ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会)> 第3回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会議事録(2014年3月18日)




2014年3月18日 第3回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会議事録

○日時

平成26年3月18日(火)14:50~15:35


○場所

全国都市会館 大ホール(2階)


○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長) 相原忠彦
高橋直人 池上秀樹 糸井克己(代理)
豊嶋良一 萩原正和 吉田充孝 田中威勢夫 近藤昌之
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 竹林保険医療企画調査室長他

○議題

柔道整復療養費の改定について

○議事

14時50分 開会

○遠藤座長

 それでは、委員の皆様全て御着席でございますので、ただいまより「第3回社会保障審議会医療保険部会柔道整復療養費検討専門委員会」を開催したいと思います。

 本日は、お忙しい中、御参集いただきまして、ありがとうございます。ほぼ1年ぶりの開催になるかと思います。

 まず、この間、委員の交代がございましたので、委員の交代について御報告をさせていただきます。伊藤弥志長委員にかわりまして佐久間雅之委員、工藤鉄男委員、松岡保委員にかわりまして豊嶋良一委員、吉田充孝委員がそれぞれ専門委員として発令されております。どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、委員の出席状況について御報告をいたします。本日は、江口委員、笠木委員、嘉数委員、村岡委員、佐久間委員、飯山委員が御欠席です。飯山委員の代理としまして国民健康保険中央会審議役の糸井克己様に御出席をいただいております。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 「柔道整復療養費の改定について」を議題とさせていただきます。事務局から資料が出されておりますので、事務局より説明をお願いしたいと思います。

○保険医療企画調査室長

 保険医療企画調査室長でございます。

 お手元に3通りの資料を用意させていただいておりまして、柔-1、柔-2、それから参考資料という構成でございます。

 私からは、柔-1という資料と柔-2という資料を通しで説明をさせていただきたいと思います。

 まず、柔-1「平成24年度頻度調査について」という資料でございます。こちらにつきましては、私どもが頻度調査と呼んでおります調査は、すなわち、協会健保、国保及び後期高齢者医療制度におけます毎年10月請求分の療養費支給申請書を一定の割合で抽出をいたしまして、その内容から施術の動向を分析しているものでございますが、その直近の状況、すなわち2410月分の頻度調査から得られた情報を御説明、御紹介するものでございます。

 1ページ目の中段の表は、先ほど申し上げました3制度ごとの抽出率を説明しておりまして、柔道整復療養費につきましては、それぞれ30分の1、60分の1、50分の1という抽出率で抽出しておるということでございます。

 1枚おめくりいただきまして、2ページ目「平成2111月行政刷新会議指摘後の請求部位数の地域差の推移について」という資料でございます。こちらについては、経緯としては、平成21年の行政刷新会議におきまして、部位別請求の地域差が大きいということで多部位請求の適正化をという話になりまして、料金の改定としては、22年6月、25年5月と2回の改定で3部位目、4部位目への対応を行ってきておりますけれども、2110月からデータがとれている直近の2410月にかけまして、2110月ですと全国平均50.8%が3部位以上の請求の割合であったものが、2410月では34.6%ということで、全国平均としては着実に3部位以上の請求割合が減少しているという状況でございます。

 ただし、25年5月の改定の影響につきましては、まだデータが把握できていない状況でございます。

 次の3ページ目以降は、上段に2410月の頻度調査の結果から得られるもの、下段に2310月の状況を示しておりまして、上下で比較ができるようにしてございます。ただし、ここでも御留意いただきたいのは、前回の療養費の改定というのは25年5月でございますので、お示しした2つの時点の間には改定が挟まっておりませんので、改定の影響はこの上下の比較では見てはとれないという点でございます。

 3ページ目につきましては、先ほど申し上げました3部位以上の請求の比率を都道府県ごとにお示ししておるわけでございますけれども、3部位以上の請求というのは着実に減少しているということでございます。

