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2014年6月10日 第5回 医療情報データベース基盤整備事業のあり方に関する検討会 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成26年6月10日(火)
17:00〜


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○議事

○事務局 定刻になりましたので、第 5 回医療情報データベース基盤整備事業のあり方に関する検討会を開催します。

 本日の検討会は、公開で行いますがカメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいていますので、マスコミ関係者の方々におかれましては御理解と御協力のほどよろしくお願いします。

 また、傍聴の方々におかれましては、静粛を旨とし喧噪にわたる行為はしないこと、座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うことなど、申込時の留意事項の厳守をお願いします。

 本日、御出席の構成員の先生方におかれましてはお忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日の検討会は、 13 名中現在 12 名が出席ですので、本検討会の開催要綱に基づき、定足数に達しており会議が成立していることを御報告します。

 井出構成員は、少し遅れると連絡を頂いています。これより議事に入りますのでカメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いします。それでは、以後の議事進行については永井座長にお願いします。

○永井座長 それでは、本日の配付資料の説明を事務局からお願いします。

○事務局 それでは、机上に配付している資料について説明をします。一番上に座席表があり、議事次第と配付資料一覧をお示しした 1 枚紙があります。続いて、開催要綱、資料 1-1 として、報告書の構成について(前回からの変更点)です。

 続いて、資料 1-2 として、医療情報データペース基盤整備事業のあり方に関する報告書(案)、また委員の机上配付のみの資料となっていますが、別添として同じく資料 1-2 があります。

 続いて、資料 1( 参考 ) として、第 4 回の検討会の主な議論等の概要をお配りしています。続いて資料 2 として、検討スケジュールの 1 枚紙があります。それとは別にファイルで参考資料をお配りしています。以上です。

○永井座長 では、議事に入ります。議題 1 です。「医療情報データベース基盤整備事業の今後のあり方について」のこれまでの議論等の取りまとめについて御議論をいただきたいと思います。

 前回、報告書の構成イメージについて、委員の皆様方に御確認をいただきましたが、本日はそれを基に作成された、これまでの 4 回にわたる検討会での議論の取りまとめとしての報告書案について御検討いただきたいと思います。資料の説明を事務局からお願いします。

○事務局 それでは、事務局から説明します。まず、資料 2 の検討スケジュールを御覧ください。

 昨年 12 月の第 1 回検討会で、本検討会の検討課題と進め方を御確認いただき、第 2 回以降、検討課題ごとに御議論をいただいてきました。前回第 4 回の検討会では、第 3 回に引き続き事業運営のあり方についての検討と第 1 回から第 3 回までの議論の整理の上、報告書の構成イメージについて検討をいただきました。

 本日お配りしている資料 1( 参考 ) は、前回第 4 回の検討会の主な議論等の概要をまとめたものとなっています。本日、第 5 回では本検討会の取りまとめに向け、報告書案について御検討をいただきたいと考えています。

 次に、資料 1-1 です。こちらは前回御確認をいただいた報告書の構成イメージのうち、内容に応じて一部、項目名を変更しています。また、吹き出しを付けている 3 点については構成を変更しています。

 まず、前回 3.(2) としていた「安全対策において想定される調査研究の長所と限界」については、現在の 3.(1) (2) にそれに当たる記載が含まれるので項目としては削除しました。

 また、前回 3.(4) としていた「利活用の環境整備」についても、現在 4.(1) PMDA 及び医療機関における運用に係る体制・環境整備」に含まれるため削除しています。

報告書では、検討課題に応じた項目ごとに構成員からの御意見等を列記した上で、その項目の小括としての議論のまとめを記載しています。

 また、本報告書全体の総括として、最後に 5. 「本検討会の提言の取りまとめ」という項目も新たに追加しています。構成の変更は以上です。

 次に、資料 1-2 、報告書案です。こちらは事前に送付した報告書案について構成員より御指摘いただいたコメント等を踏まえ修正しています。その修正点については机上に配付をしている別添に修正履歴付きをお配りしていますので併せて御覧いただければと思います。

 それでは、報告書案の概要について説明します。まず、目次に続き 1 ページ目の「はじめに」には、日本再興戦略や行政事業レビュー公開プロセスなどについて記載しています。 2 ページ目には、本検討会の構成員の御名前と御所属を記載させていただいています。 3 ページ目から、 1. 「医療情報データベース基盤整備事業について」として、第 1 回の検討会の資料 1 、資料 2 にて事務局より説明している内容を記載しています。

 まず、 (1) 「本事業の経緯と目的」について、 1 段落目には、本事業を開始する背景となった 2 つの提言について、 2 段落目には、図 1 に示すように現在の医薬品等の副作用等報告制度では、医薬品の使用者数が把握できず、発生頻度が把握できない等の限界があることなど。 3 段落目には、欧米で進む大規模な医療情報データベースの整備と活用を我が国でも進める必要があり、まず 5 年間で 1,000 万人規模のデータベースを目指すことが必要との提言を受け、本事業が計画されたこと。 4 段落目には、公募で選定された 10 拠点にデータベースを構築し、医薬品等の副作用情報等を定量的に解析し、リスクやベネフィットの評価を行うなどの安全対策への活用が期待される事例などを記載しています。

 図 2 の下の (2) 「本検討会の検討事項」には、 1 段落目には、行政事業レビューの外部有識者のコメントについて、 2 段落目には、 10 拠点の患者データとして 5 年間で 300 万人程度のデータ集積が見込まれており、目標として設定された 1,000 万人規模への拡大を検討していたところ、レビューの結果を受けて本検討会において改めて現行事業についての見直しを行うことになった経緯などを記載しています。

