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2014年6月3日 第7回障害児支援の在り方に関する検討会(議事録)

社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室

○日時

平成26年6月3日(火)
10:00~12:00


○場所

厚生労働省 共用第8会議室(19階)


○出席者

【構成員】

加藤構成員  宮田構成員  田中 齋構成員  朝貝構成員  岡田構成員  片桐構成員  田中 正博構成員  石橋構成員  高木構成員  柏女構成員  大塚構成員  渡辺構成員  柘植構成員  田畑構成員  大南構成員

○議題

・報告書案について 等

○議事

【障害児支援の在り方に関する検討会(第7回)】

○柏女座長 ただいまから第 7 回障害児支援のあり方に関する検討会を開催させていただきます。皆様方におかれましては御多忙のところ、また、急に暑くなって体調を崩しやすいときに御出席いただきまして、誠にありがとうございます。最初に事務局から、今日の構成員の出席状況と資料の確認をお願いいたします。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 まず、本日の構成員の出席です。市川構成員、佐藤構成員、辻井構成員、大濱構成員の 4 名から、御欠席の連絡を頂いております。市川構成員の代理として、加藤参考人に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。渡辺構成員は 10 分ほど遅れて、高木構成員は 11 時ぐらいになるという御連絡を頂いております。岡田構成員は少し早めに退室される予定であるとお聞きしております。その他、事務局関係ですが、本日、障害保健福祉部長と障害福祉課長は国会用務が緊急に入ってしまい、ただいまは出席しておりませんが、それらの用務が終わり次第、途中で出席させていただく予定としております。また、今回から報告書の議論をさせていただくということで、オブザーバーとして文科省の特別支援教育課、及び当省の雇用均等・児童家庭局の担当者にも、事務局席のほうに座っていただいておりますので、御質問等がありましたら、そちらにもしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 続いて、資料の確認です。資料 1 「報告書に盛り込むべき論点の整理 ( ) 」、今回は全体のうち、一部のみの提出とさせていただいておりますが、資料 2 「報告書案 ( たたき台 ) 」、資料 3 「児童発達支援センターの地域支援について」、資料 4 「保護者就労のための支援の観点と具体的な対応等」、資料 5 「一元化を踏まえた職員配置、専門性の向上」、参考資料として「少年院法案・少年鑑別所法案等の概要」を付けております。

 また、本日は追加資料がいろいろあります。順不同ですが、本日欠席の佐藤構成員から先日いただいていた御意見を、追加資料 1 として配布しております。次に、本日の資料について個別に事前の御説明をさせていただいている中で少し御要望を頂いていた指導員・児童指導員の最低要件の資料、児童発達支援センターについての人員配置基準の概要を、追加資料 2 、追加資料 3 として付けております。それと今朝、辻井構成員から御意見ということでいただいたものがありますので、さらに追加資料 4 として配布しております。最後に、先ほど大塚副座長からも資料を 1 枚いただきましたので、それも配布させていただいております。資料等は以上です。不足等がございましたら、お申し付けいただければと思います。

○柏女座長 皆さんありますか。もし後でなければ、その折に言っていただければ、事務局から配布できるのではないかと思います。

 それでは早速、議事に入っていきたいと思いますが、御報告が 1 点あります。 5 26 日に子ども・子育て会議が内閣府で開催され、内閣府の岡田副大臣から、子ども・子育て支援新制度については、消費税 10 %と連動することになるけれども、その時期がいつになるか分からない、ただ、準備の状況もあるので、この新制度については平成 27 年度 4 月から進めていくようにしたい、もちろんその間の財源等については、政府が責任を持って対応していくという御発言がありました。障害福祉計画の第 4 期が平成 27 年度 (2015 年度 ) からですので、そういう意味ではいわば同時開催ができることになりました。

 そこで、これから都道府県市町村で障害福祉計画と子ども・子育て支援事業計画の 2 つが、同時進行で策定されていくことになりますので、是非整合性を持って進めていくという形でお願いしたいということと、今後、内閣府が新制度の説明会を 4 月以降行っていくので、障害福祉計画の策定も撞時期に進めるのだから、是非ともその齟齬が生じないようにしてほしいということを、各都道府県市町村に必ず発言してほしいという意見を、私のほうから申し述べさせていただきました。

5 26 日の子ども・子育て会議では、今こちらで検討している報酬単価、向こうでは公定価格の仮単価という形ですけれども、それも発表され、いよいよ新制度が出発に向けて、最終的な議論をしていくことになっております。こちらも同時に進行しているわけですので、向こうの仮単価、報酬単価とこちら側の報酬単価等も併せていかないと、どちらかにサービスが流れてしまい、もう 1 つのほうから、例えば新制度のほうから障害児が排除されていき、こちらの障害児支援固有のサービスに、障害を持った子どもたちが囲われてしまうという事態も、単価次第によっては生じます。今日は文科省あるいは雇用均等・児童家庭局の方もお見えですので、是非整合性を取って、障害児支援のサービスが子ども・子育て支援新制度を後方支援していけるような形で進んでいくことを願いたいと思います。

 前回も新聞の話を申し上げましたけれども、今日の新聞の投書で、障害を持った子どもの保護者から、障害児を持つと常勤の勤務はできないのかというお叱りと言いましょうか、そうした御意見が載っておりました。この検討会の中でも、障害を持った子どもたちを育てつつ社会に参加する、あるいは自己実現を図っていくことが両立できるような社会を目指していくために、仕事と子育て社会参加の両立ができるようなシステムを目指すべきではないかといった御意見も出ておりました。こうしたことも今後、この検討会の中で議論ができればと思います。もちろん議題には入っておりますけれども、こうした疑問やお怒りにお応えできる、そのような報告書にしていければと考えております。

 まず、資料 1 「報告書に盛り込むべき論点の整理 ( ) 」について、事務局より御説明をお願いいたします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 前回の検討会において柏女座長より、報告書全体の目次を示すようにという御指示がありましたので、これまでにいただいた御意見等を踏まえ、資料 1 「報告書に盛り込むべき論点の整理 ( ) 」として用意いたしました。まず、四角く囲っておりますが、大きな項目として 4 つ掲げております。 1 として「平成 24 年度からの新しい障害児支援制度への移行とその後の状況等」です。 2 として「今後の障害児支援の在り方を考えるに当たって重要なポイント」です。 3 として「今後の障害児支援が進んでいくべき方向」で、こちらが具体的な提言部分となっております。最後の 4 がまとめで、「子ども・子育て支援と障害児支援の計画的進展」です。こういう形で、 4 つの大きな項目の柱立てをしております。そのうち 1 2 については、資料 2 において報告書案のたたき台として整理しておりますので、詳細は後ほど説明したいと思います。

 まず、大きな柱の 1 については、移行までの経緯、移行後の状況、利用の現状、最近の環境の変化についての記載を考えております。 2 の「今後の障害児支援の在り方を考えるに当たっての重要なポイント」においては、基本理念としてインクルージョンの推進と合理的配慮、子育て支援に対する後方支援としての専門的役割の発揮、障害児本人の最善の利益の保障、家族支援の重視といった項目を挙げております。

2 は「グランドデザイン・地域における縦横連携を進めるために」として、縦の連携としての切れ目のない支援、横の連携としての地域における支援体制の確立、支援者の専門性の向上、専門職の確保、障害児相談支援の推進、支援に係る情報の共有化といった項目を挙げております。

3 が提言の部分です。まず、 (1) 「縦横連携を進めるための体制づくり」として、児童発達支援センターを中心とした地域支援の推進、入所施設機能の活用、障害児相談支援の役割と拡充の方向性、支援者ごとの専門性を生かすための協働・連携の推進、地域内の関係者の連携を進めるための枠組みの強化、行政の主体間の連携・市町村の関与の更なる強化などといった項目を挙げております。なお、1の「児童発達支援センターの地域支援について」は、個別の論点ということで資料 3 で整理しておりますので、後ほど御説明したいと思っております。

(2) の「縦横連携による個別支援の充実を図るための方策」としては、保育、母子保健などと連携した幼児期の障害児支援、就学指導委員会と連携した小学校などの入学前の障害児の支援、学校等と連携した学齢期の障害児の支援、就労支援と連携した上での学校卒業後を見据えた支援といった項目を挙げております。

(3) 「特段の支援が必要なケースと医療との連携を進める方策」として、発達障害児への対応、重症心身障害児に係る在宅医療との連携を挙げております。

(4) の「家族支援の強化」では家族支援が重要ということで、 1 つ項目立てをしております。その中では短期入所等のレスパイトの支援の拡充、精神面でのケア、カウンセリングの支援、保護者の子育て力の向上、就労のための支援の観点と具体的な対応等を項目立てしております。4の「就労支援」についても、個別論点として後ほど触れたいと思っております。

(5) 「個々のサービスの質の更なる確保・その他の対策」として、一元化を踏まえた職員配置・専門性の向上等、入所施設の生活環境の改善、障害児が利用できる障害福祉サービスの拡充・適用拡大に向けた検討などを項目立てしております。1の「一元化を踏まえた職員配置等について」は、個別論点として資料 5 で後ほど触れたいと思っております。資料 1 の説明は以上です。

○柏女座長 申し遅れましたが、今日は大きく 3 つの議題があります。 1 つは、この「報告書に盛り込むべき論点の整理 ( ) 」という全体の目次というか、構成を確認させていただくのが最初です。これに 10 分ぐらい、御意見や御質問の時間を取りたいと思います。その後、全体の報告書のたたき台で、今日は論点の整理案の中の各論部分を除いた 1 2 に当たる部分を提示しておりますので、これについて御意見を頂く時間が 40 50 分です。最後に、その中の具体的な各論に結び付く点で、少し議論をしておかなければならない点がありますので、それらを資料 3 以降に基づき御意見を頂きます。これも 40 50 分です。そういう流れで 12 時まで、この大きな 3 つについて議論をしていきたいと思っております。今報告のあった「報告書に盛り込むべき論点の整理 ( ) 」について、御意見がありましたらお願いしたいと思います。全体の構成、目次部分という形になるかと思います。

