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2014年5月13日 第9回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成26年5月13日(火)9:30〜11:16


○場所

航空会館大ホール(7階)


○議事

○石田室長補佐 それでは、定刻になりましたので、第9回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」を開催いたします。

 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。

 本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。

 また、傍聴の方は傍聴に関しての留意事項の遵守をお願いいたします。

 本日ですが、電車の遅延の関係で坂元委員が遅れております。そのため、先に報告事項から御説明をしていただきたいと思います。岡部部会長、よろしくお願いいたします。

○岡部部会長 おはようございます。

 今、事務局から御説明がありましたように、報告事項から先に伺って、坂元先生には事務局のほう、あるいは私から報告事項についてはお伝えするというふうにしたいと思います。

 議事はその後で、坂元先生がおいでになってから行うという形にしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、審議3も最初にやってしまいますか。それとも報告事項にすぐに入りますか。

○石田室長補佐 先に報告事項で、坂元先生が来てから審議をさせていただきたいと思います。

○岡部部会長 それでは、報告事項が4つ書いてありますので、予防接種制度の改正、事故防止のリーフレット、感染症流行予測調査事業、それから、インフォメーションとして現在のポリオの国際的な拡大について、WHOが危機的な状況であるとアナウンスしたことについての紹介があります。

 それでは、順次よろしくお願いいたします。報告事項は事務局からということで、どうぞ。

○宮本予防接種室長 資料2を御用意いただきたいと思います。こちらは本年4月からの予防接種制度の改正事項等についてということでまとめておりますが、既に昨年度中に先生方にいろいろ御検討いただいたものの復習といいますか、まとめになっておりまして、そういった点では先生方よく御存じいただいているものと思います。

 簡単に御紹介してまいりたいと思いますけれども、まず1つ目としましては予防接種基本計画の策定ということで、昨年改正いたしました予防接種法第3条第1項の規定に基づき、予防接種に関する基本的な計画が策定され、本年4月1日に適用されたというものでございます。本文につきましてはその下に参考資料3ということで添付しておりますので、御参照いただきたいと思います。

 概要については資料を1枚めくっていただきまして、予防接種基本計画の概要ということで8つの項目それぞれについて簡単にまとめております。こちらも御案内のとおりですけれども、第1の予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関する基本的な方向としまして、予防接種・ワクチンで防げる疾病は予防することを基本的な理念とし、予防接種の効果及びリスクについては、科学的根拠をもとに比較衡量するといった基本的な考え方のもとに進めていくということで、8つの項目それぞれについて記載をいただきました。今後の予防接種政策はこの基本計画に従って、鋭意取り組んでまいりたいと思っております。

 2つ目でございますけれども、こちらは同一ワクチンの接種間隔の上限の撤廃等ということで、間隔が定められておりましたワクチンのジフテリア、破傷風、百日咳及びポリオの第1期、日本脳炎の第1期、初回接種、Hib感染症並びにHPVの予防接種について、接種間隔の上限を撤廃したというものであります。また、日本脳炎の第1期追加接種については、初回接種後おおむね1年から6カ月以上に変更したということでございます。

 こちらについては3ページ目に接種間隔の緩和について、旧規定と現行規定、3ページと4ページに記載がございますので、また御確認いただきたいと思います。

 1ページ目に戻りまして3つ目、日本脳炎の積極的勧奨の差し控えに対する対応については、積極的勧奨の差し控えの影響を受けた者への対応として、平成26年度は平成16年から18年度生まれの者に第1期追加接種、平成8年度生まれの者に第2期接種の積極的勧奨を実施したということで、こちらは5ページ目にまとめております。こちらもよく御存じいただいているものと思います。

 真ん中の図で赤い線で囲っております部分につきましてが、今年度実施をする部分でございます。

 4つ目としまして、風しんに関する特定感染症予防指針の作成等ということで、感染症法11条1項及び予防接種法4条第1項の規定に基づき、風しんに関する特定感染症予防指針が作成されまして、本年4月1日より適用しております。平成25年度補正予算により、主に先天性風しん症候群の予防を目的として、風しんの抗体検査に関する助成を実施したという点もございます。

 こちらについては一番最後の6ページ目にまとめておりまして、目標としましては早期に先天性風しん症候群の発生をなくすとともに、平成32年度までに風しんの排除を達成することを目標とするということで、それに基づきまして4つの項目がございます。定期予防接種の接種目標95%以上の達成・維持。成人に対する抗体検査・予防接種の推奨ということで、企業等と連携し、対策を推進するというもの。それから、先天性風しん症候群の児への医療等の提供、こういった内容を含んでおります。

 以上でございます。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 ただいまの報告事項、今までの予防接種法の改正を取りまとめたような形でいただいたのですけれども、御質問や何かがありましたらどうぞ。

○池田委員 池田でございます。

 私の聞き違いだと思うので確認です。資料2(3)の日本脳炎の積極的勧奨の差し控えに対する対応のところは、この紙に書いてあるとおりで、平成26年度は平成1718年度生まれの者に第1期追加接種をしたということでよろしいということですね。すみません、私が聞き違えたのかなと思いましたので。

○宮本予防接種室長 はい。私のほうで説明が間違っておりましたら申しわけないと思いますが、おっしゃるとおりでございまして、平成26年度は平成17年、18年度生まれの方に第1期追加接種を行うということ。それから、平成8年度生まれの方に第2期接種の積極的な勧奨を行うということ。その2点が実施事項になっております。

○岡部部会長 あとはいかがでしょうか。

 それでは、今、報告をいただいたということで、今までの委員会でもいろいろ発表があったところだと思いますので、再度確認の意味ということになります。

 坂元先生がおいでになったので、それでは、部会としての審議に入りたいと思うのですけれども、そうしますと審議が始まる前からのことということで、審議参加に関する遵守事項その他、事務局からスタートをお願いします。

○石田室長補佐 それでは、坂元先生が来られましたので、まずは出欠状況から御報告させていただきます。

 本日は委員10名のうち、池田委員、岡部委員、小森委員、坂元委員、澁谷委員、多屋委員の6名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。

 なお、庵原委員、中野委員、中山委員、宮崎委員の4名から御欠席の連絡をいただいております。

 それでは、議事に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、配付資料一覧、委員名簿、座席表、資料1〜4、参考資料1〜5を御用意しております。

 配付資料一覧と御確認いただき、不足の資料等がございましたら、事務局にお申し出ください。

 次に、利益相反の確認をさせていただきます。

 審議参加の取り扱いについて御報告いたします。

 本日の議題1の水痘ワクチン、一般財団法人阪大微生物病研究会、成人用肺炎球菌ワクチン、MSD株式会社に関して、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、本日御出席された各委員から、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、申請資料への関与について申告をいただいております。

 寄附金等の受け取り状況ですが、岡部委員が一般財団法人阪大微生物病研究会より、講演料として50万円以下の受け取りがあります。

 申請資料に関与された委員はおりません。

 本日の出席委員の申告状況から、「退室」や「議決に参加しない」に該当される委員はおりません。

 また、各委員からの申告書類については、本日の配付資料とあわせて速やかにホームページへ掲載することを御報告いたします。

 引き続きまして、事務局より事務手続きについて2点ほど御報告がございます。

 まず1点目でございます。3月14日に厚生科学審議会の臨時委員の任命手続漏れについて公表しておりますが、対応等について御説明させていただきます。

 当部会に所属いただいている小森委員は、任期が平成251018日までとして発令されておりましたが、任期が満了したにもかかわらず、当方で必要な手続を行わないまま、3月14日付で臨時委員として任命させていただくまでの間、当部会にも御出席をいただいておりました。

 なお、小森委員にも御出席いただきました第7回及び第8回の審議の有効性等につきましては、議事の定足数は政令で委員及び臨時委員の過半数とされており、小森委員を除いても全ての会議について過半数が出席していたため議事は成立すること。

 議決については、全会一致や部会長への一任等により決定していることから、審議会の決定に変わりはなく、それを踏まえ行っている厚生労働大臣の決定事項や行政手続等に影響はありませんが、第7回、第8回の議事録に小森委員の任期が満了していたこと等について記載させていただき、厚労省ホームページに掲載しております。

 なお、委員の方のみホームページの該当箇所を机上配布しておりますので、あわせて御確認ください。

 続きまして、2点目でございます。4月25日に厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会における審議参加の取り扱い等について公表しておりますが、基本方針部会においても、各委員から昨年申告いただいた内容等について確認作業を行っておりますので、結果については追って公表をさせていただきます。

 事務局としましては、委員の任命手続漏れなどあってはならない事案が発生したことを重く受けとめ、さらに事実関係を確認した上で適切な事務手続の徹底を図ってまいります。

 事務局からの報告は以上でございます。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 1つはCOIの件と、2番目は小森先生に大変御迷惑をかけたような形になるのですが、審議参加の件ですけれども、これについて何か御質問、御意見がありましたらどうぞお願いします。特によろしいでしょうか。

