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2014年4月8日 第1回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成26年4月8日(火)13:00〜15:00


○場所

厚生労働省 専用第22会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2)


○出席者

伊澤構成員、伊藤構成員、岩上構成員、柏木構成員、倉橋構成員、千葉構成員
野沢構成員、樋口構成員、広田構成員、山本構成員、良田構成員

○議題

1 長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る論点の整理
2 その他

○議事

○北島精神・障害保健課長 

ただいまより、第1回「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チーム」を開催させていただきます。構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。本作業チームは公開のため、作業チームでの審議内容は、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、あらかじめ御了承くださいますようお願いいたします。

 本日は、野沢構成員が都合により若干遅れるとお伺いしております。柏木構成員、山本構成員におかれましては、御都合により閉会前に御退席の予定と伺っております。葉梨構成員からは、欠席の御連絡を頂いております。以降の議事進行は樋口座長にお願いいたします。

 

○樋口座長 

座長の樋口です。先月の28日に開催された検討会で、構成員についての御意見を頂きましたが、作業チームの設置について了承され、本日が第1回の開催となります。

御意見を頂いた構成員についてです。野沢構成員については、幅広い視点と中立的なお立場から参画をお願いしたいと考えていたところですが、検討会での意見を踏まえ、改めて野沢構成員と御相談させていただき、参画していただくことにいたしました。公的な立場の方が少ないのではないかという御意見があり、構成員として参画していただくべきという御意見がありました。これを踏まえ、保健所長会から倉橋構成員に御参画いただくことにいたしました。その他にも、チームの構成メンバーについて御意見がありましたけれども、作業チームの役割というのは、検討会本体での議論に資する資料の作成というところにありますので、その他の構成員からは検討会で御意見を頂戴することとして、作業チームの構成員は総勢12名ということでよろしくお願いいたします。

 本日の議事に入ります。先日の検討会での御意見を基に、今後の検討の進め方及びその論点について事務局と相談をしてまとめておりますので、事務局から説明をお願いいたします。

 

○尾崎課長補佐 

資料1から資料3まで順に御説明させていただきます。資料1は、前回328日の第1回検討会において、構成員から様々な御意見を頂きましたので、ここでは詳細な御説明はいたしませんが、大きく分けて検討に当たっての視点とか考え方に関する御意見、検討の進め方に関する御意見、裏のページで患者の病態像といった属性に関する御意見、具体的な課題について様々な御指摘を頂きました。こちらは、前回のおさらいとして、皆様に御覧いただければと思います。

 資料2として、今後の検討の進め方、論点となりそうなものについてまとめております。〈検討の基本的考え方〉は、前回の検討会でお示しした考え方です。マル1長期入院患者本人の意向を最大限尊重しながら検討。マル2地域生活に直接移行することが最も重要な視点ですけれども、新たな選択肢も含め、地域移行を一層推進するための取組を幅広い観点から検討する。これが、基本的考え方の2つということです。

 〈検討の進め方〉として、地域移行に向けて必要な方策について地域移行の段階ごとに、長期入院患者の属性に応じた対策を具体的に議論する必要があるのではないか。1行目の「地域移行の段階ごとに」というのは下の括弧書きにありますが、前回の検討会でも委員から御指摘がありましたように、大きく分けて2つの段階があるのではないかということで整理いたしました。退院に向けた支援の段階、地域生活の支援の段階。を更に分けると -1退院に向けた本人の意欲の喚起の段階、 -2意欲を喚起されて、その意向が出てきて、その本人の意向に添った移行支援の段階の2つがあるのではないかと考えております。

 これを図のような形にしたのが次のページです。「地域移行の流れ(イメージ)」と書いてありますが、左側が病院の中の話で、右側が地域での話ということで、それから -1から -2、それからの地域生活の支援という段階が赤枠で囲ってあります。その上で<具体的論点>という青字の所がありますが、具体的な対策の方向性ということで、これについてはいろいろな御意見を追加していただきたいと考えております。

 こちらに例示している、 -1について、意欲の前提となる本人への十分な情報提供が必要であるということについては、前回の検討会で御指摘があったものを例として記載しております。 -2についての具体的な論点として、例えば地域生活のトライアル機会の充実、病院内の支援者への地域における各種サービスの周知という御発言がありましたので、例として記載しております。

地域生活の支援の段階のイメージとしては、住まいの場で患者さんが退院後にお住まいになって、地域にある様々な支援、例えば障害福祉サービスや、介護福祉サービス、医療サービス、その他居住支援等を使いながら、生活する上で具体的な対策の方向性にはどういうものがあるかを御指摘いただければと考えております。

 長期入院患者の属性に応じてこうした対策も検討する必要があるのではないかということで、例えば年齢、入院期間、援助の必要度というものを例示しております。

 表のページに戻ります。〈検討の進め方〉として、長期入院患者や、退院者等の意向に関する調査結果も踏まえて議論を行うというところで、前回の検討会でお示しさせていただきました。例えば、調査主体からのヒアリングを行うことも考えられるのではないかと考えております。次の○で、退院者や退院支援を行っている方からヒアリングを行うことも考えられるのではということで、今後の検討の進め方としてお示ししております。

 資料3ですが、「今後の検討スケジュール」は前回お示ししたものに、第1回、第2回の作業チームの日付を追加しただけです。以上が、事務局と座長とで整理した検討の進め方についての資料です。

 

○樋口座長 

このような形で論点の説明をしていただきました。基本的な考え方、具体的な検討の進め方ということで進めさせていただきます。全体の議論の時間が大変限られておりますので、今後の進め方のうちのヒアリングの対象者については、別途構成員の皆様から御意見を寄せていただいて、その意見も踏まえながら事務局と相談をして決めてまいりたいと思います。この場ではなくて、事務局のほうに、こういう方のヒアリングを是非してほしいという御提案がありましたらお寄せください。

 作業チームでの検討に当たって、日本精神保健福祉協会から資料4が配られております。日本精神保健福祉協会が調査をした、「65歳以上の精神疾患を有する入院患者への支援に関する調査」というもので、その調査結果を資料として提出していただいておりますので簡単に説明していただきます。

 

○柏木構成員 

日本精神保健福祉協会の柏木です。貴重なお時間を頂戴いたしましてありがとうございます。膨大な資料で、読み込むのに時間がかかると思いますので、皆さんには後ほど読んでいただいて、できましたら読んだ後、提案を頂ければと思います。私からは、ザクッと印象だけを伝えさせていただきます。

 この調査は、65歳以上の精神疾患を有する入院患者さんへの支援に関するものです。高齢入院患者さんの退院に向けた課題を明らかにして、PSWの支援内容を提示することを目的としております。調査方法等はレジュメを御参照ください。実態調査ではありますけれども、患者さん御本人の退院への考え方、気持ちなども聴き取った意向調査の一面も持っております。まだ分析途上ですので印象をお伝えさせていただくということだけで御了解いただければと思います。

 対象者は、65歳から74歳までの方が70%近くいます。保健区分は生活保護が2割、後期高齢が4割、経済状況は本人の収入のほとんどが年金収入のみということで、退院後の地域生活の経済的基盤の確立もこれから先の課題になるのではないかと思われます。私が一番衝撃的に受け止めたのは、退院希望の方が既に42%もいて、そのうち4割弱の方には、担当の精神保健福祉士が付いていない状況があります。退院希望の方の半分近くが、自宅に退院したいとおっしゃっておりますが、漠とした回答も多くて、退院したいという思いはあっても、退院後の生活イメージが具体的に持てていないのではないかという事情が浮かび上がってきました。

 退院希望無しの方が36.7%いましたが、その理由を自由記載で書いていただいたところ、退院したくない、このままでいいと言われた退院拒否の方が31.5%いました。退院することについての不安、退院先がない、御家族の反対がある、意欲がなくなってきている、過去に退院したけれども挫折してしまったという方たちを合わせると30%ぐらいいます。こういう退院希望は無いという方に関しても、様々な地域移行支援事業等の仕組みが導入されれば、必ず退院希望有りというように転換できるのではないかと思っております。

 退院希望の有無を入院期間とクロス集計で見ると、120年以内の方たちが退院希望有りと言っています。2030年になると有りと無しが大体同数です。30年以上になると無しのほうが多くなって、長期入院の中で退院を諦めざるを得ない状況が浮かび上がってまいりました。

 退院に向けた支援については、8割強の方たちが退院支援は無いと答えています。退院希望の有無を、退院支援の有無とクロス集計で見ると、退院希望の人に退院支援を行っているのは約4分の1強で、退院希望に対して、実際に支援の割合が少ないことが判明しました。合併症を持つ方が大体2割、ADLは直接支援を要さない人が70%以上を超えるというような、割合しっかりした方たちが対象として浮かび上がってきたにもかかわらず、介護認定、障害程度区分認定、障害者手帳の取得等は未申請、あるいは取得が少ない状況の中にあって、退院準備として利用できるサービスの申請をする等の動きが現実的に少ないのではないかということが分かりました。

PSWが考えていることですけれども、退院支援に向けては、院内スタッフの共通認識、カンファレンス等により、退院に対するモチベーションを高めるのは本人ではなくて、院内スタッフのほうが重要であるということが、アンケート結果から出てきました。本人の退院のモチベーションを上げる前に、スタッフの退院に向けてのモチベーションを上げることのほうが、前段階として必要ではないのかということが、この調査の中で分かってきました。分母が600人弱という非常に少ない中での話になりますけれども、医療機関の仕組みの中では、患者さんたちの退院希望無しというのは、実際総体的には退院しなくてもいいという保護的な医療機関のスタッフの思いが反映されることが多々ありますので、まずその辺のところから改革が必要ではないかと、ザクッとした印象ですが、そのようなことがこのアンケート結果から出ました。以上です。

 

○樋口座長 

ありがとうございました。大変短い時間で恐縮でした。膨大な資料で、今まだ分析の途上にあるということでした。また改めて機会がありましたら、そういう分析結果等もお知らせいただければと思います。

 本日の意見交換に入ります。事務局からありましたように、検討の進め方として大きく2つ、地域移行の段階として、退院に向けた支援の観点と、地域生活の支援という具体的対応策を、それぞれに分けて御議論いただきます。前半は、退院に向けた支援ということです。先ほどイメージ図が示されましたけれども、我々のやるべき作業というのは、検討会に対してどのように具体的に資料を提起していくことができるかということだろうと思います。可能な限り先ほど示された具体的な論点に追加をしていただくとか、こういうことをこの中に取り込んでいく必要があるという視点での御発言を是非よろしくお願いいたします。退院に向けた支援のところで御発言を頂きます。

