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2014年3月26日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会

医薬食品局食品安全部基準審査課

○日時

平成26年3月26日(水) 14:00〜17:00


○場所

中央合同庁舎第5号館18階 専用第22会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)


○出席者

委員

若林部会長 穐山委員 井手委員
井部委員 小川委員 鎌田委員
北田委員 佐藤委員 堀江委員
由田委員

事務局

長谷部基準審査課長 横田補佐 竹内補佐
山本専門官 大井専門官 松田技官

○議題

(1) アスパラギナーゼ(Aspergillus niger ASP-72株を用いて生産されたもの)の新規指定の可否等について
(2) その他

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会」を開催させていただきます。

 本日は年度末の御多忙のところを御参集いただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず初めに、本日の委員の皆様の出席状況を御報告いたします。

 本日は、中島委員、山内委員、吉成委員より御欠席との連絡を頂いております。

 現時点で添加物部会委員13名中10名の委員の先生方に御出席をいただいておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告いたします。

 それでは、議事の進行を若林部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○若林部会長 分かりました。皆さん、こんにちは。よろしくお願いします。

 それでは、まず最初に、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。お手元の資料を御覧ください。

 まず、議事次第、資料一覧、委員名簿、座席表に続きまして、資料1アスパラギナーゼの添加物の指定に関する資料といたしまして、資料1−1が諮問書、資料1−2が部会報告書案、資料1−3が食品安全委員会の食品健康影響評価書となっております。

 資料2、第9版食品添加物公定書に関する事項としまして、資料2−1が報告書の概要。あと資料2−2に関しましては報告書の中身ということで、委員の先生方のみパソコンの方に御用意させていただいておりますので、資料2−2につきましては、パソコンの方で御確認いただければと思います。

 本日お配りしております資料につきましては以上でございます。不足や落丁等ございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、お願いいたします。

○若林部会長 よろしいでしょうか。特に資料の過不足はございませんか。

 最初パソコンは別に立てておかなくてもいいのですね。

○事務局 はい。後ほどの報告のときに。

○若林部会長 人の顔が見づらいので、それまで閉めておいてもいいですか。

 それでは、事務局から本日の部会の審議品目に関する利益相反の確認結果について報告をお願いいたします。

○事務局 本日の部会におきまして、審議品目のアスパラギナーゼ( Aspergillus niger ASP-72株を用いて生産されたもの)が事業者申請のため、利益相反確認対象となっております。当該品目に関しまして、本日の部会において退室の必要な委員、又は議決に参加させない委員がいないことを確認しております。

○若林部会長 よろしいでしょうか。

 それでは、早速、審議に入りたいと思います。

 議題1のアスパラギナーゼ( Aspergillus niger ASP-72株を用いて生産されたもの)の新規指定の可否などについて審議を行いたいと思います。

 事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 お手元の資料1のシリーズになります。

 資料1−1が審議会への諮問文書、資料1−2が部会報告書の案、資料1−3が食品安全委員会の評価書になります。

 説明は資料1−2を中心にさせていただきます。資料1−2を御覧ください。

 本品目は、先ほど説明のありましたとおり、事業者から要請のあった品目になります。品目名としては、アスパラギナーゼ( Aspergillus niger ASP-72株を用いて生産されたもの)でございます。

CASナンバー、INSナンバーは記載のとおりでございます。今回は酵素ということですので、EC番号を追加しております。

 構造式、分子式及び分子量につきましては、アミノ酸配列については、378のアミノ酸で構成されておりまして、その構成内容は記載されているとおりでございます。

 分子式及び分子量につきましては、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動では4042kDa、アミノ酸配列が計算される分子量は3万9,584Daということでございます。

 「3.用途」ですけれども、製造用剤、食品加工の際のアクリルアミド生成抑制ということでございます。

 「4.概要及び諸外国での使用状況等」でございます。

 まず「(1)概要」でございます。

 アスパラギナーゼについては、 A.niger (黒色こうじ菌)が本来有しているアスパラギナーゼ遺伝子を増幅して、アスパラギナーゼの生産性を向上させたものでございます。アスパラギナーゼはアクリルアミド生成の起因となるアスパラギンをアスパラギン酸とアンモニウムに加水分解する作用を持つ酵素です。食品加工の際に生成するアクリルアミドを低減する目的で使用されます。なお、アクリルアミドについてですけれども、2ページの下の注釈1に少しだけ記載しております。国際がん研究機構(IARC)による発がん性分類において、アクリルアミドはカテゴリーとしては2A、人に対して恐らく発がん性があるというものに分類されております。

 また、国内では食品安全委員会が自ら行う食品健康影響評価の案件として、加熱時に生じるアクリルアミドの食品健康影響評価を実施しているところでございます。

 戻りまして、2ページの上段です。JECFAにおきましては、アスパラギナーゼについては2008年に評価が行われております。GMPに沿って適切に製造され、特定の目的、アクリルアミドの低減で使用される場合、ADIは特定しないと評価されております。

 また、本品目は遺伝子組み換えの関係でも食品安全委員会に諮問がなされております。こちらの結果としては、遺伝子組み換えDNA技術応用添加物には該当しないと判断されております。

 その下、参考でございます。アクリルアミドの主な生成経路ということで、3ページの上段の図と合わせて御確認いただければと思うのですが、食品中のアクリルアミドの主要な生成経路はアミノ酸の一種である遊離アスパラギンと、還元糖に分類されているグルコース等によるアミノカルボニル反応であるとされております。グルコースやアスパラギンは、穀類、芋類及び野菜類等に豊富に含まれておりまして、これらを原料として、揚げる、焼く、焙る等の高温での加熱、120℃以上の加熱になりますが、これらで加工された場合に食品にアクリルアミドが含まれるというものでございます。

 3ページの一番上の図は、少し細かい生成経路になります。こちらにつきましては、農林水産省が昨年11月に策定しております食品中のアクリルアミドを低減するための指針から抜粋したものでございます。

 なお、この図には出てきておりませんが、図1の左下にアスパラギンというものがあります。これがアスパラギナーゼとの反応によりアスパラギン酸に変わるのですけれども、左下にあるNH2 基がOHに変わるということで、アスパラギン酸に変わるということです。1molのアスパラギンから、1molのアスパラギン酸が生成するというものでございます。

 続きまして、諸外国の使用状況等でございます。

 まず、コーデックスでの扱いですけれども、本添加物は添加物ではなくて、加工助剤に分類されます。これは最終的な食品に残留しない、あるいは効果を及ぼさない程度しか残らない、こういったことで加工助剤に分類されております。このため、CCFA(コーデックス食品添加物部会)が作成する添加物の使用基準には規格は設定されておりません。米国におきましては、GRAS(一般に安全と認められる物質)として認定されております。

EUにおきましては、フランス及びデンマークでは個別に認可がなされております。その他の国におきましては、現時点では加工助剤としての酵素の使用に規制はございません。このため使用ができるということでございます。また、オーストラリア及びニュージーランドでは加工助剤としての使用が認められております。

 続いて「5.食品添加物としての有効性」になります。

 「(1)アスパラギナーゼの有効性」ということになります。

 (ア)につきましては、ここは繰り返しになるのですけれども、アスパラギナーゼの機能を記載させていただいております。アスパラギナーゼがアスパラギンをアスパラギン酸とアンモニアに加水分解する作用を持つということを記載しております。

 「(イ)食品の製造時にアスパラギナーゼを添加した場合の効果」です。

 ここから具体的な食品に使用した場合の効果をまとめております。

 まず(1)です。パン、ドーナツ、クラッカー及び調味料に対する効果です。具体的には(i)以降にいろいろデータがあるのですけれども、最初にまとめとして文章を幾つか書いております。

 最初に結論だけ申しますと、パン、ドーナツ、クラッカーにアスパラギナーゼを使用した場合、最もアクリルアミドの低減効果を認められたアスパラギナーゼの添加条件では、47%〜87%のアクリルアミド低減効果が認められたというものでございます。具体的な事例としては、まずパンにつきましては(i)でございます。パン(フランスパン)についての結果になります。こちらはパン生地にアスパラギナーゼの添加量を0〜20ppmに振って、そのときにアクリルアミドが低減されたかということを測定しております。この場合は、最大で47%のアクリルアミドの低減効果が認められております。

