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2014年3月12日 第26回医薬品・医療機器等対策部会 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成26年3月12日(水)10:00~


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○議事

○事務局 開会に先立ちまして、傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たり、事前登録時の注意事項をお守りくださるようお願いいたします。また、本日の部会は、従来の取扱いと同様、公開で行うこととしております。カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただきますので、マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。

 定刻になりましたので、ただ今から「第 26 回医薬品・医療機器等対策部会」を開会いたします。本日御出席の委員の先生方におかれましては、御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。本日は、本部会委員 14 名中 11 名の出席をもちまして、部会を開催させていただきます。なお、北澤委員、寺井委員、原田委員は欠席との御連絡をいただいております。これ以降、議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。この先、議事進行は外部会長にお願いします。どうぞよろしくお願いいたします。

○外部会長 九州大学の外です。本日は、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事を進めてまいります。はじめに事務局から資料の確認をお願いいたします。

○事務局 それでは配布資料の確認をさせていただきます。お手元にお配りしました配布資料一覧を併せて御覧ください。一番上に座席表、議事次第、委員名簿、資料 1 「ヒヤリ・ハット事例等収集結果 - 医薬品 - 」、資料 1 の別添資料、資料 2 「ヒヤリ・ハット事例等収集結果 - 医療機器 - 」、資料 2 の別添資料、資料 3 「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業収集結果」、資料 4 PMDA 医療安全情報」、参考資料として、参考資料 1 3 については、それぞれ資料 1 3 に対応する参考資料となっております。参考として、本部会の設置要綱等、最後に、当日配布資料として「今後の医薬品・医療機器等対策部会について」をお配りしております。資料については以上です。不足等がありましたら、お申し付けください。

○外部会長 よろしいでしょうか。それでは、議事次第に従って進めていきます。検討事項の議題 1 は、「医薬品ヒヤリ・ハット事例等収集結果について」です。まず、事務局から説明をお願いします。

○事務局 資料 1 を御覧ください。今回の報告の調査対象についてです。

1) 医療事故関係について」は、日本医療機能評価機構、以降、「評価機構」と呼びますが、評価機構による医療事故情報収集等事業、第 33 回及び第 34 回の報告書中の記述情報及び評価機構のホームページ上の公開データから抽出した平成 25 1 1 日~ 6 30 日の間に報告された事例、「 2) ヒヤリ・ハット事例関係について」は、当該報告書中の記述情報から抽出した平成 25 1 1 日~ 6 30 日の間に報告された事例、「 3) その他」については、当該報告書中の記述情報から別途抽出した医薬品に係る事例となります。

これらの医薬品に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医薬品の使用方法及び名称・包装等の観点から、安全管理対策に関する専門的な検討を行うため、各医療関係職能団体代表等の委員から構成される、 PMDA における医薬品・医療機器安全使用対策検討会で検討された結果を報告いただいたものです。

 今回の調査報告では次のページの調査結果の表にあるように、合計 150 件について調査を行っております。結果は、表に示す 4 つの区分のとおりで、「医薬品の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例」が 0 件、「製造販売業者等により既に対策が取られているもの、もしくは対策を既に検討中の事例」が 6 件、「ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例」が 120 件、「副作用や情報不足等のため製造販売業者によるモノの対策が困難と考えられた事例」は 24 件でした。

 個別の事例に関する検討結果については、次の表の 1 ページ目から御覧ください。「製造販売業者等により既に対策が取られているもの、もしくは対策を既に検討中の事例」の 6 事例について、簡単に御説明いたします。

 こちらの表の見方ですが、評価機構の公開データに対して、一番右側の列に PMDA における検討会の結果が、追記されたものとなっております。 1 番から 3 番について、 PTP 包装シートの誤飲事例です。いずれも入院中の患者で、 1 錠ずつに切り分けた薬を誤って PTP シートごと内服してしまったという事例です。 1 番は、服薬については、自己管理していた患者ですが、術後、 9 日目に腹痛により誤飲が判明したが、本人は服用時の状況を覚えていないことから、ほかのことに気を取られて誤飲したものと考えられる事例です。

 次ページの 2 番と 3 番については、看護師管理で配薬されていた患者ですが、 2 番については、意識レベルが鮮明でない患者に対して、手の届く場所に置いてあり、看護師が離れた間に誤飲してしまった事例。 3 番については、術後、 2 日目に看護師が離れた間に誤飲したとの事例です。

PTP 包装シートの誤飲については、前回も御報告しましたが、別添資料 4 9 ページにあるように、平成 22 9 15 日付の国民生活センターによる報告書を踏まえて、別添資料 1 3 ページ、参考資料 1-1 、同日付の「 PTP 包装シート誤飲防止対策について」により、誤飲防止に関する医療機関や薬局への注意喚起がなされるとともに、製造販売業者に将来的な技術の進歩を見据えた包装の改良及び改善のための研究開発の継続を行うことが要請されております。また、業界団体により、ミシン目を一方向のみとし、 1 錠ずつ切り離せないような構造とするなどの工夫が行われています。

 資料 1 3 ページを御覧ください。 No.4 6 については、内服散剤の処方箋の書き方によるヒヤリ・ハットの事例です。 4 番は、持参薬の情報をカルテに入力する際に秤量で記載したが、医師が院内処方する際に力価換算せずに処方し、過量投与された事例です。 5 番もフロセミド細粒について、調剤量と力価量の間違いにより、過量投与された事例。 4 ページ、 6 番については、コデインリン酸塩散の 1 日量と 1 回量の間違いにより、過量投与された事例です。

 内服薬の処方箋の記載方法については、別添資料の 11 ページ、参考 1-2 のとおり、平成 22 1 29 日付の「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書の公表について(周知依頼)」の中で、処方箋の散剤の記載方法については、 21 ページの中ほどにありますが、「薬名を製剤名で記載し、分量は製剤量を記載することを基本とする。例外的に、分量を原薬量で記載した場合には、必ず【原薬量】と明示する」と示されております。また、同じく 20 ページの中ほどに、分量について、「最小基本単位である 1 回量を記載することを基本とする」と示されております。

 参考資料 1 については、事前に委員に送付させていただいており、特にコメント等はありませんでしたので、説明は割愛させていただきます。

なお、今回報告した事例に関しては評価機構において、別途検討がなされ、定期的に医療安全情報等を発出するなど、注意喚起が行われております。 2013 9 月に評価機構より、医療安全情報 No.82 として、「 PTP シートの誤飲 ( 2 ) 」が発出されております。

資料 1 についての説明は以上となります。

○外部会長 ヒヤリ・ハット事例等収集結果のうちの医薬品について、説明していただきました。去年の 1 月から 6 月までの半年間の収集事例についての分析結果です。これまで対策が取られているもの、あるいは既に、検討中の事例のみの 6 例が、本日、ここに具体的な事例として紹介がありました。そのほかにヒューマンエラー等については、そちらの事例がほとんどの割合を占めるのですが、一応、参考資料としてお手元に届けました。

 まず、今回も 6 症例で少ない症例ですが、その中でも前回、前々回とずっと取り上げられている PTP シートの誤飲、これが出ておりますし、また、薬剤の分量の記載等に関する事例が相変わらず出ているということが分かるかと思います。今回の医薬品の収集結果について委員から何か御意見ありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。 PTP については、既に取られているということでもうこれ以上はやむなしということなのでしょうか。土屋委員、何かありましたら、お願いします。

