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2014年7月7日 第78回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成26年7月7日(月)16:00〜18:54


○場所

厚生労働省 講堂(低層棟2階)


○議事

○遠藤部会長

 定刻になりましたので、ただいまより「第78回医療保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、また、天候が不順な中、御参集いただきまして、どうもありがとうございます。

 それでは、本日の委員の出欠状況について御報告を申し上げます。本日は、岡崎委員、齋藤委員、柴田委員、和田委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、岩村委員が少々おくれるとの御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りいたします。岡崎委員の代理として村岡参考人、柴田委員の代理として飯山参考人の御出席につき御承認いただければと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、早速議事に入りたいと思います。本日は「1.療養の範囲の適正化・負担の公平の確保について」「2.出産育児一時金について」「3.国保基盤強化協議会の中間整理案について(報告)」「4.『経済財政運営等改革の基本方針2014』、『日本再興戦略』改訂2014、『規制改革実施計画』について(報告)」を議題としたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、本日は委員提出資料としまして、傷病手当金の支給状況に関する資料が小林委員、白川委員より提出されております。後ほど御説明いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まず「療養の範囲の適正化・負担の公平の確保について」を議題といたします。

 それでは、事務局より資料の説明をお願いしたいと思います。

○大島課長

 総務課長でございます。

 資料1「療養の範囲の適正化・負担の公平の確保について」をごらん願います。

 1枚おめくりいただきますと、目次がございまして、項目が4つあります。

 「紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担の在り方について」「入院時食事療養費・生活療養費について」「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額及び被用者保険における標準報酬月額上限について」「国民健康保険組合に対する国庫補助について」と分かれております。

 まず最初に「紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担の在り方について」でございます。

 3ページ、国民会議の報告書です。下線部ですが「紹介状のない患者の一定病床数以上の病院の外来受診について、初再診料が選定療養費の対象となっているが、一定の定額自己負担を求めるような仕組みを検討すべきである」。

 これを受けましたプログラム法の規定が、4ページのロ「医療提供施設相互間の機能の分担を推進する観点からの外来に関する給付の見直し」となっております。

 5ページ、先ほどの国民会議の報告の中でも選定療養に初再診料の仕組みがあるとありましたが、右側の「選定療養」で「初再診において特別の料金を徴収」することができるとなっております。病床数が200床以上の病院で、地方厚生局に届けた場合には、初再診料において特別の料金を患者から徴収することができます。

 要件ですが、初診に関しましては、他の医療機関からの紹介なしに病院を受診した患者。再診に関しましては、その病院がほかの200床未満の病院ですとか診療所に対して、文書で紹介をしますといった旨の申出を行ったにもかかわらず、再診に来た患者というような基準で運用がされております。

 設定状況ですが、初診に関しては1,204病院、再診に関しては111病院で、この取り扱いが行われております。

 診療報酬で若干それに関連するものが左側でございますけれども、対象医療機関の2500床以上の全ての病院のうち、紹介率40%未満かつ逆紹介率30%未満の病院は、初診料が通常よりもちょっと安くしかもらえない。外来診療料、再診料ですが、これも通常よりもちょっと低い点数しかもらえないといった取り扱いがございます。

 若干飛ばしまして、11ページ、紹介状のない患者の割合が、病床の規模別で見たときにどうなっているかということでございますけれども、病床がふえるにつれまして、紹介ありの患者の比率が高まる傾向にはありますが、それでも6割から8割ぐらい紹介状のない患者が来ているということでありまして、病院、医療機関間の機能分担を図るためには、外来のあり方についてもう少しきちんとそれぞれの得意分野を生かせるような仕組みにすべきではないか。そういうことがこの患者負担の背景であります。

14ページ「紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担の在り方の主な論点」に論点を整理しております。

 「対象とする保険医療機関」として定額負担を求める保険医療機関(大病院)の範囲をどうするか。

 「対象とする患者・ケース」としまして、現行の選定療養の取り扱いや、診療報酬上の点数の扱いも踏まえて、初診についてはどの患者、どのケースを対象にするのか。再診についてもどの患者、どういうケースを対象にするのか、あるいは除外するのかといった点です。

 「定額負担の額」ですとか、あるいは給付との関係では、次の15ページにありますが、大きくは3つの組み立て方が考えられます。通常の療養は水色の保険給付がありまして、その中に初再診料も含まれております。これ以外に窓口負担、一部負担金を払う。一部の病院では選定療養で別途の自己負担を求めているというのが現状でございます。

 パターン1は、保険給付のうちの初再診料相当部分を給付しない形にして、患者からの負担に切りかえるという案です。

 パターン2は、その保険給付の中で初再診料相当分よりもさらに患者に負担していただく分を広げるという案です。

 パターン3は、保険給付と一部負担金、療養の給付の部分はそのままにしておきまして、その外枠で別途定額負担を患者から求める形でございます。

 いずれの場合も、ルールとして患者から取る部分のほかに、各病院の判断で選定療養として自己負担を取る部分は残すという形で考えております。

 2つ目の項目としまして、16ページ「入院時食事療養費・生活療養費について」でございます。

17ページに国民会議報告書の記載があります。「入院療養における給食給付等の自己負担の在り方について、入院医療と在宅医療との公平を図る観点から見直すことも検討すべきである」。

18ページ、プログラム法案の中では、ロの下線部の「在宅療養との公平を図る観点からの入院に関する給付の見直し」という規定がございます。

19ページに今の入院時食事療養費、入院時生活療養費の概要がございます。

 通常の病院に入院した場合の入院時の食費に関する支給が、入院時食事療養費という名前がついております。一方、65歳以上の方が療養病床に入ったときには、生活療養費というちょっと違う法律上の名前がついていまして、食費に加えてホテルコスト、建物に住む光熱水費とか、居住費とか、そういうものも対象になっているということで、法律上区分、名前が違っております。

 まず、通常の病院、一般病床とか精神病床、療養病床の65歳未満の方ですけれども、左側の四角で囲ってあります「入院時食事療養費」という給付があります。これは食事1食当たりの給付になっておりまして、食事代全体を640円と設定をし、そのうち260円を自己負担していただき、残りの380円を保険から給付するという仕組みです。

 自己負担260円の考え方は食材費相当という考え方です。一方、保険給付しています380円は調理代と栄養管理代と調理に伴う光熱水費という構成になっております。

 一方、平成18年に介護保険法の改正がありまして、食事代、居住費は原則介護給付から外すという取り扱いが行われました。したがいまして、介護保険のほうで幾ら食事代を取るかというのは利用する人と事業者との自由契約、自由設定となります。

 図でいきますと、右から2番目の箱、えんじ色の線が書いてありますが、ここで「全額自己負担 ※金額は施設との契約による」と書いてあります。

 ただし、低所得の方につきましては、一部介護保険から給付が行われる仕組みになっておりまして、その中で想定している食費は1日1,380円です。これを3で割ると460円となります。そのうち一部自己負担を低所得の方にしてもらいつつ、残りを給付するという仕組みなのですが、1食当たり460円という設定を入院時食事療養費の「医療区分1」、左から2番目の箱ですが、ここでその数字を準用しております。

 介護保険の施設、特養、老健に加えて、介護療養病床がございますが、それと類似するものとして、医療療養病床があります。医療療養病床のうち、医療区分1の方については、今の介護保険の考え方を準用して自己負担460円を取るという仕組みを平成18年から導入しています。ここの460円は食材費に加えて調理費という考え方であります。それ以外に、保険給付94円と上に載っておりますが、これは栄養管理の費用であります。

 光熱水費につきましては、その右にあります居住費に含まれているという構成になっております。

 一方「医療区分23」の方につきましては、介護保険に準じた考え方ではなく、一番左側の一般病床等と同じ考え方をとっておりまして、自己負担の額は260円、食材費相当ということであります。

 なお、食事についての負担は高額療養費の対象外となります。

20ページにもう少し詳しく低所得者への取り扱いが書いてありまして、所得の低い方には給付が厚くなる仕組みになっております。65歳未満の低所得の方は260円のところを210円、90日超であれば160円と自己負担額が少なくなります。

65歳以上の方は低所得1と低所得2と分かれますが、低所得1の方は年間の年金収入がおおむね80万円以下の方ですけれども、ここの範疇の方についてはさらに1食130円とか100円とか、本人負担を低くする仕組みになっております。

21ページには、入院時食事療養費の導入の経過、入院時生活療養費の導入経過が記載してあります。

22ページには、支給額でありますけれども、直近の平成24年で見ますと、トータルで4,800億円、保険者別で見ますと後期高齢者、国保が、入院が多いからということになるかと思いますが、額の多くを占めております。

 ここにつきましての見直しの論点は、23ページ、国民会議の報告書、プログラム法の規定を踏まえ、どのように見直すかということでありまして、具体的には現行の入院時食事療養費は食材費相当分を自己負担として求めていますが、調理費相当分等についても今後自己負担を求めていくべきかどうか。自己負担を引き上げるとした場合、どういう方に配慮すべきかという論点でございます。

 続きまして、24ページ、3つ目の項目「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額及び被用者保険における標準報酬月額上限について」でございます。

 これにつきまして、国見会議の報告書では、26ページの下線部、その前段で、低所得の方には保険料をもっと軽減する措置をとるべきだという記述がありまして「このほか、国民健康保険において、相当の高所得の者であっても保険料の賦課限度額しか負担しない仕組みとなっていることを改めるため、保険料の賦課限度額を引き上げるべきである」「被用者保険においても標準報酬月額上限の引上げを検討するべきである」とございます。

 プログラム法では、27ページ、ちょっと字が濃く書いてあるところですけれども、ニ「国民健康保険の保険料の賦課限度額及び標準報酬月額等の上限額の引上げ」について検討することになっております。

28ページに保険料上限額の考え方が書いてあります。社会保険方式ということでありますので、保険料負担というのは負担能力も踏まえながら公平なものにしていくということでありますが、一方で、受益との関連もありますので、一定程度上限を設けているということであります。

 今後、医療給付費が増加するとした場合に、どうやって保険料収入を調達していくかということで、国保を例に2つのケースを掲げています。

 1つは保険料率を引き上げるという、真ん中の図のところであります。保険料率を引き上げますと、中間層に負担がより集まる。

 もう一つは2賦課限度額を引き上げるということで、高所得層に負担が行くので、中間層には一定の配慮がされる。

 絵としてはこうなるわけであります。ただ、実際にどう機能するかは実情を踏まえながら考える必要があるかと思います。

29ページ、昨年11月、当部会におきまして、国保の賦課限度額の引き上げにつきまして議論していただきまして、一番下の下線のところ「『4万円』を上限として、平成26年度において見直すこととしてはどうか」という取りまとめをいただき、この4月から国保の賦課限度額は4万円引き上がっているという形になっておりまして、ある意味既に措置が行われたということになっております。

 一方、被用者保険ですけれども、31ページに標準報酬月額の記述をしております。現在、47等級ありまして、一番低いところの標準報酬月額は5万8,000円、一番高いところは121万円となっております。この121万円を引き上げる場合にどうするかというのは、法律、政令に規定がございます。

32ページ「昭和55年改正」というのが備考欄にございますけれども、標準報酬月額の上位該当者、一番上のランクに該当する方が全体の3%を超えたときに、所定の手続を経て政令で等級を追加できます。ただし、改定後の一番上の上限に該当する人が全体の1%を下回ってはならないというルールだったわけですが、平成18年に、なかなかそれだと引き上げにくいということで、要件を緩和する改正を行いまして、一番上のクラスに該当する方を3%から1.5%に引き上げたということになっています。

 ただし、改定後の上限者が全体の1%を下回ってはならないという部分はそのまま残っております。

 平成18年に1.74%が上位該当者の比率でしたが、この上の刻みをつくることができるようになったということで、実際に121万という刻みをつくっています。それで一番上位に該当する者の割合が1.15%でなったわけですけれども、それが直近の平成24年度末を見ますと、0.95%となっておりまして、今のルールからいけば、ここの0.95%が1.5%を超えないと、それより上の新しい限度額の枠をつくることができないし、そこのグループは1%を下回ってはいけないというところにも反していることになりますので、現行法では標準報酬月額の上のランクをつくることはできないことになります。法律のルールを変えて、ここをどうするかということが検討課題となります。

36ページに今のようなことを論点として掲げておりまして、世代内の負担の公平を図るという観点から、標準報酬月額あるいは国保の賦課限度額の引き上げの検討を行うということになっているわけですが、どのように見直しが考えられるか、あるいは見直しを行うべきかといった点が論点でございます。

 最後4つ目の論点、41ページ「国民健康保険組合に対する国庫補助について」でございます。

42ページに国民会議の報告書の記述がございます。「所得の高い国民健康保険組合に対する定率補助もかねて廃止の方針が示されており、保険料負担の公平の観点から、廃止に向けた取組を進める必要がある」。

 プログラム法の中では、ハのところですけれども「被保険者の所得水準の高い国民健康保険組合に対する国庫補助の見直し」という記述になっております。

45ページ、国保組合の概要であります。国保組合は同種同業の者を対象に行われる国保事業でありまして、国民皆保険の前に、全ての市町村に国保事業が実施されるようになる前に制度化されたものでありまして、皆保険達成後は原則として国保組合の新設は認めないという扱いになっております。

