ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(科学技術部会疫学研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会・臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会) > 第11回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議 議事録(2014年5月1日)




2014年5月1日 第11回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議 議事録

大臣官房厚生科学課

○日時

平成26年5月1日(木)13:00〜18:45


○場所

文部科学省 3階 第1講堂


○出席者

委員

福井座長 楠岡座長代理 中村座長代理 跡見委員 磯部委員
位田委員 門脇委員 川村委員 久保委員 児玉委員
後藤委員 真田委員 新保委員 祖父江委員 田代委員
玉腰委員 知野委員 土屋委員 直江委員 花井委員
藤原委員 丸山委員 宮田委員 渡邉委員

事務局

小松局長 (文部科学省研究振興局)
山脇審議官 (文部科学省研究振興局)
板倉課長 (文部科学省研究振興局振興企画課)
伊藤安全対策官 (文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室)
丸山室長補佐 (文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室)
三浦技術総括審議官 (厚生労働省)
宮嵜課長 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
中山研究企画官 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
工藤課長補佐 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
一瀬課長 (厚生労働省医政局研究開発振興課)
高江課長補佐 (厚生労働省医政局研究開発振興課)

○議題

(1) 統合指針(草案)について
(2) その他

○配布資料

議事次第 議事次第
座席表 座席表
委員名簿 疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議委員名簿
資料1 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(草案)
資料2 指針各章(草案)の論点概要
資料3 第10 回合同会議の意見概要
資料4−1 倫理指針の適用と審査のまとめ等(川村委員提出資料)
資料4−2 侵襲概念に関連した統合指針の規定(田代委員提出資料)
参考資料1 第10 回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議議事録
参考資料2 統合指針(草案)前々回(2/26)から前回(3/26)の変更箇所
参考資料3 第9回合同会議の意見概要等
参考資料4 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(草案)と現行指針の対比表
参考資料5 高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会及び臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会について

○議事

○工藤課長補佐 ( 厚生労働省大臣官房厚生科学課 )  定刻となりましたので、第 11 回「疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議」を始めます。

 本日は、お忙しい中御出席いただきましてどうもありがとうございます。今回の会議には、今村委員、津金委員、中島委員、永水委員、山縣委員から御欠席との御連絡を頂いています。また、宮田委員からは 15 時半頃到着されるとの連絡を頂いており、後藤委員からは可能であれば遅れていらっしゃるとの連絡を頂いています。門脇先生は遅れているようですが間もなく到着をされることと思います。

 はじめに、事務局に人事異動がありましたので紹介をいたします。文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室丸山室長補佐です。

○丸山室長補佐 よろしくお願いいたします。

○工藤課長補佐 続きまして、配布資料の確認をさせていただきます。 1 枚紙で、本日の議事次第と配布資料を記載をしたものがあり、それに記載のとおり資料 1 、資料 2 、資料 3 、資料 4-1 、資料 4-2 がございます。資料 1 には、 5 ページ目のみの差換えとして 1 枚紙で追加配布をしてございます。また、参考資料集としまして、参考資料 1 〜参考資料 5 までがお手元に配布されていると思います。この他、委員の先生方の机上には参考資料として紙ファイルをとじたものが置かれています。前回までの会議資料については、事務局席に備え置いていますので、御覧になりたい方はお申しつけください。以上ですが、不備等がありましたら何なりと事務局までお知らせください。

 議事の円滑な実施のため、傍聴の方による写真、ビデオ等の撮影についてはここまでとさせていただきます。以降の議事進行は、福井座長によろしくお願いいたします。

○福井座長 それでは、議事に入りたいと思います。本日は 5 時間の会議ということで、できましたらそれより早く終わりたいと願っています。ただ、本日この案をまとめたいと考えていますので、もし案文に修正の意見があるときには具体的な修正案を述べていただければ大変助かります。いずれにしても、従来の会議よりは長丁場になりそうです。途中で区切りのよいところで休憩を挟みたいと思いますのでよろしくお願いします。

 本日の会議では、これまで余り議論をする時間がありませんでした後半部分から先に検討をしたいと考えています。第 7 章と第 8 章について事務局から案文の変更等についての説明をお願いいたします。

○高江補佐 ( 厚生労働省医政局研究開発振興課 )  それでは、第 7 章、 8 章について説明します。まず説明に先立ち、短期間の間に各委員の先生方からいろいろと御意見を頂きまして誠にありがとうございます。今回第 7 章と第 8 章に関しては、まだこの場で正式に議論をした形になっていませんが、頂いた御意見を踏まえ、できる限りそれを取り込んで今回指針の草案として出させていただいています。議論はされていませんが、修正が入っているということでそのような点を含めて説明を申し上げます。

 まず、資料 1 38 ページです。こちらは下の段から第 7 章になります。第 17 1 として、重篤な有害事象への対応として、研究の実施に伴ってとしておりましたが、おいてという形に直しています。

 次に 39 ページ上の ,(1) です。こちらは主な修正点として、当該研究に関連する重篤な有害事象の発生を知った場合という形で定義していましたが、この当該研究に関連するという定義が非常に分かりづらい。また、臨床の現場においては重篤な有害事象の発生があった場合には、速やかにその対応を図るとともに研究機関の長に報告をしていただいているという意見を頂きましたので、それに従い修正を行っています。

(2) に関しては、修字上の修正です。

(3) は、研究責任者がデータペースに当該有害事象に関する情報を登録する旨の規定をおいていましたが、実際その有害事象をデータベースに登録をするという行為自体に意味があるものではなく、やはり本来的には規制当局なり、 1 箇所に情報を集中させて解析させた上で情報を今後の研究、また行われている研究に生かしていくということが重要であるので、そのデータベースに登録をするのではなく、規制当局、例えば PMDA に登録すべきではないかなど、このようなデータベースに登録をするというようなことはある意味、意味がないので、ここは削除すべきという御意見を事前に頂いています。

PMDA への登録ですが、 PMDA は法律に基づいて PMDA が行うべき業務範囲が規定されており、現在薬事法に基づく有害事象の報告等は PMDA が受けることができますが、薬事法に関連しない臨床研究に関しての作業を行うということが、法律上定められていないことから、 PMDA にそれを実際にしていただくためには法改正が必要となってきます。

 ここの関係については、現在この合同会議とは別に厚生労働省で臨床研究の在り方に関する検討会として、法制度も含めて今年の秋までに検討を進めるということで検討をしています。ここで頂いた御意見も含めて、そちらでどのような在り方がよろしいかについては検討をさせていただきたいという趣旨で、ここは削除をさせていただいたものです。

39 ページ 3 (3) です。こちらも研究に関連するというのが分かりづらいということで、明確に当該研究との直接の因果関係が否定できないときは、当該有害事象を生じた研究対象者に研究を実施した研究機関の長が、厚生労働大臣に報告をするという形に変えさせていただいています。研究に関連するという言い振りが分かりづらいということと、多施設共同研究の際に、誰がどのような形で厚労大臣に報告をするのかという手続が煩雑になるのを避けるために、このような形で修正をしています。この修正に伴い、※ 150 は削除をさせていただいています。

 続さまして、第 8 40 ページです。第 18. 利益相反の管理です。こちらは (2) として、研究者等は、 (3) の規定により研究計画に記載された利益相反に関する状況を、第 12 に規定をするインフォームド・コンセントを受ける手続において研究対象者等に説明をしなければならないというものを加えています。こちらはもともとの括弧に今の (3) ですが、利益相反に関する情況を研究計画書に記載するという記載がありましたが、患者の説明同意文書に記載をし、きちんと説明した上でインフォームド・コンセントを受けるという記載はありませんでしたので、こちらの (2) で新たに受けさせていただいてます。

 続きまして 41 ページです。モニタリング及び監査の所です。 (2) 行うを、に従事する者としており、これは修字上の修正です。

(3) です。こちらはかなり変えています。研究責任者は、監査の対象となる研究の実施に携わる者及びそのモニタリングに従事する者に、監査を行わせてはならないという形にしています。こちらに関して、御意見としてモニタリング、具体的には症例がどれぐらいのスピードでエントリーされているか、また起こった有害事象がどのようなものがあって、それが研究計画と照らし合わせて、どのような位置づけのものか等を、研究計画に従って実際に行われている研究の内容をモニターして適切な対応を図っていくための措置です。そういった意味合いから考えると、モニタリングを第三者にさせると研究計画の中身が分かっていない人はモニタリングができないというところの指摘があり、モニタリングに関しては研究責任者又はそれが指名する者、要するに、中身が分かっている方がきちんと行っていただく。ただ、ある意味不正行為など、不適切なモニタリングがなされているかどうかというのを、モニタリングの手順なり研究の実施の状況について監査を行う。この者は、きちんと第三者性を保った形で行うことが必要だという形の御意見を頂きましたので、そのような形で修正をさせていただいています。

(4) に関しては、これも修字上の修正です。

(3) モニタリングと監査の位置づけを変えたことに伴い、下の※ 157 を削除しています。第 7 章と第 8 章の変更点についての説明は以上です。

 関連して、資料一番下に参考資料 5 とありますが、こちらは報告事項ですが説明を併せてさせていただければと思います。高血圧症治療薬ディオバンの臨床研究事案という 2 アップのスライドのものです。

 合同会議が始まった後に、いろいろと社会問題化したものです。経緯が書いてありますが、 5 つの大学、京都府立医科大学、東京慈恵会医科大学、千葉大学、滋賀医科大学、名古屋大学で行われているノバルティスファーマ社の降圧剤バルサルタン、販売名ディオバンですが、こちらの研究論文についての血圧値の疑義が指摘され、京都府立医大が論文撤回をしています。その後、ノバルティス社の当時の社員が大阪市立大学非常勤講師の肩書でこれらの研究に関わっていたという指摘があり、厚生労働省より事情聴取の上、指導をしていましたが、その後京都府立医科大学と東京慈恵会医科大学においてデータの操作が認められたという内部調査の結果が公表されているところです。

 下の「これまでの取組」ですが、昨年 8 月に高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会を開催して、関係者からのヒアリングも含めて行いまして、第 3 回の検討委員会で 10 月に中間取りまとめ、また本年 3 月に行われました第 5 回の検討委員会において報告書案について議論を行い、今年 4 11 日に報告書を取りまとめています。

 また、これに関連して自主点検の実施・報告で、主に臨床研究を実施されている 117 機関に対して倫理指針の遵守状況、またこのようなデータの改ざん疑惑があるかどうか、また利益相反の管理に問題がある事例はないことということについて自主点検をしていただいたところです。

 次ページ、上の段に書いている部分はこの検討委員会の構成、目的です。名古屋大学名誉教授の森嶌先生に委員長をお願いして進めてまいりました。下の段に報告書の概要を付けています。事案の背景と問題の所在として医学的研究課題の解明に向けられたものとは言えない臨床研究、講座の結束を高めたいなど、そのような理由を研究責任者は述べているということで被験者保護の観点から問題だろう。

 また、実態として社員が一人で行っているというよりは、やはり組織としてデータの改ざんはともかく、組織として今回の事案に関与している。また大学、ノバルティス社双方が利益相反管理に問題があった。またデータ操作に関わっていないことの説明責任が十分果たされていない。また、その実施責任者・倫理審査委員会が不十分な対応であったり、資料の廃棄により検証ができなかったということがあった。下のカラムですが、今後の対応と再発防止策で、法制度に係る検討については本年秋までに進める。また、臨床研究に関する倫理指針の見直しの一環として必要な対応を図るということが提言されており、 (1) は法制度の検討です。 (2) として○ 1 〜○ 4 まであります。倫理審査委員会の機能強化と審査の透明性の確保、研究責任者の責務の明確化と教育・研修の徹底、データ改ざん防止体制の構築、資料の保管管理の体制・ルールの整備の 4 つを受けて、ただいま第 8 章で説明をしたようなところです。また、倫理審査委員会については第 4 章ですが、このような点からいろいろ事務局で案を作成させていただいて、御意見を今頂いているという状況があります。

 その他、この指針でカバーする範囲ではないかもしれませんが、研究機関と製薬企業間の透明性確保、企業のガバナンスの徹底等があります。また、その他の重要課題の 1 つ目にありますが、本年 1 9 日の医薬食品局長がノバルティス社及び関係者を薬事法の虚偽広告の違反の疑いで刑事告発をしているところです。

 最後のページです。この提言を受け、臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会を立ち上げたところです。我が国の臨床研究の信頼を早急に回復するため、法制度を含めた臨床研究に係る制度の在り方についての検討を目的としています。主な検討事項としては、臨床研究の質の確保、被験者の保護、透明性の確保と利益相反管理を掲げています。

 本年 4 17 日に、第 1 回の会議を行っています。委員として遠藤先生に座長をお願いし、今後も検討を進めることとしています。先ほど申し上げた法律、 PMDA 法の改正が必要な事項や ICH-GCP そのものを適応せよという御意見もありましたが、そのためにはきちんと規制当局への届出体制を作らなければ、 ICH-GCP の適応にはならないということも鑑みて、そのような法律の改正が必要な事項に関しては、こちらの合同会議で頂いた御意見も踏まえて検討をさせていただきたいということを考えています。参考までに紹介をさせていただきました。事務局からは以上です。

○福井座長 それでは確認の作業も含めまして、第 7 章、 38 ページの第 17 1 の文章については特に御意見はありませんでしょうか。 2 研究責任者の対応 (1) については修正が入っていますが、この文章について何か御意見はありませんでしょうか。

 できましたら一つ一つ確認しながらいければと思っています。ここで、 39 ページの上から 2 行目の速やかに研究機関の長の指示がここにもう既に入っていますけれども、これはその 1 行下にある研究機関の長に報告する前に、研究機関の長の指示があるように、何となく読めるのですが、これはあらがじめ研究機関の長が作っておいた指示という意味でしょうか。もし必要でなければこの文言をなくして、 3(1) の規定による手順書等に従いの方が分かりやすいのではないかと私は思いました。もし御意見がありましたらどうぞ。よろしいですか。また途中で何か思い出したことがありましたら戻りたいと思います。

(2) 研究責任者はから始まる文章についてはいかがでしょうか。 (3) は削除ということで、かなり大きな変更だと思います。これについてはよろしいですか。

○位田委員 質問です。この (3) を削除したその代わりというわけではありませんが、それに対応するものとして、 3 (3) 研究機関の長に報告するので、研究機関の長はそれを厚生労働大臣に報告をする、そういう立て付けにしているということでしょうか。

○高江課長補佐 まさに位田委員が今おっしゃられた形で、研究責任者の責務としてはここを落しましたが、実際上は、研究機関の長が速やかに厚生労働大臣に報告するとともに、結果を公表するという規定になっていますので、ここで公表自体は担保される形で考えています。

○位田委員 そのあと、報告を受けて厚生労働大臣は何をするのかは特に書いてないのですが、その辺りはどうお考えでしょうか。

○高江課長補佐 具体的にはその内容によるわけですが、一義的にはその研究機関若しくはその多施設共同研究の中で事実的にそのような情報がきちんと反映された上で、かつ必要に応じて研究計画書の修正なりそうした対応がなされると思います。ただ、その内容によって非常に迅速、かつ速やかに対応を取らないと、人がたくさん死ぬとか、そういった事態がどういう形が想定されるかがあれですけれども、その場合には緊急情報の取扱いみたいな規定が厚生労働省にありますので、そのような規定に則った対応とか、あと、その報告を受けた際に、研究責任者なり機関に確認を取って、きちんとした対応がなされているかという形のリマインドを行うことを具体的には想定しています。

○位田委員 そのことは書かなくていいですか。その報告を受けて厚生労働大臣は適切な措置を取る、必要であれば適切な措置を取るとか何か、そういう必要はないでしょうか。ある意味では決まり切ったことだと言えないわけではないとは思うのですが。

○高江課長補佐 基本的にこの臨床研究に関する指針は厚生労働大臣向けではなく、研究機関、研究者に向けてのものですので、そこまで書かなくてもいいのかなと考えています。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。

○楠岡座長代理 先ほどの (1) に戻って恐縮ですけれども、今、福井先生の御意見は、研究機関の長の指示は削除してもいいのではないかという御意見と理解してよろしいですか。

○福井座長 つまりもう既に報告というのがあとに出てきていますので、報告の前に、もし指示があったということであれば、あらかじめ何か文章としてあるのかと思ったのですが。

○楠岡座長代理 ここは後の適切な対応を図るということで、被験者に対する治療等を行うということで、通常は 3 (1) の規定による手順書に書かれていることに従うわけですけれど、そこでは想定してないような場合は、やはりその研究の実施許可者である研究機関の長が指示をする必要もあるのではないかということで、文章上は置いておいた方がいいのではないかと思いますが。

○福井座長 どちらでもいいのですが、これを読んでいると前後関係がちょっとおかしいなというような印象を持ったものですから、内容的には先生がおっしゃったことは当然行われると思います。細かいことで申し訳ないです。

○跡見委員  3 (3) の下から 2 行目が少し分からないのですが、当該研究との直接の因果関係が否定できないときには、当該有害事象を生じた研究対象者に研究を実施した研究機関の長は、速やかに、厚生労働大臣に報告するという、言葉の意味がちょっと分からないので、多分これは、当該有害事象を生じた研究を実施した研究機関の長はとか、研究対象者にというのがここに入るのは、もっと前に入るのですかね、研究対象者に有害事象を生じた研究を実施した研究機関の長はという、文章の並び方でこの意味が通じなくなっているのではないかと思います。

○工藤課長補佐 御指摘の箇所は、有害事象を生じた研究対象者が研究を実施された研究機関の長から報告してもらう趣旨で記載しています。

○跡見委員 分かる気はしますけれど、研究対象者に有害事象を生じた。

○工藤課長補佐 その有害事象症例が発生した研究機関の長が報告するということを規定しようとしています。

○跡見委員 なるほど、非常に分かりにくいですよね。言葉としてもう少しいい言葉がないですか。

○福井座長 そのまま、研究機関の長はにすると通じないですか。

○高江課長補佐 これをそのままにしてしまうと、実際に生じた分担の機関の長がするのか、多施設の場合にその責任の所がするのか、誰がするのか分からないところがあったので、これは有害事象が生じた研究機関の長が報告をすればそれで足りるという趣旨ですので、跡見先生の御意見も踏まえて、今、修文案を考えていたのですが、すぐに思いつかないのですが、「当該有害事象が発生した研究機関の長は」でもしよろしければシンプルにいこうかと思いますけれど。

○福井座長 その方が分かりやすいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

知野委員 先ほどの (1) を私も読ませていただいて、委員長が指摘されたように時間、前後の関係が捉えにくいと思います。この案ですと、 2 行目の、「その旨を研究機関の長に報告するとともに」というのを消されていますけれども、ただ、ここを復活させたらどうかと思います。ここを復活させると一つの文がものすごく長くなってしまいますので、その次の行の「適切な対応を図るとともに」の所を「適切な対応を図る」で一回切って、「その旨をまた報告しなければならない」とした方が言いたいことが明確になるのではないかと思いました。

○福井座長  4 行目のその旨というのは、適切な対応も含めて報告ということですよね。

○知野委員 そうです。

○福井座長 ですからその方が分かりやすいかと思います。その方向で文言の整理をしたいと思います。

○高江課長補佐 はい。

○福井座長 ほかにはいかがでしょう。

○位田委員 先ほどの (3) の所は若干混乱したのですが。 2 (1) の研究責任者は全体の研究責任者のことをいうのでしょうか、それとも末端の研究機関でももちろん研究責任者を置くのでしょうから、そちらを言うのでしょうか。先ほどの 3 (3) は末端の機関の長が報告するという話ですけれど、要するに有害事象が生じたときに研究責任者が有害事象を把握して、機関の長に報告をするという、そこは中心機関の責任者のことを考えているのでしょうか。

○高江課長補佐 この (1) に関して、重篤な有害事象の発生を知った場合にはこれは重篤な有害事象が発生した機関の研究責任者です。

○福井座長 よろしいでしょうか。

○位田委員 ある意味では末端の研究機関の研究責任者及び研究機関の長はそれなりの対応を取るけれども、その有害事象が生じたということが全体の研究責任者に報告がいくという規定は、 (2) でいくのでしょうか。

○高江課長補佐 はい、そうです。 (2) でほかの研究機関と共同で実施する侵襲を伴う研究の実施において、重篤な有害事象の発生を知った場合には、ほかの共同機関の研究責任者に対して報告するという規定です。 (1) の又以下の研究者等に対しては、これは起こった研究機関内での周知という形で考えていただければと思います。

○位田委員 多施設共同研究のときには、倫理審査は基本的に中央機関で一括してやるという話があるのですが、こういう重篤な有害事象が出たときにも、重篤な有害事象が出たという報告を中心機関の研究責任者が把握して流すという、そういうある意味ではピラミッド式の情報体制は必ずしも必要ではないと。これらと末端から全部に知らせるという話になるわけですよね。その辺の制度の組立てですが。

○高江課長補佐 事務局で言うより、実際の臨床研究を多施設でされている先生の御意見をお伺いしたいのですが。制度ありきではなくて、今の実態として中央集権的に一度集めて、そこからしか各責任者に情報がいかないという形なのか、それともまずは取りあえず素早く伝えるという観点から事象が起こった所から伝えているというのが、現状について、どなたか御意見を頂ければ大変有り難く存じます。

○位田委員 若干誤解を生んだかもしれません。まず中央機関にという意味ではなくて、もちろん末端からはすぐに情報は送るけれども、中央機関でその重篤な情報を中央機関として把握するという、そういう条文はいらないかという意味です。

○福井座長 恐らく両方必要だと思いますけれど、いかがでしょうか。当然、当該機関と中央の。

○直江委員 多分この混乱の理由は、研究責任者というものの定義だと思います。この倫理指針では 2 つの意味に使われていまして、全体の多施設共同の場合に、全体の PI は研究責任者ですけれども、各医療機関、分担の医療機関のトップと言いますか、ドクターの研究責任者のトップも、研究責任者というようになっていますので、多分そこの言葉の使い分けだと思います。一般的には多施設共同研究の場合に、何かそういう有害事象が生じた場合には、その医療機関の研究責任者から全体の PI に、まず、必ず事務局を通して連絡がいくと。それから、その PI から各施設に情報をスプレイドするという構造が普通かと思います。

○福井座長 ほとんどそうなっていると思いますけれども。そのことをもし文言として何か残した方がよければ、また考えていただくことになるかと思います。今のはこの方向でまた事務局と相談したいと思います。

○直江委員  3 (2) (3) に関わることですが、 (2) で研究機関の長は当該有害事象について、倫理審査委員会の意見を聴きというところがあるのですが、これは有害事象をできるだけ早く報告するという観点で (3) の場合に、厚生労働大臣に報告するということになるわけですが、その前に倫理審査委員会の意見を聴くということがあるように読めるのですが、それでよろしいのでしょうか。一般的には多分、研究責任者は、有害事象があった場合には、普通は、今回安全性評価委員会というプロトコールに定まったところの意見で、外部委員の意見を聴いて、それをもってこれはどのくらいの報告義務のある、重大性があるかということを判断して上げるというのが普通だと思うのです。これだと緊急に研究機関の長と倫理審査委員会が動かなければいけないというように読めるので、かなり負担が強いかと思うのですが、この辺はいかがでしょうか。

○高江課長補佐 すみません、厚生労働大臣の報告との関係ですが、それについては厚生労働大臣は別に事前に届出を受けているわけでも何でもなく、計画の中身も分からず、ただ何かが起きましたという形で御報告いただいても、こちらとしてもその検討ができませんので、厚生労働大臣の報告の前にきちんと倫理審査委員会の意見を聴いて、必要な措置も含めて御報告いただいた上で、その対応状況と結果を公表していただくという立て付けを想定しています。

○直江委員 そうすると (3) の因果関係が否定できない場合というのがありまして、これを誰が判断するのかということを含めますと、この (2) で倫理審査委員会と読めるかなと、ちょっと思ったのですが、必ずしもそうではなくていいということですか。

○高江課長補佐 直接の因果関係をどこで判断するかということにかかわらず、後段の規定が、速やかにとなっていますが、厚労大臣に報告するとともに、対応の状況及び結果公表となっていますので、そこのところは直接の因果関係が否定できないのが倫理審査委員会でなければ絶対に駄目だということではないのですが、最終的に経緯上、倫理審査委員会の意見はもう聴いている状況で、我々は報告を受けるという概念でいます。

○福井座長 ほかの委員の先生方はいかがでしょうか。

○藤原委員 今の直江先生の、 (3) の所は多分シングル、単施設での有害事象の報告の流れを一番想定していて、直江先生がおっしゃるような多施設の所は、上の 2 (2) とか多施設共同研究の共同研究機間の対応等で読んでいると思うのですね。ここはあくまでも自施設で起きた有害事象に対して、それをすぐその施設の、例えば病院長ならそういうことに対して院内をどのように反応するかというようなところに係って、倫理審査委員会というのが出ているのであって、効安などの話は、下の脚注 148 で、効果安全性評価委員会とありますけれども、その辺の機能としてちょっと分けて考えた方がいいように思います。ですから今の記載ぶりで何か混乱するわけではないというように私は思いますけれど。

○楠岡座長代理 この辺の効果安全性委員会も含めた流れは、かなりケースバイケースのところがあります。当院でも経験事例の中で倫理審査委員会 IRB に報告があり、まだ効果安全性委員会の結論が出てないので、それを待つけれども、その間は新規登録をしばらく中止しなさいという判断が出たことがあります。ケースバイケースのところがあって、どっちが先かというのもそのときの時間関係で決まってきますので、立て付けとしてはこれでよくて、あとは運用上で検討していかざるを得ないようなところになるのではないかという気がします。

○福井座長 よろしいでしょうか。このまま進めさせていただきたいと思います。もしほかになければ、第 8 章に移りたいと思います。 40 ページです。第 18 利益相反の管理 (1)(2)(3) についてはいかがでしょうか。