 続いて、 2. の「本事業のあり方について」、 (1) 「ナショナルデータベースとの関係性について」では、行政事業レビューの指摘を引用し、「そもそも、ナショナルレセプトデータの構築が狙いであったならば原点に立ち戻るべき」などのコメントを受け、レセプト情報・特定健診等情報データベース、いわゆるナショナルデータベースとの関係性について検討を行った結果の御意見として、まず「行政事業レビューの指摘と本事業の有用性について」では、 1 ポツ目には、本事業はナショナルデータベースの構築を目指したものではなく、現在の副作用の自発報告等の限界を補い、医薬品等の安全対策を推進することを目的としたものであること。 2 ポツ目は、具体的な利活用事例を示していくことが必要で、現時点でその規模に到達していないからと言って本事業の有用性が否定されるものではないこと。 3 ポツ目には、まずは現行の 10 拠点における基盤整備を着実に進めることが重要であることなどの御意見を記載しています。

 次の、「他のデータベースとの関係や連結可能性について」では、 1 ポツ目は、ナショナルデータベースと医療情報データベースはそれぞれ独自の事業であるが、薬剤疫学研究で利用可能なデータソースとしてはお互いに補完関係にあること、また、医療情報データベースの強みとして検査データがあること。 2 ポツ目には、一般的にデータベース研究は研究課題等に応じて、利用するデータベースを適切に選択すべきであること。 3 ポツ目は、データベース間の連結について、現状では技術的にも不可能であるが、これは本事業だけの問題でなく、利用に関する前提条件として社会的な合意や法整備などの環境整備が必要であり、中長期的な課題であること。 4 ポツ目は、データベース間の連結可能性を高め、情報の長期追跡性等の向上を図るなど、研究実施のための体制整備に向けた議論が必要であることなどの御意見を列記の上、議論のまとめを記載しています。こちらは繰り返しになりますので説明は省略します。

 次に、 (2) 「データベースの必要な規模と特性」として、行政事業レビューにおけるデータベースの規模やデータの代表性などに関するコメントを踏まえ、検討をした結果の御意見として、まず「データベースの規模等について」では、第 2 回検討会で赤沢構成員、山口構成員から提出をいただいた資料などを基に、 1 ポツ目は、データベースの規模の考え方、 2 ポツ目は、本事業においては内的妥当性 ( 正確性 ) や集積可能性の担保が優先されること。また、欧米でのデータベースの活用事例について記載をしています。

 次に、「データの代表性 ( 一般化可能性 ) について」では、 1 ポツ目は、全国民を代表するデータを提供するものではないという限界はあるが、そのことが本事業の有用性を否定するものではなく、まずは 10 拠点で標準化したデータを蓄積する基盤整備は重要であること。  2 ポツ目は、大学病院の特殊性についての指摘についての御意見、 3 ポツ目は、データの代表性を評価する情報も必要とのこと、 4 ポツ目は、病院の地域性についての御意見などを記載しています。

 次に、「データベースの価値について」では、データベースの規模や特性も含め、総合評価として、その価値を考えることが重要で、本事業が目的とする医薬品等の安全性監視において、どの程度のデータの粒度や標準化が必要かなどを考慮する必要があるなどの御意見を記載し、議論のまとめを記載しています。

 次に、 (3) 「地域連携のあり方 ( 実効性 ) について」です。行政事業レビューの「特定個人が複数の医療機関で受診した結果を追いかけられるようにするべき」などのコメントについて検討をした結果の御意見として、 1 ポツ目は、現時点で保険者に集まるレセプトを利用して情報連携をするのはまだ難しい状況にあること。 2 ポツ目は、第 2 回検討会で赤沢構成員から提出をいただいた資料などを基に、地域の複数の医療機関のデータの共有等の検討を行っている一部の拠点病院における試行的な調査研究の実施等から始めるべきなどの御意見を列記し、議論のまとめを記載しています。

 次に、 (4) 「協力医療機関の本事業参加のメリットと課題等」です。行政事業レビューにおける医療機関が協力する意義やインセンティブに関するコメントについて検討をした結果の御意見として、まず、「協力医療機関のメリットについて」では、第 3 回検討会で大江構成員から提出をいただいた資料などを基に、参加する医療機関にとっても包括的なメリットがあること。

 次の、「協力医療機関の維持・拡充のための課題について」では、 1 ポツ目は、システム導入には医療機関内の関連部署のスタッフの理解と協力が必要であること。 2 ポツ目は、医療機関側の業務の一部として、定常的にデータ抽出作業が発生する場合、調査委託料の支払いといった枠組みの設計が必要であること。 3 ポツ目は、現在、協力医療機関の負担の上に成り立っているが、長期安定稼働の実現には、当面の期間は国費の投入が必要であること。 4 ポツ目は、システム導入時だけでなく、定期的に品質管理を実施する体制整備が重要であること。 5 ポツ目は、関連学会の理解、支援のあり方など検討が必要であるなどの御意見を列記し、議論のまとめを記載しています。

 次に、 (5) 「本事業の将来的な方向性について」です。行政事業レビューの将来的なロードマップなどに関するコメントについて検討をした結果の御意見として、まず「現行事業の方向性について」では、平成 28 年度以降の本格運用に向け、平成 26 年度、平成 27 年度は 10 拠点の整備が優先され、 300 万人程度のデータが集積された段階で試行的に活用し、成果を出すことが重要で、それを踏まえて評価を行うべきであること。また、有用性を示すことで理解を得られること。