○土屋委員 本当に PTP は悩ましいのですが、発生確率を考えると、防ぐことがなかなか難しいのかと思います。各病院でもやはりアセスメントとかしておりますが、今回、自己管理とか、そのような場合でも起きていることをみたときに、なかなか難しい問題です。 1 錠に切らないという文化が必要です。通知もそうなっておりますし、幾つかの病院ではもう既にそういうことを始めております。しかし、世の中のピルケースとか、ああいうものは切ることを前提に作られていることからいくと、この内服薬の処方箋の書き方もそうなのですが、 1 度浸透してしまっている文化を変えるということが、いかに難しいかということを示しているのかなと思います。 PTP については、以前、日薬連と日薬・日病薬で注意喚起のポスターとか、そのほかを作ったことがありますが、私は本当に、最近やけに製薬会社がテレビ CM でなさることが多いので、そういうときに国民啓発運動として、 PTP を誤飲しないようにしましょうとか、そういうことをあの頻度で入れていただくと結構助かるのではないかなという気がいたしますし、国民啓発運動をきちんとしていかないと、医療現場だけで防ぐということはなかなか難しいのかなという気がいたします。

 それから内服薬の処方箋の記載ですが、実は、報告書が出されてから毎年、医療情報学会の連合大会で、各コンピュータベンダーがどのような対応をしているかということを調査し、そのシンポジウムを毎年開催しているのですが、一応、大手のベンダー 6 社は、既に製剤量か原薬量かということを表記するところは標準パッケージになっているのです。ところが、そのマスターをどうするか、各病院でそれを必ずしも実行していないというところがあるようで、あるいは 1 g= 1,000mg という自然科学の法則が、薬剤師にとってみるとどうもそれが自然科学の法則ではなくて、 mg と書いたら原薬量、gと書いたら製剤量というのがまだ染み込んでいるというところがあるので、これも今後、少なくとも、内服薬処方箋の記載の検討会で出た原薬量で書いたときには、必ず原薬量と附記することを徹底していくことが必要だと思います。現実として、昔はそうやって教育もしていたことは事実ですので、その辺を変えていくというか、おそらく今の薬学生とかは、そうではない形で学んでいると思いますが、昔、その教育体系がなかった頃に、地域的にある大学では mg と書いたら原薬量、gと書いたら製剤量ということをはっきり教えていたものですから、その辺のことがまだ染み込んでいるのかなという気がいたしますので、 PTP の誤飲と同じで、染み込んだものを直すということはなかなか難しいということからいくと、このような話が続く。ただ、散剤というのはそういう意味で言えば、昔、この検討会でも、散剤はやめてみたいな話がありました。世界で散剤みたいなものがあるのは日本ぐらいなものです。アメリカで医療安全をやっている人も日本があれだけ対策を取っているのに散剤を禁止しないというのは不思議だという、あれぐらい危ないものはないだろうと言っていましたが、そこが残っているのかなという気がいたします。引き続き医療機関、薬局で少なくとも、この疑義照会とかを徹底していく必要があるのかなというのと同時に、少なくとも、これから先、開発のときに 50 %散とか、 40 %散とか、そういうのが今でも出てきたりすることがあるのですが、その常用量と製剤量が、原薬量と製剤量がほとんど一緒で常用量の範囲に入ってしまうような製剤は開発しないように、薄めるように話はできるので、やはり 10 %とかそれぐらいのものであって、それ以外の濃さをもってくると段々危なくなってくるのかなという気がいたします。企業が開発するとき、あるいは PMDA がそういう相談を受けたときに、このような医療安全の観点から、この濃さはいかがなものかと。以前、死亡事故があったアレビアチンは、 97 %と、 10 %があってというようなことがありましたので、散剤に 2 規格があることが本当に必要なのかといったときに、それは余り現実的ではないと思います。そういったことを今後気を付けていくこと、開発から使用現場までみんなが気を付けていくことかなというように思います。

○外部会長 貴重な御意見ありがとうございます。ほかにありませんでしょうか。この 1 回量の記載がなかなか守られないという現実があるのですが、やはりこの辺も教育等の充実が十分でないということでしょうか。

○土屋委員 例えば、薬剤師の国家試験は、 1 回量と 1 日量を併記します。この過渡期的というか、短期的方策と長期的方策があり、その間は、保険のルールは 1 日量も書かなければいけないのですが、本当は 1 回量も書かなければいけないと書いてあるのですが、世の中ほとんどがそれを守っていなかったという状況があります。 1 回量、 1 日量の併記も各ベンダーは、ほとんど標準パッケージに入っておりますので、その辺を今後、来年度、確かその検証のための厚生科研がもたれるようなことも聞いておりますが、恐らくこの 4 月にはある大学病院が、 1 回量で入力するシステムを導入するということも聞いておりますので、これから徐々に増えていくのかなという気がいたします。

○外部会長 医薬品全般に関して、何か御意見ありませんでしょうか。ヒューマンエラー、あるいはモノの対策が困難ということの中にも何か埋もれている事例があるのかもしれません。

 私がちょっと気付いたのは、鎮静薬で患者さんの呼吸が停止したりというようなことで、それはただ、監視が不十分だったという形で終わってしまっているのですが、やはり鎮静薬がいろいろな医療現場で使われて、医療行為をするために鎮静が必要だと、そのために患者さんの呼吸が止まって危険な状況にある。その辺は今後、医療の進歩とともに問題になるというか、危機における監視体制をしっかりした上で、そういうものを使うということが非常に大事かなと思いました。コメントです。

 では、医薬品についてはこれで終わりたいと思います。

 検討事項 2 の医療機器ヒヤリ・ハット事例等収集結果についてです。事務局より、説明をお願いします。

○事務局 資料 2 を御覧ください。本報告書は、医薬品と同様に医療機器について分析し、報告したものです。報告内容は、「 1) 医療事故関係について」は、医療事故情報収集等事業第 33 回及び第 34 回の報告書中の記述情報及び評価機構ホームページ上の公開データから抽出した平成 25 1 1 日~ 6 30 日の間に報告された事例、「 2) ヒヤリ・ハット事例関係について」は、当該報告書中の記述情報から抽出した平成 25 1 1 日~ 6 30 日の間に報告された事例、「 3) その他」については、当該報告書中の記述情報から別途抽出した医療機器に係る事例となります。

医薬品と同じく、医療機器に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医療機器としての観点から安全対策に関する専門的な検討を行うための PMDA における検討会の結果を報告したものです。

 今回の調査報告では、次のページの調査結果の表にありますように、合計 191 件について調査を行っております。医薬品と同じく、 4 つの区分に分けた件数を掲げた表です。今回、「製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例」はありませんでした。「既に対策が取られているもの、もしくは対策を既に検討中の事例」が 15 件、「ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例」が 128 件、「情報不足等のため製造販売業者による対策が困難と考えられた事例」が 48 件でした。

 個別の検討結果については、次のページの表 1 ページからになります。「製造販売業者等により既に対策が取られているもの、もしくは対策を既に検討中の事例」について簡単に御説明します。なお、評価機構のホームページ上で製品名が確認できたものについては、薬事法に基づく企業の不具合報告等についても確認がされております。

 資料 2 1 ページの 1 番は、輸液ポンプの故障事例です。当該事例については、薬事法に基づく不具合報告が行われており、解析の結果、落下等の衝撃によりモータの回転を制御するための電子部品が破損し、カセットが高速回転した事例です。当該企業により、別添資料 1 ページ、参考 2-1 のとおり、注意喚起のための情報提供文書が配布され、当該部品が破損した場合でも装置の異常を検出できるように、ソフトウェアの変更を行う自主改修が実施されております。

2 番は、自動吻合器の吻合不良の事例です。当該事例については、薬事法に基づく不具合報告が行われており、報告者はステープルが充填されていなかったと述べているが、当該ステープルの製造記録から、出荷時にステープルが充填されていることが確認されていて、吻合不全の原因は医療機関から提供された術中映像を確認したところ、吻合予定の組織が厚かった可能性が考えられるとのことです。別添資料 3 ページ、参考 2-2 のとおり、添付文書の警告欄に、組織の厚みが規定範囲内で、組織が均一に取り込まれていることなどを確認するよう、注意喚起がされております。