 ちょっと読んで、 (2) (3) は順番が入れ替わった方が何となくいいのではないかと思うのですがいかがでしょうか。最初に研究計画書に記載を書かれて、それからその次がインフォームド・コンセントの方がいいかと思いました。

 ほかに何かありませんでしょうか。

○跡見委員 ちょっと戻って申し訳ないのですが、有害事象が起こったときに、対応を、一番欠けていると思われるのは、研究対象者にいつ説明するかということ、多分※ 146 の手順書、注に載っているのは各研究機関で手順書を作成すると書いてあるので、各研究機関がそれを決めればいいと思うのですが、やはり起こったときに研究責任者がそういう可能性があるよということを、まず最初に研究対象者に説明するという、そこをどこかに書いておくべきではないかと思うのですが、それがちょっと抜けているような気がしますけれども、どこかにあれば。

○福井座長 ちょっとほかの所に書いてあるかどうかは思い出せないのですが。

○跡見委員 全部見たのですがなさそうですね。

○福井座長 もしそうであれば、また。

○高江課長補佐 跡見委員の御意見を踏まえて、 1 つどこかに研究責任者の対応のところに落とすか、若しくは※ 147 の所は 148 に適切な対応を図るというのがありますので、そこの中に今、先生がおっしゃられた、きちんと対象者に対して起こるということを、書く旨を付け加えさせていただくと、それでよろしいでしょうか。

○福井座長 それでは、研究対象者への速やかな説明を含むみたいなそういう文言をどこかに入れていただくということで。

○跡見委員 はい、了解です。

○位田委員 簡単なのですが、第 8 章のタイトルが研究結果の信頼性確保とあって、第 18 が利益相反の管理ということですが、利益相反は研究結果だけではなくて、恐らく研究の信頼性確保の方がいいかと思います。

○福井座長 その方がいいのではないかと思いますが、ほかの委員の先生方はいかがでしょうか。丸山委員、よろしいですか。

○丸山委員 はい。

○福井座長 それでは、その方向で文言を変更していただきたいと思います。

 第 19 研究に係る試料及び情報等の保存について、 (1) (6) にいろいろな期間の数値が入っています。このことについて、御意見を伺えればと思います。当該研究に係る情報等について、少なくとも当該研究の終了後 5 年を経過した日又は当該研究の結果の公表後 3 年を経過した日のいずれか遅い日まで、適切に保存しなければならないということですが、今回の指針では大体これぐらいの数字でよろしいでしょうか。丸山委員、何か御意見がありましたら、よろしいですか。

○丸山委員 長い方がいいと思うのですが、カルテの保存期間が 5 年というのが影響して、やはりここだけ変えるというのは難しいかと思います。

○児玉委員 私も長い方がいいかと思うのですが、高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会でも、資料廃棄により検証が不能になるという指摘が出ていたみたいですけれど、そちらでは特に期間の提案などはなかったのでしょうか。

○福井座長 事務局は分かりますか。

○高江課長補佐 具体的な期間の提案はありませんでした。

○花井委員 具体的な期間の提案はなかったのですが、そもそもあの検討会で調べるに当たって 5 年ではやはり短すぎたということがあり、そういうことから考えると、 10 年ぐらいはいるのではないかとどこでも言っています。カルテの保存期間との関連で言えば、例えば生物由来製品の薬事法上は、カルテの保存期間を超えて保存を求めているものもあるので、今は法制化のいろいろな検討をしているようですが、皆さんよければ長めにできるのならその方がいいと思います。

○福井座長 いかがでしょうか。

○田代委員 第 19 に関して今までの話を踏まえますと、もちろんカルテの保存期間ですとか、現実可能性があるので具体的に書くところは制限せざるを得ないのですが、一般論としては可能な限り長期間保存していただくことが原則ではないかと思います。今のところは、努力義務としても、例えば「研究機関の長は研究に係る情報等について、可能な限り長期間保存するように努めるものとする」といった文言もありません。しかし、これまでは研究は終わったら全部廃棄しなさいと定められていたものを、今後はなるべく検証できるように、可能な限り保存していただくよう変える方向で議論してきたはずです。現状ではそういった一般的な文言がないので、それでこういう特定の研究だけ、少し短めの期間ですが、義務を課すとなっています。そこで 1 つには、一般的には長期間保存するように努めるものとするというような文言を書いた上で、特定の研究に関しては 5 年という絞り方をするという案があると思います。

○福井座長 いかがでしょうか。研究期間にもよりますけれども、あっという間に資料が山積みになって、あれを見ていると 10 年は何かきついなという気持ちは現場ではいたします。

○直江委員 私も個人的には長いことに反対はできないのですが、ただ、薬事法では 5 年ではないでしょうか。ちょっと確認がいりますけれども、新薬審査はいかがですか。

○高江課長補佐 薬事法は治験終了後 5 年か承認されるまで。

○楠岡座長代理 承認後 5 年か何かではなかったですか。

○高江課長補佐 承認後 5 年ですか、すみませんでした。

○楠岡座長代理 中止若しくは承認後か何かでしたか。

○直江委員 確認していただくとして、やはり薬事法が決めている以上に、ここだけを厳しくするのはどうなのかなというか、全体でそのようになればいいとは思うのですが、臨床研究の方が厳しいというのはなかなか理解が得られにくいかなという感じがします。

○高江課長補佐 すみません、薬事法の GCP 症例の記録の保存の規定ですが、「被験薬に係る医薬品についての製造販売の承認を受ける日又は治験の中止若しくは終了の後 3 年を経過した日のうち、いずれか遅い日までの期間保存しなければならない」となっています。

○福井座長 それでは、承認までということですか。

○高江課長補佐 はい。又は、治験の終了後 3 年です。

○福井座長 いかがいたしましょうか。もし、より長い方が望ましいというような文言を入れるかどうか。でも、求められるのは今回の指針ではこの 5 3 年という数値で。

○高江課長補佐 ちょっと事務局の不手際が多くて大変申し訳ありません。今のは治験の実施医療機関に対しての規定であって、薬事法上、製造販売業者、企業にはもっと長い保存義務がかかっているのですが、今ちょっと具体的な数字が出てこなくて大変申し訳ありません。

○福井座長 取りあえずどういたしましょうか。もしよろしければこの数字で、今回の指針はいきたいと思います。より長い方が望ましいというような文言をどこかに入れるかどうかですが、いかがでしょうか。

○田代委員 先ほど言った点ですが、一般論として研究データの保存については、やはり必ず一定の期間保存するのが望ましいということを頭においた方がいいのではないでしょうか。つまり、第 19 に全くそれが書かれておらず、「正確に作成し管理をしなさい」ということだけが書かれており、できれば保存してほしいということが書かれていません。ですので、もちろん現実可能性があるので、努力義務にとどまるとは思いますが、そういうことを書く必要があるのではないかと思うのです。具体的には第 19 (6) の頭に、特に医薬品や医療機器の臨床試験に限らず、「臨床研究のデータは可能な範囲で長期間保存するよう努めるものとする」と書いて良いのではないかと思います。そういう原則なしに、少なくとも 5 年と書いてしまうと、 5 年経ったら全部捨てていいのかという話にもなりかねないので、それぐらいは書いても良いのではないでしょうか。

○高江課長補佐 今の田代委員の御意見ですと、 (6) を、研究機関の長は、可能な限り、長期間、当該研究に係る情報等について保存することに努めなければならない。なお書きで、医薬品の場合は 5 年と 3 年と明示するという形かと思いますが、これを本文に入れるか注釈に入れるかだと思いますが、基本的には本文に入れる形で、御意見がなければ事務局としてはそのような形にさせていただければと思いますがいかがでしょうか。

○丸山委員 賛成です。

○福井座長 それでは、その方向でこの文章を微調整させていただきたいと思います。

○楠岡座長代理 この (6) は、初めて医薬品又は医療機器の有効性又は安全性に関する研究という言葉が出てくるのですが、このままですと、後ろ向き観察研究でも、有効性、安全性を検証する研究も入ってしまいます。これは明らかに前向き介入研究を意識していると思うのですが、そういうようなはっきりした言葉にしておかないと、医薬品の安全性を後ろ向きにするのも、全部同じ扱いが必要になるというのはあとのモニタリング・鑑査にも関わってくるところだと思いますけれども、この点は注釈とか何かする予定はあるのでしょうか。

○高江課長補佐 具体的にはどのような。

○楠岡座長代理 医薬品又は医療機器の有効性又は安全性に関する介入研究ですか、今までの使われている用語では介入研究であれば、臨床試験だと思うので、観察研究はそれとは全然違いますので、介入研究と言えば多分限定されると思います。

○藤原委員 おっしゃるとおり楠岡先生と同じで、その下のモニタリングもそうなのですが、もし修文するのであれば、侵襲があって、なおかつ軽微な侵襲を除いた研究で介入を伴う研究というようにすれば臨床試験と同じ同義になるので、そのようにしておけば、例えば手術手技や細胞療法など、技術を伴うような介入の臨床試験もありますから、広く包含できると思いますので、修文されるなら侵襲と介入という言葉がちゃんと入った定義の方がいいと思います。

○福井座長 それはどの文章の話でしょうか。 (6) の話なのか、モニタリング及び鑑査の文章も含めて。

○藤原委員 両方とも、 (6) とモニタリング 20 (1) です。両方とも医薬品又は医療機器の有効性又は安全性に関する研究を実施する場合となっていますけれども、あくまでも介入と侵襲がしっかりある研究というようにした方が、より幅広く、しかも被験者の方々にその安全性の懸念が高くなりそうなところを厳しくやるということになると思うのですが。

○福井座長 医薬品又は医療機器の有効性又は安全性に関するもので、侵襲を伴う介入研究という、その両方、全部入るわけですね。

○藤原委員 医薬品と医療機器という言葉は外して、「侵襲 ( 軽微な侵襲を除く ) を伴う研究であって、介入を伴うもの」とか、それで一括りできると思います。

○福井座長 いかがでしょうか。

○直江委員 藤原先生の意見には賛成ですが、そもそもこの 19 は、臨床研究だけではなくて、疫学研究も係っている全体の研究の資料の保管という、そういう前提の話ですよね。そうするとこれは、例えば疫学研究において、試料の保存については、一言もではないですが、○ 5 は適用されないということになってしまうのが少しどうかなというように思うのですが、それはまたそれで別に定義するのか、それともそれを包含したものでやるのかというところの議論が必要な気がします。

○福井座長 先ほどの事務局の案で、 41 ページの (6) の最初の所にできるだけ長く保存するということが全ての研究を対象とした話で、それで更にその中でこれこれの研究については 5 年とか 3 年という数字が出てくるという、そういう構成になると思うのですが、疫学研究については具体的な数字が出てこないということにもなります。

○直江委員 定義する必要があるかどうかは分かりませんけれども、ただ、そこまでいうことであれば、まず、ジェネラルなことを最初に示して、先生がおっしゃるように、侵襲を伴う介入研究の場合には、少なくともこれだけは必要という書きぶりがいいと思います。

○祖父江委員 試料の保管に関して、できるだけ長くというのは普通、研究の再現性を確認する意味ではいいんですけれども、個人情報が入っている状態で保存するのか、そうでないのか、大分違ってくるような気がします。長期保存することによって、個人情報の漏洩のリスクがありますので、匿名化した状態であれば長期保存は望ましいとは思いますけれども、必ずしもずっと管理が行き届かない形での長期保存は、よろしくないような気もします。

○福井座長 場合分けをこれからしていきますと、なかなか大変な文章になっていくと思うのですが、一応、包括的に長く保存することが求められるという文章で、それで最低限こういう研究については何年何年ということで今回の指針をまとめたらどうかなと思います。恐らく個人情報が入っている場合のほかのセキュリティの問題となっていくとは思うのですが、あまりそこまで踏み込んで、この指針に書き込むのはなかなか難しいのかなと思います。

 よろしいでしょうか。先ほどの確認ですけれども、医薬品又は医療機器の有効性又は安全性に関する研究の文言は、侵襲を伴う介入研究に変えてしまってよろしいでしょうか。それでその前に、保管は全ての研究について、できるだけというか、長期間の保管が望ましいという文章を、最初の所に一文入れるということで、ここは取りあえず終えたいと思います。

 それでは、 (7) についてはよろしいでしょうか。第 20 のモニタリング及び鑑査の所です。ここが (1) (5) までありますが、特に (2) (3) が問題になると思いますがいかがでしょうか。先ほどの御説明にもありましたが、モニタリングを行うのは誰なのかということが、恐らく前提になりますので、実は 12 ページの真ん中付近に (22) があります。そこにモニタリングの内容と研究責任者が指定した者に行わせるという言葉がありますが、研究責任者自身がモニタリングを行っては駄目なのかどうかということは、ここには何も書かれておりません。このことについて御意見を確か頂いていたように思いますが、ちょっと先によろしいですか。

○渡邉委員 今の御意見と少し離れるかもしれないのですが、確認です。これは侵襲を伴う介入研究であると先ほど文言の変更があったと思いますが、その研究とは例えばインハウスの研究も含めて、全ての介入研究にこのモニタリングと監査が適用されると考えるのでしょうか。それとも、ガイダンスで今後、少し濃淡をつけたり、インハウス研究と多施設試験など対象を分けて考えるような可能性があるのか、それについて伺いたいと思います。

○福井座長 いかがでしょう。これは全ての研究に適応されることになるのではないかと思いますが、インハウスであれ、外で共同して行うものであれ。

○渡邉委員 臨床研究の質を担保する上でモニタリング・監査は非常に重要だと思いますが、ただ、全ての介入研究にこれを持ち込むとなると、そのインパクトは色々な点で非常に大きいと考えます。現状では、モニタリングや監査の部門を持たない医療機関はたくさんあり、まず体制面の整備が急務になると思います。またモニタリングや監査に対するコストも大きなハードルです。事実、 EU-directive を取り入れた EU では、モニタリング・監査に費やす臨床試験の費用が非常に大きくなっていることが指摘されています。モニタリング・監査を持ち込むことで、臨床研究に要する費用はさらに増加し、また、実際上、多くの施設で臨床研究の実施が困難になる。このようなことも含めて、これを受け入れると、皆さんは合意されているのでしょうか。

○福井座長 いかがでしょうか。

○直江委員 前回までに時間がなくこの問題を議論するのは初めてだと思います。既に参考資料 3 で、私も 2 回前ぐらいになりますが、モニタリングと監査に関する意見ということで、既に書いておりまして、ちょっと状況が少し変わってきましたので、このままでいいのかどうか分かりませんが、 46 ページの所に、今、渡邉委員からおっしゃったように、これ全ては先ほど事務局から御案内があったように、臨床研究に対する信頼性の質の担保ということがベースにあるのだと思いますが、実際問題、現在臨床試験でモニタリング・監査が行われている比率がどのぐらいあるかというデータは私は持っておりませんが、私の印象で言うと、恐らくモニタリングはごく一部の試験で行われている。ただ、監査まで行われている研究は、まずほとんどないと思います。

 今、渡邉委員から御指摘があったように、モニタリングは研究の円滑な運営とか、質の保証ということで、これは基本的なものではないかと、特に多施設共同の場合には、必須ではないかと感じますが、この監査はモニタリングの者も、それから研究実施者も関与できないという、完全にサードパーティーの方がこれを違う視線で監査するということは、人的資源や資金面で、臨床試験でこれができる組織はほとんど現在日本ではまずないのではないかと、私は個人的には考えております。ということで、 46 ページ、この時点で私が考えたのは、先ほど既に話が出ましたように、医薬品医療機器ではなくて、この場合は介入研究と書かせてもらいましたが、介入研究を実施する場合には、モニターはしなければいけないということですが、監査まで書く必要があるのかどうかについては、少し疑問を出させていただきました。

○福井座長 いかがでしょうか。

○藤原委員 実際にやっている身からすると、渡邉先生の御懸念も分かりますが、それを要求するレベルが、いわゆる企業治験のようなモニタリングとか、監査をイメージしなければいいので、リスクベースモニタリング、被験者さんに発生する健康被害のリスクとか、そのいろいろな心的被害のリスクが高いものは、非常に細かくモニタリングとか監査をすればいいのですが、実際問題として、本当にやるときには自分の施設だけでやっているものに関して、やはり監査を全部やるのかとか、モニタリングも全症例やるのかとか、それはナンセンスな話で、やっている途中にその試験の難易度とか、単一施設か共同試験に応じて、濃淡を付ければいいと思うのですね。

 ただ、これまでの日本の現状を見ると、指針で緩やかに緩やかにやってきてアカデミアの自由というのを言い続けていますが、この前の平成 20 年のときの指針改定の時もいろいろ厳しくしましょうという議論もありましたが、性善説を大事にしましょうと、結局、品質管理を余り厳しい文言は盛り込まれませんでした。最近のいろいろな状況を見ると、やはり性善説では対応しきれていないところがあるので、品質管理という文言はきちんと入れないと思います。それで臨床研究が止まって困るのは医療機関とか、医者かもしれませんが、患者さんは困りませんので、やはりここで、モニタリングとか監査の言葉を入れて、ただし、その中身については濃淡がありますということを、ガイダンスか何かで言う方が私はいいと思いますが。

○渡邉委員 私も決して藤原先生と意見が異なっているのではありません。モニタリング・監査を行うにしても、重箱の隅をつつくようなモニタリングではなくて、リスクベースモニタリングなど濃淡を付けてのモニタリング手法が求められると思いますし、監査の方法も工夫次第だと思っています。

 また、モニタリングと監査を行うことで、被験者の方が安心して臨床試験に参加できるような環境を整えることの方が、むしろ臨床研究の将来の活性化には結び付くだろうと期待しています。ただ、現状では、モニタリング・監査が求められる臨床研究中核病院でさえ、臨床研究中核病院の全ての臨床研究においてモニタリング・監査が行われているかというと、とてもそのような状況ではない中で、一般の臨床研究に全て適用されるこの指針が、これを定めるのはやや先走りすぎるのではないか、もう少し時間的な猶予を持ってもいいのではないかと思います。その点で、モニタリング・監査を求めるにしても、準備するための期間を設定し、さらに、その方法については重箱の隅をつつくようなモニタリングを排して、濃淡をつけた運用、リスクベーストモニタリングを積極的に取り入れるよう明示してもらいたいと思います。

○福井座長 これは侵襲を伴う介入研究を対象とするという、そのような続きになるのですね、文章から言うと。 (1) に侵襲を伴う介入研究を実施する場合には、モニタリング及び監査を実施しなければならないと、その続きですので、 (2)(3) も研究の対象は侵襲を伴う介入研究ということではないのでしょうか。

○田代委員 いえ。藤原委員が先ほどおっしゃったように、侵襲の中でも軽微な侵襲は除く前提だと思います。ですので、軽微な侵襲を除いてかつ介入研究という前提で話をしていいかなと思います。

○福井座長 侵襲という言葉は、全体の中での整合性を取ってほしいのですが、軽微なときには軽微な侵襲の言葉を使っているのですが、そうではないときにはわざわざ軽微でない侵襲の言葉は使っていないのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか。ちょっと全体像をまた見て、今、田代委員がおっしゃったような意味のことがここに反映されるように考えたいと思います。ということで、モニタリング及び監査は、今回の指針では是非入れたいと思いますが、いかがでしょうか。

○位田委員 誰がそのモニタリング及び監査をするかの問題なのですが、確かに研究の質の問題であると同時に、研究の公正さ、適正さという問題でもあるので、藤原委員の 57 ページに独立データモニタリング委員会という御指摘がありますが、何らかの形でその研究責任者がモニタリングする人を指名する、及び監査する人を指名するのは、ある意味では、内輪でやってしまうという印象が外から見ていると、どうしても拭えないので、何らかの形で、例えば研究機関の長がモニタリングの委員を指名するなり、監査委員を指名する。その研究班と離れた、ある意味、第三者、若しくは独立性がやはり必要ではないかと思いますが。現実にどこまでできるかはなかなか難しいのですが。

○渡邉委員 モニタリングに関しては、研究代表者が品質をいかに高めていくかという行為ですので、指名をしても特に問題ないかと思いますが、監査に関しては、位田先生がおっしゃるとおりだと思います。

○福井座長 まあ、研究機関の長なのか、倫理委員会なのか、研究機関の長でしょうか。

○位田委員 倫理委員会にいろいろな統制の権限を投げる必要はないと思います。

○福井座長 いかがでしょうか。

○藤原委員 何でも第三者がやったら安全かというのはやはり考えておかなければいけなくて、研究がきちんと進むことが研究責任者の使命ですので、それを考えると、研究を一番よく分かっている人が、いろいろな指名をすることがまず第一であって、それとは別に、重層的に倫理審査委員会も試験の進捗は当然、年に 1 回の報告も受けておるわけですし、重篤な有害事象とか、有効性の変化があれば報告を受けたり、更に、独立モニタリング委員会、効果安全性評価委員会と同じような言葉ですが、全然その試験とは関係ない人たちが試験の進捗もチェックしていますし、監査の指名を、別途、それぞれの試験について医療機関の長がやるというのは、余り現実的ではないように私は思いますけれども。

○門脇委員 この点について、事前に事務局に意見を出させていただいていますが、モニタリングを担当する者は、当該研究の実施に関与する者であってはならず、研究責任者の指名を受けて、あらかじめ研究計画書に氏名を記載し、倫理審査委員会の承認を得なければならないというような意見を出させていただいています。

○福井座長 それは、モニタリングの方ですか。

○門脇委員 モニタリングです。モニタリングを担当する者は、当該研究の実施に関与する者であってはならず、研究責任者の指名を受けて、あらかじめ研究計画書に氏名を記載し、倫理審査委員会の承認を得なければならないというのがいいのではないかと思います。

○福井座長 この原案では、どちらかと言うと、監査の方が何かそちらに近いような形にはなりますが、御意見いかがでしょうか。

○直江委員 先ほど、位田委員がおっしゃったことなのですが、例えば治験の場合ですと、依頼者というのはメーカーですよね、受けるのは医療機関で、研究責任者が受けますが、その場合に、会社がモニターさんを指定しています。では、監査は誰が指定しているかというと、やはりメーカーが、監査部門の方が来ると。ただ、そのデータマネージャーと重ならない人が、別の部署できて、終わった後に、主に全て書類等を見ていかれるという形なのです。私どもは監査ということに、別に反対するつもりは全くございませんが、この監査の質とか、独立性の担保を議論すると、これがかなりハードルが高いが故に、名ばかりと言ってはちょっとあれなのですが、私はこれから監査やデータのモニタリングの質の問題は非常に大きくなってくるのではないかと。そのときに、本当にきちんと監査ができる人たちが、この臨床研究のフィールドにどのぐらいいるのかと、データマネージャーでさえ、先ほど不足していると、治験中核病院でさえデータマネージがきちんと全ての臨床研究をマネージできていないという中で、監査をやっている所は現在ないので、これが時限的に少しずつ目標として出すならば分かりますが、だから、努めなければならないではなく、しなければならないということのその意味を、もうちょっと私は御議論いただきたいと思います。

○門脇委員 先ほど臨床研究に関わる資料の保存等について、今回の指針の対象であるヒトを対象とする医薬系研究の全般に、まず原則としてできるだけ長期間保存しなければいけないという網を掛けたわけです。それと同じような意味で、モニタリングについて、全ての研究の品質を保証するというためには、やはり研究の位置付けに応じてではありますが、できるだけそういうことを取り入れなければいけないことを、全体として網を掛けるべきではないかと思います。

 このモニタリングについて、非常に狭く介入を伴う研究だけにするというのは、ほかの研究についてはモニタリングがあたかも必要を認めないかのように私は取れてしまうので、私があらかじめ事務局に出させていただいた案は、ヒトを対象とする医薬系研究の信頼性確保のために、研究の位置付けに応じて、品質管理活動の一環としてモニタリングの実施を規定し、あらかじめ実施計画書に記載しなければならない。

 その研究の位置付けを構成する要素としては、研究の利用目的、被験者へのリスク、利益相反の程度等を勘案して、そのモニタリングをどの程度するかということを、個々に判断すればいいので、あたかも侵襲を伴う介入研究以外について、モニタリングということを何か除外するような印象を与えるのは私は正しくないと思います。

○福井座長 いかがでしょうか。

○中村座長代理 今の門脇委員の御意見、正しくそのとおりなのですが、指針で必須項目とするという話になったときに、臨床研究とは異なり、疫学研究はそれほど人的な余裕も財政的な余裕もございません。その中でモニタリングは必要と思いますが、指針で must にするというのは、ちょっといかがなものかなという気がします。

○門脇委員 それは、私が先ほど述べたように、研究の位置付けに応じて、このモニタリングを行わなければいけないということで、先ほど言いましたが、研究の性質、被験者のリスク、利益相反の程度等を勘案し、個々に判断しなければいけないけれども、全ての研究については、やはりそのように品質管理されるべきであるという大きな原則の提示をしていただいた上で、具体的なモニタリングの濃淡や、あるいは本当に実施するしないということもあるかもしれませんが、それは個々の研究の位置付けに応じて、また、そこには具体的にリソースを考慮してということも入ってくるかもしれませんが、少なくともその方向が望ましいという、大きな意味での在り方論みたいなものは最初に書いていただくことがいいのではないかと思うのです。

○藤原委員 門脇先生のおっしゃるとおりだと私も思います。ただ、そこにモニタリングとかという言葉を入れると、結構解釈する人によって大分違うので、例えば多分先生のおっしゃることを反映しようとすると、研究責任者とかは、研究の信頼性の確保に努めなければならないとかの大原則を書いた上で、侵襲を伴うものにはモニタリングするとかを。

