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2014年6月12日 第18回先進医療技術審査部会

(了)


第18回先進医療技術審査部会

(1) 日 時:平成26年6月12日(木) 16:00~17:05
(2) 場 所:中央合同庁舎第5号館 共用第8会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号TEL:03-5253-1111)
(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、石川構成員、一色構成員、
伊藤構成員、柴田構成員、竹内構成員、大門構成員、
田島構成員、直江構成員、藤原構成員、山中構成員、
山本構成員、斎藤技術委員
  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
保険局医療課 専門官
医薬食品局審査管理課 課長補佐

議 題:
1. 継続審議の評価を受けた技術の再評価結果について
2. 新規申請技術の評価結果について
3. 試験実施計画の変更について
4. 協力医療機関の追加について
5. その他

○猿田座長
 時間がまいりましたので、第18回先進医療技術審査部会を始めます。構成員の先生方におかれましては、天候の悪い中、また大変お忙しいところを御出席いただきましてありがとうございました。本日の構成員の出欠状況ですが、佐藤構成員、関原構成員から欠席の連絡がありました。金子構成員は少し遅れて参加されるとのことです。第16回のこの委員会に御出席いただきました斎藤技術委員に本日も来ていただきました。
 配布資料、本日の審査案件等の確認を事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 配布資料の確認をさせていただきます。議事次第から始まり、座席表、開催要綱、構成員及び技術委員名簿と続きます。次に、「継続審議の評価を受けた技術の再評価について」として資料1-1から資料1-5があります。「新規申請技術の評価結果について」として資料2-1と資料2-2があります。「試験実施計画の変更」として資料3-1と資料3-2があります。「協力医療機関の追加について」として資料4-1と資料4-2があります。最後に参考資料があります。会議資料の最終は86ページになります。7ページから構成される添付資料を机上配布しております。本日の資料は以上です、乱丁・落丁等がありましたら事務局までお知らせください。
 利益相反についてです。申請医療機関との関係や、対象となる医薬品及び医療機器の企業等について、11ページの資料1-1及び27ページの資料2-1に記載しております申請医療機関、医薬品・医療機器情報を御覧ください。
 申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業に関して事前に確認させていただきました。一色構成員、直江構成員、藤原構成員、山口座長代理より、27ページの整理番号031の技術との関係について、利益相反の届出がありました。参考資料83ページにお付けしております、「先進医療会議における利益相反の対応について」を適用いたします。一色構成員、直江構成員、藤原構成員、山口座長代理におかれましては、整理番号031に関する検討において意見を述べることができますが、議事の取りまとめには加わらないとさせていただきます。なお、事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。該当なしということで進めさせていただきます。
 今回もタブレットを使用させていただきます。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は、会議資料の何ページ又はタブレットの何ページとあらかじめ御発言いただきますようお願いいたします。
○猿田座長
 よろしければ、早速議事に入ります。資料1-1の「継続審議の評価を受けた技術の再評価結果」について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 撮影している傍聴者はここまでとさせていただきます。11ページの資料1-1を御覧ください。今回、先進医療Bとして再評価していただく技術は、整理番号028の「ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術」です。適応症はcT1腎癌です。申請医療機関は神戸大学医学部附属病院です。審査担当構成員として、主担当が直江構成員、副担当は竹内構成員と田島構成員です。技術委員として斎藤技術委員にも事前審査をお願いいたしました。
 25ページの資料1-5を御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について事務局より説明させていただきます。実施責任医師の要件として、診療科は泌尿器科が必要、資格は日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医が必要。当該診療科の経験年数は5年以上が必要、当該技術の経験年数は1年以上が必要です。当該技術の経験症例は、術者として10例以上必要となっています。助手の要件は必要とはされていません。医療機関の要件として、診療科として泌尿器科が必要。実施診療科の医師数として、日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医2名以上が必要とされています。