 

○広田構成員 

退院に向けた支援で、今の柏木構成員の話を伺って、仲間が聞いてくるけど、「なぜ厚生労働省は65歳以上にこだわるのか」ということです。65歳以上の退院の話ではなくて、全体の退院の話がいいと思います。常識的に考えても。人権センターのケースワーカーと、精神病人権センターの相談員という役職を引いても広田和子個人で、病院の中から電話があれば行きます。

 信頼と愛という形でお見舞いに行ったり、会いに行きたい。そのときに敷居が高すぎるのは病院なのです。全国で6,000人余っている弁護士でもOK、友達では駄目、相談員でも駄目、そこのところが柏木構成員が言われたことです。細かい分析は要りません、またPSWのハローワークになります。一番大事なのは病院側の姿勢です。精神科も当たり前にお見舞いができるようにする。

 私は公立病院に行っていますけど、社会福祉協議会の人から、「入院しましたから」と電話がかかってきて、「どこ」と聞いたら、「広田さんが行っている病院です」、「分かった、通院のときに寄る」と言って寄った。本人は外泊でいなかったので、「また来ます」と帰ろうとしたら、さすが精神病院ですね。「広田さんが来てほしいかどうかは、入院患者さんには分かりませんから」と言った。「あれー、さすが精神科ね」。内科へ入院した人のところへ見舞いに行ったときに、「本人から電話がかかってきたから来ました」と言った人に対して、そんなこと言いません。

 日本中、お巡りさん、自衛隊、マスコミ、全ての職域で「鬱が課題」のこの時代に、相変わらず病院は変わっていませんね。彼女の話と私の話は病院が変わることです。PSWPSWと連呼しなくても選挙ではないのですから、要するにいろんな人が普通に行ければいいのです。「ハンバーグがおいしかったわ、すき家が今度弘明寺の駅前に出来るのよ。○○○円で食べられる」と言っている間に、食べに行きたくなる。だから、普通の医療にすればいいのです。 

 それにはスタッフも少ないとか、病床が多すぎるとか、医療費が安いとかいつも言っている。「私はたたかれても社会的入院の仲間を解放してください」と、思わず社保審で泣いたけれど。普通の医療のように、当たり前に、誰もが鬱になるこの時代に、相変わらず精神病院の敷居は高すぎる。それは誰のためかといったら、「患者さんが動揺する」とか、「患者さんの体調が悪くなる」と必ず言います。悪くなったのを治すのが病院です。温室のような状態にしておいて、退院して、また再入院ということがないように、入院中から私のように明るい人もいる。ライターを持ってきてとか、いろいろな問題はありますが、問題がある人ほど受け入れたほうがいいと思う。退院したときにこういうことが地域生活で起こるのだという体験をする。その体験を全て奪っているのが精神病院の看護師です。日精看もこの中にいる。PSWもそうです。それから管理者ということで。

 とにかく、どんどんお見舞客を入れる。そうすれば病棟に居たくないと思いますよ。「お金をためてソフトクリームをみうら湯という大きなスーパー銭湯に入って、湯上がりで、桜の花は散ってもう終わってしまったけれど、桜味ミックスで300円」、広田和子は3日間食べた。「おいしかったわよ」と言えば、「来年のお花見のときには、広田さん、行きたいです」となるではないですか。そのような人間の感情です。人間が行きたいと思う本来の欲望、欲望を奪っているのが精神科の病院の入院中だと思うのです。

 人間としての欲望が湧き上がるためには、外からPSWが行くのではない、普通の人が行くのです。精神保健ボランティアは、普通の……といってもスタッフに近い人もいるから、普通の人が行く、友達が行く、兄弟がいいかもしれない。31年間精神病院に行っていますけれど、余りにも普通ではないと思います。

 柏木さん、本日はありがとうございました。精神病院勤務のあなたがこれだけのことをここで言うのは大変だと思いますけれど、是非今後も頑張って本音を言ってください

 

○樋口座長 他の御意見を頂きましょう。

 

○倉橋構成員 

広田構成員の話もそうですけれども、退院に向けた意欲の喚起ということで、資料2の図の○ア-1退院に向けた意欲の喚起で、具体的論点のところに点が打ってあるけれども、この辺を補足してくれという事務局のお話がありました。それで言うと、今の広田構成員の話は、本人に事例なり、友人なり、そういう実例を見せるという意味合いが1つあるかと思います。

 柏木構成員のお話では、本人の意欲にはスタッフの意欲といいますか、意識が大事だということがありましたので、これを入れるとすればスタッフの自主的検討会、あるいは目標設定なり、計画なりの策定なりの行動につながるような活動を自主的に起こしていただくようなところが、もう1つポイントとして付け加えられるかと思いました。

 

○千葉構成員 

今の件で倉橋構成員に質問させていただきます。スタッフが「自主的に」というのはどういうイメージをお持ちなのか。普通であれば、そういうものは自主的にというよりはきちんとしたシステムとしてちゃんと定着させ、その中でしっかりやっていくというのが手法として考えられます。自主的にというのは、自分たちが集まって、勝手にサークルのように勉強会をしなさいというように聞こえるのですけれども、その辺の意図で捉えればいいのですか。

 

○倉橋構成員 

そのような意図ではなくて、強制されないという意味合いでの話です。自発的と言いますか、最初は意欲が低いというのであれば、最初から自発はあり得ないといえばそのとおりなのです。システム化するほうがよいのであれば、そういうやり方でやっていただくのが適切かと思います。別に自主的というのは、そんなに大した意味で付けたものではありません。

 

○伊澤構成員 

今までの話についてですけれども、柏木構成員のお話の中にあった、院内のスタッフの情報不足もあるでしょうし、アプローチの弱さ、関わりの手弱さみたいなところはすごく感じています。私も、外部から足を運んで院内に入り込んで、長期入院で30年、40年の方と付き合っていますけれども、やはり情報がないのです。看護の方ともお話をするのですけれども、「グループホームって何ですか」とか、日中活動系でAとかBとかいろいろありますけれども、そういうことについて本当に基礎的な情報が回っていない。だから、病院の外での支援の活動が何たるかがちっとも伝わっていない、情報不足ということがすごくあると思うのです。だから、そこをしっかり届ける。

 要は院内でちゃんと研修してほしいのです。年次計画を立てて、スケジュール化の下で積上げ方式で情報の流通を図りながら、得た情報や知識を基に患者さんに接していくことが大事だと思います。私の知り合いが20数年病院のワーカーをやっていて、学校の先生になった方がいます。退院促進の事業が始まったのは平成18年当時で、その当時はまだ病院にいました。その病院の看護の方たちに、自主的にアンケートを取ってみたところ、患者さんの退院がなぜしにくいのかという設問に対して、「家族の引取りの拒否がある、本人の病識の無さがある、患者さんの退院意欲が乏しい」という調査結果が出ました。しかし断トツに多いのが、「患者さんの退院後の生活や、生活する能力のイメージや判断が付かない」という答えだったのです。看護の方にいかに情報が回っていないか、分からないかというところです。そこを補完していくような情報提供や研修の積み上げを是非してほしいと思います。

 それから、本人の意欲に沿った移行支援の所に書いてありますけれども、トライアルが大変大事です。試しにやってみて、その患者さんがどう動くのか、どういう思いを持つのか、そういうところも試しながら体験を積み重ねながら是非進んでいってほしいと思います。院内での動きを、そういう意味では作っていってほしいと思います。

 

○柏木構成員 

伊澤構成員にお聞きします。それはすごく賛成なのですけれども、それは伊澤構成員のイメージだと、病院側の自主的な気持ちでやれということなのですか、それとも仕組みの中にそういうものを言って入れないと、病院として存続し得ないというぐらいの強い指導をしなさいという意味ですか。

 

○伊澤構成員 

二択でのお問い合わせですので、後者のほうです。強制的にというか、義務のような、システムのような形で取り組んでほしいということです。絶対にやるべき研修という意味です。

 

○広田構成員 

柏木構成員に質問します。私が、あなたの話を「勇気があるわね」と言ったのは、悪いけれどそんなちっぽけな話ではないのです。ごめんなさいね。要するに今はないかもしれないけれど、30年前、40年前に、精神病院の有能なワーカーが辞めていった時代というのは、院長が「1人の患者さんをキープしてから退院させなさい」みたいな、経営者としては、家族が反対する、議員まで連れていって退院を反対させる。地域住民の理解もない。また医療費が安かったり、いろいろなことがあって、社会的には事件があればマスコミも騒ぐ。そういうものを受けた中での精神病院の役割もありました。

 そういう中で、経営者の思いで、現場のスタッフがなかなか退院させられないという雰囲気に私は読んだのです。だから勇気があると言ったのです。今の話だと、またハローワークの話になってしまいます。

 

○柏木構成員 

いいえ、違いますよ。

 

○広田構成員 

どうなのですか。

 

○柏木構成員 

伊澤構成員がおっしゃっているようなこともとても大事なことだと思います。広田構成員がおっしゃっていることとそんなに変わらないと思います。自分の所の病院のことだけ言うのはあれですが、そのようなことは結構やっているわけです。

 

○広田構成員 

それでは伝わらない。日本語は、主語が曖昧で、分からない。

 

○柏木構成員 

つまり、地域移行退院支援プロジェクトを作り、病棟の看護師に教育し、情報提供し、その委員会には地域の支援事業者の人たちにもピアサポーターの方にも来てもらい、その方々を講師として研修会もやるというようなことはある程度やっております。例えば、院内茶話会を開くにしても、堺市や大阪市から言ってこられて開けるのは限られた病院だけなので、うちでやらせてくれと。やる所は、そういう形でどんどん外からも入ってくる。でも、それにもかかわらず、この前も申し上げましたけれども、うちの病院はそれほどダイナミックに動かないわけです。そこはなぜかというと、いろいろな働きかけをしても、結局のところ病床を確保しなければいけないという大前提が病院にはあります。様々な働きかけをして、当然本人が退院したいと言ってくれば、それを止めるようなことをうちの病院の場合はしてはいませんが、ベットは減らないわけです。

 