 それでは、この点は注意してスムーズにいくようによろしくお願いします。

 議題に入っていきたいと思うのですけれども、きょうの議事次第にあります水痘ワクチンと成人用肺炎球菌(23価)に関する、実際にどういうふうにやっていくかということについて議論いただきたいところですが、もう既に水痘はA類であって、成人用肺炎球菌はB類で、ことし10月を目標としての定期接種化ということでいろいろな動きが出ていると思うのですけれども、具体的な点の幾つかについてはまだ最終的な決定が行われていないところがあったと思います。これらについてきょう御意見をいただくことになりますが、資料1からということで、これも事務局から状況の御説明をお願いします。

○宮本予防接種室長 資料1と参考資料1、参考資料2が関係する資料でございます。

 水痘と成人用肺炎球菌の定期接種化に伴う対応について、2点ばかり御審議いただきたいと思っておりますが、その前に参考資料1を先にごらんいただきたいと思います。

 この2つのワクチンについての接種対象者と接種方法については、委員の先生方には昨年度来、鋭意御検討いただいたところでございますけれども、改めてこの点を復習させていただきたいと思います。

 1ページ、水痘ワクチンの接種対象者、接種方法等についてですが、対象者については生後12月から生後36月に至るまでの間にある者ということで、予防接種を受けることが適当でない者については特記事項はなしとされております。

 接種方法については、乾燥弱毒生水痘ワクチンを使用し、合計2回皮下に注射する。3月以上の間隔を置くものとして接種量は毎回0.5mlとする。

 標準的な接種期間については、生後12月から生後15月に至るまでに初回接種を行い、初回接種は初回接種終了後6月から12月に至るまでの間隔を置いて1回行う。

 経過措置については、生後36月から生後60月に至るまでの間にあるものを対象とし、1回注射をする。ただし、平成26年度限りとする。

 その他としまして、既に水痘に罹患したことがある者は接種対象外とする。

 任意接種として既に水痘ワクチンの接種を受けたことがある者については、既に接種した回数分の接種を受けたものとみなすということで、2回接種された方は残りませんし、1回接種された方は期間に応じて1回接種するということでございます。A類に疾病として規定される、こういった内容でございました。

 2ページ目には、成人用肺炎球菌ワクチンの接種対象者・接種方法等についてということで、この点についてはかなり御検討いただきまして、座長等にも御指示をいただきまして、このようにまとめておるということでございます。改めて申し上げますと、接種対象者については65歳の者をするということと、それから、60歳以上、65歳未満の者であって心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能たまはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害を有する者という2つの対象者がございますけれども、1の65歳の者については、経過措置終了後の平成31年度より実施をするということで、30年度までの間については、経過措置を行うということでございました。接種方法については肺炎球菌ワクチン(ポリサッカライド)を使用し、1回筋肉内または皮下に注射をし、接種量は0.5mlということでございました。

 この経過措置の内容は、5歳ごとに行うということでございましたが、その具体的な数字についてはかなり複雑な点もありましたので整理をいたしまして、このようにまとめております。平成26年度から平成30年度までの間は、前年度の末日に各64歳、69歳、74歳、79歳、84歳、89歳、94歳、99歳、そういった5歳刻みで捉えまして、これらの方について次の当該年度に実施するというものでございます。

26年度における65歳の接種については、平成25年度末日に64歳の方、すなわち生年月日が昭和24年4月2日から昭和25年4月1日の方が対象になるということでございます。

 平成26年度については、25年度の末日に100歳以上の方、つまり平成26年度101歳以上となる方については定期接種の対象とするということでございます。

 これらの経過措置の接種対象の方については、このようにまとめておりますとわかりにくい点もあるという御指摘もいただきましたので、もう一枚めくっていただきまして3ページ目に、26年度の成人用肺炎球菌ワクチン経過措置対象者を具体的にまとめております。各歳の生年月日を詳細に記載いたしまして、このような生年月日で生まれておられます方については、26年度中に対象となるということでお示ししております。

 その他といたしまして、既に肺炎球菌ワクチン(ポリサッカライド)の接種を受けたことがある者は対象外とする。平成31年度以降の接種対象者については、経過措置対象者の接種状況や接種記録の保管体制の状況等を踏まえ、改めて検討する。当該疾病はB類疾患として規定する。こういった内容でございました。

 資料1に進んでいただきまして、2点検討いただきたいうちの1点目としまして、成人用肺炎球菌ワクチンの接種時の対応についてということでございます。5歳ごとに接種対象者がいらっしゃるということと、これまでにも受けた方がいらっしゃることなどを踏まえまして対応が必要である。これまでも記録の重要性などが指摘されたところでございます。

 今後の対応といたしまして、このような点が必要であろうかということで協議をお願いいたします。

 過去5年以内に、多価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを接種されたことのある者では、同剤の接種により注射部位の疼痛、紅斑、硬結等の副反応が、初回接種よりも頻度が高く、程度が強く発現すると報告されています。

 5年以内の再接種を回避するため、定期接種の実施において、市区町村や定期接種実施医療機関に以下の対応を求めてはいかがかということで、3点ばかりまとめております。

 1点目としまして、定期接種実施医療機関は、予診票や問診で過去(特に5年以内)の接種歴について確認を行う。

 2点目として、市町村又は定期接種実施医療機関は、予防接種済証を被接種者に確実に交付するとともに、被接種者に保管するよう周知を行うこと。

 3点目としまして、市区町村は、接種歴を予防接種台帳にて管理するとともに、接種歴の問合せに応じるなど、適切に対応すること。

 こういった対応を、改めて何らかの形で周知してはどうかという提案でございます。

 おめくりいただきまして2点目としまして、長期療養特例の必要性についての検討をいただきたいと思っております。

 長期療養特例でございますけれども、これは免疫機能の異常など、長期にわたり療養を必要とする疾患等により、接種対象年齢の間に定期接種を受けられなかった者が、当該事由が消滅してから2年以内に接種をすれば、定期接種として接種を受けることができるよう、予防接種法施行令に特例措置が設けられております。

 他のワクチンに関します状況につきましては、7ページ目にまとめておりまして、この表にあります各ワクチンについて、予防接種法施行例に規定している定期の予防接種の対象者に対応しまして、上限年齢が各ワクチン基本的にはその上限年齢プラス2年とされております。ただし、薬剤の適用がございますので、こちらと競合する場合についてはその薬剤の適用を優先するということで、必ずしもそのとおり運用できない年齢についてもございます。

 これらについての実施状況については参考資料2にございまして、長期療養特例が実施された場合には、厚生労働省に報告いただくということにしてございますので、これらがその状況となっております。

 4ページ、要件を改めて見ていただきますと、特例措置が適用される要件といたしましては、接種の対象年齢の間において、疾患による予防接種不適当要因が生じ、接種期間が充分に確保できず、特別な事情により予防接種を受けることができなかったと認められる場合であって、当該特別の事情が解消された後、2年以内に接種した場合は、定期の予防接種として取り扱うこととする。ただし、薬事承認で対象が限定されているものや医学的に限定が必要なものについては、個別に接種年齢の上限を設定するとされております。定期接種として位置づけられている疾患、疾病の予防接種を全て行うこととした場合に、十分な期間が確保されるという趣旨で対応しているものでございます。

 それらの具体的な疾患などにつきましては、5ページ目に概要をまとめております。大きく3つにカテゴリが分かれておりまして、長期にわたり療養を必要とする疾病ということで、(ア)〜(ウ)に掲げる疾患にかかったこととされております。

 2つ目のカテゴリとしましては、臓器の移植を受けた後、免疫の機能を抑制する治療を受けたこととされております。

 3つ目としましては、医学的知見に基づき1または2に準ずると認められたものでございます。

 今、申し上げましたように、こういった留意事項、観点、疾病につきましては、市町村は「特別の事情」があることにより定期接種を受けることができなかったかどうかについて医師の診断書や当該者の接種歴等により総合的に判断することとし、その結果については厚生労働省に報告いただくことになっております。

 6ページ目には、その特別な事情に該当する疾患例として掲げております。

 これらの長期療養特例について、2つのワクチンへの対応ということで御提案させていただきます内容が8ページ目にございます。水痘の長期療養特例については、まず予防接種の対象年齢に関しては添付文書上には上限は記載されておりません。それから、罹患歴または予防接種歴がない場合には、どの年齢においても感染のリスクがあるというものでございます。これらを踏まえまして水痘ワクチンの定期接種においては、長期療養特例を以下のとおり規定してはいかがか。その他の定期接種と同様に2年間の長期療養特例を設けるということ。それから、接種の対象年齢の上限は設けないということ。長期療養特例の期間は、その他の定期接種と同様に2年間とするというものでございます。