 次の、「医療機関の拡充のあり方等について」では、 1 ポツ目は、既存の基盤を活用した医療機関の負担も少ない、コンパクトなシステム導入を検討すべきであること。 2 ポツ目は、今後、拠点病院を拡充する場合には、データの代表性の観点から医療機関の多様性も考慮が必要であること。 3 ポツ目は、公的な病院も含めるのであれば、参加しやすい事業形態等、考慮が必要であること。 4 ポツ目は、施設数を増やすという拡充のあり方だけでなく、データやシステムの仕様の標準化による拡充・拡張、例えば、地域の検査センターにおけるコード化などにより、効率的実施可能性があること。 5 ポツ目は、現時点で地域連携は困難であることから試行調査についても有用と考えられるなどの御意見を列記し、議論のまとめを記載しています。

 次に、 3. 「医療情報データベースの利活用の方向性について」です。 (1) 「試行期間における利活用体制と本格運用に向けた課題等」として、行政事業レビューにおけるデータの活用の方向性などに関するコメントについて検討をした結果の御意見として、「試行期間における利活用体制について」では、 1 ポツ目は、試行期間における利活用の実績等も踏まえ、機微性の高い医療情報の取扱いに十分留意し、本格運用後における利活用のルールを検討・整備をする必要があること。 2 ポツ目は、本格運用後は安全対策に本データベースが活かされるような利活用の方法を検討する必要があること。飛ばしてしまいましたので、戻ります。

 「試行期間における利活用体制について」です。第 3 回検討会の PMDA からの資料などを基に、 1 ポツ目は、図 2 に示すように PMDA において試行期間の利活用の手順が整備されていること。 2 ポツ目は、 PMDA における試行利活用の計画について記載をしています。

 先ほどの所に戻りまして、「本格運用に向けた課題・期待等について」の 3 ポツ目は、 PMDA の安全対策業務への活用とそれを実施するための人員の確保等の課題について。 4 ポツ目は、大学病院での利活用への期待と環境整備の必要性について。 5 ポツ目は、製薬業界における利活用の視点について。 6 ポツ目は、本格運用までの課題の洗出しとそれに対する改善策の必要性について。 7 ポツ目は、先行する欧米のデータベースの活用事例などを参考に、データベースの改善に取り組む必要性について。 8 ポツ目は、定型的なレポートの作成について今後の検討が望まれるなどの御意見を記載しています。

 次に、「医療情報データベースの長所と限界等について」では、第 3 回検討会の PMDA からの資料などを基に、長所と限界と、それらの特徴を把握した上での利用が必要であることなどを記載しています。以上の意見の列記の後、議論のまとめを記載しています。

 次に、 (2) 「安全対策におけるデータの利活用のあり方について」として、「安全対策における活用可能性について」では、第 3 回検討会の PMDA 、川上構成員、青木構成員からの提出資料などを基に 1 ポツ目は、 PMDA における安全対策業務における利用について、 2 ポツ目は、 PMDA の電子診療情報に関する試行調査である MIHARI プロジェクトや川上先生の厚労科研の結果が示唆する活用可能性について、 3 ポツ目は、製薬企業における安全性監視における活用可能性についての期待などを記載しています。以上の御意見の列記の後、議論のまとめを記載しています。

 続いて、 (3) 「利活用の方向性から見た現状と課題等」として、まず「データの標準化について」は、 1 ポツ目は、本事業におけるデータの標準化の重要性について、 2 ポツ目は、本事業におけるデータの標準化に係るリソースの問題とこれまでの経験を踏まえて、今後新たな医療機関が参加する場合の効率化の必要性について、 3 ポツ目は、その負担感が参加する障壁とならないように、また事業全体の進捗等を考慮した優先順位付けの必要性についてなどの御意見を記載しています。

 次の、「データチェックの必要性等について」では、システム導入後のデータチェック、特性評価、抽出条件の妥当性等のバリデーションの実施の必要性について記載しています。

 次の、「医療情報の保存期間の問題について」では、 1 ポツ目は、医療機関の電子カルテの情報は一定期間経過後に削除するというのは通常考えにくいこと。 2 ポツ目は、長期間の追跡調査が可能となるよう、本事業で蓄積するデータは削除せず保存することが望ましいことなどの御意見を記載しています。

 以上の意見のまとめの後に続き、 (4) 「本事業の実績の提示について」として、「国民・医療関係者等への還元と理解の促進について」では、 1 ポツ目は、国の事業として、誤解を与えないような説明で事業の意義を積極的に示していくことが必要であること。 2 ポツ目は、試行期間における利活用の具体的事例を提示し、医薬品等の安全対策に本データベースを活用することの意義、メリットを示していくことが必須であること。

 次の、「薬剤疫学研究への利活用の理解の促進について」では、利活用の実績を蓄積し、情報公開をしていくことにより、データベースを活用した薬剤疫学研究の更なる発展につながるなどの御意見を記載しています。以上の御意見の列記の後、議論のまとめを記載しています。

 次に、 4. 「本事業の運営等のあり方について」です。 (1) PMDA 及び医療機関における運用に係る体制・環境整備」について検討をした結果の御意見として、まず「事業実施の体制強化について」では、医療機関の多様な電子カルテや独自の院内コード等の問題により、想定以上の作業が発生したが、 PMDA における業務の工程や効率を見直しの上、実施体制を強化する必要があること。