○広田構成員 

分かった。ベッドがあるから、相変わらず患者が必要ということでしょう。

 

○柏木構成員 

そういうことです。

 

○広田構成員 

そういう側面があるということで、それが全てではないと。

 

○柏木構成員 

はい。

 

○伊藤構成員 

退院に向けた意欲の喚起という点なので一言申し上げます。その前提となる患者さんが受けている医療サービスに対してどう思っているか、というところは重要であることを指摘しておく必要があると思います。退院患者さんの満足度調査というのは、一般的にすでに実施されています。1990年代の前半は、精神科は除外されていました。私たちは1996(平成8)に、民間病院の有志の皆さんと一緒に退院患者さんの満足度調査を我が国で初めて実施し、実施可能であること、また満足度に影響を与える要因は何かを分析しました。今は一般的になっているものですが、患者さんの意向、何を考えていて、どういう希望があるかというのは重要と思います。

 

○山本構成員 

よく分からないのですけれども、退院に向けた意欲の喚起という論点なのですが、これは本人が退院を同意していない以上は退院させないということなのでしょうか。つまり、医療の必要性は既にないと。しかし、本人が退院したくないと言っているというような場合には、精神病院は退院させなくてもいいということなのでしょうか。

 病院というのはそういう所ではなくて、治療が終わったら退院させなければいけないのであって、それを病院にとどめ置くというのは人権上問題ですし、医療経済上も問題だろうと思うのです。したがって、退院に向けた意欲の喚起というのが、そこまで含んでいるのかどうかということをはっきりさせる必要があるだろうと思うのです。

 私の考え方は、病院というのは医療を行う所ですから、本人が拒否していても退院させなければいけないと。そのためにはもちろん地域の福祉などを充実させることが前提ですけれども、そういうことが必要なのであって、したがって退院に向けた意欲の喚起というのがどういう意味なのかというのをはっきりさせる必要があるのではないか。

 

○広田構成員 

どういう意味というのは。

 

○山本構成員 

どういう意味といいますか、本人の意思がなければ退院させてはならないのかということをお聞きしたいのです。趣旨がよく分からないのですが、分かりますか。

 

○尾崎課長補佐 

退院意欲の喚起というのは、今は退院を拒否されている方について、情報がない中で拒否しているとか、退院後生活にイメージがない中で拒否しているということであれば、それの前段階として情報提供をちゃんとし、地域で外の生活イメージをちゃんと分かっていただき、その上でご本人にちゃんと人として判断していただくというところまで含めた大きな意味です。

 

○山本構成員 

それで判断して、やはり「退院は嫌です」と言った場合は退院させないということなのですか。

 

○尾崎課長補佐 

そこは病院の。

 

○山本構成員 

最大限意向を尊重するということであれば、本人が嫌だと言っている以上これは駄目ですと。治療は既に終わっているのに、駄目ですということになって、精神病院もそういう方針だとすれば、精神病院でも退院させられないということになりますよね。それが、今まで社会的入院を助長してきた温床になっていたのではないのだろうかと思うのです。したがって、退院に向けた意欲の喚起というのを、もうちょっと厳密に考える必要があるのではないだろうかという意見なのです。

 

○広田構成員 

先ほど私が、「彼女が勇気があります」と言ったのは、病院の中に勤めながら嫌気が差しているかどうか知らない、個人的に親しくないからね。「馬鹿野郎、院長」と言っているかもしれないけど、そのような彼女がこの公の場所で言えていることに対して、日本は民主主義だと思います。彼女の勇気だと思います。そのような一方で病院に自らをとどめ置いている。

 病院の先生の話から、「本人が退院を嫌がっている、不安があるから」ということで相談を受けます。今回私は是非ここで伺いたいのは、先ほど出した事例のように、病院が退院させようとしているのに、親が議員まで巻き込んで反対運動を展開する家族の心情の一端を良田さんから伺いたい。この間ずうっと、全家連時代から国の会議、それから地方自治体。家族の本音を言わない。それでいて実際は入院させたい。私が自立支援法の与党側の参考人で非常に責任を感じているのは、神奈川県の家族会も横浜市の家族会も、「精神科も他の障害者並みに入院費をただにして」とか、「通院費をただにして」という議員への陳情をやっている。

 その背景の裏には、「やはり家族は入院させたいんだ」と。「入院させておくためのお金がただになるように出してほしいのだ」と、「それが自立支援法の権利だ」という言い方をされています。私も家族からいろいろお話を伺うけれど、今回は良田さんが全国の家族の本音をここで出さなければ変わらない。ただ精神病院が退院させたくないというだけでは、野沢さんは見えていないからマスコミのことは言いませんけれど、いろいろな社会的背景や家族の事情がある。そういう家族の思いを受けて患者が、「やっぱり、じゃあ俺はここの病院にいるよ、広田さん」という話も泣きながら聞きいてきました。

 今回こそは、柏木さんとか広田さんみたいに、良田さんよろしくお願いします。

 

○樋口座長 

今の話題は後にしましょう。今は、退院に向けた意欲の喚起ということですから。

 

○広田構成員 

いいえ、家族の思いを受けて、本人が遠慮して退院したくないと言っているうちに、社会的入院で施設症になってしまっているのです。

 

○樋口座長 

そういう意味ね、そういう観点から。

 

○広田構成員 

それは東洋の文化です。

 

○樋口座長 

だけど、ちょっと待ってください。山本構成員どうぞ。

 

○山本構成員 

もう1点付け加えたいのですけれども、退院に向けた意欲の喚起というのは、本人が意欲しなければ駄目ですということであれば、承諾能力のない人は一生ずっと退院させることはできないことになってしまいますよね。本人が意欲していないということですから。それもおかしいだろうと思うのです。その辺をきちっと整理する必要があるのではないかと思うのです。

 

○樋口座長 

先生がおっしゃっているのは、法律的な意味でということですよね。

 

○山本構成員 

そういう意味です。

 

○樋口座長 

それは、精神保健福祉法の中での扱いがどうなっているかという話にもなってくるのだろうと思います。私たちがここで議論したいのは、もちろん法的なものはバックグラウンドとして押さえなければいけないので、それは改めてきちんと整理していただくことにします。いろいろな論点があって、広田構成員が言われたように、退院ということに障害になっているものは、本人の意欲だけではなくて、むしろ周りの家族であったり、病院のスタッフであったりということがある。そういうものをきちんと整理していって取り除かないと先へ進まないのだということはあります。

 

○山本構成員 

混乱させてしまって申し訳ありません。

 

○樋口座長 

いやいや。私がここでこんなお話をしていいのかどうか分かりませんが、実際に私どもの病院で、長期在院の方を、退院地域に戻っていただくためにどんなことをやってきたかというと、それはそれなりに意味があったと思っていることを紹介します。30年とか長期に入院していた方で、スタッフが退院の話題を持ち出そうが何をしようが、とても自分は帰れるという気持ちにもならないし、外の世界がどうなっているかも分からないしという方がかなりいらっしゃいました。その時に、ポツポツとその地域に戻られた方が23出てきたのです。その23の方が病院に来てくれて、自分は退院してみたらこうだったよという話を患者さんの中で話をする。そういうことを重ねていくうちに、「じゃあ一度見に行ってみるかな、どんな所であんたは退院して生活しているの」というようなことから少しずつ動きが出ていきました。

 それも相当時間がかかることですけれども、これだったら自分も退院して生活できるかもしれないという思いになって、徐々に移行していった。その段階で、地域にどんな支援があるのか、どういうサポートのシステムがあるのかということを本人にもお伝えする。そういうことで少しずつ進んだ経緯がありました。そういうことも含め、ここではいろいろな経験をお持ちの方もいらっしゃるわけですから、どういうことが重要なのか、その1つとして今出てきた話として、情報が十分に入っていないということもありましたし、院内のスタッフの意識をまず変えなければいけないという話も出てきています。そういう具体的なことをできるだけこの中に盛り込んでいただきたいのです。

 

○広田構成員 

良い話ですね。

 

○樋口座長 

ありがとうございます。

 

○広田構成員 

友達が行くというのはそういうことです。

 

○千葉委員 

私は、今の山本構成員のお話のところで引っ掛かっています。本人の判断能力、理解能力というものをどのように見ていけばいいのだろうか。いつも我々はそこのところで困ってしまう部分があります。柏木構成員から出していただいた資料の中にも、本人は自宅に帰りたいと。その時に本人がイメージしている自宅は何なのだろうということも考えるのです。特に認知症のお年寄りもそうですけれども自宅へ帰りたいという場合に、自分が若かりし頃の、何でも自分がちゃんとできた頃の自宅だったりするのです。

 それは認知症ではなくて、統合失調症等でも同じで、自分がまだ20代あるいは10代だった頃の、発病前の自宅だったりするのです。そことのイメージギャップ、現実にはお父さんもお母さんも亡くなり、そして兄弟が後を継ぎ、そこにお嫁さんも入り、家族がある。そこを自宅ということで帰せるのかということなのです。

 もちろんそういう情報も与えていかなければならないということもあるのですけれども、そういう例として1つ挙げました。本人の意欲を喚起するうんぬんというときに、本人の能力の要素を考えた上で、それで本人に退院のステップを考えてあげることはとても大切なのだろうと思うのです。前にも申し上げましたように、本当に一人一人違うので、その一人一人の違うものについていろいろなやり方を提供していくことが求められているのだろうと思っています。

 判断が難しい方々を、病気入院の必要性として、医療の必要度がなくなったから出ていけということもなかなかできないということで、頭の中ではもう医療は終わったのだから出てくださいと言いたいのですけれども、患者さんは退院して、その辺に行って、公園に入っていって、置いて帰ってきていいのかという話にもなるわけです。社会的入院のときにはそんな話題もたくさん出ていました。もしそのような判断が付かない人でも、入院という状況ではないようなステップがあればそこに行き、そしてそこで体験をし、またそこの中で次のステップへというようにゆっくりしなければならない人もあれば、ある程度本人にいろいろな体験をしていただいて、「どうだろうね」と言って動いていける人たちもある。そこのところの連続性の幅広いものを、こうでなければならないという一種類ではなくお話をしていただけるといいかなと思います。

 

○山本構成員 

これで帰りますので一言だけ。病院の役割というのはそういうものなのかな、というところをもう一回考えるべきだというのが私の趣旨なのです。病院がそういうことまで抱え込んでやることが病院の機能、あるいは役割なのかと。やはり、そこはきちんと整理しない以上は、地域移行と言っても、必ずしもはっきりした明確なビジョンが出てこないのではないかというのが、私の根本的な疑問で申し上げたのです。

