間のものが多いです。「古典の日」とかは別ですけど。

樽見年金管理審議官:1125日は、これもなぜでしょうね、「OLの日」って…。

樽見年金管理審議官:というのはネットで調べると出てきます。そのほか11月というと…16日は「幼稚園記念日」というのだそうです。ほか、よく分からないですが。

磯村氏:111日というのはえらい多いんですね。

樽見年金管理審議官:111日多いですね。

梶野室長:1日と11日が多そうですね。

樽見年金管理審議官: 11日も多いです。「世界平和記念日」というのがあります。それから、なぜか「くつしたの日」「下駄の日」。

樽見年金管理審議官:「下駄の日」って下駄の目の関係でしょうね。「二」の字の。それから「ピーナッツの日」「チーズの日」、ちょっと固有商品は言いませんが。「介護の日」というのがありますけれども。あと「電池の日」だそうですね。1日と11日は多いです。10個ぐらいずつあります。

磯村氏:60過ぎから私は「いつもにこにこ」というのを心掛けようと努力してきたので、私の希望からいうと、1125日「いつもにこにこ」ということで。らく朝師匠のこれ、いいなと思って、さっきから感心しておったのですが。

立川氏:1111日も考えたんです「いい準備」でひとつの日が1ですから「いい準備」で11日を考えたんですけど。

磯村氏:ああ「いい準備」ね。なるほど。

水島氏:「いいみらいの日(113日)」というのもいいなと思いますね。

立川氏:「いいみらい」もありますね。

水島氏:年代的に幅広い語呂合わせで良いと思います。「老後の日」というと高齢者に限定している印象があるので。

立川氏:年とか老後っていうとちょっとネガティブなことになるので、それを避けた方が良いかなという気もするんですね。だから「にこにこ」とか「充足」とか「未来」とか「準備」とか。

草野氏:「みらい」だと3日ですか?

立川氏:3日ですね。30日でも良いんですけど、月末だとイベントをやりにくいんじゃないかなと。

草野氏:でも、113日だと文化の日は他のイベントで取られちゃうから。

磯村氏:そうですね。消されちゃいますね。

樽見年金管理審議官:そうですね。逆に祝日というのはお休みなので、そのお休みのときに是非、ちょっと定期便引っ張り出して見てみませんか、というのもありますね。

草野氏:なるほど。

樽見年金管理審議官:ただ、その日に年金事務所の相談会とかはやりにくくなるかな、と。

水島氏:ですが、エッセイの表彰式においでいただくので、ちょうど良いかもしれません。

草野氏:やっぱりメディアにどれだけ取り上げてもらえるかを重要なポイントだと考えると、113日はちょっと、たぶん難しいのではないかという気がします。

樽見年金管理審議官:埋もれちゃうということですね。

立川氏:逆の発想で「介護の日」と同じ日にしてジョイントでやるというのもありかなと思いますけども。乗っかるというのも。

草野氏:なるほど。介護は11日。

立川氏:でも、ちょっと介護だとイメージがあまり良くないかもしれない。

樽見年金管理審議官:若干、介護だとさっきのネガティブじゃないですけど、そういうイメージが。

磯村氏:年寄りくさい?

樽見年金管理審議官:ええ。「ええ」なんて言っちゃいけないですけど。

立川氏:いつもにこにこ、なんて確かに明るい感じですよね。

草野氏:月のはじめの方にやりたいか、とかそういうのはあるんですか?

樽見年金管理審議官:そこはどうでしょう?これ、逆に年金機構なりは。

草野氏:つまり、ねんきん月間と設けているのであれば、割と早い方が良いのかなと。終わりがけよりは、というようなことはあるのかしら?どうなんでしょう?

磯村氏:あるいは逆に、ここまでやってきたから最後のけじめでというような感じ?

梶野室長:下旬か、どっちがいいですかね?どちらかというと?

