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2014年6月3日 第21回社会保障審議会年金部会議事録

年金局

○日時

平成26年6月3日(火)16:00〜18:00


○場所

農林水産省共済組合南青山会館 新館2階 大会議室
(東京都港区南青山5−7−10)


○出席者

神 野 直 彦 (部会長)
小 塩 隆 士 (委員)
柿 木 厚 司 (委員)
菊 池 馨 実 (委員)
駒 村 康 平 (委員)
花 井 圭 子 (委員)
原 佳 奈 子 (委員)
藤 沢 久 美 (委員)
宮 本 礼 一 (委員)
森 戸 英 幸 (委員)
諸 星 裕 美 (委員)
山 口  修 (委員)
山 本 たい 人 (委員(代理出席))

○議題

平成26年財政検証とオプション試算の結果について(報告)

○議事

○神野部会長 それでは、定刻でございますので、ただいまから第21回の年金部会を開催させていただきたいと存じます。

 委員の皆様方には、大変お忙しい中を、さらに足早にやってまいりました暑さの中を万障繰り合わせて御参集いただきましたことに深く御礼を申し上げる次第でございます。

本日の委員の出欠状況でございますが、植田委員、小室委員、小山委員、佐藤委員、武田委員、出口委員、山本委員、吉野委員、米澤委員から御欠席との御連絡をいただいております。

 さらに、ちょっと私事でございますが、私は目の病の関係で、今、これ非常に暗い状態なので、ほとんどぼやけて見えておりませんので、議事運営について、御協力をいただければと思います。

 ただいま御紹介申し上げましたように、山本委員が御欠席ということでございますが、山本委員の代理として、本日、日本商工会議所から大井川参考人に御出席いただけるということでございます。大井川参考人の御出席につき、部会の御承認を頂戴できればと思っておりますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○神野部会長 よろしいですか。

 ありがとうございました。

 それでは、御承認していただいたということにさせていただきます。

 さらに、御出席をいただいている委員の皆様方が、定数の3分の1を超えております。したがって、本会議は成立しているということをまずもって御報告を申し上げる次第でございます。

 また、事務局からの出席者でございますが、お手元に座席表を配付しております。

 この座席表をもって御紹介にかえさせていただきたいと存じております。

 それでは、まず、資料の確認をさせていただきたいと思いますので、事務局からよろしくお願いいたします。

○八神総務課長 それでは、お手元の資料について確認をさせていただきます。

 本日は、配付資料といたしまして、資料1−1 国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し −平成26年財政検証結果−。

 資料1−2 国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し(詳細結果) −平成26年財政検証詳細結果(財政見通し等)−。

 資料2−1 国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しの関連試算 −オプション試算結果−。

 資料2−2 国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しの関連試算(詳細結果) −オプション試算詳細結果(財政見通し等)−

を配付させていただいております。

 よろしく御確認をいただきたいと思います。

 不備がございましたら、事務局のほうにお申しつけをください。

 よろしいでございましょうか。

○神野部会長 いいでしょうか。

 それでは、大変恐縮でございますが、カメラの方々にはここで御退室をお願いしたいと思います。

 御協力を頂戴できればと思います。

 よろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○神野部会長 それでは、本日の議事に入らせていただきます。

 お手元の議事次第にございますように、本日は、議事として「平成26年財政検証とオプション試算の結果について(報告)」というテーマをめぐって御議論を頂戴できればと考えております。

 既に私からあえて御説明するまでもないことではございますけれども、平成26年の財政検証につきましては、この部会のもとに設置いたしました「年金財政における経済前提と積立金のあり方に関する専門委員会」において、経済前提の検討を行っていただいて、ことしの3月に専門委員会の吉野委員長から検討結果を御報告していただきました。

 これを踏まえて、厚生労働省において、財政検証とオプションの試算の公表に向けた作業を進めていただいたと承知いたしております。

 今般、この結果が取りまとめられたということでございますので、事務局よりその御報告をしていただければと思っております。

 それでは、山崎数理課長、お願いできますでしょうか。

○山崎数理課長 数理課長の山崎でございます。

 それでは、お手元の資料に沿いまして、平成26年財政検証結果及び関連するオプション試算の結果に関しまして、概略を御説明申し上げます。

 それでは、まず、お手元の資料1−1でございます。

 こちらが現行制度に基づきます財政検証の結果ということで、2ページでございますが、こちらは平成16年制度改正における年金財政のフレームワークと財政検証の仕組みということでございまして、時間の関係もございますので、こちらに関しましては、逐一の説明は省略させていただきます。

 3ページ、こちらが財政検証の法律上の根拠規定ということでございまして、こちらに関しましても御説明は省略させていただきたいと存じます。

 4ページでございますが、26年財政検証の諸前提ということでございまして、まず、制度についての前提でございますが、こちらにつきましては、被用者年金の一元化等、社会保障と税と一体改革によります公的年金制度の改正を反映しているところでございます。

 さらに、この現行制度に基づく検証に加えまして、社会保障制度改革国民会議の報告書やプログラム法で示された課題の検討に資するように、一定の制度改正を仮定したオプション試算も実施するということでございますが、これは後ほど別冊のほうで説明させていただきます。

 <社会・経済状況に関する主な前提>ということでございますが、まず、人口に関しましては、24年1月の人口推計、出生率及び死亡率につきまして、中位、高位、低位の3通りをそれぞれ設定するということでございまして、御案内のように出生率につきましては、出生低位で1.35ということでございまして、従来から財政再計算あるいは財政検証のたびに、将来の出生率が下がっていくというようなことがあったわけでございますけれども、前回、平成21年の財政検証におきましては、将来の出生中位の場合に1.26という数字でございましたが、今回の人口推計ではこれが1.35ということで上方に修正されている。これが今回の財政検証における前提の1つの特徴かと考えるところでございます。

 続きまして。5ページ「(2)労働力率の前提」でございます。

 こちらにつきましては、本年2月に取りまとめられました「労働力需給推計」、こちらで将来の経済状況の仮定に応じまして「労働市場への参加が進むケース」、一方で「労働市場への参加が進まないケース」これは足下の労働力率がそのままずっとフリーズするというケースでございますが、このそれぞれを状況に応じて使用するということにいたしております。

 経済前提に関しましては、去る3月12日に専門委員会から検討結果の御報告を当部会にいただきまして、これに基づいて設定ということでございます。

 具体的には、足下につきましては、内閣府の中長期の試算の「経済再生ケース」「参考ケース」それぞれに準拠して設定するということでございまして、2024年度以降の長期の前提に関しましては、内閣府試算を参考にしつつ、TFP上昇率を軸とした幅の広い8つのケースを設定するということで、こちら枠囲いの中に整理してございますが、まず、ケースAからEまで、こちらは足下につきましては、内閣府の「経済再生ケース」に接続するということでございまして、労働力率に関しまして、労働市場への参加が進むケースということになっております。

 その際の全要素生産性の上昇率、これは高いほうは1.8%から、低いところは参考ケースと同じ1.0%まで0.2%刻みで刻んでおりまして、物価上昇率も2%から1.2%まで0.2%刻みで刻んでいる。

 その場合、専門委員会の報告書では、幅をもって実質賃金上昇率あるいは実質運用利回りというものを御報告いただいたわけでございますが、21年の財政検証のときの方法論にのっとりまして、その幅の真ん中ということで、数字は置かせていただいているということでございまして、こちらにございますような実質賃金上昇率、対物価の実質運用利回りということでございまして、これの前提を御説明申し上げましたときに、既に御議論いただきましたように、TFP上昇率が高いほど、実質賃金上昇率も実質運用利回りのどちらも高くなっていくわけでございますが、この実質賃金上昇率のほうがよりTFPに対する感応性が高いということで両者の間差、このスプレッドというものをとりますと、むしろTFPが高いほうが低くなるということで、年金財政に対する運用の寄与というものの度合いは、むしろTFPが高い方が小さくなるというような状況にある。

 下のほうのケースF,G,H、これが内閣府の「参考ケース」に接続するものということで、これは労働力については、労働市場への参加が進まないケースということでございまして、TFPについても、1%から0.5%までという数値でございます。

 物価上昇率につきましても、1.2%から0.6%までと低い数値でございまして、また運用利回りの設定に関しましても、この下のほう2つのケースにつきましては、いわゆるコブ・ダグラス型から導きます利潤率を経由する方法ではなくて、実際の金融市場における見込み、こちらに準拠した方法ということで、低い数値を充てているところでございます。

 右側に参考ということで経済成長率がございますが、ケースAで実質経済成長率、2024年度以降の20ないし30年間の平均で1.4%から一番低いケースHでは、これは▲0.4%ということで、幅広い経済前提になっているところでございます。

 (4)でその他の前提でございますが、これにつきましては、基本的に実績データ等を基礎として設定してございますが、国民年金の保険料納付率につきましては、65%に上がるケースを基本といたしまして、現状程度で推移した場合も設定をしてございます。

 6ページでございますが、これは労働力率の前提につきまして、参考で2つのケースの違いをお示ししたものということで、左下のところ女性の労働力率を見ていただきますと、「進むケース」では、このM字カーブが消滅するような女性の労働参加というものを前提としているということが見てとれます。

 7ページでございますが、これは労働力人口と65歳以上人口の推移ということでございまして、実線が労働市場への参加が進むケースの労働力人口、点線が進まないケースのほうの労働力人口ということで、かなりの支え手の差がここで見えるということになっているところでございます。

 8ページでございますが、こちらが経済前提の設定の基本的な考え方をまとめたものでございまして、先ほどるる説明いたしましたので、こちらの御説明は省略させていただきます。

 9ページは足下の経済前提の具体的な数字でございます。

10ページでございますが、「標準的な厚生年金の所得代替率」というものが、まず、足下でどうなっているかということでございますが、左下の絵にございますように、これは「従来モデル」と書いておりますが、旧厚生年金、これは一元化後は、もう共済と厚生年金が一緒になって新たな拡大された厚生年金になりますので、現在の民間被用者を対象とした厚生年金は、旧厚生年金と仮に呼んでおりますが、こちらで見ていただきますと、平成21年度で現役男子の手取り収入35.8万円に対しまして、夫婦の年金額は22.3万円ということで、所得代替率は62.3%ということでございました。

