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2014年3月7日 第1回在宅医療推進のための医療機器等の実用化促進に関する検討会

医薬食品局

○日時

平成26年3月7日


○場所

航空会館大ホール


○議事

○古元医療機器審査管理室長 それでは、定刻になりましたので、また、御出席予定の委員の皆様がお揃いでございますので、これより、「在宅医療推進のための医療機器等の実用化促進に関する検討会 ( 1 ) 」を開催させていただきます。構成員の先生方におかれましては、大変お寒い中、雪がちらついているような状況の中、また御多忙の折、御出席いただきまして誠にありがとうございます。申し遅れましたが、私は医療機器審査管理室長の古元と申します。本検討会の座長が選任されるまでの間、進行させていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 会議の開会に当たり、御出席の構成員の皆様の御紹介をいたします。お手元の資料の一番下に参考資料 2 があります。そちらに構成員名簿を付けていますので、御覧いただきながら御紹介いたします。 50 音順です。公益社団法人日本薬剤師会常務理事 安部好弘様です。独立行政法人国立長寿医療研究センター機能回復診療部部長 近藤和泉様は本日御欠席の御連絡を頂いています。学校法人名城大学薬学部臨床経済学研究室教授 坂巻弘之先生です。公益社団法人日本歯科医師会常務理事 佐藤徹様は本日御欠席の御連絡を頂いています。株式会社ラピオン山の上ナースステーション代表取締役 柴田三奈子様です。一般社団法人日本介護支援専門員協会常務理事 助川未枝保様です。医療法人社団いばらき会いばらき診療所理事長 照沼秀也様は本日御欠席です。一般社団法人日本医療機器テクノロジー協会在宅医療機器部会部会長 冨森浩二様です。東京都北多摩医師会会長並びに医療法人社団つくし会新田クリニック理事長・院長 新田國夫様です。株式会社みゆき せたがや訪問看護ステーション代表取締役 松井知子様です。また、本日、厚生労働省からは、担当の医療機器審査管理室並びに医政局経済課医療機器政策室 担当の田中室長補佐は若干遅れていますが、後ほど来られる予定です。並びに、医政局研究開発振興課 担当の鈴木係長にお越しいただいています。また、経済産業省から、商務情報政策局ヘルスケア産業課医療・福祉機器産業室 覚道室長にも御出席いただいていますので、御紹介いたします。

 続いて、本検討会の座長をお諮りしたいと思います。参考資料 1 を御覧ください。こちらに本検討会の開催要綱があります。大きな 3 番を御覧いただくと、構成員のうち 1 名を座長として選出するという規程があります。本日、昨年度の報告書を取りまとめていただいた坂巻先生に、引き続いて本検討会の座長をお願いしたいと存じますが、委員の皆様、いかがでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○古元医療機器審査管理室長 ありがとうございます。それでは、以降の進行について坂巻座長、よろしくお願いします。座席の移動をよろしくお願いします。

○坂巻座長 座長を仰せつかりました坂巻でございます。よろしくお願いいたします。

 では、議事に入る前に、まず、資料の確認をしたいと思います。事務局からお願いします。

○古元医療機器審査管理室長 それでは、机上の配布資料を御確認ください。 1 枚目は議事次第です。資料 1-1 は「ニーズ調査の報告書」、資料 1-2 は「資料編」、分厚いものです。資料 2 は「実用化が期待される在宅医療機器等について」、資料 3 は「今後の本検討会の活動について」、資料 4 は「医療機器の薬事承認等について」、資料 5 は「医工連携事業化推進事業について」、これは経済産業省から御提出いただいたものです。また、先ほど御覧いただいた、参考資料 1 は「開催要綱」、参考資料 2 は「委員名簿」です。また、構成員の皆様に限って、本日、当日配布資料として 3 種類の資料を配布しています。当日配布資料 1 は、表形式のものです。当日配布資料 2 、及び当日配布資料 3 は意見書です。以上です。

○坂巻座長 ありがとうございました。資料は不備ありませんか。それでは、議事次第に沿って議題に入っていきたいと思います。

 まず議題の 3. 議事になります。 (1) 在宅医療における医療機器等ニーズ調査報告書について説明していただきます。では、事務局からよろしくお願いします。

○藤田先進医療機器審査調整官 それでは、資料 1-1,1-2 を御説明します。アンケート結果の概要を御説明します。資料 1-1 1 ページを御覧ください。こちらはアンケートの内容です。在宅医療に関わる方々が日頃感じている在宅医療における必要性の高い医療機器等を具体的に把握することを目的として、 2 番の丸1から丸6です。在宅療養支援病院、在宅療養支援診療所、在宅療養支援歯科診療所、在宅サポート薬局、訪問看護ステーション、小規模多機能型居宅介護事業所を対象に、 1 5,277 施設にアンケート調査を実施しています。在宅療養支援病院と在宅サポート薬局以外は無作為抽出で行っています。回答数は 3,203 件、回収率 21 %となっています。アンケートの実施時期は平成 25 1 月です。
 4 ページです。施設・事業所、記入者の職種別の回答状況についてまとめています。アンケートの回答を御記入された方としては、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、歯科衛生士、介護福祉士、その他に分類されています。

 資料 1-2 です。こちらは資料編です。アンケートの生の声がまとめられています。 35 50 ページには、新たな開発に関するニーズとして 322 件、 51 ページからは 1,531 件の改良の必要性を感じる医療機器について、それぞれ項目として、主な使用者、治療検査その他という種類、用途、改良点について分類しています。例えば、 52 ページの中段やや下方ですが、こちらは、使用者として医師、検査機器はレントゲン装置ですが、具体例として、こちらには必要とする使用状況や製品における課題について記載されています。また、次の欄では、解決策や要望、改良点などを記入されています。 1 つの例を取ると、例えば在宅で発熱と咳のある患者で、レントゲンを撮れば肺炎の診断がつくところではあるのですが、その診断がつかないまま救急車で病院に搬送したとしても、肺炎がない場合は、そのまま、また在宅の療養の場に帰宅させられてしまうことがあるので、在宅の時点で判断できるといいということです。同様に、腰椎や胸椎の圧迫骨折に関しても、骨折の有無が在宅の場で判断できるといいという具体例を記載いただいており、内容としては、レントゲンでなくても構わないが確認したいという生の声を多くいただいています。

 戻り、資料 1-1 です。 5 13 ページには、新たな開発ということでまとめています。 14 30 ページには「改良に関するニーズ」ということでまとめています。本アンケートを通してのニーズですが、いわゆる医療機器のほかにも、カレンダーが付いた音声機能による服薬支援の装置ですとか、自動で体位交換ができるようなベッドというような介護に関する要望もありました。このうち、医療機器については、やはり本人・家族が使用するものが圧倒的に多い結果でしたが、使用者の順にまとめていますので、順番に新たな開発と改良をまとめて今日は御報告をいたします。

 まず、医師が利用する医療機器については、診断用のレントゲンやエコーに加えて、心電図モニターやパルスオキシメーターという検査機器が主で、採血検査の、例えば CRP のような、炎症反応と合わせてその場で結果の出るものという要望が多く、それらの小型化・軽量化を期待する声が大多数でした。また、看護師の要望にもあるのですが、通信による電子カルテとの連携によって、多職種のリアルタイムでの情報共有についてのニーズも多くありました。

 歯科医師については、歯科用ユニット及び関連器具というカテゴリーで、ポータブルの椅子に頭部の固定や照明が付いた歯科診療室用機器の関連したものや、吸引とタービンが一体型になったような、在宅での治療環境に耐え得る丈夫でコンパクトなものを求める声が多くありました。

 看護師が利用する医療機器については、採血行為自体の補助ですとか、心電図などの自動解析の機能に加えて、胃瘻チューブの確認や全く新しい導尿システムや残尿の簡易測定など、より具体的なニーズが記載されていました。本人・家族が使用する医療機器の項目と多くは重なるのですが、心電図モニターやパルスオキシメーターなどの監視装置のニーズが多い傾向にありました。

 そして、やはり、在宅医療機器の最大の利用者である本人・家族からのニーズを回答いただいたものとしては、特に糖尿病関連の血糖測定器やインスリン注射器などについて、音声機能ですね、音声ガイドや大きく光って見やすい表示機能の付加という安全面での操作性の向上を期待する声が多くありました。また、点滴ポンプについても、同様に音声ガイダンスや滴下量の調節を容易にしてほしいという要望が多く見られました。また、在宅酸素療法についてのニーズも多くありまして、酸素濃縮装置のリモコンでの調節やバイパップマスクの改良、そして、震災の経験から、停電時の酸素ボンベへの切替えや充電、電源の持続性の向上など、更なる改良が期待される分野であるという結果でした。