樽見年金管理審議官:これ実はあまりこういう平場で言ってはいけないのかもしれないですけれど、年金機構の1年の仕事の中でいうと11月って比較的落ち着いている月ではあるんですね。というのは、4月に新入社員の適用がありますね。それから、夏にボーナスが出てそれをまとめてというようなやつがあって、7,8,9月で定時決定、標準報酬を10月に決めなければいけなくて。12月、年末になるとまたボーナスがあって次の適用の準備が始まる。で、11月というのはそういう意味で言うと、たまたま111日が国民年金法施行の日なのでこうなってますけど、そういう意味で言うと11月はイベントのやりやすい月ではあるんですね。なので、今この辺で言っているのは、そういうことの中で11月のいつ頃が、その余裕が一番あってイベントなどやりやすいかどうか、ということかなと思ってちょっと聞いていたんですけど。それはどうですか?率直なところ。

水島氏:年金機構の立場から言いますと、広報活動などに「さあいくぞ」という感じになるには11月初めの方に設定して、その月を一気にとやった方が全体を引っぱりやすいかなという感じはいたします。そういう意味で111日とか113日というところが、我々の立場からだけを言えば良いかなという気がいたしますが、たしかに3日というのは、もしこれが決まりますと、ほとんど毎年ここは出て来なければいけない日になるのかなと。年金機構の職員が概ねみんなこの日は出てきて何かのイベントをやると。それはそれで良いかもしれませんけれどもね。

磯村氏:まあ、しかしかき消されますよ。

梶野室長:草野さんおっしゃられたように、テレビで、文化の日関連は、勤労感謝の日もそうですけど、その関連を結構テレビとかでも番組で入られてしまって、広報という意味ではかぶってしまうおそれがあります。

水島氏:そうですね。文化勲章も113日でしたかね。

一同:そうですね。

立川氏:でも後半だと、イベント告知というのはやっぱり1ヶ月ぐらい前からやってかなきゃならないので、そうすると11月のねんきん月間が頭からバーッと告知していって月末にイベントという手もあるとは思いますけど。10月から告知しててもなんかぼやけるかなと。だったら11月のねんきん月間に入ってから告知をバーッと始めるというのも盛り上げ方のひとつの方向ではあるかなとも思います。

草野氏:どうやって決めるんですか?

立川氏:どうしましょう?締めの30日で「いいみらい」にしちゃっても大丈夫だと思いますけど。

いや、最初は30日で考えてたんですけど、月末は何かとまずいかなと思ったので、こっちで勝手に外したんですけど。締めの30日を最後のイベントにして、それまでを告知のキャンペーンを1ヶ月間やっていくというのも良いかなとは思いますね。

草野氏:これ、今年からスタートですか?

樽見年金管理審議官:今年からと思っています。今年はとりあえずできることだけで、少しずつでも定着させていきたいし、今年やってその手応えをもとに来年以降さらにイベントを増やしていくというようなことも考えたいと言うふうに思ってますね。

磯村氏:少なくとも数年間は続けてみると。

樽見年金管理審議官:ええ、もちろんです。

草野氏:難しいですね。

樽見年金管理審議官:ええ。どういうふうにして…。

磯村氏:今の「いいみらい」もいいですね。

樽見年金管理審議官:ええ、いいですね。

立川氏:月末を避けるなら25日で「にこにこ」か。

樽見年金管理審議官:3日はすでに文化の日でですね。

立川氏:関係者は連休がなくなっちゃいますよ。

樽見年金管理審議官:これは私の個人の今の感じで言うと、まさに11月はねんきん月間ですとやっておいて、月末は「年金の日」で是非確認してくださいと。

磯村氏:「あなたまだ行ってないの?」ってな感じで?

樽見年金管理審議官:ええ。そういうのがあるというのはいいかなと。今の感じで言うと30日なんていうのはいいかなと、ちょっと今伺っていて、私個人としては思いました。

梶野室長:ちなみに30日は「カメラの日」と「鏡の日」ということですので。

樽見年金管理審議官:ああ、そういえばそうです。少ないです。

磯村氏:まあ、それぐらいだったらいいんじゃないですか?

