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2014年7月24日 第79回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成26年7月24日(木)15:55~17:15


○場所

全国都市会館 大ホール(2階)


○議題

社会保障審議会医療保険部会での主な意見(案)について

○議事

○遠藤部会長

 それでは、定刻より少し時間がございますけれども、皆さん御着席でありますので、ただいまより「第79回医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、また、大変暑い中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は、齋藤委員、福田委員より御欠席の御通知をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りをしたいと思います。福田委員の代理として鈴木参考人、栃木県副知事の御出席につき御承認いただければと思います。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 次に、前回の医療保険部会以降、厚生労働省幹部に人事異動がございましたので、事務局から御紹介をお願いしたいと思います。

○大島課長

 総務課長でございます。

 それでは、人事異動について紹介申し上げます。

 まず、保険局長の唐澤です。

 大臣官房審議官、医療保険担当の武田です。

 7月に新しいポストができました。大臣官房審議官、医療介護連携担当の吉田です。

 この審議官、それから新しい課もできておりまして、きょうはその課長の渡辺は欠席でございますが、ここでは地域包括ケアを初めとする医療介護の連携ですとか、あるいは医療の中でのサービス提供と保険制度にまたがる医療政策の調整などを行うことになっております。

 続きまして、高齢者医療課長の藤原です。

 医療課長の宮嵜です。

 医療介護連携政策課保険システム高度化推進室長の赤羽根です。

 医療課保険医療企画調査室長の込山です。

 医療課薬剤管理官の中井です。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 それでは、唐澤局長から一言御挨拶をお願いできればと思います。

○唐澤局長

 保険局長の唐澤でございます。

 恐縮ですが、座ってお話しさせていただきます。

 委員の皆様方には、御多忙の中、医療保険部会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 医療保険部会におきましては、本年4月以降、社会保障制度改革国民会議の報告書や、プログラム法などを受けまして、次期医療保険制度改革に向け活発な御議論をいただきました。短いスケジュールの中、多くの項目について議論を一巡することができまして、先生方には深く御礼を申し上げたいと思います。

 来年の通常国会の法案提出に向けて、秋以降も必要な検討を行っていく必要がございます。多くの課題がございますけれども、委員の皆様にはさらに御議論を深めていただきつつ、医療保険制度改革に向けて一定の方向性を出していきたいと考えております。

 今後とも、日本が世界に誇る皆保険を堅持して、将来の世代に安心を確保していくために我々事務局としても円滑な御議論をいただけるように努力をしてまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。

 2年ぶりにまた戻ってまいりまして、多くの先生方、また引き続きお世話になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。

 それでは、早速議事に移らせていただきます。

 本日の議題は「社会保障審議会医療保険部会での主な意見(案)について」の1つでございます。

 当部会においては、4月以降、社会保障制度改革国民会議の報告書、あるいはプログラム法などを受けまして、次期医療保険制度改革に向けた議論を行ってきたわけでありますが、前回でおおむね議論が一巡したわけでございます。前回の部会で申し上げましたとおり、本日はこれまでの各委員の発言内容を基本といたしまして、これまでいただいた意見を整理することとし、秋からの2巡目の議論をお願いしたいと考えております。

 事務局に、これまでいただいた主な意見を整理した資料を出していただいておりますので、まずは事務局より資料の説明をお願いしたいと思います。

 事務局、どうぞよろしくお願いいたします。

○大島課長

 お手元の資料「社会保障審議会医療保険部会での主な意見(案)」をごらん願います。

 1枚おめくりいただきますと、目次が出てまいります。1番から11番までございます。

 この内容につきまして、全体的に説明をさせていただきたいと思います。

 2ページ「1 国保の財政上の構造問題について」 最初の○から3つ目の○まで、国保の財政上の赤字問題、政府においてしっかり対応せよという観点でありまして、最初の○は、国保の構造問題を解決するためには、赤字を解消するだけでなく、将来にわたり安定した制度となることが必要。

 2つ目の○は、まさに政府においてしっかり検討せよと。

 3つ目の○は、法定外繰入分を仮に保険料で賄うとなると、果たして持続可能な制度になるかどうか課題があるという意見です。

 次の3つは、こういう構造的な問題を考えるにあたっては、国保の特性をよく踏まえて検討すべきという趣旨の意見でして、4つ目の○は、入院医療費や精神疾患の医療費が高いという課題に着目。

 その次は、年齢構成が高い、低所得者の加入者が多いという指摘。

 その次の○は、大都市では法定外繰入が多く行われている一方で、保険料負担率が平均より低い状況。こういったことを踏まえての検討をすべきとの意見です。

 「一般会計からの法定外繰入について」、最初の○から3つ目までは、公費を投入して法定外繰り入れをやってもまだ大変だという趣旨の意見でありまして、まず最初の○は、公費による財政支援が不可欠。

 次の○は、法定外繰入が解消されたとしても、所得に対する保険料負担は高い。

 その次の一番下の○ですけれども、法定外繰入を行っている市町村であっても、被用者保険と比べ、保険料負担率はかなり高い水準にあるという意見です。

 3ページに移りまして、最初の○から3つ目までは、それに対し一方の意見としまして、保険料率の引き上げによる対応や繰り入れのあり方そのものを問うという趣旨の意見です。

 一番上の○ですが、東京、神奈川、大阪、埼玉、愛知の5県を合計すれば、2,000億円以上。これらの都道府県が平均保険料率まで保険料を引き上げれば、法定外繰入は減るのではないか。

 次の○は、保険制度であるなら、保険料で賄うことを最優先にすべき。

 3つ目の○ですが、繰入は行わないという方向で制度改革を行うべきという意見です。

 「保険料負担の水準について」ここは最初の○から4つ目までは、被用者保険と国保の保険料の差に着目すべきという趣旨の意見です。

 あるべき保険料水準について十分議論した上で、国保と被用者保険との保険料負担の格差をできるだけ縮小というのが最初の○です。

 次の○は、例えば協会けんぽをひとつの目安としながら、可能な限り保険料負担率を引き下げる。

 次の○は、国保の中で被保険者は3割を被用者が占めている。被保険者に対する一定の所得捕捉は現場では適切にできている。

 その次の○、国保と被用者保険との保険料負担の間には、大きな格差が存在という意見です。

 一方、こうした被用者保険との比較は疑問、あるいはあるべき保険料の議論そのものが疑問という趣旨の意見です。

 下から2つ目の○ですけれども、国保と被用者保険とでは所得形態が異なり、また、所得捕捉率が同等とは言えない中で、同じ土俵で単純比較することは困難。

 一番下の○ですが、東京などは、保険料負担をふやして一般会計からの繰入を減らす余地がある。保険料負担を被用者保険と単純に比較することも疑問という意見です。

 それから、4ページの一番上の○も同じ趣旨でありまして、あるべき保険料水準を議論することが、今後の国保のあり方を考えていく上で、適切な議論なのかどうか疑問との意見です。