 医師・歯科医師・薬剤師関係で92組合、建設関係で32組合、一般業種40組合、計164組合、被保険者数302万人となっております。

 「国保組合に対する国庫補助」ですけれども、下の図のように、123と3つ補助の内容が分かれていまして、1として32%の定率補助があります。その上に2の国保組合の財政力に応じた補助、組合普通調整補助金というのがあります。さらに3保険者機能に着目した組合特別調整補助金がありまして、23合わせてトータルで15%以内という仕組みになっているところであります。

 国民会議の報告書では、定率負担部分につきまして、所得の高い国保組合に対しては「廃止に向けた取組を進める必要がある」という記述がなされているわけであります。

48ページ、国保組合の所得水準の分布状況が図になっております。左側、所得の低いところになりますが、200万未満の組合が80組合あるということであります。一方、600万以上の組合が29組合あるという分布状況になっております。

50ページに見直しの論点を書いております。国保組合に対する国庫補助については、被保険者の所得水準にかかわらず、医療給付費等に対する定率の国庫補助、国保組合の財政力に応じた補助、保険者機能を強化するための国庫補助、この組み合わせで現在国庫補助を行っているわけでありますけれども、保険料についての国民の負担の公平を図る観点から「所得水準の高い国民健康保険組合に対する国庫補助の見直し」という記述が国民会議の報告書にありますが、これについてどう考えていくかということであります。

 説明は以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、早速議論に移りたいと思いますけれども、お聞きになってお分かりになりますように、結構盛りだくさんでございますので、4つに分かれておりますから、1つずつ順番に議論していきたいと考えます。

 それでは、まず「紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担の在り方について」を議題としたいと思います。

 御意見、御質問があればお願いしたいと思います。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 ありがとうございます。

 簡単な事務的な質問かもしれませんけれども、紹介状なしで大病院で受診された内容についてのデータなどはとっておられるでしょうか。例えば受診はされたが、家庭医でも間に合う軽度のものであったことを啓発したほうがいいと思うのですが、そういう根拠みたいなものはありますでしょうか。

○遠藤部会長

 医療課長、お願いします。

○宇都宮課長

 医療課長でございます。

 診療の内容についてまではデータをとってございませんので、そちらは分かりません。

○遠藤部会長

 横尾委員、よろしいですか。

○横尾委員

 要は、一般的に言われていることですが、どうして大病院に行きたがるかということがあります。それは多分専門志向だと思います。詳しい先生がいらっしゃるからという安心感だと思うのですが、受診してみると家庭医やかかりつけ医でも間に合うということであれば、そういうことで十分なのですよということを啓発する必要があると思っています。その根拠となるものが、実は大病院にかかった方々の大半とか、何パーセントがというデータがあると、より説得もしやすいのではないかと思いますので、今後何かいろいろな調査などをされる中で是非行っていただくといいのではないかと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 私は学術論文の中で、医師に対するアンケートでそのようなことを見たことがあります。行政データでは余り見たことがございません。

 ほかにございますか。

 菊池委員、鈴木委員の順番でお願いします。

○菊池委員

 病院の機能分化が今後必要だということで、大病院を受診しなくても済む患者さんが集中するのを緩和するために紹介率の基準を設けるなど、施策はとられてきていると思います。実態として11ページにありますように、200床以上だと6〜8割が紹介状なしということなのですが、そういったことは改善されてきてこのようになったのか、それとも施策の成果が上がらないでこういう状態なのか、もし分かれば教えていただきたいと思います。

 先ほどの御意見とちょっと重なるのですけれども、紹介状なしで受診している患者さんのどれぐらいが大病院受診の必要がない人なのかとか、なぜ紹介状なしで大病院を受診するのか、そういう受療行動に関する分析をして対策を立てたほうが効果的ではないかと考えます。

 患者の意識や受療行動を余り分析しないで自己負担の部分だけで議論をすると、どの程度機能分化という点で効果が見込めるのか分からないのではないかと思います。また、自己負担金額を引き上げることで、所得格差で大病院に行ける人と行けない人の格差が広がる可能性があるわけですけれども、それで大病院を受診すべき人が受診しづらくなることはないのか、もしそうなったら社会保障制度としてどうなのかという疑問も残るので、何か対策を考える上でのデータがあればよいと考えます。

○遠藤部会長

 これは先ほどの話とまた類似した話かと思いますけれども、現在のところは行政としてはそういうデータはお持ちでないというお話でございましたね。私が見たのは、うろ覚えですが、その学術論文では、大病院の医師に聞いて、来た患者さんの中で何割ぐらいがこの病院でなくても十分だと思うかということを聞いた、比較的アバウトな調査でありましたが、そういったものをイメージされているのだと思うのですけれども、その辺が必要なのではなかろうかということ。

 もう一つは、自己負担を引き上げることによって、例えば所得の低い人たちがどうなるかとか、そういう議論も視野に入れるべきだと、そういうお話だと思いますね。

 鈴木委員、お待たせしました。

○鈴木委員

 これを見ますと、対象とする保険医療機関というところで、定額負担を求める保険医療機関の範囲をどうするかということがありますから、紹介状なしで大病院を受診する方の患者負担を求めていく、それも定額負担でということで、それについての議論と理解しております。

 それに対しては、考え方の方向性はよろしいと思うのですが、ただ、実際の問題として、例えば今度の診療報酬改定でも、紹介率、逆紹介率を満たさない大病院の長期処方の減算措置なども入りましたし、そういったものが効果を上げているかどうかといった検証も必要だろうと思いますので、その効果も検証しながら慎重に進めたらいいのではないかと思います。

 範囲ということでありますが、そういう意味で考えますと、大学病院を中心とする特定機能病院から始めてみたらどうかと考えております。日本医師会の病院委員会の報告書を見ますと、ある大学病院の外来患者数は、再診だけで年間100万人以上というデータも出ており、それは幾らなんでも多過ぎるだろうと考えられますので、そういったところからこういった見直しをしてみたらどうかと思います。

 その際、注意しなければならないのは、それは外来を分離すれば一応形式上はクリアできるわけですが、そういったものは認めないということが必要で、そういうことを同時にしないで外来を分離した巨大な診療所ができてしまうことになっては意味がないと思いますので、そういったことも含めて考える必要があると思います。

 それから、対象ということですが、初診、再診ということで、それは両方必要ではないかと思いますし、紹介状を求めるケースはそこに書いてあるような、初診でいえば救急搬送患者を除く、再診でいえば病状が安定した後の再診ということで、先ほどの選定療養のところにもそういう書きぶりがございます。そういう形で外来機能の機能分化は、診療報酬でもずっと対応してきましたので、病状が落ちついたような方はかかりつけ機能を持つ中小病院、有床診療所、診療所に行っていただくことが必要ではないかと思います。

 全額負担の額等でございますが、15ページに図もありますが、これから議論をしていく話だと思いますが、我々としましては、初再診料相当分のみでは少し少ないのではないかと思いますので、プラスアルファということで検討を進めていければと思います。

 高額療養費の対象とするかどうかですが、これはしないということになるかと思います。

 我々としては以上のように考えています。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 先ほど菊池委員の質問があったのをうっかり飛ばしてしまいましたので、菊池委員が先ほど1213ページの話でしたか、紹介率についての御質問をされておりませんでしたか。なければ結構なのですが。

○菊池委員

 お聞きしたのは、今、6割から8割の紹介なし患者がいるという状況は、紹介なし患者が少なくなってきている経過のデータなのか、全然変わっていない状況なのかということを教えていただきたいということです。

○遠藤部会長

 どういう流れの中の一時期なのかという御質問だったのですけれども、何かお分かりになりますか。

○宇都宮課長

 医療課長でございます。

11ページのデータについてですけれども、24年改定で紹介率、逆紹介率の縛りとあれを入れたので、その後の変化みたいなものはまだとってございませんので、むしろ今年度の検証調査の中でとっていく話になるかな。

 ただ、今回、24年度改定に加えてさらに絞り込みを厳しくしているということと、大病院を絞るだけではなくて、一般外来の主治医機能も今回設けてございますので、多分影響としては両方の影響が出てくるかなとは思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、お待たせしました。白川委員、小林委員、樋口委員という順序で、白川委員、どうぞ。

○白川委員

 ありがとうございます。

 何名かの委員がおっしゃったとおり、効果がどの程度あるのか図りにくいということはあるのですけれども、中医協でも主治医機能を今回初めて評価することにいたしましたし、全体の方向としては診療上あるいは中小の病院で最初に受けていただき、紹介状をもらって大病院のほうに向かうという流れをつくっていく必要があると思っておりまして、こういう考え方を入れることについては基本的に賛成です。

 ただ、今のところ、例えば主治医機能につきましても、生活習慣病の3つと認知症しか対象になっていない。最終的には国民の意識をどのように変えていくかということにかかっていると思います。今も選定療養という制度はありますが、それを気にせずこれだけ多くの紹介状なしの患者さんが大病院に行っているということは、お金の面だけで流れを変えるのはかなり難しいのではないかという感じがしております。

 選定療養によって患者さんの行動がどのように変容したかというのは、厚労省のほうで調査研究を始めたという話も聞いております。そのようなデータを次回以降に出していただいて、選定療養によって患者行動がどう変わったかといったことをベースにもう少し議論していくべきだろうと考えております。

 金額レベルは、国民会議で1万円という話も出たようでございますが、今、たしか紹介状の作成が2,500円ぐらいだと思いましたけれども、それ以上が最低ラインということ。上はデータを見ながらどれぐらい効果があるかというのを見極めていくことが必要ではないかと思います。

 問題は、初診療はそれでいいと思うのですが、再診療がなかなか厄介といいますか、資料を見ても、再診療について選定療養をやっていらっしゃる病院は110ぐらいしかない。しかも適用がかなり限定されている。適用をどれぐらいされているか、データは出ておりませんが、かなり少ないのではないかと思っております。どういう病気なのか、どれぐらいの期間までやるのか、回数でやるのか、病気の種類によっても随分違うと思います。再診療については相当慎重に、公平感を損なわないような形で議論をしていく必要があると考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、小林委員、お願いします。

○小林委員

 紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担のあり方について、事務局提出資料の15ページに、想定される患者負担の仕組みについて3つのパターンが示されておりますが、まずパターン3は問題だと考えます。パターン3は通常の医療費に加えて定額負担を求める案でございます。この案は大病院について医療費を増やすことを特別に認める内容でありますが、医療機関の機能分化・連携を進めるために大病院について医療費を増やすというのは、本来の政策目的に照らして本末転倒であります。

 今回の提案の趣旨は、医療機関の機能分化・連携を推進していくという医療提供体制のあるべき姿を考えたときに、紹介状なく大病院を受診するという行動は医療保険としても望ましい姿ではないと考え、こうした行動に対して医療保険がどう評価するかという点だと考えます。こうした望ましくない行動に対しては、医療保険としても評価しないと考えるのであれば、患者負担を初再診料に限る必要はありません。したがって、この3つの案の中ではパターン2が1つの方法として評価できると考えます。

 一方で、こうした医療保険の枠内の対応に限らず、医療保険の枠外での対応ができないのかについても併せて検討すべきではないかと考えます。現在、外来受診抑制の方法として、既に選定療養という仕組みがあります。この選定療養の拡大やこれに類する制度を通じて、紹介状なしの大病院受診を抑制することができないかと考えますので、次回以降、事務局において具体的な提案をお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、樋口委員、お願いいたします。その後、堀委員。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 私もこの方針全体としては基本的に賛成でございます。緩やかなゲートキーパーというのが大切だと思いますけれども、もしお調べになるのでしたら、大病院において紹介なし患者がなぜ紹介状をもらわなかったかということも調べていただきたいと思います。

 例えば私が今、何かの大病院にかかるといたしましたら、紹介状なしで訪れるだろうと思います。というのは、そもそも緩やかなゲートキーパーが地域適正配分されているかどうかという問題があります。私も近所に今までのかかりつけのとてもいいお医者さんがいらっしゃるのですけれども、既に85歳になられました。まだ看板は上げていらっしゃいますが、私の寿命のあるうちに紹介状を書いていただけるかどうかということは甚だ不確かでございます。

 そして、1つはゲートキーパーになり得る、言ってみれば地域のお医者さんをどのようにして育成していくかということが1つの問題であると思うし、研修などをなさった上で地域に適正配分し、その上で地域にいる患者に、こういう方が紹介状を書いてくれるのではないかという情報をしっかりと提供していただきたいと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 では、堀委員、お待たせしました。

○堀憲郎委員

 今、話があったとおり、機能分化の推進には全く異論がございませんし、選定療養という現行の方式ではなかなか実効性が上がってこないというのも理解しておりますので、御提案の趣旨はよく分かるのですが、その上で定額負担という言葉が1つ気になりまして、かつての高額療養費制度の話に出てきたような、受診時定額負担といったこととどうしても混同してしまうのがあるので、あくまでもこのような大学病院を紹介状なしで受診する場合に特定したという限定を少しはっきりさせていただきたいということがあります。そういった意味では、呼称を変えることも1つあっていいのかなという気がいたしますし、それが1点、お考えがあればお聞きしたいということがあります。