 続きまして、4ページ目でございます。柔道整復療養費の月当たり回数区分ごとの請求書枚数割合の分布でございます。これは2310月との対比でいきますと、例えば13回以上という部分の構成割合でございますが、12.1から10.6%ということで減少しておりますが、傾向に大きな変化は見られないといったところかと存じます。

 次の5ページ目でございます。施術期間区分ごとの請求書枚数割合の分布ということです。見ていただければおわかりになりますように、1月目、2月目、3月目、4月目以降と分けまして、それぞれごとに月に1~4回の施術を受けられた方なのか、5~8回なのか、9~12回なのか、あるいは13回以上なのかという部分の数字をとっておりますけれども、これにつきましては、月13回以上の請求書の割合、このグラフでいきますと、一番上の白で示されている部分の数字が、例えば4月目以降のものでいきますと、19.0%であったものが15.9%ということでやや減少しているという状況がございます。

 次の6ページ目でございます。施術期間区分ごとの請求書枚数割合の分布でございます。これも見てのとおりでございますけれども、1月目、2月目、3月目、4月目、5月目、6~10月目、1120月目というような区分ごとにそれぞれの割合がどうかということでございますが、これについても傾向に大きな変化はほとんど見られていないという状況でございます。

 最後、7ページ目でございますけれども、療養費の年次推移でございます。上から2番目が柔道整復療養費でございます。柔道整復療養費につきましては、平成21年度から国民医療費の伸び率を下回る伸び率になっておりまして、平成23年度につきましては0.4%ということで、療養費の中では伸び率が一番低い。国民医療費を下回る数字になっているというのが、平成23年度ということではございますけれども、直近の状況でございます。

 以上が柔-1の資料でございます。

 続きまして、柔-2の資料の御説明をさせていただきたいと存じます。こちらの資料が本日のメインのテーマの療養費の改定についてということでございます。

 まず「1.改定率」でございますけれども、下の文章のところに下線を施してございますとおり、今回につきましては、ここで御議論をいただいて決めるということではなくて、もう政府において決定をさせていただいたものとして、本日、公表させていただいておるものでございます。

 そのような形にさせていただいた理由でございます。前回の改定のときには、改定率を事務局案としてお示しいただいて御議論いただいたところでございますが、このようなものは両側で折り合いがつくという状況は難しいわけでございまして、事実、折り合いがつかず、議論を踏まえて厚生労働省で決定したという経緯があるということ。

 それから、そもそも診療報酬の場合は、改定率は年末に政府が決めておりまして、中医協におきましては、その改定率の範囲の中で個別の診療報酬項目についてどうするかということを御議論いただいておるということがございますので、そういったことを踏まえまして、今回はこのような形で改定率のほうは政府として決定させていただいたものとしてお示しさせていただいているところでございます。

 さて、この0.68%の数値の考え方でございますけれども、そこにございますように、平成26年度における柔道整復療養費の改定率につきましては、本年4月に予定されている消費税率の8%への引き上げに伴いまして、柔道整復施術所における経費の増加が見込まれることから、診療報酬における消費税対応分の改定率などを踏まえ、政府において決定したということでございます。

 もう少し具体的に見ていきますと、2ページ目に今回の診療報酬における消費税対応の情報がございます。2ページ目自体は診療報酬改定全体の情報でございますけれども、消費税対応の改定率につきましては括弧書きになっている部分の中の数値でございまして、1.の診療報酬本体につきましてはプラス0.63%、薬価改定等につきましてはプラス0.73パーセントということで、本体と薬価改定トータルで、消費税対応としては1.36%の改定率とされているところでございます。

 これを踏まえて、3ページ目「消費税引上げ時における診療報酬の改定率と柔整療養費の改定率」でございます。本来的には、消費税対応の改定率というのは施術所におきます経費の中の消費税が課税される経費の比率をできる限りしっかり把握して改定率を計算することが望ましい形であるわけでございますが、柔道整復の場合は、今のところ、経費についてはオフィシャルな統計データがございませんので、過去の対応を踏まえて診療報酬改定の率との関係で、それを参考に率を決めるということをさせていただいております。