 本アンケート結果では、医療機器の新しい開発若しくは改良という形で区分して、使用者ごとに医療機器分類に基づいてカテゴリーしたものを御報告していますが、寄せられた生の声が、分類の切り口や整理方針によっては様々に情報発信できる資料となる可能性があるので、引き続いての検討が必要であるとまとめております。簡単ですが、以上で、アンケート結果の報告とさせていただきます。

○坂巻座長 ありがとうございました。昨年度、この調査においては、構成員の皆様方にもいろいろな御協力をいただきまして、ありがとうございました。この報告書の内容について、皆様方から御質問、あるいは御意見ありましたら御発言いただきたいと思います。いかがですか。よろしいですか。

 また、この後、この報告書の活用の方法についても議論しますが、そこに戻って、また御質問がありましたら質問していただいても結構かと思います。

 では、取りあえず、ここでは議事の (1) を終了して、次の議事 (2) 「在宅医療における医療機器等ニーズ調査報告書の活用方法について」ということで、次の議題に進みたいと思います。では、 (2) について事務局から御説明をお願いします。

○藤田先進医療機器審査調整官 ありがとうございます。本日の資料 1-1 及び 1-2 のアンケート結果報告書の活用方法について、事務局から御提案いたします。今回のこの資料 1-1,1-2 の報告書については、今後、厚生労働省のホームページ等で全文を公表したいと考えています。この件について、まずご意見をいただければと思います。

○坂巻座長 アンケート結果、資料 1-2 はかなり膨大となりますが、これを全文公開するということですね。

○藤田先進医療機器審査調整官 はい。

○坂巻座長 この件について、構成員の皆様方から御意見、あるいは御質問はありますでしょうか。公開の方法というのはどのような形で。

○藤田先進医療機器審査調整官 そうですね、今の考えでは、厚生労働省のホームページに全文を公開して、場合によっては様々な形でリンクを張っていただき、多くの方に見ていただけるような形になるといいかなと考えています。

○坂巻座長 例えば、この構成員の所属されている組織の方にもリンクを張っていただくような形も取っていただくと。

○藤田先進医療機器審査調整官 そうですね、各分野と言いますか、代表の先生方が集まっていただいているので、そういう形になると、非常に理想的かと考えます。

○坂巻座長 ほかの構成員の先生方、いかがですか。

○冨森構成員 この後の私の話にもちょっと関わる前振りなのですが、資料 1-2 では生の声が 1,800 件がきちんと整理されているのに対して、どうしても報告書という関係で、資料 1-1 の報告書は 30 ページにこれが凝縮されているため、実は貴重な生の声にいろいろとフィルターが掛かっているようなことがあるかなと。実は、この後、私はこの 30 ページを更にまとめることをしたものですから、そこを非常に危惧していたのですが、今回、基本方針として、この 30 ページの報告書だけではなくて、生の声 1,800 件も公開されることに関しては、そういう意味では、両方とも公開されるのはかなり珍しい事例だとは思うのですが、有り難いお話かなと考えています。

○坂巻座長 ありがとうございました。確かに、 1,000 数百件のアンケート結果を公表するということは非常に意義があると思います。ほかの先生方、よろしいですか。

 では、引き続き、活用方法についての御提案をお願いします。

○藤田先進医療機器審査調整官 ありがとうございます。当日配布資料 1 2 及び資料 2 を御準備ください。当日配布資料については、開発の状況等企業情報が含まれるため、本日、こちらの資料については非公開といたします。まず、当日配布資料 1 ですが、こちらは、事前に冨森構成員に御協力いただき、資料 1-2 のアンケート結果から、先ほど御紹介があったように、開発可能性の観点ということで、具体的な医療機器という形で御抽出いただいた整理 ( ) という形になります。そして、この結果を要約したものが資料 2 、「実用化が期待される在宅医療機器等について ( ) 」となります。これらの調査結果をもって、当日配布資料 2 のとおり、各団体に向けて、ニーズの高い在宅医療機器の開発に対する情報提供をさせていただきたいと考えています。

○坂巻座長 ありがとうございます。ただいま、事務局よりアンケート結果の活用法についての御提案がありました。基本的には、当日配布資料 2 ということで業界団体のほうに情報提供をするということなのですが、まず、内容について、当日配布資料を基に、冨森構成員から詳しい御説明をしていただきたいと思います。では、先生よろしいでしょうか。

○冨森構成員 それでは、御指名いただきましたので、当日配布資料 1 を中心に説明したいと思います。今回この検討会の開催に当たりましては、厚労省から御相談があって、非常に貴重な時間、お忙しい先生方に集まっていただく中で、資料 1-1 30 ページの報告書のままで、さらにニーズを絞るという作業にいきなり入るのは少し大変だろうということと、事前にいろいろなニーズをもう少し整理させていただければ先生方の議論の効率化になるだろうということでお話がありました。特に私はこの構成員の中では唯一医療機器メーカー側、業界団体から来ておりますので、せっかくのニーズですが、技術的に極めて困難なものをこの検討会で上げても、それが実現しないものであれば意義が損なわれますし、逆にアンケートを書いた方はまだ存在していないと思っている製品が実は既に存在しているという場合、それをこの検討会で要望するということは、取り方によってはおかしくなりますので、特に実現可能性という視点で、この報告書にあるものを整理いたしました。

 それと、この報告書を読んでいて、実は途中で気が付いたのですが、新規と改良と 2 部に分かれてはいるのですが、中身が明確に分ける必要がないものでしたので、新規と開発は区別せずに同一にしております。カテゴリーの分け方は、医師が使用するもの、歯科医師が使用するもの、患者が使うもの、看護師が使うものというカテゴリーは報告書のとおりです。

 あと実現可能性以外に右側に付けている視点ですが、これは実は前回の検討会で実際の現場におられるナースステーションの方や、介護の関係者から言われて、私どもメーカーが非常に肝に命じたことですが、通常の医療機器開発では、ある疾患の治療のために作るということになると、その疾患単一にしか、なかなか目が行かないのです。でも現場の声として聞かせていただいたのは目の不自由な方、耳の不自由な方、ほかの疾患を持っている方の配慮も必要ということがあって、そういった意味では高齢者、障がい者等というまとめ方は余り良くないのですが、そういうニーズが高そうなものについては○を付けています。

 それと震災の後のことに関して、在宅医療と災害対応というのは、非常に関心事が多くて、そこの点にフォーカスしたニーズにも○を付けると。対象者が多いというのは、もともとの対象患者が多いというケースとその機器の対象のうち、特にこういう改良ニーズが多いというのでごちゃ混ぜになっていますので、ここの○に関しては余り信用度が高い○ではありません。

 一番大事な課題である実現可能性については、本情報の扱い方が非常に難しくて、現場のこういう生のニーズはメーカーにとっては、ある意味でお金を払ってでも手に入れたい情報ということもあって、それを一部の会社だけが先に見るのも難しかったのです。実際には私は本報告書を長らく会社の仲間にも言わずにとどめておりまして、この検討会の前ではある程度の整理するために、極めて短い時間で一部の会社に御相談して、この○を付けております。網羅的な調査ではないのでこの精度が低いということと、「既」と「○」の差も非常に難しいところがあって、例えばポータブルのX線装置では、一部のメーカーはポータブルで持ち運びできるというものを出しているのですが、ここのニーズをそれよりも小さいものと取るのであれば、まだニーズですし、それでもって既にあると言えば、「既」になりますし、「○」と「既」も厳密な差ではないと御理解いただいた上で、この表を作ったということを御理解いただいきたいと思います。

 個々の内容については、先ほど厚労省の藤田さんから資料 1 の説明であった内容が、ここにも並んでいますので、その細かい内容は重なりますので省略しますが、そういったことで挙げさせていただきました。

 それともう一点、歯科の先生が使用する医療機器については、私どもの業界でもすぐに対応しづらかったのと、もう 1 つは当日配布資料 3 で歯科医師会の佐藤先生から、こちらに関しては御意見を頂いておりますので、私の配布資料 1 の○は無視して、佐藤先生のものを見ていただければと考えております。

 基本的に報告書にあったものを、若干文言を整理したりしておりますが、これで多分 100 ぐらいに絞ってエクセルの形で作成しました。これを基に当日の資料に、こちらのほうは厚労省で責任を持ってまとめるということで、私の資料を参考にしていただいたものです。当日配布資料は企業の開発関係の機密情報の類もありまして、扱いが難しかった。そういった言い訳がましい話で申し訳ありませんが、そうやって作ったものだということを御理解いただいた上で、この場でコメントを頂ければと思っています。

