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2014年4月2日 第4回 医療情報データベース基盤整備事業のあり方に関する検討会 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成26年4月2日(水)
17:00〜


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○議事

○事務局 それでは定刻になりましたので、「第 4 回医療情報データベース基盤整備事業のあり方に関する検討会」を開催いたします。本日の検討会は、公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。

 また、傍聴の方々におかれましては、「静粛を旨とし喧噪にわたる行為はしないこと」「座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示にしたがうこと」など申込時の留意事項の厳守をお願いいたします。

 本日、御出席の構成員の先生方におかれましては、お忙しい中、お集りいただきまして、誠にありがとうございます。本日の検討会は、 13 名中 11 名が御出席ですので、本検討会の開催要項に基づき、定足数に達しており、会議が成立していることを御報告いたします。なお、秋山先生は少し遅れるとの御連絡を頂いております。また、井出構成員は、省内における別件の御都合により欠席との御連絡を頂いておりますが、そちらの状況によっては後半に御出席いただけるとのことでございます。

 これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 また、本日、御発言の際には、机上のマイクをお使いいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは以後の議事進行については、永井座長にお願いいたします。

○永井座長 それでは最初に本日の配布資料の説明を事務局からお願いいたします。

○事務局 お配りしている資料の確認をさせていただきます。座席表、議事次第、その裏面に配布資料一覧があるので併せて御確認ください。開催要綱と構成員名簿、資料 1 として、これまでの主な議論等(概要)、資料 1 の参考として、第 3 回の検討会の主な議論等(概要)。資料 2-1 は、医療情報データベース構築経費について、資料 2-2 は、維持・運用・利活用経費等について、資料 3 は、報告書の構成イメージについて、資料 4 は、今後の検討スケジュールです。最後に構成員の机上のみになりますが、当日配布資料として、前回の議事録の未定稿を配布しております。また前回に引き続き、参考資料のファイルをお配りしております。以上です。

○永井座長 ありがとうございます。では議事に入ります。本日は議題 (1) 「医療情報データベース基盤整備事業の今後のあり方について」の 1) 「これまでの主な議論等について」として、これまで 3 回にわたる議論について御確認いただいた上で、次の議題 2) 「検討課題に関する意見交換」として、前回に引き続き検討課題である「本事業の運営等のあり方について」及びこれまでに議論の足りない部分について御意見を頂ければと思います。

 本日は、「報告書の構成イメージ」ということで事務局から用意されておりますので、今後の報告書のとりまとめに向けて、これまでの御意見等を整理しながら全体を検討できればと思いますので、よろしくお願いいたします。では、最初に事務局から、これまでの主要な議論等について御説明をお願いいたします。

○事務局 それでは事務局から御説明申し上げます。資料 1 の前に検討の経緯等を含め、これまで第 3 回までの資料について簡単に御確認いただければと思いますので、ファイルのほうの参考資料を御覧ください。

 第 1 回の検討会では、資料 1 にて、本検討会の設置の背景、資料 2 にて、医療情報データベース基盤整備事業の概要について事務局より説明をしました。資料 3 では、昨年 6 月の行政事業レビュー公開プロセスにおける外部有識者のコメント等を紹介するとともに、各検討課題案を確認し、本検討会における検討の進め方も含め総論的に議論いただきました。

2 回検討会の資料を御覧ください。第 2 回の検討課題としては、資料1スライド 4 ページのとおり、本事業のあり方、データベースの必要な規模、データの代表性 ( 一般化可能性 ) 、地域連携のあり方とその実効性について、拠点病院の拡充のあり方等も含めて検討いただきました。次の資料 1 の参考については、第 1 回の検討会の主な議論の概要をまとめたものです。

また、第 2 回には、構成員からの意見提供として、薬剤疫学の立場から赤沢構成員、統計学の立場から山口構成員、医療情報の立場から山本構成員から、それぞれ資料を提出いただき説明を頂きました。

 赤沢構成員から資料 2-1 として、本事業のあり方に関して、薬剤疫学研究の立場から見たデータベースの比較、データベースに必要な規模やデータの代表性、地域連携等についての御意見を頂きました。

 山口構成員から資料 2-2 として、同じくデータベースの規模、データの代表性、地域連携のあり方等について御意見を頂きました。

 また、山本構成員からは、資料 2-3 のとおり「パーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針案」等、個人情報の取扱いに関する検討状況と地域連携のあり方等について御意見を頂きました。

 前回第 3 回の検討会資料を御覧ください。第 3 回の主な検討課題としては、先ほどと同様に、資料 1 のスライド 4 にありますが、本事業に参加する協力医療機関のメリット等、データベースの活用 ( 試行 ) による実績の提示、本事業の運営等のあり方等について検討を頂きました。

 また、第 2 回に引き続き、構成員からの意見提供として、資料 2-1 として、医療機関の立場から大江構成員に、本事業に参加する協力医療機関のメリット・インセンティブ、データベースの利活用の方向性・可能性、また、本事業の運営等のあり方として費用負担等について、御意見を頂きました。

 資料 2-2 として、製薬企業団体の立場から青木構成員に、本事業への期待として製薬企業としての活用可能性や本事業の運営のあり方について御意見を頂き、また資料 2-3 として、薬学研究者の立場から川上構成員に厚労科研における研究成果を御紹介していただき、医療情報データベース利活用の可能性や安全対策における意義・メリットについて御意見を頂きました。

 また、本事業の実施主体の立場から PMDA より、資料 2-4-1 として、電子診療情報等の安全対策への活用に関する検討の取組として、 MIHARI プロジェクトの御紹介。資料 2-4-2 として、本事業の現状の課題と利活用の方策について説明を頂きました。参考資料の確認は、以上です。

 本日配布の資料 1 について説明いたします。資料 1 は、第 1 回から第 3 回までの検討会におけるこれまでの主な議論等の概要について検討課題ごとに事務局で整理をしたものです。また別に資料 1 の参考として、前回、第 3 回の議論を整理したものをお配りしております。

 資料 1 で、はじめに検討課題として「本事業のあり方について」は、行政事業レビューにおける「ナショナルレセプトデータの構築が狙いであれば」という御指摘については、本事業はそれを目指したものではなく、拠点病院で構築した医療情報データベースを活用することにより現在の副作用の自発報告の限界を補い、医薬品等の安全対策を推進することを目的としたものであり、その目的から考えると有用な事業である等の御意見がございました。

