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2014年4月17日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会食肉等の生食に関する調査会議事録

厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課

○日時

平成26年4月17日(木)
10:00~14:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室 
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館6階)


○出席者

委員

朝倉委員 五十君委員 石川委員 加藤委員 小林委員
田崎委員 高橋委員 西内委員 野田富雄委員 野田衛委員
松永委員 山本委員(座長)

事務局

新村食品安全部長 國分企画情報課長 長谷部基準審査課長 滝本監視安全課長 加地食品監視分析官
西村食中毒被害情報管理室長 三木輸入食品安全対策室長 横田補佐 梅田補佐 先崎補佐
黒羽補佐 仲川専門官 井河係員

○議題

(1) 食肉等の生食について
(2) その他

○議事

○事務局 それでは、まだいらしていない委員の方がいらっしゃいますが、定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会食肉等の生食に関する調査会」を開催させていただきます。

 本日は、御多忙のところ御参集いただき、まことにありがとうございます。

 本日は、戸部委員より御欠席される旨の連絡を受けております。

また、西内委員については出席の御連絡はいただいていますが、おそらく遅れて来られるかと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

現時点で本調査会の委員13名中11名の先生方に御出席いただいておりますので、本日の調査会が成立することを御報告いたします。

なお、報道の方の冒頭の頭撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○事務局 それでは、山本座長に議事の進行をお願いしたいと思います。

○山本座長 それでは、食肉等の生食に関する検討会を開催したいと思います。

 最初に、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

○事務局 まず初めに議事次第、次に本調査会の名簿、そして座席表となります。

そして、資料11枚。

ホチキスどめで資料2、資料3がございます。

また、参考資料としまして参考1、参考2を付けております。

本日お手元にお配りしております資料は以上でございます。

 不足や落丁等ございましたら、お気付きの際に事務局までお申し出いただきますよう、よろしくお願いします。

○山本座長 よろしいでしょうか。

 それでは、審議に入りたいと思います。

 議題1「食肉等の生食について」ですが、第1回の調査会では危害要因の性質等について議論をいたしました。2回目は、流通実態や現在行われているリスク低減策に関する研究等について御報告いただいたところです。それらを踏まえますと、食肉等の種別ごとの公衆衛生上のリスクの大きさが大体わかってくるかと思います。

本日の資料としては、これまでの検討を整理したものとして資料1及び資料2、今後の具体的な方向性について示したものとして資料3が用意されております。

それでは、まずこれまでの検討の整理として事務局から資料1及び2の説明をお願いします。

○事務局 それでは、お手元の資料1及び資料2について御説明したいと思います。

本日お配りしている資料でございますが、先ほど座長からもございましたが、資料1につきましては、これまで調査会で御議論いただいた危害要因、流通実態、リスク低減策といったことを整理しまして、食肉等の種別ごとにリスクの大きさ、優先順位をまとめたものでございます。

資料2につきましては、調査会でいただいた御意見を文書の形でまとめさせていただいたものでございます。

資料3については、これまでの議論を踏まえた具体的な方向性について示させていただいているものでございます。後ほど御説明いたします。

まず、資料1及び資料2について御説明をいたします。

資料1「食肉等の生食の公衆衛生上のリスクの大きさ及び検討の優先順位について(案)」でございます。

表のところでございますが、食肉等の種別が左側にありまして、危害要因、流通実態、リスク低減策、こういったものを整理した上で、リスクの大きさ、優先順位について記載をしております。

表を御覧いただきながら御説明をしたいと思います。

まず、牛の内臓(肝臓以外)につきましては、危害要因としては腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌(無鉤条虫、肉胞子虫)としております。括弧をしているものについては寄生虫でございます。表の下の注2というところで、寄生虫については、上記品目で食中毒事例はまれであるということから、括弧を付けた記載にしております。

危害要因としては、腸管出血性大腸菌が危険度が高い、Aということで、調査会においても御議論いただいたところでございます。

その隣の流通実態につきましては、自治体でありますとか関係業界からの御報告を踏まえまして、多いというわけではございませんが、一定量あるということで御報告をいただいているところでございます。

リスク低減策につきましては、生食するに十分安全というルール化されたリスク低減策は、現状においてはないということでございますが、胃や腸などが提供される場合には、一般的には湯引き処理等がされているということについては留意すべきであると考えております。

こういったことを踏まえまして、公衆衛生上のリスクの大きさとしましては、一般的に胃や腸などは湯引き処理等がされているということを踏まえれば、完全に生の状態で提供されているというものは多くないと思われるわけでございますが、これも後ほど御説明しますが、一部、横隔膜、いわゆるハラミといったものはユッケのような形で提供されているという事例もあるということでございますので、そういった注視すべき事例もあるということから、リスクとしては高いとしております。

汚染の状況としましては、牛の内臓の場合は、表面にそういった危害要因があるということについても、今後の対応を検討するに当たっては留意が必要と考えております。

検討の優先順位としては高いというふうに整理をしております。

次に、豚でございます。

危害要因としましては、E型肝炎ウイルス、サルモネラ属菌、有鉤条虫、トキソプラズマ、トリヒナ、肉胞子虫ということで、E型肝炎ウイルスについてはA、危険度が高いという分析をしていただいております。

流通実態については一定量あるという状況でございまして、リスク低減策については、現状においてはないということで、リスクの大きさとしては高いということで整理をしております。牛の内臓の場合と比較しますと、内部にE型肝炎ウイルスが存在するという調査がございまして、内部に危害要因があるということも踏まえて高いということにもなっております。

優先順位としましては高いという形で整理をしております。

次に、羊・山羊、猪、鹿、他の鳥獣というところでございます。

主な危害要因としては、羊・山羊につきましてはサルモネラ属菌。

猪についてはE型肝炎ウイルス。

鹿については腸管出血性大腸菌、E型肝炎ウイルス。

他の鳥獣については、「△飼料管理等がされていないためどのような病原体等に汚染されているか不明」ということです。

△がついておりますのは、注1のところに書いておりますけれども、生食として提供されている実態自体がまれでありまして、データが少ないということで、△という形で記載はしておりますが、そもそも飼料管理等がされているわけではないということで、一般的に生食のリスクが高いだろうという形で整理しておりますけれども、流通自体は限定的でありますので、そういった影響は潜在的でありますが、生食のリスクが高いと考えられるということで記載をさせていただいております。

その下の鶏でございます。

危害要因としましては、サルモネラ属菌、カンピロバクタージェジュニ/コリということで整理をしておりまして、サルモネラ属菌についてはBという危害要因の分析がされております。

流通実態としましては多いということでありますけれども、リスク低減策としては、一部自治体においてリスク低減策が取り組まれているということと、厚生労働科学研究においてもその研究を実施中という状況でございます。

公衆衛生上のリスクの大きさにつきましては、危害要因がBであるということを踏まえれば、リスクは中ということでしておりますが、食中毒の件数自体が多いということには留意が必要だろうと考えております。

優先順位としては中という形で整理をしております。

続きまして、馬でございます。

危害要因としましては、サルモネラ属菌ということで、Bということになります。

流通実態としては多いという御報告もいただいておりますが、リスク低減策としては、現在、肝臓の衛生基準がございまして、そういった衛生基準の遵守による効果について、今後検討が必要であろうという形で考えておりまして、既にリスク低減策自体があるということも踏まえまして、公衆衛生上のリスクの大きさとしては低いという形で整理をしております。

なお、馬につきましては、今月、福島県において馬刺しを食べた方の腸管出血性大腸菌による食中毒事例が報告をされておりますが、現在、その自治体において汚染経路について調査中でございまして、その汚染経路がどういうものだったかということを踏まえて検討が必要だろうと考えておりまして、直ちに今回の生食の議論に影響あるということではないかと思いますが、調査結果次第で影響があるということであれば、また必要に応じて御報告をさせていただければと考えております。

資料1については以上でございます。

続きまして、資料2「調査会におけるこれまでの検討の整理(案)」について御説明させていただきます。これまでいただいた御意見を中心にまとめているものでございます。

「基本的な考え方」でございます。

「(1)本調査会における検討対象」としましては、これまでに既に検討がなされた牛の食肉・肝臓や馬肉以外の食肉等について、その種別ごとの危害要因等を踏まえた公衆衛生上のリスクの大きさを考慮しつつ、御検討いただいているものでございます。

「(2)公衆衛生上のリスクの大きさに応じた規制の必要性」でございます。

この部分でこれまでいただいた御意見を中心に反映させる形でまとめております。

まず、1つ目の○は、食品の安全性の確保に関する事業者の役割ということで記載しております。食品の安全性の確保のためには、食品事業者等による自主的な取り組みが第一義的に重要であるということで、食品安全基本法におきましても食品の安全性の確保について事業者が第一義的な責任を有しているということが記載されていますし、食品衛生法においてもその重要性が明記されているところでございます。

関係業界におきましても、これまで食肉等の生食については食中毒のリスクがあるということから、衛生マニュアルの作成や各種講習会の実施など、衛生水準の向上のための取り組みがなされてきたというところでございます。

2つ目の○は、「あわせて」ということで、食の安全確保のための消費者の役割ということで記載しております。「食の安全の確保のためには、消費者である国民の理解の向上も重要である。食品には栄養面で期待されるメリットも多くある一方で、ゼロリスクではなく、様々な食品にそれぞれのリスクがあるものであり、リスクの大きさ、感染経路、対処の仕方等について、子供たちも含めたリスクコミュニケーションが必要である」としております。

食肉等の生食については、これまでも自治体による監視指導と併せて、ホームページ、パンフレット等を活用した食中毒予防のポイントについて広く周知するとともに、特に牛及び馬の食肉等については、専用のホームページ、パンフレットを作成するなどして取り組みを充実させてきたところでございます。