3 番は、体位固定器による循環障害の事例です。別添資料 7 ページ、参考 2-3-1 を併せて御覧ください。当該企業に確認したところ、当該事例を特定できないが、同様事象が複数発生していることを受け、別添資料 10 ページ、参考 2-3-3 のとおり、当該企業は 2012 8 月から添付文書改訂及び情報提供文書の配布を行い、当該機器使用時の圧迫によるコンパートメント症候群の発生について注意喚起を実施しております。なお、別添資料 2-3 に記載されている会社名は、当時のものとなっております。

2 ページです。 4 番は、手術用ロボットの故障事例です。当該事例については、薬事法に基づく不具合報告が行われており、解析の結果、主電源装置の故障が確認されたことから、同部位を交換・修理されております。

5 番は、無呼吸アラームの鳴動不良の事例です。別添資料 11 ページ、参考 2-4 を併せて御覧ください。当該事例については、薬事法に基づく不具合報告が行われており、新生児が全身チアノーゼ状態で発見されたが、当該モニタのアラームは発生していなかったとの事例です。当該モニタは、アラーム停止機能を有さず、一旦電源を切断せざるを得ず、その後、再投入を忘れるリスクも考えられることから、当該企業は改良について検討中とのことですが、対策の第一段階として、参考 2-4 の案のとおり、電源の入れ忘れに注意する旨を注意喚起するため、本体前面に貼付するシールと情報提供資材を、現在準備しているところです。

6 番は、吸引器具の脱落による体内遺残の事例です。別添資料 12 ページ、参考 2-5-1 を併せて御覧ください。当該事例については、企業から薬事法に基づく不具合報告が行われており、吸引嘴管の外套管が脱落、腹腔内に遺残した事例です。食道癌の治療のための入院患者で、胃管再建術等を施行後、状態確認のための CT 撮影により異物が確認され、開腹手術で外套管の残存が確認されたとのことです。当該企業では、当該事例の発生を受け、添付文書改訂を行い、注意喚起を開始したところです。

3 ページです。 7 番、 8 番、 9 番は、皮下植込み型ポートのカテーテル離断の事例です。ほかにも、同様の事例として 5 ページの 13 番、 6 ページの 14 番があります。 7 番は、 2 年前に留置した CV ポート入換えのための抜去時に、不全断裂していたカテーテルが離断した事例です。 8 番は、 4 年前に留置した CV ポートでの治療再開・終了後、抜去時にカテーテルが接続部付近で断裂していた事例です。

4 ページです。 9 番は、化学療法施行予定で、ポート穿刺後、前投薬滴下時に違和感・腫脹・疼痛等があり、確認したところ、カテーテルの断裂が確認された事例です。これらの事例の調査結果については、前回も御報告しましたが、同様事例の集積を受け、別添資料 15 ページ、参考 2-6 のとおり、平成 23 5 25 日付「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、また、これらの製品の添付文書においても、カテーテル断裂について注意する旨記載し、医療機関へ情報提供するよう指示されております。

4 ページです。 10 番は、カテーテルガイドワイヤーのコーティング剥離の事例です。当該企業に確認したところ、同様事例が複数報告されており、当該事例を特定できないが、ガイドワイヤーのウレタンコーティングが金属針との接触により剥離したものと考えられるとのことです。別添資料 21 ページ、参考 2-7 のとおり、当該製品の添付文書には金属針や金属製外套管と併用しない旨が記載されております。

11 番は、硬膜外カテーテルによる膿瘍形成の事例です。当該企業に確認したところ、当該事例と考えられる事象は情報入手されておらず、硬膜外カテーテルの留置に伴う有害事象と考えられるとのことですが、参考 2-8 26 ページに、当該製品の添付文書には、有害事象として膿瘍形成が記載されております。

5 ページです。 12 番は、中心静脈カテーテルのガイドワイヤーの離断の事例です。医師が挿入途中で抵抗を感じ、ガイドワイヤーが 20cm 以上進まなくなり、力を掛けたところ、先端が繊維状になったガイドワイヤーのみ抜去となり、離断が確認された事例です。別添資料 27 ページ、参考 2-9 のとおり、当該製品の添付文書にはガイドワイヤーの破損や破断を避けるため「ガイドワイヤーが動かなくなったときは無理に引き抜かず、導入針ごと抜去すること。」と記載されております。

13 番、 14 番は、先ほどと同様、皮下植込み型ポートのカテーテル離断の事例です。これについては、先ほどと同様の調査結果となっております。

7 ページです。 15 番は、調整用薬液注入コネクタからの薬液漏れの事例です。当該事例については、企業から薬事法に基づく不具合報告が提出されており、本品と輸液バッグ、あるいは輸液ラインのスパイクとの接続が甘かったため、接続部から液漏れしたと考えられるとのことです。事故の背景要因としては、当該医療従事者が当該製品を使用したのは 2 回目であり、不慣れであったとのことですが、別添資料 35 ページ、参考 2-10 のとおり、当該製品の取扱いについては当該企業がイラスト等を用いた情報提供文書を配布しており、また、製品導入時には顧客への製品トレーニング等を実施しております。

資料2については以上です。

○外部会長 医療機器に関するヒヤリ・ハット事例等収集結果について報告していただきました。今回も製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例はありませんでしたが、既に対策が取られているもの、若しくは対策を既に検討中の事例が 15 例ということで、その 15 例について説明していただきました。非常に多種多様な医療機器がありますので、事例もいろいろな領域で発生していますが、それらについては既に対策が取られているということでした。医療機器に関して何か御質問等があればお願いします。

○松月委員  3 の事例ですが、これは低位前方切除の腹腔鏡下の会陰式の載石位を取るための道具です。これは非常に配慮されていて、添付文書に書かれているとおりだと思いますが、実際は理想的な形で患者の体位を固定したとしても、 10 時間に及ぶ手術では、内視鏡の光源やコード、また術者が何人かは分かりませんが、非常に術野が狭く、術者の立ち位置も制限されたり、様々な影響でケースごとに状況が違うのではないかというのが、私の手術室での経験から感じることです。そういうこともあるので、これは、必ず足の上に物が来ないような手順だったのではないかと思います。 4 時間ごとの測定と確認などは、あらゆる影響が考えられるので、それを排除しようということでの確認だと思うのです。時間ごとに確認をしなければいけないのだということの根拠になるのは、必ずきちんと固定しても周辺の環境の影響を受けるということです。また、術者にとっては今ここを切除しようと思ったら、この体勢でなければ絶対できないという限界もあるので、何か根拠になるものを 1 つでも入れておいていただけると、例えば看護師が医師に「危ない」と言うと、真剣にやっている医師に「うるさいな」と言われることもあるので、その際に、「添付文書にこのように書いてあります」という根拠に使えるかと思いました。いつも載石位を取っている看護師の立場から、どうしてこうなったのかを考え、発言しました。

○外部会長 事例 3 について、この中で看護手順が作成されていますが、そこでは 4 時間を目安に体位の見直し、この手術は頭を非常に低くして手術して足が上がっているので、それで足に負担が来ているのではないかと。 4 時間でそれを解除するようにという手順では書かれていますが、それよりも足に何かが当たっていないかとか、そういうものを常時気を付けなさいということですね。そういうことを、この中の使用上の注意等でも書き入れるべきではないかというコメントだったと思います。この事例についてはいかがでしょうか。