 (ii)でございます。ドーナツの外側と中側のアクリルアミドの量を測定したものでございます。こちらも同じく020ppmのアスパラギナーゼを添加して、アクリルアミドの含量を測定しております。この場合は最大で87%のアクリルアミドの低減効果が認められております。具体的な図は5ページの上段になります。

 (iii)クラッカーです。こちらについては、アスパラギナーゼの添加量を0〜25ppmに振って測定しております。この場合は最大で87%のアクリルアミドの低減効果が認められております。具体的な結果は図2−3になります。

 (iv)調味料でございます。こちらは図がなく、文章だけになります。こちらは酵母エキスにアスパラギナーゼの添加量は固定で325ppmを添加して、その後、アクリルアミドの含量を測定したところ、80%のアクリルアミドの低減効果が認められたというものでございます。

 以上の1〜4の結果を表1にまとめております。縦軸がパン、ドーナツ、クラッカー、調味料ということで、その右側の縦の列がアクリルアミドの添加量で、最もアクリルアミドが低減されたアスパラギナーゼの添加量が記載されております。一番右側の縦の列がアクリルアミドの低減率というものになっております。この結果をまとめますと、冒頭に御説明しました4787%のアクリルアミドの低減効果が認められたというものになります。

 続きまして、別の食品のカテゴリーです。揚げじゃがいもに対する効果でございます。こちらについては、乾燥じゃがいもフレークに水とオリーブオイルを混ぜ、そのじゃがいも生地に2,000ppmのアスパラギナーゼを添加しております。その結果、最大で93%のアクリルアミドの低減効果が認められたというものでございます。

 また、こちらについては結果が7ページの上の図に書いておりますけれども、じゃがいも生地中のアスパラギン含量も測定しておりまして、このアスパラギンの含量の減少に相関してアクリルアミドが減少することも確認されております。

 具体的には7ページの上の図で四角がアスパラギン酸、ひし形がアクリルアミドなのですけれども、これらが同じような形で低減をしているということが確認できるかと思います。

 (ウ)コーデックス委員会におけるアクリルアミド生成の低減対策でございます。コーデックス委員会では、行政、食品事業者等、関係者向けの手引として、食品中のアクリルアミド低減に関する実施規範というものを2009年に採択しております。この実施規範に基づき、食品中のアクリルアミドの低減に取り組むということを加盟国に関して勧告しております。この実施規範の中にアスパラギナーゼの使用がアクリルアミドの低減の方法の1つとして挙げられております。なお、注釈の6というもので、そのほか例えばどういうものが記載されているかということを例示として挙げさせていただいております。具体的にはその他の低減方法として、じゃがいもを6℃以下で保存することを避ける、加熱温度や加熱時間を最適化する等の方法が挙げられているということでございます。なお、じゃがいもを6℃以下で保存するというのは、6℃以下で保存すると還元糖の量が増えてくるということだそうです。

 続きまして、食品中の安定性です。アスパラギナーゼは酵素ですので70℃以上の熱処理により失活します。アスパラギナーゼはアクリルアミドが生成する120℃以上の高温で加熱加工する食品の製造に使用されるため、アスパラギナーゼは最終食品の完成前に失活し、活性を示すことは想定されないとさせていただいております。

 続きまして、食品中の栄養素に及ぼす影響です。アスパラギナーゼは、食品中のアスパラギンをアスパラギン酸とアンモニアに分解するという作用を持っております。

 「6.食品安全委員会における評価結果」です。アスパラギナーゼにつきましては、平成24年9月26日に食品安全委員会に評価を依頼しております。その後、食品安全委員会において、25年2月22日、9月24日の添加物専門調査会で議論が行われ、本年1月27日付けで評価結果が通知されております。

 8ページの食品安全健康評価の部分は、食品安全委員会の評価結果の抜粋になります。かいつまんで御説明いたします。

 最初のパラですけれども、本品目の添加物としての摂取において問題となるような病原性及び毒素産生性の懸念はないと判断した。

 2つ目のパラです。「本品目が指針における酵素が消化管内で分解して食品常在成分になることが科学的に明らかである場合」に該当すると判断した。

 3パラ目ですけれども、製剤化前原末について毒性に係る知見を検討した結果、本品目について遺伝毒性、反復投与毒性及び発生毒性の懸念はないと判断した。

 4パラ目ですけれども、本品目は胃消化性であり、既存アレルゲンとの相同性が認められないことから、本品目のアレルゲン性の懸念は極めて低いと判断した。

 最後にまとめですけれども、食品安全委員会としては、ラットを用いた13週間反復投与毒性試験における最高用量から得られたNOAEL1,038mgTOS/kg 体重/日と、本品目の推定一日摂取量0.549mgTOS/kg 体重/日とを比較して得られる安全マージンが十分であること、及び本品目が食経験のある基原微生物である A.niger を用いて生産されることを勘案して、本品目について添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考えられ、ADIを特定する必要はないと判断したとされております。

 なお、補足でございますけれども、NOAELの表記のところでTOSという表現が出てきております。これは注釈の7に書いてありますけれども、Total Organic Solids、総有機固形物というものでございますが、若干補足させていただきます。

 酵素につきましては、酵素単体では流通せず、酵素の製造時には賦形剤等のその他の原料が使用されます。この際、酵素とそれ以外の成分を区別するためにTOSというものが用いられております。具体的には、全体の量から灰分、水分、希釈配合剤を引いたものがTOSというものになります。要は酵素の量ということです。

 こちらの考え方につきましては、JECFAが酵素の評価のために定めた文書に記載されています。具体的にはGeneral Specification and Considerations for Enzyme Preparations used in Food Processingという文章があるのですけれども、その中でTOSを用いるということが規定されております。JECFAのアスパラギナーゼの評価でもTOSが用いられておりまして、今回の食品安全委員会でもTOSというものが用いられているというものでございます。

 「7.摂取量の推計」でございます。こちらも食品安全委員会の評価結果を抜粋させていただいております。

 「1.欧州における摂取量」でございます。JECFA2008)の報告によれば、本品目の主要な暴露源と考えられる2食品群に、本品目が最大量添加されて、その食品群に大量、具体的には95パーセンタイルの量を摂取するとして計算したところ、最大で4.1mgTOS/kg 体重/日となっている。この推定はJECFAでは過小評価を避けたコンサバティブなものであるということが言及されております。

 「2.我が国における摂取量」でございます。こちらについては、国民健康栄養調査から得られる食品の一日の摂取量とJECFAで用いられた添加量を掛け算いたしまして、体重50kgと仮定いたしまして、0.549mgTOS/kg 体重/日と算出されております。この値と13週間の試験から得られるNOAELを比較して、食品安全委員会ではADIを特定する必要はないと判断しております。

 「8.新規指定について」でございます。まず、新規指定につきましては、要請された使用方法において、食品安全委員会において人の健康に悪影響を及ぼすおそれがない旨が確認されていることから差し支えないとさせていただいております。

 また、本品目につきましては、新規指定になりますが、指定の名称は A.niger ということを指定の名前に書くのではなく、単にアスパラギナーゼとし、成分規格において基原を特定するということが適当であるとさせていただいております。

 「9.規格基準の設定について」でございます。

 「(1)使用基準について」でございます。今回の品目につきましては、消化管内で分解して食品常在成分になることが科学的で明らかであるため、ヒトが摂取する際の安全性の懸念は低いと考えられる。また、食品安全委員会の評価結果においてADIを特定する必要がない等を踏まえて使用基準は設定しないということが適当であるとさせていただいております。

 なお、諸外国ですけれども、米国、ここはEUが入っておりますが、EUは規制がないということなのでEUは削除させてください、米国、オーストラリア、ニュージーランドではGMPのもとで使用が認められているというものでございます。

 最後でございますが、成分規格についてでございます。

 成分規格は、別紙1のとおり設定することが適当であるとさせていただいています。設定根拠は別紙2、JECFA規格との対比表は別紙3に示しております。内容が詳細になりますので、別紙3のJECFAとの規格の比較に基づきまして簡単に御説明させていただきたいと思います。