 9ページ、成人用肺炎球菌ワクチンの長期療養特例についての御提案でございます。予防接種の対象年齢については、添付文書には上限は記載されておりません。それから、加齢に伴い、予防接種による免疫原性は低下する一方で、侵襲性肺炎球菌感染症のリスクは上昇してまいります。

 平成26年度から30年度にかけて実施する経過措置においては、接種対象者の年齢に上限を設けてはおりません。本来、接種の対象年齢は65歳であり、接種可能な期間は1年間とされております。26年度の実施については半年間ということでございますし、また、ハイリスク者については最大5年間の実施機関があるということでございます。

 こういった状況を踏まえまして、特に接種可能な期間が通常65歳で1年間だというようなことを踏まえまして、成人用肺炎球菌ワクチンの定期の予防接種の実施において、長期療養特例を以下のように規定してはいかがかということで提案させていただきます。

 その他の定期の予防接種と同様に、長期療養特例を設ける。接種の対象年齢の上限は設けない。ただし、平成26年度から実施する定期接種の接種期間は通常1年間であるということを踏まえまして、長期療養特例の期間は1年間としてはいかがか。このような御提案でございます。

 以上でございます。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 水痘と成人用肺炎球菌ワクチン(ポリサッカライド)ということで、背景としては今までの審議あるいは決定した事項の説明だと思うのですけれども、その点について、しかし御質問あるいは御意見があれば、まずその辺でいかがでしょうか。何かありますでしょうか。

○小森委員 成人用肺炎球菌ワクチンの接種時の対応ということでございます。

 このワクチンが定期接種化されるという議論の流れの中で、ここまで、こういった問題が課題になるというのはある意味、うれしい課題でもあると思っておりますけれども、今までの議論の中で接種歴が必ずしも市区町村において完全に整備されている状況ではないということも明らかになってまいりましたほか、これがデジタル化されていないということになりますと、現実に接種医療機関におきましては御希望の方々がおいでになりますとおりに、資料1の3ページ目、スライド番号としては右下に2と書いてある1の2つ目のポツの1です。予診表や問診で過去5年以内の接種歴について確認を行うこと。しかしながら、確認できないという場合が相当数発生するであろうということが明らかであります。

 しかも、ある一定の年齢層になりますと、いわゆるマイルドな認知の方々、独居の御年輩の方々も相当数いらっしゃることから、その確認が十分にできない。また、そのことにおいて市区町村にお問い合わせをしても、恐らくその確認には数日あるいは相当の時間がかかる上に、しかも明らかではない。わかりませんでしたというような対応であることも相当考えられるということになりますと、予防接種法においてはこういったときの、では打つのか打たないかという最終判断は一体どうなのか。市区町村であろうか、あるいはまたそういったときに起こります副反応についての責任の所在はどうであるのかということを、もう一度確認しておく必要があるなと思っております。

 別の観点ですが、この数日の間に全国紙におきまして、接種記録についてのデジタル化について、厚生労働省が方向をかためたという記事がございました。方向性としてはこういった機会に非常に大事なことだと思いますし、その観点から言いますと、特に成人用肺炎球菌ワクチンの接種歴の把握、また5年以内ということが難しいことから、これを機会に、質問としては散漫になりますけれども、厚生労働省におかれましてはぜひ各都道府県あるいは市区町村担当者、市区町村宛てに一定の予算措置をしつつも、全国統一のフォーマットの中でデジタル的な予防接種記録をするということを明確にここで始めるいいチャンスではないか。

 特に成人用肺炎球菌ワクチンはこれから続いていく過程の中で、来年度あるいは再来年、少なくともこの5年間あるいはそれ以降続いていく中で、そういった整備が迅速に、そして的確に対応できるということにおいて、事前に副反応の発生を未然に防いでいくということに確実につながると思いますので、最初の2点の確認とともに、こういった報道も考慮に入れつつ、ぜひ御意見を頂戴したいと思います。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 では、事務局からお願いします。

○宮本予防接種室長 順番が最後のほうからになりますけれども、予防接種記録の電子化を含めた整備につきましては、昨年度、基本計画の策定の御議論の中でかなり御意見をいただいたと思っております。

 改めてごらんいただきたいと思うのですが、基本計画の7ページ目に第4、防接種の適正な実施に関する施策等を推進するための基本事項の3としまして、予防接種記録の整備という形でまとめております。

 この中では社会保障・税番号制度、マイナンバー、マイポータルの検討が進んでおりますので、そういった検討状況も踏まえまして整備を進めていく必要があろうということでございました。

 現在のところ具体的な、特にマイポータル、非接種者が個人で電子上、接種歴を管理、閲覧する仕組みについては、全体のシステムの構成が提示されている状況ではございませんので、それらの取り組みを具体的に、どういったものになるかというところまでは現在お示しできている状況ではございませんが、長期的な方向としまして電子化を行い、その利便性を図っていくということ。さらにその次にはそれらのデータの全体としての活用ということも視野にはあるのかなと。こういったことでまとめているところでございます。

 現状の中で直ちに進めるということは難しい部分がございますが、例えば既に市区町村の中で十分な体制を敷いて活用しているところもございますので、そういった状況などの状況を把握し、また、提供するようなことで全体の環境を向上していきたいと思っております。

 これらの取り組みが必要であるということは、裏返しますと現状としましてなかなか先進的なところもあれば、そうでもないところもあるというのが現状だろうということで、それらの現状を踏まえ御提案させていただいておりますものは、できることは関係の方にできるだけお願いをしたいということで、実施医療機関、市区町村、非接種者御本人についても記録の保管と提供については完璧ではなくても、できるだけのことをやっていただきたい。このような趣旨で改めて御提案をさせていただいているものでございます。

 全体の責任ということに関しては、予防接種法内での実施ということになりますので、総論としては予防接種法上の市区町村、都道府県、国で責任をシェアすることになりますけれども、あわせて各実施の関係者におかれては、できるだけの安全性を向上するための御努力をシェアしていただきたい。こういった趣旨でございます。徐々に向上を図っていきたいと思っております。

○岡部部会長 ありがとうございます。

 小森先生、よろしいですか。その次に坂元先生、お願いします。

○小森委員 とはいえ、非常にやはり当初の数年間かなり大きな混乱が予想されると思っています。したがって、御報道の方、ここにもいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ御協力をいただきながら、このことについての必要性、その議論の中でここまで到達してきた中で、接種台帳の不備等によってこういった副反応の発生等について、一定の危険性があるんだということを国民全体で共有をしつつ、この施策を推進していくことが極めて重要だと思っています。我々日本医師会としても最大限協力してまいりたいと思いますので、ぜひそういった国民全体としての意識の共有ということに格段の御尽力をお願いしたいと思っておりますので、あわせてよろしくお願いしたいと思います。

○岡部部会長 坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 この成人用肺炎球菌というのは、予防接種法上B類という扱いになっております。通常、市町村としてはB類に関しては個別通知をしません。つまり個別通知、勧奨接種という方法は通常はとらないというやり方なのですが、現在、多くの市町村でやはり個別通知が今回の成人用肺炎球菌ワクチンの場合、必要ではないかという議論をしていると思われます。接種方法が非常に複雑であるということと、初年度は10月1日から始まるために、半年しか接種できるチャンスがない。それから、一生に1回である。あとは5年以内に任意であっても接種を受けたことが何らかの形で判明した場合、恐らくこれは法的に定期接種とはみなさないということなどの問題もあります。仮に副作用が起きた場合、今、小森先生からも御発言があったように、いろいろかなり複雑な問題をはらんでいるので、私的には個別通知をするべきではないかと今、川崎のほうでも検討に入っているところです。

 ただ、個別通知というのはかなり予算がかかるということで、通常、財政当局は個別通知の法的根拠があるか云々ということを問題にします。A類であれば根拠があるのでいいのですけれども、B類の場合は個別通知をする根拠に乏しいので、その予算という面で多分どこの市町村も個別通知に対しての苦労はしていると思うのです。また個別通知をする際、やはり市区町村ごとに通知の内容が異なると混乱が起こるのではないかと危惧されます。

 例えば接種可能な期間の間に住所地を移動される方もおりますので、やはりその辺は国のほうで、もちろん市町村に個別通知せよという指示は出せないとは思うのですが、やはり個別通知等の接種徹底、被接種者への周知徹底を図る旨の通知を出していただきたい。その内容に関しては今のような内容をきっちり受ける方に伝えるというようなひな形をつくっていただいて、各市町村にそれをお示しいただいて、限りなくそういう安全性を担保する意味でやっていただけたら、接種主体の市町村としては非常に助かるという次第で、これはぜひ検討いただきたいと思います。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 これは事務局から何かレスポンスありますか。