 他診療科の医師数は麻酔科標榜医が必要。その他の医療従事者の配置として臨床工学士が必要とされています。当直体制は必要で、緊急手術の体制、24時間実施体制の院内検査も必要とされています。他の医療機関との連携体制は必要ですが、自施設内で対応可能な場合は不要とされています。医療機関としての当該技術の実施症例数は10例以上が必要とされています。頻回の実績報告は不要とされております。以上です。
○猿田座長 この施設基準に関してはよろしいですね。前にも1回かけさせていただきました。これは、お認めいただいたこととさせていただきます。主担当は直江先生ですが、再評価の結果についてお願いいたします。
○直江構成員
 これは、第16回のこの会議で審査に上がってきたものです。当時を思い出していただけるといいのですが、議論は15ページからの資料1-3になります。ざっくり申し上げて、1番目は、この100例をda Vinci支援腹腔鏡下の切除術を行うことにおいて、中間検討が必要ではないか。特に主要評価項目が妥当であるかどうかという観点でどうだろうかが1点目です。2番目は、主要評価項目の妥当性について、臨床的な意義という点から明確にしてほしいということです。
 19ページは、試験実施計画書の中に、あらかじめ手順を書き込むことがあるのではないかということです。4番目も、実施計画書の中に記載するべき安全性情報の取扱いの御指摘です。5番目は、有害事象についての記載です。6番目は、除外される症例についてのデータの取扱いです。
 追加として22ページにあります。これが一番問題になったところです。主要評価項目で、切除断端が陰性である。腎の阻血時間25分以内ということが評価項目です。これの算定の方法についての御指摘がありました。各分担の副担当の先生方も合わせ、これらの項目に的確に答えていただいているということで、いずれも13ページ、14ページを見ていただくと十分対応されているという評価です。前回は「継続審議」となっていたものですけれども、条件を満たすだろうという判断です。
○猿田座長
 恐れ入りますけれども、斎藤技術委員からお願いいたします。
○斎藤技術委員
 直江構成員から御説明いただきましたように、以前も私は「適」ということで出していたのですが、特に追加する項目はありません。
○猿田座長
 続いて田島構成員からお願いいたします。
○田島構成員
 同意に係る手続き、同意文書、補償内容ともに、従前どおり「適」と評価しております。
○猿田座長
 実施計画等の評価について、竹内構成員からお願いいたします。
○竹内構成員
 第16回のときは、最終症例100例までいってしまうのでそれでいいかということで懸念事項を出させていただきました。今回は、一応20症例のところで評価項目は妥当であるかどうかを検討していただくと。直江構成員がおっしゃいましたように、阻血時間が25分以内の評価項目はどうかということだったのですけれども、それは臨床的又は独立しているというので大丈夫だという回答を頂きましたので、全て「適」とさせていただきました。
○猿田座長
 主担当、各担当の先生方が全て「適」ということですが、総括的にもう一度直江構成員からお願いできますか。
○直江構成員
 副担当の先生方から御指摘いただきましたように、もともとこの方法は負担が少なくて、しかも従来の腹腔鏡手術に比べて、どういう利点があるのだろうということがポイントで、これが阻血時間が25分以内で終わる、しかも断端が陰性で、しかも開腹移行がないというものは、多分この外科手術に望まれる点であろうということです。こういう望ましい手術が、従来のパーセントに比べると、それを有意に超えているだろうと。相手はヒストリカのコントロールなのですけれども、そういう指標が今回の修正で非常に分かりやすくなったのではないかということで、このように条件を満たすだろうという判断だろうと思います。
 もともとポイントがその点と、もう1つは竹内構成員から出ましたように、100例をそのまま通しでやっていいのかどうかという点でした。それも、中間的に見直すという回答を得ておりますので、よろしいのではないかという判断だろうと思います。
○猿田座長
 前回、「継続審議」だったのですけれども、全てよく対応してくださったということで、これで「適」でいいのではないかということですが、他の先生方もこの判定でよろしいでしょうか。
○山口座長代理
 全体としてはいいと思うのです。ただ、私は外科医として、この阻血時間というのはかなり恣意的に変化する可能性のあるものだと思います。また、阻血時間は技術や材料の進歩に伴って短くなります。例えば糸1本V-LOKという緩まない糸があるのですけれども、そういうものを1本開発するだけでも時間が短縮されます。ですから、コントロールと比べてどうかということは非常に難しいと思います。
 少しぐらい血が出てもいいから阻血時間を短くするということがあってはいけないと思うので、出血量も必ず抑えておくということをやっておかれたほうがいいと思います。そういう条件を付ければ、私も賛成です。
○直江構成員
 副次項目のところに、私の記憶では「出血量」というのがありました。
○山口座長代理
 それなら結構です。
○直江構成員
 大丈夫だと思います。
○猿田座長
 斎藤先生から何かありますか。
○斎藤技術委員
 今の御意見はもっともなのですが、あらかじめ書いてありますので、よろしいかと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。この案件に関しては皆様が「適」ということですので、「適」と判定させていただきます。
 これからは新規の案件に入ります。事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 27ページの資料2-1を御覧ください。今回、先進医療Bとして評価していただきます1つ目の新規技術です。整理番号031、腹膜偽粘液腫の減量切除術に対する周術期腹腔内化学療法です。適応症は、腹膜偽粘液腫です。申請医療機関は国立国際医療研究センター病院です。審査担当構成員は、主担当が伊藤構成員、副担当が山中構成員と田島構成員です。本件も審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について事務局より説明させていただきます。