 

○良田構成員 

広田構成員のお話にお答えしなければならないかと思って聞いていました。今回は良い機会ですのでお話します。私は、今は週に2回しか職場には出ないのですけれども、たまたま相談を受けていたら男性から電話がかかってきました。「私は当事者の兄弟です。あなたがこの検討会の作業チームなりに出ていることを知ったので是非伝えてほしいから、思いきって電話をしました」ということでした。その兄弟の方は、最近は退院退院と言って、長期入院者の退院だとか、退院を1年以内にさせるとかいろいろな話が出ていて、私は非常に心配しているのだと。

 その方の体験は、何度も何度も御兄弟が入退院を繰り返されて、その度に家の中が滅茶苦茶になる、薬をやめてしまうらしいのです。滅茶苦茶になって、とうとう御両親は両方ともがんで亡くなってしまった。今度は自分の所に来るようになった。自分の家族が崩壊するかもしれない。私は、「そうですか、大変なことだったんですね。今はケアホームとかグループホームとかありますから」と言ったら、「いや、そんなことは駄目なんです。そこに行っても実家に帰ってくるんだ。そして、大変な思いを私たちはしなければいけないんだ。大変な思いをしなければいけないことを、この状態を、現実を委員の皆さんに伝えてください」とその方はおっしゃったのです。

 私は、「本当に大変な思いをされましたね。大変な思いはお伝えします」と言ったので今お伝えしています。「お伝えします」と申し上げました。ただ、私は大変です大変ですと言っていては仕方ないので、要は、親は、どんなことがあってもかなり捨て身で子供を守ろうとするけれども、殴られても、殺されても子は子だと思うけれども、兄弟になると被害者になるのです。小さな頃から年がら年中、そういう人がいるということです。皆が皆そうではありませんけれども、そういう人がいるということです。かなり比率は高いです。

 御兄弟の会になると、皆が肩を抱き合って、「辛い日々だった」というので泣いているのです。その中で私は困ってしまうのです。そういう思いを小さな子供の頃から、親も含めてさせない精神医療をしてほしいのです。そういう嫌な思いをしないで、常にお兄ちゃんがいても、病気で大変だなと思えるような理解ができて、その人に対して敵対心を持たないような、それは苦労するからなのです、大変な思いをするからなのです。そういう苦労をさせない医療はできるはずだと思います。私はそういう例をいろいろな所で聞いています。そういう精神科医療に問題があるのだと思うのです。基本はそこです。そこがもし良くならなければ、長期入院者はなくならない。

 私がいつも言っているように、根元を断たないと、いくら出口ばかり一生懸命作っても駄目なのです。それを是非皆さんにお伝えしたいと思います。以上です、よろしいでしょうか。

 

 

 

○樋口座長 

の「退院に向けた支援」では、特に意欲の喚起が中心ですが、本人の意向に沿った移行支援も含めて、もう少し御意見を頂ければと思います。

 

○広田構成員 

野沢さんが見えたから。前回、野沢さんがいらっしゃらないときに私は、野沢さんはこのチームにふさわしくないというお話をしました。それは、毎日新聞は大新聞です。朝日、読売、毎日、サンケイ、東京中日という。そういう所の論説委員で、社説を書く人が社保審の障害者部会で御一緒したり、検討会ぐらいまではいいけれど、こういう下働きの作業チームまで入ってきてやるのは、私はいかがなものかと思い、反対しました。

 私も先月まで11年、ラジオに出ていました。ひたすら有名にならないように。いっぱい有名な人にも出てもらいましたけれど。昨年、内閣府が、「総理官邸の消費増税の意見陳述者として、60人のうちの1人」に選んだのです。マスコミ各社は「菅さんの推薦ですか」とか、「神奈川県警から警察庁ですか」とか、いろいろ言ったけれど、「ラジオのパーソナリティー」という肩書でした。しかし「私がもともと国に出ているのは、精神医療の被害者である精神医療サバイバーだから、そこに戻してください」という言いました。野沢さんがここにお出になるとすれば、毎日新聞論説委員という肩書が付いて回ってしまうのは仕方がないけれど、今、良田さんがお話になった家族側の視点で、なぜ退院をということを家族が反対するのか。

 マスコミというのは社会に対して、ものすごく影響力のある報道を繰り返してきました。精神障害者にとっては決していい報道ではなくて、不利益な報道がずっと続いていると感じています。ライシャワー事件を持ち出すまでもなく。そういう視点も含めて是非御家族の、御自分の体験も踏まえて、御家族がどうやったら安心して退院してもらえるようになるかという意見を言っていただけるなら、私は賛成せざるを得ない。しかし論説委員という形で幅広い意見と言っても、野沢さんがそんなに私より幅広い生き方をしているとは思えない。そういう形で前回、毎日新聞にとっても良くないし、野沢さん個人にとっても良くない、この委員のメンバーの力量がないと思われても良くない、私も不可解ということで、私は反対しておりました。

 

○野沢構成員 

何かお答えしなければいけないですか。

 

○広田構成員 

お答えというか、そういう視点で言ってくださるなら。私は1人で出ているけれど、10人前ぐらい発言してる。海外へ行っても本音で話しています。今まで13年、国の委員をやっています。全家連から始まって、家族会の方が地方自治体でもお出になっているけれど、本音を言わない。言えてない。そこのところを立体的に、家族の思いとか、こういうようになれば家族は安心できるとか。そうしたら私が「いや、そうじゃないでしょ」と突っ込めるけど、良田さん一人には突っ込めない。野沢さんなら突っ込めるじゃないかということですよ、もし出るとしたら。

 その辺の野沢さんが持つアイデンティティーで出るなら、それは賛成せざるを得ないけれど、飽くまでも「大新聞の論説委員として出て幅広い」と言ったら、いや、幅広くないでしょということです。いろいろな人が言ってきますよ。「野沢さんと大熊由紀子さんが千葉にやって来たときに、入り込み過ぎていた」と。私のいろいろな議事録を読んだ千葉県の職員も相談に来たのです。「千葉の当事者に」と言ったら、「当事者としてじゃなくて、あれだけ大新聞の論説委員を向こうに回して切り込んでいける広田和子さんに聞いてほしい」と横浜まで来た。そういう野沢さんの持つ肩書によって発言のインパクトになっているということです。それだけのことを御本人の前で公にしておかなければいけないと思いました。マスコミ人はペンや報道で勝負すべきで、作業チームまで入ったら、先輩マスコミ人のように言われてしまいます。

 

○樋口座長 

これは広田さんからの御要望であるという。

 

○広田構成員 

それを受けて厚生労働省が入れていると多くの人は受け止めています。野沢和弘さんの人柄ではなくて、肩書もあるということです。それはマスコミが取材に行ったときに対応する公的機関の関係者たちも同じだと思います。それを陰で言うのは嫌だから言っておきました。

 

○樋口座長 

時間が大分過ぎてきましたので、少し議論を進めましょう。今の「退院に向けた支援」の特に本人の意向に沿った意向支援として、前回出していただいた御意見がそこにあります。地域生活のトライアル機会の充実と、病院内の支援者への地域における各種サービスの周知というのが、前回出されております。これに加えて、更にこういったものを是非加えていく必要があるのではないかという御意見がありましたら、お願いしたいと思います。

 

○倉橋構成員 

資料2の図の2にあると思います。先ほど千葉構成員からもありましたとおり、以前のイメージのままで「あそこに帰りたい」と言っても、もう帰れない状況がありました。これは介護とか、そういう場でも全く同じことが起こるのです。例えば、介護であれば自宅を改造するなり、ヘルパーなり何なりの支援者を付けることで解決するという方策が、一般的にやられているわけです。そのような実現可能なモデルを提示すると言いますか、そういうことが介護分野では、ケアマネージャー等を介してやられているわけですので、それと同様に。この資料の図を見ますと、トライアルをし、サービスを周知するというところまでしか書いていません。ですから実際のサービスをよく知っている人間、これが誰かというのがまた難しくなるとは思いますが、そういうモデルを提示するような方策があるとよろしいかと思います。本人の身になって考えて、本人に適したモデルを検討して、提示できるようなものが望ましいという意味です。

 

○樋口座長 

いかがでしょうか。

 

○伊澤構成員 

意欲喚起について、もう少し丁寧にお話をしたほうがいいのではないかと思っています。先ほど樋口座長からも、とても長い入院の方たちに対するアプローチとして、そのときにピアスタッフの関わりなどが非常に有効であったと。

 

○広田構成員 

ピアスタッフと言うより、友達でいいのではないですか。

 

○伊澤構成員 

それもそうですが、いろいろなレベルがあると思います。そういう方々の動きというのは非常に有効で、実効性があると高く評価できると思います。実際に私どもも何人かのピアの方たちと一緒に動いています。東京の、精神科病院が世界一密集している西多摩の青梅市という、人口万人対169人という、ものすごく大きな病床のあるエリアなのですが、そこに一緒に入り込んで、30年、40年の人たちともお付き合いがあるわけです。やはり実際に今、街ではこのように暮らしていますよ、あなたもどうですかというお誘いが有効です。生身の情報というか、本当に暮らしの生きた情報ですから。こんなふうにやれば、こんなプロセスをたどれば、こんな暮らしが手に入るのですよということをお伝えしながら、徐々に気持ちを前に向いていただく。

 しかし最初、皆さんは腰が引けていて、ちょっとでも「退院」などという言葉を出せば、「もう私に近寄らないで」「私はもう一生ここでいいの」という言葉が随所に出てくるのです。ですから「退院」という言葉を出すのも、よほど関係ができた上ででないと出せない。だから、そこに至るまでのアプローチには相当時間を要する。そこも含み込んだアプローチの仕方を保障していくような制度を、ちゃんと考えなければいけないと思っております。