 先ほど申し上げましたように、診療報酬の全体改定率はあくまで消費税対応分の全体改定率として1.36%という数字がございますけれども、過去の消費税対応、すなわち消費税が導入されました平成元年、それから税率が3%から5%に引き上げられました平成9年の対応について申し上げます。

 まず、平成元年でございますが、診療報酬の全体改定率0.76%に対しまして、柔整療養費の改定率は0.35%であったということで、診療報酬の改定率に対する比率としては、表の右側にございますように、46.1%であったという状況でございます。これが平成9年のときには0.77%に対して0.43%ということで、55.8%ということで、いずれにしても、診療報酬の全体改定率との関係でいきますと、半分前後であったということも踏まえまして、今回につきましては1.36%の半分ということで、0.68%に設定をさせていただいたということでございます。

 以上が改定率についてでございます。

 続きまして、1ページ目にお戻りいただきまして、「2.改定の内容(案)」でございます。本日、主として御議論いただきたいのは、今、申し上げました0.68%という改定率から出てくる財源につきましてどのような料金項目に上乗せをするかという部分でございます。考え方としましては、そこに書いてございますように、消費税対応についての診療報酬改定での対応、具体的には、診療報酬については初診料、再診料、入院基本料といういわゆる基本診療料を中心に引き上げを行っております。その対応でございますとか、柔道整復療養費の前回の改定の方向性も踏まえまして、消費税対応として、初検料及び再検料への上乗せを行うこととしてはどうかということでございます。

 前回の改定の方向性と申しますと、参考資料の一番最後のページに、25年5月に行いました前回の料金改定について御説明しております。前回につきましては、多部位施術の逓減強化ということで、3部位目の施術について100分の60に減額して支給することにした一方、そこから出てくる財源を使いまして、初期の段階の施術料の充実をするということで、初検料、再検料、施療料といった初期の施術を中心に料金の引き上げを行ったという経緯がございます。こういったことを踏まえまして、今回は具体的には初検料につきまして115円引き上げて1,450円に、再検料につきましては25円引き上げまして320円にするという提案をさせていただいております。

 「3.施行日」でございますけれども、消費税率の引き上げが本年4月1日に予定されておりますことから、同じ4月1日の施行としたいと考えております。

 最後に「4.今後の議論について(案)」でございます。1つ目の○でございますけれども、今回は、適正化を含む前回の改定から1年たたないということもございまして、消費税対応の改定という形で行わせていただくこととしたいと考えております。より抜本的な療養費の改定は、両側のそれぞれがお求めになっている内容がございまして、例えばということでいえば、施術側からは、今、再検料というのが2回目の施術のみについて算定されているのを3回目以降も算定できるようにという御要望をいただいておりますし、逆に、保険者サイドからは、包括化という形で、部位数に関係ないような形で算定をするというようなことも御要望としてはいただいていると認識しております。こういったあたりの抜本的な療養費の改定につきましては、施術者側、保険者側の意見を踏まえまして、今後、引き続き議論をするというのが今回の改定を行う上での前提ということで確認をさせていただきたいと思っております。

 2つ目の○でございますけれども、先ほど申し上げましたように、消費税の対応の改定というのは、本来であれば、客観的なデータに基づいてやるべきだということがございますので、2710月に予定されている消費税率10%への引き上げ時に、今回と同じように、療養費の改定で対応する場合には、施術所における経費の実態調査を実施することにしたいと思っております。これは、役所のほうで勝手に調査をするということではなくて、調査の手法などにつきまして両方の側の御理解を得ながらやっていきたいという提案でございます。