15ページ、別紙3を御覧ください。左側のほうが今回の規格案、右側の縦の列がJECFAの規格になっております。まず定義でございますけれども、こちらは先ほど新規指定の際、成分規格で基原を限定するべきとさせていただいておりますが、文章の最初のほうに、糸状菌( Aspergillus niger に限る)として基原を限定しております。その後にも A.niger ASP-72株に限るというようなことを記載しております。

 定義につきましては9版公定書収載予定の酵素規格の定義に倣いまして、文書の後半ですけれども、「食品又は添加物を含むことがある。食品としては賦形、粉末化、希釈、安定化、保存又は力価調整の目的に限る。添加物については、賦形、粉末化、希釈、安定化、保存、pH調整又は力価調整の目的に限る。」、こういった記載を9版公定書の収載予定のものに倣いまして記載しております。

 続いて、酵素活性ですけれども、こちらはJECFAでは規定されておりませんが、指定要請者の提出した資料の中で提案がございまして、1g当たり2,375単位以上の酵素活性を有するということを規格の中に盛り込んでおります。ちなみに2,375というのは、L-アスパラギンからpH5.037℃の条件下において1分間に1μmolのアンモニアを遊離させる量を1単位としております。

 続きまして、性状でございます。こちらについては、JECFAとは若干表現は異なりますけれども、指定要請資料の案を参考に表記のとおりとさせていただいております。

 続いて、確認試験でございますけれども、言葉は違いますが意味合いは同じで、両方ともきちんと活性を示すということを規定しております。

 その下、純度試験でございますけれども、こちらについてはヒ素につきましては通常日本における規格では設定しているということで設定しております。その他につきましては、第8版の公定書の酵素規格を参考に規定したということでございます。

 具体的には14ページの中段あたり、純度試験及び微生物限度試験のところに詳しく記載をさせていただいております。

 全体の説明は以上でございます。御審議のほどをよろしくお願いいたします。

○若林部会長 どうもありがとうございました。

 審議に入る前にアスパラギナーゼの食品安全委員会での評価結果について、毒性部分については小川委員に、体内動態部分は吉成委員にお願いしたいと思いますけれども、今日は吉成委員が御欠席ですので、代わりに体内動態部分に関しては事務局より説明をお願いします。

 それでは、最初に小川委員より説明をお願いします。

○小川委員 アスパラギナーゼにつきましては、こちらは酵素ということで通常と扱いが違うということになっております。酵素の評価の仕方については手元に資料がない状況なのですけれども、2008年の食品安全委員会で他のプロテイングルタミナーゼの酵素について議論が始まったときに、どのような評価の仕方をするかということで基本的な考え方が出されております。こちらのほうで、この酵素をつくる微生物の安全性を担保するということと、酵素そのものの安全性を検討するという2点を明記しています。それに沿って本物質も評価をされています。

 資料1−3をお願いいたします。

III.の1のところからですけれども、生産菌株の安全性ということでまず挙げられております。その生産菌株自体が非病原性であるということが(1)のところに記載されておりまして、それと毒素を作らないということが11ページの(2)のところで確認の試験の内容について記載されております。特にカビ毒であるアフラトキシンとフモニシン類を産生しないということが条件として確認されているという状況で、こちらのほうから生産菌株自体については安全性が担保されているということを確認しております。

 また、この酵素そのものの安全性が12ページの2ポツのところ、一番下のところからの記載になります。

 安全性の試験をする上で、こちらの剤が生態内で分解されて食品の常在成分になるということが確認されれば、通常のたくさんの試験をやる必要はなくて90日の反復投与毒性試験と遺伝毒性を見る試験とアレルギーの誘発性があるかどうかということを考察すればよいということになっておりますので、食品常在成分になるかどうかということが12ページの動態の内容として、13ページのところから(1)、(2)、(3)のところで確認されているというような形になります。

 こちらは動態の部分になりますが、分解されて常在成分になるということが確認されておりますので毒性のところは酵素につきましては28日試験ではなくて90日の試験を行うということで検討されております。

14ページから一番下のところに(2)で毒性の記載が始まっております。遺伝毒性につきましては、15ページにありますが、復帰突然変異試験で陰性を示しているということと、哺乳類の培養細胞を用いた染色体異常試験でも陰性であったということが示されております。また、反復投与毒性試験が13週の90日の試験で行っておりますが、15ページの下から始まっておりますが、投与量が0、0.20.61.8%の用量で実施しておりまして、いずれも投与に関連した影響は認められなかったということで、この試験のNOAEL16ページの下の方にございますけれども、雄で1,038mgTOS/kg 体重/日、雌で1,194mgTOS/kg 体重/日ということになります。こちらは要求されておりませんが、生殖発生毒性試験も行っておりまして、特に影響がないということが17ページに記載されております。また、アレルギー性につきましても検討がなされておりますが、構造相関におきましても懸念されるようなアレルゲン性は示さないということと人工消化液による変化におきましても、低分子まですぐに分解されるということで、アレルゲン性においても懸念がないということが示されております。

 以上の結果から、先ほどの一日当たりの推定摂取量が0.549mgTOS/kg 体重/日ということですので、通常に比べて短い試験であるということで追加の安全係数を掛けた1,000倍以上の十分なマージンがあるということで、こちらにつきましてはADIを特定する必要はないということが最終的な結論として評価されております。こちらの評価の仕方で特に問題はないと考えております。

 以上です。

○若林部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、体内動態について事務局より説明をお願いできますか。

○事務局 事前に吉成委員よりコメントを頂戴しておりますので、そちらを読み上げさせていただきます。

 アスパラギナーゼは低分子有機化合物ではなくたんぱく質であることから、経口的に摂取された場合には消化管内で分解されて他の食品由来のたんぱく質と同様の体内動態を示すと考えられます。そのため食品安全委員会では、酵素が食品内で分解して食品常在成分になることが科学的に明らかである場合に該当するか否かを検討しています。評価書の13ページから14ページにその検討結果が記載されております。

13ページの(1)では、胃液等の酸性化あるいはペプシン、トリプシン及びキモトリプシンにより低分子ペプチドに分解されること。

 (2)では、ペプシンにより分解されることが示されていること。

14ページの(3)、こちらでは他の栄養成分の吸収を阻害しないこと。

 (4)では、未加水分解物又は部分加水分解物が大量に糞便中に排出されたり、体内中に蓄積することはないということ。

 (5)では、最大一日摂取量は日本人のたんぱく質の平均一日摂取量の0.04%に過ぎず過剰摂取の問題が起こるとは考えられないことが確認されています。これらのことから、食品安全委員会ではアスパラギナーゼが、酵素が消化管内で分解して食品常在成分になることが科学的に明らかである場合に該当すると結論しています。私もこれに異論はありません。

 以上でございます。

○若林部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、アスパラギナーゼについて各委員から御意見、コメントがありましたらお願いいたします。

 小川先生、毒性試験のときの条件なのですけれども、この酵素を混餌投与しているわけですね。通常ですとペレットにすると熱がかかり、酵素が失活するから、多分粉末とかに混ぜていると思うのです。そうすると、酵素活性がある状況で粉末にあるということは、粉末の中でアスパラギン酸とアンモニアに変換しているものをラットに投与していると考えていいのですか。

○小川委員 元の評価書まで戻っていないのでそこまで言えないのですけれども、一般的にはこういう13週の試験とかを行う場合、安定性とか保存の状況というのは確認するということが基本的には決められておりますので、濃度が下がっているとかということだと試験として成り立たないので、基本的にはそういうことは確認されているはずだとは認識しておりますが、評価書の元に戻らないと、先生のお答えに正確に答えることはできないと思います。

○若林部会長 そうすると、通常ですと酵素はほぼ正常に働いているものをラットが摂取していると考えていいわけですね。

○小川委員 私はそう思っておりますが、多分熱をかけてペレット状のものにしたら完全に壊れてしまうと思いますので、それは行っていないであろうと思いますが、何℃だと酵素として活性があるというのは多分あると思いますので、混餌を作った後には必ず何℃で保存をするとか、何日置きに交換するという条件設定をするのが通常の実験として行うべきことですので、そこはもう一度確認する必要はあるかもしれませんが、恐らくその点は大丈夫ということで評価されていると認識しております。