その次の○は、「一方」ということで、法による規制という観点について記載をしております。

食品衛生法におきましては、公衆衛生の確保のために必要な場合には規格基準を定めることができ、その違反については刑事罰の対象となるということで、厳しい措置をとることができるようになっておりますが、通常は、行政処分により改善を図ることとされております。

食肉等の生食については、平成10年にガイドラインがあったわけでございますが、23年のユッケによる食中毒事例を受けまして、生食用食肉(牛肉)や牛の肝臓につきましては規格基準が設定されているところでございます。

こういったことを踏まえれば、食肉等の生食については、一般的に食中毒のリスクを伴うものであり、推奨されるものではないということでございますが、食の安全は、食品事業者等における自主的な取り組みによることが基本であり、また、消費者がリスクを認識することや事業者等がリスクに対処する取り組みを進めることが食中毒の発生の防止に有効であるということに鑑みれば、少しでも食中毒のリスクがあるということをもって一律に法的な規制をするということではなくて、リスクの大きさに応じたさまざまな対応を検討することが必要であろうということとしております。

こういったことを踏まえて、食の選択は基本的には消費者による食品の栄養面でのメリットも踏まえた選択の自由が認められるべきものであり、公衆衛生上のリスクが高くないと考えられる場合には、事業者等による衛生水準の向上とともに、消費者による自主的なリスク回避が可能となるようなリスクコミュニケーションを充実させることが望まれるというふうにしております。

その次の○は、「一方で」ということで、自治体においては、食品事業者等に対する監視指導が行われているわけでございますが、食衛法に基づく規格基準がないというものについては、監視指導の効果にも一定の限界があるというふうな指摘もなされております。また、消費者にとっては飲食店で提供されるものは安全という認識もあり、関係業界の会員以外の企業も含めたアプローチが必要であろう。

こういったことを踏まえて、飲食に起因する危害が生命そのものに関わるような公衆衛生上のリスクが高いものについては、消費者によるリスク回避のみに食中毒の発生防止を委ねることは必ずしも適切ではなく、重大な事故を防ぐために、食衛法に基づく規制が必要になる局面も出てくると考えられるとしております。

これらを踏まえまして、本調査会におきましては、食肉等の種別ごとのリスクの大きさを考慮しつつ、リスクが大きいと分析されるものについては、加熱義務や加工基準等の策定を検討することとしております。

3)は、そのリスクの大きさをどのように考えるかということで、これまで調査会で御議論いただいておりました危害要因の性質あるいは流通量、リスク低減策について、考え方を説明しております。

1危害要因の性質等」につきましては、公衆衛生上のリスクの大きさを検討する上でまず考慮すべきことは、食肉等を汚染し得る病原体(危害要因)が引き起こす症状の重篤性や感染性の有無が重要になるであろうということで、これまで御議論いただいたところでございます。

こうした観点から、対応策の検討に当たっては、生命にかかわるような重篤な症状を起こさないような病原体であれば、一定のリスクは承知の上で飲食したいという消費者がいることを踏まえて、注意喚起等の対応で可能かどうかということも含めて検討されるべきであろうという形でまとめております。

2流通量」ということです。

消費者がどれだけその病原体に暴露されるのかということによっても当然リスクの大きさは変わってきます。危害要因が認められるものの流通量が極めて限定的であるというものについては、法的に規制をするということではなくて、自治体による監視指導や、食中毒発生防止の観点から基本的に食肉等の生食をすべきではないことを一層周知徹底すること等により対応することも考えられるのではないかとしております。

3リスク低減策」でございます。

危害要因になったとしても、その危害要因を低減させるような加工処理方法等があれば、公衆衛生上のリスクは低減されるということで、あらゆる研究結果から、リスク低減策として加工処理方法等に反映できる方法があるかということについて検討し、その対策が見出せるものについては、その方法を規格基準やガイドラインに規定することを検討すべきであろうということで、書かせていただいております。

また、消費者や事業者が、生食に関する危害要因の性質をきちっと理解するということ自体もリスクの低減につながることが期待されますので、そういったリスクコミュニケーションの推進も期待されるところでございます。

「(4)既存の規制手法以外の手法も含めた対応策の検討」ということでございます。

公衆衛生上のリスクが高いものについては、加熱義務ということになるものもあろうかと思いますが、一方で、相対的にリスクが高くないと考えられるものにつきましては、食品自体のリスク低減策以外に有効な新たな行政手法についても検討すべきではないかということで、記載をしております。

検討の手法としましては、おめくりいただきますと、「例えば」というところで1から3で記載をしております。

監視指導を適切に行うために生食用として食肉等を提供している事業者をあらかじめ自治体が把握するような方法、消費者が理解した上で選択できるようにリスク等に関する警告表示をするということ、食肉等の生食に関する国民的理解の向上のための方策、そういった視点からの検討が考えられるのではないかということで記載をおります。

このうち、リスクコミュニケーションのあり方については、消費者、事業者等の共通理解をつくり上げるために、どういった手法が考えられるかということについて、さらに検討が必要であろうということでまとめております。

以上が基本的な考え方でございます。

5ページからは「2.食肉等の種別ごとの公衆衛生上のリスクの大きさの分析」ということで、実際に第1回の調査会でまとめていただいた資料でございますとか、第2回の調査会で御発表いただいた内容について、事実関係として記載をしております。

基本的にこれまでの資料とか御発表の内容を記載しておりますので、説明は省略させていただきます。

1)のところでは危害要因の整理ということで、先ほど資料1で御説明をさせていただいたような内容について、調査会でも表の形で整理したものがございますので、その説明をさせていただいております。

2)の部分につきましては、生食用としての流通実態調査ということで、第2回の調査会において自治体からのアンケート調査の結果ということで、まとめていただいた内容について記載をさせていただいております。

2のところでは、関係業界から御報告いただいた内容についてまとめさせていただいております。

3)は「食肉等の種別ごとのリスク低減策等」ということで、第2回の調査会においてさまざまな研究の状況等について御説明いただいた内容を記載しております。

 この部分につきましては、修正等が必要な部分がありましたら、御指摘いただければと考えております。

 最後に、8ページ「3.その他」でございます。

 調査会でいただいた御意見として、「食肉等の生食については、食中毒を起こす危険性があるため、推奨されるものではない」ということを改めて書かせていただいております。

「一部の食肉等に関する法的規制の導入により、逆に規制されていないものはリスクが小さいとのメッセージを与えてしまわないように注意が必要である」という御意見をいただいております。

 また、食肉等の生食による食中毒の発生防止のためには、飲食店の食品事業者等及び消費者がそのリスクについて十分に理解することが重要であることから、リスクコミュニケーションでどういった内容を伝えるか、また、その発信方法についても引き続き検討が必要であろうというふうにしております。

さらに、生食に係る対応に加えて、食肉等の調理の段階で人や調理器具を介して食品が汚染され食中毒が発生することがないように、これまでもこういった取り組みをしてきたわけでございますが、引き続き取り組みが必要であろうという形でまとめさせていただいております。

9ページ以降には、これまでの調査会で御議論いただいて、まとめていただいた表を併せて付けさせていただいております。

資料1、資料2についての説明は以上です。

○山本座長 ありがとうございました。

 それでは、まず資料1、危害要因の影響の大きさ、流通実態、リスク低減策の有無等を踏まえた公衆衛生上のリスク、検討すべき優先順位について御意見をお願いいたします。どなたか御意見ございますか。小林委員。

○小林委員 この前、資料の説明を受けたときに気が付けばよかったのですけれども、資料21ページ(2)の最後の項「野生鳥獣(ジビエ)の生食による食中毒発生防止にも取り組まれている」。これは業界のことを言っているのだと思うのですが、これは取り組んでいないのですよ。流通そのものをやめろということで指導しております。

前の委員会でも言ったのですけれども、牛も豚も馬肉も鶏もきちんと第三者が生体の段階、枝肉の段階、内臓検査、枝肉検査をやっているわけですが、これは全くされていないわけですよ。そういう意味で、こういうものを基本的には生であろうと、加工したものであろうと本来流通すべきでないという意見を私は言ったつもりなのです。

これはどうもそういうニュアンスで書かれていないようで、御説明を受けたときにお話しすればよかったのですけれども、実態はそういうことです。

○山本座長 ありがとうございました。

 小林委員の団体としてはそういうことは推奨していないということでございますが、実際に自治体等を含めて取扱いのガイドラインを出しているところが多々あります。そういったものにのっとった形で生産されたものについては、食品衛生の観点からは、監視員の監視で食品衛生法にちゃんと適合しているかという状態を確認した上での流通を認めているというところでございますので、推奨するものではないかもしれませんが、流通を禁止するような方向という観点は議論が必要かなという気がいたしますので、御意見としてはお伺いしておきたいと思います。

監視課長、何かありますか。

○監視安全課長 実際に野生鳥獣による被害が全国各地で報告されておりまして、何とかこれを駆除しなければいけないというような全体的な動きがあるのですけれども、その中で、こういった肉を食用として利活用しようという動きがあるのも事実でございます。

 行政としては従前から、万が一そういったものを生で食べられるとリスクが予想されますので、そういったものは生で食べないようにという注意喚起をずっと行ってきたところであります。

 自治体においても、そういったものを生で食べないというのは当然のことなのですが、衛生処理に関するガイドラインを設けて、こういったものは屠畜検査を受けないものですから、その処理の適正化を図るためにガイドラインがつくられてきているというようなこともございます。

国としても3年前から研究班を設置いたしまして、こういったジビエ、野生鳥獣の肉の衛生的な処理の仕方等々について研究を進めてまいりまして、その研究がほどなくまとまるような形になっておりますので、そういった研究報告を受けて、国としてのガイドラインもつくっていきたいなと考えているところであります。