 その後、名目賃金が下がっているという現象がございまして、この同じ旧厚生年金で見ますと、現役男子の平均手取り収入が33.5万円という数値になっています。

 それに対しまして、年金額が21.5万円ということで、これで見ますと、所得代替率は64.1%に上がっているということになります。

 ところが、上の枠囲いを見ていただきますと、被用者年金の一元化によりまして、比較的賃金の高い共済組合の組合員の方が厚生年金の被保険者となるということによりまして、厚生年金の現役男子の手取り収入というものは、1.3万円程度上昇するということでございます。

 これによりまして、従来よりも賃金水準の高い現役世代が標準モデルとなるということで、標準モデルの所得代替率が見かけ上低下するということになるわけでございます。

 右下を見ていただきますと、現役男子の手取り収入、これは共済の方も入れますと、平均34.8万円となりまして、そのとき、厚生年金、これは報酬比例年金ですので、左側で8.7万円のものが9.0万円と上がるわけございますが、基礎年金は12.8万円で同じでございますので、これによりまして、この一元化モデルのもとでの所得代替率は62.7%ということで、21年度のときの数字よりも若干上がったぐらいの数字になるということでございます。

 この資料におきます所得代替率は、もう今後は一元化が前提ということでございますので、特段の断りのない限りこの一元化モデルの数字で所得代替率というものを表示させていただくところでございます。

 続きまして、11ページでございますが、こちらが「所得代替率の将来見通し」いうことで、これは人口の前提が中位の場合ということで、経済の前提をケースAからケースHまでの8通りにつきまして整理したものでございます。

 この将来の所得代替率と申しますのは、今、御説明申し上げました一元化モデルのもとでの給付水準調整終了後の標準的な厚生年金の所得代替率ということでございまして、今回、財政均衡期間が2110年度までということでございますが、その最後の年に支出の1年分の積立金を確保するということで、マクロ経済スライドを行っていきまして、だんだん給付水準を調整していって、最後、この年のここでマクロ経済スライドを終了して、以後、一定の所得代替率になるわけでございますが、それで、最後1年分の積立金が確保できるという水準を逆算するという考え方でこの最終の所得代替率というものは算定しているところでございます。経済成長が一番高いのは、ケースAなわけでございますが、先ほど御説明申し上げましたように、賃金と運用利回りの差でございますが、スプレッドというものではむしろAからEまでの中では一番低くなっているということで、実際のところ、この最終の所得代替率が一番高いのは、中間的なケースCという結果になっておりまして、ただ、ケースA,B,Cの間の差は非常に微妙でございまして、ケースCだと51.0%、BとAが50.9%ということで、ほぼ51%前後ぐらいにこのABCの3つのケースが来ている。

 ケースBが50.8%、ケースEが50.6%、こういう結果となっているということでございます。

 給付水準調整の終了年度につきましては、やはり21年の財政検証のときと同じように、基礎年金のほうの終了年度が所得比例年金の終了年度よりかなり遅いということでございまして、平成21年の財政検証のときは、いわゆる基本ケースと呼ばれるケースで、基礎年金が2038年度までマクロ経済スライドで給付水準調整を行うという見込みとなっておりましたが、今回は、ケースAからEまでで見ていただきますと、2043年度ないし2044年度まで、おおむね5年おくれぐらいの形になっている。

 これは、足下でマクロ経済スライドの開始がおくれていることによりまして、足下の給付水準が高止まっている。一元化モデルで見ましても、前回のときの足下より若干高いぐらいになっているということで、こちらの給付水準調整の終期もおくれているということでございます。

 比例のほうは、前回は2019年度までということでございましたが、これで見ていただきますと、ケースEで2020年度で1年遅れている。ほかのケースにおきましては、同じか若干早いぐらいという見込みになっているところでございます。

 このケースAからEまでは労働市場への参加が進むケースで、足下も経済再生ということでございますが、それより下のケースF,G,H、これは経済成長もふるわず、労働市場への参加が進まないということで、支え手も少ないということでございますので、マクロ経済スライドで調整してまいりまして、50%まで調整しても、それで財政均衡期間の終期、2110年度までの年金財政の均衡を保つことができないという見込みでございまして、21年の財政検証のときの結果のお示しの仕方にならいまして、仮に機械的にマクロ経済スライドを続けていって、財政が均衡する、つまり、2110年度で1年分の積立金を持てるようにするまで調整を行うとしたら、何年までかけてどこまで調整することになるかというものを機械的に試算したものをこの※印のところでお示ししておりますが、ケースFですと、45.7%で、2050年度まで。ケースGでございますと、42.0%で2058年度まで調整するという計算になるということでございます。

 ケースHにおきましては、物価が0.6%ということで、現行の名目額下限の仕組みのもとでは、マクロ経済スライドが十分に調整できないということがございまして、機械的にこの仕組みのもとで給付水準調整を続けますと、国民年金の積立金が今からおよそ40年後の2055年度になくなるということで、それからあとは完全な賦課方式に移行するということになるということでございまして、その後、保険料と国庫負担で賄うことができる給付水準は、所得代替率にして、35ないし37%程度と見込まれるということでございます。

 こちらは、マクロ経済スライドの効きが不十分なためにケースFやGのような機械的試算ができないということでございますが、後ほどオプション1でこれを完全に効くようにしたらどうなるかというところで見ていただきますと、この機械的試算、FやGと同じようなことが可能になりますので、こちらにつきましては、後ほどオプション試算のところで御説明したいと存じます。

 おめくりいただきまして、次の12ページでございますが、こちらは「人口の前提が変化した場合の影響」ということでございまして、出生中位の場合に比べまして、出生が高位の場合、高位ですと、下にございますように、将来の合計特殊出生率が1.60ということでございますが、このときにどのぐらい最終の所得代替率が持ち上がるかということで、これの経済前提が8通りありますが、一番高いケースC、あと真ん中ぐらいのケースE、あと低いほうのケースG、この3つのケースで押しなべて表示してございますが、大体出生高位になりますと、3ポイントないし5ポイントぐらい最終の所得代替率が持ち上がる。

 逆に出生低位、出生率1.12という姿でございますと、4ポイントないし7ポイント最終の所得代替率が下がるということでございまして、賦課方式を基本とする年金制度におきまして、出生率というものの影響は非常に大きいということでございまして、やはり年金制度の持続可能性を維持していくということのためには、少子化対策というものが非常に大事だということがこれでわかろうかと思います。

 右側は「死亡率の前提が変化した場合」ということでございまして、死亡高位と書いてございますのは、死亡率が高いということで、寿命としては短くなった場合ということで、受給期間が短くなりますので、最終所得代替率としては2〜3%ぐらい高くなる計算。

 逆に、下のほうの死亡低位というものは、死亡率が下がって、寿命が長くなると。受給期間が長くなるということでございますと、2、3ポイントぐらい所得代替率が下がるという計算になるということでございます。

 続きまして、13ページでございますが、こちらは、今、概略を申し上げましたケースC,E、Gにつきまして、具体的な計数を整理したものでございまして、お目通しいただければと存じます。

 続きまして、14ページでございますが、こちらは「国民年金保険料の納付率が現状のまま推移した場合の影響」ということでございますが、上の段にございますように、今回の財政検証では、今後の取り組み強化等により、納付率が向上していくという、計画どおりに進んだ場合というものを基本としておりまして、平成30年度以降、65%ということで見込んでいるわけでございますが、仮に60%という足下の数値のままだったらどうかということで算定いたしますと、これはケースによって微妙に影響度が違いまして、これは実質的な金利の具合がどのぐらいかということで、微妙に動くのでございますが、基本的には保険料を納めない方は、将来、給付に結びつかないということで、年金財政上はほぼ中立だということ。

 これは従来、旧国民会議でも同様のシミュレーションが出ておりますが、これと同じような結果が出ているということで、さはさりながら、保険料を納付していただけば、その方の将来の給付につながるということで、保険料の納付率を向上させていくのは、年金財政のためと申しますよりは、給付水準を維持して、その方の年金の受給権を確保するために非常に重要だということは変わらないというところでございます。

 続きまして、15ページでございますが、こちらは「経済の変動を仮定した場合の影響」ということでございまして、これはちょっと先に16ページのグラフを見ていただいたほうがわかりやすいかと存じますが、こちらのグラフ、例えば左下のケースGというところを見ていただきますと、この影をつけた部分、これは毎年のスライド調整率の水準をあらわしておりまして、この点線で書いてありますのは、ケースGの場合のその長期平均的な物価上昇率の見込みということでございまして、足下2023年ぐらいまでの間は、スライド調整率よりも、物価上昇率のほうが高いので、この期間は一応フルにマクロスライド率が効くという見込みになっていることでございますが、実際には、その平均がこの点線のような数字でございましても、この物価は変動して波があるのではないかということで、こういう形で実線のように波を打たせますと、平均的には丸々効くように思えていても、その波の下に落ちたところでは、これはマクロスライドは効かない年が出てくるということで、経済の変動を仮定いたしますと、名目額下限になっておりますマクロ経済スライドの仕組みのもとでは、給付水準調整がおくれる年がより多く出てきて、その分だけ将来にしわ寄せが行くと、最終的な所得代替率が低くなるという現象が生ずるところでございます。それについて、試算を行ったということで、ページを15ページに戻っていただきますと、経済の変動、これは平成30年度以降、4年周期で変動幅▲1.2から1.2ということで設定いたしておるところでございますが、経済の変動を仮定しない場合が左、変動を仮定した場合が右ということでございますが、ケースCとか、ケースEのような、そもそも物価や賃金の見込みが平均値でも高いところにつきましては、影響は限定的ということでございまして、0.2%ないし0.4%下がるだけでございますが、ケースGのような低いケースでは経済の変動を仮定しますと、より影響が大きいということで、2.5%の減少になるという状況でございます。

 ケースHにつきましても、積立金がなくなる年度が早くなるという影響がございます。

16ページを飛ばしまして、17ページから24ページまででございますが、こちらはそれぞれケースAからケースHまでにつきまして、マクロ経済スライドによる調整によりまして、将来の年金額、これはそれぞれ物価の前提が違いますので、比較できますように、物価で割り戻して足下の価格に直した数字で比べてございますが、平成26年度の価格に割り戻しました年金額というものを手取り賃金との対比で表示しているということでございまして、この一番右の年金額の水準を見ていただきますと、経済の成長が高いほど、年金額の実質値そのものは高くなるということが見て取れようかと思います。