○若林部会長 分かりました。

 それ以外に何かございますか。まずは毒性の部分と、あとは体内動態に関するものですけれども、小川先生と事務局から説明がありましたけれども、よろしいですか。分かりましたか。

○事務局 お時間を頂かないとすぐには分からないので、確認をさせてください。

○若林部会長 それでは、資料1−2のほうに戻って、事務局から説明がありましたアスパラギナーゼの食品添加物の指定に関する部会報告書案のところに関して、疑問点ですとかコメント、御意見がありましたらお願いいたします。

 堀江委員、どうぞ。

○堀江委員 7ページの(3)ですけれども、これはアスパラギナーゼの機能について言及している文章ですが、既に3ページの5番の「(ア)アスパラギナーゼの機能」というところで言及していますので、ここになくてもいいのかなということと、7ページに戻りますが、「(3)食品中の栄養素に及ぼす影響」よりも、酵素の機能とか作用をうたった内容ですので、食品中の栄養素に及ぼす影響というのは中見出しのタイトルとしてどうかということを感じました。

○若林部会長 どうぞ、お願いします。

○事務局 7ページの(3)の食品中の栄養素に及ぼす影響については、食品添加物の指定の際の指針の中の有効性の項目として、食品中の栄養素に及ぼす影響というものが挙げられております。その中でどういうことを書くかということを考えましたところ、栄養成分としてアスパラギンというものがアミノ酸としてありますので、アスパラギン酸に変えるということが栄養素に及ぼす影響としてあるのかなと思いましてここでは記載しております。記載の仕方が分かりにくいということであれば、もう少し違う書き方を検討したいと思います。

○若林部会長 いかがでしょうか。

○堀江委員 そのような趣旨ということであれば、特段ここがおかしいということではなくて、重複しているということと、書きぶりが栄養素に及ぼす影響というよりも、酵素の機能そのものをうたっているのかなと、読んでいてそう思ったものですから、あくまでもそう感じたということで結構です。

○事務局 具体的な文言はまた検討させていただければと思いますけれども、例えば食品中のアスパラギンに影響を与えるとか、そういう趣旨の内容であればよろしいでしょうか。

○堀江委員 結構です。

○若林部会長 それ以外にいかがですか。

 まず井手委員、それから穐山委員。

○井手委員 5ページのグラフですけれども、右側の注のところで、グラフ中にどこか×が書いてあるのですね。

○若林部会長 見づらいですね。

○井手委員 ×が10のちょっと下にあるのかな。中側揚げ7分というのが左に▲が入っている。

○事務局 カラーのグラフを白黒にした関係で見えづらくなっております。要請者から提出された資料がこのバージョンでしたので、白黒でも見えるよう変更させていただきたいと思います。

○若林部会長 関連しますけれども、7ページの図3も◆と■はどちらがどちらか分かりづらいので、これももう少し分かりやすい表示をしていただければ大変ありがたい。

○事務局 承知いたしました。

○若林部会長 どうぞ。

○井手委員 先ほどの5ページの上のグラフでいいのですが、何を100%にしたでしょうか。単に私が理解していないだけかもしれないのですが。

○事務局 アクリルアミドの低減率の計算の話でよろしいでしょうか。

○井手委員 はい。低減率は分かるのです。左の数字の例えば93ぐらいから12ぐらいに減ったという、表に書いてありますから、それが低減率ですね。一番左の軸そのものの100という部分は何ですか。

○事務局 例えば5ページの図2−2、上の図ですと、縦軸はアクリルアミドの含有量ということで、絶対量になります。したがいまして、あくまで100という値は100ppb、含有量です。

○井手委員 もともとは何もしないということですか。

○事務局 そうですね。アスパラギナーゼを全く添加しないときになります。

○井手委員 それはゼロですね。ゼロのときの値はみんな100にはなっていませんね。アスパラギナーゼ添加量、ゼロppmというところがいろいろですね。

○若林部会長 井手委員が言っている縦軸が図2−3だけパーセンテージで、図2−2はppbなのです。だから、統一性を持たせるのでしたら、図2−3も縦軸を合わせれば分かりやすいのではないかと思います。

○事務局 その点は要請者から提出された資料をやり取りする中でも同じやり取りがありました。元の文献がいろいろな文献に分かれておりまして、それぞれ表記が若干異なっており、図2−3のものだけ添加量ゼロを100%と換算したものでした。ここをいじるのはなかなか難しいかなと考えています。

○井手委員 分かりました。

○若林部会長 よろしいですか。それ以外に。

 穐山委員、どうぞ。

○穐山委員 提案されている規格案の定義ですけれども、これは基本的にはセルフクローニングで作ったということですね。 Aspergillus niger ASP-72株に限ると限定していますね。これは私、初めてのケースだと思うのですけれども、ここまで限定する必要があるということでしょうか。

○若林部会長 先生の御質問は10ページの定義のところですね。これについては事務局のほうから御説明をいただけますか。

○事務局 科学的にこの限定がどれぐらいの限定を意味するのかということは事務局のほうでは判断するのは困難なのですけれども、もともとASP-72株というものが食品安全委員会への諮問の際に用いていた名前です。具体的には食品安全委員会の諮問のときには Aspergillus niger ASP-72株を用いて生産されたアスパラギナーゼとなっておりましたので、文言的にはそのまま事務的に持ってきたものでございます。科学的にこれがどれぐらいの限定なのかというところは私も分かりかねますので、もし議論が必要であればこの場で御議論いただければと思います。

○若林部会長 どうぞ。

○穐山委員 基本的にこれを限定にすると、その菌株を持っている企業だけがこれを作るという考えですね。だから、一社独占という判断で、考えでよろしいですね。

○若林部会長 アスパラギナーゼは Aspergillus niger だけではなくて、ほかの菌も作っていますね。

○穐山委員 Aspergillus nigerだとしてもほかの菌株もあると思いますけれども、それはもうこの規格に合わないということですね。その考え方でよろしいですかという。

○事務局 考え方は穐山委員の御指摘のとおりです。

○若林部会長 今回の使用基準としてそれだけに限定するか、もう少しここのところを広くしておいたほうが、後々いろんな類似のものが出た場合に対応できやすいのではないかということが穐山委員の御意見ですか。

○穐山委員 後ほど9版の公定書の話があると思いますけれども、そこで株まで限定している酵素の規格は今のところないと思うのです。だから、これは初めてのケースなのですが、それはそれでよければ構わないのです。

○若林部会長 文章ではアスパラギナーゼ遺伝子を増幅して、このASP-72株というのを作ったのですね。元株は多分ありますね。それはアスパラギナーゼの産生量が低いわけで、産生量が高い株しか世の中にない状態になっているのです。小川委員がおっしゃったように、酵素の場合、産生する微生物が安全である。酵素そのものも安全であるということを考えると、この遺伝子増幅がなされている菌株のみに対応させるという考え方でいいと思います。

 一般的に広げるというのは、もともとの微生物を全部検定しないといけない。微生物の病原性を規定しないといけませんから、余りにも大きな話になる。

○穐山委員 もちろん先生のお考えのとおりだと思うのですが、今度、第9版の公定書では、ナチュラルオカレンス、セルフクローニングの菌株は定義の種に入れますけれども、株までは限定しないです。だから、そこは一応製造基準でトキシン産生性や病原性がないということを規定しますけれども、今度の9版では株までは限定しない規格案を出す予定であります。当然たくさんありますから、全部追っかけることはできないです。だから、今回は新規でたまたま事業者申請できたので株まで限定していますけれども、これだけ限定するという形になるかなと考えています。それはそれでいいのであれば私はいいのです。