 前の政権の平成24年のときに、事業レビューの仕分けで、コーディネート事業が縮んでしまいました。あそこを境に全国で展開し始めていたピアの人たちの活動が、ちょっと衰えてきていて、それが個別給付のほうに移り替わっていく、乗り替わっていく。個別給付の中でピアの活動が見られていくと見られていたのですが、個別給付の中からその活動を生み出していくには厳しさがある。というのは、個別給付の支援対象者というのは、前を向いた人たちなのです。その前の段階の人たちに対して、どうアプローチするかということが問題ですから、そこはやはりしっかりと見ていく。元の事業を私はとても高く評価しているし、なぜあれがしぼんでしまったのか、非常に腹立たしいのです。50数年来続いた長期入院の構造が、たった6年ぐらいの実践で安々と評価されてたまるものかと思ったりもしました。あそこを再評価かつ拡充していくような方向なども出していくべきではないかと、強く思います。

 

○野沢構成員 

遅れてきてすみません。広田さんの温かい助言と忠告に感謝しつつ、せっかく来たので発言させていただきたいと思います。

 私は、知的障害の方々の入所施設に長期に入られていて、地域に移られてきたという過程を幾つか見てきました。知的と精神は違うと言われればそうかもしれませんけれども、やはり最初はみんなすごく躊躇するし、嫌がるというか、遠慮して声を上げないのです。ところが一緒に施設の中で生活していた仲間が、地域に行ってその姿を見る頃から、結構変わってきたりするのです。何より一番いいのは、実際に自分で地域に出てみて体験することが、結果的にその後の御本人の考えが劇的に変わっていくのです。

 最初に一番抵抗するのは家族です。精神の方と家族の関係は、多分違うと思うのですけれども、知的の場合は親が非常に抵抗します。ところが実際に外に出てみて、本人が地域で暮らしている様子を見ると、家族の意識もガラッと変わるというケースが、結構当たり前にあるのです。しかし、その過程は非常に長くかかりますし、1回の意向調査で「嫌だから」と言われてそこで終わってしまったのでは、なかなか進まない。何度も行ったり戻ったりしながら、本人が体験したりいろいろな情報を得たり、仲間の様子を見たりしながら、だんだんだんだん気持ちが固まっていくという様子を見ています。ですから、ここはいろいろな選択肢を持って、いろいろな方々が関わりながら粘り強く見ていくことが前提ではないかという気がいたします。

 

○千葉構成員 

先ほど良田さんがおっしゃっていたことにもつながるかと思いますし、退席された山本さんもおっしゃっていましたが、病院がはっきり医療の提供だけに特化できれば、非常にすっきりはできます。医療提供者側としては、そちらのほうが大変ストレスもないですし、有り難いし、負担もない。しかし現実にはそうでない方々をたくさん抱えてしまうことになっています。

 例えば、一番重度のところで言えば、医学には限界がありますし、精神医療が進歩してきた、薬も良くなったとはいえ、治らない方々もあるわけです。治らないので、もう退院してください、入院していても意味がありませんということです。普通の脳卒中等の脳血管障害等ですと、麻痺を起こしました、命の危機は去り、リハビリも頑張って6か月行いました、でもこれ以上リハビリをしてもリハビリ効果はありませんという状態になったら、退院してくださいという形になるわけです。その辺と比較してみると、精神科の入院治療というのは、その辺りのところですっきりと、退院しなさいとは出せないことがあると思うのです。出せない理由というのが、反対側のほうの受皿であったり、このまま出したら生活がかなり困るだろうといったようなことです。その程度が重ければ重いほど、出せないところがあると思います。

 ただ、一方で何でもかんでも、そういう人たちを御家族の要望どおりに入れておくわけにはいかないだろうと思うのです。良田さん等、家族会の方々にもお考えいただきたいと思うのは、それは精神医療が悪いのか、それとも社会としてのシステムが悪いのか、御家族の要望を全部病院へ、医療へと全部持ってこられてもどうなのだろうか、それは筋違いだと言わせていただきたい部分があるのです。本来、そこのところは地域福祉や世の中のシステムに持って行って、そういうものをちゃんと構築する、作り上げていただく方向に行っていただくことが、精神科病院の医療にきちんと特化していけることでもあり、御家族等が個人で負担を全部浴びているのではなく、社会全体が負担をみんなで見ていくシステムにするということにもなると思うのです。

 そういうことから今ここで是非やっていただきたいことは、病院でどういうと言うより、外でどういうことをというのをまず大前提に考えていただき、そこへ持って行くにはどうしたらいいかということだと思うのです。もちろん、そう思っているわけではないのですが、極端なことの中から考えさせていただければ、病院のスタッフは地域移行など考えなくてもいいのです。医療が終わったら出て行っていただければいいのですから。治療をして医療的な関与の必要性がなくなったら、入院をやめればいいのです。後は地域のほうでどうするかという問題です。そういうようにすっきりしていけばですよ。これは恐らく、将来的に1年以上の入院をつくらない仕組みの中のそのエッセンスなのだろうと、私は思っています。治療的なことが終わったら、入院はもうやめるということで、後は社会的に支えなければならないことがあるのだったら、それはそういう側の問題で、病院のスタッフはそこまで考える必要はないと言えば、そういうようにすっきり整理されるのです。極端な話ですよ。

 ただ、現実には今もそうではない人たちをたくさん持っていて、この方々をどのようにという移行期に当たって、病院のスタッフもそこを一生懸命やっていかなければならないということがかぶってきているのです。踏まえていただきたいのは、本来的にそれは病院スタッフの負担にすべきものなのかどうかというところです。そこだけで済むかということを考えていただきたいと思います。

 

○良田構成員 

私の言ったことが、ちょっと極端な言い方をしてしまったのかもしれませんけれども。

 

○広田構成員 

そんなことはない、そんなことはない。

 

○良田構成員 

私は決して病院の医療が悪いと言っているわけではなくて、地域医療も全て含めた精神科医療の在り方が、うまくいっていないと思っているのです。確かに病院でいろいろやったけれども、あの薬もこの薬も試したけれども、良くならないから引き取ってくださいと言われて、家庭に引き取る方はたくさんいらっしゃいます。でも、それは本当に大変なことなのです。病院で「もう駄目だ」と言われた人を、素人の家族がどうやって見るのですか。本当に皆さんに伺いたいです。日本という国はそういう人のために、その家族に対して何の援助もないのですよ。

 クリニックの先生だって、「とにかく薬を飲ませてください。来させてください」と言うだけですし、ほかの病院も皆さんそうです。地域の人たちは「そんなに病状が悪いなら、こちらは関わり切れない」とおっしゃるだろうし、誰も関われないシステムなのです。では、家族はどうしたらいいのですかということです。そのどうしたらいいかということが、解決されるようであってほしいと思うわけです。広田さんなどは余り賛成されないかもしれないけれども、我々家族会としては、ともかく医療は待っていないで来てください、何かあったら来てくれるシステムを作ってくださいと言い続けているのは、そのことが非常に大きな1つの原因でもあります。

 

○千葉構成員 

私も言葉足らずだったかもしれません。何かあったというその内容にもよるのですが、病状として何かあったときに介入していくシステムというのは、当然広田さんもよくおっしゃっているように、精神科救急の問題として、どういう形を作ってアプローチをするかということなのです。その問題と入院要件、医療的に治療を行う要件がなくなった、あるいは低くなった場合にどうするかという問題とは別です。そこを分けて、そこの部分は精神医療ではないですよというところを、しっかり主張していただきたいと思うのです。全部を医療にと言っても、医療はそこまで守備範囲ではないというところを、分かっていただきたいと思います。

 

○良田構成員 

それはもちろん分かります。それは恐らく医療の方も地域の方も、当事者を預かる家庭の中を想像できていないからだと思うのです。必ずしも症状がどうこうではなくて、本当にその方が生活をしていくために様々なことを言い、様々な支えをしというように、様々な世話が必要なのです。私は大した経験はしていませんが、やはり結構大変だなと思うことはあります。その問題を相談したり誰かに言ったり、こうしたらいいんじゃないかというアドバイスをもらったりすることもできないのです。

 ですから医療もある。それは福祉かもしれないし、リハビリかもしれないし、どう分類するのか分かりませんけれども、家庭内の様々な出来事、例えば不安が強くて「お母さんが外出するのも絶対嫌だ」と言って、どこへも行けない状態になったらどうするか。病状に付属するいろいろな問題が出てきて、それに対応するのが家族にとってはとても大変なわけです。ですから、それを家族会だけではなくて、専門家の方も含めていろいろな相談に乗ってくれたり、アドバイスをくれたりという支えや関わりです。私は前に言いました。家族は入院をさせたがっているのではないのです。要するに支えたり、専門家の方に関わったりしてほしいのです。みんな逃げてしまわないで、関わってほしいというのが本音です。

 

○樋口座長 

ちょっと待ってください。後半がありますので、前半の議論はあと5分ぐらいで終えたいと思います。発言していらっしゃらない方を優先的にいきましょう。

 

○柏木構成員 

帰るので申し訳ございません。では、言いたいことを言いたい放題言わせていただきます。本音は、現場のワーカーですから、千葉先生のお話も良田構成員のお話も本当によく分かります。精神科病院をまるでチリ箱のようにされてきたということで、私も悔しい思いがありますし、私の経験では、御家族は必ずしも本人に寄り添っている方ばかりではなかったです。私の場合は長く、家族は敵ではないかと思っていた時代もありました。それには、もちろん家族のいろいろな事情があってそう来たのだろうと。それはシステムの問題であったり、精神科医療の問題であったりということで、家族個人の問題ではないというように、今は理解していますが、私たちにとっては社会復帰させるための大きな壁は、やはり家族であったとは思うのです。でも、それは日本独特の家族に対する大きな依存の問題があるのではないかと、今は思っています。

 それは置いておいて、「退院に向けた意欲の喚起」については、山本構成員がおっしゃったように丁寧な関わり、千葉先生がおっしゃった百人百様の関わりというのは、プロセスの中で絶対に大事だとは思いますが、基本線としては本人が退院したくないと言ったようなことを認めることを前提に話し合えば、必ず退院しないと思っています。これは冗談で言っていたのですけれども、例えばうちの開放病棟にいる人たちに突然、「今日からこの病棟は病院じゃなくなりましたよ。お部屋になりましたよ」というようなことを言ったら、そうなんだ、退院したんだみたいな形に逆になるかもしれないという気持ちもあります。それには本当にたくさんのプロセスが必要だとは思いますが、やはり退院に向けた意欲だけにこだわってやり続けると、それにつまずく人もいれば、「やっぱりやめますわ」と言う人たちもいると思うのです。ですから方向性の中で、退院はもう前提なのだよという形で、意欲喚起を丁寧にやってもらいたいなと思います。