○宮本予防接種室長 今、坂元委員からかなりの内容の説明をいただいたので、踏襲する部分もあろうかと思うのですけれども、まず原則としましてB類対象ということでございますので、勧奨するようなものではないということでございまして、私どもからしますと、そこを個別に通知すべきかどうかについては、自治体のほうで御判断いただくべき内容であろうということがまず原則となってまいります。

 ただし、いろいろと周知をしていかなければいけない事項があるだろう。そこがむしろ注意の事項としまして、安全性を確認するために接種期間の点ですとか、先ほどのお話のような記録の保管など、そういったものについては個別に周知を図るかどうかは別としまして、課題であろうというふうに思っております。ですので、どのような留意事項があるかということについては、周知すべき事項があるかということについてはお知らせをするようなことも、今後の課題かなと思っているところでございます。

○岡部部会長 そういう留意事項は共通点もあるし、ぜひこの点については知ってほしいということは強くアナウンスすべきではないかと思いますので、その点を含めてよろしくお願いしたいと思います。具体的な部分は後で事務局で検討するだろうと思います。

○小森委員 もう一点だけ、とはいえなかなか理想的なことが恐らくできないという中で、市町村におけます接種の記録が現状いろいろお聞きしますと必ずしも長く、ずっと保存していらっしゃるわけではないとお聞きしております。

 一方、保険医においては、カルテというのはその方の疾病が最終的に終わってから5年間の保存義務が課せられているということでございまして、そういった65歳以上の御高齢の方々は何らかの疾病でおられて、あるいは過去に5年、10年、15年というような疾病があった場合には、その後、4年余り罹患をすることがなくても、翻って実は20年あるいはそれ以上のカルテが残っているという形になってございます。私も個人立の有床診療所ですけれども、23年間の記録は全て残してございます。

 したがって、そういった方々にかかりつけ医の医療機関で予防接種を受ける。つまりそういたしますと、その医療機関、もちろん開業して間もない方はなかなかないということですが、長い方ですと記録が現に残っている。そのことのほうが市区町村台帳よりはるかに精度が高く、ある確率が高い。それ以外のところですとその医療機関は1つは市区町村にお問い合わせする。もう一つは、その方がもともとかかっておられた医療機関をお聞きして、その医療機関が現実に今でも診療しておられる。御高齢でお亡くなりになって閉鎖しておれば別ですが、そこに実際にお尋ねになってどうなのでしょうかとお聞きすることによって、被接種歴を確認するという作業になりますので、一度行った医療機関ということでもありますので、かかりつけの医療機関への接種の勧奨というものを何らかの形でお勧めをするというのが確実な方法で、少なくとも5〜6年は最も確実ではないかと思いますので、その周知、広報のあり方について今、お返事は結構ですので、ぜひ検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。

○坂元委員 今、小森先生の言ったことは本当に大事だと思うのです。これは自治体が任意の段階で予算を組んで、一部補助をやっていたところは受けた人の記録は残っていますが、これが完全個人で任意でやった場合、受けた先生のところのカルテにしか書かれていないこともあります。しかも我々の医師会の先生から聞かれたのですが、5年分のカルテの内容を精査して、どこでやったかチェックをするというのは、簡単なようであって非常に大変である等々を含めて、やはりこれは先ほど私は個別通知という言い方をしましたが、何らかの形で政府広報なり、徹底した周知というものをやるべきではないかと考えております。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 周知ということはぜひ強調しておきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ただ、資料1の2ページ目の一番最初のところにも書いてあるのですけれども、ポリサッカライドワクチンによる副反応というのは、生命にかかわるようなシリアスなものではないのですけれども、確かに不快であったり不安であったりするような局所反応が強いということがあるので、その副反応の程度の意味というようなこともお伝えしておいたほうがいいのではないかと思います。もし短期間に2回続けてやった場合には、こういうような状況が起こり得るんだという説明が必要だろうという意味です。

 それから、かかりつけ医のことを小森先生おっしゃっていましたけれども、これは予防接種全般について共通のことなので、できるだけ今までは子供が中心でしたが、お年寄りに関してもやはり、お年寄りは多分、いろんな医療機関にかかっている方が多いと思うのですが、インフルエンザの場合は一遍に集中するのでいろんな医療機関にばらけてしまうということがあるのですけれども、できるだけよく自分のことを知ってもらっている先生に見てもらうんだというようなところは、強調されたほうがいいのではないかと思います。

 予防接種台帳もなかなか整備されていないところもあって、予算問題もあるのですけれども、こういうことをきっかけに、しかし予防接種台帳というのはほかのワクチンについても非常に重要な問題があるので、ぜひ整備に努めていただきたいと思います。

 幾つかのというか、ワクチンメーカーの方も記録というようなことについてはいろいろな工夫をされていると思うのですけれども、その点は協力をしていただくということで、どんな形がいいかとか、余りいろいろなものがあると面倒くさいことになってしまいますけれども、予防接種済証というものは自治体のほうが発行するというか、それについて接種した先生がやるのでしょうけれども、そういうようなものの保管であるとかわかりやすいものについてはぜひ、御協力をいただければと思います。

 では、最後に1つ渋谷委員、お願いします。

○渋谷委員 記録を残すということはもちろん大事なのですが、もう一つ、例えば5年後に見直しをしてどの様に今後実施したらいいかということを再検討するということだと、打った人の記録と同時に打てなかった人の記録も留めておく。つまり過去に接種していたのだけれども、本人はわからずに言ってくる人も当然あるはずです。そういう人たちの情報やあるいは自分では記憶はないかもしれないけれども、副反応が強く出てしまって、過去に打ったことが疑われるようなケースなど、そのような情報も集めておく必要があると思います。副反応については軽度なものも拾える体制をとっておく必要があるでしょうし、それから、「問い合わせ」内容であるとか、あるいは接種した後でも本当は対象でなかったことが判明したケース、そのようなものも評価できる報告の体制にしておくのがいいのではないかと思います。

○岡部部会長 余り軽度なものについては、システムとしては全数を見るわけではないのですけれども、副反応の届け出状況は今まで副反応報告制度が少し加わったのもありますけれども、これにのっとった形になるのですね。

○宮本予防接種室長 そうですね。現状でも御報告いただいておりますけれども、副反応報告制度にのっとりまして、医療機関から報告いただくもの、それから、企業等を通じて報告いただくもの、それぞれについて分析を行うということで、これまでも進めておりますし、今後とも対応してまいりたいと思います。

○岡部部会長 ありがとうございます。

 それでは、この水痘とポリサッカライドの肺炎球菌ワクチンを含めたところとして、長期療養特例というようなことが1つ課題になっております。これについては御意見をいただければと思うのですけれども、期間あるいは接種の対象年齢とか、そういうようなことが1つ、この中での議論として事務局から求められているところです。ここはいかがでしようか。水痘については資料1の8ページのところ、それから、成人用肺炎球菌については次のページにそれぞれ書いてありますが、これについて御意見をいただければと思います。

 小森委員、どうぞ。

○小森委員 基本的に賛同したいと思います。

 現場の声を1つお届けしたいと思いますが、例えばスライド5に長期にわたり療養を必要とする疾病にかかった者等の定期接種の機会の確保についてということで、特別の事情について書いてありますほか、別表があるわけでございます。この3ポツに、医学的知見に基づき1または2に準ずると認められるもの。この解釈のことについて現地でかなりかたくなな対応をとられて、主治医がその疾病に該当しない場合に認められないというような対応をされる現地の市区町村あるいは都道府県の対応があると苦情をお聞きしているところでございまして、決してこれはどなたかの個別の特定の利益ということではなくて、総合的な判断を現場の医師と患者との間に、そして医学的知見に基づきということである、この裁量について広く柔軟に対応するということを改めて確認させていただきたいと思いますし、そういったことについて柔軟に対応する旨の文章等の発出等について、また格段のお力添えをお願いしたいと思いますので、この論点と違うことをお話して大変恐縮ですが、そういった現状があるということを御報告すると同時に、またぜひ改めてお願いしたいと思います。

○岡部部会長 これは事務局から何かレスポンスはありますか。

○宮本予防接種室長 5ページ目の留意事項にございますように、繰り返しになりますけれども、医師の診断書や接種歴等により、市区町村で総合的に判断をいただくということでございますので、これに従いまして対応いただいていると思いますけれども、まだ課題等があるかどうかにつきましては、知見の収集を行ってまいりたいと思います。