 次ですが「国保に対する財政支援の拡充について」ということで、1番目から5番目までの○は、消費税によって投入される支援金を早期に投入すべき、あるいは後期高齢者総報酬割によって出てくる国庫財源の優先的な活用、具体策を早期に提示するという趣旨の意見です。

 最初の○ですが、消費税財源で投入予定のうちの1,700億円の投入は、まだ実施されておらず、早期に確実な実施をお願いしたい。

 2つ目の○ですが、1,700億円だけでは国保の財政基盤の強化は難しい面さらなる公費投入が不可欠。後期高齢者支援金への全面総報酬割導入により生じる財源を国保の支援に優先的に活用することを含めて、国の責任において財政確保を行うべき。

 3つ目ですが、将来にわたり持続可能な制度となるかどうか確信が持てない。抜本的な国費投入策が講じられないと、都道府県において責任を持って財政運営を担うとは約束できない。

 5つ目の○ですが、抜本的な財政基盤強化の具体策を、追加公費の規模も含めて一刻も早く提示すべきという意見です。

 投入先のあて方等に関する意見としまして、下から3つ目、公費投入の方法としては、都道府県の被保険者の所得格差に着目した、より財政調整機能を強化する支援策を要望する。

 その下ですが、低所得者対策も重要。

 一番下ですが、予期しない給付増、保険料未納等に対して「財政安定化基金」を設けることは適当という意見です。

 5ページ「都道府県と市町村の役割分担について」です。最初の○、ちょっと飛びますが5つ目の○は、役割分担の議論を早く積極的にやるべきだという趣旨の意見でありまして、早期に都道府県と市町村の役割分担を議論する必要がある。

 5番目の○ですが、役割分担に関する議論を進めないと、財政問題を議論する前提も決まらないので、積極的に県にも参加していただきたい。

 それから、この議論が財政とセットだという趣旨の意見が2つ目の○、3つ目の○です。

 国が構造問題解決への道筋を明確に示さずに都道府県と市町村の役割分担についての議論のみを進めようとする場合は、都道府県は協議から離脱する。

 国保の構造問題が解決し、持続可能な制度が構築されるなら、市町村とともに都道府県は積極的に責任を担う覚悟であるという意見です。

 それから、国民の健康あるいは被保険者にとってのメリット、保険者機能といった観点を踏まえて役割分担を考えるべきだという意見が4番の○、あるいは6番目、7番目の○になります。

 4番目の○は、国民の健康や医療を守るというスタンスに立って知恵を出そう。

 6番目の○ですが、被保険者にとってもメリットがあり、市町村が行っている保険者業務にとっても効率化が図られる。

 7番目ですけれども、保険者機能を十分に発揮できるのかという観点。こういった観点で役割分担を議論すべきという意見です。

 下から2つ目は分賦金方式に関連するものでありまして、保険料の賦課徴収は分賦金方式の方が妥当な考え方であるとの意見。

 一番下の○は、保険料格差についての意見でありまして、国保の保険料の設定は、均一の保険料にするかどうかという論点があるが、保険料を抑えたければ自分で努力して医療費を抑えるという、前向きな格差を取り入れた仕組みとなるようにすべきという意見です。

 6ページ、地域包括ケアを踏まえて給付の事務の分担をどう考えるかという意見が、最初の○、あるいは次の○です。

 給付については、地域包括ケアが進められていることを踏まえ、検討することが重要。

 2つ目の○も、医療保険の給付については、市町村が重要な役割を担う必要があるという意見です。

 そのほかの意見としまして、3つ目の○からですけれども、3つ目の○は、都道府県単位化によるスケールメリットを活かす。

 その下は、医療費適正化の努力をしている自治体の工夫が生かせるインセンティブ。

 その下は、マイナンバーの活用。

 一番最後の○ですが、システム整備に向けての観点からの議論もという意見です。

 続きまして「2 協会けんぽの国庫補助について」ということで、2つ意見を整理しております。

 上のほうは、協会けんぽについて、依然として厳しい状況にある。国庫補助率を16.4%ではなく20%にすること。

 その下は、中小企業の多い協会けんぽの保険料負担が、健保組合ですとか共済組合と同じような料率になるようにそろえるべきという意見です。

 「3 医療費適正化、保険者機能発揮について」。

 6ページの下から2つ目の○、7ページの上のほう、医療費適正化をもっと推進すべきという趣旨の意見です。

 3の1つ目の○、さまざまな医療費適正化対策をさらに推進すべき。

 7ページ、最初の○、プログラム法に掲げられた医療費の適正化だけでは不十分。高齢者の患者負担割合引き上げ、高額療養費の外来特例の見直し等についても議論すべき。

 2つ目の○は、保険適用範囲の見直しも議論すべきという意見です。

 それから、保険者機能に関するものとしまして、6ページの一番下の○、地域と職域それぞれがおのおのの連帯を基礎に、保険者機能を発揮できる制度体系を維持すべき。国保と被用者保険が共存してという前提での意見です。

 7ページの上から3つ目の○ですけれども、保険者機能を発揮するためにも会計区分が明確になることが必要という意見です。

 「4 高齢者医療の費用負担全体の在り方について」ということで、財源のあり方あるいは公費投入に関するものが、最初の○から4つ目の○まででございます。

 最初の○、被用者保険は、高齢者を中心に医療費が増大するという状況の中、高齢者医療制度の財源のあり方を早急に見直す。

 2つ目の○、75歳以上の医療費への公費5割を実質確保することはもとより、前期高齢者の財政調整の仕組みを見直し、新たに公費投入を行うべき。

 3つ目の○、特に団塊の世代が前期高齢者となる平成27年からの10年間をどう乗り越えるかが大きな問題。

 その下の○、持続可能な社会保障制度のためには高齢者医療の負担構造の見直しが最重点課題。

 その次の○は、高齢者自身の負担ですが、年齢にかかわりなく、所得の高い人はそれなりの負担をすべき。

 下から2つ目の○、一番下の○は、世代間の公平の観点です。

 下から2つ目、支える現役世代が夢を持てる医療保険制度とする必要があり、世代間の公平が重要。

 一番下の○は、現役も含めた負担の公平性と納得性を医療保険全体の中でどう確保していくのかという意見です。

 8 ページ、その他の意見としまして2つ。

 1つは、 高齢者医療に係る費用負担については、関係者でベストミックスを図るべき。

 国保の都道府県化検討の開始を契機に、後期高齢者医療制度についても最も適した運営主体を明確にするべきという意見です。

 「5 後期高齢者支援金の全面総報酬割について」全面総報酬割を負担の公平の観点から行うものという立場の意見が、1つ目から3つ目までの意見です。

 最初の○「負担能力に応じた負担の公平」の観点から行うもので、重要である。

 2つ目の○、負担の公平性の確保という観点から、総報酬割の全面導入を実現すべき。

 3つ目の○、総報酬割は実現すべきということです。

 その下の4つ目の○から3つは、総報酬割による国庫財源の投入は、国保ではなく高齢者医療等にすべきという趣旨の意見でありまして、4つ目の○は、総報酬割によって生じた財源を国保に投入することは、被用者保険が国保の財政基盤強化にかかわる負担を肩がわりすることであり、明確に反対。