○門脇委員 大きな意味ではそのような趣旨ですが、研究の品質管理や信頼性ということより、もう少し具体的に述べられるともっといいと思うのですが。

○伊藤安全対策官 ( 文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室 )  この指針は、努力義務も含めて、義務とか禁止などについては本文で書かせていただく立て付けでさせていただいております。例えば、努力義務とまではいかなくても、望ましいというようなことであれば、ガイダンスで今の侵襲かつ介入研究以外のものについても、おおむねそれについて望ましいということを、ガイダンスで書かせていただくことではどうでしょうか。

○門脇委員 それは、ここの委員会の判断にお任せしたいと思います。

○福井座長 先ほどの保管期限の所と似たような作りにして、最初の所で大きく、先生がおっしゃったような網を掛けて、特に侵襲を伴う介入研究についてはというように。

○門脇委員 そのとおりのことを申し上げたかったのです。舌足らずですみません。

○真田委員 確認させていただいてよろしいですか。先生、もう 1 点おっしゃったような気がするのですが。モニタリングと監査、両方別々に、やはり当該研究に関わることはいけないとおっしゃっていると思えばよろしいでしょうか。ここの指針だと、モニタリングは研究実施に当たってもよいという表現になっていると思うのですが、いかがでしょうか。そこを確認させて。

○門脇委員 そこは、より専門の方に聞きたいのですが、モニタリング自身も、例えば当該研究の臨床評価とのデータを生成したりする研究の直接実施に関わる者ではない者が行った方が私は、より理想に近いと思うのですが、それはいかがなものでしょうか。

○真田委員 私も賛成なのですが、今までの意味だとモニタリングは実施してもいいし、監査はしてはいけないという内容になっていたので、そこを確認させていただきたいと思います。

○福井座長 委員によって意見が分かれているところなのです。いかがでしょうか。ある委員からは、研究責任者もモニタリングを行ってもいいという意見もあり、全く研究に携わらない方が望ましいという意見もあると伺っていますが、藤原委員、いかがでしょうか。

○藤原委員 もともとは製造工場のラインの製品のきちんと品質管理をするところから出てきた概念で、工場にいない人が勝手にパッと来て、その品質を管理するのはやはりあり得なくて、自分たちがやっていることに関して、常に内容をチェックしそれがよい方向になることがモニタリングの基本で、それを全然別の視点から監査の人たちが見るという立て付けにしておいた方が現実的で、今も実際に企業の治験であったり、多施設の国際共同試験などは全部そうなのですが、区分けでやっているので、今は日本だけが違う概念でやるというのは、かえって混乱するのではないかと私は思いますが。

○門脇委員 研究チームの中でもいろいろな役割分担があると思うのです。その役割分担の 1 つとして、やはりモニタリングを中心に、行う人をあらかじめ研究責任者が定めて、その方はモニタリングを中心的に研究チームの中だけれども行うといったことを計画書に書いて、倫理審査委員会でその方がモニタリングをこの研究の中ではやるという立て付けがいいのではないかというのが、私の意見です。

○福井委員  12 ページ、 (22) モニタリングですが、研究責任者が指定した者に行わせる調査という、そのような定義が行われております。もしこのままでよろしければ、研究チームの方でも構わないことになると思いますが。

○門脇委員 研究チームの方でかまわないのですが、やはり倫理審査委員会ではその方がチームの中でモニタリングをやることを、倫理委員会として予め認めておくという透明性がやはり必要だと思うのです。

○田代委員 今の門脇先生の御指摘に関しては、研究計画書に義務づけ事項の最後に、「モニタリング及び監査を実施する場合には、その実施体制及び実施手順」を研究計画書に明記した上で、倫理審査委員会の審査を受けなければならないということになっているので、恐らくその中に含まれると思います。より具体的に氏名含めてということであれば、ガイダンスで具体的な内容を規定することで良いのではないでしょうか。

○門脇委員 実際に研究チームの一員が、主にモニタリングをやる人がいて、その人があらかじめ記載されていて、倫理委員会ではその人がモニタリングをやるのだということを認めることにより、その方がモニタリングをやる責任と自覚を持って研究の質を担保するような、そういう仕組みになれば、どのような形でもいいと思うのですが。

○福井座長 はい。第 8 ですから、 18 20 ページの所に研究計画書に記載する項目がありますが、上から 9 行目、○の 25 で、これ第 21 の規定と書いてありますが、これは第 20 の規定によるモニタリング及び監査を実施する場合には、その実施体制及び実施手順を記載することにはなっております。 20 ページの上から 10 行目辺りです。

○直江委員 門脇委員の質問に関連して確認なのですが、飽くまでも例えば単一施設の場合は、研究者はモニターはできない位置付けだと今まで理解していたのですが、それと、今の門脇委員の質問とで、ちょっと私は混乱したのですが、つまり、研究者自身がモニターにはなれないということで私は理解していたのですが、いいですね。

○門脇委員 私もそのように理解しています。

○直江委員 はい。

○門脇委員 今、そのようにきちんと規定されているのかどうか。

○福井座長 研究責任者ではなくて、研究チームの。

○門脇委員 そこは明確ではないような感じがするのですね。

○福井座長 研究チームの 1 人も含めてできないと。

○直江委員 という理解だったのですが。

○門脇委員 そうすると、私と理解が違うということになるので。

○福井座長 それと違うということを藤原先生がおっしゃっているわけです。

○直江委員 違うということでいいですね。

○福井座長 研究チームの一員がモニタリングはしてもいいと。

○直江委員 それは多施設の共同の場合ですよね。要するに、多施設であれば研究者は、他の施設のモニターはできるという話だったと思うのですが、ちょっと私も混乱しているのですが。

○門脇委員 例えば、先ほどの工場の品質管理の考えで、藤原先生のお話がありましたが、工場にはきちんと物をたくさん作る方向への部門もあり、それから作られた物がクオリティがきちんとしているかどうかは、独立して部門があると思うのですね。その意味で研究の中にもデータをジェネレートする方向の部門は当然あるわけですね。しかしながら、その品質管理する部門は同じ工場の中で品質管理の部門が独立していることと同じように、モニタリングの人が研究チームの中にいて、あらかじめそれが記載されており、倫理審査委員会で認められているということ、そのような仕組みがいいと思っているのですが。

○福井座長 これはモニタリングと監査の組合せですので、モニタリングは私の考えですが、モニタリングはどちらかと言うと、藤原先生がおっしゃったような形でもできて、ただ、監査は完全にインディペンデントな人がやりますので、その組合せで客観性は担保できるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○楠岡座長代理 大学病院のようにスタッフも多くて、そのようなものができるところはいいのですが、非常に小規模の病院でも臨床研究のマインドのある先生がおられて、インハウスでプロトコールを立て、 IRB も通したときに、研究代表者イコール研究者、合計 1 名の場合も十分あり得るのです。そのときに別組織を求めるようなことになると、臨床研究そのものを止めてしまうことになるので、今のは極端な例ですが、研究者が自己点検の意味でモニタリングするところは認めていただいてもいいのではないか。ただ、監査においては、やはり第三者的な立場の人にやっていただく。いずれに関しても、 IRB で承認を取るということは担当者の記載が研究計画書に求められるので、その立て付けであれば、研究者でない者が望ましい形になるとは思いますが、それを禁止するところまでは、今早いのではないかと。

○門脇委員 私、禁止すると全く言っていないので、やはり望ましい姿をきちんと示して、できないところを全体の共通の基準にしてできるところにまで当てはめるということは、やはり臨床研究の質を担保できないので、そのようにできるところはそのコンセプトでいき、できないところは研究を実施する人と、品質管理は 1 人の人間であってもあたかも別人格の人間のようにきちんと分けて考えていただくようなことになると思うのですが、やはりそのような形が望ましいというようには是非していただければと思うのですが。

○福井座長 モニタリングと監査を入れること事態が、かなり今回は大きなハードルと言えばハードルになりますので、ひょっとして次の見直しのときに、より理想的な形にできるかもしれないので、今回はここに挙げた内容でいかせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○直江委員 もう 1 つ、今までの話の流れをフォローすると、まず (1) のときに、今、門脇先生がおっしゃったように、例えば研究の位置付けであるとか、侵襲のリスクとか、 COI に応じてという品質保証に努めなければいけないことが入って、なおかつ、言葉は、文言はともかくとして、侵襲を伴うような介入研究の場合には、モニタリング・監査を実施しなければいけないと。このように続くと読めるので、そうすると研究の今の話ですが、例えば位置付け、デザイン、影響力、侵襲というものをいろいろ勘案し、個別に決めるものであっていいということで、あとは細かいところはガイダンスで落とすというそういう理解でよろしければ、私も。

○門脇委員 今の御発言は全くそのとおり、私の考えと同じです。

○楠岡座長代理 ちょっと別の問題点として、モニタリングと監査の報告をどこにするかがここには記載がない。責任者が実施はさせるのですが、その結果、報告がどこにいくのかがはっきりしていない。モニタリングは当然のことながら責任者にいくと思うのですが、監査を責任者だけにとどめておくと、極端なことを言うと、そこで止まってしまい、問題点が把握されない可能性がある。監査に関しては、研究機関の長にも報告する。要するに、責任者はそれを受け取ったら長に報告する形を取っておいた方がいいのではないかというのが 1 点です。ですから、モニタリング・監査に関して、 1 項目、その報告先に関して付け加えた方がいいのではないかという点です。

 これは別のところに関わるのですが、この侵襲を伴う介入研究において、今回の指針の中では、研究の定期的な IRB に対する報告がないのです。現在この指針の中にはそれが入っていないのですが、その侵襲を伴う介入研究に関しては、少なくとも年 1 回、研究機関の長、 IRB の意見を聴くみたいな、そういうチェック機構、要するにモニタリング・監査の上に更にその状況を IRB に照会し、この研究をそのまま続けていいのかどうか、というチェックが、このレベルの研究はやはりあった方がいいのではないかと。治験の場合は、少なくとも年 1 回、 IRB でチェックをするのですが、現行の指針では、疫学研究には定期的チェックがあり、臨床研究には当然入っていると思っていたら、実際は入っていなかったのですが、どこも大体疫学研究の指針に習って定期報告をやっていると思うのです。今回、それはなくなっている形ですので、このタイプのものに関しては、やはり入れておいた方がいいのではないかという点。これはちょっと御議論いただかないといけない点かと思います。

○福井座長 いかがでしょうか。私も報告の所が明確に書かれていないことが、ちょっと問題だと思っておりました。モニタリングと監査の報告のことについて、 1 つの文章を作るという方向で、位田委員、どうぞ。

○位田委員 私も報告は非常に重要だと思うのですが、今の議論でモニタリングについてはかなりはっきりしてきて、研究責任者が例えば、研究チームの中でモニタリング担当の研究者を指名しておくことがあり得ると。ただ、監査がまだちょっとはっきりしないのですが、今の御議論では、モニタリングと監査は違うということです。監査の方がやはり独立性、若しくは第三者性が重要だということであれば、監査はやはり外部でなければいけないというのが原則だと思うのです。楠岡先生がおっしゃったように、たった 1 人しか研究者がいない所はなかなか難しいですが、ですから私がさっき申し上げたのは、研究機関の長が監査については、例えば監査委員を指名するなり、監査の体制を整えるということを研究機関の長の責務として入れたらどうかと思うのです。

○福井座長 先生、 42 ページの一番上に、研究機関の長は、モニタリング及び監査の実施に協力するとともに、当該実施に必要な措置を講じなければならないという文章はあります。

○位田委員 ええ、それを私はもっと前の研究機関の長が、いろいろ長の責務が並んでいる所に入れてはどうかというのが提案なのです。監査は、やはり研究チーム外から原則として選ぶ。であるとすると、研究責任者が選ぶのか、研究機関の長が選ぶのかという話になるので、恐らくそれは研究機関の長が自分の研究機関で行われる研究については、監査監事を指名する形になるかと思うのですが。

○田代委員 今の楠岡先生の定期報告の件ですが、 14 ページの一番下の (6) の所がそれだと思っていました。「研究責任者は、研究計画に定めるところにより、研究の進捗状況及び研究の実施に伴う云々」ということで、ガイダンスでは原則年 1 回と書かれているのですが、これ以上にということでしょうか。

○楠岡座長代理 治験の場合は、報告は機関の長だけではなくて、 IRB の意見を聴く項目に入っているのですが、今回はそれは必ずしも必須ではないのですが、このような侵襲を伴う介入研究に関しては、先ほど、その監査と同じような意味で、第三者機関である IRB に継続に関しても年 1 回程度、意見を聴いてはどうかということで。

○福井座長 研究機関の長だけではなく、倫理委員会にもということですか。いかがでしょうか。

○田代委員 再度確認ですが、 16 ページの 3 (2) の所で、研究機関の長は継続に関して報告を受けた場合には、倫理委員会に意見を求める建てつけになっていると思います。ですので、研究機関の長に報告が行き、長が継続に影響を及ぼすと判断すれば、倫理委員会が判断する仕組みは一応担保されているので、現実的にはここに吸収されているのかなと思うのですが。

○楠岡座長代理 それは 16 ページの 3 の研究の許可等の (2) で、研究機関の長、あるいは研究責任者等から研究の継続に影響を与えると考えられる事実や情報が、というような、要するに、重篤有害事象等も含めての話で、何もなく無事に進んでいるものに関して、定期的に報告する義務はないので、それは何らかの形で第三者チェックをしておいた方がいいのではないか。周りの人が余り気付いていないような状況とか、あるいは共同研究の場合、他の所で起こっているような状況等も加味し、定期的なチェックはあった方がいいのではないかと。あくまでそれは治験との比較で今述べているだけであって、これに関してそこまで必要ないということであれば、あえて追加する必要はないと思います。

○福井座長 いかがでしょうか。

○丸山委員 今の田代委員の御意見と同じような方向かと思うのですが、 14 ページの最後の (6) の所の報告を受けた研究機関の長は、必要があれば倫理審査委員会に問題を諮問すると、投げ掛けると思いますので、ほかのところに回すことはできないので、倫理委員会にもってくると思いますので、先生がおっしゃったようなことは必要に応じてなされると思います。

 他方、今の倫理審査委員会の状況を見ると、定期的な報告を定例的に受けるという、それで実質的な有効な審査ができるというところまではなかなかいかず、新規審査だけで、いっぱいいっぱいなところがあるので、機関の長の判断で投げてもらうことでよろしいのではないかと思いますが。

○福井座長 その方向でよろしいですか。休憩の前に確認ですが、監査については、 41 ページの第 20 (3) には、監査は研究の実施に携わる者及びそのモニタリングに従事する者に行わせてはならないという文章なのですが、先ほどの位田先生の御意見は、研究機関の長が指名するという文章の方がいいのではないかという御意見だと思います。

○磯部委員 むしろ、それがまた縛りになるとか、ということがないかということがやはり心配です。若干、海外の状況を調査したのですが、監査についてはもちろんその研究を監査できる能力があるということと、インディペンデント、独立性が保証されていなければいけないという書き方なわけで、それがほかの施設外の人なのか、どのような人かはケースバイケースなのではないかと、ここでは独立性は担保されている人物でなければならないことさえ言えればいいので、後、それを誰がどのような手続で選ぶかということまでは、ちょっとなかなか詳細には書けないのではないかという印象があります。

○福井座長 磯部先生はこの文章のままでいいという御意見で、よろしいでしょうか。報告については何か御意見ありますか。

 その監査の報告を誰にするのかについては、私もどこかに書かれてあるのはちょっと思い出せないのですが。報告するのは研究機関の長なのかということを書き込むかどうかということです。それだけ確認して休憩したいと思うのですが。

○門脇委員 やはり監査の結果は、研究責任者及び研究機関の長に報告するのがいいと思います。

○高江課長補佐 今、門脇先生がおっしゃられたとおりで、事務局としての案ですが、モニタリング又はその検査に従事する者は、その結果について研究責任者に報告しなければならない。で、その後がちょっと御相談ですが、この従事する者から直接研究機関の長に報告を監査についてさせるか、研究責任者が機関の長にさせるのかで、研究機関の長の報告が責任者からした方がよろしいのではないかという気がしているのですが、いかがでしょうか。

○福井座長 独立性を担保するには。

○花井委員 必ずしも十分理解していないかもしれませんが、今までの議論で、一応、 41 ページの (3) が生きとなると、結局、研究責任者になっているということは、監査を行わせてはいけないのは研究責任者で、監査は研究責任者も含めて監査していることに立て付け上になるのではないですか。この研究全体を見ている。モニタリングと監査の関係性で、ステータスをそのように変えるのであれは、監査にやらせてはいけないのは、いわゆる研究機関の長が行わせてはいけないという方が、何か監査の位置付けが分かりやすいのですが。これが研究責任者が監査にやらせてはいけないというようにここに書くことによって、ちょっと監査がどこに立つかが分かりにくくなっているのです。

○福井座長  (3) は、主語が研究機関の長になった方がいいのではという御意見。

○花井委員 今までの議論からすると理解がしやすいかなと思いました。

○福井座長 そうすると、第 20 (1) の文章は、モニタリング及び監査を実施しなければならないという人がどなたになるのかという話。

○直江委員 これは恐らく、 ICH-GCP に準拠した文章だからこのようだと思うのです。やはり 1 つ大きな違いというのは、治験の場合は、治験依頼者と治験の実施者が別々なのです。このデータが、質が担保するということが、当局、 PMDA に例えば上げたときに、その質が確かに第三者から保証されていますという保証書を付けて出す形ですので、違和感ないのだと思うのですが、今回の場合は、試験の依頼者自身が試験の実施者であるという、 1 2 役が臨床研究の大きな特色だと思うのですね。それで、 ICH-GCP の文章をこのまま落としてくると、ちょっと変なことに、まあ、なるので、このような議論かなと思うのですが。ただこれも、例えば、対外的に見て、 ICH-GCP との整合性から言うと、やはり余りここだけを変えるよりは、このままにしておいた方がいい場合もあるのではないかというように思います。

○福井座長  42 ページの一番上の 2 行が、研究機関の長は、協力しなければならないという文言もありますので、ここの (3) の主語は、研究責任者でいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ちょっと時間が少々過ぎてしまいましたので、 10 分間ほど休憩を取りたいと思います。よろしくお願いいたします。

                                     ( 休憩 )

○福井座長 それでは時間になりましたので議事を再開したいと思います。残りの部分のうち第 5 章、 6 章についての検討を行いたいと思います。事務局から第 5 章、 6 章に関連して案文の変更等についての説明をお願いいたします。

○伊藤安全対策官  25 ページをお開きください。こちらの修正箇所につきましては、これまでの会議及び前回の会議後に出てきた先生方の御意見等も踏まえ修正させていただいたものです。

 第 12 1 の規定のただし書のところで法令の規定に基づき既存試料の情報の提供を行う場合の例外規定を設けておりますが、このような規定だと法令の規定に基づく提供であってもオプトアウトまで行うこととならない。それについてどうかということで、オプトアウトは、法令の規定の例外にしないということで 28 ページの (4) で再整理させていただいております。

 引き続きまして、 (1) のアで、口答でのインフォームド・コンセントに関する手続です。前回までの書きぶりで必ずしも文書でやることが適切ではないというようにも読み取れ、文書で行う場合が適切なときもあることをより明確に示すために、本文でこのような規定を追加させていただくとともに、注の 98 で文書によるコンセントの手続を妨げない旨を示すことを書いております。

27 ページは自らの研究機関で目的外で研究を利用する場合の手続です。 (2) のアの ( ) 3 の規定で、公衆衛生の向上と最初書いておりましたが、委員からの御意見もあり維持を追加しました。全体の並び等を踏まえ、研究対象者等の同意を得ることを受ける手続が困難であることと整理しました。

 続いて (3) トのなお書で、他の研究機関に既存試料・情報を提供しようとする場合のコンセントの手続として、研究機関とはならない機関から提供を行う場合に、その機関の長が何らかの形で把握する必要があるのではないかが議論になっていたところです。当初は、長が「定めるところにより」と書いておりましたが、把握することが重要ではないかという委員からの御指摘もあり、今このような形で修正させていただいております。

28 ページ (3) のウで、「公衆衛生の維持・向上」で当初は「社会的重要性の高いこと」でしたが、こちらについても委員の方から抽象的すぎるという意見もありいろいろ修正しました。なお書の部分で、この規定自体が簡略化する手続でもあるとのことで、なお以下の部分を確認的に規定させていただいております。

29 ページ○ 18 です。コンセントの説明を行う事項について研究計画、研究の方法に関する資料の入手や閲覧ができる場合には、その旨だけではなく入手や閲覧の方法もきちんと示すことで、研究対象者により厚くなるような形で整理し直しました。

31 ページで、インフォームド・コンセント手続の簡略化の (2) です。当初は注でガイダンスによることとしておりましたが、委員からの御指摘もあり、本文に記載させていただく形で整理しております。

7 同意の撤回等です。こちらもかなり赤くなっておりますが、文章自体が長いので簡潔に整理し直したのが 1 点、 7 行目、なお以下の部分で、こちらは研究対象者等の同意を撤回しない場合は通知だけでは弱いのではないかということもあり、研究対象者に説明し理解を得るよう努めなければならないと書いています。

○工藤課長補佐 続きまして 32 ページからの第 13 です。代諾者等からのインフォームド・コンセントを受ける手続等の変更箇所について説明をいたします。先ず、用語の定義としまして 10 ページ、 11 ページでそれぞれ記載の (14) インフォームド・コンセント、 (16) インフォームド・アセントの定義規定では「研究を実施又は継続されること」と記載しているにも関わらず、第 5 章の各案文の中で「又は継続されること」というのがほとんど反映されておりませんでしたので、必要と思われる箇所に「又は継続されること」を追記しております。

34 ページ (3) で、インフォームド・アセントの手続における拒否の意向の表明がなされた場合の対応につきまして、先ほど説明されました 31 ページの同意の撤回等の規定における記載ぶりとの平仄を図って記載を整理しております。第 13 の変更点につきましては以上です。

 続いて、第 6 章個人情報等の規定における変更箇所ですが、 35 ページの修正につきましては、前回の会議において口答にて補足説明いたしました部分です。 (2) より先に (1) の方で先に「保有する個人情報等」という記載が出てきますので、そちらの方に記載を直しております。

 事前に委員の先生方に相談をいたしました際に、 37 ページの (4) (6) の規定において「適合せず」、「不適合」という記載をしている点につきまして、これは「違反」という記載をすべきではないかと御指摘を頂きましたが、この点につきましては 17 ページの一番上で、「適合していないこと」、「不適合の程度が重大」という記載を行っております、ことから、これらとの平仄を図る観点から、「違反」ではなく「適合せず」、「不適合」という記載としている次第です。第 6 章までについては以上であります。どうぞよろしくお願いいたします。

○福井座長 はい、ありがとうございます。かなりページ数も多く特にインフォームド・コンセントに関わる大変重要な箇所ですがいかがでしょうか。もしよければ 25 ページの第 12 インフォームド・コンセントを受ける手続のところから御意見をお伺いします。

○丸山委員 インフォームド・コンセントのところは個別に意見がありますが、それは後に置いて全体について気になったところが続きましたので、指摘し改善をお願いしたいと思います。今回の指針の改訂作業というのは、まず 1 本化が重要なところで、その 1 本化をするに際しては、これまでの指針を踏まえて作らなければならないということで、白紙の上にフリーハンドで書いてよろしいものではないと考えます。

 しかしながら改訂作業において事務局から提示されてきます指針案の内容を見ていると、これまでの指針について、関連法令や他指針との調整を図って、苦労して作られた規定、これまで長年問題なく運用されてきた規定が事務局の判断に基づいて、いとも簡単に覆されたり改変されたりする例が見過ごすことのできない程度になってきていると思いました。

 その改変が、関係する法令・指針あるいは研究の実態に関する広い視点あるいは長期的なこれまでの経緯に基づくものであれば、それは検討に値すると思いますが、十分な調査もなされないまま担当者の知識や担当者の調査結果のみに基づいて、指針案が起草されているというのが現状であるように思われます。細かいところまで掲げるとたくさんありますが、現象的には合同会議で示された案文の要所、要所が、その根拠、背景について詳しく説明されないまま、次回の合同会議において改変されるということが少なくございませんでした。

 換言すると、合同会議での議論を踏まえることなく、あるいは経ることなく、事務局の考えで指針の案文が決められ、提示されているところが少なくないと思います。これは合同会議で出された意見を踏まえて指針案を取りまとめるという事務局の役割をはき違えたもの、あるいは合同会議と事務局の位置付けに関する誤った理解に基づくものであると考えます。

 このような姿勢は、今回の改訂作業全般において見られますが、今回は指針を分けて分担して主な責任を担う者を決めて作業を配分されているようで、これ自体私はあまり感心はしませんが、そういうことでその程度の濃淡に差があるように思います。

 インフォームド・コンセントのところで、特にこの傾向が強い。今回の草案の提示、これはあらかじめ委員には示されておりましたが、これまでの経緯を踏まえることなくその規定の経緯、根拠が把握できないということで、事務局の判断で従来 10 年間適用されてきたものが削除されるということがあり、こちらが経緯、根拠を説明してやっと不十分な形でもとに戻されるということがありました。それも元の形に戻すのではなく、これもまた事務局の担当者の考えた文言を用いて、言い換えて直されるところがありました。

 今回、統合のために文言を変える必要があるというものであれば、こちらも納得できますが、そうとは限らない。かなり自由にフリーハンドに変えられている。こういうことは、今回の指針の改訂の作業においては、委員会あっての事務局というのが普通の考え方だと思いますので、おかしいのではないかと思います。