○山本座長 ありがとうございました。

 私からの発言も、生食のためのガイドラインとか、生で食べることを前提とした流通を認めているということではないということを付け加えておきたいと思います。

 他にございますか。どうぞ。

○加藤委員 資料2では「これまで既に検討がなされた牛の食肉・肝臓や馬肉以外の」という形で今後の検討を行うというふうに整理されていますけれども、私の認識では、本委員会が組織化されまして、今回で3回目ですが、1回目のときも発言しようと思ったのですが、2回目で発言させていただきましたが、業界としては、「既に検討がなされた」という部分は、この委員会でもう一回新たに再検討してほしいというような要望を前提に置いて、前回では特に生食肉の牛、生レバーの流通実態等を報告させていただいたところであります。

確かに牛のユッケについては、現在、一定の対応をしていますけれども、しかしながら、厳しい加工基準というものの影響がありまして、生食の扱いは、マーケットの要望に反して提供をほとんどやめているのが大手のチェーンの実態であります。

一方で、生食用の牛レバーの販売・提供は禁止されていますが、牛レバーに含まれるO157等の病原性の菌を危惧することに原因しているわけですけれども、既に厚労省も牛レバーへの放射線照射による殺菌効果に関する研究会で議論されていると聞いております。この検討をさらに進めていただく方向で、現在の規制についてもう一度この委員会で検討することをお願いしたいということを改めて申し上げたいと思っています。

○山本座長 御意見はよく分かりますが、本検討会のもともとの趣旨として考えておりましたのは、牛の食肉や肝臓、馬肉、こういったものは既に検討が終わって、規制もできたということから、新たな知見が見つからないと、なかなか次の議論に進めないのではないかということです。ですから、もう少しデータがそろって議論が再開できるということであれば、牛の肝臓の議論も再開してはいかがかと思いますけれども、今のところ生食用の肉について、加工基準を緩和したときに、これまでよりもリスクが上がるか、下がるかということになると、やはり上がっていくのだろうということが考えられると思います。

汚染実態といいますか、それがもっとなくなっているというようなことであれば、そういう新しいデータに基づいての議論をしていきたいと思いますが、本来の調査会の目的は、そこから先の豚、鶏、その他のもの、それから牛でまだ検討していない内臓肉の問題、そういったものを検討していこうということでございますので、この検討が済んだ後、そのようなことで新たな知見を踏まえて乳肉水産食品部会で検討が必要だということになれば、議論を再開したいと考えておりまして、申しわけありませんが、この調査会では現在の対象という形には考えていないという状況でございます。

そういうことですので、議論の再開を望む声というのはよくわかっているのですけれども、データとして業界団体からも出てくるとか、そういうものもあれば議論を再開していきたいと思いますので、その辺のことを御理解いただければと思います。

他に御意見。どうぞ。

○野田(富)委員 今の加藤委員の御意見に関連してでございますけれども、私も1回目、2回目、連続して検討対象項目が少な過ぎる、考え方が偏り過ぎだということで、もうちょっと幅広く検討項目を広げ、さらにその検討の考え方の基本的なものを明らかにしていただきたいということをお話ししたわけでございます。

もうちょっと具体的に申し上げれば、例えば会計検査の手法などに導入されておりますコストベネフィットアナリシスという手法があります。そういったある一定の数学的な手法を導入して、もう少し客観的に誰もが納得できるような仕組みをぜひお願いをしたいなと。すぐにはということでなくても、例えば厚労省さんの事務方ではなかなか難しいということであれば、シンクタンクにお願いすれば、多分数千万でできるような仕組みだと思います。ぜひそういうことを今後検討していただきたい。

その上で、そういう手法が確定した暁には、今回のこういった検討対象以外に、一般的な食材あるいは既に規制対象となっております牛のレバーについても、一定の年月ごとに再評価するような仕組みをぜひ導入していただきたいなと。一旦規制したら、もう終わりだよということでなくて、定期的にその都度その都度衛生条件、あるいは消費者の意識、製造・流通サイドの衛生水準の向上というのも当然進んでいるわけですから、そういうものをぜひ導入していただきたいなと思っております。

○山本座長 ありがとうございました。

 加藤委員、どうぞ。

○加藤委員 関連してですけれども、私どもで申し上げました要望ということは、過去1回、2回の当委員会の進め方、つまり、食肉等の公衆衛生上のリスクの大きさに従って検討の優先順位を決め、また、それに対応する管理措置を決めていく、この進め方は、私どもとしては本当にありがたいことだと思っておりました。

その中で、今回、牛、豚という順番で検討対象と危害要因等の性質があって、この順番でやっていくということで、僕はそのとき、牛、豚という順番ですから、牛の中の「(肝臓以外)」ということに余り注目していなかったものですから、やはりここでこの議論をもう一回していただけるのだなと。

また、前回、リスクの大きさでというときの管理措置としてぜひ見直しを検討してほしいというのは、実は加工基準の管理措置のことについて、もう少し実際の生産、加工、流通、飲食店のマーケットに来る食肉、生食の原料の加工・流通のプロセスに応じてリスクの発生を除去するための管理措置をとったというような検討がなされたのかどうかということを踏まえて、ちょうどこの機会にこういう場が設けられたものですから、そういう意味で、今まで検討されたものも再度やっていただきたいということを申し上げたわけで、リスクの大きさについては、もう既に科学的に決まっているわけですけれども、加工基準については、前回も発言しましたが、余りにも短時間の間に。また、私どもの川上のメーカーさんや加工場を必ずチェックして調達しているのが大宗なのですけれども、そういうところから絶対起こらないわけですから、そういうことを含めて、前回の大変大きな事件の汚染経路についての原因究明、それに基づくところの加工・流通工程における危害発生除去、そういうことを踏まえての加工基準という形になったのかということについて、もう一度検討していただきたい。そんなことを思ったので申し上げているわけです。

○山本座長 その議論に行く前に、資料1の表、リスクの大きさについては特段反対するものではないというふうにおっしゃっておられますし、他の委員の方々も1の考え方についてはよろしいでしょうか。田崎委員。

○田崎委員 事務局に御質問なのですけれども、資料1は「リスクの大きさ及び検討の優先順位」ということで、「検討の優先順位」と書いてありますので、優先順位の高い上の2つはよく理解できますが、例えばジビエのカテゴリーと鶏のカテゴリーというのはこの順番で、優先順位は羊とか猪とか鹿が優先されるという理解でよろしいのですか。

○山本座長 事務局、どうぞ。

○事務局 「公衆衛生上のリスクの大きさ」というところで整理をさせていただいているのは、直ちにその対策が必要かどうかという観点から「高」とか「中」とか、そういった観点で、リスク管理の機関としての観点からの記載でございます。鶏の食中毒は重要性が低いということではなく、分類している意図としては、直ちにリスク管理措置が必要かどうかという観点からの記載ということで御理解いただければいいかと思います。

○田崎委員 分かりました。ありがとうございました。

○山本座長 優先順位ということですので、緊急性がどの程度あるかということも考慮の対象ということになるかと思います。

 では、1のリスクの大きさの優先順位(案)につきましては、皆さんの同意が得られていますか。どうぞ。

○野田(富)委員 確認でございます。

事務局にはちょっと確認しておりますが、依然として疑問に思っておりますのは、「公衆衛生」という言葉の定義について、先日、どういう意味合いなのかなということを勉強してみたわけですけれども、「公衆衛生」という言葉は、ある程度の面的な広がりを持つリスク、それは地域的な集団であったり、特定の外食店で食べるというような広がりを持つ場合、さらに言えば、被害を受ける方が意図せずに、あるいは避けたいのに避けられないで受けるようなリスク、そういう意味合いではないかと思ったわけです。

そういったことから考えますと、生で食べるというリスクは、そういうものに該当するのかなと若干疑問を持っております。すなわち、生で食べるというものは、メニューから消費者の方がわざわざ選んで食べる。しかも、その被害というものがその人個人に限定されるリスクでございまして、決して他の人に広がっていくわけではありません。そういうものを「公衆衛生上のリスク」と言えるのかどうか。

ちょうどいい機会でございますので、弁護士の先生がおいでになりますので、その辺りについて御意見をお聞かせいただければと思いますが。

○山本座長 西内委員、よろしいでしょうか。

○西内委員 「公衆衛生」の法的な定義をいきなり質問されましても、生憎用意をしておりません。

○山本座長 なかなか難しい議論だと思うのですね。

「公衆衛生」の定義ということになると、その国で生活している人を対象とするのが「公衆」というような考え方だと思います。そういう方たちの衛生ということを幅広に考えたということですね。

ただ、選択の自由は当然食の上ではあるわけで、食べたくない人は食べなければいいという考え方があると思いますが、食べた人が感染していて分からない場合に、次の人に感染させるかどうかということは、公衆衛生上のリスクとしては非常に考えなければいけない部分だと思っております。

そういった意味で、そこでハザード、つまり、病原体を考慮していかなければいけなくて、一旦かかった人から食品を介したり、もしくは直接次の人にかかるかどうかというのは非常に大きな問題かなとは思います。

ただ、そうでない場合でも重篤性が今度は問題になって、食べた人たちがばたばた死ぬようなものをほっておいていいのか、というところもあるかと思います。

ですから、食のリスクの場合には、そういった確率で広がりやすさの問題と、重篤性がどの程度あるのかというものの掛け算といいますか、2つを考慮した上での判断ということになると思います。そこで、こういう公衆衛生上のリスクの大きさというのを考えていくということでございまして、牛の場合の腸管出血性大腸菌がいるということがかなり高いリスクを持ったハザードと考えられるということを考慮しているというところだと思いますが、これに関して、他に。どうぞ。