 その下、全面総報酬割導入については、高齢者医療への税投入の拡充、医療給付の重点化・効率化といった施策とセットでなければ賛同できない。

 その下、後期高齢者医療への公費拡充とセットで議論されるべきという意見です。

 それから、総報酬割に伴う公費は最も効率的、効果的なところに使うべきだという意見で、3つ目の○と一番下の○のところで触れられています。

 3つ目の○の一番最後の部分ですが、総報酬割により生じる財源は、医療保険の今後を考えた上で、一番効果的なところに回すべき。

 一番下の○ですが、最も効果的な使い方をしていると説明ができるところに公費を投入するという意見です。

 9ページ、前期高齢者医療の財政調整についてです。最初の○は、被用者保険全体で負担する前期高齢者納付金が多額である、国保への国費負担を上回っている。

 その次は、前期だけではなく、若い世代の医療費も使われているのではないかという指摘が2番目の○。一方、保険料は一体であるという意見が3番目、4番目、5番目の○までです。

 まず2番目は、国保に前期高齢者とそれ以外の財政区分が設けられていないということで、国保の前期高齢者に係る収支を比較すると収入が超過しており、これは、前期納付金が現役世代に使われているとも捉えられるという意見に対しまして、3つ目の○は、全加入者の保険料を一体として取り扱う。

 その下の○、年齢による財政区分等を実施するとすれば、さらに財源が必要となる。

 その下も同趣旨でありまして、現役世代の保険料を引き上げる可能性につながるということです。

 下から3つ目の○からは、後期の支援金の部分まで前期の納付金が算定されているというのは被用者側にとって納得感が得られないという意見。一方、それに対する反対の意見がその下の○です。

 下から3つ目の○ですけれども、前期高齢者納付金は、前期高齢者に係る後期高齢者支援金分まで算定されている。被用者保険側の納得感が得られていない。

 それに対しまして、その下の意見は、国保には前期高齢者が非常に多く、その分、給付も後期高齢者支援金も負担が大きくなるので、後期高齢者支援金もあわせて調整することは当然という意見です。

 一番下の○は、前期の納付金の算定について、概算と2年後の精算との乖離が大きい、改善すべきという意見です。

 続きまして、10ページ「7 高齢者の保険料特例軽減措置等について」です。最初の○から5つ目の○までは、方向としては保険料軽減の特例措置をなくす方向ではあるとしつつ、段階的実施、あるいは丁寧な説明、低所得者への配慮、きちんとした議論といったことが重要であるという意見です。

 最初の○ですが、段階的な見直しの検討や、丁寧な説明が必要。また、平成27年度に予定される介護保険料の見直し状況と合わせた検討も必要。

 2つ目の○、元被扶養者は相対的に恵まれている。注意深く一人一人の所得を見ながら、激変緩和を行いつつそろそろ見直すべき。

 3つ目の○、理解を深めるためには丁寧な説明が必要。

 4つ目、低所得者の負担をふやさないように配慮すべき。

 5つ目、より公平な負担のあり方を実現していくためにも、きちんとした議論が必要とあります。

 下から3つ目の○以下3つにつきましては、現役世代の負担の引き上げには慎重であるべきということで、ふえ続ける高齢者医療費に対して現役世代の負担の引き上げについては十分慎重に検討すべき。あるいは、被用者保険全体の拠出金の伸び率は後期高齢者の保険料の伸び率を大きく上回っているということです。

 下から2つ目はちょっと趣旨が違いました。高齢者には所得が高いものと低いものの両方の立場があるということを踏まえた議論が必要という意見です。

11ページに移りまして「8 給付の効率化について」。

 「予防・健康管理、データヘルス」最初の○から3つ目までは特定保健指導の重要性、人材養成、医療費効果の数字の重要性という意見です。

 最初の○、特定保健指導の実施率を上げることが重要。

 2つ目は、保健事業を企画できる人材養成や確保が必要。

 3つ目ですが、特定保健指導によって医療費がどれぐらい節約できたのか数字が発表されれば、特定保健指導に投資していくという動きにつながるという意見です。

 その下の○から2つは、きめ細やかな手だてが受診率向上につながる、そうすべきだということで、4つ目の○ですが、特に女性を中心に、受診率が高まるように、きめ細かい手立てが必要。

 その下ですが、健診結果の数値やその影響の理解を促す広報啓発することで受診率が上がるという意見です。

 その下の○から3つはそのほかの意見です。

 下から3つ目は、企業の取り組みも重要。社員の健康づくりに取り組む企業を積極的に評価し、税制優遇や保険料の軽減などの仕組みづくりが必要。

 下から2つ目は、マイナンバーの時代を控え、データの活用が重要になる。

 一番下ですが、成人用・肺炎球菌ワクチンの接種には効果があるので、国の財政支援等についてさらに工夫改善すべきという意見です。

12ページ「後発医薬品の使用促進」ですが、安定供給につきまして2つ意見があります。

 上のほうは、安定供給の取り組みとして最低5年間の製造販売の継続、着実な安定供給が大前提。医療保険サイドから、こうした企業の行動を自制させるための仕掛けが必要ではないか。

 その下の○は、欠品等によって、その後希望しないこともある。安定供給ができる体制をメーカーにお願いしたいという意見です。

 「現金給付の見直し」傷病手当金、出産手当金について、不正を誘発するための防止策等についての意見が、最初の○から4つ目の○までです。

 最初の○は、現在の傷病手当金や出産手当金の仕組み自体が不正を誘発する仕組みになっている。直前の1か月というワンポイントで支給するのではなく、過去の一定期間の平均標準報酬月額を計算の基礎とすべき。

 その下の○は、加入期間要件がないことが要因の1つ。支給額や支給期間などについても検討すべき。

 その下の○、社会保険の適用拡大、パート適用の拡大を予定されていて、見直しの検討にあたっては、それらも含めて仕組みを修正していく必要があるという意見です。

 下から2つ目の○と一番下の○は、資格喪失者への給付についての見直しです。

 下から2つ目は、傷病手当金・埋葬料、任意継続被保険者制度も含め、資格を喪失した後の取り扱いについて検討すべき。

 一番下ですが、資格喪失者の継続給付に4分の1程度の財源が使われている。見直しが必要という意見です。

13ページ、海外療養費の制限や手続の徹底に関するものが3つ目の○までです。

 一番上ですが、 海外療養費について、何らかの給付制限を設ける。

 2つ目ですが、海外療養費の不正請求対策として、同意書の提出などを省令上でも規定したほうが徹底される。

 ちょっと飛びまして5つ目、傷病手当金・海外療養費の不正受給について、給付や申請のルールを改めることで状況を変えることができるのであれば、予防ができる措置を法令にも埋め込むべきという意見です。