 今日の会合は恐らく最後に、少なくとも事務局はそのようにお考えだと思いますが、よくこのタイプの委員会でなされるように、最後に、委員長の先生一任となると思いますが、これは現実には事務局一任となるのがこれまでの少ないながらの私の経験でありました。しかし事務局がフリーハンドでいとも簡単にこれまでの経緯を踏まえた、例えば「公衆衛生の向上」というのは、個人情報保護法でいろいろな案文の中からその文言が取られましたが、それに「維持」という言葉を追加するようにとの委員の意見があったと。私は逆に反対の意見を述べましたが採用されず、先ほどの委員の意見ということで説明されてしまう。事務局の判断が優先されて、別のところでは、事務局の判断と私の判断が対立し、他の委員が意見を言っていないのにも関わらず事務局が意見を採用しないというようなところもありました。

 そういうような姿勢だと今日まとめても後でまたフリーハンドで書き換えられてしまうことが危惧されるので、委員長にお任せするというのは、少し辛いところがあり、今後こういう態度を改めていただけることを確認いただきたいということでこういう発言をさせていただきました。以下、具体的なところを申し述べたいと思います。

27 ページ上から 3 4 行目、「公衆衛生の維持・向上」ですが、今の段階でなぜ「維持」という言葉を入れることが必要なのか。「向上」の中に、個人情報保護法の規定では、維持の意味が含まれているはずであります。加えて言うと公衆衛生というのは非常に幅広く扱われているので、変えるのであればそれなりの強い根拠を示していただきたい。

 その後の「受ける手続」も「受けること」が困難であるという趣旨で当初の指針は、文言を考えました。手続となると広がります。そのように広げていいのであればそのことを示すようにと事務局に尋ねましたが、返答はありませんでした。

28 ページの上から 6 行目ウで、「公衆衛生の維持・向上のために」と。これはベースになった指針では、「社会的に重要性の高い研究」となっておりました。今、漠然としている、曖昧というような趣旨の発言、指摘があり文言が変わっている。社会的に重要性の高い研究と公衆衛生の維持・向上の云々が、どう同一性が維持されているかの説明がされないままであり、これはそのままで良いのではないかとの意見を私は出しました。資料を用意しておりましたが、配布は後で必要とあれば当該担当者とのやり取りの資料を 40 部ほどコピーしておりますので配布したいと思います。とりあえず口頭で意見を述べさせていただきます。

29 ページ、先ほども触れられた本文下から 7 行目の○ 18 で、これはもとのところに比べ非常に適用範囲が制約されております。この部分について私以外で意見を述べている者はないと伝え聞きました。それにも関わらず私が述べた意見を担当者が退けている。こういう在り方はおかしいのではないかと思います。ここは臨床指針あるいはゲノムの指針にある文言を入れていただきたい。事務局にはその文言を皆さんに CC する形でお伝えしております。それが 4 番目です。

5 番目、 31 ページの最初の 1 行目、ここも公衆衛生の維持・向上と書かれていますが、「社会的に重要性の高い」とされていたものが勝手に変わってしまっている。前回の変更があり更に今回の変更があったということだったと思います。

31 ページ 3 行目以下 (2) の規定で、ここも私が必要ではないかと説明をして、ようやく入れられましたが、担当者の手で、また、文言が変わっております。本来この 31 ページの 4 行目は、○ 1 から○ 3 までのいずれかの措置ではなく、該当するものについては要件を満たすようというような趣旨で定められていたのですが、これだとその趣旨が違いますし、本当に○ 1 2 3 を好き勝手にというと言葉が悪いですが、文言が変わっている。当初の文言と異なる意味になっているので、この辺り今回の統合のために必要でないものであればベースになったところを維持していただきたいと思います。以上です。

○福井座長 ありがとうございます。理由なく変わっているという部分については、是非理由を述べていただきたいと思っております。いかがでしょうか。幾つか共通して先生がおっしゃったことの 1 つが、「社会的に重要性が高い」という文言が、「公衆衛生の維持・向上のために」という言葉になっているということです。これは、どういう論理で変わったということだったのでしょうか。

○伊藤安全対策官 今回の会議が開かれるまでの手続の中で、丸山先生に対して不十分な手続の下に進めまして、非常に不快に感じられたことはお詫び申し上げます。今後は、このようなことのないように努めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。丸山先生、我々に対する叱咤、激励の言葉だったと受け止めておりますので、今後ともしっかりとやっていきたいと思います。

 まず、先生が言われた御意見についてですが、社会的に重要性のところからでよろしいでしょうか。こちらについて、公衆衛生の文言に変わっている部分が 2 つほどあります。ここについては、当初は社会的な重要性の高いというような言葉で書かせていただいたのですが、 2 月の会議において、花井先生や位田先生であったと思いますが、これではいろいろと自分で勝手にやっていくような判断がなされるのではないかと。社会的に重要性の高いというのは抽象的な文言であるとの御指摘も踏まえ、どういったことが適当であろうかと考えたときに、既存の書きぶりとして公衆衛生という部分がありました。必ずしも、一致しているとは思ってはいないのですが、まずは公衆衛生ということを書かせていただき、先生方の御意見を更にお聞きしたいということで修正させていただいたものです。

○丸山委員 それに対して、社会的重要性に戻すようにという意見は述べたのですが。

○福井座長 言葉の意味から言いますと、恐らく社会の方がより広い言葉ではないかと思うのですね。人の集団全体を表していると思いますし、その中で健康や疾病に関わるような側面を捉えているのが、公衆衛生、福利厚生も含めて。ですから、その 1 部分を捉えているのは、恐らく公衆衛生という関係になるのではないかと思うのですね。前文の方は、結構社会という言葉が幾つも出てきていて、本文に入って確かに突然公衆衛生という言葉が出てきている印象を、私は持っています。いかがでしょうか。公衆衛生という言葉をここで使った方がいいとお考えの委員、いらっしゃいますか。

○花井委員 おっしゃるとおりで、私どもがここで主張していることは、社会的に重要性が高い。これは、一般的にはそうだよねと分かるのですが、結局こういったものがヘルシンキ宣言以前に、ではほかに何があるかというと、歴史を見るといわゆる軍事的な価値とか、経済的な価値を偏重することが歴史的にあったわけで、社会と言ってしまうと、そのときの政府とか、今はそんなことはないとは言いながら、やはり歴史を見るとそういうことが行われたことがあるので、何かの状況が変わったときに、これは日本の経済に役に立つのだから、それ行けどんどんとなったときに、何かそれに反論できずにこれは許されるとなることを懸念しているわけです。先生方も、それはあってはいけないということは多分一致していると思うので、やはりそういうところをきちんと排除して、私たちからすると患者にとって価値のあるものが重要、若しくは公衆衛生、パブリックヘルスということで、維持はなくても別にかまわないかなと思います。向上だけでも構いませんが、ほかにいい表現があればそれは出していただきたいのですが、社会的に重要性が高いというのは極めて危険な表現と理解しています。

○位田委員 私も花井委員とよく似た立場なのですが、社会的に重要性の高い若しくは社会的に重要なという表現は、非常に広範で一般的で、したがって裁量の幅が非常に広いです。したがって、濫用の危険も非常にある。これは、歴史的に見てもそうなので、以前確かに疫学研究、臨床研究の指針は社会的に重要性が高いという表現でやってきましたが、そのときはある意味では決めるときにちょっと気がつかなかったということであるかもしれませんので、今回はやはりそれは適当ではないと考えます。少なくとも私はそう考えましたし、花井さんもお考えになったと思います。「よりよい表現」と花井さんもおっしゃったように、公衆衛生の維持・向上という言葉が最適かといわれると、若干問題はありうるかもしれませんが、少なくとも社会的に重要性の高い研究という非常に裁量の幅が広くて、かつ濫用の危険が高いものよりは、ずっといいだろうという判断です。

○丸山委員 公衆衛生の向上も、個人情報保護法の中で使われています。あるいは、厚労省の中では公衆衛生の向上が医学、医療の全てを含むというようなところがあるようですので、それでもかまわないという考えもないわけではないのですが。他方、今おっしゃったような根拠であれば、公衆衛生の向上のために何をやってもいいと、何をやってもいいというのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、公衆衛生の向上のために被験者利益の侵害がありうるのではないか。ですから、社会的に重要なというものと、危険が発生する可能性というのは違わない。文言を捉えているだけのようにも思いますが、その辺りはいかがですか。

○位田委員 余り言葉にこだわって論争するのもよくないとは思うのですが、少なくとも私の評価では社会的に重要性の高いという方が幅は広いという評価をしております。ですから、公衆衛生の維持・向上というものが最適かと言われると、必ずしもそうではないのですが。しかし、では何かこれに代わるものがあればそれで議論したらいいと思いますが、社会的に重要性の高いというのは、少なくとも歴史的に考えても、やはり非常に濫用の危険のある文言であるので、それは避けるべきだという立場です。

○丸山委員 歴史的にとおっしゃったのは、どういう場合を想定されているのでしょうか。先ほど、福井先生が言及されました前文の最終行、それから下から 2 行目に、社会的に有益なものというところで、社会がうたわれているのですが、社会的に重要というのでどういう事例を想定されているのか、御説明いただければ有り難いと思います。

○位田委員  1 つずつの事例をあれだ、これだと言っていてもしょうがないのですが、社会的に重要なという文言は、そういう危険性が高いと、私はそのように理解をしております。それから前文の表現なのですが、前文と具体的な条文は、やはり書き方が違って当然の話で、前文はこの疫学・臨床研究統合指針をどういう捉え方でやるのかという前提的な文章ですから、社会という観点が入って当然な話だと思います。しかし、 1 1 つの条文については、個別に懸念があればそれを打ち消し、限定すべき所は限定した用語を使うという形であろうかと思います。

○田代委員 ここの文言に関しては、私も特に問題がなければ元のとおりでも良いですし、統一した方が分かりやすいのであれば、「公衆衛生の向上のために特に必要」でも良いと思います。「社会的に重要性が高い」という文言について、今花井委員や位田委員からいろいろと疑義が出たのですが、置かれている文脈を考える必要があると思います。つまりここは結局、既存試料の利用と、もう 1 つはそもそも侵襲性がなく、本人の不利益にならないような研究の同意免除の規定ですから、非常に限定的な文脈だということを前提とした方が良いと思うのですね。一般的な研究について、社会的に重要性が高いから同意を免除するということではなく、既に蓄積されているサンプルをどう使うか、あるいは一切侵襲性がないものについての同意を免除する規定の 1 つの要素として置かれているので、そういう意味では確かに「社会的に重要性が高い」という文言は少し範囲が広いような感じがあり、文言を捉えるとそういうこともあるかと思うのですが、置かれている文言がどこに効いてくるのかを見ることも、同時に必要かと思います。

○福井座長 ほかの委員の先生方、何か御意見はありますか。私自身は、確かにいろいろ考えれば位田委員、花井委員がおっしゃることも理解はできますが、この指針の全体を読んでみますと、途中から公衆衛生の維持・向上という言葉が浮いてしまっているように、個人的には思いました。前文の所は違うというお話もありましたが、私としては全体の統一性を取る意味では、社会的に重要なという言葉でもかまわないのではないかと、個人的には思いました。

○跡見委員 座長の意見に賛成です。

○福井座長 意見の対立があるのは承知しておりますが、もしよろしければ前文からの続きと、確かに丸山先生がおっしゃった今までの継続性のこともありますので、社会的に重要なという言葉を使わせていただけないかなと思います。

○楠岡座長代理 疫学研究の倫理指針では、社会的重要なの前に、当該疫学研究が社会的に重要性が高いと認められると、疫学研究という縛りが入っている。ただ単に社会的に重要性が高いだけではなくて、疫学研究を公衆衛生と置き換えたのだとは思いますが、当該疫学研究がという縛りは少しあった方が、そこは明確になるのではないかと思います。

○福井座長 でも、その文章ですと、社会にを限定している言葉ではないですよね。

○楠岡座長代理 そうなのですね。

○花井委員 先生方がおっしゃることはよく分かるのですが、やはり社会的に重要性が高いということを条件として書かれているときに、それが何を差し示しているかというのが分からないのですよ。条件を設定しているにも関わらず、それの示しているものが分からないということでは困るのではないですかと。ですから、それが明確であればいいのですが。その条件で言葉尻でいうと、私たちはやはり暗い歴史を思い出したり、最近でいえば、優生思想などいろいろな命の選別というところに、いろいろな論点が起こっているわけで、そういったものがある種の社会の価値感によって引きずられるという事象がありますので、そういうことが想起されて、患者側からすると心配になるわけです。ですので、社会的に重要性が高いというものの含意するものが明確であれば、それはかまわないです。

○田代委員 それは正にそのとおりで、この項目を実際に運用しているときに、常に議論になるところです。「公衆衛生の向上のために特に必要」とはどういうことなのかとか、「社会的に重要性の高い研究」とは何なのだというのは、実際の倫理委員会の中でもいろいろと議論があるところです。そういう意味では、今回今のような御意見が出たので、少なくともこういうことを指していないということを、はっきりガイダンスで書いてもらうのが大事かと思います。

 もう 1 つですが、今の花井委員の懸念は、私自身は「公衆衛生の向上のために」ということも、同じように使われてきた歴史があると思うのです。

○花井委員 それは確かに。

○田代委員 ですのでそれを言い出すと、ここでは同じことだと思うのですね。むしろ、今懸念されているような、こういうことをもって「社会的に重要性が高い」などという意味ではなく、あくまでも実際の患者の治療や生活の質の向上にきちんと結果がリターンしていく、あるいはパブリックヘルスの向上に資するものなのだ、ということをガイダンスできちんと書いてあげて、倫理委員会はそういうところを見て判断するのが、 1 つのやり方かなと思います。

○福井座長 今の御意見を反映した何かしらの説明の文章を 1 つ作る方向ではいかがでしょうか。

○花井委員 私は、それでいいと思います。今、田代委員がおっしゃったとおりで、本当は患者がより健康になるためにというベタな文章を言おうかなと思ったのですが、余りにもガイドラインになじまないので、公衆衛生の向上ならいいかなということなので、むしろ今のよりその方が明確でベターかなと思います。

○福井座長 それでは、そのような説明を付けるという条件で、社会的に重要なという言葉に戻させていただきたいと思います。

○丸山委員 あと細かいところは、先ほど発言した趣旨を確認いただけるのであれば、事務局とやり取りをしたいと思います。

29 ページの下から 7 行目の○ 18 は、臨床指針、ゲノム指針に入っている規定を入れてくださいと個別にバックステージで意見を出して、入れられたのですが、非常に制約が多くて入れた意味がないというか、むしろこれまでは、研究の透明性・公開性を確保するための説明事項でしたが、今回はそれをしなくてもよいことが黙示される規定になっている。最後に赤が入っておりますが、こういうものを追加しても、やはり「できるときにはその旨」というのが書かれると、デフォルトはどちらなのかというようなことになってしまうので、ここは反対意見が委員の中にないのであれば、あればまた説得したいと思いますが、ゲノムの指針、臨床指針にある文言で、先ほど言いました事務局には提示しているものを入れていただければと思います。

 この透明性・広報の重要性がうたわれる時代に、その対象を制約する方向で変更を加えるというのは、どうもよく分からないところがありますので、先ほど言いましたように、本来の姿の条文にしていただきたいと思います。

 

○伊藤安全対策官 こちらの部分についても、先生方の御意見を踏まえながら整理させていただければと。あくまで案ですが、この規定でお示しした経緯を申し上げます。この部分の規定について、まずゲノム指針も含めて、この規定自身がコンセントの例示事項として、これまで指針では書かれていたものです。今回は義務付けという形で整理していますので、そういう意味ではここで書かれた意味については強まっているところがあります。

 それから、この規定については、臨床指針には書かれていますが、疫学指針には必ずしもありません。必ずしも、統合指針の元となる全ての指針について書かれていませんでしたので、このような形で示した次第です。特に疫学の先生方も含めて、丸山先生のような御意見がいいとおっしゃるのであれば、そこはまたいろいろと整理させていただきたいと思います。

○福井座長  29 ページの○ 18 について、何かありますか。確かに、具体的な先生の文章も頂いていると思いますので。

○丸山委員 提出資料を回していただければ。私の発言は、今の所が主要な部分ですので、あとは細かい所で数限りなくあるのですが、それは先ほど言ったような方針であれば、担当者と検討したいと思います。

○福井座長 頂いた資料のどの文章になりますか。 2 ページの下ですね。

○丸山委員 時間を取りまして、すみません。最初に書いたのが私の意見なのですが、下から 2 行目からが私の案文です。その後、 3 ページの 2 行目からが事務局からの回答です。その後、赤くなっている二重矢印が私の再反論ということで、 2 ページの下から 2 行目以下、 3 ページの 1 行目までが私の案になります。

○福井座長 「研究対象者等の希望により、他の研究対象者等の個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で研究計画及び研究方法についての資料を入手又は閲覧することができること」。

○丸山委員 今、事務局から義務付けにしては厳しいのではないかということがあったのですが、ここでは書いておりませんが、研究の独創性を危うくする場合や、個人情報の保護を危うくするような場合を除いておりますので、適用を免除される規定を収めているのでそんなに困らないかと思います。ここで求められるのは、研究計画を公けにすることじゃなくて、対象者に開示することなのですね。ですから、参加者にこの研究に参加してくれないかと求める際に、その研究の内容を明らかにするということですから、人格の尊重辺りの理念から言って、当然のことではないかと思うのですね。参加してくれと言っている相手に研究計画を見せられないようなことは原則ないのではないかというところで、当初検討されたと思います。

 

○福井座長 いかがでしょうか。もし御意見がないようでしたら、私も丸山先生の御意見で行っていいのではないかと思います。事務局から、更に何か意見はありますか。

○伊藤安全対策官 繰り返しになりますが、もともと臨床指針だけに書かれた例示規定として書かれているものですので、特に疫学の先生方がここにもいらっしゃると思いますが、先生方で御異論がなければ、事務局に異議があるわけではありません。

○福井座長 中村先生、いかがでしょうか。この文言で何かありますか。

○中村座長代理 すみません、もう少し考えさせてください。

○宮田委員 文科省のオーダーメイド医療実現化プロジェクトの第 1 期で、やはりこの問題が出ていました。なかなか研究者側では、研究計画をウェブで公開することに関しては、今から 10 数年前は相当抵抗があったのですね。ただ、やはり参加者が求めというのが結構ありまして、できればこういう形で、今言ったように独創性や個人情報などを除いて公開できるなら、公開すべきだと私は思います。

○福井座長 これで問題ないと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

○中村座長代理 丸山先生の御提案で、他の研究対象者の個人情報の保護あるいは研究の独創性の確保が担保されていますので、こういったことを対象者にお示しすることは、疫学研究でも特に支障はないと私自身も判断いたしました。

○福井座長 それでは、その方向でお願いしたいと思います。 31 ページで丸山先生がおっしゃった点については、どういたしましょうか。特に、上から 4 行目の○ 1 から○ 3 のいずれかのという、ここも随分違っているというお話でした。

○伊藤安全対策官 こちらの部分については、現在の指針には、疫学指針に留意すると。その場合の要件の 1 つに、適切な場合に常にという形で、必ずしも留意が義務化しているのかどうなのかというところがありました。このため、最初にガイダンスで示したのですが、本文ではできるだけ義務的な規定、努力義務的な規定を書くことを踏まえ、そもそもの指針が留意というようなことでしたので、今、努力義務の形で案を示させていただいたものです。

○福井座長 具体的には、先生の御提案はどういう文言でしょうか。

○丸山委員 そこの「努めなければならない」という部分についてクレームを出しているわけではなくて、いずれかのという辺りが当初のベースとなったものの要件とは違っているということですね。今、読まれましたように、当てはまる場合にはというような所と、○ 1 、○ 3 など、説明すべき、広報すべき内容について、こまごまと文言がいじられている所があります。

○福井座長 先生の御提案では、この文章は以前に使われていたものに全て、完全に元に戻した方がいいという御意見でしょうか。それとも、今の案の文言を具体的にこのように変えた方がいいという作業が可能なことなのでしょうか。

○丸山委員 結構、今回のように文言をいじって提示されるほうが、作業は大変だったと思うのですね。ですから、元のもので困らないように作ったつもりなので、あえてこのように変更して今回制定する必要はないのと、当初提示されたのが、地域住民等などが○ 1 、○ 2 に加わっておりましたので、○ 1 はそういう場合があるのかもしれないのですが、○ 2 はそういうことを想定せずに作ったものですから、その程度の理解でこの文言をいじられるのかというようなところを非常に懸念した次第です。それならば、元に戻ったほうがいいのではないかというようなことなのですね。それも、今、お配りしたものに書いていると思います。

○福井座長 先生に頂いた資料の 4 ページになるのでしょうか。これですと。

○丸山委員 私は、元のものでいいのではないかということで、ここは具体的に書いていないと思います。ただ、先ほど申しました当初私がここは必要ではないかというので入れていただいた際に、 3 ページの下から 3 行目、 4 ページの上から 1 行目に「地域住民等」というものが追加されているのですが、これは元になかったのですね。なぜ、こういうことをされるのかというのが分からないですね。○ 2 については、あらかじめ研究内容を説明したら対象者の態度が変わってしまうようなタイプの研究で、そのような研究においては、地域住民対象というのはあることはあるかもしれないのですが、ごくわずか。基本的には、少数の、あるいは特定の者を対象にして実施される研究なのですね。そういうものが想定される研究なのに、先ほども申しましたように、いとも簡単に文言を追加されることがありましたので、元に戻していただきたいということで、特に案文は入れておりません。

○福井座長 もしほかの委員の皆さんから特別な御意見がないようでしたら、丸山先生の御意見を採用する方向で。ただ、文言の微調整は私が一緒に。

○丸山委員 それは、統合のために必要な部分はありますので。

○福井座長 その部分については、微調整が必要かも分かりませんので、それは相談させていただきたいと思います。

○丸山委員 最後に、記録のためもあって、疫学指針であるならば、 9 ページの第 3 のインフォームド・コンセント等の 1 に、細則が書かれております。その中の○ 4 のイにある「できるだけ早い時期に研究対象者に事後的説明を与えること」というようなところを考えております。

○福井座長 では、その部分については、先生の御意見を反映できるように、責任をもって事務局と相談させていただきたいと思います。第 12 について、ほかに何か御意見はありませんか。

○工藤課長補佐 先ほど、丸山委員からご指摘の点のうち、 27 ページの○ 3 で「公衆衛生の維持・向上」を「公衆衛生の向上」とすることにつきましては、「維持・向上」としたのは、先ほどの「社会的に重要」という記載との統合を図る観点からでしたので、ここは「公衆衛生の向上のため」とすることで了解いたしました。一方、その後の「同意を受ける手続が困難」という記載に当方で直した趣旨を改めてご説明いたしますと、現行指針の「同意を受けることが困難」の記載については、元々は個人情報保護法における「公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要のある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」という規定に由来するものと理解しております。そこで内閣官房の個人情報保護担当室が作成した個人情報保護法の逐条解説をひもときますと、「本人の同意を得ることが困難」という中には、本人に同意を求めても同意をしてくれない場合も含まれると解説されておりました。しかしながら、この指針においては、そういう場合まで含める趣旨ではなく、即ち、その前の○ 1 や○ 2 で情報公開と拒否機会の保証ということを明確に定めておりますので、本人の意に反してまで、ここでは人体から採取された試料について二次利用できるようにすることを趣旨としているものではないと考えまして、個人情報保護法からの「同意を得ることが困難」という記載振りをそのまま採用するのは不適当でないかということで、「同意を受ける手続が困難」と記載いたしました次第です。

 それでもなお、現行指針の「同意を受けることが困難」という書きぶりのままの方がよいということであれば、ガイダンスにおきまして、個人情報保護法の「同意を得ることが困難」とは意味合いが異なっているという旨の解説をさせていただければと思います。

○福井座長 そもそも、委員の皆さんの確認を頂きたいのですが、同意を得るのではなくて受けるという言葉で統一するのは、これはこれでリーズナブルなことということでよろしいのでしょうか。それで、「手続」なのか「こと」なのかという、非常に微妙な話なのですが、いかがでしょうか。一般的には、「こと」ですよね。手続が困難というのは非常に限定される話だとは思いますが、そこをあえて事務局の案では区別しているということですよね。

○工藤課長補佐 説明が少し早口で分かりにくかったと思いますのでもう一度申し上げますと、個人情報保護法での「本人の同意を得ることが困難」には、同意を求めても同意をしてくれないが、その意に反して行う場合も含まれているということです。この指針におきましてたとえ「同意を受けることが困難である」と記載したとしても、同意を求めても同意してくれないのに敢えて行うという意味は全く含まれないということです。

○福井座長 御理解いただけましたでしょうか。

○丸山委員 今の工藤さんの説明ですと、私はそういう理解をしたことはなかったのですが、個人情報保護法上の同意を得ることが困難というのは、同意を受けるやり取りをして拒否されるような場合でも使える規定という趣旨で作られたと。ここでは、今おっしゃったように、やり取りができれば同意してくれるだろうというような推定が働く場合について、同意なしにやることを認めているのですから、そういう趣旨をガイダンスで説明されることは必要かなと思います。

○福井座長 そのような説明を加えていただくということで、よろしいですか。

○工藤課長補佐 では、この部分の記載は「受けることが困難」といたしまして、ガイダンスにおいて個人情報保護法とは意味合いが異なる旨を解説することといたします。

○中村座長代理 確認ですが、 26 ページの上から 11 行目辺りに、当該同意を受ける手続が困難な場合という表現が残っていますが、これはこれでよろしいのでしょうか。

○福井座長 これは「ただし」の所ですね。ただし、当該同意を受ける手続が困難な場合であって。

○伊藤安全対策官 これは、もともとの指針を参考にして作っている部分もあるのですが、おっしゃるとおり、そもそもの案が公衆衛生のときに手続が困難というところを入れたりしているので、その辺りをもう少し調整しながら、ガイダンスでの書きぶりを相談させていただきたいと思います。