○田中 ( ) 構成員 福祉協会の田中です。やはり児童福祉としての障害児支援の問題を考えたときに、児童福祉法 1 条、 2 条で言う公的な役割を整理でいくと、児童相談所が障害児福祉にどういう役割を果たすかという視点で課題が出てくるのかなと思います。障害児相談支援事業で全てが賄われている実態ではないことから児童相談所が果たしている公的な相談のあり様と、その後の行政処分ということになる措置と、契約の支給決定もそうですが、そこに至る課題整理を、今回はちゃんとすべきではないかと思っています。項目としてどこかに入ったほうが、より見えるのではないかと感じています。

 もう 1 つは、旧知的障害児施設の立場から見ると、児童養護施設等と同じように、社会的養護の概念の中で、ケースワークを含めて対処していかなければいけない。また、家族支援の問題を見たときに、虐待をする家族・家庭環境の中での再統合の問題とか、そういった社会的養護に関わる様々なことが、現在、入所型施設の 1 つの役割として出てきています。その辺は家族支援の強化で触れるのか、非常に難しいところはありますが、社会的養護の概念を含めた 1 項を明記した上で、数は少ないけれども、障害のある子どもの命が奪われていくという、今の社会的な状況の背景を明確に位置付けながら整理していただけるとうれしいです。

○柏女座長 とても大切な御指摘を頂いたと思います。子どもの最善の利益を確保するための公的介入、あるいは公の責任でやるべきことを、しっかりと理念として押さえておくべきではないかという御意見だったかと思います。とても大切な御意見を頂戴しました。ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。

○石橋構成員 全肢連の石橋です。大きな 2 (2) の「グランドデザイン」の2、「就労支援」という言葉についてです。「就労支援」と言ったら、就労支援センターというのをイメージするのですが、今日配られた大塚副座長の「ライフステージを通した一環した支援」の図の中には、企業というのがあります。企業との結付きというのがここで論じられるのか、衆労支援という中に包含されているのかどうか。センター的な所ではなく、その先の方々とも会話できるような項目を 1 ついただきたいのです。これまでお話している気づきまでの親の持つ悩みを、相談という切り口でいくのか、今の法定検診のところでの不十分さを、どこで取り上げていただけるのか、その辺をこの中で考慮していただければと思います。

○柏女座長 今の御意見は大事な視点ですので、報告書の中身のたたき台も出されておりますから、そこでも確認をした上で追加させていただきたいと思います。また、気づきまでの支援についても、もしかしたら項目としてどこかに記載されているかもしれません。なければ新たに追加していくということで、お願いしたいと思います。そのほかにはよろしいでしょうか。

 一応このような形で全体を御理解いただいた上で、各論に入っていくということでよろしいですか。もちろん各論の中で意見が出てきて、新しい項を起こさなければならないということになりましたら、そこはまた随時、項を起こしていくということにさせていただきたいと思います。ですから、これで確定ではありませんが、全体のイメージをこのような形で思い描いていただいた上で、御意見を頂戴できればと思います。

 それでは、続いて資料 2 の報告書案に移ります。大きく 4 節立てになっております。そのうちの 1 節、 2 節について、特に理念編等について、たたき台を事務局で御用意していただいておりますので、それについて御説明を頂いた上で、御意見を頂戴したいと思います。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 先ほど、全体の報告書の構成について触れましたが、資料2は報告書案の前半部分、四角く囲った 1 2 について、具体的に文章化したものです。まず四角く囲った 1 として、 (1) 「新しい障害児支援への移行までの経緯」です。昭和 23 年に施行された児童福祉法から、平成 18 年に施行された障害者自立支援法までの流れを、簡潔に記載しております。 2 つ目のマルの項目において、平成 20 年度の障害児検討会の提言も踏まえ、通所・入所施設の一元化、放課後等デイサービスの創設などが整備法に盛り込まれ、現在に至っているといった旨の経緯を記載しています。

(2) の「新しい障害児支援制度への移行後の状況」については、平成 24 年度からの障害児通所支援・入所支援の利用者の大幅な増加、それに伴う予算の増加といった現状を記載しております。参考資料として別につづりがあります。参考資料 1 として、棒グラフと折れ線グラフで示した利用者数の推移と、参考資料 2 として、予算額の推移を載せております。こういったグラフを参考資料として添付したいと考えております。

2 ページの (3) 「障害児支援の類型ごとの利用の現状等」については、1「児童発達支援及び放課後等デイサービス」、2「保育所等訪問支援」、3「障害児入所施設」、4「障害児が利用できる障害福祉サービスの状況」、5「障害児の相談支援」といったサービス類型ごとに、その整備状況などについて、それぞれ記載しています。1の「児童発達支援及び放課後等デイサービス」のマルの 1 つ目の最後、「一方から」から記載しておりますが、本検討会の中では放課後等デイサービスの整備状況について、地域格差があるといった御指摘がありましたので、そちらについても盛り込んでいます。2の「保育所等訪問支援」についても、まだ十分に体制が整っていない状況であるといったことや、5の「障害児相談支援」のマルの最後になりますが、今後更に体制整備を進める必要があるといった状況等も記載しています。

4 ページの ( ) 「障害児を取り巻く最近の環境の変化」については、1「障害者権利条約、障害者差別解消法」、2「子ども・子育て支援法」、3「学校教育法施行令の改正」、4「第 4 期障害福祉計画の基本指針の告示」、5「その他、障害児を取り巻く環境の変化」として、介護職員等による痰の吸引等の医療的ケアの解禁といったことを、最近の環境の変化ということで、それぞれ記載しております。2の「子ども・子育て支援法の制定」の 5 ページですが、 (a) から (e) までで、子ども・子育てにおける障害児支援につながる取組についても、具体的に記載しています。

6 ページの四角く囲った 2 「今後の障害児支援の在り方を考えるに当たっての重要なポイント」では、今後の障害児支援の在り方を考えるに当たって、必要な事項を整理しています。 ( ) の「基本理念」は、最近の新たな動きを踏まえ、検討会の中で重点的に御指摘のあったものを整理しております。

 まず 7 ページの1「社会への参加・包容、インクルージョンの推進と合理的配慮」の項目としては、障害者権利条約又は障害者差別解消法等も視野に入れて、障害児の社会への参加・包容の推進を図る必要がある旨を記載しています。

 2の「子育て支援に対する後方支援としての専門的役割の発揮」においては、障害児を障害のある子どもとして捉え、一人一人の個性と能力に応じた支援を行うことができる体制をつくっていくべきである、また、他の児童も含めた集団の中での「育ち」を保障していくためには、子育て支援を念頭に置いて継続的な見守りや、発達の支援が必要な場合に、特別な支援を行うことを基本とすべきといったことを記載しております。 2 つ目のマルにおいては、障害児支援を子ども・子育て支援の後方支援として位置付けること、また障害児支援の施設・事業所などが専門的役割を発揮し、保育所等における障害児の支援に協力できるような体制づくりを進めていくことが必要であるといった記載をしております。

8 ページの3「障害児本人の最善の利益の保障」については、今は障害児本人の最善の利益を保障する考え方が重要であるといったこと、 2 つ目のマルにおいては、障害児本人の最善の利益を保障していくに当たって、機能障害という本人の状況のみではなく、社会的障壁との関係において判断するという考えの観点も重要であるといったことと、 IC Fについても、こちらで触れさせていただいています。

 4の「家庭支援の重視」においては、家族の支援についても重要であるというところを記載しております。家族支援を直接の目的とした支援の考え方として、障害児の介護を行う保護者のレスパイトの支援、精神面でのケア、カウンセリング等の支援、子育て力を向上させることを目的としたぺアレント・トレーニング等の支援というように、大きく分けて 3 つの要素があるのではないかと記載しております。 2 つ目のマルにおいては、子育てと就労とを両立するための支援も重要な要素になること、それについてどの程度重視すべきかという点においては、具体的な在り方を検討をすべきであること、きょうだいの支援についてもその在り方を検討すべきであると。こちらについては先ほど、資料 1 で触れましたが、個別論点として資料を付けておりますので、また別途御説明させていただきたいと思います。

9 ページの「グランドデザイン・地域における縦横連携を進めるために」においては、障害児支援を子育て支援の一環として行う体制をつくっていくために、他制度との連携を積極的に図っていくことが極めて重要であるということ、具体的にはライフステージに応じた切れ目のない支援の推進、縦の連携と関係者間のスムーズな連携、横の連携が重要であるというところを記載しております。

 それについては1から5で、基本的な考え方を整理しております。1として「ライフステージに応じた切れ目のない支援(「縦の連携」)においては、平成 20 年の旧検討会の報告書において、子どものライフステージに応じて一貫した支援を行っていくという視点が重要であるとした上で、市町村を基本とした相談支援体制の充実、又は移行期における支援、個別の支援計画の活用について挙げられていましたが、これらについては新しい障害児支援の制度の中で、一定程度は実現されています。ただ、いまだ十分と言える状況ではないというところで、障害児及びその家族のライフステージに沿って保健、医療、福祉、保育、教育、就労支援等を含めた関係者がチームをつくって支援を行うことができるように、更なる対策が必要であるといったことを記載しております。

 2の「横の連携」については、保健、医療、保育、教育、就労支援等の様々な関係者の連携体制づくりが重要であると。その一方で、体制づくりは極めて困難であるので、そのような横の連携を進めるための、具体策を打ち出す必要があるというところを記載しております。また、横の連携を進める上で重要なことは、他者に依存するだけではなく、自らの役割を明確に意識した上で水平的な関係を保ち、具体的な支援を担当すること、次のマルにおいて、地域における連携体制を構築する上で、都道府県市町村によるそれぞれの役割分担に応じた連携、特に身近な行政主体である市町村の存在が重要であるといったことを記載しております。

 3の「支援者の専門性の向上、専門職の確保」について、特に重要なものとしては、家族支援を含めた適切に対応できる専門職の養成・確保、障害児支援を担当している職員に当たっては、今後は地域に出ていくアウトリーチ、様々な関係者と連携しつつ、支援を進めていく必要があり、そのような環境の変化にも対応できる専門性のある職員の確保が重要であるということ、一般施策として子育て支援の事業所等の職員においても、適切な専門家につなぐことができる専門性が求められるということ。このような形で支援者の専門性の向上を図ることにより、地域全体として障害児支援の対応力の向上が進むものとなるといったことを記載しております。