 もう一点、今、委員のほうからはパターン2が議論としてはあり得るのではないかというお話があったのですが、ちょっと気になりますのは、初再診であってもそうなのですが、現在の保険給付をされている療養の一部を保険給付から外すという構図になりますので、これは大変大きな論点があるのではないかと思っております。ですから、このあたりももし仮に議論するのであっても、あくまでも紹介状なしで大学病院を受診するような特別の機能分担にかかわるところに限定をするという方向性で議論することが必要だと思いますが、その辺のお考えも事務局で現在あればお聞きしたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 事務局、何かございますか。

○鳥井課長

 御指摘のとおり、あくまでこれは医療機関の機能分担をはっきりさせる観点からの患者負担をどうするかという議論に限定した話でございますので、まさに資料のほうの定額負担を前提としたということよりも患者負担をどうするかということで議論していただいておるつもりでございますので、そこは私どもも気をつけてまいりたいと思います。

○遠藤部会長

 それでは、望月委員、どうぞ。

○望月委員

 ありがとうございます。

 いずれにしましても、これからの高齢化を、限られた医療資源で乗り切るためには機能分化が必要不可欠だというのは間違いないと思います。紹介状なしで大病院を受診する場合に定額負担を求めることは、そういった意味では非常に重要だと考えています。

 そこで、14ページにある論点につきまして、幾つか意見を申し上げたいと思います。

 まず、1つ目の○ですけれども、対象とする保険医療機関につきましては、現在の選定療養との並びで考えますと、同様に200床以上の医療機関がいいのではないかと考えています。

 次に、3つ目の○ですけれども、定額負担の額でございますが、15ページに3つのパターンが示されております。足元の厳しい医療保険財政を考えますと、定額を上乗せするパターン3よりも、医療給付を削減するパターン1かパターン2にすべきだと考えています。

 その上で、どの程度の負担とすべきかにつきましては、病床の規模などで分けてもいいのではないかと考えています。例えば200床から500床未満の医療機関につきましてはパターン1のように初再診料相当分とし、500床以上、特定機能病院などは、よりいっそうの機能分化が求められる医療機関ですので、例えば定額負担を1万円にするだとか、そういったことが考えられると思います。

 次に、その他にあります最後の○ですけれども、新たな定額負担を高額療養費の対象とするかということですが、これは患者や国民にコスト意識を持ってもらうためにも対象外とすべきと考えています。

 意見ですけれども、以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 森委員、どうぞ。

○森委員

 ありがとうございます。

 今、何人かの先生方からもありましたけれども、まずは負担だけでこの問題は解決しないと思っています。国民の意識、行動を変えること、そして、実態把握が十分ではないので実態を把握しつつ進めていくことが必要だと思います。

14ページに幾つかの論点が出ていますけれども、その中で対象とする保険医療機関に関して、大病院の範囲をどうするかとなっていますが、ここに関しては病床数で考えるのか、機能で考えるのか、病床数プラス機能で考えるのかといういくつかの考え方があると思います。

 もし導入するとなると、最初から全部ということではなくて、少し試行的にやった上で進めていったほうがいいのではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。いろいろな御意見が出たと思います。

 一通り御意見を伺いましたけれども、1つ確認というか、私からお聞きしたいのですが、保険者の方は再診について定額を求めることについては慎重な御意見だったように受けとめましたが、まずそのような意見でよろしゅうございますか。

 白川委員。

○白川委員

 基本的には初診再診ともに考えるべきだという意見です。ただ、再診のほうは公平感を持って丁寧な対応が必要です。

○遠藤部会長

 それはどういうところの公平感ですか。

○白川委員

 例えば紹介状なしで大病院に行って、例としてがんが見つかった。そのときに当然再診があるわけですが、手術をして、一定期間過ぎて退院しました。通常は何カ月ごとにチェックしましょうと、それも再診になるわけですが、それまで自己負担を求めていくのかといったケースはあります。もちろん逆紹介を受けて、それでもなおかつ再診に同じ病院に来るケースは定額負担の対象となるが、これのケースを分けていかないと、再診は一定の自己負担を求めるというのは難しいのではないかという感じがしているということでございます。

○遠藤部会長

 分かりました。

 恐らくこの案で言っていることは、例えば逆紹介相当だというのに来てしまう場合にどうするかという意味だと思います。当然手術の後のフォローアップのために来るのは、ある意味で自分の病院が紹介状を出したようなものですから自己負担はとらないということではないかと理解したわけですが、小林委員も何か先ほど再診については消極的な。

○小林委員

 私は特に初診再診を区別して考えているわけではなくて、初再診料ということです。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。少し話を整理したかったものですから、余計なことを申し上げました。

 岩本委員、どうぞ。

○岩本委員

14ページの論点の一番最後に、コスト意識を持たせるために高額療養費の対象とすべきでないという意見もありましたが、考え方としては別の考え方もできるかなと思っております。

 要するに高額療養費の対象になるということは、それなりに重大な事例なわけですから、重大な事例なのですが大病院にかかるまでもないケースがどれだけあり得るのか。そういったものは定額負担を求めてもいいと思うのですけれども、結果的に重大であった場合にこういうのを求めるのはいいのかどうかということは、少し私は気になりました。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 一通りお話を承ったと思いますので、ほかの案件も議論しなければいけませんので、この案件につきましては、とりあえずこれまでとさせていただければと思います。

 それでは、次に「入院時食事療養費・生活療養費について」何か御意見、御質問ございますでしょうか。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

23ページの論点でございますが、これを見ると、入院時食事療養費において調理費相当分についても今後自己負担を求めていくべきかどうかということが書いてあります。我々はそもそも入院中の食事は治療の一環であると考えておりますので、基本的にはこれ以上自己負担をふやすべきではないと考えております。

 1つ目の○に「在宅療養との公平性を確保する観点」とありますが、今は、在宅療養も普通の食事で済むような方ばかりではなくて、様々な方が、在宅で療養されており、治療食が必要な、例えば慢性腎不全のような方もいらっしゃるわけですから、むしろ在宅療養で治療食が必要な場合の負担を軽減するという意味で、公平を確保するという視点が必要ではないかと考えております。

 そういうことで、我々としてはこれ以上負担を求めることには慎重であるということでありますが、今後、議論を進めていく場合には、是非今も話しました治療食の方の問題、低所得の方の問題、こういったことへの配慮は必ず必要だということを前提として議論をしていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 樋口委員、お待たせしました。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 私は年齢よりも所得に応じて負担すべきだという社会保障制度国民会議の基本的な原則には賛成でございます。

 しかし、19ページの高齢者の食費の負担でございますが、ここの点はどうも納得いたしかねます。介護保険と医療保険との整合性を考えなければいけないということは分かりますけれども、どう考えても65歳以上の療養病床入院者が他の人々よりも高くなるということは、説明がつきにくいのではないか。あるいは説明をつける筋道を是非教えていただきたいと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 入院時食事療養費については、年齢で区分していますが、19ページの図だと、一番左に入院時食事療養費、これは一般病床、精神病床、65歳未満の療養病床の方という区分になっているのですが、この区分が右の生活療養費との関係でどうなのだろうという素朴な疑問がございます。

 また、精神病床は1〜3年程度と長く入院にされている方もいらっしゃるが、一番左の欄でかなり長期にわたる方の自己負担はもう少し上げる方向で考えるべきではないかと思います。

 基本的には食材と調理とあるわけですけれども、考え方としては、食材と調理費をセットで考えて、そのうち患者のほうが幾ら負担するのかと考えていくのが自然だろうと思います。この区分は食材だけ、この区分は調理を入れるという考え方はやめるべきだと思います。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 一通り御意見を承りたいと思います。

 それでは、まず菊池委員から村岡参考人という順番でお願いいたします。

○菊池委員

 入院医療と在宅医療との公平を図るという観点から、食材費と調理相当分を含めて今後自己負担を求めていくというのはやむを得ないと思います。ただし、低所得者への配慮は必要と考えます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 お待たせしました。村岡参考人。

○村岡参考人

 低所得者への配慮という御意見が出たのですが、私も同様に低所得者への配慮ということを検討に当たってはお願いをしたいと思っています。

 ことしの1月に高額療養費の制度をこの医療保険部会でも議論をいたしまして、健康保険での標準報酬26万円以下、国保では所得が210万以下という世帯に対して、約4,060万人ぐらいの方が対象になるということで、高額療養費の見直しを行ったわけですけれども、今回の入院時の食事療養費の見直しによって、そういった配慮が必要な方々に対して、新たな負担が出ていくことになれば、本来の見直した制度的な効果が半減をすることになると思いますので、そういった点では今回、高額療養費の軽減対象にした方も含めて、十分検討して制度設計をするべきではないかという意見でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、武久委員、お願いいたします。

○武久委員

19ページのグラフですけれども、一般と療養に分かれて、費用の流れも違っておりますが、医療区分23と医療区分1とで対応が違っております。

 回復期リハビリ病棟とか、今回できました地域包括ケア病棟に関しましては、一般病棟からも参入できるし、療養病床からも参入できることになっております。そうすると、療養病床から参入した場合には、一般病床から参入した回復期リハとか地域包括ケア病棟と比べて負担金が上がる可能性があります。同様の機能を持つ病棟でありながら、その由来によって自己負担が変わるというのはいかがなものかと思います。

 ということは、既に一般と療養という分け方が適切かどうかという根本的なことになります。これは2003年8月31日までに療養病床と一般病床とを届けるようにという制度ができました。もう既に10年たっております。療養病床でありながら積極的な医療、診療機能があるところもあれば、一般病床であっても急性期医療の能力が不十分なところも散見されるところでございます。また、2003年のときには療養病床は1メートル当たりの病床面積が6.4平米とか、廊下幅が2.7メートルと非常に広かったわけですけれども、その一般病床も基準が見直されまして、同等の広さの基準になっております。

 したがって、問題はその基準を大幅に下回る4.3平米とか、廊下が1.8メートルとかという一部の一般病床に原因があるわけでございまして、あとはハードの部分が一緒であれば医師の数と看護師の数、すなわち一般病床でも7対1、1対1、1315と経営者側をつけているわけですから、この際、一般と療養と病床種類が分かれておりますが、機能的にはそのようになると思います。

 したがって、回復期リハビリ病棟と地域包括ケア病棟というのは期間が設定されていることも当然のことでありますが、療養病床につきましては、今までは入院の期間は特に設定されていかなったのですが、今回、改定によってできるだけ早く在宅復帰をするという、在宅復帰強化型という病棟もできたことですし、本来病院は病気の人が入ってできるだけ早く治療してよくして帰すということからいうと、療養病床でいつまでも入院していること自身はあり得ないことであると私は思っております。

 そういう意味からすると、同等の機能を持つ一般病床と療養病床に関して見直していただくということ、これはここの部分ではないかとは思いますが、1つ、負担金の差があるということに関して、今後の方針なり現状について御説明いただけたらと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 事務局、何かコメントありますか。

 医療課長、どうぞ。

○宇都宮課長

 医療課長でございます。

 今のお話は、今回つくりました地域包括ケア病棟などについてのことですが、もともとの出自が一般病棟であるか、療養病棟であるかによって自己負担が違うというお話だったと思います。これについては、まさに今、医政局の病床機能報告制度がどうなっていくかとか、そういうところとの今後の方向性を見ながらの調整になるかなと思いますので、今後の課題として検討させていただくことになると思います。

 よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見ありますでしょうか。

 堀委員、どうぞ。

○堀憲郎委員

 食に関しては、もちろん入院時も極めて重要でありますし、基本的に入院時の食事は治療の一環であるというのは原則だろうと思っておりますので、先ほど鈴木委員もおっしゃいましたが、特にこの議論については低所得者と治療食を必要とされる患者さんに対する配慮を十分に行った上で議論を進めていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 一通り御意見承ったということで、それでは次の課題に移りたいと思います。次は「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額及び被用者保険における標準報酬月額上限について」でございます。これについて御意見、御質問をいただきたいと思います。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 被用者保険の標準報酬月額の上限見直しについては、応分の保険料負担を求めることの方向性は理解いたしますが、協会けんぽの加入者の所得水準は他の被用者保険と比べると低く、上限を引き上げても財政には余り影響いたしません。それよりむしろ、標準報酬月額の上限を引き上げることによって、保険者間での財政力格差をさらに広げることにならないか懸念いたします。

 また、前回提出いたしました傷病手当金のデータから、傷病手当金受給者の標準報酬月額が最高等級のところで不自然に引き上がっていることを見ても分かるとおり、現在の制度では傷病手当金の受給直前で標準報酬月額を最高等級に引き上げるという不正を誘発しかねない仕組みとなっております。標準報酬月額の上限見直しを議論するなら、傷病手当金等の現金給付については、一定期間の平均標準報酬月額を計算の基礎とするなど、現行の不正を誘発する仕組みも一緒に見直す必要があると考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

36ページの論点についてでございます。負担能力のある方にはもう少し負担していただくという方向性は避けられないと思いますが、被保険者の負担をふやす話ばかりが出ております。我が国の医療費は、既に世界一の高齢化率にもかかわらず、対GDP比での医療費は先進国中低いということはよく知られているわけでございますが、その中で、同じ社会保険制度を採用するドイツやフランスと比べて違う点として、我が国は事業主負担が低いということがありますので、是非負担能力のある事業主の方にももう少し負担をしていただくことも検討すべきだと思います。