水島氏:いいのではないでしょうか。

立川氏:月末で集まりにくいなんてことはないですか?ちょっとそれだけ心配してるんですけど。

花輪氏:OLさんとかのイベントで夜だと月末月初は集まりが悪いときもありますけど。

立川氏:まあ、どうせ昼間でしょうね。お年寄り相手の。

花輪氏:そうですね。昼間だったら。

水島氏:金融機関と一緒にやるには月末は都合が悪いかもしれませんね。

前川次長:関係ないと思いますよ。

磯村氏:今はね。もう。

水島氏:確かに相談の受付など、とりあえずいつも通りやっていればいいわけですからね。

磯村氏:はい。

樽見年金管理審議官:金融機関なんかでもそういう相談を各地で結構、それこそ地銀とか信用金庫なんかも熱心ですけど年金相談会をやっておられますよね?それを11月にやるときに実際それをやるのはその日でなくても「○○日は年金の日です」ということで、実際11月はねんきん月間ですとやって、こちらがねんきん月間でやっているのが金融機関には共有されてませんので、それを今度は「年金の日です」ということで、年金受取口座も個人年金も保険も併せて看板に掲げていただくということでできれば、それはそれでいいのかなと思うんですよね。その日でなくても。

磯村氏:じゃあ30日でどうですか?僕がどうですかというといかんですね。

樽見年金管理審議官:いかがでしょう?深澤さんは今ご発言なかったですけど、いかがですか?

深澤氏:「いいみらい」は、3日が使えないのは残念ですが、30日であれば、いいかと思います。

磯村氏:なんか著作権はあるんですか?

(一同笑い)

立川氏:向こう5年間は。

梶野室長:ではここは1130日ということで。名称の方は「年金の日」でよろしいですか?

 (一同、異議なし)

梶野室長:シンプルに「年金の日」ということで、1130日「いいみらい」ということにさせていただきます。どうもありがとうございます。

 

 

議事⑶ 「年金の日(仮称)」周知方法・行事等について

 

梶野室長:それでは、次に最後ですけども、その「年金の日」の周知方法について、先ほどご説明した資料8にも関連しますけれども、イベントとかについて、もしございましたらご意見いただければと思います。

磯村氏:ニコニコ動画にというのが結構若い人には見られていますよね?

花輪氏:そうですよね。

磯村氏:この間僕もそういわれて見たんだけど、すごいですな、あれ。

花輪氏:そうですね、私も実は番組を…。

磯村氏:持ってらっしゃる?

花輪氏:持っているんですけど、すごく若い方が見られていて20代前後ですね、はい。

磯村氏:誰かニコニコ動画を持ってらっしゃる方に少し声をかけて出していただくなんていうのもひとつかも分かりませんね。手始めに。いいかもしれません。

花輪氏:そうですね、私も生活講座といってお金の番組を昨年から公認会計士の方と一緒に持っているんですけれども、お金の番組にもかかわらず毎回2万人近くの方が全国で見られているので、今年どういった形で番組をするのかまだ検討中なんですけれども、ゲストの方をお呼びしてというときもあるので、そういったニコニコ動画なんかも…。

草野氏:これ、でも、どの世代を主に…。

樽見年金管理審議官:そうですね。どういうふうに…。

草野氏:ターゲットをもうちょっと絞り込まないと。そういうマーケティングみたいなものはやっぱり必要ですよね。

梶野室長:広告代理店の方に伺ったところ、さすがに老後の経済設計の話ですと、若い人はなかなか関心がないかなと。まあ40代から60代ぐらいかなと。一方で、保険料を納めていただくために、若い人向けのものは別途また考えてるんですけれども。この趣旨でいうと記録の確認をしていただくとか、老後の経済設計を考えていただくという趣旨ですと、そういうことかなという助言をいただいております。

草野氏:40代?