 49ページの資料2-5を御覧ください。実施責任医師の要件についてです。診療科は一般外科又は消化器外科が必要で、日本外科学会専門医が資格として必要です。当該診療科の経験年数は10年以上必要で、当該技術の経験年数も5年以上が必要とされています。当該技術の経験症例数は、術者として5例以上、それに加えて助手又は術者として10例以上が必要とされています。術者、助手の要件は、それぞれその下に記載されているとおりです。医療機関の要件は、診療科は外科・内科・麻酔科・放射線科が必要で、実施診療科の医師数は、日本外科専門医3人以上が必要とされています。
 他診療科の医師数は不要ですが、その他の医療従事者の配置として臨床工学技士が必要とされています。当直体制、緊急手術の実施体制、24時間実施体制の院内検査がそれぞれ必要とされています。他の医療機関との連携体制については、自施設で対応が可能であれば不要ですが、術後の経過観察が長期となるため、患者の居住地が遠方の場合に、急変時や何らかの症状があるときなど、治療経過の提供といった近隣医療機関との連携が必要とされています。
 医療機関としての当該技術の実施症例数は5例以上が必要とされています。その他、腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術を行うことができる施設が要件として求められております。頻回の実績報告は不要とされております。以上です。
○猿田座長
 ただいまの施設の要件に関しては特に問題ないと思いますけれども、御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは、この施設要件はお認めいただいたことにいたします。それでは、主担当である伊藤先生からお願いいたします。
○伊藤構成員
 腹膜偽粘液腫の患者さんを対象にして、右壁側腹膜切除、右半結腸切除、左壁側腹膜切除、骨盤腹膜切除、低位前方切除、子宮・付属器切除、右横隔膜下腹膜切除、肝被膜切除、胆摘、左横隔膜下腹膜切除、大網切除、脾摘、小網切除、胃切除等の組合せを行う。完全減量切除が達成できた症例に、マイトマイシンを2,000~3,000mLの41~42℃の温生食に溶解し、高温を維持したまま1時間口腔内に還流させ閉腹。術翌日より、フルオロウラシルを腹腔内に投与し、24時間毎に薬剤を入れ替えて4日間連続で繰り返す。5年間経過観察を行い、5年生存率を主要エンドポイントとする単施設の単群試験で、組込み予定症例数が75例という試験です。
 これは、読むだけで、大変な手術だと感じる手術で、こんな手術をできる所がたくさんあるのだろうかというのが、正直な感想です。100万人に1人か2人という希な疾患に対する手術です。温熱療法ですが、今読み上げたような減量手術をした後に、周術期にMMCと5-FUを併用した温熱の化学療法です。これは1999年からのSugarbakerらの報告以降、全世界で実施されています。5年生存率も53~78%という形で報告されている治療法です。
 ただ、この病気そのものは、組織学的に悪性度の高いものと低いものとで、全く予後が異なるものと考えられております。ここに出ている引用文献のうちSugarbakerらの治療対象は、悪性度が比較的低いもので、Coitらの解析はその両方を含んでいる。Coitらの論文では、悪性度の低いものと高いものを分けて比較すると、悪性度の低いものの予後はSugarbakerらの報告と全く同じなのですが、そうでないものに関しては悪いという状況下で、従来の手術療法単独との比較試験が行われていないので、これだけ侵襲が強く、かつ温熱療法プラス抗がん剤の治療という話が本当に有効なのかということについて、なかなかデータがない中でどう判断するか悩ましいところだと思います。
 ただ、国際医療研究センターでは、既に27例の実施経験があります。そういう点から、実施可能な技術だろうとは思われます。田島先生と山中先生から御意見を頂いていますので、それを併せた上で最終評価をさせていただければと思います。
○猿田座長
 使っている機器と、それから薬が多いですね。
○伊藤構成員
 大変難しい技術で、ある程度の技術的な裏付けが必要で、この化学療法というか、温熱療法をするにしても、表面の1~2mmぐらいまで削り取ったものでないと、どうも効果がないのではないか。そうすると、たくさん腫瘍が残っていると、基本的にこういった侵襲的な操作をするのは意味がないということで、技術的にも大変高度な慣れが必要なものではないかと思われるところです。
 一方で、化学療法をするとか、手術療法単独だけとかという比較データがないので、これを良しとするかどうか判断するのは難しいと思われる技術だと思っています。
○猿田座長
 倫理面からのことは、田島先生にお願いしました。難しい手術ということなのですが、よろしくお願いします。
○田島構成員
 同意に係る手続き、同意文書について、説明文書に幾つか不備がありますので「不適」の評価にしております。補償内容としては「補償なし」ですけれども、腫瘍に関する試験ということでやむを得ないと考え「適」と評価しました。これについては、当初御提出いただいた説明文書が、専門用語を多用した極めて簡略なもので、患者さんに理解しやすいものになっておりませんでしたので、一般の方でも理解できるような易しい言葉を用いた、分かりやすいものに全面改訂していただく。術前・術後の図にも一切説明がありませんでしたのでそれにも説明を加えていただくようにお願いしました。そうしたところ、全面改訂した説明文書を御提出いただいたのですが、それにもなおいろいろ問題点があります。資料2-3の37ページから45ページにかけて、19項目の指摘事項を記載し、これに対する御対応をお願いしました。