 そういう意味で、次回以降で結構でございますが、健保組合の付加給付の実態について資料を提出していただきたいと思います。いつも赤字で苦しいというお話をされるわけですが、大企業の健保組合の付加給付がどのようになっているのか、本当に苦しいのかどうか、我々はそこを見れば分かるのではないかと思いますので、次回以降で結構ですので是非資料を提出していただきたいと思います。

 以上、これは要望でございます。

○遠藤部会長

 御要望として承りました。事務局としてはしかるべき対応をお願いしたいと思います。

 ほかにございますか。

 それでは、村岡参考人、お願いします。

○村岡参考人

 国保の賦課限度額の問題について、少し意見を述べさせていただきたいと思います。

 前々回の会議のときにも岡崎委員から国保の賦課限度額の見直しについての意見を提出したところなのですが、現状の保険料に都道府県と比較をしても、また、同じ都道府県の中の市町村と比較をしても、大変大きな格差があるというのが今の国保の実態でございます。

 そういう中で、単純に保険料の賦課限度額を引き上げても、本来負担能力のある方から適切に保険料をいただくことができないといった現状がございます。それはどういうことかといいますと、都道府県の中でも2倍以上の格差がある実態の中で、国の資料においては30ページで、今回の制度見直しで給与収入で980万等の世帯が限度額に達するということになっておりますが、実態としましては保険料水準が非常に高い保険者もおりますので、そういったところでは現実的に500万ぐらいの所得なり収入で賦課限度額に達するという問題があります。そういう点では、例えば1,000万円の人が限度額、介護も含めて81万円の負担をしているところが、片方で500万円の所得で81万円の負担をしている。倍以上の負担をしているというのが今の賦課限度額の問題点としてありますので、そういう点では賦課限度額の見直しに当たっては、基本的には保険料の平準化を図る中で賦課限度額が見直しをされないと、本来負担能力のある方から適切に負担をいただくという形にならないというのが実態でございます。

 資料にはございませんが、国保世帯の中でも例えば、1,500万円を超えるような所得の方も全国的には20万世帯以上いるという実態もございますので、そういった方々は、賦課限度額81万円で済んでいるという状況にもなりますので、そういった一定の高所得者の皆さんからご負担をいただくという制度のあり方について、どのように考えていくのか、現状の一律の賦課限度額だけではそういったところからは適切な徴収ができないということもございますので、所得に応じた限度額の区分であったりということも含めて検討すべきではないかと思っておりますので、そういった点も含めて、事務局のほうでさらなる検討をお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 所得、負担能力に応じて保険料負担という考え方そのものは間違っていないと思いますけれども、33ページに等級別の分布表が示されておりまして、この表で見ますと、被用者保険で最高等級の標報121万円のランクが大体35万から40万人と、このグラフからは読み取れるのですけれども、これをさらに上げてどれぐらいの保険料収入の増が見込まれるか。もちろんどういう見直しの方法かによって変わってくると思いますが、はっきり申し上げて、全部で被用者保険の被保険者は3,000万から3,500万人ぐらいいるのではないかと思いますが、そのうちの約40万人という話ですから、効果としては余り期待できないのかなと考えております。

 もう一つは、保険制度でございますから、負担と給付という考え方からすると、昨年議論した高額療養費について、高所得者の方々の自己負担限度額を相当引き上げたということがございまして、簡単に言えば負担と給付の関係がこれまでと異なる状況になっているという感じがしております。

 傷病手当金につきましても上限をつくろうかという議題が出ているわけでございまして、これも負担と給付という関係からいうと少し変化が生じる可能性があります。

 したがいまして、法改正をやってまでさらに上位等級をつくるということは慎重に考えるべきではないかというのが私どもの意見でございます。

 もう一つ、鈴木先生から日本の事業主負担はフランス、ドイツに比べて低いという意見がありましたが、制度的な背景も異なり、単純に比較できるものではないと指摘しておきたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、望月委員、どうぞ。

○望月委員

 負担能力のある者がより負担するという方向性ですけれども、とはいえ、医療については年金と異なりますので、保険料を納めれば納めるほど給付がふえるという性格ではございませんので、上限の引き上げについては納得が得にくいと考えています。

 また、32ページに、上限を超えている加入者は直近1%を下回る水準で推移しておりますので、先ほどあえて法改正すべきなのかとの話がありましたが、こうした点を踏まえますと法改正をしてまで見直す必要性はないと考えています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。同じような御意見ということですね。

 ほかにございますか。

 それでは、一通り御意見は承りましたので、この議題につきましてはこのあたりにしたいと思います。

 それでは、最後でございますが「国民健康保険組合に対する国庫補助について」を議題としたいと思います。御質問、御意見あれば、御自由にどうぞ。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 この問題は以前もかなり議論をしていたところでございますが、改めて議題ということになりましたので、我々の意見を述べさせていただきたいと思います。

 国保組合に対する定率の国庫負担、補助は、市町村国保と同様に健康保険の事業主負担にかわる医療保険の制度として定着している義務的な負担金です。

 国保組合の32%の定率補助は、市町村国保とのバランスを見て決められたものであり、国庫補助を見直す際には保険者間の財政調整や国庫補助のあり方、高齢者医療制度に関連する財政影響の見極めなど、総合的に判断すべきです。

 医師国保はほぼ100%の高い保険料収納率を誇り、自家診療の自粛など制度の趣旨に沿った良好かつ良心的な運営を行ってきています。それにもかかわらず、組合員の所得水準を理由に一方的に定率補助を見直すことは医療保険制度そのものの使命をないがしろにするものであり、容認できるものではありません。

 医師国保の中には既に赤字の組合もあり、国庫補助の見直しは医師国保にとって死活問題です。市町村国保並みに保険料を引き上げても、公費負担がなければ赤字となり、解散するしかなくなります。解散すれば市町村国保や協会けんぽに加入することになりますが、市町村国保の国庫補助率は医師国保よりも高く、それまで自粛していた自家診療も請求することになりますので、結果的に国庫補助がかえってふえることになります。

 以上より、国保組合の補助金の見直しについては慎重な検討と現実的な対応を求めるものであります。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 以前議論したときとほぼ同じような御意見ということですね。

 ほかにございますでしょうか。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 再び鈴木先生の意見に反論しなくてはいけないのですけれども、今の鈴木先生のお話ですと、国庫補助がなくなると赤字になって解散せざるを得ず、国保とか協会けんぽに入ると国庫の補助があるからかえって国の負担がふえるのではないかという指摘だが、もちろん財政面での問題はあるかと思いますが、基本的に保険制度である以上は保険料で運営するのが筋だと思っております。ただ、そうは言っても財政的に保険料だけではやっていけない保険者もありますので、それは国が税を投入して補助するのは基本であろうと思います。

 したがいまして、国保組合の中でも財政的に保険料だけでやっていけるのであれば、それをやるのが筋で、定率補助のように国保組合と名がつけば何でもかんでも国からお金が出るという考え方自体がおかしいと思います。

 その結果、国保組合の解散という話もありましたが、現在は病院等で健保組合を独自に設立している医療法人もたくさんありますし、今、まだ3つぐらいしかないと思いますが、医療従事者健保組合というのも設立されております。そういうところはみんな国からは補助金をもらわずに保険料だけで運営しているわけでございますので、これは医師だけの問題ではなくて、それ以外の所得の高い国保組合についてはそういう道を模索するのが正当な道ではないかと思います。

 したがいまして、所得水準に応じて必要なところだけに国として補助金を出す、定率という考え方をやめるべきだという意見でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、岩本委員、お願いします。岩本委員の次が高橋委員ということで。

○岩本委員

 この議論は国民会議、プログラム法を受けて議論しているものなのですけれども、国民会議の報告書は42ページに引用されていますが、この定率補助については廃止に向けた取り組みを進める必要があるという結論に至っております。

 資料の参考にも、事業仕分けのほうでも同じような指摘がありまして、ゴールが廃止と設定されていると理解しております。

 ただ、そのゴールが数字を見ないで決めたゴールであって、間違っているという可能性もあって、もう少しこの場で慎重に検討するということならいいと思うのですが、議論の進め方としては資料の56ページ、昨年の議論を整理したものとして、最後のほうに国庫補助の影響、財政影響について精査する必要があるということだと思うのです。ですから、これは一度廃止する、あるいは定率補助を下げるといった場合の財政影響、それによって本当に国保組合が解散して国保に移行することによって、国庫補助が結果的に増えるということが起き得るのかどうかということを出していただければ、こちらの場で議論をして、国民会議から投げられたボールに対しての的確な答えができるのではないかと思います。

 ずっと議論していますけれども、そういったところの実際の財政影響の精査が今までされておらず、停滞しているように思うのですが、こういう形でボールを投げられているわけですから、これについてちゃんと数字を出して議論すればいいかと思います。

○遠藤部会長

 そのような御意見ですので、事務局も少し何か知恵を絞っていただけるところがあればお願いしたいと思います。何かコメントございますか。

 どうぞ。

○中村課長

 この問題を議論するに当たりましては、当然財政に与える影響等をよく見ていただく必要があると思いますので、また今後の本格的な議論に向けて必要な準備を進めたいと思います。

○遠藤部会長

 よろしくお願いします。

 それでは、高橋委員、お待たせしました。

○高橋委員

 ありがとうございます。

 私からも意見として言っておきたいと思いますけれども、被保険者の所得水準が低いということであれば、社会的な構造的な問題であり、国庫補助や保険者間の助け合いは1つの理由であろうと理解をしております。ですから、所得水準の高い国保組合に対してなぜ国庫補助が必要なのかという理由については、白川委員も言われましたが、説得力に乏しいのではないかと私も思います。

 そういった意味でのそこへの国庫補助を見直すという方向性については一定理解をしております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 堀委員、どうぞ。

○堀憲郎委員

 私のほうも新しい意見はないのですが、先ほど鈴木委員も言われたとおり、国保組合には歴史も含めてほかにはない特異なところがあります。

 1つは先ほどもありましたとおり、国民健康保険制度ができる前から設立されまして、先駆的な役割を担ってきたということがあります。組合方式という特徴がありますので、先ほども出ましたが、保険料の収納率についてはほぼ100%達成しているという特性もありますし、組合の診療所のいわゆる家族であるとか従業員の診療については、自主的に請求せずに経営の健全化を図っているというように、いろいろなことが出てきているわけでありますので、そういった特性を全く議論せずに、ただ単に所得が高いという一面だけで議論されるのは非常に異論があるところです。

 今後慎重にまた議論をお願いしたいと申し上げたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、菊池委員、どうぞ。

○菊池委員

48ページの所得水準を見ますと、二極化していて、明らかに所得水準の高い組合があるということが示されております。

 前にもこの件は議論されていたと思うのですが、55ページに主な御意見が書いてありますが、4番目の○にありますように、所得水準の高い組合に国庫補助を入れるというのは国民感情としてもなかなか納得が得られないのではないか、説得力が乏しいのではないかと思いますので、ここは見直すべきではないかと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかによろしゅうございますか。大体前回議論したときと同じような御意見ということで、改めて確認をしたという感じでございます。

 ありがとうございます。以上がとりあえず「療養の範囲の適正化・負担の公平の確保について」の4つのテーマについて御意見を賜ったわけでありますけれども、よろしゅうございますか。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 あえて申し上げておきたいのですが、本日の4つのテーマで療養の範囲の適正化の提案は終わる。プログラム法にもこの項目しか書かれておりませんでしたが、何回も申し上げているとおり、これは保険者だけではなくて、国と地方の財政も、これだけ医療費が毎年上がっていきますと、財政面で破綻をするというのは数字を見るまでもなく明らかでございます。

 医療費の適正化についてはもう少し幅広く議論をしていかないと、事態の解決には結びつかないという強い懸念を持っております。政府のほうで社会保障制度改革推進会議が設置されたと聞きますが、私どもが申し上げているとおり、保険の適用範囲の見直しとか、高齢の方々の特例的な取り扱いの見直し、患者負担を今後どうしていくのだといった議論も含めて、政府におかれましては幅広く検討いただきたいと思います。

○遠藤部会長

 ただいまの御意見について、何か事務局からコメントございますか。

○大島課長

 きょうまで4回にわたり御議論いただき、この2回は給付の効率化に関連するものについて御意見いただきました。

 具体的には国民会議の報告書やプログラム法の検討事項を中心に議論をしていただいてきたわけでありますが、政府としましては、これらを中心にしつつ、6月24日に閣議決定されました骨太方針その他幾つかの方針の決定がございましたので、そこに掲げられました事項につきまして、年末までの議論の中で取り組んでいきたいと考えております。

 ただ、この医療保険部会は議論を限定するものでもございませんので、門戸は開かれていると思いますので、こうした事項以外でも具体的な御提案等をいただければ、次回以降適切な機会に御議論をいただければと考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 関連ですか。武久委員、どうぞ。