○鎌田委員 例えば別の企業が niger を使って、別な菌株でたくさんアスパラギナーゼを作ったときに、それはだめだという話この場合はありますね。

○穐山委員 あるいはほかの会社で別な株でセルフクローニングで作った場合は、これの規格に合わないわけですね。そうすると、また告示改正の話になると思います。

○鎌田委員 かなり大きな方針になりますね。

○穐山委員 そうすると、何回も何回も申請するという話になってきます。

○若林部会長 どうぞ。

○事務局 すみません。一応補足で事実関係の説明をさせていただきますと、アクリルアミド低減のためのアスパラギナーゼについては、世界的には別の品目もありまして、例えば今回は niger になりますけれども、 Aspergillus oryzae 由来のものも作られております。

 また、JECFAの評価につきましては、この2品目は別々に評価が行われております。以上、補足です。

○若林部会長  oryzae のものが申請された場合には、またここに書き加えなくてはいけないということになりますね。

○事務局 あくまで仮定の話でございますけれども、今回、認められたということになりますと、指定の名称につきましてはアスパラギナーゼという一般の名前になります。ただし、成分規格の中で今回、ASP-72を書くかどうかはありますけれども、 Aspergillus niger ということが限定されておりますので、使用基準の改正での対応になると考えております。

○若林部会長 そうすると、この定義の1行目と2行目の括弧を2つ取っておけば Aspergillus 属に関しては一応対応できるようにはなる。

○事務局 ただ、その場合は、安全性の評価等を全く経ずに使用できるということにもなってしまいますので、それはJECFAの例を見ましても望ましくないのではないかと考えます。

○若林部会長 井手委員、どうぞ。

○井手委員 同じ niger増幅のさせ方が違った株というのが出来ますね。これだと、その場合も全然対象にならなくなってしまうのです。

○事務局 今先生がおっしゃっているのは、遺伝子を増幅させてということに対して、遺伝子に対して抑制的に働くようなものをノックアウトするような場合のような増やし方のことをおっしゃっているということでしょうか。

○井手委員 いろいろもう少しあると思うのです。

○事務局 そういう場合について、今の規定ですと、仮に「ASP-72」を取ったとしても、規定が遺伝子を増幅させることによって生産性を向上させるということになりますので、それ以外は読めないということになると思いますので、そういった別の遺伝子によって、書いてあること以外の定義のものでやる場合は、現状ですと成分規格の改正が必要という形になるかと思います。

○井手委員 あと関連して15ページの表の酵素活性のところで具体的な数字が入っていますね。「2375」というのは、なぜこの数字が出てきたのか。たまたまここで使っているものがそれ以上ということなのですか。不思議な気がするのです。2375ユニットというのは。

○事務局 この数字自体は、指定要請者から提案のあった数字です。酵素活性の量については、TOSの説明の中で、酵素はそれ単独ではなくて、いろいろなものを混ぜて調整した上で販売されるということを御説明しましたが、2375は調整後の値で、事業者が調整しております。

○井手委員 分かりました。結構です。

○若林部会長 よろしいでしょうか。アスパラギナーゼの必要性は多分皆さんお分かりになると思うのですけれども、そういうことでここで認められる最初のケースなので、また追加等に関しては新たに議論が必要だというようなことになるかと思います。

 穐山委員、よろしいでしょうか。

○穐山委員 今の段階では製造基準に病原性とかマイコドキシン、あるいは産生菌がないという規定がないのでもうこれでやるしかないですけれども、結局9版が出た後に、これはこのままでいいのかという議論が出てくるとは思います。

○若林部会長 佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員 JECFAのほうは、やはり Aspergillus niger を規定しているのですけれども、ASP-72は定義の中に入っていません。なので、「ASP-72株」という言葉を抜くという可能性もある。ただし、抜いたとしても酵素活性はこの試験法に合わなければ規格に合わないということになりますので、結局書いても書かなくても現状では同じかと思います。

 既存添加物の場合は、特徴的な酵素活性を示すということだけが規定されていて、活性が何単位とかという規定を特に設けていませんが、今回は事業者申請だったので、事業者の規格案にあった酵素活性の量を規定しています。これからアスパラギナーゼでいろいろなものが出てくれば、規格の改正案を事業者に出していただくのかなと思います。

○若林部会長 いろいろなものが出てきた場合、その場で対応していかざるを得ない。現在では72株を取ると後ろのほうの15ページのところをいろいろまた改正しなくてはいけない、書き変えなければいけないという話になりますね。ですから、現在ではこの格好で仕方がないのではないかというのが佐藤委員の御意見です。

○事務局 いろいろ御議論いただいておりまして、ありがとうございます。

 食品安全委員会の食品健康影響評価のほうで今回ASP-72株という形で食品健康影響評価をさせていただいている中で、1−3の11ページのほうに非毒素産生性の確認というところでASP-72株に限った形での毒素産生の有無というのを評価した上で、今回食品安全委員会からこれは問題ないよという結論を頂いているという状況もございますので、現状でASP-72というのを外すのは難しいのではないかと考えております。

 逆に、今、先生方から御指摘のあったASP-72というのを外した場合、では、この食品健康影響評価を Aspergillus niger とした場合に問題がないのかというのを改めて確認が必要になってくるのではないかと考えておりますので、今回についてはASP-72株という規定で進めさせていただければと考えております。

○若林部会長 いかがでしょうか。

 佐藤委員、よろしいですか。

○佐藤委員 はい。

○若林部会長 その点に関しては、皆さん確認をされたと思います。それ以外に何かございますでしょうか。

 北田委員、どうぞ。それから、小川委員。

○北田委員 6ページの表1ですけれども、アクリルアミド低減率、パンだけが47と低減効果が低いのですけれども、これで低減効果があると言えるのかということ。例えばほかのパンあるいはほかの食品でもこういう低減率が低いのがあり得るのかということを聞きたいのです。

○事務局 まず、低減率なのですけれども、これは食品の作り方によっても値というのは全然異なってくると聞いています。例えば粉状にしてきちんと均一に混ざるようなものであれば割とアスパラギン酸になりやすいですとか、酵素の反応の時間がどれぐらいが良いですとか、いろいろなファクターがあります。したがいまして、必ずしもここに書いているものが最大かどうかも分かりませんし、実はこれよりももっと下がってくるということはあります。あくまで、アプリケーション次第だということがJECFAの評価書にも書いてあったかと思いますので、これはあくまで一例と御認識いただければと思います。

 その上で47%というパンが高いのか低いのかという点ですが、コーデックスでも行動規範というものを作っておりますが、アスパラギナーゼが唯一の対応策ではなくて、様々な対応策がある中の1つのオプションと考えられております。したがいまして、47%だから効果がないとか、そういう判断ではないのだと思います。あくまで全体の中の1つのオプションとしてアスパラギナーゼは、この程度効果があると確認いただくものだと考えております。

○若林部会長 よろしいですか。条件によっては、もう少し下げることももちろん可能であるということです。

 小川委員、どうぞ。

○小川委員 先ほど若林先生のほうから御質問のありました13週試験の安定性等の件ですけれども、申請者からの資料によりますと、物理的に混ぜて作ったということが明記されております。それと3週間ごとに4回作ってあって、マイナス18℃で保存して1週間に1回変えるという条件があります。それと被験物質の安定性につきましては、5週間マイナス18℃では安定であるというのと、室温では7日間安定であるということが記載されておりますので、活性という意味合いでは違うかもしれないですけれども、量的には問題ないと考えます。

○若林部会長 室温だとどのくらい活性があるのですか。多分、マイナス18℃から出して動物室でずっと飼っていると25℃ですね。25℃で3日間ぐらいで餌を変えて、その間ずっと25℃にあるので、そこでアスパラギナーゼの活性というのはどれぐらいなのですか。

○小川委員 活性という書き方がないので分からないのですけれども、これは壊れるという意味合いにはならないわけですね。

○若林部会長 アスパラギンからアスパラギン酸にどのぐらい移行している食事をラットが食べても全く毒性がなかったということを知りたい。

○小川委員 被験物質の含有量といった場合に、壊れてしまったら減るとは考えられないわけですね。

○若林部会長 酵素ですから、熱に対する安定性だと思うのです。そのほかにございますか。いいですか。

 井手委員、どうぞ。

○井手委員 小川委員に質問ですが、資料1−3の11ページあたりにある毒性のところで単純な質問ですが、オクラトキシンとかアフラトキシンとかという言葉が出てきます。非毒素産生性のところです。同じ Aspergillus 属にステリグマトシスチンという発がん性のトキシンを出すのがありますね。それは全然出てこないのですけれども、この場合は余り関係ないのですか。