 「事業実施の運営支援について」では、事業全体の運営に関しては、民間の活用により限られた予算内で最適化・効率化を図るための検討が必要であること。

 次の、「利活用等に必要な環境整備・人材育成等について」では、 1 ポツ目は、データベースを活用した薬剤疫学研究を推進していくための人材育成、体制整備が必要であること。 2 ポツ目は、協力医療機関におけるシステム運用に必要な人材について、 3 ポツ目は、データの利活用に関して本システムを理解し、適切に分析するための専門家が必要であることなどの御意見を列記して議論のまとめを記載しています。

 次に、 (2) 「費用負担のあり方について」です。まず、「利用者の費用負担と国費投入について」では、 1 ポツ目は、本事業の運営には図 3 に示すようなシステム構築、維持及び利活用体制の確立に係る費用及び人員の確保が課題であり前提となること。 2 ポツ目は、手数料による事業収入が事業の成果指標となるが、まずは現在の支出について医療機関等の協力も得て検討が必要であること。 3 ポツ目は、データベースの抽出結果の利用者による負担と基盤維持に係る間接的な国民の負担などの枠組み設計の検討の必要性について、 4 ポツ目は、データベースの利用価値を高め、利用者負担による適切な運用形態に移行していくことへの期待について、 5 ポツ目は、試行期間における安全性監視の活用事例案の提示と必要な経費等の明確化、またそれが本事業の目的に即して妥当であることが確認された上で、費用負担のあり方について判断されるべきなどの御意見を記載しています。以上の御意見の後、議論のまとめを記載しています。

 最後に、 5. 「本検討会の提言のとりまとめ」として、 (1) (7) まで記載しています。 (1) から読み上げます。

(1) 従来の副作用等報告制度では困難であった副作用の発生頻度や原疾患等の患者背景の分析等の定量的な評価、また低頻度であるが重大な影響を与えるようなリスクの迅速な検出等を可能とする新たな仕組みとして医療情報データベースを活用した薬剤疫学的手法による医薬品等の安全対策の向上を図るため、産学官連携の下、平成 28 年度以降の本格運用に向けて、 10 拠点における基盤整備を進めるべきである。

(2) 試行期間において 10 拠点で集積見込みの 300 万人規模の患者データから、試行利活用の具体的な成果を出すことが重要である。その実績を踏まえ本事業を評価した上で、より有用性の高い 1,000 万人規模のデータベースの整備を目指し、データベースの量及び質の向上を図り、地域連携等も視野に入れ、更なる充実に努めるべきである。

(3) 本格運用に向けて試行期間における 10 拠点の医療情報データベースの品質管理・整備・維持及び安全対策への実践的な利活用を可能とする体制整備に必要な予算・人員の確保が必要である。

(4) 試行期間における利活用の実績等も踏まえて、機微性の高い医療情報の取扱いに十分留意し、研究者・製薬企業等を含めた本格運用後における利活用のルール等を整備する必要がある。

(5) 本格運用開始後の運営に必要な費用・人員等の精査とともに、本事業の目的に照らして、国費、安全対策拠出金、並びに利用者負担を含めた費用負担の枠組み構築に向けて、引き続き検討が必要である。

(6) 医療情報テータベースの利活用の推進に向け、短期的には、医療情報データベースの整備及びデータを活用して薬剤疫学研究等を行う人材の確保・育成が必要である。さらに、中長期的には、社会的な合意や法整備等の必要な環境が整備され、各種のデータベース間の情報連携が技術的にも可能となった際に情報の長期追跡性・正確性等の向上を図った形での横断的な利活用の推進及び体制整備に向けて、引き続き検討が必要である。

(7) 今後の拠点病院の拡充に当たっては、既存の基盤を活用したコンパクトなシステム導入やデータの標準化等の効率化を図ることにより、医療情報の基盤整備・普及に寄与することが重要である。

 最後に、「おわりに」として記載しています。厚生労働省及び PMDA においては本事業が本来の事業目的と合致し、真に予算の効率的な執行、効果的な支出となっているかなど常に留意して実施することが重要であること。その上で、本報告書の内容を十分に踏まえて引き続き検討を行い、本事業に参加する協力医療機関を中心とした医療関係者等との連携を図り、医療情報データベースを活用した医薬品等の安全対策を推進するとともに、医療情報等の電子化と活用推進のため、データやシステムの標準化を含めた更なる基盤整備に資する事業として発展していくことを強く期待するということで取りまとめ案を作らせていただいています。

 長くなりましたが、資料の説明は以上です。

○永井座長 それでは、構成員の皆様から御意見を伺いますが、今回の報告書の構成について、前回の構成イメージから変わった点があるということです。その変わった点、構成の違いをもう一度御説明いただけますか。

○事務局 資料 1-1 ですが、内容に応じて項目名を変えている点があります。 1. (2) は「現状の課題等」としておりましたが、内容に応じて「本検討会の検討事項」としております。

2. (1) 「ナショナルレセプトデータベース」については、通常、レセプト情報・特定健診等情報データベースについては保険局でも「ナショナルデータベース」という文言を使用しているとのことなので、「ナショナルデータベース」と修正しております。

3. (1) についても、「検討」を「課題等」と修正しております。 3. (2) としていた点については、現在の 3. (1) (2) に内容が重複するので削除しております。同じく、 3. (4) 「利活用の環境整備」についても、 4. (1) に内容が含まれるので削除しており、現在の 3. (4) のタイトルを「本事業の実績の提示について」に修正しております。