○坂巻座長 膨大なアンケートの中から、様々な制約がある中、冨森構成員には大変な御尽力をしていただきました。ありがとうございました。この時間の中で、全て 1 1 つ確認することは非常に難しいと思いますが、各構成員の先生方は自分に御関係のある所を是非御覧いただきながら、御意見を頂きたいと思います。

 その間御覧になっていただきながら、本日は御欠席ですが、歯科分野について、佐藤構成員から事前に御意見を頂いております。それを先に事務局から御紹介いただきます。

○藤田先進医療機器審査調整官 当日配布資料 3 ということで、日本歯科医師会の構成員佐藤徹先生より意見書とコメントという形で頂戴していますので、この場をお借りしまして、御紹介させていただきます。

 まず 1 ページの「意見書」ですが、こちらは今回のアンケート結果の中で、在宅療養支援歯科診療所は、対象となった 2,000 施設のうち 695 施設から回答がされています。回答率は 34.8 %ということですが、これは多職種と比較しても高い回収率となっています。これは歯科医療従事者が在宅歯科医療の重要性を深く認識している結果であることを示しており、今後の実用化促進に向けて、その意見を大きく反映していただきたいと考えているということです。また、既に経済産業省においても、問題解決型事業として種々ポータプルユニットの開発がされているところであり、本日開催の検討会においても機器の開発、実用化促進に向けて、経済産業省の同事業と重複すること自体は問題ないものと考えるが、密に連携を取った上で、推進されることを要望するものであるという御意見を頂いております。

 また 3 ページですが、歯科分野においての開発可能性による整理 ( ) の、一番右の欄ですが、非常に詳細なコメントを頂いておりますので、御参考にしていただければと思います。以上です。

○坂巻座長 歯科のほうでは、当日配布資料という形で御意見を頂いておりますが、ほかの構成員の先生方からも御意見がありましたら、是非お願いいたします。

○新田構成員 よく分からない所があるのですが、「実現可能性」とか「対象者が多い」とか「災害時対応」とか、例えば「高齢者、障がい者等」はなぜ分ける必要があるのですか。使うほうは自由に使うのですよね。実現可能性というのは開発者の問題なので、やってほしいことを書いてあるわけです。こんなことを書くよりも、そのままを載せて、可能性をやってもらったほうがいいのではありませんか。なぜ分けたのかよく分からないので。説明を聞き漏らしたかもしれません。

○冨森構成員 私の説明も余り十分ではなかったかもしれません。冒頭言いましたように、もちろんこういうニーズがあるよと。そのままぶつけていただいて、ここで議論いただくということ自体も 1 つのやり方だとは考えておりました。先ほど言いましたように、非常に技術的な障壁が高いものをニーズで上がったと言っても、結局、実用化促進という最後のアウトプットにならない要望になるのかをちょっと懸念したのと、あとは既に実現されているものが混ざっているということ。あと実現可能性というのも本当に可能かと言えば、何でも可能になっていくのですが、この検討会でのアウトプットという意味では、 1 2 年以内ぐらいで製品が出てくるというのを 1 つの目安に。実は他の企業にも私の得意ではない分野で協力いただいたときに、同じ目安で○を付けてもらったので、正にこの検討会で実用化につながることを目指すというときの 1 つの目安として付けさせていただいたということで御理解いただければと思っています。

○新田構成員 もう 1 つは、日本のメーカーではなくて、外国メーカーで結構優れたものがある。高いものですが、そんなのは結構あるのですが、これは一方で日本のメーカーをもっと育てようという目的もあるのでしょうかね。その辺、目的がよく分からないのです。

○坂巻座長 これは事務局でしょうか。事務局いかがですか。

○境先進医療機器審査調整官 御説明いたします。既に外国で使用されており、日本で使用されていないものに関しては、私どもの中に「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」というのがあって、こういった所に関連学会から要望が上がってきますので、そういった海外で使われていて、日本に入ってこないようなものに関しては、ここでは対象にしなくてよいのかなと考えておりますが、いろいろな考え方があると思いますので、御意見いただければと思います。

○冨森構成員 これに当たりましては、余り国内、海外は意識しませんでした。それと海外で既に物があるもので、こういうニーズがあるよとなったら輸入を得意としている企業が輸入するということで、最終的に今の日本の患者に使われれば、それも有りうる形だと思いましたので、そこはあえて意識しなくてもいいかなと思ってまとめておりました。

○坂巻座長 いかがですか。実現可能性については、元のアンケートを全て情報公開しますので、そこで企業の方が御判断いただければいいのかなと私も感じております。当日配布資料となっているものは、構成員限りということでで、こちらは公開されないわけですね。

 資料 2 は傍聴の方にもお配りしていると思いますが、「実用化が期待される在宅医療機器等について」ということで、事務連絡にデータをつけて、情報提供という形で付けて、業界の方に御案内するということになるのだろうと思います。

 当日配布資料 2 には、送付先について記載されていますが、送付先は申し上げていいのですか。送付先 ( ) としては、「一般社団法人日本医療機器産業連合会」「米国医療機器・ IVD 工業界 (AMDD) 」です。先ほど御質問がありましたが、海外にも情報は提供されるということになると思います。申し遅れましたが、 3 つ目が「欧州ビジネス協会 (EBC) 医療機器委員会」、それから、その他となっています。こちらの送付先についても御意見がありましたらお願いします。

 これまで報告書の公開、事務連絡をするということで、事務局の提案として報告書の活用方法についてありましたが、ほかに送付先として追加の御意見あるいは御質問はありますか。

○新田構成員 もう 1 つ、災害時対応の問題ですが、これはこのとおりで大変苦労してこういったものは必要だというのは現実なのです。とは言っても、開発されたとしても、それを誰が、どこで使用して置いていくかとか、次の問題があって、開発されたのはいいが、お金も高いし、どこもできないというのは非常に大きな問題です。ここへわざわざ出したのは、必要だから出したと思いますが、現実に開発されたものはどうするのだというところで、我々も地域等で災害時にこういうのを用意して、国とか、そういうのを利用しながら、お金で購入して置いているわけです。それが今回、またこういうので開発されて、どう利用するのかなということです。ここでせっかく出されても、その辺りまでどこで検討するかどうかは別にして、検討課題かと思います。

○坂巻座長 事務局いかがですか。

○境先進医療機器審査調整官 確かに、ポータブルの吸引器とか、停電時の対応型の酸素濃縮装置がありますが、実際に承認するに当たっては、先生方の様々な意見を聞いて、どういった観点で審査をしていくかというところは一方であると思います。

 具体的にはニーズというところに上がったうえで、今回掲げられているのは実用化の可能性というところを踏まえて上げたものですので、企業の方の御意見、どういったものが含まれているのかというのを、ここにおられる先生方から意見を頂いても結構ですし、どのようなところに留意したもの、どういった方々を対象にしたもの、どういった機器を対象にしたものがいいのかということについて、御意見を頂いてもいいのかなと思います。

○冨森構成員 新田先生の御指摘は、実はメーカー側としても非常に大きな問題というか、より良いものを開発すると、それなりに先生方、患者さんに使っていただけるという意味では、ある程度の改良に対して、投資してそれだけの見返りはあると考えますが、非常に特殊な状況になって、その改良開発に、非常にコストなり時間なりが掛かるということになりますと、いいものを作ったときにどういう評価を頂けるかとか、災害時対応であれば、医療保険がなかなか難しいのであれば、地方自治体の補助の対象になるとか、その後のフォロー的なことは開発するメーカー側としても、いろいろ配慮いただきたいという部分はあります。ただ、今の段階でそれを全部決めるとか、それがないと開発できないということになると、お互いに進まないということになりますので、その辺りはむしろ、こういったニーズが上がったときに、どう実用化まで行くかという中で、メーカーとしては行政の方といろいろ御相談させていただきたいと思います。それが境さんの言われた話、厚労省の方が言われた話につながるかと思っています。

○坂巻座長 恐らく災害時だけではなくて、企業の方にとってみると、事業の将来性というか、収益等予見性とか、そういったことも重要になってくるのだろうと思います。御準備いただいた資料 4 の中に、「医療機器の薬事承認等について」というのがありますので、またそこのところで少し御議論いただきたいと思います。いずれにしても貴重な御指摘をありがとうございました。ほかにはいかがですか。