 所得代替率という意味では、ケースCが一番高いと、若干の差でございますが、申し上げましたが、経済成長をすればするほど、賃金も高くなり、それに対する一定の比率である年金額も高くなるということで、経済成長自体は年金制度に対して、当然、プラスの要素として働くということが言えようかと存じます。

25ページでございますが、こちらはケースCにつきまして「賃金水準別の年金月額及び所得代替率」ということで表示したものでございまして、21年の財政検証のときにも同様のグラフをお示しいたしまして、所得代替率、これは賃金水準がモデル世帯で見ているわけでございますが、賃金水準の高い世帯では、年金月額は高くなるけれども、一方で、所得代替率は低くなるという関係でございまして、逆に低い世帯では、年金月額そのものは、低くなるけれども、所得代替率は高くなる。これは基礎年金によって、所得再分配が行われているということでございます。

 こちらがケースCのケースで、次のページがケースEのケースということで掲げてございます。

 ただいま御説明申し上げましたそれぞれのケースにつきましての詳細な年次別の収支の見込みでございますとか、そちらに関しましては、かなり分厚いものでございますが、資料1−2、詳細結果というほうに整理してございますので、これはちょっと逐一御説明は申し上げませんが、必要に応じて御参照いただければと存じます。

 以上が、法定検証の結果でございまして、引き続きまして、資料2−1に沿いまして、オプション試算の結果を御説明いたしたいと存じます。

 めくっていただきまして、オプション試算の内容でございますが、まず、オプション1、これが景気の波による変動を加えて、経済前提を仮定した上で、物価・賃金の伸びが低い場合でも、マクロ経済スライドによる調整がフルに発動されるような仕組み、いわゆる名目額下限を撤廃した場合というオプションでございます。

 オプション2、これが「被用者保険の更なる適用拡大」ということでございますが、ちょっと中身にどういう前提を置いているかということで、8ページをごらんいただけますでしょうか。

 この資料の8ページを見ていただきますと、まず雇用者全体、70歳未満で見てございますが、5,400万人、これが週30時間、4分の3というところで上下に分けておりまして、上がフルタイム4,500万人、下がフルタイム以外900万人と仕分けしているところでございますが、このうち、フルタイムの方のうち、被用者年金の被保険者になっておられる方が3,900万人、それ以外の方、この右側にございます。600万人、これは5人未満の個人事業所の勤務の方などが想定されるわけでございますが、フルタイムの方でもいわゆる非適用事業所に勤務しておられる方がこのぐらいおられ。、フルタイム以外の900万人の中で、まずはこの400万人と書いてあるところ、これは週20時間以上の方ということでございますけれども、その中でも2810月からの適用拡大の対象の方といいますのは、まずは学生さんを除いて、かつ雇用契約期間1年未満の方は除くということで、さらにその左下の25万人と書いてあるところですが、企業規模501人以上、あと月額8万8,000円以上収入があるということで、年間に直すと、おおよそ105万円以上ということで、限定された方々でございますが、適用拡大(1)というもので考えておりますのは、この企業規模の制限を外すと。あと収入の制限を月額8万8,000円以上から、下に下げまして5万8,000円以上。年収で申しますと、70万円以上というところに広げるということにして、おおむね220万人規模ぐらいの拡大ということで考えたらどうかというのがこの適用拡大(1)でございます。

 適用拡大(2)というのは、前回の年金部会での御意見に沿いまして、やや極端な仮定ではございますが、被用者の方で、年収の低い方、具体的には70万円未満の方以外は、全て被用者年金に適用するということになったらどうなるかということを試算するということで、お話がありまして、この場合、右上のところ、適用拡大(2)の対象者のフルタイムの600万人という方、プラス下のほうで220万人を含みまして、全部で600万人、70万円未満の方が300万人おられますので、900万人引く300万人で全部で600万人でございますが、フルタイム600万人とフルタイム以外600万人、合計1,200万人の適用拡大ということを仮定した場合どうなるかという試算でございます。

 2ページに戻っていただきまして、オプション3、こちらが「保険料拠出期間と受給開始年齢の選択制」ということでございまして、高齢期の就労による保険料拠出がより年金額に反映するように制度改正を行った場合の試算ということでございまして、基礎年金の給付算定のときの納付年数の上限を現在の2060歳までの40年から3年に1年ずつ延長してまいりまして、45年まで延長する、納付年数が伸びた分にあわせて基礎年金が増額する仕組みとすると。あわせて65歳以上の在職老齢年金を廃止するという前提を置きまして、さらに65歳を超えて就労された方が、厚生年金の適用となって、これに伴い、受給開始年齢の繰り下げを選択した場合、給付水準がどれだけ上昇するかということを試算するということを行ったところでございます。

 こちらの結果ということでございますが、まず3ページ、オプション1の結果でございますけれども、これは資料1−1の15ページを同時に参照していただくのがわかりやすいかと思いますので、恐縮ですけれども、めくっていただきまして、資料1−1の15ページ、これはちょっと左側に並べていただきますと、資料1−1の15ページ、例えば、ケースEで見ていただきますと、経済の変動を仮定しない場合、最終の所得代替率が50.6%、これが経済の変動を仮定した場合、先ほど御説明申し上げましたように、マクロ経済スライドが効かない年が何回か出てくるということで、50.2%まで最終の所得代替率の見込みが下がるわけでございますが、このオプションの資料のほうでケースEのところを見ていただきますと、この50.2%が再掲してございまして、これがマクロ経済スライドがフルに効くようになりますと、0.8%プラスということで、51.0%になると。一番当初の50.6%に比べても、少し高くなっているというのは、経済の変動を仮定しない場合でございましても、年によってはマクロ経済スライドが完全に効かない年がありますので、そこを完全に効かせるということで、当初の数字よりも高くなっているということでございます。

 ケースGなどですと、もともと機械的試算で42.0%という見込みだったのが、現在のマクロ経済スライドが名目額下限という仕組みでございますと、経済の変動を仮定すると、39.5%まで下がるということだったわけでございますが、今度、このオプション試算の3ページを見ていただきますと、これを完全に効かせるようにしますと、44.5%までということで、この下がった39.5と比べますと、約5ポイント最終の所得代替率が上がるということでございます。

 また、ケースHにおきまして、先ほど申し上げましたように、マクロ経済スライドがフルに調整が発動されるという仕組みにいたしますと、積立金がなくなって、完全な賦課方式に移行という状況ではなくて、50%は下回っておりますが、機械的な試算によりまして、最終の所得代替率が2054年度に41.9%と計算できるようになるということでございまして、このオプション1というものは、特に低成長の場合に制度の持続可能性を高める効果というものがあると見てとることができるのではないかと存じます。

 続きまして、オプション試算のほうの4ページでございますが、これは「マクロ経済スライドによる給付水準調整のスピードと調整後の給付水準」ということで、オプション1の参考の資料ということでございますが、ケースEで見ていただいて、そのフルに発動される仕組みにしますと、現行の仕組みに比べまして、2年給付水準調整が終了するのが早くなる。ケースGのような低成長のケースでございますと、2072年までという見込みだったのが、2050年ということで、実に22年も早くなるということが見てとれるところでございます。

 続きまして。5ページでございますが、このオプション1の「スライド調整率の比較」ということでございまして、左側にございます「スライド調整率(フルに発動した場合)」。

 今回の財政検証では、労働市場への参加が進むケース、進まないケースを経済前提のケースごとにそれぞれ使い分けておりますが、これがケースが違いますと、将来の被保険者数が変わってまいりますので、被保険者の減少率によって算定されるスライド調整率も変わってくるということで、参加が進まないケースのほうが被保険者の減りが大きいので、2030年度までの間、0.1%ほどでございますが、スライド調整率が大きくなっているということでございます。

 右側が現在の名目額下限の仕組みにおいて、実際に発動される既裁定者に対するスライド調整率ということでございまして、ケースGやケースHで2030年度以降を見ていただきますと、仮定した物価の前提、Gであれば0.9%、Hであれば0.6%という数字が並んでおりまして、名目額下限によりまして、スライド調整というものが制約を受けている様子が見てとれようかと存じます。

 6ページでございますが、これはオプション2−(1)「被用者保険の更なる適用拡大を行った場合」ということでございまして、適用拡大した場合は、これは1号被保険者の方が、一部2号被保険者に移動されるということで、これによりまして、国民年金の財政が若干好転いたしまして、基礎年金の水準が上昇するということで、どのケースも押しなべまして、0.5ポイントぐらい最終の所得代替率が持ち上がっているという感じになります。

 続きまして、7ページでございますが、これはオプション2−(2)1,200万人ベースの拡大を行った場合ということでございまして、こちらにつきましては、国民年金の被保険者がかなり厚生年金に移って減少するということで、1人あたりの財政に充てることのできる積立金が大きくなるという効果がかなり効きまして、所得代替率はかなり上昇するということで、6%内外の上昇がケースC、E、Gについて認められる。Hに関しましても、4%ぐらい持ち上がるという感じになっております。

 続きまして、8ページは先ほど御説明いたしましたので、省略いたしまして、9ページでございますが「適用拡大による被保険者数への影響」ということでございまして、主として3号被保険者がどうなるかということで見ていただきますと、一番右の欄が3号被保険者で、足下2014年度で940万人、被保険者全体に占める割合14%でございますが、適用拡大を見込んでいる時期、この適用拡大は、先ほど御説明しましたけれども、今からおおよそ10年後の平成36年4月からということで仮定をいたしておりますが、2025年のところで見ていただきますと、適用拡大(1)220万人ベースの拡大を行いますと、3号被保険者は660万人で約11%ということで、これが将来は9%ぐらいまで減る。適用拡大(2)を行いますと、2025年度で510万人、8%。将来は6%ぐらいまで減るという見込みになることでございます。

 次の10ページでございますが、これは同じくオプション2、適用拡大を行いました場合の現役時代の適用状況別の平均加入期間、これはある世代の方が最終的に1号期間、2号期間、3号期間をそれぞれ平均で何年持つか、これは自営業の方も被用者の方も全部ひっくるめて、その世代コーホートで見てどうかということで、弾いたものでございますが、下の段の【女性】のところを見ていただきますと、まず、適用拡大しない現行ベースで見ましても、平成27年生まれの方に比べますと、将来、2005年生まれ、平成27年で10歳の方ですと、3号期間の構成割合は23%とコーホートの高い方よりは低くなる見込みでございますが、適用拡大(1)を行いますと、この同じ2005年生まれの方の3号期間の構成割合は20%に下がり、さらに適用拡大(2)を行いますと、一番右下でございますが、14%まで下がるという見込みになるというところでございます。