 

○岩上構成員 

「退院に向けた意欲の喚起」に限ったことであれば、先ほど伊澤さんがおっしゃったように、地域側から働きかけるとすればコーディネーター機能などが必要であると思いますし、地域相談支援は、ご本人が手を挙げてからでないと外の者は関われないので、迷っている段階から地域相談支援を使えるサービスにしていただければいいと思います。本来は医療機関の中の支援でだと思いますし、今回の法改正以降は、退院後生活環境相談員等がその役割を果たすことができると思います。問題は1年以上入院されている方で、その方々に医療機関できちんと関われるような財政的な支援が必要ではないかと思います。

 多分、退院意欲喚起についてはそういうことですが、社会的入院がどうして増えてしまったかという中で、もっと大枠で考えておかなくてはいけないのは、精神保健福祉法がいまだに医療と保護の法律になっていることです。この保護の解釈を広げたのは国ではなくて国民だと、大分前の厚労省等の話合いで私は言われたことがあるのです。

 

○広田構成員 

どういう意味。

 

○岩上構成員 

保護というのは元来、医療が必要な人を「医療的な保護が必要だ」ということと連動している言葉で法律上は使っているけれども、保護の中には、さきほどの話のようにお金がないから病気は大分良くなっているけれども、まだ入院していたほうがよかろうかとか、家族が反対していて病気が悪くなるといけないから、入院していたほうがいいのではないかという考え方が以前は無きにしも非ずで、長期入院の方が増えたのではないかと思うのです。国の考えはそのように解釈を広げたほうが問題であって、法律的に問題があるということではないという意味です。しかし法律の解釈が広がってしまったとすれば、そこはきちんと医療のための法律にしていかなければいけないのではないかと思います。

 もう1点は、地域移行に向けた話をして、良田さんがおっしゃったように、家族のサポートも是非必要だと思うのですが、これだけを今後議論していても、多分何も変わりません。先ほど、病院はベッドが空いていれば入院させるというお話が広田さんからありました。ですから、きちんと適正な病床にして、診療報酬も一般化していただき、人員体制も整えてというように、このことは前々回の検討会から出ているとおりだと思うのです。そうのうえできちんと人員も地域にも移行できるような手当を考えないと。もちろん、御本人の支援で地域移行を考えるのですが、これはもう10年も前からやってきていることなので、またここだけを考えても進まないと思います。ですから人員の地域移行と、もう1つは親会議の検討会で出ましたように、病院の構造が変わっていかないと、変わるための手立ても考えないと、病院があれば人も雇っていますし、入院が必要な方には入院していただく構図は変わらないので、今回の地域移行について考える上では、必ずサポート体制と受入れだけでなく、そこで働く人をどう地域移行していただくのか、あるいは構造をどう変えていくのか、必要なサービスは何があるのかといった議論を次回以降、ここに加えていただきたいと思います。

 

○樋口座長 

少し時間が予定より超えてきましたので、もちろん「退院に向けての支援」については、に戻っていただくのも結構ですし、それとも連動してくる部分もありますので、取りあえずの「地域生活の支援」に重点を、論点を移していきたいと思います。もちろん、これはが密接になって、今の話のような議論がありますので、そちらに立ち返っていただくのも結構ですが、一応整理をする。今度は「地域生活の支援」という視点で、どういうことを議論したらいいかという、作業チームとしての御検討をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 

○広田構成員 

岩上君らしいと思い、今お話を伺いました。相変わらず福祉のハローワークだなと。私は、「今度こそ」と昨日、仲間に電話で言ったのです。今度こそ何かというと、平成16325日、ちょうど10年前、小泉純一郎さんの所へ行きましたが、「広田和子さんは、現役の精神障害者ですか」と官邸から厚生労働省に電話が掛かってくたそうです。「現役です」、「現役の精神障害者を内閣総理大臣に会わせるんですか」というような局面もあったそうです。厚労省は、「精神障害者、精神障害者と連呼するけれど、そんなに人柄が心配なら神奈川県警本部長にでもお伺いしたらどうですか。広田さんは、多くの著名人たちとも交流ある人ですよ」と答えた。そして、本部長は、「広田さんは話が好きな人だから、何を小泉総理に話するか分からないけれど、例えば交番のお巡りさんのことをとてもよく理解して、応援しているような人柄ですよ」と答えたと伺っています。

 そのときに、私は小泉総理に社会的な入院の話もしています。ケネディ大統領のお嬢さんが駐日アメリカ大使館にいますが、「アメリカではホームレスを生んでしまったから、日本はそうならないように予算を付けていただきたい」というお話もしています。だけど、それは政権交代したりしても10年間たって全然、実現できていない。そのときの資料を前回ここでお配りしたのに皆さん読んでいないから、こういう話が展開しているのですが、そのときから私が声高にもっと言っておかなければいけなかったのは、1に住宅。今度こそ住宅。ホームレス支援で相談支援ばかりあっても仕方がない。1に住宅。我が家に来ていただければ分かるけれど、私の家はすてきな家だから、いろいろな人に支えられて、駆込み寺もやっている。福田課長と今、WHOに出向している美人補佐も家に来た。南警察署まで行って、警察の現場で働いている人たちと本音で意見交換しました。そういうふうに多くの職種の人も来ています。事例はいっぱいありますが、警察、消防、医者、広田和子。その中に「私がいるから大丈夫」という人が1人いたから「助かった」ということは多々ある。家族でも、医者でも、スタッフでも、友達でも、私のような人でも、ということが1点です。

 そんなことは日常茶飯事で、社会の中を回っていたら、いっぱいあります。この間、ある警察に行っていたら、涙が出るほどの御家族に会いました。事情を聞いたら、「警察に電話掛けざるを得ない。今の時代は家族が騒ぐよりも、近隣が騒ぎます。」その背景は、マスコミ報道。特に神奈川県警は叩かれているから、110番入ったら行かざるを得ない。ゴキブリが出た関係で、老人が窒息死とかあるかもしれないと想定して、お巡りさんは行きました。自分たち鬱、神奈川県警の課題です。「1日、通信指令官になって・・・」ということで、4年前に制服を着て3時間、通信指令室にも入っていました。10年以上前には真夜中に、パトカーのチャートも見てました。

 そういう中で、いろいろ総合的に判断すると、野沢さんに、「親の役割をしてね」と言いましたが、野沢さん。会場に見えているマスコミの皆さん、日本のマスコミ報道を変えないと、精神障害者が退院に向かうとき、報道が障壁になっています。それから、地域生活の支援といったときにも、一番の問題はマスコミ報道ですよ。これだけ男を叩き、教師を叩き、今日、午前中、離任式に小学校へ行ってきましたが。警察官を叩き、いまだに。神奈川県警は叩かれている。現場に16年間から張り付いていますから、実態を理解しています。精神病院に入院して本人が良くなって戻ってくれば、家族もOKなのです。本人もOKです。行った時に、トラウマを抱えるような精神医療が厳然として存在しているんですよ。今日は珍しく岩上君が現実的なことを言った。診療報酬が安いとか、スタッフが少ないとか。今日は珍しい人ばかり、本音大会。厚生労働省はどこかから圧力が掛かっているのと聞きたいぐらい、精神科の診療報酬を上げてない。

 ほかの医療と同じような国民の精神科医療に今回こそしないと、マスコミ報道で今や日本が危うい。社保審のほうの議事録に出ていますが、ストーカー法とDV法と南北問題の女性、法務省も頭を悩ませる様な現実がある時代の中で、精神障害者が安心して退院して行けない。マスコミ報道、それが最大の障壁ですよ。それが家族にも負担がかかっている。近隣が110番通報したら、必ず行ってかかわらなければいけない、警察官の負担も大きい。社会的な背景が大変だということです。

 

○千葉構成員 

総論をしっかりと広田さんからお話をいただいた。ちゃんと前回のは読ませていただいています。今の退院に向けた支援と地域生活への支援というように、事務局で分けていただきながらなのですが、今回のこの中のメインターゲット、ターゲットという言い方はあれですけれども、対象として考えるべき方々というのは、もう軽度な方々ではないだろうと思っています。長期入院をしている軽度の方々についての支援の方法は、かなり頑張って今までもやってきていますし、そのようなところの受入れのほうとしても、かなり成熟してきている部分があって、お願いできるところがたくさんできてきていて、そこの部分はそれほど大きな部分ではなくて、問題なのは中等度ないし重度の生活のしづらさ、生活障害等、あるいは幾ばくかの問題行動等をお持ちの方々について、今までのサービスや支援の在り方、退院のプッシュの仕方では、なかなかうまくいっていないという方々に対して、どうやってそれをより一層、手段を考えようかということが、この検討会の大きな対象者であり、目的であろうと考えているのです。まずは、どういう場所なのか。住処の問題とおっしゃっていただきましたが、場所の在り方としてのハードウェアの問題、それからどういう援助をしていけばいいのかというソフトウェアの問題、あとは関わる人たちがどのような人たちであるべきかというヒューマンウェアの問題なのだと。それをここで整理していただいたような属性に応じて、どのように組み立てていくのかということが、ここで最終的に、できたら形を作っていただければと。親の検討会で終わったときに形ができていればいいのかなと思います。

 やはり中等度、重度の方々をそうしていくということは、私は思っているのはステップの高さが大きいと壁になってしまって、なかなか行けないというのを感じているので、より細やかな、重い方をそのように何とか地域の中でうまく生活のペースに乗せていくことを考えた場合には、非常に緩やかな、できればスロープのような緩やかさがほしいと思いますし、それも長い時間がかかることも踏まえた形を考えてほしいと思うのです。

 ですから、段階の多段階さ、多様さということと、時間ですね。今までの移行の時間は、2年トレーニングをしたら、さあ、あとはどうぞということで、現在の生活訓練施設は3年に延ばしていただいたのですが、平成24年に移行して、今3年を迎えようとしていて、「今まだどうしても能力が習得できないでいる方々をどうしようか、もう退所が迫っているんだけど」という問題が起こってきているのです。重度の方々にとって、その3年というのがどうだったのだろうかということも含めて、そういうもう少し長いスパンで継続的な支援をしないと、能力の獲得や移行ができない人たちがいるということをどうするのかということを考えていただきたいのです。今のほとんどの移行のシステムは、そういう意味では全部短いのです。軽症者用にできているという言い方をしていいと思います。