11 ページの4「障害児相談支援の推進」については、多数の関係者をつなぐ、また、個々の障害児の支援をライフステージに沿って進めるに当たって中心になるのが、障害児相談支援であるということ、基本的な相談支援を障害児又はその家族に提供するのが市町村の重要な役割の 1 つであるということ、各市町村においては基幹相談支援センターといった委託相談支援事業、更には個別の障害児支援医療計画の作成を行う障害児相談支援事業の役割と機能を整理した上で、重層的な支援体制をつくることが求められるということ、障害児通所支援に係る利用計画の作成においては、 18 歳を超えた後の障害福祉サービスの利用に係る計画相談支援の移行も含めた形で、障害児支援を進める体制をつくることが必要であるといったことを記載しております。

 最後に5「支援に係る情報の共有化」として、担当者の専門性と併せて重要なのが、情報の共有ができる体制の整備であるということ、このような情報共有については、関係者が連携を進めるために必要なツールであり、障害種別に関わる、より効率的・複合的な連携を図るために、現場に即した工夫が重要であるということを記載しております。

 参考資料 5 に、「障害児支援のグランドデザインと縦横連携の全体のイメージ」といった図を添付しておりますので、御覧いただければと思います。この図のイメージとしては、中ほどの左側にある保育所、幼稚園、認定こども園、学校、その下の職場、地域生活といった各ライフステージがあり、それをその右側にある家族がそれぞれ支えているといった状況です。各ライフステージに応じて、右側の青い所の障害児通所支援・入所支援、障害福祉サービス、右側の緑の就労支援として障害者就業・生活支援センターが後方支援を行い、左側の黄色の母子保健、学校保健、医療などが関わっているといった図になっております。

 また、関係者をつないで個々の障害児の支援を、ライフステージに沿って進めるに当たって中心になるところでは、障害児相談支援が中心になると書いております。障害児相談支援を中心として、関係者の共通理解、情報共有、途切れのない支援の調整といった横の連携体制を、横長の楕円形で示している図になっております。資料 2 については以上です。

○柏女座長 それでは、ただいまの説明について御質問、御意見等はありますか。おおむね 11 時ぐらいまでをメドに 25 30 分ぐらいの時間で御意見を頂戴したいと思います。

○大塚構成員 上智大学の大塚です。ありがとうございました。私の考えなのですが、幾つか、まとめるに当たっての観点があります。 1 つは、前回の検討委員会、在り方検討から今回までの経過、そして、児童福祉の改正をはじめ様々な形で変化してきたところをどう評価して入れるかというところ。それから、権利条約をはじめ、子ども・子育て支援という新しい流れの中で、そういうものを考慮しながら新たなものとして盛り込む必要があるということを考えております。

 グランドデザインの 1 枚紙の資料をあとから出していただいたのですが、多分、分かりやすくない。シンプルで多くの方が分かって、特に御本人は子どもさんなので何とも言えないのですが、御家族や、これを施行する市町村の方や都道府県の方がどんなことをイメージしてやれるかという観点から作らないと、テクニカルなことは非常に重要なのですが、細か過ぎると余りうまくいかないのではないかと考えています。

 私は、「地域子ども・子育て支援システム」ということで、 1 つ地域ということを出しています。地域という議論は余りなかったので、多分、子どもさんは地域で育ち、育てられるということだと思いますので、そこをどう考慮するか。もっともっと強調していいのではないかと思っています。

 それから、グランドデザインとしての「自然に交わり支え合う地域づくり」は、正に権利条約の話でもあるし、それから最後に、「可能な限り発揮できる支援」というのは、多分、子どもを主体としたときの考えの権利条約の理念などを入れた考え方だと思っています。

 それから、真ん中の「福祉・教育等の連携」というのは、教育との非常に長いスパンの中で連携していかなければならない。この支援の仕組みをきちんと具体的に実現できるようなこと、担保できるような形で都道府県、市町村で示さないと、なかなか難しいのではないかと思っています。

 これで最後ですが、 1 つ非常に難しい困難な課題があります。子ども・子育て支援ということでやろうと、障害の前に児童だ、子どもであるということが原則ということは、もう皆さん分かっているし、そういう方向性でいくことは重々知ってはいるのですが、それを本当に実現して、整理してできるかというと、そこはまだ必ずしも議論されていないのではないかと思っています。例えば後方支援という言葉が出てきました。大変いい言葉で、専門的な後方支援をしていると。そうすると、その前提としては、前方支援としての子育て支援がしっかりして、ある程度見極められて、それに対して後方にしていくのだということがあってはじめて成り立つものなのです。例えば、特に保育所や放課後や広場など、そういうあらゆる一般子育て支援の中に、果たして障害ということがどこまで埋め込まれて共通理解になっているか。前方支援がはっきりしないところの後方支援とは何かと考えなければならないと思っています。

 私も原則としては子育て支援のほうではいいのですが、ただそれは、例えば保育所においては保育の要件が掛かっていて、今は保育の要件おいて障害を有するという、それも必要だということで認められるような方法ではあるけれども、果たしてこれは本当に、今後どういう発展の中で決められていくかも気になることですし、そういう意味での後方支援です。

 後方支援と言ったときに、ある意味では障害福祉に対する変革を迫るものだと思っています。後方支援だということは、一歩退いて一般子育てでやるのだと。自分たちは違う立場になるということは、ある意味、障害福祉を弱くする、否定的なところも含めて覚悟しなければならないことだと思っています。本当にそれでやるのかどうか。アポリアと言って、困難な問題は子育てでやるか障害でやるか、これは解決できないのですけれども、もちろんそこを整理して次のステップに行く。私の考えでは、やはり一般的な子育て支援、障害のある子どもさんについてもそこを原則としつつ、やはり障害のある専門性を活かす。その意味では後方支援ではなくて児童発達支援センターは中心になるべき支援機関だと思っています。以上です。

○柏女座長 ありがとうございました。基本的な考え方について御意見を頂戴しました。ほかにはいかがでしょうか。

○大南構成員 通信連盟の大南です。資料の 5 ページの「学校教育法施行例の改正」についてです。下から 2 行目に「障害児については特別支援学校への就学を原則とし」とあるのですが、このままでは少し誤解があると思いますので、「施行例の第 22 条の 3 の表に該当する障害児については」と。

 これはどういうことかと言えば、義務教育の段階では、小中学校の中に設置をされている特別支援学級へ通っている子どものほうが、特別支援学校へ通っている子どもよりも多いのです。多いということは何かというと、 22 条の 3 に該当しない障害のある子どもが多いのです。ですから、 22 条の 3 の表の規定、これは視覚障害児、聴覚障害児、知的障害児、肢体不自有児、病弱児の障害の程度と状態が書かれているわけですが、それに該当する者は全て特別支援学校への就学を原則としていたわけですが、それを今回は、市町村教育委員会の総合的な判断で適切に就学先を決めてくださいということですから。市町村によっては、これはこれまでも実際には行ってきたところですが、政令の改正によって、全国で公認をされたと私は評価をしております。

○柏女座長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。

○柘植構成員 筑波大学の柘植です。今の大南先生の御発言には私も同感でした。 6 7 ページにかけての理念のところですが、 7 ページの1「社会への参加・包容 ( インクルージョン ) の推進と合理的配慮」とあります。よく分かっているものはこれでいいのですが、そうではない方が見ると、この基本理念として我が国は特段の推進をしてこなくて、今回、国連のこれでいよいよというふうに読み取れるのです。そもそも我が国は内閣府が提唱している共生社会を実現しようということが早くから言われていて、今回の権利条約の辺りの動きも、正にそれを補強するといいか、それに相まって進んでいくというつくりのものだと私は認識しておりますので、1の前段か、あるいはそもそもこの報告書の 1 ページの前文で、少し丁寧に共生社会の実現をこのように取り組んでいるのだということを、まず書く必要があるのではないかと思いました。

○柏女座長 分かりました。これまでの歩みも 1 点、評価してく必要があるという御意見だと思います。ありがとうございます。

○朝貝構成員 肢体不自由児施設運営協議会の朝貝です。ヒアリングでも議論になりましたが、これからどんどん進んでいく少子化の中で、数の少ない障害児をどうするかが非常に大きな視点になると思います。そこを議論の整理に入れておいていただきたい。このことは学校でも地域でも施設でもかなり問題になってきますので取り上げていただければ有り難いと思います。

○柏女座長 ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。

○加藤構成員 全国児童発達支援協議会の加藤です。幾つか気付いたことを申し述べさせていただきます。 1 つは、冒頭に座長からの御紹介があった本日の朝日新聞の『声』の欄の話です。確かに、今日的社会状況の中で、国家的な課題として、働く人たちをいろいろな意味で確保することは大きな課題になっていることはよくよく分かるのですが、放課後でのときにも申し上げたように、やはりその辺りのバランスをどう取るかが大事かと思うのです。

 その前に、ここにも指摘されているように、やはりこの検討会では、飽くまでも子どもを中心に考える。子どもの育ち保障、発達保障を中心に見据えてということを外してはいけないのではないかと思うのです。ですから、その周辺にいる母親、家族の就労条件、状況を、もちろん無視することはできませんが、やはり飽くまでも子どもを中心に考えないと、その辺りの今回の検討会の重要な部分が何かぼけるような気がします。もちろん、特に母親の就労についてはどこかで触れても構わないし、触れるべきだとは思うのですが、やはりそれは飽くまでも子どもの育ちがここでは中心の話題であり、議題であり、歩行を示すものであってほしいとこだわりたいと思います。

 もう 1 つは参考 5 のポンチ絵です。これはこれで確かに大塚構成員がおっしゃるように分

かりにくいという話もあるのですが、今回の検討会の 1 つの大きな話題性は、やはりこの「気づき」という段階からの支援を大切にしようということが、これまでずっと議論されてきたと思うのです。そういう意味では、この「『気づき』の段階からの支援」という、波線の所にある小さな四角の中の位置付けを、もう少し大きくスペースを取って、このことをしっかりアピールすべきではないかと思います。

3 点目として、先ほどの前方、後方という話ですが、障害があるかないかという、 01 、白黒のような話の中でいくと、そういう話でしょうけれども、基本的には前方とか後方ということではなく、一人ひとりの子どもの育ちを支援するという、もっと大きなフレームの中で様々な資源、機能が連携をしていくという発想もあっていいのではないかと思うのです。前だ後ろだというと、いろいろな意味でそこにある価値が生じてしまうような気もしますし、そういう意味では、そういうことではなくて、むしろ障害という言葉を使わない世界というか、そういうことも大事なことではないかと思います。