○岡部部会長 もし余り問題点が多いようでしたら、またこういうようなところでも出していただいて、課題の解決というふうにしていきたいと思います。ただ、ワクチン全般についてそうですけれども、これができた理由というのはハイリスクの人が状態がよくなったときには、受け損ねた部分をなるべく免疫をつけて病気を防ごうということでありますが、インフルエンザのときもそうですけれども、こういうものはハイリスクの人は一方では病気に対するハイリスクであることと同時に、そのワクチンに対するハイリスク者でもあるという非常に矛盾な点も抱えているのですが、しかし、なるべく病気を防ぐというようなことの趣旨から行っていることなので、その辺もオートマチックにぽんぽんやっていくわけではないということが、接種担当あるいは接種を受ける側にもぜひ御理解をいただきたいところだと思います。

 坂元先生、どうぞ。

○坂元委員 医師の診断書や当該者の接種歴等により総合的に判断することというのは、この主体は市町村でよろしいでしょうか。つまり市町村がそう判断すれば、それは可というふうに解釈してよろしいかという質問なのですが、それでよろしいでしょうか。

○宮本予防接種室長 はい。そこに記載されているとおりでございます。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 それでは、きょうの議題の部分は一応この水痘と成人用肺炎球菌の対応ということで、これで大体2つのワクチンのやり方がかたまってきたのではないかと思います。いろんな点で10月までということで少し時期はありますけれども、今までと違ってこれは逆に準備期間というものが必要だということで、自治体や何かも進めるのに一定期間が必要だったということになります。

 ただ、一方ではここで言うべきことかどうかあれなのですけれども、水痘はそうすると打ち控えてしまう人が出てくるので、これは病気を防ぐという意味では、そこまでぎりぎり待つということではなくて、できるだけ早く、特に流行状況、今、水痘は後で話が出ると思うのですけれども、低いのです。発生状況が低い。これは多くの方が受けていただいている反映ではないかと思いますが、そのようなことも含めて余りぎりぎりまで接種を延ばすということは本質的な意味から離れるので、定期接種前の、任意接種ではありますが、「病気を防ぐ」ということの御理解をいただければと思います。

 それでは、報告事項に移りたいと思うのですが、先ほど予防接種制度の改正の全体的なところはお伝えいただいたので、坂元先生は後でそこのところをキャッチアップしていただくことにして、2番目の予防接種事故。何かありますか。

○正林結核感染症課長 了承されたと理解してよろしいでしょうか。いつものプロセスがなかったもので。

○岡部部会長 済みません、はっきりしておきます。

 事務局が御提示いただいた、1つは水痘の長期療養特例案については、この委員会としては了承をしました。この資料1の8ページ目、9ページ目のところの下の青いところに書いてあるものですけれども、水痘の場合は2年間の長期療養特例があって、接種の対象年齢の上限は設けない。ただし、療養特例の期間は2年間であるということです。

 成人用肺炎球菌ワクチンについても同様に長期療養特例を設け、対象年齢の上限はありませんけれども、これはこのワクチンの接種のスケジュールの状況から、長期療養特例も1年間であるという、ちょっと水痘と肺炎球菌ワクチンとの違いはありますが、そういったようなことをこの委員会は了承するということになると思います。よろしいですか。

○正林結核感染症課長 2ページもよろしいでしょうか。

○岡部部会長 2ページ目のところは接種時の対応の部分です。改めて読みますが、1番としては、定期接種実施医療機関についての過去の接種歴についての確認、特に5年以内。それから、予防接種済証を確実に交付していただきたいということ。これは市町村または定期接種実施医療機関はということになっています。逆に非接種者についてもぜひこれを保管していただきたいというようなことが加わっていました。

 それから、その予防接種台帳で適切に管理をして、接種歴の問い合わせに応じていただきたいということもありますが、カルテの保存期間であるとか、今までの任意接種であるというところから、必ずしも全部保存されてはいないという柔軟な対応が必要ですけれども、メーカーの方にもいろいろ御協力をいただく部分と、それから、今までかかりつけ医というものがおいでになる方は、できるだけそこで接種をしていただきたいということが議論されたと思います。

 1、2、3については基本的にここに書いてある事項は、この委員会としては了承したということでよろしいでしょうか。幾つか細部についてのことがありましたので、それは自治体側あるいは事務局側と少し詰めていただきたい部分もあったと思います。ということでまとめておきたいと思います。

 それでは、報告事項に移りたいと思います。2番目の予防接種事故防止リーフレットについて。最初は事務局からですか。それとも多屋先生からいっていただいていいですか。これは研究班の成果なので、その研究班で成果物として出していただいた多屋委員から紹介をお願いします。

○多屋委員 国立感染症研究所の多屋です。

 お手元の資料3の御紹介をさせていただきます。裏のページにありますように、厚生労働科学研究の一環として、佐藤研究員が中心となってつくりました「予防接種における間違いを防ぐために 接種前の確認がとても大切です」というリーフレットを御紹介させていただきたいと思います。

 まず、このリーフレットをつくるきっかけになりましたのは、今から2年以上前になりますけれども、私どものところに接種に関して何らかの間違いが起こってしまった。どうしたらよいだろうかという御相談を受けることが多くなりました。私どものところに御相談いただくのは全国ではごく一部であろうということから、全国での実態を知るために研究班で全市区町村約1,800の皆様にアンケート調査をさせていただきまして、どのぐらいの誤接種、間違いが起こっているのかということを調査させていただきました。

 大変お忙しい中、結果をお届けいただきまして、ただ、その結果だけを御報告するのではなく、必ずそれに対して対処法をつけてお返ししようということで、この2年間やってきたその成果となります。

 最初に「はじめに」の次に、この調査によって得られた結果から、実際に起こってしまったという間違い事例を最初に持ってきたほうがいいだろうということを、研究班会議の中で御意見をいただきまして、最初にこの内容を持ってきています。実際にあった間違いとしてワクチンの種類、回数、間隔、量、方法、器具、保管方法いろいろあるわけなのですけれども、実際にこういうことがあったということを読んでいただくだけで、これは間違えないようにしようという注意喚起にもつながります。

 この中で一番多かったのが接種間隔の間違いだったのですが、これについては先ほど宮本室長から御紹介がありましたように、接種間隔の上限が撤廃されたことで、今後は間違いにはならなくなるということがあります。

 2ページ目からは何を注意したらいいかということを実際にあった事例からひも解きまして、ポイントを1番、2番というように記載して、接種に至るまでの流れに沿って種類の確認や年齢の確認、そしてワクチンをとり出すときの確認、接種量の確認というようにまとめ、3ページ目については、特に間違ってしまったという御回答が多かったワクチンを特出しして、表にしてまとめることにしました。なるべくさし絵についても、実際にこういうふうにされてはどうでしょうかという工夫の1つとして挙げているつもりです。

 5ページ目は問診のとき、接種するとき、接種の後について説明し、ここも使ってしまった注射器を使うことがないように、そのままキャップもせず廃棄容器に捨てるということも絵の中に盛り込んだり、そういう工夫をいたしました。

 6ページ目は、そういうことがあっても、どうしても間違ってしまうということがあるわけで、もちろんないようにされているわけなのですけれども、もしあったときにどうするかということについては、それぞれに起こったところで御苦労されているのですが、その情報がいろいろなところで有効活用されていないということがわかりました。そこで幾つかのところにもしこういうことがあったときに、どういうふうにされたのでしょうかということをお問い合わせさせていただきまして、その中からこういうふうなことに困ったということを例として挙げて、例えばどんな検査をするかとか、どんな期間にその検査を行うかということを例に挙げて、1番、2番として記載をさせていただきました。

 7ページ目からは、定期の予防接種の対象疾患がずっと並んでいるわけなのですけれども、接種の間隔ですとか、接種の年齢ですとか、特に乳幼児は接種の種類が多いので、時に間違ってしまうということにつながっていたということから、ここは佐藤研究員もかなり苦労をしてつくってくれたのですけれども、結構御好評をいただいておりまして、この表の部分、絵の部分だけ、7ページ目以降なのですが、ここだけを見ればどのぐらいの間隔で、いつまでに受ければいいかが一目でわかるように工夫をしてつくっておりました。

 まず例えば1番に挙げている3種混合、4種混合ワクチンですと、接種の間隔が今回、上限が撤廃されましたので、何日以上という形でまず最初に記載しています。しかし、いつでもいいということではなく、やはり標準的な接種、ここがいいよというのがあるので、それは必ず下に書き、そして何歳までに受ける。こういうところは最初と最後は明記するというのがコンセプトになっています。

 そして、よく間違ってしまうポイントについては、いずれもその四角の中に、例えば次のページの日本脳炎、3歳未満は1回0.25mlがよく0.5mlになってしまうということを受けて、そこは明記する。そういうような工夫をずっとしています。

 それが11ページ目まで続きまして、水痘と肺炎球菌ワクチンについては、ことし10月から定期接種化の予定が決まっていましたので、それはそのような形で記載をしています。あと、任意接種のワクチンとして子供たちがよく受けているワクチンにインフル、おたふく、B型肝炎、ロタウイルスがありますが、これについては接種の年齢、回数、方法を記載しました。