 続きまして、オプション3、11ページでございますが、これは現行「40年拠出モデル(65歳受給開始)」ということで、左側にございますような、最終の所得代替率が見込まれているわけでございますけれども、これを45年拠出ということで、65歳まで最終的に入れるようにする。それで、65歳までかけて65歳からすぐ受け取るとした場合に、この45年拠出モデルでどれだけの所得代替率になるかということを試算したものでございまして、結果といたしましては、ほぼ5年伸びた分、40分の45となるぐらい給付は伸びるということで、6ポイント強ぐらいの最終所得代替率の増ということになるということでございます。

 次に、12ページでございますが、さらにこの45年加入に加えまして、その方が選択でさらに65歳を超えて就労され、厚生年金の適用となって、受給開始年齢の繰り下げを選択した場合、その方として給付水準がどれだけ上昇するか、これはミクロ試算ということになります。

 基本的に、その繰り下げといいますのは、年金財政上は中立なものとして行うということでございますので、どれぐらいの人がそれを選択するかという割合で、毎年々の計算を行うというよりも、モデルとして65歳だとこの給付水準という方がそれと数理的に等価な形で、例えば2歳繰り下げを行った場合に、どのぐらい給付水準が上がるか。これは単に繰り下げということだけではなくて、その間、2年間働いたということで、働いたことによる保険料拠出期間の延長による増と、あと繰り下げ受給による増。こちらのほう、両方入れて、どのぐらいの水準になるかということを試算しているということでございまして、この際の繰り下げ増額率といたしましては、現行、70歳までの間、1月当たり0.7%という数字がございますので、これを使いまして、ミクロの試算を行っているということでございます。

 これは67歳の例が出ておりますけれども、ケースCで見ていただきますと、57.6%のものが2年繰り下げてその間、2年間、保険料を払うということでございますと、68.7%に持ち上がる。

 ケースHにつきましては、これはマクロ経済スライドを完全に効かせるという前提のもとでの数値をベースとして試算してございますが、65歳まで加入して、65歳から受給するということですと、45年モデルで47.9%というものが、もう2年働いて、47年モデルということでございますと、この下にございますような57.2%というような数値になっているところでございます。

13ページは、これを65歳から70歳までで、ケースC、E,G、あとケースHの経済変動ありでマクロ経済スライドがフルに発動されるとした場合の数値を表として掲げておるところでございまして、参考といたしまして、左下の「注1」にございますように、この増分というものを保険料拠出期間の増加による影響と繰り下げ受給による影響に要因分解したものを掲げているところでございます。

 ちょっと御説明が長くなりまして恐縮でございましたが、以上で御説明とさせていただきます。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 今回の財政検証の結果とそれからオプション試算の結果を要領よく説明していただきました。

 今回、8ケース、さらにオプションの検証もしていただきましたので、作業の御努力について感謝を申し上げる次第でございます。

 それでは、委員の方々から御質問、さらには御意見、これはオプションのほうを含めて構いませんので頂戴できればと思います。

 いかがでございましょうか。

 駒村委員。

○駒村委員 たくさん実はコメント、質問もあるのですけれども、2回ぐらいに分けさせていただいて、1回目のコメントで。

○神野部会長 どうぞ。

○駒村委員 最初の基本推計のほうですけれども、大変興味深い結果になったかと思います。8通りの推計のうち、5通りが代替率50%をクリアしているということで、一見大きな改革は必要ないような読み方もできるわけです。しかし、よく見ると、やはり経済前提のほうでも議論になったわけですけれども、全要素生産性をどうとるか。これは政府の方針に合わせた数値をとっている、そのケースが割と高めに出ているわけであります。

 そう考えないで、8通りの確率を全部イーブンだとし、単純平均すると、代替率は47%ぐらいという数字になってくるのではないかと思います。

 やはり、甘めのというか、楽観的な推計のほうに引っ張られないで、5対3であったとしても、やはり厳しいほうの姿を見ながら、後のオプション推計で議論されるべき政策に入るべきではないかなと思います。

 またもう一つ、50%の代替率を維持しているケースもEまであるわけですけれども、これを見ても、例えば、基礎年金の低下幅は29%ということで、現在の状態をさらに深く基礎年金が落ちていくということ、基礎年金がそのモデル年金に占める割合は、現在、58%相当なのが、これは51%まで下がっていく。ケースFあたりになると、50を切ってしまう。あるいは基礎年金の下落幅は40%近いところまで大きくなる。

 国民会議で、この基礎年金の劣化にどう対応するかという宿題が残っていたと思います。これに対してどう答えるかというのは、後のオプション推計の議論で少ししてみたいなと思います。

 以上、私の感想です。

○神野部会長 ありがとうございました。慎重の原則に従ってみるべきではないかというお話だったと思いますが、ほか、いかがでございましょうか。

 宮本委員、どうぞ。

○宮本委員 ありがとうございます。

 大変膨大なデータを出していただいたことに感謝を申し上げたいと思います。その上で、データそのものについての意見というか、質問はちょっと見当たらないのですが、1つオプション試算について、お聞きしたいと思います。

 資料2−1の6ページと7ページに、オプション2のところで、「被用者保険の更なる適用拡大を行った場合」とありますが、特に(2)の約1,200万人拡大した場合、年金財政にとっても、これはより健全化に向かうということだと思います。

 ただし、その場合、約1,200万人の適用拡大というのは並大抵のことではないと思うのですが、一定以上の収入のある全ての雇用者を対象にしていることから、適用該当者が実際に保険料を納付できるか否かということはまた別の問題でありまして、いかに年金制度が高齢期の生活を支える重要な制度であるかということを、今以上に理解していただかなければならないということだと思っております。

 そのような観点からすると、201610月としている適用拡大の実施時期について、例えば、その周知活動を大々的に行うとか、あるいは前倒しするとか、きょうはあくまでも試算ですから、そういうことは書かれてございませんけれども、そういう考えがあるのかないのかということを1つお聞きしたい。もう一つ、これは意見ですけれども、資料2−1の12ページに「退職年齢と受給開始年齢を65歳以上とした場合の給付水準の上昇」という記載があります。

 過日、田村厚生労働大臣が、受給開始年齢の75歳への引き上げというような趣旨の発言をされておりまして、私の周囲でも、また支給年齢が引き上がるのかというような、こういう不安の声が実は挙がっております。この年金制度上の受給開始年齢と支給開始年齢の違いというのは、実は私どもの周りの人間もよく理解していないところがあって、受給開始年齢と支給開始年齢の違いを丁重に説明することが必要ではないかと思っています。

 年金制度について、誤解が広がっていけば、さらなる年金不信につながっていって、そのために財政検証上のシミュレーションどおりに進まない、そこから遠ざかるということにもなりかねませんので、マスコミ等も含めて、くれぐれも慎重かつ丁寧な説明ですとか、対応をぜひともお願いしたいと思っております。

 

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございます。

 第1の質問事項だけでなく、2番目も意見だとしてもきちんと答えておいていただいたほうが誤解が広がらないかと思いますので、これはどなた。

○度山年金課長 年金課長の度山ですが、私からお答え申し上げます。

 まずは、今回のオプション試算は、あくまで一定の仮定を置かないと計算できませんので、適用拡大に関しては、10年後、機械的に220万人あるいは1,200万人という形でばさっとそこから先はみんな適用されていると仮定をしたということなので、現実的な政策としてどう考えるかということに関しては、これは十分に議論が必要だろうと思っております。

 それから、2810月に第1弾で、推計25万人の適用拡大を前倒しで施行ということでございますけれども、これは一体改革でたくさんの施行、特に2710月は被用者年金の一元化ですとか、給付金の施行の準備ということがございますので、どうしてもそこをセットしてからでないと適用拡大はかかれないものですから、なかなか施行日時を前倒すということはちょっと政治的に決定したという経緯もあって、難しいと思っております。適用に当たっては、当然、企業の事業所のほうに施行の事務を御協力いただいて初めてできるということですので、きちんとどういうことになるかということの準備も必要だと思いますし、それから給与天引きで行うわけですから、企業のほうも一定の例えば給与プログラムの対応とかをとっていただくとかということも必要だと思いますし、もちろん、今、お話のあった従業員の方に周知を図るということもそうだと思いますので、これはやはりある程度時間をかけて丁寧にやっていかなければいけないとは思っておりますので、そこはきっちりやりたいということでございます。

 それから、受給開始年齢と支給開始年齢ということでちょっと御指摘がありましたので、どう考えて言葉を使っているかということだけ説明させていただきますが、支給開始年齢というのは、年金を受け取り始める制度的な年齢と一応定義ができるだろうと思います。

 その上で、どこの国でもそうですけれども、ある程度例えば前倒しでもらう、あるいは後ろ倒しでふえた年金をもらうという選択がある程度認められる国が多いということでございまして、今回のオプション3の後半のほうの試算に関しては、あくまでも選択ということをベースに例えば66歳とか67歳時点でもらった年金の姿というのがどうなるかということを示したということでございますので、制度上の支給開始年齢は、基本的には65歳に置いたまま、受給するスタートの年齢がそれぞれ70歳までの1年刻みでどうだったかという試算をしておりますので、それで受給開始年齢と余り使わない言葉ではありますけれども、そういうことを書いたということでございます。

 この点については、きちんと報道していただけるように御説明は丁寧にしたいと思っております。

 それから、田村大臣が出演した日曜討論では、75歳のことに関しましては、先週来、国会でもいろいろ質疑が行われてございますけれども、あくまでも、一律の支給開始年齢の引き上げというのは難しいだろうということを前置きされた上で、個々人がある程度選択で遅らせる。選択の幅を広げて柔軟に対応するという一例として、話をされたと理解をしておりますし、大臣もそのように答弁をしておりますので、そのよに御理解をいただければと思います。

○神野部会長 よろしいですか。

 ほか、いかがでございましょうか。

 どうぞ。

○柿木委員 私のほうから2、3質問と意見を述べさせていただきます。

 詳細な説明ありがとうございました。

 今、適用拡大についてお話がありましたが、今回示された年金の所得代替率、これについてはわかるのですけれども、これ以外に、やはり医療保険体制への影響も同時にチェックすべきではないかと思います。