 事務局からの資料の説明は以上でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございました。

 まずは、改定率につきましては診療報酬同様に政府が決定するということで、どういう考え方で0.68にしたのかということの御説明があったということであります。

 それから、それに基づいて改定の内容ということで改定案が示されております。これについて御審議をいただく。

 それから、その他として、今後の議論について幾つかの案が出ておりますので、それも含めて御審議いただきたいと思います。

 どこでも結構でございますので、御質問、御意見があればと思います。いかがでございましょうか。

 それでは、萩原委員、お願いいたします。

○萩原委員

 恐れ入ります。2つほど質問させていただければと思っております。

 1つ目は、今、柔-2の資料の1ページ目で御説明いただきました改定率の説明でございますが、資料の中にアンダーラインを引いているように「政府において決定したもの」ということで、今までにこういう会議というか委員会の中でお示しなかったことで初めてのことなものですから、申しわけございませんが、その経緯についてもう一回詳しく説明していただければありがたいのです。それが1つ目でございますので、あと一つお願いしたいと思います。

○遠藤座長 もう一つあれば、後でまとめてお願いします。

 では、もう一つ。

○萩原委員

 言っていいですか。

 もう一つは、今後の議論についてのところが深く入ってくるかなと思っております。本来、こういう専門委員会の中で、療養費についてのいろいろなお話、希望等々は我々もあるし、保険者側も持っているということですから、その中での意見調整等々をするものだと思っております。今回は、この医療費の改定について今後の議論に託すということで、いわゆる消費税の対応分だけというお話でございますので、その辺も含めて。

 「2.改定の内容」につきましては、今、初検料と再検料の上乗せということでの引き上げ額を御説明いただきましたけれども、大変な数字が載っております。これは十分に理解するところではあるのですけれども、今、御説明があったとおり、その再検料につきまして多くの要望がうちの業界から出ております。しかも、その柔道整復につきましては、今、説明があったとおり、初検のときに1回だけしか算定がされていないということで、今後、もう少し回数をふやすなどの中身のある改定をしていただきたいということがあるものですから、それについてが2つ目でございます。

 具体的に言いますと、私ども公益社団法人日本柔道整復師会も、前回の療養費のときに御説明したとおり、経営実態調査というのがございまして、実質取扱高がここ数年来ずっと下降しておりまして、物価高の折もありまして、大変厳しい生活環境になっているということからしても、私ども柔道整復師業界といたしまして、多くの患者さんなどの国民のために、また社会から必要とされる多くの柔道整復師のためにも、安心で安全で質の高い療養費を実際に維持していくということをまた実現していくためにも、行政だとか保険者の方々にも理解していただきたいことが多くございます。そのためにも、柔道整復師の臨床の現場からも要望事項がたくさん来ているものですから、その辺につきましてももう少し前向きな討論をなされればいいのかなと。少しでも改善していきたいと考えておりまして、今言われましたこの4項目めの今後の議論におきましては引き続き議論していく。次回の改定までに方向を示していただくということだろうと思いますが、特にこの再検料につきましては、議論上、再度必ず次回には上げておくということを条件にしていただければありがたいというところがございますので、その2点でございます。

 どうか、その辺につきましての解釈をお願いします。

○遠藤座長

 御質問と御要望とがありました。しかも、2つ目は御要望と御質問が多少絡んでいるところが若干ありました。

 まず、改定率についてから。改定率についてもう一度説明してほしいということだったと思いますので、お願いいたします。

○保険医療企画調査室長

 御質問にお答えします。

 途中で御説明をしたとおりでございますけれども、前回は、実は0.0%という改定率を事務局案として提示させていただいておりました。ただ、それは、保険者さんの立場からすれば、引き下げるべきだというお話になりますし、施術者さんのほうからいえば、もっと引き上げるべきだという話にしかなりようがないという面があるかと思います。実際上、前回の療養費の改定のときにはそこが折り合わなかったということでございます。そうであるならば、そもそも論として、診療報酬のほうは政府のほうでさまざまな要素を勘案して適切なところで改定率を設定しているということ。その範囲の中で、中医協での御議論をいただいているということがございますので、ある意味、診療報酬と同じような形で、改定率のほうは政府として決めさせていただいて、その改定率の中でどのような財源配分をするかという部分につきましてここで御議論いただければと考えた次第でございます。