 それから、傷病手当金に退職後の所得保障機能もあるのかどうなのかといった観点からの意見が、下から3つ目と一番下の○のところです。

 下から3つ目は、傷病手当金がむしろ退職後の所得保障として機能しているのではないか。雇用保険や労災との役割・給付額等の比較を踏まえて、健康保険が退職後の所得保障をどう担うべきなのかという指摘。

 一番下は、傷病手当金制度の目的には、収入の喪失または減少を来した場合に、これをある程度補填し、生活保障を行うという目的もあり、生活保障制度として法定給付とされている制度であることを踏まえて議論という意見です。

14ページ「9 審査支払機関について」です。最初の○から4つ目までは、審査支払機関の統合あるいは国保連から審査支払業務を切り離すことについて、慎重な意見です。

 一番上ですが、審査支払機関の統合には反対。国保連は市町村保険者が共同して設立した法人である。

 その下の○ですが、国保連から切り離すことは、市町村保険者が取り組んでいるきめ細やかな保健事業、医療費適正化、健康づくりに弊害を生じさせるという意見です。

 4つ目は、医療保険制度の全体構想と合わせて慎重に検討すべきとあります。

 5つ目の○、一番最後の○ですが、先進諸国における創意工夫を参考にして日本の制度に取り入れていくべきとあります。

 「10 療養の範囲の適正化・負担の公平の確保について」。

 「紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担の在り方」です。方向性はよしとしつつ、対象とする患者の範囲、額の水準、対象とする大病院の範囲、あるいは保険給付の中か外か、あるいは検証や分析がまずは重要という意見が続きます。

 最初の○は、紹介状なしで受診する患者のうち、受療行動に関する分析をして対策を立てたほうが効果的。

 2つ目の○は、患者に定額負担を求めていく考え方の方向性はよい。ただし、患者をどうするかという意見があります。

 下から2つ目の○は、検証して議論すべき。あるいは額に関する意見。

 一番下の○は、患者の対象をどうするかということに関する意見です。

15ページ、同じような流れで、保険給付の範囲内と範囲外とすべきかという意見が最初の○です。

 2つ飛ばしまして、4つ目の○も対象とする医療機関をどうするのか、あるいは、どの程度額として負担すべきかについての意見。

 5つ目の○は大病院の範囲、あるいは試行的に実施すべきということです。

 そのほか、2つ目の○ですけれども、ゲートキーパーとなり得る地域の医者をどのように確保・育成していくのかが問題という意見。

 あるいは、その下は、かつて議論された受診時定額負担と混同してしまうので、定額負担という名称の是非を含め検討ということです。

 「入院時食事療養費・生活療養費」ですが、最初の○は、慎重な意見ということで、入院中の食事は治療の一環であるので、基本的にはこれ以上の自己負担はふやすべきではない。今後、議論を進めていく場合には治療食を必要とされる患者と低所得者への配慮が必要という意見です。

 方向としては引き上げるべきだという意見が、1つ飛ばしまして3つ目と4つ目になります。

 3つ目、長期の入院患者については、自己負担は引き上げる方向で考えるべき。食材費に加え調理費も自己負担とすべき。

 4つ目は、今後、食材費と調理費相当分を含めて自己負担として求めていくのはやむを得ない。ただし、低所得者あるいは治療食への配慮は、先ほどの1番目の○、4番目の○にも必要とございます。

 一番下の○も、低所得者への配慮が必要という意見です。

16ページ「国民健康保険の保険料()の賦課(課税)限度額及び被用者保険における標準報酬月額上限」です。最初の○から5つ目までですけれども、単純に引き上げることという問題ではない、効果があるのかといった、国保、被用者保険それぞれに慎重な意見です。

 最初の○は、国保の関係ですけれども、保険料を引き上げれば賦課限度額に到達する所得水準は下がるという問題もあるので、単純に賦課限度額を改定するだけでは問題は解決しない。

 2つ目の○は、協会けんぽの加入者の所得水準は他の被用者保険と比べると低い。上限を上げても財政影響は余りないという協会けんぽに関する意見です。

 1つ飛ばしまして4番目、法改正をしてまでさらに上位等級を設けることは慎重に考えるべき。

 その下の○、最高等級に該当する被保険者は直近1%を下回る水準で推移しており、こうした点を踏まえると見直しの必要性はないという意見です。

 それから、相当に高額な所得者について、応分の負担を考えるべきという意見が、最初の○、3番目の○です。

 相当の高所得者における負担能力に応じた応分の負担のあり方についても検討すべきという意見です。

 次に「国民健康保険組合に対する国庫補助について」ということで、所得水準を理由に一方的に見直すことについては容認できないとする意見が最初の○から一番下の○まで3つがあります。

 国保組合に対する32%の定率補助は、市町村国保とのバランスを見て決められたもの。組合員の所得水準を理由に一方的に定率補助を見直すことは容認できない。

 その下の○、公費負担がなければ赤字になり、解散するしかなくなる。国保組合が解散すれば市町村国保や協会けんぽに加入することになるが、それらは国庫補助率よりも高く、それまで自粛していた自家診療も請求することになり、結果的に国庫補助がかえってふえることになる。

 一番下の○、ただ単に所得が高いという一面だけで議論されるのは非常に異論がある。

 最後の17ページ、最初の○は、実際に結果的に国庫補助がふえることが起き得るのかどうなのかの財政影響について、精査がされず議論が停滞しているので、きちんと数字を出して議論を進める必要があるという意見。

 2つ目から3つの意見は、定率補助の廃止または見直しに賛成する意見です。

 2つ目の○、所得水準に応じて必要なところだけに国として補助金を出す、自立した運営が可能な国保組合への定率補助は廃止すべき。

 3つ目の○、所得水準の高い国保組合に対してなぜ国庫補助が必要なのかということについては、説得力に乏しいのではないか。

 最後の○ですが、所得水準の高い組合に国庫補助を入れるというのは国民感情としてもなかなか納得が得られないのではないか。

 「その他」ですけれども、療養病床よりも特養、老健のほうが、自己負担金が高い。療養病床入院費が安い。そのために、施設なり在宅復帰をしていただこうと努力を現場がしても、なかなか退院していただけないという現状も勘案していただきたいという意見です。

 「11 その他」。

 「出産育児一時金について」出産育児一時金の本体部分と産科医療補償制度の掛金について、法令上の区分を検討すべき。出産費用の実態に基づいて、出産育児一時金を見直すのではなく、物価や診療報酬改定率などに基づいて出産育児一時金を見直すルールとすることを検討すべき。