 次に、「他のデータベースとの関係や連結の可能性について」は、ナショナルレセプトデータベースと医療情報データベースは、お互いに補完関係にある。現状ではリンクは不可能であるが、本事業だけの問題ではなく、前提条件として社会的な合意や法整備など環境整備が必要な中長期的課題であること。また、医療情報データベースの他にはない特性の 1 つであり、強みは、検査データが利用可能であることにより検査値の変動でのみ捕捉できるような副作用等についても検証が可能であること。また、データベースの長所や限界等の特徴を踏まえて適材適所で利活用することが重要であること等の御意見がございました。

 次に、「データベースの規模について」は、行政事業レビューの指摘のとおり、全国民を代表するデータを提供するものではないという限界はあるが、だからといって本事業の有用性が否定されるものではなく、まず第一歩として、標準化したデータを蓄積できるという意味でも重要であること。また、具体的な利活用事例を示していくことが、一千万人規模のデータベースを構築していくことの意義やメリットを導き出すことに繋がるわけで、その規模に達していないからといって「廃止すべき」というのは、少し時期尚早な結論ではないのか等の御意見がございました。

 次に、「データの代表性について」は、行政事業レビューで指摘のあった大学病院の特殊性については、大学病院には、ごく普通の生活習慣病の患者も非常に多く通院されていて、それ以外の医療機関を受診する患者の治療方針と、それほど特殊な違いはなく、 N 数が短期間で確保できるという意味では、事業のスタートとしては間違っていなかったのではないか。規模、拡大も必要だが、まず何ができるのかということを得ることが重要で、構築できなければ評価もできないのではないかという御意見がありました。

 また、都市部と地方の医療機関では、患者の受診パターン等が異なるため、適切に解析するためには医療圏の情報が必要ではないかという御意見で、これに対し、医薬品等の安全性評価が目的なので、例えば大学病院と結果が違う場合に、患者背景が違うのか、データ抽出過程において問題があったのか、その両方を考えることが必要であるが、薬の副作用の発現に関しては、それほど大きな地域差が出るとは考えにくいので、標準的な形でデータが出せているかどうかが重要等の御意見がございました。

 次の「拠点病院の拡充のあり方について」は、まず、 10 拠点でしっかり整備していくことが重要であるが、今後、拠点病院を拡充する場合には、大病院・大学病院だけではなく、例えば異なる地域、対象疾患等、医療機関の多様性も考慮する必要があるのではないか。また、国立大学病院は参加を求められれば協力すると思うが、病院負担となる費用が参加の障壁となるので、今後、検討が必要ではないか。標準ストレージも含めて全てを新たに導入するというのは、今回は初期の導入なのでやむを得ないが、今後は既にあるものをできる限り活かして、コンパクトな拡大導入を図ることが、拠点病院を増やしていく重要なポイントではないか等の御意見がございました。

 次に「医療情報の保存期間の問題について」は、長期の観察期間が必要な副作用や経時的な変化の評価が必要な場合を考えると、データは長期間保存していくことが望ましいという点について、通常、大学病院等における電子カルテの情報を一定期間経過後に削除するのは考えにくく、本事業で蓄積するデータの削除についても今のところ想定されていないとのことでした。

 次に「地域連携のあり方 ( 実効性 ) について」は、患者ごとに長期に追跡するためにも、地域の医療機関等における受診・処方データは有用であるが、本事業とのリンクはまだ難しい段階にある。 5 年間で 300 万人程度のデータが集まるので、その中で有用性の検討を先にやるべきである。また、試行的な調査研究から検討を始める等もありうる等の御意見がございました。

 次に「本事業に参加する協力医療機関のメリット等について」として、「利活用に必要な環境整備・人材育成について」は、このデータベースから効率よくデータを抽出するためには、このシステムの特徴を理解した熟練者が必要であること、また、近い将来的には、 e ラーニング等の教育資材や養成機関も必要であること。また、米国では、利用者への教育・サポート体制が整備された上で、データベースが薬剤疫学研究に利用されており、センター側から利用者負担で抽出・提供されるデータを研究者は利用して研究を行っていること。また、整備している段階から学会としての支援等を表明していくことや、認定制度等を絡めれば発展していくのではないのか等の御意見がございました。

 次に、「データベースの利用価値について」は、データの価値が重要であるという意見について、協力医療機関ワーキンググループの議論では、データごとに個人の特定性とデータの価値のトレードオフで議論することは重要であるが、現実問題できないという中で、落しどころを探って構築に至ったものであるとのことでした。

次に、「データの標準化について」は、本事業における標準化は極めて重要であり 1 年遅れてもやるべきことで、協力医療機関のワーキンググループの合意の下にやることとしたが、実際にやってみると非常に手間が掛かり、想定より作業量が増えたという状況であること。標準化は、確かに重要であるが、全てやろうとすると非常に膨大な作業になるので、今後、各病院に展開していくときのネックになりうるのであれば、妥協策を検討してもよいのではないか。また、一般的に標準化の問題については、学会や業界等における働きかけは常にしており、今後もその努力は必要であるが、標準化の作業にはかなり労力が掛かるため、これに対する対価をどう工面するかが問題になること等の御意見がございました。

 次に「データベースの活用 ( 試行 ) について」は、規模の拡大も意味があるが、まず 300 万人のデータから成果を出すことが重要で、 PMDA MIHARI プロジェクトからも成果が出つつあり、この議論を続けながらも、やはりまず、このデータベースにおいて成果を求めることが重要ではないか。また、試行利活用として厚生労働省もしくは、 PMDA が実施するものは、査読のあるようなパブリケーションを前提としていただきたいという御意見や、機密性のある情報を取り扱うので、試行期間においては、より公的な機関で利活用していただきたいとの御意見がございました。また、医薬品等における安全という公益目的であるかどうかを判断し、それに従って将来的には利活用を決めていけば良いのではないか。試行期間は慎重に運用していく必要があるが、本格運用においては、このデータベースがあるにも関わらず有害事象が見逃されたというようなことがないように、利活用の方法を決めていくべきではないか等の御意見がございました。