5. の「本検討会の提言のとりまとめ」を全体の総括として追加しております。以上です。

○永井座長 この構成案の変更について、どなたか御意見、御質問はありますか。よろしいでしょうか。

 よろしければ、構成はこのような形にして、具体的な内容について、どこからでも結構ですので、御意見等を頂ければと思います。あるいは、全般的なことでも結構です。青木構成員から幾つか御意見が寄せられましたが、御説明いただけますか。

○青木構成員 この報告書の案を頂いてから 1 週間足らずということで、製薬産業の意見を取りまとめるのが、私の力不足もあって十分でなかったということが 1 点です。

 その上で、業界全体の有識者に聞いたところの感想としては、全体の印象として、どの辺がこれまでの運営上の反省であったのかが少し分かりにくいのではないかという意見がかなりありました。もともと、この行政事業レビューの中で誤解や説明不足の点もあったかもしれないけれども、むしろ適切な指摘があって、今後の運用はそれを生かした形で更新していくようなことを考えてもいいのではないかと思ったときに、報告書のニュアンスとしては見えないということが 1 つあります。

 一方で、 5 番目のセンテンスとして、提言の取りまとめとして列挙していただいたことを見ると、その辺の趣旨は少し緩和しているというか、視点としては最初の案よりはクリアになったのではないかと思っております。

○永井座長 運営上の反省はどこに記載されていますか。

○事務局 青木構成員から御指摘いただいた点を踏まえて、 24 ページですが、 4. (2) の「費用負担のあり方について」の最後の、議論のまとめの 1 つ上のポツになります。「以上の議論をまとめると」の上に、頂いた御意見を受けて、「本格運用後においては」の所を追記しております。

 もう 1 点、データの標準化についても、 19 ページの 3. (3) 「データの標準化について」の 3 ポツ目で、「データの標準化にかかる作業等の負担感が新たな医療機関参加の障壁とならないよう、また本事業の目的や事業全体の進捗・財務等を踏まえ、標準化する項目の優先順位等を考慮すべきである」と追記しております。

○永井座長 行政の立場から、運営への御意見についてはいかがでしょうか。

○事務局 本報告書において取りまとめていただいている費用負担の在り方などについては、この検討会ではその詳細について議論をするところではなかったので、引き続きの検討課題ということで、今後、適切な関係者と協議していく場を新たに設けて検討していきたいと、事務局としては考えております。こちらの報告書にはその内容は記載しておりませんが、そのように今後、進めていくことを考えております。

○青木構成員 概略的には納得する部分もあるかと思いますが、これまでの運営の中で、大江先生からも教えていただいたように、例えば全ての医療機関でシステム導入時に多くの項目を標準化する等の対応をされたと。それでスケジュールが少し順延したことを考えると、果たしてそれが良いかというよりも、目的に照らし合わせてディスカッションする中においては、 10 拠点の先生方だけではなく、医療データベースを本格的に使うスキルを持っていらっしゃるのは我々製薬産業でもなく、むしろ疫学や公衆衛生の御専門の先生方を含めて行うべきという気もします。力の添え方によって、財務効率性や期限的な視点で見ても、より適切な運営の仕方があったのではないかという議論が少なくともこのあり方検討会ではディスカッションした記憶がなく、しかるべき所で御議論いただきたいという、課題が残っているという認識です。

○永井座長 大江先生、標準化の問題は、今は大体解決したということでしょうか。

○大江構成員  18 19 ページにかけて書いてある部分のことだと思いますが、これまでの議論で私も申し上げたように、標準化というのは、徹底的に何もかも標準化しようとすると、非常に手間や時間が掛かります。確かに、将来、メリットがあるのも理論的には事実なのですが、当面この事業でどこまでそれが必要かは、青木構成員がおっしゃるとおり、十分議論してボーダーラインを決める必要があると思います。

 そういう意味で、 19 ページに書かれている、今後これまでの経験を踏まえて、効率的に実施できるように作業計画の検討を進めるということと、追加されている標準化する項目の優先順位を考慮すべきであるということが非常に重要ではないかと思います。場合によっては、そのトーンが 26 ページからの取りまとめにはっきりと見えていないかもしれないので、ここに少し今後の改善に向けた方策として記載してもいいかと思います。

○川上構成員 今のことにも関連しますが、資料 1-2 12 13 ページに、今後の事業の拡大に関することが書いてあります。そのまとめが 26 ページの取りまとめの (7) に反映されているかと思いますが、この (7) を読むと、「今後の拠点病院の拡充に当たっては、既存の基盤を活用したコンパクトなシステム導入やデータの標準化等の効率化を図ることにより、医療情報の基盤整備・普及に寄与することが重要である」とあります。この「既存の基盤を活用した」というのは、既にそういった SS-MIX などが入っている病院やデータの標準化が進んでいる病院を取り入れることによって、その後にまた基盤整備や普及に寄与するのだと意味をなさないので、 2 行目からは「システム導入やデータの標準化などを図ることにより、医療情報の基盤整備・普及を効率化することが重要である」のようにまとめた方が、いいかと思います。

○永井座長 事務局はよろしいでしょうか。確かに、その方が読みやすいと思います。

○川上構成員 おそらく、効率化というのは、費用と時間の観点でより早く目的を達成できるという意味だと思うので、既に標準化が進んでいる病院の基盤整備を図るというのは、少しおかしな気がします。