○田畑構成員 全体としては、今までの議論が反映された内容でまとめていただいて有り難く思っています。その中で何点か気になる部分があります。 1 つは、 7 ページの「子育て支援に対する『後方支援』としての専門的役割の発揮」という部分の、「障害児を障害のある子どもと捉え」という部分なのですが、ここはもう少し分かりやすくしたほうがいいのではないかと思います。例えば「全ての子どもに発達支援は必要であるが、障害児はより丁寧な発達支援が必要な子どもと捉え」というような意味合いです。全ての子どもに発達支援は必要なのですが、やはり、より丁寧な発達支援が要るという表記はどうだろうかと思いました。

2 点目は、 11 ページの4「障害児相談支援の推進」です。最初の○の真ん中辺りに「この観点からは、障害児の利用する障害児通所支援の種類、内容等を定めることが目的である」という表記になっているのですが、この表記では、障害児支援利用計画というものが、いわゆるフォーマルサービス利用のための計画というイメージが強過ぎると思います。そうではないだろうと思いますので、ここの表記は少し考えたほうがいいのではないかと思いました。

 最後に 3 点目は、参考資料 5 「障害児支援のグランドデザイン : 『縦横連携』の全体イメージ」なのですが、やはりこのイメージ図では、まだシンプルに捉えることができにくい。非常に分かりにくさがあると思うので、このイメージ図をもう少しシンプルに分かりやすくする必要があるのではないかと思っています。

○田中 ( ) 構成員 育成会の田中です。 8 ページの家族支援の枠組みのところで、「家族支援の重視」という位置付けの中で、最初の○の所に家族支援の要素として 3 つに分けて記載があります。特に介護等を行う保護者等のレスパイトという捉え方が、単に一時的休息という位置付けでとらえてしまうと、少し狭い捉え方になるのではないかと思っています。

9 ページの上の段で、就労の在り方と家族支援としての兄弟姉妹の育ちをどうするのかということが混在して書かれているのですが、 9 ページの 1 行目の「また」以降を、先ほどの「家族支援の重視」の保護者等のレスパイトの支援の中に盛り込んでいくような視点が必要ではないかと思っています。その際に、一時的休息と狭く捉えられているレスパイトに関して、もう少し親御さんが必要な時間の保障ということで、きょうだいに時間をさいていくということも含めての関わりを、家族支援として重視すべき課題のスポットの中に入れる。 4 つ目として起こすほどではないと思いますので、レスパイトの位置付けの中で、兄弟姉妹への関わり方や、隣近所への関わり方といった社会性を担保するという位置付けでのレスパイトの捉え方がいいのではないかと提案させていただきました。

 そして、就労に関してなのですが、就労に関しては、加藤構成員との視点とは少し異なる部分がありますが、いずれにしても、今、保育園の在り方も含めて、親の就労の保障に関しては、障害のあるなしに関わらず非常に大きな課題になっていますので、そちらの視点で保障の在り方を考えていくという子ども・子育て支援の位置付けを強化していく流れに乗る必要があるのではないかと思います。その際に、特別に障害児に用意されている手当をどのように位置付けていくのかも、どこかで議論が必要ではないかと思っています。

○柏女座長 ありがとうございました。今の手当の問題については、これまで出てこなかったのですが、これは、この中で議論をしていくことは可能なのでしょうか。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 実際には、特別児童扶養手当や障害児福祉手当があります。それについては、現状編において追加で触れさせていただくことも可能だと思います。あとは、その中身を見つつ、例えば 18 日の次の回に、まず事務局として報告案の中に入れられるところは入れさせていただいて、それについてどうするかを、また御議論いただくのは可能かとは思います。

○柏女座長 分かりました。どうしましょうか。これまで出てこなかった話だと思うので全体の構成にも関わってくることですので確認をしておきたいと思います。田中さんの御意見としては何かありませんか。

○田中 ( ) 構成員 手当がどのように続くのかという議論がどこかで必要ではないかと思っているのは、やはり、国連の障害者権利条約に応じて、スウェーデンやニュージーランドで家族手当というのが、介護している現状に対して用意されるような動きがあります。既にその意味では、日本では児童手当、特別児童手当というふうに出ていますので、それがどのような意味合いになるのかということと、親御さんの社会参加としての就労、その上で必要な児童への支援。この支援の部分で手当が活かされていくのが一番望ましいのではないかと思いますが、そこの見方が少し弱いような気がしていますので、どこかで検討が必要ではないかと思っているところです。

○柏女座長 手当の関係については、今、事務局のほうでおっしゃっていただいたように、少し整理をした上で、次回の中で資料として用意していただいて、議論が展開していくかどうか、委員の方の御議論にお任せをしたいと思います。よろしいでしょうか。田中さんもそれでよろしいでしょうか。

○田中 ( ) 構成員 はい。

○柏女座長 ありがとうございます。ほかに何かありますか。

○宮田構成員 先ほどの「後方支援」という文言なのですが、私は共感して聞かせていただきました。やはり障害のある子どもたちは、一般集団の中で発達する中で、様々な問題で苦労するわけで、そういった意味では本流である一般施策の中でいかに暮らし、若しくは育っていきやすくするかという立場が、障害児支援の中に要るのではないかと思います。後方支援という言葉を使うのかどうかは別として、本流は保育所であり、学校であるという立場性を持つべきではないかと思いました。

 それから、親支援の部分なのですが、子どもの発達の基盤は家族であり、母親の就労はそれほど小さな問題ではなくて、子どもの発達基盤として親が生き甲斐を持って生きることを支援する必要性はあるのではないかと思います。生き甲斐を持った人が生き甲斐を持った障害のある子どもを育てていけるという立場では、支援の必要性があると思います。

 それから、 10 ページの職員の確保うんぬんの所なのですが、ここに、人材育成の施設の責任というものを少し入れていただいたほうがいいのではないかと思っています。以上です。

○渡辺構成員 今の宮田先生の御意見と似ているのですが、後方支援というのはすごく大切な働きだと思っていますし、宮田先生がおっしゃられたとおり、まずは一般施策の中でしっかり受けとめてという意味合いでも大事な言葉だと思います。一方で、その子育て支援部分は言葉の対比で言うと、では前線なのか、フロントラインなのかということにもなるのですが、働きとしては、 1 つは予防ということを考えた場合のエントリーとしての位置付けは子育て支援にはあると思っています。

 これは、障害児支援にかかわらず、例えば虐待についてもそうですが、要するに保育所であったり、幼稚園であったり、あるいは子育て支援センターであったりという、親からすると最も垣根の低い、地域の中にある身近な施設であったり、実は様々な問題の一番最初に気付く場所でもあったりするということでもあるので、そういった意味での、サービスにつながってくる一番最初のエントリー部分としての位置付けを明確にしていったほうがいいのではないかと思います。

2 点目については、今、宮田先生がおっしゃったとおりで、これも考え方が一緒なのですが、基本的には、やはり親御さんが自己実現を図れる、自分らしく、もちろん障害のある子どもを育てていくのはいろいろな意味で大変なことがあるのだけれども、それでもやはり自分らしく生きていけるということが、結果的には子どもにとってもプラスに働いていくと考えていますので、親支援と子ども支援は実は切り離すことのできない一体的な支援として捉えていくのが、家庭支援や家族支援の考え方だと思います。そういった意味でも大切だと思います。

 特に、これは別に障害児ではなくて子育て支援全体が、今、ワークライフバランスを 1 つのテーマに掲げていて、そこにはきちんと「性別に関係なく」と書いているのですが、そういった意味で言えば、まずジェンダーの問題は障害児支援の部分でもかなり大きく影響を及ぼしていて、言えば、通院施設やいろいろな所へ行っても、今も母子通園がたくさんありますし、それから、そういう障害児の子育てというものが、かなり多くの部分で母親、女性に多く依存している状況から、少しでもそこを改善していくことは、子育て支援分野全体の課題としてもあることだと思うので、母親だけが過剰に介護や子育ての負担を抱え込まないで子育てをしていけるためにはどうすればいいかという視点が、家族支援の中にあるべきだと思います。ここは「保護者」という言葉でぼかしているのですが、本当はそこには、やはり女性としての、母親としての生き方の問題があると私は思っています。

 それから、先ほどの同じ 8 ページに「レスパイト」という言葉が出てくるのですが、レスパイトというものをどう捉えていくかということです。レスパイトというのは必ずしもショートステイだけではなくて、レスパイトを目的としたものではなかったとしても、例えば通園施設や通所支援の場合であれば、そこに単独通園で子どもが通っている間に親御さんが休息を取ることができたり、放課後等デイサービスを使うときに親御さんが休息を取ることができたりというふうに、要するに通所型の支援というものが副次的にレスパイト的に効果を持っているということは、やはり捉えておいたほうがいいのではないかと思っています。

 最後になりますが、 10 ページや 11 ページに「つなぐ」という言葉が出てきたり、あるいは「利用者支援」という言葉が出てきたりするのですが、ここの中で書くのか、それ以後の検討になってくるのか分からないのですが、いかに子育て支援、あるいは保育所、幼稚園も含めてなのですが、子育て支援センターなどといういわゆる一般の、住民からすると最も垣根の低い場所の中で、例えば、それを障害と親御さんが認識していなくても、少し発達が遅いような気がするとか、そういう気づきは、実は早くから持っていらっしゃるので、そういう気づきの部分からうまくカバーしていきながら、無理することなく、それぞれの親御さんのペースでゆっくりとでもいいですから、だんだんと障害児支援の専門に接近させていくためのステップのようなものをきちんと考えていく必要があると思っています。

 そういう意味では子育て支援から障害児支援につながる人もいるかもしれませんが、子育て支援の次に利用者支援が挟まってから、それから例えば児童発達支援センターにつながる人がいたりなどと、いろいろなパターンがあると思うのです。「つなぐ」と言うときに、どういうふうにしてつないでいくのかという、現行の子育て支援関係の様々な相談支援関係も含めたサービスと、障害児関係のものとのつなぎ方の道筋のようなものを、もう少し形にしていく必要があるのではないかと思いました。