○武久委員

 関連といいますか、今回の4つの範囲内の話ですけれども、実は19ページにありますように、介護保険では全て食費は負担することになっておりまして、今、医療課長はいらっしゃいませんが、療養病床からもどんどん在宅復帰を要請されているわけですが、我々も慢性期医療の現場としてはどんどん退院するようにと今、頑張っているのですが、特養、老健のほうがはるかに自己負担金が高くなっておりまして、実は療養病床のほうが圧倒的に入院費が安いという現状があります。これは多分皆さんは御存じないと思いますけれども、そのために、病状がよくなってしかるべき施設なり在宅復帰をしていただこうと努力を現場がしておりましても、なかなか退院していただけないという現状がございます。こういう現状があるということを知っていただいて、スムーズに病院から介護施設なり在宅へ移っていただくためにも、治療内容のところは診療をまだずっと続けないといけないという事情がある場合は別として、そうでない場合にほぼ居住がわりに入院を長期にしているという現状がまだございます。

 これは我々現場から言うべきことではないかも分かりませんけれども、こういう諸問題が介在していることは事実でございます。その辺のところはどちらがいいか悪いかは別として、厚生労働省のほうから在宅復帰にかじを切っている以上、現場としても協力しないといけないと思いますので、その辺のところも勘案していただけたらと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 先ほどの話に少し戻しますけれども、白川委員からもう少し幅の広い適正化について御議論できないかという御提案があったわけですが、事務局としては門戸は開放しているというレスポンスだったと思います。

 ここの部会で新たなテーマについて議論をするときに、まずできないというものもあるわけです。それはどう見てもこの部会で議論する話ではないというものとか、あるいは余りにも唐突な話であってそもそもそのスキームを理解することが難しいという場合は大体ここで議論はしないわけです。

 先ほど白川委員が例示的にお話しされたことは、ここの部会で議論はされたかされなかったかは定かではありませんが、ほかのいろいろなところで議論されているわけで、大体唐突感はないのかなということでして、結果的にどうなるかは全く議論の結果でありますが、余り議論の俎上を狭めたいと私は思いませんので、もし皆さん御同意いただければ、どんな形になるか分かりませんけれども、少し事務局と相談をしながら幅広めの議論をしていく機会を持ちたいと思いますが、よろしゅうございますか。

 では、具体的にどんな形にするかは、事務局と相談をさせていただきたいと思いますが、そういう方向で今後議論させていただきたいと思います。ありがとうございました。

 まだ大分テーマは残っておりますので、それでは、次に移りたいと思います。

 次は、前回傷病手当金について、その実態を明らかにするデータは何かという議論がありました。これにつきまして、小林委員、白川委員から資料が提出されております。どうもありがとうございます。

 小林委員、白川委員の順番で、資料の御説明をお願いしたいと思います。

○小林委員

 ありがとうございます。

 協会けんぽにおける傷病手当金受給者の状況についてデータを提出いたしました。委員提出資料1、2ですが、委員提出資料2は私どものホームページで公表したものでありますので、後ほどごらんいただけたらと思います。

 きょうは委員提出資料1に従って御報告したいと思います。

 1ページ、傷病手当金の受給原因となった傷病別件数割合の推移です。協会設立前の政管健保時代のデータも含めて比較してみますと、精神及び行動の障害を原因とする方の割合が増加しており、実数も平成10年では約5,500件であったのが、平成25年では約2万2,000件と、約4倍に増加しております。

 2ページ、特に40歳未満の若年層において精神及び行動の障害を原因とする方の割合が著しく増加していることが分かります。

 3ページ、傷病手当金の支給回数を示したデータです。平成25年中に11回以上傷病手当金を受給する方が全体の約15%を占めており、その約4割の方が精神及び行動の障害を受給原因とする方であります。

 4ページは、傷病別に見た支給期間であります。平成25年のデータでは、傷病手当金の平均支給期間は男性で175日、女性で154日ですが、その中で精神及び行動の障害を受給原因とする方は220日と最も長い支給期間となっております。

 最後に、傷病手当金を受給されている方のうち、現存者と資格喪失者を比較したデータを紹介いたします。資料5ページと6ページをごらんいただきたいと思います。

 5ページの左側のグラフは1カ月当たりの支給金額を、右側のグラフは平均支給期間について現存者と資格喪失者を比較した資料であります。資格喪失者の1カ月当たりの支給金額は約18万円と、現存者と比較して約1万円高い金額となっております。また、平均支給期間については、現存者が124日であるのに対し、資格喪失者は316日と現存者の約2.5倍長い支給期間となっております。

 受給原因となった傷病ですが、資料6ページをごらんいただくと分かるとおり、現存者の多くは新生物を原因としていますが、資格喪失者では精神及び行動の障害を原因とする方が最も多く、その支給期間も318日と長期にわたっております。

 7ページ、8ページは前回提出した傷病手当金受給者の標準報酬月額の構成割合を示したデータであります。参考として添付しております。

 以上が私どもにおいて把握している傷病手当金受給者の状況であります。

 傷病手当金受給者のうち、精神及び行動の障害を受給原因とする方の割合が多くなっており、特に若年層に占める割合が大きいこと、さらに支給期間も長期化していることが分かります。私ども協会けんぽとしても、こうした精神疾患を抱えている方に対しては、事業所を通じてメンタルヘルスセミナー等の参加を働きかけているところであります。また、資格喪失者と現存者のデータから、資格喪失者の支給期間がほぼ1年間という長期間にわたっていることも分かりました。

 本来、傷病手当金は傷病から回復し、再び勤務できるように支援するための制度であるところ、資格喪失者の方の支給期間が現存者の2倍以上の長期にわたっている状況を見ると、職場復帰支援ではなく、むしろ退職後の所得保障として機能しているのではないかと考えます。傷病手当金にそういう側面があることは否定しませんが、退職後の所得保障には他にも雇用保険や労災といった労働施策があります。

 事務局にお願いいたしますが、こうした退職後の所得保障を担う制度と傷病手当金の役割、支給対象、給付額、算定方法等を比較した資料を一度作成していただきたいと思います。そうした比較を踏まえた上で、健康保険が退職後の所得保障をどう担うべきなのか、一度考え方を整理すべきではないかと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは、白川委員、お願いいたします。

○白川委員

 私どもでまとめた調査結果を提出させていただいており、ポイントのみ説明いたします。

 2ページ目の「調査結果の主な概要」にありますとおり、対象組合は92組合で、270万人ぐらいでございます。大体健保組合は1,500万人弱でございますので、18%ぐらいの調査ということで、傾向を見ていただくということで理解いただければと思います。

 調査結果の主な概要は、小林委員の調査とほぼ同じでございます。最初のポツの後半部分ですけれども、件数及び金額とも増加傾向、精神疾病の割合は件数で3割弱、金額でいうと6割弱という状況でございました。

 支給期間の長い精神疾病では、大体1年程度の支給期間、御案内のとおり、傷病手当金の支給期間は18カ月となっておりますので、平均が1年というのは相当長いということでございます。

 資格喪失者につきましては、規定上、原因となった疾病が終了するまで支給継続が可能という決めになっておりますので、そういった方々への継続給付分が全体の4分の1、その7割弱が精神疾患でございます。

 最後ですが、多くの資格喪失者は、支給期間の限度の1年半まで支給を受けています。

 以下、グラフをたくさんつけておりますが、ポイントは7ページ「支給総日数及び支給期間別1件当たり金額」ということでまとめさせていただきました。右の図表10でございますが、左から3列目に件数の割合が出ております。30日以下が40%、3190日が28%、これが本来の傷病手当金の支給目的に応じたものと、私どもはそのように考えております。

 問題は、下のほうの361日以上、541日というのは18カ月掛ける30日で期間いっぱいという意味でございますが、ここが10%ぐらいありまして、ここの金額の割合が右のほうにありまして、この3つを足しますと5割ぐらいになるという状況でございます。

 あとは最初にまとめたもののデータを掲載しているだけでございますので、後ほどごらんいただきたいと思います。

 最後に、この調査結果に基づく意見でございますが、前回申し上げたとおり、資格喪失者の継続給付をどうするのかということが大きな問題と思っております。出産手当金とか埋葬料も同じように資格喪失後も一定期間受給資格が残るという形になっておりますので、これも含めて、さらに言えば、被用者保険には任意継続被保険者制度というのがございまして、資格喪失後2年間、本人の選択で被用者保険に残れるという仕組みがございます。これは以前国保と被用者保険で自己負担の割合が違ったということがあって、その名残で今も残っているのですが、廃止すべきだと我々は主張しております。それも含めて資格喪失後の継続給付のあり方を考え直す時期ではないかと考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 貴重なデータをありがとうございます。また新たな御主張もあったということでありますけれども、ただいまのお2人の御報告に関連しまして、何か御意見、御質問ございますか。

 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員

 ありがとうございました。

 たしか前回わたしのほうからお願いをさせていただいたという経過もありまして、発言をさせていただきます。

 本日、白川委員、小林委員から、健保組合と協会けんぽの傷病手当金に関する非常に貴重な資料を御提出いただいたということで、とても感謝をしています。

 前回、言われましたように、今回の調査結果についても、精神疾患による受給者が増加して、支給の日数も非常に長くなっているということが改めてよく分かったと思います。

 労働者の立場からということにもなるのですが、このような状態に陥る前の段階で、職場にある問題の根源に目を向けることが非常に必要だと思いますし、当然今後の議論について、これについては十分に議論していく必要があると思いますけれども、今後の議論の参考となるのでしょうか、メンタルヘルスを初めとする精神疾患による労災の請求、支給の状況も踏まえながら、少し検討する必要があるのかなと思っておりますので、厚労省におかれましては、担当部局が違うということもありますが、今後労災の資料についても少しお示しさせていただいたら、検討材料になるのかなと思います。

 また、先ほどから言われていますように、傷病手当金制度の目的ということは、収入の喪失または減少を来した場合に、ある程度補填をし、生活保障といった側面、目的もあるわけですから、生活保障制度としての法定給付という制度ですので、このこともしっかり踏まえなければならないと思いますし、今後議論をしていく必要があるだろうと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。御意見として承りました。

 それでは、武久委員、お待たせしました。

○武久委員

 精神障害者も別になりたくてなっているわけではないので、病気の性格上、長期の療養が必要だということは当たり前の話ですけれども、制度上そういう制度がある以上は、なかなか治らない精神障害者が傷病手当金のこのような部分を消費しているからここをどうにかしろという基本的な考え方はするべきではないかなと私は思います。

 ただ、こういうことも、先ほど高橋委員も言ったように、労災、要するに事業所内でいろいろなことがあって精神障害者になった場合とそうでない場合といろいろ区別がしにくいということを聞いておりますが、その辺のところもあって、私は精神障害者に温かい生活支援ができるような体制が必要だと思うのです。

 白川先生、私ちょっと知らないので教えてほしいのですけれども、精神障害の障害年金がありますね。障害年金と傷病手当金は併給できるものなのでしょうか。

○白川委員

 済みません、私も知識がないのですが、できるのでしょう。

○遠藤部会長

 事務局、何かコメントがあれば。

○鳥井課長

 併給しないという仕組みがあります。

○武久委員

 そうすると、白川委員のお話からいうと、ある程度までいくと障害年金のほうに移していくことがあり得るわけですね。その辺のところが今、ちょっと微妙なところがあるので、現場の医師としてはそのように考えておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 武久先生の意見はお医者様としてはごく当然の発言だと思いますが、非常に言いにくい話なのですけれども、小林委員も同じように現場からの声が届いているのではないかと思いますが、この制度を悪用する方がおります。継続給付を直ちにやめるのは難しい面もあるが、額を低減性にしていくだとか、いろいろなやり方があるのではないか。何も精神疾患だから給付をやめろと言うつもりはございませんので、その辺はちょっと私の言い方がまずくて誤解されたかもしれませんが、そういう意図ではございませんので、申し上げておきたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 堀委員、どうぞ。

○堀真奈美委員

 質問させていただきたいのですけれども、全国健康保険協会の委員提出資料2の8ページで、業種規模別にかなり支給状態が違うようなのですが、これは協会けんぽのケースだと思うのですが、同じような傾向が健康保険組合でもあるのでしょうか。これは白川委員にお聞きしたほうがいいのかもしれないのですが。

 というのは、労災との整合性というお話もありましたけれども、もし業態別にメンタル疾患が多く出る、出ないと傾向があるならば、予防対策を検討する上でもそうした情報は非常に重要だと思います。労災のほうですとメリット制のようなものが一部とられていますが、医療保険にはそれはそぐわない側面もあるとは思うのですが、予防対策を促進するにはどうするべきかを検討することはできるかと。不正受給の是正は重要ですが、その問題とは区別して予防対策を考えることも重要なのではないかと思います。

○遠藤部会長

 では、白川委員、いかがでしょうか。

○白川委員

 サンプル数が92組合と非常に少ないため、業種別にはまだ把握をしておりません。先ほど不正を疑われるという発言もしましたが、実はネットでこうやったら傷病手当金をもらえるといった商売まで出ておりますので、不正がどれぐらいあるかはもちろん分からないわけですけれども、そういうことが疑われる周辺状況があると理解いただければと思います。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 ほかにございますか。