 次に、「医療情報の取扱について」は、今後、複数の医療機関のデータが統合されて利活用が開始されると、ますます漏えいしたときのリスク等も出てくるため、試行期間からきちんと検討していただきたい。また、ワーキンググループの議論の結果、できる限り元データを集めて解析することを避けて一番効果的と考えられる方法をシステム的には取った。あとは、人によるきちんとした安全管理や取扱いが重要で、技術だけに頼るとかえって危険ではないかと等の御意見がございました。

 次に「本事業の運営等のあり方」として、「製薬団体の期待等について」は、拠出している一番の理由としては、国の事業として意義があり、それに貢献したいと考えているからであること。また、国費投入のあり方も課題にあるように、より適切なデータの品質保持や長期的な運営のためにも、顧客を想定した視点が入ると、より財務的にも良い議論ができるのではないか等の御意見がございました。

 次に「協力医療機関における人材・費用負担について」は、人材育成、教育等も含めて、人にかけるお金について、今後、何らかの方策が必要ではないか。また、協力医療機関側に必要な人材としては、主として検査あるいは、薬剤について十分な知識がある人が 1 人とシステムエンジニア 1 人の計 2 人ぐらいは最低必要ではないか等の御意見がございました。

 次に「利用者の費用負担について」は、今後、本格的に運用するのであれば、参加医療機関が作業依頼を受けて対応するコストも考えて、調査単位ごとに課金する仕組み等の検討が必要ではないか。取り扱う医療情報については、各医療機関が安全に管理した上で、分析を依頼されて行う必要がある場合には、当然それなりのコストがかかるので、研究者も一定の負担をするのはやむを得ないのではないか。それによって質のよいデータが保たれるのではないか。また、その一方で余り課金をすると、特に拠点病院以外にとってはバリアが高くなる。実際の運用の問題はあるが、余り低くても過剰ニーズを生み出し、高いとそもそも動かなくなるという懸念もある等の御意見がございました。

 最後に「その他」として、「行政事業レビュー公開プロセスにおける指摘について」は、誤解と思われる点もあるが、国の進める事業として誤解を与えないような説明で、事業の意義を積極的に見せていくことも検討が必要ではないか。そして、さまざまなデータベースがあるので、全体の中での本事業の位置付けを示すべきである。また、 10 の協力医療機関は、一切ファイナンシャルサポートなしに事業の立上げに協力してきているが、それでも協力する理由としては、受益者は国民で、ここから得られる結果で医療が変わり、更に質の高い医療を受けられるようになると考えるからであり、受益者はデータベースの利用者ではなく、国民である等の御意見がございました。

 資料 1 の説明については、以上です。

○永井座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 では続いて、議題 (2) の「検討課題に関する意見交換」にまいります。事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局 資料 2-1 は、前回、青木構成員より、本事業の経費について御質問を頂いたことを受けて用意した資料です。資料の上段は、本事業と関連事業の概要です。平成 23 年度より「医療情報データベース基盤整備事業」として、 10 拠点のデータベースを構築するとともに、疫学的手法を用いた分析手法の高度化とバリデーション事業を実施しています。

 資料の下段は「医療情報データベース構築経費」です。データベース構築経費については、平成 23 年度から平成 25 年度における医療情報データベース構築経費として、総事業当初 19.4 億円を想定しており、そのうち国費から 9.7 億円、安全対策拠出金から 9.7 億円を計上しておりました。現時点では、前回 PMDA の説明にありましたように、開発等が難航した等の事情により、総事業費としては 20.6 億円の見込みとなっております。平成 25 年度まで支出済みデータベース構築関連経費の総額は 17.8 億円で、その内訳としては 10 医療機関に設置するシステムの構築関係が 13.9 億円、 PMDA に設置するシステムの構築関係が 2.7 億円、間接経費等が 1.2 億円となっております。“来年度”という記載は作成時点のものなので、平成 26 年度のことですが、データベース関連経費の支出予測額は、 3 医療機関へのシステム構築の継続等に 2.8 億円の見込みです。

 次の分析手法の高度化事業におけるガイドライン作成、バリデーション事業と、基盤整備事業の維持・運用の費用については、平成 24 年度からのガイドライン作成、平成 25 年度からのデータベースのバリデーション費用は全額国費で実施中です。平成 27 年度までの試行期間中の維持・運用費用については、毎年度約 2 億円となりますが、国費と安全対策拠出金で折半する計画となっております。資料 2-1 については以上です。

 資料 2-2 は、本事業の運営のあり方について御検討いただくためのたたき台の資料として、これまでの御議論や、構成員から頂いた御意見等も参考に、本事業の本格運用後の想定で、維持・運用・利活用経費等についての概要を図にお示ししたものです。左側に主な支出の項目、右側に収入を示したものです。

 左側の支出についてですが、「維持・運用・利活用にかかる経費」として、 1 点目は PMDA 10 拠点の医療機関の経費等を含むシステム管理費。 2 点目は、現在は医療機関側で負担していただいている経費等。 3 点目は、適切な利活用のために PMDA に設置された第三者の有識者会議の開催等にかかる経費。 4 点目は、本事業に係る PMDA 職員の人件費等です。資料 2-1 で御説明いたしました、維持・運用の費用として、試行期間中の平成 27 年度までの維持・運用費用の毎年度約 2 億円は、この図の支出の 1 番目のシステム管理費の部分に当たります。これ以外にも、前回御意見を頂いたような、利活用の環境整備の 1 つとして、下にあるように、利用者向けの教育資材作成等の経費、長期安定的に運営していくためにかかるシステム改修等の経費、一定期間後において必要となる機器のリプレース等に要する経費もあるかと考えております。

 一方、収入として想定されるものは右側になりますが、ベースには PMDA における安全対策業務としてのデータベース利用分として安全対策拠出金、国費として PMDA 人件費等の補助金や交付金等があります。また、手数料単価、調査件数にも依存するものとなりますが、利用者負担として一定の手数料を徴収することが必要という御意見がありました。資料 2-2 については以上です。

 資料 3 は、これまで御検討いただいた課題と、御議論をベースに、報告書の構成イメージ案としてお示ししたものです。構成の段階で一度御検討いただき、足りない部分の議論をいただいた上で、今後それをベースに骨子を固め、肉付けしていくことになるかと考えております。右側には「主な関連資料等」として、第 1 回から第 3 回までの資料番号を併記しております。