 私もこれで対策が十分できているかどうかについては、どうかなという疑問を持ちます。手術はうまくいったけれども、コンパートメント症候群を起こす。それによって足の再手術等も必要になるぐらいなので、このリスクをいつも背負った手術台が本当にこれでいいのかは、少し疑問に思いました。足首だけ固定して、膝は自由になっているし、股関節も自由になっているので、固定性という意味では不十分ではないかと思います。以前は、大腿部分を固定する器具は、今もそれが使われていることも多いと思いますが、ある意味簡略化された固定になっていて、その固定部分の負担は大きいだろうと思いますし、体位によっては足への血流が非常に不十分になるわけです。

 また、例えば参考 2-3-3 10 ページにレビテーターに関する使用上の注意ということでこの会社から報告が行っていますが、この注意事項の 2 では「使用中は、足背動脈触知・皮膚色・冷感の有無により、血流障害がないことを確認すること」となっていますが、この使用中というのは、ここがすっかり覆われた状況で観察するのは不可能だと思うのです。手術中にそこを全部剥いでやらなければいけないわけで、こういうことは普通は不可能なので、こういうことを書くだけでは十分ではないだろうと思っております。ですから、根本的にこの機器を使う場合にはよほどの注意が必要かと思いました。

○目黒委員 松月委員の御意見は、基本的には運用で 4 時間ごとと書いてあるけれども、添付文書に具体的な時間を盛り込んではいかがかと。ただ、この 4 時間が適正かどうかは分からないけれども、それは今後検討してもらいたいということですね。私もそのように思ったので、血流などは体位を変えたりすると状況が変わるので、 4 時間では少し長過ぎるような気もするので、メーカー、あるいは検討できる場所で少し揉んでいただいたほうがいいかと思います。

○外部会長  3 番目の手術台についてはよろしいですか。

 それでは、それ以外の御発言をお願いします。

○目黒委員 医療機器を扱う立場なので、いつものことなのですが、医療機器は種類が多いので、部会長が言われたように多種多様で、我々が取り扱うものでないものもたくさんあります。使われているものが多い CV やポートの件については、今までも PMDA を始め注意喚起なり情報提供なりをしていますが、今後ともやっていかなければいけないと思います。

 また、若干寂しかったのは、我々臨床工学技士が誕生して四半世紀になりますが、 No.4 には「心肺技士」とあります。「臨床工学技士」と後で書いてありますが、まだ名前が周知されていないのは寂しいと思いました。それに関わる No.4 を見て分かるように、ロボットというものが出てきたことと、それらをどのように管理していくかも非常に大事なことかと思います。 No.4 を読むと、人工心肺をやっている技士がいなくて、いろいろな対応ができなかったということがあります。私もそうですが、人工心肺をやっている人は、この機械を見る場合には人工呼吸器、ペースメーカー、人工心肺を含めて幅広い知識がないと対応できない部分があるので、これは技士に病院の中の機械ではなくて、システムやヒューマンな部分の負荷がかなりかかっている部分だと思っています。

 これはまた後ほど出るかと思っていたのですが、ちょうど診療報酬も変わって、以前人工呼吸器に関しても出ていたのですが、看護師や先生たちが取扱いに不慣れな場合に対応してくれる人がいないと。それは臨床工学技士なのだろうと思いますが、そういう人たちがいることによって、今度、診療報酬に点数を付けていただいたので、少し変わっていくかと思います。ここの委員会とまた別に議論されているとは思いますが、私たちとしては非常に嬉しいことだと思います。ただ、それに対応する能力を身に付けるのが非常に大変だと思っています。数が多い部分ではそのように対応していただいているということと、いろいろな仕事が、今後医療機器が多様になってくる部分で、我々は負荷が多くなるということを感じております。全体的な印象を述べました。

○外部会長 医療機器全般に関して御意見をいただきたいと思いますが、ほかにいかがでしょうか。 da Vinci のロボット手術事例が初めて上がってきたように思います。これは、今回は準備の段階で立ち上がらなかったということで、ほとんど有害事象というわけではなかったのですが、今後、 da Vinci のロボット手術が増えていくのではないかと思われます。これが術中にストップしたり誤作動したりすると非常に大変なことになるので、こういうものも見ていかなければいけないかと思います。非常に大がかりなシステムですし、操作はその専門家でなければなかなか対応できないのではないかと思います。この事例に関しても、それを修理するのに数時間かかったということなので、術中だと大変だっただろうと思います。今後、こういうものは見ていきたいと思っております。

よろしいでしょうか。

 それでは、次の検討事項に移ります。議題 3 は「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業結果について」です。事務局より説明をお願いします。

○事務局 資料 3 を御覧ください。本報告書は、評価機構が公表している薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の平成 25 1 1 日~ 6 30 日の間に報告された 3,238 例のうち、事例内容「規格・剤形間違い」、「薬剤取違え」、「その他」に関する 1,379 事例と、「疑義照会」に関する 369 例について、 PMDA における検討会の結果を報告したものです。調査結果に、調剤報酬の算定誤り等を除いた 1,156 事例について、 4 つの区分に分けた件数を示しております。

 「医薬品の安全使用に関して、製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例」、及び「製造販売業者等により既に対策が取られているもの、もしくは対策を既に検討中の事例」は、今回はありませんでした。「ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例」が 917 件、「情報不足等のために製造販売業者による対策が困難と考えられた事例」は 239 件でした。

 次のページに、疑義照会に関する 369 事例について、その照会理由等を分類した結果が延べ件数にて示されております。なお、「ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例」については、委員から事前の御質問等はなかったので、資料が膨大になることから、本日は配布しておりません。

 資料 3 1 136 ページまでの一覧表は、疑義照会の 369 事例の調査結果ですが、本日はこの中の幾つかを御紹介します。

 資料 3 7 ページを御覧ください。事例 19 は、薬歴管理等の情報から判断し、疑義照会により処方変更がなされた事例です。薬歴上では、これまでワーファリン錠 5mg1 錠の処方の患者であったが、今回、ワーファリン錠 5mg 4 錠の処方であったため、疑義照会を行ったところ、ワーファリン錠 1mg 4 錠に処方変更となった事例です。

22 ページです。事例 68 は、年齢・体重換算の結果、疑義照会により処方変更がなされた事例です。 11kg の患児にメイアクト MS 小児用細粒 1 日量 0.6g の処方であったが、体重から用量が過少と判断し、疑義照会を行ったところ、メイアクト MS 小児用細粒 1 日量 0.9g の誤りであることが判明し、処方変更となった事例です。

29 ページです。事例 83 は、患者の症状等について聞き取った内容から判断し、疑義照会により処方変更がなされた事例です。マイスタン錠が処方されていた患者に症状を聞いたところ、眠れないとの回答であったため、疑義照会を行ったところ、マイスリー錠に処方変更となった事例です。

51 ページです。事例 144 は、お薬手帳の情報から判断し、疑義照会により処方変更がなされた事例です。エビプロスタット配合錠 SG2 錠の処方であったが、お薬手帳からはエビプロスタット配合錠 DB2 錠を以前服用していたことが判明したため、疑義照会を行ったところ、エビプロスタット配合錠 SG4 錠に処方変更になった事例です。

 御紹介した事例以外については、時間の関係で説明は割愛しますが、今後同様の事例の集積を行い、対応を検討していきたいと考えております。

資料3については以上です。

○外部会長 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業収集結果について説明していただきました。ほとんどがヒューマンエラー、ヒューマンファクターに起因すると考えられた事例、あるいは情報不足のために対策困難と考えられた事例という説明でした。全体の中から数例ピックアップして説明がありました。この薬局ヒヤリ・ハット事例について、何か御意見等ありましたらお願いします。