○大江構成員  16 ページの中ほどにある 3 つ目のポツの「本格運用を見据え」で始まるパラグラフですが、この最後にある「製薬企業における利活用に際しては、薬事規制との整合等について検討が必要」となっている趣旨が、私はよく理解できていないので、御説明いただけますか。

○安全使用推進室長 薬事承認の際の法に基づく、あるいは指導等により製薬企業が調査を実施することがあります。ただ、収集するデータについては、信頼性担保やその他いろいろな規制がかかっており、データベースを使った調査結果が薬事に関連する調査としてどのように活用できるのかについては、まだ具体的に方針が定まっていない状況です。現在、 PMDA と製薬業界に御意見を伺いながら、考え方を整理するための検討を別途行っております。実際、データを薬事に関連する調査結果として活用するためには何が必要なのか、要件をきちんと整理しておく必要がありますが、まだ整理されていないので、こうした記載としております。

○大江構成員 その前のポツにも書いてあるように、このデータベースは本格運用の時点においては厚労省、 PMDA 、アカデミアだけではなく、製薬業界が積極的にこれを活用することで必要な情報を集計し、そこから安全性に関する新たな知見を得ることが非常に重要だと思うのです。実際、それを最初から視野に入れた上で、ただ、今はまだデータベースの品質の調査やいろいろなことが必要ですし、様々な運用上の問題も洗い出さなければいけないので、試行期間は限定的に利用する。そのため、製薬企業の方々が直接、利用申請をすることは、まだできないという認識で進めていると思います。

 そうすると、 3 つ目のポツは「本格運用を見据え」ですから、本格運用後どうするかというトーンで書いてある訳なので、最後の「製薬企業における利活用に際しては、薬事規制との整合等についても検討が必要となる」という書き方では、本格運用においてもいろいろ問題があるので、進めるにはすぐには難しいとか、いろいろ検討事項があると読めてしまうと思います。ここはもう少し、「試行期間中に問題を明らかにして進めていくことで、安全性に関する知見を提供できるようにすべき」といったトーンにした方がいいのではないでしょうか。

○安全使用推進室長 御指摘のとおりだと思います。事務局としては、本格運用を開始する時点でそういう項目が整理できていなければ使用できないため、試行期間中にきちんと整理することが必要と考えております。

○永井座長 表現を変えた方がよろしいと思います。もっと前向きな表現の方がいいですね。

○大江構成員 後ろ向きに読めてしまうのは良くないと思います。

○赤沢構成員 今の大江先生の御発言にも少し関連しますが、私が議論の中でお願いした薬剤疫学者、いわゆるこのデータベースを使った研究者の育成も、ということで提言の中に入れていただいたのですが、実際に試行期間では、データを教育のために使えるようなシステムにはなっていないのです。試行期間が終わって、実際に使う段階になるまでに育てなければいけない研究者が、試行期間中は使えない仕組みなので、例えば安全性評価のために大きなものを全部使うという訳ではないのですが、教育用の抽出プログラムや、薬剤疫学研究者を育てていくという視点での提言は頂いたのですが、どうやって育てていくかが何も書かれていないので、その辺りは何か良いアイディアがあるのか、方向性があるのか、御意見を頂ければと思います。

○永井座長 その御意見は、今の 16 ページの記載に関係するのでしょうか。

○赤沢構成員 報告書としては、 21 ページに「利活用に必要な環境整備・人材育成等」ということで、いわゆるデータベースを作る方とデータを活用する方を育てるという提言を頂きました。ただ、大江先生から御指摘いただいたように、試行期間では PMDA と協力医療機関に限定して使うということなので、将来使うであろう薬剤疫学者を育てるためにこのデータを使うことができないのです。この提言では、試行期間が終わるまで育てるシステムにはならないので、矛盾しているのではないかという意見です。私もそこまで言えればよかったのですが、今のお話を聞いていて矛盾していると感じております。

○安全使用推進室長 現時点では、試行においていろいろな問題等を抽出する必要があり、広く使用いただける段階にはないため、システムの利活用は PMDA と協力医療機関に限定しております。ただ、協力医療機関において試行的に利活用される中で、そこに従事される方も、データを作る経験や解析する経験など、教育や人材育成もできるのではないかと考えております。

○永井座長 ただ、「必要である」という他人事的な書きぶりではなくて、「本試行期間中にそうした人材育成を始める必要がある」など、もう少し踏み込んで欲しいということだと思います。

○赤沢構成員  PMDA で育てるのか、どういう形か分かりませんが、データを使える人材を育てていかないと、極端な話、使えることになった時に誰も使えなければ、このデータベースを構築していく本来の意味がなくなってしまうので、人材育成についてはきちんと記載していただいたのですが、具体的にどうするのかが見えなかったということです。

○川上構成員 今の話ですと、資料 1-2 22 ページの中ほどの「特にデータの利活用に関しては」の 3 行目以降に、「研究機関、医療機関、大学あるいは製薬企業などにおいて」とあるので、この文章を具体的にどう直せばいいのかについて、御提案いただければいいのではないかと思います。

○永井座長 そうですね。

○川上構成員 この文章でも、赤沢先生がおっしゃっているものはある程度読み取れるような気もしますが。

○赤沢構成員 必要があるということなので、このデータを使って教育ができるようなものがあれば一番いいという提案です。

○永井座長 総論的な話から、もう少しこのデータベースの活用の所まで踏み込めないかということだと思いますが、いかがでしょうか。

○安全使用推進室長 赤沢先生が御指摘のとおり、 22 ページの 3 段落目のポツには、 PMDA と協力医療機関以外に研究機関や他の医療機関、大学、製薬企業も入っており、そこでの解析を専門とする者の育成・養成は、試行期間では難しいのが事実です。試行期間中にはいろいろな問題もあって難しいと思いますが、このデータベースに限定しなくても、例えば民間でも利用可能なデータベースを使用いただくことで、研究活動や人材育成活動も可能ではないかと考えます。