 報告書の構成案ですが、「はじめに」として、本検討会設置の背景について、主に第 1 回の事務局資料 1 で御説明した内容と、その際に引用した参考資料 1 から参考資料 5 を記載するようなイメージになるかと考えております。 1 「医療情報データベース基盤整備事業の必要性」については、 (1) 本事業の経緯と目的、 (2) 現状の課題等については、それぞれ第 1 回の資料 2 、資料 3 などが関連するものと思います。

2 「本事業のあり方について」は、 (1) ナショナルレセプトデータベースとの関係性 ( 違い ) (2) データベースの必要な規模と特性、 (3) 地域連携のあり方 ( 実効性 ) について、 (4) 協力医療機関の本事業参加のメリットと課題等、 (5) 本事業の将来的な方向性について等があります。 (1) から (4) については、第 2 回と第 3 回の検討会で、構成員からの提出資料にて御説明いただいた内容を反映するようになるかと思います。 (5) については、これまでの御議論の中で総論的に御意見を頂いてきたところですので、本日は改めて御議論いただければと考えております。

3 「医療情報データベースの利活用の方向性について」は、 (1) 試行期間における利活用体制と本格運用に向けた検討、 (2) 安全対策における想定される調査研究の長所と限界、 (3) 安全対策におけるデータ利活用のあり方について、 (4) 利活用の環境整備、 (5) 利活用の方向性からみた現状と課題等、 (6) 実績の提示、国民への周知の方策について等があります。主に第 3 回検討会での資料が関連するものと思います。

4 「本事業の運用等のあり方について」は、 (1)PMDA 及び医療機関における運用に係る体制・環境整備、 (2) 費用負担のあり方についてですが、第 3 回に引き続いて、本日議論を深めていただければと考えております。「おわりに」で総括するという構成案になっております。資料 3 については以上です。事務局からの説明は以上です。

○永井座長 これまでの説明について、御質問等はありますか。よろしいようでしたら、御意見をお伺いします。

○青木構成員 質問させていただきます。資料 2-1 の下のほうの財務のことで、先回御提示いただきたいと申し上げたのですけれども、これが最終回答という理解でよろしいのですか。

○安全使用推進室長 この検討会として、今回経費としてこういう形でかかっていますということをお示しさせていただいております。もう少し詳細なものについては、また別途 PMDA のほうから日薬連のほうに御説明させていただきたいと思っております。

○青木構成員 分かりました。

○永井座長 他にはいかがでしょうか。聞き落としたかもしれないのですが、平成 27 年度までは国費と拠出金で折半ですが、平成 28 年度以降は手数料等で対応するということですか。

○安全使用推進室長 本日の議論の関係にも及んでくるかと思いますけれども、資料 2-2 にありますように、平成 28 年度以降は右の下段に、通常は国・ PMDA 側の安全対策業務に必要なデータベース利用分を想定しつつも、更には実際に大学の研究者や、将来的には民間の方にも御利用いただくことになると思いますので、そのときはお示しした案のような手数料と調査件数といった形での手数料収入も入ってくるのかと想定しております。

○永井座長 製薬業界としては、こういうものがあればかなり使用頻度はあると見込まれるでしょうか。

○青木構成員 視点としては複数あると思います。本来的な学術目的として、この安全性に資する形での研究ということであれば、アカデミアの先生方と、製薬産業は同じような用途として使うという視点があると思います。

 もう 1 つは、規制要件に関わることで、例えば RMP に関わる使用成績調査の実施や、特定使用成績調査の実施に、一部の疾患やイベントに対しては、それに代えてこうしたデータベースを使うということであるならば、そういう意味でも利用できる。これは、アカデミアとは少し違う視点として、活用の期待をしているところです。

○永井座長 いかがでしょうか、特に事業の運営等のあり方について、最初に御意見を頂きたいと思います。データの取得の問題というのがあるのだと思いますけれども、電子カルテの標準化の現状等はいかがですか。土屋先生、何か御意見はございませんか。

○土屋構成員 標準化ということを目指して、様々なことが今やられているわけです。その情報の粒度とかそういうことを考えたときに、まだ今はうまくいかない部分があるのかという気はします。今後はだんだんその辺の情報の粒度を含めて検討がなされていくのかという気がいたします。細かなデータを使おうとしたときに、その辺の問題は出てくるけれども、マクロ的な話でやる分には別に問題は特にないと思います。そういうところを、いろいろとどう見ていくかということです。

 保険絡みのことではありますが、現場サイドならではの情報で悩んでいる問題がないわけではありません。そういうものの影響を、どう検討していくのかという気がいたします。

○永井座長 大江先生、その辺の技術的な問題というのは、大体洗い出されているということでよろしいのでしょうか。

○大江構成員 私の理解では、今回の医療情報データベース基盤整備事業の範囲内で有効に使えるデータは、大体標準化されています。あとは、具体的に各医療機関の固有のコードを、標準コードに対応付けるための作業というのが、導入病院では最初に必ず一度はやらないといけないことです。この作業は、これまでの 10 医療機関ではかなり手間取ったのも事実ですし、まだ少し残っている仕事もあります。大体この 10 医療機関の経験を経て、今後新たに入れる場合のポイントとして、どのようにすれば省力化できるかということは大体分かってきたのではないかと思っています。もちろんゼロではないのですけれども、これまでよりははるかにスムーズにいくのではないかと思います。

○永井座長 施設拡大をしても、多分これまでのようにはトラブラないだろうということですか。

○大江構成員 そう思います。結局、問題は、あらゆる医療機関で行われる、あらゆる検査を全て標準的にしてしまおうと言い出すと非常に手間がかかるのですけれども、実際にこの事業で使うのに必要となる検査項目の数は大体絞れるというコンセンサスが得られています。例えば 300 とか 500 とか、そういう形でやれば、今後はそれほど作業量は大きくはないだろうと思います。

○永井座長 もう 1 つの問題の費用負担のあり方ですが、これは先ほど質問させていただきました。行政事業レビューで、利用者負担を考えるべきであって、国費投入ありきというのは疑問であるという指摘がありました。前回、青木構成員からは、将来的なあり方として、利用価値を高めて、そこから得られる収益での運営ということで御意見を頂いていますが、この辺りはどうでしょうか。

○大江構成員 資料 2-2 の左側の支出の枠の中というのは、本番のときには、大体いくらぐらいなのかというのがはっきりしないのですけれども、これは資料 2-1 の最後に書いてあるように、大体年間 2 億円ぐらいは必要であろうと、あるいは 2 億円ぐらいあれば本番もやっていけるだろうと理解してよろしいのでしょうか。