 もちろん御承知だと思うのですが、国保それから企業の健康保険組合、協会けんぽ、こういったところで被保険者がどう移動して、それぞれの財政状況がどうなるかということは、非常に大きな影響がありますし、企業負担についても、大きな問題であります。この点については、かつて適用拡大の問題についてあったときに、社保審の下に、年金、医療を横断的に議論する部会を設置したという記憶がございます。今回も被用者保険のさらなる適用拡大の検討をするのであれば、年金部会で結論を出すというだけではなくて、医療保険の問題と合わせて議論を進めるということをお願いしたいというのが1点でございます。

 それから、これは2点目、意見ですけれども、このオプション試算の3ページで先ほど丁寧に御説明があったとおり、やはり賃金、物価の伸びが非常に低い場合でも、マクロ経済スライドをフルに発動させるというのが、将来世代の所得代替率が上昇する大きなキーになるのではないかと思うのです。

 保険料の上限を固定するという現行制度、これは企業にとっても非常に大きなことなので、こういったことを前提にすれば、やはり年金財政の持続可能性を確保するためには、高止まりした給付水準の調整を早く進めて、将来世代への給付減を少しでも回復すべく、名目下限ルールを撤廃して、下落した場合にもマクロ経済スライドをフルに発動できるようにするということを、ぜひ、見直していただきたいということでございます。

 それから、2点ほどお願いがございます。1つは出生率の前提、資料にある3つの前提はよくわかるのですが、先般、内閣府の「選択する未来」というところで、50年後に1億人程度の人口構造を保持するという未来を描いておりました。これがどうかという議論はありますが、これと資料の出生率は両者に非常に乖離がございます。

 この減少問題については、政府も非常に重要政策課題として議論すると聞いておりますので、この3つのケースでなくていいのですけれども、参考ケースとして、50年後に人口1億人、これは確か30年後に出生率が2.幾つだったかと思うのですが、そのケースもつくっていただけないかというのが1つ目のお願いでございます。

 それから2つ目は、現在、経済の変動は仮定しておりますけれども、今、いろいろ議論されています年金積立金の運用が上下に変動した場合の年金財政への影響についても、やはり国民的な関心も非常に高いと思うので、もちろん言うまでもないと思うのですが、GPIFがシミュレーションデータをつくった時点で結構ですので、そのデータをもとにもう一回年金部会で説明していただきたいということでございます。

○神野部会長 最後の2点については、何か事務局のほうでコメントがあればいただければと思います。

 可能でしょうか。

○山崎数理課長なかなかすぐにというわけにはまいりませんが、まずはどういう出生率なのかというあたりのところも確認の上、できるだけ前向きに対応したいとは存じます。

 ちょっと検討させていただければと存じます。

 あと2点目の運用の変化した場合というものも、GPIFのシミュレーションも参考にしつつという御示唆を頂戴いたしましたので、私どものほうで受けとめて検討いたしたいと存じます。

○神野部会長 山口委員。

○山口委員 今回の財政検証の結果をどう見るかということですが、先ほど駒村先生の方から今回の結果の中には楽観的な推計のケースもあって、全体としてどう評価するかについては慎重に考える必要があるというお話がありました。もともと、今回の財政検証では、経済前提のケースを幅広く細かく設定されたということがありましたので、当初から結果が出ればこれをどう評価していけばよいかといったことが、多分、議論になるのものと、思っておりました。このため、統一的な評価方法を予め議論しておいてはどうかといったようなことも以前、この会議で発言させていただきました。

 全体として今回の結果をどう見るかということは、ちょっと置いておきまして、前回との比較で持続可能性がどうなっているかといった観点だけで見た場合に、仮に、今回のケースCというのが、前回の基本ケースに近いものと考えまして、それに相当すると見た場合には、所得代替率が前回の50.1%から一元化を考慮した上でも、51.0%に0.9ポイントほど改善しているということで、前回との比較で見た場合には、財政状況は若干好転、少なくとも悪くはなっていないと私は感じております。

 その要因としては、やはり、出生率の改善効果というのが背景にあったのだろうなと理解をしております。

 一方は、マクロ経済スライドの調整期間の終了時点が、5年ほど伸びているわけですけれども、これはやはり現実にマクロ経済スライドが発動できていない状況を反映したものと理解されます。

 ただし、報酬比例年金と基礎年金の調整終了期間の差が、前回、19年だったのですけれども、今回は、それがC案をベースにして考えた場合、25年に拡大している。そして、調整完了時点の基礎年金の代替率も前回の26.8%から26.0%と低下おり、このことは基礎年金のみの受給者の相対的な年金水準の低下を意味しており、将来とも低年金となるこの層への対応が急がれることを改めて示していると見ております。

 そういう問題意識から考えて、今回、いろいろオプション計算をやっていただき、非常にありがとうございました。

 特に、オプションの3ですが、高齢期の保険料拠出により、年金額に反映する仕組みの効果というものが非常に大きくて、基礎年金の代替率では、ケースCの場合で、4ポイントも改善して基礎年金の所得代替率が、30%ぐらいになっており、報酬比例年金と基礎年金の調整終了時点の差も22年と短縮しています。

 これにつきましては、昨年の10月だったと思いますが、16回の年金部会で私のほうから申し上げました案を前向きに捉え、その効果を試算していただいたことに改めて感謝したいと思います。

 それから、もう一つオプション1でありますけれども、先ほど柿木先生からも御指摘がありましたけれども、マクロ経済スライドの発動のおくれが結局代替率低下に拍車をかけていることも明らかにされておりますので、特に経済前提がよくないケースも想定しておかなければいけないわけで、楽観的な経済成長だけを想定せずに、厳しい経済環境もあると考えた場合には、やはり物価の伸びが低い場合、あるいはマイナスの場合でも、マクロ経済スライドを着実に実行していくことが必要ではないかと思います。

 このスライド調整を着実に発動する方法として、いろいろなケースでの試算がありましたが、この方式の効果という側面から考えた場合、現在受給している受給者の世代にも、もちろん影響はありますし、今、拠出している加入者の世代もいずれは受給者になっていくので、そこにも影響が出てくるわけでして、そういう意味では、全ての年齢層に対して影響が出てくる。世代間の負担の公平といったような意味でも、このマクロ経済スライドを着実に発動していくという政策は、現在の受給者にも応分の負担を着実にしていただくということで、正に必要な政策選択ではないかなと見ております。

 とりあえず以上です。

○神野部会長 貴重な御意見を。

 ほかに。

○花井委員 意見と幾つかの質問をさせていただきたいと思います。

 まず、1つ目が資料1−1の6ページですが、ここを見ますと、女性のM字カーブが将来的に解消されるということが、今の政権の施策によってということもあろうかと思いますが、前提として出されております。一方、資料の後のほうでは、モデル年金というものがありまして、専業主婦というモデルケースが出されているわけです。これをすぐに変えろというのは、大変難しいとは承知していますが、いつまでこのような世帯をモデルとしていくのか、少し検討課題としていただきたいというのが1点です。

 これは意見です。

 それから、10ページのところです。年金一元化ですが、右下のところに、「一元化モデルは、…パートの適用拡大(25万人ベース)も反映した手取り年収を基に設定」とありますが、年金一元化は来年の10月ではないかと思います。そして、パートの適用拡大は、もう1年後の201610月だと思うのです。

 そうしますと、平成26年度の試算ですと、実はもっと収入は高くなって、結果としては、所得代替率が下がるのではないかと思うのですが、そういう認識でいいかどうかという確認をさせていただきたいと思います。

 

 とりあえず以上です。

○神野部会長 そうすると、特に後者の問題について、事務局のほうからお願いできますか。

○山崎数理課長 この10ページでございますけれども、確かにその一元化そのものは、2710月施行で、その後、2810月にこの25万人ベースの拡大がくるということで、そういう意味で、毎年毎年そういう影響によって、要は物差しが変わるというようなことにもなってしまうわけでございますが、これは将来に向けてのまさに最終所得代替率とかを見る上では、どれか一つ物差しを決めないといけないわけでございますので、そういう意味では、近々行われる、既に決まっている改正は全部取り込んだ上での物差しというものを、共通の物差しとして使うのが一番見やすいのではないかという考え方に沿いまして「一元化モデル」と称しておりますが、一元化プラス25万人、この中でも男子の方はそんなに多くはいないと思うのですが、男子の被保険者に与える影響ということを細かく取り込んだ、ある種現行法のもとで予定されている近未来以降ずっと適用されるモデル、そちらを用いて表示するということでやらせていただいているということでございまして、そういう意味では、左側、平成26年度、この状況のもとでは、まだそのいわば厚生年金というのは、ここである旧厚生年金でございますので、そういう意味では、64.1という数値が26年度の、今、施行されている厚生年金の世界ということでは、所得代替率ということでございます。

 こちらにお示ししてございますが、そのときにでも、もう既に、もし一元化とか、25万人ベースの拡大をやったとすれば、それと同じ物差しだとどうなるかという仮想計算でございますが、計算できるわけでございますので、それで読みかえると62.7だと。将来の所得代替率というものをお示しするときには、途中で物差しが変わると非常に見にくくなりますので、最初から恒常時と申しますか、2810月以降に適用される物差しで、共通してお示ししようということで、ある種わかりやすさをということを重視してやらせていただいておりまして、足下の所得代替率を現在の法制に照らして幾らかということで申し上げれば、その左側にある従来モデルの64.1%という数字だということでございますが、それで、御質問の答えになっていますでしょうか。ちょっと何かもう一つ御質問の趣旨を取り違えていたら恐縮でございます。

○花井委員 済みません。所得代替率が下がるのではないかということです。1年法の施行がずれるわけですから、それから言うと、パートの適用拡大がないままに、年金一元化がまずスタートするわけですから、その時点で計算したら、もう少し収入は高くなるので、結果として所得代替率はその時点では下がって出るのではないでしょうかという確認です。

○山崎数理課長 恐縮でございます。

 つまり、一元化の瞬間は、一元化だけで、もう一年後にパートの適用が来るので、そのパートの適用抜きで一元化だけにすると、その62.7というのは、例えば62.6とかそういう数字になるのではないかというお尋ねということでございますね。

 ちょっとその計算は、今、直ちにないのですが、25万人の中の特に男子の方の部分だけが影響いたしますので、このモデルのほうは男子の平均賃金でやりますので、そこまで数字を変えるだけのボリュームかというと、まあ端数のところはちょっとわかりませんけれども、ほとんど影響はないということかと存じます。