 それでは、村岡参考人、お願いいたします。

○村岡参考人

 簡潔に申し上げます。

 今回、医療保険の問題ということで、傷病手当金の問題が議論されておりますけれども、この資料の説明を受けまして、結果的にはこういった方々が市町村国保のほうに加入してこられます。そういう点では市町村国保全体の負担としても、精神疾患等の医療費の増加ということも傾向的にあらわれておりますので、この資料の中からも読み取れるのではないかと思っております。

 そういう点では、医療保険だけで見るということでは問題を見誤る可能性もあるのではないかと思います。本質的にはこういった精神疾患等で職場を離れざるを得ないことに対する対策を根本からどうしていくのかということを検討しないと、市町村の現場では稼働年齢層の生活保護の増加といった問題などもこういった要因の中の一つでありますので、医療保険部会での議論ではないと思うのですが、厚労省としても、高橋委員の御発言もありましたが、全体的に対策を打つべき課題ではないかということを意見として申し上げておきます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかによろしゅうございますか。

 それでは、一通り御意見を承ったと思いますので、本議題につきましてはこの程度にさせていただきたいと思います。

 次の議題でございますが「出産育児一時金について」を議題としたいと思います。

 4月21日の当部会では、産科医療補償制度の保障対象基準の見直し及び保険料水準については合意が得られましたが、その際、出産一時金の金額については引き続き議論をすることになっておりました。したがいまして、本日議論をするということであります。

 それでは、事務局から資料が出ておりますので、資料の説明をお願いしたいと思います。

○鳥井課長

 それでは、資料2に沿って「出産育児一時金について」説明させていただきます。

 まず1ページ目、これまで当部会で御議論いただいた結果の復習でございます。平成27年1月から保障対象基準を見直すこと、対象者数の推計を見直すことにされました結果として、保険料水準2万4,000円とされました。また、これまでの剰余金は10年を期間と見込んで充当し、その結果、掛金は1万6,000円ということになりました。

 そこで、次に原則39万円、掛金相当分含めて41万円という出産育児一時金の水準を幾らとすべきかということが問題になります。

 2ページ目以降は出産費用の状況でございます。

 2ページ目につきましては平均額でございます。御承知のとおり、平成22年度から直接支払い制度の導入により全数把握ができるようになりましたので、それをお示ししております。これまで当部会にお示しした表と少し数字は異なっております。結果として、これによりますと、室料差額、産科補償制度の掛金、医療外費用を除きましたベースで見ましても、少しずつ増加しておりまして、平成24年で416,000円になってございます。

 3ページ目以降、これまでの本部会での議論を受けまして、もう少し詳細に分析をしてみたものでございます。

 まず、3ページ、公的病院、私的病院、診療所別に分けたものでございます。このうち公的病院だけ見ましても、先ほどの室料差額等を除いたベースでは平成22年度から増加して、平成24年度、直近で406,000円となってございます。

 4ページから7ページまでは都道府県ごとに内訳の平均値、中央値、最高値、最低値を示したものでございますので、御確認いただければと思います。

 8ページ目、方向性でございます。これまでは出産費用の状況を踏まえて改定されてきたところでございますが、今回の見直しに当たりまして、一時金の総額につきましては前回の改定から4年半が経過したが、その後平均的な出産費用は増加している。

 全国的な出産費用は直近では417,000円になっており、公的病院だけ見ても406,000円となっている。

 仮に総額の引き下げをした場合には、分娩機関から本人に対する出産費用の請求が、掛金引き下げ額以上に下がらない限り、本人の実質的な負担が増加いたします。

 一方で、医療保険財政は厳しい状況にありますので、総額の引き上げは困難である。

 以上のこと等を総合的に考慮しますと、今回は総額42万円を維持することとしてはいかがか。ただし、今後、改定のあり方を検討することとしてはどうかと考えます。

 説明は以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、これに関しまして、御意見、御質問があれば御自由にどうぞ。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 前回引き下げというお話もあったわけですが、今回、方向性として総額42万円を維持することが示されたことに関しては、妥当であると思います。

 安定した出産の場の確保は少子化対策の根幹であります。今回の診療報酬改定では帝王切開の手術料の引き下げがあり、現場に衝撃と混乱を与えております。また、人件費率を50%として基本分娩料を設定しますと、545,221円になるという、日本産婦人科医会のシミュレーションもございますので、総額42万円の維持を是非お願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 前回も意見として申し上げましたので、繰り返しになりますけれども、そもそも出産育児一時金が2つの部分から出ている。本来の出産育児一時金に産科医療補償制度の3万円が乗っかっている。こういう区分ですが、今回は3万円分は、我々がこの部会でかなり意見を申し上げて、16,000円まで下げるという方向で合意が得られたということですが、そっくりその分を本来の出産育児一時金に上乗せするという今回の御提案については、私どもとしては納得できません。言い方は悪いが、トビに油揚げをさらわれたような感じで、つじつま合わせという感じがしております。

 そもそも、出産費用に関するデータが出されておりますけれども、どう考えても物価がそんなに上がっていない。診療報酬そのものも平均改定率でいいますとそんなに上がっていない中で、なぜ出産費用だけこんなに上がるのか、私には理解できませんし、それをベースに引き上げをやること自体、納得のいかない部分でございます。

 そもそも、本来の出産育児一時金と産科医療補償制度の掛金は、法令上明確に分けて表示をしていくべきだと思っておりますので、そういったことを検討いただきたい。

 2つ目の要望でございますが、見直しのルールが全くない。全くないという言い方は大変不遜でございましたが、実態に合わせて見直すのはルールでも何でもありませんので、先ほど申し上げたような物価がどうだとか、診療報酬の改定がどうだとか、こういう客観的なデータ、公的なデータをベースにして見直すとか、ある一定の期間で見直すなど、そういうルール化をこの場に提出いただきたいとお願いをいたします。

 ここで少子化ということで出産する方の自己負担をふやさないようにという配慮をされたと、今回は書いていなかったですかね。前回たしかそのように書かれたあるいは意見があったわけでございますが、私どもも少子化について保険者なり国民全体でいろいろ対策を打っていこうということについては賛成でございます。ただ、これが少子化対策につながることはなかなか理解できない部分もございますし、少子化というのであれば、医療機関もそれなりの協力をしていただくのが筋ではないか。なぜこんなに上げるのかということを重ねて申し上げておきたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 白川委員と同じ意見になりますが、以前の部会でも申し上げたとおり、分娩費用は価格が下がるインセンティブのない中で、医療機関の自由な判断で設定されるものであります。また、これまで出産育児一時金が引き上げられたことで、それに引っ張られる形で分娩費用が引き上げられてきた側面もあると考えます。

 分娩にかかる実費用が増額しているからといって、出産育児一時金をそのまま引き上げる理屈はないと考えます。

 事務局の提案では、今回、出産育児一時金を42万円で維持するかわりに、今後改定のあり方を検討するとありますが、議論の先送りになりかねないと思います。

 少なくとも、どういうときにどういう考え方で改定するのかという大きな方向性については、今回議論すべきではないかと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、岩本委員、お願いします。

○岩本委員

 8ページの見直しの方向性2を読んで、いろいろと釈然としないことがあるのですけれども、今回の決定というのは、以前の決定とはルールが違うように見えます。

 以前の決定については10ページに資料がありますが、産科医療補償制度を除いた部分の費用について、まず平均出産費用があって、それをカバーする形で決まってきたという経緯が書かれています。それに従いますと、8ページには、全国の平均的な出産費用417,000円と公的病院の出産費用406,000円が書かれていまして、それと産科医療補償制度の掛金をカバーするものであるとなるかどうかということなのですが、そういう算定をしているわけではないように読めます。

 というのは、先ほど保険者サイドから議論が出ましたけれども、この物価が上がらない中でどうして出産費用がこんなに上がっているのかという疑問があって、保険者のほうも納得していないという状況だと思います。しかしながら、費用はかかっているわけですから、その部分は負担ということになっているわけで、これをどうするかに関して、結局解決策は見えない状況になっているかと思います。

 ですから、今後改定のあり方を検討するとしても、全く方向性が見えない中、ただ、今回決めなくてはいけないということになっていますが、今回の決め方は将来にかなり影響を与えそうです。過去の経緯が積み重なっていくことは非常に重くなっていきますので、総額を維持するというところが結論になっていくと、総額というのが何か、非常に重きを置かれるという形になりそうです。産科医療補償制度の掛金とそのほかの出産費用は違うわけですから、それぞれ分けて積算をしていって、それで合算をして考えるべきだと思いますので、維持することとしたらどうかと問いかけられると非常に釈然としない思いがいたします。

 仮に出産費用を全てカバーするとなると、406,000円の場合にはこれに1万6,000円を足して422,000円、417,000円はこれに1万6,000円を足すと433,000円ですから、1,000円単位を切り捨てますと42万円か43万円かという水準になって、結局42万円となったということは、出産費用額として積算されたものに関して、保険者が納得していないので、その部分、かかった費用よりも少し小さいものを支給しますよという数字になっているようにも見えますけれども、そんな解釈でいいのかどうかということかと思います。

 そういうことであれば、それは1つは費用をカバーしていないということで、現在はその部分の負担が出産をする家族のほうに行くわけですから、その分子育て支援に関しては反するわけですね。

 一方、全てカバーするとなれば、今度は医療機関側は費用をふやせばまた次はカバーしてくれるだろうということで、それをチェックする手立てがないということであれば、出産費用はどんどん上がっていくということになるわけなので、その難しい問題について全く方向性が見えないまま今回決めなければいけないから、こういう書き方をしているという状況であり、非常に釈然としない思いがします。

 そうは言っても決めなくてはいけないので仕方がないのですが、私としてはこの維持するというところはちょっと納得いかないと思います。総額を42万円とする、理由はよく分からぬ、というと言い過ぎですけれども、決めなければという感じがします。

 それ以上何か私が言った中で具体的に42万円の根拠があるのであれば説明していただきたいと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員

 以前データも出してほしいというお願いもした経過もございますし、医療機関によってこれぐらい出産費用が違うというのはきょうまた改めて見たわけですけれども、前も言ったと思うのですが、地域によってというのは少し分かるのですが、出産費用について医療機関でなぜこのような差が出てくるのかという明確な説明もないのではないかなと思いますし、そういうことがはっきり分からない中で、先ほどから出されていますように、議論を進めるというのもなかなか難しいかなというのが感想なのです。

 また、白川委員や小林委員も言われましたように、出産費用については自由価格の出産費用を健康保険の財源から支給しているという、そこのところはしっかり受けとめながら、なぜこのように毎年費用が上がるのかという理由を明らかにすべきだろうと思います。そういったことを明らかにしながら議論を進めていただきたいと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 樋口委員。

○樋口委員

 私は少子化対策にもなるのだから提案を認めていくべきだと思っておりましたけれども、今、お話を聞いてみますと、この問題はもうちょっと根本的に話し合ったほうがいいと思うようになりました。

 そもそも社会保障に揺りかごから墓場までという言葉がございます。私は揺りかごの部分がこの出産費用だと思いまして、医療保険から疾病ではないからといって特例としてこのように認めたりしていることは非常におかしなことだと思っておりました。他に出産保険でもつくるのでなかったら、私は医療保険の中にどのように位置づけるか基本的に考えていただきたい。人間の命の誕生を社会的に保障していくことは、私は社会保障の第一歩だと思っております。

 ところが、この出産の費用というのが、先ほどもお話がございましたように、自由価格であるというのも確かにおかしなことでございまして、中絶する理由の中には、表に出てくるかどうか別として、出産費用がないからという理由も潜在するやに聞いております。所得がない人、あるいはシングルマザーになるかしれない人、生活保護を今、受けていなくて所得のない人に関しての出産費用は誰がどこで負担してくれるのでしょうか。私は本人が生みたいという意思があった場合には、お金がなくても生めるような体制は、どういう形であろうと国としてつくっていただきたいと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 構造的な、根本的な対策が非常に重要なのではないかというお話だと思います。

 ほかに御意見はございますか。

 菊池委員、どうぞ。

○菊池委員

 今回、産科医療補償制度の掛金が下がると、こういうことになったのは初めてのことですので、こういうこともこれからいろいろ想定されるということを考えますと、改定のあり方をきちんと検討することは必要だろうと思います。

 ただ、そのときにも出産一時金というのは、若い世代の出産費用として非常に払うときに重要なものですから、これは出産費用をちゃんと賄えるような額にすべきと考えます。そういう意味で今回、実態としては417,000円払っているという事実があっても、これ以上にほかの支出もあるわけですから、出産費用はそれがちゃんと払えるような形の額を出産一時金として支払うのが望ましいと思いますので、総額を42万円維持することについては賛成いたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 厚生労働省に質問になるのですけれども、いただいた資料の中にあります分娩料や入院料ですが、見ていくと、入院料でも最高と最低が都道府県で5万円ほど違います。分娩料に至っては10万円も違うのですけれども、これはどのようにご覧になっているのですか。どうしてそう変わるかというか、理由を分かっている範囲で知りたいのです。

○遠藤部会長

 お願いします。

○鳥井課長

 おっしゃっているのは例えば5ページとかそういうことですか。

 その理由につきましては恐らくいろいろな要因、たとえば人件費の違いとかがあるかと思いますけれども、これはあくまでも結果をまとめてございますので、そこまでの詳細な分析はできていないわけでございます。