 ヒューマンウェアをとってみても、もっと専門的な方々が関わっていく必要がある。常時関わっていなければならない。相談支援も含めて、精神科的な看護支援とか、そういうものも含めて、びっちりと厚みを増さないといけないのではないかということがあると思うのです。住む場としてはどうなのだろう。どういうアイテムがあればいいのだ。個室であるとか、外のいろいろな方々が出入りできるようなスペースがあるとか、その要素はどういうものであるのかといったところを、まず検討していただくのが実になるのかなと。

 もちろん、そのほかで地域全体、生活を支える福祉システムとしてどういう支援が必要なのかと。あるいは、外部サービスとしての訪問ヘルパーだの、サービスはどう使えるのかなどといったことも組み合わせていただいて、今までの障害福祉サービスの知的障害や身体障害にはないサービスが、今求められているのだろうと思うので、そこのところについて、もう少しまとまった話になるといいのかと思います。

 

○岩上構成員 

千葉先生に2つお聞きしたいのですが、1つは精神領域で中度、重度の方で退院できる方のサポートとして、どういうサービスが必要なのか、もしお考えがあればお聞かせいただきたいです。もう1つは、高齢者の方で、今日のPSW協会の資料の中でも、既存のサービスで使えるとしたらこれを使いたいなかで、特養とか老健とかが出てきているのですが、病院の立場として、現在入院している人を、もう既にそこに移行させているのか、それとも既存の老人系のサービスだけだと使いにくいのか、その2点を教えていただけたら有り難いと思うのですが。

 

○千葉構成員 

前段のほうは、正にここからここで議論をしていただくべきだろうということで、私がイメージとして持っているのは、現在のいわば地域生活をトレーニングしていく、あるいはそこに順応していくには、余りにも短すぎると。よって、そこを終わったら再入院になってしまうという現象まであるぐらいですから、それはもうちょっとスパンとしてしっかり長い目で見て、計画的に関与をしながら、世の中になじんでいただくことを考えられるような施設が必要だろうということを考えています。

 もう1つの65歳の話ですが、介護状態になれば、介護サービスを受けることができます。それは介護認定を取らないといけない。先ほどの柏木構成員の資料の中にも、認定を受けている、受けていないの話がありました。ないのが当然だと思います。介護サービスというのは、介護サービスを必要としたときに認定を受ける。それは一般の方々でもそうなので、受けるかもしれないからといって、介護認定を受けておくというのはちょっとないのです。だから、あのデータはそうだと思いますが、同じように病院協会でも、現在の日本の精神科病院の中におられる介護状態の方々がどのぐらいいるのだろうかという調査は行っています。その辺は5万人程度、要介護1から5までの間を取れば、そのぐらいの方々がおられるのですね。その方々については、精神科病院という医療サービスではなくて、介護サービスが適当であろう。もちろん、その中にも精神症状が悪くてという方々も、かぶってはいますから、全てがその分の数にはなりませんが、介護サービスが受けられるのだったら、介護サービスのほうが適切であるという方々がかなりの数、現在でも精神科病院の中に入院している。

 そういったところから、病院協会としては精神療養型の介護、老人保健施設を作らせてくれと。ものの見事に老健局から蹴られましたけれども。そのような財源問題からすれば実現が難しいということになると思います。ただ、そういう方々を介護サービスの施設にお願いをすると、病状が悪くなって帰ってきてしまうのです。それはやはりちゃんとした病気のほうの管理もしていただきたいのです。そんなに難しい管理ではないと思うのですが、そこの部分が慣れていらっしゃらないということがあって、また何か月かすると入院に戻ってきてしまうという例を、かなり我々は経験しています。なので、その辺のところでは介護サービス側のほうにも受け入れやすいような仕組みが必要なのかなと、そういうことは考えています。

 問題は介護サービスを受けられない体は元気なお年寄り。体は元気だけれども、生活能力的にはという方々についての生き方ですね。この辺のところは高齢者住居の中で考えていただく、住宅型の有料老人ホームであるとか、いわゆる今のサービス付き高齢者向け住居、サ高住と呼ばれているものとか、国土交通省施策の中で出てきている。ただ、やはり規格が大きいので、サ高住だと25平米ですか。有料老人ホームの13.5平米か13.4平米かと比べて広いのです。贅沢すぎるのです。よって、アパート代といいますか、入居費が高くなるのです。これをもっと低廉にする、あるいは何らかのそういうサポートをする費用を出していただけるような施策。老健局は何でしたか、地域善隣事業とかいう形で、低所得者の方々がそのように住める事業、あるいはそれに対する住宅補助の事業みたいなものを検討されている。結構詳しいでしょう。

 それを精神のほうにも考えていただくとかいうことによって、逆に言えば、別に精神の障害が有無にかかわらず、65歳以上だからそれを使えないことはないというか、高齢なら使えなくはないと思うのですが、そういったものをコンビネーションしながら、あとはいわゆる訪問サービス等でしっかりと、あるいは医療であれば訪問看護、生活上のことであればヘルパー、訪問介護ということで支えながら、あるいは日中デイケア、あるいは何かの活動的なことということで、支えきれなくもないのかなとは思います。

 

○野沢構成員 

地域生活の支援という所で、先ほど良田さんの発言の中で、相談する人もいないというお話があって、それはすごくよく分かるのです。虐待されている、あるいは家庭内虐待の現場に行っても、こんなひどい目に遭っているのに、どうして誰にも相談もしないんだというような、できないんだというケースがいっぱいあります。それはすごくよく分かるのですが、片方で制度として、相談の窓口はこの間、結構作られてきているのです。障害者のサービスについても、相談支援は法律の中できちんと位置付けられたり、あるいは虐待だって児童、高齢、障害、いずれも市町村に相談窓口がありますし、今度は生活困窮者支援センター、福祉事務所がある所に全部、そういう相談窓口を作っていくと。あるいは差別の解消法だとか、条例を持っている所でもいろいろな相談があるのですが、これが余り機能していないかもしれないですね。機能していないという声をよく聞きます。

 何で機能していないのかなと思うのですが、人材が圧倒的にいないのではないかと、最近そんな気がするのです。アイテムはそろってきているけれども、本当に人材がいなくて、地方に行くと、社会に出て2年目ぐらいの子が窓口に1人でポツンと座って、5時になると帰っていくみたいな、これでは全然、実質的な相談支援というものにはなっていかないのではないか。相談支援でなくてもいいのですけれども。

 何でそうなのかなといろいろ思うのですが、暮らしにくい思いをしている障害がある人が、地域での生活をする。それぞれどのような人材が支援していくのかということを考えていくと、大学や専門学校等で教えられている人材育成の教育では、とても足りないと痛感します。何が現場で働く支援者に必要なのかといえば、例えばコミュニケーションが非常に難しい人の思いを推し量っていく「感性」だとか、「洞察力」だとか、あるいは家族や近隣や行政と「交渉する力」だとか、「コーディネート力」だとか、あるいは「忍耐力」とか「平静心を保っていく力」だとか、あるいは「度胸」だとか、そういうほとんど制度にはなじまないインフォーマルな部分での力みたいなものが一番必要になっている。そこを誰にも教えてもらっていない。ここをどうしていくのかというのが、一番、喫緊の課題ではないのかなと、最近そんな気がしているのです。

 これは一体、誰がどこでどうやって教えていくのか。山上さんとか、いろいろな試みをされている人たちがいらっしゃるのは分かりますが、量として圧倒的に制度に見合うだけの量は足りていない。これまではどちらかというと、こういう制度は作ってきましたと。あとの人材育成は、どちらかというと事業所にお任せして、研修などはやりますけれども。もっともっとこの辺をもう少し踏み込んで、本当に力になる人たち、地域で支えられる人たちを作っていく工夫とが必要なのではないかと痛感しております。

 時々ですが、ずっと一線の会社勤めとか役所勤めをして、その後シニアになって福祉の仕事に入ってきている人たちを見ると、結構、素質といいますか、そういうのを持っている人たちがいます。例えばある会社で、お客様の苦情対応をずっとやってきた人などは、どんな理不尽な苦情を言われても、それに耐えて、何とか納得していただくようなことを、夜中でも明け方でも、電話があれば対応するみたいな。そういう人の力が、もっともっとこの分野に必要なのではないかと。まず、人材を確保していくこと。そして、この分野に入ってきた人をどうやって育てていくのかという、このあたりを考える時期というか、考えなければいけないのではないかと、そのように思っております。以上です。

 

○伊藤構成員 

このイメージ図ですが、大変分かりやすくて、やはり皆さんおっしゃったように、スロープをなだらかにしていく、又は住む所を考えていくという意味では、この地域の部分をどのように厚くしていくかということが大事と、改めて感じました。もう1つは、この図では、精神科病院から地域への矢印が付いて、つまり病院から押し出す流れが明示されています。そういえば、地域から病院に引っ張る反対の矢印がないなと思いながら見ておりました。

そして、地域から病院を引っ張る矢印には、どのようなことができるかを考えていまいした。最近いろいろな支援、訪問看護もありますし、介護生活環境相談員、いろいろな枠組みが出てきています。今ある枠組みの中でも、あらゆる可能性を考えるという観点から、例えば地域の側の施設の出張所みたいなものを病院側にできないかと思っていたところです。

 そうしたところ、22ページにサテライト型住居というのがありました。これは地域の中で別の所にサテライトを作るわけですが、いわゆる住まいを病院側に、サテライト型に作っていくような枠組みはできないのでしょうか。できないのであれば、どんなハードルがあるのか、このあたりを是非事務局から伺いたいなと考えた次第です。ご回答は次回で結構です。

 

○広田構成員 

国民が聞いて分からない。非常に難しくしている。野沢さんは、やはり相談の話をしている。私はPSMの国家資格に賛成した唯一のユーザーですが、あれは社会経験を5年とか10年、積んだ人にしないと。22歳の人が社会のなんたるか何も分かるはずがない。特に日本の大学生は質が低い。社会でかつての私のように、税務署からも絶大な信頼と信用を受けるぐらいの有能なキャリアOLとか、キャリアサラリーマンがこの業界に入ってくるならともかく、どこの業界に行っても駄目だなと思う人のオンパレードで、最近そういう人と話すと疲れるのと、貧乏多忙で、私の電話代は3分の1に減って、誰にも電話しないので、OL時代のように自分で判断している。そうすると、快適ですよ。フランス人の生き方とかを読んでいると同じです。孤独が最大の宝とか、そういう本を100円均一で買ってきて読んでいるのですが、シンプルに考えたほうがいい。