○松永委員 消費者の個人の選択というふうにおっしゃいますが、残念ながら消費者が適切なリスク情報をもとにそれぞれが判断できるレベルにあるというふうには言えないと思います。御存じないまま、お店で出ているから安全であると思って食べるという方も大勢いらっしゃるというのが消費者の現状です。それはよくないわけですが、消費者ももっと勉強していくべきなのですが、そういう現状があるということを御理解いただきたいと思います。

 それから、先ほど山本先生がおっしゃられたように、O157とかは、1人の選択にとどまるものではない。お一人が感染して、その方は症状が出ないけれども、家族にうつすとか、他のところでうつすという事例はやはり出ていますので、非常に大きなハザードを持っているものについて、消費者の個人の選択であると言っていただきたくない。

もう一つ、消費者がそういうリスク情報を得る、重要な提供者として飲食店というのがあるのだと思います。飲食店からリスク情報を教えてもらう、きちっと情報提供していただくということがとても重要なのだと思いますが、残念ながら飲食店で間違った情報を提供してしまう。新鮮だから安全ですよというような言い方をしてしまう業界の方たちがいらっしゃる。つまり、消費者にも問題がある、業界にも問題があるという状況がありますので、そこで全てを「消費者の個人の選択である」というふうに整理していただきたくないなと私は思います。

○山本座長 これに関して御意見ございますか。どうぞ。

○加藤委員 もしかしたら関係するのかもしれませんが、流通実態の表現のところで「全国的に一定量が」と書かれていますけれども、そういう意味では、こういう流通実態の把握の中でそのリスクの広がりや大きさを認識して、それに対するリスク管理措置を決めるということでありますと、流通実態をしっかりと調査の上、認識するということが大事だと思っています。

 私ども業界の立場からいくと、例えば「馬及び鶏は、全国的に一定量」という言葉がありますけれども、この辺の表現とか、「牛は胃や心臓を中心に飲食店で全国的に提供されている」とか、下のほうでも「馬については全国的に」という言葉がありますけれども、馬や鶏のこれらの部位に関するメニューというものは、飲食店の世界で「全国的に」という表現ではちょっと認識し得ないものですから、私どもも現状を調査したいと思いますが、その辺のところについて御説明いただければと思います。

 前回もその話は、私どもの調査の実態でお話をしたと思っています。

○山本座長 済みません。御指摘の場所はどこですか。

○加藤委員 資料25ページの「(2)食肉等の生食用としての流通実態調査」のところで、あたかも馬とか鶏が全国的に一定量提供されているという表現がありますが、馬について、「全国的に一定量」という表現はどんなものかなという若干の思いがあるものですから。

さらに、胃、心臓、肝臓の一定量が提供されていることについてもそうでございますけれども。

○山本座長 これのまとめ方については、事務局、お願いいたします。

○事務局 御指摘のところについては、第2回の調査会において自治体からのアンケート調査の結果としてまとめさせていただいたものでございまして、めん羊・山羊でございますとか、その他の食鳥・獣畜については流通自体が非常に少ないということも自治体の調査の結果から明らかになったわけでございますが、それと比較すると、牛とか豚というのは非常に多いというわけではないにしても、一定量はあるということも資料としてお示しをしておりました。

馬と鶏については、牛や豚と比べて量としても多いですし、広がりとしても多いというのは、そういった結果からありましたので、記載をさせていただいたところでございます。

ただ、当然牛の内臓のところについては、一般的には湯引き処理がされていますとか、そういったことについては、今回、資料1でも丁寧な記載をさせていただいておりますが、鶏と馬について流通自体が多いということについては、前回お示しした資料にも記載しているところでございます。

○山本座長 事務局。

○事務局 資料1の点について御質問等をいただいておりますけれども、前回も流通実態調査等を御紹介させていただきましたが、限られた情報の中でのデータだということであったかと思いますし、そういった情報を踏まえて、資料1で、本来であれば定量的にリスク評価をして、その重みづけをできればいいのですけれども、これらのデータから半定量的といいますか、定性に近いような評価であるということでございまして、公衆衛生上のリスクの大きさということに関しまして、もともと行政がどこまで関与すべきかという議論がございましたが、極めて流通量が少ないというものについてまで行政が規格基準あるいはガイドライン等で関与するのかということもございましたので、流通量が極めて少ないものについてはそういう形でなくていいのではないかということでそれを知るためのものとして整理をさせていただいたということでございます。

また、「一定量」という表現については、行政が関与すべき対象であるというような線引きとして捉えていただければいいのではないかなと考えているところでございます。

○山本座長 どうぞ。

○加藤委員 そうしますと、この部分は、限られた資料の中でも自治体の調査の結果で、飲食店、専門店等の流通実態調査に基づくものではないということですね。

私どもの場合は、私どもの業界のメニューでこういうものが使われているかどうか調査した結果を報告したと思っていまして、それからすると極めて全国的ではありませんし、今、おっしゃった「一定量」というレベルではないと思ったものですから。それで質問しました。

 今のお話はよく理解できました。

○山本座長 流通量をどういうふうにあらわすかということで、なかなか難しいところがあったのですけれども、自治体のアンケート調査では提供店舗数をベースとした形。加藤委員から御報告があったのは、メニューとしてどういうものが実態にあるかということを加盟している方たちから提供していただいたもので、どちらも全部を本当に把握したかということになると、難しいところがあるのですけれども、加藤委員からのデータでは、一部の加盟していない店舗からの提供というのは抜けているかもしれませんし、それから自治体も、全ての飲食店からの情報が、メニューを全部確認してというよりは、聞き取りでいっている部分もあるでしょうから、その辺も含めてということで、一定量のときには10軒、定数を出すときに。どうぞ。

○事務局 補足ですが、資料1の流通実態のところで、自治体の聞き取り調査で流通が認められたものと、業界からのアンケート調査によって分けて記載しています。業界から牛と鶏についてはメニューとしてありますという報告があるということでしたので、そのように記載になっております。

 第2回の調査会でお配りした自治体調査の結果ですが、集計方法としては、110施設、1050施設、50施設以上、ということで、自治体ごとに具体的に何軒というわけではないのですが、110軒ありましたとか、1050軒ありましたということでの御報告いただいているところです。

以上です。

○山本座長 ということで、多いということになると、50以上の施設があるとか、10以上の施設がかなりの自治体に広がっているとか、そういう観点からこれは見ているということで、馬に関しましては、メニュー提供という形で業界からは上がってこなかったけれども、自治体の調査からはかなりのところで提供されているということがわかったということになるかと思います。

 もう一つ、公衆衛生上のリスクの大きさを考えるというときに、確かにコストベネフィットの問題というのは、今後も入れていかなければいけないと思うのですが、これをやることによって、売り上げの問題とか、規制するときのコストの話とか、患者がどれぐらい減るのかということによるベネフィット、その辺を本当は考慮するということになるわけですけれども、ただ、それ以外に見えない形で出ているリスクを低減するときのコミュニケーションによって、消費者を注意喚起するというやり方のリスク低減措置のほうが効果が上がる場合もありますので、今回も資料3でも出てくると思いますけれども、次回以降、その辺も含めてちょっと考えていきたいと思います。

ですから、このリスクの大きさというのは、単純に食品安全委員会が提示しているような科学的根拠だけに基づいたリスク判断ではないということもあると考えておりますので、厚生労働省はこの管理も含めたリスクということを考えていかなければいけないということでは同意しておるところでございます。

どうぞ。

○事務局 今の御指摘につきましては、私どもも幅広い議論をしていただくということで先生方にお集まりいただいておりますし、実際にコストベネフィットアナリシス等々、手法というのはいろいろあるわけでございますが、それを具体的にどこまでやるかということもあるのでしょうけれども、考え方ということで、実行可能性という点では、基準をつくる際には重要なファクターでございますので、これまでにもリスク評価をする議論においても、実態であるとか、こういったことが今後できるということも見越した上でのお話であるとか、メンバーとして業界関係者の先生にもおいでいただいてそういうことを含めた議論をしてきたと思っておりまして、まさに座長からお話がありましたように、優先順位というものがこれで具体的に出てきたということでございますから、具体的な対策を検討するにおいては、そういった観点でさらに検討は続くものと考えております。

○山本座長 それでは、資料1の優先順位の考え方の表については、大きな変更というのはなさそうなのですけれども、まとめて。どうぞ。

○野田(衛)委員 公衆衛生上のリスクのところなのですが、考え方として、個人的にはここでは「食品衛生上のリスク」と言ったほうが多分適切なような感じがします。食品衛生上のリスクというのは、当然件数や重篤性があると思うのですが、一番重要なのは重篤性、特にお亡くなりになるか、ならないかというのは極めて重要な問題で、食べて亡くなられるということは非常に大きな問題だと思うのです。

消費者の選択の自由だということを言われますけれども、いざ当事者となって自分の子供さんなり奥さんなりが亡くなったという事例を経験したときに、そういうことを単に言えるかというと、なかなかそれは言えない問題だと思います。

だから、本調査会におきまして、「公衆衛生上のリスク」というところに関しては、特にそれを考慮した上での高いという評価になっているのだと個人的には考えますが、やはり皆さんが共通認識として重篤性、亡くなるか、亡くならないかというのは大きなファクターとして心の片隅に置いて議論していただければ幸いというか、そういうことを望みたいと思っています。

○山本座長 ありがとうございます。

 石川委員。

○石川委員 もう1時間もたってしまったのですけれども、先ほどから聞いていますと、コストベネフィットという議論というのはこの会議には非常にそぐわないのです。なぜかといいますと、ベネフィットと言った場合に、片や健康の問題であって、健康にいいか悪いかということですね。ベネフィットというのは、いいということです。