○遠藤部会長

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 もし今後検討するなら、例えば入札などでいうとスペックとか仕様といいますけれども、そういった詳細を確認しないと細かい議論もできないのかなと思います。ほかの委員の方々の御指摘も踏まえてそう感じるところがありますので、是非サーベイをかけていただかないと、なかなか詰めた議論にならないのではないかという印象を持ちました。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見ございますか。よろしゅうございますか。大体御意見承ったと思いますが、そろそろこれについては結論を出したいと考えております。賛否の意見がございました。それぞれに大変ごもっともだと思います。ただ、もう少し明確なルールをつくるべきであるということについてはほぼ共通したものだと理解しております。

 当部会としての意見を収斂させていただきたいと思いますので、賛否が分かれている中でございますけれども、例えばこのような対応でいかがかどうかをお諮りしたいと思います。

 現実に、この水準の金額の費用がかかっているということを前提にしまして、事務局提案の金額を今回は当部会の意見という形にする。ただし、附帯条件がありまして、次回の改定までには今、多々御指摘のありましたルールの明確化あるいはエビデンスの確立、あるいは法律的に掛金を2つに分ける、このような問題を解決するということを前提として、今回は事務局提案の価格水準で意見を統一するということにさせていただければと思いますが、いかがでございましょうか。特段の御反対はございますか。よろしゅうございますか。

 ありがとうございます。

 それでは、事務局にお願いします。基本的には事務局原案をお認めいたしました。ただし、ただいま私が申し上げましたようなことを次回改定までにまたじっくり議論ができる準備をしていただきたいということです。よろしゅうございますか。

 ありがとうございました。では、そのような対応をさせていただければと思います。

 それでは、続きまして「国保基盤強化協議会の中間整理案について」を議題といたします。

 事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○中村課長

 国保課長でございます。

 私のほうから、資料3及び参考資料2につきまして、御説明を申し上げます。

 国保の見直しにつきましては、この1月に国と地方3団体との間で国保基盤強化協議会をまず政務レベルで再開させていただきました。その後、事務レベルのワーキンググループで地方3団体の代表の皆様にも御参加いただき、議論を重ねてきたところでございます。

 本日、これから御説明をする資料3でございますけれども、これまでの議論を踏まえまして、課題でございますとか見直しの方向性について整理している途上のものという位置づけのものでございまして、最終的にはさらにワーキンググループでの議論を行い、政務レベル協議を経て、夏の段階での整理としたいと考えているものでございます。

 したがいまして、本日の段階では、今後修正があり得るものということでお聞き取りをいただければと思います。

 御説明に入ります。

 まず「はじめに」というところがございまして「プログラム法」及び「国民会議報告書」で示された方向性について、冒頭整理をしてございます。

 その上で、1ページの一番下の○、これまでの議論を踏まえ、国保の見直しについて、課題や見直しの方向性について整理を行うものだというふうに記載してございます。引き続き検討するという事項が多々ございますが、これらにつきましては地方の理解が得られるようさらに議論を深めることとし、年末までを目途に結論を得て、必要な法律案を来年に開催される国会の常会に提出することをめざすというプログラム法のスケジュール感を改めて確認させていただいております。

 2ページ「国民健康保険が抱える財政上の構造問題の解決に向けた方向性」というところですが、まず「基本認識」ということで、皆保険云々と書かせていただいておりますけれども、ここも最後の○を見ていただきますと、今回の改革において、国保の将来にわたる安定的な制度運営が可能となるよう、現在の国保の赤字の原因等を分析した上で、財政支援を拡充すること等によって、将来にわたる法定外繰り入れの必要性を大幅に解消し、国保が抱える財政上の構造問題の解決を図ることが必要不可欠だという基本的な認識を示させていただいております。

 3ページ「財政基盤強化の具体策に関する基本的な考え方」ということで、まず、今回の改革によりまして、国保が抱える財政上の構造問題の解決が図られることを見通すためには、追加公費の規模も含めた財政基盤強化の具体策と効果を明らかにすることが必要だという、基本的な考え方を示してございます。

 ただ、その次の○、現段階において、今、厚労省としてそれをお示しするのは大変難しい状況でございますので、3つ目の○、厚労省として引き続き、この財政上の構造問題の解決に責任を持って取り組むという認識のもとに、必要な追加公費の投入が行われることを前提として、効果的・効率的な公費投入の方法等について、検討を進めていくことを、国保基盤強化協議会としては位置づけをしてございます。

 1つ飛ばしまして、厚労省においては、地方が今回の財政基盤強化の具体策を解決策として受け入れることができるかどうかという最終判断を行うことに支障を来さないよう、できるだけ早期に規模も含めた財政基盤強化の具体策を明らかにし、地方と十分に協議を行うというスタンスを書かせていただいています。

 一番下の○、今回の国保の財政上の構造問題の解決を図るために、特に知事会のメンバーからは「あるべき保険料水準」について十分議論した上で、極めて大きい被用者保険との保険料負担の格差をできるだけ縮小するように、抜本的な財政基盤の強化が必要だとの強い御指摘をいただいたところでございます。

 4ページ、2つ目の○でございますけれども、ただ、こうした指摘に関しましては、国保と被用者保険とでは所得の形態あるいは所得捕捉の状況に違いがあるという観点、事業主負担をどのように捉えるかという観点があるということは、この医療保険部会の場でも御指摘をいただいたところでございます。そうしたことから、単純に比較することは困難であるとの指摘もあると書かせていただいております。

 次の○でございますけれども、この点につきましては、真ん中のあたりから「現状」と書いた部分がございますが、低中所得者の保険料の負担水準が重くなっているとの認識に基づき、医療保険制度の保険料の負担水準の格差に関する指摘も念頭に置きつつ、財政上の構造問題の解決を図るために必要となる方策について、地方からの提案も含め、引き続き検討を進め、できるだけ早期に明らかにするということを書かせていただいております。

 5ページ、もう少し具体的な方向性を書かせていただいた部分でございますけれども、最初の○で、1から5のような施策を講ずることにより、財政基盤の抜本的な強化や保険料負担の平準化等を図り、被保険者の保険料負担の軽減やその伸びを抑制していくと書いてございます。

1で、既に地方とお約束をしてございます消費税の増収によって得られる2,200億円のうち、まだ未実施でございます保険者支援制度の拡充について、確実かつ早期の実施に努めることと書いてございます。

2上記に加え、さらなる追加公費の投入を実現すると書かせていただいています。実際に追加公費を投入するに当たりましては、2つ目のポツの最後のほうを見ていただきますと、財政上の構造問題を解決するための効果的・効率的な投入方法を検討し、実施するという方針を示してございます。

3「更に」ということで、予期しない給付増あるいは保険料収納不足といった財政リスクを分散・軽減するための制度的対応として「例えば」という形で書いてございますが、財政安定化基金の創設でございますとか、2年を1期とした財政運営を導入することなどが考えられるのではないかと書いてございまして、詳細については引き続き検討することにさせていただく予定でございます。

 6ページ、このほか、地方からは幾つか提案もいただいておりますが、今後とも増大が見込まれる医療費への制度的対応等を行うべきとの強い御意見、地方単独事業を実施されている場合に、国保の国庫負担金が一部減額になる措置について、廃止すべきだという御意見等をいただいてございまして、引き続き議論をしていくということにさせていただいてございます。

 2つ目の○、追加公費の規模につきましては、今、申し上げましたように、現段階で具体策を示すことは困難な状況にあるわけでございますが、必要とする税財源については、この場でも御議論いただいてございます後期高齢者支援金への全面総報酬割を導入した場合に生じる国費を活用することについて検討することも含め、予算編成過程を通じてその確保に努めることを示させていただいているところでございます。

 以上が前半の部分でございます。

 7ページ以下に「国民健康保険の運営に関する都道府県と市町村の役割分担の在り方」に関して整理をしてございます。まず「基本認識」のところは、これまで国民会議の報告書、プログラム法で示された方向性を改めて書いております。

 3つ目の○、示された方向性に留意した上で、事務の効率的な運営、被保険者の利便性、医療と介護の連携の確保等の観点も踏まえながら、制度の具体化に向けて検討を進めていくと書かせていただいています。

 「2.国民健康保険が抱える財政上の構造問題の解決に向けた方策に関する議論との関係」と書いてございますが、財政上の構造問題の解決が図られることが、都道府県が一定の役割を担っていただく前提条件となっているところでございまして、そうしたことをまた改めて○のところで書いてございます。

 ただ、公費支援の役割を考えていくときに、都道府県と市町村の役割分担のあり方とは密接にかかわる部分でございますので、役割分担が見直されれば、それに応じて現行の公費支援の役割を見直す必要があることを次の○で書かせていただいてございます。

 その上で、一番下の○ですが、両者の議論を完全に切り離して行うことは現実的ではないという認識のもとに、まだ財政上の構造問題の解決に向けた道筋が完全に示せていない状態ではございますが、役割分担のあり方に関する議論についても必要な範囲で議論を行い、現時点における考え方、あるいは今後の検討課題等を整理したということで、3以下で、具体的な役割分担についての検討を加えた部分について記載をしているところでございます。

 8ページの3の(1)「財政運営と、保険料の賦課・徴収の仕組み」でございまして、プログラム法を踏まえ、財政上の構造問題を解決することとした上で、国保の財政運営については都道府県が担うこととすることが考えられるという、基本的なポイントをまず書いてございます。

 その上で、保険料の賦課・徴収の仕組みにつきましては、都道府県が都道府県内の医療給付費等の見込みを立て、それに見合う「保険料収納必要額」を算出していただいた上で、各市町村に割り当てる、ここでは「いわゆる『分賦金』」と書いてありますが、納める額を定めていただく。市町村はその分賦金を賄うために必要となる保険料を実際に各被保険者に賦課し、徴収いただいた上で都道府県に納めていただく、こういった仕組みを考えています。

 その上で、保険料負担の平準化をさらに推進する等の必要性がございますので、最後の○の1つ目のポツのところですが、都道府県が都道府県内統一の標準的な保険料算定方式ですとか、市町村の規模に応じた収納率の目標等を定めていただいて、市町村が保険料率を定める際の参考にしていくということを念頭に、議論を進めているという状況がございます。

 9ページの頭に書きましたように、こうした都道府県が示す統一的な標準を参考に、市町村として必要な保険料を賦課・徴収していくことを想定しているということでございます。

 「(2)保険料の設定の在り方」ですが、今、国保の保険料は市町村によってかなり格差がある現状がございます。医療費水準の違いあるいは算定方式の違い、法定外繰り入れの有無、こういったことによって格差が生じているとみているところでございまして、仮に直ちに均一保険料とする場合には、個々の被保険者の保険料水準が大きく変化する場合が多いであろうと想定されるところでございます。

 「こうした状況の下」ということで、次の○ですが、具体的な設定のあり方として、都道府県が市町村に納めていただく分賦金を定めるに当たって、市町村ごとの医療費水準を考慮することがまず考えられるのではないかと書いてございます。

10ページ、もう一点、今、所得水準のほうでございますが、都道府県が財政運営を担っていただく場合には、現在、市町村間の所得水準を調整している国の普通調整交付金につきましては、今後は都道府県間の所得水準を調整する役割を担うことになのではないかと考えているところでございまして、その場合に、市町村間の所得水準の差異については、分賦金の中で考慮していくことが考えられるのではないかと書いてございます。

 2つ飛ばしまして、最後のポツですが、以上のことを基本とするということでございますけれども、市町村間の医療費水準等の差異が比較的少なくて、市町村の合意が得られる都道府県にあっては、均一保険料を目指したいというお声もあるところでございますので、今申し上げた「分賦金」という仕組みのもとで、そうした都道府県内の均一保険料率の設定も可能とすることについて、引き続き検討していきたいと考えているところでございます。

 次の○でございまして、収納率の向上につきましては、今後も市町村に積極的に取り組んでいただく仕組みとすることが必要ですけれども、若年層が多い等の理由によって収納率が低いところについては、なかなか自助努力だけでは難しいという御指摘もあるところでございます。こうしたことを分賦金を定める上で考慮するかどうかを議論したところでございますが、かなり賛否があったところでございまして、引き続き議論することとしております。

 最後は、急激に保険料が変わらないように経過措置が必要だろうということを書かせていただいてございます。

11ページの(3)そのほかの保険者機能として「保険給付、資格管理の具体的な仕組み」をどのようにしていくかという点でございまして、最初の○では受付等の窓口業務、事実上の行為については、被保険者の利便性を確保する観点から、引き続き市町村にやっていただくことがいいのではないかという方向で、整理をしてございます。

 その上で、給付決定あるいは処分性を有する行為についてどうしていくかということを検討したわけでございますが、具体的な仕組みを考えていく上で、ここでは視点を4つほど挙げてございます。

 特に、最初のところで書いてございますように、国保の被保険者の資格情報である住所・世帯情報あるいは所得情報は今、市町村しか保有されていませんので、そうした中、事務の効率的な運営や被保険者の利便性の確保をどう図っていくか。