梶野室長40代以降ですね。

樽見年金管理審議官:40代ぐらい以降という感じですかね。

梶野室長:30代以下はあまりそこまで関心がいかないかなと。自分のこととしてまだ切羽詰まってないかなと。

草野氏:40代から受給までの世代ですか?

梶野室長:受給まで、または受給されている方も含めて。ただ、どちらかというと40から60ですね。受給直前というか。受給された方はもう年金が出てますので。

樽見年金管理審議官:ただ、そういう方もまさにさっきのあれじゃないですけど5000万件のうちまだ2000万件が未確定で残っていますし、手紙を出しても返事をくださらない方もいるので、そういう方も含めてというともうちょっと上まで。

梶野室長:今回3つの趣旨をご説明していただいて、ねんきんネットもご自身の記録の確認、それからライフプランを考える、3つ目が未統合記録の検索というと上の二つが40代から60代ぐらいで3つ目が受給者の方。去年もねんきんネットに受給者の方がたくさん入られたんですけども、これは未統合記録を検索するというところで。

樽見年金管理審議官:実は若い人も、らく朝さんがおっしゃったように「年金なんて保険料払ったってしょうがないよ」という意見に対して「そんなことないよ」というためには、やはり若い人というのもひとつのターゲットであろうと思います。だけど、差し当たって年金というところで、どれくらいもらえて経済設計を一度は考えてみましょう、というところでいうとやっぱり40代以降ぐらいというのがまずはあれかなという。できればもう少し広がってくると若い方も、ですね。

草野氏:やっぱり世代ごとに接触するメディアなんかも違いますよね。例えばニコ動だったら若い世代なので。だから、ちゃんと戦略みたいなものを作らないとですよね。

樽見年金管理審議官:その辺は例えば40代以降の人が、これはちょっと私達も調べてきたわけじゃないですけれど、40代以降の人なんかが印象づけられるメディア、あるいはイベントってどういうことになるんだろう、ということですよね。ひとつ本当に高齢の方は、さっき話に出たような、例えば自治体での健康関係とか介護関係とかの会みたいなところ、あるいは地域に密着している金融期間の相談会みたいなところ、というのはいい手段かなという気はするんですけど、それはやってくれる「それ」がないとなかなかマスで広げるということにはならない。マスでっていうことでいうとどういうのがいいのか、テレビあるいはラジオ。

草野氏:そうですよね。

立川氏:健康講演会でいいますと、例えば医師会主催、行政の健康推進課とかありますよね。保健センターがやったりと色々なところが主催するのですけども、一番人が集まるのが地元の新聞とタイアップして、地元新聞との共催のときが圧倒的に人が集まりやすい。来る年代が大体6070代を中心とした人達ですね。この世代は、私、新聞が一番いいじゃないかなという気がして。ネットでもいいのでしょうけども、70代ぐらいになっちゃうとネットは厳しいかなと。というのは、前、オレオレ詐欺の情報を「HPをご覧ください」というのを見て、私にはジョークにしか見えなかったりして。

やっぱりこの世代って新聞だなってこのときに思いましたね。圧倒的に違いますね。医師会がどんなに頑張ろうと、行政が市の広報紙に広告出して頑張ろうと、まあ、ほとんど集まらないですね。新聞でやると1,000人ぐらい集まりますね。

樽見年金管理審議官:いわゆる地方紙ですね。

立川氏:地方新聞と一緒といえば近いのかな。東京だけの話でないでしょうからね。

樽見年金管理審議官:ええ。

草野氏:いかにニュースにしていただけるイベントにするかっていうことですよね?