○中村座長代理 よろしくお願いします。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。

○祖父江委員 資料 2 25 ページに、疫学倫理指針と臨床研究倫理指針のインフォームド・コンセント手続の分類が下段に載っています。私は欠席していたので、これはもう議論されてフォローしていない点があるのかもしれませんが、疫学研究倫理指針、臨床研究倫理指針を引き続く形での IC の取り方なので、大きく変わっている点についてはやはり何か説明が必要だと思うのです。疫学研究倫理指針の中で、今回類型化の要素の中で全く漏れているのは、個人単位の介入か、集団単位の介入かという点が、 IC の取り方の指針の本文から抜けてしまっているのですね。私は、集団単位の介入研究をすることが IC の簡略化のところに当てはまるということで対応できるのだと思うのです。ですから、指針自身を変える必要はないと思いますが、このように構成要素から抜けているのだということはきちんと明示をして、ガイダンスの中で説明していただきたいと思うのですが。

○福井座長 これは、どの部分で先生が今おっしゃったようなことを書き加えれば、具体的に集団への介入の所を。

○祖父江委員 集団への介入というのが、この第 12 の中には全然出てこないのですね。

○福井座長 どこに入れましょうか。

○祖父江委員 そうすると、インフォームド・コンセントの簡略化の所ですね。ですから、 30 ページの 6 、インフォームド・コンセント手続の簡略化の所に、集団単位の介入が相当するということを、ここの中ではないのですが、ガイダンスの中に例示として含めていただければ分かるのではないかと思います。

○福井座長 それでは、文章については先生にまた確かめていただく方向でやりたいと思います。よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。それでは、第 13 について何か御意見はありますか。

○田代委員 すみません。私も前から見ていたので、少し確認漏れしてしまったのですが、 32 ページの代諾の要件の所です。ここの代諾の要件の (1) の○ 1 (3) に規定する者を研究対象とすることが必要な理由」というのは、非常に重要な項目だと思っていて、ガイダンスも適切に書いていただいていると思います。

 ただ、一般的には未成年を対象として研究を行うときに、大人でできることを子供でやらないというような、そういう条項は非常に重要なのですが、今回、死者の規定がここに入ってきたことによって、この規定を現状のまま読んでいくと、死者よりも生者を優先して研究対象者としろということになってしまっているのですが、常識的に考えると逆のように思います。死者に関しては今回規定の中で、既に生前における明示的な意思に反していないという条件が加わっていますから、この○ 1 の「 (3) に規定するもの」というのをアとイに限定してもらえば、それで事足りるかなと思います。

 つまり、アというのが未成年で、イというのがインフォームド・コンセントを与える能力がないと客観的に判断される者ですので、自分で同意能力がなくて同意できない人を相手にする場合には、同意能力がある人でできるようなことはやらないというのは絶対に重要なことなので、ここは外せないのですが、これを死者にまで拡大すると、少しおかしなことが起きるのではないかと思ったのです。この点については私も確認漏れしていたのですが、いかがでしょうか。

○福井座長 いかがでしょうか。私もそれでいいのではないかと思われますが。

○工藤課長補佐 同意を受けようとする時点において、亡くなっていらっしゃる方、死者になっている方について、生前の健康に関する情報、診療情報などを利用しようとするときには、それは生きている時点での情報なので、現に生きている方から得られるものだったら、既に亡くなっている人のものを利用する相応の必然性が必要でないか。確かに、「生前における明示的な意思に反していない」ということが要件ですが、かといって対象者から積極的に賛同してもらえているかというと、必ずしもそうではないということもありますので、そういう生きている時点での健康に関する情報を用いようということは、やはり現に生きていらっしゃる方から、インフォームド・コンセントを通じて積極的に賛同いただけるかたちで行うのが基本でないかというところです。

○田代委員 ただそうなるとよく分からないのですが、生きている人に情報を提供してもらったり、試料を提供してもらったりという負担を負わせる方が、亡くなった人からもらうよりもよいという、そういう理解になっていますが、それでいいのでしょうか。つまり死者の方が、生きている人間よりも保護されることになりますが。

○工藤課長補佐 死者よりも生きている人間がという趣旨ではなく、いずれにしても死者について、生前の診療情報などの健康に関する情報というのは、既存試料・情報になると思うのです。既存試料・情報の利用については、生存されている方、生きていらっしゃる方についても同様ですので、別に新たに何か侵襲なり負担を掛けて、情報を取得するということではありません。ですので、生きている人よりも死んだ人のことを重視するということではなく、既存試料・情報であっても、その利用について積極的に理解し、同意を得られる人からもらうというのを基本にした方がよいのではないかという趣旨です。

 亡くなっている方では本人の意思を直接確認することができないのに、代諾者として遺族の方から了解を得てもらうというやり方を敢えてとる必要があるならば、それなりの理由があるべきでないかと。

○丸山委員 田代さんがおっしゃらないので、私のほうで申し上げますが、仮にそうだとしても未成年者とか、あるいは障害によって同意することができない者を研究対象者に用いる場合と、死者の試料情報を用いる場合とでは、求められる慎重さの度合が違うと思います。

 ですから、 32 ページの上から 9 行目の○ 1 (3) の所にこのように並べて、死者も未成年者や障害によってインフォームド・コンセントを与えることができない者と同じように保護するというようなことは、必要ないのではないか。必要以上に保護していることになるのではないかと思います。先ほど工藤さんがおっしゃったように、これまでは本人が生前に研究利用を拒否しているような場合など、明示的な意思に反していない場合という縛りしか付いていないので、それ以上に保護するということは、やはり生きている人に対する安全を第一に考えるほうが優先されるという観点からは、おかしいように思うのですが。

○福井座長 いかがでしょうか。死者については別扱いをした方がいいのではないかと思いますが。

○工藤課長補佐 この会議でそのように合意されるのであれば、事務局として固執するものではありませんので、 32 ページの第 13 1 (1) 、○ 3 の規定については、「 (3) のア又はイについて研究対象とする場合には、その必要な理由」という規定振りとすることといたしたいと思います。

○福井座長 その方向でお願いしたいと思います。第 13 について、ほかにはいかがでしょうか。それでは、 34 ページの第 6 章の第 14 個人情報等に係る基本的責務、ここはほとんど赤字での訂正はありませんが、これについてはよろしいでしょうか。

 それでは、 35 ページの第 15 安全管理の所については、適正な取扱いで (1) (2) に訂正された文章があります。これも特に問題はありませんか。それでは、第 16 保有する個人情報の開示等についてはいかがでしょうか。 38 ページまで続いています。ここでは、 37 ページで適合せずという言葉についての説明がありました。違反でいいのではないかという御意見もあるということです。

 それから、 17 ページに既に適合していないとか、不適合であるという言葉があることもございまして、平仄を合わせたといいますか、一貫性を持たせるということで、こういう言葉を使っているということです。これは法律の言葉でも、適切な言葉でよろしいでしょうか。一般的に私たちは則るとか、そういう言葉を使うことが多いように思うのですが。

○丸山委員 磯部先生がお詳しいだろうと思うのですが、いらっしゃらないので、私は違反の方が分かりやすいのではないかと思って意見を述べたのですが、この点については臨床指針で既に適合性の言葉を使っていますので、また磯部先生が見えたときに発言していただいたらいいのではないかと思います。

○福井座長 ほかの委員の方、どうぞ。

○工藤課長補佐 磯部先生が退席されてしまいましたので、事前に磯部先生から頂いていたコメントを、事務局から御報告させていただきます。磯部先生としては、指針全体について、概括的に「適合」、「不適合」という言い方をするのは差し支えないものの、特定の第何番の○○の規定という個別の具体的な規定については、「適合」、「不適合」ではなく、「違反」という言い方で使い分けするというのが、あり得るだろうという御意見でした。

 同じような意味合いでありながら書き方が異なっていることについて、事務局としましては、先々この指針を読んだ方が、何で違っているのかなという疑問を抱かないよう、なるべくそろえた方がいいのではないかということで、そろえておりましたが、この場でそういったように、指針全体として概括的に「適合」、「不適合」というときと、個別具体的な規定に対して「違反」している、していないということで、書き分けるということでコンセンサスを頂けるのであれば、 37 ページでは「違反」という形でも、差し支えないと考えています。

○福井座長 いかがでしょうか。位田先生、何か御意見はありますか。

○位田委員 今の磯部先生の意見は、指針全体について違反という言葉を使うべきではないという趣旨ですか。つまり可能性としては、違反で統一するというのと、全体を適合、不適合で、個別は違反というのと、全部適合、不適合でいくというのと、 3 つあると思うのですが。

○工藤課長補佐 磯部先生から、 17 ページの方は「違反」と書くべきでないとまでは、明示的に言われてはいないところでありまして、 17 ページの方の「適合せず」、「不適合」という書きぶりは、そのままでもよいということではありました。ちょっと、判然としないところがありますが。

○位田委員 一般的には、やはり違反と言う方が理解はしやすいと思います。適合性と言われると、違反なのかどうか、法律家だったら大体理解はできますが、一般の方が読んだ場合、特に研究者が読んだ場合に、どういう意味なのかというのが分かりにくいので、おかしくない限りは、できれば違反で統一したらどうかなと思います。

○福井座長 いかがでしょうか。違反ですと法律みたいに、何となく強い感じはしますね。

○位田委員 はい、そこのニュアンスはやはりありますので、だから適合の方がいいという判断もあるでしょう。はっきりこの部分は違反だと、要するに指針違反だ、ということは当然言えるわけです。法律ではなくてもルールに反すれば、それは違反なので、したがって違反を使うということも、両方とも可能だとは思います。

○工藤課長補佐  17 ページの所で「適合していない」あるいは「不適合」という言葉が出てくることに関しまして、上から 2 行目では、「不適合の程度が重大であるときには」という文脈で「不適合」という言葉を使っていて、ここを仮に「違反の程度が重大であるときには」という言い方にすると、やや文章的に違和感が、違反は違反であって、それに重大であるか否かというのはおかしいのではないか、というところがあります。

○位田委員 違反でも、重大な違反と軽微な違反と当然あり得るので、ここは不適合の程度が重大だから、だから違反はおかしいという理由はないと思います。英語でも、 serious breach という言い方もありますので、「重大な違反」という言い方もできます。

○福井座長 いかがいたしましょうか。不適合だと、何となくおかしいような気は、私は個人的にはしていますし、違反ですと何か強すぎるような気もしていて、どうしたものかなと。是非御意見を頂ければと思います。

 ほかに、もう 1 ついい言葉がないかなと一生懸命考えたのですが、どうしても思い浮かびませんので、どうしましょうか。違反を使うと、今回の指針自体が、随分強くなったなという印象を与えると思います。

○中村座長代理 規定に反してという表現だと、少し弱くなるかなという気はするのですが、ただ、そうすると、その少し下の不適合をどうするかというのは、ちょっと問題が残ります。

○位田委員 今、中村先生がおっしゃったように、反しているという言葉の方が、ニュアンスとしては柔らかい感じがするのですが、そうなると全体の文章が長くなる可能性があるので、例えば不適合の程度が重大であるときにはという場合には、指針に反している程度が重大な場合にはという言い方は、できるとは思うのです。

 ただ、その場合には少し文章が長くなって、要するに一語や二語で表現しているのを、名詞で表現しているのを動詞で表現するというだけの話なので、反しているという方が意味も分かるし、恐らくニュアンスとしては、違反よりは柔らかいとは思います。その言い方で若干間延びはするかもしれないけれど、いいということであれば、反している、反していない、そういう言い方の方がいいのではないかと思います。

○福井座長 それでは、不適合の程度が重大という所は、指針に反する程度が重大という言葉になるのでしょうか。

○丸山委員 この 17 ページの所は指針全体ですから、磯部先生の意見でも不適合でかまわないということではなかったのですか。

○工藤課長補佐 磯部先生は、 17 ページの方は、これはこれでよいと。一方、 37 ページの方は、元は個人情報保護法という、まさに法律の中で、この規定に違反しという規定に由来しているものなので、「違反」という言葉で、現行指針でも「違反」という言葉を使っていることもありますので、「違反」でいいのではないか。

 だから、 17 ページと 37 ページで、反しているという意味では同じなのですが、 17 ページで「適合していない」、 37 ページの方では「違反して」という使い分け、書き分けがあっても別にそこはおかしくないというのが、磯部先生の御意見でした。

○丸山委員 今、工藤さんがおっしゃったのですが、 27 ページの (4) の規定は、個人情報保護法の規定を踏まえているので、あえて違反と言うのはおかしいということで、その範囲だけ、先ほど中村先生がおっしゃった「反している」と、「反していることを是正するため」というように直せばいいので、余り全体に影響を及ぼすと……、 17 ページまで考える必要はないのではないかと思うのですが。

○福井座長 先生が今 27 ページとおっしゃったのは、 37 ページのことでよろしいですか。

○丸山委員 そうです。

○福井座長  37 ページの所は、反してという言葉で。

○工藤課長補佐 「違反して」ではなくて、「反して」でよろしいですか。

○福井座長 違反でなくて反して、つまり規定に適合せず取得されたものというのは、規定に反して取得されたものというような。

○工藤課長補佐 「不適合」の方は、いかがいたしましょうか。

○福井座長 それは残すということですよね。

○丸山委員 違います。

○福井座長 そうか、その下ですね。そちらをどうするか。

○丸山委員 反していることとか、反している状態とかなのでしょうね。

○福井座長  37 ページでの不適合ですね。その求めが適正と認められるときは、反している内容を是正するためにというような。

○工藤課長補佐 すぐ上で具体的な規定は挙がっているので、「当該規定に反していること」とかではいかがでしょうか。

○福井座長 その方向でお願いしたいと思います。そのほかに、第 16 の部分で御意見はありませんか。よろしいですか。それでは、次に第 3 章と第 4 章の案文についての検討に移りたいと思います。

 第 3 章については、前回までの議論で、研究概要等の公開データベースの登録が議論に挙がったと思います。 17 ページから 21 ページの、上 3 分の 1 くらいの所になります。第 7 研究計画に関する手続の所はいかがでしょうか。 17 ページと 18 ページですが、ここについては、訂正の箇所は今回はありません。第 8 18 ページの下の 4 行から 20 ページについて、研究計画書の記載事項の所です。ここも何か御意見はありませんか。

 それでは、 19 ページの○ 4 、研究の方法及び期間についての注釈ですが、※ 63 の所、研究の方法の所には、研究デザインという言葉が何もないのですが、それはなくてもよろしいでしょうか。研究の方法では、まずデザインの所は、どこかに書いてありますか。なければ、私の意見としては研究デザイン、それから予定症例数などというような書き方にしていただければと思います。

 それから、 20 ページでは上から 9 行目辺り○の 25 の所が、第 21 ではなくて第 20 です。それで、先ほどディスカッションされたモニタリングと監査の所ですが、これはこの文章のままでよろしいでしょうか。それでは、 21 ページの第 9 研究に関する登録・公表の所です。

○川村委員 文章の書き方ですが、後段のモニタリングや監査の所と同じく、侵襲 ( 軽微な侵襲を除く ) を伴う研究であって、介入を伴うものというので、後段の所も同じような表現を使われていますが、これもミニマム・リクワイアメントとして書いていて、基本的には介入試験は全部登録すべきであると思います。

 これは出版バイアスを防ぐということが大きな狙いですが、科学性の確保ということになります。ですので、ここはこれでいいですが、後段のモニタリングや監査の所も含めて、ここに書いてあることは基本線であって、できるだけほかの研究も登録を進めるような気運を高めていくということが必要で、全体を通した書き方の基調というものは、ここに理想を全部書き込み切れないので、多分基本線を書いて、それがだんだん普及していくように、いろいろな機会を通して啓発していくというのが、現時点の書き方かなと思っています。

○福井座長 今のところ研究責任者は、一般的な意味で登録が望ましいというか、するべきだということを書いた後、特に侵襲を伴う介入研究には、こういうデータベースにというような。

○川村委員 書いても書かなくてもいいのですが、モニタリングの所だけ書いて、ここで書かないというのが変なので、書くのだったら全部書くのだし、でも全部書くと重くなってしまうので、基本線だけを書いて、それ以外のことは啓発などで普及を図るという書き方もあるかなと思います。だから、この辺は全文を通した共通の書き方だと思いますが、どちらでなければいけないということはないと思います。

○福井座長 考えたいと思います。ほかにはいかがでしょうか。

○玉腰委員  1 番も 2 番も研究責任者はとなっていて、共同研究の場合には、共同研究の代表者がすればいいことだと思うのですが、その旨をガイダンスに入れていただけますでしょうか。全部の研究者がするわけではないと思いますので。

○福井座長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。

○位田委員 研究結果の公表の所ですが、当該研究の結果を公表しなければならないということで、しばしば成功した場合には公表されることはあるのですが、失敗した場合でも何らかの形で公表する。例えばアブストラクトとか、何かそういうことも、この指針の本文に書くか、ガイダンスに書くかはまだ迷っているのですが、その辺ははっきりさせておいた方がいいのではないかと思います。

○福井座長 先ほどおっしゃった、川村先生の出版バイアスの関係で、これは世界的に当然必要だとは言われていますが、何か事務局の方で。

○伊藤安全対策官 今の案文ですが、研究終了後には、その結果を登録しなければならないと。ここの部分が、成功している部分だけではなくて、失敗している部分も含み得るようにと。成果という文言も最初は考えていたのですが、成果ではなくて失敗した部分、うまくいかなかった部分というのもあるのではないかということで、今は結果ということで書かせていただいています。ガイダンスでこの辺の所を、もう少し補足させていただくということで、よろしいでしょうか。

○福井座長 それでは、その方向で行いたいと思います。

○門脇委員 この意見を述べると少し混乱すると思いましたので、差し控えていたのですが、やはり一度議論しておかなくてはいけないと思うのは、研究結果の公表というのは一体何を示すのか。学会発表をもって公表とする場合もあるのか、それとも論文発表なのか。この問題は非常に重要で、なぜかといいますと、試料の保存期間が公表した後 3 年、あるいは研究終了後 5 年の方の遅い時期ということになっているわけですが、一番の問題は、学会発表を公表として、そのずっと後に論文が書かれた場合に、公表後 3 年経ったからということで、論文が出た時点で試料が廃棄されているというようなことが起こると、論文の検証の上で非常に問題があるのではないかなと思うのです。

 ということで、この公表ということは、特に今回、意味合いが重くなったのは、公表後 3 年間の保存ということを、先ほど研究のデータの検証の面から、この規定をしているので、その意味で公表の定義をより厳密に規定する必要があるのではないかと思います。

○福井座長 いかがでしょうか。業績としては、余り学会発表そのものは評価されないですよね。論文にならない限りは業績にならないように思います。

○門脇委員 私はそういう意味で、これは論文発表にすべきではないかなと。ガイダンスとして付けてもいいですが、もちろん英文だけではなくて和文も含めた形での論文ということが、公表ではないかと思うのですが、そのように規定しておかないと、学会で公表したということをもって、その 3 年後には試料が廃棄され、例えばその後、論文発表がされた場合には、検証のしようがない。それは、この中で保存義務がないとされたからという言い逃れが通用する可能性があるのではないかということを心配します。

○楠岡座長代理 公表と試料廃棄の関係は、公表からではなくて、最終の公表からという形にすれば、それを発表するつもりがあれば当然持っているわけですし、これ以上はもう発表しないと決めれば、それが最終の発表ということになる。

○門脇委員 なるほど、それは非常に賢い、私も考えつかなかった。そうしますと、そこを最終の公表と入れていただくことが重要ではないかと思います。

○楠岡座長代理 最終の公表、ですから、自分がもうこれ以上公表するつもりがなければ、それは最終の公表になりますし、まだ論文でトライしようと思っているのであれば、それが最終の公表ではない。外部から見れば、実はその後、論文にずっと採択されなかったので、学会発表が最終の発表に結果としてなるような場合もあるわけでしょうけれど、個人ということでは、論文を書くつもりがあれば、それは持っていなければいけないということになります。ですから最終の発表というのは、ある意味、責任者の意思によるところがあるわけですが、逆に言うと廃棄してしまったら、その時点からはもう発表ができないということになります。

○福井座長 事務局からどうぞ。

○高江課長補佐 今は 41 ページの所に立ち返って議論いただいているものと理解しています。門脇委員から御指摘がありました、結果の公表後 3 年、確かに学会発表をして、その後で論文が出てくるのは、かなり後になることが多いですし、その後またサブ解析だ何だかんだという形で、 2 3 年たった後に何か事案が勃発しますと、検証ができないという御指摘はごもっともでして、今の楠岡委員からの御指摘も踏まえて、ここを結果の最終の公表後とさせていただいた上で、ガイダンスで具体的に最終が持つ意味は何かと。基本的には論文で、サブ論文も含めて、きちんと最後だというところまで確認しないといけません。これは和文、英文でもよろしいですと。

 ただ、不幸にして学会発表の後に、論文がどこにもアクセプトされなくて、論文化されない、もうこれ以上チャレンジはしない、学会発表が最終だと考えた場合には、それが最終であるみたいな、そこは少し噛み砕いた形でガイダンスを付けさせていただければと考えています。

○門脇委員 ありがとうございます。非常に適切な、事務局からの御意見だと思います。

○楠岡座長代理 それと、もう 1 つはこちらの方の公表ですが、確かに今、投稿すれば必ず掲載するという雑誌もあるので、論文化を義務づけるということも可能は可能なのです。しかし、論文としてはどうしても通らない場合もあるので、その場合、どこまでをもって公表とするかということを明示する必要がある。論文を義務づけると、永遠に保存ということもありますので、その辺はガイダンスか何かで説明を。

○中村座長代理 今のに関連して、医学の世界は、確かに学会発表というのは論文の前段階みたいな感じで、きちんとフルペーパーにするというのが、ある意味で常識かもしれませんが、ほかの分野といいますか、少し離れたコメディカルの分野とか、そういう所では学会発表で終わりというような所も結構あります。そういった所まで指針を適用しなさいということであれば、学会発表でもう終わりですよという分野についても、何らかの配慮が必要だと私は思っています。

○真田委員 追加してもいいですか。やはりプロシーディングが論文の代わりをするような雑誌も多々あると思うのです。ですので、やはり論文と言ってしまわない方が的確ではないかと思います。

○福井座長 いろいろな種類を列挙して。

○門脇委員  1 つだけ、今のコメディカルという発言が気になりまして、コメディカルという言葉は最近では、医療スタッフという言い方をするということと、もう 1 つは医師以外の医療スタッフという言い方をすることもありますが、医師が研究をしたら論文を書く、医師以外の医療スタッフは論文を書かない傾向があるというのは、それは一般論ではとても言えないことなので、今のは余り適切な発言ではないと私は思います。

○中村座長代理 すみません。不適切な発言に御指摘を頂きまして、ありがとうございます。要するに私が申し上げたいのは、それぞれの学問の分野でカルチャーがあって、そこは随分違う所がありますよ、というような趣旨です。

○福井座長 では、そういう例示をお願いしたいと思います。それから、研究班の報告書みたいに、一部のグループの人にしか目に触れないようなものもいろいろありますので、最近は Gray Literature と言われているらしいのですが、そういうものも含めて、どういう公表の手段があるかということの例示をお願いしたいと思います。

○位田委員 これは懸念している問題で、必ずしも指針の中に書き込めないかもしれないのですが、例えば企業が研究資金を提供していて、研究は研究機関がやっている。その研究成果を、研究資金を出した側が発表したがらないというケースがあり得ると思うのです。この第 2 項の趣旨が、なかなか徹底しないので、その辺はどうしたらいいものかなという。

○福井座長 それこそ倫理の問題で、研究者の倫理ですね。ネガティブデータが出たから、会社に言われるままに出版しないというのは、やはり倫理に反している。

○位田委員 ネガティブデータだけではなくて、研究が成功した場合であっても、例えば製薬会社が研究を発表させないというのは、大いにあり得ると思うのです。

○跡見委員 公表が必ずしもパブリケーションに結びつかないのが当然だと思うのです。ここに書いてあるように、公表の内容や方法についてはガイダンスで示すということですから、今のネット社会で、各施設がネットでオープンに公表すれば済むことですよね。そう思うのですが、パブリケーションだと本当に 3 年も 4 年もやり取りして駄目というのが結構あったりしますので、だからそれは、そういう書き方でガイダンスで書いてもらえば済むことだと思うのですが、いかがでしょうか。

○門脇委員 公表は今、位田委員やほかの委員からも御発言いただいたように、論文発表もありますし、あるいは知財の関係などですぐに論文発表できない場合もありますし、いろいろな理由で、例えば私は厚生労働省の班研究をやっていますが、 10 ぐらいのコホートをやっていて、その一つ一つのコホートで論文を書くということで、それと競合するので、全体としては厚生労働省の研究報告書だけを出すという取決めをしているような場合もあるのです。それは政策決定に役立ちますので。

 ただ、どんな公表の内容でも、それを後で検証できるということが非常に重要で、そういう点で先ほどお話があった、最終の公表から 3 年という言い方は、それがベストかどうか分かりませんが、考えられる一番いい表現ではないかと思います。

○宮田委員 門脇先生がおっしゃることはもっともで、ディオバン事件の影響がここに出ていると思うのですが、この結果の公表とか、あるいは臨床試験、疫学研究の登録というのは、一方で研究対象になる市民から言わせていただければ、積極的に参加する機会も開示されていると思うのです。ですから、そちらの観点からの議論も絶対に必要だと思うので、そういうわけでこの公表というのは論文だけではなくて、データベースにおける内容の公表ということも、少し議論していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○福井座長 かなり大きなテーマだと思います。データそのものですね。