 一番最後の○ですけれども、どういうときにどういう考えで改定するのかという大きな方向性の議論を先送りすべきではない。

 ちょっと長くなって済みませんでした。以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、本日は委員提出資料としまして、福田委員より資料が提出されておりますので、鈴木参考人から簡潔な御説明をお願いしたいと思います。

 よろしくお願いします。

○鈴木参考人

 ありがとうございます。

 委員提出資料といたしまして、7月15日全国知事会名で「国民健康保険制度の見直しに関する提言」という資料を用意させていただきました。

 こちらのほうは、御案内の方は多いかと思いますが、去る7月15日と16日の両日、佐賀県におきまして、全国知事会議が開催されました。

 その際、国民健康保険制度の見直しにつきましても、活発な議論がなされて、提言を取りまとめて、先日、厚生労働省に提出いたしました。その内容について御説明するものであります。

 まず、提言の前文でございますが、国におきましては、地方との協議開始に当たりまして、財政支援の拡充をしっかりと行って、財政上の構造問題の解決に責任を持って取り組む旨を表明されております。

 国民皆保険制度の最後の支え手であります国保の運営を将来にわたって持続可能なものにするためには、被保険者の負担が限界に近づいていることを踏まえまして「あるべき保険料水準」について十分議論した上で、極めて高い被用者保険との保険料負担の格差をできる限り縮小するような、抜本的な財政基盤の強化が必要でありまして、知事会としましては、そのための追加国費の投入の具体策を一刻も早く示すよう求めてきたところであります。

 しかしながら、国におきましては、このたび提示された「国民健康保険の見直し(中間整理)」案におきましても、依然として財政基盤強化策や国費投入の規模など、構造問題解決の具体策を明らかにしておりません。

 都道府県が市町村とともに国保運営の責任を担っていくためには、国には是非とも構造問題を解決し、持続可能な制度を構築する責任を果たしていただきたい。このような趣旨から、ここにありますとおり、3つの項目について要請をしたところでございます。

 まず、第1点目でありますが、将来にわたる国保の持続可能性を担保し得る抜本的な財政基盤強化の具体策を策定した上で、知事会が受け入れ可能か、そういうことを判断するのに支障をきたすことのないよう、追加国費の規模も含めて一刻も早く御提示をしていただき、地方と十分に協議することを求めるものでございます。

 この点、中間整理案には追加公費と記載されていますが、知事会議では地方負担を前提とするのではなく、後期高齢者支援金への全面総報酬割の導入をした場合に生じる国費の活用はもとより、あくまで国費のさらなる投入によって財政上の構造問題を解決すべきとの意見が多数出されまして、改めて一致したところでございます。

 例えば国の提案にあります財政安定化のための新たな基金の設置につきましては、制度設計が明らかではございませんが、抜本的な財政基盤を図るということであるとすれば、全額国費により設置をすべきであると考えております。

 次に、第2、都道府県と市町村の役割分担につきましては、プログラム法の記載を踏まえますとともに、被保険者の利便性や制度の一体性・安定性が損なわれることがないよう、適切に権限と責任を分担するための方策について、引き続き十分に議論することを求めるものでございます。

 3つ目でありますが、乳幼児医療費助成等の地方単独事業に関しましては、国庫補助負担の減額措置があるわけでありますが、これにつきましては、本来の国の責任と地方の努力をしんしゃくしまして、廃止をすることを求めるものであります。

 要請項目は以上のとおりでありますが、知事会におきましては、財政上の構造問題の解決が国保見直しの前提条件であるにもかかわらず、財政基盤強化の具体策が示されない一方で、役割分担の議論ばかりが進んでいくことについて、大変強い懸念の声があったところであります。

 厚生労働省におかれましては、こうした状況を十分に認識をいただき、中間整理案に追加国費によって抜本的な財政基盤の強化を図ることを明記するなど、今後の協議におきましてこの提言に沿った対応を図っていただくよう、是非ともお願いを申し上げる次第であります。

 なお、この提言につきましては、後日、全国知事会社会保障常任委員長であります私ども栃木県知事から、改めまして田村厚生労働大臣に手交させていただく予定でございます。

 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、先ほど事務局から御報告がありました「社会保障審議会医療保険部会での主な意見(案)」これはこれまでの委員の皆様の意見を整理した形でカテゴリー別に分けて事務局のほうで記載していただいたもので、一通り委員の皆様にお目を通していただいているわけでありますけれども、御意見、御質問等あれば、承りたいと思います。

 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

 6ページの4項目めに関連するのですが、国保の広域化について、市町村国保の中には独自に医療費削減に向けた取り組みを行っているところもございまして、こういった努力の効果が保険者の広域化によって薄まることがないように、各自治体における医療費効率化の努力がきちんと報われるような仕組みづくりを是非お願いしたいと思っております。

 1つ例を申し上げますと、例えば在宅療養現場でも大変多くの医薬品が処方されているわけですが、なかなか一度に服用できずに飲み残すことはあると聞いておりまして、限られた医療資源の有効活用という観点からも、原因が明確で短期的な症状の場合はかかりつけ医の指導のもと、一般用医薬品などを活用することにより、医療サービスの質を低下させずに服薬時の負担や医療保険制度への負担も軽減できるのではないかと考えております。秋田の一部で試行を計画しておりますので、いずれ結果が出れば報告させていただきたいと思います。

 もう一点よろしいでしょうか。切ったほうがいいですか。

○遠藤委員長

 簡潔にお願いします。

○藤井委員

 次に、後発医療用医薬品の使用促進についてですが、現在、調剤薬局での在庫が大変過剰になっていることから、一般名、成分名での処方を推進していただければと思います。

 もう一つ、政策的な方向性として、例えば新薬を望む患者さんに対しては、後発医薬品よりも自己負担分を高くするとか、医者でなくて患者側のコスト意識に訴えて、後発医療用医薬品の使用を促すとかという方法もあるのではないかということを考えております。

 さらに、安定供給ということについて申し上げたいのですが、急激に後発品の需要が高まっているところから、原薬及び製造所の追加が大変課題になっております。現在、原薬の調達先の追加及び製造所の追加に当たっては、承認書の一部変更に大体15カ月かかっておりまして、これはメーカーとして大変負担になっておりますので、安定供給の観点からも、是非申請から6カ月程度で承認していただければと思っております。是非お願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 中には当部会の範疇ではないお話もありましたけれども、御意見の追加ということで承らせていただきます。