磯村氏:そうですね。

草野氏:小泉さんは、いつまでなさるんですかね?やっぱり誰よりも、どんなタレントさんよりも…。

磯村氏:圧倒的ですね。

草野氏:圧倒的じゃないですか、存在として。

樽見年金管理審議官:これもあまりこういう場で言っていいのか分からないですけど、我々の方で雑談みたいにしているところで言うと、例えば出た話で言うと、『素敵なシニアコンテスト』やったらいいんじゃないかとかですね。

草野氏:ああ。

樽見年金管理審議官:特にそういうものでも芸能人の方を選んではどうかみたいな話が出ていたりしますね。ただ、それはそれでいろいろハードルが高いんじゃないかという気もしますけれども。

立川氏:やっぱり人寄せパンダはどうしても必要ですね。ただ年金のことだけやっていてもだめですよね。我田引水ですが、笑いを絡めるっていうのも一つの方法ですよね。これは健康もそうなんですけども、例えば交通事故のキャンペーンとか、あるいはオレオレ詐欺キャンペーンとかでもいろいろなところでやっているんですけど、割に笑いを絡めてアピールするっていうのが結構評判がいい。それは良く聞きます。

磯村氏:今仰ったように、取り上げてもらえる話題を作るのがやっぱり一番だろうなと思いますね。3年ほど前に、いくら年金記録が回復できて見つかって、いくら貰えましたか、というのが結構話題を呼んだことがありますよね。その後ずっとないので、またもういっぺんやってみるとか。あるいは逆に、どうしても見つからない記録としてこんなものがありました、何てことをある程度分類してやってみるとかですね。やっぱり記録問題で切実なところを少し話題にまとめて、やってみるなんてことも一つ必要なのかな、なんて思いますね。10人の内一人は、それの該当者がいるんですね。見つかった方か、まだ見つかってない方か、どっちかいるんですよ。

樽見年金管理審議官:前はたしかにこんな風にして見つかりましたみたいなケースを整理して公表したことがありましたね。一方で、前のように、これはやってみないと分からないところはありますけど、ずっと見つからなかったものが見つかって、金額がどんと大きいというのはこれからあんまりないかなという気もするので、それはそれで。

磯村氏:そうでしょうね。かも分からないですね。

草野氏:最初はたぶん、何年も続けていくのでしょうけども、この「年金の日」を設けたっていうことをまず知っていただくことを目的にしてもいいんじゃないですかね。

樽見年金管理審議官:はい、そうですね。

草野氏:だから、安易と言われてもみたいな手法でまずは、というところもありますよね。あんまり複雑に考えないっていうことが大事なような気がします。

樽見年金管理審議官:そういう注目を浴びられるような人を例えば使うとかですかね。ついつい役所のあれでいうと、こういう日に公開シンポジウムとかをやって硬くなってしまうんですけれど、どっちかっていうとやっぱり関心を持っていただいて、その辺は、花輪さん深澤さんに関しては何かお知恵はありますか?そういうイベントとか。

深澤氏:私たちくらいの年代ですと、保険料を払っているのに将来年金を貰えないのではと思っている方が多いです。障害年金の受給者や遺族年金の受給者になる可能性があることを理解している方はほとんどいません。相談を受けていると、こういったことで年金が出るとは思っていませんでしたという話もあります。それで、私たちも単に年金講座という名称だと相談者が集まらないのですが、例えば「女性の年金」とすると、ご婦人方が多く集まって、大黒柱が亡くなったときの年金額などについて相談が寄せられます。あとは、セカンドライフでの外国暮らしや地方での生活について、「セカンドライフと年金」のように名称をつけると、またそこに興味を持つ方たちが集まるので、さきほどのシニアコンテストも素敵ですが、「女性の年金」や「外国暮らし」など、視点を変えたイベントを絡めると人を引き付けるかと思いました。あと、社労士視点では、老齢年金だけではなく、万が一の時のための「障害年金」や「遺族年金」があるので、皆で支え合う年金制度の大切さも併せて広報していただけたらいいのではないかと思ったりします。