○宮田委員 となると変な話ですが、ここの前の方を私は全然忘れているし、今、遅れてきてしまったので何とも言えないのですが、研究計画書の記載の所で、研究期間みたいなものの記載が結構必要になるかな。つまり、いろいろな臨床研究をやられても、終わったのか終わっていないのか、それすら分からないような状況が今ありますので、できればそういう臨床研究で、自分が今かかっている病気が、何か研究しているときに、コントリビューションしたいときに、 Clinical Torial.com などを見ると、参加できますというような情報も与えられていますので、登録のときにはそこら辺の情報もすごく重要だと考えているのです。ですから、研究不正の問題と、それを分けて少し整理していただきたいと思います。

○福井座長 研究の終了は、倫理委員会に報告することになっているのではなかったですか。そういう文言がどこかにあったような気がします。

○宮田委員 それは後で確認してください。

○福井座長 ほかにはよろしいでしょうか。

○中村座長代理 研究の登録についてですが、これは指針にも書きようがないし、ガイダンスにも書きようがないことなのですが、あえて発言しています。最近、相談を受けているのは、クリニカルトライアルをやるというので登録をしたら、要するにアイディアを盗まれた、大きな所が後から同じ課題でやったのがあるということで、そういうのはどうなのだということを言われたのですが、それは世の中のルールとして登録しなければいけないのだろうと。ただ、その登録を公表されているので見てアイディアを盗むというのは、これは本当に反倫理的ではあるのですが、証拠がないというのが問題でして、その辺はいかんともし難い。でも、現在の登録の方法というのが、本当にこれでいいのかどうかということについては、ここの会議でということではないかもしれませんが、少し考えなければいけないことかなと、私自身は思っています。

○福井座長 ありがとうございます。もしよろしければ、ここで 5 分間休憩したいと思います。 4 50 分から第 3 時限目を始めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

                                     ( 休憩 )

○福井座長 時間になりましたので、お疲れのところ恐縮ですけれども、議事を再開したいと思います。第 4 章、 21 ページから 24 ページですが、前回までの議論では、倫理審査委員会における迅速審査について随分御議論いただきました。この点につきまして事務局から説明をお願いします。

○高江課長補佐 事務局から御説明させていただきます。迅速審査のところですが、資料 1 でいきますと 24 ページになりますが、ここは文言の修正をしていません。前回までの会議の中で付議不要のところについて、きちんと取扱いをガイダンスで示すという形で御説明させていただいたところです。そこの概念ですが、資料 2 23 ページをお開きください。資料 2 23 ページの上段です。こちらは現行指針と統合指針につきまして、それぞれ考え方を整理しています。現行指針では、一番下に付議不要として要件確認、いわゆる届出の形のものがありますが、今回、この迅速審査と付議不要を、右側の統合指針の迅速審査という形にまとめさせていただこうと考えています。

 右下にマルで囲んでいますけれども、統合指針においては現行指針の付議不要という考え方をなくして、審査を受けなければならないという考え方の下、審査の手法とか審査結果の類型など、今まで付議不要であったものであって迅速審査を受けた場合に、例えば年 1 回全部報告しなければいけないのは要らないとか、そういったところの要件を研究者側と倫理審査委員会側、両方、過渡の負担が生じないような形で実例を幾つか挙げた形で取扱いを示すことにより、現場の混乱をなるべく少なくしようと考えています。

 ただ、このガイダンスを書く場合に、実際に今まで付議不要でされていた事例について、各先生方からいろいろ御意見を頂き、そこが現場で困らないような形で迅速審査だけれども、実質、今までの付議不要と手間的には変わらないという形を取るために、どういう形で運用することが必要かについて御意見を頂きながら、ガイダンスの方を作成していければと考えています。

 あと、資料 1 22 ページで下の注釈の※ 87 について、丸山先生から配布の資料で御意見を頂いています。そもそも、なぜこういう注記が要るのかということですが、これは楠岡委員から、今まで承認という形で倫理審査委員会で使われていたけれども、一時中断とか、いろいろな類型に関して示した方がいいのではないかと御指摘を受け、前回、 3 26 日に開催したときに、審査結果の類型として「適当とする」「修正した上で適当とする」といった原案を出させていただきました。

 その中で、今まで承認という現場で慣れ親しんだ言葉を使っているとの御指摘もいただきましたから、今回、承認 ( 許可して差し支えない ) 、不承認 ( 許可することは適当でない ) 、保留 ( 承認には更なる説明が必要 ) 、一時中断 ( 研究の継続には更なる説明が必要 ) 、終了 ( 研究の継続は適当でない ) 等が類型としてあるという形で、新たに案を出させていただいています。

 この考え方については、今まで慣れ親しんできた承認という言葉を使った上で、考え方として、この倫理審査委員会は研究機関の長の諮問機関という位置付けであり、倫理指針の委員会が全てを決定する機関ではないということがありますので、許可して差し支えないと括弧書きで付けたという形で案を出しています。こちらの方も併せて御議論いただければと考えています。事務局からは以上です。

○福井座長 ありがとうございます。もう 1 点、川村委員から前回提出された資料をリバイズしたものが提出されています。資料 4-1 です。川村先生から説明を頂きたいと思います。

○川村委員 前回のこの会議で、先ほど事務局からも御提示がありましたように、以前の指針であった付議不要あるいは審査不要だけれども、指針の適用で届出だけはしようと届出制を提案したわけです。そうしますと、従来、付議不要であったものとして例えば無記名のアンケート調査のようなものが相当しますけれども、倫理面から言うと確かに人の道に反する懸念は少ないのですが、科学性の審査が置き去りになってしまわないかということがあります。また、倫理委員会に届け出ていて倫理委員会が認めているけれども、形態上の審査と言いますか、外形的な判断だけで、倫理委員会に届け出て受理されていることが独り歩きしてもいけないということで考え直し、結果的に迅速審査を幅広くすることによって包含できないかと考えています。

 すなわち、資料 4-1 ですが、真ん中より右の上、指針を適用するものについては通常審査か迅速審査とする。ただし、迅速審査と言っても、それをまた二通りに分けて委員長が単独で決済するというか、見て外形的な判断、科学性について特に問題がないことを確認して是とするものと、実際に委員を指名して内容について少し精査するものと、 2 つに分けて運用してはどうかと考えています。

 そうしますと、一応、審査を経たという形になりますし、科学性についてもある程度チェックができると思いますので、運用で(一つは)迅速審査を簡略化して実質的には届出にかなり近い形のものと、(もう一つは)多施設共同研究の自施設分の審査のような迅速審査、あるいは研究計画の軽微な変更のような審査のものと、 2 つに分けてはどうかと考えます。そうすることによって科学性がチェックされるということと、倫理委員会が内容的にもチェックをして委員の目を経ているという形態になるということです。

 ただ、ここで言う科学性というのは、飽くまでも精致な科学性、内容的に新規性があるか、学術的な価値が高いかということでなく、倫理委員会の仕事としては、著しく非科学的でないことが確認できればいいとするつもりでいますけれども、いずれにしても実質的に倫理委員会の業務負担を余り増やさず、しかし、最低限のチェックだけはするということで、迅速審査を広く取って前回提案した届出制というのを、そこに包含するような形で今回の図は作ってみました。以上です。

○福井座長 ありがとうございます。ちなみに、今、先生が説明された内容と、 24 ページの真ん中の 3 の迅速審査に書かれている内容とでは、何か違いがございますか。

○川村委員 内容的には矛盾は生じません。ただ、運用の仕方ということで、ここの文面には出ていないガイダンスなどで示唆を出すということです

○福井座長 ありがとうございます。

○祖父江委員 多施設共同研究の場合の分担研究者が、各施設の倫理審査、迅速審査を受ける必要があるということが、ややリダンダントなのかなという感じがするのですが、一方で、新指針の 18 ページの (3) に「研究機関の長は、他の研究機関と共同して実施する研究について倫理審査委員会に研究計画を一括して審査するよう求めることができる」とあります。共同研究する場合、 1 つの主たる研究機関において一括して審査を受けた場合に、分担研究者の人はそこでもう審査を受けたということで、この迅速審査を受けなくていいのかどっちなのか、そこが確認したいところなのです。

○福井座長 いかがでしょうか。

○川村委員 正におっしゃるところが、まだ検討ができていないところだと思います。確かに同じ研究をいろいろな所で審査するのは、不合理と言いますか手間暇がかかる側面があります。しかし、反対に、施設によって事情が多少異なるとき、委任することはできるけれどもよその倫理委員会がオーケーと言ったものを自施設の長が是とするかどうか、またちょっと違うと思うので、一応、この中では他施設に委任することができる、と。委任された倫理委員会は、実施施設の事情を勘案して審査しなさいということは入っているので配慮はされていますけれども、それで普遍的にいけるかどうか。そこは議論して合意を得ないと思っているところです。

○楠岡座長代理 どの倫理審査委員会にかけるのかは、研究機関の長が決めることになります。したがって、全ての共同研究者の所属する研究機関の長が、一括して 1 つの共同 IRB で審査をすれば、見かけはそれぞれの申請を審査したように見えますけれども、実際上はプロトコールは 1 つなので一括して審査する。ただ、各施設の状況は少しずつ違うので、そこは別々に審査する必要があるかもしれませんが、実効的にはいわゆるセントラル IRB でやるのと同じことができると思います。ただ、もしどこかが乗り遅れると、そこは自施設で迅速審査でやらないといけない形になると思います。

○祖父江委員 その場合でも、中央の方に変更申請をして、共同研究追加になりますということで 1 か所で。

○楠岡座長代理 そういう手もあります。ですから、どういう形になるかは実際のところによることになるかもしれません。

○跡見委員 現行のままで、各施設で迅速審査で受けるべきだと思います。これは倫理委員会の質保証と絡んでくるので、いろいろな所がいろいろありますから、一括でやるという法がまだ確立していない段階では、共同研究は各施設の倫理委員会で、迅速審査でいいから受けるというのが一番いいだろうと思います。

○福井座長 よろしいでしょうか。

○玉腰委員 共同研究機関と言ってもいろいろな在り方があって、同じように試料、情報を集めながら一緒にやるような共同研究機関としての在り方と、連結可能匿名化状態でデータを受け取り、その解析のところで関わるような共同研究の在り方とか、検体を連結可能匿名化状態で対応表なしで受け取り、分析するような研究の在り方というのもあるので、一括りで他の研究機関と共同して実施すると言っていても、随分、在り方が違っているように思います。そこは全部同じように位置付けないといけないのでしょうか。

○伊藤安全対策官 今の規定では、まず 1 つとして、倫理審査委員会は自分の機関で設置した所でやらなければいけないということではなく、外部の機関もどんどん活用してかまわないし、自分の機関でやってもかまわない。共同研究という在り方でも、研究分担機関を設けて少ない業務だけやっている場合もあるし、同格でやっていくような場合もある。その辺も含めて、それぞれの研究機関の長なりが判断して、一緒に外の倫理審査委員会で一括してやると。それは連名してやる場合もあるし、内容は一緒でも別々にしていくというのもある。あるいは自機関でそれぞれやる場合もある。そこは長がそれぞれ御判断してやっていただくという立て付けになっていて、どういうふうにしろというところまでは今の規定では書いていないと、そういう整理にさせていただいています。

○玉腰委員 参考までに伺いたいのですが、ガイダンスの方へ落とすことになっている手続を示すというのは、どのようなものが想定されているのか参考までに教えていただけますか。 18 ページの※ 58 です。今の研究機関の長が一括して審査するよう求めることができるというのが、具体的なものが多分何もないので私たちが想像できていないのだと思いますので、今、想定されているものを教えてください。

○伊藤安全対策官 ここのガイダンスで書かせていただいているのは、今、申し上げたような形でいろいろなパターンがあり、どのような形で倫理審査委員会の手続を経ていくかいろいろ考えられるということで、今、申し上げたようなことを想定しています。もう少し細かいところで御意見があれば、逆に我々としてもいろいろと御意見を頂きたいと思っているところです。

○渡邉委員 参考までに、治験の場合には実施医療機関の長が他の倫理審査委員会に審査を依頼することができるという文言の整備です。あと他の研究機関から依頼されて自分の所の倫理委員会が、他の施設で行う臨床試験も審査ができると、そういう整備だと思います。ここはそういうことも含んでいるのではないでしょうか。

○福井座長 藤原先生からイギリスの状況などのお話も伺って、その地区に 1 つある IRB に審査をお願いするというシステムも、将来的に考えられるのではないかという話も随分伺いましたけれども、必ずしも自分の所で審査しなくてもいいという方向で今回は内容を作っているのは事実だと思います。

○伊藤安全対策官 それに加えて、先ほど申し上げたかもしれませんが、共同研究だからといって必ず一括でやらなければいけないわけでもないところも含めて、少し包括的に捉えられるような形の規定ぶりにさせていただいているということです。

○宮田委員 日本のこういうガイドラインや法律の構造というのは、機関の長が最終的に責任をとるようになっていますね。でも海外ですと PI が責任をとるようになっているので、そういう意味では外に出したとき、 PI がその倫理審査に関して責任をとるという体制が明確なのです。日本の場合、機関の長にちょっと過大な責任を負わせているので、今の構造を大きく変えない限り、これはファイリングのテクニックの問題だと思いますけれども、機関の長が外に審査を依頼したとき、その審査を依頼したことの結果も含めて機関の長がファイリングしなければいけないし、それはひょっとしたら、その機関の倫理委員会が情報共有できるような道を作っておかなければいけないのではないか。川村先生はきっとそう思って登録という考え方を出して、それが今、迅速審査に変質したのですよね。そういうのは必要なのではないか。それは単に機関の長がその記録を保存し、倫理委員会と情報を共有するみたいな 1 文があれば済むのではないか。各施設の倫理委員会の負担を増やすことは余り得策ではないので、そこら辺の処理で済むのではないかと私は思っています。

○福井座長 そのような内容を書き込む必要があるかどうかですけれども、もし運用に任せるということでいけるのであれば、このままいきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○丸山委員 今、話題になっている 18 ページの上から 11 行目の (3) ですが、一括してというのは先ほど祖父江先生がおっしゃったところですかね、出遅れた所はできなくなるというのがあるので、これはなくてもいいのではないかと思います。これまで私自身も関係したので、症例が集まらないということで、あとからぽろりぽろりと追加されるケースがあるのではないかと思いますので、一括してを取ってしまい、玉腰先生のおっしゃるどんな場合かというのはだんだん分からなくなるのですけれども、いろいろな場合が想定できるということを、注の 58 に対応するところでお書きになればいいのではないかと思います。

 

○福井座長 この一括してというところを省くということでしょうか。なくてもかまわないということでしょうかね。後藤委員、どうぞ。

○後藤委員 今の点ですが、機関の長とか委任を受けている倫理委員会に、ある程度判断を任せるということがあるので、余り書き込まない方がいいというのが 1 つと、ただ、一括してと書いてある趣旨は、共同研究する限りはどこが何を担当するという、きちんとした枠組みを最初に対応しておかなければいけないということが、一括してというところに表れているような気が私はしているので、一括してという言葉を外してしまうと、何かばらばらになってしまうようなイメージもあります。これは求めることができるという規定ですし、しなければいけないわけではないので、取りあえず例示として、一括してやることも可能ですということを、示しているにすぎない規定ではないかと理解できると思います。

○福井座長 もし一括してを外すと、その前の倫理審査委員会は、他の研究機関の倫理審査委員会と書かないと分からなくなってきませんか。それは大丈夫ですか。

○楠岡座長代理 少し共同の意味を持たせる意味では、共同して実施する研究について同一のとか、 1 つの倫理審査委員会に審査を求めることができると。一括といった束ねるのではなく、ばらばらであっても同じ所へ集めるという意味で同一のとか 1 つの倫理審査委員会にという言い方で、逆に一括を外すのもひとつの考え方かと思います。

○福井座長 研究を統合する中心となる研究機関の審査も、他の所でやってもらうことができるということですね。

○楠岡座長代理 はい。

○位田委員 要するに、皆さん、イメージは 1 つだと思います。例えば研究機関の長は他の研究機関と共同して実施する研究について、研究計画を一括して 1 つの倫理審査委員会に審査するよう求めることができると、ちょっと置き替えて 1 つのというのを入れれば。

○福井座長 それでよろしいでしょうか。明確になると思いますけれども、ありがとうございます。第 4 章全般につきましては、いかがでしょうか。

○田代委員 迅速審査のところに戻るのですが、私のほうで前回、統合指針の規定を再整理して、今回、統合する前のものと突き合わせたときに、迅速審査の範囲が狭まっている印象を受けました。今の話の流れでも迅速審査をなるべく広く取って、運用で考えてもらうということで言うと、迅速審査の規定の今回の○ 3 と○ 4 は、以前は「最小限の危険」という言い方をしており、日常的な医学検査で被るような危険を含むものは迅速審査ができるという規定だったのです。しかし今回、この範囲が結構狭くなっています。特に介入研究を全て省いているので、侵襲がない介入研究も全て本審査に行くことになっていますから、実質的にかなり狭まっている気がします。なので、○ 3 と○ 4 がこのままでいいのかどうか少し気になっています。前と同じ程度だと、恐らく軽微な侵襲を伴う研究は迅速審査にすることができて、機関の判断で、これは本審査という場合は回すという形で運用されていたと思います。しかし今回、介入研究であれば侵襲の有無にかかわらず全て本審査に行くという仕組みになっているので、事実上、規制の強化になっているところもあり、これは本当にこのまま行っていいのかというのが 1 つあります。少なくとも○ 3 は、侵襲を伴わない研究に関しては迅速審査を許容するという言い方にしてもいいのではないかと思いますが、ほかの委員の意見を伺いたいと思います。

○福井座長 いかがでしょうか。侵襲と介入というのがキーワードであり、組合せによって対応が異なってくるのではないかということで、恐らくこの文章もそこから出てきたことではあります。介入の有無にかかわらず、侵襲が軽微であれば迅速審査でいいかどうかということですけれども、いかがでしょうか。

○丸山委員 軽微な侵襲を伴う介入研究というのは、具体的な例が想定できるのでしたらお話しいただければと思います。

○田代委員 軽微な侵襲を伴う介入研究となると、恐らく例示で挙がっているものとしては診断関係のものが多いかと思いますが、どういうのがありますかね。今まで軽微な侵襲で例示が挙がっているのは、少量の採血とか MRI による撮像というのですが、余り割り付けるというイメージがないですけれども。

○丸山委員 迅速で対応できるものとして、どういうものをお考えですか。

○田代委員  1 つはっきりしているのは侵襲を伴わない研究で、もともと川村先生も出されていたような運動に関する介入研究です。少し運動させて介入し、それで比較するようなものとか、あと、うがいの比較試験といったものを挙げられていて、それが今回、全て本審査に回ることになっていると思います。

○川村委員 インフォームド・コンセントでもそうですけれども、研究が研究たる特別に倫理的配慮が要るというのは、 1 に侵襲、 2 に介入だと私は思っています。だから、その 2 つはフル審査にしないといけないのではないかと思います。侵襲はもちろん生体に傷を付けることですし、介入というのは、相手の意向について、例えば医療であれば医師 - 患者関係で決まるものを研究者が立ち入ることにより、非日常的というか医療の本質から外れることになる。そういう本来のものの決め方と違うことをやってもらうことに関して倫理的配慮が要るということで、侵襲と介入は特別扱いでフル審査が必要だと思っています。

 ただし、倫理委員会の負担も考えて多施設共同研究は一括してやれるとか、介入なし、侵襲なしのものは迅速審査で、しかもかなり省略形のものもあると。完全に個人情報などがマスクされていて、問題ないものは届出に近い迅速審査でいいということで、極力、倫理審査委員会の負担を軽くし、本当に倫理面で議論しなければいけないものにエネルギーを傾斜配分することにした上で、侵襲と介入はフル審査であるべきではないかという私の考え方です。

○田代委員 私の個人的な考えを言いますと、介入が関わるのはむしろインフォームド・コンセントだと思っています。つまり、介入を許容するかどうかということです。むしろ侵襲が、どちらかというと、もともとリスクや負担と併せて考えていたということもあって、審査ということが馴染むかなと思っています。そういう意味で、ここでは侵襲概念で審査を考えてもいいかなと思いました。

 ただ、今川村先生が示された考え方も一理ありますから、繰り返しになりますが、今までの指針では、介入研究だからといって自動的に全てフル審査ということにはなっていなかったのですが、今回なっているので、その点についてここで一度合意ができるのであれば、このままやるということもありかなとは思います。

○宮田委員 今の田代先生の整理は非常によかったと思いますが、それでは、インフォームド・コンセントで我々素人が介入におけるリスクを理解できるのかというと、それはないだろうと思っていて、それは倫理審査委員会などで検討していただく必要があると私は思います。

○田代委員 繰り返しになりますが、私は介入自体にリスクがあるという理解ではないのです。先ほど言ったように運動するということで、例えば運動する群としない群に割り付けられても、多分、運動すること自体にリスクがあるわけではなく、侵襲の方にリスクがあるという理解で見ていたので、侵襲を一切伴わないような研究に関して何か参加者が理解できないようなリスクが生じるかということで言ったのですが。

○宮田委員 それは、運動だって心血管系に何らかの異常があれば侵襲になります。アレルギーみたいなことを考えると、食事の介入だってリスクになる可能性があるので、それは、そうきっぱり分けられないのではないかというのが私の印象です。

○門脇委員 今の意見について、宮田委員に賛成します。実際、 8 ページから 9 ページにかけて介入の定義が出ています。研究目的で人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因の有無や程度を制御する行為ということで、人の健康に関する様々な事象に影響を与えるということは、その個人にとってのいろいろなリスクも含んで影響を与えるということですから、その研究がそのような重みを持っている以上、介入を伴うものは迅速審査ではなく本審査にすべきだと思います。

○福井座長 よろしいでしょうか。

○知野委員 別のことで、 22 ページに設けられた倫理審査委員会の類型ですけれども、今後、全てこの類型で応えていく形にされるのでしょうか。 22 ページの下から 3 行目に文書により意見を述べなければならないとあり、そこに注釈が付いていて、審査結果の類型としてはということで赤字でいろいろ書いてありますけれども、今後、倫理審査委員会というのは迅速審査に限らず、全て含めてこういう形の類型でと考えていますか。

○高江課長補佐 ガイダンスですから、類型の案として今やられているのと余り変わらない形で出したつもりですが、これに該当しない審査結果も当然出てくると思いますので、そこは施設が臨機応変にということです。ただ、基本的な形として、こういうものがありますよというのを示した方がいいのではないか、という御意見を踏まえて書いています。だから、これに全部してくださいということで書くものではないという理解です。

○知野委員 分かりました。一応、こういうように記載されれば、こういう形のものを書こうということになると思いますが、最後の「終了 ( 研究の継続は適当でない ) 」は、終了という言葉とはニュアンスが違うなと感じました。多分、これは打切りとか中止などに近いものではないかと思いますので、この表現だと記録が曖昧になるのかなと感じてお尋ねした次第です。

○位田委員 今のところですが、括弧に入っている部分は、ここの注で書いておかないといけないのでしょうか。例えば承認なら承認、保留なら保留でいいのではないでしょうか。括弧に入れて説明している部分がよく分からない。なぜこういうのが入っているのか。しかも、例えば許可して差し支えないといったのは機関の長に言っているわけですよね。許可するのは機関の長で、だけど倫理委員会がやるのは承認だけの話なので、それ以上書かなくてもいいのではないか。

○楠岡座長代理 これは私の意見ですが、もちろん、結果として返すのは承認とか修正後承認でいいと思いますけれども、今、承認とか修正後承認のところの解釈に混乱が生じています。承認とか修正後承認に関しては、ほぼどこも同じ解釈ですが、混乱が生じているのは保留というところです。多くの所は保留というのを、今回は決定まで至らなかった、もう少し資料等が出ないと結論が出せない、でも却下まではいかないから置いておき、判断を保留するということですが、 ICH-GCP で言っている保留というのは、現に進んでいる研究に問題が生じたので、一旦止めなさいという保留なのです。ところが、保留というのが日本語で 2 つの意味があって混乱が生じているので、今回、保留というのは、どちらかというと承認に対する意見の保留ということであり、研究を一旦止めることに関しては一時中断と、新たにカテゴリーを明示したということ。

 それから、先ほど出た終了は中止ということで、要は危険だからやめなさいという IRB の判断として終了と言うのですが、本当を言うと実は中止命令に相当するものなので、もし終了というのが分かりにくいのであれば、むしろ中止と言う方がいいかもしれません。これは飽くまで分類上の概念で、例えば承認を適当というふうに返される委員会があってもそれはかまわないのですが、カテゴリーとしてはこれぐらいのものがありますよということの例示として、ここに出していて、その意味を括弧書きにしているという状況です。

○位田委員 私が申し上げたいのは、要するに括弧書きにすると逆にまた混乱を呼ぶかもしれないと思ったのです。先生がおっしゃった保留、一時中断、終了というのは、一番簡単なのは承認するかしないかという話ですので、それ以外のものが入ってくる場合には括弧書きで説明が入った方が分かりやすいとは思いますが、全部に括弧書きで説明を入れる必要ないのではないか。

○楠岡座長代理 そういう意味ではガイダンスのガイダンスみたいな、要するにガイダンスの中にはこれだけ書き、ただ、承認はこういう意味ですという追記みたいなものがあって、それから各委員会が返すときには承認と書かれていて、欄外に承認とはこういうことですというものを付ける。運用上の工夫が要る中で用語が混乱しないように、ここは括弧書きにしているということで、更に承認とはこういうことですと別書きにしても全く問題ないことだと思います。

○丸山委員 今、位田先生がおっしゃったところと重なるのですが、承認、修正した上での承認というところは、こういう制度の枠組み、建前に照らして書かれたのでしょうけれども、現在、うまくいっていると思うのです。許可して差し支えないということを書かないで、しかし、機関の長が許可するという形でなされているので要らないのではないかと思いますし、保留というのも、私が関与している所では多くが継続審査あるいは継続審議というようなことですので、こういう例示自体が役に立つのかというところ、それから特定のタイプの研究を念頭に置いていて、すべからく使える文言ではないところがあるのではないかということで、既にお示ししたところですが、なくてもいい規定ではないかと思います。いかがでしょうか。