○若林部会長 ステリグマトシスチンの産生株。

 鎌田先生、知っていますか。

○鎌田委員  Aspergillus 属でなかったと思います。私より穐山先生のほうが詳しい。ジーナスが多分違いますので、さすがにジーナスを飛び越えては。ステリグマトシスチンですよね。

○井手委員 ステリグマトシスチンではないですか。結構です。

○鎌田委員  niger に関しては、 Aspergillus 属の中心になるのはアフラトキシンとオクラトキシンだったのですけれども、 niger に産生性があるというのが7〜8年ぐらい前に分かってしまって、ここで実験をして検討しているという状態なわけです。

○井手委員 ステリグマトシスチンというのは発がん性がありますね。発がん性物質を産生するのはほとんど Aspergillus 属だけですね。だから、 Aspergillus 属以外の、いわゆるコウジカビ属以外で発がん性のマイコトキシンを産生するのはないですね。トリウム関係はそうですけれどもね。それで気になったものですから、全然ここに出てこないので。私の勘違いかもしれないので、構いません。

○鎌田委員 食品安全委員会から参考人で聞かれたときに、ステリグマトシスチンについては一言も疑問はなかったのです。アフラトキシン、オクラトキシン、フモニシン、このことについて相当な議論を委員会の中でされていた。

○小川委員 12ページの下の脚注の5のところに小さい字で書いてあるのですけれども、一応この株につきましてはフモニシンのほかにということで、2行目の後ろのほうにステリグマトシスチンがないということが確認されているということです。

○井手委員 結構です。

○若林部会長 どうもありがとうございます。

 それ以外に何かございますか。

 私の方からいいですか。3ページのところですけれども、この図1がコピーを重ねたからかもしれませんけれども、アミドかカルボニルか、かなり分かりづらい図になっているのです。これは直さないと構造式が間違ったものが出てしまうのかと心配しますけれども、この点はどうですか。

○事務局 こちらの資料は農林水産省の指針から抜粋しておりまして、元のファイルがもらえないかどうかを農林水産省と話をして、きれいなものにするようにしたいと思います。

○若林部会長 3ページの「(2)諸外国での使用状況等」のところに欧州連合ではフランス及びデンマークでは個別に認可されているというのは、意味が分からなかったのですが、どういうことですか。

○事務局 酵素につきましては、現時点ではEU全体での規制を作っていくということで今動いている状況なのですけれども、それまでの間というのは、各国が別々の対応を取っております。フランスやデンマークについては、加工助剤であっても個別に許可が必要な状況であるため、個別に許可されております。一方、その他の国については、加工助剤については規制がないので使用ができるという状況になります。

○若林部会長 7ページの食品中での安定性と、こちらの15ページの使用基準の方とも関係してくるのですけれども、酵素類のものに関しては、保管方法、保存方法をかなり規定していましたね。室温で安定なものなのか、それとも4℃以下ぐらいでキープしなければいけないものなのか、そこのところも気になったのです。これについてはいかがですか。

○事務局 確認をさせていただいてもよろしいですか。添加物としての安定性ということですね。少々お待ちください。

○若林部会長 それ以外に何か。

 北田委員、どうぞ。

○北田委員 今と同じようなこと。

○若林部会長 では、どうぞ。

○鎌田委員 資料1−2の1ページ、分子式、分子量のところですが、アミノ酸配列から計算される分子量は3万9,584の後の「Da」。これは配列から計算すると普通の化学物質と同じになりますので、Daはないほうがいい。それだけです。

○若林部会長 「Da」は要らないということです。

 どうぞ。

○事務局 先ほどの若林部会長からの御質問です。

 部会報告書には記載しておりませんが、指定の要請書中には食品添加物の安定性の記載がありまして、そちらには顆粒製品については冷暗所保存において1年間安定であること、液体製品については4〜8℃保存において1年間安定であることが記載されております。

 保存基準を作るかどうかについてですが、保存基準を置いているものというのはかなり限定された添加物だけなのかなと思っています。

○若林部会長 以前、そういうようなものを扱ったものですから、それで気になって質問したのです。普通のものでは保存基準は余り置かなくてもよろしいですか。

○事務局 佐藤先生、もし、その辺に何か考え方がございましたら。

○佐藤委員 これも結局事業者からの申請によって付けてほしいという要請があれば付けるという感じです。要請があっても、この前のように必要ないということでやめるという場合もあります。ただ、今回、顆粒と液体があり、保存条件が違いますが、形状によって保存基準が異なるというのは食品添加物ではないですね。また、現在、保存基準の付いていない食品添加物でも保存に注意が必要なものもあります。

○事務局 JECFAでは特に設定はされていないということでよろしいでしょうか。

○佐藤委員 そうですね。特になかった。

○若林部会長 どうぞ。

○穐山委員 これは先ほどの議論で生産者がもう特定されて、この株を持っているところしか作られないので、その業者のみ、この保存基準を守らないと思うのです。この申請者が多分生産者だと思いますので、保存基準を作る必要はないということだと思うのです。だから、ここは売る際にその辺はきちっと言うのではないかと思います。だから、例えば広くこれがいろんな企業が作るような規格であれば、その点は保存基準を作る必要があるかと思います。

○若林部会長 現時点では特に明記する必要はないと。

 どうぞ。

○事務局 若林部会長の御指摘につきましては、酵素全般の話として、酵素が熱に対して弱いのではないかということだと思うのですけれども、仮にアスパラギナーゼに保存基準を付けるのであれば、酵素全てに保存基準を付けるという話にもなりますし、また、現在でも一部の酵素については既に成分規格を設定されているのですけれども、そちらについて保存基準はなかったと思います。その辺の整合も考えますと、特にアスパラギナーゼについて、著しく安定性上の懸念があるというものでなければ、保存基準は必要ないのではないかなと考えておりますが、いかがでしょうか。

○若林部会長 よろしいですか。

 あと1つ。これはアスパラギンからアスパラギン酸とアンモニアが出来るのですけれども、アスパラギンが少なくなってアスパラギン酸が増える食品が出来ると思うのですけれども、アスパラギン酸が増えること、アンモニアが増えることによって毒性が出るような懸念はないのかということが少し心配になります。今までのJECFAの報告ですとか、食品安全委員会の報告ですとか、小川先生が説明してくれたようなことからすると、それほど影響はないものであるというように理解できたのですけれども、そういう解釈でよろしいですか。

○事務局 なかなか難しい点なのですけれども、まず、事実関係を先に申し上げますと、食品安全委員会やJECFAのレポートの中で、アスパラギナーゼと反応することによって出てくるアスパラギン酸あるいはアンモニアに関する考察というものは特にございません。安全性に対する懸念等も挙げられておりませんし、考察もされていないというような状況です。

 少し要請者とも話をしていたのですけれども、アンモニアについては今回のものは加熱食品に使用されるということで、食品の製造工程において気化していくのではないかなとのことです。

 また、アスパラギン酸の量なのですけれども、そもそもアスパラギン酸というものは食品の常在成分であって、アスパラギンがアスパラギン酸に1mol対1molで変換して出来るというものなので、事業者のほうからは特にデータの提供はないのですけれども、安全性上の懸念はないのではないかというような話を聞いております。また、特に安全性上の懸念があるというような報告もないというような状況でございます。

○若林部会長 分かりました。最後ですけれども、7ページのところの食品中の安定性の熱による失活に関しては、中身と外側で完全に失活するというのでよろしいですか。

○事務局 こちらは最後に訂正を提案させていただこうかと思っていたのですけれども、この文章中では70℃により失活するということと、アスパラギナーゼは120℃以上で高温加熱するので完成前に失活し、活性を示すことは想定されていないことを記載しておるのですけれども、後者は言い過ぎでした。完全に失活しているかどうかという点は、JECFAのレポート等でも記載しておりませんので、修文をさせていただきたいと考えております。

 具体的には、アスパラギナーゼはアクリルアミドが生成する120℃以上の高温で加熱、加工する食品の製造に使用されるため、アスパラギナーゼは最終食品の完成前に大部分は失活すると考えられる、ぐらいの文章で修文させていただければと思います。御指摘ありがとうございます。