 一般名処方につきましては、診療報酬上の優遇がされておりまして、かなり進んでいるという認識はしておりますが、それをさらに進めるべきだという御意見だと承りました。

 ほかにございますでしょうか。

 和田委員、どうぞ。

○和田委員

 前2回ほどは体調が整いませんで欠席させていただき、申しわけございません。

 その他のところで申しわけないのですけれども、出産育児一時金のところでございます。全体として漠然と現状に合わせて上げていくということではなくて、一定の合理的な根拠に基づいて出産一時金の金額を検討していくことは、基本的に私は賛成です。ただ、その際に、産科の領域というのは訴訟も非常に多うございまして、損害賠償保険のほうでも支払いの半分ぐらいは産科の領域であることなどに配慮する必要があると思います。世界共通の課題ですけれども、我が国でもその影響で、各地で産科が閉鎖されるとか、婦人科に特化するドクターがふえるという現象が起こってきたことは周知の事実でございます。

 他方、この10年ぐらいの間で、産科でも医療安全とか医療の質とかに関しては大きな取り組みがなされてきていると思うのです。例えば安全を確保するために、1つの出産に対してバックアップの人員を補填するということになりますと、当然人件費とかも上がっていくわけで、現場の状況を細かく踏まえる必要があります。コストの点で考えるとなかなか難しいところもあるかもしれませんが、こういう医療の安全とか質という評価基準、インデックスを踏まえて、合理的なルールを今後整えていくことが必要ではないかということを付加させていただければと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 出産一時金につきましては、今後議論をするということになっておりますので、その中でそういった御意見を反映させていただければ、そういう御意見だと思います。ありがとうございました。

 それでは、岡崎委員、どうぞ。

○岡崎委員

 これまで発言してきた内容、また、私の代理も含めて発言した内容をそれぞれ織り込んでいただいておりまして、ありがとうございます。

 1点、ちょっと気になっている点がありますので、実は本日のこれまでの議論の主な意見のところでは、ぴたっとはまる部分がないので、先ほどの知事会の7月15日の資料を参考に少し申し上げさせていただきます。

 知事会の資料の3番目、これはずっと地方が言ってきたことなのですが、例えば市町村が乳幼児医療をそれぞれの財政力に応じて無料化を進めております。例えば我々のところは相当人数が多いので、とりあえず入院と外来を含めて3歳ぐらいまでの制度ですが、今年度から就学前までやっと引き上げることができましたが、このようにそれぞれの市町村が例えば乳幼児医療を無料化したときに、国庫補助のカットが仕組みとして入ることになっています。

 これまでカットの撤廃を強く要請したところなのですが、1つ、非常に理屈に合わない部分がありまして、障害児とか障害者の方々の、いわゆる障害医療助成と言われている医療費の無料化につきましては、基本的に市町村の制度ではなくて都道府県がほとんど助成制度を決定し、都道府県事業として実施しています。いわゆる障害のある方々の医療費を無料化するのは市町村単独でやっている事業はむしろ少なくて、どちらかというと都道府県で意思決定をして、無料化をやっています。いわゆる県単事業といっていますが、その県単事業をやっているときに、市町村国保にカットが来るのです。

 どう考えても理屈に合わない。もともと都道府県は国保の保険者ではないので、市町村が国保の保険者ですけれども、県が決めた事業に対して市町村の国庫補助がカットされるのはどう考えても理屈に合わないので、こういう部分はきちっと整理をしていただきたいと考えます。

 ちょっと細かい部分になりまして、申しわけございませんが、そこは申し上げておきたいと思います。

○遠藤部会長

 了解いたしました。追加の御意見として承りました。ありがとうございます。

 それでは、堀委員、どうぞ。

○堀憲郎委員

 2点意見を申し上げたいと思いますが、1点目は、給付の効率化というところで、レセプトデータ、マイナンバーの議論に関してでございます。

 実は6月23日にも発言をしておりますが、資料の中から落ちておりますし、昨今の顧客情報流出事件もありましたので、あわせて御意見申し上げたいと思うのですが、今、パーソナルデータにつきましては、大綱がまとまって、パブコメを求めている状況だと理解しておりますし、パーソナルデータの利活用の推進の必要性あるいは重要性については重々理解をしております。

 その上で、その推進の前提として特に医療情報の保護についてはしっかりとした仕組みを構築していただきたいと考えておりまして、基本的にはマイナンバー法成立時に提案されたような医療情報等の保護に関しては別途個別法でその保護を定めることが最善と考えておりますが、ただ、流れでは、今、個人情報の改正の中で対応することになっておりますので、そうであれば、例えば別途審議会を立ち上げて、具体的な保護ルールについて議論をしていただきたいということであります。

 特にデータの再利用、分析業務の民間への採択といったところについて、現行法であるとか、今般まとめられております大綱の内容では若干不安が多いと理解をいたしております。具体的には、大綱もそうなのですが、事業者の自己規制でその保護をゆだねているところ、そういった自己規制を極力排除してもらいたいというのが1点ございますし、大綱にある第三者機関の監督権限の明確化、個人の権利、例えば不要な情報を削除するといった権利の明確化もお願いしたい。さらに、情報に携わる者、特に罰則が及ぶ範囲が限定されております。そこの拡大をお願いしたいということがありますし、もし被害があった場合の救済等も含めてしっかりとした法整備があるべきだろうと思っています。

 先般のベネッセの顧客情報流出事件と、医療情報の機密性、重要性を考えますと、非常に背筋が寒くなる思いがありますので、改めて意見として申し上げたいと思います。

 2点目は、審査支払機関についてでありまして、最近、若干診療提供側として危惧をしていることがありますので、1点意見を申し上げますが、誤りがあるレセプトを減らすという観点で、査定であるとか査定率を議論することにはまったく異論がありませんし、国民の健康にかかわる請求書ですので、我々医療提供者も目指すところはとにかく誤りがないレセプト提出に取り組むことだと思いますが、結果として誤りがないレセプトが全てになれば、査定は低くなると思っています。

 昨今の議論や資料を拝見しますと、ただ査定率を上げることを目的にしているような感があり、違和感を感じているところであります。臨床医療は多様性がありますので、全て請求ルールでこれをカバーすることはもちろんできないと考えておりますので、そういった意味で、我々医療提供者は、例えば査定を受けますと、非常に中身には不満があることがあっても、審査会で決定された事項については極力尊重しようと思っているところでありますが、一方で、一部の保険者からは、ただ査定率に注目されまして、繰り返し再審査請求を出されて、審査現場が混乱しているということも最近は時々耳にしますので、審査支払機関のあり方の議論が医療費抑制の観点だけの議論であってはならないということで、1点意見を申し上げたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見ございますか。

 鈴木委員、横尾委員、柴田委員でお願いします。

○鈴木委員

 3点ほどございます。

 まず、7ページの「4 高齢者医療の費用負担全体の在り方について」でございます。これはすでに同じような意見があるかもしれませんが、高齢者の費用の抑制にかなり重点が置かれているような気がしますので、現役世代にとっても、高齢になってから安心できる医療制度の構築が必要だという視点も持っていただきたいと思います。