 最後のページは、現在、国内で使用可能なワクチンの一覧をメーカーさんのお名前とともに記載して、最後とさせていただきました。今、全国の自治体さんから追加で御希望があって、お送りできたところもあるのですが、本当にあっと言う間に印刷した部数がなくなってしまいまして、一番裏のページにあるURLをクリックしていただきますと、これをPDFでホームページ上に公開しております。カラープリンターであれば、カラーの形で印刷をしていただくことが可能です。また、予算等がつくことがあれば、御希望いただいているところにはお送りしたいと思っているのですが、まだ残念ながら現状ではその予定は明確に立っていないというのが現状です。少しでも間違いが少なくなればと思ってつくられたものです。御参照いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 坂元先生、どうぞ。

○坂元委員 これは非常にいいものなので、欲しいという方が非常に多くおります、1つそこでお尋ねなのですが、例えばこれを仮に川崎市が製本して、ここに川崎市と入れて配るというのは何か版権の問題があるのか、また例えば恐らくメーカーの方もこれを先生方に配りたいのかなと思うのです。非常にいい内容ですので、その場合の版権の問題とか、どういうふうに相談したらいいのかということをお教えいただければと思います。

○多屋委員 ホームページに公開しておりますので、御自由に印刷してお使いいただく分には何も制限を設けておりません。ただ、営利目的で御使用されるというのは研究班の趣旨とは異なると思いますので、自治体の方が御活用いただけるのであれば大変ありがたく思っております。うちのほうでも予算がつけばなるべく印刷をしたいと思っているのですけれども、ぜひ御活用いただければと思っています。ありがとうございます。

○岡部部会長 これは例えばメーカーの方が資料として配るような場合には、宣伝が入っていなくて営利目的でなくてお金がかからなくて、ここが出したものであるということがはっきりしていればいいのですね。

○多屋委員 はい。出典をはっきりしていただければ。

○岡部部会長 非常にわかりやすくなっていると思います。ただ、今度は一度出すと修正かかったりすることがあるので、そういうところの費用その他も事務局のほうで御配慮いただければと思いますけれども、いずれにせよ大変苦労してつくられたものだと思います。私も前に相談を受けたことがありますが、これはこの研究代表者多屋先生と研究分担者の佐藤さんの御苦労が、このような形で出てきたということで、大変いい成果だと思います。どうもありがとうございます。

 それでは、3番目のポツのところにある平成25年度の感染症流行予測調査事業結果について、これも多屋委員からお願いします。

○多屋委員 それでは、資料4に沿って御報告させていただきたいと思います。

 資料4の一番最初が「定期接種対象疾患の国民の抗体保有率〜感染症流行予測調査事業より〜」というタイトルになっております。

 最初に「別添資料 参照 ご存じですか?感染症流行予測調査事業(2014年度版)」というものを1枚目のスライドに入れているのですけれども、それを一番最後にコピーをしていただいています。こちらを先にごらんください。

 まず感染症流行予測調査事業は、30年来実施されている厚生労働省の事業だったわけなのですけれども、このほど平成25年度から予防接種法に基づく事業となって運用が継続されています。定期の予防接種の対象疾患に対する国民の抗体保有率ですとか、病原体の状況などについて、毎年行われている非常に歴史の長い調査です。

 調査の実施主体は厚生労働省健康局結核感染症課で、厚労省から局長通知の形で都道府県知事さんのほうに調査協力依頼が毎年出されます。そして都道府県には年度の少し前に私どもから来年度の実施可能な状況とか、あとは御希望の状況などをお伺いさせていただきまして、その結果などをもとに委員会のほうである程度決められて、厚生労働省に結果をお戻しして、厚労省から調査協力依頼が知事さんに出されているという事業です。

 もう一方、厚生労働省から国立感染症研究所に調査協力依頼がありまして、この中で協力して実施されている事業です。都道府県のほうは都道府県の衛生研究所に保健所などにもかかわっていただきながら調査の対象者を選んでいただき、血液をいただいて抗体の測定あるいは感染源調査ですと病原体の収集、検査などが行われています。

 その裏にいきまして、ここが今年度の流行予測調査事業のことを説明するためのリーフレットなのです。これが参考資料5となっているのは局長通知に入れていただくためにつくつた今年度のリーフレットで、毎年裏を変えて、その時々に応じたトピックスを入れるようにしています。

 ことしはポリオを例に挙げてみました。なぜポリオを挙げたかといいますと、生ポリオワクチンの接種後の麻痺という問題が数年前に起きて問題になりまして、受け控えをされる方が多くなりました。その結果として不活化ポリオワクチンが導入され、今そちらのほうが順調に走っているところなのですけれども、では子供たちは一体どのような予防接種を受けている状況なのかということを、この流行予測調査結果のほうからまとめてみますと、まず図1ですが、5歳未満のお子さんのポリオワクチンの予防接種状況、生ポリオワクチンなのか、不活化ポリオワクチンなのか、あるいは混合なのか、赤が生のみ、青が不活化のみ、黄色が生と不活化の混合という接種を受けている方を示します。0歳のお子さんは全員が不活化ポリオ、1歳のお子さんも多くは全員が不活化ポリオですが、一部生ポリオだけの人や混在の方がいらっしゃいます。2歳が不活化ポリオと生ポリオがちょうど半分半分ぐらいで、3歳以上になるとほとんどの方が生ポリオワクチン。日本の2013年度現在ではこのような状況となっています。今年度、この子どもたちはこのグラフの年齢に1歳プラスした年齢になります。

 次に図2ですけれども、今度は年齢別の抗体保有状況です。中和法によって測定しています。中和抗体価4以上あれば抗体保有と考えて、何パーセントの子供たちが抗体を持っているかを図示したものでございますが、1型、2型、3型、生ポリオワクチン2回のときは3型の抗体保有率は大体8割前後でしたので、3歳、4歳のお子さんは大体生ポリオワクチン接種後の抗体保有状況です。

 一方、0歳のお子さんは1、2、3型、3つとも非常に高い抗体保有率になっていまして、これは不活化ポリオワクチンになって初めて見られた結果となっています。

 最初のページに戻ります。ポリオ、今お話した部分がそうなのですけれども、下のグラフをごらんいただきますと、生ポリオワクチンの接種控えによって0−1歳のお子さんの抗体保有率が6割から、1歳でも8割と非常に下がってしまって、当時は中国での野生株ポリオの流行などもあって心配をいたしました。昭和50年から52年生まれの方の1型抗体保有率が低いことも何十年も前からわかっていて、それが徐々に改善してきたのがわかります。紫、緑、青、黄色というふうに、カラーでないとわかりにくいかもしれないのですが、1型抗体保有率が徐々に改善していることがわかります。

 3ページ目の上にいきますと、これが去年7月から9月に採血された結果の中和抗体保有率ですが、先ほどのリーフレットで御紹介したように1型、2型、3型ともに6〜11カ月でほぼ100%に近い抗体保有率になっている。これは恐らく初めてのことではないかと思います。キャッチアップというか、不活化ポリオワクチン導入により、心配していた0−1歳の抗体保有率が上昇いたしました。

 次に、日本脳炎に移ります。4ページ目の上段は、2007年から2012年度までを年齢ごとに抗体保有率を出したもの。そして下が2013年度を示します。小さくて恐縮なのですけれども、赤く色を塗ったところが積極的勧奨の対象となった年齢を年ごとに示しています。2005年5月に積極的勧奨が差し控えられました。2010年から積極的勧奨が再開されて、初年度は3−4歳のみ、その次が3−4歳と9歳、次が3−4歳と小学校2年生から4年生と徐々に拡大されて、先ほど今年度の積極的勧奨の対象者が紹介されたところです。

 抗体保有率を見ますと、2007年度からどんどん抗体保有率が上がっていますが、2005年に積極的勧奨が差し控えられて、定期接種が中止になったわけではなかったのですが、3歳で受ける人がほとんどいなくなってしまい、中和抗体10以上あれば、例え日本脳炎ウイルスに感染しても脳炎という症状は発症しないと言われている抗体価ですけれども、この抗体保有率が1割台になってしまうという状況になっていました。それが2008年、2009年度ぐらいから待っていられないということで、一部受け始めた方がいらっしゃいますが、2010年度に再開されてからは順調に抗体保有率はキャッチアップしてきていまして、2012年度抗体保有率が下がった例えば9歳とか17歳とかに落ち込んでいるところがあるのですが、そこも随分改善して、2013年度はその下のグラフのように積極的勧奨の差し控えの前とほぼ同じような状況になっています。