○助川構成員 資料 2 の項目分けですが、 1 が利用者の多い医療機器、 2 が災害対応時、 3 が高齢者、障がい者、多疾患に罹患している方向けの医療機器ということで、この分け方の中で、 3 番は高齢者、障がい者自身が使う医療機器の部分と介護者及びその他の方が使っていく医療機器の部分ときちんと分けていかないと、これから高齢者だけではなかなか支え切れない部分があります。介護サービス等のほかの介護従事者が一緒に使っていくということで、データの中には介護福祉士等の介護従事者が入ってきたりしますので、この分け方として、利用者が多いというのは、確かに医療のほうから見て、これから非常に在宅医療機器を使う人たちが増えてくるだろう。その対象者の数で言うのですが、誰が使うかという観点ももう少し入れていただいたほうがいいのではないかと思います。本人だけでは使えない場合がこれからはどんどん出てくると思いますので、そういうところも文言の中に入れていただけたらいいかと思いました。

 どこかのアンケートの中には認知症の方のことも入っていたのですが、ここには認知症の方が余り含まれていないようで、認知症の方がいると音声ガイドは、非常に驚いてしまったりで、実際にはうまくいかないということがあります。音声ガイドを軽度の認知症の方でも驚かないで、ちゃんと使えるようにするためにはどうしたらいいのかとか、この辺をどういう分け方をするのかというのは工夫していただけたら在宅のほうからは有り難いなと思います。

○坂巻座長 冨森先生、お願いします。

○冨森構成員 当日配布資料 1 は私が説明いたしましたが、資料 2 の責任は医療機器審査管理室ということだと思います。ただ、私も実は調査報告書の議論した前回の検討会で何度も医療者が使う医療機器と患者が使う医療機器は違う視点がありますよという声を上げながら、資料 2 でそこが消えてしまったのは先生の御指摘のとおりで、私からも事務局に、そこのところは何らか変えていただけたらと思います。

○古元医療機器審査管理室長 少し補足させていただきます。そもそも今回、資料 2 を作った基本的な考え方は、せっかくのこれだけの大部の生の声を眠らせるわけにはいかない。いかに実際に開発をしておられる企業の皆様に興味を持ってこの報告書を見ていただけるかと。それがためには資料 2 が非常に重要で、正に助川先生がおっしゃったように、資料 2 を見た企業の方が、ちょっと報告書も読んでみようかと、手に取っていただけるような、興味を持っていただけるような中身にしたいという思いがあります。ボリュームも 2 枚、 3 枚になってくるとそれも難しい。皆さんお忙しい方々ですので、 1 枚のボリュームの中で、いかに分かりやすく、パッと魅力的な紙にしていきたいという思いでおりますので、そういった観点からも御意見をいただければ大変有り難いと思っております。

○坂巻座長 ほかに御意見いかがですか。

○安部構成員 資料 2 の最初の 4 行ぐらいを読むと、新田先生もおっしゃいましたが、どこをどのように報告書として切り分けるのかというときに、資料 1-1 とか資料 1-2 を公開されるということですので、基本的には問題はないと思いますが、 4 行目の「開発の実現性が高いと思われる」というところは、本当に要るのかどうか。我々、医療機器の素人からすると、開発が難しいかどうかは専門家が考えればいいことかと思いますし、開発が簡単なものはどこでもやるのだろうから、企業にとっては余り魅力的ではなくて、競争というか、どこでも同じようなものができてしまうということからすると、資料 1-1 とか資料 1-2 を見ていただいて、利用者が多いとか、重要性が高いという、いわゆるニーズが非常に高いというところを強調していただいていますので、問題はないと思います。開発の実現性が高いからというところは、表現ぶりがどうなのかなと素人なりに思いましたので、一言申し上げたいと思います。

○坂巻座長 助川先生も安部先生もニーズの側からの発言ということで、非常に貴重な御指摘だったと思います。ほかにはいかがですか。文面については、私と事務局との間でもう少し調整をしまして、最銹的には私に一任させていただければと思います。是非、この場で追加したいことがありましたら、御発言いただければと思います。よろしいですか。

 いずれにしても文面については再度検討いたしますが、このような形で取りまとめをして、業界のほうに情報提供することについて、御承諾いただいたということにさせていただきたいと思います。

 では、次の議題 3 「今後の本検討会の活動について」、皆様方から幅広い御意見を頂きたいと思います。また、冒頭御紹介いただきましたように、経産省、厚労省の医政局経済課、研発課、他の省庁からも御発言をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

 では、まず資料 3 1. 「在宅医療におけるニーズの高い医療機器の早期導入のための方策等について」、事務局からありますか。

○藤田先進医療機器審査調整官 資料 3 ですが、たった今、御議論いただきましたアンケート結果の公開、そして関係団体への状況提供を踏まえて、まずは早期導入に資する医療機器の開発に関連した取組を御紹介いたします。その上で、実用化促進の具体的な方策について構成員の先生方より、広く御意見を頂戴できればと思います。

○坂巻座長 それでは、資料 4 の「医療機器の薬事承認等について」、御説明をお願いします。

○境医療機器審査調整官 では、資料 4 の「医療機器の薬事承認等について」ということで、薬事制度関係のことについて、御説明いたします。まず 1 ページを御覧ください。「医療行為と医療機器」というスライドがあります。薬事法における医療機器においては 400 種類以上と大きく分類しており、 30 万品目以上という非常に様々な種類のものが、一口に医療機器と言って存在するということになります。

 左のほうから予防や検査に用いられるようなもの心電計、血圧計、血液検査装置とか、診断機器と呼ばれる内視鏡、レントゲン装置、X線装置、 MRI といったものもあります。さらには、人体の治療に直接用いられるようなものもあって、ペースメーカ、冠動脈などに使うステント、人工心臓、沈降心肺装置、人工透析、整形の分野では人工骨といったものもあります。さらにリハビリに使われるようなものまで多種多様な様々なものがあります。
 2 ページの上のスライドになります。こうしたものをクラス1~クラス4ということで、国際的な整合性を踏まえて、 4 つのリスクに分けて薬事法においては規制をしています。クラス1の部分については、人体に与えるリスクが極めて低いと考えられるようなもので、メスやピンセットです。こうしたものに関しては一般医療機器ということで、薬事法においては届出を求めています。クラス2の人体へのリスクは比較的低いと分類される MRI 装置やカテーテル類に関しては管理医療機器として、民間の臨床機関における第三者認証制度を取り入れて審査を行っているということになります。クラス3、クラス4は人体のリスクは比較的高いものや、生命の危険に直結する恐れのあるものに関しては、高度管理医療機器として、厚生労働大臣の承認が必要ということで、医薬品医療機器総合機構で審査が必要になります。

 まず、第 2 承認の流れについて、下のスライドで御説明したいと思います。申請者と書いてありますが、医療機器を開発しようという企業については、非臨床試験や臨床試験 ( 治験 ) を行い、そういった結果をもって PMDA に薬事申請され、こちらで医療機器の品質、有効性、安全性についての確認を行うことになります。この結果が厚生労働省に通知され、特に革新的な新しい医療機器の場合は薬事・食品衛生審議会の意見を聞き、その結果をもって厚生労働省で承認という流れの制度を行っています。

 次ページは、こうした承認の仕組みですが、厚生労働省においては、こういった薬事承認を迅速化させようということで様々な取組をこれまで行ってきています。そこで幾つか御紹介しますと、 PMDA における審査の相談体制の強化ということで、下のスライドにあるとおり、審査体制、審査人員ですが、審査や相談を行っている審査官の数は平成 16 年の段階では 22 名程度だったのが、今年度末には 104 名ということで約 5 倍近くの人員を増強することによって、審査を迅速化しようということを行っております。

 また、先ほどのスライドで臨床試験、非臨床試験の成績が審査で求められるということになって、後からいろいろな課題が見付かっては、なかなか審査が進まないということになりますので、早期の段階から相談に来て進めていくということで、 2 つ目の○の有望な施設を持つ大学の研究機関、ベンチャー企業等に開発早期から試験・治験に関する指導・助言を行うという薬事戦略相談という制度を実施しております。また後ほど詳しく説明します。さらに最近では医療機器の特性を踏まえた薬事法の改正は後ほどまた御説明したいと思います。

 さらに国内でのニーズが高い医薬品・医療機器、こちらでは医療機器ですが、厚生労働省が企業に開発を要請して、迅速に承認をするということで、先ほど申し上げたように、海外で導入されているが、日本で使えない医療機器があった場合には、こういった検討会の場を通して評価を行い、開発を進めているということになります。また臨床研究中核病院など、臨床研究・治験の実施体制の整備といった様々な施策を行って、承認の迅速化に取り組んでいます。詳しくは薬事戦略相談については、 4 ページのスライドで御説明したいと思います。