 それから、12ページの8でございます。給付の効率化についてというところで、後発医薬品の使用促進というものがございます。中医協の検証調査の報告を見ましても、患者さんのみならず医師や薬剤師においても後発医薬品に対する不信とか不安がまだあるということでございますが、先ごろ我が国でも先発品と全く同一であるオーソライズドジェネリックが発売されましたので、こういったものの使用の促進も推進していったらよろしいのではないかと思います。

 それから、最後の17ページのその他に入るのかどうかわかりませんが、我が国の医療制度は、普通の国民にとって、自由で平等で質が高く、全体としてのコストも低いという、世界でも極めてすぐれた制度でございますので、その根幹をなす公的国民皆保険と民間中心の医療提供体制、これは将来とも是非堅持すべきだということをお話しさせていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました

 横尾委員、お願いします。

○横尾委員

 ありがとうございます。

 1つ目は、財政に関することでございますが、国保の財政上の構造問題についてはかつて意見も述べましたけれども、是非、政府のほうでの十分な議論や英断をお願いしたいと思っています。

 新しい項目として感じたことなのですが、超高齢化社会になって、多くの方が心配されている疾病の1つに認知症があるということをひしひしと最近強く感じています。

 たまたま昨晩でしたけれども、遅い時間にNHKで再放送がございまして、見る機会がありました。たしかイギリスだったかと思いますが、かかりつけ医あるいは専門医療機関での対応につきまして、しっかりとカウンセリングをすることに医師のモチベーションを高めるべく、点数制度を見直しされたようでございます。それによってかなり細かいケアができ、認知の進展が緩やかになり、症状がひどくならないということ等の改善もあったと聞きます。また、フランス等の手法も取り入れられた最近のケア対応状況では、細かい対応を個々の患者さんにしていくとかなり改善もしていくということもあるようです。

 是非そういった新たな時代の医療ニーズに対応する点数制度のあり方等についても、ドクターの皆さんのいい意味でのモチベーションが働くような配慮も幾分今後必要になるのではないかと強く感じたところです。そのことに基づいて、認知症等に対する対策が向上できればいいなと思います。

 全く同じようなことを、実は生活習慣病等のことでも専門医に聞いたことがございます。これもカウンセリングに時間を要しますと、1日当たりに対応できる患者さんの数が減っていくわけですけれども、極端に数字だけを見れば経営的には厳しくなります。しかし、お一人お一人に丁寧な対応をしていくことで、本当にその人の生活改善ができて、治療ができるという確信を持っておられますが、非常に御苦労されている一般の医療機関の先生方もいらっしゃると聞いておりますので、そういったことも今後の検討を、厚労省の中で是非検討いただきたいと感じております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 診療報酬に関しては、基本的に中医協マターではありますけれども、基本方針は当部会で議論ができますので、そういうお話があったと認識させていただきます。ありがとうございます。

 では、次は柴田委員、お願いします。

○柴田委員

 きょうは改めて前に申し上げた意見をもう一回見てみますと、5ページの一番上の○、都道府県と市町村の役割分担を早期に議論する必要があると当時は申し上げました。というのは、まだ国と地方の協議の場でどこまで話しているかわからないというのがありまして、こう申し上げたのですが、前回、中間整理案が出た、きょうは知事会からのお話を伺いましたけれども、私は今は早期に都道府県と市町村の役割分担を明確にする必要があると直してもらえないかなと思っております。

 おくれればおくれるほど、結局はいろいろな準備が後ろにずれてしまう。ただ、後ろが29年度までを目途にという形になっているものですから、ここのところを余りきちっとされてしまいますと、身動きがつかなくなってしまう。例えばシステムの整備でもそうですし、物事が難しいことはよくわかります。ですから、決着が場合によっては遅くなるかもしれないというのもわかりますが、早期に明らかにしてほしいというのが、まず1番目。

 なかなか難しい場合には、その実施時期を少し柔軟に考えたほうがいいのではないかということを申し上げておきたいと思っております。

 それから、2つ目は、このペーパーに書いていただきたいということではないのですけれども、きょうの分厚い資料のもう一つの参考資料の80ページ、審査の関係で「審査の均一性の確保のための取組の推進」ということで、国レベルで中央連絡協議会をつくるのだというお話をいただいております。私どもも会長宛てにそういうものをつくるのだという通知をいただいている。2412月3日です。だけれども、まだスタートしていない。

 スタートしていないというのはいろいろな難しい事情があるのだろうと思いますけれども、このようにやると決めている以上、少しでも難しい問題を乗り越えて、是非動くようにしていただきたいと思います。

 審査支払機関は審査支払機関だけで頑張ってやるのは当然かもしれませんけれども、保険医療の制度を担っている国がそういう場をつくってもらって、そこで議論をすることが、より議論を進めやすい、しやすいことにもなろうかと思いますので、是非そういうことで、少しでも早く動き出すようにお願いをしたい。

 これは意見書の中に書いていただきたいということではありませんので、今、心配していることを申し上げました。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、ほかにございますか。

 高橋委員、どうぞ

○高橋委員

 事務局におかれましては、このように主な意見をきれいに整理していただきまして、改めてお礼を申し上げたいと思います。

 私のほうからは4点ほど追加意見、補足も含めてですが、申し上げたいと思います。

 5ページ、先ほど来個々の役割分担についてということでるる財源問題等も含めて御意見がありますが、前回も少し述べましたけれども、やはりここについては保険者としての6つの機能、改めて申し上げますと、1点目には被保険者の適用、資格管理、2点目には加入者のニーズ把握及び保険給付に見合った保険料率の決定、確実な保険料徴収による安定的な財政運営、3つ目には保険給付、4つ目にはレセプト点検など適正な審査支払、5つ目には保健事業を通じた加入者の健康管理、6つ目には医療提供体制に関する働きかけという調査研究結果も出されているわけですので、この6つの機能を果たすことが非常に必要だろうと考えます。

 この保険者機能の一部を保険者ではないところと分担をするということになれば、本来、期待されている保険者機能が本当に十分果たされるのかどうかということや、保険者なのに実態は保険者ではないといったような運営体制になったりはしないかという疑問も湧くわけでございます。

 そういったところで、保険者と保険者機能との関係をしっかり踏まえながら、財政対策と同様に議論を進めて、深めていくことが必要だということを改めて申し述べたいと思います。

 2つ目ですけれども、6ページの「協会けんぽの国庫補助について」ですけれども、協会けんぽへの財政対策についてですが、被用者保険のセーフティーネットとしての安定的な運営ができるように、国庫補助については法律の本則にしたがって、国庫補助率をさらに引き上げるべきだと考えます。