○楠岡座長代理 なくてもいい規定と言えばそうなのですが、現に省令 GCP の中に保留という言葉があり、その保留の使われ方が本来の意味と違う形で、要するに意見保留の意味で使われています。 ICH-GCP には、現に進行している研究を中断させるという意味でペンディングと注釈が付いているのですが、省令 GCP にはそこは書かれていないので、保留というのが意見留保という形で使っている所が今は結構多く、混乱も生じているのです。これはガイダンスに書く話なのか、教育的に別にした方がいい話なのかもしれないのですが、そこの整理をしておきたいということでここに出しているところです。ですから、保留と一時中断を混同しないように、もちろん、施設によっては保留を別の意味で使っていいわけですが、そのときに、 SOP なり何なりにその意味をしっかり明示しておいていただかないと、ただ単に言葉だけがポンとあると混乱のもとになるので、こういうような形を入れているところです。ですから、ガイダンスに入れるべきものなのか、もう少し別にそういう言葉の教育的なものをする方がいいのかというのは、議論によるところだと思います。

○丸山委員 加えて、今おっしゃったところで、治験あるいは ICH-GCP もそうですけれども、それはこの指針の対象ではないのです。ですから、そのあたりから問題が生じているということであれば、ちょっと場がそぐわないところがあるのではないか。むしろ今、先生がおっしゃったようなところが議事録に残って、広く知られるようになるということで、その場、その場で適切な対応が取られるのではないかと思うのですが。

○川村委員 保留が混乱を招くので、「修正後再審査」とすれば明確になると思います。

○楠岡座長代理 再審査ですと、もう一度審査のプロセスが一からやり直しになってしまうので、要は判断を出さないで次回の審査まで置いておきますよと。再審査という場合は、その前提に一旦返すというプロセスが発生してしまうのです。

○丸山委員 そのとおりです。

○楠岡座長代理 結局、申請者からすると、一旦却下されたのを、もう一度、一から出し直すことになってしまう。要するに追加資料があればオーケーにするという意味で。修正の上の承認というのは、修正すれば迅速審査でそのままオーケーとなりますけれども、再審査は一旦却下ということになります。その中間的なところを、運用として、全国的にされているので、それを認めないというのであれば、それも 1 つの方法だと思いますけれども。

○丸山委員 当然、保留というか、承認されない場合は書き替えてもう 1 回審査し直します。それは普通だと思いますし、だから再審査するのです。

○楠岡座長代理 ただ、その再審査も定義によりますが、再審査という場合は、一旦、却下されることが前提になりますので、これはたまたまうちの施設の考え方かもしれませんけれども、そうすると、再審査という場合には審査申請書からもう 1 回出すことになるわけですが、保留の場合は、まだ生き延びていて却下にはなっていない。

○位田委員 余り言葉の使い方で時間を取るのはあれですが、先ほど丸山委員のおっしゃった継続審査という言葉を、保留の代わりにここに入れて、それだとうまくいかないでしょうか。

○楠岡座長代理 それで十分だと思います。

○位田委員 趣旨としては、そうですよね。

○福井座長 もしよろしければ、※ 87 は倫理審査委員会の審査結果の類型としては承認、不承認以外に、これこれ、こういうのが考えられる、くらいの文言にしてはいかがでしょうか。保留のところは継続審査という言葉を使ってよろしければ、こういう文言が考えられるくらいのガイダンスにしてもらえればと思いますが、よろしいでしょうか。それではもう 1 回、第 4 章、 21 ページから 24 ページの全体につきまして、ほかに何か御意見はございませんか。

○真田委員 やはり気になっているところで迅速審査のことですが、○ 4 の軽微な侵襲に関しても、本当に迅速審査でよろしいのか。覆すようで申し訳ないですが、軽微な侵襲と侵襲が付く限りは迅速審査は大変難しいのではないか。そして、特に戻って 8 ページの軽微の定義をいろいろ見てみると、確かに採血や胸部 X-ray 、造影剤のない MRI とか書いてありますけれども、これが軽微であるかどうか。それと頻度が正に表れていないことも問題であるかもしれませんけれども、ただ、軽微な侵襲という定義が、例示しかない限り判断はこちらに任されるわけですよね。そうなってくると、軽微な侵襲を迅速審査でするのは危険ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○田代委員 繰り返しになりますが、これまでの指針では「最小限の危険」という言い方で、正に例示もない状況で各施設が判断してきたことがあり、現実問題としてこの「最小限の危険」の範囲については、各国の規制もこれを論理的に定義できる国はなく、全て例示です。なので、例示をきちっとしてこれ以外認めないという形で、濫用を防ぐというやり方はあると思いますが、これを概念的にしっかり定義することはほぼ不可能だと思います。というのは、それに成功した国が 1 つもないからです。ですので、現実には今まで軽微な侵襲に当たるものは迅速審査をしてきたので、もし今回変えるということであれば、先ほどと同じように、この中で介入研究に加えて、こういうものについても迅速審査は不適切だろうということで変えるという選択肢もあると思いますが、そうすると、迅速審査がどんどん痩せ細ってしまい、ほとんど各施設で運用の余地がなくなっていくのではないでしょうか。これまで各施設の倫理審査委員会がしっかりと、これについてはさすがに本審査に回してくださいという形で運用してきたと思いますから、余りそれを狭めてしまうのはどうかなと逆に思います。

○真田委員 でも侵襲という言葉を使う限り、危険は伴うというふうに読まれてしまうのではないか。そこはもう一度、お考えを示していただきたい。

○田代委員 これまでの指針でも、「日常的な医学検査で被る身体的、心理的、社会的危害の可能性の限度を超えない危険」という形で、正にここで書いてあるような少量の採血、エックス線みたいなものを含む形で、日本でずっと運用されてきたのです。なので、それより更に厳しくするということは、もちろん考えられるとは思いますけれども、これまでそれでやってきて何か大きな問題が起きているわけではないと思います。むしろ今回、川村先生のご提案を含め、かなり具体例が出てきたので、この軽微な侵襲の範囲が割とはっきりしてきていて、あり得るとするとガイダンスで例示を、こういうものに限るという言い方できちんとしてもらえれば、濫用は防げると思います。

○川村委員 ちょっと補足させていただくと、通常、法律で決められている健康診断で出てくる程度の項目で、社会的に受忍を求められるものと前に説明したことがあるのです。ですから、学校保健安全法とか労働安全衛生法とか、そのあたりで義務付けられている範囲を 1 つの目安にしましょうかという話を、前にしたことがあります。

○真田委員 是非、頻度なども入れていただきたい。ここだと本当に X-ray は何回してもいいように取られてしまいますから、お願いいたします。

○丸山委員 今の問題ではないのですが、侵襲の言葉がたくさん出てきていますし、残り時間が短くなっていますから、侵襲の概念についても議論する必要があるのではないかと思います。

○福井座長 それはしたいと思います。今の件につきまして位田委員、どうぞ。

○位田委員 これは迅速審査にできるという規定なので、しなければいけないという話ではありませんし、もし倫理委員会が、これは軽微な侵襲で介入を伴わないけれども、フルボディでやろうと決めればそれはそれでできるわけです。ただ、全部がフルボディだと大変ですし、これはできるんだよという規定なので、余り現実には問題にならないのではないかと思います。

○福井座長 その方向で進めたいと思います。ほかに第 4 章に関してございませんか。それでは、前文と第 1 章について御検討いただきたいと思います。事務局から説明をお願いします。

○工藤課長補佐 前文につきましては、資料 1 5 ページ目に案文を記載しておりますが、別紙で 5 ページ目のみの差換え版を本日お手元に配布しています。差換え版での変更点としましては、 1 番最後の文章で 2 箇所ございまして、「機関の長、研究者等及び倫理審査委員会は、当該原則を踏まえつつ、適切に対応することが求められる」ということと、「全ての関係者が高い倫理観を保持し、本指針に従って研究に携わることが期待される」という、この 2 つの文章が並んでいるところが、今一つ整理がよろしくないということがありましたので、 1 つにうまくまとめられないかということで、差換え版でお示ししているように「機関の長、研究者等及び倫理審査委員会をはじめとする全ての関係者は高い倫理観を保持し、人を対象とする医学的研究が社会の理解と信頼を得て社会的に有益なものとなるよう、当該原則を踏まえつつ、適切に対応することが求められる」という形でまとめています。

 続いて第 1 章ですが、こちらは資料 1 7 ページ目からです。新たに脚注の※ 8 を追加しています。こちらの 2 行目で「がん登録の推進等に関する法律」とありますが、正しくは「がん登録等の推進に関する法律」ということで、記載ミスでしたので、この場で訂正させていただきます。同様に 10 ページの※ 17 28 ページの※ 109 も同様のミスでありますので、申し訳ございませんでした。

 先ほど丸山委員から検討するということで御指摘がありました侵襲の定義規定、 8 ページ目です。当初の段階においては負担やリスクと関連付けて考えて来たという経緯がありましたことから、侵襲は一義的には好ましくないものとする向きで捉えられてしまいがちなのですが、前回の会議以降、負担やリスクと関連付けずに定義を考えていこうという方向でご議論いただいたと理解しています。

 また、今回の会議に際して、事前に委員の先生方から御意見を伺った際に、侵襲という言葉自体には好ましいか否かという価値判断は医学上含まれていないのでないかという御指摘もいただいたところです。前回の会議で「非生理的作用」という記載が分かりにくいということで議論がなされた際に、「傷害」という記載ではいかがかというような提案もいただいたところですが、今申し上げましたように、害するという意味が含まれる言葉をもって定義することは余り適当ではないのではないかということで、幾つかの辞書もひもときまして、侵襲について「生体の恒常性を乱す刺激」とされているものもありましたことから、 8 ページ目の案文では、「日常生活で被る範囲を超える刺激を研究対象者の身体又は精神に対して与える行為」という形でお示ししているところです。

 事務局としてもこの記載がベストかというと、必ずしもしっくりとこないというようにも思われますところ、場合によっては元の「日常生活で被る範囲を超える非生理的作用」の方がまだよいということであれば、その選択肢も含めて、また、あるいはより適当な記載ぶりが、もし御提案いただけるようでしたら、それも選択肢の 1 つとして御議論いただければと思います。

 このほか、 11 ページ目の (16) インフォームド・アセントの定義に関して、前の修正で一旦「承諾の意向」と記載した部分について、前回の会議での御議論を踏まえて「賛意」という記載に戻させていただいています。

 また、 12 ページ目の (22) 番目のモニタリングの定義について、原文の「研究の進捗状況並びに研究が本指針及び研究計画に従って行われているかどうか」についてという記載が読みづらいという御指摘をいただきましたことから、「研究がどの程度進捗しているか並びに本指針及び研究計画に従って行われているかについて」ということで記載を整理させていただいています。

 前文と第 1 章については以上です。どうぞよろしくお願いいたします。

○福井座長 残りの第 2 章も一緒にやってしまいたいと思いますので、 12 ページから 17 ページの上半分ぐらいでしょうか、研究者等の責務のところで比較的修正が少ないですが、これも続けてやりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○高江課長補佐 第 2 章ですが、基本的には第 8 章に様々な規定を入れたことに関して、その責務規定として書くべきことを書き入れたということと、あとは修字上の修正で、特段こちらから改めて御説明をさせていただくものはございません。

○福井座長 ありがとうございます。それでは前文を御検討いただきたいと思います。いかがでしょうか。

○後藤委員 今回、付け加えられた最後の部分ですが、これは研究機関の長、研究者等となっていてやはり研究者が最初にくるべきではないかと思います。つまり、研究者がまず高い倫理があって、その後、それをコントロールする機関の長があって、その機関の長が倫理審査を委託する倫理委員会ということで、まず、患者たちが最初に会う研究者等を一番最初にもってきて、研究者等、研究機関の長及び倫理審査委員会という並びにされたらいかがかなと思いました。

○福井座長 第 2 章もそのような順番になっていますので、研究者等を最初に持ってきてはいかがでしょうか。

○工藤課長補佐 了解いたしました。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。

○位田委員 細かい表現ですが、下から 2 行目になる当該原則というのは、これらの原則ではないでしょうか。当該というのはどれか特定の原則のように思いますので、その前の文章は基本的な原則を示すにとどめている。これを受けていると思いますので、これらの原則という。

○工藤課長補佐 了解いたしました。

○福井座長 お願いします。

○門脇委員 これも私自身どちらがいいのか分からないのですが、念のためなのですが、今の原則を踏まえつつ適切に対応することが求められる。この「適切」という言葉が使われているのですが、この前文の中で、 3 行目の終わりから 4 行目にかけて、適正かつ円滑に研究を行うと。 3 段落目の本指針はのあと、研究を適正に実施するという「適正」という言葉が使われていて、私は適切より適正の方がいいのではないか。原則を踏まえつつ、適切にというのは、何か柔軟すぎるような感じがするのですが、それは私の正しい理解ではないでしょうか。

○福井座長 適正は何か形容詞としては、適正は副詞でも使いますかね、いかがでしょうか。適正に対応するという言葉の方が、先生はいいと言われる。

○門脇委員 やはり前文の一番最後の言葉ですので、これは適切より適正の方がいいのではないかと思います。

○福井座長 よろしいでしょうか。ほかの委員の方々は、何か。

○跡見委員 ……ならないですね。

○福井座長 それでは跡見先生の seniority に、尊重して適切でよろしいですか。

○門脇委員 はい。

○福井座長 それではこれはちょっと細かいことですが、第 2 パラグラフの下から 2 行目の両指針の適用関係が分かりにくいというのは、これはもうずーっとこれできているのでしたか。分かりやすく言うと、何か適用範囲が分からないというように一般的には言われていたのですが、関係が分かりにくいという言葉の方がよろしいのでしょうか。範囲でもしよろしければ、そちらの方がいいのではないかと。

 それから第 3 パラグラフの 1 行目の関係者がそれぞれ遵守すべきという、これだけを読むとそれぞれというのが誰を指しているか分かりにくいように思います。関係者に複数の人がいるという意味だろうと思うのですが、全ての関係者か、又はそれぞれをなくしてもいいのではないかと語感ですが思いました。

○跡見委員 それぞれというのは研究責任者は責務だとか書いてありましたね。その意味ではないのですか、そうでもないのですか。

○楠岡座長代理 研究責任者とか、それぞれの責任とかあるので、それぞれと。

○跡見委員 違った人がそれぞれのという、あってもよさそうな気がしますけれど。

○福井座長 いや、おかしくなければ結構です。何となくここでパッと出てきて、それぞれというのは。

○後藤委員 今おっしゃっていたのは全ての関係者が遵守すべきとした方が、私は何か最初の文章としてきれいな形になっていると思います。

○福井座長 もしよろしければ、全てのでお願いしたいと思います。

○丸山委員 それぞれは外すのですね。

○福井座長 ええ、外したらどうかなという意見です。

○丸山委員 ええ、賛成です。

○福井座長 それでは先ほど丸山先生から御指摘がございました、第 1 章の特に侵襲という言葉だけは今日詰めておかないと絶対に終われませんので、具体的な案はございませんでしょうか。はい、児玉委員どうぞ。

○児玉委員 侵襲の定義について、いろいろ工夫していただいてありがとうございます。幾つか案があるのですが、 1 つは定義を全くしないでこの (2) を外してしまうというのもあるかもしれませんが、この指針には「侵襲」という表現がたくさん出てくるため、やらないわけにもいかないのかなと思っています。

 もう 1 つですが、私は本来侵襲というのは望ましくないのではないかと思います。もちろん学問的に中立な仕方で定義するというのは重要ですが、それとその侵襲というのがそもそも望ましくないかどうかというのは別な話でないかと思います。もし、仮に侵襲が全く望ましくないとは言えないとしますと、侵襲性が高い低いに応じて同意のあり方を変えたりするということは、全く理解できないことになるのではないかと思います。また、侵襲と健康被害の恐れという話も出てきていますので、侵襲というのはそのものとしては望ましくないのではないかというのが私の考えです。

 ただ、そのマイナスというのが出ない形で定義することも可能かと思います。その 1 案としては、例えばこの文章を活かしますと、 3 行目の辺りをちょっと上にもってきまして、「研究目的で研究対象者の身体又は精神に対して〜」続きは一緒ですが、「穿刺、切開等々、侵襲的外傷に触れる質問等を行う行為を〜」という風にして、正確な定義は避けてもう例示だけしかしないという手はあるかと思います。ただ、私は本来としては、そもそもは望ましくないという概念ではないかと思っているので、やはり傷害あるいは損傷等の言葉を使った方がよいのではないかと思います。それを書くかどうかは皆さんと議論ができればと思います。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。もしなければ、申し訳ないですが、私も意見を述べさせていただきたいと思います。そもそも侵襲というのは行為でしょうか。この文章だと行為なのですね。私の語感では侵襲というのは人の体の中で起こっている現象を言うのではないかと思うのです。何かそういうようにも取れるのですが。

○児玉委員 普通は英語だと invasion になるかと思います。 invasive あるいは invasiveness という形で、形容詞や名詞として使われたり、あるいは侵襲性ですね、だから侵襲そのものが行為かという問題は恐らくあるだろうと思います。

○福井座長 英語の invasion という言葉の中には行為という言葉はほとんど出てこないです。体の中で何が起こっているかというのが侵襲だとは思います。

○川村委員 作用、 invasion はそういう実態をもたらされるという作用だと思います、侵襲は。

○福井座長 もしよろしければ私の案、どうなるか分かりませんが、研究目的で行われる穿刺、切開、投薬、放射線照射、心的外傷を来し得る質問等、研究対象者の身体又は精神に対して日常生活で被る範囲を超える傷害や負担が起こること。傷害という言葉を使ってはならないという、そこのところがうまくクリアできませんが、精神的な側面については負担という言葉を使って、身体的な側面についてはやはり傷害ではないかと思うのです。それで、ガイダンスの 6 ページの※ 3 では、リスクの説明で随分危害という言葉を使っています。それに比べると傷害の方が何か良い言葉ではないかと思います。

○位田委員 ショウ害は傷ですか、障ですか。

○福井座長 傷の方です。私が今、案として申し上げた傷害のショウは傷の方です。身体については傷害を使って、精神面では負担という言葉で使い分けたらどうかなと思いました。

○工藤課長補佐 すみません。「傷害や負担」以降をもう一度お願いします。

○福井座長 傷害や負担が及ぶことですね。研究対象者の身体又は精神に対して日常生活で被る範囲を超える傷害や負担が起こることですね。負担がもたらされることなのでしょうか。起こることでしょうか。何かそういう身体の中の機能面なり構造面なりの変化のことを表すのが侵襲ではないかと思いました。

○工藤課長補佐 そうしますと、その下の「軽微な侵襲」の部分については、「身体及び精神に及ぼす傷害や負担が小さいもの」という記載振りになりますでしょうか。

○福井座長 そうですね、その程度が少ないものですよね。少ないよりも小さいだと思うのです。

○工藤課長補佐 「小さい」で了解いたしました。

○福井座長 はい、案ですので、どうぞ御検討ください。

○中村座長代理 ここの例示の投薬というのがちょっと気になるのですが、侵襲というのが悪い方向に働くということに限るとすれば、投薬も悪い方向に働くということで、ちょっと矛盾が生じるような気がしております。

○福井座長 はい、確かに。では例から除いてもいいかも分かりませんが、ただ、投薬には必ず良い側面と悪い側面もあるという意味では、害をもたらし得るということも。

○田代委員 投薬を除くわけにはいかないと思います。今回の場合分けでいくと、恐らく最もしっかりとした規制を受けるべき医薬品の臨床試験が軽い扱いになるということになってしまうので、ちょっとこの例示は抜けないと思います。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。

○伊藤安全対策官 今、福井先生がおっしゃられた傷害なのですが、その傷害罪というところについては、医師のような資格を持っている人であれば違法性阻却をされるというところもあって、これはそういう資格を持っている人だけが参加される研究であるのかと、そうすると侵襲を与えるということは傷害を与えるというところの割り切りといえば割り切りなのですが、そこも含めて傷害と整理されるというところは、一応認識しておく必要があるのかと思っております。

○丸山委員 刑法の理論では違法性阻却が認められるのは医師であるからではなくて、というようなことですので、今のところは心配する必要はないと思います。

○福井座長 日常的には injury という言葉も随分使っている言葉で、余りそこまで言い始めると、なかなか普通の会話ができなくなってしまうように思うのですが、跡見先生どうぞ。

○跡見委員 私自身はこの言葉で基本的にいいと思うのです。先生が心配されているように行為ということが問題なので、このままで身体又は精神に対して与えることを言う。行為というのをなくしてしまえば、この文言そのもので、これは大分議論して前回川村先生が出されたことだろうと思うので、行為を言うのではなくてことを言うという、ちょっと逃げですが、侵襲学というのは良い悪いというものは除いているのです。先ほどの投薬もそれに含まれることですので、行為ではなくて現象というか、そのことを言うと、ではいかがでしょうか。

○福井座長 川村先生いかがでしょうか。

○川村委員  1 つは傷害というのがもし気になるのでしたら損傷という言い方もあります。それから行為ではなくて全体としては作用だと思います。医薬品の投与はベネフィットを期待するのだけれども、本来は体を変えてしまうことですね。体で起きるいろいろな代謝だとか細胞の分裂といったものを修飾してしまうということなので損傷だと。自然に起きるものではない状態に作り換えるというのが医薬品なので、医薬品はベネフィットを期待しても侵襲はあるということです。だから、医薬品は抜いてはいけないし、それを包括する言葉でなければいけないので、投薬には侵襲はつきものであると。ビタミン剤ぐらいではどうかなとは思うのですが、普通の医薬品は侵襲性がある。それは体の中の作用や構造を変えるからであると。その変えるというところが侵襲の本質であるというふうに思います。

○丸山委員 今の川村先生の意見のうち、損傷ではなくてやはり傷害というのがこの侵襲、 invasion とかアイングリフの意味を素直に伝えていると思います。投薬についてはここは医薬品に限らず、薬物ではないですか。まだ承認を得られていないものも含めていると思いますので、それがちょっと気になりました。

○田代委員 私も前回「傷害」とか、ただし傷害だけだと言ってしまうとちょっと狭すぎる気がしたので「傷害の恐れ」とか、「傷付けかねない」という表現の方がいいのかと思ったのですが、いずれにしても傷害という言葉を使った場合には、「日常生活で被る範囲を超える」というのは要らないと思うのですが、その辺はいかがですか。もう既にその意味が入っていますよね。

○福井座長 これは今までいろいろと使われてきた言葉ですね。もし、外してもよろしければ、私は外した方がいいのではないかと思います。

○川村委員 細かいことを言うと問題はあるかもしれませんが、自然界で幾らでも傷害が、例えば太陽光も浴びれば紫外線を浴びて、若干の皮膚損傷を起こしますし、歩くと過酸化物が出てきてそれが代謝を壊すというのがあるので、ナチュラルにあるベースラインの侵襲があるという前提で、多分こういう文言が入っていると思います。

○宮田委員 今の川村先生の御発言は非常に重要で、軽微な侵襲を定義するときにもやはりベースラインを作っておかなければいけないので、この日常生活とは何かという議論を、皆さんとしたいと思います。これはだから医療行為は入らないのですよね。ですよね、医療行為は入らなくて、我々がお医者さんとか病院とか危険な所に行かないように、普通の生活をしている間のベースラインを考えるということでいいですよね。

○田代委員 今の宮田委員の発言は非常に重要だと思います。患者にとっての日常生活という意味ではないということは、はっきりガイダンスかどこかで書いた方がいいと思います。でないと、相当広い範囲が入ってきてしまいます。要するに健康成人というか、普通に暮らしている人にとってという意味だと思いますので。

○福井座長 日常生活の定義をするということですね。どうしても曖昧な部分は残りますので、そこのところは仕方のないことだとは思いますが、いかがでしょうか。今の侵襲のところを、私が結構変えた案を出したものですから、そこまで変えなくてもという案も先ほど跡見先生からも出ましたので、どういたしましょうか。どなたかがこうだと言っていただければ有り難いのですが、丸山先生どうぞ。

○丸山委員 先ほど福井先生がおっしゃった案でいいのではないか。最後のところをことにするか、作用にするかぐらいでいいのではないかと思います。

○福井座長 もしよろしければ、先ほどもう 1 回、研究目的で行われる穿刺、切開、薬物投与ですか。薬物投与という意味での投薬ですね。薬物投与でしょうか。放射線照射、心的外傷を来し得る質問等、研究対象者の身体又は精神に日常生活で被る範囲を超える傷害や負担が起こること、あるいは何でしょう、傷害や負担、作用というふうにはなかなか続きにくいですね、を与えること。

○後藤委員 日常生活は先ほども出てきましたが、傷害と負担にするのであれば要らないのではないか。これは日常生活が刺激にかかっているわけで、刺激がなくなれば、日常生活を超えるというのは要らないので、できる限りシンプルな形にしておいて、日常生活は何かという議論が出ない形にしておかれるのがいいのではないかと思います。基本的には、今、先生がおっしゃった形で、日常生活で被る範囲を超えるというところを除けばよろしいのではないかと思います。

○福井座長 もしよろしければ、そうさせていただきたいと思いますが。

○宮田委員 これは患者を対象にした研究と、健康人の対象にした研究は違うので、患者の日常生活で腰椎穿刺をいつもやっている人の範囲に入るということは、やはり誤解を受けないようにしないといけないでしょうね。