 今、簡単に御説明いたしましたが、こちらは平成 23 7 月より開始しており、日本発の革新的な医薬品医療機器の創出に向けて開発初期の段階から行うことを目指して指導・助言を行っています。

 どういったプロセスを経るかと言いますと、下のスライドになります。シーズの実用化について道筋を相談したい。どういった形で相談していいのかという論点が、まだまとまっていない場合に関しては、事前の面談ということで無料で受け付けています。こういった面談を通して審査チームも同席の上、論点の整理を行う。

 右に行って、有料になりますが、科学的な議論を専門のチーム、若しくは外部の専門家も同席して、対面助言を行うことになり、さらにこの対面助言制度に関しては、中小企業やベンチャー企業、大学等の研究機関については、その相談料を減免する制度もあります。

 下に書いている個別面談というのは、そもそもこの薬事戦略相談のプロセスがどういったことか分からないという方、馴染むかどうかを確認したいという方に向けて、こういった相談も実施しています。
 5 ページは実際どのぐらい相談を聞けるのかということで、薬事戦略相談には医療機器では 152 件の相談が来ております。様々分野ごとに分かれていますが、特に様々な電子機器とか、眼科関係、次に第 5 分野の消化器関係といった順に多いということが書いてあるスライドです。最近では、そのスライドで PMDA の関西支部を平成 25 10 月から設置し、薬事戦略相談を東京の PMDA だけではなく、関西でも大阪の「うめきたグランフロント大阪」とか、こういった所で実施しています。

 こういった一連の取組を御説明しましたが、こういった取組を介して、最近審査が早くなってきているとことを示したのが 6 ページのスライドになります。新医療機器は、新しくて、これまでにないような医療機器に関しては、平成 20 年度現在、優先審査品目と書いていますが、特に医療上の必要性などから極めて優先して審査を行う必要があるものです。優先審査品目や通常の審査品目は 14.4 か月で、 28.8 か月掛かっていたのが平成 24 年度に関しては全体的に品目数が少ないので若干ばらつきはありますが、短くなってきています。その下に関しては、新医療機器の通常品目を抜粋して記載したものになります。

 下のほうを飛ばして、 7 ページに行きますが、後発医療機器の承認実績ということで、既にあるものと同じような後発医療機器に関しても審査が早くなっているというスライドになるかと思います。

 リスクが比較的低いということで、 2 ページの上のスライドで御説明した人体へのリスクは比較的低いと考えられるような管理医療機器に関しては、民間の第三者認証機関による認証制度を取り入れており、 7 ページの下のスライドになり、開発する医療機器メーカーのほうが、民間の登録認証機関というところです。 8 ページの上のスライドになりますが、現在 12 機関あって、こういった機関において厚生労働大臣のほうで、あらかじめ基準を定めて、その基準の適合性を確認して認証するといった制度を取り入れています。こちらは後発医療機器と同じぐらいか、それよりも若干早いぐらいの期間で認証されていると聞いています。

 最後に審査の迅速化の最近の取組の中の 1 つということで御紹介しましたが、「薬事法等の一部を改正する法律」が、平成 25 11 27 日に公布されたところです。法律の概要として、医療機器関係の部分に関しては 2 番になります。医療機器の特性を踏まえた規制の構築ということで、「医療機器の開発される製造販売業・製造業について、医薬品等と章を区別して規定する」ということで、医療機器の特性を踏まえたというところがあって、その次の「医療機器の民間の第三者機関による認証制度を、基準を定めて高度管理医療機器にも拡大する」ということです。今、認証制度について御説明しましたが、次のページの上のスライドになりますが、クラス2の部分だけだった部分を、更にクラスの高い、高度管理医療機器にも広げて、 PMDA ではその分、新たな医療機器の審査に注力して、より迅速に審査ができるようにということで進めています。
 3 番目についても、単体プログラムはこれまでは医療機器ではなかったということですが、診断等に用いられるプログラムを海外との整合性を図って、医療機器のプログラムを定義するというのが 9 ページに簡単に示しているスライドになります。

 そのほか、医療機器の開発に当たって、製造業等に許可が必要だったものを登録性にするとか、製造・品質管理の方法に関する調査を行いますが、そういった方法に関して合理化を図るなどの取組を行ってきています。以上、薬事承認関係の概要を御説明しました。

○坂巻座長 医療機器の承認に関する手続について御説明いただきましたが、せっかくの機会ですので、構成員の皆様方から御質問、御意見がありましたら、お願いします。これは基本的には医療機器になりますので、いわゆる現行法でいうと薬事法になりますが、薬事法の承認、リスク分類によりますが、届出なり承認が必要になってきますね。海外の場合も同じように、もちろん品目によりけりなのでしょうが変更の手続きがあります。

○境医療機器審査調整官 どのぐらいの改良かにもよるところがありますが、改良されても同じような仕組みになるかと思います。認証の基準の範囲内で収まるものでしたら、当然認証諸機関で認証されますし、 PMDA で審査がされるようなものの改良に関しても、同じように PMDA で審査をしていくというのが基本だと思います。

○坂巻座長 ほかにいかがですか。私からも質問させていただきます。先ほどの新田構成員から実際に承認があっても、使われるような仕組みを作らなければいけないという話がありましたが、それに関連してかどうか分かりませんが、例えば、その承認した後の保険での使用についても、企業の方は御関心があるかと思います。もちろん、医療機器に関しては個別に償還されるもの、あるいは診療報酬の中に含まれるもの等があると思いますが、現行、主に在宅医療で使われる機器に関する保険上の取扱はどういう形になっているのでしょうか。ご担当は、経済課かもしれません。よろしくお願いします。

○医政局経済課医療機器政策室田中室長補佐 経済課は医療機器の安定供給ということで、例えば企業の保険収載のお手伝い等をしている関係で、実際の保険のルール決めは保険局医療課がやるものですが、保険のルールをフォローしている立場から説明いたします。

 先生が御指摘のように、医療機器は非常に多数ありますので、在宅と切り取って、その報酬が付いている形にはなっておりません。ただ、例えば一般的に皆さんがイメージされるような在宅で酸素濃縮装置とか、人工呼吸器は医療技術という技術で、例えば人工呼吸器ですと、在宅の人工呼吸器管理料ということで、処方する先生の所に診療報酬が入って、そこで人工呼吸器ですと、それをレンタルするということで、企業と医療機関で契約して、その中で商売が進められているという形になっています。

 あとは特に 1 1 つの材料に償還するようなものとしては、例えば糖尿病患者の血糖自己測定器の替え針に関しては消耗品ということで、患者によっては使う数が多かったり少なかったりということがあったりするので、 1 1 つの材料に付いているという価格形態もあります。状況としては幾つか機器によって点数の付け方あるいは報酬のされ方が変わってくるというのが現状です。

○坂巻座長 在宅の医療機器ということで、特別に新たな点数を付けるべきかどうかということは、この議論の場で議論するものではないと思いますが、在宅用に多くの機器が開発されて、今後、そうしたものについて保険上の扱いが検討されるというような環境になることが望ましいと感じております。ほかの先生方、いかがですか。

○新田構成員 今とても重要な話ですが、実は在宅の場合は、ほとんど包括になって新しい提案された機器等は、ほとんど包括の中で在宅の質を高めるという意味で使われるという感覚で、なかなか保険点数になりにくい、あるいはならないという感じですよね。いちいちなっていたら大変だというのもあるのですが、パルスオキシメーターなどは監視用だし、超音波ですら、中に入ってしまっています。そのように保険とリンクしてやるのは企業が入ったときのみで、酸素とか、その辺が微妙にという感じがしております。

○田中室長補佐 医政局の医療機器政策室が診療報酬を設定しているわけではないので、代表してコメントする立場にはいないのですが、医療機器の特性として、使っている医師の技量が非常に大きく、例えば企業が提供するトレーニングとか、在宅のマニュアルの役割がすごく大きくなっておりますので、ある意味では売ってしまったら売ってしまった分の点数が付いていて、それ以上の責任を取らないというよりは、医師と企業は一心同体で、その報酬を分け合って、いい質を担保しながらサービスを提供していくという包括の考え方というのは、ある意味では合理的なのかと思っています。

○坂巻座長 よろしいですか。例えば、クラス4みたいな高度な医療機器に比べると、在宅医療の場合は使われる場面も非常に広くなってきますので、やはり保険上の扱いは将来の課題になるのだろうと思います。ここは、具体的に保険局あるいは中医協に対して提案するという場ではありませんので、今日はこういった議論があったということで議事録に残していただければと思っております。ほかにはいかがですか。