 今後、まず子供のほうの抗体保有率がキャッチアップできたら、次は大人のほうに残っている感受性者の対策も考えなければいけないのではないかという議論もありましたので、今後はそちらのほうにも目を向けていくことが必要になるかと思います。患者さんの数は去年は9人でしたが、いずれも御年齢は6080代の方々が発症されていらっしゃいました。積極的勧奨が差し控えられていたときに、一部、定期接種対象年齢のお子さんの発症が認められていたのですが、その年齢の患者さんの発症は去年はいらっしゃいませんでした。

 5ページ、麻しんです。5ページ目の下にあるように2006年度から始まった2期、2008年度から2012年度に行われた3期、4期の成果は非常に大きかったと今、振り返っても思います。グラフは小さくて見えにくいですけれども、PA抗体価128以上の抗体保有率が7〜8割ぐらいだったときに、1万人を超える大流行が日本では起こったわけなのですが、その後、5年間のキャッチアップで随分抗体保有率は上がってきています。128以上の抗体保有率が9割ぐらいまでキャッチアップして、そして1対16というのは本当に陽性かどうかのカットオフ値で、これ以上あれば陽性という判断の抗体価ですが、そこは95%以上を達成しているというのが現状です。

 しかし、その次のページにありますように2013年度なのですが、残念ながら感受性者は全ての年齢に残ってしまっています。この残ってしまっている方々がことし見事に発症をされている。海外で流行するとどうしても海外からの輸入例が全国各地に持ち込まれます。そこで皆さんが抗体をお持ちであればいいのですけれども、どうしても残っている方が発症されている。グラフで見るとほとんどみんな持っているではないかと見えるかもしれませんが、1歳には100万人の人口がいらっしゃるわけなので、5%と言っても何万人もの方が抗体を持たずにいらっしゃるということになりますので、何とか、抗体を全く持っていない、一番上のグラフよりも上の部分、0−1歳はどうしてもこのようにたくさんの感受性者がまだまだ残っているので、0歳で発症されている方を思いますと、やはり流行を起こさないような努力が必要ですし、一例発生したらすぐ対応というものが今、全国で実施されていますけれども、それが求められているところかと思います。接種歴なしや接種歴不明がわかっているのであれば、任意であってもワクチンを受けてほしいと願っています。

 次に風しんですけれども、これも麻しんと同様で第2期、第3期、第4期がなかったら恐らく去年、学校で大規模な風しんの流行が起こっていたに違いないとこのグラフを見て改めて思いますが、2期、3期、4期の効果で9割5分までは来ていますけれども、どうしても感受性者が残っているのがその下にある30代、40代の男性です。予防接種制度によって女子中学生だけ接種をされていた時代の男性は、ワクチンを受ける機会はありませんでしたので、この年代の男性が何らかの形でワクチンを受けていただけなければ、また必ず同じ流行を繰り返します。

 その次のページにありますように、2013年の流行は5月がピークだったのですが、この調査は7月から9月に採血が行われていますので、流行のピークをもう過ぎたころに採血をしても、なおこれだけのたくさんの感受性者が成人男性には残っているということです。そして今年は非常に流行の規模としては小さく、毎週20人未満の患者報告ですので、このままだとまた感受性者の方はかかることもなく忘れられて、また数年後に同じことを繰り返すということだけはなくしてほしい。それまでにぜひこの年齢層のキャッチアップの制度を国として考えていただきたいと切に願っています。去年の流行の影響で44人の先天性風しん症候群の赤ちゃんの報告がなされていることもしっかりと受けとめて、社会で風しんを排除して、もう二度と起こさないという強い決意が必要ではないかと思います。

 次にインフルエンザですけれども、インフルエンザについてはこれだけは毎年ワクチンが始まる前というわけにはなかなかいかないのですが、11月中にはこの速報をお出しして、どの年齢層の方の抗体保有率が低いのかというものを出しています。

 まずA(H1N1)亜型。これは2009年にパンデミックを起こした株が抗原に使われておりますけれども、2009年のA/カリフォルニアのところから見ていただきますと、パンデミックを起こしたとき、これは7月から9月の採血ですので、ちょうど中高生が発症し始めたころで、一部15歳から19歳のところで2割という抗体保有率になっていますが、翌年にはぐんと6割まで上がり、徐々に上がっています。ことし以外は、去年もおととしもH1N1の流行がなかったので、ワクチンによってブースターがかかって維持されているという状況です。

 その下を見ますと、A/カリフォルニア/7とA/テキサス/50という抗体価、A(H1N1)とA(H3N2)亜型の抗体保有率を示しておりますが、H1抗体40以上あれば感染を半分予防できるだろうと見込まれている抗体保有率ですけれども、このような抗体保有率になっています。

 その裏のページにいきますとB型です。B型はA型と傾向が異なっていまして、B型には亜型はないのですが、系統が山形系統とビクトリア系統の2つに分かれています。ワクチンには現在のところ日本ではどちらか1つしか入らないので、どちらか一方がワクチンに入っているわけなのですけれども、このように傾向が違っているのと、一番ピークになる年齢層がA型は学校に行っているような5歳から19歳、20代前半ぐらいまでにピークがあるのですけれども、B型のほうはもう少し後ろのほうに、大人のほうに抗体の保有率のピークがあるグラフとなっています。A型について前年度と比較し、B型について前年度と比較したのが10ページ目の下と11ページ目の上になっています。

 次にジフテリアに行きたいと思います。12ページ目をごらんください。ジフテリアにつきましては、まず予防接種の制度を最初にグラフに入れさせていただいています。1948年に予防接種法が制定されて、一番最初にジフテリアトキソイドの定期接種が開始となったようです。次いで10年後1958年にジフテリアトキソイドからジフテリアと百日咳の混合ワクチン、今このワクチンはありませんが、DPワクチンが開始となりました。その10年後、1968年、ここで初めて破傷風トキソイドが入った3種混合ワクチン。今のワクチンとは違う全菌体ワクチンですけれども、これが始まりました。なので1968年よりも前にお生まれになられた方は、破傷風トキソイドを含むワクチンを定期接種として受けるチャンスはなかったので、抗体をお持ちではないと思います。

 その後、定期接種が一時中止、副反応の問題があって中止になった時期が3カ月ほどありましたが、1981年に日本でつくられ開発された、現在使われている無細胞型のacellular(アセルラー)DPTワクチンが用いられるようになって現在に至り、現在は4種混合ワクチンとしても使われています。

 その下がジフテリアの抗体保有率で、これが年度比較で、ジフテリアと百日咳と破傷風はこれまで御紹介した疾病と違って5年に1回の調査なものですから、5年ごとの比較なのですけれども、1998年まではお子さんしか調査を行っていませんでした。そこで2003年からは全年齢層に広げましたところ、このような抗体保有率でした。1948年から定期接種が始まっているのですが、それよりも上の年齢の方は抗体を持っている方が多いのですが、ワクチンが始まってからは徐々に抗体が減衰するので、今、50代後半ぐらいの方は一番抗体保有率が低い。すみません、2013年度をごらんいただいたほうがいいのですが、60代前半の方は今、一番抗体保有率が低い年齢となっています。

 一方、11歳以上、13歳未満で第2期のDTが今も行われているのですが、赤で少し囲ってありますけれども、ここでぐんと青や緑というグラフが急上昇しているのが見えますが、2期の効果がこのように出ているのがわかります。

 御紹介を忘れましたが、それぞれどこの県がこの調査に協力してくださっているかは、グラフの下に、例えばこのジフテリアにあるように北海道、東京、福井、愛知、愛媛、高知、福岡といったふうに、それぞれどこの県でこの調査が行われているかはグラフの中に記載しております。年度比較のほうはそれが全部記載できておりませんが、2013年度はグラフの下に書いてあるのでご覧いただきたいと思います。

 次に百日咳ですけれども、百日咳については1958年にDPワクチンが開始されました。2013年度のグラフをご覧いただきますと、これについては2期がありませんので、ほとんど0−1歳のところでワクチンを受ける機会が終わります。今、百日咳の年長児あるいは大人での発症が問題になっています。これを見て思いますのは、7歳、8歳ぐらいから徐々に抗体価が高くなっている。高い抗体保有率の人が増えているのがわかります。ワクチンを受けるチャンスはこの年齢ではないので、これは自然感染を受けているということなるのだと思うのですけれども、この中から発症者がどうしても出てきているということが考えられ、それが0歳への感染源になっているのであれば、何らかの対策も必要ではないかと感じているところです。

 次が最後、破傷風ですけれども、破傷風については毎年100人以上、今も日本で患者さんが報告されています。1968年からしかワクチンが開始されていませんが、例えば15ページ目の下のグラフをごらんいただきますと、2003年と2008年度を比較します。上段が抗体を持っているか持っていないか、下段がこれ以上あればいいなと見ている0.1 IU/mlですけれども、例えば2003年度のグラフで半分以上の方が抗毒素抗体をお持ちなのは、2003年度だと35歳から39歳です。それが5年たった2008年度の調査ではちょうど5歳右にシフトされまして、40歳から44歳のところでようやく半分の方が抗毒素抗体をお持ちです。