○宮田構成員 追加させてもらっていいですか。

○柏女座長 どうぞ。

○宮田構成員 先ほどの後方支援の部分なのですが、市の行政に関わっておりますと、子ども・子育て支援施策がしっかり進んでくる中で、障害児支援の部分をたくさん入れていただいているのですが、この部分だけ障害部局で何とかならないだろうかという議論が、市町村行政の中でまだされている状況があります。そういった意味でも、障害児支援の領域から発信する時には、障害児支援は子育て支援のバックアップ機能なのだというところをしっかりと出していくほうがいいのではないかと思っています。

○柏女座長 キャッチボールは避けたいですよね。ありがとうございます。

○田中 ( ) 構成員 入所施設の立場で、やはり社会的養護の問題にこだわりたいと思っています。それはこの検討会の中でも、家庭から離れて入所せざるを得ない子どもたちの本当の声というか叫びを、この支援の中に活かしていかなければいけないのだと思います。それこそ、生まれてからすぐ、親に、家庭に育てられることなく乳児院なり病院で育って、入所施設で暮らしている子どもの課題は何なのかということを、支援全体の中で、こういった子どもたちが安心して暮らせる社会と考えたときに、課題はたくさんあるのだろうと思います。ましてや、自分の親に性的な被害を受けて入所している子どもの声というか、この人たちは一生、家庭から切り離されて生きていかなければいけないのだとしたら、その子どもを日本の社会がどうやって育てるかという意味で、私は、入所施設に入所をしている子どもの背景というのは、この日本の社会のいろいろな矛盾を背負って生きているのだということで、入所施設の問題をもう一回、原点に帰って整理をしてほしいと思うのです。

 そういう意味で、この 3 ページに書かれている、障害児入所施設の数にしても、これは多分、契約での国保連から拾った数字だろうと思います。この中にも矛盾はたくさんありますが、平成 18 年の児童福祉法改正で、前回の検討会の中でも、私たち知的障害児施設の立場として、措置、契約という制度適用の問題については、いろいろ疑義があるということを主張させてもらいました。この問題は今もなお、現実の問題としてはそれぞれのケース、ケースの中で矛盾があることも事実です。そういう意味で、冒頭の検討会の中でも、この障害児施設の数については措置、契約も含めて一体的に全て課題整理をしながら、ではなぜ措置と契約の中でこういう矛盾が起きてくるのかということも、入所施設の今後の在り方を決めていく上では、議論を是非していただきたいと思います。

 そういう意味で私は、福祉型の施設の中で、入所施設に入所する子どもがゼロになっていくための戦略をきちんと描くべきだと、ずっと現場の中では声を出してきたのです。でも残念ながら、その希望とは逆に、入所施設に受け入れていく子どもたちの背景はますます子どもにとって厳しい状況の中で子どもたちが暮らしている。その中で、児童養護施設等については、施設養護の在り方についてはいろいろな整理をしてきている。しかし障害の部分については、そこに全く切り込まれていない。平成 24 年から、私たちの要望を受けていただいて、小規模ケア加算というものが付いただけであって、まだまだ入所施設をどうするか、子どもの立場に立ってどうあるべきかという議論は、是非、今回の検討会の 1 つの方向性として盛り込んでもらいたいと思っております。

○柏女座長 ありがとうございました。今の論点は、 3 ページの数字とともに、 8 ページの3の「障害児本人の最善の利益の保障」の所に、先ほど全体のところで御意見があったことと含めて加筆していくことも大事ではないかと思いました。

○大塚構成員  9 ページのグランドデザイン・地域における「縦横連携」ですが、縦横連携というのはすばらしい言葉で、今までのライフステージと地域の横の、ということで、 1 つイメージできるものが入っていて良いと思います。ただ、連携という言葉はずっと何十年も前から使っているのですが、実際にどういう形態をするか全然イメージなしに連携と書いても、どうしようかなということになっていると考えております。

 そういう意味では、 1 つは「ライフステージに応じた切れ目のない支援」という縦と、そのあとの横というのが、具体的に市町村がイメージできるような、私の言葉で言うと「地域支援システム」がイメージできないと成り立たないと思っていますし、それを可能にするのは、例えば教育との連携においては、私のところの絵では、下のほうのライフステージを通した一貫した支援においては、個別の教育支援計画や福祉が作る個別支援計画やサービス等利用計画を一緒に作るというようなことを最低基準や法律に書いていかないと、この連携は真っ当なものとして機能しないのではないかと思っています。何かそういう具体的な戦略をもって将来に結び付けるようなことをやっていかなければ連携と書いても意味がないと思います。

○柏女座長 ありがとうございます。「縦横連携」を理念として提示した以上、そのための仕組みを提言していくことが欠かせないことになるかと思いますので、具体的な提言として、次回、集中的に議論したいと思います。

○柘植構成員 今の大塚構成員のことの関連です。前回の会議だったと思いますが、やはり私も、連携という言葉が、もういろいろなところで使われているのだけれども、それが本当にどこまでいったら、もう連携という言葉を使わなくていいようにうまい具合に進んでいるのかと。今回こそは、何かそれがうまい具合に連携の水準というかレベルというものが見える形で進んでいくような、非常にターニングポイントになるような報告書になったらいいなという話をしたと思うのです。目次案のところの裏の最後の 4 、これは次回だと思うのですが、「計画的推進」と入れていただいてとてもうれしかったのです。ここは箱 1 つだけでサブ項目はないのですが、今の大塚構成員の発言も含めて、この辺りで、何かもう少し具体的に仕掛けのようなものを書いていくことがあってもいいのではないかと改めて感じております。

 もう 1 つ、細かいことですがよろしいですか。

○柏女座長 どうぞ。

○柘植構成員 先ほど田畑構成員が、 7 ページの子育て支援の後方支援のところで、「障害児を障害のある子どもと捉えて」という所はもう少し具体的な表現がいいのではないかとおっしゃって、そのときに「発達支援」という言葉を使われたのです。実は、家族支援や子育て支援など、何とか支援というのが 5 6 種類出てくるのですが、発達障害のところで、研究や仕事をしている私としては、発達支援と聞くと、発達障害者支援法で定義された、発達障害と発達障害者と発達支援という 3 つの 1 つを思い浮かべてしまうのです。それで、そもそもこの報告書のたたき台の 1 ページの一番上のサブ項目が「発達支援が必要な子ども」と、正にそうなっているので、その辺りの法律の詳しいことは私もよく分からないのですが、 1 つの法律で使われて定義されているものが、ほかのこういったものにどう影響するのかはよく分からないのですが、ちょっとそのようなことを思いました。以上です。

○柏女座長 もしかしたら、細かな用語の使い方については、整理をした上で「注」などを入れながらいくと、専門家の方にも誤解されないで済むと思いますので、またそこは、報告書の策定段階で検討していきたいと思います。ありがとうございました。この全体の理念編については以上でよろしいでしょうか。

 後方支援あるいは両立支援といったところで、今、両方の意見が出ましたけれども、両論ありましたが対立するものではなかったと思っておりますので、ここは、両者ともしっかりしていくということですので、書き方は工夫できるかと思います。それから、最初のところで押さえた企業の就労支援については、 9 ページの2の辺りの書きぶりで少し工夫をしていくということでよろしいでしょうか。社会的用語については、今、田中さんがおっしゃったとおり、少し書き込んでいくことになります。

 手当については、次回、資料を提示していただいた上で、論点としていくべきか否かについての判断も含めて御意見を頂戴できればと思います。そのほか、ゼンダー問題などについても御指摘がありました。それらにも配意が必要だろうと、個人的にも思いました。

 では、頂いた御意見を基に、事務局には御苦労をお掛けしますが、決定的な対立はなかったと思いますので、加筆、修正をお願いできればと思います。

 続いて、個別の論点に入りたいと思います。幾つか追加で資料を用意していただいていますが、次回、報告書で提言部分を執筆していくに当たって、事務局のほうとして報告書のたたき台を作っていく上で、少しはっきりさせておかなければならない点があります。それについて、御意見を頂戴できればということです。幾つかの論点について御議論を頂くためのペーパーは出されていますので、まず、それについて事務局からの説明をお願いし、順次、議論をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 個別の論点につきましては、資料 3 から資料 5 に整理させていただいていますので、その資料に沿って御説明させていただきます。

 資料 3 は児童発達支援センターの地域支援についてです。検討会においてのこれまでの御議論では、センターに対して、保育所等訪問支援及び障害児相談支援事業の実施を義務づけることについては、おおむね異論が出ていないと思っていますが、具体的にどのような形で実施するのかなど、さらに議論していただきたい論点を整理しています。

 論点としては 4 つ挙げています。 (1) は保育所等訪問支援の実施義務化の具体的な形態についてです。福祉型と医療の区別をするべきかどうか。また、予算事業である「障害児等療育支援事業」や「巡回支援相談専門員整備事業」などを受託している場合の扱いをどうするか。 (2) は障害児相談支援の実施義務化等についてです。同様に福祉型と医療型で区別をするかどうか。また、予算事業を受託している場合はどうするか。 (3) は義務化した場合の未実施センターについての取扱いをどうするかです。現時点では、センターのうちで指定を受けているのは福祉型センターでも約半分という状況です。また、こういった地域支援の整備に当たって、障害児への個別給付の報酬により評価することの可否をどのように考えるか。 (4) は、上記の保育所等訪問又は相談支援の他に、地域支援機能として求められるものは何か。具体的には人材育成、広報啓発等について明確な義務付けを行うかどうか。

 次に資料 4 です。先ほど構成員からもいろいろ御意見を頂いたところですが、保護者の就労のための支援の観点と具体的な対応等として論点を挙げています。論点としては大きく 2 点、 1 つ目は保護者の就労のための支援との関係、 2 つ目は「きょうだい」支援との関係という形で整理しています。

 就労支援との関係につきましては、障害児支援の枠組みにおいて就労支援を進めていくことも考えられるところですが、それによって一般施策の子育て支援との関係が薄くなってしまうことも考えられるので、一定のバランスをとることが必要ではないか。また、保護者への就労支援という観点だけでなく、「子どもの最善の利益の保障」という観点から、その在り方を検討する必要があるのではないか。さらに、重障児で一般施策の受入れが困難である場合があることを踏まえ、障害の程度によっても状況が異なってくるのではないか。

 「きょうだい」支援との関係については、障害のない児童も含めて制度の対象とすることをどう考えるか。個別給付による対応が困難なために、予算事業等による対応が可能かどうか。