 それで、再度改訂したものをお出しいただいておりますが、それについてもまだ不備な点がありますので、それらについて修正をしていただく必要があると思っております。修正を要する点は、倫理審査委員会に関する記述が欠落しておりますので、それを追記していただく。術前図に、右半結腸の場所の説明がありませんので、それを加えていただくこと。補足的減量手術の説明というよりは、本試験で行う治療方法の説明と思われる点については、本試験の説明のほうに記述を移していただくこと。試験スケジュールとして、血液検査と観察3か月ごと、それから6か月ごとにも行われますが、このスケジュール表の欄へのチェックが欠落しておりますので、これを補充していただくこと。
 患者相談窓口についても、治験管理室のみならず、院内の患者相談を専門的に受け付ける窓口も記載した上、双方の内線番号を付記していただくことをお願いします。これが修正されたら、「適」の評価で差し支えないと考えております。
○猿田座長
 先生と拠点との間のやり取りも拝見させていただきましたが、随分大変だっただろうと思います。今の御指摘の所を直していただければ、倫理面からは大体いいだろうということですね。
○田島構成員
 はい。
○猿田座長
 計画書等の評価については山中先生からお願いします。
○山中構成員
 私のほうで、試験実施計画書の評価をさせていただきました。定義されているプロトコールの治療はかなり複雑です。今は単施設のシングルアーム試験なのですけれども、将来的に他施設に拡張できるかという一抹の不安はあります。今のこの症例数の希少疾患に対して、いろいろ複雑な手順ではありますけれども、こういった治療法の開発を、先進医療を使って評価していこうという気持ちはくんであげたいと思います。
 プロトコールは、テクニカルな部分に関しては結構よく書かれています。私が一番気にしていたのは、伊藤先生のコメントとも関連しますが、予後の良い群と予後の悪い群が混ざっていますので、シングルアーム試験でやる場合、ヒストリカルコントロールから設定される閾値を1つ設定し、それに対してシングルアームの統計学的な検証をするわけです。悪性度の高いものと、中ぐらいのものと、悪性度の低いものの構成割合によっては、シングルアーム全体の予後も結構変わってくるので、その辺については考慮しなければいけないのではないかという指摘をさせていただきました。中間解析の目的が不明瞭だったので、そのこともお尋ねしております。いずれも回答を頂いて了解はしております。
 その他に実施計画書の内容ではないのですけれども、この治療開発を進める上でのロードマップが少々不明確でした。最終的にはこの先進医療を終えた後、改めて治験デザインを考慮するという回答を頂いております。医薬品だけではなくて、医療機器の結構多くの適応外の医療機器の使用を伴います。最終的には、これらの機器のメーカーとも協議が必要になってくるわけですけれども、この点に関してはまだオンゴーイングで進めているという回答を得ております。いろいろクリアすべき内容は多いのですけれども、オペレーションが複雑とか、いろいろな機器メーカーの協力が必要とか、あとは何といっても希少疾患です。ただ、是非先進医療を利用し、こういう治療開発を進めていっていただきたいと考えております。
○猿田座長
 先生の言われたものを随分拝見させていただいたけれども、かなりたくさんの機器を使うので大変かと思います。伊藤先生から総括的にお願いできますか。
○伊藤構成員
 腹膜偽粘液腫の減量切除術に、周術期の温熱腹腔内化学療法を加えることについては、1990年代までの手術療法の手術成績が5生率で53~75%に比べて高く見えます。組織ごとの予後が違ったり、これは5-FUとMMCのレジメンですけれども、それ以後も複数の化学レジメンが報告されていることも含めて考えると、これが絶対的な標準的なものに将来的になるかどうかは不明なところもあります。ただこの治療法そのものは全世界的にも広く行われていることもありますので、同意説明文書や試験実施計画書が適正に修正されれば、「適」ではないかと考えます。
○猿田座長
 一応現時点では、条件付で、先ほど問題になった所を訂正していただければいいのではないかということですね。
○伊藤構成員
 はい、それで結構だろうと思います。
○猿田座長
 山口先生からお願いします。
○山口座長代理
 これは非常に興味深い症例で、みんな何例か持っています。最初に見たらびっくりするのですけれども、意外に予後が良くて、結構長生きします。そのときに蒸留水で洗ったら予後が良かったとか、ちょっと抗がん剤をまくととても良かったというのが結構症例報告としては出てきます。
 欧米では、確かにセンターに集約して、腹膜を剥離するなど行われているところがあります。つまり抗がん剤が余り効かないので、物理的に取るしかない。比較的予後が良いですから、普通のがんと違って、そういう物理的な除去で効果があるのはむしろ予後の良いものについてなのです。ただ問題は、腹膜を剥離する手術は必ずしも容易ではなくて、私は悲惨になった例もたくさん知っています。やはり、こういう優れた施設に集めてやるべきだと思うのです。そういう意味では、この中で比較的予後の良いものについて、そういう積極的な治療をやることには大賛成です。
 その対象の中に、明らかにこれは普通のがん性腹膜炎と同じような予後悪い、5年たったら5~6%しか残っていないような非常に悪いものを混ぜて意味があるのかどうか疑問です。しかも、そういう予後が極めて悪い方に、ものすごい過大な侵襲を与えて、回復するまでに何年もかかる人がいるわけですから、そういう治療をやるべきかどうかということに関しては疑問があります。ここの症例の割合を見ても、比較的長い予後のものが多くて66%ありますので、そういうものに限定されたほうがいいのではないかという感じがしました。