 最後のページです。これが去年の直近の調査ですけれども、今ちょうど半分の方が抗毒素抗体をお持ちなのが4549歳のところと、5歳ずつしっかりきれいにずれて40代後半以上の方は破傷風に対する抗体をお持ちでない方が多いという結果になって、これらの年齢層の方に対する破傷風のトキソイドの必要性も今後、検討課題かと思います。

 ジフテリアとともに第2期としてDTが接種されていますので、赤で囲っていますけれども、11歳、12歳、13歳のところで比較的高い抗体価の人が急上昇しているというのがわかります。

 以上、非常に走った説明で十分ではなかったところも多々あるかと思いますけれども、この調査は感染症流行予測調査を実施していただいている都道府県並びに地方衛生研究所、関連の保健所、医療機関、多くの方々の御協力によってなされている事業です。結果を送っていただいて、感染症疫学センターの方でこのようなグラフをつくり、なるべく早くに多くの方に御活用いただければと思って日々努力をしているものです。この調査が法律に基づいて行われるようになったことについて、大変よかった改正だったと感じています。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 詳細な報告をしていただいて、本当に今までの蓄積が大切だなという感じで全体の流れがよくわかります。

 ポリオのほうは後でWHOの声明なんかのこともあるのですが、ポリオ以外で何か御意見、御質問がありましたらどうぞよろしくお願いします。

 これは法律で制定されるような形で事業からきちんとした法律事項となって良いことなのですけれども、これは都道府県が対象で、実は政令指定都市は入っていないというようなところの欠点は、ほかの委員会で指摘したことがあるところです。大きい県になると幾つかの大きい都市がすぽすぽ抜けているので、必ずしも都会の状況は反映されていないという欠点があるので、これの改善はぜひよろしくお願いしたいと思います。

 各論的なところで何か御質問があったらどうぞお願いします。

 ポリオは全体のことではないのですけれども、昭和50年から52年生まれが徐々に改善されているというのは、どういう理由で改善されたのでしょうか。改善されたことはいいことだと思うのですが。

○多屋委員 厚生労働省の推奨通知がずっと出ていることで、キャッチアップのために受けてくださった方がいるのと、ちょうどこの年齢の人が親世代になって、お子さんが受けるときに一緒に飲んでくださいという通知が効果を発揮して一緒に飲んでくれた方と、あとはもしかすると子供さんの便の中に排泄されたワクチンウイルスに感染して抗体をお持ちになってしまった方と、そういう方が混在してどんどん抗体保有率が上がってきているのではないだろうかと考えているところです。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。麻しんもかなり抗体保有状況としてはよくなって、ワクチンの成果が出ているのですが、昨今やはり海外に行って感染を受けて帰ってきてしまうという例がちらほら聞こえてきているので、たしか渡航医学会でも麻しんに対するトラベラーズワクチンとしての注意なんかもやっていますし、旅行者で特に免疫を持っていない方は、やはり自分の身を守るということと、戻ってからのことを考えてぜひ、これは任意であるけれども、接種をしていただきたいと、これを機会に改めてお願いしたいと思いました。

 何か追加ありますか。氏家補佐、何かありますか。よろしいですか。

 この結果はもうホームページに上がっているので、引用はOKですね。

○多屋委員 はい。最後のリーフレットだけまだ出ていないですけれども。

○岡部部会長 それでは、多屋委員、どうもありがとうございました。

 それから、最後のほうがポリオに関する国際的拡大のリスクということでWHOが声明を出しているので、これについて事務局から紹介をお願いします。

○宮本予防接種室長 資料5を御用意いただきたいと思いますけれども、5月5日にWHOからポリオの国際的拡大のリスクに関しての声明が出されておりますので、この概要を紹介したいと思います。

 現在、ポリオが存在している国が10カ国あるということでございますが、このうちパキスタンとカメルーン、シリアの3カ国については、ポリオウイルスを海外に持ち出す輸出のリスクが高い国だということで、これらの国の住人と長期に滞在されている方については、国際渡航の前にIPVまたはOPVを確実に接種すべきだというような内容の勧告が出されております。また、残る6カ国につきましても同様に、海外渡航の前にOPVまたはIPVの接種を受けることを推奨すべき、若干弱めな内容でありますけれども、そのような勧告が出されておるところでございます。

 以上です。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 ポリオについてはいかがでしょうか。これは先ほどの感染症流行予測調査にもかかわるのですけれども、ポリオの抗体は幸いに不活化ワクチンの導入によって上がってきているので、今、日本にとって何かこれに対して緊急に対応する必要はまずないだろう。冷静に捉えていいと思うのですが、これは数年前にOPVをやらないとなったときに、やらないというのはまだ制度としては残っているけれども、IPVを待つので受けられないというような状況に陥ったときに抗体がどんと下がっていまして、危機的な状況であるということを我々はアナウンスをしていたのですけれども、もしそのときの状況と今のWHOのアナウンスが重なったとすると、緊急接種を考えなければいけないようなことになったかもしれないですね。非常に今の状況が落ち着いているので幸いなのですが、やはりふだんからこういうようなことをきちんとやっていくということの本当にたいせつであるということの典型的なことではないかと思います。

 それから、こちらのほうからのアナウンスですみませんが、ポリオに対する抗体を持っていない年代の方が、もしこういう海外に行くことであれば、やはりこれはきちんとワクチンを受けていっていただいたほうが安全であろうと思いますにWHOのほうもこれらのここに書いてあるような国々、10カ国が書いてありますけれども、そういうところに長期滞在するような人については今までの既往歴があってもぜひ追加でちゃんと受けて免疫を持っておいてもらいたいというようなアナウンスも出ているので、あわせてごらんいただければと思います。

 ポリオは以上になりますでしょうか。坂元委員、お願いします。

○坂元委員 単純な質問なのですけれども、このIPVOPVを1回渡航前に受けることを受けていない人に勧めると書いてありますが、IPVPOVどちらのほうが予防効果が高いんですかという仮に質問を自治体が受けた場合に、どう答えたらよろしいのでしょうか。

○岡部部会長 多屋先生からのほうがいいですか。私からお答えしますか。

 効果から言えば明らかにOPVのほうがいいので、局所免疫ができるということですけれども、現実としてはなかなか日本で、あることはあるのですが、市場に出回っているという状態ではないので難しいだろうと思います。

 ただ、今までIPVを使っている国、例えばアメリカなんかでもIPVに完全に切りかわっているわけですが、そこで野生株の侵入は現実にはないということで、基本的にはIPVでもいいだろう。ただ、ここは議論がいろいろあって、例えばイスラエルのようなところですと、IPVをやっている中で海外からウイルス株がやってきたというようなことがあるので、この辺はなかなか学問的に複雑な部分がありますけれども、実用的には何しろやっていないよりはきちんとやっていってください。現実には手元にあるIPVとなると思いますけれども、事務局からも追加をどうぞ。氏家補佐。

○氏家課長補佐 先ほど御発言いただいた、OPVのほうが望ましいのではないかというような御発言について確認ですが、先生がおっしゃられた主旨はOPVでは腸管免疫がつくという観点において望ましいということで、血清での免疫という観点で比較した場合にはOPVIPVどちらとも有効性が高いという認識でよろしいでしょうか。

○岡部部会長 ではもう少し詳しく話しますが、腸管免疫がつくという意味ではOPVがいいけれども、現実にポリオというものを制圧したのはOPVが経験的にあって、IPVについてはその経験が少ないということから、最も効果が高いと考えられているわけです。

 ということでよろしいでしょうか。ほかにこのポリオについて何かありますでしょうか。

 もう一つですけれども、PHEICというWHOの危機的国際的拡大のリスクについてアナウンスを出したというのは、H1N12009年に発生したときからないのです。これで2回目であるという、これはWHOが一応そういうことに対して、国際的には危機感を抱いているということのあらわれだろうと思います。それに対して我が国は状況としては落ち着いているというような説明になろうかと思います。繰り返しますけれども、そういう極めてまれな声明であるということで、注目はしておく必要があると思いました。

 ほかになければその他のほうに移りたいと思いますが、その他で何かこの委員会の中で議論あるいは報告をしておくべきようなことはありますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、ちょっと早目ではありますけれども、きょうの審議会の報告としては以上にして終了したいと思います。

 事務局にお返ししますので、アナウンスお願いします。

○石田室長補佐 ありがとうございました。

 次回の開催につきましては、追って御連絡をさせていただきます。

 事務局からは以上でございます。

○岡部部会長 では以上です。どうもありがとうございました。

 


(了)

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