 3点目に、12ページの傷病手当金ですが、これについても前回ちょっと述べましたが、傷病手当金について精神及び行動の障害による受給が多いという問題点も出されたと思いますので、そのことについて少し調べましたところ、201112月に心理的負荷による精神障害の認定基準が策定されたということも聞いております。そういったところも踏まえながら、労災認定においてこの基準に基づきながら履行をきちんとされているのかというところの視点も見ていくことが必要なのかなと改めて感じたところでございます。

 最後になりますが、4点目ですが、別の角度からということになるのですが、今、議論が一巡して、今後2巡目の議論になりますけれども、その他の論点としまして、短時間労働者に対する社会保険の適用という部分について、適用逃れ対策の強化とさらなる適用拡大という観点についても少し検討をしていく必要があるのではないかと考えているところでございます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 ほかに御意見ございますか。

 それでは、森委員、お願いいたします

○森委員

 先ほど藤井委員、鈴木委員から後発医薬品に関しての話がありましたけれども、後発医薬品に関しては、ロードマップが示されて、その中で取り組むべき課題として安定供給の問題、品質の信頼性確保の問題、情報提供の問題、普及啓発の問題、医療保険制度上の事項等についての課題が示されております。

 後発品に関しては、後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップに示された課題をきちっとモニタリングしつつ、次の段階に向けて取り組んでいくべきだと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 武久委員、お願いいたします。

○武久委員

 世の中はアベノミクスで大分景気がよくなってきているし、これからもよくなると思うのですけれども、庶民の段階ではなかなか厳しいところも多くて、と申しますのは、病院や施設での未払金が非常にふえているのです。

 こういう状況下で、御本人の年金が非常に少ない場合は御家族が負担しないといけない。そのときに、子供さんが少ない状態で同時に両方とも御夫婦のお父さんとかお母さんとかが複数で入院されたり入所されたりすると、とてもではないけれども厳しいというのはわかるのですが、食事療養費とか生活療養費に関しましても、在宅との整合性から、入院や施設でいるのを上げたらどうかという話もありますが、また、介護保険のほうでは来年度から280万以上年収がある人は2割負担だということになってまいります。

 入院の場合は、急性期の場合は一応2週間ぐらいが大体めどになっていますから、1,000円であっても2週間であれば1万4,000円で済むわけですけれども、問題は長期にわたって入院するような事態です。ここは医療保険部会ですが、介護給付費分科会でも同じようなことが言えるので、同じ患者さんがずっと流れていくわけですから、医療においてはこのぐらいの負担で、介護のほうがむしろ高い。長期に入院、入所する場合に負担が非常にふえるということは厳しいのでこのあたりをどうするか、また、各施設、各医療機関の種類ごと、病床機能の種類ごとに、果たして整合性をどうとるかというところはまさに医療介護の連携のところでございますので、この辺のところの公平性を担保していただけるようにお願いしたいと思います。

 もう一つは、査定のことを先ほど堀先生がおっしゃいましたけれども、全体に診療報酬が包括化してきておりますので、どうしても国民健康保険も支払基金も査定をしようとしても出来高のところしか査定できないという非常に隘路があるわけですが、そうなってくると、出来高のところだけが集中して査定されるという、ちょっとゆがんだ形になっているような例も時々あるので、その辺のところ、ほとんど全部包括になってきたら、査定をするところはないのかということにもなってくると、それこそ査定機関の存在価値ということにもなってきますから、その辺のところの整合性も、こちらのほうでいろいろ検討していただけければと思います。

 我々は適正と思って医療現場では医療を行っていますけれども、それに対して、堀先生もおっしゃったように、多少疑義がある医療機関等もございますので、その辺のところがみんなが納得するような査定方法があれば一番いいかなと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 樋口委員、お願いします。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 ここで発言するのはちょっと場違いと思って控えておりましたのですけれども、武久先生からの御発言に触発されましたので、少しだけ発言させていただきます。

 長期入院の医療費などが若い家計を貧困の中に追いやっているという問題です。私は全国紙の人生案内の回答者をしておりまして、最近、親世代の介護、医療費によって子の世帯の家計が非常に圧迫されていること、介護貧乏とか医療費貧乏というべき状況が、高齢者の世帯だけではなくて、扶養している中高年の世代を圧迫して、次の世代の大学進学などを危うくしている。

 1つの例で、私は歯切れのいい回答ができませんで、今でも内心じくじとしております。要するに、70代の母上の年金は月2万円しかない。これは何か。娘夫婦は別々の自営業で、1,200万円の収入がある。母上は5年前からくも膜下出血の後遺症で、自力呼吸はできるけれどもコミュニケーションは全くない。そこで、もう5年間入院費900万円かかり預金は全部使い果たした。毎月1516万円かかると。その間に子供は大学に行くようになって、武久先生の未払いということばで思い出したのですが、このところ数カ月滞納しているそうです。

 御相談内容は2つありまして、この医療費はどうにかなりませんかというのと、母親が憎くなって見舞いに行く気もなくなってしまった、こんな私が嫌なのですという心の持ち方と、何とも答えようがございませんでした。

1516万円の入院費というのは恐らく複数部屋でも何らかの差額ベッドが入っているのだと思います。

 ですから、長期にわたって、しかも看取る側も高齢化していて、収入もだんだん不安定になってくるときの病院の支払いを、高額医療費だけでなく、長期にわたった場合、いくらか減免できるような方法はないのかなと思っております。今の保険制度では無理と思っておりますけれども、こういう若い家計を高齢者の長期的医療費や介護費が圧迫しているという事実、世代間不公平ということをいろいろ言われますが、私はこういうことのほうが問題だと思っております。

 意見だけ言わせていただきました。ありがとうございました

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 これまでいろいろといただいていた意見について、またここでもう一度御検討いただいたわけでありますが、御発言したけれども漏れていたケースとか、適切な表記の仕方になっていないとか、あるいは追加の御意見といったものがありますので、ただいまいただきました御意見につきましては、修文をさせていただいて、一度皆さんに御確認をいただいたほうがいいかなと思いますけれども、内容につきましては座長一任という形で、私が事務局と相談しながら決めたいと思います。

 非常に長いお話だったものですから、短くまとめますので、そこら辺のところは御容赦いただきたいと思います。ほかの発言とバランスをとりながらということでございます。

 本日の趣旨は御意見を集めることでございますので、議論すればまた一つ一つ非常に難しい議論があるわけでございますけれども、本日はそのようなかたちでまとめさせていただければと思います。どうもありがとうございます。

 それでは、一通り、1巡目の話がまとまりまして、秋以降は2巡目の議論をさせていただくことになりますが、これからがある意味非常に大切なものになってくると思いますので、また御協力のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、予定の時間よりもまだ大分ありますけれども、本日はこれまでとさせていただきたいと思います。

 次回の開催日ついては追って事務局よりご連絡をいたしますが、事務局、何か追加で御発言することはありますか。

○大島課長

 結構です。

○遠藤部会長

 ありませんか。

 それでは、本日は御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。これにて終了したいと思います。


(了)

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