○遠藤座長

 萩原委員、いかがですか。

○萩原委員

 中医協と同様と考えるのですね。

○遠藤座長

 そういうことですね。

○萩原委員

 承知いたしました。ありがとうございます。

○遠藤座長

 次は御質問と御要望だったのですけれども、要するに再検料の支払い方についての強い要望があるということですので、それは御要望としてあるということについては承りましたけれども、御質問というのはどういうことですか。

○萩原委員

 いわゆる質問というよりも、できれば議題に乗せる約束をしていただければありがたいと思いました。要望になるかと思います。訂正いたします。

○遠藤座長

 基本的には、議題として乗せるかどうかということでございますので、これはむしろ事務局というよりも、委員の皆様の合意があれば当然乗せるということでありますし、合意がなければ乗せないということでありますので、どのタイミングでどうするかということはまだ決まっていないわけでありますけれども、いかがでございましょうか。それについて何かお考えはございますか。議論そのものは、議論しないということも特段ないと思いますので、そういうことを議論に乗せることについては特段の御反対はないかと思いますけれども、支払い側のほうで何かございますか。よろしゅうございますか。

 特にこれを乗せるお約束をということではなくて、基本的には、いろいろと御意見、御要望はオープンに受けておりますので、そういう一環として承るという形になると思います。いつのタイミングでするかということについては全体のバランスの問題もありますので、それはまた事務局と相談をして、皆様と御相談をしながらということになるかと思います。そういう対応でよろしゅうございますか。

○萩原委員

 ぜひお願いします。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 それでは、田中委員、お願いいたします。

○田中委員

 お世話になります。連合会の田中と申します。今日はよろしくお願いいたします。

 今、萩原委員からありましたけれども、再検料についてです。私たち柔道整復師も、患者さんが来院すれば、視診、問診、触診、そして経験の上で傷病名というのをつけます。傷病名をつけるということは、治療の指針であって一番大事なところだと思うのです。いわゆる診断ということになると思います。

 今、話がありましたとおり、柔整の場合には、初診の後の後療、1回目には再検料というものがつきますけれども、それ以降に当たっては再検料というのは無償でやっているところです。会計検査院の指摘によって、柔整に求められることは長期施術、多部位施術、それから頻回施術。そこで求められることは、正しい診断をして、正しい治療をして、正しい保険請求を上げなさいよということだと思うのです。

 柔道整復師がその日その日、患者さんの様相を見ながら、その都度の治療方針を決めるわけですけれども、その診断をするということは、ましてやそれを書類に書くということは、いいかげんなことはできなくて、そこには責任も持たなければなりません。しかし、それに関しての対価というのは今はないわけです。そこのところを評価していただいて、そのかわり、柔道整復師が書いた多部位、頻回、長期のものに関しては責任を持ってちゃんと書く。それが、今、言われている不正請求の中には押し売り診療とか迎合診療とかあると思いますけれども、そういったことの防止に一番つながるのではないかと思います。

 責任を持たせることが大事だと思います。それには、再検料という対価。そういう形をつくっていただければ、私たちもそういった資料に関しては、保険者の皆さんもこちらから出るものに関しては柔道整復師が責任を持ったものを出さないと納得できないと思うのです。そういった意味では、再検料というものを、毎回とは言いませんけれども、せめて大事な時期。例えば骨折などというのは、来てから2週間ぐらいというのは胃が痛くなるような思いをしながら治療をするわけですけれども、そういったときに毎回毎回診断をしながら治療をするわけですから、その辺のところはちゃんと認めていただきたいというのが私のこの再検料への要望です。ひとつよろしくお願いいたします。

○遠藤座長

 同じように、再検料の支払いの方式についての御要望だと承ります。ありがとうございました。

 今回の改定内容、あるいは今後の議論について何か御意見はございますか。

 池上委員、どうぞ。

○池上委員

 改定内容の初検料・再検料の引き上げ額の関係で、この2つの項目の現状の療養費全体に占める比率を、先ほどと同じように教えていただきたいと思うのです。

○遠藤座長

 では、事務局、お願いします。

○保険医療企画調査室長

 申し上げます。

 初検料につきましては、私どもの手元の数字としては、全体に占める割合は6.8%、再検料につきましては1.1%という数字でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 池上委員、どうぞ。