 では、今日は経済産業省からも御出席いただいております。経済産業省で行っている取組についても御紹介いただきたいと思います。冒頭御紹介がありましたが、経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課医療・福祉機器産業室の覚道崇文室長からよろしくお願いします。

○経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課医療・福祉機器産業室覚道室長 御紹介いただきました経済産業省で医療・福祉機器産業室長をしております覚道です。資料 5 に基づいて御説明いたします。経産省としては、主に医療機器の開発の立場で、医療機器の政策に携わっております。御案内のとおり、医療機器を含め、医療機器、医薬品、医療関連産業というのは、ある意味でこれからの成長産業という位置付けがあります。医療機器産業を成長産業に位置付けて、もちろん患者さんの QOL とか健康、あるいは生命を救うという大前提がある中で、産業としても発展していくことが重要かと考えております。そういう立場で政策を推進しております。

 問題意識として、先ほど海外の医療機器という話もありましたけれども、実際に医療機器、特にリスクの高いものは結構海外製品が多い状況です。いわゆる工業製品ですから、いろいろなものづくりの技術を生かせば、日本らしい医療機器を市場に出していけるのではないかという観点からも、医療機器の研究開発とか、事業実用化開発というところを政策として進めています。

 今回は、在宅の医療機器ということですので、そちらのほうがある程度対象に入ってくる事業として、「医工連携事業化推進事業」の御紹介をさせていただきます。この事業は後ほど御紹介いたしますけれども、本年度までは「課題解決型医療機器等開発事業」ということで、当日配布説明資料 3 で、歯科医師会の佐藤先生が「問題解決型事業」という形で御紹介されていましたけれども、正式名称でいうと「課題解決型医療機器等開発事業」ということでやってきております。次ページ以降で御紹介いたします。

 その事業を来年度からは事業名が変わり、内容も若干見直しをする予定のところがあります。来年度からは「医工連携事業化推進事業」という形で進めることにしておりますので、タイトルとしては「医工連携事業化推進事業」ということで御紹介させていただきます。
 1 ページの下の所が「事業の概要」です。日本のいろいろなものづくりの技術を生かせば、日本からもっといろいろな医療機器を作っていけるのではないか。実際に医療現場で使われていて、先ほどからも正にいろいろなニーズがありましたけれども、臨床現場で実際に医療機器を使う先生方が、この医療機器はこういう所がもう少し工夫されればもっと安全性が高まるとか、あるいはもっと使いやすくなって手術時間の短縮につながる、というような臨床のニーズを踏まえてそれに対して、それであればこういう中小企業が持っているこういう技術を使えば、例えば更にもっと細いいろいろな手術器具を作れるとか、もっと複雑に動くような機器を作れるみたいなイメージです。医工連携とよく言われますけれども、医療現場のそういうニーズと、ものづくりの技術を組み合わせたような医工連携の推進によって、医療機器の開発を進めようということです。

 事業は大きく 2 つに分かれています。中心になっているのが実際に医工連携によって医療機器の開発を進めようという、開発を進める方に対して一定の条件の下なのですが、開発支援を行うというのが 1 つ大きな事業になっています。本当の研究開発というよりは、正に実用化のところを見据えたような、比較的短い時間で実現が可能なテーマを広く公募し、そこで採択されたものに対してそういう研究開発及び実用化の支援を行うというのが 1 つです。

 あとは、関連する事業として、特に新規参入するような中小事業者というのは先ほどもありましたけれども、医療機器の分野は薬事を通したりということがありますので、そのような方に対するサポート、あるいはいろいろな医療ニーズとのマッチングみたいなこととか、そのようなソフト的なことも、この事業の中で少しやっているということです。

 実際の事業の中身は今年度まで進めております「課題解決型医療機器等開発事業」ということで御説明させていただきます。 2 ページの上のスライドの 3 番目です。平成 25 年度までは「課題解決型医療機器等開発事業」ということで進めてきております。背景としてはものづくり技術をもっと生かせば、もう少しいろいろ日本発の医療機器、あるいは改良・改善した医療機器が作れるのではないかということです。そのために、特に医療現場でニーズが高いようなテーマを選定し、開発の支援を行うものです。今までのところは、単年度当たり 8,000 万円ということで、それを最長 3 か年ということで開発の支援をしております。スライドの一番下の所に、これまでの採択件数が書いてあります。例えば、直近の平成 25 年の夏の公募では 154 件ぐらい応募を頂き、そこから 13 のテーマを採択させていただきました。

 その下の 4 枚目のスライドですが、具体的にどういう感じで御提案を頂いているかというと、この事業は医療現場のニーズがしっかりあるものの開発を支援するということですので、必ずコンソーシアムを組んで御提案を頂いています。その際に実際のニーズ、こういうものを作るのだという際に、臨床側からのニーズが重要だということで、必ず医療機関の方にそのコンソーシアムの中に入っていただくことを条件にしています。あとは、ものづくりの技術を生かすということなので、ものづくりの中小企業にも入っていただくということで、この輪で括られている「医療機関」と「ものづくり中小企業」というのは必ずコンソーシアムの中に入っていただく形にしています。

 加えて、特に新規参入で中小企業が医療機器の開発に取り組んでみようという場合には、最後には薬事を通して実用化するというところまでのプロセスで、独力でやっていくのは結構難しいものですから、なるべく既存の医療機器メーカー、製造販売業を持っているような企業にもコンソーシアムの中に入っていただくような形で御提案を頂くようにお願いしています。したがって、あとは典型的ないろいろな技術のサポートをできるような大学も入った、これぐらいのコンソーシアムで医療機器の開発をしますというテーマを広く募集しています。それで、毎年 150 件ぐらいの応募を頂いて、 10 数件採択してきているような状況です。
 5 枚目のスライドですけれども、この「課題解決型事業」で採択された場合ということです。医療ニーズというのが当然あって、それに対して中小企業などが持っている技術シーズをうまくマッチングして開発を進めてもらうということです。 3 年を一応限度に支援をしていると申しましたが、 3 年たって大体実用化のめども立てていただいて、この支援が終わった後には薬事申請をして、できるだけ早く市場に出していただくのを事業の目的にしています。その開発のプロセスが順調に円滑に進められるように、採択したテーマに対してはいろいろコンサルティングもするのが事業の特徴になっています。

 併せて、医療機器の開発というのは当然いろいろな試作をしたりというのに加え、いろいろな臨床試験をやらないといけません。先ほど御紹介のあった、例えば PMDA にいろいろ御相談したりということもあります。 PMDA の相談も無料の相談と、お金のかかる相談があるという話でした。 PMDA の相談経費とか、あるいはいろいろな知財を調べたりという経費も事業費に含めていただいていいということで開発支援を行っています。

 事業は平成 22 年度から始まっているのですが、補正予算で始まった経緯があり、実質は平成 23 年度から始まっていて、最長 3 年としておりますので、大体今年度から卒業案件がそろそろ出てきて、したがってその後で薬事申請があって、これから 1 年ぐらいの間に、これで支援したいろいろなテーマが実際に製品化されて、市場に出ていくようなイメージです。
 3 ページの下の所で、「医工連携による医療機器の開発の方向性」と書いてありますけれども、平成 26 4 月からの年度は、「課題解決型医療機器開発事業」というのが、「医工連携事業化推進事業」として、ちょっと見直しをして事業名も変わります。それに当たって、このようなところを重視していこうということで整理しています。まだ検討中ではあります。基本的に今までは、とにかく医療機器の開発テーマを広く集めて、それを良いテーマを順番に点数付けをして採択をするという形で、こちらでこういう分野をやってくださいという方向付けは余りしていなかったのですが、平成 26 年度からは、こういう分野を特に重点分野として設定をするので、このようなところにトライしてくださいという形で課題設定をしようと思っています。
 4 つ書いていますが、 1 つは「国産医療機器の開発促進 ( 国内競争力の向上 ) 」と書いていますけれども、今は比較的リスクの高い分野が多く、特に日本はまだ競争力が必ずしも高くない。他方でそのようなものは結構ものづくりの技術が生かせるようなところもあるので、そのようなところに、先ほど言うところのリスク分類としては高いところになりますけれども、そこの分野を頑張って挑戦していただくようなテーマを募集します。

 右側で、「開発実績を生かし海外展開の促進」と書いてあります。医療機器を産業として捉えた場合に、もちろん国内の市場も重要ではあるのですけれども、やはり海外の医療機器の市場というのはもっとポテンシャルが大きいので、海外にも頑張ってトライをしていただくというのが、産業政策的には重要であります。したがって、頑張って海外の市場で医療機器を売っていくことを目指すようなものも応援しますということです。