○猿田座長
 この施設は、技術的にはしっかりやっていらっしゃるし、今までのこともあります。そうすると、全体とすれば先ほど問題になった所を訂正していただくということで、「条件付き適」ということでよろしいでしょうか。もしよろしければ、「条件付き適」ということで、早急に先ほどの所を御回答いただくことにします。それでは、ここでは「条件付き適」ということで認めさせていただきます。
 続いて、もう1つの新しい技術です。これに関しても事務局から説明をしてください。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料2-1、27ページを御覧ください。2つ目の新規技術ですが、整理番号034、「HGF遺伝子による血管新生遺伝子治療」です。適応症は、内科的治療に抵抗性で、血行再建術の適用が困難な安静時疼痛又は潰瘍症状を有する慢性動脈閉塞症閉塞性動脈硬化症及びビュルガー病)です。申請医療機関は、大阪大学医学部附属病院です。審査担当構成員は、主担当が一色構成員、副担当が柴田構成員、佐藤構成員です。審議に先立ち、本件についても先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について事務局より説明します。
 資料2-10、67ページを御覧ください。実施責任医師の要件として、内科又は外科の診療科が必要。資格は不要。当該診療科の経験年数、当該技術の経験年数、当該技術の経験症例数、いずれも不要ですが、その他として厚生労働大臣から遺伝子治療臨床研究の実施許可を得られた総括責任者であることとの条件が付与されております。医療機関の要件として、診療科は内科又は外科が必要です。しかし、実施診療科の医師数は特に必要ないということです。他診療科の医師数も不要。その他医療従事者の配置も不要です。当直体制は、今回は外来でも実施が可能ということですので、不要とされております。緊急手術の実施体制は要。院内検査は要。他の医療機関との連携体制は不要とされております。
 その他ですが、厚生労働大臣から遺伝子治療臨床研究の実施許可を得られた施設であることとの要件が必要とされております。頻回の実績報告は不要とされております。以上です。
○猿田座長
 今の施設条件ですが、特に問題はないですね。ここは早期探索拠点ですので。
 それでは、施設条件はこれでお認めいただいたということで、この技術に関して、主担当の一色構成員からお願いします。
○一色構成員
 このスタディはHGF(肝細胞増殖因子)に血管内皮の細胞増殖作用があることを利用して、重症下肢虚血例への血管再生を目指すという申請施設が中心になって長く続けているものです。
 重症下肢虚血を示す慢性動脈閉塞症に対する治療は、今でも非常に難渋しており、血管内治療あるいは外科的治療などの血行再建術を行っても、ある程度進行してしまうと、その予後はきわめて不良です。下肢切断に至る症例は一部ですが、それを有効に阻止する方法がなかなかないということで、血管再生を促すことによって重症下肢虚血の予後、生命予後というより局所的な予後を良くすることができないかというのがこの研究の目的です。
 このテーマは、申請施設から製品を扱うようになったアンジェス社が2008年に製造販売承認申請をしており、第3相試験が行われております。結果として、安静時疼痛と潰瘍の改善効果は認められたということで希望が持たれたのですが、プライマリーエンドポイントである切断回避が達成できませんでした。結果の解釈を巡りPMDAとの間でかなりディスカッションが行われたようですが、最終的には2010年に一旦申請が取り下げられています。 しかし、安静時疼痛が良くなる、あるいは潰瘍が改善するということには期待できる部分もあり、申請施設は臨床症状の改善のみで製造販売承認を得る道筋を作ることを目的として、今回探索的研究という位置づけで、少ない症例数で改めて医師主導型の研究を起案したということです。
 自施設で薬を作って、実験もやって、臨床研究も行ってきた経験がある施設からの起案ですので、施設としては全く問題ないと思います。タブレットの943ページに今までの臨床成績が出ていますが、国内外を含めてすでに約200例の経験があるということです。先ほど申し上げたように、海外のデータも決して良いアウトカムではありませんでした。その理由として、すでに組織のダメージが進行して骨が出てしまっているような、治療効果が期待できそうもない症例がかなり入っていたことが挙げられています。このような背景から今回の申請に至ったということです。倫理的案件とプロトコールについては、これから副担当のお二人の先生のコメントを頂き、改めて総合判断したいと思います。
○猿田座長
 最初のときは、企業治験でやったのですね。
○一色構成員
 そうです。
○猿田座長
 それで、今度はこういう形でやるということですね。
 それでは、倫理的な面は、今日はお休みですが、佐藤先生のコメントということで、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 佐藤構成員におかれましては、倫理的観点から御評価をいただきました。
 資料9、65ページに意見書が提示されております。佐藤構成員は、「説明文書について、既存の治療法の説明、被験者の選択として既存の治療法が用いることができない要件を満たしていることなど、説明されるべき事項は十分に備わっています。もっとも、これまでの臨床試験の結果がどの程度本件で外挿可能なのかどうかは御議論いただきますようお願いいたします。補償保険の説明部分は、迂遠かと思いますが、別添の説明も合わせれば理解されると考えました。そのほか、ベンチャー企業であるアンジェスの関わり及びCOIへの対応についても記載は適切であろうと考えました。そのほか、この投与による有害事象が想定し得ますが、保証保険に加入しています。患者相談等の対応も適切と考えました」というコメントです。