○森委員 事務局から 7 ページの 19 番のワーファリンの事例を紹介いただきました。今日の報告でほかの所にも入っていたと思うのですが、ワーファリンに関しては以前もいろいろな注意が出ています。ワーファリンは過量投与でも過少でも非常に大きな事故になりやすいものです。私の薬局でも、 1mg 錠と 5mg 錠の処方が違ったという経験をしています。今から製造販売業者での対策ということで、例えば 5mg 錠の販売を中止することは難しいとは思いますが、これだけハイリスクな薬剤に関して、今後 0.5mg から 5mg まで 10 倍の差がある製剤を出すようなことは、ないようにしていただければいいかと思います。

 もう 1 つ、疑義照会の内容が、 1 枚の処方箋の情報による疑義照会から、薬歴を使用する、お薬手帳を使用する、患者と会話をすることによる疑義照会が増えてきました。その中で、前回も幾つか報告されていましたが、常用量の処方で、本来であればそのまま疑義照会をしないで通してしまったかもしれない事例ですが、患者の生理機能、腎機能に着目した上で医師に疑義照会をして、用量が変更になった事例が報告されています。薬局の薬剤師も様々な情報を使い、安全性を確保するようにしていきたいと思っております。

○外部会長 ワーファリンの 5mg 錠が今あるのは、必要性はどうなのですか。私はその辺りをよく理解していないのですが、現状はなくしても困らないぐらいの使い方なのでしょうか。

○森委員 個人的な経験ですが、確かに患者の利便性という点では、 5mg 投与されている患者に関しては1 mg 錠であれば 5 錠飲まなければいけないわけですが、今は 2mg 錠も出ていますので、安全性の点を優先するのであればなくてもよいのではないかと思います。うちの薬局でも何回か 1mg 錠と 5mg 錠の処方が違ったということを経験しています。初めてワーファリンを調剤する患者には、それまで服用中の製剤について必ず確認しています。また処方変更になった場合には、検査値等を確認しながら注意して調剤していますが、土屋先生、この辺りはいかがですか。

○土屋委員 先ほど散剤の開発について申し上げましたが、 10 倍の濃度のものがどうなのかということがあります。よく起きている事故ではプレドニンの 1mg 5mg のエラーもかなり報告があります。 10 倍濃度が違ったときに、むしろ 10 倍違った製剤があるから、調剤のときに確認手順を確実に増やしておくことも必要です。また、日病薬が昔出したものでは、ジギタリス製剤、ワーファリン、あるいは抗悪性腫瘍剤、糖尿病用薬が出たときには、初回投与時に医師に確認をすることとあります。というのは、処方エラーが考えられるので、確実に薬歴等をチェックしながらやりなさいと、初回投与時には医師に確認することといったこともあり、逆に 10 倍違ったから、薬剤師が間違えると製薬会社が悪いという話にはならないのかなと思います。そこをやるのが薬剤師でしょうと、逆に言われてしまう可能性があります。ただ、恐らく対策としては確実に、ある病院でもやっていますが、例えば、「0.5 mg 」と全角で印字されていたので、それが「 5mg 」に見えたという事故事例もあるようですが、ワーファリンは確実に規格の所に○を付けて、それで注意を喚起して調剤する薬剤なのだという手順書に従い、手順をきちんとやっていくことは必要かと思います。不必要な規格はなるべくないほうがいいのですが、それなりに必要なものとして出てきた場合の対策としては、現場での対策として、そういうやり方はありかと思います。特にハイリスク薬なので、確実にそういう手順をやる。それだからこそ、ハイリスクのときには点数も高くなったりしているので、まずはその徹底を図っていくのかなと思います。ただ、中には最初に出たものの 7 倍のものが出て、次は 30 倍のものが出たという薬もあるぐらいで、 30 倍飲んでも問題ないという骨粗鬆症関係の薬もあります。だから、何倍が危険指数かというと、必ずしもそうは言えないし、適用外になるかもしれませんが、忘れたら忘れた分全部飲み直せばいいという格好にもなってしまうので、その辺りは薬ごとで考えていくしかないという気がします。

○森委員 誤解がないように、決して製薬会社が悪いと言っているわけではありません。また、今、土屋先生が言われたように、私の薬局でも様々な事故報道やハイリスクな薬剤ということで、特別な手順を決めて調剤をしています。新患の場合には必ず確認をする、また、例えば入院中の服薬を確認する、処方変更になっていなくてもなっていても検査の状況等を確認しています。薬剤師としてはしっかりやらなければいけないと思っております。

○外部会長 ほかに、薬局ヒヤリ・ハットについてはいかがでしょうか。マイスリーとマイスタンの名称類似は、前から指摘されているのですか。

○土屋委員 このところ起きているのが、 3 文字がどうのと言っていますが、マイスリー、マイスタンは製薬企業でも御注意くださいという形で出ています。今、名前を最初から変えないものがあって、ただ、それを企業に求めても無理な部分は我々が注意するという形なのかなと思います。

 もう 1 つ、ここでチョロチョロ出ているのが、一般名処方によるエラーです。選択エラーみたいなものが出てきているので、保険で一般名で書くと 2 点というときに、現実のシステムはどうなっているかというと、販売名で選択をしておいて、印字だけ一般名にするというのが多く出ております。そうすると、処方した側が必ずしもその名前で処方したかどうかという意識がないということがあって、疑義照会のときに難しくなってきています。 368 番のようなものもあるので、通常のシステムのエラー防止は、販売名同士の類似についての警告画面は持っているのですが、一般名は元々が似ているので、必ずしも警告画面を持っていない、あるいは印字のときだけに使っているので、そういった意味では警告システムがないということもあるので、この辺りは一般名処方が普及したときの副作用なのかなという気がします。以前も申し上げたことがありますが、配合剤まで無理やり一般名にしているのです。配合剤は一般名にできないから、配合剤についてはブランド名を付けていいというルールに医薬食品局ではなっているのですが、保険局の一般名処方マスタでは「プロメタジン 1.35 %等配合非ピリン系総合感冒剤」と。そんな一般名はないわけで、 PL 顆粒は PL 顆粒でしょうと言いたいのですが、本来一般名で書けないものを無理やり保険の一般名に入れてしまうことについては、何らかの形で修正いただかないと、こういう話が増えれば増えるほど、しかも最近配合剤がどんどん認められているので、何年か後にはそういう話がまた問題として出てきてしまうのかなという気がするので、そこは是非、局が違うとはいえ、何らかの格好でやっていただきたいと思います。

○外部会長 貴重な御意見ありがとうございます。

○望月委員 マイスリーとマイスタンは、薬学部の学生たちにも必ず教えている事例の 1 つになっております。

 話は変わりますが、今、配合剤の話が出ていたので、 95 番の症例が PL 顆粒とカロナールという錠剤との一緒の処方で、アセトアミノフェンの量が非常に多くなるという事例ですが、配合になっているときに、中身が重複になることに気付けない部分も一方ではあるかと思います。私がここで言いたいのは、アセトアミノフェンは市販薬にもかなり風邪薬や鎮痛薬として入っていて、市販薬と医療用医薬品との重複や市販薬の中でも重複とか、そこに今後は十分な配慮が必要な部分が出てくるかと思います。一般の方への啓発も含めて、特に今、米国でもアセトアミノフェン製剤が結構問題視されているので、注意喚起していただく対策が必要ではないかと思います。よろしくお願いします。

○外部会長 薬局の薬剤師の知識としては、アセトアミノフェンの含有については大体常識化しているということですね。そこで疑義照会がかかるのは非常に有り難いことだと思います。

 先ほど指摘がありましたが、医薬食品局とそちらの意見の違い、配合剤の記載については、厚労省から何かコメントはありますか。

○安全使用推進室長 保険局ともお話はしてみたいと思います。

○外部会長 今後、その辺りが問題になりそうですので、一本化するようにしていただければと思います。薬局ヒヤリ・ハットについてはよろしいでしょうか。

 それでは、検討事項が終わりましたので、報告事項に移ります。事務局から説明をお願いします。

○事務局 続いて資料 4 を御覧ください。こちらは前回の本部会以降に発出されました PMDA 医療安全情報になります。資料 4-1 PMDA 医療安全情報 No.39 「トラキマスク取扱い時の注意について」です。トラキマスクがずれ、気管切開チューブを塞ぐ事例が発生していることから、トラキマスクの使用中はマスクのずれや固定の緩み等の装着状態に注意することを紹介しています。