 あと、今、出ているのでは嗜好の問題で、嗜好にとっていいかどうかというようなことになると思うのです。

私は、30年前からhemolytic uremic syndromeなどを見ていますと、本当に子供たちが亡くなっていくというのがO157の怖さなのです。そういうのを見ていますと、実際浅漬けでも子供が亡くなっている。それから毎年毎年夏になると、O157で亡くなっているわけです。これはもちろん生食ではないわけですけれども。

我々がこれからリスクコミュニケーションをやっていくときに、生食というのは怖いということを十分知っていただいた上で、お母さん方、保護者の方とか周辺の調理をする方にいろいろとリスクコミュニケーションをやっていかないといけない。そういうときに、私たちがこの会議で出す結論というのは大変重要で、ベネフィットと言えば、日本の国民の健康に寄与するということが唯一だというふうに信じてやっております。

そういう点では、私もびっくりしたのですが、屠畜場の問題として、レバーの中にO157がいたという大変重たい事実を私たちは考えて、こういういろんな結論を出しているのだと思うのです。

そういうことで、この調査会の結論を出していただきたいと思います。

○山本座長 貴重な御意見ありがとうございます。

五十君委員。

○五十君委員 1つ追加させていただきたいのですけれども、先ほど公衆衛生上のリスクということが議題になっておりますが、松永委員からお話があったように、今回問題となっているのは、食品衛生上だけの問題ではなくて、例えば腸管出血性大腸菌の場合は、大人がその人の選択で食べるかもしれないけれども、食べた方が家庭に帰って子供に感染させてしまう。微生物の場合は自己増殖をするわけですから、基本的には食中毒が起こった場合に病原体のプールが広がっていく可能性もあるわけです。

ここのところは公衆衛生上のリスクという形で捉えていかないと、単にその方が食べる食品による危害がどうのこうのという議論では済まないところがあるので、私は、資料1の提案は公衆衛生上のリスクとして解釈して議論を進めていっていただきたいと思います。

○山本座長 小林委員。

○小林委員 この表自体は異論がないのですけれども、今、言われた御意見に対して、ちょっと疑問を呈したいと思います。

1つは、腸管出血性大腸菌、まさに腸管、大腸菌ですから、本来肝臓の中にはいません。筋肉の中にもいません。いるのなら肝臓何とか菌になるのではないですか。

もう一つ、今、事実関係と違うと思ったのは、O157の死者が毎年出ていますよという話があります。これは事実と違うと思います。えびすのチェーンによるユッケで死者が出たとき、それ以前は恐らくなかったと思います。

もう一つ言いたいのは、レバーがあれほど食べられていますけれども、レバーによる腸管出血性大腸菌の死者というのは、いたのでしょうか。いないと思います。

こういう1つの事実関係はきちんと言っておかなければいけないと思います。

後で議論があると思うのですが、方向性の話なのです。資料23ページに書いてありますように、リスク低減策とありますね。

○山本座長 その意見はちょっと後にしていただけますか。今、資料1の話だけで随分たっていますので、その部分を固めてしまいたいと思います。

○小林委員 どうぞ。

○山本座長 よろしいですか。

○石川委員 よろしくないです。僕は、毎年子供たちが死んでいるということを言ったわけではないです。毎年起こっています。子供たちがO157の感染症になっています。これは事実です。それから、浅漬けのところでも、ユッケのところでも子供たちが亡くなったのは事実です。これはわかっていることです。そういうことしか言っていません。

○山本座長 今の小林委員のところで、まず牛の肝臓の中にO157がいるか、いないかという話をされましたけれども、それはおりません。これは皆さん、認識が当然あるところです。

 屠畜されたときに肝臓の中に入ってしまうということが大変問題で、入ってしまうことを防ぐ方法が今のところありません。これは幾らレバーだけを先に取り出そうとしても、それができないということもあります。つまり、屠畜された途端に、ころんとひっくり返ったら、そのまま肝臓の中に押し出されるみたいな形で腸管から来るわけです。

 それのことがありますので、中にいるということは、屠殺された牛の肝臓はそのリスクを持っているということでございます。

 レバーによって必ずそれがわかっているかということですけれども、レバーの事例、死者が出たかどうかというのは、事務局、今、手持ちがありますか。

レバーによって死者が出たかということになると、今の段階で分かりかねているのですけれども。どうぞ。

○食中毒被害情報管理室長 ここ数年間で死者数というものを見ていきますと、例えば昨年は腸管出血性大腸菌群で死者は出ておりません。

24年、23年は、浅漬けの件とユッケの件で死者が出ております。その前2年間は出ておりません。

○山本座長 レバーを原因とした死者というものに関してはどうですか。

○食中毒被害情報管理室長 ここ数年間では出ていないという統計です。

○山本座長 禁止されて以降はレバーは提供されておりませんので、それによる死者は当然出ていないわけですけれども、その以前、死者が出たかどうかというのは、ないことが多い。ただ、腸管出血性大腸菌の食中毒自体は起こっているということでございます。そういうことになると、潜在的な議論をしているわけですが、潜在的なリスクをどの程度に評価するかということでございますので、そういうリスクがあって、死者が出るかもしれないものを提供し続けていいのかという議論があったわけです。そのときにレバーについて、内部にいることによる方法論がない、管理措置がないことによる禁止がされたということでございます。

 加藤委員のおっしゃるように、それもここの議論として再開するのかということについては、今、放射線の話も出ていましたが、検討はされていますが、議論が再開できるのに十分なほど結果が出ていないというふうに聞いておりますので、もう少し検討が必要なのだろうということでございます。

 この調査会では直接その議論をするということはありませんが、結論的には、調査、研究の結果が出て、管理措置として耐え得るものが考えられるということであれば、乳肉水産食品部会での議論を再開したいと考えておりますので、禁止したら、そのままずっと禁止するのかということに対しては、そうではないということを申し上げておきたいと思います。

 確かに死者が出るか、出ないかというのは非常に大事なことですが、食品に関しては、死者が出るかもしれないということも含めて考えておかないと、今までのデータとして出ていないからということだけでは済まないような気がいたします。食品で死者を出さないということが1つの大きなポイントかと思いますので。

 そうすると、資料1の考え方については、さまざまな御意見をいただきましたけれども、基本的方針としてこのまとめ方でいきたいということでございます。

大分時間がたってしまいましたが、資料2について、少し意見はいただいておりますけれども、これから御意見を伺っていきたいと思います。

小林委員、先ほどの続きをどうぞ。

○小林委員 ちょっと誤解があってはいけないので、死者が出ないから食べていいよという話ではないと思います。

 我々業界は、この前も話しましたように、そういうものが発生したら、まさに生活圏を奪われるわけですから、一番気を付けていることでございまして、これだけのリスクがあるよという情報を流して、あとは判断いただくと。リスクそのものを低減させるということが一番肝心だと思うのです。

前回のレバーのときの議論は、173例中の2例にありました。表面にO157がいました。今の状況で一生懸命調べていけば、同じように他の内臓にも表面にいると思いますよ。だけど、それは二次汚染ではないですかということなのですよ。

今の屠畜場を御覧いただければ分かるように、私どもが見ても、科学的に本当に無菌状態でやっているわけではないのです。ですから、いかにそのものを改善していくかということが必要かと思うのです。

そのために各事業者は屠畜場等でも努力しているわけですよ。一例を話すと、レバーについてもうちょっと衛生的な提供方法はないかということで、大阪では洗浄を繰り返してそのデータを集めているのです。今回はいい結果が出たよということで、先ほど教えていただいたわけですけれども、そういうものがある。それは何かの工夫がそういうことをさせるということなのです。

今、我々が見ても、屠畜場でこういうことを改善したほうがいいよというものが数点あります。

厚生労働省も今、まさに安全課長さんがやっていることだと思うのですが、HACCPという思想のもとに屠畜場を見直そうと。そういうものの基準をつくろうということで今、進めておられるわけです。

そういう観点から危害要因は何かということを考えていただいて、そしてリスクの低減策を考える。それがまず先決ではないでしょうか。

しかる後に、皆さん、ここまでのリスクならいいとされるのか、あるいはここまでリスクがあるから、やはり基準をつくって禁止する、あるいは殺菌基準をつくるということにされるのか。そういうデータが出た後できちんとそういうものをやっていただきたいなと。これの結論の進捗状況とそちらのHACCPを中心とした考え方、あるいは今、もう既にそういうことをやろうとしているわけですから。

それから、我々業界のところでも、今、山本先生が言われたように、初めはいないよと。屠畜後、すぐに行ってしまうのだよと。それでは、屠畜後、早いうちに肝臓などにつながるところの門を閉鎖、門脈とかあらゆるものを結紮してそちらに物が逆流しないようにすることによって、うまい工夫がないものか。それから、他の臓器についても、二次汚染が生まれないような形で何か考えられないかということの見直しを新しい年度からやることになっております。山本先生にお願いしたり、五十君先生にもお願いしているのですけれども、そういうところで我々がつくる1階でアドバイスをしていただいて、それから現場での指導もきちんとしていただく。今回、先生に参加いただいて、食肉検査所をそういう観点で見ていただく、あるいは細菌検査をしていただくということを考えておりますので、そういうデータをきちんと出して、判断できるデータで結論を出していただくということが一番いいのではないかなと。

以上でございます。

○山本座長 そのデータに基づいた御議論は必要かと思いますが。事務局、どうぞ。

○事務局 先ほどの小林委員の御指摘の関係ですけれども、牛のレバーの話と牛の内臓の話と両方されていたかと思うのですが、牛のレバーについては、既に座長から御説明があったように、今の屠畜処理を前提にしますと、ほぼ不可避的に内部に腸管出血性大腸菌が入るというエビデンスでもって今、規制がされているわけですが、そこについて新たな知見が出てくれば、再度議論ができるということで、業界でもいろいろ研究されているということで、門脈のお話ですとかそういったものがあったというふうに理解をしております。内臓については、まさにこの調査会で議論いただくということで、資料3にも今後の対応ということで記載をしております。そういったものにもかかわる御意見だと思いますが、肝臓の場合と違うのは表面の汚染であり、それが二次的に起こる表面の汚染だというようなことで、小林委員からも御発言がありまして、そういったものについて、どういった取り組みをすれば今よりもリスクが低減する方策があるのかということは、まさにこの場で具体的な取り組みについても御議論いただければ、そういったものをどういった形でまとめていくかという方向で議論をしていけるかなと考えております。