○安全使用推進室長 資料 2-2 の左側の一番上のシステム管理費、いわゆるメンテナンス・保守のところは大体 2 億円ぐらいだろうという想定はしております。今は入っていないものとしては、拠点病院の経費としてどのぐらいのところかということ。下の 2 つは、基本的には PMDA の予算で措置していかなければいけないのだろうと思いますが、こういうお金もかかるのではないかという想定です。

○永井座長 いかがでしょうか。

○安全使用推進室長 補足させていただきます。支出側の一番下の所は、毎年かかるという想定ではありませんが、やはり技術革新等でコンピューター・システム全体の置き換えといったリプレース等にかかる経費などが短期的に発生してくるおそれもあるのかと思っております。あとは、利用者向けの教育資材を作ったり、システム改修が必要になってきた場合の経費も、上段の支出以外にも想定しなければいけないのかと思っております。

○永井座長 拠点病院の拡充ですが、当初これは何年目から増やそうということですか。今年度ですか。

○安全使用推進室長 もともと事務局としては、平成 26 年度(今年度)予算の要求の段階で、昨年度大体の想定として、症例数として得られるデータが 300 万とか 400 万ぐらいではないかということがありましたので、これを 1,000 万という形で集めていくためには、同じぐらいの規模の拡充が必要と考えていました。行政事業レビューを受けた関係もありますので、まずは現行の事業についてレビューいただいているというのが現状です。

○永井座長 そうすると、来年度ぐらいまでは、今の 10 拠点で足固めをしていくという理解でよろしいでしょうか。

○安全使用推進室長 前回、 PMDA からも開発の現状等を御説明いただきましたけれども、まずは今の 10 拠点について、着実なデータが得られるような形に固めていくことが必要なのではないかと思っております。

○永井座長 何か御質問、御意見はございますか。

○青木構成員 資料 2-2 でイメージしている、コントロールタワーのような所は何か想定はありますか。行政がリーダーシップを取るのか、 10 拠点の中で、あるいは有識者会議がこのような形をするのか、それとも第三者のある種の産業なのか、想定があれば教えてください。

○安全使用推進室長 資料 2-2 については、実際にかかる経費的な面からこのようなものが想定されるということでお示しさせていただいた資料です。基本的にはこの全体のシステムの運営については行政側( PMDA )で考えていくことになると思っています。実際に、どういう利用をしていくかについては、またルール等に従って、有識者会議の中で、その利用が適正かどうかというのを判断しながら運営していくことになります。

○永井座長 実務は PMDA が担うという理解でよろしいのですか。

○安全使用推進室長 運用は、 PMDA でさせていただくことになると思います。

○青木構成員 概念的な話ですけれども、こうした運営のハウツーに関しては、むしろ産業界の知恵を借りるのがいいかと思ったのです。必ずしも製薬業界でなくても、シンクタンクでも、こうした費用を適切な所に支出として活用することによって、より品質が上がったり、動機付け要因といいますか、モラルハザードという概念もあると思うのです。情報の非対称性があるような、例えば労務負担ということを、一律に 10 個の拠点に、同じ金額を提供するのではなくて、きちんとやった施設が、きちんと報われるような仕組みにする。どのようなサービス形態をすると、より適切に使ってくださるとか、広報活動の投資をどのようにすれば、より価値が上がるかというような概念に関しては、そうした産業界の知恵も活用するようなアイディアを検討いただけたらいいと思います。

○医薬品医療機器総合機構安全管理監 この点に関しては、平成 28 年度に向けて PMDA としては、外部のコンサルタントのような所へ委託なりをしながら、その運営の仕組みを考慮していくことになると思います。

○川上構成員 資料 2-2 のイメージとしては、上の前提条件の所にもあるように、本格運用後の想定ということですが、この本格運用後というのが、今の 10 拠点病院群での本格運用なのか、それとも将来的にこれが広がっていくのか。今の 10 拠点は、民間型のグループ病院等が 2 つありますけれども、他はすべて大学です。将来的には、国立病院をはじめとする公立病院や公的病院がもっと入ったような状態で運営されているというのが本格運用なのか、という点は考える必要があると思うのです。

 今、私が申したような後者の状況を考えるのであれば、公立病院とか公的病院が、この事業に入ってきやすいような事業の形態とか、こういう費用の収入や支出のあり方を考えないと、調査費用である程度稼ぎがあって、それで単にそれが回ればいいという理想だけではなくて、ある程度公的な財源等も入れながら運用しているような病院にも入っていただくためには、特に拠点病院経費というのは、現在だとかなり大学側の自己犠牲の上に成り立っているわけです。決してその拠点病院を守る立場で発言するわけではないのですが、ある一定の国費の投入というものは、当面の期間は必要ではないかと思っております。

○石川構成員 ナショナルデータベースの議論と前後しているかもしれないのですけれども、少なくとも試行運用期間を設けるという話ですよね。利用料や経費については、試行期間中は基本的には公的なもので運用するということしか決まっていないと思います。青木構成員のお話では、企業の負担も想定しているように聞こえたのですけれども、どの時点での話なのかということをもっと明確にしていただいたほうがいいと思います。

○安全使用推進室長 そういう意味では、資料 2-2 が本格運用後の想定となっておりますように、平成 26 年度と平成 27 年度というのは、まだ本格運用ではなくて、試行期間と位置付けられております。その試行期間における運用経費、システム管理費とか、かかる経費については、先ほどお話させていただいたように、安全対策拠出金と国費で基本的には運営していく。いわゆる外部の研究者や民間の方から手数料として頂くことはしないということです。

 そういう状況がありますので、今の拠点病院の経費というのが、この試行期間中については正に持ち出しの状況になっているという御指摘を川上構成員から頂いたと思っております。試行期間中にルールも作っていくことになりますが、そのルールがきちんと適正であることを認められた前提で、これは他の大学の研究者や民間の機関の方にも、このデータを使った情報を出していきたいと思いますので、その際には利用料を頂くなどして、そういう経費を使って左側の支出の部分にいくらかでも充てられるのではないかということを想定しているということです。本格運用の時期としては、平成 28 年度からを想定しています。