 次に資料 5 です。これにつきましては追加資料 3 を付けていますので、そちらも併せて御覧いただければと思います。例えば、例として追加資料 3 で児童発達支援センターにおける人員配置を整理したものを付けています。これを見ていただくと、センターにおいての人員配置においては大きく 3 つに分かれていて、難聴児、重症心身障害児を除いた場合、難聴児の場合、重症心身障害児の場合となっています。嘱託医、児童指導員及び保育士、栄養士、調理員、児童発達支援管理責任者、また一番下の管理者については 3 パターンとも共通になっていますが、機能訓練担当職員や言語聴覚士、看護師といったところが、それぞれの障害に応じて配置が異なっているといったものになっています。

 資料 5 に戻っていただき、一元化を踏まえた職員配置、専門性の向上等の (1) 職員配置の在り方について整理しています。現行の基準においては、先ほどの追加資料 3 でお示ししたように、難聴児、重症心身障害児、それ以外という形でそれぞれの職員配置が定められていて、それに応じた報酬体系になっています。

 現行制度のイメージ図として載せていますが、この障害種別で分かれていた基準について、一元化の考え方に沿って基本部分を障害種別に関わらない職員配置を設定した上で、障害種別に応じた加算で上乗せしていく形とすべきかどうか。それを現行制度と改正後という形で図にしたものです。この図については 1 点、イメージとして作ってしまったところもあり、重症児の枠が一番高くなっていますが、実際の報酬においては聴覚障害児の単価のほうが高くなっていますので、そこのところは御留意いただければと思います。

 この見直しをした際の主なメリットとして考えられる点も挙げていて、 1 つが障害種別に関係なく一元化の考え方に沿った報酬の体系となるということ。もう 1 つは、必要な職員配置の在り方について障害種別に共通した検討を行うことが可能となること。また、御意見を頂いている、福祉型と医療型の一元化を検討する際の基礎にもなるのではないかと考えています。

 デメリットについては、重症児、聴覚障害児への対応については加算という対応になりますが、実際の職員配置ではなく、対象となる児童の受入れがあった場合のみの加算となるというところもあり、専門性を確保するといった場合に困難が生じるのではないかと考えています。

 *印で書いていますが、障害児入所施設については、基本となる部分について職員配置が異なっているところがあり、例えば福祉型障害児入所施設の児童指導員、保育士の配置については、主として知的障害児を受け入れる場合は 4.3:1 以上、主として肢体不自由児を受け入れる場合は 3.5:1 以上と、そもそも基本のところが異なっている基準となっていて、それをどのように取り扱うかといった問題が残っているところを書いています。

 資料 5 2 枚目ですが、「児童指導員」と「指導員」の扱いについてまとめています。これについても追加資料 2 として、児童指導員及び指導員の資格要件等についてまとめたペーパーを添付していますので、併せて御覧いただければと思います。現在、児童発達支援事業所及び放課後等デイサービスについては、「児童指導員」ではなく「指導員」の配置としているが、この職員配置についてどのように考えるかといったものです。現行の基準上で指導員とした経緯としては、資料の中ほどにも記載していますが、新制度移行の際に「指導員」の配置としていた「児童デイサービス」からの円滑な移行、また今後の基盤整備の拡大を図るという観点から、変更は行わずに従来どおり「指導員」とした経緯になっています。

 「児童指導員」の配置を義務づける場合のメリット、また「指導員」で足りるとする場合のメリット、デメリット等についても記載しています。「児童指導員」を義務づけた場合のメリットとしては、一定の質の確保・向上が考えられるところです。「指導員」で足りるとした場合のメリットとしては、職員の確保が容易になる、基盤整備の拡大が図れることを挙げています。

 *印でデメリットを書いています。「児童指導員」とする場合には職員確保の可能性、「指導員」とする場合には質の確保・向上の必要性が問題となるのではないか。また、報酬の扱いの差別化や、「指導員」に対する一定の研修の実施について検討することも考えられるのではないか。また、「児童指導員」の質の確保・向上のための研修の実施等についても必要ではないかとして挙げています。資料については以上です。

○柏女座長 ありがとうございます。大きく 3 つの論点について御意見を頂戴できればということで事務局にペーパーを用意いただきました。時間的に 30 分ちょっとありますので、 1 つを 10 分程度の目安で御意見を頂戴していければと思います。まず資料 3 については、いかがでしょうか。宮田さん、お願いします。

○宮田構成員 全国児童発達支援協議会の宮田でございます。最初のヒアリングのときにも申し上げましたように、児童発達支援センターの基本的な義務として、障害児相談支援と保育所等訪問支援事業を持つべきという主張をさせていただき、それが受け入れられたという形なのですが、義務づけるのであれば基本機能の中に入れてしまうのは、いかがなものかと思います。それから、障害児相談支援を自分の園で持つということの責任性ですね。自分の園の利用者のみ計画を立てるというようなことがあってはならないと思うので、ここの中立公平性の担保という部分を、明確にしておく必要があるのかなと思います。

○柏女座長 ありがとうございました。田中さん、お願いします。

○田中 ( ) 構成員 育成会の田中です。児童発達支援センターで障害児相談の実施義務化というふうに位置づけた場合の学齢期の扱いが、非常に気になるところです。大塚委員から出された資料の下のほうの欄に、ライフステージを通した一貫した支援の中で、児童発達支援センターは修学前、卒後に関しては相談事業が相談支援専門員という枠組みの中で、この図では学齢期は学校が個別の支援計画で補っていくという捉え方になっていますが、実際に児童発達支援センターで障害児相談支援を実施すると、学齢期の対応を強く迫られていくことになっていくことが見通せますので、学校における個別の支援計画とのすり合わせを、かなり事前に位置づけた上で義務化についてのスイッチを押さないと、非常に困乱が起きるだろうと思います。

 現状では、大人の相談を中心にやっている所が、子どもについてもやってくれというような実態が多くあって、その際に実施する自治体の窓口が十分に子どものほうで位置づいていないと、結果として障害児としてしか扱われない現状になっていることについても留意すべきだと思っていますので、実施義務化に当たっての段取りが非常に重要になってくるだろうと思っています。

○柏女座長 ありがとうございました。それこそ縦の実施の連携のための仕組みが必要だということですね。大塚さん、お願いします。

○大塚構成員 障害児の相談支援というものの重要性、それから、それを担う人材ということであれば、子どものことを知っている児童発達支援センターに付けるというのは、一番リアリティのあることでしょうけれども、中立性であることの困難性ということから課題はあると思っています。

 この障害児相談支援をどうするかということはあるのですが、児童発達支援センターの障害児相談支援は、サービスと利用計画を作ることではないと思います。それは地域の人のために作るわけですから広く地域のために活躍する。児童発達支援センターは、むしろ基本相談のような一般的なというか、親御さんや御本人からのいろいろな相談を、きちんと受け止めるようなセンターであるべきだと思っています。ですから、自分の所を利用している方にサービスと利用計画を作って一体的にしていくというのは、甚だ疑問があるということです。

 もう 1 点、訪問等支援も相談支援等もそうですが、実施義務化ということも含めて、児童発達支援センターのそもそもの専門性、中核的役割をどう位置づけていくかということと非常に大きく関連していくことだと思っています。今回は法律の目的あるいは人員配置ということも含めて、なかなか手は付けられないかもしれませんけれども、基本的には巡回支援も相談支援もソーシャルワーカーの仕事です。そこは社会福祉士配置というのは必須だし、 OT ST PT 、心理がきちんと巡回できるような予算的措置も含めて配置されないと、そもそも児童発達支援センターの全うな機能というのは機能しないのではないかと考えています。

○柏女座長 ありがとうございました。この問題について、ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。今の御意見について宮田さんのほうで特に追加はないですね。分かりました。それでは資料 3 について結論はこの場では出しませんけれども、今の御意見を踏まえた上での提言案のたたき台の作成について、よろしくお願いいたします。 2 つ目、資料 4 です。これは先ほども議論が出ていましたけれども、資料 4 についてはいかがでしょうか。田中さん、どうぞ。

○田中 ( ) 構成員 福祉協会の田中です。お母さん方が自分が働けない、障害のある子どもを育てることによって、働けないということは母親としての人生全体を通したときに、養育にものすごく影響があるということを事業をやっている中で感じてきました。そういう意味で、お母さんをきちっと支えて家族を支えていくということに、この事業の意味とか意義がある。障害のある子どもの場合には、かなり多くの時間を事業所で預かる形になってくるので、要は子どもの育ちに関わるところが十分担保されないと、お母さんのニーズを満たすことによって子どもの育ちに影響していくということの整理がどうしても必要になってくると思います。

 それと、いわゆる幼児期からお母さんの就労を完全に保障しようとしたときに、高等部の卒業まで、障害児全体のステージを保障していかなければいけないケースが極めて多いことからそのステージ全体をきちっと担保していくための仕組みも確保していかなければいけない。事業では児童発達支援事業とセンターの幼児期の場合の対応においても療育が終わった後、働くお母さんのためには日中一時支援事業であるとか、横出しでいろいろな事業をつないでいるという実態があるのです。

 そういったところも含めて、必要な時間帯を一定の事業所の中できちっと担保できるような仕組みを考えるとすると、その部分も含めた事業の仕組みを作らなければいけない。学齢期になると放課後デイサービス事業で、これを完全に担保していくのかといったときには、 5 時までで、残りの時間は日中一時支援事業所で別の事業所を使うとかで子どもにとっては非常に混乱しやすい中で、今、働くお母さんたちのための子どものケア体制が非常にアンバランスになっている。そういうところも含めて一元的にやれる部分と、それにプラスアルファしていく部分を整理して、子どもの側に立った 12 年間プラス幼児期の時間を、制度的に担保することが必要になってくると思います。

○柏女座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。石橋さん、次、田中さん。

○石橋構成員 全肢連の石橋です。論点の 2 つ目の○に「さらに、障害の程度によっても状況が異なってくるのではないか」とありますが、年齢というか、乳幼児から学齢児になるまでの期間によっても状況は全然違ってきます。特に生まれてから学齢児になるまでのところの親の療育という意味合いが十分に含まれてくると思っています。だから、程度だけではないというふうに思いますので、年齢的なところも加味して考えなければいけないのではないかと思いました。

 平成 20 年の報告書を全肢連で読み合わせまして、やはり母親という表現が強すぎると、父親も子どもを育てているのだから、母親という言葉を出すのだったら母親・父親とか父親・母親というふうに、今度はきちんと書き込んでほしい。その文言によって父親が逃げているわけではないですが、多分、ある面逃げているのかもしれませんので、表現の仕方のところも考慮していただければと思います。