○若林部会長 よろしいでしょうか。

 それでは、幾つか御指摘がございましたけれども、これについては事務局のほうで再度修文、整理をしていただきまして、アスパラギナーゼ( Aspergillus niger ASP-72株を用いて生産されたもの)の新規指定等については、可とするということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○若林部会長 それでは、了解されたということで、事務局からその他何かございますでしょうか。

○事務局 それでは、いつものとおり部会報告書を取りまとめまして分科会に持っていくという手続を行いたいと思います。

 その上で、今後の手続の過程で細かい文言の変更等、軽微な修正が必要となった場合、修正内容を部会長に御確認いただき、特に問題がなければ手続を進めさせていただく、そういったことでもよろしいでしょうか。

○若林部会長 事務局からそのような提案ですけれども、よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○若林部会長 では、そのように進めさせていただければと思います。

○事務局 本品目につきましては、新規添加物の指定になります。したがいまして、分科会での取扱いですが、報告事項ではなく審議事項とされておりますので、審議事項として進めさせていただきます。

○若林部会長 こちらもそれでよろしいですね。

○事務局 今回の審議結果につきまして食品衛生分科会での審議のほか、パブリックコメント、WTO通報等の所定の事務手続も並行して開始させていただきたいと思います。

○若林部会長 よろしくお願いします。

 それでは、その次の議題、報告に入りますでしょうか。用意してくれましたパソコンを使ってのいろいろな説明だと思いますので、事務局のほうからお願いいたします。

○事務局 1点御報告がございます。第9版食品添加物公定書作成検討会報告書について御報告をさせていただきます。

 先ほどのパソコンを開けていただければと思います。

○若林部会長 皆さんよろしいでしょうか。

 お願いします。

○事務局 本日、お手元に資料として資料2−1の概要、あと資料2−2としましてパソコンの方で御確認いただいております検討会報告書でございます。なお、傍聴者の皆様におかれましては、資料2−2に関しましては、後ほど厚生労働省のホームページのほうで公表させていただく予定にしておりますので、そちらを御確認いただければと思います。

 資料2−1に基づきまして御説明をさせていただきます。「第9版食品添加物公定書作成検討会報告書の概要」ということでございまして、食品添加物公定書につきましては、食品衛生法第21条の規定に基づきまして、食品添加物の成分規格等全般について収載するということで、昭和35年の第1版を皮切りに、平成19年の第8版作成まで逐次改正が行われてきたところでございます。今回は第9版を策定するということで、第8版以降の検討を踏まえまして改正をさせていただきたいと考えております。

 2番目の改正の目的というのが今回第9版公定書の改正の方針として挙げられているものでございます。大きく分けて6つございまして、1つ目が、既存添加物は、平成7年の食品衛生法改正に基づいて指定制度が天然添加物まで範囲が広がったということに伴いまして、従来より使われてきた天然添加物についても引き続き使えるようにし、経過措置という形で置いたものではございますが、その際に特に規格基準というのを設定して来なかったという経緯がございます。このため、指定添加物と同様に規格基準を設定して、既存添加物の安全性確保等に努めていくということで従来より方針として挙げられてきたところでございますが、今回、既存添加物で規格が付いていなかった87品目、そのうち酵素62品目について新たに成分規格を設定するとした上で公定書に収載するという形をとらせていただいております。

 2つ目としまして、第8版策定以降にも添加物が新規指定添加物ですとか使用基準の改正等が行われておりますので、そういった添加物の規格基準を新たに盛り込むというものでございます。

 3番目と4番目に関しましては、試験法の科学技術の進展ですとか、あとJECFAですとか日本薬局方の試験法等に合わせていくということです。一例としまして重金属の試験法というのを国際的な方法ですと、重金属という形ではなく、鉛試験法ですとかカドミウム試験法という個別の金属に対しての試験法として置いているというところがございますので、そういったものについて国際的な調和をとっていくという観点から修正をさせていただこうと考えております。

 あわせまして、同様に微生物限度試験についても現在JECFAのほうで規格がございますので、そういったものについてもJECFAの規格に沿うような形で修正を進めていきたいと考えております。

 個別の試験法のほうになってきますけれども、有害試薬が使われているような試験法についても、有害試薬を使わないで実施できるような試験法に直していこうという方針がございます。

 5番目でございますが、試薬名について原則JISの名称に合わせるという方針をとっております。あわせまして、公定書を見ていただく方々に対して利便性を図るということで、記載方法の統一化を図りましょうという、大きく分けて6つの方針に基づいて検討を進めてきております。

 これまでの検討経緯を3番目に記載しておりますが、平成21年7月に第9版食品添加物公定書の検討会、初代座長が河村葉子前国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部長のもとに立ち上げまして検討が行われました。その後、座長が河村先生のほうから、今お越しいただいております穐山委員の方に代わりまして、平成26年1月10日に最終的な審議を終えまして、平成26年2月5日に報告書が取りまとめられております。その報告書が資料2−2のほうになります。本日、資料を御覧いただければと思うのですけれども、1,100ページを超えているということで、紙での資料の準備が厳しいということで、パソコンの方で御用意をさせていただいております。

 検討会の委員に携わっていただいた方を資料2−2の3〜5ページにかけて名簿ということで一覧でお示しをさせていただいております。

 資料2−1のほうに戻りまして、検討会報告書の主な内容ということで、具体的に今、申し上げた改正の方針に基づいて修正を行った品目がどういった品目があるのかというのを資料2−2の1ページ以降に個別品目等の名称を挙げさせていただいているところでございます。

 今回、第9版食品添加物公定書作成検討会の報告書ということで御報告をさせていただいておりまして、今後、食品安全委員会のほうに食品健康影響評価を依頼していくという形を考えておりますけれども、その際には、今回、報告書の方の体裁を整えて、改めて本部会の方に御報告をさせていただいた上で食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼したいと考えております。ですので、またこちらの資料2−2を御覧いただきまして、まだ後日、お気付きの点等ございましたら、事務局の方まで御連絡を頂ければと考えております。

 報告は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○若林部会長 ありがとうございます。

 それでは、実際に検討会の座長で御努力いただきました穐山委員より、第8版食品添加物公定書からの修正内容について御説明をお願いできますでしょうか。

○穐山委員 今、事務局から御報告がありましたように第9版の検討会が今年の1月10日に終わりまして、本来ならば平成25年3月1日に終わっていたのですけれども、今回まだ若干改正がありましたので、4年近くかかってしまったのですけれども、検討会でまとめました。検討会12回と、あと作業部会16回で、その他にまた21回の打合せ等がありまして、かなり膨大な議論で時間をかけまして、大幅改正だったので一応まとめて、ページ数もかなり多くなっています。

 ポイントだけ御説明いたしますと、通則におきましては今までの記載のところの間違いとか、形状、温度の範囲、試験に用いる水、あるいは試験室の温度等の記載のとおり、適正に改正するようにいたしました。

 また、一般試験法で一番大きな改正ポイントとしましては、重金属試験法。今まで比濁法を用いていたのですけれども、これはJECFAでは原子吸光で個別試験法になっていますので、鉛試験法に変えていく。8版でも一部終わっていたのですが、ほとんど鉛試験法に変えていく。そのため原子吸光法を導入するということであります。

 今まで一応一般試験法の中に原子吸光法、第1法と第2法がありましたが、これでは全ての品目を試験することができませんので、第1法〜第5法に増やしまして、それで全ての品目を対応するようにいたしました。規格値も今まで10μg/gあるいは20μg/gが一般的だったのですが、原子吸光に変えることによって感度を上げましたので、基本JECFAと同じ2μg/g、物によっては5μg/gという規格値に変更することになりました。

 また、微生物限度試験ですけれども、こちらに関しましては8版では増粘安定剤で一部には既に細菌数と大腸菌が決められておりましたが、この第8版では、規格はJECFA規格で、しかし、試験法は日本薬局方となっていましたので、規格と試験法は一体という概念から、JECFA法に試験法も合わせることといたしました。