 51ページに戻ります。倫理的観点からの佐藤構成員からの御評価は、4番、5番ともに、いずれも適との御判断を頂いております。
○猿田座長
 佐藤先生はお休みですが、最終的には適という判断を頂いております。
 それでは、試験計画等の評価について、柴田先生からお願いします。
○柴田構成員
 試験実施計画書等の評価を担当しました柴田です。こちらのものについては、結論から言うと、6~16番はいずれも適であろうと判断しました。ただし、幾つか議論しておくべき点があると思いますので、それについて少しコメントします。
 このものについては、PMDAに申請したときにどのような議論がなされていたのかが詳細に公開されているわけではないので分かりませんが、提出された資料を拝見する限り、用法・用量の設定が十分であるのか否かということは、今後、検討される余地があるのではないかと考えております。例えば、症状改善には十分な用法・用量であっても、患肢の温存には不十分であるとか、最適化されていない用法・用量であったならば、将来これが世の中に出た場合に、実際臨床現場で使われる際に、これを使いたいと思われる先生方の使いたいような用法・用量が採用できないことになりかねません。開発の段階で用法・用量が最適なものになっているのかはきちんと詰めておくべきであろうと思います。
 PMDAの審査の中でそういうことが議論されたのかどうか分かりませんが、少なくとも、拝見している限りではそこが気になった所です。つまり、患肢の温存をエンドポイントにしたデータをPMDAが求めているようですが、それは単純にエンドポイントとしてそれを求めているだけでなく、それに対して用法・用量が十分であるのか否か、最適であるのか、至適な設定になっているのかというところも議論されているのではないかと推測していますが、もし違っていれば申し訳ありません。資料が公開されていないので、手探りでそのように判断しました。
 これについては、症状改善と患肢温存の関係が明らかになっていない状況ですので、症状を改善するのに十分な用法・用量が患肢温存につながる用法・用量かどうか分からないのが1点です。一方で、海外第3相試験が計画されており、そこでは患肢温存をエンドポイントとして試験を計画しているそうなので、このもののよりしっかりしたエンドポイントでのエビデンスは将来出てくるであろうと思われます。ただし、回答書によると、海外第3相試験は国内開発とは用法・用量が異なるとのことです。となると、今回の試験と違う用法・用量が将来より有効なものであるということになる可能性は、今のところ分からない状況にあります。また、海外の用法・用量は第2相までのデータに基づいて設定されているようであるということです。具体的な用法・用量は公開資料に含まれておりませんが、公表論文によると、海外第2相試験では4回投与と、日本よりも強い投与方法なども検討されているようなので、その辺りはきちんと今後のプロセスの中で研究していくべき余地があるのではないかと懸念するところです。
 ただし、本治療法は、安全性と有効性を探索的に評価する段階のものであることを明らかにした上で実施される必要があると考えますが、もしそうであれば、臨床試験の計画等はきちんと詰められているので、実施すること自体は試験実施計画書等の評価の観点からは認めていいのではないかと判断しております。
 長くなりますが、コメント欄の御説明をします。52~53ページを御覧ください。53ページになお書きで書いておりますが、このものについては先ほど申し上げたとおり、薬事承認申請の経緯は私どもは分からないので、のちのち企業から再度薬事承認申請が提出された際に、ここの先進医療技術審査部会等で専門家から妥当だと判断を下されているものに対して審査の過程でいろいろけちを付けるのはおかしいという議論になってはおかしいと思いますので、それはやめていただきたいと思い、あえて記しました。資料が、見ているものが違えば、当然懸念事項は変わってくるだろうということです。
 1つ戻って、52ページです。先ほど申し上げたような懸念はあるものの、また、本臨床試験によってこのものの薬事承認申請の審査過程で要求されたデータが本試験のみで得られるとは考え難いですが、一方で第3相試験の話や、現時点での見込みには過ぎませんが国内で条件付き及び期限付きの薬事承認がなされる場合にはPMDAの求める追加の臨床試験が市販後の定められた期間内に企業でのちのち行われる見込みがあるということを申請医療機関側から説明されていることなどを踏まえると、そういうデータが将来出てくることを前提とするならば、PMDAにおける審査の過程で議論となった事項の一部に対して、本臨床試験のデータが活用できる余地もあるのではないかと思量します。試験実施計画書等を拝見する限り、これを先進医療Bとして実施することは許容されるのではないかと考えます。
 最後に、52ページの1つ目のコメントです。細かいことですが、問題だと思うのでコメントさせていただきました。予定症例数などの設定根拠に関する記載が、実際にPMDAとの相談のときに議論されていたものと少し違うような書き方がされている部分があるということです。別に悪意はないと思いますが、このような書き方をされると、先ほど申し上げたような議論は、飽くまで必要な情報が正しい形で提供されているという前提での好意的解釈なので、双方の信頼関係に基づいて行うものですので、関係者が情報の一部分ずつしか把握できない状況で誤解を招くような書き方は避けていただきたいと思い、あえてコメントさせていただきました。以上です。
○猿田座長
 先生としては、注射を0.5mgずつ、8部位で、4週間と、この形でよいと。
○柴田構成員
 日本での開発の経緯等を踏まえると、現在この設定になっていることには一定の合理性はあると考えます。
○猿田座長