○山口構成員 私も赤沢先生の趣旨はよく分かりました。今、他のデータベースというお話がありましたが、個々のデータベースで特徴や構成が全然違いますし、今の提言では構築する人材と活用する人材の 2 つの役割に分かれていますが、実際活用するためには構築をある程度知らないと解析はできないのです。先ほど青木構成員がおっしゃったことは、そこもあるかと思いますが、試行期間でも薬剤疫学者など解析する側の人間がある程度データベースの構築にも参画して、赤沢先生のおっしゃるところの教育ではありませんが、最終的なアウトプットも考えて、どのように解析するかも考えた上でデータベースを構築していく必要があると思っています。その辺りはどこかに書き込んでくださると有り難いと思っております。

○永井座長 書くとしたら、今のパラグラフですかね。

○山口構成員 そうですね。読んでいくと、あまり協働していないような、構築は構築、活用は活用の形で分かれているような気がしますので、繰り返しになりますが、解析するためにはデータベースが分かっていないとできないので、試行期間中でもそういったところも含めた教育をしていくべきではないかと、私は赤沢先生の御意見を受け止めました。その辺りを少し書いていただけると有り難いと思っております。

○大江構成員 今、山口構成員のお話をお聞きして、そのとおりだと思いました。現在、私の医学系研究科の専門職大学院の修士の学生で、薬剤疫学をやりたいと言っている学生 1 人に、協力医療機関の抽出スクリプトを作成し、課題論文を書いてもらっており、試行期間中から教育的なこともしております。そうすることで、このデータベースを使いこなす人材が育っていくというのは、確かだと思います。

1 つの提案ですが、例えば 22 ページの 3 つ目のポツは、「本データベースに基づく解析を専門とする者を育成・養成していく必要があり」の後に、「試行期間中からそのことを視野に入れて」などを入れることで、早い段階から人材を養成していくというトーンが出るのではないでしょうか。

○永井座長 「視野に入れ」ぐらいの表現で、事務局はいかがですか。実際、少し始めている訳ですし、よろしいように思います。

○山口構成員 大江先生、御意見ありがとうございます。東大の状況を間接的に存じ上げているのですが、去年まで薬剤疫学の久保田教授などは、実際にデータを解析しながら、構築にも関わられていたと思いますし、データベースが分かっていないと最終的にアウトプットが出せないと思いますので、大江構成員がおっしゃったような形で記載していただけると有り難いと思います。

○永井座長 そういうことでよろしいでしょうか。

○山本座長代理 今の御意見に付け加えることは別にないのですが、ナショナルデータベースの経験から言うと、あちらはこんなに整備されたデータベースではなくて、もっと使いにくいため、初めてデータ提供を受けた人はどうしていいか分からず、分かってもらうために様々な方法を何年間にも渡って作ってきたのです。 1 つは完全なダミーデータで、形式だけ同じ小さなデータセットを作って、要求から提供までの流れをまず見てもらうということをしました。その次は、若干条件を緩くして提供できる 1 %サンプリングみたいなデータセットを作って、希少な医療行為やあまり使われない医薬品は全部ダミーコードに置き換えて、安全性を高めたセットを作って使ってもらい、扱いに慣れてもらう工夫をしてきました。こちらのデータベースの方がもっと簡単だと思うのですが、もし可能であれば、例えば全くのダミーデータで、データベースの構造だけ同じような小さなサブセットを作って、まず扱いに慣れていただくというシステムがあってもいいのかもしれません。ただ、これは手間が掛かり大変だと思います。

○医薬品医療機器総合機構安全管理監  PMDA としては、試行期間中は主としてデータベースの構築が業務ですが、もちろん解析をどうするかを意識しながら構築しなければいけないと考えております。ここにも書いていただいておりますが、 PMDA の中にも平成 28 年以降をにらみ、疫学あるいは公衆衛生学を学び、解析できる人材を育てながら構築するというやり方を考えて、今、動いているところですので、先生方の御指摘のとおり、試行段階から人材育成をしていくことに PMDA としても取り組んでいくものと考えております。

○土屋構成員 「試行段階から」と記載してもいいですし、 1 つ目のパラグラフの「したがって、我が国においても、データベース構築及びデータの活用という 2 つの側面から、人材育成」に、「 2 つの観点から統合的に」など、別々ではないというイメージの言葉を入れてはどうかという気がします。

○永井座長 その他はいかがでしょうか。費用負担の所はよろしいですか。青木構成員から、製薬団体としていかがでしょうか。

○青木構成員 製薬団体のビジネス的な論理で言うと、基本的にこうしたプロジェクトを立ち上げる時には、限られた費用と人的な投資と期限の中で対応するのが常です。それらが十分足りていることは私の経験上ほとんどない中で、順延や更に国費を必要とすることには、極めて慎重にならざるを得ないと考えております。また、国費や拠出金を出す場合には、何に使って、何年何月に何が出せて、その必要性は何かとういうことについて透明化していただきたいと思います。

 先般、これまでの拠出金がどのように使われたかに関する資料について、行政からようやく頂けたのですが、本来ならば、こちらから要請するのではなく、定期的に出していただく必要があると考えております。その意味では、「ロードマップの明確化」という表現をされていることで足りるかもしれませんし、もう少し記述を考えていただく必要があるかもしれません。