○秋山構成員 今の話とつながるかと思うのですが、平成 27 年度までは試行期間ということで、もちろんそのまま進めていただいて、そこで何らかの成果を出した上で、平成 28 年度以降手数料を払ってでもこの事業に参加したいという利用者を増やすのと、川上構成員がおっしゃった拠点病院を増やすというその 2 つの規模の拡大があると思うのです。今のところは、拠点病院であるとか、 PMDA 、厚生労働省が利用する前提で試行して、それ以外の所が使うことに関しては、まだ十分にコンセンサスが得られていない部分もあると思います。それから、お金を払う価値があるのかどうか、 1 件当たりの手数料がどのぐらいかかると、調査件数がどのぐらい来るのかもまだ分からないとすると、 1 件当たりいくらにするか分からない。拠点の経費であるといったところの見積りもないので、それはこの会議体ではなくて、別途検討していく必要があるのではないかと思います。

○永井座長 本格運用というのは、やはり施設を拡大した後ということですか。あるいは 10 施設でも。

○安全使用推進室長 まず 10 施設で平成 26 年度、平成 27 年度に試行して、足固めをきちんとした上で、予定ですけれども平成 28 年度から本格運用にしていきたいと思います。それと並行して、少しデータ数を増やすための努力もしたいと思っております。その部分については、拡充というようなことも図っていかないといけないという認識です。

○永井座長 これまでの議論だと、まずは本事業の現状の課題、特に開発遅延とその状況・要因等については、結局まだ各医療機関の多様な電子カルテ、あるいは独自の院内コードの問題があるということで、想定以上の作業が発生しているということだったと思います。今後、工程や効率の見直しをしていただいて、進捗管理を上手にしていただき、基盤整備をしていく。同時に、構築・維持にかかる費用・人材の確保を進めていくということ、というのはよろしいですね。

また、今御議論いただきました費用負担のあり方ですが、平成 27 年度までは試行期間であり、平成 28 年度以降の費用負担のあり方は今後の検討課題ということではありますけれども、手数料をある程度考慮したような運営体制、しかしその場合でも安全対策拠出金とか、国費、補助金、交付金等は必要であろうと。大体そのような御意見だったと思います。

利用者負担の枠組みについては、平成 28 年度以降、あるいは平成 27 年度の段階で検討という理解でよろしいでしょうか。

○安全使用推進室長 平成 27 年度が終わるまでに、きちんと検討していかないといけないと思っております。

○永井座長 これと関連して現状を踏まえると拠点病院の拡充については、平成 27 年度までは 10 拠点の足固めをするということ。平成 28 年度以降、あるいはそれ以前の平成 28 年度までに拡充のあり方については検討するということでよろしいですか。場合によっては拡充しないかもしれないということもあり得るということでしょうか。それは、もう少し先へ行ってみないと分からないということでしょうか。

○安全使用推進室長 先生方からもいろいろ御意見を頂いておりますけれども、このシステムの価値をある程度示していく必要があると思っております。その中で、きちんとその利用価値を認めていただけるような例数を集めることで、より付加価値が高まっていくと思いますので、そのような形で要求はしていきたいと思っております。

○山本座長代理 これは、最終的に報告書になると思うのですけれども、今の議論では何となく少し将来が寂しいといいますか、もう少し夢が膨らむような話があってもいいのではないかと思います。まず、平成 27 年度中にこの 300 万人規模ぐらいのデータベースでしっかり成果を出す。私は出ると思うのですけれども、成果を出すことが重要で、その成果が医薬品の安全対策や副作用の発見に本当に有用だということを示すことができれば、現在の 10 拠点のシステムの構築に必要な様々なプロセスというのが、より我が国の医療情報にとって必要なプロセスだと理解される可能性があると思うのです。

 そうすると、何もこのシステムを目標にするわけではなく、一定の本当に基本的な検査項目は確実に標準的なコードで出せるような仕組みも構築は不可能ではないと思うのです。最初に私が御説明いたしましたけれども、これは米国では HITECH 法によって、メディケア、メディケードでかなり大きなインセンティブを付けて、割と小規模な医療機関向けに、標準的な情報を出せることを条件にしてかなり進んでいる現状があります。あれは、そんなに根拠なくお金を出しているわけです。

 我が国の場合、この医療情報データベース基盤整備事業によって一定の成果が出れば、一定の根拠を持って進めることができます。進めるにしても、日本の場合は IT 化自体は進んでいますので、米国に比べればはるかに低いコストで進めることができて、なおかつそれが医薬品の安全であるとか、あるいはもう少し対象が広がるかもしれませんけれども、そういうことに役立つのであれば、このシステムの基本になっている SS-MIX2 というのは、この事業だけで使われているわけではありませんし、項目コードの標準化等が進めば、様々な所で、これに類するシステムが使われると思うのです。

 そうすると、拡充というのも、わざわざ拡充と銘を打たなくても拡充できるかもしれません。うまくいった場合の成功モデルというのも報告書に書いていただきたいと思うのです。そうしないと、今御苦労なさっている施設が、この報告書を見ても、なんだこんなことのためにやっているのかみたいな印象を受けてもいけません。もちろん必ずうまくいくとは限らないと思いますけれども、検索コードの標準化などというのは、成果を出すためにこそ本当に意義があるわけですから、ここで出ないと本当に何のためにやっているのかという話になりますので、是非そういう考え方を入れていただきたいと思います。

 ですから、これは現状のあるがままでこの収支モデルなのですけれども、拡張する場合もあるのだということを想定したほうがいいと思うのです。そうしないと、様々なこれを運用していくエネルギーがなかなか生まれてこないのではないかと思いますので、そういう点も少し報告書には書いていただければと思います。

○永井座長 拡張というのは、施設数ということですか。

○山本座長代理 施設数というよりか、そもそも我が国において生じている医療情報をうまく活用していくというスキームに持っていったほうがいいと思うのです。特別なシステムを構築することも大事ですけれども、このシステムの大部分は、このシステムだけのために作られたものではないわけですから、そういう意味では拡張といいますか、それを普遍化することが不可能ではないと思うのです。いつまでたっても莫大な公費を投入して件数を増やしていかなければならないというだけの印象は少し寂しいという気はします。