 それでは、総括的に一色先生からお願いします。
○一色構成員
 こういうバックグラウンドの研究をどう取り扱うかはなかなか難しいところだと思います。
手技自体は非常に単純で、要するに虚血部位に注射をするだけなのですが、実際にはどこに注射をすると一番有効なのかが、個々の症例で変わってくる可能性があります。特に症例数が6例と少ないので多施設で行う場合に標準化させたテクニックで意図したところに正確に投与できるのかが危惧されました。この点については別添のマニュアルに従って手技を行えば問題ないという回答がありました。これについては、各施設で手技の標準化に対する最大限の努力をしていただくことに尽きると思います。

 また、先ほど柴田構成員から6例という症例数の根拠の話がありましたが、この6例では有用性に関するデータを出すことは不可能なことは明白ですので、これまで積み重ねてきた症例、あるいは海外の第3相の結果を合わせて、総合的に判断するという方針であろうと理解をしております。
 柴田構成員からプロトコール自体は問題ないということですし、これまでのバックグラウンドをもとに将来の可能性を念頭に探索的に行うということを明記しているので、私としては不適とする理由が見当たりません。以上のことから私としては適と判断いたしました。皆様方の御意見があれば頂戴したいと思います。
○猿田座長
 この注射の8部位は、HGFを用いるからで、HGF以外の物質を用いて同じような治療をする場合も、やはりこのような8箇所の注射なのでしょうかね。なんとなく、8箇所が気になります。ともかくここではこの形でやるということです。
 それでは、委員の先生方から御意見がありましたらお願いします。
○山本構成員
 申請書の倫理委員会の所に出ているので、一応申し上げておきますが、大阪大学の倫理委員会の未来医療センターの倫理委員会のメンバーになっていましたので、そちらでも見ておりますので、コメントだけさせていただきます。
 主要評価項目の1番に疼痛の軽減を挙げていることは、大阪大学の委員会のときにも問題にはなっておりますが、最終的にはPMDAとの議論があって、そこは理解してもらっているということでしたので、一色先生がおっしゃるように不適とする理由は特にないと考えて、適を出しております。
 ただ、当時は鎮痛剤の使用やその記録を取ったり制限を付けたりということがなかったので、そちらについて評価項目に明らかに影響してくることなので、その辺りの改変は院内の委員会でさせていただいておりました。それでも、これは最初鳴り物入りで、例えば潰瘍が著明に改善するとか、そういうことを期待されてやっていた治療だったと思いますので、最終的に疼痛の改善だけでいいのかは個人的に引っかかるところはありますし、恐らく多くの方がそう思っているのだと思います。
 再生医療の新法によって、確かに安全性が確認できれば、有効性が推測される時点で市場に出せることになっておりますが、どのぐらいの有効性を、つまりどのぐらいのポテンシャルを持ったものかということがあって初めて上市されるべきだと思いますので、国内でされる試験として今回この先進医療Bでされることについて、一色先生がおっしゃるとおり不適とする要素はありませんが、最終的には有効性のポテンシャルをきちんと示した形でなければ、上市は難しいのではないかというのが個人的な思いです。もちろん、それは開発されている方々もよく分かっていらっしゃると思いますので、海外でそういう治験もなされるのだと思いますので、是非、両方で有効性については示していっていただきたいと思います。
○猿田座長
 確かに長い間検討されてきた技術で、新しい治療法ですので、疼痛が取れるということで、有用と思われます。この委員会にとっても大切な新しい治療法かもしれません。そういったことで、これは適ということで判断してよろしいでしょうね。
○藤原構成員
 消極的に適というのはいいかもしれませんが、PMDAの薬事戦略相談とか医薬品概要書というのはどこまで言っていいのですか。なかなか難しいところはありますが、例えば先ほど柴田委員がおっしゃったPhase3のデータは海外でやっているということで、Phase3なので、将来的にはClinicaltrials.govなどの臨床試験登録のサイトに掲載されるので、それを見ればエンドポイントや用法・用量は分かってくるので、そこでもう一度判断すればいいのかもしれません。海外でやっているPhase3の用法・用量が日本の用法・用量と同じかどうかは分からない状況で、この6例を追加して、先行試験はプラセボ対照で、少なくともプライマリ・エンドポイントは満たされていない状況で、幾ら再生医療の新法で条件・期限付き承認というトラックができたとしても、海外と用法・用量が同じで、海外できちんとした良いデータが出れば条件付きな承認になるかもしれませんが、海外と用法・用量が違っていて、しかも6例のサンプルサイズで、1回目と同じようなエンドポイントでボヤッとした結果しか出なかったら、なかなか難しい判断になるのではないかと思うのです。これをやること自体は何も問題はないし、阪大病院は能力もありますからできると思いますが、これがこの中にあるロードマップのように本当に条件・期限付き承認に至るのかは、やってみないと分からないところがあって、そうすると、先進医療の部会に上がるときに、これを保険医療と併用で本当にできるのかが議論になるのかなと思いました。
○猿田座長
 また先進医療会議の方に上がったときには、先生方に議論をいただきますので、新しい治療法ということで、ここの委員会としては、少し消極的かもしれませんが、適ということでよろしいのではないかと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○猿田座長
 もし、よろしければ、この案件は適とさせていただきます。ありがとうございました。今日、審議する案件はこの3つです。