○池上委員

 先ほど、はり・きゅう、あん摩マッサージのことで同じ質問をさせていただいたのですけれども、今回、0.68%を引き上げるときに、診療報酬の消費税の引き上げは基本診療料を中心にやったから、今回療養費も同様にというような説明があったのですが、私の立場からいったときに、決して合理的な説明にはなっていないというのが正直なところです。

 要するに、今回の引き上げについて、今、お話があったように、両方合わせると7.9%、全体の療養費の8%弱の部分だけに今回の0.68%の引き上げ分を全部充当して残りの9割のところには何もつかないという考え方。結果として、これを見ますと、初検料で8.6%、再検料で8.5%という引き上げ幅になるわけですけれども、消費税3%引き上げなのに対して、この項目については9%弱、約3倍の引き上げ率になるということ、全体の9割については余り見向きもせずというのは表現がよろしくないのですけれども、1割部分に着目して配分をするという考え方の合理性が私には全く理解できないと思っています。そこをどうお考えになるのか。残りの9割の部分がそれぞれの施設によって消費税にかかわる支出の比率が変化する要因というのは当然あるのだと思うのですけれども、そういったものが全てここに万遍なくつけられてしまうことによるアンバランスといいますか、その辺も危惧するところです。

 それから、患者さんというのは、実際、自分の体を預けている方に対して、自分の病気のことでは別ですけれども、こういった料金に関する質問、意見というのは大変言いにくい。今日ここにいらっしゃる方も皆さんそうだと思うのです。そうすると、そういう質問なり意見というのは当然ながら保険者の方に回ってくるのです。そのときに、我々としてはそれなりの合理性のある説明をしなければいけない立場でもありまして、そういう視点で全体の1割弱のところに全ての財源を配分するということの合理性に対して事務局としてどうお考えなのか。そこのところについて御意見を伺いたいと思います。

○遠藤座長

 診療報酬で似たような議論があったなということが彷彿いたしますけれども、何か事務局としてお考えがあればお答えいただきたいと思います。

○保険医療企画調査室長

 消費税分の上乗せの仕方につきましては、今、座長からもございましたように、診療報酬の改定のときにもさまざまな御議論がございまして、項目として、消費税がかかるという部分に着目して行うのか、あるいは、もう少し公平性というような観点から行うのか、さまざまな切り口がございまして、全ての項目に万遍なく乗せるという形もあり得るでしょうし、あるいは、個別というか、一部の項目に乗せるということも財源の配分としてはあり得るところだと思っております。

 今回につきましては、先ほども申し上げましたように、柔道整復の療養費につきましては多部位請求の適正化ということをこれまで段階的にやってきたという歴史がございまして、やり方としては、例えば後療料というものがございます。これは、2回目以降、毎回算定される料金でございます。要は2回目以降ずっとつく料金でございますので、財政影響も大きいものでございます。

 例えば後療料について言いますと、これを5円引き上げるだけで改定率0.67%という計算をしております。これはこれで選択肢としてはあり得なくはないのだろうと思いますけれども、私どもとしては、後療料というのは、要は部位数に応じて算定されるものということもございますので、これまでの改定の流れも踏まえまして、初検料、再検料に提案させていただいたような形で乗せることでいかがかということを提案させていただいたということでございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 池上委員、どうぞ。