○永井座長 今の御指摘について、対応はどうなっていますか。特に透明性の高い運営・報告ということだと思いますが。 23 ページの「適切な利用方法」の辺りは、もう少し透明性の点を明記した方がよろしいかもしれません。

○川上構成員  24 ページの 2 段落目の「今後、試行期間における安全性監視の」から始まる文章の中に、経費を含めた明確化を行い、「目的に即して妥当であることが確認された上で費用負担のあり方について判断されるべき」とあるので、ここを具体的にどう書き直すかという御提案をしていただければいいかと思います。

○青木構成員 製薬産業としては、 1,000 万人データの達成時期や、個別の案件に対するロードマップを図示していただくと、大変有り難いと思います。先ほどの御議論の中にもあった、教育に使うシステムとしてダミーデータを提供するのが何年何月であるとか、薬事的な視点においてその整合を図るのが何年何月であるといったことを提示していただくことで、我々としては安心して投資の必要性をディスカッションできると思いますので、御検討いただきたいと思います。

○永井座長 ロードマップというだけではなくて、何のロードマップかという、もう少し具体的な項目をここに書くことだと思いますが、それはよろしいでしょうか。

○安全使用推進室長  24 ページの記載については、検討させていただきます。

○大江構成員  6 ページの「他のデータベースとの関係や連結可能性について」の部分ですが、 3 つ目と 4 つ目のポツについて、修正した方がいいと思います。

3 つ目を見ると、「連結」という言葉が意味しているのは、例えば「連結不可能匿名化の処理がなされている」とか、「これらのデータベースを互いに連結することは技術的にも不可能である」、次の行には「これらの医療情報を共通の ID により連結して利用すること」と書いてあるので、この「連結」という言葉は、基本的には異なるデータベース間で同一人物を突合することを意味しているのだろうと思います。

 そうすると、 4 つ目に「今後、本事業の医療情報データベースのみならず、他の様々なデータベースにおいて収集するデータの標準化等により互いに連結可能性を高め」とありますが、標準化を進めても、個人の ID の突合・連結はできない、連結可能性を高めることはほとんどできないと思われるので、ここは「連携」「情報連携可能性」といった表現に修正した方が、誤解が生じないと思います。それに続く「必要に応じて互いに連結したデータベースを利活用する」というのは、これから制度がいろいろ変わることで連結可能になった場合には、それを連結するということでいいかと思います。

 念のために、次のページの (2) の直前のパラグラフを見ると、「さらに、社会的な合意や法整備等の必要な環境整備が行われれば、情報連携が」とあり、ここでは「連結」が使われていないことからも、先ほどの部分は「連結」ではなく、「情報連携」に修正いただく方がいいかと思います。

○井出構成員 先ほど、青木先生のおっしゃった費用の在り方ですが、先生のおっしゃるとおり、製薬業界の拠出金が今後どのくらいになり、行政事業レビューの観点から国費はいつまで、どれだけ必要かということについて、金額はまだ把握できていないので、文言の修正ということはありませんが、現状、 PMDA や協力いただいている 10 の病院で、いくら支出あるいは持出しがあり、特殊なコストがかかっているのか、原価の調査なども是非していただきたいと思います。

○永井座長 コストの現状把握と見込みということですが、いかがでしょうか。

○事務局 それに関する井出先生のコメントを反映した形で、 23 ページの 2 ポツ目の中ほどに、「現在の支出について、 PMDA 、拠点病院の協力の下、厚生労働省において整理・検討を進めるべきである」とあるので、今の御指摘を踏まえてそこの表現を見直すということかと思います。

○永井座長 そういうことで、よろしいでしょうか。他にいかがでしょうか。

 そうすると、全体的な枠組み、構成、内容はおよそ御了解いただけたように思います。頂いた御意見については、事務局と私で修正し、御発言いただいた先生方に御確認いただいた上で最終版としたいと思いますが、よろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○永井座長 ありがとうございます。以上で本日の予定議題は終了ですが、何か御発言等はありますか。よろしいでしょうか。

 よろしければ、事務局から今後の予定等について説明をお願いします。

○事務局 本日の検討会の議事録の確認を、前回と同様お願いする予定ですので、よろしくお願いします。御出席の皆様の了解を得た上で、議事録を公表させていただきます。また、報告書についても、今後の調整ができましたら、最終的には議事録や資料と同様に厚生労働省のホームページ上に掲載し、公表する予定としておりますので、よろしくお願いします。

 最後に、審議官から御発言をお願いします。

○大臣官房審議官 昨年 12 月から 5 回にわたり御検討いただきましてありがとうございます。行政事業レビューで御指摘いただいた時にはどうしようかと思ったところですが、先生方から温かい医療情報データベースについての御意見、御指導、サポートを頂きまして、本当にありがとうございます。

 永井先生を中心に取りまとめていただいた報告書を基に、更なる医療情報データベースの安全対策の実践的な活用と、それを踏まえた安全対策のレベルアップを試みたいと思っております。御指摘いただいた点については、またいろいろな関係者の先生方とも相談しながら対応していきたいと思っております。

 先生方には、これもまだ試行期間があって、本格運用も控えておりますので、引き続き御支援、御指導をいただきたいと思います。本当にありがとうございました。

○永井座長 それでは、これで終了いたします。半年間にわたり、熱心な御討論ありがとうございました。


(了)

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