 精神障害者の長期入院とか社会的入院だからこうではなくて、蒲原さん、井上さん、辺見さん、北島さん、福田さん、尾崎さん、うつ病になって、みんな入院する。2年、3年、治せない日本の精神科医療、これかなと分かるわけですよ。5年ぐらいいて、奥さんにも捨てられる、夫にも捨てられる。それで、みんな兄弟から嫌がられている。そこに厚生労働省で出会った人が、「自分も落ちぶれて、最近はこんな感じなんだけど、ちょっとホームレス寸前なんだけど、4畳半1間に住んでんだよ」と言ったら、「あっ、それなら俺も退院できるかな」と、こういうことなのよ。他人事に考えるから分かりづらい。そうよね。会場の中で、そこのイケメンのあなたが一番反応がいいから。反応がいいということは。話が伝わっているということです。

 国民が分かるような議論にしたほうがいい。私は1に住宅。例えば社会的入院であれ、1年以上であれ、親の所へ帰そうとするから負担になる。2にホームヘルパー、相談じゃない。買物に行って、ご飯を一緒に作れる人。今だったら消費税、上がっちゃった。私はあんなに反対したけど、新聞各社、社説で賛成していましたからね。それが3%どころか、もっとすごい上がってしまっています。そういう中で、私だと業務スーパー2か所入れて、8か所のスーパーマーケットを歩いています。そこへわざわざ買いに行くのではなくて、通ったら必ず寄る。○○○円で1キロの焼きそばを買ってきて、今日も食べてきたとか、そういうことです。そういう生活の知恵をたっぷり持った、プライバシーを守れるホームヘルパーがいて、私のようなそれなりの快適な家があって、近隣と「今日は天気がいいですね」、「お花がもう散っちゃいますね」、そういう会話でいいのよ。私は「元朝日新聞論説委員の大熊由紀子さんは、厚生労働省の○○○だから、広田さん!気をつけて」と聞かされてきましたが、大熊さんは、「精神障害者のノーマライゼーションは衣食住。プラス医です。それから、コミュニケーション能力。それから愛。」私も今、恋愛しているけど。「それから、その上にプライドと社会的貢献。」といい話もされています。私が良田さんに率直に申し上げたいのは、良田さんには家族のニーズを発言してほしい。

 厚生労働省は私を入れるまでは、当事者を入れられなかった。「誰を入れても関係者に潰されるから、入れるな、入れるな」と関係者や医者が言ってきたということを谷中輝男さんに聞きました。だから、家族が代弁者になっていた。でも、先ほどの柏木さんの話を持ち出すまでもなく、私の母との関係もそうです。弟に言わせると「史上最悪の母」です。その「最大の被害者」が私だと言っていますけれど。良い家族もいる、良田さんのような。でも、最悪の家族もいます。いろいろな社会の背景を受けてです。医療での被害とか、自分がアダルトチルドレンで愛を受けずに育ってきたとか、住環境とか、いろいろある。

 そういうときに、相談、相談とおっしゃる良田さんは、家族の相談ですよね。本人のためのニーズはもう言わなくていいです。まだ本人のために言っている。家族の相談かしら。

 

○良田構成員 

私が言っているのは、まだ家族。

 

○広田構成員 

家族。

 

○良田構成員 

本人も相談したいと言い出したら。

 

○広田構成員 

相談より話相手。3年前の3.11、大手町で私を「厚生労働省から外せ」と言った西田君が講演していて、私はその西田君の話を聞いていた。そこへ、大震災が来たのです。揺れが止まっても、西田君は夢中で話していた。私は横浜へ帰れなくなって、ここへ電話して泊めてもらったのです。ソフトバンク、使えなかった。相談支援と言うけれど、大震災とか、大洪水とか、大火災が来たら、相談支援と言っている電話は使えないんですよ。何が必要かといったら、あの時隣に座っている人とハグしたんですよ。「どうしよう、死んじゃう」と言った京都の健常者を、いつものように私が抱き締めて、「大丈夫、死ぬならみんな一緒よ。あんただけじゃない、あなただけを死なせない」と言ったら、ふと我に返って、「どうもありがとうございます」と言って、そんなものなの。

 それが相談支援というのは、電話もつながらない、どこへ相談するのと、私は聞きたい。相談支援が1ではない。1は住宅。2がホームヘルパー。3は普段から、病院の中にいるときから、外から行くとか行かないとかではなくて、看護師と対等に話ができる、医者と対等に話ができる。「今日ね、俺は、納豆食べたけど、今日の朝御飯、おいしかった」というような診察場面がいいわけです。そういう人間として接する。そのような余裕を持ったPSWは全然いないで、質が全然上がらないで人材とか言っていると、私は本当に自立支援法も責任を感じているし、PSWの国家資格も責任を感じています。

 そういうことだから、ずれないでほしい。人間の生活とは何なのか。精神障害者だからというような考え方はやめたほうがいい。私より能力のある、私よりしゃべれる人かどうか知らないけれど、打たれ強い人は病院の中にもいっぱいいると思います、今エリートさんの患者もいっぱい出ているから。そういう意味で、自分が地域で暮らすときに、男やもめだったらどうなのか、それから長いこと入院している間に男に捨てられてしまって、不倫をしている間に向こうに子供ができたと、そういう相談も受けていますから。自分がそういう立場に立ったらどうなのかという視点がない限り、悪いけど他人事の話。それで、相変わらずPSWのハローワークで、相変わらず税金を使う話で。今日、「私は今回こそ、今度こそ、住宅施策とホームヘルパー」と、みんなに言ってきました。そうしたら、「元気な明るい人ね」と地下鉄ですごい大受けだったから。それで、JRの中では、イケメンのお兄さんに、「何でそんなスマホばっかりやってんの」と、社会的な話を聞いてきました。話を戻して、この国に金はない。シンプルに自分がその立場だったらということで、PSWのハローワークはやめていただきたいということです。

 

○岩上構成員 

言ってないでしょう。

 

○広田構成員 

ということで、今日、臨んでいます。厚生労働省にも言っておきます。ハローワークはやめてくださいということを。今日は日本女性の心意気の着物は着ていないけれど。

 

○伊澤構成員 

先ほど伊藤構成員のほうから、このイメージ図、ポンチ図について、少し御質問というか、御意見がありましたが、地域サイドから迎えに行く、そういうアクションがもっとほしいというお話だったのです。そこは私もすごく感じていて、ふと思うのは既存の構造化された推進力になってほしいものとして、自立支援協議会があります。あそこをもっともっと機動的に動かしていくべきではないかと思っていて、そこに息吹というか、地域移行支援のテーマ性をしっかり刷り込んでいく必要性があると思うのです。必ず自立支援協議会には地域移行部会を持つ。そこで、要するに目標を決めて、何人の方を地域に取り戻すみたいなことを掲げていくべきだと私は思います。

630調査を毎年やっておりますが、少し遅れ気味入院している人たちのデータが公表されますよね。そうすると、ここの町の、ここの市の何人の人がどこそこ病院に入院していると、こういうデータが手に入るのです。そのデータを基に、その方の市民生活を取り戻すのだという動きを自立支援協議会の中に作っていく。それを必須の課題にしていくような、そういう意気込みがほしいと思いました。以上です。

 

○岩上構成員 

特に今日は広田さんには反論は差し控えさせていただきます。野沢さんがおっしゃったような既存の方の人材育成をきちんとしていかなくてはいけないということですが、227日に厚生労働省が日本能率研究所に委託をして、改正精神保健福祉法における業務従事者研修会を行ったのです。その際に、私も有識者として企画委員でしたが、都道府県の官民協働で人材育成を行う際の中核となる人を集めてということで、全国から280人ぐらい、お越しになったと思うのです。そういったことを含めて都道府県ごとにきちんと人材育成を医療機関の人も、相談支援も、保健所の方も、行政も含めてですが、少し濃厚にやっていく必要があるかなと思います。

 もう1つは、御本人の立場、自分が入院した気持ちになってということは、本当にそのとおりだと思っています。ですから、自分たちもその立場でということと、今回の大切なところは今、入院して長期になっていて、いろいろなサポートは受けているのだけれども、退院まで進まない人たちの意向です。また、この意向調査の話をすると、御本人さんたちはなかなか自分たちの希望が言えない状況に置かれているではないかと、そういった批判も受けているところなのですが、そういった中でも、きちんと意向を伺って、どんな生活をしたいのかというところのサポートを考えていくというのが、この検討会、作業部会の議論では必要かなと思います。

 

○樋口座長 

そろそろ時間です。どうしても発言しておきたいことがありましたら、お一方。

 

○広田構成員 

自立支援協議会の委員をやっていますが、私は社保審で「自立支援協議会の義務化を反対」したのです。とにかくそういうことはやらないほうがいいと思いますよ。自立支援協議会を維持しているだけでも大変だという苦情を、いっぱい受けています、社会資源の人たちから。

 

○伊澤構成員 

そのシステムに魂を吹き込むということが。

 

○広田構成員 

いやいや、そんなこと、魂とか何とかではなくて、宗教じゃないのでやめた方がいい。ここでやらなければいけないのは一に住宅。そうでしょう。親の所へ帰さないで、自立していけばいいわけだから、家庭内暴力もそうですけれど。13年、何も変わっていない。申し訳ないけどハローワークで。力量のないスタッフのための。

 

○樋口座長 

そろそろ時間もまいりましたので、本日の議論はこれで終えたいと思います。本日の御議論を踏まえた論点、あるいは対応策について、事務局でまた整理したものを、次回の作業チームでお示ししたいと思います。最後に、事務局から今後の日程等についての説明をお願いします。

 

○尾崎課長補佐 

次回の作業チームについては、425()1012時に開催いたします。場所については、また追って御連絡させていただきます。また、冒頭、座長からありましたヒアリングの対象者について、御意見がありましたら事務局にお寄せください。提出方法については、追ってお知らせいたします。なお、25日については、座長と御相談の上、調整できそうでしたら、何らかのヒアリングを行う方向で準備したいと考えております。以上です。

 

○樋口座長 

本日は大変お忙しい中を長時間にわたりまして、ありがとうございました。これをもちまして、第1回の長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チームを閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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