○池上委員

 診療報酬の議論をここで繰り返すつもりはありませんけれども、診療報酬のほうでも、初診料、再診料で単独での引き上げ幅を見たときに、3%の消費税の引き上げについて4%上がる。療養費は、先ほど言いましたように、9%近い。物の考え方として、診療報酬は基本料を中心に上げたからというお話なのですけれども、要するに、医療の基本料を上げるから柔道整復師の基本料に相当するものを上げるという理屈でいいのかよくよく考えた上でやっていただきたい。結果として、向こうは4%、こちらは8.6%という合理性を欠く度合いが格段に増している。意見と捉えていただいても構いませんけれども、そのような事実もいろいろ考えた上でやっていただきたかったと思っています。

○遠藤座長

 ありがとうございます。そのような問題もあるということの御意見ということで確かに承りました。

 ほかにございますでしょうか。

○近藤委員

 要望でよろしゅうございますか。

○遠藤座長

 結構です。簡潔にお願いできればと思いますけれども、近藤委員、どうぞ。

○近藤委員

 当初、この専門委員会が開催されるに当たりまして、医療費の伸びよりも柔道整復師の伸びが大きいではないかという論議があったのだと思うのです。それは厚労省から御提示いただきましたように、21年、22年、23年の国民医療費の伸びが3.4%、3.9%、3.1%につきまして、柔道整復療養費は2.3%、1.1%、0.4%と、上昇率が非常に落ちたという、当初の目的は達せられたのだと思うのです。

 もう一点、多部位、頻回、そして長期という問題がございました。これは、先ほど萩原委員、そして、私どもの田中委員から御説明がありましたように、しっかり見るという行為なしに、そこのところの論議はできないのだと思うのです。再検をしながら治療計画をしっかり立てて診療するというのは医療の基本でございますし、当然それは柔道整復師の医療においても全く同然のことでございまして、この論議はしっかりと積み重ねていただきたいと思っております。

 もう一つは、せっかくこの専門委員会を開きまして、額の上限を、細かいところで調整することよりも、根本的に、我々の柔道整復医療をこの社会の中にどう使っていくかという論議は非常に大事な論議なのだろうと思っております。我々の利点といいますのは、地域に密着している、それから料金が安いです。医科と比べると、5分の1ないし3分の1ぐらい。お薬も使わないということですから、副作用も一般的に見れば非常に少ないという利点を持っているのだと思うのです。ですから、この専門委員会もしくは今後の委員会を通じまして、今後、国民医療のために柔道整復医療を上手に使っていくのだという論議にぜひ発展させていただきたいという要望でございます。

 以上でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

○近藤委員

 あと一つ。済みません。

 保険者の皆様、非常にいい医療でございますので、ネガティブキャンペーンはぜひおやめいただきたいと思います。これは要望でございます。悪い人は悪い人、確かにおります。これは、医科でもどこにもいると思いますけれども、一部のところ。ぜひよろしくお願いをいたします。

○遠藤座長

 今後の議論の中にそのような本来の柔道整復療養に関するさまざまな視点からの報酬のあり方を考えてほしいということだと思います。よろしゅうございますか。

 池上委員、どうぞ。

○池上委員

 先ほど再検料に関する御要望もありましたし、今、柔道整復全体をどう考えていくかというお話もあって、この専門委員会が設立された趣旨の一つである基本問題のこれからの議論にかかわっていくものだと思うのです。

 事務局サイドにぜひお願いをしておきたいと思うのですけれども、施術者側と保険者では基本的な立場が異なる中での議論ですので、自分たちの論理だけで話をしていましたら、先ほどの改定率と同じことで、結局、一致点が見出せないことが多々あるのかなということが推測されるのです。

例えば先ほどの再検料の話も、2回目からつかなくなっていますという話で、何とかつけていただきたいという要望があった。私自身もちょっと勉強不足なのですが、なぜそういう取り扱いにしたのか。当時、そこに物の考え方というのは当然あったのだろうと思うのです。その後、時の流れなり環境の変化、いろいろな変化の中で、そのときの考え方を考え直さなければいけないような、例えばこういう事態が来ている、したがって検討しようとか、データもそうですが、理詰めで議論ができるような資料準備をぜひ心がけていただきたい。