資料2についても引き続き御議論いただければと思いますが、時間もございますので、資料3に議論が移ってもよろしいかなと考えております。

○山本座長 資料12で議論が大分進んだと思いますけれども、資料2についてさらに議論がある点がございましたら、御意見をいただきたいと思います。

これまでの検討の整理ということで、御意見をいただいた分につきまして、なるべく反映できる部分については反映した形で取りまとめをさせていただきたいと思いますので、御一任いただけますでしょうか。

また、変更した部分につきましては、委員の先生方に改めてお示しして御説明したいと思いますが、それでよろしいですか。

(「はい」と声あり)

○山本座長 では、資料12は基本的にこの形で、あと、御意見いただいた部分については若干の変更があるかもしれないということになるかと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、今後、ここまで議論したことをどう反映させて議論していくかということで、資料3がございます。

事務局からそれについて御説明をお願いいたします。

○事務局 資料3について御説明いたします。

資料12については、これまでの検討の整理ということで御議論いただいたところでございますが、資料3「生食に係る食肉等の種別ごとの対応方針について(案)」ということで、食肉ごとにある程度具体的な方向性を示させていただいております。

1については「公衆衛生上のリスクの大きさを踏まえた検討の優先順位及び対応の方向性」ということで、「検討の優先順位について、表4をとりまとめた」ということにしておりますが、表4というのが、先ほど御議論いただいた資料1の中身になりますけれども、その検討の優先順位に従って検討いただく。

対応の方向性としましては、公衆衛生上のリスクが高いと考えられるものにつきましては、加熱義務や加工基準等の公衆管理の方策を設ける。

一方で、公衆衛生上のリスクが相対的に高くないと考えられるものについては、リスク低減策、現在研究されているものもございますし、そういったものについて引き続き検討し、また、既存の手法以外の新たな手法の検討も進めるということでどうかというのが基本的な方向性でございます。

2のところで食肉ごとの具体的な対応方針ということでまとめております。

「(1)生食による公衆衛生上のリスクが高いと考えられるもの」として、まず豚でございます。豚の食肉・内臓につきましては、危害要因がE型肝炎ウイルスであり、危害要因による健康被害の重篤性が大きく、HEVが血液や筋肉から検出されており、内部汚染であるということ。また、飲食店において提供実態があるということ。さらに、豚は、E型肝炎ウイルスに加えて寄生虫による危害も考えられるところ、内部までの加熱以外のリスク低減策が考えられないということを踏まえて、豚の肉・内臓につきましては中心部加熱が必要である旨の規格基準を設定することとしてはどうかということとしております。

次に、牛の内臓(肝臓を除く)につきましては、危害要因が腸管出血性大腸菌であり、危害要因による健康被害の重篤性等が大きいものではございますが、先ほど御指摘もあったように、表面汚染であると考えられること。また、飲食店において提供実態がございますけれども、胃や腸などが生食用として提供される場合にも、一般的には湯引き処理等がされているということでございます。その一方で、横隔膜などが現在のユッケの規格基準を満たさない形で提供されているという実態もあるというお話も聞いておりますので、そういったものについても留意する必要があろうかと考えております。

3点目に、確立されたルールとして生食できるほど安全なレベルにまでリスクを低減する方策は現在のところ認められていないということを踏まえまして、内臓表面からの腸管出血性大腸菌の内部浸潤に係る研究を行って、研究の結果、内部までの加熱が必要であることが明らかになれば、それを踏まえた方策、また、表面付近の加熱でありますとか、それ以外の管理方法により十分にリスクが低減されるということが明らかになれば、それを踏まえたリスク低減策を検討して、牛の内臓の部位のリスクに応じた衛生管理方法を策定することとしてはどうかと考えております。

リスク低減策としましては、研究の結果があっての話にはなりますが、最終的な処理の仕方というだけではなくて、御発言もありましたけれども、流通の各段階、プロセスにおける取り組みも含めて検討することが重要ではなかろうかと考えておりまして、基本的にはそういったものをガイドラインとしてまとめていくことも考えられますが、一方で、横隔膜のユッケなどの事例もございますので、そういったものについてどのように考えるかということについても本日御議論いただければと考えております。

3つ目の羊・山羊の食肉・内臓、野生鳥獣の食肉・内臓については、既に御説明したとおり、流通については非常に限定的で、公衆衛生全体に与える影響は潜在的でございますが、食中毒菌や寄生虫感染の危険性は高いということでございますので、食品事業者等に対して監視指導するとともに、生食すべきではないという旨を改めて周知徹底すべきである。調査会においても御発言がありましたけれども、現在流通実態が認められない、もしくは限定的であるというものについても、今後流通が増える、需要が増える可能性も考えられますので、その動向については留意する必要があるだろうという形でまとめております。

「(2)引き続き、リスク低減策について検討を行うもの」といたしまして、まず鶏の食肉・内臓については、現在検討されている生食が可能となるようなリスク低減策に関する研究の結果を踏まえて、具体的な対応方策を検討することとしたいと考えております。

次に、馬の内臓については、検討対象とすべき危害要因も含めまして、生食が可能となるような対応策について検討することとしたいと考えておりまして、既に御説明しました既存の行政手法以外の手法、警告表示でありますとか、自治体における情報把握の方法等々についても併せて御検討いただければと考えております。

 参考資料についても御説明をさせていただきます。

○山本座長 どうぞ。

○黒羽補佐 続きまして、参考資料2「食肉等の生食に対する消費者の意識の変化について」を配付しておりますので、簡単に説明させていただきます。参考資料2を御覧ください。

 前回の本調査会におきまして、消費者がどの程度生食肉のリスクを理解しているかということにつきまして御指摘をいただいておりました。

 食品安全委員会の食品安全モニターによる食品の安全性に関する意識調査が行われておりますので、その概要を説明いたします。

 食品安全委員会では、毎年、食品のリスクの評価や食品安全行政について一定の理解ができる人を対象に食品安全モニターを募集いたしまして、食の安全に関する食品安全モニター課題報告を実施しております。本資料は25年度の結果を抜粋したものでございます。

まず、(1)のグラフを御覧ください。肉の生食についてのリスク認知度につきましては、平成23年度から25年度の推移を示したものでございます。

グラフの一番上「重症になることさえある大きなリスクがあることを十分理解していた」という回答は、平成24年度では90.7%と、前年に比べまして大幅に増加いたしまして、平成25年度の調査では92.9%と微増しております。

 次の「子供、高齢者においては、特にリスクが大きい事実を知っていた」につきましては、平成24年度では72.7%と、23年の23.2%から大幅に増加しておりますが、平成25年度におきましては53.5%に減少しております。

 裏面に参りまして、「(2)肉の生食の変化」を御覧ください。

 このグラフは、馬、豚、鶏につきまして、それぞれ生の肉、レバーなどの生の臓器につて、過去1年間に食べたことがあるかについてグラフにしたものでございます。

このうち「食べたことはない」と回答した推移をそのグラフの上に記載しておりますが、馬の生肉、鶏の生肉につきましては、平成24年度では、平成23年度と比べて、「食べたことのない」との回答が38.2%から63.7%。55.9%から73.5%へ増えてございます。

 一方、平成25年度におきましては、平成24年度と比べて全ての食肉で「食べたことはない」という回答が減少しております。

参考資料2の御説明は以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

 それでは、資料3の今後の対応の仕方ということにつきまして、御意見をいただきたいと思います。石川委員。

○石川委員 資料3-1に表が出ていまして、先ほどの資料1と同じなので、恐らく今日会議が終わった後、これがいろんなところに出回るのだと思うのですけれども、1つは、これを消費者の方も見る可能性が高くなってくるので、もっと分かりやすくしていただきたいというお願いです。

ABDと書いてありますが、これは凡例を付けるべきで、どういうふうな基準でやっているのか分かりません。

流通実態ということについて、先ほど説明があったような、自治体で聞いたら、自治体ではある、なしというふうなことですね。自治体での把握とか業界での把握。そして、何よりも飲食店に出ているかどうかという流通のところが分かるのだったら、それを載せるべきであると思います。

リスク低減策については、ここに業界の方もいらっしゃいますので、検討はこれからなのか、困難なのかとか、そういう形で分けるべきではないかなと思っております。

 いろんな方が見ても分かりやすい上の項目の持ち方とか、そういうふうにしてぜひ出していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○山本座長 ありがとうございました。

 他にございますか。五十君委員。

○五十君委員 資料32の「(1)生食による公衆衛生上のリスクが高いと考えられるもの」の中の豚のところで、読んでいきますと、「豚の肉・内臓は中心部加熱が必要である旨の規格基準を設定する」という表現になっているのですが、これは裏返すと生食禁止ということになるのですか。ここのところが少し分かりにくいような気がします。規格基準を設定するということになると、その他の肉は大丈夫という信号にもなりますし、この辺のところは本当に規格基準を設定することが適切なのかというところを議論していただいたほうがいいのではないかと思うのですが。

○山本座長 規格基準の言葉の意味がいろいろ複雑かと思いますので、事務局から説明をお願いします。

○事務局 「規格基準」という形で書かせていただいたのは、豚の場合は内部にE型肝炎の危険性があるということで、中心部までの加熱という旨を規格基準に定めるということですから、実質的には豚の生食自体が禁止になるということでの趣旨でございます。