 左下は、「新規参入の促進」です。今までは自動車の部品を頑張って作っていましたみたいな中小企業が、医療機器の分野にトライしますというようなテーマに対して少し応援しますということなのです。そのような方は、最初からリスクの高い分野に取り組むというよりは、どちらかというとリスク分類が低い所で、かつ実用化が結構早くできそうな所に新規参入の人がトライできるような感じのテーマを応援しますというのが左下です。

 右下が、正に今回と関係する所です。これまでは医療現場で、お医者さんが使うような医療機器にフォーカスしていたのですが、もう少し広がりを持たせて、例えば医療現場でもお医者さんが使うような医療機器だけではなくて、看護師とか他の医療従事者が使う、場合によったら医療機器ではないけれども医療現場の安全につながるような機器、その次に書いてある「在宅」ですが、在宅分野で使われるいろいろな医療機器。それから予防につながるようなものとか、このようなところも重点分野として設定していってはどうかということで検討しています。

 これは経産省の立場という感じになるのですけれども、先ほどのニーズを整理されたものの中で、「実現性が高いかどうか」という記述があったと思います。ニーズがあるというのは非常に重要なことだと思うのです。今までは他のものを作っていたけれども、これから医療機器の分野に参入しようと思っている事業者が中小企業の方にはいます。そういう方たちが、医療現場のニーズをいろいろ見付けてきたり、あるいは医療現場のニーズを地域のいろいろな機関がアンケートで集めて、実際にそういう中小企業に、こういうニーズがありますから、お宅のものづくりの技術を生かしてトライしてみませんかといったマッチングみたいなことをやる例も多いです。そういう場合でも、実際に作ってはみたのだけれどもなかなか難しかったとか、作ったけれどもそのニーズは非常に限られていたと。あるお医者さんはこれはニーズだと思っていて、それはそのお医者さんには使い勝手が良くなったのだけれども、そうかといって他のお医者さんはそれを余り使ってくれなかった。そういう意味でいうと、生のニーズの情報というのも重要ではあるのですけれども、開発して、これから医療機器の分野に参入して、医療機器の分野である程度頑張って儲けてみようと思っている人からすると、やはり生のニーズにもう 1 つ付加価値が付いて、このニーズは比較的これぐらいの技術で、比較的短い期間で出来そうだというようなこと、あるいは、本当にたくさんの人がこれを必要だと思っていますと。それは、実際に作ったものがある意味市場性を持つということなのです。

 そのような意味で、既存の医療機器をやっている事業者にとってみると、その辺は自分たちで判断できるからいいということはあると思うのです。これから医療機器の分野に参入しようかと思っている方にとっては、生のニーズに、もう 1 つ、これは実現性があるとか、本当に望まれているとか、そのような情報が加わると、より挑戦しようかという意味でのインセンティブになる面はあります。どちらかというと、現場でこういうのが必要で、それに対して医療機器を提供し、実際に患者さんの治療だとか、 QOL の向上につなげるのがメインの目的だと思うので、中小企業の参入がどうとかというのはあれなのかもしれないのですけれども、経産省の感じからすると、そのような情報は必ずしも無駄ではないというか、意味がある情報ではあるということです。そこは、そういう見方もあるということで参考にしていただければということです。長くなりましたけれども、私からの説明は以上です。

○坂巻座長 今のお話の中で、各省との連携ということと、ニーズについて、それぞれの立場からいろいろな見方ができるのではないかというお話もあったと思います。せっかくの機会ですので、構成員の先生方から御質問、あるいは御意見がありましたらお受けいたします。

○松井構成員 今のお話を伺っていて感じたことがあるのですけれども、訪問看護ステーションの数が、今はすごく増えてきている状況です。何か新しい機器が出たときに、病院にはすぐに営業が行くので新しい情報がどんどん入る状況にあります。乱立してくるステーション一個一個には営業が来ないので、新しいものが出てきてもその情報を知らないということが多々あります。

 今回のアンケートを見た中で、既存であるというものもここにたくさん出ているという結果につながっていると感じました。その中で、ステーション側として今努力していることは、かなりアンテナを張って情報を取っていかないと、新しい機器の情報が取れないということがあります。それは自分たちが努力すればいいと感じています。

 今回、配布資料 3 の佐藤先生の 2 枚目にコメントを書いてくださったように、もちろん資料 1-2 の生の声を載せることも大事なことだと思うのですけれども、これを少し整理して、佐藤先生のように、関連するような所の情報を共有して、こういうことがあるというのを載せてあげると、よりいいのかなというか、参考になります。これを読んでいて、これはどうなのだろうと思うものもありますので、少し整理してみると、もう少し分かりやすかったり、開発される側もここのニーズはもっと高いのだということが分かりやすいのかと感じました。

○坂巻座長 どういう医療機器が世の中に存在しているかという情報発信について、事務局から、今の御発言に対してコメントはありますか。

○安川医療機器審査管理室室長補佐 冨森さんの御意見もお聞きしたいところもあるのですが、そういうのはどのような形で新しいものが開発されて、いろいろな所に売り込んでいくかというのが大事なところなのです。在宅というのは、こういうところの視点が違うというのを、企業側として今後どのようにやっていくかというところもあるのだろうと思うのです。

 訪問看護ステーションがどんどん増えてきているということであれば、そこに市場性があるわけですから、よく使ってもらえる所があれば、そこにこういう商品がありますという紹介とか、どこかに関係団体があればそういうツールに売り込み方もあるでしょう。行政側も、うちの法律の中だと個々に承認という話はあるのですが、こういう場を含んで業界側とも連携を取って、どこまでできるかという話を、こういう議論の場ですることも 1 つの方策だと思います。

○冨森構成員 実は松井構成員に言われたように、確かに訪問看護ステーションに対してはなかなか製品のお話ができないというのはあります。 1 つ医療機器に関しては、薬事法の広告規制で、広く一般の方に効能・効果をうたう宣伝は禁じられています。医療関係者にでないと、そういうことができない中で、非常に情報が取りにくくなっている、私どもも出しにくくなっていることはあるかと思います。

 企業のホームページへ行って、「医療関係者ですか」という所をイエスにすれば見られるというのは、そのギリギリの所でやってはいるのですけれども、確かに医療関係者というと、ついつい私どもも病院など営業が行く所、採用してくれる所にフォーカスしてしまっています。一緒にコメディカルという、いろいろな方々が支えている医療の中で、やはり情報共有はどうしたらいいかというのは大事な課題かと考えております。ありがとうございました。

○坂巻座長 重要な課題が挙げられたということで、非常に貴重な御指摘だったと思います。

 本日は、厚生労働省医政局研究開発振興課の鈴木係長にも御出席いただいておりますので、是非御発言をお願いいたします。

○医政局研究開発振興課鈴木係長 研究開発振興課の鈴木です。厚生労働省では、厚生科学研究費にて、主に大学等の研究者の行う医療機器に資する研究に対して支援を行っております。今回、在宅医療でニーズがあるとされた報告書やアンケート結果がホームページ等で公開されるということで、そちらを公募要項に、研究の優先採択テーマとするといった記載ぶりをすることによって、より実現が可能になるような対策を考えていきたいと思っております。

 先ほど覚道室長より、企業に対しての支援について御説明いただきましたけれども、やはり企業が乗ってこないような、余り儲からない難病や希少疾病等に対しては、大学が中心になって研究を行わないといけない場合もありますので、そういう観点からも推進していきたいと考えております。以上です。

○坂巻座長 先ほど申し上げましたが、いずれにしても企業、研究者、関係省庁の連携は非常に重要な領域だろうと思います。本日の検討会としては、頂きましたいろいろな御意見を踏まえ、関係省庁及び関係団体との連携をより強化していただきたいと考えておりますので、事務局のほうでそういう対応をよろしくお願いいたします。

 資料 3 1. 「在宅医療におけるニーズの高い医療機器の早期導入のための方策等について」ということで、各省庁からの取組を御紹介いただきました。次に、 2. 「関係団体への情報提供に基づく在宅医療機器の開発状況の確認 ( フォローアップ ) について」が議題として準備されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。

○藤田先進医療機器審査調整官 資料 3 2 番です。先ほど御議論いただきました、関係団体への情報提供に基づき、在宅で使用する医療機器が開発されたかどうかの確認が今後必要になってくるかと考えます。具体的な検討方法について御議論いただければと思います。

○坂巻座長 情報提供するということは確認されたわけです。これで実際に開発につながったかどうかということをフォローアップ、進捗を確認しようということだろうと思います。先ほど冨森構成員から、実現可能性ということについて、それを踏まえて御提案がありました。実際に進捗の確認をするためにどのぐらいのタイミングで行ったらいいのかを踏まえ、冨森構成員から御意見を頂きたいと思います。