 資料 4-2 を御覧ください。 PMDA 医療安全情報 No.40 「ワクチンの取扱い時の注意について」です。ワクチン接種者の間違い、ワクチン製剤の取り違え及び有効期限切れワクチンの接種事例が発生していることから、接種ワクチン、ラベル、有効期限の確認をすることなど、取扱い時の注意点を紹介しています。

 資料 4-3 PMDA 医療安全情報 No.41 「硬膜外カテーテル操作時の注意について」です。硬膜外カテーテルを抜去する際、カテーテルが離断し、離断片が体内に遺残した事例が発生していることから、カテーテルに損傷を与えるおそれのある無理な挿入、引戻しを行わないよう、硬膜外カテーテルを操作する際の注意点を紹介しております。

 最後に資料 4-4 を御覧ください。 PMDA 医療安全情報 No.42 「経鼻栄養チューブ取扱い時の注意について」です。経鼻栄養チューブの取扱い時に、気泡音で留置位置を確認したが、チューブが気管に迷入していた事例及び抜けかけていたことに気付かず注入してしまったため、肺炎を引き起こした事例が発生していることから、挿入時に複数の方法で留置位置を確認すること及び注入前に挿入状態の確認をすることを、操作する際の注意点として紹介しております。資料 4 については以上です。

 また、平成 25 12 月、日本医療機能評価機構から、「医療事故情報等収集事業第 35 回報告書」が評価機構ホームページで公表されております。公表の際は都道府県はじめ、関係団体等へ報告書の公表を連絡するとともに、同様の事例の再発防止及び再発の未然防止のために、報告書の内容を確認の上、共有すべき医療事故情報等の内容に留意するとともに、注意喚起を促すよう、周知を依頼しました。以上です。

○外部会長 医療安全情報、 PMDA のほうから去年の 9 月から今年の 2 月まで、このような図入りで情報が流されております。何かこれについて御意見ございましたらお願いします。

○目黒委員 私たちは直接というか、傍らで見ていることも多いのですが、このカテーテル関係の操作については、添付文書だけではなくて、 PMDA のこの絵が好きでよく使わせてもらうのですが、非常に良いなと思っています。メーカーの方々も、情報を先生たちに勧めたりする場合には、あるいはフォローする場合にも、何とか一生懸命使っていただきたい。我々も使うし、メーカーさんも使っているのかどうか見えないのですが、使っていただければすごくいいのではないかなと思いました。

○外部会長 このように具体的に絵で説明するというのは非常に大事なことかと思います。私たちの病院でもこれを使っておりますし、是非厚労省としてもせっかくこういう方法がありますので、そちら側からも周知するように指導していただければと思います。医師会は使っておられるのでしょうか。

○高杉委員 医療事故調の話をしに行くときに、医療安全を一緒にします。これは可視化が一番いいので、これを必要な部署でコピーして病棟に配布してくださいと話しています。その部署その部署で必要なものを適宜取ってくださいと。例えば今のインフルエンザの予防ワクチンの間違いのケースの提示は、小児科の外来は絶対必要ですよね。これは絶対やってくださいと。見える化が一番役に立つと思いますし、いろいろな人のいろいろな部署の薬にしても、機器にしても、添付文書のあの説明は見る気がしないですね。こうやって可視化したものを見せられると非常に役に立つ。これはもう実践の防止になると思います。

○外部会長 ありがとうございました。ほかによろしいですか。そのほか何か事務局からありますか。今日の配布資料について。

○事務局 それでは、最後に当日配布資料としてお配りしております、「今後の医薬品・医療機器等対策部会について」という資料を御覧ください。本部会の対応案について御説明いたします。

 始めに、これまでの経緯と安全対策の現状についてお示ししています。別途お配りしております本部会の設置要綱などと併せて御覧ください。平成 13 5 月に設置された「医療安全対策検討会議」の下、医薬品・医療機器等の物の要因に係る安全管理対策について、専門的な検討を行うため、同年 8 月に本部会は設置されました。当初は厚生労働省の「医療安全対策ネットワーク整備事業」として、医薬品機構 ( PMDA) が対象医療機関より、インシデント事例を収集し、厚生労働省に報告、本部会において対策等を検討しておりましたが、平成 16 年より、日本医療機能評価機構が実施することとなりました。現在は、次のページの図にもお示ししておりますように、公益財団法人日本医療機能評価機構が実施する 2 つの事業で収集・公表された医療事故情報、ヒヤリ・ハット事故情報について、 PMDA の有識者会議が安全管理対策に関する調査・検討を行った結果を取りまとめた報告書等を基に、本部会での検討を行っているところです。厚生労働省では本部会や本部会の下に設置されたワーキンググループの検討状況等を踏まえ、具体的な改善策等を取りまとめるなど、医薬品・医療機器等の物に係る医療事故防止対策を実施しており、例えば医薬品の販売名や、外観が類似していることに起因する医薬品の取り違え等の防止対策等、これまで講じてきたところです。また、 PMDA では有識者会議による検討結果や、薬事法に基づく企業による不具合報告等の安全性情報の評価等を踏まえまして、厚生労働省とも連携して安全対策を実施しております。また、 PMDA 、日本医療機能評価機構では、医療事故情報、ヒヤリ・ハット事例の分析、対策の検討等を行いまして、医療安全情報の作成、ホームページ掲載等により、注意喚起、情報提供が実施されております。このような中、近年では、本部会の検討事項に関する報告事例のうち、「医薬品・医療機器の安全使用に関して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例」はごく少数で、ほとんどは「製造販売業者等により既に対策が取られているもの、もしくは対策を検討中の事例」であることからも、平成 13 年以降、物による安全対策は進んできており、今後の本部会のあり方について見直す時期にきているものと考えております。

 次のページです。そこで、「 2. 今後の対応案」にお示ししておりますとおり、本部会は近年では年に 2 回の頻度でほぼ定期開催をしてきていますが、上記の現状を踏まえまして、今後は医薬品・医療機器等の物に係る医療事故防止対策の検討が必要であると、事務局や座長等が判断した場合、必要に応じて随時開催することでいかがかと考えております。なお、 PMDA の有識者会議の検討結果の報告書等は、厚生労働省のホームページ掲載等による公表を検討することとしまして、今後も引き続き、厚生労働省医薬食品局と PMDA 安全部門と連携して、安全対策を実施するものと考えております。本資料の説明は以上です。

○外部会長 平成 13 年に医療安全対策検討会議というのが立ち上がりました。当時いろいろな医療事故が発生しておりました。特に医薬品・医療機器に関するものも非常に多かったわけです。例えば人工呼吸器に関する医療事故もかなり多くありました。あるいは薬剤に関するもの、具体的にはリドカイン 10 %による死亡事故等がありました。そういうものについて、この検討会議、あるいは部会によっていろいろな対策が打ち出されてきました。それによって、今日の事例でもありますように、例えば人工呼吸器に関するものは、頻度としては少なくなりました。ただ、相変わらず対策が取られている事例の報告はかなり上がっております。あるいはもう既に対策が取られている、検討中であるものが実際に上がってきているわけで、それをどう評価するかというのは、その対策が十分ではないのではないかということも言えるかもしれません。ただ、新しいものではなくて、追認する形でここで検討するというようなことになっているのが現状かというように思います。厚生労働省としては、今後この会の見直しといいましょうか、方向性を検討していこうというようなことでの今回の対応案の提示ではないかと思います。年 2 回開かれておりました本部会について、今後、必要であると判断した場合に随時開催というような形に変えていきたいということの提案がありました。これもこれまでの経緯で特に PMDA の力が大きいのではないかと思います。ほとんどの事例収集と対策が PMDA で具体的に打たれております。厚生労働省とのタイアップでいろいろな対策も進んできているということで、これが機能的に、実際的に力を発揮しているということで、今回の提案にもつながったのではないかと思います。何か御意見がありましたらお願いします。