○柏女座長 ありがとうございました。田中さん、お願いします。

○田中 ( ) 構成員 育成会の田中です。この設問の立て方の印象として氷山モデルというのが、最近、発達障害のほうではよく使われますけれども、就労の部分と「きょうだい」支援という切り口だけでは、多分、捉え切れない問題があって、前提として保護者のレスパイト、精神面でのケア、ペアレントトレーニングなどの支援に加えてと位置づけてあります。ここがもう少し具体的な形で、それを求めていく方法の 1 つが計画相談だと思いますが、サービスを提供するだけではない相談も必要だという位置づけの中で、保護者の立場で言えば社会参加して自分が社会的に位置づけられている自己肯定感を得られることが、この就労に求める一番大きな要素ではないかと思います。

 「きょうだい」支援の関わりも、家族の中で親の愛が自分にも注がれるべきだという自己肯定感を求めて、それが欠けたときにねじれていくということだと思います。その辺をどのように受け止めるのかという前提をもとにしないと、この後の議論になるかと思いますが、放課後デイサービスが需要に応じて増えている状況を、需要というのがどのような捉えのかになるのかによって、そのサービスの提供の仕方も随分変わってくると思います。そこは全体的に求めつつもまだ不十分だというふうな理解もありますので、そこも含めて就労をどうするか、「きょうだい」支援との関係をどうするかを考える際には、もう少し相談面での充実を図る必要があります。

 特にレスパイトの意味として、障害のある子の親御さんに、親が生んだ責任というスティグマを押し付けているところからの解放という捉え方もありますので、ヘルパー系、個別の対応、行動援護も含めてですが、事業を利用しようとするときに、親がいるのになぜサービスを提供するのかというような判断がまだあるとすると、捉え方が薄い状況だと思います。そういった視点での議論を踏まえた上で、この具体的に出ている保護者の就労と「きょうだい」支援を捉える必要があるのではないかと思っています。

○柏女座長 ありがとうございます。大塚さん、お願いします。

○大塚構成員 保護者の就労のための支援の観点と具体的な対応ということで、本意がよく分からなかったのですけれども、保護者の就労を最大限にいかしていただくのは当然の流れで、障害があるからといってそれが制限されないことは前提ですし、そのために子育て支援や障害児の支援がいかにそこをカバーしながら、その家族を全うに支えられる仕組みを作っていけばいいということなので、出ているところがちょっと分からないような気もします。多分、これは個別性が非常に強いので、最終的には家族をアセスメントしてどんな支援が大切か、親御さんも働きたいという中の調整の中で、計画にきちんと位置づけて子どもの支援もやっていく。そうしないと個別性が高いので、重い方もいるし年齢も異なっていますから、その方向というのは当たり前のことですし個別的にはそういうことだと思っています。

 それから、精神面でのケア、カウンセリングということがあって、この間、これをどう考えるかお話をしたのですが、これを本当にやるのだったら児童発達支援センターに臨床心理士を配置して、きちんとやるということがないと、ずっとカウンセリングと書いてある報告書には具体的な方策がないと思っています。

○柏女座長 ありがとうございます。ほか、これについての御意見、渡辺さん、お願いします。

○渡辺構成員 この資料の部分ですが、捉え方として、就労のための支援という形で就労だけをピックアップしているような感じのイメージがあります。例えば先ほども申し上げたように、もう少しワークライフバランスであったり、仕事だけでなく仕事と家庭生活のバランスをうまくとりながら、生活全体をちゃんと調和させていく捉え方のほうがいいのではないか。個人的にはそういうことを思ったりします。

 もう 1 つは、これの前提になる考え方として、簡単に言えば 10 年といったスパンの中で確かに放課後等デイサービスも増えてきたし、子どもが通える場所も増えてきた。もちろん在宅サービスも 10 年前に比べれば量も増えて拡充されてきたと思います。そういう中で親御さんたちに対して、十分にサービスが整ってきたのだと捉えて今後考えていくのか。そうでなく、確かにいろいろなものが量的には増えてきたけれども、今でも障害児の養育、介護は基本的に家族に依存している部分が多く、その多くは母親だったり女性がまだ過重に負担しているのだという前提で、これからを考えていくのか。それによって随分違ってくると思います。

 私自身は、どちらかと言ったら、まだまだお母さんたちが背負っているものがたくさんあって、それは一人一人違いますけれども、どちらかというと日本の福祉サービス自体が全体に、家庭の中における母親の役割であったり母性というところにまだ依存していて、それで難しければ支援という感じの、二次的な位置づけになっているのではないかと捉えているほうなのです。その前提部分として、実は日本の障害児の養育や介護というものが、家庭の中において親、保護者、特に母親に対して、まだまだ多くの負担を与えているのだという前提で、支援の在り方を考えていったほうがいいのではないか。個人的にはそんなふうに思っています。

○柏女座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。お願いします。

○片桐構成員 レスパイトのところで、ここで言うとどうしても就労保障という視点が強いのですが、私どもの地域でもありますけれども、例えば小学校 1 年生でお母さんがたまたま働いていなくて、うちの町には雁木通りというのがあり、その雁木通りを雨の日も風の日も散歩している親御さんもいます。それを 10 年前からされているというので、高校生になって通所施設に通っても日々、ずっと同じことをされている方もいるのです。その中で就労保障としてやっているので、就労していなかったら、お子さんは家族と一緒にいることできちんと発達の保障がされるかといったら、決してそうではなく、いろいろな人たちの関わりによって保障されるとなると、放課後の支援は重要なのだと思っています。いろいろな子どもたちと会うとか、いろいろな支援者と出会っていく体験、夏休みの体験といったことも含めて、放課後等デイサービスは、どちらかというとレスパイト的な要素がどうしても 24 年度以降は強くなりましたが、多様な人たちが関わっていく営みを作っていく事業としては非常に効果的であったと思っています。

 一方で、私も制度に乗っからずに私的ケアから始めて、 365 日、 24 時間、ずっと支えるという地域支援をやっていましたけれども、ある意味理不尽で朝がめちゃくちゃ早いとか、夜がものすごく遅いといったことも受け取っていた時代がありました。でも若かったし、地域の中で僕らが踏ん張れれば、施設に入らないで済むんだと思ってやってきました。ただ、月火水木金土日、あるいは盆暮正月まで預けたいとか親戚が来るので預けたいなど、家族の機能を壊すような支援も実際にやっていたところがあって、そのとき支援者たちは非常に違和感があったのです。

 そういうときに計画相談というものが登場してきて、まだまだ不十分ですけれども、きちっと家族の役割とか機能を整理した上で、放課後等デイサービスの機能を整理し始めているところです。こういったところは計画のところときちんとリンクしていく必要があると思っているのと、大塚構成員に伺いたいのですが、今、こういった預り型になってしまっているとか、放課後等デイサービスもいろいろな種類がありますけれども、例えば当事者の団体などで言うと、そういう事業に対してスキームを作って示し、こういう基準を経たものが良いサービスであるみたいなことを、結構、海外ではやっていると聞いたのですが、そんなことも必要かなと思いました。

○柏女座長 ありがとうございました。大塚さん、何かありますか。

○大塚構成員 その後の話かもしれませんが、児童発達支援事業所及び放課後等デイサービスは多様な主体が入ってきて、いろいろな水準のものになっている。質の担保、質の評価ですね。そういう中において利用ということで柔軟に利用できるのはいいけれども、非常に危機も感じているわけで、一定の質を担保する仕組み、仕掛けは、事業所としてこの基準を満たせばいいという、ある意味での基準かもしれないし認証かもしれないですが、そんなことは必要だと思っています。

○柏女座長 ありがとうございます。ほか、この部分についてはよろしいでしょうか。多様な御意見を頂戴いたしました。幾つか論点が出されていますけれども、むしろ障害児支援の中で育児と就労の両立支援を図っていき、それが本当に進んでいくと今度は一般施策の育児と就労の両立支援のところから、障害児を締め出してしまう恐れがあるのではないかというのが上の論点になります。そうしたことも踏まえながら、それでも障害を持った子たちの障害児支援分野での両立支援を、今の田中さんの御意見を借りれば幾つかの事業の組合せでやるのか、あるいは児童発達支援や放課後等デイサービスの報酬を、言わば延長加算のようなものを設けて一元化してやるのか、まずその考え方を整理しなければいけないということだったと思います。いずれにしても、障害の程度や年齢等によっても状況が異なってくる。あるいは計画相談が大事だということもありましたので、そうした計画をしっかりと立てながら進めていくという意味では、メニューは多様にあったほうがいいと思いますので、そうした観点も含めて次回、提案のたたき台を出していただければと思います。

 それでは、 3 つ目の議論で資料 5 です。これについてはいかがでしょうか。朝貝さん、宮田さん、高木さん、お願いします。

○朝貝構成員 この主なメリットをいかして、主なデメリットを軽減することを考えていかないといけないと思って提案させていただきます。主なデメリットのところで、実際の職員配置ではなくなってしまうということが書いてあって、専門性を確保することが困難になる可能性がある。障害児入所施設については、基本となる部分についても配置基準が異なっている。これは必要性があるから異なってきたのだと考えていますので、提案としては、基本部分を障害種別ではなく人員配置によって分けたらどうでしょうか。それで選択できるような形にする。例えば、 4:1 3:1 2:1 1:1 というような形に分ける。そこで重症児、被虐待児、あるいは私の提案している有期有目的入所などの加算を付けていただくことがいいかなと考えています。

○柏女座長 ありがとうございました。 1 つ御提案を頂きました。宮田さん。

○宮田構成員 給付額が施設ベースから子どもベースになったところは、基本的に賛成させていただきます。ただ、この加算対象をどうするかというところで、現状の重症児と聴覚障害児というところが出てきているわけですが、例えば視覚障害者はどうするのかとか、重症児についても、児童発達支援センターについて申し上げると親御さんをずっと付き添わせたままで、医療的ケアも全部親御さんがやって運営している所もあるわけです。そういった所では重症児加算をどうするのか。重症児の定義自体が非常に曖昧で、日本では療育手帳 A 、身体障害者手帳 1 2 級ということですが、そしたら療育手帳を取らなければ同じ重度さでも重症児加算が取れないのかなど、この加算を付けていくときの 1 つの方策というところ、若しくは範囲というところが難しくなってくるかなと思います。