 ことによると、62.762.6とかになっているかもしれませんけれども、1年たつともうこの一元化ベースの物差しになりますので、そこのところは私ども恒常的なものでお示しさせていただくというようなことでやらせていただいたところでございます。

 影響は、ちょっとボリュームが25万人の中の男子ということですので、非常に小さいということで、ほとんど影響はないと認識しております。

○神野部会長 それでは、菊池委員。

○菊池委員 感想めいたことなのですが、ケースAからEとFGHと8通り示されておるのですが、ある見方をすると、このFGHというのは、日本の経済や社会の今後のあり方について、少しAからEとは違った観点に立っているという見方もできるのではないか。持続可能社会とか、定常型社会とか、そういった提言といいますか、提案もなされていますが、基本的に大きな経済成長を前提としない、それでも日本が持続可能社会をつくっていくという、そういう拠って立つ社会の見方についてちょっと違った観点から捉えることもできるのかなとも思ったのですが、ただ、ではそういう前提でこの年金制度を今後つくっていくべきなのかというと、必ずしも現時点でそうではないのではないか。

 もちろん、AないしEにおいても、慎重な見方をしていかなければいけないと思いますが、結局、5年ごとに財政検証があるわけですから、その都度、慎重に見ていき、微調整をしていく。それによって、年金制度に対する信頼感、公平感というものを維持していくとせざるを得ないのではないかなというのが率直な感想であります。

 年金制度の持続可能性とは、財政の話はもちろんですけれども、結局、その制度を支える国民の側の信頼感や公平感をいかに維持していくかということでもあると思っております。

 そういう意味では、現状の経済や社会に対する認識にのっとったケースを前提としたほうがいいのではないかという話になるのですが、そうは言っても、例えば資料2−1の6ページにありますが、労働市場への参加がある程度進むという前提に立っても、いわゆる有名なM字カーブというものがこの推計ではほとんど台形になるという前提での試算になっているので、これは逆にこのような労働力率の将来推計を前提とするということは、日本の経済社会の基本的な考え方を変えていくというメッセージがなければ、できないことではないかと。つまり、ちょこっと保育所をふやすとか、学童をふやすという問題ではないのではないかという印象を持ちました。

 それからもう一点。先ほど駒村委員もおっしゃいましたけれども、2−1の17ページ以下ですが、やはり基礎年金部分が大きく下がるというのは、かなり気になるところではあります。

 この部分は、オプションの特に3との兼ね合いで、そこで支えていくということかもしれませんが、たしかにそれはあり得ると思うのですけれども、しかしたとえそうであっても、基礎年金の割合が大きく落ちていくというのは、やはり日本の公的年金の役割とか、あり方とか、ほかの社会保障制度との兼ね合い、役割分担といったものを中長期的にどう考えるのかということを真剣に考える必要があるのではないかという印象を持った次第です。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございます。

 事務局のほうからコメントはございますか。

 よろしいですか。

 それでは、駒村委員、どうぞ。

○駒村委員 オプション推計のほうで、言い忘れていたことなのですが、先ほど申し上げましたように、余り楽観的な推計のほうに軸足を置いて、必要な政策が後手に回らないようにしなければいけないと思います。

 その上で、前回、2009年は基本ケースで大丈夫とされ、わかりやすく言えば、見逃し三振みたいに、何も改革をしなかったわけですが、今回は、きちんとオプション推計に基づいて、政策を検討して実行すべきではないかと思います。

 その上で、デフレ期のマクロ経済スライドは非常に厳しい内容ではありますが、低成長のケースでは、非常に有効に効いてきますので、やはり経済変動リスクを後世代に押しつけるというのはよろしくないと思います。

 これは、やはりやるべきだと思います。

 それから、適用拡大1,200万人は、これはやはり財政的な効果もあります。

 これは見方によっては、国民会議で議論した2段階改革の一段目に相当する。つまり、国民年金1号の方が、現在の27%から11%まで減ると。ほとんど多くの方が被用者年金のほうに入ってくるという負担能力に応じた年金制度のほうに吸収されるということですから、これもすぐにはできないというものもありますけれども、この方向で進めていくべきだと。長期的には、この方法で進めて行くべきだと思います。

45年加入については、2つの見方があって、60歳から65歳を国民年金1号の任意加入にするような付加年金のような、国民年金独自の政策であれば、これは余り効果がない、意味がないような感じがします。ここで議論されているのは、6065歳を強制加入にして、基礎年金拠出金の計算対象に持って行くということではないかと思います。

 ちょっとその資料1−2のところで、その辺を詳しく見ると、基礎年金拠出金の計算対象が広まることによって、これは厚生年金から基礎年金のほうにお金が流れ込んでいくことが示されるだろうと思います。その結果、資料2−1で見るように、基礎年金のマクロ経済スライド期間が少し短くなり、厚生年金のマクロ経済スライド期間がそれより減らないケースよりは大きくなっているというのは、そういう影響があるのではないか。

 つまり、年金財政内部のお金の流れの変化もこれはあるのではないかと思います。

 この辺、ちょっと解説が必要であり、資料2−1と2−2のどこを見れば、その辺の変化を読み取ることができるのか、事務方に詳しく解説をしていただきたいなと思います。

 ちょっと評価が難しいところです。すなわち、強制加入基礎年金の拠出対象に入れることによって、財政の流れを変えていくというのは、なかなか評価は厳しいわけでありますけれども、基礎年金の低下分を抑えるという選択肢としてはあり得る改革かなと思います。

 支給開始年齢については、先ほど事務局からは、本格推計というよりは、ミクロの繰り下げ受給をやったという簡易計算だということですけれども、やはりケースGなどの厳しいケースを見れば、65歳で45年加入にしたとしても、48.4%の代替率で50を切ってくるということでありますので、これは今回のオプションの議論には入ってこないかもしれませんけれども、66歳をもしケースGの厳しいようなケースでも、66歳まで標準的な受給開始年齢を見れば、50%まで総額マクロ経済スライドを受けた後の代替率は50%までを確保できるようになると読み取ることもできるかなと思います。

 この辺は、今回のオプション試算を超えているところかと思いますので、今回想定している改革の守備範囲を超えてくるかもしれませんけれども、支給開始年齢の標準的な受給開始年齢の引き上げというのは、時間のかかるようなことでありますし、ほかの社会保障制度全体を見ても、下支えになる効果もありますので、これはいずれは検討する価値があるのではないかと思います。

 先ほど、基礎年金拠出金のお金の流れの説明を、どこを見ればいいのかという質問と、それからもう一つ質問がありまして、資料2−1の13ページで、繰り上げ減額の金額が少しケースGとケースEでは異なって4.84.1となっているのですけれども、これは何かマクロ経済スライドの効き方によって、何か違ってきているのか、何でこの4.84.1とこの2つのケースでは違いが出てくるのかという確認したいと思います。

 あと、資料2のうちの12ページですけれども、この表現は、私、どうかなと思う表現があります。

 「65歳以上の就労者の増加が見込まれることから」と、これは自然体で見込まれるわけではなくて、いろいろ政策を行ってふえていくのだと表現すべきではないのかな。何もしなくて、今まで6065歳の受給の労働者が増えてきたのは、支給開始年齢を引き上げたからであって、何もしなくてもこの65歳以降の労働者がふえるのかというのは、ちょっとピンとこない表現かなと思います。

 以上です。

○神野部会長 3つばかり御質問事項がありますが、どこを見ればいいのかという話と、今の最後の問題等々、事務局のほうから。

○山崎数理課長 ちょっと、今、直ちに全てかちっと答えられるかというと、厳しいところがあるのでございますが、まず、最初の話で、このオプション3の60歳までのときを65歳まで45年に広げたときに、当然、基礎年金の期間を65まで45年に伸ばすわけですが、基礎年金拠出金の支え手としては、1号被保険者の方も払った方が65まで、一方で、厚生年金の方がそれで適用されていれば入るということで、それぞれ対象になるということで、基礎年金のお金の流れが変わってくるということで、それの影響をどこを見ればいいのかということでございまして、これは経済前提同士をそろえて、これはちょっと分厚いほうの資料になるのですが、そちらのほうで基礎年金の拠出金算定対象者数の見通しというのが、それぞれのケースで、1号、2号、3号ということで、時系列で出ておりますので、ちょっと、今、もうここで具体的にこのページというのは、時間もあれなのでございますが、一応その資料2つを見比べることによって、もとの制度がこうだったものがこうなるということが見てとれる。ただ、その場合、やはり変化がどのぐらいというのは、比率をとったりとか、そういうことで少し丁寧に分析しないといけないわけでございますけれども、結果がどうかということで、先ほど駒村委員御指摘のように、マクロスライドの必要な期間というものが、若干手前に行ったり、後ろに行ったりと、そのことの様子を見ると、結果としてその被用者のほうが少し持つ割合が高くなっているのではないかとか、大体そういうことを見られたのだと思いますが、結果の解釈としては、まさにそういうことで見ていただけばよろしいかと思いますので、大体40分の45ぐらいに上がっているということでも、精密に見ますと、基礎年金のほうの上がり方がちょっと大きいとか、結果のほうはそれで見ることができる。お金の流れのほうは詳しいほうのバージョンを見ていただきますと、その拠出金算定対象者の人数割合というようなものは数字として出ておりますというところで、とりあえずの最初のほうの御回答にさせていただければと存じます。

 それから、オプションのほうの13ページでございますが、御質問は、例えばケースEとケースGを比較して、繰り下げ増額での要因分解のところで、繰り下げ増額でEのほうだとプラス4.8%、Gのほうではプラス4.1%と、これは同じ1年繰り下げて、繰り下げ増額率は同じなのに、なぜパーセントが違うかと、これはちょっと見づらいのですけれども、このパーセントというのは、ポイントといったほうがいいかと思いますので、もとの数字の所得代替率、ケースEですと、この66歳のところで言いますと、65歳のところの57.1ポイント、これがベースで、これが繰り下げになって1年だと相対比8.4%持ち上がる。

 ケースGのほうは、もとが48.4%という代替率、これが1年繰り下げると、相対比8.4%、0.7掛ける12月持ち上がるということで、それを代替率ということのパーセントポイントの数字に直すと、もとが高いものが高くなる。そういうことで、ちょっと紛らわしい表示で恐縮でございますが、そういう関係でございます。