 続いて、事務局から試験実施計画の変更について説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料3-1、69ページを御覧ください。先進医療Bの試験実施計画の変更について、2件の申請がありました。1件目です。大臣告示番号4「ラジオ波焼灼システムを用いた腹腔鏡補助下肝切除術」です。適応症は、原発性若しくは転移性肝がん又は肝良性腫瘍です。
 70ページに予定症例数が書かれております。80例の予定症例に対して、現在まで50症例の登録があります。今回、プロトコールの変更申請についてですが、患者負担について記載変更したいという申出がありました。具体的には、試験実施計画書及び同意説明文書において、費用負担においてこれまでは厚労科研で賄うとしていましたが、厚労科研が予定額に達してしまったので、患者負担を厚労科研から各施設の研究費にスイッチして、その研究費から費用負担をしたいという申出です。理由は、先ほど申し上げたとおり、予定額に達したためとされております。御審議をお願いします。
○猿田座長
 予定数が80例で、50例まで来ているのですね。あと30例ということで、今のような形で実施計画の変更ということですが、これはよろしいですね。
(異議なし)
○猿田座長
 それでは、お認めいただいたということにいたします。どうもありがとうございました。
 続いて、2件目の計画変更について説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料3-2、73ページを御覧ください。2件目のプロトコール変更申請です。大臣告示番号24「ゾレドロン酸誘導γδT細胞を用いた免疫療法」です。適応症は非小細胞肺がんです。申請医療機関は東京大学医学部附属病院です。
 74ページです。予定症例数85例に対して、現在までに8例まで登録が進んでおります。
 変更については、75ページに記載しております。マルの1除外基準について。実施計画書の除外基準に、「前治療歴や脳転移の有無等を検討し、緩和医療の対象となる患者」を追加して、選択基準(3)に、半年以上の生存が見込まれる患者をより厳密に推測し、近いうちに緩和ケアの対象となるような患者は選択しないことを実施計画に追記したいとの申出です。その理由ですが、変更申請マルの1本試験において、原疾患の悪化による重篤な有害事象を連続して3件経験しました。3例とも、近いうちに緩和ケアの対象となり得る症例でした。重篤な有害事象の報告を受けたIRBから「今後同様の有害事象の発生を回避するために、半年以上の生存が見込まれる患者を推測し、近いうちに緩和ケアの対象となるような患者は選択しないことを徹底するように」との指示を受けて、プロトコール変更を申請した次第です。
 主な変更内容マルの2重篤な有害事象発生時の報告について。重篤な有害事象発生時の取扱いに「当局への報告」を追加したということです。これまで追記がありませんでしたが、明確化するために追記をしたということです。以上について、御審議をお願いします。
○猿田座長
 今、御説明がありましたように、今までのプロトコールでは進めにくいということで、こういう形に変更していただきたいということです。そんなに大きな問題はないと思いますが、どなたか御意見はありますか。
 なければ、この変更もお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○猿田座長
 ありがとうございました。それでは、24番の試験計画の変更を認めることにさせていただきます。
 続いて、協力機関の追加について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料4-1、77ページを御覧ください。これまでに大臣告示されている3つの技術について、協力医療機関の追加申請がありました。77ページに先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載しております。
 79~81ページには、申請医療機関の実施責任医師の要件等が記載してあります。事務局において、協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書等を確認した結果、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件を満たしていることから、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと思います。特に御意見がなければ、追加の手続きを進めたいと思います。以上です。
○猿田座長
 事務局で施設の確認もしていただいて、問題ないだろうということですので、これもお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○猿田座長
 ありがとうございました。これもお認めいただいたことにさせていただきます。
 今日、審議することは以上です。事務局から次の日程についてお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 次回の日程について確認します。7月の開催は、10日(木)16~18時とさせていただきます。場所については、別途御連絡いたします。本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開しますので、併せてよろしくお願いいたします。
○猿田座長
 ほかに事務局から連絡事項はありませんか。よろしいですか。
 委員の先生方から特に御意見がなければ、これで第18回先進医療技術審査部会を終わります。御協力どうもありがとうございました。

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