花輪氏:そうですね、私もベストシニア賞だとか、ベストマザー賞とかファザー賞とかのようにあるのも面白いかなというふうに思ったのと、あとは、私、割とOLさん向けに老後の設計だとかライフプランの講座をさせていただいたりするのですけれども、OLさんは割とお金のセミナーとか大好きでよく集まるんですけれども、自分のこととして「年金を払ってください」というのではなく、自分のライフプランとして落とし込んであげて、どうなるかというのをお伝えするようなセミナーであれば、若い人も来てくださると思いますし、あとは金融機関さんもOLさんをものすごく呼びたいというところが多いので、そういった金融機関さんとのタイアップも、働く女性向けだとやりやすいのではないかなと思います。

草野氏:例えば、大手のイオンとか、最近GGGrand Generation)とかは、本当にターゲットですよね。

花輪氏:そうですね。はい。

草野氏:だから、一緒に連携・連動できるところというのが、結構どっちにとってもメリットがあるという相手先っていっぱいあるんじゃないかと思います。

花輪氏:そうですね。

立川氏:民間と組んでやると随分といろいろ違うでしょうしね。仕事もね。

花輪氏:そうですね。

立川氏:アイデアの幅も違うでしょうし。

樽見年金管理審議官:そうですね。

立川氏:スーパーとか金融とか薬屋とか。

草野氏:そうですよね。

立川氏:色々効果はあるでしょうから。

磯村氏:そうですね、確かに薬屋はね。

花輪氏:マンションとかもあるかもしれないですね。

樽見年金管理審議官:そうですね。

磯村氏:やっぱり政府広告だけ出して終わりにならないように。是非。

樽見年金管理審議官:いや、ならないです。もともと我々はあまり広報の予算というのがございませんで、今回のコンビニも全く予算は、ポスターを印刷するお金だけなんですね。フランチャイズ支援協会の方でやってくださる。

磯村氏:人のふんどし?

樽見年金管理審議官:10分の8ぐらいはひとのふんどしです。

梶野室長:はい。では、どうもありがとうございました。それでは、最後に樽見年金審議官より御礼申し上げまして終了させていただきます。

樽見年金管理審議官:たいへん私自身も勉強になり、啓発される2時間でございました。整理いたしますと、「年金の日」、「1130日」という方向で考えるということをお決めいただいたかと思います。それで、これからこの「1130日」、あるいはこのねんきん月間も含めてどういうふうにやっていくのかということについては、今いただきました、まさに若い人向けのインターネット動画の活用ですとか、あるいはそれぞれのターゲットに応じたメディアの利用、特に地方紙みたいなものなどをプレゼンいただきました。それから、記録問題についての分かりやすい訴えやすいキャンペーンの材料もございました。あるいは、女性の年金、セカンドライフを絡めた形、あるいは障害、遺族という、「老後」というリスクだけではないということを含めてやっていくということで、非常に勉強になりました。それから、まさに金融機関やGrand Generationなどとのタイアップ企画も含めて話題になるようなイベントをやるということで、ちょっと具体的にコレっていうところまで今日は行っていませんけれども、今日承りましたご意見を基にしながら、具体化に向けて早速考えていこうと思っております。これからではありますけれども今月の22日に、私どもの社会保障審議会の年金事業管理部会、これ実は磯村先生がメンバーでいらっしゃいますけれども、私共が年金事業全般についてのご意見を賜ります審議会がございます。そこに今日の模様をご報告させていただきまして、そこはまさに年金の専門家の方々ばかりでございますけれども、そこでも若干お知恵をいただき、それを含めて、先ほどから話が出ておりますけれども、金融機関の団体をはじめ外の団体、いろいろとご説明をして、賛同いただいているところもありますので、それを含めて、できれば8月の頭ぐらいには、こんな形で今年から1130日を「年金の日」として「こんなイベントを考えている」ということについて、整理して、話題になるような発表というものをしたいなと考えておりますので、今後とも折に触れて、今日のご議論を踏まえてお知恵を頂戴することもあろうかと思いますけれども、そのときはどうぞ宜しくお願いいたします。今日はどうもありがとうございました。


(了)

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