○福井座長 通常人のですよ。

○宮田委員 通常人のですよね。

○福井座長 ええ。

○宮田委員 ですから、そのコンセンサスがここでとれていれば私はいいと思います。

○後藤委員 その通常人というのが、最も危ない概念だと私は思いますので、誰が通常なのかというのが分からないです。子供もいれば大人もいれば、女性もいれば、いろいろな人もいるので、なので、できる限り多義的な解釈が入らない形で文章を構成した方がいいのではないかと思います。

○宮田委員 分かりますが、そうすると、傷害ということの多義的解釈になってしまいますよ。

○後藤委員 先ほど injury とおっしゃったような、何らかの生体作用。

○宮田委員 それは分かるのですが、それの量的な軽微な injury という議論をしなくてはいけなくなるので、それでは普通の injury って何かという議論が必ずくるのです。だから、そこの閾値みたいなもの、示唆するような文言がどうしても必要だろうと思いますが。

○田代委員 今の点に関して、 1 つは注 18 に子供に対する侵襲というのは別枠で考えなさいということは今でも書いているのです。ですからここをもう少し膨らませて、やはり基本的には一般成人が基本になっているのだということが分かるように書いてもらえれば、それが 1 つの解決法になるのではないでしょうか。

○福井座長 難しいですね。日常生活にしましても、健常人にしましても、なかなか難しいと思いますし、そこのところは常識というか、コンセンサスでやっていかなくてはならないところではないかと個人的には思いますが。

○工藤課長補佐 確認のため、もう一度、読み上げさせていただければと思います。「研究目的で、」先ほど福井座長は「行われる」という言葉を入れられましたが、文末の最後に「与えること」となっていますので、ここは「行われる」というのは入れずに、「研究目的で」でしょうか。

○福井座長 すみません、ちょっと抜けたのかな。研究目的で行われる穿刺、切開。

○工藤課長補佐 「研究目的で行われる」として、後ろで「与えること」とするのは文章的につながらなくなります。

○福井座長 心的外傷を来し得る質問等の医療行為によってはどうでしょうか。

○工藤課長補佐 いや、侵襲は医療行為には限定されていないと思います。

○福井座長 あっ、違うか、ごめんなさい。違うところを読んだみたいで。

○工藤課長補佐 よろしいでしょうか。「研究目的で、穿刺、切開、薬物投与、放射線照射、心的外傷に触れる質問等」と。

○福井座長 外傷等を来し得る質問。

○工藤課長補佐 「来す質問」を「来し得る質問」とすると、その可能性、おそれ要素が入ってきてしまいますが、リスクは排除するということではなかったでしょうか。

○福井座長 心的外傷を。

○工藤課長補佐 侵襲は、確実に生じるもので考えるということではなかったかと。

○福井座長 では、心的外傷を来す質問。

○工藤課長補佐 「来す質問」といたします。「来す質問等、研究対象者の身体又は精神に対して傷害や負担を与えることをいう。侵襲のうち、研究対象者の身体及び精神に及ぼす傷害や負担が小さいものを軽微な侵襲という」ということでよろしいでしょうか。

○真田委員 すみません、先生、よろしいでしょうか。負担が精神を表すという概念が果たして適切なのかどうか疑問を感じます。負担という言葉はもちろん身体に与える影響だと思いますし、先生が精神を負担と区別することが適切ではないと思います。ですので、与える、先ほどから皆さんも行為という言葉さえ使わなければ表せるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○福井座長 具体的にどういうようにする方がいいという意味でしょうか。

○真田委員 私はこのままの文章でいいと思っていて、与えることをいうと、行為をことに変えればよろしいかと思っていました。

○福井座長 そうすると、日常生活のところはありですか。日常生活で被る範囲を超える刺激を研究対象者の身体又は精神に対して与える。

○真田委員 ことをいう。

○福井座長 与えること。いかがでしょうか。

○丸山委員 先ほどの方が……、刺激という言葉が問題なので、刺激を温存するというのはちょっと、それから行為、福井先生は負担を精神というふうに分けられましたが、傷害、負担両方精神にも身体にも係るというように理解すれば、問題はないと思うのですが、身体的な負担もあれば精神的な外傷もある。精神的な傷害もあるということで問題はないのではないかと思うのですが。

○福井座長 ガイダンスのどこかに、精神のことについては負担という言葉が使ってある文章があったものですから、それを持ち出したので。

○丸山委員 あるのですが、負担は精神に限定する必要はないのではないかと思います。

○福井座長 渡邉委員どうぞ。

○渡邉委員 心的外傷を来すと変えたのでしたか。そうなると心的外傷を、その行為自体が来してしまうと理解されます。このもともとの文は心的外傷に触れる、トラウマがあるような方に対して非常に微妙な質問をするということで、やはり触れるの方がいいのではないでしょうか。来すでは強すぎる、と思います。

○福井座長 では触れるはそのままということですか。

○渡邉委員 ええ。

○福井座長 外傷に触れるという言葉は普通使いますでしょうか。

○児玉委員 いや、ネット検索で調べたのですが、ほとんどないと思います。私もちょっと不自然な日本語かなと思うのですが、ただ、すぐ代替案が浮かばないので、今の御指摘自体はおっしゃるとおりだと思います。来すだとちょっと。

○田代委員 先ほど事務局の工藤課長補佐から「心的外傷を惹起しかねない」という表現はリスクが入るから駄目だというお話があったのですが、精神的なものを入れた時点で、これは全部可能性の話になっているのです。確実にトラウマか何かをもたらすというのは、全然切開とか穿刺と違うレベルの話が入ってしまっており、ここは可能性の話にしかなっていないので、そこは切りづらいと思います。なので、日本語で一番おさまりがいいところで、特に可能性という言葉を示唆しても、大きな問題にはならないと思うのです。もう入れてしまった以上はそうなっていると思います。

○渡邉委員 ただ、心的外傷を来し得るとすると、その行為自体が心的外傷を及ぼしてしまうように表現されるので、それはよくないと、そういうことです。

○工藤課長補佐 ここでの「心的外傷に触れる質問」というのは例示の 1 つでして、脚注の※ 15 で記載していますように、精神的な負担としましては、その人にとって思い起こしたくない辛い体験についての質問を行うこと以外にも、研究目的で意図的に精神の恒常性を乱す、例えば何らかの不安や緊張を与えて、その反応を見ようとするような場合なども含まれるということです。本文中の例示としては「心的外傷に触れる質問等」となっていますが、そういった形で精神的負担、心の恒常性を乱すようなことをするという、与えるというところも侵襲ということで位置付けています。

○伊藤安全対策官 負担の使い方ですが、 6 ページの注 2 です。ここで負担をこの指針の中でどのような形で使っているか。ここでは 2 行目ですが、身体だけではなく、精神も含めた形で負担というのを使っているので、丸山先生がおっしゃるような形で負担というのを多義的といいますか、両方の形で使うという形の使い方はあると思います。

○福井座長 もしよろしければ、ここは傷害や負担という言葉にさせてもらえればと思いますが。先ほどの心的外傷に触れる部分についてはいかがでしょうか。

○児玉委員 心的外傷体験に触れるだとどうでしょうか。それだとまだ自然な日本語かなと。体験をつけると。外傷に触れるのではなくて、トラウマ体験に触れるという、言及するということですね。

○後藤委員 トラウマに触れるのですよね。トラウマになっているものに触れるのですよね、だからトラウマ体験に触れるのではなくて、体験だけではなくて、多分、何らかの再現になってしまうということですから、それはトラウマ体験ではなくて、刺激によって生じたトラウマですかね、すみません、だんだん分からなくなってしまいました。

○丸山委員 先ほど心的外傷を来すという言葉で一旦、合意が得られたのではなかったですか。

○福井座長 渡邉先生からそれではないということが意見として。

○渡邉委員 私自身は心的外傷を来すというと、直接的な要因となる可能性を意味するようで、表現として強いような気がするのです。もともと心的外傷の背景があった方に対して、ある質問で再び心的外傷を呼び起こすような状況、間接的な要因になりうることを想定する場合には、触れる、の方が、来す、より適切かと思います。最終的に心的外傷を惹起してしまう点では同じかもしれないのですが。

○工藤課長補佐 ここで「心的外傷に触れる質問」と書いている趣旨は、既に、何らかの心的外傷を受けていて、そのことについて質問を行うことによって、それを思い起こさせてしまうということが侵襲であるという趣旨でありまして、それまで心的外傷を受けていない人に、新たに侵襲的な外傷を生じるようなことを研究目的で行うというのは、およそ想定していません。

○渡邉委員 そうです。ですから、そのような状況を想起させる可能性を排除するために来すという言葉よりはまだ、触れるとか、ほかの言葉の方が適切ではないかと。

○田代委員 一般的な表現ですが、心的外傷に関わる質問という言い方ではまずいのですか。

○宮田委員 これは例示ですよね、何でこんなに真面目にみんなやるのかというときに、これは例示が悪いのではないかと。工藤さん、例えば強いストレスを与える質問などにしておけばいいのではないかと、ちょっと例示が悪すぎて、タッチーな議論に入ってしまったので、これは例ですので、少し軽く前にいきたいと思うのです。

○花井委員 例示としては意外に適切で、というのは 1 例でありがちなのです。それは時計仕掛けのオレンジみたいに、本当にショックを受けさせるようなことは想定していなくて、実はトラウマに触れるというのは、例えば遺族の悲嘆の研究とか、そういうときによく議論になって、それがいわゆる本来侵襲的ではないのというディスカッションがよくあるのですが、それは正にこれを指していて、心の傷に、トラウマに触れてしまうということが結構侵襲的だというのは、よくあって、結構いい例だと思うのです。だから、これは意味としては心的外傷に関連するというのは、例としては現場では結構一番グレイゾーンとしては分かりやすくて、本当に刺激を与えて、何かそれ自体がショクになるようなことは、例としては適切ではないと思うのです。そもそも想定していないですから。なので悪くはないと思うのですが、どうなのでしょうか。

○福井座長 それでは心的外傷に触れるでいきますか。それでやりましょうか。いずれにしてもパブリックコメントでもっといい案が出てくるかも分かりませんので、もう限られたリソースで、疲れた頭で皆さん考えらていますので、それでは侵襲のところもそうですが、ほかのところも含めまして、第 2 章までのところで、御意見を伺いたいとか思います。

○田代委員  1 点、細かい点ですが、 11 ページのインフォームド・アセントの定義の所です。今回の修正に対して何か異論があるというわけではなく、ここのインフォームド・アセントの定義は「インフォームド・コンセントを与える能力がないと客観的に判断される研究対象者が、実施又は継続されようとする研究に対して、その理解力に応じた分かりやすい言葉で説明を受け、当該研究を実施又は継続されることを理解し」でいいような気がしました。現在はこれからされること「の決定を理解し」となっていて、これだと何か、子供に聞く前に、既に何かが決まっていて、それを理解するという意味になってしまうかと思います。ですから、この「の決定」を取ればいいのではないかと思ったのですが。

○工藤課長補佐 この「の決定」というのは、先に親権者からの代諾があった上で、それに加えてアセントもという、アセントの前段階として IC があるということがあったので、「の決定」と記載していました。「の決定」を除いても、特段構成上は問題がないと思います。

○田代委員 抜いた方が良いと思います。独立したことであって、これは別に親が決めたことを理解しなければいけないという意味ではないと思います。 3 文字抜いてもらえれば、適切な形になると思います。

○福井座長 よろしいですか。

○児玉委員 それでよければ 33 34 ページも同じような表現になっております。「の決定」、例えば 33 ページの本文の下から 2 行目の研究を実施されることの決定にとなっているのは、恐らく実施又は継続されることについて、自らの意向がよいと思いました。

 もう 1 回、同じような表現が出てきたと思うのです。注 134 も「の決定」を取って、「ことについて」にしたらどうかと思いました。同じような誤解が生じないためにということです。

○福井座長 ありがとうございます。

○藤原委員 小さな話ですが、 14 ページです。 (5) で、侵襲を伴う研究の実施において重篤な有害者の発生を知ったときには、研究計画に応じて、研究責任者は研究機関の長に報告するとなっています。ここの所は軽微な侵襲を除くなどというただし書をしないと、いろいろな普通の日常の採血に伴ってアンケートするなど、そういう割とポピュラーな研究でも、全部プロトコールに重篤な有害事象のフローを書かないといけなくなる。余計な負担が皆さんにかかることになるのですが、それはよしとして、これをしているのか。それとも書き忘れなのかを事務局に確認しておきたいのです。

○福井座長 これは 14 ページの下の方の (5) ですか。上の方にも (5) があります。

○藤原委員 下の方の (5) です。

○福井座長 下方のの (5) で、この研究責任者は侵襲を伴う研究の侵襲にただし書が必要かどうかということでしょうか。

○藤原委員 そうです。

○田代委員 今の藤原委員のご意見ですが、私も前回整理したときに同じことを感じました。こことそれ以外にもあと 2 か所あるのですが、重篤な有害事象の報告義務やそれを研究計画に定めるという項目が、今回軽微な侵襲にも全部被ってくるような書き方になっています。ただ元々の定義からいうと、ほとんど重篤な有害事象は起こらないだろうというものを、軽微な侵襲と呼んでいるはずです。それについて、全部の研究にこれを被せる必要があるのでしょうか。これは「侵襲を伴う研究」ではなく、「侵襲を伴う研究(軽微な侵襲を除く)」という方が適切だと思います。

○福井座長 よろしいでしょうか。

○直江委員 ちょっと似たような話です。 12 ページの (21) です。今の有害事象に関係した言葉ですが、定義で○ 1 が死、○ 2 が生命を脅かすもの。これは全く議論がないところだと思います。○ 3 に治療のための入院又は入院期間の延長が必要となるものがあります。例えば、化学療法などで、入院期間延長が必要というのは、これは○ 1 や○ 2 に比べると、ケースバイケースのような気がします。ここに一様に書き込むというのは、ほかの○ 1 2 4 5 に比べてどうなのかという感じがいたします。ここも今のケースと同じように弾力的に運用していただきたいというところがあります。

○福井座長 先生、 12 ページですか。

○直江委員 はい。

○福井座長  12 ページの (21) 有害事象の所ですか。

○直江委員 はい、そうです。

○楠岡座長代理 先ほどの田代先生の御意見ですが、軽微な侵襲を除くとしてしまうと、万一そういう研究で重篤な有害事象の発生が起こったときには、速やかに必要な措置は講じる必要はないということに読めてしまうので、そこのところを注意しないと。

○田代委員 もちろんそういうことが起きた場合には対応が必要だというのは当然だと思います。そもそも軽微な侵襲でも、補償を含め何か有害事象が起きたときにはどう対応しますということ自体は書いてあると思います。ただ全ての軽微な侵襲に被せてしまうと、精神的なものも入っていますので、デフォルトで全ての研究計画に有害事象対応を書かせるのは無理がある感じがします。

○工藤課長補佐 先ほど、直江委員から御指摘のあった、 12 ページの (21) 有害事象の○ 3 「治療のための入院又は入院期間の延長が必要となるもの」につきましては、 ICH のガイドラインとの整合性を図って、重篤な有害事象、また副作用の定義についての定義と整合性を図って書いています。もちろん、御指摘のように、入院が必要か否かというのは、逆を返せば、外来で処置できるか否かということで、その有害事象だけでなく、様々な環境要因も絡むものでないかということは、そのとおりかとは思います。規定上は ICH のガイドラインとの整合性という観点でこのように入れております。

○福井座長 外国のように入院のインディケーションが非常に厳しい所は、ほとんどの人が似たような判断をしますが、社会的な入院を含めて、非常に曖昧な判断基準しかない国では、確かに 3 番は難しい点はあります。しかし、日本でも随分いろいろな意味で標準化されてきていますので、臨床上の判断があってもいいのではないかと思います。いかがでしょうか。

○宮田委員 先ほどの楠岡先生の御指摘もあります。この 14 ページの下の方の (5) はどういうように解決なさいますか。

○福井座長  12 ページの先ほどのですか。

○宮田委員 要するにデフォルトで、侵襲と言われると、確かにすごく大変になるのですが、それではその侵襲という軽微さで分けて、重篤な副作用を報告しなくていいのはおかしいのです。この項目を分けて、何か整理しないといけないのではないかと思います。

○高江課長補佐 そこは 2 (5) で読むのではなく、同じページの 2 (2) で、それも明らかに研究の継続に影響を与えるものですので、そちらで処理をしていただければと思います。

○藤原委員 後ろの方の例えば 38 ページでも、重篤な有害事象が発生した場合は研究者の対応として、速やかに研究責任者が動く、研究責任者は研究機関の長に報告という規定があるので、ここが問題にしているのは、プロトコールにあらかじめ書いておくというのが大変だということです。楠岡先生の御懸念は、後ろの所でも研究責任者などは、重篤な有害事象が発生したら報告する義務が既に課されているので、何か被験者を変なことにさらす可能性は私はないと思います。

○宮田委員 そうすると、 (5) を取ってしまうということですか。

○藤原委員 いや、 (5) 番の軽微な何でもかんでもプロトコールに事前に重篤な有害者の報告規定を書いておくというのは、非現実的だと思うのです。

○宮田委員 そういう文書にすればどうですか。

○藤原委員 それで、 ( 軽微なものを除く ) としておけば、割といけるのかとは考えたのです。

○楠岡座長代理 その場合、同じことをちょっと考えたのです。 19 ページにその研究計画書の記載事項の中で、○ 19 で侵襲を伴う研究の場合には、重篤な有害事象が発生した際の対応、それから○ 20 は侵襲を伴う研究の場合は、当該研究によって生じた健康被害に対する補償の有無及び対応というのがあって、○ 20 は多分軽微だからという話にならないかもしれないが、○ 19 は軽微な場合は省略してもかまわないなどというような何かそういうものを入れておけば、後ろでは整合性は取れるのではないか。逆に、前の方だけいじると、後ろが残ってしまう問題も出てきます。

○田代委員 先ほど、 3 固所あるといったものが 1 箇所はその研究計画の所で、全体で 3 箇所あります。もちろん、変えるときは同時に変えるということでいいと思います。

○福井座長 それは加えるということですか。

○田代委員 はい。「軽微な侵襲は除く」という文言を加えるということです。

○福井座長 そういうことでよろしいでしょうか。

○宮田委員 今の (5) の所はやはりそれは研究計画を書くときにという明示が必要になります。むしろ、これは要らないのではないかという気がしています。後ろの方の研究計画を書くときに、侵襲が問題になるので、そのときに ( 軽微な侵襲を除く ) と。先ほど、御指摘があったところをやればいいのではないですか。この (5) は要らないのではないか。これでいいのではないかと思います。

○福井座長 いかがでしょうか。

○楠岡座長代理 ここは 1 つは、速やかに必要な措置を講じるとともにというのが、被験者の保護の一番基本のところの文章で、その後ろは付け足しと言ったらおかしいですが、前半に非常に重点があって、これを落としてしまうと、ほかにそれに関わる項がない。もし、強いてするのだったら、文章を 2 つに分けるなどになると思います。

○福井座長 侵襲を伴う研究の実施においてという所は、絶対に必要なのですか。

○玉腰委員 今の所ですが、その下の (6) に、研究計画に定めるところによりという報告の義務が入っています。 (5) は後ろの文章を切ってしまえばいいのではないでしょうか。

○福井座長  (5) のどの部分を削除するのですか。

○玉腰委員 講じるまでで止める。

○福井座長 講じるですか。侵襲を伴う研究のところは軽微なを入れなくて。

○玉腰委員 軽微を入れなくてもすむ。そうすると、 (5) には軽微が要らない。

○福井座長 それでは、その方向でよろしいでしょうか。侵襲を伴う研究の実施の部分はそのままで、 2 行目の真ん中から右側の必要な措置を講じるですか、講ずるですか。講じるで切るということでいいですか。

○宮田委員 講じなければならないとした方がいいのではないか。

○福井座長 講じなければならない。ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。ここの第 2 章までは何回か今までディスカッションしてきたところではあります。

○楠岡座長代理 むし返すようですが、先ほどの (5) で研究計画に定める所によりは取ってしまって、講じるとともに研究機関の長に報告しなければならない。これはやはりしていただかないと困りますので、それは残して。

○福井座長 それは (6) に書いてあるのですか。 (6) に書いてあるから除きましょうか。

○楠岡座長代理 ただ、研究計画に定めるところによりがあるので、 (6) の場合は、これは研究計画の定めるところで、有害事象の報告がもし省略されていると、研究計画には載っていないことになりますから、研究計画の有無にかかわらず、有害事象が出たときには、研究機関の長に報告するという流れが 1 つ、やはり必要になるのではないか。

○工藤課長補佐 楠岡委員のおっしゃるところは、「速やかに研究機関の長に報告しなければならない」という部分は必要でないかということでしょうか。

○楠岡座長代理 速やかに処置を講じるというのと。

○工藤課長補佐 「速やかに、」で点を打っています。

○楠岡座長代理 両方に掛かると思います。

○工藤課長補佐 その後の「機関の長への報告」にも「速やかに」は係っています。「速やかに、必要な措置を講じるとともに、機関の長に報告しなければならない」ということです。

○福井座長 先ほどの所は一部戻すということでよろしいですか。研究計画に定めるところによりを削除するということでよろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。随分時間をオーバーしてしまいました。 5 時間の会議なんてとんでもないと思っていたのですが、本当に 5 時間過ぎてしまいました。何と 5 時間 40 分経ってしまいました。これで一言一句全部確認していただいたわけではありません。細かい所は具体的に文言をまた見ていただくということは、是非事務局と相談して、行いたいと思います。

 それでは、今後の予定等について、事務局より説明をお願いします。

○工藤課長補佐 本日はこれで一通り指針の案文を御議論いただいたと存じますので、福井座長と相談いたしまして案文を整理した上で、文部科学省では科学技術学術審議会の生命倫理安全部会、厚生労働省では厚生科学審議会の科学技術部会へ上程いたしまして、了承を頂いた後に、パブリックコメントの手続に入ることになります。

 なお、指針の案文については、告示として官報に掲載するまでの間に法令的な審査といいますか、チェックが入ることとなってます。その過程におきまして、文言上の若干の記載整備があり得ますので、あらかじめ御承知おきください。次の合同会議につきましては、パブリックコメントの結果を事務局で集計いたしまして、御報告させていただく予定です。

 また、パブリックコメントで寄せられた御意見について事務局で回答を作成する際に、必要に応じて委員の先生方に御相談、御協力をお願いする場合があります。その際には、どうぞよろしくお願いいします。

 最後に本日、この指針草案の取りまとめに当たりまして、事務局を代表しまして、厚生労働省大臣官房三浦技術総括審議官より、一言御挨拶申し上げたいと思います。

○三浦技術総括審議官  ( 厚生労働省大臣官房 )  文部科学省と厚生労働省を代表しまして、事務局から一言御礼の御挨拶を申し上げたいと思います。この会議、 11 回を数えまして、しかも今日の会議に代表されますように、非常に熱い議論を長時間にわたって行っていただきました。 1 回当たり、先ほども事務局と話をしたのですが、 3 時間と考えますと、 30 時間を超える審議時間でして、しかも大体毎回のように、時間が延長されるという厳しい審議をしていただきました。これも座長の福井先生、また副座長の中村先生、楠岡先生の取りまとめの力によって、成し遂げられたことではないかと思っております。

 もともと、先ほどの前文の所にもありましたように、疫学研究指針と臨床研究指針を一本化できるかどうか。これについても事務局としても、また審議会においてもその可能性について非常に厳しいものもあるが、とにかく一本化に向けて、検討としてくれというような御指示もありまして、この検討に入ったわけです。御案内のとおり、この委員会は疫学研究指針、臨床研究指針、その両方の委員会のみならず、疫学研究指針は文部科学省、厚生労働省、それぞれまた委員会が置かれておりまして、言ってみれば、 3 つの委員会を 1 つの場で合同審査するというような大変な困難な御議論を頂いたと考えております。

 もちろん、 2 つの指針をまとめるに当たって、従来からの継続した内容ということもありました。それに加えて、今般特に臨床研究における信頼性の確保などが議論になる中で、より新たなレベルでの精度の高い臨床研究が行われるような、基盤となるような規程などについても適宜盛り込んでいただいたと考えております。

 私どもは今後、先ほど事務局からも説明がありましたとおり、パブリックコメントなどの手続に入っていくわけですが、やはり規程が作られた、あるいは作られるということだけではなく、これを適切に施行していくことが何よりも重要なことだと考えております。そういう点で、今日、この会議に御出席はいただいた委員の皆様方には、これからも引き続き適切な運用について、御指導を頂きたいと考えております。

 長い御議論を頂いたということを踏まえて、私どもも心新たに適切な施行を図っていきたいと思っております。どうぞ、これからもよろしくお願い申し上げたいと思います。どうも、長い時間の御議論ありがとうございました。

○福井座長 それでは、議題 2 のその他も含めまして、事務局から連絡事項がありましたら、よろしくお願いいします。

○工藤課長補佐 本日、議題 2 その他につきましては、特にございません。次回の開催日程につきましては、後日改めて事務局より御連絡を差し上げます。また、本日の議事録は、作成でき次第、委員の先生方に御確認をお願いいたしまして、その後ホームページで公開させていただきます。よろしく願いします。

 また、紙ファイルの参考資料集は机上にそのまま残しておいていただいて、お持ち帰りにはならないようにお願いいたします。事務局からの連絡は以上です。

○福井座長 それでは、最後に座長として、本当に委員の皆様方には御礼申し上げます。いろいろと至らないところもありまして、必ずしも 100 %、御意見が反映されなかったところもあるかと思います。最後の事務局との文言の整理なども含めまして、できるだけ先生方の御意見を反映できますように、最後の詰めを行いたいと思っております。どうも、大変長い期間にわたりまして、ありがとうございました。それでは、これで終わります。


(了)

大臣官房厚生科学課:工藤、渡會

問い合わせ先: 電話:03−5253−1111(内線3819、3808)

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