 また、酵素の規格が入ってきますので、酵素と増粘安定剤全てに微生物限度試験をかけるということになりましたので、これに関しても全て検証するという作業が入りましたのでかなり時間がかかってしまいました。これも大きな改正ポイントであります。

 また、タール色素試験法、これも従来はろ紙クロマトグラフィー、他の色素、主色素や副色素以外の色素、こちらに関してはろ紙クロマトグラフィーという古い試験法だったのですが、こちらはHPLC法に変える等の改正をしております。

 また、香料試験法に関しても個別に各条に全て書かれていたものをJECFA法に合わせた方法にして、ガスクロマトグラフィー法をかなり適用いたしましたので、一般試験法のところに香料試験法をかなり充実させて統一を図りました。

 また、Cの試薬・試液等の改正は、これに関しては方針の1つであります原則JISに基づく名称に改正する方向でいたしました。そこが第8版からの大きな改正だと思います。

 新規収載予定品目ですけれども、これは87品目の既存添加物で、25が酵素以外、62が酵素と、ほぼ現存する既存添加物の酵素全てを規格に入れることができました。これはかなり大変な作業だったのですけれども、やはりここは9版の改訂の目玉というか目的だったので全て検討し、全て入れることができました。酵素以外は先ほどお話ししましたが50品目の先ほどの2−1の資料において「4.検討会報告書の主な内容」で、1ページ、酵素以外の25品目、2ページで酵素62品目が書かれております。

 ほかは一応、今は8版以降の新規収載品目に関しまして、現時点で72の新規品目がありますので、それを入れております。恐らく刊行までには新規収載のものが増えると思いますので、それに関しても第9版に盛り込む予定でおります。

 大体ポイントはお話ししましたが、こちらの画面の1120ページ、これは飛ぶことができると思うのです。

 そこの4番が改正のところでありまして、微生物を用いる酵素を製造する場合は、微生物の菌株として、非病原性の培養株以外のものを用いてはならない。また、微生物の菌株として毒素を産生する可能性のある培養株を用いる場合は、生成の過程で毒素を除去しなければならないという製造基準を設けております。そのことで、酵素の定義では、先ほど言いましたナチュラルオカレンス、セルフクローニングは定義中に菌種を入れるとしましたが、株までは限定しておりません。

 ですので、そのためには株を限定しない代わりに、ここに製造基準を設けたということであります。あと遺伝子組換えで作られた酵素に関しては、その遺伝子組み換えの酵素の規定は定義に入らないということがDの成分規格の頭の方に書かれております。

394ページ。これはDの成分規格、保存基準、冒頭の文章ですけれども、ここに遺伝子組換えに関わる審査を受けた酵素については、当該酵素の定義の基源に関わる規定を適用しない。つまり、遺伝子組換えで作った酵素に限っては、ここの定義に入れなくてもいい。それは食品安全委員会の遺伝子組換え専門調査会のほうで審査を受けておりますので、そこが定義の規格に入らなくてよいとしました。ただ、ナチュラルオカレンス、セルフクローニングに関しましては、定義の中の菌種に入れるとしております。

 一応改正のポイントとしては以上であります。

○若林部会長 どうもありがとうございました。

 委員の方々から、何か御質問ですとか御意見はございますでしょうか。

 これは膨大な資料ですね。穐山先生は大変御苦労されたと思うのですけれども、これをこの部会で何回かに分けて審議をするとかチェックをするとかというようなことになりますか。具体的にどのようにイメージすればよろしいですか。

○事務局 穐山先生、どうもありがとうございました。

 こちらにつきまして、先ほど簡単に触れさせていただいたのですけれども、報告書を基にしまして食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼するための形に修正をさせていただいた上で、改めて部会の方にこのような形で食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼しますという形で御報告をさせていただきます。

 それまでにお気付きの点があればおっしゃっていただければと思います。

 あわせまして、食品安全委員会で食品健康影響評価が終わった後に、改めてこちらの方に戻ってきまして、その際には審議という形で御審議をいただくという形になりますので、最低2回御審議なり御報告をいただくことになりますので、そのときまでに何かお気付きの点があれば御指摘いただければと思います。

 この資料自体、先日送ったばかりだと思いますので、1155ページの資料、短時間で御確認くださいというのはとても無理だというのはこちらとしても承知しておりますので、またお気付き等あれば事務局の方まで御連絡いただければと思います。

 委員の先生方、御理解できましたでしょうか。

 どうぞ。

○鎌田委員 穐山先生、1つ目のポイントだとおっしゃっていた微生物由来のものを取るときに、毒素を産生していてもいいけれども、酵素生成過程の中で毒素がなかったらいいのだという内容になっているのですね。食品安全委員会で今日のアスパラギナーゼをやったときには、毒素を出さない菌株をできたら作ってほしい。できれば遺伝子がないほうがいい。ですから、培養液も毒素を検出しなさい、検査しなさい、最終表記も検査しなさいというアプローチで、それは産生されていないからというので安全性が担保されているという議論だったのです。ということは、その議論はなくても、もしそこでフモニシンを前に出していたとしても、オクラトキシンを出していたとします。それを取り除く過程があればいいということになるのですね。

○穐山委員 これは既存添加物でもう既に一応流通している添加物です。そうすると、そこは微生物から毒素を産生するかはチェックしないで今は使っているわけですね。ただ、製造基準でそこは除かなければいけませんよ。あとは病原性が当然あるものは使ってはいけないという、そこは製造基準で縛る。これを一個一個食品安全委員会にかけるということは大変な作業になりますね。ただ、今回のアスパラギナーゼの事業者申請のほうはセルフクローニングの株で、規格を作る前に安全性評価をしているわけですから、当然食品安全委員会の段階で毒素を産生するかは気になるポイントになってくるのではないかと思います。

○鎌田委員 新しい酵素を病原性からとって、それが有用だったと。そのときに毒素を出している菌だったというのを企業が見付けたとしますね。乗っかって来たときにこの文書を見ると、毒素を出していても、ですから、病原性があるけれども、取り除ければいいという解釈をして出してこないのでしょうか。

○穐山委員 既存添加物でこの規格に合うものであればこのまま使うことはできますね。ただ、新しい酵素の場合は、当然新規として食品安全委員会のほうにかけますので。

○鎌田委員 既存で既に酵素としてもう規定されていて、別な菌種から取ってきたときに毒性があってもいいのか。

○穐山委員 この定義の範囲のものの菌種であれば使うことはできますけれども、別なものに関してはまた食品安全委員会にかけなければいけないと思います。

○鎌田委員 分かりました。

○若林部会長 そのほかに何かございますか。

 事務局、おおよそのタイムスケジュールはどういうようにイメージされているのですか。今からの委員会に毎回これが出てくるのですか。

○事務局 一応、今のところ5月以降の部会で先ほど申し上げました食品安全委員会へ食品健康影響評価を依頼する前の御報告ということで、事務局で気付いた誤字脱字等の修正をした上で御報告をさせていただきたいと思っております。

 それと並行して食品安全委員会とも調整をさせていただいた上で、その後、健康影響評価を依頼するという形を考えております。

○若林部会長 この件に関しましては、よろしいでしょうか。

 御意見がないようですので、以上で本日の議事は終了したいと思いますけれども、部会委員の先生方から何か追加事項ですとかその他事項はございますでしょうか。よろしいですか。ないようですね。

 御発言がないようでしたら、次回の予定について事務局よりお願いいたします。

○事務局 本日は御審議のほう、ありがとうございました。

 次回以降の添加物部会につきましては、既に先生方に日程調整等をさせていただいているところでございますが、その結果を踏まえて、いつ実施するかにつきましては、部会長とも相談をさせていただいた上で次回の開催日を決定させていただきたいと思っております。なお、開催日が決定次第、場所や議題につきましては御案内をさせていただきたいと考えております。

○若林部会長 一応、先生方には4月は23日、5月は30日の午後2時から仮の予定として入っているかと思いますけれども、4月にするか、5月にするか、また御連絡をいただくかと思いますので、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。

 それでは、本日の添加物部会はこれで終了いたします。

 皆様、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課

添加物係: 03-5253-1111(内線 2453,2459)

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