 さらには、相互にさまざまな業務が密接に関連しておりますので、そこの一体的な処理等をどのように確保していくか。

 あるいは地域包括ケアシステムを今後構築していく上で、医療・介護の連携をどのよう図っていくか。こうしたことを視点として挙げさせていただいています。

 実際に保険給付や資格管理を行うのが都道府県と市町村とでどちらが適切かということについては、完全に今は意見が分かれているような状況でございまして、この夏の段階の中間整理では両論併記という形にさせていただいています。市町村に担っていただく場合の懸念点あるいは問題点、メリット、こうしたところをまず11ページの下のところで書かせていただいてございます。

12ページの頭の○で、都道府県に担っていただく場合の懸念点、問題点、課題あるいはメリット等を整理させていただいた部分がございます。

 こうしたことに限らず、例えば後期高齢者医療での事務処理の状況なども参考にさせていただきながら、議論していったらどうだろうかという御指摘もあり、そういったところも12ページの2つ目の○に書かせていただいてございます。

 いずれにしても、こうした指摘を踏まえつつ、保険給付・資格管理の具体的な仕組みについては引き続き検討を進めていくという形にしているところでございます。

 最後「保健事業」でございますけれども、こちらにつきましてはプログラム法で示された方針を踏まえ、引き続き市町村にお願いをしたいということで、特段御異論はないという状況と整理しておりますので、13ページの2つ目の○にございますように、データヘルスをはじめ、市町村の取り組みを、国と都道府県としても引き続き積極的に支援していくということにさせていただいているところでございます。

 資料3につきましては、以上でございます。

 続きまして、参考資料2という1枚紙がお手元にあろうかと思います。「法定外一般会計繰入(決算補填目的等)に関する保険者の状況」ということでございまして、こちらは前々回のこの部会におきまして、大都市部の繰り入れの状況が議論となった際に、繰り入れを行っている市町村であっても保険料負担は相当重くなっているはずなので、そこが分かるような資料を示せないかとの、知事会から出ておられた和田参考人のお求めを受けて、本日、お示しをしたものでございます。

 国保の全国での状況が、いつもごらんいただいている数字でございますけれども、1,717保険者、1人当たりの平均保険料あるいは加入者1人当たりの所得、それを単純に割った負担率が9.9%というのをこれまでもごらんいただいたところでございますけれども、これを繰り入れありの保険者となしの保険者で分けたものでございます。繰り入れを行われている保険者であっても、最後の9.7%という数字がございますが、保険料負担率は相当重くなっているという数字でございまして、繰り入れが行われていない保険者にあっては、さらに11.5%という数字になっているというものでございます。

 私からは以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 報告事項でございますけれども、御意見、御質問あればお願いします。

 福田委員、お願いいたします。

○福田委員

 ありがとうございます。

 今、国民健康保険の見直しについて、中間整理の状況を事務局から説明いただきました。プログラム法あるいは国民会議の中で、広域、都道府県単位化といった提言がなされまして、法律に明記されまして、協議を継続しているところでございます。

 昨年の12月に田村厚生労働大臣から、国保に対する財政支援の拡充をしっかり行って、構造的な問題の解決に責任を持って取り組むといった決意表明をいただきました。

 知事会といたしましては持続可能な制度確立に向けた構造問題解決のための財政基盤の強化の具体策を、追加公費の規模も含めて一刻も早く示してほしいと考えておりますけれども、今、説明がありましたように、時期につきましても予算編成過程においてというだけで具体的に示されていないという状況でございます。時期につきましては、少なくとも国保の財政上の構造問題の解決策として受け入れることができるかを地方が判断するに支障を来すことがないようにしてもらいたい。さらには、至る過程について十分協議を行って、地方の意見も聞いてほしいというお願いでございます。

 最後、2点目のあるべき保険料の水準についてでございますが、高齢化が進行する、医療費の増加も当然見込まれると、先ほど来意見がありました精神医療の分野なども含めまして、構造問題の解決のためには赤字を解消することのみならず、将来にわたって安定した制度となることが必要だと、すなわち財政基盤の強化でございます。

 仮に3,000億円、今、法定外繰り入れを行っているわけですけれども、それを解消したとしても、参考資料2にありますように、9.9%という高い保険料負担のままでございまして、加入者の負担感は変わらないということになります。これでは負担に耐えられる限度を超えて、国保の財政運営が破綻する恐れもあると考えおります。

 したがって、どの程度の水準まで負担することが妥当なのか、被用者保険の状況と比較しながらあるべき保険料水準について十分議論をした上で、極めて大きい被用者保険との保険料負担の格差をできる限り縮小、そして、所得水準が低いにもかかわらず保険料負担が重いという逆進性を是正するような抜本的な財政基盤の強化が必要でございます。

 各県の意見を集約いたしましたけれども、少なくともこれ以上保険料負担率が高くならないようにすべきであって、例えば協会けんぽを1つの目安にしながら可能な限り引き下げてほしいというのが知事会の一致した思いでございます。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは、ほかに御意見、御質問ございますか。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 参考資料2として国保と健保の平均保険料率や平均所得を比較した資料が事務局から提出されておりますが、これは問題のある資料であると思います。

 以前から指摘されておりますとおり、国保と被用者保険では所得形態や捕捉率の違い、税制上などの違いがあります。また、事業主負担の有無といった違いもあり、同じ土俵での単純な比較はできません。

 本日説明のあった国保基盤強化協議会の中間整理(案)でも、被用者保険と国保の保険料負担の格差を指摘する議論があるようですが、こうした単純な比較が困難な数字を根拠として格差の存在を指摘するのはいかがかと考えます。

 その上、参考資料2に協会けんぽのデータとして幾つかの数字が示されておりますが、これは事務局が幾つかの仮定を置いてつくりだした数字であり、私どもが全く承知していないデータであります。こうした仮定を置いた数字を出して誤った認識を広げることに対しては強く抗議したいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。御意見として承りました。

 ほかに何か御意見、御質問ございますか。

 村岡参考人。

○村岡参考人

 簡潔に、市町村国保の立場から申し上げますと、現在、こういった形で協議がされているところなのですが、我々としては市町村国保の構造問題の解決を速やかに行っていただきたいというのが強い要望でございまして、先ほど知事会からの発言もありましたが、知事会の皆さんも納得いただける基盤強化の方向性というのを、厚生労働省としても速やかに示していただいて、市町村国保の都道府県単位化に向けて次のステップに行けるように、是非取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。

 それとあわせて、その際には、単に財政運営の都道府県単位化が図られるということだけではなしに、被保険者の皆さんにとってもメリットがある、現在、市町村が行っている保険者業務にとっても効率化が図られるといったメリットがあるような仕組みにしていくべきと考えておりますので、今後の議論の中でそういったことも含めて御検討いただければと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員

 ありがとうございます。

 私も今の中間整理の報告を聞きまして、何点か意見及び要望もございます。

 まず1点目は、中間整理(案)の前半6ページが国保に対する財政支援の必要性のさまざま論点が書かれているわけですけれども、先ほど小林委員も言われましたように、国保では、完全に所得捕捉が困難ということもあるわけですが、これを先ほどの単純な参考資料2のペーパーのように、被用者保険と保険料負担率で比較をすることについては、私も問題があると思います。

 2点目ですけれども、中間整理(案)の中で、全面総報酬割の導入で生じる国費の投入についても言及がされていますが、ここの国と地方の協議の場で議論することではないのではないかと思います。

 3点目、都道府県と市町村の役割分担のあり方について、引き続き検討をされるというところで先ほど御説明もありましたけれども、その際には何より保険者機能を十分に発揮できるのかどうかという、例を挙げれば厚労省の委託事業の保険者機能のあり方と評価に関する調査研究では、保険者機能を6つの機能に整理をされていたと聞いておりますので、そういった観点がしっかりと議論されなければならないと思っておりますし、この中間整理(案)ではそこのところが不十分なのかなと思います。

 4点目、この中間整理(案)の今後の取り扱いについて、少し御説明をいただければと思います。年末までにという話が先ほどありましたけれども、最終報告という形で取りまとめをされるのか、その辺のところを少しお聞きしたい。

 1ページ目の最後のところなのですが、引き続きさらに議論を深め、年末までを目途に結論を得て法案を国会に提出すると書かれていますけれども、国保基盤強化協議会で法案を提出するような誤解を招くのかなと思いますが、以前に説明があったかもしれませんが、協議会の位置づけと、医療保険部会との関係、今後どういう議論の進め方になるのかということの事務局のお考えを聞かせてください。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、事務局、お答えください。

○中村課長

 まず、今後の進め方でございますけれども、冒頭、触れさせていただきましたように、まだこの中間整理そのものは事務レベルのワーキンググループでこなしている最中のものでございます。これからまたワーキンググループでの議論を行いまして、一応1月の政務レベルの協議の段階で、7月中を目途に政務レベルでの中間的な取りまとめを行おうという方向性を意思決定をしてございますので、今、日程調整を行っている最中でまだ決まっておりませんが、できればこの夏のうちに政務レベル協議にこの中間整理(案)を付して、夏の段階での整理としたいということでございます。

 その後の進め方については、さらにその段階で地方3団体の皆様と相談することにしてございますので、現段階での方向性はございません。

 国保基盤強化協議会でございますが、もともと前回の国保改革を行うときに、厚生労働省と地方3団体の皆様の間で国保改正の中身を議論する場として立ち上げた協議の場でございますので、当然その中に厚生労働省も入っているものですから、今回の国保見直しについて、この基盤協議会での議論を経て、来年の通常国会への法案提出を目指したいということを書かせていただいているものでございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 総務課長、どうぞ。

○大島課長

 ちょっと補足で、当部会との関係でございますけれども、医療保険に関します基本的事項は医療保険部会で議論するということになっておりまして、一方、国保の制度に関しましては地方自治体と国との間でも十分な協議をして整える必要がございますので、この部会と国保基盤協議会との間で随時やりとりをさせていく。議論が深まっていくのは双方とも9月以降だと思いますので、そこから年末までの議論を進める過程におきましては、当部会での議論、国保基盤強化協議会での議論、その状況を相互に情報交換しながら、調整を適宜はかりつつ、結論を目指したいと考えております。

○遠藤部会長

 高橋委員、よろしいですか。

 横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 福田委員も発言されましたが、大変大切なことを言っていただいたと思います。また、非常に懸念をされているのが、私も自治体の首長をしていますから分かるのですけれども、財政面でございまして、このことについては是非政府においても勇断を持って前に進むことも深く御検討いただきたいと思います。

 それに関連いたしまして、例えば9ページにインセンティブのことがございます。医療費適正化を努力している、今もそれぞれの自治体の国保ごとにやっている訳です。こういった工夫がしっかりと生かされるようなことをしていかないと、大きい会計スケールになって、細かいチェックがおろそかになったり、あるいはそういった過去の工夫がマイナスになっては困ることだと思います。福田委員もそのことを一番心配されていると思いますので、是非こういった工夫を今後の協議に入れていただきたいと思います。

 また、あわせて1112ページぐらいに関係するのですけれども、以前から申し上げていますが、財政改革と同時にもう一つ重要なのが業務の改革だと思っています。そういった意味では、もう数年後の射程に入ってきたマイナンバーの活用をしっかり念頭に置いていただいて、事務の簡素化や内部手続の正確または迅速、公平さをしっかり保ちながらやっていく道具がそろってくる時代ですので、是非そういったことも想定に入れた今後の事務の検討、あるいはよりよいあり方を検討していただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 飯山参考人、お願いいたします。

○飯山参考人

 ただいまの横尾委員の御発言に事務の改革もというお話がありましたけれども、実際に事務を進めていくに当たりましてはシステムがございますので、システムの構築に向けてのいろいろな要素がございますから、そういった点での御議論も是非進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、以上をもちまして本議題の報告を受けたということにさせていただきます。引き続き議論がされるということですので、適宜議論の中身については本部会に御報告いただきたいと思いますので、事務局はよろしくお願いいたします。

 次の議題でございますが、最後の議題、報告事項でありますけれども「『経済財政運営と改革の基本方針2014』、『日本再興戦略』改訂2014、『規制改革実施計画』について」でございます。保健局関係の内容は前回お配りした素案の段階と変更はありません。このため、配付にとどめさせていただきました。

 あわせて、前回望月委員から、各項目の検討スケジュールについて資料の御要望がありましたので、事務局で作成した資料も配付しております。ごらんになっていただければと思います。よろしゅうございますか。

 それでは、議事につきましては、本日はこれで終了させていただきたいと思います。当部会では5月以降、今回も含めて4回にわたり、次期制度改正に向けた議論を行い、おおむね一巡をいたしました。このため、次回の部会ではこの4回の議論の状況について、各委員からの御発言内容を基本として一旦議論の整理をしたいと考えております。

 開催日につきましては、また追って事務局より御連絡いたします。

 また、本日は出産育児一時金につきまして、部会としての意見の集約をいたしました。附帯条件をつけた上で、部会としては42万円ということでまとめました。附帯要件というのは、例えば掛金部分を区分すべきであるとか、改定のルールを明確にするべきであると、こういったことを次回改定までに検討することが附帯条件であります。

 したがいまして、今後はこの線で政府部内で調整を進めていただきたいと思いますので、事務局におかれましてはよろしくお願いいたします。

 それでは、本日は御多忙の折、また、司会の不手際で時間が非常にオーバーしてしまいまして申しわけございませんでした。どうもお集まりいただきまして、ありがとうございます。これにて終了いたします。失礼します。


(了)

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