 加えて、ここに医療型が入っていないのです。医療型児童発達支援センターについては、これも福祉型と一緒にしてほしいというのが、我々の協議会としてのお願いであったわけです。主なメリットのところで「福祉型と医療型の一元化を検討する際の基礎にもなる」と書いてありますが、今回、検討しないのかとこの文章から感じるわけです。私、肢体不自由児通園施設連絡協議会の会長を 8 年やっていました。肢体不自由児通園施設の給付額が非常に少ないということで、厚労省に何度もお願いに行ったときに、職員基準が曖昧だから上げられないというお答えだったのです。職員基準を曖昧にしたのは我々ではなくて厚労省であったわけですが、それなら肢体不自由児通園施設も保育士基準をはっきりさせた上で、共通化していただきたいというお願いをさせていただき、今回の一元化に至ったとわけですが、結果的に職員基準が曖昧な肢体不自由児通園施設は医療型として残ってしまっている。この部分は明確に、どんな子どもも受け入れられるような児童発達支援センターにしていくという観点から検討をしていただいて、この基本部分のところは医療型でも一緒なのだというところを打ち出していただきたいと思います。

○柏女座長 ありがとうございます。高木さん、田中さん。

○高木構成員 全国重症心身障害児 ( ) を守る会の高木でございます。今朝は遅れて申し訳ありませんでした。私は朝貝構成員とは逆の意見でございます。先の制度改革によりまして、通所、入所の施設再編というか一元化が行われ、障害児にとりましてはどの施設を選択してもいいのですけれども、逆に言えば、重症心身障害児 ( ) 、あるいはここに書いてある聴覚障害者、難聴の幼児等につきましては非常に選択幅が広まった反面、専門性が非常に狭くなっているという表裏の関係になっています。別に障害児施設の一元化に異を唱えるものではありませんけれども、それぞれの障害児に対応できる専門性を確保するには時間やノウハウ、あるいは先ほどから討論されていますように専門の人材育成など、そういうものが必要になってくると思います。ここの主なデメリットに書いてありますように、「児童の受入がある場合のみの加算とせざるを得なくなる」という状況になると、サービスを受けようとする利用者と事業者との間に齟齬が生じ、歪みが出てくるように感じます。特に濃厚な医療的ケアを必要としている障害児を介護あるいは介助している親にとっては、子育て支援よりも、命を大切にするという専門性的なところも求められていますので、これに全く未来永劫反対するという意味ではありませんけれども、もう少し今のが進むまでは現行のままでいくのがいいのではないかと私は提案しています。

 それから、この表題の上に出るのが、具体的な提言の中の個々のサービスの質の更なる確保という中に、これが出てきていますけれども、個々のサービスの質の更なる確保ということになれば、命を守らなければいけない少数の障害児も、その中に入るのではないかと思います。

○柏女座長 ありがとうございました。

○朝貝構成員 今の御意見に真っ向から対立しているわけではなくて、この提案と現行をどうやって融合するかというのが、私の意見だったと御理解いただきたいと思います。

○柏女座長 分かりました。ありがとうございました。田中さん、お願いします。

○田中 ( ) 構成員 育成会の田中です。資料 5 (2) について意見を述べたいと思います。経緯として児童デイサービスが1型、2型だったときの位置づけのまま、児童指導員を指導員という位置づけで進んできていて、今回、先ほども大塚委員が提出された図で確認させていただきましたが、就学前の児童発達支援事業と、教育がベースとなっての放課後等デイサービスの位置づけは、質が変わってきていることが明確になっていますので、それを踏まえての児童指導員や指導員の位置づけを検討する必要があるのではないかと思っています。

 その上で、特に教育がまずベースにあっての補完となる放課後デイサービスについて、「ただ預かっているだけだ」と揶揄されたり批判されている点については、児童指導員や指導員の質の問題より事業所の運営姿勢の問題になりますので、そこをまずチェックする仕組みがないと、この指導員と児童指導員のところだけをいじっても、あまり大きな変更にはならないのではないかと思っています。

 そして、最後に提案されている児童指導員の質の確保・向上のための研修の実施については、サービス管理責任者の位置づけでの児童分野の研修がありますので、そのような枠組みの中で放課後デイサービスにおいても、事業所の年数がそれなりに経過すれば、児童指導員になるという位置づけのものも得やすくなってきていると思いますから、核となるところには児童指導員を、そして、全ての者が児童指導員を持っていないと事業ができないということではない方向性で、全体の質の確保のための研修はサービス管理責任者相当の方の質の向上で、事業主への働きかけも含めて行っていく必要があるのではないかと思っています。

○柏女座長 ありがとうございました。具体的な提言を頂きました。大塚さん、お願いします。

○大塚構成員 児童指導員と指導員の取扱いという意味で、これはそもそも論になって大変失礼ですが、多分、児童指導員は児童生活指導ということで戦後すぐ、特に入所型の児童施設の支援をする方をモデルに成り立ってきたと思います。これが 70 年ぐらい経って本当にこれでいいのかということ。そもそも児童指導員の仕事とは何か、その資格とは何かということも含めて、そこのところからあまり合っていないのではないかと思っています。特に日中受入れであるとか、あるいは児童デイ、発達や家族支援の関係、それからアウトリーチまで含めてやると、もちろん生活支援も大切なのですが、それだけでは賄い切れないようなところに対する児童指導員の仕事を、どう位置づけるかというのが大切だと思っています。そういう意味では児童指導員、指導員も含めて、児童デイあるいは児童発達支援事業で何を仕事とするのかというのが、きちんと決まって初めて位置づくものではないかと考えています。そもそも論ですみません。

○柏女座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。この議論のときに、今、田中さんがおっしゃったのは正に放課後児童クラブですね。健常児と障害児のための放課後児童クラブが、今回、新たに資格を認定したということ。そして、それは全員ではなく半数に有資格者を置くという形にしたということも、ひとつ参考になるのだろうと思います。その基礎資格が、児童指導員ではなく児童厚生員(保育士が含まれる。)となっていることも、併せて参考になるかなと思います。いずれにしても、指導員という形を児童指導員という任用資格にもっていくことについては、そもそも反対はなかったと思いますので、御意見を踏まえた上で原案を作成していただければと思います。この関係については以上ですが、追加の論点についてはよろしいでしょうか。

 次に、最後になりますけれども、現在、国会審議が行われている少年院法等の一部改正案に関する参考資料が事務局から提出されていますので、これについて簡潔に御説明をお願いいたします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 少年院法案・少年鑑別所法案等の概要ということで、参考資料を付けています。今、座長からお話がありましたように、現在、国会で審議中です。この改正案におきましては再非行防止に向けた処遇の充実、また適切な処遇の実施ということで改正が考えられています。

 その中で、1再非行防止に向けた処遇の充実の中ほどの社会復帰支援の実施については、帰住先の確保・就労等の支援の実施、出院者や保護者等からの相談に応じることができる制度の導入など、社会復帰支援の実施についても明確に法律上、位置づけられることになっています。非行があって少年院に入院した障害のある少年に対して、今後、福祉・教育との連携が更に必要になり、法務省とも連携を図っていく必要があるということもあって、こういった資料を付けています。なお、この法案の内容等も踏まえ、最近の動きについて報告書の最近の環境の変化という所に入れ込みたいと、事務局では考えているところです。以上です。

○柏女座長 ありがとうございました。ただいまの説明について御質問、ございますか。よろしいでしょうか。様々な分野で障害児への配慮等が高まっていくことは望ましいことだと思います。これも省庁間連携に係るとても大切な事項だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 全体にわたって何かございますか。よろしいでしょうか。それでは事務局におかれましては、今日、構成員の方々から出された意見を踏まえて、今日提出された報告書案の前半部分も加筆修正していただく。併せて後半部分の案を作成いただき、次回の検討会に提出していただくようにお願いいたします。その際に、今日御欠席の辻井委員と佐藤委員から文書にて発言がなされていますので、これらについても踏まえていただいて報告書案を作成していただくように、よろしくお願いいたします。

 今後の予定等について、事務局から説明がございますので、よろしくお願いいたします。

○阿萬障害児・発達障害者支援室長 皆様、本日はお忙しいところ、熱心に御議論いただきまして誠にありがとうございます。次回の検討会につきましては、既にお伝えしていますとおり 6 18 日に開催しますので、よろしくお願いいたします。本日、提出させていただいた報告書案の前半部分につきましては、先ほど座長から御指示がありましたとおり、構成員の皆様方からの御意見を踏まえ、また座長とも御相談の上で修正し、次回の検討会で御提示させていただきたいと考えています。また、次回の検討会におきましては、併せて報告書案の後半部分、具体的な提言に関する部分について、これはたたき台という形になりますが、お諮りする予定としています。

 あと、追加ですが、先日、座長から御指示がありましたヒアリングにおける各団体からの意見をまとめた資料の確定版について、これも今、各団体に確認をお願いしているところです。相手がある話ですので間に合うかどうかというのはありますが、作業が間に合えば次回、御報告をさせていただければと思っています。

 その他、この場での御報告になりますが、 5 16 日の社会保障審議会障害者部会において委員の方々から、追加で意見を聞くべきであるという御意見をいただき、事務局におきまして、日本盲人会連合、日本ろうあ連盟、難病のこども支援全国ネットワークの 3 団体から個別に話をお伺いする機会を設けさせていただきました。次回の 18 日の検討会におきましては、この 3 団体からの御意見につきましても簡単に御報告させていただければと思っています。

 最後に、今後のそれ以降の流れですが、 6 27 日の第 9 回、 7 9 日の第 10 回において、報告書案全体の形でお諮りする予定としていますので、引き続き、各構成員の皆様方におかれましては日程の確保等、よろしくお願いいたします。事務局から以上です。

○柏女座長 ありがとうございます。何かございますか。よろしいでしょうか。予定ではあと 3 回、予備日を含めると 4 回、タイトなスケジュールの中で議論を続けていくことになりますけれども、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。これにて、第 7 回「障害児支援の在り方に関する検討会」を閉会とさせていただきます。御協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
障害児・発達障害者支援室 障害児支援係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
電話: 03-5253-1111(内線3037)
FAX: 03-3591-8914

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