○目黒委員 長くこの部会に関わってきて、 PMDA でも関わってきたのですが、物の会議ですので、対策がなくなってきていいのですけれども、部会長が言われたように PMDA の存在は大きくて、以前からありますヒューマンエラー、ヒューマンファクターに関わる部分が、物と関わる部分がなくなるということはないと思いますので、今後は注意しながら見てほしいし、なおかつそこら辺を踏まえた安全対策を、 PMDA をはじめ、関係する医療機能評価機構と連携を取りながら、余り密接になると連携を取っていいのかどうか問題があるのかもしれませんが、そこはきちんとつないでいってほしいと思います。

 それと、いろいろあるのですけれども、今までの経緯の中で私たちの臨床工学の環境がものすごく変わってきました。病院の中の安全対策というシステムの組織的な部分で、いろいろな病院の中、医療機関の中の安全対策が進んできたのも、 1 つ大きな要因ではないかと思います。物に対する考え方、フィードバック等も早く進んできているのかなという印象もありますので、今後とも機械はどんどん新しいものが出ますし、薬も出てくると思いますので、もっと有機的に進めていただければ有り難いと思います。

○外部会長 ありがとうございました。何かほかに御意見はありますか。

○土屋委員 第 1 回からずっと委員をしていた関係で言いたいなと思うのですが、本当に物の対策というものは、かなり取られたということは事実です。ですから、このところずっと続いているように、物の対策というものはもうないと思います。ある意味では対策は取られている、あるいはそれが実行されなかっただけだというというのですが、おそらく最大の問題点は、実行されない原因をどこに捉えるかということだと思うのです。これは以前、事故のことで FDA へ行ったとき、アメリカもバーコードを付けたけれども、実際現場では使っていないので、それを FDA の人にバーコードなんか現場で使っていないじゃないのという話をしたら、それは関係ないんだと。行政は行政としてバーコードを付ければ事故が減るという事実に基づいて通知を出し、製薬企業とかそういう所はその通知を守ればそれぞれが責任を果たしているのだと。だからあとは自己責任。しかも FDA は医療機関をコントロールしていないからと言っていましたが、厚労省の場合は残念ながらそうはいかないとは思うのですが、やはり振り返ったら医療機関だけが残されているという感じなのです。

 やることは分かっているのだけれども、やることがやれないこの環境をどうするのかというのは、実は平成 17 年に医療安全対策会議が 14 年に出した総合対策の 3 年後に見直しを行ったときに、今後の医療安全対策というのを出したのですが、そのときに附帯事項として、報告書に加えて、国及び都道府県は、安全安心で良質な医療の確保に必要な基盤整備と人材の確保、それに必要な財源確保について配慮することというのを付けているのです。それは精神論で医療安全対策をやるなということであり、このことは、やはり我々も気を付けなくてはいけないと思うのですが、実は平成 14 年に出された医療安全推進総合対策がその後どう読まれていくか。医薬品・医療機器の企業に対しての責務と役割というものも書かれているのです。ところが、この部会で社長を呼べとか、そういう話も昔あったぐらいですし、松月委員が当時ダブルバッグの未開通については作ればいいじゃないと具体的に提言されたら、それが今製品化しているのです。

 そのように、対策は確かにできているのだけれども、私がちょっと危惧するのは、日本の大手の製薬会社で、この医療安全推進総合対策に書かれている製薬企業の責務と役割というものを役員が一体何人読んだことがあるのかと聞いたら、 1 人も読んだことがないというのが複数あったのです。そのことは今いろいろな問題が出ている中で、企業がもう一度そこに書かれていることをもう 1 回読み直し、そのことは絶対忘れないでいただきたいという気がするのです。取りあえずの対策というのはいろいろ取れたとは思いますが、そこのところが一番気になるところではありますし、あとはビジュアル的な話もそうですが、製薬企業と付き合って分かるのは、情報の伝え方に対しての研究が全くできていないのかなと。いつも同じような紙の、紙を見ればどこの会社かすぐ分かるぐらいのものはあるのですが、一体何を伝えたいのか分からない。いっぱい書いてあって、そういうことからいくと、 PMDA が出しているこの医療安全情報の手法というものを、おそらく医療機器もそうですが、医療機関への情報の伝え方についてもっときちんと研究をしていただきたいなと。私どもも研究で福笑いといって同じ情報をどう並べると、それによって理解がどう違うかという研究もやったりしているのですが、やはりそういったことをやることが求められているのではないかと思いますので、この部会を閉じてしまいますと、いろいろな問題があると思いますが、少なくとも必要だといえば開いていただけるのだと思いますので、少なくとも今の時点で守るべきことは、情報の伝え方、あるいは企業には是非一度平成 14 年に出た「医療安全推進総合対策」、あるいは「今後の医療安全対策について」の 2 つの報告書の中で、医薬品と医療機器の企業に対していろいろ提案していますので、そこのところは是非もう一度読んでいただきたいなという気がいたしますし、我々は医薬品安全管理責任者とかそういうものを作って、その講習の中で常に啓発をしたりとか、あるいは守られていないことについてそれを題材にして、講義をしたりしておりますが、そういったことをやる必要があるのかなという気がします。

○松月委員 物の部会ということですが、病院で使っているのに、この中に入っていないものとして、私はベッドがあるといつも思っております。実はベッドは対象ではないので事故情報の収集すらされていません。ところがベッドによる死亡事故というのは起こっているわけです。製造業者に努力をしてもらうというところに、この部会の意味があるのだと思うのですが、医薬食品局と保険局の関係とか、少なくとも行政の中で協働してやってもらうと、もう少し現場の課題が解決できるものがあるのではないでしょうか。それが、この検討会の立ち位置ではないかなと私はいつも感じておりますので、是非そういう道もつないでいただきたい。今後この部会は休会ということでよいのですが、この検討の制度ができてから、一度も制度自体の見直しがされていませんので、休会に当たり、この仕組みの課題を是非御認識いただき、再度開くときには製造販売業者との間で解決できる問題だけではないと思いますので、もちろん第三者機関への届出制度も始まっているかもしれませんが、少なくとも病院の中には検討対象になっていない危険な物があることを、御認識いただけると有り難いなと思っております。改めて開く場合には、少し考慮・改良されて開かれると嬉しいかなと思います。

○森委員 確かに物による安全対策は関係者の努力で進んだと思います。また、現場での安全対策も進み、そういう中で、製造販売業者による対策が必要なもの、可能と考えられる事例は確かに減ってきたのではないかと思います。ただ、先ほどの事例のときに、土屋委員からもありましたが、一般名処方や後発品の使用が進み、また、多くの配合剤が販売され、今後、多くの配合剤の後発品も出てきます。そのような状況が変化している中で必要があれば開催をするということになると、安全対策が後退するのではないかと思います。現在、年に 2 回の開催ですが、 2 回はともかくとして、年 1 回は関係者が集まって議論をする場がまだ必要なのではないかなと思います。以上です。