 例えば、今の柔整全体の話についても、柔道整復療養費全体を日本の医療観の中でどう位置づけるかという視点ももちろんあるのですけれども、一方で、公的保険の中で扱う範囲としてそれをどう見るのかという視点も当然あるわけです。そういうことに関する過去の考え方、今、生きている考え方、立法の趣旨をできるだけひもといていただいて、そういったものをベースに議論をしていかないとなかなか前進しないのかなと思っております。今後の資料づくりにあたっては提案の仕方、議論のポイントのまとめ方等々についてぜひそういう御配慮をしていただきたいというのをお願い事項として申し上げておきたいと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 事務局、何かコメントございますか。御要望として承ればよろしゅうございますね。

 それでは、しかるべき御対応をお願いしたいと思います。

 ほかに何かございますか。

 吉田委員、お願いいたします。

○吉田委員

 要望で1つお願いいたします。

 今、健保連さんからいろいろ貴重なお話がございました。お話はそのとおりだと思います。当初この専門委員会は、先ほどお話がありましたけれども、適正化に向けて中長期的に柔整問題をいろいろ議論していくということが趣旨だと思ったのですが、短絡的に申しますと、10月の消費税ということではなくて、事務局さんのほうにもお願いでございますけれども、今後も定期的にこういったものをぜひ開催していただきたいと私は要望いたします。

○遠藤座長

 御要望として承っておきます。

 ほかにございますか。

 では、相原委員、お願いいたします。

○相原委員

 今、お聞きして、施術側と保険者側という御意見はよくわかったのですけれども、少なくとも公的保険を使う話をしているわけですから、ぜひエビデンスに基づいてやっていただかないと、ひとりよがりの意見ではいけないと思うのです。このエビデンスというのは非常に重要で、今、公的保険ではエビデンスに基づかないものは排除されるというのが基本的な政府の考え方だろうと理解しています。ですから、この委員会でもぜひエビデンスに基づいた議論を粛々とやっていただきたい。特に中長期の展望をやるということは非常に重要なことだと思っています。これが1点。

 もう一点は、10%になる場合、まだ政府のほうで決めたわけではないですけれども、診療報酬と同様に、医療経済の実態調査をきっちりしないと、今度は今のような曖昧といってはおかしいですが、池上委員のおっしゃるような合理性のないやり方は次は通らないと思います。今、医療経済実態調査は少なくとも1,000以上の単位でとっていますね。それに近いぐらいのかなり大きなサンプル数を持ったものを持ち出さないと、この消費税は議論にならなくなると思うのです。今回の場合は、やむにやまれないというような事情があるでしょうけれども、次回の10%のときはこのようなことでは皆さん納得しないだろうと思いますので、そこは現実に基づいた実態調査を実際にして、実態調査がこうだからというエビデンスをぜひ出していただきたいと願っております。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 エビデンスベースで議論を進めるべきだと。そのとおりだと思います。それに対応できるような調査をお願いしたいという御要望だと思いますので、御要望として承りました。事務局としては、対応可能な範囲でできるだけ積極的なそういう対応をお願いしたいと思います。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、本日、事務局から提案されました内容につきましては、当会議としましてはお認めするということにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

 それ以降、今後の議論についてさまざまな御要望ができました。また少し調整をする必要のあるようなものもありましょうし、いろいろあると思いますけれども、重要な御意見だと受けとめましたので、可能なものについては適宜対応できるように事務局のほうにお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 以上のようなことでよろしゅうございますか。

 最後に何かという考えの方、いらっしゃいますか。よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、事務局におかれましては、事務局案に沿った形で療養費の改定を行うような手続をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 それでは、本日の議題は以上でございますので、次回の日程等についてもしわかっていればお聞きしたいと思いますけれども、これはまだでございますね。

 では、それは事務局からまた御案内がいくかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、これをもちまして、第3回「社会保障審議会医療保険部会柔道整復療養検討専門委員会」を終了いたします。

 本日は、本当にお忙しい中、ありがとうございました。
  
  15時35分 閉会
 



(了)

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