○冨森構成員 実用化促進という意味で、どれぐらいのタイミングで実用化できるかという御質問と理解しております。先ほど、医療機器審査管理室の方から、薬事承認の説明がありました。在宅で患者さんが使うような医療機器というのは、認証基準が設けられているものが多いです。先ほどのような認証基準の範疇の製品の改良であれば、いわゆる認証というプロセスはかなり進めていただいている状況の中で、早いものは 1 年以内に出ることは期待できるかと思います。

 改良の範囲が、その認証の範囲を超えるとか、あるいはもともと承認が必要なものとなると、審査の方もスピードアップしていただいてはいますが、企業も努力しながら縮めていく中でも、まだ 1 年を超えるかもしれません。幾つかのものは、そういう意味では改良の範囲とか、既に着手しているものもあるかもしれませんので、 1 年の間に、ある程度ここのニーズに挙がったものが実用化することはウォッチすることができるのではないかと考えています。

○坂巻座長 早いもの、特に改良を中心とした早いものであれば 1 年以内という御意見だったと思いますけれども、他の構成員の先生方から、このフォローアップ進捗確認について御意見あるいは御質問はありますか。

○新田構成員 先ほどの 1. に入るのか 2. に入るのかよく分からないのですが、先ほどの経済産業省からのお話もありましたし、そして今までの話で、医療機器というのは臓器に関する医療機器なのです。課題別解決法というのがありましたが、本来在宅の課題というのは、臓器以外の大きな課題があります。例えば認知症の独り暮らしをどうするのかといったように、重度の独り暮らしの在宅の人を、誰がどうやってみるのかとか、大きな課題があります。それを、こういう機器を含めて解決策を見付けないと、人手はないし大変なわけです。

 ところが、はっきり言って、使える事業がここだと 1 つもないのです。それは応用がないのです。それでは、どこの事業で促進するのかというと、大学は全部そうだし、これは臓器をやっている大学に委託しても何も解決しません。そういう意味で、どうも先ほどから話がずれていると思いながら、私は在宅医療をやっている立場からすると思って聞いていました。

○坂巻座長 事務局あるいは構成員から何かありますか。

○助川構成員 新田先生がおっしゃったことは、私もすごく感じています。医療機器でターゲットにしているのが、高度な医療機器で、利用する方の数が少ない部分にターゲットを当てるのか、それともこれからの在宅医療を進めるという意味では、それほど高度なものでなくて、いろいろな方が実際的にきちんと使えるような医療機器を、言うなれば汎用性の高い医療機器を、どちらかというと新規よりは改良型に近いかもしれないのですけれども、そのほうがずっとニーズは高いのです。そういう所にターゲットを当てるのかというところが私の分からないままでした。

 経済産業省の覚道さんにおっしゃっていただいたので、この部分で少し整理ができたと私は思っています。この 4 分類にしていただいた中で、新規参入といいますけれども、既存医療機器の改良・改善の所で、先ほどから言っていた今ある、糖尿病の血糖値を測るのだって、今は目の見えない方が何とか暮らしてはいるけれども、自分できちんと測れていないし、そのデータを伝えられないようなことがあったときに、その辺を改善していくと、もっともっと汎用性が高くなるだろうと。

 それから、「在宅医療に資する」という、この新しい市場の拡大の所で、正しく新田先生がおっしゃったように、医療関係者が行った時以外の時のデータをどうするのか、というところもすごく大事なポイントになってくると思うのです。クラス 3 4 の所は在宅医療では数が少ないです。

 私が今非常に心配しているのは PM2.5 が日本にもすごく飛んできている。これから呼吸器疾患がもっと増えるだろうとなったら、 COPD の方に、在宅酸素をどうするのかとか、今後の展望を考えたらもっと使いやすいような在宅酸素の装置とか、緊急時に電力供給がなくても使えるようなものを開発するとか。そうすると、経済産業省としては、後進国の第三国に電力供給が安定していない所にでもちゃんと輸出できるというようなのをターゲットにする。余り短期間と言うと、良いものは出来ないのではないかと思っていますので、きちっとこの辺をターゲットとしてやるという形でやっていただいたほうがいいのではないかと思いました。

○坂巻座長 ターゲットをきちんと絞って、その上で進捗管理をするという御指摘だったと思います。

○覚道医療・福祉機器産業室長 今までこの事業というのは、どちらかというと本当に広くこんなものをやってみたいなとか、あるいはこんなものを作りますという医療機器を広く、余りこちら側からこういうものという方向付けはせずにやってきていた事業です。それを、もうちょっと方向付けをしたところなのです。個別にこのようなものの開発をしてくださいとなると、やや事業の立て付け自体が変わるようなところもあります。それで、ギリギリこういう分野でというような課題設定を始めたというところです。

 その中で、いろいろな御提案が具体的にあれば、それこそ正に在宅でどういうニーズがあるのかというようなところも踏まえて、審査の過程で本当にニーズの高いものがちゃんと採択されるように工夫をしていくということかと思っております。

○坂巻座長 事務局どうぞ。

○古元医療機器審査管理室長 新田先生、助川先生から非常にエールを頂いたと思っております。どこをターゲットにと申しますのは、この検討会は非常に欲張りで、もともとのアンケートがオープンクエスチョンでやっておりますので、難病や認知症も含む幅広い範囲の在宅一般ということで考えております。そこを医療機器という切り口で横断しておりますので、もちろんこれだけで全てを解決するわけではないのですが、やっていこうという思いで始めたものです。これは短期的に実現するものと、長期的なものがもちろん含まれてくるとは思うのですが、冨森構成員からおっしゃっていただいたように、 1 年後にチェックして終わりかというと、もちろんそういうわけではありません。まずは進捗を見ながら、どういう取組が求められるのか、 1 年後にまた考えていこうと、そのように進め方をさせていただければ有り難いと思います。

○新田構成員 ありがとうございます。重要な提案だと思います。これからの超高齢化の一般論ではないのですが、課題が分かっていて、課題解決型に医療機器をどのように利用するかという、そこがどうも結び付かないと、というイメージがあります。それはなぜかというと、これは従来型の医療のイメージでの開発なのです。だから、病院医療の開発の中の医療機器なのです。そうではなく、在宅としての医療機器の在り方、医療をどう機器と言ってしまうのか、あるいは高齢者がどうやって使うかとか、そのようなことも含めて、あるいはヘルパーとか介護従事者など多職種がどうやって使うのかということを含めた解決の仕方を医療機器という、そんな考え方をしていかないと、どうも小さな所に入ってしまうという意味で発現させていただきました。

○坂巻座長 恐らくその医療という考え方が、従来の急性期の病院の中でというものよりも、もっと生活者の生活の場面であるとか、いろいろな多職種の関与ということも踏まえて考えなければいけないという、非常に貴重な御指摘だったと思います。ただ、いずれにしてもこの検討会としては、冒頭のアンケート結果に基づいて、企業、関係団体の方に情報を提供して、それによってどのぐらい新しい概念ということも踏まえてということになると思いますが、新しい開発に着手されているかということについて進捗管理をすることは重要なことだろうと思います。

 その進捗管理をするときに、本日いろいろ御指摘がありましたけれども、どういう視点で管理するのかということも踏まえた上で、どこかのタイミングでその進捗のフォローアップをする必要はあろうかと思います。フォローアップをする、進捗管理をすることについては、御異議はないかと思いますので、その形で進めさせていただきたいと思います。タイミングとしては、先ほど冨森先生から御指摘がありましたように、 1 年ぐらいのタイミングということになろうかと思います。そういうことで、もしよろしければ、本検討会としては、一応年内をめどという形で検証の場を設けることにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○坂巻座長 ありがとうございます。年内をめどに、この検証の場を設けることに決定いたします。検討会の開催については、本日の御意見を踏まえ、事務局のほうで日程調整をお願いいたします。予定した議事は以上です。 (4) 「その他」とありますが、他に何かありますか。構成員の先生方から御発言がないようですので、事務局から事務連絡をお願いいたします。

○古元医療機器審査管理室長 坂本座長ありがとうございました。次回については、ただいま座長から御発言がありましたとおり、別途日程調整をさせていただきたいと存じますのでよろしく御協力をお願いいたします。連絡事項は以上です。本日は、非常に建設的な御議論をいただきましてありがとうございました。これをもちまして、本日の在宅医療推進のための医療機器等実用化促進に関する検討会を閉会させていただきます。どうも、ありがとうございました。


(了)

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