 それから、恐縮ですが、3点目をもう一回ちょっと。

○駒村委員 見込まれるという表現は、政策を努力によって達成するのだということだと思います、

○山崎数里課長 それはおっしゃるとおりでございます。

 気をつけたいと思います。

○駒村委員 今の中で、6065をこのプランだと、強制加入にするという記載ですけれども、その辺はもう被用者はいいのですけれども、自営業者、1号の方はなかなか厳しい話になってくると思いますし、その場合、もしかしたら国庫負担の影響に入ることも出てくると思いますので、その辺は議論を続けなければいけないと思いますけれども、基礎年金の低下を抑える1つの選択肢としては、あり得る選択肢なので、これは丁寧に説明されたほうがいいのではないか。

6065の期間に関して、また非常に神経質な反応があるかもしれませんので、そこは丁寧に意義を説明する必要があるかと思います。

○神野部会長 ありがとうございます。どうぞ。

○山崎数里課長 私どもといたしましては、あくまでオプション試算ということでございますので、制度として強制とか、任意というのは、本来、ぎりぎり議論をした上でやるべきところであろうとは存じますが、一応、限られた時間でということでございますので、今の仕組みをある種、機械的に3年に1歳ずつ延長していって、納付率なども50代後半の方の納付率から外挿するというようなことで、一応、作業仮説を置かせていただいて、基礎年金の現状の仕組みが延長されていくということで、計算をいたしておりまして、制度的にどうしていくということは、またこれからの御議論だと存じております。

○神野部会長 ありがとうございます。

 花井委員、どうぞ。

○花井委員 今の駒村先生が御指摘された点ですが、45年にするということは、今まで40年でフルペンションだったものを45年でフルペンションにするということですよね。

 まず、その確認です。

○香取年金局長 年金課長がいなくなってしまったので、私から御答弁しますけれども、この45年に延ばすというのは、今の考え方は40年加入で言うところとのフルペンションが決まっていて、それを加入期間が短い方を割り落とすという考え方ですが、むしろ、今の40年加入の上限額を突破して年金をもらう。長くしてもらっても構わないという考え方に立つので、その意味では、あらかじめセットされたフルペンションがあって、それを40年間でという考え方よりは、加入期間に応じて年金額をお出しする。

 今、強制か任意かという話がありましたけれども、45年まで加入しても構わないという形で皆さん加入できるようにして、多くの方が加入したらどうなるかという計算ということなので、もちろん制度的にどう仕組むか、強制か任意かという問題がありますけれども、考え方としては、皆さん45年入れるようにして、いわばかけただけもらえる。上限を突破しても構わないという設定をした場合に、マクロ的にどうなるかという試算をお示ししたと。そうとっていただければと思います。

○神野部会長 どうぞ。

○花井委員 わかりました。

 そうしますと、12ページの下を見ますと、「マクロ経済スライドによる調整がフルに発動される仕組みとした場合」という前提で試算されているわけです。そうしますと、マクロ経済スライドがずっと発動されている状態ですと、今、40年でフルペンションですが、もらえていた6万幾らの年金額というのは、この試算で、例えば45年にした場合、今より下がるのではないかということが一つ懸念として出てくるのです。それはどうなるのでしょうか。

○香取年金局長 単純に考えると、40年加入で6万7,000円掛ける40分の45という金額になります。

 そこからマクロスライドの率がかかるということになりますので、かかり方は一緒ですから、クロスデータがかかったときは40年の人も45年の人もクロスデータはかかりますので、文字どおり、加入期間の分だけ年金額は高くなる、その前提でマクロスライドがかかるということになります。

 ちょっと先ほどの話にありましたが、年金の場合には、例えば、先に保険料が入って、給付が後から出るということになりますので、入りと出のタイミングがずれております。御案内のように、一番最初に厳しいのは、足下2030年のところですから、そこのところは、いわば入りが多くなって、出が後から出てくるということになるので、マクロスライドの調整の期間が当然移動するわけですね。そこは後年の適用を拡大した場合などと同じで、そういう意味では、マクロスライドの期間にもちょっと影響が出ますけれども、考え方としては、40年加入を45年にするというのは、単純にその分だけ長い年金額が出るようにしますということなので、このことに伴って40年加入の人の年金額に影響が出るということはありません。

○花井委員 わかりました。

○神野部会長 どうぞ。

○原委員 いろいろオプションの質問、コメントが出ていますけれども、私からは感想とお願いという形で、コメントさせていただきます。最初の資料1のほうの結果のところを見ての話をさせていただきますと、やはり、この今回の11ページの数字を見ますと、経済再生ケースに乗って、その後も労働市場への参加を進めていくという世界であれば、所得代替率50%をキープできるということで出ていますので、そのためにまずはどうするかということが大事かと思います。

 先ほど、前提で女性のM字型カーブの話が出ていましたけれども、やはり、まずは当たり前のことかもしれませんが、労働市場への女性や高齢者の参加など、雇用面でも積極的に推し進め、経済成長がなければ、年金財政にも影響するということ、つまり、年金財政だけが潤うということではなくて、経済成長というものがないと、年金財政にも影響するということが改めてわかりました。

 また、この財政検証について、いろいろなケースが出てきておりますが、これをいろいろなところで情報発信されていくかと思うのですけれども、その際は、先ほどもお話がありましたけれども、なかなか難しい話かと思いますので、慎重かつ丁寧そして中立的にそしてやや積極的にお願いしたいと思います。 このような8通りという形で出てきていますけれども、いろいろな捉え方ができると思います。 これは、どういう社会や経済を前提としているかが異なるように思います。そしてそれは、若い世代を含めた方々が、個々に置きかえたときに、一人一人がどういう将来像を描くかということにも影響するように思うのです。

 ですので、やはり、想定上いいケースもあれば、想定上低いというケースもあるかもしれませんけれども、どういう世界が望ましいのか、それが社会全体にとっても、それから個々にとっても、どういう世界がこれからの現役世代の人にとっても望ましいのか、そのためにはどうすべきかということをきちんと事実を踏まえた上で、考えなければならないと思います。社会的な支え合いである公的年金制度を適正な水準で持続させるためには、どういった方策が必要になるか、このオプションの試算の結果なども踏まえながら、今後の検討課題を進めていくことが必要かと思います。まずは前提として、一つ一つの説明を丁寧にしていきながら、オプション試算は、今出てきたばかりかと思いますので、今後の議論を進めていく上では、前向きで積極的な議論をこれからしていかなければならないなと思っております。

 ちょっと感想めいたことになってしまいましたけれども、以上になります。

 ありがとうございました。

○神野部会長 ありがとうございました。

 ほか、小塩委員、まず。

○小塩委員 非常に詳細な試算を提示していただきまして、ありがとうございます。

 今まで、出てこなかった論点を申し上げます。財政検証というのは、健康診断みたいなもので、今回の財政検証の結果を見ると、血糖値もちょっと下がっていますし、それからコレステロール値もよくなっているということで、大きな手術は必要ではないという、そういう非常に結構な状況ですね。先ほど、山口先生がおっしゃいましたけれども、年金の持続可能性という観点から言うと、2009年時点に比べてよくなっているということです。

 ですから、ここに示された数字だけを見ると、あまり大きな手術は必要ではありませんということになってしまいます。

 しかし、この数字を見てどうしても気になるのは、やはり利回りの問題です。2009年財政検証でも4.1%というのはマーケットから見ても高過ぎるという批判がありました。民間でも、利回りを低くすると途中で積立金が枯渇するという試算をするところがありました。今回はどうかということなのですが、今回は利回りではなくて、スプレッドに注目してくださいという資料のつくり方をしております。

 例えば、5ページを見ていただきますと、どこにも名目の運用利回りは出てこないのですが、例えばケースEで計算すると、物価上昇率、賃金上昇率、それからスプレッドと加えると、4.2%になるということですね。

 ですから、前回に比べると、0.1%ポイントよくなっているということです。ケースはAからDではもっと高くなっているということですので、非常に結構なことだということになってしまいますが、やはり、今までと同じように、利回りはちょっと高過ぎるという批判が当然出てくると思うのです。

 それに対して、どう答えるかというので、今回、スプレッドに注目してくださいという工夫をなさっています。このスプレッドの理論的な性格については、経済前提の委員会でもいろいろ議論があって、重要なパラメーターであるということはわかっております。しかし、そこで、あえて私の疑問というか、疑念を申し上げますと、もし、スプレッドが年金財政にとって非常に重要だということであったとしたら、名目の金利や運用利回りを、例えばマーケットで見られるような水準までぐっと引き下げても、スプレッドが例えば1.7とか1.5であれば、年金財政はちゃんと持つのか、それが気になるのです。もし持つのだったら、利回りが高過ぎるという、今まで繰り返されてきた批判に対して十分反論できる。今の数字でうまくいくと反論できるのですが、名目で4%超えないとやはり制度が持続できないということになると問題になります。それが気になります。

 名目の利回りがやはり高いので、果たして制度が回るかという点については、再度検討する必要があるということです。

 もう一つは、スプレッドが高いということについてです。それ自体は、非常に結構なことです。年金積立金を効率的に運用するという要請も政策的にかかっていますから、高目のスプレッドを維持できるというのは、厚生労働省サイドから見ると非常に結構なのですが、今、見ていただいている表で、一番右に経済成長率が実質で書いてあります。それだけではなくて、実質の賃金上昇率も書いてありますね。

 そうした数字に比べて、金利が高い、つまりスプレッドの値が大きいということは何を意味するかというと、財務省サイドから見ると非常に辛いものがあるわけです。経済成長率あるいは賃金上昇率はそこそこなのに、それに比べて利回りはかなり高いということですから、年金財政はうまくいくのだけれども、肝心の政府の財政は破綻してしまう。破綻するリスクプレミアムで金利が上がっているという非常に危険な状況が想定されます。

 このように考えますと、数字は非常にきれいですし、経済再生がうまくいかなくてTFPが低くなっても、スプレッドが高くなるから何とか維持できるという構造になって、これがそのとおり行けば非常にありがたいことなのですが、ちょっと危ないという気がします。