 例えば、今は大きな病院ですけれども、診療所でこういうデータベースをもし作るとすると、検査項目が入っていることがこのデータベースの特徴なのです。検体検査というのは、診療所の場合はほとんど自分たちの施設ではやらずに検査センターに依頼しているわけです。検査センターは、診療所に比べれば規模の大きな所が多くて、そこの検査センターでコード等を標準化することによって、病院でやるよりも効率よくできるかもしれないということも考えられます。平成 28 年度以降は、そこまで固定化して考えなくてもいいのではないかと思います。

○永井座長 むしろ、そういう拡張の可能性を述べておくということですね。これは報告書のあり方にも関わってまいります。

○石川構成員 今のに関連してですけれども、 DPC や病床の報告制度など、精緻な報告がどんどん進んでくると思うのです。そういう拡大も 1 つあります。

 私は、山本先生がおっしゃったことは、放っておいても、 SS-MIX を中心として、結構情報が出てくるというところはあると思うのです。とにかく試行期間をきちんと大事にしたいというのは、医療における個人情報の個別法の問題もあるためです。政府によって一定の足取りは出されているようには思いますけれども、まだはっきりしていない中で、私たちはこういうデータが中間的に分析する方たちの手によって漏れたりということについて、大変危惧を感じているわけです。

 私たちはこの試行期間のうちに、どういう研究に使われて、どういう成果が出てくるのかきっちり見た上で、広げる話だとか、これは誰がお金を支払うか議論すべきかと思います。最初の大江先生のプレゼンテーションでは、とどの詰まりは国民に返るのだというお話がありましたけれども、私もそのとおりだと思うのです。ただそうは言っても、誰がこの利益を享受して、このデータの結果を出せるのかということについてはきちんと見てというのが平成 26 年度、平成 27 年度の話だと思うのです。そこを大事にしてやっていきたいし、それから個人情報の話もきちんと見ながら、この医療情報データベースについては検討していきたいと思います。

○永井座長 そういうことを踏まえた上での将来的な発展ということですね。

○赤沢構成員 私は、試行期間の結果を是非パブリケーションしてほしいという話をしたのですけれども、それは理由があって、やはり日本だけではなくて、アメリカもヨーロッパもこのようなデータベースを使った薬剤疫学研究が進んでいて、医薬品の安全性のエビデンスをどうやって作っていくかということを考えています。日本で構築したデータベースで、良い所と悪い所を公表していく中で、例えば、もっと一般化の可能性を高めるようなデータベースを作ってほしいとか、広げなくてもいいとか、出てきたエビデンスが本当に妥当かを保証するような形で、公開を検討されている以外にいろいろなものが分かるようなデータベースを作ってくださいという意見があるかもしれません。日本の中だけではなくて、世界の進んでいるものから、いろいろ吸収した形で試行期間の中でデータベースがどういう形であれば、本当に医薬品の安全性評価に価値のあるエビデンスを作れるかという視点で是非、考えていただきたいと思っています。

 拡張ありきというよりは、いろいろな形で充実させていっていただけたらと思っています。

○永井座長 運営のあり方について、井出構成員からコメントが届いていると伺いましたので御紹介いただけますか。

○事務局 事務局より御紹介させていただきます。財政についてのコメントを頂いております。「財政については、将来的にも一定程度の拠出金、国費投入は必要なことは明らかです。ただ、手数×調査件数の積算額は事業収入として 1 つの成果指標にもなります。いくら稼げるかは大変気になるところです。また、支出も、金額はほとんど見える化していません。現在の支出は PMDA 、拠点病院の協力の下、厚生労働省が洗い出しをする必要があります。掛かるものは掛かるものとして、一度はっきりさせるほうがよろしいと思います。結果、その事業によって得られた収入マイナス支出 ( 将来的支出も含む ) の収支差額分が、いくら国や団体が出す額として判定されます。報告書にも、そうした財政スタンスと調査実施を明確に打ち出し、本事業の資金的支援を確保していくべきと思います。」以上です。

○永井座長 ありがとうございます。掛かるものは掛かると言っておいたほうがいいのではないかということですね。

それでは報告書の構成について御意見を頂きたいと思います。資料 3 です。

○川上構成員 事務局に質問ですが、本検討会を行っている前提として、行政事業レビューで、様々な御指摘を頂いたことを踏まえて、そのお答えがきちんとこの報告書に入るということが大事ではないかと思います。特に第 1 回の資料 3 「検討課題について」でまとめていただいていますが、それらに対する答えは、この構成で十分に含まれていると考えられていますか。あるいは、もう少し議論を深めたほうが良い項目があれば、おっしゃっていただければここにいる構成員一同、協力して意見交換ができるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○事務局 基本的には第 1 回の資料で行政事業レビューから御指摘いただいたコメントを検討課題ごとにまとめておりますので、課題としては網羅されているものと考えております。これまでの議論の中で、本日拡充のあり方について御意見を頂いていますが、本事業の将来的な方向性について御意見があれば、本日議論を深めていただければと考えています。

○山口構成員 先ほど御議論になっています試行期間における実績の提示ですが、例えばこの報告書にある程度何かしらの結果を載せられるのか、今はどんな状況なのか、教えていただければと思います。

○安全使用推進室長 資料 4 の話に入ってしまうかもしれないのですが、この報告書のまとめの時期として、今、想定しているのは、もう 1 回報告書案の検討をさせていただき、これが 1 回で終わるのか、 2 回で終わるのかにもよりますが、 6 月ぐらいを目処か、更にもう 1 回やるのであれば、もう少し先になるかと思っております。ただ、その時期までに具体的な分析の成果を至急調べて、報告書の中に実際の運用した成果も含めて書き込んでいくのは難しいという印象をもっております。

○山口構成員 現状は分かりました。ただ、ある程度それなりにこういう結果が出るのだというのは、何となくでも分からないと、先ほどからずっと議論があったように、あまりアピールできないのかなというところがあって、どういう書きぶりにするのか、考えていければという意見です。

○永井座長 ほかにいかがでしょうか。この報告書の構成イメージ、 2 (5) 本事業の将来的な方向性について、この将来というのは何年後のことを言っているのでしょうか。

○安全使用推進室長 単純に、想定している拡充とかというところまでではなくて、更に発展していくとどういうことになるのか、恐らく本日、山本先生から御指摘いただいたような内容を、もう少し書き込んでいったほうがいいのかとは思っています。