○五十君委員 実際レバーは生の状態で、加熱して食べるということで流通していると思いますし、豚肉も非加熱の状態のものが通常流通していて、規格をどういうふうに設定できるのかというところは表現によるという気がするものですから、確認しました。

○山本座長 どうぞ。

○事務局 牛の肝臓も生での流通は問題ありません。ただし、生食用としての提供はやめてください、という趣旨で加熱用として販売することとしており、豚の肉と内臓も牛の肝臓と同じように加熱を要するものとして販売してください、というような規格基準になります。

○五十君委員 確認できました。

○山本座長 豚の場合は牛のレバーと同じ、要するに、牛の肝臓と同じようにして、肉まで同じような規格基準を適用しようという考え方でございます。ですから、豚の生肉は普通に販売されるのですけれども、生食用としての提供はできないということですね。よろしいですか。どうぞ。

○事務局 今の御指摘として、この文書自体が、一般の方が見られると、規格基準が設定されるということで、規格基準というのはいろいろありますから、分かりづらいということであれば、座長と御相談させていただいて、表現ぶりについては分かりやすくさせていただきたいと思います。

○山本座長 どうぞ。

○野田(富)委員 豚の肉なり内臓が生に適さないというのは、業界あるいは消費者の方が重々御承知のとおりでございますので、それを再徹底するという趣旨には異論がないわけでございますが、それに対して規格基準云々ということまで果たして必要なのかどうかということについて、消費者サイドの視点というのが、この調査会のメンバーからいっても非常に少ないというのか、低い。実際に食べられる消費者の方々が何を望んでおいでになるのか、その辺りをもうちょっと調べて意向を反映させていただくようなことをこの検討過程でやっていただきたい。

先ほどの安全委員会の消費者のアンケート調査からすれば、松永委員がおっしゃったようなこととちょっと矛盾するような、皆さん、御承知の上で食べておいでになる。ただ、かなり偏った方々のようですから、例えば牛のレバーについてパブコメがなされたときにいろいろ意見があったかと思います。それをうまく整理していただいて、消費者の方はどういう意向なのだということが1つ案として提案できるのかなと。

もう一つは、実際に外食店においでになっている方々の御意見をもうちょっと聞くということもやっていただけたらなと。今の時代、皆さんの意見を聞くという手法はいろいろあるようでございますから、その辺りをもうちょっと聞いた上で、最終的にどういう手段が一番いいのかと。最終的には消費者の方々の健康と安全を守る、消費者の方々が何を望んでおいでになるのかということでしょうから、その辺りをもうちょっと詰めて検討していただきたいということをお願いしたいと思います。

○山本座長 松永委員、どうぞ。

○松永委員 食品安全委員会の食品安全モニター調査については、当事者である食品安全委員会の方がいらっしゃらないので、そちらの方が御説明すべきだと思うのですが、私が調べている限りでは、ここに「一定の理解」と書いてありますが、かなり詳しい理解をしておられる方が多い。大企業の品質保証部に所属するような方が情報収集するために食品安全モニターに入っているという実態もございますので、これをもとに消費者は理解しているというふうには言えないと思います。

 だったら、消費者がどう理解しているか、データがないではないかというふうにおっしゃられると思うのですけれども、1つは、実際に飲食店で相当数提供されていて、食べているという実態があって、そういう方たちがどういう意向をお持ちなのかということは重要ですが、E型肝炎という非常に大きいハザードがあって、喫食量がある程度ありそうだ、つまり、リスクが大きそうだというものについて、そういう調査に時間をかけて対策を先延ばしする。E型肝炎に関する知識がない、豚肉、豚レバーを食べることによってどれほどの大きな危害をこうむる可能性があるかということを御存じない消費者が、その調査期間中に食べて非常に大きな健康被害をこうむるということを考えると、調査をすればいいというものではないのだと思うのです。

その期間とそこで生まれる健康被害ということ、両方を考えていただいて、どうするかということを考えなければいけない。

そうすると、消費者の方の知識が今のところまだきちっと上がっていないという現状では、豚肉と豚レバーについてはなるべく早く措置していただきたい、規制していただくほうがいいのではないかなと個人的には思います。

○山本座長 ありがとうございました。

 それに関しまして、田崎委員、どうぞ。

○田崎委員 今のお話に関連してです。やはり未然防止ということが一番重要だと思いますので、松永委員のお話のとおりだと思います。

 先ほど営業者の方が提供することについて、選択の部分でございますけれども、そもそも食品衛生法、食品安全基本法にも事業者の安全確保の責任がうたわれておりまして、先ほど公衆衛生上の問題もありましたが、許可の制度というのが一般的禁止の解除という形で、リスクのある販売形態あるいは提供形態であるので、それを食品衛生法あるいは条例等で許可をとらせているということだと思います。

 そういった方々が食品を提供していく中で、選択するあるいは食品のリスクを知りながらも提供するというのは、もともとの考え方が少し違うのかなというふうに理解しています。

自治体の現場で働いている職員や監視員は同じように思っていると考えていますし、特に消費自治体である関東周辺は同じような意見だというふうに考えます。

豚肉については、リスクを知りながら確信犯的に販売している方もいらっしゃると思いますので、そういった部分についてもきちんと是正していかなくてはいけないです。

先ほど死ななければいい、あるいは病気にならなければいいという話がありましたけれども、そもそも楽しい食事をして病気になること自体が非常に問題でありますし、営業としてやっている以上はそういった責任を負う必要があるのかなと。

比喩になりますけれども、例えば御自分で猛毒があると言われているフグを海で釣ってきて、個人で食べる分については何の規制もないわけです。営業ということを考えていただいての判断が必要なのかなと思いますので、スピーディーな対応が望まれると考えます。

以上です。

○山本座長 ありがとうございました。

 豚に関して御意見。小林委員、どうぞ。

○小林委員 参考資料2にありますように、豚の生の肉、豚のレバーについても、恐らく食べたことがないという人がほとんどなわけですね。家庭ではまず食べない。物販でそういうものを生として食べられますよというふうには売っていない。あるとすれば飲食店でそういうものが行われているということで、それの統計上の結果が載っているのではないかなと思います。これは、もう少し情報を消費者の方あるいは飲食業界の人に伝えれば、済むことではないかなと思うのです。

 一つずつ加工基準あるいは禁止条項みたいなものをつくっていくと、食品はもろもろありますから、例えばキノコだって、これはいけない、これはいいよと全部出さなくてはいけないし、ジャガイモだって、一般的に売られているけれども、皆さん、芽は毒があるから食べないわけですね。その情報、常識的なものを皆さんにお流しすれば、あと一歩ででき得ることだと思うのですね。

 恐らくこういう基準をつくったりしなくてはいけないというふうに言っているのは、地区の保健所がそこまで徹底した指導ができないというところから来ていると思うのですよ。それはやり方がいろいろあって、生で提供しようと思っているようなところがある実態をきちんと出してもらって、あるいは届け出てもらって、きちんとした指導をする。

先ほどあった例えばレバーを何十度で何分間あれしなさいと。牛もそうなのですけれども、つくだ煮をつくりなさいという話なのですよ。生で食べるとしたら、こういう基準ですよなんて矛盾したことになっているわけで、その辺は、豚のレバー、豚の肉は生で食べるべきでないということをきちんと情報として流してやれば、でき得ることではないかなと思います。

○山本座長 そういう御意見があることは十分承知しているわけですが、実際のところなかなかそれだけではおさまっていない。情報提供していないのかというと、そうではなくて、各県のホームページもしくはインターネットで「豚の生レバー」というふうに引きますと、一斉に出てきます。各県は、ガイドラインではないですけれども、警告、そういうのをホームページに載せている。にもかかわらず、なかなかそういう提供実態が減っていないのではないかという話です。

他のことをちょっと比較されていましたけれども、キノコは毒キノコというものが区別できるのですが、残念ながら豚の場合は、この豚にE型肝炎ウイルスがいますよ、いませんよということを最初から全頭検査してということはできないということです。そういうことで、どの豚に入っているのか分かりませんので、生食としての提供は難しいだろうということだと思っております。

 区別できるものであれば、それを避けるように消費者には言えるということでありますし、また、販売者というか、事業者も、牛が禁止されているので、豚は禁止されていないからと言って、新たに提供を始めたところも増えたということを聞いておりますので、そういうことになりますと、それは事業者そのものが知識がなかったということで、そういう方たちは、指導を受けると提供しなくなったという実態は実際にはあるようですが、中には提供し続けているようなことも聞いておりますので、なかなか難しい。ただ単に指導だけでいけるのかということがあるかと思います。

 国民への情報提供という意味では、これからさらに努力が必要なのですけれども、本当にそれだけでよろしいのかという議論がされているところなので、それだけでよろしいということを全員の方がおっしゃるのであれば、そうなりますが、私としては、皆さん方の意見を聞いていますと、恐らくそうではないのではないかと考えられるところです。

 事務局から何か補足がありますか。

○事務局 豚の件につきましては、第2回の調査会におきまして田崎委員からもお話がありましたし、そもそもこの調査会が始まった1つのきっかけでもございまして、保健所による指導でどこまで徹底できるかということで、規格基準の必要性という御指摘もあったかと承知しておりまして、その辺をまた田崎委員からちょっと御説明いただければありがたいなと思います。

そういった豚の話もそうですし、牛の内臓についても今回御提示をさせていただいていて、基本的に湯引きがされているものもあるわけですけれども、そうでないものも提供されているのではないかという御指摘もあって、その辺りの感触について、実際の自治体の観点から御発言いただければよろしいかなと考えております。

○山本座長 田崎委員、何かありますか。

○田崎委員 御指名があったので。資料的には大したものを用意していないので分からないのですけれども、牛につきましては、レバーの禁止以降、提供されていないということでございますが、豚については提供もあり、例えば横隔膜とか、子宮とか、舌とか、ハツとか、そういったさまざまなものが生肉として提供されている実態がございます。