 先ほどからできるだけ慎重に数字は議論したほうがいいという議論が出ておりますが、私も全くそのとおりだと思います。ちょっと控えめに見ておいて、例えば、今回はFGHというようなケース――これらの蓋然性はちょっと低いということかもしれないですが――も視野に置いて、あるいはマーケットにどういう予測が成立しているのかというのも見ながら、慎重にことを進めていかないと、例えば支給開始年齢についても、先ほどの御説明は、いわゆる年金数理的なミクロなアプローチで議論は進んでいたのですが、年金財政そのものからの議論が改めて必要になるかと思いますので、ちょっと慎重に数字は議論する必要があると思いました。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございました。

 事務局のほうから特にコメントはございますか。

○香取年金局長 運用利回りの話は、前々回でしたか、財政検証の前提を御議論いただいたときに、吉野先生から御報告があったときにもありましたが、このスプレッドをどう見るかというのは、評価が分かれると思うのですが、あのときもお話ししましたが、実は利潤率と長期金利の関係というのは、もちろん導いているのですが、前回の御説明したように、GとかHとか、非常に成長の低いケースの場合には、相関が見られないので、市場の金利予測のイールドカーブからしましたと御説明したと思うのですけれども、それで見たときのスプレッドの1とか1.2という水準になっています。

 もう一つは、今の足下GPIFの運用利回りは、アベノミクスの水準を入れると2.76ですが、それを引いてもアベノミクス前までは2.2ぐらいがいわゆるここで言うところのスプレッドになっているということなので、そういう意味で言うと、それほど冒険的に高い水準を設定したということではないのではないかと思っています。

 逆に言うと、例えば、TF1.8のケースというのは、そもそも物価が2%で上がって、賃金が2.3まで上がって、実質経済成長率1.4%、物価と合わせると名目3.4で成長するという世界を想定するわけですから、その世界を想定した場合に、4.2という水準は、多分それほど高くはないということなので、むしろ実際の運用の観点からすると、その時々の経済状況の中で、実際にどういうスプレッドを考えていくかということになるので、その意味でいうと、これで高めの水準をとることによって、年金財政をいわば安定させるような、そういう前提の数字を置いて試算をしているということではないと思っています。

 ただ、ちょっとお話がありましたように、例えば、ケースCでスプレッド1.4と置きました。これで計算するとこうなりますが、例えば、利回りが1.4とれなかった場合に、どれぐらい年金財政に影響があるのかという御議論は当然あろうかと思うので、それはこの後、ずっと制度改正の議論をお願いすることになりますので、その中でそういった感応度試算みたいなことはちょっとやる必要があろうかと思っています。

○神野部会長 いかがでございましょうか。

 花井委員、どうぞ。

○花井委員 済みません。短く。

 オプション試算の12ページのところですが、「65歳以上の在職老齢年金を廃止」とされているのですが、これはオプションなので、前提だということは十分理解できますが、先ほど「75歳発言」に関する意見がありましたように、やはり丁寧な説明をお願いしたいということと、それから「廃止」と前提を置いた理由について、教えていただきたいというのがもう一つです。

 それから、先ほど来、基礎年金部分の所得代替率が非常に低下していることについて懸念する発言が出されております。やはり、マクロ経済スライドを基礎年金部分にかけていいのかどうなのか。生活の基礎的経費を賄う基礎年金について、もう少し知恵を出す必要があるのではないかと思っております。マクロ経済スライドを基礎年金部分にかけることは、少し慎重に検討する必要があるのではないかということを、意見として述べさせていただきたいと思います。

○神野部会長 前者の。済みません。

○山崎数里課長 前者の御質問に対してお答えします。

 当然、これオプションはある種の作業仮定ということでございますので、別に直ちにこういう政策を行うということではないと思うのですが、ここで65歳以上の在職老齢年金を廃止ということで、オプションの仮定として置かせていただきましたのは、このオプション自体が65歳まで延長した上で、その後、働いて、保険料を納めていただいて、それによって保険料拠出分プラスその繰り下げによってふえる分ということで、給付水準がどれぐらい大きくなるかということを、ある種プリミティブな形で試算をしたいと考えておりまして、そのときに、在職老齢年金による支給停止というものがありますと、賃金の水準によって、そこの部分の停止になった部分が繰り下げられないということがありますので、非常に複雑なことをお示しすることになりますので、それは非常になかなか理解しにくいので、作業仮説といたしまして、在職老齢年金をなしということにしておきますと、そこは非常に単純化して一律何%とできますので、その辺の関連性も考えまして、ただ、在職老齢年金を廃止しますと、それはマクロ的に財政の影響が出ますので、そこをいいとこどりするわけにはいかないので、65まで延長のところは、あえて財政上はちょっとマイナスになるのですが、65歳以降の在職老齢年金を廃止したとしましてということでやらせていただいて、65から先を繰り下げたときのものを賃金によってのケース分けとかなしにお示しできるように簡便化したといいうことで、まさにオプション試算でございますので、こういうことで簡便な形でやらせていただいたということでございます。

○神野部会長 どうぞ。

○諸星委員 済みません。時間もあまりないので申し訳ないのですが、まず、資料1−1で標準的な厚生年金の所得代替率の、今後、一元化モデルを採用しますよということで、先ほどちょっと御説明があったと思うのですが、パートの適用拡大の中で、これは男性の分しか入れていないというお話でした。

 この一元化モデルを見ると、従来どおりの形なので、夫の厚生年金と夫婦の基礎年金。これは基本的に女性は3号被保険者という前提で入っているかと思うのです。

 今後、逆に言うとオプションのほうでは、3号被保険者の方々を2号に移行しましょう。つまり厚生年金の加入者をふやそうということですので、女性の雇用をどんどん推進して2号被保険者がふえていきます。そうなれば、ここの代替率の部分についても、実は夫婦の基礎年金以外に奥さんの年金も加算されていくのが素直な状態かなと思うのですね。

 そもそも現役男子の手取り収入とあるのですが、今後、女性の就労率も上がれば代替率も変わってきますし、多分、いろいろ財政検証をするのに、やはりこれでなければだめだということはわかるのですけれども、3号を2号にしようと適用拡大を進めるのであれば、やはりその点も含めて、今後は女性のいわゆる夫婦で働いた場合、それから女性単身世帯というものも、やはり今後お示ししていただければなと思います。

 実は、なぜそれに気がついたかというと、資料2−1の12ページ、これは先ほどの繰り下げの問題です。繰り下げは、実際、66歳以降でないとできないのですけれども、これについて、下のところに、平均21年で、なぜか男性のモデルという形になっているにもかかわらず、平均余命が男女平均になっているのですね。であれば、逆に男性のほうが平均余命が短いですし、現役男子にこだわるのであればそれで代替率を計算したほうがある意味正しい数字なのかなと思ったからです。今回はこれでちゃんときちんと出していただいたので、それは構わないのですけれども、一方の政策では3号の女性を2号にする、としているのですから、女性が3号のままであるという計算方法を、やはり今後、財政検証をする際に、見直していただきたいなと思います。

 以上です。

○神野部会長 今の点に何かコメントありますか。

○香取年金局長 このモデルというのは、何を示しているかというと、この年金制度の構造的な水準がどれぐらいにあるかというのをお示しするとなると、基本的には同じ物差しで比較をしないといけないということになるので、例えば、50を切る切らないをどこで見るかというのは、実は、法律上規定が御案内のようにされておりまして、男性平均賃金と基礎年金、フルペンション2個で比較をする。それが50を切るときに、もし切るようなことになれば、制度改正をしようと書いてあるので、いわばこれは年金の定点観測をするための基準ということになっているということなのです。

 今、お話の世帯の類型ですとか、形態によって水準が違うというお話がありましたが、資料1−1の一番最後のページ、26ページに、賃金水準別の年金月額と所得代替率という表を出しております。

 今の年金制度は、これは御案内の先生も多いと思いますが、実は世帯類型とか、片働きか共働きかによって、年金の水準が違うという構造にはなっておりませんで、世帯でどれだけの賃金を稼いでいるか。それに対して、世帯にどれだけの年金が出るかという意味で言うと、世帯の賃金水準が同じであれば、代替率は同じになるという構造になっております。

 簡単に言うと、例えば、40万円片働きで、奥様が専業主婦で3号という組み合わせと、20万、20万で共働きで、それぞれが年金をもらうと。これは世帯で40万の年金で、同じ厚生年金、40万円相当の厚生年金、夫婦ですと2つに分かれるわけですが、それで厚生年金は2個という構造になるので、結局、世帯の年金額を2で割るというか、全部2で割ると同じことになるのですけれどもということで水準が決まるという構造になっています。

 なので、例えば女性が働きだすと何が起こるかというと、世帯全体の所得が高くなるということになりますから、これで言えば、例えば旦那様が60万円の世帯と40万、20万の世帯は同じということになりますので、基本的にはそういう世帯の所得と賃金との関係で見るということになります。

 その意味で言うと、この絵にありますように、世帯全体として所得が高くなれば、代替率は下がり、低くなれば低くなるという、そういう再分配の働く構造になっている。

50というのを見るときに、基準点が必要なので、そのモデルを使っているということなので、別にそのモデルが平均的なというか、世の中の多数派の世帯というような考え方でできているわけではございませんので。それはどうしても最後の議論をするとこの話に必ずなるのですけれども、構造上はそういう構造になっているということでございます。

○神野部会長 ほか、いかがでございましょうか。

 よろしいでしょうか。

 そろそろ定刻でございます。皆様には大変熱心に、しかも今後議論を進めていく上での生産的な御示唆をたくさんいただきましたことを深く感謝するわけでございます。

 今回の財政検証の結果と、それからオプションの結果について、これを材料にこれから議論を進めていくわけですけれども、何分にも事務局のほうは大変でしたでしょうが、これはボリュームが非常に多いので、もう一度委員の皆様方にはお目通しいただいて、御検討いただければと考えております。

 今後のこの部会では、年金のあり方について、きょう出していただきました財政検証の結果とそれからオプションの結果を踏まえながら、さらに国民会議のほうで私どもにさまざまな課題を投げかけられておりますので、それらを含めながら、議論を深めていきたいと考えております。

 次回以降のこの部会の開催等々について、連絡事項ございましたら、事務局のほうからお願いいたします。

○八神総務課長 事務局です。次回の開催日時につきましては、また追って連絡をさせていただきます。

 よろしくお願いいたします。

○神野部会長 それでは、本日の年金部会をこれにて終了させていただきます。

 不手際がありましたが、皆様方の御協力で、実り多い会議にできましたことを深く感謝を申し上げる次第でございます。

 どうもありがとうございました。


(了)

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