○永井座長 ただ、発展という場合には、石川先生がおっしゃったように、前提となることはしっかり踏まえ、きちんと書いておいていただきたいと思います。

○赤沢構成員 確認だけ、よろしいですか。資料 3 3 (4) のところですが、「利活用の環境整備」というところには、人材育成ということも含まれているという御理解でよろしいのでしょうか。議事録のまとめを読んだときに、私が言った 2 つについて、 1 つはデータベースをきちんと扱えるような、大江先生がおっしゃられたような人を育てるということと、もう 1 つは、そのデータベースを使って薬剤疫学的な研究ができる人という点を、ゴチャゴチャになって書かれているような気がしたので、是非、明確に分けて書いていただけたらと思います。

○冨山構成員 先ほどから出ているこの事業の本来の目的、いわゆる医薬品の副作用と安全対策の部分をきちんと成果として出すべきだということで、今回の報告書には間に合わないというお話ですが、今後、研究の実績等について別途報告することを書いていただかないと、拡大ということにつながらないような気がするので、検討をお願いします。

○永井座長 ほかにいかがでしょうか。

○大江構成員 この将来的な方向性についてという所に書くのか、それとも 3 (3) 「データ利活用のあり方について」という所に書くべきことか、どちらかは分かりませんが、現在のこの試行期間中のシステムの想定している使い方というのは、厚生労働省、 PMDA 、あるいは協力医療機関の研究者が発案した調査課題を実施して、結果を検討するというスキームだけなのですが、それとは別に、例えば市販後 1 年以内の全ての医薬品について、それほど精密でなくてもいいので、その使用件数や、初めて使用してから 3 か月間の大きく変動した検査値が何かなどを、定期的に 3 か月に 1 回とか、 6 か月に 1 回、全てのカテゴリーについてレポートを出すというような、何かバッチ処理というか、定期的なレポートを出して、それを成果として示せば、それほど手間をかけずに、実際には手間はかかっているのですが、従来の 1 1 つ調べ、いろいろな医療機関に頼むのとは別の方法があることを示すことも非常に大事ではないかと思うのです。今はそれが少し不足しているような気がして、繰り返しになりますが、発案したものだけをやる形になり過ぎているのではないかと思うのですが、その辺りを方向性として書き込むことも良いのではないでしょうか。多分、この辺りは川上先生のほうがお詳しくて、既に MIHARI プロジェクトでもそのような意見も出ていたというように聞いています。

○永井座長 市販後すぐに導入されていないこともあるでしょうから、新薬ですよね、とにかく導入後でもいいですから。

○川上構成員 確かに現在の市販後調査では、製薬会社の MR さん等を介して症例報告を集積している現状があるかと思うのですが、そういうルートではない方法で市販後の使用実態が明らかになり、場合によっては「どういった層の患者に、どういった使われ方をしているのか」ということを、医療現場の実態も反映した形でデータが集積できるのは、本事業の基盤を利用した先行研究としては大変魅力がある研究になるかと思います。

○大江構成員 補足しますと、イメージとしては、基盤整備機構定期レポートみたいなものが出せると、この事業自体の成果物をアピールしやすいのではないかと思うのです。

○山本座長代理 そうされるのであれば、一定量以上の調剤というか、使われている薬に関しては、 NDB から使用総数も一緒に出しておけばいいのではないかと思うのです。そうすると、このデータベースの代表性みたいなものも検討できます。あまり少ないのは個人識別につながるといけませんから、一定数以上であれば、そういう可能性はゼロですから、そういうものも付けておくといいのではないかと思います。

○安全使用推進室長 いわゆる想定されるようなアウトプットを、考えられる範囲でこの報告書の中にも書いておくというようなイメージでよろしいでしょうか。

○石川構成員 今のお話ですと、例えば、ある薬が出て、この 10 機関でいろいろとそのことについて追跡するということについては、その薬の販売促進にもつながるわけです。それは全ての新薬に対して追い駆けるというような形でやるという方向性だったらいいですが、例えば、特定の何々という薬についてやるというようなことであれば、一斉に 10 医療機関はそれを採用したりするということが起こりますので、これは少しおかしな話になるだろうと思います。ですから、私はこの試行期間についてはきちんと、どこが、このデータベースの基盤整備の所で手挙げして、どういう研究をしたいというデザインをきちんと出してもらって、提供の可否をきちんと議論した上でお返しする。だから、まずはその研究者の方たちの創意工夫、デザインをしていただいた上で、挑戦していただくというやり方で、ナショナルデータベースみたいにしたらいいと思うのです。それから、これは山本先生がおまとめになっている会議ですが、要するに個票で出すのか、それともいわゆるデータ加工した上で出して、そうすると、私が一番心配している個人情報の問題も消えるわけですから、その上で研究者にやっていただくこともあり得るわけです。そこも試行期間の中でどのようにやるのかを検討すべきだと思います。

○永井座長 よろしいでしょうか。そういたしますと、枠組みは一応こういう形で進めていただくとして、何を書くかというのは、また次回の検討ということでよろしいでしょうか。あくまでも情報保護とかデータの使い方、社会との協働ということをしっかり踏まえた上でということを背景から進め方について、十分留意して、そこは書いていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

 何かこれまでのところで追加、御発言されたい方はいらっしゃいますか。よろしければ今後のスケジュールにまいりますが、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 資料 4 ですが、今後のスケジュールとして、第 5 回としては、現在最終調整をしているところですが、近日中に日程を決めまして、御連絡、御案内をしたいと思っておりますが、 5 月から 6 月、あるいは 7 月初旬にかけて調整中です。報告書案については、次回は報告書を想定した素案について御検討いただければと考えておりまして、検討会での御議論と、必要に応じてメールベース等の御議論によりまして修正を重ね、もし必要であれば第 6 回を開催させていただければと考えていますので、よろしくお願いいたします。

○永井座長 そうすると、次回に報告書案が出てまいりますが、できれば事前に配布していただいたほうが議論が深まると思いますので、そこはよろしいでしょうか。必要があれば 2 回、第 6 回も開催するということになります。よろしいでしょうか。

 全体を通じて何か御質問、御意見はございますでしょうか。もし、ございませんでしたら、またお気付きの点がありましたら、事務局までメール等でお寄せいただければと思います。

 少し早めですが、本日予定した議事は以上です。事務局から連絡事項等をお願いいたします。

○事務局 また後日、本日の議事録についてはお送りいたしますので、御確認をお願いできればと考えております。以上です。

○永井座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。それでは本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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