先ほど座長からもあったのですけれども、保健所も、リスクについては説明を丁寧にしながらも、どうしても提供したいと言っている事業者に対して法的な根拠は全くございませんので、その点については苦慮しているところでございます。

ちなみに、豚関係はさまざまな種類のものが少なからず提供されている実態があるということを御報告させていただきます。

以上です。

○山本座長 石川委員。

○石川委員 資料3の結論のところでございますけれども、今ほど小林委員から、明瞭に牛と豚の肝臓については食べないという方向で行ったほうがいいのではないかということが言われましたが、私も大賛成であります。

特に2の(1)の1つ目の○の線を引いている「規格基準」ということについて議論がされましたが、今の時点ではこの1行は要らないのではないか。この下の部分ですね。要するに、今は、生食、レバーとかそういったものについては禁止ということにするのでしょう。僕はそれに賛成なのですけれども。

○事務局 豚は、規格基準ということで、法律上も生食ができないようにする必要があるのではないかという趣旨でございます。今、周知や指導をしているわけですけれども、それでは一定の限界があるという御報告もありまして、強制力を持った規格基準が必要ではないかということでございます。

○石川委員 レバー以外のところでもということで。

○事務局 はい。豚については肉と内臓、両方についてです。

○石川委員 分かりました。

では、「規格基準」という文言についての問題ですね。それを整理していただくということですね。

○事務局 言い方、表現ぶりとして分かりやすくするということが必要であろうと考えています。

○石川委員 分かりました。

○山本座長 小林委員、どうぞ。

○小林委員 我々も提供すべきでないというのは同じ方向なのですね。豚のレバーも肉も生で食べるべきでない。

 なぜ提供されるという実態があるかというと、牛の肉の刺身について基準が厳しくなって、飲食業界ではそれの抜け穴みたいな形でやられている部分があると思うのです。

 同じように、2ページの「引き続き」云々ですが、羊・山羊はいいとしても、野生鳥獣、その他のものついて周知徹底すればいいと書いてあるわけですね。豚のレバーを食べなければ、今度鹿のレバーでも提供しようという話になるのですよ。それは逆に危険ですよ。だから、そういうものは一切提供すべきでないという方向で皆さんに周知徹底すれば、できる話ではないかと思う。これはとりあえずジビエについては周知徹底をするということなのでしょう。ちょっとおかしいのではないですか。

○山本座長 その場合の考え方は、流通の実態ということを踏まえてということになっているかと思いましたが、事務局、どうぞ。

○事務局 羊・山羊、野生鳥獣の関係につきましては、流通実態が非常に限定的でありますから、周知とか監視指導ということで対応してはどうかということで、食べるべきではないということを発信していくことが大事だという趣旨で書いております。

 一方で、豚の食肉・内臓については、一定の流通がある中で、同じような取り組みではこれまで効果に限界があったという御指摘もあって、生食は禁止であるということを周知だけではなくて、法律上の位置づけとして規制をしていくということで、豚については規定をしております。

 資料3で御議論いただきたいのは、まず豚について、法律上の位置づけとするということについて示しておりますので、その点を御議論いただきたい。

牛の内臓については、豚の場合と違って表面の汚染であるということと、一般的には湯引き処理などがされておりますので、そういったものを法律上の位置づけとして規定していくのか、あるいはガイドラインのようなもので流通の各段階も含めたプロセスを規定していくのかということが1つ論点になろうかと思っております。

基本的にはそういったプロセスにおける取り組みをガイドラインとして示していくということも考えられるところではあると思うのですが、先ほど田崎委員からも御発言があったように、ハラミがユッケとして提供されているようなものがあるというときに、そこもガイドラインでいいのか、そこは法律上の位置づけにすべきなのかどうかということも含めて御議論いただきたいということで、グラデーションのある整理をしているところでございます。

○山本座長 他に。どうぞ。

○野田(富)委員 端的に申し上げれば、法律で豚の関係を規制するというのは反対です。

 そうすると何が起こるかというと、次はジビエの関係、めん羊・山羊は生でいいのだなということで、またこのメニューが増えてくる。堂々めぐりの話になって、エンドレスになってしまいます。

 いずれにせよ、食物の関係について法律で安全性を担保する云々ということについてが、そもそもの疑問です。食べてはいけないものはだめに決まっているのだという考えを徹底すべきであって、牛のレバーを法的にどうこうしたことによって豚のレバーが出てきた。豚のレバーを禁止すれば、次は緬山羊のレバーなり鹿のレバーなりが堂々と売られることになります。そういうことであっていいのでしょうかという疑問です。ここはその辺りをもうちょっと考えていただく。

そもそも法律以前の問題ですし、危ないものを食べてはだめなのですよということを徹底しなければいけない。ただ、法律で網をかけなければいけないのか、というところはもうちょっと考えてもらいたいなと思います。

○山本座長 まさしく野田委員がおっしゃっているように、規制すれば次が出てくるという問題はあるわけですけれども、業界として提供を生でしないというふうにおっしゃってはいますが、実際に提供している業者がいるという実態が問題なのであって、そこをどう防いでいくかということを考えているわけですね。

 その方策として、ただ単に周知徹底させることだけでいいのかどうかということを議論いただいているわけですが、お二方ぐらいはそういうことでしょうか。どうぞ。

○事務局 今の御指摘、また次があるのではないかということを想定するのだとすれば、豚については、純粋に先ほどの監視指導の実行可能性も考慮すれば、法律、根拠を持った規制が必要だということだとすれば、山羊・羊についても同じように禁止を法的にすればいいではないかという御議論にもなるわけであります。その点はどこまでやるかというのは御議論いただければと思うのですけれども、今の整理においては、先ほど公衆衛生上のリスクのところで御説明させていただいたように、現状、流通が極めて少ないものについては行政がどこまで関与するかという点においては、規格基準というところまで必要ないのではないかという御議論も踏まえまして、こういうことで周知をこれまでもやってきておりますけれども、こういった御議論を今、していただいた後に、さらにリスクをきちっとコミュニケーションしていくということも今後していくわけですから、そういう中で周知を図ればどうかという整理になっているところでございます。

○山本座長 よろしいでしょうか。大分議論がいろいろと出ておりますけれども。加藤委員、どうぞ。

○加藤委員 特に牛の内臓の問題ですが、先ほど役所から牛の内臓は豚と違って表面のという話がありましたけれども、現実にそれは屠畜から解体、プライマルカットにして、それからポーションにして、そして量販店や外食産業に調理の素材として提供する。その中でどの段階で二次感染した、つまり、汚染されたリスクを取り除くかということの議論が大事であって、一律に法律で網をかけるというやり方は、今、消費者の話もありましたが、ましてや食肉の販売業者あるいは飲食店の業者は、これでそういうリスクが顕在化されて事故が起こるということはまさに業の生命線でありますから、川上を含めて取引先との間で完全なリスクの管理ができているか、あるいは汚染されたような形で食材を購入しているかということは、他の食材も含めて、かなり徹底した信頼関係を構築する中でやっています。それが一般的だと思うのです。

それをさらに強めていくための措置としての行政的な注意であったり、指導であったり、あるいはよくあるのでは認定とか届け出、そういうことも含めたことを全体的に考えていくということが大事でして、まさに一部統一したような、食べてはいけないという形の網をかけることは、そのリスクの大きさによって管理措置を決めるわけですから、それは絶対あってはならないのではないかというのが私どもの立場でありますので、そういう議論をぜひお願いしたいと思っています。

加工基準や規格基準という話がありましたけれども、そこの中身を議論して管理措置をつくっていくのがこの委員会の役割ではないかと思っています。

○山本座長 御意見のとおり、リスクの大きさに応じて管理措置を決めていこうということで議論を進めてきたというふうに私も認識しております。

豚について、途中の二次汚染ということで考えているわけではなくて、豚本来が持っているものということですので、それをいかに取り除くかということに関しての議論はなかなか難しくて、中に入っているものをいかに減らすかということはちょっと難しいだろうということでございます。

ですから、表面汚染だけで今後考えていけるものについてはもう少しデータも必要でしょうし、内臓であっても、今の精肉といいますか、普通の食肉として流通している肉と同じような扱い方のできる肉が若干残っているわけです。そういったものについては、それをどういう網の中に入れていくかというのはちょっと考えていかなければいけないことだと思いまして、こういう管理措置というのを提言しているところでございます。

時間も大分過ぎてまいりましたので、いろいろな御意見を伺わせていただきましたが、基本的に生食の肉を提供するというのはよろしくないというような考え方、当然生は食べるべきではないというのが皆さんの認識の中にあるのであろうと。それの規制のあり方ということに関しては、いろいろと方向性が違っている部分があったというような形でございます。

ということで、この調査会は3回の予定でしたけれども、第4回を開いて、1から3のことについて再度まとめて本調査会の報告書という形にしていきたいと思いますので、事務局の御準備よろしくお願いいたします。

それでは、議題「(2)その他」について、何かございますか。

○事務局 議題(2)としては特にないのですけれども、参考2のタイトルが「食肉等の生食に対する消費者の意識の変化について」ということで、実際は食品安全モニターの意識の変化でして、一般の消費者に具体的にアンケートをとったわけではないので、誤解を招く可能性がありますので、タイトルは適切に変更させていただきたいと思います。

○山本座長 それでは、次回の予定について、事務局より説明をお願いします。

○事務局 次回の本調査会の日程については改めて調整させていただきますので、よろしくお願いします。

○山本座長 それでは、以上をもちまして本日の調査会を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

<照会先>
医薬食品局食品安全部基準審査課
仲川(2488)
井河(2489)
代表:03-5253-1111

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