○望月委員 私も最初からずっと出させていただいていまして、かなり対策が進んだということも事実であろうと思っておりますが、そうした中で、今回いろいろな事例を拝見していると、製造販売業者等により既に対策が取られているもの、若しくは対策を検討中という事例が出てきています。これらは、この部会で今後対策が必要かどうか議論していません。しかし、本当に製造販売業者等により既に対策が取られているということで、この部会として大丈夫だというように言ってしまっていいのかというのは、やや疑問なところもあります。先ほど土屋委員が正におっしゃっていたのですが、添付文書にこういうことが書かれていますという説明が今回繰り返しされたのですが、添付文書に書かれていて、通知文書を各企業が作られて、それで本当に十分なのだろうか、きちんと注意喚起が行動として医療者に変容をもたらすような注意喚起になっているかということまで考えると、本当に十分であるといえるような検証はされていないのかもしれないと感じるところがあります。どのような受け止め方をしていただくのか、ちょっと医療機器の場合、特に材料に近いようなカテーテルとか、そういったものの場合、わざわざ添付文書を毎回広げて、注意喚起を見るだろうかというのもありまして、ある程度箱のサイズが大きいものであれば、箱にどんな形で注意喚起を盛り込むことができるかとかも、今後は検討していく必要もあるのかなというところを感じました。私は医薬品についてやっていますので、なかなか箱のサイズというのは、特に一般用医薬品だと大きさに限界がありますので、そこに何かを書くというのは難しいので、添付文書をきちんと理解してもらっているのか、それが行動につながるのかというようなことも研究はさせていただいていますが、注意を添付文書に書いたからいいよということではなく、その注意喚起が効果をあげているかを今後は検討していただくことが必要ではないかと思います。

○浅田委員 製薬企業の立場から。今、望月先生、土屋先生のおっしゃるとおりだと思います。最近、 RMP (リスク管理計画)が入ってきまして、リスク最小化の手法としての物の問題も、事前に申請段階から検討することである程度体系化してきておりますので、そういうようなところの中でも、物としての問題点等についても、今後、企業は従来以上に考えていくと思います。それも公開されていくことになると思いますので、そういう所を踏まえて今後先生方にも見ていただきながら、より良い方向性を御指導いただければと思っております。

 情報提供につきましては、やはり添付文書の限界もありますので、パッケージですとか、そういう所の表示も含めて、これもいろいろと検討が必要だと思うのですが、迅速な情報提供すべきものと、患者さん等に分かりやすいような形で情報提供をうまく組み合わせるようなこともやはり企業としてはやっていかなければいけないとか、その辺りはもっと更に充実をする必要があるだろうと思っております。

 私も途中から参画ですが、いろいろやられてきたことをまとめていただいて、必要なものは何があるかというのをまた公開していただければ、そういうのをベースに企業も考えていけるのかなと思っておりますので、よろしくお願いします。

○瀬古口委員 歯科医師の立場からしますと、直接現状で発言をするような所というのは実際にはありません。私は途中から参加させていただきましたが、全身的な管理というところで、我々は口腔外科的なもの、インプラント等を含めて大きな関係があるかなと感じました。やはりこの PMDA の報告書等を見ておりますと、歯科と非常に似たような装置がこれにはある。命に関わるわけではないのですが、我々歯科の部門にもこのような問題は非常に参考になるというのもあったりとか、投薬についても、同じような参考になるものが非常にあって、聞かせていただいて発言をする場は余りないのですが、持ち帰って検討する材料の 1 つとなったのは事実ですので、今後もまたこういうようなものをやっていただいて、情報の提供は是非ともお願いしたいなと我々は考えております。

○土屋委員 薬のところで内服薬の処方箋の記載のことは、実はあれはヒューマンエラー部会マターなのです。私はヒューマンエラー部会のメンバーなのですが、 18 年に開かれて処方箋の書き方について決めなさいという話があって以来、一度も行われていないというのは、やはり薬局ヒヤリを見ても、確認不足とかそういうヒューマンファクターがらみがほとんどとなったときに、そこにおそらく何か問題がある。簡単に結論が出るものではないですが、そこのところは今後、参考 1 の裏側にある我が国の医療安全に対する仕組みをきちんと働かせていく必要があるという気がしますし、正に医療機関は、法律も変わりいろいろなことがあって、対策は取ったけれども、だからこそ出てきた。最初の頃は本当にお粗末なエラーが多かったのだと思うのですが、そうではなくておそらく医療特有のエラーが出てきていると思いますので、この場で言う話ではないと思いますが、今後、物と切り離せない部分がありますので、そういったところの対策を根本的に考えていかないといけないのかなという気がします。一番上の親会議はそう開く必要はないと思いますが、ヒューマンエラー部会はそろそろ開いてもいいのかなという気がしますので、是非そこのところを御検討いただきたいと思います。

○外部会長 ありがとうございました。この会が休会になるわけではなくて、発展的に考えていかなければいけないことだと思います。今までのあり方を少し見直して、検討課題も考慮して、随時必要なときには開いていく。私としてはこのようにいろいろな職種の方というか立場の方が集まって議論できるというのは、非常に貴重な場でもあります。そういうことからも、いろいろな意見を吸収して、対策を立てていくという、厚労省の役割としては非常に重要な委員会だというように認識しております。そしてヒューマンエラー部会、確かにずっと開催されていないということです。これは医政局としては、多分医療機能評価機構がその代わりをしてくれているというように考えているのではないかと思います。ただ、私たちのほうから言えば、医療機能評価機構がどのような対策を打ち出しているのか、ヒューマンエラーに対してどのような具体的な案を提示しているのか、それは余り見えてきていないように思います。非常に重要な部分で、これだけの膨大なデータが集まってその 7 割・ 8 割はヒューマンエラーだと。その解決に具体的にどういう対策を出してきているのか、それは医療機能評価機構の中だけでは不十分なわけで、せっかくの情報は厚労省の局長通知なりいろいろな通知として出すべきであろう。具体的な案が出ないのであれば実際にはどういうことが問題になっているかぐらいはやはり提示すべきではないかと思っております。医薬品・医療機器については PMDA の努力があって、具体的な案を示しておられます。私たちはそれに追認する形でこの会が開かれておりましたが、これからはやはり医療機能評価機構も交じえて、そちらの側から意見も踏まえて、こういう対策部会での検討が必要かと思います。もっと言えば医療安全対策を考えていく機会に発展していければと思います。厚労省のほうから何か今後のことについてありますか。

○安全対策課長 たくさんの先生から御意見を頂きましてどうもありがとうございます。 PMDA が平成 16 年にでき、その後体制も大分強化され、 PMDA の中の対策検討会が充実してきて、そちらの報告書をこちらに出していただいて、それを確認していただくというような形の会議が最近多くなっています。報告書の公開というのは今後もしていくことで、対外的にはいろいろ情報としては出せますし、医療安全情報の提供も今後も続けていきますので、その辺はできると思いますが、現在の形の会議の進め方、年 2 回、先生方に集まっていただくではなくて、必要に応じてテーマを決めて開催する。ベッドというのは、医薬食品局の所管でもないので、なかなか難しいところはありますが、例えば行った対策がなぜ実行されないのかとか、そういった検証を検討した上で、こちらで更にどうしていったらよいか検討していただくとか、年 2 回定期的に開催するというよりは、テーマを決めて随時必要なものについて検討をしていただくというような形に改めていくとか、今の部会の在り方を見直していく必要が、そろそろ議論の在り方としてあるのかなと思い、本日は提案させていただきました。いろいろ御意見いただきましたので、事務局内、 PMDA 、座長とも相談させていただきながら、今後の進め方を考えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○外部会長 よろしいでしょうか。今日の議題はこれで全て終了となりました。事務局から追加をお願いいたします。

○事務局 本日の議事録につきましては後日送付させていただきますので、内容の御確認をお願いいたします。また、御確認いただいた後は厚生労働省のホームページに掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。

○外部会長 では、皆さんありがとうございます。これで閉会としたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
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代表・電話: 03-5253-1111

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